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特表2023-511092対象の眼優位性を定量化する方法及び対象の眼優位性の定量化する方法を実施するための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】対象の眼優位性を定量化する方法及び対象の眼優位性の定量化する方法を実施するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/08 20060101AFI20230309BHJP
【FI】
A61B3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543561
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2021051071
(87)【国際公開番号】W WO2021148406
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】20305043.0
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルタ・エルナンデス-カスタニェーダ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ヴェルヌレ
(72)【発明者】
【氏名】ジルダス・マラン
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA13
4C316AA14
4C316AA16
4C316AA19
4C316FA01
4C316FB11
4C316FB12
4C316FY05
(57)【要約】
対象(4)の眼優位性を定量化するための装置(1)であって、対象(4)の第一の眼(3)に対して、第一の標的(22L、32L)を表す第一の画像(20L、SOL)を提供し、且つ対象(4)の第二の眼に対して、第二の標的(22R、32R)を表す第二の画像(20R、30R)を提供するための少なくとも1つのディスプレイ(7)と、少なくとも1つのディスプレイを制御するための制御ユニット(8)とを含む装置(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象(4)の眼優位性を定量化するための装置(1)であって、
- 前記対象(4)の第一の眼(2)に対して、第一の標的(22L、32L)を表す第一の画像(20L、30L)を提供し、且つ前記対象(4)の第二の眼(3)に対して、第二の標的(22R、32R)を表す第二の画像(20R、30R)を提供するための少なくとも1つのディスプレイ(7)と、
- 前記少なくとも1つのディスプレイ(7)を制御するための制御ユニット(8)と、
を含み、
前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)は、前記第一の画像(20L、30L)上の前記第一の標的(22L、32L)が、前記第二の画像(20R、30R)上の前記第二の標的(22R、32R)と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものであり、
前記第一の標的(22L、32L)は、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び前記第二の標的(22R、32R)は、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nであり、
前記第一の標的(22L、32L)の各点(PLi)は、前記第二の標的(22R、32R)の点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、前記第一の画像(20L、30L)内において、前記第二の画像(20R、30R)内の1≦i≦nについてのPRiと同じ位置を有し、
前記第一の標的の各点(PLi)に対して且つ前記第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ前記第一の標的に関する特徴値VLi及び前記第二の標的に関する特徴値VRiが対応し、
前記第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の前記特徴値は、異なり、かつ、
前記第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、
いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRj
である、装置(1)。
【請求項2】
- それぞれ前記対象(4)の前記第一の眼(2)の前、及び。前記第二の眼(3)の前の第一の光学ユニット(5)及び第二の光学ユニット(6)と、
- 各眼(2、3)の前の前記光学ユニット(5、6)の屈折力を変化させるための屈折力調整器であって、前記制御ユニット(8)によって制御される屈折力調整器と、
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記標的(22L、32L、22R、32R)の前記特徴値(Vn、V’n)は、光度又は色である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記標的(22L、32L、22R、32R)の形状は、
- 少なくとも4つの要素(34)を含む要素グリッドであって、前記少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素グリッドと、
- 少なくとも3つの要素(24)を含む要素ラインであって、前記少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素ラインと、
- 少なくとも3つの要素(34)を含む要素カラムであって、前記少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素カラムと、
- 少なくとも2つのフリンジ(34)と、
- 文字、又は視力表、又は図形と、
である、請求項1~3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御ユニット(8)によって実行される適応アルゴリズムであって、
前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)が提示されたとき、前記対象(4)にどのように見えるかを説明するレポートを受け取ることと、
前記レポートに従い、前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)の次の繰返しで提示される、前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)上の前記第一及び/又は第二の標的(22L、32L、22R、32R)の前記特徴値の調整を計算することと、
を行うように構成される適応アルゴリズムと、
前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)の前記次の繰返しを前記対象(4)に提供するように構成された標的生成コンポーネントと、
を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記制御ユニット(8)によって実行される適応アルゴリズムを含み、前記適応アルゴリズムは、
前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)が提示されたとき、前記対象(4)にどのように見えるかを説明するレポートを受け取ることと、
前記レポートに従い、前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)の次の繰返しにおける前記光学ユニット(5、6)の屈折力の調整を計算することと、
を行うように構成される、請求項1~5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の対象の眼優位性を定量化するための装置を含む屈折計。
【請求項8】
対象の眼優位性を定量化するための画像の組であって、第一の標的(22L、32L)を表す第一の画像(20L、30L)及び第二の標的(22R、32R)を表す第二の画像(20R、30R)を含み、
前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)は、前記第一の画像(20L、30L)上の前記第一の標的(22L、32L)が、前記第二の画像(20R、30R)上の前記第二の標的(22R、32R)と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものであり、
前記第一の標的(22L、32L)は、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び前記第二の標的(22R、32R)は、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nであり、
前記第一の標的(22L、32L)の各点(PLi)は、前記第二の標的(22R、32R)の点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、前記第一の画像(20L、30L)内において、前記第二の画像(20R、30R)内の1≦i≦nについてのPRiと同じ位置を有し、
前記第一の標的の各点(PLi)に対して且つ前記第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ前記第一の標的に関する特徴値VLi及び前記第二の標的に関する特徴値VRiが対応し、
前記第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の前記特徴値は、異なり、及び
前記第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、
いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRj
である、画像の組。
【請求項9】
対象(4)の眼優位性を定量化する方法であって、
- 第一の画像(20L、30L)を前記対象(4)の第一の眼(2)に対して提供するステップ(81)であって、前記第一の画像は、第一の標的(22L、32L)を表す、ステップ(81)と、
- 第二の画像(20R、30R)を前記対象(4)の第二の眼(3)に対して提供するステップ(81)であって、前記第二の画像は、第二の標的(22R、32R)を表し、
前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)は、前記第一の画像(20L、30L)上の前記第一の標的(22L、32L)が、前記第二の画像(20R、30R)上の前記第二の標的(22R、32R)と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものであり、
前記第一の標的(22L、32L)は、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び前記第二の標的(22R、32R)は、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nであり、
前記第一の標的(22L、32L)の各点(PLi)は、前記第二の標的(22R、32R)の点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、前記第一の画像(20L、30L)内において、前記第二の画像(20R、30R)内の1<i<nについてのPRiと同じ位置を有し、
前記第一の標的の各点(PLi)に対して且つ前記第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ前記第一の標的に関する特徴値VLi及び前記第二の標的に関する特徴値VRiが対応し、
前記第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の前記特徴値は、異なり、及び
前記第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、
いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRj
である、ステップ(81)と、
- 前記対象(4)が、前記第一の画像(30L)及び前記第二の画像(30R)からの融合画像を見ていることをチェックするステップ(82)であって、前記融合画像は、特徴値を有する融合標的を含む、ステップ(82)と、
- 前記融合画像の前記特徴値を説明する第一のレポートを生成するステップ(83)と、
- 前記レポートに基づいて、前記対象(4)の何れの眼(2、3)が優位眼であるかを特定するステップ(84)と、
を含む方法。
【請求項10】
前記対象(4)の何れの眼(2、3)が優位眼であるかを特定するステップ後、
- 前記レポートに従い、前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)の次の繰返しで提示される、前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)上の前記第一及び/又は第二の標的(22L、32L、22R、32R)の前記特徴値(VLi、VRi)への調整を計算するステップ(85)と、
- 前記調整された特徴値(VL’、VRi’)で前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像の前記次の繰返しを提供するステップ(86)と、
- 前記第一の画像及び前記第二の画像の前記次の繰返しからの前記融合標的の前記特徴値が前記対象(4)にどのように見えているかを説明する第二のレポートを生成するステップ(87)と、
- 前記対象が、その知覚に従い、前記融合画像の前記融合標的の前記特徴値が前記融合画像の前記融合標的の各点において一定であることを示すまで、前記先行ステップを行うステップ(88)と、
- 前記対象の前記レポートに基づいて、前記対象の眼優位性を定量化するステップ(89)と、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記標的の形状は、少なくとも3つの要素の組であり、前記少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有し、
前記標的の前記特徴値は、光度であり、
前記レポートは、前記融合画像の前記融合標的の最も明るい及び/又は最も暗い要素の位置を説明する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記標的は、少なくとも3つの要素の組であり、前記少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有し、
前記標的の前記特徴値は、前記標的の色であり、
VLi+VRi=VLj+VRj
であり、すなわち、VLi(VRi)は、第一の色に対応し、及びVLj(VRj)は、前記第一の色の補色である第二の色に対応し、
前記レポートは、前記融合画像の前記融合標的上の前記色の位置を説明する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
前記融合画像は、3D立体画像である、請求項9~12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
対象の両眼バランスを調整する方法であって、
- 第一の画像(20L、30L)を前記対象(4)の第一の眼(3)に対して提供するステップ(81)であって、前記第一の画像は、第一の標的(22L、32L)を表す、ステップ(81)と、
- 第二の画像(20R、30R)を前記対象(4)の第二の眼(2)に対して提供するステップ(81)であって、前記第二の画像は、第二の標的(22R、32R)を表し、
前記第一の画像(20L、30L)及び前記第二の画像(20R、30R)は、前記第一の画像(20L、30L)上の前記第一の標的(22L、32L)が、前記第二の画像(20R、30R)上の前記第二の標的(22R、32R)と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものであり、
前記第一の標的(22L、32L)は、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び前記第二の標的(22R、32R)は、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nであり、
前記第一の標的(22L、32L)の各点(PLi)は、前記第二の標的(22R、32R)の点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、前記第一の画像(20L、30L)内において、前記第二の画像(20R、30R)内の1≦i≦nについてのPRiと同じ位置を有し、
前記第一の標的の各点(PLi)に対して且つ前記第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ前記第一の標的に関する特徴値VLi及び前記第二の標的に関する特徴値VRiが対応し、
前記第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の前記特徴値は、異なり、及び
前記第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、
いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRj
である、ステップ(81)と、
- 前記対象(4)が、前記第一の画像(30L)及び前記第二の画像(30R)からの融合画像を見ていることをチェックするステップ(82)であって、前記融合画像は、特徴値を有する融合標的を含む、ステップ(82)と、
- 前記融合画像の前記特徴値を説明するレポートを生成するステップ(83)と、
- 前記レポートに基づいて、前記対象(4)の何れの眼(2、3)が優位眼であるかを特定するステップ(84)と、
- 前記融合画像の前記特徴値が前記対象にとって一定に見えるまで、前記第一の眼及び/又は前記第二の眼の前の屈折力レンズを調整することにより、前記対象の前記優位眼に対する矯正を提供するステップ(100)と、
を含む方法。
【請求項15】
- 前記対象の各眼の屈折を測定するステップ(91)と、
- 前記第一の眼及び/又は前記第二の眼の前の屈折力レンズを調整することにより、前記測定された屈折に基づいて矯正を提供するステップ(92)と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、対象の眼優位性を定量化する方法及び対象の眼優位性を定量化する方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡の処方及び製造は、6つの主な作業に分けられ得る:
・患者に関するパラメータを取得すること、
・取得したこれらのパラメータに応じて、レンズの光学面の形状を計算すること、
・レンズの光学面を成型し、機械加工すること、
・患者が選択した眼鏡フレームに関するデータ、特にこのフレームのリムの輪郭形状を取得すること、
・眼鏡レンズの芯出しを行うことであって、リムの輪郭を各レンズ上において、これらがその輪郭形状に合わせて機械加工されてフレームに取り付けられたとき、これらのレンズが、その設計目的である光学機能を実現し、予定通りとなることができるように適当に位置付けることを含む、芯出しを行うこと、及び
・レンズを成形すること。
【0003】
現在、患者の視覚的快適さを向上させるために、レンズの処方並びに光学形状及び性能、特に累進的な屈折力の変化を示すレンズ(一般に「累進レンズ」と呼ばれる)のものを最適化して、眼鏡フレームのリム内でそれらがどの程度良好に芯出しされるかを改善するための幾つかの研究がなされている。
【0004】
これを行うために、一層多くの患者関連パラメータを考慮しなければならない。
【0005】
これらのパラメータの中で、特に処方及び/又は患者のレンズの計算及び機械加工を個人化するために、患者の優位眼(又は「マスターアイ」)を特定することが模索されている。
【0006】
本明細書において、「優位眼」又は「眼優位性」とは、感覚優位眼であり、これは、異なる視覚的刺激を各眼が見たときの闘争状態において優位である眼を指す。
【0007】
患者の優位眼を特定するための様々な経験法が知られているが、これらは、実際には、患者がそれを使用する際の技能及び容易さによって完全に左右されるため、信頼性が低いことがわかっている。
【0008】
ごく一般的な1つの方法は、「ホールインカードテスト」又はドルマン方式とも呼ばれる「ホールインカード」方式である。
【0009】
この方法は、個人の優位眼を識別する最も確実な方法の1つであることが判明している。これは、
・中央に穴の開いたカードを患者に渡すことと、
・患者にこのカードを両手で持ち、腕をまっすぐに伸ばすように伝えることと、その後、
・患者に、両目を開いて、穴から、その前方の離れた位置に置かれた標的を見るように伝えることと(見る位置は、対象が穴の中央で標的を知覚する位置である)
を含む。
【0010】
その後、患者は、交互に片目を閉じてその優位眼を識別し、これは、実際には、標的及び穴と整列する眼である。そのため、患者が左目を閉じたときに標的が依然として穴の中央にあれば、右目が優位眼である。反対に、右目を閉じたときに標的が依然として穴の中央にあれば、左目が優位眼である。この方法により、優位眼を特定できるが、眼優位性を定量化することはできない。
【0011】
しかしながら、眼優位性の定量化は、処方された矯正及び/又は患者のレンズの計算及び機械加工を正確に個人化するための重要な点であり得る。そのため、それにより、場合によりあらゆる観視距離(近方視から遠方視まで)について、良好で快適な両眼視力に必要な両眼間のバランスを正確にとることができる。
【0012】
この必要性を満たすために、本明細書は、対象の眼優位性を定量化するための装置及び方法を提供する。特に、これは、両眼間の両眼バランスを評価して調整する自覚的方法である。それにより、眼優位性を定量化し、両眼間の相関のバランス(両眼間の球面屈折バランス)を精密にとることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本開示の1つの目的は、場合によりあらゆる観視距離(近方視から遠方視まで)について、対象の眼優位性を正確に定量化するための、視野闘争及び/又は抑制現象によって生じる不利な影響が回避されるか又は少なくとも軽減される方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的は、本発明によれば、対象の眼優位性を定量化するための装置を提供することによって達成され、これは、対象の第一の眼に対して、第一の標的を表す第一の画像を提供し、且つ対象の第二の眼に対して、第二の標的を表す第二の画像を提供するための少なくとも1つのディスプレイと、少なくとも1つのディスプレイを制御するための制御ユニットとを含む。第一の画像及び第二の画像は、第一の画像上の第一の標的が、第二の画像上の第二の標的と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものである。第一の標的は、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び第二の標的は、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nであり、第一の標的の各点(PLi)は、第二の標的の点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、第一の画像内において、第二の画像内の1≦i≦nについてのPRiと同じ位置を有する。第一の標的の各点(PLi)に対して且つ第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ第一の標的に関する特徴値VLi及び第二の標的に関する特徴値VRiが対応する。第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の特徴値は、異なり、及び第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRjである。
【0015】
この改良の1つの説明として、対象の視覚系がほぼ同じ第一の画像及び第二の画像を見るとき、それは、第一及び第二の画像間にいかなる矛盾も知覚せず、そのため、対象の左右の視路の一方又は他方の選択を行わない。このように、対象は、第一の画像及び第二の画像からの融合画像を見る。融合画像の標的は、第一及び第二の画像の標的と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状であり得るが、第一及び第二の画像の標的と異なる特徴値を有し得る。
【0016】
例えば、標的の各点は、少なくとも1つのディスプレイのピクセルであり得る。
【0017】
有利な任意選択の特徴によれば、装置は、第一及び/又は第二の標的の特徴値を変化させる手段を含む。この実施形態により、対象に第一及び第二の画像からの融合画像中のコントラストが見えなくなる、換言すれば、融合画像内の標的が見えなくなるまで、第一及び/又は第二の標的の特徴値を変化させることにより、優位眼を定量化することが可能となる。実際、融合画像内でコントラストが消えると、第一及び第二の標的の特徴値間の比から優位眼を定量化することができる。
【0018】
有利な任意選択の特徴によれば、装置は、それぞれ対象の第一の眼の前及び第二の眼の前の第一の光学ユニット及び第二の光学ユニットを含む。光学ユニットは、レンズの組であり得る。装置は、各眼の前の光学ユニットの屈折力を変化させるための屈折力調整器、例えばブラーレンズ又は屈折力を変更できる任意の機器も含み得る。装置のこの実施形態により、初期矯正に追加のプラス又はマイナス度数を加えることにより、優位眼は、ぼやけさせられ、すなわち曇らされる。また、対象にとって第一及び第二の画像からの融合画像内にコントラストが見えなくなるまで、換言すれば、融合画像内の標的が見えなくなるまで、この眼の曇りを段階的に晴らす。融合画像内のコントラストが消えると、両眼間の優位性の逆転が起こったことを意味し、これは、優位性の中断点を示す。優位性の中断点は、臨床応用において眼の優位性の有益な定量的指標であるように思われる。また、有利には、この実施形態は、調節の傾向を無効にすることを目的としている。調節は、特に小児において、また成人においても回避すべき落とし穴である。なぜなら、その検査中にその役割を無視すると、これによって遠視がわからなくなり、不適当な矯正を処方するリスクにさらすからである。
【0019】
有利な任意選択の特徴によれば、標的の特徴値は、光度又は色である。
【0020】
有利な任意選択の特徴によれば、第一の標的の少なくとも3つの点の特徴値は、異なる。
【0021】
有利な任意選択の特徴によれば、第一及び第二の標的は、周辺領域によって取り囲まれる。本発明者らは、同じ又は同様の周辺画像を含む2つの画像を対象の両眼に提供することにより、左右の視路のよくバランスのとれた融合を誘導することを見出した。その結果、対象にとって安定した画像が知覚される。
【0022】
有利な任意選択の特徴によれば、標的の形状は、少なくとも3つの要素を含む要素グリッドであって、この少なくとも4つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素グリッド、又は少なくとも3つの要素を含む要素ラインであって、この少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素ライン、又は少なくとも3つの要素を含む要素カラムであって、この少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素カラム或いは少なくとも2つのフリンジ又は文字、視力表若しくは図形である。
【0023】
有利な任意選択の特徴によれば、各要素は、要素の各点において同じ特徴値を有する。この実施形態は、対象にとって特徴値の知覚の位置の特定について表現しやすいように思われるため、よりよいパフォーマンスを示す。
【0024】
有利な任意選択の特徴によれば、制御ユニットは、制御ユニットによって実行される適応アルゴリズムであって、第一の画像及び第二の画像が提示されたとき、対象にどのように見えるかを説明するレポートを受け取ることと、レポートに従い、第一の画像及び第二の画像の次の繰返しで提示される、第一の画像及び第二の画像上の第一及び/又は第二の標的の特徴値の調整を計算することとを行うように構成される適応アルゴリズム、第一の画像及び第二の画像の次の繰返しを対象に提供するように構成された標的生成コンポーネントを含む。この適応アルゴリズムにより、装置及び方法は、より効率的且つ高速となる。
【0025】
有利な任意選択の特徴によれば、制御ユニットは、制御ユニットによって実行される適応アルゴリズムを含み、適応アルゴリズムは、第一の画像及び第二の画像が提示されたとき、対象にどのように見えるかを説明するレポートを受け取ることと、レポートに従い、第一の画像及び第二の画像の次の繰返しにおける光学ユニットの屈折力の調整を計算することとを行うように構成される。この適応アルゴリズムにより、装置及び方法は、より効率的且つ高速となる。
【0026】
代替的に、制御ユニットは、第一の画像及び第二の画像が提示されたとき、対象にどのように見えるかを説明するレポートを受け取ることと、レポートに従い、第一の画像及び第二の画像の次の繰返しにおける光学ユニットの屈折力の調整を計算し、且つ特徴値を計算することとを行うように構成されるアルゴリズムを含み得る。
【0027】
有利な任意選択の特徴によれば、融合画像は、3D立体画像である。
【0028】
本開示の1つの目的は、本開示に記載の装置を含む屈折計を提供することである。このような屈折計は、屈折異常に関する矯正を考慮した優位眼の補正を可能にするという利点を示す。
【0029】
本開示の1つの目的は、対象の眼優位性を定量化するための画像の組であり、これは、第一の標的を表す第一の画像及び第二の標的を表す第二の画像を含む。第一の画像及び第二の画像は、第一の画像上の第一の標的が、第二の画像上の第二の標的と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものである。第一の標的は、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び第二の標的は、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nであり、第一の標的の各点(PLi)は、第二の標的の点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、第一の画像内において、第二の画像内の1≦i≦nについてのPRiと同じ位置を有する。第一の標的の各点(PLi)に対して且つ第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ第一の標的に関する特徴値VLi及び第二の標的に関する特徴値VRiが対応する。第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の特徴値は、異なり、及び第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRjである。
【0030】
本開示の1つの目的は、請求項9~13による眼優位性を定量化する方法及び請求項14~15に記載の対象の両眼バランスを調整する方法を提供することである。
【0031】
本開示によれば、対象の眼優位性を定量化する方法は、
- 第一の画像を対象の第一の眼に対して提供するステップであって、第一の画像は、第一の標的を表す、ステップ、
- 第二の画像を対象の第二の眼に対して提供するステップであって、第二の画像は、第二の標的を表す、ステップ
を含む。
【0032】
第一の画像及び第二の画像は、第一の画像上の第一の標的が、第二の画像上の第二の標的と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものである。第一の標的は、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び第二の標的は、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nである。第一の標的の各点(PLi)は、第二の標的の点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、第一の画像内において、第二の画像内の1<i<nについてのPRiと同じ位置を有する。第一の標的の各点(PLi)に対して且つ第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ第一の標的に関する特徴値VLi及び第二の標的に関する特徴値VRiが対応する。第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の特徴値は、異なり、及び第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRjである。その後、方法は、
- 対象が、第一の画像及び第二の画像からの融合画像を見ていることをチェックするステップであって、融合画像は、特徴値を有する融合標的を含む、ステップ、
- 融合画像の特徴値を説明する第一のレポートを生成するステップ、
- レポートに基づいて、対象の何れの眼が優位眼であるかを特定するステップ
を含む。
【0033】
チェックするとは、本願において、対象が、第一の画像と同様の融合画像を見ているか否かに関する対象のフィードバックを得ることを意味する。フィードバックは、黙示的又は明示的であり得る。
【0034】
ある実施形態によれば、方法は、対象の何れの眼が優位眼であるかを特定するステップ後、
- レポートに従い、第一の画像及び第二の画像の次の繰返しで提示される、第一の画像及び第二の画像上の第一及び/又は第二の標的の特徴値(VLi、VRi)への調整を計算するステップ、
- 調整された特徴値で第一の画像(20L、30L)及び第二の画像の次の繰返しを提供するステップ、
- 第一の画像及び第二の画像の次の繰返しからの融合標的の特徴値が対象にどのように見えているかを説明する第二のレポートを生成するステップ、
- 対象が、その知覚に従い、融合画像の融合標的の特徴値が融合画像の融合標的の各点において一定であることを示すまで、先行ステップを行うステップ、
- 対象のレポートに基づいて、対象の眼優位性を定量化するステップ
をさらに含む。
【0035】
ある実施形態によれば、標的の形状は、少なくとも3つの要素の組であり、前記少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する。標的の特徴値は、光度であり、レポートは、融合画像の融合標的の最も明るい及び/又は最も暗い要素の位置を説明する。
【0036】
ある実施形態によれば、標的は、少なくとも3つの要素の組であり、前記少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する。標的の特徴値は、標的の色であり、
VLi+VRi=VLj+VRj
であり、すなわち、VLi(VRi)は、第一の色に対応し、及びVLj(VRj)は、第一の色の補色である第二の色に対応する。レポートは、融合画像の融合標的上の色の位置を説明する。
【0037】
ある実施形態によれば、融合画像は、3D立体画像である。
【0038】
- 本開示の1つの目的は、対象の両眼バランスを調整する方法を提供することであり、これは、第一の画像を対象の第一の眼に対して提供するステップであって、第一の画像は、第一の標的を表す、ステップ、
- 第二の画像を対象の第二の眼に対して提供するステップであって、第二の画像は、第二の標的を表す、ステップ
を含む。
【0039】
第一の画像及び第二の画像は、第一の画像上の第一の標的が、第二の画像上の第二の標的と同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものである。第一の標的は、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び第二の標的は、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nである。第一の標的の各点(PLi)は、第二の標的の点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、第一の画像内において、第二の画像内の1<i<nについてのPRiと同じ位置を有する。第一の標的の各点(PLi)に対して且つ第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ第一の標的に関する特徴値VLi及び第二の標的に関する特徴値VRiが対応する。第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の特徴値は、異なり、及び第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRjである。その後、方法は、
- 対象が、第一の画像及び第二の画像からの融合画像を見ていることをチェックするステップであって、融合画像は、特徴値を有する融合標的を含む、ステップ、
- 融合画像の特徴値を説明するレポートを生成するステップ、
- レポートに基づいて、対象の何れの眼が優位眼であるかを特定するステップ、
- 融合画像の特徴値が対象にとって一定に見えるまで、第一の眼及び/又は第二の眼の前の屈折力レンズを調整することにより、対象の優位眼に対する矯正を提供するステップ
を含む。
【0040】
ある実施形態によれば、対象の両眼バランスを調整する方法は、
- 対象の各眼の屈折を測定するステップ、
- 第一の眼及び/又は第二の眼の前の屈折力レンズを調整することにより、測定された屈折に基づいて矯正を提供するステップ
を含む。
【0041】
ある実施形態によれば、片眼の屈折を測定するステップ及び測定された屈折に基づいて矯正を提供するステップは、第一の画像を提供するステップ前又は優位眼に矯正を提供するステップ後に実現され得る。
【0042】
有利な任意選択の特徴によれば、方法は、第一及び第二の標的の知覚を変化させるステップを含み、第一の標的の特徴値と第二標的の特徴値との合計は、それぞれの前記実行において一定である。そのため、融合標的の知覚は、第一及び第二の標的の特徴値を調整するか、又は対象の各眼の前のブラーレンズを調整することによって最適化される。
【0043】
前述の装置の任意選択の特徴は、それぞれ請求項7、請求項8及び請求項9~15によって定義される屈折計、画像の組又は方法にも当てはまる。
【0044】
本開示に記載のこの装置及び方法により、利点は、以下の通りであるが、これらに限定されない:
- 優位眼の特定だけではない眼優位性の連続的定量化、
- 両眼間の相関の微細なバランス、
- 対象による理解しやすさ及び答えやすさ(文字の明瞭さを判断するのではなく、暗さレベルを比較するのみ)、
- 低い視力レベルでの使用、
- 優位性レベルを定量化するために、文字又はそれ自体の使用ではなく、標準両眼ステップ中の両眼/単眼屈折力の前/後の使用、
- 屈折結果又は屈折プロセスにおける各種パラメータを優位性レベルに合わせて適合可能、
- 視野闘争及び視性抑制の回避を促進すること。
【0045】
添付の図面に関する以下の説明により、本発明をどのようなものを構成するか、及びどのようにそれが実現され得るかが明らかとなる。本発明は、図面に示される実施形態に限定されない。したがって、特許請求の範囲において述べられる特徴の後に参照番号が付されている場合、この符号は、請求項の読みやすさを高めるためにのみ含まれており、請求項の範囲を決して限定しないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の一例による、対象の眼優位性を定量化するための装置を示す図である。
図2A】本願の1つの実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される、第一の画像及び第二の画像を含むペア画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを概略的に示す図である。
図2B】本願の1つの実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される、第一の画像及び第二の画像を含むペア画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを概略的に示す図である。
図2C】本願の1つの実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される、第一の画像及び第二の画像を含むペア画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを概略的に示す図である。
図3A】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図3B】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図3C】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図4A】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図4B】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図4C】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図5A】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図5B】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図5C】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図6A】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図6B】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図6C】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図7A】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図7B】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図7C】本願のある実施形態による、図1の装置によってそれぞれ対象の右眼及び左眼に対して提供される第一の画像及び第二の画像と、第一及び第二の画像の合計である画像とを含む図である。
図8A】本願のある実施形態による、対象の眼優位性を定量化する方法の幾つかのステップ、本願の他の実施形態による、対象の眼優位性を定量化する方法の幾つかのステップ、本願のある実施形態による、両眼バランスを調整する方法の幾つかのステップをそれぞれ示す図である。
図8B】本願のある実施形態による、対象の眼優位性を定量化する方法の幾つかのステップ、本願の他の実施形態による、対象の眼優位性を定量化する方法の幾つかのステップ、本願のある実施形態による、両眼バランスを調整する方法の幾つかのステップをそれぞれ示す図である。
図8C】本願のある実施形態による、対象の眼優位性を定量化する方法の幾つかのステップ、本願の他の実施形態による、対象の眼優位性を定量化する方法の幾つかのステップ、本願のある実施形態による、両眼バランスを調整する方法の幾つかのステップをそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、対象4の眼優位性を両眼式において、すなわち対象4が両目を開けて視線が遮られない状態で定量化するための装置1の主要要素を上から見て概略的に示す。
【0048】
装置は、第一の標的22L、32Lを表す第一の画像20L、30Lを対象4の第一の眼3に提供し、且つ第二の標的22R、32Rを表す第二の画像20R、30Rを対象4の第二の眼に提供するための画像表示システム等のディスプレイ7を含む。第一の画像及び第二の画像は、対象4に同時に、又は対象が第一の画像及び第二の画像が同時に見えたと知覚するような異なるタイミングで提供され得る。
【0049】
第一の画像20L、30Lは、対象の第一の眼2により、レンズの組等の第一の光学ユニット5を通して見られ得、他方では、第二の画像22R、32Rは、対象4の第二の眼3により、レンズの組等の第二の光学ユニット6を通して見られ得る。
【0050】
図1の実施形態において、第一及び第二の光学ユニット5、6の各々は、調整可能な屈折力の特徴を有するレンズ、ミラー又はこのような光学コンポーネントの組を含む。例えば、レンズは、調整可能な形状を有する変形可能液体レンズを含み得る。代替的に、光学ユニットは、異なる屈折力を有する変形不能レンズと、これらのレンズの幾つかを選択してまとめ、対象4がそれを通して見ることのできるレンズの組を形成できるようにする機械的システムとを含み得る。後者の場合、レンズの組の屈折力を調整するために、光学ユニット内に保管された他のレンズをレンズの組の1つ又は複数のレンズの代わりに使用する。そのため、眼2、3の各々の前の光学ユニット5、6の屈折力を変更するために、装置は、屈折力調整器を含み得、屈折力調整器は、手動で又は制御ユニット8によって制御され得る。
【0051】
これらの光学ユニット5、6の各々は、対象の眼2、3の一方の眼の前の、この眼の付近に(実際には5センチメートルを超えない)に配置されるものとされ、それにより、各眼2、3は、レンズを通して、レンズの組を通して又は光学ユニット5、6のミラーに反射させることによってディスプレイ7のスクリーン70を見ることができる。
【0052】
代替的に、対象は、光学ユニットを用いずにディスプレイを直接見ることができる。
【0053】
装置は、様々な距離(近方視、遠方視及び/又は中間視)における且つ/又は様々な注視方向(例えば、読書のための下向きの自然な注視方向、遠方視のための水平注視方向)についての眼優位性の定量化が可能になるように構成される。このスクリーン70は、対象から実際には25cm(近方視のため)から、Badalレンズ系等の特殊なイメージングシステム(図示せず)を使用する場合には無限まで又はイメージングシステムが使用されない場合(若しくは平面鏡を使用する)場合には約8メートルまでの距離に配置されるか、或いはスクリーンによって提供される第一の画像(1つ又は複数の周辺画像で構成できる)と、イメージングモジュールによって提供される第二の画像(中央画像の1つ又は複数で構成できる)との組合せを可能にし、第一及び第二の画像の何れも、場合により個々の眼のために可変的な距離で結像される、欧州特許第3 298 952号明細書で開示されるものと同様のシステム等である。
【0054】
第一及び第二の光学ユニット5、6の各々のレンズ、レンズの組又はレンズの組とミラーとは、全体的な球面屈折力S(球面光学屈折力、例えばディオプトリで表現される)を有する。また、その屈折力の円柱成分は、円柱面屈折力C(例えば、ディオプトリで表現される)を有し、その円柱の向きは、角度αで表される均等な円柱レンズのものである。対応する光学ユニット5、6によって提供される第一及び第二の屈折矯正の各々は、これらの3つの屈折度数パラメータS、C及びαの値によって特徴付けられ得る。この屈折矯正は、同等に、光学ユニット5、6の上述の屈折度数の特徴を表す他の何れのパラメータの組の値によっても特徴付けることができ、これは、トリプレット{M,J0,J45}であり、相当球Mは、球Sプラス円柱Cの半分と等しく(M=S+C/2)、J0=C/2cos(2α)及びJ45=C/2sin(2α)は、光学ユニット5、6のレンズ又はレンズの組の円柱面屈折力の特徴を表す2つのジャクソンクロスシリンダレンズの屈折度数である。
【0055】
本願のある実施形態によれば、第一及び第二の光学ユニット5、6のレンズ、レンズの組又はレンズの組は、球面であり、換言すればC=0であるブラーレンズであり得る。
【0056】
次に、ディスプレイ7に関して、ディスプレイは、スクリーン70を含み得る。
【0057】
スクリーン70の全範囲が第一及び第二の光学ユニット5、6の各々を通して見え得る。
【0058】
ディスプレイ7は、第一の画像20L、30Lを第一の偏光で表示し、同時に第二の画像20R、30Rを第二の偏光で表示することができる液晶表示スクリーン70によって実現され得る。第一及び第二の偏光は、相互に直行する。例えば、第一及び第二の偏光は、何れも直線であり、相互に垂直である。又は、同様に、第一の偏光は、左巻き円偏光であり、他方では、第二の偏光は、右巻き円偏光である。
【0059】
第一の眼の前の第一の光学ユニット5は、画像表示システム7からの光をフィルタ処理する第一の偏光フィルタを含み得る。第一の偏光フィルタは、第二の偏光を除去し、第一の偏光が通過して、それが対象の第一の眼2に届くようにする。そのため、第一の偏光フィルタを通して、対象の第一の眼2には、第一の画像20L、30Lが見えるが、第二の画像20R、30Rが見えない。
【0060】
同様に、第二の眼の前の第二の光学ユニットは、ディスプレイ7からの光をフィルタ処理する第二の偏光フィルタを含み得る。第二の偏光フィルタは、第一の偏光を除去し、第二の偏光が通過して、それが対象の第二の眼3に届くようにする。
【0061】
ディスプレイは、他の何れの分離方法も使用し得、例えば<<能動的>>分離であり、そのために各画像テストが高い周期で交互に表示され、その間に同期された電子シャッタが画像を見ないようにすべき眼をブロックする。分離システムは、ディスプレイ及び眼の両方に色フィルタを設置する色分離を使用することもでき、この場合、それぞれの側/眼は、相互に遮断する異なる色フィルタ(例えば、赤及び緑フィルタ)を有する。
【0062】
第一及び第二の画像(例えば、図2に示される)は、スクリーン70上で相互に一致する。これらは、何れもこのスクリーン上で同じゾーンを占める。
【0063】
ここで、スクリーン70は、対象の両眼視野の一部を満たし得、これは、少なくとも幅5度又はさらに少なくとも幅10度である。
【0064】
代替的な実施形態において、ディスプレイは、反射型受動スクリーン(例えば、アルミホイルスクリーン等)と、このスクリーン上に第一の偏光の第一の画像及び第二の偏光での第二の画像を投射する1つ又は複数のプロジェクタとによって実装され得、第一及び第二の画像は、スクリーン上で相互に重畳される。
【0065】
代替的に、装置は、2つのディスプレイを含み得る。1つの実施形態によれば、例えばヘッドアップ仮想現実機器を使用して、第一の画像は、第一の画像上に表示され、第二の画像は、第二の画像上に表示される。
【0066】
ここで、第一のディスプレイのスクリーン及び第二のディスプレイのスクリーンは、対象の単眼視又は両眼視野の少なくとも幅5度又はさらに少なくとも幅10度の一部を占め得る。
【0067】
代替的な実施形態において、第一及び第二のディスプレイは、例えば、第一及び第二のBadal様レンズ系によって実現され得、これらは、それぞれ対象の第一の眼の前及び第二の眼の前に設置される。これらのBadal様レンズ系の各々は、少なくとも1つのレンズと、このレンズを考慮中の表示スクリーンに結合する光路の長さを変更して、この表示スクリーンの画像を対象の眼からの調整可能な距離に形成するための変位システムとを含む。
【0068】
何れにせよ、少なくとも1つのディスプレイは、装置1の制御ユニット8によって制御される。
【0069】
制御ユニット8は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つの不揮発性メモリを含み得、第一及び/又は第二の標的の特徴値を変更/調整するように少なくとも1つのディスプレイを制御し、且つ/又は光学ユニット5、6の屈折力を変化させるために屈折力調整器を制御するようにプログラムされ得る。
【0070】
以下で詳細に提示され、図2A、2B及び2Cに示すように、少なくとも1つのディスプレイ7は、第一の標的22L、32Lを表す第一の画像20L、30Lを対象4の第一の眼3に対して提供し、且つ第二の標的22R、32Rを表す第二の画像20R、30Rを対象の第二の眼に対して提供する。
【0071】
第一の画像20L、30L及び第二の画像20R、30Rは、第一の画像20L、30L上の第一の標的22L、32Lが、第二の画像20R、30R上の第二の標的22R、32Rと同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものである。
【0072】
第一の標的22L、32Lは、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び第二の標的22R、32Rは、n個の点(PR1,...,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nである。第一の標的22L、32Lの各点(PLi)は、第二の標的22R、32Rの点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、第一の画像20L、30L内において、第二の画像20R、30R内の1≦i≦nについてのPRiと同じ位置を有する。第一の標的の各点(PLi)に対して且つ第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ第一の標的に関する特徴値VLi及び第二の標的に関する特徴値VRiが対応する。第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の特徴値は、異なり、及び第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRjである。
【0073】
したがって、第一の標的の2つの点(PLi、PLj)と合致する第二の標的の2つの点(PRi、PRj)の特徴値VRi、VRjは、異なる。
【0074】
「同一」とは、本明細書では、第一の標的と第二の標的との間の位置、向き、大きさ及び形状の類似性レベルが特定の閾値より高いことを意味する。
【0075】
しかしながら、代替的に、第一及び第二の標的は、相互に非常に類似し、ただし完全に同じではなく、例えば表示されるシーンの3D立体レンダリングが可能となる場合もあり得る点に留意されたい。それでも、このような場合、第一及び第二の標的は、それらの間の類似性レベルがある閾値より高くなるのに十分に類似しているであろう。
【0076】
類似性レベルは、例えば、第一の標的と第二の標的との間の正規化された相関積と等しい、すなわちそれらの間の相関積を第一の標的の自己相関と第二の標的の自己相関との積の平方根で割ったものと等しくてもよい。このような場合、上述の類似性の程度の閾値は、例えば、0.8と等しくてもよい。
【0077】
類似性レベルは、大きさ/形状の点で類似する2つの標的間において、対象が遠見距離で観察したときに6度未満の角度偏差として又は+/-1ディオプトリ未満の差として定義できる。
【0078】
より一般的に、類似性レベルの閾値は、基準類似性レベルの0.8倍と等しくてもよく、この基準類似性レベルは、第一の標的及び第一の画像自体間の類似性レベルであり、これは、第一及び第二の標的間の類似性レベルと同じ方法で(これが第一の標的のみに関する点を除く)計算される。
【0079】
代替的に、類似性レベルの閾値は、第一の標的とランダム画像との間で同様に計算されるレベルの10倍と等しくてもよい。
【0080】
類似性レベルの許容範囲は、同じ第一の基準画像と、それぞれ第一の基準画像及び相互から異なる別の第二の画像との2つの画像の連続的な組合せを対象に対して示し、それぞれ第一の基準画像との特定の類似性レベルを定義することによって経験的に定義できる。類似性レベルの許容範囲の下限は、対象が、提示されたシーンの3D立体レンダリングを知覚することのできない最も高い類似性レベルに対応する。類似性レベルの許容範囲の上限は、対象が複視又は抑制を訴える最も低い類似性レベルに対応する。
【0081】
特徴値は、光度又は色であり得る。光度の場合、標的の特徴値は、同じ色のグレイレベル又は強度若しくは振幅に対応し得る。
【0082】
第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の特徴値は、異なる。特徴値間の差は、コントラストを定義する。有利には、第一の標的の少なくとも3つの点(PLi、PLj)の特徴値は、異なり、それにより対象にとって優位性のバランスが取れていない場合に点間のコントラスト又は変動を知覚しやすくなる。
【0083】
図2Aは、第一の標的22Lを表す第一の画像20Lを示す。図2Bは、第二の標的22Rを表す第二の画像20Rを示す。第一の標的22L及び第二の標的22Rは、第一の画像上及び第二の画像上で同じ位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有する。実際、第一の標的22L及び第二の標的22Rは、同じ大きさの4つの円形要素24を含む同じ要素ラインであり、この要素ラインは、水平の向きであり、それぞれ画像の中央に位置付けられる。
【0084】
図2A及び2Cにおいて、第一の画像及び第二の画像は、n個の点を含み、特徴値は、光度である。第一の画像は、それぞれ特徴値VLi及びVLjを有する点PLi及びPLjを含む。VLi及びVLjは、異なるグレイレベルに対応し、特に図2Aにおいて、PLiは、明るく、PLjは、暗い。第二の画像は、点PRi及びPRjを含み、これらは、それぞれPLi及びPLjと合致する。PRi及びPRjは、それぞれ特徴値VRi及びVRjを有し、VRi及びVRjは、異なるグレイレベルに対応し、特に図2Cでは、図2Aにおける第一の画像と反対に、PRjが明るく、PRiが暗い。
【0085】
各要素24の内部において、特徴値は、例えば、図2A、2B及び2Cに示されるように一定であり得る。
【0086】
図2Bは、第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点PLi、PRiに関する第一の標的22Lの特徴値VLと第二の標的22Rの特徴値VRとの合計標的22Sを表す画像20Sを示し、換言すれば、合計標的22Sの各点PSiにおいて、特徴値は、VSi=VLi+VRiである。図2Bに示されるように、グレイレベルは、合計標的22Sの各点において同じである:いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRjである。
【0087】
そのため、本開示の3つの実施形態による図8A、8B、8Cの概略図が方法を示すように、第一の標的を表す第一の標的が対象の第一の眼に提供され81、第二の標的を表す第二の画像が対象の第二の眼に提供される81。前述のようなディスプレイにより、対象には、第一の標的及び第二の標的からの融合標的を表す、第一の画像及び第二の画像からの融合画像が見える。しかしながら、確実にするために、方法は、対象が融合標的を見ていることをチェックするステップ82を含み得る。
【0088】
チェックするステップは、対象に指示することにより、黙示的又は明示的であり得る。
【0089】
対象が、第一の画像及び第二の画像からの融合標的を表す融合画像を見ていない場合、第一の画像及び第二の画像の位置(第一の画像と第二の画像との間又は対象と画像との間)及び/又は大きさが調整され、且つ/又は特徴値が一方又は両方の画像上で変更され(バランスを調整するため)、対象に融合画像が見えるようにされる。
【0090】
第一の眼と第二の眼との間に優位眼がない場合、対象が知覚する融合画像の融合標的は、合計標的22S、32Sに対応し得、例えば対象にとって融合標的の全ての点が一定の特徴値を有するように見える。
【0091】
代替的に、第一の眼又は第二の眼で優位眼がある場合、対象が知覚する融合標的は、合計標的に対応しない場合があり、対象には、点が異なる特徴値を有する融合標的が見え得る。例えば、
- 第一の眼が優位である場合、対象には、点PSiが点PSjより暗く見えるか、又は
- 第二の眼が優位である場合、対象には、点PSiが点PSjより暗く見える。
【0092】
代替的に、特徴値は、第一/第二の標的の色であり得る。この場合、「VLi+VRi=VLj+VRj」は、VLiが第一の色に対応し、及びVRiが第一の色の補色である第二の色に対応し、同様にVLjが他の第一の色に対応し、及びVRjが、他の第一の色の補色である他の第二の色に対応する。例えば、VLiは、緑であり、VRiは、赤であり、VLjは、黄色であり、VRjは、紫である。他の例として、VLiは、緑であり、VRiは、赤であり、VLjは、赤であり、VRjは、緑である。したがって、
- 優位眼がない場合、融合画像の融合標的は、均一であり、換言すれば、対象は、全ての融合標的上で同じ色を知覚するか、
- 第一の眼が優位眼である場合、対象には、融合標的上の点PSiが点PLiの色に近い色に見えるか、又は
- 第二の眼が優位眼である場合、対象には、融合標的上の点PSiが点PRiの色に近い色に見える。
【0093】
そのため、VLiが緑であり、VRiが赤であり、VLjが赤であり、VRjが緑である場合、
- 優位眼がない場合、融合画像の融合標的は、均一であり、換言すれば、対象は、全ての融合標的全体をグレイと知覚するか、
- 第一の眼が優位眼である場合、対象には、点PSiが緑に近い色、点PSjが赤に近い色に見えるか、又は
- 第二の眼が優位眼である場合、対象には、点PSjが緑に近い色、点PSiが赤に近い色に見える。
【0094】
そのため、本開示のある実施形態によれば、融合標的の対象による知覚に基づいて、融合画像の融合標的の対象による知覚を説明するレポートが生成され(図8A、8B、8Cのステップ83)、それに応じて対象の優位眼が特定される(図8A、8B、8Cのステップ84)。
【0095】
本開示のある実施形態によれば、レポートを生成した後、第一及び/又は第二の標的22L、32L、22R、32Rの特徴値VLi、VRiは、手作業で又は調光スイッチ、調整器若しくは制御ユニット、好ましくは第一及び/若しくは第二の標的の特徴値を変更/調整し得る制御ユニットによって調整され得る(図8Bのステップ85)。
【0096】
本開示のある実施形態によれば、第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、第一の標的の調整された特徴値VLi’、VLj’及び第二の標的の調整された特徴値VRi’、VRj’は、
いずれのi及びjに関してもVLi’+VRi’=VLj’+VRj’
であるようなものである。
【0097】
この実施形態により、初期条件を保持しながら、異なるバランスで測定を再試行できる。
【0098】
本開示の他の実施形態によれば、
VLi’+VRi’=VLj’+VRj’=VLi+VRi
である。
【0099】
この実施形態により、常に一定の全体的コントラストを保持でき、これは、対象にとって変化を評価しやすい。
【0100】
本開示のある実施形態によれば、次のステップは、第一の眼に対して、調整/変更された特徴値VLi’、VLj’の第一の画像20L、30Lの次の繰返しを第一の眼3に提供し、調整/変更された特徴値VRi’、VRj’の第二の画像20R、30Rの次の繰返しを第二の眼2に提供することである(図8Bのステップ86)。
【0101】
本開示のある実施形態によれば、第一の画像及び第二画像の次の繰返しからの融合標的の特徴値を説明するレポートが生成される(図8Bのステップ87)。換言すれば、対象にとって第一の画像及び第二の画像の次の繰返しからの融合標的の特徴値がどのように見えるかを説明するレポートが生成される。
【0102】
眼優位性を定量化するための1つの実施形態は、対象が、その知覚に従い、融合画像の標的の特徴値が融合画像の標的の各点において一定であることを示すまで、上述のステップを何度か実行すること(図8Bのステップ88)である。最後に、対象が融合標的の各点における一定の特徴値を知覚した最後の繰返しの調整された特徴値から、対象の眼優位性が定量化される(図8Bのステップ89)。例えば、眼優位性は、優位眼に対して提示された第一の画像の標的のある点における特徴値と、他方の眼に提示された第二の画像の標的のそれと合致する点における特徴値との比をとることによって定量化され、例えば、優位眼が第一の眼である場合、比は、VLi’/VRi’となる。この比を用いて、優位性の品質/程度、すなわち強い/弱い優位性も評価され得る。
【0103】
代替的に、眼優位性を定量化するための他の実施形態は、図8Cに示されるように両眼バランスを調整することによる。そのため、対象の優位眼を特定するステップ84後、第一の眼及び/又は第二の眼に例えばレンズでの矯正が提供され100、好ましくは優位眼に対して例えばブラーレンズで提供される。有利には、非優位眼の屈折力を増大させることによって矯正するのではなく、優位眼をブラーレンズで矯正することにより、眼優位性ではなく、調節が矯正されることを回避できる。
【0104】
上述の実施形態に関して、適当な矯正は、繰返しによって取得され得る(図8Cでは図示せず)。換言すれば、第一の矯正が第一の眼及び/又は第二の眼に提供される。次に、本開示のある実施形態によれば、融合標的の特徴値又は換言すれば、対象にとってレンズを通して融合標的の特徴値がどのように見えるかを説明するレポートが生成される。その後、上述のステップを、異なる屈折力レンズ又は異なるブラーレンズを用いて複数回、対象が、その知覚に従い、融合画像の標的の特徴値が融合画像標的の各点において一定であることを示すまで繰り返される。最後に、屈折力又はブラーレンズから対象の眼優位性が定量化され、及び/又は両眼バランスが調整される。
【0105】
レンズの度数の変化は、優位性の定量化された値として直接提供され得る。代替的に、度数の変化は、定量化された優位性(例えば、強い又は軽い)であり得る。このデータを知ること又はそれをECPに提供することは、(例えば、不同視の場合)ECPが処方に関する決定を下すことを支援するために有益であり得る。これは、視力以外の決定ガイドであり得る。
【0106】
1つの実施形態によれば、繰返しステップを行うために、制御ユニットは、適応アルゴリズムを実行し得る。適合アルゴリズムは、第一の画像20L、30L及び第二の画像20R、30Rが提示されたとき、対象4にどのように見えるかを説明するレポートを受け取り、且つレポートに従い、第一の画像20L、30L及び第二の画像20R、30Rの次の繰返しで提示される、第一の画像20L、30L及び第二の画像20R、30R上の第一及び/又は第二の標的22L、32L、22R、32Rの特徴値の調整を計算するように構成される。対象4に対する第一の画像20L、30L及び第二の画像20R、30Rの次の繰返しは、標的生成コンポーネントによって提供される。
【0107】
有利には、両眼バランスを調整することにより、装用者に合わせた眼科レンズの対を特定することができる。そのために、ステップは、
- 対象の各眼の屈折を測定すること(図8Cの91)、
- 第一の眼及び/又は第二の眼の前の屈折力レンズを調整することにより、測定された単眼屈折力に基づいて矯正を提供すること(図8Cの92)
であり得る。
【0108】
その後、両眼バランスを調整する方法について説明された上述のステップが行われる。
【0109】
代替的に、両眼バランスの調整は、特に屈折力が両眼屈折力である場合、屈折プロセスの開始時又は屈折プロセス前に行われ得る。
【0110】
対象の各眼の屈折を測定することは、自動屈折計を使用する他覚的測定又は単眼ステップ若しくは両眼屈折力でのフォロプタを用いる自覚的測定であり得る。
【0111】
したがって、本開示の1つの目的は、本開示に記載の対象の眼優位性を定量化するための装置を含む屈折計である。
【0112】
患者が遠視ではない場合、有利には、非優位眼の屈折力を増大させることによって矯正するのではなく、優位眼をブラーレンズで矯正することにより、最終的に測定された単眼屈折力に合わせてブラーレンズを取り除き、したがって屈折力を低下させることにより、レンズの厚さを薄くすることもできる。
【0113】
標的は、例えば、図2A、2B、2Cに示されるように取り囲まれて、対象を標的によって集中させ得る。
【0114】
「概要」を示す部分ですでに述べたように、このような第一及び第二の画像を利用することにより、対象4の両眼視野が安定し、これらの画像の観察がより快適となり、(融合後に)対象が知覚する全体的画像の点滅又はちらつきが回避され、両眼離反運動の問題が限定される。このような画像が対象に対して提供される眼優位性眼方法は、したがって、より早く実行でき、より正確な結果につながる。
【0115】
それぞれ前述の特徴を有する第一の画像30L及び第二の画像30Rを含む第一、第二、第三、第四及び第五のペアのテスト画像について、以下の「画像」と題する部分で(図3A、3B、3C、4A、4B、4C、5A、5B、5C、6A、6B、6C、7A、7B及び7Cを参照して)説明する。
【0116】
本明細書に記載の装置の1つの実施形態によれば、これらのペア画像の1つ又は複数は、制御ユニットのメモリ内に記憶され、それにより、これらは、眼優位性方法が前述の装置1によって実行されるとき、ディスプレイ7によって表示できる。より一般的に、少なくとも1つのコンピュータプログラムが制御ユニットのメモリ内に記憶され、このコンピュータプログラムは、プログラムが制御ユニット8によって実行されると、装置1に、前述の特徴を有する方法(以下で詳細に説明する方法のような)を実行させる命令を含む。このコンピュータプログラムは、これらのペア画像の少なくとも1つを表すデータを含む。
【0117】
画像
後述の例示的なペア画像の各々において、第一の画像30Lは、対象4の第一の眼3に対する第一の標的32Lを表し、第二の画像30Rは、対象4の第二の眼に対する第二の標的32Rを表す。
【0118】
後述の例示的なペア画像の各々において、第一の画像30L及び第二の画像30Rは、第一の画像30L上の第一の標的32Lが、第二の画像30R上の第二の標的32Rと同一の位置、同一の向き、同一の大きさ及び同一の形状を有するようなものである。図2A、2B、2Cについて上で説明したように、第一の標的32Lは、n個の点(PL1,...,PLi,...PLj,...PLn)を含み、及び第二の標的(22R、32R)は、n個の点(PR1,..,PRi,...,PLj...PRn)を含み、ここで、n≧2、1≦i≦n及び1≦j≦nである。第一の標的32Lの各点(PLi)は、第二の標的32Rの点(PRi)と合致し、ここで、PLiは、第一の画像30L内において、第二の画像30Rにおける1≦i≦nについてのPRiと同じ位置を有する。
【0119】
1つの点は、ディスプレイのピクセルであり得る。
【0120】
第一の標的の各点(PLi)に対して且つ第二の標的の各点(PRi)に対して、それぞれ第一の標的に関する特徴値VLi及び第二の標的に関する特徴値VRiが対応する。第一の標的の少なくとも2つの点(PLi、PLj)の特徴値VLi、VLjは、異なり、及び第一及び第二の標的のそれぞれのn個の点(PLi、PRi)について、いずれのi及びjに関してもVLi+VRi=VLj+VRjである。
【0121】
その結果、第一の標的の2つの点(PLi、PLj)と合致する第二の標的の2つの点(PRi、PRj)の特徴値VRi、VRjは、異なる。
【0122】
図2B、3B、4B、5B、6B、7Bは、合計標的32Sを有する画像30Sを示し、図のように、特徴値は、合計標的の各点において一定である。
【0123】
特徴値は、図2A、2B、2C、3A、3B、3C、4A、4B、4C、6A、6B、6C、7A、7B、7Cに示されるように、光度であり得る。そのため、標的の特徴値は、グレイレベル又は同じ色に関する強度若しくは振幅に対応し得る。この実施形態は、異なる特徴値が異なる色に対応するため、色盲に関する問題が回避されるという利点を有する。
【0124】
代替的に、特徴値は、色(図示せず)であり得る。
【0125】
表示される第一及び第二の画像の各々は、以下を含み得る:
- 標的を有する中央画像、及び任意選択により、
- 中央画像を取り囲み、対象にとって左右の視路間のよくバランスのとれた融合プロセスに有益に寄与する周辺画像。
【0126】
したがって、画像は、何らかの複合画像であり得、さらに、これらは、周辺画像を含み、これは、それが占める視野の部分が広いため、一層安定化させるものである。そのため、このような複合的画像を収容するのに十分な余地を提供するために、前述したもののような広いスクリーンを使用することが非常に有益である。
【0127】
図2A、2B、2C及び6A、6B、6Cは、均一な周辺画像を有する画像を示す。代替的に、図3A、3B、3C、4A、4B、4C、5A、5B、5C及び7A、7B、7Cは、周辺画像の豊富で多様な内容を示す。
【0128】
有利には、第一の周辺画像の豊富で多様な視覚的内容は、この画像の安定化効果に寄与する。実際に、それは、第二の周辺画像中にあるものと同じ又は同様の冗長的な視覚的支援を提供し、これにより対象の左右の視路間のきわめて安定であり、よくバランスのとれた融合を可能にする。3Dシーンは、単眼及び両眼距離に関する知覚要素をもたらし得、それにより視覚系を安定化できるため、合焦と融合に役立つ。さらに、これは、視覚的観点から対象の注意を引き、対象が自らに対して提供されたテスト画像にピントを合わせた状態に保つことを促進する。
【0129】
ある実施形態によれば、周辺画像は、
- 豊富なシーンであり得、
- 3D(透視図)を用い得、
- 自然なシーンであり得、
- 立体であり得る(+又は-の視差)。
【0130】
標的22L、32L、22R、32Rの形状は、以下であり得る:
- 少なくとも4つの要素を含む要素グリッドであって、この少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素グリッド。例えば、図3A、3B、3Cは、6×6の要素34のマトリクスを含む要素グリッドである標的を示す。
- 少なくとも3つの要素を含む要素ラインであって、この少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素ライン。例えば、図2A、2B、2C及び7A、7B、7Cは、図2A、2B、2Cでは4つの要素24、図7A、7B、7Cでは9つの要素24を含む要素ラインである標的を示し、周辺画像は、図2A、2B、2Cでは均一であり、図7A、7B、7Cでは家内を示すために豊富である。
- 少なくとも3つの要素を含む要素カラムであって、この少なくとも3つの要素は、同じ形状及び同じ大きさを有する、要素カラム。例えば、図6A、6B、6Cは、4つの要素34を含む要素カラムである標的を示す。
- 少なくとも2つのフリンジ。このフリンジは、水平又は縦であり得る。例えば、図5A、5B、5Cは、暗いフランジと白いフランジとが交互である9つの縦フリンジの組である標的を示す。
- 文字、又は視力表、又は図形。例えば、図4は、均一な背景上の文字の組である標的を示す。
【0131】
要素は、正方形、円形、星形、動物又は他のあらゆる種類の形状であり得る。
【0132】
図形は、正方形、円形、星形、動物、物体又は他のあらゆる種類の形状であり得る。
【0133】
任意選択により、標的は、図4A、4B、4Cに示されるように均一な背景を含み得るか、又は例えば図3A、3B、3Cに示されるように均一な背景を含まなくてもよい。
【0134】
均一な背景の特徴値は、平均(VLi,VRi)であり得るか、又は他の何れの一定の値でもあり得る。
【0135】
任意選択により、中央画像は、図2A、2B、2C、3A、3B、3C、6A、6B、6C、7A、7B、7Cのように標的及び背景を含み得、例えば標的をハイライトするために背景が白い。
【0136】
さらに、前述の各ペア画像において、同じであるのではなく、第一及び第二の周辺画像は、第一及び第二の画像が相互に重畳され(それぞれのフレームが相互に一致する)、第一の周辺画像の幾つかの要素が第二の周辺画像の対応する要素に関してわずかに横にシフトして、提示されたシーンの3D立体レンダリングを可能にするようなものであり得る。より正確には、このような場合、第一の周辺画像は、対象の第一の眼2の位置から見える実際のシーン、物体又は抽象的図形を表し、第二の周辺画像は、対象の第二の眼3の位置から見える、同じシーン、物体又は抽象的図形を表すことになる。
【0137】
このような立体画像を利用することは、冒頭部分に記載の抑制現象を排除するための非常に効率的な方法である。実際、このようなテスト画像により、対象は、3次元的にシーンを知覚しようとする非常に強い傾向を示し、そのため、融合プロセス中に左右の視路の両方が考慮され(したがって「抑制現象」が排除され)、この3次元レンダリングを得ることができる。このような立体画像が利用された場合、その類似性レベルを計算する方法は、その3次元の性質を考慮するようになされなければならない。
【0138】
図2A、2B、2C、3A、3B、3C、6A、6B、6C、7A、7B、7Cの例は、これらの第四の実施形態では標的が水平に、縦に又はマトリクスに位置付けられたドットの組であるため、非常に類似した動作を示す。
【0139】
図4A、4B、4Cの例では、文字が使用され、第一の標的32Lは、グレイの背景とより暗い色の文字とを有し、第二の標的32Rは、グレイの背景と、第一の標的と同じであるが、より明るい文字とを有する。右が優位眼であると、使用者は、テキストをより明るいレベルで知覚する(白い文字/グレイの背景)。左が優位眼であると、使用者は、テキストをより暗いレベルで知覚する(暗いテキスト/グレイの背景)。バランスにより、テキストは、非常に知覚しにくくなる。
【0140】
図7A、7B、7Cの例では、第一の標的32Lは、9つの縦のフリンジの組であり、暗いフリンジと白いフリンジとが交互である。第二の標的32Rは、同じ形状であるが、PI位相シフトを有する。任意選択により、この場合、空間周波数は、眼の分解能(周期>>1’arc)より低い低空間周波数を有するように選択され得る。そのため、両眼視野のバランスがとられると、使用者は、フリンジを最小限のコントラストで知覚する。両眼視野のバランスがとられないと、フリンジは、より高いコントラストで知覚される。任意選択により、フリンジは、可視性を高めるために一時的に振動し得る。
【0141】
任意選択により、標的は、図2A、2B、2C、3A、3B、3C、6A、6B、6C、7A、7B、7Cにおいて示されるように、周辺領域によって取り囲まれて、集中度及び標的の見やすさを増大させ得る。
【0142】
任意選択により、標的の各要素の内部の特徴値は、一定であるが、少なくとも2つの要素間で異なる。この実施形態により、対象にとって特徴値の位置を説明しやすくすることができる。
【0143】
本開示の装置において使用される方法及び画像は、対話型の要素又はステップを使用し得る。キーボード又はパッドは、対象の回答を入力するか、又は対象が必要に応じて前のシーンに戻ることができるようにするために使用され得る。インジケータは、方法の進行度をグラフィクスで表示するために使用され得る。テスト及び/又はテストを説明し、テスト中に示される幾つかの物体に注目させる楽しく聞きやすいナレーションがテスト開始時に提供されて、対象によるテスト(質問/回答)に対する注意、協力、理解を得て、何よりも対象が視覚検査中にストレスを感じないようにし得る。
【0144】
本明細書では、代表的な方法、装置及び画像の組を詳細に説明したが、当業者であれば、説明され、付属の請求項によって定義される範囲から逸脱することなく、様々な置換形態及び変更形態がなされ得ることがわかるであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
【国際調査報告】