(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】照射装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20230309BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230309BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20230309BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230309BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
F21S2/00 390
F21Y103:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544352
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2021050493
(87)【国際公開番号】W WO2021148997
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512069599
【氏名又は名称】ジェイケイ-ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ゲルステンマイヤー, ユルゲン
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PA03
4C082PC01
4C082PC10
4C082PJ11
(57)【要約】
本発明は、光源固有の情報を含む識別ユニット(3)を備えた少なくとも1つの光源(2)と、少なくとも1つの光源(2)が、光源ホルダ(5)に形態適合挿入によって配置される、少なくとも1つの光源ホルダ(5)を備えたフレーム(4)、特に、反射フレーム(4)と、通信装置(7)の検出フィールド(B)を提供する領域(6)と、を備え、識別ユニット(3)が光源ホルダ(5)に形態適合挿入の結果として検出フィールド(B)内に位置付けられるような方法で、識別ユニット(3)が、少なくとも1つの光源(2)上に位置付けられる、照射対象に光を照射するための照射装置(1)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射対象に光を照射するための照射装置(1)であって、
光源固有の情報を含む識別ユニット(3)を備えた少なくとも1つの光源(2)と、
少なくとも1つの光源ホルダ(5)を備えたフレーム(4)、特に、反射フレーム(4)であって、その上に、前記少なくとも1つの光源(2)が、前記光源ホルダ(5)への形態適合挿入によって配置される、前記フレーム(4)と、
通信装置(7)の検出フィールド(B)を可能にする領域(6)と、を備え、
前記識別ユニット(3)が前記光源ホルダ(5)への形態適合挿入によって前記検出フィールド(B)内に位置付けられるように、少なくとも1つの光源(2)上に前記識別ユニット(3)が位置付けられる、前記照射装置(1)。
【請求項2】
前記検出フィールド(B)が前記フレーム(4)から実質的に垂直に延びる、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記フレーム(4)が金属であり、照射方向を規定する、請求項1または2のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項4】
前記領域(6)が前記フレーム(4)内のくぼみとして、好ましくは削り出された領域として設計されている、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項5】
前記領域(6)が非金属であり、好ましくはプラスチックからなる、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項6】
前記識別ユニット(3)が特定の符号を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項7】
前記識別ユニット(3)が、情報を読み出しできるRF識別ユニットである、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項8】
前記識別ユニット(3)が、情報を書き込みできるRF識別ユニットである、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項9】
前記識別ユニット(3)と前記通信装置(7)との間の距離が、前記通信装置(7)と前記領域(6)との間の距離よりも大きい、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項10】
前記通信装置(7)と前記フレーム(4)との間の距離が2mm~10mmである、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項11】
複数の光源(2)がそれぞれ識別ユニット(3)を備え、通信装置(7)が各識別ユニット(3)に割り当てられている、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項12】
複数の光源(2)がそれぞれ識別ユニット(3)を備え、正確に1つの通信装置(7)が前記識別ユニット(3)のそれぞれに割り当てられている、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項13】
前記通信装置(7)が評価ユニット(8)に接続されている、先行請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項14】
前記評価ユニット(8)が、前記識別ユニット(3)からの情報を使用して前記光源(2)を制御する、請求項13に記載の照射装置。
【請求項15】
照射対象に光を照射するための方法であって、
光源固有の情報を含む識別ユニット(3)を備えた少なくとも1つの光源(2)を提供するステップと、
前記少なくとも1つの光源(2)を、光源ホルダ(5)への形態適合挿入によって、前記少なくとも1つの光源ホルダ(5)を備えたフレーム(4)、特に、反射フレーム(4)内に位置付けるステップと、
定義された領域(6)に通信装置(7)の検出フィールド(B)を提供するステップと、
前記識別ユニット(3)が前記光源ホルダ(5)への形態適合挿入によって前記検出フィールド(B)内に位置付けられるように、少なくとも1つの光源(2)上に前記識別ユニット(3)を位置付けるステップと、を含む、前記方法。
【請求項16】
照射対象に光を照射するため照射装置内で動作するためのコンピュータプログラム製品であって、
a.検出領域を生成するべく通信装置(7)を起動させるステップと、
b.光源固有の情報を含む1つまたは複数の識別ユニット(3)を検出するステップと、
c.評価ユニット内で前記光源固有の情報を評価する及び/または記憶するステップと、を実行するように設計されている、コンピュータプログラム製品。
【請求項17】
a.前記光源固有の情報に基づいて、前記通信装置及び/または照射プログラム及び/または少なくとも1つの照射パラメータを制御するステップをさらに含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
照射対象に光を照射するための光源(2)であって、
光源固有の情報を含む識別ユニット(3)であって、前記識別ユニット(3)が、光源ホルダ(5)への形態適合挿入によって、領域(6)によって可能になる検出フィールド(B)内に位置付けられるように、前記識別ユニット(3)が前記光源(2)上に位置付けられる、前記識別ユニット(3)を備える、前記光源(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが独立請求項の前文に従って、適切な光源で生物に照射するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物、特に人体または人体の一部に光学的放射を照射するための装置が知られている。これらは、医療、美容及び/または治療分野で使用される。皮膚照射の分野では、例えば、その放射線が照射された人に光生物学的効果をもたらす放射設備が使用される。放射線は人の皮膚に当たるが、特定の波長によっては、身体のより深い領域に浸透する可能性がある。効果には、例えば、皮膚の日焼けが含まれるが、放射線から生じる他の生理的および心理的効果も含まれる。放射線には、紫外線(UV)放射、可視(VIS)放射、および近赤外線(nIR)放射のスペクトルが含まれる。UV放射線は、100nm~約380nmのスペクトルの波長、VIS放射線は、約380nm~約780nmのスペクトルの波長、nIR放射線は、約780nm~約1400nmのスペクトルの波長を有する。言及されたスペクトルは互いに混在する。用途に応じて、照射は上記のスペクトルの部分スペクトルに集中され得る。この目的のために、医療美容放射線放射設備は、個々の波長、例えば、放射管によって生成されるUV放射専用にすることもできる。
【0003】
使用者の皮膚に作用するための装置は、例えば、日焼けサロンで使用されるもののように、実践から知られており、色素沈着による皮膚の日焼けの目的で静止面または端面を形成するカバー上に照射される人が横になり、通常は複数の放射管、特に蛍光管を備えたUV放射線を放射する設備がカバーの下に配置される。そのような日焼け装置はまた、通常、さらなる放射管および第2のカバーを備えたさらなる構造ユニットを有し、これは、照射される人の上で一緒に旋回することができ、その結果、人は、全体にわたって均一に日焼けすることができる。
【0004】
言うまでもなく、生物、特に人体または人体の一部を照射する目的で使用される場合、承認された光源が、常に使用されることが非常に重要である。具体的には、照射装置の光源が常に一定の出力を持ち、耐用年数に応じて交換されることに確実に注意する必要がある。例えば、サンルームの場合、製品の種類と用途の種類に応じて、100~1000時間の寿命が見込まれる。光源の光度を判定するために使用され得る測定装置がある。ただし、これには人材が必要である。
【0005】
適切な光源の使用も、照射の成功のために非常に重要である。
【0006】
したがって、冒頭で述べたタイプの装置、特に、適切な光源を可能な限り簡単かつ明確に識別できる適切な光源で生物に照射するための装置および方法が必要である。
【0007】
本発明の目的は、適切な光源のみが使用され、特に生物または照射装置への損傷を回避することができる、露光のための照射装置を特定することである。
【0008】
本発明のさらなる特定の目的は、既知の技術の少なくとも1つの欠点を排除するそのような 装置および方法 を提供することであり、特に、単純で安価な装置および方法が提供される。
【発明の概要】
【0009】
本発明によれば、目的は、独立請求項の特徴を有する装置によって達成される。
【0010】
本発明の一態様によれば、照射対象または生物に光を当てるための照射装置が特定される。装置は、光源固有の情報を含む識別ユニットを備えた少なくとも1つの光源を備える。さらに、装置は、少なくとも1つの光源が配置された、少なくとも1つの光源ホルダを備えたフレーム、特に反射フレームを含む。光源は、光源ホルダに形態適合挿入によって固定される。定義されたまたは事前決定された領域は、通信装置のための検出フィールドを提供する。識別ユニットは、光源ホルダへの形態適合挿入により、識別ユニットが検出フィールド内に配置されるような方法で、少なくとも1つの光源上に位置付けられ得る。
【0011】
特定の実施形態では、検出フィールドは、フレームからある角度で、特にフレームから本質的に垂直に延びる。その結果、識別ユニットと通信装置との間の特に良好な通信を達成することができる。具体的には、特定の識別ユニットと特定の通信装置との間で特に良好な通信を達成することができる。
【0012】
フレームは金属製であることが好ましく、照射方向を規定する。フレームは金属トラフとして設計でき、それにより遮蔽機能を備える。
【0013】
本発明の特定の実施形態では、フレームは、その遮蔽特性のために、特に使用される材料により、検出フィールドの構成に影響を与え得る。
【0014】
本発明に関して、金属トラフとして設計されたフレームは、反射フレームと見なすことができる。代替で及び/または追加で、フレームは反射層を備えて設計され得る。本発明の文脈において、反射は、主に、光源によって放射された電磁放射、具体的には光の反射に関して理解されるべきである。反射効果は、金属構成及び/またはコーティングに加えて、またはその代替として、他の手段で達成することもできる。例えば、その反射面が、例えば、ダイアモンド形状の表面を有するパターンで、光の反射を改善するためにファセット化されている、ファセット反射器が設けられてもよい。フレームは、特に好ましくは、ファセット化されたアルミニウムコーティングされたプラスチックでできている。
【0015】
特別な実施形態では、領域は、フレーム内のくぼみとして、好ましくは、削り出された領域としても設計される。定義された領域が非金属であり、好ましくはプラスチックで構成されている場合、識別ユニットと通信装置との間の誘導結合の改善を達成することができる。
【0016】
識別ユニットには、各光源を一意に識別できるように特定のコードが含まれている。そして、光源の動作について安全な決定を下すことができる。
【0017】
特別な実施形態では、照射装置は、光源として複数の蛍光管を備える。これらの蛍光管は、縦方向の延長部と少なくとも1つの、通常は2つの端部要素とを有する。本発明の目的のために、蛍光管は、電圧を印加することによってグロー放電が電極間で点火され、次に点灯する、市販のガス放電管を意味すると理解することができる。しかしながら、本発明による教示の適用は、例えば、ガス放電管の代わりとして、例えば、適切なプラグイン接続を備えた管形態で使用することもできる光源としてのLED照明器具にも及ぶ。
【0018】
特別な実施形態では、蛍光管として設計された複数の光源が、照射野として並列に配置されている。これらの蛍光管はそれぞれ、個別の識別ユニットを有し得る。
【0019】
さらに特別な実施形態では、識別ユニットは、光源の長さに沿った特定の点に設けられる。同じ位置にあるすべての光源が特に好ましい。同様に、追加的または代替的に、特に好ましくは実質的に中心、特に管の形態で長手方向に延びる光源の光源要素の中心である。
【0020】
特定の実施形態では、識別ユニットは、長手方向に管の形態で延びる光源の光源要素の外周に取り付けられる。代替で、識別ユニットは、管の形態で長手方向に延びる光源の光源要素の内周に取り付けられる。
【0021】
特定の実施形態では、識別ユニットは、特に外周または内周で、光源に実質的に接続されている。この目的のために、識別ユニットは、例えばガラス成形型及び/またはプラスチックのケースに収容することができ、これを外周または内周に接着または溶接することができる。識別ユニットは、特に好ましくは、不正開封を防止する方法で光源に接続される。これは、例えば、修復不可能な損傷を与えるようにする識別ユニットの操作によって達成され得る。例えば、識別ユニットは、RFIDトランスポンダの形態とすることができ、そのアンテナは、長手方向に管の形態で延びる光源の光源要素の外周上に平らに延び、それにより、取り外すように試すことによりアンテナが破損または座屈し、トランスポンダを無効にする。
【0022】
さらに特別な実施形態では、識別ユニットは、光源上に一体に形成されたチャンバ内に収容される。
【0023】
特定の実施形態では、識別ユニットは、熱的に安定するように収容される、及び/または設計される。これは、例えば、制限なしに高温(室温に対して)の温度範囲で機能するように識別ユニットを設計することによって達成することができる。非常に特定の実施形態では、識別ユニットは、光源の中または上に本質的に断熱された空間に収容されることによって、熱的に安定した方法で収容される。これは、例えば、識別ユニットが埋め込まれ、絶縁層、例えば空気層を有するガラス成形型の形態で実施され得る。代替で及び/または追加で、識別ユニットは、本質的に、変形または他の方法でそれらの特性を変えることなく、好ましくは摂氏200度までなど、好ましくは摂氏500度までの温度範囲で使用され得る材料からなるという点で熱的に安定するように設計され得る。本発明の目的のために、ガラス成形型は、内部空洞を含む、均一に設計され、密閉された成形ガラス本体として理解されるべきである。識別ユニットはこの空洞内に収容される。
【0024】
特別な実施形態では、識別ユニットは、RF識別ユニットとして設計される。RF識別ユニットは、情報を読み取る、及び/または書き込むことができるような方法で、特に好ましくは設計されている。これは、少なくとも1回は書き込むことができるRF識別ユニット上のメモリで達成され得る。具体的には、メモリは、繰り返し書き込みされ得る。
【0025】
特定の実施形態では、光源は、照射装置の光源ベースと相互作用するように設計された、少なくとも1つ、好ましくは2つの端部要素を備える。この動的接続は、好ましくは、プラグイン接続を有し、少なくとも1つのプラグイン延長部を、端部要素から、対応する光源ベースのソケットとの電気的接続にもたらすことができる。特定の実施形態では、光源は、ベースの対応するソケットとの電気的接続のためのプラグイン接続に加えて、設置状態に形態適合を可能にする複数のプラグイン延長部を備える。光源が管の形態で長手方向に延びる光源要素を含む、特に好ましい実施形態では、プラグイン延長部は、光源を長手方向軸の周りで回転させることによって形状適合保持をもたらす。この実施形態では、例えば、特に管径に対して接線方向の第1のガイド溝をベース上に設けることができ、第1のガイド溝はプラグイン延長部を受けて、次にそれらを特に管径に対して放射状である第2のガイド溝に移す。長手方向軸の周りの光源の回転は、管の直径に対して放射状に通るガイド溝に沿った回転に対応する。接線方向では、このような光源は形状適合によってその動きが妨げられる。
【0026】
特に好ましい実施形態では、識別ユニットは、設置状態で、光源ホルダへの形態適合挿入により検出フィールド内に位置付けられるような方法で、光源上に位置付けられる。
【0027】
特に好ましい実施形態では、識別ユニットは、光源を、長手方向軸を中心に35~160度、好ましくは45~125度の角度だけ回転させた後、検出フィールド内に静止するような方法で光源上に位置付けられる。特定の実施形態では、識別ユニットは、光源が回転された後、通信装置に対して直角に静止するような方法で光源上に配置される。本発明に関して、例えば、2つのピンを備えた光源の位置決めに備えて、長手方向軸の周りの回転を考慮する場合がある。この光源には、光源ホルダに収容するための対応する挿入区画または溝を設けることができる。この実施形態では、光源の長手方向軸の周りの両方向への回転、すなわち、+または-45~90度の回転により、光源が光源ホルダにロックされる、及び/またはピンが電源に接触するようになる。この特定の例では、識別ユニットは、ピンの向きに対して、+または-45~90度の角度だけオフセットされ、その結果、回転すると識別ユニットが検出フィールドに静止するようになる。
【0028】
本発明のさらなる利点は、例えば、照射方向が定義された光源の場合、誤った設置が不可能であることがあり得る。そのような光源は、例えば、蓄積によって一方向への照射のみを可能にする反射面を有することができる。識別ユニットが検出フィールドに配置されていないため、誤った取り付け、つまり反射側を放射領域に向けて取り付けることにより、この領域への放射を防ぐことはできない。
【0029】
特定の実施形態では、検出フィールドは、通信ユニットの法線から90度~135度の角度で延びる。
【0030】
特に好ましい実施形態では、識別ユニットは、光源を長手方向軸の周りに回転させた後、通信装置から2mm以下または約1~2mmの距離で静止するような方法で光源上に位置付けられる。
【0031】
識別ユニットと通信装置との間の距離が、通信装置と定義された領域との間の距離よりも大きい場合、通信装置を定義された領域内またはその上に直接配置できるので、有利である。
【0032】
さらに特定の実施形態では、識別ユニットと通信装置との間の距離は、1~2mmまたは3~9mm、特に約6mmであり、通信装置とフレームとの間の距離は、これの約半分である。
【0033】
本発明の文脈において、「約」を伴うサイズ表示は、通常0.01~5%以内の、製造に関連する自然な変動を含むと理解されるべきである。
【0034】
特定の実施形態では、固有の割り当てがあるように、複数の光源がそれぞれ識別ユニットを備え、通信装置が各識別ユニットに割り当てられている。代替で及び/または追加で、ただ1つの通信装置が必要であるように、複数の光源はそれぞれ識別ユニットを備えることができ、通信装置はバルク検出用に設計され得る。具体的には、通信装置は、登録ログを保持し、受信したシリアル番号を記録することにより、複数の識別ユニットを次々に認識するように設計することができる。1回限りの実行または繰り返し実行した後、例えば、個々の識別ユニットの単一化があり得る。追加で及び/または代替で、識別ユニット(複数可)及び/または通信装置(複数可)は、衝突防止プロトコルで設計され得る。通信装置及び/または複数の通信装置は、特に好ましくは、それぞれの検出フィールド及び/または複数の検出フィールドを使用して識別ユニット(複数可)を位置特定するように設計される。これは、特定の例では、三角測量、確率的分析、決定論的分析、位置特定、例えば距離、方向などによる以前の較正、異なる識別ユニット間の周波数変動などからなる群から選択されたプロトコルによって実行され得る。
【0035】
特別な実施形態では、通信装置は、近接場送信機/受信機近接場を含む。特に、これは、検出領域にアンテナフィールドを生成し、検出領域に配置された識別ユニットを起動するように設計することができる。この特定の例では、識別ユニットには、独自の電源を備えていないパッシブトランスポンダが含まれる。
【0036】
特定の実施形態では、通信装置(複数可)は、制御可能であるように設計される。可制御性は、通信装置の性能を変調できるような方法で設計され得る。具体的には、変調された性能は、通信装置(複数可)が、検出領域にある任意の識別ユニット(複数可)を検索する、及び/または認識する検索プロセスとして実行できる。
【0037】
通信装置は、識別ユニットによって記憶された情報を処理するために、評価ユニットに接続され得る。
【0038】
特別な実施形態では、通信装置及び/または評価ユニットには記憶媒体が含まれる。記憶媒体は、例えば、データを記憶するためのローカルデータ記憶装置として、あるいはまた代替的または追加的に、特に外部記憶装置への無線接続として備えられ得る。さらに特別な実施形態では、記憶媒体は、取り外し可能な媒体を含む。
【0039】
さらに特別な実施形態では、記憶媒体は、光源に一意に割り当てることができるデータパケットを記憶するように設計されている。特に好ましくは、データパケットは、対応する光源の一意の識別のための特定のコーディング、光源のモードおよびタイプ、試運転の日付及び/または光源の最初の検出、光源の動作時間などからなる群から選択されるデータを含む。
【0040】
さらに特別な実施形態では、評価ユニットは、記憶媒体に記憶された情報及び/または通信装置によって検出された情報に基づいて光源の自動制御を実行するように設計される。例えば、光源の出力の低下を記録および追跡できる。さらに、評価ユニットは、最適化された、または法的に必要な出力、例えば放射線強度に関して光源を制御するように設計され得る。例えば、生物、特に人体または人体の一部の医療、美容及び/または治療部門における光学的放射を伴う照射に対する規制要件は、互いに異なる可能性がある。例えば、規制要件も国ごとに異なる場合がある。本発明の解決策により、光源および均一な照射装置を提供することが可能であり、医療、美容及び/または治療部門において生物に光学的放射を照射する場合、これらは、光源の識別および光源の制御を介して、変化する法的、規制または物理的要件に動的に適合させることができる。
【0041】
本発明はまた、例えば、複数の光源の全体的な実際の放射線強度をチェックおよび調整する評価ユニットによる生理学的及び/または法的最大放射線量の遵守を支持する。
【0042】
さらに、特別な実施形態では、評価ユニットは、光源の識別ユニットに記憶された情報に基づいて、互いに組み合わせて複数の光源を制御するように設計することができる。特に好ましい実施形態では、評価ユニットは、個々の光源の出力低下に関係なく、可能な限り一定である全体的な放射線強度を維持するために、複数の光源を調整する。これは、例えば、ある光源の出力の低下を他の光源からの追加の出力で補正することによって行うことができる。
【0043】
特別な実施形態では、評価ユニットは、識別ユニットからの情報に基づいて、光源の自動的な第1の較正を実行するように設計されている。この第1の較正には、例えば、光源を伴うテストランの開始及び/または他の光源と組み合わせた照射プロセスを実行することが含まれ得る。自動的な第1の較正はまた、例えば、上記のように、法的または生理学的要件を満たすために最大出力の設定を含むことができる。例えば、評価ユニットは、所望の放射線強度を得るために、新しい光源の出力を減らすことができる。
【0044】
特別な実施形態では、評価ユニットは、識別ユニットからの情報によって一度識別された光源を監視するように設計されている。監視には、ライン消費量、開始ピーク、動作寿命、動作時間などのパラメータを含み得る。
【0045】
特定の実施形態では、物理的ロックが光源及び/または光源ホルダ上に提供され、識別ユニットが検出領域に静止しないように照射装置に光源を挿入及び固定できなくなっている。そのような物理的ロックは、例えば、光源が誤ってホルダ内に挿入される及び/またはホルダ内で回転されないようにする、当業者によって容易に想像され得るキーシステム、溝、バルジ、フランジまたは他のロックであり得る。
【0046】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラム製品に関する。コンピュータプログラム製品は、照射装置で一連のステップを実行するように設計される。具体的には、コンピュータプログラム製品は、照射装置を操作するため備えられている。コンピュータプログラム製品は、第1のステップで通信装置を起動して検出領域を生成するように設計される。第2のステップは、光源に固有の情報を含む1つまたは複数の識別ユニットの検出を含む。さらなるステップは、評価ユニットにおける光源固有の情報の評価及び/または記憶を含む。
【0047】
特定の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、光源に固有の情報に基づいて、通信装置及び/または照射プログラム及び/または少なくとも1つの照射パラメータを制御するステップをさらに含む。
【0048】
本発明の文脈において、コンピュータプログラム製品は、照射装置のファームウェアの一部であり得る。具体的には、コンピュータプログラム製品は、そのような装置の制御モジュールに統合することができる。
【0049】
さらに特別な実施形態では、コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つの開始ルーチンを実行するように設計されている。本発明によれば、開始ルーチンは、例えば、検出領域に配置された識別ユニットが起動するような方法で通信装置の送信機/受信機、特に近接場送信機/受信機を起動することにある。通信ユニットを起動することにより、光源固有の情報を識別ユニットから読み取り、評価ユニットに送る、及び/または、記憶できる。さらに特別な実施形態では、コンピュータプログラム製品は、光源固有の情報を、光源固有の情報の事前定義されたデータベースと一致させるように設計されている。このようにして、例えば、光源の真正性を保証することができる。この場合、光源固有の情報には、例えば、データベースまたは対応する復号を使用して検証できる特定の一意のコードを含み得る。
【0050】
この特定の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、この検証ステップが完了するまで、照射装置内の光源の使用、すなわち起動を防ぐことができる。さらに、さらなる特別な実施形態では、コンピュータプログラム製品は、例えば、光源の動作パラメータが規制仕様に対応していない、及び/または、光源の動作パラメータが欠陥を示している場合、光源が起動するのを防ぐことができる。
【0051】
本発明の特定の利点は、そのような場合、コンピュータプログラム製品が、対応するサービスプロバイダに自動的に連絡し、欠陥のあるまたは許容できない動作パラメータを報告できることである。このような場合、適切なメンテナンス及び/または、適切な交換の組織化を開始することができる。
【0052】
さらに特別な実施形態では、コンピュータプログラム製品は、検出領域で識別された光源の第1の較正を実行するように設計されている。この例では、コンピュータプログラム製品は、新しく設置された光源を自動的に認識し、対応する較正を実行できる。そのような例では、照射装置に備えられるすべての光源は、患者及び/または物体に衝突するように組み合わせて設計され、特定の動作状態に維持され得る。例えば、コンピュータプログラム製品は、他の光源の出力を上げながら、個々の光源を暗くすることができる。その結果、コンピュータプログラム製品は、光源の群全体にわたって生成された一定の放射出力が維持されることを保証し得る。
【0053】
特に医療及び/または美容機器では、放射線装置の使用の安全性は特に重要である。この場合、コンピュータプログラム製品は、光源の不正使用が不可能であることを保証し得る。コンピュータプログラム製品はまた、これが照射装置全体の動作と調整する範囲で、通信装置の検出または起動を制御することができる。この特定の実施形態では、例えば、コンピュータプログラム製品は、通信装置の起動を照射装置のスイッチオフと調整するように設計することができる。これにより、通信装置が、光源によって大きく歪む可能性がある電磁界内で検出を実行する必要がなくなり得る。
【0054】
この理論に拘束されることなく、例えば、高出力光源が対応する放射線場を生成する場合、少なくとも無線周波数に基づく電磁界検出では、電磁場に妨害が生じる可能性がある。
【0055】
本発明のさらなる利点は、国固有の仕様とは無関係に、使用される光源を認識することによって出力に許容される照射プロトコルを動的に実装する照射装置を備え得るという事実に見ることができる。
【0056】
これらの光源は、コンピュータプログラム製品または評価ユニットによって認識され、対応する動作パラメータを自動的に再現できる。動作パラメータは、動的に、すなわち、対応する光源が識別手段を介して検出された後にデバイスにアップロードされ得るか、または事前定義された動作パラメータのセットが、本発明による照射装置にすでに提示されることができ、識別手段から読み取られた光源固有の情報との比較が、正しい動作パラメータの提供につながる。本発明の文脈において、コンピュータプログラム製品は、照射装置上に局所的に格納することができ、あるいは、代替的または追加的に、コンピュータプログラム製品は、周辺照射装置上の中央コンピューティングシステムから実行することができる。
【0057】
評価ユニットが識別ユニットからの情報を使用して光源を制御する場合、照射装置内の適切な光源のみの安全で信頼性の高い動作が保証され得る。
【0058】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】光源を備えた本発明による装置との配置を概略的に示す。
【
図2】複数の光源を備えた本発明によるさらなる装置との配置を概略的に示す。
【
図3】通信装置に対する識別ユニットを備えた配置の概略図と、ある角度による回転の可能性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1は、本発明による照射装置1の実施形態が、照射対象に光を当てるためにどのように設計されるかを概略的に示す。そのような照射は、多くの医療または治療目的のために人間または他の生物に役立つ。
図1は、光源2、例えば、可視光または非可視光スペクトルにおいて特別な放射線を放射するランプを示している。送信機とも呼ばれる識別ユニット3は、光源2上または光源2内に取り付けられている。光源2は、反射フレーム4に固定されている。このフレーム4は、遮蔽を提供する金属トラフ4として設計され、照射のための光の方向を指定する。フレームは、好ましくは湾曲しており、最適な照射のために設計されている。フレーム4上には、光源2が固定されているホルダまたは光源ホルダ5がある。光源2は、好ましくは、形態適合な様式で挿入することによって、光源ホルダ5にスナップされる。
【0061】
フレーム4は、通信ユニット7がその中又はその上に配置されている領域6を有する。評価または制御ユニット8は、通信ユニット7に接続されている。
【0062】
検出フィールドBは、領域6から広がり、これは、定義された領域または事前決定された領域と呼ばれ得る。検出フィールドBは通常は目に見えないため、図では破線で示される。通信ユニット7は、例えば、誘導結合により識別ユニット3を読み取ることができる。
【0063】
さらに、通信ユニット7が識別ユニット3に情報を書き込むことも可能である。低誘導結合を備えた書き込み/読み出しプロセスが好ましい。
【0064】
材料が、通信ユニット7の近くで起こる読み出し及び/または書き込みサイクルの結果に決定的な影響を与えることが示されている。領域6は、金属プレートなどの干渉物体あるいはアルミニウムまたは鉄などの材料が誘導結合を妨害するために設けられる。プラスチックプレートの配置は、すでにより良い誘導結合を可能にする。フレーム4すなわち金属トラフを削り出し、好ましくはプラスチックからなる非導電性領域6を導入することはさらに良好である。
【0065】
この理論に拘束されることなく、金属表面の近くの電磁界は、励起磁束に対抗する渦電流を誘発する可能性がある。これはレンツの法則として知られており、フィールドの弱体化につながる。非導電性材料は、重大な電界弱化を引き起こさない。
【0066】
フェライト遮蔽も、例えば、通信ユニット7と金属フレーム4との間に薄いプレートを使用して有益である。
【0067】
通信ユニット7が識別ユニット3とほぼ並列に配置され、わずかな回転が許容される場合は特に好ましい。識別ユニット3と通信ユニット7を上下に並べた直接配置。
【0068】
通信ユニット7は、誘導結合によって、RF識別ユニットとも呼ばれる識別ユニット3に作用し、受動識別ユニット3に記憶された情報を読み出すことができるアンテナを提供する。識別ユニット3に情報を書き込むことも可能である。
【0069】
13.56MHzの高周波RFIDテクノロジと近接場での誘導結合により、HF範囲で良好な結果を得ることができる。MHz範囲は世界中で利用可能である。通信ユニット7のサイズは、識別ユニット3と一致しなければならない。複数の識別ユニット3を同時に読み出すための非常に大きなHFアンテナまたは通信ユニット7は、金属環境のためにいかなる利点も期待できない。
【0070】
UHF範囲では、承認されたチャネルK4 865.7MHz、K10 866.9MHz、K7 866.3MHz、またはK14 867.5MHzを使用できる。通信ユニット7の指向性が良好であるにつれ、供給しなければならない出力は少なくなる。安定した通信を可能にするため、それに応じてRF出力を調整する必要がある。小さな周波数差にもかかわらず、送信と受信のプロパティは部分的にチャネルに依存する。
【0071】
図2は、複数の光源2を備えた照射装置1のさらなる実施形態の概略図を示している。光源2は、反射フレーム4に固定されている。各光源2は、関連するホルダすなわち光源ホルダに取り付けられる。ここでも、光源2は、好ましくは、形状適合様式で挿入されることによって、それぞれの光源ホルダ5内の所定の位置にスナップされる。
【0072】
フレーム4は、通信ユニット7がその中又はその上に配置されている領域6を有する。制御ユニットは通信ユニット7に接続されているが、図示されていない。
【0073】
この場合、いくつかの識別ユニット3をカバーする検出フィールドBは、領域6から延びる。通信ユニット7は、複数の識別ユニット3に対して読み出しまたは書き込みが可能である。これは、好ましくは、UHFユニットで実現され得る。
【0074】
図3は、通信装置7に対する識別ユニット3を備えた配置の概略図と、ある角度αによる回転の可能性を示す。ただし、この角度αはできるだけ小さくする必要がある。識別ユニット3のベクトルは
【数1】
で示され、通信装置7のベクトルは
【数2】
で示されている。読み出し及び/または書き込み動作のための最良の結果は、中心点の最小距離x、zで取得される。
【国際調査報告】