(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】ヒートシール可能な板紙構造物および方法
(51)【国際特許分類】
D21H 19/36 20060101AFI20230309BHJP
D21H 19/82 20060101ALI20230309BHJP
D21H 21/14 20060101ALI20230309BHJP
B32B 29/00 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
D21H19/36 Z
D21H19/82
D21H21/14 Z
B32B29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544377
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2021013165
(87)【国際公開番号】W WO2021150404
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504376810
【氏名又は名称】ウエストロック・エム・ダブリュー・ヴイ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジエビン・パン
【テーマコード(参考)】
4F100
4L055
【Fターム(参考)】
4F100AA08B
4F100AC03B
4F100AK25B
4F100BA03
4F100BA10C
4F100CA13B
4F100CB03B
4F100DC30C
4F100DG10A
4F100EH46B
4F100EH46C
4F100EJ86B
4F100EJ86C
4F100JA05B
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4F100JD15
4F100JK15
4F100JL12B
4F100YY00
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4L055AG11
4L055AG12
4L055AG27
4L055AG71
4L055AG97
4L055AH02
4L055AH37
4L055BE09
4L055EA10
4L055EA12
4L055EA20
4L055EA32
4L055FA11
(57)【要約】
第1の主要面および該第1の主要面に対向する第2の主要面を有する板紙基材と、板紙基材の第1の主要面上のヒートシール可能なバリアコーティングと、該ヒートシール可能なバリアコーティングを覆って配置されるトップコートであり、ヒートシール可能なバリアコーティングを覆って不連続層を形成する、トップコートとを含む、ヒートシール可能な板紙構造物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシール可能な板紙構造物であって、
第1の主要面および前記第1の主要面に対向する第2の主要面を含む板紙基材と、
前記板紙基材の前記第1の主要面上のヒートシール可能なバリアコーティングと、
前記ヒートシール可能なバリアコーティングを覆って配置されるトップコートであり、前記ヒートシール可能なバリアコーティングを覆って不連続層を形成する、トップコートと
を含む、ヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項2】
前記トップコートは結合剤および顔料を含む、請求項1に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項3】
前記トップコート中の前記結合剤に対する前記顔料の比率が重量で少なくとも約1:1である、請求項2に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項4】
前記トップコート中の前記結合剤に対する前記顔料の比率が重量で約1:1から約10:1までである、請求項2に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項5】
前記トップコート中の前記結合剤に対する前記顔料の比率が重量で約1:1から約5:1までである、請求項2に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項6】
前記トップコート中の前記結合剤に対する前記顔料の比率が重量で約2:1から約4:1までである、請求項2に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項7】
前記結合剤はラテックスを含む、請求項2から6のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項8】
前記結合剤は、約30℃のガラス転移点を有する水性アクリルエマルジョンポリマーを含む、請求項2から7のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項9】
前記顔料は炭酸カルシウムを含む、請求項2から8のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項10】
前記顔料は重質炭酸カルシウムを含み、前記重質炭酸カルシウムの最大約90パーセントが2ミクロンよりも小さい粒径を有する、請求項2から9のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項11】
前記不連続層は約0.1lb/3000ft
2から約4.0lb/3000ft
2までに及ぶコート重量を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項12】
前記不連続層は約0.5lb/3000ft
2から約3.0lb/3000ft
2までに及ぶコート重量を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項13】
前記不連続層は約0.5lb/3000ft
2から約2.5lb/3000ft
2までに及ぶコート重量を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項14】
前記不連続層は約0.5lb/3000ft
2から約2.0lb/3000ft
2までに及ぶコート重量を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項15】
前記ヒートシール可能なバリアコーティングは結合剤と顔料とを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項16】
前記ヒートシール可能なバリアコーティング中の前記結合剤に対する前記顔料の比率が重量で最大1:1である、請求項15に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項17】
前記ヒートシール可能なバリアコーティング中の前記結合剤に対する前記顔料の比率が重量で約1:1から約1:9までである、請求項15に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項18】
前記ヒートシール可能なバリアコーティング中の前記結合剤に対する前記顔料の比率が重量で約1:2から約1:6までである、請求項15に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項19】
前記ヒートシール可能なバリアコーティング中の前記結合剤に対する前記顔料の比率が重量で約1:3から約1:4までである、請求項15に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項20】
前記結合剤はラテックスを含む、請求項15から19のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項21】
前記結合剤は、30℃のガラス転移点を有する水性アクリルエマルジョンポリマーを含む、請求項15から20のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項22】
前記顔料は第1の顔料と第2の顔料とを含む、請求項15から21のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項23】
前記顔料はクレイおよび炭酸カルシウムの少なくとも1つを含む、請求項15から22のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項24】
前記顔料は重質炭酸カルシウムを含み、前記重質炭酸カルシウムの最大約60パーセントが2ミクロンよりも小さい粒径を有する、請求項15から23のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項25】
前記顔料は板状クレイを含む、請求項15から24のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項26】
前記板状クレイは少なくとも約40:1の平均アスペクト比を有する、請求項25に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項27】
前記ヒートシール可能なバリアコーティングは約4lb/3000ft
2から約20lb/3000ft
2までに及ぶコート重量を有する、請求項1から26のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項28】
前記ヒートシール可能なバリアコーティングは約6lb/3000ft
2から約16lb/3000ft
2までに及ぶコート重量を有する、請求項1から27のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項29】
前記ヒートシール可能なバリアコーティングは約8lb/3000ft
2から約12lb/3000ft
2までに及ぶコート重量を有する、請求項1から28のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項30】
前記板紙基材は固形漂白硫酸塩を含む、ヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項31】
前記板紙基材は約80lb/3000ft
2から約300lb/3000ft
2までに及ぶ基本重量を有する、請求項1から30のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項32】
前記板紙基材は約4ポイントから約30ポイントまでに及ぶキャリパーを有する、請求項1から31のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項33】
前記板紙基材は約8ポイントから約24ポイントまでに及ぶキャリパーを有する、請求項1から32のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項34】
前記板紙基材は約12ポイントから約20ポイントまでに及ぶキャリパーを有する、請求項1から33のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項35】
前記板紙基材と前記ヒートシール可能なバリアコーティングとの間に配置されている1つまたは複数のコーティング層をさらに含む、請求項1から34のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項36】
前記第2の主要面上に1つまたは複数のコーティング層をさらに含む、請求項1から35のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項37】
最大約3.1μmのパーカープリントサーフェス(Parker Print Surface)(PPS-10S)平滑性を有する、請求項1から36のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項38】
最大約2.5μmのパーカープリントサーフェス(Parker Print Surface)(PPS-10S)平滑性を有する、請求項1から37のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項39】
最大約2μmのパーカープリントサーフェス(Parker Print Surface)(PPS-10S)平滑性を有する、請求項1から38のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項40】
最大約10g/m
2の30分-水-Cobb試験評価を有する、請求項1から39のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項41】
最大約5g/m
2の30分-水-Cobb試験評価を有する、請求項1から40のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項42】
最大約3g/m
2の30分-水-Cobb試験評価を有する、請求項1から41のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項43】
最大約15g/m
2の30分-コーヒー-Cobb試験評価を有する、請求項1から42のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項44】
最大約12g/m
2の30分-コーヒー-Cobb試験評価を有する、請求項1から43のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項45】
最大約9g/m
2の30分-コーヒー-Cobb試験評価を有する、請求項1から44のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項46】
24時間期間内に50℃かつ60psiで2未満のブロッキング評価を有する、請求項1から45のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項47】
24時間期間内に50℃かつ60psiで1.7未満のブロッキング評価を有する、請求項1から46のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項48】
24時間期間内に50℃かつ60psiで1.4未満のブロッキング評価を有する、請求項1から47のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項49】
少なくとも約95%のヒートシール性(%繊維切れ)を有する、請求項1から48のいずれか一項に記載のヒートシール可能な板紙構造物。
【請求項50】
請求項1から49のいずれか一項に記載の前記ヒートシール可能な板紙構造物を含む容器。
【請求項51】
結合剤および顔料を含むヒートシール可能なバリアコーティング製剤を用意するステップと、
板紙基材の第1の主要面に前記ヒートシール可能なバリアコーティング製剤を塗布して、ヒートシール可能なバリアコーティングを形成するステップと、
結合剤および顔料を含むトップコート製剤を用意するステップと、
前記ヒートシール可能なバリアコーティングを覆って前記トップコート製剤を塗布して、前記ヒートシール可能なバリアコーティングを覆ってトップコートの不連続層を形成するステップと
を含む、ヒートシール可能な板紙構造物を製造する方法。
【請求項52】
ブレードコーターが使用されて、前記ヒートシール可能なバリアコーティング製剤を前記板紙構造物の前記第1の主要面に塗布する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
ブレードコーターが使用されて、前記トップコート製剤を前記ヒートシール可能なバリアコーティング製剤に直接塗布する、請求項51または52に記載の方法。
【請求項54】
前記ヒートシール可能なバリアコーティング製剤を乾燥させるステップをさらに含む、請求項51から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記トップコート製剤を乾燥させるステップをさらに含む、請求項51から54のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本願は、2020年1月22日に出願された米国特許出願第62/964,198号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、板紙構造物、より詳細には、ブロッキングの傾向がゼロから最小限までであるヒートシール可能な板紙構造物に関する。
【背景技術】
【0003】
板紙は様々なパッキング用途に使用される。例えば、コーティング無漂白板紙は、飲料容器、冷凍食品、シリアル、および多種多様な他の食品および非食品消費者製品をパッケージングするのに使用される。漂白コーティング板紙および無漂白コーティング板紙の他の形態は、食品サービスおよび消費者製品における様々なパッケージング選択肢に使用される。
【0004】
持続可能性が、食品消費者製品および非食品消費者製品用の新しいパッケージの開発における重要な推進力の1つである。水性コーティングでコーティングされた板紙構造物が、一般に、再パルプ化可能で再利用可能、かつしたがって押出し低密度ポリエチレン(LDPE)でコーティングされた板紙よりも持続可能であると考えられる。しかし、水性コーティング中の殆どのポリマーが非晶質であり、LDPEとしての融点を有さない。したがって、水性コーティング中の結合剤またはポリマーは、水性コーティング板紙の製造、保管、配送、または変形工程における、高温(例えば120~130°Fでさえも)および/または高圧で徐々に軟化するかまたはねばねばしてくることが多く、通常、実際の用途においてポリエチレンコーティング板紙では発生しない、コーティング板紙のブロッキングの問題を引き起こす。
【0005】
さらに、高い結合剤レベルおよびしたがって高温粘着性により、水性のヒートシール可能なバリアコーティングは、通常はコーティング面を平滑化するのに用いられるカレンダー仕上げのための温度に耐えることができない。また、高温高圧でのブロッキング(一巻の板紙中の層の互いにくっつく傾向)が、水性のヒートシール可能なバリアコート板紙の製造工程および変形工程において大きな技術的課題である。このブロッキング問題は、高いバリア特性を必要としかつカップなどのパッケージの変形においてヒートシールすることができる必要もある水性のヒートシール可能なバリアコート板紙にとって、さらにいっそう重大になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当業者は、水性コーティングを使用するヒートシール可能なバリア板紙構造物の分野での研究および開発の努力を続けている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ブロッキングの傾向がゼロから最小限までであるヒートシール可能な板紙構造物が開示されている。
【0008】
一例では、開示されているヒートシール可能な板紙構造物は、第1の主要面および該第1の主要面に対向する第2の主要面を含む板紙基材と、該板紙基材の第1の主要面上のヒートシール可能なバリアコーティングと、該ヒートシール可能なバリアコーティングを覆って配置されているトップコートであり、ヒートシール可能なバリアコーティングを覆って不連続層を形成する、トップコートとを含む。
【0009】
また、ブロッキングの傾向がゼロから最小限までのヒートシール可能な板紙構造物を製造する方法が開示されている。
【0010】
一例では、ヒートシール可能な板紙構造物を製造する開示されている方法は、(1)結合剤および顔料を含むヒートシール可能なバリアコーティング製剤を用意するステップと、(2)板紙基材の第1の主要面に該ヒートシール可能なバリアコーティング製剤を塗布するステップと、(3)結合剤および顔料を含むトップコート製剤を用意するステップと、(4)ヒートシール可能なバリアコーティングを覆って該トップコート製剤を塗布して、ヒートシール可能なバリアコーティングを覆ってトップコートの不連続層を形成するステップとを含む。
【0011】
開示されているヒートシール可能な板紙構造物および方法の他の例が、次の詳細な説明、添付図面、および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】開示されているヒートシール可能な板紙構造物を使用して製造され得る容器(例えば、カップ)の一例の断面立面図である。
【
図3】マンドレルの周囲に巻き付けられて、
図1の容器の側壁を形成し得るダイカットブランクの平面図である。
【
図4】開示されているヒートシール可能な板紙構造物の一例の概略横断面図である。
【
図5】開示されているヒートシール可能な板紙構造物の別の例の概略横断面図である。
【
図6】200×の倍率で走査型電子顕微鏡を使用して撮られた例示的ヒートシール可能な板紙構造物の上面図である。
【
図7】1000×の倍率で走査型電子顕微鏡を使用して撮られた例示的ヒートシール可能な板紙構造物の横断面図である。
【
図8】コーティング板紙サンプルのブロッキングを試験するためのデバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在、高い水バリア特性および最小限からゼロまでのブロッキング傾向を有する第1の主要面を有するヒートシール可能な板紙ベースの構造物は、ヒートシール可能なバリアコーティングが板紙基材とトップコートとの間に配置されるように、バリアコーティング層を覆って(例えば、直接)不連続層として塗布される下側の結合剤、カレンダー仕上げ可能なトップコートの下に、構造物の第1の主要面を従来形成していた、下にある板紙基材の第1の主要面上にヒートシール可能なバリアコーティング層を配置することにより達成することができることが分かっている。ヒートシール性がヒートシール可能なバリアコーティングによりもたらされる。そのような構造物は、冷たい飲料(例えば、冷たい清涼飲料水)、冷たい食料品(例えば、アイスクリーム)、温かい飲料(例えば、コーヒー)、および温かい食料品(例えば、スープ)を保持するのに特によく適している可能性がある。
【0014】
図1および
図2を参照すると、全般的に10が指定されている、開示されている板紙ベースの容器の一例が、上端部14および下端部16を有する側壁12と、該側壁12の該下端部16に接続されている(例えば、ヒートシールされている)底壁18とを含んでいてもよく、それにより、容器10内に内容積20を画定している。側壁12の上端部14は、該内容積20内への開口部22を画定し得る。随意に、側壁12の上端部14は、蓋部(図示せず)等を容器10に固定するためなどのリップ部24(例えば、圧延リップ部)をさらに含み得る。
【0015】
容器10が、円錐台状の側壁12を有する背の高いカップ(例えば、12オンス、16オンス、21オンス、または24オンスの使い捨てテイクアウト用カップ)として
図1に示されているが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、開示されている容器10が様々な形状、大きさ、および構造で形成され得ること、および前段で検討されている側壁12および底壁18よりも少ないかまたはより多い壁で形成され得ることを理解するであろう。
【0016】
図2に示されている通り、容器10の側壁12は、所望の輪郭に切り取られたブランク30(
図3)から組み立てられ、次いでマンドレル(図示せず)の周囲に巻き付けられ得る。ブランク30がマンドレルの周囲に巻き付けられるが、ブランク30の第1の端部32はブランク30の第2の端部34に重なり、該重なっている端部32、34は(例えば、ヒートシールにより)接続されてもよく、それにより、側壁12の上端部14から下端部16まで延在するシーム36を画定する。側壁12が組み立てられると、底壁18は側壁12の下端部16に接続され(例えば、ヒートシールされ)て、それにより容器10を生み出し得る。
【0017】
図4を参照すると、容器10の側壁12は、第1の主要面42と第2の主要面44とを有する板紙構造物40から形成され得る。該板紙構造物40の該第1の主要面42は容器10の内面28に相当し得る。板紙構造物40の該第2の主要面44は容器10の外面26に相当し得る。
【0018】
板紙構造物40は、第1の主要面48と第2の主要面50とを有する板紙基材46を含む層状構造であり得る。ヒートシール可能なバリアコーティング52およびトップコート54が、トップコート54がヒートシール可能なバリアコーティング52を覆って(例えば、直接隣接して)不連続層56を形成するように、板紙基材46の第1の主要面48に塗布され得る。ヒートシール可能なバリアコーティング52はトップコート54と板紙基材46との間に配置され得る。トップコート54の該不連続層56は、板紙構造物40の第1の主要面42、およびしたがって容器10の内面28を少なくとも部分的に画定し得る。
【0019】
この時点で、当業者は、バリアまたは非バリアの様々な追加層が、本開示の範囲から逸脱することなく、板紙構造物40の板紙基材46と不連続層56との間にまたは第2の主要面50上に組み込まれ得ることを理解するであろう。一変形形態では、
図5に示されているように、板紙構造物40'は、板紙基材46'とヒートシール可能なバリアコーティング52'との間にベースコート45を含み得る。別の変形形態では、
図5に示されているように、ヒートシール可能な板紙構造物40'は、板紙基材46'の第2の主要面50上にベースコート47を含み得る。さらに別の変形形態では、
図5に示されているように、板紙構造物40'は、板紙基材46'とヒートシール可能なバリアコーティング52'との間に第1のベースコート45と、板紙基材46'の第2の主要面50上に第2のベースコート47とを含み得る。
【0020】
図4に戻って参照すると、板紙構造物40の板紙基材46は、ヒートシール可能なバリアコーティング52およびトップコート54でコーティングされ得る任意のセルロース系材料であり得る(またはそれを含み得る)。当業者は、板紙基材46が漂白または無漂白であり得ることを理解するであろう。適切な板紙基材の例には、波形媒体、ライナーボード、固形漂白硫酸塩(SBS)、および無漂白のクラフト紙が含まれる。
【0021】
板紙基材46は、3000ft2当たり少なくとも約50ポンドの非コーティング基本重量を有し得る。1つの表示では、板紙基材46は、3000ft2当たり約60ポンドから3000ft2当たり約400ポンドまでに及ぶ非コーティング基本重量を有し得る。別の表示では、板紙基材46は、3000ft2当たり約80ポンドから3000ft2当たり約300ポンドまでに及ぶ非コーティング基本重量を有し得る。別の表示では、板紙基材46は、3000ft2当たり約90ポンドから3000ft2当たり約250ポンドまでに及ぶ非コーティング基本重量を有し得る。さらに別の表示では、板紙基材46は、3000ft2当たり約100ポンドから3000ft2当たり約200ポンドまでに及ぶ非コーティング基本重量を有し得る。
【0022】
さらに、板紙基材46は、例えば、約4ポイントから約30ポイントまでに及ぶ(0.004インチから0.030インチまでの)キャリパー(厚み)を有し得る。1つの表示では、キャリパー範囲は約8ポイントから約24ポイントまでである。別の表示では、キャリパー範囲は約12ポイントから約20ポイントまでである。
【0023】
適切な板紙基材46の1つの特定の非制限的例が、ジョージア州アトランタのウエストロック(WestRock Company)社により製造される13ポイントSBSカップストックである。適切な板紙基材46の別の特定の非制限的例が、ウエストロック社により製造される16.5ポイントSBSカップストックである。適切な板紙基材46のさらに別の特定の非制限的例が、ウエストロック社により製造される18ポイントSBSカップストックである。
【0024】
ヒートシール可能なバリアコーティング52は、抄紙機上のまたはオフマシーンコーターとしてのどちらかの1つまたは複数のコーターなどの任意の適切な方法を用いて板紙基材46の第1の主要面48に塗布され得る。加熱された場合、ヒートシールコーティングが、それが接触する製品の他の領域への接着を実現する。
【0025】
ヒートシール可能なバリアコーティング52は、様々なコート重量で板紙基材46に塗布され得る。1つの表示では、ヒートシール可能なバリアコーティング52は、乾燥時、3,000ft2当たり約4ポンドから約20ポンドまでのコート重量で塗布され得る。別の表示では、ヒートシール可能なバリアコーティング52は、乾燥時、3,000ft2当たり約6ポンドから約16ポンドまでのコート重量で塗布され得る。さらに別の表示では、ヒートシール可能なバリアコーティング52は、乾燥時、3,000ft2当たり約8ポンドから約12ポンドまでのコート重量で塗布され得る。
【0026】
ヒートシール可能なバリアコーティング52は結合剤と顔料とを含み得る。1つの表示では、結合剤に対する顔料の比率は1(重量)部の結合剤当たり最大1(重量)部の顔料であり得る。別の表示では、結合剤に対する顔料の比率は重量で約1:1から約1:9までであり得る。さらに別の表示では、結合剤に対する顔料の比率は重量で約1:2から約1:6までであり得る。さらに別の表示では、結合剤に対する顔料の比率は重量で約1:3から約1:4までであり得る。
【0027】
1つの特定の実施では、ヒートシール可能なバリアコーティング52の結合剤は水性結合剤であり得る。1つの一般的な非制限的例として、結合剤はラテックスであってもよい。別の一般的な非制限的例として、結合剤は水性アクリルエマルジョンポリマーであってもよい。適切な結合剤の特定の非制限的例がTable 2(表2)に示されている。スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンアクリル酸(EAA)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリビニルアクリル、ポリエステル分散体、およびそれらの組合せなどの他の水性結合剤も考えられる。
【0028】
ヒートシール可能なバリアコーティング52の顔料成分は様々な材料であり得る(またはそれらを含み得る)。適切な無機顔料のいくつかの非制限的例がTable 1(表1)に示されている。プラスチック顔料、二酸化チタン顔料、タルク顔料等の他の顔料が、本開示の範囲から逸脱することなく、使用され得る。
【0029】
一変形形態では、ヒートシール可能なバリアコーティング52の顔料成分はクレイ顔料であり得る。一例として、該クレイ顔料は、高アスペクト比の板状クレイ(例えば、少なくとも60:1の平均アスペクト比などの、少なくとも40:1の平均アスペクト比)などの板状クレイであってもよい。
【0030】
別の変形形態では、ヒートシール可能なバリアコーティング52の顔料成分は炭酸カルシウム(CaCO3)顔料であってもよい。一例として、該CaCO3顔料は、粒子の約60パーセントが2ミクロン未満である粒度分布を有する粗引きCaCO3であってもよい。別の例として、CaCO3顔料は、粒子の約90パーセントが2ミクロン未満である粒度分布を有する細引きCaCO3であってもよい。
【0031】
さらに別の変形形態では、ヒートシール可能なバリアコーティング52の顔料成分は、炭酸カルシウム顔料とクレイ顔料の両方を含む顔料混合物であり得る。
【0032】
トップコート54はヒートシール可能なバリアコーティング52に塗布されて、該ヒートシール可能なバリアコーティング52を覆って(例えば、直接隣接して)不連続層56を形成する。抄紙機上のまたはオフマシーンコーターとしてのどちらかの1つもしくは複数のコーターなどの様々な技術が、ヒートシール可能なバリアコーティング52を覆って、トップコート54の該不連続層56を形成するために使用され得る。
【0033】
トップコート54は様々なコート重量でヒートシール可能なバリアコーティング52に塗布されて、トップコート54の不連続層56を実現し得る。1つの表示では、トップコート54は、乾燥時、3,000ft2当たり約0.1ポンドから4.0ポンドまでのコート重量で塗布され得る。別の表示では、トップコート54は、乾燥時、3,000ft2当たり約0.5ポンドから3.0ポンドまでのコート重量で塗布され得る。別の表示では、トップコート54は、乾燥時、3,000ft2当たり約0.5ポンドから2.5ポンドまでのコート重量で塗布され得る。さらに別の表示では、トップコート54は、乾燥時、3,000ft2当たり約0.5ポンドから2.0ポンドまでのコート重量で塗布され得る。
【0034】
図6を参照すると、SEMを使用して、ヒートシール可能なバリアコーティング52上へ堆積されたトップコート54の不連続層56の上面図を示した。ヒートシール可能なバリアコーティング52を備えた領域はより暗く、一方、ヒートシール可能なバリアコーティング52とトップコート54の両方を備えた領域はより明るい。
【0035】
図7を参照すると、SEMを使用して、ヒートシール可能なバリアコーティング52上へ堆積されたトップコート54の不連続層56の横断面図を示した。
【0036】
トップコート54は結合剤と顔料とを含み得る。ヒートシール可能なバリアコーティング52のために有用な顔料および結合剤はトップコート54においても使用され得る。しかし、トップコート54の顔料対結合剤比はヒートシール可能なバリアコーティング52の顔料対結合剤比とかなり異なり得る。1つの表示では、トップコート54の結合剤に対する顔料の比率は1(重量)部の結合剤当たり少なくとも約1(重量)部の顔料であり得る。別の表示では、トップコート54の結合剤に対する顔料の比率は、重量で約1:1から約10:1までであり得る。別の表示では、トップコート54の結合剤に対する顔料の比率は、重量で約1:1から約5:1までであり得る。さらに別の表示では、トップコート54の結合剤に対する顔料の比率は、重量で約2:1から約4:1までであり得る。
【0037】
1つの特定の実施では、トップコート54の結合剤は水性結合剤であり得る。1つの一般的な非制限的例として、結合剤はラテックスであってもよい。別の一般的な非制限的例として、結合剤は水性アクリルエマルジョンポリマーであってもよい。適切な結合剤の特定の非制限的例がTable 2(表2)に示されている。スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンアクリル酸(EAA)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリビニルアクリル、ポリエステル分散体、およびそれらの組合せなどの他の水性結合剤も考えられる。
【0038】
トップコート54の顔料成分は様々な材料であり得る(またはそれらを含み得る)。適切な無機顔料のいくつかの非制限的例がTable 1(表1)に示されている。プラスチック顔料、二酸化チタン顔料、タルク顔料等の他の顔料が、本開示の範囲から逸脱することなく、使用され得る。
【0039】
一変形形態では、トップコート54の顔料成分はクレイ顔料であり得る。一例として、該クレイ顔料は、高アスペクト比の板状クレイ(例えば、少なくとも40:1のアスペクト比)などの板状クレイであってもよい。
【0040】
別の変形形態では、トップコート54の顔料成分は炭酸カルシウム(CaCO3)顔料であってもよい。一例として、該CaCO3顔料は、粒子の約60パーセントが2ミクロン未満である粒度分布を有する粗引きCaCO3であり得る。別の例として、CaCO3顔料は、粒子の約90パーセントが2ミクロン未満である粒度分布を有する細引きCaCO3であり得る。
【0041】
図1に戻って参照すると、容器10の底壁18は、
図4に示されているヒートシール可能な板紙構造物40または
図5に示されているヒートシール可能な板紙構造物40'などの板紙構造物から形成され得る。しかし、様々な他の板紙構造物が、底壁18の印刷適正が殆ど関係ないかまたは無関係である場合など、底壁18を形成するのに使用され得る。
【0042】
(実施例)
板紙構造物に関連してヒートシール可能なバリアコーティングを覆うトップコートの不連続層の使用を評価するために、実験を実施した。1つのヒートシール可能なバリアコーティング製剤(BC1)と1つのトップコート製剤(TC1)を用意し、該実験に使用した。製剤中に使用した顔料をTable 1(表1)に示した。製剤中に使用した結合剤をTable 2(表2)に示した。ヒートシール可能なバリアコーティング製剤(BC1)をTable 3(表3)に示した。トップコート製剤(TC1)をTable 4(表4)に示した。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
製剤を、様々なコート重量で、3000平方フィート当たり175ポンドの基本重量を有する16.5ポイント固形漂白硫酸塩カップストックに塗布した。ブレードコーターを使用して、ヒートシール可能なバリアコーティング製剤を板紙基材のフェルト側に塗布した。ブレードコーターを再度使用して、トップコート製剤をヒートシール可能なバリアコーティングに塗布して、それにより、板紙基材のフェルト側に2層コーティングを生じさせた。例および実験結果(パーカープリントサーフェス平滑性(Parker Print Surface Smoothness);水Cobb試験(Water Cobb);コーヒーCobb試験(Coffee Cobb);ブロッキング評価;およびヒートシール性)をTable 5(表5)に示した。
【0048】
【0049】
したがって、TAPPI標準T555に従って測定されたパーカープリントサーフェス(PPS-10S)平滑性の結果により証明されているように、板紙構造物のヒートシール可能なバリアコーティングを覆うトップコートの不連続層を使用することが滑らかな表面をもたらす。開示されているヒートシール可能な板紙構造物の全例が3ミクロン以下のPPS平滑性を示した。
【0050】
高い平滑性に加えて、例は、驚くことに、TAPPI標準T441om-04に従って測定された30分-水-Cobb試験の結果により証明されているように、優れたバリア特性も示した。殆どの場合には、トップコートの追加不連続層は、真下のヒートシール可能なバリアコーティング52の水バリア特性を向上させたかまたは少なくとも維持した。全例が10g/m2未満の30分-水-Cobb試験評価を有し、多くは4g/m2より下だった。
【0051】
また、Cobb試験のホットコーヒー変形形態を利用して、Table 5(表5)に示されている例の水バリア性を評価した。この試験を、23℃の水を90℃のコーヒーと置換することにより、しかしそれ以外はTAPPI標準T441om-04に準拠して実施した。使用したコーヒーは、12カップMr. Coffeeメーカー内で1100mLの蒸留水を用いて36gのスターバックスミディアムハウスブレンドグラウンドコーヒーを抽出することにより得た。Table 5(表5)に示されている例の全てが、30分後、15g/m2未満の90℃のコーヒーCobb試験評価を有し、殆どが、30分後、10g/m2未満だった。
【0052】
Table 5(表5)のコーティングされたサンプルのヒートシール性を、これらのサンプルの各々をカップ全てに関してカップの側壁および対照底部ストックとして使用することにより、PMC(Paper Machinery Corporation)社のカップマシン(PMC-1250モデル)上で評価した。カップを全て首尾よく形成し、ヒートシール側壁シームの切り裂き時、シーム領域のパーセンテージでの繊維切れを推定した。高い繊維切れパーセンテージはより良いヒートシール性を意味する。サンプル1およびサンプル2は全て、トップコートの不連続層を備えない対照サンプルと同様の100%の繊維切れを示し、サンプル3およびサンプル4も95%の優れた繊維切れを示した。
【0053】
最後に、ブロッキング評価(50℃/60psi/24時間)は全サンプルに関して3.0未満、実際には2.1未満であり、1つのサンプルに関して1.0未満であった。Table 6(表6)はブロッキング試験評価システムを明示している。
【0054】
【0055】
サンプルのブロッキング挙動を、バリアコーティング面と他の非コーティング面との間の粘着性を評価することにより試験した。ブロッキング試験の概略図が
図8に示されている。板紙を2インチ×2インチ四方のサンプルに切断した。いくつかの全く同じものを各条件に関して試験し、各全く同じものは一対のサンプル252、254間のブロッキングを評価した。(例えば、4つの全く同じものを試験した場合、4対、8片を使用したと考えられる。)各対を、他方の片254の非コーティング面に接触させて一片252の「バリアコーティング」面と共に配置した。該対を、隣接した対間のスペーサ256と共にスタック250内へ配置し、該スペーサはホイル、剥離紙、またはさらにはコピー用紙であった。全体的なサンプルスタックを、
図8に示されている試験デバイス200内へ配置した。
【0056】
試験デバイス200はフレーム210を含む。調節ノブ212が、フレーム最上部216を貫通してねじ込まれるねじ214に取り付けられている。ねじ214の下端部は、重いコイルばね220上に位置する平板218に取り付けられている。ばね220の下端部は、その下面224が1平方インチの面積を有する平板222上に位置する。目盛226が、かけられた力(1平方インチの下面224を介してサンプルのスタックにかけられる圧力に等しい)をユーザが読むことを可能にする。
【0057】
サンプルのスタック250を下面224とフレーム底部228との間に配置する。ノブ212を、目盛226が100lbf(サンプルにかけられた100psi)または60lbf(サンプルにかけられた60psi)の所望の力を示すまで、堅く締める。1000psiなどの高圧が、110lbのかけられた力でサンプルのスタック250に接触している下面領域224を0.11平方インチまで減少させることにより達成される。サンプルを含むデバイス200の全体を、次いで、24時間または2時間の間、50℃のオーブン内に配置する。次いで、該デバイス200を試験環境から除去し、室温まで冷却する。次いで、圧力を解放し、サンプルをデバイスから除去する。
【0058】
各対の板紙シートを分離することにより、粘着性およびブロッキングに関してサンプルを評価した。ブロッキング損傷が繊維切れとして可視であり、それは、存在する場合、通常、サンプル254の非バリア面から引き出す繊維で起こる。次いで、非バリア面をプリントコーティングでコーティングした場合、ブロッキングがプリントコーティングへの損傷により立証され得るとも考えられる。
【0059】
例えば、
図8に記号で示されている通り、サンプル252(0)/254(0)が「0」評価(ブロッキングなし)を代表し得ると考えられる。サンプル内の円形形状は圧力下にあったおおよその領域、例えば全体サンプルの約1平方インチ、を示す。サンプル252(3)/254(3)は、圧力下にあった領域内で、詳細にはサンプル254(3)の非コーティング面内で、最大25%の繊維切れを伴って、「3」のブロッキング評価を代表し得ると考えられる。サンプル252(4)/254(4)が、詳細にはサンプル254(4)の非コーティング面内で、25%超の繊維切れを伴って、「4」のブロッキング評価を代表し得ると考えられる。
図8における描写は、サンプルの実際の外見を示すことよりもむしろ、もっぱら、そのような試験サンプルへのパーセントの損傷をおおよそ示唆することを意味する。
【0060】
開示されているヒートシール可能な板紙構造物および方法の様々な例を示し、説明したが、本明細書を読むと、当業者が変更を思い付く可能性がある。本願はそのような変更形態を含み、特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0061】
10 板紙ベースの容器
12 側壁
14 (側壁の)上端部
16 (側壁の)下端部
18 底壁
20 内容積
22 開口部
24 (上端部の)リップ部
26 (容器の)外面
28 (容器の)内面
30 ブランク
32 (ブランクの)第1の端部
34 (ブランクの)第2の端部
36 シーム
40、40' 板紙構造物
42 (板紙構造物の)第1の主要面
44 (板紙構造物の)第2の主要面
45 第1のベースコート
46、46' 板紙基材
47 第2のベースコート
48 (板紙基材の)第1の主要面
50 (板紙基材の)第2の主要面
52、52' ヒートシール可能なバリアコーティング
54 トップコート
56 不連続層
200 試験デバイス
210 フレーム
212 調節ノブ
214 ねじ
216 フレーム最上部
218、222 平板
220 コイルばね
224 (平板222の)下面、下面領域
226 目盛
228 フレーム底部
250 スタック
252、254、252(0)、254(0)、252(3)、254(3)、252(4)、254(4) サンプル
256 スペーサ
【国際調査報告】