(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】ATP結合部位に結合するイソインドリン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 209/44 20060101AFI20230309BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20230309BHJP
G01N 33/533 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
C07D209/44 CSP
G01N33/68
G01N33/533
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569300
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 GB2021050122
(87)【国際公開番号】W WO2021148786
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522288821
【氏名又は名称】ネオフォア・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NEOPHORE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】ブラッグ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ロフェイ,ジョナソン・リチャード・アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ウィンシップ,ポール・コリン・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラングレー,ガレス・ウィリアム
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045DA36
2G045GC15
(57)【要約】
本発明は、本明細書に定義された式Iおよび式IIの新規プローブ化合物に関する。本発明はまた、これらの新規プローブ化合物を合成する方法、ならびに例えばミスマッチ修復(MMR)構成タンパク質PMS2およびMLH1等の標的タンパク質のATP結合部位への試験分子の結合を決定する、または生体試料中のそのような標的タンパク質の位置および/もしくは量を決定するためのアッセイおよびスクリーニングにおけるそれらの使用にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iもしくは式IIのプローブ化合物、またはその塩
【化1】
(式中、
R
1は、ハロまたは(1~6C)アルキル、(3~6C)シクロアルキルもしくは(3~4C)シクロアルキル-(1~2C)アルキル基であり、その各々が、ハロ、シアノまたはヒドロキシから選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されており;
Lは、リンカーであり;
Qは、検出部分であり;
L
xは、リンカーであり;
Xは、官能基である。)。
【請求項2】
R
1が、ハロまたは(1~6C)アルキル、(3~4C)シクロアルキルもしくは(3~4C)シクロアルキル-(1~2C)アルキル基であり、その各々が、1つまたは複数のハロ置換基によって任意選択的に置換されている、請求項1に記載のプローブ化合物。
【請求項3】
R
1が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、トリフルオロメチルから選択される、請求項1または請求項2に記載のプローブ化合物。
【請求項4】
R
1が、イソプロピルである、請求項1~3のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項5】
Lが、(2~20C)アルキレンリンカーであり、アルキレン鎖が、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~10の-O-結合および/または1~4つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-またはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、
R
10が、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項6】
Lが、(2~18C)アルキレンリンカーであり、アルキレン鎖が、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つの-O-結合および/または1つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、R
10が、水素または(1~2C)アルキルである、請求項1~5のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項7】
Lが、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、存在せず、または(1~8C)アルキレンであり;
X
1は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(1~10C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは1~10であり、bは1~4である)の基であり;
X
2は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
3は、存在せず、または(1~8C)アルキレンであり;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである、請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項8】
Lが、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、存在せず、または(2~6C)アルキレンであり;
X
1は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(2~6C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは2~10であり、bは2~4である)の基であり;
X
2は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
3は、存在せず、または(2~6C)アルキレンであり;
R
10は、水素またはメチルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである、請求項1~4のいずれか1項または請求項7に記載のプローブ化合物。
【請求項9】
Lが、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、(2~6C)アルキレンであり;
X
1は、-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-またはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(2~6C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは2~10であり、bは2~4である。)の基であり;
X
2は、存在せず;
L
3は、存在せず;
R
10は、水素またはメチルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである、請求項1~4または請求項7または請求項8のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項10】
Lが、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、(2~6C)アルキレンであり;
X
1は、-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-またはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(2~6C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは2~10であり、bは2~4である)の基であり;
X
2は、-O-、-C(O)NR10-、-NR10C(O)-またはトリアゾール環から選択され;
L
3は、存在せず、または(2~6C)アルキレンであり;
R
10は、水素またはメチルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである、請求項1~4または請求項7~9のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項11】
Qが、フルオロフォア、オリゴヌクレオチド、生体分子、分子センサー、タンパク質、またはペプチドからなる群から選択される検出部分である、請求項1~10のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項12】
Qが、フルオロフォアである、請求項1~11のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項13】
L
xが、(1~8C)アルキレンリンカーであり、アルキレン鎖が、アルキレン鎖内かおよび/もしくはその終端の一方のいずれかに位置する1つもしくは複数の-O-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、R
10は、水素もしくは(1~2C)アルキルである;または
L
xが、アルキレン鎖内かおよび/もしくはその終端の一方のいずれかに位置する1つの-O-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合を任意選択的に含む(1~6C)アルキレンリンカーである、
請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項14】
Xが、ハロ、N
3、またはエチニルから選択される官能基である、請求項1~4または請求項13のいずれか1項に記載のプローブ化合物。
【請求項15】
以下のいずれか1つ:
1-(6-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウム;
3-(2-((1E,3E)-5-((Z)-3-(5-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-5-オキソペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1-(3-スルホプロピル)インドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-1-イウム-1-イル)プロパン-1-スルホン酸;
1-(6-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウムホルマート;
2-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-5-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸および5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸;
5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-(ジメチルアミノ)-3-(ジメチルイミノ)-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸アンモニウム;
2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)メタノン;
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ
4,5λ
4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)プロパンアミド;
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ
4,5λ
4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド;
4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ
4,6λ
4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)ブタンアミド;
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ
4,5λ
4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-1-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン;
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ
4,5λ
4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(15-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)プロパンアミド;
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ
4,6λ
4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(4-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブチル)プロパンアミド;
(2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル;
(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩;
(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル;
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン;
から選択されるプローブ化合物またはその塩。
【請求項16】
標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定する置換アッセイにおける、請求項1~15のいずれか1項に記載の式Iのプローブ化合物、またはその塩の使用。
【請求項17】
前記標的タンパク質が、MLH1またはPMS2である、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定するアッセイであって、
(i)請求項1~12および15のいずれか1項に記載の式Iのプローブ化合物、またはその塩の存在下で、前記試験分子を標的タンパク質とインキュベートするステップと、
(ii)任意のプローブ化合物が前記標的タンパク質のATP結合部位から置換されているかを決定するステップと
を含むアッセイ。
【請求項19】
標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定する方法であって、
(i)請求項1~12および15のいずれか1項に記載の式Iのプローブ化合物、またはその塩の存在下で、試験分子を前記標的タンパク質とインキュベートするステップと、
(ii)任意のプローブ化合物が前記標的タンパク質のATP結合部位から置換されているかを決定するステップと
を含む方法。
【請求項20】
生体試料中の標的タンパク質の量および位置を決定するアッセイであって、
(i)前記生体試料を、請求項1~12または15のいずれか1項に記載の式Iのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)前記生体試料中の前記式Iの化合物の位置および分布を検出および定量することによって、前記試料内の前記式Iの化合物の分布および量を決定するステップと
を含むアッセイ。
【請求項21】
生体試料中の標的タンパク質の量および位置を決定するアッセイであって、
(i)前記生体試料を、請求項1~4または13~15のいずれか1項に記載の式IIのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)前記生体試料を、前記式IIの化合物に存在する官能基Xと反応して生体試料内にin situで請求項1~12および15のいずれか1項に記載の式Iの化合物を形成できる検出部分と接触させるステップと、
(iii)前記生体試料中の前記式Iの化合物の位置および分布を検出および定量することによって、前記試料内の前記式Iの化合物の分布および量を決定するステップと
を含むアッセイ。
【請求項22】
前記標的タンパク質がMLH1またはPMS2である、請求項18、20もしくは21に記載のアッセイ、または請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規プローブ分子に関する。本発明はまた、これらの新規プローブ分子を合成する方法、ならびに、例えばミスマッチ修復(MMR)構成タンパク質PMS2およびMLH1等の標的タンパク質のATP結合部位への試験分子の結合を決定する、または生体試料中のそのような標的タンパク質の位置および/もしくは量を決定するためのアッセイおよびスクリーニングにおけるそれらの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
ATPアーゼのGHKLファミリーは、シャペロンタンパク質HSP90[1]と、ミスマッチ修復(MMR)構成タンパク質PMS2およびMLH1[2]と、二本鎖DNAのスーパーコイルを触媒するDNAジャイレース-細菌II型トポイソメラーゼ酵素[3]を含む。GHKLファミリーの各メンバーはATP結合部位を有し、ATP結合はGHKLファミリータンパク質の機能にとって重要であることが知られている[4]。
【0003】
HSP90のATP競合的阻害剤は、抗がん剤としての有用性を示しており[5,6]、ATP競合的蛍光プローブについては、HSP90のATP結合部位に結合し蛍光プローブを置換する化合物の発見が報告されている[7]。このようなアッセイにおいて、発光前に偏光面を高速回転させ、撹乱する小さなリガンド(いわゆる蛍光プローブ分子)に結合された蛍光色素分子は、低い蛍光分極をもたらす。HSP90などのゆっくり回転するタンパク質へのプローブ分子の結合は、高い蛍光分極をもたらす。試験リガンドによるプローブ分子の置換は、蛍光分極の濃度依存的減少をもたらす。それ故に、蛍光分極は、Hsp90[7、8]またはDNAジャイレース[9]等のタンパク質への試験化合物の結合の程度を直接定量的に読み取るのに適用され得る。
【0004】
驚くべきことに、BODIPY-FL-ATP-ガンマ-S(Invitrogen)、EDA-AMPPNP-5/6-TAMRA(Jena Bioscience GmbH)およびEDA-AMPPNP-Cy5(Jena Bioscience GmbH)等の市販のATP由来蛍光プローブは、本明細書に例示するプロトコルのタイプに従って行われた蛍光分極アッセイではシグナルを示さず、また表面プラズモン共鳴によるMLH1のN末端ドメインへの極めて弱い結合を示すことが発見された。したがって、これらの蛍光は、蛍光分極スクリーニングツールとしての使用に適さない。
【0005】
このように、GHKLファミリーメンバーMLH1およびPMS2のATP結合部位への結合の改善をもたらし、蛍光分極スクリーニングツールとしての使用に適した更なるプローブ化合物が必要とされている。
【0006】
本発明は、上記を念頭に置いてなされたものである。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、GHKLファミリータンパク質MLH1およびPMS2のATP結合部位に効果的に結合するプローブ化合物について、新たなシリーズを見出したことによるものである。これらのプローブ化合物は、MLH1およびPMS2のATP結合部位に対する試験化合物の結合親和性を評価するためのアッセイおよび方法において使用できる。また、これらのプローブ化合物は、生体試料中のMLH1またはPMS2の位置および/または量を決定するのに使用できる。
【0008】
第1の態様にて、本発明は、本明細書に定義された式Iもしくは式IIのプローブ化合物、またはその塩を提供する。
【0009】
別の一態様にて、本発明は、本明細書に定義された式Iもしくは式IIのプローブ化合物、またはその塩を合成する方法を提供する。
【0010】
別の一態様にて、本発明は、標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定する置換アッセイにおける式Iのプローブ化合物、またはその塩の使用を提供する。一実施形態では、標的タンパク質は、MLH1、PMS2またはHSP90から選択される。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1またはPMS2である。
【0011】
別の一態様にて、本発明は、標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定する置換アッセイにおいて使用するための式Iのプローブ化合物、またはその塩を提供する。一実施形態では、標的タンパク質は、MLH1、PMS2またはHSP90から選択される。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1またはPMS2である。
【0012】
別の一態様にて、本発明は、標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定するアッセイであって、
(i)本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩の存在下で、試験分子を標的タンパク質とインキュベートするステップと、
(ii)式Iのプローブ化合物が標的タンパク質のATP結合部位から置換されているか否かを決定するステップと
を含むアッセイを提供する。
一実施形態では、標的タンパク質は、MLH1、PMS2またはHSP90から選択される。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1またはPMS2である。
【0013】
別の一態様にて、本発明は、標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定する方法であって、
(i)本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩の存在下で、試験分子を標的タンパク質とインキュベートするステップと、
(ii)式Iのプローブ化合物が標的タンパク質のATP結合部位から置換されているか否かを決定するステップと
を含むアッセイを提供する。
【0014】
別の一態様にて、本発明は、生体試料内に存在する標的タンパク質の位置および/または量を決定するアッセイであって、
(i)生体試料を、本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)生体試料内に存在する式Iの化合物の検出部分の位置および/または強度を検出することによって、該試料内に存在する式Iの化合物の位置および/または量を決定するステップと
を含むアッセイを提供する。
【0015】
別の一態様にて、本発明は、生体試料内に存在する標的タンパク質の位置および/または量を決定するアッセイであって、
(i)生体試料を、本明細書に定義された式IIのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)生体試料を、式IIの化合物に存在する官能基Xと反応して生体試料内にin situで式Iの化合物を形成できる検出部分Q、または本明細書に定義された式Q-L2-Yの化合物と接触させるステップと、
(iii)生体試料内に存在する式Iの化合物の検出部分の位置および/または強度を検出することによって、該試料内に存在する式Iの化合物の位置および/または量を決定するステップと
を含むアッセイを提供する。
【0016】
別の一態様にて、本発明は、生体試料内に存在する標的タンパク質の位置および/または量を決定する方法であって、
(i)生体試料を、本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)生体試料内に存在する式Iの化合物の検出部分の位置および/または強度を検出することによって、該試料内に存在する式Iの化合物の位置および/または量を決定するステップと
を含む方法を提供する。
【0017】
別の一態様にて、本発明は、生体試料内に存在する標的タンパク質の位置および/または量を決定する方法であって、
(i)生体試料を、本明細書に定義された式IIのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)生体試料を、式IIの化合物に存在する官能基Xと反応して生体試料内にin situで式Iの化合物を形成できる検出部分Q、または本明細書に定義された式Q-L2-Yの化合物と接触させるステップと、
(iii)生体試料内に存在する式Iの化合物の検出部分の位置および/または強度を検出することによって、該試料内に存在する式Iの化合物の位置および/または量を決定するステップと
を含む方法を提供する。
【0018】
一実施形態では、標的タンパク質は、MLH1、PMS2またはHSP90から選択される。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1またはPMS2である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)メタノンの調製のための合成スキームを示す図である(実施例6)。
【
図2】(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩の調製のための合成スキームを示す図である。
【
図3】2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸の調製のための合成スキームを示す図である。
【
図4】(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノンの調製のための合成スキームを示す図である。
【
図5】4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(AA)および(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-(ピペラジン-1-イルメチル)イソインドリン-2-イル)メタノン塩酸塩(AB)の調製のための合成スキームを示す図である。
【
図6】GraphPad Prism 8.1.0でプロットされ、分析された実施例1のデータを示す図である。
【
図7】GraphPad Prism 8.1.0でプロットされ、分析された実施例3のデータを示す図である。
【
図8】GraphPad Prism 8.1.0でプロットされ、分析された実施例4のデータを示す図である。
【
図9】GraphPad Prism 8.1.0でプロットされ、分析された実施例5のデータを示す図である。
【
図10】アッセイプロトコルAを使用して決定された化合物AB、IC
50に関する阻害データを示す図である。
【
図11】アッセイプロトコルCを使用して決定された化合物AB、IC
50に関する阻害データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[定義]
本明細書および特許請求の範囲で使用される用語は、特に記載のない限り、以下の意味を有する。
【0021】
「アルキル」は、直鎖および分岐鎖アルキル基の両方を含む。「プロピル」などの個々のアルキル基への言及は直鎖バージョンに対してのみのものであり、「イソプロピル」などの個々の分岐鎖アルキル基への言及は分岐鎖バージョンに対してのみのものである。例えば、「(1~6C)アルキル」には、(1~4C)アルキル、(1~3C)アルキル、プロピル、イソプロピルおよびt-ブチルが含まれる。同様の慣例が他のラジカルに適用され、例えば「シクロアルキル(1~2C)アルキル」には、シクロプロピル-メチル、1-シクロプロピルエチル、2-シクロプロピルエチルなどが含まれる。
【0022】
「(m~nC)」もしくは「Cm~n」または「(m~nC)基」もしくは「Cm~n」は、単独でまたは接頭辞として使用され、m~n個の炭素原子を有する任意の基を指す。
【0023】
「アルキレン」基は、2つの他の化学基の間に位置し、これを連結する役目を果たすアルキル基である。例えば、「(3~20C)アルキレン」は、1~3個の炭素原子の直鎖飽和二価炭化水素ラジカルまたは3個の原子の分岐飽和二価炭化水素ラジカル、例えば、メチレン、エチレン、プロピレンなどを意味する。
【0024】
「(m~nC)シクロアルキル」は、m~n個の炭素原子を含有する炭化水素環を意味し、例えば、「(3~6C)シクロアルキル」は、3~6個の炭素原子を含有する炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを意味する。「(m~nC)シクロアルキル」は、非芳香族飽和または部分飽和単環式炭素環系も包含する。
【0025】
「ハロ」または「ハロゲノ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
【0026】
「任意選択的に置換された」は、置換されている基、構造、または分子、および置換されていない基、構造、または分子のいずれかを指す。
【0027】
任意選択的な置換基が「1つまたは複数の」基から選択される場合、この定義は、指定された基の1つから選択される全ての置換基、または指定された基の2つ以上から選択される置換基を含むと理解される。
【0028】
「本発明に係る化合物」は、一般的および具体的に本明細書に開示する化合物を意味する。
【0029】
[プローブ化合物]
本発明は、式Iもしくは式IIのプローブ化合物、またはその塩に関する:
【0030】
【化1】
(式中、
R
1は、ハロまたは(1~6C)アルキル、(3~6C)シクロアルキルもしくは(3~4C)シクロアルキル-(1~2C)アルキル基であり、その各々は、ハロ、シアノまたはヒドロキシから選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されており;
Lは、リンカーであり;
Qは、検出部分であり;
L
xは、リンカーであり;および
Xは、官能基である。)。
【0031】
本発明に係るプローブ化合物は、特に、式Iもしくは式IIのプローブ化合物、またはその塩が含まれる。式中、R
1、L、Q、L
xおよびXは、それぞれ、本明細書で定義された通り、または以下のパラグラフ(1)~(56)のいずれか1つに定義された通りである:
(1)R
1は、ハロまたは(1~6C)アルキル、(3~4C)シクロアルキルもしくは(3~4C)シクロアルキル-(1~2C)アルキル基であり、その各々は、1つまたは複数のハロ置換基によって任意選択的に置換されている;
(2)R
1は、ハロまたは(1~6C)アルキル、(3~4C)シクロアルキルもしくは(3~4C)シクロアルキル-(1C)アルキル基であり、その各々は、1つまたは複数のハロ置換基によって任意選択的に置換されている;
(3)R
1は、ハロまたは(1~6C)アルキル、(3~4C)シクロアルキルもしくは(3~4C)シクロアルキル-(1C)アルキル基であり、その各々は、1つまたは複数のフルオロ置換基によって任意選択的に置換されている;
(4)R
1は、フルオロ、クロロまたは(1~6C)アルキル、(3~4C)シクロアルキルもしくは(3~4C)シクロアルキル-(1C)アルキル基であり、その各々は、1つまたは複数のフルオロ置換基によって任意選択的に置換されている;
(5)R
1は、(1~6C)アルキル、(3~4C)シクロアルキルもしくは(3~4C)シクロアルキル-(1C)アルキル基であり、その各々は、1つまたは複数のフルオロ置換基によって任意選択的に置換されている;
(6)R
1は、1つまたは複数のフルオロ置換基によって任意選択的に置換されている(1~6C)アルキル基である;
(7)R
1は、(1~4C)アルキル基である;
(8)R
1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、トリフルオロメチルから選択される;
(9)R
1は、イソプロピルである;
(10)Lは、(2~20C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれか(either)に位置する1つまたは複数の-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-またはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(11)Lは、(3~20C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つまたは複数の-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-またはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(12)Lは、(2~20C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~8つの-O-結合および/または1~4つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合をさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(13)Lは、(3~20C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~8つの-O-結合および/または1~4つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合をさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(14)Lは、(2~18C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~5つの-O-結合;および/または1~4つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-結合または1つのトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(15)Lは、(3~12C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~5つの-O-結合;および/または1~4つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(16)Lは、(2~18C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~5つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(17)Lは、(3~12C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~5つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(18)Lは、(2~18C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~5つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(19)Lは、(3~12C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~5つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(20)Lは、(2~18C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~3つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(21)Lは、(3~12C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~3つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(22)Lは、(2~18C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つの-O-結合および/または1つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(23)Lは、(3~12C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つの-O-結合および/または1つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしく-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(24)Lは、(2~17C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~4つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(25)Lは、(3~10C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~4つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(26)Lは、(2~17C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~4つの-O-結合;および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合をさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(27)Lは、(3~10C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~4つの-O-結合;および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環結合をさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(28)Lは、(2~17C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~4つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-もしくはトリアゾール環結合をさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(29)Lは、(3~10C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、1~4つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-もしくはアルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置するトリアゾール環結合をさらに含み;
R
10は、水素または(1~2C)アルキルであり、アルキレン鎖は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、(1~2C)アルキル、(1~2C)ヒドロキシアルキル、(1~2C)ハロアルキルまたは(1~2C)アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換されている。
(30)Lは、(2~17C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~4つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、ここでR
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(31)Lは、(3~10C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~4つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(32)Lは、(2~17C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~3つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(33)Lは、(3~10C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1~3つの-O-結合および/または1~3つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(34)Lは、(2~17C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つの-O-結合および/または1つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(35)Lは、(3~10C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つの-O-結合および/または1つの-C(O)-、-C(O)NR
10-もしくは-NR
10C(O)-結合または1つのトリアゾール環結合をさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(36)Lは、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、存在せず、または(1~8C)アルキレンであり;
X
1は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(1~10C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは1~10であり、bは2~4である)の基であり;
X
2は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
3は、存在せず、または(1~8C)アルキレンであり;
ここでR
10は、水素または(1~2C)アルキルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである。
(37)Lは、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、存在せず、または(2~6C)アルキレンであり;
X
1は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(1~10C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは2~10であり、bは2~4である。)の基であり;
X
2は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
3は、存在せず、または(1~6C)アルキレンであり;
ここでR
10は、水素またはメチルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである。
(38)Lは、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、(2~6C)アルキレンであり;
X
1は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(2~10C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは2~10であり、bは2~4である。)の基であり;
X
2は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
3は、存在せず、または(1~6C)アルキレンであり;
R
10は、水素またはメチルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである。
(39)Lは、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、(2~6C)アルキレンであり;
X
1は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(2~6C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは2~10であり、bは2~4である。)の基であり;
X
2は、存在せず、または-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-もしくはトリアゾール環から選択され;
L
3は、存在せず、または(2~6C)アルキレンであり;
R
10は、水素またはメチルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである。
(40)Lは、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、存在せず;
X
1は、存在せず;
L
2は、存在せず、または(2~6C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは2~10であり、bは2~4である。)の基であり;
X
2は、-O-、-C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-またはトリアゾール環から選択され;
L
3は、存在せず、または(2~6C)アルキレンであり;
R
10は、水素またはメチルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである。
(41)Lは、式:
-L
1-X
1-L
2-X
2-L
3-
(式中、
L
1は、(2~6C)アルキレンであり;
X
1は、-O-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-またはトリアゾール環から選択され;
L
2は、(2~6C)アルキレン、または式-[CH
2CH
2-O]
a-[CH
2]
b-もしくは-[CH
2]
b-[O-CH
2CH
2]
a-(式中、aは2~10であり、bは2~4である。)の基であり;
X
2は、-O-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-またはトリアゾール環から選択され;
L
3は、(2~6C)アルキレンであり;
R
10は、水素またはメチルであり;
ただし、X
1またはX
2のうちの少なくとも1つが存在することを条件とする。)
を有するリンカーである。
(42)Qは、フルオロフォア、オリゴヌクレオチド、生体分子、分子センサー、タンパク質、またはペプチドからなる群から選択される検出部分である。
(43)Qは、フルオロフォアである。
(44)Qは、AlexaFluor色素、シアニン色素、フルオレセイン、BODIPYまたはBODIPY誘導体(例えばBODIPY TMR)、TAMRA、オレゴングリーン色素、FITC、Ru(bpy)3、ローダミン色素、アクリジンオレンジ、およびテキサスレッドからなる群から選択されるフルオロフォアである。
(45)Qは、AlexaFluor-647、AlexaFluor-633、AlexaFluor-594、AlexaFluor-488、シアニン-5B、シアニン-3B、フルオレセイン、BODIPYまたはBODIPY誘導体(例えばBODIPY TMR)、TAMRA、オレゴングリーン488、オレゴングリーン514、FITC、Ru(bpy)3、ローダミン色素、アクリジンオレンジ、およびテキサスレッドからなる群から選択されるフルオロフォアである。
(46)Xは、検出部分を式IIの化合物に共有結合させるように、検出部分に存在する官能基と反応できる官能基である。
(47)Xは、検出部分を式IIの化合物に共有結合させるように、検出部分に存在する官能基と反応できる官能基であり、検出部分は、フルオロフォア、オリゴヌクレオチド、生体分子、分子センサー、タンパク質、またはペプチドからなる群から選択される。
(48)Xは、フルオロフォアを式IIの化合物に共有結合させるように、フルオロフォアに存在する官能基と反応できる官能基Xである。
(49)Xは、フルオロフォアを式IIの化合物に共有結合させるように、フルオロフォアに存在する官能基と反応できる官能基であり、フルオロフォアは上記パラグラフ(44)または(45)に定義された通りである。
(50)Xは、ハロ、N
3、またはエチニル(
【化2】
)から選択される官能基である。
(51)Xは、エチニル(
【化3】
)またはN
3である。
(52)L
xは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義されているリンカー基Lである。
(53)L
xは、(1~8C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つまたは複数の-O-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-またはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(54)L
xは、(1~8C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つの-O-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-またはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、R
10は、水素または(1~2C)アルキルである。
(55)L
xは、(1~5C)アルキレンリンカーである。
(56)L
xは、(1~3C)アルキレンリンカーである。
【0032】
適切には、ハロ基は、存在する場合、フルオロおよび/またはクロロ、特にフルオロである。
【0033】
適切には、R1は、上記いずれか1つのパラグラフ(1)~(9)に定義されている通りである。より適切には、R1は、上記パラグラフ(8)および(9)のいずれかに定義された通りである。式Iまたは式IIのプローブ化合物の基では、特に、R1はイソプロピルである。
【0034】
リンカー基Lは、検出部分Qを式Iのプローブ化合物の残りの部分に、または官能基Xを式IIのプローブ化合物の残りの部分に連結する任意の適切なリンカー部分であってもよい。適切には、リンカー基Lは、3~30原子長、より適切には4~20原子長、さらにより適切には5~18原子長である。本明細書に定義された式Iまたは式IIのプローブ化合物の基では、特にLは5~12原子長である。
【0035】
適切には、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。より適切には、上記パラグラフ(24)~(35)または(39)~(41)のいずれかに定義された通りである。式Iまたは式IIのプローブ化合物の基では、特に、Lは、上記パラグラフ(40)または(41)に定義された通りである。
【0036】
検出部分Qは、式Iのプローブ化合物を検出および定量できるようにし得る任意の部分であってもよい。以下に記載するように、本明細書に定義された式Iのプローブ化合物は、置換アッセイで使用されるように設計され、それによって、標的タンパク質(例えばMLH1またはPMS2)のATP結合部位から式Iのプローブ化合物を置換する試験化合物の能力が、標的タンパク質のATP結合部位に対するその試験化合物の結合親和性を決定するのに使用され得る。したがって、検出部分Qは、容易に検出および定量できる任意の部分であってもよい。特定の状況では、検出部分Qは、標的タンパク質のATP結合部位から置換されている(すなわち「結合していない」)式Iの任意のプローブ化合物を検出および定量できるようにする。本発明の特定の実施形態では、これは、式Iの任意の置換された、または「結合していない」化合物を試験試料から回収し、試料をアッセイして結合していないプローブ化合物がどれぐらい存在するかを決定することによって達成され得る。これは次に、試料中に存在するプローブ化合物が試験化合物によってどれぐらい置換されているかの指標となるであろう。
【0037】
このように、検出部分Qの性質は、試料中に存在する式Iのプローブ化合物の量を決定できるようにするために使用できる限り重要ではないことが理解されよう。当業者であれば、試料中の式Iの化合物の量を検出および定量するための、特に、試験化合物によって標的タンパク質のATP結合部位から置換されている式Iのプローブ化合物の量を検出するための、適切な検出部分Qおよび適切な方法論を選択できるであろう。
【0038】
適切には、検出部分Qは、フルオロフォア、オリゴヌクレオチド、生体分子、分子センサー、タンパク質、またはペプチドからなる群から選択される。
【0039】
検出部分Qが、オリゴヌクレオチド、生体分子、分子センサー、タンパク質、またはペプチドである実施形態では、存在するオリゴヌクレオチド、生体分子、分子センサー、タンパク質、またはペプチドの量を検出および定量するための当技術分野において公知の任意の適切な手法が利用され得る。例えば、式Iのプローブ化合物の検出部分Qに特異的に結合できる蛍光標識二次プローブが使用されてもよく、全ての過剰な二次プローブが除去されれば、式Iの化合物の検出部分Qに対する二次プローブの結合量が検出および定量され得、それにより式Iのプローブ化合物の量を決定できるようにする。
【0040】
例えば、Qがオリゴヌクレオチドであるならば、適切な検出可能な標識を有する二次プローブ、例えば、フルオロフォアまたは放射性標識、およびQにハイブリダイズできる相補的オリゴヌクレオチド配列が、試料中に存在する式Iのプローブ化合物の量(およびより適切には、試験化合物によって標的タンパク質のATP結合部位から置換されたプローブ化合物の量)を検出および定量するのに使用されてもよい。同様に、Qがタンパク質またはペプチドであるならば、二次プローブは、そのタンパク質またはペプチドおよび適切な検出可能な標識、例えば、フルオロフォアまたは放射性標識に選択的に結合できる抗体であってもよい。
【0041】
より適切には、検出部分Qは、フルオロフォアである。このような場合、式Iの化合物は、蛍光分極アッセイで使用できる。式Iのプローブ化合物の基では、特に検出部分Qは、AlexaFluor色素、シアニン色素、フルオレセイン、BODIPYまたはBODIPY誘導体(例えばBODIPY TMR)、TAMRA、オレゴングリーン色素、FITC、Ru(bpy)3、ローダミン色素、アクリジンオレンジ、およびテキサスレッドからなる群から選択されるフルオロフォアである。式Iのプローブ化合物の更なる基では、検出部分Qは、AlexaFluor-647、AlexaFluor-633、AlexaFluor-594、AlexaFluor-488、シアニン-5B、シアニン-3B、フルオレセイン、BODIPY TMR、TAMRA、オレゴングリーン488、オレゴングリーン514、FITC、Ru(bpy)3、ローダミン色素、アクリジンオレンジ、およびテキサスレッドからなる群から選択されるフルオロフォアである。
【0042】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(1)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0043】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(2)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0044】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(3)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0045】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(4)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0046】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(5)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0047】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(6)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0048】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(7)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0049】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(8)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0050】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)~(41)のいずれか1つに定義された通りである。
【0051】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(10)に定義された通りである。
【0052】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(11)に定義された通りである。
【0053】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(14)に定義された通りである。
【0054】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(15)に定義された通りである。
【0055】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(18)に定義された通りである。
【0056】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(19)に定義された通りである。
【0057】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(22)に定義された通りである。
【0058】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(23)に定義された通りである。
【0059】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(26)に定義された通りである。
【0060】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(27)に定義された通りである。
【0061】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(30)に定義された通りである。
【0062】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(31)に定義された通りである。
【0063】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(34)に定義された通りである。
【0064】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(35)に定義された通りである。
【0065】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(36)に定義された通りである。
【0066】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(37)に定義された通りである。
【0067】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(38)に定義された通りである。
【0068】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(39)に定義された通りである。
【0069】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(40)に定義された通りである。
【0070】
式Iのプローブ化合物の基では、特に、Qは、フルオロフォアであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lは、上記パラグラフ(41)に定義された通りである。
【0071】
適切には、Xは、上記パラグラフ(46)~(51)のいずれか1つに定義された通りである。
【0072】
Xは、検出部分に存在する官能基Q、または本明細書に定義された式Q-L2-Yの化合物と反応して検出部分を式IIの化合物に共有結合させ、それによって本明細書に定義された式Iの化合物を形成できる任意の適切な官能基であり得ることが理解されよう。
【0073】
当業者であれば、適切な検出部分との共有結合を形成するのに使用できる適当な官能基に詳しいであろう。例えば、Xは、ハロ、N
3またはエチニル(
【化4】
)から選択されてもよい。
【0074】
特定の実施形態では、Xは、N3またはエチニルである。
【0075】
適切には、Xは、検出部分に存在する官能基と反応して、検出部分と式IIの化合物の間に結合またはトリアゾール結合を形成できる官能基である。特定の実施形態では、形成される結合は、トリアゾール結合(CLICK化学によって形成され得る。)である。
【0076】
適切には、Lxは、上記パラグラフ(52)~(56)のいずれか1つに定義された通りである。
【0077】
本発明の特定の実施形態では、式Iの化合物は、式IIの化合物を、式:
Q-Ly-Y
(式中、
Qは、上記に定義される検出部分であり:
Lyは、存在せず、または式IIの化合物の基Lxに共有結合される場合、式Iの化合物のリンカーLを形成するリンカー基であり;
Yは、式IIの化合物に存在する官能基Xと反応して、Q-L2を式IIの化合物のLxに共有結合させることができる官能基である。)
の基と反応させることによって形成される。
【0078】
一実施形態では、Lyは、(1~8C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つまたは複数の-O-、-C(O)NR10-、-NR10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-またはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、R10は、水素または(1~2C)アルキルである。
【0079】
別の一実施形態では、Lyは、(1~8C)アルキレンリンカーであり、ここで、アルキレン鎖は、アルキレン鎖内かおよび/またはその終端の一方のいずれかに位置する1つの-O-、-C(O)NR10-、-NR10C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-またはトリアゾール環結合を任意選択的にさらに含み、R10は、水素または(1~2C)アルキルである。
【0080】
更なる実施形態では、Lyは、(1~5C)アルキレンリンカーである。
【0081】
別の一実施形態では、Lyは、(1~3C)アルキレンリンカーである。
【0082】
Yは、式IIのプローブ化合物に存在する官能基Xと反応して基Q-Lyを式IIの化合物に共有結合させ、それによって本明細書に定義された式Iの化合物を形成できる任意の適切な官能基であり得ることが理解されよう。
【0083】
当業者であれば、式IIの化合物の官能基Xとの共有結合を形成するのに使用できる適当な官能基に詳しいであろう。例えば、Yは、ハロ、N3またはエチニルから選択されてもよい。
【0084】
特定の実施形態では、Xがエチニルである場合にYはN3である、またはXがN3である場合にYはエチニルである。
【0085】
適切には、Yは、式IIのプローブ化合物に存在する官能基Xと反応して、結合またはトリアゾール結合を形成できる官能基である。特定の実施形態では、形成される結合はトリアゾール結合(CLICK化学によって形成され得る。)である。
【0086】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(1)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0087】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(2)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0088】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(3)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0089】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(4)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0090】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(5)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0091】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(6)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0092】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(7)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0093】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(8)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0094】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)、(53)または(54)に定義された通りである。
【0095】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(52)に定義された通りである。
【0096】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(53)に定義された通りである。
【0097】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(54)に定義された通りである。
【0098】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(55)に定義された通りである。
【0099】
式IIのプローブ化合物の基では、特に、Xは、上記パラグラフ(50)に定義された通りであり、R1は、上記パラグラフ(9)に定義された通りであり、Lxは、上記パラグラフ(56)に定義された通りである。
【0100】
本発明に係る化合物には、特に、以下のいずれか1つが含まれる:
1-(6-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウム(実施例1);
3-(2-((1E,3E)-5-((Z)-3-(5-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-5-オキソペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1-(3-スルホプロピル)インドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-1-イウム-1-イル)プロパン-1-スルホン酸(実施例2);
1-(6-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウムホルマート(実施例3);
2-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-5-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸および5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸(実施例4);
5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-(ジメチルアミノ)-3-(ジメチルイミノ)-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸アンモニウム(benzoate ammonium)(実施例5);
2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)メタノン(実施例6);
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)プロペンアミド(実施例7);
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(実施例8);
4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)ブタンアミド(実施例9);
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-1-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン(実施例10);
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(15-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)プロパンアミド(実施例11);
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(4-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブチル)プロパンアミド(実施例12);
(2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル;
(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩;
Tert-ブチル(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル;
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン。
【0101】
本発明に係るプローブ化合物には、特に、以下のいずれか1つが含まれる:
2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)メタノン(実施例6);
(2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル;
(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩;
(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル;
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン。
【0102】
本発明に係るプローブ化合物には、特に、以下のいずれか1つが含まれる:
1-(6-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウム(実施例1);
3-(2-((1E,3E)-5-((Z)-3-(5-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-5-オキソペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1-(3-スルホプロピル)インドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-1-イウム-1-イル)プロパン-1-スルホン酸(実施例2);
1-(6-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウムホルマート(実施例3);
2-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-5-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸および5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸(実施例4);
5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-(ジメチルアミノ)-3-(ジメチルイミノ)-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸アンモニウム(実施例5);
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)プロペンアミド(実施例7);
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(実施例8);
4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)ブタンアミド(実施例9);
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-1-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン(実施例10);
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(15-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)プロパンアミド(実施例11);
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(4-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブチル)プロパンアミド(実施例12)。
【0103】
本発明に係るプローブ化合物の適切な塩は、例えば、十分に塩基性である本発明に係る化合物の酸付加塩、例えば、無機酸または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、クエン酸、メタンスルホン酸またはマレイン酸との酸付加である。さらに、十分に酸性である本発明に係る化合物の適切な塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩もしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩もしくはマグネシウム塩、アンモニウム塩または有機塩基との塩である。
【0104】
本発明はまた、1つまたは複数の同位体置換を含む、本明細書により定義された本発明に係るプローブ化合物も包含する。例えば、Hは、1H、2H(D)および3H(T)を含む任意の同位体型であってもよく、Cは、12C、13Cおよび14Cを含む任意の同位体型であってもよく、Oは、16Oおよび18Oを含む任意の同位体型であってもよいなどである。
【0105】
式(I)のプローブ化合物は、例えば水和形態などの溶媒和形態および非溶媒和形態で存在し得ることも理解されるべきである。
【0106】
式(I)のプローブ化合物は、多形性を示し得ること、および本発明は全てのそのような多形形態を包含することも理解されるべきである。
【0107】
式(I)のプローブ化合物は、いくつかの異なる互変異性形態でも存在してもよく、式(I)の化合物への言及には全てのそのような形態が含まれる。
【0108】
[プローブ化合物の合成]
別の一態様にて、本発明は、本明細書に定義された式Iもしくは式IIのプローブ化合物、またはその塩を合成する方法を提供する。
【0109】
本発明に係るプローブ化合物は、当技術分野において公知の任意の適切な手法によって調製できる。これらの化合物を調製するための特定のプロセスは、添付の例でさらに記載する。
【0110】
本明細書に記載の合成方法の説明、および出発物質を調製するのに使用される任意の言及された合成方法において、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験手順およびワークアップ手順の持続時間を含む全ての提案された反応条件は、当業者によって選択できることが理解されるべきである。
【0111】
分子の様々な部分に存在する官能性が利用される試薬および反応条件に適合しなければならないことは、有機合成における当業者であれば理解され得る。
【0112】
本明細書により定義されたプロセスによって本発明に係る化合物を合成する間、または特定の出発物質の合成中、特定の置換基を保護することが、それらの望ましくない反応を防ぐために望ましい場合があることが理解されよう。熟練した化学者であれば、そのような保護がいつ必要とされるか、およびそのような保護基がどのように導入され、後で除去され得るかを理解するであろう。
【0113】
保護基の例については、このテーマに関する多くの一般的なテキストの1つ、例えば、‘Protective Groups in Organic Synthesis’ by Theodora Green;4th Edition;2006(publisher:John Wiley & Sons)を参照されたい。保護基は、文献に記載され、または問題とされた保護基の除去に適していると熟練した化学者に知られている任意の簡便な方法によって除去でき、このような方法は、分子中の他の部分では基の妨害を最小限にしながら保護基の除去をもたらすように選択され得る。
【0114】
一態様にて、本発明は、本明細書に定義された式Iの化合物を合成するプロセスであって、本明細書に定義された式IIの化合物を本明細書に定義された式Q-L2-Yの化合物と反応させて式Iの化合物を形成するステップ;ならびに任意選択的にその後:
(i)存在する任意の保護基を除去するステップ;
(ii)式Iの化合物の塩を形成するステップ;および/または
(iii)式Iの化合物を単離し、精製するステップ
を含むプロセスを提供する。
【0115】
[プローブ化合物の適用]
一態様にて、本発明は、標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定する置換アッセイにおける、本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩の使用を提供する。
【0116】
別の一態様にて、本発明は、標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定する置換アッセイにおいて使用するための式Iのプローブ化合物、またはその塩を提供する。
【0117】
一実施形態では、標的タンパク質は、MLH1、PMS2またはHSP90から選択される。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1またはPMS2である。また特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1である。更なる特定の実施形態では、標的タンパク質は、PMS2である。
【0118】
置換アッセイは、当技術分野において公知である。Qがフルオロフォアである本発明の実施形態では、置換アッセイは蛍光分極アッセイである。蛍光分極アッセイは、当技術分野において公知である(例えば、本明細書における参考文献[7、8、9]を参照されたい。)。
【0119】
試験化合物は、標的タンパク質(例えばMLH1またはPMS2)のATP結合部位への結合についてスクリーニングされるべき任意の生体分子または小分子化合物であってもよい。
【0120】
別の一態様にて、本発明は、標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定するアッセイであって、
(i)本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩の存在下で、試験分子を標的タンパク質とインキュベートするステップと、
(ii)任意のプローブ化合物が標的タンパク質のATP結合部位から置換されているかを決定するステップと
を含むアッセイを提供する。
【0121】
一実施形態では、標的タンパク質は、MLH1、PMS2またはHSP90から選択される。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1またはPMS2である。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1である。更なる特定の実施形態では、標的タンパク質は、PMS2である。
【0122】
適切には、アッセイは、置換アッセイである。置換アッセイは、当技術分野において公知である。Qがフルオロフォアである本発明の実施形態では、置換アッセイは、蛍光分極アッセイである。蛍光分極アッセイは、当技術分野において公知である(例えば、本明細書における参考文献[7、8、9]を参照されたい。)。
【0123】
任意のプローブ化合物が、標的タンパク質のATP結合部位から置換されているかを決定するステップは、試験化合物が、ATP結合部位に結合していない式Iのプローブ化合物の割合の増加をもたらすかを検出するステップを適切には含む。これは、結合していないプローブ化合物の量に増加が認められるかを検出する(対照と比べて)か、または、結合プローブ化合物の量が容易に検出できるならば(例えば蛍光分極によって)、結合プローブ化合物の量に減少が認められるかを検出する(やはり対照と比べて)かのいずれかによって達成できる。
【0124】
結合していない量と比べた、標的タンパク質のATP結合部位に結合しているプローブ化合物の割合の決定は、当技術分野において公知の手法によって達成できる。利用される特定の手法は、式Iの化合物中の検出部分Qの性質に依存するものであろう。適切には、Qは、フルオロフォアであり、アッセイは、蛍光分極アッセイである。このようなアッセイでは、標的タンパク質のATP結合部位からのプローブ化合物の置換に起因する蛍光の差が検出され、任意の置換プローブ化合物の量を定量し、それによって標的タンパク質のATP結合部位に対する試験化合物の結合親和性を決定するのに使用され得る。
【0125】
別の一態様にて、本発明は、標的タンパク質のATP結合部位に対する試験分子の結合親和性を決定する方法であって、
(i)本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩の存在下で、試験分子を標的タンパク質とインキュベートするステップと、
(ii)任意のプローブ化合物が標的タンパク質のATP結合部位から置換されているか否かを決定するステップと
を含むアッセイを提供する。
【0126】
一実施形態では、標的タンパク質は、MLH1、PMS2またはHSP90から選択される。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1またはPMS2である。また特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1である。更なる特定の実施形態では、標的タンパク質はPMS2である。
【0127】
適切には、方法は、置換アッセイである。置換アッセイは、当技術分野において公知である。Qがフルオロフォアである本発明の実施形態では、置換アッセイは、蛍光分極アッセイである。蛍光分極アッセイは、当技術分野において公知である(例えば、本明細書における参考文献[7、8、9]を参照されたい。)。
【0128】
任意のプローブ化合物が標的タンパク質のATP結合部位から置換されているか否かを決定するステップは、上記した方法で行うことができる。
【0129】
別の一態様にて、本発明は、生体試料内に存在する標的タンパク質の位置および/または量を決定するアッセイであって、
(i)生体試料を、本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)生体試料内に存在する式Iの化合物の検出部分の位置および/または強度を検出することによって、試料内に存在する式Iの化合物の位置および/または量を決定するステップと
を含むアッセイを提供する。
【0130】
別の一態様にて、本発明は、生体試料内に存在する標的タンパク質の位置および/または量を決定するアッセイであって、
(i)生体試料を、本明細書に定義された式IIのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)生体試料を、式IIの化合物に存在する官能基Xと反応して生体試料内にin situで式Iの化合物を形成できる検出部分Q、または本明細書に定義された式Q-L2-Yの化合物と接触させるステップと、
(iii)生体試料内に存在する式Iの化合物の検出部分の位置および/または強度を検出することによって、試料内に存在する式Iの化合物の位置および/または量を決定するステップと
を含むアッセイを提供する。
【0131】
別の一態様にて、本発明は、生体試料内に存在する標的タンパク質の位置および/または量を決定する方法であって、
(i)生体試料を、本明細書に定義された式Iのプローブ化合物、またはその塩と接触させるステップと、
(ii)生体試料内に存在する式Iの化合物の検出部分の位置および/または強度を検出することによって、試料内に存在する式Iの化合物の位置および/または量を決定するステップと
を含む方法を提供する。
【0132】
別の一態様にて、本発明は、生体試料内に存在する標的タンパク質の位置および/または量を決定する方法であって、
(i)生体試料を、式IIの化合物に存在する官能基Xと反応して生体試料内にin situで式Iの化合物を形成できる検出部分Q、または本明細書に定義された式Q-L2-Yの化合物とMLH1またはPMS2接触させるステップと、
(ii)生体試料内に存在する式Iの化合物の検出部分の位置および/または強度を検出することによって、試料内に存在する式Iの化合物の位置および/または量を決定するステップと
を含む方法を提供する。
【0133】
一実施形態では、標的タンパク質は、MLH1、PMS2またはHSP90から選択される。特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1またはPMS2である。また特定の実施形態では、標的タンパク質は、MLH1である。更なる特定の実施形態では、標的タンパク質は、PMS2である。
【0134】
適切には、生体試料を式Iまたは式IIのプローブ化合物と接触させるステップ(上記のアッセイおよび方法のステップ(i))は、標的タンパク質(例えば、MLH1またはPMS2)のATP結合部位にプローブ化合物が結合できるようにする条件下で、生体試料をプローブ化合物とインキュベートするステップを伴う。
【0135】
生体試料内の式Iの化合物の分布および量の決定は、当技術分野において公知の手法によって達成できる。利用される特定の手法は、式Iの化合物中の検出部分Qの性質に依存するものであろう。適切には、Qはフルオロフォアであり、生体試料内の式Iの化合物の位置および量は、蛍光顕微鏡法/イメージングによって達成できる。試料内の様々な位置の式Iの化合物の量を決定するために、蛍光強度の適当な較正が使用され得る。
【0136】
本明細書により定義された本発明に係るアッセイおよび方法は、過剰な式Iまたは式IIのプローブ化合物を生体試料から除去するためにステップ(i)後に行われる、1つまたは複数の洗浄ステップを任意選択的にさらに含むことができる。
【0137】
プローブ化合物が式IIの化合物である実施形態では、本明細書により定義されたアッセイおよび方法は、標的タンパク質のATP結合部位に結合できるように生体試料を式IIの化合物と接触させるステップ、任意選択的に、生体試料を1回または複数回洗浄して任意の結合していない式IIのプローブ化合物を除去するステップ、次いで、生体試料内で式IIのプローブ化合物とin situで反応して式Iの化合物を形成できる適切な検出部分Q、または本明細書に定義された式Q-L2-Yの化合物と生体試料を接触させるステップを伴う。試料は、任意の結合していない/未反応検出部分を試料から除去するために、検出部分とのインキュベーション後に任意選択的に洗浄されてもよい。検出部分は、式IIのプローブ化合物の官能基Xと反応できる適切な官能基を担持する、本明細書に定義された基Qであってもよい。または検出部分は、式IIの化合物と反応して本明細書に定義された式Iの化合物を形成する、本明細書に定義された式Q-L2-Yの化合物であってもよい。
【実施例】
【0138】
<分析方法>
実施例1~6および関連する中間体の調製のために、市販の出発物質、試薬および乾燥溶媒を供給された通りに使用した。Merckシリカゲル230~400メッシュサイズを使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーを行った。ガラスカラムクロマトグラフィーまたはフラッシュクロマトグラフィーを使用して、カラムクロマトグラフィーも行った。フラッシュクロマトグラフィーは、コンビフラッシュRF Teledyne Isco機で行った。分取TLCはMerckプレートで行った。1H NMRスペクトルはBruker Avance-400で記録した。試料を適切な重水素化溶媒溶液として調製し、適当な内部非重水素化溶媒ピークまたはテトラメチルシランを基準とした。化学シフトはテトラメチルシランのppm(δ)低磁場で記録した。
【0139】
実施例7~12の調製のために、溶媒をSigma AldrichまたはFisher Scientificから購入し、精製することなく使用した。NanoBRET(登録商標)590 SE、NanoBRET(登録商標)590-O4-SE、およびNanoBRET(登録商標)590-C4-SEを、Promega Corp.Madison、WIから入手した。質量スペクトルはThermo Fisher Vanquish(商標)(LC-MS)で記録し、純度(≧95%)は、Kinetex 5μm EVO C18 100Å LC Column 30×2.1mmカラムまたは Phenomenex Synergi 2.5μm Max-RP 100Å LCカラムを使用して、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって決定した。化合物を「標準的方法1」:最初の移動相:90%水溶液(0.1%TFA/H20)、10%アセトニトリル;最終移動相:0%水溶液、100%アセトニトリル;30分直線勾配に従って、Waters XBridge Prep C18 OBD 30×250mmカラムを使用してWaters LC Prep 150で精製した。
【0140】
[HPLC方法]
(方法-A)
以下の条件を使用して試料を分析した:PDA検出器を備えるAgilentシリーズ1260 Infinity-II、カラム:Waters Sunfire C18、150×4.6mm、3.5ミクロン、カラム温度:室温、オートサンプラー温度:15℃、移動相A:0.05%(v/v)トリフルオロ酢酸/Milli-Q水(pH約2.5)、移動相B:100%アセトニトリル;移動相勾配詳細:t=0分(90% A、10% B;t=7分までの勾配(10% A、90% B);t=9分までの勾配(0% A、100% B);t=14分(0% A、100% B);t=14.01分までの勾配(90% A、10% B);t=17分でのラン終了(90% A、10% B)、流速:1mL/分、分析時間17分。
【0141】
[LC-MS方法]
(方法-A)
バイナリーソルベントマネージャー、PDA検出器およびAcquity QDAパフォーマンス質量検出器を備えるWaters Acquity UPLC、カラム:Ymc tri-art C18、50×2.1mm、1.9ミクロン、カラム温度:35℃、オートサンプラー温度:5℃、移動相A:0.1%(v/v)ギ酸/ddH2O(pH=2.70)、移動相B:0.1%ギ酸(v/v)/水:アセトニトリル(10:90)、移動相勾配詳細:t=0分(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=0.75分(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=2.7分までの勾配(2% A、98% B)フロー:0.8mL/分;t=3分までの勾配(0% A、100% B)フロー:1mL/分;t=3.5分(0% A、100% B)フロー:1mL/分;t=3.51分までの勾配(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=4分でのラン終了(97% A、3% B)、流速:0.8mL/分、分析時間4分。質量検出器パラメーター:イオン化モードは、コーン電圧10Vおよび30Vならびに0.8kVキャピラリー電圧でポジティブおよびネガティブモードにより周期的に切り替え、ソースおよびプローブの温度は、それぞれ120℃および600℃であった。
【0142】
(方法-B)
クォータナリーソルベントマネージャー、PDA検出器およびAcquity QDA質量検出器を備えるWaters Acquity UPLC、カラム:Ymc tri-art C18、50×2.1mm、1.9ミクロン、カラム温度:35℃、オートサンプラー温度:5℃、移動相A:0.1%(v/v)ギ酸/ddH2O(pH=2.70)、移動相B:0.1%(v/v)ギ酸/水:アセトニトリル(10:90)、移動相勾配詳細:t=0分(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=0.75分(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=2.7分までの勾配(2% A、98% B)フロー:0.8mL/分;t=3分までの勾配(0% A、100% B)フロー:1mL/分;t=3.5分(0% A、100% B)フロー:1mL/分;t=3.51分までの勾配(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=4分でのラン終了(97% A、3% B)、流速:0.8mL/分、分析時間4分。質量検出器パラメーター:プローブはESIキャピラリープローブであり、イオン化モードは、コーン電圧10Vおよび30Vならびに0.8kVキャピラリー電圧でポジティブおよびネガティブモードにより周期的に切り替えた。ソースおよびプローブの温度は、それぞれ120℃および600℃であった。
【0143】
(方法-C)
PDA検出器およびSQ検出器を備えるWaters Acquity、カラム:X-bridge C18、50×4.6mm、3.5ミクロン、カラム温度:25℃、移動相A:5mM重炭酸アンモニウム/ddH2O(pH=7.35)、移動相B:MeOH、移動相勾配詳細:t=0分(92% A、8% B);t=0.75分(92% A、8% B);t=3分までの勾配(30% A、70% B)t=3.75分までの勾配(5% A、95% B);t=4.20分までの勾配(0% A、100% B);t=5.20分(0% A、100% B);t=5.21分までの勾配(92% A、8% B);t=7分でのラン終了(92% A、8% B)、流速:1mL/分、分析時間7分。質量検出器パラメーター:イオン化モードは、コーン電圧10Vおよび30Vならびに3.25kVキャピラリー電圧でポジティブおよびネガティブモードにより周期的に切り替え、ソースおよびプローブの温度は、それぞれ120℃および600℃であった。
【0144】
(方法-D)
PDA検出器およびSQ検出器を備えるWaters Acquity、カラム:X-bridge C18、50×4.6mm、3.5ミクロン、カラム温度:25℃、移動相A:5mM重炭酸アンモニウム/ddH2O(pH=7.35)、移動相B:アセトニトリル;移動相勾配詳細:t=0分(97% A、3% B)フロー:0.5mL/分;t=0.2分(97% A、3% B)フロー:0.5mL/分;t=2.7分までの勾配(2% A、98% B)フロー:0.5mL/分;t=3分までの勾配(0% A、100% B)フロー:0.7mL/分;t=3.5分(0% A、100% B)フロー:0.7mL/分;t=3.51分までの勾配(97% A、3% B)フロー:0.5mL/分;t=4分でのラン終了(97% A、3% B)、流速:0.5mL/分、分析時間4分。質量検出パラメーター:イオン化モードは、コーン電圧10Vおよび30Vならびに3.25kVキャピラリー電圧でポジティブおよびネガティブモードにより周期的に切り替え、ソースおよびプローブの温度は、それぞれ120℃および600℃であった。
【0145】
(方法-E)
バイナリーソルベントマネージャー、PDA検出器およびAcquity QDAパフォーマンス質量検出器を備えるWaters Acquity UPLC with、カラム:Xbridge BEH C18、50×2.1mm、2.5ミクロン、カラム温度:35℃、オートサンプラー温度:5℃;移動相A:0.1%(v/v)ギ酸/ddH2O(pH=2.70);移動相B:0.1%ギ酸(v/v)/水:アセトニトリル(10:90)、移動相勾配詳細:t=0分(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=0.75分(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=2.7分までの勾配(2% A、98% B)フロー:0.8mL/分;t=3分までの勾配(0% A、100% B)フロー:1mL/分;t=3.5分(0% A、100% B)フロー:1mL/分;t=3.51分までの勾配(97% A、3% B)フロー:0.8mL/分;t=4分でのラン終了(97% A、3% B)、流速:0.8mL/分、分析時間4分。質量検出器パラメーター:イオン化モードは、コーン電圧10Vおよび30Vならびに0.8kVキャピラリー電圧でポジティブおよびネガティブモードにより周期的に切り替え、ソースおよびプローブの温度は、それぞれ120℃および600℃であった。
【0146】
[分取HPLC方法(X用)]
Waters 2489-UV/可視波長検出器を備えるWaters Quaternary-2545勾配モジュール、カラム:YMC-TRI ART C18、250×21.2mm、5ミクロン、カラム温度:室温、移動相A:5mM重炭酸アンモニウム/水、移動相B:100%アセトニトリル;移動相勾配詳細:T=0.01分(50% A、50% B;t=17分までの勾配(40% A、60% B);t=17.01分までの勾配(2% A、98% B);T=19分(2% A、98% B);t=19.01分までの勾配(50% A、50% B);t=21分でのラン終了(50% A、50% B)、流速:17mL/分、分析時間21分。
【0147】
[実施例1]
<1-(6-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウムの調製>
【0148】
【化5】
(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩(3.5mg、0.0073ミリモル)のDMF(1.0ml)溶液に、シアニン-5 NHSエステル(CAS:1263093-76-0、5.1mg、0.0040ミリモル)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.8μL、0.22ミリモル)を添加した。反応混合物を暗所、室温で1時間撹拌した後、真空で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製(フラッシュ4g、0~20%MeOH:CH
2Cl
2)、次いでの逆相HPLC(Sunfire C18、5~60%MeCN:H
2O(0.1%HCO
2H))、その後の凍結乾燥により、標題化合物を青色固体として得た(1.6mg、23%)。
1H NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) δ 10.1 (br. s, 1H), 9.68 (s, 1H), 8.45-8.31 (m, 2H), 8.19 (s, 1H), 7.97-7.90 (m, 1H), 7.70-7.63 (m, 2H), 7.52-7.23 (m, 9H), 7.09 (s, 1H), 6.61 (t, J = 12.4 Hz, 1H), 6.46 (s, 1H), 6.36 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 4.90-4.74 (m, 4H), 4.17-4.09 (m, 2H), 3.64-3.83-3.71 (m, 2H), 3.65 (s, 3H), 3.39-3.03 (m, 9H), 2.16-2.08 (m, 2H), 1.75-1.67 (m, 12H), 1.60-1.51 (m, 2H), 1.41-1.35 (m, 2H), 1.32-1.27 (m, 2H), 1.19 (d, J = 7.2 Hz, 6H).H
2Oピークによって8個の陽子が見えなくなると推定された;HPLC純度97%;LC/MS R
t=3.83分;MS m/z:948.2[M+H]
+。
【0149】
[実施例2]
<3-(2-((1E,3E)-5-((Z)-3-(5-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-5-オキソペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1-(3-スルホプロピル)インドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-1-イウム-1-イル)プロパン-1-スルホン酸の調製>
【0150】
【化6】
(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩のDMF(1.0ml)溶液(3.2mg、0.0066ミリモル)に、AlexaFluor-647 NHSエステル(5.0mg、0.0076ミリモル)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.6μL、0.20ミリモル)を添加した。反応混合物を暗所、室温で8時間撹拌した後、DMSOで総容積1.5mLに希釈した。逆相HPLC(Sunfire C18、5~60%MeCN:H
2O(10mM NH
4CO
3)による精製、その後の凍結乾燥により、標題化合物を青色固体として得た(1.3mg、25%)。HPLC純度91%;LC/MS R
t=2.39分;MS m/z:662.8[M+2H]
2+。
【0151】
[実施例3]
<1-(6-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウムホルマートの調製>
【0152】
【化7】
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン(5mg、0.0085ミリモル)のDMF(1.0ml)溶液に、シアニン-5 NHSエステル(CAS:1263093-76-0、3.9mg、0.0068ミリモル)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(22μL、0.13ミリモル)を添加した。反応混合物を暗所、室温で4時間撹拌し、粗反応混合物を逆相HPLC(Sunfire C18、5~60%MeCN:H
2O(0.1% HCO
2H))によって精製し、真空で濃縮し、凍結乾燥して標題化合物を青色固体として得た(3.0mg、38%)。
1H NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) δ 10.89-9.55 (br. m, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.39-8.30 (m, 2H), 7.74 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.65-7.0 (m, 2H), 7.45-7.37 (m, 4H), 7.29-7.16 (m, 5H), 7.04 (s, 1H), 6.61-6.53 (m, 1H), 6.43 (s, 1H), 6.34-6.24 (m, 2H), 4.79-4.72 (m, 4H), 4.12-4.06 (m, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.11 (五重線, J = 6.8, 1H), 3.02-2.95 (m, 2H), 2.37-2.17 (m, 10H), 2.11-2.02 (m, 2H), 1.69 (s, 12H), 1.59-1.51 (m, 3H), 1.40-1.30 (m, 6H), 1.25-1.21 (m, 3H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 6H).1×OHは観察されなかった。H
2Oピークによって2個の陽子が見えなくなった;LC/MS Rt=3.86分;MS m/z:946.0[M+H]
+。
【0153】
[実施例4]
<2-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-5-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸および5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸の調製>
【0154】
【化8】
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン(5.0mg、0.0085ミリモル)のDMF(1.0ml)溶液に、NHS-フルオレセイン(5/6-カルボキシフルオレセイン スクシンイミジルエステル)、混合異性体(CAS:117548-22-8、3.2mg、0.0068ミリモル)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(22μL、0.13ミリモル)を添加した。反応混合物を暗所、室温で2時間撹拌し、粗反応混合物を逆相HPLC(Sunfire C18、5~60%MeCN:H
2O(10mM(NH
4)
2CO
3))によって精製し、真空で濃縮して標題化合物をオレンジ色の粉末として得た(3.2mg、45%)。
1H NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) δ 10.50-9.50 (m, 3H), 8.90-8.13 (m, 3H), 7.75-7.24 (m, 4H), 7.13 (s, 1H), 6.74-6.67 (m, 4H), 6.62-6.58 (m, 2H), 6.48 (s, 1H), 4.88-4.79 (m, 4H), 3.18 (五重線, J = 6.8, 1H), 2.50-2.24 (m, 8H), 1.69-1.28 (m, 6H), 1.22 (d, J = 6.8 Hz, 6H).H
2Oピークによって6個の陽子が見えなくなり、CO
2Hは観察されなかった;LC/MS R
t=3.32分;MS m/z:839.7[M+H]
+。
【0155】
[実施例5]
<5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-(ジメチルアミノ)-3-(ジメチルイミノ)-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸アンモニウムの調製>
【0156】
【化9】
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン (3.8mg、0.0064ミリモル)のDMF(1.0ml)溶液に、5-TAMRA SE(5-カルボキシテトラメチルローダミン、スクシンイミジルエステル)(CAS:150810-68-7、2.7mg、0.0052ミリモル)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(17μL、0.097ミリモル)を添加した。反応混合物を暗所、室温で2.5時間撹拌し、粗反応混合物を逆相HPLC(Sunfire C18、20~80% MeCN:H
2O(10mM(NH4)
2CO
3))によって精製し、真空で濃縮して標題化合物を紫色の粉末として得た(3.9mg、67%)。
1H NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) δ 10.33-10.02 (m, 2H), 9.67 (s, 1H), 8.92-8.83 (m, 1H), 8.54-8.43 (m, 1H), 8.25 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.39-7.18 (m, 7H), 7.11-7.03 (m, 2H), 6.62-6.49 (m, 5H), 6.44 (s, 1H), 4.82-4.73 (m, 4H), 3.60-3.52 (m, 2H), 3.14-2.84 (m, 19H), 1.90-1.56 (m, 4H), 1.41-1.32 (m, 2H), 1.15 (d, J = 6.8 Hz, 6H).H
2OおよびDMSOピークによって6個の陽子が見えなくなった。0.5当量NH
4CO
3付加物;LC/MS R
t=3.09分;MS m/z:893.8[M+H]
+。
【0157】
[実施例6]
<(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)メタノン>
【0158】
【0159】
[合成スキーム(
図1参照)]
[Tert-ブチル-5-メチルイソインドリン-2,5-ジカルボン酸(A)]
5-ブロモイソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(CAS#201940-08-1)(10.0g、33.5ミリモル)のMeOH:DMF(9:1、100mL)溶液に、TEA(14mL、137.81ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を、N
2を使用して10~15分間脱気した。PdCl
2(dppf)(4.91g、6.71ミリモル)を反応混合物に室温で添加した。反応混合物に30kg/cm
2のCO(
ガス)圧をかけ、120℃に加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を水(200mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)に抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(200mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して粗物質を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、12%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)によって精製し、2-(tert-ブチル)5-メチルイソインドリン-2,5-ジカルボン酸(A)を茶色固体として得た(10g)。
【0160】
LCMS (方法B): 2.657分, MS: ES+ 278.18 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.45 (s, 9H), 3.84 (s, 3H), 4.61(t, J = 7.6 Hz, 4H), 7.43 - 7.47 (m, 1H), 7.86 - 7.91 (m, 2H).
【0161】
[5-(ヒドロキシメチル)イソインドリン-2-カルボン酸Tert-ブチル(B)]
LiAlH4溶液(THF中1M)(36mL、36.10ミリモル)を、2-(tert-ブチル)5-メチルイソインドリン-2,5-ジカルボン酸(A)(10g、36.07ミリモル)のTHF(200mL)撹拌溶液に0℃で滴下した。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、次いで冷たい飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)に抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、5-(ヒドロキシメチル)イソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(B)を茶色固体として得た(5g、56%)。この物質を、さらに精製することなく次のステップで使用した。
LCMS (方法B): 2.061分, MS: ES+ 250.18 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.45 (s, 9H), 4.48 - 4.55 (m, 6H), 5.21 (br. s, 1H), 7.19 - 7.26 (m, 3H).
【0162】
[5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸Tert-ブチル(C)]
5-(ヒドロキシメチル)イソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(B)(3g、12.04ミリモル)のDCM(30mL)溶液に、活性化MnO2(10.36g、120.40ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライト床に通して濾過し、10%MeOH:DCM(3×50mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で濃縮し、5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(C)を灰色固体として得た(2.6g、86%)。この物質を、これ以上精製することなく次のステップで使用した。
【0163】
LCMS (方法B): 2.387分, MS: ES+ 248.18 (M+1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.54 (s, 9H), 4.73 - 4.76 (m, 4H), 7.40 - 7.45 (dd, J = 8.4, 7.6 Hz, 1H), 7.77 - 7.82 (m, 2H), 10.20 (s, 1H).
【0164】
[4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸Tert-ブチル(D)]
ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(15g、80.51ミリモル)のアセトニトリル(300mL)溶液に、K2CO3(22.26g、161.30ミリモル)を0℃で添加した。臭化プロパルギル(80%(w/v)トルエン溶液)(12mL、80.51ミリモル)を反応混合物に0℃で滴下した。得られた反応混合物を室温にゆっくり温め、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、アセトニトリル(100mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、3%(v/v)MeOH/DCMで溶出)によって精製し、4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルを茶色固体として得た(12.5g、71%)。
【0165】
LCMS (方法A): 0.937分, MS: ES+ 225.20 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.38 (s, 9H), 2.36 (t, J = 4.8Hz, 4H), 3.18 (t, J = 2.4Hz, 1H), 3.27 - 3.34 (m, 6H).
【0166】
[1-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン(E)]
4M HCl/ジオキサン(20mL)を、4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(D)(2g、8.93ミリモル)のDCM(10mL)溶液に0℃、窒素雰囲気で滴下した。反応混合物を0℃で10~15分間撹拌した。反応混合物を室温にゆっくり温め、室温で2時間撹拌した。得られた反応混合物を真空下で濃縮し、メタノール性アンモニア(pH7)の滴下を使用して中和した。得られた沈殿物を濾過によって回収し、高真空下で乾燥し、1-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン(E)を茶色油として得た(1.45g)。この物質を、これ以上精製することなく次のステップに使用した。
【0167】
LCMS (方法A): 0.295分, MS: ES+ 125.00 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 2.36 - 2.38 (m, 4H), 2.73 (t, J = 4.8Hz, 4H), 3.16 (t, J = 2.4Hz, 1H), 3.22 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.58 (br. s, 1H).
【0168】
[5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸Tert-ブチル(F)]
5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(C)(0.996g、4.03ミリモル)および1-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン(E)(0.5g、4.03ミリモル)のDCM(10mL)混合物に、酢酸(4~5滴)を室温で添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した。NaBH(OAc)3(2.13g、10.05ミリモル)を、反応混合物に0℃で少しずつ添加した。反応混合物を室温にゆっくり温め、室温で24時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)に抽出した。合わせた有機層をNaHCO3飽和水溶液(50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、2.5%(v/v)MeOH/DCMで溶出)によって精製して、5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(F)をオフホワイトの固体として得た(0.550g、77%)。
【0169】
LCMS (方法A): 1.588分, MS: ES+ 356.27 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.45 (s, 9H), 2.32 - 2.43 (m, 8H), 3.14 (s, 1H), 3.23 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.43 (s, 2H), 4.54 - 4.55 (m, 4H), 7.18 - 7.25 (3H).
【0170】
[5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン塩酸塩(G)]
4M HCl/ジオキサン(5mL)を、5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(F)(0.55g、15.48ミリモル)のDCM(5mL)溶液に0℃で滴下した。反応混合物を0℃で10~15分間撹拌した。反応混合物を室温にゆっくり温め、16時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮して、粗物質をジメチルエーテル(2×10mL)で粉砕し、得られた固体物質を高真空下で濃縮して、5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン塩酸塩(G)を白色固体として得た(0.55g)。この物質を、これ以上精製することなく次のステップに使用した。
【0171】
LCMS (方法D): 1.24分, MS: ES+ 256.46(M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): 3.24 - 3.43 (m, 6H), 3.69 (br. s, 1H), 3.90 (br s, 2H), 4.36 (br. s, 3H), 4.50 - 4.51 (m, 4H), 7.48 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.8Hz, 2H), 10.13 (br. s, 1H), 11.70 (br. s, 1H).
【0172】
[(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)メタノン(実施例6)]
5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン塩酸塩(G)(0.058g、0.198ミリモル)および2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸(0.032g、0.163ミリモル)のDMF(2mL)混合物に、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.063g、0.33ミリモル)、HOBt(0.033g、0.24ミリモル)およびDIPEA(0.057mL、0.33ミリモル)をマイクロ波ガラス管中、室温で添加した。マイクロ波ガラス管を封止し、マイクロ波下にて120℃で3時間照射した。得られた反応混合物を氷冷水(30mL)に注ぎ、EtOAc(3×30mL)に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、6.8%(v/v)MeOH/DCMで溶出)によって精製して、(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-((4-(プロプ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)メタノン(実施例6)をオフホワイトの固体として得た(0.032g、43%)。
【0173】
LCMS (方法A): 1.340分, MS: ES+ 434.22 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): 1.07 - 1.13 (dd, J = 7.5, 6.8Hz, 6H), 2.32 - 2.45 (m, 8H), 3.05 - 3.11 (m, 1H), 3.14 (s, 1H), 3.23 (s, 2H), 3.43 (s, 2H), 4.74 - 4.76 (m, 4H), 6.39 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 7.20 - 7.29 (m, 3H), 9.62 (br. s, 1H), 10.32 - 10.10 (m, 1H).
【0174】
[実施例7]
<3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)プロパンアミド>
【0175】
【化11】
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン(5.4mg、0.011ミリモル)を5mLアンバーバイアルに充填し、DMF(1mL)を添加した。撹拌溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.9μL、0.034ミリモル)を添加し、撹拌を5分間継続した。NanoBRET(登録商標)590-SE(5.8mg、0.014ミリモル)を添加して、バイアルに蓋をし、暗所で2時間撹拌放置した。混合物を1:1:0.01アセトニトリル、水、TFAで希釈し、標準的方法1を使用して逆相分取HPLC精製にかけた。画分を含有する生成物をプールして、減圧下で濃縮して紫色膜を得、これをアセトニトリル(10mL)に溶解し、3通りに濃縮乾固して偽トリフルオロ酢酸(spurious trifluoracetic acid)を除去した。得られた残留物を高真空下で乾燥して、生成物を紫色の固体として得た(8.1mg、91.1%)。
【0176】
C44H53BF5N7O4[M+H]+のMS(ESI、m/z):792.4を算出し、792.5を観測した。
【0177】
[実施例8]
<1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド>
【0178】
【化12】
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン(5.0mg、0.010ミリモル)を5mLアンバーバイアルに充填し、DMF(0.5mL)で処理した。懸濁液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.4μL、0.031ミリモル)を添加して、溶液を清澄にした。NanoBRET(登録商標)590 PEG-O4-SE(8.4mg、0.012ミリモル)0.5mL DMFに溶解し、追加の2×0.5mL部のDMFを使用して反応混合物に添加して、反応性色素を定量的に移動させた。混合物に蓋をして、暗所で2時間撹拌放置した。混合物を1:1:0.01アセトニトリル、水、TFAで希釈して、標準的方法1を使用して逆相分取HPLC精製にかけた。画分を含有する生成物をプールして、減圧下で濃縮して紫色膜を得、これをアセトニトリル(10mL)に溶解し、濃縮乾固して偽トリフルオロ酢酸を除去した。得られた残留物を高真空下で乾燥して、生成物を紫色の固体として得た(8.3mg、76.4%)。
【0179】
C55H74BF2N8O9[M+H]+のMS(ESI、m/z):1039.6を算出し、1039.7を観測した。
【0180】
[実施例9]
<9-4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)ブタンアミド>
【0181】
【化13】
(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン(5.0mg、0.010ミリモル)を5mLアンバーバイアルに充填し、DMF(1mL)を添加した。撹拌溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.6μL、0.042ミリモル)を添加し、撹拌を5分間継続した。NanoBRET 590(登録商標)-C4-SE(6.4mg、0.012ミリモル)を添加し、バイアルに蓋をして、暗所で2時間撹拌放置した。混合物を1:1:0.01アセトニトリル、水、TFAで希釈し、標準的方法1を使用して逆相分取HPLC精製にかけた。画分を含有する生成物をプールして、減圧下で濃縮して紫色膜を得、これをアセトニトリル(10mL)に溶解し、3通りに濃縮乾固して偽トリフルオロ酢酸を除去した。得られた残留物を高真空下で乾燥して、生成物を紫色の固体として得た(3.6mg、39.4%)。
【0182】
C48H60BF2N8O5[M+H]+のMS(ESI、m/z):877.5を算出し、877.6を観測した。
【0183】
[実施例10]
<3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-1-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)プロパン-1-オン>
【0184】
【化14】
(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-(ピペラジン-1-イルメチル)イソインドリン-2-イル)メタノン塩酸塩(5.0mg、0.012ミリモル)を5mLアンバーバイアルに充填し、DMF(1mL)を添加した。撹拌溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.1μL、0.046ミリモル)を添加して、撹拌を5分間継続した。NanoBRET(登録商標)590-SE(5.9mg、0.014ミリモル)を添加して、バイアルに蓋をし、暗所で2時間撹拌放置した。混合物を1:1:0.01アセトニトリル、水、TFAで希釈し、標準的方法1を使用して逆相分取HPLC精製にかけた。画分を含有する生成物をプールして、減圧下で濃縮して紫色膜を得、これをアセトニトリル(10mL)に溶解して、3通りに濃縮乾固して偽トリフルオロ酢酸を除去した。得られた残留物を高真空下で乾燥して、生成物を紫色の固体として得た(3.25mg、39.7%)。
【0185】
C39H42BF2N6O4[M+H]+のMS(ESI、m/z)を算出し:707.3、707.4を観測した。
【0186】
[実施例11]
<3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(15-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)プロパンアミド>
【0187】
【化15】
(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-(ピペラジン-1-イルメチル)イソインドリン-2-イル)メタノン塩酸塩(5.0mg、0.012ミリモル)を5mLアンバーバイアルに充填し、DMF(0.5mL)で処理した。混合物にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.1μL、0.046ミリモル)を添加し、得られた溶液を5分間撹拌した。NanoBRET(登録商標)590 PEG-O4-SE(8.6mg、0.013ミリモル)を0.5mL DMFに溶解し、追加の2×0.5mL部のDMFを使用して反応混合物に添加して、反応性色素を定量的に移動させた。反応混合物に蓋をして、暗所で2時間撹拌放置し、1:1:0.01アセトニトリル、水、TFAで希釈して、標準的方法1を使用して逆相分取HPLC精製にかけた。画分を含有する生成物をプールして、減圧下で濃縮して紫色膜を得、これをアセトニトリル(10mL)に溶解し、3通りに濃縮乾固して偽トリフルオロ酢酸を除去した。得られた残留物を高真空下で乾燥して、生成物を紫色の固体として得た(4.8mg、43.6%)。
【0188】
C50H63BF2N7O9[M+H]+のMS(ESI、m/z)を算出し:954.5、954.6を観測した。
【0189】
[実施例12]
<3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(4-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブチル)プロパンアミド>
【0190】
【化16】
(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-(ピペラジン-1-イルメチル)イソインドリン-2-イル)メタノン塩酸塩(5.0mg、0.012ミリモル)を5mLアンバーバイアルに充填し、DMF(1mL)を添加した。混合物にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(20.2μL、0.116ミリモル)を添加し、撹拌を5分間継続した。NanoBRET(登録商標)590-C4-SE(8.9mg、0.017ミリモル)を添加し、バイアルに蓋をして、暗所で2時間撹拌放置した。混合物を1:1:0.01アセトニトリル、水、TFAで希釈し、標準的方法1を使用して逆相分取HPLC精製にかけた。画分を含有する生成物をプールし、減圧下で濃縮して紫色膜を得、これをアセトニトリル(10mL)に溶解して、3通りに濃縮乾固して偽トリフルオロ酢酸を除去した。得られた残留物を高真空下で乾燥して、生成物を紫色の固体として得た(2.3mg、24.7%)。
【0191】
C43H49BF2N7O5[M+H]+のMS(ESI、m/z)を算出し:792.4、792.5を観測した。
【0192】
<中間体の調製>
<(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩の調製(
図2)>
[(2-(2-ヨードエトキシ)エチル)カルバミン酸Tert-ブチル(H)]
(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(CAS#139115-91-6)(5.2g、25.36ミリモル)のDCM(60mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(7.98g、30.43ミリモル)およびイミダゾール(0.569g、8.36ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を0℃に冷却した。ヨード(8.36g、32.92ミリモル)を反応混合物に0℃で少しずつ添加した。反応混合物を室温にゆっくり温め、20時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質にジメチルエーテル(100mL)を添加し、得られた沈殿物を濾過し、ジメチルエーテル(3×50mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、20%(v/v)酢酸エチル/ヘキサンで溶出)によって精製して、(2-(2-ヨードエトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(H)を無色油として得た(7.8g、98%)。
【0193】
LCMS (方法B): 2.254分, MS: ES+ 316.13 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6 ,400 MHz): δ 1.36 (s, 9H), 3.04 - 3.08 (m, 2H), 3.30 (t, J = 6.4Hz, 2H), 3.40 (t, J = 6.4Hz, 2H), 3.62 (t, J = 6.4Hz, 2H), 6.08 (s, 1H).
【0194】
[4-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(I)]
(2-(2-ヨードエトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(H)(2.0g、6.35ミリモル)およびベンジルピペラジン-1-カルボン酸塩(CAS#31166-44-6)(1.25g、5.72ミリモル)のアセトン(20mL)溶液に、K2CO3(2.45g、17.75ミリモル)およびNaI(0.38g、2.54ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を16時間、70℃に加熱した。反応混合物を真空下で濃縮し、水(100mL)で希釈して、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、2.5%(v/v)MeOH/DCMで溶出)によって精製して、4-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(I)を黄色油として得た(2.0g、77%)。
【0195】
LCMS (方法A): 1.640分, MS: ES+ 408.32 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1. 35 (s, 9H), 2.38 (t, J = 4.8Hz, 4H), 2.44 - 2.47 (m, 2H), 3.02 - 3.06 (m, 2H), 3.33 - 3.36 (m, 6H), 3. 48 (t, J = 5.6Hz, 2H), 5.06 (s, 2H), 6.80 (t, J = 5.2Hz, 1H), 7.29 - 7.39 (m, 5H).
【0196】
[(2-(2-(ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(J)]
4-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(I)(1.5g、3.68ミリモル)および酢酸(0.23mL、4.03ミリモル)のMeOH(7mL)混合物に、10%Pd(OH)2/炭素(0.45g)を室温で添加した。反応混合物をH2(g)で4時間バブリングした。反応混合物をセライト床に通して濾過して、MeOH(2×10mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空下で濃縮し、その後凍結乾燥して、(2-(2-(ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(J)を油として得た(0.971g、96%)。この物質を、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0197】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1. 36 (s, 9H), 2.39 - 2.42 (m, 6H), 2.71 (t, J = 4.8Hz, 4H), 3.02 - 3.06 (m, 2H), 3.34 (t, J = 6.0Hz, 2H), 3.45 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 5.76 (s, 1H), 6.80 (t, J = 5.2Hz, 1H).
【0198】
[イソインドリン-5-カルバルデヒド塩酸塩(K)]
4M HCl/ジオキサン溶液(20mL)を、5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(C)(1.3g、5.26ミリモル)のDCM(20mL)溶液に0℃で滴下した。反応混合物を室温にゆっくり温め、6時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗物質をジメチルエーテル(3×20mL)で粉砕して精製した。得られた固体物質を高真空下で乾燥して、イソインドリン-5-カルバルデヒド塩酸塩(K)をオフホワイトの固体として得た(0.8g、83%)。
【0199】
LCMS (方法C): 2.154分, MS: ES+ 148.18 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 4.57 (d, J = 4.0Hz, 4H), 7.62 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 10.21 (s, 1H), 10.63 (s, 1H).
【0200】
[5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(L)]
イソインドリン-5-カルバルデヒド塩酸塩(K)(0.8g、4.37ミリモル)のTHF(10mL)溶液に、TEA(2.30mL、13.02ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を0℃に冷却した。クロロギ酸ベンジル(0.745g、4.38ミリモル)を反応混合物に0℃で滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、2M HCl(10mL)で希釈して、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、25%(v/v)酢酸エチル/ヘキサンで溶出)によって精製して、5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(L)を黄色固体として得た(1.0g、82%)。
【0201】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 4.72 - 4.80 (m, 4H), 5.15 (s, 2H), 7.32 - 7.43 (m, 5H), 7.53 - 7.58 (m, 1H), 7.84 - 7.88 (m, 2H), 9.99 (d, J = 1.6Hz, 1H).
【0202】
[5-((4-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(M)]
5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(L)(1.0g、3.56ミリモル)および酢酸(0.1mL)のDCM(20mL)溶液に、(2-(2-(ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(J)(0.971g、3.56ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。NaBH(OAc)3(4.52g、21.35ミリモル)を反応混合物に添加して、混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3飽和水溶液(50mL)に注ぎ、DCM(2×150mL)に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、7%(v/v)MeOH/DCMで溶出)によって精製して、5-((4-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(M)を茶色油として得た(0.9g、48%)。
【0203】
LCMS (方法C): 4.34分, MS: ES+ 539.64 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1. 34 (s, 9H), 2.32 - 2.43 (m, 8H), 3.02 - 3.04 (m, 2H), 3.31 - 3.34 (m, 2H), 3.42 - 3.46 (m, 4H), 4.48 - 4.49 (m, 1H), 5.22 (t, J = 5.6Hz, 1H), 4.62 - 4.68 (m, 4H), 5.14 (s, 2H), 6.72 - 6.77 (t, J = 5.2Hz, 1H), 7.20 - 7.42 (m, 8H).
【0204】
[(2-(2-(4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(N)]
5-((4-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(M)(0.1g、0.186ミリモル)のEtOH(5mL)溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.020g)を室温で添加した。反応混合物をH2(g)で12時間バブリングした。反応混合物をセライト床に通して濾過して、MeOH(2×5mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で濃縮して、(2-(2-(4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(N)を茶色油として得た(0.076g、100%)。この物質を、これ以上精製することなく次のステップで使用した。
【0205】
LCMS(方法A):1.036分、MS:ES+ 405.32(M+1)
【0206】
[(2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(O)]
(2-(2-(4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(N)(0.076g、0.187ミリモル)および2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸(0.030g、0.153ミリモル)のDMF(2mL)混合物に、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.059g、0.307ミリモル)、HOBt(0.020g、0.148ミリモル)およびDIPEA(0.05mL、0.305ミリモル)をマイクロ波ガラス管、室温で添加した。管を封止して、マイクロ波下にて120℃で1時間照射した。得られた反応混合物氷冷水(20mL)に注ぎ、EtOAc(5×30mL)に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過し、真空下で濃縮して粗物質を得、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、8%(v/v)MeOH/DCMで溶出)によって精製して、(2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(O)を茶色油として得た(0.020g、18%)。
【0207】
LCMS (方法A): 1.728分, MS: ES+ 583.5 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.12 (d, J = 6 Hz, 6H), 1.34 (s, 9H), 2.23 - 2.33 (m, 10H), 3.04 (s, 4 H), 3.46 (s, 4H), 4.75 (s, 4H), 6.39 (s, 1H), 6.78(br. s, 1H), 7.02 (br. s, 1H), 7.20 - 7.28 (m, 4H), 9.63 (s, 1H), 10.09 (d, J = 24.4Hz, 1H).
【0208】
[(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩]
(2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(O)(0.015g、0.0257ミリモル)のDCM(1mL)溶液に、4M HCl/ジオキサン(0.2mL)を0℃、窒素雰囲気で添加した。反応混合物を0℃で4時間撹拌した。得られた反応混合物を真空下で濃縮して粗物質を得、これをジメチルエーテル(2×10mL)で粉砕し、高真空下で乾燥して、(5-((4-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン塩酸塩を茶色油として得た(0.012g、90%)。
【0209】
LCMS (方法B): 1.456分, MS: ES+ 483.5 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.12 (d, J = 6.8Hz, 6H), 1.29 - 1.30 (m, 4H), 2.99 - 3.07 (m, 4H), 3.25 - 3.30 (m, 4H), 3.62 - 3.63 (m, 3H), 3.76 - 3.77 (m, 2H), 4.32 - 4.37 (br. s, 2H), 4.75 - 4.80 (m, 4H), 6.43 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 7.38 - 7.52 (m, 3H), 8.10 (br. s, 3H), 9.68 (bs, 1H), 10.03 (bs, 1H).
【0210】
<2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸の調製(
図3)>
[2,4-ジヒドロキシ安息香酸メチル(P)]
2,4-ジヒドロキシ安息香酸(100g、649.35ミリモル)のメタノール(400mL)撹拌溶液に、濃縮H
2SO
4(50mL)を室温で添加した。反応混合物を100℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液を真空下で濃縮して、水(500mL)に注いだ。得られた沈殿物を濾過によって回収し、高真空下で乾燥して、2,4-ジヒドロキシ安息香酸メチル(P)をオフホワイトの固体として得た(170g、78%)。この物質を、これ以上精製することなく次のステップに使用した。
【0211】
LCMS (方法C): 4.24分, MS: ES+ 169. 19(M+1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 3.39 (s, 3H), 5.72 (br. s, 1H), 6.38 - 6.42 (m, 2H), 7.74 (d, J = 8.8Hz, 1 H), 11.02 (s, 1H).
【0212】
[2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸メチル(Q)]
2,4-ジヒドロキシ安息香酸メチル(80g、475.76ミリモル)のDCM(1200mL)溶液に、無水AlCl3(126.87g、951.48ミリモル)を添加し、その後イソプロピルブロマイド(351.09g、2854.62ミリモル)を3等分(各117.03g)にして6時間ごとに50℃で添加した。イソプロピルブロマイドの添加の完了後、反応を50℃で6時間加熱した。合計反応時間は24時間であった。反応混合物を真空下で濃縮し、粗物質を水(1000mL)で希釈して、酢酸エチル(4×500mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過して、真空下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、3%(v/v)EtOAc/ヘキサンで溶出)によって3回精製して、2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸メチル(Q)を黄色固体として得た(25.5g、26%)。
【0213】
LCMS (方法A): 2.069分, MS: ES+ 211.11 (M+1); 1H NMR (DMSO, 400 MHz) δ 1.13 (d, J = 7.6Hz, 6H), 3.03 - 3.16 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 6.35 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 10.48 (s, 1H), 10.57 (s, 1H).
【0214】
[2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸]
2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸メチル(Q)(23.0g、109.40ミリモル)のMeOH:水(2:1、300mL)溶液に、NaOH(21.88g、547.00ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を70℃に4時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、氷冷水(500mL)で希釈して、1M HCl(pH5)を使用して酸性化した。得られた沈殿物を濾過によって回収し、高真空下で乾燥して、2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸を白色固体として得た(13g、61%)。
【0215】
LCMS : (方法B) 2.044分, MS: ES+ 197.22 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.02 (d, J = 6.8Hz, 6H), 3.02 - 3.09 (m, 1H), 6.34 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 10.44 (s, 1H), 11.24 (s, 1H), 13.33 (br. s, 1H).
【0216】
<(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノンの調製(
図4)>
[(5-ヒドロキシペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(R)]
5-アミノペンタン-1-オール(CAS#2508-29-4)(5g、48.54ミリモル)のDCM(50mL)混合物を0℃に冷却した。Boc無水物(11.16mL、48.46ミリモル)を反応混合物に0℃で添加した。得られた反応を室温に温め、16時間撹拌した。反応混合物を水(150mL)に注ぎ、DCM(2×100mL)に抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空下で濃縮した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、18%(v/v)酢酸エチル/ヘキサンで溶出)によって精製して、(5-ヒドロキシペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(R)を淡黄色油として得た(15g、76%)。
【0217】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.34 - 1.40 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.46 - 1.51 (m, 2H), 1.54 - 1.61 (m, 2H), 1.97 (br. s, 1H), 3.10 - 3.11 (m, 2H), 6.63 (t, J = 6.40 Hz, 2H), 4.63 (bs, 1H).
【0218】
[(5-ブロモペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(S)]
(5-ヒドロキシペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(R)(8g、39.41ミリモル)のTHF(80mL)混合物に、トリフェニルホスフィン(15.48g、59.11ミリモル)およびCBr4(19.60g、59.11ミリモル)を0℃で添加した。得られた反応混合物を室温にゆっくり温め、16時間撹拌した。反応混合物を水(150mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10%(v/v)酢酸エチル/ヘキサンで溶出)によって精製して、(5-ブロモペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(S)を無色油として得た(9g、86%)。
【0219】
LCMS (方法A): 2.150分, MS: ES+ 210.1, 212.1 (M-56); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.32 - 1.36 (m, 13H), 1.75 - 1.79 (m, 2H), 2.88 - 2.90 (m, 2H), 3.51 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 6.81 (t, J = 5.6 Hz, 1H).
【0220】
[4-(5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(T)]
ベンジルピペラジン-1-カルボン酸塩(CAS#31166-44-6)(4.135g、18.79ミリモル)のアセトン(50mL)混合物に、K2CO3(7.78g、56.38ミリモル)およびNaI(1.40g、9.39ミリモル)を室温で添加した。反応を室温で15分間撹拌した。(5-ブロモペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(S)(5g、18.79ミリモル)を反応混合物に室温で添加した。反応混合物を70℃で16時間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却し、水(150mL)で希釈して、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空下で濃縮して粗物質を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、3%(v/v)MeOH/DCMで溶出)によって精製して、4-(5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(T)を茶色油として得た(6.5g、85%)。
【0221】
LCMS (方法A): 1.492分, MS: ES+ 406.42 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.21 - 1.23 (m, 2H), 1.35 (s, 11H), 2.28 - 2.32 (m, 6H), 2.85 - 2.90 (m, 2H), 3.32 - 3.34 (m, 6H), 5.06 (m, 2H), 6.77 (s, 1H), 7.31 - 7.38 (m, 5H).
【0222】
[(5-(ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(U)]
4-(5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(T)(6.4g、15.80ミリモル)のMeOH(70mL)溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.640g、10%w/w)を室温で添加した。反応混合物をH2(g)で5時間パージした。反応混合物をセライト床に通して濾過し、MeOH(2×10mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮して、(5-(ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(U)を茶色油として得た(4g、93%)。この物質を、さらに精製することなく次のステップに使用した。
【0223】
MS: ES+ 272.20 (M+1). 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.28 - 1.35 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.43 - 1.50 (m, 2 H), 2.14 (br. s, 3H), 2.29 - 2.33 (m, 2H), 2.42 (bs, 4H), 2.90 - 2.92 (m, 3H), 3.10 - 3.11 (m, 2H), 3.47 (s, 1H), 4.61 (bs, 1H).
【0224】
[5-((4-(5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(V)]
ベンジル5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸(L)(1.6g、5.69ミリモル)および(5-(ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(U)(1.54g、5.69ミリモル)のDCM(50mL)混合物に、酢酸(0.2mL)を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した。NaBH(OAc)3(3.618g、17.078ミリモル)を反応混合物に0℃で添加した。反応混合物を室温にゆっくり温め、16時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)に注ぎ、DCM(2×150mL)に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、3%(v/v)MeOH/DCMで溶出)によって精製して、5-((4-(5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(V)を茶色油として得た(2.2g、72%)。
【0225】
LCMS (方法A): 1.552分, MS: ES+ 537.41 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.15 - 1.23(m, 2H), 1.36 (s, 11H), 1.51 (br. s, 2H), 1.90 (s, 1H), 2.32 - 2.39 (m, 2H), 2.88 - 2.95 (m, 7H), 3.53 (br. s, 2H), 4.63 - 4.69 (m, 4H), 5.14 (s, 2H), 6.82 (br. s, 1H), 7.23 - 7.42 (m, 8H), 10.04 (br. s, 1H), 11.99 (br. s, 1H).
【0226】
[(5-(4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(W)]
5-((4-(5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸ベンジル(V)(2.1g、3.92ミリモル)のEtOH(60mL)溶液に、10%Pd/C(50%水分)(0.420g、20%w/w)を室温で添加した。反応混合物をH2(g)で5時間パージした。反応混合物をセライト床に通して濾過して、MeOH(2×20mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空下で濃縮して、(5-(4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(W)を茶色油として得た(1.7g、定量)。この物質をさらに精製することなく使用した。
【0227】
LCMS (方法A): 0.757分, MS: ES+ 403.37 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.19 - 1.22 (m, 2H), 1.36 (s, 13H), 2.19 - 2.21 (m, 2H), 2.23 - 2.27 (m, 3H), 2.28 - 2.32 (m, 3H), 2.86 - 2.87 (m, 2H), 2.96 - 2.97 (m, 1H), 3.40 - 3.43 (m, 4H), 4.32 - 4.33 (m, 4H), 6.77 - 6.79 (m, 1H), 7.15 - 7.29 (m, 3H).
【0228】
[(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(X)]
(5-(4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(W)(0.504g、1.253ミリモル)および2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸(0.205g、1.046ミリモル)のDMF(8mL)混合物に、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.399g、2.081ミリモル)、HOBt(0.141g、1.042ミリモル)およびDIPEA(0.428mL、2.502ミリモル)をマイクロ波ガラス管中、室温で添加した。マイクロ波ガラス管を封止し、マイクロ波下、120℃で3時間照射した。得られた反応混合物を冷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)に抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過し、真空下で濃縮して粗物質(270mg)を得た。180mg粗物質をHPLC(水/MeCN中5mM重炭酸アンモニウム)によって精製した。単離した画分を凍結乾燥して、(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(X)をオフホワイトの固体として得た(0.032g、5%)。
【0229】
LCMS (方法A): 1.728分, MS: ES+ 583.5 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.12 (d, J = 6 Hz, 6H), 1. 20 - 1.23 (m, 4H), 1.34 (s, 9H), 2.33 - 2.50 (m, 10H), 3.03 - 3.04 (m, 4H), 3.35 - 3.46 (m, 4H), 4.74 - 4.75 (m, 4H), 6.39 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.20 - 7.28 (m, 3H), 9.63 (s, 1H), 10.03 - 10.09 (d, J = 24.4 Hz, 1H).
【0230】
[(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノン]
(5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバミン酸tert-ブチル(X)(0.060g、0.103ミリモル)のDCM(2mL)溶液に、4M HCl/ジオキサン(0.6mL)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。得られた反応混合物を真空下で濃縮して、粗物質をジメチルエーテル(2×5mL)で粉砕した。得られた固体を凍結乾燥で乾燥して、(5-((4-(5-アミノペンチル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)メタノンを茶色粘性固体として得た(0.043g、80%)。
【0231】
LCMS (方法B): 1.625分, MS: ES+ 481.50 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.13 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.32 - 1.34 (m, 2H), 1.52 - 1.57 (m, 2H), 1.70 - 1.72 (m, 2H), 2.81 - 2.83 (m, 2H), 3.20 - 3.30 (m, 5H), 3.40 - 3.50 (m, 3H), 4.35 (m, 2H), 4.77 - 4.80 (m, 4H), 6.45 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 7.40 - 7.54 (m, 3H), 7.93 (br. s, 3H), 9.68 (bs, 1H), 10.38 (br. s, 1H), 11.78 - 12.09 (br. s, 2H).
【0232】
<4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(AA)および(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-(ピペラジン-1-イルメチル)イソインドリン-2-イル)メタノン塩酸塩(AB)の調製(
図5)>
[5-((4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸Tert-ブチル(Y)]
5-ホルミルイソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(C)(実施例6参照)(3.0g、12.13ミリモル)およびベンジルピペラジン-1-カルボン酸塩(CAS:31166-44-6)(3.2g、14.54ミリモル)のMeOH(10mL)混合物を、40℃で蒸発乾固した(凝集水を除去するために)。残留物をジクロロメタン(50mL)に溶解して、蒸発乾固した(微量のメタノールを除去するために)。このプロセスを1回繰り返してメタノールの除去を完了した。得られた残留物をDCM(90mL)に溶解し、窒素雰囲気下に置き、0℃に冷却した。NaBH(OAc)
3(3.8g、17.93ミリモル)を、反応混合物に0℃で少しずつ添加した。反応混合物を室温にゆっくり温め、16時間撹拌した。以前の調製を2つの並行バッチで行い、合わせた反応混合物を水(200mL)に注ぎ、DCM(3×250mL)に抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空下で濃縮して粗物質を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25%(v/v)EtOAc/n-ヘキサンで溶出)によって精製して、5-((4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(Y)を茶色油として得た(5.0g、46%)。
【0233】
LCMS (方法A): 1.631分, MS: ES+ 452.32 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.45 (s, 9H), 2.30 - 2.33 (m, 4H), 3.33 - 3.39 (m, 4H), 3.48 (s, 2H), 4.56 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 5.07 (s, 2H), 7.22 - 7.37 (m, 8H).
【0234】
[4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル塩酸塩(Z)]
5-((4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボン酸tert-ブチル(Y)(1.0g、2.21ミリモル)のDCM(20mL)溶液に、4M HCl/ジオキサン(5.0mL)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで真空下で濃縮して、粗物質をジメチルエーテル(3×10mL)で粉砕した。得られた固体を高真空下で乾燥して、4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル塩酸塩(Z)を緑色固体として得た(0.99g、定量)。
【0235】
LCMS (方法E): 0.865分, MS: ES+ 352.22 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 3.02 - 3.04 (m, 2H), 3.26 - 3.29 (m, 2H), 3.36 - 3.46 (m, 2H), 3.60 - 3.62 (m, 4H), 4.06 - 4.10 (m, 2H), 4.32 - 4.34 (m, 2H), 4.50 - 4.52 (m, 4H), 5.11 (s, 2H), 7.32 - 7.40 (m, 5H), 7.48 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8 Hz, 1H), 10.23 (br. s, 2H), 11.71 (br s, 1H).
【0236】
[4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(AA)]
2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル安息香酸(0.205g、1.046ミリモル)のDMF(10mL)混合物に、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.97g、5.06ミリモル)、HOBt(0.340g、2.51ミリモル)およびDIPEA(0.65g、5.03ミリモル)をマイクロ波ガラス管中、室温で添加した。4-(イソインドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル塩酸塩(Z)(0.980g、2.52ミリモル)を反応に室温で添加した。マイクロ波ガラス管を封止し、マイクロ波を120℃で1時間照射した。得られた反応混合物を冷水(60mL)に注ぎ、固体物質が沈殿したらすぐに単離し、真空下で乾燥して、0.8g粗物質を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、1.5%(v/v)MeOH/DCMで溶出)による精製は、4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボン酸ベンジルをオフホワイトの固体としてもたらした(0.395g、30%)。
【0237】
LCMS (方法E): 1.567分, MS: ES+ 530.22 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.10 - 1.19 (m, 6H), 2.30 - 2.32 (m, 4H), 3.06 - 3.13 (m, 1H), 3.39 - 3.43 (m, 4H), 3.48 (s, 2H), 4.66 - 4.76 (m, 4H), 5.07 (s, 2H), 6.39 (s, 1H), 7.04 (s, 2H), 7.22 - 7.28 (m, 2H), 7.30 - 7.39 (m, 5H), 9.61 (s, 1H), 10.06 (s, 1H).
【0238】
[(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-(ピペラジン-1-イルメチル)イソインドリン-2-イル)メタノン塩酸塩(AB)]
4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)-ピペラジン-1-カルボン酸ベンジル(AB)(0.30g、0.56ミリモル)のEtOH(20mL)溶液に、AcOH(0.6mL)および10%Pd/C(50%水分)(0.20g、20% w/w)を室温で添加した。反応混合物を10℃~15℃に冷却し、H2(g)で2時間パージした。反応混合物をセライト床に通して濾過し、10%MeOH:DCM(200mL)で洗浄して粗物質(0.40g)を得、これを(0.05%HCl/水およびアセトニトリル)を使用した分取HPLCによって精製した。得られた画分を凍結乾燥して、(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)(5-(ピペラジン-1-イルメチル)イソインドリン-2-イル)メタノン塩酸塩をオフホワイトの固体として得た(0.20g、82%)。
【0239】
LCMS (方法E): 1.072分, MS: ES+ 396.27 (M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.12 - 1.14 (m, 6H), 3.07 - 3.10 (m, 1H), 3.40 - 3.47 (m, 8H), 4.36 - 4.37 (m, 2H), 4.77 - 4.49 (m, 4H), 6.49 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 7.38 - 7.59 (m, 3H), 9.73 (s, 1H), 9.92 (s, 1H), 10.05 (s, 1H).
【0240】
<蛍光分極のタンパク質依存性>
アッセイ緩衝液(25mM HEPES、pH7.5、250mM NaCl、10mM MgCl2、0.01%Triton X-100、5mMジチオスレイトール)でのタンパク質(組換えN末端PMS2(残基1~365)または組換えN末端MLH1(残基15~340)のいずれか)の11段階1/2連続希釈(11 point 1 in 2 serial dilution)を、透明なポリプロピレンプレート(Greiner Bio-One、商品番号784201)で構築した。連続希釈の最高濃度は2μMであった。12番目の濃度点は緩衝液のみであった(タンパク質対照なし)。
【0241】
連続希釈物を2×タンパク質として使用し、20μLをBlack Fluotrac 200 384ウェル培地結合プレート(Greiner Bio-One、商品番号781076)に添加した。プレートを250×gで1分間遠心分離し、室温で30分間インキュベートした後、2×(5nMまたは2nMのいずれか)のプローブ20μLを、MultiDrop Combi(ThermoFisher)でアッセイ緩衝液(100μM DMSOストックから調製)に添加した。
【0242】
化合物プレートを250×gで1分間遠心分離し、室温で1時間インキュベートした後、PheraStar FSX(384ウェルアパーチャースプーン(aperture spoon))および適当なFPモジュールを装着した)で読み取った。各プレートを読み取る前に、ゲインおよびフォーカスをタンパク質対照なしの分極が35mPと等しくなるように調整した。データをプロットし、GraphPad Prism 8.1.0で分析した(
図6~9)。
【0243】
<アッセイプロトコル>
(アッセイA:MLH1の蛍光分極アッセイ)
10mM DMSOストックとしての試験化合物を、Labcyte Echo音響液体ハンドラーを使用してBlack Fluotrac 200 384ウェル培地結合プレート(Greiner Bio-One、商品番号781076)に分注した。試験化合物をカラム1~22のウェルに添加し、一方DMSOは、プレートを正規化するためにカラム23および24のウェルに添加した。MultiDrop Combi(ThermoFisher)を使用し、アッセイ緩衝液(25mM HEPES、pH7.5、250mM NaCl、10mM mgCl2、0.01%Triton X-100、5mMジチオスレイトール)中の組換えN末端MLH1(残基15~340)の2×溶液(200nM)20μLをカラム1~23の全てのウェルに添加して、20μLアッセイ緩衝液をカラム24の全てのウェルに添加した。プレートを250×gで1分間遠心分離し、室温で30分間インキュベートした後、アッセイ緩衝液(1mM DMSOストックから調製)中の1-(6-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウム(実施例1)の2×(10nM)20μLをMultiDrop Combi(ThermoFisher)で添加した。N末端MLH1の最終濃度は100nMであり、1-(6-((2-(2-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エチル)アミノ)-6-オキソヘキシル)-3,3-ジメチル-2-((1E,3E)-5-((E)-1,3,3-トリメチルインドリン-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエン-1-イル)-3H-インドール-1-イウム(実施例1)の最終濃度は5nMであった。化合物プレートを250×gで1分間遠心分離し、室温で1時間インキュベートした後、PheraStar FSX(384ウェルアパーチャースプーンおよび590 675 675 FP光学モジュールを装着した)で読み取った。各プレートを読み取る前に、ゲインおよびフォーカスを酵素対照なし(カラム24)の分極が35mPと等しくなるように調整した。データを、阻害剤対照なし(カラム23)および酵素対照なし(カラム24)に対して正規化した。
【0244】
(アッセイB:MLH1の蛍光分極アッセイ)
10mM DMSOストックとしての試験化合物を、Labcyte Echo音響液体ハンドラーを使用してBlack Fluotrac 200 384ウェル培地結合プレート(Greiner Bio-One、商品番号781076)に分注した。シングルポイントスクリーニングのために、試験化合物をカラム1~22のウェルに添加し、一方DMSOは、プレートを正規化するためにカラム23および24のウェルに添加した。効力判定のために、試験化合物の連続希釈物をカラム3~22のウェルに添加し、DMSO容量はプレート全体にわたって正規化した。
【0245】
アッセイ緩衝液(25mM HEPES、pH7.5、250mM NaCl、10mM mgCl2、0.01%Triton X-100、5mMジチオスレイトール)中の組換えN末端MLH1(残基15~340)の2×溶液(200nM)20μLを、効力判定用にはカラム2~23、またはシングルポイントスクリーニング用にはカラム1~23の全てのウェルに添加した。20μLアッセイ緩衝液を、MultiDrop Combi(ThermoFisher)を使用してカラム1および24(シングルポイントスクリーニングについてはカラム24のみ)の全てのウェルに添加した。プレートを250×gで1分間遠心分離し、室温で30分間インキュベートした後、アッセイ緩衝液(100μM DMSOストックから調製)中の5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-(ジメチルアミノ)-3-(ジメチルイミノ)-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸(実施例5)の2×(10nM)20μLをMultiDrop Combi(ThermoFisher)で添加した。N末端MLH1の最終濃度は100nMであり、5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-(ジメチルアミノ)-3-(ジメチルイミノ)-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸(実施例5)の最終濃度は5nMであった。
【0246】
化合物プレートを250×gで1分間遠心分離し、室温で15分間インキュベートした後、PheraStar FSX(384ウェルアパーチャースプーンおよび540 590 590 FP光学モジュールを装着した)で読み取った。各プレートを読み取る前に、ゲインおよびフォーカスを酵素対照なし(カラム24)の分極が35mPと等しくなるように調整した。データを、阻害剤対照なし(カラム23)および酵素対照なし(カラム24)に対して正規化した。
【0247】
(アッセイC:PMS2の蛍光分極アッセイ)
10mM DMSOストックとしての試験化合物を、Labcyte Echo音響液体ハンドラーを使用して、Black Fluotrac 200 384ウェル培地結合プレート(Greiner Bio-One、商品番号781076)に分注した。シングルポイントスクリーニングのために、試験化合物をカラム1~22のウェルに添加し、一方DMSOは、プレートを正規化するためにカラム23および24のウェルに添加した。効力判定のために、試験化合物の連続希釈物をカラム3~22のウェルに添加し、DMSO容量はプレート全体にわたって正規化した。
【0248】
アッセイ緩衝液(25mM HEPES、pH7.5、250mM NaCl、10mM mgCl2、0.01%Triton X-100、5mMジチオスレイトール)中の組換えN末端PMS2(残基1~365)の2×溶液(200nM)20μLを、効力判定用にはカラム2~23、またはシングルポイントスクリーニング用にはカラム1~23の全てのウェルに添加した。20μLアッセイ緩衝液を、MultiDrop Combi(ThermoFisher)を使用してカラム1および24(シングルポイントスクリーニングについてはカラム24のみ)の全てのウェルに添加した。プレートを250×gで1分間遠心分離し、室温で30分間インキュベートした後、アッセイ緩衝液(100μM DMSOストックから調製)中の5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-(ジメチルアミノ)-3-(ジメチルイミノ)-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸(実施例5)の2×(10nM)20μLをMultiDrop Combi(ThermoFisher)で添加した。N末端PMS2の最終濃度は10nMであり、5-((5-(4-((2-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルベンゾイル)イソインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ペンチル)カルバモイル)-2-(6-(ジメチルアミノ)-3-(ジメチルイミノ)-3H-キサンテン-9-イル)安息香酸(実施例5)の最終濃度は5nMであった。
【0249】
化合物プレートを250×gで1分間遠心分離し、室温で1時間間インキュベートした後、PheraStar FSX(384ウェルアパーチャースプーンおよび540 590 590 FP光学モジュールを装着した)で読み取った。各プレートを読み取る前に、ゲインおよびフォーカスを酵素対照なし(カラム24)の分極が35mPと等しくなるように調整した。データを、阻害剤対照なし(カラム23)および酵素対照なし(カラム24)に対して正規化した。
【0250】
上記のアッセイは、MLH1および/またはPMS2に結合する化合物をスクリーニングするのに使用できる。例えば、化合物ABのIC
50は、アッセイプロトコルA(
図10)を使用すると10.7μMと決定され、化合物ABのIC
50は、アッセイプロトコルC(
図11)を使用すると0.179μMと決定される。
【0251】
【国際調査報告】