(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】前進エネルギー波面を伴うリソプラスティ装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/24 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
A61B18/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542361
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(85)【翻訳文提出日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 US2021013944
(87)【国際公開番号】W WO2021150502
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521549268
【氏名又は名称】ボルト メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クック、クリストファー、エイ.
【テーマコード(参考)】
4C026
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB07
4C026DD02
4C026DD03
4C026DD10
4C026FF03
4C026FF43
4C026HH02
4C026HH15
4C026HH17
4C026HH24
(57)【要約】
血管壁108内の又は血管壁108に隣接する血管病変106を治療するためのカテーテル・システム100が、エネルギー源124と、複数のエネルギー・ガイド122Aと、システム・コントローラ126とを含む。エネルギー源124は、エネルギー・ガイド122Aによって受けられるエネルギーを生成する。システム・コントローラ126は、エネルギーが前進波面内で複数のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれに対して順次向けられるようにエネルギー源124を制御する。システム・コントローラ126は、複数のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれに対するエネルギー源124の発射率を制御する。システム・コントローラ126は、バルーン近位端部104Pの近くから及びバルーン遠位端部104Dの近くから血管病変106に向かって前進波面が生成されるように複数のエネルギー・ガイド122Aに対する発射シーケンスを制御することができる。システム・コントローラ126は、エネルギー源124からのエネルギーが互いに異なる発射エネルギー・レベルで複数のエネルギー・ガイド122Aのうちの少なくとも2つに対して択一的に向けられるようにエネルギー源124を制御することができる。エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのパルス幅、波長、及び/又は、振幅に基づくことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するための方法であって、
エネルギー源によってエネルギーを生成するステップと、
複数のエネルギー・ガイドによって前記エネルギーを受け取るステップと、
第1の発射シーケンスにおいて前記エネルギー源からの前記エネルギーが前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに順次向けられるように、前記エネルギー源をカテーテル・システムのシステム・コントローラによって制御するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記制御するステップは、前記システム・コントローラが前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれへの前記エネルギー源の発射率を制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御するステップは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが第1の発射率、及び前記第1の発射率とは異なる第2の発射率で、前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに択一的に向けられるように前記システム・コントローラが前記エネルギー源を制御することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記受け取るステップは、前記複数のエネルギー・ガイドが第1のエネルギー・ガイド及び第2のエネルギー・ガイドを含むことを含み、また
前記第1のエネルギー・ガイドの第1のガイド遠位端部を、前記バルーンの長さに沿った第1の長手方向位置に位置付けるステップと、
前記第2のエネルギー・ガイドの第2のガイド遠位端部を、前記バルーンの前記長さに沿った第2の長手方向位置に、前記第1の長手方向位置が前記第2の長手方向位置と異なるように位置付けるステップと
を更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記受け取るステップは、前記複数のエネルギー・ガイドが第1のエネルギー・ガイド及び第2のエネルギー・ガイドを含むことを含み、また
前記第1のエネルギー・ガイドの第1のガイド遠位端部を、前記バルーンの長さに沿った第1の長手方向位置に位置付けるステップと、
前記第2のエネルギー・ガイドの第2のガイド遠位端部を、前記バルーンの前記長さに沿った第2の長手方向位置に、前記第1の長手方向位置が前記第2の長手方向位置と同じになるように位置付けるステップと
を更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記エネルギー・ガイドの少なくとも一部を、カテーテル・シャフトに結合されたバルーン内に位置付けるステップを更に含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記制御するステップは、バルーン近位端部の近くから及びバルーン遠位端部の近くから前記血管病変に向けて前進波面が生成されるように、前記システム・コントローラが前記複数のエネルギー・ガイドへの発射シーケンスを制御することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記制御するステップは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが互いに異なる発射率で前記複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに択一的に向けられるように、前記システム・コントローラが前記エネルギー源を制御することを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
制前記御するステップは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが互いに異なる発射エネルギー・レベルで前記複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに択一的に向けられるように、前記システム・コントローラが前記エネルギー源を制御することを含む、請求項6から8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのパルス幅に少なくとも部分的に依存する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの波長に少なくとも部分的に依存する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの振幅に少なくとも部分的に依存する、請求項9から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記制御するステップは、バルーン近位端部及びバルーン遠位端部のうちの一方からある方向で前記血管病変に向けて前進波面が生成されるように、前記システム・コントローラが前記複数のエネルギー・ガイドへの発射シーケンスを制御することを含む、請求項6から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記制御するステップは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが互いに異なる発射率で前記複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに択一的に向けられるように、前記システム・コントローラが前記エネルギー源を制御することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記制御するステップは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが互いに異なる発射エネルギー・レベルで前記複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに択一的に向けられるように、前記システム・コントローラが前記エネルギー源を制御することを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのパルス幅に少なくとも部分的に依存する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの波長に少なくとも部分的に依存する、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの振幅に少なくとも部分的に依存する、請求項15から17までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれが光ファイバを含む、請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記エネルギー源は、レーザー・エネルギーを生成するレーザー源である、請求項1から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記エネルギー源は、電気インパルスを生成するエネルギー源である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するためのカテーテル・システムであって、
エネルギーを生成するエネルギー源と、
それぞれが前記エネルギー源から前記エネルギーを選択的に受け取るように構成された複数のエネルギー・ガイドと、
前記エネルギー源からの前記エネルギーが第1の発射シーケンスにおいて前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに順次向けられるように、前記エネルギー源を制御するシステム・コントローラと
を有するカテーテル・システム。
【請求項23】
前記システム・コントローラは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが、前記第1の発射シーケンスとは異なる第2の発射シーケンスにおいて前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに順次向けられるように前記エネルギー源を制御する、請求項22に記載のカテーテル・システム。
【請求項24】
前記システム・コントローラは、前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれへの前記エネルギー源の発射率を制御する、請求項22又は23に記載のカテーテル・システム。
【請求項25】
前記システム・コントローラは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが第1の発射率、及び前記第1の発射率とは異なる第2の発射率で、前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに択一的に向けられるように、前記エネルギー源を制御する、請求項22から24までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項26】
前記システム・コントローラは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが第1の発射シーケンス、及び前記第1の発射シーケンスとは異なる第2の発射シーケンスにおいて前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに択一的に向けられるように、前記エネルギー源を制御する、請求項22から25までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項27】
前記複数のエネルギー・ガイドが第1のエネルギー・ガイド及び第2のエネルギー・ガイドを含み、前記第1のエネルギー・ガイドは、バルーンの長さに沿った第1の長手方向位置に位置付けられる第1のガイド遠位端部を含み、前記第2のエネルギー・ガイドは、前記バルーンの前記長さに沿った第2の長手方向位置に位置付けられる第2のガイド遠位端部を含み、前記第1の長手方向位置が前記第2の長手方向位置とは異なる、請求項22から26までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項28】
前記複数のエネルギー・ガイドが少なくとも第1のエネルギー・ガイド及び第2のエネルギー・ガイドを含み、前記第1のエネルギー・ガイドは、バルーンの長さに対して第1の長手方向位置に位置付けられる第1のガイド遠位端部を含み、前記第2のエネルギー・ガイドは、前記バルーンの前記長さに対して第2の長手方向位置に位置付けられる第2のガイド遠位端部を含み、前記第1の長手方向位置が前記第2の長手方向位置と同じである、請求項22から26までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項29】
カテーテル・シャフトと、前記カテーテル・シャフトに結合されたバルーンとを更に有し、前記複数のエネルギー・ガイドは、前記カテーテル・シャフトに沿って、且つ少なくとも部分的に前記バルーン内に配置される、請求項22から28までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項30】
前記バルーンがバルーン近位端部及びバルーン遠位端部を含み、前記システム・コントローラは、前記バルーン近位端部の近くから及び前記バルーン遠位端部の近くから前記血管病変に向けて前進波面が生成されるように、前記複数のエネルギー・ガイドへの発射シーケンスを制御する、請求項29に記載のカテーテル・システム。
【請求項31】
前記システム・コントローラは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが互いに異なる発射率で前記複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに択一的に向けられるように、前記エネルギー源を制御する、請求項29又は30に記載のカテーテル・システム。
【請求項32】
前記システム・コントローラは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが互いに異なる発射エネルギー・レベルで前記複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに択一的に向けられるように、前記エネルギー源を制御する、請求項29から31までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項33】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのパルス幅に少なくとも部分的に依存する、請求項32に記載のカテーテル・システム。
【請求項34】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの波長に少なくとも部分的に依存する、請求項32又は33に記載のカテーテル・システム。
【請求項35】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの振幅に少なくとも部分的に依存する、請求項32から34までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項36】
前記バルーンがバルーン近位端部及びバルーン遠位端部を含み、前記システム・コントローラは、前記バルーン近位端部及び前記バルーン遠位端部のうちの一方からある方向で前記血管病変に向かって動く前進波面が生成されるように、前記複数のエネルギー・ガイドへの発射シーケンスを制御する、請求項29から35までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項37】
前記システム・コントローラは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが互いに異なる発射率で前記複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに択一的に向けられるように、前記エネルギー源を制御する、請求項36に記載のカテーテル・システム。
【請求項38】
前記システム・コントローラは、前記エネルギー源からの前記エネルギーが互いに異なる発射エネルギー・レベルで前記複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに択一的に向けられるように、前記エネルギー源を制御する、請求項36又は37に記載のカテーテル・システム。
【請求項39】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのパルス幅に少なくとも部分的に依存する、請求項38に記載のカテーテル・システム。
【請求項40】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの波長に少なくとも部分的に依存する、請求項38又は39に記載のカテーテル・システム。
【請求項41】
前記発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの振幅に少なくとも部分的に依存する、請求項38から40までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項42】
前記エネルギー源に電力を供給するように構成された電源を更に有する、請求項22から41までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項43】
前記複数のエネルギー・ガイドのそれぞれが光ファイバを含む、請求項22から42までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項44】
前記エネルギー源は、レーザー・エネルギーを生成するレーザー源である、請求項22から43までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項45】
前記エネルギー源が電気インパルスを生成する、請求項22から41までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「LITHOPLASTY DEVICE WITH ADVANCING ENERGY WAVEFRONT」と題する2020年1月22日に出願された米国仮特許出願第62/964,529号、「LITHOPLASTY DEVICE WITH ADVANCING ENERGY WAVEFRONT」と題する2021年1月12日に出願された米国非仮特許出願第17/146,867号、及び、「LITHOPLASTY DEVICE WITH ADVANCING ENERGY WAVEFRONT」と題する2021年1月14日に出願された米国非仮特許出願第17/149,160号に関する優先権を主張するものである。許容される限り、米国仮出願第62/964,529号、並びに米国非仮特許出願第17/146,867号及び第17/149,160号の内容は、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
体内の血管内の血管病変は、心筋梗塞、塞栓症、深部静脈血栓症、脳卒中などの主要な有害事象のリスクの増大と関連付けられ得る。重度の血管病変は、臨床環境における医師の治療及び開通性の達成を困難にし得る。
【0003】
血管病変は、幾つか例を挙げると、薬物療法、バルーン血管形成術、アテローム切除術、ステント留置術、血管移植片バイパス術などのインターベンションを使用して治療され得る。このようなインターベンションは、常に理想的であるとは限らず、又は、病変に対処するためにその後の治療が必要になる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するための方法に関する。様々な実施例において、方法は、エネルギー源によりエネルギーを生成するステップと、複数のエネルギー・ガイドによりエネルギーを受けるステップと、第1の発射シーケンスにおいてエネルギー源からのエネルギーが複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに対して順次向けられるようにカテーテル・システムのシステム・コントローラを用いてエネルギー源を制御するステップとを含む。
【0005】
幾つかの実施例において、制御するステップは、システム・コントローラが複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに対するエネルギー源の発射率(firing rate)を制御することを含むことができる。
【0006】
特定の実施例において、制御するステップは、エネルギー源からのエネルギーが第1の発射率及び第1の発射率とは異なる第2の発射率で複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに対して択一的に向けられるようにシステム・コントローラがエネルギー源を制御することを含むことができる。
【0007】
様々な実施例において、受けるステップは、複数のエネルギー・ガイドが第1のエネルギー・ガイド及び第2のエネルギー・ガイドを含むことを含むことができる。方法は、第1のエネルギー・ガイドの第1のガイド遠位端部をバルーンの長さに沿う第1の長手方向位置に位置させるステップと、第2のエネルギー・ガイドの第2のガイド遠位端部を、バルーンの長さに沿う第2の長手方向位置に、第1の長手方向位置が第2の長手方向位置と異なるように位置させるステップとを含むこともできる。
【0008】
幾つかの実施例において、受けるステップは、複数のエネルギー・ガイドが第1のエネルギー・ガイド及び第2のエネルギー・ガイドを含むことを含むことができる。方法は、第1のエネルギー・ガイドの第1のガイド遠位端部をバルーンの長さに沿う第1の長手方向位置に位置させるステップと、第2のエネルギー・ガイドの第2のガイド遠位端部を、バルーンの長さに沿う第2の長手方向位置に、第1の長手方向位置が第2の長手方向位置と同じになるように位置させるステップとを含むこともできる。
【0009】
特定の実施例において、位置させるステップは、カテーテル・シャフトに結合されるバルーン内にエネルギー・ガイドの少なくとも一部が位置されることを含むことができる。
【0010】
様々な実施例において、制御するステップは、バルーン近位端部の近くから及びバルーン遠位端部の近くから血管病変に向けて前進波面が生成されるようにシステム・コントローラが複数のエネルギー・ガイドに対する発射シーケンスを制御することを含むことができる。
【0011】
幾つかの実施例において、制御するステップは、エネルギー源からのエネルギーが互いに異なる発射率で複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに対して択一的に向けられるようにシステム・コントローラがエネルギー源を制御することを含むことができる。
【0012】
特定の実施例において、制御するステップは、エネルギー源からのエネルギーが互いに異なる発射エネルギー・レベルで複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに対して択一的に向けられるようにシステム・コントローラがエネルギー源を制御することを含むことができる。
【0013】
様々な実施例において、発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのパルス幅に少なくとも部分的に依存することができる。
【0014】
幾つかの実施例において、発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの波長に少なくとも部分的に依存することができる。
【0015】
特定の実施例において、発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスの振幅に少なくとも部分的に依存することができる。
【0016】
様々な実施例において、制御するステップは、バルーン近位端部及びバルーン遠位端部のうちの一方からある方向で血管病変に向けて前進波面が生成されるようにシステム・コントローラが複数のエネルギー・ガイドに対する発射シーケンスを制御することを含むことができる。
【0017】
幾つかの実施例において、制御するステップは、エネルギー源からのエネルギーが互いに異なる発射率で複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに対して択一的に向けられるようにシステム・コントローラがエネルギー源を制御することを含むことができる。
【0018】
様々な実施例において、制御するステップは、エネルギー源からのエネルギーが互いに異なる発射エネルギー・レベルで複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに対して択一的に向けられるようにシステム・コントローラがエネルギー源を制御することを含むことができる。
【0019】
様々な実施例では、複数のエネルギー・ガイドのそれぞれが光ファイバを含むことができる。
【0020】
幾つかの実施例において、エネルギー源は、レーザー・エネルギーを生成するレーザー源となり得る。
【0021】
特定の実施例において、エネルギー源は、電気インパルス(電気的刺激)を生成するエネルギー源となり得る。
【0022】
また、本発明は、血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するためのカテーテル・システムに関する。特定の実施例において、カテーテル・システムは、エネルギー源と、複数のエネルギー・ガイドと、システム・コントローラとを含む。エネルギー源はエネルギーを生成する。複数のエネルギー・ガイドはそれぞれ、エネルギー源からエネルギーを選択的に受けるように構成される。システム・コントローラは、エネルギー源からのエネルギーが第1の発射シーケンスにおいて複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに対して順次向けられるようにエネルギー源を制御する。
【0023】
様々な実施例において、システム・コントローラは、エネルギー源からのエネルギーが第1の発射シーケンスとは異なる第2の発射シーケンスにおいて複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに対して順次向けられるようにエネルギー源を制御する。
【0024】
幾つかの実施例において、システム・コントローラは、複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに対するエネルギー源の発射率を制御する。
【0025】
特定の実施例において、システム・コントローラは、エネルギー源からのエネルギーが第1の発射率及び第1の発射率とは異なる第2の発射率で複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに対して択一的に向けられるようにエネルギー源を制御する。
【0026】
幾つかの実施例において、システム・コントローラは、エネルギー源からのエネルギーが第1の発射シーケンス及び第1の発射シーケンスとは異なる第2の発射シーケンスにおいて複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに対して択一的に向けられるようにエネルギー源を制御する。
【0027】
様々な実施例では、複数のエネルギー・ガイドが第1のエネルギー・ガイド及び第2のエネルギー・ガイドを含む。第1のエネルギー・ガイドは、バルーンの長さに沿う第1の長手方向位置に位置される第1のガイド遠位端部を含むことができる。第2のエネルギー・ガイドは、バルーンの長さに沿う第2の長手方向位置に位置される第2のガイド遠位端部を含むことができる。第1の長手方向位置は第2の長手方向位置とは異なり得る。或いは、第1の長手方向位置は第2の長手方向位置と同じであり得る。
【0028】
特定の実施例において、カテーテル・システムは、カテーテル・シャフト、及び、カテーテル・シャフトに結合されるバルーンも含む。幾つかのそのような実施例において、複数のエネルギー・ガイドは、カテーテル・シャフトに沿って且つ少なくとも部分的にバルーン内に配置される。
【0029】
幾つかの実施例では、バルーンがバルーン近位端部及びバルーン遠位端部を含む。システム・コントローラは、バルーン近位端部の近くから及びバルーン遠位端部の近くから血管病変に向けて前進波面が生成されるように複数のエネルギー・ガイドに対する発射シーケンスを制御することができる。
【0030】
様々な実施例において、システム・コントローラは、エネルギー源からのエネルギーが互いに異なる発射エネルギー・レベルで複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに対して択一的に向けられるようにエネルギー源を制御することができる。
【0031】
特定の実施例において、発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのうちの少なくとも1つのパルス幅に少なくとも部分的に依存することができる。
【0032】
幾つかの実施例において、発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのうちの少なくとも1つの波長に少なくとも部分的に依存することができる。
【0033】
様々な実施例において、発射エネルギー・レベルは、エネルギー・パルスのうちの少なくとも1つの振幅に少なくとも部分的に依存することができる。
【0034】
特定の実施例では、バルーンがバルーン近位端部及びバルーン遠位端部を含む。システム・コントローラは、バルーン近位端部及びバルーン遠位端部のうちの一方からある方向で血管病変に向けて移動する前進波面が生成されるように複数のエネルギー・ガイドに対する発射シーケンスを制御することができる。
【0035】
幾つかの実施例において、システム・コントローラは、エネルギー源からのエネルギーが互いに異なる発射率で複数のエネルギー・ガイドのうちの少なくとも2つに対して択一的に向けられるようにエネルギー源を制御する。
【0036】
様々な実施例において、カテーテル・システムは、エネルギー源に電力を供給するように構成される電源も含む。
【0037】
特定の実施例では、複数のエネルギー・ガイドのそれぞれが光ファイバを含む。
【0038】
幾つかの実施例において、エネルギー源は、レーザー・エネルギーを生成するレーザー源である。
【0039】
様々な実施例において、エネルギー源は、電気インパルスを生成するエネルギー源である。
【0040】
本発明は、更に、血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するための方法に関し、この方法は、エネルギー源によりエネルギーを生成するステップと、複数のエネルギー・ガイドによってエネルギー源からエネルギーを選択的に受けるステップと、エネルギー源からのエネルギーが任意の所望の発射シーケンスで複数のエネルギー・ガイドのそれぞれに別々に向けられるようにシステム・コントローラによりエネルギー源を制御するステップとを含む。
【0041】
この概要は、本出願の幾つかの教示内容の一部の要約であり、本主題の排他的又は網羅的な取り扱いを意図するものではない。更なる詳細は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲に見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解するとともに、詳細な説明の一部を形成する図面を見ると、当技術分野の当業者には明らかであり、詳細な説明及び図面のそれぞれは限定的な意味で解釈されるべきではない。本明細書の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的均等物によって規定される。
【0042】
この発明の新規の特徴並びにその構造及びその動作の両方に関する本発明自体は、添付の説明と併せて解釈される添付図面から最も良く理解され、図面中、同様の参照文字は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本明細書の様々な実施例に係るカテーテル・システムの一実施例の概略断面図であり、カテーテル・システムは、複数のエネルギー・ガイド及びマルチプレクサを含む。
【
図2A】マルチプレクサの1つの実施例を含むカテーテル・システムの一実施例の一部の簡略化された概略上面図である。
【
図2B】
図2Aに示されるカテーテル・システム及びマルチプレクサの一部の簡略化された概略斜視図である。
【
図3A】マルチプレクサの別の実施例を含むカテーテル・システムの一実施例の一部の簡略化された概略上面図である。
【
図3B】
図3Aに示されるカテーテル・システム及びマルチプレクサの一部の簡略化された概略斜視図である。
【
図4】カテーテル・システムの一部及びマルチプレクサの更に別の実施例の簡略化された概略上面図である。
【
図5】カテーテル・システムの一部及びマルチプレクサの更に別の実施例の簡略化された概略上面図である。
【
図6】カテーテル・システムの一部及びマルチプレクサの別の実施例の簡略化された概略上面図である。
【
図7】カテーテル・システムの一部及びマルチプレクサの更に別の実施例の簡略化された概略上面図である。
【
図8A】カテーテル・システムの別の実施例の一部の簡略化された概略側面図である。
【
図8B】
図8Aの線B-Bに沿うカテーテル・システムの部分の簡略化された概略断面図である。
【
図9】カテーテル・システムの別の実施例の簡略化された概略断面図である。
【
図10】カテーテル・システムの更に別の実施例の簡略化された概略断面図である。
【
図11】カテーテル・システムの更に別の実施例の簡略化された概略断面図である。
【
図12】カテーテル・システムの別の実施例の簡略化された概略断面図である。
【
図13】カテーテル・システムの更に別の実施例の簡略化された概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の実施例は、様々な修正及び代替形態の影響を受けやすいが、その詳細は、実例及び図面として示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本明細書の範囲は、記載された特定の実施例に限定されないことが理解される。それどころか、その意図は、本明細書の思想及び範囲に入る修正、同等物、及び代替案を網羅することである。
【0045】
血管病変の治療は、病気に冒された患者の主要な有害事象又は死亡を減らすことができる。本明細書で言及されるように、主要な有害事象は、血管病変の存在に起因して体内のどこでも起こり得るものである。主要な有害事象には、主要な心臓有害事象、末梢又は中枢血管系における主要な有害事象、脳における主要な有害事象、筋肉組織における主要な有害事象、又はいずれかの内部臓器における主要な有害事象が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0046】
圧力波生成医療装置では、治療プロセスのための幾つかの潜在的な出力チャネルを有することがしばしば望ましい。安全性と利便性のために、これらの出力チャネルは光ファイバから成ることができる。高出力レーザー光源はシステム内で最大且つ最も高価なコンポーネントであることが多いため、治療目的で幾つかの異なる光ファイバに多重化できる単一のレーザー光源を利用することが有利となり得る。これにより、各光ファイバで全てのレーザー出力を使用できるようになる。しかしながら、本発明は、所望の圧力波を生成する目的で単一のレーザー源を使用するものとして本明細書でしばしば説明されるが、本発明は、レーザー生成圧力波システムの使用に限定されないことが理解される。例えば、本発明は、代わりに、高度に局所化されたエネルギー源を利用して所望の圧力波を生成する任意の適切なタイプの装置を使用することができる。1つの非排他的な別の実例では、エネルギー源は、エネルギー・ガイドを通じて向けられる電気インパルスを生成して、所望の圧力波を生成することができる。本発明は、2つ以上のレーザー源及び/又は2つ以上の他の適切な圧力波生成装置も利用できることが理解される。
【0047】
したがって、様々な実施例において、本明細書に開示されるカテーテル・システム及び関連する方法は、単一のエネルギー源を使用して石灰化した血管病変及び/又は線維性血管病変などの血管病変に圧力を与えて破砕を誘発するように設計される圧力波生成装置内の複数の光ファイバチャネルに給電する手段を提供するように構成される。本明細書で詳細に説明するように、特定の実施例において、カテーテル・システムを、任意の所望の発射シーケンス、パターン、順序、発射率及び/又は発射持続時間などで複数の光ファイバチャネルに選択的及び/又は別々に給電するように構成及び制御することができる。したがって、本明細書で詳細に説明される本発明は、使い捨て装置内の複数のエネルギー・ガイドのうちの1つ又は複数へと多重化され得る単一のエネルギー源を含むことができる。これにより、単一の安定したエネルギー源を、任意の所望の発射シーケンスで、並びに任意の発射率及び/又は持続時間で、複数のエネルギー・ガイドのいずれか又は全てを介して連続的に導くことができる。
【0048】
複数のエネルギー・ガイドのそれぞれは、任意の所望の発射シーケンス、パターン、順序、発射率、発射持続時間で別々に給電され得るが、複数のエネルギー・ガイドのセット及び/又はサブセットも任意の所定の時点で給電され得ることが理解される。複数のエネルギー・ガイドの各セット又はサブセットは、複数のエネルギー・ガイドのうちの1つ又は複数を含むことができる。したがって、任意の所定の時点で、電力を複数のエネルギー・ガイドのうちの1つ又は複数に向けて、第1の発射シーケンス、第2の発射シーケンス、第3の発射シーケンス、第4の発射シーケンスなどを択一的に作成することができる。また、本発明の様々な用途において、複数のエネルギー・ガイドのそのようなセット及びサブセットにおけるエネルギー・ガイドの各発射シーケンスは、エネルギー・ガイドの他の発射シーケンスのうちの1つ又は複数とは異なり得る。
【0049】
本明細書で提供されるように、カテーテル・システムは、エネルギー源、すなわちレーザー源又は他の適切なエネルギー源からの光エネルギーを利用して、治療部位に位置されるバルーン内に配置された複数のエネルギー・ガイドのそれぞれのガイド遠位端部で又はその近くでバルーン流体内にプラズマを生成することができる。プラズマ形成は、最大サイズに急速に膨張することができる1つ又は複数の気泡の急速な形成を開始することによって1つ又は複数の圧力波を起こさせ、次に崩壊時に圧力波を発射することができるキャビテーション事象を通して消散することができる。或いは、プラズマ形成は、石灰化を妨害するために治療部位に広がることができる爆発的なタイプの1つ又は複数の圧力波を起こさせることができる。別の言い方をすれば、プラズマによって誘発された気泡の急速な膨張は、バルーン内に保持されたバルーン流体内に1つ又は複数の圧力波を生成し、それによって治療部位に圧力波を与えることができる。本明細書で使用されるように、光エネルギー及び/又は電気エネルギーは、総称して単に「エネルギー」と呼ばれる。別の言い方をすれば、「エネルギー」という用語は、光エネルギー又は電気エネルギーのいずれかを含むことができる。
【0050】
本明細書で提供されるように、複数のエネルギー・ガイドのそれぞれのガイド遠位端部は、治療部位の血管病変を破壊する目的で圧力波をより効果的且つ正確に与えるために、バルーンの長さに対して任意の適切な場所に位置させることができる。更に、前述のように、本発明の構成では、実質的に同時に又は連続して発射される1つ又は複数のエネルギー・ガイドを含む個々のエネルギー・ガイドを発射して、限局性病変を破壊する際により効果的となり得る発射シーケンス又はパターンを得ることが可能である。所定の及び/又は特定の発射シーケンス又はパターンで別々のプラズマ発生器チャネルを発射することにより、1つの場所の病変又は拡張病変をより効果的に分割することができる移動エネルギー波面を作成できる。
【0051】
本明細書で使用されるように、「血管内病変」、「血管病変」及び「治療部位」という用語は、別段に言及されなければ互換的に使用され、心臓弁に又はその近くに位置する病変も含み得る。血管内病変及び/又は血管病変は、本明細書では単に「病変」と呼ばれることがある。
【0052】
当業者であれば分かるように、本発明の以下の詳細な説明は、例示にすぎず、決して限定することを意図するものではない。本発明の他の実施例は、本開示の利益を有するそのような当業者に容易に示唆し得る。ここで、添付図面に示されているように、本発明の実施について詳細に言及する。
【0053】
明確にするために、本明細書に記載されている実施のよくある機能の全てが示され、説明されているわけではない。もちろん、そのような実際の実施の開発では、アプリケーション関連及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために、実施固有の多数の決定を行う必要があること、及びこれらの特定の目標は、実施ごとに、また開発者ごとに異なることが理解される。更に、そのような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者のための工学の日常的な事業であることが理解される。
【0054】
本明細書に開示されるカテーテル・システムは、多くの異なる形態を含むことができることが理解される。ここで
図1を参照すると、本明細書の様々な実施例に係るカテーテル・システム100の概略断面図が示される。本明細書に記載されるように、カテーテル・システム100は、血管又は心臓弁の血管壁内の又は血管壁に隣接する1つ又は複数の血管病変に破砕を誘発するための圧力を与えるのに適している。
図1に示される実施例では、カテーテル・システム100は、カテーテル102、複数のエネルギー・ガイド122Aを含むエネルギー・ガイド・バンドル122、ソース・マニホルド136、流体ポンプ138、及びシステム・コンソール123のうちの1つ又は複数を含むことができ、システム・コンソール123は、エネルギー源124、電源125、システム・コントローラ126、グラフィック・ユーザ・インタフェース127(「GUI」)、及びマルチプレクサ128のうちの1つ又は複数を含む。
【0055】
カテーテル102は、血管108内の又は血管108に隣接する血管病変(本明細書では「治療部位」とも呼ばれる)106に移動するように構成される。治療部位106は、例えば石灰化血管病変などの1つ又は複数の血管病変を含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、治療部位106は、線維性血管病変などの血管病変を含むことができる。
【0056】
カテーテル102は、膨張可能なバルーン104(本明細書では単に「バルーン」と呼ばれることもある)、カテーテル・シャフト110、及びガイドワイヤ112を含むことができる。バルーン104を、カテーテル・シャフト110に結合することができる。バルーン104は、バルーン近位端部104P及びバルーン遠位端部104Dを含むことができる。カテーテル・シャフト110は、カテーテル・システム100の近位部分114からカテーテル・システム100の遠位部分116まで延びることができる。カテーテル・シャフト110は長手方向軸144を含むことができる。カテーテル・シャフト110は、ガイドワイヤ112上にわたって移動するように構成されるガイドワイヤ・ルーメン118を含むこともできる。カテーテル・シャフト110は膨張ルーメン(図示せず)を更に含むことができる。幾つかの実施例では、カテーテル102は、遠位端部開口120を有することができるとともに、カテーテル102が治療部位106に又はその近くに移動及び位置されるときにガイドワイヤ112を収容することができ且つガイドワイヤ112上にわたって追跡され得る。
【0057】
様々な実施例において、カテーテル102のカテーテル・シャフト110を、エネルギー源124と光学的及び/又は電気的に通信することができるエネルギー・ガイド・バンドル122の複数のエネルギー・ガイド122Aに結合することができる。エネルギー・ガイド122Aは、カテーテル・シャフト110に沿って、及びバルーン104内に配置することができる。更に、エネルギー・ガイド122Aのそれぞれは、バルーン104の長さ142に対して及び/又はガイドワイヤ・ルーメン118の長さに対して任意の適切な長手方向位置にあるガイド遠位端部(
図1には示されていない)を有することができる。幾つかの実施例では、各エネルギー・ガイド122Aは光ファイバとなり得、エネルギー源124はレーザーとなり得る。エネルギー源124は、カテーテル・システム100の近位部分114においてエネルギー・ガイド122Aと光学的及び/又は電気的に通信することができる。より詳細には、本明細書で詳細に説明するように、エネルギー源124は、選択的及び/又は択一的に、マルチプレクサ128の存在及び動作に起因してエネルギー・ガイド122Aのそれぞれと光学的及び/又は電気的に通信することができる。或いは、各エネルギー・ガイド122Aは、別の適切な設計を有することができ、及び/又は、エネルギー源124は、別の適切なエネルギー源となり得る。
【0058】
幾つかの実施例では、カテーテル・シャフト110を、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周りの任意の適切な位置に配置することができる第1のエネルギー・ガイド、第2のエネルギー・ガイド、第3のエネルギー・ガイドなどの複数のエネルギー・ガイドに結合することができる。例えば、特定の非排他的な実施例では、2つのエネルギー・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約180度離間することができ、3つのエネルギー・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約120度離間することができ、4つのエネルギー・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約90度離間することができ、5つのエネルギー・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約72度離間することができ、6つのエネルギー・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約60度離間することができ、又は、8つのエネルギー・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約45度離間することができる。更に、或いは、複数のエネルギー・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって互いに均一に離間する必要はない。より詳細には、本明細書に記載のエネルギー・ガイド122Aを、所望の場所で所望の効果を達成するために、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周りに均一又は不均一に配置できることが更に理解される。
【0059】
バルーン104は、バルーン壁130を含むことができ、バルーン流体132で膨張させて、カテーテル102を患者の血管系を通して前進させるのに適した折り畳み形態から、カテーテル102を治療部位106に対して所定位置に固定するのに適した拡張形態に拡張することができる。別の言い方をすれば、バルーン104が拡張形態にあるとき、バルーン104のバルーン壁130は、治療部位106に実質的に隣接して位置されるように構成される。幾つかの実施例では、カテーテル・システム100のエネルギー源124は、エネルギー源124からエネルギー・ガイド122Aに沿ってバルーン104内の位置にサブミリ秒の光パルスを与えることによってバルーン104内のバルーン流体132にプラズマ形成を引き起こすように構成され得る。任意の1つの特定の理論に拘束されることを意図しないが、プラズマ形成は、急速な気泡形成を引き起こし、治療部位106に圧力波を与えると考えられるが、圧力波を与える他のメカニズムが企図される。例示的なプラズマ誘導気泡が
図1に気泡134として示される。バルーン流体132は、液体又は気体であってもよい。
【0060】
本明細書で詳細に説明されるカテーテル・システム100で用いるのに適したバルーン104は、折り畳み形態にあるときに患者の血管系を通過することができるものを含む。幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104はシリコーンから形成される。他の実施例では、本明細書のバルーン104は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、米国ペンシルベニア州キング・オブ・プラシャに所在地を有するアルケマから入手可能なPEBAX(商標)材料などのポリマー、ナイロンなどから形成される。幾つかの実施例では、バルーン104は、直径が1ミリメートル(mm)~25mmの範囲の直径を有するものを含むことができる。幾つかの実施例では、バルーン104は、直径が少なくとも1.5mm~12mmの範囲の直径を有するものを含むことができる。幾つかの実施例では、バルーン104は、直径が少なくとも1mm~5mmの範囲の直径を有するものを含むことができる。
【0061】
更に、幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも約5mm~300mmの範囲の長さ142を含むことができる。より詳細には、幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも約8mm~200mmの範囲の長さ142を有するものを含むことができる。より長いバルーン104を、比較的大きな治療部位106に隣接して配置することができ、したがって、治療部位106内の特定の位置で、より大きな血管病変又は複数の血管病変に圧力を与えて破砕を誘発するために使用できることが理解される。
【0062】
更に、本明細書のバルーン104は、約1気圧(気圧)~70気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも約20気圧~70気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。他の実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも約6気圧~20気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。更に他の実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも約3気圧~20気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。更に他の実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも約2気圧~10気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。
【0063】
本明細書のバルーン104は、円錐形状、正方形形状、長方形形状、球形状、円錐/正方形形状、円錐/球形状、拡張球形状、楕円形状、テーパー形状、骨形状、階段状直径形状、オフセット形状、又は円錐オフセット形状を含むがこれらに限定されない様々な形状を有することができる。幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104は、薬剤溶出コーティング構造又は薬剤溶出ステント構造を含むことができる。薬剤溶出コーティング又は薬剤溶出ステントは、抗炎症剤、抗腫瘍剤、抗血管新生剤などを含む1つ又は複数の治療剤を含むことができる。
【0064】
本明細書での使用に適した典型的なバルーン流体132は、水、生理食塩水、造影媒体、フルオロカーボン、パーフルオロカーボン、二酸化炭素などのガスなどのうちの1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されない。幾つかの実施例では、記載されたバルーン流体132を、ベース膨張流体として使用することができる。幾つかの実施例では、バルーン流体132は、造影媒体に対する生理食塩水の体積比が50:50である混合物を含む。他の実施例では、バルーン流体132は、造影媒体に対する生理食塩水の体積比が25:75の混合物を含む。更に他の実施例では、バルーン流体132は、造影媒体に対する生理食塩水の体積比が75:25の混合物を含む。更に、本明細書での使用に適したバルーン流体132を、その流体中の圧力波の進行速度を操作するために、組成、粘度などに基づいて調整することができる。特定の実施例では、本明細書での使用に適したバルーン流体132は生体適合性である。バルーン流体132の量を、選択されたエネルギー源124及び使用されるバルーン流体132のタイプによって調整することができる。
【0065】
幾つかの実施例において、本明細書の造影媒体で使用される造影剤は、イオン性又は非イオン性ヨウ素系の造影剤などのヨウ素系の造影剤を含むことができるが、これらに限定されない。イオン性ヨウ素系の造影剤の幾つかの非限定的な例は、ジアトリゾエート、メトリゾエート、イオタラミン酸、及びイオキサグラートを含む。非イオン性ヨウ素系の造影剤の幾つかの非限定的な例は、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、イオジキサノール、及びイオベルソールを含む。他の実施例では、非ヨウ素系の造影剤を使用することができる。適切な非ヨウ素含有造影剤は、ガドリニウム(III)系の造影剤を含み得る。適切なフルオロカーボン剤及びパーフルオロカーボン剤は、パーフルオロカーボンドデカフルオロペンタン(DDFP、C5F12)などの薬剤を含み得るが、これらに限定されない。
【0066】
更に、本明細書のバルーン流体132は、紫外線領域(例えば、少なくとも10ナノメートル(nm)~400nm)、可視領域(例えば、少なくとも400nm~780nm)又は電磁スペクトルの近赤外領域(例えば、少なくとも780nm~2.5μm)の光を選択的に吸収することができる吸収剤を含むものを含むことができる。適切な吸収剤は、少なくとも10nmから2.5μmまでのスペクトルに沿って吸収極大を有するものを含み得る。或いは、バルーン流体132は、中赤外線領域(例えば、少なくとも2.5μm~15μm)、又は電磁スペクトルの遠赤外線領域(例えば、少なくとも15μm~1mm)で光を選択的に吸収することができる吸収剤を含むものを含むことができる。様々な実施例において、吸収剤は、カテーテル・システムで使用されるレーザーの放出最大値と一致する吸収最大値を有するものとなり得る。非限定的な例として、本明細書に記載の様々なレーザーは、ネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG-最大放射=1064nm)レーザー、ホルミウム:YAG(Ho:YAG-最大放射=2.1μm)レーザー、又はエルビウム:YAG(Er:YAG-最大放射=2.94μm)を含み得る。幾つかの実施例において、本明細書で使用される吸収剤は、水溶性であり得る。他の実施例では、本明細書で使用される吸収剤は水溶性ではない。幾つかの実施例では、本明細書のバルーン流体132で使用される吸収剤を、エネルギー源124のピーク放射に一致するように調整することができる。少なくとも10ナノメートル~1ミリメートルの放射波長を有する様々なエネルギー源124は、本明細書の他の場所で論じられる。
【0067】
本明細書に開示されるカテーテル・システム100及び/又はエネルギー・ガイド・バンドル122は、近位部分114のエネルギー源124、及び、遠位部分116のバルーン104内のバルーン流体132と光学的に通信する任意の数のエネルギー・ガイド122Aを含むことができることが理解される。例えば、幾つかの実施例では、カテーテル・システム100及び/又はエネルギー・ガイド・バンドル122は、1つのエネルギー・ガイド122Aから5つのエネルギー・ガイド122Aまでを含むことができる。他の実施例では、カテーテル・システム100及び/又はエネルギー・ガイド・バンドル122は、5つのエネルギー・ガイド122Aから15個のエネルギー・ガイド122Aまでを含むことができる。更に他の実施例では、カテーテル・システム100及び/又はエネルギー・ガイド・バンドル122は、10個のエネルギー・ガイド122Aから30個のエネルギー・ガイド122Aを含むことができる。或いは、更に他の実施例では、カテーテル・システム100及び/又はエネルギー・ガイド・バンドル122は、30個を超えるエネルギー・ガイド122Aを含むことができる。
【0068】
更に、エネルギー・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって任意の適切な位置に配置することができ、エネルギー・ガイド122Aのそれぞれのガイド遠位端部を、バルーン104の長さ142に対して及び/又はガイドワイヤ・ルーメン118の長さに対して任意の適切な長手方向位置に配置することができる。更に、エネルギー・ガイド122Aのうちの1つ又は複数の少なくとも一部をガイドワイヤ・ルーメン118から離間して配置でき、例えば、そのようなエネルギー・ガイド122Aのガイド遠位端部をガイドワイヤ・ルーメン118とバルーン104のバルーン壁130との間の任意の適切な位置に横方向に配置できることも分かる。
【0069】
更に、本明細書のエネルギー・ガイド122Aは、本明細書に記載のカテーテル102のカテーテル・シャフト110の周り及び/又はそれに対して多くの形態をとることができる。幾つかの実施例では、エネルギー・ガイド122Aは、カテーテル・シャフト110の長手方向軸144と平行に延びることができる。幾つかの実施例では、エネルギー・ガイド122Aを、カテーテル・シャフト110に物理的に結合することができる。他の実施例において、エネルギー・ガイド122Aは、カテーテル・シャフト110の外径の長さに沿って配置され得る。更に他の実施例では、本明細書のエネルギー・ガイド122Aを、カテーテル・シャフト110内の1つ又は複数のエネルギー・ガイド・ルーメン(図示せず)内に配置することができる。
【0070】
様々な実施例において、本明細書のエネルギー・ガイド122Aはそれぞれ、光ファイバ又は可撓性ライト・パイプを含むことができる。本明細書のエネルギー・ガイド122Aは、薄くて可撓性があり、強度をほとんど失うことなく光信号を送信することができる。本明細書のエネルギー・ガイド122Aは、その周囲にわたってクラッドにより取り囲まれるコアを含むことができる。幾つかの実施例では、コアは、円筒形コア又は部分的に円筒形のコアであり得る。エネルギー・ガイド122Aのコア及びクラッドを、1つ又は複数のタイプのガラス、シリカ、又は1つ又は複数のポリマーを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の材料から形成することができる。エネルギー・ガイド122Aは、ポリマーなどの保護コーティングも含み得る。コアの屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きいことが理解される。
【0071】
各エネルギー・ガイド122Aは、その長さに沿って、遠位部分、すなわち、1つ又は複数の光学窓を有することができるガイド遠位端部に光を導くことができる。エネルギー・ガイド122Aは、エネルギー源124を含む光ネットワークの一部として光経路を作成することができる。光ネットワーク内の光路は、光がネットワークのある部分から別の部分に移動できるようにする。光ファイバと可撓性ライト・パイプの両方が、本明細書の光ネットワーク内に光路をもたらすことができる。
【0072】
更に、本明細書のエネルギー・ガイド122Aは、1つ又は複数の光音響変換器(図示せず)を含むことができ、各光音響変換器は、それが内部に配置されるエネルギー・ガイド122Aと光学的に通信することができる。幾つかの実施例では、光音響変換器は、エネルギー・ガイド122Aのガイド遠位端部と光学的に通信することができる。更に、そのような実施例では、光音響変換器は、エネルギー・ガイド122Aのガイド遠位端部に対応する及び/又は一致する形状を有することができる。
【0073】
光音響変換器は、エネルギー・ガイド122Aのガイド遠位端部で又はその近くで光エネルギーを音波に変換するように構成される。音波の方向は、エネルギー・ガイド122Aのガイド遠位端部の角度を変えることによって調整できることが理解される。
【0074】
更に、本明細書のエネルギー・ガイド122Aのガイド遠位端部に配置され得る任意の又は全ての光音響変換器は、エネルギー・ガイド122Aのガイド遠位端部と同じ形状をとることができることが理解される。例えば、特定の非排他的な実施例では、光音響変換器及び/又はガイド遠位端部は、円錐形状、凸形状、凹形状、球根形状、正方形形状、階段状形状、半円形状、卵形状等を有することができる。また、エネルギー・ガイド122Aは、エネルギー・ガイド122Aの長さの1つ又は複数の側面に沿って配置される更なる光音響変換器を更に含むことができることも理解される。
【0075】
本明細書に記載のエネルギー・ガイド122Aは、例えば、エネルギー・ガイド122Aのガイド遠位端部で又はその近傍で側面に向かって及びバルーン壁130に向かってエネルギー・ガイド122Aから出るように光を向けるように構成されるエネルギー・ガイド122A内の1つ又は複数の方向転換機能部(図示せず)又は「ダイバータ」を更に含むことができる。方向転換機能部は、エネルギー・ガイド122Aからの光をその軸方向経路から離れるようにエネルギー・ガイド122Aの側面に向けて方向転換させる本明細書のシステムの任意の機能部を含むことができる。更に、エネルギー・ガイド122Aはそれぞれ、各エネルギー・ガイド122Aの長手方向又は軸方向の表面に沿って配置されて、且つ方向転換機能部と光学的に通信する1つ又は複数の光窓(図示せず)を含むことができる。別の言い方をすれば、本明細書の方向転換機能部を、例えば側面が光窓と光学的に通信するガイド遠位端部で又はその近くでエネルギー・ガイド122A内の光を側面に向けるように構成することができる。光窓は、エネルギー・ガイド122A上に又はその周辺にクラッドを欠くエネルギー・ガイド122Aの一部など、エネルギー・ガイド122A内から光がエネルギー・ガイド122Aから出ることができるようにするエネルギー・ガイド122Aの一部を含むことができる。
【0076】
本明細書での使用に適した方向転換機能部の例は、反射要素、屈折要素、及びファイバ拡散器を含む。更に、本明細書のエネルギー・ガイド122Aの先端から光を集束させるのに適した方向転換機能部は、凸面、屈折率分布型(GRIN)レンズ、及びミラー焦点レンズを有するものを含み得るが、これらに限定されない。方向転換機能部と接触すると、光は、エネルギー・ガイド122A内で、エネルギー・ガイド122Aの側面と光学的に通信している光音響変換器に方向転換される。前述のように、光音響変換器は、その後、光エネルギーを、エネルギー・ガイド122Aの側面から離れて延びる音波に変換する。
【0077】
ソース・マニホルド136を、カテーテル・システム100の近位部分114に又はその近くに配置することができる。ソース・マニホルド136は、エネルギー・ガイド・バンドル122の複数のエネルギー・ガイド122A、ガイドワイヤ112、及び/又は、流体ポンプ138と流体連通した状態で結合される膨張導管140を受けることができる1つ又は複数の近位端部開口を含むことができる。また、カテーテル・システム100は、必要に応じてバルーン104をバルーン流体132で膨張させるように構成される流体ポンプ138を含むこともできる。
【0078】
本明細書で提供されるように、システム・コンソール123は、エネルギー源124、電源125、システム・コントローラ126、GUI127、及びマルチプレクサ128のうちの1つ又は複数を含む。或いは、システム・コンソール123は、
図1に具体的に示されるものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。例えば、特定の非排他的な別の実施例では、システム・コンソール123を、GUI127を伴うことなく設計することができる。更に、或いは、エネルギー源124、電源125、システム・コントローラ126、GUI127、及びマルチプレクサ128のうちの1つ又は複数は、システム・コンソール123を特に必要とせずに、カテーテル・システム100内に設けられ得る。
【0079】
更に、図示のように、システム・コンソール123、及びそれに含まれる構成要素は、カテーテル102、エネルギー・ガイド・バンドル122、及びカテーテル・システム100の残りの部分に動作可能に結合される。例えば、幾つかの実施例では、
図1に示されるように、システム・コンソール123は、エネルギー・ガイド・バンドル122がシステム・コンソール123に機械的に結合されるコンソール接続開口部148(一般に「ソケット」とも呼ばれる場合がある)を含むことができる。そのような実施例では、エネルギー・ガイド・バンドル122は、エネルギー・ガイド122Aのそれぞれの一部、例えば、ガイド近位端部を収容するガイド結合ハウジング150(一般に「フェルール」とも呼ばれる場合がある)を含むことができる。ガイド結合ハウジング150は、エネルギー・ガイド・バンドル122とシステム・コンソール123との間に所望の機械的結合をもたらすべくコンソール接続開口部148内に嵌合して選択的に保持されるように構成される。
【0080】
更に、エネルギー・ガイド・バンドル122は、エネルギー・ガイド122A及び/又はエネルギー・ガイド・バンドル122がカテーテル・システム100の使用中にカテーテル102とともに血管108内へと延びる際に、よりコンパクトな形態を成すことができるように個々のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれを互いに近づけるガイド・バンドラー152(又は「シェル」)を含むこともできる。
【0081】
本明細書で提供されるように、エネルギー源124は、エネルギー・ガイド・バンドル122内のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれと光学的に通信している状態で選択的及び/又は択一的に結合され得る。特に、エネルギー源124は、エネルギー・ガイド・バンドル122内のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向けられてエネルギー・ガイド122Aのそれぞれによって受けられ得るソース・ビーム124A、例えば、パルス・ソース・ビームの形態の光エネルギーを生成するように構成される。より具体的には、本明細書で以下により詳細に説明されるように、エネルギー源124からのソース・ビーム124Aは、個々のガイド・ビーム124B(又は「多重ビーム」)をエネルギー・ガイド・バンドル122内のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向けられてエネルギー・ガイド122Aのそれぞれによって受けられ得るようにマルチプレクサ128を通じて向けられる。特に、エネルギー源124の各パルス、すなわち、ソース・ビーム124Aの各パルスは、エネルギー・ガイド・バンドル122内のエネルギー・ガイド122Aのうちの1つに選択的及び/又は択一的に向けられる別々のガイド・ビーム124Bを生成するべくマルチプレクサ128を通じて向けられ得る。
【0082】
エネルギー源124は任意の適切な設計を有することができる。特定の実施例では、前述したように、エネルギー源124は、エネルギー・ガイド122Aに沿ってバルーン104内の位置に向けられることによってバルーン104内のバルーン流体132中にプラズマ形成を誘導するエネルギー源124からのサブミリ秒の光パルスを与えるように構成され得る。プラズマ形成は、急速な気泡形成を引き起こし、治療部位106に圧力波を与える。そのような実施例では、エネルギー源124からのサブミリ秒の光パルスを約1ヘルツ(Hz)~5000Hzの周波数で治療部位106に送達することができる。幾つかの実施例では、エネルギー源124からのサブミリ秒の光パルスを約30Hz~1000Hzの周波数で治療部位106に送達することができる。他の実施例では、エネルギー源124からのサブミリ秒の光パルスを約10Hz~100Hzの周波数で治療部位106に送達することができる。更に他の実施例では、エネルギー源124からのサブミリ秒の光パルスを約1Hz~30Hzの周波数で治療部位106に送達することができる。或いは、サブミリ秒の光パルスを5000Hzを超えることができる周波数で治療部位106に送達することができる。
【0083】
エネルギー源124は一般に光エネルギーのパルスを与えるべく利用されるが、エネルギー源124は、単一のソース・ビーム124A、すなわち、単一のパルス・ソース・ビームを与えるものとして依然として説明され得ることが理解される。
【0084】
様々な実施例において、本明細書での使用に適したエネルギー源124は、レーザー及びランプを含むがこれらに限定されない様々なタイプのエネルギー源を含むことができる。適切なレーザーは、サブミリ秒タイムスケールの短パルス・レーザーを含むことができる。幾つかの実施例では、エネルギー源124は、ナノ秒(ns)タイムスケールのレーザーを含むことができる。レーザーは、ピコ秒(ps)、フェムト秒(fs)、及びマイクロ秒(μs)のタイムスケールの短パルス・レーザーを含むこともできる。本明細書に記載のカテーテル102のバルーン流体132中でプラズマを達成するために使用することができる様々なエネルギー・レベルを与えるレーザー・パルス波長、パルス幅及び振幅の多くの組合せがあることが理解される。様々な実施例において、パルス幅は、少なくとも10nsから200nsまでを含む範囲内に入るものを含み得る。幾つかの実施例では、パルス幅は、少なくとも20nsから100nsまでを含む範囲内にあるものを含むことができる。他の実施例では、パルス幅は、少なくとも1nsから500nsまでを含む範囲内にあるものを含むことができる。
【0085】
更に、典型的なナノ秒レーザーは、約10ナノメートル(nm)~1ミリメートル(mm)のパルス波長にまたがる、UV~IRスペクトル内のレーザーを含むことができる。幾つかの実施例では、本明細書のカテーテル・システム100での使用に適したエネルギー源124は、少なくとも750nmから2000nmまでのパルス波長で光を生成することができるものを含むことができる。他の実施例では、エネルギー源124は、少なくとも700nmから3000nmまでのパルス波長の光を生成することができるものを含むことができる。更に他の実施例では、エネルギー源124は、少なくとも100nmから10マイクロメートル(μm)までのパルス波長の光を生成することができるものを含むことができる。ナノ秒レーザーは、最大200kHzの繰り返し率を持つレーザーを含むことができる。幾つかの実施例では、レーザーは、Qスイッチツリウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Tm:YAG)レーザーを含むことができる。他の実施例では、レーザーは、ネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG)、ホルミウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Ho:YAG)、エルビウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Er:YAG)、エキシマー・レーザー、ヘリウムネオン・レーザー、二酸化炭素レーザー、並びに、ドープされたパルス状のファイバ・レーザーを含むことができる。
【0086】
本明細書に開示されるカテーテル・システム100は、少なくとも1メガパスカル(MPa)~100MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を生成することができる。特定のカテーテル・システム100によって生成される最大圧力は、エネルギー源124、吸収材料、気泡膨張、伝播媒体、バルーン材料、及び他の要因に依存する。幾つかの実施例では、本明細書のカテーテル・システム100は、少なくとも2MPa~50MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を生成することができる。他の実施例では、本明細書のカテーテル・システム100は、少なくとも2MPa~30MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を生成することができる。更に他の実施例では、本明細書のカテーテル・システム100は、少なくとも15MPa~25MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を生成することができる。
【0087】
本明細書に記載の圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときにエネルギー・ガイド122Aから径方向に延びる少なくとも0.1ミリメートル(mm)から25mmまでの範囲内の距離から治療部位106に与えられ得る。幾つかの実施例では、圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときにエネルギー・ガイド122Aから径方向に延びる少なくとも10mmから20mmまでの範囲内の距離から治療部位106に与えられ得る。他の実施例において、圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときにエネルギー・ガイド122Aから径方向に延びる少なくとも1mmから10mmまでの範囲内の距離から治療部位106に与えられ得る。更に他の実施例において、圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときにエネルギー・ガイド122Aから径方向に延びる少なくとも1.5mmから4mmまでの範囲内の距離から治療部位106に与えられ得る。幾つかの実施例では、圧力波は、0.1mmから10mmまでの距離を隔てて少なくとも2MPa~30MPaの範囲から治療部位106に与えられ得る。幾つかの実施例では、圧力波は、0.1mmから10mmまでの距離を隔てて少なくとも2MPa~25MPaの範囲から治療部位106に与えられ得る。
【0088】
電源125は、エネルギー源124、システム・コントローラ126、及びマルチプレクサ128のうちの1つ又は複数に電気的に結合されるとともに、これらに対して必要な電力を供給するように構成される。電源125は、そのような目的に適した任意の適切な設計を有することができる。
【0089】
前述のように、システム・コントローラ126は、電源125に電気的に結合されるとともに、電源125から電力を受ける。更に、システム・コントローラ126は、エネルギー源124、GUI127、及びマルチプレクサ128のそれぞれに結合されるとともに、これらの動作を制御するように構成される。システム・コントローラ126は、少なくともエネルギー源124、GUI127、及びマルチプレクサ128の動作を制御する目的で1つ又は複数のプロセッサ又は回路を含むことができる。例えば、システム・コントローラ126は、例えば所望の発射率で要求通りに光エネルギーのパルスを生成するためにエネルギー源124を制御することができる。続いて、システム・コントローラ126は、次に、エネルギー源124からの光エネルギー、すなわち、ソース・ビーム124Aを所望の態様で選択的及び/又は択一的にエネルギー・ガイド122Aのそれぞれに、すなわち、個々のガイド・ビーム124Bの形態で向けるようにマルチプレクサ128を制御することができる。
【0090】
より具体的には、本明細書で提供されるように、システム・コントローラ126は、所望の発射シーケンス、発射パターン、発射順序、発射エネルギー・レベル(パルス幅、パルス振幅及び/又はパルス波長のいずれか又は全てを含むことができる)及び/又は発射率で個々のガイド・ビーム124Bをエネルギー・ガイド122Aのそれぞれ又はエネルギー・ガイド122Aのセット又はサブセットに向けることができるようにエネルギー源124及び/又はマルチプレクサ128を制御することができる。例えば、角度方向がガイドワイヤ・ルーメン118の周囲で螺旋状になる線形パターンを成して配置される、例えば
図8A及び
図8Bに示されるような8つのエネルギー・ガイド122Aを含むカテーテル・システム100において、システム・コントローラ126は、任意の所望の態様で、エネルギー源124からエネルギー・ガイド122Aのそれぞれへの光エネルギーの発射の順序付けを制御できる。本明細書で使用される「発射率」という用語は、所定の時間枠あたりのパルス数を意味することを意図している。更に、本明細書で使用される「発射エネルギー・レベル」という用語は、エネルギー・パルスの強度を意味することを意図し、これは、パルス幅及び/又はパルスのいずれか又は全てのパルス振幅に応じて変化し得る。
【0091】
8つのエネルギー・ガイド122Aの発射の順序付けの別の用途の特定の非排他的な例が本明細書でより詳細に説明される。本明細書で使用されるように、異なる「所望の発射シーケンス」を、議論及び理解を容易にするために、第1の発射シーケンス、第2の発射シーケンス、第3の発射シーケンスなどと等しく呼ぶことができる。幾分同様に、異なる発射パターン、発射順序、発射エネルギー・レベル+及び/又は発射率を、議論及び理解を容易にするために、本明細書では同様に第1、第2、第3などと等しく呼ぶことができる。
【0092】
システム・コントローラ126を、カテーテル・システム100の他の構成要素の動作、例えば、治療部位106に隣接するカテーテル102の位置決め、バルーン流体132によるバルーン104の膨張などを制御するように更に構成することができる。更に又は代替として、カテーテル・システム100は、カテーテル・システム100の様々な動作を制御する目的に適した任意の態様で位置され得る1つ又は複数の更なるコントローラを含むことができる。
【0093】
GUI127は、カテーテル・システム100のユーザ又はオペレータによってアクセス可能である。更に、GUI127は、システム・コントローラ126に電気的に接続される。そのような設計により、GUI127は、カテーテル・システム100が治療部位106で血管病変に圧力を与えて血管病変中へ破砕を誘発すべく必要に応じて用いられることを確実にするためにユーザ又はオペレータによって使用され得る。更に、GUI127は、カテーテル・システム100の使用前、使用中、及び使用後に使用され得る情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。一実施例では、GUI127は、静的な視覚データ及び/又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。これに加えて又はこれに代えて、GUI127は、ビデオ・データ又は例えばカテーテル・システム100の使用中に経時的に変化する任意の他のデータなどの動的視覚データ及び/又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。更に、様々な実施例において、GUI127は、ユーザ又はオペレータへの警告として機能し得る1つ又は複数の色、異なるサイズ、様々な明るさなどを含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、GUI127は、音声データ又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。GUI127の詳細は、カテーテル・システム100の設計要件、又はユーザ又はオペレータの特定のニーズ、仕様、及び/又は要望に応じて変化し得ることが理解される。
【0094】
本明細書で提供されるように、適用可能な場合、マルチプレクサ128は、エネルギー源124からの光エネルギーをエネルギー・ガイド・バンドル122内のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向けるように構成することができる。より詳細には、マルチプレクサ128は、エネルギー源124からの光エネルギー、例えば、単一のレーザー源からの単一のソース・ビーム124Aを受けて、そのような光エネルギーを個々のガイド・ビーム124Bの形態でエネルギー・ガイド・バンドル122内のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向けるように構成される。したがって、マルチプレクサ128は、カテーテル・システム100が所望の態様で血管108の血管壁内の又は血管壁に隣接する治療部位106の血管病変に圧力を与えて破砕を誘発することができるように単一のエネルギー源124を複数のエネルギー・ガイド122Aを介して任意の所望の発射シーケンス又はパターンで別々に導くことができるようにする。更に、図示のように、カテーテル・システム100は、エネルギー源124からの光エネルギー、例えばソース・ビーム124Aをマルチプレクサ128に向けるために1つ又は複数の光学素子146を含むことができる。
【0095】
本明細書に記載されるように、マルチプレクサ128は、エネルギー源124からの光エネルギーをエネルギー・ガイド・バンドル122のエネルギー・ガイド122Aのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向ける目的に適した任意の適切な設計を有することができる。マルチプレクサ128の様々な非排他的な別の実施例は、
図2A~
図7に関連して本明細書で以下に詳細に説明される。
【0096】
図2Aは、カテーテル・システム200の実施例の一部の簡略化された概略上面図である。より詳細には、
図2Aは、第1のエネルギー・ガイド222A、第2のエネルギー・ガイド222B、第3のエネルギー・ガイド222C、第4のエネルギー・ガイド222D、及び、第5のエネルギー・ガイド222Eなどの複数のエネルギー・ガイド、エネルギー源224、システム・コントローラ226、並びに、マルチプレクサ228の一実施例を示す。マルチプレクサ228は、ソース・ビーム224A、例えばパルス・ソース・ビームの形態の光エネルギーをエネルギー源224から受ける。マルチプレクサ228は、システム・コントローラ226の制御下において任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターン(予め決定されたどうかにかかわらず)において個々のガイド・ビーム224Bの形態の光エネルギーを選択的及び/又は択一的にエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれに向けることができる。エネルギー・ガイド222A~222E、エネルギー源224、及びシステム・コントローラ226は、前述のように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図2Aに示される実施例に関連して詳細には説明されない。
図1に関連して例示して前述したシステム・コンソール123の特定の構成要素、例えば、電源125及びGUI127が、単純化のため及び図示を容易にするために
図2Aに示されないが、一般に多くの実施例に含まれることが更に分かる。
【0097】
前述のように、マルチプレクサ228は、エネルギー源224からソース・ビーム224Aの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム224Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターン(予め決定されたどうかにかかわらず)において選択的及び/又は択一的にエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれに向けるように構成される。したがって、
図2Aに示されるように、マルチプレクサ228は、エネルギー・ガイド・バンドル122、すなわち、複数のエネルギー・ガイド222A~222Eと光学的に通信している状態で動作可能及び/又は光学的に結合される。
【0098】
更に、図示のように、複数のエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれのガイド近位端部222Pは、ガイド結合ハウジング250内に、すなわち、ガイド結合ハウジング250の状態へと形成されるガイド結合スロット254内に保持される。様々な実施例において、ガイド結合ハウジング250は、ガイド結合スロット254、したがってエネルギー・ガイド222A~222Eがカテーテル・システム200の使用中にマルチプレクサ228に対して所望の所定位置に維持されるようにシステム・コンソール123(
図1に示される)に選択的に結合されるように構成される。幾つかの実施例では、ガイド結合スロット254は、マルチチャネル光ファイバ通信システムで一般的に使用されるV溝フェルール・ブロックなどのV溝の形態で設けられる。或いは、ガイド結合スロット254は、別の適切な設計を有することができる。
【0099】
ガイド結合ハウジング250は任意の適切な数のガイド結合スロット254を有することができ、これらのガイド結合スロット254は、例えば、ガイド結合スロット254、したがってエネルギー・ガイド222A~222Eをマルチプレクサ228に対してより良く位置合わせするために、任意の適した態様で互いに対して位置決めされ及び/又は向けられ得る。
図2Aに示される実施例では、ガイド結合ハウジング250は、隣接するガイド結合スロット254間の正確な離間間隔を伴って、互いに対して直線状な配列を成して離間される7つのガイド結合スロット254を含む。したがって、そのような実施例では、ガイド結合ハウジング250は、最大7つのエネルギー・ガイドのガイド近位端部222Pを保持することができる(ただし、5つのエネルギー・ガイド222A~222Eのみが
図2Aに具体的に示される)。或いは、ガイド結合ハウジング250は、異なる数のガイド結合スロット、すなわち、7つよりも多い又は7つ未満のガイド結合スロットを有することができ、及び/又は、ガイド結合スロット254は、互いに対して異なる態様で配置され得る。
【0100】
マルチプレクサ228の設計を、カテーテル・システム200の要件、エネルギー・ガイド222A~222Eの相対的な位置付けに応じて、及び/又は、カテーテル・システム200のユーザ又はオペレータの要望に合うように変えることができる。
図2Aに示される実施例では、マルチプレクサ228は、マルチプレクサ・ベース260、マルチプレクサ・ステージ262、ステージ・ムーバー264(仮想線で示される)、リダイレクタ266、及び、結合光学素子268のうちの1つ又は複数を含む。或いは、マルチプレクサ228は、
図2Aに具体的に示されるものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0101】
カテーテル・システム200の使用中、マルチプレクサ・ベース260は、エネルギー源224及びエネルギー・ガイド222A~222Eに対して所定位置に固定される。更に、この実施例では、マルチプレクサ・ステージ262は、マルチプレクサ・ベース260上に移動可能に支持される。より詳細には、ステージ・ムーバー264は、マルチプレクサ・ステージ262をマルチプレクサ・ベース260に対して移動するように構成される。
図2Aに示されるように、リダイレクタ266及び結合光学素子268は、マルチプレクサ・ステージ262上に取り付けられる及び/又はマルチプレクサ・ステージ262によって保持される。したがって、マルチプレクサ・ベース260に対するマルチプレクサ・ステージ262の移動は、固定されたマルチプレクサ・ベース260に対するリダイレクタ266及び結合光学素子268の対応する移動をもたらす。更に、エネルギー・ガイド222A~222Eがマルチプレクサ・ベース260に対して所定位置に固定された状態で、マルチプレクサ・ステージ262の移動は、エネルギー・ガイド222A~222Eに対するリダイレクタ266及び結合光学素子268の対応する移動をもたらす。
【0102】
様々な実施例において、マルチプレクサ228は、エネルギー源224によって生成されるソース・ビーム224Aをエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれに対応するガイド・ビーム224Bとしてマルチプレクサ228によって正確に向けられ、集束され得るように結合光学素子268をエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれと正確に位置合わせするように構成される。その最も単純な形態では、
図2Aに示されるように、マルチプレクサ228は、精密機構、すなわち、ステージ・ムーバー264を使用して、結合光学素子268を直線状の経路に沿って並進させる。この手法は単一の自由度を必要とする。特定の実施例では、直線並進機構、すなわち、ステージ・ムーバー264、及び/又はマルチプレクサ・ステージ262は、任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンで(予め決定されたどうかにかかわらず)結合光学素子268をエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれの位置と正確に位置合わせできるように機械的なストッパを有することができる。或いは、ステージ・ムーバー264は、ガイド・ビーム224Bのビーム経路を任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンでガイド結合ハウジング250内に部分的に保持される個々のエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれと整列させるように電子制御され得る。
【0103】
前述したように、マルチプレクサ・ステージ262は、エネルギー源224によって生成された光エネルギーを最適な結合のために各エネルギー・ガイド222A~222Eへと向けて集束させるべく、必要な光学素子、例えば、リダイレクタ266及び結合光学素子268を支持するように構成される、そのような設計により、並進されたマルチプレクサ・ステージ262の短い移動距離にわたるガイド・ビーム224Aの小さい発散は、エネルギー・ガイド222A~222Eに対する結合効率への影響が最小限となる。
【0104】
動作中、ステージ・ムーバー264は、マルチプレクサ・ステージ262を駆動して、ガイド・ビーム224Bのビーム経路を選択されたエネルギー・ガイド222A~222Eと位置合わせし、その後、システム・コントローラ226は、パルス・モード又はセミCWモードでエネルギー源224を発射する。その後、ステージ・ムーバー264は、マルチプレクサ・ステージ262を次のストッパへ、すなわち、次の所望のエネルギー・ガイド222A~222Eへ進め、また、システム・コントローラ226はエネルギー源224を再び発射する。このプロセスは、ガイド・ビーム224Bの形態の光エネルギーが所望の発射シーケンス及び/又はパターンでエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれに向けられるように要求通りに繰り返される。ステージ・ムーバー264は、マルチプレクサ・ステージ262を動かして、それがエネルギー・ガイド222A~222Eのいずれかと位置合わせされるようにすることができ、その後、システム・コントローラ226はエネルギー源224を発射する。このようにして、マルチプレクサ228は、任意の所望の発射パターンでエネルギー・ガイド222A~222Eを介して発射シーケンスを達成できる。
【0105】
この実施例では、ステージ・ムーバー264は、マルチプレクサ・ベース260に対して直線的にマルチプレクサ・ステージ262を移動させる目的に適した任意の適切な設計を有することができる。より詳細には、ステージ・ムーバー264は、任意の適切なタイプの直線並進機構となり得る。
【0106】
図2Aに示されるように、カテーテル・システム200は、ソース・ビーム224Aがマルチプレクサ228へ向けられるようにエネルギー源224からのソース・ビーム224Aを反射する光学素子246、例えばミラーなどの反射要素又は変向要素を更に含むことができる。一実施例では、図示のように、光学素子246は、ソース・ビーム224Aがマルチプレクサ228に向けられるようにソース・ビーム224Aを約90度だけ変向するべくビーム経路に沿って位置され得る。或いは、光学素子246は、90度より大きく又は90度未満だけソース・ビーム224Aを変向することができる。更に代替的に、カテーテル・システム200を、光学素子246を伴うことなく設計することができ、また、エネルギー源224は、ソース・ビーム224Aをマルチプレクサ228に直接向けることができる。
【0107】
更に、この実施例では、マルチプレクサ228に向けられるソース・ビーム224Aは、最初に、ソース・ビーム224Aを結合光学素子268へ向けて変向するように構成されるリダイレクタ266に衝突する。幾つかの実施例では、リダイレクタ266は、ソース・ビーム224Aを約90度だけ結合光学素子268へ向けて変向する。或いは、リダイレクタ266は、ソース・ビーム224Aを結合光学素子268に向けて90度より大きく又は90度未満だけ変向することができる。したがって、マルチプレクサ・ステージ262に取り付けられるリダイレクタ266は、個々のガイド・ビーム224Bがガイド結合ハウジング250内の個々のエネルギー・ガイド222A~222Eに集束されるように結合光学素子268を通じてソース・ビーム224Aを向けるように構成される。
【0108】
結合光学素子268は、個々のガイド・ビーム224Bをエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれに集束させる目的に適した任意の適切な設計を有することができる。一実施例では、結合光学素子268は、要求通りに個々のガイド・ビーム224Bを集束させるように特に構成される2つのレンズを含む。或いは、結合光学素子268は、別の適切な設計を有することができる。
【0109】
特定の非排他的な別の実施例では、ソース・ビーム224Aをエネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれに適切に向けられて集束されるように操向することは、オプトメカニカル・スキャナ、X-Y検流計又は他のマルチ軸ビーム・ステアリング装置を使用して達成され得る。
【0110】
更に代替的に、
図2Aは、エネルギー・ガイド222A~222Eがマルチプレクサ・ベース260に対して所定の位置に固定されることを示すが、幾つかの実施例では、エネルギー・ガイド222A~222Eを所定の位置に固定される結合光学素子268に対して移動するように構成できることが理解される。そのような実施例では、ガイド結合ハウジング250自体が移動する。1つの非排他的な実例では、ガイド結合ハウジング250を直線並進ステージによって支持することができ、また、システム・コントローラ226は、エネルギー・ガイド222A~222Eがそれぞれ所望の発射シーケンス又はパターンで結合光学素子及びガイド・ビーム224Bと位置合わせされるように直線並進ステージを段階的に移動するように制御することができる。そのような実施例は効果的であり得るが、ガイド結合ハウジング250が使用中にマルチプレクサ228の結合光学素子268に対して移動するため、それを安全且つ信頼できるものにするために更なる保護及び制御が必要とされることが更に分かる。
【0111】
図2Bは、
図2Aに示されるカテーテル・システム200及びマルチプレクサ228の一部の簡略化された概略斜視図である。特に、
図2Bは、エネルギー・ガイド222A~222Eのそれぞれの一部を保持するように構成される、ガイド結合スロット254を伴うガイド結合ハウジング250、エネルギー源224(
図2Aに示される)からマルチプレクサ228に向けてソース・ビーム224Aを最初に変向する光学素子246、並びに、マルチプレクサ・ベース260、マルチプレクサ・ステージ262、リダイレクタ266、及び、ソース・ビーム224Aを受けた後に任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンで個々のガイド・ビーム224Bを各エネルギー・ガイド222A~222Eへと向けて集束させる結合光学素子268を含むマルチプレクサ228の別の図を示す。単純化のため及び図示を容易にするために
図2Bにはステージ・ムーバー264が示されないことが理解される。
【0112】
図3Aは、マルチプレクサ328の別の実施例を含むカテーテル・システム300の一実施例の一部の簡略化された概略上面図である。より詳細には、
図3Aは、複数のエネルギー・ガイド、例えば、第1のエネルギー・ガイド322A、第2のエネルギー・ガイド322B及び第3のエネルギー・ガイド322C、エネルギー源324、システム・コントローラ326、並びに、エネルギー源324からソース・ビーム324Aの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム324Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンにおいてエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれに選択的及び/又は択一的に、すなわち、システム・コントローラ326の制御下で向けるマルチプレクサ328を示す。エネルギー・ガイド322A~322C、エネルギー源324、及びシステム・コントローラ326は、本明細書で上記で詳細に説明したように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図3Aに示される実施例に関連して詳細には説明されない。
図1に関連して例示して前述したシステム・コンソール123の特定の構成要素、例えば、電源125及びGUI127は、単純化のため及び図示を容易にするために
図3Aに示されないが、一般に、多くの実施例に含まれる。
【0113】
前の実施例と同様に、マルチプレクサ328は、エネルギー源324からソース・ビーム324A、例えば、単一パルス・ソース・ビームの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム324Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンにおいてエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向けるように構成される。したがって、
図3Aに示されるように、マルチプレクサ328は、エネルギー・ガイド・バンドル322に、すなわち、複数のエネルギー・ガイド322A~322Cと光学的に通信している状態で動作可能及び/又は光学的に結合される。
【0114】
更に、図示のように、複数のエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれのガイド近位端部322Pは、ガイド結合ハウジング350内に、すなわち、ガイド結合ハウジング350に形成されるガイド結合スロット354内に保持される。様々な実施例において、ガイド結合ハウジング350は、カテーテル・システム300の使用中にガイド結合スロット354、したがってエネルギー・ガイド322A~322Cがマルチプレクサ328に対して所望の所定位置に維持されるようにシステム・コンソール123(
図1に示される)に選択的に結合されるように構成される。
【0115】
ここで
図3Bを参照すると、
図3Bは、
図3Aに示されるカテーテル・システム300及びマルチプレクサ328の一部の簡略化された概略斜視図である。
図3Bに示されるように、ガイド結合ハウジング350は実質的に円筒形状にすることができる。ガイド結合ハウジング350は、例えばガイド結合スロット354、したがってエネルギー・ガイド・バンドル322のエネルギー・ガイド322A~322Cをマルチプレクサ328に対して最も良く位置合わせするべく任意の適切な態様で互いに対して位置決めされ及び/又は向けられ得る任意の適した数のガイド結合スロット354を有することができるのが分かる。
図3Bに示される実施例では、ガイド結合ハウジング350は、円形及び/又は六角形の充填パターンに配置される7つのガイド結合スロット354を含む。したがって、そのような実施例では、ガイド結合ハウジング350は、最大7つのエネルギー・ガイドのガイド近位端部を保持することができる。或いは、ガイド結合ハウジング350は、異なる数のガイド結合スロット、すなわち、7つより多い又は7つ未満のガイド結合スロットを有することができ、及び/又は、ガイド結合スロット354は、互いに対して異なる態様で、例えば、別の適切な円形周期的パターンで配置され得る。
【0116】
図3Aに戻ると、この実施例では、マルチプレクサ328は、マルチプレクサ・ステージ362、ステージ・ムーバー364、リダイレクタ366、及び結合光学素子368のうちの1つ又は複数を含む。或いは、マルチプレクサ328は、
図3Aに具体的に示される構成要素よりも多い構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0117】
図3Aに例示される実施例に示されるように、ステージ・ムーバー364は、マルチプレクサ・ステージ362を回転移動させるように構成される。より詳細には、この実施例では、マルチプレクサ・ステージ362及び/又はステージ・ムーバー364は単一の回転自由度を必要とする。更に、図示のように、マルチプレクサ・ステージ362及びガイド結合ハウジング350は、エネルギー源324の中心軸324X上に位置合わせされる。したがって、マルチプレクサ・ステージ362は、中心軸324Xの周りでステージ・ムーバー364によって回転されるように構成される。
【0118】
リダイレクタ366及び結合光学素子368は、マルチプレクサ・ステージ362上に取り付けられる及び/又はマルチプレクサ・ステージ362によって保持される。カテーテル・システム300の使用中、ソース・ビーム324Aは、最初に、エネルギー源324の中心軸324Xに沿って、マルチプレクサ328、すなわちマルチプレクサ・ステージ362に向けられる。続いて、リダイレクタ366は、ソース・ビーム324Aが中心軸324Xと略平行であって中心軸324Xから離間される方向に向けられるように、ソース・ビーム324Aを所定の距離だけ横方向に逸らす、すなわちエネルギー源324の中心軸324Xから逸らすべく構成される。より具体的には、リダイレクタ366は、ガイド結合ハウジング350内のエネルギー・ガイド322A~322Cの円形パターンの半径と一致するようにソース・ビーム324Aを逸らす。マルチプレクサ・ステージ362が回転されると、リダイレクタ366を通じて向けられたソース・ビーム324Aは円形経路を辿る。
【0119】
リダイレクタ366は、任意の適切な設計を有することができることが理解される。例えば、特定の非排他的な別の実施例では、リダイレクタ366は、アナモルフィック・プリズム対、ウェッジ・プリズムの対、又は間隔の狭い直角ミラー又はプリズムの対の形態で設けられ得る。或いは、リダイレクタ366は、所望の横方向ビーム・オフセットを達成するために、光学素子の別の適切な形態を含むことができる。
【0120】
更に、前述のように、結合光学素子368は、また、マルチプレクサ・ステージ362上に取り付けられる及び/又はマルチプレクサ・ステージ362によって保持される。前の実施例と同様に、結合光学素子368は、個々のガイド・ビーム324Bを、最適な結合のために、ガイド結合ハウジング350内に部分的に保持されるエネルギー・ガイド・バンドル322内のエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれに集束させるように構成される。
【0121】
前述のように、マルチプレクサ328は、エネルギー源324によって生成されたソース・ビーム324Aをマルチプレクサ328によって対応するガイド・ビーム324Bとしてエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれに正確に向けて集束させるように、結合光学素子368をエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれと正確に位置合わせするように構成される。特定の実施例では、ステージ・ムーバー364及び/又はマルチプレクサ・ステージ362は、結合光学素子368を任意の所望の発射シーケンス又はパターンでエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれの位置と正確に位置合わせできるように機械的なストッパを有することができる。或いは、ステージ・ムーバー364は、例えば、ガイド・ビーム324Bのビーム経路を任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンでガイド結合ハウジング350内に部分的に保持される個々のエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれと整列するためにステッピング・モーター又は圧電作動回転ステージを使用して電子的に制御され得る。
【0122】
カテーテル・システム300の使用中、ステージ・ムーバー364は、マルチプレクサ・ステージ362を駆動して、ガイド・ビーム324Bを選択されたエネルギー・ガイド322A~322Cと結合し、その後、システム・コントローラ326は、パルス・モード又はセミCWモードでエネルギー源324を発射する。その後、ステージ・ムーバー364は、マルチプレクサ・ステージ362を次のストッパ、すなわち、次の所望のエネルギー・ガイド322A~322Cに角度を付けて進め、また、システム・コントローラ326は、エネルギー源324を再び発射する。このプロセスは、ガイド・ビーム324Bの形態の光エネルギーが所望の発射シーケンス及び/又はパターンでエネルギー・ガイド322A~322Cのそれぞれに向けられるように要求通りに繰り返される。ステージ・ムーバー364は、マルチプレクサ・ステージ362をそれがエネルギー・ガイド322A~322Cのいずれかと位置合わせされるように移動させることができ、その後、システム・コントローラ326がエネルギー源324を発射することが分かる。このようにして、マルチプレクサ328は、エネルギー・ガイド322A~322Cを介して特定の発射シーケンスを達成することができ、又は、エネルギー・ガイド322A~322Cに対して任意の所望の発射シーケンス又はパターンで発射することができる。
【0123】
この実施例では、ステージ・ムーバー364は、中心軸324Xを中心にマルチプレクサ・ステージ362を回転移動させる目的に適した任意の適切な設計を有することができる。より詳細には、ステージ・ムーバー364は、任意の適切なタイプの回転機構となり得る。
【0124】
或いは、
図3Aは、エネルギー・ガイド322A~322Cがマルチプレクサ・ステージ362に対して所定の位置に固定されることを示すが、幾つかの実施例では、エネルギー・ガイド322A~322Cを所定の位置に固定される結合光学素子368に対して移動する、例えば回転するように構成することができる。そのような実施例では、ガイド結合ハウジング350自体が移動し、例えば、ガイド結合ハウジング350を中心軸324Xを中心に回転させることができ、また、システム・コントローラ326は、エネルギー・ガイド322A~322Cがそれぞれ、所望の発射シーケンス及び/又はパターンで結合光学素子及びガイド・ビーム324Bと位置合わせされるように段階的に移動するべく回転ステージを制御することができる。そのような実施例では、ガイド結合ハウジング350は、連続的に回転されず、所定数度だけ回転された後に、エネルギー・ガイド322A~322Cの巻き取りを回避するために逆回転される。
【0125】
再び
図3Bに戻ると、ガイド結合ハウジング350の別の図が示される。
図3Bは、エネルギー・ガイドのそれぞれの一部を保持するように構成されるガイド結合スロット354と、ソース・ビーム324Aを受けた後に個々のガイド・ビーム324Bを任意の所望の発射シーケンス及び/又は発射パターンでエネルギー・ガイドのそれぞれに向けて集束させる、マルチプレクサ・ステージ362、リダイレクタ366及び結合光学素子368を含むマルチプレクサ328とを示す。ステージ・ムーバー364は、単純化のため及び図示を容易にするために、
図3Bには示されないことが分かる。
【0126】
図4は、カテーテル・システム400の一部及びマルチプレクサ428の更に別の実施例の簡略化された概略上面図である。より詳細には、
図4は、複数のエネルギー・ガイド、例えば、第1のエネルギー・ガイド422A、第2のエネルギー・ガイド422B、第3のエネルギー・ガイド422C、第4のエネルギー・ガイド422D及び第5のエネルギー・ガイド422Eと、エネルギー源424と、システム・コントローラ426と、エネルギー源424からソース・ビーム424Aの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム424Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンにおいてエネルギー・ガイド422A~422Eのそれぞれに選択的及び/又は択一的に、すなわち、システム・コントローラ426の制御下で向けるマルチプレクサ428とを示す。エネルギー・ガイド422A~422E、エネルギー源424及びシステム・コントローラ426は、本明細書で上記で詳細に説明したように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図4に示される実施例に関連して詳細に説明されない。
図1に関連して例示して前述したシステム・コントローラ123の特定の構成要素、例えば、電源125及びGUI127は、単純化のため及び図示を容易にするために
図4には示されないが、一般に、多くの実施例に含まれるのが分かる。
【0127】
前述のように、マルチプレクサ428は、エネルギー源424からソース・ビーム424A、例えば、単一パルス・ソース・ビームの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム424Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンにおいてエネルギー・ガイド422A~422Eのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向けるように構成される。したがって、
図4に示されるように、マルチプレクサ428は、エネルギー・ガイド・バンドル422、すなわち、複数のエネルギー・ガイド422A~422Eと光学的に通信している状態で動作可能及び/又は光学的に結合される。
【0128】
更に、図示のように、複数のエネルギー・ガイド422A~422Eのそれぞれのガイド近位端部422Pは、ガイド結合ハウジング450内、すなわち、ガイド結合ハウジング450の状態へと形成されるガイド結合スロット454内に保持される。様々な実施例において、ガイド結合ハウジング450は、カテーテル・システム400の使用中にガイド結合スロット454、したがってエネルギー・ガイド422A~422Eがマルチプレクサ428に対して所望の所定位置に維持されるように、システム・コンソール123(
図1に示される)に選択的に結合されるべく構成される。ガイド結合ハウジング450が任意の適した数のガイド結合スロット454を有することができるのが分かる。
図4に示される実施例では、5つのガイド結合スロット454がガイド結合ハウジング450内に見える。したがって、そのような実施例では、ガイド結合ハウジング450は、最大5つのエネルギー・ガイドのガイド近位端部422Pを保持することができる。或いは、ガイド結合ハウジング450は、異なる数のガイド結合スロット454、すなわち、5つよりも多い又は5つ未満のガイド結合スロット454を有することができる。
【0129】
図4に示される実施例では、マルチプレクサ428は、マルチプレクサ・ステージ462、ステージ・ムーバー464、1つ又は複数の回折光学素子470(又は「DOE」)、及び結合光学素子468のうちの1つ又は複数を含む。或いは、マルチプレクサ428は、
図4に具体的に示されているものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0130】
図示のように、回折光学素子470は、マルチプレクサ・ステージ462上に取り付けられる及び/又はマルチプレクサ・ステージ462によって保持される。更に、ステージ・ムーバー464は、1つ又は複数の回折光学素子470のそれぞれがエネルギー源424からのソース・ビーム424Aのビーム経路に選択的及び/又は択一的に位置されるようにマルチプレクサ・ステージ462を例えば並進的に移動するように構成される。
【0131】
カテーテル・システム400の使用中、1つ又は複数の回折光学素子470のそれぞれは、ソース・ビーム424Aを1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の個々のガイド・ビーム424Bに分離するように構成される。回折光学素子470が任意の適切な設計を有することができるのが分かる。例えば、特定の非排他的な実施例では、回折光学素子470を、マイクロプリズム、マイクロレンズ、又は他のパターン化された回折素子のアレイを使用して作成することができる。
【0132】
この手法を使用して、ガイド結合ハウジング450内のエネルギー・ガイド422A~422Eを編成するための多くの想定し得る物理的構成、パターン、又はセットアップが存在することが分かる。ガイド結合ハウジング450内のエネルギー・ガイド422A~422Eのそのような形態の1つは、
図3A及び
図3Bに示されているものと幾分類似した六角形の最密充填形態となる。或いは、ガイド結合ハウジング450内のエネルギー・ガイド422A~422Eは、正方形、長方形、三角形、五角形、線形、円形、又は他の任意の適切な幾何学的又は非幾何学的形態に配置することもできる。
【0133】
図4に示されるように、ガイド結合ハウジング450は、マルチプレクサ・ステージ462に取り付けられた回折光学素子470がエネルギー源424とガイド結合ハウジング450との間のビーム経路に沿って挿入されている状態で、エネルギー源424の中心軸424X上に位置合わせされ得る。更に、図示のように、結合光学素子468はまた、エネルギー源424の中心軸424Xに沿って配置され、結合光学素子は、回折光学素子470とガイド結合ハウジング450との間に配置される。
【0134】
動作中、複数の回折光学素子470のうちの1つに衝突するソース・ビーム424Aは、ソース・ビーム424Aを2つ以上の偏向ビーム、すなわち2つ以上のガイド・ビーム424Bに分割する。これらのガイド・ビーム424Bは、ひいては、結合光学素子468によって、ガイド結合ハウジング450内に保持される個々のエネルギー・ガイド422A~422Eへと向けられて集束される。1つの形態において、回折光学素子470は、ソース・ビーム424Aを、使い捨て装置内に存在するのと同じ数のエネルギー・ガイドに分割する。そのような形態では、各ガイド・ビーム424Bのパワーは、単一のソース・ビーム424Aから生成されるガイド・ビーム424Bの数から散乱損失及び吸収損失を差し引いたものに基づく。或いは、回折光学素子470を、ガイド・ビーム424Bが任意の単一のエネルギー・ガイド又は任意の選択された複数のエネルギー・ガイドに向けられるようにソース・ビーム424Aを分割するべく構成することができる。したがって、マルチプレクサ・ステージ462は、例えば、複数の回折光学素子が単一のプレート上にパターン・エッチングされた状態で、複数の回折光学素子470を保持し、ガイド・ビーム424Bを所望の数及びパターンのエネルギー・ガイドに結合するためのオプションをユーザ又はオペレータに与えるように構成され得る。そのような実施例では、所望の発射シーケンスは、マルチプレクサ・ステージ462をステージ・ムーバー464とともに、例えば、並進的に移動させることによって達成することができ、それにより、所望の回折光学素子470は、エネルギー源424と結合光学素子468との間のソース・ビーム424Aのビーム経路に位置される。
【0135】
前の実施例と同様に、結合光学素子468は、個々のガイド・ビーム424B又は複数のガイド・ビーム424Bを所望のエネルギー・ガイド422A~422Eに同時に集束させる目的に適した任意の適切な設計を有することができる。
【0136】
図5は、カテーテル・システム500の一部及びマルチプレクサ528の更に別の実施例の簡略化された概略上面図である。より詳細には、
図5は、複数のエネルギー・ガイド、例えば、第1のエネルギー・ガイド522A、第2のエネルギー・ガイド522B、第3のエネルギー・ガイド522Cと、エネルギー源524と、システム・コントローラ526と、エネルギー源524からソース・ビーム524Aの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム524Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンにおいてエネルギー・ガイド522A~522Cのそれぞれに選択的及び/又は択一的に、すなわち、システム・コントローラ526の制御下で向けるマルチプレクサ528とを示す。エネルギー・ガイド522A~522C、エネルギー源524、及びシステム・コントローラ526は、本明細書で上記で詳細に説明したように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図5に示される実施例に関連して詳細に説明されない。
図1に関連して例示して前述したシステム・コンソール123の特定の構成要素、例えば電源125及びGUI127は、単純化のため及び図示を容易にするために
図5には示されないが、一般に多くの実施例に含まれることが更に分かる。
【0137】
前述したように、マルチプレクサ528は、エネルギー源524からソース・ビーム524A、例えば、単一パルス・ソース・ビームの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム524Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンにおいてエネルギー・ガイド522A~522Cのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向けるように構成される。したがって、
図5に示されるように、マルチプレクサ528は、複数のエネルギー・ガイド522A~522Cと光学的に通信している状態で動作可能及び/又は光学的に結合される。
【0138】
しかしながら、
図5に示されるように、マルチプレクサ528は、前の実施例のいずれとも異なる形態を有する。幾つかの実施例では、単一のエネルギー源524からソース・ビーム524Aを受けて任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンで個々のガイド・ビーム524Bの形態の光エネルギーをエネルギー・ガイド522A~522Cのそれぞれに対して容易に再構成可能であり且つ可動部品を含まない態様で、選択的及び/又は択一的に向けるべくマルチプレクサ528を設計することが望ましい場合がある。例えば、マルチプレクサ528として音響光学偏向器(AOD)を使用することにより、単一のエネルギー源524、例えば、単一のレーザーの出力全体を、複数の個々のエネルギー・ガイド522A~522Cに向けることができる。ガイド・ビーム524Bを、マルチプレクサ528(AOD)への駆動周波数入力を単に変更することによって、マイクロ秒以内に異なるエネルギー・ガイド522A~522Cに再標的化することができ、Nd:YAGなどのパルス・レーザーを用いて、このスイッチングは、パルス間で簡単に発生する。そのような実施例では、マルチプレクサ528の偏向角(Θ)は、以下のように定義することができる。
偏向角(Θ)=Λf/v、ここで、
Λ=光波長
f=音響駆動周波数
v=変調器の音速
【0139】
図5に示されるように、ソース・ビーム524Aは、エネルギー源524からマルチプレクサ528に向けられ、続いて、所望のガイド・ビーム524Bとして生成された偏向角に起因して、エネルギー・ガイド522A~522Cのそれぞれに変向される。より具体的には、図示のように、マルチプレクサ528がソース・ビーム524Aに対して第1の偏向角を生成するとき、第1のガイド・ビーム524B1は、第1のエネルギー・ガイド522Aに向けられる。マルチプレクサ528がソース・ビーム524Aに対して第2の偏向角を生成するとき、第2のガイド・ビーム524B2は、第2のエネルギー・ガイド522Bに向けられる。そして、マルチプレクサ528がソース・ビーム524Aに対して第3の偏向角を生成するとき、第3のガイド・ビーム524B3は、第3のエネルギー・ガイド522Cに向けられる。図示のように、任意の所望の偏向角は、実質的に偏向角を全く含まないことができ、すなわち、ガイド・ビーム524Bを、ソース・ビーム524Aと同じ軸方向ビーム経路に沿って継続するように向けることができるのが分かる。
【0140】
この実施例では、マルチプレクサ528(AOD)は、変換器572及び吸収器574を含み、これらが協働して、所望の駆動周波数を生成し、ひいては、所望の偏向角を生成して、ソース・ビーム524Aが所望のガイド・ビーム524Bとして所望のエネルギー・ガイド522A~522Cに向かって変向されるようにする。より詳細には、マルチプレクサ528は、ソース・ビーム524Aを空間的に制御するように構成される。マルチプレクサ528の動作において、音響変換器572を駆動する電力は、一定レベルでオンに保たれ、一方、音響周波数は、ソース・ビーム524Aをガイド・ビーム524B1~524B3を規定する異なる角度位置に偏向させるように変化する。したがって、マルチプレクサ528は、上記のような音響周波数依存回折角を利用する。
【0141】
図6は、カテーテル・システム600の一部及びマルチプレクサ628の更に別の実施例の簡略化された概略上面図である。より詳細には、
図6は、複数のエネルギー・ガイド、例えば、第1のエネルギー・ガイド622A、第2のエネルギー・ガイド622B、第3のエネルギー・ガイド622Cと、エネルギー源624と、システム・コントローラ626と、エネルギー源624から、ソース・ビーム624A、例えば、単一パルス・ソース・ビームの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム624Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンにおいてエネルギー・ガイド622A~622Cのそれぞれに選択的及び/又は択一的に、すなわち、システム・コントローラ626の制御下で向けるマルチプレクサ628とを示す。エネルギー・ガイド622A~622C、エネルギー源624及びシステム・コントローラ626は、本明細書で上記で詳細に説明したように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図6に示される実施例に関連して詳細に説明されない。
図1に関連して例示して前述したシステム・コンソール123の特定の構成要素、例えば電源125及びGUI127は、単純化のため及び図示を容易にするために
図6には示されないが、一般に多くの実施例に含まれることが更に分かる。
【0142】
図6に示されるマルチプレクサ628は、
図5に関連して例示されて説明されるマルチプレクサ528と実質的に類似していることが理解される。例えば、
図6に示されるように、マルチプレクサ628は、この場合も先と同様に、所望の駆動周波数を協働して生成する変換器672及び吸収器674を含み、これらは、ひいては、ソース・ビーム624Aが所望のガイド・ビーム624Bとして所望のエネルギー・ガイド622A~622Cに向けて変向されるように所望の偏向角を生成することができる。しかしながら、この実施例では、マルチプレクサ628は、ガイド・ビーム624B間の角度分離を線形オフセットに変換するために使用可能な光学素子676を更に含む。
【0143】
幾つかの実施例では、カテーテル・システム600の角度分解能及び効率を改善するために、入力レーザー624は、マルチプレクサ628(AOD)の開口を埋めるのに近い直径でコリメートされるべきである。入力の発散が小さいほど、より多くの離散出力を生成できる。このような装置の角度分解能は非常に優れているが、全体的な角度偏向は制限される。有限サイズの十分な数のエネルギー・ガイド622A~622Cが単一のエネルギー源624及び単一のソース・ビーム624Aによってアクセスされることを可能にするために、異なる出力の分離を改善するための幾つかの手段が存在する。例えば、
図6に示されるように、個々のガイド・ビーム624Bが分離した後、光学素子676、例えば、レンズを使用して、ガイド・ビーム624B間の角度分離を線形オフセットに変換することができ、例えば、エネルギー・ガイド622A~622Cがガイド結合ハウジング650内で互いに近接して保持されている場合、ガイド・ビーム624Bを近接したエネルギー・ガイド622A~622Cに向けることができる。更に、折り畳みミラーを使用して、適切な伝搬距離が限られた体積内でガイド・ビーム624Bの異なるビーム経路を分離できるようにし得る。
【0144】
図7は、カテーテル・システム700の一部及びマルチプレクサ728の更に別の実施例の簡略化された概略上面図である。より詳細には、
図7は、複数のエネルギー・ガイド、例えば、第1のエネルギー・ガイド722A、第2のエネルギー・ガイド722B、第3のエネルギー・ガイド722C、第4のエネルギー・ガイド722D及び第5のエネルギー・ガイド722Eと、エネルギー源724と、システム・コントローラ726と、エネルギー源724からソース・ビーム724A、例えば、単一パルス・ソース・ビームの形態で光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム724Bの形態で任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンにおいてエネルギー・ガイド722A~722Eのそれぞれに選択的及び/又は択一的に、すなわちシステム・コントローラ726の制御下で向けるマルチプレクサ728とを示す。エネルギー・ガイド722A~722E、エネルギー源724、及びシステム・コントローラ726は、本明細書で上記で詳細に説明したように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図7に示される実施例に関連して詳細に説明されない。
図1に関連して例示して前述したシステム・コンソール123の特定の構成要素、例えば電源125及びGUI127は、単純化のため及び図示を容易にするために
図7には示されないが、一般に多くの実施例に含まれることが更に分かる。
【0145】
図7に示されるソース・ビーム724Aを複数のガイド・ビーム724Bに多重化する態様は、
図5に関連して例示されて説明されるように、ソース・ビーム524が複数のガイド・ビーム524Bに多重化された方法に幾分類似していることが理解される。しかしながら、この実施例では、マルチプレクサ728は、互いに直列に配置された一対の音響光学偏向器(AOD)、すなわち、第1の音響光学偏向器728A及び第2の音響光学偏向器728Bを含む。そのような設計により、マルチプレクサ728は、更なるエネルギー・ガイドにアクセスすることができる可能性がある。更に、マルチプレクサ728は、必要に応じて、更に多くのエネルギー・ガイドにアクセスすることができるようにするために、3つを超える音響光学偏向器を含むことができることが更に理解される。
【0146】
図7に示される実施例では、ソース・ビーム724Aは、最初に第1のAOD728Aに向けられる。第1のAOD728Aは、ソース・ビーム724Aを偏向させて、第1のエネルギー・ガイド722Aに向けられる第1のガイド・ビーム724B1、及び第2のエネルギー・ガイド722B2に向けられる第2のガイド・ビーム724B2を生成するために利用される。更に、第1のAOD728Aはまた、偏向されていないビームを第2のAOD728Bに向けられる送信ビーム724Cとして第1のAOD728Aを介して送信できるようにする。続いて、第2のAOD728Bを利用して、必要に応じて、送信ビーム724Cを偏向させて、第3のエネルギー・ガイド722Cに向けられる第3のガイド・ビーム724B3、第4のエネルギー・ガイド722Dに向けられる第4のガイド・ビーム724B4、第5のエネルギー・ガイド722B5に向けられる第5のガイド・ビーム724B5を生成する。
【0147】
更に、各AOD728A、728Bを、上記でより詳細に説明されたものと同様の態様で設計することができる。例えば、第1のAOD728Aは、第1の変換器772A及び第1の吸収器774Aを含むことができ、これらは、協働して所望の駆動周波数を生成し、ひいては、所望の偏向角を生成し、それにより、ソース・ビーム724Aが要求通りに変向され、また、第2のAOD728Bは、第2の変換器772B及び第2の吸収器774Bを含むことができ、これらは、協働して所望の駆動周波数を生成し、ひいては、所望の偏向角を生成し、それにより、送信ビーム724Cが要求通りに変向される。或いは、第1のAOD728A及び/又は第2のAOD728Bは、別の適切な設計を有することができる。
【0148】
図8Aは、カテーテル・システム800の別の実施例の一部の簡略化された概略側面図である。より詳細には、
図8Aに示されるように、カテーテル・システム800は、少なくともバルーン804、カテーテル・シャフト810、ガイドワイヤ・ルーメン818、及び、ガイドワイヤ・ルーメン818の周囲にわたって互いに離間される複数のエネルギー・ガイド822を含む。バルーン804、カテーテル・シャフト810、ガイドワイヤ・ルーメン818、及び複数のエネルギー・ガイド822は、一般に、設計及び動作が本明細書で上記で詳細に説明したものと類似している。したがって、バルーン804、カテーテル・シャフト810、ガイドワイヤ・ルーメン818、及び複数のエネルギー・ガイド822は、
図8Aに示される実施例に関連して再び詳細に説明されない。
【0149】
上記で詳細に説明した実施例と同様に、例えば、エネルギー源124(
図1に示される)及び/又はマルチプレクサ128(
図1に示される)を含むカテーテル・システム800は、すなわち、システム・コントローラ126(
図1に示される)によって、血管病変に圧力を与えて破砕を誘発すべく任意の所望の発射シーケンス、パターン、順序、発射率、及び/又は発射持続時間で複数のエネルギー・ガイド822のそれぞれに選択的及び/又は別々に給電するように構成されて制御され得る。更に、前述のように、複数のエネルギー・ガイド822のそれぞれに任意の所望の発射シーケンス、パターン、順序、発射率及び/又は発射持続時間で別々に給電できるが、複数のエネルギー・ガイド822のセット及び/又はサブセットにも任意の所定の時点で給電できるのが分かる。複数のエネルギー・ガイド822の各セット又はサブセットは、複数のエネルギー・ガイド822のうちの1つ又は複数を含むことができる。したがって、任意の所定の時点で、電力は、第1の発射シーケンス、第2の発射シーケンス、第3の発射シーケンス、第4の発射シーケンスなどを択一的に形成するべく複数のエネルギー・ガイド822のうちの1つ又は複数に向けられ得る。更に、必須ではないが、複数のエネルギー・ガイド822のそのようなセット及びサブセットにおけるエネルギー・ガイド822の発射シーケンスのうちの1つ又は複数は、エネルギー・ガイド822の他の発射シーケンスのいずれか又は全てとは異なり得る。
【0150】
図8Bは、
図8Aの線B-Bに沿うカテーテル・システム800の部分の簡略化された概略断面図である。より詳細には、
図8Bは、この場合も先と同様に、バルーン804、カテーテル・シャフト810、ガイドワイヤ・ルーメン818、及び、カテーテル・システム800のこの実施例の中に含めることができる複数のエネルギー・ガイド822を示す。更に、図示のように、
図8Bは、カテーテル・システム800のこの特定の非排他的な実施例が、第1のエネルギー・ガイド822A、第2のエネルギー・ガイド822B、第3のエネルギー・ガイド822C、第4のエネルギー・ガイド822D、第5のエネルギー・ガイド822E、第6のエネルギー・ガイド822F、第7のエネルギー・ガイド822G、及び第8のエネルギー・ガイド822Hを含む8つのエネルギー・ガイドを含むことを示す。しかしながら、任意の適切な数のエネルギー・ガイドを使用できることが理解される。更に、
図8Bでは、エネルギー・ガイド822A~822Hは、ガイドワイヤ・ルーメン818の周囲にわたって互いに約45度均等に離間される。しかしながら、エネルギー・ガイド822A~822Hは互いに均等に離間される必要はなく、すなわち、エネルギー・ガイド822A~822Hは、ガイドワイヤ・ルーメン818の周囲にわたって互いに不均等に離間され得るのが分かる。
【0151】
更に、本明細書で提供されるように、エネルギー・ガイド822A~822Hのそれぞれは、治療部位106(
図1に示される)の血管病変を破壊する目的で圧力波をより効果的且つ正確に与えるべくバルーン804の長さ842及び/又はガイドワイヤ・ルーメン818の長さに対して任意の適切な又は所望の長手方向位置に配置され得るガイド遠位端部880(
図8Aに示される)を含む。例えば、
図8Aも参照すると、第1のエネルギー・ガイド822Aは、バルーン804の長さ842に対して第1の長手方向位置に配置される第1のガイド遠位端部880を含むことができ、第2のエネルギー・ガイド822Bは、バルーン804の長さ842に対して第2の長手方向位置に配置される第2のガイド遠位端部880を含むことができ、第3のエネルギー・ガイド822Cは、バルーン804の長さ842に対して第3の長手方向位置に配置される第3のガイド遠位端部880を含むことができ、第4のエネルギー・ガイド822Dは、バルーン804の長さ842に対して第4の長手方向位置に配置される第4のガイド遠位端部880を含むことができ、第5のエネルギー・ガイド822Eは、バルーン804の長さ842に対して第5の長手方向位置に配置される第5のガイド遠位端部880を含むことができ、第6のエネルギー・ガイド822Fは、バルーン804の長さ842に対して第6の長手方向位置に配置される第6のガイド遠位端部880を含むことができ、第7のエネルギー・ガイド822Gは、バルーン804の長さ842に対して第7の長手方向位置に配置される第7のガイド遠位端部880を含むことができ、第8のエネルギー・ガイド822Hは、バルーン804の長さ842に対して第8の長手方向位置に配置される第8のガイド遠位端部880を含むことができる。
【0152】
別の実施例では、バルーン804の長さ842に対するガイド遠位端部880の長手方向位置のそれぞれは互いに異なることができ、又は、バルーン804の長さ842に対するガイド遠位端部880の長手方向位置のうちの2つ以上は互いに同じとなり得る。更に、前述のように、エネルギー・ガイド822A~822Hのそれぞれはガイドワイヤ・ルーメン818に実質的に直接隣接して配置されるように示されるが、エネルギー・ガイド822A~822Hの一部、例えば、ガイド遠位端部880をガイドワイヤ・ルーメン818から離間させることができるのが認識される。例えば、エネルギー・ガイド822A~822Hのいずれかのガイド遠位端部880を、ガイドワイヤ・ルーメン818とバルーン804のバルーン壁830との間の任意の適切な位置に横方向に配置することができる。
【0153】
前述のように、個々のエネルギー・ガイド822A~822H、及び/又はエネルギー・ガイド822A~822Hのセット又はサブセットを発射して、局所的な石灰化病変を破壊するのにより効果的であり得る所望の発射シーケンス又はパターンを達成することが可能である。より具体的には、システム・コントローラ126は、石灰化病変のより大きな程度の破壊を達成するために個々のガイド・ビーム124B(
図1に示される)を任意の所望の発射シーケンス、パターン、順序、発射率、及び/又は発射持続時間でエネルギー・ガイド822A~822Hのそれぞれ又はエネルギー・ガイド822A~822Hのセット又はサブセットに向けることができるようにエネルギー源124及び/又はマルチプレクサ128を制御することができる。例えば、ガイドワイヤ・ルーメン818の周りに螺旋状の角度方向を伴う線形パターンで配置される8つのエネルギー・ガイド822A~822Hにより、システム・コントローラ126は、任意の所望の予め決定された又は予め決定されない態様でエネルギー源124からエネルギー・ガイド822A~822Hのそれぞれへ向かう光エネルギーの発射シーケンスを制御することができる。
【0154】
例えば、1つの非排他的な実施例では、システム・コントローラ126は、個々のガイド・ビーム124Bを、エネルギー・ガイドの第1のセットにおける第1のエネルギー・ガイド822A及び第8のエネルギー・ガイド822Hのそれぞれに向けることができ、その後、個々のガイド・ビーム124Bを、エネルギー・ガイドの第2のセットにおける第2のエネルギー・ガイド822B及び第7のエネルギー・ガイド822Gのそれぞれに向けることができ、続いて、個々のガイド・ビーム124Bを、エネルギー・ガイドの第3のセットにおける第3のエネルギー・ガイド822C及び第6のエネルギー・ガイド822Fのそれぞれに向けることができ、そして最後に、個々のガイド・ビーム124Bを、エネルギー・ガイドの第4のセットにおける第4のエネルギー・ガイド822D及び第5のエネルギー・ガイド822Eのそれぞれに向けることができる。発射シーケンス及び/又は発射パターンのこの例は、バルーン804の両端から、第4のエネルギー・ガイド822D及び第5のエネルギー・ガイド822Eのガイド遠位端部880間に位置する治療部位106などの特定の領域に向かって収束し、それにより、その場所の病変をより効果的に破壊することができる前進波面を生成する。
【0155】
本明細書で使用される場合、「前進波面」という用語は、圧力波を引き起こす光エネルギーが一般に治療部位106に向かって移動する全体的なパターンが生成されるように1つ又は複数のエネルギー・ガイドに向けられる一連のガイド・ビームを意味することを意図している。逆に、「後退波面」は、実際には、前進波面とは多少逆になる。言い換えれば、一連のガイド・ビームが1つ又は複数のエネルギー・ガイドに向けられ、その結果、圧力波を引き起こす光エネルギーが一般に治療部位106から離れて移動する全体的なパターンが生成される。当業者であれば分かるように、後退波面は前進波面と実質的に反対の態様で動作する。
【0156】
別の非排他的な実施例では、システム・コントローラ126は、個々のガイド・ビーム124Bを、エネルギー・ガイドの第1のセットにおける第3のエネルギー・ガイド822C及び第7のエネルギー・ガイド822Gのそれぞれに向けることができ、続いて、個々のガイド・ビーム124Bを、エネルギー・ガイドの第2のセットにおける第4のエネルギー・ガイド822D及び第6のエネルギー・ガイド822Fのそれぞれに向けることができ、そして最後に、個々のガイド・ビーム124Bを、エネルギー・ガイドの第3のセットにおける第5のエネルギー・ガイド822Eに向けることができる。発射シーケンス及び/又は発射パターンのこの例は、バルーン804の両端から、第5のエネルギー・ガイド822Eのガイド遠位端部880の近くのバルーン804内の長手方向位置、すなわち第5の長手方向位置に位置する特定の領域(1つの実施例では治療部位106など)に向かって収束する前進波面を生成する。
【0157】
更に別の非排他的な実施例では、システム・コントローラ126は、エネルギー源124及び/又はマルチプレクサ128を制御して、バルーン804の実質的に全長842に沿っていくらか異なる前進波面を生成することができる。この実施例では、システム・コントローラ126は、エネルギー源124及び/又はマルチプレクサ128を制御して、個々のガイド・ビーム124Bを第1のシーケンスで第1のエネルギー・ガイド822A、第2のエネルギー・ガイド822B、及び第3のエネルギー・ガイド822Cに順次向けることができる。次に、システム・コントローラ126は、エネルギー源124及び/又はマルチプレクサ128を制御して、個々のガイド・ビーム124Bを第2のシーケンスで第2のエネルギー・ガイド822B、第3のエネルギー・ガイド822C、及び第4のエネルギー・ガイド822Dに順次向けることができる。このタイプのシーケンスは、システム・コントローラ126がエネルギー源124及び/又はマルチプレクサ128を制御して個々のガイド・ビーム124Bを第6のシーケンスで第6のエネルギー・ガイド822F、第7のエネルギー・ガイド822G、及び第8のエネルギー・ガイド822Hに順次向けるときの最後のステップまで、同様の態様で続行できる(例えば、第3のシーケンスで第3、第4、第5のエネルギー・ガイドに、第4のシーケンスで第4、第5、第6のエネルギー・ガイドに、第5のシーケンスで第5、第6、第7のエネルギー・ガイドになど)。
【0158】
様々な実施例において、前進波面は、必ずしも治療部位106に向かって前進するだけでなく、治療部位106に向かって前進した後に治療部位106を通過して(任意の適切な方向に)続く波面を表すことができる。
【0159】
更に又は代替として、システム・コントローラ126は、エネルギー源124及び/又はマルチプレクサ128を制御して、バルーン804の長さ842に沿って前進する一連のエネルギー波を生成し、治療部位106の病変に剪断波を生成することもできる。そのような用途では、個々のガイド・ビーム124Bが特定のシーケンスで特定のエネルギー・ガイド822に向けられるので、圧力波は活性化の方向に進む。崩壊する気泡の前に新しい気泡が生成されると、バルーン壁830に剪断力を生成することが可能である。バルーン壁830に対してある角度で衝突する球形波面の前縁に作用する非垂直の局所的な力は、非常に集中した局所的な剪断力を生成する。これは、バルーン804の断面全体を拡大してフープ応力を生じさせることができる1つの径方向に向けられた圧力波でバルーン804の長さ842を通して壁を単に叩くよりも、石灰化病変の亀裂に大きな影響を及ぼし得る。
【0160】
更に、特定の実施例では、2つ以上のエネルギー・ガイド822A~822Hのガイド遠位端部880を、バルーン804の長さ842に対して同じ長手方向位置に配置することが望ましい場合があり、システム・コントローラ126は、エネルギー源124及び/又はマルチプレクサ128を制御して、そのようなエネルギー・ガイド822A~822Hのそれぞれを実質的に同時に発射して、そのような長手方向位置でバルーン804の周りに完全に圧力波を生成する。
【0161】
特定の発射シーケンス又はパターンを説明及び/又は例示する前述の実施例の実例は、代表的な実例としてのみ提供されており、いかなる方法でも限定することを意図するものではないことも分かる。実際、本明細書で提供される開示を利用して、無制限の数の異なるそのような発射シーケンス及び/又はパターンを達成できることが更に理解される。本明細書の開示を使用して示され、説明され、及び/又は達成可能な実施例のいずれかを用いて、発射率が時間とともに増加又は減少するように発射率を制御できることが理解される。更に、発射率を、光エネルギーが向けられている特定のエネルギー・ガイドに応じて発射率が増加又は減少するように制御できる。
【0162】
本明細書で提供される設計により、任意の所望の発射シーケンス及び/又はパターンを達成することができることが認識される。達成できる発射シーケンス及び/又はパターンのタイプは、エネルギー・ガイドの数、バルーン内のエネルギー・ガイドのそれぞれの軸方向及び長手方向の位置、エネルギー・ガイドのそれぞれの発射のエネルギー・レベル、発射率等に少なくとも部分的に基づくことができる。これら及び任意の他の適切なパラメータを制御することにより、血管病変の石灰化の段階的又は突然の破壊をもたらす前進波面が発生する可能性があることが理解される。これらの設計により、血管病変及び/又は心臓弁における石灰化の適切な及び/又は満足のいく破壊の成功の可能性が高まる。
【0163】
図9は、カテーテル・システム900の別の実施例の簡略化された概略断面図である。
図9に示されるカテーテル・システム900は、
図9のカテーテル・システム900が異なる数のエネルギー・ガイドを含むことを除き、
図8A及び
図8Bに示されるカテーテル・システム800と同様である。より詳細には、
図9は、カテーテル・システム900が、少なくともバルーン904、カテーテル・シャフト910、ガイドワイヤ・ルーメン918、及び、複数のエネルギー・ガイド922、すなわち、第1のエネルギー・ガイド922A、第2のエネルギー・ガイド922B、第3のエネルギー・ガイド922C、第4のエネルギー・ガイド922D、第5のエネルギー・ガイド922E、及び第6のエネルギー・ガイド922Fを含むことを示し、複数のエネルギー・ガイド922は、ガイドワイヤ・ルーメン918の周囲にわたって互いに約60度均等に離間される。前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド922A~922Fがガイドワイヤ・ルーメン918の周囲にわたって互いに均等に離間される必要がないことが理解される。
【0164】
更に、前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド922A~922Fのそれぞれは、バルーン904の長さに対して及び/又はガイドワイヤ・ルーメン918の長さの対して任意の所望の長手方向位置に位置され得るガイド遠位端部(
図9には示されていない)を含むことができる。更に、システム・コントローラ126(
図1に示されている)は、光エネルギーが任意の所望の発射シーケンス又はパターンでエネルギー・ガイド922A~922Fのそれぞれに別々に向けられるようにエネルギー源124(
図1に示されている)及び/又はマルチプレクサ128(
図1に示されている)を制御できることも理解される。
【0165】
図10は、カテーテル・システム1000の更に別の実施例の簡略化された概略断面図である。
図10に示されるカテーテル・システム1000は、
図10のカテーテル・システム1000が異なる数のエネルギー・ガイドを含むことを除き、本明細書で例示して前述したカテーテル・システムと同様である。より詳細には、
図10は、カテーテル・システム1000が、少なくともバルーン1004、カテーテル・シャフト1010、ガイドワイヤ・ルーメン1018、及び、複数のエネルギー・ガイド1022、すなわち、第1のエネルギー・ガイド1022A、第2のエネルギー・ガイド1022B、第3のエネルギー・ガイド1022C、第4のエネルギー・ガイド1022D、及び第5のエネルギー・ガイド1022Eを含むことを示し、複数のエネルギー・ガイド1022は、ガイドワイヤ・ルーメン1018の周囲にわたって互いに約72度均等に離間される。前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド1022A~1022Eがガイドワイヤ・ルーメン1018の周囲にわたって互いに均等に離間される必要がないことが理解される。
【0166】
更に、前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド1022A~1022Eのそれぞれは、バルーン1004の長さに対して及び/又はガイドワイヤ・ルーメン1018の長さに対して任意の所望の長手方向位置に位置され得るガイド遠位端部(
図10には示されていない)を含むことができる。更に、システム・コントローラ126(
図1に示されている)は、光エネルギーが任意の所望の発射シーケンス又はパターンでエネルギー・ガイド1022A~1022Eのそれぞれに別々に向けられるようにエネルギー源124(
図1に示されている)及び/又はマルチプレクサ128(
図1に示されている)を制御できることも理解される。
【0167】
図11は、カテーテル・システム1100の更に別の実施例の簡略化された概略断面図である。
図11に示されるカテーテル・システム1100は、
図11のカテーテル・システム1100が異なる数のエネルギー・ガイドを含むことを除き、本明細書で例示して前述したカテーテル・システムと同様である。より詳細には、
図11は、カテーテル・システム1100が、少なくともバルーン1104、カテーテル・シャフト1110、ガイドワイヤ・ルーメン1118、及び、複数のエネルギー・ガイド1122、すなわち、第1のエネルギー・ガイド1122A、第2のエネルギー・ガイド1122B、第3のエネルギー・ガイド1122C、及び第4のエネルギー・ガイド1122Dを含むことを示し、複数のエネルギー・ガイド1122は、ガイドワイヤ・ルーメン1118の周囲にわたって互いに約90度均等に離間される。前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド1122A~1122Dがガイドワイヤ・ルーメン1118の周囲にわたって互いに均等に離間される必要がないことが理解される。
【0168】
更に、前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド1122A~1122Dのそれぞれは、バルーン1104の長さに対して及び/又はガイドワイヤ・ルーメン1118の長さに対して任意の所望の長手方向位置に位置され得るガイド遠位端部(
図11には示されていない)を含むことができる。更に、システム・コントローラ126(
図1に示されている)は、光エネルギーが任意の所望の発射シーケンス又はパターンでエネルギー・ガイド1122A~1122Dのそれぞれに別々に向けられるようにエネルギー源124(
図1に示されている)及び/又はマルチプレクサ128(
図1に示されている)を制御できることも理解される。
【0169】
図12は、カテーテル・システム1200の更に別の実施例の簡略化された概略断面図である。
図12に示されるカテーテル・システム1200は、
図12のカテーテル・システム1200が異なる数のエネルギー・ガイドを含むことを除き、本明細書で例示して前述したカテーテル・システムと同様である。より詳細には、
図12は、カテーテル・システム1200が、少なくともバルーン1204、カテーテル・シャフト1210、ガイドワイヤ・ルーメン1218、及び、複数のエネルギー・ガイド1222、すなわち、第1のエネルギー・ガイド1222A、第2のエネルギー・ガイド1222B、及び、第3のエネルギー・ガイド1222Cを含むことを示し、複数のエネルギー・ガイド1222は、ガイドワイヤ・ルーメン1218の周囲にわたって互いに約120度均等に離間される。前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド1222A~1222Cは、ガイドワイヤ・ルーメン1218の周囲にわたって互いに均等に離間される必要がないことが理解される。
【0170】
更に、前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド1222A~1222Cのそれぞれは、バルーン1204の長さに対して及び/又はガイドワイヤ・ルーメン1218の長さに対して任意の所望の長手方向位置に位置され得るガイド遠位端部(
図12には示されていない)を含むことができる。更に、システム・コントローラ126(
図1に示されている)は、光エネルギーが任意の所望の発射シーケンス又はパターンでエネルギー・ガイド1222A~1222Cのそれぞれに別々に向けられるようにエネルギー源124(
図1に示されている)及び/又はマルチプレクサ128(
図1に示されている)を制御できることも理解される。
【0171】
図13は、カテーテル・システム1300の更に別の実施例の簡略化された概略断面図である。
図13に示されるカテーテル・システム1300は、
図13のカテーテル・システム1300が異なる数のエネルギー・ガイドを含むことを除き、本明細書で例示して前述したカテーテル・システムと同様である。より詳細には、
図13は、カテーテル・システム1300が、少なくともバルーン1304、カテーテル・シャフト1310、ガイドワイヤ・ルーメン1318、及び、複数のエネルギー・ガイド1322、すなわち、第1のエネルギー・ガイド1322A及び第2のエネルギー・ガイド1322Bを含むことを示し、複数のエネルギー・ガイド1322は、ガイドワイヤ・ルーメン1318の周囲にわたって互いに約180度均等に離間される。前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド1322A~1322Bがガイドワイヤ・ルーメン1318の周囲にわたって互いに均等に離間される必要がないことが理解される。
【0172】
更に、前の実施例と同様に、エネルギー・ガイド1322A~1322Bのそれぞれは、バルーン1304の長さに対して及び/又はガイドワイヤ・ルーメン1318の長さに対して任意の所望の長手方向位置に位置され得るガイド遠位端部(
図13には示されていない)を含むことができる。更に、システム・コントローラ126(
図1に示されている)は、光エネルギーが任意の所望の発射シーケンス又はパターンでエネルギー・ガイド1322A~1322Bのそれぞれに別々に向けられるようにエネルギー源124(
図1に示されている)及び/又はマルチプレクサ128(
図1に示されている)を制御できることも理解される。
【0173】
本明細書で詳細に説明するように、様々な実施例において、本発明は、より伝統的なカテーテル・システムに存在する様々な問題を解決するために利用することができる。例えば、カテーテル・システムが各エネルギー・ガイドを別々に発射できるようにすることにより、局所的な病変を破壊するのに、はるかに効果的である可能性があるシーケンス又は発射シーケンスを達成することが可能である。更に、個々のエネルギー・ガイドを所望の発射シーケンス又はパターンで発射すると、特定の場所の病変又は拡張病変をより効果的に分割する移動エネルギー波面を作成できる。更に、別々のエネルギー・ガイドの個々の発射を利用して、バルーン壁に対してある角度(非垂直)で衝突する、球形の波面の前縁に作用する局所的な剪断力を生成することができ、これは、石灰化した病変の亀裂においてより大きな効果を有し得る。
【0174】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容及び/又は文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。また、「又は」という用語は、内容又は文脈が明確に別段の指示をしない限り、「及び/又は」を含むその意味で一般的に使用されることにも留意すべきである。
【0175】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「構成された」という句は、特定のタスクを実行する又は特定の構成を採用するように構築又は構成されたシステム、装置、又は他の構造を表すことにも留意すべきである。「構成された」という句は、配置されて構成され、構築されて配置され、構築され、製造されて配置されなどの他の同様の句と交換可能に使用することができる。
【0176】
本明細書で使用される見出しは、米国特許法施行規則1.77に基づく提案との一貫性を保つため、又は組織的な手がかりを提供するために提供される。これらの見出しは、本開示から発行される可能性のあるいずれかの請求項に記載されている発明を限定する又は特徴づけるものと見なされてはならない。一例として、「背景技術」における技術の説明は、技術が本開示における任意の発明の先行技術であることを認めるものではない。「発明の概要」又は「要約」は、いずれも発行された特許請求の範囲に記載された発明の特徴と見なされるべきではない。
【0177】
本明細書に記載の実施例は、網羅的であること、又は本発明を本明細書に提供される詳細な説明に開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。むしろ、実施例は、当業者が原理及び実践を認識し理解できるように選択及び説明される。したがって、態様は、様々な特定の好ましい実施例及び技術を参照して説明されてきた。しかしながら、本明細書の精神及び範囲内にとどまりながら、多くの変形及び修正を行うことができることを理解されたい。
【0178】
カテーテル・システムの幾つかの異なる実施例が本明細書で例示されて説明されてきたが、任意の1つの実施例の1つ又は複数の特徴を、そのような組合せが本発明の意図を満足することを条件として、他の実施例のうちの1つ又は複数の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができることが理解される。
【0179】
カテーテル・システムの幾つかの例示的な態様及び実施例が上で論じられてきたが、当業者は、それらの特定の修正、置換、追加、及び副次的組合せを認識できる。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び以下に導入される特許請求の範囲は、それらの真の思想及び範囲内にある全てのそのような修正、置換、追加及び副次的組合せを含むと解釈されることが意図され、また、本明細書に示される構造又は設計の詳細に限定は意図されない。
【国際調査報告】