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特表2023-511270膵臓のコンピュータ断層撮影画像を使用した膵管腺癌の予測
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】膵臓のコンピュータ断層撮影画像を使用した膵管腺癌の予測
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230310BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230310BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20230310BHJP
【FI】
A61B6/03 370Z
A61B6/03 360T
A61B6/03 360J
G06T7/00 350B
G06V10/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542902
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-08-19
(86)【国際出願番号】 US2021013093
(87)【国際公開番号】W WO2021146199
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】62/960,405
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514135801
【氏名又は名称】シーダーズ-サイナイ メディカル センター
(71)【出願人】
【識別番号】522279195
【氏名又は名称】サザン カリフォルニア パーマネンテ メディカル グループ
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】リ デビアオ
(72)【発明者】
【氏名】パンドール スティーブン ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】クレシ トゥシーフ アハマド
(72)【発明者】
【氏名】ガッダム スリニヴァス
(72)【発明者】
【氏名】ウー ベチェン
【テーマコード(参考)】
4C093
5L096
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA26
4C093CA18
4C093DA10
4C093FD03
4C093FF16
4C093FF19
4C093FF20
4C093FF21
4C093FG16
4C093FG18
4C093FH08
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA18
5L096DA02
5L096FA34
5L096FA59
5L096JA11
5L096JA22
5L096KA04
5L096MA07
(57)【要約】
本開示のいくつかの実装形態によれば、PDACのリスクがある個人を同定するためのシステムは、CTスキャナと、メモリと、制御システムとを含む。CTスキャナは、患者の膵臓と関連付けられたCT画像データを生成するように構成される。メモリは、機械可読命令を格納する。制御システムは、機械可読命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含む。患者の膵臓と関連付けられたCT画像データが受け取られる。受け取られたCT画像データは、CT画像特徴のセットを出力するよう処理される。CT画像特徴のセットは、機械学習PDAC予測アルゴリズムへの入力として受け取られる。患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標が、機械学習PDAC予測アルゴリズムの出力として決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の膵臓と関連付けられたCT画像データを生成するように構成されたCTスキャナと、
機械可読命令を格納しているメモリと、
前記機械可読命令を実行して、
患者の膵臓と関連付けられたCT画像データを受け取り、
前記受け取られたCT画像データを、CT画像特徴のセットを出力するよう処理し、
機械学習PDAC予測アルゴリズムへの入力として、前記CT画像特徴のセットを受け取り、
前記機械学習PDAC予測アルゴリズムの出力として、前記患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標を決定する
ように構成された1つまたは複数のプロセッサを含む制御システムと
を含む、PDACのリスクがある個人を同定するためのシステム。
【請求項2】
前記1つまたは複数のプロセッサを含む前記制御システムが、前記機械可読命令を実行して、前記システムの表示デバイスに、前記患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標を表示するようにさらに構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数のプロセッサを含む前記制御システムが、前記機械可読命令を実行して、前記機械学習PDAC予測アルゴリズムを過去の患者の過去のデータで訓練するようにさらに構成されており、前記過去のデータが、過去の患者各々の、膵臓の複数のCT画像特徴および対応するPDAC診断を含み、前記複数のCT画像特徴が、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像から抽出される、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記PDAC診断が、健常、前癌性、または癌性である、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記CT画像特徴のセットが、前記膵臓の形態の変異を示す、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記形態が、サイズ、形状、信号強度、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記CT画像特徴のセットが、前記膵臓のテクスチャの変化を示す、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記CT画像特徴のセットが、組織不均質、ランレングス不均一性、逆自己相関、ロングラン・エンファシス(long run emphasis)、およびショートラン・エンファシス(short run emphasis)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記機械学習PDAC予測アルゴリズムが、K平均クラスタリング、ロジスティック回帰、サポート・ベクター・マシン、ナイーブベイズ分類器、最近傍、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記機械学習PDAC予測アルゴリズムが、ナイーブベイズ分類器を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
機械学習を使用してPDACのリスクがある個人を同定するための方法であって、以下の工程を含む方法:
複数の個人と関連付けられたデータを受け取る工程であって、前記データが、過去の患者の過去のデータと現在の患者の現在のデータとを含み、前記現在のデータが、現在の患者の膵臓のCT画像と関連付けられたCT画像特徴のセットを含む、工程;および
機械学習アルゴリズムが、
入力として、現在の患者の現在のデータを受け取り、
出力として、現在の患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標を決定する
ように構成されるように、前記機械学習アルゴリズムを前記過去のデータで訓練する工程。
【請求項12】
前記過去のデータが、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像および対応するPDAC診断を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記PDAC診断が、健常、前癌性、または癌性である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記過去のデータが、過去の患者各々の、膵臓の複数のCT画像特徴および対応するPDAC診断を含み、前記複数のCT画像特徴が、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像から抽出される、請求項11記載の方法。
【請求項15】
現在の患者の膵臓のCT画像と関連付けられた前記CT画像特徴のセットが、現在の患者の膵臓のCT画像から抽出される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記過去のデータの前記複数のCT画像特徴が、前記膵臓の形態の変異を示す、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記形態が、サイズ、形状、信号強度、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記過去のデータの前記複数のCT画像特徴が、前記膵臓のテクスチャの変化を示す、請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記過去のデータの前記複数のCT画像特徴が、組織不均質、ランレングス不均一性、逆自己相関、ロングラン・エンファシス、およびショートラン・エンファシスのうちの少なくとも1つを含む、請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記機械学習アルゴリズムが、K平均クラスタリング、ロジスティック回帰、サポート・ベクター・マシン、ナイーブベイズ分類器、最近傍、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項11記載の方法。
【請求項21】
前記機械学習アルゴリズムが、ナイーブベイズ分類器を含む、請求項11記載の方法。
【請求項22】
PDACのリスクがある個人を同定するための方法であって、以下の工程を含む方法:
CTスキャナを使用して、患者の膵臓と関連付けられたCT画像データを生成する工程;
1つまたは複数のプロセッサを使用して、前記CT画像データを、CT画像特徴のセットを出力するよう処理する工程;
PDAC予測モデルへの入力として、前記CT画像特徴のセットを受け取る工程;
前記PDAC予測モデルの出力として、前記患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標を決定する工程;および
表示デバイスに、前記指標を表示する工程。
【請求項23】
前記CT画像特徴のセットが、前記膵臓の形態の変異を示す、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記形態が、サイズ、形状、信号強度、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記CT画像特徴のセットが、前記膵臓のテクスチャの変化を示す、請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記CT画像特徴のセットが、組織不均質、ランレングス不均一性、逆自己相関、ロングラン・エンファシス、およびショートラン・エンファシスのうちの少なくとも1つを含む、請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記PDAC予測モデルが、K平均クラスタリング、ロジスティック回帰、サポート・ベクター・マシン、ナイーブベイズ分類器、最近傍、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項22記載の方法。
【請求項28】
前記PDAC予測モデルが、ナイーブベイズ分類器を含む、請求項22記載の方法。
【請求項29】
前記指標が、前記患者が健常であること、前記患者が前癌性であること、または前記患者が癌性であることである、請求項22記載の方法。
【請求項30】
前記患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標を決定する工程が、前記CT画像特徴のセットが前記患者の膵臓の前癌性組織変化を示すかどうかを判定する工程を含む、請求項22記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月13日に出願された米国仮特許出願第62/960,405号の優先権および恩典を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本開示は、一般に、疾患の予測のためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、膵臓のコンピュータ断層撮影画像を使用した膵管腺癌の予測のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
膵管腺癌(PDAC)は、一般的な種類の膵臓癌であり、米国の男性および女性の両方における癌関連死の主な原因の1つである。PDACの5年生存率はわずか約7~8%である。通常、PDACが最初に診断される頃には、通常、病期の非常に遅い段階である。さらに、PDACの管理は、費用、患者の不快感、および高い死亡率の影響を受けることになる。
【0004】
したがって、癌がより十分に治療可能な段階でPDACを予測することが非常に求められている。さらに、早期診断により、5年生存率を20%まで高めることができる。よって、PDACのリスクが高い個人の同定は、腫瘍がまだ切除可能であり転移性ではない時に、これらの個人に対する経過観察の画像検査または生検が早期検出および外科的介入につながり得るので、臨床的意義が高くなる。
【0005】
しかしながら、PDACの予測は、信頼できるスクリーニングツールの欠如、高感度のバイオマーカおよび特異的なバイオマーカの欠如、ならびに低い有病率のために困難である。よって、PDACなどの最も一般的な種類の膵臓癌の予測に役立つ自動化ツールの必要性が存在する。本開示は、これらの問題を解決し、他の必要性に対処することを目的とする。
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示のいくつかの実装形態によれば、PDACのリスクがある個人を同定するためのシステムは、CTスキャナと、メモリと、制御システムとを含む。CTスキャナは、患者の膵臓と関連付けられたCT画像データを生成するように構成される。メモリは、機械可読命令を格納する。制御システムは、機械可読命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含む。患者の膵臓と関連付けられたCT画像データが受け取られる。受け取られたCT画像データは、CT画像特徴のセットを出力するよう処理される。CT画像特徴のセットは、機械学習PDAC予測アルゴリズムへの入力として受け取られる。患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標が、機械学習PDAC予測アルゴリズムの出力として決定される。
【0007】
いくつかの例では、患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標は、システムの表示デバイスに表示される。
【0008】
いくつかの例では、機械学習PDAC予測アルゴリズムは、過去の患者の過去のデータで訓練される。過去のデータは、過去の患者各々の、膵臓の複数のCT画像特徴および対応するPDAC診断を含む。複数のCT画像特徴は、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像から抽出される。いくつかの例では、PDAC診断は、健常、前癌性、または癌性である。
【0009】
いくつかの例では、CT画像特徴のセットは、膵臓の形態の変異を示す。いくつかの例では、形態は、サイズ、形状、信号強度、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0010】
いくつかの例では、CT画像特徴のセットは、膵臓のテクスチャの変化を示す。いくつかの例では、CT画像特徴のセットは、組織不均質、ランレングス不均一性、逆自己相関、ロングラン・エンファシス(long run emphasis)、およびショートラン・エンファシス(short run emphasis)のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
いくつかの例では、機械学習PDAC予測アルゴリズムは、K平均クラスタリング、ロジスティック回帰、サポート・ベクター・マシン、ナイーブベイズ分類器、最近傍、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの例では、機械学習PDAC予測アルゴリズムは、ナイーブベイズ分類器を含む。
【0012】
本開示のいくつかの実装形態によれば、機械学習を使用してPDACのリスクがある個人を同定するための方法が開示される。複数の個人と関連付けられたデータが受け取られる。データは、過去の患者の過去のデータと現在の患者の現在のデータとを含む。現在のデータは、現在の患者の膵臓のCT画像と関連付けられたCT画像特徴のセットを含む。機械学習アルゴリズムは、機械学習アルゴリズムが、(i)入力として、現在の患者の現在のデータを受け取り、(ii)出力として、現在の患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標を決定するように構成されるように、過去のデータで訓練される。
【0013】
いくつかの例では、過去のデータは、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像および対応するPDAC診断を含む。いくつかの例では、PDAC診断は、健常、前癌性、または癌性である。
【0014】
いくつかの例では、過去のデータは、過去の患者各々の、膵臓の複数のCT画像特徴および対応するPDAC診断を含み、複数のCT画像特徴は、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像から抽出される。
【0015】
いくつかの例では、現在の患者の膵臓のCT画像と関連付けられたCT画像特徴のセットは、現在の患者の膵臓のCT画像から抽出される。
【0016】
いくつかの例では、過去のデータの複数のCT画像特徴は、膵臓の形態の変異を示す。いくつかの例では、形態は、サイズ、形状、信号強度、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0017】
いくつかの例では、過去のデータの複数のCT画像特徴は、膵臓のテクスチャの変化を示す。
【0018】
いくつかの例では、過去のデータの複数のCT画像特徴は、組織不均質、ランレングス不均一性、逆自己相関、ロングラン・エンファシス、およびショートラン・エンファシスのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、K平均クラスタリング、ロジスティック回帰、サポート・ベクター・マシン、ナイーブベイズ分類器、最近傍、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、ナイーブベイズ分類器を含む。
【0020】
本開示のいくつかの実装形態によれば、PDACのリスクがある個人を同定するための方法が開示される。患者の膵臓と関連付けられたCT画像データが、CTスキャナを使用して生成される。CT画像データは、1つまたは複数のプロセッサを使用して、CT画像特徴のセットを出力するよう処理される。CT画像特徴のセットは、PDAC予測モデルへの入力として受け取られる。患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標が、PDAC予測モデルの出力として決定される。指標は表示デバイスに表示される。
【0021】
いくつかの例では、患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標を決定する工程は、CT画像特徴のセットが患者の膵臓の前癌性組織変化を示すかどうかを判定する工程を含む。
【0022】
上記の概要は、本開示の各態様またはすべての局面を表すことを意図されていない。というよりもむしろ、前述の概要は、本明細書に記載される新規な局面および特徴の一部の例を提供するにすぎない。上記の特徴および利点、ならびに本開示の他の特徴および利点は、本発明を実施するための代表的な態様およびモードの以下の詳細な説明を、添付の図面および添付の特許請求の範囲と関連付けて読めば容易に明らかになるであろう。
【0023】
本開示の上記その他の利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示のいくつかの実装形態による、PDACのリスクがある個人を同定するためのシステムの機能ブロック図である。
図2】本開示のいくつかの実装形態による、PDACのリスクがある個人を同定するための方法の流れ図である。
図3】本開示のいくつかの実装形態による、機械学習を使用してPDACのリスクがある個人を同定するための方法の流れ図である。
図4】本開示のいくつかの実装形態による、p値=0.05の横線より上の予測特徴のマンハッタンプロットである。
図5】本開示のいくつかの実装形態による、左の健康な膵臓と右の前癌性膵臓との5つの予測因子の組み合わせ特徴マップである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は様々な修正および代替形態が可能であるが、特定の実装形態が例として図面に示されており、それらについて本明細書においてさらに詳細に説明する。しかしながら、本開示は開示の特定の形態に限定されることを意図されていないことを理解されたい。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲内に入るすべての修正、均等物、および代替物を包含するものである。
【0026】
詳細な説明
本開示は、添付の図面を参照して説明されており、図面全体を通して、同様の参照番号が、同様のまたは同等の要素を指定するために使用されている。図面は縮尺通りに描かれておらず、単に本開示を説明するために提供されている。説明のための応用例を参照して本開示のいくつかの局面を以下で説明する。本開示の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細、関係、および方法が記載されていることを理解されたい。しかしながら、当業者は、本開示を、特定の詳細のうちの1つもしくは複数なしで、または他の方法を用いて実施することができることを容易に認めるであろう。別の例では、本開示を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造または動作が詳細には示されていない。いくつかの動作は異なる順序で、かつ/または他の動作もしくは事象と同時に行われ得るため、本開示は、図示の動作または事象の順序によって限定されない。さらに、本開示による方法を実施するために、すべての例示の動作または事象が必要とされるわけではない。
【0027】
本開示の局面を、汎用コンピュータシステム、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ロジック・デバイス(FPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、携帯電話やパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)などのモバイルデバイス、ローカルサーバ、リモートサーバ、ウェアラブルコンピュータ、タブレットコンピュータ等といった1つまたは複数の適切な処理デバイスを使用して実施することができる。
【0028】
1つまたは複数の処理デバイスのメモリ記憶デバイスは、本明細書に記載される方法または機能のうちの任意の1つまたは複数を具現化する1つまたは複数の命令セット(例えば、ソフトウェア)が格納される機械可読媒体を含むことができる。命令はさらに、ネットワーク送信機受信機を介してネットワーク上で送信または受信することができる。機械可読媒体は単一の媒体とすることができるが、「機械可読媒体」という用語は、1つまたは複数の命令セットを格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連付けられたキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるべきである。「機械可読媒体」という用語はまた、機械による実行のための命令セットを格納、符号化、もしくは搬送することができ、機械に様々な実装形態の方法のうちの任意の1つもしく複数を行わせるか、またはそのような命令セットによって利用されるかもしくはそのような命令セットと関連付けられたデータ構造を格納、符号化、もしくは搬送することができる任意の媒体を含むと解釈することもできる。「機械可読媒体」という用語は、したがって、ソリッドステートメモリ、光学媒体、および磁気媒体を含むが、これらに限定されないと解釈することができる。処理デバイスに結合された磁気、光学、または他の読み出しおよび/または書き込みシステムから読み出され、かつ/またはシステムに書き込まれる、システム内のランダム・アクセス・メモリ(RAM)もしくは読み出し専用メモリ(ROM)またはフロッピーディスク、ハードディスク、CD ROM、DVD ROM、フラッシュ、もしくは他のコンピュータ可読媒体などの様々な異なる種類のメモリ記憶デバイスを、1つまたは複数のメモリに使用することができる。
【0029】
概論
膵管腺癌(PDAC)は、一般的な種類の膵臓癌であり、米国の男性および女性の両方における癌関連死の主な原因の1つである。PDACの5年生存率はわずか約7~8%である。しかしながら、早期診断では、5年生存率は20%と高くなり得る。したがって、リスクが高い個人の同定は、これらの個人に対する経過観察の画像検査および/または生検を可能にし、腫瘍がまだ切除可能であり転移性ではない場合に早期検出および外科的介入につながり得る。
【0030】
PDAC予測の従来の方法は、手動であり、非力で、かつ/または主に臨床指標(例えば、膵管拡張、膵管蛇行など)に依拠していた。既存の方法のほとんどは、PDACの検出または診断のために開発されたものであり、PDACの予測や、非常に早期のPDACの診断のために開発されたものではなかった。既存の方法のこのような欠点は、一部は、信頼できる十分な予測因子が利用できないことが原因であった。加えて、既存の方法のほとんどは、臨床指標のみに基づくものである。
【0031】
画像法は、PDACの発症中の膵臓の解剖学的変化およびテクスチャ変化を調べるための無比の機会を提供する。このような変化は、肉眼で検査することは困難である。したがって、本開示のいくつかの実装形態によれば、コンピュータ断層撮影(CT)などの医用画像は、例えば、PDACの発症中または発症前の膵臓の形態変化および/またはテクスチャ変化の包括的な評価を可能にすることによって、PDACの予測において本質的な役割を果たすことができる。既存の方法の問題を解決し、他の必要性に対処するために、本明細書では、早期にPDACを予測し、かつ/またはPDACを同定するのに役立つ、ラジオミクス(radiomics)に基づく機械学習アルゴリズムを使用して膵臓のCT画像の特徴を検査および/または評価するシステムおよび方法が開示される。
【0032】
本開示のいくつかの実装形態によれば、近い将来(例えば、約6ヶ月~3年)におけるPDACのリスクが高い個人を同定するために、PDACの機械学習予測モデルが開示される。いくつかの実装形態では、機械学習予測モデルは、膵臓のCT画像のラジオミクス解析を利用する。CT画像は、ラジオミクスを使用して明らかにすることができる、健康な膵臓、癌性膵臓、および高リスク膵臓(例えば、膵臓が近い将来に癌を発症する可能性が高い場合)における特有のパターン(例えば、解剖学的、テクスチャなど)を有する。
【0033】
本明細書に開示される例示的なシステムおよび方法を使用して、以下の各群について28(28)症例を評価した:(1)「癌性」と呼ばれるPDAC診断を伴う遡及的CT画像、(2)「診断前」または「高リスク」と呼ばれる、放射線科医によって「正常」とみなされたPDAC診断の3年前までの遡及的CT画像、(3)「対照」または「健常」と呼ばれる、膵臓障害とは無関係の理由で同様の画像検査を受けた一群の被験者の遡及的CT画像。いくつかの実装形態では、「高リスク」群は、従来診断可能なPDACが発症する前にPDACの指標(例えば、特徴)を示した個人を含む。これらの指標は、異なる群(例えば、「健常」、「癌性」、「高リスク」)に対して異なる範囲の値を有する。指標の範囲の例が以下の表1に記載されている。
【0034】
本明細書に開示される試験データによる証拠として、膵臓CT画像のラジオミクス解析は、癌発症の3年前までの膵臓癌の予測に役立ち得る。さらに、4分割交差検証プロセスを使用して、ナイーブベイズ分類器を訓練および試験することができる。このモデルは、肉眼には「正常/健常」に見える膵臓のCTスキャンでのPDACの予測において少なくとも80%正確である。よって、開示のシステムおよび方法は、PDACを予測し、かつ/またはPDACの非常に早期の段階を同定するために膵臓のCT画像を検査するときの追加支援として医療専門家によって使用され得る。
【0035】
例示的なシステムおよび方法
本開示は、本開示の様々な態様を実行するために様々なシステムを使用できることを企図している。次に図1を参照すると、本開示のいくつかの実装形態による、PDACのリスクがある個人を同定するためのシステムの機能ブロック図が示されている。システム100は、それぞれ図2および図3の方法200および方法300を含む、本開示の様々な方法を実行するように構成することができる。
【0036】
図1に示されるように、システム100は、制御システム110と、メモリデバイス120と、表示デバイス130と、入力デバイス140とを含む。いくつかの実装形態では、システム100はまた、画像データを生成するための電子デバイス150(例えば、CTスキャナ)も含む。いくつかの実装形態では、システム100は、1つまたは複数のサーバ160をさらに含む。
【0037】
システム100は、一般に、電子デバイス150のユーザ(例えば、個人、人、患者など)と関連付けられたデバイスデータ(例えば、CT画像データ)セットを生成し、かつ/または受け取るために使用することができる。代替的または追加的に、システム100は、患者と関連付けられた臨床データセットを生成し、かつ/または受け取るために使用することもできる。例えば、いくつかの実装形態では、臨床データセットは、医療記録データ(例えば、診断データ)を含むことができる。生成されたデータセットおよび/または受け取られたデータセットは、システム100によって(例えば、1つまたは複数の訓練されたアルゴリズムを使用して)患者がPDACのリスクが高いかどうかを予測するために解析することができる。
【0038】
制御システム110は、1つまたは複数のプロセッサを含む。よって、制御システム110は、任意の適切な数のプロセッサ(例えば、1つのプロセッサ、2つのプロセッサ、5つのプロセッサ、10個のプロセッサなど)を含むことができる。いくつかの実装形態では、制御システム110は、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のメモリデバイス(例えば、メモリデバイス120や異なるメモリデバイス)、1つまたは複数の電子部品(例えば、1つまたは複数の電子チップまたは電子部品、1つまたは複数のプリント回路基板、1つまたは複数のパワーユニット、1つまたは複数のグラフィックス・プロセッシング・ユニット、1つまたは複数の入力デバイス、1つまたは複数の出力デバイス、1つまたは複数の二次記憶デバイス、1つまたは複数の一次記憶デバイスなど)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実装形態では、制御システム110は、メモリデバイス120または異なるメモリデバイスを含むが、他の実装形態では、メモリデバイス120は、制御システム110とは分離されており別個であるが、制御システム110と通信する。
【0039】
制御システム110は、一般に、システム100の様々な構成要素を制御し(例えば、作動させ)、かつ/またはシステム100の構成要素によって取得および/もしくは生成されたデータを解析する。例えば、制御システム110は、表示デバイス130、入力デバイス140、電子デバイス150、またはそれらの任意の組み合わせに制御信号を提供するように構成される。制御システム110は、メモリデバイス120または異なるメモリデバイスに格納された機械可読命令を実行する。制御システム110の1つまたは複数のプロセッサは、汎用または専用のプロセッサおよび/またはマイクロプロセッサとすることができる。
【0040】
制御システム110は、システム100の分離された別個の構成要素であるものとして図1に記載および図示されているが、いくつかの実装形態では、制御システム110は、表示デバイス130、入力デバイス140、および/または電子デバイス150に統合され、かつ/または直接結合される。制御システム110は、表示デバイス130、入力デバイス140、電子デバイス150、またはそれらの任意の組み合わせのハウジングに結合し、かつ/またはハウジング内に配置することができる。制御システム110は、(1つのハウジング内に)集中させることもでき、(2つ以上の物理的に別個のハウジング内に)分散させることもできる。
【0041】
システム100は、単一のメモリデバイス120を含むものとして示されているが、システム100は、任意の適切な数のメモリデバイス(例えば、1つのメモリデバイス、2つのメモリデバイス、5つのメモリデバイス、10個のメモリデバイスなど)を含むことができることが企図されている。メモリデバイス120は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ・デバイスまたはシリアル・アクセス・メモリ・デバイス、ハードドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、フラッシュ・メモリ・デバイスなどといった任意の適切なコンピュータ可読記憶デバイスまたは媒体とすることができる。メモリデバイス120は、表示デバイス130、入力デバイス140、電子デバイス150、制御システム110、またはそれらの任意の組み合わせのハウジングに結合し、かつ/またはハウジング内に配置することができる。メモリデバイス120は、(1つのハウジング内に)集中させることもでき、(2つ以上の物理的に別個のハウジング内に)分散させることもできる。
【0042】
システム100の表示デバイス130は、一般に、(1つもしくは複数の)テキストおよび/または(1つもしくは複数の)画像を表示するために使用される。(1つまたは複数の)画像は、静止画像、ビデオ画像、投影画像、ホログラム等、もしくはそれらの任意の組み合わせ、および/または表示デバイス130、入力デバイス140、電子デバイス150、もしくはそれらの任意の組み合わせに関する情報を含むことができる。例えば、表示デバイス130は、表示デバイス130、入力デバイス140、電子デバイス150(例えば、CTスキャナ)の状態に関する情報、および/または他の情報を提供することができる。いくつかの実装形態では、表示デバイス130は、CTスキャナに含まれ、かつ/またはCTスキャナの一部である。いくつかの実装形態では、表示デバイス130は、入力デバイス140に含まれ、かつ/または入力デバイスの一部である。
【0043】
表示デバイス130は、制御システム110、および/または入力デバイス140、および/または電子デバイス150、および/またはサーバ160からデータを受け取るように構成される。いくつかの実装形態では、表示デバイス130は、入力デバイス140から受け取られた入力を表示する。いくつかの実装形態では、データはまず制御システム110に送られ、制御システムは次いでデータを処理し、処理されたデータに従って表示デバイス130に命令する。いくつかの実装形態では、表示デバイス130は、制御システム110から直接受け取られたデータを表示する。いくつかの実装形態では、表示デバイス130は、(1つもしくは複数の)テキストおよび/または(1つもしくは複数の)画像を表示し、データを制御システム110に中継する。いくつかの実装形態では、データは次いで、メモリデバイス120に格納される。そのようなデータの例には、患者プロフィール、CT画像、CT画像特徴、診断予測、過去の医療データ、現在の医療データ、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0044】
本開示はまた、当業者によって容易に企図されるように、システム100において複数のディスプレイ130を使用することができることも企図している。例えば、1つのディスプレイは患者が見ることができるが、さらに別のディスプレイは研究者および/または医療専門家には見えており、患者には見えていない。複数のディスプレイは、制御システム110による命令に従って、同一の色または異なる情報を出力することができる。
【0045】
システム100の入力デバイス140は、一般に、制御システム110、メモリ114、表示デバイス130、電子デバイス150、またはそれらの任意の組み合わせとのユーザ対話を可能にするユーザ入力を受け取るために使用される。入力デバイス140は、音声用のマイクロフォン、ジェスチャまたはグラフィック入力用のタッチセンサ式画面、キーボード、マウス、動き入力、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ある例では、入力デバイス140は、ユーザがシステム100と通信するために複数の種類の入力を提供することを可能にするマルチモーダルシステムを含む。入力デバイス140は、代替的または追加的に、ユーザがシステム100と対話することを可能にするボタン、スイッチ、ダイヤルを含むこともできる。ボタン、スイッチ、またはダイヤルは、物理的構造、またはタッチセンサ式画面を介してアクセス可能なソフトウェアアプリケーションであってもよい。いくつかの実装形態では、入力デバイス140は、ユーザが値および/またはメニュー選択肢を選択することを可能にするように構成され得る。いくつかの実装形態では、入力デバイス140は、CTスキャナに含まれ、かつ/またはCTスキャナの一部である。いくつかの実装形態では、入力デバイス140は、表示デバイス130に含まれ、かつ/または表示デバイスの一部である。
【0046】
いくつかの実装形態では、入力デバイス140は、制御システム110の(1つもしくは複数の)プロセッサ、メモリデバイス120、および表示デバイス130と同じかまたは同様のプロセッサ、メモリ、および表示デバイスを含む。いくつかの実装形態では、入力デバイス140のプロセッサおよびメモリを、プロセッサおよび/またはメモリデバイス120について本明細書に記載されるそれぞれの機能のいずれかを実行するために使用することができる。いくつかの実装形態では、制御システム110および/またはメモリ114は、入力デバイス140に統合される。
【0047】
表示デバイス130は、代替的または追加的に、(1つまたは複数の)画像を表示するように構成されたグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)および入力インターフェースを含むヒューマンマシンインターフェース(HMI)として機能する。表示デバイス130は、LEDディスプレイ、OLEDディスプレイ、LCDディスプレイ等とすることができる。入力インターフェースは、例えば、タッチスクリーンもしくはタッチセンサ式基板、マウス、キーボード、または直接ユーザ接触/タッチありもしくはなしで、システム100と対話する人間のユーザによって行われた入力を感知するように構成された任意のセンサシステムとすることができる。
【0048】
表示デバイス130および入力デバイス140は、システム100の分離された別個の構成要素であるものとして図1に記載および図示されているが、いくつかの実装形態では、表示デバイス130および/または入力デバイス140は、電子デバイス150、および/または制御システム110、および/またはメモリ120のうちの1つまたは複数に統合され、かつ/または直接結合される。
【0049】
制御システム110を、メモリデバイス120、ディスプレイ130、入力デバイス140、および電子デバイス150に通信可能に結合することができる。さらに、制御システム110を、サーバ160に通信可能に結合することができる。例えば、通信は有線または無線とすることができる。制御システム110は、(本明細書でさらに論じられる)図2図3に従って企図されるような任意の方法を実行するように構成される。制御システム110は、メモリデバイス120、ディスプレイ130、入力デバイス140、および電子デバイス150からの入力を処理および/または格納することができる。いくつかの実装形態では、本明細書に開示される方法を、制御システム110を介して、サーバ160上で実施することができる。また、サーバ160は複数のサーバを含み、リモートまたはローカルとすることができることも企図されている。任意で、制御システム110および/またはメモリデバイス120は、サーバ160に組み込まれてもよい。
【0050】
システム100は、図1に関して本明細書で説明されるすべての構成要素を含むものとして示されているが、より多くのまたはより少ない構成要素を、CT画像データを生成し、訓練されたアルゴリズムを使用してCT画像データを解析し、さらに、患者がPDACのリスクが高いかどうかを予測するためのシステムに含めることができる。例えば、第1の代替システムは、制御システム110と、メモリ120と、電子デバイス150とを含む。別の例として、第2の代替システムは、制御システム110と、電子デバイス150と、サーバ160とを含む。さらに別の例として、第3の代替システムは、制御システム110と、メモリ120と、表示デバイス130と、入力デバイス140とを含む。よって、PDACのリスクがある個人を同定するための様々なシステムを、本明細書に示され説明されている構成要素の任意の1つもしくは複数の部分を使用して、かつ/または1つもしくは複数の他の構成要素と組み合わせて形成することができる。
【0051】
次に図2を見ると、本開示のいくつかの実装形態による、PDACのリスクがある個人を同定するための方法200が示されている。工程210で、患者の膵臓と関連付けられたCT画像データが、例えば制御システムを介して受け取られる。代替的または追加的に、患者の膵臓と関連付けられたCT画像データが、CTスキャナを使用して生成される。
【0052】
工程220で、CT画像データが、1つまたは複数のプロセッサを使用して、CT画像特徴のセットを出力するよう処理される。いくつかの実装形態では、CT画像特徴のセットは、膵臓の形態(例えば、サイズ、形状、信号強度、またはそれらの任意の組み合わせ)の変異を示す。いくつかのそのような実装形態では、サイズ、形状、および信号強度の各々は、複数の特徴からなる基底クラスである。例えば、信号強度クラス上で抽出することができる数百の特徴があり得る。代替的または追加的に、CT画像特徴のセットは、膵臓のテクスチャの変化(例えば、組織不均質、ランレングス不均一性、逆自己相関、ロングラン・エンファシス、およびショートラン・エンファシス、またはそれらの任意の組み合わせ)を示す。CT画像特徴の値の範囲の例を以下の表1に示す。
【0053】
(表1)異なる個体群の値の範囲
【0054】
工程230で、CT画像特徴のセットが、PDAC予測モデルへの入力として受け取られる。工程240で、患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標が、PDAC予測モデルの出力として決定される。工程250で、指標が、表示デバイスに表示される。いくつかの実装形態では、患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標を決定する工程は、CT画像特徴のセットが患者の膵臓の前癌性組織変化を示すかどうかを判定する工程を含む。いくつかの実装形態では、PDAC予測モデルは、機械学習アルゴリズムである。いくつかの実装形態では、機械学習PDAC予測アルゴリズムは、K平均クラスタリング、ロジスティック回帰、サポート・ベクター・マシン、ナイーブベイズ分類器、最近傍、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0055】
機械学習PDAC予測アルゴリズムは、過去の患者の過去のデータで訓練することができる。いくつかの実装形態では、過去のデータは、過去の患者各々の、膵臓の複数のCT画像特徴および対応するPDAC診断(例えば、健常、前癌性、癌性)を含む。複数のCT画像特徴は、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像から抽出することができる。
【0056】
次に図3を参照すると、本開示のいくつかの実装形態による、機械学習を使用してPDACのリスクがある個人を同定するための方法300が示されている。工程310で、複数の個人と関連付けられたデータが受け取られる。データは、過去の患者の過去のデータと現在の患者の現在のデータとを含む。
【0057】
いくつかの実装形態では、過去のデータは、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像および対応するPDAC診断を含む。いくつかの実装形態では、過去のデータは、過去の患者各々の、膵臓の複数のCT画像特徴および対応するPDAC診断を含む。例えば、複数のCT画像特徴は、過去の患者各々の、膵臓の遡及的CT画像から抽出することができる。
【0058】
いくつかの実装形態では、過去のデータの複数のCT画像特徴は、膵臓の形態の変異を示す。例えば、形態は、サイズ、形状、信号強度、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実装形態では、過去のデータの複数のCT画像特徴は、膵臓のテクスチャの変化を示す。例えば、テクスチャの変化は、組織不均質、ランレングス不均一性、逆自己相関、ロングラン・エンファシス、およびショートラン・エンファシスとすることができる。
【0059】
いくつかの実装形態では、現在の患者の現在のデータは、現在の患者の膵臓のCT画像と関連付けられたCT画像特徴のセットを含む。例えば、現在の患者の膵臓のCT画像と関連付けられたCT画像特徴のセットを、現在の患者の膵臓のCT画像から抽出することができる。
【0060】
工程320で、機械学習アルゴリズムが、例えば、K平均クラスタリング、ロジスティック回帰、サポート・ベクター・マシン、ナイーブベイズ分類器、最近傍、またはそれらの任意の組み合わせモデルを使用して、過去のデータで訓練される。工程330で、現在の患者の現在のデータが、訓練された機械学習アルゴリズムへの入力として受け取られる。工程340で、現在の患者がPDACのリスクが高いかどうかの指標が、訓練された機械学習アルゴリズムの出力として決定される。
【0061】
開示のモデルの適用例
本開示のいくつかの実装形態によれば、膵臓のCTスキャンのラジオミクス解析を使用して近い将来におけるPDACのリスクが高い個人を同定するための自動化予測モデルが開発される。ラジオミクス解析は、CT膵臓画像の前癌性組織変化と関連付けられた、形態(サイズ、形状、信号強度)およびテクスチャの変異などの画像特徴の同定を可能にする。以下のように3つの群の各々から、膵臓の28(28)回の遡及的CTスキャンを取得した:(1)診断済み:確証されたPDAC(観察可能な腫瘍)を有するスキャン、(2)前癌性/高リスク:放射線科医によって「正常」とみなされたPDAC診断の3年前までに取得された(診断済みカテゴリーの)同じ被験者のスキャン、および(3)健常対照群:膵臓障害のない腹部スキャン。
【0062】
3つの群のCTスキャンにおいて、手作業でセグメント化された膵臓から(異なるラジオミクスパラメータを使用して)5,000個までの定量可能なラジオミクス量を抽出した。このセットから、3つの群において有意に異なる、PDACを予測する特徴を同定した(例えば、統計的有意性t検定によって同定した)。加えて、同定された特徴は、3つの群の時間順の予測からの線形増加または減少傾向を示す。
【0063】
図4図5に、(図2図3および対応する説明に関連してさらに論じた)開示の方法を使用した評価を示す。p値=0.05の横線より上の予測特徴のマンハッタンプロットを示す図4に示されるように、全ラジオミクス特徴のほぼ7パーセントがPDACを潜在的に予測することが見出された。y軸上の単位はp値である。X軸上に単位はなく、次の3種類の特徴がある:FOSは、一次統計を表し、GLRLMは、グレーレベル・ランレングス行列を表し、GLCMは、グレーレベル共起行列を表す。図示のように、図4の横線より上の特徴は群間で有意に異なり、よって、予測特徴として使用することができ、表1に記載された特徴など、そのうちの一部が、早期PDACを示す特徴としてここに含まれている。
【0064】
いくつかの最良の特徴を有するPDAC予測モデルを開発するために、再帰的特徴除去(RFE)法を5つの機械学習法(例えば、K平均クラスタリング、ロジスティック回帰、サポート・ベクター・マシン、ナイーブベイズ分類器、および最近傍)に適用して、(1)これらの方法のすべての訓練中の最も弱い予測特徴を再帰的に除去し、(2)最も少ない数の予測特徴を使用して最も高い予測精度を得るものを同定した。
【0065】
4分割交差検証により、ナイーブベイズ分類器は、合計84回のCTスキャン(3つのカテゴリーから28回ずつ)のうち、PDACのリスクが高いCTスキャンを同定するために80(80)パーセントの精度(すべての方法の中で最も高い)をもたらした。分類器を、組織不均質、ランレングス不均一性、逆自己相関、ロングラン・エンファシス、およびショートラン・エンファシスを含む5つの最良の特徴について訓練した。5つの最良の特徴を使用して処理された結果を、健康な膵臓510と前癌性膵臓520とについての5つの特徴(例えば、予測因子)の組み合わせ特徴マップである、図5において試験および検証する。図5の特徴マップは、PDACを予測する前癌性膵臓520のテクスチャ変化を示している。
【0066】
よって、前癌性膵臓のCTスキャンは、PDACの予測に役立ち得る特有の特徴を示す。本開示の開発された予測モデルは、そのような前癌性および/または高リスクの膵臓を同定するのに役立つ。加えて、大規模なデータセットを(例えば、方法300の1つまたは複数の工程において)利用して、開示のモデルをさらに検証することもできる。さらに、膵臓の前癌性CTスキャンにおいて他の複雑な予測因子を発見するために深層学習技術が適用されてもよい。
【0067】
本開示のコンピュータ&ハードウェア実装
本開示は、任意の種類のハードウェアおよび/またはソフトウェアで実装されてもよく、あらかじめプログラムされた汎用コンピューティングデバイスであってもよいことを最初に理解されたい。例えば、システムは、サーバ、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、シンクライアント、または任意の適切な1つもしくは複数のデバイスを使用して実装されてもよい。本開示および/またはその構成要素は、単一の場所の単一のデバイスであってもよく、または電気ケーブル、光ファイバケーブルなどの任意の通信媒体上もしくは無線方式で、任意の適切な通信プロトコルを使用して相互に接続された、単一もしくは複数の場所の複数のデバイスであってもよい。
【0068】
また、本開示は、本明細書において、特定の機能を果たす複数のモジュールを有するものとして示され、論じられていることにも留意されたい。これらのモジュールは、明確にするためにのみその機能に基づいて模式的に示されているにすぎず、必ずしも特定のハードウェアまたはソフトウェアを表すものではないことを理解されたい。これに関して、これらのモジュールは、論じられた特定の機能を実質的に果たすように実装されたハードウェアおよび/またはソフトウェアであってもよい。さらに、これらのモジュールは、本開示内で相互に組み合わされてもよく、所望の特定の機能に基づいてさらなるモジュールに分割されてもよい。よって、本開示は、本開示を限定するものと解釈されるべきではなく、単に本開示の1つの例示的実装形態を示すものと理解されるべきである。
【0069】
コンピューティングシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバとは、一般に、互いにリモートであり、通常は通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で動作する、互いにクライアント・サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。いくつかの実装形態では、サーバは、(例えば、クライアントデバイスと対話するユーザにデータを表示し、ユーザからユーザ入力を受け取るために)クライアントデバイスにデータ(例えば、HTMLページ)を送信する。クライアントデバイスで生成されたデータ(例えば、ユーザ対話の結果)を、サーバにおいてクライアントデバイスから受信することができる。
【0070】
本明細書に記載される主題の実装形態は、データサーバとしてなどのバック・エンド・コンポーネントを含むコンピューティングシステム、またはアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム、またはユーザが本明細書に記載される主題の実装形態と対話するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースやウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロント・エンド・コンポーネントを含むコンピューティングシステム、または1つもしくは複数のそのようなバック・エンド・コンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、もしくはフロント・エンド・コンポーネントの任意の組み合わせにおいて実装することができる。システムの構成要素を、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)および広域ネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えばインターネット)、ピアツーピアネットワーク(例えば、アドホック・ピアツーピアネットワーク)が含まれる。
【0071】
本明細書に記載される主題および動作の実装形態を、デジタル電子回路として、または本明細書で開示された構造およびそれらの構造的均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアとして、またはそれらのうちの1つもしくは複数の組組み合わせとして実装することができる。本明細書に記載される主題の実装形態を、データ処理装置によって実行するために、またはデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。代替的または追加的に、プログラム命令を、データ処理装置によって実行するために適切な受信側装置に送信するために情報を符号化するように生成された、人為的に生成された伝播信号、例えば、機械で生成された電気信号、光信号、または電磁信号上に符号化することもできる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶デバイス、コンピュータ可読記憶基板、ランダム・アクセス・メモリもしくはシリアル・アクセス・メモリのアレイもしくはデバイス、またはそれらの1つもしくは複数の組み合わせとするか、またはそれらに含めることができる。さらに、コンピュータ記憶媒体は伝播信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人為的に生成された伝播信号において符号化されたコンピュータプログラム命令の発信元または宛先とすることができる。またコンピュータ記憶媒体は、1つまたは複数の別個の物理的構成要素または媒体(例えば、複数のCD、ディスク、または他の記憶装置)とすることもでき、またはそれらに含めることもできる。
【0072】
本明細書に記載される動作は、1つもしくは複数のコンピュータ可読記憶デバイスに格納されるか、または他のソースから受信されたデータに対して「データ処理装置」によって行われる動作として実装することができる。
【0073】
「データ処理装置」という用語は、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システム・オン・チップ、または複数のそれらのもの、またはそれらの組み合わせを含む、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイスおよび機械を包含する。装置は、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)やASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路を含むことができる。装置はまた、ハードウェアに加えて、当該のコンピュータプログラムの実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、またはそれらのうちの1つもしくは複数の組み合わせを構成するコードも含むことができる。装置および実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティングおよびグリッドコンピューティングインフラストラクチャなど、様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現することができる。
【0074】
コンピュータプログラムは(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとも呼ばれ)、コンパイル言語やインタプリタ言語、宣言言語や手続き形言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとしてや、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクトまたはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットを含む、任意の形式で配置することができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応していてもよいが、そうである必要はない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つもしくは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に、当該のプログラムに専用の単一ファイルに、または複数の連携したファイル(例えば、1つもしくは複数のモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1箇所に位置するか、もしくは複数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配置することができる。
【0075】
本明細書に記載されるプロセスおよび論理フローを、入力データに作用して出力を生成することによって動作を行う1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって行うことができる。またプロセスおよび論理フローを、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)やASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によっても実行することもでき、装置を専用論理回路として実装することもできる。
【0076】
コンピュータプログラムの実行に適するプロセッサには、例えば、汎用と専用両方のマイクロプロセッサや、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリまたはランダム・アクセス・メモリまたはその両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの必須要素は、命令に従って動作を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを格納するための1つもしくは複数の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスクや光磁気ディスクや光ディスクも含むか、または大容量記憶装置からデータを受け取るかもしくは大容量記憶装置にデータを転送するように動作可能に連結されるか、またはその両方である。しかしながら、コンピュータにはそのようなデバイスがなくてもよい。さらに、コンピュータは、別のデバイス、例えば、いくつか例を挙げると、携帯電話、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、モバイルオーディオやビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、または携帯用記憶デバイス(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)・フラッシュ・ドライブ)に組み込むこともできる。コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適したデバイスには、あらゆる形の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスが含まれ、これには、例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ・デバイスなどの半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクが含まれる。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補助するか、または専用論理回路に組み込むことができる。
【0077】
結論
以下の請求項1~30のいずれか一項または複数項からの1つまたは複数の要素または局面または工程、またはそれらの(1つもしくは複数の)任意の部分を、その他の請求項1~30のいずれか一項または複数項からの1つまたは複数の要素または局面または工程、またはそれらの(1つもしくは複数の)任意の部分と組み合わせて、本開示の1つまたは複数の追加の実装形態および/または請求項を形成することができる。
【0078】
以上では本開示の様々な例を説明したが、これらは例として提示されているにすぎず、限定ではないことを理解されたい。本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、本開示に従って、開示の例に対する多くの変更を行うことができる。よって、本開示の幅および範囲は、上述の例のいずれによっても限定されるべきではない。むしろ、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物に従って定義されるべきである。
【0079】
本開示は、1つまたは複数の実装形態に関して例示および説明されているが、本明細書および添付の図面を読んで理解すれば、当業者には同等の変更および改変が想起されるであろう。加えて、本開示の特定の特徴がいくつかの実装形態のうちの1つのみに関して開示されている場合があるが、そのような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途にとって望ましく有利であり得るように、その他の実装形態の1つまたは複数の他の特徴と組み合わされてもよい。
【0080】
本明細書で使用される用語は、特定の例を説明するためのものにすぎず、本開示を限定することを意図されていない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈上そうではないことが明らかでない限り、複数形を含むことが意図されている。さらに、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」という用語またはそれらの変形が詳細な説明および/または特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、そのような用語は、「備える(comprising)」という用語と同様に包括的であることが意図されている。
【0081】
特に定義しない限り、本明細書で使用される(科学技術用語を含む)すべての用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同義である。さらに、一般に使用される辞書で定義される用語などの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】