(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】低電圧強誘電体メモリセルのセンシング
(51)【国際特許分類】
G11C 11/22 20060101AFI20230310BHJP
G11C 7/06 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
G11C11/22 232
G11C11/22 214
G11C7/06 120
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543373
(86)(22)【出願日】2021-01-06
(85)【翻訳文提出日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 US2021012300
(87)【国際公開番号】W WO2021146084
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヴィメルカーティ ダニエーレ
(57)【要約】
低電圧強誘電体メモリセルのセンシングのための方法、システム、及びデバイスが説明される。メモリセルに対するアクセス動作の一部として、2つのカスコードのゲートは、関連付けられた閾値電圧を補償するためにバイアスされ得る。メモリセル内に蓄積された電荷に対応する抽出された信号は、第1のコンデンサを充電するために第1のカスコードを通じて転送され得る。同様に、ダミーデジット線において発現したリファレンス信号は、第2のコンデンサを充電するために第2のカスコードを通じて転送され得る。ダミーデジット線において発現したリファレンス信号をメモリセルからの抽出された信号と比較することによって、センスウィンドウに対するメモリセルの性能の変動の影響は低減され得る。また、カスコードのゲートをバイアスすることに基づいて、センスコンポーネントにおいて比較される信号間の差は、他のセンシングスキームと比較して小さくなり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強誘電体メモリセルのアクセス動作の一部として、第1のカスコードの第1の閾値電圧を補償するために、前記第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることであって、前記第1のカスコードは、前記強誘電体メモリセルと関連付けられたデジット線と結合されることと、
第2のカスコードの第2の閾値電圧を補償するために、前記第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることであって、前記第2のカスコードは、前記アクセス動作中にリファレンス信号を提供するための電圧源と結合されることと、
前記第1のカスコードの前記第1のゲートを前記第1の電圧にバイアスすることに少なくとも部分的に基づいて、前記強誘電体メモリセルと関連付けられた第3の電圧を第1のコンデンサへ前記第1のカスコードを通じて転送することと、
前記第2のカスコードの前記第2のゲートを前記第2の電圧にバイアスすることに少なくとも部分的に基づいて、前記リファレンス信号と関連付けられた第4の電圧を第2のコンデンサへ前記第2のカスコードを通じて転送することと、
前記第1のコンデンサへ転送された前記第3の電圧と前記第2のコンデンサへ転送された前記第4の電圧とに少なくとも部分的に基づいて、前記強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記アクセス動作の一部として、前記デジット線と前記リファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージすることであって、前記第1のカスコードの前記第1のゲートをバイアスすること、及び前記第2のカスコードの前記第2のゲートをバイアスすることは、前記デジット線及び前記ダミーデジット線をプリチャージすることに少なくとも基づくこと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デジット線及び前記ダミーデジット線をプリチャージすることは、
プリチャージ電圧源を前記デジット線及び前記ダミーデジット線と結合するためにトランジスタのセットを活性化すること
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
トランジスタを使用して、プリチャージ動作の少なくとも一部分の間、前記第1のカスコードの前記第1のゲートを前記デジット線から絶縁することと、
1つ以上のトランジスタを使用して、前記トランジスタを使用して前記第1のゲートを前記デジット線から絶縁することに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のゲートをバイアスするために前記第1のカスコードの前記第1のゲートを第2の電圧源に結合すること
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ダミーデジット線は第3のコンデンサを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
第1のトランジスタを使用して、前記第1のコンデンサを前記第1のカスコードから絶縁することと、
第2のトランジスタを使用して、前記第2のコンデンサを前記第2のカスコードから絶縁することとと、
前記第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサを絶縁した後、前記強誘電体メモリセルにより蓄積された前記論理状態をセンシングするように構成されたセンスコンポーネントを活性化することであって、前記論理状態を判定することは、前記センスコンポーネントを活性化することに少なくとも部分的に基づくこと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記センスコンポーネントを使用して、前記第1のコンデンサへ転送された前記第3の電圧と前記第2のコンデンサへ転送された前記第4の電圧とを比較することであって、前記論理状態を判定することは、前記第3の電圧と前記第4の電圧とを比較することに少なくとも部分的に基づくこと
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記センスコンポーネントはラッチを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のゲートを前記第1の電圧にバイアスすることに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のカスコードの前記第1のゲートと結合された第1のゲートコンデンサ内に前記第1の閾値電圧と関連付けられた第1の電荷を蓄積することであって、前記第1の閾値電圧を補償することは、前記第1の電荷を蓄積することに少なくとも部分的に基づくことと、
前記第2のゲートを前記第2の電圧にバイアスすることに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のカスコードの前記第2のゲートと結合された第2のゲートコンデンサ内に前記第2の閾値電圧と関連付けられた第2の電荷を蓄積することであって、前記第2の閾値電圧を補償することは、前記第2の電荷を蓄積することに少なくとも部分的に基づくこと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記強誘電体メモリセルを前記デジット線に結合するためにワード線をバイアスすることと、
前記ワード線にバイアスすることに少なくとも部分的に基づいて、前記強誘電体メモリセルと前記第1のコンデンサとの間の電荷共有を開始することであって、前記第3の電圧を前記第1のコンデンサへ転送することは、前記電荷共有を開始することに少なくとも部分的に基づくこと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
トランジスタを使用して、前記ワード線をバイアスすることに少なくとも部分的に基づいて前記第2のカスコードを前記電圧源から絶縁することであって、前記電荷共有を開始することは、前記トランジスタを絶縁することに少なくとも部分的に基づくこと
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
トランジスタを使用して、前記ワード線をバイアスする前に前記第1のカスコードを前記デジット線から絶縁することと、
前記トランジスタを使用して、前記ワード線をバイアスした後、前記電荷共有を開始することに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のカスコードを前記デジット線と結合すること
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
強誘電体メモリセルと、
前記強誘電体メモリセルと選択的に結合可能な第1のカスコードと、
前記第1のカスコードに結合され、前記第1のカスコードを通じて前記強誘電体メモリセルから第1の電圧を受け取るように動作可能な第1のコンデンサと、
リファレンス信号を提供するように動作可能な電圧源と、
前記電圧源と選択的に結合可能な第2のカスコードと、
前記第2のカスコードと結合され、前記第2のカスコードを通じて前記電圧源から第2の電圧を受け取るように動作可能な第2のコンデンサと、
前記第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサと結合され、前記第1のコンデンサにより受け取られた前記第1の電圧と、前記第2のコンデンサにより受け取られた前記第2の電圧とに少なくとも部分的に基づいて、前記強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定するように動作可能なセンスコンポーネントと
を含む、装置。
【請求項14】
前記強誘電体メモリセル及び前記第1のカスコードと選択的に結合可能なデジット線
を更に含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記デジット線と前記リファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージするように動作可能なプリチャージ電圧源と、
前記プリチャージ電圧源を前記デジット線及び前記ダミーデジット線と結合するように動作可能なトランジスタのセットと
を更に含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
プリチャージ動作の少なくとも一部分の間、前記第1のカスコードの第1のゲートを前記デジット線から絶縁するように動作可能なトランジスタと、
前記トランジスタを使用して前記第1のゲートを前記デジット線から絶縁することに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のゲートをバイアスするために前記第1のカスコードの前記第1のゲートを第2の電圧源に結合するように動作可能な1つ以上のトランジスタと
を更に含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ダミーデジット線は第3のコンデンサを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のコンデンサを前記第1のカスコードから絶縁するように動作可能な第1のトランジスタと、
前記第2のコンデンサを前記第2のカスコードから絶縁するように動作可能な第2のトランジスタであって、前記センスコンポーネントは、前記第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサを絶縁した後、前記強誘電体メモリセルにより蓄積された前記論理状態をセンシングするように動作可能である、前記第2のトランジスタと
を更に含む、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記第2のカスコードを前記電圧源から絶縁するように動作可能なトランジスタ
を更に含む、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のカスコードの第1の閾値電圧は、前記第1の電圧が前記第1のカスコードを通じて転送される前に補償され、
前記第2のカスコードの第2の閾値電圧は、前記第2の電圧が前記第2のカスコードを通じて転送される前に補償される、
請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のカスコードの第1のゲートと結合され、前記第1の閾値電圧と関連付けられた第3の電圧を蓄積するように動作可能な第1のゲートコンデンサであって、前記第1の閾値電圧を補償することは、前記第3の電圧を蓄積することに少なくとも部分的に基づく、前記第1のゲートコンデンサと、
前記第2のカスコードの第2のゲートと結合され、前記第2の閾値電圧と関連付けられた第4の電圧を蓄積するように動作可能な第2のゲートコンデンサであって、前記第2の閾値電圧を補償することは、前記第4の電圧を蓄積することに少なくとも部分的に基づく、前記第2のゲートコンデンサと
を更に含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
強誘電体メモリセルのアレイと、
強誘電体メモリセルの前記アレイと結合され、
前記アレイ内の強誘電体メモリセルのアクセス動作の一部として、第1のカスコードの第1の閾値電圧を補償するために、前記第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスするすることであって、前記第1のカスコードは、前記強誘電体メモリセルと関連付けられたデジット線と結合されることと、
第2のカスコードの第2の閾値電圧を補償するために、前記第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることであって、前記第2のカスコードは、前記アクセス動作中にリファレンス信号を提供するための電圧源と結合されることと、
前記第1のカスコードの前記第1のゲートを前記第1の電圧にバイアスすることに少なくとも部分的に基づいて、前記強誘電体メモリセルと関連付けられた第3の電圧を第1のコンデンサへ前記第1のカスコードを通じて転送することと、
前記第2のカスコードの前記第2のゲートを前記第2の電圧にバイアスすることに少なくとも部分的に基づいて、前記リファレンス信号と関連付けられた第4の電圧を第2のコンデンサへ前記第2のカスコードを通じて転送することと、
前記第1のコンデンサへ転送された前記第3の電圧と前記第2のコンデンサへ転送された前記第4の電圧とに少なくとも部分的に基づいて、前記強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定すること
を装置にさせるように動作可能なコントローラと
を含む、装置。
【請求項23】
前記コントローラは、
前記アクセス動作の一部として、前記デジット線と前記リファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージすることであって、前記第1のカスコードの前記第1のゲートをバイアスすること、及び前記第2のカスコードの前記第2のゲートをバイアスすることは、前記デジット線及び前記ダミーデジット線をプリチャージすることに少なくとも部分的に基づくこと
を前記装置にさせるように更に動作可能である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記コントローラは、
プリチャージ電圧源を前記デジット線及び前記ダミーデジット線と結合するためにトランジスタのセットを活性化すること
を前記装置にさせるように更に動作可能である、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記コントローラは、
第1のトランジスタを使用して、前記第1のコンデンサを前記第1のカスコードから絶縁することと、
第2のトランジスタを使用して、前記第2のコンデンサを前記第2のカスコードから絶縁することと、
前記第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサを絶縁した後に、前記強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態をセンシングするように構成されたセンスコンポーネントを活性化することであって、前記論理状態を判定することは、前記センスコンポーネントを活性化することに少なくとも部分的に基づくこと
を前記装置にさせるように更に動作可能である、請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[クロスリファレンス]
本特許出願は、2020年1月17日に出願された“LOW VOLTAGE FERROELECTRIC MEMORY CELL SENSING”と題するVimercatiによる米国特許出願第16/746,626の優先権を主張し、該出願は、本明細書の譲受人に譲渡され、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
以下は、一般的に、1つ以上のメモリシステムに関し、より具体的には、低電圧強誘電体メモリセルのセンシングに関する。
【背景技術】
【0003】
メモリデバイスは、コンピュータ、無線通信デバイス、カメラ、及びデジタルディスプレイ等の様々な電子デバイス内に情報を蓄積するために広く使用されている。情報は、メモリデバイス内のメモリセルを様々な状態にプログラミングすることによって蓄積される。例えば、バイナリメモリセルは、論理1又は論理0によってしばしば示される2つのサポートされた状態の内の1つにプログラミングされ得る。幾つかの例では、単一のメモリセルは2つを超える状態をサポートし得、それらの内の何れか1つが蓄積され得る。蓄積された情報にアクセスするために、デバイスのコンポーネントは、メモリデバイス内の少なくとも1つの蓄積された状態を読み出し得、又はセンシングし得る。情報を蓄積するために、デバイスのコンポーネントは、メモリデバイス内に状態を書き込み得、プログラミングし得る。
【0004】
磁気ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗変化型RAM(RRAM)、フラッシュメモリ、及び相変化メモリ(PCM)等を含む様々なタイプのメモリデバイスが存在する。メモリデバイスは、揮発性又は不揮発性であり得る。不揮発性メモリ、例えば、FeRAMは、外部電源がない場合でも、それらの蓄積された論理状態を長期間維持し得る。揮発性メモリデバイス、例えば、DRAMは、外部電源から切断された場合、それらの蓄積された状態を喪失し得る。FeRAMは、揮発性メモリと同様の密度を実現可能であり得るが、ストレージデバイスとしての強誘電体コンデンサの使用に起因して不揮発性の特性を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするシステムの一例を説明する。
【
図2】本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするメモリダイの一例を説明する。
【
図3】本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートする回路の一例を説明する。
【
図4】本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするタイミング図の一例を説明する。
【
図5】本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするメモリアレイのブロック図を示す。
【
図6】本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートする1つ以上の方法を説明するフローチャートを示す。
【
図7】本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートする1つ以上の方法を説明するフローチャートを示す。
【
図8】本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートする1つ以上の方法を説明するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
メモリデバイスは、メモリダイのメモリセルにアクセスするためにメモリダイのアクセス線をバイアスするために様々なコンポーネントを使用し得る。例えば、1つ以上のカスコードは、メモリダイ上で実施される異なる動作の一部として異なる電圧レベルにバイアスされ得る。カスコードは、アクセス線を活性化し、アクセス線と結合されたメモリセル内に蓄積された情報にアクセスするために、メモリダイのアクセス線(例えば、デジット線、ワード線、プレート線等)と電荷又は電圧を共有し得る。
【0007】
アクセス動作の一部として、メモリセル内に蓄積された電荷に対応する信号(例えば、電圧)は、第1のカスコードを通じて抽出され得る。抽出された信号は、コンデンサ(例えば、増幅コンデンサ(AMPCAP))を充電し得る。センスコンポーネント(例えば、ラッチ)は、メモリセル内に蓄積された論理状態(例えば、論理1又は論理0)を判定するために、抽出された信号とリファレンス信号とを比較し得る。
【0008】
幾つかの例では、メモリセルの性能は、抽出された信号に影響を及ぼし得る1つ以上の要因(例えば、温度、湿度、材料等)に基づいて時間の経過と共に変化し得る。しかしながら、リファレンス電圧はメモリセルの性能と共に変化しないことがあるため、リファレンス信号は固定されたままになり得る。メモリセルの性能の変動は、固定されたリファレンス電圧と組み合わせて、メモリセル内に蓄積された論理状態を判定するためのセンスウィンドウを減少させ得る。センスウィンドウの減少は、したがって、アクセス動作(例えば、読み出し動作、書き込み動作等)を実施する場合に誤りを発生させ得る。
【0009】
本明細書に説明する技術に従えば、センスコンポーネントにおけるリファレンス信号は、コンデンサ内に蓄積された電荷に基づき得る。メモリデバイスは、メモリセルと結合されたデジット線と、リファレンス信号のソースと結合されたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージするためのプリチャージ電圧源を含み得る。アクセス動作の一部として、2つのカスコードのゲートは、関連付けられた閾値電圧を補償するためにバイアスされ得る。カスコードは、バイアス動作中にアクセス線から絶縁され得る。バイアス動作に続いて、メモリセル内に蓄積された電荷に対応する抽出された信号は、第1のAMPCAPを充電するために、第1のカスコードを通じて転送され得る。同様に、ダミーデジット線に基づくリファレンス信号は、第2のAMPCAPを充電するために、第2のカスコードを通じて転送され得る。すなわち、抽出された信号及びリファレンス信号は、個別のカスコードを通じた電荷共有に基づいて発現し得る。ダミーデジット線において発現したリファレンス信号をメモリセルからの抽出された信号と比較することによって、センスウィンドウに対するメモリセルの性能の変動の影響は低減され得る。また、カスコードのゲートをバイアスすることに基づいて、センスコンポーネントにおいて比較される信号間の差は、他のセンシングスキームと比較して小さくなり得る。バイアスすることは、したがって、アクセス動作と関連付けられる電力消費を削減し得、及び/又はメモリデバイスが使用されるときのメモリデバイスのセンスウィンドウを改善し得る。
【0010】
開示の機構は、
図1~
図2を参照して説明するように、メモリシステム及びダイの文脈でまず説明される。開示の機構は、
図3~
図4を参照して説明される回路及びタイミング図の文脈で説明される。開示のこれらの及びその他の機構は、
図5~
図8を参照して説明するように低電圧強誘電体メモリセルのセンシングに関連する装置図及びフローチャートによって更に例証及び説明される。
【0011】
図1は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするシステム100の一例を説明する。システム100は、ホストデバイス105と、メモリデバイス110と、ホストデバイス105をメモリデバイス110と結合する複数のチャネル115とを含み得る。システム100は、1つ以上のメモリデバイス110を含み得るが、1つ以上のメモリデバイス110の態様は、単一のメモリデバイス(例えば、メモリデバイス110)の文脈で説明され得る。
【0012】
システム100は、コンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、ワイヤレスデバイス、グラフィックス処理デバイス、車両、又はその他のシステム等の電子デバイスの一部分を含み得る。例えば、システム100は、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブルデバイス、インターネット接続デバイス、又は車両コントローラ等の態様を説明し得る。メモリデバイス110は、システム100の1つ以上の他のコンポーネントに対するデータを蓄積するように動作可能なシステムのコンポーネントであり得る。
【0013】
システム100の少なくとも一部分は、ホストデバイス105の例であり得る。ホストデバイス105は、例の中でもとりわけ、コンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、ワイヤレスデバイス、グラフィックス処理デバイス、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブルデバイス、インターネット接続デバイス、車両コントローラ、又はその他の固定若しくは携帯電子デバイス内等、プロセスを実行するためにメモリを使用するデバイス内のプロセッサ又はその他の回路の一例であり得る。幾つかの例では、ホストデバイス105は、外部メモリコントローラ120の機能を実装するハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを指し得る。幾つかの例では、外部メモリコントローラ120は、ホスト又はホストデバイス105と称され得る。
【0014】
メモリデバイス110は、システム100により使用又は参照され得る物理メモリアドレス/空間を提供するように動作可能な独立したデバイス又はコンポーネントであり得る。幾つかの例では、メモリデバイス110は、1つ以上の異なるタイプのホストデバイスと共に作動するように構成可能であり得る。ホストデバイス105とメモリデバイス110との間のシグナリングは、信号を変調するための変調方式、信号を通信するための様々なピン構成、ホストデバイス105及びメモリデバイス110の物理的パッケージングのための様々なフォームファクタ、ホストデバイス105とメモリデバイス110との間のクロックシグナリング及び同期、タイミング規則、又はその他の要因の内の1つ以上をサポートするように動作可能であり得る。
【0015】
メモリデバイス110は、ホストデバイス105のコンポーネントに対するデータを蓄積するように動作可能であり得る。幾つかの例では、メモリデバイス110は、(例えば、外部メモリコントローラ120を通じてホストデバイス105によって提供されるコマンドに応答して実行する)ホストデバイス105に対するスレーブタイプのデバイスとして機能し得る。そうしたコマンドは、書き込み動作のための書き込みコマンド、読み出し動作のための読み出しコマンド、リフレッシュ動作のためのリフレッシュコマンド、又はその他のコマンドの内の1つ以上を含み得る。
【0016】
ホストデバイス105は、外部メモリコントローラ120、プロセッサ125、ベーシック入力/出力システム(BIOS)コンポーネント130、又は1つ以上の周辺コンポーネント若しくは1つ以上の入力/出力コントローラ等のその他のコンポーネントの内の1つ以上を含み得る。ホストデバイスのコンポーネントは、バス135を使用して相互に結合され得る。
【0017】
プロセッサ125は、システム100の少なくとも一部分又はホストデバイス105の少なくとも一部分に制御又はその他の機能を提供するように動作可能であり得る。プロセッサ125は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくはその他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はこれらのコンポーネントの組み合わせであり得る。そうした例では、プロセッサ125は、例の中でもとりわけ、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、汎用GPU(GPGPU)、又はシステムオンチップ(SoC)の一例であり得る。幾つかの例では、外部メモリコントローラ120は、プロセッサ125によって実装され得、又はプロセッサ125の一部であり得る。
【0018】
BIOSコンポーネント130は、ファームウェアとして動作するBIOSを含むソフトウェアコンポーネントであり得、それは、システム100又はホストデバイス105の様々なハードウェアコンポーネントを初期化及び実行し得る。BIOSコンポーネント130はまた、プロセッサ125とシステム100又はホストデバイス105の様々なコンポーネントとの間のデータフローを管理し得る。BIOSコンポーネント130は、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、又はその他の不揮発性メモリの内の1つ以上内に蓄積されたプログラム又はソフトウェアを含み得る。
【0019】
メモリデバイス110は、デバイスメモリコントローラ155と、データストレージのための所望の容量又は指定された容量をサポートするための1つ以上のメモリダイ160(例えば、メモリチップ)とを含み得る。各メモリダイ160は、ローカルメモリコントローラ165(例えば、ローカルメモリコントローラ165-a、ローカルメモリコントローラ165-b、ローカルメモリコントローラ165-N)及びメモリアレイ170(例えば、メモリアレイ170-a、メモリアレイ170-b、メモリアレイ170-N)を含み得る。メモリアレイ170は、メモリセルの集合(例えば、1つ以上のグリッド、1つ以上のバンク、1つ以上のタイル、1つ以上のセクション)であり得、各メモリセルは、少なくとも1ビットのデータを蓄積するように動作可能である。2つ以上のメモリダイを含むメモリデバイス110は、マルチダイメモリ又はマルチダイパッケージ又はマルチチップメモリ又はマルチチップパッケージと称され得る。
【0020】
メモリダイ160は、メモリセルの2次元(2D)アレイの一例であり得、又はメモリセルの3次元(3D)アレイの一例であり得る。2Dメモリダイ160は、単一のメモリアレイ170を含み得る。3Dメモリダイ160は、2つ以上のメモリアレイ170を含み得、それらは、相互に積み重ねられ得、又は(例えば、基板に対して)相互に隣接して位置づけられ得る。幾つかの例では、3Dメモリダイ160内のメモリアレイ170は、デッキ、レベル、レイヤ、又はダイと称され得る。3Dメモリダイ160は、任意の数(例えば、2つの高さ、3つの高さ、4つの高さ、5つの高さ、6つの高さ6、7つの高さ、8つの高さ)の積み重ねられたメモリアレイ170を含み得る。幾つかの3Dメモリダイ160では、幾つかのデッキがワード線、デジット線、又はプレート線の内の1つ以上を共有し得るように、異なるデッキは少なくとも1つの共通アクセス線を共有し得る。
【0021】
幾つかの例では、1つ以上のメモリダイ160は、例えば、メモリコントローラ(例えば、ローカルメモリコントローラ165、デバイスメモリコントローラ155、外部メモリコントローラ120等)からのコマンドに基づくアクセス動作の一部として、メモリアレイ170のメモリセル内に蓄積されたデータを抽出及び判定するためのセンスコンポーネントを各々含み得る。センスコンポーネントは、カスコードを介してアクセス線に結合され得る。アクセス動作の一部として、カスコードのゲートは、カスコードの閾値電圧を補償するためにバイアスされ得る。1つ以上のアクセス線は、その後活性化され得、このことは、1つ以上のメモリセルへのアクセスを可能にし得る。1つ以上のアクセス線を活性化することは、デジット線及びダミーデジット線をプリチャージすることを含み得る。メモリセル内に蓄積された電荷に対応する信号は、第1のカスコードを通じて抽出され得、ダミーデジット線に基づくリファレンス信号は、第2のカスコードを通じて転送され得る。抽出された信号及びリファレンス信号は個別のコンデンサ(例えば、AMPCAP)を各々充電し得、センスコンポーネントは、メモリセル内に蓄積された論理状態(例えば、論理1又は論理0)を判定するために、抽出された信号とリファレンス信号とを比較し得る。ダミーデジット線において発現したリファレンス信号をメモリセルからの抽出された信号と比較することによって、センスコンポーネントにおけるセンスウィンドウに対するメモリセルの性能の変動の影響は低減され得る。また、カスコードのゲートをバイアスすることに基づいて、センスコンポーネントにおいて比較される信号間の差は、その他のセンシングスキームと比較して小さくなり得る。バイアスすることは、したがって、アクセス動作と関連付けられる電力消費を削減し得る。
【0022】
デバイスメモリコントローラ155は、メモリデバイス110の動作を制御するように動作可能な回路、ロジック、又はコンポーネントを含み得る。デバイスメモリコントローラ155は、メモリデバイス110が様々な動作を実施することを可能にするハードウェア、ファームウェア、又は命令を含み得、メモリデバイス110のコンポーネントに関連するコマンド、データ、又は制御情報を受信、送信、又は実行するように動作可能であり得る。デバイスメモリコントローラ155は、外部メモリコントローラ120、1つ以上のメモリダイ160、又はプロセッサ125の内の1つ以上と通信するように動作可能であり得る。幾つかの例では、デバイスメモリコントローラ155は、メモリダイ160のローカルメモリコントローラ165と併せて、本明細書に説明するメモリデバイス110の動作を制御し得る。
【0023】
幾つかの例では、メモリデバイス110は、ホストデバイス105からデータ若しくはコマンド又はそれら両方を受信し得る。例えば、メモリデバイス110は、メモリデバイス110がホストデバイス105に対するデータを蓄積することを指し示す書き込みコマンド、又はメモリデバイス110がメモリダイ160内に蓄積されたデータをホストデバイス105に提供することを指し示す読み出しコマンドを受信し得る。
【0024】
(例えば、メモリダイ160に対してローカルな)ローカルメモリコントローラ165は、メモリダイ160の動作を制御するように動作可能であり得る。幾つかの例では、ローカルメモリコントローラ165は、デバイスメモリコントローラ155と通信する(例えば、データ若しくはコマンド又はそれら両方を受信又は送信する)ように動作可能であり得る。幾つかの例では、メモリデバイス110は、デバイスメモリコントローラ155及びローカルメモリコントローラ165を含まなくてもよく、又は外部メモリコントローラ120は、本明細書で説明する様々な機能を実施し得る。したがって、ローカルメモリコントローラ165は、デバイスメモリコントローラ155と、その他のローカルメモリコントローラ165と、又は直接、外部メモリコントローラ120若しくはプロセッサ125又はそれらの組み合わせと通信するように動作可能であり得る。デバイスメモリコントローラ155若しくはローカルメモリコントローラ165又はそれら両方内に含まれ得るコンポーネントの例は、(例えば、外部メモリコントローラ120から)信号を受信するための受信機、(例えば、外部メモリコントローラ120へ)信号を送信するための送信機、受信した信号を復号又は復調するためのデコーダ、送信される信号を符号化又は変調するためのエンコーダ、又はデバイスメモリコントローラ155若しくはローカルメモリコントローラ165又はそれら両方の説明する動作をサポートするように動作可能な様々なその他の回路又はコントローラを含み得る。
【0025】
外部メモリコントローラ120は、システム100又はホストデバイス105のコンポーネント(例えば、プロセッサ125)とメモリデバイス110との間の情報、データ、又はコマンドの内の1つ以上の通信を可能にするように動作可能であり得る。外部メモリコントローラ120は、ホストデバイス105のコンポーネントとメモリデバイス110との間で交換される通信を置換又は変換し得る。幾つかの例では、外部メモリコントローラ120又はシステム100若しくはホストデバイス105のその他のコンポーネント、又は本明細書に説明するその機能は、プロセッサ125によって実装され得る。例えば、外部メモリコントローラ120は、プロセッサ125又はシステム100若しくはホストデバイス105のその他のコンポーネントによって実装されるハードウェア、ファームウェア、若しくはソフトウェア、又はそれらの何らかの組み合わせであり得る。外部メモリコントローラ120は、メモリデバイス110の外部にあるものとして描写されているが、幾つかの例では、外部メモリコントローラ120、又は本明細書に説明するその機能は、メモリデバイス110の1つ以上のコンポーネント(例えば、デバイスメモリコントローラ155、ローカルメモリコントローラ165)によって実装され得、又はその逆も然りである。
【0026】
ホストデバイス105のコンポーネントは、1つ以上のチャネル115を使用してメモリデバイス110と情報を交換し得る。チャネル115は、外部メモリコントローラ120とメモリデバイス110との間の通信をサポートするように動作可能であり得る。各チャネル115は、ホストデバイス105とメモリデバイスとの間で情報を運ぶ伝送媒体の例である。各チャネル115は、システム100のコンポーネントと関連付けられた端子間に1つ以上の信号経路又は伝送媒体(例えば、導体)を含み得る。信号経路は、信号を運ぶように動作可能な導電経路の一例であり得る。例えば、チャネル115は、ホストデバイス105における1つ以上のピン又はパッド、及びメモリデバイス110における1つ以上のピン又はパッドを含む第1の端子を含み得る。ピンは、システム100のデバイスの導電性入力又は出力ポイントの一例であり得、ピンは、チャネルの一部として機能するように動作可能であり得る。
【0027】
チャネル115(並びに関連する信号経路及び端末)は、1つ以上のタイプの情報を通信するために専用であり得る。例えば、チャネル115は、1つ以上のコマンド及びアドレス(CA)チャネル186、1つ以上のクロック信号(CK)チャネル188、1つ以上のデータ(DQ)チャネル190、1つ以上のその他のチャネル192、又はそれらの組み合わせを含み得る。幾つかの例では、シグナリングは、シングルデータレート(SDR)シグナリング又はダブルデータレート(DDR)シグナリングを使用して、チャネル115を介して通信され得る。SDRシグナリングでは、信号の1つの変調シンボル(例えば、信号レベル)は、クロックサイクル毎に(例えば、クロック信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジ上に)記録され得る。DDRシグナリングでは、信号の2つの変調シンボル(例えば、信号レベル)は、クロックサイクル毎に(例えば、クロック信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの両方の上に)記録され得る。
【0028】
図2は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするメモリダイ200の一例を説明する。メモリダイ200は、
図1を参照して説明したメモリダイ160の一例であり得る。幾つかの例では、メモリダイ200は、メモリチップ、メモリデバイス、又は電子メモリ装置と称され得る。メモリダイ200は、異なる論理状態(例えば、2つ以上の可能な状態のセットの内のプログラミングされた状態)を蓄積するように各々プログラミング可能であり得る1つ以上のメモリセル205を含み得る。例えば、メモリセル205は、一度に1ビットの情報(例えば、論理0又は論理1)を蓄積するように動作可能であり得る。幾つかの例では、メモリセル205(例えば、マルチレベルメモリセル)は、一度に2ビット以上の情報(例えば、論理00、論理01、論理10、論理11)を蓄積するように動作可能であり得る。幾つかの例では、メモリセル205は、
図1を参照して説明したメモリアレイ170等のアレイ内に配列され得る。
【0029】
メモリセル205は、プログラミング可能な状態を表す状態(例えば、分極状態又は誘電体電荷)をコンデンサ内に蓄積し得る。FeRAMアーキテクチャでは、メモリセル205は、プログラミング可能な状態を表す電荷及び/又は分極を蓄積するための強誘電体材料を含むコンデンサ240を含み得る。メモリセル205は、コンデンサ240等の論理ストレージコンポーネントと、スイッチングコンポーネント245とを含み得る。コンデンサ240は、強誘電体コンデンサの一例であり得る。コンデンサ240の第1のノードは、スイッチングコンポーネント245と結合され得、コンデンサ240の第2のノードは、プレート線220と結合され得る。スイッチングコンポーネント245は、2つのコンポーネント間の電子通信を選択的に確立又は非確立するトランジスタ又は任意のその他のタイプのスイッチデバイスの一例であり得る。
【0030】
メモリダイ200は、グリッド状のパターン等のパターンで配列されたアクセス線(例えば、ワード線210、デジット線215、及びプレート線220)を含み得る。アクセス線は、メモリセル205と結合された導電線であり得、メモリセル205上でアクセス動作を実施するために使用され得る。幾つかの例では、ワード線210は、行線と称され得る。幾つかの例では、デジット線215は、列線又はビット線と称され得る。アクセス線、行線、列線、ワード線、デジット線、ビット線、若しくはプレート線、又はそれらの類似物への言及は、理解又は動作を失うことなく相互に交換可能である。メモリセル205は、ワード線210、デジット線215、及び/又はプレート線220の交点に位置付けられ得る。
【0031】
読み出し及び書き込み等の動作は、ワード線210、デジット線215、及び/又はプレート線220等のアクセス線を活性化又は選択することによってメモリセル205上で実施され得る。ワード線210、デジット線215、及びプレート線220をバイアスする(例えば、ワード線210、デジット線215、又はプレート線220に電圧を印加する)ことによって、それらの交差点で単一のメモリセル205がアクセスされ得る。ワード線210、デジット線215、又はプレート線220を活性化又は選択することは、個別の線に電圧を印加することを含み得る。
【0032】
メモリセル205にアクセスすることは、行デコーダ225、列デコーダ230、及びプレートドライバ235を通じて制御され得る。例えば、行デコーダ225は、ローカルメモリコントローラ265から行アドレスを受信し得、受信した行アドレスに基づいてワード線210を活性化し得る。列デコーダ230は、ローカルメモリコントローラ265から列アドレスを受信し、受信した列アドレスに基づいてデジット線215を活性化する。プレートドライバ235は、ローカルメモリコントローラ265からプレートアドレスを受信し得、受信したプレートアドレスに基づいてプレート線220を活性化する。
【0033】
メモリセル205を選択又は選択解除することは、スイッチングコンポーネント245を活性化又は非活性化することによって達成され得る。コンデンサ240は、スイッチングコンポーネント245を使用してデジット線215と電子通信し得る。例えば、スイッチングコンポーネント245が非活性化された場合にコンデンサ240はデジット線215から絶縁され得、スイッチングコンポーネント245が活性化された場合にコンデンサ240はデジット線215と結合され得る。
【0034】
ワード線210は、メモリセル205上でアクセス動作を実施するために使用されるメモリセル205と電子通信する導電線であり得る。幾つかのアーキテクチャでは、ワード線210は、メモリセル205のスイッチングコンポーネント245のゲートと電子通信し得、メモリセルのスイッチングコンポーネント245を制御するように動作可能であり得る。幾つかのアーキテクチャでは、ワード線210は、メモリセル205のコンデンサのノードと電子通信し得、メモリセル205は、スイッチングコンポーネントを含まなくてもよい。
【0035】
デジット線215は、メモリセル205をセンスコンポーネント250と接続する導電線であり得る。幾つかのアーキテクチャでは、メモリセル205は、アクセス動作の一部分の間にデジット線215と選択的に結合され得る。例えば、ワード線210及びメモリセル205のスイッチングコンポーネント245は、メモリセル205のコンデンサ240及びデジット線215を選択的に結合及び/又は絶縁するように動作可能であり得る。幾つかのアーキテクチャでは、メモリセル205は、デジット線215と(例えば、一定に)電子通信し得る。
【0036】
プレート線220は、メモリセル205上でアクセス動作を実施するために使用されるメモリセル205と電子通信する導電線であり得る。プレート線220は、コンデンサ240のノード(例えば、セル底部)と電子通信し得る。プレート線220は、メモリセル205のアクセス動作中にコンデンサ240をバイアスするために、デジット線215と協働し得る。
【0037】
センスコンポーネント250は、メモリセル205のコンデンサ240上に蓄積された状態(例えば、分極状態又は電荷)を判定し得、検出された状態に基づいてメモリセル205の論理状態を判定し得る。センスコンポーネント250は、メモリセル205の信号出力を増幅するための1つ以上のセンス増幅器を含み得る。センスコンポーネント250は、デジット線215を介してメモリセル205から受信した信号をリファレンス255(例えば、リファレンス電圧)と比較し得る。メモリセル205の検出された論理状態は、センスコンポーネント250の出力として(例えば、入力/出力260に)提供され得、メモリダイ200を含むメモリデバイス110の別のコンポーネントに検出された論理状態を指し示し得る。
【0038】
ローカルメモリコントローラ265は、様々なコンポーネント(例えば、行デコーダ225、列デコーダ230、プレートドライバ235、及びセンスコンポーネント250)を通じてメモリセル205の動作を制御し得る。ローカルメモリコントローラ265は、
図1を参照して説明したローカルメモリコントローラ165の一例であり得る。幾つかの例では、行デコーダ225、列デコーダ230、及びプレートドライバ235の内の1つ以上、並びにセンスコンポーネント250は、ローカルメモリコントローラ265と共同設置され得る。ローカルメモリコントローラ265は、1つ以上の異なるメモリコントローラ(例えば、ホストデバイス105と関連付けられた外部メモリコントローラ120、メモリダイ200と関連付けられた別のコントローラ)からの1つ以上のコマンド又はデータの内の1つ以上を受信し、コマンド若しくはデータ(又はそれら両方)を、メモリダイ200により使用され得る情報に変換し、メモリダイ200上で1つ以上の動作を実施し、1つ以上の動作を実施することに基づいてメモリダイ200からホストデバイス105にデータを通信するように動作可能であり得る。ローカルメモリコントローラ265は、対象のワード線210、対象のデジット線215、及び対象のプレート線220を活性化するために、行信号及び列アドレス信号を生成し得る。ローカルメモリコントローラ265はまた、メモリダイ200の動作中に使用される様々な電圧又は電流を生成及び制御し得る。一般的に、本明細書に論じる印加電圧又は電流の振幅、形状、又は継続時間は、変更され得、メモリダイ200の動作で論じる様々な動作に対して異なり得る。
【0039】
ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つ以上のメモリセル205上で1つ以上のアクセス動作を実施するように動作可能であり得る。アクセス動作の例は、とりわけ、書き込み動作、読み出し動作、リフレッシュ動作、プリチャージ動作、又は活性化動作を含み得る。幾つかの例では、アクセス動作は、(例えば、ホストデバイス105からの)様々なアクセスコマンドに応答して、ローカルメモリコントローラ265によって実施され得、さもなければ調整され得る。ローカルメモリコントローラ265は、ここにリストされていないその他のアクセス動作、又はメモリセル205へのアクセスに直接関係しないメモリダイ200の動作に関連するその他の動作を実施するように動作可能であり得る。
【0040】
ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つ以上のメモリセル205上で読み出し動作(例えば、センシング動作)を実施するように動作可能であり得る。読み出し動作中、メモリダイ200のメモリセル205内に蓄積された論理状態が判定され得る。ローカルメモリコントローラ265は、読み出し動作を実施する対象のメモリセル205を識別し得る。ローカルメモリコントローラ265は、対象のメモリセル205と結合された対象のワード線210、対象のデジット線215、及び対象のプレート線220を識別し得る。ローカルメモリコントローラ265は、対象のメモリセル205にアクセスするために(例えば、ワード線210、デジット線215、又はプレート線220に電圧を印加して)対象のワード線210、対象のデジット線215、及び対象のプレート線220を活性化し得る。対象のメモリセル205は、アクセス線をバイアスすることに応答して、信号をセンスコンポーネント250へ転送し得る。センスコンポーネント250は信号を増幅し得る。ローカルメモリコントローラ265は、センスコンポーネント250を活性化し(例えば、センスコンポーネントをラッチし)得、それによって、メモリセル205から受信した信号をリファレンス255と比較し得る。該比較に基づいて、センスコンポーネント250は、メモリセル205上に蓄積された論理状態を判定し得る。
【0041】
幾つかの例では、センスコンポーネント250は、カスコードを介してアクセス線(例えば、ワード線210、デジット線215、プレート線220等)に結合され得る。アクセス動作の一部として、カスコードのゲートは、カスコードの閾値電圧を補償するためにバイアスされ得る。1つ以上のアクセス線は、例えば、プリチャージ電圧源を使用してデジット線215と、リファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線(図示せず)とをプリチャージすることによってその後活性化され得る。メモリセル205内に蓄積された電荷に対応する信号は、第1のカスコードを通じて抽出され得、ダミーデジット線に基づくリファレンス信号は、第2のカスコードを通じて転送され得る。抽出された信号及びリファレンス信号は、個別のコンデンサ(例えば、AMPCAP)を各々充電し得、センスコンポーネント250は、メモリセル205内に蓄積された論理状態(例えば、論理1又は論理0)を判定するために、メモリセルからの抽出された信号とリファレンス信号のソースからの抽出された信号とを比較し得る。ダミーデジット線において発現したリファレンス信号をメモリセルからの抽出された信号と比較することによって、センスコンポーネントにおけるセンスウィンドウに対するメモリセルの性能の変動の影響は低減され得る。また、カスコードのゲートをバイアスすることに基づいて、センスコンポーネントにおいて比較される信号間の差は、他のセンシングスキームと比較して小さくなり得る。バイアスすることは、したがって、アクセス動作と関連付けられる電力消費を削減し得る。
【0042】
図3は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートする回路300の一例を説明する。幾つかの例では、回路300は、システム100又はメモリダイ200の態様を実装し得る。実例として、回路300は、メモリセル305、ワード線310、デジット線315、プレート線320、及びセンスコンポーネント350を含み得、それらは、
図1及び
図2を参照して説明した対応するコンポーネントの例であり得る。回路300はまた、選択コンポーネント325、カスコード330、スイッチ331~336、ゲートコンデンサ340、プリチャージ電圧源345、リファレンス電圧源355、グランド電圧源360、リファレンスコンデンサ365、バイアス電圧源370、AMPCAP375、及びダミーデジット線316を含み得る。
【0043】
幾つかのメモリシステムでは、静的リファレンス信号は、メモリセルからの抽出された信号と比較され得る。時間の経過と共に、メモリセルからの抽出される信号は変化し得、このことは、アクセス動作に対するセンスウィンドウを縮小させ得、データに誤りを導き得る。追加的又は代替的に、リファレンス信号の静的な性質及びメモリセルからの抽出された信号の動的な性質は、アクセス動作にタイミング制約を導き得る。例えば、センスコンポーネントの活性化が早すぎる又は遅すぎる場合、センスウィンドウは以前よりも小さくなり得る。
【0044】
メモリデバイスは、メモリセル305からの信号を発現するために使用される技術と同様の技術を使用してリファレンス信号を発現するように構成され得る。例えば、回路300は、静的であり得るリファレンス信号に基づいて信号を発現するように構成されたコンデンサ375-b、カスコード330-b、ダミーデジット線316、及び1つ以上のスイッチ(例えば、スイッチ331-b、332-b、333-b、334-b、335、及び336-b)を含み得る。メモリセルからの信号を発現するために使用される技術と同様の技術を使用してリファレンス信号と関連付けられた信号を発現することによって、リファレンス信号から発現する信号は、メモリセルから発現する信号と同様に(時間内に)追跡し得、アクセス動作と関連付けられるタイミング制約を低減し得る。追加的又は代替的に、メモリセルからの信号を発現するために使用される技術と同様の技術を使用してリファレンス信号と関連付けられた信号を発現することによって、リファレンス信号から発現した信号は、(例えば、メモリデバイスが経年劣化するにつれて)使用を通じてメモリデバイスは摩耗するので、メモリセル305から発現した信号と同様の変動を示し得る。幾つかの例では、ダミーデジット線316は、ホストデバイスに代わってデータを蓄積するために使用されていないメモリデバイス内のデジット線の一例であり得る。そうした場合、そうしたデジット線は、静的リファレンス信号から信号を発現するために使用され得る。
【0045】
カスコード(例えば、カスコード330-a又はカスコード330-b)は、2つのトランジスタを含む2段増幅器の一例であり得る。例えば、エミッタ接地段(例えば、第1のトランジスタ)は、ベース接地段(例えば、第2のトランジスタ)に供給され得る。単段増幅器と比較して、カスコードは、より高い入出力絶縁、より高い入力インピーダンス、より高い出力インピーダンス、より高い帯域幅、又はそれらの組み合わせを有し得る。
【0046】
アクセス動作の前に(例えば、回路300のアイドル期間中に)、スイッチ336は活性化され得(例えば、スイッチ336と関連付けられたトランジスタは導電的であり得)、スイッチ335は、リファレンス電圧源355をリファレンスコンデンサ365と結合するために活性化され得る。幾つかの例では、リファレンス電圧源355は、リファレンス電圧VSAREF(例えば、2.2ボルト(V))を提供し得、リファレンスコンデンサ365は、(例えば、3.8フェムトファラド(fF)の静電容量を有する)リファレンスコンデンサCREFと称され得る。
【0047】
アクセス動作の前に、スイッチ331及び332は、バイアス電圧源370をカスコード330-a及び330-bのゲートコンデンサ340と結合するために活性化され得る。幾つかの例では、各バイアス電圧源370は2.8Vの電圧を提供し得る。幾つかの例では、各ゲートコンデンサ340は、個別のカスコード330と関連付けられた電圧閾値コンデンサVthCapと称され得る。ゲートコンデンサ340-aを有するバイアス電圧源370-aに基づいて、カスコード330-aのゲートを、カスコード330-aの閾値電圧を補償する電圧にバイアスするために、ゲートコンデンサ340-a内に電荷が蓄積され得る。同様のバイアス動作に基づいて、カスコード330-bのゲートは、カスコード330-bの閾値電圧を補償する電圧にバイアスされ得る。スイッチ333及び334は、バイアス動作中に回路300のコンポーネントを絶縁するために非活性化され得る(例えば、スイッチ333及び334と関連付けられたトランジスタは非導電的であり得る)。
【0048】
幾つかの例では、アクセス動作は、(例えば、メモリコントローラ又はホストデバイスからの)コマンドに基づいて開始され得る。スイッチ334は、(例えば、選択コンポーネント325を通じた)デジット線315とダミーデジット線316とをプリチャージ電圧源345と結合するために活性化され得る。プリチャージ電圧源345は、(例えば、デジット線315の寄生容量内に電荷を蓄積することによる)デジット線315とダミーデジット線316とをプリチャージ電圧(例えば、1.5V)にプリチャージし得る。幾つかの例では、ダミーデジット線316は、ミミックコンデンサと称され得るコンデンサDL#capを含み得る。
【0049】
デジット線315及びダミーデジット線316をプリチャージした後、バイアス電圧源370は、スイッチ331を非活性化することによって、回路300の他のコンポーネントから絶縁され得る。スイッチ333は、各カスコード330の個別の閾値のサンプリングを開始するために活性化され得る。すなわち、カスコード330-aのゲートは、カスコード330-a及びスイッチ333-aを通じてデジット線315と結合され得、カスコード330-bのゲートは、カスコード330-b及びスイッチ333-bを通じてダミーデジット線316と結合され得る。この結合に基づいて、個別のカスコード330のゲート上の電圧は、各カスコード330上の個々の閾値電圧を補償する電圧レベルに設定され得る。サンプリングした後、スイッチ334は、デジット線315及びダミーデジット線316をプリチャージ電圧源345から絶縁するために非活性化され得る。
【0050】
デジット線315及びダミーデジット線316をプリチャージ電圧源345から絶縁した後、メモリセル305内に蓄積された電荷を抽出するために電荷共有が開始され得る。スイッチ332及び333は、デジット線315及びダミーデジット線316をカスコード330及びゲートコンデンサ340から絶縁するために非活性化され得る。スイッチ335は、リファレンスコンデンサ365をグランド電圧源360と結合するために活性化され得る。幾つかの例では、グランド電圧源は、仮想接地であり得、又はゼロ(0)Vの電圧を有し得る。ワード線310は、デジット線315をメモリセル305と結合するために活性化され得る。デジット線315とメモリセル305との間の電荷共有は、メモリセル305内に蓄積された論理状態と関連付けられた信号がデジット線315に転送されることを可能にし得る。また、スイッチ331は、電荷共有中に活性化され得る。
【0051】
電荷共有後、センスコンポーネント350においてセンシングするために、論理状態と関連付けられた信号が抽出され得る。スイッチ331は、回路300のコンポーネントをバイアス電圧源370から絶縁するために非活性化され得る。スイッチ333は、デジット線315をカスコード330-aと結合し、ダミーデジット線316をカスコード330-bと結合するために活性化され得る。抽出された信号は、デジット線315からカスコード330-aを通じて転送され得、AMPCAP375-aを充電し得る。同様に、リファレンス信号は、ダミーデジット線316からカスコード330-bを通じて転送され得、AMPCAP375-bを充電し得る。
【0052】
信号が抽出された後、スイッチ336は、AMPCAP375及びセンスコンポーネント350を回路300の他のコンポーネントから絶縁するために非活性化され得る。センスコンポーネント350は、メモリセル305内に蓄積された論理状態(例えば、論理1又は論理0)を判定するために、(例えば、AMPCAP375内に蓄積された電荷に基づいて)抽出された信号をリファレンス信号とその後比較し得る。ダミーデジット線316において発現したリファレンス信号を、メモリセル305からの抽出された信号と比較することによって、センスコンポーネント350におけるセンスウィンドウに対するメモリセルの性能の変動の影響は低減され得る。また、カスコード330のゲートをバイアスすることに基づいて、センスコンポーネント350において比較される信号間の差は、他のセンシングスキームと比較して小さくなり得る。バイアスすることは、したがって、アクセス動作と関連付けられる電力消費を削減し得る。
【0053】
図4は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするタイミング
図400の一例を説明する。タイミング
図400は、メモリセルと関連付けられたセンシング動作を説明し得る。タイミング
図400は、センシング動作の実施を説明するために、
図3を参照して説明した回路300のコンポーネント及びノードと関連付けられた様々な電圧レベル(例えば、時間の関数としての電圧信号)を示す。また、表401は、タイミング
図400で識別される時間t0~t6におけるコンポーネントの状態を説明する。例えば、表401は、
図3を参照して説明した対応するデバイスの例であり得るワード線310及びスイッチ331~336の個別の状態を説明し得る。
図4で使用される時間及び電圧のスケールは、説明を目的としたものであり、幾つかの場合、特定の値を描写しないことがある。
【0054】
時間t0は、アクセス動作の前又は(複数の)アクセス動作の間等のアイドル期間に対応し得る。スイッチ336は活性化され得(表401ではオンとして表され得る)、スイッチ335は、リファレンス電圧VSAREF(例えば、2.2V)をリファレンスコンデンサと結合するために活性化され得る。スイッチ331及び332は、カスコードの電圧閾値を補償するために各カスコードのゲートを個別のバイアス電圧にバイアスするために活性化され得る。スイッチ333及び334並びにワード線310は、コンポーネントを絶縁するために非活性化され得る(表401ではオフとして表され得る)。
【0055】
幾つかの例では、アクセス動作は、(例えば、メモリコントローラ又はホストデバイスからの)コマンドに基づいて開始され得る。時間t1において、アクセス線は、アクセス動作の一部として、及び/又はコマンドの受信に基づいてプリチャージされ得る。スイッチ334は、(例えば、選択コンポーネントを通じた)デジット線315とダミーデジット線316とをプリチャージ電圧源345と結合するために活性化され得る。プリチャージ電圧源は、(例えば、デジット線の寄生容量内に電荷を蓄積することによる)デジット線とダミーデジット線とをプリチャージ電圧(例えば、1.5V)にプリチャージし得る。デジット線をプリチャージすることに基づいて、デジット線信号416は、0V(例えば、グランド電圧、仮想接地、又は相対的グランド)から電圧Vreadに増加し得る。デジット線信号416は、デジット線315又はダミーデジット線316上の信号を指し得る。
【0056】
プリチャージした後、各カスコードの個別の閾値電圧は、時間t2において開始してサンプリングされ得る。幾つかの例では、時間t2は、時間t1後に15ナノ秒(ns)発生し得る。スイッチ331は、バイアス電圧源370をカスコード330から絶縁するために非活性化され得る。センスコンポーネントにおける信号(例えば、第1のAMPCAP信号406及び第2のAMPCAP信号426)は、各々、電圧VHSAにあり得る。スイッチ333は、第1のカスコード330-aの第1のゲートが第1のカスコードを通じてデジット線315と結合され得、第2のカスコード330-bの第2のゲートが第2のカスコードを通じてダミーデジット線316と結合され得るように活性化され得る。デジット線315及びダミーデジット線316の電圧は、結合することに基づいて、カスコード330を通じた電圧と等しくされ得る。サンプリングが時間t3において終了すると、スイッチ334は、デジット線315及びダミーデジット線316をプリチャージ電圧源345から絶縁するために非活性化され得る。幾つかの例では、時間t3は、時間t2の後5ns発生し得る。
【0057】
デジット線及びダミーデジット線をプリチャージ電圧源から絶縁した後、メモリセル内に蓄積された電荷を抽出するために、時間t4において電荷共有が開始され得る。幾つかの例では、時間t4は、時間t3の後に1ns以下発生し得る。スイッチ332及び333は、デジット線315及びダミーデジット線316をカスコード330から絶縁するために非活性化され得る。スイッチ335は、リファレンスコンデンサをグランド電圧源と結合するために活性化され得る。幾つかの例では、グランド電圧源は、仮想接地され得、又はゼロ(0)Vの電圧を有し得る。ワード線310は、デジット線をメモリセル305と結合するために活性化され得る。ワード線310を活性化することは、ワード線信号411を励起された共通コレクタ電圧VCCPに増加させるために電圧を印加することを含み得る。デジット線315とメモリセル305との間の電荷共有は、メモリセル305内に蓄積された論理状態と関連付けられた信号をデジット線315へ転送することを可能にし得る。メモリセル305とデジット線315との間の電荷共有は、時間t4後のデジット線信号416の減少に反映される。
図400は、t4後の2つの別個のデジット線信号を説明している。論理“1”がメモリセル305上に蓄積された場合、デジット線信号の内の1つ(例えば、デジット線信号416-a)が発生する。論理“0”がメモリセル305上に蓄積された場合、デジット線信号の内の他の1つ(例えば、デジット線信号416-b)が発生する。同様に、信号の分割はまた、第1のAMPCAP信号406について説明されている。また、スイッチ331は、電荷共有中に活性化され得る。プレート線電圧421は、電荷共有の間、低く(例えば、0Vに又はその近くに)保たれ得、このことは、アクセス動作と関連付けられる電力消費を削減し得る。
【0058】
電荷共有後、時間t5において、論理状態と関連付けられた信号は、センスコンポーネント350においてセンシングされるために抽出され得る、幾つかの例では、時間t5は、時間t4の後15ns発生し得る。スイッチ331は、コンポーネントをバイアス電圧源370から絶縁するために非活性化され得る。スイッチ333は、デジット線315を第1のカスコード330-aと結合し、ダミーデジット線316を第2のカスコード330-bと結合するために活性化され得る。抽出された信号は、第1のカスコード330-aを通じたデジット線315と第1のAMPCAP375-aとの間で転送され得、このことは、第1のAMPCAP信号406の減少をもたらし得る。
図400は、t5後の2つの別個の第1のAMPCAPを説明する。論理“1”がメモリセル305上に蓄積された場合、第1のAMPCAP信号の内の1つ(例えば、第1のAMPCAP信号406-a)が発生する。論理“0”がメモリセル305上に蓄積された場合、第1のAMPCAP信号の内の他の1つ(例えば、第1のAMPCAP信号406-b)が発生する。同様に、リファレンス信号は、第2のカスコード330-bを通じたダミーデジット線316と第2のAMPCAP375-bとの間で転送され得、このことは、第2のAMPCAP信号426の減少をもたらし得る。時間t5と時間t6との間で、第1のAMPCAP信号406の発現は、第2のAMPCAP信号426の発現で追跡する。そうしたシチュエーションでは、そうした回路及び動作内のデータを読み出すためのセンスウィンドウは、センスコンポーネント350が活性化又は起動されるタイミングに対して、より堅牢であり得、感化されにくいことがある。追加的又は代替的に、静的リファレンス信号に基づいて第2のAMPCAP信号426を発現するために、コンポーネントの中でもとりわけ、ダミーデジット線316、カスコード330-b、及びAMPCAP375-bを使用することによって、メモリデバイスの経年劣化に伴って発生し得るメモリセルからの信号とリファレンス信号からの信号と間の変動の差は減少し得る。こうしたシチュエーションでは、メモリデバイスは、一種の差動動作を生成する回路を有し得、(メモリデバイスの経年変化に起因する)変化は、メモリセルからの信号とリファレンス信号からの信号の両方に同様の方法で影響を与え得る。
【0059】
信号が抽出された後、時間t6において、スイッチ336は、AMPCAP375及びセンスコンポーネント350を他のコンポーネント(例えば、カスコード、デジット線等)から絶縁するために非活性化され得る。センスコンポーネント350は、メモリセル305内に蓄積された論理状態(例えば、論理1又は論理0)を判定するために、(例えば、抽出された信号に基づく)第1のAMPCAP信号406を(例えば、リファレンス信号に基づく)第2のAMPCAP信号426とその後比較し得る。例えば、第1のAMPCAP信号406が第2のAMPCAP信号426よりも小さい場合、センスコンポーネントは、メモリセルが第1の論理状態(例えば、論理0又は論理1)を蓄積したと判定し得る。他方、第1のAMPCAP信号406が第2のAMPCAP信号426よりも大きい場合、センスコンポーネントは、メモリセルが第1の論理状態とは異なる第2の論理状態(例えば、論理1又は論理0)を蓄積したと判定し得る。
【0060】
ダミーデジット線316において発現したリファレンス信号とメモリセル305からの抽出された信号とに基づく信号を比較することによって、センスコンポーネント350におけるセンスウィンドウに対するメモリセル305の性能の変動の影響は低減され得る。また、カスコードのゲートをバイアスすることに基づいて、第1のAMPCAP信号406と第2のAMPCAP信号426との間の差は、他のセンシングスキームでのセンスコンポーネントにおける信号と比較して小さくなり得る。バイアスすることは、したがって、アクセス動作と関連付けられる電力消費を削減し得る。
【0061】
図5は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするメモリアレイ505のブロック
図500を示す。メモリアレイ505は、
図1~
図4を参照して説明したようなメモリアレイの態様の一例であり得る。メモリアレイ505は、第1のカスコードバイアスマネージャ510、第2のカスコードバイアスマネージャ515、メモリセル信号マネージャ520、リファレンス信号マネージャ525、センシングマネージャ530、プリチャージマネージャ535、第1のカスコード閾値マネージャ540、及び第2のカスコード閾値マネージャ545を含み得る。これらのモジュールの各々は、(例えば、1つ以上のバスを介して)直接的又は間接的に相互に通信し得る。
【0062】
第1のカスコードバイアスマネージャ510は、強誘電体メモリセルのアクセス動作の一部として、第1のカスコードの第1の閾値電圧を補償するために、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスし得、第1のカスコードは、強誘電体メモリセルと関連付けられたデジット線と結合される。
【0063】
第2のカスコードバイアスマネージャ515は、第2のカスコードの第2の閾値電圧を補償するために、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスし得、第2のカスコードは、アクセス動作中にリファレンス信号を提供するための電圧源と結合される。
【0064】
メモリセル信号マネージャ520は、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、強誘電体メモリセルと関連付けられた第3の電圧を第1のコンデンサへ第1のカスコードを通じて転送し得る。幾つかの例では、メモリセル信号マネージャ520は、強誘電体メモリセルをデジット線と結合させるためにワード線を選択し得る。幾つかの例では、メモリセル信号マネージャ520は、ワード線を選択することに基づいて、強誘電体メモリセルと第1のコンデンサとの間の電荷共有を開始し得、第3の電圧を第1のコンデンサへ転送することは電荷共有に基づく。
【0065】
幾つかの例では、メモリセル信号マネージャ520は、トランジスタを使用して、ワード線を選択することに基づいて、第2のカスコードを電圧源から絶縁し得る。幾つかの例では、メモリセル信号マネージャ520は、トランジスタを使用して、ワード線を選択する前に、第1のカスコードをデジット線から絶縁し得る。幾つかの例では、メモリセル信号マネージャ520は、トランジスタを使用して、ワード線を選択した後、電荷共有を開始することに基づいて、第1のカスコードをデジット線と結合し得る。
【0066】
リファレンス信号マネージャ525は、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、リファレンス信号と関連付けられた第4の電圧を第2のコンデンサへ第2のカスコードを通じて転送し得る。
【0067】
センシングマネージャ530は、第1のコンデンサへ転送された第3の電圧と第2のコンデンサへ転送された第4の電圧とに基づいて、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定し得る。幾つかの例では、センシングマネージャ530は、第1のトランジスタを使用して、第1のコンデンサを第1のカスコードから絶縁し得る。幾つかの例では、センシングマネージャ530は、第2のトランジスタを使用して、第2のコンデンサを第2のカスコードから絶縁し得る。幾つかの例では、センシングマネージャ530は、第1のコンデンサ及び第2のコンデンサを絶縁した後、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態をセンシングするように構成されたセンスコンポーネントを活性化し得る。幾つかの例では、センシングマネージャ530は、センスコンポーネントを使用して、第1のコンデンサへ転送された第3の電圧と第2のコンデンサへ転送された第4の電圧とを比較し得る。幾つかの場合、センスコンポーネントはラッチを含み得る。
【0068】
プリチャージマネージャ535は、アクセス動作の一部として、デジット線とリファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージし得、第1のカスコードの第1のゲートをバイアスすること、及び第2のカスコードの第2のゲートをバイアスすることは、デジット線及びダミーデジット線をプリチャージすることに基づく。幾つかの例では、プリチャージマネージャ535は、プリチャージ電圧源をデジット線及びダミーデジット線と結合するために、トランジスタのセットを活性化し得る。幾つかの例では、プリチャージマネージャ535は、トランジスタを使用して、プリチャージ動作の少なくとも一部分の間、第1のカスコードの第1のゲートをデジット線から絶縁し得る。幾つかの例では、プリチャージマネージャ535は、1つ以上のトランジスタを使用して、トランジスタを使用して第1のゲートをデジット線から絶縁することに基づいて、第1のゲートをバイアスするために第1のカスコードの第1のゲートを第2の電圧源に結合し得る。幾つかの場合、ダミーデジット線は、ミミックコンデンサを含み得る。
【0069】
第1のカスコード閾値マネージャ540は、第1の電圧閾値と関連付けられた第1の電荷を、第1のカスコードの第1のゲートと結合された第1のゲートコンデンサ内に蓄積し得、第1の電圧閾値を補償することは、第1の電荷を蓄積することに基づく。
【0070】
第2のカスコード閾値マネージャ545は、第2の電圧閾値と関連付けられた第2の電荷を、第2のカスコードの第2のゲートと結合された第2のゲートコンデンサ内に蓄積し得、第2の電圧閾値を補償することは、第2の電荷を蓄積することに基づく。
【0071】
図6は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートする1つ以上の方法600を説明するフローチャートを示す。方法600の動作は、本明細書に説明されるように、メモリアレイ又はそのコンポーネントによって実装され得る。例えば、方法600の動作は、
図5を参照して説明したように、メモリアレイによって実施され得る。幾つかの例では、メモリアレイは、説明する機能を実施するためにメモリアレイの機能的要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的又は代替的に、メモリアレイは、特別な目的のハードウェアを使用して、説明する機能の態様を実施し得る。
【0072】
605において、メモリアレイは、強誘電体メモリセルのアクセス動作の一部として、第1のカスコードの第1の閾値電圧を補償するために、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスし得、第1のカスコードは、強誘電体メモリセルと関連付けられたデジット線と結合される。605の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、605の動作の態様は、
図5を参照して説明したような第1のカスコードバイアスマネージャによって実施され得る。
【0073】
610において、メモリアレイは、第2のカスコードの第2の閾値電圧を補償するために、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスし得、第2のカスコードは、アクセス動作中にリファレンス信号を提供するための電圧源と結合される。610の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、610の動作の態様は、
図5を参照して説明したような第2のカスコードバイアスマネージャによって実施され得る。
【0074】
615において、メモリアレイは、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、強誘電体メモリセルと関連付けられた第3の電圧を第1のコンデンサへ第1のカスコードを通じて転送し得る。615の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、615の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなメモリセル信号マネージャによって実施され得る。
【0075】
620において、メモリアレイは、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、リファレンス信号と関連付けられた第4の電圧を第2のコンデンサへ第2のカスコードを通じて転送し得る。620の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、620の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなリファレンス信号マネージャによって実施され得る。
【0076】
625において、メモリアレイは、第1のコンデンサへ転送された第3の電圧と第2のコンデンサへ転送された第4の電圧とに基づいて、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定し得る。625の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、625の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなセンシングマネージャによって実施され得る。
【0077】
幾つかの例では、本明細書に説明するような装置は、方法600等の1つ以上の方法を実施し得る。装置は、強誘電体メモリセルのアクセス動作の一部として、第1のカスコードの第1の閾値電圧を補償するために、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることであって、第1のカスコードは、強誘電体メモリセルと関連付けられたデジット線と結合されることと、第2のカスコードの第2の閾値電圧を補償するために、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることであって、第2のカスコードは、アクセス動作中にリファレンス信号を提供するための電圧源と結合されることと、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、強誘電体メモリセルと関連付けられた第3の電圧を第1のコンデンサへ第1のカスコードを通じて転送することと、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、リファレンス信号と関連付けられた第4の電圧を第2のコンデンサへ第2のカスコードを通じて転送することと、第1のコンデンサへ転送された第3の電圧と第2のコンデンサへ転送された第4の電圧とに基づいて、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定することのための機構(例えば、装置に1つ以上の方法を実施させるように動作可能なコントローラ、プロセッサ等)、手段、又は命令(例えば、プロセッサにより実行可能な命令を蓄積する非一時的コンピュータ可読媒体)を含み得る。
【0078】
本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例は、アクセス動作の一部として、デジット線とリファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージすることであって、第1のカスコードの第1のゲートをバイアスすること、及び第2のカスコードの第2のゲートをバイアスすることは、デジット線及びダミーデジット線をプリチャージすることに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例では、デジット線及びダミーデジット線をプリチャージすることは、プリチャージ電圧源をデジット線及びダミーデジット線と結合するためにトランジスタのセットを活性化するための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0079】
本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例は、トランジスタを使用して、プリチャージ動作の少なくとも一部分の間、第1のカスコードの第1のゲートをデジット線から絶縁することと、1つ以上のトランジスタを使用して、トランジスタを使用して第1のゲートをデジット線から絶縁することに基づいて、第1のゲートをバイアスするために第1のカスコードの第1のゲートを第2の電圧源に結合することとのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例では、ダミーデジット線は第3のコンデンサを含む。
【0080】
本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例は、第1のトランジスタを使用して、第1のコンデンサを第1のカスコードから絶縁することと、第2のトランジスタを使用して、第2のトランジスタを第2のカスコードから絶縁することと、第1のコンデンサ及び第2のコンデンサを絶縁した後、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態をセンシングするように構成されたセンスコンポーネントを活性化することであって、論理状態を判定することは、センスコンポーネントを活性化することに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例は、センスコンポーネントを使用して、第1のコンデンサへ転送された第3の電圧と第2のコンデンサへ転送された第4の電圧とを比較することであって、論理状態を判定することは、第3の電圧と第4の電圧とを比較することに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例では、センスコンポーネントはラッチを含む。
【0081】
本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例は、第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、第1のカスコードの第1のゲートと結合された第1のゲートコンデンサ内に第1の閾値電圧と関連付けられた第1の電荷を蓄積することであって、第1の閾値電圧を補償することは、第1の電荷を蓄積することに基づき得ることと、第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、第2のカスコードの第2のゲートと結合された第2のゲートコンデンサ内に第2の閾値電圧と関連付けられた第2の電荷を蓄積することであって、第2の閾値電圧を補償することは、第2の電荷を蓄積することに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例は、強誘電体メモリセルをデジット線と結合するためにワード線にバイアスすることと、ワード線をバイアスすることに基づいて、強誘電体メモリセルと第1のコンデンサとの間で電荷共有を開始することであって、第3の電圧を第1のコンデンサへ転送することは、電荷共有を開始することに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0082】
本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例は、トランジスタを使用して、ワード線をバイアスすることに基づいて第2のカスコードを電圧源から絶縁することであって、電荷共有を開始することは、トランジスタを絶縁することに基づき得ることのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。本明細書に説明する方法600及び装置の幾つかの例は、トランジスタを使用して、ワード線をバイアスする前に第1のカスコードをデジット線から絶縁することと、トランジスタを使用して、ワード線をバイアスした後、電荷共有を開始することに基づいて、第1のカスコードをデジット線と結合することのための動作、機構、手段、又は命令を更に含み得る。
【0083】
図7は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートする1つ以上の方法700を説明するフローチャートを示す。方法700の動作は、本明細書で説明するように、メモリアレイ又はそのコンポーネントによって実装され得る。例えば、方法700の動作は、
図5を参照して説明したように、メモリアレイによって実施され得る。幾つかの例では、メモリアレイは、説明する機能を実施するためにメモリアレイの機能的要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的又は代替的に、メモリアレイは、特別な目的のハードウェアを使用して、説明する機能の態様を実施し得る。
【0084】
705において、メモリアレイは、アクセス動作の一部として、デジット線とリファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージし得る。705の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、705の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなプリチャージマネージャによって実施され得る。
【0085】
710において、メモリアレイは、強誘電体メモリセルのアクセス動作の一部として、第1のカスコードの第1の閾値電圧を補償するために、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスし得、第1のカスコードは、強誘電体メモリセルと関連付けられたデジット線と結合され、第1のカスコードの第1のゲートをバイアスすることは、デジット線及びダミーデジット線をプリチャージすることに基づく。710の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、710の動作の態様は、
図5を参照して説明したような第1のカスコードバイアスマネージャによって実施され得る。
【0086】
715において、メモリアレイは、第2のカスコードの第2の閾値電圧を補償するために、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスし得、第2のカスコードは、アクセス動作中にリファレンス信号を提供するための電圧源と結合され、第2のカスコードの第2のゲートをバイアスすることは、デジット線及びダミーデジット線をプリチャージすることに基づく。715の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、715の動作の態様は、
図5を参照して説明したような第2のカスコードバイアスマネージャによって実施され得る。
【0087】
720において、メモリアレイは、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、強誘電体メモリセルと関連付けられた第3の電圧を第1のコンデンサへ第1のカスコードを通じて転送し得る。720の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、720の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなメモリセル信号マネージャによって実施され得る。
【0088】
725において、メモリアレイは、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、リファレンス信号と関連付けられた第4の電圧を第2のコンデンサへ第2のカスコードを通じて転送し得る。725の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、725の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなリファレンス信号マネージャによって実施され得る。
【0089】
730において、メモリアレイは、第1のコンデンサへ転送された第3の電圧と第2のコンデンサへ転送された第4の電圧とに基づいて、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定し得る。730の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、730の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなセンシングマネージャによって実施され得る。
【0090】
図8は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートする1つ以上の方法800を説明するフローチャートを示す。方法800の動作は、本明細書に説明するように、メモリアレイ又はそのコンポーネントによって実装され得る。例えば、方法800の動作は、
図5を参照して説明したように、メモリアレイによって実施され得る。幾つかの例では、メモリアレイは、説明する機能を実施するためにメモリアレイの機能的要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的又は代替的に、メモリアレイは、特別な目的のハードウェアを使用して、説明する機能の態様を実施し得る。
【0091】
805において、メモリアレイは、強誘電体メモリセルのアクセス動作の一部として、第1のカスコードの第1の閾値電圧を補償するために、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスし得、第1のカスコードは、強誘電体メモリセルと関連付けられたデジット線と結合される。805の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、805の動作の態様は、
図5を参照して説明したような第1のカスコードバイアスマネージャによって実施され得る。
【0092】
810において、メモリアレイは、第2のカスコードの第2の閾値電圧を補償するために、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスし得、第2のカスコードは、アクセス動作中にリファレンス信号を提供するための電圧源と結合される。810の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、810の動作の態様は、
図5を参照して説明したような第2のカスコードバイアスマネージャによって実施され得る。
【0093】
815において、メモリアレイは、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、強誘電体メモリセルと関連付けられた第3の電圧を第1のコンデンサへ第1のカスコードを通じて転送し得る。815の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、815の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなメモリセル信号マネージャによって実施され得る。
【0094】
820において、メモリアレイは、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、リファレンス信号と関連付けられた第4の電圧を第2のコンデンサへ第2のカスコードを通じて転送し得る。820の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、820の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなリファレンス信号マネージャによって実施され得る。
【0095】
825において、メモリアレイは、第1のトランジスタを使用して、第1のコンデンサを第1のカスコードから絶縁し得る。825の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、825の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなセンシングマネージャによって実施され得る。
【0096】
830において、メモリアレイは、第2のトランジスタを使用して、第2のコンデンサを第2のカスコードから絶縁し得る。830の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、830の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなセンシングマネージャによって実施され得る。
【0097】
835において、メモリアレイは、第1のコンデンサ及び第2のコンデンサを絶縁した後、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態をセンシングするように構成されたセンスコンポーネントを活性化し得る。835の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、835の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなセンシングマネージャによって実施され得る。
【0098】
840において、メモリアレイは、第1のコンデンサへ転送された第3の電圧と第2のコンデンサへ転送された第4の電圧とに基づいて、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定し得る。840の動作は、本明細書に説明する方法に従って実施され得る。幾つかの例では、840の動作の態様は、
図5を参照して説明したようなセンシングマネージャによって実施され得る。
【0099】
本明細書に説明する方法は可能な実装であること、動作及びステップは再配置され得又は他の方法で修正され得ること、並びに他の実装が可能であることに留意すべきである。更に、方法の内の2つ以上からの部分は組み合わされ得る。
【0100】
装置が説明される。装置は、強誘電体メモリセルと、強誘電体メモリセルと選択的に結合可能な第1のカスコードと、第1のカスコードと結合され、第1のカスコードを通じて強誘電体メモリセルから第1の電圧を受け取るように動作可能な第1のコンデンサと、リファレンス信号を提供するように動作可能な電圧源と、電圧源と選択的に結合可能な第2のカスコードと、第2のカスコードと結合され、第2のカスコードを通じて電圧源から第2の電圧を受け取るように動作可能な第2のコンデンサと、第1のコンデンサ及び第2のコンデンサと結合され、第1のコンデンサにより受け取られた第1の電圧と第2のコンデンサにより受け取られた第2の電圧とに基づいて強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態を判定するように動作可能なセンスコンポーネントとを含み得る。
【0101】
装置の幾つかの例は、強誘電体メモリセル及び第1のカスコードと選択的に結合可能なデジット線を含み得る。装置の幾つかの例は、デジット線とリファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージするように動作可能なプリチャージ電圧源と、プリチャージ電圧源をデジット線及びダミーデジット線と結合するように動作可能なトランジスタのセットとを含み得る。
【0102】
装置の幾つかの例は、プリチャージ動作の少なくとも一部分の間に第1のカスコードの第1のゲートをデジット線から絶縁するように動作可能なトランジスタと、トランジスタを使用して第1のゲートをデジット線から絶縁することに基づいて、第1のゲートをバイアスするために第1のカスコードの第1のゲートを第2の電圧源に結合するように動作可能な1つ以上のトランジスタとを含み得る。幾つかの例では、ダミーデジット線は第3のコンデンサを含む。
【0103】
装置の幾つかの例は、第1のコンデンサを第1のカスコードから絶縁するように動作可能な第1のトランジスタと、第2のコンデンサを第2のカスコードから絶縁するように動作可能な第2のトランジスタであって、センスコンポーネントは、第1のコンデンサ及び第2のコンデンサを絶縁した後、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態をセンシングするように動作可能であり得る、第2のトランジスタとを含み得る。装置の幾つかの例は、第2のカスコードを電圧源から絶縁するように動作可能なトランジスタを含み得る。
【0104】
幾つかの例では、第1のカスコードの第1の閾値電圧は、第1の電圧が第1のカスコードを通じて転送され得る前に補償され得、第2のカスコードの第2の閾値電圧は、第2の電圧が第2のカスコードを通じて転送され得る前に補償され得る。装置の幾つかの例は、第1のカスコードの第1のゲートと結合され、第1の閾値電圧と関連付けられた第3の電圧を蓄積するように動作可能な第1のゲートコンデンサであって、第1の閾値電圧を補償することは、第3の電圧を蓄積することに基づき得る、第1のゲートコンデンサと、第2のカスコードの第2のゲートと結合され、第2の閾値電圧と関連付けられた第4の電圧を蓄積するように動作可能な第2のゲートコンデンサであって、第2の閾値電圧を補償することは、第4の電圧を蓄積することに基づき得る、第2のゲートコンデンサとを含み得る。
【0105】
装置が説明される。装置は、強誘電体メモリセルのアレイと、強誘電体メモリセルのアレイと結合され、第2のカスコードの第2の閾値電圧を補償するために第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることであって、第2のカスコードは、アクセス動作中にリファレンス信号を提供するための電圧源と結合されることと、第1のカスコードの第1のゲートを第1の電圧にバイアスすることに基づいて、強誘電体メモリセルと関連付けられた第3の電圧を第1のコンデンサへ第1のカスコードを通じて転送することと、第2のカスコードの第2のゲートを第2の電圧にバイアスすることに基づいて、リファレンス信号と関連付けられた第4の電圧を第2のコンデンサへ第2のカスコードを通じて転送することと、第1のコンデンサへ転送された第3の電圧と第2のコンデンサへ転送された第4の電圧とに基づいて、強誘電体メモリにより蓄積された論理状態を判定することを装置にさせるように動作可能なコントローラとを含み得る。
【0106】
幾つかの例は、アクセス動作の一部として、デジット線とリファレンス信号と関連付けられたダミーデジット線とをプリチャージ電圧にプリチャージすることであって、第1のカスコードの第1のゲートをバイアスすること、及び第2のカスコードの第2のゲートをバイアスすることは、デジット線及びダミーデジット線をプリチャージすることに基づき得ることを更に含み得る。幾つかの例は、プリチャージ電圧源をデジット線及びダミーデジット線と結合するためにトランジスタのセットを活性化することを更に含み得る。
【0107】
幾つかの例は、第1のトランジスタを使用して、第1のコンデンサを第1のカスコードから絶縁することと、第2のトランジスタを使用して、第2のコンデンサを第2のカスコードから絶縁することと、第1のコンデンサ及び第2のコンデンサを絶縁した後に、強誘電体メモリセルにより蓄積された論理状態をセンシングするように構成されたセンスコンポーネントを活性化することであって、論理状態を判定することは、センスコンポーネントを活性化することに基づき得ることを更に含み得る。
【0108】
本明細書に説明する情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法の内の何れかを使用して表され得る。例えば、上述の説明全体通じて言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光粒子、又はそれらの任意の組み合わせにより表され得る。幾つかの図面は、(複数の)信号を単一の信号として説明し得るが、バスが様々なビット幅を有し得る場合に、信号が信号のバスを表し得ることは、当業者により理解されるであろう。
【0109】
用語“電子通信”、“導電的に接触”、“接続される”、及び“結合される”は、コンポーネント間の信号の流れをサポートするコンポーネント間の関係を指し得る。コンポーネント間の信号の流れを何時でもサポートし得る何らかの導電経路がコンポーネント間にある場合、コンポーネントは、相互に電子通信する(又は導電的に接触する、又は接続される、又は結合される)とみなされる。任意の所与の時間において、相互に電子通信する(又は導電的に接触する、又は接続される、又は結合される)コンポーネント間の導電経路は、接続されるコンポーネントを含むデバイスの動作に基づいて開回路又は閉回路であり得る。接続されるコンポーネント間の導電経路は、コンポーネント間の直接の導電経路であり得、又は接続されるコンポーネント間の導電経路は、スイッチ、トランジスタ、若しくはその他のコンポーネント等の介在コンポーネントを含み得る間接的な導電経路であり得る。幾つかの場合、接続されるコンポーネント間の信号の流れは、例えば、スイッチ又はトランジスタ等の1つ以上の介在コンポーネントを使用して一時的に中断され得る。
【0110】
用語“結合する”は、信号が導電経路を越えてコンポーネント間で通信することが現在可能ではないコンポーネント間の開回路の関係から、信号が導電経路を越えてコンポーネント間で通信することが可能であるコンポーネント間の閉回路の関係へ移行する状態を指す。コントローラ等のコンポーネントが他のコンポーネントを相互に結合する場合、該コンポーネントは、信号の流れを以前は許さなかった導電経路を越えて、他のコンポーネント間を信号が流れることを可能にする変化を開始する。
【0111】
用語“絶縁される”は、信号がコンポーネント間を現在流れることができないコンポーネント間の関係を指す。コンポーネント間に開回路がある場合、コンポーネントは相互に絶縁される。例えば、コンポーネント間に位置付けられたスイッチによって分離された2つのコンポーネントは、スイッチが開放されている場合に相互に絶縁される。コントローラが2つのコンポーネントを絶縁する場合、コントローラは、信号の流れを以前は許可していた導電経路を使用して信号がコンポーネント間を流れることを防止する変更に影響を与える。
【0112】
メモリアレイを含む本明細書で論じるデバイスは、シリコン、ゲルマニウム、シリコン-ゲルマニウム合金、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム等の半導体基板上で形成され得る。幾つかの場合、該基板は半導体ウエハである。その他の場合、該基板は、シリコンオングラス(SOG)若しくはシリコンオンサファイア(SOP)等のシリコンオンインシュレータ(SOI)基板、又は別の基板上の半導体材料のエピタキシャル層であり得る。基板又は基板のサブ領域の導電性は、リン、ホウ素、又はヒ素を含むがそれらに限定されない様々な化学種を使用したドーピングを通じて制御され得る。ドーピングは、イオン注入により、又は任意のその他のドーピング手段により、基板の初期の形成又は成長の間に実施され得る。
【0113】
本明細書で論じるスイッチングコンポーネント又はトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)を表し得、ソース、ドレイン、及びゲートを含む3端子デバイスを含み得る。端子は、導電性材料、例えば、金属を通じて他の電子素子に接続され得る。ソース及びドレインは、導電性であり得、高濃度にドープされた、例えば、縮退した、半導体領域を含み得る。ソース及びドレインは、低濃度にドープされた半導体領域又はチャネルによって分離され得る。チャネルがn型(すなわち、主たるキャリアが電子)である場合、該FETはn型FETと称され得る。チャネルがp型(すなわち、主たるキャリアがホール)である場合、該FETはp型FETと称され得る。チャネルは、絶縁ゲート酸化物によって覆われ得る。チャネルの導電性は、ゲートに電圧を印加することによって制御され得る。例えば、正の電圧又は負の電圧をn型FET又はp型FETに夫々印加することは、チャネルが導電性になることをもたらし得る。トランジスタの閾値電圧以上の電圧がトランジスタのゲートに印加された場合、トランジスタは“オン”に又は“活性化”され得る。トランジスタの閾値電圧未満の電圧がトランジスタのゲートに印加された場合、トランジスタは“オフ”に又は“非活性化”され得る。
【0114】
添付の図面に関連して本明細書に記載される説明は、例示的構成を説明し、実装され得る又は請求項の範囲内にある全ての例を表さない。本明細書で使用される用語“例示的”は、“好適”又は“その他の例よりも有利”ではなく“一例、実例、又は説明として役立つこと”を意味する。詳細な説明は、説明される技術の理解を提供するための具体的詳細を含む。これらの技術は、しかしながら、これらの具体的詳細なしに実践され得る。幾つかの実例では、説明する例の内容を不明確にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスはブロック図の形式で示される。
【0115】
添付の図では、同様のコンポーネント又は機構は、同じ参照ラベルを有し得る。更に、同じタイプの様々なコンポーネントは、参照ラベルに続いてダッシュと、同様のコンポーネントの間で区別する第2のラベルを付すことにより区別され得る。明細書において第1の参照ラベルのみが使用される場合、説明は、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する同様のコンポーネントの内の何れか1つに適用可能である。
【0116】
本明細書に説明する情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法の内の何れかを使用して表され得る。例えば、上述の説明全体通じて言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光粒子、又はそれらの任意の組み合わせにより表され得る。
【0117】
本明細書の開示と関連して説明する様々な説明ブロック及びモジュールは、本明細書で説明する機能を実施するように設計された汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA若しくはその他のプログラミング可能論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実施され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代わりに、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシーンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意のその他のこうした構成)として実装され得る。
【0118】
本明細書に説明する機能は、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。プロセッサにより実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして蓄積され得、又は送信され得る。その他の例及び実装は、本開示及び添付の請求項の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質に起因して、上で説明した機能は、プロセッサにより実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、配線、又はこれらの任意の組み合わせを使用して実装され得る。機能を実装する機構はまた、機能の(複数の)部分が異なる物理的場所において実装されるように分散されることを含む、様々な位置に物理的に設置され得る。また、請求項を含む本明細書で使用するとき、項目のリスト(例えば、“少なくとも1つの”又は“の内の1つ以上”等の句により前置きされる項目のリスト)に使用されるような“又は”は、例えば、A、B、又はCの内の少なくとも1つのリストがA又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、A及びB及びC)を意味するように包含的リストを指し示す。また、本明細書で使用するとき、句“基づいて”は、条件の閉集合への言及として解釈されないであろう。例えば、“条件Aに基づいて”として説明される例示的ステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づき得る。言い換えれば、本明細書で使用するとき、句“基づいて”は、句“少なくとも部分的に基づいて“と同じ方法で解釈されるであろう。
【0119】
本明細書の説明は、当業者が開示を製作又は使用可能なように提供される。開示への様々な修正は当業者に分かるであろうし、本明細書で定義される包括的な原理は開示の範囲を逸脱することなくその他の変形に適用され得る。したがって、開示は、本明細書に説明した例及び設計に限定されず、本明細書に開示した原理及び新規の機構と一致する最も広い範囲に一致する。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
[クロスリファレンス]
本特許出願は、2021年1月6日に出願された“LOW VOLTAGE FERROELECTRIC MEMORY CELL SENSING”と題するVimercatiによる国際特許出願番号PCT/US2021/012300の国内段階の出願であり、それは、2020年1月17日に出願された“LOW VOLTAGE FERROELECTRIC MEMORY CELL SENSING”と題するVimercatiによる米国特許出願第16/746,626の優先権を主張するものであり、それぞれは、本明細書の譲受人に譲渡され、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図4は、本明細書に開示するような例に従った低電圧強誘電体メモリセルのセンシングをサポートするタイミング
図400の一例を説明する。タイミング
図400は、メモリセルと関連付けられたセンシング動作を説明し得る。タイミング
図400は、センシング動作の実施を説明するために、
図3を参照して説明した回路300のコンポーネント及びノードと関連付けられた様々な電圧レベル(例えば、時間の関数としての電圧信号)を示す。また、表401は、タイミング
図400で識別される時間t0~t6におけるコンポーネントの状態を説明する。例えば、表401は、
図3を参照して説明した対応するデバイスの例であり得るワード線
410及びスイッチ
431~
436の個別の状態を説明し得る。
図4で使用される時間及び電圧のスケールは、説明を目的としたものであり、幾つかの場合、特定の値を描写しないことがある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
時間t0は、アクセス動作の前又は(複数の)アクセス動作の間等のアイドル期間に対応し得る。スイッチ436は活性化され得(表401ではオンとして表され得る)、スイッチ435は、リファレンス電圧VSAREF(例えば、2.2V)をリファレンスコンデンサと結合するために活性化され得る。スイッチ431及び432は、カスコードの電圧閾値を補償するために各カスコードのゲートを個別のバイアス電圧にバイアスするために活性化され得る。スイッチ433及び434並びにワード線410は、コンポーネントを絶縁するために非活性化され得る(表401ではオフとして表され得る)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
幾つかの例では、アクセス動作は、(例えば、メモリコントローラ又はホストデバイスからの)コマンドに基づいて開始され得る。時間t1において、アクセス線は、アクセス動作の一部として、及び/又はコマンドの受信に基づいてプリチャージされ得る。スイッチ434は、(例えば、選択コンポーネントを通じた)デジット線315とダミーデジット線316とをプリチャージ電圧源345と結合するために活性化され得る。プリチャージ電圧源は、(例えば、デジット線の寄生容量内に電荷を蓄積することによる)デジット線とダミーデジット線とをプリチャージ電圧(例えば、1.5V)にプリチャージし得る。デジット線をプリチャージすることに基づいて、デジット線信号416は、0V(例えば、グランド電圧、仮想接地、又は相対的グランド)から電圧Vreadに増加し得る。デジット線信号416は、デジット線315又はダミーデジット線316上の信号を指し得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
プリチャージした後、各カスコードの個別の閾値電圧は、時間t2において開始してサンプリングされ得る。幾つかの例では、時間t2は、時間t1後に15ナノ秒(ns)発生し得る。スイッチ431は、バイアス電圧源370をカスコード330から絶縁するために非活性化され得る。センスコンポーネントにおける信号(例えば、第1のAMPCAP信号406及び第2のAMPCAP信号426)は、各々、電圧VHSAにあり得る。スイッチ433は、第1のカスコード330-aの第1のゲートが第1のカスコードを通じてデジット線315と結合され得、第2のカスコード330-bの第2のゲートが第2のカスコードを通じてダミーデジット線316と結合され得るように活性化され得る。デジット線315及びダミーデジット線316の電圧は、結合することに基づいて、カスコード330を通じた電圧と等しくされ得る。サンプリングが時間t3において終了すると、スイッチ434は、デジット線315及びダミーデジット線316をプリチャージ電圧源345から絶縁するために非活性化され得る。幾つかの例では、時間t3は、時間t2の後5ns発生し得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
デジット線及びダミーデジット線をプリチャージ電圧源から絶縁した後、メモリセル内に蓄積された電荷を抽出するために、時間t4において電荷共有が開始され得る。幾つかの例では、時間t4は、時間t3の後に1ns以下発生し得る。スイッチ
432及び
433は、デジット線315及びダミーデジット線316をカスコード330から絶縁するために非活性化され得る。スイッチ
435は、リファレンスコンデンサをグランド電圧源と結合するために活性化され得る。幾つかの例では、グランド電圧源は、仮想接地され得、又はゼロ(0)Vの電圧を有し得る。ワード線
410は、デジット線をメモリセル305と結合するために活性化され得る。ワード線
410を活性化することは、ワード線信号411を励起された共通コレクタ電圧VCCPに増加させるために電圧を印加することを含み得る。デジット線315とメモリセル305との間の電荷共有は、メモリセル305内に蓄積された論理状態と関連付けられた信号をデジット線315へ転送することを可能にし得る。メモリセル305とデジット線315との間の電荷共有は、時間t4後のデジット線信号416の減少に反映される。
図400は、t4後の2つの別個のデジット線信号を説明している。論理“1”がメモリセル305上に蓄積された場合、デジット線信号の内の1つ(例えば、デジット線信号416-a)が発生する。論理“0”がメモリセル305上に蓄積された場合、デジット線信号の内の他の1つ(例えば、デジット線信号416-b)が発生する。同様に、信号の分割はまた、第1のAMPCAP信号406について説明されている。また、スイッチ
431は、電荷共有中に活性化され得る。プレート線電圧421は、電荷共有の間、低く(例えば、0Vに又はその近くに)保たれ得、このことは、アクセス動作と関連付けられる電力消費を削減し得る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
電荷共有後、時間t5において、論理状態と関連付けられた信号は、センスコンポーネント350においてセンシングされるために抽出され得る、幾つかの例では、時間t5は、時間t4の後15ns発生し得る。スイッチ
431は、コンポーネントをバイアス電圧源370から絶縁するために非活性化され得る。スイッチ
433は、デジット線315を第1のカスコード330-aと結合し、ダミーデジット線316を第2のカスコード330-bと結合するために活性化され得る。抽出された信号は、第1のカスコード330-aを通じたデジット線315と第1のAMPCAP375-aとの間で転送され得、このことは、第1のAMPCAP信号406の減少をもたらし得る。
図400は、t5後の2つの別個の第1のAMPCAPを説明する。論理“1”がメモリセル305上に蓄積された場合、第1のAMPCAP信号の内の1つ(例えば、第1のAMPCAP信号406-a)が発生する。論理“0”がメモリセル305上に蓄積された場合、第1のAMPCAP信号の内の他の1つ(例えば、第1のAMPCAP信号406-b)が発生する。同様に、リファレンス信号は、第2のカスコード330-bを通じたダミーデジット線316と第2のAMPCAP375-bとの間で転送され得、このことは、第2のAMPCAP信号426の減少をもたらし得る。時間t5と時間t6との間で、第1のAMPCAP信号406の発現は、第2のAMPCAP信号426の発現で追跡する。そうしたシチュエーションでは、そうした回路及び動作内のデータを読み出すためのセンスウィンドウは、センスコンポーネント350が活性化又は起動されるタイミングに対して、より堅牢であり得、感化されにくいことがある。追加的又は代替的に、静的リファレンス信号に基づいて第2のAMPCAP信号426を発現するために、コンポーネントの中でもとりわけ、ダミーデジット線316、カスコード330-b、及びAMPCAP375-bを使用することによって、メモリデバイスの経年劣化に伴って発生し得るメモリセルからの信号とリファレンス信号からの信号と間の変動の差は減少し得る。こうしたシチュエーションでは、メモリデバイスは、一種の差動動作を生成する回路を有し得、(メモリデバイスの経年変化に起因する)変化は、メモリセルからの信号とリファレンス信号からの信号の両方に同様の方法で影響を与え得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
信号が抽出された後、時間t6において、スイッチ436は、AMPCAP375及びセンスコンポーネント350を他のコンポーネント(例えば、カスコード、デジット線等)から絶縁するために非活性化され得る。センスコンポーネント350は、メモリセル305内に蓄積された論理状態(例えば、論理1又は論理0)を判定するために、(例えば、抽出された信号に基づく)第1のAMPCAP信号406を(例えば、リファレンス信号に基づく)第2のAMPCAP信号426とその後比較し得る。例えば、第1のAMPCAP信号406が第2のAMPCAP信号426よりも小さい場合、センスコンポーネントは、メモリセルが第1の論理状態(例えば、論理0又は論理1)を蓄積したと判定し得る。他方、第1のAMPCAP信号406が第2のAMPCAP信号426よりも大きい場合、センスコンポーネントは、メモリセルが第1の論理状態とは異なる第2の論理状態(例えば、論理1又は論理0)を蓄積したと判定し得る。
【国際調査報告】