(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】運搬システム用屈折可能シャフト
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543560
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 US2021013082
(87)【国際公開番号】W WO2021146194
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ナーセル・ウィリアム・サレハ
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァトーレ・マンゼラ・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】サロモン・グザヴィエ・ヴァレンシア
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC04
4C097SB01
(57)【要約】
本開示は概して、屈折可能な細長いシャフトを含む運搬システム用のシステム、デバイス、および方法に関する。運搬システムは、細長いシャフトの長さに沿って延びる引張テザーを含み、遠位部、近接部および中間部を有する屈折可能な細長いシャフトを含んでもよく、引張テザーの遠位部は、引張テザーの中間部が第1の一式の双方向切れ目または第2の一式の双方向切れ目に向けて可変に移動してもよいように、細長いシャフトの一部に結合されている。引張テザーは、ハイポチューブを屈折させるように引っ張られるように構成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さを有し、
インプラントを保持するためのインプラント保持領域と、
細長いシャフトの長さに沿って延び、近接部および遠位部を有し、ハイポチューブの第1の側部に沿って長手方向に並べられた第1の一式の双方向切れ目および前記第1の側部と反対であるハイポチューブの第2の側部に沿って長手方向に並べられた第2の一式の双方向切れ目と、前記第1の一式の双方向切れ目と前記第2の一式の双方向切れ目の間でハイポチューブの対向側部にそれぞれ位置決めされた2つの長手方向に延びる脊椎様部材とを含むハイポチューブと、
細長いシャフトの長さに沿って延びる、遠位部、近接部および中間部を有する引張テザーであって、前記引張テザーの前記遠位部は、前記引張テザーの前記中間部が前記第1の一式の双方向切れ目または前記第2の一式の双方向切れ目に向けて可変に移動してもよいように、細長いシャフトの一部に結合され、前記引張テザーは前記ハイポチューブを屈折させるように引っ張られるように構成された引張テザーとを有する細長いシャフトを備えた、インプラント用運搬システム。
【請求項2】
前記引張テザーの前記遠位部は、前記引張テザーの前記中間部が前記2つの長手方向に延びる脊椎様部材の少なくとも1つと並べられるように、前記細長いシャフトの前記一部に結合される、請求項1に記載の運搬システム。
【請求項3】
前記引張テザーの前記遠位部は、前記2つの長手方向に延びる脊椎様部材の1つと長手方向に並べられた前記ハイポチューブの前記遠位部上の点に結合される、請求項1または請求項2に記載の運搬システム。
【請求項4】
前記点は前記ハイポチューブの側壁上にある、請求項3に記載の運搬システム。
【請求項5】
前記ハイポチューブは、単一の平面内で2つの方向に屈折するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項6】
前記ハイポチューブは、前記第1の一式の双方向切れ目および前記第2の一式の双方向切れ目に近接して位置決めされた少なくとも3つの屈折方向を提供する切れ目パターンを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項7】
少なくとも3つの屈折方向を提供する前記切れ目パターンは、複数の長手方向に交互に配置された切れ目を含む、請求項6に記載の運搬システム。
【請求項8】
少なくとも3つの屈折方向を提供する前記切れ目パターンは、屈折の全ての径方向平面内に前記ハイポチューブの等しい可撓性を提供するように構成されている、請求項6または請求項7に記載の運搬システム。
【請求項9】
少なくとも3つの屈折方向を提供する前記切れ目パターンは、前記ハイポチューブの長手軸周りでトルクを伝達するように構成されている、請求項8に記載の運搬システム。
【請求項10】
前記第1の一式の双方向切れ目および前記第2の一式の双方向切れ目はそれぞれ、切れ目厚さを変化させるように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項11】
前記第1の一式の双方向切れ目および前記第2の一式の双方向切れ目はそれぞれ、前記切れ目の全内部領域が同時に接触するように湾曲した切れ目を有するように構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項12】
前記インプラント保持領域は、前記ハイポチューブの前記遠位部に遠位に位置決めされている、請求項1から11のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項13】
前記引張テザーの前記近接部は、前記引張テザーを引っ張って、前記ハイポチューブを屈折させるように構成された屈折機構に結合されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項14】
前記細長いシャフトの近接部に結合されたハンドルをさらに備えた、請求項13に記載の運搬システム。
【請求項15】
前記インプラント保持領域から前記インプラントを解放するように構成された解放機構をさらに備えた、請求項1から14のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項16】
長さを有し、
インプラントを保持するためのインプラント保持領域と、
細長いシャフトの長さに沿って延び、近接端および遠位端と、第1のハイポチューブが第1の方向に屈折するのを可能にするように構成された複数の切れ目とを含む第1のハイポチューブと、
遠位部および近接部を含む第2のハイポチューブであって、前記遠位部は前記第1のハイポチューブ上に延び、前記第2のハイポチューブが前記第1の方向と反対である第2の方向に屈折するのを可能にするように構成された複数の切れ目を含み、前記近接部は前記第1のハイポチューブの前記遠位端に近接して位置決めされ、前記近接部が前記第1の方向および前記第2の方向の両方に屈折するのを可能にするように構成された複数の切れ目を含む、第2のハイポチューブとを有する細長いシャフトを備えた、インプラント用運搬システム。
【請求項17】
前記第1のハイポチューブは、前記第2のハイポチューブの前記遠位部が前記第1の方向に屈折するのを妨げるように構成されている、請求項16に記載の運搬システム。
【請求項18】
前記第1のハイポチューブは、前記第2のハイポチューブを屈折させるために、近接して引っ張られるように構成された引張テザーに結合されている、請求項16または請求項17に記載の運搬システム。
【請求項19】
前記第1のハイポチューブの前記遠位端は、前記第2のハイポチューブの遠位端に結合されている、請求項18に記載の運搬システム。
【請求項20】
前記第2のハイポチューブの前記近接部の前記複数の切れ目は、前記第2のハイポチューブの第1の側部に沿って長手方向に並べられた第1の一式の双方向切れ目、および前記第1の側部と反対である前記第2のハイポチューブの第2の側部に沿って長手方向に並べられた第2の一式の双方向切れ目を含み、2つの長手方向に延びる脊椎様部材はそれぞれ、前記第1の一式の双方向切れ目と前記第2の一式の双方向切れ目の間で前記第2のハイポチューブの対向側部に位置決めされている、請求項16から19のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項21】
前記第2のハイポチューブの前記近接部の前記複数の切れ目は、前記第2のハイポチューブの前記近接部より大きな剛性を有する前記細長いシャフトの一部に遠位して位置決めされている、請求項20に記載の運搬システム。
【請求項22】
前記第2のハイポチューブの前記近接部の前記複数の切れ目は、前記インプラント保持領域をカバーするためのシースを移動するように構成されたトルクシャフトに遠位して位置決めされている、請求項21に記載の運搬システム。
【請求項23】
前記トルクシャフトを回転させるように構成された解放機構をさらに備えた、請求項22に記載の運搬システム。
【請求項24】
前記第2のハイポチューブの前記遠位部の前記複数の切れ目は、窪みに嵌合するように構成された複数の歯を含む、請求項16から23のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項25】
前記第1のハイポチューブは、前記第1のハイポチューブの前記複数の切れ目の間に位置決めされた単一の脊椎様部材を含み、前記第2のハイポチューブの前記遠位部は、前記第1のハイポチューブの前記単一の脊椎様部材から180度である位置で前記第2のハイポチューブの前記複数の切れ目の間に位置決めされた単一の脊椎様部材を含む、請求項16から24のいずれか一項に記載の運搬システム。
【請求項26】
運搬装置の細長いシャフトを被験者の脈管構造に挿入するステップであって、前記細長いシャフトは、長さを有し、
インプラントを保持するためのインプラント保持領域と、
前記細長いシャフトの長さに沿って延び、ハイポチューブの第1の側部に沿って長手方向に並べられた第1の一式の双方向切れ目および前記第1の側部と反対であるハイポチューブの第2の側部に沿って長手方向に並べられた第2の一式の双方向切れ目と、前記第1の一式の双方向切れ目と前記第2の一式の双方向切れ目の間でハイポチューブの対向側部にそれぞれ位置決めされた2つの長手方向に延びる脊椎様部材とを含むハイポチューブと、
前記ハイポチューブの少なくとも一部内に延びる引張テザーとを含む、ステップと、
前記引張テザーを、前記第1の一式の双方向切れ目に向けて、または前記第2の一式の双方向切れ目に向けてのいずれかで前記ハイポチューブ内で屈折させるステップとを含む、ハイポチューブを有する運搬システムを使用する方法。
【請求項27】
前記引張テザーを、前記第1の一式の双方向切れ目に向けて、または前記第2の一式の双方向切れ目に向けてのいずれかで、前記ハイポチューブ内で屈折させるように、前記ハイポチューブを受動的に屈折させるステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記引張テザーは、前記第1の一式の双方向切れ目に向けて屈折するために第1の方向に向けて屈折するように構成され、前記第2の一式の双方向切れ目に向けて屈折するために第2の方向に向けて屈折するように構成されている方法であって、前記第1の方向または前記第2の方向のいずれかに向けて前記ハイポチューブを屈折するために前記引張テザーを近接に引っ張るステップをさらに含む、請求項26または請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記引張テザーが前記第1の方向に向けて屈折させられる場合に前記第1の方向に向けて、または前記引張テザーが前記第2の方向に向けて屈折させられる場合に前記第2の方向に向けて、前記ハイポチューブを屈折させるように前記引張テザーを引っ張るステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記引張テザーは、前記第1の一式の双方向切れ目、または前記第2の一式の双方向切れ目のいずれかに向けて、前記ハイポチューブ内で屈折される前に、前記2つの長手方向に延びる脊椎様部材の少なくとも1つと並べられる、請求項26から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記引張テザーの遠位部は、前記2つの長手方向に延びる脊椎様部材の1つと長手方向に並べられた前記ハイポチューブの前記遠位部上の点に結合される、請求項26から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記点は前記ハイポチューブの側壁上にある、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記引張テザーの近接部は、前記引張テザーを引っ張って、前記ハイポチューブを屈折させるように構成された屈折機構に結合されている、請求項26から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記細長いシャフトの近接部に結合されたハンドルをさらに含む、請求項26から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記ハイポチューブは、前記第1の一式の双方向切れ目および前記第2の一式の双方向切れ目に近接して位置決めされた少なくとも3つの屈折方向を提供する切れ目パターンを含む、請求項26から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
運搬装置の細長いシャフトを被験者の脈管構造に挿入するステップであって、前記細長いシャフトは、長さを有し、
インプラントを保持するためのインプラント保持領域と、
前記細長いシャフトの長さに沿って延び、近接端および遠位端と、第1のハイポチューブが第1の方向に屈折するのを可能にするように構成された複数の切れ目とを含む第1のハイポチューブと、
遠位部および近接部を含む第2のハイポチューブであって、前記遠位部は前記第1のハイポチューブ上に延び、前記第2のハイポチューブが前記第1の方向と反対である第2の方向に屈折するのを可能にするように構成された複数の切れ目を含み、前記近接部は前記第1のハイポチューブの前記遠位端に近接して位置決めされ、前記近接部が前記第1の方向および前記第2の方向の両方に屈折するのを可能にするように構成された複数の切れ目を含む、第2のハイポチューブとを含む、ステップを含む、ハイポチューブを有する運搬システムを使用する方法。
【請求項37】
前記第1のハイポチューブは、前記第2のハイポチューブの前記遠位部が前記第1の方向に屈折するのを妨げる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のハイポチューブは、前記第2のハイポチューブを屈折させるために、近接して引っ張られるように構成された引張テザーに結合されている、請求項36または請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のハイポチューブの前記遠位端は、前記第2のハイポチューブの遠位端に結合されている、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第2のハイポチューブの前記近接部の前記複数の切れ目は、前記第2のハイポチューブの第1の側部に沿って長手方向に並べられた第1の一式の双方向切れ目、および前記第1の側部と反対である前記第2のハイポチューブの第2の側部に沿って長手方向に並べられた第2の一式の双方向切れ目を含み、2つの長手方向に延びる脊椎様部材はそれぞれ、前記第1の一式の双方向切れ目と前記第2の一式の双方向切れ目の間で前記第2のハイポチューブの対向側部に位置決めされている、請求項36から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記第2のハイポチューブの前記近接部の前記複数の切れ目は、前記第2のハイポチューブの前記近接部より大きな剛性を有する前記細長いシャフトの一部に遠位して位置決めされている、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第2のハイポチューブの前記近接部の前記複数の切れ目は、前記インプラント保持領域をカバーするためのシースを移動するように構成されたトルクシャフトに遠位して位置決めされている、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記運搬装置は、前記トルクシャフトを回転させるように構成された解放機構を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第2のハイポチューブの前記遠位部の前記複数の切れ目は、窪みに嵌合するように構成された複数の歯を含む、請求項36から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のハイポチューブは、前記第1のハイポチューブの前記複数の切れ目の間に位置決めされた単一の脊椎様部材を含み、前記第2のハイポチューブの前記遠位部は、前記第1のハイポチューブの前記単一の脊椎様部材から180度である位置で前記第2のハイポチューブの前記複数の切れ目の間に位置決めされた単一の脊椎様部材を含む、請求項36から44のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により全体的に本明細書に組み込まれている、2020年1月16日に出願された米国仮特許出願第62/962026号の特典を主張する。
【0002】
本開示は、流体システムおよび屈折機構におけるインプラント展開に関連するシステム、デバイス、および方法を記載している。
【背景技術】
【0003】
様々な病気は、人の身体に影響を与えることがある。このような病気は、人の心臓のものであることもあり、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、および肺動脈弁を含む人の心臓弁の病気を含んでもよい。狭窄症は、例えば、心臓弁の動作および人の全体的健全性に影響を与える可能性がある共通および深刻な弁疾病である。
【0004】
心臓の部分を交換または修復する可能性があるインプラントが提供されてもよい。人工心臓弁などの人工インプラントは、心臓の一部を交換するために提供されてもよい。人工大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、およびさらに肺動脈弁が提供されてもよい。
【0005】
インプラントは、低侵襲性で、被験者の所望の部分に経皮的に展開されてもよい。このような展開は、経カテーテル的に起こってもよく、カテーテルは人の脈管構造を通して展開されてもよい。
【0006】
被験者の運搬部位への経路は蛇行してもよい。このように、運搬装置用の細長いシャフトは、被験者内に経路を収納するように、細長いシャフトが屈折することを可能にするように屈折可能であることが好ましい。被験者内の不正確な配向や、細長いシャフトへの可能な損傷など、細長いシャフトが屈折するときに、様々な問題が生じる可能性がある。細長いシャフトの屈折のさらなる制御も望ましい可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本システムおよび方法は、運搬システムに関し、(これに限らないが)医療用および訓練用処置を含む、様々な処置における被験者内のこのような運搬システム用の屈折可能な細長いシャフトに関してもよい。このようなフィルタリングは、被験者内のインプラント用の展開システムの一部として起こってもよい。被験者は(これに限らないが)、医療患者、獣医科患者、動物モデル、死体、および心臓系および脈管構造系のシミュレータ(例えば、擬人化ファントムおよび外植組織)が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の実施形態では、インプラント用輸送システムを提供してもよい。輸送システムは、長さを有し、インプラントを保持するためのインプラント保持領域を有する細長いシャフトを含んでもよい。ハイポチューブは、細長いシャフトの長さに沿って延びてもよく、近接部および遠位部を有してもよく、ハイポチューブの第1の側部に沿って長手方向に並べられた第1の一式の双方向切れ目、第1の側部と反対であるハイポチューブの第2の側部に沿って長手方向に並べられた第2の一式の双方向切れ目、および第1の一式の双方向切れ目と第2の一式の双方向切れ目の間でハイポチューブの反対側にそれぞれ位置決めされた2つの長手方向に延びる脊椎様部材を含んでもよい。
【0009】
引張テザーは、細長いシャフトの長さに沿って延びてもよく、遠位部、近接部および中間部を有してもよく、引張テザーの遠位部は、引張テザーの中間部が第1の一式の双方向切れ目または第2の一式の双方向切れ目に向けて可変に移動してもよいように細長いシャフトの一部に結合され、引張テザーはハイポチューブを屈折するように引っ張られるように構成されている。
【0010】
本明細書の実施形態では、インプラント用輸送システムを提供してもよい。輸送システムは、長さを有する細長いシャフトを含んでもよい。細長いシャフトは、インプラントを保持するためのインプラント保持領域と、細長いシャフトの長さに沿って延び、近接端および遠位端を含む第1のハイポチューブと、第1のハイポチューブが第1の方向に屈折することを可能にするように構成された複数の切れ目とを有してもよい。
【0011】
細長いシャフトは、遠位部および近接部を含む第2のハイポチューブを含んでもよく、遠位部は第1のハイポチューブ上に延び、第2のハイポチューブが第1の方向と反対である第2の方向に屈折することを可能にするように構成された複数の切れ目を含み、近接部は第1のハイポチューブの遠位端に近接して位置決めされ、近接部が第1の方向および第2の方向の両方に屈折することを可能にするように構成された複数の切れ目を含む。
【0012】
本明細書の実施形態では、方法が提供されてもよい。方法は、運搬装置の細長いシャフトを被験者の脈管構造に挿入するステップを含んでもよい。細長いシャフトは、長さを有してもよく、インプラントを保持するためのインプラント保持領域と、細長いシャフトの長さに沿って延び、ハイポチューブの第1の側部に沿って長手方向に並べられた第1の一式の双方向切れ目、および第1の側部と反対であるハイポチューブの第2の側部に沿って長手方向に並べられた第2の一式の双方向切れ目を含むハイポチューブと、第1の一式の双方向切れ目と第2の一式の双方向切れ目の間でハイポチューブの反対側にそれぞれ位置決めされた2つの長手方向に延びる脊椎様部材とを含んでもよい。引張テザーは、ハイポチューブの少なくとも一部の内方に延びてもよい。
【0013】
方法は、引張テザーを第1の一式の双方向切れ目、または第2の一式の双方向切れ目のいずれかに向けて、ハイポチューブ内で屈折させるステップを含んでもよい。
【0014】
方法は、引張テザーを第1の一式の双方向切れ目、または第2の一式の双方向切れ目のいずれかに向けて、ハイポチューブ内で屈折させるように、ハイポチューブを受動的に屈折させるステップを含んでもよい。
【0015】
引張テザーは、第1の方向に向けて屈折して、第1の一式の双方向切れ目に向けて屈折するように構成されてもよく、第2の方向に向けて屈折して、第2の一式の双方向切れ目に向けて屈折するように構成されてもよく、さらに、第1の方向または第2の方向のいずれかに向けてハイポチューブを屈折させるように引張テザーを近接に引っ張るステップを含む。
【0016】
方法は、引張テザーが第1の方向に向けて屈折させられる場合に第1の方向に向けて、または引張テザーが第2の方向に向けて屈折させられる場合に第2の方向に向けて、ハイポチューブを屈折させるように引張テザーを引っ張るステップを含んでもよい。
【0017】
引張テザーは、第1の一式の双方向切れ目、または第2の一式の双方向切れ目のいずれかに向けて、ハイポチューブ内で屈折される前に、2つの長手方向に延びる脊椎様部材の少なくとも1つと並べられてもよい。
【0018】
本明細書の実施形態では、方法が提供されてもよい。方法は、運搬装置の細長いシャフトを被験者の脈管構造に挿入するステップを含んでもよい。細長いシャフトは、長さを有してもよく、インプラントを保持するためのインプラント保持領域を含んでもよい。第1のハイポチューブは、細長いシャフトの長さに沿って延び、近接端および遠位端と、第1のハイポチューブが第1の方向に屈折することを可能にするように構成された複数の切れ目とを含んでもよい。
【0019】
第2のハイポチューブは遠位部および近接部を含んでもよく、遠位部は第1のハイポチューブの上に延び、第2のハイポチューブが第1の方向と反対である第2の方向に屈折することを可能にするように構成された複数の切れ目を含み、近接部は第1のハイポチューブの遠位端に近接して位置決めされ、近接部が第1の方向および第2の方向の両方に屈折することを可能にするように構成された複数の切れ目を含む。
【0020】
これらおよび他の特性、態様、および利点は、これに限らないが、開示を図示することを意図した図面を参照して以下に記載される。図面では、同様の参照番号は、同様の実施形態全体を通して一貫して対応する特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】
図1に示された運搬装置のハンドルの斜視図である。
【
図3】
図1に示された運搬装置の構成部品の側面展開アセンブリ図である。
【
図4】
図1に示された運搬装置の構成部品の側面展開アセンブリ図である。
【
図5】本開示の一実施形態によるハイポチューブの底面図である。
【
図6】本開示の一実施形態によるハイポチューブの底面図である。
【
図7】
図6に示されたハイポチューブの上面図である。
【
図8】
図5に示されたハイポチューブ内に位置決めされた、
図6および
図7に示されたハイポチューブの側断面図である。
【
図9】
図5に示されたハイポチューブ内に位置決めされた、
図6および
図7に示されたハイポチューブの側断面図である。
【
図11】大動脈弁に近づく運搬装置の略側面図である。
【
図12】定位置にある人工大動脈弁の略側面図である。
【
図13】本開示の一実施形態によるハイポチューブの上面図である。
【
図15】本開示の一実施形態によるハイポチューブの側面図である。
【
図18】本開示の一実施形態によるハイポチューブの側面図である。
【
図19】本開示の一実施形態によるハイポチューブの側面図である。
【
図21】本開示の一実施形態によるハイポチューブの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明および例は、詳細に、開示のいくつかの例示的実施形態を例示する。当業者は、その範囲に含まれる開示の多くの変更形態および変形形態があることが分かるだろう。したがって、特定の例示的実施形態の説明は、本開示の範囲を限定するとみなすべきではない。
【0023】
図1は、
図10に示したインプラント12と同様であってもよいインプラント用運搬システム10の一実施形態を示している。インプラント12は、人工大動脈弁を備えた大動脈インプラントであってもよい。実施形態では、インプラントは
図10に示された以外の形をとってもよく、例えば、インプラントは他の形の人工装具のうち僧帽、三尖、または肺動脈人工弁であってもよい。インプラントは、心臓を含む被験者の一部に挿入されてもよいステント、クリップ、または他の形のインプラントを備えてもよい。
【0024】
インプラント12は、自然弁位置内で定位置に配置されるように拡張するように構成されてもよい、
図10に示されたような拡張可能インプラントであってもよい。インプラント12は、運搬装置18内に位置決めするために圧縮されるように構成され、所望の時に拡張されるように構成された複数の支持体16を含むフレーム14を含んでもよい。フレーム14は、自然弁尖の代わりに作動する人工弁尖20を支持してもよい。フレーム14は、展開が望ましくなるまで、運搬装置18にインプラント12を保持するために、運搬装置18に結合するためのカプラ22を含んでもよい。カプラ22は、
図10に示されるような開口部を備えてもよい、または所望の通り他の形をとってもよい。インプラント12が
図10に示されているが、運搬装置18の使用は、
図10に示されたインプラント12の実施形態に限るものではなく、所望の通り、他の形のインプラントまで延びてもよい。
【0025】
再び
図1を参照すると、運搬システム10は、近接端26および遠位端28を含み、近接端26と遠位端28の間に長さを有する細長いシャフト24を含んでもよい運搬装置18を備えてもよい。ハンドル30の形のハウジングは、細長いシャフト24の近接端26を含む細長いシャフト24の近接部に位置決めされてもよい。ハンドル30は、運搬装置18を操作する場合に利用するために個人が把持するように構成されてもよい。細長いシャフト24は、ハンドル30から外向きに延びてもよく、被験者の所望の治療部位に案内されるように被験者内に挿入されるように構成されてもよい。細長いシャフト24は、被験者の脈管構造に挿入されるように構成されてもよい、あるいは被験者の脈管構造に挿入されてもよい。このような挿入は、経大腿動脈エントリなどの経皮的および最小侵襲であってもよい。経心尖などの他の形のエントリも利用されてもよい。ハンドル30は、挿入中に被験者の外部に留まる。
【0026】
細長いシャフト24は、本明細書に開示した実施形態では、カプセルを形成するためにシースによって覆われてもよいインプラント保持領域32を含んでもよい。インプラント保持領域32は、インプラントを保持するように構成されてもよい。インプラントは、インプラントの展開のための所望の時まで、インプラント保持領域32内に保持されてもよい。細長いシャフト24は、被験者内に挿入され、所望の通りインプラント保持領域32を位置決めするために所望の展開位置にナビゲートされてもよい。運搬装置18はその後、インプラント保持領域32からインプラントを展開するように操作されてもよい。
【0027】
細長いシャフト24はさらに、細長いシャフト24の遠位端28でノーズコーン34を含んでもよい。ノーズコーン34は、細長いシャフト24の先端を形成してもよく、細長いシャフト24の先端によって接触される被験者の部分へのけがを防ぐために柔軟であってもよい。
【0028】
図2は、運搬装置18のハンドル30の斜視図を示している。ハンドル30は、把持されるための外側表面36を含んでもよく、近接部38および遠位部40を含んでもよい。ハンドル30の外側表面36は、ユーザによって把持されるように、人間工学的に構成されてもよい。ハンドル30は、細長いシャフト24を遠位に移動させるように遠位に駆動されるように構成されてもよい、または細長いシャフト24を近接に移動させるように近接に駆動されてもよい。ハンドル30は、細長いシャフト24を回転させるおよびトルクを加えるように、ハンドル30の長手軸および細長いシャフト24周りで回転するように構成されてもよい。このような回転は、インプラント保持領域32から展開されるインプラントの所望の配向を提供することが望ましいことがある。近接部38は、細長いシャフト24から(空気を含む)流体を流すためのフラッシュポート42を含んでもよい。
【0029】
ハンドル30はさらに、インプラント保持領域32からインプラントを解放するように構成されてもよい、中に位置決めされた解放機構を含んでもよい。解放機構の構成部品は、インプラント保持領域32からインプラントを解放するように操作される解放アクチュエータ44を含んでもよい。解放アクチュエータ44は、ハンドル30の近接部38に位置決めされてもよい。解放機構はさらに、解放アクチュエータ44を定位置に係止するために、近接部38上にロック46を含んでもよい。解放機構はさらに、ハンドル30内に位置決めされてもよいモータまたは他の駆動デバイス(手動被駆動デバイスなど)を含んでもよい。モータまたは他の駆動デバイスは、インプラント保持領域32をカバーしてもよい外側シース50を移動させるように回転するために、
図3に示すようなトルクシャフト48を回転させるように構成されてもよい。
【0030】
解放機構は、モータまたは他の駆動デバイスを動作するための制御デバイスを含んでもよい。
図2に示すように、制御デバイスは、制御デバイスのボタン52、54の形または他の形であってもよい。一方のボタン52は、外側シース50を後退させる (外側シース50を近接に移動する)ように構成されてもよく、別のボタン54は、外側シース50を前進させる(外側シースを遠位に移動させる)ように構成されてもよい。このように、制御デバイスを使用して、外側シース50の移動(例えば、解放のためにインプラントを露出させる、または再捕捉のためにインプラントをカバーすること)によってインプラント保持領域32からのインプラントの展開を選択的に制御してもよい。
【0031】
ハンドル30はさらに、流体を細長いシャフト24から流すことを可能にするためのフラッシュ弁56を含んでもよい。
【0032】
ハンドル30は、細長いシャフト24の少なくとも一部を屈折させるように構成された屈折機構58を含んでもよい。屈折は、細長いシャフト24の長手軸から外向きに延びる長手平面内にあってもよい。このような屈折を利用して、インプラントを所望の位置まで運搬するようにナビゲートする必要がある、被験者の生体構造内に様々な屈曲部を格納してもよい。屈折機構58は、被験者の生体構造内の屈曲部を通して可撓性シャフトを簡単に通過させることによって起こる可能性がある受動的屈折に対向するように、細長いシャフト24の制御可能な屈折を提供してもよい。屈折機構58は、
図4に関してより詳細に論じる。
【0033】
図3は、細長いシャフト24を含む、運搬装置18の構成部品の展開アセンブリ図を示している。
図3に示す最上構成部品は一般的に、細長いシャフト24の最内側構成部品であり、
図3に示す最下構成部品は一般的に、細長いシャフト24の最外側構成部品である。
【0034】
図3を参照すると、細長いシャフト24は、構成部品のアセンブリを備えてもよい。様々な構成部品は、細長いシャフト24のサブアセンブリを備えてもよい。細長いシャフト24は、他の層またはシース上に延びる多数の層または多数のシースを含んでもよい。
【0035】
図3に示す実施形態では、細長いシャフト24の最内側構成部品は、内側シャフトまたはガイドワイヤ管腔60を備えてもよい。ガイドワイヤ管腔60は、細長いシャフト24の長さだけ延びてもよく、ハンドル30に結合する近接端を有してもよい。ガイドワイヤ管腔60の遠位端は、ノーズコーン34に結合してもよい。マニホールド61は、ガイドワイヤ管腔60に結合されてもよく、インプラントをインプラント保持領域32内で定位置に保持するために縫合糸63を保持してもよい。リテーナ62、64は、解放ピン66に結合するためにガイドワイヤ管腔60に結合されてもよい。解放ピン66の移動の際、インプラントはインプラント保持領域32から展開することが可能になってもよい。
【0036】
ガイドワイヤ管腔60上に延びるシースを備えたトルクシャフト48を提供してもよい。トルクシャフト48は、ハンドル30のモータまたは他の駆動デバイスに結合する近接端を有してもよく、ねじ付き体70(ねじ付き体のナットまたは他の形など)がスライドするためのねじ付き部分を備えた遠位部68を有してもよい。ワッシャ72、74は、トルクシャフト48を定位置に保持してもよい。
【0037】
ハイポチューブ76は、トルクシャフト48の遠位端の遠位に位置決めされてもよく、
図3に示すように、トルクシャフト48の遠位端から間隔を置いて配置されてもよい。ハイポチューブ76は、細長いシャフト24の長さに沿って延びるように構成されてもよく、近接端および遠位端を含んでもよい。ハイポチューブ76は、ハイポチューブ76が一方向に屈折するのを可能にしてもよい、
図6および
図7に示すような複数の切れ目を含んでもよい。リテーナ62、64用留め具78は、ハイポチューブ76内のリテーナ62、64の望まない近接移動を防ぐために、ハイポチューブ76の内部キャビティ内に位置決めされてもよい。ハイポチューブ76は、ガイドワイヤ管腔60上に延びるシースを備えてもよい。
【0038】
引張テザーカプラ80は、ハイポチューブ76内に位置決めされてもよい。引張テザーカプラ80は、引張テザー82の遠位端に結合し、引張テザー82をハイポチューブ76に保持するように構成された本体を備えてもよい。引張テザー82は、引張テザーカプラ80に結合された遠位端、および屈折機構に結合された近接端を含む近接部を有してもよい。
【0039】
可撓性シャフト84は、トルクシャフト48上に延びるシースを備えてもよく、屈折機構に結合された近接端を有してもよく、トルクシャフトチャネル86の近接端に結合された遠位端を有してもよい。可撓性シャフト84は、細長いシャフト24の実質的長さを備えてもよく、
図1に記されたように、細長いシャフト24の外側表面を形成する。可撓性シャフト84は、進入している被験者の生体組織を格納するように可撓性があるように構成されてもよい。
【0040】
ハイポチューブ88は、トルクシャフトチャネル86を含む近接部を有してもよい。トルクシャフトチャネル86は、ねじ付き本体70がトルクシャフト48のねじ付き部分から外側シース50まで提供される動作を伝達することを可能にする開口を備えてもよい。ねじ付き本体70は、トルクシャフトチャネル86がねじ付き体70の回転を防止する可能性があるので、トルクシャフト48のねじ付き部分に沿って長手方向にスライドしてもよい。ねじ付き体70は、ハイポチューブ92の近接部90に結合するようにトルクシャフトチャネル86を通して外向きに延びてもよく、したがって、ハイポチューブ92をねじ付き体70に沿って長手方向にスライドさせてもよい。このように、外側シース50はハイポチューブ92に結合され、またスライドされる。
【0041】
ハイポチューブ88は、ハイポチューブ76の遠位端96に結合する遠位端94を含む遠位部を有してもよい。このように、ハイポチューブ88は、ハイポチューブ88の遠位端94で引張テザー82およびハイポチューブ76に結合してもよい。トルクシャフトチャネル86に隣接したハイポチューブの近接部98は、ハイポチューブ76をカバーしない。ハイポチューブの近接部98は、ハイポチューブの近接端を含んでもよい。
【0042】
細長いシャフト24の外側シースは、多数の構成部品を含んでもよい。このような構成部品は、インプラント保持領域32上に延びる外側シース50を含んでもよい。外側シース50の近接端は、
図1に記すように、ハイポチューブ92上に延び、細長いシャフト24の外側表面を形成するシース100を含んでもよい、ハイポチューブ92に結合してもよい。ハイポチューブ92の近接端は、ねじ付き体70に結合してもよく、このような接続は、
図1に記されるように、細長いシャフト24の外側表面を形成する外側シース102でカバーされてもよい。さらに、外側シースの近接部は、外側シースが遠位にスライドされる場合に、流体(血液など)がトルクシャフトチャネル86に入るのを妨げる可能性がある、ハイポチューブ105を含んでもよい。ハイポチューブ105は、
図1に記されるように、細長いシャフト24の外側表面を形成する外側シース107、108でカバーされてもよい。
【0043】
動作中、解放機構は、ねじ付き体70をトルクシャフトチャネル86に沿って長手方向にスライドさせる、トルクシャフト48を回転させるように作動してもよい。この長手方向動作は、インプラントを細長いシャフト24から露出および展開させる、外側シース50に提供される。
【0044】
細長いシャフト24の可撓性および屈折は、
図4に示された屈折機構、および本明細書で開示されたシステムの他の特性に関して論じられる。
図4を参照すると、細長いシャフト24の少なくとも一部を動的に屈折させるように作動する屈折機構が設けられてもよい。屈折機構は、細長いシャフト24の近接端に位置決めされてもよい。他の位置が所望の通り利用されてよいが、屈折機構は、ハンドル30に遠位して、および細長いシャフト24の近接端に位置決めされてもよい。
【0045】
屈折機構は、細長いシャフトの屈折を制御するように、個人によって操作されてもよい制御デバイス104を備えてもよい。他の形の制御デバイスが所望の通りに利用されてもよいが、制御デバイス104は、
図4では回転可能ノブを備えるように示されている。制御デバイス104は、ねじ付き本体106に係合する制御デバイス104の内部上のねじ付きを含んでもよい。ねじ付き本体106は、ねじ付き本体106の回転移動を妨げるレール109に沿ってスライドするように構成されてもよく、したがって、ねじ付き本体106をねじ付き本体106の長さに沿ってスライドさせる。近接台110および密封リング112は、ハンドル30に屈折機構の近接端を結合させるように構成されてもよい。
【0046】
ねじ付き本体106の遠位部は、ばね113およびカプラ114に結合してもよく、カプラ114はねじ付き本体106を引張テザー82の近接端に結合させる。したがって、ねじ付き本体106の長手方向移動は、引張テザー82を長手方向に移動させる。遠位台117は、屈折機構を可撓性シャフト84の近接端に結合させる。
【0047】
動作中、制御デバイス104は、引張テザー82を近接または遠位に移動させて、引張テザー82の動作長さを変更するように操作されてもよい。引張テザー82の近接移動は、引張テザー82の動作長さを短くしてもよく、したがって、細長いシャフト24を、細長いシャフト24上の引張テザー82の遠位結合点に近接する細長いシャフト24の部分で屈曲させる。
【0048】
図5は、ハイポチューブ88の近接部の底面図を示している。ハイポチューブ88は、ハイポチューブ88の長さに沿って長手方向に延びる単一の脊椎様部材116を含んでもよい。単一の脊椎様部材116は、屈折することを意図していないハイポチューブ88の側部に位置決めされてもよい。切れ目118は、ハイポチューブ88の中心キャビティに面する内側表面に外側表面から延びる、ハイポチューブ88の表面を通して延びてもよい。切れ目は、単一の脊椎様部材116の位置から外れてハイポチューブ88の外周面周りで延びてもよい。
図13は、ハイポチューブ88の反対側部の切れ目パターンを参照番号118で示している。切れ目118は、歯120として対応する形状を有する窪み122に嵌合および係合するように構成された複数の歯120を含んでもよい。中心歯121は、2つの側部歯120より大きくてもよい。このように、切れ目118は、ハイポチューブ88に対する屈折の単一方向、すなわち、
図13に示す中心歯121に向かう方向を提供してもよい。
図14は、ハイポチューブ88がその長さに沿って利用してもよい切れ目118の側面図を示している。
【0049】
図6は、内側ハイポチューブ76の切れ目パターンの底面図を示している。内側ハイポチューブ76は、対応する形状の窪み128と係合する歯126を形成する切れ目124を含んでもよい。切れ目124は、内側ハイポチューブ76が単一の方向に屈折するように構成されてもよい。歯126と窪み128の間の間隙のサイズは、ハイポチューブ88より小さくてもよく、したがって、ハイポチューブ88より少ない屈曲が、内側ハイポチューブ76で利用可能であってもよい。
図7は、単一の脊椎様部材130がハイポチューブ76の長さに沿って長手方向に延びることを示す、ハイポチューブ76の反対側を図示している。
【0050】
外側ハイポチューブ88は、
図3に関して論じるように、内側ハイポチューブ76上に延びてもよい。
図8は、
図3に関して論じるように、トルクシャフトチャネル86に隣接する外側ハイポチューブ88の近接部98の拡大断面図を示している。細長いシャフト24の特定の構成部品は、簡潔化のため、図から排除されている。ハイポチューブ88は、内側ハイポチューブ76上、特に、ハイポチューブ76の近接端132上に延びている。したがって、外側ハイポチューブ88の部分98は、内側ハイポチューブ76の近接端132と内側ハイポチューブ76をカバーしないトルクシャフトチャネル86の間に位置決めされている。部分98は、外側ハイポチューブ88の近接部より大きな剛性を有してもよい、チャネル86およびトルクシャフト48を備えた細長いシャフトの一部に遠位して位置決めされている。
【0051】
ハイポチューブ88の遠位部は、ハイポチューブ76上に延び、ハイポチューブ88をハイポチューブ76の屈折の方向と反対の方向に屈折させることを可能にするように構成された複数の切れ目を含む。それぞれのハイポチューブ88、76の脊椎様部材116、130は、互いから180度に位置決めされている。このように、内側ハイポチューブ76は、外側ハイポチューブ88の中心歯121から離れた方向への外側ハイポチューブ88の屈折を妨げてもよい。このような機構は、
図11に関してさらに論じるように、外側ハイポチューブ88が誤った方向に屈折される場合に、捩じれが外側ハイポチューブ88内に形成されるのを防ぐように働いてもよい。
【0052】
図9は、外側ハイポチューブ88の遠位端94に結合された内側ハイポチューブ76の遠位端96の拡大断面図を示している。カプラなどは、内側ハイポチューブ76の遠位端96を外側ハイポチューブ88の遠位端94に結合してもよい。遠位端96、94の間の結合は、力を引張テザー82からハイポチューブ88に伝達する。
【0053】
細長いシャフト24の屈折の特性は、
図11に関して論じる。
図11は、心臓の大動脈弁134に運搬されるときの細長いシャフト24の図を示している。特に、細長いシャフト24は、心臓、特に大動脈弓136の幾何形状を構成するように屈折した。屈折機構は、引張テザー82を近接に引っ張るように動作されて、細長いシャフト24を屈折させる。
【0054】
しかし、細長いシャフト24の構成は、外側ハイポチューブ88の屈折の方向が、適切な配向で大動脈弓、または被験者の生体組織の別の部分に挿入されない場合に、困難を提供することがある。例えば、被験者の生体組織内への細長いシャフト24の挿入の際、細長いシャフトは、その長手軸周りに回転し、したがって所望の屈折とは反対の方向に、または所望とは全体的に異なる屈折の方向に、外側ハイポチューブ88の屈折の方向を有してもよい。
【0055】
このように、
図11を参照すると、細長いシャフト24が、誤った方向に外側ハイポチューブ88の屈折の方向で被験者の大動脈弓または他の部分を通して前進される場合に、細長いシャフト24への損傷が起こる可能性がある。例えば、細長いシャフト24は大動脈弓136内に挿入されてもよく、大動脈弓136の壁面に接触してもよい。このような接触は、外側ハイポチューブ88の屈折の方向と反対の方向に細長いシャフト24を屈折させてもよい。外側ハイポチューブ88の遠位部に沿った内側ハイポチューブ76の存在は、これらの部分での捩じれを防ぐが、
図8に示された外側ハイポチューブ88の部分98は、その部分98での内側ハイポチューブ76の存在の欠如により捩じれてもよい。
【0056】
図13および
図14は、外側ハイポチューブ88上の変形形態を示し、示されたハイポチューブ138はハイポチューブ138の遠位部145に沿ってハイポチューブ88の切れ目パターンを含むが、内側ハイポチューブ76が(論じた部分98に対応して)存在しない場合に、ハイポチューブ138の近接部139で切れ目パターンを変化させる。ハイポチューブ138は、遠位部145および近接部139を含んでもよく、遠位部145はハイポチューブ76上に延びるように構成され、ハイポチューブ138を内側ハイポチューブ76の屈折の方向(例えば、第1の方向)と反対の方向(例えば、第2の方向)に屈折すること可能にするハイポチューブ88の切れ目パターンを含む。遠位部145は、ハイポチューブ138の複数の切れ目118の間に位置決めされた単一の脊椎様部材116を含んでもよい。脊椎様部材116は、内側ハイポチューブ76の脊椎様部材130から180度である位置にあってもよい。
【0057】
近接部139は、内側ハイポチューブ76の遠位端に近接して位置決めされてもよく、近接部139を遠位部145の第2の方向、および内側ハイポチューブ76の第1の方向の両方に屈折させることを可能にするように構成された複数の切れ目140、142を含んでもよい。
図13および
図14は、外側ハイポチューブ138の近接部139の切れ目が、(第1の一式の切れ目140および第2の一式の切れ目142を備えた)第1および第2の一式の双方向切れ目として設けられてもよいことを示している。双方向切れ目140、142は、同じ平面で2つの方向に屈曲することを可能にするので、双方向である。切れ目140、142は、
図13に示すように長手方向に並べられてもよく、
図14に示すように、2つの脊椎様部材141(
図14の鏡像が
図14の他の側部に提供される)は、一式の長手方向に並べられた切れ目140、142を分離させる。第1の一式の切れ目140は、ハイポチューブ138の一側部に位置決めされてもよく、第2の一式の切れ目142は、ハイポチューブ138の反対側部に位置決めされてもよい。第1の一式の切れ目140は、ハイポチューブ138の第1の側部に沿って長手方向に並べられてもよく、第2の一式の切れ目142は、第1の側部と反対のハイポチューブ138の第2の側部に沿って長手方向に並べられてもよい。脊椎様部材141は、切れ目140、142と垂直に回転可能に位置決めされてもよく、互いに平行に延びてもよい。脊椎様部材141は、第1の一式の切れ目140と第2の一式の切れ目142の間でハイポチューブ138の対向側部に長手方向に延び、位置決めされてもよい。脊椎様部材141は、90度だけ、ハイポチューブ138の遠位部の切れ目118の脊椎様部材116から回転可能にオフセットされてもよい。このように、二重脊椎様部材141構成、およびハイポチューブ138の対向側部の均一形状の切れ目140は、ハイポチューブ138の近接部の双方向屈曲を可能にしてもよい。
【0058】
さらに、切れ目140、142はそれぞれ、切れ目140、142の全内部領域が同時に接触するように湾曲された切れ目を有してもよい。例えば、切れ目は所望の通り丸みを帯びた楕円形状を有してもよい。
【0059】
このように、再び
図11を参照すると、細長いシャフト24が被験者の脈管構造内に挿入されると、細長いシャフト24が誤った方向に配向される場合、切れ目140、142は、ハイポチューブ138の近接部139が遠位部145とは反対の方向に屈折することを可能にし、したがって、(捩じれを含む)細長いシャフト24への損傷の可能性を減少させる。ハイポチューブ138の切れ目は、ハイポチューブ138の近接部が内側ハイポチューブ76の屈折の方向、また反対方向に屈折することを可能にする。
【0060】
内側ハイポチューブ76はさらに、外側ハイポチューブ138の遠位部145が内側ハイポチューブ76の屈曲の方向に屈折するのを妨げるように構成されてもよい。内側ハイポチューブ76は、外側ハイポチューブ138を屈折させるように近接して引っ張られるように構成された引張テザー82に結合されたままであってもよい。
【0061】
外側ハイポチューブ138の近接部139の複数の切れ目140、142は、インプラント保持領域32をカバーするためにシース50を移動させるように構成されたトルクシャフト48に遠位に位置決めされてもよい。
【0062】
図15および
図16は、外側ハイポチューブ88の一実施形態の変形形態を示し、
図13および
図14に示すハイポチューブ138の近接部139の切れ目140、142のパターンは、ハイポチューブ144の全長に沿って延びる。ハイポチューブ144は、単一の平面内で2方向に屈折するように構成されてもよい。ハイポチューブ144は、細長いシャフト24の長さに沿って延びてもよく、近接部および遠位部を有してもよい。
【0063】
図15に示すようなこのような構成では、内側ハイポチューブ76は、細長いシャフト24のアセンブリから排除されてもよい。このように、引張テザー82は、ハイポチューブ144の遠位部および細長いシャフト24の遠位部に結合してもよい。さらに、インプラント保持領域32は、ハイポチューブ144の遠位部の遠位に位置決めされてもよい。
【0064】
ハイポチューブ144は、ハイポチューブ144の第1の側部に沿って長手方向に並べられた第1の一式の双方向切れ目140、および第1の側部と反対であるハイポチューブ144の第2の側部に沿って長手方向に並べられた第2の一式の双方向切れ目142を含んでもよい。2つの長手方向に延びる脊椎様部材(脊椎様部材141は
図15に記され、対向する脊椎様部材は
図15に示したのと反対の側部にある)はそれぞれ、第1の一式の双方向切れ目140と第2の一式の双方向切れ目142の間でハイポチューブ144の対向側部に位置決めされてもよい。
【0065】
引張テザー82(
図15に示した交互の引張テザー位置82a、82bで記された)は、細長いシャフト24の長さに沿って延び、遠位部、近接部および中間部を有してもよい。引張テザー82の近接部は、ハイポチューブ144を屈折させるために引張テザー82を引っ張るように構成された、
図4に示した屈折機構58などの屈折機構に結合されてもよい。
【0066】
引張テザー82の遠位部は、引張テザー82の中間部が長手方向に延びる脊椎様部材141の少なくとも1つと並べられるように、細長いシャフト24の一部に結合されてもよい。
図15に示すようにハイポチューブ144の遠位部147は、ハイポチューブ144の遠位端にカプラ146を備えてもよい結合点を備えてもよい。引張テザー82の遠位部は、2つの長手方向に延びる脊椎様部材141(反対の脊椎様部材は
図15に示す側部と反対の側部にある)の一方と長手方向に並べられてもよい、(カプラ146の形の)結合点に結合されてもよい。
【0067】
引張テザー82の遠位部は、引張テザー82の中間部は第1の一式の双方向切れ目140(引張テザー82aで記された)、または第2の一式の双方向切れ目142(引張テザー82bで記された)に向けて可変に移動してもよいように、細長いシャフト24の一部に結合されてもよく、引張テザーはハイポチューブ144を屈折させるように引っ張られるように構成されてもよい。例えば、引張テザー82の遠位部83(
図15で遠位部83a、bの可変位置で記された)が細長いシャフト24の一部に結合されてもよく、それにより、引張テザーの中間部は第1の一式の双方向切れ目140または第2の一式の双方向切れ目142に向けて可変に移動してもよいように、結合点は構成されてもよい。このような結合点は、第1の一式の切れ目140および第2の一式の切れ目142の中間に、脊椎様部材141と長手方向に並ぶように示されている。このような結合点は、
図15および
図17に示すように、ハイポチューブ88の側壁上にあってもよい。したがって、引張テザー82は初期に、2つの長手方向に延びる脊椎様部材141の一方と並べられてもよく、引張テザー82の遠位部は、引張テザーの中間部が第1の一式の双方向切れ目140または第2の一式の双方向切れ目142に向けて可変に移動してもよいように、細長いシャフト24の一部に結合される。
【0068】
動作中、細長いシャフト24が被験者の脈管構造内に挿入され、これを通して前進されると、細長いシャフト24は、被験者の一部との接触またはガイドワイヤ上での屈折などの様々な特性により屈折してもよい。このような屈折により、ハイポチューブ144はその方向に向けて屈折してもよい。屈折は、被験者または別の特性の表面との接触によって生じる、受動的屈折であってもよい。引張テザー82はしたがって、屈折の方向に向けてハイポチューブ144内で屈折させられ、その方向に第1の一式の切れ目140または第2の一式の切れ目142のいずれかに向けて屈折されてもよい。この特性は、引張テザーが切れ目140(遠位部83aで引張テザー82aとして記される)または切れ目142(遠位部83bで引張テザー82bとして記される)のいずれかに向けて可変に移動するときに、
図15および
図17において破線で記されている。このように、ハイポチューブ144は、引張テザー82を第1の一式の切れ目140または第2の一式の切れ目142のいずれかに向けてハイポチューブ144内で屈折させるように、脈管構造または別の特性によって受動的に屈折されてもよい。
【0069】
引張テザーがこれらの切れ目140、142に向けた方向に移動する際に、引張テザーはその方向への移動を継続するように近接に後退されてもよい。引張テザーはしたがって、第1の方向(切れ目140に向かう方向である)または第2の方向(切れ目142に向かう方向である)のいずれかに向けてハイポチューブ144を屈折させるように、近接に引っ張られてもよい。引張テザーは、引張テザーが初期に切れ目140に向けて、および第1の方向に向けて屈折させられる場合に、切れ目140に向かう方向にハイポチューブ144を屈折させてもよい。さらに、引張テザーは、引張テザーが初期に切れ目142に向けて、および第2の方向に向けて屈折させられる場合に、切れ目142に向かう方向にハイポチューブ144を屈折させてもよい。引張テザーは、第1の一式の切れ目140または第2の一式の切れ目142のいずれかに向けてハイポチューブ144内で屈折される前に、(脊椎様部材141、および
図15に示された側部と反対である側部にある反対の脊椎様部材などの)長手方向に延びる脊椎様部材の少なくとも1つと並べられてもよい。
【0070】
したがって、再び
図11を参照すると、細長いシャフト24が前進し、大動脈弁134に向かう方向に受動的に屈折されると、引張テザーは、細長いシャフト24の内径で切れ目140または142に向けて移動し、したがって、その方向への動的屈折を提供することが可能であってもよい。このように、単一平面内の屈折の2つの方向が
図15に示す構成で可能であるので、細長いシャフト24が不正確に回転される可能性が大きく減少する。
【0071】
図16は、
図15に示された構成の上面図を示している。
図17は、参照番号82aおよび82bとして引張テザーの2つの可能な位置で示された、ハイポチューブ144の端面図を示している。
【0072】
図18は、ハイポチューブ148の図を示し、切れ目パターン150は
図15および
図16に示されたのと同様に構成され、さらに、異なるサイズを有する切れ目を含む。一式の切れ目は、切れ目厚さを変化させるように構成されてもよい。異なる厚さは、切れ目サイズによって、より大きなまたはより小さな屈折角度を可能にしてもよい(より小さな切れ目はより小さな屈折角度を有し、より大きな切れ目はより大きな屈折角度を有する)。このように、実施形態では、第1および第2の一式の双方向切れ目140、142の切れ目のいずれかは、所望の通り切れ目厚さを変化させてもよい。
【0073】
切れ目140、142は開示されるように、それぞれ、切れ目140、142の全内部領域が同時に接触するように湾曲した切れ目を有してもよい。例えば、切れ目は所望の通り丸みを帯びた楕円形状を有してもよい。
【0074】
図19は、ハイポチューブ152の遠位部で
図15および
図16に示された切れ目パターン(切れ目パターン155として記される)を含み、さらにハイポチューブ152の近接部内でより多くの数の屈折方向を有する切れ目パターン153を含む、ハイポチューブ152の一実施形態を示している。切れ目パターン153は、第1および第2の一式の双方向切れ目140、142に近接して位置決めされてもよい。切れ目パターン153は、切れ目パターン155に近接して位置決めされてもよい。切れ目パターン153は、繰返しパターンを形成する、複数の長手方向に交互に配列された切れ目を含んでもよい。切れ目の長手方向に隣接する線の切れ目154、156は、
図19に示されるように互いから60度だけ、または所望の通り異なる量のオフセットだけオフセットされてもよい。等しいサイズの切れ目および切れ目の繰返しパターンは、方向の全ての径方向平面において等しい可撓性を可能にしてもよい。切れ目パターン153は、全方向切れ目パターンを形成してもよい。他の実施形態では、可撓性は少なくとも3つの屈折方向に提供されてもよい。
【0075】
切れ目パターン153は、ハンドル30から細長いシャフト24の遠位部までの回転トルクの改善された伝達を提供してもよい。切れ目パターン153は、ハイポチューブ152の長手軸周りにトルクを伝達するように構成されてもよい。さらに、切れ目パターン153は、切れ目パターン155によって提供される少なくとも2つの屈曲方向で、切れ目パターン155より剛性があってもよい。このように、細長いシャフト24の可撓性は、特定の被験者生体組織に望ましい可能性がある、細長いシャフト24の遠位部に向けて高められてもよい。
【0076】
図20は、
図19に示されるハイポチューブ152の上面図を示している。
【0077】
図21は、
図19および
図20に示された切れ目パターン153および
図18に示される可変サイズの切れ目パターン150の組合せを含むハイポチューブ160を示している。
【0078】
細長いシャフト24は、本明細書に開示されたハイポチューブの構成のいずれかを利用して、定位置に動的に屈折されるように構成されてもよい。インプラント12は、
図12に示されるように、定位置に展開されてもよい。
【0079】
図3に示されるハイポチューブ92、94のいずれかまたは全ての切れ目パターンは、
図13から
図21に示されるハイポチューブの実施形態の切れ目パターンに適合されてもよい。このように、ハイポチューブ92、94の適合切れ目輪郭が提供されてもよい。ハイポチューブ92、94は外側ハイポチューブであると考えられてもよく、
図13から
図21に示されたハイポチューブは中間ハイポチューブであると考えられる。
【0080】
本明細書に開示されるハイポチューブ、およびシステムの構成部品の構成は、他の実施形態で変更されてもよい。特性は、所望の通り実施形態にわたって、組み合わせる、変更される、または置換されてもよい。
【0081】
本明細書に開示されるハイポチューブおよび他の構成部品の使用は、運搬システムまたは運搬装置での使用に限定されず、被験者内に挿入または引き出されるあらゆる医療用デバイスでの使用にまで及んでもよい。例えば、使用は被験者の一部内への挿入のための一般的医療用カニューレに及んでもよい。
【0082】
ハイポチューブは、様々な被験者および処置で利用されてもよい。被験者は(これに限らないが)、医療患者、獣医科患者、動物モデル、死体、および心臓系および脈管構造系のシミュレータ(例えば、擬人化ファントムおよび外植組織)が挙げられる。処置は(これに限らないが)、医療用および訓練用処置が挙げられる。
【0083】
本明細書に開示される運搬装置およびシステムは、経カテーテル大動脈弁移植術(TAVI)で使用されてもよい。本明細書に開示される運搬装置およびシステムは、心臓への経大腿動脈アクセスを含む、経動脈アクセスに利用されてもよい。実施形態では、様々な形のインプラントは、特に、ステントまたはフィルタ、または診断デバイスなどの、本明細書のシステムで利用される運搬装置によって運搬されてもよい。
【0084】
本明細書に開示される運搬装置、およびシステムおよび構成部品は、経大動脈流または経頚静脈であってもよい、経動脈処置を含む経皮カテーテル処置で利用されてもよい。特に、経心尖処置を利用してもよい。
【0085】
実施形態の特性は、変更、置換、排除、または組み合わせられてもよい。
【0086】
加えて、本明細書の方法は、特に記載された方法に限るものではなく、本明細書に開示されるシステムおよび装置を利用する方法を含んでもよい。
【0087】
方法のステップは、本明細書に開示されるシステム、装置、および方法で、変更、排除、または追加されてもよい。
【0088】
本明細書に開示される実施形態の特性は、運搬装置とは独立して、または本明細書に開示される他の構成部品とは独立して実施されてもよい。システムの様々な装置は、独立して実施されてもよい。
【0089】
締めくくりに、本明細書の態様は特定の実施形態を参照することによって強調されているが、当業者はこれらの開示された実施形態は本明細書に開示された主題の原理の単なる例示的ものであることが容易に分かるだろう。それゆえ、開示された主題は、本明細書に記載された、特定の方法論、プロトコル、および/または試薬などに限るものではないことを理解すべきである。このように、開示された主題への様々な変更または変化または代替構成は、本明細書の精神から逸脱することなく、本明細書の教示により行うこともできる。最後に、本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記載する目的であり、特許請求の範囲によってのみ規定される、本明細書で開示されるようなシステム、装置および方法の範囲を限定することを意図したものではない。したがって、システム、装置および方法は、正確には図示および記載されるようなものに限るものではない。
【0090】
これを実行するために発明者に知られている最良の形態を含む、システム、装置および方法の特定の実施形態が、本明細書に記載されている。もちろん、これらの記載された実施形態の変形形態は、前述の記載を読めば、当業者には明らかになるだろう。発明者は、当業者が適当にこのような変形形態を用いることを期待し、発明者は、特に本明細書に記載したもの以外のシステム、装置、および方法が実施されることを意図している。したがって、システム、装置、および方法は、適用法によって認められるように、ここに添付された特許請求の範囲で言及された主題の全ての変更および同等物を含む。さらに、その全ての可能な変形形態での上記実施形態のあらゆる組合せは、本明細書にそうでないと記されていない限り、あるいは内容によって明らかに矛盾しない限り、システム、装置、および方法によって含まれる。
【0091】
システム、装置、および方法の代替実施形態、要素、またはステップのグループ化は、限定として解釈されるものではない。各グルーブメンバは、個別に、または本明細書で開示した他のグループメンバとのあらゆる組合せで言及および主張されてもよい。グループの1つまたは複数のメンバは、利便性および/または特許可能性の理由のグループに含まれる、またはそこから削除されてもよいことが予測される。あらゆるこのような包含または削除が起こると、明細書は変更されたようなグループを含むと考えられ、したがって、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュグループの記載を満たす。
【0092】
そうでないと記されていない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される特徴、アイテム、数量、パラメータ、性状、用語などを示す全ての数は、「約」という用語によって全ての場合で変更されるとして理解されたい。本明細書で使用されるように、「約」という用語は、そのように認められた特徴、アイテム、数量、パラメータ、性状、または用語は、変化してもよい概算を含むが、本明細書で論じられる所望の動作またはプロセスを行うことが可能であることを意味している。
【0093】
システム、装置、および方法を(特に、以下の特許請求の範囲の内容で)記載する内容で使用される「a」、「an」、「the」という用語および同様の指示対象は、本明細書でそうでないと記されていない限り、または内容によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を含むものであると解釈されたい。本明細書に記載された全ての方法は、本明細書でそうでないと記されていない限り、または内容によって明らかに矛盾しない限り、あらゆる適切な順序で行うことができる。本明細書で提供されるあらゆるおよび全ての例、または例示的言語(例えば、「など」)の使用は、システム、装置、および方法を単により良く明らかにすることを意図しており、そうでなければ請求されているシステム、装置、および方法の範囲に限定を課すものではない。本明細書の言語は、システム、装置、および方法の実施に重要であるあらゆる非請求要素を示すものとして解釈すべきではない。
【0094】
本明細書で言及および特定される全ての特許、特許公報、および他の刊行物は、例えば、システム、装置、および方法に関して使用されることがあるこのような刊行物で記載された構成および方法論を記載および開示する目的で、全体的に参照によって本明細書に個別および明らかに組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日より前の開示のためのみに提供されたものである。これに関して、発明者は先行発明により、またはあらゆる他の理由でこのような開示に先行する権利がないことを認めているものとして、なにものも解釈すべきでない。日付に関する全ての陳述、またはこれらの文献の内容に関する表現は、出願人に利用可能な情報に基づき、これらの文献の日付または内容の正確性に関するあらゆる承認を構成するものではない。
【符号の説明】
【0095】
10 運搬システム
12 インプラント
14 フレーム
16 支持体
18 運搬装置
20 人工弁尖
22 カプラ
24 細長いシャフト
26 近接端
28 遠位端
30 ハンドル
32 インプラント保持領域
34 ノーズコーン
36 外側表面
38 近接部
40 遠位部
42 フラッシュポート
44 解放アクチュエータ
46 ロック
48 トルクシャフト
50 外側シース
52 ボタン
54 ボタン
56 フラッシュ弁
58 屈折機構
60 ガイドワイヤ管腔
62 リテーナ
64 リテーナ
66 解放ピン
68 遠位部
70 ねじ付き体
72 ワッシャ
74 ワッシャ
76 ハイポチューブ
78 留め具
80 引張テザーカプラ
82 引張テザー
82a 引張テザー位置
82b 引張テザー位置
84 可撓性シャフト
86 トルクシャフトチャネル
88 ハイポチューブ
90 近接部
92 ハイポチューブ
94 遠位端
96 遠位端
98 近接部
100 シース
102 外側シース
104 制御デバイス
105 ハイポチューブ
106 ねじ付き本体
107 外側シース
108 外側シース
109 レール
110 近接台
112 密封リング
113 ばね
114 カプラ
116 脊椎様部材
117 遠位台
118 切れ目
120 歯
121 中心歯
124 切れ目
126 歯
128 窪み
130 脊椎様部材
132 近接端
134 大動脈弁
136 大動脈弓
138 ハイポチューブ
139 近接部
140 切れ目
141 脊椎様部材
142 切れ目
144 ハイポチューブ
145 遠位部
146 カプラ
147 遠位部
148 ハイポチューブ
150 切れ目パターン
152 ハイポチューブ
153 切れ目パターン
155 切れ目パターン
160 ハイポチューブ
【国際調査報告】