(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】集積半導体ウェーハ装置のための設置方法及び設置装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20230310BHJP
H01L 23/15 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
H01L23/14 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543701
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2021050495
(87)【国際公開番号】W WO2021148281
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】102020200817.5
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505469573
【氏名又は名称】エルペーカーエフ レーザー ウント エレクトロニクス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】オストホルト ロマーン
(72)【発明者】
【氏名】アンブロジウス ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】サントス ラファエル
(57)【要約】
集積半導体ウェーハ装置、特に製造時中間生産物としての集積半導体コンポーネント装置のための設置方法であって、-壁(3)により形成される少なくとも1つの凹所(2)を有するガラスサブストレート(1)、-凹所(2)に配置されるべき1又は複数の半導体ウェーハ、特に半導体コンポーネント(9)、及び-凹所(2)に係合し、1又は複数の半導体ウェーハ(9)の凹所(2)における位置保持及び/又は整列のためにガラスサブストレート(1)上に形成された少なくとも1つのばね要素(19)、を有する方法は、以下の方法ステップ:-ガラスサブストレート(1)に、位置決めすべき半導体ウェーハ(9)の輪郭スペース(K)に係合する緩和したばね要素(19)を備え、-ばねマニピュレータサブストレート(22)に、位置決めすべき半導体ウェーハ(9)の及び/又は少なくとも1つのばね要素(19)の輪郭スペース(K)に適合する操作要素(25)を備え、-ガラスサブストレート(1)をばねマニピュレータサブストレート(22)に対して移動させ、それによりばね要素(19)に半導体ウェーハ(9)の輪郭スペース(K)の外側にプレストレスを与え、ばね要素(19)を偏向させるように、その操作要素(25)を凹所(2)に進入させ、-半導体ウェーハ(9)を凹所(2)内に配置し、及び-ガラスサブストレート(1)をばねマニピュレータサブストレート(22)に対して移動させて戻し、それによりばね要素(19)を解放するように、その操作要素(25)を半導体ウェーハ(9)の輪郭スペース(K)の外側に移動させ、その結果、少なくとも1つのばね要素(19)が半導体ウェーハ(9)に作用し、凹所(2)においてその位置を保持し及び/又はそれを整列させる、ことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積半導体ウェーハ装置、特に製造時中間生産物としての集積半導体コンポーネント装置のための設置方法であって、
-壁(3)により形成される少なくとも1つの凹所(2)を有するガラスサブストレート(1)、
-前記凹所(2)に配置されるべき1又は複数の半導体ウェーハ、特に半導体コンポーネント(9)、及び
-前記凹所(2)に係合し、1又は複数の半導体ウェーハ(9)の前記凹所(2)における位置保持及び/又は整列のために前記ガラスサブストレート(1)に形成された少なくとも1つのばね要素(19)、を有する方法において、
以下の方法ステップ:
-前記ガラスサブストレート(1)に、位置決めすべき前記半導体ウェーハ(9)の輪郭スペース(K)に係合する緩和したばね要素(19)を備え、
-ばねマニピュレータサブストレート(22)に、位置決めすべき前記半導体ウェーハ(9)の及び/又は前記少なくとも1つのばね要素(19)の前記輪郭スペース(K)に適合する操作要素(25)を備え、
-前記ガラスサブストレート(1)を前記ばねマニピュレータサブストレート(22)に対して移動させ、それにより前記ばね要素(19)に前記半導体ウェーハ(9)の前記輪郭スペース(K)の外側にプレストレスを与え、前記ばね要素(19)を偏向させるように、その操作要素(25)を前記凹所(2)に進入させ、
-前記半導体ウェーハ(9)を前記凹所(2)内に配置し、及び
-前記ガラスサブストレート(1)を前記ばねマニピュレータサブストレート(22)に対して移動させて戻し、それにより前記ばね要素(19)を解放するように、その操作要素(25)を前記半導体ウェーハ(9)の前記輪郭スペース(K)の外側に移動させ、その結果、前記少なくとも1つのばね要素(19)が前記半導体ウェーハ(9)に作用し、前記凹所(2)においてその位置を保持し及び/又はそれを整列させる、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記操作要素(21)が、前記ガラスサブストレート(1)の厚さ(D)の半分より少ない最大進入深さ(t)まで前記凹所(2)に進入する、ことを特徴とする請求項1に記載の設置方法。
【請求項3】
前記操作要素(25)が、下から前記ガラスサブストレート(1)の前記凹所(2)に進入する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の設置方法。
【請求項4】
前記ばね要素(19)のための、台形断面を有する及び側面の操作フランク(26)を有する突起が、操作要素(25)として使用される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の設置方法。
【請求項5】
前記凹所(2)における前記半導体ウェーハ(9)は、上げられた中間位置において前記操作要素(25)上に位置し、前記操作要素(25)が前記凹所(2)から外側に移動されると、前記凹所(2)におけるその最終位置に下げられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の設置方法。
【請求項6】
前記操作要素(25)上に位置する前記半導体ウェーハ(9)は、負圧の適用によって前記中間位置において前記操作要素(25)上に固定される、ことを特徴とする請求項5に記載の設置方法。
【請求項7】
ガラスサブストレート(1)とばねマニピュレータサブストレート(22)の間の相対移動が、これら2つのコンポーネント間での負圧の適用(p)によって実現される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の設置方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の設置方法を実施する設置装置であって、
前記ガラスサブストレート(1)に対してその厚さ方向(DR)に移動可能なばねマニピュレータサブストレート(22)を有し、
前記ばねマニピュレータサブストレート(22)は、位置決めすべき前記半導体ウェーハ(9)の及び/又は前記少なくとも1つのばね要素(19)の前記輪郭スペース(K)に適合する少なくとも1つの操作要素(25)を備えている、ことを特徴とする設置装置。
【請求項9】
前記ばねマニピュレータサブストレート(22)は、そこに配置された前記少なくとも1つの操作要素(25)を有する板状基体(23)から形成されている、ことを特徴とする請求項8に記載の設置装置。
【請求項10】
前記操作要素(25)は、前記ばね要素(19)のための、台形断面を有する及び側面の操作フランク(26)を有する突起として設計されている、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の設置装置。
【請求項11】
前記厚さ方向(DR)に連続する吸引流路(27,28)が、前記ばねマニピュレータサブストレート(22)に、特に前記板状基体(23)及び/又は前記操作要素(25)に形成されている、ことを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の設置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独国特許出願DE102020200817.5の優先権を主張し、その内容は参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、集積半導体ウェーハ装置、特に製造時中間生産物としての集積半導体コンポーネント装置のための設置方法に関し、及びこの設置方法を実行するための設置装置に関する。
【背景技術】
【0003】
以下の情報は、本発明の背景を明確化することを意図している。半導体産業は、様々な電子部品の集積密度の連続的な改良のおかげで急速に成長してきた。大部分は、この集積密度の改良は、より多くのコンポーネントが特定の領域に集積され得ることを意味する最小の特徴サイズの反復の減少から生じている。
【0004】
小型化、高速度及びより大きいバンド幅並びにより低い電力消費に対する要求が近年増加しているので、ダイとも呼ばれる、包装されていない半導体ウェーハのためのより小さくより創造的な包装技術のニーズが上昇している。
【0005】
連続的な集積の途中で、個々の半導体ウェーハとして回路基板に互いに隣接して先に取り付けられた非常に多数のアセンブリは結合され、「より大きな」半導体ウェーハを形成する。この場合、絶対的な大きさが製造方法の連続的な改良を介して減少できるので、「より大きな」はダイ上の回路の数を意味する。
【0006】
積み重なった半導体装置において、論理回路、メモリー、プロセッサー回路などの能動回路は、少なくとも部分的に別個のサブストレート上に製造され、次いで物理的に及び電気的に互いに結合されて、機能デバイスを形成する。このような結合方法は非常に精練された技術を使用し、改良が望まれる。
【0007】
半導体ウェーハ上の例えばCPUとキャッシュの2つの補完アセンブリの組み合わせが、用語「オンダイ」を用いて書き直され得る:CPUは「オンダイの」キャッシュを有し、すなわち同じ半導体ウェーハ上に直接キャッシュを有し、それはデータの交換を相当スピードアップさせる。アセンブリ技術及び包装技術(AVT)は、回路環境への半導体ウェーハ包装及び集積のさらなる加工を扱う。
【0008】
多くの集積回路が通常、単一の半導体ウェーハ上に製造され、ウェーハ上の個々の半導体ウェーハは切断線に沿って集積回路をカットすることで単体化される。個々の半導体ウェーハは通常別個に、例えばマルチ半導体ウェーハモジュールに又は他のタイプのパッケージに封入される(カプセル化される)。
【0009】
ウェーハレベルパッケージ(WLP)構造が、電気製品の半導体コンポーネントのための包装構造として使用される。多数の電気的な入力/出力(I/O)端子及び高出力集積回路(IC)のための増大した要求が、電気的なI/O端子のためのより大きい中央距離を可能にするファンアウトタイプのWLP構造の発展をもたらした。
【0010】
この場合、1又は複数の電気的な再配線層(再分配層:RDL)を有する電気的な再配線構造が使用される。各々のRDLは構造化された金属被覆層として設計されてもよく、電気的な配線として機能する。電気的な配線は、カプセルに埋め込まれた電子部品を、半導体コンポーネントパッケージの外部端子に及び/又は半導体コンポーネントパッケージの底面に配置された1又は複数の半導体ウェーハの1又は複数の電極に接続する。
【0011】
特許文献1は、半導体ウェーハが流延材料・注封材料に埋め込まれている半導体パッケージを開示している。再分配層が、半導体ウェーハパッケージの表面設置のためのソルダーボールを具備している。半導体パッケージを通るビア(スルーガラスビア)が、半導体パッケージの表面にはんだ材料を具備しており、それによって第2の半導体パッケージが第1の半導体パッケージの上に積み重ねられ得る。
【0012】
特許文献2は、表面設置のための半導体ウェーハパッケージを開示している。複数の端子が主面に設けられており、その端子に第2の半導体ウェーハパッケージが取り付けられ得る。
【0013】
特許文献3は、論理回路部品及びパワー部品を有する電子モジュールを開示している。論理回路部品及びパワー部品は、上下に配置されたサブストレートに配置され、一緒に成形されている。
【0014】
特許文献4及び特許文献5はさらに、TSMCの3D半導体ウェーハ集積を記載している。半導体ウェーハはプラスチック樹脂に成形され、ビアはスルーシリコンビアの形態で作られるか、金属ロッドの形態で流延材料に埋め込まれる。
【0015】
特許文献6は、CSPの充填不足を扱っており、そこでの製造時-中間生成物として半導体チップをそのキャリアで受容するための側壁を備えた凹所を有するホルダーを開示している。
【0016】
特許文献7は、弾性手段と少なくとも部分的に一列に並んだチップを受容するための凹所を有する金属又は樹脂から作られるチップを加工するためのホルダーを開示している。
【0017】
さらに、特許文献8は複雑な3D集積に関し、特許文献9は「集積されたファンアウトパッケージ」に関する。
【0018】
流延材料を導入することで、半導体ウェーハ間の相対的な移動、さらに半導体ウェーハのための予め定められた意図する位置に対する相対的な移動がもたらされる。流延材料の硬化誘発された収縮が、凸凹な変形をもたらし得る張力を付加的に生じさせる。流入する流延材料のダイナミックな力がさらに、サブストレート上の半導体ウェーハのドリフトを生じさせる。さらに、裏面金属被覆を加工することで反り問題が生じ得ることが既に知られている。
【0019】
上述の不都合を避けるために、最も近い従来技術を表す特許文献10は、特許請求項1のプレアンブル部分に従う方法を提供し、1又は複数の半導体ウェーハを収容するための、対応する壁により形成される少なくとも1つの凹所を有するガラスから作られたサブストレートが、流延材料の導入の前に、半導体ウェーハに対して位置決めされ又は固定され、それにより少なくとも個々の半導体ウェーハがガラスサブストレートの壁によって取り囲まれる。したがって、1又は複数の半導体ウェーハをそれぞれの凹所に配置し、それらを他の半導体ウェーハから分離して配置することで、これらが流延材料の導入により引き起こされる望まれない影響から最適に保護される。ガラスサブストレートがサブストレートの又は半導体ウェーハを担持するプラスチックサブストレートの主延在平面と平行な半導体ウェーハの移動を100μm未満に及び実施形態に応じて10μm未満に制限することが試験により既に示されている。この目的のために、ガラスサブストレートは、半導体ウェーハに適合した凹所を有するマスクを形成し、それら凹所は好ましくはスルーホール(スルーガラスビア:TGV)を既に具備でき、貫通接続を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】DE102007022959A1
【特許文献2】US6716670B1
【特許文献3】DE102006033175A1
【特許文献4】US2014/0091473A1
【特許文献5】US2015/0069623A1
【特許文献6】WO1998/037580A1
【特許文献7】US4953283A
【特許文献8】US2015/0303174A1
【特許文献9】US2017/0207204A1
【特許文献10】WO2019/091728A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
さらに、特許文献10に従うこの従来技術から、ガラスサブストレートの壁に、凹所における半導体ウェーハの位置保持及び/又は方向付けのためのばね要素を設けることが知られている。半導体ウェーハの対応する凹所への導入はここで問題を生じさせる、というのもこの目的のために繊細なばね要素が、それらが半導体ウェーハの輪郭によって占められるスペースの外側に位置決めされる広がった位置-ここで「輪郭スペース」と称する-と、半導体ウェーハに作用する位置の間で適切に扱われなければならないからである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この問題を解決するために、本発明は、請求項1の特徴部分に従う製造中間生成物としてのこのような集積半導体ウェーハ装置のための対応する設置方法、及び請求項8に従う方法の対応する実施のための対応する設置装置を提供する。
【0023】
したがって、本発明に従う設置方法は以下のステップを有する:
-ガラスサブストレートに、位置決めすべき半導体ウェーハの輪郭スペースに係合する緩和したばね要素を備え、
-ばねマニピュレータサブストレートに、位置決めすべき半導体ウェーハの及び/又は少なくとも1つのばね要素の輪郭スペースに適合する操作要素(マニピュレーション要素)を備え、
-ガラスサブストレートをばねマニピュレータサブストレートに対して移動させ、それによりばね要素に半導体ウェーハの輪郭スペースの外側にプレストレスを与え、ばね要素を偏向させるように、その操作要素を凹所に進入させ、
-半導体ウェーハを凹所内に配置し、及び
-ガラスサブストレートをばねマニピュレータサブストレートに対して移動させて戻し、それによりばね要素を解放するように、その操作要素を半導体ウェーハの輪郭スペースの外側に移動させ、その結果、少なくとも1つのばね要素が半導体ウェーハに作用し、凹所においてその位置を保持し及び/又はそれを整列させる。
【0024】
本発明に従う方法は、技術的に簡単にガラスサブストレートでの1又は複数のばね要素の定められた非常に優しい操作を実現するために、ばねマニピュレータサブストレートを使用する。
【0025】
ガラスサブストレート及びばねマニピュレータサブストレートは、非線形の自己収束によるレーザー照射によって加工され、次に適切なエッチング速度で及び適切なエッチング持続時間の間エッチングによる異方性の材料除去を受けるので、殆ど平坦な壁表面が凹所の境界表面及びサブストレート内の既存の構造の側面として生成され、それにより半導体ウェーハが、側壁表面から及びゆえに隣接する半導体ウェーハから非常に小さい距離を置いて配置され得る。
【0026】
ガラスサブストレート及びばねマニピュレータサブストレートにおいて側壁表面を形成する凹所を製造する方法において、名称LIDE(Laser Induced Deep Etching)で知られたレーザー誘起ディープエッチングが使用される。この場合、LIDE法により、極めて正確な穴(スルーガラスビア=TGV)及び構造を非常に高速度で導入することが可能となり、よってガラスサブストレート及びばねマニピュレータサブストレートの合理的な製造のための要件がもたらされる。
【0027】
従属請求項は、本発明に従う設置方法の好ましい発展形態を特定する。操作要素はそれゆえガラスサブストレートの厚さの半分より少ない最大深さまでその凹所に進入する。これは、1又は複数のばね要素のための必要な操作行程と半導体ウェーハを収容するために凹所の利用可能な深さの最小の可能な切り取りの間の合目的的な妥協を表す。
【0028】
操作要素は好ましくは、下からガラスサブストレートの凹所に進入し、それにより半導体ウェーハは好都合に上から凹所にフィットすることができる。
【0029】
操作要素のための好都合な形状は、それぞれのばね要素のために、台形断面を有する及び側面の操作フランクを有する台形状の突起である。この突起は、ばねマニピュレータサブストレートの板状基体に、好ましくは一体的に形成され得る。斜めに設定される側面の操作フランクは、繊細なばね要素への段階的な、したがって優しい作用を生じる。ここで、操作要素自体は、多数の製造サイクルに対して十分安定的であるように設計される。
【0030】
凹所における前記半導体ウェーハは好ましくは、ガラスサブストレートとばねマニピュレータサブストレートの間の相対移動によって上げられた中間位置において前記操作要素上に位置し、前記操作要素が前記凹所から外側に移動されると、前記凹所におけるその最終位置に下げられる。ばねマニピュレータサブストレートの延伸とばね要素の関連する作動・活性化によって、それは前記ばね要素によって凹所内に保持され、そこで整列される。
【0031】
1つの方法技術的な発展形態では、半導体ウェーハは、操作要素上に一時的に位置する半導体ウェーハのための付加的な固定として負圧を受けてもよい。同様に、ガラスサブストレートとばねマニピュレータサブストレートの間の負圧の適用はさらに、これら2つの構成部品の間の相対移動を保証し得る。
【0032】
装置の観点では、1つの好ましい実施形態によれば、厚さ方向に連続する吸引流路が、前記ばねマニピュレータサブストレートに、特にその基体及び/又は前記操作要素に形成されている。
【0033】
例示の実施形態を図面に示し、本発明をさらに説明するために以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明に従わない実施形態における凹所及びスルーガラスビア(TGV)を有するガラスサブストレート(ガラス基板)の垂直な断面イラストレーションを示す。
【
図2】同様に本発明に従わない実施形態における凹所及びスルーガラスビアを有するガラスサブストレートの水平な断面イラストレーションを示す。
【
図3】集積半導体ウェーハパッケージの垂直な断面イラストレーションを示す。
【
図4】半導体ウェーハを方向付けするためのばね要素を備えた集積半導体ウェーハ装置の1つの実施形態の概略的な断面平面図を示す。
【
図5】(及び
図6)2つの異なる設置位置におけるばね要素を有するさらなる実施形態におけるガラスサブストレートの概略的な断面平面図を示す。
【
図6】(及び
図5)2つの異なる設置位置におけるばね要素を有するさらなる実施形態におけるガラスサブストレートの概略的な断面平面図を示す。
【
図7】ガラスサブストレートを有する設置装置の概略的な垂直断面イラストレーションを示し、ガラスサブストレート及びばねマニピュレータサブストレートは互いから離れた相対位置にある。
【
図8】
図7と同様なイラストレーションを示し、ばねマニピュレータサブストレートはガラスサブストレートに進入している。
【
図9a】設置装置のための連続的な設置-中間段階を有する
図7及び8と同様なイラストレーションを示す。
【
図9b】設置装置のための連続的な設置-中間段階を有する
図7及び8と同様なイラストレーションを示す。
【
図9c】設置装置のための連続的な設置-中間段階を有する
図7及び8と同様なイラストレーションを示す。
【
図9d】設置装置のための連続的な設置-中間段階を有する
図7及び8と同様なイラストレーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、後述する設置方法を対象としたガラスサブストレート1の最も重要な特徴を示す。厚さDのガラスサブストレート1が、複数の凹所2と間隔bを備えている。「スルーガラスビア」、省略してTGVとして知られているスルーホール4が、凹所2を取り囲む、ガラスサブストレート1の壁3に形成され、当該スルーガラスビアには、金属被覆5が従来通りに導入される。ガラスサブストレート1は、少なくとも基本的に、無アルカリガラスから、特にアルミノホウケイ酸ガラス又はホウケイ酸ガラスから成る。
【0036】
図2は、平面図にて長方形である凹所2を再び有する同様のガラスサブストレート1の平面図を示す。壁3の領域では、
図2の左に示される凹所2の両側にスルーホール4が導入され、距離を置いてその細い側面6,7に位置する。このタイプの更なるスルーホール4が、
図2の右に示される凹所2の下に平行に2列で位置している。
【0037】
凹所2は、-
図1に示されるように-スルーホール(貫通孔)として設計されてもよいが、止まり穴として設計されてもよい。
【0038】
図1及び2に従うガラスサブストレート1の場合のさらなる幾何学的比率は次のようである:その材料厚さDは例えば500μm未満であり、好ましくは300μm未満であり、さらにいっそう好ましくは100μm未満である。壁3の壁厚bは500μm未満であり、好ましい漸次的変化は300μm未満、200μm未満、100μm未満又は50μm未満であり、好ましくはガラスサブストレート1の材料厚さDより小さい。それに応じて、ガラスサブストレート1における2つの凹所2の間の最大の残りの壁厚bの、その材料厚Dに対する比b/Dは、1:1未満、好ましくは2:3未満、1:3未満又は1:6未満であり得る。
【0039】
図3から明らかなように、半導体コンポーネント9が側壁表面8から最小の可能な距離を隔ててそこに収納され得るように、ガラスサブストレート1における凹所2の大きさは原則として選択される。凹所2の位置は、それらがいわゆる「チップパッケージ」又は「ファンアウトパッケージ」として知られる集積半導体コンポーネント装置において半導体ウェーハとして形成される半導体コンポーネント9の望ましい後続の位置決めに対応するように選択される。
【0040】
さて
図3は、ガラスサブストレート1がチップパッケージの製造においてどのように使用され得るかを概略的に示す。壁3の側壁表面8と、これらに対向する半導体コンポーネント9の側面の間の距離は、この場合例えば30μm未満、好ましくは20μm未満、10μm未満又は5μm未満である。
【0041】
半導体コンポーネント9をガラスサブストレート1内のそれらの位置に固定するために、流延材料12が凹所に流し込まれる。これは、ガラスサブストレート1、金属被覆5によってそこに導入されるスルーホール4及び流延材料12に埋め込まれる半導体コンポーネント9の小型ユニットを生じさせる。再分配層と半導体コンポーネント9と接触するためにそこに位置決めされるソルダーボールを適用することによる
図3に従う装置のさらなる加工は本発明の主題ではなく、特許文献10に詳細に記載されている。
【0042】
ガラスサブストレート1のそれぞれの凹所2における半導体コンポーネント9のきついフィッティング(嵌合)の際にコンポーネント9の傾斜に対抗するために、-
図4に示されるように-コンポーネント9の角のための切り欠き17をそれぞれの凹所2の角領域にガラスサブストレート1に形成することが可能である。
【0043】
さらに、側壁表面8から突出する複数のストッパ18がガラスサブストレート1に配置され、それにより凹所2における半導体コンポーネント9の位置固定の際のいわゆる「過剰決定(overdeterminacy)」を回避できる。
【0044】
最後に、半導体コンポーネント9の予備固定はまた、ストッパ18に対向する、ガラスサブストレート1の側壁表面8における2つのばね要素19によって追加的にさらに最適化される。しかしながら、構造要素凹所17、ストッパ18及びばね要素19はまた別個に、それぞれ単独で又はさもなければ様々な組み合わせで、集積半導体ウェーハ装置の様々な凹所2に挿入され得ることに留意されたい。
【0045】
本発明を実施する設置方法及びここで対応的に使用される設置装置を以下により詳細に記載する。この場合、
図5及び6は、
図4と同様に、ここでは描かれていない半導体ウェーハを収容するための凹所2を備えたガラスサブストレート1を再び示す。それは
図5及び6において破線形状でマークされたその輪郭スペースKによってのみ示されている。輪郭スペースKは、その平面図に対して半導体ウェーハによって占められる外側プロフィールを表す。この実施形態では、2つのばね要素19はそれぞれ、ばねアーム20によって形成されており、ばねアーム20は、それらの端部でガラスサブストレートに接続しており、それらの他方の端部で互いに指向しており、
図5に示されるそれらの緩和した位置では凹所2に僅かに斜めに突き出ている。ばねアーム20はそれにより輪郭スペースKに係合する。
図6は、ばねアーム20の偏向した張られた位置を示しており、そこではこれらアームは輪郭スペースKの外側に移動しており、もはやそれと交差しない。
【0046】
図7及び8に関連して、今度は本発明に従う設置装置21の説明をするが、そのコア構成要素はばねマニピュレータサブストレート22である。これは、対応するフィリグリー法(金銀線細工法)を用いてガラスサブストレート1に同様に製造され、板状基体23と、台形断面を有する及び側面の操作フランク26を有する、台形状の突起の形態でその上側24に形成された操作要素25とを有する。これら操作要素25のプロフィール及び高さは、それらがばね要素19のばねアーム20と適切に交わることができるように選択される。詳細には、ガラスサブストレート1をばねマニピュレータサブストレート22に関して移動させるために、ばねマニピュレータサブストレート22はガラスサブストレート1に対して下から動かされ、それにより操作要素25が凹所2に突入し、それらの操作フランク26によってばねアーム20を徐々に掴み、それらアームを
図5又は7に示される緩和した位置から、
図6又は8に示されるテンションのかかった外側に押された位置に運ぶ。このステップは
図9a及び9bにも示されている。
【0047】
この位置では、輪郭スペースKが開けられ、従って半導体コンポーネント9が何の妨げも無く上からそこに位置する操作要素25上の凹所2に配置できる程度に、ばねアーム20は外側に押圧される-
図9c参照。
【0048】
ばねマニピュレータサブストレート22は次に再び下げられ、その結果先ず、それぞれの半導体コンポーネント9が凹所2にさらに下げられ、次にばねアーム20が解放される。これらばねアームはしたがって半導体コンポーネント9に作用し、それらを位置に関して正確に凹所2において整列させる。この製造中間ステップに基づき、-上述したように従来技術と同様に-半導体コンポーネント9を凹所2に成型し(cast)、再分配層及びソルダーボールを適用することが再び可能である。
【0049】
装置の観点では、ばねマニピュレータサブストレート22はまだ、操作要素25の領域において厚さ方向DRに及びそれらの間で連続する吸引流路27,28を具備することで補足する必要がある。
図9a~9dにおいて中央に描かれた吸引流路27は、凹所2の間の壁3と同じ高さであり、負圧の適用pによってガラスサブストレート1とばねマニピュレータサブストレート22の間の相対移動の際の運動を駆動するよう機能する。半導体コンポーネント9は同様に、負圧の適用pによって他の吸引流路28を介して操作要素25上のそれらの位置に固定される。
【0050】
ばねアーム20の屈曲・偏向は5~100μm程度である。操作要素25の高さh及びゆえに凹所へのその最大進入深さtは相当に小さく、好ましくはガラスサブストレート1の厚さDの半分より小さい。
【符号の説明】
【0051】
1 ガラスサブストレート
2 凹所
3 壁
9 半導体ウェーハ
19 ばね要素
22 ばねマニピュレータサブストレート
25 操作要素
K 輪郭スペース
【国際調査報告】