(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】スタビライザー
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20230310BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230310BHJP
F16M 11/30 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
G03B17/56 A
G03B15/00 P
F16M11/30 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543707
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2020128297
(87)【国際公開番号】W WO2021147476
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】202010066149.5
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518040943
【氏名又は名称】グイリン ジーシェン インフォメーション テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUILIN ZHISHEN INFORMATION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】9 Huangtong Road, Tieshan Industrial Park, Qixing District, Guilin, Guangxi 541004 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】ルー,リーフェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジータオ
(72)【発明者】
【氏名】スー,シアオ
【テーマコード(参考)】
2H105
【Fターム(参考)】
2H105AA03
2H105AA06
2H105AA07
2H105AA12
(57)【要約】
パン軸とロール軸の周りを回転して撮影装置の安定性を向上させられるように構成されるスタビライザー(1)であって、スタビライザー(1)はパン軸モーターを備えるハンドル(11)と、接続アーム(12)とを含み、ハンドル(11)の側面に第1接続部品(113)が設けられ、接続アーム(12)の遠位端にはロール軸モーターによって駆動されるクランプ部品(124)が設けられ且つその側面には第1接続部品(113)と係合して接続される第2接続部品(121)が設けられ、これにより接続アーム(12)はハンドル(11)に対して遠位側方向又は近位側方向に移動し且つ使用スペースが減少される保管状態になるまで移動できる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン軸とロール軸の周りを回転して撮影装置の安定性を向上させられるように構成されるスタビライザーであって、
側面に第1接続部品が設けられる、パン軸モーターを備えるハンドルと、
遠位端にはロール軸モーターによって駆動されるクランプ部品が設けられ且つ側面には前記第1接続部品と係合して接続される第2接続部品が設けられる接続アームとを含み、
これにより、前記接続アームは前記ハンドルに対して遠位側方向又は近位側方向に移動し且つ使用スペースが減少される保管状態になるまで移動できることを特徴とするスタビライザー。
【請求項2】
前記ハンドルは固定部分と内部に前記パン軸モーターを収容する可動部分として構成され、前記第1接続部品は前記可動部分の外側に設けられることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザー。
【請求項3】
前記ハンドルの側面に第1位置固定部材が設けられ、且つ前記接続アームの側面には前記接続アームが前記ハンドルに対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記第1位置固定部材と係合してロックできる第2位置固定部材が設けられ、これにより前記接続アームと前記ハンドルは使用状態でロックされることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタビライザー。
【請求項4】
前記クランプ部品は近位側・遠位側方向の横方向において前記接続アームに延在して突出し、前記接続アームが前記ハンドルに対して近位側方向へ所定の位置に移動した時に前記ハンドルの遠位端に靠れる止め具として用いられることができることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタビライザー。
【請求項5】
前記ハンドルの側面に第1位置制限部材が設けられ、且つ前記接続アームの側面には前記第1位置制限部材と互いに係合して前記接続アームが前記ハンドルから脱出するのを防ぐための第2位置制限部材が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタビライザー。
【請求項6】
前記第2位置固定部材は前記接続アームが前記ハンドルに対してそれぞれ近位側方向、遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記第1位置固定部材と係合してロックされる上位置決め部と下位置決め部を含むように構成されることを特徴とする請求項3に記載のスタビライザー。
【請求項7】
前記第1位置固定部材と前記第2位置固定部材は互いに係合される弾性ストッパービーズとビーズ位置固定溝として構成され、前記接続アームが前記ハンドルに対して移動する時に前記弾性ストッパービーズが圧縮され、且つ前記接続アームが前記ハンドルに対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記弾性ストッパービーズが前記ビーズ位置固定溝内に跳ね返ることで、前記接続アームと前記ハンドルがロックされることを特徴とする請求項3に記載のスタビライザー。
【請求項8】
前記第1位置固定部材と前記第2位置固定部材は互いに係合される弾性片と斜面構造として構成され、前記接続アームが前記ハンドルに対して移動する時に前記弾性片に力がかからず、且つ前記接続アームが前記ハンドルに対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記弾性片が前記斜面構造によって押し付けられることで、前記接続アームと前記ハンドルがロックされることを特徴とする請求項3に記載のスタビライザー。
【請求項9】
前記斜面構造はガイド斜面と前記ガイド斜面に隣接するロック斜面として構成されることを特徴とする請求項8に記載のスタビライザー。
【請求項10】
前記第1接続部品と前記第2接続部品は互いに係合される摺動部品として構成され、これにより前記接続アームは前記ハンドルに対して近位側・遠位側方向に摺動することができることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタビライザー。
【請求項11】
前記ハンドルの側面に第1電気接続部品が設けられ、且つ前記接続アームの側面には前記接続アームが前記ハンドルに対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記第1電気接続部品と電気的に接続される第2電気接続部品が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタビライザー。
【請求項12】
前記ハンドルは近位側・遠位側方向に沿って伸縮できる伸縮構造として構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタビライザー。
【請求項13】
前記接続アームは前記パン軸モーターの重心に向かって傾斜するように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタビライザー。
【請求項14】
前記ハンドルは前記接続アームに接近できるよう弧度を有するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のスタビライザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影支援技術の分野に関し、特に、スタビライザーに関する。
【背景技術】
【0002】
撮影装置技術分野が早く発展するにつれて、利用者はカメラや携帯電話などの移動電子機器を用いて屋外で撮影する傾向が見られる。撮影効果を向上させるために、利用者は一般に手持ち式のスタビライザーに携帯電話を載せて撮影する。しかし、従来の技術ではスタビライザーを保管する場合に一般にスタビライザーの各方向の回転をロックするだけであるので、スタビライザーを保管するには大きなスペースを必要とするという問題があった。
【0003】
そこで、本分野では小さな保管スペースだけで済むスタビライザーが要望される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも上記の技術上の課題の一部を解決できるスタビライザーを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、パン軸とロール軸の周りを回転して撮影装置の安定性を向上させられるように構成されるスタビライザーを提供し、前記スタビライザーは、側面に第1接続部品が設けられる、パン軸モーターを備えるハンドルと、遠位端にはロール軸モーターによって駆動されるクランプ部品が設けられ且つ側面には前記第1接続部品と係合して接続される第2接続部品が設けられる接続アームとを含み、これにより、前記接続アームは前記ハンドルに対して遠位側方向又は近位側方向に移動し且つ使用スペースが減少される保管状態になるまで移動できる。
【0006】
本実施例に係るスタビライザーは従来の技術と比べ、未使用時に、ロール軸モーターを備える接続アームとパン軸モーターを備えるハンドルを相対的に移動させることにより使用スペースが減少される保管状態になるまで移動することができ、これによりスタビライザーが保管状態である時には使用スペースが効果的に減少され、利用者は屋外で本実施例に係るスタビライザーを使用する場合の使いやすさを向上させている。
【0007】
好ましくは、前記ハンドルの側面に第1位置固定部材が設けられ、且つ前記接続アームの側面には前記接続アームが前記ハンドルに対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記第1位置固定部材と係合してロックできる第2位置固定部材が設けられ、これにより前記接続アームと前記ハンドルは使用状態でロックされる。
【0008】
好ましくは、前記クランプ部品は近位側・遠位側方向の横方向に前記接続アームに延在して突出し、前記接続アームが前記ハンドルに対して近位側方向へ所定の位置に移動した時に前記ハンドルの遠位端に持たれる止め具として用いられることができる。
【0009】
好ましくは、前記ハンドルの側面に第1位置制限部材が設けられ、且つ前記接続アームの側面には前記第1位置制限部材と互いに係合して前記接続アームが前記ハンドルから脱出するのを防ぐための第2位置制限部材が設けられる。
【0010】
好ましくは、前記第2位置固定部材は前記接続アームが前記ハンドルに対してそれぞれ近位側方向、遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記第1位置固定部材と係合してロックされる上位置決め部と下位置決め部を含むように構成される。
【0011】
好ましくは、前記第1位置固定部材と前記第2位置固定部材は互いに係合される弾性ストッパービーズとビーズ位置固定溝として構成され、前記接続アームが前記ハンドルに対して移動する時に前記弾性ストッパービーズが圧縮され、且つ前記接続アームが前記ハンドルに対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記弾性ストッパービーズが前記ビーズ位置固定溝内に跳ね返ることで、前記接続アームと前記ハンドルがロックされる。
【0012】
好ましくは、前記第1位置固定部材と前記第2位置固定部材は互いに係合される弾性片と斜面構造として構成され、前記接続アームが前記ハンドルに対して移動する時に前記弾性片に力がかからず、且つ前記接続アームが前記ハンドルに対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記弾性片が前記斜面構造によって押し付けられることで、前記接続アームと前記ハンドルがロックされる。
【0013】
好ましくは、前記斜面構造はガイド斜面と前記ガイド斜面に隣接するロック斜面として構成される。
【0014】
好ましくは、前記第1接続部品と前記第2接続部品は互いに係合される摺動部品として構成され、これにより前記接続アームは前記ハンドルに対して近位側・遠位側方向に摺動することができる。
【0015】
好ましくは、前記ハンドルの側面に第1電気接続部品が設けられ、且つ前記接続アームの側面には前記接続アームが前記ハンドルに対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に前記第1電気接続部品と電気的に接続される第2電気接続部品が設けられる。
【0016】
好ましくは、前記ハンドルは近位側・遠位側方向に沿って伸縮できる伸縮構造として構成される。
【0017】
好ましくは、前記接続アームは前記パン軸モーターの重心に向かって傾斜するように構成される。
【0018】
好ましくは、前記ハンドルは前記接続アームに接近できるよう弧度を有するように構成される。
【0019】
本発明の他の特徴と利点の一部は、本明細書を読み終えた当業者に明瞭であり、もう一部は以下、特定の実施形態として図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【
図1】
図1は本発明の実施例に係るスタビライザーのハンドルの第1概略図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例に係るスタビライザーのハンドルの第2概略図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例に係るスタビライザーの接続アームの第1概略図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例に係るスタビライザーの接続アームの第2概略図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例に係るスタビライザーが保管状態である時の概略図であり、第1位置固定部材と第2位置固定部材は互いに係合される弾性ストッパービーズとビーズ位置固定溝として構成される。
【
図6】
図6は本発明の実施例に係るスタビライザーが使用状態である時の概略図であり、第1位置固定部材と第2位置固定部材は互いに係合される弾性ストッパービーズとビーズ位置固定溝として構成される。
【
図7】
図7は本発明の実施例に係るスタビライザーが使用状態である時の第1概略図であり、第1位置固定部材は斜面構造として構成され、第2位置固定部材は斜面構造と互いに係合される弾性片として構成される。
【
図8】
図8は本発明の実施例に係るスタビライザーが使用状態である時の第2概略図であり、第1位置固定部材は斜面構造として構成され、第2位置固定部材は斜面構造と互いに係合される弾性片として構成される。
【
図9】
図9は本発明の実施例に係るスタビライザーが使用状態である時の概略図であり、接続アームとハンドルの軸線は平行でない。
【
図10】
図10は本発明の実施例に係るスタビライザーが保管状態である時の概略図であり、接続アームとハンドルの軸線は平行でない。
【
図11】
図11は本発明の実施例に係るスタビライザーが使用状態である時の概略図であり、ロール軸モーターは少なくとも一部がクランプ部品内に埋め込まれる。
【符号の説明】
【0021】
1…スタビライザー、11…ハンドル、111…固定部分、112…可動部分、113…第1接続部品、113a…スライダー、114…第1位置固定部材、114a…ビーズ位置固定溝、114b…斜面構造、114ba…ガイド斜面、114bb…ロック斜面、115…第1位置制限部材、116…第1電気接続部品、117…調整表示装置、12…接続アーム、121…第2接続部品、121a…摺動溝、122…第2位置固定部材、122a…弾性ストッパービーズ、122b…弾性片、1221…上位置決め部、1222…下位置決め部、123…ロール軸モーター、1231…モーター磁気リング、1232…モーターコイル、1233…モーターナット、1234…モーターボードとジャイロスコープ、124…クランプ部品、125…第2位置制限部材、126…第2電気接続部品。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係るスタビライザーの技術案の概要を詳細に説明する。本発明のいくつかの実施形態を示すために図面が提供されるが、図面は必ずしも特定の実施形態の寸法に従って作成されるとは限らず、しかも本発明の開示内容をよりよく示し説明するためには、特定の特徴を拡大、削除又は部分的に断面化することができる。図面に係る一部の部品は技術的効果に影響がない限り実際のニーズに応じて位置を調整することができる。明細書に記載される「図面において」又は類似の用語は必ずしも全ての図面又は例を参考にするとは限らない。
【0023】
以下、図面の説明で使用される特定の方向用語、例えば、「内」、「外」、「上方」、「下方」や他の方向用語は、通常の意味を有し且つ図面の通常の観察に基づく方向を指すと理解される。特に断りがある場合を除いて、本明細書で使用される方向用語は基本的に当業者が理解している通常の方向を意味する。また、本発明の実施例で、利用者に近い側を近位側と、利用者と遠い側を遠位側という。図面を紙に印刷した場合、近位側は紙面の下側、遠位側は紙面の上側である。
【0024】
本発明で使用される用語「第1」、「1つ目」、「第2」、「2つ目」及び類似の用語は、順番、数量又は重要性を表すものではなく、1つの部品を他の部品と区別するために使用される。
【0025】
図1~
図8が参照されるとおり、スタビライザー1は利用者が持つハンドル11と撮影装置を載せる接続アーム12とを含み、これにより利用者は撮影装置を使用する時にスタビライザー1を用いて撮影時に撮影装置の安定性を保持して、撮影効果を向上させる。
【0026】
具体的には、スタビライザー1は、パン軸の周りを回転できロール軸の周りを回転できる2軸スタビライザー1であってもよく、パン方向とロール方向における撮影装置の不安定を解消するために用いられる。ハンドル11は固定部分111と内部にパン軸モーターを収容する可動部分112として構成されてもよく、パン軸モーターの駆動で、可動部分112は固定部分111に対して回転することができる。可動部分112の外側に第1接続部品113が設けられ、且つ接続アーム12の側面に第2接続部品121が設けられ、第1接続部品113と第2接続部品121が互いに係合することにより、接続アーム12をハンドル11の可動部分112に取り付けることができる。また、接続アーム12の利用者に遠い側で且つハンドル11と接続されていない端部、即ち接続アーム12の遠位端には、ロール軸モーター123を介して撮影装置をクランプするためのクランプ部品124が接続され、これにより撮影装置はロール軸モーター123に駆動されて回転することができ、さらに、ハンドル11の固定部分111に対してロール軸の周りを回転し、パン軸の周りを回転し又はロール軸とパン軸の周りを同時に回転することができ、利用者は実際のニーズに応じて選択することができる。任意選択で、ハンドル11の固定部分111は近位側・遠位側方向に沿って伸縮できる伸縮構造として構成されてもよく、これにより利用者はスタビライザー1を使用する時に撮影装置との間隔を調整して、本実施例に係るスタビライザー1の使いやすさをさらに向上させる。
【0027】
且つ、第1接続部品113と第2接続部品121が係合することにより、接続アーム12をハンドル11に対して遠位側方向又は近位側方向へ移動できるように、ハンドル11の可動部分112に取り付けることができ、これにより撮影装置は利用者に近づき又は遠ざかる。なお、接続アーム12がハンドル11に対して遠位側方向に移動する場合に撮影装置は利用者から遠ざかって移動し、接続アーム12がハンドル11に対して近位側方向に移動する場合に撮影装置は利用者に近づいて移動すると理解できる。接続アーム12を遠位側方向へ所定の位置に移動させた場合又は接続アーム12が遠位側方向へ所定の距離に移動した状態を使用状態と、接続アーム12を近位側方向へ所定の位置に移動させた場合又は接続アーム12が近位側方向へ最短距離に移動した状態を保管状態と定義することができる。自明なことに、保管状態において、接続アーム12が近位側方向へハンドル11に近づいて移動し、接続アーム12とハンドル11が使用状態である場合よりも、使用スペースを大幅に減少している。任意選択で、本実施例に係るスタビライザー1はクランプ部品124とロール軸モーター123の間、及びハンドル11の可動部分112とパン軸モーターの間にロック部品が設けられてもよく、これにより保管状態である時に任意選択でクランプ部品124のハンドル11に対するロール移動と可動部分112の固定部分111に対するパン移動を限定して、保管状態において撮影装置とスタビライザー1を損傷しかねないのを避ける。
【0028】
さらに、第1接続部品113と第2接続部品121は互いに係合される摺動部品として構成されてもよい。例示的に、
図1~
図6に示すように、第1接続部品113は近位側・遠位側方向、即ちハンドル11の軸方向に延在する1対のスライダー113aとして構成されてもよく、第2接続部品121はスライダー113aを収容し且つ近位側・遠位側方向、即ち接続アーム12の軸方向に延在する1対の摺動溝121aとして構成されてもよく、これにより接続アーム12はハンドル11に取り付けることができ且つハンドル11に対して近位側方向又は遠位側方向に摺動することができる。好ましくは、スライダー113aと摺動溝121aはそれぞれアリスライダー113aとアリ摺動溝121aとして構成されてもよい。実際の実施形態において、第1接続部品113と第2接続部品121は接続アーム12とハンドル11が相対的に移動できるように互いに係合される転動部品として構成されてもよく、第1接続部品113はハンドル11上の近位側・遠位側方向に沿う1対の転動ブロックとして構成されてもよく、第2接続部品121は接続アーム12上の近位側・遠位側方向に沿う1対のガイドレールとして構成されてもよい。又は、第1接続部品113と第2接続部品121は接続アーム12とハンドル11が相対的に移動できるようにする他の構造として構成されてもよい。
【0029】
さらに、ハンドル11の側面に第1位置固定部材114が設けられてもよく、且つ接続アーム12の側面に第2位置固定部材122が設けられてもよく、これにより接続アーム12がハンドル11に対して遠位側へ所定の間隔となるように移動した時に、第1位置固定部材114と第2位置固定部材122が係合してロックされることで接続アーム12とハンドル11は所定の使用状態でロックされる。なお、接続アーム12がハンドル11に対して遠位側へ移動する所定の距離は接続アーム12がハンドル11に対して遠位側方向へ移動する行程以内でなければならないと理解できる。
【0030】
任意選択で、第2位置固定部材122は、接続アーム12がハンドル11に対してそれぞれ近位側方向又は遠位側方向へ所定の位置に移動した時に、第1位置固定部材114と係合してロックされることで接続アーム12とハンドル11を保管状態にする上位置決め部1221と、接続アーム12とハンドル11を使用状態にする下位置決め部1222とを含むように構成されてもよい。又は、第2位置固定部材122は上位置決め部1221を省略し、接続アーム12がハンドル11に対して遠位側方向へ所定の位置に移動した時に第1位置固定部材114と係合してロックされることで接続アーム12とハンドル11を使用状態にする下位置決め部1222だけを含むように構成されてもよく、この場合に接続アーム12がハンドル11に対して近位側方向に移動して保管状態となる時にはロックされる代わりに、例えば、保管袋に保管され且つ接続アーム12とハンドル11の互いに遠ざかる移動を限定されるようにされてもよい。又は、第2位置固定部材122は上位置決め部1221と下位置決め部1222の他にも、上位置決め部1221と下位置決め部1222の間に等間隔に又は非等間隔に設けられる少なくとも1つの中間位置決め部を含んでもよく、下位置決め部1222、少なくとも1つの中間位置決め部と上位置決め部1221は接続アーム12がハンドル11に対して遠ざかって移動する過程で第1位置固定部材114と係合してロックされることで接続アーム12とハンドル11をそれぞれ保管状態、少なくとも1つの中間の使用状態と最終の使用状態でロックすることができる。
【0031】
例示的に、
図1~
図6に示すように、第1位置固定部材114はハンドル11の1対のスライダー113aの間の側面に位置するビーズ位置固定溝114aとして構成され、且つ第2位置固定部材122の上位置決め部1221と下位置決め部1222はいずれも接続アーム12の1対の摺動溝121aの間の側面に位置し且つビーズ位置固定溝114aと互いに係合される弾性ストッパービーズ122aとして構成される。接続アーム12がハンドル11に対して移動し、つまり接続アーム12とハンドル11の状態が遷移状態である時に弾性ストッパービーズ122aが圧縮状態であり、且つ接続アーム12がハンドル11に対して遠ざかって所定の位置に移動し、つまり接続アーム12とハンドル11が保管状態又は使用状態である時に弾性ストッパービーズ122aが跳ね返ってビーズ位置固定溝114a内に落ち、これにより接続アーム12とハンドル11がこれ以上は相対的に移動せず接続アーム12とハンドル11がロックされる。なお、第1位置固定部材114は弾性ストッパービーズ122aとして構成され、第2位置固定部材122の各位置決め部は弾性ストッパービーズ122aと互いに係合されるビーズ位置固定溝114aとして構成されてもよいと理解できる。
【0032】
別の例では、
図7及び
図8に示すように、第1位置固定部材114はスライダー113aの接続アーム12に近い側面に設けられる斜面構造114bとして構成されてもよく、且つ第2位置固定部材122の下位置決め部1222は摺動溝121aのハンドル11に遠い側壁に設けられ且つ斜面構造114bと互いに係合される弾性片122bとして構成されてもよい。接続アーム12がハンドル11に対して移動し、つまり接続アーム12とハンドル11が遷移状態である時に弾性片122bに力がかからず、且つ接続アーム12がハンドル11に対して遠ざかって所定の位置に移動し、つまり接続アーム12とハンドル11が使用状態である時に弾性片122bは斜面構造114bに押し付けられ、これにより接続アーム12とハンドル11がこれ以上は相対的に移動せず接続アーム12とハンドル11がロックされる。より具体的には、斜面構造114bは上方にあるガイド斜面114baとガイド斜面114baに隣接し、下方にあるロック斜面114bbを含むように構成されてもよく、接続アーム12がハンドル11に対して移動して遷移状態から使用状態に変わる過程で、弾性片122bはガイド斜面114baに沿って徐々に圧縮され且つロック斜面114bbに移動した時に押し付けられる。なお、第1位置固定部材114は弾性片122bとして構成され、第2位置固定部材122の各位置決め部は弾性片122bと互いに係合される斜面構造114bとして構成されてもよい。
【0033】
さらに、接続アーム12がハンドル11に対して移動して保管状態又は最終の使用状態になると、利用者が接続アーム12又はハンドル11をさらに移動させて接続アーム12がハンドル11から脱出し又はスタビライザー1を損傷しかねないことを防ぐために、クランプ部品124は近位側・遠位側方向の横方向に接続アーム12に延在して突出するようにされてもよく、
図1~
図6に示すように、接続アーム12にハンドル11を取り付けた側に向かって突出して、接続アーム12がハンドル11に対して移動して保管状態となる時にハンドル11の遠位端に持たれる止め具として、接続アーム12がこれ以上ハンドル11に近づいて移動するのを防ぐために用いられることができ、また、ハンドル11の側面に第1位置制限部材115が設けられ且つ接続アーム12の側面には第1位置固定部材114と互いに係合される第2位置制限部材125が設けられてもよく、これにより接続アーム12がハンドル11に対して遠位側方向に移動して最終の使用状態となる時に接続アーム12がハンドル11に対してさらに移動するのを制限する。例示的に、第1位置制限部材115は制限溝として構成され第2位置制限部材125は制限ピンとして構成されてもよく、接続アーム12がハンドル11から遠ざかって移動して最終の使用状態となる時に、制限ピンが制限溝内に落ちる。なお、第1位置制限部材115と第2位置制限部材125の最大間隔は接続アーム12とハンドル11の位置決めに影響がないよう、ハンドル11に対する接続アーム12の行程の長さ以上でなければならないと理解できる。
【0034】
さらに、ハンドル11の可動部分112の側面に第1電気接続部品116が設けられてもよく、且つ接続アーム12の側面には、接続アーム12が可動部分112に対して移動して中間の使用状態又は最終の使用状態となる時に第1電気接続部品116と電気的に接続される第2電気接続部品126が少なくとも1つ設けられてもよい。また、固定部分111の内部に電池が収容されてもよく且つ側面には固定部分111と可動部分112の互いに連通する内部を介して第1電気接続部品116と電気的に接続される調整表示装置117が設けられ、且つ接続アーム12の内部には第2電気接続部品126と電気的に接続される制御装置が収容される。
【0035】
例示的に、電池は第1電気接続部品116と第2接続部品121を介して制御装置に接続されて、制御装置と電気的に接続される他の装置に給電する。調整表示装置117は利用者にアクティブ化され、しかも当該接触に応じて指示信号を第1電気接続部品116、第1電気接続部品116と電気的に接続される第2電気接続部品126、制御装置に送信し、制御装置は当該指示信号に基づいて制御信号を生成しパン軸モーター及び/又はロール軸モーター123に送信することで制御を行う。第1電気接続部品116は6つのばねピンとして構成されてもよく、第2電気接続部品126は6つのばね接点として構成されてもよく、当該6つのばね接点は2組の送受信端子、シグナルグラウンドなどを含んでもよい。自明なことに、接続アーム12がハンドル11に対して中間の使用状態又は最終の使用状態となる時に、信号を受信・送信するように、6つのばねピンは6つのばね接点と対応して接続され、任意選択で、調整表示装置117はロッカー、縦横変換キー、モードキー、ズームキーなどを含むように構成されてもよい。
【0036】
任意選択で、
図9及び
図10に示すように、接続アーム12はパン軸モーターの重心に向かって傾斜するように構成され、これにより接続アーム12の軸線はハンドル11の軸線に向かって接近し、接続アーム12の重心がパン軸モーターの重心線により近くなり、パン軸モーターに省力化が図られ、発熱と電力消費が低減される。また、ハンドル11は接続アーム12に接近できるよう弧度を有するように構成され、使用状態において、ハンドル11の固定部分111が可動部分112に対して回転することで固定部分111の弧度が接続アーム12の外側に向けられ、これにより持ち心地が向上する。保管状態において、ハンドル11の固定部分111が可動部分112に対して回転することで固定部分111の弧度が接続アーム12の内側に向けられ、これによりスタビライザー1がよりコンパクトになる。好ましくは、固定部分111の遠位端と近位端を結ぶ線は接続アーム12の軸線と平行であってもよく、これによりスタビライザー1が一層コンパクトになる。
【0037】
任意選択で、ロール軸モーター123は少なくとも一部がクランプ部品124内に埋め込まれるように取り付けられてもよい。
図11に示すように、モーター磁気リング1231、モーターコイル1232、モーターナット1233、モーターボードとジャイロスコープ1234における少なくとも一部の要素がクランプ部品124の中間の部分に収容されてもよく、ロール軸モーター123とクランプ部品124と接続アーム12の全体としての体積を減らすことができ、且つスタビライザーが広角撮影モードを用いる場合に、ロール軸モーター123の干渉が避けられる。
【0038】
なお、本明細書は実施例ごとの説明となっているが、各実施例は1つの独立の技術案だけを含むのではなく、明細書がこのように記載されるのは明瞭に理解するためで、当業者は明細書を全体として扱うべきであり、各実施例に係る技術案を適切に組み合わせて、当業者に理解できる他の実施形態を得ることもできる。
【0039】
上述したのが例示的に本発明の特定の実施形態を示すもので、本発明の範囲を限定するものではない。当業者は本発明の趣旨を逸脱することなく同等な変化、補正や組み合わせを行った場合にそのいずれも本発明の保護範囲に入る。
【国際調査報告】