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特表2023-511344流体制御のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】流体制御のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20230310BHJP
   A61F 2/24 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
A61M25/00 630
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543717
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2021013092
(87)【国際公開番号】W WO2021146198
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】62/961,845
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トゥン・ティー・レ
(72)【発明者】
【氏名】サニー・トラン
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C267AA05
4C267BB03
4C267BB07
4C267BB11
4C267BB13
4C267BB26
4C267CC19
4C267HH18
(57)【要約】
本開示は、一般に、対象からの流体の制御を行うためのシステム、デバイス、および方法に関し、このシステム、デバイス、および方法は、イントロデューサシステムとともに利用されてもよい。そのような流体は、血液を含んでもよく、対象に対する医療処置時に生成されてもよい。対象の表面とイントロデューサシースのハウジングとの間のイントロデューサシース構造の部分を覆い、対象からの流体を内部に保持するように構成された拡張可能なシースが設けられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イントロデューサシースシステムであって、
対象の表面を通して挿入されるように構成されたイントロデューサシースであって、
遠位端と近位端とを有するシース構造と、
前記シース構造の前記近位端に配置されたハウジングとを含むイントロデューサシースと、
拡張可能なシースであって、前記対象からの流体を前記拡張可能なシース内に保持するために前記対象の前記表面と前記ハウジングとの間の前記シース構造の部分を覆うように構成された拡張可能なシースとを備えるイントロデューサシースシステム。
【請求項2】
前記拡張可能なシースは、近位部と遠位部とを含み、前記遠位部は、前記対象の前記表面に向かって押されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記拡張可能なシースの前記遠位部に配置され、前記イントロデューサシースの挿入点の周りを延びて前記対象に挿入されるように構成されたリングをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ハウジングに結合するように前記拡張可能なシースの前記近位部に配置されたカプラをさらに備える、請求項2または請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記拡張可能なシースは、近位部と遠位部とを含み、前記近位部は、前記拡張可能なシースの内部を密封するためのシールを含み、前記遠位部は、前記対象の前記表面を密封するためのシールを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記拡張可能なシースは、前記シース構造が前記対象から引き抜かれるときに前記シース構造の長さに沿って軸方向に拡張されるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記拡張可能なシースは、前記シース構造の長さに沿って軸方向に圧縮されるように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記シース構造は、前記シース構造の前記遠位端と前記近位端との間の長さを有し、前記シース構造の外面上にシームを含み、前記シームは、前記シース構造の前記長さの少なくとも一部に沿って延び、前記拡張可能なシースは、前記シース構造が前記対象から引き抜かれるときに前記シームの少なくとも一部を覆うように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記拡張可能なシースは、前記対象からの流体を保持するための内部キャビティを形成するように延びるように構成され、前記拡張可能なシースは、前記内部キャビティ内に前記シース構造を受け入れるように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記拡張可能なシースは、前記シース構造の全体にわたって前記近位端から前記遠位端まで延びるように構成される、請求項8または請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
イントロデューサシースシステムであって、
遠位端と近位端とを有し、対象の表面上の挿入点を通して挿入されるように構成されたシース構造を含むイントロデューサシースと、
ワイパー構造であって、前記挿入点と前記シース構造の前記近位端との間の前記シース構造上に配置され、前記シース構造に接触して相対的に遠位の方向に滑り流体が前記ワイパー構造の近位に移動するのを抑制するように構成されたワイパー構造とを備えるイントロデューサシースシステム。
【請求項12】
前記ワイパー構造は、前記シース構造を通過させるように構成された開口部を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ワイパー構造は、前記シース構造の外面の周りを延びるように構成されたリングを備える、請求項11および12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ワイパー構造は、弾性構造と、個人によって把持されるように構成され、前記弾性構造の少なくとも一部の周りを延びるハウジングとを含む、請求項11から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ワイパー構造は、第1の開口部と第2の開口部とを含み、前記第1の開口部および前記第2の開口部の各々が前記シース構造を通過させるように構成される、請求項11から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記ワイパー構造は、前記第1の開口部を含み、個人によって把持されるように構成された把持部を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記把持部は、前記第1の開口部からそれぞれの端部まで延びる少なくとも2つのアームを含み、前記ワイパー構造は、前記端部同士を結合する接続構造を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記接続構造は前記第2の開口部を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記シース構造は、前記シース構造の前記遠位端と前記近位端との間の長さを有し、前記シース構造の外面上にシームを含み、前記シームは、前記シース構造の長さの少なくとも一部に沿って延びる、請求項11から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記ワイパー構造は、前記シームを含む前記シース構造の前記長さの前記一部に接触して滑り前記シーム内の流体が前記ワイパー構造の近位に移動するのを抑制するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
イントロデューサシースシステムを使用する方法であって、
イントロデューサシースのシース構造を対象の表面上の挿入点から引き抜くステップであって、前記シース構造が、遠位端と近位端とを有する、ステップと、
前記シース構造が、前記対象からの流体を保持するための拡張可能なシースの内部キャビティ内に配置された状態において、前記挿入点と前記シース構造の前記近位端との間の前記シース構造の部分に沿って前記拡張可能なシースを拡張させるステップとを含む方法。
【請求項22】
前記拡張可能なシースは、遠位端と近位端とを含み、前記方法は、前記拡張可能なシースの前記遠位端を前記対象の前記表面に向かって押すステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記拡張可能なシースの前記遠位端を前記対象の前記表面に向かって押すことによって前記拡張可能なシースの前記遠位端を密封するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記イントロデューサシースは、前記シース構造の前記近位端に結合されたハウジングを含み、前記拡張可能なシースの前記近位端は前記ハウジングに結合される、請求項22または請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記拡張可能なシースは、前記シース構造が前記対象の前記表面上の前記挿入点から引き抜かれる間、前記シース構造の長さに沿って拡張される、請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記拡張可能なシースの長さは、前記シース構造が前記対象の前記表面上の前記挿入点から引き抜かれる間、前記シース構造の長さに沿って軸方向に長くなる、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記シース構造を前記挿入点に挿入し、前記拡張可能なシースを前記シース構造の長さに沿って圧縮するステップをさらに含む、請求項21から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記拡張可能なシースは、流体不浸透性であり前記内部キャビティを囲む壁を含む、請求項21から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記シース構造は、前記シース構造の長さの少なくとも一部に沿って延びるシームを前記シース構造の外面上に含み、前記方法は、前記シームを前記内部キャビティ内に配置するステップをさらに含む、請求項21から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記拡張可能なシースを前記シース構造の前記遠位端まで延ばすステップをさらに含む、請求項21から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
イントロデューサシースシステムを使用する方法であって、
イントロデューサシースのシース構造を対象の表面上の挿入点から引き抜くステップと、
前記シース構造が前記対象の前記表面上の前記挿入点から引き抜かれる間、ワイパー構造を前記シース構造に接触させて前記シース構造に対して遠位方向に滑らせるステップとを含む方法。
【請求項32】
前記ワイパー構造を利用して前記対象からの流体を前記遠位方向に押すステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記イントロデューサシースは、前記シース構造の近位端にハウジングを含み、前記方法は、前記ワイパー構造を前記ハウジングから外すステップをさらに含む、請求項31または請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ワイパー構造は、前記ワイパー構造が前記シース構造に接触して滑る間前記シース構造が配置される開口部を含む、請求項31から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記ワイパー構造を前記シース構造に接触させて滑らせる前記ステップは、前記シース構造を前記挿入点から引き抜く間前記ワイパー構造を前記対象の前記表面に押し付けるステップを含む、請求項31から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ワイパー構造のアームを把持するステップをさらに含む、請求項31から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ワイパー構造はリングである、請求項31から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記ワイパー構造は、弾性構造と、前記弾性構造の少なくとも一部の周りを延びるハウジングとを含み、前記方法は、前記ワイパー構造を前記シース構造に接触させて滑らせる間前記ハウジングを把持するステップをさらに含む、請求項31から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ワイパー構造を前記シース構造に接触させて前記シース構造の遠位端まで滑らせるステップをさらに含む、請求項31から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記シース構造は、前記シース構造の長さの少なくとも一部に沿って延びるシームを前記シース構造の外面上に含み、前記方法は、前記ワイパー構造を前記シース構造の前記シームに接触させて滑らせるステップをさらに含む、請求項31から39のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月16日に出願され、参照により全体が本明細書に組み込まれている米国仮出願第62/961845号の利益を主張する。
【0002】
本開示では、流体システムおよび流体制御機構におけるインプラント展開に関するシステム、デバイス、および方法について説明する。
【背景技術】
【0003】
様々な病気が個人の体に悪影響を与えることがある。そのような病気は、個人の心臓の病気である場合があり、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、および肺動脈弁を含む個人の心臓弁の病気を含むことがある。狭窄症は、たとえば、一般的で深刻な弁疾患であり、心臓弁の動作および個人の全身の健康に影響を与える場合がある。
【0004】
心臓の一部を置換または修復し得るインプラントが提供されることがある。心臓の一部を置換するために人工心臓弁などのプロセティックインプラントが提供されることがある。人工大動脈弁、人工僧帽弁、人工三尖弁、および場合によっては人工肺動脈弁が提供されることがある。
【0005】
インプラントは、対象の所望の部分に経皮的に低侵襲的に展開される場合がある。そのような展開は、経カテーテル的に行われることがあり、カテーテルは個人の血管系を通して展開される場合がある。
【0006】
給送装置が対象に進入する間、イントロデューザシステムが利用されることがある。そのようなイントロデューサシステムは、個人の体内の挿入点を通過させるように構成されたイントロデューサシースおよびイントロデューサ構造を含んでもよい。イントロデューサシースは、対象内への給送装置用の初期経路を形成する場合がある。しかし、挿入時のエラーまたはイントロデューサシースの抜去を取り巻く問題によって、流体、具体的には血液が進入点から漏出する場合がある。したがって、イントロデューサシステムの改良が望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本システムおよび方法は、(限定はしないが)医療処置および訓練手順を含む様々な手順の間に流体制御を行うためのシステムおよび方法に関する。流体制御は、(限定はしないが)詳細にはイントロデューサシステムおよびより詳細にはイントロデューサシースからの流体漏出を低減させることを含む。本明細書の実施形態では、対象の表面を通して挿入されるように構成されたイントロデューサシースを含むシステムが提供される。イントロデューサシースは、遠位端と近位端とを有するシース構造と、シース構造の近位端に配置されたハウジングとを含んでもよい。システムは、拡張可能なシースを含んでもよく、拡張可能なシースは、対象からの流体を拡張可能なシース内に保持するために対象の表面とハウジングとの間のシース構造の部分を覆うように構成される。対象には、(限定はしないが)医療患者、患畜、動物モデル、死体、ならびに心臓および血管系のシミュレータ(たとえば、人体ファントムおよび外植組織)が含まれる。
【0008】
本明細書の実施形態では、遠位端と近位端とを有し、対象の表面上の挿入点を通して挿入されるように構成されたシース構造を含むイントロデューサシースを含むシステムが提供される。システムは、ワイパー構造を含んでもよく、ワイパー構造は、挿入点とシース構造の近位端との間のシース構造上に配置され、シース構造に接触して相対的に遠位の方向に滑り流体がワイパー構造の近位に移動するのを抑制するように構成される。
【0009】
本明細書の実施形態では、対象の表面上の挿入点からイントロデューサシースのシース構造を引き抜くステップであって、シース構造が遠位端と近位端とを有する、ステップを含む方法が提供される。この方法は、シース構造が、対象からの流体を保持するために拡張可能なシースの内部キャビティ内に配設された状態において、挿入点とシース構造の近位端との間のシース構造の部分に沿って拡張可能なシースを拡張させるステップを含んでもよい。
【0010】
本明細書の実施形態では、対象の表面上の挿入点からイントロデューサシースのシース構造を引き抜くステップを含む方法が提供される。この方法は、シース構造が対象の表面上の挿入点から引き抜かれる間ワイパー構造をシース構造に接触させてシース構造に対して遠位方向に滑らせるステップを含んでもよい。
【0011】
これらの特徴、態様、および利点およびその他の特徴、態様、および利点について以下で図面を参照して説明する。図面は、本開示を例示するものであるが、限定するものではない。図面において、同じ参照文字は同様の実施形態全体にわたって一貫して対応する特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】イントロデューサシステムの側面図である。
図2】イントロデューサシースの側面図である。
図3図2における線A-Aに沿ったイントロデューサシースの断面図である。
図4図2における線B-Bに沿ったイントロデューサシースの断面図である。
図5】対象の皮膚を通して挿入されたイントロデューサシースの斜視図である。
図6】一部が引き抜かれた図5に示すイントロデューサシースの斜視図である。
図7】本開示の一実施形態による拡張可能なシースの側面図である。
図8図7に示す拡張可能なシースの斜視図である。
図9】線C-Cに沿った、図7に示す拡張可能なシースの断面図である。
図10】線D-Dに沿った、図7に示す拡張可能なシースの断面図である。
図11】圧縮されイントロデューサシースのシース構造の周りを延びる、図7に示す拡張可能なシースの斜視図である。
図12図11に示す位置から拡張された、図7に示す拡張可能なシースの斜視図である。
図13】本開示の一実施形態によるワイパー構造の正面斜視図である。
図14】本開示の一実施形態によるイントロデューサシースのシース構造の周りを延びる、図13に示すワイパー構造の背面斜視図である。
図15】本開示の一実施形態によるワイパー構造の斜視図である。
図16】イントロデューサシースのシース構造に沿って滑る、本開示の一実施形態による図15に示すワイパー構造の斜視図である。
図17】ワイパー構造を断面図で示した、対象の皮膚を通して挿入されたイントロデューサの斜視図である。
図18】ワイパー構造を断面図で示した、対象の皮膚を通して挿入されたイントロデューサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明および例は、本開示のいくつかの例示的な実施形態を詳細に示す。当業者には、本開示の範囲によって包含される本開示の多数の変形実施形態および修正実施形態があることが認識されよう。したがって、ある例示的な実施形態の説明が本開示の範囲を限定すると見なされるべきではない。
【0014】
図1は、本明細書で開示する実施形態に従って利用され得るイントロデューサシステム10の一実施形態を示す。イントロデューサシステム10は、遠位端16と近位端18とを有するシース構造14を含み得るイントロデューサシース12を含んでもよい。イントロデューサシース12は、挿入点において対象の表面を通して挿入されるように構成されてもよい。シース構造14は、遠位端16と近位端18との間にある長さを有してもよい。シース構造14は、給送装置が対象内の位置まで移動するために通過させ得る中央内部ルーメンまたはキャビティ20(図3に示されている)を含んでもよい。たとえば、給送装置は、心臓弁などの心臓にインプラントを展開するように構成されてもよい。インプラントは、人工心臓弁または別の形態のインプラントを備えてもよい。必要に応じて、他のデバイスが給送装置によって給送されてもよい。いくつかの実施形態では、給送装置は、対象に挿入される別の形態のデバイスを備えてもよい。シース構造14の遠位端16は、給送装置を遠位方向に通過させるための開口部を画定してもよい。
【0015】
シース構造14の近位端18にハウジング22が配置されてもよい。ハウジング22は、個人がイントロデューサシース12の使用時に把持するように構成されてもよい。ハウジング22は、イントロデューサシース12およびハウジング22内の流体流を制御するためのポートおよび弁などを含んでもよい。ハウジング22は、イントロデューサシース12が対象に挿入されるときに対象の外部に残るように構成されてもよい。
【0016】
イントロデューサシースは、図1に示すイントロデューサ構造24をイントロデューサシース12内の所定の位置に受け入れるように構成されてもよい。イントロデューサ構造24は、イントロデューサシース12の遠位端16から突き出し得る遠位端26を有してもよい。イントロデューサ構造24の近位端はハウジング28を含んでもよい。ハウジング28は、イントロデューサ構造24を制御するための把持を備えてもよく、ハウジング28内の流体流を制御するためのポートおよび弁などを含んでもよい。イントロデューサ構造24は、イントロデューサ構造24の近位端から下向きにイントロデューサ構造の遠位端26まで先細りする先細り外形を有するように構成されてもよい。イントロデューサ構造24は、先細り外形を介した対象の血管系への接近を向上させるために利用されてもよい。したがって、イントロデューサ構造24は、個人の体に遠位端26から導入されてもよく、イントロデューサ構造24が緩やかに先細りしているので、血管系に容易に接近し得る。
【0017】
イントロデューサ構造24およびイントロデューサシース12は、一緒に対象に挿入されてもよく(場合によってはガイドワイヤなどを介して)、次いでイントロデューサ構造24が近位方向に引き抜かれ、血管系内の所定の位置でイントロデューサシース12から離れてもよい。イントロデューサシース12は留まって給送装置または別のデバイスの血管系への進入を案内してもよい。
【0018】
血管系は、対象の血管を含んでもよく、対象の血管は、対象の大腿動脈または他の血管を含んでもよい。大腿動脈などの血管系は、幅が狭いかまたは柔軟でないことがあり、給送装置を挿入するのが困難である場合がある。たとえば、給送装置は、血管系よりも大きいことがあり、または皮膚または血管系を貫通させ給送装置単独で通過させるには扱いにくい場合がある。また、血管系は非常に脆弱であり、イントロデューサシースを使用せずに給送装置を受け入れることができない場合がある。
【0019】
対象への初期進入が好ましくは侵襲を最小限に抑えできる限り外傷を回避するように行われるので、イントロデューサシース12の直径は、血管系に進入する際には比較的小さくなる場合がある。しかし、給送装置などをイントロデューサシース12を通過させるのに必要な直径はこの初期直径よりも大きい場合がある。したがって、図2を参照するとわかるように、イントロデューサシース12は、シース構造14の直径を拡張させるのを可能にするシーム30をシース構造14に沿って含んでもよい。
【0020】
図3は、たとえば図2の線A-Aに沿ったシース構造14の断面図を示す。シース構造14の外面上のシーム30は、見た目には、シース構造14の外部に溝32を形成する材料の折り目として設けられている。シーム30は、給送装置または他のデバイスの直径に対応するようにシース構造14が半径方向外側に拡張するのを可能にするために存在する。したがって、材料の折り目は外側に拡張して中央ルーメンまたはキャビティ20の有効サイズを大きくする場合がある。
【0021】
シーム30は、シース構造14の全長にわたって、図2に示す遠位端16から近位端18まで延びてもよい。しかし、シース構造14の一部は、近位シース34で覆われてもよく、近位シース34は、張力緩和部の形であってもよい。いくつかの実施形態では、シーム30は、シース構造14の長さの少なくとも一部にわたって延びてもよい。
【0022】
図4は、たとえば、シーム30の近位部を覆って延びるシース34の図2の線B-Bに沿った断面図を示す。シース34は、流体(血液など)がシーム30から漏出するのを防止し、イントロデューサシース12が対象内に配置されるときに対象から漏出するのを防止してもよい。図5は、たとえば、皮膚36を通して対象に挿入されたイントロデューサシース12を示す。挿入点37は比較的小さくてもよく、それによって、流体(血液など)が大量に対象から外部に漏出することはなくなる(ある程度の漏出は生じる可能性がある)。しかし、イントロデューサシース12が正しく挿入されないか、またはイントロデューサシース12が不注意で引き抜かれるか、または他の理由で引き抜かれた場合、シーム30が図6に示すように対象の外部に露出されることがある。
【0023】
図6は、対象の外部に露出されたシーム30を示す。図3に示す溝32では、流体が外部に漏出するようになることがあり、それによって、対象についての血液または他の流体喪失が生じる場合があり、または挿入点が汚れ、所望の手順を行うことが困難になる場合がある。さらに、一般に、イントロデューサシース12が引き抜かれるとき、シーム30が血液またはその他の流体を保持することがあり、対象から引き抜かれるデバイスが汚れる場合がある。
【0024】
図7は、拡張可能なシース38の一実施形態を示す。拡張可能なシース38は、対象からの流体を拡張可能なシース38内に保持するために対象の表面とイントロデューサシース12のハウジング22との間のシース構造14の部分を覆うように構成されてもよい。拡張可能なシース38は、近位端40を含む近位部と、遠位端42を含む遠位部と、近位端40と遠位端42との間の長さとを有してもよい。拡張可能なシース38は、図7には拡張済み状態で示されている。しかし、シース38は、図11に示すような圧縮済み状態に圧縮されるように構成されてもよく、圧縮済み状態では、拡張可能なシース38は、近位端40と遠位端42との間の長さが短くなる。拡張可能なシース38の中央構造44は、拡張され圧縮されるように構成されてもよく、したがって、可撓性材料で作られてもよく、可撓性材料はポリマーまたは他の形態の可撓性材料を含んでもよい。
【0025】
図9は、中央構造44の図7における線C-Cに沿った断面図を示し、中央構造44が中央内部キャビティ46を囲むことを示す。中央構造44は円筒形壁47を含んでもよく、円筒形壁47は、比較的薄くてもよく、流体不浸透性であってもよい。中央構造44が薄い場合、薄い厚さによってもたらされる可撓性に起因して中央構造44を拡張させ圧縮することが可能になり得る。
【0026】
内部キャビティ46は、イントロデューサシース12のシース構造14を受け入れるように構成されてもよく、対象からの流体(血液など)を保持してもよい。
【0027】
拡張可能なシース38の壁47は、壁自体が中央キャビティ46内に流体を保持するのを可能にするようにポリマーなどの流体不浸透性材料で作られてもよい。
【0028】
図7を参照するとわかるように、拡張可能なシース38の遠位端42は、イントロデューサシース12の挿入点37の周りを延びて対象に挿入されるように構成されたリング48(図10に示す)を含んでもよい。図10は、拡張可能なシースの遠位端42の断面図を示す。リング48は、拡張可能なシース38の壁をリング48の周りにリング48の内部からリング48の外部まで巻き付けてリング48に結合し、流体が壁47を通して漏れないようにする中央キャビティ46を維持する。リング48は、弾性材料で作られた構造などの弾性構造(たとえば、Oリング)または別の形態の弾性構造を備えてもよい。いくつかの実施形態では、リング48の一部は拡張可能なシース38の壁47によって覆われない場合があり、それによって、リング48は皮膚の一部に直接接触してシールを形成する。
【0029】
図7を再び参照するとわかるように、拡張可能なシース38の近位端40は、イントロデューサシース12に結合されるカプラを端部40に含んでもよい。カプラは、イントロデューサシース12のハウジング22に結合されるように構成されてもよい。カプラは、リング(リング48など)またはイントロデューサシース12の一部の周りを延びる別の形態のカプラを備えてもよい。
【0030】
図8は、拡張可能なシース38の斜視図を示す。
【0031】
図11を参照するとわかるように、動作時には、拡張可能なシース38はイントロデューサシース12のシース構造14を覆うように配置されシース構造14を囲んでもよい。イントロデューサシース12のシース構造14は、中央キャビティ46内に配置されてれもよい。拡張可能なシース38の遠位端42を含む部分は、対象の表面の方へ押されてもよく、多くの例では、対象の皮膚に接触して、中央キャビティ46のシールを形成し対象の表面を密封してもよい。拡張可能なシース38の近位端40は、イントロデューサシース12のハウジング22の一部を覆うように延びてイントロデューサシース12に結合してもよく、内部キャビティ46を含む拡張可能なシース38の内部のシールを形成してもよい。拡張可能なシース38の近位端40は、ハウジング22に結合されてもよい。
【0032】
拡張可能なシース38は、シース構造14の長さに沿って軸方向に圧縮された圧縮済み状態であってもよい。拡張可能なシース38は、イントロデューサシース12挿入プロセスの一部としてイントロデューサシース12が対象に挿入されることによって圧縮されてもよい。
【0033】
図12を参照するとわかるように、イントロデューサシース12は、近位方向に引き抜かれてもよく、拡張可能なシース38は、シース構造14が対象から引き抜かれるときにシース構造14の長さに沿って軸方向に伸長してもよい。拡張可能なシース38は、挿入点37とシース構造14の近位端18との間のシース構造14の部分に沿って拡張されてもよく、シース構造14は、対象からの流体を保持するための拡張可能なシース38の内部キャビティ46内に配置される。近位端40は、イントロデューサシース12のハウジング22に結合されたままであってもよく、遠位端42は、中央キャビティ46のシールを維持するために個人の皮膚に向かって押されたままであってもよい。イントロデューサシース12は、任意の流体(血液など)とともにシース構造14から近位方向に引き抜かれ、拡張可能なシース38内に保持されるようにシーム30内に配置されてもよい。拡張可能なシース38は、シース構造14が対象から引き抜かれるときにシーム30の少なくとも一部を覆うように構成され、シーム30は、内部キャビティ46内に配置されるように構成される。したがって、イントロデューサシース12からの流体漏出は、拡張可能なシース38によって捕捉されるので低減し得る。
【0034】
拡張可能なシース38は、シース構造14が対象から引き抜かれるときにシース構造14全体に沿って近位端18から遠位端16まで延びるように設定された長さを有してもよい。したがって、拡張可能なシース38は、シース構造14の遠位端16まで延ばされてもよい。
【0035】
拡張可能なシースの構成および給送システムの構成要素は、他の実施形態では変形されてもよい。
【0036】
図13は、挿入点37とシース構造14の近位端18との間のシース構造14上に配置されるように構成され、シース構造14に接触して相対的に遠位の方向に滑り流体がワイパー構造50の近位に移動するのを抑制するように構成され得るワイパー構造50の斜視図を示す。ワイパー構造50は、シース構造14の外面の周りを延びるように構成され、開口部52を有する、図13に示すようなリングを備えてもよい。開口部52は、シース構造14を通過させるように構成されてもよく、ワイパー構造50はシース構造14に押し付けられシース構造14から流体を拭き取る。したがって、ワイパー構造50は、シース構造14に沿って移動してシース構造14の遠位端に向けて流体漏出を維持する。
【0037】
ワイパー構造50は、ワイパー構造50の中心部の周りを延びる、個人が把持するハウジング54を含んでもよい。ワイパー構造50の中心部は、シース構造14の外面に押し付けられるように構成された弾性構造53を備えてもよい。ハウジング54は、弾性構造53の少なくとも一部の周りを延びてもよい。
【0038】
図14は、構造50がシース構造14に沿って滑るときのワイパー構造50の背面斜視図を示す。ワイパー構造50は、シーム30を有するシース構造14の部分に沿って滑ってもよい。ワイパー構造50は、イントロデューサシースを引き抜く間に皮膚に向かう遠位方向に押されてもよく、または図13に示す先端面を個人の皮膚に接触させて皮膚に対して押されてもよく、それによって、流体が対象内に押し戻されるかまたは図13に示すワイパー構造50の遠位側の周りに局所的に維持される。
【0039】
ハウジング54は、ハウジング22に結合されるように構成され得るワイパー構造50近位側にねじ山56を含んでもよい。したがって、ワイパー構造50は、ワイパー構造50が使用されることが望まれる(イントロデューサシースの引抜きなど)時間までハウジング28に結合されたままで所定の位置に維持されてもよい。次いで、ワイパー構造50は、ハウジング22から外され、遠位方向に滑って流体をワイパー構造50の遠位に維持してもよい。
【0040】
図15は、2つの開口部60、62を含むワイパー構造58の実施形態を示す。開口部60、62の各々は、シース構造14を通過させるように構成されてもよい。ワイパー構造58は、把持部63と接続構造65とを含んでもよい。把持部63は、個人によって把持されるように構成される2つのアーム64a、64bを含んでもよく、開口部60を含んでもよい。アーム64a、64bは、開口部60から近位方向に延び、シース構造14の長さの両側に沿って長手方向に端部67a、67bまで延びてもよい。ワイパー構造58のアーム64a、64bは、シース構造に対して相対的に遠位の方向に滑りワイパー構造58からの流体を遠位方向に拭き取るように構成されてもよい。
【0041】
接続構造65は、アーム64a、64bの延長方向に対して横方向に延びてもよく、把持部63の端部67a、67bを一緒に結合してもよい。接続構造65は開口部62を含んでもよい。
【0042】
図16は、アーム64a、64bを個人が把持し、シース構造14に対して相対的に遠位の方向に滑らせるワイパー構造58を示す。ワイパー構造58は、シーム30を含むシース構造14の部分を含むシース構造14に沿って滑り、シーム内の流体がワイパー構造58の近位に移動するのを抑制するように構成されてもよい。
【0043】
ワイパー構造58は、シース構造14の外面に押し付けられるように構成された弾性構造を備えてもよい。
【0044】
図17および図18はそれぞれ、ワイパー構造50およびワイパー構造58の動作方法を示す。図17図18の両方において、イントロデューサシース12のシース構造14は、対象の表面上の挿入点37から引き抜かれてもよい。シース構造14を対象の表面上の挿入点から引き抜く間、それぞれのワイパー構造50、58を対象の表面に接触させて所定の位置に保持してもよく、または場合によってシース構造14に接触させてシース構造14に対して遠位方向に滑らせてもよい。したがって、ワイパー構造50、58を皮膚に接触させて所定の位置に保持する場合、シース構造14を引き抜くときに、ワイパー構造50、58をシース構造14に対して遠位方向に滑らせる。さらに、ワイパー構造50、58をシース構造14に沿って遠位方向に移動させ、一方、シース構造14も近位方向に移動させる場合、ワイパー構造50、58をシース構造14に対して遠位方向に滑らせる。ワイパー構造50、58は、対象からの流体を遠位方向に押すために利用されてもよい。シース構造14を挿入点から引き抜く間、ワイパー構造50、58を対象の表面に接触させて押してもよく、シーム30に押し付けてもよい。
【0045】
アーム64a、64bを含む把持部を把持してもよく、ハウジング54を把持し、それぞれのワイパー構造58、50をシース構造に接触させて滑らせてもよい。それぞれのワイパー構造58、50をシース構造14の長さ全体に沿ってシース構造14の遠位端16まで滑らせてもよい。
【0046】
他の実施形態では、ワイパー構造の構成および給送システムの構成要素が変形されてもよい。
【0047】
拡張可能なシースおよびワイパー構造の用途は、イントロデューサシステムまたはイントロデューサシースでの用途に限定されず、対象内に挿入するかまたは対象から引き抜かれる任意の医療デバイスでの用途に拡張されてもよい。たとえば、用途は、対象の一部に挿入される一般的な医療カニューラに拡張されてもよい。
【0048】
拡張可能なシースおよびワイパー構造は様々な対象および手順において利用されてもよい。対象には(限定はしないが)医療患者、患畜、動物モデル、死体、ならびに心臓および血管系のシミュレータ(たとえば、人体ファントムおよび外植組織)が含まれる。手順には(限定はしないが)医療処置および訓練手順が含まれる。
【0049】
給送装置および本明細書で開示するシステムが、経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)において使用されてもよい。給送装置および本明細書で開示するシステムが、心臓への、経大腿動脈アクセスを含む経動脈アクセスに利用されてもよい。実施形態では、特に、ステントもしくはフィルタ、または診断デバイスなどの、様々な形態のインプラントが、本明細書のシステムとともに利用される給送装置によって給送されてもよい。
【0050】
イントロデューサシステムおよびイントロデューサシースは、経動脈処置を含む経カテーテル経皮的処置において利用されてもよく、経動脈処置は経大腿動脈処置であってもまたは経頸静脈処置であってもよい。特に、経心尖処置も利用されてよい。
【0051】
実施形態の特徴には、修正、置換、除外、または組合せを施してもよい。
【0052】
さらに、本明細書の方法は、具体的に説明した方法に限定されず、本明細書で開示したシステムおよび装置を利用する方法を含んでもよい。
【0053】
この方法の各ステップには、本明細書で開示したシステム、装置、および方法によって修正、除外、または追加を施してもよい。
【0054】
本明細書で開示する実施形態の特徴は、イントロデューサシースとは無関係に実施されてもよく、または本明細書で開示した他の構成要素とは無関係に実施されてもよい。システムの様々な装置は、互いに独立して実装されてもよい。
【0055】
最後に、特定の実施形態を参照することによって本明細書の態様を明らかにしたが、当業者には、これらの開示した実施形態が本明細書で開示した主題の原則を例示するものに過ぎないことが容易に諒解されることを理解されたい。したがって、開示した主題が、本明細書で説明した特定の方法、手順、および/または試薬などに限定されないことを理解すべきである。したがって、本明細書の趣旨から逸脱せずに本明細書の教示に従って開示した主題に対する様々な修正もしくは変更または代替構成を施すことができる。最後に、本明細書で使用した用語は、特定の実施形態のみについての説明を目的としており、本明細書で開示したシステム、装置、および方法の範囲を限定することを意図しておらず、この範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。したがって、システム、装置、および方法は、図示し説明したシステム、装置、および方法に厳密に限定されるわけではない。
【0056】
本明細書では、システム、装置、および方法のいくつかの実施形態について、それらのシステム、装置、および方法を実施するための本発明者に既知の最良の態様を含めて説明した。もちろん、当業者には、上記の説明を読んだときにこれらの説明した実施形態の変形実施形態が明らかになろう。本発明者は、当業者がそのような変形実施形態を適宜使用することを予期し、本発明者は、システム、装置、および方法が本明細書で具体的に説明したシステム、装置、および方法以外の態様で実施されることを意図する。したがって、システム、装置、および方法は、適用法によって認められている限り、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された主題のすべての修正実施形態および均等実施形態を含む。さらに、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈による明確な矛盾がない限り、システム、装置、および方法によって、すべての可能な変形実施形態における上述の実施形態の任意の組合せが包含される。
【0057】
システム、装置、および方法の代替実施形態、要素、またはステップのグループ分けは、限定として解釈すべきではない。各グループメンバーは、個々に参照され請求されてもよく、または本明細書で開示した他のグループメンバーと任意に組み合わせて参照され請求されてもよい。説明の都合上および/または特許性の理由でグループの1つまたは複数のメンバーがグループに含まれ得るかまたは削除され得ることが予期される。任意のそのような包含または削除が行われるとき、明細書は修正されたグループを含むものと見なされ、したがって、添付の特許請求の範囲において使用されるすべてのマーカッシュグループの記述が遂行される。
【0058】
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される特徴、品目、数量、パラメータ、特性、用語などを表すすべての数は、あらゆる例において「約」という用語によって修正されるものと理解されたい。本明細書では、「約」という用語は、特定された特徴、品目、数量、パラメータ、特性、または用語が、変動し得る近似を包含するが、それにもかかわらず、本明細書で説明する所望の動作またはプロセスを実施することができることを意味する。
【0059】
“a”、”an”、”the”、ならびに(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)システム、装置、および方法を表す文脈において使用される同様の指示対象は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈による明確な矛盾がない限り、単数形と複数形の両方を対象とするものと解釈されるべきである。本明細書で説明するすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈による明確な矛盾がない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるあらゆる例または例示的な文言(たとえば、「など」)の使用は、単にシステム、装置、および方法をより理解しやすくすることを意図しており、場合によっては請求されるシステム、装置、および方法の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる文言もシステム、装置、および方法の実施に必須の非請求要素を示すものと解釈すべきではない。
【0060】
本明細書において参照され特定されるすべての特許、特許文献、および他の文献は、システム、装置、および方法に関連して使用され得る、そのような文献で説明する構成および方法について説明し開示することを目的として参照により全体が個々にかつ明示的に本明細書に組み込まれている。これらの文献は、本出願の出願日よりも前にその文献の開示のためにのみ提供されている。この点に関して、本発明者が従来の発明を理由としてまたは任意の他の理由でそのような開示に先行する権利を有さないことの承認と解釈すべきものは何もない。これらの文献の内容に関する日付または表現に関するすべての記述は、本出願人に利用可能な情報に基づくものであり、これらの文献の日付または内容が正しいことの承認を構成するものではない。
【符号の説明】
【0061】
10 イントロデューサシステム
12 イントロデューサシース
14 シース構造
16 遠位端
18 近位端
20 中央内部ルーメンまたはキャビティ
22 ハウジング
24 イントロデューサ構造
26 遠位端
28 ハウジング
30 シーム
32 溝
34 近位シース
36 皮膚
37 挿入点
38 拡張可能なシース
40 近位端
42 遠位端
44 中央構造
46 中央内部キャビティ
47 壁
48 リング
50、58 ワイパー構造
52 開口部
53 弾性構造
54 ハウジング
56 ねじ山
60、62 開口部
63 把持部
64a、64b アーム
65 接続構造
67a、67b 端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】