(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20230310BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20230310BHJP
A61N 1/372 20060101ALI20230310BHJP
A61N 1/375 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/36
A61N1/372
A61N1/375
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544311
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2021014689
(87)【国際公開番号】W WO2021150940
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504101304
【氏名又は名称】メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】シャイナー,アブラム
(72)【発明者】
【氏名】ヒッソン,ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB23
4C053BB36
4C053CC10
4C053JJ18
4C053JJ24
4C053KK04
4C053KK07
(57)【要約】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療のためのシステムを記載する。システムは、細長い本体を有するイントロデューサ針を含む。イントロデューサ針は、OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するように構成されている。1つ以上の導電性領域が細長い本体上に配置されている。医療用装置が、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療のためのシステムであって、
OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するための1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含むイントロデューサ(introducer)針と、
前記イントロデューサ針を介し、前記1つ以上の導電性領域を通して前記患者の前記舌に刺激信号を送達して、前記患者の前記舌内の突出筋(protrusor muscle)の1つ以上の運動点を刺激するように構成された、医療用装置と、を備える、システム。
【請求項2】
前記医療用装置は、前記イントロデューサ針の前記導電性領域のうちの1つ以上によって検出された1つ以上の電気信号を受信し、前記1つ以上の電気信号を示す情報を出力するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の電気信号は筋電図(EMG)信号を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上の導電性領域は前記イントロデューサ針の遠位端に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記イントロデューサ針は半導体材料から形成され、前記イントロデューサ針は1つ以上の電極インターフェースを含み、前記1つ以上の電極インターフェースは前記1つ以上の導電性領域に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記イントロデューサ針は導電性材料から形成され、前記イントロデューサ針は絶縁コーティングを含み、前記絶縁コーティングは前記1つ以上の導電性領域を画定する、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記リードの1つ以上の電極が、前記イントロデューサ針の前記1つ以上の導電性領域と位置合わせされる、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記医療用装置は、前記リードの1つ以上の電極を介し、前記イントロデューサ針の前記1つ以上の導電性領域を通して前記患者の前記舌に第1の組の刺激信号を送達して、前記患者の前記舌内の前記突出筋の前記1つ以上の運動点を刺激するように更に構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
イントロデューサシースであって、前記イントロデューサ針によって形成された前記開口部内に配置されるように構成されており、1つ以上の穿孔を含むイントロデューサシースを更に備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記イントロデューサシースの前記1つ以上の穿孔は、前記イントロデューサ針の前記1つ以上の導電性領域と位置合わせされる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記イントロデューサシースの前記1つ以上の穿孔は、前記リードの前記1つ以上の電極と位置合わせされる、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記医療用装置は、前記リードの前記1つ以上の電極を介し、前記イントロデューサシースの前記1つ以上の穿孔を通して前記患者の前記舌に第2の組の刺激信号を送達して、前記患者の前記舌内の前記突出筋の前記1つ以上の運動点を刺激するように更に構成されている、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療のためのシステムであって、
OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するための1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含むイントロデューサ針と、
前記イントロデューサ針によって形成された前記開口部内に配置されるように構成されたイントロデューサシースであって、前記イントロデューサシースに挿入されたリードの1つ以上の電極と位置合わせされる1つ以上の穿孔を含む、イントロデューサシースと、
前記イントロデューサ針を介し、前記1つ以上の導電性領域を通して前記患者の前記舌に刺激信号を送達して、前記患者の前記舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように構成された、1つ以上の医療用装置であって、前記イントロデューサシースに挿入された前記リードの前記1つ以上の電極により、前記イントロデューサシースの前記1つ以上の穿孔を通して前記患者の前記舌に前記刺激信号を送達するように更に構成されている、1つ以上の医療用装置と、を備える、システム。
【請求項14】
前記1つ以上の医療用装置は、前記イントロデューサ針の前記導電性領域のうちの前記1つ以上によって検出された1つ以上の電気信号を受信し、前記1つ以上の電気信号を示す情報を出力するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療のための方法であって、前記方法は、
患者の顎の近くの組織及び前記患者の舌にイントロデューサ針を挿通させることであって、前記イントロデューサ針は、1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含み、前記イントロデューサ針は、OSAを治療するためのリードを植え込むために前記患者の前記舌に開口部を形成するためのものである、ことと、
医療用装置を、前記イントロデューサ針を介し、前記1つ以上の導電性領域を通して前記患者の前記舌に刺激信号を送達して、前記患者の前記舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように制御することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
(関連出願の参照)
本出願は、2020年1月24日に出願された米国特許出願第16/752,023号の利益を主張し、当該出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]
(発明の分野)
本開示は、医療用装置システムに関し、より具体的には、電気刺激治療の送達のための医療用装置システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]
閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)は、無呼吸及び低呼吸を包含し、睡眠中に呼吸が不規則に繰り返し停止及び開始され、睡眠の中断及び血中酸素レベルの低下をもたらし得る障害である。患者の咽喉の筋肉が断続的に弛緩することによって、咽喉の軟組織が睡眠中に上気道を閉塞し、OSAを引き起こす。正常よりも小さい気道を有する患者では、舌又はソフトパレットが咽喉の後ろに移動して気道を覆うことによって、上気道への空気流が妨げられる可能性がある。空気流の喪失はまた、人が閉塞された気道で呼吸しようとする際に異常な胸部間圧を引き起こす。睡眠中の適切なレベルの酸素の欠如は、睡眠不足による日中の異常な心調律、心臓発作、心不全、高血圧、脳卒中、記憶障害、及び事故の増加に寄与し得る。更に、睡眠の喪失は、無呼吸エピソード中に人が覚醒した時に起こる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]
本開示の装置、システム、及び技術は、一般に、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療のための植込み型医療用装置(implantable medical device:IMD)システム及び方法に関するが、他の患者の症状及び障害への対処にも適用することができる。OSAでは、患者の舌が睡眠中に弛緩し、患者の気道を塞ぐ可能性がある。OSAに対処するためのいくつかの例示的な技術には、患者の舌内の片方又は両方の舌下神経及び/又は運動点を電気的に刺激することが含まれる。電気刺激に応答して、舌下神経は、突出筋(例えば、頤舌筋及び頤舌骨筋)を収縮させ、舌を前方に移動させることによって、気道を開く。いくつかの例では、突出筋(例えば、舌下神経の軸索が筋線維で終結する位置)の運動点での刺激に応答して、突出筋が収縮して舌を前方に移動させ、それによって気道を開くことができる。
【0005】
[0005]
舌下神経及び/又は運動点を刺激するために、医療用装置は、1つ以上の植え込まれたリード上の1つ以上の電極を介して電気刺激治療を出力し、舌を前方に移動させる。医療専門家は、1つ以上のリードを患者の舌に植え込むことができる。1つ以上の植え込まれたリードは、それぞれ、医療用装置(例えば、リード上の1つ以上の電極を介して電気刺激を送達する植込み型医療用装置又は外部医療用装置)に結合された1つ以上の電極を含む。
【0006】
[0006]
舌内へのリード配置については、効果的な治療を提供するためにリードをどこにどのように配置するかに関する問題があり得る。本開示は、1つ以上の問題を克服することができるリード構造及び/又はリード配置のための例示的な技術を説明する。例示的な技術は、OSAを治療するための舌内へのリード配置に関して説明されているが、例示的な技術は、舌内へのリード配置やOSAの治療に限定されるものと見なされるべきではない。
【0007】
[0007]
一例では、本開示は、OSAの治療のためのシステムを記載する。システムは、細長い本体を有するイントロデューサ針を含む。イントロデューサ針は、OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するように構成されている。1つ以上の導電性領域が細長い本体上に配置されている。医療用装置が、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように構成されている。
【0008】
[0008]
一例では、本開示は、OSAの治療のためのシステムを記載する。システムは、細長い本体を有するイントロデューサ針を含む。イントロデューサ針は、OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するように構成されている。1つ以上の導電性領域が細長い本体上に配置されている。イントロデューサ針によって形成された開口部内にイントロデューサシースを配置することができる。イントロデューサシースは、イントロデューサシースに挿入されたリードの1つ以上の電極と位置合わせされる1つ以上の穿孔を有し得る。1つ以上の医療用装置が、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように構成されている。1つ以上の医療用装置は、イントロデューサシースに挿入されたリードの1つ以上の電極により、イントロデューサシースの1つ以上の穿孔を通して患者の舌に刺激信号を送達するように更に構成されている。
【0009】
[0009]
一例では、本開示は、OSAの治療方法を記載する。本方法は、OSAを治療するためのリードを植え込むために、患者の顎の近くの組織及び患者の舌にイントロデューサ針を挿通させて、患者の舌に開口部を形成することを含む。イントロデューサ針は、細長い本体を有する。1つ以上の導電性領域が細長い本体上に配置されている。本方法は、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように医療用装置を制御することを更に含む。
【0010】
[0010]
本開示の1つ以上の態様の詳細は、付随する図面及び以下の記述において説明される。本開示に記載された技術の他の特徴、対象及び利点は、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011] 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)治療を送達するための植込み型医療用装置(IMD)システムの概念図である。
【
図2】[0012] 本開示の1つ以上の例による、OSA治療に使用されるリードの概念図である。
【
図3】[0013] OSA治療のための刺激が送達され得る運動点の例示的な位置を示す概念図である。
【
図4】[0014]
図1のシステムで利用され得る植込み型医療用装置(IMD)の例示的な構成を図示するブロック図である。
【
図5】[0015] 外部プログラマの構成例を示すブロック図である。
【
図6A】[0016]
図1のシステムで利用され得るリード及び例示的なイントロデューサ針を示す概念図である。
【
図6B】
図1のシステムで利用され得るリード及び例示的なイントロデューサ針を示す概念図である。
【
図6C】
図1のシステムで利用され得るリード及び例示的なイントロデューサ針を示す概念図である。
【
図7A】[0017]
図6Aのリード及び
図1のシステムで利用され得る別の例示的なイントロデューサ針を示す概念図である。
【
図7B】
図6Aのリード及び
図1のシステムで利用され得る別の例示的なイントロデューサ針を示す概念図である。
【
図7C】
図6Aのリード及び
図1のシステムで利用され得る別の例示的なイントロデューサ針を示す概念図である。
【
図8A】[0018]
図1のシステムで利用され得る別のリード、別の例示的なイントロデューサ針、及び例示的なイントロデューサシースを示す概念図である。
【
図8B】
図1のシステムで利用され得る別のリード、別の例示的なイントロデューサ針、及び例示的なイントロデューサシースを示す概念図である。
【
図8C】
図1のシステムで利用され得る別のリード、別の例示的なイントロデューサ針、及び例示的なイントロデューサシースを示す概念図である。
【
図8D】
図1のシステムで利用され得る別のリード、別の例示的なイントロデューサ針、及び例示的なイントロデューサシースを示す概念図である。
【
図9】[0019] リードの植込みの一例を示すフローチャートである。
【
図10】[0020] リードの植込みの別の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0021]
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療のために舌の突出筋に電気刺激を送達するための医療用装置、システム、及び技術が本開示に記載されている。電気刺激は、睡眠中に患者の舌を突出状態にして上気道閉塞を回避又は低減するために送達される。本明細書で使用される場合、舌に関する「突出状態」という用語は、舌の非刺激位置又は弛緩位置と比較して前方及び/又は下方に移動された位置を指す。突出状態は、頤舌筋及び頤舌骨筋を含む舌の突出(protrusor)筋(舌の「突出(protruder)」筋と呼ばれることもある)の(例えば、電気刺激に応答した神経からの神経支配を介した)収縮に伴う状態である。突出状態は、舌を牽引し上昇させる牽引筋(例えば、茎突舌筋及び舌骨舌筋)の収縮に伴う牽引及び/又は上昇位置の反対であってもよい。電気刺激は、(例えば、頤舌筋及び/又は頤舌骨筋を神経支配する神経を脱分極させることによって)舌を移動させて突出状態とし、突出状態を維持するために送達される。上述のように、突出状態は、患者の上気道の虚脱又は閉塞を防止し、上気道を開くか又は広げて、空気流を少なくとも部分的に維持するか又は増加させる(例えば、自由な空気流を促進するか、又は少なくとも呼吸中の空気流の制限を低減させる)ことができる。
【0013】
[0022]
外科医は、それぞれが1つ以上の電極を含む1つ以上のリードを、これらの電極が舌下神経及び/又は運動点(例えば、舌下神経の軸索が突出筋のそれぞれの筋線維で終了する1つ以上の位置)に近接するように舌に植え込む。例えば、患者の舌には2つの舌下神経がある。一例では、1つのリードを使用して(例えば、リードの1つ以上の電極を介して電気刺激を送達することによって)、2つの舌下神経のうちの1つを刺激してもよく、1つのリードを使用して双方の舌下神経を刺激してもよく、又は、各リードが舌下神経のそれぞれ1つを刺激する2つのリードを使用してもよい。舌の舌下神経のいずれか又は両方の刺激は、突出筋の収縮を引き起こしてOSAの影響を低減させるか、又はOSAを予防することができる。
【0014】
[0023]
左側及び右側の突出筋の各々に複数組の運動点がある。各運動点は、突出筋の1つ以上の筋線維を神経支配することができる。一例では、1つのリードを使用して舌の片側の突出筋の運動点を刺激してもよく、1つのリードを使用して舌の両側の突出筋の運動点を刺激してもよく、又は、各リードがそれぞれの側の突出筋の運動点の各組を刺激する2つのリードを使用してもよい。舌の運動点のいずれか又は両方の組の刺激は、突出筋の収縮を引き起こしてOSAの影響を低減させるか、又はOSAを予防することができる。
【0015】
[0024]
本開示に、OSAの治療のために舌内に1つ以上のリードを植え込むことに関連する技術の例を記載する。例示する技術はOSAに関して記載されているが、例示する技術はOSAに限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、本開示に記載する例示的な技術は、リードが舌以外の場所に植え込まれる状態の治療のためのリード植込みを含む、様々な状態の治療のためのリード植込みに適用可能であり得る。
【0016】
[0025]
OSAを治療するために、開放手術を実施して患者の舌に1つ以上のリードを植え込むことができる。しかしながら、そのような開放手術は、患者の舌の舌下神経及び/又は運動点に直接隣接して、又はその周りに1つ以上のリードを配置するために、組織を切開して1つ以上の舌下神経及び/又は運動点を露出させることを必要とし、これは比較的侵襲的で時間がかかる。本開示は、手術の侵襲性及び所要時間を低減させることができるような方法で患者の舌に1つ以上のリードを植え込むための植込みシステム及び方法の例を説明する。
【0017】
[0026]
より詳細に説明されるように、植込みシステムは、1つ以上のリードを植え込むために患者の舌の標的治療部位を決定するためのイントロデューサ針及び医療用装置を含み得る。本開示に記載の例示的なイントロデューサ針は、1つ以上の導電性領域を含み得、1つ以上の導電性領域は、刺激信号を送達するために使用され得る。刺激信号の送達に応答して、外科医又は他の医療専門家は、突出筋の動きがあるかどうかを視覚的に検査することができる。しかしながら、いくつかの例では、医療用装置を利用して、イントロデューサ針を介した刺激信号の送達に応答して生成される1つ以上の電気信号(例えば、筋電図(EMG)信号)を検出して、突出筋の活性化があるかどうかを判定することができる。1つ以上の電気信号の検出は、目視検査に加えて、又は目視検査の代わりに行われ得る。本開示に記載の例示的な医療用装置は、例示的なイントロデューサ針と結合することができ、刺激信号を生成し、イントロデューサ針によって検出された1つ以上の電気信号を受信し、1つ以上の電気信号の情報表示を出力することができる。
【0018】
[0027]
本開示に記載の例示的な技術は、外科医が組織を切開して舌下神経及び/又は運動点を露出させることなく、患者の舌の1つ以上の舌下神経及び/又は運動点に隣接して、又はその周りに1つ以上のリードを植え込むことを可能にし、アクセス切開を最小限に抑え、患者の回復時間を短縮し、リードの誤配置のリスクを低減することができる。例えば、イントロデューサ針を用いて舌内の位置を刺激することによって、外科医は、リードを植え込む前に適切なリード植込み位置を決定することができる。更に、いくつかの例では、イントロデューサ針上の導電性領域は、リードの電極と位置合わせされてもよい(例えば、イントロデューサ針上の導電性領域の間隔及び形状は、リード上の電極の間隔及び形状と同じである)。そのような場合、外科医は、リード配置後にリードによって生成されることになる電場をイントロデューサ針の導電性領域で複製して、リード配置前に治療の有効性を判定することができる。
【0019】
[0028]
図1は、OSA治療を送達するための医療システムの概念図である。システム10では、植込み型医療用装置(IMD)16及びリード20が患者14に植え込まれる。IMD16は、IMD16の回路を包囲するハウジング15を含む。いくつかの例では、IMD16は、ハウジング15に気密封止され、OSA治療を送達するために使用される少なくとも1つの医療用電気リード20の近位端を受容するための1つ以上のコネクタボアを含むコネクタアセンブリ17を含む。
図1には1つのリード20が示されているが、IMD16が結合された1つ以上のリード20が存在してもよい。
【0020】
[0029]
リード20は、リード近位端24からリード遠位端26まで延在する、細長い部材22とも呼ばれる可撓性の細長いリード本体22を含み得る。図示のように、リード20は、リード遠位端26に隣接するリード遠位部分に沿って担持され、舌40の突出筋42A、42B、及び46内に挿入するように構成された1つ以上の電極30を含む。一例として、頤舌筋は、斜めの区画42A及び水平な区画42Bを含む。本開示において、頤舌筋は、突出筋42と呼ばれる。突出筋46は、頤舌骨筋の一例である。
【0021】
[0030]
図示のように、リード20の遠位端26は、1つ以上の電極30を含む。リード20の近位端24は、コネクタアセンブリ17に接続するための1つ以上の電気接点を含む。リード20はまた、各電極30をリード20の近位端24でそれぞれの電気接点に接続するコイル又はワイヤなどの導体を含む。
【0022】
[0031]
突出筋42及び46が記載されているが、本開示に記載される例示的な技術は、突出筋42及び46を刺激することに限定されない。また、
図1は、(例えば、舌40の第1の側に)一組の突出筋42及び46を示す。舌40の他方の側も突出筋を含む。例えば、舌40の左側は、第1の組の突出筋42及び46を含み、舌40の右側は第2の組の突出筋を含む。
【0023】
[0032]
いくつかの例では、外科医は、一方又は両方の舌下神経の内側枝に近接した筋組織などの軟組織内に1つ以上の電極30が植え込まれるように、1つ以上のリード20を植え込むことができる。いくつかの例では、1つ以上の電極30は、舌下神経の主幹から約5mm(例えば、2mm~8mm)であり得る。いくつかの例では、1つ以上の電極30は、各神経軸索が筋肉(神経筋接合部とも呼ばれる)で終結する運動点を含む突出筋42及び46の領域内に配置され得る。運動点は、一箇所にあるのではなく、突出筋内に広がっている。リード20は、1つ以上の電極30が概して運動点の領域内にあるように(例えば、運動点が1つ以上の電極30から1~10mm以内にあるように)植え込まれ得る。突出筋42及び46の運動点の例は、
図3に関してより詳細に示されている。
【0024】
[0033]
舌40は、遠位端(例えば、舌40の先端)を含み、電極30は、舌40の舌根49に近接して植え込まれ得る。外科医は、
図1に示すように、1つ以上の電極が舌40の舌根49に近接して植え込まれるように、1つ以上のリード20を植え込むことができる。例えば、頤舌筋42の刺激のための位置は、(例えば、頤舌筋及び舌下筋が付着している)顎の結合部から約30mm(例えば、25mm~35mm)であってもよい。頤舌骨筋46を刺激する位置は、結合部から約40mm(例えば、35mm~45mm)であってもよい。頤舌筋42及び頤舌骨筋44の両方について、それぞれの舌下神経を刺激するための刺激位置は、舌40の右側及び左側の両方で、正中線から横方向に約11mm(例えば、7mm~15mm)であってもよい。いくつかの例では、本開示に記載の例は、舌下神経を刺激するのではなく、
図3に関してより詳細に説明するように、運動点を刺激するように構成され得る。運動点の刺激は、舌下神経の間接的な活性化をもたらし得るが、一般に、舌下神経への直接的な刺激とは異なる位置で刺激することができる。結果として、いくつかの例では、1つ以上の運動点のシミュレーションは、舌下神経自体の刺激で可能であり得るよりも正確な筋線維の活性化をもたらし得る。
【0025】
[0034]
リード20の1つ以上の電極30は、リング電極、セグメント化電極、部分リング電極、又は任意の好適な電極構成であり得る。リング電極は、リード20のリード本体の周囲の周りに360度延在する。セグメント化電極及び部分リング電極は各々、リード20のリード本体の外周の周りに360度未満(例えば、90度~120度)の円弧に沿って延在する。このようにして、複数のセグメント化電極は、リードの同じ軸方向位置でリード20の周囲に配置され得る。いくつかの例では、セグメント化電極は、リードに対してそれぞれの周方向位置で同じ又は異なる神経の異なる線維を標的として、異なる生理学的効果(例えば、治療効果)を生成し、刺激の方向を配向することを可能にするために有用であり得る。いくつかの例では、リード20は、少なくとも部分的にパドル形状(例えば、「パドル」リード)であり得、実質的に平坦かつ平面的であってもなくてもよい共通の表面上に接点又はパッドとして配置された電極のアレイを含み得る。
【0026】
[0035]
上述のように、いくつかの例では、電極30は、舌40の筋組織内にある。従って、1つ以上の電極30は、「筋肉内電極」であり得る。筋肉内電極は、神経幹又は神経枝を直接刺激するために使用されるカフ電極などの、神経幹又は神経枝上に又は神経幹又は神経枝に沿って配置される他の電極とは異なり得る。本開示に記載の例示的な技術は、筋肉内電極に限定されず、舌下神経の神経幹又は神経枝のより近くに配置された電極にも適用可能であり得る。また、いくつかの例では、1つ以上の電極30が「筋肉内電極」であるのではなく、1つ以上の電極30を、舌下神経に近接する接合組織又は他の軟組織に植え込むことができる。
【0027】
[0036]
いくつかの例では、リード20は、突出筋組織を含み得る軟組織を通って前進し、電極30を、突出筋42及び/又は46を神経支配する舌下神経に近接して固定し、並びに/あるいは舌下神経の軸索を突起筋42及び/又は46のそれぞれの筋線維に接続する運動点に固定するように構成され得る。しかしながら、いくつかの例では、リード20は、舌40の脈管構造を通って前進するように構成され得る。一例として、外科医は、鎖骨下静脈内の静脈アクセスを通して、舌下神経の近くの舌静脈にリード20を植え込むことができる。そのような例では、1つ以上の電極30は、「血管内電極」であり得る。
【0028】
[0037]
上述のように、IMD16によって生成され、1つ以上の電極30を介して送達される電気刺激治療は、突出筋42及び46を活性化させて、舌40を前方に移動させ、例えば、睡眠中の上気道48の閉塞又は狭窄の低減を促進することができる。本明細書で使用される場合、突出筋42及び46の電気刺激に関して「活性化される」という用語は、神経(例えば、舌下神経)の細胞の脱分極若しくは活動電位を引き起こす電気刺激、又は神経と突出筋との間の神経筋接合部(例えば、運動点)での刺激であって、突出筋42及び46並びに運動点を神経支配し、その後、突出筋42及び46の突出筋細胞の脱分極及び機械的収縮を引き起こす刺激を指す。いくつかの例では、突出筋42及び46は、電気刺激治療によって直接活性化され得る。
【0029】
[0038]
突出筋42及び/又は46は、舌40の第1の側(例えば、舌40の左側又は右側)で、第1の舌下神経の内側枝によって活性化されてもよく、突出筋は、舌40の第2の側(例えば、舌40の左側又は右側の他方)で、第2の舌下神経の内側枝によって活性化されてもよい。舌下神経の内側枝は、第7脳神経とも称され得る。舌40の牽引及び上昇を引き起こす(
図1には示されていない)舌骨舌筋及び茎突舌筋は、舌下神経の外側枝によって活性化される。
【0030】
[0039]
舌下神経の内側枝又は舌下神経の枝を介して(例えば、舌下神経の末端枝が突出筋42及び/又は46のそれぞれの筋線維と接触する運動点などにおいて)突出筋42及び46に両側性又は片側性の刺激を送達するために、1つ以上の電極30を使用することができる。例えば、上気道開通性を維持しながら筋疲労を回避するために、1つ以上の電極30をIMD16の出力回路に結合して、左右の突出筋を(例えば、定期的な、周期的な、又は交互のパターンで)選択的に活性化するような方法で電気刺激パルスを送達することを可能にしてもよい。追加的又は代替的に、IMD16は、左又は右の突出筋の片側刺激中に、突出筋42及び/又は46あるいは突出筋42及び/又は46の一部を選択的に活性化するように電気刺激を送達することができる。
【0031】
[0040]
いくつかの例では、電極30のうちの1つ以上が舌の左側の左舌下神経又は突出筋の運動点を刺激するように電気刺激を送達することによって左突出筋を活性化させるように、1つのリード20を植え込むことができる。そのような例では、1つ以上の電極30からの電気刺激は、舌の右側の右舌下神経又は突出筋の運動点を刺激して右の突出筋を活性化させるのに十分な振幅でなくてもよい。いくつかの例では、電極30のうちの1つ以上が舌の右側の右舌下神経又は突出筋の運動点を刺激するように電気刺激を送達することによって右突出筋を活性化させるように、1つのリード20を植え込むことができる。そのような例では、1つ以上の電極30からの電気刺激は、舌の左側の左舌下神経又は突出筋の運動点を刺激して左の突出筋を活性化させるのに十分な振幅でなくてもよい。従って、いくつかの例では、舌40の左側及び右側のそれぞれの舌下神経及び/又はそれぞれの突出筋の運動点を刺激するために、リード20のような2つのリードを植え込むことができる。
【0032】
[0041]
いくつかの例では、1つのリード20が、舌40の実質的に中央(例えば、中心)に植え込まれてもよい。そのような例では、1つ以上の電極30は、舌40の両側の両方の舌下神経又は両方の筋肉の運動点に電気刺激を送達し、両方の舌下神経又は運動点にそれぞれの左右の突出筋を活性化させることができる。1つ以上の電極30が、舌40の右側の右舌下神経又は突出筋の運動点をほとんど又は全く刺激せずに舌40の左側の左舌下神経又は突出筋の運動点を刺激する第1の電気刺激を送達し、次いで、1つ以上の電極30が、舌の左側の左舌下神経又は突出筋の運動点をほとんど又は全く刺激せずに舌の右側の右舌下神経又は突出筋の運動点を刺激する第2の電気刺激を送達するように、電流ステアリング技術及び磁界形成技術を利用することが可能であってもよい。リード20のような2つのリードが利用される例では、各リードは、それぞれの舌下神経又は運動点への刺激の送達を交互に行うことができる。このようにして、IMD16は、一方の舌下神経又は一方の組の運動点を刺激し、次いで他方の舌下神経又は他方の組の運動点を刺激することができ、その結果、筋疲労を軽減することができる。
【0033】
[0042]
例えば、連続的な刺激は、突出筋を連続的に突出状態にし得る。この連続的な収縮は、突出筋42及び/又は46を疲労させる可能性がある。そのような場合、疲労のために、刺激を加えても突出筋42及び/又は46が突出状態を維持できない可能性がある(あるいは突出筋42及び/又は46に突出状態を維持させるためにより高い強度の電気刺激が必要とされ得る)。一方の組(例えば、左又は右)の突出筋を刺激することにより、第2の組(例えば、左又は右の他方)の突出筋を静止させることができる。この場合、以前に活性化された突出筋42及び/又は46を静止させながら、静止していた突出筋を刺激するように刺激を交互に行うことにより、舌40の突出を維持することができる。従って、左及び右の突出筋の交互の刺激を循環させることにより、舌40は、第1又は第2の組の突出筋の一方が静止している間、突出状態のままであることができる。
【0034】
[0043]
いくつかの例では、リード20上の電極30のいくつかを、舌40の左舌下神経及び/又は左側の突出筋の運動点を刺激するために使用することができ、同じリード20上の電極30のいくつかを、舌40の右舌下神経及び/又は右側の突出筋の運動点を刺激するために使用することができるように、1つのリード20を、舌40を横切って横方向又は対角線方向に植え込むことができる。そのような例では、IMD16は、第1の組の1つ以上の電極30を介して、舌40の第1の側の第1の舌下神経及び/又は突出筋の第1の運動点に電気刺激を選択的に送達し、次いで、第2の組の1つ以上の電極30を介して、舌40の第2の側の第2の舌下神経及び/又は突出筋の第2の組の運動点に電気刺激を送達することができる。これは、筋疲労を軽減する別の方法であってもよい。
【0035】
[0044]
リード近位端24は、IMD16のハウジング15によって包囲された回路との間の電気接続を提供するためにIMD16のコネクタアセンブリ17に結合され得るコネクタ(
図1には示されていない)を含む。リード本体22は、IMD16の出力回路と電極30との間の電気的接続を提供するために1つ以上の電極30の各々から近位端24の近位コネクタまで延在する導電体を包囲している。
【0036】
[0045]
リード20が患者14に植え込まれる様々な方法が存在し得る。一例として、外科医は、針(イントロデューサ針とも呼ばれる)を、舌40の後部から出発して顎の下部を通るように舌40内に挿通させることができる。外科医は、針の遠位先端が舌40の先端部又は先端部に隣接する点に到達するまで針を挿入し、舌下神経(例えば、左舌下神経又は右舌下神経)に近接して延びるように針を曲げることができる。いくつかの例では、針は、遠位端に1つ以上の導電性領域(例えば、1つ以上の電極)を含むことができ、外科医は、針の1つ以上の導電性領域に電気刺激を(例えば、制御された電流パルス又は制御された電圧パルスの形態で)出力することができ、これは次いで、突出筋42及び/又は46の活性化並びに/あるいは舌40の突出などの生理学的応答を引き起こす。外科医は、生理学的応答に基づいて針の位置を調整して、効果的な治療を提供する舌40内の位置を決定することができる。刺激電極を有する針の使用は、全ての例において必要であるとは限らない。
【0037】
[0046]
針が適所に配置されると、外科医は、針にガイドワイヤ(又は単に「ガイド」)を挿通させ、(例えば、ガイドワイヤ上のタインを使用して)ガイドワイヤを舌40の組織に固定することができる。次いで、外科医は、ガイドワイヤを残して針を取り外すことができる。
【0038】
[0047]
外科医は、ダイレータを含んでも含まなくてもよいイントロデューサシースを、イントロデューサ針によって形成された開口部を通してガイドワイヤ上に配置することができる。いくつかの例では、イントロデューサシースは任意選択的に、リード20が標的神経組織に対して正しい位置に配置されているかを確認するために、外科医が舌40の刺激を試験するのに使用することができる1つ以上の電極を含み得る。イントロデューサシースが適所に配置されると、外科医はガイドワイヤを取り外すことができる。いくつかの例では、イントロデューサシースは、患者14内へのイントロデューサシースの配置を容易にするために、可撓性であるか又は湾曲していてもよい。ガイドワイヤ及びイントロデューサシースは、リード20を舌下神経に隣接して、又は舌下神経の周りに配置するのに役立ち得る。例えば、ガイドワイヤ及びイントロデューサシースを使用すると、イントロデューサ針によって形成された開口部内に、イントロデューサ針の直径以上の直径を有するリードを挿入することが可能になり得る。
【0039】
[0048]
いくつかの例では、イントロデューサシースが1つ以上の電極を有するのではなく、又はそれに加えて、イントロデューサシースは、1つ以上の穿孔を含み得る。1つ以上の穿孔は、電極30と位置合わせされてもよい。リード20を配置する前に、外科医は、電極30がイントロデューサシースの穿孔と位置合わせされるように、リード20をイントロデューサシース内に配置することができる。医療用装置は、電極30及びイントロデューサシースの穿孔を通して刺激信号を出力して、舌40内の舌下神経及び/又は突出筋の1つ以上の運動点を刺激することができる。このようにして、リード20のリード配置を決定するための更なる微調整が必要である場合、外科医は、電極30によってイントロデューサシースの穿孔を通して検出された1つ以上の電気信号に応答して、リード20の位置を調整することができる。
【0040】
[0049]
いくつかの例では、外科医は、イントロデューサシース及びガイドワイヤを使用せずに、イントロデューサ針にリード20を直接挿通させることができる。そのような例では、イントロデューサ針は、リード20を受容するように適切なサイズであってもよく、上述のイントロデューサシースの動作と同様の動作を実行することができる。
【0041】
[0050]
外科医は、挿入のためにリード20を準備することができる。いくつかの例では、
図2に関して説明したような固定部材を所定の位置に保持する、リード20上に配置された追加のシースが存在し得る。そのような追加のシースの使用は、全ての例において必要であるとは限らない。例えば、イントロデューサシースが固定部材を所定の位置に保持するように構成されてもよい。リード20は高度に可撓性であり得るので、いくつかの例では、外科医は、リード20を通してスタイレットを配置してある程度の剛性を提供し、リード20が押圧力下で舌40を横切ることを可能にしてもよい。スタイレットの使用は、全ての例において必要であるとは限らない。
【0042】
[0051]
外科医は、1つ以上の電極30が舌下神経に近接するように(例えば、非限定的な一例として、遠位端26が舌の先端に近くなるように)リード20をイントロデューサに通すことができる。電極30は、針が舌下神経及び/又は突出筋の運動点の近くに開口部を形成することから、舌下神経及び/又は突出筋の運動点に近接していてもよい。次いで、外科医は、リード20の近位端24を、IMD16との接続部に戻すようにトンネリングすることができる。
【0043】
[0052]
このようにして、外科医は、1つのリード20を植え込むことができる。2つ以上のリードが植え込まれる例では、外科医は、上述のステップと同様のステップを実行することができる。
【0044】
[0053]
上記は、リード配置のためのいくつかの例示的な技術を説明しており、本開示に記載の例は、リード配置のこれらのような例に限定されると見なされるべきではない。更に、いくつかの例では、外科医は、植え込み中に蛍光透視法などの撮像技術を使用して、リード20、イントロデューサ針、及び/又はイントロデューサシースの適切な配置を検証することができる。
【0045】
[0054]
図1は、IMD16の位置が患者14の頸部内であるか、又は頸部に近接していることを示す。しかしながら、IMD16は、様々な他の場所に植え込まれてもよい。一例として、外科医は、左又は右胸部領域にIMD16を植え込むことができる。例えば、外科医は、別の医療用装置が既に左胸部領域に植え込まれていない限り、左胸部領域にIMD16を植え込む計画を策定することができる。別の医療用装置が既に左胸部領域に植え込まれている場合には、外科医は、右胸部領域にIMD16を植え込むことができる。外科医がIMD16を植え込むことができる他の位置に、患者14の背部などが含まれてもよい。例示的な技術は、IMD16のいかなる特定の植込み位置にも限定されない。
【0046】
[0055]
本開示に記載の1つ以上の例によれば、システム10は、OSAの治療のために舌40内のリード20を利用するための植込みシステムである。いくつかの例では、システムは、リードを配置するために舌40内の1つ以上の舌下神経及び/又は突出筋の1つ以上の運動点を露出させるための実質的な切開が必要とされないように構成され得る。本開示は、リード20を配置するためのアクセス切開を最小限に抑えるような方法でリード20を配置するように構成されたシステム10の例を説明する。
【0047】
[0056]
いくつかの状況では、所望の生理学的効果(例えば、治療効果)を達成するために、リード20上に複数の電極を含むことが望ましい場合がある。例えば、所望の効果を達成するために、複数の電極を使用して、同じ神経の異なる線維を標的とする(例えば、舌40内の突出筋の1つ以上の運動点を標的とする)ことができる。そのような場合、異なる線維又は運動点の位置を一度に1つずつ決定することは時間がかかり、神経損傷を引き起こす可能性がある。いくつかの例では、システム10は、外科医が、外科手術時間を短縮し、神経損傷のリスクを低減するような方法で、突出筋の異なる線維又は運動点の位置を識別することを可能にし得る。
【0048】
[0057]
上述のように、システム10は、患者14への影響を最小限に抑えながらリード20を植え込んで神経を刺激することができるように、開放手術を行わずにリード20を1つ以上の舌下神経及び/又は運動点に隣接して、あるいはその周りに植え込むための植込みシステムである。開放手術を行わずにリード20を舌40内の舌下神経及び/又は突出筋の1つ以上の運動点に隣接して、あるいはその周りに植え込むことには、特定の固有の課題が伴い得る。一例として、舌下神経及び/又は運動点を露出させるための開放手術を行わないと、舌下神経及び/又は運動点の位置を特定してアクセスすることが困難である。
【0049】
[0058]
開放手術を行わずに舌下神経及び/又は運動点の位置を特定するために、システム10は、リード20を植え込むために患者の舌に開口部を形成するためのイントロデューサ針と、舌下神経及び/又は運動点を刺激するために刺激信号をイントロデューサ針を通して患者の舌に送達するための医療用装置と、を含むことができる。同じ医療用装置、又は場合によっては別の医療用装置が更に、リード20から電気信号を受信してもよく、これらの電気信号(例えば、EMG信号)は、刺激信号に応答した筋肉の動きから生成される。
図1に示すように、医療用装置は、患者14の首付近に植え込まれた植込み型医療用装置(例えば、IMD16)であり得る。従って、IMD16は、OSAの持続的な(すなわち、長期にわたる)治療に利用することができる。しかしながら、いくつかの例では、リード20の植え込み中に、又はリード20を植え込むための位置を決定している間に、試験的な刺激装置(例えば、外部医療用装置)を使用して、リード20がイントロデューサシース内にある時に刺激をイントロデューサ針に送達するか、又はリード20を介して送達してもよい。従って、医療用装置は、刺激信号を送達するためにイントロデューサ針に結合された外部医療用装置であってもよい。いくつかの例では、リード20がイントロデューサシース内にある時に、第1の医療用装置を利用してイントロデューサ針上の導電性領域を刺激し、第2の異なる医療用装置を利用して電極30を刺激することができる。いくつかの例では、第1の医療用装置及び第2の医療用装置は、同じ医療用装置であり得る。IMD16は試験的な刺激装置としても使用可能であり、その技術は外部医療用装置に限定されないことに留意されたい。
【0050】
[0059]
以下で更に詳細に説明するように、イントロデューサ針は、舌40を通して舌40内の舌下神経及び/又は運動点の近接位置まで挿入され得る。イントロデューサ針は、OSA治療を送達するための1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含み得る。イントロデューサ針は、医療用装置と連結して、医療用装置から患者の舌に1つ以上の刺激信号を送達することができる。細長い本体の1つ以上の導電性領域(例えば、2つの導電性領域、3つの導電性領域、又は4つの導電性領域など)は、1つ以上の刺激信号を舌40に送達して舌下神経及び/又は運動点を刺激し、1つ以上の頤舌筋又は頤舌骨筋を神経支配することができる。イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域はまた、頤舌筋及び/又は頤舌骨筋の動きに基づいて生成される1つ以上の電気信号を検出してもよい。
【0051】
[0060]
例えば、イントロデューサ針の挿入後、イントロデューサ針は、医療用装置と連結されて、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域を介して刺激信号を送達して、舌40内の舌下神経及び/又は突出筋の1つ以上の運動点を刺激してもよい。刺激信号に応答して、舌下神経が突出筋42又は46を神経支配してもよく、あるいは1つ以上の運動点の活性化が突出筋42又は46を突出させてもよく、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域は、突出筋42又は46の動きを表す電気信号(例えば、EMG信号)を検出してもよい。そのような例では、医療用装置は、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域によって検出された電気信号を受信し、電気信号を示す情報を出力することができる。いくつかの例では、刺激信号を出力する医療用装置は、イントロデューサ針上の導電性領域によって検出された電気信号を受信する医療用装置とは異なっていてもよく、又は刺激信号を出力する医療用装置は、イントロデューサ針上の導電性領域によって検出された電気信号を受信する医療用装置と同じであってもよい。電気信号を示す出力情報に基づいて、外科医は、リード20を配置するための標的治療部位を決定することができる。
【0052】
[0061]
従って、システム10は、OSAの治療のためにリード20を植え込むための植込みシステムの一例である。システム10は、細長い本体(例えば、針本体)を有するイントロデューサ針を含む。
【0053】
[0062]
細長い本体は、外科医がリード20を適切に導入するために所望の形状に曲げることができるように、可鍛性の細長い本体であり得る。いくつかの例では、細長い本体は、外科医が手術中にリード20を適切な構成に位置合わせすることができるように、操縦可能であってもよい。細長い本体が操縦可能であることにより、外科医が患者14の舌40の舌下神経及び/又は運動点に沿って、かつ近接してリード20を配備することが容易であってもよい。
【0054】
[0063]
細長い本体は、OSA治療のための刺激位置を決定するために舌40を突出させることができる刺激信号を送達するための1つ以上の導電性領域を含む。イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域は、細長い本体の遠位端に配置されている。導電性領域が正確に遠位端に存在することも可能であるが、イントロデューサ針の遠位端にということが、導電性領域が正確に遠位端にあることを限定的に意味すると解釈されるべきではない。むしろ、「遠位端に」は、1つ以上の導電性領域が、場合によっては正確にイントロデューサ針の遠位端にあることを含めて、イントロデューサ針の遠位端に近接していることを意味する。一例として、複数の導電性領域は、イントロデューサ針の同じ軸方向位置で互いに対して長手方向に配置され得る。別の例として、複数の導電性領域は、イントロデューサ針の軸に直交する方向に、イントロデューサ針の細長い本体の外周に沿って互いに対して周方向に配置され得る。
【0055】
[0064]
システム10はまた、イントロデューサ針を使用して、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者14の舌40に刺激信号を送達して、患者14の舌40内の舌下神経及び/又は運動点を刺激するための医療用装置を含む。医療用装置はまた、イントロデューサ針によって検出された1つ以上の電気信号を受信し、1つ以上の電気信号を示す情報を出力することができる。例えば、医療用装置は、刺激信号に応答した筋収縮から生成された電流を測定するEMG信号を受信することができる。
【0056】
[0065]
例えば、外科医は、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域が患者の顎の近くの組織内、並びに舌40内の舌下神経及び/又は突出筋の運動点に近接した舌内を押し通されるように、患者14の舌40にイントロデューサ針を挿入することができる。イントロデューサ針を挿入した後、外科医は、イントロデューサ針を介し、患者14の舌40に1つ以上の導電性領域を通して刺激信号を送達して、患者14の舌40内の舌下神経及び/又は運動点を刺激するように医療用装置を制御することができる。外科医はまた、イントロデューサ針によって検出された電気信号を受信し、1つ以上の電気信号を示す情報を表示装置上に出力するように、医療用装置(同じ又は異なる医療用装置)を制御することができる。次いで、外科医は、1つ以上の電気信号を示す出力情報に基づいて、標的治療部位を決定することができる。
【0057】
[0066]
いくつかの例では、システム10は、1つ以上の穿孔を有するイントロデューサシースを更に含んでもよい。イントロデューサシースの1つ以上の穿孔は、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域と位置合わせされる。イントロデューサシースの1つ以上の穿孔は、リード20の電極30と更に位置合わせされる。
【0058】
[0067]
いくつかの例では、リード20は、比較的大きな直径を有し得る。例えば、リード20は、イントロデューサ針の細長い本体の管腔にリード20が挿入されないように、イントロデューサ針の直径以上の直径を有し得る。
【0059】
[0068]
例えば、イントロデューサ針の細長い本体の管腔にリード20を挿入する代わりに、外科医は、細長い本体の管腔にガイドワイヤを挿入し、患者14の舌40内にガイドワイヤを残したままイントロデューサ針を取り外し、イントロデューサシースの1つ以上の穿孔が患者14の舌40の舌下神経及び/又は運動点に到達するように、イントロデューサシースをガイドワイヤ上でスライドさせることができる。
【0060】
[0069]
イントロデューサシースをイントロデューサ針によって形成された開口部に挿通させた後、外科医は、ガイドワイヤを取り外し、リード20の電極30がイントロデューサシースの1つ以上の穿孔と位置合わせされるように、リード20をイントロデューサシースに挿入することができる。外科医はまた、電極30及びイントロデューサシースの穿孔を通して刺激信号を出力して、舌下神経及び/又は運動点を刺激するように医療用装置を制御することができる。このようにして、イントロデューサ針の直径以上の直径を有するリードを、イントロデューサ針によって形成された開口部内に挿通させることができる。
【0061】
[0070]
図2は、1つ以上の例による、OSA治療に使用されるリード20の概念図である。例えば、
図2は、リード20の遠位部分28を示し、リード20の遠位部分28は、上述のように、舌40に植え込まれたリード20の部分を形成することができる。リード20は、1つ以上の電極30を含むことができ、
図2は、リード本体22に沿って長手方向に離間した4つの電極30A、30B、30C、及び30D(集合的に「電極30」と呼ばれる)を有するリード20を示している。リード本体22は、リード20の細長い部材の一例である。例えば、リード本体22とリード20の細長い部材とは同じである。
【0062】
[0071]
リード本体22(例えば、リード20の細長い部材)は、絶縁された導電体がそれぞれの電極30まで延在する可撓性のリード本体であってもよい。最も遠位の電極30Aは、リード遠位端26に隣接又は近接していてもよい。電極30の各々は、電極30のそれぞれの隣接する1つから近位に、それぞれの電極間距離34、35、及び36だけ離間していてもよい。
【0063】
[0072]
近位端24の近位接点からそれぞれの電極30まで延在する導電体は、複数のコイルとして配置されてもよい。コイルは、リード20が遠位端で曲がることができるように、リード20の可撓性を高めることができる。いくつかの例では、コイルは、コイルが電極30を形成するように、電極30の位置に沿って露出させることができる。電極30がパッド電極又はリング電極であるのではなく、コイルが電極30を形成し、このため電極30は屈曲可能であり、更なる柔軟性を提供する。そのような例では、電極30はコイル電極である。
【0064】
[0073]
いくつかの例では、電極30の各々は、同等の電極長31(例えば、リード本体22に沿った電極30の長手方向の広がり)を有し得る。長さ31は、約3mmであってもよいが、3mm未満の長さであってもよい。しかしながら、電極30は、(例えば、左右の舌下神経又は舌下神経の枝並びに/あるいは突出筋42及び/又は46の運動点に対応する標的刺激部位に対する電極30の配置、あるいはその結果として生じる刺激電場を最適化するために)互いに異なる電極長31を有してもよい。
【0065】
[0074]
間隔34、35、及び36は、
図2ではほぼ等しいことが示されている。しかしながら、他の例では、電極間間隔34、35、及び36は、(例えば、標的刺激部位に対する電極30の配置を最適化するために)互いに異なっていてもよい。間隔34、35、及び36は、約3mmであってもよいが、3mm未満の間隔であってもよい。いくつかの例では、双極構成の場合、電極30A及び30Bは、突出筋42及び/又は46の一部(例えば、左若しくは右の突出筋、又は突出筋の一部の近位部分及び/若しくは遠位部分のいずれか)に双極刺激を送達するためのアノードとカソードとの対を形成する。電極30C及び30Dは、突出筋42及び/又は46の異なる部分(例えば、左又は右の部分の他方あるいは近位又は遠位部分の他方)に双極刺激を送達するための第2のアノードとカソードとの対を形成し得る。従って、2つの双極対30A、30Bと30C、30Dとの間の電極間間隔35は、各双極対30A、30B、及び30C、30D内のアノードとカソードとの間の電極間間隔34及び36とは異なり得る。
【0066】
[0075]
いくつかの例では、単極構成の場合、IMD16のハウジング15は、カソードとして機能する電極と、電極30のうちの1つと対になったアノードとカソードとの対の一部とを含み得る。いくつかの例では、ハウジング15自体がアノードとカソードとの対のカソードとして機能することができ、電極30のうちの1つがアノードを形成する。いくつかの例では、ハウジング15はアノードであってもよい。
【0067】
[0076]
一例では、リード本体22の遠位部分28に沿った電極30によって包含される総距離D1は、約20~30ミリメートルであってもよい。一例では、総距離D1は、約20~22ミリメートルである。しかしながら、代替的に、距離はより短くてもよい。一例として、遠位部分28から1つ以上の固定部材32までの距離は、1つ以上の固定部材32のうちの少なくとも1つが確実に舌40内に植え込まれるようにするために、約10ミリメートルであってもよい。
【0068】
[0077]
近位電極対30C、30D及び遠位電極対30A、30B内の電極間間隔34及び36はそれぞれ、いくつかの例では、約2~5ミリメートルの範囲内であり得る。遠位対30A、30Bと近位対30C、30Dとを隔てる電極間間隔35は、電極間間隔34及び36より大きくてもよい。例えば、電極間間隔35は、いくつかの例では、約4~6ミリメートルの範囲内であり得る。一例では、電極30の各々は、約3mmの電極長31を有し、電極間間隔34、35、及び36の各々は、約3mmである。
【0069】
[0078]
図2では、電極30の各々は、リード本体22と直径が同一であり得る環状のリング電極である。上述のように、電極30は、例えば、先端電極、らせん電極、上述のようなコイル電極、セグメント化電極、ボタン電極などの他の種類の電極を含み得る。例えば、最遠位の電極30Aはリード遠位端26の先端電極として提供され、残りの3つの電極30B、30C、及び30Dはリング電極であってもよい。いくつかの例では、電極30Aが遠位端26に配置される場合、電極30Aは、植込み部位の筋組織内にねじ込まれて、リード20の遠位部分28を標的治療送達部位に固定するための固定部材として更に機能するように構成されたらせん電極であり得る。いくつかの例では、電極30のうちの1つ以上は、治療送達部位でリード20の遠位部分28の能動的固定を提供するためのフック電極又は有刺電極であり得る。
【0070】
[0079]
リード20は、リード移動の可能性を最小限に抑えるための1つ以上の固定部材32を含み得る。固定部材32は、リード遠位部分28が標的治療送達部位に配置された時に周囲組織と係合する複数組のタインを含み得る。固定部材32のタインは、リード本体22の長手方向軸に対してある角度で半径方向外側及び近位に延在して、リード本体22の後退を防止又は低減することができる。例えば、タインは、非圧縮状態でタインを外向きに伸長させるばねを含み得る。固定部材32のタインは、リード20が、リード遠位部分28を標的植込み部位に配備するために使用されるリード送出ツール(例えば、イントロデューサ針又はイントロデューサシース)の範囲内に保持されている時に、リード本体22に対して折り畳み可能であり得る。リード送出ツールを取り外すと、固定部材32のタインは、周囲の組織と係合し、リード本体22の近位方向及び横方向の移動に抵抗するために、(例えば、ばねバイアスに起因して)通常の伸長位置まで広がることができる。例えば、タインは、通常は伸長位置まで付勢され得るが、植込みのためにイントロデューサシースに対して後退され得る。イントロデューサシースが取り外されると、タインは非圧縮状態まで外向きに伸長する。固定部材32のタインの例は、
図1のタイン31を含む。いくつかの例では、固定部材32は、追加的又は代替的に、リード本体22及び/又はリード遠位端26に沿って1つ以上の長手方向位置から伸長する、1つ以上複数のフック、棘、らせん、又は他の固定機構を含むことができる。
【0071】
[0080]
いくつかの例では、配備時のタインは、前向き及び/又は後ろ向きであってもよい。前向きとは、タインの近位端24により近い部分が配備時に広がることを意味する。例えば、タインは、リード本体22上の接続点と、リード本体22から離れる方向に伸長するタインの自由アームとを有し、自由アームの近位端24により近い部分が伸長する。後ろ向きとは、タインの遠位端26により近い部分が配備時に広がることを意味する。例えば、タインは、リード本体22上の接続点と、リード本体22から離れる方向に伸長するタインの自由アームとを有し、自由アームの遠位端26により近い部分が伸長する。前向き及び後ろ向きのタインの両方を有することにより、横方向及び近位への移動を低減することができる。
【0072】
[0081]
固定部材32は、リード本体20の近位端がIMD16の植込みポケットにトンネリングされると、突出筋42及び/又は46並びに/あるいは舌40下の他の筋、並びに/あるいは頸部の他の軟組織(例えば、脂肪及び結合組織)のうちの1つ以上に部分的に又は全体的に係合することができる。いくつかの例では、固定部材32は、遠位端26又はその付近、電極30間、あるいは
図2に示す位置よりも遠位又は近位の位置を含む他の位置に配置された1つ以上の固定機構を含むことができる。
【0073】
[0082]
IMD16の植込みポケットは、患者14の胸部領域内にあってもよい。リード本体22は、IMD16のコネクタアセンブリ17と係合する近位コネクタを含み得る。従って、遠位部分28からリード近位端24までの細長いリード本体22の長さは、突出筋42及び/又は46内の標的治療送達部位から、IMD16が植え込まれる胸部領域内の位置までにわたるように選択され得る。リード本体22の長さ(例えば、細長い部材)は、例として最大10cm又は最大20cmであってもよいが、一般には25cm以下であってもよく、但し患者14の解剖学的構造及びサイズに応じて、より長い又はより短いリード体の長さを使用することができる。
【0074】
[0083]
図3は、OSA治療のための刺激が送達され得る運動点の例示的な位置を示す概念図である。
図3は、患者14が仰臥位にあり、患者14の顎50を患者14の下方位置から見た、患者14の顎50を示す。例えば、
図3は、結合部51及び舌骨52を示す。
図3に示す例では、結合部51と舌骨52とを接続している線は、舌40の正中線に沿ったy軸と見なすことができる。
図3はまた、患者14の2つのゴニア間のゴニア間距離53を示しており、ゴニアは、下顎角部における下顎50のそれぞれの側の点である。ゴニア間距離53は、舌40のx軸に沿っていてもよい。
【0075】
[0084]
図3は、運動点54A及び54B並びに運動点55A及び55Bを示す。運動点54Aは、右頤舌筋の運動点であってもよく、運動点54Bは、左頤舌筋の運動点であってもよい。運動点55Aは、右頤舌骨筋の運動点であってもよく、運動点55Bは、左頤舌骨筋の運動点であってもよい。運動点54A及び54B並びに運動点55A及び55Bは、例示の目的のために各筋肉の運動点を一般化したものであってもよい。各筋肉に更なる運動点及び/又は異なる位置の運動点が存在してもよい。
【0076】
[0085]
1つ以上の例では、リード20及び/又は1つ以上の電極30は、運動点54A、54B、55A、及び/又は55Bでの刺激のために、運動点54A、54B、55A、又は55Bに近接して植え込むことができる。例えば、2つのリードが植え込まれる例では、第1のリード及びその電極を運動点54A及び/又は55Aに近接して植え込むことができ、第2のリード及びその電極を運動点54B及び/又は55Bに近接して植え込むことができる。1つ以上の例では、電極30は、それぞれの運動点54A、54B、55A、又は55Bから約1mm~10mmであり得る。
【0077】
[0086]
(例えば、舌40の左側又は右側の)舌下神経は、最初は軸索と呼ばれる神経線維の幹である。舌下神経の軸索は分枝する。例えば、舌下神経の幹は、第1の組の軸索を含む複数の組の軸索を含み、第1の組の軸索は、舌下神経の幹から分枝する。第1の組の軸索は、第1の群の軸索を含む複数の群の軸索を含み、第1の群の軸索は、第1の組の軸索から分枝し、以下同様である。分枝した軸索が突出筋42及び/又は46のそれぞれの筋線維と接合する位置(例えば、頤舌筋及び/又は頤舌骨筋)は、運動点と呼ばれる。
【0078】
[0087]
例えば、筋線維と接する(例えば、神経筋接合部で接続する)舌下神経の枝は末端枝と呼ばれ、末端枝の末端は運動点である。末端枝の長さは、舌下神経から頤舌筋又は頤舌骨筋まで約10mmであってもよい。いくつかの例では、右頤舌骨筋については+0.7の標準偏差を有する平均約1.5の末端枝、右頤舌筋については+1.4の標準偏差を有する平均約4.8の末端枝、左頤舌骨筋については+0.9の標準偏差を有する平均約2.0の末端枝、及び左頤舌筋については+1.9の標準偏差を有する平均約5.1の末端枝が存在し得る。
【0079】
[0088]
いくつかの他の技術と比較して、運動点54A、54B、55A、又は55Bで刺激することには利点があり得る。例えば、いくつかの技術は、カフ電極を利用するか、又は舌下神経で刺激する。異なる分枝パターンのために、舌下神経の周りにカフ電極を配置すること、又は一般に電極を舌下神経に取り付けることは困難であり得る。また、カフ電極又は舌下神経に取り付けられる電極を使用する場合、舌下神経の周囲又は各々に電極を植え込むには、両方の舌下神経に取り付けられる複数の外科的入口点が必要である。更に、カフ電極又は舌下神経に取り付けられる電極を利用すると、牽引、伸張、又は刺激を引き起こすことによって神経に悪影響を及ぼすおそれがある。従って、運動点に近接して植え込まれたリード20及び電極30を利用することは、カフ電極又は舌下神経に植え込まれた電極を利用する技術と比較して有益であり得る(例えば、植込みのための手術が少なく、神経への影響が少ない)。
【0080】
[0089]
更に、筋線維に付着する運動ニューロンの分岐点などの運動点54A、54B、55A、及び/又は55Bで刺激することは、筋運動のより良好な制御などの利点を提供することができる。運動点54A、54B、55A、及び55Bは空間的に分布しているため、運動点54A、54B、55A、及び/又は55Bを刺激することによって、刺激されている頤舌筋及び頤舌骨筋の量を制御することができる。また、運動点54A、54B、55A、及び/又は55Bで刺激することにより、より穏やかな筋肉の活性化が可能になり得る。例えば、刺激が舌下神経の幹の近くに提供される場合、比較的小さな振幅の刺激信号でさえ、頤舌筋及び/又は頤舌骨筋を完全に突出させる可能性がある(例えば、小さな刺激振幅が大きな筋肉突出を引き起こす高いループゲインがある)。頤舌筋及び/又は頤舌骨筋を突出させる量の微調整は、舌下神経の幹で刺激する場合には利用できない場合がある。しかしながら、運動点54A、54B、55A、及び/又は55Bで刺激する場合には、より低いループゲイン刺激が存在し得る。例えば、運動点54A、54B、55A及び/又は55Bで刺激する場合、より低い振幅を有する刺激信号は、頤舌筋及び/又は頤舌骨筋をわずかに突出させ得、より高い振幅を有する刺激信号は、頤舌筋及び/又は頤舌骨筋をより多く突出させ得る。
【0081】
[0090]
以下は、正中線(x軸)、後方結合部51(y軸)、及び深さ(z軸)に対する運動点54A、54B、55A、及び55Bの例示的な位置であり、深さは、結合部51の下縁及び舌骨52の前縁によって形成される平面からのものである。
【0082】
[0091]
運動点54Aは、右頤舌筋のものであってもよく、x軸から13.48mm+3.59、y軸から31.01mm+6.96、及びz軸から22.58mm+3.74に位置してもよい。運動点55Aは、右頤舌骨筋のものであってもよく、x軸から11.74mm+3.05、y軸から41.81mm+6.44、及びz軸から16.29mm+3.40に位置してもよい。運動点54Bは、左頤舌筋のものであってもよく、x軸から9.96mm+2.24、y軸から29.62mm+9.25、及びz軸から21.11mm+4.10に位置してもよい。運動点55Bは、左頤舌骨筋のものであってもよく、x軸から11.45mm+1.65、y軸から39.63mm+8.03、及びz軸から15.09mm+2.41に位置してもよい。
【0083】
[0092]
図4は、
図1のシステムで利用され得る植込み型医療用装置(IMD)の例示的な構成を図示するブロック図である。
図4に示すように、IMD16は、感知回路56、処理回路57、治療送達回路58、スイッチ回路59、メモリ60、テレメトリ回路61、及び電源62を含む。IMD16は、より多くの又はより少ない数の構成要素を含むことができる。例えば、IMD16が開ループ方式で電気刺激を送達する例などのいくつかの例では、IMD16は感知回路56を含まなくてもよい。
【0084】
[0093]
スイッチ回路59は、処理回路57からの命令に応答して、電極30の結合を感知回路56と治療送達回路58との間で切り替えるように構成され得る。感知回路56が使用されない例では、スイッチ回路59は必要とされない場合がある。しかしながら、感知回路56が使用されない例であっても、IMD16は、治療送達回路58から電極30を切断するようにスイッチ回路59を含むことができる。
【0085】
[0094]
いくつかの例では、治療送達回路58は、複数の調整された電流源又はシンクを含むことができ、各電流源又はシンクは、電極30のうちの1つに結合されている。そのような例では、治療送達回路58は各電流源又はシンクを制御することができ、電極30の各々は個別に制御可能であるため、電極30間の切り替えは治療送達に必要ではない場合がある。
【0086】
[0095]
図3には示されていないが、いくつかの例では、IMD16は、患者14の姿勢又は位置を感知するように構成された1つ以上のセンサを含み得る。例えば、IMD16は、患者14が横たわっているかどうかを判定するための加速度計を含み得る。1つ以上のセンサの別の例は動きセンサであり、動きセンサによって感知された動きは、OSAの開始を示す可能性のある寝付きの悪さを患者14が有しているかどうかを示し得る。センサの更なる例には、上気道48の振動を検出するための音響センサ又はマイクロフォンが含まれる。上気道48の振動は、OSAの発症を示す可能性がある。いくつかの例では、処理回路57は、OSAの発症を感知した後の治療の送達など、1つ以上のセンサから受信された情報に基づいて治療の送達を制御することができる。
【0087】
[0096]
いくつかの例では、電極30は、筋電図(EMG)信号を感知するように構成され得る。感知回路56は、電極30が刺激に使用されていない時にEMG感知電極として使用されるように、スイッチ回路59を介して電極30に切り替え可能に結合されてもよい。EMG信号は、処理回路57によって、電気刺激を送達する際に突出筋42及び/又は46の睡眠状態及び/又は低音調状態を検出するために使用されてもよい。いくつかの例では、電極30を使用するか、又は電極30を使用することに加えて、EMG信号を感知するために使用される他の電極又はセンサが存在し得る。
【0088】
[0097]
一般に、IMD16は、IMD16並びにIMD16の処理回路57、治療送達回路58、及びテレメトリ回路61に起因する技術を実行するために、ハードウェアのみ、又はハードウェアとソフトウェア及び/若しくはファームウェアを組み合わせた任意の好適な構成を備え得る。様々な例では、IMD16は、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、又は任意の他の同等の集積回路若しくは個別の論理回路、及びそのような構成要素の任意の組み合わせなどの1つ以上のプロセッサを含み得る。
【0089】
[0098]
IMD16の様々なユニットは、固定機能回路、プログラム可能な回路、又はそれらの組み合わせとして実装され得る。固定機能回路は、特定の機能を提供する回路を指し、実行可能な動作について予め設定されている。プログラム可能な回路は、様々なタスクを実行し、実行可能な動作に柔軟な機能を付与するようにプログラムすることができる回路を指す。例えば、プログラム可能な回路は、プログラム可能な回路をソフトウェア又はファームウェアの命令によって定義される方法で動作させるソフトウェア又はファームウェアを実行することができる。固定機能回路は、(例えば、パラメータ又は出力パラメータを受信するための)ソフトウェア命令を実行することができるが、固定機能回路が実行する動作の種類は一般に不変である。いくつかの例では、ユニットのうちの1つ以上が別個の回路ブロック(固定機能又はプログラム可能)であってもよく、いくつかの例では、ユニットのうちの1つ以上が集積回路であってもよい。
【0090】
[0099]
IMD16は、プログラム可能な回路から形成された算術論理ユニット(ALU)、基本関数ユニット(EFU)、デジタル回路、アナログ回路、及び/又はプログラム可能なコアを含むことができる。IMD16の動作がプログラム可能な回路によって実行されるソフトウェアを使用して実行される例では、処理回路57が受信して実行するソフトウェアの命令(例えば、オブジェクトコード)をメモリ60が記憶してもよく、又はIMD16(図示せず)内の別のメモリがそのような命令を記憶してもよい。
【0091】
[0100]
IMD16はまた、様々な例では、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(programmable read only memory、PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read only memory、EPROM)、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electronically erasable programmable read only memory、EEPROM)、フラッシュメモリなどのメモリ60を含み得、メモリ60は、1つ以上のプロセッサに、それらに起因するアクションを実行させるための実行可能命令を備える。更に、感知回路56、処理回路57、治療送達回路58、スイッチ回路59、及びテレメトリ回路61は別個の回路として説明されているが、いくつかの例では、感知回路56、処理回路57、治療送達回路58、スイッチ回路59、及びテレメトリ回路61は機能的に統合されている。いくつかの例では、感知回路56、処理回路57、治療送達回路58、スイッチ回路59、及びテレメトリ回路61は、ASIC、DSP、FPGA、又は他のハードウェアユニットなどの個々のハードウェアユニットに対応する。
【0092】
[0101]
メモリ60は、IMD16によって提供される電気刺激の刺激パラメータ値を指定する刺激プログラム63(治療プログラム63とも呼ばれる)を記憶する。メモリ60はまた、刺激プログラム63に加えて、処理回路57による実行のための命令を記憶することができる。(例えば、感知回路56又はIMD16の1つ以上のセンサからの)患者14の感知されたパラメータに関連する情報は、ユーザによる長期記憶及び検索のために記録されてもよく、及び/又は刺激パラメータ(例えば、振幅、パルス幅、及びパルス速度)の調整のための処理回路57によって使用されてもよい。いくつかの例では、メモリ60は、命令、電気信号情報、及び刺激プログラム63を記憶するための別個のメモリを含む。いくつかの例では、処理回路57は、刺激プログラム63の新しい刺激パラメータ又は刺激プログラム63からの新しい刺激プログラムを選択して、電気刺激の終了後に患者入力及び/又は監視された生理学的状態に基づいて電気刺激の送達に使用することができる。
【0093】
[0102]
一般に、治療送達回路58は、処理回路57の制御下で電気刺激を生成及び送達する。いくつかの例では、処理回路57は、メモリ60にアクセスし、治療送達回路58に対する刺激プログラム63のうちの少なくとも1つに選択的にアクセスしてロードすることにより、治療送達回路58を制御する。例えば、動作中、処理回路57は、メモリ60にアクセスして治療送達回路58に対する刺激プログラム63のうちの1つをロードすることができる。
【0094】
[0103]
例として、処理回路57は、メモリ60にアクセスして刺激プログラム63のうちの1つをロードし、患者14に電気刺激を送達するための治療送達回路58を制御することができる。臨床医又は患者14は、患者プログラマ又は臨床医用プログラマなどのプログラミング装置を使用して、リストから刺激プログラム63の特定の1つを選択してもよい。処理回路57は、テレメトリ回路61を介して選択を受信することができる。治療送達回路58は、患者14が眠っている間(例えば、1つ以上のセンサ及び/又は感知回路56から決定されるように)の数分又は数時間などの長い時間にわたって、選択されたプログラムに従って、患者14に電気刺激を送達する。例えば、処理回路57は、電極30を治療送達回路58に結合するようにスイッチ回路59を制御することができる。
【0095】
[0104]
治療送達回路58は、刺激パラメータに従って電気刺激を送達する。いくつかの例では、治療送達回路58は、電気パルスの形態で電気刺激を送達する。そのような例では、関連する刺激パラメータは、治療送達回路58が刺激信号を送達するために使用する電圧若しくは電流パルス振幅、パルス速度、パルス幅、デューティサイクル、及び/又は電極30の組み合わせを含み得る。いくつかの例では、治療送達回路58は、連続波形の形態で電気刺激を送達する。そのような例では、関連する刺激パラメータは、治療送達回路58が刺激信号を送達するために使用する電圧若しくは電流振幅、周波数、刺激信号の形状、刺激信号のデューティサイクル、又は電極30の組み合わせを含み得る。
【0096】
[0105]
いくつかの例では、刺激プログラム63の刺激パラメータは、(例えば、気道48を開くために)突出筋42及び/又は46を突出状態にするように選択され得る。(例えば、突出筋42、46を突出させるために舌下神経に適用された時、又は運動点54A、54B、55A、及び55Bなどの運動点に適用された時に)OSAの治療に有効である可能性が高い電気刺激の刺激パラメータの例示的な範囲は、以下の通りである:
a.周波数又はパルス速度:約30Hz~約50Hz。いくつかの例では、筋テタニー(例えば、持続的な収縮)を達成し、気道を開くために必要な力を提供することができる最小目標周波数が使用される。
【0097】
b.電流振幅:約0.5ミリアンペア(mA)~約10mA、より一般的には0.5mA~3mA、及び約1.5mA。
c.パルス幅:約100マイクロ秒(μs)~約500μs。いくつかの例では、消費電力を低減するために150μsのパルス幅を使用することができる。いくつかの特定の例では、パルス幅は約210μsである。場合によっては、より短いパルス幅を、より高い電流振幅又は電圧振幅と組み合わせて使用することができる。
【0098】
[0106]
例えば2つのリード20が植え込まれる例では、処理回路57は、左突出筋42及び/又は46を刺激することと、右突出筋42及び/又は46を刺激することとの間で電気刺激の送達を時間ベースで交互に行うための刺激プログラム63を選択することができる。いくつかの例では、ある程度の時間量の間は左右の突出筋42及び/又は46の両方が刺激されるように、電気刺激の送達にいくらかの重複があってもよい。いくつかの例では、(例えば、左突出筋を刺激し、ある時間の間は刺激を行わず、次いで、右突出筋を刺激するなど)交互刺激に一時的な休止があってもよい。処理回路57はまた、舌下神経の様々な位置を刺激するなど、刺激のための電極30の様々な組み合わせからの選択を行う刺激プログラム63を選択することができ、このことは、疲労を低減させると共に舌40をどれだけ突出させるかをより細かく制御するのに役立ち得る。
【0099】
[0107]
図4の例では、治療送達回路58は、リード20の電極30を駆動する。具体的には、治療送達回路58は、リード20によって担持された選択された電極30A~30Dを介して、患者14の組織に電気刺激(例えば、上述のパルス速度及びパルス幅の調整された電流又は電圧パルス)を送達する。リード20の近位端は、IMD16のハウジングから延在し、リード20の遠位端は、片方又は両方の舌下神経並びに/あるいは運動点54A、55A、54B、及び/又は55Bなどの標的治療部位まで延在する。治療送達回路54は、複数のリード上の電極を用いて電気刺激を送達することができ、各リードは、例えば、舌下神経の両方を同時に若しくは両側で(例えば、次々に)刺激するため、又は運動点54Aと54Bとの両方及び/又は運動点55Aと55Bとの両方を刺激するための2つのリード20が患者14の舌40内に植え込まれる場合に、1つ以上の電極を担持することができる。リードは、リング電極又はセグメント化電極を有する軸方向リード及び/又は2次元アレイに配置された電極パッドを有するパドルリードとして構成され得る。電極は、他の電極を有する双極若しくは多極構成で動作し得るか、又は装置ハウジングによって担持される電極又はIMD16の「can」を参照した単極構成で動作し得る。
【0100】
[0108]
いくつかの例では、処理回路57は、治療送達回路58を制御して、テレメトリ回路61を介して受信された患者入力に基づいて電気刺激を送達又は終了し得る。テレメトリ回路61は、外部プログラマなどの別の装置と通信するための任意の好適なハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせを含む。処理回路57の制御下で、テレメトリ回路61は、内部及び/又は外部にあってもよいアンテナを用いて、プログラム装置からダウンリンクテレメトリ(例えば、患者入力)を受信し、アップリンクテレメトリ(例えば、警告)をプログラム装置に送信することができる。処理回路57は、プログラム装置にアップリンクされるデータ及びテレメトリ回路61の制御信号を提供し、テレメトリ回路61からデータを受信することができる。
【0101】
[0109]
一般に、処理回路57は、テレメトリ回路61を制御して、IMD16の外部の医療用装置プログラマ及び/又は別の機器と情報を交換する。処理回路57は、テレメトリ回路61を介して動作情報を送信し、刺激プログラム又は刺激パラメータ調節を受信し得る。また、いくつかの例では、IMD16は、テレメトリ回路61を介して、刺激装置、制御装置、又はセンサなどの他の植え込まれた装置と通信し得る。
【0102】
[0110]
電源62は、IMD16の構成要素に動作電力を送達する。電源62は、動作電力を生成するための電池及び発電回路を含むことができる。いくつかの例では、電池は、延長された動作を可能にするために再充電可能であり得る。再充電は、外部充電器とIMD16内の誘導充電コイルとの間の近位誘導的相互作用によって達成され得る。他の例では、外部誘導的電力供給は、電気刺激が発生するたびにIMD16に経皮的に電力供給し得る。
【0103】
[0111]
図5は、外部プログラマ70の構成例を示すブロック図である。プログラマ70は、一般にハンドヘルド計算装置として説明することができるが、プログラマは、例えば、ノートブックコンピュータ、携帯電話、又はワークステーションであってもよい。
図5に示すように、外部プログラマ70は、処理回路72、メモリ74、ユーザインターフェース76、テレメトリ回路78、及び電源80を含むことができる。
【0104】
[0112]
一般に、プログラマ70は、プログラマ70、並びにプログラマ70の処理回路72、ユーザインターフェース76、及びテレメトリモジュール78に起因する技術を実行するために、ハードウェア単独の、あるいはハードウェアとソフトウェア及び/又はファームウェアとを組み合わせた任意の適切な構成を含む。処理回路72の例は、1つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、又は任意の他の同等の集積論理回路又は個別の論理回路、並びにそのような構成要素の任意の組み合わせなどの、1つ以上のプロセッサを含むことができる。メモリ74の例は、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD-ROMを含み、これらは、1つ以上のプロセッサに、これらに起因する動作を実行させるための実行可能命令を含む。更に、処理回路72及びテレメトリ回路78は、別個の回路として説明されているが、いくつかの例では、処理回路72及びテレメトリ回路78は機能的に統合されている。いくつかの例では、処理回路72及びテレメトリ回路78は、ASIC、DSP、FPGA、又は他のハードウェアユニットなどの個々のハードウェアユニットに対応する。
【0105】
[0113]
いくつかの例では、メモリ74は、IMD16のメモリ60に記憶されているものと同様に、電気刺激を定義するプログラム情報(例えば、刺激プログラム)を更に含むことができる。メモリ74に記憶された刺激プログラムは、IMD16のメモリ60にダウンロードされ得る。
【0106】
[0114]
ユーザインターフェース76は、ボタン又はキーパッド、ライト、音声コマンド用のスピーカ、液晶(liquid crystal、LCD)、発光ダイオード(LED)、又は陰極線管(cathode ray tube、CRT)などのディスプレイを含み得る。いくつかの例では、ディスプレイは、タッチスクリーンであり得る。本開示で考察されるように、処理回路72は、電気刺激に関する情報及びユーザインターフェース76を介して得られた治療効果を提示及び受信し得る。例えば、処理回路72は、ユーザインターフェース76を介して患者入力を受信し得る。入力は、例えば、キーパッド上のボタンを押すか、又はタッチスクリーンからアイコンを選択する形態であり得る。
【0107】
[0115]
処理回路72はまた、ユーザインターフェース76を介して、患者14又は介護者への電気刺激の送達に関連する警告の形態で患者に情報を提示し得る。図示されていないが、プログラマ70は、追加的又は代替的に、他の装置との通信を容易にするために、別の計算装置へのデータ又はネットワークインターフェース、及び他の装置を介した電気刺激の終了後の電気刺激及び治療効果に関する情報の提示を含み得る。
【0108】
[0116]
テレメトリ回路78は、処理回路72の制御下でIMD16とプログラマ70との間の無線通信をサポートする。テレメトリ回路78はまた、無線通信技術を介して別の計算装置と通信するように、又は有線接続を介して直接通信するように構成され得る。いくつかの例では、テレメトリ回路78は、RF又は近位誘導性媒体を介して無線通信を提供する、上述のIMD16のテレメトリ回路61と実質的に同様であり得る。いくつかの例では、テレメトリ回路78は、内部又は外部アンテナなどの様々な形態を採り得るアンテナを含み得る。
【0109】
[0117]
プログラマ70と別の計算装置との間の通信を容易にするために使用され得るローカル無線通信技術の例としては、802.11又はBluetooth仕様セットに従ったRF通信、(例えば、IrDA標準に従った)赤外線通信、又は他の標準若しくは独自のテレメトリプロトコルが挙げられる。このように、他の外部装置は、セキュアな無線接続を確立することを必要とせずに、プログラマ70と通信することが可能であり得る。
【0110】
[0118]
電源80は、プログラマ70の構成要素に動作電力を送達する。電源80は、動作電力を生成するための電池及び発電回路を含むことができる。いくつかの例では、電池は、延長された動作を可能にするために再充電可能であり得る。
【0111】
[0119]
図6A~
図6Cは、
図1のシステムで利用され得るリード及び例示的なイントロデューサ針を示す概念図である。
図6Aは、リードの遠位端に電極98A及び98Bを含むリード90の一例を示す。
図6Bは、導電性材料から形成されたイントロデューサ針110の一例を示し、イントロデューサ針は、1つ以上の導電性領域を画定する絶縁コーティングを含む。
図6Cは、イントロデューサ針110へのリード90の挿入を示す。リード90はリード20と同様であってもよいが、2つの電極98A、98Bなどの4つ未満の電極30を含んでもよい。
【0112】
[0120]
図6Bに示す例では、イントロデューサ針110は、細長い本体114と、絶縁コーティング116とを含む。イントロデューサ針110は、リード20又はリード90のリード配置のために舌40に開口部を形成するための上述のイントロデューサ針の一例である。以下、リード90について説明するが、リード20についても同様である。
【0113】
[0121]
イントロデューサ針110の細長い本体114は、これらに限定されないが、ステンレス鋼、コバルト-クロム合金、チタン、ニッケル-チタン合金(ニチノール)、金、白金、銀、イリジウム、タンタル、タングステンなどの任意の好適な導電性材料から形成される。細長い本体114は、リード90が細長い本体114の管腔120に挿入され得るように、管腔120を含む。
【0114】
[0122]
絶縁コーティング116は、細長い本体114の遠位端118に、導電性領域112A及び112Bを画定する開口部117A及び117Bを含む。絶縁コーティング116は、ビニル、シリコーン、ビニル-シリコーン、ポリウレタン、又は酸化アルミニウム/窒化ホウ素(AOBN)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン、ペリレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレタン、液晶ポリマーなどの複合体などの任意の好適な非導電性材料から形成され得る。絶縁コーティング116の開口部117A及び117Bは、任意の好適な技術によって形成され得る。いくつかの例では、開口部117A及び117Bは、これらに限定されないが、レーザ切断、穿孔、又はパンチングなどの機械的技術によって形成される。他の例では、開口部117A及び117Bは、これらに限定されないが、絶縁コーティング116の1つ以上のセクションの選択的溶解、又はそれらの任意の組み合わせなどの化学的技術によって形成される。いくつかの例では、開口部117Aと117Bとの間に1mmの間隔があってもよく、「遠位端118」は、開口部117A及び117Bが遠位端118に近接している例を含む。
【0115】
[0123]
イントロデューサ針110は、単極構成(例えば、単極針電極)で動作して、患者の舌の舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)を刺激することができる。例えば、外科医は、細長い本体114の遠位端118を、舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)に近接した位置に案内し、イントロデューサ針110の導電性領域112A及び112Bを介して舌下神経及び/又は運動点に刺激信号を送達することができる。そのような場合、イントロデューサ針110は、戻り電極(例えば、接地パッド)に結合され、戻り電極は、患者の皮膚に固定される。いくつかの例では、導電性領域112A及び112Bは、相互から電気的に絶縁されてもよく、そのような例では、導電性領域112A及び112Bの一方が刺激信号を出力するために使用されてもよく、導電性領域112A及び112Bの他方が戻り経路を提供してもよい。
【0116】
[0124]
舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)に送達される刺激信号は、電気信号を生成することができる突出筋の筋収縮を引き起こし得る。筋収縮中に生成された電気信号は、イントロデューサ針110によって導電性領域112A及び112Bで検出され得る。外科医は、電気信号を受信し、1つ以上の電気信号を示す情報を表示装置上に出力するように、医療用装置を制御することができる。次いで、外科医は、出力情報に基づいて標的治療部位を決定することができる。いくつかの例では、電気信号の受信は必要ではなく、舌40が突出しているかどうか、あるいは突出筋42及び/又は46が活性化されているかどうかを判定するための目視検査で十分であり得る。
【0117】
[0125]
図6Cに示す例では、標的治療部位が決定された後、外科医は、イントロデューサ針110の管腔120にリード90を挿入することができる。より詳細に説明するように、いくつかの例では、リード90をイントロデューサ針110の管腔120に挿入するのではなく、針110を取り外し、針110によって形成された開口部内にイントロデューサシースを配置することができる。リード90は、イントロデューサシースの管腔内に配置される。
【0118】
[0126]
図6Cに示すように、リード90の電極98A及び98Bは、垂直軸A-Aに沿ってイントロデューサ針110の導電性領域112A及び112Bと位置合わせされる。外科医は次いで、リード90の電極98A及び98Bを介し、イントロデューサ針110の導電性領域112A及び112Bを通して患者の舌に刺激信号を送達して、患者の舌の舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)を刺激するように医療用装置を制御することができる。このように、リード90が適切に配置されているかを確認する試験のために、イントロデューサ針110を引き抜いて電極98A及び98Bを露出させる必要がない。いくつかの例では、リード90が管腔120に挿入された後に、第1の医療用装置を使用して導電性領域112A、112Bに刺激を提供し、第2の医療用装置を使用して電極98A及び98Bに刺激を提供することができる。いくつかの例では、第1の医療用装置及び第2の医療用装置は、同じ医療用装置であり得る。
【0119】
[0127]
図7A~
図7Cは、
図6Aのリード及び
図1のシステムで利用され得る別の例示的なイントロデューサ針を示す概念図である。
図6Aと同様に、また理解を容易にするために再現されているが、
図7Aは、リードの遠位端に電極98A及び98Bを含むリード90の一例を示す。
図7Bは、半導体材料から形成されたイントロデューサ針130の一例を示し、イントロデューサ針は、1つ以上の導電性領域に配置された1つ以上の電極インターフェースを含む。
図7Cは、イントロデューサ針へのリードの挿入を示す。
【0120】
[0128]
図7Bに示す例では、イントロデューサ針130は、細長い本体134と、電極インターフェース136A及び136Bとを含む。イントロデューサ針130の細長い本体134は、これらに限定されないが、ゲルマニウム、セレン、シリコンなどの任意の好適な半導体材料から形成される。
【0121】
[0129]
電極インターフェース136A及び136Bは、細長い本体134の遠位端138の導電性領域112A及び112Bに配置されている。いくつかの例では、電極インターフェース136A及び136Bは各々、イントロデューサ針130の細長い本体134の外周に取り付けられた電極を含む。このようにして、イントロデューサ針130は、医療用装置(例えば、IMD16)によって担持される電極を基準とする他の電極インターフェースと共に双極又は多極構成で動作することができる。例えば、電極インターフェース136A及び136Bの一方を、刺激を送達するために使用することができ、電極インターフェース136A及び136Bの他方を、刺激の戻り経路を提供するために使用することができる。
【0122】
[0130]
図7Cに示す例では、リード90がイントロデューサ針130の管腔140に挿入されると、リード90の電極98A及び98Bは、垂直軸B-Bに沿ってイントロデューサ針の導電性領域132A及び132Bと位置合わせされる。イントロデューサ針130の管腔130へのリード90の挿入後に、外科医は、リード90の電極98A及び98Bを介し、イントロデューサ針130の導電性領域132A及び132Bを通して患者の舌40に刺激信号を送達して、舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)を刺激するように医療用装置を制御することができる。このように、リード90が適切に配置されているかを確認する試験のために、イントロデューサ針130を引き抜いて電極98A及び98Bを露出させる必要がない。
【0123】
[0131]
図8A~
図8Dは、
図1のシステムで利用され得る別の例示的なリード2、別の例示的なイントロデューサ針、及び例示的なイントロデューサシースを示す概念図である。
図8Aは、リードの遠位端に1つ以上の電極158(便宜上、電極158のみが
図8Aに示されている)を含むリード150の一例を示す。
図8Bは、
図6Bに示すイントロデューサ針110又は
図7Bに示すイントロデューサ針130と同様のイントロデューサ針160の一例を示す。
図8Cは、イントロデューサシースの遠位端に穿孔188(便宜上、穿孔188のみが
図8Cに示されている)を含むイントロデューサシース180の一例を示す。
図8Dは、イントロデューサシース180へのリード150の挿入を示す。
【0124】
[0132]
いくつかの例では、リード150は、比較的大きな直径を有し得る。例えば、リード150は、リード150の外周に取り付けられた複数の電極を含む多極リードであり得る。例えば、電極158は、リード150の外周の周りに互いに円周方向に離間した4つの電極を含み得る。
【0125】
[0133]
比較的大きな直径を有するリードを植え込むことには、特定の固有の課題が伴い得る。一例として、リード150は、リード150が細長い本体164の管腔170に挿入されないように、イントロデューサ針160の直径以上の直径を有し得る。
【0126】
[0134]
場合によっては、リード150が大きい直径を有すると見なすのではなく、針160が比較的小さい直径を有すると見なすことができる。例えば、開口部のサイズを最小限に抑えるために、針160は、比較的小さい直径を有するようなサイズとすることができる。
【0127】
[0135]
イントロデューサ針160によって形成された開口部内にリード150を配置するために、ガイドワイヤ165及びイントロデューサシース180を使用して、患者の顎の近くの組織及び患者の舌へのリード160の挿通を助けることができる。
【0128】
[0136]
図8Bに示す例では、イントロデューサ針160は、細長い本体164と、イントロデューサ針160の遠位端の周りの1つ以上の導電性領域162(便宜上、導電性領域162のみが
図8Bに示されている)を含む。細長い本体164は、外科医が細長い本体の管腔170にガイドワイヤ165を挿入することができるように、管腔170を有する。ガイドワイヤ165が細長い本体164の管腔170内に配置された後、外科医は、ガイドワイヤ165を患者の舌内に残してイントロデューサ針160を後退させることができる。
【0129】
[0137]
図8Cに示す例では、イントロデューサシース180は、ガイドワイヤ165上でスライドして、患者の舌の舌下神経及び/又は運動点に到達することができる。
【0130】
[0138]
イントロデューサシース180は、これらに限定されないが、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、低密度ポリエチレン、又はそれらの任意の組み合わせなどの任意の好適な材料から形成される。イントロデューサシース180は、リード150がイントロデューサシースの管腔190に挿入され得るように、管腔190を含む。
【0131】
[0139]
イントロデューサシース180は、イントロデューサシース180の遠位端118に1つ以上の穿孔188(便宜上、穿孔188のみが
図8Cに示されている)を更に含む。
図8B及び
図8Cに示す例では、イントロデューサシース180の穿孔188は、垂直軸C-Cに沿ってイントロデューサ針160の導電性領域162と位置合わせされる。
【0132】
[0140]
穿孔188は、任意の好適な技術によって形成され得る。いくつかの例では、穿孔188は、これらに限定されないが、レーザ切断、穿孔、又はパンチングなどの機械的技術によって形成される。他の例では、穿孔188は、これらに限定されないが、イントロデューサシース180の1つ以上のセクションの選択的溶解、又はそれらの任意の組み合わせのなどの化学的技術によって形成される。
【0133】
[0141]
いくつかの例では、イントロデューサシース180は、イントロデューサシース180をガイドワイヤ165に沿って舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)まで前進させることができるように、イントロデューサ針160によって形成された開口部内を通したイントロデューサシース180の前進を容易にするダイレータと連結されてもよい。ガイドワイヤ165がイントロデューサシース180の管腔190内に配置された後、外科医は、ガイドワイヤ165を取り外し、イントロデューサシース180の管腔190にリード150を挿入することができる。
【0134】
[0142]
図8Dに示す例では、イントロデューサシース180の穿孔188もまた、垂直軸C-Cに沿ってリード150の電極158と位置合わせされる。次いで、外科医は、リード150の電極158を介し、イントロデューサシース180の穿孔188を通して患者の舌に刺激信号を送達して舌下神経及び/又は運動点を刺激するように医療用装置を制御することができる。このようにして、イントロデューサ針160の直径以上の直径を有するリード150を、イントロデューサ針160によって形成された開口部内を通して前進させることができる。
【0135】
[0143]
図9は、リードの植込みの一例を示すフローチャートである。医療専門家は、患者14の顎の近くの組織及び患者14の舌40にイントロデューサ針(例えば、イントロデューサ針110、130、又は160)を挿通させる(220)ことができる。イントロデューサ針は、OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するための1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含み得る。医療専門家は、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者14の舌40に第1の刺激信号を送達して、舌下神経及び/又は運動(例えば、運動点54A、54B、55A又は55Bのうちの1つ以上)点を刺激するように医療用装置(例えば、IMD16)を制御する(222)ことができる。
【0136】
[0144]
いくつかの例では、医療専門家は、イントロデューサ針の導電性領域のうちの1つ以上によって検出された第1の組の電気信号を受信し、第1の組の電気信号を示す情報を出力するように医療用装置を制御する(224)ことができる。次いで、医療専門家は、第1の組の電気信号を示す出力情報に基づいて、標的治療部位を決定する(226)ことができる。
【0137】
[0145]
いくつかの例では、医療専門家は、イントロデューサ針(例えば、リード20又はリード90)をイントロデューサ針に挿入し(228)、イントロデューサ針を取り外し(230)、リードを介し、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に第1の組の刺激信号を送達して、患者の舌の舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)を刺激するように医療用装置を制御する(232)ことができる。上述のように、リードの1つ以上の電極がイントロデューサ針の1つ以上の導電性領域と位置合わせされる。例えば、リード90の電極98A及び98Bは、イントロデューサ針110の導電性領域112A及び112Bと位置合わせされる。
【0138】
[0146]
図10は、リードの植込みの一例を示す別のフローチャートである。医療専門家は、患者14の顎の近くの組織及び患者14の舌40にイントロデューサ針(例えば、イントロデューサ針110、130、又は160)を挿通させる(320)ことができる。イントロデューサ針は、OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するための1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含み得る。医療専門家は、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者14の舌40に第1の刺激信号を送達して、舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)を刺激するように第1の医療用装置(例えば、IMD16)を制御する(322)ことができる。
【0139】
[0147]
いくつかの例では、医療専門家は、イントロデューサ針の導電性領域のうちの1つ以上によって検出された第1の組の電気信号を受信し、第1の組の電気信号を示す情報を出力するように第1の医療用装置を制御する(324)ことができる。次いで、医療専門家は、第1の組の電気信号を示す出力情報に基づいて、標的治療部位を決定する(326)ことができる。
【0140】
[0148]
いくつかの例では、医療専門家は、ガイドワイヤ(例えば、ガイドワイヤ165)をイントロデューサ針に挿入し(328)、イントロデューサ針を取り外し(330)、ガイドワイヤ上でイントロデューサシース(例えば、イントロデューサシース180)をスライドさせ(332)、ガイドワイヤを取り外す(334)ことができる。
【0141】
[0149]
いくつかの例では、医療専門家は、リード(例えば、リード20、90、又は150)をイントロデューサシースに挿入し(336)、イントロデューサシースを取り外し(338)、リードを介し、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に第2の組の刺激信号を送達して、舌下神経及び/又は運動点(例えば、運動点54A、54B、55A、又は55Bのうちの1つ以上)を刺激するように第2の医療用装置を制御する(340)ことができる。上述のように、いくつかの例では、第1の医療用装置及び第2の医療用装置は、異なる医療用装置であり得る。他の例では、第1の医療用装置及び第2の医療用装置は、同じ医療用装置であり得る。イントロデューサシースの1つ以上の穿孔は、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域と位置合わせされる。例えば、イントロデューサシース180の穿孔188は、イントロデューサ針160の導電性領域162と位置合わせされる。イントロデューサシースの1つ以上の穿孔は、リードの1つ以上の電極と更に位置合わせされる。例えば、イントロデューサシース180の穿孔188は、リード150の電極158と位置合わせされる。
【0142】
[0150]
本明細書で説明されるシステム10及び技術は、ヒト患者の治療又は監視に限定されない場合があることに留意されたい。代替例では、システム10は、非ヒト患者、例えば霊長類、イヌ科動物、ウマ、ブタ、及びネコ科動物に実施され得る。これらの他の動物は、本開示の主題から利益を得る臨床治療又は研究治療を受け得る。以下の実施例などの様々な例が本明細書に記載される。
【0143】
[0151]
実施例1.閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を治療するためのシステムであって、OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するための1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含むイントロデューサ針と、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように構成された医療用装置と、を備える、システム。
【0144】
[0152]
実施例2.医療用装置は、イントロデューサ針の導電性領域のうちの1つ以上によって検出された1つ以上の電気信号を受信し、1つ以上の電気信号を示す情報を出力するように構成されている、実施例1に記載のシステム。
【0145】
[0153]
実施例3.1つ以上の電気信号は筋電図(EMG)信号を含む、実施例2に記載のシステム。
【0146】
[0154]
実施例4.1つ以上の導電性領域はイントロデューサ針の遠位端に配置されている、実施例1~3のいずれか1つに記載のシステム。
【0147】
[0155]
実施例5.1つ以上の導電性領域は4つ未満の導電性領域を含む、実施例1~4のいずれか1つに記載のシステム。
【0148】
[0156]
実施例6.イントロデューサ針は半導体材料から形成され、イントロデューサ針は1つ以上の電極インターフェースを含み、1つ以上の電極インターフェースは1つ以上の導電性領域に配置されている、実施例1~5のいずれか1つに記載のシステム。
【0149】
[0157]
実施例7.イントロデューサ針は導電性材料から形成され、イントロデューサ針は絶縁コーティングを含み、絶縁コーティングは1つ以上の導電性領域を画定する、実施例1~5のいずれか1つに記載のシステム。
【0150】
[0158]
実施例8.リードの1つ以上の電極が、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域と位置合わせされる、実施例1~7のいずれか1つに記載のシステム。
【0151】
[0159]
実施例9.医療用装置は、リードの1つ以上の電極を介し、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に第1の組の刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように更に構成されている、実施例1~8のいずれか1つに記載のシステム。
【0152】
[0160]
実施例10.イントロデューサシースであって、イントロデューサ針によって形成された開口部内に配置されるように構成されており、1つ以上の穿孔を含むイントロデューサシースを更に備える、実施例1~9のいずれか1つに記載のシステム。
【0153】
[0161]
実施例11.イントロデューサシースの1つ以上の穿孔は、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域と位置合わせされる、実施例10に記載のシステム。
【0154】
[0162]
実施例12.イントロデューサシースの1つ以上の穿孔は、リードの1つ以上の電極と位置合わせされる、実施例10又は11に記載のシステム。
【0155】
[0163]
実施例13.医療用装置は、リードの1つ以上の電極を介し、イントロデューサシースの1つ以上の穿孔を通して患者の舌に第2の組の刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように更に構成されている、実施例10~12のいずれか1つに記載のシステム。
【0156】
[0164]
実施例14.閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療のためのシステムであって、OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するための1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含むイントロデューサ針と、イントロデューサ針によって形成された開口内に配置されるように構成されたイントロデューサシースであって、イントロデューサシース内に挿入されたリードの1つ以上の電極と位置合わせされる1つ以上の穿孔を含む、イントロデューサシースと、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように構成された、1つ以上の医療用装置であって、イントロデューサシースに挿入されたリードの1つ以上の電極により、イントロデューサシースの1つ以上の穿孔を通して患者の舌に刺激信号を送達するように更に構成されている、1つ以上の医療用装置と、を備える、システム。
【0157】
[0165]
実施例15.1つ以上の医療用装置は、イントロデューサ針の導電性領域のうちの1つ以上によって検出された1つ以上の電気信号を受信し、1つ以上の電気信号を示す情報を出力するように構成されている、実施例14に記載のシステム。
【0158】
[0166]
実施例16.1つ以上の電気信号は筋電図(EMG)信号を含む、実施例15に記載のシステム。
【0159】
[0167]
実施例17.1つ以上の導電性領域はイントロデューサ針の遠位端に配置されている、実施例14~16のいずれか1つに記載のシステム。
【0160】
[0168]
実施例18.1つ以上の導電性領域は4つ未満の導電性領域を含む、実施例14~17のいずれか1つに記載のシステム。
【0161】
[0169]
実施例19.イントロデューサ針は半導体材料から形成され、イントロデューサ針は1つ以上の電極インターフェースを含み、1つ以上の電極インターフェースは1つ以上の導電性領域に配置されている、実施例14~18のいずれか1つに記載のシステム。
【0162】
[0170]
実施例20.イントロデューサ針は導電性材料から形成され、イントロデューサ針は絶縁コーティングを含み、絶縁コーティングは1つ以上の導電性領域を画定する、実施例14~18のいずれか1つに記載のシステム。
【0163】
[0171]
実施例21.リードの1つ以上の電極が、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域と位置合わせされる、実施例14~20のいずれか1つに記載のシステム。
【0164】
[0172]
実施例22.イントロデューサシースの1つ以上の穿孔は、リードの1つ以上の電極と位置合わせされる、実施例14~11のいずれか1つに記載のシステム。
【0165】
[0173]
実施例23.閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を治療するための方法であって、この方法は、患者の顎の近くの組織及び患者の舌にイントロデューサ針を挿通させることであって、イントロデューサ針は、1つ以上の導電性領域を有する細長い本体を含み、イントロデューサ針は、OSAを治療するためのリードを植え込むために患者の舌に開口部を形成するためのものである、ことと、イントロデューサ針を介し、1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように医療用装置を制御することと、を含む、方法。
【0166】
[0174]
実施例24.リードをイントロデューサ針に挿入することであって、リードの1つ以上の電極は、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域と位置合わせされる、ことと、イントロデューサ針を取り外すことと、リードを介し、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域を通して患者の舌に第1の組の刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように医療用装置を制御することと、を更に含む、実施例23に記載の方法。
【0167】
[0175]
実施例25.リードをイントロデューサシースに挿入することであって、イントロデューサシースは1つ以上の穿孔を含み、1つ以上の穿孔は、イントロデューサ針の1つ以上の導電性領域と位置合わせされ、イントロデューサシースの1つ以上の穿孔は、リードの1つ以上の電極と位置合わせされる、ことと、イントロデューサシースを取り外すことと、リードを介し、イントロデューサシースの1つ以上の穿孔を通して患者の舌に第2の組の刺激信号を送達して、患者の舌内の突出筋の1つ以上の運動点を刺激するように医療用装置を制御することと、を更に含む、実施例23又は24に記載の方法。
【0168】
[0176]
本開示の技術は、多種多様な計算装置、医療用装置、又はこれらの任意の組み合わせで実施され得る。説明されたユニット、モジュール、又は構成要素のいずれも、離散的であるが相互運用可能な論理装置として、一緒に又は別個に実施され得る。モジュール又はユニットとしての異なる特徴の描写は、異なる機能的態様を強調することを意図しており、そのようなモジュール又はユニットが、別個のハードウェア又はソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも暗示するものではない。むしろ、1つ以上のモジュール又はユニットに関連付けられた機能性は、別個のハードウェア構成要素若しくはソフトウェア構成要素によって実行され得、又は共通の若しくは別個のハードウェア構成要素若しくはソフトウェア構成要素内に一体化され得る。
【0169】
[0177]
本開示は、プロセッサに、本明細書で説明される機能及び技術のいずれかを実行させる命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体を企図する。コンピュータ可読記憶媒体は、有形であるRAM、ROM、NVRAM、EEPROM、又はフラッシュメモリなどの、任意の揮発性、不揮発性、磁気、光学、又は電気媒体の例示的な形態を採り得る。コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的と称され得る。サーバ、クライアント計算装置、又は任意の他の計算装置はまた、容易なデータ転送又はオフラインデータ分析を可能にするために、より携帯型の取り外し可能なメモリタイプを含み得る。
【0170】
[0178]
様々なモジュール及び様々な構成的構成要素に起因するものを含む、本開示で説明される技術は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実施され得る。例えば、技術の様々な態様は、1つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、若しくは任意の他の同等の統合された個別の論理回路、若しくは他の処理回路、並びにそのような構成要素、リモートサーバ、遠隔クライアント装置、又は他の装置の任意の組み合わせを含む、1つ以上のプロセッサ内に実装され得る。「プロセッサ」又は「処理回路」という用語は、一般に、単独の、又は他の論理回路若しくは任意の他の同等の回路と組み合わせた、前述の論理回路のいずれかを指し得る。
【0171】
[0179]
そのようなハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアは、本開示で説明される様々な動作及び機能をサポートするために、同じ装置内又は別個の装置内で実施され得る。加えて、記載のユニット、モジュール、又は構成要素のうちのいずれも、離散的であるが相互運用可能な論理デバイスとして、共に又は別個に実装され得る。モジュール又はユニットとしての異なる特徴の描写は、異なる機能的態様を強調することを意図しており、そのようなモジュール又はユニットが、別個のハードウェア又はソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも暗示するものではない。むしろ、1つ以上のモジュール又はユニットに関連付けられた機能性は、別個のハードウェア構成要素若しくはソフトウェア構成要素によって実行され得、又は共通の若しくは別個のハードウェア構成要素若しくはソフトウェア構成要素内に一体化され得る。例えば、本明細書で説明された任意のモジュールは、固定機能処理回路、プログラム可能処理回路、又はそれらの組み合わせなどの、その特定のモジュールに起因する特徴を実行するように構成された電気回路を含み得る。
【0172】
[0180]
本開示で説明される技術はまた、命令でコード化されたコンピュータ可読記憶媒体を含む製品に具現化又はコード化され得る。コード化されたコンピュータ可読記憶媒体を含む製品に埋め込まれた又はコード化された命令は、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ、又は他のプロセッサに、コンピュータ可読記憶媒体に含まれるか又はコード化された命令が1つ以上のプロセッサによって実行される時などに、本明細書で説明された技術のうちの1つ以上を実施させ得る。例示的なコンピュータ可読記憶媒体としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、コンパクトディスクROM(compact disc ROM、CD-ROM)、フロッピーディスク、カセット、磁気媒体、光学媒体、又は任意の他のコンピュータ可読記憶装置若しくは有形コンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体はまた、記憶装置と称され得る。
【0173】
[0181]
いくつかの例では、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的媒体を備える。「非一時的」という用語は、記憶媒体が搬送波又は伝播信号で具現化されていないことを示し得る。特定の例では、非一時的な記憶媒体は、経時的に(例えば、RAM又はキャッシュ内で)変化し得るデータを記憶し得る。
【0174】
[0182]
本明細書では様々な例が説明されてきた。説明された動作又は機能の任意の組み合わせが企図される。これらの例及び他の例は、下記の特許請求の範囲の範囲内である。
【国際調査報告】