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特表2023-511381複数のリトラクトケーブルを備えるロック式カーゴ拘束装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】複数のリトラクトケーブルを備えるロック式カーゴ拘束装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 19/02 20060101AFI20230310BHJP
   F16B 45/00 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
F16H19/02 D
F16B45/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544316
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2021014637
(87)【国際公開番号】W WO2021150907
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】62/965,260
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522289792
【氏名又は名称】モブレン,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】クイーナー,モンティ
(72)【発明者】
【氏名】カーク,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ノルテ,エリック
【テーマコード(参考)】
3J038
3J062
【Fターム(参考)】
3J038AA01
3J038BB07
3J062AB11
3J062AC07
3J062BA21
3J062CA08
3J062CA33
(57)【要約】
基部、表面、または物体に対してカーゴを固定するための、複数のリトラクトケーブルを備えるロック式カーゴ拘束装置が提供される。ロック式カーゴ拘束装置は、概して、ハウジング、格納可能なケーブル、およびスプールから構成される。ケーブルが、デバイスの保管のために緩みを取るように、またはカーゴを固定するときに張力を提供するように、ハウジング内でスプール状に巻かれ得る。スプールが、使用者がケーブルをハウジングの中へ引くのを支援するためにばね付勢される。ケーブルが独立して動作可能であり、それにより、操作者が対称形状のまたは不規則な形状の物体を固定することが可能となる。ロック式カーゴ拘束装置がさらに、デバイスの動作の多様なモードを達成することができるモード選択ノブを特徴とし、その結果、ケーブルがハウジングから延伸されること、ケーブルがハウジングの中へ引っ込められること、または、ケーブルがカーゴの周りで締め付けられることが可能となる。さらに、デバイスが、係合時にモード選択ノブの動作を限定するロック機構を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアイテムを表面に固定するのに使用されるためのロック式カーゴ拘束デバイスであって、前記ロック式カーゴ拘束デバイスが、
内部領域を画定するケースボディであって、前記ケースボディが、前記ケースボディの前記内部領域から外部領域まで延在する2つ以上の開口を有する、ケースボディと、
第1の端部および第2の端部を各々が有する2つ以上のケーブル部材であって、
前記2つ以上のケーブル部材の各々の前記第1の端部が、前記ケースボディの前記内部領域内に含まれ、
前記2つ以上のケーブル部材のうちの第1のケーブル部材の前記第2の端部が、前記2つ以上の開口のうちの第1の開口を通って前記ケースボディの外側に延在し、前記2つ以上のケーブル部材のうちの第2のケーブル部材の前記第2の端部が、前記2つ以上の開口のうちの第2の開口を通って前記ケースボディの外側に延在する、
2つ以上のケーブル部材と、
前記2つ以上のケーブル部材の各々を表面に取り付けるための、前記2つ以上のケーブル部材の各々の前記第2の端部に添着された個別のコネクタと、
前記ケースボディの前記内部領域内に固定された2つ以上のスプール部材であって、
前記2つ以上のスプール部材のうちの第1のスプールが、前記第1のケーブル部材に機械的に接続され、前記2つ以上のスプール部材のうちの第2のスプールが、前記第2のケーブル部材に機械的に接続され、
前記2つ以上のスプール部材のうちの1つのスプール部材が第1の方向に回転するとき、その個別のケーブル部材が、前記スプール部材の周りに巻き付き、
前記2つ以上のスプール部材のうちの1つのスプール部材が第2の方向に回転するとき、その個別のケーブル部材が、前記スプール部材からほどかれる、
2つ以上のスプール部材と、
前記2つ以上のスプール部材を前記第1の方向に回転させるために前記2つ以上のスプール部材に係合する、前記ケースボディの前記内部内に固定されたテンショナ組立体と、
モード選択ノブが第1の位置に配置されるときに前記2つ以上のスプール部材の前記第1の方向の回転を防止するための、および、前記モード選択ノブが第2の位置の配置されるときに前記2つ以上のスプール部材の前記第2の方向の回転を防止するための、前記ケースボディの前記内部内に固定されたセレクタ組立体と、
を備える、ロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項2】
前記ケースボディが、頂部分および底部分をさらに有し、
前記ケースボディの前記頂部分および前記底部分が、互いから分離可能である、
請求項1に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項3】
前記ロック式カーゴ拘束デバイスが、前記セレクタ組立体の動きを制限するための、前記ケースボディの外部表面上にあるロック機構をさらに有する、請求項1に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項4】
前記テンショナ組立体が、前記2つ以上のケーブル部材の過度の張力付与を防止するために所定のケーブル張力で滑る、請求項1に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項5】
前記2つ以上のスプール部材の各々が、前記2つ以上のケーブル部材の各々に張力を加える付勢ばねをさらに有する、請求項1に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項6】
前記2つ以上のスプール部材の各々の外部表面が、複数の歯をさらに有する、請求項1に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項7】
前記テンショナ組立体が、テンショナボディおよびテンショナ爪をさらに有し、前記テンショナ爪が、前記2つ以上のスプール部材を前記第1の方向に回転させることにより前記2つ以上のケーブル部材の張力を増大させるために、前記2つ以上のスプール部材の前記外部表面上の前記複数の歯に係合可能である、請求項6に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項8】
前記セレクタ組立体が、その上に設置された爪を有する2つ以上のセレクタアームをさらに有し、前記爪が、前記2つ以上スプール部材の外部にある前記複数の歯に係合可能であり、
前記セレクタ組立体が、第1の位置、第2の位置、または第3の位置に配置され得る、
請求項6に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項9】
前記ロック式カーゴ拘束デバイスが、
前記ケースボディに固定されたデテント
をさらに備え、
前記デテントが、前記モード選択ノブにより前記2つ以上のセレクタアームの位置が変更されるまで前記2つ以上のセレクタアームを予め設定した位置で保持するために、前記2つ以上のセレクタアームのうちの第1のセレクタアームに係合可能である、
請求項8に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項10】
前記第1のセレクタアームが、前記第1のセレクタアームのボディを通って延在する複数の開口をさらに有し、
前記デテントが、前記モード選択ノブの前記第1の位置、前記第2の位置、および前記第3の位置に対応して、前記第1のセレクタアーム内の前記複数の開口に選択的に係合するボール先端部を備えるデテントプランジャをさらに有する、
請求項9に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項11】
前記モード選択ノブの前記第1の位置が、前記セレクタ組立体の前記第1の位置に対応し、前記モード選択ノブの前記第2の位置が、前記セレクタ組立体の前記第2の位置に対応し、前記モード選択ノブの前記第3の位置が、前記セレクタ組立体の前記第3の位置に対応する、請求項10に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項12】
前記テンショナ組立体が、角度付きのフランジを備える可撓性テンショナフィンガーからさらに構成され、前記可撓性テンショナフィンガーが、前記2つ以上のスプール部材を前記第1の方向に回転させることにより前記2つ以上のケーブル部材の張力を増大させるために、前記2つ以上のスプール部材の前記外部表面上の前記複数の歯に係合可能である、請求項6に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項13】
前記セレクタ組立体が、2つ以上の可撓性セレクタフィンガーをさらに有し、前記2つ以上の可撓性セレクタフィンガーが、前記2つ以上のスプール部材の外部にある前記複数の歯に係合可能であり、
前記セレクタ組立体が、第1の位置、第2の位置、または第3の位置に配置され得る、
請求項6に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項14】
前記ロック式カーゴ拘束デバイスが、前記セレクタ組立体の動作を制限するために前記ケースボディの外部表面上にあるロック機構をさらに有する、請求項13に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つのアイテムを表面に固定するのに使用されるためのロック式カーゴ拘束デバイスであって、
内部領域を画定するケースボディであって、前記ケースボディが、前記ケースボディの前記内部領域から外部領域まで延在する2つ以上の開口を有する、ケースボディと、
第1の端部および第2の端部を各々が有する第1のケーブル部材および第2のケーブル部材と、
第1のスプールおよび第2のスプールであって、各スプールが、そのスプールの内部部分内にある空洞を有し、各スプールが、前記ケースボディの前記内部領域に固定され、
前記第1のケーブル部材の前記第1の端部が、前記2つ以上の開口のうちの第1の開口を通って延在し、前記第2のケーブル部材の前記第1の端部が、前記2つ以上の開口のうちの第2の開口を通って延在し、
前記第1のケーブル部材の前記第2の端部が、前記第1のスプールに機械的に接続されており、前記第2のケーブル部材の前記第2の端部が、前記第2のスプールに機械的に接続されている、
第1のスプールおよび第2のスプールと、
前記スプールの各々を選択的に回転させるために前記第1のスプールおよび前記第2のスプールに係合する、前記ケースボディの前記内部内に固定されたテンショナ組立体と
を備える、ロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項16】
前記第1のスプールが第1の方向に回転するとき、前記第1のケーブル部材が、前記第1のスプール内で巻かれ、
前記第1のスプールが第2の方向に回転するとき、前記第1のケーブル部材が、前記第1のスプール内でほどかれ、
前記第2のスプールが第1の方向に回転するとき、前記第2のケーブル部材が、前記第2のスプール内で巻かれ、
前記第2のスプールが第2の方向に回転するとき、前記第2のケーブル部材が、前記第2のスプール内でほどかれる、
請求項15に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項17】
前記テンショナ組立体が、各スプールを前記第1の方向に選択的に回転させるために前記第1のスプールおよび前記第2のスプールに係合する、請求項16に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項18】
前記ロック式カーゴ拘束デバイスが、前記第1のスプールおよび前記第2のスプールの回転を防止することができるセレクタ組立体をさらに備える、請求項16に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項19】
前記ロック式カーゴ拘束デバイスが、
前記ケースボディの外部表面に添着されたモード選択ノブと、
前記ケースボディの内部表面に取り付けられたデテントと
をさらに備え、
前記デテントが、前記モード選択ノブにより前記セレクタアームの位置が変更されるまで前記セレクタ組立体を予め設定した位置で保持するために、前記セレクタ組立体に動作可能に係合する、
請求項18に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【請求項20】
前記ロック式カーゴ拘束デバイスが、前記セレクタ組立体の動作を制限するための、前記ケースボディの外部表面上にあるロック機構をさらに有する、請求項18に記載のロック式カーゴ拘束デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれている、「Locking Cargo Restraint with Multiple Retracting Cables」と題される、2020年1月24日に出願された係属中の米国仮特許出願第62/965,260号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002]本発明は、一般に、拘束装置に関し、より詳細には、移送または保管中にアイテムを固定するのに使用され得る複数のリトラクトケーブルを備えるロック式カーゴ拘束装置(locking cargo restraint)に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]屋外レクレーションに携わる人々は、しばしば、トラック荷台内に、トレーラー上に、または車両の連結具に取り付けられたカーゴホールド内に収容されている大きいアイテムを移送する。このような大きいアイテムにはフードクーラーおよびドリンククーラーが含まれる。これらのアイテムは、非拘束状態で放置されると、トラックベッド内を動き回るように摺動し得るかまたはカーゴホールドからずれて摺動し得、それによりアイテムまたはその中身がダメージを受ける。移送機構に対してのアイテムの望ましくない移動を防止するために、使用者がしばしば、ロープ、ラチェットストラップ、およびバンジーコードなどのデバイスを用いてアイテムを拘束する。これらの拘束デバイスは、しばしば、物体の周りを包み込むことができる可撓性部材、および可撓性部材をカーゴまたは表面に連結するための接続手段を特徴とする。この拘束デバイスは、拘束デバイスの一方の端部をカーゴに接続し、カーゴおよび別の物体の周りを可撓性部材で包み込み、デバイスの反対側の端部を別の物体に係止させることによって、カーゴを別の物体に直接に接続するのに使用され得る。この拘束デバイスは、その両端部を第1のアイテムに接続して第2のアイテムの周りをその可撓性部材で包み込むかたちでも使用され得る。しかし、これらの従来のストラップは、拘束プロセス中に容易に絡むことを理由として、扱いにくく、使用することが困難である。さらに、これらのストラップは効率的に保管することが困難であり、絡むのを防止するために使用者がストラップを手動で巻くことが必要となる。最後に、ストラップは一度に1つのアイテムまたは容易に一体に重ねられる複数のアイテムしか効果的に固定することができない。
【0004】
[0004]加えて、屋外レクレーション市場の製品はより高価になる傾向がある。例えば、製造業者が、追加の特徴、高い機能性、および高級ブランド名(luxury branding)を有する、高品質の後部開閉板を設置したクーラーを開発している。これらのおよび他の高価な製品は高い頻度で車両のエクステリアに収容され、盗難の標的になってしまっている。
【0005】
[0005]カーゴアイテムの盗難を抑止することにおいて、コンシューマは鍵付きの盗難防止具(keyed theft deterrent)または暗号化された盗難防止具(coded theft deterrent)(例には、ケーブルロック、自転車ロック、および南京錠が含まれる)などの安全デバイスに依存している。残念ながら、これらのデバイスは、望ましくない動きに対してカーゴを十分に拘束することができない。さらに、これらのデバイスは、カーゴおよび保管のロケーションがロックの作用を受けるのに適切な特徴を有する場合に、最良に機能する。
【0006】
[0006]ワイヤーロープまたはチェーンなどの耐切断性の可撓性部材を通常は使用する可撓性を有する固定デバイスでも、望ましくないカーゴの動きを防ぐことができない。第一に、輪状の可撓性部材は、カーゴを別のアイテムに強固に固定するために短縮または延伸され得ない一定の長さを有する。第二に、可変長の安全デバイスは、より良好にカーゴを拘束または固定するために可撓性部材に張力を加えるための機構を提供することができない。実際、可撓性を有する安全デバイスは、カーゴをずれないように拘束することを行わないかたちでしか、カーゴを繋ぎ止めることができない。
【0007】
[0007]したがって、本市場は、望ましくない動きを防止しながらカーゴアイテムを拘束することおよびカーゴアイテムの盗難を抑止することを同時に行うための好都合でありかつ効果的である方法を開発することができていない。ロックを用いない従来の拘束方法は容易に解除される。従来のロック式のラチェットストラップは不正およびストラップの切断に対して脆弱である。さらに、上で述べたように、安全デバイスはカーゴを拘束することにおいて効果的ではない。
【0008】
[0008]カーゴアイテムを拘束することおよび盗難を抑止することのこの二重の問題を解決するために、一部の製造業者が、それらの高級アウトドアアイテムに、統合型の安全ケーブルを加えている。不都合なこととして、これらのケーブルはアイテムのコストを増大させ、また、カーゴを固定することにおいて使用者が移送することを望む各々の個別のアイテムからの安全ケーブルおよびカーゴ拘束装置が絡まってしまうというシナリオも作り出してしまう。さらに、このようなアイテム内のケーブル機構が故障するとこのアイテムの盗難抑止の側面が無効となり、機構の修理、アイテム全体の交換、または、追加のコストを生じさせる外部の安全処置の提供が必要となる。
【0009】
[0009]したがって、本市場は、多様な形状およびサイズのアイテムにおいてカーゴの拘束およびカーゴの安全の二重の要求を満たしながら、使用および保管の容易さを組み込んだカーゴ拘束デバイスを求めている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0010]本発明は、上で考察した従来技術のカーゴ拘束装置および安全デバイスの欠点および制約の多くを解消するものである。
[0011]本発明は、1つまたは複数のアイテムを基部または表面に固定するために2つ以上のケーブルを使用する容易に持ち運び可能であるロック式カーゴ拘束装置である。第一に、ケーブルにより複数のアイテムまたは不規則な形状のアイテムを拘束するのを可能にするためにケーブルが多様な長さとなるように個別に引かれ得ることを理由として、本デバイスは効率的な拘束デバイスである。第二に、ケーブルが容易に保管および回収されるように中央ボディ内に後退可能に設置され、それにより、ケーブルが絡むのを使用者が心配する必要がなくなることが保証される。第三に、後退可能なケーブルが、使用後にケーブルを中央ボディの中へ引き込まれるように、個別にばね付勢されていてよく、それにより、使用者による介入を最小にしてケーブルを効率的に収容することができる。最後に、ケーブル自体が、アイテムを固定するのに使用される基部または表面上の利用可能な設置ポイントに係合するための、フック付きの端部などのコネクタを有することができる。あるいは、コネクタが互いに係合し得、その結果、ケーブルが、カーゴアイテムと、アイテムを固定するのに使用される基部との両方を囲む。
【0011】
[0012]加えて、本デバイスは、アイテムの盗難を抑止するための安全機構を組み込む。ケーブルおよびデバイスの張力付与機構が、権限のない使用者がデバイスに対して不正を行うのを防止するためにケース内に収められる。さらに、本デバイスは、アイテムを盗もうとして拘束装置を解除するのを防止することを目的として、権限のない使用者がケーブルの張力を調整するのを防止することができる鍵付きのロックを特徴とすることができる。さらに、ケーブル自体が、盗難を抑止するために耐切断性の材料で構築され得る。
【0012】
[0013]添付図面と併せて以下の詳細な説明を考察することにより、当業者には、本発明のこれらのおよび他の態様および利点が明らかとなる。
[0014]本発明の種々の実施形態をより良好に理解できるようにするために、添付図面を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0015]見本の乗用車の後部においてカーゴを拘束する複数のリトラクトケーブルを備える、本発明の教示に従って構築されたロック式カーゴ拘束装置の斜視図である。
図2】[0016]複数のリトラクトケーブルを備えるロック式カーゴ拘束装置の上面図である。
図3】[0017]図2のロック式カーゴ拘束装置の上面斜視図である。
図4】[0018]セレクタ組立体およびテンショナ組立体を有する、図2のカーゴ拘束装置のケース内に収められた内部機構の上面斜視図である。
図5】[0019]図4のセレクタ組立体およびテンショナ組立体の上面斜視図である。
図6】[0020]図5のセレクタ組立体およびテンショナ組立体の断面図である。
図7】[0021]図4のセレクタアームに組み付けられたセレクタ爪の分解図である。
図8】[0022]テンショナ組立体、および、示されるモード選択ノブを備える図4のテンショナ組立体セレクタアームの断面図である。
図9】[0023]デバイスが延伸モードにあるときの、図4のカーゴ拘束装置の内部機構の部分上面図である。
図10】[0024]デバイスが自由モードにあるときの、図4のカーゴ拘束装置の内部機構の部分上面図である。
図11】[0025]デバイスが後退モードにあるきの、図4のカーゴ拘束装置の内部機構の部分上面図である。
図12】[0026]デバイスが締め付けモードにあるときの、図4のカーゴ拘束装置の内部機構の部分上面図である。
図13】[0027]デバイスが後退モードにあって、鍵付きのロックがロック位置にあるときの、図4のカーゴ拘束装置の内部機構の部分上面図である。
図14】[0028]デバイスが締め付けモードにあるときの、図4のカーゴ拘束装置の内部機構の部分上面図である。
図15】[0029]図4のテンショナ組立体の一実施形態の分解図である。
図16】[0030]図4のスプールの底面斜視図である。
図17】[0031]図16のスプールの上面斜視図である。
図18】[0032]図11のテンショナ組立体の部分上面斜視図である。
図19】[0033]図12のテンショナ組立体の部分上面斜視図である。
図20】[0034]図2のケースの上側部分の底面斜視図である。
図21】[0035]図4のセレクタアームおよびデテントプランジャの部分断面図である。
図22】[0036]図21の断面に対して垂直である、図21のセレクタアームおよびデテントプランジャの部分断面図である。
図23】[0037]図1のカーゴの内部機構の代替の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0038]本開示は多様な修正および代替の形態を許すものであるが、図面には例としてその具体的な実施形態が示され、本明細書ではこの具体的な実施形態が詳細に説明される。しかし、図面および本明細書で提示される詳細な説明が、本開示を、開示されるこの特定の実施形態のみに限定することを意図されず、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲内にあるすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含することを意図される、ことを理解されたい。
【0015】
[0039]次に、全体を通して同様の参照符号が同様の部分を示す図面の図を参照しながら本発明を説明する。本発明の特性を示す際に分かり易いようにするために、図面の図では要素の比例関係が必ずしも維持されるわけではない。
【0016】
[0040]図1が、見本のカーゴアイテム10を固定するために装着された状態である、以降、単純にカーゴ拘束装置100と称される、複数のリトラクトケーブル100を備えるロック式カーゴ拘束装置を示す。この実施形態で示されるように、カーゴ拘束装置100の複数のケーブル105が見本の基部20に取り付けられており、基部20が見本の車両30に添着されている。この実施形態では、各々のケーブル105が、使用者が複数のカーゴアイテムを固定するのを可能にするために多様な長さまで延伸することができる。ここでは、ケーブル10が図1ではフックとして示されるコネクタ107をさらに装備し、コネクタ107が、基部20に取り付けられるとき、基部20などの表面に選択的に係合され得る。
【0017】
[0041]図2および3がカーゴ拘束装置100の第1の実施形態を示す。ケースまたはカバー110が提供され得、ケース110の外部表面130に対してモード選択ノブ120が添着される。モード選択ノブ120が、多数の可能性のある動作モードから1つの動作モードを選択するために回転され得る。鍵付きのロック140がモード選択ノブ120の第1の方向の回転を防止するのに使用され得、それにより、鍵付きのロック140を無効にするための鍵(あるいは、他の既知のまたは予見されるロック解除手段)を使用することなくカーゴ拘束装置100が多様な動作モードに携わることが防止される。本明細書において後でより詳細に説明するように、モード選択ノブ120および鍵付きロック140が、好適には、使用者がケーブル105を多様な手法で操作するのを可能にするためにカーゴ拘束装置100の種々の内部機構にインターフェース接続される。
【0018】
[0042]図3を参照すると、複数の開口150が基部110の内部からその外部まで延在する。開口150が複数のケーブルをケース110から外に出すのを可能にする。好適には、2つ以上のケーブル105が、開口150を介してケース110から延伸する。
【0019】
[0043]さらに、ケース110がケース頂部160を有することができる。図4がケース底部170を示しており、ケース頂部160およびケース底部170が一体に係止されるときに円筒を形成する。この円筒の内部容積部が、好適には、カーゴ拘束装置100の内部機構を収める。
【0020】
[0044]図4が、ケース110のケース頂部160がカーゴ拘束装置100のボディ180から取り外された後の、カーゴ拘束装置100のこれらの種々の内部機構をさらに示す。ケース底部170がケースの内部の中での機構のための設置ポイントを提供することができるが、これらの機構がケース頂部160に設置されてもよい。ケース頂部160との組み合わせで、ケース底部170が天候および不正から機構を保護する。図4で捕捉される実施形態では、カーゴ拘束装置100が、第1の方向または第2の方向のいずれかに回転され得る4つのスプール190を有する。さらに、各スプール190が、スプール190の上にケーブル105を巻き付ける第1の方向のトルクをスプール190に加えることができる付勢ばね200を有することができる。さらに、各スプール190がその外周部上に複数のラチェット歯210を有することができる。歯210が、スプール190を回転させるためにおよびさらにはケーブル105をスプール190の内部ハウジングの中へ引っ込めるために、テンショナ組立体220によって係合され得る。
【0021】
[0045]カーゴ拘束装置100が、スプール190の回転を制限するために歯210に係合し得るセレクタ組立体230をさらに有することができる。セレクタ組立体230が、好適には、モード選択ノブ120に動作可能に結合される。したがって、使用者がモード選択ノブ120を介して動作の多様なモードを選択するとき、セレクタ組立体230がケース110内で位置を変更することができる。さらに、セレクタ組立体230が鍵付きロック140により定位置でロックされ得る。鍵付きロック140がロックアーム240を有することができ、ロックアーム240が、使用者が関与しているとき、セレクタ組立体230によりスプール190が解放されるのを防止するために、回転することができる(図13に示されるように)。
【0022】
[0046]図5および6が、セレクタ組立体230およびテンショナ組立体220の一実施形態を示す。この実施形態では、セレクタ組立体230が、概して、セレクタアーム250、セレクタ爪260、およびセレクタばね270から構成される。セレクタ組立体230がセレクタシャフト280を中心として回転する。爪260がセレクタアーム250の端部のところで枢動軸上に設置され得る。爪260と同じ枢動軸上にあるセレクタばね270が、好適には、第1の方向または第2の方向のいずれかに爪260が偏向されるときに、復元トルクを提供する。セレクタばねタブ290が、セレクタ爪260およびセレクタばね270のもう一方側と一緒にセレクタばね270の一方側を回転させるのを防止することができる。したがって、セレクタばね270がセレクタ爪260に復元力を加えることができる。セレクタデテント穴(selector detent hole)300が、デテントプランジャ310(図示せず)が動作モードに落ち着き、動作モードが誤って変更しようとするのに抵抗するための「シート」を提供する。
【0023】
[0047]テンショナ組立体220が、この実施形態では、モード選択ノブ120に堅固に固定され、モード選択ノブ120がセレクタシャフト280上で枢動する。テンショナ組立体220が、テンショナボディ320、テンショナ爪330、およびテンショナタブ350(図5および6ではテンショナタブ350は図示されない)を有することができる。テンショナ組立体220およびセレクタ組立体230が、テンショナばね360、および、テンショナタブ350と、テンショナ停止部分370と、セレクタタブ380とから構成された一連の移動停止部分(図5および6では移動停止部分は示されない)により、機械的に接続される。テンショナ組立体220が、セレクタ組立体230を介して、セレクタシャフト280を介するモードセレクタノブ120に機械的に結合される。したがって、モード選択ノブ120が「締め付け」方向に回されると、テンショナ爪330がスプール190に係合し、ケーブル105に追加の張力を加える。
【0024】
[0048]図7がセレクタ爪260の詳細分解図を提供する。図7に示される構成要素が爪260をセレクタアーム250に結合するのを支援する。爪枢動シャフト390が、好適には、セレクタアーム250の折り畳まれた端部および爪260を通して挿入され、爪260のための枢動軸を形成する。そこを通して枢動シャフト390を挿入するところである爪260の部分自体がセレクタばね270のボディの中に挿入される。セレクタばね270のアームがセレクタばねタブ290および爪ばねタブ400の両側に配置される。したがって、爪260の端部が偏向されると、セレクタばね270が、爪260をニュートラル位置に戻すための方向の力をセレクタばねタブ290および爪ばねタブ400に加えることになる。
【0025】
[0049]図8が、テンショナ組立体220およびセレクタ組立体230に結合されたモード選択ノブ120を示す。当業者には認識されるようなねじまたは他の固定手段が、モード選択ノブ120をテンショナ組立体220に堅固に取り付けることができる。テンショナ組立体220が第1の方向および第2の方向のそれぞれに回転することができる。テンショナ組立体220のテンショナタブ350が、セレクタ組立体230に対してのテンショナ組立体220の第1の方向の回転を制限するために、セレクタタブ380に係合する。セレクタばね360が、示されるように、第2の方向においてテンショナ組立体220からセレクタ組立体230までトルクを伝達するためにテンショナタブ350およびセレクタタブ380に係合するねじりばねである。テンショナばね360がテンショナタブ350およびセレクタタブ380に予荷重を加え、それにより、モード選択ノブ20を回すときにテンショナタブ350およびセレクタタブ380を互いに接触した状態で維持する。この実施形態では、テンショナばね360の予荷重を超えると、テンショナ組立体220がセレクタ組立体230とは別個に第2の方向に回ることができる。
【0026】
[0050]図9、10、および11が、セレクタ組立体230の第1位置、第2の位置、および第3の位置を示す。これらの位置までのセレクタ組立体230の移動が、カーゴ拘束装置100のための動作の「延伸」モード、「自由」モード、および「後退」モードに対応する。「延伸」モードがケーブル105をカーゴ拘束装置100のボディの中へ引っ込めるのを防止しながら同時にケーブル105を解き外すのを可能にし、「自由」モードがケーブル105をカーゴ拘束装置100のボディの中へおよびその外へ移動させるのを可能にし、「後退」モードが、ケーブル105を延伸させるのを防止しながらケーブル105をカーゴ拘束装置100のボディの中へ引っ込めるのを可能にする。
【0027】
[0051]図9では、セレクタ組立体230が、この実施形態ではカーゴ拘束装置100の「延伸」モードに対応する第1の位置にある。このモードでは、セレクタ組立体230が第1の方向に回転され、その結果、セレクタ爪260aおよび260bがスプール190aおよび190bのラチェット歯210に係合し、それにより、ケーブル105の後退方向にスプールが回転するのを防止する。このモードでは、付勢ばね200がケーブル105を引っ込めるためにスプール190を回転させることができず、テンショナ爪330がラチェット歯210に係合しない。
【0028】
[0052]図10では、セレクタ組立体230が、この実施形態ではカーゴ拘束装置100の動作の「自由」モードに対応する第2の位置にある。このモードでは、セレクタ組立体230が第2の位置で静止しており、その結果、セレクタ爪260aおよび260bが、スプール190a、190b、および190cのラチェット歯210に係合しない。さらに、テンショナ爪330がラチェット歯210に係合しない。このモードでは、スプール190が自由に回転することができ、付勢ばね200が、ケーブル105に対して外部張力が加えられない限りにおいて、ケーブル105を引っ込めるためにスプール190を回転させることになる。
【0029】
[0053]図11では、セレクタ組立体230が、この実施形態ではカーゴ拘束装置100の動作の「後退」モードに対応する第3の位置にある。このモードでは、セレクタ組立体230が第2の方向に回転されており、その結果、セレクタ爪(260a、260b)が、ケーブル105の延伸方向でのスプール190の回転を防止するためにスプール190b、190cのラチェット歯210に係合する。このモードでは、付勢ばね200がケーブル105を引っ込めるためにスプール190を回転させることができるが、ケーブル105に加えられる外部の張力がケーブル105を延伸させるためにスプール190を回転させることができない。さらに、このモードでは、テンショナ爪330がラチェット歯210に係合しない。
【0030】
[0054]図12では、モード選択ノブ120が「締め付け」方向に回されており、それにより、使用者がケーブル105に対しての張力を手動で追加するのを可能にする。このモードでは、セレクタ組立体230が、図11の「後退」モードで見られるのと同じ位置である第3の位置にある。セレクタ停止部分410が、第2の方向においてセレクタ組立体230が「後退」位置を通過して回転するのを防止する。テンショナばね270は、テンショナ組立体220が継続して回転してラチェット歯210がテンショナ爪330と係合するのを可能にする。操作者がモード選択ノブ120を「締め付け」方向に継続して回転させることにより、テンショナ組立体220上のテンショナ爪330がスプール190を後退の方向に回転させ、それにより、ケーブル105に追加の張力を加える。
【0031】
[0055]鍵付きのロック140がロック位置およびロック解除位置に設定され得る。図12がロック解除位置にある鍵付きロック140を示し、対して、図13がロック位置に設定された鍵付きロック140を示す。鍵付きロック140がロック解除位置からロック位置まで移動させられると、ロックアーム240が回転される。ロック位置では、ロックアーム240が、セレクタ組立体230が「後退」位置から離れるのを防止するところに位置する。
【0032】
[0056]図14が、鍵付きロック140がロック位置に設定されているときのおよびモード選択ノブ120が「締め付け」方向に回されるときの、カーゴ拘束装置100の内部を示すこの構成では、モード選択ノブ120が、鍵付きロック140が既にロック位置に設定されている場合でもケーブル105を締め付けるのに使用され得る。セレクタ停止部分410がセレクタ組立体230を第2の方向に回転させるのを防止し、対して、ロックアーム240がセレクタ組立体230を第1の方向に回転させるのを防止する。同時に、スプール190が第2の回転方向に回転されることが防止され、その結果、ケーブル105に対しての張力が解放されない。
【0033】
[0057]図15が、テンショナ組立体220の一実施形態の詳細分解図を示す。この実施形態では、テンショナ組立体220が、テンショナ爪330を備えるテンショナボディ320およびそれらの付随の機構から構成される。ばね420が各テンショナ爪330の中に挿入され、ばね420およびテンショナ爪330の両方がばねガイド430上のポストの上で摺動する。次いで、爪ガイド440が、テンショナボディ320内のスロット450を通して挿入され得、ピン460を介してテンショナ爪330にピン留めされ得る。ばね420が、スロット450の端部に逆らうかたちで、テンショナボディ320から径方向外向きの予荷重をテンショナ爪330に加える。
【0034】
[0058]テンショナ爪330が前方端部470および後方端部480を有することができる。この実施形態では、テンショナ爪330の後方端部480が開口490を含み、その結果、ばね420が開口490を介して爪330のボディの中に挿入され得る。次いで、テンショナ爪330およびばね420が、上の段落で説明したように、テンショナ組立体220に結合され得る。
【0035】
[0059]テンショナ組立体220がセレクタ組立体230に対して第2の方向に回転するとき、テンショナ爪330がスプール190のラチェット歯210に係合し得る。テンショナ組立体220が継続してセレクタ組立体230に対して回転することにより、テンショナ爪330がスロット450内で摺動し、それにより、テンショナ爪330がスプール190の曲率に従って動くことが可能となる。ばね420が、テンショナ爪330とラチェット歯210との間の係合を維持するための力を加える。
【0036】
[0060]爪330の前方端部470の表面は先細形状を特徴とする。爪330の前方端部の先細形状およびばね420によって加えられる力が、ケーブル105内に所定のレベルの張力が存在する場合にテンショナ爪330にラチェット歯210を飛ばさせることになるように、設計され得る。この設計は、個別のケーブル105のいずれにも過度の張力を加えることなくケーブル105が所定のレベルの張力に到達するのを可能にする。テンショナ爪330の端部は、モード選択ノブ120が「後退」位置に戻るときにテンショナ組立体220が第1の方向に回転されるときにテンショナ爪330の端部がラチェット歯220を容易に飛ばすのを可能にするように、成形されている。
【0037】
[0061]図16がスプール190の底面斜視図を提供する。スプール190が、開口150を特徴とする底部表面500を特徴とする。この実施形態では、開口510が2つの端部分520および中央部分530を特徴とする。2つの端部分520が中央部分530より幅広であり、2つの端部分520が実質的に等しい直径を有する。したがって、開口510の端部分520および中央部分530がバーベル形状を作り出す。
【0038】
[0062]ケーブル105の一方の端部が開口510を通して送られることから、ケーブル105のこの端部がケーブル停止部分540を装備する。ケーブル停止部分540が、固定手段を介してケーブル105に取り付けられる開放円筒であってよい。ケーブル停止部分105が開口の両端部より狭いが、開口の中央部分より幅広である。したがって、ケーブル停止部分540が開口510の中央部分530に引っ掛かり、それにより、ケーブル105をスプール190から完全にほどくかまたはスプール190の周りで滑るのを防止する。図16に示される実施形態は、ケーブル端部を回転ボディに接続するための当技術分野で既知である単に1つの方法である。
【0039】
[0063]図17がスプール190の上面斜視図である。スプール190が頂部表面550を有する。スプール190の頂部表面550がその周縁部の周りに配置されたばね拘束装置560を有し、それにより、カーゴ拘束装置100の内部機構の他の部分に対して付勢ばね200(図示せず)を衝突させるのを防止する。付勢ばね200の自由端が、スプール190に対して後退力を加えるためにばね拘束装置560の一方の端部に作用する。
【0040】
[0064]図18が、カーゴ拘束装置100内に装着された状態のテンショナ組立体220の上面斜視図である。この図面では、モード選択ノブ120が「後退」に設定されており、それにより、スプール190からケーブル105を引き出すのを防止しながらケーブル105をスプール190の中へ引っ込めるのを可能にする。ここでは、テンショナタブ350が、テンショナばね360(図示せず)の予荷重トルク下でセレクタタブ380に接触して静止している。
【0041】
[0065]図19が、操作者によりモード選択ノブ120が「締め付け」方向に回転された状態である、テンショナ組立体220の上面斜視図である。セレクタタブ15およびセレクタ組立体230がセレクタ停止部分410により静止状態を維持しており、対して、テンショナ組立体220がテンショナばね360に逆らって第2の方向に回転されており、それにより、テンショナタブ350とセレクタタブ380との間の隙間570を開ける。テンショナボディ320内のスロットの端部においてセレクタタブ270がテンショナ停止部分370に係合するとき、テンショナ組立体220がさらに回転されることが防止される。
【0042】
[0066]図20が、ケース頂部160の内側面580の底面斜視図を示す。この実施形態では、デテントプランジャ310がケース頂部160に取り付けられている。デテントプランジャ310は、ケース頂部160に取り付けられた第1の端部と、ボール先端部590から構成された第2の端部とを備える円筒である。デテントプランジャ310のボール先端部590がセレクタ組立体230(図5を参照)上のセレクタデテント穴300に係合し、それにより、モード選択ノブ120からの入力なしでデバイスが選択されたモードから離れるのを防止する。
【0043】
[0067]やはり図20に示されるように、ばねハブ600がケース頂部160に取り付けられている。この実施形態では、ばねハブ600が、ケース頂部160の内側面から延在する円筒である。ばねハブ600は、円筒のボディ全体を通って延びている開口と、ばねハブ600の開口からその外側縁部まで延在するスロット610を特徴とする。ばねハブ600のスロット610が付勢ばね200の中央にあるタブ(図4に示されるように)を固定的に捕捉している。好適には、各スプール190に対して1つのばねハブ600が存在する。付勢ばね200の第2の端部がスプール190にケーブル105の後退方向のトルクを加えるとき、ばねハブ600が付勢ばね200の第1の端部を固定した状態で保持する。
【0044】
[0068]図21が、デテントプランジャ310およびセレクタアーム250を通る断面を示す。示されるように、デテントプランジャ310のボール先端部590がばね圧力下でセレクタデテント穴300のうちの1つのセレクタデテント穴300の中へ押し込まれており、それにより、モード選択ノブ120に加えられるトルクが所定の大きさを超えるまで、セレクタアーム250を定位置で保持する。セレクタアーム250が、カーゴ拘束装置100の動作の多様なモードに対応する複数のデテント穴230を特徴とすることができる。
【0045】
[0069]図22が、図21の断面に対して垂直である、デテントプランジャ310およびセレクタアーム250を通る断面を示す。この実施形態では、セレクタアーム250が3つのセレクタデテント穴300を特徴とする。
【0046】
[0070]図23がカーゴ拘束装置100の代替の実施形態を示す。この実施形態では、枢動するセレクタ爪260が可撓性のモードセレクタフィンガー620に置き換えられている。可撓性セレクタフィンガー620が、ケース110の周縁部に沿うセレクタアーム250の端部のところに位置決めされている。さらに、各セレクタアーム250が2組の可撓性セレクタフィンガー620を特徴とし、2組のうちの一方の組のみが任意の時間にスプール190のラチェット歯210に係合し得る。セレクタアーム250が「後退」位置まで回転されるとき、第1の組の可撓性のモードセレクションフィンガー620がスプール190のラチェット歯210に係合する。「後退」モードでは、スプール190が後退の方向に回転する場合、セレクタフィンガー620が容易に湾曲してラチェット歯210を飛ばす。比較として、ケーブル105が引かれてその結果としてスプール190が延伸の方向に回転しようとする場合、セレクタフィンガー620がラチェット歯210に引っ掛かり、スプール190を回転させるのを防止する。セレクタアーム250が「延伸」位置まで回転されると、第2の組のセレクタフィンガー620がスプール190に係合する。このモードでは、スプール190が延伸の方向に回転する場合、セレクションフィンガー620が容易に湾曲してラチェット歯210を飛ばし、対して、スプール190が後退の方向に回転する場合、セレクションフィンガー620がラチェット歯210に引っ掛かり、スプール190を回転させるのを防止する。
【0047】
[0071]やはり図23に示されるように、張力付与機構200、摺動テンション爪(sliding tension pawl)330、およびばね420が、張力付与機構630に置き換えられる。張力付与機構630が、角度付きのフランジを備える可撓性テンショナフィンガー640を特徴とする。モード選択ノブ120が「締め付け」方向に回転されると、角度付きのフランジがスプール190のラチェット歯210に係合し、スプール190を後退の方向に回転させる。1つまたは複数のケーブル105内の張力が所定のレベルに達すると、テンショナフィンガー640の曲げ作用により、角度付きのフランジがラチェット歯から滑って外れる。こうすることで、ケーブル105内の張力が所定のレベルを超えることがない。モード選択ノブ120および張力付与機構630が回転して「後退」位置に戻ると、角度付きフランジの第2の面がラチェット歯210の対向面に沿って摺動してテンショナフィンガー640を曲げ、その結果、張力付与機構が、スプール190を静止状態にしたまま、「後退」位置に戻ることができる。
【0048】
[0072]上記の説明から明らかなように、本発明の特定の態様は本明細書で示される実施例の具体的な細部によって限定されず、したがって、本発明の他の修正、適用、変形、または均等物が当業者には思い付くと考えられる。しかし、本明細書および添付図面を考察することにより、当業者には、本構成の多くのこれらの変更、修正、変形、ならびに他の使用および適用が明らかとなる。加えて、上記において異なる意味で言及されない限り、添付図面のすべてが正確な縮尺というわけではないことに留意されたい。本発明の精神および範囲から逸脱しない、本出願内のこれらのすべての変更、修正、変形、および他の使用が本発明によって包含され、本発明は以下の特許請求の範囲のみによって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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【国際調査報告】