(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】壁付式作業台
(51)【国際特許分類】
E04G 3/18 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
E04G3/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544431
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 US2021014275
(87)【国際公開番号】W WO2021150654
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522291005
【氏名又は名称】エイエイエイ ロイヤル コンストラクション エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】AAA ROYAL CONSTRUCTION LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ジョン ボイド
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アジッツ アリー
(57)【要約】
壁付式作業台はフレームを含み,該フレームは:第1の水平サイドメンバ;第1の水平サイドメンバの各遠位端に近接して第1のサイドメンバにそれぞれ接続される第1のクロスメンバ;及び,第1の水平サイドメンバに接続された第2の水平サイドメンバ;を含む。壁付式作業台は,更に;第2の水平サイドメンバに接続されたプラットフォーム;それぞれフレームの近位端に近接して接続された近位端を有する複数の支持アームであって,それぞれフレームから垂直上向きに延在し,それぞれの長さに沿って湾曲するように柔軟性を持たせた支持アーム;それぞれの水平サイドメンバに接続されたテンションアーム;及び,テンションアームに張力を発生させて作業台の第2のクロスメンバをプラットフォームに接近させるための調整手段;を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁付式作業台であって:
壁の窓開口を通して挿入される構成としたフレームを備え,該フレームが:
第1の水平サイドメンバ;
該第1の水平サイドメンバの各遠位端に近接して前記第1の水平サイドメンバにそれぞれ接続される第1のクロスメンバ;及び,
前記第1の水平サイドメンバに接続された第2の水平サイドメンバ;
を備え,前記壁付式作業台が,更に:
前記第2の水平サイドメンバに接続されたプラットフォーム;
それぞれ前記フレームの近位端に近接して接続された近位端を有する複数の支持アームであって,それぞれ前記フレームから垂直上向きに延在し,それぞれの長さに亘って湾曲するように可撓性を有する支持アーム;
前記水平サイドメンバにそれぞれ接続されたテンションアーム;及び,
該テンションアームに張力を発生させ,前記第2のクロスメンバを前記プラットフォームに接近させるために,前記複数の支持アーム又は前記テンションアーム又はこれら双方に接続される調整手段;
を備える,壁付式作業台。
【請求項2】
請求項1に記載の壁付式作業台であって,前記複数の支持アームは,前記複数の支持アームのそれぞれの長さを調整できる構成とされ,前記調整手段は,前記複数の支持アームのそれぞれの長さを強制的に増加させるものである,壁付式作業台。
【請求項3】
請求項1に記載の壁付式作業台であって,前記テンションアームは,前記複数の支持アームのそれぞれの有効長を調整できる構成とされ,前記調整手段は,各テンションアームの有効長を強制的に減少させるものである,壁付式作業台。
【請求項4】
請求項1に記載の壁付式作業台であって,前記調整手段は,前記複数の支持アームを前記プラットフォームから離れる方向に強制的に湾曲させて,前記壁付式作業台の第2のクロスメンバを前記壁に直接又は間接的に接触させるものである,壁付式作業台。
【請求項5】
請求項1に記載の壁付式作業台であって,前記複数の支持アームのそれぞれに結合された剛性ブレースを更に備える,壁付式作業台。
【請求項6】
請求項5に記載の壁付式作業台であって,前記第1の水平サイドメンバのそれぞれに接続された前記第1のクロスメンバがフレーム幅を規定し,前記剛性ブレースが前記フレーム幅を超えて水平に延在するブレース長さを有する,壁付式の作業台。
【請求項7】
請求項5に記載の壁付式作業台であって,前記剛性ブレースが,前記複数の支持アームを受け入れ可能に構成された複数のチューブを備える,壁付式作業台。
【請求項8】
請求項5に記載の壁付式作業台であって,前記テンションアームが,前記剛性ブレース又は対応する前記支持アームに接続される,壁付式作業台。
【請求項9】
請求項1に記載の壁付式作業台であって,前記第2の水平サイドメンバのそれぞれの近位端は,対応する前記第1の水平サイドメンバの遠位端に接続され,前記テンションアームは,対応する前記第2の水平サイドメンバの遠位端に近接する部位で,対応する前記第2の水平サイドメンバに接続される,壁付式作業台。
【請求項10】
請求項1に記載の壁付式作業台であって,前記第1の水平サイドメンバの近位端に近接して接続される固定手段を更に備え,該固定手段は,少なくとも部分的に第1の方向に移動することにより前記壁付式作業台を前記壁に固定するものであり,前記第1の方向が,特定の前記第1の水平サイドメンバの近位端と,該特定の第1の水平サイドメンバの遠位端とを結ぶ第2の方向と平行である,壁付式作業台。
【請求項11】
請求項1に記載の壁付式作業台であって,前記第1の水平サイドメンバの各底面に取り付けられたスペーサを更に備える,壁付式作業台。
【請求項12】
請求項1に記載の壁付式作業台であって:
第1の水平サイドメンバの遠位端に接続された第1の端部を有し,第1の水平サイドメンバから垂直ポストの遠位端まで下向きに延在する垂直ポスト;及び,
該垂直ポストに取り付けられ,壁の外側に接触する構成とされた外壁接触部材;
を更に備える,壁付式作業台。
【請求項13】
請求項12に記載の壁付式作業台であって,前記第2の水平サイドメンバが,上側対の水平サイドメンバと,下側対の水平サイドメンバとを備え,前記上側対の水平サイドメンバが前記第1の水平サイドメンバの遠位端に取り付けられ,前記下側対の水平サイドメンバが前記垂直ポストの遠位端に取り付けられ,前記プラットフォームが,前記下側対の水平サイドメンバに取り付けられて,その間のギャップを跨ぐように配置されている,壁付式作業台。
【請求項14】
壁付式作業台であって,
フレームを備え,該フレームが:
複数の水平サイドメンバ;
前記複数の水平サイドメンバの各遠位端及び前記複数の水平サイドメンバの各近位端から変位した部位で,前記複数の水平サイドメンバのそれぞれに接続された第1のクロスメンバ;
前記複数の水平サイドメンバの各遠位端に近接して接続された第2のクロスメンバ;
前記複数の垂直フレームメンバによって前記複数の水平サイドメンバに接続されたプラットフォーム支持体;及び,
複数の水平サイドメンバにそれぞれ接続され,そこから下向きに延在する複数のフレームポスト;
を備え,前記壁付式作業台が,更に:
前記プラットフォーム支持体に接続されたプラットフォーム;
前記フレームに接続され,前記フレームから垂直上向きに延在する複数のフェンスポスト;
前記複数の水平サイドメンバの各近位端に接続された近位端をそれぞれ有する複数の長さ調整可能な支持アームであって,各支持アームが,対応する前記水平サイドメンバから垂直上向きに延在する支持アーム;
長さ調整可能な各支持アームに結合された上側壁ブレース;
それぞれ対応する前記水平サイドメンバに接続され,かつ前記上側壁ブレースに接続されている複数のテンションアーム;及び,
前記複数のフレームポストに対して水平移動できるように,該複数のフレームポストに対して移動可能に接続された下壁ブレース;
を備え,
前記長さ調整可能な各支持アームが,それぞれの長さが増加する際に,前記複数のテンションアームが作用させる張力により湾曲する構成とされている,壁付式作業台。
【請求項15】
請求項14に記載の壁付式作業台であって,前記複数のテンションメンバが,可撓ケーブルを備える,壁付式作業台。
【請求項16】
請求項14に記載の壁付式作業台であって,前記複数の長さ調整可能な各支持アームが,それぞれラチェット機構を備え,該ラチェット機構が,対応する長さ調整可能な支持アームを伸長させる構成とされている,壁付式作業台。
【請求項17】
請求項14に記載の壁付式作業台であって,前記複数のフェンスポストが,前記複数の水平サイドメンバの間,並びに前記第1の水平クロスメンバと,前記第2の間に配置されている,壁付式作業台。
【請求項18】
請求項14に記載の壁付式作業台であって,スペーサを更に備え,上側壁ブレース及びスペーサが,上側壁ブレースによりスペーサを摺動させて受け入れることにより,上側壁ブレースがスペーサの長さに沿って摺動し,かつ,スペーサに対して,スペーサの長さを横切る方向で制限された可動範囲を有する構成とされている,壁付式作業台。
【請求項19】
壁付式作業台の設置方法であって:
壁付式作業台を通すための開口を壁に形成するステップ;
壁付式作業台のフレームの一部を前記開口に通すステップ;
前記開口を画定する壁に対してフレームを安定化させるステップ;並びに,
壁付式作業台のクロスメンバを壁に対して直接的又は間接的に接触させるステップ;
を備える,設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,建物の壁に対して取り付け可能な作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の建設,保守及び/又は修理には,しばしば窓近傍における建物外部での作業が必要とされる。多くの窓が地面よりもかなり高所に配置されるため,各種の作業,例えばフレームのコーキング,設置物の洗浄,レンガの目地補修,又は塗装等を行う場合に,作業員は建物外で窓フレーム近傍にプラットフォームを設置する必要がある。作業者のためのプラットフォームを確保すべく,足場が組み立てられる場合がある。足場の組み立てには時間と費用がかかり,望ましくない結果を招くことがある(例えば,監督のための許可及び/又は安全に係る詳細説明が必要とされ,また,歩行者及び/又は車両のアクセスの妨げともなりかねない)更に,一部の窓フレームは,実際に足場の組み立てに適した場所(例えば小規模の中庭)には配置されていない。
【発明の概要】
【0003】
本発明に係る壁付式作業台の一実施形態は,壁の窓開口を通して挿入される構成としたフレームを含み,該フレームは:第1の水平サイドメンバ;該第1の水平サイドメンバの各遠位端に近接して前記第1の水平サイドメンバにそれぞれ接続される第1のクロスメンバ;前記第1の水平サイドメンバに接続された第2の水平サイドメンバ;及び,第2の水平サイドメンバに接続されたプラットフォーム;を含む。壁付式作業台は,更に:それぞれ前記フレームの近位端に近接して接続された近位端を有する複数の支持アームであって,それぞれ前記フレームから垂直上向きに延在し,それぞれの長さに亘って湾曲するように可撓性を有する支持アーム;前記水平サイドメンバにそれぞれ接続されたテンションアーム;並びに,該テンションアームに張力を発生させ,第2クロスメンバをプラットフォームに接近させるために,前記複数の支持アーム又は前記テンションアーム又はこれら双方に接続される調整手段;を含む。
【0004】
上述した作業台の実施形態は,以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。すなわち:複数の支持アームが,それぞれの支持アームの長さを調整できる構成とされ,調整手段が,それぞれの支持アームの長さを強制的に増加させること;テンションアームが,それぞれの支持アームの有効長を調整できる構成とされ,調整手段が,それぞれのテンションアームの有効長を強制的に減少させること;調整手段が,複数の支持アームをプラットフォームから離れる方向に強制的に湾曲させて,壁付式作業台における少なくとも1つの壁接触部材を壁に対して直接又は間接的に接触させること;壁付式作業台が,複数の支持アームのそれぞれに結合された剛性ブレースを含むこと;第1の水平サイドメンバのそれぞれに接続された第1のクロスメンバが,フレーム幅を規定するものであり,剛性ブレースが,フレーム幅を超えて水平に延びるブレース長さを有すること;剛性ブレースが,複数の支持アームを受け入れ可能に構成された複数のチューブを含むこと;各テンションアームが,剛性ブレース又は対応する支持アームに接続されること;である。
【0005】
上述した作業台の実施形態は,付加的又は代替的に以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。すなわち:第2の水平サイドメンバのそれぞれの近位端が,第1の水平サイドメンバの対応する遠位端に接続され,各テンションアームが,対応する第2の水平サイドメンバの遠位端に近接する部位において,対応する第2の水平サイドメンバに接続されること;壁付式作業台が,第1の水平サイドメンバの近位端に近接して接続される固定手段を含み,この固定手段が,少なくとも部分的に第1の方向に移動することにより壁付式作業台を壁に固定するものであり,第1の方向が,特定の第1の水平サイドメンバの近位端と,特定の第1の水平サイドメンバの遠位端とを結ぶ第2の方向と平行であること;壁付式作業台が,第1の水平サイドメンバの各底面に取り付けられたスペーサを含むこと;壁付式作業台が;垂直ポストに取り付けられ,壁の外部に接触する構成とされた外壁接触部材を備えること;更に,第2の水平サイドメンバが,上側対の水平サイドメンバ及び下側対の水平サイドメンバを含み,上側対の水平サイドメンバが,第1の水平サイドメンバの遠位端に取り付けられ,下側対の水平サイドメンバが,垂直ポストの遠位端に取り付けられ,プラットフォームが,水平サイドメンバの下側対に取り付けられて,その間のギャップを跨ぐように配置されること;である。
【0006】
本発明に係る壁付式作業台の他の実施形態は,フレームを含み,該フレームが:複数の水平サイドメンバ;複数の水平サイドメンバの各遠位端及び複数の水平サイドメンバの各近位端から変位した部位で,それぞれ複数の水平サイドメンバに接続された第1のクロスメンバ;複数の水平サイドメンバの各遠位端に近接して接続された第2のクロスメンバ;複数の垂直フレームメンバによって複数の水平サイドメンバに接続されたプラットフォーム支持体;及び,複数の水平サイドメンバにそれぞれ接続され,そこから下向きに延在する複数のフレームポスト;を含む。壁付式作業台は,更に:プラットフォーム支持体に接続されたプラットフォーム;フレームに接続され,フレームから垂直上向きに延在する複数のフェンスポスト;複数の水平サイドメンバの各近位端に接続された近位端をそれぞれ有する複数の長さ調整可能な支持アームであって,各支持アームが,対応する水平サイドメンバから垂直上向きに延在する支持アーム;長さ調整可能な各支持アームに結合された上側壁ブレース;並びに,それぞれ対応する水平サイドメンバに接続され,かつ上側壁ブレースに接続されている複数のテンションアーム;複数のフレームポストに対して水平移動できるように,複数のフレームポストに対して移動可能に接続された下壁ブレース;を含む。長さ調整可能な各支持アームは,それぞれの長さが増加する際に,複数のテンションアームが作用させる張力により湾曲する構成とされる。
【0007】
上述した作業台の実施形態は,以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。すなわち:複数のテンションアームが,可撓ケーブルを含むこと;複数の長さ調整可能な各支持アームが,それぞれラチェット機構を含み,該ラチェット機構が,複数の長さ調整可能な支持アームをそれぞれ伸長させる構成とされること;複数のフェンスポストが,複数の水平サイドメンバの間,並びに第1のクロスメンバ及び第2のクロスメンバの間に配置されること;壁付式作業台が,スペーサを更に含み,上側壁ブレース及びスペーサが,上側壁ブレースによりスペーサを摺動させて受け入れ,上側壁ブレースがスペーサの長さに沿って摺動し,かつ,スペーサに対して,スペーサの長さを横切る方向で制限された可動範囲を有する構成とされること;である。
【0008】
本発明に係る壁付式作業台の設置方法の実施形態は,以下のステップ,すなわち:壁付式作業台を通すための開口を壁に形成するステップ;壁付式作業台のフレームの一部を前記開口に通すステップ;前記開口を画定する壁に対してフレームを安定化させるステップ;並びに,壁付式作業台のクロスメンバを壁に対して直接的又は間接的に接触させるステップ;を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】壁付式作業台の一実施例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す作業台を,窓開口を通って延在する状態で,窓開口を有する壁の側部を除いて簡易に示す側面図である。
【
図3】
図2に示す作業台を,窓開口を通って配置された状態で簡易に示す端面図である。
【
図4】
図3に示す作業台のフレームの斜視図である。
【
図5】壁付式作業台の設置方法を示すフローチャートである。
【
図6】作業台の他の実施形態を,窓開口を通って延在する状態で,窓開口を有する壁の側部を除いて簡易に示す側面図である。
【
図7】作業台の他の実施形態を,窓開口を通って延在する状態で,窓開口を有する壁の側部を除いて簡易に示す側面図である。
【
図9】作業台におけるスペーサ及びクロスバーの斜視図である。
【
図10】
図9に示すスペーサ及びクロスバーを含む作業台を,窓開口を通って延在する状態で簡易に示す側面図である。
【
図11】作業台における長さ調整可能なスペーサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下,建物外部における窓開口又はその近傍で作業者による作業を許容すべく,プラットフォームを設置するための技術について説明する。例えば,作業者がその上に立つことができ,窓開口などの壁開口を通して少なくとも部分的に挿入可能なプラットフォームを支持するための剛性フレームを設置することができる。フレームは,窓開口に適合するように構成(例えば,寸法及び形状設計)されている。フレームは,窓フレームに載せて,例えば窓開口の下側などの壁に対して固定することができる。可撓ロッドを,窓の内側で上向きに伸びるフレームに取り付けることができる。クロスバーをロッドに連結(例えば,接続及び/又は受容)し,例えば,フレームの遠位端近傍の固定点で,フレームにも接続されたテンションケーブルに接続することができる。ケーブルには,例えば,ロッドを伸長すること,及び/又は固定点とクロスバーとの間の有効長を短縮することによって,張力を加えることができる。張力が加わると,ロッドが湾曲してクロスバーを壁(窓開口の上部又は両側部等)に接触させる。張力を高めればケーブルを緊張させることができる。付加的又は代替的に,パッドをクロスバーから壁に押し付けてケーブルに張力を加え,ロッドを壁から離れるように湾曲させることができる。以上の構成は例示であり,その他の構成を使用することもできる。
【0011】
本明細書に記載の構成要素及び/又は技術は,以下の機能のうちの1つ又は複数,並びに言及されていないその他の機能を提供できるものである。例えば,建物の窓開口の外部又はその近傍で作業者が使用するプラットフォームは,建物内部の表面を貫通することなく,例えば壁や床にネジ又は釘を打ち込むことなく,建物に固定することができる。壁付式作業台は,従来の壁付式作業台よりも安定化させることができ,例えば使用中のプラットフォームの動きがより少ない。壁付式作業台は,一人で壁に設置することができる。他の機能を提供しもよく,本開示によるいずれの実施形態も,開示されている機能の全て又は一部を提供する必要がある訳ではない。また,上述した効果が,開示されていない手段によっても達成できる場合があり,開示されている構成要素や技術が,開示されている効果を奏するとは限らない。
【0012】
図1~3を参照すると,壁付式作業台10の実施形態は,フレーム12,プラットフォーム14,支持アーム16, 17,テンションアーム18, 19,クロスバー22,シルスペーサ24,外壁パッド26,内壁パッド28,クランプロッド30, 31,フェンスポスト32, 33, 34, 35,並びにレール38, 39を含んでいる。作業台10は,
図2に示すように建物の壁42に設けられている窓開口40を通して挿入され,壁42に取り付けられる構成とされている。
図2は,作業台10の左側から見た側面図であり,作業台10(例えば水平サイドメンバ50)の左側に隣接する壁42の一部は,存在はしているが,図示は省略されている(すなわち,壁42は断面で示されているが,作業台10は断面で示されていない)。壁42は,フレーム12の下側に延在させることができる(例えば,
図10を参照)。壁42は,例えば乾式壁で覆われた木製スタッドを有する仕上げ壁とすることができ,作業台10は,建物を貫通することなく,例えば壁42又は床にネジ又は釘を打ち込むことなく,壁42に取り付けられる構成とすることができる。作業台10は,人が建物の外部で作業している間,例えば,建物の検査,建設又は保守(修理,塗装等)をしている間,その上に立つことができる頑丈なプラットフォームを提供する構成とされる。
【0013】
フレーム12は,壁付式作業台10により作業者が立つことのできる安定したプラットフォームを形成するために剛性材料を備えることができる。本実施形態において,フレーム12は,互いに固定的に取り付けられた(例えば溶接された)金属チューブ,例えば鋼管等の固定長セクションを備える。他の構成を使用することもできる。例えば,1つ又は複数のセクションの長さを調整可能とする(例えば,1本のチューブを別のチューブに対して部分的に入れ子状として摺動可能に受け入れる)ことができ,及び/又は,セクションの1つ又は複数の接続部を容易に破壊可能とする(例えば,2つのセクションを,開放可能なラッチで互いに係止する)こともできる。その場合,長さ調整可能なセクションを選択された長さに固定することができ,及び/又は,セクション間の破壊可能な接続部を,その接続時に,選択的に接続されたセクションが制約された相対運動(摺動等)を生じる構成とすることができる。
【0014】
壁付式作業台10の実施形態において,
図4を更に参照すると,フレーム12は,一対の内側水平サイドメンバ50, 51,一対の上部外側水平サイドメンバ60, 61,一対の下部外側水平サイドメンバ70, 71,クロスメンバ80, 81, 82, 83, 84,並びに垂直ポスト90, 91, 92, 93, 94, 95とを含んでいる。内側サイドメンバ50, 51は,図示のように,上部外側メンバ60, 61とそれぞれ一体とすることができ,又は別体として互いに接続 (溶接,ラッチ等)された構成とすることができる。内側メンバ50, 51は,それぞれ近位端52, 53及び遠位端54, 55を有する。上部外側メンバ60, 61は,それぞれ近位端62, 63及び遠位端64, 65を有する。下部外側メンバ70, 71は,それぞれ近位端72, 73及び遠位端74, 75を有する。内側メンバ50, 51の遠位端54, 55は,上部外側メンバ60, 61の近位端62, 63に接続される。内側メンバ50, 51及び上部外側メンバ60, 61は,1対の水平サイド メンバと考えることができる。
【0015】
クロスメンバ80-84は,サイドメンバ50, 51, 60, 61,70, 71及び垂直ポスト90~95に接続される。クロスメンバ80は,内側メンバ50, 51の近位端52, 53に接続され,近位端52, 53から下向きに延在すると共にクロスメンバ80からは上向きに延在する垂直ポスト90, 91に接続される。クロスメンバ80及び垂直ポスト90, 91は,フレーム12の近位端13に配置される。クロスメンバ81は,フレーム12の遠位端54, 55に接続され,その間のギャップに跨って配置される(本例では,これら遠位端の間に延在する)。クロスメンバ82は,一対の上部外側メンバ60, 61の遠位端64, 65に接続され,その間のギャップに跨って配置される(本例では,これら遠位端の間に延在する)。水平メンバ83は,内側メンバ50 ,51の遠位端54, 55に接続され,そこから下向きに延在する垂直ポスト92, 93に接続される。クロスメンバ84は,上部外側サイドメンバ61, 62の遠位端64, 65に接続された垂直ポスト94 ,95に接続し,クロスメンバ82から下向きに延在させると共にクロスメンバ84からは上向きに延在させる。
【0016】
クロスメンバ81, 82は,フレーム12が幅100を有するようにサイドメンバ60, 61に接続する。幅100は,上部外側サイドメンバ60の外面66から外側メンバ60の外面67まで延在する。本例において,フレーム12は,幅100が窓開口部40の幅102(
図3参照)よりも小さくなるよう構成とする。本例では,内側幅104は,下部外側メンバ70, 71における幅104が,上部外側メンバ60, 61における幅106と等しい。しかしながら,他の構成を採用することもできる。例えば,内側メンバを外側に張り出させ,使用中に建物内部に配置されるフレーム部分を,使用中に建物外部に配置されるフレーム部分よりも幅広とすることができる。また,内側幅は,窓開口40の幅102を超える値とすることができる。例えば,幅100が調整可能である場合,又はフレームが狭幅部分(幅102よりも小さい)を有する場合,幅100は,作業台を開口40に挿入して,狭幅部分を開口40内に配置できるように,窓開口部40の幅102を超える値とすることができる。別の例として,内側サイドメンバによって,幅100よりも狭い幅を画定することができる。更に他の構成も可能である。
【0017】
クロスメンバ83, 84及び下部外側サイドメンバ70, 71により,プラットフォーム14が接続されるプラットフォーム支持体を形成する。プラットフォーム14は,クロスメンバ83, 84と,下部外側サイドメンバ70, 71との間の隙間に跨って配置する。プラットフォーム14は,作業者の体重及び作業者が使用する機器を,安全係数を含めて,保持する構成することができる。プラットフォーム14は,本例におけるように,雨水やその他の液体がプラットフォーム14を通り抜ける構成とすることができる。プラットフォーム14は,下部外側サイドメンバ70, 71及びクロスメンバ83, 84に接続(溶接等)される金属製グレーティングを備える。
【0018】
支持アーム16, 17は,フレーム12の近位端13に近接して接続し,フレーム12から,特にクロスメンバ80から垂直上向きに延材させることができる。本例において,支持アーム16, 17は,フレーム12に対して緩く(非固定的に)固定する。受けチューブ110, 112をクロスメンバ80に接続(溶接等)して,クロスメンバ80から延在させることができる。受けチューブ110, 112は,支持アーム16, 17を受け入れるように,すなわち,本例では支持アーム16, 17の端部が受入れチューブ110, 112に挿入されるように中空とし,寸法及び形状を決定する。支持アーム16, 17は,受入れチューブ110, 112から取り外す(フレーム12から切り離す)ことにより, 作業台10をより簡単に輸送及び/又は保管可能とすることができる。
【0019】
支持アーム16, 17は,調整可能な長さを有するものよして,すなわち,長さ調整可能な支持アームとして構成することができる。本例において,支持アーム16は,上部セクション120,下部セクション122及び固定機構124を含み,支持アーム17は,上部セクション126,下部セクション128,及び固定メカニズム130を含む。下部セクション122,128及び上部セクション120, 126は,それぞれストラット,例えば,長さ方向の圧縮に抵抗する剛性材料のロッド又はチューブを備えることができる。下部セクション122, 128はチューブとして,また,上部セクション120, 126はロッド又はチューブとして,それぞれ構成することができ,これらは,上部セクション102,126がそれぞれ下部セクション122, 128によって摺動可能に受け入れられるように寸法及び形状が決定される。固定機構124, 130は,上部セクション120, 126を下部セクション122, 128に対して選択された関係に維持し,支持アーム16, 17が選択された長さ(すなわち,収縮抵抗)に維持されるように構成する。例えば,各固定機構124, 130にタブを設けて,対応する支持アーム16,17,例えば対応する上部セクション120, 126におけるスロットに係合可能とすることができる。固定機構124, 130を開閉可能として上側セクション120, 126をそれぞれ下側部分122, 128に対して移動可能とすることにより,支持アーム16, 17の長さを調整し,支持アーム16, 17を所望の長さに維持した状態で,下側セクション122, 128に対する上側セクション120, 126の動きを抑制する構成とする。固定機構124, 130は,上部セクション120, 126を下部セクション122, 128に対して強制的に移動させる(すなわち,上部セクション120,126に力を作用させて上部セクション120, 126を移動させ,例えば摺動させる)ように構成することができる。例えば,固定機構124,130は,ラチェット及びレバー132, 134を備え,レバー132, 134を上向きに回転させた後に下向きに回転させれば,上部セクション120, 126を上向きに移動させて下部セクション122, 128から離間させることができる。
【0020】
支持アーム16, 17は,可撓性を有し,後述する支持アーム16, 17の伸長に基づくテンションアーム18, 19の張力に応じて,支持アーム16, 17の長さに沿って湾曲する構成とする。例えば,支持アーム16, 17は,遠位端151, 152が支持アーム16, 17の長さの10%以上の撓みを生じる構成とすることができる。支持アーム16, 17を湾曲可能とすれば,作業台10を例えば窓シル寸法の異なる様々な窓開口に取り付ける際に,作業台10に追加の安定性(例えば,フレームのみの安定性を超える)を与えることができる。例えば,上部セクション120, 126及び下部セクション122, 128は,長さ方向に実質的に非圧縮性とし,例えば300ポンド(約1330ニュートン)の圧縮力に対して圧縮代がそれぞれの長さの5%未満,又は4%未満,又は1%未満に収まる構成とすることができる。
【0021】
支持アーム16 ,17は,クロスバー22に取り付ける。クロスバー22は,様々な方法で支持アーム16 ,17に結合することができ,例えば支持アーム16, 17を摺動可能に受け入れ,又は支持アーム16, 17に旋回可能に接続し,又は支持アーム16, 17に固定的に結合(溶接等)する構成とすることができる。例えば,クロスバー22は,チューブ(又は部分チューブ)として構成することができ,支持アーム16, 17の端部を摺動可能に受け入れるための開口部を設けることができる。クロスバー22は,支持アーム16, 17がクロスバー22を完全に通り抜けるのを阻止するための壁を開口部に対向させて設けておくことができる。付加的又は代替的に,支持アーム16, 17に,支持アーム16, 17の軸線から外向きに延在する部材(フランジ等)を設け,その部材をクロスバー22と干渉させて支持アーム16, 17のクロスバー22内への挿入を停止する構成とすることができる。作業台10において,クロスバー22は,支持アーム16, 17の上部セクション120, 126の端部に接続されているが,他の構成を使用することもできる。例えば,クロスバー22は,支持アーム16, 17の上部セクション120, 126の端部から所定の距離で支持アーム16, 17に結合することもできる。クロスバー22は,支持アーム16, 17に対してピボットピン周りでボット軸線に沿って旋回可能に接続することもできる。また,クロスバー22は,例えば開口部を通して及び/又は受けチューブにより支持アーム16, 17を摺動可能に受け入れる構成とすることができ(例えば
図9及び関連説明を参照),これらは支持アーム16, 17の周縁部よりも大きくすることでクロスバー22を支持アーム16,17周りで僅かに回転可能とするものである。
【0022】
クロスバー22は,壁42と係合して作業台10の安定化を補助する構成とすることができる。例えば,クロスバー22を,アルミニウムや鋼等の剛性材料よりなるチューブ又は部分チューブで構成して剛体とすることができ,その長さ140を窓開口40の幅102よりも大きくすることができる。長さ140は,例えば,幅102の約110%とすることができる。幅100は,シングル幅の窓開口の幅102と同等又は僅かに小さく,例えば32 in. (81 cm), 36 in. (91 cm), 40 in. (101 cm), 44 in. (111 cm), 48 in. (121 cm) とすることができる。また,長さ140は,フレーム12の幅100の約110%以上(例えば115%, 120%等)とすることができる。幅広の窓であれば,幅100は約78-80 cmとすることができる。クロスバー22は,長さ140をフレーム12の幅100の少なくとも2倍,例えばダブル幅の約110%以上として,ダブル幅の窓開口に対する作業台10の取り付けを補助する構成とすることができる。例えば,長さ140をフレーム12の幅100の約210%以上(例えば220%,230%等)とすることができる。また,クロスバー22は,壁42と接触しても壁42の損傷を防止できる構成とすることができる。例えば,クロスバー22を,支持アーム16, 17に対して旋回可能に接続し,壁42と係合するための平坦な接触面142(
図2)を有する構成とすることができる。付加的又は代替的に,クロスバー22は,少なくとも壁42との接触領域において,ゴム等の軟質材料で構成することもできる。
【0023】
クロスバー22により,支持アーム16, 17を壁42と係合させることができる。クロスバー22は,支持アーム16, 17が窓開口40上の壁42と係合できるように,窓開口40の幅102よりも小さな長さ140を有し,かつ,支持アーム16, 17の端部からある距離を隔てた部位で支持アーム16, 17に接続される構成とすることができる。この場合,支持アーム16, 17を,開口40上で壁42に到達するのに十分な高さまで延在させ,壁42の損傷を抑制しながら壁42に接触させることができる。
【0024】
テンションアーム18, 19は,本例では,クロスバー22及び上部外側メンバ60, 61に接続されている。本例において,テンションアーム18, 19は,複数の構成要素(ネジ)を有する金属ケーブルを備えているが,これは一例にすぎない。テンションアーム18, 19には,他の多くの構成を使用することもできる。例えば,鋼やアルミニウムよりなるチューブ又はロッド等の剛性部材をテンションアームに使用することができる。テンションアーム18, 19は,本例においては,クロスバー22の側壁150に,又はこれを介して接続されている。テンションアーム18, 19をクロスバー22に接続すれば,クロスバー22をテンションアーム18, 19に対して旋回させることができる。これにより,クロスバー22を接触面142において壁42により容易に接触させることができる。テンションアーム18, 19は,壁42の遠位端64, 65に近接する固定点164, 165で上部外側メンバ60, 61に接続することができる。例えば,固定点164, 165は,少なくとも上部外側メンバ60, 61の近位端62, 63と遠位端64, 65との間の部位,例えば近位端62, 63よりも遠位端64,65に近接する部位,例えば遠位端64, 65から上部外側メンバ60, 61の長さの25%以内の部位,或いは,例えば遠位端64, 65から上部外側メンバ60, 61の長さの10%以内の部位に配置することができる。
【0025】
テンションアーム18, 19は,テンションアーム18, 19が支持アーム16, 17に接続されている間,支持アーム16, 17の異なる長さを許容すると共に,特定の長さを超える支持アーム16, 17の伸長に抵抗する構成とされている。例えば,本例において,テンションアーム18, 19は,支持アーム16, 17が短縮するにつれて湾曲することのできるケーブルで構成される。しかしながら,他の構成を使用することもできる。例えば,支持アーム16, 17に対して摺動可能に接続されているも,支持アーム16, 17の伸長につれて剛性アームの端部に達する際に摺動を停止する剛性アーム等を使用することもできる。支持アーム16, 17が特定の長さ(テンションアーム18, 19の長さと,固定点164, 165から支持アーム16, 17までの距離によって決定される)に達すると,テンションアーム18, 19が支持アーム16, 17の更なる伸長に抵抗し,支持アーム16, 17を水平下向きの力で引っ張る。すなわち,各テンションアーム18, 19は,支持アームの伸長につれて,フレーム12の近位端13から遠位端15への方向に平行であって,フレーム12に向けて下向きの水平成分を有する力を提供することにより,支持アーム16, 17を遠位端15に向けて(例えば,固定点164, 165に向けて)湾曲させる。テンションアーム18, 19は,支持アーム16, 17の特定の長さが,支持アーム16, 17が湾曲してクロスバー22を窓開口40の頂部下側で壁42と接触する長さとなるように構成することができる。クロスバー22を壁42に接触させた状態で,固定機構124, 130を作動させることにより支持アーム16, 17を更に伸長させ,テンションアーム18, 19を緊張させることができる。これにより,作業台10の安定性を高めることができ,プラットフォーム14(又は少なくともプラットフォーム支持体)をプラットフォーム14上での作業者の歩行に対して実質的に不動,例えば感知できないほど不動とすることができる。
【0026】
シルスペーサ24を,内側サイドメンバ50, 51を内側窓シル部分180上で位置決めするように配置し,内側窓シル部分180及び外側窓シル部分182の損傷を防止する構成とすることができる。シルスペーサ24は,内側サイドメンバ50, 51の底辺及び垂直ポスト92, 93に接続する。シルスペーサ24は,外側窓シル部分182上に置かれるように構成及び配置することができ,また、剛性又は半剛性の材料を含むことができる。シルスペーサ24又は少なくともその底面184は,フレーム12を支持する構成とすることができる(例えば,平滑又は半平滑とすることができ,及び/又は軟質材料を含むことができる)。他の実施形態において,シルスペーサ24を高さ調整可能とし、例えばフレーム12を内側窓シル部分 180 と接触させるべく移動させ得る構成とすることができる。
【0027】
外壁パッド26は,壁42の外側に接触するように配置/構成することができる。外壁パッド26は,スタッコ材,コンクリート材,木材又はレンガで形成される外壁表面との接触に対する耐久性を有すると共に、外壁表面における損傷を防止できる材料で構成することができる。外壁パッド26は,本例におけるように、フレーム12の底部に配置し,下部外側メンバ70, 71及び垂直ポスト92, 93の底部に接続することができる。本例においては外壁パッド26をフレーム12に対して適所に固定しているが,外壁パッド26をフレーム12に対して移動可能に接続して,例えばフレーム12の近位端13に対して接近離間させる構成とすることもできる。これにより、外側窓シルの寸法及び形状や壁の厚さに対する作業台10の適応性を向上させることができる。
【0028】
内壁パッド28は,壁42の内側と接触するように配置/構成し,かつフレーム12に対して移動可能に接続することができる。内壁パッド28は,塗装済みのドライウォール,パネル,タイル等で形成される内壁表面との接触に対する耐久性を有すると共に,内壁表面の損傷 (スクラッチや傷等) を防止できる材料で構成することができる。内壁パッド28は,本例におけるように,フレーム12の底部に配置し,垂直ポスト90, 91の底部に接続することができる。この場合,内壁パッド28は,クランプロッド30, 31に対して回転可能に接続する。クランプロッド30, 31はネジ部が設けられており,垂直ポスト90, 91に形成されたネジ穴を通り,ハンドル190に接続された近位端13を有することにより、クランプロッド30, 31を回転可能とするものである。クランプロッド30, 31を回転させると,内壁パッド28を垂直ポスト90, 91(ひいてはフレーム 12の近位端13)に対して接近離間させることができる。ハンドル190, 191を回せば(例えば,フレーム12の近位端13に着目して時計回りに),内壁パッド28を移動させて壁42と接触させ,作業台10の壁42に対する固定を補助することができる。これは、例えば最初に作業台10を壁42に取り付け,支持アーム16, 17を移動させてクロスバー22を壁42と係合させることにより、作業台10を更に安定化させるのを容易にするものである。ハンドル190, 191を時計回りに回転させれば、作業台10を壁42から係合解除し,及び/又は、厚さの異なる壁に適応させることができる。
【0029】
フェンスポスト32-35及びレール38, 39は,安全フェンスを構成するものである。受けチューブ202-205を,本例においては,下部外側メンバ70, 71の相互間,及びクロスメンバ83, 84の相互間に配置する。フェンスポスト32-35を,例えばプラットフォーム14及び/又は下部外側メンバ70, 71及び/又はクロスメンバ83, 84に接続された受けチューブ202, 203, 204, 205内に収めることにより,フレーム12に対して着脱可能に接続することができる。レール38, 39は,本例におけるように可撓ケーブルで構成することができ,或いは異なる態様で,例えば剛性バーやチェーン等により構成することもできる。
〔作業台の設置方法〕
【0030】
図1~4と共に
図5を参照すると,壁付式作業台の設置方法250は,図示のステップを含む。しかし,方法250は単なる例示であって,本発明を限定するものではない。方法250は,ステップの追加,省略,再配置,組み合わせ,同時実行及び/又は単一ステップの複数のステップへの分割等によって変更することができる。例えば,支持アームがフレームから取り外せず,クロスバーが支持アームから取り外せなければ,ステップ258は省略可能である。図示及び説明する方法250については,更に他の変更も可能である。
【0031】
設置方法250は,段階252において壁付式作業台を通過させるための開口部を壁42に形成するステップを含む。例えば,開口部を提供するステップは,壁42に開口部40を形成するために窓フレームから窓ガラスを取り除くステップ,又は新築建物等の一部として壁42を構築するステップを含むことができる。
【0032】
設置方法250は,段階254において壁付式作業台のフレームの一部を開口部に通すステップを含む。例えば,フェンスポスト32-35が受けチューブ110, 112内に収められている場合,ユーザは,フェンスポストを受けチューブ202-205から取り出すことができる。同様に,支持アーム16, 17が受けチューブ110, 112内に収められている場合,使用者は支持アームを受けチューブ110, 112から取り出すことができる。ユーザは,フレーム12及び取り付けられたシルスペーサ24と,外壁パッド26及び内壁パッド28とを持ち上げ,窓開口40を通してフレーム12の遠位端15を通過させることができる。内壁パッド28は,開口40を通してフレーム12を挿入する前に除去してもよいが,内壁パッド28をフレーム12に接続することにより,壁42に対する作業台10の速やかな安定化を容易にすることをユーザが望む場合もあり得る。
【0033】
設置方法250は,段階256において最初にフレームを壁に固定するステップを含む。例えば,使用者はフレーム12を操作してシルスペーサ24を窓シル上に置き,フレーム12を壁に向けて引き寄せて外壁パッド26を壁42の外面と係合させる。ユーザは,内壁パッド28を壁42の内面に対して押し当てることにより,フレーム12を壁42にクランプする。例えば,使用者は,ハンドル190, 191を回してクランプロッド30, 31を回すことにより,内壁パッド28を遠位側に,すなわち外壁パッド26に向けて変位させる。例えば, ユーザは,最初に内壁パッド28を壁42の内面に係合させてフレーム12を壁42に対して安定化させた後,ハンドル190, 191を回し続け,又は少なくとも回し続けようとする場合がある。内壁パッド28及びクランプロッド30, 31により,外壁パッド26及びフレーム12と共に,作業台10を壁42に固定するための固定手段を構成することができる。
【0034】
設置方法250は,段階258において可撓性支持アームをフレームに結合するステップと,クロスメンバ(例えば,壁係合部材)を支持アームに結合するステップとを含む。例えば,使用者は支持アーム16, 17の下側セクション122, 128の底部を受けチューブ110, 112内に挿入する。ユーザは,受けチューブ110, 112内への支持アーム16, 17の挿入の前又は後に,クロスバーを支持アーム16, 17に接続することができる。ユーザは,クロスバー22を支持アーム16, 17における上側セクション120, 126の遠位端151, 152上に摺動させる。ユーザは,例えば支持アーム16, 17がクロスバー22の内壁に衝突する(又は受けチューブの端部に到達する)ことにより更なる挿入が阻止されるまで,クロスバー22を支持アーム16, 17上に摺動させ続ける場合がある。
【0035】
設置方法250は,段階260においてクロスメンバを壁に対して直接的又は間接的に(例えば,
図9~11に関して後述するように,スペーサを介して直接的又は間接的に)接触させるステップを含む。例えば,ユーザは固定機構を作動させて上側セクション120, 126を支持アーム16, 17の下側セクション122, 128から引き離すことにより,支持アーム16, 17を強制的に伸長させることができる。ユーザは,テンションアーム18, 19が支持アーム16, 17の更なる伸長に抵抗し始め,クロスバー22を水平に(ここでは,フレームに対して遠位側に)引っ張る力を加え始めた後,支持アーム16, 17を伸長させ続けることにより,支持アーム16, 17を遠位方向に(フレーム12の遠位端15に向けて)湾曲させることができる。ユーザは,クロスバー22が壁42と直接係合するか,又は壁とクロスバー22との間に配置されたスペーサと係合するほどに支持アーム16, 17が曲がるまで,支持アーム16, 17を伸長させ続けることができる。テンションアーム18, 19の長さにより,支持アーム16, 17が窓開口の趙部よりも高い位置まで延在するのを防止し,クロスバー22を,窓開口40に横方向に隣接する壁42の部分に(開口40の両側で)係合させることができる。或いは,テンションアームを,支持アーム16, 17の遠位端に対して近位側で支持アーム16, 17に結合することができ,支持アーム16, 17を,クロスバー22が窓開口の上側で壁42に接触できる寸法とすることができる。ユーザは,固定機構124, 130を作動させ続け,又は作動させようと試みて,支持アーム16, 17を更に伸長させ,又は更に伸長させようと試みて,テンションアーム18, 19を緊張状態で引っ張り,フレーム12を更に安定化させることができる。固定機構124, 130により,支持アーム16, 17及びフレーム12と共に,テンションアーム18, 19に張力を発生させるための調整手段を構成することができる。
【0036】
設置方法250は,段階262においてユーザが1つ又は複数の保安手段を作業台に結合し,作業台のプラットフォームに乗り込むステップを含む。例えば,使用者は,フェンスポスト32-35を受けチューブ202-205に挿入し,(レール38, 39がまだ取り付けられていない場合に)レール38, 39をフェンスポスト32-35に取り付けることができる。他の1つ又は複数の安全手段を接続することもできる。例えば,ユーザが着用しているハーネスをフレーム12に,又はフレーム12と接続された別体の部分(クロスバー22のリング155(
図1)又はフック等)に接続することができる。ユーザは,クロスメンバ80をステップとして使用し,クロスメンバ80を踏みながら支持アーム16, 17の間の窓開口部40を通り抜けて(例えば,歩いて)プラットフォーム14上に載ることができる。
〔他の実施形態〕
【0037】
上述した実施例は網羅的な例示ではなく,他の多くの構成を使用することができる。以下の説明は,そのような他の構成のいくつかを対象としているが,(単独で,又は上記の説明と組み合わせた場合に)網羅的なものではない。
【0038】
一例として,
図6を参照し,更に
図1~
図4を参照すると,壁付式作業台270は,固定機構124, 130の代わりに,又はこれに加えて,テンションアームに接続されて,テンションアームの有効長を調整する構成としたテンション機構を含むことができる。支持アームは,固定長の支持アームで構成することができる。
図6には,1つのテンション機構272,1つのテンションアーム274及び1つの支持アーム276のみが示されている。これは,
図6が側面図だからである。テンションアームは,例えば,テンションアーム18, 19のような可撓性ケーブルで構成してもよい。テンション機構は,テンション機構のスプールにテンションアームを巻き付け,又はテンションアームをスプールから巻き戻すことにより,テンションアームの有効長(例えば,アンカーポイント164, 165とクロスバー22との間の距離)を調整するように構成することができる。有効長を短縮することにより,支持アームを湾曲させてクロスバー22を壁42に接触させることができる(方法250のステップ260を参照)。テンション機構は,例えば,ラチェット機構を含むことができる。テンション機構を近位端(例えば,テンションアーム274の近位端275)の近傍に配置することにより,作業台270が窓開口40を通して延在している間に,建物内のユーザがテンション機構を容易に操作できる構成とすることができる。
【0039】
他の実施例として,
図7を参照し,更に
図1~
図4を参照すると,壁付式作業台290は,固定機構124, 130の代わりに,又はこれに加えて,支持アーム及び/又は支持アームに接続されたクロスバー296に接続された1つ又は複数の調整可能なスペーサを含むことができる。テンションアームは,支持アーム及び/又はクロスバー(本例のようにクロスバーを有する場合)に接続することができる。
図7には,1つの調整可能なスペーサ292,1つの支持アーム294,及び1つのテンションアーム295のみが示されている。これは,
図7が側面図だからである。他の構成において,調整可能なスペーサと,固定機構124, 130(及び長さ調整可能な支持アーム)を使用することができる。この場合,調整可能なスペーサは,クロスバー296に移動可能に接続されるが,調整可能なスペーサが支持アーム,又は支持アーム及びクロスバー296に接続される他の構成を使用することもできる。また,クロスバー296が含まれない他の構成を採用することもできる。調整可能なスペーサは,ハンドルに接続されたクランプロッドに回転可能に接続されたスペーサパッドを含む。図示のように,調整可能なスペーサ292は,ハンドル302に接続されたクランプロッド300に対して回転可能に接続されたスペーサパッド298を含む。スペーサパッドは,塗装さえたドライウォール,パネル又はタイル等の内壁表面との接触に耐える耐久性材料を含むことができ,これにより,タイル等を剥がす際の内壁面の損傷(スクラッチや傷つき等)を抑制することができる。スペーサパッドは,クランプロッドに対して回転可能に接続することができる。これにより,例えばスペーサパッドが壁42と係合している間に,スペーサパッドを回転させずにクランプロッドを回転させることができる。クランプロッドは,クロスバー296に形成されたネジ孔と結合するネジ部が設けられており,ハンドルに接続された近位端を有することにより,使用者がクランプロッドを容易に回転可能とするものである。クランプロッドを回せば,スペーサパッドはクロスバー296に対して接近又は離間する。ハンドルを回して(例えば,作業台290を近位端から見て時計回りに),スペーサパッドを動かして壁に接触させることができ(方法250のステップ260),作業台290の壁42に対する固定を補助することができる。スペーサパッドを壁42に固定した状態で,ハンドルを回転させて,テンションアーム(テンションアーム18, 19と同様の可撓性ケーブルであり得る)への張力を高め,場合によっては支持アーム(例えば,
図7に示す支持アーム294)を壁42から離れるように湾曲させることができる。ハンドルは,テンションアームが緊張するまで回転させることができる。
【0040】
他の実施例として,作業台のプラットフォームを,作業台が窓開口を通して壁に取り付けられえう際に窓フレームと同じ高さ,又はほぼ同じ高さとすることができる。例えば,フレーム12の垂直ポスト94, 95,下部外側メンバ70, 71及びクロスメンバ84は,作業台から省くこともできる。この場合には,プラットフォーム14は,サイドメンバ60, 61及びクロスメンバ81, 82により支持し,これらの間のギャップに跨る配置とすることができる。或いは,垂直ポスト92, 93及びクロスメンバ83を省くこともできる。この場合には,外壁パッド26を形成するための別の構成を使用することができる。例えば,アームは,サイドメンバ60, 61(例えば,近位端62, 63及び遠位端64, 65の間(中間部))に接続され,下向きかつ近位側に(すなわち,フレーム12の近位端13に向けて)延在させて,1つ又は複数の外壁パッドに接続することができる。クロスメンバをこれらのアームの間に接続することができ,接続されない構成とすることもできる。
【0041】
他の実施例として,作業台を壁42の内側に係合させて壁42に最初に固定するため,他の構成の機構を使用することができる。例えば,回転可能なアームを1つ又は複数の壁係合パッドに接続することができる。回転可能なアームをラチェットで結合し,アームを強制的に回転させることによりパッドを壁に係合可能とすることができる。更に回転させ,又は回転させようとすれば,ラチェット機構が圧力の解除を妨げている間,パッドが壁に作用させる圧力が増加する可能性がある。例えば,クランプロッド30, 31は,ラチェット回転ロッドに置き換えてもよい。
【0042】
作業台は,種々の異なる絶対的及び/又は相対的な寸法とすることができる。例えば,再び
図1~4を参照し,更に
図8を参照すると,作業台10は,長さ810を約120 cmとすることができる。遠位部分812及び近位部分814は,それぞれ作業台10の長さ810の約半分(例えば,45% - 55%)であり,例えば,それぞれの長さ816, 818は約60 cmである。長さ816, 818は,同じでも異なるものでよく,例えば,長さ818は,作業台10が跨る壁の所望の厚さに対応するように選択することができる。シルスペーサ24の厚さ824,外壁パッド26の厚さ826,内壁パッド28の厚さ828,及びクランプロッド30, 31の長さ830は,クランプロッドが跨ることとなる所望の壁厚を収容するために,近位部分814の長さ818に関連して選択することができる。例えば,長さ818が約20 cmである場合,厚さ824, 826, 828は,内壁42の表面における損傷を防止するための内壁パッド28の内壁29を提供するクッションを含めて,それぞれ約3 cm,約8.5 cm,及び約3 cmとし,長さ830は約25 cmとすることができる。長さ830は,長さ818の約半分(本例では約25 cm対約60 cm,すなわち,長さ818の約42%)とすることができる。長さ830は,外壁パッド26と内壁パッド28との間の距離819の約半分であり,内壁パッドは垂直ポスト90, 91に接している。本例では,距離819は約52 cm,長さ830は約25cmとする。長さ830は,例えば,距離819の半分超え,又は長さ818の半分未満等,作業台10又は作業台フレーム12に対する別の絶対的な長さ又は別の長さとすることもできる。例えば,幅100(
図4)は約60 cm,フレーム12の高さ840は約36 cmとすることができる。すなわち,本例において,高さ840は,作業台10の長さ810の約30%,又は各部分812, 814のそれぞれの約60%である。フェンスポスト32-35の長さ834は,レール38, 39が,作業台10からの作業者の転落を防止できる高さに維持するように選択することができる。例えば,長さ834は,フレーム12の高さ840の約2.5倍,例えば約90 cmとすることができる。水平サイドメンバ50, 51, 60, 61及びクロスメンバ80は,幅を約5 cm,厚さを約2. 5 cm(例えば,5 cm × 2. 5 cmの金属管)とすることができる。クロスメンバ81-84,垂直ポスト90-94,及び水平メンバ81-84は,約2 cm ×約2 cm(又は約2.5 cm ×約2.5 cm等,他の形状/寸法)とすることができる。支持アーム16, 17の下側セクション122, 128は,長さ822をそれぞれ約90 cmとすることができ,例えば,外径約2.6 cm,内径約2.4 cmの円形断面管で構成することができる。上側セクション120, 126の長さ820は,それぞれ約90 cmとすることができる(上部セクション120の一部は,
図8では下部セクション122上に配置されている)。上側セクション120, 126及び下側セクション122, 128は,上側セクション120, 126が下側セクション122, 128内で摺動できるように構成する。例えば,上側セクション120, 126は,外径約2.4cmの円形断面を有する構成とすることができる。テンションアーム18, 19の長さを十分に設定して,テンションアーム18, 19を緊張させることなく支持アーム16, 17を完全に伸長させる構成とすることができる。例えば,テンションアーム18, 19の長さは,支持アーム16, 17が完全に伸長した状態で,固定点164から支持アーム16までの距離に等しい長さを有する1つの直交辺と,フレーム12の頂部からクロスバー22までの距離の長さを有する別の直交辺とを有する直角三角形の斜辺の約100%又は約110%の間とすることができる。この場合,テンションアーム18, 19の長さは,約170 cmとすることができる。本明細書で提示される絶対寸法及び相対寸法は,単なる例示に過ぎず,作業台10は,他の絶対寸法及び/又は相対寸法,例えば,異なる窓開口幅及び/又は高さ及び/又は壁厚さについて使用することができる。
【0043】
図9を参照し,更に
図1及び
図2を参照すると,作業台(作業台10等)は,スペーサ900及びクロスバー950を含むことができるが,スペーサ900及びクロスバー950は,作業台の他の部分から分離可能とすることもできる。スペーサ900は,フレーム910及びクッション920を含む。フレーム910は,窓開口の周りに配置され,ユーザがスペーサ900によって提供される開口部930を通過できるように,例えばプラットフォームに到達できるように,寸法及び形状を決定することができる。例えば,フレーム910は,長さ912を約240 cm,外幅914を約90 cm,及び内幅916を幅100よりも(僅かに)大きい約80 cmとして,フレーム12がスペーサ90を通過できるようにすることができる。フレーム910は,クロスバー950から,スペーサ900が配置される壁まで力を伝達するように構成する。例えば,フレーム910は,鋼等の剛性材料で(例えば,鋼管により)作成することができる。フレーム910は,単一の一体部材とすることができ,また,複数の部材を剛固に接続(例えば溶接)して単一片とすることもできる。クッション920は,壁に接触することにより,スペーサ900が壁に押し付けられる際の壁の損傷を防止するように構成する。クッション920は,ゴム,発泡ゴム,カーペット等の,弾性のある柔軟性材料で作成することができる。クロスバー950を,クロスバー22の代わりに使用することができる。クロスバー950は,幅952がフレーム910の外側幅914よりも大きく,クロスバー950におけるクロスメンバ960から延在するクロスバー960の両端部に配置されるフランジ961, 962を有する。フランジ961, 962の間の内側幅964は,フレーム910の外側幅914より僅かに大きく,これにより,クロスバー950は,フレーム910を受け入れ,フレーム910に対するクロスバー950の横方向の動き(すなわち,フレーム910の長さ912を横切る動き)を阻止しながら,フレーム910の長さに沿ってスライドすることができる。フランジ961, 962は,スペーサ900の厚さ918(例えば,約3 cm)未満,場合によってはフレーム910の厚さ919未満だけクロスメンバ960から延在する。クロスバー950は,支持アーム16, 17を受け入れ,支持アーム16, 17をクロスバー950に対して(緩く)結合させるための寸法及び形状とした受けチューブ971, 972を含むことができる。
【0044】
更に
図10を参照すると,スペーサ900は,クッション920が壁42に接し,かつ,スペーサ900が窓開口40に隣接して配置された状態で,壁42と作業台1000のクロスバー950との間に配置することができる。スペーサ900は,窓開口40に隣接する床1030上に配置することができる。図示の簡略化のため,壁42は断面表示されていない。作業台1000は作業台10と類似しているが,クロスバー22がクロスバー950に置き換えられ,テンションアーム18, 19が支持アーム16, 17に連結されている。支持アーム16, 17は受けチューブ971に受け入れられる。テンションアーム18, 19は支持アーム16, 17に接続され,支持アーム16, 17が受けチューブ971, 972に受け入れられた状態で,クロスバー950をアンカーポイント164, 165に向けて引っ張ることができる。外壁パッド26が壁42に接して配置され,内壁パッド28がクランプロッド30, 31により壁42に対して押圧され(垂直ポスト90, 91に対して押圧され),スペーサ900が,支持アーム16, 17を引っ張ってクロスバー950を引っ張るテンションアーム18, 19により壁42に対して押し付けられると,様々な力が生じる。単一の矢印で示されている力1021は,壁42が内壁パッド28と接触する部位で,壁42が内壁パッド28を横切って作用させる力を表している。同様に,図示を簡略化にするために他の力も単一の矢印で示されているが,それぞれの力は領域にわたって提供され,領域にわたって強度が変化し得るものである。壁42は,力1022を作用させて外壁パッド26を(横方向に)押し,力1023を作用させてシルスペーサ24を(上向きに)押す構成とすることができる。壁42は,力1024を作用させてスペーサ900を(横方向に)押すものである。力1024に関して3つの矢印(スペーサ900の上部に1つ,スペーサ900の下部に1つ,スペーサ900の上部及び下部間に1つ)のみが示されているが,壁42によりスペーサ900を押すことができる。例えば,壁42がスペーサ900に接触するいずれの部位でも,力1024は均一に分散されない場合がある(例えば,クロスバー950の近傍でより大きくなる)。スペーサ900は,力1025を作用させてクロスバー950を押す。
【0045】
作業台1000によって生成される力,及び作業台1000上の壁によって生成される力は,作業台1000を壁に対して安定化させるのに役立つ。力1021-1025は,作業台1000の動き(例えば,横方向,上下方向,及び/又は回転方向の運動)に抵抗するように協調して作用する。作業台1000は,壁42に対して逆向きの等しい力を生成する。力1021-1023は,壁42に取り付けられた作業台1000によって生成され,力1025と同様の力がクロスバー22に対して生成される(
図2には示されていない)。作業台1000は,壁42に対する作業台1000の動きに抵抗する力を壁42に対して生成する手段を提供する。例えば,内壁パッド28及びクランプロッド30, 31は,フレーム12と相まって,窓開口40の下方における壁42の内面に対する力,例えば,力1021と逆向きの力を生成する手段を提供する。別の例として,外壁パッド26は,フレーム12(及び場合によっては窓開口部40の下の壁42の外面に対して力,例えば力1022と反対の力を生み出す手段を提供する。別の例として,支持アーム16, 17,クロスバー22又はクロスバー950,及びテンションアーム18, 19は,フレーム12と相まって,窓開口40の底部上方(窓シルの上方)の壁42の内面に内向きの力,例えば力1025と逆向きの力,を生成する手段を提供する。外壁パッド26及び内壁パッド28はクランプを形成し,したがって,作業台1000を壁42にクランプするための手段を形成する。力1024により,プラットフォーム14上に立っているユーザ1040の体重で生成される力1026を打ち消すことができ,例えば作業台1000に反作用する回転力を生成する構成とすることができる。
【0046】
内壁パッド28はスペーサ,例えばスペーサ900と接触するように,したがって壁42に対して直接的にではなく間接的に接触するように寸法を設定することができる。例えば,内壁パッド28の幅27(
図1)は,フレーム12の幅100(
図4)よりも広く設定し,内部スペーサ幅よりも広く設定し,例えば,フレーム12の内幅916よりも広く設定することができる。内壁パッド28をスペーサ900に押し付けて(
図10に点線で示すように),力1021を生成することができる。これは,壁42の損傷を防止するのに役立つものである。
【0047】
図11も参照すると,スペーサ900の構成以外のスペーサ構成を使用することもできる。例えば,長さ及び/又は幅を調整可能としたスペーサを使用することができる。
図11に示すように,長さ調整可能なスペーサ1100は,上側フレームメンバ1110及び下側フレームメンバ1120を含む。フレームメンバ1110, 1120は,それぞれクッション部1112, 1122に取り付けることができる。スペーサの長さを調整するために,様々な構成を使用することができる。本例において,上側フレームメンバ1110のアーム1141,1142と下側フレームメンバ1120のアーム1151,1152は,上側フレームメンバ1110のアーム1141,1142が下側フレームメンバ1120のアーム1151,1152に受け入れられる構成(寸法及び形状)とされている。上側及び下側のフレームメンバ1110, 1120は,それぞれ開口部1114, 1124を画定する。アーム1141, 1142, 1151, 1152は,(それぞれの開口部1114, 1124を整列させた状態で)相対的に摺動させることができ,これによりスペーサ1100の所望の長さを,開口部1114及び開口部1124の組み合わせに応じて決定可能な複数の所望長さから選択することができる。ピン1130は,開口1114, 1124との関連において,開口1114, 1124に摺動可能に受け入れることのできる寸法及び形状とし,これによりスペーサ1100を所望の長さで固定可能とする。スペーサ1100が所望の長さであれば,ピン1130は,開口部1114, 1124の整列した組み合わせを通して挿入してスペーサ1100の長さを保持することができる。開口部1114, 1124の数及び配置は,単なる例示に過ぎず,本開示を限定するものではない。図示されているよりも多い開口部又は少ない開口部を使用することができる。例えば,1つのフレームメンバの各アームに単一の開口部を形成することができる。別の例として,一方のメンバのアームにおける複数の開口部を互いに等間隔に配置し,他方のメンバのアームにおける複数の開口部を互いに不均一に配置することもできる(ただし,同一のフレーム メンバの各アームにおける同様の位置に設けるものとする)。これは,スペーサ1100を異なる長さとするのに役立つ。
【0048】
更に他の構成を採用することもできる。
〔他の留意点〕
【0049】
上述した技術及び説明は単なる例示であり,網羅的なものではない。説明した以外の構成を使用することもできる。
【0050】
本明細書で使用される場合,「~の少なくとも1つ」や「1つ又は複数の~」で始まる項目リストにおける「又は」は,次のような選言的リストである。すなわち,例えば,「A,B,又はCの少なくとも1つ」とのリストや,「A,B,又はCの1つ又は複数」とのリストは,「A又はB又はC」,「AB又はAC又はBC」,「ABC(=A及びB及びC)」,或いは複数の特徴(AA,AAB,ABBC等)の組み合わせを意味している。
【0051】
本明細書で使用される場合,原文における単数形の冠詞「a」,「an」及び「the」は,文脈が明確に別段の指示をしない限り,複数形も含んでいる。例えば,「an arm」は,1本のアーム又は複数本のアームを意味することがある。本明細書で使用される場合,「備え」,「備える」,「含み」及び/又は「含む」という用語は,記載された特徴,整数,ステップ,操作,要素及び/又はコンポーネントの存在を特定するものであるが,1つ又は複数の他の特徴,整数,ステップ,操作,要素,コンポーネント及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではない。
【0052】
上述したシステム及びデバイスは,単なる例示に過ぎない。様々な構成において,様々な手順又はコンポーネントを必要に応じて省略,置換又は追加することができる。例えば,特定の構成に関して説明された特徴は,様々な他の構成において組み合わせることができる。異なる構成上の特徴は,類似の方法で組み合わせることができる。更に,技術は進化するものであり,それ故に多くの構成要素は単なる例示であって,本開示又は特許請求の範囲を限定するものではない。
【0053】
例示的な構成(実施形態を含む)の完全な理解に資するべく,本明細書では特定の詳細が説明されている。ただし,これら特定の詳細を含まずに構成を実施することもできる。本明細書は,もっぱら構成例を提示するものであり,特許請求の範囲,利用可能性又は構成を限定するものではない。むしろ,構成についての前記の説明は,記載された技術を実施するための説明を提供するものである。本開示の精神又は範囲から逸脱することなく,要素の機能及び配置について多様な変更を加えることができる。構成の異なる態様及び要素を同様の態様で組み合わせることもできる。また,技術は進化するものである以上,要素の多くは単なる例示であり,開示又は特許請求の範囲を限定するものではない。
【0054】
本明細書では,例示的な構成(実施形態を含む)の完全な理解に資するべく,特定の詳細が説明で与えられている。ただし,本発明は,これら特定の詳細を伴わずに実施することもできる。以上の説明は,もっぱら本発明の構成を例示するものであり,特許請求の範囲,適用性,又は構成を限定するものではない。むしろ,前述した構成の説明は,開示された技術を実施するための説明に過ぎない。本開示の精神又は範囲から逸脱することなく,要素の機能及び配置に対して各種の変更が可能であることは,言うまでもない。
【国際調査報告】