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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】メソイオン性殺虫剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20230310BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20230310BHJP
   A01N 43/90 20060101ALI20230310BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20230310BHJP
   A01C 1/00 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
C07D471/04 117A
C07D471/04 CSP
A01P7/04
A01N43/90 103
A01M1/20 A
A01C1/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544698
(86)(22)【出願日】2021-01-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 US2021014805
(87)【国際公開番号】W WO2021151034
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】62/965,183
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ホルムズ
(72)【発明者】
【氏名】カレブ・ウィリアム・ホールヨーク・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】モウミタ・カー
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・フィリップ・ラーム
【テーマコード(参考)】
2B051
2B121
4C065
4H011
【Fターム(参考)】
2B051AB01
2B051BA09
2B121AA11
2B121CC02
4C065AA03
4C065BB10
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH02
4C065JJ01
4C065KK09
4C065LL04
4C065LL05
4C065PP02
4C065PP17
4H011AC01
4H011BB10
4H011DA16
4H011DE15
(57)【要約】
開示されているのは、式1の化合物(すべての幾何異性体及び立体異性体を含む)、それらのN-オキシド、及び塩であり、式中、R、X、Q、R、n、R、及びRは、本開示において定義されたものである。さらに開示されているのは、式1の化合物を含む組成物、並びに無脊椎有害生物、又はその環境を、生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法である。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1から選択される化合物、それらのN-オキシド、又は塩:
【化1】
[式中、
は、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、又はC~Cハロアルコキシであり;
Xは、CR又はNであり;
Qは、CHCN、6-クロロ-3-ピリジニル、又は2-クロロ-5-チアゾリルであり;
それぞれのRは、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cアルコキシアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルチオ、C~Cハロアルキルスルフィニル、又はC~Cハロアルキルスルホニルであり;
nは、0、1、2、又は3であり;
は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルチオ、C~Cハロアルキルスルフィニル、又はC~Cハロアルキルスルホニルであり;
は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、又は、場合によっては、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルチオ、C~Cハロアルキルスルフィニル、若しくはC~Cハロアルキルスルホニルを用いて置換されたフェニルであるが;
但し、QがCHCNである場合には、Rは、H及びCH以外のものである]。
【請求項2】
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
Qが、6-クロロ-3-ピリジニル又は2-クロロ-5-チアゾリルであり;
それぞれのRが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
nが、0、1又は2であり;
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、又は、場合によっては、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、若しくはC~Cアルコキシを用いて置換されたフェニルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
それぞれのRが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、又はC~Cハロシクロアルキルである、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Xが、CRであり;
Qが、2-クロロ-5-チアゾリルであり;
が、H、Cl、F、CH、又はOCHである、
請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、H、Cl、CH、又はOCHであり;
が、Cl、F、CH、又はOCHであり;
nが、0又は1であり;
が、C~Cアルキル又はC~Cシクロアルキルである、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が、CHであり;
が、CH又はOCHであり;
が、エチル、イソプロピル、又はシクロプロピルである、
請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が、
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-3-[3-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)-5-メトキシフェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)-5-メチルフェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-3-[3-メチル-5-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;
3-[3-(1-ブチン-1-イル)-5-クロロフェニル]-1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)-5-エトキシフェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;
3-[3-(1-ブチン-1-イル)フェニル]-1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;及び
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-エトキシ-5-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩;
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1又は請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む組成物であって、前記組成物が、場合によっては、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤をさらに含む、組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミドフルメット、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェトリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブロムアントラニリプロール、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾル、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロル、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロジアミド、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロルアントラニリプロール、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキザゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンオキシストロビン、フルフェンスルホン、フルオルピラム、フルピプロル、フルピラジフロン、フルバリネート、タウフルバリネート、フォノホス、ホルメタネート、フォスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルトリン、メトキシフェノジド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルチオ)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルフィニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルホニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、及びN-[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルガイト、プロトリフェンブテ、ピフルブミド、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロール、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、ターブホス、テトラクロルアントラニリプロール、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株、昆虫病原性細菌、核多角体病ウィルスのすべての菌株、昆虫病原性ウィルス、及び昆虫病原性真菌、
からなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェトリン、3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、ブプロフェジン、カルバリル、カルタップ、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロル、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダシハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキザゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェンオキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロル、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、フォスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロール、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、テトラメチルフルトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株、及び核多角体病ウィルスのすべての菌株、からなる群より選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
液体肥料をさらに含む、請求項8~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記液体肥料が水性である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
無脊椎有害生物を防除するための方法であって、前記無脊椎有害生物又はその環境を、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物又は組成物の生物学的有効量と接触させることを含む、方法。
【請求項14】
前記化合物、組成物又は配合物が、点滴灌漑システム、植付けの間の畦、手持ち式の噴霧機、背負い式の噴霧機、ブーム式の噴霧機、地上噴霧機、空中散布、又は無人飛行体により散布される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物又は配合物を、超低容積で噴霧することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
処理された種子であって、処理前の前記種子の約0.0001~1重量%の量で、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、組成物又は配合物を含む、種子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/965,183号(出願日:2020年1月24日)の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、農業的及び非農業的な用途に好適な、ある種の置換されたメソイオン性化合物、それらのN-オキシド、塩、及び組成物、並びに、無脊椎有害生物、例えば農業的及び非農業的両方の環境に存在する節足動物を防除するためのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
無脊椎有害生物の駆除は、高い作物効率を達成するのに極めて重要である。成長中の及び貯蔵される農作物への無脊椎有害生物による損害は、生産性の著しい低下を引き起こし、それによって消費者へのコストの増加をもたらし得る。林業、温室作物、観賞植物、苗床作物、貯蔵食品及び繊維製品、家畜、家族、芝生、木材製品、並びに公衆衛生及び動物の健康における無脊椎有害生物の駆除もまた重要である。多くの製品が、これらの目的のために商業的に入手可能であるが、より効果的であり、費用がかからず、毒性が少なく、環境上より安全であるか、又は異なる作用部位を有する新規化合物が引き続き必要とされている。
【0004】
特許文献1、及び特許文献2には、メソイオン性化合物、及び農業環境における殺虫剤としてのそれらの使用が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2011/017342号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2011/017334号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、式1の化合物(それらのすべての立体異性体を含む)、それらのN-オキシド、及び塩、それらを含む組成物、並びに殺虫剤としてのそれらの使用を目的としている:
【化1】
[式中、
は、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、又はC~Cハロアルコキシであり;
Xは、CR又はNであり;
Qは、CHCN、6-クロロ-3-ピリジニル、又は2-クロロ-5-チアゾリルであり;
それぞれのRは、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cアルコキシアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルチオ、C~Cハロアルキルスルフィニル、又はC~Cハロアルキルスルホニルであり;
nは、0、1、2、又は3であり;
は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルチオ、C~Cハロアルキルスルフィニル、又はC~Cハロアルキルスルホニルであり;そして
は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、又は、場合によっては、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルチオ、C~Cハロアルキルスルフィニル、若しくはC~Cハロアルキルスルホニルを用いて置換されたフェニルであるが;
但し、QがCHCNである場合には、Rは、H及びCH以外のものである]。
【0007】
本開示はさらに、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、組成物も提供する。一つの実施形態においては、本開示はさらに、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに、界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物も提供するが、前記組成物には、場合によっては、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤(例えば、殺真菌剤)がさらに含まれる。
【0008】
本開示はさらに、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、又は上述の組成物、及び噴射剤を含む、無脊椎有害生物を防除するための噴霧組成物も提供する。本開示はさらに、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、又は先の実施形態に記述された組成物、1種又は複数の餌物質、場合によっては誘引剤、及び場合によっては湿潤剤を含む、無脊椎有害生物を防除するための誘引組成物も提供する。
【0009】
本開示はさらに、前記誘引組成物及び前記誘引組成物を受容するように適応されたハウジングを含む、無脊椎有害生物を防除するためのトラップ装置も提供するが、ここで、前記ハウジングは、前記無脊椎有害生物が、前記ハウジングの外側位置から前記誘引組成物へアクセスできるようにした、前記無脊椎有害生物が通過できるような大きさの少なくとも一つの開口部を有し、そして前記ハウジングがさらに、前記無脊椎有害生物の可能性があるか又は公知の活動領域の内部又は近傍に設置されている。
【0010】
本開示は、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物として)と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供する。本開示はさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物と接触させるような方法にも関するが、前記組成物には、場合によっては、生物学的有効量の、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤をさらに含む。
【0011】
本開示はさらに、種子を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物)と接触させることを含む、無脊椎有害生物から種子を保護するための方法も提供する。本開示はさらに、そのように処理された種子にも関する。本開示はさらに、動物に対して、駆虫的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩を(例えば、本明細書記載の組成物として)投与することを含む、無脊椎の寄生有害生物から動物を保護するための方法も提供する。本開示はさらに、無脊椎有害生物からの動物の保護における、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物としての)の使用も提供する。
【0012】
本開示はさらに、作物植物、それから作物植物が生育する種子、又は作物植物の領域(例えば、生育環境)を、生物学的有効量の式1の化合物(例えば、本明細書記載の組成物として)と接触させることを含む、作物植物の活力(vigor of crop plant)を増大させるための方法も提供する。
【0013】
一つの実施形態においては、本明細書で開示された組成物に、液体肥料がさらに含まれる。いくつかの実施形態においては、その液体肥料が、水性である。
【0014】
一つの実施形態においては、本開示が、本明細書で開示された組成物を含む、土壌灌液配合物を提供する。
【0015】
一つの実施形態においては、本開示が、本明細書で開示された組成物を含む、噴霧組成物を提供する。いくつかの実施形態においては、その噴霧組成物には、噴射剤がさらに含まれる。
【0016】
一つの実施形態においては、本開示が、本明細書で開示された組成物を含む、誘引組成物を提供する。一つの実施形態においては、その誘引組成物には、1種又は複数種の餌物質がさらに含まれる。一つの実施形態においては、その誘引組成物には、誘引剤がさらに含まれる。一つの実施形態においては、その誘引組成物には、湿潤剤がさらに含まれる。
【0017】
一つの実施形態においては、本明細書で開示される組成物が、固体の組成物例えば、粉剤、粉体、顆粒、ペレット、小球(prill)、香錠(pastille)、錠剤、又は充填フィルムである。いくつかの実施形態においては、本明細書で開示された組成物が、固体の組成物であり、そして水分散性又は水溶解性である。
【0018】
一つの実施形態においては、本明細書で開示された組成物を含む液状又は乾燥配合物が、点滴灌漑システム、植付けの間の畦、手持ち式の噴霧機、背負い式の噴霧機、ブーム式の噴霧機、地上噴霧機、空中散布、無人飛行体(unmanned aerial vehicle)、又は種子処理の用途で使用される。
【0019】
一つの実施形態においては、本明細書で開示された組成物が、点滴灌漑システム、植付けの間の畦、手持ち式の噴霧機、背負い式の噴霧機、ブーム式の噴霧機、地上噴霧機、空中散布、無人飛行体、又は種子処理の用途で使用されるが、前記配合物は、極端に低い量で散布される。
【0020】
一つの実施形態においては、本開示はさらに、処理された種子にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「で特徴付けられる(characterized by)」、又はそれらの任意の他の変形は、明確に示される任意の制限を受けて、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、若しくは装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明確にリストされないか、又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含んでもよい。
【0022】
移行句「からなる(consisting of)」は、明記されないいかなる要素、工程、又は原料をも排除する。特許請求の範囲における場合、そのようなものは、それらと通常関係がある不純物を除いて列挙されるもの以外の材料の包含をクレームから締め出す。語句「からなる」が、前文の直後よりもむしろ、クレームの本体の条項に現れる場合、それは、当該条項に記述される要素のみを限定し;他の要素は、全体としてクレームから排除されない。
【0023】
移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、文字通り開示されるものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む組成物、方法、又は装置を定義するために用いられ、但し、これらの追加の材料、工程、特徴、成分、又は要素は、特許請求の範囲の基本的な及び新規な特性に実質的に影響を及ぼさない。用語「から本質的になる」は、「含む(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との中間領域を占める。
【0024】
出願人らが、実施形態又はその一部を、「含む(comprising)」などの開放端用語を使って定義している場合、(特に明記しない限り)この記載が、用語「から本質的になる」又は「からなる」を用いてそのような実施形態をまた記載していると解釈されるべきであることが容易に理解されるはずである。
【0025】
さらに、明確にそれとは反対を述べられない限り、「又は(or)」は、包括的な「又は」を意味し、排他的な「又は」を意味しない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方ともが真である(又は存在する)。
【0026】
また、本開示の要素又は成分に先行する不定冠詞「a」及び「an」は、要素又は成分の場合(すなわち、出現)の数に関して非限定的であることを意図する。それ故「a」又は「an」は、1つ若しくは少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、特に数が明らかに単数形であることを意図しない限り複数形を含む。
【0027】
本開示に言及されるように、用語「無脊椎有害生物」には、有害生物として経済的に重要な節足動物、腹足類、線形動物及び蠕虫が含まれる。用語「節足動物」には、昆虫、ダニ(mite)、クモ、サソリ、ムカデ類、ヤスデ、ダンゴムシ及びコムカデが含まれる。用語「腹足類」には、カタツムリ、ナメクジ及び他の柄眼目が含まれる。用語「線形動物」には、植食性線形動物及び動物に寄生する蠕虫線形動物などの、線形動物門のメンバーが含まれる。用語「蠕虫」には、回虫(線形動物門)、犬糸状虫(線形動物門、双腺綱)、吸虫(扇形動物門、吸虫綱)、こう頭虫(こう頭虫門)、及び条虫(扇形動物門、条虫綱)などの、寄生蠕虫のすべてが含まれる。
【0028】
本開示との関連で、「無脊椎有害生物駆除」は、無脊椎有害生物成長の阻害(死亡、摂食低下、及び/又は交尾途絶を含む)を意味し、関連表現は、類似して定義される。
【0029】
用語「農学的」は、食品及び繊維のためなどの農作物の生産を言い、トウモロコシ又はコーン、大豆及び他のマメ科植物、米、穀物(例えば、小麦、オート麦、大麦、ライ麦及び米)、葉物野菜(例えば、レタス、キャベツ、及び他のアブラナ科作物)、結果野菜(例えば、トマト、コショウ、ナス、十字花植物及びウリ科植物)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、果樹(例えば、ナシ状果、核果及び柑橘類)、小果(例えば、ベリー及びサクランボ)並びに他のスペシャルティ作物(例えば、キャノーラ、ヒマワリ及びオリーブ)の成長を含む。
【0030】
用語「非農学的」は、例えば園芸作物(例えば、田畑で成長させられない温室植物、苗床植物又は観賞植物)以外の農作物、居住の、農業の、商業の及び工業構造物、芝生(例えば、芝農場、牧場、ゴルフコース、芝土、スポーツフィールドなど)、木製品、貯蔵製品、農森林管理及び植物管理、公衆衛生(すなわち、ヒト)及び動物の健康(例えば、家畜化された動物、例えばペット、家畜及び家禽など、家畜化されていない動物、例えば野生生物など)用途を言う。
【0031】
用語「作物成長力」は、作物の成長又はバイオマス蓄積の速度を言う。「成長力の増加」は、未処理対照作物に対して作物の成長又はバイオマス蓄積の増加を言う。用語「作物収量」は、作物の収穫後に得られた、量及び品質の両方の観点からの、作物材料リターンを言う。「作物収量の増加」は、未処理対照作物に対して作物収量の増加を言う。
【0032】
「生物学的有効量(biologically effective amount)」という用語は、無脊椎有害生物の害から植物を保護したり、或いは所望の効果(例えば、植物の活力の増大)を得たりするために、防除対象の無脊椎有害生物若しくはその環境に対して、又は植物、それから植物が生育する種子、若しくはその植物の領域(例えば、生育環境)に対して適用(すなわち、接触)させて、所望の生物学的効果をもたらすのに十分な、生物活性化合物(例えば、式1の化合物)の量を指している。
【0033】
一般的には、分子の断片(すなわち、ラジカル)を一連の原子記号(例えば、C、H、N、O、及びS)で表したときに、明示していない単一又は複数の結合点は、当業者には、容易に理解できるであろう。本明細書の中のいくつかの場合においては、別の結合点が可能である場合には特に、その単一又は複数の結合点を、ハイフン(「-」)によって、明示的に示すこともできる。例えば、「-NCS」は、その結合点が窒素原子である(すなわち、イソチオシアナトであって、チオシアナトではない)ことを示している。
【0034】
本明細書で使用するとき、「アルキル化剤」という用語は、その中の炭素含有基が、前記炭素原子に対する求核試薬の結合によって置き換えることが可能な、例えばハライド又はスルホネートのような脱離基に炭素原子を介して結合される化合物を指している。特に断らない限り、「アルキル化」という用語は、その炭素含有基をアルキルに限定する訳ではなく、アルキル化剤の中の炭素含有基には、例えばRで特定される炭素結合された置換基の変種も含まれる。
【0035】
上の説明における、単独、又は「アルキルチオ」又は「ハロアルキル」のような化合物用語で使用される、「アルキル」という用語には、直鎖状又は分岐状のアルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は各種のブチル、ペンチル若しくはヘキシル異性体が含まれる。「アルコキシ」には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、i-プロピルオキシ、並びに各種のブトキシ、ペントキシ、及びヘキシロキシ異性体が含まれる。「アルコキシアルキル」は、アルキルにおけるアルコキシ置換を表している。「アルコキシアルキル」の例としては、CHOCH、CHOCHCH、CHCHOCH、CHCHCHOCH、及びCHCHOCHCHが挙げられる。「アルコキシアルコキシ」は、他のアルコキシ残基の上でのアルコキシ置換を表す。
【0036】
「アルキルチオ」という用語には、直鎖状及び分岐状のアルキルチオ残基例えば、メチルチオ、エチルチオ、並びに各種のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、及びヘキシルチオ異性体が含まれる。「アルキルスルフィニル」には、アルキルスルフィニル基の両方の鏡像異性体が含まれる。「アルキルスルフィニル」の例としては、CHS(=O)、CHCHS(=O)、CHCHCHS(=O)、(CHCHS(=O)、並びに各種のブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、及びヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CHS(=O)、CHCHS(=O)、CHCHCHS(=O)、(CHCHS(=O)、並びに各種のブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、及びヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。
【0037】
「シクロアルキル」には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが含まれる。「アルキルシクロアルキル」の用語は、シクロアルキル残基の上でのアルキル置換を表し、例えば、エチルシクロプロピル、i-プロピルシクロブチル、メチルシクロペンチル、及びメチルシクロヘキシルが含まれる。「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子に付加しそして酸素原子を介して結合されたシクロアルキルを表し、例えば、シクロペンチルオキシ及びシクロヘキシルオキシが含まれる。
【0038】
「ハロゲン」という用語には、単独又は「ハロアルキル」のような化合物用語の中で、或いは「ハロゲンを用いて置換されたアルキル」のような記述で使用されたとき、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が含まれる。さらに、「ハロアルキル」のような化合物用語の中で使用されたとき、或いは「ハロゲンを用いて置換されたアルキル」のような記述で使用されたとき、前記アルキルは、部分的又は完全にハロゲン原子(それらは、同一であっても、異なっていてもよい)で置換されていてもよい。「ハロアルキル」又は「ハロゲンを用いて置換されたアルキル」の例としては、FC-、ClCH-、CFCH-、及びCFCCl-が挙げられる。「ハロシクロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」、「ハロアルキルスルフィニル」、「ハロアルキルスルホニル」などの用語は、「ハロアルキル」の用語と同様にして定義される。「ハロアルコキシ」の例としては、CFO-、CClCHO-、HCFCHCHO-、及びCFCHO-が挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CClS-、CFS-、CClCHS-、及びClCHCHCHS-が挙げられる。
【0039】
「ヒドロキシアルキル」は、1個のヒドロキシ基を用いて置換されたアルキル基を表す。「ヒドロキシアルキル」の例としては、HOCHCH、CHCH(OH)CH、及びHOCHCHCHCHが挙げられる。
【0040】
置換基の中の炭素原子の合計数は、「C~C」の接頭表記によって示されるが、ここでi及びjは、1~10の数である。例えば、C~Cアルキルスルホニルは、メチルスルホニルからへキシルスルホニルまでを表し;Cアルコキシアルキルは、CHOCH-を表し;Cアルコキシアルキルは、例えば、CHCH(OCH)-、CHOCHCH-、又はCHCHOCH-を表し;そしてCアルコキシアルキルは、全部で4個の炭素原子を含むアルコキシ基で置換されたアルキル基の各種の異性体を表し、例としては、CHCHCHOCH-、及びCHCHOCHCH-が挙げられる。
【0041】
環のような基に関連した「非置換の」という用語は、式1の残りに対して、1個以上の結合のいかなる置換基も有していない基を意味している。「場合によっては置換された」という用語は、置換基の数がゼロの場合もあり得るということを意味している。特に断らない限り、場合によっては置換された基が、各種の利用可能な炭素原子又は窒素原子の上で水素原子を非水素置換基によって置き換えることが可能な限りの、多くの任意の置換基を用いて置換されていてもよい。一般的には、任意の置換基の数は、(存在させる場合)1~3の範囲である。本明細書で使用するとき、「場合によっては置換された」という用語は、「置換若しくは非置換の」という文言、又は「(非)置換の」という用語と相互に交換可能に使用される。
【0042】
化合物が、変化することが可能な置換基の数(例えば、式1の(R、nが、1~3の整数である)を示す添字を有する置換基を用いて置換される場合、前記置換基は、特に断らない限り、定義された置換基の群から、独立して選択される。さらには、その添字が、例えば(R)i~jのように、範囲を示している場合には、置換基の数は、両端を含めて、iとJとの間の整数から選択することができる。ある基が、水素であることが可能な置換基、例えば(R)を含んでいて、次いで、この置換基が水素であるとした場合には、このことは、前記の基が非置換であるということと等価であると認められる。各種の基が、場合によっては、ある位置に結合されるということが示されている、例えば、式1の中の(Rでnが0であるような場合、たとえ各種の基の定義に引用されていなくても、水素がその位置にあっても構わない。基の上の1個又は複数の位置が、「置換されていない」又は「非置換の」と書かれている場合には、水素原子が結合して、遊離の原子価をすべて引き受けている。
【0043】
本開示における置換基のネーミングでは、広く認められている用語法を使用して、当業者にその化学構造を正確に伝えることにおける簡明さを与えている。簡明とするためには、構造式の中での位置を示す記述子を省略してもよい。本明細書の中のいくつかの場合においては、置換基(例えば、R)の単一又は複数の結合点が、構造式の中での位置を示す数字によって示されているが、これは、Chemical Abstractsのネーミングシステムとは、(その違いが意味合いに影響しないならば)違っていてもよい。
【0044】
特に断らない限り、式1の構成成分としての「環(ring)」又は「環構造(ring system)」は、炭素環式又は複素環式である。「環構造(ring system)」という用語は、2個以上の縮合環を表している。「二環式環構造(bicyclic ring system)」及び「縮合二環式環構造(fused bicyclic ring system)」という用語は、二つの縮合環からなる環構造を表しており、それは、「オルト縮合」、「橋架けされた二環式」、又は「スピロ環状」となりうる。「オルト-縮合された二環式環構造(ortho-fused bicyclic ring system)」は、その二つの環成分が、2個の隣接した原子を共有していることを表している。「橋架けされた二環式環構造(bridged bicyclic ring system)」は、一つの環の、隣接していない環メンバーに、1個又は複数の原子のセグメントが結合することによって、形成されている。「スピロ環状環構造(spirocyclic ring system)」は、一つの環の同一の環メンバーに対して、2個以上の原子のセグメントが結合することにより形成される。「環メンバー(ring member)」という用語は、環又は環構造の主鎖を形成している、原子又はその他の残基(例えば、C(=O)、C(=S)、S(O)、又はS(O))を指している。
【0045】
「炭素環式環(carbocyclic ring)」、「炭素環(carbocycle)」又は「炭素環式環構造(carbocyclic ring system)」という用語は、その環の主鎖を形成する原子が、炭素からのみ選択されている環又は環構造を表している。「複素環式環(heterocyclic ring)」、「複素環(heterocycle)」、又は「複素環式環構造(heterocyclic ring system)」という用語は、その環の主鎖を形成する少なくとも1個の原子が、炭素ではなく、例えば、窒素、酸素、又は硫黄である、環又は環構造を表している。典型的には、複素環式環には、4個以下の窒素原子、2個以下の酸素、及び2個以下の硫黄しか含まない。特に断らない限り、炭素環式環又は複素環式環は、飽和環であっても、或いは不飽和環であってもよい。「飽和している(saturated)」は、単結合によって相互に結合されている原子からなる主鎖を有する環を指すが、特に断らない限り、原子の残りの原子価は、水素原子によって占められている。特に断らない限り、「不飽和な環」は、部分的又は全面的に不飽和であってよい。「完全に不飽和な環」という表現は、その環の中の原子の間の結合が、原子価結合理論に従った単結合又は二重結合であり、そしてさらに、その環の中の原子の間の結合に、累積的な二重結合は除いて(すなわち、C=C=CやC=C=Nは除いて)、可能な限り多くの二重結合が含まれているような、原子の環を意味している。「部分的に不飽和な環」という用語は、二重結合を介して隣接する環メンバーに結合されている少なくとも一つの環メンバーを含み、そして概念的、潜在的に、存在している(すなわち、その部分的に不飽和な形態にある)二重結合の数よりも大きい、隣接する環メンバーとの間の非累積的な(すなわち、その完全に不飽和なカウンターパートの形態にある)二重結合の数を収容している環を表している。
【0046】
特に断らない限り、複素環式の環及び環構造は、各種利用可能な炭素又は窒素を介し、前記炭素又は窒素の上の水素と置き換えることによって結合させることが可能である。
【0047】
「芳香族」は、環の原子のそれぞれが、本質的に同じ平面上にあり、そしてその環平面に垂直なp-軌道を有し、そしてそこで(4n+2)個のπ電子(ここで、nは、正の整数である)が、その環と関わって、ヒュッケル則を満たしているということを示している。「芳香族環構造」という用語は、その環構造の中の少なくとも一つの環が芳香族である、炭素環又は複素環式の環構造を表している。完全に不飽和な炭素環式環が、ヒュッケル則を満たしている場合には、前記環は、「芳香族環」又は「芳香族炭素環式環」とも呼ばれる。
【0048】
「芳香族炭素環式環構造」という用語は、その環構造の中の少なくとも一つの環が芳香族である、炭素環式の環構造を表している。完全に不飽和な複素環式環がヒュッケル則を満たしている場合には、前記環は、「複素芳香族環」、「芳香族複素環式環」、又は「複素環式芳香族環」とも呼ばれる。「芳香族複素環式環構造」という用語は、その環構造の中の少なくとも一つの環が芳香族である、複素環式の環構造を表している。「非芳香族環構造」という用語は、その環構造の中の環がいずれも芳香族でない限りにおいては、完全に飽和であっても、さらには部分的若しくは完全に不飽和であってもよい炭素環又は複素環式の環構造を表している。「非芳香族炭素環式環構造」という用語は、その環構造の中のいずれの環も芳香族ではない炭素環式環を表している。「非芳香族複素環式環構造」という用語は、その環構造の中のいずれの環も芳香族ではない複素環式環構造を表している。
【0049】
複素環式環に関連して、「場合によっては置換された」という用語は、非置換であるか、又は非置換の類似体によって保持されている生物学的活性を消失させることがない、少なくとも1種の非水素置換基を有している基であることを示している。本明細書で使用するとき、特に断らない限り、以下の定義が適用されるものとする。「場合によっては置換された」という用語は、「置換若しくは非置換の」という文言、又は「(非)置換の」という用語と相互に交換可能に使用される。特に断らない限り、場合によっては置換された基では、その基のそれぞれの交換可能な位置に置換基を有していてよく、そしてそれぞれの置換は互いに独立している。
【0050】
式1に見られるように、それぞれのRは、6員の芳香族環と特定される環に結合されているが、ここでXは、CR又はNのいずれかである。本開示の一つの実施形態においては、Rが、その環を式1の残りの部分に結合している環のメンバーに対して遠位である環メンバーに結合されている。「提示1」に見られるように、6員の芳香族環において、その環を式1の残りの部分に結合している環のメンバーに対して遠位である環メンバーは、その結合環メンバーに対して、2個の環結合を介して、結合されている。
【0051】
【化2】
当業者のよく認識するところであろうが、式1の化合物には、Rでの置換に利用できる環メンバーは、一つしかない。他の遠位の環メンバーは、アルキンに結合されている。
【0052】
当技術に関しては、芳香族及び非芳香族複素環式環及び環構造の調製を可能とする広く各種の合成方法が公知である。詳しい総説については、以下の文献を参照されたい:Comprehensive Heterocyclic Chemistry(A.R.Katritzky and C.W.Ree,editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1984)の8巻セット、並びに、Comprehensive Heterocyclic Chemistry II(A.R.Katritzky,C.W.Rees,and E.F.V.Scriven,editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1996)の12巻セット。
【0053】
式1の化合物は、メソイオン性の分子内塩である。「分子内塩(inner salt)」は、当業者には「双性イオン(twitterion)」とも呼ばれていて、電子的には中性分子でありながらも、原子価結合理論に従って、それぞれの原子価結合構造の中で、異なった原子の上に、形式的には、正と負の電荷を担持している。さらに、式1の化合物の分子構造は、異なった原子の上に、形式的に正と負の電荷を有する、次に示す6種の原子価結合構造によって表すことが可能である。この共鳴が理由で、式1の化合物は、「メソイオン性(mesoionic)」とも記述される。しかしながら、本明細書においては、便宜上、式1の分子構造を単一の原子価結合構造として表すが、この特定の原子価結合構造は、式1の化合物の分子中の結合に関して、6種全部の原子価結合構造を代表するものと理解されたい。したがって、本明細書において式1に言及する場合、特に断らない限り、「提示2」に示した6種の原子価結合構造の全部、及びその他の(例えば、分子軌道理論)構造に関連するものとする。
【0054】
【化3】
【0055】
本開示の化合物では、1種又は複数の立体異性体が存在可能である。立体異性体とは、同一の構成を有しているが、それらの原子の空間配置が異なっている異性体であって、鏡像異性体、ジアステレオマー、cis-及びtrans-異性体(幾何異性体とも呼ばれる)、及びアトロプ異性体が含まれる。アトロプ異性体は、単結合の回りでの束縛回転から生じるものであって、その回転の障壁が高いために、それらの異性体種を単離することが可能である。当業者のよく理解するところであろうが、一つの立体異性体が、他の立体異性体よりも高濃度にするか、又は他の立体異性体から分離するときに、反応性がより高くてもよいし、及び/又は有利な効果を示してもよい。それに加えて、当業者であれば、前記立体異性体の分離法、富化法、及び/又は選択的な調製法を知っている。立体異性のすべての態様についての包括的な議論については、次の文献を参照されたい:Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen,Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley & Sons,1994。
【0056】
本開示の化合物は、複数の立体異性体の混合物として、個々の立体異性体として、又は光学活性の形態として存在させることができる。本出願の構造式又は用語が、特定のcis-又はtrans-異性体又はキラル中心の立体配置を具体的に指示していない限りにおいては、本開示の範囲が、そのような異性体自体、さらにはcis-及びtrans-異性体の混合物、ジアステレオマーの混合物、同様に鏡像異性体(光学異性体)のラセミ混合物をすべてカバーしているものとする。本明細書において描かれた分子の描写は、立体化学を描写するための、標準的な慣例に従っている。立体的な配置を描写するために、図の面から立ち上がって観察者の方に向かっている結合は、実線のくさび形で表現され、そのくさび形の幅広い方の末端が、図の面から立ち上がって観察者の方に向かう原子に結合されている。面の下の方に向かい、観察者から離れていく結合は、点線のくさび形で表現され、そのくさび形の狭い方の末端が、原子に結合され、観察者からはさらに遠ざかっていく。一定の幅の線は、実線又は点線のくさびで示された結合に対して、反対すなわち中性の方向を有する結合を示しており、そして一定の幅の線はさらに、特定の立体的な配置を規定することを意図しない、分子又は分子の一部にある結合を示している。
【0057】
当業者の認識するところであろうが、全部の窒素含有複素環がN-オキシドを形成できる訳ではないが、その理由は、その窒素が、酸化されてオキシドとなるには、利用可能な孤立電子対を必要とするからである。N-オキシドを形成することが可能なそれらの窒素含有複素環は、当業者のよく知るところであろう。第三級アミンがN-オキシドを形成することが可能であることもまた、当業者のよく知るところであろう。複素環及び第三級アミンのN-オキシドを調製するための合成方法は、ペルオキシ酸例えば過酢酸及び3-クロロ過安息香酸(MCPBA)、過酸化水素、アルキルヒドロペルオキシド例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、並びにジオキシラン例えばジメチルジオキシランを用いて、複素環及び第三級アミンを酸化させることも含めて、当業者の極めてよく知るところである。N-オキシドを調製するためのこれらの方法は、文献に広く記述され、総説が書かれているが、例えば、以下の文献を参照されたい:T.L.Gilchrist,Comprehensive Organic Synthesis,vol.7,pp.748-750(S.V.Ley,Ed.,Pergamon Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Comprehensive Heterocyclic Chemistry,vol.3,pp.18-20(A.J.Boulton and A.McKillop,Eds.,Pergamon Press);M.R.Grimmett and B.R.T.Keene,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.43,pp.149-161(A.R.Katritzky,Ed.,Academic Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.9,pp.285-291(A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press);及びG.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.22,pp.390-392(A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press)。
【0058】
当業者の認識するところであるが、環境内及び生理学的条件下では、化合物の塩は、それらに相当する非塩の形態とは平衡関係にあることが理由で、塩は、その非塩の形態と、生物学的実用性を分け合っている。したがって、式1の化合物の広く各種の塩が、無脊椎有害生物を防除するのに有用である。式1の化合物の塩としては、例えば以下のような無機酸又は有機酸との酸付加塩が挙げられる:臭化水素酸、塩化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、又は吉草酸。式1の化合物に、カルボン酸又はフェノールのような酸性の残基が含まれているような場合には、塩としてはさらに、例えば以下のような有機又は無機の塩基を用いて形成されたものが含まれる:ピリジン、トリエチルアミン若しくはアンモニア、又はアミド、水素化物、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、若しくはバリウムの水酸化物又は炭酸塩。したがって、本開示には、式1から選択される化合物、それらのN-オキシド及び好適な塩が含まれる。
【0059】
式1から選択される化合物、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、及び塩は、典型的には、二つ以上の形態で存在し、そのため、式1には、式1で表される化合物の、すべての結晶性及び非晶性の形態が含まれる。非晶性の形態には、固体である実施形態例えばワックス及びゴム、さらには液体である実施形態例えば溶液及び溶融物が含まれる。結晶性の形態には、実質的に単結晶タイプを表す実施形態、及び多形の混合物(すなわち、複数の結晶性タイプ)を表す実施形態が含まれる。「多形(polymorph)」という用語は、各種の結晶性の形態で結晶化することが可能な、化合物の特定の結晶性の形態を表しており、これらの形態は、結晶格子の中での、各種の分子の配列及び/又は配座を有している。複数の多形が、同一の化学組成を有することできるが、それらはさらに、その格子の中に弱く、又は強く結合されることが可能な、共結晶された水又は他の分子の存否によって、組成が異なっていることも可能である。多形は、結晶の形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度、及び生物学的アベイラビリティーのような、化学的、物理的、及び生物学的性質の面で異なっている可能性がある。当業者が認めるところであろうが、式1で表される化合物の多形が、式1で表される同一の化合物の他の多形、又は複数の多形の混合物に比較して、有利な効果(例えば、有用な配合を調製する際の適合性、改良された生物学的性能)を示すことが可能である。式1で表される化合物の特定の多形の調製及び単離は、例えば、選択された溶媒及び温度を使用する結晶化など、当業者には公知の方法によって達成することができる。多形についての包括的な議論に関しては、次の文献を参照されたい:R.Hilfiker Ed.,Polymorphism in the Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006。
【0060】
[課題を解決するための手段]の中に記載されているような本開示の実施形態には、以下に記載されているものが含まれる。以下の実施形態においては、式1には、それらの立体異性体、N-オキシド、及び塩が含まれ、そして「式1の化合物」といった場合、実施形態においてさらに定義された場合を除き、[課題を解決するための手段]で特定された置換基の定義が含まれる。
【0061】
[実施形態1]
式1の化合物であって、Rが、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシである、化合物。
[実施形態2]
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシである、実施形態1に記載の化合物。
[実施形態3]
が、H、ハロゲン、CH、又はOCHである、実施形態2に記載の化合物。
[実施形態4]
が、H、Cl、CH、又はOCHである、実施形態3に記載の化合物。
[実施形態5]
が、Hである、実施形態4に記載の化合物。
[実施形態6]
が、Clである、実施形態4に記載の化合物。
[実施形態7]
が、CHである、実施形態4に記載の化合物。
[実施形態8]
Xが、Nである、式1又は実施形態1~7のいずれか1項に記載の化合物。
[実施形態9]
Xが、CRである、式1又は実施形態1~7のいずれか1項に記載の化合物。
[実施形態9A]
が、H、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、又はC~Cハロアルコキシである、実施形態9に記載の化合物。
[実施形態9B]
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシである、実施形態9Aに記載の化合物。
[実施形態9C]
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシである、実施形態9Bに記載の化合物。
[実施形態9D]
が、H、ハロゲン、CH、又はOCHである、実施形態9Cに記載の化合物。
[実施形態9E]
が、H、Cl、F、CH、又はOCHである、実施形態9Dに記載の化合物。
[実施形態9F]
が、Hである、実施形態9Eに記載の化合物。
[実施形態9G]
が、Clである、実施形態9Eに記載の化合物。
[実施形態9H]
が、Fである、実施形態9Eに記載の化合物。
[実施形態9I]
が、CH又はOCHである、実施形態9Eに記載の化合物。
[実施形態9J]
が、CHである、実施形態9Iに記載の化合物。
[実施形態9K]
が、OCHである、実施形態9Iに記載の化合物。
[実施形態10]
Qが、6-クロロ-3-ピリジニル又は2-クロロ-5-チアゾリルである、式1又は実施形態1~9Kのいずれか1項に記載の化合物。
[実施形態11]
Qが、6-クロロ-3-ピリジニルである、実施形態10に記載の化合物。
[実施形態12]
Qが、2-クロロ-5-チアゾリルである、実施形態10に記載の化合物。
[実施形態13]
が、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、又はC~Cハロアルコキシである、式1又は実施形態1~12のいずれか1項に記載の化合物。
[実施形態14]
が、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、又はC~Cアルコキシである、実施形態13に記載の化合物。
[実施形態15]
が、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、又はC~Cアルコキシである、実施形態14に記載の化合物。
[実施形態16]
が、ハロゲン、CH,CHCH、CH(CH、CF、又はC~Cアルコキシである、実施形態15に記載の化合物。
[実施形態16A]
が、OCHCH又はOCH(CHである、実施形態16に記載の化合物。
[実施形態16B]
が、OCHCHである、実施形態16に記載の化合物。
[実施形態16C]
が、OCH(CHである、実施形態16に記載の化合物。
[実施形態17]
が、Cl、F、CH、又はOCHである、実施形態16に記載の化合物。
[実施形態18]
が、Clである、実施形態17に記載の化合物。
[実施形態19]
が、Fである、実施形態17に記載の化合物。
[実施形態20]
が、CH又はOCHである、実施形態17に記載の化合物。
[実施形態21]
が、CHである、実施形態20に記載の化合物。
[実施形態22]
が、OCHである、実施形態20に記載の化合物。
[実施形態23]
が、その環を式1の残りの部分に結合している環のメンバーに対して遠位である環メンバーに結合されている、式1又は実施形態1~22のいずれか1項に記載の化合物。
[実施形態24]
nが、0、1、又は2である、式1又は実施形態1~23のいずれか1項に記載の化合物。
[実施形態25]
nが、2である、実施形態24に記載の化合物。
[実施形態26]
nが、0又は1である、実施形態24に記載の化合物。
[実施形態27]
nが、0である、実施形態26に記載の化合物。
[実施形態28]
nが、1である、実施形態26に記載の化合物。
[実施形態29]
が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、又は、場合によっては、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、若しくはC~Cアルコキシを用いて置換されたフェニルである、式1又は実施形態1~28のいずれか1項に記載の化合物。
[実施形態30]
が、場合によっては、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、又はC~Cアルコキシを用いて置換されたフェニルである、実施形態29に記載の化合物。
[実施形態31]
が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、又はC~Cハロシクロアルキルである、実施形態29に記載の化合物。
[実施形態32]
が、C~Cアルキル又はC~Cシクロアルキルである、実施形態31に記載の化合物。
[実施形態33]
が、メチル、エチル、イソプロピル、又はシクロプロピルである、実施形態32に記載の化合物。
[実施形態34]
が、メチルである、実施形態33に記載の化合物。
[実施形態35]
がエチルである、実施形態33に記載の化合物。
[実施形態36]
が、イソプロピルである、実施形態33に記載の化合物。
[実施形態37]
が、シクロプロピルである、実施形態33に記載の化合物。
【0062】
上述の実施形態1~37、さらには本明細書に記載の各種の他の実施形態も含めて、本開示の実施形態は、どのように組み合わせてもよく、そしてそれらの実施形態における各種の記述は、式1の化合物に関連するだけではなく、出発化合物、及び式1の化合物を調製するのに有用な中間体化合物にも関連する。それに加えて、上述の実施形態1~37、さらには本明細書に記載の各種その他の実施形態、及びそれらの各種組み合わせも含めた、本開示の実施形態は、本開示の組成物及び方法にも関連する。
【0063】
実施形態1~37を組み合わせると、以下のように説明される:
[実施形態A]
式1の化合物であって、
式中、
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
Qが、6-クロロ-3-ピリジニル又は2-クロロ-5-チアゾリルであり;
それぞれのRが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
nが、0、1又は2であり;
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシであり;そして
が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、又は、場合によっては、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、若しくはC~Cアルコキシを用いて置換されたフェニルである、
化合物。
[実施形態B]
式中、
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
それぞれのRが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、又はC~Cアルコキシであり;
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、又はC~Cアルコキシであり;そして
が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、又はC~Cハロシクロアルキルである、
実施形態Aに記載の化合物。
[実施形態C]
式中、
Xが、CRであり;
Qが、2-クロロ-5-チアゾリルであり;そして
が、H、Cl、F、CH、又はOCHである、
実施形態Bに記載の化合物。
[実施形態D]
式中、
が、H、Cl、CH、又はOCHであり;
が、Cl、F、CH、又はOCHであり;
nが、0又は1であり;そして
が、C~Cアルキル又はC~Cシクロアルキルである、
実施形態Cに記載の化合物。
[実施形態E]
式中、
が、CHであり;
が、CH又はOCHであり;そして
が、エチル、イソプロピル、又はシクロプロピルである、
実施形態Dに記載の化合物。
【0064】
具体的な実施形態としては、以下のものからなる群より選択される式1の化合物が挙げられる。
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物37);
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-3-[3-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物44);
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)-5-メトキシフェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物4);
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)-5-メチルフェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物11);
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-3-[3-メチル-5-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物7);
3-[3-(1-ブチン-1-イル)-5-クロロフェニル]-1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物1);
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)-5-エトキシフェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物51);
3-[3-(1-ブチン-1-イル)フェニル]-1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物2);及び
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-エトキシ-5-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物54)。
【0065】
本開示の化合物が有利な代謝パターン及び/又は土壌残留パターンで特徴付けられ、一連の農学的及び非農学的無脊椎有害生物を駆除する活性を示すことに注目すべきである。
【0066】
無脊椎有害生物駆除スペクトル及び経済的重要性の理由から、無脊椎有害生物を駆除することによって無脊椎有害生物により引き起こされる損害若しくは被害からの農作物の保護が本開示の実施形態であることに特に注目すべきである。本開示の化合物は、植物でのそれらの有利な転座特性又は組織性のために、式1の化合物又は本化合物を含む組成物と直接接触しない葉面部位又は他の植物部位をも保護する。
【0067】
本開示の実施形態としてさらに注目すべきは、先行する実施形態のいずれかの化合物、さらには本明細書で記述された各種その他の実施形態及びそれらの各種組み合わせのいずれか、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物であって、前記組成物が場合によってはさらに、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤を含む組成物である。
【0068】
本開示の実施形態としてさらに注目すべきは、以下のものである:前述の実施形態のいずれか、さらには本明細書に記載の他の実施形態いずれかの化合物及びそれらの各種組み合わせ、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物であって、前記組成物には、場合によっては、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤をさらに含んでいる。本開示の実施形態にはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかに記載の(例えば、本明細書に記載された組成物としての)化合物と接触させること含む、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれる。
【0069】
本開示の実施形態にはさらに、土壌灌液液体配合物の形態にある、先行する実施形態のいずれかの化合物を含む組成物も含まれる。本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかの化合物を含む、土壌灌液としての液体組成物と接触させる、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれる。
【0070】
本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の先行する実施形態のいずれかの化合物と、噴射剤とを含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物を噴霧することも含まれる。本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかに記載の化合物、1種又は複数の餌物質、場合によっては誘引剤、そして場合によっては湿潤剤を含む、無脊椎有害生物を防除するための誘引組成物も含まれる。本開示の実施形態にはさらに、前記誘引組成物、及び前記誘引組成物を受容するように適応されたハウジングを含む、無脊椎有害生物を防除するためのデバイスも含まれるが、ここで、そのハウジングは、無脊椎有害生物が、ハウジングの外側位置から前記誘引組成物へアクセスできるようにした、前記無脊椎有害生物が通過できるような大きさの少なくとも一つの開口部を有し、そしてそのハウジングがさらに、前記無脊椎有害生物の可能性があるか又は公知の活動領域の内部又は近傍に設置されるように適応される。
【0071】
本開示の実施形態はまた、種子を、生物学的有効量の先行実施形態のいずれかの化合物と接触させる工程を含む、無脊椎有害生物からの種子の保護方法を含む。
【0072】
本開示の実施形態はまた、寄生虫駆除上有効量の先行実施形態のいずれかの化合物を動物に投与する工程を含む、無脊椎寄生性有害生物からの動物の保護方法を含む。
【0073】
本開示の実施形態にはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物として)と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれるが、但し、その方法は、治療によるヒト又は動物の身体の薬物療法とは異なる。
【0074】
本開示はさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む組成物と接触させるような方法にも関し、前記組成物には、場合によっては、生物学的有効量の少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤も含むが、但しその方法は、治療によるヒト又は動物の身体の薬物療法とは異なる。
【0075】
本開示の実施形態にはさらに、作付け領域全体に、本明細書で開示された組成物を散布するための、無人飛行体(UAV=unmanned aerial vehicle)の使用も含まれる。いくつかの実施形態においては、その作付け領域が、作物含有領域である。いくつかの実施形態においては、その作物が、単子葉植物又は双子葉植物から選択される。いくつかの実施形態においては、その作物が、イネ、トウモロコシ、オオムギ、ダイズ、コムギ、野菜、タバコ、茶の木、果樹、及びサトウキビから選択される。いくつかの実施形態においては、本明細書で開示された組成物が、噴霧のために、超低容積で配合される。ドローンによって散布される製品には、噴霧キャリヤーとして水又はオイルを使用してもよい。ドローン散布のために使用される典型的な散布量(製品を含む)は、全世界的に、5.0リットル/ha~100リットル/ha(約0.5~10gpa)である。これには、超低散布量(ULV)から低散布量(LV)の範囲が含まれる。一般的という訳ではないが、さらにより低い散布量として、1.0リットル/ha(0.1gpa)もの低い量が使用される状況もあり得る。
【0076】
スキーム1~7に記載の以下の方法及び変法の一つ又は複数を使用して、式1の化合物を調製することができる。以下の式1~10の化合物の中でのR、X、Q、R、n、R、及びRの定義は、特に断らない限り、先に[課題を解決するための手段]で定義されたものと同じである。式3aは、式3のサブセットであり、式4a及び4bは、式4の各種のサブセットであり、そして、特に断らない限り、それぞれのサブセットでの置換基はすべて、先に式1で定義されたものと同じである。
【0077】
スキーム1に見られるように、式1の化合物は、式2の2-アミノピリジンを式3の活性化されたマロン酸と、塩基例えばトリエチルアミン、ピリジン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下に、縮合させることによって調製することができる。この反応は、典型的には、例えばジクロロメタンのような有機溶媒の中で実施される。スキーム1の方法は、提示の実施例1のステップD、及び実施例2のステップCで説明する。
【0078】
【化4】
別な方法として、スキーム2に見られるように、式2の化合物を、式4の化合物又はそれらの誘導体(例えば、Rが、H又はC~Cアルキルであるような式4)と縮合させることによって、式1の化合物を調製することもできる。式4のジエステル誘導体(例えば、その中でRがC~Cアルキルであるような式4)との縮合は、典型的には、テトラリン、キシレン、又はN-メチル-2-ピロリジノンのような高沸点溶媒の中で、室温からその溶媒の沸点までの温度で実施される。ジエステルの縮合の代表的な手順については、国際公開第2009/099929号パンフレットを参照されたい。その他の縮合手順が、縮合剤例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(例えば、Koch,et al.,Tetrahedron,2004,60,10011~10018参照)、又は活性化剤例えばN-ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下又は非存在下でアミド結合を形成させることが当業者には公知の他の反応剤の存在下での、式4の二酸誘導体(例えば、その中のRがHである式4)を縮合させるための、数多くの代替え方法を提供している(Science of Synthesis,2005,21,17~25、及びTetrahedron,2005,61,10827~10852)。
【0079】
【化5】
式4aのジエステル化合物(すなわち、その中でRがC~Cアルキルであるような式4)は、スキーム3に見られるように、薗頭カップリング条件を使用して、式5の化合物を式6のアルキンと反応させることによって調製することができる。薗頭カップリングは、文献からも周知である。例えば、以下の文献を参照されたい:Molecules,2010,15,9157~9173;Sonogashira,K.,Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis(Negishi,E.,Ed.,Wiley-Interscience,New York,2002)、p.493~529;Palldium in Heterocyclic Chemistry,A guide for the Synthetic Chemist,Li,J.;Gribble,G.,Eds.Tetrahedron Organic Series,Volume 20(Pergamon Press,New York,2000)。スキーム3の方法は、提示の実施例1、ステップBでも説明されている。
【化6】
【0080】
スキーム4に見られるように、式5の化合物は、式7のアリールのハロゲン化物を式8のマロン酸エステルと、炭酸セシウム又は炭酸カリウムのような塩基の存在下で、銅を媒介としてカップリングさせることによって調製することができる。典型的な反応に関しては、例えば、次の文献を参照されたい:Organic Letters,2009,9(17),3469;及び、Journal of the American Chemical Society,1980,102(26),7765~7774。スキーム4の方法は、提示の実施例1、ステップAでも説明されている。
【0081】
【化7】
別な方法として、スキーム5に見られるように、式4aの化合物は、最初に、式10の市販のアリールの二ハロゲン化物を式6のアルキンと、スキーム3の場合と同様に薗頭カップリング条件を使用して反応させることによって調製することができる。そのようにして得られた式9の化合物を、スキーム4の場合と同様の、銅を媒介とした条件を使用して、式8のマロン酸エステルとカップリングさせることができる。
【0082】
【化8】
スキーム6に見られるように、式4bの化合物(すなわち、その中でRがHである、式4)は、式4a(すなわち、その中でRがC~Cアルキルであるような式4)のエステルから、当業者には公知の標準的な加水分解法を使用して調製することができる。加水分解反応は、典型的には、無機塩基例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を使用し、その後で酸例えば塩酸を用いて酸性化させることにより実施される。例えば、Asian Jouranl of Chemistry,23(3),961,2011を参照されたい。提示した実施例1のステップCで、スキーム6の方法をさらに説明する。
【0083】
【化9】
スキーム7に見られるように、式3aの酸の塩化物(すなわち、その中でLがClである、式3)は、塩素化剤例えば、塩化オキサリル又は塩化チオニルの存在下に、式4b(すなわち、その中でRがHである、式4)の酸から調製することができる。酸の塩化物を調製するための方法は、文献でも公知であり、式3aの化合物の一般的な合成については、例えば、Advanced Organic Synthesis,4th Edition,Wiley & Sons,1992,437、及びその中に引用されている参考文献を参照されたい。提示した実施例1のステップDで、スキーム7の方法をさらに説明する。
【0084】
【化10】
【0085】
各種の官能基を、他のものに転換させて、異なった式1の化合物を得ることができるのは、当業者のよく知るところである。例えば、その中でRがハロゲンである、式1の化合物を使用して、その中でRがシアノである、式1の化合物を調製することができる。式1の化合物、又はそれを調製するための中間体には、芳香族ニトロ基が含まれていてもよく、それを還元してアミノ基とし、次いで当業者周知の反応(例えば、サンドマイヤー反応)を介して、各種のハロゲン化物に転換させることができる。同様の公知の反応によって、芳香族アミン(アニリン類)を、ジアゾニウム塩を介してフェノールに転換させることが可能であり、次いでそれをアルキル化させて、アルコキシ置換基を有する式1の化合物を調製することができる。同様にして、サンドマイヤー反応を介して調製された、芳香族ハロゲン化物、例えば臭化物又はヨウ化物を、例えばウルマン反応又はそれの公知の変法のような銅触媒の条件下で、アルコールと反応させて、アルコキシ置換基を含む式1の化合物を得ることができる。さらには、いくつかのハロゲン基、例えばフッ素又は塩素を、塩基性の条件下でアルコールを用いて置換させて、相当するアルコキシ置換基を含む式1の化合物を得ることも可能である。式1の化合物、又はハロゲン化物、好ましくは臭化物又はヨウ化物を含むそれらの前駆体は、式1の化合物を調製するための、遷移金属触媒を使用したクロスカップリング反応のための中間体として、特に有用である。これらのタイプの反応は、文献に多く記載されており、例えば、次の文献を参照されたい:Tsuji,「Transition Metal Reagents and Catalysts:Innovations in Organic Synthesis」,John Wiley and Sons,Chichester,2002;Tsuji,「Palladium in Organic Synthesis」,Springer,2005;及び、Miyaura and Buchwald,「Cross Coupling Reactions:A Practical Guide,2002」;並びに、それらに引用されている文献。
【0086】
式1の化合物を製造するための上で記載されたいくつかの試薬及び反応条件は、中間体中に存在するある種の官能基と相性がよくない場合があることが認められる。これらの場合には、保護/脱保護シーケンスの組み込み又は合成への官能基相互変換が、所望の生成物を得るのに役立つであろう。保護基の使用及び選択は、化学合成の熟練者に明らかであろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照されたい)。当業者は、ある場合には、個々のスキームに描かれる試薬の導入後に、詳細に記載されていない追加の所定の合成ステップが、式1の化合物の合成を完成させるために必要とされ得ることを認めるであろう。当業者はまた、上のスキームに例示されるステップの組み合わせを、式1の化合物を製造するために提示された特定のシーケンスで暗示されるもの以外の順番で行うことが必要であり得ることを認めるであろう。
【0087】
当業者はまた、本明細書に記載される式1の化合物及び中間体が、置換基を追加するために又は存在する置換基を変更するために様々な親電子的な、求核的な、ラジカルの、有機金属の、酸化、及び還元反応にかけられ得ることを認めるであろう。
【0088】
さらなる入念な検討なしに、先行記載を用いる当業者は、最大程度に本開示を利用することができると考えられる。以下の合成実施例は、それ故、単に例示的なものであり、何であれ決して本開示を限定するものではないと解釈されるべきである。以下の合成実施例におけるステップは、全合成変換における各ステップの手順を例示し、各ステップ用の出発原料は、その手順が他の実施例又はステップに記載されている特定の製造実験によって必ずしも製造されたわけではない場合がある。周囲温度又は室温は、約20~25℃と定義される。百分率は、クロマトグラフ溶媒混合物又は特に明記される場合を除いて重量による。クロマトグラフ溶媒混合物についての部及び百分率は、特に明記しない限り容積による。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランから低磁場へppm単位で報告し;「s」はシングレットを意味し、「d」はダブレットを意味し、「t」はトリプレットを意味し、「q」はカルテットを意味し、「m」はマルチプレットを意味し、「dd」はダブレットのダブレットを意味する。
【実施例
【0089】
実施例1
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物37)の調製
ステップA:2-(3-ブロモフェニル)プロパン二酸1,3-ジエチルの調製
1,4-ジオキサン(1000mL)中の3-ブロモ-1-ヨードベンゼン(50g、0.177mol)の溶液に、マロン酸ジエチル(54mL、0.354mol)、炭酸セシウム(143.8g、0.44mol)、ヨウ化第一銅(3.3g、0.0177mol)、及び2-ピコリン酸(4.3g、0.0354mol)を添加した。その反応混合物を、80℃で16時間加熱した。その反応混合物を冷却して室温とし、飽和塩化アンモニウムを用いて反応を停止させ、酢酸エチルを用いて抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下に濃縮させた。そのようにして得られた物質を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中、0~15%のメチルtert-ブチルエーテルでグラジエントさせて溶出)を用いて精製すると、表題化合物が油状物として得られた(31g)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.59(s,1H),7.49(d,1H),7.37(d,1H),7.25(t,1H),4.58(s,1H),4.22(q,4H),1.30(t,6H).
LCMS:m/z:315.3[M+H]+
【0090】
ステップB:2-[3-(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]プロパン二酸1,3-ジエチルの調製
トリエチルアミン(15mL)中、2-(3-ブロモフェニル)プロパン二酸1,3-ジエチル(すなわち、ステップAの反応生成物)(2g、6.67mmol)の溶液に、エチニルシクロプロパン(0.6mL、7mmol)、ヨウ化第一銅(121mg、0.667mmol)、及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)(421mg、0.667mmol)を添加した。その反応混合物を、封管中70℃で4時間加熱した。その反応混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮させた。そのようにして得られた物質を、酢酸エチルを用いて希釈し、水、次いで飽和塩化ナトリウム溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下に濃縮させ、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中、0~15%のメチルtert-ブチルエーテルでグラジエントさせて溶出)により精製すると、表題化合物が油状物として得られた(1.3g)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.59(s,1H),7.3(m,3H),4.57(s,1H),4.20(q,4H),1.45(m,1H),1.30(t,6H),0.8(dd,4H).
LCMS:m/z:301.2[M+H]+
【0091】
ステップC:2-[3-(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]プロパン二酸の調製
水酸化ナトリウム(2Mの水溶液、15mL)の中の2-[3-(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]プロパン二酸1,3-ジエチル(すなわち、ステップBの反応生成物)(1.3g、4mmol)の溶液を、60℃で1時間加熱した。その反応混合物を冷却して室温とし、塩酸(6Nの水溶液)を用いて酸性化させて、pHを約2に調節し、そしてジエチルエーテルを用いて抽出した。その有機抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下に濃縮させると、表題化合物が得られたが、それを直接ステップDで使用した。
【0092】
ステップD:1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-[3-(2-シクロプロピルエチニル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩の調製
ジクロロメタン(20mL)中の、2-[3-(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]プロパン二酸(すなわち、ステップCの反応生成物)の溶液に、室温で、N,N-ジメチルホルムアミド(触媒量)、次いで塩化オキサリル(0.6mL、6mmol)を添加し、1時間撹拌し、減圧下に濃縮させると、中間体化合物の2-[3(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]プロパン二酸ジクロリドが得られた。
【0093】
ジクロロメタン(20mL)中の、N-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-メチル-2-ピリジンアミン(1.1g、4mmol)及びトリエチルアミン(0.8mL、5mmol)の溶液に、室温で、ジクロロメタン(20mL)中の2-[3(2-シクロプロピルエチニル)フェニル]プロパン二酸ジクロリドの溶液を、滴下により添加し、30分間撹拌し、Celite(登録商標)珪藻土濾過助剤を通して濾過し、減圧下に濃縮させた。そのようにして得られた物質を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中50%酢酸エチルを用いて溶出)を用いて精製すると、表題化合物(本開示の化合物)が、固形物として得られた(550mg)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 9.28(d,1H),8.25(d,1H),7.72(m,3H),7.55(d,1H),7.28(t,1H),7.16(d,1H),5.41(s,2H),2.68(s,3H),1.54(m,1H),0.88(dd,4H).
LCMS:m/z:448.4[M+H]+
【0094】
実施例2
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-3-[3-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩(化合物44)の調製;
ステップA:2-[3-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]プロパン二酸1,3-ジエチルの調製
トリエチルアミン(30mL)中の、2-(3-ブロモフェニル)プロパン二酸1,3-ジエチル(すなわち、実施例1ステップAの反応生成物)(5g、15.9mmol)の溶液に、3-メチル-1-ブチン(1.5mL、16.5mmol)、ヨウ化第一銅(285mg、1.5mmol)、及びジクロロビス(トリフェニル-ホスフィン)パラジウム(II)(1.05g、1.5mmol)を添加した。その反応混合物を、封管中70℃で4時間加熱した。その反応混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮させた。そのようにして得られた物質を、酢酸エチルを用いて希釈し、水、次いで飽和塩化ナトリウム溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下に濃縮させ、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中、0~15%のメチルtert-ブチルエーテルでグラジエントさせて溶出)により精製すると、表題化合物が油状物として得られた(2.5g)。
LCMS:m/z:303.4[M+H]+
【0095】
ステップB:2-[3-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]プロパン二酸の調製
水酸化ナトリウム(2M水溶液、20mL)中の、2-[3-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]プロパン二酸1,3-ジエチル(すなわち、ステップAの反応生成物)(2.5g、8.27mmol)の溶液を、60℃で1時間加熱した。その反応混合物を冷却して室温とし、塩酸(6Nの水溶液)を用いて酸性化させて、pHを約2に調節し、そしてジエチルエーテルを用いて抽出した。その有機抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下に濃縮させると、表題化合物が得られたが、それを直接ステップCで使用した。
【0096】
ステップC:1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-2-ヒドロキシ-9-メチル-3-[3-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩の調製
ジクロロメタン(25mL)の中の2-[3-(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]プロパン二酸(すなわち、ステップBの反応生成物)の溶液に、室温で、N,N-ジメチルホルムアミド(触媒量)、次いで塩化オキサリル(1.04mL、12mmol)を添加し、1時間撹拌し、減圧下に濃縮させると、中間体化合物の2-[3(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]プロパン二酸ジクロリドが得られた。
【0097】
ジクロロメタン(25mL)中の、N-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-3-メチル-2-ピリジンアミン(2.17g、9mmol)及びトリエチルアミン(1.3mL、9mmol)の溶液に、室温で、ジクロロメタン(25mL)中の2-[3(3-メチル-1-ブチン-1-イル)フェニル]プロパン二酸ジクロリドの溶液を滴下により添加し、30分間撹拌し、Celite(登録商標)珪藻土濾過助剤を通して濾過し、そして減圧下に濃縮させた。そのようにして得られた物質を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中50%酢酸エチルを用いて溶出)を用いて精製すると、表題化合物(本開示の化合物)が、固形物として得られた(0.55g)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 9.51(d,1H),7.98(d,2H),7.81(s,1H),7.67(t,1H),7.46(s,1H),7.39(d,2H),5.6(s,2H),2.76(m,1H),2.81(s,3H),1.26(d,6H).
LCMS:m/z:450[M+H]+
【0098】
本明細書に記載の手順を、当業者公知の方法と合わせることによって、以下の表1~48の化合物を調製することができる。以下の表においては、次の略号を使用している:i-Prはイソプロピルを意味し、c-Prはシクロプロピルを意味し、n-Buはn-ブチルを意味し、s-Buはsec-ブチルを意味し、t-Buは第三級ブチルを意味し、c-Buはシクロブチルを意味し、Phはフェニルを意味し、そしてCNはシアノを意味している。
【0099】
【表1】
【0100】
本開示にはさらに、表2~48も含まれるが、そのそれぞれは、先の表1と同様に構成されているが、但し、表1における行見出し(すなわち、「R=CH、R=H、X=C-H、Q=2-Cl-5-チアゾリル」)を、以下に示すそれぞれの行見出しに置き換える。
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
配合/有用性
本開示の化合物は一般に、キャリアとして働く、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分とともに、組成物、すなわち、調合物中の無脊椎有害生物駆除活性成分として使用されるであろう。調合物又は組成物成分は、活性成分の物理的特性、適用様式並びに土壌タイプ、湿気及び温度などの環境因子と整合するように選択される。
【0104】
有用な調合物には、液体及び固体組成物が含まれる。液体組成物には、場合によっては増粘してゲルにすることができる、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及び/又はサスポエマルジョンを含む)などが含まれる。一般的なタイプの水性液体組成物は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及びサスポエマルジョンである。一般的なタイプの非水性液体組成物は、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、分散性濃縮物及び油分散系である。
【0105】
一般的なタイプの固体組成物は、水分散性(「濡らすことができる」)又は水溶性であり得る、微粉、粉末、顆粒、ペレット、小粒、芳香錠、錠剤、充填剤入りフィルム(種子コーティングを含む)などである。フィルム形成溶液又は流動性懸濁液から形成されたフィルム及びコーティングは、種子処理用に特に有用である。活性成分は、(マイクロ)カプセル化し、さらに懸濁液又は固体調合物にすることができるか;或いはまた活性成分の全体調合物は、カプセル化する(又は「上塗りする」)ことができる。カプセル化は、活性成分の放出を制御する、又は遅くすることができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮物調合物及び乾燥粒状調合物の両方の利点を兼ね備える。高強度組成物は、さらなる調合物用の中間体として主に使用される。
【0106】
噴霧可能な調合物は典型的には、噴霧前に好適な媒体に希釈される。そのような液体及び固体調合物は、調合されて噴霧媒体、通常水、しかし時々、芳香族又はパラフィン系炭化水素又は植物油のような別の好適な媒体に容易に希釈される。散布量は、1ヘクタール当たり約1~数千リットルの範囲であり得るが、より典型的には1ヘクタール当たり約10~数百リットルの範囲にある。噴霧可能な調合物は、空中若しくは地上散布による茎葉処理のために、又は植物の生育培地への適用のために水又は別の好適な媒体とタンク混合することができる。液体及び乾燥調合物は、植え付け中に、細流かんがいシステムへ直接計量供給するか又は畝間へ計量供給することができる。液体及び固体調合物は、浸透吸収によって成長中の根及び他の地下植物部位並びに/又は群葉を保護するために、植え付け前の種子処理として作物及び他の望ましい植生の種子上へ適用することができる。
【0107】
本明細書で開示された組成物を、目標とする領域、例えば作物が含まれる圃場(これに限定される訳ではない)に散布するための一つの方法は、ドローンを使用することによる。農業用施用、例えば化学製品を用いて圃場を処理するために、ドローン又は無人飛行体(UAV)を使用することは、急速に広まっている。化学製品の容器を、UAV、及びそのUAVに搭載した物質散布システムに取付け、そのUAVを処理対象の領域に操縦し、その間にその化学製品を散布する。
【0108】
調合物は典型的には、有効量の活性成分と、希釈剤と界面活性剤とを、合計100重量パーセントになる、次のおおよその範囲内で含有するであろう。
【0109】
【表4】
【0110】
固体希釈剤には、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト及びカオリンなどの粘土、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば、ラクトース、サッカロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸及び重炭酸ナトリウム、並びに硫酸ナトリウムが含まれる。典型的な固体希釈剤は、Watkinsら,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
【0111】
液体希釈剤には、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリドン)、アルキルホスフェート(例えば、トリエチルホスフェート)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、オクチルアセテート、ノニルアセテート、トリデシルアセテート及びイソボルニルアセテートなどのアセテート、アルキル化乳酸エステル、二塩基性酸エステルアルキル及びアリールベンゾエートなどの他のエステル、γ-ブチロラクトン、並びにメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール及びベンジルアルコールなどの、線状、分岐、飽和若しくは不飽和であってもよい、アルコールが含まれる。液体希釈剤にはまた、植物種油及び果実油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、ごま油、コーン(トウモロコシ)油、ピーナツ油、ヒマワリ油、グレープシード油、サフラワー油、綿実油、大豆油、菜種油、ココナツ油及びパーム核油)、動物源脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)、並びにそれらの混合物などの、飽和及び不飽和脂肪酸(典型的にはC~C22)のグリセロールエステルが含まれる。液体希釈剤にはまた、アルキル化(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)脂肪酸であって、脂肪酸が植物及び動物源からのグリセロールエステルの加水分解によって得られてもよいし、蒸留によって精製することができる脂肪酸が含まれる。典型的な液体希釈剤は、Marsden,Solvents Guide,2nd Ed.,Interscience,New York,1950に記載されている。
【0112】
本開示の固体及び液体組成物は多くの場合、1つ若しくは複数の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(surfactant)(「界面活性剤(surface-active agent)としても知られる」は一般に、液体の表面張力を、変性し、ほとんどの場合低下させる。界面活性剤分子中の親水性及び親油性基の性質に依存して、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤又は消泡剤として有用であり得る。
【0113】
界面活性剤は、非イオン、アニオン又はカチオン界面活性剤として分類することができる。本組成物に有用な非イオン界面活性剤には、(分岐若しくは線状であってもよい)天然及び合成アルコールをベースとする、そしてアルコールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造されるアルコールアルコキシレートなどのアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミド及びエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化大豆油、ヒマシ油及び菜種油などのアルコキシル化トリグリセリド;(フェノール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される)オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート及びドデシルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシド又はプロピレンオキシドと、末端ブロックがプロピレンオキシドから調製されている逆ブロックポリマーとから製造されるブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステル及び油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物から製造されるものを含む);脂肪酸エスエル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステル及びポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキッドpeg(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフト若しくは櫛形ポリマー及び星形ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(peg);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベースの界面活性剤;並びにサッカロースエステル、アルキルポリグリコシド及びアルキル多糖類などの糖誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0114】
有用なアニオン界面活性剤には、アルキルアリールスルホン酸及びそれらの塩;カルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニン及びリグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸若しくはコハク酸又はそれらの酸無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステル及びスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルなどのホスフェートエステル;タンパクベースの界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油及び脂肪酸のスルフェート及びスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェート及びスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N-アルキルタウレートなどのアミン及びアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、並びにドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホネート;縮合ナフタレンのスルホネート;ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート;分別石油のスルホネート;スルホスクシネート;並びにジアルキルスルホスクシネート塩などのスルホスクシネート及びそれらの誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0115】
有用なカチオン界面活性剤には、アミド及びエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン及びジプロピレンテトラアミン、並びに(アミンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される)エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン及びプロポキシル化アミンなどのアミン;アミン酢酸塩などのアミン塩及びジアミン塩;第四級塩、エトキシル化第四級塩及びジ四級化塩などの第四級アンモニウム塩;並びにアルキルジメチルアミンオキシド及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが含まれるが、それらに限定されない。
【0116】
非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との混合物又は非イオン界面活性剤とカチオン界面活性剤との混合物もまた、本組成物に有用である。非イオン、アニオン及びカチオン界面活性剤並びにそれらの推奨される使用は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;Sisely and Wood、Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964;及びA.S.Davidson and B.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987を含む様々な出版された参考文献に開示されている。
【0117】
本開示の組成物はまた、調合助剤として当業者に公知の、調合補助剤及び添加剤を含有してもよい(それらのいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤又は界面活性剤としてもまた機能すると考えられ得る)。そのような調合補助剤及び添加剤は、pH(緩衝剤)、処理中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、活性成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器中の微生物増殖(抗菌剤)、製品凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散系)、洗脱(フィルム形成剤又はステッカー)、蒸発(蒸発防止剤)、及び他の調合属性を制御し得る。フィルム形成剤には、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びワックスが含まれる。調合補助剤及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Volume 2: Functional Materials,annual International and North American editions;及びPCT公開国際公開第03/024222号パンフレットにリストアップされているものが挙げられる。
【0118】
式1の化合物及び任意の他の活性成分は典型的には、活性成分を溶媒に溶解させることによって、又は液体若しくは乾燥希釈剤中ですり潰すことによって本組成物中へ組み込まれる。乳化性濃縮物などの、溶液は、成分を単に混合することによって調製することができる。乳化性濃縮物としての使用を意図される液体組成物の溶媒が水混和性である場合、乳化剤が典型的には、水での希釈時に活性含有溶媒を乳化させるために添加される。2,000μm以下の粒子径の、活性成分スラリーは、3μmよりも下の平均径の粒子を得るために媒体ミルを用いて湿式ミリングすることができる。水性スラリーは、完成懸濁液濃縮物にすることができる(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照されたい)か又は噴霧乾燥によってさらに処理して水分散性顆粒を形成することができる。乾燥調合物は通常、2~10μm範囲の平均粒子径を生み出す、乾式ミリング法を必要とする。微粉及び粉末は、ブレンドし、そして通常(ハンマーミル又は流体エネルギーミルを使ってなどで)すり潰すことによって調製することができる。顆粒及びペレットは、あらかじめ形成された粒状キャリア上へ活性材料を噴霧することによって、又は凝集技術によって調製することができる。Browning,「Agglomeration」,Chemical Engineering,December 4,1967,pp 147-48,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,pages8-57及びそれに続くもの、並びに国際公開第91/13546号パンフレットを参照されたい。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書に記載されているように調製することができる。水分散性及び水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書及び独国特許第3,246,493号明細書に教示されているように調製することができる。錠剤は、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書及び米国特許第5,208,030号明細書に教示されているように調製することができる。フィルムは、英国特許第2,095,558号明細書及び米国特許第3,299,566号明細書に教示されているように調製することができる。
【0119】
調合物の技術分野に関するさらなる情報については、T.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture」in Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food-Environment Challenge,T.Brooks and T.R.Roberts,Eds.,Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999,pp.120-133を参照されたい。また、米国特許第3,235,361号明細書、列6、行16~列7、行19及び実施例10~41;米国特許第3,309,192号明細書、列5、行43~列7、行62並びに実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164,166,167及び169~182;米国特許第2,891,855号明細書、列3、行66~列5、行17及び実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,pp 81-96;Hance et al.,Weed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989;並びにDevelopments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000を参照されたい。
【0120】
以下の実施例において、配合物はすべて、慣用される方法で調製される。化合物の番号は、索引表Aでの化合物を指している。さらなる入念な検討なしに、先行記載を用いる当業者は、最大程度に本開示を利用することができると考えられる。以下の実施例は、それ故、単に例示的なものであり、何であれ決して本開示を限定するものではないと解釈されるべきである。百分率は、特に示される場合を除いて重量による。
【0121】
実施例A
高強度濃縮物
化合物1 98.5%
シリカエーロゲル 0.5%
合成アモルファス微粉シリカ 1.0%
【0122】
実施例B
水和剤
化合物5 65.0%
ドデシルフェノールポリエチレングリコールエーテル 2.0%
リグニンスルホン酸ナトリウム 4.0%
シリコアルミン酸ナトリウム 6.0%
モンモリロナイト(焼成品) 23.0%
【0123】
実施例C
顆粒
化合物8 10.0%
アタパルジャイト顆粒(低揮発分、0.71/0.30mm;U.S.S.No.25-50篩 90.0%
【0124】
実施例D
押出加工ペレット
化合物12 25.0%
無水硫酸ナトリウム 10.0%
粗リグニンスルホン酸カルシウム 5.0%
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 1.0%
カルシウム/マグネシウムベントナイト 59.0%
【0125】
実施例E
乳液濃縮物
化合物18 10.0%
ポリオキシエチレンソルビトールヘクスオレエート 20.0%
~C10脂肪酸メチルエステル 70.0%
【0126】
実施例F
マイクロエマルション
化合物23 5.0%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 30.0%
アルキルポリグリコシド 30.0%
グリセリルモノオレエート 15.0%
水 20.0%
【0127】
実施例G
種子処理剤
化合物36 20.00%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 5.00%
モンタン酸ワックス 5.00%
リグニンスルホン酸カルシウム 1.00%
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー 1.00%
ステアリルアルコール(POE 20) 2.00%
ポリオルガノシラン 0.20%
着色剤、赤色染料 0.05%
水 65.75%
【0128】
実施例H
棒状肥料
化合物42 2.5%
ピロリドン-スチレンコポリマー 4.8%
トリスチリルフェニル 16-エトキシレート 2.3%
タルク 0.8%
コーンスターチ 5.0%
徐放性肥料 36.0%
カオリン 38.0%
水 10.6%
【0129】
実施例I
懸濁液濃縮物
化合物43 35%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリリックポリマー 1.0%
キサンタンゴム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンベースの消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
水 53.7%
【0130】
実施例J
水中エマルション
化合物45 10.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリリックポリマー 1.0%
キサンタンゴム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンベースの消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油ベースの炭化水素 20.0
水 58.7%
【0131】
実施例K
油分散体
化合物50 25%
ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート 15%
有機変性ベントナイトクレー 2.5%
脂肪酸メチルエステル 57.5%
【0132】
実施例L
サスポエマルション
化合物51 10.0%
イミダクロプリド 5.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリリックポリマー 1.0%
キサンタンゴム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンベースの消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油ベースの炭化水素 20.0%
水 53.7%
【0133】
本開示の化合物は、幅広いスペクトルの無脊椎有害生物に対して活性を示す。これらの有害生物には、例えば、植物群葉、根、土壌、収穫済み作物又は他の食料、建造物又は動物外皮などの様々な環境に生息する無脊椎動物が含まれる。これらの有害生物には、例えば、群葉(葉、茎、花及び果実を含む)、種子、木、織物繊維又は動物血液若しくは組織上で摂食し、それによって、例えば、成長中の又は貯蔵される農作物、森林、温室作物、観賞植物、苗床作物、貯蔵される食料若しくは繊維製品、又は家屋若しくは他の構造物若しくはそれらの内容物に被害若しくは損害を引き起こすか、又は動物の健康若しくは公衆衛生に有害である無脊椎動物が含まれる。当業者は、すべての化合物が、すべての成長段階のすべての有害生物に対して等しく有効であるわけではないことを十分理解するであろう。
【0134】
これらの本化合物及び組成物はしたがって、農作物を植食性の無脊椎有害生物から保護するために農学的に、そしてまた他の園芸作物及び植物を植食性の無脊椎有害生物から保護するために非農学的に有用である。この有用性には、遺伝子工学(すなわち、遺伝子組み換え)によって導入された、又は有利な形質を提供するために突然変異生成によって変性された遺伝物質を含有する作物及び他の植物(すなわち、農学的及び非農学的の両方の)を保護することが含まれる。そのような形質の例としては、除草剤への耐性、植食性の有害生物(例えば、昆虫、ダニ、アブラムシ、クモ、線形動物、カタツムリ、植物病原性真菌類、細菌及びウィルス)に対する抵抗性、改善された植物成長、高温若しくは低温、低い若しくは高い土壌湿気、及び高い塩分濃度などの不利な生育条件への増加した耐性、増加した開花又は結果、より大きい収穫収量、より速い成熟、収穫産物のより高い品質及び/若しくは栄養価、又は収穫産物の改善された貯蔵若しくは加工特性が挙げられる。遺伝子組み換え植物は、多形質を発現させるように変性することができる。遺伝子工学又は突然変異生成によって提供される形質を含有する植物の例としては、YIELD GARD(登録商標)、KNOCKOUT(登録商標)、STARLINK(登録商標)、BOLLGARD(登録商標)、NuCOTN(登録商標)及びNEWLEAF(登録商標)、INVICTA RR2 PROTMなどの殺虫性のバチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現させるコーン、綿、大豆及びジャガイモの変種、及びROUNDUP READY(登録商標)、LIBERTY LINK(登録商標)、IMI(登録商標)、STS(登録商標)及びCLEARFIELD(登録商標)などのコーン、綿、大豆及び菜種の除草剤耐性亜種、並びにグリホサート除草剤に対する抵抗性を提供するためのN-アセチルトランスフェラーゼ(GAT)を発現させる作物、又はアセト乳酸シンターゼ(ALS)を阻害する除草剤に対する抵抗性を提供するHRA遺伝子を含有する作物が挙げられる。本化合物及び組成物は、遺伝子工学によって導入された、又は突然変異生成によって変性された形質と相加超(すなわち、向上)効果で相互作用し、このようにして形質の表現型発現又は有効性を高め得るか、又は本化合物及び組成物の無脊椎有害生物駆除有効性を増加させ得る。具体的には、本開示の化合物及び組成物は、無脊椎有害生物に対して毒性を有するタンパク質又はその他の天然物の表現型発現(phenotypic expression)と相加超(すなわち、向上)効果で作用して、これらの有害生物に、単に加えた以上の防除を与えることができる。
【0135】
本開示の組成物はまた、植物栄養物、例えば、窒素、リン、カリ、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、ホウ素、マンガン、亜鉛、及びモリブデンから選択される少なくとも1つの植物栄養物を含む肥料組成物を場合によっては含むことができる。窒素、リン、カリ、硫黄、カルシウム及びマグネシウムから選択される少なくとも1つの植物栄養物を含む少なくとも1つの肥料組成物を含む組成物に注目すべきである。少なくとも1つの植物栄養物をさらに含む本開示の組成物は、液体若しくは固体の形態にあり得る。顆粒、小スティック又は錠剤の形態での固体調合物に注目すべきである。肥料組成物を含む固体調合物は、本開示の化合物又は組成物を調合成分と一緒に肥料組成物と混合し、そして次に顆粒化又は押出などの方法によってこの調合物を調製することによって調製することができる。或いはまた、固体調合物は、揮発性溶媒中の本開示の化合物又は組成物の溶液又は懸濁液を、寸法安定性のある混合物、例えば、顆粒、小スティック又は錠剤の形態での事前調製された肥料組成物上へ噴霧し、次に溶媒を蒸発させることによって調製することができる。
【0136】
非農学的使用は、作物の田畑以外のエリアでの無脊椎有害生物駆除を意味する。本化合物及び組成物の非農学的使用には、貯蔵される穀物、豆及び他の食料での、並びに衣類及びカーペットなどの織物での無脊椎有害生物の駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、観賞植物、森林での、道路沿い及び鉄道施設用地に沿った、芝土での、並びに芝土、ゴルフコース及び牧場などの芝生上での無脊椎有害生物駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、ヒト及び/又は連れによって占有されてもよい家屋及び他の建物、農場、大牧場、動物園又は他の動物での無脊椎有害生物駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、建物に使用された木材又は他の構造材料に損害を与え得るシロアリなどの有害生物の駆除が含まれる。
【0137】
本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、寄生性であるか、又は伝染病をうつす無脊椎有害生物を駆除することによるヒト及び動物の健康の保護が含まれる。動物寄生生物の駆除には、ホスト動物の体の表面(例えば、肩、脇の下、腹部、大腿部の内側部)に寄生する外部寄生生物及びホスト動物の体の内部(例えば、胃、腸、肺、静脈、皮下、リンパ組織)に寄生する内部寄生生物の駆除が含まれる。外部寄生性又は病気媒介有害生物には、例えば、ツツガムシの幼虫、マダニ(tick)、シラミ、蚊、ハエ、ダニ及びノミが含まれる。内部寄生生物には、犬糸状虫、十二指腸虫及び蠕虫が含まれる。本開示の化合物及び組成物は、動物上の寄生生物によるまん延又は感染の全身及び/又は非全身制御に好適である。本開示の化合物及び組成物は、外部寄生性有害生物又は病気媒介有害生物と闘うのに特に好適である。本開示の化合物及び組成物は、畜牛、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、水牛、ウサギ、めんどり、七面鳥、アヒル、ガチョウ及びハチなどの、農作業動物;犬、猫、愛玩鳥及び観賞魚などの愛玩動物及び家畜;並びにハムスター、モルモット、ラットおよぶマウスなどの、いわゆる実験動物にはびこる寄生生物と闘うのに好適である。これらの寄生生物と闘うことによって、災難及びパフォーマンス低下(肉、ミルク、羊毛、皮、卵、蜜の観点からの)が低減され、その結果本開示の化合物を含む組成物の適用は、動物のより経済的な、且つ、簡単な畜産を可能にする。
【0138】
農業的又は非農業的な無脊椎有害生物の例としては、以下のものの卵、幼虫、及び成虫が挙げられる:鱗翅目、例えばヨトウムシ、ネキリムシ、シャクトリムシ、及びヤガ科のチョウ目害虫(例えば、ピンク・ステム・ボーラー(pink stem borer)(セサミア・インフェレンス・ウォーカー(Sesamia inferens Walker))、コーン・ストーク・ボーラー(corn stalk borer)(セサミア・ノナグリオイデス・ルフェーブル(Sesamia nonagrioides Lefebvre))、サザン・アーミーワーム(southern armyworm)(スポドプテラ・エリダニア・クレーマー(Spodoptera eridania Cramer))、ツマジロクサヨトウ(fall armyworm)(スポドプテラ・フルギペルダ・J.E.スミス(Spodoptera frugiperda J.E.Smith))、シロイチモジヨトウガの幼虫(Beet Armyworm)(スポドプテラ・エクシグア・ヒューブナー(Spodoptera exigua Huebnber))、コットン・リーフワーム(cotton leafworm)(スポドプテラ・リトラリス・ボアデュバル(Spodoptera littoralis Boisduval))、イエローストライプド・アーミーワーム(yellowstriped armyworm)(スポプテラ・オルニトガリ・グエネ(Spodoptera ornihogalli Guenee))、タマナヤガ(black cutworm)(アグロチス・イプシロン・フフナゲル(Agrotis ipsilon Hufnagel))、ベルベットビーン・キャタピラー(velvetbean caterpillar)(アンチカルシア・ゲマタリス・ヒューブナー(Anticarsia gemmatalis Huebner))、グリーン・フルーツワーム(green fruitworm)(リトファネ・アンテンナタ・ウォーカー(Lithophane antennata Walker))、ヨトウガ(cabbage armyworm)(バラトラ・ブラシカエ・リンナエウス(Barathra brassicae Linnaeus))、ソイビーン・ルーパー(soybean looper)(シュードプルシア・インクルデンス・ウォーカー(Pseudoplusia includens Walker))、イラクサギンウワバ(cabbage looper)(トリコプルシア・ニ・ヒューブナー(Trichoplusia ni Huebner))、タバコ・バドワーム(tobacco budwaorm)(ヘリオティス・ビレセンス・ファブリシウス(Heliothis virescens Fabricius));メイガ科(family Pyralidae)からの、穿孔性害虫(borers)、ツツミノガ(casebearers)、ウェブワーム(webworms)、コーンワーム(cornworms)、アオムシ(cabbageworms)、及びスケルトナイザー(skeletonizers)(例えば、ヨーロッパアワノメイガ(European corn borer)(オストリニア・ヌビラリス・ヒューブナー(Ostrinia nubilalis Huebner))、ネーブル・オレンジワーム(navel orangeworm)(アミエロイス・トランシテラ・ウォーカー(Amyelois transitella Walker))、コーン・ルート・ウェブワーム(corn root webworm)(クランブス・カリギノセルス・クレメンス(Crambus caliginosellus Clemens))、ソッド・ウェブワーム(sod webworm)(メイガ科(Pyralidae):ツトガ科(Crambinae))、例えば、ソッド・ワーム(sod webworm)(ヘルペトグランマ・リカルシサリス・ウォーカー(Herpetogramma licarsisalis Walker))、シュガーケーン・ステム・ボーラー(sugarcane stem borer)(キロ・インフスカテルス・スネレン(Chilo infuscatellus Snellen))、トマト・スモール・ボーラー(tomato small borer)(ネオレウシノデス・エレガンタリス・グエネ(Neoleucinodes elegantalis Guenee))、グリーン・リーフローラー(green leafroller)(クナファロクロシス・メジナリス・グエネ(Cnaphalocrocis medinalis Guenee))、グレープ・リーフフォルダー(grape leaffolder)(デスミア・フネラリス・ヒューブナー(Desmia funeralis Huebnber))、ピックルワーム(pickleworm)(ジアファニア・ニチダリス・ストール(Diaphania nitidalis Stoll))、キャベッジ・センター・グラブ(cabbage center grub)(ヘルラ・ヒダラリス・グエネ(Hellula hydralis Guenee))、サンカメイガ(yellow stem borer)(シルポファガ・インセルツラス・ウォーカー(Scirpophaga incertulas Walker))、ホワイト・ステム・ボーラー(white stem borer)(スキルポファガ・インノタタ・ウォーカー(Scirpophaga innotata Walker))、トップ・シュート・ボーラー(top shoot borer)(スキルポファガ・ニベラ・ファブリシウス(Scirpophaga nivella Fabricius))、ダークーヘデッド・ライス・ボーラー(darkーheaded rice borer)(キロ・ポリクリスス・メイリック(Chilo polychrysus Meyrick))、ストライプト・ライスボーラー(striped riceborer)(キロ・スプレッサッリス・ウォーカー(Chilo suppressalis Walker))、ケブカノメイガ(cabbage cluster caterpillar)(クロシドロミア・ビノタリス・ツェラー(Crocidolomia binotalis Zeller));ハマキガ科(Tortricidae)のハマキムシ(leafroller)、バドワーム(budworm)、シード・ワーム(seed worm)、及びフルーツ・ワーム(fruit worm)(例えば、コドリンガ(codling moth)(シジア・ポモネラ・リンナエウス(Cydia pomonella Linnaeus))、グレープ・ベリー・モス(grape berry moth)(パラロベシア・ビテアナ・クレメンス(Paralobesia viteana Clemens))、ナシヒメシンクイガ(oriental fruit moth)(グラフォリタ・モレスタ・ブスク(Grapholita molesta Busck))、シトラス・ファルス・コドリング・モス(citrus false codling moth)(クリプトフレビア・ロイコトレタ・メイリック(Cryptophlebia leucotreta Meyrick))、シトラス・ボーラー(citrus borer)(ジムナンドロソマ・アウランチアヌム・リマ(Gymnandrosoma aurantianum Lima))、レッドバンディド・リーフローラー(redbanded leafroller)(アルギロタエニア・ベルチナナ・ウォーカー(Argyrotaenia velutinana Walker))、オブリリークバンデッド・リーフローラー(obliquebanded leafroller)(コリストネウラ・ロサセアナ・ハリス(Choristoneura rosaceana Harris))、ライト・ブラウン・アップル・モス(light brown apple moth)(エピフィアス・ポストビッタナ・ウォーカー(Epiphyas postvittana Walker))、ヨーロピアン・グレープ・ベリー・モス(European grape berry moth)(エウポエシリア・アムビグエラ・ヒューブナー(Eupoecilia ambiguella Huebnber))、アップル・バド・モス(apple bud moth)(パンデミス・ピルサナ・キアフォット(Pandemis pyrusana (Kearfott))、オムニボラス・リーフローラー(omnivorous leafroller)(プラティノタ・スツルタナ・ウォルシンガム(Platynota stultana Walshingham))、バード・フルーツ-ツリー・トルトリクス(barred fruit-tree tortrix)(パンデミス・セラサナ・ヒューブナー(Pandemis cerasana Huebnber))、アップル・ブラウン・トルトリクス(apple brown tortrix)(パンデミス・ヘパラナ・デニス&シッファーミュラー(Pandemis heparana Denis&Schiffermueller));
並びに多くの他の経済的に重要な鱗翅目(Lepidoptera)(例えば、コナガ(diamondback moth)(プルテラ・キシロステラ・リンナエウス(Plutella xylostella Linnaeus))、ピンク・ボールワーム(pink bollworm)(ペクチノフォラ・ゴシピエラ・サウンダーズ(Pectinophora gossypiella Saunders))、マイマイガ(gypsy moth)(リマントリア・ジスパル・リンナエウス(Lymantria dispar Linnaeus))、ピーチ・フルーツ・ボーラー(peach fruit borer)(カルポシナ・ニポネンシス・ウォルシンガム(Carposina niponensis Walshingham))、ピーチ・ツイグ・ボーラー(peach twig borer)(アナルシア・リネアテラ・ツェラー(Anarsia lineatella Zeller))、ポテト・チューバーワーム(potato tuberworm)(フトリマエア・オペルクレラ・ツェラー(Phthorimaea operculella Zeller))、スポテッド・テニフォーム・リーフマイナー(spotted teniform leafminer)(フィロノリクテル・ブランカルデラ・ファブリシウス(Phyllonorycter blancardella Fabricius))、アシアチック・アップル・リーフマイナー(Asiatic apple leafminer)(リトコレティス・リンゴニエラ・マツムラ(Lithocolletis ringoniella Matsumura))、ライス・リーフフォルダー(rice leaffolder)(レロデア・エウファラ・エドワーズ(Lerodea eufala Edwards))、アップル・リーフマイナー(apple leafminer)(レウコプテラ・スキテラ・ツェラー(Leucoptera scitella Zeller)));チャバネゴキブリ科(Blatterllidae)及びゴキブリ科(Blattidae)からのゴキブリを含むゴキブリ目の卵、幼虫、及び成虫(例えば、トウヨウゴキブリ(oriental cockroach)(ブラッタ・オリエンタリス・リンナエウス(Blatta orientalis Linnaeus))、アジアゴキブリ(Asian cockroach)(ブラッテラ・アサヒナイ・ミズクボ(Blatella asahinai Mizukobo))、チャバネゴキブリ(German cockroach)(ブラテラ・ゲルマニカ・リンナエウス(Blattella germanica Linnaeus))、チャオビゴキブリ(brownbanded cockroach)(スペラ・ロンギパルパ・ファブリシウス(Supella longipalpa Fabricius))、ワモンゴキブリ(American cockroach)(ペリプラネタ・アメリカナ・リンナエウス(Periplaneta americana Linnaeus))、トビイロゴキブリ(brown cockroach)(ペリプラネタ・ブルンネア・ブルマイスター(Periplaneta brunnea Burmeister))、マデイラゴキブリ(Madeira cockroach)(レウコファエア・マデラエ・ファブリシウス(Leucophaea maderae Fabricius)))、クロゴキブリ(smoky brown cockroach)(ペリプラネタ・フリギノサ・セルビル(Periplaneta fuliginosa Serville))、コワモンゴキブリ(Australian Cockroach)(ペリプラネタ・アウストララシアエ・ファフリシウス(Periplaneta australasiae Fabr.))、ハイイロゴキブリ(lobster cockroach)(ナウフォエタ・シネレア・オリビエ(Nauphoeta cinerea Olivier))、及びスムースコックローチ(smooth cockroach)(シムプロチェ・パレンス・スチーブンズ(Symploce pallens Stephens));ヒゲナガゾウムシ科(Anthribidae)、マメゾウムシ科(Bruchidae)、及びゾウムシ科(Curculionidae)からのゾウムシ(weevil)を含む鞘翅目(Order Coleoptera)の卵、食葉性、食果実性、食根性、食種子性、及び食小胞状組織性の幼虫及び成虫(例えば、ワタミゾウムシ(boll weevil)(アントノムス・グランジス・ボーエマン(Anthonomus grandis Boheman))、イネミズゾウムシ(rice water weevil)(リソルホプトルス・オリゾフィルス・クシェル(Lissorhoptrus oryzophilus Kuschel))、グラナリアコクゾウムシ(granary weevil)(シトフィルス・グラナリウス・リンナエウス(Sitophilus granarius Linnaeus))、ライス・ウィービル(rice weevil)(シトフィルス・オリザエ・リンナエウス(Sitophilus oryzae Linnaeus)))、アニュアル・ブルーグラス・ウィービル(annual bluegrass weevil)(リストロノツス・マキュリコリス・ディエツ(Listronotus maculicollis Dietz))、ブルーグラス・ビルバグ(bluegrass billbug)(スフェノホルス・パルブルス・ギレンハル(Sphenophorus parvulus Gyllenhal))、シバオサゾウムシ(hunting billbug)(スフェノホラス・ベナツス・ベスチツス・チッテンデン(Sphenophorus venatus vestitus Chittenden))、ロッキー・マウンテン・ビルバグ(Rocky Mountain billbug)(スフェノホルス・シカトリストリアツス・ファーラエウス(Sphenophorus cicatristriatus Fahraeus)));ハムシ科(Chrysomelidae)の、ノミハムシ(flea beetle)、ウリハムシ(cucumber beetle)、ネクイムシ(rootworm)、ハムシ(leaf beetle)、イモハムシ(potato beetle)、及びハモグリムシ(leafminer) (例えば、コロラドハムシ(Colorado potato beetle)(レプチノタルサ・デセムリネアタ・セイ(Leptionotarsa decemkineata Say))、ウエスタン・コーン・ルートワーム(western corn rootworm)(ディアブロティカ・ビルギフェラ・ルコンテ(Diabrotica virgifera LeConte)));コガネムシ科(Scarabaeidae)のコガネムシ(chafer)及びその他の甲虫(例えば、マメコガネ(Japanese beetle)(ポピリア・ジャポニカ・ニューマン(Popillia japonica Newman))、セマダラコガネ(oriental beetle)(アノマラ・オリエンタリス・ウォーターハウス(Anomala orientalis Waterhouse))、ノザン・マスクド・チェーファー(northern masked chafer)(シクロセファラ・ボレアリス・アロウ(Cyclocephala borealis Arrow))、サザン・マスクド・チェーファー(southern masked chafer)(シクロセファラ・インマクラタ・オリビエ(Cyclocephala immaculata Olivier)又はC.ルリダ・ブランド(C.lurida Bland))、フンコロガシ(dung beetle)及びホワイト・グラブ(white grub)(アホディウス(Aphodius)種)、ブラック・ターフグラス・アテニウス(black turfgrass ataenius)(アタエニウス・スプレツルス・ハルデマン(Ataenius spretulus Haldeman))、グリーン・ジューン・ビートル(green June beetle)(コチニス・ニチダ・リンナエウス(Cotinis nitida Linnaeus))、アジアティック・ガーデン・ビートル(Asiatic garden beetle)(マラデラ・カスタネア・アロウ(Maladera castanea Arrow))、メイ/ジューン・ビートル(May/June beetle)(フィロファガ属(Phyllophaga spp.))、及びヨーロピアン・シェーファー(European chafer)(リゾトログス・マジャリス・ラゾモウスキイ(Rhizotrogus majalis Razoumowsky));カツオブシムシ科(Dermestidae)のカツオブシムシ(carpet beetle);コメツキムシ科(Elateridae)のハリガネムシ(wireworm);キクイムシ科(Scolytidae)のキクイムシ(bark beetle)、及びゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)のコクヌストモドキ(flour beetle)。
【0139】
それらに加えて、農業的及び非農業的有害生物としては以下のものが挙げられる:クギヌキハサミムシ科(Forficulidae)のハサミムシ(earwig)を含めた革翅目(Order Dermaptera)の卵、成虫、及び幼虫(例えば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(European earwig)(フォルフィクラ・アウリクラリア・リンナエウス(Forficula auricularia Linnaeus))、ブラック・イヤウィグ(black earwig)(ケリソケス・モリオ・ファブリシウス(Chelisoches morio Fabricius)));半翅目の卵、幼体、成虫、及び幼虫、例えば、メクラカメムシ科(Miridae)のカスミカメムシ(plant bug)、セミ科(Cicadidae)のセミ(cicada)、ヨコバイ(leafhopper)(例えばオオヨコバイ科(Cicadellidae)のエンポアスカ属(Empoasca spp.))、ナンキンムシ(bed bug)(例えば、トコジラミ科(Cimicidae)のシメクス・レクツラリウス・リンナエウス(Cimex lectularius Linnaeus))、アワフキムシ科(Fulgoridae)及びウンカ科(Delphacidae)のウンカ(planthopper)、ツノゼミ科(Membracidae)のツノゼミ(treehopper)、ヒラズキジラミ科(Liviidae)、キジラミ科(Psyllidae)及びトガリジラミ科(Triozidae)のキジラミ(psyllid)、コナジラミ科(Aleyrodidae)のコナジラミ(whitefly)、アブラムシ科(Aphididae)のアブラムシ(aphid)、ネアブラムシ科(Phylloxeridae)のネアブラムシ(phylloxera)、コナカイガラムシ科(Pseudococcidae)のコナカイガラムシ(mealybug)、カタカイガラムシ科(Coccidae)、マルカイガラムシ科(Diaspididae)、及びワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)のカイガラムシ(scale)、グンバイムシ科(Tingidae)のグンバイムシ(lace bug)、カメムシ科(Pentatomidae)のカメムシ(stink bug)、チンチ・バグ(chinch bug)(例えば、ヘアリー・チンチ・バグ(hairy chinch bug)(ブリッスス・レウコプテルス・ヒルツス・モンタンドン(Blissus leucopterus hirtus Montandon))、及びサザン・チンチ・バグ(southern chinch bug)(ブリッスス・インスラリス・バーバー(Blissus insularis Barber)))、並びにその他のナガカメムシ科(Lygaeidae)のシード・バグ(seed bug)、コガシラアワフキムシ科(Cercopidae)のアワフキムシ(spittlebug)、ヘリカメムシ科(Coreidae)のヘリカメムシ(squash bug)、並びにホシカメムシ科(Pyrrhocoridae)のアカホシカメムシ(red bug)及びコットン・ステイナー(cotton stainer)。
【0140】
農業的及び非農業的有害生物としてさらに、以下のものが挙げられる:ダニ目(ダニ)の卵、幼虫、幼虫、及び成虫、例えばハダニ科(Tetranychidae)のハダニ(spider mite)及びアカダニ(red mite)(例えば、リンゴハダニ(European red mite)(パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi))、ツースポッテドハダニ(twospotted spider mite)(テトラニクス・ウルチカエ・コッホ(Tetranychus urticae Koch))、マクダニエルハダニ(McDaniel spider mite)(テトラニクス・マクダニエリ・マックレガー(Tetranychus mcdanieli McGregor)));ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)のヒメハダニ(flat mite)(例えば、ブドウヒメハダニ(citrus flat mite)(ブレヴィパルプス・レウィシ・マックレガー(Brevipalpus lewisi McGregor)));フシダニ科(Eriophyidae)のサビダニ(rust)及びフシダニ(bud mite)、並びにその他の食葉性ダニ(foliar feeding mite)、並びにヒト及び動物の健康において重要なダニ、すなわち、ヒョウダニ科(Epidermoptidae)のチリダニ(dust mite)、ニキビダニ科(Demodecidae)のニキビダニ(follicle mite)、ニクダニ科(Glycyphagidae)のムギコナダニ(grain mite);マダニ(hard tick)と一般的に呼ばれている、マダニ科(Ixodidae)のマダニ(tick)(例えば、シカダニ(deer tick)(イクソデス・スカプラリス・セイ(Ixodes scapularis Say))、オーストラリアン・パラリシス・チック(Australian paralysis tick)(イクソデス・ホロチクルス・ノイマン(Ixodes holocyclus Neumann))、アメリカン・ドッグ・チック(American dog tick)(デルマセントル・バリアビリス・セイ(Dermacentor variabilis Say))、ローン・スター・チック(lone star tick)(アムブリオマ・アメリカナム・リンナエウス(Amblyomma americanum Linnaeus)))、並びにヒメダニ(soft tick)と一般的に呼ばれている、ヒメダニ科(Argasidae)のマダニ(tick)(例えば、回帰熱マダニ(relapsing fever tick)(オルニトドルス・ツリカタ・デュゲス(Ornithodoros turicata Duges))、一般的な家禽ダニ(fowl tick)(アルガス・ラジアツス・ライレー(Argas radiatus Raillet)));キュウセンヒゼンダニ科(Psoroptidae)、シラミダニ科(Pyemotidae)、及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae)のキュウセンヒゼンダニ(scab mite)及びヒゼンダニ(itch mite);直翅目(Order Orthoptera)の、例えば、以下のものの卵、成虫、及び幼体:バッタ(grasshopper)、イナゴ(locust)、及びコオロギ(cricket)(例えば、ワタリバッタ(migratory grasshopper)(例えば、メラノプラス・サングイニペス・ファブリシウス(Melanoplus sanguinipes Fabricius)、M.ジフェレンチアリス・トーマス(M.differentialis Thomas))、アメリカバッタ(American grasshopper)(例えば、シストセルカ・アメリカナ・ドルリー(Schistocerca americana Drury))、サバクトビバッタ(desert locust)(シストセルカ・グレガリア・フォルスカル(Schistocerca gregaria Forskal))、トノサマバッタ(migratory locust)(ロクスタ・ミグラトリア・リンナエウス(Locusta migratoria Linnaeus))、ブッシュ・ローカスト(bush locust)(ゾノセラス種(Zonocerus spp.))、イエコオロギ(house cricket)(アケタ・ドメスチクス・リンナエウス(Acheta domesticus Linnaeus))、ケラ(mole cricket)(例えば、タウニー・モール・クリケット(tawny mole cricket)(スカプテリスクス・ビシヌス・スカッダー(Scapteriscus vicinus Scudder))、及びサザン・モール・クリケット(southern mole cricket)(スカプテリスクス・ボレリイ・ジリオ-トス(Scapteriscus borellii Giglio-Tos)));
双翅目(Order Diptera)の、例えば以下のものの卵、成虫、及び幼体:ハモグリムシ(leafminer)(例えば、リリオミザ属(Liriomyza spp.)、例えばサーペンチン・ベジタブル・リーフマイナー(serpentine vegetable leafminer(リリオミザ・サティバエ・ブランチャード(Liriomyza sativae Blanchard)))、ユスリカ(midge)、ミバエ(fruit fly)(ミバエ科(Tephritidae))、キモグリバエ(frit fly)(例えば、オシネラ・フリト・リンナエウス(Oscinella frit Linnaeus))、ソイル・マゴット(soil maggot)、イエバエ(house fly)(例えば、ムスカ・ドメスチカ・リンナエウス(Musca domestica Linnaeus))、ヒメイエバエ(lesser house fly)(例えば、ファンニア・カニクラリス・リンナエウス(Fannia canicularis Linnaeus)、F.フェモラリス・シュタイン(F.femoralis Stein))、サシバエ(stable fly)(例えば、ストモキス・カルシトランス・リンナエウス(Stomoxys calcitrans Linnaeus))、フェイス・フライ(face fly)、ノサシバエ(horn fly)、クロバエ(blow fly)(例えば、クリソミア属種(Chrysomya spp.)、ホルミア属種(Phormia spp.))、及び、その他のムスコイド・フライ・ペスト(muscoid fly pest)、アブ(horse fly)(例えば、タバヌス属(Tabanus spp.))、ウマバエ(bot fly)(例えば、ガステロフィルス種(Gasterophilus spp.)、オエスツルス種(Oestrus spp.))、ウシバエ(cattle grub)(例えば、ウシバエ種(Hypoderma spp.))、メクラアブ(deer fly)(例えば、クリソプス属(Chrysops spp.))、ヒツジシラミバエ(ked)(例えば、メロファグス・オビヌス・リンナエウス(Melophagus ovinus Linnaeus))及びその他の短角亜目(Brachycera)、蚊(mosquito)(例えば、アエデス属(Aedes spp.)、アノフェレス属(Anopheles spp.)、クレクス属(Culex spp.))、ブユ(black fly)(例えば、プロシムリウム属種(Prosimulium spp.)、シムリウム属(Simulium spp.))、ヌカカ(biting midge)、スナバエ(sand fly)、クロバネキノコバエ(sciarid)、及びその他の長角亜目(Nematocera);総翅目(Order Thysanoptera)の、例えば以下のものの卵、成虫、及び幼体:ネギアザミウマ(onion thrip)(トリプス・タバシ(Thrips tabaci)リンデマン(Lindeman))、花アザミウマ(フランクリニエラ属(Frankliniella spp.))、及びその他の食葉性アザミウマ;膜翅目(Order Hymenoptera)の昆虫有害生物例えば、アリ類(Formicidae)のアリ(ant)、例えばフロリダ・カーペンター・アント(Florida carpenter ant)(カンポノツス・フロリダヌス・バックリー(Camponotus floridanus Buckley))、アカオオアリ(red carpenter ant)(カンポノツス・フェルギネウス・ファブリシウス(Camponotus ferrugineus Fabricius))、クロオオアリ(black carpenter ant)(カンポノツス・ペンシルバニクス・デ・ヘール(Camponotus pennsylvanicus De Geer))、アシジロヒラフシアリ(white-footed ant)(テクノミルメックス・アルビペス・F.スミス(Technomyrmex albipes F.Smith))、オオズアリ(big headed ant)(オオズアリ属(Pheidole sp.))、ゴースト・アント(ghost ant)(タピノマ・メラノセファルム・ファブリシウス(Tapinoma melanocephalum Fabricius));イエヒメアリ(Pharaoh ant)(モノモリウム・ファラオニス・リンナエウス(Monomorium pharaonis Linnaeus))、チビヒアリ(little fire ant)(ワスマンニア・アウロプンクタタ・ロジャー(Wasmannia auropunctata Roger))、ヒアリ(fire ant)(ソレノプシス・ゲミナタ・ファブリシウス(Solenopsis geminata Fabricius))、レッド・インポーテッド・ファイア・アント(red imported fire ant)(ソレノプシス・インビクタ・ビューレン(Solenopsis invicta Buren))、アルゼンチン・アリ(Argentine ant)(イリドミルメクス・フミリス・マイヤー(Iridomyrmex humilis Mayr))、クレージー・アント(crazy ant)(パラトレキナ・ロンギコルニス・ラトレイユ(Paratrechina longicornis Latreille))、トビイロシワアリ(pavement ant)(テトラモリウム・カエスピツム・リンナエウス(Tetramorium caespitum Linnaeus))、ヒメトビイロケアリ(cornfield ant)(ラシウス・アリエヌス・フェルスター(Lasius alienus Foerster))、及びオドラス・ハウス・アント(odorous house ant)(タピノマ・セッシレ・セイ(Tapinoma sessile Say))。
その他の膜翅目、例えばハチ(bee)(クマバチ(carpenter bee)を含む)、スズメバチ(hornet)、イエロー・ジャケット(yellow jacket)、ワスプ(wasp)、及びハバチ(sawfly)(ネオジプリオン属(Neodiprion spp.);セフス属種(Cephus spp.));等翅目(Order Isoptera)の昆虫有害生物、例えば、シロアリ科(Termitidae)のシロアリ(termite)(例えば、マクロテルメス属種(Macrotermes sp.)、オドントテルメス・オベスス・ランブール(Odontotermes obesus Rambur))、レイビシロアリ科(Kalotermitidae)(例えば、クリプトテルメス属種(Cryptotermes sp.))、並びにミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae)(例えば、レティクリテルメス属種(Reticulitermes sp.)、コプトテルメス属種(Coptotermes sp.)、ヘテロテルメス・テヌイス・ハーゲン(Heterotermes tenuis Hagen))科、ミゾガシラシロアリ(eastern subterranean termite)(レチクリテルメス・フラビペス・コラー(Reticulitermes flavipes Kollar))、セイヨウシロアリ(western subterranean termite)(レチクリテルメス・ヘスペルス・バンクス(Reticulitermes hesperus Banks))、イエシロアリ(Formosan subterranean termite)(コプトテルメス・フォルモサヌス・シラキ(Coptotermes formosanus Shiraki))、ハワイシロアリ(West Indian drywood termite)(インシシテルメス・イミグランス・スナイダー(Incisitermes immigrans Snyder))、パウダー・ポスト・ターマイト(powder post termite)(クリプトテルメス・ブレビス・ウォーカー(Cryptotermes brevis Walker))、カンザイシロアリ(drywood termite)(インシシテルメス・スニデリ・ライト(Incisitermes snyderi Light))、サウスイースタン・サブタラニアン・ターマイト(southeastern subterranean termite)(レチクリテルメス・ビルギニクス・バンクス(Reticulitermes virginicus Banks))、アメリカカンザイシロアリ(western drywood termite)(インシシテルメス・ミノル・ハーゲン(Incisitermes minor Hagen))、アーボリアル・ターマイト(arboreal termite)、例えばナスティテルメス属種(Nasutitermes sp.)、並びにその他の資源的に問題のあるシロアリ;シミ目(Order Thysanura)の昆虫有害生物、例えばセイヨウシミ(silverfish)(レピスマ・サッカリナ・リンナエウス(Lepisma saccharina Linnaeus))及びマダラシミ(firebrat)(テルモビア・ドメスティカ・パッカード(Thermobia domestica Packard));ハジラミ目(Order Mallophaga)及びシラミ目(Phthiraptera)の昆虫有害生物、例えばアタマジラミ(head louse)(ペディクルス・フマヌス・カピチス・デ・ヘール(Pediculus humanus capitis De Geer))、コロモジラミ(body louse)(ペディクルス・フマヌス・リンナエウス(Pediculus humanus Linnaeus))、ニワトリハジラミ(chicken body louse)(メナカンツス・ストラミネウス・ニッチュ(Menacanthus stramineus Nitzsch))、イヌハジラミ(dog biting louse)(トリコデクテス・カニス・デ・ヘール(Trichodectes canis De Geer))、フラッフ・ラウス(fluff louse)(ゴニオコテス・ガリナエ・デ・ヘール(Goniocotes gallinae De Geer))、ヒツジハジラミ(sheep body louse)(ボビコラ・オビス・シュランク(Bovicola ovis Schrank))、ウシジラミ(short-nosed cattle louse)(ヘマトピナス・ユーリステルヌス・ニッチュ(Haematopinus eurysternus Nitszch))、ウシホソジラミ(long-nosed cattle louse)(リノグナツス・ビツリ・リンナエウス(Linognathus vituli Linnaeus))、並びにヒト及び動物を襲う他の吸血寄生性シラミ(sucking parasitic louse)及び刺咬寄生性シラミ(chewing parasitic louse);隠翅目の昆虫有害生物、例えば、ケオプスネズミノミ(oriental rat flea)(キセノプシラ・ケオピス・ロスチャイルド(Xenopsylla cheopis Rothschild)))、ネコノミ(cat flea)(クテノセファリデス・フェリス・バウチ(Ctenocephalides felis Bouche))、イヌノミ(dog flea)(クテノセファリデス・カニス・カーチス(Ctenocephalides canis Curtis))、ニワトリノミ(セラトフィルス・ガリナエ・シュランク(Ceratophyllus gallinae Schrank))、ニワトリフトノミ(sticktight flea)(エキドノファガ・ガリナセア・ウェストウッド(Echidnophaga gallinacea Westwood))、ヒトノミ(human flea)(プレクス・イリタンス(Pulex irritans)リンナエウス(Linnaeus))並びに哺乳類及び鳥を悩ませる、その他のノミ。
列記すべき追加の節足動物の有害生物としては、以下のものが挙げられる:クモ目(Order Araneae)のクモ(spider)、例えば、ドクイトグモ(brown recluse spider)(ロクソスケレス・レクルサ・ゲルチェ&ムライク(Loxosceles reclusa Gertsch&Mulaik))及びクロゴケグモ(black widow spider)(ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)ファブリシウス(Fabricius))、並びにゲジ目(Scutigeromorpha)のムカデ、例えば、ハウス・センチピード(house centipede)(スクティゲラ・コレオプトラタ・リンナエウス(Scutigera coleoptrata Linnaeus))。
【0141】
貯蔵穀物に関する無脊椎有害生物の例としては、以下のものが挙げられる:オオコナナガシンクイ(larger grain borer)(プロステファヌス・トルンカツス・ホーン(Prostephanus truncatus Horn)、コナナガシンクイ(lesser grain borer)(リゾペルタ・ドミニカ・ファフリシウス(Rhyzopertha dominica Fabricius))、ライス・ウィービル(rice weevil)(シトフィルス・オリザエ・リンナウエス(Sitophilus oryzae Linnaeus))、メイズ・ウィービル(maize weevil)(シトフィルス・ゼアマイス・モチュルスキイ(Sitophilus zeamais Motschulsky))、ヨツモンマメゾウムシ(cowpea weevil)(カロソブルクス・マクラツス・ファブリシウス(Callosobruchus maculatus Fabricius))、コクヌストモド(red flour beetle)(トリボリウム・カスタネウム・ヘルプスト(Trinolium castaneum Herbst))、グラナリアコクゾウムシ(granary weevil)(シトフィルス・グラナリウス・リンナエウス(Sitophilus granarius Linnaeus))、ノシメマダラメイガ(Indian meal moth)(プロジア・インテルプンクテラ・ヒューブナー(Plodia interpunctella Huebner))、メディテラニアン・フラウア・ビートル(Mediterranean flour beetle)(エフェスチア・クエニエラ・ツェラー(Ephestia kuehniella Zeller))、並びにカクムネヒラタムシ(flat grain beetle)若しくはサビカクムネヒラタムシ(rusty grain beetle)(クリプトレステス・フェルギネウス・ステファンス(Cryptolestes ferrugineus Stephens))。
【0142】
本開示の化合物は、経済的に重要な農業有害生物(すなわち、メロイドギネ属(Meloidogyne)の根瘤線形動物、プラチレンクス属(Pratylenchus)のネグサレセンチュウ(lesion nematodes)、トリコドルス属(Trichodorus)のユミハリセンチュウ(stubby root nematodes)など)並びに動物及びヒト健康有害生物(すなわち、馬における普通円虫(Strongylus vulgaris)、犬におけるイヌ回虫(Toxocara canis)、羊における捻転胃虫(Haemonchus contortus)、犬における犬糸状虫(Dirofilaria immitis Leidy)、馬における寄生蠕虫類(Anoplocephala perfoliata)、反すう動物における肝テツ(Fasciola hepatica Linnaeus)などの、すべての経済的に重要な吸虫、条虫、及び回虫など)などの、しかしそれらに限定されない円虫目、カイチュウ目、蟯虫、桿線虫目、旋尾線虫目、及びエノプルス目の商業的に重要なメンバーを含む線虫綱、条虫綱、吸虫綱、及びこう頭虫鋼のメンバーへの活性を有する可能性がある。
【0143】
本開示の化合物は、例えば以下のような鱗翅目における有害生物に対しても活性を有している可能性がある(例えば、アラバマ・アルギラセア・ヒューブナー(Alabama argillacea Huebnber)(コットン・リーフ・ワーム(cotton leaf worm))、アルキプス・アルギロスピラ・ウォーカー(Archips argyrospila Walker)(フルーツ・ツリー・リーフ・ローラー(fruit tree leaf roller))、A.ロサナ・リンナエウス(A.rosana Linnaeus)(ヨーロピアン・リーフ・ローラー(European leaf roller))、及び他のアルキプス種(Archips species)、キロ・スプレッサリス・ウォーカー(Chilo suppressalis Walker)(ニカメイチュウ(rice stem borer))、クナファロクロシス・メディナリス・グエネ(Cnaphalocrocis medinalis Guenee)(コブノメイガ(rice leaf roller))、クランブス・カリギノセルス・クレメンス(Crambus caliginosellus Clemens)(コーン・ルート・ウェブワーム(corn root webworm))、クランブス・テテルレルス・ツィンケン(Crambus teterrellus Zincken)(シバツトガ(bluegrass webworm))、シジア・ポモネラ・リンナエウス(Cydia pomonella Linnaeus)(コドリンガ(codling moth))、エアリアス・インスラナ・ボアデュヴァル(Earias insulana Boisduval)(スパイニー・ボールワーム(spiny bollworm))、エアリアス・ビッテラ・ファブリシウス(Earias vittella Fabricius)(スポテッド・ボールワーム(spotted bollworm))、ヘリコベルパ・アルミゲラ・ヒューブナー(Helicoverpa armigera Huebnber)(オオタバコガ(Old World bollworm))、ヘリコベルパ・ゼア・ボッディー(Helicoverpa zea Boddie)(オオタバコガの幼虫(corn earworm))、ヘリオティス・ビレセンス・ファブリシウス(Heliothis virescens Fabricius)(タバコ・バドワーム(tobacco budwaorm))、ヘルペトグランマ・リカルシサリス・ウォーカー(Herpetogramma licarsisalis Walker)(ソッド・ウェブワーム(sod webworm))、ロベシア・ボトラナ・デニス&シフェルミューラー(Lobesia botrana Denis & Schiffermueller)(グレープ・ベリー・モス(grape berry moth))、ペクチノフォラ・ゴシピエラ・サウンダーズ(Pectinophora gossypiella Saunders)(ピンク・ボールワーム(pink bollworm))、フィロクニスチス・シトレラ・ステイントン(Phyllocnistis citrella Stainton)(ミカンハモグリガ(citrus leafminer))、ピエリス・ブラシカエ・リンナエウス(Pieris brassicae Linnaeus)(オオモンシロチョウ(large white butterfly))、ピエリス・ラパエ・リンナエウス(Pieris rapae Linnaeus)(モンシロチョウ(small white butterfly))、プルテラ・キシロステラ・リンナエウス(Plutella xylostella Linnaeus)(コナガ(diamondback moth))、スポドプテラ・エクシグア・ヒューブナー(Spodoptera exigua Huebnber)(シロイチモジヨトウガの幼虫(Beet Armyworm))、スポドプテラ・リツラ・ファブリシウス(Spodoptera litura Fabricius)(ハスモンヨトウ(tobacco cutworm)、ハスモンヨトウ(cluster caterpillar))、スポドプテラ・フルギペルダ・J.E.スミス(Spodoptera frugiperda J.E.Smith)(ツマジロクサヨトウ(fall armyworm))、トリコプルシア・ニ・ヒューブナー(Trichoplusia ni Huebnber)(イラクサギンウワバ(cabbage looper))、及びツタ・アブソルタ・メイリック(Tuta absoluta Meyrick)(トマトハモグリバエ(tomato leafminer)))。
【0144】
本開示の化合物は、以下のような半翅目の構成員に対しても顕著な活性を有している:アシルトシフォン・ピスム・ハリス(Acyrthosiphon pisum Harris)(エンドウヒゲナガアブラムシ(pea aphid))、アフィス・クラシボラ・コッホ(Aphis craccivora Koch)(マメアブラムシ(cowpea aphid))、アフィス・ファバエ・スコポリ(Aphis fabae Scopoli)(マメクロアブラムシ(black bean aphid))、アフィス・ゴシピイ・グロバー(Aphis gossypii Glover)(ワタアブラムシ(cotton aphid)、ワタアブラムシ(melon aphid))、アフィス・ポミ・デ・ヘール(Aphis pomi De Geer)(リンゴアブラムシ(apple aphid))、アフィス・スピラエコラ・パッチ(Aphis spiraecola Patch)(シモツケアブラムシ(spirea aphid))、アウラコルスム・ソラニ・カルテンバッハ(Aulacorthum solani Kaltenbach)(ジャガイモヒゲナガアブラムシ(foxglove aphid))、カエトシホン・フラガエホリイ・コッケレル(Chaetosiphon fragaefolii Cockerell)(イチゴケナガアブラムシ(strawberry aphid))、ジウラフィス・ノクシア・クルジュモフ/モルドビルコ(Diuraphis noxia Kurdjumov/Mordvilko)(ロシアコムギアブラムシ(Russian wheat aphid))、ジサフィス・プランタギネア・パーセリニ(Dysaphis plantaginea Passerini)(ロージー・アップル・エイフィド(rosy apple aphid))、エリオソマ・ラニゲルム・ハウスマン(Eriosoma lanigerum Hausmann)(リンゴワタムシ(woolly apple aphid))、ヒアロプテルス・プルニ・ジェフリー(Hyalopterus pruni Geoffroy)(モモコフキアブラムシ(mealy plum aphid))、リパフィス・プソイドブラシカエ・デービス(Lipaphis psueobrassicae Davis)(ニセダイコンアブラムシ(turnip aphid))、メトポロフィウム・ジロヅム・ウォーカー(Metopolophium dirrhodum Walker)(ローズ-グレインアブラムシ(rose-grain aphid))、マクロシフム・エウフォルビアエ・トーマス(Macrosiphum euphorbiae Thomas)(チューリップヒゲナガアブラムシ(potato aphid))、ミズス・ペルシカエ・スルザー(Myzus persicae Sulzer)(ピーチ・ポテト・アフィド(peach-potato aphid)、モモアカアブラムシ(green peach aphid)、ナソノビア・リビスニグリ・モーズリー(Nasonovia ribisnigri Mosley)(レタスヒゲナガアブラムシ(lettuce aphid))、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、(ルート・アフィド(root aphid)及びゴール・アフィド(gall aphid))、ロパロシフム・マイジス・フィッチ(Rhopalosiphum maidis Fitch)(トウモロコシアブラムシ(corn leaf aphid))、ロパロシフム・パジ・リンナエウス(Rhopalosiphum padi Linnaeus)(バード・チェリー-オート・アフィド(bird cherry-oat aphid))、シザフィス・グラミヌム・ロンダニ(Schizaphis graminum Rondani)(グリーンバグ(greenbug))、シトビオン・アベナエ・ファブリシウス(Sitobion avenae Fabricius)(イングリッシュ・グレイン・アフィド(English grain aphid))、テリオアフィス・マクラタ・バックトン(Therioaphis maculata Buckton)(スポッテド・アルファルファ・アフィド(spotted alfalfa aphid))、トキソプテラ・アウランチイ・ボイヤー・ド・フォンスコロンベ(Toxoptera aurantii Boyer de Fonscolombe)(コミカンアブラムシ(black citrus aphid))、及びトキソプテラ・シトリシヅス・カーカルディ(Toxoptera citricidus Kirkaldy)(ミカンクロアブラムシ(brown citrus aphid));アデルゲス属(Adelges spp.)、(カサアブラムシ(adelgid));フィロキセラ・デバスタトリクス・ペルガンデ(Phylloxera devastatrix Pergande)(ペカン・フィロキセラ(Pecan phylloxera));ベミシア・タバチ・ゲンナディウス(Bemisia tabaci Gennadius)(タバココナジラミ(tobacco whitefly)、タバココナジラミ(sweetpotato whitefly))、ベミシア・アルゲンチフォリイ・ベローズ&ペリング(Bemisia argentifolii Bellows and Perring)(タバココナジラミ(silverleaf whitefly))、ディアレウロデス・シトリ・アシュミード(Dialeurodes citri Ashmead)(ミカンコナジラミ(citrus whitefly))及びトリアレウロデス・バポラリオルム・ウェストウッド(Trialeurodes vaporariorum Westwood)(オンシツコナジラミ(greenhouse whitefly));エンポアスカ・ファバエ・ハリス(Empoasca fabae Harris)(ポテト・リーフホッパー(potato leafhopper))、ラオデルファクス・ストリアテルス・ファーレン(Laodelphax striatellus Fallen)(ヒメトビウンカ(smaller brown planthopper))、マクロステレス・クアドリリネアツス・フォーブズ(Macrosteles quadrilineatus Forbes)(フタテンヨコバイ(aster leafhopper))、ネフォテチックス・シンクチセプス・ウーラー(Nephotettix cincticeps Uhler)(グリーン・ライス・リーフホッパー(green rice leafhopper))、ネフォテチクス・ニグロピクツス・スタール(Nephotettix nigropictus Stal)(ライス・リーフホッパー(rice leafhopper))、ニラパルバタ・ルゲンス・スタール(Nilaparvata lugens Stal)(トビイロウンカ(brown planthopper))、ペレグリヌス・マイジス・アシュミード(Peregrinus maidis Ashmead)(コーン・プラントホッパー(corn planthopper))、ソガテラ・フルシフェラ・ホバート(Sogatella furcifera Horvath)(セジロウンカ(white-backed planthopper))、タゴソデス・オリジコルス・ムア(Tagosedes orizicolus Muir)(ライス・デルファシド(rice delphacid))、ティフロシバ・ポマリア・マッカティー(Typhlocyba pomaria MaAtee)(ホワイト・アップル・リーフホッパー(white apple leafhopper))、エリトロネウラ属種(Erythroneoura spp.)(グレープ・リーフホッパース(grape leafhoppers));マジシカダ・セプテンデシム・リンナウエス(Magicidada septendecim Linnaeus)(ジューシチネンゼミ(periodical cicada));イセリア・プルカシ・マスケル(Icerya purchasi Maskell)(イセリアカイガラムシ(cottony cushion scale))、クアドラスピジオツス・ペルニシオスス・コムストック(Quadraspidiotus perniciosus Comstock)(ナシマルカイガラムシ(San Jose scale));プラノコッカス・キトリ(Planococcus citri)リッソ(Risso)(ミカンコナカイガラムシ(citrus mealybug));プセウドコックス属(Pseudococcus spp.)、(他のコナカイガラムシ・コンプレックス(mealybug complex);カコプシラ・ピリコラ(Cacopsylla pyricola)フェルスター(Foerster)(ナシキジラミ(pear psylla))、トリオザ・ジオスピリ・アシュミード(Trioza diospyri Ashmead)(カキキジラミ(persimmon psylla))。
【0145】
本開示の化合物はさらに、以下のような、半翅目(Order Hemiptera)の構成員に対しても活性を有している:アクロステルヌム・ヒラレ・セイ(Acrosternum hilare Say)(アオカメムシ(green stink bug))、アナサ・トリスティス・デ・ヘール(Anasa tristis De Geer)(ヘリカメムシ(squash bug))、ブリッスス・レウコプテルス・レウコプテルス・セイ(Blissus leucopterus leucopterus Say)(チンチ・バグ(chinch bug))、シメクス・レクツラリウス・リンナエウス(Cimex lectularius Linnaeus)(トコジラミ(bed bug))、コリツカ・ゴシピイ・ファブリシウス(Corythucha gossypii Fabricius)(コットン・レース・バグ(cotton lace bug))、シルトペルチス・モデスタ・ディスタント(Cyrtopeltis modesta Distant)(トマト・バグ(tomato bug))、ジルデルクス・スツレルス・ヘリッヒ-シェーファー(Dysdercus suturellus Herrich-Schaeffer)(コットン・ステイナー(cotton stainer))、エウスキスツス・セルブス・セイ(Euschistus servus Say)(ブラウン・スティンク・バグ(brown stink bug))、エウスキスツス・バリオラリウス・パリーソー・ド・ボウボア(Euschistus variolarius Palisot de Beauvois)(ワン-スポッテド・スティンク・バグ(one-spotted stink bug))、グラプトステツス属種(Graptostethus spp.)、(シード・バグ(seed bug)のコンプレックス)、ハリオモルファ・ハリス・スタール(Halyomorpha halys Stal)(クサギカメムシ(brown marmorated stink bug))、レプトグロッスス・コルクルス・セイ(Leptoglossus corculus Say)(リーフ-フッテッド・パイン・シード・バグ(leaf-footed pine seed bug)(seed bug))、リグス・リネオラリス・パリーソー・ド・ボウボア(Lygus lineolaris Palisot de Beauvois)(サビイロカスミカメ(tarnished plant bug))、ネザラ・ビリヅラ・リンナエウス(Nezara viridula Linnaeus)(ミナミアオカメムシ(southern green stink bug))、オエバルス・プグナクス・ファブリシウス(Oebalus pugnax Fabricius)(イネカメムシ(rice stink bug))、オンコペルタス・ファシアタス・ダラス(Oncopeltus fasciatus Dallas)(ラージ・ミルクウィード・バグ(large milkweed bug))、シューダトモスセリス・セリアツス・ロイター(Pseudatomoscelis seriatus Reuter)(ワタノミハムシ(cotton fleahopper))。本開示の化合物によって防除されるその他の昆虫目としては、以下のものが挙げられる:総翅目(例えば、フランクリニエラ・オクシデンタリス・ペルガンデ(Frankliniella occidentalis Pergande)(ミカンキイロアザミマ(western flower thrips))、シルトスリップス・シトリ・モウルトン(Scirtothrips citri Moulton)(シトラス・スリップ(citrus thrip))、シルトスリップス・ヴァリアビリス・ビーチ(Scirtothrips variabilis Beach)(ソイビーン・スリップ(soybean thrip))、及びトリプス・タバシ・リンデマン(Thrips tabaci Lindeman)(ネギアザミウマ(onion thrip));並びに鞘翅目(Order Coleoptera)(例えば、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptionotarsa decemkineata)セイ(Say)(コロラドハムシ(Colorado potato beetle))、エピラクナ・バリベスチス・マルサント(Epilachna varivestis Mulsant)(インゲンテントウ(Mexican bean beetle))、及びアグリオティス属(Agriotes)、アトウス属(Athous)、又はリモニウス属(Limonius)のハリガネムシ(wireworm))。
【0146】
注目すべきは、ミカンキイロアザミマ(western flower thrips)(フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、ポテト・リーフホッパー(potato leafhopper)(エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、ワタアブラムシ(アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、モモアカアブラムシ(Green Peach Aphid(ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、タバココナジラミ(sweetpotato whitefly)(ベミシア・タバチ(Bemisia tabaci))を防除するための、本開示の化合物の使用である。
【0147】
注目すべきは、ミカンキイロアザミマ(western flower thrips)(フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、ポテト・リーフホッパー(potato leafhopper)(エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、ワタアブラムシ(アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、モモアカアブラムシ(Green Peach Aphid(ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、タバココナジラミ(sweetpotato whitefly)(ベミシア・タバチ(Bemisia tabaci))を防除するための、本開示の化合物の使用である。
【0148】
本開示の化合物はまた、作物の成長力を高めるのに有用であり得る。本方法は、作物(例えば、群葉、花、果実若しくは根)又は作物がそれから成長する種子を、所望の植物成長力効果を達成するのに十分な量(すなわち、生物学的有効量)の式1の化合物と接触させる工程を含む。典型的には式1の化合物は、調合組成物で適用される。式1の化合物は多くの場合作物又はその種子に直接適用されるが、それはまた、作物の場所、すなわち、作物の環境、特に式1の化合物を作物に移動させるのに十分に接近した環境の部分に適用される。本方法にとって適切な場所は、最も一般的には成長培地(すなわち、植物に栄養物を提供する媒体)、典型的には植物がそこで成長する土壌を含む。作物の成長力を高めるための作物の処理はしたがって、作物、作物がそれから成長する種子又は作物の場所を、生物学的有効量の式1の化合物と接触させる工程を含む。
【0149】
高められた作物成長力は、以下の観察される効果の1つ若しくは複数をもたらすことができる:(a)優れた種子発芽、作物出現及び作物群生によって実証されるような最適作物体系;(b)速い及び頑丈な葉成長(例えば、葉面積指数によって測定される)、植物高さ、ひこばえの数(例えば、イネについて)、根塊及び作物の植物塊の全体乾燥重量によって実証されるような高められた作物成長;(c)開花までの時間、開花の継続時間、花の数、総バイオマス蓄積(すなわち、収穫高)及び/又は農産物の果実若しくは穀物品位市場性(すなわち、収穫品質)によって実証されるような、改善された作物収量;(d)植物病気感染及び節足動物、線形動物又は軟体動物有害生物まん延に耐える又はそれらを防ぐ作物の高められた能力;並びに(e)極端な熱、準最適な湿気又は植物毒素化学薬品への暴露などの環境ストレスに耐える作物の高められた能力。
【0150】
本開示の化合物は、殺すか又は別のやり方で植物の環境での植食性の無脊椎有害生物の摂食を防ぐことによって未処理植物と比べて処理植物の成長力を高め得る。植食性の無脊椎有害生物のそのような駆除の不在下で、有害生物は、植物組織若しくは樹液を消費するか、又はウィルスなどの植物病原菌をうつすことによって植物成長力を低下させる。植食性の無脊椎有害生物の不在下でさえも、本開示の化合物は、植物の代謝を修正することによって植物成長力を高め得る。一般に、作物の成長力は、非理想的な環境、すなわち、それが理想的な環境で示すであろう最大限の遺伝子的ポテンシャルを達成する植物に不利な1つ若しくは複数の態様を含む環境で植物が成長させられる場合に、植物を本開示の化合物で処理することによって最も顕著に高められるであろう。
【0151】
作物が植食性の無脊椎有害生物を含む環境中で成長させられる作物の成長力を高める方法に注目すべきである。作物が植食性の無脊椎有害生物を含まない環境中で成長させられる作物の成長力を高める方法にも注目すべきである。作物が作物の成長を支えるのに理想的なものよりも少ない水分量を含む環境中で成長させられる作物の成長力を高める方法にも注目すべきである。作物がイネである作物の成長力を高める方法に注目すべきである。作物がトウモロコシ(コーン)である作物の成長力を高める方法にも注目すべきである。作物が大豆である作物の成長力を高める方法にも注目すべきである。
【0152】
本開示の化合物はまた、殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、除草剤、除草剤解毒剤、成長調整物質、例えば昆虫脱皮阻害剤及び発根刺激剤など、不妊化剤、情報物質、忌避剤、誘引物質、フェロモン、摂食刺激剤、他の生物学的に活性な化合物若しくは昆虫病原性細菌、さらにより幅広いスペクトルの農学的及び農学的有用性を与える多成分殺有害生物剤を形成するためのウィルス若しくは真菌類を含む1つ若しくは複数の他の生物学的に活性な化合物若しくは試剤と混合することができる。したがって、本開示はさらに、生物学的有効量の式1の化合物、界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分、並びに少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤を含む、組成物にも関する。本開示の混合物では、他の生物活性化合物又は薬剤を、本開示の化合物(式1の化合物)とともに配合して、プレミックスを形成させることが可能であるか、又は、他の生物活性化合物又は薬剤を、本開示の化合物(式1の化合物を含む)とは別途に配合して、その2種の配合物を共に(例えば、噴霧タンク中で)組み合わせた後で施用するか、又は別な方法として、順次に施用することも可能である。
【0153】
本開示の化合物とともに配合することが可能なそのような生物活性化合物又は薬剤の例は、例えば、以下の殺虫剤である:アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン([(3S,4R,4aR,6S,6aS,12R,12aS,12bS)-3-[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]-1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b-デカヒドロ-6,12-ジヒドロキシ-4,6a,12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H,11H-ナフト[2,1-b]ピラノ[3,4-e]ピラン-4-イル]メチルシクロプロパンカルボキシレート)、アミドフルメット、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾル、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール(3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクラニリプロル(3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクロプロトリン、シクロキサプリド((5S,8R)-1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-9-ニトロ-5,8-エポキシ-1H-イミダゾ[1,2-a]アゼピン)、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキザゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン(2-エチル-3,7-ジメチル-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-キノリニルメチルカーボネート)、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンオキシストロビン(メチル(αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、フルフェンスルホン(5-クロロ-2-[(3,4,4-トリフルオロ-3-ブテン-1-イル)スルホニル]チアゾール)、フルヘキサフォン、フルオピラム、フルピプロル(1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、フルピラジフロン(4-[[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2(5H)-フラノン)、フルバリネート、タウフルバリネート、フォノホス、ホルメタネート、フォスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル 2,2-ジメチル-3-[(1Z)-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]シクロプロパンカルボキシレート)、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル(1R,3S)-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオディカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル 3-(2-シアノ-1-プロペン-1-イル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルガイト、プロトリフェンブテ、ピフルブミド(1,3,5-トリメチル-N-(2-メチル-1-オキソプロピル)-N-[3-(2-メチルプロピル)-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン(メチル(αE)-2-[[[2-[(2,4-ジクロロフェニル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロール(N-[メチルオキシド[1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エチル]-λ-スルファニリデン]シアナミド)、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、ターブホス、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル 2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート)、テトラニリプロル、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン(3-フェニル-5-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール)、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム(2,4-ジオキソ--1-(5-ピリミジニルメチル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩)、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、昆虫病原性細菌、昆虫病原性ウィルス、及び昆虫病原性真菌。
【0154】
注目すべきは、例えば以下の殺虫剤である:アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルタップ、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロル、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキザゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェンオキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロル、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、フォスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロール、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株、及び核多角体病ウィルスのすべての菌株。
【0155】
本開示の化合物と混合するための生物学的作用物質の一実施形態には、バチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、及びCellCap(登録商標)プロセスによって製造されるMVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)バイオ殺虫剤(CellCap(登録商標)、MVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)は、Mycogen Corporation,Indianapolis,Indiana,USAの商標である)などのバチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のカプセル化デルタ-エンドトキシンなどの昆虫病原性細菌;黒きょう病菌などの昆虫病原性真菌類;及びバキュロウィルス、核多核体病ウィルス(NPV)、例えばアメリカタバコガ(Helicoverpa zea)多核体病ウィルス(HzNPV)、アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)多核体病ウィルス(AfNPV)などを含む昆虫病原性(天然に存在する及び遺伝子操作されたの両方の)ウィルス;並びにシディア・ポモネラ(Cydia pomonella)グラニュロシスウィルス(CpGV)などのグラニュロシスウィルス(GV)が含まれる。
【0156】
他の無脊椎有害生物駆除活性成分が、異なる化学的分類に属するか、又は式1の化合物とは異なる作用部位を有するそのような組み合わせに特に注目すべきである。ある種の場合には、類似の駆除スペクトルを有するが、異なる作用部位を有する少なくとも1つの他の無脊椎有害生物駆除活性成分との組み合わせは、耐性管理のために特に有利であろう。したがって、本開示の組成物は、類似の駆除スペクトルを有するが、異なる化学的分類に属するか又は異なる作用部位を有する生物学的有効量の少なくとも1つの追加の無脊椎有害生物駆除活性成分をさらに含むことができる。それらの追加の生物活性化合物又は薬剤としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤例えば、カルバメートのメソミル、オキサミル、チオジカルブ、トリアザメート、及び有機リン酸クロルピリホス;GABA作動性クロリドチャンネルアンタゴニスト例えば、シクロジエンのジエルドリン、及びエンドスルファン、並びにフェニルピラゾールのエチプロール、及びフィプロニル;ナトリウムチャンネルモジュレーター例えば、ピレスロイドのビフェトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、エスフェンバレレート、メトフルトリン、及びプロフルトリン;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニスト例えば、ネオニコチノイドのアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、及びチアメトキサム、スルホキシミン、スルホキサフロール、ブテノリドフルピラジフロン、及びメソイオン性トリフルメゾピリム;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリック活性化因子例えば、スピノシンのスピネトラム、及びスピノサド;クロリドチャンネル活性化剤例えば、エバーメクチンのアバメクチン、及びエマメクチン;幼若ホルモン様物質例えば、ジオフェノラン、メトプレン、フェノキシカルプ、及びピリプロキシフェン;弦音器モジュレーター例えば、ピメトロジン、ピリフルキナゾン及びフロニカミド;ダニ増殖阻害剤例えば、エトキザゾール;ミトコンドリアATPシンターゼの阻害剤例えば、プロパルガイト;プロトン勾配の撹乱を介しての酸化的リン酸化の脱共役剤例えば、クロルフェナピル;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)チャネル遮断剤例えば、ネライストキシン類似体カルタップ;キチン生合成の阻害剤例えば、ベンゾイルウレアのフルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、及びトリフルムロン、及びブプロフェジン;双翅目脱皮撹乱物質例えば、シロマジン;エクジソン受容体作動薬例えば、ジアシルヒドラジンのメトキシフェノジド、及びテブフェノジド;オクトパミン受容体アゴニスト例えば、アミトラズ;ミトコンドリア複合体III電子伝達阻害剤例えば、ヒドラメチルノン及びビフェナゼート;ミトコンドリア複合体I電子伝達阻害剤例えば、ピリダベン;電位依存性ナトリウムチャンネル遮断剤例えば、インドキサカルブ;アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤例えば、テトロン酸及びテトラミン酸のスピロジクロフェン、スピロメシフェン、及びスピロテトラマト;ミトコンドリア複合体II電子伝達阻害剤例えば、β-ケトニトリルのシエノピラフェン、及びシフルメトフェン;リアノジン受容体モジュレーター例えば、アントラニル酸ジアミドのクロルアントラニリプロール及びシアントラニリプロール、ジアミド例えば、フルベンジアミド、並びにリアノジン受容体リガンド例えば、リアノジン;生物学的活性をもたらす標的サイトが未知又は未同定の化合物例えば、アザジラクチン及びピリダリル;昆虫の中腸膜の微生物撹乱物質例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)及びそれらが産生するデルタ-エンドトキシン、並びにバチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus);並びに、核多角体病(NPV)及びその他の天然由来又は遺伝子組換え殺虫性ウィルスを含む生物学的薬剤。
【0157】
本開示の化合物とともに配合することが可能な生物活性化合物又は薬剤のさらなる例としては、以下のものが挙げられる:殺真菌剤例えば、アシベンゾラル-S-メチル、アルジモルフ、アメトクトラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル(ベナラキシル-Mを含む)、ベノダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ-イソプロピルを含む)、ベンゾビンジフルピル、ベトキサジン、ビアンパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラスチシジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カルボキシン、カルプロパミド、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、水酸化銅、銅オキシクロリド、硫酸銅、コウモキシストロビン、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメト、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール(ジニコナゾールMを含む)、ジノカップ、ジチアノン、ジチオラン、ドデモルフ、ドジン、エコナゾール、エタコナゾール、エジフェンホス、エノクサストロビン(エネストロブリンとも呼ばれている)、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナミンストロビン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチン酢酸塩、フェンチン水酸化物、フェルバム、フェリムゾン、フロメトキン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェンオキシストロビン、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサピプロリン、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルフアミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、フタリド(フタリドとも呼ばれている)、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、グアザチン、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノオクタジンアルベシレート、イミノオクタジントリアセテート、ヨージカルブ、イプコナゾール、イソフェタミド、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシムメチル、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンデストロビン、マンネブ、マパニピリン、メプロニル、メプチルジノカップ、メタラキシル(メタラキシル-M/メフェノキサムを含む)、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ナフチチン、ネオ-アソジン(メタンアルソン酸第二鉄)、ヌアリモル、オクチリノン、オフラセ、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキソリン酸、オクスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ペルフルアゾレート、亜リン酸(それらの塩例えば、フォセチル-アルミナムを含む)、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾフォス、ピリベンカルブ、ピリブタカルブ、ピリフェノクス、ピリオフェノン、ペリソクサゾール、ピリメタニル、ピリフェノクス、ピロルニトリン、ピロキロン、キンコナゾール、キンメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、セダキサン、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テレクロサラム、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、サイラム、チアジニル、トルクロフォス-メチル、トルプロカルブ、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモル、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリモフラミド、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリフォリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート(バリフェナールとも呼ばれている)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾクサミド、及び1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾル-1-イル]エタノン;殺線虫剤例えば、フルオピラム、スピロテトラマト、チオジカルブ、フォスチアゼート、アバメクチン、イプロジオン、フルエンスルホン、ジメチルジスルフィド、チオキサザフェン、1,3-ジクロロプロペン(1,3-D)、メタム(ナトリウム、及びカリウム)、ダゾメット、クロロピクリン、フェナミホス、エトプロホス、カズサフォス、ターブホス、イミシアホス、オキサミル、カルボフラン、チオキサザフェン、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、及びパスツリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae);殺菌剤例えば、ストレプトマイシン;ダニ駆除剤例えば、アミトラズ、キノメチオナト、クロロベンジレート、シヘキサチン、ジコホール、ジエノクロル、エトキザゾール、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾクス、プロパルガイト、ピリダベン、及びテブフェンピラド。
【0158】
ある種の場合には、本開示の化合物と、他の生物学的に活性な(特に無脊椎有害生物駆除)化合物若しくは試剤(すなわち、活性成分)との組み合わせは、相加超(すなわち、向上)効果をもたらすことができる。有効な有害生物駆除を確実にしながら環境に放出される活性成分の量を減らすことは常に望ましい。無脊椎有害生物駆除活性成分の向上が農学的に満足できるレベルの無脊椎有害生物駆除を与える散布率で現れる場合、そのような組み合わせは、作物生産コストを下げ、且つ、環境負荷を減らすのに有利であり得る。
【0159】
本開示の化合物及びそれらの組成物は、無脊椎有害生物に対して毒性があるタンパク(バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシンなどの)を発現させるために遺伝子学的に形質転換された植物に適用することができる。そのような適用は、より幅広いスペクトルの植物保護を提供し、耐性管理のために有利であり得る。外部から適用された本開示の無脊椎有害生物駆除化合物の効果は、発現された毒素タンパクと向上し得る。
【0160】
これらの農業保護剤(すなわち、殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫剤、ダニ駆除剤、除草剤及び生物学的作用物質)についての一般的参考文献には、The Pesticide Manual,13th Edition,C.D.S.Tomlin,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003及びThe BioPesticide Manual,2nd Edition,L.G.Copping,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001が含まれる。
【0161】
これら各種の混合パートナーの1種又は複数を使用するような実施形態においては、これら各種の混合パートナー(合計したもの)の、式1の化合物に対する重量比は、典型的には、約(1:3000)~約(3000:1)の間である。注目すべきは、約(1:300)~約(300:1)の間の重量比(例えば、約(1:30)~約(30:1)の間の比率)である。当業者ならば、所望の生物学的活性スペクトルを得るのに必要な、有効成分の生物学的有効量を、単純な実験で容易に決めることができる。これら追加の成分を含むことによって、無脊椎有害生物の防除スペクトルを、式1の化合物単独で防除されるスペクトルよりも、拡張することが可能であることは、明らかであろう。
【0162】
典型的には組成物の形態にあり、生物学的有効量の、1種又は複数の本開示の化合物を、農業的領域及び/又は非農業的領域も含めた有害生物の発生環境に対して、保護すべき領域に対して、或いは防除対象の有害生物に対して、直接施用することにより、無脊椎有害生物が、農業的用途及び非農業的用途において防除される。
【0163】
したがって、本開示には、農業的用途及び/又は非農業的用途において無脊椎有害生物を防除するための方法が含まれるが、それに含まれるのは、無脊椎有害生物又はその環境を、本開示の化合物の1種又は複数の生物学的有効量と、又は少なくとも1種のそのような化合物を含む少なくとも1種のそのような化合物又は組成物及び少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤の生物学的有効量を含む組成物と、接触させることである。本開示の化合物及び少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤の生物学的有効量を含む適切な組成物の例としては、その追加の活性化合物が、本開示の化合物と同じ顆粒の上に、又は本開示の化合物のものとは別の顆粒の上に存在している、粒状の組成物が挙げられる。
【0164】
農作物を無脊椎有害生物から保護するために、本開示の化合物又は組成物との接触を達成するためには、その化合物又は組成物を、典型的には植え付け前の作物の種子に対して、作物の茎葉(例えば、葉、茎、花、果実)に対して、又は作物を植え付ける前又は後の土壌又はその他の生育環境に対して、施用する。
【0165】
接触させる方法の一つの実施形態が、噴霧によるものである。別な方法として、本開示の化合物を含む顆粒状組成物を、植物の茎葉又は土壌に施用することもできる。本開示の化合物はさらに、液体配合物の土壌灌液、土壌への顆粒状配合物、育苗箱処理、又は移植の際の浸液(a dip of transplant)として施用された本開示の化合物を含む組成物と接触させることによって、植物による吸収を介して、効果的に送達することもできる。注目すべきは、土壌灌液の液体配合物の形態にある本開示の組成物である。注目すべきはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の本開示の化合物、又は生物学的有効量の本開示の化合物を含む組成物と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法である。さらに注目すべきは、その環境が土壌であり、そして組成物が、土壌灌液配合物としてその土壌に施用されるような、この方法である。さらに注目すべきは、発生の領域に対して局所的に施用しても、本開示の化合物がやはり効果的であるということである。接触させるためのその他の方法としては、直接噴霧及び残存性噴霧、空中散布、ゲル、種子コーティング、マイクロカプセル化、浸透性吸収、誘引剤、耳標、ボーラス(bolus)、噴霧塗(fogger)、くん蒸剤、エアロゾル、粉剤、その他によって本開示の化合物又は組成物を施用することが挙げられる。接触させる方法の一つの実施形態は、本開示の化合物又は組成物を含む、寸法的に安定な肥料の顆粒、棒、又は錠剤である。本開示の化合物はさらに、無脊椎動物を防除するための道具(例えば、虫除けネット)を作製するための材料の中に含浸させることもできる。
【0166】
本開示の化合物は、植物全体、植物の各部分、及び種子を処理するのに有用である。植物及び種子の変種、並びに栽培品種は、慣用される繁殖方法及び育種方法によるか、或いは遺伝工学的方法によって得ることができる。遺伝子組換え(genetically modified、又はtoransgenic)植物又は種子とは、異種起源の遺伝子(導入遺伝子)が、植物のゲノム又は種子のゲノムの中に安定的に組み入れられたものである。植物のゲノムの中の特定の位置によって規定される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子組換え事象と呼ばれる。
【0167】
本開示において扱うことが可能な遺伝子組換え植物及び種子栽培品種としては、1種又は複数の生物的ストレス(有害生物例えば、線虫、昆虫、ダニ、真菌など)若しくは非生物的ストレス(干ばつ、低温、土壌塩分など)に対する抵抗性があるもの、又はその他の望ましい特性を有するものが挙げられる。植物及び種子は、遺伝子組換えによって、例えば、除草剤耐性、昆虫抵抗性、改良されたオイル特性、又は干ばつ耐性などの特性を示すことができる。
【0168】
本開示の化合物を用いて遺伝子組換え植物及び種子を処理すると、超相加的すなわち向上効果が得られる可能性がある。例えば、散布量の減少、活性スペクトルの拡大、生物的/非生物的ストレスに対する耐性の向上、又は貯蔵安定性の向上が、遺伝子組換え植物及び種子への本開示の化合物の施用の単なる相加作用から予想されるよりは、大きくなる可能性がある。
【0169】
本開示の化合物は、無脊椎有害生物から種子を保護するための種子処理剤においても有用である。本開示の開示及び特許請求の文脈においては、種子を処理するということは、種子を、生物学的有効量の本開示の化合物(典型的には本開示の組成物として配合されている)と接触させることを意味している。この種子処理によって、その種子が、無脊椎土壌有害生物から保護され、そして一般的には、発芽中の種子から生長している幼苗の、土壌と接触状態にある根及び植物の他の部分もまた保護することができる。その種子処理はさらに、本開示の化合物の転流によるか、又は生長しつつある植物の内部の第二の有効成分によって、茎葉の保護を与えることもできる。種子処理剤は、特殊化された特性を発現させる目的で遺伝子形質転換された植物が、それから生長させられるようなものも含めて、あらゆるタイプの種子に適用することができる。代表例としては、以下のものが挙げられる:無脊椎有害生物に対して有毒なタンパク質、例えばバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシンを発現するもの、又は、例えば、グリホサートに対する抵抗性を付与するグリホサートアセチルトランスフェラーゼのような除草剤耐性を発現するもの。本開示の化合物を用いた種子処理剤は、種子から生長している植物の活力を向上させることもできる。
【0170】
種子処理の一つの方法は、播種する前に、本開示の化合物(すなわち、配合された組成物として)を用いて、種子を噴霧又は散粉(spraying or dusting)することによる。種子処理のために配合された組成物には、一般的には、塗膜形成剤又は接着剤が含まれる。したがって、典型的には、本開示の種子コーティング組成物には、生物学的有効量の式1の化合物、それらのNーオキシド、又は塩、及び塗膜形成剤又は接着剤が含まれる。種子は、種子の転動ベッドの中に流動性の懸濁液濃縮物を直接噴霧し、次いでそれらの種子を乾燥させることにより、コーティングすることができる。別な方法として、他のタイプの配合物、例えば濡らした粉体、溶液、サスポエマルジョン、乳剤(emulsifiable concentrate)、及び水中エマルジョンを種子の上に噴霧することも可能である。このプロセスは、種子の上にフィルムコーティングを適用する場合に、特に有用である。当業者であれば、各種のコーティング機械及びプロセスが利用可能である。適切なプロセスとしては、P.Kosters et al.,Seed Treatment:Progress and Prospects,1994,BCPC Monograph No.57、及びその中に記されている参考文献に記載されたものが挙げられる。
【0171】
式1の化合物及びそれらの組成物は、単独、或いは他の殺虫剤、線虫駆除剤、及び殺真菌剤との組み合わせのいずれにおいても、以下のような作物のための種子処理には、特に有用である:例えばトウモロコシ(maze又はcorn)、ダイズ、ワタ、穀物(例えば、コムギ、オートムギ、オオムギ、ライムギ、及びイネ)、ジャガイモ、野菜類、及びアブラナ(これらに限定される訳ではない)。
【0172】
式1の化合物とともに配合して、種子処理において有用な混合物を与える、その他の殺虫剤としては、以下のものが挙げられる:アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキザゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルバリネート、ホルメタネート、フォスチアゼート、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロール、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株、及び核多角体病ウィルスのすべての菌株。
【0173】
式1の化合物とともに配合して、種子処理において有用な混合物を与える、殺真菌剤としては、以下のものが挙げられる:アミスルブロム、アゾキシストロビン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、フルアジナム、フルジオキソニル、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプロジオン、メタラキシル、メフェノキサム、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、サイラム、トリフロキシストロビン、及びトリチコナゾール。
【0174】
種子処理のために有用な、式1の化合物を含む組成物としては、植物病原性の真菌若しくは細菌及び/又は土壌性の動物例えば線虫の有害な影響から保護する能力を有している細菌及び真菌をさらに挙げることができる。殺線虫性を示す細菌としては、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スブチリイス(Bacillus subtiliis)、及びパスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。好適なバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)菌株としては、菌株CNCM I-1582(GB-126)が挙げられるが、このものは、BioNemTMとして市販されている。好適なバチルス・セレウス(Bacillus cereus)菌株は、菌株NCMM I-1592である。いずれのバチルス(Bacillus)菌株も、米国特許第6,406,690号明細書に開示されている。殺線虫活性を示すその他の好適な細菌は、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)IN937a、及びB.スブチリス(B.subtilis)菌株GB03である。殺真菌性能を示す細菌としては、B.プミルス(B.pumilus)菌株GB34が挙げられるが、これに限定される訳ではない。殺線虫性を示す真菌種としては、ミロテシウム・ベルカリア(Myrotheciium verrucaria)、ペシロミセス・リラシヌス(Paecilomyces lilacinus)、及びプルプレオシリウム・リラシヌム(Purpureocillium lilacinum)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【0175】
種子処理はまた、エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylovora)などのある種の細菌植物病原菌から単離されるハーピン(harpin)と呼ばれる誘導因子タンパクなどの天然起源の1つ若しくは複数の殺線虫剤を含むことができる。例は、N-HibitTM Gold CSTとして利用可能なHarpin-N-Tek種子処理技術である。
【0176】
種子処理はまた、ミクロ共生窒素固定細菌ダイズ根粒菌(Bradyrhizobium japonicum)などのマメ科植物-根結節性細菌の1つ若しくは複数の種を含むことができる。これらの接種材料は、マメ科植物の根上での結節形成の開始の間にリゾビア細菌によって生産される根粒形成(Nod)因子である、1つ若しくは複数のリポキトオリゴ糖(LCO)を場合によっては含むことができる。例えば、Optimize(登録商標)ブランド種子処理技術は、接種材料と組み合わせてLCO Promoter TechnologyTMを組み込んでいる。
【0177】
種子処理はまた、菌根真菌類による根定着のレベルを高めることができる1つ若しくは複数のイソフラボンを含むことができる。菌根真菌類は、水、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩及び金属などの栄養物の根吸収を高めることによって植物成長を向上させる。イソフラボンの例としては、ゲニステイン、ビオチャニンA、ホルモノネチン、ダイゼイン、グリシテイン、ヘスペレチン、ナリンゲニン及びプラテンセインが挙げられるが、それらに限定されない。ホルモノネチンは、PHC Colonize(登録商標)AGなどの菌根接種材料製品中の活性成分として入手可能である。
【0178】
種子処理はまた、病原菌による接触後に植物中に全身獲得抵抗性を誘導する1つ若しくは複数の植物活性化剤を含むことができる。そのような保護機構を誘導する植物活性化剤の例は、アシベンゾラル-S-メチルである。
【0179】
処理種子は典型的には、種子の100kg当たり約0.1g~1kg(すなわち、処理前の種子の約0.0001~1重量%)の量で本開示の化合物を含む。種子処理のために調合される流動性懸濁液は典型的には、約0.5~約70%の活性成分と、約0.5~約30%のフィルム形成付着剤と、約0.5~約20%の分散剤と、0~約5%の増粘剤と、0~約5%の顔料及び/又は染料と、0~約2%の消泡剤と、0~約1%の保存剤と、0~約75%の揮発性液体希釈剤とを含む。
【0180】
本開示の化合物は、無脊椎有害生物によって消費されるか、又はトラップ、餌ステーションなどのデバイス内で使用される餌組成物中へ組み込むことができる。そのような餌組成物は、(a)活性成分、すなわち生物学的有効量の式1の化合物、それらのNーオキシド、又は塩と;(b)1つ若しくは複数の食品材料と;場合によっては(c)誘引物質と、場合によっては(d)1つ若しくは複数の保湿剤とを含む顆粒の形態にあり得る。約0.001~5%活性成分と、約40~99%食品材料及び/又は誘引物質と;場合によっては約0.05~10%保湿剤とを含む顆粒又は餌組成物であって、非常に低い散布率で、特に直接接触によってよりもむしろ摂食によって致死である活性成分の用量で土壌無脊椎有害生物を駆除するのに有効である顆粒又は餌組成物に注目すべきである。いくつかの食品材料は、食品源及び誘引物質の両方として機能することができる。食品材料は、炭水化物、タンパク質及び脂肪を含む。食品材料の例は、野菜粉、砂糖、デンプン、動物脂、植物油、酵母エキス及び乳固形分である。誘引物質の例は、果実若しくは植物エキス、香料、又は他の動物若しくは植物成分などの、付香剤及び香味剤、フェロモン又は標的無脊椎有害生物を誘引することが知られている他の試剤である。保湿剤、すなわち、湿気保持剤の例は、グリコール及び他のポリオール、グリセリン及びソルビトールである。アリ、シロアリ及びゴキブリからなる群から選択される少なくとも1つの無脊椎有害生物を駆除するために用いられる餌組成物(及びそのような餌組成物を利用する方法)に注目すべきである。無脊椎有害生物を駆除するためのデバイスは、本餌組成物と、餌組成物を受け入れるのに適合したハウジングとを含むことができ、ここで、ハウジングは、無脊椎有害生物が開口部を通過することを可能にするためのサイズの少なくとも1つの開口部を有し、だから無脊椎有害生物はハウジングの外側の場所から餌組成物にアクセスすることができ、そしてここで、ハウジングは、無脊椎有害生物についての潜在的な又は既知の活動の場所に又はその近くに置かれるようにさらに適合させられている。
【0181】
本開示の一実施形態は、本開示の殺有害生物組成物(界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤と調合された式1の化合物、又は式1の化合物と少なくとも1つの他の殺有害生物剤との調合混合物)を水で希釈する工程と、補助剤を場合によっては添加して希釈組成物を形成する工程と、無脊椎有害生物又はその環境を、有効量の前記希釈組成物と接触させる工程とを含む、無脊椎有害生物の駆除方法に関する。
【0182】
十分な濃度の本殺有害生物組成物を水で希釈することによって形成された噴霧組成物は、無脊椎有害生物を駆除するのに十分な効能を提供することができるが、別々に調合された補助剤生成物をまた、空気圧縮タンク混合物に添加することができる。これらの追加の補助剤は、「噴霧補助剤」又は「タンクミックス補助剤」として一般に知られ、殺有害生物剤の性能を向上させる、又は噴霧混合物の物理的特性を変えるために空気圧縮タンクで混合される任意の物質を含む。補助剤は、界面活性剤、乳化剤、石油ベースの作物油、作物由来種油、酸性化剤、緩衝剤、増粘剤又は消泡剤であり得る。補助剤は、効能(例えば、生物学的利用率、付着性、浸透性、カバレージの一様性及び保護の耐久性)を高めるために、又は不適合性、発泡、ドリフト、蒸発、気化及び分解に関連した噴霧適用問題を最小限にするか若しくは排除するために使用される。最適性能を得るために、補助剤は、活性成分、調合物及び標的(例えば、作物、害虫)の特性に関して選択される。
【0183】
噴霧補助剤の中で、作物油を含む油、作物油濃縮物、植物油濃縮物及びメチル化種油濃縮物が、場合によりより均一な及び一様な噴霧沈着物を促進することによって、殺有害生物剤の効能を向上させるために最も一般的に使用される。油又は他の水と混ざらない液体によって潜在的に引き起こされる植物毒性が懸念される状況では、本開示の組成物から調製される噴霧組成物は一般に、油ベースの噴霧補助剤を含有しないであろう。しかしながら、油ベースの噴霧補助剤によって引き起こされる植物毒性が商業的に重要でない状況では、本開示の組成物から調製される噴霧組成物は、無脊椎有害生物の駆除、並びに雨堅牢性を潜在的にさらに高めることができる、油ベースの噴霧補助剤をまた含有することができる。
【0184】
「作物油」と特定される製品は典型的には、95~98%パラフィン又はナフサベースの石油と、乳化剤として機能する1~2%の1つ若しくは複数の界面活性剤とを含有する。「作物油濃縮物」と特定される製品は典型的には、80~85%の乳化性石油ベースの油と、15~20%の非イオン界面活性剤とからなる。「植物油濃縮物」と正しく特定される製品は典型的には、80~85%の植物油(すなわち、最も一般的には綿、亜麻仁、大豆又はヒマワリからの、種油又は果実油)と、15~20%の非イオン界面活性剤とからなる。補助剤性能は、植物油を、植物油に典型的には誘導される脂肪酸のメチルエステルで置き換えることによって向上させることができる。メチル化種油濃縮物の例としては、MSO(登録商標)Concentrate(UAP-Loveland Products,Inc.)及びPremium MSO Methylated Spray Oil(Helena Chemical Company)が挙げられる。
【0185】
噴霧混合物に添加される補助剤の量は一般に、約2.5容積%を越えず、より典型的にはその量は、約0.1~約1容積%である。噴霧混合物に添加される補助剤の散布率は典型的には、1ヘクタール当たり約1~5Lである。噴霧補助剤の代表例としては、Adigor(登録商標)(Syngenta)液体炭化水素中の47%メチル化菜種油、Silwet(登録商標)(Helena Chemical Company)ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサン及びAssist(登録商標)(BASF)83%パラフィンベースの鉱油中の17%界面活性剤ブレンドが挙げられる。
【0186】
本開示の化合物は、他の補助剤なしで適用することができるが、ほとんどの場合適用は、好適なキャリア、希釈剤、及び界面活性剤とともに、そして場合により考えられる最終用途に依存して植物と組み合わせて1つ若しくは複数の活性成分を含む調合物の適用であろう。適用の一方法は、本開示の化合物の水分散系又は精製油溶液を噴霧する工程を含む。スプレー油、スプレー油濃縮、散布機ステッカー、補助剤、他の溶媒、及びピペロニルブトキシドなどの向上剤との組み合わせは多くの場合、化合物効能を高める。非農学的使用のためにはそのような噴霧は、ポンプを用いてか、加圧容器、例えば、加圧エアゾールスプレー缶からそれを放つことによってかのどちらかで、缶、ボトル又は他の容器などの噴霧容器から適用することができる。そのような噴霧組成物は、様々な形態、例えば、噴霧、ミスト、泡、煙又は霧を取ることができる。そのような噴霧組成物はしたがって、場合によっては、噴射剤、発泡剤などをさらに含むことができる。生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物とキャリアとを含む噴霧組成物に注目すべきである。そのような噴霧組成物の一実施形態は、生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物と噴射剤とを含む。代表的な噴射剤には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、及び前述の混合物が含まれるが、それらに限定されない。個々に若しくは組み合わせて含む、蚊、ブヨ(black flies)、サシバエ、メクラアブ、ウマバエ、カリバチ、イエロー・ジャケット、スズメバチ、マダニ、クモ、アリ、ブヨ(gnats)などからなる群から選択される少なくとも1つの無脊椎有害生物を駆除するために使用される噴霧組成物(及びスプレー容器から分配されるそのような噴霧組成物の利用方法)に注目すべきである。
【0187】
以下の試験によって、特定の害虫に対する、本開示の化合物の防除有効性を示す。「防除有効性(control efficacy)」という用語は、摂食行動を顕著に低下させる原因となる、無脊椎有害生物の発育の阻害(死亡率)を表す。しかしながら、それらの化合物によって達成される害虫の防除保護は、それらの種に限定される訳ではない。化合物性状に関する下記の索引表Aを参照されたい。索引表Aの中では、以下の略語を使用している:t-Buは、tert-ブチルを意味しており、i-Prは、イソ-プロピルを意味しており、c-Prは、シクロプロピルを意味しており、c-ペンチルは、シクロペンチルを意味しており、c-ヘキシルは、シクロヘキシルを意味しており、そしてPhは、フェニルを意味している。略称の「Cmpd.No.」は、「化合物番号」を表し、略称の「Ex.」は、「実施例」を表し、その後に続く番号は、その化合物が調製された実施例を示している。略称の「m.p.」は、融点を表している。
【0188】
【表5】
【0189】
【表6】
【0190】
【表7】
【0191】
【表8】
【0192】
生物学的実施例
以下の試験によって、特定の害虫に対する、本開示の化合物の防除有効性を示す。「防除有効性(control efficacy)」という用語は、摂食行動を顕著に低下させる原因となる、無脊椎有害生物の発育の阻害(死亡率)を表す。しかしながら、それらの化合物によって達成される害虫の防除保護は、それらの種に限定される訳ではない。化合物の説明については、索引表Aを参照されたい。
【0193】
試験A~Hのための配合及び噴霧方法
試験コンパウンド物は、10%のアセトン、90%の水、及び300ppmのActivator 90(登録商標)ノニオン性界面活性剤(Loveland Products,Loveland,Colorado,USA)を含む溶液を使用して配合した。その配合したコンパウンド物を、それぞれの試験ユニットの上1.27cm(0.5インチ)に位置させたアトマイザーノズルを通して1mLの液体の中で適用した。所定の速度で試験コンパウンド物を噴霧し、それぞれの試験を3回繰り返した。
【0194】
試験A
コナガ(diamondback moth)(プルテラ・キシロステラ・(L.)(Plutella xylostella (L.))の防除を評価するための試験ユニットが、12~14日齢のカラシ植物(mustard plant)を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。これには、約50匹の生まれたての幼虫を用い、イノキュレーターを使用し、トウモロコシの穂軸の粗粒を介してその試験ユニットの中に分配することにより、予備的に寄生させた。試験ユニットの中に分配させた後、それらの幼虫は、試験植物の上へ移動した。
【0195】
試験コンパウンド物を配合し、10及び/又は2及び/又は0.4ppmで噴霧した。配合された試験コンパウンド物を噴霧した後で、試験ユニットを1時間放置して乾燥させ、次いでその上に黒色の網蓋を置いた。それらの試験ユニットを、グロースチャンバーの中、25℃、70%相対湿度で6日間保持した。次いで、消費された茎葉を基準にして、植物の摂食ダメージを肉眼で調べ、評価して、幼虫の死亡率を評価した。
【0196】
10ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のものが、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(40%以下の摂食ダメージ、及び/又は100%の死亡率)を与えた:1、2、3、4、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、56、57、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、及び87。
【0197】
2ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のものが、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(40%以下の摂食ダメージ、及び/又は100%の死亡率)を与えた:1、2、3、4、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、56、57、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、及び87。
【0198】
0.4ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のものが、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(40%以下の摂食ダメージ、及び/又は100%の死亡率)を与えた:1、2、4、7、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、23、24、25、26、28、29、30、32、34、35、37、38、39、40、42、44、45、46、48、49、50、51、56、57、61、63、64、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79、80、81、82、83、84、85、及び86。
【0199】
試験B
ツマジロクサヨトウ(fall armyworm)(スポドプテラ・フルギペルダ・(J.E.スミス)(Spodoptera frugiperda (J.E.Smith))の防除を評価するために、試験ユニットが、4~5日齢のトウモロコシ(corn、maize)植物を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。一片の昆虫飼料(insect diet)の上で、10~15匹の1日齢幼虫を用いて、これを予め寄生させた。
【0200】
試験コンパウンド物を配合し、10及び/又は2及び/又は0.4ppmで噴霧した。配合された試験コンパウンド物を噴霧した後で、その試験ユニットを、グロースチャンバー中、25℃、70%相対湿度で6日間保持した。次いで、消費された茎葉を基準にして、植物の摂食ダメージを肉眼で調べて、評価して、幼虫の死亡率を評価した。
【0201】
10ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のものが、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(40%以下の摂食ダメージ、及び/又は100%の死亡率)を与えた:1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、56、57、61、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、及び87。
【0202】
2ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のものが、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(40%以下の摂食ダメージ、及び/又は100%の死亡率)を与えた:1、2、4、5、7、8、9、11、13、14、16、17、18、19、20、21、22、23、24、26、28、29、30、31、32、34、35、36、37、38、39、40、42、44、45、46、47、48、49、50、51、56、57、61、63、64、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、及び87。
【0203】
0.4ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のもので、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(40%以下の摂食ダメージ及び/又は100%の死亡率)が得られた:1、2、4、7、9、11、13、14、16、18、19、21、23、24、29、30、32、34、35、37、38、39、40、42、44、45、46、48、50、51、61、64、66、69、70、71、72、75、79、80、81、82、84、85、及び86。
【0204】
試験C
接触性及び/又は浸透性手段を介しての、コーンプラントホッパー(ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)(アシュミード(ashmead))の防除を評価するために、その試験ユニットが、3~4日齢のトウモロコシ(corn、maize)植物を入れた小型の開放容器で構成されていた。土壌の上に白砂を加えてから、試験化合物を施用した。
【0205】
試験コンパウンド物を配合し、50ppmで噴霧した。その配合された試験コンパウンド物を噴霧した後で、それらの試験ユニットを、1時間放置して乾燥させてから、それらに、約15~20匹の幼虫(18~21日齢)を、後寄生させた。それぞれの試験ユニットの上に黒色の網蓋を置き、試験ユニットを、グロースチャンバー中で、22~24℃、50~70%相対湿度で6日間保持した。次いでそれぞれの試験ユニットについて、昆虫の死亡率を肉眼で評価した。
【0206】
50ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のもので、少なくとも80%の死亡率が得られた:1、2、3、4、7、11、16、36、37、38、43、44、48、50、51、61、64、66、72、77、79、80、及び86。
【0207】
試験D
接触性及び/又は浸透性手段を介しての、ポテト・リーフホッパー(potato leafhopper)(エンポアスカ・ファバエ・(ハリス))(Empoasca fabae (Harris))の防除を評価するために、その試験ユニットが、5~6日齢のソレイユ(Solleil)マメ植物(初生葉が発芽したもの)を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。土壌の上に白砂を加え、初生葉の一方を切除してから、試験コンパウンド物を施用した。
【0208】
試験コンパウンド物を配合し、50ppmで噴霧した。その配合された試験コンパウンド物を噴霧した後で、それらの試験ユニットを、1時間放置して乾燥させてから、それらに、5匹のポテト・リーフホッパー(18~21日齢の成虫)を、後寄生させた。その試験ユニットの上に黒色の網蓋を置き、その試験ユニットを、20℃、70%相対湿度のグロースチャンバーの中で、6日間保持した。次いで、それぞれの試験ユニットについて、肉眼で調べて、昆虫の死亡率を評価した。
【0209】
50ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のもので、少なくとも80%の死亡率が得られた:3、4、7、11、21、26、36、37、39、43、44、47、48、61、77、85及び86。
【0210】
試験E
接触性及び/又は浸透性手段を介しての、モモアカアブラムシ(Green Peach Aphid)(ミズス・ペルシカエ・(スルザー)(Myzus persicae (Sulzer))の防除を評価するために、その試験ユニットが、12~15日齢のラディッシュ植物を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。これを試験植物の葉の上に置くことにより、栽培植物から切除した葉片の上に、30~40匹のアブラムシをあらかじめ寄生させた(切葉法(cut-leaf method))。葉片が乾燥するにつれて、アブラムシは、試験植物の上へ移動した。あらかじめ侵食させた後で、その試験ユニットの土壌を、砂の層で覆った。
【0211】
コンパウンド物を50ppmで配合し、噴霧した。配合された試験コンパウンド物を噴霧した後で、試験ユニットを1時間放置して乾燥させ、次いでその上に黒色の網蓋を置いた。それらの試験ユニットを、グロースチャンバーの中、19~21℃、50~70%相対湿度で6日間保持した。次いでそれぞれの試験ユニットについて、昆虫の死亡率を肉眼で評価した。
【0212】
50ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のもので、少なくとも80%の死亡率が得られた:1、2、3、4、7、11、14、15、16、18、21、29、35、36、37、43、44、48、50、51、64、66、70、72、73、75、77、79、80、81、82、83、84、85、及び86。
【0213】
試験F
接触性及び/又は浸透性手段を介しての、ワタアブラムシ(cotton melon aphid)(アフィス・ゴシピイ・(グロバー)(Aphis gossypii (Glover))の防除を評価するために、その試験ユニットが、5日齢のオクラ植物を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。これに、切葉法によって、葉片の上に30~40匹の昆虫を予め寄生させ、そしてその試験ユニットの土壌を、砂の層で覆った。
【0214】
試験コンパウンド物を配合し、50ppmで噴霧した。噴霧した後で、その試験ユニットを、グロースチャンバーの中、19℃、70%相対湿度で6日間保持した。次いで、それぞれの試験ユニットについて、肉眼で調べて、昆虫の死亡率を評価した。
【0215】
50ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のもので、少なくとも80%の死亡率が得られた:1、2、3、4、7、11、14、15、16、18、21、35、36、37、38、43、44、47、48、50、51、61、64、66、70、72、73、74、75、77、78、79、80、82、83、84、85、及び86。
【0216】
試験G
接触性及び/又は浸透性手段を介しての、タバココナジラミ(sweetpotato whitefly)(ベミシア・タバチ・(ゲンナディウス)(Bemisia tabaci(Gennadius))の防除を評価するために、その試験ユニットが、12~14日齢のワタ植物を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。噴霧施用に先だって、その植物から両方の子葉(both cotyledon)を除き、試験のための1枚の本葉を残した。成虫のコナジラミにその葉の上に産卵させてから、試験ユニットから除いた。少なくとも15個の卵を生み付けたワタ植物を、噴霧のための試験に供した。
【0217】
試験コンパウンド物を配合し、250及び/又は50ppmで噴霧した。噴霧の後、1時間放置して、その試験ユニットを乾燥させた。次いでシリンダーを取り除き、そのユニットを、グロースチャンバーに入れ、28℃、50~70%相対湿度で13日間保持した。次いで、それぞれの試験ユニットについて、肉眼で調べて、昆虫の死亡率を評価した。
【0218】
250ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のもので、少なくとも70%の死亡率が得られた:皆無。
【0219】
50ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のもので、少なくとも70%の死亡率が得られた:皆無。
【0220】
試験H
接触性及び/又は浸透性手段を介しての、ミカンキイロアザミウマ(Western Flower Thrips)(フランクリニエラ・オクシデンタリス・(ペルガンデ)(Frankliniellla occidentalis (Pergande))の防除を評価するために、その試験ユニットが、5~7日齢のソレイユマメ植物を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。
【0221】
試験コンパウンド物を配合し、250及び/又は50ppmで噴霧した。噴霧の後、1時間放置して、その試験ユニットを乾燥させてから、それぞれのユニットに、約60匹のアザミウマ(成虫及び幼虫)を加えた。試験ユニットの上に黒色の網蓋を置き、25℃、45~55%相対湿度で6日間保持した。次いで、それぞれの試験ユニットについて、植物のダメージと昆虫死亡率を、肉眼で評価した。
【0222】
250ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のものが、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(30%以下の植物のダメージ、及び/又は100%の死亡率)を与えた:4、11、及び42。
【0223】
50ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のものが、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(30%以下の植物のダメージ、及び/又は100%の死亡率)を与えた:4、11、及び42。
【国際調査報告】