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特表2023-511427硫酸化結晶性セルロースSPFブースターに基づく水性サンケース製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】硫酸化結晶性セルロースSPFブースターに基づく水性サンケース製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20230310BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544727
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 US2021013884
(87)【国際公開番号】W WO2021150477
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】62/964,678
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、ウェンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン リース、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ラオ、ユアンチアオ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC472
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC542
4C083AD052
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD261
4C083AD262
4C083BB21
4C083BB46
4C083CC19
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE17
(57)【要約】
水性サンケア製剤であって、化粧品的に許容される水性担体と、サンケア活性物質と、硫酸化結晶セルロースSPFブースターと、を含み、硫酸化結晶セルロースSPFブースターが、水性サンケア製剤のSPFを促進し、水性サンケア製剤を増粘させる、水性サンケア製剤が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性サンケア製剤であって、
化粧品的に許容される水性担体と、
サンケア活性物質と、
硫酸化結晶セルロースSPFブースターと、を含み、
前記硫酸化結晶セルロースSPFブースターが、前記水性サンケア製剤のSPFを促進し、前記水性サンケア製剤を増粘させる、水性サンケア製剤。
【請求項2】
前記硫酸化結晶セルロースSPFブースターが、0.20以上の結晶化度指数を有する、請求項1に記載の水性サンケア製剤。
【請求項3】
前記硫酸化結晶セルロースSPFブースターが、1~200μmの凝集体(agregate)粒子サイズで噴霧乾燥される、請求項2に記載の水性サンケア製剤。
【請求項4】
前記サンケア活性物質が、UV遮断剤及びUV吸収剤からなる群から選択される、請求項3に記載の水性サンケア製剤。
【請求項5】
前記サンケア活性物質が、赤色ペトロラタム、二酸化チタン、酸化亜鉛、
1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、メンチルアントラニレート、パラ-アミノ安息香酸、アミルパラジメチルアミノ安息香酸、オクチルパラジメチルアミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)パラ-アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(PEG-25)パラ-アミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、ジエタノールアミンパラ-メチオキシシンナマート、2-エトキシエチルパラメトキシシンナメート、エチルヘキシルパラ-メトキシシンナメート、オクチルパラメトキシシンナメート、イソアミルパラ-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリレート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート、ホモメチルサリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、トリエタノールアミンサリチレート、ジグアロイルトリオレート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、4-メチルベンジリジンカンファー、アボベンゾン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ビニル基含有アミド、ケイ皮酸アミド、スルホン化ベンズイミダゾール)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の水性サンケア製剤。
【請求項6】
前記サンケア活性物質が、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、2-エチルヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート、及び2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンを含む、UV吸収剤の混合物である、請求項5に記載の水性サンケア製剤。
【請求項7】
皮膜形成剤を更に含む、請求項6に記載の水性サンケア製剤。
【請求項8】
前記皮膜形成剤が、アクリレートコポリマーを含み、前記サンケア活性物質が、UV吸収剤の混合物を含む、請求項7に記載の水性サンケア製剤。
【請求項9】
色成分を更に含む、請求項8に記載の水性サンケア製剤。
【請求項10】
前記色成分が、Ext.D&C Yellow No.2、Ext.D & C Violet No.2、FD&C Red No.4、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、FD&C Green No.3、FD&C Blue No.1、D&C Yellow No.7、D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、D&C Violet No.2、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red No.31、D&C Red No.34、D&C Red No.33、D&C Red No.36、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Green No.8、D&C Blue No.4、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、D&C Brown No.1、アルミニウム粉末、アンナットー、クエン酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、ブロンズ粉、カラメル、カルミン、β-カロテン、水酸化クロム、酸化クロム、銅クロロフィリン、銅粉末、ジヒドロキシアセトン、フェロシアン化鉄、グアニン、酸化鉄、マンガンバイオレット、雲母、銀、二酸化チタン、群青、酸化亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の水性サンケア製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性サンケア製剤に関する。特に、本発明は、水性サンケア製剤であって、化粧品的に許容される水性担体と、サンケア活性物質と、硫酸化結晶セルロースSPFブースターと、を含み、硫酸化結晶セルロースSPFブースターが、水性サンケア製剤のSPFを促進し、水性サンケア製剤を増粘させる、水性サンケア製剤に関する。
【0002】
ヒトの皮膚に対する日光の有害な影響は、文書で十分に実証されている。地球の表面に到達する太陽エネルギーの6パーセントは、290~400nmの波長を有する紫外(ultraviolet、UV)放射である。この放射線は、2つの構成成分:(i)320~400nmの波長を有する低エネルギーUVA線、及び(ii)290~320nmの波長を有する高エネルギーUVB線に分けられる。太陽エネルギーのUV部分は比較的小さいものの、日光曝露による全ての副作用のほぼ99%を誘発する。例えば、高エネルギーUVB線は、日焼け、皮膚老化の現れ、及び皮膚がんの原因となる。例えば、低エネルギーUVA線は、皮膚の直接的な日焼け及び紅斑(異常な発赤)の誘発の原因となり、皮膚老化の現れに寄与する。
【0003】
日光への直接的曝露を避けることにより、個人はUV放射への曝露によって引き起こされる深刻な影響を避けることができる。しかしながら、一部の人々にとっては、仕事の性質上そのような露出を避けることは困難である。更に、自発的に肌を太陽にさらす、例えば、日焼けさせる人もいる。したがって、太陽の有害な影響に対する保護が重要である。
【0004】
UV放射曝露の有害な影響からの保護は、少なくとも1種のUV遮断剤、又は少なくとも1種のUV吸収剤、又はそれらの組み合わせを含む両方の局所適用製剤の形で利用可能である。UV遮断剤は、二酸化チタン、酸化亜鉛、及び赤色ペトロラタムなどの活性成分を含む。UV吸収剤は、パラアミノ安息香酸(より一般的にはPABAとして既知である)などの活性成分を含み、これらは一般的に適用時に透明であり、UV放射を吸収することにより活性し、製剤中の活性成分の吸収スペクトルに応じてある特定のUV波帯に対する選択的な保護を提供する。
【0005】
所与の日焼け止め製剤の有効性は、日焼け止めで保護された皮膚に最小限の紅斑を生成するのに必要なエネルギー量と、保護されていない皮膚に同じレベルの紅斑を生成するのに必要なエネルギー量との比として定義される、日焼け防止係数(Sun Protection Factor、SPF)の点から、皮膚をどれ程良好に保護するかによって評価される。
【0006】
日焼け止め製剤に典型的に使用されるUV吸収剤及びUV遮断剤(例えば、サンケア活性物質)のいくつかは、人々に日焼け止めの使用を思いとどまらせる有害な毒性作用及び負の感覚作用を有すると報告されている。したがって、SPF保護を低減することなく、日焼け止め製剤中に存在するサンケア活性物質のレベルを低減することが望ましい。したがって、提供されるSPF保護を低減することなくサンケア活性物質のレベルを低減するために、サンケア製剤中で使用するための様々なSPFブースターが開発されてきた。日焼け止め製剤は、使用中にパーソナルケア組成物中で耐水性及びサンケア活性成分の保持を呈することもまた、望ましい。
【0007】
したがって、サンケア活性物質の必要な組み込みレベルを低減しながら、効果的なSPF評価を提供し、耐水性及びサンケア活性物質の保持を呈する、新しいサンケア製剤に対する必要性が依然として存在する。
【0008】
本発明は、水性サンケア製剤であって、
化粧品的に許容される水性担体と、サンケア活性物質と、硫酸化結晶セルロースSPFブースターと、を含み、硫酸化結晶セルロースSPFブースターが、水性サンケア製剤のSPFを促進し、水性サンケア製剤を増粘させる、水性サンケア製剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
驚くべきことに、硫酸化結晶セルロースは、水性サンケア製剤のSPF性能を効果的に促進しながら、水性サンケア製剤を同時に増粘することを見出した。
【0010】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。
【0011】
サンケア製剤に関して本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「美的特徴」という用語は、視覚的及び触覚的感覚特性(例えば、滑らかさ、粘着性、潤滑性、質感、色、透明度、管状性、均一性)を指す。
【0012】
本明細書及び添付で使用される「皮膚科学的に許容される」という用語は、皮膚への局所的適用に典型的に使用される成分を指し、スキンケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に有毒である材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することを意図する。
【0013】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、化粧品的に許容される水性担体(好ましくは、水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、20~92重量%(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、75~85重量%)の化粧品的に許容される水性担体を含む)と、サンケア活性物質(好ましくは、水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.1~60重量%(好ましくは、1~50重量%、より好ましくは2.5~40重量%、最も好ましくは、5~10重量%)のサンケア活性物質を含む)と、硫酸化結晶セルロースSPFブースター(好ましくは、水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.5~20重量%(好ましくは1~7.5重量%、より好ましくは1.5~5重量%、最も好ましくは、2~4重量%)の硫酸化結晶セルロースSPFブースターを含む)と、を含み、硫酸化結晶セルロースSPFブースターが、水性サンケア製剤のSPFを促進し、水性サンケア製剤を増粘させる。
【0014】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、化粧品的に許容される水性担体を含む。より好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、20~92重量%(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、75~85重量%)の化粧品的に許容される水性担体を含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、20~92重量%(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、75~85重量%)の化粧品的に許容される水性担体を含み、サンケア活性物質及び硫酸化結晶セルロースSPFブースターは、化粧品的に許容される担体中に分散されている。
【0015】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、20~92重量%(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、75~85重量%)の化粧品的に許容される水性担体を含み、化粧品的に許容される水性担体は、哺乳動物の皮膚(好ましくは、ヒトの皮膚)への水性サンケア製剤の適用時に蒸発することができるように選択される。
【0016】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、20~92重量%(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、75~85重量%)の化粧品的に許容される水性担体を含み、化粧品的に許容される水性担体は、水(例えば、脱イオン、蒸留水)、エマルジョン(例えば、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、シリコーン水型エマルジョンなど)、水とアルコールとの混合物(例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのC1~4直鎖又は分岐鎖アルコール)、水とグリコールとの混合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール)、並びに水と天然油と鉱油との混合物(例えば、ヒマワリ油、ホホバオイル)からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のパーソナルケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、20~92重量%(好ましくは、30~90重量%、より好ましくは、75~85重量%)の化粧品的に許容される水性担体を含み、化粧品的に許容される担体は、水(好ましくは、脱イオン水及び蒸留水のうちの少なくとも1つ、より好ましくは、脱イオン水、蒸留水)を含む。
【0017】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、サンケア活性物質を含む。より好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.1~60重量%(好ましくは、1~50重量%、より好ましくは2.5~40重量%、最も好ましくは、5~10重量%)のサンケア活性物質を含む。なおより好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.1~60重量%(好ましくは、1~50重量%、より好ましくは2.5~40重量%、最も好ましくは、5~10重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、UV遮断剤(例えば、赤色ペトロラタム、二酸化チタン、酸化亜鉛)及びUV吸収剤(例えば、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI:アボベンゾン)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI:オキシベンゾン)、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、メンチルアントラニレート、パラ-アミノ安息香酸、アミルパラジメチルアミノ安息香酸、オクチルパラジメチルアミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)パラ-アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(PEG-25)パラ-アミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、ジエタノールアミンパラ-メチオキシシンナマート、2-エトキシエチルパラメトキシシンナメート、エチルヘキシルパラ-メトキシシンナメート、オクチルパラメトキシシンナメート、イソアミルパラ-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリレート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート(INCI:オクトクリレン)、2-エチルヘキシルサリチレート(INCI:オクチサレート)、ホモメチル(homomenthyl)サリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、トリエタノールアミンサリチレート、ジグアロイルトリオレート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、4-メチルベンジリジンカンファー、アボベンゾン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ビニル基含有アミド、ケイ皮酸アミド、スルホン化ベンズイミダゾール、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート(INCI:ホモサラート))を含む群から選択される。更により好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.1~60重量%(好ましくは、1~50重量%、より好ましくは2.5~40重量%、最も好ましくは、5~10重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、UV吸収剤の混合物を含む。更になおより好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.1~60重量%(好ましくは、1~50重量%、より好ましくは2.5~40重量%、最も好ましくは、5~10重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI:アボベンゾン)、2-エチルヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート(INCI:オクチサレート)、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート(INCI:オクトクリレン)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート(INCI:ホモサラート)、及び2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI:オキシベンゾン)のうちの少なくとも1つを含むUV吸収剤の混合物である。最も好ましくは、本発明のサンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.1~60重量%(好ましくは、1~50重量%、より好ましくは2.5~40重量%、最も好ましくは、5~10重量%)のサンケア活性物質を含み、サンケア活性物質は、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン(INCI:アボベンゾン)、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート(INCI:オクトクリレン)、及び3,3,5-トリメチルシクロヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート(INCI:ホモサラート)を含む、UV吸収剤の混合物である。
【0018】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、硫酸化結晶セルロースSPFブースターを含む。より好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.5~20重量%(好ましくは、1~7.5重量%、より好ましくは1.5~5重量%、最も好ましくは、2~4重量%)の硫酸化結晶セルロースSPFブースターを含む。なおより好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.5~20重量%(好ましくは、1~7.5重量%、より好ましくは1.5~5重量%、最も好ましくは、2~4重量%)の硫酸化結晶セルロースSPFブースターであり、硫酸化結晶セルロースSPFブースターが、0.20以上の結晶化度指数(好ましくは、0.25~1、より好ましくは0.30~0.95、なおより好ましくは0.35~0.90、最も好ましくは0.4~0.85)を有する。更により好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.5~20重量%(好ましくは、1~7.5重量%、より好ましくは1.5~5重量%、最も好ましくは、2~4重量%)の硫酸化結晶セルロースSPFブースターであり、硫酸化結晶セルロースSPFブースターは、0.20以上の結晶化度指数CI(好ましくは、0.25~1、より好ましくは0.30~0.95、なおより好ましくは0.35~0.90、最も好ましくは0.4~0.85)を有する。硫酸化結晶セルロースSPFブースターは、1~10nmの平均直径及び50~300nmの平均長さを有する一次粒子針形状形態を有する。最も好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、水性サンケア製剤の重量に基づいて、0.5~20重量%(好ましくは、1~7.5重量%、より好ましくは1.5~5重量%、最も好ましくは、2~4重量%)の硫酸化結晶セルロースSPFブースターであり、硫酸化結晶セルロースSPFブースターは、0.20以上の結晶化度指数CI(好ましくは、0.25~1、より好ましくは0.30~0.95、なおより好ましくは0.35~0.90、最も好ましくは、0.4~0.85)(本明細書に記載のように測定される)を有し、硫酸化結晶セルロースSPFブースターは、1~10nmの平均直径及び50~300nmの平均長さを有する一次粒子針形状形態を有し、硫酸化結晶セルロースSPFブースターは、他の水性サンケア製剤構成成分と混合する前に、1~200μm(好ましくは、10~100μm)の平均粒子サイズを有する凝集粒子に噴霧乾燥される。
【0019】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、任意選択的な添加剤を更に含む。より好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、任意選択的な添加剤を更に含み、任意選択的な添加剤は、皮膜形成剤、防水剤、皮膚軟化剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、保湿剤、レオロジー調整剤、美的調整剤、ビタミン、皮膚保護剤、油、乳化剤、界面活性剤、真珠光沢剤、コンシステンシーファクター、増粘剤、超脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レクチン、リン脂質、色成分、噴射剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、任意選択的な添加剤を更に含み、任意選択的な添加剤は、皮膜形成剤を含む。
【0020】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、皮膜形成剤を更に含む。より好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、0.5~7重量%(好ましくは、0.6~5重量%、より好ましくは、0.75~4重量%)の皮膜形成剤を更に含み、皮膜形成剤は、それ自体で、又は補助の存在下で、支持体上、特に、ケラチン材料上に巨視的に連続した皮膜を形成する(好ましくは、皮膜は、凝集性皮膜であり、より好ましくは、皮膜は、皮膜が支持体から単離され得るように、十分な機械的特性と結合された凝集特性を呈する)。最も好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、0.5~7重量%(好ましくは、0.6~5重量%、より好ましくは、0.75~4重量%)の皮膜形成剤を更に含み、皮膜形成剤は、本発明の水性サンケア製剤を皮膚に適用する際に皮膜バリアを提供するように選択される。皮膜バリアの目的は、水に浸した後の皮膚上のサンケア活性物質の維持を助けることである。
【0021】
好ましい皮膜形成剤としては、ペトロラタム、皮膚軟化剤エステル、ラノリン誘導体(例えば、アセチル化ランリン)、過脂肪油、シリコーンガム、シリコーン樹脂、フェニル官能化シリコーン、シリコーンアクリレート、ジメチコン誘導体、天然及び合成油、脂肪酸、脂肪アルコール、ワックス、アクリルコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、多糖類、アクリレートポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、皮膜形成剤を更に含み、皮膜形成剤は、アクリレートコポリマーを含む。
【0022】
アクリルコポリマーとしては、アクリルアミド/アクリルコポリマー(例えば、National Starch and Chemicalから入手可能なDermacryl(登録商標)79(INCI:アクリレート/オクチアクリルアミドコポリマー))、アクリレートコポリマー(例えば、The Dow Chemical Companyから入手可能なepitax(商標)AC粉末耐水性ポリマー(INCI:アクリレートコポリマー))が挙げられる。
【0023】
また、ある特定の皮膚軟化剤は、皮膚に耐水性バリアを提供することにより皮膜形成機能を呈する。皮膜形成挙動を有する皮膚軟化剤としては、ブチルオクチルサリチレート(例えば、HallStarから入手可能なHallBrite(登録商標)BHB)、脂肪酸(例えば、オレイン、ステアリン)、脂肪アルコール(例えば、セチル、ヘキサデシル)、エステル(例えば、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジイルジヘプタノエート(INCI:ネオペンチルグリコールジヘプタノエート))、アルカン(例えば、鉱油)、エーテル(例えば、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル)、天然油及び合成油(シリコーン油を含む)が挙げられる。
【0024】
本発明の水性サンケア製剤は、皮膚の保護に有用である。好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、日光への曝露によるUV損傷から皮膚を保護するのに有用である。本発明の水性サンケア製剤はまた、好ましくは、皮膚への保湿、乾燥肌の予防及び治療、敏感肌の保護、肌の色調及び質感の改善、疵のマスキング、並びに表皮外水分損失の抑制を提供する。本発明の水性サンケア製剤は、サンケア製剤を皮膚に局所的に投与することを含む、UV損傷から皮膚を保護するための方法に使用され得る。
【0025】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含む。より好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含み、色成分は、無機顔料、有機顔料、水性顔料分散体、及びそれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含み、色成分は、Ext.D&C Yellow No.2、Ext.D & C Violet No.2、FD&C Red No.4、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、FD&C Green No.3、FD&C Blue No.1、D&C Yellow No.7、D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、D&C Violet No.2、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red No.31、D&C Red No.34、D&C Red No.33、D&C Red No.36、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Green No.8、D&C Blue No.4、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、D&C Brown No.1、アルミニウム粉末、アンナットー、クエン酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、ブロンズ粉、カラメル、カルミン、β-カロテン、水酸化クロム、酸化クロム、銅クロロフィリン、銅粉末、ジヒドロキシアセトン、フェロシアン化鉄、グアニン、酸化鉄、マンガンバイオレット、雲母、銀、二酸化チタン、群青、酸化亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含み、色成分は、少なくとも1つの酸化鉄を含む。最も好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含み、色成分は、酸化鉄の混合物を含む。
【0026】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含み、色成分は、顔料である。より好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含み、色成分は、顔料であり、顔料は、表面処理がされている。なおより好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含み、色成分は、顔料であり、顔料は、表面処理がされており、表面処理は、アルキルシラン、ハロゲン化ホスホネート、ハロゲン化オルガノシラン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される表面処理剤での、顔料の処理を通して形成される。最も好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、色成分を更に含み、色成分は、顔料であり、顔料は、表面処理がされており、表面処理は、ペーフルオロヘキシルエチルホスホン酸ナトリウム、トリエトキシカプリリルシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、及びこれらの混合物からなる群から選択される表面処理剤での、顔料の処理を通して形成される。
【0027】
本発明の水性サンケア製剤で使用するためのレオロジー調整剤としては、分散液(例えば、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)、架橋アクリルアミドポリマー及びコポリマー(例えば、Sepigel 305、カルボマー)、キサンタンガム、水溶性セルロース系増粘剤、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、キャロブガム、スクレログルカンガム、ゲル化剤ガム、カラギーナンガム、アルギナート、マルトデキストリン、デンプン、並びにその誘導体、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0028】
水性シリコーンエマルジョン系化粧品的に許容される水性担体で使用するための乳化剤としては、Lauryl PEG-10 Tris(トリメチルシロキシ)シリルエチル)Dimethicone、Diglyceryl Tris(Trimethylsiloxy)シリルエチルDimethicone、グラフト化ブロック又はブロックコポリマー(ポリオルガノシロキサン型の少なくとも1つのブロック及びポリエーテルの少なくとも1つのブロックを含む)が挙げられる。ポリオルガノポリシロキサンブロックは、特に、ポリジメチルシロキサン又はポリ(C2~8)アルキルメチルシロキサンでであり得、ポリエーテルブロックは、ポリ(オキシ(C2~C8)アルキレン、特に、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレンであり得る。これらは、直鎖状、熊手型若しくはグラフト型物質、又はABA型であることができ、Bは、シロキサンポリマーブロックであり、Aは、ポリ(オキシアルキレン)基である。ポリ(オキシアルキレン)基は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又は混合されたポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド基からなることができる。ブチレンオキシド又はフェニレンオキシドなどの他のオキシドもまた可能である。本組成物に含有され得る別の種類のシリコーンポリエーテル組成物は、ABnポリアルキレンオキシドシリコーンコポリマーである。
【0029】
水性O/Wエマルジョンベースの化粧品的に許容される水性担体における使用のための乳化剤としては、グリセロールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル(1~150個のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)、脂肪族アルコール(特にC8~24、好ましくはC12~18アルコール)のオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル(1~150個のオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)、例えば、30個のオキシエチレン基を含むオキシエチレン化セテアリルアルコールエーテル(CTFA名セテアレス-30)、及び7個のオキシエチレン基を含むC12~15脂肪族アルコールの混合物のオキシエチレン化エーテル(CTFA名C12~15パレス-7)、ポリエチレングリコール(1~150個のエチレングリコール単位を含み得る)の脂肪酸エステル(特にC8~24、好ましくはC16~22酸のもの)、例えば、PEG-50ステアレート及びPEG-40モノステアレート、オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化グリセリルエーテル(1~150個のオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)の脂肪酸エステル(特に、C8~24、好ましくはC16~22酸のもの)、例えば、PEG-200グリセリルモノステアレート、30個のエチレンオキシド基を有するポリエトキシル化グリセリルステアレート、30個のエチレンオキシド基を有するポリエトキシル化グリセリルオレエート、30個のエチレンオキシド基を有するポリエトキシル化グリセリルココエート、30個のエチレンオキシド基を有するポリエトキシル化グリセリルイソステアレート、及び30個のエチレンオキシド基を有するポリエトキシル化グリセリルラウレート、オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化ソルビトールエーテル(1~150個のオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を含み得る)の脂肪酸エステル(特に、C8~24、好ましくはC16~22酸のもの)、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールベンゾエート、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドのコポリマー(EO/POポリ縮合体としても既知である)、並びにこれらの混合物、糖エステル及びエーテル、例えば、スクロースステアレート、スクロースココエート及びソルビタンステアレート、及びこれらの混合物、ポリオールの脂肪酸エステル(特に、C8~24、好ましくはC16~22酸のもの)、特に、グリセロール又はソルビトールのもの、例えば、グリセリルステアレート、グリセリルステアレート、グリセリルラウレート、ポリグリセリル-2ステアレート、ソルビタントリステアレート、又はグリセリルリシノレエートが挙げられる。
【0030】
本発明の水性サンケア製剤に使用における使用に好ましい噴射剤としては、メタン、エタン、プロパン、イソブタン、n-ブタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、フルオロ含有材料(例えば、1,1-ジフルオロエタン、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル)、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましいフッ素含有噴射剤としては、Cosmetic Fluid CF-76(INCI名称:エチルパーフルオロブチルエーテル/エチルパーフルオロイソブチルエーテル)、及びCosmetic Fluid CF-61(INCI名称:メチルパーフルオロブチルエーテル/メチルパーフルオロイソブチルエーテル)が挙げられる。
【0031】
好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、4~9のpHを有する。より好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、4.5~8.5のpHを有する。なおより好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、5.0~8.0のpHを有する。最も好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、5.5~7.5のpHを有する。
【0032】
好ましくは、本発明のパーソナルケア製剤は、クリーム、水溶液、油、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、ミルク、フォーム、スティック、及び懸濁液からなる群から選択される製品形態で提供される。
【0033】
任意選択的に、本発明の水性サンケア製剤は、スプレーを形成するために機械的デバイス(例えば、手動ポンプスプレー容器、スクイズボトル)、又は加圧エアロゾル容器(例えば、バッグオンノズル容器、加圧缶)を使用することにより、皮膚への適用のために製剤化される。
【0034】
本発明の水性サンケア製剤は、治療(例えば、保湿;日光への曝露の有害な影響から保護すること)と、皮膚への適用を通じて皮膚の外観を高めることと、のうちの少なくとも1つに有用である。好ましくは、本発明の水性サンケア製剤は、皮膚に容易に適用される。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0036】
結晶化度指数
結晶化度指数CI(硫酸化結晶セルロース及びミクロフィブリル化セルロースについて表1で報告される値)は、以下のように得られた。Hypix3000検出器を装備したRigaku SmartLab 3kW X線回折計を使用して回折パターンを収集した。試料は、40kV及び44mAで操作された密封ソース管からの、コバルトK放射線(l=1.541Å)を用いて、調べた。XRDデータは、5°~75°2qまで、ステップサイズを0.02°とし、収集時間を5度/分として、収集した。得られたX線回折パターンの分析は、JADE2010 X線パターン分析ソフトウェアを使用して実施された。結晶化度指数=(I200-Iam)/(I200)であり、式中、I200は、(200)格子回折のピーク強度であり、Iamは、アモルファスドメイン回折のピーク強度である。
【0037】
比較例SC1~SC3及び実施例S1~S3:日焼け止め製剤
水性日焼け止め製剤を、表1に記載の製剤を有する比較例SC1~SC3及び実施例S1~S3の各々で調製した。
【0038】
比較例SC1~SC3及び実施例S1の各々の相A構成成分を、溶解するまで穏やかに撹拌しながら75℃で混合した。相B構成成分を、別個の容器内で、75℃で一緒に混合した。次いで、混合相B構成成分を混合相A構成成分内にゆっくりと添加した。次いで、相C構成成分を混合相A及びB構成成分に添加した。次いで、撹拌を継続しながら、混合物を40℃にコーティングした。次いで、相D構成成分を高剪断で混合した。次いで、得られた製剤を3分間均質化した。
【0039】
【表1】
【0040】
インビトロSPF測定
比較例SC1~SC3及び実施例S1に従って調製された水性サンケア製剤は、インビトロSPF測定の前に各々1週間沈降させられた。次いで、水性サンケア製剤の各々のインビトロSPF性能を、以下のプロトコルに従って、インビトロ技術を使用して3回試験した。
【0041】
インビトロSPF測定に使用された基材は、粗化PMMA基材であった(6μm-HD6はSchonberg GMBH&Co.KGから入手可能)。試験される水性サンケア製剤は、手袋をはめた指を使用して3つの別々の粗化PMMA基材に各々適用され、1.3mg/cmの速度でPMMA基材の表面上にサンケア製剤の均一な層を提供した。水性サンケア製剤の各堆積層を、実験室で、周囲条件下で14週間静置した。45℃で1週間、2週間、9週間、及び14週間熱老化後に、Labsphere UV-2000S分光計を使用して、290nm及び400nmの水性サンケア製剤の各乾燥層のUV吸収を9つの別々の点で測定した。次いで、SPFブースト効率を、以下の式を使用して、ブースターフリーコントロール製剤SC1に対して、(MFC)SC2、(SunSpheres(商標)粉末)SC3、及び(CNC)S1の各々について計算した。
【0042】
【数1】
AのSPFは、製剤SC2、SC3、又はS1のSPFである。その結果を表2に提供する。
【0043】
【表2】
【0044】
比較例SC1及び実施例S1~S3に従って調製された水性サンケア製剤は、インビトロSPF測定の前に各々1週間沈降させられた。次いで、水性サンケア製剤の各々のインビトロSPF性能を、以下のプロトコルに従って、インビトロ技術を使用して3回試験した。インビトロSPF測定に使用された基材は、粗化PMMA基材であった(6μm-HD6はSchonberg GMBH&Co.KGから入手可能)。試験される水性サンケア製剤は、手袋をはめた指を使用して3つの別々の粗化PMMA基材に各々適用され、1.3mg/cmの速度でPMMA基材の表面上にサンケア製剤の均一な層を提供した。水性サンケア製剤の各堆積層を、SPF測定の前に、実験室の周囲条件下で少なくとも60分間乾燥させた。Labsphere UV-2000S分光計を使用して、290nm及び400nmの水性サンケア製剤の各乾燥層のUV吸収を9つの別々の点で測定した。次いで、比較例SC1及び実施例S1~S3に従って調製した各水性サンケア製剤について、インビトロSPF値をUV吸収測定の結果に基づいて計算した。比較例SC1及び実施例S1~S3に従って調製された各水性サンケア製剤の3つの試料の平均を表3に報告する。
【0045】
【表3】
【0046】
粘度
次いで、比較例SC1及びSC3並びに実施例S1に従って調製された水性サンケア製剤のブルックフィールド粘度を、アルミニウムカップ及びボブを備えたTA Instruments DHR-3レオメーターを使用して、30rpmで測定した。結果を表4に提供する。
【0047】
【表4】

【国際調査報告】