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特表2023-511429編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(54)【発明の名称】編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 35/06 20100101AFI20230310BHJP
   A43B 23/04 20060101ALI20230310BHJP
   A43B 23/02 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
B29D35/06
A43B23/04
A43B23/02 101A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544729
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 IT2021000001
(87)【国際公開番号】W WO2021149085
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】102020000001459
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521223863
【氏名又は名称】トレレ・イノベーション・エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レディーニ・マルコ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BC00
4F050HA16
4F050HA30
4F050HA86
4F050KA11
4F050LA01
4F050NA52
(57)【要約】
二重ストッキングから構成されるアッパー(2)を製織/構築する第1のステップと、それに続くアッパーを形成する第2のステップであって、2つのストッキングが一方の側(先端部)で閉じている一種の「チューブ」であり、一方でチューブの他方の端部が開いたままである、第2のステップとを含み、内側ストッキングが好適な靴型に置かれ、外側ストッキングが裏返されて先行するストッキングに重ねられて二重層を形成する、編まれたアッパーを備えた靴を作製するための方法が開示される。靴型に置かれたアッパーが、製織中に存在する熱硬化性ポリマー糸を湿らせて軟化させるスチームジェットにかけられるスチームステップと、アッパーを、高温キルンを通過させて、先行ステップから残留する湿気を除去し、熱硬化性ポリマー糸を溶融温度にすることによってアッパーを所望の寸法に戻す乾燥ステップとが続く。その後、この方法は、靴型に置かれたアッパーがその環境に熱を与えてアッパーの温度を低下させるパーキングステップを提供し、アッパーを寸法的に固定するために、靴型に置かれたアッパーが、超低温冷凍機を介して移動して、熱硬化性ポリマー糸を安定化させる安定化ステップと、アッパーが周辺温度にあるときに、靴型から取り外すステップとが続く。特に、アッパーを形成するステップの間に、本方法は、靴型の全領域を覆うことができ、かつ靴型の両側に均等に延在するアーチ構造体を有し、後にソールとなる部分の輪郭よりもわずかに高く、好適な形状および位置の一連のスロット(50)を有するインソール(5)の位置が定められるように提供される。靴型から取り外されると、アッパーはソール(7)の構築の準備が整い、ソールの構築には、アッパーを好適な鋳型の靴型に挿入するステップと、ポリウレタン注入(6)ステップのための、アッパーが置かれている靴型の位置、および鋳型の2つのリングの間で閉じられる位置を定めるステップであって、ソール用の鋳型のリングが、アッパーを部分的に囲むように閉じ、鋳型を充填しつつポリウレタンを注入し、ソールを形成するのに好適な、外側から隔離された空洞を形成する、ステップとが提供される。注入ステップの間、アーチ構造体(5)が存在するため、アッパーの内部へのポリウレタンの移動が制限され、スロット(50)のみを通過する所定量のポリウレタンの移動を可能にし、ソールとアッパーとの間かつソールと内側ストッキングとの間に、機能的特徴も審美的特徴も、干渉することなく、かつ変化させることなく接合点を生成する。注入が終了した後、鋳型のリングが開かれ、完成した靴(アッパーおよびソール)が鋳型から取り外され、靴型から取り外され、単一の、均質でコンパクトな本体である靴が得られる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
編まれたアッパーを備えた靴を作製するための方法であって、
-二重ストッキングを作製することによって作製されるアッパー(2)を製織/構築する第1のステップと、
-先に構築された2つのストッキングが一方の側で閉じている(製織時に先端が閉じている)一種の「チューブ」であり、一方でチューブの他方の端部が開いたままであり、内側ストッキングが好適な靴型に置かれ、外側ストッキングが裏返されて先行するストッキングに重ねられ二重層を形成する、前記アッパーを形成する第2のステップと、
-前記靴型に置かれた前記アッパーが、前記アッパーを構成する熱硬化性ポリマー糸を湿らせて軟化させるスチームジェットにかけられるスチームステップと、
-前記アッパーを、高温キルンを通過させて、先行ステップから残留する湿気を乾燥除去し、熱硬化性ポリマー糸を溶融温度にすることによって前記アッパーを所望の寸法に戻す乾燥ステップと、
-前記靴型に置かれた前記アッパーが、キルンを出てローラコンベヤ上を移動してその環境に熱をもたらし、その温度を低下させるパーキングステップと、
-前記アッパーを寸法的に固定するために、前記靴型に置かれた前記アッパーが、超低温冷凍機を介して移動して、熱硬化性ポリマー糸を安定化させる安定化ステップと、
-前記靴型から前記アッパーを取り外すステップであって、前記アッパーが周辺温度にあるときに、前記アッパーを靴型から取り外すステップと
を含む、方法において、
-前記アッパーを形成するステップの間に、前記靴型の全領域を覆うことができ、かつ前記靴型の両側に均等に延在するアーチ構造体を有し、後にソールとなる部分の輪郭よりもわずかに高いインソール(5)の位置が定められ、前記インソール(5)が、熱成形フェルトで作製され、好適な形状および位置の一連のスロット(50)を有し、
-前記アッパーが前記靴型から取り外されると、ソール(7)の構築の準備が整い、ソール(7)の前記構築には、
-前記アッパーを好適な鋳型の靴型に挿入するステップと、
-ポリウレタン注入(6)ステップのための、前記アッパーが置かれている前記靴型の位置、および前記鋳型の2つのリングの間で閉じられる位置を定めるステップであって、前記ソール用の前記鋳型の前記リングが、前記アッパーを部分的に囲むように閉じ、ポリウレタンを注入し、前記ソールを構成するのに好適な、外部から隔離された空洞を形成する、ステップと、
-ポリウレタン注入(6)ステップであって、前記鋳型を充填しつつ、前記アーチ構造体(5)が存在するため、ポリウレタンの、前記アッパーの内部への通過を制限する障壁となる、ポリウレタン注入(6)ステップと、
-前記アーチ構造体(5)の前記スロット(50)のみを通過する所定量のポリウレタンの通過ステップであって、前記ソールと前記アッパーとの間かつ前記ソール前記内側ストッキングとの間に、機能的特徴も審美的特徴も、干渉することなく、かつ変化させることなく接合点を形成することを可能にするポリウレタンの通過ステップと、
-前記注入ステップが終了すると、前記鋳型の前記リングを開くステップと、
-完成した靴(アッパーおよびソール)を、前記鋳型から取り外し、前記靴型から取り外すステップと
が提供され、
前記方法は、単一の、均質でコンパクトな本体である靴を生成すること
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記アッパーの作製中に、製織において、追加の熱硬化性ポリマー糸が、明確に画定された領域および異なる密度で両方の前記ストッキングに挿入される糸に追加されて、弾性、補強および通気性の異なる特性を提供し、前記外側ストッキングにおいて、熱硬化性ポリマー糸がより高い割合で使用されて、前記アッパーの構造に対してより大きな堅さおよび抵抗を与え、加工において使用される前記ポリマー糸が、一体に接合された前記2つのストッキング間の結合剤として使用することができ、あたかも単一部品であるかのように前記アッパーを構成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アッパーを前記靴型に置くステップにおいて、前記第1のストッキングが、最初に、閉じた端部が前記靴型に重なるように挿入され、続いて、ゴムまたは他の同等の好適な材料で作製されたインサート(3)の位置が、前記靴の後縁部を補強および強化するためのパッド(カラー)として作用するように定められ、その後、開口端を有する前記第2のストッキングが前記第1のストッキングの上方に引っ張られて前記靴型を完全に覆い、前記2つのストッキングが結合されると、前記外側ストッキングが前記靴型に引っ込められ、前記内側ソールに対応する部分を露出させて、前記ヒールのために補強要素(4)を挿入できるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アッパーを前記靴型に置くステップにおいて、前記インソール(5)の位置が定められると、前記外側ストッキングは、その後、前記アッパーを閉じるように引っ張られて再配置され、開口縁部(20)が足部のつま先のレベルにある下部にくるまで、前記靴型に完全に適合することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アッパーを好適な鋳型の靴型に配置するステップにおいて、重ね印刷される可能性のある構成要素が前記アッパーに位置が定められ、接着によって固定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記注入ステップの間に、前記ポリウレタンの通過が、前記インソール(5)の前記スロットを通過して最小限に、かつ制御および管理された手法で生じて、通過する前記ポリウレタンが、前記アッパーの前記内側ストッキングと前記アッパーに注入された前記ソールとの間の均一な接着ブリッジを生成して保持フック(60)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記2つのストッキングが前記アッパーを二重層で構成し、一方のストッキングが前記アッパーの外側を構成し、天然糸、合成糸、および/または混合糸を使用することによって作製され、一方、他方のストッキングが前記アッパーの内側を構成し、主に異なる種類の糸であって、好ましくは通気性、快適性、断熱性などの他の機能を提供するために、ウールのような天然糸)から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ソールからはみ出している可能性のある成形品を裁断するステップが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記二重ストッキングの構築/製織の間に、足部(フィット)の側部において、前記足部の前記側部の一種の支持およびグリップを生成し、前記靴の内側で前記足部に安定性を与えるという役割を有する特定の製織で得られる一連のリブが作製され、したがって中間の補強要素および保護要素を冗長にすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記二重ストッキングの前記構築/製織の間に、前記アッパーに足部の有意かつ最適な拘束を与えることを可能にするX構造(8)を生成する加工が実行され、前記X構造が、前記足部の甲部に交差の位置が定められ、前記X構造の端部が、前記足部のつま先の両側の前および後ろに配置され、前記Xが、前記足部の収容および安定性を与える機能を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリウレタン材料を注入して前記ソールを作製する前記注入ステップの間に、保持フック(60)が、スロットがある場所に形成される一方、前記アーチ構造体(5)が前記外側ストッキング、前記アーチ構造体および前記ソールの間に良好な接合部が生成されるように前記材料を受け入れることができることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
一方が裏返されて他方に重ねられている一対のストッキングによって形成されるアッパー(2)であって、前記ストッキングの内側に、ヒール(4)を保護して硬くするためのヒールの補強要素が位置するアッパー(2)と、カラーのパッド要素(3)と、アーチ構造体の輪郭/断面が常にソール(7)の形状と平行であり、前記ソールのレベルより上方の予め設定された部分を有する側縁部(51)を有することから、審美的態様として得ることが望ましい所望されるソール輪郭に従って、形成され、変更および調整が可能であるアーチ構造体(5)とを備え、前記アッパーが履物のすべての単一部分について研究および較正された熱硬化糸の分布を有し、非常に集中した、前記アッパーの構造的および機能的特徴を与え、前記構造的および機能的特徴の詳細は、複数の種類の加工と組み合わされており、それにより、前記アッパーが、完全に縫い目のない(いかなるステッチもない)ようにするものであり、その規則性を変えるのに好適な特定の保持された糸の特徴を用いて構造を多様化して、靴の構造的および機能的特徴を与える三次元製織を得ることを可能にする逆加工で(すなわち、生地の裏側に)作製され、前記編まれたアッパー(2)が、固有の良好な柔軟性を有し、比較的薄い注入されたソール(7)と組み合わされ、非常に柔軟なプロセスのため、前記靴を非常に軽量に、かつ柔軟にすることを特徴とする、請求項1から11に記載の方法で作製された靴。
【請求項13】
前記アーチ構造体(5)が形成されており、前記アーチ構造体(5)が、前記足底アーチの形状に追従するアーチ型領域を有し、ユーザの足部と、前記アッパーを作製する前記内側ストッキングとの両方を保護することを可能にする側縁部(51)を有し、前記アーチ構造体の表面には、複数の、適切に形成され、位置が定められたスロットであって、点またはセクターを生成する正確な機能を有するスロットが設けられ、前記点または部分が、前記点または部分の間に前記ストッキング同士を固定およびグリップし、かつ前記アーチ構造体(5)および前記ソール(7)を固定およびグリップする寸法に基づいて生成され、それによりすべてを単一の本体にする、ことを特徴とする請求項11に記載の靴。
【請求項14】
前記アーチ構造体(5)が、前記足部の形状に適合するように熱成形され、前記外側ストッキングを受け入れることを可能にする前記側縁部(51)と、保護されるべき摩耗を低減し、前記足部に与えられるより高い快適性および保護感およびグリップ感を低減するように折り畳まれた部分とを有し、前記アーチ構造体の前記側縁部(51)が、前記ソールと前記アッパーとの間で連続的になるように位置が定められた、前記アッパーのための隆起部を形成し、したがって均一で連続的な輪郭を生成し、前記アーチ構造体(5)が、穴、形状およびサイズに従って異なる特性を得ることを可能にする選択的フィルタ、膜であることを特徴とする、請求項11に記載の靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足部を含む様々な領域に体積および弾性の両方の点で差別化された構造を提供し、足部の、最適な屈曲および保護を保証するのに特に好適な、編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、履物は、食品を保護する役割を有し、地面と接触する下部であるソールと、一般に足部を覆い、ソールを所定の位置に保つためのいくつかの部品から構成される上部であるアッパーとから実質的に構成される衣類付属品である。特に、アッパーは、異なる装飾、色、および形状を有することができ、ステッチまたは接着によってソールに接合される。さらに、アッパーは、ほとんどの場合、天然皮革もしくは合成材料、または他のもので作製される。
【0003】
加えて、履物には、ソールとアッパーとの間の空間を形成する内側部分である甲部が存在することが多い。
【0004】
実際、靴は、ユーザが歩く、走るなどした場合、足部を保護するために常に使用されてきた物体である。靴は、骨および/または筋肉構造を損傷または疲労させ得る衝撃を防止するために使用される。
【0005】
現在、市場にはいくつかの種類の靴が存在し、大部分はスポーツ/カジュアル靴に関連しており、これは市場の大きなシェアを占めている。
【0006】
今日、靴が提供することができるパフォーマンスを求めて、および靴を構成する部品の構築のためのますます技術的な特徴を求めて、専門化がますます激しくなっている。
【0007】
ユーザの多くの関心および注目を集めている靴の1種類は、編まれた上部を有する靴である。
【0008】
この種類の第1の靴は、非常に柔らかいために一種の第2の皮膚として定義された編まれたアッパーを備えたフットボール用ブーツであった。特に、この編まれたアッパーは、編み目を保護するために革の薄い層によって覆われていた。
【0009】
先に示した靴は非常に快適であったが、使用形態も考慮すると、経時的に、アッパーの繊細さ、アッパーが摩耗する傾向、および吹き込みを受けやすい足部のゾーンの不十分な保護に起因する、様々な欠点が明らかになった。さらに、アッパーは、通気性が限られており、かつ使用に伴い、アッパーの構造の容易に変形した。実際、先に示した問題の一部は、アッパーを構成する生地の厚さは一定であるが、足部の様々な部品では、生地について、レベルの差別化されたグリップ、抵抗、および密度に関して差別化されたレベルが必要とされるという事実に起因する。
【0010】
続いて、先に示した靴によって示される制限を克服するために、製造業者は、インレイ機械または円形機械を使用して「ストッキング」の製造を開始し、ストッキングは、先端で接合する2つのストッキングの構造から構成され、熱硬化性糸をその加工に挿入する。加工が終了すると、一方のストッキングが裏返されて他方のストッキングに重ねられ、高温のスチームキルンを通過することによって硬化安定化プロセスにかけられる。
【0011】
別の種類には、前述のようにストッキングを作製することを含むが、完全に熱硬化性材料で作製され、その後他の2つのストッキングの間に挿入される第3のストッキングが追加される。
【0012】
この場合も、この構造は高温スチームキルンを通過することによって硬化安定化プロセスにかけられる。
【0013】
上記で開示された方法に従って作製された靴は、履物の上部を硬く、むしろ剛性を有するように、熱硬化性糸が製織の全体に存在するため、弾性および通気性が制限されることに起因する重大な欠点を有する。また、足部の動態に追従し、構造化することに不可欠な三次元設計に、重要な制限、すなわち一部の領域の柔軟性、先端ゾーンの保護、ヒールのねじり安定性、および足部の収容があることが見出されている。
【0014】
これまでに示したものに加えて、前述の種類のアッパーを備えた靴を完成させるソールは接着によって接合され、接着による接合は、硬さ、動きによって構成要素同士のグリップが限られること、および編地に接着剤が浸透すると、接触すると不快で、足部の皮膚にとって堅いといういくつかの問題を伴う。ソールとアッパーとを接合する別の手法は、ステッチによるものであるが、これもまた、ステッチ糸がアッパーの編地に及ぼす摩耗に起因する問題をもたらすことが示されている。さらに、両方の組み立て方法において、比較的大きな厚さで成形されたソールがかなり硬いことに起因する問題であって、靴の柔軟性を制限および低減し、ユーザの快適性を大幅に低下させる問題が検出されている。
【0015】
特に、本出願人は、米国特許出願第2017/0181501号明細書を認識しており、これは、アッパーが2つのストッキングから構成され、一方が裏返されて他方に重ねられ、ソールと接触する足部の快適性を改善するために挿入部が介在し、ソールと接合するための表面を提供する構造を有する、前述の技術を用いて作製された靴を示している。さらに、他の機能要素が、特定の機能を改善し、足部の保護部分を生成するために、エンベロープとして定義される2つのストッキングの間に介在する。特に、アッパーの構築は、ストッキングがその後取り付けられる靴を結ぶための紐を受け入れるのに役立つ構造の存在を提供する。
【0016】
特に、引用された特許出願は、アッパーおよびソールが、接着またはステッチ技術によってどのように一緒に組み立てられるかを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願第2017/0181501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
また、この靴は、ステッチされている場合のアッパーへの摩耗に加えて、靴の全体的な柔軟性が不十分であること、必要な領域における保護が足りないという前述の問題を抱えたままである。
【0019】
特に、軽量で、製造コストが許容可能である、柔軟なソールを有する靴を有し得ることが、市場の1つの必要性であることが分かっており、この条件は現在使用されている方法では得られない条件である。
【0020】
さらに、より注意深いユーザおよび要求の厳しい消費者は、2つのストッキングの間に挿入された機能要素の存在により、アッパーのいくつかのゾーンが不均質になり、その結果、時間と共に、および長時間の使用により、足部に煩わしさを与えるとともに、加えられた圧力により、履物の着用性を制限する刺激を引き起こす可能性がある、引用された特許出願の靴のような不連続性のない履物であることに加えて、特定のゾーンにおいて好適な足部のグリップおよび保護を同時に提供することが可能である製織による編地を有する靴に対する需要を示している。
【0021】
知られているように、今日のユーザは、快適で、実用的で、機能的で、外観が審美的に心地よく、使用において柔軟であるすべての衣類および衣類付属品に大きな関心を有している。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の目的は、実質的に、単一の製造シーケンスで、ポリウレタンの直接注入によって得られる編まれたアッパーおよびソールを備えた靴を構築することを可能にする、編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法によって前述の詳細を克服することにより、従来技術の問題を解決することである。
【0023】
本発明の第2の目的は、弾性化され、硬く、透明であり、閉じ込めのために構造化され、および/または良好な屈曲のためにセットアップされた、足部を含む領域の最適な構造化を備えたアッパーを備えた、体積および弾性の両方に関して重要な差別化された構造を有する編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法を有することである。
【0024】
本発明の別の目的は、足部の形状に完全に適合することができ、すべての使用ニーズに応えるための差別化された機能および挙動を有し、ソールの重要な柔軟性に加えて、ユーザが足部の優れた拘束およびグリップ、最適な通気性、決定的に制限された重量、支持、および着用時の著しい快適性を得ることを可能にする、編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法を有することである。
【0025】
本発明の別の目的は、靴を単一の本体にすることによって靴の柔軟性および軽量性を与えるために、直接注入技術で作製されたソールを有する編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法を有することである。
【0026】
本発明のさらなる目的は、軽量で柔軟であるソールを備えた構造を有し、上方に、摩耗しない編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構築および方法を作製することである。
【0027】
作製が容易で非常に機能的な、編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法を作製するという本発明の目的は、最も重要でないというわけではない。
【0028】
本明細書の過程でより明確になるであろうこれらの目的およびさらに他の目的は、以下の請求項に記載するように、編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法によって実質的に達成される。
【0029】
さらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して以下に行われる、本発明による編まれたアッパーを備えた靴を作製するための構造および方法の詳細な説明から、より明らかになるであろうが、添付の図面は、単なる例として提供され、したがって限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による方法で得られた靴を概略的に、かつ側面図で示す。
図2図1の靴のアッパーの底面図を概略的に示す。
図3】ソールと接触するアッパーを備えた靴を概略的に示す。
図3A】一実施形態のソールの側面図を概略的に示す。
図3B】他の実施形態のソールの側面図を概略的に示す。
図4図1の靴の要素の詳細を概略的に示す。
図5】当該の方法で得られた靴の構成要素を概略的に分解図で示す。
図6図1の靴の拡大した詳細を断面図で示す。
図7図1の靴の断面側面図を概略的に示す。
図8図4の要素の底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
引用された図、特に図1を参照すると、本発明により得られたアッパー(upper)およびソール(sole)を備えた靴1が全体的に示されている。
【0032】
編まれたアッパーを備えた靴を作製するための方法(手順)は、一連のステップを提供し、そのうちのいくつかは、現在市場にある靴を作製するために既に使用されている。
【0033】
第1のステップでは、機械によって直接閉じられている足部の先端から開始して、足部の部分に続き、ヒールに到達し、縁部で終了し、その後、先に作製されたものとは反対の一連の部品、すなわち第2の縁部、ヒール、および足部の部分と続き、ただし閉じられていない第2の先端で終端する二重のストッキングを作製することによって作製されるアッパー2の製織/構築がある。
【0034】
2つのストッキングは、あたかも二重の皮膚であるかのように二重層でアッパーを構成し、一方のストッキングはアッパーの外側を構成し、天然糸、合成糸、および/または混合糸を使用して作製され、一方、他方のストッキングはアッパーの内側を構成し、主に異なる種類の糸であって、好ましくは通気性、快適性、断熱性などの他の機能を提供するために、例えばウールのように天然糸)で構成される。今挙げた糸に加えて、アッパーの製造全体の間に、追加の熱硬化性ポリマー糸(thermosetting polymeric yarn)が、明確に画定された領域に両方のストッキングに挿入される製織に追加され、図1に示すように弾性、強度および通気性に関する差別化された特性を提供するように、異なる密度で追加される。より詳細には、外側ストッキングでは、熱硬化性ポリマー糸がより高い割合で使用され、これにより、より大きな耐久性および抵抗をアッパーの構造に与える。
【0035】
さらに、これにより、加工に使用されるポリマー糸が、一緒に接合された2つのストッキング間の結合剤として作用することが可能となり、あたかも単一部品であるかのようにアッパーを構成する。
【0036】
第2のステップは、アッパーを形成することである。このステップでは、先に構築された2つのストッキングは、一方の側(加工の間に閉じている先端)が閉じている一種の「チューブ」であり、一方、チューブの他端は開いたままである。このステップでは、内側ストッキングを好適な靴型に配置し、外側ストッキングを回転させて、内側ストッキングに重ね、二重層から構成されるアッパーを形成する。より詳細には、第1のストッキングは、最初に、閉じた端部が靴型に重なるように置かれ、続いて、ゴムまたは他の同等の好適な材料で作製されたインサート3が、靴の後縁部を補強および強化するためのパッド(カラー)として作用するように配置される。その後、開口端を有する第2ストッキングを第1ストッキングに重なるように引っ張り、靴型を完全に覆う。2つのストッキングが結合されると、外側ストッキングは、靴型の上に引っ込められ、内側ソールに対応する部分を露出させ、既知の方法で、外側ストッキングと内側ソールとの間にヒール用の補強要素(reinforcement)4を介在させることを可能にする。
【0037】
本実施形態では、靴型の全領域を覆うことができ、かつ靴型の両側に均等に延在するアーチ構造体(arch structure)を有するインソール5の位置が定められている。インソールは、図3Bに示すように、靴型を覆い、後にソールとなる部分の輪郭からわずかに突出するように構成される。
【0038】
挿入されたインソール5は、熱成形フェルト(thermoformed felt)で作製され、好適な形状および位置の一連のスロット50を有し、その機能を以下に示す。
【0039】
その後、外側ストッキングは、図2に示すように、開口縁部20が、足部のつま先の取り付け部の下部にくるまで引っ張られて、靴型に完全に適合することによって、アッパーを閉じるように再配置される。
【0040】
その後の2つのステップは、靴型に置かれたアッパーとして定義された第1のストッキングが、熱硬化性ポリマー糸を湿らせて軟化させるスチームジェットにかけられる、既知の種類のものである。このステップは、アッパーが靴型に、より良好に接着し、後続ステップのためにアッパーを準備することを可能にし、後続ステップでは、アッパーが高温キルンを通過して、先行ステップから残留する湿気をアッパーから乾燥除去することを可能にし、熱硬化性ポリマー糸を溶融温度にすることによってアッパーが所望の寸法に戻すことを可能にする。
【0041】
この点の後に、パーキングステップとして定義されるステップが続き、これは、靴型に置かれたアッパーがキルンを出てローラコンベヤ上を移動し、温度をさらに低下させる安定化のための後続ステップに移動する前に、環境に熱をもたらしてアッパーの温度を低下させるための、先行ステップと後続ステップとの間の移行ステップである。
【0042】
より詳細には、パーキングステップは、キルンに入るステップと、以下の安定化ステップとの間の急激すぎる熱衝撃を回避するという役割を有する移行ステップである。
【0043】
安定化ステップにおいて、靴型に置かれたアッパーは、熱硬化性ポリマー糸を安定化させる超低温冷凍機を介して移動し、このステップにより、アッパーは寸法的に固定される。アッパーが周辺温度と平衡状態にあるとき、アッパーは靴型から除去され、後続ステップの準備が整う。
【0044】
以下のステップでは、ポリウレタン注入成形によって、ソール7がアッパーに重なるように構築される。
【0045】
アッパーは、鋳型の靴型に重ねて置かれ、ここで、重ね印刷される可能性のある構成要素がアッパーに位置が定められ、接着によって固定されることができる。
【0046】
靴型に置かれたアッパーは、ポリウレタン注入6ステップ中に、2つの鋳型のリングの間でその後閉じられる位置に置かれる。
【0047】
ソール用の鋳型のリングは、ポリウレタンを注入してソールを構成するのに好適な、外側から隔離された空洞を形成するように、アッパーを部分的に囲むように閉じられる。
【0048】
前に示したようにすべてが準備されると、ポリウレタン注入6が開始され、アーチ構造体5が存在するため、ポリウレタンの、アッパーの内部への移動を制限する障壁となる。
【0049】
より詳細には、アーチ構造体5の形状により、注入された、ソールのポリウレタンが内側ストッキングを通過することが防止されるが、所定量のポリウレタンのみがスロット50を通過することが可能となる。スロットを通過する材料の量により、ソールとアッパーとの間かつ特に図6に示すように、ソールと内側ストッキングとの間に、接合点を生成することが可能となる。
【0050】
構成されているようなアーチ構造体が存在しない場合には、過剰量のポリウレタンがアッパーに染み込み、その機能的特徴および審美的特徴が変化する。より正確には、ポリウレタンは、インソールのスロットを最小限だけ通過し、この移動は制御および管理され、通過するポリウレタンは、アッパーの内側ストッキングとアッパーに注入されたソールとの間に、保持フック60を形成するために均一な接着ブリッジを生成する。
【0051】
注入段階が終了すると、ソールの鋳型のリングが開き、靴(アッパーおよびソール)が完成し、鋳型から取り外され、その後靴型から取り出される。
【0052】
ソールからはみ出している可能性のある成形品を裁断するステップの後、靴の準備が整う。
【0053】
先に示した方法(手順)から出る靴は、アッパーを有し、その製造プロセスは、複数の種類の加工を有し、アッパーはまったく縫い目のない(いかなるステッチもない)アッパーであり、逆加工で(すなわち、生地の裏側に)作製され、これにより、規則性を変えるのに好適な、特定の保持された糸の特徴を用いて構造を多様化して、靴の構造的特徴および機能的特徴を与える三次元製織を得ることができる。
【0054】
特に、構築中、ストッキングは、足部の側部(フィット)において、靴の内側の足部に安定性を与えるという役割を有する特定の製織で得られた一連のリブを提供し、これは、一連のリブにより足部の側部の一種のグリップ支持を生成するためであり、したがって従来技術の靴では必要である中間の補強要素(reinforcing element)および保護要素が逆に冗長のものになる。
【0055】
さらに、これまでに示したことに加えて、二重ストッキングの構築の間に、アッパーが足部に有意かつ最適な拘束を与えることを可能にするX構造8を生成するプロセスが実行される。
【0056】
ストッキングはX加工を有し、X加工の交差は足部の甲部に位置が定められ、X加工の端部は足部のつま先の両側の前および後ろに配置され、Xは、足部の収容および安定性を与える機能を有するため、本明細書の最初の部分で引用された米国特許出願に規定されているように、例えば収容構造がもはや必要でなくなる。
【0057】
本実施形態によれば、既に述べたように、履物のすべての単一部分について研究され較正された熱硬化糸の分布は、非常に集中した特定の構造的および機能的特徴をアッパーに与える。
【0058】
前に説明したことから推定することができるように、図示されたプロセスで得られる靴は、一対のストッキングによって形成されたアッパー2を備え、一方は裏返されて他方に重ねられ、ストッキングの内側には、ストッキングの内側を保護して硬くするための、実質的に既知の種類のヒール要素(heel element)4およびカラーのパッド要素(padding element)3のような安定化要素のみが位置する。
【0059】
本発明によれば、アーチ構造体5は、図3Aに示すように審美的な態様として得ることが所望されるソールの輪郭に関して形成され、変更および調整が可能である。
【0060】
実際、アーチ構造体は、その輪郭/断面において、図3Aおよび図3Bに示すように、ソール7の形状と常に平行であり、ソールのレベルよりも所定量だけ上方に側縁部51を常に有する。
【0061】
さらに、形成されるアーチ構造体は、図3Bに示すように、足底アーチの形状に追従するアーチ型領域を有し、図5に示すように、ユーザの足部と、アッパーを構成する内側ストッキングとの両方を保護することを可能にする側縁部51を有する。
【0062】
図4に示すように、アーチ構造体の表面は、複数の、適切に形成され、位置が定められたスロット50であって、点または部分を生成する正確な機能を有するスロット50を有し、この点または部分は、点または部分の間にストッキング同士を固定およびグリップし、かつアーチ構造体5およびソール7を固定およびグリップする寸法に基づいて生成され、これによりすべてが単一の本体となる。
【0063】
本実施形態によれば、前述したように、アーチ構造体5は、足部の形状に適合するように熱成形され、外側ストッキングを受け入れることを可能にする側縁部51と、保護されるべき摩耗を低減し、より高い快適性および保護感およびグリップ感を足部に与えるように折り畳まれた部分とを有する。
【0064】
特に、アーチ構造体の側縁部51は、ソールとアッパーとの間で連続的になるように位置が定められたアッパーのための隆起部を生成し、均一で連続的な輪郭を提供する。
【0065】
さらに、アーチ構造体はフェルト、リサイクル材料で作製されているため、最適な接着性を提供するという事実に加えて、既に使用されている材料に新しい寿命を与えることに特に注意が払われる。
【0066】
特に、ポリウレタン材料が注入されてソールを作製する場合、図6に示すように、保持フック60が、スロットが位置する場所に形成される一方、アーチ構造体は、外側ストッキング、アーチ構造体およびソールの間に良好な接合部が生成されるように材料を受け入れることができる。
【0067】
実際に、アーチ構造体5は、穴、形状およびサイズに従って異なる特性を得ることを可能にする選択的フィルタ、膜になる。
【0068】
選択的かつ組織化された材料の移動が、靴に構造的仕様および機能的仕様の両方を与えるように較正および管理されるため、靴の使用形態に応じて、差別化された硬さまたは柔軟さの特徴を与えることができる。
【0069】
本明細書の最初の部分で引用された米国特許にも示されているように、現在市場にある靴は、ストッキング同士の間に、構造に本体および安定性を与えるために設けられたインソールの存在を想定したものであり、インソールは、アッパーとソールとを接合するためにその後接着されるように意図されたものである。
【0070】
本発明によれば、固有の良好な柔軟性を有する編まれたアッパー2が得られ、比較的薄い、注入されたソール7であって、それ自体柔軟であり、かつプロセス自体の方法のために、はるかに柔軟な注入されたソール7と共に得られることにより、成形されたソールを有し、その後接着またはステッチされる靴とは非常に異なるものになっている。
【0071】
これらの製造方法の組み合わせは、従来技術のシステムで作製されたものとは異なり、軽量性、柔軟性、および部品間のグリップの特徴が改善された靴をもたらす。
【0072】
当該の方法(手順)は、これまで作製されたような、単一の製造プロセスではなく、異なる時点で構築された別個の部品の集合体にすぎないものとは異なり、単一の均質でコンパクトな本体である物体を生成することを可能にする製造プロセスである。
【0073】
前述したように、別個の構造ステップを有する従来のプロセスは、靴の構築に不連続性および不均一性をもたらし、これは時間と共に、靴の構造的グリップのレベルおよび部品の快適性の両方において問題をもたらした。
【0074】
当該のプロセスにより、技術的靴さえも得ることが可能であり、技術的靴のソールの作製においては、靴にカスタマイズされた特性を与える補強要素または軽量化内部構造要素を、上記補強要素または上記軽量化内部構造要素を、必要に応じて、接着することによって、または注入された化学的グリップによって、挿入することが可能である。
【0075】
前述のように、アッパーのすべての異なる種類の構造が加工の間に得られるので、足部に不快感、刺激または応力を引き起こす可能性があるステッチはない。
【0076】
特に、足部の繊細な領域には、ステッチがなく、現在の靴で生じるような、例えば紐を挿入するためのインサートがないため、着脱について非常に実用的である。
【0077】
主に構造的な意味で開示されていることから、本発明の動作は以下の通りである。
【0078】
ユーザが、歩いたり、またはスポーツに従事したりしようとする場合、ユーザは、本発明による一対の靴を着用して、現在使用されている靴とまったく同一の手法で靴を使用するだけでよく、ただし、足部の様々なゾーンの支持が部分ごとに差別化され、快適性が、足部の点に従って最適であり多様化され、空気調節もゾーンごとに異なり、ヒールが衝撃および吹き込みから保護され、足部の他の部品が様々な動きの中で保護されることに加えて補助され、さらに支持されるという点では、現在使用されている靴と異なっている。
【0079】
したがって、本発明は上記目的を達成する。
【0080】
当該の方法(手順)により、アッパーを構成する2つのストッキング間に介在するアーチ構造体が存在するおかげで、単一の製造シーケンスで、ポリウレタンの直接注入によって得られるソールを備えた、編まれたアッパーを備えた靴を作製することが可能である。
【0081】
有利には、本発明による方法(手順)を用いて、体積および弾性の両方の点で重要な異なる複数の構造を有する編まれたアッパーを備えた靴が作製され、アッパーは、足部を含む各領域が最適な構造であり、これらの領域は、弾性化され、硬く、通気性があり、収容、または良好な屈曲のためにセットアップされている。
【0082】
さらに、このプロセスは、すべての使用要件を満たすように差別化された機能および挙動を有する、足部の形状に完全に適合することができる編まれたアッパーを備えた靴を作製することを可能にする。
【0083】
特に、編まれたアッパーを備えた靴を作製するための方法(手順)は、靴に柔軟性および軽量性を与えることを可能にする直接注入技術で作製されたソールを有する。
【0084】
このプロセスの別の利点は、足部の最適なグリップ、優れた通気性、決定的に限られた重量、支持、および着用時の著しい快適性、ならびにソールの優れた柔軟性をユーザに提供することができる編まれたアッパーを備えた靴を作製することである。
【0085】
さらに、得られる靴は、足部の拘束およびグリップを保証する。
【0086】
当該の履物のアッパーは、単一部品で作製され、機械内で不連続性がなくステッチがなく仕上げられ、足部の形状に完全に適合することができ、必要に従って、異なる通気ゾーンおよび空気の循環による優れた通気性を提供する履物を得ることを可能にする、差別化された加工、および加工における差別化された編み方を有し、足部の部品の保護および快適性を与える必要性に基づいて、より硬いまたはより柔軟な製織による、起こり得る吹き込みおよび応力に対する足部の部分の保護を提供する。
【0087】
本発明によるアッパーの別の利点は、従来技術の靴で生じるような、機能的インサートに起因する不快な厚さなしに、足部の形状に完全に適合することができることであり、邪魔で不快な要素が低減されるので、ユーザの動きをより安全にし、ユーザのパフォーマンスを改善する。
【0088】
さらなる利点は、当該の靴の作製が単純であり、非常に機能的であるという事実に起因する。
【0089】
当然のことながら、本発明は多くの修正形態および変形形態が可能であり、それらはすべて本発明を特徴付ける本発明の概念の範囲の一部である。
図1
図2
図3
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】