(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-20
(54)【発明の名称】体重免荷式歩行運動用装置
(51)【国際特許分類】
A61H 3/04 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
A61H3/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533331
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 US2021015335
(87)【国際公開番号】W WO2021154889
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522219652
【氏名又は名称】バーンズ リチャード エス.
(71)【出願人】
【識別番号】522219663
【氏名又は名称】バーンズ アンドルー ジェイ.ディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ リチャード エス.
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ アンドルー ジェイ.ディー.
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA08
4C046AA22
4C046AA43
4C046BB07
4C046CC01
4C046DD07
4C046DD13
4C046DD41
(57)【要約】
体重免荷式歩行運動用装置(10)は、歩行運動の動きのために車輪(12)に取り付けられたフレーム(11)を含む。フレーム(11)は、対向する左右の側(20、21)と、左右の側(20、21)の間でユーザ(90)を支持するためのハーネス(91)とを有する。免荷アセンブリ(13、14)は、左右の側(20、21)の各々に担持され、免荷アセンブリ(13、14)は各々、それぞれの左右の側(20、21)に固定された固定端(53)と、対向する自由端(54)とを有するばね上アーム(50)を含む。アセンブリ(13、14)は各々、ばね上アーム(50)の自由端(54)に取り付けられたカムアセンブリ(51)と、カムアセンブリ(51)を通って送られ、ハーネス(91)へと延びるテザー(52)とをさらに含む。免荷アセンブリ(13、14)は各々、フレーム(11)に対してハーネス(91)に独立した免荷力を及ぼす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
歩行運動の動きを支持するために車輪に取り付けられたフレームであって、対向する左右の側を有する、フレームと;
前記左右の側の間でユーザを支持するハーネスと;
前記左右の側の各々に担持された免荷アセンブリであって、各免荷アセンブリが、
前記それぞれの左右の側に固定された固定端と、対向する自由端とを有する、ばね上アーム、
前記ばね上アームの前記自由端に取り付けられたカムアセンブリ、および
前記カムアセンブリを通って送られ、前記ハーネスへと延びるテザー
を備える、免荷アセンブリと
を備え、
前記免荷アセンブリが各々、前記ハーネスに、前記フレームに対して独立した免荷力を及ぼす、
体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項2】
前記ばね上アームが板ばねを備える、請求項1記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項3】
前記カムアセンブリが、異なるサイズの第1および第2のカムを備える、請求項1記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項4】
前記テザーが、前記第1のカムに固定され、かつ前記ハーネスへと延び、
ケーブルが、一端で前記第2のカムに固定され、かつ対向する端で前記フレーム上のアンカーに固定される、
請求項3記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項5】
前記第1および第2のカムが、互いに対する相対回転運動を防止するために互いに固定されている、請求項3記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項6】
前記ばね上アームの前記固定端が調整手段に保持され、
前記調整手段の調整が、前記それぞれの免荷アセンブリによって及ぼされる前記免荷力を変化させる、
請求項1記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項7】
前記ばね上アームが、
前記ばね上アームの前記自由端が前記固定端の背後にあり、前記自由端が第1の免荷位置と第2の負荷位置との間で垂直に移動する水平構成で、
前記フレームの前記それぞれの左右の側に取り付けられている、
請求項1記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項8】
前記ばね上アームが、
前記ばね上アームの前記自由端が前記固定端の上方にあり、前記自由端が第1の免荷位置と第2の負荷位置との間で水平に移動する垂直構成で、
前記フレームの前記それぞれの左右の側に取り付けられている、
請求項1記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項9】
前記免荷アセンブリが、
第1の位置にある前記ばね上アームおよびカムアセンブリと、
前記第1の位置から垂直にずらされた第2の位置に担持されている第2のばね上アームであって、前記第2のばね上アームが前記カムアセンブリにつなげられた自由端を有する、第2のばね上アームと
を備える、請求項1記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項10】
前記テザーを、上方向から内方向および下方向に、前記ハーネスへと送るプーリカセット
をさらに備える、請求項1記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項11】
前記プーリカセットが、前記フレーム内での揺動運動のために取り付けられている、請求項10記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項12】
以下:
歩行運動の動きを支持するためのフレームであって、対向する左右の側を有する、フレームと;
前記左右の側の間でユーザを支持するハーネスと;
前記左右の側の各々に担持された免荷アセンブリであって、各免荷アセンブリが、
前記それぞれの左右の側に固定された第1の端と、対向する第2の端とを有する、ばね、
カムアセンブリ、
前記カムアセンブリを通って送られ、前記ハーネスへと延びるテザー、ならびに
前記カムアセンブリを通って送られ、前記フレーム上のアンカーおよび前記ばねの前記第2の端のうちの一方へと延びるケーブル
を備える、免荷アセンブリと
を備え、
前記免荷アセンブリが各々、前記ハーネスに、前記フレームに対して独立した免荷力を及ぼす、
体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項13】
前記ばねが、ばね上アームである、請求項12記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項14】
前記ばねの前記第1の端が調整手段で保持され、
前記調整手段の調整が、前記それぞれの免荷アセンブリによって及ぼされる前記免荷力を変化させる、
請求項12記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項15】
前記ばねが、前記フレームの前記それぞれの左右の側に水平構成で取り付けられている、請求項12記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項16】
前記ばねが、前記フレームの前記それぞれの左右の側に垂直構成で取り付けられている、請求項12記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項17】
前記テザーを、上方向から内方向および下方向に、前記ハーネスへと送るプーリカセット
をさらに備える、請求項12記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項18】
前記プーリカセットが、前記フレーム内での揺動運動のために取り付けられている、請求項17記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項19】
前記カムアセンブリが、異なるサイズの第1および第2のカムを備える、請求項12記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項20】
前記第1および第2のカムが、互いに対する相対回転運動を防止するために互いに固定されている、請求項19記載の体重免荷式歩行運動用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2020年1月28日出願の米国仮出願第62/967,011号の利益を主張する。
【0002】
分野
本明細書は、概して、歩行運動用機器に関し、より詳細には、歩行運動のリハビリテーション、治療、および訓練機器に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
歩行運動は、人間の生活の基本的な一面である。しかしながら、移動が困難、有害、または不可能であり得る人もいる。人が部分的なまたは完全な移動制限を受け得る理由として、例えば、整形外科的状態、神経障害、運動機能低下、事故、怪我、疾患、および身体障害など様々な理由がある。動き続けること、または動こうとすることさえ、不快感または怪我を引き起こす可能性がある。
【0004】
人によっては、負傷しているまたは体重超過である可能性があるが、より健康になるためには運動を必要とする。一部のリハビリテーション施設は、そのような患者の体重を部分的に支えるための精巧なシステムを有しており、その結果、患者は健康になるために運動することができる。患者は、天井に施工された軌道で進む移動式滑車に繋がれたハーネスを着用する。そのようなシステムは複雑であり、理学療法士からの支援を必要とし、非常に高価であり、したがって患者への利用可能性が限られている。これらのシステムのいくつかは、ユーザが動いてばねを変位させると変化するばねによる持ち上げ力を提供する。その他は、患者の動きを監視する高度な検知技術を有し、次いで患者の一定の抜重を提供するように持ち上げ力を調整する。
【0005】
場合によっては、動くことが可能、実際には容易であり得るが、それにもかかわらず、個人はそのような動きによる怪我のリスクを低下させたいと望む。例えば、運動選手は、多くの場合、かなりの強度で長時間トレーニングする必要がある。運動選手は、多量の訓練の利益と怪我のリスク上昇とのバランスをとる。競技運動選手は、結局のところ、軽度の怪我からさえも深刻な身体的および精神的な障害を被る可能性がある。運動中の怪我の可能性を低減するための様々な補助装置がある。例えば、ランナーは浮力装置を使用し、水中を走行することができる。あるいは、ランナーは、トレッドミルデッキからわずかに持ち上げられる加圧バッグのファスナを締めてトレッドミル上を走行することができ、それによって足を打つ衝撃を低減する。
【0006】
理学療法士は他にも、ユーザが動いているときに、上方から吊り下げてユーザを支援する装置を有していることが多い。例えば、トレッドミルの上または上方に配置することができる装置が存在し、通常、トレッドミル上を歩行または走行している間、患者を部分的に持ち上げるハーネス、フックまたは特別な衣服を備えている。これらの装置は、動いている間、患者の衝撃を低減するために、患者に上向きの力を加える。
【0007】
当然ながら、これらの解決策はすべて、動きの自由度を欠いている。ユーザは、プール、トレッドミル、または天井に施工された軌道に設定された所定の経路に限定される。このような人は、例えば、バスルームや近所まで歩いていくために、これらのいずれも利用することができない。
【0008】
さらに、より深刻なことには、それぞれが、歩行および走行中の通常の運動パターンを変化させる。天井に施工された軌道から吊り下げられたハーネスは、一般に、通常は頭部の上方または背中の中心付近の単一の位置でユーザを支持する。それらは、腰の両側でユーザを持ち上げることもある。両方の配置において、ハーネスは、歩行運動中の上体の通常の動きを制限する。ユーザは、身体の一方の側で、この身体の他方の側と同じ上向き揚力を経験し得る。言い換えると、ユーザの左右の側は、等しく同時に持ち上げられる。しかしながら、通常の歩行および走行では、身体の左側に沿った力は、身体の右側に沿った力とは異なり、独立している。そのようなシステムは、これらの違いを考慮せず、通常の走行および歩行で使用されるものとは異なる筋肉を運動させ、それによって不適切なまたは長期のリハビリテーション、治療、もしくは訓練につながる可能性がある。
【0009】
さらに、これらのシステムは、通常の歩行および走行で使用されるものとは異なる筋肉を運動させ、それによって不適切なまたは長期のリハビリテーション、治療、または訓練につながる可能性がある。リハビリテーション、治療、または訓練におけるこれらの装置の使用は、現実の動きを模倣せず、不適切な回復につながる可能性がある。改善された解決策が必要である。
【発明の概要】
【0010】
概要
一態様では、体重免荷式歩行運動用装置は、歩行運動の動きのために車輪に取り付けられたフレームを含む。フレームは、対向する左右の側を有し、ハーネスは、それら左右の側の間でユーザを支持する。免荷アセンブリは左右の側それぞれに担持され、免荷アセンブリはそれぞれ、それぞれの左右の側に固定された固定端と、対向する自由端とを有するばね上アームを含む。アセンブリはそれぞれ、ばね上アームの自由端に取り付けられたカムアセンブリと、カムアセンブリを通って送られ、ハーネスへと延びるテザーと、をさらに含む。これにより、免荷アセンブリは各々、ハーネスに、フレームに対して独立した免荷力を及ぼし、自然な動きを促進し、そのような自然な動きの間に身体の左右の側の独立した免荷を可能にする。
【0011】
別の態様では、体重免荷式歩行運動用装置は、歩行運動の動きを支持するためのフレームを含む。フレームは、対向する左右の側を有し、ハーネスは、それら左右の側の間でユーザを支持する。免荷アセンブリは、左右の側のそれぞれに担持される。免荷アセンブリはそれぞれ、以下:それぞれの左右の側に固定された第1の端と、対向する第2の端とを有する、ばね;カムアセンブリ;ならびに、カムアセンブリを通って送られ、ハーネスへと延びるテザー、を含む。ケーブルは、カムアセンブリを通って送られ、フレーム上のアンカーおよびばねの第2の端のうちの一方に延びる。免荷アセンブリは各々、ハーネスに、フレームに対して独立した免荷力を及ぼす。
【0012】
上記は、以下に記載されるいくつかの態様の非常に簡単な概要を読者に提供する。簡略化および省略がなされており、概要は、本開示を決して限定または定義することを意図しない。むしろ、この簡単な概要は、以下の詳細な説明の準備として、いくつかの態様のいくつかの局面を読者に紹介するにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の図面を参照:
【
図1】体重免荷式歩行運動用装置の正面斜視図および側面図である。
【
図3】
図3Aは、パネルが取り外されて、その上に担持された免荷アセンブリを露出させている、体重免荷式歩行運動用装置の拡大側面図である。
図3Bは、体重免荷式歩行運動用装置およびその上に担持された免荷アセンブリを薄く切断した、
図1の線3-3に沿った断面図である。
【
図4A】
図4Aは、体重免荷式歩行運動用装置上のプーリカセットを示す、
図2の4-4線に沿った断面図である。
【
図4B】プーリカセットの一方の拡大背面斜視図である。
【
図5】免荷アセンブリの代替的な態様を示す、拡大された、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
ここで図面を参照するが、図面では、同じ要素を示すために異なる図面を通して同じ参照符号が使用される。手短に言えば、本明細書に提示された態様は、好ましい例示的な態様であり、すべての可能な態様の範囲、適用性、または構成を限定することを意図するものではなく、むしろ、本明細書の範囲および趣旨内のすべての可能な態様の可能な説明を提供することを意図している。これらの好ましい態様の説明は、一般に、説明が提示された図面を参照して行われるので、「し得る(may、could)」、「含む(includes、comprises)」などではなく、「である(isおよびare)」などの動詞を使用して行われる。当業者は、本明細書の範囲および趣旨から逸脱することなく、要素および特徴の構造、配置、数、および機能に変更を加えることができることを理解するであろう。さらに、説明は、実施可能化に必要ではない詳細での説明の混乱を防ぐために、当業者に容易に知られている特定の情報を省略することができる。実際、本明細書で使用される表記は、本明細書を描写および限定するのではなく、読み取り可能かつ情報的であることを意味する。したがって、本明細書の範囲および趣旨は、以下の説明およびその言語の選択によって限定されるべきではない。
【0015】
図1および
図2は、身体の両側の異なる独立した動きに関係なく、動いている最中に支持するための、体重免荷式歩行運動用装置10(以下、「装置10」と言う)の、正面斜視図および右側面図である。装置10は、ユーザの自走、歩行運動の運動を支援するために、ユーザの腰に近接した、独立した左右両側の支持を提供する。装置10は、組み立てられたフレーム11と、4つの車輪12と、フレーム11に担持された免荷アセンブリ13および14と、を含む。免荷アセンブリ13および14は、フレーム11上に担持されたパネル15によって
図1および
図2では隠されているが、
図3Aおよび
図3Bでは格段によく見える。免荷アセンブリ13および14は、
図1に示すように、ユーザが着用するハーネスにつなげられ、ユーザの身体の左右の側でユーザの体重の一部を持ち上げるか、または免荷するように働く。
【0016】
装置10は、一般に、上部16、対向する底部17、前部18、および対向する後部19を有する。「一般に」という単語は、ここでは、特定の点、要素、特徴などではなく、装置10の一般的な領域を示すために使用される。さらに、本明細書における説明は、上部、底部、前部、後部というこれらの用語に関する相対的な方向または向きに関して行われてもよく、説明は、上方、下方、前、後などの文脈において、複数の要素または特徴の互いに対する配置を示すことができ、文脈上の参照のために上部16、底部17、前部18、および後部19という読者の理解に依存する。
【0017】
フレーム11は、トップチューブ22およびボトムチューブ23で互いに堅固につなげられた、同一の左右の側20および21を含む。フレーム11の左右の側20および21は同一であるため、説明は他方にも等しく適用されるという理解で、ここでは一方のみを説明する。同じ参照符号が、左右の側20および21の両方の構造要素および特徴に使用され、読者は、関連する説明の文脈または言い回しが、説明が左側20かまたは右側21のいずれのものであるかを伝えることを理解するであろう。
【0018】
右側21は、装置10の底部17および後部19から、装置10の上部16と底部17との間のほぼ中間で、前部18に近接したフレーム11のボトムチューブ23へとほぼ斜めに延びるメインチューブ24を含む。メインチューブ24は、長方形の断面を有し、中空であり、鋼、アルミニウム、チタン、または炭素繊維などのそれらの特性を有する材料または材料の組み合わせから構成された、薄く、強く、耐久性があるが軽量の側壁を有する。他の適切な構造材料および断面は、この説明の範囲内に含まれる。
【0019】
メインチューブ24は、装置10の後部19の近くでメインチューブ24から立ち上がる垂直チューブまたはハウジング25につなげられている。ハウジング25は、円筒形であるが、メインチューブ24と同様に中空である。ハウジング25は、後述するように免荷アセンブリの一部を保持する。
【0020】
フロントチューブ26は、メインチューブ24の反対側で斜め下方に延びる。フロントチューブ26は、ほぼ水平であるが完全ではない上部セクションと、斜めの長い中央セクションと、ほぼ垂直な下部セクションとを有する。フロントチューブ26の上部後部はハウジング25の上部につなげられ、フロントチューブ26の中央はメインチューブ24の前部につなげられる。フロントチューブ26は、メインチューブ24と同様に、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは矩形断面を有し、中空であり、鋼、アルミニウム、チタン、または炭素繊維などのそれらの特性を有する材料または材料の組み合わせから構成された、薄く、強く、耐久性があるが軽量の側壁を有する。
【0021】
メインチューブ24およびフロントチューブ26の底部は、ほぼ垂直である。フロントチューブ26の底部は、ポスト30を受け入れるため開いている。車輪12は、装置10を所望の方向に向けて移動させることができるように、回転運動および旋回運動のためにポスト30に取り付けられる。ポスト30には、垂直方向に間隔を空けた一連の孔31が形成されており、調整ノブ32がフロントチューブ26の底部を通って多数の孔31のうちの1つにねじ込まれている。ノブ32は、ポスト30の垂直方向の調整を可能にし、前部18の装置10の高さを変更する。ノブ32を緩めるかまたはフロントチューブ26から解放し、ポスト30を上下にスライドさせ、次いでノブ32を締め付けるかまたはフロントチューブ26に再び係合させることができる。
【0022】
メインチューブ24の底部は、それを貫通して形成された、垂直方向に間隔を空けた一連の孔33を有する。これらの孔33は、装置10の後部19で各車輪12の車軸34を受け入れる。車軸34を孔33のいずれかに移動させて、後部19の装置10の高さを調整することができる。車軸34は、車輪12からメインチューブ24の反対側で車軸34を通って配置されたピン35、例えばコッタピンまたは他の適切な係合物で固定されている。後部19の車輪12は、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは、回転運動のために取り付けられるが、旋回運動のためには取り付けられない。
【0023】
フレーム11の左右の側20および21は、トップチューブ22およびボトムチューブ23によってつなげられる。トップチューブ22は、真っ直ぐな前部セクションと、前部セクションに対して約90度に向けられた2つの側部セクションまたは脚部とを有する、U字形に曲げられた剛性チューブである。これらの脚部は、左右の側20および21の両方の、フロントチューブ26の上部セクションに、ねじ止め、ボルト止め、溶接、または他の方法で確実に係合される。同様に、ボトムチューブ23は、真っ直ぐな前部セクションと、前部セクションに対して約90度に向けられた2つの側部セクションまたは脚部とを有する、U字形に曲げられた剛性チューブである。これらの脚部は、左右の側20および21の両方の、メインチューブ24の上部セクションに、ねじ止め、ボルト止め、溶接、または他の方法で確実に係合される。
【0024】
ユーザが装置10を使用するとき、ユーザは、
図1に示すように、トップチューブおよびボトムチューブ22および23の後ろ、ならびに左右の側20および21の間で、立つ、歩く、または走る。したがって、トップチューブ22は、左右の側20および21ならびにボトムチューブ23と共に、装置10の後部19からアクセス可能なユーザ受け入れ領域36を画定する。
【0025】
ハンドルバー40は、装置10の上部16で前方に延びる。円筒形スリーブ41が、フロントチューブ26の上部セクションに沿って取り付けられている。スリーブ41は中空であり、その後部はハウジング25の上部に固定され、その前部は開いている。スリーブ41の外側には、水平方向に間隔を空けた一連の孔42が形成されている。調整ノブ43が孔42にねじ込まれ、ハンドルバー40の水平方向の調整を可能にして、装置10を使用するときにユーザの到達範囲を変更する。ノブ43は緩められるかまたはスリーブ41から解放されてもよく、ハンドルバー40は、スリーブの中に、または外にスライドし、次いでノブ43が締め付けられるかまたはスリーブ41に再び係合される。
【0026】
ハンドルバー40は、いくつかの異なる方向に湾曲している。ハンドルバー40の後部は、スリーブ41に嵌合することができるように、直線状である。ハンドルバー40は、
図1に示すように、フロントチューブ26の上部セクションを越えて前方に延びるような長さを有する。次いで、ハンドルバー40は、短い部分にわたって内側に曲がり、次いで短い部分にわたって上方に曲がる。他のハンドルバー40の構成もまた適切である。
【0027】
ハンドルバー40は中空であり、鋼、アルミニウム、チタン、または炭素繊維などのそれらの特性を有する材料または材料の組み合わせから構成された、薄く、強く、耐久性があるが軽量の側壁を有する。ユーザがユーザ受け入れ領域36に配置され、装置10を操作するとき、ユーザは容易に手を伸ばしてハンドルバー40を保持し、装置10を安定させ動きおよび操舵を支援するのに無理が無いように、その任意の部分を把持することができる。
【0028】
図3Aおよび
図3Bは、フレーム11の右側21を示す。
図3Aでは、パネル15は、免荷アセンブリ14が見えるように取り外されている。
図3Bは、パネル15が見えずかつフレーム11が部分的に切断されるように、フレーム11のわずかに内側の、
図1の線3-3に沿った断面図である。免荷アセンブリ13および14は、フレーム11上に担持され、部分的にフレーム11内にある。免荷アセンブリ13は左側20にあり、免荷アセンブリ14は右側21にある。再度、左右の側20および21に関して上述したように、ここに示されている免荷アセンブリ13および14は同一であるため、ここでは、説明が他方にも等しく適用されるという理解で、右側21の免荷アセンブリ14のみを説明することになる。同じ参照符号は、左側20の免荷アセンブリ14にも適用可能である。しかしながら、免荷アセンブリ13および14は同一である必要はなく、この説明はそのように限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、いくつかの態様では、異なる免荷アセンブリを実際に有することが望ましい場合がある。例えば、ユーザが非対称性脱力感に苦しんでいる場合、装置10は、異なる曲げ、荷重、および他の性能特性を有する意図的に異なる免荷アセンブリ13および14を装備することができる。例えば、脳卒中から回復中の患者の場合、脳卒中によってより重度に影響を受けた患者の身体の側により多く免荷力を提供し、他方の側により少なく免荷力を提供することが有利であり得る。それにもかかわらず、図面に関連する説明の目的のために、これらの特定の免荷アセンブリ13および14は同一である。
【0029】
免荷アセンブリ14は、板ばね50と、板ばね50上の積み重ねカムアセンブリ51と、積み重ねカムアセンブリ51を通って送られるケーブルまたはテザー52と、フレーム11に取り付けられた一連のプーリと、を含む。
【0030】
板ばね50は、ばね上アームであり、第1の固定端53および第2の自由端54を有する、軽量でコンパクトな弾性の細長い板ばね部材である。固定端53は、傾斜面56を有するブロック55に取り付けられたスリーブ内に固定されている。調整ノブ57は、固定端の孔を通ってブロック55のねじ孔58に入る。これにより、調整ノブ57は、ブロック55に螺合され、板ばね50のばね力を変更するために締め付けられ得かつ緩められ得る。より小さいばね力のために、調整ノブ57は緩められ、ボア58から後退し、固定端53がブロック55の傾斜面56からわずかに離れるように上昇することを可能にする。より大きなばね力のために、調整ノブ57はボア58内に締め付けられ、固定端53をブロック55の傾斜面56の近くに保持する。調整ノブ57は、板ばね50のばね力を調整する手段である。他の態様では、調整ノブ57は、電気的、電気機械的もしくは電磁的な調整装置、または調整可能ボルト、またはばね力を変更するための何らかの他の手段であってもよい。
【0031】
実際、板ばね50は、ばねとして動作する。それは水平構成で取り付けられる。この水平構成では、自由端54は固定端53の上方および背後にあり、自由端54が固定端53の上方の高い位置にある、
図3Aに示すような第1の「免荷」位置と、自由端54がメインチューブ24に近い低い位置にある、
図3Bに示すような第2の負荷位置との間を移動する。この動きは、
図3Bの弓形の両矢印線Aによって示されている。これは、ユーザが歩いて、テザー52を介して板ばね50を下に引くなどして、右側21のハーネスに重みがかけられるのに応じて、負荷位置に向かって移動する。これに応じて、板ばね50は、重力の引っ張りとは反対の方向に付勢力を及ぼし、歩行運動中に身体を下方に垂直に並進させる。板ばね50は、テザー52を引き戻すように作用する。上述の構成に対して垂直または水平に反転された構成を含む、他の水平構成も可能であり、適切であり得る。しかしながら、一般に、水平構成は、ばね(この場合、ばねアーム50)が水平に延びるものとして定義される。
【0032】
このように、板ばね50は、ばねの伸長または圧縮という変位に対抗する付勢力を及ぼす単なるばねである。そして、この意味で、コイルばね、空気ばね、ねじりばねなどの他のばねが適切であり得る。板ばね50は、変位が増加するにつれて板ばね50を変位させるのに必要な力が増加するように、非線形力-変位曲線を有する。より大きな変位では、自由端54を同じ量だけ変位させるためにより大きな力が必要である。板ばね50は、その湾曲に抗して、装置10の前部18に向かって付勢力を発生させる。したがって、ユーザが前方に移動しているとき、この順方向の付勢は、装置10を前方に移動させるのにも役立つ。
【0033】
積み重ねカムアセンブリ51は、自由端54に回転のために取り付けられている。積み重ねカムアセンブリ51は、自由端54に並んで配置された外側および内側カム60および61を含む。両方のカム60および61は、同じ回転軸を中心として互いに対して回転するために取り付けられているが、カム60および61は、相対回転を防止するために互いに固定されている。
【0034】
外側カム60はより大きく、内側カム61はより小さい。カム60および61は両方とも、異なる輪郭または形状を有する偏心体である。両方のカムが回転するとき、両方のカムのレバーアームが変化し、それらのそれぞれのレバーアームの比が変化するように、両方のカムの回転軸は、両方のカムのそれぞれの幾何学的中心からずらされている。このようにして、その中に形成された溝において、テザー52が外側カム61の周りに巻き付けられ、テザー62が内側カム60の周りに巻き付けられた状態で、板ばね50およびカムアセンブリ51が共に、定力変位システムを形成する。言い換えれば、所定の予め荷重された変位を超えると、追加の変位は、継続的な変位に必要な力を大きく変化させない。これについては、以下でより詳細に説明する。さらに、装置10の他の態様では、3つ以上のカムを有するアセンブリ、本明細書に提示されているものとは異なるサイズのカム、同様のサイズのカムなどを含む、異なるカムの組み合わせが使用される。
【0035】
別のテザーである非弾性アンカーケーブル62は、内側カム61とタイダウン63との間でつながれている。このアンカーケーブル62は、免荷アセンブリ14の一部である。タイダウン63は、それに取り付けられたアンカーケーブル62の端が移動するのを防止するアンカーである。アンカーケーブル62の他端は内側カム61に固定されている。メインチューブ24の上部には、3つのプーリ64、65、および66を含む、プーリアセンブリが取り付けられている。アンカーケーブル62の一端は、内側カム61の前部の上部に固定され、プーリ64まで下方に延びる前はその中の溝内にある。内側カム61の回転に伴い、アンカーケーブル62が内側カム61の周囲に巻き付き、アンカーケーブル62を効果的に短くすることで、板ばね50を負荷位置に向けて撓ませる。アンカーケーブル62の長さをタイダウン63で調整して、板ばね50への予荷重を増やすかまたは減らすことができる。
【0036】
テザー52は、より大きな外側カム60上で反対の向きを有する。テザー52は2つの端を有する。テザー52の一端は、カム60の前側に固定されている。この端は、カム60の上部に、アンカーケーブル62とは異なる方向に巻き付けられ、それにより、カム60の前側に固定され、次いで、カム60の周囲上およびその周りに延びる。そこから、テザー52は、プーリ65および66まで下方に延びる。プーリ66は、部分的にハウジング25の内部に取り付けられている。テザー52がプーリ65の下を通るとき、テザーはほぼ垂直方向からほぼ水平方向へと向け直され、テザー52がプーリ66の下を通るとき、テザーはほぼ水平方向から中空ハウジング25の内部のほぼ垂直方向へと向け直される。
【0037】
3つのプーリ64、65、66は、平行軸を有し、各々が同じ方向にスピンする。3つのプーリ64、65、および66はすべて、メインチューブ24に沿って、同じ平面内で互いに近接して取り付けられており、それにより、アンカーケーブル62またはテザー52をその平面に沿って新しい方向に向け直すようにのみ作用する。しかしながら、テザー52は、ハウジング25内部のプーリ66から、ハーネスに取り付けるためにテザー52を配向させる異なる組のプーリまで上昇する。
【0038】
図4A~
図4Cは、テザー52を向け直すこれらの他のプーリ71、72、および73を含むプーリカセット70を示す。プーリカセット70は、免荷アセンブリ13(または14)の一部であり、フレーム11のハウジング25内で揺動運動のために取り付けられ、内側75と、対向する外側76と有する外側ハウジング74を含む。外側76は、フレーム11から離れるように、ユーザ受け入れ領域36の内側に向けられている。内側75は、ハウジング25内に部分的に担持される。上部16に近接して、ハウジング25は大きな開いた窓80を有する。この窓80内で、プーリカセット70は前後に揺動する。2つのディスク81および82は、ハウジング25内に固定される。ディスク81は上部16に近接しており、ディスク82はわずかに下にある。ディスク81と82との間にはピン83が同軸に延びている。プーリカセット70の内側75には、ナックル84を有するリーフが固定されている。ナックル84は、ピン83に緩く取り付けられた垂直ボアを有する。これにより、ナックル84がピン83を中心に枢動し、プーリカセット70が、
図4Cの両矢印円弧線Bに沿って前方位置(
図4Cに破線で示す。)と後方位置(実線で示す)との間を、ナックルと共に揺動する。
図4Cは広範囲の角運動を示しているが、好ましくは、プーリカセットは、
図4Aおよび
図4Bに示す中立位置の前または後に30度を超えて揺動することが制限されている。
【0039】
ハウジング74内には、プーリ71、72、および73が回転運動のために取り付けられる3つの車軸がある。プーリカセット70が、
図4Aおよび
図4Bの中立位置にあるとき、これらのプーリ71、72、および73は、プーリ64、65、および66に対して垂直にずらした様式で取り付けられる。テザー52は、プーリ66からハウジング25の内側を上に延び、第1のプーリ71の上、次いで第2のプーリ72の下、次いで再び第三プーリ73の上を通る。ハウジング74の外側76には孔85が貫通形成されており、孔85の外側に取り付けられた強力ブラケットはこれに対応する孔を有する。止め具87がテザー52に固定されて、テザー52がプーリカセット70内に所望よりもさらに引き込まれるのを防止する。
【0040】
動作中、ユーザは装置10を使用して歩行運動の動きを支援する。装置10は、理学療法、リハビリテーション、および運動訓練に有用である。
図1に戻ると、装置10を使用するユーザ90がユーザ受け入れ領域36に示されている。ユーザはハーネス91を装着している。任意の適切なハーネス91を使用することができ、このハーネス91は、以下:調整可能なウエストベルト92と;調整可能な大腿部ストラップ93と;調整可能な膝上ストラップ94と;ウエストベルト92、大腿部ストラップ93、および膝上ストラップ94を非弾性的に接続する、ハーネス91の両側の外側または横方向ストラップ95と、を含む。
図1では、免荷アセンブリ13および14の両方からのテザー52が、ウエストベルト92に直接取り付けられて示されている。テザー52は、股関節と腰との間の領域の高さの点に取り付けることが好ましい。他の態様では、テザー52は、ウエストベルト92上のループにつなげるためのカラビナなどのクリップで終端することができる。テザー52は、股関節の直上のウエストベルト92の両側に取り付けられている。このようにして、各テザー52は、身体のそれぞれの側に独立して作用する。
【0041】
ハーネス91は、ユーザ90を装置10につなぐ。ユーザ90が歩くと、股関節が上下に動く。通常の歩行運動では、左脚を前方に動かすと、左の股関節がわずかに上昇し、右の股関節がわずかに下降し、骨盤がわずかに回転する。そうなるとき、左側20では、カセットプーリ70がわずかに前方に揺動し、テザー52が後退し(ブラケット86に遭遇する止め具87によって制限されるまで)、板ばね50はその免荷位置に向かって小さく撓む。板ばね50が及ぼす力は前方方向であり、これは装置10をわずかに前方に移動させるのを支援する。同時に、右側21では、カセットプーリ70がわずかに後方に揺動し、テザー52が延びて、右股関節の下降および骨盤の回転に対応する。これにより、テザー52がプーリカセット70を通ってプーリ64、65、および66を通って引っ張られ、それによってカムアセンブリ51が回転し、板ばね50がより大きく撓む。左右の側20および21の板ばね50は、それぞれの側でテザー52に独立して付勢を及ぼす。それに応じて、ユーザ90は、身体の左右の両方の側で少なくとも部分的に自分の体重が免荷されているのを感じる。さらに、免荷アセンブリ13および14は、それぞれ独立して、単純なばね力または指数関数的な力変位システムではなく、定力変位システムであるため、ユーザ90は、いずれかの側の変位の程度にもかかわらず、一定または一貫した免荷を経験する。換言すれば、ユーザ90が右股関節を上げるか、または右股関節を少しまたは多く下降させるかにかかわらず、経験する免荷力は一定である。さらに換言すれば、ユーザが右股関節をかなりの距離下降させる場合、ユーザは比例して大きな免荷を経験しない。例えば、装置10は、一定の50ポンドの免荷力を提供するように設定することができる。ユーザが股関節を少し下降させる場合、ユーザは50ポンドの免荷を感じるであろう。ユーザが股関節を大きく下降させる場合でも、ユーザは依然として同じ50ポンドの免荷を感じるであろう。
【0042】
さらに、免荷アセンブリ13および14が互いに独立しているため、ユーザの身体の両側は独立して動き、独立して動くことが許容される。より詳細な動作では、ユーザ90の股関節がある距離を移動すると、テザー52もこの距離を移動し、カム60からほどかれる。アンカーケーブル62は、カム61上に巻き取られ、その有効長を短くし、板ばね50を曲げる。カムアセンブリ51が巻きを解き、板ばね50がより大きく撓む。しかしながら、板ばね50とカムアセンブリ51とがくみあわさって定力変位を形成するため、患者はハーネス91のその側で一定の上方への免荷力を感じる。テザー52の変位は、それが1インチであるか6インチであるかにかかわらず、上向きの力の比例的な変化を引き起こさない。むしろ、変位は本質的に免荷力の変化を引き起こさない。このようにして、装置10は、互いに独立して、ユーザの身体の各側の一定の免荷を提供する。
【0043】
他の態様では、車輪12のうちの1つに近接するセンサ100は、転動距離を測定する。止め具87、またはプーリカセット70、またはテザー52に沿ったどこかにあるセンサ101は、加速度、したがって力、および場合によっては傾斜角も測定する。センサ100および101はそれぞれ、マイクロプロセッサ、ジャイロスコープ、加速度計、メモリチップ、PCBなどの電子部品を含むことができる。これらの2つのセンサ100および101からの読み取り値は、後の分析のために相関される。医師および理学療法士は、この情報を使用して、歩幅、足の位置および遊脚期の持続時間、速度、作業エネルギー、ならびに歩行運動の他の運動学的および運動パラメータを決定することができ、この情報を身体の各側について、ならびにリハビリテーションを評価するために経時的に比較することができる。さらに、いくつかの態様では、これらのセンサ100および101は、好ましくはトップチューブ22に取り付けられたスマートフォンまたは他の電子デバイスなどのディスプレイヘッドユニットに有線または無線データ通信でつながれ、ユーザ90にそのような情報を表示する。ユーザ90は、物理的なボタンを押すか、またはヘッドユニットのディスプレイをタッチすることによって、この情報と他の情報とを切り換えることができる。
【0044】
場合によっては、装置10の車輪を取り外すことができる。これにより、装置10の可動性がなくなるが、代わりにトレッドミル上またはその周囲に配置することができる。フレームの底部17は、孔31および33を使用してトレッドミル上にボルト止めされるかまたは他の方法で固定され得る。代替で、フレーム11の底部17に貼付されたパッドまたはクッションは、トレッドミルの周りで装置10を支持することができる。そして、ユーザは、上述したように体重を支えた状態でトレッドミル上を歩行または走行することができる。
【0045】
図5は、装置10の免荷アセンブリ13の代替の態様を示す。以下の説明は、免荷アセンブリ14の代替の態様にも等しく適用される。本態様では、2つの板ばねを併用している。
図5は、自由体の図の形態で様式化されているが、それにもかかわらず、本明細書の説明を理解する読者は、
図5を容易に認識しかつ理解するであろう。
【0046】
板ばね50は、
図3Aのように取り付けられており、固定端53はメインチューブ24に固定され、自由端54は自由である。カムアセンブリ51は、自由端54に回転のために取り付けられ、テザー52がプーリ65の周りを通ってハーネスへと延びると同時にアンカーケーブル62が固定される。ただし、本態様では、第2の板ばね110を使用している。板ばね110はまた、好ましくは、必ずしもそうである必要はないが、構造、特徴、および構築において板ばね50と同一の、ばね上アームであり、固定端111および自由端112も含む。板ばね110は、板ばね50に対して平行に取り付けられている。「平行」は、この用語が本明細書で使用される場合、電気回路内の2つの要素に類似しており、必ずしも2つの板ばね50と110との間の幾何学的関係または位置合わせを指すものではない。具体的には、板ばね50およびカムアセンブリ51は第1の位置にあり、第2の板ばね110は第2の位置に担持される。第1および第2の位置は異なるが、垂直方向にずらした様式で、互いに位置合わせされる。本態様における板ばね50および110は、同一の広がりを有するが、必ずしも同一の広がりを有する必要はない。
【0047】
第2の板ばね110は、板ばね50の上方に積み重ねられている。剛性の非弾性ケーブル113は、板ばね110の自由端112を板ばね50の自由端54に拘束しまたはつなげ、その結果、自由端54の動きが自由端112に直ちに直接動きを伝える。このつながった配置は、板ばね50のばね力を増加させる。テザー52は、板ばね50上のカムアセンブリ51の周りに巻き付けられたままである。このようにして板ばねをフレーム11に積み重ねることにより、装置10は、動作中にユーザからより多くの体重を免荷することができる。他の態様では、3つ以上の板ばねを積み重ねることができるが、これは、最も要求の厳しい重量ニーズ以外では必要ではないと思われる。
【0048】
図6は、装置10の別の代替態様を示す。
図3Aおよび
図3Bの免荷アセンブリ14は、板ばね50が一般的な方向に後方に延び、その自由端54がその固定端53の背後にある水平構成で取り付けられているが、ここで
図6では、免荷アセンブリ14は垂直構成で取り付けられている。この免荷アセンブリ14は、メインチューブ24の水平上部ではなく垂直ハウジング25に取り付けられている。板ばね50は依然としてブロック55に取り付けられているが、ブロック55は、板ばね50が後方ではなく上方に延びるように、ハウジング25に垂直に固定されている。板ばね50の自由端54は固定端53よりも上方にあり、板ばね50が撓むと、自由端54はハウジング25に向かって後方に変位する。板ばね50は、その湾曲に抗して、装置10の前部18に向かって付勢力を発生させる。したがって、ユーザが前方に移動しているとき、この順方向の付勢は、装置10を前方に移動させるのにも役立つ。
図6は、免荷位置にある免荷アセンブリ14を実線で示しており、免荷アセンブリ14は、
図3Bの水平構成について示される負荷位置への変位と同様に、両矢印円弧線Cに沿ってハウジングに向かって負荷位置に移動する。上述の構成に対して垂直または水平に反転された構成を含む、他の垂直構成も可能であり、適切であり得る。しかしながら、一般に、垂直構成は、ばね(この場合、ばねアーム50)が垂直に延びるものとして定義される。プーリ64、65、および66も垂直配置に移動されるが、アンカーケーブル62は依然としてプーリ64を通って、ハウジング25にあるタイダウン63に固定される。テザー52はまた、やはりプーリ65および66を通るが、ここでは、テザー52をハウジングを通ってプーリカセット70へと上方に向け直す、追加のプーリ120を通っても延びている。
【0049】
図7は、
図5に示すものと幾分類似した、装置10の免荷アセンブリ13のさらに別の代替態様を示す。以下の説明は、免荷アセンブリ14の代替の態様にも等しく適用される。本態様では、2つの板ばねを併用している。
図7は、自由体の図の形態で様式化されているが、本明細書の説明を理解する読者は、
図7を容易に認識しかつ理解するであろう。
【0050】
板ばね50は、
図3Aのように取り付けられており、固定端53はメインチューブ24に固定され、自由端54は自由である。カムアセンブリ51は、自由端54に回転のために取り付けられ、テザー52がプーリ65の周りを通ってハーネスへと延びると同時にアンカーケーブル62が固定される。ただし、本態様では、第2の板ばね130を使用している。板ばね130はまた、好ましくは、必ずしもそうである必要はないが、構造、特徴、および構築において板ばね50と同一の、ばね上アームであり、固定端131および自由端132も含む。板ばね130は、板ばね50に平行に取り付けられているが、メインチューブ24の下方、または板ばね50の反対側に取り付けられている。「平行」は、この用語がここで使用される場合、電気回路内の2つの要素に類似しており、2つの板ばね50と130との間の幾何学的関係または位置合わせを指すものではない。具体的には、板ばね50およびカムアセンブリ51は第1の位置にあり、第2の板ばね130は第2の位置に担持される。第1および第2の位置は異なるが、垂直方向にずらした様式で、互いに位置合わせされる。この態様における板ばね50および130は、同一の広がりを有するが、必ずしも同一の広がりを有する必要はない。
【0051】
第2の板ばね130は、板ばね50の下方に積み重ねられ、反転した位置を有しており、板ばね50が荷重を受けて下方に撓む一方で、第2の板ばね130は上方に撓む。非弾性ケーブル133は、板ばね130の自由端132を板ばね50の自由端54で内側カム61につなげ、それにより、内側カム61の回転が板ばね130の自由端132の上方への動きおよび板ばね50の自由端54の下方への動きを直接伝える。ケーブル133は、メインチューブ24のボア134を貫通する。このつなげられた配置は、免荷アセンブリ13または14のばね力を超えて免荷アセンブリのばね力を増加させる。テザー52は、板ばね50上のカムアセンブリ51の外側カム60の周りに巻き付けられたままである。このようにしてフレーム11上に板ばねをつなげることにより、装置10は、動作中にユーザからより多くの体重を免荷することができる。他の態様では、3つ以上の板ばねをメインチューブ24の両側に積み重ねて互いにつなげることができるが、これは、最も要求の厳しい重量ニーズ以外では必要ではないと思われる。
【0052】
いくつかの態様では、カムアセンブリ51は板ばね50に直接取り付けられる必要はなく、または、言い換えれば、カムアセンブリ51はばねから離されていてもよい。例えば、
図7の板ばね50は、剛性で曲がらない、柔軟性のないアーム50であるように変更することができる。この態様では、カムアセンブリ51は、メインチューブ24の上方の剛性ポストと同様のアーム50に単に取り付けられている。したがって、アーム50は、単にフレーム11の一部、またはその剛性延長部と考えられる。したがって、カムアセンブリ51は、非弾性ケーブル133を用いて湾曲可能な板ばね130の第2のまたは自由端132に、およびテザー52を用いてハーネスにつなげられる。板ばね130は、この構成で移動する唯一のアームである。ハーネスが降下すると、テザー52がカムアセンブリ51を牽引して回転させ、カムアセンブリ51と板ばね130との間のケーブルが板ばね130を牽引して湾曲させる。この態様は、カムアセンブリと板ばねとが別個の免荷アセンブリの例であり、カムアセンブリが板ばね上に担持または取り付けられる必要がないことを示している。実際、免荷アセンブリは、ケーブル133(またはアンカーケーブル62)がカムアセンブリをばね(板ばね130など)に一方向につなげ、テザー52が、カムアセンブリのばねへの取り付けまたはばねからの取りはずしに関係なく、カムアセンブリをハーネスに反対方向につなげるとき、定力変位システムとして依然として効果的に動作する。
図7のこの代替バージョンは、そのような構成を例示的に説明する。他の態様では、ばねアームおよびカムアセンブリは離されており、互いに取り付けられていなくてもよく、カムアセンブリおよびばねアームの配置は実際には逆であり、カムアセンブリ51はメインチューブ24に取り付けられ、ばねアーム50は、カムアセンブリ51から離れて、メインチューブ24に取り付けられて延び、タイダウン63につなげられたアンカーケーブル62はカムアセンブリ51に延び、次いでテザー52はカムアセンブリ51から板ばね50の自由端54を越えて、次いでハーネスに向かって(おそらくプーリアセンブリを介して)延びる。
【0053】
好ましい態様は、当業者がそれを理解し、作製し、使用することを可能にするように、上記で完全かつ明確に記載されている。当業者は、本明細書の趣旨から逸脱することなく上記の説明に修正を加えることができ、いくつかの態様が記載された要素および特徴のみ、またはそのサブセットを含むことを認識するであろう。修正が本明細書の趣旨を逸脱しない程度に、それらはその範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】