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  • 特表-垂直伸長型ネックブレース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-20
(54)【発明の名称】垂直伸長型ネックブレース
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/05 20060101AFI20230313BHJP
   A61F 5/02 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
A41D13/05 112
A41D13/05 156
A61F5/02 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022538397
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 CA2020050982
(87)【国際公開番号】W WO2021127774
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】62/952,706
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/840,646
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246577
【氏名又は名称】ペイントスミス デコール リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス、アマンダ
【テーマコード(参考)】
3B011
4C098
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC04
3B011AC17
3B011AC21
3B011AC22
4C098AA02
4C098BB03
4C098BC45
(57)【要約】
頭部を支持することができる頸部の伸長を支持し安定化する装置は、ユーザの胴体に着用されるように構成されたハーネスと、ハーネスに取り付けるための細長いステムを有するネックブレース部材と、ユーザの頭蓋骨の基部に接触するように構成された支持部分と、を含む。ネックブレース部材は、頸部の伸長を可能にし、頸部の伸長に抵抗するように柔軟に弾力性がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頸部の伸長を支持する装置であって、
(a)ユーザの胴体に着用されるように構成されたハーネスと、
(b)前記ハーネスに取り付けるための細長いステムと、前記ユーザの頭蓋骨の基部に接触するように構成された支持部分と、を含むネックブレース部材と、を含み、前記ネックブレース部材は柔軟に弾力性がある、装置。
【請求項2】
前記装置が、前記支持部分の高さを変えるように調整可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ハーネスが、前記支持部分の高さを変えることができるように、前記ステムを受け入れるための垂直な梯子状の一連の開口部を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ステム自体が調整可能な長さである、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記ステムの上側部分が前方に湾曲しており、前記支持部分が後方に湾曲している、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ネックブレース部材が炭素繊維複合材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頸部の伸長を必要とする作業中にユーザの頸部および/または頭部を支持および安定化するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の作業では、作業者は上を見る必要がある。そうすることで、作業者は頸部を伸長することになり、これは不快および/または有害であり得る。本明細書で使用される場合、「伸長」は、被験者の頭が上方を見て後方に動くような頸部の後方への屈曲運動を指す。過度の伸長は、重篤な傷害をもたらし得る。
【0003】
特定の作業では、作業者は、両手を頭部の上に保持し、しばしばツールおよび機器を保持し、保護安全装置を着用して、真っ直ぐ上を見る必要がある。作業者が長期間上方を見る必要がある業界の例には、建設作業者、溶接作業者、油田作業者、鉄工作業者、配管工、塗装工、乾式壁設置業者およびテープ作業者、組み立て工、電気工、配管工、機械工、窓洗浄者、軒樋技能者、樹木管理士、および倉庫作業者が含まれるが、これらに限定されない。
【0004】
ネックブレースおよびヘッドブレースが知られているが、これらは常に、ユーザの頭部の動きの範囲を制限する頭部支持部材を含む。これらの装置は、多くの異なる態様から不十分である。
【0005】
当技術分野では、快適で支持的であり、そのような装置を着用することを望む作業者がしばしば必要とする安全装置と共に着用することができる装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、本発明はネックブレースを含み、ネックブレースは、
(a)ユーザの胴体に着用されるように構成されたハーネスと、
(b)ハーネスと係合するステムと、下側部分および上側部分と、を含むネックブレース部材であって、下側部分において前方に湾曲し、次いで上側部分において後方に湾曲し、したがって凹形状を達成する、ネックブレース部材と、を含む。
ネックブレース部材は、好ましくは弾性的に可撓性であり、プラスチック、複合材、または金属などの材料から形成される。ネックブレース部材ステムは、異なるユーザサイズに対応するようにハーネス内で調整可能に位置決め可能であることが好ましく、および/またはそれ自体が調整可能な長さであってもよい。
【0007】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の実施形態または様々な態様をさらに実証するために含まれる。場合によっては、本発明の実施形態は、本明細書に提示される詳細な説明と組み合わせて添付の図面を参照することによって最もよく理解することができる。説明および添付の図面は、本発明の特定の具体例または特定の態様を強調することができる。しかしながら、当業者は、例または態様の一部が本発明の他の例または態様と組み合わせて使用され得ることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】矢状面における人間の頭部の屈曲/伸長動作の範囲を示す図である。
図2】ネックブレース部材の一実施形態を示す図である。
図3A】ユーザが着用するハーネスの正面図である。
図3B】同じハーネスの背面図である。
図3C】ハーネスの代替実施形態を示す図である。
図4】人間の脊椎および頭蓋骨に対するネックブレース部材の概略図である。
図5A】ヘルメット、安全ゴーグルおよびマスクと共に装置の一実施形態を着用している作業者を示す図である。
図5B】頸部を伸長した状態の同じ作業者を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、典型的な人間の解剖学的構造を示し、頭部が矢状面内で後方に移動する、頸部伸長の危険領域を示す。図から分かるように、伸長が大きいほど傷害のリスクが高くなる。頭上での手動作業を行う多くの個人は、上方を見ると頸部を伸長させる。頸部の伸長が長引いたりまたは極端である場合には、疲労および/または傷害が起こり得る。
【0010】
本発明の実施形態は、垂直に伸長して見上げる必要があるユーザが、椎骨の問題、または椎骨の圧迫によって引き起こされる挟まれた神経からの不快感、痛みまたは損傷を被りにくいように、頸部を安定化させ、保護する。本発明は、脊椎の健康な湾曲を促進し、頸部および頭部が伸長しているときでもこの脊椎の長さを維持するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、装置(10)は、ユーザの胴体に着用されるように構成されたハーネス(12)と、ハーネスから上方に延在し、(図5Aに示すように)快適な直立位置にあるときに頸部の輪郭に従うネックブレース部材(14)と、を含む。ネックブレース部材(14)は、弾性的に可撓性であるか、または頸部の伸長を許容するがそれに抵抗するように弾性的にハーネスに取り付けられ、それによって、ユーザが見上げて頭上作業を行っているときにユーザの頭部を快適に支持し、それによって頸部の筋肉への負担および/または頸部の椎骨の圧迫を低減する。
【0012】
ネックブレース部材の一実施形態が図2に示されており、それは、ネックブレース部材(14)を定位置にしっかりと保持するようにハーネス(12)と協働するステム(16)を含む。支持部材(18)は、好ましくは、図2に示すように、わずかな後方湾曲を有する拡張部分を含む。ステム(16)の上側部分(16a)は、ユーザの頸部の湾曲に沿うようにわずかな前方湾曲を有する。好ましくは、ステム(16)およびハーネス(12)は、ステムがユーザのサイズおよび体格の違いに対応するように垂直に調整可能であり得るように、調整可能な方法で協働する。
【0013】
ハーネス(12)の一実施形態を図3A図3B、および図3Cに示す。ハーネス(12)は、好ましくは、ステム(16)の挿入を受けるために、およびステム(16)の位置決めおよび調整を容易にするために、背中に1つまたは複数の頑丈に縫い付けられたポケット(20)を含むファブリックハーネス(12)である。一実施形態では、ハーネスは、複数の梯子状ポケット(20)を含んでもよい。支持部材(18)の上側部分が、頭蓋骨の基部に位置するユーザの第1の頸椎(C1)のわずかに上方に位置するように、ネックブレース部材(14)を配置することが好ましい。C1椎骨は頭蓋骨の直下に位置し、したがって、ネックブレース部材(14)は、頭蓋骨の基部が支持部材(18)の上側部分に接触することを可能にするように配置され得る。
【0014】
ハーネス内のステムの位置の微調整を可能にするために、ステム(16)上の歯または爪(図示せず)と協働する歯車を含む回転ダイヤル機構(22)を設けてもよい。代替実施形態では、調整可能な長さを可能にする任意の適切なベルトまたはストラップ機構などの、ハーネスに固定される調整可能な機構を有することによって、ネックブレース部材を調整可能な長さに構成することができる。あるいは、ステム自体は、互いに対してスライドする2つのピースから形成されるなどして、調整可能な長さを有してもよい。
【0015】
ステム(16)は、前方に、すなわちユーザの前部に向かって湾曲する上側部分(16a)と、後方に湾曲する支持部分(18)と、を有する。したがって、装置は、図4に見られるように、ユーザの頭部が中立位置にあるときにユーザの頸部を凹状に抱きかかえる。
【0016】
いくつかの実施形態では、支持部材(18)は、図4の背面図に示すように、底部から頂部に広がってもよい。この構成は、頸部との支持的かつ安定的な接触を維持しながら、頭部の何らかの制限された左右の動きを可能にすることができる。
【0017】
好ましい実施形態では、ネックブレース部材は弾性的に可撓性であり、十分な強度および可撓性を有する任意の適切な材料から形成されてもよい。多くのプラスチック、複合材料、または金属が好適であり得る。好ましい一実施形態では、ネックブレース部材は、その強度、弾性、および軽量のために選択された炭素繊維複合材で構成されてもよい。
【0018】
好ましい実施形態では、ネックブレース部材は、何かに引っ掛かったり、ユーザを引っ掻いたりする可能性を軽減するために、実質的に滑らかな表面および縁部を含む。ネックブレース部材は、皮膚と快適に接触する布または他の材料で覆われてもよい。
【0019】
図5Aおよび図5Bに見られるように、支持部分(18)の上部がC1椎骨の位置またはその真上に配置されるため、マスク、ゴーグル、呼吸マスク、安全帽などの安全装備の着用が可能になる。さらに、それは、ヘアポニーテールを有する個人による快適な使用を可能にする。
【0020】
定義および解釈
本発明の説明は、例示および説明のために提示されているが、網羅的なものではなく、または開示された形態の本発明に限定されるものではない。本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの変更および変形が当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理および実際の適用を最もよく説明し、意図された特定の用途に適した様々な変更を伴う様々な実施形態について当業者が本発明を理解できるように選択および記載された。
【0021】
特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように立案され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙または「否定的」限定の使用に関連して、「単独で」、「のみ」などの排他的な用語を使用するための先行する基礎としての役割を果たすことを意図している。「好ましくは(preferably)」、「好ましい(preferred)」、「好ましい(prefer)」、「場合により(optionally)」、「してもよい(may)」という用語および同様の用語は、言及されている項目、条件またはステップが本発明の任意の(必須ではない)特徴であることを示すために使用される。
【0022】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明白に示されていない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在もしくは追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。本明細書で使用される「別の」という用語は、少なくとも第2またはそれ以上として定義される。本明細書で使用される「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、含むもの(すなわち、オープンな語法)として定義される。本明細書で使用される「結合された(coupled)」という用語は、必ずしも直接的ではなく、必ずしも機械的ではないが、「接続された(connected)」と定義される。
【0023】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」などへの言及は、記載された実施形態が特定の態様、特徴、構造、または特性を含み得るが、すべての実施形態がその態様、特徴、構造、または特性を必ずしも含むとは限らないことを示す。さらに、そのような語句は、必ずしもそうとは限らないが、本明細書の他の部分で参照される同じ実施形態を参照してもよい。さらに、特定の態様、特徴、構造、または特性が実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、そのような態様、特徴、構造、または特性を他の実施形態に影響させるか、または他の実施形態と接続することは、当業者の知識の範囲内である。言い換えれば、任意の要素または特徴は、2つの間に明白なまたは固有の不適合性がない限り、または特に除外されない限り、異なる実施形態において任意の他の要素または特徴と組み合わせることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2021-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの伸長した部を支持するための装置であって、
(a)前記ユーザの胴体に着用されるように構成されたハーネスと、
(b)前記ハーネスに取り付けるための細長いステムと、前記ユーザの頭蓋骨の基部に接触するように構成された支持部分と、を含むネックブレース部材と、を含み、前記ネックブレース部材は柔軟に弾力性があり、前記ステムの上側部分は前記ユーザの前記頸部の湾曲に沿うように前方に湾曲しており、前記支持部分は後方に湾曲している、装置。
【請求項2】
前記装置が、前記支持部分の高さを変えるように調整可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハーネスが、前記支持部分の高さを変えることができるように、前記ステムを受け入れるための垂直な梯子状の一連の開口部を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ステムが、互いに対してスライドする2つのピースから形成されており、前記ステムの長さが調整可能である、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記ネックブレース部材が炭素繊維複合材料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記支持部分の上部が、前記ハーネスが前記ユーザの前記胴体に装着されたときに、前記ユーザのCl椎骨の位置またはその真上に配置されるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記支持部分が、底部から頂部に広がっている、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ネックブレース部材が、前記ハーネスが前記ユーザの前記胴体に装着されたときに、前記ユーザの前記頸部に接触するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ネックブレース部材が、布で覆われている、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ハーネスが、一連のポケットを備え、前記一連のポケットの各々が、前記ステムを受け入れるための前記一連の開口部のうち、異なる1つを画定する、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記ハーネスに対する前記ステムの位置の微調整を可能にするために、前記ステム上の歯または爪と協働する歯車を有する回転ダイヤル機構をさらに備える、請求項2、3、及び10のうちいずれか一項に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【国際調査報告】