(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-20
(54)【発明の名称】食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法
(51)【国際特許分類】
B65B 47/00 20060101AFI20230313BHJP
B29C 51/26 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
B65B47/00
B29C51/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543514
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2021050480
(87)【国際公開番号】W WO2021144263
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】102020000000787
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516023722
【氏名又は名称】サクミ・イモラ・ソシエタ・コーペラティバ
【氏名又は名称原語表記】SACMI IMOLA S.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パッリネッロ,フィオレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】ミンガンティ,ジャンニ
(72)【発明者】
【氏名】プッチ,ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ディ・ジャコモ,アルベールト
(72)【発明者】
【氏名】バルドゥッチ,エレオノーラ
(72)【発明者】
【氏名】フィウーミ,バレンティーナ
【テーマコード(参考)】
3E050
4F208
【Fターム(参考)】
3E050AA04
3E050AB02
3E050BA11
3E050GB09
3E050JA05
4F208AA24
4F208AC03
4F208AG07
4F208AH54
4F208AR12
4F208MA00
4F208MB01
4F208MW02
4F208MW34
(57)【要約】
食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法であって、それが
-少なくとも1つのアクセス入口(12)が設けられた複数の収容レセプタクル(11)を提供するために、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のシート(10)を成形するステップであって、PETシート(10)の初期結晶化度が10%以下である、ステップと、
-アクセス入口(12)を通して、収容レセプタクル(11)に少なくとも1つの食品を充填するステップと、
-閉鎖フィルム(13)によってアクセス入口(12)を封止するステップと、
-少なくとも2つの隣接する収容レセプタクル(11)間の接続縁部(22)に弱化部分(21)を設けるステップであって、設けるステップが、弱化部分に沿って接続縁部の横断面の局所的な減少をもたらすために、接続縁部(22)の少なくとも一部分でレーザ光線(40)を放射するステップを含む、設けるステップと、
-レーザ光線(40)の放射ステップ後の弱化部分(21)における最終結晶化度が、レーザ光線(40)の放射ステップ及び封止ステップの結果として生じる改質によって影響されない接続縁部(22)の部分の結晶化度に比べて、等しいか最大3%低い又は高いことと、を含むことを特徴とする、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法であって、それが
-少なくとも1つのアクセス入口(12)が設けられた複数の収容レセプタクル(11)を提供するためにPET(ポリエチレンテレフタレート)製のシート(10)を成形するステップであって、前記PETシートの初期結晶化度が10%以下である、ステップと、
-前記アクセス入口(12)を通して、前記収容レセプタクル(11)に少なくとも1つの食品を充填するステップと、
-閉鎖フィルム(13)によって前記アクセス入口(12)を封止するステップと、
-少なくとも2つの隣接する収容レセプタクル(11)間の接続縁部(22)に弱化部分(21)を設けるステップであって、前記設けるステップが、前記弱化部分(21)に沿って前記接続縁部(22)の横断面の局所的な減少をもたらすために、前記接続縁部(22)の少なくとも一部分でレーザ光線(40)を放射するステップを含む、ステップと、
-前記レーザ光線の放射ステップ後の前記弱化部分(21)における最終結晶化度が、前記レーザ光線(40)の放射ステップ及び前記封止ステップの結果として生じる改質によって影響されない前記接続縁部(22)の部分の結晶化度に比べて、等しいか最大3%低い又は高いことと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記接続縁部の厚さが300ミクロン~1800ミクロンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
PET製の前記シート(10)が、透明PET製のシートを含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項4】
前記設けるステップが、15m/分~170m/分の速度で、250W~1500Wの出力を有するレーザ光線を放射するステップを含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項5】
前記設けるステップが、500Wを超える出力及び60m/分を超える、より好ましくは80m/分を超える速度を有するレーザ光線を放射するステップを含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項6】
前記設けるステップが、前記弱化部分の長手方向の延長に沿って実質的に一定である前記接続縁部の局所的な減少をもたらすように適合されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項7】
前記設けるステップが、前記弱化部分を設けるために、相互に離間された前記接続縁部を通る複数の貫通開口部を提供するように適合されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザ光線の放射ステップに供される前記領域の結晶化度の計算が、試験片の少なくとも3つの点でラマン顕微鏡法による分析を実行することによって、及び1700~1760cm
-1のラマンシフト間隔をカバーする信号で計算されたFWHHの平均値の較正曲線における補間によって得られることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項9】
前記放射ステップに供される前記領域の結晶化度を計算するために前記試験片の前記少なくとも3つの点を識別するための前記関心領域が、前記弱化部分が、前記長手方向の延長に沿って一定であるか、又は貫通開口部が設けられた前記弱化部分(21)の前記貫通開口部から等距離にある固体領域に形成された、前記接続縁部(22)の局所的な減少を含む場合、前記弱化部分(21)の下部(「トラフ」)に画定されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項10】
弱化部分(21)を設ける前記ステップが、前記封止ステップの後に実行されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項11】
前記熱成形ステップの上流又は下流で実行される滅菌ステップを含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【請求項12】
実質的に前記放射ステップにおいて、ガス及び揮発性物質を抽出するステップを含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項または複数項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、食品の製造及び充填のための方法は、
-少なくとも1つのアクセス入口が設けられた複数の収容レセプタクルを提供するためにシート(通常はPSすなわちポリスチレン製)を成形するステップと、
-アクセス入口を通して、レセプタクルに少なくとも1つの食品を充填するステップと、
-ロールから巻き出された閉鎖フィルム又はシートによってアクセス入口を封止するステップと、
-ブレード又はカッターによって、レセプタクルのグループを切断するステップと、
-同じグループの少なくとも2つの隣接する収容レセプタクル間の接続のために、それぞれの弱化部分及び分離部分を縁部に設けるステップと
を提供する。
【0003】
弱化部分を設けるステップはまた、接続縁部に切開を提供するために通常動作するブレード又はカッターを使用することによって実行される。
【0004】
このタイプの方法及び使用される装置は、2種類の欠点を有する。
グループへの分割を実行するための切断刃又はカッターの使用は特に柔軟ではなく、装置レベルで、グループのサイズ又は弱化部分の延長を変更することは非常に複雑である。
【0005】
これらの問題は、特に格納レセプタクルを提供するためにPSをPETに置き換えたい場合に、他のことによって悪化する。
【0006】
実際、この場合、ブレード又はカッターの寿命が大幅に短縮され、発生するコストが大幅に増加する。
【0007】
さらに、かなりの靱性を特徴とする透明又は着色PETを材料として使用する場合、ハサミ又はカッターを使用せずに相互の曲げによって様々なレセプタクル間の分離を可能にすることができる弱化部分を形成することは事実上不可能である。
【0008】
特に、初期結晶化度が最大10%の層状形態(すなわち、250ミクロンを超える厚さを有するシート)のPETは、弾力性のある強靭な材料であり、その結果、カッターでスコアリングすることによって、少なくとも2つの異なる収容レセプタクル間の接続縁部に弱化部分を生成するために、カッターが互いにより近く、材料のほぼ全体の厚さにわたってスコアリングしなければならないシステムを使用する必要があり、それにもかかわらず、所期の目的の達成は保証されない。
【0009】
さらに、この態様は、PET上に適用するためのカッターの寿命を短くし、その結果、コストが高くなる。
【0010】
最後に、プロセスは再現が困難になる。
従来(英国特許第2543495号明細書の内容を参照)、レーザ光線の作用によって誘発される結晶化度の局所的な増加によってPETの脆弱性を増加させる可能性が知られており、熱効果、レーザ光線の作用のそれが当たる材料に対する不可避の結果は、実際に結晶化度の増加の原因である。
【0011】
結晶化が、十分な時間及び温度を必要とし、低出力レーザ光線の作用への長時間の曝露によって誘発されるプロセスであることも文献から知られている。このようにして、レーザ光線によって誘発される加熱の効果が最大化され、その結果、試験片のアブレーションをもたらすレーザの作用なしにPETの結晶化温度範囲に達するか、又はそれに達する場合、それは低速で動作しながら得られる[M.F.Sonnenschein and C.M.Roland,Appl.Phys.Lett.57(5),1990]。
【0012】
結晶性の増加、したがって脆弱性の増加は、低出力レーザへの長時間の曝露によってPETに誘発されることは事実であるが、この方法は、製造時間の短縮による生産性の増加をますますもたらす産業上の要件には適さないことも事実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目標は、上述の態様のうちの1つ又は複数において背景技術を改善することができる、食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法を提供することである。
【0014】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、装置のメンテナンスコストを低減することを可能にする、食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、極めて柔軟であり、かつ相互に接続された容器のグループ及び弱化部分の形状を容易に変えることを可能にする、食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法を考案することである。
【0016】
本発明の別の目的は、信頼性が高く、提供が比較的容易で、競争力のあるコストであり、かつPS製の容器の製造に現在特徴的な高い工業生産性を維持する、食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目標並びに以下でより明らかになるであろうこれら及び他の目的は、従属請求項の特徴の1つ又は複数を任意選択的に備えた、請求項1に記載の食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法によって達成される。
【0018】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面に非限定的な例として示されている、本発明による食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法の好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための装置の概略図である。
【
図2】本発明による方法によって提供される容器の上面図である。
【
図3】Zygo高精細光学機器で取得された、レーザが作用する表面の反対側の表面の3Dレリーフを示す図であり、試験片の3つの領域で得られたレリーフは、弱化部分において、表面の凹部につながる張力の変動(レーザ放射ステップによって引き起こされる)があることを示している。
【
図4】Zygo高精細光学機器で取得された、レーザが作用する表面の反対側の表面の3Dレリーフを示す図であり、試験片の3つの領域で得られたレリーフは、弱化部分において、表面の位置ずれにつながる張力の変動(レーザ放射ステップによって引き起こされる)があることを示している。
【
図5】連続した弱化部分を有する左側及び貫通開口部を有する弱化部分を有する右側の試験片の図であり、試験片は偏光で観察され、レーザビームではなく熱のみが到達した、レーザ作用のすぐ近くの張力状態の変化は、明らかに明白である。
【
図6】表面上の弱化部分の3つの画像の図であり、倍率3.5倍の画像は切開部全体を明確に示し、倍率16倍の画像は切開の縁部、及び中央に切開のトラフ(分析の対象)を示し、倍率56倍の画像は分析が行われるべき切開のトラフのみを示す。
【
図7】表面上の弱化部分の3つの画像の図であり、3.5倍の倍率の画像は切開部全体を明確に示し、倍率16倍の画像は貫通開口部と「ブリッジ」の両方を示し、倍率32倍の画像は、分析が行われるべき弱化部分の「ブリッジ」が強調表示されていることを示す。
【
図8】既知の熱履歴を有する試験片の表面欠陥の画像の図である。
【
図9】ラマン顕微鏡法スペクトルの重ね合わせを示し、Aによって示されるスペクトルは1000~2050cm
-1の範囲に明確な蛍光シグナルを有するため除外されなければならない。
【
図10】1800~2050cm
-1の範囲における最大強度変動のラマン顕微鏡法スペクトルの重ね合わせを示す。Bで示されるスペクトルは、最大強度変化が150未満である許容スペクトルの一例であり、スペクトルCは、150を超える最大強度変動を有するため、代わりに許容できない。
【
図11】ラマン顕微鏡法による分析後の試験片に形成された孔の拡大画像である。
【
図12】熱量分析の2回目の走査における冷結晶化ピークの処理の一例を示す。
【
図13】熱量分析の2回目の走査における融解ピークの処理の一例を示す。
【
図14】既知の熱履歴を有する試験片の断面分析の一例を示す。
【
図15】ラマンスペクトルの取得のためにOmnicソフトウェアで設定された分析条件を示しており、本明細書においてさらに詳述されている。
【
図16】ラマンスペクトルの取得のためにOmnicソフトウェアで設定された分析条件を示しており、本明細書においてさらに詳述されている。
【
図17】ラマンスペクトルの取得のためにOmnicソフトウェアで設定された分析条件を示しており、本明細書においてさらに詳述されている。
【
図18】本明細書に詳述されている方法による、ピーク分解能機能によるラマンスペクトルの分析の一例を示す。
【
図19】直線の式及びR
2の値を含む、ポット1について処理された較正直線を示す。
【
図20】直線の式及びR
2の値を含む、ポット2について処理された較正直線を示す。
【
図21】直線の式及びR
2の値を含む、1mmPETシートについて処理された較正直線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照すると、本発明による食品を収容するように設計された容器の製造及び充填のための方法は、
-少なくとも1つのアクセス入口12が設けられた複数の収容レセプタクル11を提供するために、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のシート10を成形するステップであって、PET製シートの初期結晶化度が10%以下である、ステップと、
-アクセス入口を通して、レセプタクルに少なくとも1つの食品を充填するステップと、
-閉鎖フィルム13によってアクセス入口12を封止するステップと、
-少なくとも2つの隣接する収容レセプタクル11間の接続縁部22に弱化部分21を設けるステップと
を含む。
【0021】
特に、弱化部分21を設けるステップは、弱化部分21に沿って接続縁部22の横断面の局所的な減少をもたらすために、接続縁部22の少なくとも一部分でレーザ光線40を放射するステップを含む。
【0022】
例として、横断面の局所的な減少は、初期断面に対して少なくとも50%に等しく、好ましくは少なくとも70%に等しく、さらにより好ましくは少なくとも80%に等しい。
【0023】
本発明によれば、レーザ光線40の放射ステップ後の弱化部分21における最終結晶化度は、レーザ光線40の放射ステップ及び封止ステップの結果として生じる改質によって影響されない接続縁部22の部分の結晶化度に比べて、等しいか最大3%低い又は高い。
【0024】
実際、以下に説明する試験から明らかになるように、レーザ光線40の放射ステップ及び封止ステップの結果として生じる変化の影響を受けない接続縁部22の部分の結晶化度は、実質的に、シート10の結晶化度に対応する。
【0025】
実際には、放射ステップは、ステップの終わりに接続縁部で、例えば以下を決定するために、ある速度及び出力で実施される。
【0026】
-結晶化度の低下、
-同程度の結晶化度の保持、又は
-最大3%の結晶化度増加。
【0027】
放射ステップ後の結晶化度は、実質的に弱化部分21において評価される。
特に、弱化部分21を設けるステップは、少なくとも250Wに等しい出力を有するレーザから発生するレーザ光線40を放射するステップを含む。
【0028】
有利には、レーザは、PETによって吸収される波長で放射され、例として、10.6ミクロン、10.2ミクロン又は9.3ミクロンに等しい波長を有するCO2レーザを使用することが可能である。
【0029】
弱化部分21に沿って接続縁部22の横断面の局所的な減少をもたらすために、接続縁部22の少なくとも一部分でレーザ放射が生じる。
【0030】
横断面の局所的な減少は、弱化部分21の長手方向の延長に沿って実質的に一定である接続縁部22の断面の減少を意味するだけでなく、接続縁部を通過し、弱化部分21を設けるために相互に離間された複数の貫通開口部を提供することも意味すると理解される。
【0031】
接続縁部22に沿った断面の減少はまた、厚さの一定の減少又は異なる厚さ減少シーケンスによって交互に配置された貫通開口部を提供することができる。
【0032】
驚くべきことに、放射ステップは結晶化度の増加(3%を超える)をもたらさないが、弱化部分21は、2つの隣接する収容レセプタクル11間の接続縁部22に沿った極めて効果的な破断を保証することができることが分かった。
【0033】
好都合には、弱化部分21を設けるステップを実行する接続縁部22の厚さは、300ミクロン~1800ミクロン、より好ましくは700ミクロン~1300ミクロンである。
【0034】
有利には、封止ステップと弱化部分21を設けるステップとの間に、収容レセプタクル11のグループ31内の収容レセプタクル11を分離するステップがある。
【0035】
好ましくは、この分離ステップは、収容レセプタクル11間の接続縁部に切断30を行うように設計されたレーザビームによって行われる。
【0036】
本発明による方法の最後に、収容レセプタクル11のグループ(マルチパックとして知られている)31を得、それぞれの弱化部分21は、同じグループ31の互いに隣接する収容レセプタクル11の間に形成され、各収容レセプタクル11を同じグループ31の他の収容レセプタクル11から分離することを可能にするように適合される。
【0037】
弱化部分21を設けるためのレーザの使用は、収容レセプタクル11のサイズ又はグループ31の形状が変化した場合に容易にプログラムすることができるので、本発明による方法を極めて柔軟にすることができる。
【0038】
設けるステップは、250Wよりも大きく、好ましくは1500Wよりも小さい出力を有し、15m/分~170m/分の速度で、より好ましくは300W~1200Wの出力で、20m/分~144m/分の速度でレーザ光線を放射するステップを含む。
【0039】
この点に関して、(出力及び速度の点で)レーザ使用の動作条件の制御が、実験的に制御可能な方法で最終結晶化度に実際に影響を及ぼし得るかどうか(非変動又は最大3%の減少若しくは増加を判定することによって)、したがって、最適な動作条件及びパラメータを特定して両方とも非常に容易な破損を得るために、接続縁部の靭性の低下をもたらすこと、及び十分な生産性を確保することができるプロセスを実施することを検証する試みがなされている。
【0040】
このため、一連の実験を行った。
まず、レーザ放射を受けた試験片の結晶化度の変動を調べた。
【0041】
250Wを超える出力のレーザ光線の使用は、結晶化度を著しく増加させないにもかかわらず、PET内部の張力の分布を変化させることを可能にし、したがってその脆弱性の増加が得られる。
【0042】
局所的に作用する強力なレーザの非常に迅速な作用は、熱効果を最小限に抑え、弱化部分21に隣接する領域を変化させず、したがって、ポリマー鎖の張力の変化をもたらし、それにより、結晶化度の大幅な増加を引き起こすことなく、弱化部分でPETを脆弱にする。
【0043】
レーザは、上方に向けられた、すなわち収容レセプタクル11に対して反対側に向けられた接続縁部22の面で作用する。
【0044】
さらに、本発明による方法は、熱成形ステップの上流又は下流で行われる滅菌ステップを提供する。
【0045】
本方法は、放射ステップにおいて、ガス及び揮発性物質を抽出するステップを実行することをさらに提供する。
【0046】
この抽出ステップは、放射領域からガス及び揮発性物質を除去することを可能にするが、同時にレーザの作用をより効率的にする。
【0047】
本発明によれば、完成したPETシートから透明性を除去する、すなわち低減する、質量染料又は質量顔料の使用を提供することが可能である。
【0048】
さらに、再生又は部分的に再生されたPETの使用を妨げるものは何もない。
したがって、本発明は、一般的な結晶化方法に頼ることなくPETを脆弱にするための代替方法を記載し、実際、弱化部分21では、レーザが作用していない領域に対して3%以下の増加である結晶化度の局所的な変動があることが観察される。
【0049】
既に述べたように、材料の張力のこの変動は、偏光を有する試験片の表面分析及び観察のための適切な技術を使用することによって間接的に評価することができる。
【0050】
文献では、試験片の変形の発生は、張力状態の変化と関連し得ることが知られている。3D表面を検出するための高精細光学機器であるZygoを使用して行われる表面輪郭の取得は、レーザの作用に直接さらされていないがそれとは反対の試験片表面において、表面のくぼみ又は不整合などの変形が弱化部分に生じ得ることを観察することを可能にした。
【0051】
また、弱化部分を設けた試験片の偏光下での観察により、光線の熱のみが到達したレーザ光の作用の直近における材料の張力状態の変化を強調することができた。
【0052】
これに関して、レーザの作用に対して反対側では、レーザの熱効果を受けた材料がそれ自体を再編成しようとし、「冷たい」材料に結合したままであることが実験的に分かっている。
【0053】
ポリマーの結晶性の決定は多くの議論の主題であり、それを決定するための多くの技術がある。
【0054】
示差走査熱量測定(以下「DSC」と呼ぶ)に基づくX線回折及び熱量分析の技術は、ポリマー試験片の結晶化度を決定するために最も広く使用されている技術であるが、試験片調製、分析時間、データ分析の精度及び複雑さ、並びにX線回折の場合、技術の高コストなどの問題によって、より高速な分析をさらに可能にし、非破壊的な技術であるラマン顕微鏡法の使用が有利であった。
【0055】
しかし、ラマン分光法は自給自足的な手法ではなく、較正曲線を作成して結晶性を測定する他の方法との相関が求められる[V.Shabafrooz et al.SPE ANTECTM Indianapolis 2016]。
【0056】
以下に報告する分析では、試験片のスポット分析に有効な手法であり、さらに弱化部分にも位置し得ることから、顕微鏡スケールでのラマン分光法(以下「ラマン顕微鏡法」と呼ぶ)の手法を用いた。
【0057】
次に、横軸にDSCによって計算された結晶化度(Xc(%))を有し、縦軸にラマン顕微鏡法によって得られた値を有する適切な較正曲線を構築することによって、ラマン顕微鏡法をDSC熱量測定技術と相関させた。
【0058】
この目的のために、既知の熱履歴を有する特定の試験片を調製した。
較正曲線、並びに既知の熱履歴を有する試験片は、異なる特性(異なる固有粘度(IV)、異なる厚さ、異なる添加剤、...)を有する材料が研究されるときはいつでも準備されるべきである。
【0059】
熱量分析は、CLN2液体窒素冷却システムを備えたPerkin ElmerのDSC8500示差走査熱量計、Pyris処理ソフトウェア、及び縦軸の正の値に向かう吸熱転移の方向を使用して行った。各分析のために、7~15mgの量の試験片を、手動で閉じた非気密検体ホルダに秤量した。試験片は分析前に前処理を受けておらず、それらはすべて窒素流(20mL/分)中で行われた。
【0060】
器具は、以下の二重の目的で使用された:
1)ラマン顕微鏡法による後の分析のために既知の熱履歴を有する試験片を調製するため;
2)先のものと同様の既知の熱履歴を有する試験片を調製し、DSC熱量分析によってそれらの結晶化度を計算するため。
【0061】
いずれの場合も、既知の熱履歴を有する試験片を調製するために、完成した容器の熱成形の影響を受けない領域をサンプリングした。
【0062】
DSCツールを使用した二重目的を参照して、分析条件を以下に区別する。
1)ラマン顕微鏡法によって分析される既知の熱履歴を有する試験片の調製について:
a.1回目の走査(1走査):30℃~300℃、20℃/分;
b.等温線:300℃で1分;
c.冷却:300℃から0℃、X℃/分、X=20、50、100、「温度へのバリスティック冷却」設定を選択することによって得られる急冷;200。
【0063】
2)DSCから結晶化度を得るために処理される既知の熱履歴を有する同様の試験片の調製について:
a.1回目の走査(1走査):30℃~300℃、20℃/分;
b.等温線:300℃で1分;
c.冷却:300℃から0℃、X℃/分、X=20、50、100、「温度へのバリスティック冷却」設定を選択することによって得られる急冷;200
d.2回目の走査(2走査):0℃~300℃、20℃/分;
このように設定された分析条件は、1回目の走査による溶融を伴う試験片の熱履歴を排除することを可能にする。制御され規定された速度(20;50;100;急冷;200℃/分)での冷却により、冷却速度が低下するにつれて結晶化度が増加する試験片が得られる。したがって、後続のラマン分析のための試験片及び2回目の加熱も受けた試験片は、等しい冷却速度について同様であると見なされるべきである。前者はラマン顕微鏡法によって直接分析したが、後者は分析条件において、処理から2回目の加熱も受け、冷却中に発生したDSCによる結晶化度が得られた。この値は、その類似の試験片について計算されたラマン顕微鏡法の値と相関しなければならない。
【0064】
結晶化度の計算のための処理操作は2回目の加熱で行われるので、PET分析[A.Hammer,Thermal analysis of polymers.Part 1:DSC of thermoplastics,Mettler Toledo UserCom 31]に推奨されるように、20℃/分で加熱及び冷却するために機器を較正した。
【0065】
DSCによる熱履歴が既知の試験片の結晶化度の判定は、2回目の走査(2走査)の処理によって行った。融解及び冷結晶化ピークを処理して、融解熱及び結晶化値を導出した。積分ベースラインが特定のサーモグラムのベースラインと一致するように、以下のように進行することによって処理を実行した:試験片質量(ΔHcc)に対して正規化された結晶化熱(2走査での冷結晶化)の絶対値を試験片質量(ΔHf)に対して正規化された融解熱から減算し、結果を、以下に記載されるFlory方程式を使用する間接的な方法によって決定される、100%結晶性PETの質量に対して正規化された融解熱の理論値であるPETのΔHf°の集計値(140J/g)と一致させた:
Xc冷却後(%)=(ΔHf-|ΔHcc|)*100/140
[’’Polymer Heat of Fusion’’,Thermal applications note,R.L.Blaine,G.Ellis et al.,Spectrochimica Acta Part A,1995,vol.51,2139-2145.使用された式は以下の通りである。V.Shabafrooz et al.SPE ANTECTM Indianapolis 2016]。
【0066】
分光分析のために、Thermo Fisher DXRラマン顕微鏡を使用することによってラマン顕微鏡法の技術を使用した。
【0067】
PETに適用されるラマン分光法では、特定のラマンシフトで活性な分子振動が存在することが知られており、その信号は、試験片の結晶化度に依存する強度又は形状を有する[S.G.Kazarian,N.H.Brantley,C.A.Eckert,Vibrational Spectroscopy 19,1999,277-283A Study of Polymer Crystallinity Using the RamanStation 400F,www.perkinelmer.com;J.S.Rossier et al.,Langmuir 15,1999,5173-5178,G.Ellis et al.,Spectrochimica Acta Part A,1995,vol.51,2139-2145;J.C.Rodriguez-Cabello et al.,Journal of Raman spectroscopy,vol.25,1994,335-34]。
【0068】
実施した試験では、分析した試験片の結晶性が高いほどバンド幅が小さくなるカルボニル基の伸縮に対応する振動が分析された。
【0069】
1700cm-1~1760cm-1のラマンシフト範囲で生じる、この振動運動に関連するバンドの半分の高さ(Full Width Half Height、FWHH)を計算した[J.C.Rodriguez-Cabello et al.,Journal of Raman spectroscopy,vol.25,1994,335-34]。
【0070】
ラマン顕微鏡法による分析に供した試験片については、前述のようにDSCで調製された既知の熱履歴を有する試験片と、較正曲線の補間によって決定される未知の結晶化度を有する試験片とを区別する。
【0071】
結晶化度が未知の試験片は、実際には、レーザ作用にさらされた表面上で分析され、関心領域の少なくとも3点でスペクトルを取得し、特に、切開部の下部(「トラフ」)の3点は、連続した弱化部分で分析され、貫通開口部(「橋」)から等距離の固体領域の3点は、貫通開口部を有する弱化部分で分析された。代わりに、DSCで調製された既知の熱履歴を有する試験片を、試験片の平面が把持要素に固定されるように、断面分析のために特定のホルダ(ThermoFisherによって提供されるキット)に各試験片を固定することによってラマン顕微鏡法によってそれらの断面で分析した。次に、ブレード(ThermoFisherによって提供される)を使用して試験片をきれいに切断して、円形試験片を中心とする長方形の断面を得、その上でスペクトル取得を少なくとも10点で行った。
【0072】
スペクトルの取得及びその処理について報告されることは、代わりにすべての試験片に対して有効である。
【0073】
ラマンスペクトルは、「分散ラマン用オムニック」ソフトウェアにおいて以下の取得モードを設定することによって記録した:
1)実験セットアップの収集ウィンドウで、「自動曝露」オプションを選択し、「所望のS/N」は500に等しく、「最大回収時間(分)」は5に等しく、「プレビュー露光時間(秒)」は1に等しい。
【0074】
2)同じ収集ウィンドウにおいて、スペクトルが表示される最終フォーマットも、特に「シフトスペクトル(cm-1)」に設定し、「補正」ではドロップダウンメニューから「蛍光」オプションを選択し、単語「蛍光」を1回クリックすることによって開くサブウィンドウでは「多項式次数:6を使用」を選択し、「宇宙線閾値:低」も選択し、本発明ではさらに、同じウィンドウで選択可能な「スマートバックグラウンド」オプションを選択することによってスペクトルが得られた。
【0075】
3)実験セットアップのベンチウィンドウにおいて、「レーザ波長」として532nmを選択し(この波長のレーザについて、機器は適切に較正されなければならない)、「レーザ出力」を10mW(使用される機器に設定できる最大値)に等しく設定し、「開口部」を25μmピンホールに等しく設定し、本発明における最小及び最大取得範囲を200から3500cm-1に設定した。最後に、選択された点を正確に分析するために、ベンチウィンドウ内で10倍レンズを選択し、その倍率のレンズを光学モジュール内で使用して関心領域の光学画像を合焦させる。「格子」、「推定解像度」、「推定スポットサイズ」及び「許容範囲」パラメータは、オペレータによって手動で変更することはできないが、機器の特性又はここに提示される他のパラメータセットに依存する。
【0076】
4)スペクトル収集のより良好な制御のために、実験セットアップの品質ウィンドウで選択可能な収集時のすべての制御を設定することも推奨される。
【0077】
Atlμsウィンドウにおいて、各試験片について「サンプルポイントツール」機能を使用して、スペクトルを取得する複数の点(既知の熱履歴を有する試験片については少なくとも10点、未知の試験片については少なくとも3点)を選択した。点は、各点について画像が焦点を合わせ、表面欠陥を避けるように注意するように選択されなければならず、さらに、既知の熱履歴を有する試験片の場合、点間の距離はほぼ一定でなければならず、シーケンスは、以前に得られた矩形断面の長手方向の全長をカバーしなければならず、気泡又は粗さを避けるように注意しなければならない。関心点を選択すると、「マップ収集」機能によるスペクトル取得を進めることが可能である。
【0078】
「サンプルポイントツール」機能を使用することができない場合、又は選択された点の連続的な取得に問題が生じる場合、手動で一度に1つのスペクトルを取得することが可能であり、上記の点取得の一般的な基準が適用されることが理解される。
【0079】
スペクトル取得モードは、設定されているように、所望のS/N比に達したかどうかにかかわらず、収集の5分後に分析を中断する。したがって、得られたスペクトルに注意を払い、以下の場合にスペクトルを許容可能と見なすことができないことを考慮する必要がある。
【0080】
-ラマンシフト範囲1000~2050cm-1において、蛍光に起因するシグナル(ピーク)又はベースラインの変動(線形から曲線)を有する;
-試験片に関連し得るピークを含まないラマンシフト範囲(例えば、1800~2050cm-1)において、選択された範囲における絶対最大値と最小値との差として定義される、150単位を超える強度の最大変動(ラマン強度)を有する。
【0081】
このような状況が発生した場合の推奨事項は以下の通りである。
-分析領域に焦点が合っていることを確認する;
-試験片が清浄であり、分析に支障を来す可能性のある塵埃又はグリースが存在しないことを確認する;
-分析点を変更する。
【0082】
ラマン顕微鏡法分析に続いて、分析された点に孔が形成されることも可能である。この現象は、Atlμsウィンドウによって観察することができ、いずれの場合も、「ステータス収集」ウィンドウ内で「サンプルが燃焼している」としてソフトウェアによって報告される。この場合、分析点を変更する必要がある。
【0083】
ラマンによって得られたスペクトルの処理について、本発明者らは以下のように進めた:
1)スペクトルにおいて、1820cm~1640cm-1の領域を選択し、分析におけるピーク分解能機能を選択した。
【0084】
2)ピーク分解能機能によって開かれた分析ウィンドウにおいて、ガウス/ローレンツ関数によって分析を行った[J.C.Rodriguez-Cabello et al.,Journal of Raman spectroscopy,vol.25,1994,335-344;S.Yang,S.Michielsen,Macromolecules 36,2003,6484-6492,with ’’sensitivity high’’,’’noise target’’ of 0.5 and linear ’’baseline’’]。
【0085】
3)1780~1680cm-1の範囲が選択されると、適切なボタンをクリックすることによってFWHH値を計算した。
【0086】
次に、すべての試験片について、得られたFWHH値の平均を計算し(未知の結晶化度を有する試験片については3点にわたる平均、既知の熱履歴を有する試験片については少なくとも10点にわたる平均)、各試験片と一致する方法で使用した:
1)既知の熱履歴を有する試験片のFWHHの平均を使用して、較正曲線を構築した;
2)未知の結晶化度を有する試験片のFWHHの平均を、それらの結晶化度を導出するために較正曲線上で補間した。
【0087】
提示された分析方法の開発により、弱化部分におけるレーザ光線の放射ステップが、基準の結晶化度に対して3%を超えない結晶化度の局所的変動を決定したことを検証するために、試験片の関心点を分析することが可能になった。
【0088】
基準の結晶化度とは、
ケースA)非熱成形PETシートの結晶化度;
ケースB)完成した容器の半円形部分の結晶化度は、以下のように特定される。
【0089】
1)貫通カットから少なくとも0.6mm離れている;
2)弱化部分から少なくとも0.3mm離れている;
3)ヒートシールから少なくとも0.3mm離れている;
ケースC)あまり好ましくないが、完成した容器のヒートシールリングにおける結晶化度。
【0090】
ヒートシールリングは、封止操作がPETの結晶化度を変化させないため、PET容器の非熱成形領域を表すことが示されているので、参照中に含まれる。
【0091】
例1
ポット1-厚さ1.2mm
熱成形作用を直接受けない領域が厚さ1.2mmのポット1を用いて、ポット1の非熱成形及び非ヒートシール部分から得られた既知の熱履歴を有する試験片を調製することによって試験中の場合にのみ有効な較正曲線を構築した。
【0092】
既知の熱履歴を有する試験片を、以下に示す方法に従ってDSCによって調製した:
I.ラマン顕微鏡法によって分析される既知の熱履歴を有する試験片の調製について:
a.1回目の走査(1走査):30℃~300℃、20℃/分;
b.等温線:300℃で1分;
c.冷却:300℃から0℃、X℃/分、X=20、「温度へのバリスティック冷却」設定を選択することによって得られる急冷;200
II.DSCから結晶化度を得るために処理される既知の熱履歴を有する同様の試験片の調製について:
a.1回目の走査(1走査):30℃~300℃、20℃/分;
b.等温線:300℃で1分;
c.冷却:300℃から0℃、X℃/分、X=20、「温度へのバリスティック冷却」設定を選択することによって得られる急冷;200;
a.2回目の走査(2走査):0℃~300℃、20℃/分;
DSCによる既知の熱履歴を有する試験片の結晶化度の決定は、規定の速度での冷却ステップによる結晶化度を計算するように2回目の走査(2走査)を処理することによって行った。この処理のために、2回目の走査のサーモグラムを考慮した。試験片の質量に対して正規化した融解熱量(ΔHf)及び冷結晶化熱量(ΔHcc)の値は、「標準」直線積分ベースラインを設定し、冷結晶化による発熱ピークと融解による吸熱ピークとを積分することにより求めた。融合及び冷結晶化のピークは、積分ベースラインが特定のサーモグラムのベースラインと一致するように処理された。この原理により、本実施例で示した場合のみ、210℃~262℃の温度範囲で融解ピークが処理され、137℃~183℃の温度範囲で冷結晶化ピークが処理された。20℃/分で冷却した試験片の場合、2回目の加熱では、サーモグラムは冷結晶化によるピークを示さなかった。
【0093】
図12及び
図13は、冷結晶化及び融解のピークの典型的な処理のサーモグラムを示す。
【0094】
特に、
図12は、熱量分析の2回目の走査における冷結晶化ピークの処理の一例であり、
図13は、熱量分析の2回目の走査における融合ピークの処理の一例である。
【0095】
考慮される各熱量分析について、以下の式を適用した:
Xc冷却後(%)=(ΔHf-|ΔHcc|)*100/140
このようにして、既知の熱履歴を有する試験片の熱量分析(DSC)から結晶化度を導出する。
【0096】
ラマン顕微鏡法分析のために調製された既知の熱履歴を有する試験片を適切に切片化し、切片の長手方向に少なくとも10のスペクトルを取得するために適切な検体ホルダに挿入した(
図14)。
【0097】
【0098】
図18は、前の章で説明した方法で取得されたスペクトルの処理の一例を示す。
各スペクトルの処理に続いて、得られたFWHH値の平均を各試験片について計算した。これらの値は、それぞれのサーモグラムを処理することによって得られ、かつ横軸を構築するために使用された、相同標本の結晶化度と共に、ポット1に固有の較正曲線の縦軸を構築するために使用された。
【0099】
次に、チャートの点を線形傾向線によって処理し、その式を、ポット1から生じる(他からではない)結晶化度が未知の試験片のFWHH値のその後の補間に使用した。
【0100】
【0101】
【0102】
初期PETシートが利用できなかったため、ポット1試験片では、基準領域は完成したポットの半円部分に位置した:
-貫通カットから少なくとも0.6mm離れている;
-弱化部分から少なくとも0.3mm離れている;
-ヒートシール領域から少なくとも0.3mm離れている;
同定された部分について、ラマン顕微鏡を用いて3つのスペクトルを取得し(スペクトルの取得方法及び対応する処理はラマン顕微鏡法について上述したように行った)、FWHH値の平均を算出した。次に、平均FWHH値を、ポット1について構築された較正直線において補間した。これにより、ポット1の基準となる結晶化度を算出することができた。
【0103】
【0104】
連続弱化部分
a)出力300W、速度21m/分のレーザを使用した。
【0105】
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0106】
【0107】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0108】
【0109】
b)出力750W、速度77m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0110】
【0111】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0112】
【0113】
c)出力1200W、速度124m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0114】
【0115】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0116】
【0117】
貫通開口部が設けられた弱化部分
a)出力300W、速度20m/分のレーザを使用した。
【0118】
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0119】
【0120】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0121】
【0122】
b)出力750W、速度45m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0123】
【0124】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0125】
【0126】
c)出力1200W、速度72m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0127】
【0128】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0129】
【0130】
ヒートシールリングの検討
レーザ放射ステップに相関する結晶化度の変動をその後測定するための基準を正確に定義するために、ポット1のヒートシールリングを検討した。特に、ラマン顕微鏡法によって、ヒートシールリングにおけるポットの非熱成形領域の上部及び下部のFWHH値を計算し、較正直線で補間して、点の結晶化度を計算し、それらを基準の結晶化度と比較した。
【0131】
この場合も、ヒートシールリングの上部と下部の両方において、3箇所で解析を行った。
【0132】
【0133】
【0134】
例2
ポット2-厚さ1.27mm
熱成形作用を直接受けない領域が厚さ1.27mmのポット2を用いて、ポット2の非熱成形及び非ヒートシール部分から得られた既知の熱履歴を有する試験片を調製することによって試験中の場合にのみ有効な較正曲線を構築した。
【0135】
較正曲線を構築するための様々なステップは、ポット1に関連する例1で既に詳細に提示されており、ポット2の例2では変化しないため、以下では無視され、代わりに、ポット2に対して異なる方法で行われたことに焦点を合わせることが好ましい。
【0136】
既知の熱履歴を有する類似の試験片を、300℃から0℃、X℃/分、X=20,100、「温度へのバリスティック冷却」設定を選択することによって得られる急冷で冷却することによって調製した。
【0137】
既知の熱履歴を有する試験片の分析、特にDSC熱量分析による結晶化度の決定のために、210℃~266℃の温度範囲の融解ピーク及び120℃~165℃の温度範囲の冷結晶化ピークを処理した。
【0138】
ラマン分析を、既に与えられた工程に従って、大幅な変更なしに行った。
ポット2について、ラマン顕微鏡法からのFWHHの平均値及びDSCからの結晶化度を線形傾向線によって処理し、その式を使用して、同じポット2(他のものではない)に由来する未知の結晶化度を有する試験片を補間した。
【0139】
【0140】
【0141】
初期PETシートが利用できなかったため、ポット2試験片では、基準領域は完成したポットの半円部分に位置した:
-貫通カットから少なくとも0.6mm離れている;
-弱化部分から少なくとも0.3mm離れている;
-ヒートシール領域から少なくとも0.3mm離れている;
同定された部分について、ラマン顕微鏡を用いて3つのスペクトルを取得し(スペクトルの取得方法及び対応する処理はラマン顕微鏡法について上述したように行った)、FWHH値の平均を算出した。次に、平均FWHH値を、ポット2について構築された較正直線において補間した。これにより、ポット2の基準となる結晶化度を算出することができた。
【0142】
【0143】
連続弱化部分
a)出力300W、速度22m/分のレーザを使用した。
【0144】
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0145】
【0146】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0147】
【0148】
b)出力750W、速度68m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0149】
【0150】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0151】
【0152】
c)出力1200W、速度109m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0153】
【0154】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0155】
【0156】
貫通開口部が設けられた弱化部分
a)出力300W、速度21m/分のレーザを使用した。
【0157】
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0158】
【0159】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0160】
【0161】
b)出力750W、速度55m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0162】
【0163】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0164】
【0165】
c)出力1200W、速度88m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0166】
【0167】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0168】
【0169】
ヒートシールリングの検討
レーザ放射ステップに関連する結晶化度の変動をその後測定するための基準を正確に定義するために、ポット2のヒートシールリングを検討した。特に、ラマン顕微鏡法によって、ヒートシールリングにおけるポットの非熱成形領域の上部及び下部のFWHH値を計算し、較正直線で補間して、点の結晶化度を計算し、それらをポットの結晶化度と比較した。
【0170】
この場合も、ヒートシールリングの上部と下部の両方において、3箇所で解析を行った。
【0171】
【0172】
【0173】
例3
厚さ1mmのPET製シート
厚さ1mmのPET製のシートを用いて、レーザ作用を受けていないシートの部分で得られた既知の熱履歴を有する試験片を調製することによって試験中の場合にのみ有効な較正曲線を構築した。
【0174】
較正曲線を構築するための様々なステップは、ポット1を参照して例1で既に詳細に提示されており、PETシートについては変更されないため、以下では無視され、代わりにPETシートに対して異なる方法で行われたことに注目することが好ましい。
【0175】
既知の熱履歴を有する類似の試験片を、300℃から0℃、X℃/分、X=20、50、100、200、「温度へのバリスティック冷却」設定を選択することによって得られる急冷で冷却することによって調製した。
【0176】
既知の熱履歴を有する試験片の分析のために、特にDSC熱量分析によって結晶化度を決定するために、210℃~263℃の温度範囲における融解ピーク及び118℃~185℃の温度範囲における冷結晶化ピークを処理した。
【0177】
ラマン分析を、既に指定された工程に従って、大幅な変更なしに行った。
厚さ1mmのシートについて、ラマン顕微鏡法からのFWHH及びDSCからの結晶化度の平均値を線形傾向線によって処理し、その式を使用して、同じ1mmシート(他のものではない)に由来する未知の結晶化度を有する試験片を補間した。
【0178】
図21は、PET製の1mmシートの式を含む較正直線を示す。
【0179】
【0180】
このようにして構築された較正直線に関する式を使用して、2つの結晶化度の間の変動が3%未満であることを検証するために、基準及び弱化部分の結晶化度を導出した。
【0181】
レーザの作用を受けていないPET製シートの表面について、ラマン顕微鏡で3つのスペクトルを取得し(前述のようにスペクトル取得とそれに伴う処理のモードを行った)、計算したFWHH値の平均を算出した。次に、平均FWHH値を、1mmPETシートについて構築された較正直線において補間した。これにより、レーザ作用を受けていないシートの結晶化度を算出することができた。
【0182】
【0183】
連続弱化部分
a)出力300W、速度22m/分のレーザを使用した。
【0184】
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0185】
【0186】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0187】
【0188】
b)出力750W、速度32m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0189】
【0190】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0191】
【0192】
c)出力1200W、速度92m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0193】
【0194】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0195】
【0196】
貫通開口部が設けられた弱化部分
a)出力300W、速度20m/分のレーザを使用した。
【0197】
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0198】
【0199】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0200】
【0201】
b)出力750W、速度25m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0202】
【0203】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0204】
【0205】
c)出力1200W、速度58m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、貫通開口部から実質的に等距離にある点で、弱化部分の3つの固体領域(「ブリッジ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0206】
【0207】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0208】
【0209】
例4
厚さ1mmのPET製シート
低出力低速試験
低速(速度15m/分未満)でPETシートに作用する低出力レーザ(出力250W未満)の作用の効果を検証するために、以下の試験を行った。
【0210】
試験を行った試験片は、前の例3に提示された試験片と同様であり、したがって、例3の試験片について構築され示された較正直線は、基準領域と弱化部分の結晶化度の間の変動が3%未満であるかどうかを検証するために、考慮されている例4にも有効であり、以下に報告される計算に使用された。
【0211】
レーザの作用を受けていないPETシートの表面について、ラマン顕微鏡で3つのスペクトルを取得し(前述のようにスペクトル取得とそれに伴う処理のモードを行った)、計算したFWHH値の平均を算出した。次に、平均FWHH値を、1mmPETシートについて構築された較正直線において補間した。これにより、レーザ作用を受けていないシートの結晶化度を算出することができた。
【0212】
【0213】
低出力低速試験
a)出力150W、速度13m/分のレーザを使用した。
【0214】
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0215】
【0216】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0217】
【0218】
b)出力75W、速度8m/分のレーザを使用した。
スペクトルは、弱化部分の下部(「トラフ」として知られる)で試験片の表面を分析するラマン顕微鏡法によって取得した。
【0219】
【0220】
ΔXc(%)=弱化部分Xc(%)-「基準」Xc(%)の式を設定して、弱化部分のトラフにおけるXc(%)の平均値を基準のXc(%)の平均値と比較した。
【0221】
【0222】
この例4の試験を低出力及び低速で行う際に、低速で作用する低出力レーザ放射ステップであっても、このようにして提供された弱化部分においてポットの分離を容易にするのに適した断面の減少を伴う連続的な弱化部分を設けることが可能であることが観察された。しかし、その後の分析から、これらの条件下で作業すると、弱化部分で結晶化度の増加が得られ、弱化部分と基準との間の結晶化度の変動は、以前に示された+3%の値よりも大きいことが観察された。
【0223】
一方で、この知見は、文献に報告されているものと一致しており、それによれば、結晶化度の増加は、試験片の脆弱性の増加と関連し、他方では、レーザ光線の作用が、断面の単なる減少を超える材料への影響を有することが確認される。レーザ光線に関連し、材料に伝達される熱の印加は、実際には、材料の張力状態の単なる変動(高出力及び高速レーザ光線)から結晶性の増加(低出力及び低速レーザ光線)に及ぶ材料の局所的特性の変動を与える。
【0224】
しかしながら、それにもかかわらずポットの相互分離の所望の結果をもたらすレーザの低い動作速度(150Wレーザでは13m/分に等しく、75Wレーザでは8m/分に等しい)は、弱化部分の長い製造時間にも対応し、したがって高い工業生産性の必要性に適合しないシナリオの概要を示す。
【0225】
実際には、本発明は、極めて柔軟であり、PET製の容器であっても弱化部分を設けることを可能にすることができ、容器の実際的で簡単な相互分離を可能にする方法を提供することによって、意図された目的及び目的を達成することが分かった。
【0226】
実際には、本発明は意図された目標及び目的を達成し、PET製の容器であっても弱化部分を設けることを可能にすることができる極めて柔軟な方法を提供し、容器の実際的かつ簡単な相互分離を可能にすることが分かった。
【0227】
本発明に示される方法の利点は、特にPET容器を製造する問題を解決し、ブレード又はカッターの使用を回避し、システムメンテナンスに関連するコストを削減し、異なる形状及びサイズの容器を提供するための極めて柔軟な方法を利用し、工業生産の高速を維持するシステムを有することを可能にする、特に強力なレーザ光線放射システムで動作する可能性に遡ることができる。
【0228】
このようにして考案された本発明は、多数の修正及び変形が可能であり、それらのすべてが添付の特許請求の範囲内であり、すべての詳細は、他の技術的に等価な要素とさらに置き換えることができる。
【0229】
実際には、使用される材料は、特定の用途、並びに条件付きの形状及び寸法に適合する限り、要件及び最新技術に応じて任意であり得る。
【0230】
本出願が優先権を主張するイタリア特許出願第102,020,000,000,787号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0231】
任意の請求項に記載された技術的特徴の後に参照符号が続く場合、それらの参照符号は、請求項の理解度を高めることのみを目的として含まれており、したがって、そのような参照符号は、そのような参照符号によって例として特定される各要素の解釈にいかなる限定的な効果も有さない。
【国際調査報告】