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特表2023-511561ハンドヘルドスタイラスおよびベースならびに使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-20
(54)【発明の名称】ハンドヘルドスタイラスおよびベースならびに使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20230313BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20230313BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20230313BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A61B10/00 H
G16H20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544140
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 US2021014726
(87)【国際公開番号】W WO2021150967
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】62/964,360
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iBeacon
2.BLUETOOTH
3.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】522287710
【氏名又は名称】セラクシス ヘルス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ペクルル,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ココネス,スコット
(72)【発明者】
【氏名】アンサリ,オマール
(72)【発明者】
【氏名】チュン,ユージナ
(72)【発明者】
【氏名】ホッファー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ライ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リトル,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ルベンスキー,デイビッド
【テーマコード(参考)】
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB12
4C038VB13
5L099AA15
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】 動きを評価するシステムを提供することである。
【解決手段】 本開示は、動きを評価する方法およびデバイスを提供する。いくつかの例示的な実施形態では、動きを評価するシステムが提供される。いくつかの実施形態では、システムは、ハンドヘルドデバイスを含む。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイスは、動きおよび位置データを記録するように構成された複数のセンサと、複数の側面を有する本体と、バッテリと、コンピューティングデバイスのタッチスクリーンと相互作用するように構成された近位端とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動きを評価するシステムであって、
ハンドヘルドデバイスであって、
動きおよび位置データを記録するように構成された複数のセンサと、
複数の側面を有する本体と、
バッテリと、
コンピューティングデバイスのタッチスクリーンと相互作用するように構成された近位端と、を備えるハンドヘルドデバイスを備える、システム。
【請求項2】
ベースをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ベースは、前記ハンドヘルドデバイスと相互作用するように構成された少なくとも1つのセンサと、前記ハンドヘルドデバイスから送信されたデータを記憶するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体とを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ベースは、前記ハンドヘルドデバイスを無線で充電するように構成された無線充電回路を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハンドヘルドデバイスは遠位端にボタンを備え、前記ボタンは、患者によって第1の位置から第2の位置に押し下げられ、前記患者によって解放されると前記第1の位置に戻ることができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の側面は奇数である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ベースは、
平らな下端および上端と、第1の直径を有する外面と、円錐形の内面とを有する円筒形の本体を備え、
前記上端は、前記外面の前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有するアパーチャを有し、
前記円錐形の内面は、前記上端に第3の直径を有し、前記平らな下端に第4の直径を有し、
前記ハンドヘルドデバイスは、前記ベースに受け入れられたときに、前記円錐形の内面に接触するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記円錐形の内面は光沢仕上げを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ベースと前記ハンドヘルドデバイスとの間の前記接触が、前記ハンドヘルドデバイスの無線充電を引き起こす、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記ボタンは1つ以上のライトを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハンドヘルドデバイスは、前記動きおよび位置データを記憶するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体と、前記動きおよび位置データを処理するように構成されたプロセッサとをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記ハンドヘルドデバイスは、前記記憶され処理された動きおよび位置データを外部コンピューティングデバイスに無線送信するように構成された通信モジュールを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の側面は、人間の手との接触を検出するように構成された静電容量式タッチ材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記動きは、本態性振戦、パーキンソン病、運動失調、ジストニア、パーキンソニズム、または振戦のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記スタイラスが、評価中に患者に触覚フィードバックを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記ボタンは、前記第2の位置に押し下げられたときに、患者に触覚フィードバックを提供する、請求項6に記載のシステム。
【請求項18】
動きを評価する方法であって、
ハンドヘルドデバイスおよびベースを介して所定のタスクを患者に実施することを含み、
前記ハンドヘルドデバイスは、動きおよび位置データを記録するように構成された複数のセンサと、複数の側面を含む本体と、バッテリと、コンピューティングデバイスのタッチスクリーンと相互作用するように構成された近位端とを備え、
前記ベースは、少なくとも1つのセンサおよびバッテリを備える、方法。
【請求項19】
前記ハンドヘルドデバイスから前記コンピューティングデバイスにデータを送信することと、
前記コンピューティングデバイスによって、アルゴリズムおよび前記ハンドヘルドデバイスから受信したデータを使用してパフォーマンススコアを計算することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記パフォーマンススコアを出力することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記パフォーマンススコアを使用して前記患者の治療を決定することと、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記治療は、薬学的、薬理学的、運動または刺激介入を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に援用される、2020年1月22日に出願された米国仮特許出願第62/964,360号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、動きを評価するデバイスおよびシステム、ならびに、対応する使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
運動障害は、主に罹患した個人の異常な動きを特徴とする一連の広範な神経学的疾患または状態として説明することができる。そのような動きは、震えを介して現れるか、または、健康な個人の動きよりも遅く、速く、もしくは滑らかではない可能性がある。運動障害の評価は、従来から、多数のアナログ機器を使用した主観的なテストで行われている。ハンドヘルド、ウェアラブル、およびモバイル技術の採用の増加は、従来の評価を合理化し、より堅牢な詳細およびデータを提供し、神経障害の治療において臨床医および研究者にとって有益で望ましい新しい指標を提供する機会を提供する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の例示的な実施形態によれば、動きを評価するシステムが提供される。いくつかの実施形態では、システムは、ハンドヘルドデバイスを含む。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイスは、動きおよび位置データを記録するように構成された複数のセンサを含む。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイスは、複数の側面を有する本体を含む。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイスはバッテリを含む。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイスは、コンピューティングデバイスのタッチスクリーンと相互作用するように構成された近位端を含む。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイスは、遠位端にボタンを含む。
【0005】
本開示の例示的な実施形態によれば、動きを評価する方法が提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、ハンドヘルドデバイスおよびベースを介して、所定のタスクを患者に実施することを含む。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイスは、動きおよび位置データを記録するように構成された複数のセンサと、複数の側面を含む本体と、バッテリと、コンピューティングデバイスのタッチスクリーンと相互作用するように構成された近位端とを含む。いくつかの実施形態では、ベースは、少なくとも1つのセンサおよびバッテリを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、ハンドヘルドデバイスからコンピューティングデバイスにデータを送信することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、コンピューティングデバイスによって、アルゴリズムおよびハンドヘルドデバイスから受信したデータを使用してパフォーマンススコアを計算することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、コンピューティングデバイスによって、パフォーマンススコアを出力することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、コンピューティングデバイスによって、パフォーマンススコアを使用して患者の治療を決定することをさらに含む。
【0006】
開示された実施形態の追加の開示は、以下の説明に部分的に記載される。
【0007】
前述の概略的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例および説明にすぎず、特許請求の範囲に記載の開示された実施形態を限定するものではないことを理解されたい。
【0008】
添付の図面は、本明細書の一部を構成している。図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、説明とともに、添付の特許請求の範囲に記載される特定の開示される実施形態の例示的な原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスの側面図を示す。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスの分解図を示す。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスの分解図を示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスの縦断面図を示す。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスの様々な設計の断面図および側面図を示す。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスを保持しながら歩行タスクを実行するユーザを示す。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスを使用して例示的なコンピューティングデバイスと相互作用することによってタスクを実行するユーザを示す。
図8】本開示のいくつかの実施形態による例示的なスタイラスおよびタブレットを使用してタスクを実行するユーザを示す。
図9】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスを片手に保持しながらタスクを実行するユーザを示す。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスを片手に保持しながらタスクを実行するユーザを示す。
図11】本開示のいくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスのタッチスクリーンに接触する例示的なスタイラスを使用するユーザを示す。
図12】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラス内の例示的な電子部品の概略図を示す。
図13】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスを示す。
図14】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なベース、例示的なコンピューティングデバイス、および例示的なスタイラスを片手に保持しているユーザを示す。
図15】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なベースの正面図を示す。
図16図15の例示的なベースの上面図を示す。
図17】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なベースの内側に配置された例示的なスタイラスの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、本開示の実施形態および態様を詳細に参照し、その例は添付の図面に示されている。可能な限り、同じまたは同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。
【0011】
本開示は、1つ以上のセンサを介してユーザの動きを追跡するように構成されたスタイラスを提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、スタイラスの動きおよび位置を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、スタイラスの動きおよび位置を示すデータを記録するように構成される。いくつかの実施形態では、記録された動きおよび位置データは、ユーザの動きを評価するために処理および分析される。いくつかの実施形態では、ユーザは、1つ以上の障害、疾患、および状態を有する個人または患者である。そのような障害、疾患、および状態には、限定はされないが、運動障害(パーキンソン病、本態性振戦、ジストニア、トゥレット障害および進行性核上性麻痺を含むがこれらに限定されない)、自閉症、心不全、心臓病、外傷性脳損傷、脳卒中、前庭疾患、片頭痛、認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および注意欠陥障害(ADD)が挙げられる。
【0012】
いくつかの実施形態では、スタイラスはハンドヘルドデバイスである。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、力センサ、または磁力計を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、スタイラスの内部にある。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、スタイラスの外面に配置されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、スタイラスの近位端にある。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、スタイラスの遠位端にある。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、スタイラスの本体の1つ以上の側面に配置されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、スタイラスは、ユーザによって保持されるスタイラスと、1つ以上のコンピューティングデバイス、例えば、静電容量式タッチスクリーンを有するコンピューティングデバイスとの間の相互作用に基づいて、ユーザの運動障害を評価するように構成される。いくつかの実施形態では、相互作用は、スタイラスと、1つ以上の指先、顎、または鼻などのユーザの特定の部分との間のものである。いくつかの実施形態では、相互作用は、ユーザのための所定のタスクに従って実行される。
【0014】
本開示は、ベースをさらに提供する。本開示の実施形態と一致するスタイラスは、ベースと相互作用することができる。いくつかの実施形態では、ベースは、1つ以上のセンサ、スタイラス用の無線充電器、バッテリ、電源コード、コンピュータ可読記憶媒体、無線通信モジュール、およびプロセッサなどの1つ以上のハードウェア部品を含む。無線通信モジュールは、スタイラスと無線通信するように構成される。いくつかの実施形態では、無線通信モジュールは、プロセッサ上の通信回路である。ベース内の1つ以上のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、力センサ、ホール効果センサ、容量センサ、光電子センサ、超音波センサ、赤外線センサ、または磁力計のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0015】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラス(201)の側面図を示す。図2は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラス(201)の分解図を示す。図3は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラス(201)の別の分解図を示す。図4は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラス(201)の縦断面図を示す。図1~4に示すように、いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、第1の端または遠位端、本体(102)、および第2の端または近位端を含む複数のセクションを含む。いくつかの実施形態では、第1の端は、遠位先端(101)を含む。いくつかの実施形態では、遠位先端(101)は、タブレット、コンピュータ、電話、またはiPad(登録商標)などのコンピューティングデバイスと相互作用するように構成される。本体(102)は、ユーザが手に保持するように構成される。いくつかの実施形態では、本体(102)は、ユーザがタスクを実行している間、またはユーザの動きの評価中に、ユーザに触覚フィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、感触は、本体(102)内の圧電触覚フィードバックデバイスなどの任意の好適な機械的および電気的デバイスを介して生成することができる。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、以下でさらに詳細に説明されるように、ベース(202)と連動するように構成される。
【0016】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラス(201)の様々な設計の上面図および側面図を示す。図5に示されるように、スタイラス(201)の本体(102)は、円、三角形、正方形、楕円形、五角形、ならびに他の対称および非対称の形状を含むがこれらに限定されない様々な断面設計を有し得る。いくつかの実施形態では、本体(102)の断面は、複数の側面を有する。いくつかの実施形態では、スタイラス本体(102)の断面は、奇数の側面を有する。図5は、断面図(112)および側面図(113)でのスタイラス(201)の複数の側面の様々な構成を示している。
【0017】
いくつかの実施形態では、本体(102)は、プロセッサ、制御回路、信号処理回路、およびセンサなどの1つ以上の電子部品(104)を受け入れるように構成される(図12も参照のこと)。いくつかの実施形態では、図2に示されるように、本体(102)は、1つ以上のバッテリ(103)を受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、本体(102)は、バッテリ(103)を充電するための充電回路を含むバッテリモジュールを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、図2~4に示されるように、1つ以上の電子部品(104)は、1つ以上のセンサを含む。1つ以上のセンサには、加速度計、ジャイロスコープ、力センサ、ホール効果センサ、容量センサ、光電子センサ、超音波センサ、赤外線センサ、圧力センサ、および磁力計が含まれるが、これらに限定されない(図12も参照のこと)。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)のセンサのうちの1つ以上は、スタイラス(201)の近位端にある。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)のセンサのうちの1つ以上は、スタイラスの遠位端にある。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)のセンサのうちの1つ以上は、本体(201)の1つ以上の側面に配置される。
【0018】
スタイラス(201)の本体(102)は、特定の金属などの導電性材料またはプラスチックを含むがこれらに限定されない、任意の好適な材料で作ることができる。使用することができる金属の種類には、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、銅、亜鉛、マグネシウム、または前述の金属の他の合金のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。使用することができるプラスチックの種類には、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリクチド、アクリル、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン、ガラス繊維、ナイロン、またはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、本体(102)は、人間工学的理由から手触りまたは感触を強化するために1つ以上の材料でコーティングされている。いくつかの実施形態では、本体(102)は、iPad(登録商標)もしくはiPhone(登録商標)の画面または他の種類の静電容量式タッチデバイスなどのタッチスクリーンに対する、手に保持されたスタイラス(201)のタッチを記録するのを助けるために、1つ以上の導電性材料でコーティングされる。
【0019】
本開示の実施形態と一致するスタイラス(201)は、手持ち式(図6~11を参照のこと)であるか、クリップを介して個人に取り付けられるか、個人のポケットに配置されるか、またはストラップもしくは他の任意の好適な方法を介して個人に取り付けられ得る。本開示の実施形態と一致するスタイラス(201)は、人間の動きの自己実施評価を実行するためのデバイスを提供する。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、様々な障害、疾患、および状態を有する個人を評価するための所定のタスクの実施に使用される。そのような状態には、運動障害(パーキンソン病、本態性振戦、ジストニア、トゥレット障害および進行性核上性麻痺を含むがこれらに限定されない)、自閉症、心不全、心臓病、外傷性脳損傷、脳卒中、前庭疾患、片頭痛、認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および注意欠陥障害(ADD)が挙げられる。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、脳深部刺激(DBS)療法による治療、転倒リスクの評価、フレイルの評価、医薬品の評価、および様々な精神障害の評価に関連するものとして、動きの評価に使用される。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、動作時振戦、安静時振戦、姿勢時振戦、歩行、バランスを評価する所定のタスク、またはタッピングテストを実施するために使用される。例えば、スタイラス(201)は、歩行タスクを実施するために使用される。いくつかの実施形態では、歩行タスクは、第1の地点(302)から第2の地点(303)までの時限25フィート歩行または時限10メートル歩行である(図6を参照のこと)。他の実施形態では、歩行タスクは、タイムアップアンドゴータスク、5回の立ち座りタスク、またはタンデム歩行タスクである。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、スタイラス(201)は、人間の動きの評価のために使用される。いくつかの実施形態では、動きは、スタイラス(201)のセンサを介してデータをキャプチャすることによって検出および/または追跡される。いくつかの実施形態では、動きは、スタイラス(201)と外部コンピューティングデバイス(301)のタッチスクリーンとの相互作用を測定または追跡することによって検出または追跡される(図7を参照のこと)。いくつかの実施形態では、動きは、スタイラス(201)のセンサのうちの1つ以上を介してデータをキャプチャすること、および、スタイラス(201)とコンピューティングデバイスのタッチスクリーンとの間の相互作用を測定または追跡することの両方によって検出または追跡される。いくつかの実施形態では、動きは、スタイラス(201)の1つ以上のセンサを介してデータをキャプチャすること、および、スタイラス(201)と顎または鼻などの個人の特定の部分との間の相互作用を測定または追跡することの両方によって検出または追跡される(図8を参照のこと)。
【0021】
いくつかの実施形態では、動きおよび/または位置データは、スタイラス(201)の1つ以上のセンサを介してデータをキャプチャし、スタイラスと外部コンピューティングデバイス(301)のタッチスクリーンとの相互作用を測定または追跡することによって、個人による所定のタスクの実行中にキャプチャされる。いくつかの実施形態では、動きおよび/または位置データは、スタイラス(201)のセンサのうちの1つ以上を介してデータをキャプチャし、スタイラス(201)とコンピューティングデバイスのタッチスクリーンとの相互作用を測定または追跡することによって、個人による所定のタスクの実行中にキャプチャされる。いくつかの実施形態では、動きおよび/またはデータは、スタイラス(201)のセンサのうちの1つ以上を介してデータをキャプチャし、スタイラス(201)と顎または鼻などの個人の特定の部分との間の相互作用を測定または追跡することによって、個人による所定のタスクの実行中にキャプチャされる。
【0022】
いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、タッチスクリーンに接触するように構成された先端(101)によって、外部コンピューティングデバイス(301)のタッチスクリーンと相互作用する(図11を参照のこと)。いくつかの実施形態では、先端(101)は静電容量式先端である。いくつかの実施形態では、相互作用は、個人が先端(101)をタッチスクリーンと接触させたままスタイラス(201)を所定の経路に従って動かして、タッチスクリーンに表示される所定のターゲットと接触するか、またはタッチスクリーン上の単一の場所でスタイラスの先端を保持することを必要とするタスクまたは評価中に生じる。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、スタイラス(201)が個人の特定の部分と相互作用するタスクまたは評価を実行するために個人によって使用される。そのような評価は、個人が、スタイラス(201)を保持しながら、スタイラスの先端(101)をタッチスクリーンデバイスまたは非タッチスクリーン表面に接触させ、スタイラスの先端(101)を個人に向かって動かし、スタイラスの先端(101)を個人の鼻または顎に接触させ、元の位置に戻すタスクを含み得る。そのようなタスクは、ある持続期間にわたって複数回繰り返され得る。いくつかの実施形態では、そのような評価は、運動障害または他の状態を有する個人の症状を判断するために使用される。いくつかの実施形態では、そのような評価は、薬物の種類、用量、治療法、またはそれらの組み合わせを処方または変更することによって、個人の治療を処方または修正するために使用される。
【0023】
特定の実施形態では、複数のスタイラスデバイスを評価またはテストに使用することができる。これらのタイプの評価またはテストには、振戦を両手から同時に測定することができるように、患者が腕をまっすぐにして両手にスタイラス(201)を保持した状態で、自身の手を真正面に保持する振戦測定が含まれ得る。他の評価またはテストには、歩行パターン、非対称性、および歩行に関連する他の要因を際立たせるのに役立つように、スタイラス(201)を両手に保持する歩行テストが含まれ得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、スタイラス(201)を使用して、バランステストを通じて患者のバランスを評価することができ、その間、患者はスタイラス(201)を保持することができる。バランステストの例は、両足の姿勢で安定した表面に立つこと、片足の姿勢で安定した表面に立つこと、両足の姿勢でパッドを入れた表面に立つこと、片足の姿勢でパッドを入れた表面に立つこと、両足の姿勢で動的な表面に立つこと、および片足の姿勢で動的な表面に立つことを含む。
【0025】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラス(201)内の例示的な電子部品の概略図を示す。図12に示されるように、いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、プロセッサ(401)および複数のセンサを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ(401)は、制御回路、信号処理回路、論理回路、通信回路、および入出力回路を含むがこれらに限定されない1つ以上の回路を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、25Hz~100Hzのサンプリングレートを有する。いくつかの実施形態では、プロセッサ(401)の回路は、センサポーリング、デジタル信号処理、および較正処理を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、コンピュータプログラム命令およびメモリ(403)を記憶するように構成される揮発性または不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体(402)を含む。コンピュータ可読記憶媒体(402)に記憶されたコンピュータプログラム命令は、メモリ(403)に読み込まれ、スタイラス(201)のプロセッサ(401)によって実行されて、様々な処理および制御機能を実行することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、図12に示されるように、スタイラス(201)の複数のセンサは、加速度計(405)、ジャイロスコープ(406)、力センサ(407)、圧力センサ(408)、および磁力計(409)を含む。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、慣性測定ユニット(IMU)(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、IMUは、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計を含む。いくつかの実施形態では、IMUは、プロセッサ(401)の構成要素である。
【0027】
特定の実施形態では、加速度計(405)は、3軸測定、約12ビット~約32ビットの分解能、および±1g~±8gの範囲を有する。いくつかの実施形態では、加速度計(405)は、3軸測定、13ビットの分解能、および±2gの範囲を有する。特定の実施形態では、ジャイロスコープ(406)は、3軸測定、少なくとも約14.375LSB/°/秒の感度、約12ビット~約32ビットの分解能、および約60°/秒~約1000°/秒の範囲を有する。いくつかの実施形態では、ジャイロスコープ(406)は、3軸測定、少なくとも約14.375LSB/°/秒の感度、約16ビットの分解能、および±200°/秒の範囲を有する。特定の実施形態では、磁力計(409)は、3軸測定、約12ビット~約32ビットの分解能、および±8ガウスフィールドの範囲を有する。いくつかの実施形態では、磁力計(409)は、3軸測定、約12ビットの分解能、および±8ガウスフィールドの範囲を有する。
【0028】
特定の実施形態では、スタイラスの先端(101)は、変位することができるばね式のだぼ上にある。特定の実施形態では、スタイラスの先端(101)は、最大20ミリメートル変位し得る。いくつかの実施形態では、スタイラスの先端(101)は、最大10ミリメートル変位し得る。特定の実施形態では、スタイラスは、力センサ、圧電力センサ、リニアポテンショメータ、超音波センサ、光学センサ、圧力センサ、またはひずみゲージを介して、先端(101)に加えられる力を監視することができる。特定の実施形態では、先端(101)は、約200グラム~約10キログラムまでの力を測定することができる。いくつかの実施形態では、先端(101)は、約2キログラムの力を測定することができる。いくつかの実施形態では、先端(101)は、約0ミリメートル~約20ミリメートルまでの変位を測定することができる。
【0029】
スタイラス(201)は、通信モジュール(404)を介して外部デバイスと通信することができる。いくつかの実施形態では、通信モジュール(404)は、モバイルタッチスクリーンデバイス(例えば、Apple Inc.のiPhone(登録商標)もしくはiPad(登録商標))またはベース(202)などの外部デバイスと通信するように構成されたiBeaconまたはiBeacon互換ハードウェア送信機などのBluetooth低エネルギー(BLE)無線機を含む。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)の通信モジュール(404)は、WiFi、ZigBee、または他の独自の無線通信プロトコルを使用する無線通信回路を含む。追加的または代替的に、スタイラス(201)の通信モジュール(404)は、有線接続を介して外部デバイスと通信することができる。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、データをキャッシュするか、そうでなければ、不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体(402)などのデバイス自体に記憶する。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、記憶されたデータを、パケットを介してベース(202)またはコンピューティングデバイス(301)などの外部デバイスにオフロードまたは送信する。不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体の例には、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、他の種類のランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、キャッシュ、レジスタ、またはプロセッサがアクセスすることができる情報を記憶するために使用され得る任意の他の非一時的な媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
特定の実施形態では、スタイラス(201)は、1つ以上のオンボードバッテリ(103)および充電機能を有する。バッテリは充電式バッテリであり得る。バッテリは、リチウムイオンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、アルカリバッテリまたはコンデンサであり得る。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、少なくとも100時間の待機バッテリ時間を有する。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、少なくとも24時間のデータ収集時間を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、パーキンソン病または脳深部刺激システムの他の部分を治療するために使用される埋め込み型パルス発生器などの、別の医療デバイス、またはいくつかのデバイス、または機器と通信することができる。そのようなデバイスは、臨床医または患者プログラマによってプログラムされ得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、コンピュータ、モバイルデバイス、または外部プロセッサなどの外部コンピューティングデバイス(301)と対にすることができる。患者は、スタイラス(201)を使用して、1つ以上のタスクを実行するか、または様々な評価を完了するように指示される。図9に示されるように、例示的なタスクは、患者に、スタイラス先端(101)でモバイルデバイスの画面上のターゲットをタップし、次にスタイラス先端(101)で自身の顎をタップするように指示することができる。このタスクの間、スタイラス(201)は、IMUセンサデータおよび先端の力データを、モバイルデバイスなどの外部コンピューティングデバイス(301)にリアルタイムでストリーミングするかまたは送り返す。IMUセンサデータは、プロセッサ(401)によって処理されて、1つまたは多くの平面での回転位置、1つまたは多くの平面でのユーザ加速度、1つまたは多くの平面での加速度周波数出力分析を計算することができる。いくつかの実施形態では、IMUセンサデータおよび/または力データは、スタイラス(201)内の揮発性または不揮発性のコンピュータ可読媒体に記憶され、その後、外部コンピューティングデバイス(301)またはクラウドデータベースにアップロードされる。特定の実施形態では、データの分析は、スタイラス(201)のプロセッサ(401)によって完了される。いくつかの実施形態では、データの分析は、外部コンピューティングデバイス(301)またはクラウドベースのコンピューティングプラットフォーム上で完了する。
【0033】
スタイラス(201)は、運動障害のある患者にとって使いやすさおよび実用性を可能にする寸法を有する。特定の実施形態では、スタイラス(201)の重量は200グラム未満であることが意図される。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、150グラム未満の重量を有する。いくつかの実施形態では、スタイラス本体(102)の最大部分の最大直径は、30ミリメートル以下である。いくつかの実施形態では、スタイラス本体(102)の最大部分の直径は、20ミリメートル以下である。いくつかの実施形態では、スタイラス本体(102)は、ほぼ均一な直径を有する。特定の実施形態では、スタイラス本体(102)の長さは約150ミリメートルである。いくつかの実施形態では、スタイラス本体(102)の長さは約100ミリメートルである。
【0034】
特定の実施形態では、図1~4に示されるように、スタイラス(201)は、少なくとも1つのボタン(105)を有する。いくつかの実施形態では、ボタン(105)は、スタイラス(201)の近位端に配置されている。いくつかの実施形態では、ボタン(105)は、スタイラス(201)をコンピューティングデバイスとペアリングすること、特定のタスク中にタイマを停止もしくは開始すること、テストもしくは評価を開始もしくは停止すること、または他の操作を含む、多数の動作に使用される多目的ボタンである。いくつかの実施形態では、ボタン(105)は、ボタン(105)を押すなどのいくつかのタスクを完了するためにユーザによって使用される(図9を参照のこと)。
【0035】
いくつかの実施形態では、ボタン(105)は、透明または半透明の材料を含む。いくつかの実施形態では、ボタン(105)はライトを含む。ライトは、特定の動作に対応する複数のモードおよび複数の色を有することができる。一実施形態では、データが記録されていることを示すため、またはユーザが動作を実行することになっていることを示すためのライトは緑色である。いくつかの実施形態では、データが記録されていないとき、ライトは無彩色であるかまたはオフになっている。システム、テスト、またはデバイスの異なる動作または状態を示すために、様々な色のライトを使用することができる。一例では、赤いライトは、テストの終了、タブレットとのペアリングの問題、または一般的なシステムの問題の少なくとも1つを示す。いくつかの実施形態では、ボタン(105)は、単一のライトまたは複数の色の複数のライトを含み、色は、システムの特定の状態もしくは実行される動作に対応してもよく、または対応しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ボタン(105)を作動するかまたは押すと、ライトは、緑から赤もしくは赤から緑に変化するなど、その色を変えるか、またはその状態をオン状態からオフ状態に、オフ状態からオン状態に、またはある色の状態から別の色の状態へ変える。いくつかの実施形態では、ライトおよびボタンは、スタイラス(201)上の異なる位置にある。いくつかの実施形態では、1つ以上のライトは、本体(102)の1つまたは複数の側面に、またはスタイラス(201)の先端(101)内に配置されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のライトは、スタイラス(201)ではなくベース(202)に配置されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のライトは、スタイラス(201)上のライトに加えて、ベース(202)に配置されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、ボタン(105)は、押されたときに感触を有し、ボタンが押されたというユーザフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、ボタン(105)は、移動しないが、力が加えられるとスタイラス(201)が第1の状態から第2の状態に変化するような力センサを有する静止面である。感触は、圧電触覚フィードバックデバイスなどを通じて、任意の好適な機械的または電気的デバイスを通じて生成することができる。一般に、スタイラス(201)との複数のタイプの相互作用は、上記のタイプのボタンのいずれかを使用して実行することができる。これらの相互作用には、単一のプッシュ、複数のプッシュ、プッシュおよび保持、部分的なプッシュ、ならびに指定された時間のプッシュが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0037】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスを示す。いくつかの実施形態では、本体(102)の1つ以上の側面は、人間の手との接触を検出するように構成された静電容量式タッチ材料を含む。いくつかの実施形態では、図13に示されるように、スタイラス(201)は、本体(102)の1つ以上の側面に配置された1つ以上のセンサ(111)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ(111)は、人間の手との接触を検出するように構成された静電容量式タッチ材料を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ(111)は、いくつかのテスト中またはテストの一部として握力を得るように構成された1つ以上の力センサを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ(111)は、いくつかのテスト中またはテストの一部として、指先または手の追跡機能を提供するように構成された1つ以上の超音波センサを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、スタイラス(201)またはベース(202)内のデバイスは、スタイラス(201)を保持しているユーザに外部刺激を生成して、ユーザの強剛を評価することができる。いくつかの実施形態では、外部刺激は、外力または電流である。外力は、落下する質量、電気機械的に誘発される質量の動き、またはばね式の質量の動きなど、機械的デバイスを介して生成することができる。いくつかの実施形態では、外部刺激に対する応答は、スタイラス(201)のIMUを介して監視される。いくつかの実施形態では、外部刺激は、事前に較正されたIMU応答を有し、これは、スタイラス(201)がユーザによって保持されているときのIMU応答と比較される。事前に較正された外部刺激のみの測定と、スタイラス(201)がユーザによって保持されているときに行われる測定との間のIMU応答の違いは、ユーザの強剛の測定として役立つ。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ベースが提供される。いくつかの実施形態では、ベースは、1つ以上のセンサを含む。1つ以上のセンサには、加速度計、ジャイロスコープ、力センサ、または磁力計が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ベースは、特定のテストまたは評価のためにスタイラス(201)と同様に使用することができる。図14は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なベース(202)、例示的なコンピューティングデバイス(301)、および例示的なスタイラス(201)を片手に保持するユーザを示す。図15は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスタイラスの例示的なベース(202)の正面図を示す。図16は、図15の例示的なベースの上面図を示す。図17は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なベース(202)の内側に配置された例示的なスタイラス(201)の正面図を示す。
【0040】
図15~17に示すように、いくつかの実施形態では、ベース(202)は、平らな下端(107)を有する円筒形または円錐台形状を有する本体を含む。いくつかの実施形態では、ベース(202)の上部は、アパーチャ(106)を有し、ベース(202)内にウェルを形成する。特定の実施形態では、アパーチャ(106)の直径は、第1の直径から第2の直径に減少して、ベース(202)内に円錐形または円錐台形状の内面(110)を形成する。いくつかの実施形態では、アパーチャ(106)の直径は、アパーチャ(106)の開口部からウェルの底部まで均一である。いくつかの実施形態では、スタイラス(201)は、内面(110)がスタイラス(201)の少なくとも一部を受け入れ、保持するように、ベース(202)内に配置され得る。特定の実施形態では、スタイラス(201)は、保管のためにベース(202)内に配置される。
【0041】
いくつかの実施形態では、ベース(202)は、スタイラス(201)と相互作用するように構成された少なくとも1つのセンサを含む。少なくとも1つのセンサは、スタイラス(201)と接触している間または接触していない間、スタイラス(201)と相互作用して、スタイラス(201)がベース(202)内にあるか否かを示す、スタイラスへの位置決め基準を提供し得る。いくつかの実施形態では、ベース(202)は、少なくとも1つのバッテリを含む。いくつかの実施形態では、バッテリは充電式バッテリである。例えば、バッテリは、リチウムイオンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、またはアルカリバッテリ、またはコンデンサであり得る。いくつかの実施形態では、ベース(202)はプロセッサを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、スタイラス(201)と無線通信するように構成された無線通信モジュールを含む。いくつかの実施形態では、ベース(202)は、スタイラス(201)から送信されるデータを記憶するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体を含む。特定の実施形態では、ベース(202)は、スタイラス(201)を無線で充電することを可能にする無線充電回路を含む。いくつかの実施形態では、無線充電回路は、ベース(202)とスタイラス(201)との間の接触を介してスタイラス(201)を充電することを可能にする。いくつかの実施形態では、無線充電回路は、ベース(202)とスタイラス(201)との間の接触なしにスタイラス(201)を充電することを可能にする。いくつかの実施形態では、ベース(202)は、内面(110)に光沢仕上げを有する。光沢仕上げは、スタイラス(201)をアパーチャ(106)により容易に挿入することを可能にする。
【0042】
特定の実施形態では、ベース(202)は、少なくとも1つのライトを含む。いくつかの実施形態では、ベース(202)は、限定はされないが、テストの開始、スタイラス(201)の接続またはペアリング状態、スタイラス(201)の充電状態、スタイラス(201)の記録状態、テストがアクティブであるか否かなどのインジケータとして使用することができる複数のライトを含む。ベース(202)上のライトは、スタイラス(201)に対する動作によって起動または変更することができる。一例では、ベース(202)上のライトの初期状態はオレンジ色であり、患者は、スタイラス(201)上のボタン(105)を起動することによってテストを開始するように指図される。スタイラスのボタン(105)を起動してテストを開始すると、ベース(202)上のライトが緑色に変わり、テストが進行中であることを示す。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態によれば、動きを評価するシステムが提供される。いくつかの実施形態では、システムは、患者における運動障害の症状または運動障害の介入の副作用を評価することを可能にする。いくつかの実施形態では、システムは、スタイラス(201)、および複数のモバイルアプリケーションを搭載するように構成されたコンピューティングデバイスまたはタブレットなどのモバイルデバイスを含む。いくつかの実施形態では、システムは、運動症状、認知症状、または、疾患、または医薬品もしくは脳深部刺激を含むデバイスなどの介入によって引き起こされる可能性がある気分など、異なる領域にある複数の症状を評価する。いくつかの実施形態では、症状は、振戦または他の状態など、システムを介して測定された生理学的データに基づいて評価することができる。測定された生理学的データは、例えば、スタイラス(201)のセンサを介して振戦を評価するテストによって、スタイラス(201)上のアプリケーションを通じて評価することができる。認知症状は、処理速度テストによる個人の処理速度など、コンピューティングデバイスを介して評価することができる。システムによって実行され得る他のテストには、歩行速度、タイムアップアンドゴー、視覚的記憶、患者報告の調査または結果、トレイルメイキングテスト、姿勢時振戦、安静時振戦、姿勢安定性、動作緩慢、握力、手先の器用さ、視力、強剛、発話、再現性振戦および他のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本開示によって提供されるスタイラスおよび/またはシステムはまた、症状の異なる領域における複数の評価を必要とする他の状態の患者を評価することができる。状態には、自閉症、心不全、心臓病、脳卒中、外傷性脳損傷、前庭疾患、片頭痛、認知症、ALS、および注意欠陥障害(ADD)が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
運動障害への介入は、振戦などの症状にプラスの影響を与えることができ、認知問題などの副作用を引き起こす可能性もある。脳深部刺激中の医薬品または刺激パラメータの滴定は、評価する必要のあるすべての異なるパラメータおよび領域、ならびに利用可能な刺激設定などの潜在的な治療オプションの数を考えると、難しい可能性がある。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態によれば、運動障害を有する患者の治療を滴定する方法が提供される。いくつかの実施形態では、患者の1つ以上の評価は、本開示の実施形態と一致するスタイラスおよびシステムを使用して患者によって実行される。いくつかの実施形態では、1つ以上の評価には、振戦、姿勢安定性、タイムアップアンドゴー、処理速度テスト、および患者の動きまたは運動機能の様々な評価が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、1つ以上の評価に基づいて、効果スコアおよび副作用スコアの第1のセットが、モバイルデバイスなどのコンピューティングデバイス、スタイラス、またはベースによってアルゴリズムを介して計算される。いくつかの実施形態では、1つ以上の評価に基づいて、パフォーマンススコアが、モバイルデバイスなどのコンピューティングデバイス、スタイラス、またはベースによってアルゴリズムを介して計算される。いくつかの実施形態では、治療または治療計画は、効果スコア、副作用スコア、およびパフォーマンススコアのうちの少なくとも1つに基づいて患者に与えられる。いくつかの実施形態では、治療は、薬学的、薬理学的、理学療法、運動または刺激介入のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、刺激介入は、刺激デバイスによって生成される。いくつかの実施形態では、治療の用量は、iPadなどのコンピューティングデバイスに入力される。いくつかの実施形態では、スタイラスは、患者に代替治療計画を提案する。いくつかの実施形態では、患者は、異なる刺激パラメータまたは異なる用量の治療などの異なる治療を与えられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、以前の治療を停止し、新しい治療を行うことを可能にするための適切なウォッシュアウト期間の後、評価が患者によって再び実行される。患者によって再び実行された評価に基づいて、効果スコアおよび副作用スコアの第2のセットが計算される。いくつかの実施形態では、スコアの第1のセットが、投薬、用量、または刺激についてなどの治療の決定を行うために、スコアの第2のセットと比較される。いくつかの実施形態では、スタイラスおよび/またはシステムは、元のパラメータ、第2のパラメータ、またはテストする新しいパラメータのうちの1つを提案する。このプロセスは、ある持続期間にわたって複数回完了することができる。この持続期間は、患者の治療を滴定するために、時間間隔および1日、1週間、1ヶ月、数ヶ月、または1年以上の持続時間を含み得る。多くの神経疾患は退行性であるという事実を考えると、患者の生涯を通じて評価を定期的に実行する必要があり得る。いくつかの実施形態では、開始点は初期治療を伴う。いくつかの実施形態では、初期治療は、第1のタスクまたは第1のタスクのセットでの患者のスコア(複数可)を、第2のタスクまたは第2のタスクのセットでのその患者のスコア(複数可)と比較することによって評価される。いくつかの実施形態では、開始点は治療なしである。
【0048】
前述の説明は、例示を目的に提示された。その説明は、網羅的ではなく、開示された正確な形態または実施形態に限定されない。実施形態の修正および適合は、開示された実施形態の仕様および実施を考慮することから明らかになるであろう。さらに、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本開示の範囲は、本開示に基づく均等な要素、修正、省略、(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)組み合わせ、適合および/または変更を有するありとあらゆる実施形態を含む。特許請求の範囲における要素は、特許請求の範囲で使用されている文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載されている実施例に限定されず、または本出願の審査中には、これらの実施例は非排他的であるものと解釈されるべきではない。
【0049】
添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨および範囲内にあるすべてのシステムおよび方法を網羅することが意図されている。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」および「an」は「1つ以上」を意味する。同様に、複数形の使用は、与えられた文脈で明確でない限り、必ずしも複数形を示すわけではない。「および」または「または」などの単語は、特に明記されていない限り、「および/または」を意味する。さらに、本開示の検討から多数の修正および変形が容易に生じるため、本開示を図示および説明された正確な構造および動作に限定することは望ましくなく、したがって、本開示の範囲内に入るすべての好適な修正および均等物を用いることができる。
【0050】
他の実施形態は、本明細書に開示された実施形態の仕様および実施の考察から明らかになるであろう。本明細書および実施例は専ら例示とみなされることが意図されており、開示された実施形態の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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【国際調査報告】