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特表2023-511569セキュリティ文書を認証するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-20
(54)【発明の名称】セキュリティ文書を認証するための方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20230313BHJP
   G07D 7/12 20160101ALI20230313BHJP
【FI】
G06T1/00 430G
G07D7/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544643
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2021050630
(87)【国際公開番号】W WO2021148292
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】102020101559.3
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506151626
【氏名又は名称】オーファウデー キネグラム アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519215935
【氏名又は名称】クルツ デジタル ソリューションズ ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター ハラルト
(72)【発明者】
【氏名】フラシナ コラド
(72)【発明者】
【氏名】マデル セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツァー ベンノ
(72)【発明者】
【氏名】フリーザー ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】フォン プリンス ヘンドリック
【テーマコード(参考)】
3E041
5B047
【Fターム(参考)】
3E041AA03
3E041BB01
3E041BC01
5B047AB04
5B047BB04
5B047BC11
5B047CA19
5B047CB21
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのデバイスによってセキュリティ文書を認証するための方法に関する。本方法は、a)少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び少なくとも1つの第2のセキュリティ要素を含む前記セキュリティ文書を提供する工程と、b)前記少なくとも1つのデバイスを提供する工程であって、前記少なくとも1つのデバイスは、少なくとも1つのセンサを備える、工程と、c)第1の照明の間に、前記少なくとも1つのデバイスの前記少なくとも1つのセンサによって、前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素の第1の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、前記情報項目を指定する少なくとも1つの第1のデータセットが生成される、工程と、d)第2の照明の間に、前記少なくとも1つのデバイスの前記少なくとも1つのセンサによって、前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第2の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、前記情報項目を指定する少なくとも1つの第2のデータセットが生成される、工程と、e)第3の照明の間に、前記少なくとも1つのデバイスの前記少なくとも1つのセンサによって、前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第3の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、前記情報項目を指定する少なくとも1つの第3のデータセットが生成され、前記第2の照明は、前記第3の照明とは異なる、工程と、f)少なくとも、前記少なくとも1つの第2のデータセット及び前記少なくとも1つの第3のデータセットに基づいて、前記セキュリティ文書及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の真正性を確認する工程と、を含み、前記工程は特に上記の順序で実行される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのデバイス(2)によってセキュリティ文書(1)を認証するための方法であって、
a)少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)及び少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)を含む前記セキュリティ文書(1)を提供する工程と、
b)前記少なくとも1つのデバイス(2)を提供する工程であって、前記少なくとも1つのデバイス(2)は、少なくとも1つのセンサ(20)を備える、工程と、
c)第1の照明の間に、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)によって、前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)の第1の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、前記情報項目を指定する少なくとも1つの第1のデータセットが生成される、工程と、
d)第2の照明の間に、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)によって、前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の第2の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、前記情報項目を指定する少なくとも1つの第2のデータセットが生成される、工程と、
e)第3の照明の間に、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)によって、前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の第3の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、前記情報項目を指定する少なくとも1つの第3のデータセットが生成され、前記第2の照明は、前記第3の照明とは異なる、工程と、
f)少なくとも、前記少なくとも1つの第2のデータセット及び前記少なくとも1つの第3のデータセットに基づいて、前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の真正性を確認する工程と、
を含み、前記工程は特に上記の順序で実行される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
工程b)における前記少なくとも1つのデバイス(2)は、スマートフォン、タブレット、眼鏡及び/又はPDAから選択され、
特に、前記少なくとも1つのデバイス(2)は、50mm~200mm、好ましくは70mm~150mmの第1の方向(X)における横方向寸法を有し、かつ/又は100mm~250mm、好ましくは140mm~160mmの第2の方向(Y)における第2の横方向寸法を有し、
更に好ましくは、前記第1の方向(X)は、前記第2の方向(Y)に対して垂直をなす、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程b)における前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記第1の方向(X)における第1の横方向寸法及び前記第2の方向(Y)における前記第2の横方向寸法は、少なくとも1つの遮蔽面(2a)にまたがる、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)は、前記第1の方向(X)及び前記第2の方向(Y)にまたがる平面内に輪郭(2b)を有し、
特に実質的に、特に前記輪郭は、矩形であり、好ましくは前記矩形の輪郭の角部は、丸みを帯びた形状を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
工程b)における前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)は、前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)を、拡散照明及び/又は背景照明から遮蔽する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程b)における前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)は、光学センサであり、特に、CCDセンサ、MOSFETセンサ及び/又はTESセンサであり、好ましくはカメラである、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程b)における前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)は、特に前記第1の方向(X)及び前記第2の方向(Y)にまたがる前記平面に位置する前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)の前記輪郭(2b)から、3mm~70mm、特に4mm~30mm、好ましくは5mm~10mmの距離及び/又は平均距離及び/又は最小距離を有する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程b)における前記少なくとも1つのデバイス(2)は、少なくとも1つの内部光源(22)、特にカメラフラッシュ、好ましくはLEDを備える、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
工程b)における前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)は、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの内部光源(22)から、5cm~20cm、特に6cm~12cmの距離及び/又は平均距離を有する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
工程b)における前記少なくとも1つのデバイス(2)は、少なくとも1つの出力ユニット(21)、特に光学的出力ユニット、音響的出力ユニット及び/又は触覚的出力ユニット、好ましくはスクリーン及び/又はディスプレイを備える、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、特に工程b)と工程c)との間に、
b1)工程c)、d)又はe)における前記第1のセキュリティ要素(1a)又は前記第2のセキュリティ要素(1b)の前記第1の光学情報項目、前記第2の光学情報項目及び/又は前記第3の光学情報項目の前記捕捉の前及び/又は前記捕捉の間に、前記少なくとも1つのデバイス(2)、特に前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの出力ユニット(21)によって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する更なる工程であって、そこから、前記ユーザは、好ましくは、前記第1の光学情報項目、前記第2の光学情報項目及び/又は前記第3の光学情報項目の前記捕捉の間に、前記少なくとも1つのデバイス(2)と、前記セキュリティ文書(1)並びに/又は前記少なくとも1つの第1のセキュリティ特徴(1a)及び/若しくは前記少なくとも1つの第2のセキュリティ特徴(1b)との間の所定の相対位置、相対位置変化、相対位置進行、所定の距離、特に距離(h)、距離変化又は距離進行、及び/あるいは、所定の角度、角度変化又は角度進行を推測する、工程を含む、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、特に工程b)と工程c)及び/又は工程c)と工程d)との間に、
b2)工程d)又は工程e)における前記第1のセキュリティ要素(1a)又は前記第2のセキュリティ要素(1b)の前記第2の光学情報項目及び/又は前記第3の光学情報項目の前記捕捉の前及び/又は間に、少なくとも前記少なくとも1つの第1のデータセット及び/又は前記少なくとも1つの第2のデータセットに基づいて、前記少なくとも1つのデバイス(2)、特に前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの出力ユニット(21)によって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する更なる工程であって、そこから、前記ユーザは、好ましくは、前記第1の光学情報項目、前記第2の光学情報項目及び/又は前記第3の光学情報項目の前記捕捉の間に、前記少なくとも1つのデバイス(2)と、前記セキュリティ文書(1)並びに/又は前記少なくとも1つの第1のセキュリティ特徴(1a)及び/若しくは前記少なくとも1つの第2のセキュリティ特徴(1b)との間の所定の相対位置、相対位置変化、相対位置進行、所定の距離、特に距離(h)、距離変化又は距離進行、及び/あるいは、所定の角度、角度変化又は角度進行を推測する、工程を含む、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
工程c)、d)及び/又はe)における前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)及び/又は前記少なくとも1つのデバイス(2)は、20mm~150mm、特に50mm~130mm、好ましくは60mm~125mmの、前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)からの距離(h)及び/又は平均距離を有する、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
工程c)、d)及び/又はe)における前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)及び/又は前記少なくとも1つのデバイス(2)は、20mm~150mm、特に50mm~130mm、好ましくは60mm~125mmの、前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)からの距離(h)及び/又は平均距離を有する、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
工程c)、d)又はe)における前記第1のセキュリティ要素(1a)又は前記第2のセキュリティ要素(1b)の前記第1の光学情報項目、前記第2の光学情報項目及び/又は前記第3の光学情報項目は、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)によって捕捉される、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
工程c)における前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)の前記第1の光学情報項目の前記捕捉の間の前記第1の照明は、拡散性又は指向性であるか、あるいは拡散性部分及び指向性部分を有するか、並びに/あるいは背景照明である、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
工程d)における前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記第2の光学情報項目の前記捕捉の間の前記第2の照明は、拡散性であり、
特に、前記拡散性の第2の照明は、前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の環境において、特に前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)から少なくとも0.3m、好ましくは1m、更に好ましくは2mの距離において、少なくとも1つの外部光源(3)の光の拡散性部分を含み、かつ/又は、
特に、前記拡散性の第2の照明は、環境光及び/又は背景光を含む、ことを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのデバイス(2)及び/又は前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)が、前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記環境における全ての外部光源(3)の前記光の指向性部分及び/又は拡散性部分の少なくとも75%、特に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも99%を遮蔽するように、前記少なくとも1つのデバイス(2)及び/又は前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)は、工程d)における前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記第2の光学情報項目の前記捕捉の間に配置される、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのデバイス(2)及び/又は前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)が、少なくとも0.3m、好ましくは少なくとも1m、更に好ましくは少なくとも2mの距離にある全ての外部光源(3)の前記光の指向性部分及び/又は拡散性部分の少なくとも75%、特に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも99%から前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)を遮蔽するように、前記少なくとも1つのデバイス(2)及び/又は前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)は、工程d)における前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記第2の光学情報項目の前記捕捉の間に配置される、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
工程e)における前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記第3の光学情報項目の前記捕捉の間の前記第3の照明は、前記第1の光学情報項目、前記第2の光学情報項目及び/又は前記第3の光学情報項目の前記捕捉の間に、前記少なくとも1つのデバイス(2)と、前記セキュリティ文書(1)並びに/又は前記少なくとも1つの第1の第2のセキュリティ特徴(1a)及び/若しくは前記少なくとも1つの第2のセキュリティ特徴(1b)との間における所定の相対位置、相対位置変化、相対位置進行、所定の距離、特に前記距離(h)、距離変化又は距離進行、及び/あるいは、所定の角度、角度変化又は角度進行で指向され、特に放出される、ことを特徴とする請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
指向された前記第3の照明は、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの内部光源(22)によって放出され、
特に、前記指向された前記第3の照明の伝搬方向は、前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)にまたがる平面に対して、特に実質的に垂直に向けられる、ことを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
指向された前記第3の照明は、前記少なくとも1つのデバイス(2)の少なくとも1つの内部光源(22)によって、10°以下、特に5°以下の立体角で放出され、
特に、指向された前記第3の照明の平均伝搬方向は、前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第1セキュリティ要素(1a)及び/又は前記少なくとも1つの第2セキュリティ要素(1b)にまたがる前記平面に対して、特に実質的に垂直に向けられる、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの内部光源(22)からの指向された前記第3の照明は、5ルーメン~100ルーメン、特に5ルーメン~55ルーメン、好ましくは50ルーメンの光度を有する、ことを特徴とする請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記第2の光学情報項目は、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)によって工程e)において捕捉されず、かつ/又は、
特に、工程e)における前記第3の光学情報項目は、工程d)における前記第2の光学情報項目とは異なる、ことを特徴とする請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
工程e)における前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記第3の光学情報項目は、光学情報及び/又は幾何学的情報の項目を含み、かつ/又は、
工程e)における前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記第3の光学情報項目は、前記光学情報及び/又は前記幾何学的情報の項目を含まない、ことを特徴とする請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、特に工程f)において、
f1)前記セキュリティ文書(1)及び/又は前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)の前記真正性の前記確認の前及び/又は間に、前記少なくとも1つの第2のデータセット及び前記少なくとも1つの第3のデータセットに少なくとも基づいて、前記少なくとも1つのデバイス(2)、特に前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの出力ユニット(21)によって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する工程であって、そこから、前記ユーザは、好ましくは、前記少なくとも1つの第2のデータセット又は前記第2の光学情報項目と、前記少なくとも1つの第3のデータセット又は前記第3の光学情報項目との間に存在する差異又は存在しない差異を理解する、工程を含む、ことを特徴とする請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
工程a)における前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)は、バーコード、QRコード、英数字、番号、ホログラム、印刷、バーコード、特に印刷されたバーコード、QRコード、番号、製品のホログラム、又はキネグラムデザイン及び/あるいは印刷されたデザイン又はそれらの組み合わせから選択される、ことを特徴とする請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
工程a)における前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)は、少なくとも非対称構造、ホログラム、特にコンピュータ生成ホログラム、マイクロミラー、マット構造、特に異方性散乱マット構造、特に非対称鋸歯状レリーフ構造、キネグラム、ブレーズド格子、回折構造、特に線形正弦波回折格子又は交差正弦波回折格子、線形シングルステップ矩形格子又は線形マルチステップ矩形格子、あるいは、交差シングルステップ矩形格子又は交差マルチステップ矩形格子、ミラー面、マイクロレンズ、及び/又はこれらの構造の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
工程c)、d)、e)、f)及び/又はf1)における前記第1のデータセット、前記第2のデータセット及び/又は前記第3のデータセットは、前記第1第2のセキュリティ要素又は前記第2のセキュリティ要素の少なくとも1つの個別画像を含む画像シーケンスを含む、ことを特徴とする請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
特に請求項1~29のいずれか一項に記載の方法において使用するためのセキュリティ文書(1)であって、
前記セキュリティ文書(1)は、少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)と、少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)と、を有する、ことを特徴とするセキュリティ文書(1)。
【請求項31】
前記少なくとも1つの第1のセキュリティ要素(1a)は、バーコード、QRコード、英数字、番号、ホログラム、印刷、バーコード、特に印刷されたバーコード、QRコード、番号、製品のホログラム又はキネグラムデザイン及び/若しくは印刷されたデザイン、あるいはそれらの組み合わせから選択される、ことを特徴とする請求項30に記載のセキュリティ文書(1)。
【請求項32】
前記少なくとも1つの第2のセキュリティ要素(1b)は、少なくとも非対称構造、ホログラム、特にコンピュータ生成ホログラム、マイクロミラー、マット構造、特に異方性散乱マット構造、特に非対称鋸歯状レリーフ構造、キネグラム、ブレーズド格子、回折構造、特に線形正弦波回折格子又は交差正弦波回折格子、線形シングルステップ矩形格子又は線形マルチステップ矩形格子、交差シングルステップ矩形格子又は交差マルチステップ矩形格子、ミラー面、マイクロレンズ、及び/あるいは、これらの構造の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項30に記載のセキュリティ文書(1)。
【請求項33】
請求項1~29のいずれか一項に記載の方法において特に使用するためのデバイス(2)であって、
前記デバイス(2)は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのメモリ、少なくとも1つのセンサ(20)、少なくとも1つの出力ユニット(21)、及び/又は少なくとも1つの内部光源(22)を有する、ことを特徴とするデバイス(2)。
【請求項34】
前記少なくとも1つのデバイス(2)は、スマートフォン、タブレット、眼鏡及び/又はPDAから選択され、
特に、前記少なくとも1つのデバイス(2)は、50mm~200mm、好ましくは70mm~150mmの第1の方向(X)における横方向寸法を有し、かつ/又は、100mm~250mm、好ましくは140mm~160mmの第2の方向(Y)における第2の横方向寸法を有し、
更に好ましくは、前記第1の方向(X)は、前記第2の方向(Y)に対して垂直をなす、ことを特徴とする請求項33に記載のデバイス(2)。
【請求項35】
前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記第1の方向(X)における前記第1の横方向寸法及び前記第2の方向(Y)における前記第2の横方向寸法は、少なくとも1つの遮蔽面(2a)にまたがる、請求項33又は34に記載のデバイス(2)。
【請求項36】
前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)は、前記第1の方向(X)及び前記第2の方向(Y)にまたがる平面に輪郭(2b)を有し、
特に実質的に、特に前記輪郭は、矩形であり、
好ましくは、前記矩形の輪郭の角部は、丸みを帯びた形状を有し、
特に前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)は、拡散照明及び/又は背景照明を遮蔽する、ことを特徴とする請求項33~35のいずれか一項に記載のデバイス(2)。
【請求項37】
前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)は、光学センサであり、特に、CCDセンサ、MOSFETセンサ及び/又はTESセンサであり、好ましくはカメラである、ことを特徴とする請求項33~36のいずれか一項に記載のデバイス(2)。
【請求項38】
前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)は、特に前記第1の方向(X)及び前記第2の方向(Y)にまたがる前記平面内に位置する前記少なくとも1つの遮蔽面(2a)の前記輪郭から3mm~70mm、特に4mm~30mm、好ましくは5mm~10mmの距離及び/又は平均距離及び/又は最小距離を有する、ことを特徴とする請求項33から37のいずれか一項に記載のデバイス(2)。
【請求項39】
前記少なくとも1つのデバイス(2)は、少なくとも1つの内部光源(22)、特にカメラフラッシュ、好ましくはLEDを備え、
特に、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つのセンサ(20)は、前記少なくとも1つのデバイス(2)の前記少なくとも1つの内部光源(22)から5cm~20cm、特に6cm~12cmの距離及び/d又は平均距離を有する、ことを特徴とする請求項33~38のいずれか一項に記載のデバイス(2)。
【請求項40】
前記少なくとも1つのデバイス(2)は、少なくとも1つの出力ユニット(21)、特に光学的出力ユニット、音響的出力ユニット及び/又は触覚的出力ユニット、好ましくはスクリーン及び/又はディスプレイを備える、ことを特徴とする請求項33~39のいずれか一項に記載のデバイス(2)。
【請求項41】
請求項33~40のいずれか一項に記載のデバイス(2)の使用であって、セキュリティ文書(1)、特に請求項30~32のいずれか一項に記載のセキュリティ文書(1)を、好ましくは請求項1~29のいずれか一項に記載の方法において認証するためのデバイス(2)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ文書を認証するための方法、デバイス、並びに当該方法において使用するためのデバイス及びセキュリティ文書に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、有価証券、紙幣、パスポート、運転免許証、IDカード、クレジットカード、納税ストリップ、ナンバープレート、証明書又は製品ラベル、製品包装又は製品などのセキュリティ文書は、セキュリティ要素、特に光学的に可変のセキュリティ要素を含むことが多く、これらのセキュリティ要素は、セキュリティ文書の真正性をセキュリティ要素を用いて認証することができ、それによってセキュリティ文書を偽造から保護することができる機能を果たしている。セキュリティ要素は、好ましくは、異なる照明状況において、特に異なる観察角度及び/又は照明角度と組み合わせて、異なる光学効果を生成することができる。これはまた、セキュリティ要素が写真複写、複製又はシミュレーションによって容易に複製することができないという結果をもたらす。
【0003】
概して、前記セキュリティ要素は、観察者によって視覚的に、特に裸眼で検証することができる所定の光学的デザインを有する。ここで、高品質で実質的にオリジナルのセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書と実質的に変わらない偽造品は、特に素人が目視で検査しても、非常に信頼性が低いか、全く認識できないことがある。
【0004】
更に、純粋に視覚的な検査は、多数のセキュリティ文書、紙幣又は製品が存在するような状況では実用的ではない。ここで、観察者は、それぞれの場合に実際に存在するセキュリティ要素及びそれらの特定の特性の正確な知識を想起し得る必要があり、これは、可能な全ての異なるセキュリティ文書、紙幣、又は製品に多数の既存のセキュリティ要素があるため、非常に困難であることが判明している。
【0005】
セキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書を自動的に認証するシステムが知られている。対応する装置は、例えば、独国特許出願公開第102013009474A1号明細書に記載されている。ここで、セキュリティ要素又はセキュリティ文書は、通常、レーザにより所定の角度で照射され、反射光は、適切なセンサにより所定の観察角度で捕捉される。これらは、セキュリティ文書の検査における高いスループットのためにデザインされた固定の装置である。
【0006】
しかしながら、実際には、セキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書をその場で認証する必要がある場合も少なくない。しかしながら、この固定のシステムは必要性には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102013009474A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、セキュリティ要素の認証を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、少なくとも1つのデバイスによってセキュリティ文書を認証するための方法によって達成され、該方法は、
a)少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び少なくとも1つの第2のセキュリティ要素を含むセキュリティ文書を提供する工程と、
b)少なくとも1つのデバイスを提供する工程であって、少なくとも1つのデバイスは、少なくとも1つのセンサを備える、工程と、
c)第1の照明の間に、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサによって、少なくとも1つの第1のセキュリティ要素の第1の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、これらの情報項目を指定する少なくとも1つの第1のデータセットが生成される、工程と、
d)第2の照明の間に、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサによって、少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第2の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、これらの情報項目を指定する少なくとも1つの第2のデータセットが生成される、工程と、
e)第3の照明の間に、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサによって、少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第3の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、これらの情報項目を指定する少なくとも1つの第3のデータセットが生成され、第2の照明は、第3の照明とは異なる、工程と、
f)少なくとも、少なくとも1つの第2のデータセット及び少なくとも1つの第3のデータセットに基づいて、セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の真正性を確認(検査)する工程と、を含み、
特に上記の順序で前記工程が実行される。
【0010】
更に、この目的は、特に上述の方法において使用するためのセキュリティ文書によって達成され、セキュリティ文書は、少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び少なくとも1つの第2のセキュリティ要素を有する。
【0011】
更に、この目的は、特に上述の方法で使用するためのデバイスによって達成され、このデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つの出力ユニットと、少なくとも1つの内部光源と、を有する。
【0012】
更に、この目的は、セキュリティ文書、特に上述のセキュリティ文書を認証するためのデバイス、特に上述のデバイスの、好ましくは方法における、更に好ましくは上述の方法における使用によって達成される。
【0013】
ここで、セキュリティ要素又はセキュリティ文書の真正性を、固定の装置とは無関係に、時間及び場所とは無関係に、高レベルの信頼性で、特に視覚的方法よりも高いレベルの信頼性で確認することが可能になる。セキュリティ文書又は製品を保護するかかる方法で認証され得るセキュリティ要素、したがってセキュリティ文書又は製品は、偽造品に対して特に良好に保護される。
【0014】
「認証」とは、好ましくは、元のセキュリティ要素又はセキュリティ文書の認識、及びその偽造品との違いを意味することである。
【0015】
特に、セキュリティ要素は、人間の観察者又はセンサが捕捉可能な光学情報項目、特に光学的に可変の情報項目を生成する光学的に可変のセキュリティ要素である。このために、例えば、偏光子、対物レンズ又はUVランプ(UV=紫外線、紫外光)などの補助手段を使用することも必要である。セキュリティ要素は、好ましくは、転写フィルム、ラミネートフィルム、又はフィルム要素の転写プライからなり、特にセキュリティスレッドの形態である。セキュリティ要素は、好ましくは、セキュリティ文書の表面に適用され、かつ/又はセキュリティ文書に少なくとも部分的に埋め込まれる。
【0016】
更に、セキュリティ文書は、1つのセキュリティ要素だけでなく、好ましくは異なって形成され、かつ/又はセキュリティ文書に導入され、かつ/又は異なってセキュリティ文書に適用される複数のセキュリティ要素を有することが可能である。セキュリティ要素は、表面全体にわたってセキュリティ文書の上面に適用することができ、表面全体にわたってセキュリティ文書の層間に埋め込むことができるが、特にストリップ若しくはスレッドの形態又はパッチの形態で、表面の一部のみにわたってセキュリティ文書の上面に適用すること及び/又はセキュリティ文書の層に埋め込むこともできる。セキュリティ文書のキャリア基板は、セキュリティ要素の領域に貫通孔又は窓領域を有することが好ましく、その結果、セキュリティ要素は、セキュリティ文書の前面及び背面からの反射光及び透過光の両方において光学的に観察することができる。
【0017】
光学的に可変のセキュリティ要素は、「光学的に可変のデバイス」(OVD)としても知られており、場合によっては「回折光学的に可変の画像デバイス」(DOVID)としても知られている。それらは、異なる観察条件及び/又は照明条件の場合に異なる光学効果を示す要素である。光学的に可変のセキュリティ要素は、好ましくは、光学活性レリーフ構造、例えば、回折レリーフ構造、特にホログラム又はキネグラム(Kinegram:登録商標)、コンピュータ生成ホログラム(CGH)、ゼロ次回折構造、マクロ構造、特に屈折作用マイクロレンズアレイ又はマイクロプリズムアレイ又はマイクロミラーアレイ、マット構造、特に等方性マット構造又は異方性マット構造、線形正弦波格子構造又は交差正弦波格子構造又はバイナリ格子構造、非対称ブレーズド格子構造、回折及び/又はマット微細構造を有するマクロ構造のオーバーレイ、好ましくは視角に依存するカラーシフト効果を生成する干渉層システム、体積ホログラム、液晶、特にコレステリック液晶を含む層、並びに/あるいは光学的に可変の顔料、例えば薄膜層顔料又は液晶顔料を含む層を有する。特に、偽造者は、上述した要素の一つ又は複数の組み合わせによりこの特定の組み合わせを再構築しなければならず、これにより偽造の技術的難易度レベルが大幅に向上するため、特に偽造防止OVDを提供することができる。
【0018】
本発明の有利な設計は従属請求項に記載されている。
【0019】
本方法の好ましい実施形態を以下に挙げる。
【0020】
工程b)における少なくとも1つのデバイスは、好ましくは、スマートフォン、タブレット、眼鏡(spectacles)及び/又は(PDA=「パーソナルデジタルアシスタント」)から選択され、特に、少なくとも1つのデバイスは、50mm~200mm、好ましくは70mm~150mmの第1の方向における横方向寸法を有し、かつ/又は100mm~250mm、好ましくは140mm~160mmの第2の方向における第2の横方向寸法を有し、更に好ましくは、第1の方向は、第2の方向に対して垂直に配向される。
【0021】
「デバイス」とは、好ましくは、本方法を実行する間にユーザによって保持されるか、又はユーザによって運ばれて手動で操作される任意の可搬デバイスを意味する。スマートフォン、タブレット又はPDAに加えて、他のデバイスも使用することができる。例えば、上述した多目的デバイスの代わりに、この方法を実行するためだけに特別に構成されたデバイスを使用してもよい。
【0022】
工程b)における少なくとも1つのデバイスの第1の方向における第1の横方向寸法及び第2の方向における第2の横方向寸法は、少なくとも1つの遮蔽面にまたがることが可能である。
【0023】
更に、少なくとも1つの遮蔽面は、第1の方向及び第2の方向にまたがる平面内に輪郭を有し、特に実質的に、特に輪郭は、矩形であり、好ましくは矩形の輪郭の角部は、丸みを帯びた形状を有する。
【0024】
特に、工程b)における少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの遮蔽面は、セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素を、拡散照明及び/又は背景照明から遮蔽する。この拡散照明及び/又は背景照明は、好ましくは、方法が実行されている間にセキュリティ文書が確認されている環境を照明する人工光源及び/又は自然光源から生じる。
【0025】
更に好ましくは、工程b)における少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサは、光学センサ、特にCCDセンサ(CCD=「電荷結合素子」)、MOSFETセンサ(MOSFET=「金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ」、またMOS-FET)及び/又はTESセンサ(TES=「遷移端センサ」)、好ましくはカメラである。
【0026】
概して、使用されるセンサは、好ましくはデジタル電子センサ、例えばCCDセンサである。好ましくは、CCDアレイ、すなわち個々のCCDが二次元マトリクスに配置されたCCD配置が使用される。前記センサによって生成された個々の画像は、好ましくは画素マトリクスの形態で存在し、各画素は、特にセンサの個々のCCDに対応する。CCDセンサは、好ましくは、赤、緑及び青(RGB)の各色に対して別個のセンサを有し、それによって、これらの個々の色又はそれらの混合色は、特に容易に検出される。
【0027】
工程b)における少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサは、特に第1の方向及び第2の方向にまたがる平面内に位置する少なくとも1つの遮蔽面の輪郭から3mm~70mm、好ましくは4mm~30mm、特に5mm~10mmの距離及び/又は平均距離及び/又は最小距離を有することが可能である。
【0028】
更に、工程b)における少なくとも1つのデバイスは、少なくとも1つの内部光源、特にカメラフラッシュ、好ましくはLED(LED=「発光ダイオード」)又はレーザを備えることが可能である。
【0029】
ここで、デバイスの内部光源は、電磁放射のIR領域(IR=赤外線、赤外光)、特に850nm~950nmの波長範囲、電磁放射のVIS領域(VIS=人間の裸眼に可視の光)、特に400nm~700nmの波長範囲、及び電磁放射のUV領域、特に190nm~400nmの波長範囲、好ましくは240nm~380nmの範囲、更に好ましくは300nm~380nmの範囲の群から特に選択されるスペクトル領域のうちの一つ又は複数のスペクトル領域を含む第3の照明のための光を放出することが可能である。
【0030】
工程b)における少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの内部光源から5cm~20cm、特に6cm~12cmの距離及び/又は平均距離を有することが更に可能である。
【0031】
工程b)における少なくとも1つのデバイスは、好ましくは、少なくとも1つの出力ユニット、特に光学的出力ユニット、音響的出力ユニット及び/又は触覚的出力ユニット、好ましくはスクリーン及び/又はディスプレイを備える。
【0032】
更に、デバイスは、好ましくは少なくとも1つの出力ユニットによって、セキュリティ要素又はセキュリティ文書の真正性に関する情報項目、特に真正性に関する推定を出力することが可能である。セキュリティ要素の真正性に関する推定は、好ましくは真正性に関する推定、特に真正性を定量化する確率及び/又は信頼レベルとして、好ましくはリーダによって出力される。
【0033】
更に、本方法は、特に工程b)とc)との間に、
b1)工程c)、d)又はe)における少なくとも1つの第1又は第2のセキュリティ要素の第1、第2及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の前及び/又は捕捉の間に、少なくとも1つのデバイスによって、特に少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの出力ユニットによって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する更なる工程であって、そこから、ユーザは、好ましくは、第1、第2及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の間に、少なくとも1つのデバイスとセキュリティ文書並びに/又は少なくとも1つの第1及び/若しくは少なくとも1つの第2のセキュリティ特徴との間の所定の相対位置、若しくは相対位置変化、若しくは相対位置進行、所定の距離、特に距離h、距離変化、若しくは距離進行、及び/又は、所定の角度、若しくは角度変化、若しくは角度進行を推測する、工程を含むことが可能である。
【0034】
本方法は、好ましくは、特に工程b)とc)及び/又はc)とd)との間に、
b2)工程d)又はe)における少なくとも1つの第1又は第2のセキュリティ要素の第2及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の前及び/又は間に、少なくとも少なくとも1つの第1のデータセット及び/又は少なくとも1つの第2のデータセットに基づいて、少なくとも1つのデバイスによって、特に少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの出力ユニットによって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する更なる工程であって、そこから、ユーザは、好ましくは、第2及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の間に、少なくとも1つのデバイスとセキュリティ文書並びに/又は少なくとも1つの第1及び/若しくは、少なくとも1つの第2のセキュリティ特徴との間の所定の相対位置、若しくは相対位置変化、若しくは相対位置進行、所定の距離、特に距離h、距離変化、若しくは距離進行、及び/又は、所定の角度、若しくは角度変化、若しくは角度進行を推測する、工程を含むことが可能である。
【0035】
工程d)及び/又はe)におけるデバイスは、第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書に対して任意の所望の角度で配置されることが可能であり、特に、デバイスは、第2のセキュリティ要素の幾何学的形状に基づいて上述の角度を決定する。デバイスと第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書との間の角度が決定されると、ユーザは、好ましくは、デバイスを移動させるように促される。デバイスは、特に、デバイスのこの移動を捕捉することが可能なモーションセンサを備える。センサは、好ましくは、第2及び/又は第3の光学情報項目、特に、第2のセキュリティ要素の境界及び/又はモチーフの変更を捕捉し、特に、デバイスは、この変更を上述の移動に関連して設定する。
【0036】
更に、デバイスは、ユーザによって、互いに平行及び/又は互いに反対に延在する2つの方向に、特に左右に交互に移動されることが可能である。ここで、この移動は、デバイスによって測定され、第2のセキュリティ要素の第2及び/又は第3の光学情報項目の変更に関連して設定されることが可能である。
【0037】
更に、デバイスと第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書との間の距離を設定することが可能であり、特に、デバイスは、第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書に向かって移動されるか、又は第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書から離れるように移動される。この移動は、デバイスによって測定され、第2のセキュリティ要素の第2及び/又は第3の光学情報項目の変更に関連して設定されることが可能である。
【0038】
更に、第2のセキュリティ要素の第2及び/又は第3の光学情報項目、特に境界及び/又はモチーフの確認を、好ましくはデバイスの内部光源によって放出される第3の照明とユーザの目とによって実行することが可能である。デバイスは、出力ユニットを介して、情報及び/又は命令の項目をユーザに表示することが可能であり、これらの情報及び/又は命令から、ユーザは、特に、デバイスがどのように移動されるか、並びに第2のセキュリティ要素の第2及び/又は第3の光学情報項目のどの変更が予想されるかを推測する。
【0039】
第1、第2、及び/又は第3のデータセットは画像であってもよく、特に、画像は、第1、第2、及び第3の照明のそれぞれの下での第1及び/又は第2のセキュリティ要素のそれぞれの第1、第2、及び/又は第3の光学情報項目を指定しかつ/又は含む。
【0040】
工程c)、d)及び/又はe)において、好ましくは、まず、第1、第2及び/又は第3の光学情報項目が、第1、第2及び第3のデータセットによってそれぞれ特定され、存在するかどうかが確認(検査)される。ここで、これらの第1、第2及び/又は第3の光学情報項目は、それら自体が第1又は第2のセキュリティ要素のデザイン、モチーフ及び/又は境界全体であってもよく、又はそれらの部分的な態様のみを表してもよい。これにより、第1、第2及び/又は第3のデータセットが、認証されるセキュリティ要素を概して表すか又は特定することが保証される。そうでない場合には、更なる確認(検査)を省くことができ、ユーザは、センサによって記録された画像が認証の目的に適しておらず、場合によっては再記録する必要があるという事実を指摘することができる。
【0041】
代替的に、ユーザは、識別又は認証のための他の工程を実行するように促され得る。例えば、ユーザは、セキュリティ文書又はパッケージ若しくはセキュリティ文書の特定の部分領域上に存在する、特に印刷されたバーコード又は他の機械可読領域(例えば、ID文書のMRZ(MRZ=「機械可読ゾーン」))の更なる光学情報項目をデバイスによって記録し、それを、例えば更なる分析のために公的又は商業的な確認機関(認証局)に送るように促され得る。この更なる光学情報項目は、次いで、既に存在する情報の項目にリンクされ、それらを参照して、識別又は認証のための更なる命令が、所望により、例えば、インターネット接続を介してユーザに送信され得る。
【0042】
画像認識アルゴリズム、特にHaarカスケード(Haar cascade)アルゴリズムを使用して、所定の第1、第2及び/又は第3の光学情報項目が第1、第2及び第3のデータセットにそれぞれ存在するかどうかを確認することが好適である。このようなアルゴリズムにより、好ましくは、画像コンテンツの迅速かつ信頼性のある分類が可能となる。
【0043】
Haarカスケードアルゴリズムは、特に、第1、第2及び/又は第3のデータセットにおける複数のいわゆる「Haar-like」特徴の評価に基づく。これらは、好ましくは、Haarウェーブレット(Haar wavelets)に関連する構造であり、したがって、所定の波長の矩形波パケットである。二次元では、これらは、好ましくは、第1、第2及び/又は第3のデータセット内の隣接する交互の明矩形領域及び暗矩形領域である。存在する「Haar-like」特徴は、第1、第2及び/又は第3のデータセット上で矩形マスクを移動させることによって決定される。存在する「Haar-like」特徴は、次いで、認識される第1、第2及び/又は第3の光学情報項目内に存在すると想定される特徴と比較される。これは、フィルタカスケードによって行うことができる。
【0044】
しかしながら、他の画像認識アルゴリズムを使用することも可能である。
【0045】
したがって、画像認識は、有利には、コンピュータ学習の形態に基づく。第1、第2、及び/又は第3のデータセット内の第1、第2、及び/又は第3の光学情報項目の分類がそれに関して行われる特定のパラメータは、アルゴリズムに対して事前定義されず、むしろアルゴリズムは、訓練データセットに関してこれらのパラメータを学習する。
【0046】
訓練データセットを記録するために、好ましくは複数のデータセットが作成され、データセットの第1の部分量は、それぞれ所定の光学情報項目を有し、データセットの第2の部分量は、それぞれ所定の光学情報項目を有さず、第1の部分量の各データセットには、認識される光学情報項目のそれぞれのパラメータ、特に所定のセキュリティ要素のパターン、モチーフ及び/又は境界が全て割り当てられる。
【0047】
画像認識アルゴリズムの訓練は、第1及び第2の部分量並びに割り当てられたパラメータを参照して実行されることが好ましい。これにより、アルゴリズムは、データセットを正しく分類し、例えば、データセット内の光学反射、ランダムな影など、訓練データセットに導入された可能性がある任意の阻害要因を無視するように学習する。これにより、迅速かつ確実な画像認識が可能になる。
【0048】
所定のパターン、モチーフ及び/又は境界がデータセット内に存在するかどうかに関するイエス/ノー分類又は確率ステートメントのみを供給する上述の単純な画像認識と比較して、追加の情報項目がこのように提供される。特に、セキュリティ要素の詳細なパターン、モチーフ及び/又は境界の有無は、決定された輪郭を参照して確認することができる。これは、セキュリティ要素の認証に寄与し得る更なる情報項目を供給する。
【0049】
したがって、認証に使用される所定の情報項目は、セキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書全体の1つの詳細のみに関連することができる。これにより、セキュリティ文書のデザインのように視覚的に認識可能なセキュリティ要素を隠すことも可能になる。
【0050】
輪郭を決定するために、エッジ認識アルゴリズム、特にキャニー(Canny)アルゴリズムが実行されることが好ましい。キャニーアルゴリズムは、特に、エッジ検出のための特にロバストなアルゴリズムであり、迅速かつ信頼できる結果をもたらす。
【0051】
色情報の項目を含むデータセットへのキャニーアルゴリズムの適用のために、それらを最初にグレースケールに変換することが有利である。グレースケール画像において、エッジは、特に、隣接する画素間の明度、すなわちコントラストの強い変動によって区別されるため、画像のグレースケール関数における不連続性として説明することができる。
【0052】
「コントラスト」とは、特に明度の差及び/又は色の差を意味する。明度の差の場合、コントラストは好ましくは以下のように定義される。
K=(Lmax-Lmin)/(Lmax+Lmin
特に、Lmax及びLminは、セキュリティ要素又はセキュリティ文書の背景の明度がより明るいか否かに応じて、セキュリティ文書の背景又はセキュリティ要素の明度にそれぞれ対応するか、又はその逆に対応する。コントラストの値は、好ましくは0~1である。
【0053】
「セキュリティ文書の背景」とは、ここでは特に、好ましくは第1及び/又は第2のセキュリティ要素を有さないセキュリティ文書の一つ又は複数の領域を意味する。
【0054】
また、明度の差に対するコントラストを以下のように定義することもできる。
K=(Lbackground-Lsecurity element)/(Lbackground+Lsecurity element
【0055】
ここで、コントラストKの対応する値範囲は、好ましくは-1~+1である。この定義の利点は、特に、「コントラスト反転」も符号の変化を有することである。
【0056】
エッジ認識アルゴリズムが実行された場合、エッジ検出は、好ましくは、少なくとも1つのデータセットの少なくとも1つの好ましい方向に、好ましくは少なくとも1つのデータセットの2つの直交する好ましい方向にソーベル演算子を適用することによって実行される。
【0057】
ソーベル演算子は畳み込み演算子であり、特にいわゆる離散微分器として作用する。ソーベル演算子を用いた画像の畳み込みによって、2つの直交する好ましい方向におけるグレースケール関数の偏導関数が得られる。これにより、エッジ方向とエッジ厚さとを決定することができる。
【0058】
エッジ認識アルゴリズムが実行された場合、エッジフィルタリングが実行されることが更に好ましい。これは、例えば、1つのエッジに沿った最大値のみが保存されることを保証する、いわゆる「非最大値抑制」によって行うことができ、その結果、その範囲の方向に垂直なエッジは1画素以下である。
【0059】
更に、エッジ認識アルゴリズムが実行された場合、物体の輪郭の画像座標の閾値ベースの決定が実行されることが好ましい。このようにして、画素がエッジに含まれることになるエッジ厚さが決定される。
【0060】
例えば、ヒステリシスに基づく方法をこのために使用することができる。このために、2つの閾値T1及びT2が定義され、T2はT1より大きい。エッジ厚さがT2より大きい画素は、エッジの構成要素とみなされる。この画素に接続されたT1より大きいエッジ厚さを有する全ての画素は、同様にこのエッジに帰属する。
【0061】
検査される個々の画像内の物体のエッジに属する全ての画素の画像座標がこのようにして得られる。これらは、例えば単純な幾何学的形状を認識するために、更に分析することができる。
【0062】
これらの所定の輪郭は、所定の光学情報項目に対応することができ、その結果、本物のセキュリティ要素の光学情報項目との一致についてデータセットの正確な確認が可能になる。
【0063】
かかる方法で確認されたセキュリティ要素を本物であると認証するため、必ずしも絶対的に一致する必要はない。更に、許容可能な偏差に対する許容範囲を予め規定することが可能である。光学情報項目の捕捉及び/又はデータセットの生成中に発生し得る光学アーチファクト、遠近歪み、使用中のセキュリティ要素の摩耗及び断裂又は汚れ、又は同様の影響が、オリジナルの基準データセットとの一致に悪影響を及ぼす可能性があるため、偏差は必ずしも偽造を示す必要はない。かかる偏差を低減するために、ユーザが方法を実行するのをより容易にするための補助が提供されることが有利である。例えば、セキュリティ要素又はモチーフ、パターン及び/又は境界の一部が認識のために配置された一つ又は複数の配向フレームを、デバイスの出力ユニット上に表示することができる。代替又は補足として、例えば、遠近歪み及び/又はねじれを低減するために、更なる光学補助具又はディスプレイを設けることができる。例えば、これらは、デバイスの移動によって互いに対して位置決めされる可動十字線又は他の要素とすることができる。これは、ユーザがデバイスを操作することをより困難にするものの、セキュリティ要素に対する認識率を改善することができる。
【0064】
工程c)、d)及び/又はe)における少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサ及び/又は少なくとも1つのデバイスは、20mm~150mm、特に50mm~130mm、好ましくは60mm~125mmの、セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素からの距離h及び/又は平均距離を有することが可能である。
【0065】
「クローズアップ限界」とは、特に、セキュリティ文書及び/又は第1及び/又は第2のセキュリティ要素と、デバイス及び/又はセンサとの間の最小間隔を意味する。セキュリティ要素がセンサによって依然として検出可能又は捕捉可能である最小間隔は、ここでは特に重要である。クローズアップ限界、特にカメラからセキュリティ要素までの距離が例えば50mmであるとき、セキュリティ要素の検出可能性又は捕捉可能性が存在する。デバイスがセキュリティ要素に平行に位置合わせされ、全ての強い光源がデバイスの遮蔽面に直交して配置される例示的な場合では、それぞれのセンサは、特にクローズアップ限界未満では、セキュリティ文書、並びに/あるいは、第1のセキュリティ要素及び/又は第2のセキュリティ要素に焦点を合わせることができない。最大可能焦点合わせ能力はこの場合には有利ではないので、遠距離は無視することができる。一方では、デバイスを介した拡散性の第2の照明及び/又は背景光及び/又は周辺光に対する完全な又は少なくとも可能な限り大きな遮蔽は、フォーカス範囲が拡大した場合には、もはや効果的ではない。他方では、特にセンサによってカバーされる領域における、特にセンサ画像又はカメラ画像におけるセキュリティ特徴は、150mmの距離からは、依然として確実に捕捉可能であるために小さすぎるようになる。
【0066】
工程c)、d)及び/又はe)における少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの遮蔽面及び/又は少なくとも1つのデバイスは、好ましくは、20mm~150mm、特に50mm~130mm、好ましくは60mm~125mmの、セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素からの距離h及び/又は平均距離を有する。
【0067】
更に、工程c)、d)又はe)において、少なくとも1つの第1又は第2のセキュリティ要素の第1、第2及び/又は第3の光学情報項目が、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサによって捕捉(キャプチャ)されることが可能である。
【0068】
工程c)における少なくとも1つの第1のセキュリティ要素の第1の光学情報項目の捕捉の間の第1の照明は、拡散性であるか、又は指向性であるか、又は拡散性部分及び指向性部分を有するか、並びに/又は背景照明であることが更に可能である。
【0069】
特に、工程d)における少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第2の光学情報項目の捕捉の間の第2の照明は、拡散性であり、特に、拡散性の第2の照明は、セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の環境において、特にセキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素から少なくとも0.3m、好ましくは1m、更に好ましくは2mの距離において、少なくとも1つの外部光源の光の拡散性部分を含み、かつ/又は特に、拡散性の第2の照明は、環境光及び/又は背景光を含む。
【0070】
少なくとも1つのデバイス及び/又は少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの遮蔽面は、少なくとも1つのデバイス及び/又は少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの遮蔽面が、セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の環境内の全ての外部光源の光の指向性部分の少なくとも75%、特に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも99%を遮蔽するように、工程d)における少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第2の光学情報項目の捕捉の間に配置されることが有益であることが判明している。
【0071】
少なくとも1つのデバイス及び/又は少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの遮蔽面は、少なくとも1つのデバイス及び/又は少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの遮蔽面が、少なくとも0.3m、好ましくは少なくとも1m、更に好ましくは少なくとも2mの距離にある全ての外部光源の光の指向性部分の少なくとも75%、特に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも99%からセキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素を遮蔽するように、工程d)における少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第2の光学情報項目の捕捉の間に配置されることが更に可能である。
【0072】
工程e)における少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第3の光学情報項目の捕捉の間の第3の照明は、好ましくは指向され、特に、ここでは、第1、第2及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の間に、少なくとも1つのデバイスとセキュリティ文書並びに/又は少なくとも1つの第1及び/若しくは少なくとも1つの第2のセキュリティ特徴との間の所定の相対位置若しくは相対位置変化若しくは相対位置進行、所定の距離、特に距離h、距離変化若しくは距離進行、及び/又は所定の角度若しくは角度変化若しくは角度進行で、光が放出される。
【0073】
指向された第3の照明は、更に好ましくは、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの内部光源によって放出され、特に、指向された第3の照明の伝搬方向は、セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素にまたがる平面に対して、特に実質的に垂直に位置合わせされる。
【0074】
デバイスのサイズ及び/又はデバイスの遮蔽面は、好ましくは、第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書の遮光又は遮蔽を決定する。遮光効果は、ここでは特に、デバイスが、第2のセキュリティ要素の上に平行にかつ中央に位置合わせされ、指向された第3の照明を放出しているデバイスのセンサに対して直角に位置合わせされるときに最大になる。第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書からのデバイスの距離は、特に、遮光効果にとっても重要である。
【0075】
指向された第3の照明は、好ましくは、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの内部光源によって、10°以下、特に5°以下の立体角で放出され、特に、指向された第3の照明の平均伝搬方向は、セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素にまたがる平面に対して、特に実質的に垂直に配向される。
【0076】
ここで、「立体角」とは、好ましくは、第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書、及び/又はセキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第1のセキュリティ要素及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素にまたがる平面を垂直に照明した場合に、第3の光学情報項目が視認可能又は捕捉可能な光円錐に及ぶ角度を意味する。
【0077】
少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの内部光源からの指向された第3の照明は、有利には、5ルーメン~100ルーメン、特に5ルーメン~55ルーメン、好ましくは50ルーメンの光度を有する。
【0078】
ここで、「ルーメン」(ラテン語で光)とは、好ましくは、光束のSI単位を意味する。特に、それは、人間の目が光の波長に依存して異なるレベルの感度を有するという事実を考慮する係数を介して、放射束(放射電力)の測定単位であるワット(W)に関連付けられる。ランプの場合、ルーメン単位の数値は、好ましくは、それらの輝度の尺度である。一方、ワット単位の数値は、特に、どれだけの電力が引き出されるかを示す。
【0079】
例えば、デバイス、特に市販されているスマートフォンのカメラフラッシュの光度は、カメラフラッシュが100%に設定されている場合、約50ルーメンである。
【0080】
セキュリティ要素は、好ましくは、デバイスの内部光源の光度が5ルーメン~15ルーメンであり、セキュリティ文書上のセキュリティ要素の境界からデバイスの内部光源の反射までの距離が1mm~20mm、好ましくは2mm~10mmである場合に、デバイスのセンサによって捕捉されることが好ましい。
【0081】
更に、少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第2の光学情報項目は、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサによって工程e)において捕捉されず、かつ/又は特に、工程e)における第3の光学情報項目は、工程d)における第2の光学情報項目とは異なることが可能である。
【0082】
工程e)における少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第3の光学情報項目は、光学情報及び/又は幾何学的情報の項目を含み、かつ/又は工程e)における少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の第3の光学情報項目は、光学情報及び/又は幾何学的情報の項目を含まないことが有利である。
【0083】
指向された第3の照明は、特に、セキュリティ文書及び/又は第2のセキュリティ要素の表面上の光スポットであってもよく、又は光スポットを生成してもよい。光スポットは、特に、1mm~10mm、好ましくは3mm~4mmの直径を有することができる。光スポット内の光度又は輝度は、好ましくは調整可能であり、特に第2のセキュリティ要素の光学効果及び/又はセキュリティ文書の表面特性、特にその輝度及び/又は反射率及び/又は粗さに依存する。
【0084】
セキュリティ文書の種類が既知である場合、光スポットは、好ましくは、オンに切り替えられるか、又は生成され、セキュリティ文書の視覚的表現において、好ましくは、デバイスのディスプレイ上で、ユーザが光スポットを移動させるべき位置をマーキングする。光スポットの位置は、特に、第2のセキュリティ要素に直接隣接する所定の位置に配置又は位置決めすることができ、好ましくは、第2のセキュリティ要素に直接隣接する及び/又は第2のセキュリティ要素に重なることができる。それは、好ましくは、第2のセキュリティ要素の左又は右に隣接して配置又は位置決めされるが、好ましくは、第2のセキュリティ要素の上又は下に隣接して配置又は位置決めされてもよい。
【0085】
例えば、セキュリティ文書のサイズ又はセキュリティ要素の位置及び/又はサイズ及び/又は形状などのセキュリティ文書のデータセットは、データベースに記憶することができる。セキュリティ文書の種類及びデータベースからの必要なデータが決定され、知られている場合、光スポットは、好ましくはオンに切り替えられ、特に、セキュリティ文書の視覚的表現において、デバイスのディスプレイ上に、好ましくは、ユーザが光スポットを移動させるべき位置をマーキングする。光スポットの位置は、特に、第2のセキュリティ要素に直接隣接する所定の位置に位置決め又は配置することができ、特に、第2のセキュリティ要素に直接隣接する及び/又は第2のセキュリティ要素に重なることができる。それは、好ましくは、第2のセキュリティ要素の左又は右に隣接して配置又は位置決めされるが、特に、第2のセキュリティ要素の上又は下に隣接して配置又は位置決めされてもよい。
【0086】
しかしながら、複数の位置及び/又は光スポットの配列を設定することも可能であり、例えば、第2のセキュリティ要素の周回が可能である。ここで、特に、光スポットがマーキングされた点に到達するとすぐに、更なる命令が、好ましくは、デバイスのディスプレイ上でユーザに表示される。
【0087】
ここで、第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書の確認は、特に、好ましくはデバイスによって、遮光又は遮蔽を用いて又は用いずに行うことができることに留意されたい。
【0088】
セキュリティ文書及び/又は第2のセキュリティ要素の真正性を確認するための工程f)における第2及び/又は第3のデータセットは、画像処理及び/又は画像編集を受けることが好ましい。
【0089】
種々の画像処理工程が以下に説明され、これらは、データセットを分析し、特に、第2及び第3のデータセットに基づいてセキュリティ文書及び/又はセキュリティ要素の真正性を確認するために使用されることが好ましい。異なる工程は、用途に応じて互いに組み合わせることができ、場合によっては互いに必要とすることがある。
【0090】
画像解析の基礎は、特に、画像が特徴認識及び画像セグメント化に適合され準備される画像準備工程である。
【0091】
「特徴」とは、ここでは、好ましくは、データセット、例えば画像、又は画像要素、特に角又はエッジの特徴的な点又は関心のある点を意味する。この点は、特にその周囲のフィールドを参照して記述することができ、好ましくは明確に認識又は発見することができる。
【0092】
好ましい工程は、生のデータセットの、好ましくはグレースケール画像への変換である。グレースケール画像の場合、各画素又は各画像点は、好ましくは、特に黒色に割り当てられる0と、特に白色に割り当てられる255との間の明度値からなる。画像が小さな範囲の明度値のみを有する場合、画像明度は、例えば各画素の明度値に係数を乗算することによって、又はいわゆるヒストグラム等化を実行することによって変換することができる。カラー画像を処理するために、各画像点のカラーチャネルは、好ましくは、最初にグレースケール値又は明度値に変換される。
【0093】
第1の位置決定のために、利用可能なグレースケール画像は、テンプレートマッチングによって分析されることが好ましい。
【0094】
「テンプレートマッチング」とは、特に、所定のデータセット、いわゆるテンプレートに対応するセキュリティ要素の、例えば、その中で捕捉及び/又は指定された画像要素、好ましくはモチーフ、パターン及び/又は境界などのデータセットの部分を識別するアルゴリズムを意味する。テンプレートは、データベースに記憶されることが好ましい。画像要素は、好ましくは、画像点ごとに基準データセット画像点との一致について確認される。点の数、すなわち基準データセットによって割り当てることができる画像点及び/又は基準点の数が非常に大きい場合、特に画像要素の解像度を低減することによって、基準点の数を低減することができる。アルゴリズムの目的は、好ましくは、それぞれのデータセット内の基準画像のベストマッチを見つけて位置を特定することである。
【0095】
グレースケール画像は、好ましくは、画像準備工程において閾値処理を用いてバイナリ化される。
【0096】
特に、一つ又は複数の閾値は、アルゴリズム、特にk平均クラスタリングアルゴリズムを介して決定される。ここで、k平均クラスタリングアルゴリズムの対象は、好ましくはクラスタ分析であり、特に、一つ又は複数の閾値未満の明度値を有する画素は、好ましくは色値「黒」に設定され、他の全ての画素は色値「白」に設定される。いわゆる黒色画像の決定は、特に、割り当てられたデータセットの画像点データの明度値を第1の閾値と比較する工程によって実行され、特に、バイナリ値0及び/又は色値「黒」が、第1の閾値未満にある全ての画像点に割り当てられる。閾値は、特に、第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書に記憶されている、認識された特徴又は文書タイプに関する情報の項目に基づいて定義される。
【0097】
好ましくは、割り当てられたデータセットから、一定のバイナリ画像を計算することによって白色画像が決定される。白色画像を決定するために、特に、割り当てられたデータセットの画像点の明度値を第2の閾値と比較する工程を実行することができ、バイナリ値1及び/又は色値「白色」が、第2の閾値を上回る全ての画像点に割り当てられる。第1及び第2の閾値は、互いに異なることが好ましい。
【0098】
エッジ画像を計算するために、閾値アルゴリズム、特に大きなブロックサイズを有する適合閾値アルゴリズムを、割り当てられたデータセットに適用することができる。ここで、閾値アルゴリズムの適合性は、特に、データセットの一つ又は複数の領域及び/又はデータセットの一つ又は複数の画素に関する。これは、背景明度の局所的変化を計算に組み込む。これにより、存在するエッジが正しく認識されることを保証することができる。
【0099】
閾値画像を生成するために、以下の計算、すなわち
割り当てられたデータセットからのエッジ画像の計算、
割り当てられたデータセットからの黒色画像の計算、
割り当てられたデータセットからの白色画像の計算が実行される。
【0100】
工程は、指定された順序で、並びにそれから逸脱した順序で実行することができる。更に、閾値画像の算出は、エッジ画像と黒色画像と白色画像とを組み合わせることによって行われる。
【0101】
エッジ画像は、好ましくは、まず、画像点又は画素レベルで黒色画像と乗算される。この結果、黒色画像の全ての黒色領域は、エッジ画像においても黒となり、特に黒色エッジ画像が生成される。更なる工程において、黒色エッジ画像及び白色画像は、好ましくは、ともに加算される。この結果、特に、白色画像において白である全ての画像点又は画素は、黒色エッジ画像においても白である。結果は、好ましくは閾値画像である。
【0102】
第1及び/又は第2の閾値は、認識された文書タイプ、認識された照明、及び/又は第2及び/又は第3の照明の光のスペクトル範囲に応じて設定することができる。この結果、閾値をそれぞれの状況に正確に適合させることが可能であり、したがって、好ましくは、可能な限り最適な確認を行うことが可能である。
【0103】
存在する閾値画像は、更なる画像編集工程における種々のフィルタによる詳細の認識のために更に準備及び/又はセグメント化することができる。
【0104】
フィルタを使用する場合、特に、画像点は隣接する画素に依存して操作される。フィルタは、好ましくはマスクのように作用し、特に画像点の計算は、その隣接する画像点に依存して指定される。
【0105】
特に、ローパスフィルタが使用される。ローパスフィルタは、好ましくは、例えば画像ノイズ又はハードエッジなどの高周波数又は高コントラスト値変化が抑制されることを保証する。この結果、第2のセキュリティ要素の第2又は第3の光学情報項目を指定するそれぞれの第2又は第3のデータセットは、特にウォッシュアウトされるか又は不鮮明になり、あまり鮮明でなく見えるようになる。したがって、例えば、局所的に大きいコントラスト差は、それぞれ局所的に小さいコントラスト差に変更され、例えば、白色画素及びそれに隣接する黒色画素は、2つの異なるグレー色画素又は同じグレー色画素になる。
【0106】
更に、バイラテラルフィルタを使用することもできる。これは、選択的ソフトフォーカスレンズ又はローパスフィルタであることが好ましい。この結果として、特に、第2のセキュリティ要素の第2及び/又は第3の光学情報項目を指定する第2又は第3のデータセットの広範囲の領域は、平均的なコントラストでソフトフォーカスされるが、同時に、強いコントラストを示す領域又はモチーフエッジが得られる。選択的ソフトフォーカスの場合、開始画像点の近傍からの画像点の明度値は、それらの分離だけでなく、好ましくはそれらのコントラストにも依存して計算に供給されることが好ましい。メディアンフィルタは、ノイズ抑制のための更なる可能性を表すものである。このフィルタはまた、高周波ノイズを低減しながら、隣接する領域間のコントラスト差を得る。
【0107】
例えば、ソーベル演算子、ラプラシアンフィルタ、又はデータセットが以前に転送された周波数領域内のフィルタリングなど、本明細書で説明されるもの以外のフィルタの範囲も存在する。周波数領域でのフィルタリング(変換は通常「高速フーリエ変換」(FFT)によって実行される)は、画像処理中の効率の向上などの利点を提供する。
【0108】
フィルタ及びフィルタ演算は、好ましくは、エッジ分析及びエッジ検出及び/又は画像干渉の除去及び/又は信号ノイズの平滑化及び/又は低減のためにも使用される。
【0109】
詳細を認識及び発見するために、前処理されたデータセットは、有意な領域に分割又はセグメント化されることが好ましい。
【0110】
セグメント化は、好ましくは、エッジ及びオブジェクトの遷移を認識するアルゴリズムによるエッジ検出に基づき得る。高コントラストエッジは、種々のアルゴリズムを使用してデータセット内で位置特定することができる。
【0111】
これらは、とりわけ、ソーベル演算子を含む。アルゴリズムは、元の画像から勾配画像を生成する畳み込み行列(カーネル)による畳み込みを利用することが好ましい。これにより、高周波数は、好ましくは、画像においてグレースケール値で表される。
【0112】
最大強度の領域は、特に、元のデータセットの明度が最も大きく変化し、したがって最大エッジを表す領域に存在する。エッジの進行方向も、この方法で決定することができる。
【0113】
Prewitt演算子は、ソーベル演算子とは異なり、好ましくは、考慮されている画像行又は画像列を更に重み付けしないが、同様に機能する。
【0114】
エッジの方向が適切でない場合、ラプラス演算子を近似するラプラシアンフィルタを適用することができる。これは、特に、特徴の2つの純粋な又は部分的な二次導関数の和を生成する。
【0115】
エッジ厚さではなく、正確な画素エッジのみが求められる場合、特に、好ましくは輪郭をマーキングするキャニーアルゴリズムが適切である。更なるセグメント化は、特徴検出器及び特徴記述子によって行われることが好ましく、「加速KAZE」(A-KAZE)アルゴリズム(KAZE=日本語の風)が適用されることが好ましい。A-KAZEは、特に、特徴検出器と特徴記述子との組み合わせである。
【0116】
第1の工程では、好ましくはデータベースに記憶された基準データセットの画像要素と、第2及び/又は第3のデータセットの検証される画像要素とにおける特徴的な点が、複数の異なる画像フィルタに基づいてA-KAZEアルゴリズムによって好ましくは探索される。これらの点は、特に、A-KAZEアルゴリズムを使用するそれらの環境を参照して説明される。A-KAZEアルゴリズムを使用して記述される特徴は、有利には、符号化されているが一意の量のデータ、特に、定義されたサイズ又は長さ及び/又は座標を有するデータからなる。
【0117】
次いで、特徴照合器、好ましくはブルートフォース照合器が、有利には、2つの画像要素内の比較される特徴の記述を比較し、記述がほぼ又は完全に一致する特徴の対を形成する。次に、この比較から、2つの特徴の一致の尺度である結果値を計算することができる。結果値の大きさに依存して、特徴が十分に類似しているか否かに関する決定が可能である。
【0118】
マッチング方法に応じて、上流の事前選択又は代替的にポイントごとの分析が行われてもよいが、これは非常に時間がかかる可能性がある。2つの画像又は画像要素間の変換、したがってスケーリング、変位、伸張などは、好ましくは、マッチング特徴から計算することができる。しかしながら、基本的には、BRISKアルゴリズム(BRISK=バイナリロバスト不変性スケーラブルキーポイント)又はSIFTアルゴリズム(SIFT=スケール不変特徴変換)がアルゴリズムとして使用されることも考えられる。
【0119】
画像要素の形状及び位置を近似するか又は近づけるために、好ましくは、更なる画像編集工程において、包絡体、特に包絡線が使用される。
【0120】
最も単純な場合、これは、画像要素及び/又は特徴を囲む境界ボックス、軸平行矩形、特に正方形であり得る。同様に、境界矩形を使用することができ、境界矩形は、境界ボックスとは異なり、軸平行である必要はなく、回転させることができる。更に、境界楕円を使用することができる。境界楕円は、丸い画像要素又は丸い境界を有する画像要素、特に曲率を有する画像要素を、矩形よりも良好に近似することができ、中心、半径、及び回転角によって定義される。より複雑な画像要素は、凸包絡線又は包絡多角形によって近似することができる。しかしながら、これらの画像要素の処理は、単純な近似の場合よりもはるかに多くの計算時間を必要とする。したがって、計算労力のために、ここでは、各場合において、可能な限り単純な画像要素が使用されることが好ましい。
【0121】
作成された第2及び/又は第3のデータセットに基づいて第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書の真正性を確認するために、以下の工程のうちの一つ又は複数が実行されることが好ましい。
1.第2及び/又は第3のデータセットを、特に生画像として、一つ又は複数のグレースケール画像及び/又はカラー画像に変換し、閾値処理、特に一つ又は複数の閾値画像の計算、及び/又は色準備を行う。
2.第2及び/又は第3のデータセット、特に生画像、グレースケール画像、カラー画像及び/又は閾値画像を、好ましくはテンプレートマッチングによって、検証のための一つ又は複数のテンプレートと比較する。
3.第2及び/又は第3のデータセット、特に生画像、グレースケール画像、カラー画像及び/又は閾値画像のうちの一つ又は複数におけるそれぞれのエッジ検出。
4.第2及び/又は第3のデータセット、特に生画像、グレースケール画像、カラー画像及び/又は閾値画像における一つ又は複数の画像要素の位置を、一つ又は複数の特徴検出器及び/又は特徴記述子による一つ又は複数の画像要素の包絡体及び/又はセグメント化及び/又は認識を介して検出する。
5.画像要素、特に生画像、グレースケール画像、カラー画像及び/又は閾値画像のうちの一つ又は複数のそれぞれの場合における一つ又は複数のグレースケール値及び/又は色値を、データベースに記憶されたグレースケール値及び/又は色値と比較する。
6.第2及び/又は第3のデータセット、特に、工程1~5のうちの一つ又は複数、特に全てがそれぞれ適用された生画像、グレースケール画像、カラー画像及び/又は閾値画像のうちの2又は複数を比較する。第2及び/又は第3のデータセット内、特に生画像、グレースケール画像、カラー画像及び/又は閾値画像内の一つ又は複数の画像要素の変位を、それぞれ一つ又は複数の境界ボックス又は同様の更なる方法によって比較する。
【0122】
更に、第2及び/又は第3のデータセット、特に生画像、グレースケール画像、カラー画像及び/又は閾値画像のオーバーレイの明度値の比較、並びに一つ又は複数の可能な更なる画像分析を実行することが可能である。
【0123】
検出可能性に悪影響を及ぼし得る個々のパラメータがある程度まで補償されるように、アルゴリズム、特に画像認識アルゴリズムを少なくとも部分的に適合させることが可能である。例えば、工程e)において、第2のセキュリティ要素の不十分な遮蔽をある程度補償することができる。第2のセキュリティ要素が、不十分な遮蔽のために、例えば第3の照明の作動前に依然として捕捉可能である場合、例えばセンサとしてのカメラの露光時間は、第2のセキュリティ要素がデバイスの内部光源からの光なしに又は第3の照明下でもはや捕捉可能でなくなるまで、更なるアルゴリズムを介して低減され得る。
【0124】
更に、本方法は、特に工程f)において、
f1)セキュリティ文書及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素の真正性の確認の前及び/又は間に、少なくとも1つの第2のデータセット及び少なくとも1つの第3のデータセットに少なくとも基づいて、少なくとも1つのデバイスによって、特に少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの出力ユニットによって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する更なる工程であって、そこから、ユーザは、好ましくは、少なくとも1つの第2のデータセット又は第2の光学情報項目と少なくとも1つの第3のデータセット又は第3の光学情報項目との間に存在する差異又は存在しない差異を理解する、工程を含むことが有利である。
【0125】
工程a)における少なくとも1つの第1のセキュリティ要素は、好ましくは、バーコード、QRコード(登録商標)、英数字、ナンバリング、ホログラム、印刷又はこれらの組み合わせから選択される。
【0126】
更に、工程a)における少なくとも1つの第2のセキュリティ要素は、少なくとも非対称構造、ホログラム、特にコンピュータ生成ホログラム、マイクロミラー、マット構造、特に異方性散乱マット構造、特に非対称鋸歯状レリーフ構造、キネグラム、ブレーズド格子、回折構造、特に線形正弦波回折格子又は交差正弦波回折格子、あるいは、線形シングル又はマルチステップ矩形格子(linear single- or multi-step rectangular gratings)、あるいは交差シングル又はマルチステップ矩形格子(crossed single- or multi-step rectangular gratings)、ミラー面、マイクロレンズ、及び/又はこれらの構造の組み合わせを含むことが可能である。
【0127】
セキュリティ要素の構造の光学活性構造又は体積ホログラムは、特に、検出可能性に悪影響を及ぼす個々のパラメータがある程度まで補償されるように適合させることができる。したがって、試験は、有利には、第1及び/又は第2のセキュリティ要素のモチーフ、パターン、及び/又は境界が、可能な限り最小のサイズで適用されること、及び/又は第1及び/又は第2のセキュリティ要素が、好ましくは、比較的大きい表面積にわたって適用されることを示している。
【0128】
更に、コンピュータ生成ホログラムの場合、第3の光学情報項目の仮想高さを低減することによって、かつ/又は第3の光学情報項目が捕捉可能又は検出可能である立体角を低減することによって、第1及び/又は第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書の表面及び/又は第1及び/又は第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書の基板の粗さの悪影響を補償することが可能である。
【0129】
「仮想」とは、ここでは特に「コンピュータシミュレーション」を意味する。例えば、仮想ホログラム平面は、コンピュータによってシミュレーションされたホログラム平面である。コンピュータシミュレーションによるホログラムは、コンピュータ生成ホログラム(CGH)とも称される。
【0130】
「仮想ホログラム平面」とは、座標軸x、y、zによって決定される仮想空間、特に三次元空間における平面を意味する。座標軸x、y、zは、好ましくは、互いに直交して配置され、座標軸x、y、zによって決定される方向の各々は、互いに垂直に、すなわち直角に配置される。特に、座標軸x、y、zは、仮想点(x=0、y=0、z=0)に共通の座標原点を有する。仮想ホログラム平面(x,y)は、仮想空間における表面積(x=x,y=y,z)によって、特に仮想空間(x,y,z)、特に三次元仮想空間の一次元又は二次元の部分体として決定される。Zは0であってもよいし、0とは異なる値であってもよい。
【0131】
座標軸x,y,z及び/又はx=x,y=yによって決定される仮想空間又は仮想ホログラム平面は、特に、複数の離散仮想点(x,y,z)又は(x,y)からなり、指数i又は指数hは、好ましくは自然数のサブセットから選択される。
【0132】
「仮想高さ」とは、特に、仮想空間内の点(x,y,z)と仮想ホログラム平面内の点(x,y,z=0)との間の距離、特にユークリッド距離を意味する。
【0133】
更に、色の明度を、例えばL*a*b色空間の明度値Lを介して決定することも可能である。「L*a*b色空間」とは、ここでは特に、CIELAB色空間、又は好ましくは座標軸a*、b*及びL*を有するISO規格EN ISO11664-4による色空間を意味する。かかる色空間は、「L*a*b*彩色空間」とも称される。しかしながら、例えばRGB色空間又はHSV色空間の使用などの他の色空間の使用も考えられる。
【0134】
好ましくは、第2のセキュリティ要素の最小表面積は、特にセキュリティ文書にまたがる平面内にあり、好ましくは実質的に2mm×2mm、特に4mm×4mm、好ましくは6mm×6mmであるか、又は少なくとも2mmの直径を有する。
【0135】
第2のセキュリティ要素の形状は、好ましくは、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形、星形、矢印、英数字、アイコン、国の輪郭、又はこれらの組み合わせから選択され、特に、形状は容易に検出可能又は捕捉可能である。
【0136】
試験は、第2のセキュリティ要素の形状又は境界が複雑であるほど、第3の光学情報項目の検出又は捕捉のために十分に大きいコヒーレント表面積が利用可能であるために、好ましくは第2のセキュリティ要素の表面積が大きくなければならないことを示した。例えば、星形の点を含む形状のセキュリティ要素の第3の光学情報項目は、検出又は捕捉が困難である。
【0137】
特に第3の照明下で第3の光学情報項目を生成する第2のセキュリティ特徴のサイズは、好ましくは少なくとも1mm×1mm、特に少なくとも3mm×3mm、好ましくは少なくとも5mm×5mmである。
【0138】
第3の照明下で第3の光学情報項目を生成する、例えば文字、国コード及びアイコンなどの第2のセキュリティ要素の個々の要素は、好ましくは、300μm、特に少なくとも500μm、好ましくは少なくとも1mmの最小線厚を有する。例えば、第2のセキュリティ要素の要素、例えば明確なエッジ又は境界を有する個々の文字、例えば文字「K」又は例えば数字「5」などの記号などは、容易に検出可能又は捕捉可能である。
【0139】
本発明によれば、要素及び/又は画像要素は、とりわけ、グラフィカルにデザインされた境界、図形表現、画像、視覚的に認識可能なデザイン要素、シンボル、ロゴ、肖像、パターン、英数字、テキスト、着色デザインであり得る。
【0140】
第2のセキュリティ要素を、更なるセキュリティ要素のデザインの所定の領域に組み込むことが可能であり、例えば、文字「K」を、第2のセキュリティ要素として雲の形態の更なるセキュリティ要素に少なくとも重複して埋め込むことができる。更に、第2のセキュリティ要素は、セキュリティ文書の背景のデザイン全体、特に格子状に存在することが可能である。デザインのサイズに応じて、これは、特に、無限に繰り返されるパターン又はサンプルであり得る。
【0141】
特に、第3の照明の下で生成される第2のセキュリティ要素の第3の光学情報項目は、更なるセキュリティ要素においても、保護されるセキュリティ文書の印刷領域においても更なる時間は提供されない。これは、アルゴリズム、特に画像認識アルゴリズム、照明下で更なるセキュリティ要素によって生成される可能性がある情報項目が、第3の照明下で第2のセキュリティ要素によって生成される第3の光学情報項目として不注意に識別されないという利点を有する。
【0142】
特に、第2のセキュリティ要素と更なるセキュリティ要素との間の距離は、特にセキュリティ文書にまたがる平面において、少なくとも20mm、好ましくは少なくとも30mmである。
【0143】
特に、工程c)、d)、e)、f)及び/又はf1)における少なくとも1つの第1、第2及び/又は第3のデータセットは、少なくとも1つの第1又は第2のセキュリティ要素の少なくとも1つの個別画像を含む画像シーケンスを含む。
【0144】
画像シーケンスは、セキュリティ要素の複数の個別画像、特にセキュリティ要素の2又は複数の個別画像を含むことが好ましい。更に、各個々の画像が1920×1280画素より多く、特に3840×2160画素より多くを有することが好ましい。
【0145】
画像シーケンスは、時間的に接続されていない複数の離散的に作成された個別画像とすることができるが、フィルムとすることもでき、したがって、所定の時間間隔で、特に5~240画像/秒のフレームレートで記録された個別画像からなる。
【0146】
セキュリティ文書の好ましい実施形態を以下に挙げる。
【0147】
セキュリティ文書は、有利には、有価文書、紙幣、パスポート、運転免許証、IDカード、クレジットカード、納税証明書、ナンバープレート、証明書又は製品ラベル、製品包装又は本発明によるセキュリティ要素を含む製品から選択される。
【0148】
更に、少なくとも1つの第2のセキュリティ要素は、少なくとも非対称構造、ホログラム、特にコンピュータ生成ホログラム、マイクロミラー、マット構造、特に異方性散乱マット構造、特に非対称鋸歯状レリーフ構造、キネグラム、ブレーズド格子、回折構造、特に線形正弦波回折格子又は交差正弦波回折格子、あるいは線形シングル又はマルチステップ矩形格子、若しくは交差シングル又はマルチステップ矩形格子、ミラー面、マイクロレンズ、及び/又はこれらの構造の組み合わせを含むことが有利である。
【0149】
デバイスの好ましい実施形態を以下に挙げる。
【0150】
少なくとも1つのデバイスは、スマートフォン、タブレット、眼鏡及び/又は(PDA=「パーソナルデジタルアシスタント」)から選択されることが有利であり、特に、少なくとも1つのデバイスは、50mm~200mm、好ましくは70mm~100mmの第1の方向における横方向寸法を有し、かつ/又は100mm~250mm、好ましくは140mm~160mmの第2の方向における第2の横方向寸法を有し、更に好ましくは、第1の方向は、第2の方向に対して垂直に配置される。
【0151】
更に、少なくとも1つのデバイスの第1の方向における第1の横方向寸法及び第2の方向における第2の横方向寸法が、少なくとも1つの遮蔽面にまたがることが有利である。
【0152】
少なくとも1つの遮蔽面は、第1の方向及び第2の方向にまたがる平面内に輪郭を有し、特に実質的に、特に輪郭は、矩形であり、好ましくは矩形の輪郭の角部は、丸みを帯びた形状を有し、特に少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの遮蔽面は、拡散照明及び/又は背景照明を遮蔽することが可能である。
【0153】
更に、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサは、光学センサ、特にCCDセンサ、MOSFETセンサ及び/又はTESセンサ、好ましくはカメラであることが可能である。
【0154】
少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサは、特に第1の方向及び第2の方向にまたがる平面内に位置する少なくとも1つの遮蔽面の輪郭から3mm~70mm、好ましくは4mm~30mm、特に5mm~10mmの距離及び/又は平均距離及び/又は最小距離を有することが更に可能である。
【0155】
少なくとも1つのデバイスは、有利には、少なくとも1つの内部光源、特にカメラフラッシュ、好ましくはLEDを備え、特に、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの内部光源から5cm~20cm、特に6cm~12cmの距離及び/又は平均距離を有する。
【0156】
特に、少なくとも1つのデバイスは、少なくとも1つの出力ユニット、特に光学的出力ユニット、音響的出力ユニット及び/又は触覚的出力ユニット、好ましくはスクリーン及び/又はディスプレイを備える。
【0157】
以下、添付の図面を用いて複数の実施例を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0158】
図1】方法の概略図である。
図2】セキュリティ文書の概略図である。
図3】デバイスの概略図である。
図4】デバイスの概略図である。
図5】セキュリティ文書及びデバイスの概略図である。
図6】セキュリティ文書及びデバイスの概略図である。
図7】セキュリティ文書及びデバイスの概略図である。
図8】デバイスの概略図である。
図9】セキュリティ文書及びデバイスの概略図である。
図10】セキュリティ文書及びデバイスの概略図である。
図11】デバイスの概略図である。
図12】セキュリティ機能の概略図である。
図13】セキュリティ機能の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0159】
図1は、少なくとも1つのデバイス2によってセキュリティ文書1を認証するための方法を示している。この方法は、
a:少なくとも1つの第1のセキュリティ要素1a及び少なくとも1つの第2のセキュリティ要素1bを含むセキュリティ文書1を提供する工程と、
b:少なくとも1つのデバイス2を提供する工程であって、少なくとも1つのデバイス2は、少なくとも1つのセンサ20を備える、工程と、
c:第1の照明の間に、少なくとも1つのデバイス2の少なくとも1つのセンサ20によって、少なくとも1つの第1のセキュリティ要素1aの第1の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから,これらの情報項目を指定する少なくとも1つの第1のデータセットが生成される、工程と、
d:第2の照明の間に、少なくとも1つのデバイス2の少なくとも1つのセンサ20によって、少なくとも1つの第2のセキュリティ要素1bの第2の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、これらの情報項目を指定する少なくとも1つの第2のデータセットが生成される、工程と、
e:第3の照明の間に、少なくとも1つのデバイス2の少なくとも1つのセンサ20によって、少なくとも1つの第2のセキュリティ要素1bの第3の光学情報項目を捕捉する工程であって、そこから、これらの情報項目を指定する少なくとも1つの第3のデータセットが生成され、第2の照明は、第3の照明とは異なる、工程と、
f:少なくとも、少なくとも1つの第2のデータセット及び少なくとも1つの第3のデータセットに基づいて、セキュリティ文書1及び/又は少なくとも1つの第2のセキュリティ要素1bの真正性を検査する工程と、を含み、特にこの順序で実行される。
【0160】
図2は、複数のセキュリティ要素1cと、第1のセキュリティ要素1aとを備えるセキュリティ文書1の上面図を示している。ここで、図2のセキュリティ文書1は、フォイルストリップ1dを含む紙幣である。セキュリティ要素1cの一部並びに第1のセキュリティ要素1aは、フォイルストリップ1dの上又はフォイルストリップ1dの中に配置される。第1のセキュリティ要素1a及び第2のセキュリティ要素1bはそれぞれ、好ましくは光学的に可変のセキュリティ要素である。
【0161】
特に、セキュリティ文書1は、上述の方法において使用される。
【0162】
セキュリティ文書1は、工程aにおいて提供されることが好ましい。
【0163】
更に、工程aにおける第1のセキュリティ要素1aは、バーコード、QRコード、英数字、ナンバリング、ホログラム、印刷、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0164】
工程aにおける第2のセキュリティ要素1bは、好ましくは、少なくとも非対称構造、ホログラム、特にコンピュータ生成ホログラム、マイクロミラー、マット構造、特に異方性散乱マット構造、特に非対称の鋸歯状レリーフ構造、キネグラム、ブレーズド格子、回折構造、特に線形正弦波回折格子又は交差正弦波回折格子、あるいは、線形シングルステップ矩形格子又は線形マルチステップ矩形格子、あるいは交差シングルステップ矩形格子又は交差マルチステップ矩形格子、ミラー面、マイクロレンズ、又はこれらの構造の組み合わせを含むことが有利である。
【0165】
工程c、工程d又は工程eにおける第1のセキュリティ要素1a又は第2のセキュリティ要素1bの第1の光学情報項目、第2の光学情報項目及び/又は第3の光学情報項目は、好ましくは、デバイス2のセンサ20によって捕捉される。
【0166】
工程c、工程d、工程e、工程f及び/又は工程f1における少なくとも1つの第1のデータセット、第2のデータセット及び/又は第3のデータセットは、少なくとも1つの第1のセキュリティ要素又は第2のセキュリティ要素の少なくとも1つの個別画像を含む画像シーケンスを含むことが可能である。
【0167】
第2のセキュリティ要素は、雲の形状を有する第1のセキュリティ要素1aに組み込まれることが好ましい。
【0168】
あるいは、セキュリティ文書1又は紙幣の形状及び印刷デザインを第1のセキュリティ要素1aとすることが可能であり、これにより、第2のセキュリティ要素に対するフォイルストリップ1dの位置を発見することが可能となり、したがって、特に、デバイスによって捕捉されたデータセットの適切な評価を通じて第2のセキュリティ要素を捕捉することが可能となる。
【0169】
図3及び図4は、2つの異なる側からのデバイス2の上面図を示しており、デバイス2は、好ましくは工程bにおいて提供される。図3及び図4に示すデバイス2は、好ましくはスマートフォンである。
【0170】
前記デバイス2は、好ましくは、上述の方法においてセキュリティ文書1を認証するために使用される。
【0171】
図3に示すデバイス2は、遮蔽面2a及び出力ユニット21を有する。
【0172】
本方法は、特に工程bと工程cとの間に、以下の更なる工程を含むことが可能である。
b1:工程c、工程d又は工程eにおける第1のセキュリティ要素1a又は第2のセキュリティ要素1bの第1の光学情報項目、第2の光学情報項目及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の前及び/又は間に、デバイス2、特にデバイス2の出力ユニット21によって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する工程であって、そこから、ユーザは、好ましくは、第1の光学情報項目、第2の光学情報項目及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の間に、デバイス2とセキュリティ文書1及び/又は第1のセキュリティ特徴1a及び/又は第2のセキュリティ特徴1bとの間の所定の相対位置若しくは相対位置変化若しくは相対位置進行、所定の距離、特に距離h、距離変化又は距離進行、及び/又は所定の角度、角度変化又は角度進行を推測する、工程。
【0173】
更に、本方法は、特に工程bと工程c及び/又は工程cと工程dとの間に、以下の更なる工程を含むことが可能である。
b2:工程d又は工程eにおける第1のセキュリティ要素1a又は第2のセキュリティ要素1bの第2の光学情報項目及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の前及び/又は間に、少なくとも1つの第1のデータセット及び/又は少なくとも1つの第2のデータセットに少なくとも基づいて、デバイス2、特にデバイス2の出力ユニット21によって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する工程であって、そこから、ユーザは、好ましくは、第2の光学情報項目及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の間に、デバイス2とセキュリティ文書1及び/又は第1のセキュリティ特徴1a及び/又は第2のセキュリティ特徴1bとの間の所定の相対位置若しくは相対位置変化若しくは相対位置進行、所定の距離、特に距離h、距離変化若しくは距離進行及び/又は所定の角度若しくは角度変化若しくは角度進行を推測する、工程。
【0174】
デバイス2は、特に工程bにおいて、タブレット、眼鏡及び/又はPDAから更に選択されることが可能である。
【0175】
図3及び図4に示されるデバイス2は、特に、50mm~200mm、好ましくは70mm~100mmの方向Xにおける横方向寸法を有し、かつ/又は100mm~250mm、好ましくは140mm~160mmの方向Yにおける第2の横方向寸法を有する。更に好ましくは、方向Xは方向Yに対して垂直に延在する。
【0176】
更に、デバイス2の方向Xにおける第1の横方向寸法及び方向Yにおける第2の横方向寸法は、遮蔽面2aにまたがってもよい。
【0177】
図3に示されるデバイスは、遮蔽面2aが、方向X及び方向Yにまたがる平面内に輪郭2bを有し、特に実質的に輪郭が矩形であり、矩形の輪郭の角部が丸みを帯びた形状を有することを特徴とする。
【0178】
図3及び図4に示されるデバイス2の遮蔽面2aは、好ましくは、セキュリティ文書1及び/又は第1のセキュリティ要素1aを拡散照明及び/又は指向性の背景照明から遮蔽する。
【0179】
更に、工程c、工程d及び/又は工程eにおけるデバイス2の遮蔽面2a及び/又はデバイス2は、20mm~150mm、特に50mm~130mm、好ましくは60mm~125mmの、セキュリティ文書1及び/又は第1のセキュリティ要素1a及び/又は第2のセキュリティ要素1bからの距離h及び/又は平均距離を有することも可能である。
【0180】
図3に示されるデバイス2の出力ユニット21は、好ましくは、光学的出力ユニット、音響的出力ユニット及び/又は触覚的出力ユニット、特にスクリーン及び/又はディスプレイである。
【0181】
図4に示されるデバイス2は、センサ20及び内部光源22を有する。
【0182】
図4に示されるデバイス2のセンサ20は、好ましくは光学センサであり、特に、CCDセンサ、MOSFETセンサ及び/又はTESセンサであり、好ましくはカメラである。
【0183】
図4に示すデバイス2のセンサ20は、方向X及び方向Yにまたがる平面内にある遮蔽面2aの輪郭2bから、3mm~70mm、特に4mm~30mm、好ましくは5mm~10mmの距離及び/又は平均距離及び/又は最小距離を有することが可能である。
【0184】
更に、図4に示されるデバイス2の内部光源22は、カメラフラッシュ、好ましくはLED又はレーザを備えることが可能である。
【0185】
特に、図4に示されるデバイス2のセンサ20は、デバイス2の内部光源22から5cm~20cm、特に6cm~12cmの距離及び/又は平均距離を有する。
【0186】
有利には、工程cにおける第1のセキュリティ要素1aの第1の光学情報項目の捕捉の間の第1の照明は、拡散性又は指向性であるか、又は拡散性部分及び指向性部分を有するか、並びに/又は背景照明である。
【0187】
デバイス2は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのメモリ、少なくとも1つのセンサ20、少なくとも1つの出力ユニット21及び/又は少なくとも1つの内部光源22を有することが可能である。
【0188】
図5は、工程dが実行されるときの、セキュリティ文書1の上に垂直なデバイス2の位置の斜視図を示している。
【0189】
ここで、図5に示すセキュリティ文書1は、好ましくは、図2に示すセキュリティ文書1に対応し、図5に示すデバイス2は、好ましくは、図3及び図4に示すデバイス2に対応する。セキュリティ文書1は、ここでは、第1のセキュリティ要素1a及び第2のセキュリティ要素1bを含む。
【0190】
図6は、図5に示される工程dの実装例の側面図を示している。ここで、デバイス2は、工程dに従って外部光源3によって放出される第2の照明221の下でセキュリティ文書1から距離hに配置される。
【0191】
デバイス2のセンサ20及び/又は工程c、工程d及び/又は工程eにおけるデバイス2は、好ましくは、20mm~150mm、特に50mm~130mm、好ましくは60mm~125mmの、セキュリティ文書1及び/又は第1のセキュリティ要素1a及び/又は第2のセキュリティ要素1bからの距離h及び/又は平均距離を有する。
【0192】
デバイス2の遮蔽面2aは、セキュリティ文書1又は第1のセキュリティ要素1a及び第2のセキュリティ要素1bを、特に指向された第2の照明221の一部から遮蔽する。特に、好ましくはセンサ20の方向に光学効果を生成しない第2の照明221の部分のみが、第2のセキュリティ要素1bに到達し、その結果、特に、第2のセキュリティ要素1bからの第3の光学情報項目は、センサ20に対して捕捉可能ではない。ここで、セキュリティ文書1及び/又は第2のセキュリティ要素1bは、好ましくは、実質的に拡散反射及び/又は散乱された周辺光でセンサの視野から照明される。
【0193】
ここで、試験は、距離hが小さいほど、デバイス2の遮蔽作用が良好であることを示した。他方、センサ20が依然として焦点を合わせることができるように、距離は特に小さすぎてはならない。したがって、距離hの典型的な範囲は、例えば、20mm~150mm、好ましくは50mm~130mm、更に好ましくは60mm~125mmである。
【0194】
工程dにおける第2のセキュリティ要素1bの第2の光学情報項目の捕捉の間の第2の照明は、拡散性であり、特に、拡散性の第2の照明は、セキュリティ文書1及び/又は第2のセキュリティ要素1bの環境において、特にセキュリティ文書1及び/又は第2のセキュリティ要素1bから少なくとも0.3m、好ましくは1m、更に好ましくは5mまでの距離において、外部光源3の光の拡散性部分を含み、かつ/又は特に、拡散性の第2の照明は、環境光及び/又は背景光を含むことが更に可能である。
【0195】
特に、デバイス2及び/又はデバイス2の遮蔽面2aは、デバイス2及び/又はデバイス2の遮蔽面2aが、セキュリティ文書1及び/又は第2のセキュリティ要素1bの環境における外部光源3の光の指向性部分の少なくとも75%、特に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも99%を遮蔽するように、工程dにおける第2のセキュリティ要素1bの第2の光学情報項目の捕捉の間に配置される。
【0196】
デバイス2及び/又はデバイス2の遮蔽面2aは、デバイス2及び/又はデバイス2の遮蔽面2aが、少なくとも0.3m、好ましくは少なくとも1m、更に好ましくは少なくとも5mの距離で外部光源3の光の指向性部分の少なくとも75%、特に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも99%からセキュリティ文書1及び/又は第2のセキュリティ要素1bを遮蔽するように、工程dにおける第2のセキュリティ要素1bの第2の光学情報項目の捕捉の間に配置されることが有利である。
【0197】
図7は、図6に示される工程dの実装例の斜視図を示している。ここで、デバイス2は、工程dに従って外部光源3によって放出される第2の照明221の下でセキュリティ文書1から距離hに配置される。ここで、デバイス2の出力ユニット21によって表示されるセキュリティ文書1の部分は、一部のセキュリティ要素10cの複製と、第1のセキュリティ要素10aの複製とを含む。
【0198】
図8は、出力ユニット21がセンサ20によって捕捉されたセキュリティ文書1の部分を複製することを除いて、図3に示されたデバイス2を示している。ここで、デバイス2の出力ユニット21によって表示されるセキュリティ文書1の部分は、一部のセキュリティ要素10cの複製と、第1のセキュリティ要素10aの複製とを含む。センサ20は、第2の照明221の下で第2のセキュリティ要素1bを捕捉することができないので、第2のセキュリティ要素1bは、ここでは出力ユニット21によって複製されない。
【0199】
ここで、好ましくは、第2の照明下でデバイスのセンサによって捕捉可能でないセキュリティ要素が、例えば印刷された模倣物などの恒久的に捕捉可能なセキュリティ要素として存在しないかどうかが確認(検査)される。
【0200】
図9は、セキュリティ文書1及びデバイス2を含む工程eの実装例の側面図を示している。ここで、図9は、内部光源22が光22aを放出することを除いて、図6に対応する。ここで、第2のセキュリティ要素1b及び/又はセキュリティ文書1は、第3の照明222の下に示されている。
【0201】
特に、好ましくは外部光源3によって放出される図6に示される第2の照明221は、好ましくは内部光源22によって放出される光22aも含む第3の照明222の一部である。
【0202】
デバイス2の遮蔽面2aは、セキュリティ文書1又は第1のセキュリティ要素1a及び第2のセキュリティ要素1bを、特に第3の照明222に含まれる、特に指向された第2の照明221の一部から遮蔽する。特に、内部光源22の光22a並びに第2の照明221の一部のみが第2のセキュリティ要素1bに到達し、好ましくはセンサ20の方向に光学効果が生成され、その結果、特に第2のセキュリティ要素1bからの第3の光学情報項目がセンサ20によって捕捉可能となる。
【0203】
第2のセキュリティ要素1bは、好ましくは、第3の光学情報項目を生成するようにデザインされており、第3の光学情報項目は、特に、ここではセンサ20によって捕捉することができ、ほぼ垂直な指向性光22a、222の場合、アルゴリズムによって更に処理することができる。
【0204】
更に、デバイス2の内部光源22からの指向性光22a又はデバイス2の内部光源22からの第3の照明222は、10°以下、特に5°以下の立体角で照射されることが可能であり、特に、指向された第3の照明の平均伝搬方向は、セキュリティ文書1及び/又は第1のセキュリティ要素1a及び/又は第2のセキュリティ要素1bにまたがる平面に対して、特に実質的に垂直に位置合わせされる。
【0205】
工程eにおける第2のセキュリティ要素1bの第3の光学情報項目の捕捉の間の第3の照明は、第1の光学情報項目、第2の光学情報項目及び/又は第3の光学情報項目の捕捉の間に、デバイス2とセキュリティ文書1及び/又は第1のセキュリティ特徴1a及び/又は第2のセキュリティ特徴1bとの間における、所定の相対位置、相対位置変化又は相対位置進行、所定の距離、特に距離h、距離変化又は距離進行、及び/又は、所定の角度、角度変化又は角度進行で指向され、特に放出されることも有利である。
【0206】
更に、指向された第3の照明は、デバイス2の内部光源22により放出されることが可能であり、特に、指向された第3の照明の伝播方向は、セキュリティ文書1及び/又は第1のセキュリティ要素1a及び/又は第2のセキュリティ要素1bにまたがる平面に対して、特に実質的に垂直に位置合わせされる。
【0207】
特に、デバイス2の内部光源22から指向された第3の照明は、5ルーメン~100ルーメン、特に5ルーメン~55ルーメン、好ましくは50ルーメンの光度を有することが可能である。
【0208】
第2のセキュリティ要素1bの第2の光学情報項目は、工程eにおいてデバイス2のセンサ20によって捕捉されず、かつ/又は特に、工程eにおける第3の光学情報項目は、工程dにおける第2の光学情報項目と異なることが可能である。
【0209】
更に、工程eにおける第2のセキュリティ要素1bの第3の光学情報項目は、光学情報及び/又は幾何学的情報の項目を含むこと、及び/又は工程eにおける第2のセキュリティ要素1bの第3の光学情報項目が光学情報及び/又は幾何学的情報の項目を含まないことが可能である。
【0210】
図10は、セキュリティ文書1及びデバイス2を含む工程eの実装例の斜視図を示している。ここで、図10は、内部光源22が光22aを放出することを除いて、図7に対応する。ここで、第2のセキュリティ要素1b及び/又はセキュリティ文書1は、第3の照明222の下に示されている。
【0211】
更に、図10は、ここではデバイス2が、工程dに従って外部光源3及び内部光源22によって放出される第3の照明222の下でセキュリティ文書1から距離hに位置することを示している。ここで、デバイス2の出力ユニット21によって表示されるセキュリティ文書1のセクションは、一部のセキュリティ要素10cの複製、並びに第1のセキュリティ要素10a及び第2のセキュリティ要素10bの複製を含む。
【0212】
図11は、図8に示されたデバイス2を示すが、出力ユニット21は、センサ20によって捕捉されたセキュリティ文書1の部分を複製し、ここでは、文字「K」の形態の第2のセキュリティ要素10bの複製も有している。第2のセキュリティ要素10bは、ここでは、センサ20が照明、特に指向された第3の照明222の下で第2のセキュリティ要素1bを捕捉することができるので、出力ユニット21によって複製される。
【0213】
第2のセキュリティ要素は、単純な幾何学的図形、例えば、雲、円、三角形、四角形、五角形、星形、英数字、国の輪郭及び/又はアイコン又はそれらの組み合わせを有する境界を有することが可能である。特に、この単純な幾何学的図形は、センサ20、出力ユニット21及び/又はデバイス2によって、セキュリティ文書1上の特定の所定の位置に、特に上位パターンにおいて求められる。内部光源は、単純な幾何学的図形の探索に成功した後に作動されることが好ましい。
【0214】
第3の光学情報項目は、例えば、より暗い背景上の明るい形状又は明るい背景上の暗い形状として捕捉することができる。
【0215】
本方法は、特に工程fにおいて、好ましくは以下の更なる工程を含む。
f1:セキュリティ文書1及び/又は第2のセキュリティ要素1bの真正性の確認の前及び/又は間に、少なくとも1つの第2のデータセット及び少なくとも1つの第3のデータセットに少なくとも基づいて、デバイス2、特にデバイス2の出力ユニット21によって、命令及び/又はユーザ情報項目をユーザに出力する工程であって、そこから、ユーザは、好ましくは、少なくとも1つの第2のデータセット又は第2の光学情報項目と少なくとも1つの第3のデータセット又は第3の光学情報項目との間に存在する差異又は存在しない差異を理解する、工程。
【0216】
図12は、テストデザインであるセキュリティ文書1を示している。テストデザインは、それぞれ4つの領域を含む2つの列に分割された合計8つの領域を含み、各領域は、いずれの場合も第2のセキュリティ要素1ba~1bhとしてコンピュータ生成ホログラムを含み、8つの領域の各々は、10mm×10mmのサイズを有する。コンピュータ生成ホログラムの各々は、ここでは、パラメータの個々のセットに基づく。コンピュータ生成ホログラムは、いずれの場合も、紙幣用紙に適用されるアルミニウム被覆ホログラム構造である。
【0217】
左上の領域におけるコンピュータ生成ホログラムのパラメータセットのパラメータは、文字列「UT」の形態の第2のセキュリティ要素1baの第3の光学情報項目が最も鮮明に表されるように選択される。同時に、この構造は、第3の光学情報項目が、第2のセキュリティ要素1baの方向にランダムに照射する光源によって望ましくない方法で生成されるという事実の影響を特に最も受けやすい。第2のセキュリティ要素1ba~1bhの参照番号が進むにつれて、表示される第3の光学情報項目の鮮明度は低下する。それぞれのコンピュータ生成ホログラムによって表される第3の光学情報項目のいわゆる仮想高さは、第2のセキュリティ要素1baから第2のセキュリティ要素1bhへと、6mm、8mm、10mm、12mm、14mm、16mm、18mm及び20mmの順序で増加し、立体角は、いずれの場合も一定であり、特に実質的に25°である。
【0218】
第2のセキュリティ要素内のコンピュータ生成ホログラムの仮想高さは、好ましくは、第3の光学情報項目が、好ましくは第2のセキュリティ要素にまたがる平面に関して、仮想的に捕捉可能であるように見える高さを表す。
【0219】
ここで、試験は、背景が粗いほど、第2のセキュリティ要素に表される第3の光学情報項目が色あせて見え、特に、好ましくは第3の光学情報項目の欠陥のない検出又は捕捉のために、第1のセキュリティ要素及び/又は第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書、並びに/あるいは、第1のセキュリティ要素及び/又は第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書の基板の表面の粗さRは、0.1μm~10μm、好ましくは0.1μm~5μm、更に好ましくは0.1μm~3μmであることを示している。コンピュータ生成ホログラムのパラメータは、好ましくは、第3の光学情報項目が、第1のセキュリティ要素及び/又は第2のセキュリティ要素の提供された基板及び/又はその粗さを有するセキュリティ文書上で検出可能又は捕捉可能であるように選択される。
【0220】
コンピュータ生成ホログラムを基板又はセキュリティ文書の表面の粗さに適合させるために、セキュリティ文書の粗さはセキュリティ要素の表面上に少なくとも比例して存在してもよく、2つのパラメータが特に重要である。1つは、第3の照明の下で第3の光学情報項目を生成するコンピュータ生成ホログラムの仮想高さであり、もう1つは、第3の光学情報項目が可視又は検出可能又は捕捉可能である立体角である。第2のセキュリティ要素内のコンピュータ生成ホログラムの仮想高さは、好ましくは、第3の光学情報項目が、好ましくは第2のセキュリティ要素にまたがる平面(h=0)に関して、仮想的に捕捉可能であるように見える高さを表す。
【0221】
第3の光学情報項目の仮想高さは、特に観察者又はセンサの視点から、この平面の前に位置することができ、特にここでは仮想高さは正の量を有する。コンピュータ生成ホログラムによって生成される第3の光学情報項目の仮想高さの正の量は、0.1mm~10mmの範囲内、好ましくは1mm~8mmの範囲内にあり得る。
【0222】
第3の光学情報項目の仮想高さは、特に観察者又はセンサの視点から、この平面の後ろに位置することができ、特にここでは仮想高さは負の量を有する。コンピュータ生成ホログラムにおいて生成される第3の情報項目の仮想高さの負の量は、-0.1mm~-10mmの範囲内、好ましくは-1mm~-8mmの範囲内にあり得る。更に、第3の光学情報項目の仮想高さもこの平面内に位置することができ、特に仮想高さの量は0に等しい。
【0223】
ここで、「立体角」とは、好ましくは、第2のセキュリティ要素及び/又はセキュリティ文書の垂直照明の場合に第3の光学情報項目が視認可能又は捕捉可能な光円錐に及ぶ角度を意味する。
【0224】
ここで、試験は、選択された立体角が小さいほど、デバイスのセンサが、デバイスの内部光源以外の光源によって生成される可能性がある第3の光学情報項目を意図せずに記録する危険性が小さくなることを示している。特に、同時に、第3の光学情報項目は、より狭い立体角でデバイスの内部光源を用いた照明の場合に認識可能又は捕捉可能であるので、ここでは方法の工程eを実行することがより困難になる。特に、立体角が10°~40°の範囲内にある場合に有利であることが判明している。
【0225】
更に、第3の光学情報項目がネガ形状、特に明るい背景上の暗い形状を表す場合に有利であることが判明している。
【0226】
図13は、粗い紙幣紙上のテストデザインとしての4つのセキュリティ文書12~15を示しており、これらのセキュリティ文書の各々は、第1のセキュリティ要素1aa~1adと、各場合において3つの第2のセキュリティ要素1bi、1bj、1bk~1br、1bs、1btと、を有する。第2のセキュリティ要素1bi、1bj、1bk~1br、1bs、1btは、ここではコンピュータ生成ホログラムである。第3の光学情報項目は、文字「K」として認識可能又は捕捉可能であり、文字は暗く見え、背景は明るく見える。
【0227】
仮想高さ及び立体角は、図13のそれぞれの第2のセキュリティ要素について以下の値を有する。
-第2のセキュリティ要素1bi:仮想高さ:8mm/立体角:25°
-第2のセキュリティ要素1bj:仮想高さ:6mm/立体角:25°
-第2のセキュリティ要素1bk:仮想高さ:4mm/立体角:25°
-第2のセキュリティ要素1bl:仮想高さ:8mm/立体角:10°
-第2のセキュリティ要素1bm:仮想高さ:6mm/立体角:10°
-第2のセキュリティ要素1bn:仮想高さ:4mm/立体角:10°
-第2のセキュリティ要素1bo:仮想高さ:8mm/立体角:5°
-第2のセキュリティ要素1bp:仮想高さ:6mm/立体角:5°
-第2のセキュリティ要素1bq:仮想高さ:4mm/立体角:5°
-第2のセキュリティ要素1br:仮想高さ:8mm/立体角:2.5°
-第2のセキュリティ要素1bs:仮想高さ:6mm/立体角:2.5°
-第2のセキュリティ要素1bt:仮想高さ:4mm/立体角:2.5°
【符号の説明】
【0228】
1 セキュリティ文書
11,12,13,14,15 セキュリティ文書
1a 第1のセキュリティ要素
1aa,1ab,1ac,1ad 第1のセキュリティ要素
1b 第2のセキュリティ特徴
1ba,1bb,1bc,1bd 第2のセキュリティ特徴
1be,1bf,1bg,1bh 第2のセキュリティ特徴
1bi,1bj,1bk,1bl 第2のセキュリティ特徴
1bm,1bn,1bo,1bp 第2のセキュリティ特徴
1bq,1br,1bs,1bt 第2のセキュリティ特徴
1c セキュリティ特徴
1d フォイルストリップ
10a 第1のセキュリティ要素の複製
10b 第2のセキュリティ要素の複製
10c セキュリティ要素の複製
2 デバイス
2a 遮蔽面
2b 輪郭
20 センサ
21 出力ユニット
22 内部光源
22a 光
220 第1の照明
221 第2の照明
222 第3の照明
3 外部光源
X,Y 方向
R1 第1の方向
R2 第2の方向
a,b,c,d,e,f 方法の工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】