(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-20
(54)【発明の名称】自動検体測定システムおよび測定システムと共に使用するキット
(51)【国際特許分類】
G01N 35/08 20060101AFI20230313BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20230313BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20230313BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N37/00 101
G01N37/00 102
G01N35/02 E
G01N35/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545153
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 US2021014800
(87)【国際公開番号】W WO2021151030
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522295058
【氏名又は名称】コレリア バイオシステムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】アラズ,エム.キュルサード
(72)【発明者】
【氏名】ティア,サムエル クイン
(72)【発明者】
【氏名】アポリ,アクワシ
(72)【発明者】
【氏名】サンダラム,プラナブ
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058AA05
2G058AA09
2G058CC01
2G058CC05
2G058CC17
2G058CC18
2G058CC19
2G058CF17
2G058EA02
2G058EA04
2G058EA14
2G058GA11
2G058GB04
(57)【要約】
液状試料中の検体の迅速かつ正確な検出、同定および定量化を可能にするシステム、キットおよび方法を提供する。キットは、液体試料中の1つ以上の検体の、自動化され、予めプログラムされたシングルプレックスおよびマルチプレックス検出および定量化に使用され得る。キットは、チップ容器、消耗アッセイチップ、電極アセンブリ、電気コネクタアセンブリ、1つ以上のケーブル、電圧電源、真空ポンプ、真空トラップ、特注設計のマニホールド、1つ以上の緩衝液、試薬、および使用説明書を備え得る。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッセイを実行するために使用される装置であって、
複数の対のウェルの列をそれぞれ1つ以上有する1つ以上のアッセイチップを有している第1のフレームを含む、取り外し可能なチップ容器と、
複数の電極を有し、前記フレームに接続されている複数の電極レールを有する第2のフレームを含む、電極アセンブリと、を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記電極レールの前記複数の電極は、閉位置において、前記ウェルの1つの中に配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の電極は、前記ウェルの1つの中に配置された際、前記ウェルのエッジの近くにオフセットされており、これにより、前記ウェルの中にピペットの先端を挿入するための隙間が確保されている請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のフレームは、前記複数の電極レールのそれぞれを取り外し可能に取り付けるための複数の凹状ノッチを含んでいる請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記複数の電極レールのそれぞれは、前記電極レールを前記複数の凹状ノッチ内に確実に挿入するための先端を有する第1の接続端部および第2の接続端部を有している請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のフレームのアセンブリは、前記複数の対のウェルの各列のための2つの電極レールを備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記アッセイチップのそれぞれは、前記第1のフレームに取り外し可能に取り付けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
ベースにヒンジ連結され取り付けられたアセンブリ蓋をさらに含み、
前記アセンブリ蓋は、閉位置およびロック位置にあるとき、前記第2のフレームを前記第1のフレームに対する所定の位置に固定する請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記ベースは、支柱を備え、さらに、前記アセンブリ蓋は、前記アセンブリ蓋を前記ロック位置にロックするためのロック機構を備えている請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の電極のそれぞれの厚さは、0.1mm~1mm、または0.3mm~0.7mmである請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記ウェルのそれぞれの直径は、約1mm~約5mm、または、約1.5mm~約3mmである請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記複数の対のそれぞれのウェルは、チャネルを介して相互接続されている請求項1ないし11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記ウェルのそれぞれの体積は、約2.5μLである請求項1ないし12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記第2のフレームは、前記第2のフレームと前記第1のフレームを位置合わせするよう構成された複数のばね機構を含んでいる請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記複数の電極レールは、直線状であり、前記第1のフレームの端から端に伸びる前記列に対してフラットおよび平行に整列されるよう構成されている請求項1ないし14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
複数の液体試料を処理するための方法であって、
チャネルを介して相互接続されている対のウェルを複数有する列を、それぞれ1つ以上備える1つ以上のアッセイチップを提供する工程と、
複数のピペッターの先端を有するロボット制御ピペッターを用いて試料分子を含有する流体を前記アッセイチップの前記ウェルの中にセットし、前記流体を前記ウェル内に配置されている電極に接触させる工程と、
前記電極を介して所定の電圧を印加し、前記試料分子を前記ウェルから前記チャネルの中に移動させる工程と、
ロボット制御真空吸引器を用いて前記ウェルから前記流体を吸引し、前記1つ以上のアッセイチップの前記ウェルから前記流体を除去する工程と、を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記ウェルのそれぞれの直径は、約1mm~約5mmまたは約1.5mm~約3mmである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ロボット制御ピペッターを使用して洗浄用流体を分注して前記アッセイチップのそれぞれの前記ウェルを洗浄し、さらに、前記ウェルから前記洗浄用流体を除去する請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の電極は、前記ピペッターの先端が前記ウェル内に挿入され得るよう、前記ウェル内に配置されている請求項16ないし18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
電極レールは、複数の電極先端を有し、前記複数の電極先端のそれぞれは、前記列内の前記ウェルの一部の中に配置されており、
前記対のウェルの第1の列上に第1の電極レールをセットし、さらに、前記対のウェルの第2の列の上に第2の電極レールをセットする工程と、
前記第1の電極レールに第1の電圧を印加する工程と、
前記第2の電極レールに第2の電圧を印加する工程と、をさらに含んでいる請求項16ないし19のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本出願は、2020年1月24日に出願された米国仮出願第62/965725号に基づく優先権を主張し、さらに、該米国仮出願の内容は、参照により本明細書に完全に援用される。
【0002】
本出願は、2020年1月24日に出願された米国仮出願第62/965729号に基づく優先権を主張し、さらに、該米国仮出願の内容は、参照により本明細書に完全に援用される。
【技術分野】
【0003】
本発明は、液体試料中における目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸マーカー、ホルモン、代謝産物、糖質、脂質および他の検体等の小分子および高分子の迅速かつ正確な検出、同定および定量化のためのキットに関する。開示されたキットは、研究、臨床応用、診断および治療のために使用され得る。
【0004】
本発明は、さらに、液体試料中における目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸マーカー、ホルモン、代謝産物、糖質、脂質および他の検体等の小分子および高分子の迅速かつ正確な検出、同定および定量化のためのシステム、ならびに、開示されたシステムの使用を含む、検体の検出および定量化の方法に関する。開示されるシステムは、研究、臨床応用、診断および治療のために使用され得る。
【背景技術】
【0005】
タンパク質バイオマーカーの早期検出および定量化は、治療および予防戦略にとって重要である。タンパク質の検出および定量化のための市販のイムノアッセイ(immunoassay)技術は、適度に安価である一方、多くの欠点を抱えている。
【0006】
特に、大抵の市販のテストは、特定のタンパク質に対して高い特異性および感度を同時に有する1つ以上の抗体の使用を必要とする。さらに、これらのテストの多くは、マルチプレックス検出(multiplexed detection)を実施するのに必ずしも適切ではない。したがって、マルチプレックスタンパク質解析(multiplexed protein analysis)が所望される場合、複数のアッセイを各試料に対して実行する必要があることが多い。さらに、大抵のイムノアッセイは、手間と時間がかかり、複数の工程を有し、実際的なユーザ介入を必要とする。
【0007】
イムノアッセイをより迅速に、よりユーザフレンドリーにするために、いくつかのアプローチが試みられてきた。しかしながら、これらの技術は、依然として数時間かかり、比較的大量の液体試料を必要とする。したがって、イムノアッセイは、多くの場合、生命科学分野において、高品質なリアルタイムの定量的タンパク質測定のデータ生成の妨げとなっている。これは、利用可能な生物試料量が限られている際に、特に当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
研究、ならびに、診断、予防および治療指導のために、タンパク質および他の検体を、迅速かつ確実に検出および定量化する正確で信頼できるシステム、キットおよび方法が必要とされている。本出願は、様々な自動液体ハンドリングシステムに適合し、高分子の迅速かつ高効率の測定を提供することができるキットのコンポーネントを提供することによって、上述の課題に対するソリューションを提示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
自動システムにおいて使用されるキットに関する概要
【0010】
本明細書には、自動化された液体ハンドリングシステムに適合し、液体試料中の目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質および脂質等の小分子および高分子の迅速かつ高効率なマルチプレックス検出および定量化を提供するキットのコンポーネントが開示される。開示されたキットは、ユーザからの手動介入なしで、または、僅かな手動介入のみで、イムノアッセイ、核酸試験、臨床診断、バイオマーカー検出、およびプロテオミクス・プロファイリングなどの多くの試験のための微量の液体試料に対して使用され得る。
【0011】
したがって、本明細書では、自動化され、予めプログラムされた、液体試料からのシングルプレックスおよびマルチプレックス検出および定量化のためのキットが提供される。
【0012】
いくつかの実施形態において、開示されるキットは、チップ容器(chip caddy)と、消耗アッセイチップ(consumable assay chips)と、電極アセンブリと、蓋およびプリント回路基板(printed circuit board)(PCB)インターフェースを含むコネクタアセンブリと、ケーブルと、電圧電源と、真空ポンプと、真空トラップと、異なるサイズの液体ハンドリングロボットアームに適合する流体の供給(delivery)および吸引のための特注設計のマニホールドと、のうちの1つ以上を備え得る。さらに、開示されるキットは、1つ以上の緩衝液と、試薬と、使用説明書と、を備え得る。
【0013】
本明細書において提供されるキットの開示されるコンポーネントは、高分子のシングルプレックスまたはマルチプレックス検出および定量化のための複数の異なる自動システムに適合し、複数の異なる種類の自動撮像装置に接続されるよう構成されている。さらに、本明細書において提供されるキットの開示されるコンポーネントは、液体試料中の目的のタンパク質、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質および脂質の検出および定量化のための、イムノアッセイ、核酸試験、マルチプレックスタンパク質測定、臨床診断、バイオマーカー検出、およびプロテオミクス・プロファイリング等の多数の試験に使用されるよう構成されている。液体試料の体積は、約0.2μl~約1000μlまで変化し得る。
【0014】
本明細書において提供されるキットの開示されるコンポーネントは、複数の異なる種類の自動撮像装置に接続されるよう構成されている。適切な自動撮像装置とは、LEDまたはレーザ誘起蛍光撮像読取装置(laser-induced fluorescence imaging reader)を含み得る。LEDまたはレーザ誘起蛍光撮像読取装置は、蛍光励起源(fluorescence excitation source)、光学フィルタ、光子測定システム(カメラまたは光電子増倍管システム等)、対物レンズ、露光および光強度のアクティブモニタリングおよび調整システム(active monitoring and regulation systems)、ならびに自動画像解析および報告システムを備えていてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、アッセイチップは、ガラスまたは1つ以上のポリマーを含む微小流体チップ(microfluidic chips)である。いくつかの実施形態において、アッセイチップは、機能化プリント回路基板(functionalized printed circuit board)(PCB)である。いくつかの実施形態において、アッセイチップは、紙ベースであり、有機繊維などのセルロース系材料を含んでいる。
【0016】
いくつかの実施形態において、開示されるキット中のチップ容器は、アッセイチップを収納するよう構成されている。いくつかの実施形態において、消耗アッセイチップは、使い捨てのチップであり、いくつかの実施形態において、消耗アッセイチップは、再利用可能なチップである。いくつかの実施形態において、アッセイチップは、マルチプレックス検体検出および定量化のための複数の試料および試薬(reagents)を受け入れる(accept)よう設計されたウェル(well)を含むよう、構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、チップ容器は、アルミニウム等の金属、ポリマー、またはこれらの任意の混合物等の1つ以上を含んでいる。いくつかの実施形態において、開示されるキット中のチップ容器は、1つ以上のチップを収納するよう構成されている。いくつかの実施形態において、各チップは、2つの試料ウェルを含んでいる。いくつかの実施形態において、各チップ容器は、16個の試料ウェル、64個の試料ウェル、256個の試料ウェル、640個の試料ウェル、1280個の試料ウェル、3200個の試料ウェル、または6400個の試料ウェルを収納する。いくつかの実施形態において、各ウェルの直径は、約1mm~約5mm、または約1.5mm~約3mmである。いくつかの実施形態において、2つ以上のウェルは、チャネル(channel)を介して接続されている。
【0018】
いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、コネクタアセンブリに嵌合し(fit into)、消耗アッセイチップ(consumable assay chip)を保持するよう構成されている。いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、プログラム可能電圧電源と接続可能なヒンジ連結された精密電極インターフェースを含むよう構成されている。電圧電源は、1~10個の独立した出力を備え得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、電極アセンブリ内においてチップ容器の位置合わせをする(align)よう構成されたばね機構を収容する底部コンポーネントと、電極レールを保持する絶縁性の電極フレームを含む上蓋と、を含むよう構成されている。いくつかの実施形態において、電極レールは、直線状であり、チップ容器に対してフラットかつ平行に整列(align)されるよう構成されている。いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、開位置または閉位置にあるよう構成されている。いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、コネクタアセンブリから取り外し可能であるよう構成されている。いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、洗浄、漂白、および消毒されて、さらなる試験に使用されることができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、コネクタアセンブリは、自動液体ハンドリングロボットの基部に取り付け可能であるよう構成されている。いくつかの実施形態において、コネクタアセンブリは、電極アセンブリ内の電極レールに電力を伝達するよう構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、コネクタアセンブリおよびコネクタアセンブリ内の電極アセンブリが閉位置にある際、電極レールの各電極は、各ウェルのエッジに位置する(sit on)よう構成され、さらに、コネクタアセンブリを介して電力を受け取るよう構成されている。いくつかの実施形態において、各電極の厚みは、0.1mm~1mm、または0.3mm~0.7mmである。いくつかの実施形態において、各電極は、傾斜上端(angled top)を含むレーザ溶接された白金電極である。
【0022】
いくつかの実施形態において、真空ポンプおよび真空トラップは、プログラム可能電圧電源に接続可能であるよう構成されている。電圧電源は、1~10個の独立した出力を含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアは、液体ハンドリングロボット、真空システム、および電圧電源を統合および接続し、アッセイ実行工程(assay running steps)を完全に自動化し、高度なデータ解析を可能にするよう構成されている。
【0024】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアは、液体ハンドリングロボット、真空システム、電圧電源、および撮像システムを統合および接続し、アッセイ実行ステップおよび読み出し(readout)を完全に自動化し、画像解析および高度なデータ解析を可能にするよう構成されている。
【0025】
いくつかの実施形態において、開示されるキット中の特注設計の流体供給および吸引マニホールドは、真空ラインに接続可能であり、マクロチップまたはマイクロチップ取り付けのために構成されている。
【0026】
いくつかの実施形態において、本明細書において提供されるキットの開示されるコンポーネントは、消耗チップを所定の位置に保持し、チップのウェル内の電気導電性を維持するよう構成されている。いくつかの実施形態において、自動液体ハンドリングロボットは、適切な順序で1つ以上のアッセイ試薬を消耗チップの1つ以上のウェルに供給(deliver)、または、消耗チップの1つ以上のウェルから吸引するよう構成されている。
【0027】
いくつかの実施形態において、開示されるキットのコンポーネントは、直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムに適合するよう構成されている。開示されるシステムは、自動液体ハンドリングロボットおよびアッセイサブユニットを含んでいる。
【0028】
いくつかの実施形態において、自動液体ハンドリングロボットは、マイクロリットルピペット操作能力(microliter pipetting capabilities)を有し、所定の時間間隔、または所定の条件で、液体を供給、添加、吸引、または試料ウェルから除去するようプログラムされた、特注設計のロボットである。いくつかの実施形態において、液体ハンドリングロボットは、試薬混合および試料希釈など、アッセイ前に必要なすべての試薬調整工程(sample preparation step)を自動的に実行することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、自動液体ハンドリングロボットは、真空ラインに接続され、マイクロチップ取り付けのために構成された吸引マニホールドを含む特注設計アームを含んでいる。
【0030】
いくつかの実施形態において、システムは、コネクタアセンブリと、コネクタアセンブリに嵌合し(fit in)、消耗アッセイチップを保持するよう構成され、ヒンジ連結された精密電極インターフェースを含む電極アセンブリと、真空ポンプと、電極インターフェースに接続されている1~10個の独立した出力を含むプログラム可能電圧電源と、を含んでいる。
【0031】
いくつかの実施形態において、自動撮像装置は、システムと統合されている。いくつかの実施形態において、自動撮像装置は、システムと切り離されている。いくつかの実施形態において、自動撮像装置は、蛍光励起チャネルと、光学フィルタと、カメラまたは光電子増倍管システム(photomultiplier tube system)などの光子測定システムと、対物レンズと、オートフォーカス、自動露光、光強度モニタリングおよび調整のためのシステムと、自動画像解析および報告システムと、を備えたLEDまたはレーザ誘起蛍光画像読取装置を含んでいる。
【0032】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアは、液体ハンドリングロボット、真空システム、電圧電源、および撮像システムを統合および接続して、画像解析および高度なデータ解析を可能にする。
【0033】
いくつかの実施形態において、自動液体ハンドリングロボットは、適切な順序で、1つ以上のアッセイ試薬を、消耗チップにおける1つ以上のウェルに供給、または、消耗チップにおける1つ以上のウェルから吸引するよう構成されている。
【0034】
いくつかの実施形態において、開示される自動システムは、約10分~約4時間の時間内に、液体試料中の1つ以上の目的の検体の存在を検出し、1つ以上の検体の検出量を定量化するよう構成されている。液体試料とは、血液、血清、および尿などの生物学的試料、細胞懸濁液、細胞上清および溶解物、植物抽出物、海水、マイクロフィルム流体、流水、ならびに飲料を含み得るが、これらに限定されない。
【0035】
いくつかの実施形態において、開示される自動システムは、液体試料から、目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質、および脂質等の高分子を検出および定量化するよう構成されている。適切な検出方法とは、イムノアッセイ、核酸試験、臨床診断、バイオマーカー検出、およびプロテオミクス・プロファイリングを含むが、これらに限定されない。
【0036】
いくつかの実施形態において、開示される自動システムは、1つ以上の液体試料および1つ以上の試薬が別々に、異なる時刻に、システムに導入される(introduced)ことを可能にするよう構成されている。開示される自動システムは、約0.2μl~約1000μlまでの試料量の液体試料中の1つ以上の検体を検出および定量化するよう構成されている。さらに、開示された自動システムは、約10分~約4時間等の時間内に1つ以上の検体を検出および定量化するよう構成されている。
【0037】
開示された自動システムは、アッセイチップに指向性電場(directional electric field)を印加(apply)するよう構成されている。その結果、1つ以上の試薬は、1つのウェルから他のウェルに動電学的かつ連続的に運ばれる。開示された自動システムは、さらに、液体ハンドリングロボットが、試料調整工程を実行するために、または、ターゲット検体を捕捉(capture)および結合(bind)させるために、複数の異なる時間または複数の異なるサイクルで、複数の異なる試料へ、1つ以上の試薬を、正確に運搬(transfer)し、分注し(dispense)、供給し、または、複数の異なる試料から1つ以上の試薬を吸引可能にするよう構成されている。いくつかの実施形態において、ターゲット検体の捕捉および結合とは、サンドイッチ抗体検出(sandwich antibody detection)、酵素標識抗原反応(enzyme-labeled antigen reaction)、蛍光検出(fluorometric detection)、in situハイブリダイゼーション(in situ hybridization)、マイクロアレイ技術、親和性結合(affinity binding)、放射性および比色結合を含み得るが、これらに限定されない。
【0038】
自動システムの概要
【0039】
さらに、本明細書において、液体試料から、目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質、および脂質等の小分子および高分子の迅速かつ高効率的のマルチプレックス検出および定量化のための自動システムおよび自動化方法が開示される。開示される自動システムおよび方法は、ユーザからの手動介入なしで、または限定的な手動介入のみで、イムノアッセイ、核酸試験、マルチプレックス診断、バイオマーカー検出、およびプロテオミクス・プロファイリングなどの多数の試験のための微量の液体試料に対して使用され得る。
【0040】
したがって、一実施形態において、直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムが本明細書で提供される。開示されるシステムは、自動液体ハンドリングロボットおよびアッセイサブユニットを含んでいる。
【0041】
いくつかの実施形態において、自動液体ハンドリングロボットは、マイクロリットルピペット操作能力を有し、所定の時間間隔、または所定の条件で、試料ウェルに、および試料ウェルから、液体を供給し、添加し、吸引し、または、除去するようプログラムされた特注設計ロボットである。
【0042】
いくつかの実施形態において、自動液体ハンドリングロボットは、真空ラインに接続され、マイクロチップ取り付けのために構成された吸引マニホールドを含む特注設計および製造されたアームを含んでいる。
【0043】
いくつかの実施形態において、アッセイサブユニットは、蓋と、導電性ピンを有するプリント回路基板(PCB)インターフェースと、を含むコネクタアセンブリと、コネクタアセンブリに適合し、消耗アッセイチップを保持するよう構成され、ヒンジ連結された精密電極インターフェースを含む電極アセンブリと、真空ポンプと、1~10個の独立した出力を含み、電極インターフェースに接続されたプログラム可能なソフトウェア制御電圧電源と、を含んでいるシステムである。
【0044】
いくつかの実施形態において、自動撮像装置は、システムに統合されている。いくつかの実施形態において、自動撮像装置は、システムから切り離されている。いくつかの実施形態において、自動撮像装置は、LEDまたはレーザ誘起蛍光画像読取装置を含んでいる。LEDまたはレーザ誘起蛍光画像読取装置は、顕微鏡、蛍光励起チャネル、光学フィルタ、光子測定システム、対物レンズ、オートフォーカスシステム、自動露光、光強度アクティブモニタリングおよび調整のためのシステム、ならびに自動画像解析および報告システムを備え得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアは、液体ハンドリングロボット、真空システム、電圧電源、および撮像システムを統合および接続し、画像解析および高度なデータ解析を可能にするよう構成されている。
【0046】
いくつかの実施形態において、コネクタアセンブリは、自動液体ハンドリングロボットの基部においてプレートに固定されている。いくつかの実施形態において、ヒンジ連結された精密電極インターフェースは、複数の電極レールを含んでいる。いくつかの実施形態において、コネクタアセンブリは、電極アセンブリ内の電極レールに電力を伝達するよう構成されている。
【0047】
いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、電極アセンブリ内でチップ容器の位置合わせをするよう構成されたばね機構を収容する底部コンポーネントと、電極レールを保持する絶縁性の電極フレームを含む上蓋と、を含んでいる。いくつかの実施形態において、電極レールは、直線状であり、チップ容器に対してフラットおよび平行に整列されるよう構成されている。いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、開位置または閉位置のいずれかにあるよう構成されている。いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、コネクタアセンブリから取り外し可能である。いくつかの実施形態において、電極アセンブリは、洗浄、漂白、および消毒され、再利用可能である。
【0048】
いくつかの実施形態において、アッセイチップは、ガラスまたは1つ以上のポリマーを含むマイクロ流体チップである。いくつかの実施形態において、アッセイチップは、ガラスおよび/またはポリマーから構成される機能化マイクロキャピラリー(functionalized microcapillaries)を含んでいる。いくつかの実施形態において、アッセイチップは、機能化プリント回路基板(PCB)である。いくつかの実施形態において、アッセイチップは、有機繊維などのセルロース系材料を含む紙ベースのデバイスである。
【0049】
いくつかの実施形態において、消耗アッセイチップは、チップ容器内に収納されている。いくつかの実施形態において、消耗アッセイチップは、使い捨てチップである。いくつかの実施形態において、消耗アッセイチップは、再利用可能なチップである。消耗アッセイチップは、マルチプレックス検体検出および定量化のための複数の試料および試薬を受け入れるよう設計されたウェルを含んでいる。
【0050】
いくつかの実施形態において、チップ容器は、アルミニウムなどの1つ以上の金属、プラスチックなどの1つ以上のポリマー、または、これらの任意の混合物を含んでいる。いくつかの実施形態において、チップ容器は、1つ以上のマイクロ流体チップ、または、アッセイチップを収納している。いくつかの実施形態において、各チップは、2つの試料ウェルを収納している。いくつかの実施形態において、各チップ容器は、16個の試料ウェル、64個の試料ウェル、256個の試料ウェル、640個の試料ウェル、1280個の試料ウェル、3200個の試料ウェル、または6400個の試料ウェルを収納している。いくつかの実施形態において、各ウェルの直径は、約1mm~約5mm、または、約1.5mm~約3mmである。いくつかの実施形態において、2つ以上のウェルは、チャネルによって接続されている。
【0051】
いくつかの実施形態において、コネクタアセンブリおよびコネクタアセンブリ内の電極アセンブリが閉位置にある際、電極レール内の各電極は、各ウェルのエッジに位置し、コネクタアセンブリを介して電力を受け取るよう構成されている。いくつかの実施形態において、各電極の厚さは、0.1mm~1mm、または0.3mm~0.7mmである。いくつかの実施形態において、各電極は、傾斜上端を含むレーザ溶接された白金電極である。
【0052】
いくつかの実施形態において、アッセイサブユニットは、消耗チップを所定の位置に保持し、チップにおけるウェル内の電気導電性を維持するよう構成されている。いくつかの実施形態において、自動液体ハンドリングロボットは、1つ以上のアッセイ試薬を消耗チップの1つ以上のウェルに、適切な順序で供給、または、1つ以上のアッセイ試薬を消耗チップの1つ以上のウェルから、適切な順序で吸引するよう構成されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、開示される自動システムは、約10分~約4時間の時間内に液体試料中の目的の1つ以上の検体の存在を検出し、1つ以上の検体の検出量を定量化するよう構成されている。液体試料とは、血液、血清、および尿などの生物学的試料、細胞懸濁液、細胞上清および溶解物、植物抽出物、海水、マイクロフィルム流体、流水、ならびに飲料が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0054】
いくつかの実施形態において、開示される自動システムは、液体試料から、目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質、および脂質等の高分子を検出および定量化するよう構成されている。適切な検出方法には、イムノアッセイ、核酸試験、マルチプレックス診断、バイオマーカー検出、および、プロテオミクス・プロファイリングが含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
いくつかの実施形態において、開示される自動システムは、1つ以上の液体試料および1つ以上の試薬が、別々かつ異なる複数の時刻に、システムに導入されることを可能にするよう構成されている。開示された自動システムは、約0.2μl~約1000μlの体積の液体試料中の1つ以上の検体を検出および定量化するよう構成されている。
【0056】
開示された自動システムは、電極アセンブリに指向性電場を印加するよう構成されている。その結果、1つ以上の試薬は、システムを介して1つ以上の試料に動電学的および連続的に運ばれる。開示される自動システムは、液体ハンドリングロボットがターゲット検体を捕捉および結合させるために、複数の異なる時間、または、複数の異なるサイクルで、複数の異なる試料へ1つ以上の試薬を正確に運搬、分注、供給、または、複数の異なる試料から1つ以上の試薬を吸引することを可能にするよう、さらに構成されている。いくつかの実施形態において、ターゲット検体の捕捉および結合とは、サンドイッチ抗体検出、酵素標識抗原反応、蛍光検出、in situハイブリダイゼーション、マイクロアレイ技術、親和性結合、放射性および比色結合が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0057】
さらに、本明細書において、液体試料中の1つ以上の検体のシングルプレックスおよびマルチプレックス検出および定量化のための自動化方法が提供される。この方法は、最小限の手動介入を必要とするか、または、手動介入を全く必要としない。開示される自動化方法は、(a)上記のような直接サンプリング能力を有する自動化された検体検出および定量化システムに、液体試料および1つ以上の試薬を別々に導入し、(b)1つ以上のターゲット検体を検出および定量化するために、事前検証されたアッセイプロトコルのリストからアッセイプロトコルを選択し、(c)コネクタアセンブリおよびコネクタアセンブリの下の電極アセンブリを閉じ、(d)自動システムを開始し、(e)10~240分待機し、さらに(f)自動システムによって提示される検出および定量化データからターゲット検体濃度を算出することを含んでいる。
【0058】
次に、添付の図面を参照して、本発明の前述特徴および他の特徴を詳述する。いくつかの実施形態の特徴は、以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
【0059】
次に、添付の図面を参照して、本発明の前述特徴および他の特徴を詳述する。いくつかの実施形態の特徴は、以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
本発明は、発明の詳細な説明および図面からよりよく理解されるであろう。
【0061】
【
図1A】
図1Aは、液体ハンドリングロボットの一例を示す図である。
【0062】
【0063】
【
図2】
図2Aおよび
図2Bは、試料ウェルへの消耗品(consumable)の供給を示す図である
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【
図7】
図7は、液体ハンドリングロボットに適合するよう設計された真空アーム(vacuum arm)の一例を示す図である。
【0069】
【0070】
【
図9】
図9A~
図9Cは、動作モードにおけるコネクタアセンブリの例を示す図である。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【
図13】
図13Aおよび
図13Bは、電極先端(electrode tip)および電極レールの配置を示す図である。
【0076】
【
図14】
図14は、電極およびピペットの先端(pipette tip)の配置の詳細を示す図である。
【0077】
【
図15】
図15は、ヒトIL-1ベータアッセイの標準曲線(standard curve)を示す図である。
【0078】
【
図16】
図16は、液状試料中の1つ以上の検体のシングルプレックスおよびマルチプレックス検出および定量化のための自動化方法のための手法のフローチャートである。
【0079】
【
図17】
図17は、液状試料中の1つ以上の検体のシングルプレックスおよびマルチプレックス検出および定量化のための自動化方法のための手法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0080】
用語および方法の以下の説明は、本開示をより良く説明し、本発明の実施において当業者を導くために提供される。本明細書で使用する際、「含む(comprising)」は「(including)」を意味し、単数形の「a」、「an」または「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形への参照(plural references)を含む。例えば、「治療剤を含む」とは、1つ以上のそのような治療剤を含んでいることを意味する。用語「または」は、文脈が明らかにそうではないことを示さない限り、記載された代替要素の単一の要素または2つ以上の要素の組み合わせを指す。例えば、語句「AまたはB」は、AもしくはB、または、AとBの両方の組合せを指す。さらに、本明細書で説明する様々な要素、特徴、および工程、ならびにそのような要素、特徴、または工程ごとの他の既知の均等物は、本明細書で説明する原理に従って技術を実行するために、当業者によって組み合わされ、適合されることができる。様々な要素、特徴、および工程のうち、具体的に含まれるものもあれば、特別に具体的に除外されるものもある。
【0081】
別段の説明がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解される用語と同じ意味を有する。本明細書に開示されている方法および材料と類似または同等の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料を以下に詳述する。材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定を意図するものではない。本明細書に引用される全ての参照文献は、その全体が本明細書の一部として援用される。
【0082】
いくつかの例において、特定の実施形態を記載およびクレームするために使用される成分の量、分子量、反応条件等の特性などを表す数字は、いくつかの例において、用語「約(about)」または「およそ(approximately)」によって修飾されるものとして理解されるべきである。例えば、「約(about)」または「およそ(approximately)」は、それが開示する値の+/-20%の変動を示すことができる。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の数値パラメーターは、特定の実施形態の所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例の広い範囲を示す数値範囲およびパラメーターは近似値であるが、特定の実施例に示される数値は、実行可能な限り正確に報告される。本明細書に列挙される数値範囲の記載は、単に、その範囲内に入るそれぞれ別の値を個々に参照する簡易な方法としての役割を果たすことを意図したものである。
【0083】
本発明の様々な実施形態のレビューを容易にするために、特定の用語の説明を以下に提供する。
【0084】
投与する(Administer)、または、適用する(Apply):有効な経路によって、医薬組成物などの組成物を対象に提供(provide)すること、または与えること(give)。例示的な投与経路は、非経口、局所、経皮、経口、静脈内、および筋肉経路を含むが、これらに限定されない。
【0085】
類似体(Analog):互いに類似しているが、それとは異なる構造を有する化合物。例えば、1つ以上の原子、官能基、または基礎構造が異なる化合物である。
【0086】
麻酔薬(Anesthetic agent):感覚の低下または喪失を引き起こす活性薬剤。
【0087】
アンタゴニスト(拮抗剤)(Antagonist):細胞受容体に結合すると、同じ受容体に結合する1つ以上のリガンドと拮抗(compete)および/または干渉し、この結果、これらのリガンドによって誘発される反応を低減または防止する分子。
【0088】
抗生物質(Antibiotic):細菌および他の微生物の生育を抑制することによって、または細菌および他の微生物の生存するコロニーを破壊することによって、細菌感染を治療することができる化学物質。
【0089】
抗体(Antibody):免疫グロブリン分子の可変領域に位置する1つ以上の抗原認識部位を介して、糖質、ポリヌクレオチド、脂質、またはポリペプチド等のターゲット分子に特異的に結合することができる免疫グロブリン。「抗体」という用語は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体と、そのフラグメントと(Fab、Fab´、F(ab´)2およびFv等)、単鎖可変領域フラグメント(single chain variable fragments)(ScFv)と、その変異体と、抗体部分を含む融合タンパク質、ならびに抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾構造(modified configuration)と、を含む。抗体は、それらの重鎖における定常ドメインのアミノ酸配列に従って、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMの5つの主クラスに分類することができる。モノクローナル抗体は、実質的に均質な抗体集団から得られ、特異的に抗原の単一のエピトープ(抗原決定基)をターゲットとする。ポリクローナル抗体は、抗原上の複数の異なるエピトープをターゲットとする。抗体の重鎖および軽鎖はそれぞれ、可変領域および定常領域を含んでいる。重鎖および軽鎖の可変領域はそれぞれ、超可変領域(hypervariable region)として知られる3つの相補性決定領域(CDRs)(complementarity determining region)によって連結された4つのフレームワーク領域(FR)からなる。各鎖のCDRsは、FRによって極めて近接して共に保持され、抗体の抗原結合部位を形成する。抗体の重鎖および軽鎖の定常領域は構造安定性を提供し、抗原結合に関与しない。
【0090】
抗体薬品複合体(Antibody-drug conjugate)(ADC):生物学的に活性な細胞傷害性(cytotoxic)ペイロードまたは薬品に連結された抗体から構成される複合分子。モノクローナル抗体のターゲッティング能力と細胞傷害性薬品の癌殺傷能力とを組み合わせることによって、抗体薬品複合体は、健康な組織と病気の組織との識別を可能にする。従来の化学療法薬とは異なり抗体薬品複合体は、健康な細胞への影響があまり大きくならないよう癌細胞のみを対象とする。
【0091】
抗真菌剤(Anti-Fungal Agent):真菌の生育を阻害する(inhibit)することができる活性剤、または真菌を破壊することができる活性剤。
【0092】
抗炎症剤(Anti-inflammatory agent):炎症(inflammation)および腫脹(swelling)を低減する活性剤。
【0093】
抗酸化剤(Anti-Oxidant):酸素または過酸化物によって促進される酸化または反応を抑制する活性薬剤。
【0094】
抗原虫剤(Anti-Protozoal Agent):原虫微生物の生育を阻害し、または原虫微生物を破壊することができる活性剤。
【0095】
抗ウイルス剤(Anti- Viral Agent):ウイルスの複製を阻害、またはウイルスを破壊する活性剤。
【0096】
癌(Cancer):無秩序な細胞増殖を特徴とする状態。癌の例としては扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、胃腸癌、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、グリア芽腫、子宮頸癌、神経膠腫、卵巣癌、肝癌(hepatic carcinoma)および肝細胞癌(hepatoma)などの肝臓癌、膀胱癌、乳癌、結腸癌(colon cancer)、大腸癌(colorectal cancer)、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎細胞癌およびウィルムス腫瘍(Wilms Tumor)などの腎臓癌、基底細胞癌、悪性黒色腫(メラノーマ)、前立腺癌、甲状腺癌、精巣癌、食道癌、ならびに様々なタイプの頭頸部癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
化学療法剤または化学療法(Chemotherapeutic agent or Chemotherapy):異常な細胞増殖を特徴とする病気の治療において治療的な有用性を有する化学剤。そのような病気には、腫瘍(tumors)、新生物(neoplasms)、および癌が含まれる。一例を挙げると、化学療法剤とは、放射性化合物である。一例を挙げると、化学療法剤とは、モノクローナル抗体などの生物製剤(biologic)である。いくつかの例において、開示された方法を用いて活性剤で治療された対象(subject)は、化学療法で治療されるか、治療される予定か、または以前に治療されたことがある。例示的な化学療法剤は、Slapak and Kufe,Principles of Cancer Therapy,Chapter 86 in Harrison´s Principles of Internal Medicine, 14th edition;Perry et al.,Chemotherapy,Ch.17 in Abeloff, Clinical Oncology 2nd ed., 2000,Churchill Livingstone, Inc; Baltzer and Berkery.(eds): Oncology Pocket Guide to Chemotherapy,2nd ed. St.Louis、Mosby-Year Book,1995; Fischer Knobf,and Durivage(eds): The Cancer Chemotherapy Handbook,4th ed. St.Louis,Mosby-Year Book,1993、において示されている。
【0098】
キメラ抗体(Chimeric Antibody):哺乳動物の第1の種由来の可変領域または可変領域の一部、および哺乳動物の第2の種由来の定常領域を有する抗体。
【0099】
先天性障害(Congenital Disorder):母親のアルコールまたは医薬品摂取、栄養摂取、および胎盤の健康(placental health)などの環境因子によって受け継がれ、またもたらされる、出生時に見られる状態または病気。先天性障害の例として、先天性心欠損、口唇裂、鎌状赤血球症、アルファサラセミア(alpha-thalassemia)、ベータサラセミア(beta-thalassemia)、脊髄性筋萎縮症、二分脊髄症およびダウン症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
消耗品(Consumables):消耗または使用され定期的に交換される必要がある実験装置および試薬。消耗品とは、試薬、緩衝液、使い捨て試験管、ビーカー、ピペット、ストリップ、手袋、フェイスマスク、試料容器、注射器、遠心分離管、およびスワブを含むが、これらに限定されない。
【0101】
接触(Contacting):直接的に物理的な関連をもたせる配置(placement)であり、固形および液状中の両方における配置を含む。接触は、単離細胞を用いて試験管内(in vitro)において(例えば、組織培養皿または他の容器中において)、または活性薬剤を対象に投与することによって生体内(in vivo)において起こり得る。
【0102】
コントロール(Control):リファレンススタンダード(reference standard)。いくつかの例において、コントロールは、例えば?胞性線維症の有無を示す既知の数値または既知の数値範囲である。いくつかの例において、コントロールは、治療剤がない場合の反応を示す数値または数値範囲である。
【0103】
サイトカイン(Cytokine):一つの細胞集団によって分泌され、細胞間のメディエーターとして別の細胞に作用する物質。サイトカインの例として、リンホカイン、モノカイン、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-11、IL-12、IL-15等、およびPROLEUKIN(登録商標)rIL-2を含むインターロイキン(IL)、TNF-αまたはTNF-βなどの腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor)、ならびにLIFおよびキットリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
細胞傷害剤(Cytotoxic agent):細胞の機能を阻害もしくは抑制し、および/または、細胞の破壊を引き起こす物質。
【0105】
ドメイン(Domain):タンパク質の区別可能な機能的、および/または、構造的単位。進化の間に保存されたドメインを保存ドメインと呼ぶ。進化の間のタンパク質中のアミノ酸配列の特定の位置における変化は、オリジナルの残基の物理化学的特性を保存するような方法で生じている。そのため、この変化は、タンパク質のその領域の構造的、および/または、機能的特性を保存するような方法で生じている。
【0106】
薬品または活性薬剤(Drug or Active Agent:):所望の薬理学的または生理学的効果を誘発する化学物質または化合物であり、治療的、予防的、または系統的に有効な化学薬品を含む。この用語は、さらに、本明細書で具体的に言及される活性剤の薬学的に許容される薬理学的に活性な誘導体(derivatives)および類似体(analogs)も包含する。この用語は、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝産物、包接複合体、類似体などを包含するが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物に組み込まれ得る適切な活性剤は、アドレナリン作動薬(adrenergic agents)、副腎皮質ステロイド(adrenocortical steroids)、副腎皮質抑制剤(adrenocortical suppressants)、アルコール抑止剤(alcohol deterrents)、アルドステロンアンタゴニスト(aldosterone antagonists)、アミノ酸、アンモニア解毒剤(ammonia detoxicants)、タンパク質同化剤(anabolic agents)、蘇生薬(analeptic agents)、鎮痛剤(analgesic agents)、アンドロゲン剤(androgenic agents)、麻酔剤(anesthetic agents)、複合食欲抑制剤(anorectic compounds)、食欲減退剤(anorexic agents)、アンタゴニスト(antagonists)、下垂体前葉アクチベーター(anterior pituitary activators)および下垂体前葉抑制剤(anterior pituitary suppressants)、抗ニキビ剤(anti-acne agents)、抗アドレナリン作動剤(anti-adrenergic agents)、抗アレルギー剤(anti-allergic agents)、抗アメーバ剤(anti-amebic agents)、抗アンドロゲン剤(anti-androgen agents)、抗貧血剤(anti-anemic agents)、抗狭心症薬(anti-anginal agents)、抗不安剤(anti-anxiety agents)、抗関節炎剤(anti-arthritic agents)、抗喘息剤(anti-asthmatic agents)および、その他の呼吸器薬(respiratory drugs)、抗アテローム性動脈硬化剤(anti-atherosclerotic agents)、抗菌剤(anti-bacterial agents)、新生物治療薬(antineoplastic drugs)および抗癌補助増強剤(anti-cancer supplementary potentiating agents)を含む抗癌剤(anti-cancer agents)、抗コリン剤(anticholinergics)、抗コレリソゲン剤(anticholelithogenic agents)、抗凝固剤(anti-coagulants)、抗コクシジウム剤(anti-coccidal agents)、抗痙攣剤(anti-convulsants)、抗うつ剤(anti-depressants)、抗糖尿病剤(anti-diabetic agents)、下痢止め剤(anti-diarrheals)、抗利尿剤(anti-diuretics)、解毒剤(antidotes)、抗ジスキネジア剤(anti-dyskinetics agents)、制吐剤(anti-emetic agents)、抗てんかん剤(anti-epileptic agents)、抗エストロゲン剤(anti-estrogen agents)、抗線溶剤(anti-fibrinolytic agents)、抗真菌剤(anti-fungal agents)、抗緑内障薬(anti-glaucoma agents)、駆虫剤(antihelminthics)、抗血友病剤(anti-hemophilic agents)、抗血友病因子(anti-hemophilic Factor)、抗出血剤(anti-hemorrhagic agents)、抗ヒスタミン剤(antihistamines)、抗高脂血症剤(anti-hyperlipidemic agents)、抗高リポタンパク血症(anti-hyperlipoproteinemic agents)、抗高血圧剤(antihypertensive agents)、抗低血圧剤(anti-hypotensives)、抗生物質および抗ウイルス剤などの抗感染剤(anti-infective agents)、ステロイド剤および非ステロイド剤の両方の抗炎症剤(anti-inflammatory agents)、抗角化剤(anti-keratinizing agents)、抗マラリア剤(anti-malarial agents)、抗菌剤(antimicrobial agents)、抗片頭痛剤(anti-migraine agents)、抗有糸分裂剤(anti-mitotic agents)、抗真菌剤(anti-mycotic agents)、抗嘔吐剤(antinauseants)、抗腫瘍剤(antineoplastic agents)、抗好中球減少剤(anti-neutropenic agents)、抗強迫剤(anti-obsessional agents)、抗寄生虫剤(anti-parasitic agents)、パーキンソン病治療薬(antiparkinsonism drugs)、抗ニューモシスティス剤(anti-pneumocystic agents)、抗増殖剤(anti-proliferative agents)、抗前立腺肥大薬(anti-prostatic hypertrophy drugs)、抗原虫剤(anti-protozoal agents)、かゆみ止め(antipruritics)、乾癬治療剤(anti-psoriatic agents)、抗精神病剤(antipsychotics)、解熱剤(antipyretics)、鎮痙剤(antispasmodics)、抗リウマチ剤(anti-rheumatic agents)、抗住血吸虫剤(anti-schistosomal agents)、抗脂漏剤(anti-seborrheic agents)、抗痙攣剤(anti-spasmodic agents)、抗結石剤(anti-tartar agent)および抗歯石剤(anti-calculus agent)、抗血栓剤(anti-thrombotic agents)、抗結核剤(anti-tubercular agents)、鎮咳剤(antitussive agents)、抗潰瘍剤(anti-ulcerative agents)、抗尿結石剤(anti-urolithic agents)、抗ウイルス剤(antiviral agents)、胃食道逆流症薬剤(GERD medications)、抗不安薬(anxiolytics)、食欲抑制剤(appetite suppressants)、注意欠如障害(ADD)薬および注意欠如多動性障害(ADHD)薬、静菌剤(bacteriostatic agents)および殺菌剤(bactericidal agents)、良性前立腺肥大症治療剤(benign prostatic hyperplasia therapy agents)、血中グルコース調節剤(blood glucose regulators)、骨吸収抑制剤(bone resorption inhibitors)、気管支拡張剤(bronchodilators)、炭酸脱水酵素阻害剤(carbonic anhydrase inhibitors)、抗狭心症剤(anti-anginal agents)、抗不整脈剤(anti-arrhythmic agents)、ベータ遮断薬(beta-blockers)、カルシウムチャネル遮断薬(calcium channel blockers)、心抑制薬(cardiac depressants)、心血管系薬剤(cardiovascular agents)、心臓保護薬(cardioprotectants)、および強心剤(cardiotonic agents)を含む循環器官用薬(cardiovascular preparations)、中枢神経系(CNS)剤(central nervous system)、中枢神経系刺激薬(central nervous system stimulants)、胆汁分泌促進剤(choleretic agents)、コリン作用剤(cholinergic agents)、コリン作用性アゴニスト(cholinergic agonists)、コリンエステラーゼ不活性剤(cholinesterase deactivators)、抗コクシジウム剤(coccidiostat agents)、認知補助薬(cognition adjuvants)および認知力改善薬(cognition enhancers)、充血除去剤(decongestants)を含む感冒薬(cough and cold preparations)、抑制剤(depressants)、診断用補助剤(diagnostic aids)、利尿剤(diuretics)、ドーパミン作動薬(dopaminergic agents)、外寄生生物撲滅薬(ectoparasiticides)、催吐剤(emetic agents)、プラーク、歯石(calculus)または虫歯(dental caries)の形成を阻害する酵素、酵素阻害剤(enzyme inhibitors)、エストロゲン(estrogens)、フィブリン溶解剤(fibrinolytic agents)、フッ化物抗虫歯/抗う蝕剤(fluoride anti cavity/anti decay agents)、酸素フリーラジカル捕捉剤(free oxygen radical scavengers)、胃腸運動剤(gastrointestinal motility agents)、遺伝物質(genetic materials)、グルココルチコイド(glucocorticoids)、生殖腺刺激剤(gonad-stimulating principles)、発毛剤(hair growth stimulants)、止血剤(hemostatic agents)、薬草剤(herbal remedies)、ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト(histamine H2 receptor antagonists)、ホルモン剤(hormones)、ホルモン溶解薬(hormonolytics)、催眠薬(hypnotics)、コレステロール低下剤(hypocholesterolemic agents)、血圧降下薬(hypoglycemic agents)、脂質低下剤(hypolipidemic agents)、血圧降下剤(hypotensive agents)、HMGCoA還元酵素阻害剤(HMGCoA reductase inhibitors)、免疫剤(immunizing agents)、免疫促進剤(immunomodulators)、免疫調節剤(immunoregulators)、免疫刺激剤(immunostimulants)、免疫抑制剤(immunostimulants)、インポテンス療法補助薬(impotence therapy adjuncts)、阻害薬(inhibitors)、角質溶解剤(keratolytic agents)、ロイコトリエン阻害剤(leukotriene inhibitors)、LHRHアゴニスト(LHRH agonists)、肝障害治療薬(liver disorder treatments)、ルテオリシン剤(luteolysin agents)、記憶補助薬(memory adjuvants)、精神能力増強剤(mental performance enhancers)、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid)、四ナトリウム塩(tetrasodium salt)等の金属キレート剤(metal chelators)、分裂抑制剤(mitotic inhibitors)、気分調節剤(mood regulators)、粘液溶解薬(mucolytics)、粘膜保護剤(mucosal protective agents)、筋弛緩薬(muscle relaxants)、散瞳剤(mydriatic agents)、麻酔アンタゴニスト(narcotic antagonists)、鼻充血除去薬(nasal decongestants)、神経弛緩薬(neuroleptic agents)、神経筋遮断剤(neuromuscular blocking agents)、神経保護剤(neuroprotective agents)、ニコチン(nicotine)、NMDAアンタゴニスト(NMDA antagonists)、非ホルモンステロール誘導体(non-hormonal sterol derivatives)、ビタミン、必須アミノ酸および脂肪酸等の栄養剤(nutritional agents)、抗緑内障剤(antiglaucoma agents)等の点眼薬(ophthalmic drugs)、分娩促進剤(oxytocic agents)、鎮痛剤(pain relieving agents)、副交感神経遮断剤(parasympatholytics)、ペプチド薬(peptide drugs)、プラスミノーゲン活性化剤(plasminogen activators)、血小板活性化因子アンタゴニスト(platelet activating factor antagonists)、血小板凝集阻害剤(platelet aggregation inhibitors)、脳卒中後および頭部外傷後治療(post stroke and post-head trauma treatments)、増強剤(potentiators)、プロゲスチン(progestins)、プロスタグランジン(prostaglandins)、前立腺成長阻害剤(prostate growth inhibitors)、創傷洗浄剤(wound cleansing agents)としてのタンパク質分解酵素(proteolytic enzymes)、プロチロトロピン剤(prothyrotropin agents)、精神刺激剤(psychostimulants)、向精神剤(psychotropic agents)、放射性薬剤(radioactive agents)、調整剤(regulators)、弛緩薬(relaxants)、再分配剤(repartitioning agents)、疥癬虫殺虫剤(scabicides)、硬化剤(sclerosing agents)、鎮痛剤(sedatives)、鎮静催眠剤(sedative-hypnotic agents)、選択的アデノシンA1アンタゴニスト(selective adenosine A1 antagonists)、セロトニンアンタゴニスト(serotonin antagonists)、セロトニン阻害剤(serotonin inhibitors)、セロトニン受容体アンタゴニスト(serotonin receptor antagonists)、プロゲストゲン(progestogens)、エストロゲン、コルチコステロイド(corticosteroids)、アンドロゲン(androgens)およびタンパク質同化剤(anabolic agents)を含むステロイド、禁煙剤(smoking cessation agents)、刺激剤(stimulants)、抑制剤(suppressants)、交感神経作用薬(sympathomimetics)、相乗剤(synergists)、甲状腺ホルモン(thyroid hormones)、抗甲状腺剤(thyroid inhibitors)、甲状腺ホルモン様剤(thyromimetic agents)、精神安定剤(tranquilizers)、歯の減感剤(tooth desensitizing agents)、過酸化物(peroxides)、金属亜塩素酸塩(metal chlorites)、過ホウ酸塩(perborates)、過炭酸塩(percarbonates)、ペルオキシ酸(peroxyacids)、およびそれらの組み合わせ等の歯のホワイトニング剤(tooth whitening agents)、不安定狭心症治療剤(unstable angina agents)、尿酸排泄剤(uricosuric agents)、血管収縮剤(vasoconstrictors)、一般的な冠状動脈(general coronary)、末梢(peripheral)および脳(cerebral)を含む血管拡張薬(vasodilators)、外傷治療剤(vulnerary agents)、創傷治癒薬(wound healing agents)、キサンチンオキシダーゼ阻害剤(xanthine oxidase inhibitors)等を含むが、これらに限定されない。
【0107】
有効量(Effective amount):進行性変性疾患を予防、治療、低減、および/または改善する(ameliorate)等の、所望の反応を誘発する(induce)のに十分な活性剤の量(単独または1つ以上の他の活性剤を含む量)。単独の、または1つ以上の他の活性剤を含む活性剤の有効量は、多種多様の方法により判別することができる。例えば、対象における、無制御の炎症反応条件等の条件に関連する1つ以上の徴候(signs)または症状の減少をアッセイすることにより、または、処置される条件に関連する1つ以上の分子のレベルを測定することにより判別することができる。
【0108】
ヒドロゲル(Hydrogel):相当量の水を吸収して弾性ゲルを形成することができる水膨潤性ポリマーマトリックス(高分子基質)。マトリックスは、共有結合または非共有結合架橋によって結合される高分子の三次元ネットワークである。水性環境中に配置された際、乾燥ヒドロゲルは、架橋度(degree of cross-linking)によって許容される程度まで膨潤する。
【0109】
親水性(Hydrophilic):相対湿度(rh)100%で10%/wを超える水を吸収することができるポリマー、物質または化合物。
【0110】
疎水性(Hydrophobic):相対湿度(rh)100%で1%/w以下の水を吸収することができるポリマー、物質または化合物。
【0111】
吸湿性(Hygroscopic):相対湿度(rh)100%で20wt%を超える水を吸収することができるポリマー、物質または化合物。
【0112】
症状の抑制(Inhibiting a condition):例えば、進行性遺伝病(progressive genetic disease)等の特定の症状が進行するリスクがあるか、または特定の症状を有する対象において、病状を緩和させ、病状の進行を遅らせ、または、阻止さえすること。
【0113】
I型インターフェロン(Interferon-type I):インターフェロン受容体に結合し、免疫システムの活性を調節するインターフェロンタンパク質の大きなグループ。
【0114】
親油性(Lipophilic):極性または水性環境と比較して非極性環境に対する親和性を有する物質または化合物。
【0115】
局所外用薬(Localized application):体内の特定の位置における活性剤の外用薬。
【0116】
マイクロRNA(miRNA):植物および動物のゲノム中に自然に存在する、短く、高度に保存された低分子ノンコーディングRNA分子。miRNAは、17~27ヌクレオチドの長さである。典型的には、相補的mRNA配列の3´非翻訳領域(3´-UTR)に結合することによって転写後のmRNA発現を調節し、結果として翻訳抑制および遺伝子抑制をする。miRNAは、腫瘍抑制において癌遺伝子として機能し、特定のmiRNAの変化した発現(altered expression)は、癌の発病(onset)および発生(development)に関与している。
【0117】
マルチプレックス解析(Multiplex Analysis):試料中の2つ以上の互いに異なる検体の任意の解析。本明細書に開示される方法は、試料中の2以上、5以上、10以上、50以上、100以上、500以上、または1000以上の検体のマルチプレックス解析を含み得る。
【0118】
オイル(Oil):室温(25℃)および大気圧(760mmHg)で液状である任意の脂肪物質。医薬組成物中の油性相(oily phase)は、少なくとも1つの極性または無極性の炭化水素系油を含み得る。
【0119】
非経口(Parenteral):皮下注射、静脈注射、筋肉注射、胸骨内注射(intrasternal injection)または点滴技術を含む投与タイプ。非経口注射用の組成物は、薬学的に許容される無菌の水性または非水性溶液、分散液(dispersions)、懸濁液または乳濁液、および使用前に無菌の注射用溶液または分散液に再構成するための無菌粉末を含む。
【0120】
病原体(Pathogen):宿主に侵入できる感染性病原体であり、空気、性交渉、血液、交接および他の体液を介して、または糞口経路を介して感染する(transmit)。一般的な病原体は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびC型肝炎などのウイルス、細菌、酵母、カビ、およびキノコ等の真菌類、ならびに原虫、蠕虫、および外部寄生虫等の寄生虫が含まれている。
【0121】
透過促進剤(Permeation Enhancer):生体膜を横断する同時投与された活性剤の輸送を促進する天然分子または合成分子。
【0122】
pH調整剤(pH Modifier):製剤中で所望のpHコントロールを達成するために使用される分子または緩衝液。例示的なpH調整剤としては、酸(例えば、酢酸、アジピン酸、炭酸、クエン酸、フマル酸、リン酸、ソルビン酸、コハク酸、酒石酸、塩基性pH調整剤(例えば、酸化マグネシウム、三塩基性リン酸カリウム)、およびその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0123】
薬学的に許容されるキャリア(Pharmaceutically acceptable carriers):本発明において薬学的に許容される有用なキャリアは、従来のものである。Remingtons´ Pharmaceutical Sciences、by EWMartin、Mack Publishing Co、Easton、PA、19th Edition(1995)は、本明細書に開示される組成物の薬学的デリバリーに適した組成物および製剤を開示している。キャリアの性質は、採用される(employed)特定の投与様式に依存し得る。例えば、非経口外用薬(parenteral applications)は、通常、媒体として、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース、グリセロールなどの薬学的および生理学的に許容される流体を含む。生物学的に中性のキャリアに加えて、非経口組成物は、湿潤剤または乳化剤、保存剤、およびpH緩衝剤等の少量の非毒性補助物質をさらに含有し得る。
【0124】
炎症性サイトカイン(Proinflammatory cytokine):主に活性化マクロファージによって産生され、炎症反応のアップレギュレーションに関与するサイトカイン。例示的な炎症性サイトカインは、IL-1β、IL-6、およびTNF-αを含むが、これらに限定されない。IL-Iβは、細胞傷害、感染、浸潤、および炎症の間、主に単球およびマクロファージによって放出される。
【0125】
対象(Subject):生きている多細胞脊椎生物。そのカテゴリーは、ヒトおよび非ヒト哺乳類、ならびに鳥類(ニワトリおよび七面鳥等)、魚類、および爬虫類を含む。例示的に、対象は、ヒトおよび非ヒト霊長類、ラット、マウス、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ブタ、ヤギ、ならびにウマ等の哺乳類を含む。
【0126】
表面または体表面(Surface or Body Surface):人体上または身体開口部内に位置する表面。したがって、「体表面」は、例として、皮膚、歯、粘膜内層(mucosal lining)を有する体腔の内側表面を含む皮膚または粘膜組織を含んでいる。
【0127】
局所投与(Topical administration):例えば、様々な皮膚疾患の予防または治療における局所薬品投与等の場合の、皮膚または粘膜等の体表面への活性薬剤のデリバリー。
【0128】
毒物(Toxic agent):生物学的に有害な作用を引き起こす可能性のある薬剤(agent)または物質。無毒性の薬剤は、本質的に化学的、物理的、または生物学的であり得る。毒物とは、鉛、水銀、フッ化水素酸、シアン化物、および塩素ガス等の無機物質、アルコール、放射線、炭塵(coal dust)、アスベスト繊維、微粉化二酸化ケイ素、植物および病原体毒素、ヘビ毒、リチウム等の有機化合物、ならびに、マリファナおよびコカイン等の乱用物質を含むが、これらに限定されない。
【0129】
経皮(Transdermal):全身への分布のために活性成分が皮膚を横断し供給される投与経路。例として、薬剤デリバリーのための経皮パッチ(transdermal patch)を含む。
【0130】
十分な条件下(Under conditions sufficient to):所望の活性を可能にする任意の環境を詳述するために使用される用語。
【0131】
非水溶性(Water-Insoluble):20℃の水中において測定する際、5%/w未満、3%/w未満、または1%/w未満の水への溶解度を有するポリマー、化合物、または組成物の性質。
【0132】
水膨潤性(Water-Swellable):水性媒体中に浸した場合に、それ自体の重量の少なくとも25%/wを超える、または少なくとも50%/wを超える量の水を吸収し得るポリマー、物質または化合物の性質。
【0133】
初めに、
図1Aおよび
図1Bを参照する。
図1Aおよび
図1Bは、直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムの例示的なロボット構成(
図1A)、および、アッセイサブユニット(
図1B)を示している。液体ハンドリングロボットは、ロボットコンポーネントを保持するためのフレーム8を含み得る。ロボットは、マルチチャネル液体ハンドリングピペット1と、取り外し可能なピペットの先端2を有する真空アームと、統合されたコンポーネント3(例えば、電源および真空ポンプ)と、コネクタアセンブリ4用の開放位置(open position)と、電極アセンブリ5用の位置と、撮像ユニット6(ロボットと、または、ロボットおよび外部撮像ユニットと統合され得る)と、関連コンピュータ7と、を含み得る。
【0134】
図1Bに関して、サブユニットは、ロボットレイアウトの「デッキ」内のある一か所を占めており、一方、試薬、ピペットの先端、または他の消耗品はロボットレイアウト内のその他の領域を占めている。ボックスおよび内部コンポーネントは、コンピュータおよびソフトウェアを介して制御される。通信は、有線または無線方式であり得る。真空部12は、液体ハンドリング制御アームに適合するように設計されてもよい。アームは、3次元(例えば、x、y、z空間)において移動し、ウェルから液体を除去し得る。真空部は、例えば8個、12個、16個、または数100個の複数のチップを有し得る。
【0135】
液体ハンドリングロボットのピペッターは、サブユニットとロボットデッキ上の他の位置との間を前後に移動し、予めプログラムされたアッセイ機能を実行する。液体は、アッセイ消耗品内のウェル(またはマイクロウェル)に供給される。アッセイ消耗品は、アッセイサブユニット内にセットされている。すべてのアッセイ機能は、ロボットレイアウトの左端に示されているラップトップコンピュータを介して実行される。サブユニットは、コネクタアセンブリ9と、電極アセンブリ10と、消耗チップおよび容器11と、を含み得る。
【0136】
次に、
図2Aおよび
図2Bを参照する。
図2Aおよび
図2Bは、個々のピペットの先端によるチップ容器の試料ウェル内への消耗品の供給を示している。消耗品の供給は、液体ハンドリングロボットによってガイドされ、方向付けられる。画像内において斜めに延びる複数の電極レールは、ウェルへの液体の供給を妨げない。
【0137】
次に、
図3A、
図3B、および
図3Cを参照する。
図3A、
図3B、および
図3Cは、一度に最大128個の試料を収納することができるフレーム内の4つのアッセイチップを示している。
図3Aの例示的なチップ容器は、4つのアッセイチップを保持し得る。チップ容器は、ほとんどの生物学的緩衝液および化学物質に適合しているため、チップは、容器に設置され(installed)、湿潤状態で保管されることが可能である。カスタマイズされたアッセイチップの各ウェルの直径は、約2mmであり、約2.5μlの体積を保持することができる。アッセイチップは、アッセイサブユニット内に取り付けられている(seated)。例えば、128個の試料チップ容器においては、合計256個のウェルが存在するであろう。256個のウェルは、2mmサイズであってもよい。対応する数の電極が、ウェル内に電圧を印加するために使用されるであろう。1つの例において、ウェルは、2mmであり、電極は、0.5mmであり、ピペットの先端は、0.07mmであり得る。
【0138】
次に、
図4Aおよび
図4Bを参照する。
図4Aおよび
図4Bは、電極の拡大図である。電極は、電極アセンブリの一部であり、流体が充填されているウェルに、電圧電源から電力を伝達する。システム内の電極は、ピペットの先端からの液体の供給を妨げない位置にある。
【0139】
次に、
図5A、
図5B、
図5Cおよび
図5Dを参照する。
図5A、
図5B、
図5Cおよび
図5Dは、開位置にある際のコネクタアセンブリ(A)および電極アセンブリ(B、C)の図である。これらのアセンブリが閉じられた際、電極を含むヒンジ連結されたフレームは、コネクタアセンブリにおけるヒンジ連結された電気コネクタに接触し、電極アセンブリは、一連の導電ピンを介して電圧を印加する。消耗チップは、アセンブリ(5D)の底部に収納されている。
【0140】
次に、
図6Aおよび
図6Bを参照する。
図6Aおよび
図6Bは、コネクタアセンブリと一体のコンポーネントである導電ピンを示している。これらのピンは、電源ケーブルからの電圧を電極レールにかける(direct)。
【0141】
次に、
図7を参照する。
図7は、液体ハンドリングロボットに適合するよう特注設計された真空アームの一例を示している。着脱式のピペットの先端のセットは、真空アームの底部に取り付け可能である。
【0142】
【0143】
次に、
図9A、
図9Bおよび
図9Cを参照する。
図9A、
図9Bおよび
図9Cは、コネクタアセンブリ(9A)、コネクタアセンブリの下の電極アセンブリ(9B)、ならびに電極アセンブリおよびコネクタアセンブリが閉じられ、締められた状態(9C)を示している。装置900は、ベース902を有していてもよく、ベース902のセクションまたは部分は、チップ容器を受け入れる(receive)または保持するよう構成されている。装置900は、装置900の一部に取り付けられ、ヒンジ式で取り付けられた電極アセンブリ904を含んでいてもよい。装置900は、支柱(post)910およびねじ機構908を介して固定(secured)され得るヒンジ式で取り付けられた蓋906を有していてもよい。装置900は、電極アセンブリ904が開位置にある際に電極アセンブリ904を載置する(rest upon)ことができる揚床(raised bed)912を有していてもよい。
【0144】
次に、
図10A、
図10B、および
図10Cを参照する。
図10A、
図10B、および
図10Cは、開位置にある電極アセンブリ(A、B)と、電極アセンブリ内にセットされているチップ容器(C)と、を示している。電極アセンブリの蓋が閉じられると、全ての電極は、アッセイチップの対応するウェル内に正確に配置され、電気コネクタは、電極レールと接触する。
【0145】
次に、
図11A、
図11B、
図11C、および
図11Dを参照する。
図11A、
図11B、
図11C、および
図11Dは、電極フレーム1000および電極レール1002を示している。電極レール1002は、電極レール1002の底部に間隔をあけて配置された複数の電極先端(electrode tip)1004を有している。電極レール1002は、レールをフレーム1000内の所定の位置にクリップ留めする端部(end portion)1006を有している。
図11Dは、電極レール1002および電極先端1004の一部の例示的な断面図を示している。
【0146】
次に、
図12A、
図12B、および
図12Cを参照する。
図12A、
図12B、および
図12Cは、電極フレーム1000および電極レール1002を示している。この例において、絶縁性の電極フレーム1000は、16本の電極レール1002を保持している。ばね機構は、電極レール1002の容易な取り付けおよび取り外しを可能にする。
図12Cは、電極フレーム1000内に電極レール1002が配置され、電極フレーム1000においてばね機構が電極レール1002を押圧する位置の詳細な断面図を用いて電極フレーム1000を示している。
【0147】
次に、
図13Aおよび
図13Bを参照する。
図13Aおよび
図13Bは、アッセイチップのウェル内に配置された電極の例を示している。第1の電極レールの1つの電極は、図の左側の廃棄ウェル(waste well)内に配置されている。第2の電極レールの第2の電極は、図の左側の試料ウェル内に配置されている。第3の電極レールの1つの電極は、図の右側の廃棄ウェル内に配置されている。第4の電極レールの第4の電極は、図の右側の試料ウェル内に配置されている。第1の電極レールと第2の電極レールとの間には、電圧差が印加されている。第3の電極レールと第4の電極レールとの間には、電圧差が印加されている。
【0148】
この例において、第1の電極レールAに、第1の所定値の電圧が印加される。第2および第3の電極レールBには、第2の所定値の電圧が印加される。導電回路は、2つの中間の(第2および第3)電極レールを接続している。第3の電圧は、第4の電極レールCに印加される。
図13Bは、アッセイチップ間の電極レールの間に隙間(gap)があることを示している。
【0149】
次に、
図14を参照する。
図14は、電極の詳細な図である。電極は、上端(top)が傾斜しており、動作中のピペットの先端との衝突を防止する。
【0150】
次に、
図15を参照する。
図15は、ヒトIL-1ベータアッセイの標準曲線を示している。組換えヒトIL1Bは、所定の濃度でアッセイ希釈剤に添加される。得られたキャリブレーター(calibrators)は、開示されているシステムに導入された。各キャリブレーターのうち2.5μlは、各試料ウェル内で利用された。標準曲線は、1.9pg/mlの感度で広いダイナミックレンジ(5.5log)を示している。
【0151】
次に、
図16を参照する。
図16は、液体試料中の1つ以上の検体のシングルプレックスおよびマルチプレックス検出、ならびに定量化のための自動化方法の手法を示している。この方法は、直接サンプリング能力を有する自動検体検出システムおよび定量化システムに、液体試料および1つ以上の試薬を別々に導入する工程(1610)から始まる。自動検体検出システムおよび定量化システムは、マイクロリットルピペット操作能力を有し、規定された時間間隔または所定の条件において、試料ウェルに液体を供給し、添加し、吸引、または、試料ウェルから液体を除去するようプログラムされた、特注設計の自動液体ハンドリングロボットと、導電性コネクタアセンブリ、電極アセンブリ、真空ポンプ、プログラム可能なソフトウェア制御電圧電源、および任意に撮像システムを含むシステムと、を含んでいる。本方法は、事前に検証されたアッセイプロトコルのリストからアッセイプロトコルを選択し、1つ以上のターゲット検体を検出および定量化する工程と(1620)、コネクタアセンブリおよびコネクタアセンブリ内の電極アセンブリを閉じる工程と(1630)、自動システムを開始する工程と(1640)、10~240分待機してデータを取得する工程と(1650)、得られたデータからターゲット検体濃度を算出する工程と(1660)、を続ける。
【0152】
次に、
図17を参照する。
図17は、試料分子を有する流体を処理する方法を示している。本方法は、1つ以上のアッセイチップを有するフレームを含むチップ容器を提供する工程から始まる。アッセイチップは、複数の対のウェルの1つ以上の列をそれぞれ含む。対のウェルは、チャネルを介して相互に接続される(1710)。電極は、アッセイチップのウェル内にセットされてもよく(1720)、または、ウェルは、アッセイチップ本体内に配置された電極を有してもよい。試料分子を含む流体は、流体が電極に接触するよう、チップ容器のウェル内にセットされる(1730)。例えば、流体は、複数のピペッターの先端を有するロボット制御ピペッターを使用して、アッセイチップのウェル内にセットされてもよく、その結果、流体が、ウェル内に配置された電極に接触する。所定の電圧は、電極を介して印加され、流体をウェルからチャネル内に移動させる(1740)。流体は、真空制御吸引器を使用してウェルから吸引され、チップ容器のウェルから除去される(1750)。
【0153】
迅速かつ高効率なマルチプレックス検体検出および定量化のためのキット
生物学的試料中のターゲット検体およびバイオマーカーの迅速かつ正確な検出および定量化は、病気予防戦略、診断、および治療にとって極めて重要である。ほとんどのイムノアッセイは、多くの労力と時間を要し、複数の工程を有し、実際的なユーザ介入を必要とする。
【0154】
本明細書においては、自動化および予めプログラムされた、液体試料中における、迅速かつ正確なシングルプレックスまたはマルチプレックス検体検出および定量化のためのキットを提供する。
【0155】
開示されるキットは、チップ容器、消耗アッセイチップ、クラムシェル型電極アセンブリ(clamshell-style electrode assembly)、コネクタアセンブリ、ケーブル、電圧電源、真空ポンプ、真空トラップ、ならびに、複数の異なるサイズの液体ハンドリングロボットアームに適合する特注設計の流体供給および吸引マニホールドのうちの1つ以上を含んでいてもよく、1つ以上の緩衝液、試薬、および使用説明書をさらに含んでいてもよい。
【0156】
これらのコンポーネントは、高分子のシングルプレックスまたはマルチプレックス検出および定量化のための複数の異なる自動システムに適合するよう構成され、複数の異なる種類の自動撮像装置に接続され得る。キットのすべてのコンポーネントは、一方向にのみ取り付け可能であり、自己整合することができる。例えば、アッセイ消耗品は、電極アセンブリの中にセットされる。電極アセンブリは、コネクタアセンブリの下に嵌合し、その後、嵌合ねじ、または、ラッチロックを用いてロックされる。したがって、ユーザの訓練または専門知識は不要である。
【0157】
さらに、本明細書に提供されるキットの開示されるコンポーネントは、液体試料中における目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質および脂質の検出および定量化のための、イムノアッセイ、核酸テスト、臨床診断、バイオマーカー検出、およびプロテオミクス・プロファイリング等の多数のテストに使用されるよう構成されている。液体試料の体積は、約0.2μl~約1000μlの範囲で変化し得る。
【0158】
本明細書に提供されるキットの開示されるコンポーネントは、複数の異なる種類の自動撮像装置に接続するよう構成されている。適切な自動撮像装置は、LEDまたはレーザ誘起蛍光画像読取装置(laser-induced fluorescence imaging reader)を含み得る。LEDまたはレーザ誘起蛍光画像読取装置は、蛍光励起源、光学フィルタ、カメラまたは光電子増倍管システム等の光子測定システム、対物レンズ、オートフォーカス、自動露光、光強度アクティブモニタリングおよび調整のためのシステム、ならびに自動画像解析および報告システム等の要素を備え得る。
【0159】
チップ容器は、複数の消耗アッセイチップを収納している。これらのアッセイ消耗品は、使い捨てチップまたは再使用可能なチップであってもよい。消耗チップは、マルチプレックス検体検出および定量化のための複数の試料および試薬を受け入れるよう設計されたウェルを含むよう構成されている。
【0160】
容器は、ほとんどの生物学的緩衝液および化学物質と適合しているため、アッセイチップを容器に設置し、湿潤条件で保管することができる。チップ容器は、1つ以上のアッセイチップを収納し得る。各アッセイチップは、2つの試料ウェルを含んでいてもよく、各チップ容器は、16個の試料ウェル、64個の試料ウェル、256個の試料ウェル、640個の試料ウェル、1280個の試料ウェル、3200個の試料ウェル、または6400個の試料ウェルを収納してもよい。各ウェルの直径は、約1mm~約5mm、または約1.5mm~約3mmである。2つ以上のウェルは、チャネルを介して接続され、試薬の誘導電界移動(electric field-guided migration)を可能にしてもよい。
【0161】
電極アセンブリは、ヒンジ連結された精密電極インターフェースを収納しており、精密電極インターフェースは、複数の電極レールを含んでいる。電極アセンブリは、電極アセンブリ内でチップ容器を位置合わせするよう構成されたばね機構を収納する底部金属コンポーネントと、電極レールを保持する絶縁性の電極フレームを含む上蓋と、を含んでいる。電極レールは、直線状であり、チップ容器に対してフラットおよび平行に整列されるよう構成されており、その結果、全ての電極は、各ウェルのエッジに適切に配置されている。
【0162】
電極アセンブリは、開位置または閉位置のいずれかにあるよう構成され、特定の構成を有し、その結果、コネクタアセンブリと接続するよう構成されている。電極アセンブリは、必要に応じて、洗浄、漂白、消毒、および再利用されることができる。
【0163】
導電性のコネクタアセンブリは、蓋と、プリント回路基板(PCB)インターフェースと、を含んでいる。電極コネクタアセンブリは、電極アセンブリとインターフェースし、電極アセンブリ内の電極レールに電力を伝達するよう構成されている。これと同時に、電極コネクタアセンブリは、アッセイチップへの液体ハンドリングアクセスのための空間を提供するよう構成されている。コネクタアセンブリおよび電極アセンブリが適切な位置で閉じられると、電極レールの各電極は、各ウェルのエッジに位置し、コネクタアセンブリを通して電力を受け取るよう構成されている。各電極の厚さは、0.1mm~1mm、または0.3mm~0.7mmである。さらに、各電極は、レーザ溶接された白金電極である。白金電極は、ウェル内の液体との接触を可能にし、ウェルへ液体を供給、または、ウェルから液体を吸引する自動マイクロチップとの衝突を防ぐための、傾斜上端を含んでいる。コネクタアセンブリおよび電極アセンブリは、消耗チップを所定の位置に保持し、ミリメートルまたはサブミリメートルの空間精度で同時にすべてのウェル内に電気伝導性を与え(deliver)および維持するよう構成されている。
【0164】
電圧電源は、単一または複数の接続のための1~10個の独立した出力を含み、0~5,000ボルトの電圧を供給し得る。
【0165】
真空システムおよび電圧電源を備える開示されたキットのコンポーネントは、高分子のシングルプレックスまたはマルチプレックス検出および定量化のための任意の自動システムにリンクされた任意のソフトウェアおよび任意の撮像システムに統合および接続されるよう構成されている。この結果、画像解析および高度なデータ解析が可能となる。
【0166】
開示されるキットは、任意の自動解析システムを使用して、液体試料中の1つ以上の検体の検出および定量化を可能にするよう構成されている。液体試料とは、血液、血清、および尿等の生物学的試料、細胞懸濁液、細胞上清および溶解物、植物抽出物、海水、マイクロフィルム流体、流水、ならびに飲料が含まれ得るが、これらに限定されない。液体試料の体積量は、約0.2μl~約1000μlであり得る。検体とは、目的のタンパク質、ペプチド、抗体核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質および脂質、または他の高分子を含み得るが、これらに限定されない。適切な検出方法は、イムノアッセイ、核酸試験、臨床診断、バイオマーカー検出、およびプロテオミクス・プロファイリングが含まれるが、これらに限定されない。
【0167】
開示されたキットのコンポーネントは、任意の自動液体ハンドリングシステムと共に使用され、指向性電場の印加(application)を可能にし、システムを介して試料および/または試薬を動電学的および継続的に運び得る。さらに、開示されたキットのコンポーネントは、ターゲット検体を捕捉および結合させるために、任意の液体ハンドリングロボットが、複数の異なる時間または複数の異なるサイクルで、試料ウェル液体を正確に運搬、分注、供給、または試料ウェルから液体を正確に吸引することを可能にするよう構成されている。ターゲット検体の捕捉および結合とは、サンドイッチ抗体検出、酵素標識抗原反応、蛍光検出、in situハイブリダイゼーション、マイクロアレイ技術、親和性結合、放射性および比色結合が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0168】
いくつかの実施形態において、開示されたキットのコンポーネントは、直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムに適合し得る。このシステムは、目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸マーカー、ホルモン、代謝産物、糖質、脂質、および、他の検体等の高分子の検出および定量化のワークフローを自動化する。この自動化されたワークフローには、試料の希釈が含まれている。さらに、このシステムは、10分~4時間以内に複雑なシグモイドプロッティングおよび曲線フィッティングデータを提供する。ユーザは、そのシグモイドプロッティングおよび曲線フィッティングデータから、ターゲット検体濃度を算出することができる。
【0169】
いくつかの実施形態において、直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムは、すべての工程が自動化され、事前プログラムされたシステムであるため、手動介入が、殆どまたは全く必要とされない。いくつかの実施形態において、直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムの一部は、全ての工程が自動化され、事前プログラムされているわけではない。そのため、例えば、チップ容器を第1の位置から第2の位置に移動させるために、ある程度の手動介入が必要とされ得る。自動検体検出および定量化システムは、マイクロスケール液体処理、生体分子測定アッセイ、およびデータ読み出しを統合しているため、ユーザは、外部コンピュータまたは統合タッチスクリーンを介してシステム制御のみを行う。その結果、開示されたシステムは、最小限のラボトレーニングを受けた人によって自動化された方法で操作され得る。さらに、開示された自動検体検出および定量化システムは、高効率およびサブpg/mlの感度でマルチプレックス解析を実行することによって、前述の課題に対するソリューションを提供する。
【0170】
開示されるシステムは、自動液体ハンドリングロボットと、アッセイサブユニットと、を含んでいる。自動液体ハンドリングロボットは、マイクロリットルピペット操作能力を有し、所定の時間間隔または所定の条件で、試料ウェルから液体を供給、添加、吸引、または除去するようプログラムされた、特注設計されたロボットである。液体ハンドリングロボットは、試薬混合および試料希釈等のアッセイ前に必要なすべての試料調製工程を自動的に実行することができる。
【0171】
自動液体ハンドリングロボットは、真空ラインに接続されるよう構成された吸引マニホールドを含む特注設計アームを含んでいる。マニホールドのサイズは、マクロチップまたはマイクロチップの取り付けを調整するために変更され得る。その結果、ロボットは、必要に応じてミリメートルまたはサブミリメートルの精度で、試薬、緩衝液等を試料ウェルに供給または吸引する。
【0172】
アッセイサブユニットは、蓋およびプリント回路基板(PCB)インターフェースを含む導電性の電極コネクタアセンブリと、電極コネクタアセンブリの下に嵌合、および電極コネクタアセンブリに接続し、消耗アッセイチップを保持するよう構成されたクラムシェル型の電極アセンブリと、真空ポンプと、コネクタインターフェースに接続されたプログラム可能な電圧電源と、を含んでいる。電極アセンブリは、ヒンジ連結された精密電極インターフェースを収納する。精密電極インターフェースは、複数の電極レールを備えている。開示されたキットの全てのコンポーネントは、一方向にのみ取り付けが可能であり、自己整合することができる。例えば、アッセイチップは、電極アセンブリの中にセットされる。電極アセンブリは、コネクタアセンブリに対して所定の位置に嵌合し、嵌合ねじ、または、ラッチロックでロックされる。したがって、ユーザの訓練または専門知識は不要である。
【0173】
システムは、自動撮像装置をさらに含んでいてもよい。自動撮像装置は、アッセイサブユニットの下に直接設置されてもよく、または別個のユニットであってもよい。自動撮像装置は、蛍光励起チャネル、光学フィルタ、カメラまたは光電子増倍管システムなどの光子測定システム、対物レンズ、オートフォーカスシステム、自動露光、光強度モニタリング/調整システム、および自動画像解析および報告システム等の要素を備えた蛍光撮像読取装置を含んでいてもよい。
【0174】
電圧電源は、単一または複数の接続のための1~10個の独立した出力を含み、0~5,000ボルトの電圧を供給し得る。ソフトウェアは、液体処理ロボット、真空システム、および電圧電源を統合および接続し、アッセイ実行工程を完全に自動化し、画像解析および高度なデータ解析を可能とするよう構成されている。電源は、例えば、全てのチャネルが、別々に動作することができる、8つの独立チャネルを有していてもよい。チャネルは、それぞれの電極アセンブリに電圧を印加するために使用されることができる。1つの実施形態において、この電圧電源は、+/-50mvの分解能(resolution)で0~1500Vの範囲内の電圧を提供可能であり、この電圧電源は、500nAの分解能で合計12mA(1チャネルあたり最大10mA)の電流を提供可能である。
【0175】
撮像システムがロボットの本体と統合されると、ソフトウェアは、液体ハンドリングロボット、真空システム、電圧電源、および撮像システムを接続し、アッセイの実行および撮像工程を完全に自動化して、画像解析および高度なデータ解析を可能にするよう構成されている。
【0176】
開示された自動システムは、約10分~約4時間の時間内に、液体試料中の1つ以上の目的の検体の存在を検出し、さらに、1つ以上の検体の検出量を定量化するよう構成されている。液体試料とは、血液、血清、および尿などの生物学的試料、細胞懸濁液、細胞上清および溶解物、植物抽出物、海水、マイクロフィルム流体、流水、ならびに飲料等が含まれ得るが、これらに限定されない。検体とは、目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質および脂質、または他の高分子を含み得るが、これらに限定されない。適切な検出方法とは、イムノアッセイ、核酸試験、臨床診断、バイオマーカー検出、およびプロテオミクス・プロファイリングを含むが、これらに限定されない。
【0177】
開示される自動システムは、1つ以上の液体試料および1つ以上の試薬が、別々に、複数の異なる時間に、システムに導入可能となるよう構成されている。液体試料の体積量は、約0.2μl~約1000μlであり得る。
【0178】
開示された自動システムは、電極アセンブリに指向性電場を印加するよう構成され、その結果、1つ以上の試薬は、システムを介して1つ以上の試料に動電学的かつ継続的に運ばれる。開示される自動システムは、液体ハンドリングロボットがターゲット検体を捕捉および結合させるために、複数の異なる時間または複数の異なるサイクルにおいて、複数の異なる試料から1つ以上の試薬を正確に運搬、分注、供給、またはそこから吸引することを可能にするよう、さらに構成されている。ターゲット検体の捕捉および結合とは、サンドイッチ抗体検出、酵素標識抗原反応、蛍光検出、in situハイブリダイゼーション、マイクロアレイ技術、親和性結合、放射性および比色結合が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0179】
したがって、本明細書に開示されるキットは、液体試料中の検体の正確、迅速および効果的な検出および定量化を提供する。
【実施例】
【0180】
複数の異なる混合薬で治療された量が制限されている腎癌細胞(Volume-Limited Renal Carcinoma Cells)からの高効率IL-1ベータ測定
本研究の目的は、臨床試験において対象(被験者)から得られた腎癌細胞培養物に適用された様々な薬品/処置の組み合わせに対する免疫反応におけるIL1ベータ濃度の変化を評価することであった。
【0181】
IL1ベータ(IL1B)は、炎症反応において重要な役割を果たすインターロイキン1ファミリーサイトカインである。インターロイキン1ファミリーサイトカインは、細胞増殖(cell proliferation)、分化(differentiation)およびアポトーシス(apoptosis)に関与する。さらに、急性炎症(acute inflammation)を調節するそのポテンシャルのため、IL1Bは、治療用途および薬品開発安全性評価のための目的のバイオマーカーである。腎細胞癌において、IL1Bは、局所および全身炎症の主要なメディエーターの1つである。
【0182】
本研究において、IL1Bは、バイオマーカー支援療法(biomarker-assisted therapy)のために測定された。原発腫瘍細胞(primary tumor cell)は、腎細胞癌の治療中の臨床試験患者から、マイクロ生検(micro-biopsy)により除去された。その後、腫瘍細胞は、生体外で(in vitro)で治療剤の組み合わせと共に培養され(incubate)、分泌タンパク質バイオマーカーに対する反応および影響(impact)が判別された。本研究の目的は、腫瘍細胞から重要な試料を保存し、マイクロボリュームイムノアッセイの有効性を従来技術と比較することであった。
【0183】
検量線(calibration curve)を生成するために、組換えヒトIL1Bは、所定の濃度でアッセイ希釈剤に添加される。その後、得られたキャリブレーターは、本明細書で提供されるような直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムに導入された。2.5μlの各キャリブレーターが、各試料ウェル内で利用された。
図15に示されるように、結果は、1.9pg/mlの感度で広いダイナミックレンジ(5.5log)を示した。5―パラメーターシグモイド適合のR
2(決定係数)は、0.9994であった。開示されたシステムは、高いターゲット濃度において、フック効果アーチファクト(hook effect artifacts)を全く示さなかった(データは示されない)。アーチファクトが無く、広いダイナミックレンジを有することで、ユーザの関与は最小限、または全く伴わないようになり、さらに、複数回の解析の繰り返しが不要となるので、シンプルなワンステップアッセイが提供される。これにより、本明細書で提供されるような直接サンプリング能力を有する自動検体検出および自動定量化システムは、迅速かつ高効率の検体の検出および定量化に適したものとなる。
【0184】
各条件のために試験された利用可能な試料の体積は、10μlであった。10μlの試料のうち、2.5μlアリコートは、アッセイ希釈液中で4倍に希釈された。得られた総希釈試料の10μlから、2.5μlが試料ウェルに投入された(loaded)。オリジナルの試料の残りの7.5μlは、将来のアッセイのために保存された。アッセイは、完全に自動化されたハンズフリーの状態で、開始から終了まで1時間未満で完了された。ここに提示されたデータは、解析ソフトウェアを用いて自動的に算出されたものである。
【0185】
キットのさらなる実施例
実施例1A.自動化され、および、予めプログラムされた液体試料中の1つ以上の検体のシングルプレックスおよびマルチプレックス検出および定量化のためのキットである。このキットは、1つ以上のコンポーネントを含んでいる。1つ以上のコンポーネントとは、チップ容器と、消耗アッセイチップと、電極アセンブリと、電気コネクタアセンブリと、1つ以上のケーブルと、電圧電源、真空ポンプ、真空トラップ、特注設計マニホールド、1つ以上の緩衝液、試薬および使用説明書を含んでいる。
【0186】
実施例2A.キットのコンポーネントは、複数の異なる自動システムに適合し、高分子のシングルプレックスまたはマルチプレックス検出および定量化を可能にし、複数の異なる自動撮像装置に接続されるよう構成されている実施例1Aに記載のキット。
【0187】
実施例3A.キットのコンポーネントは、液体試料にイムノアッセイ、核酸試験、臨床診断試験、バイオマーカー検出、および/またはマルチプレックス化プロテオミクス・プロファイリングを施すよう構成されている実施例2Aに記載のキット。
【0188】
実施例4A.キットのコンポーネントは、液体試料にターゲット検体の検出および定量化を施すよう構成されている実施例3Aに記載のキット。
【0189】
実施例5A.ターゲット検体は、タンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質または脂質のうちの1つ以上である実施例4Aに記載のキット。
【0190】
実施例6A.液体試料の体積量は、約0.2μl~約1000μlである実施例5Aに記載のキット。
【0191】
実施例7A.自動撮像装置は、蛍光励起源、光学フィルタ、光子測定システム、対物レンズ、オートフォーカス、自動露光、または光強度のモニタリングおよび調整のためのシステム、ならびに自動画像解析および報告システムのうちの1つ以上を含んでいる実施例6Aに記載のキット。
【0192】
実施例8A.チップ容器は、1以上の消耗アッセイチップを収納している実施例7Aに記載のキット。
【0193】
実施例9A.消耗チップは、使い捨てチップである実施例8Aに記載のキット。
【0194】
実施例10A.消耗チップは、再利用可能チップである実施例8Aに記載のキット。
【0195】
実施例11A.消耗チップは、2つの試料ウェル、16の試料ウェル、64の試料ウェル、256の試料ウェル、640の試料ウェル、1280の試料ウェル、3200の試料ウェル、または6400の試料ウェルを含んでいる実施例8Aに記載のキット。
【0196】
実施例12A.各ウェルの直径は、約1mm~約5mm、または約1.5mm~約3mmであり、2つ以上のウェルは、チャネルを介して相互接続されている実施例11Aに記載のキット。
【0197】
実施例13A.電極アセンブリは、コネクタアセンブリの蓋の下の所定の位置に嵌合し、消耗アッセイチップを保持するよう構成されている実施例1Aに記載のキット。
【0198】
実施例14A.電極アセンブリは、プログラム可能な電圧電源に接続可能なヒンジ連結された精密電極インターフェースを含んでいる実施例13Aに記載のキット。
【0199】
実施例15A.電圧電源は、1~10個の独立した出力を含んでいる実施例14Aに記載のキット。
【0200】
実施例16A.電極アセンブリは、電極アセンブリ内においてチップ容器の位置合わせをするよう構成されたばね機構を収納する底部コンポーネントと、電極レールを保持する絶縁性の電極フレームを含む上蓋と、を含んでいる実施例15Aに記載のキット。
【0201】
実施例17A.電極レールは、直線状であり、チップ容器に対してフラットおよび平行に整列をされるよう構成されている実施例16Aに記載のキット。
【0202】
実施例18A.電極アセンブリは、コネクタアセンブリから取り外し可能である実施例17Aに記載のキット。
【0203】
実施例19A.電極アセンブリは、洗浄、漂白、消毒、および再使用可能である実施例18Aに記載のキット。
【0204】
実施例20A.コネクタアセンブリは、蓋と、プリント回路基板(PCB)インターフェースと、を含んでいる実施例19Aに記載のキット。
【0205】
実施例21A.コネクタアセンブリは、自動液体ハンドリングロボットの基部に取り付け可能であり、電極アセンブリ内の電極レールに電力を伝達するよう構成されている実施例20Aに記載のキット。
【0206】
実施例22A.各電極の厚さは、0.1mm~1mm、または0.3mm~0.7mmである実施例21Aに記載のキット。
【0207】
実施例23A.各電極は、傾斜上端を含むレーザ溶接された白金電極である実施例22Aに記載のキット。
【0208】
実施例24A.液体ハンドリングロボット、真空システム、電圧電源、および撮像システムは、特注設計のソフトウェアによって統合および接続されるよう構成されている実施例23Aに記載のキット。
【0209】
実施例25A.特注設計されたマニホールドは、真空ラインに接続可能であり、マクロチップまたはマイクロチップの取り付けのために構成されている実施例1Aに記載のキット。
【0210】
実施例26A.特注設計されたマニホールドは、自動液体ハンドリングロボットに取り付けられ、1つ以上のアッセイ試薬を消耗チップの1つ以上のウェルに供給、または、消耗チップの1つ以上のウェルから吸引するよう構成されている実施例25Aに記載のキット。
【0211】
実施例27A.キットのコンポーネントは、直接液体サンプリング能力および試料希釈能力を有する自動検体検出および定量化システムに適合するよう構成されており、直接液体サンプリング能力および試料希釈能力を有する自動検体検出および定量化システムは、マイクロリットルピペット操作能力を有し、所定の時間間隔または所定の条件で、試料ウェルおよびアッセイチップウェルへ液体を供給、添加、吸引、または、試料ウェルおよびアッセイチップウェルから、液体を除去するようプログラムされ、すべての試料調製工程を自動的に実施することができる自動液体ハンドリングロボットを含んでいる実施例1Aに記載のキット。
【0212】
実施例28A.自動液体ハンドリングロボットは、真空ラインに接続され、マイクロチップ取り付けのために構成された吸引マニホールドを含む特注設計アームを含んでいる実施例27Aに記載のキット。
【0213】
実施例29A.自動検体検出および定量化システムは、自動撮像装置をさらに含んでいる実施例28Aに記載のキット。
【0214】
実施例30A.自動撮像装置は、直接液体サンプリング能力および試料希釈能力を有する自動検体検出および定量化システムに統合されている実施例29Aに記載のキット。
【0215】
実施例31A.自動撮像装置は、直接液体サンプリング能力および試料希釈能力を有する自動検体検出および定量化システムと別個である実施例29Aに記載のキット。
【0216】
実施例32A.自動撮像装置は、蛍光リーダー(fluorescence reader)を含んでいる実施例30Aに記載のキット。
【0217】
実施例33A.特注ソフトウェアは、特注ソフトウェアにより統合および接続されるよう構成されている液体ハンドリングロボット、真空システム、電圧電源、および自動撮像装置を統合および接続する実施例32Aに記載のキット。
【0218】
実施例34A.自動液体ハンドリングロボットは、1つ以上のアッセイ試薬を、複数の異なる時間または複数の異なる順序で、消耗アッセイチップの1つ以上のウェルに供給または吸引するよう構成されている実施例33Aに記載のキット。
【0219】
実施例35A.自動システムは、約10分~約4時間の時間内に、液体試料中の1つ以上の検体の存在を検出し、さらに、1つ以上の検体の検出量を定量化するよう構成されている実施例34Aに記載のキット。
【0220】
実施例36A.液体試料は、生物学的試料、細胞懸濁液、上清または溶解物、植物抽出物、海水、マイクロフィルム流体、水試料、または飲料のうちの1つ以上である実施例35Aに記載のキット。
【0221】
実施例37A.生物学的試料は、人または動物由来の血液、血清、尿、または体液である実施例36Aに記載のキット。
【0222】
実施例38A.自動検体検出および定量化システムは、タンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質および脂質の1つ以上を検出および定量化するよう構成されている実施例37Aに記載のキットである。
【0223】
実施例39A.検出は、イムノアッセイ、核酸試験、マルチプレックス診断試験、バイオマーカー測定または検出、および/またはプロテオミクス・プロファイリングのうちの1つ以上を含んでいる実施例38Aに記載のキット。
【0224】
実施例40A.自動システムは、1つ以上の液体試料および1つ以上の試薬が別々に、複数の異なる時間にシステムに導入されることを可能にするよう構成されている実施例39Aに記載のキット。
【0225】
実施例41A.液体試料の体積は、約0.2μl~約1000μlである実施例40Aに記載のキット。
【0226】
実施例42A.自動検体検出および定量化システムは、指向性電場を印加するよう構成されており、その結果、1つ以上の試薬は、アッセイチップ上において1つのウェルから別のウェルに動電学的かつ継続的に運ばれる実施例41Aのキット。
【0227】
実施例43A.自動検体検出および定量化システムは、ターゲット検体に対してアッセイを実行するために、液体ハンドリングロボットが複数の異なる時間または複数の異なるサイクルで、複数の異なる試料または1つ以上の試薬を正確に運搬、分注、供給または吸引することを可能にするよう構成されている実施例42Aに記載のキット。
【0228】
実施例44A.アッセイは、サンドイッチ抗体検出、酵素標識抗原反応、蛍光検出、in situハイブリダイゼーション、マイクロアレイ技術、親和性結合、放射性および比色結合のうちの1つ以上を含んでいる実施例43Aに記載のキット。
【0229】
図示された実施形態は、開示された製品および方法の例示にすぎず、本発明の範囲に対する限定と見なされるべきではないことを認識されたい。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。したがって、本発明者らは、本発明として、これらの特許請求の範囲および趣旨の範囲内に入るすべてを主張する。
【0230】
迅速かつ高効率のマルチプレックス検体検出および定量化のための自動システム
生物学的試料中のターゲット検体およびバイオマーカーの迅速かつ正確な検出および定量化は、病気予防戦略、診断、および治療にとって極めて重要である。ほとんどのイムノアッセイは、多くの労力と時間を要し、複数の工程を有し、実際的なユーザ介入を必要とする。
【0231】
本明細書で提供されるのは、直接サンプリング能力を有する自動化された検体検出および定量化システムである。この検体検出および定量化システムは、目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸マーカー、ホルモン、代謝産物、糖質、脂質、および他の検体等の高分子の検出および定量化ワークフローを自動化する。このワークフローには、試料の希釈が含まれている。この検体検出および定量化システムは、10分~4時間以内に、複雑なシグモイドプロッテングデータ(sigmoidal plotting data)およびカーブフィッティングデータ(curve fitting data)を提供し、ユーザは、そのシグモイドプロッテングデータおよびカーブフィッティングデータから、ターゲット検体濃度を算出することができる。
【0232】
いくつかの実施形態において、直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムにおける全ての工程は、自動化および事前にプログラムされているため、手動介入が殆ど必要ないか、または、全く必要とされない。いくつかの実施形態において、直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムの工程は、全ての工程が自動化され、事前にプログラムされているわけではない(一部手動介入が必要である)。その結果、例えば、チップ容器を第1の位置から第2の位置に移動させる等のある程度の手動介入が必要とされ得る。
【0233】
自動検体検出および定量化システムは、マイクロスケール液体処理、生体分子測定アッセイ、およびデータ読み出しを統合するよう構成されている。その結果、ユーザは、外部コンピュータまたは統合タッチスクリーンを介してシステムを制御するだけでよい。したがって、開示されたシステムは、最小限のラボトレーニングを受けた者によって自動化された方法で操作され得る。さらに、開示された自動検体検出および定量化システムは、高効率およびサブpg/mlの感度でマルチプレックス解析を実行することにより、前述の課題に対するソリューションを提供する。
【0234】
開示されるシステムは、自動液体ハンドリングロボットと、アッセイサブユニットとを含んでいる。自動液体ハンドリングロボットは、マイクロリットルピペット操作能力を有し、所定の時間間隔または所定の条件で、試料ウェルに液体を供給、添加、吸引、または、試料ウェルから液体を除去するようにプログラムされた、特注設計されたロボットである。液体ハンドリングロボットは、さらに、試薬混合および試料希釈等のアッセイ前に必要なすべての試料調製工程を自動的に実行するよう構成されている。
【0235】
自動液体ハンドリングロボットは、真空ラインに接続されるよう構成された吸引マニホールドを含む特注設計および製造されたアームを含んでいる。マニホールドのサイズは、マクロチップまたはマイクロチップの取り付けの調整をするために変更され得る。その結果、ミリメートルまたはサブミリメートルの精度で、ロボットは、必要に応じて試薬、緩衝液等を試料ウェルに供給または吸引し得る。
【0236】
アッセイサブユニットは、蓋と、プリント回路基板(PCB)インターフェースと、を含む導電性のコネクタアセンブリと、コネクタアセンブリに嵌合し、消耗アッセイチップを保持するよう構成された電極アセンブリと、真空ポンプと、コネクタインターフェースに接続されたプログラム可能な電圧電源と、を含んでいるシステムである。
【0237】
電極アセンブリは、ヒンジ連結された精密電極インターフェースを収納しており、精密電極インターフェースは、複数の電極レールを含んでいる。アッセイサブユニットの全てのコンポーネントは、一方向にのみ取り付けることができ、自己整合することができる。例えば、アッセイチップは、電極アセンブリの中にセットされる。電極アセンブリは、コネクタアセンブリの下に嵌合し、その後、嵌合ねじ、または、ラッチロックを用いてロックされる。したがって、ユーザの訓練または専門知識は必要とされない。
【0238】
システムは、自動撮像装置をさらに含んでいてもよい。自動撮像装置は、システムに統合されていてもよく、または、システムと別個のユニットであってもよい。自動撮像装置は、顕微鏡、励起チャネル、光学フィルタ、カメラまたは光電子増倍管システムなどの光子測定システム、対物レンズ、オートフォーカスシステム、自動露光、光強度アクティブモニタリングおよび調整システム、ならびに/または自動画像解析および報告システム等の要素を備えた蛍光撮像読取装置を含んでいてもよい。
【0239】
電圧電源は、単一または複数の接続のための1~10個の独立した出力を含んでいてもよく、0~5,000ボルトの電圧を供給するよう構成されている。ソフトウェアは、液体ハンドリングロボット、真空システム、電圧電源、および撮像システムを統合および接続し、画像解析および高度なデータ解析を可能にするよう構成されている。
【0240】
コネクタアセンブリは、自動液体ハンドリングロボットの基部のプレートに固定されてもよい。コネクタアセンブリは、電極アセンブリを保持し、電極アセンブリ内の電極レールに電力を伝達すると同時に、液体ハンドリングロボットがアッセイチップへ接近するための空間を提供するよう構成されている。
【0241】
電極アセンブリは、電極アセンブリ内においてチップ容器の位置合わせをするよう構成されたばね機構を収納する底部金属コンポーネントと、電極レールを保持する絶縁性の電極フレームを含む上蓋とを含んでいる。電極レールは、直線状となるよう構成され、チップ容器に対してフラットおよび平行に整列されるよう構成されている。その結果、全ての電極は、各ウェルのエッジに適切に配置される。
【0242】
電極アセンブリは、開位置または閉位置のいずれかにあるよう構成され、コネクタアセンブリと接続するよう構成されている。電極アセンブリは、必要に応じて、洗浄、漂白、消毒、および再利用されることが可能である。
【0243】
チップ容器は、消耗アッセイチップを収納している。消耗アッセイチップは、使い捨てチップまたは再利用可能なチップであってもよい。消耗アッセイチップは、マルチプレックス検体検出および定量化のための複数の試料および試薬を受け入れるよう設計されたウェルを含むよう構成されている。
【0244】
容器は、ほとんどの生物学的緩衝液および化学物質に適合している。その結果、アッセイチップを容器に設置し、湿潤条件で保管することができる。チップ容器は、1つ以上のアッセイチップを収納し得る。各アッセイチップは、2つの試料ウェルを含んでもよく、各チップ容器は、16個の試料ウェル、64個の試料ウェル、256個の試料ウェル、640個の試料ウェル、1280個の試料ウェル、3200個の試料ウェル、または6400個の試料ウェルを収納してもよい。各ウェルの直径は、約1mm~約5mm、または約1.5mm~約3mmである。2つ以上のウェルは、チャネルを介して接続され、誘導電場による試薬の移動(electric field-guided migration of reagents)が可能となってもよい。一例を挙げると、チャネルは、円筒形の形状、またはD字形、四角形、楕円形などの他の適切な形状であってもよい。チャネルの寸法は、幅および/または深さが0.5μm~1000μmであってもよい。チャネルの長さは、任意の適切な長さ、例えば、数mm~数cmであってもよい。自動液体ハンドリングロボットは、適切な順序で1つ以上のアッセイ試薬を、消耗チップ内の1つ以上のウェルに供給または吸引するよう構成されている。
【0245】
コネクタアセンブリおよびコネクタアセンブリ内の電極アセンブリが適切な位置において閉じられると、電極レール内の各電極は、各ウェルのエッジに位置し、コネクタアセンブリを介して電力を受け取るよう構成されている。各電極の厚さは、0.1mm~1mm、または0.3mm~0.7mmである。加えて、各電極は、レーザ溶接された白金電極である。この白金電極は、ウェル内の液体との接触を可能にし、ウェルに液体の供給またはウェルから液体の吸引を可能にするマイクロチップとの衝突を防ぐための傾斜上端を含んでいる。
【0246】
アッセイサブユニットは、消耗チップを所定の位置に保持し、ミリメートルまたはサブミリメートルの空間精度で、全てのウェル内に同時に電気伝導性を与え、さらに維持するよう構成されている。
【0247】
開示された自動システムは、約10分~約4時間の時間内に、液体試料中の1つ以上の目的の検体の存在を検出し、1つ以上の検体の検出量を定量化するよう構成されている。液体試料とは、血液、血清、および尿などの生物学的試料、細胞懸濁液、細胞上清および溶解物、植物抽出物、海水、マイクロフィルム流体、流水、ならびに飲料等が含まれ得るが、これらに限定されない。検体とは、目的のタンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質および脂質、または他の高分子を含み得るが、これらに限定されない。適切な検出方法は、イムノアッセイ、核酸試験、臨床診断、バイオマーカー検出、およびプロテオミクス・プロファイリングを含むが、これらに限定されない。
【0248】
開示される自動システムは、1つ以上の液体試料および1つ以上の試薬が別々に、複数の異なる時間で、システムに導入することを可能にするよう構成されている。液体試料の体積量は、約0.2μl~約1000μlであってもよい。
【0249】
開示された自動システムは、アッセイチップに指向性電場を印加するよう構成されており、その結果、1つ以上の試薬は、動電学的に、かつ、継続的に1つのウェルから他のウェルに運ばれる。開示された自動化システムは、液体ハンドリングロボットが、試料調製工程を実行するために、またはターゲット検体を捕捉および結合するために、複数の異なる時間または複数の異なるサイクルで、複数の異なる試料に1つ以上の試薬を正確に運搬、分注、供給、または、複数の異なる試料から1つ以上の試薬を吸引することを可能にするよう、さらに構成されている。ターゲット検体の捕捉および結合とは、サンドイッチ抗体検出、酵素標識抗原反応、蛍光検出、in situハイブリダイゼーション、マイクロアレイ技術、親和性結合、放射性および比色結合が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0250】
開示された自動システムを用いた迅速かつ高効率のマルチプレックス検体検出および定量化プロトコル
さらに、本明細書において、液体試料中の1つ以上の検体のシングルプレックスおよびマルチプレックス検出および定量化のための自動化された方法が提供される。この方法は、これは最低限の手動介入が必要であるか、または手動介入を全く必要としない。開示される自動化された方法は、(a)開示される直接サンプリング能力を有する自動化された検体検出および定量化システムに液体試料および1つ以上の試薬を別々に導入する工程と、(b)事前に検証されたアッセイプロトコルのリストからアッセイプロトコルを選択し、1つ以上のターゲット検体を検出および定量化する工程と、(c)コネクタアセンブリおよびコネクタアセンブリ内の電極アセンブリを閉じる工程と、(d)自動システムを開始する工程と、(e)10~240分待機する工程と、(f)自動システムによって提示される検出データおよび定量化データからターゲット検体濃度を算出する工程と、を含んでいる。
【0251】
液体試料および試薬を自動検体検出および定量化システムに別々に導入する工程は、各液体試料の供給前に、液体試料および/または試薬を充填媒体(loading medium)で自動希釈し、自動液体ハンドリングロボットにより、消耗アッセイチップの相互接続されたウェルに各試薬を別々に供給する工程と、1つ以上の消耗アッセイチップを収納するチップ容器を、コネクタアセンブリの下に位置する電極アセンブリ内にセットする工程と、を含み得る。アッセイチップの配置および電極アセンブリは、自動化および予めプログラムされるか、または手動で実行されてもよい。
【0252】
システムが始動されると、システムは、電極アセンブリ内の電極レールにコネクタアセンブリ内の導電性ピンを介して電圧差を印加して、ウェル間に指向性電場を生成し、試薬または検体分子をウェルからウェルに運ぶ。開示されている自動化された方法は、液体ハンドリングロボットによる自動化された流体供給および/または吸引のいくつかのサイクルと、その後の自動化された電場の印加により、1つ以上の試薬または検体分子をウェルからウェルに移動させることを含み得る。
【0253】
次に、チップ容器は、固定化(immobilized)検体の検出および定量化のために、手動でまたは自動的に読取装置に運ばれる。検体検出は、検出可能な標識(label)で目的の検体を標識化(labeling)すること、および、検出可能な標識(ラベル)によって発せられる信号を検出することを含み得る。検出可能な標識とは、蛍光標識、比色標識、化学発光標識、発色試薬、酵素結合試薬、抗体結合試薬、放射性標識または磁気標識を含みうるが、これらに限定されない。検体の定量化とは、高度なデータ解析、結果の表示、報告構造の作成(composing reporting structures)、解剖学的および生理学的パラメーターを有する画像から生成された(image-derived)メトリクスの検証、ならびに研究、予防、診断、予後(prognosis)、および医学的治療におけるメトリクスの利用等の任意の定量的解析を含み得る。
【0254】
したがって、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、液体試料中の検体の正確、迅速および効果的な検出および定量化を提供する。
【0255】
実施例
複数の異なる混合薬で治療された量が制限されている腎癌細胞(Volume-Limited Renal Carcinoma Cells)からの高効率IL-1ベータ測定
本研究の目的は、臨床試験において対象から得られた腎癌細胞培養物に適用された様々な薬品/治療の組み合わせに対する免疫反応におけるIL1ベータ濃度の変化を評価することであった。
【0256】
IL1ベータ(IL1B)は、炎症反応において重要な役割を果たすインターロイキン1ファミリーサイトカイン(Interleukin 1 family cytokine)である。IL1Bは、細胞増殖(cell proliferation)、分化(differentiation)およびアポトーシスに関与し、急性炎症を調節する可能性がある。そのため、IL1Bは、治療用途および薬品開発安全性評価において注目されるバイオマーカーである。腎細胞癌において、IL1Bは、局所炎症および全身性炎症の主要なメディエーターの1つである。
【0257】
本研究において、IL1Bは、バイオマーカー支援治療法(biomarker-assisted therapy)のために測定された。原発腫瘍細胞は、微小生検(micro-biopsy)を介して腎細胞癌の治療中の臨床試験患者から除去された。その後、腫瘍細胞は、生体外で(in vitro)で治療剤の組み合わせと共に培養され、分泌タンパク質バイオマーカー(secreted protein biomarker)に対する反応および影響(impact)が判別された。本研究の目的は、腫瘍細胞から重要な試料を保存し、マイクロボリュームイムノアッセイの有効性を従来技術と比較することであった。
【0258】
検量線を生成するために、組換えヒトIL1Bは、所定の濃度でアッセイ希釈剤に添加された。その後、得られたキャリブレーターは、本明細書で提供されるような直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムに導入された。各キャリブレーターのうち、2.5μlが各試料ウェル内で利用された。
図15に示されるように、結果は、1.9pg/mlの感度で広いダイナミックレンジ(5.5log)を示した。5-パラメーターシグモイド適合のR
2(決定係数)は0.9994であった。開示されたシステムは、高いターゲット濃度において、フック効果アーチファクトを全く示さなかった(データは示されない)。したがって、ユーザの関与が最小限または全く不要であり、さらに、分析を幾度も繰り返す必要がない簡略化されたワンステップアッセイを提供することができるので、本明細書で提供されるような、直接サンプリング能力を有する自動化された検体検出および定量化システムを、迅速かつ高効率な検体検出および定量化に適したものにする。
【0259】
各条件について試験された利用可能な試料容積は、10μlであった。10μlの試料のうち、2.5μlアリコートは、アッセイ希釈液中で4倍に希釈された。得られた10μlの総希釈試料から、2.5μlが試料ウェルに投入された。オリジナルの試料の残りの7.5μlは、将来のアッセイのために保存された。アッセイは、完全に自動化されたハンズフリーの状態で、開始から終了まで1時間未満で完了された。ここに提示されたデータは、解析ソフトウェアを用いて自動的に算出されたものである。
【0260】
アッセイのためのロボット操作の実施例
【0261】
工程1.最初に、ロボットピペッターは、ピペットをピックアップする。
【0262】
工程2.ロボットピペッターは、試料希釈を実行する(例えば、約9μlをセットし、管中にセットする)。次に、ロボットは、未加工の試料から1μlを採取し、未加工の試料を9μlの希釈剤と混合する。ロボットピペッターは、複数の試料に対してこのプロセスを繰り返すであろう。
【0263】
工程3.次に、ロボットピペッターは、2μlの緩衝液をピックアップし、アッセイチップの位置に移動する。緩衝液を分注する前に、ロボット吸引装置(aspirator)は、アッセイチップの廃棄ウェルから液体を除去する(clear up)。次に、ロボットピペッターは、対のウェルのうちの1つのウェルに緩衝液を分注する。
【0264】
工程4.ロボットピペッターは、試料流体がなければ、工程1~3を繰り返す。ロボットピペッターは、試料をピックアップし、試料ウェルに試料を分注する。試料を試料ウェルに分注する前に、ロボット吸引装置は、チップ容器のアッセイチップの試料ウェルから液体を除去する。
【0265】
工程5.次に、ロボットピペッターは、ピペッターの先端を分配し、所定の位置に留める。この時点で、試料および緩衝液は、各ウェル中に充填されている。
【0266】
工程6.電極アセンブリは、電極先端がそれぞれの対の廃棄ウェルおよび試料ウェルに浸漬される(submerged)所定の位置に配置される。次に、電圧が、一定時間印加され、それによって、対のウェル内の流体間に電流を生じさせる。
【0267】
工程7.電圧の印加時間が終了した際、ロボットピペッターは、工程3を繰り返す。例えば、これを3回実行してチップ容器のウェルを洗浄してもよい。
【0268】
工程8.工程4~5が繰り返され、洗浄されたウェルに新たな試料を加え、その後工程6において電圧が加えられてもよい。
【0269】
工程9.試料処理が行われた後、撮像装置は、チップ容器の対のウェルの全ての場所(例えば、96箇所)の画像を取得する。デジタル画像は、2つのスペクトルにおけるものであってもよい。デジタル画像は、1つの基本画像(ある1つの露出を示す)と、3つ~9つの異なる時間(例えば、20ms、400ms、800ms、1600ms、3200ms)の露出を示す第2の画像であってもよい。
【0270】
工程10.次に、画像は、コンピュータに転送され、そこでソフトウェアが解析を実行し、処理された試料に関するデータを生成する。
【0271】
上述の移動工程または洗浄工程の各々について、ロボットシステムは、工程1.ロボットピペッターがピペットの先端をピックアップする工程と、工程2.ロボットピペッターが液体をピックアップする工程と、工程3.真空マニホールドを使用して、流体を抽出、および、ウェルを洗浄する工程と、工程4.ロボットピペッターが洗浄されたウェルに分注する工程と、工程5.ロボットピペッターは、ピペットを破棄する工程と、を実行してもよい。
【0272】
アッセイのためのロボット操作の実施例
【0273】
別の実施例において、ロボットシステムは複数の工程を実行する。
【0274】
工程1.ロボットシステムは、試料を希釈する動作を実行する。
【0275】
工程2.ロボットシステムは、アッセイチップのすべてのウェルに緩衝液を再び注ぐ。
【0276】
工程3.次に、ロボットシステムは、試料をアッセイチップのウェルに運搬する。
【0277】
工程4.次に、ロボットシステムは、所定の電圧をアセンブリの電極レールに印加し、対のウェルを相互接続するチャネル内に試料を運ぶ。
【0278】
工程5.ロボットシステムは、ウェルを複数回洗浄する。
【0279】
工程6.次に、ロボットシステムは、電極アセンブリの電極レールに所定の電圧を印加して、チャネルから非特定試料(nonspecific sample)を除去する。
【0280】
工程7.ロボットシステムは、ウェルを複数回洗浄する。
【0281】
工程8.ロボットシステムは、一次抗体をウェルに運搬する。
【0282】
工程9.次に、ロボットシステムは、電極アセンブリの電極レールに所定の電圧を印加し、一次抗体をチャネル内に運搬する。
【0283】
工程10.次に、ロボットシステムは、ウェルを複数回洗浄する。
【0284】
工程11.次に、ロボットシステムは、電極アセンブリの電極レールに所定の電圧を印加し、チャネルから未結合の一次抗体を除去する。
【0285】
工程12.次に、ロボットシステムは、ウェルを複数回洗浄する。
【0286】
工程13.次に、任意選択的に、ロボットシステムは、必要に応じて工程8~12を繰り返す。例えば、二次抗体を使用する場合、工程8~12を繰り返し得る。
【0287】
工程14.チップ容器の対のウェルの全ての場所の画像を取得し、その画像を解析してデータを生成する。
【0288】
さらなる実施例
実施例1B.直接サンプリング能力を有する自動検体検出および定量化システムであって、自動検体検出および定量化システムは、マイクロリットルピペット操作能力を有し、所定の時間間隔または所定の条件で、試料ウェルに液体を供給、添加、吸引、または、試料ウェルから液体を除去するようプログラムされている特注設計の自動液体ハンドリングロボットと、導電性のコネクタアセンブリ、電極アセンブリ、真空ポンプ、およびプログラム可能な電圧電源を含むアッセイサブユニットシステムと、を含んでいる。
【0289】
実施例2B.自動液体ハンドリングロボットは、真空ラインに接続され、マイクロチップ取り付けのために構成された吸引マニホールドを含む、特注設計および製造されたアームを含んでいる実施例1Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0290】
実施例3B.コネクタアセンブリは、蓋およびプリント回路基板(PCB)インターフェースを含んでいる実施例2Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0291】
実施例4B.コネクタアセンブリは、自動液体ハンドリングロボットの基部においてプレートに固定されている実施例3Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0292】
実施例5B.電極アセンブリは、コネクタアセンブリに嵌合し、消耗アッセイチップを保持するように構成され、さらに電極アセンブリは、ヒンジ連結された精密電極インターフェースを含んでいる実施例4Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0293】
実施例6B.ヒンジ連結された精密電極インターフェースは、複数の電極レールを含んでいる実施例5Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0294】
実施例7B.コネクタアセンブリは、電極アセンブリ内の電極レールに電力を伝達するよう構成されている実施例6Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0295】
実施例8B.電極アセンブリは、電極アセンブリ内でチップ容器の位置合わせをするよう構成されたばね機構を収納している底部コンポーネントと、電極レールを保持する絶縁性の電極フレームを含む上蓋と、を含んでいる実施例7Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0296】
実施例9B.電極レールは、直線状であり、チップ容器に対してフラットおよび平行に整列されるよう構成されている実施例8Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0297】
実施例10B.電極アセンブリは、開位置または閉位置にあるよう構成されている、実施例9Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0298】
実施例11B.電極アセンブリは、コネクタアセンブリから取り外し可能である実施例10Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0299】
実施例12B.電極アセンブリは、洗浄され、漂白され、消毒され、再利用されるよう構成されている実施例11Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0300】
実施例13B.チップ容器は、消耗アッセイチップを収納している実施例12Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0301】
実施例14B.消耗アッセイチップは、使い捨てチップである実施例13Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0302】
実施例15B.消耗アッセイチップは、複数の試料を受け入れ、複数の試料に対して、検体測定アッセイを同時に実行するよう設計されたウェルを含む再利用可能なチップである実施例13Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0303】
実施例16B.チップ容器は、1個以上、4個以上、10個以上、20個以上、50個以上、または100個以上の消耗アッセイチップを収納している実施例13Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0304】
実施例17B.各アッセイチップは、2つの試料ウェル、16個の試料ウェル、64個の試料ウェル、256個の試料ウェル、640個の試料ウェル、1280個の試料ウェル、3200個の試料ウェル、または6400個の試料ウェルを含んでいる実施例16Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0305】
実施例18B.各ウェルの直径は、約1mm~約5mm、または、約1.5mm~約3mmであり、2つ以上のウェルは、チャネルを介して相互接続されている実施例17Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0306】
実施例19B.電圧電源は、電極インターフェースに接続され、電圧電源は、1~10個の独立した出力を含んでいる実施例5Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0307】
実施例20B.電極アセンブリは、自動撮像装置をさらに含んでいる実施例1Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0308】
実施例21B.自動撮像装置は、システムに統合されている実施例20Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0309】
実施例22B.自動撮像装置は、システムと別個である実施例20Bに記載の自動化検体検出および定量化システム。
【0310】
実施例23B.自動撮像装置は、蛍光リーダーを含んでいる実施例20Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0311】
実施例24B.ソフトウェアは、液体ハンドリングロボット、真空システム、電圧電源、および自動撮像装置を統合および接続するよう構成されている実施例23Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0312】
実施例25B.コネクタアセンブリおよびコネクタアセンブリの下の電極アセンブリが閉位置にある際、電極レール内の各電極は、各ウェルのエッジに位置し、コネクタアセンブリを介して電力を受け取るよう構成されている実施例24Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0313】
実施例26B.各電極の厚さは、0.1mm~1mm、または0.3mm~0.7mmである実施例25Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0314】
実施例27B.各電極は、レーザ溶接された白金電極であり、白金電極は、傾斜上端を含んでいる実施例26Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0315】
実施例28B.電極アセンブリは、消耗アッセイチップを所定の位置に保持し、アッセイチップにおけるウェル内の導電性を維持するよう構成されている実施例27Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0316】
実施例29B.自動液体ハンドリングロボットは、複数の異なる時間または複数の異なる順序で、消耗アッセイチップの1つ以上のウェルへ1つ以上のアッセイ試薬を供給、または、1つ以上のウェルから1つ以上のアッセイ試薬を吸引するよう構成されている実施例28Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0317】
実施例30B.自動システムは、約10分~約4時間の時間内に、液体試料中の1つ以上の検体の存在を検出し、さらに1つ以上の検体の検出量を定量化するよう構成されている実施例1Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0318】
実施例31B.液体試料は、生物学的試料、細胞懸濁液、上清または溶解物、植物抽出物、海水、マイクロフィルム流体、水試料、または飲料のうちの1つ以上である実施例30Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0319】
実施例32B.生物学的試料は、ヒトまたは動物由来の血液、血清、尿、または体液である実施例31Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0320】
実施例33B.自動システムは、タンパク質、ペプチド、抗体、核酸、バイオマーカー、ホルモン、代謝産物、糖質および脂質のうちの1つ以上を検出および定量化するよう構成されている実施例32Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0321】
実施例34B.検出は、イムノアッセイ、核酸試験、マルチプレックス診断試験、バイオマーカー測定または検出、および/またはプロテオミクス・プロファイリングのうちの1つ以上を含んでいる実施例33Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0322】
実施例35B.自動化システムは、1つ以上の液体試料および1つ以上の試薬を、別々に、複数の異なる時間に、システムへ導入することを可能にするよう構成されている実施例1Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0323】
実施例36B.液体試料の体積は、約0.2μl~約1000μlである実施例35Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0324】
実施例37B.自動システムは、約10分~約4時間の時間において、1つ以上の検体を検出および定量化するよう構成されている実施例36Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0325】
実施例38B.自動システムは、指向性電場を印加するよう構成されている実施例37Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0326】
実施例39B.自動システムは、ターゲット検体を捕捉および結合するために、液体ハンドリングロボットが、複数の異なる時間または複数の異なるサイクルで、複数の異なる試料に1つ以上の試薬を正確に運搬、分注、供給、または、複数の異なる試料から1つ以上の試薬を正確に吸引することを可能にするよう構成されている実施例38Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0327】
実施例40B.ターゲット検体の捕捉および結合は、サンドイッチ抗体検出、酵素標識抗原反応、蛍光検出、in situハイブリダイゼーション、マイクロアレイ技術、親和性結合、放射性および比色結合のうちの1つ以上を含む、実施例39Bに記載の自動検体検出および定量化システム。
【0328】
図示された実施形態は、開示されたプロダクトおよび方法の例示にすぎず、本発明の範囲に対する限定とみなされるべきではないことが認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。したがって、本発明者らは、本発明として、これらの特許請求の範囲および趣旨の範囲内に入るすべてを主張する。
【0329】
前述の開示において、本発明の実装形態(implementation)は、その特定の例示的な実装形態を参照して説明された。添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の実装形態のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、それに対して様々な変更がなされ得ることは明らかであろう。したがって、本発明および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味としてみなされるべきである。
【国際調査報告】