(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】周波数変換及びスイッチ・マトリクスを伴うアクティブ分散アンテナ・システム
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0413 20170101AFI20230314BHJP
H01Q 21/28 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
H04B7/0413
H01Q21/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545111
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 US2020045286
(87)【国際公開番号】W WO2021150269
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522400467
【氏名又は名称】ビームエックス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルドナ、セルジオ、イー.、ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】パトリック、ケビン、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ブルムケ、ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】カルデロ、シルビオ
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA10
5J021AA11
5J021AB06
5J021DB04
5J021FA13
5J021FA26
5J021FA31
5J021HA06
(57)【要約】
本明細書では、3次元、360度、全方向多入力多出力無線システムについて説明する。本多入力多出力無線システムは、複数の無線機入力と、複数の無線周波数変換器と、RF信号分散ネットワークと、複数の送受信機と、複数のアンテナとを備える。多入力多出力無線システムは、さらに複数のプレーナ・スタックを有し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元(3D)多入力多出力無線システム(MIMO)であって、
各々が3D空間の一意の方向を指し示し各々が送受信機ブロックを備えるN個の指向性アンテナであって、Nは第1の固定の正の整数であり、各指向性アンテナがポインティング・レイを有し、各指向性アンテナが主にそれのポインティング・レイに沿って電磁波エネルギーを放射しかつ主にそれのポインティング・レイの負量に沿って電磁波エネルギーを受けるように構成され、それの角度方向に各ポインティング・レイが各隣接するポインティング・レイからオフセットされ、各与えられた指向性アンテナがそれの立体角カバレジのそれぞれの小領域内で他のすべての指向性アンテナの応答を支配する、N個の指向性アンテナと、
任意の与えられた瞬間に多くとも1つの無線機を各指向性アンテナと電気的に接続するように構成された無線周波数ファニング・ネットワークと、
Rを第2の固定の正の整数として、R個の無線機と、
前記無線機の協調動作、前記無線周波数ファニング・ネットワーク、及び前記送受信機ブロックを制御するように構成されたデジタル制御ロジックとを備え、
前記MIMOの位置に対して、前記MIMOによって無線で対処される立体角領域全体の効率的な無線機カバレジを提供するように、各小領域に対する放射電力及び受信感度の制御はほぼ直交し、前記R個の無線機の中からの任意の第1の与えられた無線機が立体角小領域全体の任意の与えられたサブセットに対処するように構成され、次いで任意の第2の与えられた無線機がまだ対処されていない残りの立体角小領域の任意のサブセットに対処するように構成され、残りの無線機の各々が今度はまだ対処されていない前記残りの立体角小領域の任意のサブセットに対処するように構成されるように、前記第1の与えられた無線機と前記第2の与えられた無線機とのために確立されたパタンが、対処されないままである立体角小領域がなくなるか、又はR個すべての無線機が対処する立体角小領域をさらに必要としなくなるまで継続される、MIMO。
【請求項2】
3次元(3D)多入力多出力無線システム(MIMO)であって、複数の無線機と、複数の相互的一意的指向性アクティブ・アンテナと、相互接続ファブリックとを備え、各アクティブ・アンテナの細いビームが主にそれぞれの立体角領域に対処し、前記MIMOによって無線で対処される前記立体角領域全体の効率的な無線機カバレジを提供するように、前記相互接続ファブリック及び利得レベルの各アクティブ・アンテナが、任意の与えられた時点に各アクティブ・アンテナをいずれかの前記複数の無線機に電気的に接続するか又はいずれにも接続しないように独立して動的に構成される、MIMO。
【請求項3】
前記相互接続ファブリックが、任意の与えられた時点に任意の与えられたアクティブ・アンテナを多くとも単一の任意の無線機に電気的に接続することが可能であるルーティング・ネットワークであり、前記電気的接続は双方向である、請求項2に記載のMIMO。
【請求項4】
第1の与えられた無線機が、前記立体角領域全体の任意の与えられたサブセットに対処するように構成され、第2の与えられた無線機がまだ対処されていない残りの立体角領域の任意のサブセットに向けるように構成され、前記残りの無線機の各々が今度はまだ対処されていない前記残りの立体角領域の任意のサブセットに対処するように構成されるように、対処されないままである立体角領域がなくなるか、又は複数の無線機全体が対処する立体角領域をさらに必要としなくなるまで前記第1の与えられた無線機と前記第2の与えられた無線機とのために確立されたパタンが継続される、請求項2に記載のMIMO。
【請求項5】
各指向性アクティブ・アンテナが、立体角カバレジのそれのそれぞれの領域内で、他のすべての指向性アクティブ・アンテナを支配する、請求項2に記載のMIMO。
【請求項6】
前記MIMOが、各アクティブ・アンテナについて、放射電磁波電力、及び入射電磁波電力感度の独立した制御に影響するように構成された、請求項2に記載のMIMO。
【請求項7】
前記アクティブ・アンテナ及び前記相互接続ファブリックがデジタル制御ロジックによって構成され、前記デジタル制御ロジックが制御ポートによって構成される、請求項2に記載のMIMO。
【請求項8】
各アクティブ・アンテナがポインティング・レイを有し、各アクティブ・アンテナが、主にそれのポインティング・レイに沿って電磁波エネルギーを放射し、主にそれのポインティング・レイの負量に沿って電磁波エネルギーを受けるように構成され、各ポインティング・レイが、扇形の配置で、又は別の多形の配置で、それの角度方向に各隣接するポインティング・レイからレイ間角度オフセットだけオフセットされる、請求項2に記載のMIMO。
【請求項9】
前記MIMOがデジタル制御ロジックを有し、前記デジタル制御ロジックが、複数の無線機及び前記複数のアクティブ・アンテナの動作を協調させて、アップコンバージョン又はダウンコンバージョンのいずれかを行うように構成され、各アクティブ・アンテナは、前記アクティブ・アンテナが電気的に接続される無線機がアップコンバージョンを実行するときはいつでもアップコンバージョンするように構成され、各アクティブ・アンテナは、前記アクティブ・アンテナが電気的に接続される無線機がダウンコンバージョンを実行するときはいつでもダウンコンバージョンするように構成される、請求項2に記載のMIMO。
【請求項10】
前記MIMOがデジタル制御ロジックを有し、前記デジタル制御ロジックが、各アクティブ・アンテナの動作を指示して前記アクティブ・アンテナに特有の可変レベルの無線周波数増幅を適用するように構成される、請求項2に記載のMIMO。
【請求項11】
3次元(3D)多入力多出力無線システム(MIMO)であって、
N個の指向性アンテナであって、各々が3次元(3D)空間の一意の方向を指し示し、各々が送受信機ブロックを備え、Nは第1の固定の正の整数である、N個の指向性アンテナと、
任意の与えられた瞬間に多くとも1つの無線機を各指向性アンテナと電気的に接続するように構成された無線周波数ファニング・ネットワークと、
Rを第2の固定の正の整数として、R個の無線機と、
コマンドを受信する制御ポートを有し、前記無線機の協調動作、前記無線周波数ファニング・ネットワーク、及び前記送受信機ブロックを制御するように構成されたデジタル制御ロジックとを備え、
前記MIMOの位置に対して、前記MIMOによって無線で対処される立体角領域全体の効率的な無線機カバレジを提供するために、各指向性アンテナの放射電力と受信感度の制御はほぼ直交している、MIMO。
【請求項12】
さらにM個のプレーナ・スタックを備え、Mは固定の正の整数であり、前記M個のプレーナ・スタックの各々が、複数の前記N個の指向性アンテナを備える、請求項11に記載のMIMO。
【請求項13】
各プレーナ・スタック中の前記指向性アンテナの各々は、前記複数のプレーナ・スタックがアレイ対称軸周りに扇形の配置を形成するように、角度方向に同一プレーナ・スタック中の各隣接する指向性アンテナからほぼ一定の面間角度オフセットだけオフセットされ、前記一定の面間角度オフセットは約360/M度である、請求項12に記載のMIMO。
【請求項14】
各指向性アンテナがポインティング・レイを有し、各指向性アンテナが主にそれのポインティング・レイに沿って電磁波エネルギーを放射し、各指向性アンテナが主にそれのポインティング・レイの負量に沿って電磁波エネルギーを受け、各ポインティング・レイが扇形の配置又は別の多形の配置でそれの角度方向に各隣接するポインティング・レイからレイ間角度オフセットだけオフセットされ、各与えられた指向性アンテナがそれの立体角カバレジのそれぞれの小領域内で他のすべての指向性アンテナの応答を支配する、請求項11に記載のMIMO。
【請求項15】
各小領域に対する放射電力及び受信感度の制御が、したがってほぼ直交する、請求項14に記載のMIMO。
【請求項16】
相互接続及び利得レベルの各指向性アンテナが、任意の与えられた時点に各指向性アンテナを前記複数の無線機のうちのいずれかに電気的に接続するか又はいずれにも接続しないように、独立して、動的に構成される、請求項11に記載のMIMO。
【請求項17】
前記MIMOの前記位置に対して、前記MIMOによって無線で対処される前記立体角領域全体の効率的な無線機カバレジを提供するために;前記R個の無線機の中から任意の第1の与えられた無線機が、立体角小領域全体の任意の与えられたサブセットに対処するように構成され、次いで任意の第2の与えられた無線機がまだ対処されていない残りの立体角小領域の任意のサブセットに対処されるように構成され、前記残りの無線機の各々が今度はまだ対処されていない前記残りの立体角小領域の任意のサブセットに対処するように構成されるように、対処されないままである立体角小領域がなくなるか、又はR個すべての無線機が対処する立体角小領域をさらに必要としなくなるまで前記第1の与えられた無線機と前記第2の与えられた無線機とのために確立されたパタンが継続される、請求項14に記載のMIMO。
【請求項18】
各送受信機ブロックが可変レベルの無線周波数電力増幅を採用し、各送受信機ブロックが前記デジタル制御ロジックから送信/受信モード制御信号を受信するように構成される、請求項11に記載のMIMO。
【請求項19】
前記無線周波数ファニング・ネットワークが複数の1極R投無線機セレクタを備え、各送受信機ブロックが送受信機ブロック第2のポートを介して前記それぞれの1極R投無線機セレクタの無線機セレクタ共通ポートに電気的に接続し、各与えられた1極R投無線機セレクタの機能が複数のスイッチ・ポートと前記与えられた1極R投無線機セレクタの共通ポートとの間で整合させられた1極R投スイッチの機能であり、無線機セレクタ複数スイッチ・ポートがR個の無線機セレクタ・スイッチ・ポートを備える、請求項11に記載のMIMO。
【請求項20】
前記無線周波数ファニング・ネットワークがR個のスタック無線機フィーダ・ポートを含む複数のスタック無線機フィーダ・ポートを備え、前記複数のスタック無線機フィーダ・ポートがそれぞれすべての1極R投無線機セレクタの前記複数の無線機セレクタ・スイッチ・ポートに電気的に接続し、すべての複数のスタック無線機フィーダ・ポートがそれぞれR個の無線機フィーダを含む複数の無線機フィーダに電気的に接続する、請求項19に記載のMIMO。
【請求項21】
前記MIMOが、各指向性アンテナについて、アップコンバージョンされ放射される電磁波電力と、ダウンコンバージョンされ入射する電磁波電力感度とを独立して制御することを達成するように構成される、請求項11に記載のMIMO。
【請求項22】
メディア・アクセス・コントローラ(MAC)であって、媒体が3次元(3D)自由空間であり、前記媒体が立体角分割によって多重化され、前記MACが接続を複数の同一場所に設置された電気通信端末又は遠隔検知端末に動的に割り振るように構成される、メディア・アクセス・コントローラ(MAC)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年2月21日に出願された米国特許出願第62/979,765号の利益を主張し、その明細書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本出願は、2020年1月23日に出願された米国特許出願第62/964,818号の利益を主張し、その明細書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0003】
本出願は、一部継続出願である2020年3月25日に出願された米国特許出願第16/830,065号、及び2020年1月23日に出願された米国特許出願第16/750,337号の利益を主張し、それらの明細書は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれている。
【0004】
本出願は、2020年1月23日に出願された米国特許出願第16/750,337号の利益を主張し、その明細書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0005】
本発明は、アクティブ分散アンテナ・システム(DAS:Distributed Antenna System)、特に、周波数変換を伴う多入力、多出力の再構成可能なDASに関する。
【背景技術】
【0006】
アンテナは、電磁エネルギーを閉じ込めるシステムから、電磁エネルギーを自由空間中に効率的に放射するためのデバイスである。3次元空間内の全空間方向に等しく電磁エネルギーを放射するアンテナは、等方性放射体と考えられ得る。対照的に、特定の用途では、特定の所望の方向の細いビーム内に放射線を大部分閉じ込める異方性放射体を開発することが有利である。アンテナの放射パタン(放射構造)を3次元空間内の1方向から別の方向に向けるための一般的な方法は、アンテナ機構部を物理的に方向転換するか、又は固定アンテナ要素の集積体中の精確な位相制御を採用するかのいずれかを含み得る。これらの方法は両方とも、機構部の、又は位相制御駆動要素の慣性を克服しなければならず、慣性は、ビームが方向転換させられ得る際の敏捷性を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項に明記されているとおり、広角領域の効率的な無線カバレジを可能にするシステム、デバイス及び方法を提供することである。本発明の実施例は、従属項において与えられる。本発明の実施例は、それらが互いに矛盾しない限り、互いを自由に組み合わせられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
5Gネットワークなど、近い将来に展開され得る規格に対応する無線ネットワーク・インフラストラクチャは、以前の無線ネットワーク規格にとってはあり得たものよりも、はるかに精確な無線の電磁放射の方向、偏波、及びレベルの制御の要求を喚起し得る。この要求は、放射される電磁波電力並びに受ける電磁波電力に等しく適用され得る。したがって、精緻な放射構造が必要であり得、それは放射のパタンが方向、偏波、及び電力レベルにおいて高度に構成可能であり得る構造、動的に割り当てるやり方でいくつかの無線機を同時につなぎ合わせ得る構造である。
【0009】
したがって、本発明は、360度の方位角及び60度の仰角に対処することが可能な精緻な放射構造と、複数の外部無線機と同時に通信し得るアップコンバージョン及びダウンコンバージョンのためのユーティリティの両方の機能を、すべて1つの多入力、多出力の無線システムに統合し得る。本発明は、ビームをある立体角小領域から別の立体角小領域へ向ける慣性がほぼ無限小になるように、精緻な放射構造のビームの方向を、高速に再選択され得る立体角小領域の有限集合に量子化する。さらに、本発明では、複数の無線機が、共有する精緻な放射構造にアクセスし得るので、各立体角小領域アンテナ要素は、それのキャリア周波数、それの放射の偏波、及びそれの電力レベルのうちのいずれか又はすべてによって隣接するビームと区別され得る、それ自身の独立したビームを展開し得る。さらに、本発明は、比較的高い周波数の放射線において動作する放射構造の複雑さを、より対応しやすい比較的低い周波数の放射線において動作する放射構造に見え得るインターフェースを有しているとしてそれを見せることによって、隠し得る。そのようなシステムが実現されると、本システムは、さらなる適用例を電子戦に好適なデュアル・ユース技術中に見出し得る。
【0010】
本明細書で説明する任意の特徴又は特徴の組合せは、コンテキスト、本明細書、及び当業者の知識から明らかになるように、そのような組合せに含まれる特徴が互いに矛盾しない限り、本発明の範囲内に含まれる。本発明の追加される利点及び態様は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲において明らかである。
【0011】
本発明の特徴及び利点は、添付の図面とともに提示される、以下の詳細な説明の検討から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】N個の指向性アンテナ(4121)のプレーナ・スタック(4101)、数がRの複数の無線機(4400)、及びデジタル制御ロジック(4800)を示す図である。(N及びRは、ある正の整数である。)
【
図1B】
図1Aに図示された多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)の増設を示す図である。数がMの複数のプレーナ・スタック(4100)は、複数の無線機(4400)から、複数の無線機フィーダ(radio feed)(4200)にアクセスする。(Mは、ある正の整数である。)各プレーナ・スタック(4101)は、デジタル制御ロジック(4800)によって個別に制御可能である。
【
図1C】数がMの複数のプレーナ・スタック(4100)中の様々なプレーナ・スタック(4101)の物理的方向を、より詳細に示す図である。数がMの複数のプレーナ・スタック(4100)中の各プレーナ・スタック(4101)は、扇形の配置で、アレイの対称軸(4300)周りに、それの角度方向にそれの最近接隣から一定の平面間角度オフセット(4312)だけオフセットされている。
【
図2A】数がMの指向性アンテナ(4121)の横の各並びに参照円が重ねられた、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)の機械組立品の技術図面(分解立体図において、正面からの)を示す図である。ここで、M=18及びN=3である。デジタル制御ロジック(4800)の制御ポート(4801)が、機械組立品の台座に見える。
【
図2B】数がMの指向性アンテナ(4121)の横の各並びに参照円が重ねられた、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)の機械組立品の技術図面(分解立体図において、後方からの)を示す図である。複数の入出力無線周波数コネクタ(4700)が機械組立品の台座に見える。
【
図3A】数がMの指向性アンテナ(4121)の横の各並びに参照円が重ねられた、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)の機械組立品の技術図面(正射影図(orthogonal view)において、正面方向からの)を示す図である。
【
図3B】数がMの指向性アンテナ(4121)の横の各並びに参照円が重ねられた、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)の機械組立品(正面図における)の技術図面を示す図である。デジタル制御ロジック(4800)の制御ポート(4801)が機械組立品の台座に見える。
【
図4】統合された送受信機ブロック(4111)をもつ複数の指向性アンテナ(4121)と、無線周波数ファニング・ネットワーク(radio-frequency fanning network)(4180)と、複数の無線機(4401)と、デジタル制御ロジック(4800)とを含む多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)全体を非常に概略化した図を示す図である。
【
図5】
図4の多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)を示す図であり、デジタル制御ロジック(4800)から他の構成要素への制御信号の一覧表がより明白に詳細であり得る。具体的には、各送受信機ブロック(4111)は、送信/受信状態のための1ビット、送信自動利得制御(AGC)のための5ビット、及び受信自動利得制御(AGC)のための5ビットによって制御され得る。無線周波数ファニング・ネットワーク(4180)は、複数の送信/受信制御線、及び複数のM×N本の選択線によって制御され得る。各無線機(4401)は、送信/受信状態に対して1ビットによって制御され得る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は、本明細書において参照される特定の要素に対応する要素のリストである。
4000 多入力多出力無線システム(MIMO)
4100 複数のプレーナ・スタック
4101 プレーナ・スタック
4110 複数の送受信機ブロック
4111 送受信機ブロック
4112 送受信機ブロック第1のポート
4113 送受信機ブロック第2のポート
4120 複数の指向性アンテナ
4121 指向性アンテナ
4122 ポインティング・レイ(Poynting ray)
4123 ステム(stem)
4124 先端
4125 ポインティング面(Poynting plane)
4130 複数の1極R投無線機セレクタ
4131 1極R投無線機セレクタ
4132 無線機セレクタ共通ポート
4133 無線機セレクタ複数スイッチ・ポート
4134 無線機セレクタ・スイッチ・ポート
4140 複数のスタック無線機フィーダ・ポート
4141 スタック無線機フィーダ・ポート
4180 無線周波数ファニング・ネットワーク
4200 複数の無線機フィーダ
4201 無線機フィーダ
4300 アレイの対称軸
4311 射線間角度オフセット
4312 平面間角度オフセット
4400 複数の無線機
4401 無線機
4402 複数の無線機フィーダ・ポート
4403 無線機フィーダ・ポート
4404 複数の入出力無線周波数ポート
4405 入出力無線周波ポート
4700 複数の入出力無線周波数コネクタ
4701 入出力無線周波数コネクタ
4800 デジタル制御ロジック
4801 制御ポート
5000 メディア・アクセス・コントローラ
5100 相互接続ファブリック
5201 電気通信端末
5202 遠隔検知端末
【0014】
次に
図1C及び
図3Aを参照すると、本発明は、3次元(3D)、360度、全方向多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)を特徴とする。
図1Cでは、図が概略的であるが、
図3Aは、本発明の例示的な実施例の機械的実装の正射影図を示す。
【0015】
次に
図1C及び
図3Aを参照すると、3次元(3D)、360度、全方向多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)は、複数のプレーナ・スタック(4100)と、複数の無線機フィーダ(4200)と、複数の無線機(4400)と、デジタル制御ロジック(4800)とを備え得る。複数のプレーナ・スタック(4100)、複数の無線機フィーダ(4200)、複数の無線機(4400)、及びデジタル制御ロジック(4800)は、併せて本発明の最上位構造を構成し得る。
【0016】
次に
図1C及び
図3Aを参照すると、複数のプレーナ・スタック(4100)は、M個のプレーナ・スタック(4101)を含み得、Mは、ある第1の固定の正の整数である。
図3Aの例示的な実施例では、プレーナ・スタック(4100)の数Mは18であり、プレーナ・スタック(4101)が約360度の方位角に均等に配置されている。方位角及び仰角という用語は、ペアとして一緒に用いられ、3次元空間における与えられた基準方向を基準にした方向の向きを一意に示し得る。これらの用語を例として示すと、与えられた基準方向が、地球の北半球上のある与えられた地点におけるコンパス面であった場合、北極星、ポラリスは、真北の方位角(0度、約2度以内)に、及び約90度からマイナス地球の北半球上のその与えられた地点の北緯を引いた値の仰角に向けられた望遠鏡によって見られる。数学においては、球面座標系は3次元空間のための座標系であり、その地点の位置は、固定の原点からのその地点の半径距離、固定の天頂方向から測定されるそれの極角、及び原点を通り天頂に直交する参照面上へのそれの正射影の、その参照面上の固定の基準方向から測定される方位角の3つの数によって特定される。球面座標系は、極座標系の3次元版と見なされ得る。仰角は、極角の負量プラス90度に等しくあり得る。本発明の基準方向は、アレイの対称軸(4300)、及びある与えられたプレーナ・スタック(4101)の任意選択に対して決定され得る。
【0017】
次に
図1A及び
図3Bを参照すると、各プレーナ・スタック(4101)は、N個の指向性アンテナ(4121)を含み得る複数の指向性アンテナ(4120)と、複数の送受信機ブロック(4110)と、複数の1極R投無線機セレクタ(4130)と、複数のスタック無線機フィーダ・ポート(4140)とを備え得る。Nはある第2の固定の正の整数であり得、Rはある第3の固定の正の整数であり得る。
図3Bの例示的な実施例では、指向性アンテナ(4121)の数Nは3であり、指向性アンテナ(4121)は、-20度の仰角から+20度の仰角に渡って均等に配置されている。したがって、
図3Bに示される本発明の例示的な実施例は、パラメータ集合{M=18、N=3}による略記形式で記述され得る。いくつかの実施例では、指向性アンテナ(4121)のビーム幅は、20度であり得、したがってこの実例において、カバレジの立体角領域は、中心の指向性アンテナ(4121)のマイナス30度からプラス30度までの範囲内にあり得る。この60度のカバレジは、仰角でオフセットされ得る。
【0018】
次に
図1A及び
図3Aを参照すると、各指向性アンテナ(4121)は、指向性アンテナ(4121)を物理的に構築するだけで電磁波放射の細いビームを放射及び受け得る。
図3Aに示される例示的な実施例は、そのような場合を示し、各指向性アンテナ(4121)は、ポリロッド・アンテナであり、ポリロッド・アンテナという用語は、アンテナの放射パタンを形成することを助ける目的で高い比誘電率の構造誘電体(structural dielectric)を採用し得るアンテナを示し得る。
図3Aに示される例示的な実施例の場合、ポリロッド・アンテナは、すべての方向に等しく放射する仮想のアンテナと比較して、約17デシベル、すなわち約50倍それの放射される電力を、それの優先される方向に対して向ける(及びそれの受ける放射を優先する)。アンテナの放射パタン、又はアンテナ・パタンは、それの感度が、それの優先される方向(最大)のものに対して約3デシベル、すなわち約半分低下する立体角の領域によって定義され得る。
図3Aに示される例示的な実施例において指向性アンテナ(4121)として作動し得るポリロッド・アンテナの優先される方向は、それのステム(4123)からそれの先端(4124)まで、ポリロッド・アンテナの最長軸に沿った方向である。参照の容易のため、アンテナの優先される方向は、アンテナのポインティング・レイ(Poynting ray)(4122)と見なされ得る。任意の与えられた用途において指向性アンテナ(4121)として作動するポリロッド・アンテナに対して選択されるビーム幅は、完全に任意であり得、隣接する指向性アンテナ(4121)間の角度分離とは無関係であり得、隣接するプレーナ・スタック(4101)間の角度分離とは無関係であり得る。ビーム幅という用語は、度で表すアンテナ・パタンの幅を指し得る。ポリロッド・アンテナは、DC電源を必要とするとは限らない。ポリロッド・アンテナの長さを長くすることによって、与えられた用途が要求し得るに従ってポリロッド・アンテナのビームはさらに細くされ得る。ポリロッド・アンテナの長さを短くすることによって、与えられた用途が要求し得るに従ってポリロッド・アンテナのビームはさらに太くされ得る。ポリロッド・アンテナは、アンテナの長さの一部に沿って、共振導体コイル(resonant conductor coil)をポリマー・マトリクス内に埋め込み得るか、又はポリロッド・アンテナは、何か他の形態の埋め込まれた導体と結合され得る。ポリロッド・アンテナは、埋め込まれた導体の性質によって、左旋円偏光ビーム、又は右旋円偏光ビーム、又は直線偏光ビームのうちのいずれか1つを放射し得る。いくつかの実施例では、ポリロッド・アンテナが、5G XPIC用途のために、名目上垂直(V)偏波と名目上水平(H)偏波とで異なるデータ・ストリームを放射又は受信し得る。ポリロッド・アンテナは、マイクロ波Kaバンドやその他のミリメートル波帯など動作周波数の指定範囲が選択されると、ポリロッド・アンテナの最適の送信特性及び受信特性のために物理的に大きさを合わせ得る。Kaバンドは、5Gネットワークにおいて採用され得る大きいデータ容量の周波数セグメントを含み得る。マイクロ波のKaバンドは、26.5ギガヘルツから40ギガヘルツまでの周波数範囲を含み得る。指向性アンテナ(4121)の2次元又は3次元のアレイ(M×N)のアンテナ・パタンは、必ずしも与えられた時点にアンテナ・パタンの全範囲に対処する必要があるとは限らず、各個々の指向性アンテナ(4121)のアンテナ・パタンは、アンテナ利得が3dBよりも大きく減少することはない立体角の領域によって境界を定められ得る。いくつかの実施例では、2次元又は3次元のアレイ(M×N)は、3次元ユークリッド空間における球面アレイとして表され得る。指向性アンテナ(4121)の2次元のアレイ(M×N)のアンテナ・パタンは、(M=18、N=3)の場合、個別に、独立して、対処可能な54個の立体角小領域に均等に細分され得るが、この概念は、M及びNを適切に調整することによって、より多い又はより少ない小領域をカバーするように拡張され得る。各ロッドは、それ自身個々のビームを発するので、チャネル間の等化は必要とされない。独自のロッド・アンテナ設計により、各ロッドからの各個々のビームを、他のロッドからの他のビームに等しくすることが可能になる。
【0019】
次に
図1A及び
図3Aを参照すると、各指向性アンテナ(4121)は、ステム(4123)と先端(4124)とを備え得、各指向性アンテナ(4121)は、それの最長の寸法に沿ってそれのステム(4123)からそれの先端(4124)まで延びるポインティング・レイ(4122)を有し得る。
図3Aに示される本発明の例示的な実施例内に採用されているポリロッド・アンテナは、まさにこの場合を示し得る。
【0020】
次に
図1Aを参照すると、各指向性アンテナ(4121)は、電磁波エネルギーを第一に指向性アンテナ(4121)のポインティング・レイ(4122)にほぼ沿って放射し得、各指向性アンテナ(4121)は、電磁波エネルギーを第一に指向性アンテナ(4121)のポインティング・レイ(4122)の負量にほぼ沿って受け得る。指向性アンテナ(4121)は、細いビームを放射し、受け得るので、指向性アンテナ(4121)がポリロッド以外の何か他のタイプのアンテナで実現され得る場合でも、それでもなお、そのアンテナのポインティング・レイ(4122)を優先し得る。実例として、指向性アンテナ(4121)は、代わりにパッチ・アンテナのアレイによって実現され得、そのポインティング・レイ(4122)は、パッチ・アンテナのアレイの平面にほぼ垂直であり得る。
【0021】
次に
図1Aを参照すると、すべてのポインティング・レイ(4122)は、ほぼポインティング面(4125)内にあり得る。それは、与えられたプレーナ・スタック(4101)内のすべての指向性アンテナ(4121)のポインティング・レイ(4122)はほぼ同一平面内にあり得ると言い換えられ得、ポインティング面(4125)の概念を定義し得る。プレーナ・スタック(4101)内の指向性アンテナ(4121)の向きは、したがって、ポインティング面(4125)に制約され、自由度1のみで変化し得る。
【0022】
次に
図1A及び
図3Bを参照すると、各ポインティング・レイ(4122)は、扇形の配置で各ポインティング・レイ(4122)の角度方向に各隣接するポインティング・レイ(4122)からほぼ一定のレイ間角度オフセット(4311)だけオフセットされ得る。一定のレイ間角度オフセット(4311)を採用し得るプレーナ・スタック(4101)内の複数の指向性アンテナ(4120)によってカバーされるアンテナ・パタンが、指向性アンテナ(4121)のビーム幅に等しくあり得る場合、各指向性アンテナ(4121)のアンテナ・パタンが3デシベルよりも大きく低下しない、複数の指向性アンテナ(4120)によって対処される立体角の領域は、ほぼ連続的であり得る。他の多形形態、たとえば、アンテナの不均一な分布又は配置を有する多形形態も可能である。
【0023】
次に
図1Aを参照すると、複数の送受信機ブロック(4110)は、N個の送受信機ブロック(4111)を含み得、各送受信機ブロック(4111)の動作は、デジタル制御ロジック(4800)によって制御され得る。特に、デジタル制御ロジック(4800)は、送受信機ブロック(4111)内にある各アンプによって適用されるレベルの電力利得を構成するように誘導され得、指向性アンテナ(4121)を介する送信又は受信のために適切であるように、電力利得が適用される方向を構成するように誘導され得る。電力利得という用語は、ブロックに入力された電力に対するブロックから出力された電力の比を指し得、したがってそのブロックにとっての動作の方向、又は有用性を含意し得る。
【0024】
次に
図1Aを参照すると、各送受信機ブロック(4111)は、デジタル制御ロジック(4800)からの送信/受信モード制御信号を受け取り得、各送受信機ブロック(4111)は、可変レベルの無線周波数電力増幅を採用し得、各送受信機は、送受信機ブロック第1のポート(4112)と送受信機ブロック第2のポート(4113)とを備え得る。送受信機ブロック(4111)が送信のために構成され得るとき、送受信機ブロック第1のポート(4112)は出力を構成し得、送受信機ブロック第2のポート(4113)は送受信機ブロック(4111)の入力を構成し得る。代替的に、送受信機ブロック(4111)が受信のために構成され得るとき、送受信機ブロック第2のポート(4113)は出力を構成し得、送受信機ブロック第1のポート(4112)は送受信機ブロック(4111)の入力を構成し得る。各送受信機ブロック(4111)は、信号フロー方向制御、詳細には、電力増幅を実施するためのアップコンバージョン(送信)、又は低ノイズ増幅を実施するためのダウンコンバージョン(受信)を受け取り得る。適用される信号状態調整は、ミリメートル波用途に好適であり得る。各送受信機ブロック(4111)は、低ノイズ増幅、電力増幅、送信/受信スイッチ、及び周波数選別フィルタのうちのいずれか又はすべてを含み得る。バイアス電力(電源)のオン/オフを制御することにより、アンテナ消費電力を削減し、したがってCW動作が可能になる。各送受信機ブロック(4111)は、任意の無線機(4401)に関して、各指向性アンテナ(4121)に、個別に、独立して、選択可能な度合いの信号状態調整を提供し得る。
【0025】
次に
図1Aを参照すると、各送受信機ブロック(4111)は、各送受信機ブロック(4111)の送受信機ブロック第1のポート(4112)を介して、それぞれの指向性アンテナ(4121)のステム(4123)に、電気的に接続し得る。
【0026】
次に
図1A及び
図3Aを参照すると、複数の1極R投無線機セレクタ(4130)は、N個の1極R投無線機セレクタ(4131)を含み得、各1極R投無線機セレクタ(4131)は、無線機セレクタ共通ポート(4132)と、R個の無線機セレクタ・スイッチ・ポート(4134)を備え得る無線機セレクタ複数スイッチ・ポート(4133)とを備え得る。各1極、R投無線機セレクタ(4131)は、それが1極R投スイッチであるかのように機能し得、換言すれば、厳密に1つの無線機セレクタ・スイッチ・ポート(4134)が、任意の与えられた時点に、無線機セレクタ共通ポート(4132)に電気的に接続され得る。さらに、本発明の物理的範囲がそれらの周波数において多くの波長であり得るように、本発明は高周波の電磁波エネルギーで動作し得るので、1極R投無線機セレクタ(4131)は、任意の与えられた時点にどの無線機セレクタ・スイッチ・ポート(4134)が無線機セレクタ共通ポート(4132)に電気的に接続され得るかにかかわらず、それのポートに接続し得る伝送線媒体に整合したインピーダンス(低い電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing-Wave Ratio))を提示し得る。例として、29.9ギガヘルツで自由空間中を進む電磁放射の波長は、約1センチメートルであり得る。約29.9ギガヘルツで動作し得る、
図3Aに示される本発明の例示的な実施例は、1つの指向性アンテナ(4121)の先端からそれの反対側の指向性アンテナ(4121)の先端までの約30センチメートル、この実例の1波長、すなわち1センチメートルを大きく越え得る距離に及ぶ。例として、29.9ギガヘルツで自由空間中を進む電磁放射の波長は、約1センチメートルであり得る。本発明の物理的範囲がそれらの周波数において多くの波長であり得るように、本発明は高周波の電磁波エネルギーで動作し得る。
【0027】
次に
図1Aを参照すると、各1極R投無線機セレクタ(4131)の動作は、デジタル制御ロジック(4800)によって制御され得る。その制御の効果は、各1極R投無線機セレクタ(4131)について個別に、任意の与えられた時点に、どの無線機セレクタ・スイッチ・ポート(4134)が、無線機セレクタ共通ポート(4132)に接続し得るか選択することであり得る。
【0028】
次に
図1Aを参照すると、各1極R投無線機セレクタ(4131)の機能は、無線機セレクタ複数スイッチ・ポート(4133)と無線機セレクタ共通ポート(4132)との間で整合させられた1極R投スイッチの機能であり得、各1極R投無線機セレクタ(4131)は、それの無線機セレクタ共通ポート(4132)を介してそれのそれぞれの送受信機ブロック(4111)にそれの送受信機ブロック第2のポート(4113)を介して電気的に接続し得る。各1極R投無線機セレクタ(4131)は、各1極R投無線機セレクタ(4131)が1極R投スイッチであるかのように機能し得、換言すれば、厳密に1つの無線機セレクタ・スイッチ・ポート(4134)が、任意の定められた時間に、無線機セレクタ共通ポート(4132)に電気的に接続され得る。本発明の物理的範囲がそれらの周波数において多くの波長であり得るように、本発明は高周波の電磁波エネルギーで動作し得るので、1極R投無線機セレクタ(4131)は、任意の与えられた時点にどの無線機セレクタ・スイッチ・ポート(4134)が無線機セレクタ共通ポート(4132)に電気的に接続され得るかにかかわらず、それのポートに接続し得る伝送線媒体に整合したインピーダンス(低い電圧定在波比(VSWR))を提示し得る。M×Nアレイ内のすべての指向性アンテナ(4121)は、任意の与えられた無線機(4401)に等しい敏捷さ、すなわち10ナノ秒のオーダーでアクセスし得る。そのようなアクセスは、方位角及び仰角に等しく適用され得る。本発明は、現時点で利用可能な最速のビーム・ポインティング技術を潜在的に具現化し得る。
【0029】
次に
図1Aを参照すると、複数のスタック無線機フィーダ・ポート(4140)は、R個のスタック無線機フィーダ・ポート(4141)を備え得、その複数のスタック無線機フィーダ・ポート(4140)は、それぞれ、すべての1極R投無線機セレクタ(4131)の複数の無線機セレクタ・スイッチ・ポート(4133)に電気的に接続し得る。プレーナ・スタック(4101)からの、したがって指向性アンテナ(4121)から複数の無線機(4400)へのインターフェースは、以って複数のスタック無線機フィーダ・ポート(4140)に含まれ得る。
【0030】
次に
図1C及び
図3Aを参照すると、複数のプレーナ・スタック(4100)が、M個すべてのポインティング面(4125)の幾何学的平面内にあるアレイ対称軸(4300)の周りあたりに扇形の配置を形成し、平面間角度オフセット(4312)が約360度/M一定であり得るように、複数のプレーナ・スタック(4100)中のM個のポインティング面(4125)の各々は、それの角度方向に各隣接するポインティング面(4125)からほぼ一定の平面間角度オフセット(4312)だけオフセットされ得る。指向性アンテナ(4121)のビーム幅が、一定の面間角度オフセット(4312)及び一定のレイ間角度オフセット(4311)とほぼ同じであり得るとき、本発明は、立体角範囲が360度の方位角及びレイ間角度オフセット(4311)のN倍の仰角であるベルト内を無線で受信及び送信し得る。指向性アンテナ(4121)のビーム幅が、指向性アンテナ(4121)の物理的特性の意図的なばらつきによって減少することになっていた場合、パラメータM及びNがそれに応じて増加されたのであれば、立体角範囲の同じ帯は、受信及び送信によって連続的にカバーされたままであった。いくつかの実施例では、他の多形形態が可能であり得る。
【0031】
次に
図1Cを参照すると、複数の無線機フィーダ(4200)はR個の無線機フィーダ(4201)を含み得、すべての複数のスタック無線機フィーダ・ポート(4140)は、それぞれ複数の無線機フィーダ(4200)に電気的に接続し得る。本発明の物理的範囲がそれらの周波数において多くの波長であり得るように、本発明は高周波の電磁波エネルギーで動作し得るので、複数の無線機フィーダ(4200)は、それのポートに接続し得る伝送線媒体に整合したインピーダンス(低い電圧定在波比(VSWR))を提示し得る。したがって、各プレーナ・スタック(4101)に関連付けられ得るすべての複数のスタック無線機フィーダ・ポート(4140)は、複数の無線機フィーダ(4200)に属する電気的に整合したインピーダンス・ポートに接続し得る。
【0032】
次に
図1Aを参照すると、複数の無線機(4400)は、R個の無線機(4401)と、R個の無線機フィーダ・ポート(4403)を含み得る複数の無線機フィーダ・ポート(4402)と、R個の入出力無線周波数ポート(4405)を含み得る複数の入出力無線周波数ポート(4404)とを備え得る。複数の無線機(4400)を構成している要素は、すべて無線機(4401)の数であるRの重複度を有し得る。
【0033】
次に
図1Aを参照すると、各無線機(4401)の動作は、デジタル制御ロジック(4800)によって制御され得、各無線機(4401)は、デジタル制御ロジック(4800)から独立した送信/受信モード制御信号を受け取り得る。デジタル制御ロジック(4800)は、各無線機(4401)の送信又は受信モード、及び1極R投無線機セレクタ(4131)によってなされる複数のプレーナ・スタック(4100)内の複数の送受信機ブロック(4110)への接続を認識し得、したがって各送受信機ブロック(4111)の送信又は受信モードをそれの接続される無線機(4401)の送信又は受信モードに同期させ得る。
【0034】
次に
図1A及び
図4を参照すると、各無線機(4401)は、送信のために、各無線機(4401)の入出力無線周波数ポート(4405)上のより低い無線周波数バンドから、各無線機(4401)の無線機フィーダ・ポート(4403)上のより高い無線周波数バンドにアップコンバージョンするか、又は受信のために、各無線機(4401)の無線機フィーダ・ポート(4403)上のより高い無線周波数バンドから、各無線機(4401)の入出力無線周波数ポート(4405)上のより低い無線周波数バンドにダウンコンバージョンし得る。各無線機(4401)は、各無線機(4401)の入出力無線周波数ポート(4405)においてアップコンバージョン又はダウンコンバージョンされるべき信号が、たとえばSバンド(2ギガヘルツから4ギガヘルツまで)などであり得る、何らかのより低い無線周波数バンド内にあることを予想し得る。Sバンド域の信号は、今日、無線通信ネットワーク機器によって一般的に処理され得、何らかのより高い無線周波数バンド内の信号よりも、信号処理による劣化にあまり敏感でないことがあり、したがって、本発明は、何らかのより高い無線周波数バンド内の信号を処理することの複雑さのうちのいくつかを隠し得る。そのより高い無線周波数バンドは、たとえば、Kaバンド(26.5ギガヘルツから40ギガヘルツまで)であり得る。1極R投無線機セレクタ(4131)によって通過させられる信号のスペクトルは、より高い無線周波数バンド内にあり得る。複数の1極R投無線機セレクタ(4130)及び複数の送受信機ブロック(4110)は、ともにアクティブ・スイッチ・マトリクスを構成し得る。アクティブ・スイッチ・マトリクスを構成するための論理演算は、デジタル制御ロジック(4800)内のFPGA(Field-Programmable Gate Array)内のルックアップ・テーブル内にあり得る。より高い無線周波数バンドは、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)内部の、アップコンバータ/ダウンコンバータ、すなわち無線機(4401)の結果として、より低い無線周波数バンドよりもはるかに高い無線周波数の周波数にあり得る。多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)の無線(自由空間電磁波放射)ポートは、指向性アンテナ(4121)であり得る。R個の無線機(4401)は独立してい得、同時に送信モード又は受信モードであり得る。R個の無線機(4401)、したがって本発明は、無線機を通過し得るあらゆるRFデータ、したがってそれに対して不可知論的であり得る。本明細書で使用する際、「不可知論的(agnostic)」は「知識を持っていない(without knowledge)」ことを意味する。非限定的な実例として、不可知論的という用語は、それ、すなわち本発明が、設計によって及びセキュリティ機能として構造上それらを理解不能であり得るので、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)が処理する電磁スペクトル上に生じ得るデジタル・データ・ストリームは、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)にとって理解不能であり得ることを意味し得る。アップ/ダウンコンバージョンの動機は、電磁放射のSバンド域やCバンド域で動作し得る多くの既存の無線機の使用に対応することであり得る。
【0035】
次に
図1Aを参照すると、各無線機(4401)は、より高い無線周波数バンド上で、それぞれの無線機フィーダ・ポート(4403)を介して、複数のプレーナ・スタック(4100)内の複数の1極R投無線機セレクタ(4130)の各々によってすべての指向性アンテナ(4121)に対して利用可能にされたそれぞれの無線機フィーダ(4201)に接続し得る。
【0036】
図1Cを参照すると、デジタル制御ロジック(4800)は制御ポート(4801)を備え得、デジタル制御ロジック(4800)は、各無線機(4401)に対して個別にアップコンバージョンするかそれともダウンコンバージョンするかを選択するために、複数のプレーナ・スタック(4100)と複数の無線機(4400)の協調動作を制御し得る。デジタル制御ロジック(4800)は、各指向性アンテナ(4121)が接続されている無線機(4401)のモードがアップコンバージョンであるか、それともダウンコンバージョンであるかに従って、複数の1極R投無線機セレクタ(4130)及び複数の送受信機ブロック(4110)を構成し得る。
【0037】
次に
図1C及び
図4を参照すると、デジタル制御ロジック(4800)は、デジタル制御ロジック(4800)の制御ポート(4801)を介して簡潔なコマンド言語に属する制御コマンドを受信し得、簡潔なコマンドは2バイト文字列又は3バイト文字列で構成され得、簡潔なコマンド言語は、その無線機(4401)がアップコンバージョンするために動作しているか、それともダウンコンバージョンするために動作しているかを考慮し、それに従って、各指向性アンテナ(4121)をそれの選択された無線機(4401)と電気的に接続し得る。いくつかの実施例では、簡潔なコマンド言語は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、又は100バイトよりも短い長さの文字列から構成され得る。いくつかの実施例では、制御語は16ビットよりも大きいことがあり、たとえば、R=8、3ビットで表現可能;M=18、5ビットで表現可能;送信/受信、1ビットで表現可能;送信自動利得制御(AGC)、5ビットで表現可能;受信自動利得制御(AGC)、5ビットで表現可能;電力制御オン/オフ、1ビットで表現可能であるときなど、ビット数の合計は20ビットであり得る。本発明の多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)は、パラメータM、N、及びRの大きさを考慮すると、非常に多数の可能な構成を有し得るので、本発明を構成する簡潔かつ効率的な方法は多大な実用的利益をもたらし、たとえば、可能な構成のうち機能的に有効なもののみの中から1極R投無線機セレクタ(4131)の構成に応じて無線機(4401)と送受信機ブロック(4111)との間の送信モード又は受信モードの相互整合性を選択することの負担から本発明のユーザを解放し得る。簡潔なコマンド言語は、任意の与えられた指向性アンテナ(4121)を任意の与えられた無線機(4401)に有効に接続し、アップコンバージョン又はダウンコンバージョンのために、複数バイト・シーケンス(たとえば2バイト(16ビット)又は3バイト(20ビット))シーケンスを用いて前記接続を構成し得、その接続にかかるレイテンシは10ナノ秒のオーダーである。本発明は、したがって現時点で利用可能な潜在的に最速のビーム・ポインティング技術を具現化し得る。
【0038】
次に
図1A及び
図1Cを参照すると、複数の無線機(4400)は、それぞれ、複数の無線機フィーダ・ポート(4402)を介して複数の無線機フィーダ(4200)に電気的に接続し得、複数の無線機(4400)は、それぞれ、複数の入出力無線周波数ポート(4404)を介して複数の入出力無線周波数コネクタ(4700)に電気的に接続し得る。
【0039】
次に
図1C及び
図3Aを参照すると、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)は、各指向性アンテナ(4121)について、アップコンバージョンされて放射される電磁波電力、及びダウンコンバージョンされる入射電磁波電力感度の独立した制御を達成し得、指向性アンテナ(4121)の総数はM×Nである。複数の無線機(4101)が、指向性アンテナ(4121)を介して自由空間媒体と無線で係合し得る場合、自由空間媒体の効率的な使用は、対応する通信局が係合するために必要であり得る立体角の最小領域内でのみ送受信し、対応する通信局が効果的に受信するために必要な最小電力レベルのみを送信することによって最大化され得る。
図3Aに示される本発明の例示的な実施例では、M=18及びN=3であり、54本の独立した制御可能な細いビームがあり得、それらの向きの各々は、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)の向きに対して固定され得るが、それらの送信電力及び受信感度は、個別に制御可能であり得る。
【0040】
次に
図1C及び
図3Aを参照すると、各与えられた指向性アンテナ(4121)は、それの立体角カバレジのそれぞれの小領域内で、他のすべての指向性アンテナ(4121)の応答を支配し得、したがって各小領域に対する放射電力及び受信感度の制御は、ほぼ直交し得る。指向性アンテナ(4121)のビーム幅が、プレーナ・スタック(4101)内の指向性アンテナ(4121)の間のレイ間角度オフセット(4311)にほぼ等しくあり得、指向性アンテナ(4121)のビーム幅が、プレーナ・スタック(4101)間の面間角度オフセット(4312)にほぼ等しくあり得るとき、各与えられた指向性アンテナ(4121)は、他の指向性アンテナ(4122)よりも各与えられた指向性アンテナ(4121)のポインティング・レイ(4122)に沿ってより敏感であり得、したがってその与えられた指向性アンテナ(4121)についての送受信機ブロック(4111)の送信電力レベル及び受信感度の制御は、与えられた指向性アンテナ(4121)のそれぞれのポインティング・レイ(4122)に沿った他の指向性アンテナ(4121)にはほぼ何も影響しないことがある。
【0041】
次に
図1C及び
図3Aを参照すると、任意の第1の与えられた無線機(4401)は、立体角小領域全体の任意の与えられたサブセットに対処するように構成され得、次いで任意の第2の与えられた無線機(4401)は、まだ対処されていない残りの立体角小領域の任意のサブセットに対処するように構成され得、一般に、残りの無線機(4401)の各々が今度はまだ対処されていない残りの立体角小領域の任意のサブセットに対処するように構成され得るように、第1の与えられた無線機(4401)と第2の与えられた無線機(4401)とのために確立されたパタンは、対処されないままである立体角小領域がなくなるか、又はR個すべての無線機(4401)が対処する立体角小領域をさらに必要としなくなるまで継続され得る。換言すれば、任意の与えられた指向性アンテナ(4121)は、ある無線機(4401)に、ある無線機(4401)によって排他的に接続され得るか、又は指向性アンテナ(4121)の任意の与えられた集積体は、簡潔なコマンド言語に応答するデジタル制御ロジック(4800)により、ある無線機(4401)に、ある無線機(4401)によって排他的に接続され得、任意の与えられた指向性アンテナ(4121)は、簡潔なコマンド言語に応答するデジタル制御ロジック(4800)により、すべての与えられた指向性アンテナ(4121)に対し、すべての無線機(4121)によって自由に無視され得る。
【0042】
したがって、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)は、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)の位置について、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)によって無線で、対処される立体角領域全体の効率的な無線機カバレジを提供し得る。
【0043】
次に
図1A及び
図3Aを参照すると、いくつかの実施例では、指向性アンテナ(4121)は、先端(4124)と、そこから指向性アンテナ(4121)がそれぞれの送受信機ブロック第1のポート(4112)によって供給されるステム(4123)とを有するロッド型アンテナであり得るが、他の実施例では、そこから指向性アンテナ(4121)がそれぞれの送受信機ブロック第1のポート(4112)によって供給されるステム(4123)のみを存続させていることがある。指向性アンテナ(4121)が細いビームを形成し得る限りは、ロッド・アンテナの形態をとる要求をされないことが許されている。実例として、指向性アンテナ(4121)は、代わりにパッチ・アンテナのアレイによって実現され得、そのポインティング・レイ(4122)は、パッチ・アンテナのアレイの平面にほぼ垂直であり得る。そのような場合には、アレイは、そこから供給されるポートを存続させ、このポートは指向性アンテナ(4121)のステム(4123)と見なされ得る。
【0044】
次に
図4を参照すると、いくつかの実施例では、3次元(3D)多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)は、無線周波数ファニング・ネットワーク(4180)を備え得る。無線周波数ファニング・ネットワーク(4180)は、単一の概念的ユニットに収集された、複数のプレーナ・スタック(4100)内の複数の1極R投無線機セレクタ(4130)の一種の機能的に等価な一般化であり得る。無線周波数ファニング・ネットワーク(4180)は、したがって数がRである第1の複数のポートと、数がMである第2の複数のポートとを備え得、Mは、表記の都合上NのM倍の値を表し得る。
【0045】
次に
図2A、
図2B、
図3A、及び
図3Bを参照すると、いくつかの実施例では、プレーナ・スタック(4101)の数Mは18であり得、プレーナ・スタック(4101)あたりの指向性アンテナ(4121)の数Nは3であり得、無線機(4401)の数Rは8であり得、一定のレイ間角度オフセット(4311)は約20度であり得、一定の面間角度オフセット(4312)は約20度であり得、指向性アンテナ(4121)はポリロッド・アンテナであり得る。
図2A、
図2B、
図3A、及び
図3Bに示される本発明の例示的な実施例においてこれらの属性は見られ得る。
図2Bにおいて、複数の入出力無線周波数コネクタ(4700)が8個のコネクタを含むように見られ得、無線機(4401)の数Rが8であるべきことを意味し得る。
【0046】
次に
図2A、
図2B、
図3A、及び
図3Bを参照すると、いくつかの実施例では、より低い無線周波数バンドはSバンド内にあり得、より高い無線周波数バンドはKaバンド内にあり得る。例示的な実施例は、第5世代(5G)ネットワーク・インフラストラクチャ展開のために開発された可能性があり、その場合、より低い無線周波数バンドはSバンド内にあり得、より高い無線周波数バンドはKaバンド内にあり得る。
【0047】
次に
図1C及び
図4を参照すると、いくつかの実施例では、デジタル制御ロジック(4800)は、1つ又はいくつかのフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)内又は1つ又はいくつかの特定用途向け集積回路(ASIC)内に実装され得、及びいくつかの実施例では、デジタル制御ロジック(4800)はマイクロプロセッサを含み得る。FPGAはマイクロプロセッサ機能をオンチップで提供し得、FPGAはデジタル・ロジック実現のほぼ最適な展開を提供し得、ASICはデジタル・ロジック実現のさらにより最適の展開を提供し得るので、本発明はこれらの機能を含み得る。
【0048】
次に
図1C及び
図4を参照すると、いくつかの実施例では、デジタル制御ロジック(4800)を介して多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)を再構成するためのレイテンシは、10ナノ秒未満であり得る。他の実施例では、デジタル制御ロジック(4800)を介して多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)を再構成するためのレイテンシは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200ナノ秒未満であり得る。そのレイテンシは、簡潔なコマンド言語からのコマンドが制御ポート(4801)中にラッチされる時点と、与えられた1極R投無線機セレクタ(4131)及び与えられた送受信機ブロック(4111)がコマンドを作動させる時点との時間差として定義され得る。本発明は、したがって現時点で利用可能な最速のビーム・ポインティング技術を潜在的に具現化し得る。
【0049】
次に
図1C及び
図4を参照すると、いくつかの実施例では、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)は、レーダー・エキサイタ・アレイ、レーダー(パッシブ又はアクティブ)受信機アレイ、ジャマー、デジタル無線周波数メモリ・ジャマー、無線ネットワーク・リピータ・システム、又は5G基地局内に埋め込まれ得る。本発明は、電子戦コンテキストにおいて、又はネットワーク化軍用及び商用無線機及び5Gネットワークなどの無線ネットワーク通信ネットワーク・インフラストラクチャにおいて適用例を見出し得る。複数の入出力無線周波数ポート(4404)は、信号経路に接続され得、外部無線機又はエキサイタ/受信機アレイからなる。
【0050】
いくつかの実施例では、より低い無線周波数バンドは、Sバンド、Cバンド、Kaバンド、Kuバンド、Eバンド、Vバンド、Xバンド、Lバンド又はWバンドのいずれかの内にあり得、及びいくつかの実施例では、より高い無線周波数バンドは、Sバンド、Cバンド、Kaバンド、Kuバンド、Eバンド、Vバンド、Xバンド、Lバンド又はWバンドのいずれかの内にあり得る。Sバンドは、1.550ギガヘルツから3.990ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。Cバンドは、3.900ギガヘルツから6.200ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。Kaバンドは、20.000ギガヘルツから36.000ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。Kuバンドは、10.900ギガヘルツから20.000ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。Eバンドは、2.000ギガヘルツから3.000ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。Vバンドは、46.000ギガヘルツから56.000ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。Xバンドは、6.200ギガヘルツから10.900ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。Lバンドは、40.000ギガヘルツから60.000ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。Wバンドは、56.000ギガヘルツから100.000ギガヘルツまでの範囲内の周波数の電磁放射を含み得る。
【0051】
いくつかの実施例では、各指向性アンテナ(4121)によって放射される電磁放射のビームは、円偏波されるか、それとも直線偏波され得る。
【0052】
いくつかの実施例では、簡潔なコマンド言語は、2バイト(16ビット)又は3バイト(20ビット)のコマンド文字列からなるコマンドを含み得る。
【0053】
いくつかの実施例では、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)によって実行される処理は、MIMOを通過し得るあらゆるRFデータに対して不可知論的であり得る。この書類内で、不可知論的という用語は、それ、すなわち本発明が、設計によって及びセキュリティ機能として構造上それらを理解不能であり得るので、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)が処理する電磁スペクトル上に生じ得るデジタル・データ・ストリームは、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)にとって理解不能であり得ることを意味し得る。
【0054】
いくつかの実施例では、送受信機ブロック(4111)は、低ノイズ・アンプ、電力アンプ、送信/受信スイッチ、並びに/又は周波数選別フィルタリング及びTX及びRX AGCのいずれかを備え得る。送受信機ブロック(4111)が、ダウンコンバージョン(受信)モードで、それのそれぞれの無線機(4401)とともに動作し得るとき、低ノイズ・アンプが本発明の性能を改善するために採用され得る。送受信機(4111)が、アップコンバージョン(送信)モードで、それのそれぞれの無線機(4401)とともに動作し得るとき、電力アンプが本発明の性能を改善するために採用され得る。送受信機ブロック(4111)が送信モードで動作し得るとき、周波数選別フィルタリングは電力アンプによって帯域外に放射される電力を削減し得、送受信機ブロック(4111)が受信モードで動作し得るとき、周波数選別フィルタリングは低ノイズ・アンプのダイナミック・レンジを維持し得る。帯域外に放射される電力は、本発明のオペレータに認可された電磁放射の周波数のバンドの外側に放射される電力として定義され得る。ダイナミック・レンジは、ノイズ電力+スプリアス電力の総計に対する信号電力の比として定義され得る。送受信機ブロック(4111)は、各送受信機又は無線周波数(RF)経路の信号レベルを等化するために使用され得る、あまり動的でない自動利得制御(AGC)を両方向に有する。AGCコマンドは、ビーム・ポインティング・レートで切り替えることは許可されない。自動利得制御(AGC)は、信号対ノイズ比(SNR)最適化ダイナミック・レンジ制御及びチェーン利得等化に使用され得る。消費電力最小化は重要であるので、不使用時又は受信モードでは送受信機の各電力アンプが停止させられ、逆に使用時又は送信モードでは送受信機の受信チェーンにおいてバイアス電力が停止させられる。(
図4電力制御を参照されたい。)
【0055】
次に
図2A及び
図2Bを参照すると、いくつかの実施例では、多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)が内部はケーブルレスであり得、いくつかの実施例では、各指向性アンテナ(4121)がポリロッド・アンテナであり得る。
図2A及び
図2Bに示される例示的な実施例では、組立は、ケーブル接続を含まないように見え得、本発明を製造するための全体のコストを削減し得、本発明の信頼性を高め得る。さらに、例示的実施例における指向性アンテナ(4121)の各々は、それのポインティング・レイ(4122)がそれのステム(4123)からそれの先端(4124)までそれの最長の寸法に沿ったポリロッド・アンテナであり得る。
【0056】
いくつかの実施例では、すべての指向性アンテナ(4121)が、Sバンド、Cバンド、Kaバンド、Kuバンド、Eバンド、Vバンド、Xバンド、Lバンド又はWバンドのいずれかの内で送信又は受信し得る。
【0057】
いくつかの実施例では、各与えられた指向性アンテナ(4121)が、それの立体角カバレジのそれぞれの小領域内で、他のすべての指向性アンテナ(4121)の応答を支配し得る。指向性アンテナ(4121)のビーム幅が、プレーナ・スタック(4101)内の指向性アンテナ(4121)の間のレイ間角度オフセット(4311)にほぼ等しくあり得、指向性アンテナ(4121)のビーム幅が、プレーナ・スタック(4101)間の面間角度オフセット(4312)にほぼ等しくあり得るとき、各与えられた指向性アンテナ(4121)は、他の指向性アンテナ(4122)よりもそれのポインティング・レイ(4122)に沿ってより敏感であり得、したがってその与えられた指向性アンテナ(4121)についての送受信機ブロック(4111)の送信電力レベル及び受信感度の制御は、それのそれぞれのポインティング・レイ(4122)に沿った他の指向性アンテナ(4121)にはほぼ何も影響しないことがある。
【0058】
このドキュメントでは、「パッシブ」という用語は、マルチポート線形電気ネットワークの特性を意味し得、したがって、前記ネットワークは、それのポートのいずれかに入ってくる任意の信号電力レベルを、それのポートのいずれかから出ていく何かの信号電力レベルに電力増幅することができないことがある。「損失の多い(lossy)」及び「無損失の(lossless)」という用語は、パッシブ・ネットワークの特殊な場合をさらに区別し得る。対照的に、マルチポート線形電気ネットワークを記述するとき、「アクティブ」という用語は、受動的特性の論理的補集合又は反意語を示し得る。同じ参照インピーダンス(Z0)がすべてのポートに関連付けられ得ると仮定すると、散乱パラメータ(sパラメータ)に関して記述され得るマルチポート線形電気ネットワークは、それのマトリクス要素のすべてが1よりも小さいか又は等しい大きさを有し得る特性によって、パッシブ・ネットワークと識別され得る。
【0059】
このドキュメントでは、1つの構成要素(アンテナなど)の制御が別の構成要素(隣接したアンテナなど)の制御からほぼ独立しているように、「直交性(orthogonality)」は、制御の独立を指す。たとえば、多重アンテナの放射電力及び受信感度の制御が「直交している」場合、各アンテナの放射電力及び受信感度は、他のアンテナの放射電力又は受信感度に影響を及ぼすことなく、他のアンテナの放射電力及び受信感度の制御から独立して制御され得る。一般に、「直交の(orthogonal)」という用語は、独立と同等である数学的なベクトル間の関係を表し、換言すれば、1つのベクトルの、別のベクトル上への射影が0であり得る。たとえば、3次元空間中のユークリッド幾何学的ベクトル(長さ3のベクトル)は、それらの間のドット積が0になる場合、互いに直交し得る。より一般的には、多次元信号処理システムの第1の出力の射影は、ある第2の出力上への0射影を維持しながら第1の出力の任意の変調が受け入れられ得る場合、その第2の出力に直交又は独立し得、逆もまた同様である。多次元信号処理システムの出力間の直交性は、可能な場合、システムの、独立して制御可能な入力を管理する適切な制御方式の決定に依存し得る。
【0060】
3次元(3D)多入力多出力無線システム(MIMO)は、複数の無線機と、複数の相互的一意的指向性アクティブ・アンテナ(mutually uniquely oriented active antenna)と、相互接続ファブリックとを備え得る。相互接続ファブリックは、多数の無線機と多数の一意的指向性アクティブ・アンテナとの間の電気的接続を実現し得る。相互接続ファブリックは、各指向性アンテナを多数の無線機のうちの多くとも1つに電気的に接続するように構成され得る。相互接続ファブリックは、分離可能な物理的ファブリックではなく論理的概念であり得る。相互接続ファブリックは、それの可能な構成のうちの任意の与えられた1つにおいて、パッシブ・マルチポート線形電気ネットワークであり得る。アクティブ・アンテナは、構成可能なレベルの電力増幅を組み入れ得、前記電力増幅は、与えられた無線機内のあらゆる電力増幅能力から独立して構成可能であり得る。複数の相互的一意的指向性アクティブ・アンテナのうちの1つは、電磁波エネルギーをもつ自由空間中の与えられた特定の仰角と方位角のペアの方向に対処するために、相互的一意的指向性アクティブ・アンテナのうちの他のどれよりも良い指向性を有し得る。
【0061】
各アクティブ・アンテナの細いビームは、主にそれぞれの立体角領域に対処し得る。それのアンテナ・パタンがそれの向きとそれの最近接隣の向きとの間の角度間隔よりも小さいか又は同等のビーム幅を有し得る一意的指向性アクティブ・アンテナは、著しい冗長性、オーバーラップ、又はカバレジの空白なしに自由空間の立体角領域に対処し得る。他のすべての一意的指向性アクティブ・アンテナと比較されるとき有利である、主にそれのそれぞれの立体角領域に対処し得る一意的指向性アクティブ・アンテナは、それのそれぞれの立体角領域を支配し得る。
【0062】
MIMOによって無線で対処される立体角領域全体の効率的な無線機カバレジを提供するように、相互接続ファブリック及びその利得レベルの各アクティブ・アンテナは、任意の与えられた時点に各アクティブ・アンテナを複数の無線機のうちのいずれかに電気的に接続するか又はいずれにも接続しないように、独立して動的に構成され得る。本発明のMIMOは、MIMOを取り囲むシステムが必要とし得るいかなる目標でもその達成に向かって、時間とともに動的に変化し得るやり方で、主に最適の方向に、最適のレベルで電磁波エネルギーを分配し、かつ受け得る。
【0063】
いくつかの実施例では、相互接続ファブリックは、任意の与えられた時点に任意の与えられたアクティブ・アンテナを多くとも単一の任意の無線機に電気的に接続することが可能であり得るルーティング・ネットワークであり得、電気的接続は双方向である。「ルーティング・ネットワーク」という用語は、各々が複数のアクティブ・アンテナのうちの1つに関連付けられ得るポートの第1のセットと、各々が複数の無線機のうちの1つに関連付けられ得るポートの第2のセットとの間の電気的な接続の構成可能な集積体を意味し得る。「ルーティング・ネットワーク」という用語は、相互接続ファブリックの特性を単に詳述及び換言しているに過ぎないことがある。ルーティング・ネットワークによって確立された接続は、したがって双方向と見なし得る。ルーティング・ネットワーク内の有効な構成は、与えられた無線機からいくつかのアンテナへのファン・アウト接続であり得るが、ルーティング・ネットワーク内で有効な接続は、与えられたアンテナを多くとも1つの無線機にしか接続できないことがある。
【0064】
いくつかの実施例では、MIMOはデジタル制御ロジックを有し得、そのデジタル制御ロジックは、複数の無線機及び複数のアクティブ・アンテナの動作を協調させて、アップコンバージョン又はダウンコンバージョンのいずれかを行うように構成され得る。デジタル制御ロジックは、相互接続ファブリックの構成がアクティブ・アンテナを接続する無線機と各アクティブ・アンテナの構成が一致し得るように、各アクティブ・アンテナを首尾よく構成し得る。
【0065】
いくつかの実施例では、各アクティブ・アンテナは、前記アクティブ・アンテナが電気的に接続され得る無線機がアップコンバージョンを実行し得るときはいつでもアップコンバージョンするように構成され得、各アクティブ・アンテナは、前記アクティブ・アンテナが電気的に接続され得る無線機がダウンコンバージョンを実行し得るときはいつでもダウンコンバージョンするように構成され得る。無線機のモードがアップコンバージョンするように構成され得るとき、電磁波エネルギーは、与えられた無線機から相互接続ファブリック内に構成された接続を介してアクティブ・アンテナに流れ得、そのアクティブ・アンテナは、相互接続ファブリックからそのアクティブ・アンテナの上に入射する電磁波エネルギーを増幅し得、その結果を自由空間電磁波放射に放し得る。無線機のモードがダウンコンバージョンするように構成され得るとき、電磁波エネルギーはアクティブ・アンテナ要素から流れ得、そのアクティブ・アンテナ要素は、自由空間からそれの上に入射する電磁波エネルギーを増幅し得、その結果を相互接続ファブリック内に構成された接続を介して無線機に放し得る。
【0066】
いくつかの実施例では、MIMOはデジタル制御ロジックを有し得、そのデジタル制御ロジックは、各アクティブ・アンテナの動作を指示して前記アクティブ・アンテナに特有の可変レベルの無線周波数増幅を適用するように構成され得る。各アクティブ・アンテナに対する無線周波数増幅の制御の直交性、又は独立性は、本発明にとって非常に重要であり得る。前記制御は、デジタル制御ロジックによって達成され得る。
【0067】
いくつかの実施例では、相互接続及び各指向性アンテナの利得レベルは、任意の与えられた時点に各指向性アンテナを電気的に複数の無線機のうちのいずれかに接続するか又はいずれにも接続しないように、独立して動的に構成され得る。無線機と指向性アンテナとの間の無線周波数ファニング・ネットワーク内に確立された信号経路は、MIMOを取り囲むシステムが必要とし得るように時間とともに再構成され得る。指向性アンテナは、いかなる無線機にも全く接続しないことが許され、任意の与えられた瞬間に任意の単一の無線機に接続し得る。
【0068】
いくつかの実施例では、各送受信機ブロックは、可変レベルの無線周波数電力増幅を採用し得、各送受信機ブロックは、デジタル制御ロジックからの送信/受信モード制御信号を受け入れるように構成され得る。送信/受信モード制御信号は、任意の与えられた瞬間に、与えられた送受信機と、無線周波数ファニング・ネットワークの構成によって関連付けられた無線機のアップコンバージョン/ダウンコンバージョン・モードにそれぞれ対応し得る。
【0069】
メディア・アクセス・コントローラ(MAC)は、3次元(3D)自由空間の媒体にアクセスし得、その媒体は立体角分割により多重化され得る。MACは、複数の無線機と、相互接続ファブリックと、複数の一意指向アクティブ・アンテナとをカプセル化し得、換言すれば、MACは、MIMOを備え得る。したがってMACは、自由空間を立体角カバレジの領域に分割することによって電磁波エネルギーへのアクセスを細分し得、各立体角領域が一意指向性アクティブ・アンテナのうちの1つによって支配され得る。
【0070】
MACは、接続を複数の同一場所に設置された電気通信端末又は遠隔検知端末に動的に割り振るように構成され得る。MACは、任意の与えられた時点に、時間的に変化するやり方で、各立体角領域によるアクセスを複数の電気通信端末又は遠隔検知端末のうちの多くとも1つに多重化するようにさらに構成され得る。MACは無線電気通信リンク上に端末を構成し得、又はMACは、レーダー又は光検知測距(LIDAR)などの自由空間の立体角領域上で遠隔検知を実行する局を構成し得、無線から遠隔検知まで構成可能であり得、逆もまた同様である。同一場所に設置された電気通信端末又は遠隔検知端末は、自由空間電磁波媒体以外の媒体(同軸ケーブル接続など)によって接続され得る。
【0071】
実例
以下は本発明の非限定的な実例である。前記実例は、何ら本発明を限定することを意図していないことを理解されるべきである。等価なもの又は代替するものは本発明の範囲内である。
【0072】
次に
図2A及び
図2Bに示される本発明の例示的な実施例、並びに
図3A及び
図3Bを参照すると、3次元(3D)、360度、全方向多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)は、M=18のプレーナ・スタック(4101)を備え得る複数のプレーナ・スタック(4100)からなり得るソフトウェア定義された無線機システムであり得、各プレーナ・スタック(4101)は、N=3の指向性アンテナ(4121)と、R=8の無線機(4401)を備え得る複数の無線機(4400)と、制御ポート(4801)を備え得るデジタル制御ロジック(4800)とを備え得る。5G無線ネットワーク・インフラストラクチャを構築するために便利であり得るように、より低い無線周波数バンドはSバンド内にあり得、より高い無線周波数バンドはKaバンド内にあり得る。例示的な実施例は、それらの特定用途のための適正なアルゴリズムをソフトウェア経由で更新することが可能であることによって、無線機とレーダーの両方として使用され得る。例示的な実施例のダイナミック・レンジは、5G周波数において、1ミリワットに対して-90デシベル未満の感度を可能にし得、これは市場で最初になり得、それのベースからかなりの範囲を可能にし得る。例示的な実施例は、最大8チャネルの送信及び受信無線周波数経路を利用することによってこれをなし得る。例示的な実施例は、5G周波数又は1GHzを超える帯域幅能力をもつ他の任意の周波数にアップコンバージョンし得る8個の個別送信及び受信変換器からなり得る。例示的な実施例は、5G運動に実質的な利益を提供し得るキャリアから10キロヘルツでのヘルツあたりの位相ノイズをキャリアに対して-135デシベルで提供し得る局部発振器を利用し得る。8個の異なる無線機(4401)は、28GHzで対等方性放射体17デシベルの利得をもつ20度のビーム幅を提供し得る、54個の異なる有機ベースの指向性アンテナ(4121)にルーティングされ得る。例示的な実施例は、最大40Wを超える多入力多出力無線システム(MIMO)(4000)による放射電力を発生し得る。28ギガヘルツで動作し得る有機プリント回路基板中に埋め込まれた432個を超える無線周波数トレースがあり得る。これを行うことによって、この例示的な実施例は、すべてのケーブル及びそれらに関連するコネクタをなくすことによってハードウェアのコストを大幅に削減した可能性がある。既存のソフトウェア定義無線機には、コスト及び能力の柔軟性が組み込まれていない。例示的な実施例は、あらゆる周波数でのリピータやあらゆるレンジでの信号ブースタとして使用され得る。
【0073】
本明細書で使用する際、「ほぼ(about)」という用語は、参照される数のプラス又はマイナス10%を指す。
【0074】
本発明の好ましい実施例を示し、説明したが、添付の特許請求の範囲を越えない範囲の改変をその実施例になされ得ることは、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきものである。いくつかの実施例では、本特許出願中に提示された図は、角度、寸法の比などを含め、正確な比率で描かれている。いくつかの実施例では、図は代表的なもののみであり、特許請求の範囲は図の寸法によって限定されない。いくつかの実施例では、「備える/含む(comprising)」という語句を使用して本明細書で説明する本発明の記述は、「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「からなる(consisting of)」と記述され得る実施例を含み、したがって「から本質的になる」又は「からなる」という語句を使用して本発明の1つ又は複数の実施例を主張するための記述要件は満たされている。
【0075】
以下の特許請求の範囲中に記載された参照番号は、専らこの特許出願の審査の容易さのためであり、例示的なものであり、特許請求の範囲の範囲を図面に対応する参照番号を有する特定の特徴に限定することを何ら意図するものではない。
【国際調査報告】