(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】天然素材抽出物含有薬学的組成物、動物用薬学的組成物、食品組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 36/539 20060101AFI20230314BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230314BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20230314BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20230314BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20230314BHJP
A61P 17/18 20060101ALI20230314BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20230314BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20230314BHJP
A61K 36/896 20060101ALI20230314BHJP
A61K 36/489 20060101ALI20230314BHJP
A61K 36/75 20060101ALI20230314BHJP
A61K 36/756 20060101ALI20230314BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230314BHJP
A61P 39/06 20060101ALI20230314BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230314BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20230314BHJP
【FI】
A61K36/539
A61P17/00
A61P17/06
A61P37/08
A61P17/02
A61P17/18
A61P17/16
A61P17/14
A61K36/896
A61K36/489
A61K36/75
A61K36/756
A61P29/00
A61P39/06
A61P43/00 121
A23L33/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545128
(86)(22)【出願日】2021-01-25
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 KR2021000986
(87)【国際公開番号】W WO2021150088
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0009461
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522294497
【氏名又は名称】エルケイ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LK. INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョン・リュル
(72)【発明者】
【氏名】シン,ミン・スブ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヨン・ミン
【テーマコード(参考)】
4B018
4C088
【Fターム(参考)】
4B018MD61
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF06
4C088AB38
4C088AB59
4C088AB62
4C088AB85
4C088BA10
4C088CA08
4C088MA07
4C088MA52
4C088MA55
4C088NA14
4C088ZA89
4C088ZB11
4C088ZC37
4C088ZC75
(57)【要約】
本発明はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含む薬学的組成物、動物用薬学的組成物、食品組成物およびその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物からなる群から選択される少なくとも一つの抽出物を含む、皮膚関連疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項2】
前記組成物はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含むことである、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記組成物はオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を含むことである、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記組成物内の前記抽出物の含量は0.5v/v%~5v/v%である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記組成物は0.1~10mg/mLの濃度で投与されることである、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記組成物は100~1000mpkの濃度で投与されることである、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記抽出物は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出されたことである、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記皮膚関連疾患は皮膚シワ、光老化症、黒皮症、皮膚色素沈着症、皮膚火傷、皮膚炎症、皮膚がん、シミ、ソバカス、黒色点、母斑、乾癬、アトピー皮膚炎、円形脱毛症、白斑症、水虫、雲脂からなる群から選択される少なくとも一つの疾患である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
請求項1に記載された薬学的組成物をこれを必要とする個体に投与する段階を含む、皮膚関連疾患の予防または治療方法。
【請求項10】
オウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダからなる群から選択される少なくとも一つの天然素材を抽出する段階を含む、皮膚関連疾患の予防または治療用薬学的組成物の製造方法。
【請求項11】
前記天然素材はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをすべて含むものの、
前記抽出はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをそれぞれ抽出することである、請求項10に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項12】
抽出されたオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を混合して混合物を得る段階をさらに含む、請求項11に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項13】
前記混合物を乾燥する段階をさらに含む、請求項12に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項14】
前記乾燥は噴霧乾燥である、請求項13に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項15】
前記抽出は40~55℃の温度で遂行されることである、請求項10に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項16】
前記抽出は60~80時間の間遂行されることである、請求項10に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項17】
前記抽出は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出されることである、請求項10に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項18】
オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物からなる群から選択される少なくとも一つの抽出物を含む動物の、皮膚関連疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項19】
前記組成物はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含むことである、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
前記組成物はオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を含むことである、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項21】
前記組成物内の前記抽出物の含量は0.5v/v%~5v/v%である、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
前記組成物は0.1~10mg/mLの濃度で投与されることである、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
前記組成物は100~1000mpkの濃度で投与されることである、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項24】
前記抽出物は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出されたことである、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
前記皮膚関連疾患は皮膚シワ、光老化症、黒皮症、皮膚色素沈着症、皮膚火傷、皮膚炎症、皮膚がん、シミ、ソバカス、黒色点、母斑、乾癬、アトピー皮膚炎、円形脱毛症、白斑症、水虫、雲脂からなる群から選択される少なくとも一つの疾患である、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項26】
前記動物は哺乳類である、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
請求項18に記載された薬学的組成物をこれを必要とする個体に投与する段階を含む、動物の皮膚関連疾患の予防または治療方法。
【請求項28】
オウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダからなる群から選択される少なくとも一つの天然素材を抽出する段階を含む、動物の皮膚関連疾患の予防または治療用薬学的組成物の製造方法。
【請求項29】
前記天然素材はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをすべて含むものの、
前記抽出はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをそれぞれ抽出することである、請求項28に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項30】
抽出されたオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を混合して混合物を得る段階をさらに含む、請求項29に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項31】
前記混合物を乾燥する段階をさらに含む、請求項30に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項32】
前記乾燥は噴霧乾燥である、請求項31に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項33】
前記抽出は40~55℃の温度で遂行されることである、請求項28に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項34】
前記抽出は60~80時間の間遂行されることである、請求項28に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項35】
前記抽出は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出されることである、請求項28に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項36】
オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物からなる群から選択される少なくとも一つの抽出物を含む、皮膚関連疾患の予防または改善用食品組成物。
【請求項37】
前記組成物はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含むことである、請求項36に記載の食品組成物。
【請求項38】
前記組成物はオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を含むことである、請求項37に記載の食品組成物。
【請求項39】
前記組成物内の前記抽出物の含量は0.5v/v%~5v/v%である、請求項36に記載の食品組成物。
【請求項40】
前記組成物は0.1~10mg/mLの濃度で投与されることである、請求項36に記載の食品組成物。
【請求項41】
前記組成物は100~1000mpkの濃度で投与されることである、請求項36に記載の食品組成物。
【請求項42】
前記抽出物は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出されたことである、請求項36に記載の食品組成物。
【請求項43】
前記皮膚関連疾患は皮膚シワ、光老化症、黒皮症、皮膚色素沈着症、皮膚火傷、皮膚炎症、皮膚がん、シミ、ソバカス、黒色点、母斑、乾癬、アトピー皮膚炎、円形脱毛症、白斑症、水虫、雲脂からなる群から選択される少なくとも一つの疾患である、請求項36に記載の食品組成物。
【請求項44】
請求項36に記載された食品組成物をこれを必要とする個体に摂取させる段階を含む皮膚関連疾患の予防または改善方法。
【請求項45】
オウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダからなる群から選択される少なくとも一つの天然素材を抽出する段階を含む、皮膚関連疾患の予防または改善用食品組成物の製造方法。
【請求項46】
前記天然素材はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをすべて含むものの、
前記抽出はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをそれぞれ抽出することである、請求項45に記載の食品組成物の製造方法。
【請求項47】
抽出されたオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を混合して混合物を得る段階をさらに含む、請求項46に記載の食品組成物の製造方法。
【請求項48】
前記混合物を乾燥する段階をさらに含む、請求項47に記載の食品組成物の製造方法。
【請求項49】
前記乾燥は噴霧乾燥である、請求項48に記載の食品組成物の製造方法。
【請求項50】
前記抽出は40~55℃の温度で遂行されることである、請求項45に記載の食品組成物の製造方法。
【請求項51】
前記抽出は60~80時間の間遂行されることである、請求項45に記載の食品組成物の製造方法。
【請求項52】
前記抽出は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出されることである、請求項45に記載の食品組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含む薬学的組成物、動物用薬学的組成物、食品組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オウゴン(Scutellaria baicalensis)は双子葉植物管状花目シソ科の多年草であって、韓国、中国、モンゴルおよびシベリア東部などの地に分布する。従来漢方でオウゴンの根を解熱、利尿、止瀉および利胆剤として利用した。
【0003】
ヤブラン(Broadleaf Liriope、Liriope platyphylla)は単子葉植物ユリ目ユリ科の多年草であって、韓国、日本、中国、台湾、東北アジアだけでなく世界的に幅広く分布する。子房上位であって実は「さく果」であり、丸くて早く果皮が剥けるため種子が露出され、紫黒色である。従来漢方で塊根を薬剤として使うが、強壮、咳止め、去痰剤および強心剤として利用した。
【0004】
苦参(Sophora flavescens)は双子葉植物バラ目豆科の多年草であって、ヌスビトハギ、クララ、蛇の亭子の木とも言う。従来漢方では根を乾燥したものを苦参というが、味が苦く高麗人参の効能があって消化不良、神経痛、肝炎、黄疸、痔などに処方するものとして知られている。民間では茎や葉を煮詰めて殺虫剤として使われたりもした。
【0005】
白鮮皮は芸香科のハクセン(Dictamnus dasycarpus Turcz.)の根皮を称するもので、従来湿熱による皮膚発疹、皮膚靡爛、湿疹、風疹、かゆみ症と急性肝炎による黄疸、湿熱性下肢の麻痺に使い、咳嗽、咽喉乾燥、多飲水症にも使われた。薬理作用として解熱作用と皮膚真菌の抑制作用が知られている。
【0006】
キハダは芸香科(rutaceae)に属する黄蘗の皮を乾燥したものであって、夏至の前後に木の茎から皮を剥いで粗皮(粗い皮)を除去したり切って日光に干して使う。キハダは血糖低下作用、肺炎双球菌、ヒト型結核菌、ブドウ球菌などの発育阻止、腫瘍細胞の繁殖阻止および殺菌作用をするものとして知られている。また、服用時に胃液の分泌を促進させ、食欲の亢進ももたらすものとして知られている。
【0007】
最近では多数の炎症または酸化関連症状または疾患と関連して天然物由来の予防または治療用薬物と改善用食品組成物に対する要求性が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一例は、オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含む薬学的組成物、動物用薬学的組成物、食品組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは従来漢方薬として知られているオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダからなる群から選択される少なくとも一つの天然素材を使う場合、人間または動物の皮膚関連疾患の予防または治療効果を有する薬学的組成物または改善効果を有する食品組成物を製造できることを確認して本発明を完成した。以下、本発明をより詳細に説明することにする。
【0010】
本発明はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物からなる群から選択される少なくとも一つの抽出物を含む人間または動物の皮膚関連疾患の予防または治療用薬学的組成物に関する。
【0011】
一例において、前記組成物はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物をすべて含むことができる。
【0012】
一例において、前記ヤブラン抽出物は、オウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物を50~150重量部、具体的には80~120重量部、さらに具体的には90~110重量部、例えば100重量部を含むことができる。
【0013】
前記苦参抽出物は、オウゴン抽出物100重量部を基準として苦参抽出物を50~150重量部、具体的には80~120重量部、さらに具体的には90~110重量部、例えば100重量部を含むことができる。
【0014】
前記白鮮皮抽出物は、オウゴン抽出物100重量部を基準として白鮮皮抽出物を50~150重量部、具体的には80~120重量部、さらに具体的には90~110重量部、例えば100重量部を含むことができる。
【0015】
前記キハダ抽出物は、オウゴン抽出物100重量部を基準としてキハダ抽出物を50~150重量部、具体的には80~120重量部、さらに具体的には90~110重量部または95~105重量部、例えば100重量部を含むことができる。
【0016】
具体的には、前記薬学的組成物でオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物150~250重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を含むことができる。
【0017】
一例において、前記組成物内の前記抽出物の含量は0.5~5v/v%、具体的には1~4v/v%、さらに具体的には1.5~2.5v/v%、例えば2v/v%または3v/v%であり得る。
【0018】
例えば、前記薬学的組成物の各抽出物は、水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択された一つ以上の溶媒から抽出された抽出物であり得る。具体的には、前記有機溶媒は例えばアルコールであり得、より具体的にはブチレングリコールまたはエタノールであり得る。
【0019】
前記抽出物は例えば常温で冷浸、加熱または濾過して得られた液状物であるか、または前記液状物から溶媒を蒸発、乾燥させて得たものであり得る。
【0020】
前記乾燥の場合、公知の乾燥方法であれば制限なく使われ得るが、具体的には噴霧乾燥方法または凍結乾燥方法で遂行されるものであり得、より具体的には噴霧乾燥方法で遂行されるものであり得る。
【0021】
前記オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物またはキハダ抽出物は40~55℃、具体的には47~52℃、例えば50℃の温度で抽出されたものであり得る。
【0022】
また、オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物またはキハダ抽出物は60~80時間、具体的には68~75時間、例えば72時間の間抽出されたものであり得る。
【0023】
例えば前記抽出物は47~52℃の温度で68~75時間の間抽出されたものであり得る。
【0024】
前記各抽出物は前記抽出物の重量比、組成物内含量、抽出溶媒、抽出温度、抽出時間、条件で抽出するか、前記乾燥方法により溶媒を乾燥させる場合、活性酸素阻害能が高いため坑酸化効果が優秀であり、NO合成阻害能が高く、炎症性サイトカインの発現抑制能が高いため抗炎効果が優秀であり、メラニン生成阻害能が高くて皮膚美白効果が優秀であるため、皮膚関連疾患の予防または治療効果がより優秀となり得、例えば、アトピー皮膚炎の予防または治療効果がより優秀となり得る。
【0025】
用語「予防」は、一例に係る薬学的組成物の投与によって個体の皮膚関連疾患を抑制させるか発病を遅延させるすべての行為を意味し得る。
【0026】
用語「治療」は、一例に係る薬学的組成物の投与によって個体の皮膚関連疾患に対する症状が好転するか有利となるように変更されるすべての行為を意味し得る。
【0027】
一例によると、前記組成物は活性酸素を阻害することによって坑酸化効能を示すことができ、NO合成を阻害し、炎症性サイトカインの発現を抑制して抗炎の効能を示し、メラニンの生成を抑制するところ、皮膚美白効果を示すことができる。
【0028】
また、前記坑酸化効能、抗炎効能、皮膚美白効果を通じて、皮膚関連疾患の予防または治療効果を示すことができる。
【0029】
一例において、前記皮膚関連疾患は皮膚シワ、光老化症、黒皮症、皮膚色素沈着症、皮膚火傷、皮膚炎症、皮膚がん、シミ、ソバカス、黒色点、母斑、乾癬、アトピー皮膚炎、円形脱毛症、白斑症、水虫、雲脂からなる群から選択される少なくとも一つの疾患であり得、具体的には、皮膚色素沈着症、皮膚炎症、乾癬およびアトピー皮膚炎からなる群から選択される少なくとも一つの疾患であり得、より具体的にはアトピー皮膚炎であり得る。
【0030】
前記アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)は喘息、アレルギー鼻炎、慢性じんましんとともに代表されるアレルギー疾患の一つであり、慢性的に再発して激しいかゆみ症が伴われる皮膚湿疹疾患である。
【0031】
アトピー性皮膚炎患者はマロンジアルデヒド(malondialdehyde)および抗酸化剤の減少によって活性酸素(ROS、Reactive Oyxgen Species)による損傷がさらに大きいと知られており、そのため抗酸化剤がアトピー性皮膚炎の治療に有効であり得ることが知られている(Journal of Clinical and Diagnostic Research、N.Sivaranjani etc.2013;7(12):2683-2685)。
【0032】
また、前記薬学的組成物はブルーライト遮断用、頑癬/白線の予防または治療用組成物で使われ得、坑酸化、抗炎症、抗真菌、抗ウイルス、抗細菌、細胞再生効果および美白効果を有する。
【0033】
具体的には、前記薬学的組成物は坑酸化効果を有し、具体的には前記薬学的組成物は活性酸素阻害能を有することができる。例えば前記薬学的組成物は抽出物2v/v%を基準として、活性酸素によるDCFHからDCF転換率が未処理対照群対比41~80%または41~70%、具体的には43~50%または51~70%、さらに具体的には44~48%または64~68%であり得る。
【0034】
また、前記薬学的組成物は抗炎症効果を有し、具体的にはNO合成を阻害したり、炎症性サイトカインの発現を抑制することができる。例えば前記薬学的組成物は有効性分である抽出物2v/v%を基準として、下記の数学式1で算出されるNO合成阻害能が65~99.9%、具体的には67~75%または95~99%であり得る。
【0035】
[数1]
NO合成阻害能(%)={1-(試料添加時のNO合成量の傾き)}/(試料無添加時のNO合成量)*100
【0036】
また、前記組成物はメラニン(melanin)の生成量を阻害する効果がある。例えば前記組成物は有効性分である抽出物2v/v%を基準として、下記の数学式2で算出される細胞内メラニン生成阻害率が5~30%、具体的には10~20%、例えば12~16%であり得る。
【0037】
[数2]
メラニン生成阻害率(%)={(試料無添加時のメラニン量)-(試料添加時のメラニン量)}/(試料無添加時のメラニン量)*100
【0038】
また、具体的には、前記組成物は抗アトピー皮膚炎効果を有する。例えば、前記組成物を経口投与する場合、耳の厚さ測定、リンパ節の重さ測定、臨床症状の確認、皮膚刺激指数等を通じてアトピー皮膚炎が治療されることを確認することができる。
【0039】
前記薬学的組成物は有効性分を単独で含むか、一つ以上の薬学的に許容可能な坦体、賦形剤または希釈剤を含んで薬学的組成物として提供され得る。
【0040】
具体的には、前記坦体は例えば、コロイド懸濁液、粉末、食塩水、脂質、リポソーム、小球体(microspheres)またはナノ球状粒子であり得る。これらは運搬手段と複合体を形成するか関連され得、脂質、リポソーム、微細粒子、金、ナノ粒子、ポリマー、縮合反応剤、多糖類、ポリアミノ酸、デンドリマー、サポニン、吸着増進物質または脂肪酸のような当業界で公知になっている運搬システムを使って生体内運搬され得る。
【0041】
前記薬学的組成物が製剤化される場合には、通常的に使う潤滑剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使って調製され得る。経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ得、このような固形製剤は前記組成物に少なくとも一つ以上の賦形剤例えば、デンプン、カルシウムカーボネート(calciumcarbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製され得る。また、単純な賦形剤の他にマグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使われ得る。経口のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、油剤、シロップ剤などがあり、よく使われる単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に多様な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、油剤、凍結乾燥製剤、座剤が含まれ得る。非水性溶剤、懸濁剤としてはプロピレングリコール(propyleneglycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどが使われ得る。座剤の基剤としてはウイテプゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが使われ得、点眼剤の形態で製造時、公知の希釈剤または賦形剤などが使われ得る。
【0042】
前記用語「薬学的に許容される」とは、前記組成物に露出される細胞や人間に毒性がない特性を示すことを意味する。
【0043】
前記用語「個体」は皮膚関連疾患の治療を必要とする対象を意味し、具体的には動物を意味し得、より具体的には人間または非-人間である霊長類、ネズミ(mouse)、犬、猫、馬および牛などの哺乳類を意味し得る。
【0044】
前記薬学的組成物は目的とする方法によって経口投与または非経口投与(例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、皮下、皮内、または局所に適用)することができる。
【0045】
前記用語「投与」とは、適切な方法で個体に所定の物質を導入することを意味する。
【0046】
また、前記薬学的組成物は薬学的に有効な量で投与する。前記用語、「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的な受惠/危険割合で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量水準は患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路および排出比率、治療期間、同時使われる薬物を含んだ要素およびその他医学分野に広く知られた要素により決定され得る。具体的には、前記薬学的組成物は体積基準として0.1~10mg/mL、具体的には1~5mg/mL、より具体的には2~4mg/mLの濃度で投与され得、投与される個体の重量基準として100~1000mpk、具体的には300~800mpk、より具体的には400~600mpkの濃度で投与され得る。前記投与は一日に一度投与されるものであってもよく、数回に分けて投与されるものであってもよい。
【0047】
一例に係る薬学的組成物は個別的に投与されるか、他の皮膚関連疾患治療剤と併用して投与され得、公知の皮膚関連疾患治療剤とは同時に、別途に、または順次投与され得、単一または多重投与され得る。前記要素をすべて考慮して副作用なしに最小限の量で最大の効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは当業者によって容易に決定され得る。
【0048】
また、本発明は前記薬学的組成物を、これを必要とする個体に投与する段階を含む皮膚関連疾患の予防または治療方法に関する。
【0049】
前記「薬学的組成物」、「個体」、「投与」、「予防」、「治療」、「皮膚関連疾患」等は前述した範囲内であり得る。
【0050】
また、本発明はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダからなる群から選択される少なくとも一つの天然素材を抽出する段階を含む人間または動物の皮膚関連疾患の予防または治療用薬学的組成物の製造方法に関する。
【0051】
前記「オウゴン」、「ヤブラン」、「苦参」、「白鮮皮」、「キハダ」、「皮膚関連疾患」、「薬学的組成物」、「予防」、「治療」等は前述した範囲内であり得る。
【0052】
本発明の一例において、前記天然素材はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをすべて含むものの、前記抽出はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをそれぞれ抽出するものであり得る。
【0053】
また、一例において、前記薬学的組成物の製造方法は抽出されたオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を混合して混合物を得る段階をさらに含むことができる。
【0054】
具体的には、前記薬学的組成物の製造方法は、オウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダを混合する段階および前記混合物を抽出してオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含む混合物を製造する段階で製造されてもよい。
【0055】
また、一例において、前記薬学的組成物の製造方法は前記混合物を乾燥する段階をさらに含むことができる。
【0056】
前記乾燥は、公知の乾燥方法であれば制限なく使われ得るが、具体的には噴霧乾燥方法または凍結乾燥方法で遂行されるものであり得、より具体的には噴霧乾燥方法で遂行されるものであり得る。
【0057】
前記抽出は40~55℃、具体的には47~52℃、例えば50℃の温度で遂行されるものであり得る。
【0058】
また、前記抽出は60~80時間、具体的には68~75時間、例えば72時間の間遂行されるものであり得る。
【0059】
また、前記抽出は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出されるものであり得る。
【0060】
例えば前記抽出は47~52℃の温度で68~75時間の間、水と有機溶媒の混合物を抽出溶媒として遂行されるものであり得る。
【0061】
前記薬学的組成物は前記温度、時間および抽出溶媒条件で抽出される場合、または前記乾燥方法により乾燥される場合、活性酸素阻害能が高いため坑酸化効果が優秀であり、NO合成阻害能が高く、炎症性サイトカインの発現抑制能が高いため抗炎効果が優秀であり、メラニン生成阻害能が高くて皮膚美白効果が優秀であるため、皮膚関連疾患の予防または治療効果がより優秀となり得、例えば、アトピー皮膚炎の予防または治療効果がより優秀となり得る。
【0062】
また、本発明はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物からなる群から選択される少なくとも一つの抽出物を含む皮膚関連疾患の予防または改善用食品組成物に関する。前記食品組成物は健康機能食品、機能性食品または食品添加剤用組成物であり得る。
【0063】
一例において、前記組成物はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物をすべて含むことができる。
【0064】
一例において、前記ヤブラン抽出物は、オウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物を50~150重量部、具体的には80~120重量部、さらに具体的には90~110重量部、例えば100重量部を含むことができる。
【0065】
前記苦参抽出物は、オウゴン抽出物100重量部を基準として苦参抽出物を50~150重量部、具体的には80~120重量部、さらに具体的には90~110重量部、例えば100重量部を含むことができる。
【0066】
前記白鮮皮抽出物は、オウゴン抽出物100重量部を基準として白鮮皮抽出物を50~150重量部、具体的には80~120重量部、さらに具体的には90~110重量部、例えば100重量部を含むことができる。
【0067】
前記キハダ抽出物は、オウゴン抽出物100重量部を基準としてキハダ抽出物を50~150重量部、具体的には80~120重量部、さらに具体的には90~110重量部または95~105重量部、例えば100重量部を含むことができる。
【0068】
具体的には、前記食品組成物でオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物150~250重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を含むことができる。
【0069】
一例において、前記組成物内の前記抽出物の含量は0.5~5v/v%、具体的には1~4v/v%、さらに具体的には1.5~2.5v/v%、例えば2v/v%または3v/v%であり得る。
【0070】
例えば前記食品組成物の各抽出物は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択された一つ以上の溶媒から抽出された抽出物であり得る。具体的には、前記有機溶媒は例えばアルコールであり得、より具体的にはブチレングリコールまたはエタノールであり得る。
【0071】
前記抽出物は例えば常温で冷浸、加熱または濾過して得られた液状物であるか、または前記液状物から溶媒を蒸発、乾燥させて得たものであり得る。
【0072】
前記乾燥の場合、公知の乾燥方法であれば制限なく使われ得るが、具体的には噴霧乾燥方法または凍結乾燥方法で遂行されるものであり得、より具体的には噴霧乾燥方法で遂行されるものであり得る。
【0073】
前記オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物またはキハダ抽出物は40~55℃、具体的には47~52℃、例えば50℃の温度で抽出されたものであり得る。
【0074】
また、オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物またはキハダ抽出物は60~80時間、具体的には68~75時間、例えば72時間の間抽出されたものであり得る。
【0075】
例えば前記抽出物は47~52℃の温度で68~75時間の間抽出されたものであり得る。
【0076】
前記各抽出物は前記抽出物の重量比、組成物内含量、抽出溶媒、抽出温度、抽出時間、条件で抽出するか前記乾燥方法により溶媒を乾燥させる場合、活性酸素阻害能が高いため坑酸化効果が優秀であり、NO合成阻害能が高く、炎症性サイトカインの発現抑制能が高いため抗炎効果が優秀であり、メラニン生成阻害能が高くて皮膚美白効果が優秀であるため、皮膚関連疾患の予防または改善効果がより優秀となり得、例えば、アトピー皮膚炎の予防または改善効果がより優秀となり得る。
【0077】
用語「予防」は一例に係る食品組成物の摂取によって個体の皮膚関連疾患を抑制させるか発病を遅延させるすべての行為を意味し得る。
【0078】
前記用語「改善」とは、治療される状態に関連したパラメータ、例えば、症状の程度を少なくとも減少させるすべての行為を意味し得る。この時、前記食品組成物は皮膚関連疾患の予防または改善のために該当疾患の発病段階以前または発病後、治療のための薬剤と同時にまたは別個に使われ得る。
【0079】
一例によると、前記組成物は活性酸素を阻害することによって坑酸化効能を示すことができ、NO合成を阻害し、炎症性サイトカインの発現を抑制して抗炎の効能を示し、メラニンの生成を抑制するところ、皮膚美白効果を示すことができる。
【0080】
また、前記坑酸化効能、抗炎効能、皮膚美白効果を通じて、皮膚関連疾患の予防または改善効果を示すことができる。
【0081】
一例において、前記皮膚関連疾患は皮膚シワ、光老化症、黒皮症、皮膚色素沈着症、皮膚火傷、皮膚炎症、皮膚がん、シミ、ソバカス、黒色点、母斑、乾癬、アトピー皮膚炎、円形脱毛症、白斑症、水虫、雲脂からなる群から選択される少なくとも一つの疾患であり得、具体的には、皮膚色素沈着症、皮膚炎症、乾癬およびアトピー皮膚炎からなる群から選択される少なくとも一つの疾患であり得、より具体的にはアトピー皮膚炎であり得る。
【0082】
前記アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)は喘息、アレルギー鼻炎、慢性じんましんとともに代表されるアレルギー疾患の一つであり、慢性的に再発して激しいかゆみ症が伴われる皮膚湿疹疾患である。
【0083】
アトピー性皮膚炎患者はマロンジアルデヒド(malondialdehyde)および抗酸化剤の減少によって活性酸素(ROS、Reactive Oyxgen Species)による損傷がより大きいものと知られており、そのため抗酸化剤がアトピー性皮膚炎の治療に有効であり得ることが知られている(Journal of Clinical and Diagnostic Research、N.Sivaranjani etc.2013;7(12):2683-2685)。
【0084】
また、前記食品組成物はブルーライト遮断用、頑癬/白線の予防または改善用組成物で使われ得、坑酸化、抗炎症、抗真菌、抗ウイルス、抗細菌、細胞再生効果および美白効果を有する。
【0085】
具体的には、前記食品組成物は坑酸化効果を有し、具体的には前記食品組成物は活性酸素阻害能を有することができる。例えば前記食品組成物は抽出物2v/v%を基準として、活性酸素によるDCFHからDCF転換率が未処理対照群対比41~80%または41~70%、具体的には43~50%または51~70%、さらに具体的には44~48%または64~68%であり得る。
【0086】
また、前記食品組成物は抗炎症効果を有し、具体的にはNO合成を阻害したり、炎症性サイトカインの発現を抑制することができる。例えば前記食品組成物は有効性分である抽出物2v/v%を基準として、下記の数学式1で算出されるNO合成阻害能が65~99.9%、具体的には67~75%または95~99%であり得る。
【0087】
[数3]
NO合成阻害能(%)={1-(試料添加時のNO合成量の傾き)}/(試料無添加時のNO合成量)*100
【0088】
また、前記組成物はメラニン(melanin)の生成量を阻害する効果がある。例えば前記組成物は有効性分である抽出物2v/v%を基準として、下記の数学式2で算出される細胞内メラニン生成阻害率が5~30%、具体的には10~20%、例えば12~16%であり得る。
【0089】
[数4]
メラニン生成阻害率(%)={(試料無添加時のメラニン量)-(試料添加時のメラニン量)}/(試料無添加時のメラニン量)*100
【0090】
また、具体的には、前記組成物は抗アトピー皮膚炎効果を有する。例えば、前記組成物を経口投与する場合、耳の厚さ測定、リンパ節の重さ測定、臨床症状の確認、皮膚刺激指数等を通じてアトピー皮膚炎が治療されることを確認することができる。
【0091】
前記食品組成物で、有効性分は食品にそのまま添加するか、他の食品または食品成分と共に使われ得、通常の方法により適切に使われ得る。有効成分の混合量はその使用目的(予防または改善用)によって適合するように決定され得る。一般的に、食品または飲料の製造時に前記食品組成物は原料に対して、具体的には約15重量%以下、より具体的には約10重量%以下の量で添加され得る。しかし、健康および衛生を目的とするかまたは健康調節を目的とする長期間の摂取の場合には、前記量は前記範囲以下であり得る。
【0092】
前記食品組成物は坦体、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤、賦形剤または添加剤のうち一つ以上をさらに含んで、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤および液剤剤形からなる群から選択された一つに剤形され得る。前記添加され得る食品としては、各種食品類、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、シロップ剤、飲料、ガム、茶、ビタミン複合剤、健康機能性食品類などがある。
【0093】
前記坦体、賦形剤、希釈剤および添加剤の具体的な例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、デンプン、アカシアゴム、燐酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、水、砂糖シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウムおよびミネラルオイルからなる群から選択される少なくとも一つであり得る。
【0094】
前記食品組成物は前記有効性分を含有することの他に、特に制限なく他の成分を必須成分として含有することができる。例えば、通常の飲料のように、多様な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。前述した天然炭水化物の例は、モノサッカライド、例えば、葡萄糖、果糖など;ジサッカライド、例えばマルトース、スクロースなど;およびポリサッカライド、例えばデキストリン、シクロデキストリンなどのような通常の糖、およびキシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールであり得る。前述したもの以外の香味剤として、天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウディオサイドA、グリシルリジンなど))および合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に使うことができる。前記天然炭水化物の比率は当業者の選択によって適切に決定され得る。
【0095】
前記の他にも、前記食品組成物は多様な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤および天然風味剤などの風味剤、着色剤および充填剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使われる炭酸化剤などを含有することができる。このような成分は独立的にまたは組み合わせて使うことができ、このような添加剤の比率も当業者によって適切に選択され得る。
【0096】
また、本発明で「機能性食品」または「健康機能食品」は人体に有用な機能性を有する原料や成分を使って製造可能な食品を意味し、食品に物理的、生化学的、生物工学的手法などを利用して該当食品の機能を特定目的に作用、発現するように付加価値を付与した食品群や食品の組成が有する生体防御リズム調節、疾病予防、回復、または改善に関する調節機能が生体に十分に発現するように設計して加工した食品を含む。
【0097】
前記用語「個体」は皮膚関連疾患の予防または改善を必要とする対象を意味し、具体的には動物を意味し得、より具体的には人間または非-人間である霊長類、ネズミ(mouse)、犬、猫、馬および牛などの哺乳類を意味し得る。
【0098】
また、本発明は前記食品組成物をこれを必要とする個体に摂取させる段階を含む皮膚関連疾患の予防または改善方法に関する。
【0099】
前記「食品組成物」、「個体」、「予防」、「改善」、「皮膚関連疾患」等は前述した範囲内であり得る。
【0100】
また、本発明はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダからなる群から選択される少なくとも一つの天然素材を抽出する段階を含む皮膚関連疾患の予防または改善用食品組成物の製造方法に関する。
【0101】
前記「オウゴン」、「ヤブラン」、「苦参」、「白鮮皮」、「キハダ」、「皮膚関連疾患」、「食品組成物」、「予防」、「改善」等は前述した範囲内であり得る。
【0102】
本発明の一例において、前記天然素材はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをすべて含むものの、前記抽出はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをそれぞれ抽出してもよい。
【0103】
また、一例において、前記食品組成物の製造方法は抽出されたオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を混合して混合物を得る段階をさらに含むことができる。
【0104】
具体的には、前記食品組成物の製造方法はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダを混合する段階および前記混合物を抽出してオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含む混合物を製造する段階で製造されてもよい。
【0105】
また、一例において、前記食品組成物の製造方法は前記混合物を乾燥する段階をさらに含むことができる。
【0106】
前記乾燥は、公知の乾燥方法であれば制限なく使われ得るが、具体的には噴霧乾燥方法または凍結乾燥方法で遂行されるものであり得、より具体的には噴霧乾燥方法で遂行されるものであり得る。
【0107】
前記抽出は40~55℃、具体的には47~52℃、例えば50℃の温度で遂行されるものであり得る。
【0108】
また、前記抽出は60~80時間、具体的には68~75時間、例えば72時間の間遂行されるものであり得る。
【0109】
また、前記抽出は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出されるものであり得る。
【0110】
例えば前記抽出は47~52℃の温度で68~75時間の間、水と有機溶媒の混合物を抽出溶媒として遂行されるものであり得る。
【0111】
前記食品組成物は前記温度、時間および抽出溶媒条件で抽出される場合、または前記乾燥方法により乾燥される場合、活性酸素阻害能が高いため坑酸化効果が優秀であり、NO合成阻害能が高く、炎症性サイトカインの発現抑制能が高いため抗炎効果が優秀であり、メラニン生成阻害能が高くて皮膚美白効果が優秀であるため、皮膚関連疾患の予防または改善効果がより優秀となり得、例えば、アトピー皮膚炎の予防または改善効果がより優秀となり得る。
【0112】
以下では、本発明が理解を助けるために実施例を通じて詳細に説明する。しかし、本発明に係る実施例は他の形態に変更され得、本発明の範囲は以下の実施例で限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【発明の効果】
【0113】
本発明の組成物は坑酸化および抗炎効果が優秀であるため、人間または動物の多様な疾患に対する予防または治療用組成物または改善効果を有する食品組成物として有用に使われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【
図1】本発明の一例である組成物の活性酸素阻害能を示した結果である。
【
図2】本発明の一例である組成物のNO合成阻害能を示した結果である。
【
図3】本発明の一例である組成物の細胞内メラニン生成阻害率を示した結果である。
【
図4】本発明の一例である組成物のヒト由来角質形成細胞(HaCaT)での細胞毒性評価結果を示した図面である。
【
図5】本発明の一例である組成物のNO生成量評価(NO assay)結果を示した図面である。
【
図6】本発明の一例である組成物1mg/mLの炎症性サイトカイン発現量抑制評価結果を示した図面である。
【
図7】本発明の一例である組成物3mg/mLの炎症性サイトカイン発現量抑制評価結果を示した図面である。
【
図8】実施例7-1の組成物の容量別炎症性サイトカイン発現量抑制評価結果を示した図面である。
【
図9】実施例7-3の組成物の容量別炎症性サイトカイン発現量抑制評価結果を示した図面である。
【
図10】本発明の一例である組成物の抗アトピー効能評価計画を示した図面である。
【
図11】本発明の一例である組成物の抗アトピー効能評価のうち体重測定結果を示した図面である。
【
図12】本発明の一例である組成物の抗アトピー効能評価のうち臨床症状結果(写真)を示した図面である。
【
図13】本発明の一例である組成物の抗アトピー効能評価のうち皮膚刺激指数を確認した結果(A)および耳の厚さを測定した結果(B)を示した図面である。
【
図14】本発明の一例である組成物の抗アトピー効能評価のうちリンパ節の重さ測定結果を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0115】
以下、本発明を具体的な実施例によってさらに詳細に説明しようとする。しかし、本発明は下記の実施例に限定されたものではなく、本発明の思想と範囲内で多様な変形または修正が可能であることはこの分野で当業者に明白なものである。したがって、添付された請求項は広く本発明の思想と範囲に符合するように解釈されるべきである。
【実施例1】
【0116】
実施例1.薬剤抽出物製造
【0117】
オウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダそれぞれをブチレングリコールおよび水混合液に50℃の温度で72時間加熱して撹はんした後、ろ紙で減圧濾過した。濾過された抽出物を4℃の温度で24時間の間冷蔵保管した後、これを再び減圧濾過して抽出物を得てこれを4℃の温度で冷蔵保管した。
【実施例2】
【0118】
実施例2.抽出物含有組成物製造
【0119】
前記実施例1で製造した抽出物を下記の表1の重量通りに称量して混合した混合物を撹はんした後、ろ紙で再び減圧濾過し、濃縮した後に凍結乾燥して抽出物含有組成物を製造した。各抽出物の組成比を異ならせた比較例を対照群として使った。
【0120】
【実施例3】
【0121】
実施例3.DCFH-DA測定による坑酸化活性評価
【0122】
細胞内活性酸素(ROS)を測定するためにDCFH-DA(2’,7’-dichlorofluorescin-diacetate)を利用した蛍光測定法を遂行した。DCFH-DAは非極性分子であり、容易に細胞内に流入し得、エステラーゼ(esterase)により非蛍光性極性分子であるDCFHに分離された後、細胞内活性酸素によって酸化される場合、蛍光性DCFに転換されるがこれを蛍光測定機(fluorometer)で測定した。
【0123】
具体的には、皮膚線維芽細胞(HDFn)をDMEM(10%FBS添加、1%抗生剤を含む)培地で37℃、CO2 5%条件で培養し、Well当たり約1×105細胞を96wellにそれぞれ分注した後、前記実施例2の組成物を0、0.5、1および2v/v%で処理し培養した。
【0124】
その次、酸化ストレス誘発物質であるH2O2 1mMを添加し、DCFH-DA(stock 20mM)20μMを加えた後、spectro-fluoro meter(excitation 485nm、emission 535nm)で37℃で90分の間蛍光反応を分析し、その結果を
図1に示した。比較例組成物も同じ方法で2v/v%をそれぞれ処理した後に蛍光反応を分析し、その結果を表2に示した。各結果で活性酸素阻害能(%)は未処理対照群(control、0v/v%)対比実験群の蛍光強度を%を計算して数値化した。
【0125】
【0126】
図1で確認できるように、濃度の増加によって坑酸化活性も増加し、表2で確認できるように、3v/v%で最も優秀なROS抑制効果があることを確認した。特に抽出物のうち苦参抽出物を2倍含む比較例組成物に比べても優秀な効果があるので、実施例2の組成物が優秀な坑酸化効能があることを確認した。
【実施例4】
【0127】
実施例4.NO合成阻害能評価
【0128】
NOは多くの細胞が分泌する病理的な二次信号伝達物質であり、COXの活性を調節して炎症反応に相乗的に作用するものであって、Raw264.7細胞でLPSによって誘導されるNOSから生成されるNOを測定して炎症反応抑制効果を確認した。
【0129】
Raw264.7細胞に実施例2の組成物を0、0.5、1および2v/v%処理した後、NO定量Kitを利用して下記の数学式1を基準としてNO合成阻害能を評価した。対照群は試料を添加せずLPSのみ処理した。その結果を
図2に示した。
【0130】
[数5]
NO合成阻害能(%)={1-(試料添加時のNO合成量の傾き)}/(試料無添加時のNO合成量)*100
【0131】
図2で分かるように、本発明に係る実施例2の組成物が濃度の増加によって抗炎症効果が増加し、下記の表3を詳察した時、3v/v%で最も優秀な抗炎症効果があることを確認することができた。
【0132】
前記と同じ方法で比較例組成物2v/v%を処理して抗炎症効果を分析し、その結果を下記の表3に示した。
【0133】
【0134】
前記結果で、抽出物のうち苦参抽出物を2倍含む比較例組成物に比べても優秀な効果があるので、実施例2の組成物が優秀な抗炎症効能があることを確認した
【実施例5】
【0135】
実施例5.細胞内メラニン生成量測定を通じての美白効能評価
【0136】
抽出物の美白効果を確認するために、マウス由来のメラニン形成細胞B16F1を利用してメラニン生合成抑制効果を測定した。
【0137】
B16F1メラニン形成細胞をwellに分注して細胞を付着させた後、実施例2の組成物を0、0.5、1および2v/v%および比較例の組成物2v/v%を処理して培養した。培養後細胞をトリプシン-EDTAで引き離した後、細胞数を測定した後に遠心分離して細胞を回収した。細胞ろ液に1N NaOH(10%DMSO)を添加して抽出されたメラニンを溶解した後にマイクロプレートリーダーでメラニンの吸光度を測定した後、メラニンを定量して試料のメラニン生成阻害率(%)を測定した。B16F1メラニン形成細胞のメラニン生成阻害率(%)は数学式2によって計算したし、その結果を下記の表4および
図3に示した。
【0138】
[数6]
メラニン生成阻害率(%)={(試料無添加時のメラニン量)-(試料添加時のメラニン量)}/(試料無添加時のメラニン量)*100
【0139】
【0140】
前記結果から実施例2の組成物が濃度依存的にメラニンの生成を阻害して美白活性があることを確認した。特に比較例組成に美白効果が全くないにもかかわらず実施例2組成でメラニン生成阻害率があるものであって、本発明の組成に特異的に有効な美白効能があることを確認した。
【実施例6】
【0141】
実施例6.抽出条件による効能評価
【0142】
本発明の組成が抽出方法により効能が変わるかどうかを確認するために、下記の表5のように抽出温度および時間を異ならせてそれぞれ坑酸化および抗炎効果があるかを確認した。
【0143】
【0144】
坑酸化および抗炎効能評価は前記実施例3および4と同じ方法で実験を進めたし、試料は2v/v%であるものを使った。
【0145】
【0146】
その結果は前記表6の通りであったし、50℃で72時間抽出する条件で、坑酸化および抗炎症に対する有効性分が高く抽出されて効能が優秀であることを確認した。
【実施例7】
【0147】
実施例7.細胞毒性評価(MTT assay)
【0148】
細胞の代謝活動を評価するための比色分析法でこれを遂行した。対照群の細胞生存率を100%と見て試験物質を処理した細胞の生存率を比較して毒性を評価したし、細胞生存率70%以下から毒性があると判断した。
【0149】
具体的には、ヒト由来角質形成細胞(HaCaT)での細胞毒性評価を遂行したし、前記実施例2と同一に組成物を製造するものの、下記の表7のように、溶媒差を比較するためにブチレングリコールと水の代わりに蒸溜水100%または30%濃度のエタノール水溶液を使ったし、乾燥方法もその差を比較するために凍結乾燥の他に噴霧乾燥を遂行した。この後、製造された実施例7の組成物を0、1、3、10および30mg/mLの容量でそれぞれ処理して遂行した。
【0150】
【0151】
その結果、10mg/mL以下では実施例7-1~7-4はいずれも細胞毒性がないことを確認した(実施例7-1は
図4A、実施例7-2は
図4B、実施例7-3は
図4C、実施例7-4は
図4Dである)。
【実施例8】
【0152】
実施例8.NO生成量評価(NO assay)
【0153】
NOは細胞が刺激を受けると生成する物質であって、培養液に放出されたNOの濃度をNaNO2標準曲線を利用して測定した。代表的な炎症誘発物質であるLPS(0.1μg/mL)のNO生成量は30μM内外であり、これを対照群として使った。具体的には、LPS(0.1μg/mL)存在下で前記実施例7-1~7-4の組成物をそれぞれ0、0.1、0.3、1、3mg/mLを処理した。
【0154】
その結果、実施例7-2の組成物はNO生成量の減少に有意義な影響がなかったし、実施例7-3および7-4の組成物は3mg/mL以上でNO生成量が減少したし、実施例7-1の組成物は1mg/mL以上でNO生成量が減少することを確認した(
図5)。
【実施例9】
【0155】
実施例9.炎症性サイトカイン発現量評価(RT-PCR)
(1) 実施例7-1~7-4の組成物1mg/mLの炎症性サイトカイン発現量抑制評価
【0156】
炎症性サイトカイン(iNOS、COX-2、TNF-α、IL-6、IL-1β)は細胞が刺激を受けると発現量が増加するため、前記実施例7-1~7-4の組成物を1mg/mL処理した場合、炎症性サイトカインの発現が抑制されるか確認しようとした。具体的には、細胞内mRNAを抽出してRT-PCRを通じて炎症性サイトカインの発現量を測定した。
【0157】
その結果、全般的に詳察した時、実施例7-1の組成物が最も炎症性サイトカイン発現量抑制効果が優秀であったし、その次に実施例7-3の組成物、その次は実施例7-4の組成物、実施例7-2の組成物の順であった(
図6)。具体的には、各炎症性サイトカインのうち最も発現抑制効果が大きい組成物2個を表示すれば下記の表8の通りであった。
【0158】
【0159】
(2)実施例7-1~7-4の組成物3mg/mLの炎症性サイトカイン発現量抑制評価
【0160】
また、前記実施例7-1~7-4の組成物を3mg/mL処理した場合、炎症性サイトカインの発現が抑制されるか確認しようとした。具体的には、細胞内mRNAを抽出してRT-PCRを通じて炎症性サイトカインの発現量を測定した。
【0161】
その結果、全般的に詳察した時、実施例7-1の組成物が最も炎症性サイトカイン発現量抑制効果が優秀であったし、その次に実施例7-3の組成物、その次は実施例7-2の組成物、実施例7-4の組成物の順であった(
図7)。具体的には、各炎症性サイトカインのうち最も発現抑制効果が大きい組成物2個を表示すれば下記の表9の通りであった。
【0162】
【0163】
(3)実施例7-1の組成物容量別炎症性サイトカイン発現量抑制評価
【0164】
実施例7-1の組成物が最も炎症性サイトカイン発現抑制効果が優秀であるため、実施例7-1の組成物の容量依存性炎症性サイトカイン発現量を評価した。
【0165】
その結果、TNF-αを除いてはいずれも容量が大きくなるほど炎症性サイトカイン発現抑制力が優秀であったし、TNF-αを除外してはいずれも3mg/mLを処理する場合に炎症性サイトカインのほとんどが抑制されることを確認した(
図8)。
【0166】
(4)実施例7-3の組成物容量別炎症性サイトカイン発現量抑制評価
【0167】
実施例7-3の組成物が実施例7-1の組成物の次に炎症性サイトカイン発現抑制効果が優秀であるため、実施例7-3の組成物の容量依存性炎症性サイトカイン発現量を評価した。
【0168】
その結果、TNF-αを除いてはいずれも容量が大きくなるほど炎症性サイトカイン発現抑制力が優秀であったし、TNF-αを除外してはいずれも3mg/mL処理する場合に炎症性サイトカインのほとんどが抑制されることを確認した(
図9)。
【実施例10】
【0169】
実施例10.抗アトピー効能評価
【0170】
in vivo抗アトピー効能を評価するために、ネズミを準備した。ネズミを4日間適応させた後、ネズミの毛を除去したし、毛を除去して一日後、1%DNCB(2,4-dinitrochlorobenzene)で感作させ、DNCBを感作させてから二日後、1%DNCBでもう一度感作させた。2回目のDNCB感作から3日後から0.6%DNCBを毛が除去された部位に二日間隔で合計8回塗布した。2回目のDNCB塗布後、翌日効能を評価するための実施例7-1~7-4の組成物500mpk、対照群としてデキサメタゾン(Dexamethasone)1mpkと0.9%saline 1mpkを経口投与した。この後、その結果を評価するために毛を除去した日、2回目のDNCB感作日、最初にDNCBを塗布した日の翌日、そして、前記組成物を投与して二日目から、4日間隔で合計6回皮膚刺激評価(Dermatitis score)、耳の厚さ測定、体重測定、臨床症状評価(写真)を遂行したし、組成物投与後13日後にネズミは犠牲にさせた。この後、犠牲にさせたネズミのリンパ節(lymph node)の重さを測った(下記の表10および
図10)。
【0171】
【0172】
体重測定結果、実施例7-1~7-4の組成物投与群がControl群対比体重が少なく増加したことを確認することができた(
図11)。
【0173】
また、臨床症状を患部を直接的に確認した結果、実施例7-1~7-4の組成物投与群がいずれもControl群対比患部が改善されたことを肉眼で確認できたし、特に、実施例7-3の組成物投与群の場合、Control群対比患部がより改善されたことを確認することができた(
図12)。
【0174】
また、2週間経口投与後にアトピー皮膚炎の症状を皮膚刺激指数で評価した結果、実施例7-1~7-4の組成物投与群すべてがControl群対比指数が低いことを確認できたし、特に実施例7-3の組成物はデキサメタゾンよりも低い皮膚刺激指数が示されたことを確認することができた(
図13A)。
【0175】
また、耳の厚さを測定した結果、実施例7-1、7-3および7-4の組成物投与群の場合、耳の厚さが有意義に減少することを確認することができた(
図13B)。
【0176】
また、ネズミを犠牲にさせた後にリンパ節の重さを測定した結果、実施例7-1~7-4の組成物投与群すべてがControl群対比減少したことを確認することができた(
図14)。
【0177】
総合的に、実施例7-3の組成物の効果が最も優秀であることを確認することができた。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物からなる群から選択される少なくとも一つの抽出物を含む、皮膚関連疾患の予防または治療用組成物。
【請求項2】
前記組成物は皮膚関連疾患の予防、改善、または治療のために使用される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物はオウゴン抽出物、ヤブラン抽出物、苦参抽出物、白鮮皮抽出物およびキハダ抽出物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物はオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物内の前記抽出物の含量は0.5v/v%~5v/v%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記抽出物は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒から抽出された抽出物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は薬学的組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は食品組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の組成物をこれを必要とする個体(人間を除く)に投与する段階を含む、皮膚関連疾患の予防または治療方法。
【請求項10】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の組成物をこれを必要とする個体(人間を除く)に摂取させる段階を含む、皮膚関連疾患の予防または改善方法。
【請求項11】
前記皮膚関連疾患は皮膚シワ、光老化症、黒皮症、皮膚色素沈着症、皮膚火傷、皮膚炎症、皮膚がん、シミ、ソバカス、黒色点、母斑、乾癬、アトピー皮膚炎、円形脱毛症、白斑症、水虫、雲脂からなる群から選択される少なくとも一つの疾患である、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
オウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダからなる群から選択される少なくとも一つの天然素材をそれぞれ抽出する段階を含む、請求項1に記載の組成物の製造方法。
【請求項13】
前記天然素材はオウゴン、ヤブラン、苦参、白鮮皮およびキハダをすべて含まれ、前記方法はオウゴン抽出物100重量部を基準として、ヤブラン抽出物50~150重量部、苦参抽出物50~150重量部、白鮮皮抽出物50~150重量部およびキハダ抽出物50~150重量部を混合して混合物を得る段階をさらに含む、請求項12に記載の組成物の製造方法。
【請求項14】
前記混合物を乾燥する段階をさらに含む、請求項13に記載の組成物の製造方法。
【請求項15】
前記乾燥は噴霧乾燥である、請求項14に記載の組成物の製造方法。
【請求項16】
前記抽出は(i)40~55℃の温度で遂行されること、または(ii)60~80時間の間遂行されること、または(iii)40~55℃の温度で60~80時間の間遂行されることである、請求項12に記載の組成物の製造方法。
【請求項17】
前記抽出は水、有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの溶媒を用いて遂行されることである、請求項12に記載の組成物の製造方法。
【国際調査報告】