(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28D 9/00 20060101AFI20230314BHJP
F28F 3/08 20060101ALI20230314BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
F28D9/00
F28F3/08 301
F28F9/02 301J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545132
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2021083705
(87)【国際公開番号】W WO2021197282
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】202010238744.2
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沈 ▲チエ▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 佳
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA35
3L103DD15
3L103DD55
(57)【要約】
コアを含む熱交換器であって、前記コアは積層して設置された第1プレートと第2プレートを含み、前記コアは互いに離隔された第1流体通路と第2流体通路を有し、前記第1流体通路はコアの幅方向側に位置する第1孔道と第2孔道を含み、前記コアは第1ストッパ部をさらに含み、前記第1孔道は、第1ストッパ部の両側に位置する第1サブ孔道と第2サブ孔道を含み、前記熱交換器は、前記コアの厚さ方向の同一側に位置する第1接続口と第2接続口をさらに含み、前記第1サブ孔道および前記第2サブ孔道のうちの一方は前記第1接続口に連通し、前記第1サブ孔道および前記第2サブ孔道のうちの他方は前記第2接続口に連通する。熱交換器の熱交換性能を向上させ、多くの応用要求に適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアを含み、前記コアは積層して設置された第1プレートと第2プレートを含み、前記コアは互いに離隔された第1流体通路と第2流体通路を有し、前記第1流体通路は前記コアの同一幅方向側に位置する第1孔道と第2孔道を含み、前記第1流体通路は、前記第1プレートと第2プレートとの間に位置して第1孔道および第2孔道に対応する第1プレート間通路をさらに含み、前記第1プレートおよび/または第2プレートは前記第1プレート間通路を、前記第1孔道に連通する第1サブプレート間通路と、前記第2孔道に連通する第2サブプレート間通路とに区画する第1スペーサ部を含む熱交換器において、
前記コアは第1ストッパ部をさらに含み、前記第1孔道は、前記第1ストッパ部の両側に位置する第1サブ孔道と第2サブ孔道を含み、前記熱交換器は、前記コアの厚さ方向の同一側に位置する第1接続口と第2接続口をさらに含み、前記第1サブ孔道および前記第2サブ孔道のうちの一方は前記第1接続口に連通し、前記第1サブ孔道および前記第2サブ孔道のうちの他方は前記第2接続口に連通する、ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記第1ストッパ部は、前記第1孔道よりも直径が小さな支持孔を有し、前記熱交換器は、一部が前記第1孔道に入り込む内管であって、前記支持孔を通って外壁が前記支持孔の内壁に密封接続された内管をさらに有し、前記内管は前記第1接続口と前記第2サブ孔道とを連通し、前記第1プレート間通路および前記第2孔道は前記第2サブ孔道と前記第1サブ孔道とを連通し、前記第2接続口は前記第1サブ孔道に連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第1孔道内に設けられる第3ストッパ部をさらに含み、前記第3ストッパ部は前記第1接続口と前記第1ストッパ部との間に位置し、数がN個であり、N≧1であり、
前記第2孔道内に設けられる第2ストッパ部をさらに含み、前記第1ストッパ部、第2ストッパ部、第3ストッパ部は幅方向においてずれて設置され、前記第2ストッパ部の数がn個であり、N=nを満たす、ことを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第3ストッパ部も支持孔を有し、前記第3ストッパ部の支持孔の直径が前記第1孔道の直径よりも小さく、前記内管は前記第3ストッパ部の支持孔を通って前記内管の外壁が前記第3ストッパ部の支持孔の内壁に密封接続され、
前記第2孔道は前記第2ストッパ部によって複数のサブ孔道に区画され、前記第2孔道のサブ孔道の数が前記第1孔道のサブ孔道の数よりも1つ少ない、ことを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記熱交換器はエンドプレートとトッププレートとをさらに含み、前記エンドプレートは通孔を含み、前記通孔は前記第1孔道と位置合わせされ、前記内管は前記通孔を通り、前記通孔の内壁と前記内管の外壁との間に環状通路が形成され、前記環状通路は前記第2接続口と前記第1サブ孔道を連通しており、前記エンドプレートにおける前記第2孔道に対向する部分が前記第2孔道の対応端を閉塞し、前記トッププレートにおける前記第2孔道に対向する部分が前記第2孔道の他方端を閉塞し、前記トッププレートにおける前記第1孔道に対向する部分が前記第1孔道における前記通孔から離れた端を閉塞する、ことを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記熱交換器はアダプタベースをさらに含み、前記アダプタベースは前記エンドプレートに溶接固定され、前記アダプタベースには第1接続口と前記第2接続口とが設けられており、前記アダプタベースにおける前記エンドプレートに対向する側に流通溝が設けられており、前記流通溝は前記第2接続口と前記環状通路とを連通し、前記アダプタベースには環状のボスがさらに設けられており、前記ボスは前記第1接続口の内壁から前記第1接続口の中心軸線方向へ延伸して設けられ、前記ボスの少なくとも一部が前記流通溝の対応する底壁の一部であり、前記内管の頂部には外向きにフランジ部が設けられており、前記フランジ部は前記ボスに密封接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記内管の一方端が前記支持孔を通って前記第2サブ孔道内に入り込み、前記第2サブ孔道の長さと前記内管の前記第2サブ孔道に入り込んだ長さとが等しい、ことを特徴とする請求項2~6のいずれかの1項に記載の熱交換器。
【請求項8】
厚さ方向において、前記第1孔道内のサブ孔道の長さが上から下へ小さくなり、第2孔道内のサブ孔道の長さが上から下へ小さくなる、ことを特徴とする請求項4~6のいずれかの1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第1プレートは第1角孔を含み、前記第2プレートは第2角孔を含み、前記第1角孔と前記第2角孔とが係合して前記第1孔道を形成し、
前記第1ストッパ部の側壁が前第1角孔の内壁に密封接続され、
又は、前記第1ストッパ部の側壁が前記第2角孔の内壁に密封接続され、
又は、前記第1ストッパ部の側壁が前記第1角孔及び前記第2角孔の内壁の両方に密封接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項10】
厚さ方向において、前記第1ストッパ部の上端が前記第1角孔の対応するプレート平面またはボスの上端より高くなく、前記第1ストッパ部の下端が前記第2角孔の対応するプレート平面またはボスの下端より低くない、ことを特徴とする請求項9に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年03月30日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202010238744.2であり、発明名称が「熱交換器」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
【0002】
本発明は熱交換という技術的分野に関し、特に熱交換器に関する。
【背景技術】
【0003】
プレート式熱交換器は高い熱交換効率を有し、熱交換器は比較的にコンパクトであり、重量も相対的に軽く、冷凍、化学工業および水処理等の複数の業界に応用することができる。プレート式熱交換器の基本原理は、複数枚の熱交換プレートの間に、隣り合って互いに間隔を空けて配置された流道が複数形成され、2種類の熱交換媒体が隣り合う流道において、熱交換プレートにより熱交換を行うことである。プレート式熱交換器の応用シーンが増えるに従い、プレート式熱交換器に対する性能要求もどんどん高まっている。U字型のプレート間通路の熱交換器では、プレート間通路が長いが、依然として性能要求が高いいくつかの応用シーンを満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、熱交換性能が高く、多くの応用要求に適用する熱交換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明により提供される熱交換器であって、コアを含み、前記コアは積層して設置された第1プレートと第2プレートを含み、前記コアは互いに離隔された第1流体通路と第2流体通路を有し、前記第1流体通路は前記コアの同一幅方向側に位置する第1孔道と第2孔道を含み、前記第1流体通路は、前記第1プレートと第2プレートとの間に位置して第1孔道および第2孔道に対応する第1プレート間通路をさらに含み、前記第1プレートおよび/または第2プレートは前記第1プレート間通路を、前記第1孔道に連通する第1サブプレート間通路と、前記第2孔道に連通する第2サブプレート間通路とに区画する第1スペーサ部を含み、前記コアは第1ストッパ部をさらに含み、前記第1孔道は、前記第1ストッパ部の両側に位置する第1サブ孔道と第2サブ孔道を含み、前記熱交換器は、前記コアの厚さ方向の同一側に位置する第1接続口と第2接続口をさらに含み、前記第1サブ孔道および前記第2サブ孔道のうちの一方は前記第1接続口に連通し、前記第1サブ孔道および第2サブ孔道のうちの他方は前記第2接続口に連通する。
【0006】
本発明により提供される熱交換器であって、そのコアは第1ストッパ部をさらに含み、前記第1孔道は、前記第1ストッパ部の両側に位置する第1サブ孔道と第2サブ孔道を含み、前記熱交換器は、前記コアの厚さ方向の同一側に位置する第1接続口と第2接続口をさらに含み、前記第1サブ孔道および前記第2サブ孔道のうちの一方は前記第1接続口に連通し、前記第1サブ孔道および前記第2サブ孔道のうちの他方は前記第2接続口に連通し、熱交換媒体は、前記第1ストッパ部に位置する前記コアの上下二部分(前記コアの厚さ方向)に略逆方向の流れ経路が2つ形成されることで、流れ経路を延長し、熱交換性能を向上させ、多くの応用要求に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明における第1プレートの構造模式図である。
【
図3】本発明における第1プレートと第1ストッパ部との密封接続の構造模式図である。
【
図4】本発明における第2プレートの構造模式図である。
【
図5】本発明におけるエンドプレートの構造模式図である。
【
図6】本発明におけるアダプタベースの断面図である。
【
図8】本発明の1つの実施例の熱交換器の断面図である。
【
図9】本発明の別の実施例の熱交換器の断面図の簡易図である。
【
図10】本発明のさらに別の実施例の熱交換器の断面図の簡易図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
当業者がよりよく本発明の方案を理解するために、以下は図面と具体的な実施形態を結合して本発明をさらに説明する。
【0009】
本明細書において、「上、下、左、右」等の用語は、図面に示す位置関係に基づいて確立されたものであり、図面の異なりによれば、相応する位置関係もそれに応じて変化する可能性があり、よって、それを保護範囲への絶対的な限定として理解することができない。それに、「第1」、「第2」等のような関係用語は、単に、同じ名称を持つ部材の1つを、もう1つと区別するために使用されるもので、必ずしも、部材間に、この種の実在関係または順位付けが存在することを要求する、あるいは意味するわけではない。
【0010】
図2を参照すれば、第1プレート11は、第1中央底部111と、第1中央底部111の周方向に沿って設けられた第1バーリング部116とを含み、第1中央底部111は略長方形をなし、第1中央底部111の一方の短辺側に第1角孔112が設けられており、第1角孔112と第1中央底部111とは略面一であり、即ち、第1角孔112は平面口であり、数が2つであり、2つの第1角孔112はそれぞれ第1中央底部111の辺角に隣接して設けられ、第1プレート11の熱交換面積を増加し、熱交換効率を向上させ、第1プレート11は第1角孔部117と第1角孔接続部(図示せず)とを含み、第1角孔部117には第3角孔113が設けられており、第1角孔部117の外縁が第1角孔接続部の一方端に接続され、第1角孔接続部の他方端が第1中央底部111の他方の短辺側に隣接して第1中央底部111に接続され、即ち、第3角孔113はボス口であり、数が2つであり、2つの第3角孔113はそれぞれ第1中央底部111の辺角に隣接して設けられ、第1プレート11の熱交換面積を増加し、熱交換効率を向上させる。
【0011】
図4を参照すれば、第2プレート12は、第2中央底部121と、第2中央底部121の周方向に沿って設けられた第2バーリング部125とを含み、第2中央底部121は略長方形をなし、第1プレート11は第2角孔部126と第2角孔接続部とを含み、第2角孔部126には第2角孔122が設けられており、第2角孔部126の外縁が第2角孔接続部の一方端に接続され、第2角孔接続部の他方端が第2中央底部121の一方の短辺側に隣接して第2中央底部121に接続され、即ち、第2角孔122はボス口であり、数が2つであり、2つの第2角孔122はそれぞれ第2中央底部121の辺角に隣接して設けられ、第2プレート12の熱交換面積を増加し、熱交換効率を向上させ、第2中央底部121の他方の短辺側に第4角孔123が設けられており、第4角孔123と第2中央底部121とは略面一であり、即ち、第4角孔123は平面口であり、数が2つであり、2つの第4角孔123はそれぞれ第2中央底部121の辺角に隣接して設けられ、第2プレート12の熱交換面積を増加し、熱交換効率を向上させる。
【0012】
図8を参照すれば、第1プレート11および第2プレート12は順次積層してコア1を形成し、第1角孔112、第2角孔122は係合して第1孔道13および第2孔道14を形成し、第3角孔113、第4角孔123は係合して第3孔道および第4孔道を形成する。
【0013】
第1角孔112および第4角孔123は平面口であり、第2角孔122および第3角孔113はボス口であるので、第1プレート11と隣接する第2プレート12とは間隔を空けて配置され、第1プレート11と第2プレート12との間に第1プレート間通路および第2プレート間通路が形成され、第1プレート間通路は第1孔道13と第2孔道14とを連通し、第2プレート間通路は第3孔道と第4孔道とを連通し、第1孔道13、第1プレート間通路および第2孔道14は共通して第1流体通路を形成し、第3孔道、第2プレート間通路および第4孔道は共通して第2流体通路を形成する。
【0014】
図2を参照すれば、第1プレート11はその長さ方向に、第1中央底部111に凹んだ第1スペーサ部が設けられており、第1スペーサ部は順次接続された第1サブスペーサ部1141と第2サブスペーサ部1142を含み、第1サブスペーサ部1141の深さが第2サブスペーサ部1142の深さよりも小さく、第1バーリング部116は、第1中央底部111における第1角孔112に隣接する短辺側に位置する第1サブバーリング部と、第1中央底部111における第3角孔に隣接する短辺側に位置する第2サブバーリング部とを含み、第1サブスペーサ部1141の自由端(第2サブスペーサ部に接続されない端)が第1サブバーリング部に接続され、第2サブスペーサ部1142の自由端(第1サブスペーサ部に接続されない端)と第2サブバーリング部との間に第1隙間(図示せず)が設けられており、第2サブスペーサ部1142は、中間部分よりも両端部分の幅が大きなダンベル状構造をなし、第2サブスペーサ部1142は流体案内の作用を奏することができ、流体の均一的な分布に寄与し、且つ流体抵抗が低く、熱交換性能を向上させることができ、本実施例において、第2サブスペーサ部1142の両端部分の幅が第1サブスペーサ部1141の幅よりも大きく、このような設置方式により、2つの第1角孔112の間の部分にある熱交換領域の面積が大きくなり、熱交換器の熱交換性能の向上に寄与する。
【0015】
図4を参照すれば、第2プレート12はその長さ方向にも、第2中央底部121にくぼんだ第1スペーサ部が設けられており、第1スペーサ部は順次接続された第1サブスペーサ部1141と第2サブスペーサ部1142を含み、第1サブスペーサ部1141の深さが第2サブスペーサ部1142の深さよりも小さく、第2バーリング部125は、第2中央底部121における第4角孔に隣接する短辺側に位置する第3サブバーリング部と、第2中央底部121における第2角孔に隣接する短辺側に位置する第4サブバーリング部とを含み、第1サブスペーサ部1141の自由端が第3サブバーリング部に接続され、第2サブスペーサ部1142の自由端と第4サブバーリング部との間に第2隙間(図示せず)が設けられている。
【0016】
図2、
図4を参照すれば、第1プレート11と第2プレート12とが溶接される場合、第1プレート11における第2サブスペーサ部1142と第2プレート12における第2サブスペーサ部1142とは溶接され、第2プレートにおける第1サブスペーサ部と第1中央底部とは溶接され、第1プレート間通路を第1サブプレート間通路と第2サブプレート間通路とに区画し、第1サブプレート間通路および第2サブプレート間通路は第2プレートにおける第1スペーサ部の両側に位置し、無論、角孔の位置を調整することにより、第1サブプレート間通路および第2サブプレート間通路が第1プレートにおける第1スペーサ部の両側に位置するようにさせてもよく、ここで贅言しなく、第1孔道13から流入された熱交換媒体は第1サブプレート間通路、第2隙間、第2サブプレート間通路を順次通過し、そして第2孔道14に入ることにより、1つのU字型流路を形成し、同じ理由により、第2プレート間通路は第1サブスペーサ部によって第3サブプレート間通路と第4サブプレート間通路とに分けられ、第3孔道から流入された別の種類の熱交換媒体は第3サブプレート間通路、第1隙間、第4サブプレート間通路を順次通過し、そして第4孔道に入ることにより、1つのU字型流路を形成し、これにより、熱交換器内の第1プレート間通路の流路の長さおよび第2プレート間通路の流路の長さを向上させ、熱交換器の熱交換効率を向上させる。
【0017】
図2を参照すれば、第1プレート11は、第1中央底部111から突出された複数の第1凸包115をさらに含み、第1凸包115は流体ガイドの作用を奏することができると同時に、熱交換器の熱交換性能を向上させ、大部分の第1凸包115は第1プレート11の第2サブスペーサ部1142の両側に分布され、本実施例において、第1凸包115は第1プレート11の第2サブスペーサ部1142の両側に比較的で均一的に分布され、且つ少なくとも一部の第1凸包115は第1プレート11の第2サブスペーサ部1142の両側に対称的に分布され、このような設置方式により、流体の乱流性を向上させることができると同時に、流体を均一的に分布させることもできることにより、熱交換器の熱交換性能を向上させる。
【0018】
図3を参照すれば、第2プレート12は、第2中央底部121から突出された複数の第2凸包124をさらに含み、第2凸包124は流体ガイドの作用を奏することができると同時に、熱交換器の熱交換性能を向上させ、大部分の第2凸包124は第2プレート12の第2サブスペーサ部1142の両側に分布され、本実施例において、第2凸包124は第2プレート12の第2サブスペーサ部1142の両側に比較的で均一的に分布され、且つ少なくとも一部の第2凸包124は第2プレート12の第2サブスペーサ部1142の両側に対称的に分布され、このような設置方式により、流体の乱流性を向上させることができると同時に、流体を均一的に分布させることもできることにより、熱交換器の熱交換性能を向上させる。
【0019】
第1角孔112は第1中央底部111の短辺側に位置し、第2角孔122は第2中央底部121の短辺側に位置するので、第1孔道13および第2孔道14はコア1の同一幅方向側(
図1、
図8の両方向矢印Eを参照)に位置し、第3孔道および第4孔道がコアの同一幅方向側に位置し、これにより、熱交換器の装着を便利にさせ、無論、第1プレート11および第2プレート12は同様なプレートであってもよく、重畳の場合、第2プレート12は第1プレート11に対して180度回転し、第1プレート11および第2プレート12は1セットの金型を使用すればよく、コストを節約する。無論、第1角孔112はボス口、第3角孔113は平面口、第2角孔122は平面口、第4角孔123はボス孔であることも可能であり、ここで贅言しない。
【0020】
図7、
図8を参照すれば、熱交換器は内管2をさらに含み、コア1は第1ストッパ部15をさらに含み、第1ストッパ部15の側壁が、第1孔道13内に位置する第1角孔112の内壁に密封接続され、第1ストッパ部15は支持孔(図示せず)を有し、支持孔の直径が第1孔道13の直径(ここでは第1角孔112の直径であり、第1角孔112および第2角孔122は直径が同じである)よりも小さく、内管2は支持孔を通って内管2の外壁が支持孔の内壁に密封接続され、好ましくは溶接であり、密封性を増加し、内管2は第2サブ孔道に連通しており、第1プレート11および第2プレート12が溶接の過程で圧縮され、第1ストッパ部15と内管2との溶接箇所が内管2の外壁に位置するから、溶接の過程では、第1ストッパ部15が内管2の外壁上に移動できるので、溶接時の柔軟な位置決めを図ることができる。
【0021】
図1、
図8における両方向矢印Hのように、第1プレート11と第2プレート12とのスタック方向を厚さ方向として定義する。
【0022】
厚さ方向において、一の第2プレート12における第2角孔部126と、該第2角孔部126に隣接して第2角孔部126の上方に位置する第1プレート11とは1つのプレートペアを溶接形成し、第1ストッパ部15の側壁がそのうちの1つのプレートペアにおける第1角孔112の内壁または第2角孔122の内壁に接続され、第1ストッパ部15の接続強度をさらに増加するために、第1ストッパ部15の外壁が第1角孔112の内壁および第2角孔122の内壁の両方に密封接続され、ここで贅言しない。
【0023】
厚さ方向において、第1ストッパ部15の上端が第1角孔112の対応するプレート平面(第1中央底部の平らな部分)の上端より高くなく、第1ストッパ部15の下端が第2プレートの対応するボス(第2角孔部)の下端より低くなく、該第2プレート12および第1プレート11は一のプレートペアであることで、第1ストッパ部15は第1プレート間通路の流通面を遮断せず、第1プレート間通路の圧力降下を効果的に保証し、熱交換効率を向上させることができる。
【0024】
さらに、第1ストッパ部15と第1孔道13内に位置する第1角孔112または第2角孔122とは一体的な部材に設けられ、密封効果を増加して組立プロセスを簡単化し、コストを節約する。
【0025】
内管2における第1ストッパ部15の上に位置する部分の外壁と第1孔道13の内壁との間に第1サブ孔道が形成され、内管2における第1ストッパ部15の下に位置する部分の外壁と第1孔道13の内壁との間、および第1孔道13における内管2の底端の下に位置する部分に第2サブ孔道が形成され、内管2の底端が第2サブ孔道に連通し、内管2の第2サブ孔道に入り込んだ長さと第2サブ孔道の長さ(第1ストッパ部15と第1孔道13の底端との距離)とが等しく、熱交換効率を向上させ、厚さ方向において、第1サブ孔道は第2サブ孔道の上方に位置し、第1ストッパ部15はコア1を2つの熱交換部分に分け、2つの熱交換部分はそれぞれ第1熱交換部分および第2熱交換部分であり、第1熱交換部分は第1ストッパ部15と内管2との密封接続箇所の上に位置するコア1の部分であり、第2熱交換部分は第1ストッパ部15と内管2との密封接続箇所の下に位置するコア1の部分である。
【0026】
図5を参照すれば、熱交換器はエンドプレート3とトッププレート(図示せず)とをさらに含み、エンドプレート3はコア1の頂部に設けられ、通孔32を含み、通孔32は第1孔道13と位置合わせ、内管2は通孔32を通り、通孔32の内壁と内管2の外壁との間に環状通路(図示せず)が形成され、環状通路は第2接続口43と第1サブ孔道とを連通し、エンドプレート3における第2孔道14に対向する部分が第2孔道14の対応端を閉塞し、トッププレートはコア1の底部に設けられ、トッププレートにおける第2孔道14に対向する部分が第2孔道14の他方端を閉塞し、トッププレートにおける第1孔道13に対向する部分が第1孔道13における通孔32から離れた端を閉塞する。
【0027】
図6~
図9を参照すれば、熱交換器はアダプタベース4をさらに含み、アダプタベース4はエンドプレート3に溶接固定され、アダプタベース4は厚さ方向に第1接続口41と第2接続口43とが設けられており、内管2は第2サブ孔道と第1接続口41とを連通し、環状通路は第1サブ孔道と第2接続口43とを連通し、アダプタベース4には環状のボス42がさらに設けられており、ボス42は第1接続口41の内壁から第1接続口41の中心軸線方向へ延伸して設けられ、内管2の頂部に外向きにフランジ部21が設けられており、内管2の底部が第1接続口41を通った後、フランジ部21とボス42とは密封接続され、内管2がさらにコア1の底部へ運動することを阻止すると同時に、内管2の装着を便利にさせ、好ましくは、フランジ部21とボス42とは溶接固定され、内管2とアダプタベース4との間の密封性を向上させると同時にアダプタベース4の高さを低下させ、内管2の頂端が第1接続口41に連通し、さらに、内管2の内径とボス42の内径とが締り嵌めされ、内管2を位置決め、溶接の過程では内管2が第1孔道13に対して揺動し又はフランジ部21とボス42とがずれを発生して溶接効果を低下させることを防止し、アダプタベース4は外接続管路の装着に寄与し、それぞれ第1接続口41、第2接続口43に連通する2つの外接続管は1つのブロックで固定装着されてもよく、装着を便利にさせ、材料も比較的に節約し、同時に、進出口の位置に対して同一側に位置することが要求されるいくつかの装着環境にも適用する。
【0028】
アダプタベース4のエンドプレート3に接する側に流通溝(図示せず)が設けられており、ボス42の少なくとも一部が、流通溝の対応する底壁の一部であり、流通溝の一方端が第2接続口43に連通し、流通溝の他方端が環状通路に連通し、流通溝の底部開口がエンドプレートに密封されて流体ガイド通路5が形成され、ここでは、第1接続口41が、熱交換媒体がコア1に入って熱交換を行うものであることを例として、熱交換媒体の流れ経路は、第1接続口41→内管2→第2サブ通路132→第2熱交換部分における第1プレート間通路→第2孔道14→第1熱交換部分における第1プレート間通路→第1サブ孔道→環状通路→流体ガイド通路5→第2接続口43であり、第1熱交換部分における第1プレート間通路での該熱交換媒体の流れ方向は、第2熱交換部分における第1プレート間通路での該媒体の流れ方向と略逆であり、二流路通路が形成され、第1プレート11、第2プレート12の大きさが同じ(コアの大きさ)である場合、第1プレート間通路の流れ経路の長さを増加し、熱交換器の熱交換効率を向上させたが、当業者であれば理解するように、二通路に関連する特徴は同様に第2流体通路に適用し、且つ記載された原理に応じて、熱交換器を流れる2種類の熱交換媒体のうちの1種類または2種類に対して、各種の流れ方式を形成でき、無論、熱交換媒体は第2接続口43を介してコア1に流入してもよく、流れ経路についてさらに贅言しない。
【0029】
図1を参照すれば、熱交換器は、その厚さ方向に第1接続孔(図示せず)と第2接続孔(図示せず)とが設けられている接続プレート6をさらに含み、第1接続孔は第3孔道に連通し、第2接続孔は第4孔道に連通し、熱交換器は第1接続管7と第2接続管8とをさらに含み、第1接続管7の底端の外壁が第1接続孔の内壁に密封接続され、第1接続管7は第3孔道に連通し、第2接続管8の底端の外壁が第2接続孔の内壁に密封接続され、第2接続管8は第4孔道に連通する。以上の記載から分かるように、本明細書の上記の第1接続孔および第2接続孔は、両者が接続プレート6の厚さ方向に沿って延伸し、両者が接続プレートの幅方向または熱交換器の幅方向に沿って配置される。
【0030】
図8~
図10を参照すれば、熱交換器は、第1孔道13内に設けられる第3ストッパ部17をさらに含み、第3ストッパ部17は第1接続口41と第1ストッパ部15との間に位置し、数がN(N≧1)個であり、N個の第3ストッパ部17は第1孔道13に沿って隔置され、熱交換器は、第2孔道14内に設けられる第2ストッパ部16をさらに含み、第2ストッパ部16の数がn(N=n)個であり、第1ストッパ部15、n個の第2ストッパ部16、N個の第3ストッパ部17は熱交換器の幅方向において第1サブ孔道がずれて設置されている。
【0031】
図9を参照すれば、第3ストッパ部17の数が1つであり、第1ストッパ部15の側壁がそのうちの1つの第1角孔112の内壁に密封接続され、第3ストッパ部17の側壁がもう1つの第1角孔112の内壁に密封接続され、第1ストッパ部15と第1孔道の底端との距離がD1であり、第3ストッパ部17と第1孔道13の底端との距離がD2(D1<D2)であり、第2ストッパ部16の数が1つであり、第2ストッパ部16の側壁と上記第1ストッパ部15との密封接続方式と第1孔道13との密封接続方式とは同じであり、ここで贅言しなく、第2ストッパ部16と第2孔道14の底端との距離がH1(D1<H1<D2)である。引き続き
図10を参照すれば、第3ストッパ部17の数が2つであり、各々の第3ストッパ部17の外壁がそれぞれ異なる第1角孔112の内壁に密封接続され、第1ストッパ部15と第1孔道13の底端との距離がD3であり、第1ストッパ部15に隣接する一方の第3ストッパ部17と第1孔道13の底端との距離がD4であり、他方の第3ストッパ部17と第1孔道13の底端との距離がD5(D3<D4<D5)であり、第2ストッパ部16の数が2つであり、2つの第2ストッパ部16の外壁と上記第1ストッパ部15との密封接続方式と第1孔道13との密封接続方式とは同じであり、ここで贅言しなく、第2孔道14の底端に隣接する一方の第2ストッパ部16と第2孔道14の底端との距離がH2であり、他方の第2ストッパ部16と第2孔道14の底端との距離がH3(D3<H2<D4<H3<D5)であり、以下同様であり、第1ストッパ部15、第2ストッパ部16、第3ストッパ部17は上記の方式で幅方向にずれて設けられる。
【0032】
図9を参照すれば、第1孔道13の長さがD6(D6-D2>D2-D1>D1)であり、第2孔道14の長さがH4(H4-H1>H1)であり、
図10を参照すれば、第1孔道13の長さがD6(D6-D5>D5-D4>D4-D3>D3)であり、第2孔道14の長さがH4(H4-H3>H3-H2>H2)であり、即ち、厚さ方向において、第1孔道13内のサブ孔道の長さが上から下へ小さくなり、第2孔道14内のサブ孔道の長さが上から下へ小さくなり、熱交換器の圧力降下を低下させ、熱交換効率を向上させる。
【0033】
第3ストッパ部17も支持孔を有し、第3ストッパ部17の支持孔の直径が前記第1孔道13の直径よりも小さく、内管2は第3ストッパ部17の支持孔を通って内管2の外壁が第3ストッパ部17の支持孔の内壁に密封接続され、第1サブ孔道、第2サブ孔道、エンドプレートにおける第2孔道14に対応する部分が第2孔道14の上端を密封して密封接続し、第2接続口43は流体ガイド通路5を介して第1サブ孔道に連通するから、偶数のパス型の熱交換器を形成することができ、例えば、
図9を参照すれば、第3ストッパ部15の数が1つであり、第2ストッパ部16の数が1つである場合、第3子ストッパ部151と第1ストッパ部15との間に位置する内管2の外壁と第1孔道13とは第1サブ孔道a(図示せず)を形成し、第3ストッパ部17の上方部分に位置する内管の外壁と第1孔道13との間に第1サブ孔道bが形成され、第1孔道13のサブ通路が第1サブ孔道a、第1サブ孔道b、第2サブ孔道であり、即ち、第1孔道13のサブ通路の数が3つであり、第2孔道14は第2サブ孔道aと第2サブ孔道bとを含み、即ち、第2孔道14のサブ通路の数が2つであり、第2孔道14のサブ通路の数が第1孔道13のサブ通路の数よりも1つ少なく、第2サブ孔道aおよび第2サブ孔道bは第2ストッパ部16の両側に位置し、ここでは、依然として第1接続口41が熱交換媒体の流入口であることを例として、熱交換媒体の流れ経路は、第1接続口41→内管2→第2サブ孔道→第1プレート間通路→第2サブ孔道b→第1プレート間通路→第1サブ孔道a→第1プレート間通路→第2サブ孔道a→第1プレート間通路→第1サブ孔道b→環状通路→流体ガイド通路5→第2接続口43であり、4パス型の熱交換器を形成する。
【0034】
図10を参照すれば、第3ストッパ部15の数が2つであり、第2ストッパ部16の数が2つである場合、最上端の第3ストッパ部15の上方部分に位置する内管2の外壁と第1孔道13との間に第1サブ孔道cが形成され、2つの第3ストッパ部17の間の部分に位置する内管2の外壁と第1孔道13とは第1サブ孔道dが形成され、もう1つの第3ストッパ部17と第1ストッパ部15との間の部分に位置する内管2の外壁と第1孔道13とは第1サブ孔道eが形成され、即ち、第1孔道13のサブ孔道の数が4つであり、2つの第2ストッパ部16は上から下へ第2孔道14を第2サブ孔道c、第2サブ孔道d、第2サブ孔道eに順次分けられ、即ち、第2孔道14のサブ孔道の数が3つであり、第2孔道14のサブ孔道の数が第1孔道13のサブ孔道の数よりも1つ少なく、ここでは、依然として第1接続口41が熱交換媒体の流入口であることを例として、熱交換媒体の流れ経路は、第1接続口41→内管2→第2サブ孔道→第1プレート間通路→第2サブ孔道e→第1プレート間通路→第1サブ孔道e→第1プレート間通路→第2サブ孔道d→第1プレート間通路→第1サブ孔道d→第1プレート間通路→第2サブ孔道c→第1プレート間通路→第1サブ孔道c→環状通路→流体ガイド通路5→第2接続口43であり、6パス型の熱交換器を形成する。
【0035】
以下同様であり、熱交換器が形成したパス数は2Nであり、偶数のパスであり、圧力降下と熱交換量とのよいマッチングを図ることができる。
【0036】
本明細書において、具体的な例を利用して本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例に対する説明は、ただ本発明の核心思想に対する理解のために用いられる。指摘すべきのは、当業者にとって、本発明の原理から離脱しない前提で、本発明に対して若干の改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本発明の請求項の保護範囲に該当している。
【符号の説明】
【0037】
1 ・・・コア;
11 ・・・第1プレート;
111 ・・・第1中央底部;
112 ・・・第1角孔;
113 ・・・第3角孔;
1141 ・・・第1サブスペーサ部;
1142 ・・・第2サブスペーサ部;
115 ・・・第1凸包;
116 ・・・第1バーリング部;
117 ・・・第1角孔部;
12 ・・・第2プレート;
121 ・・・第2中央底部;
122 ・・・第2角孔;
123 ・・・第4角孔;
124 ・・・第2凸包;
125 ・・・第2バーリング部;
126 ・・・第2角孔部;
13 ・・・第1孔道;
14 ・・・第2孔道;
15 ・・・第1ストッパ部;
16 ・・・第2ストッパ部;
17 ・・・第3ストッパ部;
2 ・・・内管;
21 ・・・フランジ部;
3 ・・・エンドプレート;
31 ・・・第3中央底部;
32 ・・・通孔;
4 ・・・アダプタベース;
41 ・・・第1接続口;
42 ・・・ボス;
43 ・・・第2接続口;
5 ・・・流体ガイド通路;
6 ・・・接続プレート;
7 ・・・第1接続管;
8 ・・・第2接続管。
【国際調査報告】