(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】保護接地接点および導体接続端子
(51)【国際特許分類】
H01R 4/64 20060101AFI20230314BHJP
H01R 4/48 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
H01R4/64 Z
H01R4/48 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545333
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(85)【翻訳文提出日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2020083193
(87)【国際公開番号】W WO2021151541
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】102020101986.6
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】アールダク,イェルク
(57)【要約】
保護接地線を導電性の支持要素に導電接続するための保護接地接点(1)であって、ベース部(2)を有し、2つの側部要素(3a、3b)がベース部(2)から突き出し、それぞれの側部要素(3a、3b)が上部領域(4a、4b)を有し、これらの上部領域(4a、4b)が、支持要素に保護接地接点(1)がクランプするための係止領域(5)を構成し、少なくとも1つの側部要素(3a、3b)が、支持要素(11)に導電接触するための保護接地用接点要素(6)を有する保護接地接点(1)が説明される。上部領域(4a、4b)のそれぞれが接触領域(5a、5b)を有し、係止領域(5)と保護接地用接点要素(6)が、ベース部(2)に対して実質的に同じ高さ(H)に配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護接地線を導電性の支持要素に導電接続するための保護接地接点(1)であって、ベース部(2)を有し、2つの側部要素(3a、3b)が前記ベース部(2)から突き出し、それぞれの側部要素(3a、3b)が上部領域(4a、4b)を有し、前記上部領域(4a、4b)が、前記支持要素に前記保護接地接点(1)をクランプするための係止領域(5)を構成し、少なくとも1つの側部要素(3a、3b)が、前記支持要素(11)に導電接触するための保護接地用接点要素(6)を有する保護接地接点(1)において、前記上部領域(4a、4b)のそれぞれが接触領域(5a、5b)を有し、前記係止領域(5)と前記保護接地用接点要素(6)が、前記ベース部(2)に対して実質的に同じ高さ(H)に配置されていることを特徴とする保護接地接点(1)。
【請求項2】
前記上部領域(4a、4b)の少なくとも1つが、前記係止領域(5)の領域に斜角面(7a、7b)を有し、前記斜角面(7a、7b)のうち前記接触領域(5a、5b)に面した端部と前記保護接地用接点要素(6)が、前記ベース部(2)に対して実質的に同じ高さ(H)に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の保護接地接点(1)。
【請求項3】
前記保護接地用接点要素(6)が、前記支持要素と力固定式に接続するために形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の保護接地接点(1)。
【請求項4】
組み立てられた状態で前記保護接地接点(1)を前記支持要素と嵌め合い式に接続するための保持要素(8a)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の保護接地接点(1)。
【請求項5】
前記保持要素(8a、8b)が前記側部要素(3a、3b)の前記上部領域(4a、4b)に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の保護接地接点(1)。
【請求項6】
前記係止領域(5)と前記保持要素(8a)の間の全体高さ(BH)が、前記係止領域(5)と前記ベース部(2)の間の高さ(H)より小さいことを特徴とする請求項5に記載の保護接地接点(1)。
【請求項7】
それぞれ1つの保持要素(8a)が前記側部要素(3a、3b)の1つに配置されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の保護接地接点(1)。
【請求項8】
前記側部要素(3a、3b)の少なくとも1つが、電気導体をガイドするためのガイド輪郭(14a、14b)を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の保護接地接点(1)。
【請求項9】
前記ガイド輪郭(14a、14b)が前記側部要素(3a、3b)の前記上部領域(4a、4b)に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の保護接地接点(1)。
【請求項10】
前記上部領域(4a、4b)に、それぞれ、組み立てられた状態で前記保護接地接点(1)を安定化するための接点ストッパ(5c、5d)が配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の保護接地接点(1)。
【請求項11】
前記接点ストッパ(5c、5d)は、それぞれの前記上部領域(4a、4b)から、前記接点ストッパ(5c、5d)が互いに対して実質的に平行に方向づけられるように突き出ていることを特徴とする請求項10に記載の保護接地接点(1)。
【請求項12】
ハウジング(10)を備え、母線(11)を備え、スプリングクランプ端子(12)を備え、前記母線(11)と前記スプリングクランプ端子(12)が、クランプされるべき電気導体のためのクランプ位置を形成し、さらに、保護接地線を前記母線(11)と導電接続するための請求項1から11のいずれか一項に記載の保護接地接点(1)を備え、前記保護接地接点(1)がベース部(2)を有し、2つの側部要素(3a、3b)が前記ベース部(2)から突き出し、それぞれの側部要素(3a、3b)が上部領域(4a、4b)を有し、前記上部領域(4a、4b)が、前記母線(11)に前記保護接地接点(1)をクランプするための係止領域(5)を構成し、少なくとも1つの側部要素(3a、3b)が、前記支持要素(11)の導電接触のための保護接地用接点要素(6)を有する導体接続端子(9)において、前記上部領域(4a、4b)のそれぞれ1つが接触領域(5a、5b)を有し、前記係止領域(5)と前記保護接地用接点要素(6)が、前記ベース部(2)に対して実質的に同じ高さ(H)に配置されていることを特徴とする導体接続端子(9)。
【請求項13】
前記上部領域(4a、4b)の少なくとも1つが、前記係止領域(5)の領域に斜角面(7a、7b)を有し、前記斜角面(7a、7b)のうち前記接触領域(5a、5b)に面した端部と前記保護接地用接点要素(6)が、前記ベース部(2)に対して同じ高さ(H)に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の導体接続端子(10)。
【請求項14】
前記側部要素(3a、3b)の少なくとも1つが、前記電気導体を前記ハウジング(10)内へガイドするためのガイド輪郭(14a、14b)を有することを特徴とする請求項12または13に記載の導体接続端子(9)。
【請求項15】
前記ガイド輪郭(14a、14b)が、前記側部要素(3a、3b)の前記上部領域(4a、4b)に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の導体接続端子(9)。
【請求項16】
前記保護接地接点(1)が安定化されるように、前記ガイド輪郭(14a、14b)が前記ハウジング(10)および前記電気導体のための導体ストッパ(15)の少なくとも一方と相互作用していることを特徴とする請求項14または15に記載の導体接続端子(9)。
【請求項17】
前記保護接地接点(1)が保持要素(8a)を有し、前記保持要素(8a)が、前記導体接続端子(9)の内部空間で、クランプされるべき前記電気導体の領域に配置されていることを特徴とする請求項10から16のいずれか一項に記載の導体接続端子(9)。
【請求項18】
前記母線(11)が凹部(13)を有し、前記保持要素(8a)が、前記保護接地接点(1)と前記母線(11)を嵌め合い式に接続するために前記凹部(13)に係合することを特徴とする請求項17に記載の導体接続端子(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護接地線を導電性の支持要素に導電接続するための保護接地接点であって、ベース部を有し、2つの側部要素がベース部から突き出し、それぞれの側部要素が上部領域を有し、これらの上部領域が、支持要素に保護接地接点をクランプするための係止領域を構成し、少なくとも1つの側部要素が、支持要素の導電接触のための保護接地用接点要素を有する保護接地接点に関する。
【0002】
本発明はさらに、ハウジングを備え、母線を備え、スプリングクランプ端子を備え、この母線とスプリングクランプ端子が、クランプされるべき電気導体のためのクランプ位置を形成し、さらに、保護接地線を母線と導電接続するための上で挙げた保護接地接点を備え、この保護接地接点がベース部を有し、2つの側部要素がベース部から突き出し、それぞれの側部要素が上部領域を有し、これらの上部領域が、母線に保護接地接点をクランプするための係止領域を構成し、少なくとも1つの側部要素が、支持要素の導電接触のための保護接地用接点要素を有する導体接続端子に関する。
【背景技術】
【0003】
電源接続端子の場合、保護接地接点は必須仕様である。このような保護接地接点は、確実に取り付けられ、機能しなければならない。これによって生じる欠点は、電源接続端子の比較的大きな全体高さであり、この全体高さは、とりわけ照明産業では、照明器具のさらなる取付部品によって制限されている。さらなる欠点が生じ得るのは、同じ保護接地接点を繰り返し取り付けることにより、場合によっては錫メッキされている接触面が損傷する可能性があり、したがって設置が繰り返される際に保護接地接点の確実な機能が保証され得ないという場合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここを出発点として本発明の課題は、改善された保護接地接点を提供することである。本発明の課題はさらに、改善された導体接続端子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を有する保護接地接点によって、および請求項12の特徴を有する導体接続端子によって解決される。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0006】
一般的な保護接地接点において、上部領域のそれぞれが接触領域を有し、係止領域と保護接地用接点要素が、ベース部に対して実質的に同じ高さに配置されていることが提案される。
【0007】
係止領域と保護接地用接点要素の分離により、保護接地用接点要素の損傷のおそれが軽減される。保護接地接点を取り付ける際、上部領域が係止領域において拡がり、これにより支持要素が接触領域の間に到達し得る。保護接地用接点要素がベース部に対して係止領域と同じ高さに配置されることで、保護接地用接点要素も上部領域と同じだけ拡がり、これにより保護接地用接点要素は、支持要素の接点領域を、接触することなく通り過ぎて案内され得る。支持要素が完全に接触領域の間に案内されると、上部領域が初期位置にはね戻り、保護接地接点を支持要素にクランプする。同時に保護接地用接点要素もその初期位置にはね戻り、支持要素の接点領域に接触する。
【0008】
係止領域は、支持要素が保護接地接点の接触領域の間に案内される領域である。案内された後、支持要素は接触領域の間の位置で保持される。それゆえ接触領域は係止領域に直接隣接している。
【0009】
拡がるという概念は、側部要素の、とりわけ側部要素の上部領域の、とりわけ弾性変形のことである。弾性変形は側部要素への力の作用で生じ、この場合、作用している力がなくなれば側部要素は元の形状に戻り、変形が残ることはない。
【0010】
上部領域は、側部要素のうちベース部に面していない端部に配置された側部要素の領域である。つまり、上部領域とベース部は、それぞれの側部要素の反対側の端部に配置されている。
【0011】
実質的に同じ高さにとは、とりわけ、保護接地用接点要素と係止領域が、ベース部に対して厳密に同じ高さを有していなくてよいことを意味する。保護接地用接点要素の高さと係止領域の高さに関しては、ズレが±15%の場合も本発明による使用が認められる。
【0012】
高さは、側部要素の長手方向において、ベース部と係止領域の間にも、ベース部と保護接地用接点要素の間にも存在している長さである。
上部領域の少なくとも1つが、係止領域の領域に斜角面を有することができ、この斜角面のうち接触領域に面した端部と保護接地用接点要素が、ベース部に対して実質的に同じ高さに配置されている。
【0013】
この斜角面により、支持要素を接触領域の間により簡単に案内し得る。これに加え、支持要素を接触領域の間に案内するために大きな力を使用しなくても、側部要素が上部領域の領域で継続的に拡がる。
【0014】
保護接地用接点要素は、支持要素と力固定式に接続するように形成され得る。
この力固定式の接続が、保護接地用接点要素を支持要素に、したがって対応する保護接地線に確実に接触させる。力固定式の接続は、例えば、保護接地用接点要素が、組立の際にまずは支持要素の接点領域を通り過ぎて案内されなければならないことによって達成され得る。接触領域の間の支持要素の案内によって保護接地用接点要素を拡げずに保護接地接点を接触させることは、不可能である。もはや、保護接地用接点要素はその元々の初期位置に戻るのではなく、支持要素の接点領域に力固定式に接触する。
【0015】
保護接地接点は、組立状態で保護接地接点を支持要素と嵌め合い式に接続するための保持要素を有し得る。さらに有利なのは、保持要素が側部要素の上部領域に配置されている場合である。これに関し、係止領域と保持要素の間の全体高さは、係止領域とベース部の間の高さより小さくてもよい。
【0016】
これは例えば、係止領域と保持要素の間の全体高さが、係止領域とベース部の間の高さより最大90%小さく、ただし少なくとも最大50%小さいことを含意する。これは、導体接続端子がより大きく設計されなくても、保護接地接点が導体接続端子に使用され得るという利点を有する。
【0017】
保持要素は保護接地接点を、取り付けた状態で傾動に対抗して固定する。これに関し保持要素は、保護接地接点を支持要素と嵌め合い式に接続するため、例えば支持要素における凹部に係合し得る。保護接地接点は、設置後に傾動に対抗して固定される。しかし、支持要素と追加的に保持要素の領域で接触するために、保持要素が、例えば支持要素のフォーク状部に噛み合ってもよい。しかし、保護接地接点を傾動に対抗して固定するために、保持要素が支持要素以外のほかの部品と相互作用することも考えられる。
【0018】
導電性の支持要素との保護接地線の導電接続を改善するために、保持要素が追加的な保護接地用接点要素を有することも考えられる。
効率的な固定は、なかでも2つの保持要素によって達成されることが判明しており、それぞれ1つの保持要素が1つの側部要素に配置される。これに関し保持要素は、保護接地接点を傾動に対抗して固定することを達成するため、それぞれの側部要素から逆方向に突き出し得る。
【0019】
保持要素は、独立した発明対象であり得ると考えられ、嵌め合い式の保持要素は、支持要素の凹部に係合することによって、保護接地接点を提供することができる。しかし、この保護接地接点は、上記の保持要素を備えるが、係止領域と保護接地用接点要素は、ベース部に対して実質的に同じ高さには配置されていない。これは、以下の特徴を有する保護接地接点を生じさせる。
【0020】
本発明は、保護接地線を導電性の支持要素に導電接続するための保護接地接点であって、ベース部を有し、2つの側部要素がベース部から突き出し、それぞれの側部要素が上部領域を有し、これらの上部領域が、支持要素に保護接地接点をクランプするための係止領域を構成し、少なくとも1つの側部要素が、支持要素の導電接触のための保護接地用接点要素を有し、この保護接地接点が、組立状態で保護接地接点を支持要素と嵌め合い式に接続するための保持要素を有する保護接地接点に関する。
【0021】
側部要素の少なくとも1つが、電気導体をガイドするためのガイド輪郭を有し得る。さらに有利なのは、上部領域がガイド輪郭として形成されているかまたはガイド輪郭が少なくとも上部領域に配置されている場合である。
【0022】
こうすることで、取り付けられた保護接地接点は、例えば導体接続端子内で、同時に導体ガイドという追加的な機能を果たし得る。これは、例えばアーチ形の上部領域によって実現可能であり、この場合、電気導体はアーチ形の上部領域に接触し、これにより導体接続端子内の正しい位置にガイドされ得る。
【0023】
上部領域には、組立状態で保護接地接点を安定化するために、接点ストッパが配置されていてもよい。さらに有利なのは、この接点ストッパが上部領域から斜めに突き出る場合である。斜めにとは、とりわけ、この係止要素が上部領域から0°または180°の角度で突き出るのではなく、-90°~90°の間の角度で、とりわけ-45°/45°の角度で突き出ることを意味する(360°システムの場合)。これに関し、接点ストッパがそれぞれの上部領域から逆の角度方向に、つまり-45°および45°で突き出てもよい。
【0024】
接点ストッパにより、取り付けた状態で保護接地接点が安定化される。安定化されるとは、組立状態で保護接地接点の特定の空間方向への移動が制限および/または減少されることを意味する。これにより保護接地接点は、支持要素において、その使用に適切な位置で保持される。
【0025】
接点ストッパが斜めであることにより、支持要素に対する接点ストッパの表面のより好適な配分が達成され、これにより、保護接地接点の傾動に対抗する追加的な固定が達成され得る。この接点ストッパはそれぞれの上部領域から、接点ストッパが互いに対して実質的に平行に方向づけられるように突き出ることができる。平行にとは、とりわけ、接点ストッパが共通の仮想線上で一列に配置され得ることも意味する。
【0026】
冒頭に挙げた種類の導体接続端子は、上述の保護接地接点を備えていてもよい。
一般的な導体接続端子において、係止領域と保護接地用接点要素が、ベース部に対して実質的に同じ高さに配置されていることが提案される。これに関し、上部領域の少なくとも1つが、係止領域の領域に斜角面を有することができ、この斜角面のうち接触領域に面した端部と保護接地用接点要素が、ベース部に対して同じ高さに配置されている。
【0027】
側部要素の少なくとも1つが、電気導体をハウジング内へガイドするためのガイド輪郭を有し得る。このガイド輪郭は、側部要素の上部領域に配置されていてもよい。さらに有利なのは、保護接地接点が安定化されるように、ガイド輪郭がハウジングとおよび/または電気導体のための導体ストッパと相互作用する場合である。
【0028】
つまり例えば、保護接地接点が安定化されるように、ガイド輪郭がハウジングまたは導体ストッパに当接していることが考えられる。これにより保護接地接点は、ガイド輪郭とハウジングの間および/またはガイド輪郭と導体ストッパの間の接触面の方向には、ずれることができない。ハウジングおよび導体ストッパが保護接地接点の移動の範囲を制限しているからである。
【0029】
保護接地接点が保持要素を有することができ、この保持要素は、導体接続端子の内部空間で、クランプされるべき電気導体の領域に配置され得る。さらに、母線が凹部を有することができ、保持要素は、保護接地接点を母線と嵌め合い式に接続するために凹部に係合する。
【0030】
クランプされるべき電気導体の領域にとは、とりわけ、保持要素が母線より上方に配置されており、したがって母線が、保持要素とクランプされるべき電気導体との間に配置されてはいないことを意味する。こうすることで、導体接続端子がより高く設計されなくても、保護接地接点を導体接続端子に配置するために、導体接続端子の既存の設置スペースが利用され得る。よって保持要素は、電気導体のためのクランプ位置の領域に配置されている。
【0031】
保持要素は、側部要素のうちベース部に面していない端部に、詳しくは側部要素の上部領域に配置されていてもよく、係止領域と保持要素の間の高さは、係止領域とベース部の間の高さより小さい。
【0032】
より小さいとは、とりわけ、係止領域と保持要素の間の全体高さが、係止領域とベース部の間の高さより最大90%小さく、ただし少なくとも50%小さいことを意味する。これは、導体接続端子がより大きく設計されなくても、保護接地接点が導体接続端子に設置され得るという利点を有する。
【0033】
このような導体接続端子は、独立した発明対象であり得ると考えられ、嵌め合い式の接続のために母線の凹部に係合する導体接続端子を提供することができる。しかし、この導体接続端子は、上記の保持要素を有するが、係止領域と保護接地用接点要素は、ベース部に対して実質的に同じ高さには配置されていない。これは、以下の特徴を有する導体接続端子を生じさせるであろう。
【0034】
ハウジングを備え、母線を備え、スプリングクランプ端子を備え、この母線とスプリングクランプ端子が、クランプされるべき電気導体のためのクランプ位置を形成し、保護接地線を母線と導電接続するための上で挙げた保護接地接点を備え、保護接地接点がベース部を有し、2つの側部要素がベース部から突き出し、それぞれの側部要素が上部領域を有し、これらの上部領域が、母線に保護接地接点をクランプするための係止領域を構成し、少なくとも1つの側部要素が、支持要素の導電接触のための保護接地用接点要素を有し、この保護接地接点が保持要素を有し、この保持要素が、導体接続端子の内部空間で、クランプされるべき電気導体の領域に配置されている導体接続端子。
【0035】
導体接続端子は、例えば3つまたは4つの電気導体の収容のために形成されていてもよい。とりわけ照明産業では、電源接続端子の場合、なかでも3つまたは4つの導体端子を必要としていることが示された。このような導体接続端子の場合に、保護接地接点をハウジングの内部空間に取り付けるために既存の設置スペースが使用され得る。
【0036】
不定の概念「ein」は、不定の概念として理解されるべきであり、数詞として理解されるべきではない。つまり本発明による保護接地接点が複数の保護接地用接点要素を有することも考えられる。つまり例えば、各側部要素でそれぞれの上部領域に保護接地用接点要素および保持要素が配置されていることが考えられる。
【0037】
以下では、例示的実施形態に基づいて本発明を例示的に添付の図面を用いてより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】保護接地接点の第1の実施形態を示す図である。
【
図2】
図1に基づく保護接地接点を備えた導体接続端子の断面図である。
【
図4】保護接地接点の第2の実施形態を示す図である。
【
図5】
図4に基づく保護接地接点の回転した図である。
【
図6】
図5および
図6に基づく保護接地接点を備えた導体接続端子を示す図である。
【
図7】
図6に基づく導体接続端子の回転した図である。
【
図8】
図6および
図7に基づく導体接続端子の一部分を上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、ベース部2を有する保護接地接点1の第1の実施形態を示し、ベース部からは2つの側部要素3a、3bが、ベース部2から同じ方向に、実質的に垂直に突き出し、側部要素3a、3bはベース部2を介して相互に接続している。側部要素3a、3bは、互いに対して実質的に平行に方向づけられている。側部要素3a、3bはそれぞれ上部領域4a、4bを有し、上部領域4a、4bは、上部領域4a、4bが互いの方向に向けられるように方向づけられている。これらの上部領域4a、4bが相互に係止領域5を構成していることが認識でき、導電性の支持要素はこの係止領域5内に導かれ得る。導電性の支持要素は、例えば導体接続端子の母線として形成されていてもよい。側部要素3aの上部領域4aには、保護接地線を支持要素に導電接触させるための保護接地用接点要素6が配置されている。
【0040】
支持要素は、接触領域5a、5bの間の係止領域5内で位置を保持され得る。追加的な固定のために、接触領域5a、5bに直接隣接して、側部要素3a、3bの上部領域4a、4bからそれぞれ接点ストッパ5c、5dが突き出ている。
【0041】
係止領域5および保護接地用接点要素6が、ベース部2に対して実質的に同じ高さHに配置されており、これに加えて空間的に互いから分離されて配置されていることが分かる。支持要素が係止領域5に導かれると、側部要素3a、3bが上部領域4a、4bの領域で拡がり、これにより支持要素が接触領域5a、5bの間で保持され得る。係止領域5が保護接地用接点要素6と同じ高さに配置されることで、保護接地用接点要素6も同じだけ拡がる。拡がるのは、例えば側部要素3a、3bがバネ性をもって形成されていることで起こり得る。支持要素が、接触領域5a、5bの間のその最終位置に到達すると、上部領域4a、4bの領域内の側部要素3a、3bが、したがって保護接地用接点要素6も、初期位置にはね戻り、これにより支持要素が接触領域5a、5bの間で保持される。したがって、例えば錫メッキされた保護接地用接点要素6が、支持要素の接点面に接触することなく通り過ぎて案内されることができ、これにより、錫メッキされた保護接地用接点要素6の摩滅が軽減される。この支持要素の接点面は、保護接地用接点要素6と接触するべき表面である。
【0042】
上部領域4a、4bのそれぞれでは、係止領域5の領域に斜角面7a、7bが配置されていることが認識できる。この斜角面7a、7bのうち接触領域5a、5bに面した端部は、ベース部2に対して保護接地用接点要素6と同じ高さに配置されている。斜角面7a、7bにより、支持要素はより簡単に係止領域5に導かれ得る。これに加え、相応に大きな力を費やさなくても、支持要素を接触領域5a、5bの間に導くために側部要素3a、3bが上部領域4a、4bの領域で継続的に拡がる。
【0043】
第1の例示的実施形態では、保護接地用接点要素6は、係止領域5および斜角面7a、7bの端部と一緒に、厳密に1つの高さにあるべきである。ただしここからのズレは、本発明による保護接地接点の機能を制限することなく可能である。これに関し、ベース部2に対する係止領域5の高さHと保護接地用接点要素6の高さHに関し、15%のズレが考えられる。
【0044】
側部要素3aの上端では、上部領域4aに保持要素8aが配置されており、この保持要素8aは、組み立てられた状態で保護接地接点1を支持要素と嵌め合い式に接続するために適応されている。嵌め合いは、例えば支持要素における対応する凹部によって達成され得る。しかしハウジングにおける凹部も考えられる。この嵌め合いにより、保護接地接点1は、組み立てられた状態で傾動に対抗して固定されている。これに関し、追加的な導電接続を提供するため、保持要素8aが保護接地用接点要素6として形成されていてもよい。
【0045】
上部領域4a、4bと、保護接地用接点要素6と、保持要素8とが一体的に、それぞれの側部要素3a、3bから形成されていることが分かる。
さらに、係止領域5と保持要素8aの間の全体高さBHが、係止領域とベース部の間の高さHより小さいことが分かる。これは、導体接続端子がより大きく設計されなくても、保護接地接点が導体接続端子に取り付けられ得るという利点を有する。
【0046】
保護接地接点1が接点片16を有することが認識でき、この接点片16は、保護接地接点1が保護接地線と直接的または間接的に導電接続するために形成されている。
図2は、導体接続端子9、とりわけ照明産業用の電源接続端子を示す。導体接続端子9は、母線11と、3つの電気導体をクランプするための3つのスプリングクランプ端子12とを有する。この場合、
図1に基づく保護接地接点1が、導体接続端子9に取り付けられている。
【0047】
保護接地用接点要素6の母線11への接点領域が、係止領域5から分離されて配置されていることが分かり、これにより保護接地用接点要素6は、母線11の凹部を通って、非接触で案内され得る。組み立てられた状態では、保護接地用接点要素6と母線11の間の力固定式の接続が提供される。これは例えば、側部要素3a、3bの拡がった状態で、母線11が、保護接地用接点要素6に触れることなく通り過ぎ得るように、母線11の凹部の寸法が設計されていることによって達成され得る。
【0048】
保持要素8aが、導体接続端子9の内部空間で、クランプされるべき電気導体の領域に配置されていることも認識でき、母線11は、スプリングクランプ端子12と保持要素8aの間には配置されていない。したがって電気導体は、導体接続端子9における、組立状態で保持要素8aが配置されるのと同じ空間で差し込まれ得る。つまり、導体接続端子1がより大きく寸法決定されなくても、導体接続端子1の既存のスペースが活用される。これに関し保持要素8aは、母線11の凹部に噛み合い、組み立てられた状態で母線11と嵌め合い式に接続することにより、保護接地接点1を傾動に対抗して安定化する。こうして確実な動作が保証され得る。
【0049】
図2は加えて作動装置17を認識させ、この作動装置17により、一方では2つのスプリングクランプ端子12から成る構成の上のスプリングクランプ端子12(左の領域)を、もう一方では単一のスプリングクランプ端子12(右の領域)を、それぞれ互いに独立して手動で作動させることができ、これにより関連するクランプ脚部が動いて、それによりクランプ箇所が開く。この作動装置6が、一方のスプリングクランプ端子12のための作動部分18aおよびもう一方の反対側のスプリングクランプ端子12のための作動部分18bを有することが認識される。
【0050】
作動部分18a、18bは、作動部分18a、18bの間のほぼ真ん中に配置された接続部分19を介して相互に接続されている。接続部分19には、作動部分18a、18bの間に、例えば作動部分18a、18bの間の真ん中にまたは真ん中を少し外れて、T字形に突き出ている材料部分20が存在している。T字形の突き出ている材料部分20は、母線11上で変位可能である。作動装置6の幾何的形態により、スプリングクランプ端子12を互いに独立して作動させることができる。
【0051】
図3は、
図2に基づく導体接続端子9の別の断面を示す。ここでは母線11が凹部13を有することが分かり、これら凹部13を通して保護接地用接点要素6が、組立のために導かれてもよく、保護接地用接点要素6は力固定式に、および保持要素8aは嵌め合い式に、母線11と接続されている。ただし保持要素8aが力固定式に、および保護接地用接点要素6が嵌め合い式に母線11と接続され得ることも考えられる。
【0052】
図4および
図5は、保護接地接点1の第2の実施形態を示し、この保護接地接点は、
図4では前面図で、
図5では回転した図で示されている。保護接地接点1はベース部2を有し、このベース部から2つの側部要素3a、3bが同じ方向に突き出ている。側部要素3a、3bはそれぞれ上部領域4a、4bを有する。
【0053】
この保護接地接点は、ベース部2に対して係止領域5と同じ高さHに配置されている2つの保護接地用接点要素6を有し、したがってこれらの保護接地用接点要素6は、保護接地接点1を設置する際に拡げられ、よって非接触で対応する導体接続端子に挿入され得る。
【0054】
側部要素3a、3bの端部が、ガイド輪郭14a、14bとして形成されていることが認識できる。このようなガイド輪郭14a、14bは、設置状態で、電気導体を対応するクランプ位置へと、電気導体を保護接地用接点要素6に触れさせずにガイドし得るという利点を有する。
【0055】
保護接地接点1が接点片16を有することが認識でき、この接点片16は、保護接地接点1を保護接地線と直接的または間接的に導電接続するために形成されている。
図6は、導体接続端子9、とりわけ照明産業用の電源接続端子を断面図で示す。この導体接続端子9は、母線11と、4つの電気導体をクランプするための4つのスプリングクランプ端子12とを有する。この場合、
図4および
図5に基づく保護接地接点1が、導体接続端子9に取り付けられている。
【0056】
図7は、
図6に基づく導体接続端子9を回転した図で示している。導体接続端子9が、クランプされるべき電気導体のための導体ストッパ15を有していることが分かる。さらに、保護接地接点1が、導体接続端子9の母線11の既存の輪郭および空いているスペースを利用していることが分かり、したがって保護接地接点1を収容するために、導体接続端子の内部空間をより大きく設計しなくてよい。
【0057】
ガイド輪郭14a、14bは、保護接地接点1全体が安定化されるように導体ストッパ15に当接し、したがって保護接地接点1は傾動に対抗して保護される。つまり保護接地接点1の移動可能性が、導体ストッパ15の方向において制限されている。
【0058】
図8は、
図6および
図7に基づく導体接続端子9の一部分を、上から見た図で示す。保護接地接点1の、ガイド輪郭14a、14bをもつ側部要素3a、3bが認識できる。保護接地用接点要素6は導体ストッパ15に面していない側に配置されているので、ガイド輪郭14a、14bが、電気導体を導体ストッパ15へと、電気導体が保護接地用接点要素6に触れずに導き得ることが分かる。
【0059】
したがって保護接地接点1は、電気導体が接続の際に保護接地用接点要素6にぶつからないように形成することができる。しかしこのような形成形態は、例えば1つまたは複数の保護接地用接点要素6が側部要素3aおよび/または側部要素3bから適切な角度で突き出ることにより、ガイド輪郭14a、14bなしでも考えられる。これに関し、90°の厳密な適切な角度が存在しなくてもよい。正または負の方向への25°のズレが考えられる。
【0060】
さらに、ガイド輪郭14a、14bがハウジング10の輪郭と相互作用していることが分かり、これにより保護接地接点1が追加的に安定化される。こうして保護接地接点1は、その自由度をハウジング10および導体ストッパ15によって制限されることにより、導体ストッパ15およびハウジング10によって安定化され、傾動に対抗して保護される。
【符号の説明】
【0061】
1 保護接地接点
2 ベース部
3a、3b 側部要素
4a、4b 上部領域
5 係止領域
5a、5b 接触領域
5c、5d 接点ストッパ
6 保護接地用接点要素
7a、7b 斜角面
8a 保持要素
9 導体接続端子台
10 ハウジング
11 母線
12 スプリングクランプ端子
13 凹部
14a、14b ガイド輪郭
15 導体ストッパ
16 接点片
17 作動装置
18a、18b 作動部分
19 接続部分
20 T字形の材料部分
BH 全体高さ
H 高さ
【国際調査報告】