(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】溶接機
(51)【国際特許分類】
B23K 11/04 20060101AFI20230314BHJP
B23K 11/30 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
B23K11/04 102
B23K11/30 330
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545450
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 IB2021050822
(87)【国際公開番号】W WO2021156738
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】102020000002020
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510152666
【氏名又は名称】ダニエリ アンド シー.オフィス メカニケ エスピーエー
【氏名又は名称原語表記】DANIELI&C.OFFICINE MECCANICHE SPA
【住所又は居所原語表記】Via Nazionale,41-33042 Buttrio(UD),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ルシアン ダニエレ
(72)【発明者】
【氏名】ボルディニョン ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】パオローネ ロランド
(72)【発明者】
【氏名】トマット クラウディオ
(57)【要約】
本発明は、溶接される2つの縦方向金属製品のクランプ手段(3、4、6、7)、例えばクランプのメンテナンスを容易にするように設計された、好ましくはフラッシュバット溶接タイプの溶接機を提供する。有利には、第1のクランプ手段(3、4)を備えた第1の構造体(2)と、第2のクランプ手段(6、7)を備えた第2の構造体(5)とは、送り方向(X)に平行なキャリッジ(1)の第1のビーム(9)及び第2のビーム(8)によって画定されるキャリッジ(1)の第1の部品(10)に支持され、少なくとも1つの変圧器(36)は、キャリッジ(1)に固定され、第1の部品(10)の横方向外側に配置されたキャリッジ(1)の第2の部品(11)に支持される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向金属製品の送り方向(X)に沿って、第1の縦方向金属製品のテールと第2の縦方向金属製品のヘッドを共に溶接するための、好ましくはフラッシュ溶接タイプの溶接機であって、前記送り方向(X)に沿ってスライドするように適合されたキャリッジ(1)を含み、前記キャリッジ(1)は、
前記キャリッジ(1)に接続された第1の構造体(2)と、
前記第1の構造体(2)に設けられて、前記第1の金属製品のテール又は前記第2の金属製品のヘッドのいずれかをクランプする第1のクランプ手段(3、4)と、
前記第1の構造体(2)及び前記キャリッジ(1)の両方に対して、前記送り方向に平行にスライドするように適合された第2の構造体(5)と、
前記第2の構造体(5)に設けられて、前記第2の金属製品のヘッド又は前記第1の金属製品のテールのいずれかをクランプする第2のクランプ手段(6、7)と、
前記テール及び前記ヘッドに電流を供給するために、それぞれ前記第1のクランプ手段(3、4)と前記第2のクランプ手段(6、7)に接続された導体(37、38、39、40)を備えた少なくとも1つの変圧器(36)と、を支持し、
前記第1の構造体(2)及び前記第2の構造体(5)は、前記送り方向(X)に平行な前記キャリッジ(1)の第1のビーム(9)及び第2のビーム(8)によって画定される前記キャリッジ(1)の第1の部品(10)に支持され、前記少なくとも1つの変圧器(36)は、前記キャリッジ(1)に固定され、前記第1の部品(10)の横方向外側に配置された前記キャリッジ(1)の第2の部品(11)に支持される、溶接機。
【請求項2】
前記キャリッジ(1)の前記第2の部品(11)に完全に支持された1つのみの変圧器(36)又は2つ以上の変圧器が設けられ、或いは、少なくとも2つの変圧器が設けられ、前記2つの変圧器のうちの第1の変圧器(36)は、前記キャリッジ(1)に固定され、前記キャリッジ(1)の前記第2の部品(11)に支持され、前記2つの変圧器のうちの第2の変圧器(36’)は、前記キャリッジ(1)に固定され、前記第2の部品(11)とは反対側で、前記第1の部品(10)の横方向外側に配置された前記キャリッジ(1)の第3の部品(11’)に支持される、請求項1に記載の溶接機。
【請求項3】
前記第2の部品(11)は、好ましくは前記送り方向(X)に平行な前記キャリッジ(1)の前記第2のビーム(8)及び第3のビーム(7)によって画定される、請求項1又は2に記載の溶接機。
【請求項4】
1つのみの変圧器(36)又は2つの変圧器が前記第2の部品(11)に完全に支持される場合、前記第1のビーム(9)及び前記第3のビーム(7)は、前記キャリッジ(1)の周辺ビームであり、前記第2のビーム(8)は、中間ビームであり、或いは、第1の変圧器(36)が前記キャリッジ(1)の前記第2の部品(11)に支持され、第2の変圧器(36’)が前記キャリッジ(1)の第3の部品(11’)に支持される場合、前記第3の部品(11’)は、前記第1のビーム(9)及び第4のビーム(7’)によって画定され、前記第4のビーム(7’)及び前記第3のビーム(7)は、前記キャリッジ(1)の周辺ビームであり、前記第1のビーム(9)及び前記第2のビーム(8)は、前記キャリッジの中間ビームである、請求項3に記載の溶接機。
【請求項5】
溶接される縦方向金属製品がない場合、前記第1のクランプ手段(3、4)の間のスペースと前記第2のクランプ手段(6、7)の間のスペースの両方に下方から自由にアクセスできるように、前記導体(37、38、39、40)は、それぞれ前記第1の構造体(2)と前記第2の構造体(5)の下を通過する方式で、前記少なくとも1つの変圧器(36)を前記第1のクランプ手段(3、4)と前記第2のクランプ手段(6、7)にそれぞれ接続する、請求項1から4のいずれか一項に記載の溶接機。
【請求項6】
溶接される縦方向金属製品がない場合、前記第1のクランプ手段(3、4)の間のスペースと前記第2のクランプ手段(6、7)の間のスペースの両方に上方及び下方の両方から自由にアクセスできる、請求項1から5のいずれか一項に記載の溶接機。
【請求項7】
前記第1の構造体(2)及び前記第2の構造体(5)は、互いに実質的に平行に配置され、かつ前記第1のビーム(9)及び前記第2のビーム(8)に対して、横方向に、好ましくは直交して配置される、請求項1に記載の溶接機。
【請求項8】
前記第1の構造体(2)及び前記第2の構造体(5)は、水平面に対して30°~70°の間の鋭角で傾斜したそれぞれの縦軸(Z、Z’)を規定し、或いは、前記第1の構造体(2)及び前記第2の構造体(5)は、実質的に水平に配置されたそれぞれの縦軸を規定する、請求項7に記載の溶接機。
【請求項9】
前記第1の構造体(2)及び前記第2の構造体(5)は、前記キャリッジ(1)に対して前記第1の構造体(2)及び前記第2の構造体(5)を前記送り方向(X)に対して横方向である平面に沿った回転によって共に持ち上げるように適合された持ち上げシステムによって、前記キャリッジ(1)の前記第1の部品(10)に支持される、請求項1、7又は8に記載の溶接機。
【請求項10】
前記持ち上げシステムは、リンケージタイプのものであり、
好ましくは、前記持ち上げシステムは、
前記キャリッジの前記第1のビーム(9)に平行でかつ近接し、かつ前記キャリッジの軸の周りに回転するように前記キャリッジに制限された第1の回転軸(19)と、
前記キャリッジの前記第2のビーム(8)に平行でかつ近接し、かつ前記キャリッジの軸の周りに回転するように前記キャリッジに制限された第2の回転軸(18)と、
前記キャリッジとは別個のものであり、前記第1の回転軸(19)及び前記第1のビーム(9)に平行でかつ近接し、場合によってはそれらの上方に配置された更なる第1のビーム(29)と、
前記キャリッジとは別個のものであり、前記第2の回転軸(18)及び前記第2のビーム(8)に平行でかつ近接し、場合によってはそれらの上方に配置された更なる第2のビーム(28)と、を含み、前記更なる第1のビーム(29)及び前記更なる第2のビーム(28)は、前記第1の構造体(2)と前記第2の構造体(5)の両方を支持し、前記第1の構造体(2)と前記第2の構造体(5)は、実質的に互いに平行に配置され、かつ前記更なる第1のビーム(29)及び前記更なる第2のビーム(28)に対して、横方向に、好ましくは直交して配置され、
前記第1の回転軸(19)は、少なくとも1つの第1のレバー(45)によって、前記更なる第1のビーム(29)に直接的又は間接的に接続され、
前記第2の回転軸(18)は、少なくとも1つの第2のレバー(46)によって、前記更なる第2のビーム(28)に直接的又は間接的に接続され、
前記第1の構造体(2)及び前記第2の構造体(5)を前記キャリッジ(1)に対して共に持ち上げることができるように、前記第1の回転軸(19)及び/又は前記第2の回転軸(18)を所定の角度回転させるように適合された少なくとも1つのアクチュエータ(47)が設けられる、請求項9に記載の溶接機。
【請求項11】
前記更なる第1のビーム(29)及び前記更なる第2のビーム(28)はそれぞれ、前記第1の構造体(2)に近接し、かつ前記第1の構造体(2)が一体的に固定される第1の部分と、前記第1の構造体(2)から遠位にあり、かつ前記第2の構造体(5)がスライド可能に接続される第2の部分とを有する、請求項10に記載の溶接機。
【請求項12】
前記第1の構造体(2)及び前記第2の構造体(5)は、前記キャリッジ(1)の前記第1のビーム(9)及び前記第2のビーム(8)によって、好ましくは直接的に、前記キャリッジ(1)の前記第1の部品(10)に支持され、前記第1のビーム(9)及び前記第2のビーム(8)はそれぞれ、前記第1の構造体(2)に近接し、かつ前記第1の構造体(2)が一体的に固定される第1の部分と、前記第1の構造体(2)から遠位にあり、かつ前記第2の構造体(5)がスライド可能に接続される第2の部分とを有する、請求項1、7又は8に記載の溶接機。
【請求項13】
前記更なる第1のビーム(29)又は前記第1のビーム(9)の前記第2の部分は、前記第2の構造体(5)を前記更なる第1のビーム(29)又は前記第1のビーム(9)上にスライドさせるための第1のロール又はパッド(12)を内部に備えた、前記第2の構造体(5)の第1の貫通孔(21)に挿入され、また、前記更なる第2のビーム(28)又は前記第2のビーム(8)の前記第2の部分は、前記第2の構造体(5)を前記更なる第2のビーム(28)又は前記第2のビーム(8)上にスライドさせるための第2のロール又はパッド(13)を内部に備えた、前記第2の構造体(5)の第2の貫通孔(22)に挿入される、請求項11又は12に記載の溶接機。
【請求項14】
前記更なる第1のビーム(29)又は前記第1のビーム(9)の前記第2の部分と、前記第1の貫通孔(21)との両方は、四角形断面を有し、前記第1の貫通孔(21)は、2つの対向する内側のみに前記第1のロール又はパッド(12)を備え、好ましくは、一対の第1のロール(12)が前記2つの内側のそれぞれに設けられ、また、前記更なる第2のビーム(28)又は前記第2のビーム(8)の前記第2の部分と、前記第2の貫通孔(22)との両方は、四角形断面を有し、前記第2の貫通孔(22)は、その少なくとも3つの内側に少なくとも第2のロール又はパッド(13)を備え、
或いは、前記更なる第1のビーム(29)又は前記第1のビーム(9)の前記第2の部分と、前記第1の貫通孔(21)との両方は、円形断面を有し、前記第1の貫通孔(21)は、前記第1のパッド(12)を備え、また、前記更なる第2のビーム(28)又は前記第2のビーム(8)の前記第2の部分と、前記第2の貫通孔(22)との両方は、円形断面を有し、前記第2の貫通孔(22)は、前記第2のパッド(13)を備える、請求項13に記載の溶接機。
【請求項15】
前記第1のロール(12)は、アイドル状態にあり、前記第2の構造体(5)で得られるそれぞれのシートに収容され、前記第1の貫通孔(21)内に突出して、前記更なる第1のビーム(29)又は前記第1のビーム(9)の互いに対向する表面と接触し、
前記第2のロール(13)は、アイドル状態にあり、前記第2の構造体(5)で得られるそれぞれのシートに収容され、前記第2の貫通孔(22)内に突出して、前記更なる第2のビーム(28)又は前記第2のビーム(8)のそれぞれの側面と接触する、請求項14に記載の溶接機。
【請求項16】
前記キャリッジ(1)は、前記送り方向(X)に沿って少なくとも2つのスライドガイド(20、30)上にスライドするように適合され、少なくとも1つの前記スライドガイド(20、30)に設けられたラック(33)と噛み合うように適合された歯車(32)に接続された少なくとも1つのモータ(31)を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の溶接機。
【請求項17】
前記送り方向(X)に沿って、前記第1の構造体(2)に向かって、又は前記第1の構造体(2)から離れるように前記第2の構造体(5)を移動させる調整手段(23、24)が設けられる、請求項1から16のいずれか一項に記載の溶接機。
【請求項18】
前記第1のクランプ手段(3、4)と前記第2のクランプ手段(6、7)の両方は、前記第1の構造体(2)と前記第2の構造体(5)にそれぞれ設けられたそれぞれの移動システム(41、42、43、44)によって、位置が調整可能である、請求項1から17のいずれか一項に記載の溶接機。
【請求項19】
メンテナンス対象となる前記溶接機の全ての構成要素は、アクセス可能であり、上方から持ち上げることができる、請求項1から18のいずれか一項に記載の溶接機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、圧延機の上流に配置されたローラ経路に沿って、2つの連続した縦方向製品のヘッドとテールを互いに溶接するように適合された、縦方向金属製品、例えば、ビレット、バー又はブルームのための好ましくはフラッシュ溶接タイプの溶接機に関する。
【背景技術】
【0002】
圧延機、特にエンドレスタイプの圧延機では、鋳造機又は外部倉庫からの金属製品は、共に溶接され、シームレスに圧延される。
【0003】
溶接される金属製品は、通常、ビレット、バー、ブルームなどの半製品の鋳造製品である。
【0004】
溶接は、1つの製品のテールを次の製品のヘッドに接合することによって実行される。
【0005】
溶接は、溶接される製品に接続された電源によって生成される電気アークによって実行される。この技術は、フラッシュ溶接として知られている。
【0006】
溶接中、製品は、効果的にブロックされなければならない。この目的のために、溶接中に製品を所定の位置に保持する役割を果たし、しばしば溶接電流の導体としても機能するクランプ手段が設けられる。
【0007】
このようなクランプ手段は、通常、溶接される製品と直接接触する要素、特にクランプを含む。溶接が実行されるにつれて、溶接される製品のヘッドとテールを保持するクランプは、アプセットシリンダと呼ばれる油圧シリンダによって徐々に近付けられる。この動作は、溶接される端部を接合し、介在物及び気泡を除去し、溶融によって生じるバリの形の材料の損失を補い、溶接継手と呼ばれる継手を形成する、溶接されている2つの構成要素間の効果的な接着を可能にするために必要である。
【0008】
知られているタイプのフラッシュバット溶接機は、一般的に、それぞれが一対のクランプを備えた2つの構造体を含み、これらの構造体は、互いに実質的に平行であり、機械を支持するキャリッジによって規定される平面に対して約45°の角度で傾斜する。上記傾斜により、クランプとの製品との接触力を製品の側面に均一に印加することができるため、製品の最適な保持とセンタリングが可能になる。
【0009】
不利には、溶接される2つの製品のテールとヘッドに電流を供給するために2つの構造体に接続された導体を備えた変圧器は、2つの構造体の傾斜した上面の上に配置され、機械の内部部品への接近が困難になり、その結果、メンテナンスが困難になる。機械からの重い部品の分解及び取り外しでさえ、オペレータが困難な状況で機械の内部に入って手動で実行しなければならない困難な作業になる。
【0010】
したがって、メンテナンスしやすく、重量物を取り除くためにクレーン及びブリッジクレーンなどの補助装置を使用して操作できる溶接機を製造することによって、少なくとも前述の欠点を解決する必要がある。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、クランプ保持構造の内部部品への接近を容易にし、迅速なメンテナンスとクリーニングを可能にし、また、重い構成要素を取り除くためにクレーン及び天井クレーンなどの一般的な補助装置を使用して操作できる、好ましくはフラッシュバット溶接タイプの溶接機を製造することである。
【0012】
本発明の別の目的は、構造の観点から簡単であり、それにもかかわらず、既知の溶接機によって必要とされる動作を実行できる溶接機を製造することである。
【0013】
本発明の別の目的は、オペレータの安全性を高めることを可能にする溶接機を製造することである。
【0014】
本発明は、縦方向金属製品の送り方向Xに沿って、第1の縦方向金属製品のテールと第2の縦方向金属製品のヘッドを共に溶接するための、好ましくはフラッシュバット溶接タイプの溶接機によって、そのような目的及び本明細書に照らして明らかになる他の目的の少なくとも1つを達成し、該機械は、送り方向Xに沿ってスライドするように適合されたキャリッジを含み、キャリッジは、
キャリッジに接続された第1の構造体と、
第1の構造体に設けられて、第1の金属製品のテール又は第2の金属製品のヘッドのいずれかをクランプする第1のクランプ手段と、
第1の構造体及びキャリッジの両方に対して、送り方向に平行にスライドする第2の構造体と、
第2の構造体に設けられて、第2の金属製品のヘッド又は第1の金属製品のテールのいずれかをクランプする第2のクランプ手段と、
テール及びヘッドに電流を供給するために、それぞれ第1のクランプ手段と第2のクランプ手段に接続された導体を備えた少なくとも1つの変圧器と、を支持し、
第1の構造体及び第2の構造体は、送り方向Xに平行なキャリッジの第1のビーム及び第2のビームによって画定されるキャリッジの第1の部品に支持され、少なくとも1つの変圧器は、キャリッジに固定され、第1の部品の横方向外側に配置されたキャリッジの第2の部品に支持される。
【0015】
有利には、変圧器は、キャリッジに一体的に固定され、2つの構造体の上に配置されないため、上方からの接近が容易になり、その結果、機械の内部部品のメンテナンスが容易になる。機械からの重い部品及び構成要素の分解と取り外しも、クレーン及び天井クレーンなどの一般的な補助装置を使用して実行できる非常に簡単な操作になる。有利には、メンテナンス対象となる機械の構成要素は、接近可能であり、上方から持ち上げることができる。
【0016】
好ましくは、溶接される縦方向金属製品がない場合、第1のクランプ手段の間のスペースと第2のクランプ手段の間のスペースの両方に下方から自由にアクセスできるように、変圧器を第1のクランプ手段と第2のクランプ手段にそれぞれ接続する導体は、それぞれ第1の構造体と第2の構造体の下を通過する。
【0017】
更なる利点は、第2の構造体が、キャリッジ自体の部品でありかつキャリッジの第1の部品を画定する2つのビーム上に、送り方向に平行に、第1の構造体及びキャリッジの両方に対してスライドすることができるか、又はキャリッジに対して第1の構造体と第2の構造体の両方を送り方向に対して横方向である平面に沿った所定の角度の回転によって共に持ち上げるように適合された持ち上げシステムの部品である、キャリッジのビームとは別個のものである2つの追加のビーム上にスライドすることができるという変形例によって表される。
【0018】
更に、本発明に係る溶接機の構成は、製品通過線から1.5メートル未満、好ましくは1メートル未満の距離にあり得るその下に排水床を作ることを可能にする。これは、生産ラインの基盤を実現するコストを削減することを意味する。本発明の更なる特徴及び利点は、好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な説明に照らして、より明らかになる。
【0019】
従属請求項は、本発明の特定の実施形態を説明する。
【0020】
本発明の説明は、非限定的な例として提供される添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る溶接機の第1の実施形態の斜視図である。
【
図4】
図2の機械の平面A-Aに沿った断面図である。
【
図5】
図2の機械の平面B-Bに沿った断面図である。
【
図7】本発明に係る溶接機の第2の実施形態の斜視図である。
【
図8】本発明に係る溶接機の更なる変形例の上面図である。
【
図9】
図8の上記更なる変形例の底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図中の同じ参照番号と文字は、同じ要素又は構成要素を示す。
【0023】
本発明に係るフラッシュバット溶接タイプの溶接機のいくつかの例を、図面を参照して説明する。
【0024】
本発明の全ての実施形態では、縦方向金属製品の送り方向Xに沿って、第1の縦方向金属製品のテールを第2の縦方向金属製品のヘッドに溶接するのに適した溶接機は、ビレット、ブルーム又はバーなどの縦方向金属製品が進むローラ経路(図示せず)の上方で、上記送り方向Xに沿って少なくとも2つのスライドガイド20、30上にスライドするように適合されたキャリッジ1を含む。
【0025】
キャリッジ1は、
キャリッジ1に接続された第1の構造体2と、
第1の構造体2に設けられて、第1の金属製品のテール又は第2の金属製品のヘッドをクランプする第1のクランプ手段3、4と、
第1の構造体2及びキャリッジ1の両方に対して、送り方向に平行にスライドする第2の構造体5と、
第2の構造体5に設けられて、第2の金属製品のヘッド又は第1の金属製品のテールをクランプする第2のクランプ手段6、7と、
上記テール及び上記ヘッドに電流を供給するために、それぞれ第1のクランプ手段3、4と第2のクランプ手段6、7に接続された導体37、38、39、40を備えた少なくとも1つの変圧器36と、を支持する。
【0026】
第1の実施形態では、
図1~6に示すように、第1の構造体2は、水平面に対して、鋭角、好ましくは30°~70°、例えば45°で傾斜した縦軸Z(
図1)を規定する。縦軸Z(
図1)に平行な自体の縦軸Z’を規定する第2の構造体5は、第1の構造体2に実質的に平行に配置され、溶接される製品の送り方向Xに沿って第1の構造体から離間する。
【0027】
変形例(図示せず)では、代わりに、互いに実質的に平行な第1の構造体2及び第2の構造体5は、実質的に水平に配置されたそれぞれの縦軸を規定する。
【0028】
溶接機からの金属製品の送り込み及び送り出しのために、少なくとも1つの送り込みガイド及び少なくとも1つの送り出しガイドが任意に提供され、各ガイドが、送り軸Xに沿ってそれぞれの構造体2、5に制限される。代替的に、上記ガイドは、キャリッジ1の部品であり得る。
【0029】
好ましくは、第1のクランプ手段3、4と第2のクランプ手段6、7の両方は、第1の構造体2と第2の構造体5にそれぞれ設けられたそれぞれの移動システム41、42、43、44によって、位置が調整可能である(
図2及び3)。このような移動システムは、例えば、油圧シリンダ若しくはジャッキ、又はカム若しくは偏心装置などの電動アクチュエータ若しくは機械的移動装置を含む。
【0030】
特に、第1の構造体2の第1のクランプ手段3、4は、それぞれの上部クランプ3及びそれぞれの下部クランプ4を含む。各クランプ3、4は、それぞれの移動システム41、42によってZ軸に沿って移動することができる(
図2及び3)。第2の構造体5の第2のクランプ手段6、7は、それぞれの上部クランプ6及びそれぞれの下部クランプ7を含む。前と同じように、各クランプ6、7は、それぞれの移動システム43、44によってZ’軸に沿って移動することができる(
図2及び3)。
【0031】
クランプ手段の全てのクランプの移動、それによる調整可能性により、有利には、金属製品、例えば、ビレットが従来技術の機械に固定された下部クランプ上にスライドするのを防ぐために、2つの構造体2、5をわずかに傾斜したり回転させたりする必要がなくなる。
【0032】
有利には、第1の構造体2及び第2の構造体5は、互いに平行でかつ送り方向Xに平行なキャリッジの第1のビーム9及び第2のビーム8によって画定されるキャリッジ1の第1の部品10に支持され、場合によっては収容され、少なくとも1つの変圧器36は、キャリッジ1に固定され、第1の部品10の横方向外側に配置されたキャリッジ1の第2の部品11に完全に支持され、場合によっては収容される。変圧器36は、単一の変圧器であり得る。代替的に、導体37、38、39、40によってクランプ3、4、6、7に同時に給電する一群の変圧器を設けてもよい。
【0033】
この第1の実施形態の変形例(図示せず)では、代わりに、キャリッジ1に固定され、上記第2の部品11に完全に支持され、場合によっては収容された2つ以上の変圧器が提供される。
【0034】
本発明のこの第1の実施形態では、キャリッジ1の第2の部品11は、上記第2のビーム8と、好ましくは第2のビーム8に平行なキャリッジ1の第3のビーム7とによって画定することができる。第1のビーム9と第3のビーム7は、キャリッジ1の周辺ビームであり、第2のビーム8は、中間ビームである。ビーム9、8、7に対して横方向であり、好ましくは垂直である少なくとも2つの更なる周辺ビームが設けられて、ビーム9及び7と共にキャリッジ1の周囲を規定する。
【0035】
キャリッジ1は、好ましくは、溶接機の下方の床に直接的に又はフレームによって固定された2つのスライドガイド20、30に配置され、上記スライドガイドは、互いに平行であり、軸Xに対して平行である。
図2の変形例では、キャリッジ1の第1のビーム9と第2のビーム8は、それぞれのスライドガイド20、30に配置される。この場合、キャリッジ1の第1の部品10は、スライドガイド20、30によって画定された領域の上方にある。代わりに、
図2aの変形例では、第2のビーム8は、スライドガイド30に配置され、第3のビーム7は、スライドガイド20に配置される。この場合、キャリッジ1の第2の部品11は、スライドガイド20、30によって画定された領域の上方にある。代替的に、ビーム9、8又はビーム8、7は、スライドガイド20、30に対してオフセットすることもできる。
【0036】
必要に応じて、溶接される縦方向金属製品がない場合、第1のクランプ手段3、4の間のスペースと第2のクランプ手段6、7の間のスペースの両方に下方から自由にアクセスできるために、導体37、38、39、40は、それぞれ第1の構造体2と第2の構造体5の下を通過する方式で、変圧器36を第1のクランプ手段3、4と第2のクランプ手段6、7にそれぞれ接続する。
【0037】
好ましくは、
図2、3、5及び6によりよく示すように、変圧器36から出る上部導体37、39は、それぞれの上部クランプ3及び6の近くに到達するまで、第1の構造体2と第2の構造体5の下方を、僅かなストレッチをもって通過することによって、互いに平行に進むことができる。好ましくは、電流のパターンは、回路が2つの構造体の上部クランプ3と上部クランプ6との間で閉じるものである。
【0038】
図3、5及び6によりよく示すように、変圧器36から出る下部導体38、40は、それぞれ第1の構造体2と第2の構造体5の下方に第1のストレッチで互いに平行に進むことができる。上部クランプ3、6に到達する前に、下部導体38、40は、第2のストレッチで互いに離れるように移動することによって逸脱し、次に第3のストレッチで再び互いに平行に進み、第4のストレッチで第1の構造体2及び第2の構造体5の足の近くで再び互いに接近することができる。第5のストレッチ及び最後のストレッチで、導体38、40は、最終的にそれぞれの下部クランプ4と下部クランプ7の近くに到達する。好ましくは、電流のパターンは、回路が2つの構造体の下部クランプ4と下部クランプ7との間で閉じるものである。したがって、下部導体38、40のストレッチの構成は、少なくともクランプ手段3、4及びクランプ手段6、7を含む領域の下方から完全に接近できるように設計される。
【0039】
有利には、変圧器36が構造体2及び構造体5の上方に配置されないので、溶接される縦方向金属製品がない場合、第1のクランプ手段3、4の間のスペースと第2のクランプ手段6、7の間のスペースの両方に上方及び下方の両方から自由にアクセスできる。
【0040】
キャリッジ1の第2の部品11に2つ以上の変圧器、例えば互いに重なって配置された2つのみの変圧器を含む変形例(図示せず)では、第1の上部導体と第1の下部導体は、それぞれの変圧器から出て、それぞれ第1の構造体2のクランプ3、4に到達し、第2の上部導体と第2の下部導体は、それぞれの変圧器から出て、それぞれ第2の構造体5のクランプ6、7に到達する。この場合にも、電流のパターンは、2つの回路がそれぞれ上部クランプ3と上部クランプ6の間、下部クランプ4と下部クランプ7の間で閉じるものである。
【0041】
しかしながら、全ての変形例では、溶接される縦方向金属製品がない場合、第1のクランプ手段3、4の間のスペースと第2のクランプ手段6、7の間のスペースとの両方への下方から自由なアクセスを維持しながら、導体を上記以外の構成で配置することができる。
【0042】
好ましくは、第1の構造体2及び第2の構造体5は、互いに実質的に平行に配置されることに加えて、第1のビーム9及び第2のビーム8に対して横方向に、好ましくは直交して配置される。
【0043】
特に、
図1~7に示す第1の変形例では、第1のビーム9及び第2のビーム8はそれぞれ、第1の構造体2に近接し、かつ第1の構造体2が一体的に固定される第1の部分と、第1の構造体2から遠位にあり、かつ第2の構造体5がスライド可能に接続される第2の部分とを有する。
【0044】
本発明の変形例では、第1のビーム9の第2の部分は、第2の構造体5を第1のビーム9上にスライドさせるための第1のロール又はパッド12を内部に備えた、第2の構造体5の第1の貫通孔21(
図1及び5)に挿入され、また、第2のビーム8の第2の部分は、第2の構造体5を第2のビーム8上にスライドさせるための第2のロール又はパッド13を内部に備えた、第2の構造体5の第2の貫通孔22(
図5)に挿入される。
【0045】
好ましくは、第1のビーム9の第2の部分と第1の貫通孔21との両方は、四角形断面を有し、また、上記第1の貫通孔21は、好ましくは、第1のビーム9の上方及び下方の互いに対向する2つの内側(
図5)のみに第1のロール又はパッド12を備える。必要に応じて、一対の第1のロール12は、上記2つの内側のそれぞれに設けられる(
図4)。また、第2のビーム8の第2の部分と第2の貫通孔22とは、四角形断面を有することができ、上記第2の貫通孔22は、その少なくとも3つの内側に少なくとも1つの第2のロール又はパッド13を備える。特に、
図5の変形例では、4つのロール又はパッド13は、設けられ、貫通孔22の内側のそれぞれに1つずつある。代わりに、変形例(図示せず)では、3つのロール又はパッド13のみが設けられ、1つの上部ロールが、貫通孔22の上部内側にあるため、ビーム8の上方にあり、他の2つのロールが、ビーム8の側面にある。したがって、下部ロール又はパッドがなく、存在する場合に位置合わせが改善される。
【0046】
特定の変形例では、第1のロール12は、アイドル状態にあり、第2の構造体5で得られるそれぞれのシートに収容され、第1の貫通孔21内に突出して、第1のビーム9の互いに対向する表面と接触し、第2のロール13は、アイドル状態にあり、第2の構造体5で得られるそれぞれのシートに収容され、第2の貫通孔22内に突出して、第2のビーム8のそれぞれの側面と接触する。
【0047】
ビーム9、8及びそれぞれの貫通孔21、22の四角形断面の代わりに、第1のビーム9の第2の部分と第1の貫通孔21との両方は、円形断面を有し、上記第1の貫通孔21は、第1のパッド12を備え、また、第2のビーム8の第2の部分と第2の貫通孔22との両方は、円形断面を有し、上記第2の貫通孔22は、第2のパッド13を備える。
【0048】
更に、ビーム9及びビーム8上での第2の構造体5のスライドは、代替的に、2つの貫通孔21、22の間のロール又はパッドの構成を逆にすることによって達成することができる。したがって、第2の構造体5の第1の貫通孔21は、第2の構造体5を第1のビーム9上にスライドさせるための少なくとも3つのロール又はパッド13を内部に備えることができ、また、第2の構造体5の第2の貫通孔22は、互いに対向する2つの内側のみに、第2の構造体5を第2のビーム8上にスライドさせるための第2のロール又はパッド12を内部に備えることができる。
【0049】
ビレットなどの金属製品が下部クランプ上にスライドするのを防ぐために、2つの構造体2、5をわずかに移動する必要がある場合、又はそれを希望する場合、
図8及び9に示す第2の変形例は、第1の構造体2及び第2の構造体5が、キャリッジ自体のビーム8及び9によってではなく、キャリッジ1に対して上記第1の構造体2及び上記第2の構造体5を送り方向Xに対して横方向である平面に沿った回転によって共に持ち上げるように適合された持ち上げシステムによって、キャリッジ1の第1の部品10に支持されることを提供する。そのような回転は、1°~25°、例えば1°~15°の範囲であり得る。したがって、この持ち上げシステムは、溶接される製品に対して構造体2及び構造体5を移動させることを可能にする。
【0050】
好ましくは、リンケージタイプの上記持ち上げシステムは、
キャリッジの第1のビーム9に平行でかつ近接し、かつキャリッジの軸の周りに回転し、例えば、送り方向Xに対して横方向であるキャリッジの周辺ビームに対してその端部で枢動されるようにキャリッジに制限された第1の回転軸19と、
キャリッジの第2のビーム8に平行でかつ近接し、かつキャリッジの軸の周りに回転し、例えば、上記横方向の周辺ビームに対してその端部で枢動されるようにキャリッジに制限された第2の回転軸18と、
キャリッジとは別個のものであり、上記第1の回転軸19及び上記第1のビーム9に平行でかつ近接し、場合によってはそれらの上方に配置された更なる第1のビーム29と、
キャリッジとは別個のものであり、上記第2の回転軸18及び上記第2のビーム8に平行でかつ近接し、場合によってはそれらの上方に配置された更なる第2のビーム28と、
第1の回転軸19を上記更なる第1のビーム29に直接的又は間接的に接続する少なくとも1つの第1のレバー45と、
第2の回転軸18を上記更なる第2のビーム28に直接的又は間接的に接続する少なくとも1つの第2のレバー46と、
好ましくは、第1の回転軸19と第2の回転軸18とを接続する少なくとも1つの接続ロッド又はタイロッド48と、を含む。
【0051】
変形例では、第1の回転軸19及び第2の回転軸18の縦軸は、平行であり、第1の水平面に配置される。更なる第1のビーム29及び更なる第2のビーム28の縦軸も平行であり、第1の水平面の上方に位置する第2の水平面に配置される。各回転軸18、19と対応する更なるビーム28、29との間の相対位置は、レバー45、46が常に垂直に対してゼロ以外の鋭角で傾斜するものである。
【0052】
好ましくは、
それぞれが第1の端部で第1の回転軸19のそれぞれの端部に固定され、第2の端部で更なる第1のビーム29のそれぞれの端部に直接的又は間接的に接続された2つの第1のレバー45と、
それぞれが第1の端部で第2の回転軸18のそれぞれの端部に固定され、第2の端部で更なる第2のビーム28のそれぞれの端部に直接的又は間接的に接続された2つの第2のレバー46と、が設けられる(
図8)。
【0053】
更なる第1のビーム29及び更なる第2のビーム28は、第1の構造体2と第2の構造体5の両方を支持し、該第1の構造体2と第2の構造体5は、実質的に互いに平行に配置され、かつ更なる第1のビーム29及び更なる第2のビーム28に対して、横方向に、好ましくは直交して配置される。
【0054】
第1の構造体2及び第2の構造体5をキャリッジ1に対して共に持ち上げることができるように、第1の回転軸19及び/又は第2の回転軸18を所定の角度回転させるように適合された少なくとも1つのアクチュエータ47が設けられる。
【0055】
好ましくは、
図8~9の変形例では、例えばキャリッジ1のビーム8に固定されたアクチュエータ47は、1つのみ設けられ、第2の回転軸18の更なるレバー49に作用する。
【0056】
静止位置(
図9)から開始して、アクチュエータ47は、レバー49を下方に押して、回転軸18を自体の軸を中心に所定の角度回転させ、レバー46によって、上方への回転を更なるビーム28に伝達する。更なるビーム28と更なるビーム29が構造体2と構造体5の両方を共に横方向に支持するので、上方への回転は、更なるビーム29にも伝達され、したがって、回転軸19もその軸を中心に回転する。好ましくは、接続ロッド又はタイロッド48は、2つの回転軸18、19の回転を同期させることができ、これにより、回転により更なるビーム28、29の持ち上げを容易にする。
【0057】
特に、更なる第1のビーム29及び上記更なる第2のビーム28はそれぞれ、第1の構造体2に近接し、かつ上記第1の構造体2が一体的に固定される第1の部分と、第1の構造体2から遠位にあり、かつ第2の構造体5がスライド可能に接続される第2の部分とを有する。
【0058】
本発明の変形例では、更なる第1のビーム29の第2の部分は、第2の構造体5を上記更なる第1のビーム29上にスライドさせるための第1のロール又はパッドを内部に備えた、第2の構造体5の第1の貫通孔21に挿入され、また、更なる第2のビーム28の第2の部分は、第2の構造体5を上記更なる第2のビーム28上にスライドさせるための第2のロール又はパッドを内部に備えた、第2の構造体5の第2の貫通孔22に挿入される。
【0059】
好ましくは、更なる第1のビーム29の第2の部分と第1の貫通孔21との両方は、四角形断面を有し、また、上記第1の貫通孔21は、好ましくは、ビーム29の上方及び下方の互いに対向する2つの内側(
図5と同様の方法で)のみに第1のロール又はパッドを備える。必要に応じて、一対の第1のロールは、(
図4と同様の方法で)上記2つの内側のそれぞれに設けられる。また、更なる第2のビーム28の第2の部分と第2の貫通孔22とは、四角形断面を有することができ、上記第2の貫通孔22は、その少なくとも3つの内側に少なくとも1つの第2のロール又はパッドを備える。特に、(
図5と同様の方法で)変形例では、4つの第2のロール又はパッドは、設けられ、貫通孔22の内側のそれぞれに1つずつある。更なる変形例では、代わりに、3つの第2のロール又はパッドのみが提供され、1つの上部ロールが、貫通孔22の上部内側にあるため、ビーム28の上方にあり、他の2つのロールが、ビーム28の側面にある。したがって、下部ロール又はパッドがなく、存在する場合に位置合わせが改善される。
【0060】
特定の変形例では、第1のロールは、アイドル状態にあり、第2の構造体5で得られるそれぞれのシートに収容され、第1の貫通孔21内に突出して、更なる第1のビーム29の互いに対向する表面と接触し、第2のロールは、アイドル状態にあり、第2の構造体5で得られるそれぞれのシートに収容され、第2の貫通孔22内に突出して、更なる第2のビーム28のそれぞれの側面と接触する。
【0061】
更なるビーム29、28及びそれぞれの貫通孔21、22の四角形断面の代わりに、更なる第1のビーム29の第2の部分と第1の貫通孔21との両方は、円形断面を有し、上記第1の貫通孔21は、第1のパッドを備え、また、更なる第2のビーム28の第2の部分と第2の貫通孔22との両方は、円形断面を有し、上記第2の貫通孔22は、第2のパッドを備える。
【0062】
更に、更なるビーム29、28上での第2の構造体5のスライドは、代替的に、2つの貫通孔21、22の間のロール又はパッドの構成を逆にすることによって達成することができる。したがって、第2の構造体5の第1の貫通孔21は、第2の構造体5を更なる第1のビーム9上にスライドさせるための少なくとも3つの第2のロール又はパッドを内部に備えることができ、また、第2の構造体5の第2の貫通孔22は、互いに対向する2つの内側のみに、第2の構造体5を更なる第2のビーム28上にスライドさせるための第1のロール又はパッドを内部に備えることができる。
【0063】
本発明の更なる利点は、スライドガイド20、30(
図6)の少なくとも1つ、好ましくはこのスライドガイドの側面のうちの1つに設けられたラック33と係合するように適合された歯車32に接続された少なくとも1つのモータ31を備えたキャリッジ1を製造することである。
【0064】
本発明の溶接機では、調整手段23、24を設けて、上記送り方向Xに沿って第1の構造体2に向かって、又は第1の構造体2から離れるように第2の構造体5を移動させることができる。特に、フラッシュ溶接により2つの製品を溶接する場合に接近させる。
【0065】
必要に応じて、上記調整手段は、好ましくは2つあるアプセットシリンダ23、24である。
【0066】
アプセットシリンダ23、24は、それぞれのピンによって、その第1の端部で第1の構造体2に枢動され、その第2の端部で第2の構造体5に枢動される。
【0067】
図5に示す変形例では、第1のアプセットシリンダ23は、第1の構造体2及び第2の構造体5の両方の内部後方に配置される。これに対して、第2のアプセットシリンダ24は、実質的に第1の構造体2及び第2の構造体5の両方の足元に配置される。好ましくは、2つのアプセットシリンダ23、24は、同じ略水平面に沿って配置される。
【0068】
本発明の溶接機の第2の実施形態を
図7に示す。第1の実施形態について上述した説明は、この第2の実施形態にも適用される。後者は、
キャリッジ1に固定され、第1のビーム9及び第2のビーム8によって画定される第1の部品10の横方向外側に配置されたキャリッジ1の第2の部品11内に完全に支持され、場合によっては収容された第1の変圧器36と、
キャリッジ1に固定され、第2の部品11と反対の方法で、第1の部品10の横方向外側に配置されたキャリッジ1の第3の部品11’に支持され、場合によっては収容された第2の変圧器36’と、を設けるという点で第1の実施形態とは異なる。
【0069】
キャリッジ1の第1の部品10は、送り方向Xに平行なキャリッジ1の第1のビーム9及び第2のビーム8によって画定される。
【0070】
キャリッジ1の第2の部品11は、上記第2のビーム8と、好ましくは第2のビーム8に平行なキャリッジ1の第3のビーム7とによって画定される。
【0071】
キャリッジ1の第3の部品11’は、上記第1のビーム9と、好ましくは第1のビーム9に平行な第4のビーム7’とによって画定される。
【0072】
第4のビーム7’と第3のビーム7は、キャリッジ1の周辺ビームであり、第1のビーム9と第2のビーム8は、キャリッジの中間ビームである。
【0073】
ビーム7’、9、8、7に対して横方向であり、好ましくは垂直である少なくとも2つの更なる周辺ビームが設けられて、ビーム7’及び7と共にキャリッジ1の周囲を規定する。
【0074】
この第2の実施形態では、上部導体37と下部導体39は、第1の変圧器36から出て、構造体2と構造体5の上部クランプ3と上部クランプ6にそれぞれ到達し、上部導体40と下部導体38は、第2の変圧器36’から出て、構造体2と構造体5の下部クランプ4と下部クランプ7にそれぞれ到達する。この場合にも、電流のパターンは、2つの回路がそれぞれ上部クランプ3と上部クランプ6との間、下部クランプ4と下部クランプ7との間で閉じるものである。
【0075】
本発明の溶接機の第3の実施形態(図示せず)は、
水平面に対して、鋭角、好ましくは30°~70°、例えば45°で傾斜した縦軸Zを規定する第1の構造体2と、
縦軸Zに対して斜めであり、前述の水平面に対して、鈍角、好ましくは120°~160°、例えば135°で傾斜した縦軸Z’を規定する第2の構造体5と、を設けるという点で前述の第2の実施形態とは異なる。
【0076】
第2の構造体5は、第1の構造体2と実質的に平行に配置され、溶接される製品の送り方向Xに沿って第1の構造体2から離間される。
【国際調査報告】