(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】胆道診断デバイスを備えた医療デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20230314BHJP
A61B 1/018 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
A61B1/00 550
A61B1/018 514
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545939
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 US2020065897
(87)【国際公開番号】W WO2021154419
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バチェラー ケスター ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】マグノ ジョーイ
(72)【発明者】
【氏名】マーデシュワー ニキル エム
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA06
4C161BB04
4C161CC06
4C161DD03
4C161GG15
4C161HH24
4C161LL02
(57)【要約】
胆道診断デバイスは、外壁及び内部管腔を含む管状体と、管状体に接する生体物質を分析するための胆道診断センサとを含む。内視鏡を胆管に誘導する方法は、内視鏡を十二指腸に挿入することと、センサを生体物質と係合させることと、センサを用いて生体物質を電気的に分析して電気的パラメータを識別することと、電気的パラメータから生体物質中の肝臓の胆汁を識別することと、内視鏡を胆汁の存在に基づき十二指腸を介して誘導することと、を含む。生体物質を特定する方法は、医療デバイスのセンサを胆管内の生体物質と係合させることと、センサを用いて生体物質を電気的に分析して電気的パラメータを識別することと、電気的パラメータから、肝臓、膵臓又は胆嚢からの生体物質を特定することと、生体物質の指標を医療デバイスのユーザに出力することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状体であって、
外壁、及び
内部管腔、を含む管状体と、
医療デバイスに結合された第1の胆道診断センサであって、前記管状体と接触する生体物質を分析するように構成された第1の電極を含む第1の胆道診断センサと、
を備える、胆道診断デバイス。
【請求項2】
前記第1の電極は前記生体物質の電気的特性を決定するように構成される、請求項1に記載の胆道診断デバイス。
【請求項3】
前記第1の胆道診断センサは、
前記第1の電極から延びるリード線と、
前記リード線に接続された電源と、
を更に含む、請求項2に記載の胆道診断デバイス。
【請求項4】
前記電気的特性の指標のオーディオ出力及び視覚出力のうちの少なくとも1つを提供するように構成された出力デバイスを更に備える、請求項2及び3のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項5】
前記電気的特性は導電率、インピーダンス、抵抗及び位相角のうちの少なくとも1つを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項6】
肝臓の胆汁の電気的特性のデータベースをその中に保存したメモリを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項7】
前記第1の胆道診断センサが結合されている医療デバイスのタイプ及び前記第1の胆道診断センサの較正に関連する情報を含有する、前記胆道診断デバイスに結合された識別チップを更に備える、請求項2~6のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項8】
前記第1の電極は前記内部管腔を外接するリングを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項9】
前記第1の電極は前記管状体に取り付け可能な部分的リングを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項10】
前記第1の電極は前記管状体に取り付けられたパッドを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項11】
前記第1の胆道診断センサは前記第1の電極から離隔された第2の電極を更に含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項12】
前記第2の電極は前記内部管腔を通って延在するガイドワイヤを含む、請求項11に記載の胆道診断デバイス。
【請求項13】
第2の胆道診断センサを更に備える、請求項2~12のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項14】
前記第2の胆道診断センサは前記管状体に沿って前記第1の胆道診断センサに電気的に結合されて離隔された一対の電極を含む、請求項12に記載の胆道診断デバイス。
【請求項15】
前記第1の胆道診断センサは複数の電極を含む、請求項2~14のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項16】
前記管状体はステントを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項17】
前記管状体は内視鏡を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項18】
前記内視鏡はエレベータを含む、請求項17に記載の胆道診断デバイス。
【請求項19】
前記内視鏡は胆管鏡を含む、請求項17及び18のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項20】
前記内視鏡は撮像ユニット、照明ユニット、及び治療又は診断デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項21】
内視鏡を十二指腸から総胆管に誘導する方法であって、
前記内視鏡を前記十二指腸に挿入することと、
前記内視鏡のセンサを前記十二指腸の生体物質と係合させることと、
前記センサを用いて前記生体物質を電気的に分析して電気的パラメータを識別することと、
前記電気的パラメータから前記生体物質中の肝臓の胆汁を識別することと、
前記内視鏡を、前記肝臓の胆汁の存在に基づき前記十二指腸を介して誘導することと、
を含む方法。
【請求項22】
前記内視鏡の前記センサを前記生体物質に係合させることは、前記センサの電極を前記生体物質に係合させることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記電気的パラメータは導電率、インピーダンス、抵抗、及び位相角の少なくとも1つを含む、請求項21及び22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記生体物質中の肝臓の胆汁を識別することは、ベースラインの電気的パラメータを前記感知された電気的パラメータと比較することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記内視鏡を、前記肝臓の胆汁の存在に基づいて前記十二指腸を介して誘導することは、前記内視鏡の遠位端部をより高濃度の肝臓の胆汁に向けて誘導することを含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記内視鏡の前記遠位端部を前記肝臓の胆汁に向けて誘導することは、前記十二指腸のオッディ括約筋を識別することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記センサを用いて前記十二指腸を電気的に分析することによって前記センサを較正し、前記オッディ括約筋から前記電気的パラメータを識別することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記内視鏡の前記遠位先端部を前記肝臓の胆汁に向けて誘導することは、主膵管と前記総胆管との交差点を特定することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記電気的パラメータの指標を前記内視鏡のオペレータに出力すること更に含む、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記総胆管に形成された結石を前記電気的パラメータに基づいて分析することを更に含む、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記胆道診断デバイスを用いて組織を焼灼することを更に含む、請求項21~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
胆管内の生体物質の組成を特定する方法であって、
医療デバイスのセンサを前記胆管内の生体物質と係合させることと、
前記センサを用いて前記生体物質を電気的に分析して電気的パラメータを識別することと、
前記電気的パラメータから、肝臓、膵臓及び胆嚢の少なくとも1つからの生体物質を特定することと、
前記生体物質の指標を前記医療デバイスのユーザに出力することと、
を含む方法。
【請求項33】
前記医療デバイスの前記センサを前記生体物質と係合させることは、前記センサの電極を前記生体物質と係合させることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記電気的パラメータは、導電率、インピーダンス、抵抗、及び位相角の少なくとも1つを含む、請求項32及び33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記生体物質を特定することは、ベースラインの電気的パラメータを前記感知された電気的パラメータと比較することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記生体物質を特定することは、前記生体物質を含む流体の濃度を決定することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記流体は肝臓の胆汁を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
結石形成につながる病状を診断することを更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記生体物質を特定することは、前記生体物質を含む結石構造を決定することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記結石構造は胆石と腎臓結石の少なくとも1つを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記医療デバイスのユーザに前記生体物質の指標を出力することは、前記電気的パラメータの大きさの視覚的又はオーディオ指標を出力することを含む、請求項32~40のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年6月10日に、「Medical Devices with Biliary Diagnostic Devices」と題して出願された米国仮特許出願第63/037,098号の優先権を主張するものであり、更に、2020年1月28日に、「Endoscope with a Biliary Diagnostic Device」と題して出願された米国仮特許出願第62/966,710号の優先権を主張するものであり、それらのすべての内容は参照によって本願に援用される。
【0002】
本開示は、一般に、患者の解剖学的構造の切開又は開口部に挿入されて、診断又は治療動作を提供するように構成された細長い本体を含む医療デバイスに関する。
【0003】
特に、本開示は、様々な解剖学的部分を撮像するための、及び/又は解剖学的部分への治療デバイスの通過を提供するための内視鏡に関し、解剖学的部分には胃腸管(例えば、食道、胃、十二指腸、膵胆管、腸、結腸など)、腎臓領域(例えば、腎臓(複数可)、尿管、膀胱、尿道)及び他の器官(例えば、生殖器系、 副鼻腔、粘膜下領域、呼吸管)などが含まれる。本出願は更に、胃腸管の治療及び処置で使用され得るステント及び他の医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
従来の内視鏡は、様々な臨床処置に関与され得て、例えば、1つ以上の病態を照明、撮像、検出、及び診断すること、流体送達(例えば、流体チャネルを介した生理食塩水又は他の調製物)を解剖学的領域に向けて提供すること、解剖学的領域をサンプリング又は治療するための1つ以上の治療デバイスの通路を(例えば、作業チャネルを介して)提供すること、及び流体(例えば、生理食塩水又は他の調製物)などを収集するための吸引通路を提供することを含む。
【0005】
従来の内視鏡検査では、内視鏡の遠位部分は、治療デバイスを、例えばエレベータを使用して、支えて方向付けるように構成され得る。いくつかのシステムでは、2つの内視鏡は一緒に作業するように構成され得て、第1の内視鏡が、エレベータの助けを用いてその中に挿入された第2の内視鏡を誘導する。このようなシステムは、小径の内視鏡を、到達し難い体内の解剖学的位置に誘導するのに役立ち得る。例えば、一部の解剖学的位置は、迂回経路を通して挿入した後の内視鏡でのみアクセスされ得る。更に、一部の解剖学的位置の組織は敏感であり得る。そのため、内視鏡を、意図しない解剖学的位置に誘導することが望ましくない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、従来の医療デバイス、特に内視鏡及び十二指腸鏡で解決されるべき問題には、とりわけ、1)内視鏡を到達し難い解剖学的位置にナビゲートすることの困難さ、2)内視鏡を誤った位置にナビゲートすることによる時間と関連コストの増加、及び、3)敏感な組織に内視鏡で衝撃を与えることによる潜在的な組織損傷のリスクを含むことを認識している。このような問題は、十二指腸鏡検査処置(例えば、内視鏡的逆行性胆道膵管造影、以下「ERCP」処置)において特に存在する場合があり、それは補助スコープ(ドータースコープ又は胆管鏡とも呼ばれる)が取り付けられて、「メインスコープ」(マザースコープ又は十二指腸鏡とも呼ばれる)の作業チャネルを介して前進され得る。本開示は、これら及び他の問題に対する解決策の提供を、生体物質、例えば、生体体液及び固体を感知するためのシステム、デバイス、及び方法を提供することによって補助し得て、それらを用いて病状を診断し、所望の解剖学的領域への医療デバイスの挿入を誘導し得る。特に、本出願は、胆道診断デバイスに関し、それは生体体液、例えば肝臓の胆汁を評価して、内視鏡を医学的介入が望まれる解剖学的特徴に向けて誘導し得る。例えば、肝臓の胆汁の存在は、内視鏡を総胆管に向けて、そして十二指腸内から主膵管と離れて誘導することを容易にし得る。
【0007】
本発明者らはまた、従来の医療処置、特に十二指腸鏡検査処置において解決されるべき問題は、とりわけ、複雑な解剖学的構造のナビゲーションを容易にするためにX線透視法を利用するという潜在的な要望を含むことを認識している。X線透視法の使用を回避して、外科医と患者の放射線被曝を最小限に抑えることが望ましい場合がある。本開示は、これら及び他の問題の解決策の提供を、胆道診断デバイスの形で非X線透視法ナビゲーション支援を利用するシステム、デバイス、及び方法を提供することによって補助し得て、それらを用いて、解剖学的物質の生物学的又は化学的分析を実行して組成誘導ナビゲーションを提供し得る。
【0008】
本発明者らは更に、胃腸系における結石、例えば胆石の形成の従来の治療で解決されるべき問題は、患者体内での結石形成につながる可能性のある生体状態を診断することが困難な場合がある、ということであると認識している。例えば、多くの場合、結石自体の形成は病状の最初の兆候を提供する。更に、結石を除去する処置が、結石の破壊を生じる場合がある。そのため、結石形成につながる患者の特定の状態を診断することは困難な場合がある。本開示は、これら及び他の問題の解決策の提供を、胆道診断デバイスを利用して胃腸結石の組成を分析し、それによって結石形成につながる生体状態を特定するのを助け、それによって、食習慣又は医薬品の変更などの治療計画の基礎を提供して、問題の将来再発のリスクを減らすシステム、デバイス、及び方法を提供することによって補助し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一例では、胆道診断デバイスは、外壁及び内部管腔を含む管状体と、管状体に接する生体物質を分析するように構成された医療デバイスに結合された第1の胆道診断センサとを含み得る。
【0010】
別の例では、内視鏡を十二指腸から総胆管に誘導する方法は、内視鏡を十二指腸に挿入することと、内視鏡のセンサを十二指腸の生体物質と係合させることと、センサを用いて生体物質を電気的に分析して電気的パラメータを識別することと、電気的パラメータから生体物質中の肝臓の胆汁を識別することと、内視鏡を肝臓の胆汁の存在に基づき十二指腸を介して誘導することと、を含み得る。
【0011】
更なる例では、胆管内の生体物質の組成を特定する方法は、医療デバイスのセンサを胆管内の生体物質と係合することと、センサを用いて生体物質を電気的に分析して電気的パラメータを識別することと、電気的パラメータから、生体物質中の肝臓、膵臓及び胆嚢の少なくとも1つからの生体物質を特定することと、生体物質の指標を医療デバイスのユーザに出力することと、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】撮像及び制御システムと、十二指腸鏡などの内視鏡とを含む内視鏡検査システムの概略図である。
【
図2】撮像及び制御システムの制御ユニットに接続された内視鏡を含む、
図1の内視鏡検査システムの概略図である。
【
図3A】側視内視鏡用の光学部品とエレベータ機構とを含むカメラモジュールを含む、
図2の内視鏡の遠位部分の概略上面図である。
【
図3B】光学部品を示す
図3Aの平面3B-3Bに沿って取られた拡大断面図である。
【
図3C】エレベータ機構を示す
図3Aの平面3C-3Cに沿って取られた拡大断面図である。
【
図4】互いに取り外し可能であるように構成されたカメラモジュールと、挿入セクションモジュールと、ナビゲーション及び制御モジュールとを含む、
図1~
図3Cの内視鏡として使用するのに適したモジュール式内視鏡の概略図である。
【
図5】十二指腸に配置された本開示による胆道診断デバイスを含む内視鏡の遠位部分の概略図である。
【
図6A】正極として機能するように構成された単一の電極リングを含む、本開示の胆道診断デバイスの第1の例の斜視図である。
【
図6B】電極形状の第1の例を示す
図6Aの平面6B-6Bに沿って取られた概略断面図である。
【
図6C】電極形状の第2の例を示す
図6Aの平面6B-6Bに沿って取られた概略断面図である。
【
図7】負極として機能するように構成された単一の電極リングと、正極として機能するように構成されたガイドワイヤとを含む、本開示の胆道診断デバイスの第2の例の斜視図である。
【
図8】正極及び負極として機能するように構成された一対の電極リングを含む、本開示の胆道診断デバイスの第3の例の斜視図である。
【
図9】別個又は複合された胆道診断センサとして構成可能な複数の電極リングを含む、本開示の胆道診断デバイスの第4の例の斜視図である。
【
図10】正極又は負極として機能するように構成された単一の電極パッドを含む、本開示の胆道診断デバイスの第5の例の斜視図である。
【
図11】本明細書に開示される胆道診断デバイスと共に使用するのに適した出力デバイスの概略図である。
【
図12A】本開示の胆道診断デバイスを組み込んだステントの斜視図である。
【
図12B】胆道診断デバイスの電極を示す平面12B-12Bで取られた
図12Aのステントの断面図である。
【
図13】経路感知のための単一段階インピーダンス分析を含む、本開示の胆道診断デバイスを使用して化学的分析を実行するための第1の方法を示すブロック図である。
【
図14】経路及び結石感知のための二段階インピーダンス分析を含む、本開示の胆道診断デバイスを使用して化学的分析を実行するための第2の方法を示すブロック図である。
【
図15】経路及び結石感知のための二段階インピーダンス及び位相角分析を含む、本開示の胆道診断デバイスを使用して化学的分析を実行するための第3の方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、撮像及び制御システム12と内視鏡14を含む内視鏡検査システム10の概略図である。
図1のシステムは、ナビゲーション支援及び化学組成の分析に使用され得る胆道診断デバイスなど、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法と共に使用するのに適した内視鏡検査システムの例示的な例である。いくつかの例によると、内視鏡14は、解剖学的領域に挿入可能であり得て、解剖学的領域に関連する病態を撮像し、及び/又は生検用の1つ以上のサンプリングデバイス、若しくは治療用の1つ以上の治療デバイスの通過を提供する。内視鏡14は、有利な態様では、撮像及び制御システム12とインタフェースし、接続し得る。図示の例では、内視鏡14は十二指腸鏡を含むが、他のタイプの内視鏡は本開示の特徴及び教示と共に使用され得る。
【0014】
撮像及び制御システム12は、コントローラ16、出力ユニット18、入力ユニット20、光源22、流体源24、及び吸引ポンプ26を含み得る。
【0015】
撮像及び制御システム12は、内視鏡検査システム10と結合するための様々なポートを含み得る。例えば、コントローラ16は、内視鏡14からデータを受信し、内視鏡14にデータを通信するためのデータ入力/出力ポートを含み得る。光源22は、光を内視鏡14に、例えば光ファイバリンクを介して透過するための出力ポートを含み得る。流体源24は、流体を内視鏡14に移すためのポートを含み得る。流体源24は、ポンプ及び流体のタンクを含むことができ、又は外部タンク、容器若しくは貯蔵ユニットに接続され得る。吸引ポンプ26は、内視鏡14から真空を引き出すのに使用されるポートを含み、吸引を生成して、例えば内視鏡14が挿入される解剖学的領域から流体を抜去し得る。出力ユニット18及び入力ユニット20は、内視鏡検査システム10のオペレータによって使用されて、内視鏡検査システム10の機能を制御し、内視鏡14の出力を観察し得る。コントローラ16は更に、信号又は他の出力を、内視鏡14が挿入される解剖学的領域を治療することから生成するのに使用され得る。例では、コントローラ16は、電気出力、音響出力、流体出力などを生成して、解剖学的領域を焼灼、切断、凍結などを用いて治療し得る。
【0016】
内視鏡14は、挿入セクション28、機能セクション30、及び持ち手セクション32を含み得て、ケーブルセクション34及びカプラセクション36に結合され得る。
【0017】
挿入セクション28は、持ち手セクション32から遠位方向に延在でき、ケーブルセクション34は、持ち手セクション32から近位方向に延在できる。挿入セクション28は細長くすることができ、屈曲セクションと、機能セクション30が取り付けられ得る遠位端部とを含み得る。屈曲セクションは、遠位端部を蛇行する解剖学的通路(例えば、胃、十二指腸、腎臓、尿管など)に通して操作するように(例えば、持ち手セクション32の制御ノブ38によって)制御可能であり得る。挿入セクション28はまた、1つ以上の作業チャネル(例えば、内部管腔)を含み得て、それは細長くすることができ、機能セクション30の1つ以上の治療ツールの挿入をサポートし得る。作業チャネルは、持ち手セクション32と機能セクション30との間に延在できる。追加の機能、例えば流体通路、ガイドワイヤ、及びプルワイヤもまた、挿入セクション28によって(例えば、吸引又は灌注通路などを介して)提供され得る。
【0018】
持ち手セクション32は、ノブ38とポート40を含み得る。ノブ38は、挿入セクション28を通って延びるプルワイヤに結合され得る。ポート40は、様々な電気ケーブル、流体チューブなどを、挿入セクション28と結合するために持ち手セクション32に結合するように構成され得る。
【0019】
撮像及び制御システム12は、例によると、光源22、吸引ポンプ26、画像処理ユニット42などを収容するための棚を備えた移動プラットフォーム(例えば、カート41)上に配設され得る。代替的に、
図1及び
図2に示される撮像及び制御システム12のいくつかの構成要素は、内視鏡14上に直接配設されて、内視鏡を「自己完結型」にし得る。
【0020】
機能セクション30は、患者の解剖学的構造を治療及び診断するための構成要素を含み得る。機能セクション30は、
図3A~
図3Cを参照して更に説明されるように、撮像デバイス、照明デバイス、及びエレベータを含み得る。機能セクション30は、本明細書に記載されるような胆道診断デバイスを更に含み得る。例えば、機能セクション30は、持ち手セクション32に導電的に接続され、かつ撮像及び制御システム12に機能的に接続された1つ以上の電極を含み、電極と接触する生体物質を、撮像及び制御システム12に保存された比較生体データに基づき分析し得る。
【0021】
図2は、撮像及び制御システム12と内視鏡14を含む、
図1の内視鏡検査システム10の概略図である。
図2は、内視鏡14に結合された撮像及び制御システム12の構成要素を概略的に示しており、内視鏡14は、図示の例では十二指腸鏡を含む。撮像及び制御システム12は、コントローラ16を含み得て、コントローラ16は、画像処理ユニット42、処置ジェネレータ44及び駆動ユニット46、ならびに光源22、入力ユニット20及び出力ユニット18を含むか、又はそれらに結合され得る。以下でより詳細に論じられるように、コントローラ16は、胆道診断デバイス132を含むことができ、又はそれと通信でき、胆道診断デバイス132は機能セクション30又は挿入セクション28に配置された電極を含み得る。
【0022】
画像処理ユニット42及び光源22は、それぞれ内視鏡14と(例えば、機能ユニット30で)、有線又は無線の電気的接続によってインタフェースし得る。したがって、撮像及び制御システム12は、解剖学的領域を照明し、解剖学的領域を表す信号を収集し、解剖学的領域を表す信号を処理し、解剖学的領域を表す画像を表示ユニット18に表示し得る。撮像及び制御システム12は、光源22を含み、所望のスペクトルの光(例えば、広帯域白色光、好ましい電磁波長を使用する狭帯域撮像など)を使用して解剖学的領域を照明し得る。撮像及び制御システム12は、信号伝送(例えば、光源からの光出力、遠位端部の撮像システムからのビデオ信号、胆道診断デバイスからの診断及びセンサ信号)のために内視鏡14に(例えば、内視鏡コネクタを介して)接続し得る。
【0023】
流体源24は、空気、生理食塩水、又は他の流体の1つ以上の供給源と、関連する流体経路(例えば、空気チャネル、灌注チャネル、吸引チャネル)及びコネクタ(逆棘フィッティング、流体シール、弁など)を含み得る。撮像及び制御システム12はまた、駆動ユニット46を含み得て、それはオプションの構成要素であり得る。駆動ユニット46は、内視鏡14の遠位セクションを前進させるための電動ドライブを含み得て、少なくともPCT公開第WO2011/140118A1号に、Frassicaらによる「Rotate-to-Advance Catheterization System」と題して記載され、この参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0024】
図3A~
図3Cは、
図2の内視鏡14の機能セクション30の第1の例を示す。
図3Aは、機能セクション30の上面図を示し、
図3Bは、
図3Aの断面3B-3Bに沿って取られた機能断面30の断面図を示す。
図3A及び
図3Bはそれぞれ、「側視内視鏡」(例えば、十二指腸鏡)カメラモジュール50を示す。側視内視鏡カメラモジュール50では、照明及び撮像システムは、内視鏡14の中心長手方向軸A1の横方向の標的解剖学的構造に撮像システムの視野角が対応するように配置される。
【0025】
図3A及び
図3Bの例では、側視内視鏡カメラモジュール50は、ハウジング52、エレベータ54、流体出口56、照明レンズ58及び対物レンズ60を含み得る。ハウジング52は、挿入セクション28と流体密封結合を形成し得る。ハウジング52は、エレベータ54用の開口部を含み得る。エレベータ54は、挿入セクション28を通して挿入されたデバイスを動かすための機構を含むことができる。特に、エレベータ54は、軸A1に沿って挿入セクション28を通って延びる細長いデバイスを曲げることができるデバイスを含み得て、それは
図3Cを参照してより詳細に論じられる。エレベータ54を使用して、細長いデバイスを軸A1に対してある角度で曲げ、それにより、側視内視鏡カメラモジュール50に隣接する解剖学的領域を治療し得る。エレベータ54は、例えば、軸A1の半径方向外側に、照明レンズ58と対物レンズ60に沿って配置される。
【0026】
図3Bに見られるように、挿入セクション28は、中央管腔62を含み得て、そこを通って様々な構成要素(例えば、胆道診断デバイス132の電極リード162及び166(
図5))を延ばして機能セクション30を持ち手セクション32(
図2)に接続できる。例えば、照明レンズ58は、光伝送器64に接続され得て、光伝送器64は光源22(
図1)に延びる光ファイバケーブル又はケーブル束を含み得る。同様に、対物レンズ60は、プリズム66及び撮像ユニット67に結合することができ、撮像ユニット67は、配線68に結合され得る。また、流体出口56は、流体ライン69に結合され得て、流体ライン69は流体源24(
図1)に延びるチューブを含み得る。他の細長い要素、例えば、チューブ、ワイヤ、ケーブルは、管腔62を通って延び、機能セクション30を、内視鏡検査システム10の構成要素、例えば吸引ポンプ26(
図1)及び処置ジェネレータ44(
図2)と接続し得る。
【0027】
図3Cは、エレベータ54を示す
図3Aの断面3C-3Cに沿って取られた概略断面図である。エレベータ54は、ハウジング52の空間53に配置され得るデフレクタ55を含むことができる。デフレクタ55は、ワイヤ57に接続することができ、ワイヤ57は、チューブ59を通って延在して持ち手セクション32に接続し得る。ワイヤ57は、ノブを回転させること、レバーを引くこと、又は持ち手セクション32のボタンを押すことなどによって作動され得る。ワイヤ57の動きは、例えば、時計回りに、ピン61を中心にデフレクタ55の第1の位置から、55’によって示されるデフレクタ55の第2の位置への回転を引き起こし得る。デフレクタ55は、ワイヤ57によって作動されて、ハウジング52の窓部65を通って延びる器具63の遠位部分を動かし得る。
【0028】
ハウジング52は、デフレクタ55を収容する収容スペース53を含み得る。器具63は、管腔62を通って延びる鉗子、カテーテルなどを含むことができる。デフレクタ55の近位端部は、硬質先端21に設けられたピン61でハウジング62に取り付けられ得る。デフレクタ55の遠位端部は、デフレクタ55が下降状態又は非作動状態にあるときに、ハウジング62内の窓部65の下に配置され得る。デフレクタ55の遠位端部は、デフレクタ55がワイヤ57によって持ち上げられるか、又は作動されるときに、少なくとも部分的に窓部65から延びることができる。器具63は、デフレクタ55の角度付き傾斜面51上をスライドして、器具63の遠位端部を窓部65に向かって初めのうちは偏向させ得る。角度付き傾斜面51は、窓部65から延びる器具63の遠位部分の拡張を、管腔62の軸に対して第1の角度で促し得る。角度付き傾斜面51は、溝69、例えばv型ノッチを含み、器具63を受け取り、誘導し得る。デフレクタ55は、管腔62の軸に対して第2の角度で器具63を曲げるように作動され得て、第2の角度は第1の角度よりも垂直に近い。ワイヤ57が解放されると、デフレクタ55は、ワイヤ57を押すか又は緩めるかのいずれかによって、例えば反時計回りに回転させて、下降位置に戻すことができる。例では、器具63は、胆管鏡又は補助スコープ134(
図5)を含み得る。
【0029】
図3A~
図3Cの側視内視鏡カメラモジュール50は、画像信号の収集のために光学部品(例えば、対物レンズ60、プリズム66、撮像ユニット67、配線68)、光の透過又は生成のための照明部品(例えば、照明レンズ58、光伝送器64)を含み得る。内視鏡カメラモジュール50はまた、感光性素子、例えば電荷結合デバイス(「CCD」センサ)又は相補型金属酸化物半導体(「CMOS」)センサを含み得る。いずれの例でも、撮像ユニット67を(例えば、有線又は無線接続を介して)画像処理ユニット42(
図2)に結合して、画像を表す感光性素子(例えば、ビデオ信号)から画像処理ユニット42に信号を送信し、次に、出力ユニット18などのディスプレイに表示させ得る。様々な例では、撮像及び制御システム12と画像処理ユニット67は、内視鏡検査処置に適した所望の解像度(例えば、少なくとも480p、少なくとも720p、少なくとも1080p、少なくとも4K UHDなど)で出力を提供するように構成され得る。
【0030】
カスタマイズ、組み立て、分解、洗浄及び滅菌を容易にするために、内視鏡14は、
図4を参照して説明されるように、モジュール式構成要素を用いて構成され得る。
【0031】
図4は、内視鏡14として、また
図3A~
図3Cの内視鏡カメラモジュール50と共に使用するのに適したモジュール式内視鏡100の概略図である。モジュール式内視鏡100は、モジュール式の取り外し可能機能モジュール102と、挿入セクションモジュール104と、ナビゲーション及び制御モジュール106とを含み得る。モジュール102、104、及び106は、カスタマイズ可能な機能及び構成要素を含む構成要素を含み得る。したがって、モジュール式内視鏡100は、特定の患者に対して特定の処置を実行するようにカスタムビルドされ得る。個々のモジュール式構成要素は、再利用可能又は使い捨て構成要素として構成され得る。したがって、安価又は洗浄が困難な構成要素を廃棄し得て、高価又は洗浄が容易な構成要素を適切な洗浄及び滅菌後に再利用し得る。
【0032】
機能モジュール102は、機能セクション30、カメラモジュール50、又は他のタイプのモジュールを含み得る。機能モジュール30は、撮像デバイス、治療デバイス、補助治療デバイス、及び胆道診断デバイスと、本明細書に記載される別のデバイスとの一方又は両方を含み得る。
【0033】
例では、機能モジュール102は、2020年5月14日に、「Endoscope with a Low-Profile Distal Section」と題して出願された米国仮特許出願第63/024,674号に記載された内視鏡のカメラモジュールを含むことができ、その内容全体が 参照により本明細書に援用される。
【0034】
ナビゲーション及び制御モジュール106は、
図1及び
図2の持ち手セクション32、ケーブルセクション34、及びカプラセクション36を含み得る。
【0035】
例では、ナビゲーション及び制御モジュール106は、2019年12月20日に「Modular Endoscope with Detachable and Selectively Disposable Components」と題して出願された米国仮特許出願第62/951,157号に記載された内視鏡のナビゲーション及び制御モジュールを含むことができ、その内容全体は、参照により本明細書に援用される。
【0036】
挿入セクションモジュール104は、管状要素、シース、又はシャフトを含むことができ、その上に、及びその中に、機能モジュール102が患者の解剖学的構造に挿入するために取り付けられ得る。
【0037】
例では、挿入セクションモジュール104は、挿入セクション28を含み得て、挿入セクション28は、2020年4月30日に「Insertion Sheath for Modular Endoscope with Detachable and Selectively Disposable Components」と題して出願された米国仮特許出願第63/017,901号のシース及びシャフト構成要素の1つ以上を含むように構成され得て、その内容全体は、参照により本明細書に援用される。
【0038】
前述のように、内視鏡14の構成要素は、
図4のモジュール式内視鏡100によって示されるようにモジュール式であり得て、その結果、それらは、オペレータによって、最初に患者に使用するためのデバイスを構成するように取り付けられて得て、患者に使用した後にオペレータによって取り外され得る。別の例では、モジュール式構成要素は、製造業者又はデコミッショニングサービスによって組み立て及び分解され得て、オペレータの操作はない。一例では、
図4は、
図2の内視鏡14を示し、ここで、その構成要素は、分離された状態で示される。
図4は、3つのモジュール式構成要素(機能モジュール102 [機能セクション30])、ナビゲーション及び制御モジュール106 [持ち手セクション32]、挿入セクションモジュール104 [挿入セクション28])から構築される内視鏡14を示しているが、追加の又はより少ない構成要素が、オペレータによって構築又は設計された内視鏡14の構成で実行される外科処置に依存して、企図される。機能モジュール102と、ナビゲーション及び制御モジュール106と、挿入セクションモジュール104のそれぞれは、互いに取り外し可能であり得る。更に、モジュール102、104、及び106のそれぞれは、1回の臨床使用後に廃棄され得る。代替的に、モジュール102、104、及び106のそれぞれは、数回の臨床使用を可能にする材料を用いて構築され得る。そのような場合、モジュール102、104及び106は、各臨床使用後の滅菌に耐えるように構築され得る。
【0039】
特定の有利な態様では、
図2の内視鏡14のモジュール式構造と、
図4のモジュール式内視鏡100は、本明細書で論じられるように、使い捨て及び再利用可能なモジュールの混合及びマッチングを可能にし、その結果、高価及び/又は洗浄が容易なモジュールなどの一部のモジュールを再利用でき、単純及び/又は洗浄が困難なモジュールなどの一部のモジュールを使い捨てにすることができる。例えば、特定のモジュールは、臨床使用後に、後続の臨床使用のための滅菌、再処理、及び再利用のため内視鏡から取り外され得て、残りのモジュールは廃棄され得る。例えば、十二指腸鏡の一部分(例えば、エレベータ部分)の不適切な再処理に関する懸念がある。その結果、1回の臨床使用後に廃棄され得る使い捨て内視鏡が、(使用の間の感染を防ぐために)開発されてきた。しかしながら、現在利用可能な使い捨て内視鏡は、内視鏡全体が廃棄されるものであり、より低コストの材料を使用して構築されて、より低価格の内視鏡をもたらし、臨床使用毎の競争力を維持している。多くの臨床例では、低コストの材料は不十分な臨床性能につながる場合がある(例えば、低品質の画像、不適切な操作性、挿入中の挿入セクションモジュールの損傷、内視鏡持ち手の不十分な人間工学的性能など)。そのため、劣った構成要素により、開業医がそのようなデバイスの使用を避ける場合がある。
【0040】
したがって、
図2及び
図4のモジュール式内視鏡14及び100、ならびに本明細書に記載又は組み込まれる他のものは、エンドユーザ(例えば、医療提供者及び施設)が、内視鏡14の特定のモジュールを再利用のために回収し、同時に1回の臨床使用後に感染しやすい領域を処分できるように有利に構築される。更に、再利用を目的とした内視鏡の部分は、生体物質の蓄積を減らすように構築され得て(完全にカプセル化されるなど)、また追加的に、感染しやすい領域から流体的に隔離され得る。このような構成は、複数の臨床使用にわたって使用可能な高品質(高コスト)の再利用可能構成要素と、低コストの使い捨て部分との組み合わせの使用を促し、同時に、感染リスクを低減し、望ましい臨床性能を達成する。使い捨て構成要素は、特別仕様の処置にのみ必要な機能を含むように構築され得るのみでなく、材料と構造が1回の使用にのみ耐えるように構築され得て、どちらも使い捨て構成要素のコストを削減するのに役立つ。例えば、挿入シースは、1回の操作のみの応力に耐えるように構築され得て、複数の処置の繰り返し応力に耐えるために堅牢に構築される必要がない。
【0041】
例では、
図4の内視鏡100は、十二指腸鏡を含み得て、機能モジュール102は再利用可能カメラモジュールとして構成され得て、ナビゲーション及び制御モジュール106は再利用可能持ち手モジュールを含み得て、挿入セクションモジュール104は複数の管腔を有する使い捨てユニットを含み得る。したがって、カメラモジュールとナビゲーション及び制御モジュールはそれぞれ、コネクタを含み得て、カメラモジュールとナビゲーション及び制御モジュールのそれぞれを、患者に使用している間、挿入セクションモジュールに取り付けられた状態に維持し得る。各使用後に、カメラモジュールとナビゲーション及び制御モジュールとは分離され(例えば、コネクタ又は取り付け機構を使用して)、新しい挿入セクションモジュールを用いて後で使用するために再処理され得る。反対に、使用済みの挿入モジュールは、1回の使用後に廃棄され得る。
【0042】
更に、カメラモジュールとナビゲーション及び制御モジュールとのコネクタ、ならびにカメラモジュールとナビゲーション及び制御モジュールは、材料で構成され、生体物質の侵入を減らすように設計され得て、また必要に応じて流体密封に構築され得る。
【0043】
モジュール式内視鏡100は、「側視」構成(
図3A~
図3Cに示されるように)又は「端視(end-viewing)」構成のいずれかのために構成され得る。例では、モジュール式内視鏡100が側視デバイス(例えば、側視十二指腸鏡)として構成される場合、遠位モジュール式セクション(例えば、カメラモジュール)は、中央モジュール式セクション(例えば、挿入モジュール)の長手方向軸からオフセットされて、追加の構成要素(例えば、エレベータ機構など)を収容し得る。別の例では、モジュール式内視鏡100が端視デバイス(例えば、胃鏡、結腸内視鏡、胆管鏡など)として構成される場合、遠位モジュール式セクション(例えば、カメラモジュール)は、一般に、中央モジュール式セクション(例えば、挿入モジュール)の長手方向軸に沿って同軸に配置され得る。
【0044】
図5は、十二指腸Dに配置された本開示による内視鏡100の遠位部分の概略図である。十二指腸Dは、管壁120、オッディ括約筋122、総胆管124、及び主膵管126を含み得る。十二指腸Dは小腸の上部を含む。総胆管124は、胆嚢と肝臓(図示せず)から胆汁を運び、オッディ括約筋122を介して胆汁を十二指腸Dに排出する。主膵管126は、膵液を膵外分泌腺(図示せず)から総胆管124に運ぶ。
【0045】
内視鏡100は、挿入セクションモジュール104と機能モジュール102を含み得る。機能モジュール102は、エレベータ部分130を含み得る。内視鏡100は、胆道診断デバイス132と補助スコープ134を更に含むことができる。胆道診断デバイス132は、プロセッサ136、メモリ138、及び電源140を含み得る。以下に論じられるように、胆道診断デバイス132は、内視鏡100、例えば機能モジュール102、挿入セクションモジュール104上に、又は補助スコープ134に、例えば電極144を介して統合され得る。
【0046】
特定の十二指腸鏡検査処置(例えば、内視鏡的逆行性胆道膵管造影、以下「ERCP」処置)では、補助スコープ(ドータースコープ又は胆管鏡とも呼ばれる)、例えば、補助スコープ134が取り付けられて、内視鏡100などの「メインスコープ」(マザースコープ又は十二指腸鏡とも呼ばれる)の作業チャネル(例えば、挿入セクションモジュール104内)を通して前進され得る。以下でより詳細に説明するように、補助スコープ134はオッディ括約筋122に誘導され得る。そこから、補助スコープ134を操作する外科医は、補助スコープ134を胆嚢又は肝臓に向けてナビゲートして、様々な処置を実行できる。したがって、外科医は、補助スコープ134を、主膵管126の入口128を通過して、総胆管124の通路129の中にナビゲートし得る。胆道診断デバイス132は、胆嚢又は肝臓へのナビゲーション、及び主膵管126のバイパスを、総胆管124内の胆嚢又は肝臓に由来する生体物質を感知することによって容易にし得る。小型の補助内視鏡は、独自の機能デバイス、例えば、光源、付属品、及び生検チャンネルを治療処置のために有し得る。
【0047】
いくつかの例によると、内視鏡100は、胆石摘除術(例えば、胆嚢又は膵胆管の他の部分内に結石として蓄積する可能性がある胆石の除去)に適する場合がある。腹部の右側で肝臓下に位置する胆嚢は、例えば消化中に総胆管を介して胆汁を貯蔵及び放出し得る。胆汁の貯蔵中に、胆嚢は肝臓の胆汁を濃縮し得て(例えば、水分を引き出す)、胆汁溶液からの結晶が発達する場合が有り、それは凝集し、及び/又は多くの形状をとる可能性があり、砂状の粒子を形成することが挙げられる。これらの結晶の生成は、胆汁中に存在する3つの成分、例えばコレステロール、胆汁酸、及びリン脂質の可溶性に依存する。コレステロール、胆汁酸、及びリン脂質などの成分のバランスが変化し始めると、胆汁の1つ以上の要素が溶液から移動し、結晶を生成する可能性がある。
【0048】
いくつかの例では、結晶は凝集して粒子に成長でき、胆嚢内で発達し続ける可能性があり(例えば、排泄されない場合)、「砂利」及び「石」の段階を経て発達する場合がある。いくつかの態様によると、結晶のサイズは、粒子のサイズよりも小さくなる場合がある。更に、いくつかの態様では、結晶及び/又は粒子のサイズは、砂利のサイズよりも小さくなる場合がある。加えて、場合によっては、結晶のサイズが石のサイズよりも小さくなる場合がある。一例では、結晶のサイズは、粒子、砂利、及び石のサイズよりも小さくなり得る。別の例では、粒子のサイズは、砂利と石のサイズよりも小さい場合があり、更なる例では、砂利のサイズは、石のサイズよりも小さくなる場合がある。更に別の例では、 結晶、粒子、砂利、及び石のサイズは、関係性(D結晶<D粒子<D砂利<D石)に従い得て、ここで、「D」はサイズ(特徴的な寸法、例えば長さ、表面積、1つ以上の断面積など)を表す。
【0049】
いくつかの態様において、より大きな砂利又は石のサイズの成長物(growths)は、胆嚢内を移動する。それらが大きすぎて単一の胆嚢胆管を通過できない場合、成長物は胆嚢胆管の前を通過し、断続的な閉塞を作り出す。この閉塞は胆嚢が空になり得るのを妨げる可能性があり、これは胆嚢の炎症と刺激を生じる。場合によっては、胆嚢の感染につながることもあり、胆嚢が膿で満たされる場合がある。
【0050】
いくつかの場合によると、石又は砂利が胆管から離れて移動し、圧力が解放された場合であっても、胆嚢は局所的な瘢痕化が強く発生する経験によって影響を受け、次に結石が導管を通過する際の重症度が増す場合がある。そのような事象の一部は、胆石症(「胆嚢疾患」とも呼ばれる)につながる可能性がある。結石は胆管自体に捕らえられる場合がある。この遮断の位置によっては、結石がすべての肝胆汁分泌物の遮断を引き起こす可能性があり、更に悪いことに、結石がファーター膨大部に付着すると、膵臓液も遮られる可能性がある。これは、膵炎と胆石症を引き起こす場合があり、それは総胆管が、関連する流体を消化管に連通する方法として膵臓と肝臓/胆嚢の間で共有されるためである。
【0051】
結石形成に対処し、及び/又は同時に石灰化を除去するための1つの外科処置は、胆嚢摘出術と呼ばれ、これは、皮膚を通して侵襲的に実施され得て、腹腔鏡下で実施され得る場合がある(胆管内に刺激及び多数の結石などの関連する合併症がない限り、開腹処置が行われる可能性がある)。胆嚢摘出術の代替法は、自然開口部の入口を処置に使用し得るが、胆嚢を所定の位置に残す場合がある。この処置は、場合によっては、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)と呼ばれ得る。ERCPは、観察システム(例えば、
図3A~
図3Cに示される十二指腸鏡)を、口、食道、胃、及び/又は十二指腸を介して患者に導入される機能的能力(カメラに固有の、又はそれに関連して)と組み合わせ使用し、胆道系へのアクセスを、例えば、外科的アクセス切開を必要とせずに可能にし得る。
【0052】
図5を引き続き参照すると、胆道処置(ERCPなど)の間、胆嚢管及び総胆管は、カニューレ挿入による拡張から、管内の組織を切開して管内径を拡大するエネルギーデバイス(括約筋切開術など)まで様々な外科的手段によって拡大され得る。これにより、処置中の胆石の抽出及び排出が可能となり、将来の結石封入のリスクが軽減できる。
【0053】
図5を引き続き参照すると、総胆管は、肝臓、胆嚢、及び膵臓の間の共有管である。総胆管には多くの分岐がある場合があり、これは、例えば胆道処置(ERCPなど)の間に胆嚢への正しい管経路を特定しようとする開業医にとって困難をもたらす場合がある。
【0054】
臨床医は、患者の解剖学的構造に関する以前の知識(及び2つの管の間の予想される角度差)に依存するか、又は利用可能な技術若しくは組み合わせを使用して、総胆管を確実に識別する必要がある。外科医は、X線透視法を使用して膵管から胆管を識別し得る。しかし、処置の他の要素に必要でない場合、X線透視法は侵襲的処置技術である場合があり、特定のセットアップ状況及び関連する個人用保護機器を伴う場合がある。
【0055】
本開示のいくつかの実装は、正しい管の識別を(例えば、拡張前に)容易にするための代替方法を提供するのみでなく、どのタイプの結石形成が生じているかを予測することも目的とする。肝臓の分泌物を介して結石形成のタイプを理解することはまた、食習慣又は医薬品の変更が問題の将来再発のリスクを減らし得るかどうかについての外科医の洞察を提供し得る。
【0056】
本開示の態様により、
図6A~
図10を参照すると、胆道診断デバイス132は、胆汁と膵液との間の特性の違いを利用して提供される。いくつかの態様による胆道診断デバイス132は、例えば、胆道(例えば、ERCP)処置の前、最中、又は後に、総胆管の近くの領域をナビゲート、カニューレ挿入、又は切断することを容易にし得る。肝臓によって作り出されて胆嚢に貯蔵され、胆管を介して連通される胆汁は、膵管(複数可)から胆管を確実に識別するために使用され得るものよりも独特の特性を有し得る。
【0057】
本開示の胆道診断デバイス、例えば胆道診断デバイス132及び胆道診断デバイス222(
図12B)は、いくつかの態様によると、胆汁の電気的特性に依存し得る。例えば、胆汁は、人体のいくつかの流体又は部分よりも高い導電性を有し得る。胆道診断デバイスは、1つ以上の実装において、電極144などの導電性を感知することができる構成要素を含み、膵管から胆管を確実に識別し得る。別の例では、胆道診断デバイスは、流体の位相角を決定し得る。
【0058】
図6A~
図10は、本開示の胆道診断デバイス132の様々な例を示し、それは内視鏡14又は内視鏡100の一部として提供され得る。例では、胆道診断デバイス132は、内視鏡100の遠位部分に配設され得る。いくつかの例では、胆道診断デバイス132は、十二指腸鏡及び/又は胆管鏡に配設され得る。更に別の態様では、胆道診断デバイス132は、胆道処置(例えば、ERCP処置又は他のタイプの胆道処置)の間に使用可能な1つ以上の内視鏡治療付属品(例えば、ガイドワイヤ、括約筋切開器、拡張バルーン、ガイドカテーテル、アクセスシース、胆管ステントなど)と連通して動作し、及び/又はそれらに取り付けられ得る。
図12A及び
図12Bに示されるように、例では、胆道診断デバイス222は、ステント220上に設けられ得る。
【0059】
一態様によると、胆道診断デバイス132は、
図6A~
図10に示されるように、1つ以上のセンサを含み得る。例では、センサは、補助スコープ134が挿入される解剖学的構造の部分に電気部品(例えば、電極)を含み得る。各センサは、正極と負極を含み得る。
図6Aに示されるように、電極144は正極として構成され得て、組織は負極として構成され得る。
図7に示されるように、電極144は負極として構成され得て、ガイドワイヤ154は正極として構成され得る。別の例では、
図8及び
図9に示されるように、複数の電極は1つ以上のセンサとして機能するように設けられ得る。正極及び負極は、導電性リング又はパッドを含み得て、電極間に電流を向けることができる電源140などのエネルギ源に接続され得る。センサは、例えば、互いに電気的に絶縁され得る。例えば、正極及び負極は、シャフト150に沿って配置された誘電体材料を使用して絶縁され得る。センサは、補助スコープ134などの内視鏡の表面(例えば、外面、内面、作業チャネルなど)に配置され得る。代替の例では、センサは、内視鏡治療器具の先端面に、又は先端面上、あるいはその周囲に配置され得る。
【0060】
いくつかの実装によると、例えば電源140からの電気信号は、2つの電極、例えば、電極144と解剖学的構造との間を通過し得る。更に、1つ以上の位置(例えば、デバイスの先端の間)での電気的特性及び/又はその変動(例えば、組織のインピーダンス、抵抗、又は位相角)は、センサによって検出されて胆汁の存在を識別し、更に内視鏡治療器具を誘導し、カニューレ挿入し、又は膵管からの胆管の識別を容易にし得る。胆道診断デバイスのいくつかの実装は、X線透視法が適切な管を特定するために関与する場合がある事例を減じ得る。
【0061】
胆汁は、膵液又は他の解剖学的特徴(例えば、組織など)とは異なる特性を有し得る。例えば、センサは、胆汁及び周囲の解剖学的構造(例えば、組織、膵管、膵液など)の1つ以上の電気的特性を検出し、デバイスの先端の1つ以上の電気的特性(例えば、抵抗、インピーダンス、位相角など)が利用される場合、胆管を周囲の領域(例えば、組織、膵管、膵液など)から境界付け、その後、胆汁の電気的特性(例えば、導電性)が検出され得ることは周知である。例えば、胆汁の導電性は、周囲の組織又は膵液の導電性よりも大きい場合がある。
【0062】
一例では、胆汁診断デバイス132は、電気的特性(例えば、抵抗、インピーダンス、位相角など)を胆汁の存在の指標として使用するように較正され得る。場合によっては、胆汁の近くの組織は、膵胆管領域の他のどの組織よりも導電性が高い可能性がある。
【0063】
例では、胆道診断デバイス132は、導電性を、例えば、任意選択で、電源142などからの低電力DC又は低電力RF出力のいずれかで使用できる。更にオプションの実装では、胆道診断デバイス132は、出力デバイス142などの1つ以上の出力デバイスと動作可能に通信し得て、それは例えば、統合ディスプレイを備えた内視鏡検査若しくは内視鏡治療システム、又は医師コンソール、タッチ入力デバイス、撮像及び制御システム12などを含み得る。特に、出力デバイス142は、撮像及び制御システム12の出力ユニット18を含み得る。出力デバイス142は、
図13~
図15に示されるように、能動的に、例えば、連続的に、膵胆管処置中のいくつかの事例で、ユーザに、遭遇する組織が導電率を増加させるか、又は減少させるかを報告し得る。
【0064】
1つ以上のオプションの実装は、ユーザに異なる報告を提供でき、
図13~
図15の流れ図と
図11の出力デバイス142で見られる。別のオプションの例は、導電率が肝臓の胆汁を示す所定のレベルに達したかどうかをユーザに報告し得て、そのことをユーザに通知する。更に、導電率が胆嚢に保持された濃縮液を示す値に達した場合、より濃縮されたバージョンが識別された(より導電性が高い)かどうかをユーザに通知し得る。別のオプションの実装は、濃縮された胆汁物質が検出された場合にユーザに通知し得る。別のオプションの実装では、胆汁が(濃縮されたかそうでないか)検出されない場合、ユーザに通知できる。別の実装は、上記の情報フィードバック要素の組み合わせ又は選択を提供し得る。
【0065】
更なるオプションの実装は、胆汁の特有の特性を使用して別の特徴を提供し得る。例えば、導電性を感知する代わりに、デバイスは、インピーダンスを感知でき、又は胆汁と周囲の解剖学的特徴(例えば、周囲の組織、膵液など)との間の位相差が検出され得る。
【0066】
再び
図6A~
図10を参照すると、いくつかの態様では、電極及びそこから形成されるセンサの位置及び数は変更され得る。例えば、
図6A及び
図10に示されるように、1つの電極は、内視鏡又は内視鏡治療器具の遠位セクションで生体内に配置され得て、第2の電極は、他の位置(例えば、体外)に配置されるか、又は固有若しくは浮遊接地に電気的に結合され得る。別の態様では、
図7~
図10と
図12Bに見られるように、複数の電極は、内視鏡又は内視鏡治療器具の前方(遠位)端の上又はその近くに配置され得る。いずれのシナリオでも、電極によって形成された1つ以上のセンサに関連付けられた質問信号は、特定の流体特性を識別するのに適する場合がある。
【0067】
前述のように、異なるタイプの結晶は、肝臓の胆汁において異なる化学的不均衡が生じると生成される。化学的差異により、異なる電気的特性を生じる可能性がある。濃縮された胆嚢液の電気的特性をサンプリングすることにより、化学的不均衡が識別され得て、必要に応じて、ユーザは例えば、1つ以上の報告を介して通知され得る。これは引き続き、結晶形成の原因に関するより深い理解につながり得る。更に、これは、患者に対する医薬品又はライフスタイルの変更オプションと結合させて、様々な胆道状態の将来の発生率を減らし得る。いくつかの実装形態では、ここに開示されるような識別は、測定された診断(例えば、感知された電気的特性)をシステム内のもう1つのプリセット値と比較することによって、ユーザに(例えば、直接的又は間接的に)報告され得る。オプションの実施形態では、診断値は、外科医、専門家、又は更なる分析及び報告のための診断アルゴリズムに直接提供され得る。
【0068】
多くの外科用及び診断用器具と同様に、いくつかの実装によるデバイスは、単一の処置で、及び/又は一人の患者で使用された後に使い捨て可能であり、単一の処置の後(例えば、同じ患者で、若しくは異なる患者で)再利用され得て、及び/又は再利用可能(reposable)であり得る。本明細書に開示されるデバイスの態様及び特徴は、デバイスに自己完結型として提供され得て(例えば、内視鏡の作業チャネルの中に挿入され、及び/又は診断デバイスとして提供され得る)、及び/又は、内視鏡及び/又は内視鏡治療器具の一部(例えば、取り付け可能、分離可能、及び/又は遠位部分に統合される)として提供され得る。
【0069】
デバイスが一組の同様のデバイスの一部として提供され得る例では、各デバイスは、各デバイスタイプに対して一意識別子システムを有することができ、その結果、センサは、デバイスに従って特に読み取り値を較正し得る。例えば、識別回路(例えば、チップ)をデバイスに設けて、デバイスのタイプを識別し、必要に応じて、デバイス固有のパラメータ(例えば、センサ較正、他のデバイスへの接続の設定、デバイス性能データなど)を自動的に設定し得る。いくつかの実装により、処置をより「プラグアンドプレイ」にすることができ、デバイスのセットアップにおける臨床スタッフの介入の必要性を減らし得る。
【0070】
図5~
図10は、細長い管状要素(例えば、内視鏡又はアクセスシース)上に配設されている胆道診断デバイスを示すが、同様の構成はまた、様々な内視鏡治療器具の一部、例えばガイドワイヤ、括約筋切開器、単極、双極又は冷切断器具(又は開示された器具の組み合わせ)、或いは
図12A及び
図12Bに示されるようなステントとして提供され得る。
【0071】
いくつかのオプションの実装では、ユーザへの報告は、
図11に示されるように、視覚出力(例えば、内視鏡検査又は外科術システムのコンソールを含む、光照明ダイオード又は他の視覚的、グラフィカルディスプレイ)を含み得る。代替的に、聴覚、又はセンサ読み取り値及び/又は診断状態(以前の診断から決定された)の詳細な表示などの別のタイプの報告が表示され得る。
【0072】
本明細書に記載のシステムはまた、診断及び検出の正確度を改善するための複数の感知された量、例えば、位相角及び抵抗、又は抵抗及びリアクタンス、又はインピーダンス及び位相角などを含み得て、或いはセンサフィードバックが多い程、経路方向と結石のタイプをより正確に予測できる。本明細書に開示されるような多感覚フィードバックシステムは、正しい管の識別を示すために、結石のタイプ又は管識別及び結石のタイプの組み合わせを示すために想定され得る。センサチェックシステムは、デバイス内に含まれ、スタンドアロンユニットの一部であるか、外科術システム又は内視鏡検査システムなど、そのような処置に使用される主要機器の別の部分に統合され得る。センサシステムはまた、別個の再利用可能/使い捨てシステム又は主要システムの一部であり得る。
【0073】
本明細書に開示される実装は、多くの利点をもたらし得て、総胆管及び/又は胆石の識別を改善することと、胆石形成の予防を容易にすること(例えば、食事療法、医薬品、ライフスタイルの変更など)が挙げられる。
【0074】
図6Aは、補助スコープ134に組み込まれた胆道診断デバイス132の斜視図である。補助スコープ134は、細長いシャフト150、ガイドワイヤ154、及び胆道診断デバイス132を含み得る。細長いシャフト150は、ガイドワイヤ154を挿入することができる管腔158を含み得る。胆道診断デバイス132は、電極144、リード162、接地164、及びリード166を含み得る。胆道診断デバイス132は、前述のように、プロセッサ136、メモリ138、電源140、及び出力デバイス142に接続され得る。
図6Aの例では、電極144は、正極として機能するように構成され得る。接地164は、負極として機能するように構成され得る。接地164は、患者の組織を単に含み得て、組織と電極144との間で感知が生じる。
【0075】
リード162及びリード166は、導体を含み得て、それは電極144及び接地164から細長いシャフト150を通って制御モジュール106まで延びることができる。リード162及び166は、細長い金属ワイヤを含むことができ、それは電極144又は任意の他の電極に、溶接又ははんだ付けなどの適切な方法を介して遠位端部で接合され得る。リード162及び166の近位端部は、プロセッサ136に接続され得る。
【0076】
細長いシャフト150は、細長い本体を含み得て、それはリード162、リード166、及び電極144を支持するのに十分に剛性であるが、また解剖学的構造を通してガイド付き挿入を提供するのに十分に柔軟である。例では、細長いシャフト150は、医療グレードのポリマを含み得る。細長いシャフト150は、1つ以上の構造及び層を含み得て、それは補強構造及びコーティング層などである。例では、細長いシャフト150は、その中に埋設された補強ワイヤを含み得る。更に別の例では、細長い導体は、細長いシャフト150の内側に設けられた螺旋状巻線によって提供され得て、例えば、補強用に埋設された螺旋状巻線を含む気管内チューブで使用されるものである。
【0077】
追加的に、細長いシャフト150は、コーティングを含み、補助スコープ134への生体物質の付着を防止又は阻害し得る。そのようなコーティングは、補助スコープ134の解剖学的構造を介する挿入を、摩擦を低減することなどによって容易にできる。加えて、露出された導電性構成要素上に塗布されるコーティングは、生体物質が電気的構成要素に付着して、電極144などの感知構成要素によって生成又は解釈される電気信号に干渉することを防止し得る。一例では、補助スコープ134は、ポリジメチルシロキサンでコーティングされ得る。例では、補助スコープ134は、ナノ粒子を含む他のコーティングで被覆され得る。そのようなコーティングは、感知を阻害しない、又は実質的に阻害しない厚さで塗布されるか、又は組成物で作られ得る。
【0078】
金属線導体は、絶縁コーティングで覆うことができ、それは電極に接触し、又は感知を行う位置で除去され得る。金属線導体は、細長いシャフト150の壁内に埋設され得て、細長いシャフト150は、細長いシャフト150の選択部分を除去して、絶縁を提供し、金属線導体による感知又は電極144への結合を可能にし得る。追加の例では、リード162及び166は、細長いシャフト150の横に沿って又は内側に印刷されたトレースを含み得る。例えば、金属リボンは、細長いシャフト150の表面に印刷されるか、又は別な方法で形成され得る。更に追加の例では、金属トレースは、細長いシャフト150の材料と共押出しされ得る。任意の例では、細長い導体は、製造プロセスの間に、感知を生じるのが望ましい位置で選択的に露出され得て、又は細長いシャフト150の材料は製造プロセス後に除去され、別個のステップで細長い導体を選択的に露出し得る。
【0079】
プロセッサ136は、メモリ138に記憶された命令を実行するように構成され得る。メモリ138は、正極及び負極からの信号を処理するための命令を含み得る。例えば、命令は、
図13~
図15に示される方法を実行するための命令を含み得る。メモリ138は、肝臓、膵臓、及び胆嚢の導電率、インピーダンス、抵抗、及び位相角に対する閾値、ベースライン又はベンチマークレベルをその中に保存することを更に含み得て、それらは電極144及び接地164から得られた信号と比較され得る。メモリ138は、十二指腸D及び総胆管124に形成され得る異なるタイプの結石に関連する診断情報をその中に含み得る。メモリ138は、補助スコープ134及び胆道診断デバイス132の識別情報をその中に保存することを更に含み得る。代替的に、胆道診断デバイス132は、別個のチップ、例えば、無線周波数識別デバイス(RFID)を更に含み得て、補助スコープ134及び胆道診断デバイス132のための識別情報、例えば、製造元、モデル、較正などを含むことができる。
【0080】
プロセッサ136は、例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。メモリ138は、1つ以上の揮発性、非一時的、又は不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体を含み得る。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例には、限定するものではないが、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などが含まれ得る。電源140は、低電力DC出力又は低電力RF出力の形態などで、電流を生成するための発電機を含み得る。
【0081】
図6Bに示されるように、電極144は、管腔158を完全に取り囲むように構成された電極リング170を含み得る。例では、リング170は、細長いシャフト150を取り囲むことができる。別の例では、リング170は、細長いシャフト150内に完全に又は部分的に埋設され得る。例では、リング170の少なくとも一部分は、細長いシャフト150の外部に露出され、組織又は生体物質と接触することができる。
【0082】
図6Cに示されるように、電極144は、管腔159を部分的にのみ取り囲む1つ以上のリングセグメント172A及び172Bを含み得る。リングセグメント172A及び172Bは、細長いシャフト150の外側に配置され得て、細長いシャフト150内に部分的に埋設されるか、又は細長いシャフト150内に完全に埋設され得る。リングセグメント172A及び172Bは、円弧セグメント、例えば、円のセグメントを含み得る。
図6Cは、リングセグメント172A及び172Bを、約90°にわたって延びるセグメントを含むものとして示す。しかし、より大きな、又はより小さな円弧セグメントが使用され得る。加えて、1つのみのリングセグメント、又は3つ以上のリングセグメントが使用され得る。
【0083】
図6Aに示されるような完全なリング、又は細長いシャフト150の周囲の大部分の周りに延びる複数のリングセグメントは、センサ入力を増加させるのに有利であり得る。リング170とリングセグメント172A及び172Bは、電源140からの電流をリード162及び166から伝導するのに適した金属材料を含み得る。
【0084】
本開示の胆道診断デバイスは、他の処置を実行するように追加的に構成され得る。例では、胆道診断デバイスは、焼灼などの医学的介入を実行するように構成され得る。電極144、及び本明細書に開示される組織に接触するように構成された他の構成要素を用いて行われる感知は、電極、例えば、
図6Aに示される電極144と接地164との間に電圧を印加することによって実行され得る。電圧は、電源140によって印加され得る。通常、そのような電圧はかなり低く、その結果、感知するための電気信号を生成するのに十分な電流のみが印加される。したがって、上記のように、リード162は、細長いシャフト150によって提供され得るもの以外に、追加の絶縁を設ける必要はない。したがって、導電性構成要素は、組織に接触するように単に露出され、感知を実行し得る。追加の例では、電圧を上げて焼灼機能を提供することができ、例えば組織を乾燥させることによって、止血するのに十分に組織を加熱し得る。
【0085】
そのような焼灼機能に十分な電圧は、十分に低いままであり、追加の絶縁を必要とせず、焼灼に必要である以上に組織が過度に変化するのを回避し得る。しかし、追加の絶縁を例に含めることができる。感知及び焼灼に十分な電圧は、複数の要因、例えば感知されている組織の抵抗に依存する場合がある。感知されている組織の抵抗は、電極の表面積と電極が離れている距離に依存する。例えば、約10ワットの電力は、焼灼するのに十分な影響を組織に与えることができる。本明細書に開示される電極構成は、約250オーム以下の抵抗を有し得るが、他の抵抗が発生するか、又は使用され得る。そのため、印加電圧は、式P=V2/Rに基づいて、50V以下のオーダにすることができる。例では、焼灼なしの感知は、約50ボルト以下の電圧で実行され得て、一方、焼灼は、約50ボルト以上の電圧で実行され得る。加えて、60ボルトなどの印加電圧の上限が設定され、過度の組織損傷を防止し得る。したがって、一例では、感知は35~45ボルトの範囲の電圧を用いて実施され得て、焼灼は45~55ボルトの範囲の電圧を用いて実施され得る。上記の範囲の値は例示であり、他の電圧及び範囲、又は範囲の組み合わせが、別の例及び構成に適する場合がある。
【0086】
図7は、電極144を備える
図5の胆道診断デバイス132の第2の例の斜視図であり、電極144は負極として機能するように構成された単一の電極リング170を含む。
図7の胆道診断デバイス132は、リード166が接地164の代わりにガイドワイヤ154に接続されていることを除いて、
図6Aの胆道診断デバイス132と同様に構成され得る。追加的に、電極144は負極として構成され、正極として構成されるガイドワイヤ154を備えることができる。
【0087】
図8は、電極144と第2の電極180とを備える
図5の胆道診断デバイス132の第3の例の斜視図であり、電極144と第2の電極180は正極と負極として機能するように構成された一対の電極リングを含む。
図8の胆道診断デバイス132は、リード166が接地164の代わりに電極180に接続されていることを除いて、
図6Aの胆道診断デバイス132と同様に構成され得る。追加的に、電極144は正極として構成され、負極として構成される電極180を備えることができる。リード162及び166は、細長い金属ワイヤを含み得て、それは遠位端部で電極144及び180に、近位端部でプロセッサ136に結合され得る。プロセッサ136は、メモリ138からの入力を用いて、電極144と電極180との間の導電率、インピーダンス、抵抗、及び位相角を決定するように構成され得る。
【0088】
図9は、
図5の胆道診断デバイス132の第4の例の斜視図であり、電極144及び180に加えて電極190及び192を含み、別個の又は組み合わされた胆道診断感知用に構成可能な電極の対を含む。
図9に示されるように、電極144及び電極190は、リード162に接続され得て、電極180及び電極192は、リード166に接続され得る。リード162及び166のそれぞれに2つの電極を含めることにより、胆道診断デバイス132として機能する単一のセンサの感度を高め得る。リード162及び166は、
図6A、
図7及び
図8に示すようにプロセッサ136に接続され得る。別の例では、電極190及び192は、別個のリードを配設され得ることで、胆道診断デバイス132が2つの別個のセンサを含み得る。したがって、単一のセンサとして機能する4つの電極を用いて、電極の各対、例えば、電極144及び180と電極190及び192の出力は、自動的に平均化される。しかし、4つの電極をデュアルセンサとして用いると、各センサの出力は、プロセッサ136によって平均化され得て、又は必要に応じて重み付けされ得る。例えば、電極の先端対、例えば、電極144及び180は、電極の後端対、例えば、電極190及び192よりも重く重み付けされ、胆道診断デバイス132の出力に方向性を提供し得る。
【0089】
同じセンサ(例えば、電極144及び180と電極190及び192によって形成されるセンサ)は、複数の評価チェックに使用され得る。代替的に、個々のセンサ(例えば、電極144及び180によって形成されるセンサと、電極190及び192によって形成されるセンサ)は、別個のチェックに使用され得る(例えば、1つのセンサは抵抗測定に使用され得て、別のセンサは位相角に使用され得る )。更に別の例では、複数の(例えば、すべての)電極は抵抗測定に使用され得て、複数の別のセンサは位相角に使用され得る。そのため、1つ以上のセンサの任意の組み合わせを使用して、導電率、インピーダンス、抵抗、及び位相角を感知し得る。
【0090】
図10は、
図5の胆道診断デバイス132の第5の例の斜視図であり、正極として機能するように構成された単一の電極パッド198を含む。
図10の胆道診断デバイス132は、リング電極144がパッド電極198に置き換えられていることを除いて、
図6A又は
図7の胆道診断デバイス132と同様に構成され得る。パッド電極198は、細長いシャフト150の一部分の周りに延びる平らで薄い本体を含み得る。パッド電極198の表面積は、組織との相互作用を容易にして、センサの感度を改善するように構成され得る。例えば、パッド電極198は、ローレット又はテクスチャが付けられて、生体物質との係合を容易にできる。追加の例では、パッド198は、細長いシャフト150の長さに沿って延びる細長いストリップとして構成され得る。また、1つのパッド198のみが例示されるが、複数のパッド198を細長いシャフト150に含めることができる。
【0091】
図11は、本明細書に開示される胆道診断デバイス132と共に使用するのに適した出力デバイス142の概略図である。出力デバイス142は、視覚ディスプレイ200及びオーディオドライバ202を含み得る。視覚ディスプレイ200は、出力表示部204A~204Eとダイヤル206を含み得る。視覚ディスプレイ200は、アクティブディスプレイユニット、例えば液晶ディスプレイ、プラズマスクリーン、有機発光ダイオードディスプレイなどを含み得る。視覚ディスプレイ200は、タッチスクリーンデバイスを含み得る。例では、プロセッサ136は、撮像及び制御システム12(
図2)の制御ユニット16を含むか、又はその一部であり得る。したがって、視覚ディスプレイ200は、様々な出力を提供し、様々なユーザ入力を受信するようにプログラムされ得る。
【0092】
表示部204A~204Eのうちの少なくとも1つの作動は、胆道診断デバイス132のセンサの電極間で感知された導電率、インピーダンス、抵抗、及び位相角の指標を提供し得る。
図5に関して、例えば、表示部204A~204Eは、電極144と電極180との間で感知された電気的パラメータに応答され得る。
図5に見られるように、内視鏡100は十二指腸Dに挿入され得て、補助スコープ134は総胆管124の中に挿入するために配置され得る。したがって、電極144は、総胆管124の組織、総胆管124内の流体、及び総胆管124内の固体、例えば、結石に接触し得る。
【0093】
一例では、発光体204A~204Eのそれぞれを作動させて、電気的パラメータの大きさ又はレベルが徐々に大きくなることを示し得る。例えば、出力デバイス142の下部にある発光体204E及び出力デバイス142の上部にある発光体204Aは、対向する方法で作動されて、電気的特性スペクトルの両端部を示し得る。例えば、発光体204Eを作動させて、電気的特性の第1のレベル、例えばゼロの直ぐ上の電気的特性の大きさを示すことができ、発光体204Aを作動させて、電気的特性の第2のレベル、例えば飽和、最大、又は閾値レベルでの電気的特性の大きさ示し得る。発光体204B~204Dは、作動されて第1のレベルと第2のレベルとの間の様々なレベルを示し、その結果、発光作動の連続スペクトル又は漸進的変化が提供され得る。発光体204A~204Eは、リアルタイムで更新して、電気的パラメータの大きさを示し得る。したがって、外科医は、内視鏡100又は補助スコープ134を操作して、電極144によって係合されている生体物質のタイプの指標を受け取ることができる。
【0094】
別の例では、すべての発光体204A~204Eは作動され、又は点灯され得て、色を変化させて電気的パラメータの大きさを示し得る。
【0095】
一例では、視覚ディスプレイ200は、ダイヤル206を含み得る。ダイヤル206は、電気的パラメータの異なる大きさを示すための目盛りを含み得て、針は、能動的に感知されている大きさを示すために動くことができる。例えば、明るい色を用いて導電率が低いことを示し、暗い色を用いて導電率が高いことを示し得る。
【0096】
例では、発光体204A~204E及びダイヤル206は、感知された電気的パラメータの大きさを解剖学的記述に変換するためのラベルを提供され得る。例えば、高レベルの導電率は肝臓の胆汁に変換され、低レベルの導電率は膵液に変換される。
【0097】
例では、可聴アラームを使用して、感知されたパラメータの大きさを示すフィードバックを提供し得る。例えば、安定した信号が発せられて、ピッチ、音量、又はトーンを、感知された電気的パラメータの大きさに基づいて変化させ得る。別の例では、間欠信号が発せられて、周波数を、感知された電気的パラメータの大きさに基づいて変化させ得る。
【0098】
図12Aは、本開示による胆道診断デバイス222を組み込んだステント220の斜視図である。ステント220は、管状体224、内部管腔226、及び逆棘228を含み得る。胆道診断デバイス222は、電極220A、220B、及び220Cを含み得る。電極230A~230Cはそれぞれ、管状体204内の流体又は固体物質の電気的パラメータを感知するように構成されたセンサを含むことができる。
図12Bは、胆道診断デバイス222の電極230A~230Bを示すセクション12B-12Bで取られた、
図12Aのステント220の断面図である。
図12A及び
図12Bは同時に説明される。
【0099】
ステント220は、腹部通路内に配置されて、管組織を強化し、又は腹部通路の遮断を防止し得る。逆棘228を使用して、管状体224を腹部通路に固定又は取り付けることができる。管状体224は、異なるサイズの腹部通路、例えば十二指腸D、総胆管124、及び主膵管126(
図5)に配置するようにサイズを合わせることができる。
【0100】
電極230A~230Cは、胆道診断デバイス132に、例えば、プロセッサ136(
図6A)で、機械的リード線を介して接続され得る。したがって、リード線は、医療施設での患者の処置中又は検査中にステント220に接続され得る。別の例では、ステント220は、無線通信デバイス、例えば、無線周波数チップを配設され得て、それはステント220と共に患者に埋め込まれ、電極230A~230Cからの読み取りを行い得る。
【0101】
図13は、本開示の胆道診断デバイスを使用して化学的分析を行うための方法300を示すブロック図である。ステップ302で、方法300が開始される。例えば、内視鏡100及び補助スコープ134は、十二指腸Dに挿入され得る(
図5)。電極144と、電極180、190、及び192のいずれかとは、十二指腸Dの組織、又はそれに繋がる任意の腹部通路、例えば総胆管124及び主膵管126と係合するように配置され得る。更に、胆道診断デバイス132は、電源140(
図11)又は撮像及び制御システム12などを介して電源を入れることができる。
【0102】
ステップ304において、胆道診断デバイス132のセンサが作動され得る。例えば、電源140からの電気は、電極144、180、190及び192に向けることができる。胆道診断デバイス132のプロセッサ136は、メモリ138からの命令に基づいて作動され、電極144と組織又は別の電極との間の電気的パラメータ(導電率、インピーダンス、位相角など)の大きさを読み取ることができる。
図13の例では、インピーダンスは、電極144を含むセンサを用いて測定され得る。
【0103】
ステップ306で、インピーダンスは、電極144と接触する生体物質を評価し得る。プロセッサ136は、感知されたインピーダンスを、メモリ138に保存された閾値又はベースラインインピーダンスXと比較し得る。インピーダンスXは、肝臓の胆汁の存在を示し得る。
【0104】
感知されたインピーダンスがXより大きい場合、方法300はステップ308に進み得る。ステップ308において、出力デバイス142は、プロセッサ136によって作動されて、視覚ディスプレイ200、オーディオドライバ202、及びダイヤル206のうちの1つ以上を操作して、胆道診断デバイス132が通路129(
図5)に存在する肝臓の胆汁を示すインピーダンスのレベルを感知したことを示し得る。そして、外科医は、補助スコープ134を胆嚢又は肝臓に向かって前進させ続けることができる。
【0105】
感知されたインピーダンスがX未満である場合、方法300はステップ310に進み得る。ステップ310において、出力デバイス142は、プロセッサ136によって作動されて、視覚ディスプレイ200、オーディオドライバ202、及びダイヤル206のうちの1つ以上を操作し、胆道診断デバイス132が、入口(ファータ膨大部)128(
図5)の近くに存在するであろう肝臓の胆汁の欠如又はより低い濃度を示すインピーダンスのレベルを感知したことを示し得る。そして、外科医は、補助スコープ134を入口128から離して通路129に向けて操作し得る。
【0106】
その後、方法300は、開始302又はステップ304に戻り得て、連続的なリアルタイムインピーダンス測定が実行され得る。
【0107】
図14は、本開示の胆道診断デバイス132を使用して化学的分析を実行するための方法320を示すブロック図である。方法320は、
図13の方法300を参照して説明されるように、ステップ302、304、306、及び310を含み得る。しかし、ステップ308の代わりに、方法320はステップ322を含み得て、そこでは感知されたインピーダンスがXより大きい場合、方法320は、感知されたインピーダンスを、メモリ138に保存された第2の閾値又はベースラインインピーダンスYと比較し得る。第2のインピーダンスYは、総胆管124で見つけられ得る異なるタイプの結石の存在を示し得る。
【0108】
感知されたインピーダンスがYより大きい場合、方法320はステップ324に進み得る。ステップ324において、出力デバイス142は、プロセッサ136によって作動されて、視覚ディスプレイ200、オーディオドライバ202、及びダイヤル206のうちの1つ以上を操作して、胆道診断デバイス132が通路129(
図5)内に第1のタイプの結石を示すインピーダンスのレベルを感知したことを示し得る。更に、外科医は、補助スコープ134の正しい経路が検出されたことの確認を受け取ることができ、補助内視鏡は、胆嚢又は肝臓に向かって前進し続けることができる。
【0109】
感知されたインピーダンスがY未満である場合、方法320はステップ326に進み得る。ステップ326で、出力デバイス142は、プロセッサ136によって作動されて、視覚ディスプレイ200、オーディオドライバ202、及びダイヤル206のうちの1つ以上を操作して、胆道診断デバイス132が通路129(
図5)内に第2のタイプの結石を示すインピーダンスのレベルを感知したことを示し得る。更に、外科医は、補助スコープ134の誤った経路が検出されたという情報を受け取ることができ、補助内視鏡は、胆嚢又は肝臓に向かって経路を変更され得る。
【0110】
その後、方法320は、開始302又はステップ304に戻ることができ、繰り返しインピーダンス測定が実行され得る。したがって、プロセッサ136の出力は、短い間隔で繰り返し更新されて、オペレータに連続的又はほぼリアルタイムのインピーダンス測定を提供し得る。
【0111】
図15は、本開示の胆道診断デバイス132を使用して化学的分析を実行するための方法340を示すブロック図である。方法340は、
図13の方法300を参照して説明されるように、ステップ302、304、306、及び310を含み得る。しかし、ステップ308の代わりに、方法320はステップ342を含み得て、そこでは胆道診断デバイス132が電極144と接触している生体物質の位相角を感知し得る。感知された位相角は、メモリ138に保存された閾値又はベースライン位相角Zと比較され得る。位相角Zは、総胆管124で見つけられ得る異なるタイプの結石の存在を示し得る。
【0112】
感知された位相角がZより大きい場合、方法340はステップ344に進み得る。ステップ344において、出力デバイス142は、プロセッサ136によって作動されて、視覚ディスプレイ200、オーディオドライバ202、及びダイヤル206のうちの1つ以上を操作して、胆道診断デバイス132が、通路129(
図5)内に第1のタイプの結石を示す位相角のレベルを感知したことを示し得る。更に、外科医は、補助スコープ134の正しい経路が検出されたことの確認を受け取ることができ、補助内視鏡を、胆嚢又は肝臓に向かって前進し続けることができる。
【0113】
感知された位相角がZよりも小さい場合、方法340はステップ346に進み得る。ステップ346で、出力デバイス142は、プロセッサ136によって作動されて、視覚ディスプレイ200、オーディオドライバ202、及びダイヤル206のうちの1つ以上を操作して、胆道診断デバイス132が、通路129(
図5)内に第2のタイプの結石を示す位相角のレベルを感知したことを示し得る。更に、外科医は、補助スコープ134の誤った経路が検出されたという情報を受け取ることができ、補助内視鏡は、胆嚢又は肝臓に向かって経路を変更され得る。
【0114】
その後、方法340は開始302又はステップ304に戻り得て、連続的なリアルタイムインピーダンス測定が行われ得る。
【0115】
方法300、320、及び340は、一次指標としてインピーダンスを、かつ二次指標として位相角を感知することに関して説明されてきたが、方法300、320、及び340は、導電率、インピーダンス、抵抗及び位相角の任意の組み合わせを感知するように動作され得る。同様に、方法300、320、及び340は、肝臓の胆汁を感知する胆道診断デバイスと方法に関して説明されてきたが、別の診断プロセス、例えば膵臓と胆嚢の化学的分析の診断が実施され得る。
【0116】
様々な付記及び実施例
実施例1は、外壁及び内部管腔を含む管状体と、医療デバイスに結合された第1の胆道診断センサとを含む胆道診断デバイスであって、第1の胆道診断センサは管状体と接触する生体物質を分析するように構成された第1の電極を含む、胆道診断デバイスのような主題を含むか、又は使用し得る。
【0117】
実施例2は、実施例1の主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、生体物質の電気的特性を決定するように構成された第1の電極を任意選択で含み得る。
【0118】
実施例3は、実施例1又は2の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、第1の電極から延びるリード線と、リード線に接続された電源とを更に含む第1の胆道診断センサを任意選択で含み得る。
【0119】
実施例4は、実施例1~3の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、電気的特性の指標のオーディオ出力及び視覚出力のうちの少なくとも1つを提供するように構成された出力デバイスを任意選択で含み得る。
【0120】
実施例5は、実施例1~4の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、導電率、インピーダンス、抵抗及び位相角のうちの少なくとも1つを含む電気的特性を任意選択で含み得る。
【0121】
実施例6は、実施例1~5の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、肝臓の胆汁の電気的特性のデータベースをその中に保存したメモリを任意選択で含み得る。
【0122】
実施例7は、実施例1~6の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、第1の胆道診断センサが結合されている医療デバイスのタイプ及び第1の胆道診断センサの較正に関連する情報を含有する、胆道診断デバイスに結合された識別チップを任意選択で含み得る。
【0123】
実施例8は、実施例1~7の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、内部管腔に外接するリングを含む第1の電極を任意選択で含み得る。
【0124】
実施例9は、実施例1~8の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、管状体に取り付け可能な部分的リングを含む第1の電極を任意選択で含み得る。
【0125】
実施例10は、実施例1~9の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、管状体に取り付けられたパッドを含む第1の電極を任意選択で含み得る。
【0126】
実施例11は、実施例1~10の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、第1の電極から離隔された第2の電極を更に含む第1の胆道診断センサを任意選択で含み得る。
【0127】
実施例12は、実施例1~11の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、内部管腔を通って延在するガイドワイヤを含む第2の電極を任意選択で含み得る。
【0128】
実施例13は、実施例1~12の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、第2の胆道診断センサを更に含む胆道診断デバイスを任意選択で含み得る。
【0129】
実施例14は、実施例1~13の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、管状体に沿って第1の胆道診断センサに電気的に結合されて離隔された一対の電極を含む第2の胆道診断センサを任意選択で含み得る。
【0130】
実施例15は、実施例1~14の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、複数の電極を含む第1の胆道診断センサを任意選択で含み得る。
【0131】
実施例16は、実施例1~15の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、ステントを含む管状体を任意選択で含み得る。
【0132】
実施例17は、実施例1~16の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、内視鏡を含む管状体を任意選択で含み得る。
【0133】
実施例18は、実施例1~17の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、エレベータを含む内視鏡を任意選択で含み得る。
【0134】
実施例19は、実施例1~18の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、胆管鏡を含む内視鏡を任意選択で含み得る。
【0135】
実施例20は、実施例1~19の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、撮像ユニット、照明ユニット、及び治療又は診断デバイスのうちの少なくとも1つを含む内視鏡を任意選択で含み得る。
【0136】
実施例21は、内視鏡を十二指腸から総胆管に誘導する方法であって、内視鏡を十二指腸に挿入することと、内視鏡のセンサを十二指腸の生体物質と係合させることと、センサを用いて生体物質を電気的に分析して電気的パラメータを識別することと、電気的パラメータから生体物質中の肝臓の胆汁を識別することと、内視鏡を、肝臓の胆汁の存在に基づき十二指腸を介して誘導することとを含む、方法のような主題を含むか、又は使用し得る。
【0137】
実施例22は、実施例21の主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、センサの電極を生体物質に係合させることにより、内視鏡のセンサを生体物質に係合させることを任意選択で含み得る。
【0138】
実施例23は、実施例21又は22の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、導電率、インピーダンス、抵抗、及び位相角の少なくとも1つを含む電気的パラメータを任意選択で含み得る。
【0139】
実施例24は、実施例21~23の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、生体物質中の肝臓の胆汁を、ベースラインの電気的パラメータを感知された電気的パラメータと比較することにより識別することを任意選択で含み得る。
【0140】
実施例25は、実施例21~24の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、肝臓の胆汁の存在に基づいて、内視鏡の遠位端部をより高濃度の肝臓の胆汁に向けて誘導することにより、十二指腸を介して内視鏡を誘導することを任意選択で含み得る。
【0141】
実施例26は、実施例21~25の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、内視鏡の遠位端部を、十二指腸のオッディ括約筋を特定することによって肝臓の胆汁に向けて誘導することを任意選択で含み得る。
【0142】
実施例27は、実施例21~26の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、センサを用いて十二指腸を電気的に分析することによってセンサを較正し、オッディ括約筋から電気的パラメータを識別することを任意選択で含み得る。
【0143】
実施例28は、実施例21~27の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、主膵管と総胆管との交差点を特定することにより、内視鏡の遠位先端部を肝臓の胆汁に向けて誘導することを任意選択で含み得る。
【0144】
実施例29は、実施例21~28の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、電気的パラメータの指標を内視鏡のオペレータに出力することを任意選択で含み得る。
【0145】
実施例30は、実施例21~29の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、電気的パラメータに基づいて総胆管に形成された結石を分析することを任意選択で含み得る。
【0146】
実施例31は、実施例21~30の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、胆道診断デバイスを用いて組織を焼灼することを任意選択で含み得る。
【0147】
実施例32は、胆管内の生体物質の組成を特定する方法であって、医療デバイスのセンサを胆管内の生体物質と係合させることと、センサを用いて生体物質を電気的に分析して電気的パラメータを識別することと、電気的パラメータから、肝臓、膵臓及び胆嚢の少なくとも1つからの生体物質を特定することと、生体物質の指標を医療デバイスのユーザに出力することとを含む、方法のような主題を含むか、又は使用し得る。
【0148】
実施例33は、実施例32の主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、センサの電極を生体物質と係合させることにより、医療デバイスのセンサを生体物質と係合させることを任意選択で含み得る。
【0149】
実施例34は、実施例32又は33の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、導電率、インピーダンス、抵抗、及び位相角の少なくとも1つを含む電気的パラメータを任意選択で含み得る。
【0150】
実施例35は、実施例32~34の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、ベースラインの電気的パラメータを感知された電気的パラメータと比較することにより、生体物質を特定することを任意選択で含み得る。
【0151】
実施例36は、実施例32~35の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、生体物質を含む流体の濃度を決定することによって生体物質を特定することを任意選択で含み得る。
【0152】
実施例37は、実施例32~36の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、肝臓の胆汁を含む流体を任意選択で含み得る。
【0153】
実施例38は、実施例32~37の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、結石形成につながる病状を診断することを任意選択で含み得る。
【0154】
実施例39は、実施例32~38の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、生体物質を含む結石構造を決定することによって生体物質を特定することを任意選択で含み得る。
【0155】
実施例40は、実施例32~39の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、胆石と腎臓結石の少なくとも1つを含む結石構造を任意選択で含み得る。
【0156】
実施例41は、実施例32~40の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又は任意選択で組み合わせて、電気的パラメータの大きさの視覚的又はオーディオ指標を出力することにより、医療デバイスのユーザに生体物質の指標を出力することを任意選択で含み得る。
【0157】
これらの非限定的な例のそれぞれは、それ自体で存立することができ、あるいは1つ以上の別の例と様々な順列又は組み合わせで組み合わせることができる。
【0158】
上記の詳細な説明は、添付の図面への参照を含み、添付の図面は詳細な説明の一部を成す。図面は、例示として、本発明が実施され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態もまた、本明細書において「実施例」として参照される。そのような例は、示されているか又は記載されているものに加えて、要素を含み得る。しかし、また、本発明者は、示されているか又は記載されているそれらの要素のみが提供される例を検討する。更に、また、本発明者は、示されているか又は記載されているそれらの要素(又はそれらの1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は置換を、特定の例(又はそれらの1つ以上の態様)か、あるいは本明細書に示されているか又は記載されている別の例(又はそれらの1つ以上の態様)のどちらか一方に関して使用する例を検討する。
【0159】
本文献と参照により援用された文献との間に一貫性のない使用がある場合は、本文献の使用を優先する。
【0160】
本文献では、「a」又は「an」という用語は、任意の他の例、又は「少なくとも1つ」若しくは「1つ以上」の使用と無関係に、特許文献において一般的であるように、1つ又は2つ以上を含むように用いられる。本文献では、用語「又は(or)」は、包括的なものを指すように、又は別段の指示がない限り、「A又はB」が「AであるがBでない」、「BであるがAでない」、及び「A及びB」を含むように、用いられる。本文献では、「含んでいる(including)」及び「in which」という用語は、「含んでいる(comprising)」及び「wherein」というそれぞれの用語の平易な英語の同意義のものとして用いられる。また、下記の特許請求の範囲では、「含んでいる(including)」及び「含んでいる(comprising)」という用語はオープンエンドであり、すなわち特許請求の範囲内でそのような用語の後に列挙されているものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、又はプロセスが、依然として特許請求の範囲内に入ると見なされる。更に、下記の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などという用語は単にラベルとして用いられており、それらの対象物に数的な要件を課することは意図されていない。
【0161】
本明細書に記載された方法の例は、少なくとも部分的に機械又はコンピュータで実装され得る。いくつかの例では、上記の例に記載された方法を実行するように電子デバイスを構成するために動作可能な命令でコード化された、コンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含み得る。このような方法の一実施態様は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高レベル言語コードなどのコードを含み得る。このようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含み得る。コードは、コンピュータプログラム製品の一部分を形成することができる。更に、一例では、コードは、実行中又は他の時間などに、1つ以上の揮発性、非一時的、又は不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に明白に保存することができる。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、限定するものではないが、ハードディスク、取り外し可能磁気ディスク、取り外し可能光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などを挙げることができる。
【0162】
上記説明は例示的であることが意図され、制限的であることは意図されていない。例えば、前述の例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。別の実施形態は、当業者によって上記説明を検討する際などで使用され得る。要旨が提供されて、読者は技術的開示の本質を迅速に確認することができる。要旨は、それが特許請求の範囲又は意味を解釈するか又は制限するのに使用されないものと理解して提示される。また、上記の発明を実施するための形態では、様々な特徴がグループ化されて、本開示を効率化し得る。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の特許請求の範囲に不可欠であるよう意図していると見なされるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全特徴より少ない特徴にある場合がある。したがって、下記の特許請求の範囲は、本明細書によって、発明を実施するための形態に、例又は実施形態として組み込まれ、各特許請求の範囲は別個の実施形態としてそれ自体で存立し、そのような実施形態は、様々な組み合わせ及び順列において互いに組み合わせられ得ると考えられる。本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられている同等物の完全な範囲と共に、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状体であって、
外壁、及び
内部管腔、を含む管状体と、
医療デバイスに結合された第1の胆道診断センサであって、前記管状体と接触する生体物質を分析するように構成された第1の電極を含む第1の胆道診断センサと、
を備える、胆道診断デバイス。
【請求項2】
前記第1の電極は前記生体物質の電気的特性を決定するように構成される、請求項1に記載の胆道診断デバイス。
【請求項3】
前記第1の胆道診断センサは、
前記第1の電極から延びるリード線と、
前記リード線に接続された電源と、
を更に含む、請求項2に記載の胆道診断デバイス。
【請求項4】
前記電気的特性の指標のオーディオ出力及び視覚出力のうちの少なくとも1つを提供するように構成された出力デバイスを更に備える、請求項2及び3のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項5】
前記電気的特性は導電率、インピーダンス、抵抗及び位相角のうちの少なくとも1つを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項6】
肝臓の胆汁の電気的特性のデータベースをその中に保存したメモリを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項7】
前記第1の胆道診断センサが結合されている医療デバイスのタイプ及び前記第1の胆道診断センサの較正に関連する情報を含有する、前記胆道診断デバイスに結合された識別チップを更に備える、請求項2~6のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項8】
前記第1の電極は前記内部管腔を外接するリングを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項9】
前記第1の電極は前記管状体に取り付け可能な部分的リングを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項10】
前記第1の電極は前記管状体に取り付けられたパッドを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項11】
前記第1の胆道診断センサは前記第1の電極から離隔された第2の電極を更に含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項12】
前記第2の電極は前記内部管腔を通って延在するガイドワイヤを含む、請求項11に記載の胆道診断デバイス。
【請求項13】
第2の胆道診断センサを更に備える、請求項2~12のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項14】
前記第2の胆道診断センサは前記管状体に沿って前記第1の胆道診断センサに電気的に結合されて離隔された一対の電極を含む、請求項12に記載の胆道診断デバイス。
【請求項15】
前記第1の胆道診断センサは複数の電極を含む、請求項2~14のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項16】
前記管状体はステントを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項17】
前記管状体は内視鏡を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項18】
前記内視鏡はエレベータを含む、請求項17に記載の胆道診断デバイス。
【請求項19】
前記内視鏡は胆管鏡を含む、請求項17及び18のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項20】
前記内視鏡は撮像ユニット、照明ユニット、及び治療又は診断デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部から遠位端部に延びる管状体であって、
前記近位端部から前記遠位端部の間に延びる外壁、及び
前記近位端部と前記遠位端部との間で前記管状本体を通って少なくとも部分的に延び、前記近位端部において前記管状本体の外部に開口する作業チャネルを形成する内部管腔、を含む管状体と、
前記管状体に結合された第1の胆道診断センサであって、前記管状体と接触する生体物質を分析するように構成された第1の電極を含む第1の胆道診断センサと、
を備える、胆道診断デバイス。
【請求項2】
前記第1の電極は前記生体物質の電気的特性を決定するように構成される、請求項1に記載の胆道診断デバイス。
【請求項3】
前記第1の胆道診断センサは、
前記第1の電極から延びるリード線と、
前記リード線に接続された電源と、
を更に含む、請求項2に記載の胆道診断デバイス。
【請求項4】
前記電気的特性の指標のオーディオ出力及び視覚出力のうちの少なくとも1つを提供するように構成された出力デバイスを更に備える、請求項2及び3のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項5】
前記電気的特性は導電率、インピーダンス、抵抗及び位相角のうちの少なくとも1つを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項6】
肝臓の胆汁の電気的特性のデータベースをその中に保存したメモリを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項7】
前記第1の胆道診断センサが結合されている医療デバイスのタイプ及び前記第1の胆道診断センサの較正に関連する情報を含有する、前記胆道診断デバイスに結合された識別チップを更に備える、請求項2~6のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項8】
前記第1の電極は前記内部管腔を外接するリングを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項9】
前記第1の電極は前記管状体に取り付け可能な部分的リングを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項10】
前記第1の電極は前記管状体に取り付けられたパッドを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項11】
前記第1の胆道診断センサは前記第1の電極から離隔された第2の電極を更に含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項12】
前記第2の電極は前記内部管腔を通って延在
し、前記管状体から突出するガイドワイヤを含む、請求項11に記載の胆道診断デバイス。
【請求項13】
第2の胆道診断センサを更に備える、請求項2~12のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項14】
前記第2の胆道診断センサは前記管状体に沿って前記第1の胆道診断センサに電気的に結合されて離隔された一対の電極を含む、請求項12に記載の胆道診断デバイス。
【請求項15】
前記第1の胆道診断センサは複数の電極を含む、請求項2~14のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項16】
前記管状体はステントを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項17】
前記管状体は
前記作業チャネルを介して補助デバイスを受け入れるように構成された内視鏡を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項18】
前記内視鏡は
前記作業チャネルを介して補助デバイスを受け入れるように構成されたエレベータを含む、請求項17に記載の胆道診断デバイス。
【請求項19】
前記内視鏡は胆管鏡を含む、請求項17及び18のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【請求項20】
前記内視鏡は撮像ユニット、照明ユニット、及び治療又は診断デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の胆道診断デバイス。
【国際調査報告】