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特表2023-511750土質植物質の堆肥化可能な生分解性の基材、及び、その製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】土質植物質の堆肥化可能な生分解性の基材、及び、その製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/06 20060101AFI20230314BHJP
   C08L 3/02 20060101ALI20230314BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20230314BHJP
   C08L 89/00 20060101ALI20230314BHJP
   C08L 93/00 20060101ALI20230314BHJP
   C08L 1/02 20060101ALI20230314BHJP
   C08L 23/12 20060101ALI20230314BHJP
   C08L 31/04 20060101ALI20230314BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20230314BHJP
   C08L 101/16 20060101ALN20230314BHJP
【FI】
C08L23/06 ZBP
C08L3/02
C08K3/26
C08L89/00
C08L93/00
C08L1/02
C08L23/12
C08L31/04 S
C08K3/34
C08L101/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546363
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(85)【翻訳文提出日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 US2020067671
(87)【国際公開番号】W WO2021154446
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】17/133,385
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/777,783
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519420090
【氏名又は名称】ショーウォルター エドワード
(74)【代理人】
【識別番号】100140567
【弁理士】
【氏名又は名称】猪狩 充
(72)【発明者】
【氏名】ショーウォルター エドワード
【テーマコード(参考)】
4J002
4J200
【Fターム(参考)】
4J002AB04X
4J002AD00Y
4J002AJ00Z
4J002BB03W
4J002BB12W
4J002BF03Y
4J002DE236
4J002DJ007
4J002FA04Z
4J002FD016
4J200AA04
4J200AA27
4J200BA05
4J200BA07
4J200BA37
4J200BA38
(57)【要約】
バイオプラスチックの形成のための土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物および上記樹脂の製造方法であって、上記組成物は、該バイオプラスチックの生分解および堆肥化を可能にするために、約17.5~45重量%のエタノール由来のグリーンポリエチレン、約20~25重量%の炭酸カルシウム、約2~12重量%のヘンプハードまたは大豆タンパク質、約32~45重量%のデンプン、及び、約0.5~1重量%の生分解添加剤を含み、ここで、上記組成物は、最初にエタノール由来のグリーンポリエチレン、炭酸カルシウム、ヘンプハードまたは大豆タンパク質、デンプン、および生分解添加剤をミル粉砕して微粉末にし、次いで、微粉末を1つずつ一度に約5~25分間にわたって乾式で熱を加えずに機械的に混合して最終混合物にし、次いで、最終混合物を約220~430華氏度に加熱することによって製造される、組成物および製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノール由来のポリエチレン、デンプン、及び、生分解添加剤を含む、堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、前記エタノール由来のポリエチレンは、5~95重量%の範囲から選択され、前記デンプンは、1%~60重量%の範囲から選択され、前記生分解添加剤は、0.5~10重量%の範囲から選択される組成物。
【請求項2】
1~40重量%の範囲の炭酸カルシウムをさらに含む、請求項1に記載の土質植物質系の堆肥化可能で生分解性である組成物。
【請求項3】
炭酸カルシウム、及び、植物由来の原材料をさらに含み、前記炭酸カルシウムは、5~60重量%の範囲から選択され、前記植物由来の原材料は、14~55重量%の範囲から選択される、請求項1に記載の土質植物質系の堆肥化可能で生分解性である組成物。
【請求項4】
前記組成物の約17.5~45重量%のエタノール由来のポリエチレンと、
前記組成物の約20~25重量%の炭酸カルシウムと、
前記組成物の約2~12重量%の植物由来の原材料と、
前記組成物の約32~45重量%のデンプンと、
前記組成物の約0.5~1重量%の生分解添加剤と、
を含む、請求項3に記載の土質植物質系の堆肥化可能で生分解性である組成物。
【請求項5】
前記植物由来の原材料が、ヘンプハード又は大豆タンパク質である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記エタノール由来のポリエチレンが、サトウキビに由来する、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
エタノール由来のポリエチレン、デンプン、及び、生分解添加剤を含む、バイオプラスチックを形成するための土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の樹脂の製造方法であって、
第1の予め決められた量の前記エタノール由来のポリエチレン、第2の予め決められた量の前記デンプン、及び、第3の予め決められた量の前記生分解添加剤を量り取る工程と、
前記第1の予め決められた量をミル粉砕して第1の微粉末にし、前記第2の予め決められた量をミル粉砕して第2の微粉末にし、前記第3の予め決められた量をミル粉砕して第3の微粉末にして、微粉末のバッチを生成する工程と、
前記微粉末のバッチの前記第1の微粉末を機械式ミキサー中に加える工程と、
前記微粉末のバッチのそれぞれの残りの微粉末を前記機械式ミキサー中に1つずつ加えつつ、前記微粉末 のすべてが一緒に掻き混ぜられるまでの期間にわたって熱を加えずに各微粉末を乾式で機械的に混合して、最終混合物を形成する工程と、
前記最終混合物を約220~430華氏度で、前記土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の樹脂が生成されるまで加熱する工程と、を含む、製造方法。
【請求項8】
前記樹脂を約220~430華氏度で硬化させて、バイオプラスチック製品の形成に際して使用するためのペレット化されたバイオプラスチックを形成することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記樹脂が、炭酸カルシウム、及び、植物由来の原材料をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記植物由来の原材料が、ヘンプハード又は大豆タンパク質である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記微粉末のバッチの各微粉末が、約0.10~4.0ミクロンの直径である粒子から構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記期間が、約5~25分間である、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
土質植物質系の堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、
前記組成物の約50~65重量%のエタノール由来のポリエチレンと、
前記組成物の約30~50重量%のデンプンと、
前記組成物の約2~10重量%の炭酸カルシウムと、
前記組成物の約5~10重量%の生分解添加剤と、
を含む、組成物。
【請求項14】
前記エタノール由来のポリエチレンが、サトウキビに由来する、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約15~99重量%の植物由来のポリエチレン、約0.5~60重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)、約0.5~85重量%の食品由来のデンプン、約0.5~85重量%の食品由来のタンパク質、及び、約0.5~10重量%の生分解添加剤を含む組成物。
【請求項16】
食品由来のデンプンが約0.5~30重量%である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
植物由来のポリエチレンが約25~99重量%である、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
炭酸カルシウム(CaCo3)が約1~50重量%である、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕されたヘンプハードが約1~75重量%含まれている組成物。
【請求項20】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕された食品由来のデンプンが約0.25~60重量%含まれている組成物。
【請求項21】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕された植物性のタンパク質が約0.5~50重量%含まれている組成物。
【請求項22】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕されたセルロース系材料が約1~35重量%含まれている組成物。
【請求項23】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約25~99重量%の植物由来のポリエチレン又はポリプロピレン、約1~40重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)、約1~50重量%の食品由来のデンプン、約1~40重量%の食品由来のタンパク質、約1~40重量%の木繊維又は草繊維、約1~50重量%のヘンプハード、及び、約0.5~10重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項24】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約50重量%の植物由来のポリエチレン又はポリプロピレン、約15重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)、15重量%のジャガイモデンプン及び10重量%のタピオカデンプンからなる約25重量%の食品由来のデンプン、約6重量%のヘンプハード、及び、約4重量%の生分解性添加物を含む該組成物。
【請求項25】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約15~99重量%の植物由来のポリエチレン、約0.25~60重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)、約0.25~85重量%の食品由来のデンプン、及び、約0.5~10重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項26】
約60重量%の植物由来ポリエチレン、約20重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)、約18重量%の食品由来のデンプン、及び、約2重量%の生分解性添加剤を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、90重量%の植物由来のポリエチレンまたはポリプロピレン、7重量%の炭酸カルシウム、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項28】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、90重量%の植物由来のポリエチレンまたはポリプロピレン、9重量%の炭酸カルシウム、及び、1重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項29】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、55重量%の植物由来のポリエチレンまたはポリプロピレン、10重量%の炭酸カルシウム、7重量%のジャガイモデンプン、7重量%のタピオカデンプン、2重量%の大豆タンパク質、2重量%のエンドウ豆タンパク質、2重量%のヘンプハード、5重量%の竹繊維、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項30】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕した約1~30重量%の大豆タンパク質または笹を含む組成物。
【請求項31】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、63重量%の植物由来のポリエチレン、14重量%の炭酸カルシウム、10重量%のジャガイモデンプン、10重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加物を含む組成物。
【請求項32】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、67重量%の植物由来のポリエチレン、24重量%の炭酸カルシウム、8重量%の食品デンプン、及び、1重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項33】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、99重量%の植物由来のポリエチレン、0.25重量%の炭酸カルシウム、0.25重量%の食品デンプン、及び、0.5重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項34】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、62重量%の植物由来のポリエチレン、2重量%の食品タンパク質、17重量%の炭酸カルシウム、18重量%の食品デンプン、及び、1重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項35】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、65重量%の植物由来のポリエチレン、19重量%の炭酸カルシウム、13重量%の食品デンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項36】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、62重量%の植物由来のポリエチレン、25重量%の炭酸カルシウム、12重量%の食品デンプン、及び、1重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項37】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、50重量%の植物由来のポリエチレン、24重量%の炭酸カルシウム、12重量%のジャガイモデンプン、12重量%のタピオカデンプン、及び、2重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項38】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、60重量%の植物由来のポリエチレン、17重量%の炭酸カルシウム、10重量%のジャガイモデンプン、10重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項39】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、70重量%の植物由来のポリエチレン、15重量%の炭酸カルシウム、6重量%のジャガイモデンプン、6重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項40】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、80重量%の植物由来のポリエチレン、9重量%の炭酸カルシウム、4重量%のジャガイモデンプン、4重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項41】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、90重量%の植物由来のポリエチレン、5重量%の炭酸カルシウム、1重量%のジャガイモデンプン、1重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項42】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、62重量%の植物由来のポリエチレン、14重量%の炭酸カルシウム、10重量%のジャガイモデンプン、10重量%のタピオカデンプン、1重量%の生分解性添加剤、及び、2重量%の着色料を含む組成物。
【請求項43】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、90重量%の植物由来のポリエチレン、6重量%の炭酸カルシウム、2重量%の生分解性添加剤、及び、2重量%の着色料を含む組成物。
【請求項44】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、95重量%の植物由来のポリエチレン、1重量%の炭酸カルシウム、1重量%の生分解性添加剤、及び、3重量%の着色料を含む組成物。
【請求項45】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約90~99重量%の植物由来のポリエチレンと、約1~10重量%の生分解性添加剤とを含む組成物。
【請求項46】
前記植物由来のポリエチレンが99重量%、及び、前記生分解性添加剤が1重量%である、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、51重量%の植物由来のポリエチレン、22重量%の炭酸カルシウム、20重量%の食品デンプン、4重量%の着色料、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項48】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約15~95重量%の植物由来のポリエチレン、約5~50重量%のPCRポリエチレン又はポリプロピレン、約1~30重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)、約1~30重量%の食品デンプン、約0.5~10重量%の生分解性添加物、約1~30重量%の食品タンパク質、ヘンプハード・笹・木片のうち少なくとも1つを約1~50重量%含む組成物。。
【請求項49】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約5重量%のPCRポリエチレン、約60重量%の植物由来のポリエチレン、約12重量%の炭酸カルシウム、約10重量%のジャガイモデンプン、約10重量%のタピオカデンプン、及び、約3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項50】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約10重量%のPCRポリエチレン樹脂、約60重量%の植物由来のポリエチレン、約15重量%の炭酸カルシウム、約12重量%の食品デンプン、及び、約3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項51】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約15重量%のPCRポリエチレン樹脂、約60重量%の植物由来のポリエチレン、約10重量%の炭酸カルシウム、約12重量%の食品デンプン、及び、約3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項52】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約25重量%のPCRポリエチレン樹脂、約50重量%の植物性のポリエチレン、約15重量%の炭酸カルシウム、約8重量%の食品デンプン、及び、約2重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項53】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約50重量%のPCRポリエチレン樹脂、約35重量%の植物由来のポリエチレン、約12重量%の炭酸カルシウム、及び、約3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項54】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約75重量%のPCRポリエチレン樹脂、約15重量%の植物由来のポリエチレン、約8重量%の炭酸カルシウム、及び、約2重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項55】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約95~99重量%のPCRポリエチレン樹脂と、約1~5重量%の生分解性添加剤とを含む組成物。
【請求項56】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約1~99重量%のPCRポリエチレン樹脂と約0.5~10重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項57】
請求項56記載の組成物であって、約25重量%のPCRポリエチレン樹脂、約50重量%の植物由来のポリエチレン樹脂、約10重量%の炭酸カルシウム、約5重量%の綿くず、約7重量%の食品デンプン、及び、約3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項58】
請求項56記載の組成物であって、約5重量%のPCRポリプロピレン樹脂、約60重量%の植物由来のポリプロピレン樹脂、約12重量%の炭酸カルシウム、約10重量%のジャガイモデンプン、約10重量%のタピオカデンプン、及び、約3%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項59】
請求項56記載の組成物であって、約10重量%のPCRポリエチレン樹脂、約60重量%の植物由来のポリプロピレン、約15重量%の炭酸カルシウム、約12重量%の食品デンプン、及び、約3%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項60】
請求項56記載の組成物であって、約15重量%のPCRポリプロピレン樹脂、約60重量%の植物由来のポリプロピレン樹脂、約10重量%の炭酸カルシウム、約12重量%の食品デンプン、及び、約3%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項61】
請求項56記載の組成物であって、約50重量%のPCRポリプロピレン樹脂、約35重量%の植物由来のポリプロピレン、約12重量%の炭酸カルシウム、及び、約3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項62】
請求項56記載の組成物であって、約75重量%のPCRポリプロピレン樹脂、約15重量%の植物由来のポリプロピレン、約8重量%の炭酸カルシウム、及び、約2重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項63】
請求項56記載の組成物であって、約99重量%のPCRポリプロピレン樹脂と、約1重量%の生分解性添加剤とを含む組成物。
【請求項64】
請求項56記載の組成物であって、約25重量%のPCRポリプロピレン樹脂、約50重量%の植物由来のポリプロピレン、約10重量%の炭酸カルシウム、約5重量%の綿くず、約7重量%の食品デンプン、及び、約3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項65】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約15~約99重量%の植物由来のポリプロピレン又は植物由来のポリエチレンと、約0.5~約10重量%の生分解性添加剤とを含む組成物。
【請求項66】
約0.5~約60重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)をさらに含む請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
約0.5~約85重量%の食品由来のデンプンをさらに含む請求項65に記載の組成物。
【請求項68】
約0.5~約85重量%の食品ベースのタンパク質をさらに含む請求項65に記載の組成物。
【請求項69】
衝撃改良剤をさらに含む、請求項65に記載の組成物。
【請求項70】
着色料をさらに含む請求項65に記載の組成物。
【請求項71】
堆肥化可能で生分解性であるバイオプラスチックの製造用組成物であって、約25~約99重量%の植物由来ポリマーと、約1~約10重量%の食用デンプン、炭酸カルシウム、及び、生分解性添加剤のブレンド混合物を含む組成物。
【請求項72】
堆肥化可能で生分解性であるバイオポリマーの製造方法であって、
第1成分を0.1~4.0ミクロンの第1微粉末に粉砕する工程と、
第2成分を0.1~4.0ミクロンの第2微粉末に粉砕する行程と、
第1微粉末をミキサーに投入する工程と、
第2微粉末をミキサーに投入する工程と、
ミキサー内で第1微粉末と第2微粉末を乾燥させて混合する工程と、
得られた混合物を約220~430華氏度まで加熱する工程と、を含む製造方法。
【請求項73】
堆肥化可能で生分解性である靴または他の軟質材料用途のバイオプラスチックを製造用組成物であって、約28~60重量%のポリエチレン、30~75重量%のEVA、1~25重量%のCaCo3、1~20重量%のデンプン、及び、1~4重量%の生分解性添加物を含む組成物。
【請求項74】
請求項73記載の組成物であって、約18重量%の植物由来のポリエチレン、約29重量%のポリエチレン、約38重量%のエチレン酢酸ビニル(EVA)、約8重量%のCaCo3、約4重量%のデンプン、及び、約3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項75】
請求項73記載の組成物であって、約24重量%の植物由来のポリエチレン、23重量%のポリエチレン、40重量%のEVA、6重量%のCaCo3、4重量%のデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項76】
請求項73記載の組成物であって、約52重量%の植物由来のポリエチレン、約28重量%のEVA、約12重量%のCaCo3、約4重量%のデンプン、及び、約4重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項77】
請求項73記載の組成物であって、約47重量%の植物由来のポリエチレン、40重量%のバイオEVA、6重量%のCaCo3、4重量%のデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項78】
堆肥化可能で生分解性である靴または他の軟質材料用途のバイオプラスチックを製造用組成物であって、約30~60重量%の植物由来のポリエチレン、30~75重量%のEVA、4~20重量%のCaCo3、1~20重量%のデンプン、及び、1~4重量%の生分解性添加物を含む組成物。
【請求項79】
堆肥化可能で生分解性である靴または他の軟質材料用途のバイオプラスチックを製造用組成物であって、22~66重量%の植物由来ポリエチレン、22%~60重量%の植物由来のポリプロピレン、30~70重量%のEVA、1~25重量%のCaCo3、1~20重量%のデンプン、1~4重量%の生分解添加剤、1~30重量%のヘンプ、1~25重量%の綿くず、1~20重量%の植物由来タンパク質を含む組成物。
【請求項80】
堆肥化可能で生分解性である化粧品産業または他の硬質用途のバイオプラスチックの製造用組成物であって、約55~65重量%のポリエチレン、20~30重量%のCaSiO3(ウォラストナイト)、7~15重量%のCaCo3、及び、2~3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項81】
請求項80に記載の組成物であって、約40重量%の植物由来のポリエチレン、15重量%の非植物由来のポリエチレン、25重量%のCaSiO3(ウォラストナイト)、10重量%のCaCo3、7重量%のデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項82】
請求項80に記載の組成物であって、約65重量%の植物由来のポリエチレン、25重量%のCaSiO3(ウォラストナイト)、7重量%のCaCo3、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項83】
請求項80に記載の組成物であって、約35重量%の植物系のポリエチレン、約25重量%の非植物由来のポリエチレン、約30重量%のCaSiO3(ウォラストナイト)、約8重量%のCaCo3、約2重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項84】
請求項80に記載の組成物であって、約62重量%の植物由来のポリエチレン、20重量%のCaSiO3(ウォラストナイト)、15重量%のCaCo3、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項85】
バイオプラスチックの製造用組成物であって、約96~99重量%の植物由来のポリエチレン、PP-ポリプロピレンまたは植物由来のポリプロピレンと、1~4重量%の生分解性添加剤含む組成物。
【請求項86】
請求項85に記載の組成物であって、98重量%の植物由来のポリエチレンと、2重量%の生分解性添加剤とからなる組成物。
【請求項87】
請求項85に記載の組成物であって、97重量%の植物由来のポリエチレンと、3重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項88】
請求項85に記載の組成物であって、96重量%の植物由来のポリエチレンと、4重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項89】
請求項85に記載の組成物であって、99重量%の植物由来のポリプロピレンと、1重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項90】
請求項85に記載の組成物であって、98重量%の植物由来のポリプロピレンと、2重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項91】
請求項85に記載の組成物であって、97重量%の植物由来のポリプロピレンと、3重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項92】
請求項85に記載の組成物であって、96重量%の植物由来のポリプロピレンと、4重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項93】
請求項85に記載の組成物であって、95重量%の植物由来のポリプロピレンと、5重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項94】
請求項85に記載の組成物であって、99重量%のポリプロピレンと、1重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項95】
請求項85に記載の組成物であって、98重量%のポリプロピレンと、2重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項96】
請求項85に記載の組成物であって、97重量%のポリプロピレンと、3重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項97】
バイオプラスチックの製造用組成物であって、90~95重量%のポリプロピレン、2~7重量%のCaCo3、2~4重量%の生分解性添加剤、1~5重量%のデンプンを含む組成物。
【請求項98】
請求項97記載の組成物であって、90重量%のポリプロピレン、5重量%のCaCo3、2重量%のデンプン、3重量%の生分解性添加剤からなる組成物。
【請求項99】
バイオプラスチックの製造用組成物であって、96重量%のポリプロピレンと、4重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項100】
バイオプラスチックの製造用組成物であって、90重量%のポリプロピレン、7重量%のCaCo3、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項101】
バイオプラスチックの製造用組成物であって、95重量%のポリプロピレン、2重量%のCaCo3、及び、3重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項102】
バイオプラスチックの製造用組成物であって、92重量%のポリプロピレン、4重量%のCaCo3、及び、4重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項103】
光るバイオプラスチックを製造するための組成物であって、約30~80重量%の植物由来のポリエチレン、20~80重量%のポリプロピレン、20~60重量%のバイオEVA、1~20重量%のデンプン、10~30重量%の発光剤、及び、1重量%~4重量%の生物分解性添加剤を含む組成物。
【請求項104】
光るバイオプラスチックを製造するための組成物であって、約70重量%の植物由来のポリエチレン、15重量%の発光剤、5重量%のデンプン、6重量%のCaCo3、及び、4重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項105】
光るバイオプラスチックを製造するための組成物であって、約65重量%の植物由来ポリエチレン、10重量%のPCR、15重量%の発光剤、6重量%のCaCo3、及び、4重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項106】
光るバイオプラスチックを製造するための組成物であって、約21重量%の植物由来ポリエチレン、60重量%のバイオEVA(エチレン酢酸ビニル)、15重量%の発光剤、及び、4重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【請求項107】
光るバイオプラスチックの製造用組成物であって、該組成物は、約21重量%のPP-ポリプロピレン、60重量%のバイオEVA、15重量%の発光剤、及び、4重量%の生分解性添加剤を含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に組成物に関し、より具体的には、可塑剤や熱可塑性デンプン添加物を使用せずにバイオプラスチックを製造するために、有機、持続可能、再生可能又はリサイクル可能な材料を用いて、耐久財、食品、及び飲料容器、化粧品、及びヘルスケア包装、医療機器、自動車材料、あらゆる種類の包装材料、及び、現在石油系のプラスチック材料から作られているその他の関連用途で使用するバイオプラスチック樹脂 - バイオポリマーのマスターバッチを製造するために有効に使用できる、環境に優しい持続可能な性質を有する土質植物質系組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリオレフィン、及び可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)などの石油系プラスチック、及び、その他多くの類似又は関連の石油系プラスチックは、今日、包装材料、自動車部品、家庭用品、玩具などの幅広い用途に広く使用されている。しかしながら、そのような石油系プラスチックは、堆肥化可能又は生分解性ではないため、例えば、温室効果ガスの排出、汚染、埋め立て問題、プラスチックで満たされた海、人間の健康問題の形で環境害を引き起こす。
【0003】
このような影響に対して、科学者や技術者は、ポリ乳酸(PLA)樹脂に代表されるバイオポリマー(バイオベース樹脂)の開発を試みてきた。PLA樹脂は、石油系プラスチックの代替品として広く検討されるようになり、普及してきた。しかし、PLA樹脂を耐久消費財やその他のプラスチック製品に使用するには、いくつかの問題、課題、制限がある。
【0004】
PLA樹脂は温度の問題があり、日光や熱湯などの温度上昇で溶けたり、電子レンジで分解したりする上、食器洗い機に入れる製品に使用することができない。PLA樹脂のボトルを夏の高温の自動車内に放置すると、そのボトルもその環境下では溶けて分解し、ぐちゃぐちゃの塊になってしまう。また、PLA樹脂はもろいので、耐久消費財の用途に使うことができない。
【0005】
PLA樹脂は射出成形も難しく、既存の射出成形機ではうまく加工できない。寒冷地での耐久性もない。PLA樹脂をブロー成形したり、押し出したりしようとすると、多くの課題がある。PLA樹脂をブロー成形するために、化学添加物を加えることがあり、それによってバイオベースであるべきPLA樹脂の特性が汚染される。さらに、加工の際、PLA樹脂を射出成形、押出成形、ブロー成形などのプラスチック産業用途に使用する前に、オーブンで予備乾燥させる必要がある。そのため、人件費、設備費、エネルギーコストがかさむ。また、PLA樹脂は、PEなどの他のプラスチックと一緒にリサイクルすることがでない。
【0006】
さらに、別の問題として、PLA樹脂の製造に伴うコストが高いこと、そして現在ポリ乳酸の供給が限られていることから、耐久財バイオプラスチックとしての限られた能力とともに、この石油系プラスチックへの代替は経済的に実行不可能となっている。
【0007】
さらに、工業及び消費財へのPLA樹脂使用における問題のほんの一部を挙げるとすれば、PLA樹脂は、耐久性に乏しく、耐熱性や耐寒性が悪い上、耐湿性バリアに欠け、また、高衝撃耐久財、包装フィルム、ボトル、自動車部品、化粧品包装及び玩具などの特定用途に必要な柔軟性も欠けている。PLA樹脂やPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)樹脂の機械的特性は、石油系樹脂と比較して不足している(例えば、PLA樹脂やPHA樹脂はフローレートが高いためブロー成形に適さない、耐久消費財に適さない)。
【0008】
有機・バイオベースではないPLA樹脂やPHA樹脂に低分子量の柔軟化剤又は可塑剤を添加することや、添加剤を添加してメルトフローレートを遅くすることが提案され一般的になっているが、これも有機・バイオベースではない化学物質である。しかし、PLA樹脂やPHA樹脂から作られた製品(包装フィルム、ストロー、消費者製品など)は、依然として安定性が悪く、脆く、温度や湿度の問題があり、PLA樹脂やPHA樹脂を不利な立場に置いている。さらに、現在入手可能な添加剤によって得られる組成物は、生分解性、堆肥化性がなく、持続可能で再生可能な原料ではないことが試験で明らかになっている。
【0009】
その一方で、石油から作られたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート及び他のポリマーの代替として、グリーンPE(グリーンポリエチレン(例えば、I’m green(商標))、グリーンPP(グリーンポリプロピレン)、グリーンPET(グリーンポリエチレンテレフタレート)やサトウキビ、テンサイ、トウモロコシなどの有機で持続可能な再生可能材料から得られ得る他の「グリーン」コポリマーが組成物に使用されてきた。これらのグリーン(植物由来)ポリマーは、高性能と加工性を兼ね備えている。グリーンPE、グリーンPP、グリーンPETなどのプラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの従来のプラスチックポリマーと同様にリサイクルすることが可能で、グリーンPE、グリーンPP、グリーンPETは持続可能な再生可能材料として知られており、温室効果ガスの削減に貢献する能力を備えている。しかし、グリーンポリマー(グリーンPE、グリーンPP、グリーンPET)は生分解性や堆肥化性がなく、埋立地や海洋の汚染につながる可能性がある。生分解性や生物学的堆肥化性を持ち、真に「グリーン」なグリーンPE、グリーンPP、グリーンPETを製造する経済的に実現可能な技術はまだ開発されていない。
【0010】
2020年において、世界の年間石油ポリマー樹脂生産量は7000億ポンドを超えるが、埋め立て地、海、川、そして大気に常に流れ込むプラスチックの世界的な膨大な廃棄物に対して、経済的に実現可能で、持続可能で、再生可能な生分解性及びバイオ堆肥化可能な樹脂ソリューションを持っていないのが現状である。
【0011】
同様に、樹木を原料とする紙、硬質紙及び限られたプラスチック商品の代替組成物として、石系コポリマー基材樹脂が開発された。より詳細には、この基材樹脂は、石灰石系コポリマー基材に関するものであり、現在樹木系又は石油系物質から製造されている限られた商品のための代替組成物として使用することができる。石系コポリマー基材樹脂は脆く、フィルムや柔軟な製品の製造に適用できず、製品の押し出しやブロー成形に使用できないため、一般に石油系プラスチック製品の代替には使用できない。さらに、石系の樹脂は、約50~85重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)を高濃度に含み、直径が一般に2~4ミクロンと異なる。この炭酸カルシウムの存在により、石系の樹脂を用いた製品は、脆さの増加、ヘイズ、透明性の大幅な低下、柔軟性、耐久性の低下などの欠点がある。そのため、この樹脂が適用できる分野や用途には多くの制約があった。
【0012】
上記の試みの限界のために、現在市場で入手可能なプラスチックは、典型的には依然として石油をベースとしており、製造するために大量の処理エネルギーとコストを必要とする。残念なことに、石油は、供給が制限され、需要が高いことが多い原油から得られる。さらに、原油は再生可能な材料ではない。さらに悪いことに、石油由来のプラスチック製品は、一般的に生分解性や堆肥化可能性がないため、製品使用後の廃棄問題など、地球規模で甚大な環境問題を引き起こしている。
【0013】
一般に、大量生産のために経済的にスケールアップでき、経済的に実現可能で、世界市場で今日使用されている広範囲の石油系のプラスチック製品を置き換えるために使用できる、真の持続可能な、バイオプラスチック材料は開発されていない。
【0014】
従って、経済的に実現可能で、環境に優しい特性を有する土質植物質由来の堆肥化及び生分解性組成物、ならびに前記樹脂を世界的に製造する拡張可能な方法を提供することによって、上記の問題を解決する必要がある。
【0015】
このセクションで提示された態様又は問題及び関連する解決策は、追求され得るか、又は追求された可能性があり、それらは、必ずしも、以前に考案又は追求されたアプローチであるとは限らない。従って、特に示されない限り、このセクションで提示されたアプローチのいずれかが、本願のこのセクションに存在するという理由だけで先行技術として質すことを想定すべきではない。
【発明の概要】
【0016】
この概要は、簡略化された形で概念の選択を紹介するために提供され、これらの概念は、以下の詳細な説明においてさらに説明される。この概要は、特許請求の範囲に記載された主題の主要な態様又は必須の態様を特定することを意図するものではない。さらに、この概要は、特許請求の範囲に記載された主題の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものではない。
【0017】
一態様では、土質基材とコポリマー基材とが配合された組成物を含む、土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の(EarthPCB)組成物が提供される。該組成物は、およそ15~75重量%のエタノール由来のグリーンポリエチレン(例えば、I'm green(商標)ポリエチレン)を有し得る。該組成物はまた、およそ15~60重量%)の炭酸カルシウム(CaCo3)を含み得る。該組成物はまた、100%生分解性及びリサイクル可能なヘンプハードを含み得て、ヘンプハードは、2~75重量%まで提供され得る。該組成物はまた、100%生分解性であるデンプンを含み得て、デンプンは、20~60重量%まで提供され得る。EarthPCB樹脂は、およそ0.5~10重量%までの生分解添加剤を含み得る。従って、EarthPCB基材の利点は、得られる製品が石油系プラスチックと同じ強さ又はそれより強いと同時に、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、そして環境に対して無毒でもあることである。
【0018】
別の態様では、およそ2~10重量%で提供される大豆タンパク質、大豆ポリオール、又は大豆プラスチックを含み得る、土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物が提供される。EarthPCB樹脂は、ヘンプハードの代わりに大豆タンパク質を有し得て、エタノール由来のグリーンポリエチレン、炭酸カルシウム、大豆タンパク質、生分解添加剤(例えば、EcoPure(登録商標))、及びデンプンを含む組成物が得られる。従って、大豆タンパク質に置き換えられたEarthPCB組成物の利点は、得られる製品が石油系プラスチックと同じ強さ又はそれより強いにもかかわらず、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、そして環境に対して無毒であることであり得る。さらなる利点は、EarthPCB組成物を構成する成分が広く利用可能であり、費用効率が高いことから、該樹脂は石油系プラスチック樹脂について、手頃な価格により再生可能な代替となることであり得る。
【0019】
別の態様では、土質植物質の堆肥化可能な生分解性の組成物を製造する方法が提供される。EarthPCB樹脂は、エタノール由来のPE、炭酸カルシウム、ヘンプハード、デンプン、生分解添加剤、大豆タンパク質、及びバイオポリマーを含み得る。土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物を製造する方法は、最初に基材コポリマーを微粉末にミル粉砕することを含み得る。ここで、該粉末の各粒子は、およそ直径0.25~3.0ミクロン(マイクロメートル)である。グリーンポリエチレンを約0.25~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕し、基材炭酸カルシウムを約0.25~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕し、2つの粉末を一緒に機械的に混合して、第1の混合物が形成され得る。基材ヘンプハードを約0.25~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕し、第1の混合物と機械的に乾式で混合及び配合して、第2の混合物が形成され得る。次いで、基材デンプンを約0.25~3.0ミクロンの微粒状粉末にミル粉砕し、第2の混合物と機械的に乾式で混合及び配合して、第3の混合物が形成され得る。基材生分解添加剤を約0.25~3.0ミクロンの微粒状粉末にミル粉砕した後に、第3の混合物と機械的に乾式で混合及び配合して、最終EarthPCB組成物が形成され得る。次いで、バイオポリマーを約220~360華氏(°F)度の間に加熱して、バイオポリマーの熱力学的活性化を達成し、こうしてポリマー樹脂配合物が形成され得る。従って、EarthPCB基材を製造する方法の利点は、樹脂のすべての成分が均一に配合され、混合過程の間に熱を加える必要なしに乾式で配合されることであり得る。EarthPCB基材を製造する方法のさらなる利点は、製造方法が比較的低いエネルギー消費を要することであり得る。
【0020】
別の態様では、土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の基材樹脂をペレット形状で製造する方法が提供される。EarthPCB基材コポリマーを製造する方法は、およそ50~65重量%のエタノール由来のグリーンポリエチレン、およそ30~50重量%のデンプン、及び、およそ2~10重量%の生分解添加剤を有し得る。EarthPCB基材コポリマーを製造する方法は、最初に各基材コポリマーを別々に約0.25~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕することを含み得る。次いで、これらの微粉末を、機械式ミキサーにおいて、各粉末について約5~25分間にわたって均一に配合することができ、その際、各基材コポリマーは混合過程の間に1つずつ添加される。微粉末は、機械式ミキサーにおいて熱を加えずに乾式で配合される。3つのすべての基材コポリマーを機械的に一緒に乾式で掻き混ぜたら、基材の完全な混合物を約220~360華氏度の間の温度で加熱して熱力学的活性化を達成させることによって、各基材コポリマー間の凝集を確立し、基材樹脂を得ることができる。最後に、基材樹脂を250~360華氏度の間の温度で硬化させて、バイオプラスチック製品の製造のための様々な製造方法で使用され得るペレット化されたバイオプラスチックを形成することができる。従って、基材樹脂を製造する方法の利点は、多くの種類の食品及び飲料の容器、包装、フィルム、及び同様のプラスチック製品を形成するための材料として上記樹脂を使用することができることであり得る。該方法のさらなる利点は、得られる製品がリサイクル可能、堆肥化可能、及び生分解性であることであり得る。
【0021】
一態様において、ブレンドされた土質及びコポリマー基材の組成物を含む土質植物系の堆肥化生分解性(EarthPCB(商標))組成物が提供される。この組成物は、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、セルロース系、又は他の植物系エタノール土質ポリエチレン又はグリーンポリエチレン(例えば、EarthPE(商標))などの異なるタイプの有機材料から作られたエタノール由来グリーンポリエチレンを提供してもよい。
【0022】
上記の態様又は例及び利点、ならびに他の態様又は例及び利点は、次の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
例示のためであって、限定のためではなく、添付の図面に本発明の態様、実施形態、又は例が示されている。
【0024】
図1A及び図1Bは、一態様による、試験の間に製造された土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性の組成物の例示的な実施形態を示す図である。
【0025】
図2は、一態様による、試験中に作られた土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られた他の例示的なサンプル製品を示す。
【0026】
図3は、ある側面に従って、その広い適性を示す、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から、問題無く作られた様々な製品を示す図である。
【0027】
図4A~Cは、本明細書に開示される土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から、問題無く作られた別の製品である靴底の側面図、底面図、上面図をそれぞれ示している。
【0028】
図5は、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られた柔軟な製品を示す図である。
【0029】
図6は、電子レンジで沸騰させた熱水中において試験した後、変形しないままであった、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られた飲料用ストローを示す図である。
【0030】
図7は、電子レンジで沸騰させた熱水によって変形した、PLAから作られた飲料用ストローを示す図である。
【0031】
図8は、本発明の土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られたマスクを示す図である。
【0032】
図9は、暗闇で光る土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られたカップを示す図である。
【0033】
図10は、凍結温度まで冷却された後でも可撓性を有する、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られたカップを示す。
【0034】
図11A~C、12A~C、13A~Cは、それぞれ、土質植物質系コンポスト生分解性組成物の3つの特定の配合、EPCB177、EPCB178、EPCB179から作ったプラスチックに対して行った生分解性試験の結果を示す図である。
【0035】
図14Aは、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物の2つの特定の配合である、EPCB240、及び、EPCB241から作られたプラスチックに対してそれぞれ行われた強度試験の結果を示す。
【0036】
図14Bは、植物由来のポリエチレンから作られたプラスチックと、石油由来のポリエチレンから作られたプラスチックについての強度試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下は、本発明を実施することができる様々な態様、実施形態、及び/又は例の説明である。添付の図面が参照され、図面に含まれる情報はこの詳細な説明の一部である。本明細書に記載される態様、実施形態、及び/又は例は、例示のために示されており、限定のためには示されていない。当業者によれば、本発明の範囲から逸脱することなく、論理的変更を加えることができることを理解されたい。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって規定される。
【0038】
図面及び明細書を理解しやすいように、当業者が本発明を理解するために必要でない場合に、当該技術分野で知られるいくつかの構成要素又は工程に関するいくつかの又はすべての詳細は、示されていないか、又は記載されていないことを理解されたい。
【0039】
以下の説明については、図全体を通して対応して表示された要素のほとんどが同じ特性を有し、同じ構造及び機能に従うと想定され得る。指摘されていない対応して表示された要素の間に違いがあり、この違いにより特定の実施形態、例、又は態様について対応しない要素の構造又は機能がもたらされる場合に、その特定の実施形態、例、又は態様について与えられた競合する説明が優先するものとする。
【0040】
本発明は、石油系プラスチックの代わりに効果的に使用することができる、環境に優しい特性を有する土質植物質系(EarthPCB)の組成物及び方法に関する。EarthPCB組成物は、バイオプラスチック材料の強度の向上、柔軟性の向上、耐湿性、酸素バリア、生分解特性の可能性、及び堆肥化などのさらなる有利な特性を有し得る。EarthPCBを形成する材料も広く入手可能であり、比較的低コストである。本開示に記載されるように、EarthPCB組成物は、ハードペレット樹脂セグメントとソフトセグメントとを含む、土質系材料、植物質系材料の樹脂のポリマー樹脂配合物を含み得る。ハードペレット樹脂セグメントは、炭酸カルシウム(CaCo3)を含み得る。ソフトセグメントは、デンプン、ヘンプハード、エタノール由来のグリーンポリエチレン、及び、よく知られた生分解添加剤(例えば、EcoPure(登録商標))を含み得る。これらのセグメントにより、EarthPCB樹脂から製造された製品は、使用後に堆肥化及び生分解することができると同時に無毒でもある。従って、土質植物質の堆肥化可能な樹脂系のバイオプラスチックを使用して、食品及び飲料の包装、ならびに他の種類の消費者製品に現在使用されている石油系プラスチックを置き換えることができることが利点であり得る。
【0041】
一態様では、EarthPCB組成物は、約0.25~3.0ミクロン(マイクロメートル)の微粉砕粉末の好ましい形態で、およそ15~75重量%のエタノール由来のグリーンポリエチレンを有し得る。EarthPCB樹脂基材には、約15~60重量%の微粉末の炭酸カルシウム(CaCo3)を、一般に好ましい約0.25~3.0ミクロンの直径で提供することもできる。EarthPCB内の炭酸カルシウムの存在は、ピルボトル、シャンプーボトルなどの白色プラスチックが望ましい特定の用途に有利であり得る。炭酸カルシウムは自然に白色であるため、白色着色料の必要性が低下し、そのような用途向けのEarthPCBの製造コストが削減され得る。さらなる利点は、EarthPCBが石質系樹脂よりも低濃度の炭酸カルシウムを使用することにより、EarthPCB組成物がより脆性でなくなることである。
【0042】
EarthPCB樹脂基材はまた、例として、約0.25~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕された、およそ2~75重量%のヘンプハードを有し得る。ヘンプハードを使用してプラスチックを製造することは、100%生分解性かつリサイクル可能であるため、石油系プラスチックよりもはるかに優れた選択肢となり得る。EarthPCB樹脂基材は、植物(例えば、ジャガイモ、小麦、米、トウモロコシ、キャッサバ)内で生ずるデンプン粒に由来するデンプンも含み得る。デンプンは、約0.25~3.0ミクロン粒子の微粉末にミル粉砕され、およそ20~60重量%で提供され得る。
【0043】
最後に、EarthPCB樹脂はまた、例として、約0.25~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕された、およそ0.5~10重量%の生分解添加剤も有し得る。生分解添加剤は、EarthPCB組成物を用いて形成された製品がASTM D5511(プラスチック材料の嫌気性生物分解を測定するための標準試験法)の下、嫌気性条件下で60~180日以内に生分解するだけでなく、嫌気性条件下で30~90日で堆肥化することも可能にする。従って、EarthPCB組成物の利点は、上記樹脂から製造されたバイオプラスチック製品が、石油系プラスチックと同じ強さ又はそれより強い製品であるにもかかわらず、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、そして環境に対して無毒であることである。
【0044】
上記の範囲内で、様々なEarthPCB組成物を配合することができることを理解すべきである。上記の5つの成分のうち、試験により、適切なEarthPCBを得るためには5つの成分のうち3つが重要であることが明らかになった。これらの3つの成分は、エタノール由来のグリーンポリエチレン、デンプン、及び、生分解添加剤である。一例では、75重量%のグリーンポリエチレンと、20重量%のデンプン、及び、5重量%の生分解添加剤とを組み合わせることが選択され得る。別の例では、各成分の比率が各成分について上記の範囲内にあり、かつ比率の合計が100%に等しいことを保証することによって、上記成分の5つすべてを単一の組成物に組み合わせることが選択され得る。例えば、以下の通りである:40重量%のグリーンポリエチレン、20重量%の炭酸カルシウム、15重量%のヘンプハード、24.5重量%のデンプン、及び、0.5重量%の生分解添加剤。
【0045】
別の態様では、EarthPCB組成物は、ヘンプハードの原材料の代替として大豆タンパク質を有し得る。従って、大豆タンパク質に置き換えられたEarthPCB組成物は、直径約0.25~3.0ミクロンの微粉末へとミル粉砕された、およそ2~10重量%の大豆タンパク質を含み得る。残りのバイオポリマー(例えば、デンプン及びグリーンポリエチレン)は、上記と同じ重量基準の量及び同じ粒子径で提供され得る。従って、大豆タンパク質に置き換えられたEarthPCB組成物の利点は、上記樹脂を用いて製造された製品が石油系プラスチックと同じ強さ又はそれより強い製品であるとともに、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、そして環境に対して無毒であることである。
【0046】
上記のEarthPCB樹脂は、以下の好ましい配合から製造され得る。EarthPCB組成物の第1の例示的な配合は、25重量%の炭酸カルシウム、12重量%のヘンプハード、17.5重量%のグリーンポリエチレン、45重量%のデンプン、及び、0.5重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0047】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、25重量%の炭酸カルシウム、2重量%のヘンプハード、27.5重量%のグリーンポリエチレン、45重量%のデンプン、及び、0.5重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0048】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、25重量%の炭酸カルシウム、6重量%のヘンプハード、23.5重量%のグリーンポリエチレン、45重量%のデンプン、及び、0.5重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0049】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、20重量%の炭酸カルシウム、2重量%のヘンプハード、45重量%のグリーンポリエチレン、32重量%のデンプン、及び、1重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0050】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、60重量%のグリーンポリエチレン、37重量%のデンプン、及び、3重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0051】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、25重量%の炭酸カルシウム、2重量%のヘンプハード、27.5重量%のグリーンポリエチレン、45重量%のデンプン、及び、0.5重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0052】
最後の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、25重量%の炭酸カルシウム、2重量%の大豆タンパク質、27.5重量%のグリーンポリエチレン、45重量%のデンプン、及び、0.5重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含み得る。
【0053】
上記の好ましい配合によって示されるように、生分解性かつ堆肥化可能な樹脂を実現するために、少なくとも3つの基材コポリマーを使用する必要がある。それらの3つの基材コポリマーは、およそ50~70重量%のグリーンポリエチレン、およそ30~50重量%のデンプン、及び、およそ2~10重量%の生分解添加剤(例えば、EcoPure(登録商標))である。従って、本明細書に開示されるEarthPCB組成物の利点は、EarthPCB樹脂から製造されたバイオプラスチック製品が、少なくとも3つの基材コポリマーのみを使用する場合でさえ、堆肥化可能、生分解性、及び、リサイクル可能であり得ることである。
【0054】
実施された試験では、上記の例示的な配合のうちの2つで製造されたEarthPCB樹脂を分析した。EPC104、及び、EPC105と呼ばれるこれらの組成物を、以下の表1に示されるように、衝撃(ASTM D256)、引張(ASTM D638)、メルトフロー(ASTM D1238)、比重(ASTM D792)、及び、灰分含有量試験(ASTM D5630)に従って試験した。EPC104は、25重量%の炭酸カルシウム、2重量%のヘンプハード、27.5重量%のグリーンポリエチレン、45重量%のデンプン、及び、0.5重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含むEarthPCB樹脂の例示的な実施形態に相当する。EPC105は、25重量%の炭酸カルシウム、6重量%のヘンプハード、23.5重量%のグリーンポリエチレン、45重量%のデンプン、及び、0.5重量%のEcoPure(登録商標)添加剤を含むEarthPCB樹脂の例示的な実施形態に相当する。
【0055】
【表1】
【0056】
特に、組成物はPLA樹脂に対して試験された。試験の間に、組成物中のデンプンの存在が、それ自体でメルトフローレートを約4.26g/10分に低下させることが観察されたことに留意されたい。さらに、7.5g/10分のPLA樹脂のメルトフローレートと比較して、表1に示されるように、EPC104はメルトフローレートを1g/10分未満に低下させ、EPC105はメルトフローレートを0.2g/10分未満に低下させた。これらの結果が裏付るように、EarthPCB樹脂の利点は、メルトフローレートが遅くなることで、特定の用途及び製造方法に有用となり得る場合があることである。別の例示的な試験では、EarthPCB樹脂により引張弾性率が大幅に向上した。PLA樹脂の引張弾性率は190,000psiであるところ、表1に示されるように、最も改善がみられたEPC105は、412,098psiの引張弾性率を示した。従って、EarthPCB樹脂のさらなる利点は、該樹脂から形成されたバイオプラスチックが、PLA系のプラスチックよりも強いことであり得る。
【0057】
図1A図1Bは、一態様による、試験の間に製造された土質植物質系の堆肥化可能な生分解性の組成物の例示的な実施形態を示す。図1Aは、先で論じられた例示的な実施形態EPC104(101によって示される)を示す。図1Bは、先で論じられた例示的な実施形態EPC105(102によって示される)を示す。図1A図1Bに示される例示的な実施形態は、最初に各成分を溶融させて、それらの溶融物を混合することにより、従来の硬化方法を使用して製造した。図1A~1Bに示されるように、この方法を使用して製造されたEarthPCB樹脂の実施形態は、バイオプラスチック101及び102の試験片全体にわたって着色及び均一性が一様でない。例えば、より暗い領域103a・104aの存在、及び、より明るい領域103B・104bの存在は、EarthPCBの各実施形態における混合の間の成分の不均一な配合を示している。この不均一な配合は、全体にわたって不均一な強度を引き起こす場合があり、それにより、得られたバイオプラスチックは特定の用途でより破損しやすくなり得る。
【0058】
本明細書で以下にさらに詳細に議論されるように、試験の間に、樹脂を混合する前に各成分をミル粉砕することにより、各成分が均一に配合されることが見出された。
【0059】
一態様では、EarthPCB組成物の製造方法が提供される。EarthPCB樹脂基材を製造する方法は、最初に各コポリマーを別々に微粉末にミル粉砕することを含み得る。その際、各粒子は、0.25~3.0ミクロンの直径である。基材コポリマーは、例として、グリーンポリエチレン、CaCo3、ヘンプハード、デンプン、生分解添加剤、及び、任意に大豆タンパク質粉であり得て、固体状態で提供され得る。EarthPCB組成物を製造するために、予め選択された量の各基材コポリマーを量り取ることができる。基材コポリマーをこの直径範囲に粉砕又は粉末化して、各コポリマーを微粉化して配合することで均一な組成物にすることを可能にすることができる。粉末化されたコポリマーの粒子サイズは、顕微鏡検査又は篩い分けなどの幾何学的方法を介して測定することができる。好ましい例示的な実施形態では、ヘンプハードは、直径約0.25~0.75ミクロンの微粉末にミル粉砕され得る。ヘンプ幹の内芯を形成するヘンプハード繊維は一般的に木質であるため、そのままでは十分に混和されず、又は、均一に配合されない。従って、ヘンプハードを直径約0.25~0.75ミクロンの微粉末に粉砕すると、ヘンプハードは他の基材コポリマーとより均一に配合及び混和される。従って、ヘンプハードをこの微粉末サイズにミル粉砕することの利点は、EarthPCB樹脂がより強く、より柔軟で、堆肥化可能で、かつ生分解性であることであり得る。
【0060】
各基材コポリマーを一般に約0.25~3.0ミクロンの範囲で配合したら、これらのコポリマーを一緒に配合し、熱を加えることなく機械的に混合することができる。例として、各成分を、機械的機構において混合物に1つずつ添加することができ、その際、該混合物は、次の基材コポリマーが添加される前の時点で約5~25分間混合される。すべての基材コポリマーを一緒に機械的に乾式で掻き混ぜたら、得られた混合物を約220~360華氏度の間の温度に加熱することができる。基材の最終混合物の加熱は、混合物内の熱力学的活性化を達成し、その結果、混合物の各基材コポリマー間に凝集が確立される。最終混合物を加熱すると、本明細書で上記に開示された最終EarthPCB樹脂が得られる。従って、EarthPCB樹脂を製造する方法の利点は、多くの種類の食品及び飲料の容器、包装、フィルム、及び、同様のプラスチック製品を形成するための材料として上記樹脂を使用することができることであり得る。該方法のさらなる利点は、得られる製品がリサイクル可能、堆肥化可能、及び、生分解性であることであり得る。
【0061】
EarthPCB樹脂は、例として、熱成形、ブロー成形、射出成形、バブル成形、真空成形、及び、ペレット化によって、一連の製品及び商品へと製造することができる。EarthPCB樹脂を、押出、押出されたストランドの切断、及び、硬化を含む過程を介してペレット化して、バイオプラスチック製品を製造することができる。組成物を構成する各成分のミル粉砕により組成物の硬化過程がより速くなるため、EarthPCB樹脂で製造された様々な製品を製造する前の倉庫管理コストが削減されることを理解されたい。当業者に知られているように、ペレット化は、基材を小さなペレットの形に圧縮又は成形する方法である。次いで、これらのペレットを、射出成形、押出フィルム、ブロー成形などの特定の製造方法でペレットを使用するさまざまな製造業者に出荷することができる。熱成形下でのEarthPCB基材材料のメルトフローレートは、例として、約7.5g/10分~4.26g/10分であり得る。添加剤の形の改質剤を基材に適用して、メルトフローレートを、例として、約7g/10分~3.5g/10分に調整することができる。
【0062】
樹脂基材の特性に明らかな調整を加えるために、耐衝撃改良剤や温度改質剤が基材に添加され得ることを理解されたい。例として、耐衝撃改良剤を基材に添加して、該樹脂から製造された場合に製品により高い強度を与えることができる。
【0063】
EarthPCB組成物は、一態様では、EarthPCB樹脂から製造されたバイオプラスチックを製造する方法に提供され得る。バイオプラスチックを形成するためのEarthPCB組成物を製造する方法は、最初にグリーンポリエチレン及び炭酸カルシウムを、直径約0.25~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕し、次いで2つの粉末を一緒に機械的に混合して、第1の混合物を形成することを含み得る。ヘンプハードを直径約0.25~3.0ミクロンの微粉末にミル粉砕し、熱を加えずに第1の混合物と機械的に乾式で混合及び配合して、第2の混合物を形成することができる。従って、第2の混合物は、グリーンポリエチレン、炭酸カルシウム、及びヘンプハードの混合物を含む。この例示的な方法では、大豆タンパク質がヘンプハードを置き換えることができることを理解されたい。次いで、デンプンを、直径約0.25~3.0ミクロンの微粒状粉末にミル粉砕し、熱を加えずに第2の混合物と機械的に乾式で混合及び配合して、第3の混合物を形成することができる。最後に、第3の混合物及び最終混合物を約220~360華氏度の間の温度で掻き混ぜて、各基材コポリマー内の材料構造を熱力学的に活性化して連結させ、EarthPCB樹脂を形成することができる。配合された材料の構造単位は、加熱結合過程を介して線状又は分岐状に連結される。EarthPCB樹脂は、約250~360華氏度で硬化して、ペレット化された材料の形でバイオプラスチックを形成することができる。次いで、ペレット化された材料を使用して、押出、ブロー成形、射出成形などによって食品及び飲料の製品を形成することができる。従って、EarthPCB樹脂からバイオプラスチックを製造する方法の利点は、現在プラスチックから製造されている製品を、堆肥化可能かつ生分解性の樹脂から製造することができることであり得る。
【0064】
従来の樹脂硬化方法及び混合方法は、最初に、組成物を構成する各成分のペレット化形を溶融することを含む。上記のように、EarthPCB樹脂を製造する方法は、溶融されたペレットを混合するのではなく、すべての成分を粉末化形の最終混合物に混合することを含む。従って、上記に開示された方法の利点は、組成物を構成する各成分を、熱を加えずに乾式で混合及び配合することができることであり得る。
【0065】
EarthPCB組成物の上記の例示的な実施形態は、特に様々な用途に使用され得ることを理解されたい。例として、例えば、包装用フィルムの製造の場合には、ヘンプハードや、大豆タンパク質及び炭酸カルシウムは、得られるフィルムの完全性を損なう可能性があるため、EarthPCB組成物の製造に使用しないことが好ましい。
【0066】
以下は、本発明が実施され得る様々な他の態様、実施形態及び/又は実施例についての説明である。添付の図面(その表及びグラフを含む)を参照し、図面に含まれる情報は、この詳細な説明の一部である。具体的には、様々な態様で以下に説明する例示的な配合によって製造されたEarthPCBマスターバッチ樹脂の実施した試験のデータを示す表が参照される。EarthPCB又はEPCBと呼ばれるこれらの組成物は、本発明が実施され得る様々な局面、実施形態及び/又は実施例において試験されたものである。
【0067】
本発明は、土質植物質系(EarthPCB)の組成物、及び、その製造方法及び使用方法に関する。当該組成物は、環境に優しい特性を有し、華氏32度以下の凍結低温又は華氏212度以上の熱湯までの幅広い温度範囲が要求される用途に適している。従って、石油系プラスチックに代わるものとして有効に使用することが可能である。
【0068】
図2は、一態様による、試験中に作られた土質植物質系の堆肥化可能な生分解性組成物から作られた他の例示的なサンプル製品を示す図である。以下に記載する好ましいブレンド方法の採用により、これらのプラスチック製品は(図1A~Bの試験サンプルとは異なり)、色及び構造において均一性を有していることに留意すべきである。
【0069】
図3は、一態様による、その広い適性を示す、土質植物質系の堆肥化可能な生分解性組成物から良好に製造された種々の製品を例示するものである。例えば、衣類を掛けるために使用され得るフック311は、可撓性ではなく剛性であるEarthPCBで作られ得る。硬質であるEarthPCBは、化粧品産業において、生分解性及び堆肥化可能な化粧品包装を製造するために使用され得る。化粧品業界は、持続可能で再生可能なパッケージを求めている。それは、本願に開示されるように、化粧品産業及び剛性材料を必要とする他の用途のための剛性バイオプラスチックの製造のための組成物によって提供され得る。
【0070】
化粧品産業又は他の硬質材料用途、例えば壁掛けフック、自動車部品、電子機器用箱、硬質壁用包装のためのバイオプラスチックの製造に使用できる組成物の例を以下に示す。この組成物は堆肥化可能で生分解性である。
【0071】
堆肥化可能で生分解性である化粧品産業又は他の硬質材料用途のためのバイオプラスチックの製造用組成物であって、該組成物は、40重量%の植物由来のポリエチレン、15重量%のポリエチレン、25重量%のCaSiO3(ワラストナイト)、10重量%のCaCo3、7重量%のデンプン、3重量%の生分解添加剤を含む。
【0072】
堆肥化可能で生分解性である化粧品産業又は壁掛けフックなどの他の硬質材料用途のバイオプラスチックの製造用組成物であって、該組成物は、65重量%の植物由来のポリエチレン、25重量%のCaSiO3(ワラストナイト)、7重量%のCaCo3、3重量%の生分解性添加剤を含む。
【0073】
堆肥化可能で生分解性である化粧品産業又は他の硬質材料用途(例えば、壁掛けフックや箱)又は、硬質壁用の包装用のバイオプラスチックの製造用組成物であって、該組成物は、35重量%の植物由来のポリエチレン、25%重量のポリエチレン、30重量%のCaSiO3(ワラストナイト)、8重量%のCaCo3、2%の生分解性添加剤を含む。
【0074】
堆肥化可能で生分解性である化粧品産業又は他の硬質材料用途、例えば、壁掛けフック、自動車部品、電子機器用箱の硬質壁用包装のためのバイオプラスチックの製造用組成物で、該組成物は、62重量%の植物由来のポリエチレン、20重量%のCaSiO3(ワラストナイト)、15重量%のCaCo3、3重量%の生分解性添加剤を含む。
【0075】
化粧品産業又は他の硬質材料用途のバイオプラスチックの製造に適したそのような組成物の別の例は、25~75重量%の植物由来のポリエチレン、10~50重量%のCaSiO3(ワラストナイト)、1%~25重量%のCaCo3、1~30重量%のデンプン、1~4重量%の生分解添加物、1~8重量%の着色料の範囲からなる。
【0076】
別の例として、EarthPCBバッグ312は、マイナス109華氏度でドライアイス(二酸化炭素の凍結形態)で試験され、この低温は、バッグ312の完全性に亀裂又は脆性に影響を与えなかった。従って、EarthPCBバッグ312は、COVID-19ワクチンを出荷するような医療用途の低温貯蔵に使用でき、バッグを生分解性及び堆肥化性にすることができる。このようなバッグの例示的な配合は、88重量%の植物由来のポリエチレン、8重量%のCaCo3、2重量%のPCR、及び、2重量%の生分解性添加剤である。
【0077】
図4A~Cは、本明細書に開示される土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から良好に作られた別の製品である靴底の側面図、底面図及び平面図を示している。例えば、柔軟なEarthPCBプラスチックは、この用途に使用することができる。EarthPCBは、エチレン酢酸ビニル(EVA)とブレンドして、生分解性で堆肥化可能な靴底を作ることに成功している。現在、古い靴はリサイクルされずに埋立地へ運ばれており、環境と人間の健康に有害なマイクロプラスチックに分解されるのに1000年もかかると言われている。
【0078】
以下は、靴底に使用することができる組成物の例であり、すべての比率は重量である。
【0079】
堆肥化可能で生分解性である靴又は他の軟質材料用途のバイオプラスチックの製造のための組成物であって、30~~60重量%の植物由来のポリエチレン、30~重量75%のEVA(エチレン酢酸ビニル)、4~20重量%のCaCo3、1~20重量%のデンプン、1~4重量%の生分解添加物を含む。
【0080】
堆肥化可能で生分解性である靴又は他の軟質材料用途のバイオプラスチックの製造用組成物であって、28~60重量%の範囲の植物由来のポリエチレン、30~75重量%のバイオEVA(バイオ由来のエチレン酢酸ビニル)、1~25重量%のCaCo3、1~20重量%のデンプン、1~4%の生分解性添加剤を含む。
【0081】
堆肥化可能で生分解性である靴又は他の軟質材料用途のバイオプラスチックの製造用組成物であって、22~60重量%の植物由来のポリエチレン、又は、22~60重量%の植物由来のポリプロピレン、10~50重量%のEVA、30~75重量%のバイオEVA(バイオ由来のエチレン酢酸ビニル)、1~25重量%のCaCo3、1~20重量%のデンプン、1~4重量%の生分解性添加剤、1~30重量%のヘンプ、1~25重量%の綿くず、1~20%の植物由来のタンパク質を含む。
【0082】
図5は、柔軟である土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られた製品例(リビングヒンジ)を示している。EarthPCBリビングヒンジは、ローション、ハンドサニタイザー又は錠剤ボトル用のフリップトップボトルに使用することができる。一方で、PLA、PHA、PHB及び他の生分解性材料は、フリップトップ又はリビングヒンジ製品を作るために使用することはできない。EarthPCBは、植物由来のポリエチレン52重量%、バイオEVA(エチレン酢酸ビニル)28重量%、12重量%のCaCo3、4重量%のデンプン、4重量%の生分解性添加剤から構成されている。また、この種の用途のEarthPCB配合物は、ポリプロピレンやPCRポリプロピレンなどの石油系材料を含んでいてもよい。EarthPCB組成物は、ローション、ハンドサニタイザー、錠剤ボトル、ハンドワイプのパッケージングに使用できるフリップトップボトルを作るために柔軟でありながら、石油系材料も堆肥化可能な生分解性にすることができる。EarthPCBは、80重量%のPP(ポリプロピレン)、10重量%の植物由来のポリエチレン、 6重量%のCaCo3、4%の生分解性添加剤で構成されている。
【0083】
一般に、プラスチックがより硬質であるべき用途では、配合物中のCaCo3の比率を高めることがそれを達成する方法であることに留意されたい。他方、プラスチックがより柔軟であるべき用途については、配合物中のCaCo3の比率を減少させること、及び/又は植物由来のポリエチレンの比率を増加させることで、それを達成することができる。また、植物由来LLDPEはより柔軟である。従って、より剛性である植物由来HDPEよりも、柔軟なプラスチック用途でより使用されるべきであることに留意されたい。
【0084】
図6は、電子レンジで沸騰させた水の中で試験した後、変形しないままであった、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られた飲料用ストローを示している。図7は、同じ試験条件、すなわち、電子レンジで沸騰させた水(約212°F)を満たしたカップ内に入れて試験したときに変形した、PLAから作られた飲料用ストローを示す図である。このように、PLA製のストローは形が崩れて使えなかったが、EarthPCB(商標)製ストロー(図6)は形を保ち、使うことができた。この試験は、PLAがホットドリンクやホットドリンクの蓋やマドラーに使用できないことも実証している。PLAは、形を失うと、お湯や液体がこぼれて、使用者の手や指などの体の一部をひどく痛めたり、やけどさせたりすることがあるからである。
【0085】
図8は、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られたマスクを示す図である。例えば、柔軟なEarthPCBプラスチックは、ユーザにとってより良い快適さのためにこの用途に使用することができ、また、図9のもののように、光るEarthPCBプラスチックも使用することができる。光るマスクは、例えば、暗い環境においてマスクを装着している消防士を発見しやすくする。
【0086】
図9は、暗闇で光る土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られたカップを示すものである。例として、救助隊員のマスク、患者が暗闇で簡単に薬を見つけることができるような錠剤ボトル、壁のスイッチプレートに適用可能な暗闇で光る製品のためのバイオプラスチックを生産するための組成物は、EarthPCBの土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物によって作ることができる。これらに適用可能のEarthPCB組成物は、例えば、30~80重量%の植物由来のポリエチレン、20~60重量%のバイオEVA(エチレン酢酸ビニル)、1~20重量%のCaCo3、1~20重量%のデンプン、10~30重量%の発光剤(例えば、Glowzone(商標))、1~4重量%の生分解性添加剤で構成される。この種の適用例のためのEarthPCB配合の別の例は、30~80重量%のPP(ポリプロピレン)、20~60重量%のバイオEVA(エチレン酢酸ビニル)、1~20重量%のCaCo3、1~20重量%のデンプン、1~30重量%の発光剤、及び、1~4重量%の生体分解添加物である。
【0087】
図10は、凍結温度(32°F以下)に冷却された後も柔軟性を有する、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物から作られたカップを示す図である。従って、この組成物は、例えば、PLA、PHA又はPHBからは作ることができない、アイスキューブトレイの製造に適している。他の可撓性プラスチック用途と同様に、植物由来のポリエチレンの比率を増加させ、及び/又はCaCo3の比率を減少させることにより、それが可能になる。
【0088】
図11A~C、12A~C、13A~Cは、それぞれ、土質植物質系の堆肥化生分解性組成物の3つの特定の配合、EPCB177、EPCB178、EPCB179から作られたプラスチックに対して行った生分解性試験の結果を示している。EPCB177は、55重量%のGreen PE、25重量%のCaCo3、10重量%のジャガイモデンプン、7重量%タピオカデンプン、3重量%生分解性添加剤からなる。EPCB178は、60重量%のGreen PE、25重量%のCaCo3、11重量%のデンプン、4重量%の生分解性添加剤からなる。EPCB179は、65重量%のGreen PE、25重量%のCaCo3、6重量%のジャガイモデンプン、4重量%の生分解性添加剤からなる。
【0089】
試験結果は図示されている。11A~C、12A~C、13A~Cは、ASTM D5511、及び、ASTM D5338に従って実施された。
【0090】
図11A~C、図12A~C、図13A~Cにおいて、「ネガティブ」の列は、対照試料、すなわち、通常のポリエチレンである。「ポジティブ」の列は、試験が機能していることを示すために使用されるセルロースのサンプルである。これは有機物である。ポジティブ列の右側の列は、試験されたEarthPCBのサンプルである。
【0091】
図13A~Cから推測できるように、試験したEarthPCB製品(EPCB179)は、ASTM 5511の生分解タイムラインにおいて、2.6年(100/(365/58x5.9))を示し、これはそのEarthPCB組成ブレンド配合における試験目標である3年未満であった。このように、試験したEarthPCB製品は、ASTMD5338バイオ堆肥化可能なタイムラインが1年未満であり、バイオプラスチックの堆肥化におおける目標の1年未満を示した。EarthPCB基材の配合を変えることで、生分解とバイオ堆肥化のタイムラインが短くなり、EarthPCB組成の製品がより速く生分解する可能性があることに着目する必要がある。
【0092】
図14Aは、土質植物系の堆肥化可能な生分解性組成物の2つの特定の配合、EPCB240、EPCB241からそれぞれ作られたプラスチックに対して行われた強度試験の結果を示している。EPCB240は、90重量%のGreen PE、8重量%のCaCo3、2重量%の生分解性添加剤からなる。EPCB241は、95重量%のGreen PE、3重量%のCaCo3、2重量%の生分解性添加剤からなる。図14Bは、植物由来のポリエチレンから作られたプラスチックと、石油由来のポリエチレンから作られたプラスチックとにおいて実施された強度試験の結果を示す。図14A~Bに示すように、試験した2つのEPCB配合の強度特性は、植物由来のポリエチレン及び石油由来のポリエチレンの強度と同等又はそれよりも優れている。
【0093】
一例において、開示されたEarthPCB組成物は、それ自体では生分解性ではない約15~99重量%の植物由来のポリエチレン(例えば、I'm Green(商標)ポリエチレン、グリーンPE)を含んでもよい。組成物はまた、約0.5~60重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)を含んでもよい。組成物はまた、可塑剤が添加されていない食品由来のデンプンを含んでもよい。食品由来のデンプンは、100%生分解性、堆肥化及びリサイクル可能であり、0.5~85重量%まで提供されてもよい。組成物はまた、それ自体が100%生分解性である食品由来のタンパク質(大豆タンパク質など)を含んでもよく、0.5~85重量%まで提供されてもよい。また、EarthPCB(商標)組成物は、生分解性添加剤(例えば、Bio Sphere(商標)、又はEcoPure(商標)、あるいはEarth Plus(商標)などの他の生分解性添加剤)を0.5~10重量%含むことができる。EarthPCB(商標)樹脂の利点は、石油系プラスチックと同等以上の強度を持ち、堆肥化、生分解性、リサイクル可能で、環境に無害なことである。
【0094】
食品デンプンは、例えば、ジャガイモ、タピオカ、キャッサバ、エンドウ豆、トウモロコシ、小麦、及び、他の食品のデンプンに由来していてもよい。
【0095】
別の態様では、約0.5~30重量%の大豆タンパク質、大豆ポリオール、又は大豆樹脂を含む、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物が提供される。EarthPCB(商標)樹脂は、ジャガイモ、タピオカ、トウモロコシ、キャッサバ、エンドウ豆、小麦又は他の食品デンプンを、大豆タンパク質、又はヘンプハードの代わりに他のタンパク質と一緒に提供してもよく、その結果、エタノール由来のグリーンポリエチレン、炭酸カルシウム、大豆タンパク質、他のタンパク質、生分解添加剤(例えば、Bio Sphere(商標)、又はEcoPure(商標)又はEarth Plus(商標)などの生分解添加剤)及び天然の食品デンプンを含む組成物が提供される。この例の組成物では、熱可塑性デンプン又は可塑剤を有さない。
【0096】
このように、代替タンパク質とデンプン、天然食品由来の材料を用いたEarthPCB(商標)組成物の利点は、熱可塑性可塑剤又は可撓剤の化学物質を添加せず、得られる製品が天然で、石油系プラスチックと同じかそれより強く、しかも堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能で、環境に対して無毒なことである。従って、それらはまた海洋生分解性でもある。
【0097】
追加の利点は、EarthPCB組成物を構成する成分が広く入手可能であり、費用対効果が高く、経済的に実現可能であり、この樹脂を石油系プラスチック樹脂に代わる手頃な価格の再生可能な代替物とできることである。
【0098】
別の態様では、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物の製造方法が提供される。ここでも、EarthPCB組成物は、トウモロコシ、砂糖、テンサイなどに由来し得るエタノール由来のPEから構成され得る。セルロース系バイオマスは、複合糖を含む植物の構造部分、例えば、コーンストック、小麦繊維などであって、食品原料や発酵基材に直接使用することはできない。組成物はまた、炭酸カルシウム、ヘンプハード、トウモロコシ、ジャガイモ、タピオカなどのような天然食品デンプン、大豆タンパク質又はエンドウ豆タンパク質などのタンパク質、生分解性添加剤及びバイオポリマー(PE、PPなど)を含んでいてもよい。
【0099】
一緒に配合される、これらの異なる材料はすべて、あるものは粉末であり、他のものは小さなペレットであるため、混合の難題に直面する。エタノール由来のPEやPPは一般にペレット状であるのに対し、食品デンプンやタンパク質は一般に粉末であり、小さな炭酸カルシウムは2ミクロン程度の小さな粒状の粉体である。それらの異なる材料を一緒に混合することは困難である。
【0100】
一例では、本明細書に開示される土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性組成物を製造する方法は、最初に基材コポリマーを微粉末に粉砕し、その粉末の各粒子が直径0.1~4.0ミクロン程度であることが考えられる。エタノール由来のグリーンポリエチレンやグリーンポリプロピレンを、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕し、基材炭酸カルシウムを約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕し、これら2つの粉末を機械的に混合して、次の配合ステップの前で熱が加えられる前に、第一混合物を形成してもよい。
【0101】
次に、基材ヘンプハードを約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕して機械的に混合し、熱を加えずに、第1の混合物と乾燥ブレンドして、第2の混合物を形成できる。EarthPCBの異種材料を混合する複合化の最初の2つの前段階では、まだ熱は加えられていない。
【0102】
次に、基材天然食品デンプンを約0.1~4.0ミクロンの微粒状粉末に粉砕して機械的に混合し、熱を加えずに第2の混合物と乾燥ブレンドしてもよい。ジャガイモデンプンとタピオカデンプンのような2つ以上の天然食品デンプンを使用する場合、それらは粉砕され、最初に混合されて均一な天然食品デンプンブレンドが作成され、次に第2の混合物に加えられて、第3の混合物が形成される。
【0103】
次に、基材タンパク質やタンパク質を約0.1~4.0ミクロンの細粒粉末に粉砕し、第3の混合物と熱を加えずに機械的に混合して乾燥ブレンドしてもよい。大豆タンパク質とエンドウ豆タンパク質のような2つ以上の天然食品タンパク質を使用する場合、タンパク質はまず粉砕してから一緒に混合し、均一な天然食品タンパク質ブレンドを作り、次に第3の混合物との主混合物に加えて、第4の混合物を形成する。
【0104】
多くの試験の後、0.1~4.0ミクロンの粒子サイズが、組成物の適切なブレンドに、従って、本明細書に記載されるような特性に重要であると決定された(図2図1A~Bと対比して参照)。
【0105】
次に、基材生分解性添加剤を粉砕し、第4の混合物と熱を加えずに乾燥ブレンドして、最終的なEarthPCB組成物を形成してもよい。バイオポリマーマスターバッチを機械的混合でブレンドし、約220~430華氏(°F)の間に加熱して(例えば、数分間)、マスターバッチバイオポリマーの熱力学的活性化を達成してもよく、それは堆肥化可能かつ生分解性組成物であり、バイオプラスチック製品を作るために使用することができる。
【0106】
このように、上述したEarthPCB基材の製造方法には、いくつかの経済的利点が存在する。樹脂の全ての成分が均一にブレンドされ、植物由来の有機基材バイオポリマーから水分を除去するために熱による予備乾燥は必要なく、混合プロセス中に熱を加える必要なく成分が乾燥状態でブレンドされる。EarthPCB基材の製造方法のさらなる利点は、PLA、PHA、及び、PHBのような他の有機基材が、配合前又は射出成形、押出成形又は押出ブロー成形のような他の加工前に大規模な予熱乾燥を必要とするのに対し、予乾を必要としないので製造工程が比較的低いエネルギー消費しか必要としないことであると考えられる。
【0107】
EarthPCBは、プレマスターバッチ材料の加熱乾燥を必要とせず、また最終マスターバッチであるEarthPCB基板も使用前に加熱乾燥する必要はない。マスターバッチは、射出成形、押出成形又は押出ブロー成形法に適しており、バイオプラスチック製品を製造することができる。
【0108】
別の態様では、ペレット化された形態の土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性基材樹脂を製造する方法が提供される。EarthPCB基材コポリマーを製造する方法は、例えば、トウモロコシ、砂糖又はセルロース系有機材料から作られたエタノール由来のポリエチレン又はポリプロピレンを、約25~99重量%、天然食品デンプンのブレンド混合物を1~10重量%提供することを含むことができる。炭酸カルシウム、及び生分解性添加剤を粉末状で混合すれば、射出成形、押出成形又は押出ブロー成形が行われる前に予備乾燥する必要がない堆肥化可能な生分解性組成物のバイオポリマーマスターバッチ樹脂ができる。
【0109】
別の態様では、ペレット化された形態の土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性基材樹脂を製造する方法が提供される。EarthPCB基材コポリマーを製造する方法は、約25~99重量%のエタノール由来のポリエチレン又はポリプロピレン、約1~50重量%の天然食品デンプン、約0.5~10重量%の生分解性添加剤、約1~40重量%の炭酸カルシウム、約1~40重量%のタンパク質、約1~40重量%の木材繊維又は草繊維、及び、約1~50重量%のヘンプハードを混合することを含むこともできる。
【0110】
EarthPCB基材コポリマーを製造する方法は、各基材コポリマーを別々に約0.1~4.0ミクロンの微粉末にミル粉砕することを最初に含んでもよい。次いで、それらの微粉末は、機械式ミキサーで各粉末について約5~25分間均一にブレンドされ、混合プロセス中に各基材コポリマーを一度に1つずつ添加することができる。微粉末は、機械式ミキサー内で熱を加えず、乾燥した状態でブレンドされる。基材コポリマーの全てが機械的に撹拌され、熱を加えずに乾燥した状態で混合されたとき、次に、基材の完全なマスターバッチ混合物を約220~430華氏度で加熱して熱力学的活性化を達成し、これにより各基材コポリマー間の凝集を確立して基材マスターバッチ樹脂を得てもよい。最後に、基材樹脂を約220~430華氏度の間の温度で硬化させて、次にバイオプラスチック製品の製造のための様々な製造工程で使用され得るペレット化バイオプラスチックを形成してもよい。
【0111】
従って、基材樹脂を製造する方法の利点は、マスターバッチ樹脂が、例えば冷凍庫内の低温、例えば電子レンジ内の高温、又は食器洗浄機の下段ラック内の高温、又は212華氏度の高温沸騰水に対して敏感でない一方で、他の植物由来の樹脂がバイオプラスチック耐久財に対してこれらの低温~熱温度回復性を達成していない場合に、マスターバッチ樹脂が土質植物質由来の堆肥化、生分解及び再生可能でもあるということでもあろう。本明細書で述べたように、PLA、PHB及びPHAは、熱で溶け、低温で脆くなるので、耐久性がない。従って、基材マスターバッチ樹脂の製造方法の利点は、多数のプラスチック製品、例えば、食品及び飲料容器、包装、フィルム、ポリ袋、自動車部品、医療機器、化粧品包装、家庭用品、電子製品、航空機部品、玩具及び石油系プラスチックから作られる他の任意の製品を形成する材料として用いることができる。本方法のさらなる利点は、得られる製品がリサイクル可能、堆肥化可能、及び生分解性になることであろう。また、別の利点は、マスターバッチ樹脂が、上述した材料成分のうちのわずか2つから得られ、それでも堆肥化及び生分解性であり得るか、又は本明細書に開示した全ての成分から得られ、マスターバッチ樹脂を作り、それでもリサイクル可能であると同時に堆肥化及び生分解性である可能性があるということである。
【0112】
本明細書に開示されたPEベースのEarthPCB組成物は、他のPEプラスチックと共にリサイクルして、PCR(Post-Consumer Recycled)樹脂とすることができる。
【0113】
PPベースのEarthPCBは、他のPPプラスチックとリサイクルして、PCR樹脂とすることができる。
【0114】
上記の態様、例又は利点、並びに他の態様、例又は利点は、続く説明からさらに明らかになるであろう。
【0115】
EarthPCB組成物は、バイオプラスチック材料が使用され得る環境温度範囲の改善、他のバイオプラスチック材料と比較しての強度の改善、柔軟性の改善、耐湿性、酸素バリア性、赤、黄、緑、青、オレンジ及び他の全ての色などのバイオプラスチック材料の着色改善、生分解特性、及び堆肥化性などの追加の有利な特性を有することができる。さらに、EarthPCBを形成する材料も広く入手可能であり、比較的安価であるため、EarthPCBは、世界で最も経済的に実現可能なバイオプラスチック材料の一つである。
【0116】
ペレット樹脂供給材料セグメント/成分は、エタノール由来のポリエチレン、又は、エタノール由来のポリプロピレン、生分解性添加剤(例えば、EcoPure、Bio Sphere又は他のタイプの添加剤、例えばEarthPlus)、0.1~4.0ミクロンのサイズの炭酸カルシウム(CaCo3)である。柔らかい粉末セグメント/成分は、0.1~4.0 ミクロンの大きさに粉砕された、天然食品デンプン、天然タンパク質、ヘンプハード、又は草繊維、木材チップからなる場合がある。これらのセグメントにより、EarthPCB樹脂から作られた製品は、使用後に堆肥化及び生分解され、また無害であることが可能である。従って、利点は、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性樹脂ベースのバイオプラスチックが、現在市場で使用されている石油系のプラスチックに代わるものとして使用できることであろう。例えば、食品及び飲料包装、化粧品及びヘルスケア製品包装、自動車、建築、繊維、バッグフィルム、並びに射出成形、押出ブロー成形押出成形などの用途、並びに他のタイプの顧客及び工業製品においてであるが、これらに限定されるわけではない。
【0117】
一態様において、EarthPCB組成物は、約15~99重量%のエタノール由来のポリエチレンを、ペレット又は約0.1~4.0ミクロンの微粉砕粉末の好ましい形態で提供される。
【0118】
EarthPCB樹脂基材は、約0.25重量%からの炭酸カルシウム(CaCo3)を備えてもよい。また、EarthPCB樹脂基材は、約0.25重量%からのジャガイモ又はタピオカなどの天然食品デンプン、又はトウモロコシデンプンを備えてもよい。EarthPCB樹脂基材は、約0.5重量%の生分解性添加剤も備えてもよく、99重量%のエタノール由来のポリエチレンと、1重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)、天然食品デンプン、及び、生分解性添加剤との組み合わせが完成する。この樹脂基材も同様に、生分解性、堆肥化可能性、リサイクル性に優れ、かつ経済的に実現可能であるという利点がある。
【0119】
別の態様では、EarthPCB組成物は、ペレット又は約0.1~4.0ミクロンの微粉砕粉末の好ましい形態で、約15~99重量%のエタノール由来のポリエチレンを提供することもできる。EarthPCB樹脂基材は、約1~50重量%のCaCo3も一般に好ましい直径約0.1~4.0ミクロンの微粉末で提供することもできる。
【0120】
EarthPCB中の炭酸カルシウムの存在は、錠剤ボトル、シャンプー又はローションボトル、化粧品包装、食品及び飲料包装、タンパク質又は栄養包装などのサプリメント包装などの白色プラスチックについて、特定の用途に対して説明可能な複数の理由で有利となる可能性が考えられる。
【0121】
炭酸カルシウムは自然に白いので、白色着色料の必要性を減少させ、そのような用途のためのEarthPCBを製造するコストを減少させる。追加の利点は、EarthPCB基材配合組成物が、石系樹脂のものよりも低い濃度の炭酸カルシウムを使用し、これによりEarthPCB組成物がより脆くなくなることである。
【0122】
追加の利点は、EarthPCBの基材に炭酸カルシウムを配合することで、生分解のスピードアップ、強度アップ、耐温度性の向上、地球に還る天然素材、持続可能な地球素材であることなどが挙げられる。
【0123】
EarthPCB樹脂基材は、例として、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕された約1~75重量%のヘンプハードを備えてもよい。ヘンプハードを使用してプラスチックを製造することは、100%生分解性でリサイクル可能であるため、石油系のプラスチックよりも良い選択肢となる。EarthPCB樹脂基材組成物は、多くの異なる品種の天然食品デンプンが基材に同時に使用されてもよいし、植物(例えば、ジャガイモ、タピオカ、小麦、トウモロコシ、米、キャッサバ、エンドウなどの植物)が有する天然のデンプン顆粒から得られた1種類の天然食品デンプンだけを用いてもよい。天然食品デンプンは、約0.1~4.0ミクロンの粒子の微粉末に粉砕された約0.25~60重量%で提供されてもよい。
【0124】
EarthPCB樹脂基材はまた、例として、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕された約0.5~50重量%の大豆、エンドウ、ヘンプシード、豆及び他の植物由来のタンパク質のような食品タンパク質を備えてもよい。プラスチックを製造するために植物由来のタンパク質を使用することは、100%生分解性及びリサイクル可能であるため、石油系のプラスチックよりもはるかに良い選択肢となり得る。
【0125】
EarthPCB樹脂基材組成物は、竹(12種類もある)のような天然の草(12,000種もある)、トウモロコシ茎又は他のセルロース系バイオマスを含むこともできる。草を基材に使用する利点は、この材料が世界中に豊富にあり、プラスチックの材料として低コストで使用できること、また100%生分解性であることである。また、基材組成物には、木片や炭化した木材も使用できる 木材や他のセルロース系材料の量は、一例として、約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕して、約1~35重量%とすることができる。
【0126】
草と同じ基材組成物を使用し、一例として、すべてが約0.1~4.0ミクロンの微細粉末に粉砕された約1~35重量%の範囲の草の微細粉末に粉砕することができる。これらの基材組成物の利点は、100%生分解性でリサイクル可能であることである。
【0127】
最後に、EarthPCB樹脂は、例として、ペレット形態又は約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕された好ましい形態で、約0.5~10重量%の生分解性添加剤を提供され得る。生分解性添加剤は、EarthPCB組成物を用いて形成された製品が、EarthPCB組成物のブレンド及びEarthPCBから作られた製品が最終的に置かれる生活終了環境に応じて、2ヶ月から3年以内に生分解又はバイオ堆肥化することを可能にする。
【0128】
従って、EarthPCB組成物の利点は、当該組成物から作られたバイオプラスチック製品が石油系プラスチックと同等又はそれ以上の強度を有し、しかも堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、及び環境に対して無害であることである。
【0129】
上述した範囲内で、様々なEarthPCB組成物が、記載された複数の成分から配合され得ることを理解されたい。しかし、試験により、複数の成分のうち4つが、適切で、耐久性があり、生分解性であり、バイオ堆肥化可能なEarthPCB樹脂を得るために重要であることが明らかになった。
【0130】
それらの4つの成分は、エタノール由来のポリエチレン又はポリプロピレン、天然食品デンプン(可塑剤又は熱可塑性デンプンが入っていない)、炭酸カルシウム(CaCo3)及び、生分解性添加剤である。一例では、60重量%のグリーンポリエチレンと、20重量%の炭酸カルシウムと、18重量%の天然食品デンプンと、2重量%の生分解性添加剤とを組み合わせることを選択することができる。
【0131】
別の例では、各成分による比率が各成分について上述した範囲内に入り、比率の合計が100%になるようにすることによって、上記の成分の5つを単一の組成物に結合することを選択することができる。例として、50重量%のグリーンポリエチレン又はグリーンポリプロピレン、15重量%の炭酸カルシウム、15%重量のジャガイモデンプン、10%重量のタピオカデンプン、6重量%のヘンプハード、4重量%の生分解性添加剤である。
【0132】
別の例では、3つの成分を使用することができる。例えば、90重量%のグリーンポリエチレン又はグリーンポリプロピレン、7重量%の炭酸カルシウム、及び、3重量%の生分解性添加剤である。3つの成分のEarthPCBの別の例は、90重量%のグリーンポリエチレン又はグリーンポリプロピレン、9重量%の炭酸カルシウム、及び、1重量%の生分解性添加剤であり得る。
【0133】
別の態様において、EarthPCB組成物は、同じ組成物中の成分のバリエーションを提供することができる。例としては、55重量%のグリーンポリエチレン又はグリーンポリプロピレン、10重量%の炭酸カルシウム、7重量%のジャガイモデンプン、7重量%のタピオカデンプン、2重量%の大豆タンパク質、2重量%のエンドウ豆タンパク質、2重量%のヘンプハード、5重量%の竹繊維、及び、3重量%の生分解性添加剤を挙げることができる。タンパク質、デンプン及び草の成分は、直径が約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕されることになる。
【0134】
別の態様では、EarthPCB組成物は、ヘンプハードの代用として大豆タンパク質を備えてもよく、又はヘンプハードの代用として笹の繊維が使用され得る。このように、大豆タンパク質又は笹繊維に置換したEarthPCB組成物は、直径約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕した約1~30重量%の大豆タンパク質又は笹からなるか、又は上記と同じ重量%として構成され得る。残りの成分(例えば、デンプン、炭酸カルシウム、グリーンポリエチレン)は、ペレット又は粉末の形態で上述したのと同じ重量及び同じ粒径で提供することができる。
【0135】
上述したEarthPCB樹脂は、以下の好ましい配合から製造することができる。EarthPCB組成物の第1の例示的配合は、63重量%のグリーンポリエチレン、14重量%の炭酸カルシウム、10重量%のジャガイモデンプン、10重量%のタピオカデンプン、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0136】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、67重量%のグリーンポリエチレン、24重量%の炭酸カルシウム、8重量%の食品デンプン、及び、1重量%の生分解性添加剤からなる。
【0137】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、99重量%のグリーンポリエチレン、0.25重量%の炭酸カルシウム、0.25重量%の食品デンプン、及び0.5重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0138】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、62重量%のグリーンポリエチレン、2重量%の食品タンパク質、17重量%の炭酸カルシウム、18重量%の食品デンプン、及び、1重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0139】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、65重量%のグリーンポリエチレン、19重量%の炭酸カルシウム、13重量%の食品デンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0140】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、62重量%のグリーンポリエチレン、25重量%の炭酸カルシウム、12重量%の食品デンプン、及び、1重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0141】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、50重量%のグリーンポリエチレン、24重量%の炭酸カルシウム、12重量%のジャガイモデンプン、12重量%のタピオカデンプン、及び、2重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0142】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、60重量%のグリーンポリエチレン、17重量%の炭酸カルシウム、10重量%のジャガイモデンプン、10重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0143】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、70重量%のグリーンポリエチレン、15重量%の炭酸カルシウム、6重量%のジャガイモデンプン、6重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0144】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、80重量%のグリーンポリエチレン、9重量%の炭酸カルシウム、4重量%のジャガイモデンプン、4重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0145】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、90重量%のグリーンポリエチレン、5重量%の炭酸カルシウム、1重量%のジャガイモデンプン、1重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0146】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、62重量%のグリーンポリエチレン、14重量%の炭酸カルシウム、10重量%のジャガイモデンプン、10重量%のタピオカデンプン、1重量%の生分解性添加剤、及び、2重量%の食品添加接触用にFDAが承認した着色料を含んでよい。一例として、建設現場や工場内の重機オペレーターが、黄色のヘルメットをかぶった作業員を容易に確認できるようにするため、作業員のヘルメットを黄色に着色することができる。FDAに準拠した、生分解性である着色料の基材組成物を有するEarthPCB組成物の利点は、黄色のヘルメットを着用する作業者を容易に見つけられることであり、EarthPCB樹脂で作られたヘルメットは、石油系プラスチックよりも強く、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能で、環境に無害であると認められる。
【0147】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、1~10重量%の着色料を含んでいても良い。FDAによる食品添加に準拠した着色料は、異なる色のEarthPCB食品・飲料容器が、特定のブランド、食品又は飲料、容器の内容(例えば、グルテンフリー食品又はダイエット飲料)を識別するために使用できる。例えば、青い色はダイエットを、赤い容器は飲料が砂糖を含むことを意味し、グルテンフリー食品の包装を金色とすることもできる。
【0148】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、90重量%のグリーンポリエチレン、6重量%の炭酸カルシウム、2重量%の生分解性添加剤、及び、2重量%の着色料から構成されてもよい。
【0149】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、95重量%のグリーンポリエチレン、1重量%の炭酸カルシウム、1重量%の生分解性添加剤、及び、3重量%の着色料から構成されてもよい。
【0150】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、99重量%のグリーンポリエチレン、及び、1重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0151】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、51重量%のグリーンポリエチレン、22重量%の炭酸カルシウム、22重量%の食品デンプン、2重量%の着色料、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0152】
上記の好ましい配合によって示されるように、生分解性で堆肥化可能な樹脂を達成するためには、少なくとも2つの基材を使用する必要があると認められる。これら2つの基材コポリマーは、約90~99重量%のグリーンポリエチレン、約1~10重量%の生分解性添加剤と認められる。
【0153】
しかしながら、上記の好ましい配合によって示されるように、より速いタイムラインで生分解性及び堆肥化可能なである樹脂とするには、少なくとも4つの基材を使用する必要があると思われる。炭酸カルシウム、食品デンプン、草、食品タンパク質のようなEarthPCB基材は、重量あたりの単価が、グリーンポリエチレンや、グリーンポリプロピレン、生分解性添加剤よりも安い。基材組成の配合において、EarthPCB材料を少なくとも3~4種類使用することには、明らかな経済的利点がある。
【0154】
従って、本明細書によるEarthPCB組成物開示の利点は、基材コポリマーの2つ、又は、3つだけを使用する場合でさえ、EarthPCB樹脂から作られたバイオプラスチック製品が、堆肥化、生分解性及びリサイクル可能であり得るということである。
【0155】
特に、EarthPCB組成物をPLA(ポリ乳酸)と密度で比較すると、PLAは1.24g/cm3の密度を有する一方で、EarthPCBは約0.95g/cm3と密度が29%低い。これはEarthPCBがPLAと比較して同じ製品を製造した場合に29%重量を少なくできることを意味している。これは、輸送コストや製品の取り扱いの面で大きなメリットとなる。例えば、PLAで作られた製品の箱を人が持ち上げると50ポンドの重さになるが、EarthPCBで作られた素材の場合、同じ箱でも35.5ポンドの重さになる。これは、企業が50ポンドのパッケージに、重量で29%多くの製品を詰め込むことができることにも相当し、大きな経済的節約となる可能性がある。PLAもEarthPCBも、生分解性と堆肥化性を持っている。石油由来のポリエチレンは、EarthPCBと同じ密度だが、生分解性と堆肥化性がなく、リサイクルするしかない。しかし、世界のリサイクル率は9%であり、これは私たちの環境に壊滅的な影響を与えている。それ故、本明細書に開示されるEarthPCB組成物の利点は、EarthPCB樹脂が、PLAよりも軽く、生分解性、堆肥化可能性、及びリサイクル可能なことである。一方、石油由来のポリエチレンは、EarthPCBと同様の密度を有するかもしれないが、石油由来のポリエチレンは、生分解性や堆肥化性を有していない。同様に、グリーンポリエチレンは、EarthPCBと同様の密度を有するかもしれないが、グリーンポリエチレンにブレンドされたEarthPCBコポリマーの基板組成がなければ、生分解性又はバイオ堆肥化可能ではない。従って、重量/密度、生分解性、バイオ堆肥化の組み合わせに関しては、PLA、PE、Green PEよりも、EarthPCBの方が明らかに有利であることが認められる。
【0156】
PCR(使用済み再生プラスチック:POST-CONSUMER RECYCLED MATERIAL PLASTIC)
【0157】
EarthPCBの配合は、循環型経済へのリサイクルや還元PCRを含む、プラスチック廃棄物を責任を持って処分するための様々なシナリオを補完するように設計された。
【0158】
同様に、PCR(使用済み再生プラスチック)は、リユース、リサイクル、再利用されるプラスチック材料である。PCRは、新しい製品を作るため、5~100重量%の様々な範囲内において使用されている。従って、プラスチック廃棄物をリサイクルすればするほど、私たちの環境にとってより良いことである。
【0159】
例えば、PCRのコストは、HDPEはポンド当たり0.60ドルであるのに対し、PCR-HDPEは、ポンド当たり1.30ドルと同程度となる可能性があり、同様の通常プラスチックと比較して非常に高い。
【0160】
世界には、6兆キログラム以上のプラスチック廃棄物があり、これまでに作られた従来のプラスチックのすべてがまだ私たちと共にある。このプラスチック廃棄物の流入は、私たちの環境と健康にとって破壊的である。マイクロプラスチックは、私たちの農地や給水を通じて、人間、陸上、水中の食物連鎖に蓄積され、健康にさまざまな悪影響を及ぼす原因となる。
【0161】
マイクロプラスチックは、水道水、食品、そして私たちが呼吸する空気から、知らず知らずのうちに私たちの体内に入り込み、多くは、がん、ホルモン障害、発達遅延に関連する化学物質を有している。
【0162】
一般的に、プラスチック廃棄物問題に対し、真に持続可能な解決策は無い。大量生産のために経済的に規模を拡大でき、経済的に実現可能で、世界市場で今日使用されている広範囲の石油系プラスチック製品を置き換えるために使用できる、本当の持続可能なバイオプラスチック材料は開発されていない。プラスチック廃棄物の回収・破壊計画が必要である。
【0163】
従って、経済的に実現可能な土質植物質由来の堆肥化及び生分解性組成物を製造し、再生プラスチックに使用可能な環境に優しい特性を有し、前記組成物・樹脂を世界的に製造するための拡張可能な方法を提供することで、上記の問題点を解決する必要がある。
【0164】
一態様において、ブレンドされた土質材料及びコポリマー基材の組成物を含む、土質植物質由来の堆肥化可能な生分解性(EarthPCB (商標))組成物が提供される。PCR製品が、リサイクル及びリユース後に埋立地や海に戻ってしまうという問題を解決するために、EarthPCB(商標)は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなPCRプラスチックを、1~99重量%配合することができる。また、この組成物には、0.5~10重量%の生分解性添加剤を含めることができる。PLA、PHA、PHBは、PCRでリサイクルしたり、PCRとブレンド/コンパウンドしたりすることはできないが、EarthPCB(商標)では可能である。
【0165】
別の態様では、土質樹脂由来に加え、堆肥化可能な生分解性組成物樹脂は、約15~95重量%のエタノール由来のグリーンポリエチレンからなることができる。5~50重量%のPCRポリエチレン又はポリプロピレン、1~30重量%の炭酸カルシウムCaCo3、1~30重量%の食品デンプン、0.5~10重量%の生分解性添加剤、1~30重量%の大豆又はエンドウ豆タンパク質などの食品タンパク質、1重量~50重量%のヘンプハード又は笹、木材チップである。
【0166】
再生プラスチックにEarthPCBを混ぜると、プラスチック廃棄物と再生プラスチック製品について持続可能な終焉をもたらし、また、再生プラスチックがたまたま海や埋立地に戻ることになったとしても、それは生分解され、再び費用をかけてリサイクルする必要がないというセーフティーネットを作ることができる。もしこれがなされなければ、プラスチック廃棄物の悪循環は、私たちの環境に存在し続け、90億人に向かっている私たちの世界人口にとって、より悪くなっていくと認められる。
【0167】
本明細書に開示された各成分の重量パーセント範囲から特定のEarthPCB組成物を作成する場合、特定の組成物の合計重量パーセントは100%(100%)を超えないようにすべきであることは明らかである。
【0168】
上述した再生プラスチックを加えたEarthPCBは、以下の例示的な配合により製造することができる。EarthPCB組成物の第1の例示的な配合は、5重量%のPCRポリエチレン、60重量%のグリーンポリエチレン、12重量%の炭酸カルシウム、10重量%のジャガイモデンプン、10重量%のタピオカデンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成される。
【0169】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、10重量%のPCRポリエチレン樹脂、60重量%のグリーンポリエチレン、15重量%の炭酸カルシウム、12重量%の食品デンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0170】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、15重量%のPCRポリエチレン樹脂、60重量%のグリーンポリエチレン、10重量%の炭酸カルシウム、12重量%の食品デンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0171】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、25重量%のPCRポリエチレン樹脂、50重量%のグリーンポリエチレン、15重量%の炭酸カルシウム、8重量%の食品デンプン、及び、2重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0172】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、50重量%のPCRポリエチレン樹脂、35重量%のグリーン(植物由来)ポリエチレン、12重量%の炭酸カルシウム、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0173】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、75重量%のPCRポリエチレン樹脂、15重量%のグリーン(植物由来)ポリエチレン、8重量%の炭酸カルシウム、及び、2重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0174】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、99重量%のPCRポリエチレン樹脂、1重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0175】
別の態様で説明したように、ある色を得るため、少量の割合の着色料を配合物に添加し得ることが知られている。例えば、PCR-PE、Green PE、炭酸カルシウム、綿、食品デンプン、生分解性添加剤などの他の成分基材のいずれかを相応に減らすことにより、1~10%の着色料を添加することができる。本明細書に記載されているように、他のEarthPCB基材に加えて、又は他の基材の代用として、食品タンパク質、ヘンプハード、竹、草、木材、バイオマス、セルロース、綿など、他のEarthPCB基材が使用できることが知られている。ここでも、これらの基材はすべて生分解性である。
【0176】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、25重量%のPCRポリエチレン樹脂、50重量%のグリーンポリエチレン樹脂、10重量%の炭酸カルシウム、5重量%の綿くず、7重量%の食品デンプン、3%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0177】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、5重量%のPCRポリプロピレン樹脂、60重量%のグリーンポリプロピレン樹脂、(注:グリーンポリプロピレンはエタノールから作られる)、12重量%の炭酸カルシウム、10重量%のジャガイモデンプン、10重量%のタピオカデンプン、及び、3%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0178】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、10重量%のPCRポリエチレン樹脂、60重量%のグリーンポリプロピレン、15重量%の炭酸カルシウム、12重量%の食品デンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0179】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、15重量%のPCRポリプロピレン樹脂、60重量%のグリーンポリプロピレン樹脂、10重量%の炭酸カルシウム、12重量%の食品デンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0180】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、50重量%のPCRポリプロピレン樹脂、35重量%のグリーンポリプロピレン、12重量%の炭酸カルシウム、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0181】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、75重量%のPCRポリプロピレン樹脂、15重量%のグリーンポリプロピレン、8重量%の炭酸カルシウム、及び、2重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0182】
別の例示的な配合では、EarthPCB組成物は、99重量%のPCRポリプロピレン樹脂、及び、1重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0183】
ここでも、別の態様で説明したように、ある色を得るために、少量の割合の着色料を配合物に添加することができる。例えば、PCR-PP、グリーンPP、炭酸カルシウム、食品デンプン、綿、生分解性添加剤などの他の成分基材のいずれかを相応に減らすことによって、1~10%の着色料を添加することができる。
【0184】
ここでも、他のEarthPCB基材を使用することができる。例えば、食品タンパク質、ヘンプハード、竹、草、木材、バイオマス、セルロース、綿を添加又は代用することができる。これらの基材はすべて生分解性である。
【0185】
別の組成物では、25重量%のPCRポリプロピレン樹脂、50重量%のグリーンポリプロピレン、10重量%の炭酸カルシウム、5重量%の綿くず、7重量%の食品デンプン、及び、3重量%の生分解性添加剤から構成されてもよい。
【0186】
PCRプラスチックは、約0.1~4.0ミクロンの微粒状粉末に粉砕して機械的に混合し、EarthPCB配合中の他の基材と加熱せずに乾燥ブレンドすることも可能である。
【0187】
別の実施例では、ブレンドされた土質材とコポリマー基材の組成物からなる土質植物質系の堆肥化性で生分解性の(EarthPCB)組成物が提供される。この組成物は、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、セルロース系、又は他の植物系エタノール土質ポリプロピレン又はグリーンポリプロピレン(例えば、EarthPCBTM、土質系ポリプロピレン、Em Green又はEm EarthPPポリプロピレンEarthPP又はグリーンPP)等の異なるタイプの有機材料から作られ、それ自体では生分解性がない約15~99重量%のエタノール系グリーンポリプロピレンと提供されても良い。組成物はまた、0.5~60重量%の炭酸カルシウム(CaCo3)を含んでもよい。組成物はまた、100%生分解性、堆肥化性及びリサイクル性である食品由来のデンプンを含んでもよく、0.5~85重量%まで提供されてもよい。組成物はまた、それ自体で100%生分解性である食品由来のタンパク質を含んでもよく、0.5~85重量%まで提供されてもよい。EarthPCB樹脂はまた、0.5~10重量%の生分解性添加剤を含んでもよい。従って、EarthPCB基材の利点は、得られる製品が石油系プラスチックと同等又はそれ以上に強く、同時に堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能、及び環境に対して無害であることである。ここでも、食品デンプンは、ジャガイモ、タピオカ、キャッサバ、エンドウ豆、トウモロコシ、小麦、及び他の食品ベースのデンプンも含むことができるが、これらに限定されない。
【0188】
このように、本明細書に開示された組成物の生分解性により、リサイクルシステムが失敗したり、管理されていない廃棄物が環境中に漏出したりしても、最終的な解決策、つまりEarthPCBがあることは明らかである。
【0189】
本明細書で以下にさらに詳細に説明するように、試験中に、樹脂を混合する前に各成分をミル粉砕することによって、各成分を均一に混合することができることが発見された。
【0190】
一態様において、EarthPCB組成物を製造する方法が提供される。EarthPCB樹脂基材を製造する方法は、最初に、各コポリマーを別々にミル粉砕して微粉末にすることを含み、ここで各粒子は直径約0.1~4.0ミクロンである。基材コポリマーは、一例として、グリーンポリエチレン又はグリーンポリプロピレン、炭酸カルシウム(CaCo3)、草、綿くず、木材、例えば竹、ヘンプハード、燃焼木材チップ、又はおがくず木材繊維、食品タンパク質、例えば大豆タンパク質、食品デンプン、例えばジャガイモ、タピオカ、コーンデンプン、生分解添加物でもよく、固体状態で提供されてもよい。上記基材成分は、ペレット状であってもよいが、好ましい形態は微粉砕された粉末である。EarthPCB組成物を製造するために、予め選択された量の各基材コポリマーを計量してもよい。
【0191】
基材コポリマーは、各コポリマーを均一な組成物に細かく粉砕混合できるように、直径範囲内に粉砕、ミリング、又は粉砕されてもよい。粉末化されたコポリマーの粒径は、顕微鏡法又はふるい分け法などの幾何学的方法を介して測定されてもよい。好ましい例示的な実施形態において、グリーンPE、グリーンPP、草、木材、綿、CaCo3、食品デンプン、食品タンパク質、生分解性添加剤は、直径約0.1~4.0ミクロンの微粉に粉砕されてもよい。ヘンプの茎の内核を形成するヘンプハードの繊維は、一般に木質系であるため、それだけではうまく複合化せず、均一に配合されない。従って、ヘンプハードを直径約0.1~4.0ミクロンの微粉末にすると、他の基材コポリマーとより均一にブレンドされ、化合されるようになる。草、木質繊維、木片、綿、バイオマスについても同様であり、従って、これらは単独ではよく化合せず、均一に混合されない。従って、これらの基材成分を直径約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕すると、他の基材コポリマーとより均一にブレンドし、複合化することができる。従って、これらの基材成分をこのような微細な粉末サイズに粉砕することの利点は、EarthPCB樹脂がより強く、より柔軟で、コンパウンド前の予備乾燥が不要であるため経済的に実現可能であることであると考えられる。これらの成分は、堆肥化可能、生分解性、及びリサイクル可能である。
【0192】
基材コポリマーの各々が約0.1~4.0ミクロンの範囲で一般にブレンドされると、コポリマーは一緒にブレンドされ、熱や予備乾燥なしで機械的に混合されてもよい。一例として、各成分を機械的機構で一度に1つずつ混合物に添加してもよく、ここで混合物は、次の基材コポリマーを添加する前の時点で約5~25分間混合される。基材コポリマーの全てが機械的に一緒に撹拌されて乾燥したら、コンパウンドが行われる前に有機基材から水分を除去するために基材成分を熱又は予備乾燥させずに(一緒に混合された成分は水分を乾燥するのに役立つ)、得られた混合物をコンパウンド法で約220~430度華氏度に加熱することができる。最終的な基材の混合物を加熱することで、混合物内の熱力学的な活性化を実現し、熱可塑性デンプンや可塑剤添加物を使用せずに、混合物の各基材コポリマー間の凝集力を確立する。このことは、EarthPCBのような経済的に実現可能なバイオプラスチック材料を開発する上で非常に重要である。熱可塑性デンプンや可塑剤添加剤は高価であり、非有機、非生分解性、非堆肥化性の材料を含んでいる可能性がある。バイオプラスチックの製造に使用する有機バイオ材料が多ければ多いほど、マスターバッチ樹脂内で生分解と堆肥化可能を達成する機会が増える。最終混合物の加熱により、本明細書で上記に開示される最終マスターバッチEarthPCB樹脂が得られる。従って、EarthPCB樹脂を製造する方法の利点は、樹脂が石油系プラスチックの代替として経済的に実現可能であることが、多数の種類の食品及び飲料容器、包装、フィルム、袋、化粧品包装、医療用途、丸薬ボトル、栄養補助食品、商業及び工業電気製品、自動車、航空、石油系プラスチック製品と同様である任意の製品を形成する材料として使用できる、EarthPCBから作り得ることである。本方法のさらなる利点は、得られる製品がリサイクル可能、堆肥化可能、及び生分解性であることである。
【0193】
EarthPCB樹脂は、一例として、熱成形、ロト成形、射出成形、押出ブロー成形、押出、フィルム、バブル成形、真空フレーミング、及び押出ペレット化を通して任意の配列の製品及び商品に製造することができる。
【0194】
EarthPCB樹脂は、マスターバッチのバイオプラスチック樹脂ペレットを製造するために、押出、押出されたストランドの切断、及び硬化を含むプロセスを介してペレット化されてもよい。組成物を構成する各成分のミル粉砕のために、組成物の硬化プロセスはより速くなり、EarthPCB組成物をペレット化マスターバッチに押出配合するために基材成分のいかなる予備乾燥も必要としないことを理解されたい。これにより、膨大な時間とコストを節約することができる。PLA、PHA、PHBのような多くの基材や有機材料を押出コンパウンドするためには、予備乾燥が必要であることは一般的に知られており、また、PLA、PHA、PHBのようなこれらのバイオ樹脂を使用する場合、バイオプラスチック、また石油系プラスチック製品を作るために射出成形、押出成形、押出ブロー成形、熱成形、その他の周知のプラスチック加工をする前に予備乾燥をする必要がある。一方、EarthPCBは使用前に予備乾燥させる必要がないため、バイオ樹脂の加工時間を短縮し、バイオプラスチック製品にすることができる。なお、EarthPCBの基材は、粉砕に時間がかかるが(5~25分)、基材や樹脂を加工する際の予備乾燥に比べればはるかに短時間で済む。また、バイオ樹脂を使用する際には24~48時間の予熱が必要であり、5~25分のミキシングに比べればはるかに長い時間である。また、PLA、PHA、PHBなどのバイオ樹脂を予備乾燥させるオーブンには、ガスや電気などの膨大なエネルギーが必要だが、粉砕機ならエネルギーが少なくて済むので、製造コストと時間を削減でき、EarthPCB樹脂を使ったさまざまな製品を製造するまでの倉庫コストも抑えられる。
【0195】
当業者に知られているように、ペレット化は、基材を小さなペレットの形状に圧縮、押出し、又は成形するプロセスである。それらのペレットは、次に、射出成形、押出フィルム、押出ブロー成形、熱成形などのような特定の製造プロセスにおいてペレットを使用する様々な製造業者に出荷することができる。
【0196】
熱成形下でのEarthPCB基材のメルトフローレートは、1g以上80g未満/10分であり、これは広範囲のバイオプラスチック製品を製造できる大きな利点である。他のバイオ樹脂(PLA、PHA、PHBなど)では、この範囲のメルトフローを実現することはできない。EarthPCBとは異なり、他のバイオ樹脂はメルトフローレートを容易に調整する重要な能力を提起していない。そのため、PLA、PHA、PHBはプラスチック製造分野での用途が限られているが、EarthPCBは、生分解性、堆肥化可能性、リサイクル性のあるバイオプラスチックとして、プラスチック産業のあらゆる用途で使用することが可能である。このため、EarthPCB基材の熱成形時のメルトフローレートは、例えば、1g~80g未満/10分程度の範囲とすることが可能である。このメルトフローレートの範囲を達成するために、形状に改良を加える必要は無い。上記のようにEarthPCB基材を配合するだけで実現可能であり、余分な基材が不要なため、樹脂のコストを削減することができる。なお、EarthPCB配合のデンプンの比率を下げると、フローレートは上がる。樹脂基材の特性の調整を行うために、衝撃調整剤又は温度調整剤を基材に添加することができることを理解されたい。
【0197】
例として、本明細書に開示されるEarthPCB樹脂から製造される場合、製品に強度を与えるために衝撃改質剤(例えば、炭酸カルシウムや、CaSiO3(ワラストナイト))を基材に添加することができる。衝撃改質剤は、グリーンPE又はグリーンPPに添加されることは知られておらず、又は明らかでもない。しかしながら、上記のような基材成分、ならびにEarthPCB組成物は、EarthPCBから製造された製品に耐久性を付与し、かつEarthPCB組成物が生分解性、堆肥化可能性、リサイクル可能であるという目標に達成するために、衝撃改良剤又は他の添加物を含む可能性がある。
【0198】
本発明のEarthPCB組成物は、一態様において、EarthPCB樹脂からなるバイオプラスチックの製造方法を提供してもよい。バイオプラスチック形成用EarthPCB組成物の製造方法は、まず、グリーンポリエチレン又はグリーンポリプロピレンと炭酸カルシウムとを直径約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕し、2つの粉末を機械的に混合して第1の混合物を形成してもよい。ヘンプハード、竹、繊維、草、綿又は木の繊維を直径約0.1~4.0ミクロンの微粉末に粉砕した後、第1の混合物と非加熱で機械的に混合して乾燥させ、第2の混合物を形成してもよい。従って、PLA、PHA、PHBのような他のバイオプラスチックによって繰り返されるように、基材成分の予備乾燥が必要ないことに留意すべきである。第2の混合物は、グリーンポリエチレン又はグリーンポリプロピレン、炭酸カルシウム及びヘンプハードから構成されている。例として、食品デンプン又はタンパク質粒子又は顆粒(大豆タンパク質又はエンドウ豆タンパク質、又はジャガイモデンプン、又はタピオカデンプン)は、ヘンプハードに置き換えることができるか、ヘンプハードと混合してタンパク質粒子、粉末、顆粒を添加することができると理解されるべきであり、ヘンプハードと混合される。次に、ジャガイモ、タピオカ、トウモロコシ、小麦などの食品デンプンを直径約0.1~4.0ミクロンの微粒状粉末に粉砕してもよく、第2の混合物と基材成分を熱又は予備乾燥させずに機械的に混合して乾燥配合し、第3の混合物を形成することができる。生分解性添加剤は、直径約0.1~4.0ミクロンの微粒状粉末に粉砕されてもよく、第3の混合物と熱又は予備乾燥を伴わずに機械的に混合して乾燥配合し、第4の混合物を形成してもよいことが理解されるべきである。最後に、第3の混合物と最後の混合物を約220~430華氏度で撹拌コンパウンドして、各基材コポリマー内の材料構造を熱力学的に活性化して連結し、EarthPCBマスターバッチ樹脂を形成してもよい。ブレンド材料構造成分は、加熱結合プロセスを介して直鎖状又は分岐状に連結される。EarthPCB樹脂は、約220~430華氏度で硬化させ、ペレット状のマスターバッチバイオプラスチックを形成することができる。その後、EarthPCBペレット化材料は、食品、飲料、化粧品、自動車、消費財、ストロー、医療機器、電子機器、栄養粉末包装、丸薬ボトル、基本的に現在通常のプラスチックで作られている任意の製品を形成するために使用されてもよく、一般的なプラスチック製品の製造方法の例として、押出成形、押出ブロー成形、射出成形、熱成形、真空成形、ロト成形によって製造できる製品例としては、EarthPCB樹脂で作ることができる。従って、EarthPCB樹脂の利点は、現在通常のプラスチックから作られている製品が、堆肥化可能、生分解性、リサイクル可能な樹脂から作られるようになることであると考えられる。
【0199】
従来の石油系プラスチック樹脂の硬化、及び混合方法は、最初に組成物を構成する各成分のペレット化されたものを溶融することを含んでいた。上記に開示したように、EarthPCB高性能、持続可能、再生可能、低炭素樹脂を製造する方法は、溶融したペレットを混合するのではなく、すべての成分を粉末状にして最終混合物に混合することを含む。従って、上記に開示された方法の利点は、組成物を構成する各成分を、熱、又は樹脂の成分の予備乾燥なしに、また、例として、射出成形、押出成形、押出ブロー成形、真空成形、熱成形、ロト成形などの材料の任意の製造工程が行われる前に完成マスターバッチ樹脂を予備乾燥させずに混合してブレンドすることができ得る。
【0200】
EarthPCB高性能、持続可能、再生可能、低公害の樹脂組成物の上述した例示的な実施形態は、様々な用途のために具体的に配合し使用できることを理解されたい。一例として、包装用フィルムの製造のために、例えば、大豆タンパク質は使用されないかもしれないが、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質などのタンパク質は、得られるフィルム製品の完全性を乱す可能性があるので、粉砕したヘンプハード、又は竹、グリーンポリエチレン、炭酸カルシウム、天然食品デンプン、及び生分解性添加剤が、EarthPCB高性能、持続可能、再生可能、低炭素組成物の製造に好ましく使用され得る。
【0201】
本明細書に開示されたEarthPCB組成物に、食品デンプン(可塑剤又は他の添加物を含まない純粋なもの)、食品タンパク質又はセルロース系材料(例えば、木材又は草の繊維)などの有機成分を含めることは、生分解及び堆肥化プロセスの加速に不可欠であることに留意されたい。
【0202】
本特許文書で使用される特定の単語及び語句の定義を定めることが有利である場合がある。用語「基材」、「組成物」、及び「樹脂」は、本明細書において互換的に使用されることを理解されたい。用語「又は」は包括的であり、及び/又はを意味する。「関連する」及び「それに関連する」というフレーズ、及びその派生語は、含む、中に含まれる、相互接続する、含む、中に含まれる、接続する又は一緒にする、結合する又は一緒にする、通信可能である、協力する、挟み込む、並置する、近接する、結合する、有する、特性を有する、又は同様のものを意味しうる。
【0203】
さらに、本願で使用されるように、「複数」は2つ以上を意味する。アイテムの「セット」は、そのようなアイテムの1つ以上を含んでもよい。書面の説明又は特許請求の範囲のいずれにおいても、用語「から構成される」、「含む」、「運ぶ」、「有する」、「含む」、「含む」などは、オープンエンドであること、すなわち、含むがこれに限定されないことを意味すると理解されるものとする。それぞれ「からなる」及び「から本質的になる」という経過的なフレーズのみが、請求項に関して閉じた又は半閉じた経過的なフレーズである。
【0204】
存在する場合、請求項要素を修正するために請求項において「第1」、「第2」、「第3」などの序数的用語を使用することは、それ自体、別の要素に対するある請求項要素の優先、優先順位又は順序、又は方法の行為が実行される時間的順序を意味するものでは無い。これらの用語は、単に、ある名称を有するある請求項要素を、同じ名称を有する別の要素から区別するためのラベルとして用いられる(ただし、序数項の使用は、請求項要素を区別するために用いられる)。本願で使用される「及び/又は」は、リストされた項目が代替物であることを意味するが、代替物には、リストされた項目の任意の組み合わせも含まれる。
【0205】
本明細書を通じて、示された態様、実施形態又は例は、開示又は請求された装置又は手順に対する制限ではなく、例示として考慮されるべきである。例のいくつかは、方法行為又はシステム要素の特定の組み合わせを含むかもしれないが、それらの行為及びそれらの要素は、同じ目的を達成するために他の方法で組み合わされるかもしれないことを理解されたい。
【0206】
1つの側面、実施形態又は例に関連してのみ論じられる行為、要素及び特徴は、他の側面、実施形態又は例における同様の役割(複数可)から除外されることを意図していない。
【0207】
本発明の態様、実施形態又は例は、プロセスとして記述されることがあり、それは通常、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図を用いて描かれる。フローチャートは、操作を順次プロセスとして描写することができるが、操作の多くは、並列又は同時進行で実行することができる。また、操作の順序を入れ替えてもよい。フローチャートに関しては、説明された方法を実現するために、追加的なステップやより少ないステップが取られてもよく、示されたようなステップが組み合わされたり、さらに改良されたりしてもよいことが理解されるべきである。
【0208】
手段プラス機能の制限が特許請求の範囲に記載されている場合、その手段は、記載された機能を実行するために本願で開示された手段に限定することを意図するものではなく、記載された機能を実行するための、現在知られているか後に開発される任意の同等の手段を範囲に含むことを意図するものである。
【0209】
提示されたものがあれば、方法及び/又はプロセスに向けられた請求項は、書かれた順序でのそれらのステップの実行に限定されるべきではなく、当業者は、順序が変えられてもなお本発明の思想及び範囲内に留まることを容易に理解することが可能である。
【0210】
本明細書では、態様、実施形態及び/又は例を図示し説明したが、当業者であれば、同じ結果を達成することができ、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に図示及び説明した態様、実施形態及び/又は例の代わりになる、同じ及び/又は同等の変形を容易に見出すことができるであろう。従って、本願の範囲は、そのような代替の態様、実施形態及び/又は例をカバーすることを意図している。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。更に、各請求項は、更なる開示として本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B-C】
図12A
図12B-C】
図13A
図13B-C】
図14A
図14B
【国際調査報告】