(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】鼻フィッティング調節器
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
A41D13/11 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546373
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 KR2020018968
(87)【国際公開番号】W WO2021153911
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0010696
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0159634
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521331397
【氏名又は名称】コリアテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOREATECH Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】12, Bongeunsa-ro 49-gil, Gangnam-gu, Seoul, 06103, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ヨル・イ
(57)【要約】
本願発明は、鼻フィッティング調節機に関するものである。具体的には、マスク、ゴーグル、防毒マスク、及びVRヘッドセットのように鼻部位を密着させる部分を含む装置において、鼻を含む周辺部を直接強く圧迫しないと共に、該当の部分を密閉できる鼻フィッティング調節機に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの鼻軟骨の少なくとも一部及びその周辺部を覆うカバー部;及び
下記の第1固定部乃至第3固定部のうち少なくとも一つ以上の固定部;を含む鼻フィッティング調節機。
1)前記カバー部の外面で前記ユーザーの鼻唇溝(nasolabial fold)領域のうち少なくとも一部分である第1圧迫部を圧迫することによって、前記カバー部を前記ユーザーの肌と密着させる第1固定部;
2)前記カバー部の外面で前記ユーザーの上唇挙筋(levator labii superioris muscle)又は上唇鼻翼挙筋(levator labii superioris alaeque nasi muscle)の少なくとも一部分である第2圧迫部を圧迫することによって、前記カバー部を前記ユーザーの肌と密着させる第2固定部;及び
3)前記カバー部の外面で前記ユーザーの鼻翼(alar crease)の外周部のうち少なくとも一部である第3圧迫部を圧迫することによって、前記カバー部を前記ユーザーの肌と密着させる第3固定部。
【請求項2】
前記カバー部の外面で前記ユーザーの鼻軟骨の少なくとも一部を圧迫する追加固定部が設けられた、請求項1に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項3】
前記固定部の圧迫程度は、前記追加固定部の圧迫程度より強い、請求項2に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項4】
前記固定部又は追加固定部が圧迫する部位は、点、線、及び面のうち少なくとも一つ以上の形態である、請求項1又は請求項2に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項5】
前記固定部又は追加固定部が圧迫する部位は、少なくとも1個以上である、請求項1又は請求項2に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項6】
前記追加固定部が圧迫する部位は、微細突起の形態で構成された、請求項2に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項7】
前記固定部又は追加固定部の形態は、点、線、面、及び立体のうち少なくとも一つ以上の形態である、請求項1又は請求項2に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項8】
前記固定部は、前記第1圧迫部乃至第3圧迫部の他に、追加圧迫部を前記カバー部の外面で圧迫することができる、請求項1に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項9】
前記追加圧迫部は、点、線、及び面のうち少なくとも一つ以上の形態である、請求項8に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項10】
前記固定部及び追加固定部が前記カバー部の外面で圧迫する方向は、ユーザーの肌と垂直な方向であったり、ユーザーの顔面に形成されたしわ方向であったり、ユーザーの顔面に形成されたしわと垂直な方向であったり、ユーザーの鼻の外周辺に沿う方向であったり、ユーザーの鼻の外周辺の内向き又は外向き方向であったり、ユーザーの鼻周辺の筋肉方向であったり、前記方向の複合的な組み合わせであり得る、請求項1又は請求項2に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項11】
前記カバー部が配置され得る最大範囲は、上下には鼻尖の突出点(tip-defining points)以上から鼻骨(nasal bone)の下端部までであり、左右にはユーザーの顔面の両側頬骨の間である、請求項1に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項12】
前記第1固定部乃至第3固定部のうち少なくとも一つ以上の固定部によって前記カバー部が肌と密着するとき、
1)前記固定部が圧迫する前記カバー部の相対的な位置が固定され、前記カバー部が延伸されることによって前記カバー部が肌と密着したり、
2)前記固定部が圧迫する前記カバー部の相対的な位置が固定されず、前記カバー部が鼻の外形によって変形することによって前記カバー部が肌と密着したり、
3)前記固定部が圧迫する前記カバー部の相対的な位置が固定されず、前記カバー部も延伸されることによって前記カバー部が肌と密着する、請求項1に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項13】
前記固定部及び/又は追加固定部は、前記カバー部の外側に設けられた別途の支持部によって固定される、請求項1又は請求項2に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項14】
前記固定部及び/又は前記追加固定部が前記支持部によって固定される部位は、少なくとも一つ以上であり、点、線、及び面のうち一つ以上の形態である、請求項13に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項15】
前記固定部及び/又は前記追加固定部は、前記支持部によって固定されながら回転、移動、及びねじれを含む運動が可能な形態である、請求項14に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項16】
前記固定部及び/又は前記追加固定部が前記カバー部を圧迫する部位と、前記固定部及び/又は前記追加固定部が前記支持部によって固定される部位との間は、屈曲部を有し得る弾性のある材質によって連結された、請求項13に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項17】
前記カバー部の材質は、弾性のある材質又は弾性のない材質である、請求項1に記載の鼻フィッティング調節機。
【請求項18】
支持部の材質は、弾性のある材質又は弾性のない材質である、請求項1に記載の鼻フィッティング調節機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年1月29日付けの韓国特許出願第2020-0010696号及び2020年11月25日付けの韓国特許出願第2020-0159634号に基づいた優先権の利益を主張し、該当の韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本願発明は、鼻フィッティング調節機に関する。具体的には、マスク、ゴーグル、防毒マスク、及びVRヘッドセットのように鼻部位を密着させる部分を含む装置において、鼻を含む周辺部を直接強く圧迫しないと共に、該当の部分を密閉できる鼻フィッティング調節機に関する。
【背景技術】
【0003】
WHOを基準にして、微細ホコリ及び超微細ホコリは、それぞれ粒子の直径が2.5μm、1.0μm未満である粒子状物質を意味する。このような微細ホコリを遮断するためには、規格に適したマスクを正確に着用しなければならない。
【0004】
顔面に正確に密着せずに浮き上がることは、マスクを含めて、ゴーグル、防毒マスク、VRヘッドセットなどで共通的に発見される問題である。鼻を含む周辺部は、顔面の他の部分に比べて屈曲が激しく、肌が薄いので緩衝作用がほとんどなく、高さが高いので顔面と正確に密着しにくい。また、鼻を含む周辺部は、息をしたり話をするとき、顔の筋肉が動くことによってさらに容易に漏れが生じる部位である。
【0005】
上述のような問題を解決するために、マスクの鼻を含む周辺部に変形可能な弾性体などを挿入したり表面に付着したが、マスクは依然として顔面と正確に密着しない。ほとんどのマスクに使用されるワイヤなどの金属を変形させ、暫くの間、マスクを顔面と密着させた場合にも、支持部位がないので、顔の筋肉が動くことによって再度隙間が生じる。このような問題は、非常に単純であり、既に解決されたように見えるが、実際には長い間解決できずに未完成の状態で残っている。
【0006】
対話などによる顔の筋肉の動きは、マスクの動きをもたらす。コロナ-19のために長時間マスクを着用しなければならない場合、鼻筋とマスクとの摩擦によって肌の損傷が発生する。看護師などの医療陣が鼻筋にバンドや絆創膏を貼った後、その上にマスクを着用する理由は、このような頻繁な摩擦による肌の損傷を防止するためである。
【0007】
防毒マスクは、頭の後側に据え置かれるバンドを通じてシリコーンなどの弾性のある密閉部が鼻を含む周辺部を強く圧迫し、顔面との密着性を高めている。鼻を含む周辺部を加圧する力が大きいので、長時間の着用が困難である。また、顔面に跡が残り、女性達が忌避するという問題も解決すべき課題である。
【0008】
マスク及び防毒マスクは、空気の流れを遮断する装置であるが、VRヘッドセットには、空気の流れのみならず、光の遮断も同時に要求される。VRヘッドセットの着用時、鼻を含む周辺部が密閉されない場合、光の露出による集中度の低下問題が発生する。また、現在、発売開始された全ての製品は、このような問題で深刻に悩むことなく、防毒マスクのように強く圧迫する未完成の技術を解決策として提示している。
【0009】
特許文献1は、呼吸器の漏れがなく、最適な気孔のフィルター部分を選択することができ、息詰まりを解消し、また、メガネのずり落ち防止機能も付与することを目的とした低コストのマスクに関する。このマスクは、肌接触部との密着性が良い固定フレーム部分と、分離・接着を自由に行えるフィルター部分と、顔面に固定するための装着部分とを含んで構成されており、それぞれの部分は、異なる素材で作られ、機能を分担している。固定フレーム部分は、肌接触部品にノッチを入れておき、装着部分の張力によって接触面積を拡大させ、素材としては、肌の温度で収縮する形状記憶樹脂や肌粘着性樹脂を用いる。接触部品の上部には、対話や表情の変化などでの顔面の筋肉及び骨格の変形に対応して伸縮する弾性体樹脂を用いる。フィルター部分は、固定フレーム部分と分離することができ、目的に応じて必要な素材を選択可能なマスクを提供する。
【0010】
特許文献2は、鼻を密閉する部分を含むマスクに関し、陽圧下で呼吸ガスを供給するので、ユーザーの鼻及び口のうち少なくとも一つを覆う改良された鼻密閉部分を有するマスクを提供し、第1パドル及び第2パドルを備えるマスクを提供する。
【0011】
特許文献3は、鼻パッドが付着したマスクに関し、このマスクは、マスク本体、鼻パッド及び内層しわを含んで構成されており、マスク本体は、外層面、中間層面及び内層面を有し、鼻パッドは外層面に配置され、内層しわは、内層面から延長されながら折り畳まれて形成され、内層しわ及び外層面は、同時に鼻パッドを覆い、鼻パッドに対応する突起部がマスク本体に形成されたマスクを提供する。
【0012】
特許文献4は、伸縮バンドが備えられた密着型マスクに関し、マスク本体の枠部位に沿って伸縮性及び可撓性を有する2次密着部を構成し、前記マスク本体の内側上部には、ユーザーの鼻筋を上から覆って密着させる鼻パッドが備えられ、前記鼻パッドの両側から下向きに閉曲線の形態からなり、鼻及び口の周辺を覆う側下部膜が備えられ、前記側下部膜の枠部には、肌との密着のための弾性及び伸縮性材質の1次密着部を構成し、前記2次密着部のうち一側として上部位置に弾性を有する別途の伸縮バンドを備えることによって、鼻パッド40の鼻筋密着力を増大させ、内部空気の上向き流出を防止することを特徴とする。
【0013】
特許文献5は、マスクに関し、カバーの内側上部には、中央に鼻筋が入り込みながら収容される収容溝が備えられており、前記収容溝の両側で顔面の目下における鼻筋と両側頬骨との間に形成された空間に挿入され、肌と密着するようになった突部が備えられた密閉手段が設けられたマスクを提供する。
【0014】
特許文献6は、気体がフィルターシートにろ過されず、マスクの内部に流入することを防止できるマスクに関し、鼻クリップ及び/又は鼻パッドを含むマスクを提供する。
【0015】
特許文献7は、微細ホコリが呼吸器に流入しないようにする防塵マスクに関し、上・下端の内側面に鼻支持部が形成された上部カバー部と、空気排出部が形成された顎支持部が形成された下部カバー部とを形成し、ユーザーがマスクを着用したとき、上部カバー部に形成された鼻支持部が、別途の操作がなくても鼻に密着した状態で容易に着用可能なマスクを提供する。
【0016】
特許文献8は、環境にやさしい伝統韓紙マスクに関し、顔の曲率に合わせて形成され、口及び鼻を遮蔽するマスク本体100と、前記マスク本体100の両側に形成され、耳に掛けられる固定紐200とを含み、韓紙固有の機能を提供し、微細ホコリ、汚染物質、各種有害細菌などを効果的に吸着してろ過しながらも通気性、保温性、速乾性、及び抗菌性に優れており、快適な状態が長い間維持され、特に、人体への害が少ないので、子供や老弱者も安心して使用できる環境にやさしいマスクを提供する。
【0017】
このように、特許文献1乃至8は、マスクと鼻を含む周辺部との密着のための多様な手段を開示している。
【0018】
従来の技術は、1)着用状態で一時的に密着したとしても密着程度が弱く、2)ユーザーの筋肉が動くしかない顔面部位であるので、顔面の筋肉などの動きによって密着が弱くなりやすいだけでなく、鼻筋などの肌との頻繁な摩擦によって肌の損傷が発生し、3)顔面の筋肉の動きがなくても、ユーザーがマスク又はVRヘッドセットを着用して動く場合、その振動によっても密着程度が弱くなり、4)密着部位が鼻パッドのように鼻部位を強く圧迫する形態を提供しており、女性の場合、化粧が崩れるので着用を忌避するようになり、5)一部の防毒マスクの場合、圧迫の程度の調節が不可能であるので強い圧迫のみが可能であり、6)ユーザーの熟練の程度によって密着の程度が変わるので、老弱者及び子供のように装置や器具の調節に慣れていないユーザーの場合、密着が不完全になり得るという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2011-430号公報
【特許文献2】特開2019-30698号公報
【特許文献3】実用新案登録第3222972号公報
【特許文献4】特許第5011294号公報
【特許文献5】大韓民国登録特許公報第10-2012157号
【特許文献6】大韓民国公開特許公報第2011-0009652号
【特許文献7】大韓民国公開特許公報第2017-0000048号
【特許文献8】大韓民国公開特許公報第2017-0072094号
【特許文献9】大韓民国公開特許公報第2019-0032897号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本願発明は、上述のような問題を解決するためのものであって、1)密着程度が強く、2)顔面の筋肉などが動くとしても、継続して密着を維持するだけでなく、顔面との摩擦を最小化し、3)マスクなどを着用して動く場合に発生する振動によっても密着程度が弱くならず、4)密着のための圧迫部位を最小化し、5)圧迫の程度が自分の鼻の高さによって容易に調節され、6)老弱者、子供などの装置や器具の調節に慣れていないユーザーにも一定水準以上の密着を提供できる、鼻を含む周辺部を密閉できる鼻フィッティング調節機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述のような目的を達成するために、本願発明は、ユーザーの鼻軟骨(
図1において、外側鼻軟骨(Lateral nasal cartilage)、大鼻翼軟骨(Major alar cartilage)、及び小鼻翼軟骨(Minor alar cartilages)を含む。)の少なくとも一部及びその周辺部を覆うカバー部;及び下記の第1固定部乃至第3固定部のうち少なくとも一つ以上の固定部;を含む鼻フィッティング調節機を提供する。1)前記カバー部の外面で前記ユーザーの鼻唇溝(nasolabial fold)領域のうち少なくとも一部分である第1圧迫部を圧迫することによって、前記カバー部を前記ユーザーの肌と密着させる第1固定部;2)前記カバー部の外面で前記ユーザーの上唇挙筋(levator labii superioris muscle)(
図2及び
図3を参照)又は上唇鼻翼挙筋(levator labii superioris alaeque nasi muscle)(
図2を参照)の少なくとも一部分である第2圧迫部を圧迫することによって、前記カバー部を前記ユーザーの肌と密着させる第2固定部;及び3)前記カバー部の外面で前記ユーザーの鼻翼(alar crease)の外周部のうち少なくとも一部である第3圧迫部を圧迫することによって、前記カバー部を前記ユーザーの肌と密着させる第3固定部。
【0022】
本願発明は、前記カバー部の外面で前記ユーザーの鼻軟骨の少なくとも一部を圧迫する追加固定部を設けることができ、前記固定部の圧迫程度は、前記追加固定部の圧迫程度より強くなり得る。
【0023】
前記固定部及び前記追加固定部が圧迫する部位は、点、線、及び面のうち少なくとも一つ以上の形態であり、前記固定部及び前記追加固定部が圧迫する部位は少なくとも1個以上である。
【0024】
具体的には、前記追加固定部が圧迫する部位は、微細突起の形態で構成され得る。
【0025】
前記固定部及び前記追加固定部の形態は、点、線、面、及び立体のうち少なくとも一つ以上の形態である。
【0026】
前記固定部は、前記第1圧迫部乃至第3圧迫部の他に、追加圧迫部を前記カバー部の外面で圧迫することができ、前記追加圧迫部は、点、線及び面のうち少なくとも一つ以上の形態である。前記追加圧迫部は、前記カバー部が配置され得る部位のうち前記第1圧迫部乃至第3圧迫部を除いたいずれの部位にも形成可能であり、複数個の追加圧迫部が選定され得る。
【0027】
前記固定部及び前記追加固定部が前記カバー部の外面で圧迫する方向は、ユーザーの肌と垂直な方向であったり、ユーザーの顔面に形成されたしわ方向であったり、ユーザーの顔面に形成されたしわと垂直な方向であったり、ユーザーの鼻の外周辺に沿う方向であったり、ユーザーの鼻の外周辺の内向き又は外向き方向であったり、ユーザーの鼻周辺の筋肉方向であったり、これらの方向が複合されたものであり得る。
【0028】
前記カバー部が配置され得る最大範囲は、上下には鼻尖の突出点(tip-defining points)以上から鼻骨(nasal bone)の下端部までであり、左右にはユーザーの顔面の頬骨までである。
【0029】
前記第1固定部乃至第3固定部のうち少なくとも一つ以上の固定部によって前記カバー部が肌と密着するとき、1)前記固定部が圧迫する前記カバー部の相対的な位置が固定され、前記カバー部が延伸されることによって前記カバー部が肌と密着したり、2)前記固定部が圧迫する前記カバー部の相対的な位置が固定されず、前記カバー部が鼻の外形によって変形することによって前記カバー部が肌と密着したり、3)前記固定部が圧迫する前記カバー部の相対的な位置が固定されず、前記カバー部も延伸されることによって前記カバー部が肌と密着し得る。
【0030】
前記固定部及び/又は前記追加固定部は、前記カバー部の外側に設けられた別途の支持部によって固定される。前記固定部及び/又は前記追加固定部が前記支持部によって固定される部位は、少なくとも一つ以上であり、点、線、及び面のうち一つ以上の形態である。また、前記固定部及び/又は前記追加固定部は、前記支持部によって固定されながら回転、移動、及びねじれを含む運動が可能な形態であり得る。
【0031】
具体的な形態として、前記固定部及び/又は前記追加固定部が前記カバー部を圧迫する部位と、前記固定部及び/又は前記追加固定部が前記支持部によって固定される部位との間は、屈曲部を有し得る弾性のある材質によって連結され得る。
【0032】
前記カバー部及び前記支持部の材質は、弾性のある材質又は弾性のない材質であり得る。
【発明の効果】
【0033】
本願発明に係る鼻フィッティング調節機は、マスクにのみ限定されなく、従来のマスク、ゴーグル、防毒マスク、VRヘッドセットなどの顔の全面部に着用できるものであればいずれにも適用可能である。
【0034】
本願発明は、前記発明のうち任意の組み合わせによっても提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の固定部が配置され得る顔面を示す解剖学的模式図である。
【
図2】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の固定部が配置され得る顔面を示す解剖学的模式図である。
【
図3】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の固定部が配置され得る顔面を示す解剖学的模式図である。
【
図4】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図5】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図6】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図7】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図8】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図9】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図10】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図11】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図12】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図13】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図14】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図15】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図16】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図17】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図18】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図19】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図20】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図21】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図22】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図23】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図24】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図25】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図26】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図27】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図28】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図29】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図30】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図31】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図32】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図33】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図34】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図35】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図36】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図37】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図38】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図39】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図40】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図41】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図42】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図43】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図44】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図45】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図46】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図47】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図48】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図49】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図50】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図51】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図52】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図53】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図54】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図55】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図56】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図57】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図58】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図59】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図60】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図61】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図62】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図63】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図64】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図65】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図66】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図67】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図68】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図69】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の多様な例示を示す図である。
【
図70】本願発明に係る鼻フィッティング調節機による公認漏れ率を測定するために、従来のマスク(KF94)において、従来のマスク自体のフィッティング機能を使用していない状態で本願発明に係る第1固定部乃至第3固定部を密着できる固定部を金属クリップの形態で製造して試着した様子を示す写真である。
【
図71】本願発明に係る鼻フィッティング調節機による公認漏れ率を測定するために、従来のマスク(KF94)において、従来のマスク自体のフィッティング機能を使用していない状態で本願発明に係る第1固定部乃至第3固定部を密着できる固定部を金属クリップの形態で製造して試着した様子を示す写真である。
【
図72】本願発明に係る鼻フィッティング調節機による公認漏れ率を測定するために、従来のマスク(KF94)において、従来のマスク自体のフィッティング機能を使用していない状態で本願発明に係る第1固定部乃至第3固定部を密着できる固定部を金属クリップの形態で製造して試着した様子を示す写真である。
【
図73】本願発明に係る鼻フィッティング調節機の有無による変位を確認するために、ユーザーの顔面の左右にのみ固定される弾性体を製作し、鼻周辺部で前記弾性体の位置変化をモーションセンサーを用いて追跡するためにユーザーが試着した様子を示す写真である。
【
図74】
図73を使用して位置変位を観測した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が本願発明を容易に実施できる実施例を詳細に説明する。ただし、本願発明の好適な実施例に対する動作原理を詳細に説明する際に、関連する公知の機能又は構成に対する具体的な説明が本願発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合は、それについての詳細な説明は省略する。
【0037】
また、図面全体にわたって類似する機能及び作用をする部分に対しては、同一の図面符号を付する。明細書全体において、一つの部分が他の部分と連結されているとしたとき、これは、直接連結されている場合のみならず、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、一つの構成要素を含むことは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0038】
以下、本願発明を実施例を通じてより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本願発明を例示的に説明するためのものであり、本願発明の範囲がこれらの実施例に限定されることはない。
【0039】
本願発明に係る鼻フィッティング調節機は、鼻を含む周辺部を密閉するための装置である。マスク、ゴーグル、防毒マスク、及びVRヘッドセットの場合、鼻を含む周辺部に対する密閉が完璧でないので、これを改善する必要がある。
【0040】
本願発明に係るカバー部は、ユーザーの鼻軟骨(
図1において、外側鼻軟骨(Lateral nasal cartilage)、大鼻翼軟骨(Major alar cartilage)、及び小鼻翼軟骨(Minor alar cartilages)を含む。)の少なくとも一部及びその周辺部を覆うようになる。顔面と直接接する部分を除いた残りの面は、マスク、ゴーグル、防毒マスク、VRヘッドセットなどの顔面付着装置に結合されたり、又は支持部に結合され得る。
【0041】
図4は、本願発明に係る鼻フィッティング調節機が付加されたマスクを例示している。
図4によるカバー部は、薄い灰色で表示されたものである。濃い灰色は、カバー部のうち外部に露出した部分を示し、薄い灰色は、マスクの本体に隠れて見えない部分を示している。カバー部のうち顔面と接する上端屈曲線を除いた残りの下端屈曲線のうち少なくとも一部がマスクに結合されている。
【0042】
図4において、顔面の周辺を全体的に覆っている黒色の実線は、マスクの最外輪郭を示す。
図4のカバー部は、弾性のある布であり得る。前記カバー部は、顔面と接する上端屈曲線を除いた残りの下端屈曲線のうち少なくとも一部がマスクに結合されている。前記カバー部の外面で鼻翼の外周部を含む部位(垂直ハッチ線で表示)を圧迫することによって、カバー部が肌と密着できるようにする。
図4の場合、鼻における両側鼻翼の外周部を圧迫することによって、鼻の軟骨部に特別な圧迫がなくても、カバー部が延伸又は変形しながら鼻に密着し得る。
【0043】
図4では、顔面に付着する装置がマスクであるので、カバー部が上端境界面になり、下側境界面はマスク本体になる。本願発明に係る鼻フィッティング調節機がVRヘッドセットなどのように目の周囲に付着する装置に適用される場合、カバー部が下端境界面を形成するようになる。
【0044】
図5乃至
図28は、固定部が圧迫する部位が点又は線の形態であることを具体的に示した図である。
【0045】
図5乃至
図16は、カバー部及びこれを固定する固定部に対してのみ図式化した図である。灰色で表示したものは、本願発明に係るカバー部の例示である。カバー部は、鼻翼及びその周辺部を覆ったり(
図5乃至
図7、
図11乃至
図13)、軟骨の上端部及びその周辺部を覆うことができる(
図8乃至
図10、
図14乃至
図16)。
【0046】
図5乃至
図16において、黒い点は、固定部がカバー部の外面でユーザーの顔面に向かってカバー部を圧迫する部分を示している。点線の円は、固定部が支持部によって固定される部分を示している。中心の黒色の線又は曲線と周辺部のハッチ線は、圧迫する部分が線の形態であることを示す。
図4も、圧迫する部分が線の形態であることを示す。前記カバー部を圧迫する黒い点は、弾性によって位置変動が可能である。
【0047】
図5乃至
図16で例示として提示している固定部は、弾性のあるスプリングの形態であり、一端は支持部によって固定され、他端はカバー部の外面でユーザーの顔面に向かってカバー部を圧迫している。前記固定部が前記カバー部を圧迫する部位と、前記固定部が前記支持部によって固定される部位との間には、直線(
図5、
図6、
図8、
図9、
図12、
図16)又は屈曲部(
図7、
図10、
図11、
図13、
図14)が形成されている。屈曲部は、1個であったり、複数個(
図11、
図13)であることも可能である。
【0048】
直線又は屈曲部を有する形態は、固定部が圧迫する方向によって設計変更が可能である。固定部がカバー部の外面で圧迫する方向は、ユーザーの肌と垂直な方向であったり(
図5、
図6、
図8、
図11)、ユーザーの顔面に形成されたしわ方向であったり、ユーザーの顔面に形成されたしわと垂直な方向(
図11)であったり、ユーザーの鼻の外周辺に沿う方向(
図12)であったり、ユーザーの鼻の外周辺の内向き又は外向き方向(
図6、
図7、
図13)であったり、ユーザーの鼻周辺の筋肉方向(
図9、
図14)であったり、前記方向の複合的な組み合わせ(
図10、
図15)であり得る。
【0049】
一方、固定部が圧迫する前記カバー部の相対的な位置は、固定される場合もあり、固定されない場合もある。
図5乃至
図16において、固定部が圧迫する前記カバー部の相対的な位置に対して固定部が圧迫する部分の黒い点は、固定部の弾性によって位置が変動し得る。
【0050】
【0051】
図17乃至
図22は、
図5乃至
図16の構成に加えて、鼻を中心に対称に配置された固定部を連結する連結部が付加されたことを示す。ただし、
図17乃至
図19の構成においても、弾性のあるスプリング形態の中心部は、依然として鼻を直接圧迫しない。この場合、固定部を形成するスプリングは、一つの胴体で構成される。
【0052】
図23乃至
図28は、
図5乃至
図16の構成のうち支持部によって固定される部位が2個以上であり、屈曲部が2個以上である場合に対する多様な実施例を示している。このような構造は、顔面に付着する装置の形態又は圧迫しようとする部位によって設計変更が可能である。
図23乃至
図28の多様な形態も、一つの胴体を変形して構成することができる。
【0053】
また、このような形態は、支持部の位置によっても変形が可能である。支持部が顔面の付近に形成された場合は、固定部が顔面部に沿って配置可能であり、支持部が顔面部から離隔した位置に形成された場合は、固定部が顔面から遠くなる形態で構成される。このようにスプリング形態の弾性体は、x、y、z軸の3軸を用いて多様に変形可能である。
【0054】
図29乃至
図37は、固定部が圧迫する部位が面の形態であることを具体的に示した図である。
【0055】
図29乃至
図37において、内部が黒色で充填された図形は、本願発明に係る固定部がカバー部の外面で圧迫する部分が面の形態であることを示す。
図29乃至
図31は、軟骨部分が連結されていない2個の固定部が対称的に配置されたことを示し、
図32乃至
図34は中間部が連結されたことを示す。
図35乃至
図37は、圧迫する部分が点、線、及び面を全て含む場合を示す。このような場合にも、固定部をなす材質を弾性のある金属などの素材を用いて一体に形成することができる。
【0056】
図38乃至
図55は、固定部又は追加固定部の圧迫する部位が面の形態でありながら、固定部又は追加固定部の形態が立体である場合を示している。
図38乃至
図55においては、黒色の面は、ユーザーの顔面を上部から下部方向に見たときの固定部の側面を示したものである。鼻軟骨周辺部の灰色は追加固定部を示したものであり、追加固定部も立体形状で構成されている。
図38乃至
図55で限定している固定部は、フォームからなる弾性のある立体であり、一つの胴体で構成されたり、複数個の胴体で構成され得る。前記固定部がカバー部を圧迫する部分も面であるが、前記固定部が支持部によって固定される部分も面になる。
【0057】
図56乃至
図58は、固定部の更に他の立体的な形状を示した図であって、固定部がフォーム又はシリコーンなどの弾性のある素材で構成されており、圧迫する部位が面又は微細突起の形態である。支持部によって固定される部位は面の形態であり、
図56乃至
図58の構成は、ユーザーの顔面に付加する圧迫を分散できる多様な形態を例示として提示している。
【0058】
図59乃至
図69は、固定部及び/又は前記追加固定部が前記支持部によって固定されながら、回転、移動、及びねじれを含む運動が可能な形態の多様な例示を示している。前記固定部の非制限的な例示の具体的な運動形態としては、スライディング、回転、ヒンジ折り畳みなどの多様な機械的運動を適用することができる。
【0059】
図67乃至
図69の実施例は、フォーム、エアギャップ、シリコーン、スプリングなどの形状が変わる物体を前記支持部によって固定し、ここで、再度固定部を連結することによって非機械的運動を適用した例示である。
【実施例】
【0060】
図70乃至
図72は、本願発明に係る鼻フィッティング調節機による公認漏れ率を測定するために、従来のマスク(KF94)において、従来のマスク自体のフィッティング機能を使用していない状態で本願発明に係る第1固定部乃至第3固定部を密着できる固定部を金属クリップの形態で製造して試着した様子を示す写真である。
【0061】
図70乃至
図72に係るクリップ、すなわち、本願発明に係る第3固定部(実施例1)、第2固定部(実施例2)、第1固定部(実施例3)をユーザーの顔面に密着させる場合に対する公認漏れ率を測定した。
【0062】
<比較例>
従来のマスクであるKF94モデルの使い捨てマスクを比較例として使用した。前記マスクは、鼻周辺部の密閉のために、変形が可能なワイヤをマスクの鼻周辺に挿入したものである。前記マスクを用いて公認漏れ率を測定した。比較例1、比較例2、及び比較例3は、それぞれ実施例1、実施例2、及び実施例3において漏れ率を測定した位置で従来のKF94を用いて漏れ率を測定したものである。
【0063】
<公認漏れ率の測定>
漏れ率は、食品医薬品安全評価院の「保健用マスクの基準規格に対するガイドライン(民願人の案内書)」案内書-0349-04に記載した漏れ率試験法によって測定した。本願発明の漏れ率結果は、試験装置及び方法に対して食品医薬品安全評価院の認証を受けた後でテストを行った結果である。
【0064】
下記の漏れ率と関連した表の結果値において、1番目の行動乃至5番目の行動は、「保健用マスクの基準規格に対するガイドライン(民願人の案内書)」案内書-0349-04に記載した、「(A)頭を動かしたり話をすることなく2分間歩く。(B)トンネルの壁面を調査するように頭を左右に約2分間15回程度動かす。(C)屋根と床を調査するように頭を上下に約2分間15回程度動かす。(D)2分間、ハングルの文章を大きな声で言う。(E)頭を動かしたり話をすることなく2分間歩く。」に該当するものである。
【0065】
それぞれの行動に対して約2分間のテストを行い、合計5回実施して得た平均値を使用した。
【0066】
<公認漏れ率結果の対比>
表1、表3、及び表5は、それぞれ本願発明の第3固定部(実施例1)、第2固定部(実施例2)、及び第1固定部(実施例3)を密着させる場合に対する公認漏れ率であり、表2及び表4は、比較例1及び比較例2の公認漏れ率結果である。比較例3の場合、密着できなかったので漏れ率自体の測定が不可能であった。無理やり漏れ率を測定したとき、40%以上の値が測定され、実質的に意味のある値を導出できなかった。
【0067】
表6は、実施例4であり、同一の実験を、前記実施例1、実施例2、及び実施例3の部位を圧迫せずに、単純にユーザーの鼻軟骨部位のみに本願発明の実施例に係る鼻フィッティング調節機を使用して行う場合に対する公認漏れ率結果である。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
下記の表7は、本願発明に係る実施例1乃至実施例4と比較例1及び比較例3の公認漏れ率をまとめて比較した結果を示す。
【0075】
【0076】
公認漏れ率を測定する場合、本願発明に係る実施例1、実施例2、実施例3、及び実施例4と比較例の全てがKF94の基準を満足することに示されたが、本願発明の全ての場合、比較例に比べて低い漏れ率を示した。
【0077】
<顎運動結果の対比>
表8、表10、及び表12は、それぞれ本願発明の実施例1乃至実施例3に係る鼻フィッティング調節機を含むマスクを着用した後、前記漏れ率試験方法のうち顎の動きがある、「(D)2分間、ハングルの文章を大きな声で言う。」をそれぞれ5回行った試験結果を示し、表9及び表11は、それぞれ比較例1乃至2の結果を示したものである。(D)の場合、実際には漏れが多く発生するが、公認テストの規定内では明確に認識できないので、これに対して追加実験を行った。
【0078】
表8から分かるように、実施例1に係る鼻フィッティング調節機を含むマスクは、前記(D)試験に対しても、漏れ率が1.87%であり、非常に優れた値を示している。表9を参照すると、同一の位置に従来のKF94を使用する場合、漏れ率が8.02%であり、11%未満という規格には符合することに示されたが、実施例1に比べては4倍以上の漏れ率値を示した。
【0079】
【0080】
【0081】
表10から分かるように、実施例2に係る鼻フィッティング調節機を含むマスクは、漏れ率が0.41%であり、非常に優れた値を示している。表11を参照すると、同一の位置に従来のKF94を使用する場合、漏れ率が1.41%であり、規格には符合することに示されたが、実施例2に比べて4倍程度の漏れ率を示した。
【0082】
【0083】
【0084】
表12から分かるように、実施例3に係る鼻フィッティング調節機を含むマスクは、漏れ率が2.31%であり、優れた値を示している。その一方で、比較例3の場合、密着できなかったので、漏れ率自体の測定が不可能であった。無理やり漏れ率を測定したとき、40%以上の値が測定され、実質的に意味のある値を導出できなかった。
【0085】
【0086】
下記の表13は、本願発明に係る実施例1乃至実施例3と比較例1及び比較例2の公認漏れ率のうち漏れ率が最も高い試験のみを行った結果をまとめて比較した結果である。ユーザーがマスクを着用した状態で長時間業務などを行う場合が多く、これによって、対話をする場合がほとんどである。下記の表13を参照すると、本願発明の実施例1乃至実施例3は、このような場合にも、表7の場合に比べてほぼ類似する漏れ率値を示しているが、これにより、顎筋肉や顔の筋肉の動きがあった場合にも一定の密閉を保障することを確認することができる。また、位置及び筋肉使用の有無とは関係なく、低い漏れ率を維持しているので、ユーザーがマスク着用に対して慣れていなくても、常に優れた結果を得ることができる。
【0087】
【0088】
その一方で、従来のマスクは、ユーザーの顎又は顔の筋肉の動きが停止する場合とそうでない場合において多くの漏れ率差を示しており、位置によって4倍以上の漏れ率差を示すので、ユーザーのマスク着用熟達の程度、対話の有無によって一定でない値を示すという短所を有する。一方、同一の実験を、前記実施例1、実施例2、及び実施例3の部位を圧迫せず、単純にユーザーの鼻軟骨部位のみに本願発明の実施例に係る鼻フィッティング調節機を使用して行う場合と、比較例のKF94を使用して行う場合の漏れ率を測定した結果、表10及び表11と類似する結果を示した。この場合にも、本願発明に係る結果が約1/4の漏れ率値を示した。
【0089】
<変位実験>
本願発明に係る鼻フィッティング調節機の有無による顔面に固定する装置の変位を確認するために、ユーザーの顔面の左右にのみ固定される弾性体を製作し、鼻周辺部で前記弾性体の位置変化をモーションセンサーを用いて観測した。
【0090】
図73は、変位実験をするために、実施例2に係る鼻フィッティング調節機を付加した弾性体をユーザーが着用した様子を示す写真である。
図73において、鼻の端点で表示した部分の変位を観測した。実施例2に係る鼻フィッティング調節機を付加したり、付加していない弾性体をユーザーが着用した後、「アエイオウ」と話しながら前記点の変位を観測した。基準点から座標を求め、これらの距離を測定した後、これを時間によって
図74に示した。x軸は分を示し、y軸は変位を示す。
【0091】
従来のマスクは、ユーザーが鼻周辺のワイヤを曲げて密着したときにも、ユーザーが話をすることによって発生する顔面の筋肉の収縮・弛緩によって密着度が低下する。
図74において、点線で表示したものは、これと類似する結果として、実施例2に係る鼻フィッティング調節機を付加していない弾性体を試着した結果を示したものである。本願発明に係る鼻フィッティング調節機を付加する場合、ユーザーが対話をする場合にも、該当部位の変位(
図74の実線を参照)が少ないので、密着度が継続して維持され得ることを間接的に確認することができる。
【0092】
本願発明は、位置変化が少ないので、変異による肌との摩擦が少ない。これは、コロナ-19のために長時間マスクを着用しなければならない場合、鼻筋とマスクとの摩擦によって肌の損傷が発生することを防止できるという長所を有する。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本願発明は、ユーザーの鼻軟骨の少なくとも一部及びその周辺部を覆うカバー部と、第1固定部乃至第3固定部のうち少なくとも一つ以上の固定部とを含む鼻フィッティング調節機を提供することによって、前記カバー部と前記ユーザーの肌との1)密着程度が強く、2)顔面の筋肉などが動くとしても継続して密着を維持するだけでなく、摩擦を最小化し、3)マスクなどを着用して動く場合に発生する振動によっても密着程度が弱くならず、4)密着のために圧迫する部位を最小化し、5)圧迫の程度が自分の鼻の高さによって容易に調節され、6)老弱者、子供などの装置や器具の調節に慣れていないユーザーにも、一定水準以上の密着を提供できる、鼻を含む周辺部を密閉できる鼻フィッティング調節機を提供することができる。
【国際調査報告】