(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】抗トランスフェリン受容体(TFR)抗体およびその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230314BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20230314BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20230314BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230314BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20230314BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20230314BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230314BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20230314BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230314BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20230314BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C07K16/28
C12P21/08
A61P25/00
A61P21/00
A61P21/02
A61K45/00
A61K47/68
A61K39/395 N
A61K47/42
G01N33/53 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546621
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 US2021012666
(87)【国際公開番号】W WO2021154476
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521048956
【氏名又は名称】ダイン セラピューティクス,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】DYNE THERAPEUTICS, INC.
【住所又は居所原語表記】1560 Trapelo Road,Waltham,MA 02451,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアン,ロメシュ,アール.
(72)【発明者】
【氏名】カタナニ,モハマド,ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィーデン,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】デジャルダン,コディ,エー.
(72)【発明者】
【氏名】クイン,ブレンダン
【テーマコード(参考)】
4B064
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE07
4B064CE10
4B064DA01
4B064DA13
4C076AA11
4C076AA12
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4C076BB13
4C076BB15
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4C076CC09
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4C076EE59
4C076FF68
4C084AA17
4C084AA27
4C084MA05
4C084MA13
4C084MA16
4C084MA17
4C084MA44
4C084MA66
4C084NA10
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA012
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4C084ZA942
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB36
4C085BB41
4C085BB43
4C085CC23
4C085EE01
4C085GG01
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG06
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA54
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
4H045GA22
4H045GA25
(57)【要約】
本開示の側面は、トランスフェリン受容体(例として、トランスフェリン受容体1)へ結合する抗体、および分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗体を含む複合体に関する。抗体を作製する方法および抗体を使用する方法もまた、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体が、以下:
(i) 配列番号15のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)の、重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、および重鎖相補性決定領域3(CDR-H3);ならびに配列番号16のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)の、軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3);
(ii) 配列番号7のアミノ酸配列を含むVHの、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3;ならびに配列番号8のアミノ酸配列を含むVLの、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3;または
(iii) 配列番号23のアミノ酸配列を含むVHの、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3;ならびに配列番号24のアミノ酸配列を含むVLの、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3
を含む、前記抗体。
【請求項2】
抗体が、以下:
(i) 配列番号155で表されるとおりのCDR-H1、配列番号156で表されるとおりのCDR-H2、配列番号157で表されるとおりのCDR-H3;ならびに配列番号158で表されるとおりのCDR-L1、配列番号159で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号14で表されるとおりのCDR-L3;
(ii) 配列番号145で表されるとおりのCDR-H1、配列番号146で表されるとおりのCDR-H2、配列番号147で表されるとおりのCDR-H3;ならびに配列番号148で表されるとおりのCDR-L1、配列番号149で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3;または
(iii) 配列番号165で表されるとおりのCDR-H1、配列番号166で表されるとおりのCDR-H2、配列番号167で表されるとおりのCDR-H3;ならびに配列番号168で表されるとおりのCDR-L1、配列番号169で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3
を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
抗体が、ヒトのもしくはヒト化されたフレームワーク領域を、以下:
(i) 配列番号15で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、および配列番号16で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3;
(ii) 配列番号7で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、および配列番号8で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3;または
(iii) 配列番号23で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、および配列番号24で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3
とともに含む、請求項1または請求項2に記載の抗体。
【請求項4】
抗体が、以下:
(i) 配列番号15と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号16と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むVL;
(ii) 配列番号7と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号8と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むVL;または
(iii) 配列番号23と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号24と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むVL
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項5】
抗体が、完全長IgG、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、F(ab')2フラグメント、scFv、およびFvからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項6】
抗体が、完全長IgGである、請求項5に記載の抗体。
【請求項7】
抗体が、配列番号175または配列番号176で表されるアイソタイプIgG1の重鎖定常領域を含む、請求項6に記載の抗体。
【請求項8】
抗体が、以下:
(i) 配列番号180と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号181と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖;
(ii) 配列番号178と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号179と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖;または
(iii) 配列番号182と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号183と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む、請求項6または請求項7に記載の抗体。
【請求項9】
抗体が、F(ab')フラグメントである、請求項5に記載の抗体。
【請求項10】
抗体が、以下:
(i) 配列番号186と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号181と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖;
(ii) 配列番号185と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号179と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖;または
(iii) 配列番号187と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号183と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む、請求項9に記載の抗体。
【請求項11】
抗体が、トランスフェリン受容体1(TfR1)に10
-8M未満のK
Dで結合する、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体をコードする、核酸。
【請求項13】
請求項12に記載の核酸を含む細胞を、抗体の発現に好適な条件下で培養することを含む、抗TfR1抗体を産生する方法。
【請求項14】
分子ペイロードへ共有結合的に連結された、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体を含む、複合体であって、
任意にここで抗体および分子ペイロードが、リンカーを介して連結されており、
任意にここで分子ペイロードが、オリゴヌクレオチドである、前記複合体。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体を生体試料と接触させること、および抗体の生体試料への結合を測定することを含む、生体試料中のトランスフェリン受容体を検出する方法であって、任意にここで抗体が、診断用薬へ共有結合的に連結されている、前記方法。
【請求項16】
細胞を、請求項14に記載の複合体と接触させることを含む、分子ペイロードを細胞へ送達する方法。
【請求項17】
細胞が、筋細胞である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
有効量の、請求項14に記載の複合体を対象へ投与することを含む、分子ペイロードを対象の脳または筋肉へ送達する方法。
【請求項19】
有効量の、請求項14に記載の複合体を対象へ投与することを含む疾患を処置する方法であって、ここで分子ペイロードが、治療剤である、前記方法。
【請求項20】
疾患が、神経学的疾患であり、かつ分子ペイロードが、神経学的疾患を処置するための薬物であるか、または
疾患が、筋疾患であり、かつ分子ペイロードが、筋疾患を処置するための薬物であるが、任意にここで筋疾患が、希少な筋疾患または筋萎縮症である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年7月23日出願の「ANTI-TRANSFERRIN RECEPTOR (TFR) ANTIBODY AND USES THEREOF」と題した米国仮出願第63/055,405号、および2020年1月31日出願の「ANTI-TRANSFERRIN RECEPTOR (TFR) ANTIBODY AND USES THEREOF」と題した米国仮出願第62/968,252号の出願日の35 U.S.C§119(e)の下での利益を主張するものである;これら各々の内容は参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野
本出願は、新規な抗トランスフェリン受容体(TfR)抗体および抗体の使用に関する。
【0003】
EFS-WEBを介しテキストファイルとして提出された配列表への言及
本出願は配列表を含有する。これはEFS-WebからASCIIフォーマットで提出されており、その全体が参照によってここに組み込まれる。2021年1月8日に作成された該ASCIIコピーはD082470023WO00-SEQ-ZJGという名称であり、サイズは180キロバイトである。
【背景技術】
【0004】
背景
トランスフェリン受容体(TfR)は、鉄輸送に関与する二量体の膜貫通型糖タンパク質受容体である。2つのトランスフェリン受容体、トランスフェリン受容体1(TfR1)およびトランスフェリン受容体2(TfR2)が、ヒトにおいて特徴付けられている。TfRは、転移能がより高いがん細胞において過剰発現されることが示された。TfR1は、脳内への巨大分子の送達を可能にするために使用され得る血液脳関門の内皮細胞上に発現されることが示された。
【発明の概要】
【0005】
概要
本開示は、トランスフェリン受容体(抗TfR抗体)に結合する新しい抗体の開発に、少なくとも一部基づく。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、高い特異性および親和性(例として、サブナノモル~ナノモルの範囲)で、ヒトまたは霊長目の非ヒト動物(NHP)のトランスフェリン受容体へ選択的に結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、TfRを発現する組織および/または(例として、および)細胞を標的にするのに有用である。いくつかの態様において、本明細書に提供される抗TfR抗体は、細胞または組織におけるTfRの検出のために使用される。いくつかの態様において、本明細書に提供される抗TfR抗体は、診断の、治療の、または研究の用途で使用される。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、分子ペイロードを標的細胞または標的組織(例として、TfRを発現する細胞または組織)へ送達するのに使用される。
【0006】
そのため、いくつかの側面において、分子ペイロード(例として、診断用薬または治療剤)へ抱合された(例として、共有結合的に抱合された)抗TfR抗体を含む複合体が提供される。いくつかの態様において、抗TfR抗体は、疾患(例として、筋疾患もしくは神経学的疾患)を診断および/または(例として、および)処置するため、抱合された分子ペイロードを、TfR1を発現する細胞または組織(例として、筋肉もしくは脳)へ送達するのに使用される。いくつかの側面において、本開示は、本明細書に記載の抗TfR抗体が、分子ペイロードを標的細胞(例として、筋細胞)内へ送達することにおいて、他の知られている抗TfR抗体と比較して秀でた活性を有することを実証するデータを提供する。
【0007】
本開示のいくつかの側面は、ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体を提供するが、ここで抗体は、以下:表1に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む;および/または、ここで抗体は、表1もしくは表3に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0008】
本開示のいくつかの側面は、ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体(例として、単離された抗体)を提供するが、ここで抗体は、以下:(i)配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)の重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、および重鎖相補性決定領域3(CDR-H3);および/または(例として、および)、(ii)配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む。
【0009】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号1で表されるとおりのCDR-H1、配列番号2で表されるとおりのCDR-H2、配列番号3で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号4で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号145で表されるとおりのCDR-H1、配列番号146で表されるとおりのCDR-H2、配列番号147で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号148で表されるとおりのCDR-L1、配列番号149で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号150で表されるとおりのCDR-H1、配列番号151で表されるとおりのCDR-H2、配列番号152で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号153で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号154で表されるとおりのCDR-L3を含む。
【0010】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号1で表されるとおりのCDR-H1、配列番号233もしくは配列番号80で表されるとおりのCDR-H2、配列番号3で表されるとおりのCDR-H3;および/または、配列番号4で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号145で表されるとおりのCDR-H1、配列番号234もしくは配列番号236で表されるとおりのCDR-H2、配列番号147で表されるとおりのCDR-H3;および/または、配列番号148で表されるとおりのCDR-L1、配列番号149で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号150で表されるとおりのCDR-H1、配列番号277もしくは配列番号278で表されるとおりのCDR-H2、配列番号152で表されるとおりのCDR-H3;および/または、配列番号153で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号154で表されるとおりのCDR-L3を含む。
【0011】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号7と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVH、および/または(例として、および)、配列番号8と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0012】
本開示の他の側面は、ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体(例として、単離された抗体)を提供するが、ここで抗体は、以下:(i)配列番号15のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)の重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、および重鎖相補性決定領域3(CDR-H3);および/または(例として、および)、(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む。
【0013】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号9で表されるとおりのCDR-H1、配列番号10で表されるとおりのCDR-H2、配列番号11で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号12で表されるとおりのCDR-L1、配列番号13で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号14で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号155で表されるとおりのCDR-H1、配列番号156で表されるとおりのCDR-H2、配列番号157で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号158で表されるとおりのCDR-L1、配列番号159で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号14で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号160で表されるとおりのCDR-H1、配列番号161で表されるとおりのCDR-H2、配列番号162で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号163で表されるとおりのCDR-L1、配列番号13で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号164で表されるとおりのCDR-L3を含む。
【0014】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号237もしくは配列番号239で表されるとおりのCDR-H1、配列番号18で表されるとおりのCDR-H2、配列番号19で表されるとおりのCDR-H3;および/または、配列番号20で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号238もしくは配列番号240で表されるとおりのCDR-H1、配列番号166で表されるとおりのCDR-H2、配列番号167で表されるとおりのCDR-H3;および/または、配列番号168で表されるとおりのCDR-L1、配列番号169で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む。
【0015】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号15と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVH、および/または(例として、および)、配列番号16と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0016】
本開示の他の側面は、ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体(例として、単離された抗体)を提供する。いくつかの態様において、抗体は、以下:(i)配列番号23のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)の重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、および重鎖相補性決定領域3(CDR-H3);および/または(例として、および)、(ii)配列番号24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)の軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含む。
【0017】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号17で表されるとおりのCDR-H1、配列番号18で表されるとおりのCDR-H2、配列番号19で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号20で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号165で表されるとおりのCDR-H1、配列番号166で表されるとおりのCDR-H2、配列番号167で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号168で表されるとおりのCDR-L1、配列番号169で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号170で表されるとおりのCDR-H1、配列番号171で表されるとおりのCDR-H2、配列番号172で表されるとおりのCDR-H3;および/または(例として、および)、配列番号173で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号174で表されるとおりのCDR-L3を含む。
【0018】
いくつかの態様において、抗体は、配列番号23と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVH、および/または(例として、および)、配列番号24と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0019】
いくつかの態様において、抗体はヒトのまたはヒト化されたフレームワーク領域を含み、配列番号15で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、および配列番号16で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3を有する。いくつかの態様において、抗体はヒトのまたはヒト化されたフレームワーク領域を含み、配列番号7で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、および配列番号8で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3を有する。いくつかの態様において、抗体はヒトのまたはヒト化されたフレームワーク領域を含み、配列番号23で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、および配列番号24で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3を有する。
【0020】
いくつかの態様において、抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの態様において、ヒト化抗体は、ヒト化VH、および/または(例として、および)、ヒト化VLを含む。いくつかの態様において、抗体は、完全長IgG、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、F(ab')2フラグメント、scFv、およびFvからなる群から選択される。
【0021】
いくつかの態様において、抗体は、完全長IgGである。いくつかの態様において、抗体は、アイソタイプIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4の重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号175または配列番号176で表されるアイソタイプIgG1の重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号178と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または(例として、および)、配列番号179と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号180と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または(例として、および)、配列番号181と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、配列番号182と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または(例として、および)、配列番号183と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖。
【0022】
いくつかの態様において、抗体は、F(ab')フラグメントである。いくつかの態様において、抗体は、配列番号185と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または(例として、および)、配列番号179と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号186と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または(例として、および)、配列番号181と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体は、配列番号187と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または(例として、および)、配列番号183と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0023】
さらに本明細書に提供されるのは、ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体(例として、単離された抗体)である。いくつかの態様において、抗体は、以下:CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むが、これらは、表1に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と比較したとき、合わせてわずか10アミノ酸バリエーション、好ましくはわずか8アミノ酸バリエーション、より好ましくはわずか5アミノ酸バリエーションを含有する;および/または(例として、および)、ここで抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むが、これらは、表1に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3と比較したとき、合わせてわずか10アミノ酸バリエーション、好ましくはわずか8アミノ酸バリエーションを含有する。いくつかの態様において、抗体は、以下:表1に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む;および/または(例として、および)、ここで抗体は、表1に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0024】
いくつかの態様において、ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体(例として、単離された抗体)は、以下:GYSITSGYX1(配列番号286)(ここでX1は、YもしくはGであり得る)として表されるCDR-H1;IX2FDGX3X4(配列番号287)(ここでX2は、TもしくはNであり得、X3は、AもしくはNであり得、およびX4は、N、T、もしくはSであり得る)として表されるCDR-H2;X5RX6X7YDYDX8X9DX10(配列番号288)(ここでX5は、TもしくはAであり、X6は、S、F、もしくはIであり、X7は、S、N、もしくはYであり、X8は、P、Y、もしくはVであり、X9は、I、F、もしくはLであり、およびX10は、YもしくはFである)として表されるCDR-H3;および/または(例として、および)、QDIX11NX12(配列番号289)(ここでX11は、SもしくはTであり、およびX12は、F、C、S、もしくはYである)として表されるCDR-L1;YTS(配列番号13)として表されるCDR-L2;および、QQGX13X14X15PX16T(配列番号290)(ここでX13は、HもしくはNであり、X14は、TもしくはAであり、X15は、LもしくはYであり、およびX16は、Y、W、もしくはFである)として表されるCDR-L3を含む。
【0025】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つは、トランスフェリン受容体1(TfR1)に、10-8M未満のKDで結合する。
【0026】
本明細書に記載の抗体のいずれかをコードする核酸、かかる核酸を含むベクター、かかるベクターを含む細胞もまた、提供される。
【0027】
本開示の他の側面は、抗TfR1抗体を産生する方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、本明細書に記載の抗体のいずれか1つをコードする核酸を含む細胞を、抗体の発現に好適な条件下で培養することを含む。
【0028】
本開示の他の側面は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された、本明細書に記載の抗体のいずれか1つを含む複合体を提供する。いくつかの態様において、分子ペイロードは、診断用薬または治療剤である。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、または小分子である。いくつかの態様において、抗体および分子ペイロードは、リンカーを介して連結されている。いくつかの態様において、リンカーは、可逆的な(reversible)リンカーである。いくつかの態様において、リンカーは、val-Citリンカーである。
【0029】
本明細書に記載の抗体のいずれか1つを含む組成物、本明細書に記載の核酸のいずれか1つ、本明細書に記載のベクターのいずれか1つ、または本明細書に記載の複合体のいずれか1つもまた、提供される。いくつかの態様において、組成物は、薬学的に許容し得る担体を含む。
【0030】
また本明細書に提供されるのには、生体試料中のトランスフェリン受容体を検出する方法もある。いくつかの態様において、方法は、本明細書に記載の抗体のいずれか1つを生体試料と接触させること、および抗体の生体試料への結合を測定することを含む。いくつかの態様において、抗体は、診断用薬へ共有結合的に連結されている。いくつかの態様において、生体試料は、トランスフェリン受容体に関連する疾患を有すると疑われるかまたは前記疾患のリスクがあるヒト対象から得られたものである。いくつかの態様において、接触ステップは、有効量の抗TfR抗体を対象へ投与することによって実施される。
【0031】
分子ペイロードを細胞へ送達する方法もまた、提供される。いくつかの態様において、方法は、本明細書に記載の複合体のいずれか1つを細胞と接触させることを含む。いくつかの態様において、細胞は、筋細胞である。いくつかの態様において、細胞は、in vitroにある。いくつかの態様において、細胞は、対象内にある。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。
【0032】
いくつかの側面において、分子ペイロードを対象の脳または筋肉へ送達する方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、有効量の、本明細書に記載の複合体のいずれか1つを対象へ投与することを含む。いくつかの態様において、投与は、静脈内である。
【0033】
いくつかの側面において、疾患を処置する方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、有効量の、本明細書に記載の複合体のいずれか1つ(例として、ここで分子ペイロードは、治療剤である)を対象へ投与することを含む。いくつかの態様において、疾患は、神経学的疾患であり、および分子ペイロードは、神経学的疾患を処置するための薬物である。いくつかの態様において、疾患は、筋疾患であり、例として、分子ペイロードは、筋疾患を処置するための薬物である。いくつかの態様において、筋疾患は、希少な筋疾患または筋萎縮症である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図面の簡単な記載
【
図1】
図1は、抗TfR抗体のスクリーニングプロセスを描く。
【0035】
【
図2A】
図2Aおよび2Bは、組織におけるTfR1の発現を示すグラフである。
図2A:マウスTfR1;
図2B:カニクイ(Cyno)TfR1。
【
図2B】
図2Aおよび2Bは、組織におけるTfR1の発現を示すグラフである。
図2A:マウスTfR1;
図2B:カニクイTfR1。
【0036】
【
図3】
図3は、DMPKを標的にする対照アンチセンスオリゴヌクレオチドへ共有結合的に抱合された選択された抗TfR1抗体を含有する抱合体の、霊長目の非ヒト動物(NHP)細胞またはヒトDM1患者からの細胞(DM1)におけるDMPKノックダウン(KD)効率を示すグラフである。
【0037】
【
図4】
図4は、静脈内投与後の様々な生物種における、抗TfR抗体および分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)を連結するのに使用されたリンカーの経時的な血清中安定性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
詳細な記載
本開示は、ヒトTfRに対して高い結合親和性および特異性を示した抗TfR抗体、例として、表1に挙げられた抗体およびそれらのバリアントの開発に、少なくとも一部基づく。また提供されるのには、研究、診断/検出、および治療の用途における、抗TfR抗体およびそれらのバリアントの使用もある。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド、ペプチド、小分子)を、TfRを発現する標的細胞または組織へ送達するのに使用される。いくつかの態様において、送達されるべき分子ペイロードは、抗TfR抗体へ抱合されており、TfRを発現する標的細胞または組織へ受容体の内在化を介して送達される。TfRを発現しかつ本明細書に記載の抗TfR抗体を使用して標的にされ得る例示の組織は、、限定せずに、以下:脳、筋肉、副腎、虫垂、骨髄、結腸、十二指腸、子宮内膜、食道、脂肪、胆嚢、心臓、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、卵巣、膵臓、胎盤、前立腺、唾液腺、皮膚、小腸、脾臓、胃、精巣、甲状腺、膀胱を包含する。いくつかの態様において、かかるアプローチは、筋細胞においても、血液脳関門を越えて送達するのにも有益な効果を有するが、これらは困難であることが証明されている。いくつかの側面において、本開示は、本明細書に記載の抗TfR抗体が、分子ペイロードを標的細胞(例として、筋細胞)内へ送達することにおいて、他の知られている抗TfR抗体と比較して秀でた活性を有することを実証するデータを提供する。
【0039】
そのため、本開示はまた、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR1抗体のいずれか1つを含む複合体も提供する。いくつかの態様において、複合体は、例として、希少な筋疾患もしくは筋萎縮症(例として、表7に挙げられたとおりの)を有するかまたはこれを有すると疑われる対象において、筋細胞中の標的遺伝子の発現または活性を阻害する分子ペイロードを送達するのに具体的に有用である。いくつかの態様において、複合体は、神経学的疾患(例として、表8に挙げられたとおりの)を処置するための薬物を脳へ送達するのに具体的に有用である。
【0040】
定義された用語の記載を包含する本開示のさらなる側面は、下に提供される。
【0041】
I. 定義
投与する(施す)こと:
本明細書に使用されるとき、用語「投与する(施す)こと」または「投与(施し)」は、生理学的におよび/または(例として、および)薬理学的に有用なやり方で対象へ複合体を提供すること(例として、対象における疾病を処置すること)を意味する。
【0042】
およそ:
本明細書に使用されるとき、用語「およそ」または「約」は、関心のある1つ以上の値へ適用されるとき、規定された参照値と同様の値を指す。ある態様において、用語「およそ」または「約」は、別様に述べられない限りまたは文脈から明らかでない限り(かかる数字が実行可能な値の100%を超える場合を除く)、規定された参照値のプラスマイナス(超または未満)の15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはこれ未満に収まる広範な値を指す。
【0043】
抗体:
本明細書に使用されるとき、用語「抗体」は、少なくとも1個の免疫グロブリン可変ドメインまたは少なくとも1個の抗原決定基、例として、抗原へ特異的に結合するパラトープを包含するポリペプチドを指す。いくつかの態様において、抗体は、完全長の抗体である。いくつかの態様において、抗体は、キメラ抗体である。いくつかの態様において、抗体は、ヒト化抗体である。しかしながら、いくつかの態様において、抗体は、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、F(ab')2フラグメント、Fvフラグメント、またはscFvフラグメントである。いくつかの態様において、抗体は、ラクダ科の動物の抗体に由来するナノボディ、またはサメ抗体に由来するナノボディである。いくつかの態様において、抗体は、二重特異性抗体である。いくつかの態様において、抗体は、ヒト生殖細胞系配列を有するフレームワークを含む。別の態様において、抗体は、IgG、IgG1、IgG2、IgG2A、IgG2B、IgG2C、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、IgM、およびIgEの定常領域からなる群から選択される重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、重(H)鎖可変領域(本明細書中VHと略される)、および/または(例として、および)、軽(L)鎖可変領域(本明細書中VLと略される)を含む。いくつかの態様において、抗体は、定常領域、例としてFc領域を含む。免疫グロブリン定常領域は、重鎖または軽鎖定常領域を指す。ヒトIgG重鎖および軽鎖定常領域アミノ酸配列およびそれらの機能的バリエーションは知られている。重鎖に関し、いくつかの態様において本明細書に記載の抗体の重鎖は、アルファ(α)、デルタ(Δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)、またはミュー(μ)重鎖であり得る。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体の重鎖は、ヒトのアルファ(α)、デルタ(Δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)、またはミュー(μ)重鎖を含み得る。具体的な態様において、本明細書に記載の抗体は、ヒトのガンマ1 CH1ドメイン、CH2ドメイン、および/または(例として、および)、CH3ドメインを含む。いくつかの態様において、VHドメインのアミノ酸配列は、ヒトガンマ(γ)重鎖定常領域のアミノ酸配列、たとえば当該技術分野において知られているいずれの配列も含む。ヒト定常領域配列の非限定例は当該技術分野において記載されており、例として、米国特許第5,693,780号および上記のKabat E Aら(1991)を見よ。いくつかの態様において、VHドメインは、本明細書に提供される可変鎖定常領域のいずれかと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体は修飾されており、例として、グリコシル化、リン酸化、SUMO化、および/または(例として、および)、メチル化を介して修飾されている。いくつかの態様において、抗体は、1個以上の糖または炭水化物分子へ抱合されたグリコシル化抗体である。いくつかの態様において、1個以上の糖または炭水化物分子は、N-グリコシル化、O-グリコシル化、C-グリコシル化、グリピエーション(glypiation)(GPIアンカー付着)、および/または(例として、および)、ホスホグリコシル化を介して抗体へ抱合されている。いくつかの態様において、1個以上の糖または炭水化物分子は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、またはグリカンである。いくつかの態様において、1個以上の糖または炭水化物分子は、分枝オリゴ糖類または分枝グリカンである。いくつかの態様において、1個以上の糖または炭水化物分子は、マンノース単位、グルコース単位、N-アセチルグルコサミン単位、N-アセチルガラクトサミン単位、ガラクトース単位、フコース単位、またはホスホ脂質単位を包含する。いくつかの態様において、抗体は、リンカーポリペプチドまたは免疫グロブリン定常領域へ連結された本開示の1個以上の抗原結合性フラグメントを含むポリペプチドを含む構築物である。リンカーポリペプチドは、ペプチド結合によって結び合わされた2個以上のアミノ酸残基を含み、1個以上の抗原結合部と連結させるために使用される。リンカーポリペプチドの例は報告されている(例として、Holliger,P.,et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Poljak,R.J.,et al.(1994)Structure 2:1121-1123を見よ)。またさらに、抗体は、1以上の他のタンパク質またはペプチドと、抗体もしくは抗体部分との共有結合または非共有結合の結び付きによって形成される、より大きな免疫接着分子の一部であってもよい。かかる免疫接着分子の例は、四量体scFv分子を作製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov,S.M.,et al.(1995)Human Antibodies and Hybridomas 6:93-101)、ならびに二価のおよびビオチン化されたscFv分子を作製するためのシステイン残基、マーカーペプチド、およびC末ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov,S.M.,et al.(1994)Mol.Immunol.31:1047-1058)を包含する。
【0044】
CDR:
本明細書に使用されるとき、用語「CDR」は、抗体可変配列内の相補性決定領域を指す。典型的な抗体分子は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含むが、これらは大抵、抗原結合に関与する。VHおよびVL領域はさらに、細分されて超可変性の領域になり得るが、これはまた「相補性決定領域」(「CDR」)としても知られており、「フレームワーク領域」(「FR」)として知られているより保存された領域とともにちりばめられている。各VHおよびVLは典型的には、3つのCDRおよび4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端へ以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置されている。フレームワーク領域およびCDRの及ぶ範囲(extent)は、当該技術分野において知られている方法論を使用して、例えば、Kabat定義、IMGT定義、Chothia定義、AbM定義、および/または(例として、および)、接触(contact)定義(これらすべては、当該技術分野において周知である)によって、正確に同定され得る。例として、Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242;IMGT(登録商標),the international ImMunoGeneTics information system(登録商標) http://www.imgt.org,Lefranc,M.-P.et al.,Nucleic Acids Res.,27:209-212(1999);Ruiz,M.et al.,Nucleic Acids Res.,28:219-221(2000);Lefranc,M.-P.,Nucleic Acids Res.,29:207-209(2001);Lefranc,M.-P.,Nucleic Acids Res.,31:307-310(2003);Lefranc,M.-P.et al.,In Silico Biol.,5,0006(2004)[Epub],5:45-60(2005);Lefranc,M.-P.et al.,Nucleic Acids Res.,33:D593-597(2005);Lefranc,M.-P.et al.,Nucleic Acids Res.,37:D1006-1012(2009);Lefranc,M.-P.et al.,Nucleic Acids Res.,43:D413-422 (2015);Chothia et al.,(1989)Nature 342:877;Chothia,C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901-917,Al-lazikani et al(1997)J.Molec.Biol.273:927-948;およびAlmagro,J.Mol.Recognit.17:132-143(2004)を見よ。またhgmp.mrc.ac.ukおよびbioinf.org.uk/absも見よ。本明細書に使用されるとき、CDRは、当該技術分野において知られているいずれの方法によっても定義されるCDRを指してもよい。同じCDRを有する2つの抗体は、2つの抗体が、同じ方法、例えば、IMGT定義によって決定されたときのそのCDRが同じアミノ酸配列を有することを意味する。
【0045】
重鎖および軽鎖の可変領域の各々において3つのCDRがあり、これらは可変領域の各々につきCDR1、CDR2、およびCDR3と指定される。用語「CDRセット」は、本明細書に使用されるとき、抗原に結合することが可能な単一の可変領域に生じる3つのCDRの一群を指す。これらのCDRの厳密な境界は、種々の系に従い異なって定義されている。Kabat(Kabat et al.,Sequence of Proteins of Immunological Interest(国立衛生研究所,Bethesda,Md.(1987)および(1991))によって記載される系は、抗体のいずれの可変領域へも適用可能な一義的な残基ナンバリング系を提供するのみならず、3つのCDRを定義する正確な残基境界をも提供する。これらのCDRは、Kabat CDRと称されることもある。CDRの下位部(Sub-portions)は、L1、L2、およびL3、またはH1、H2、およびH3と指定されることがあり、ここで「L」および「H」は夫々、軽鎖および重鎖領域を指定する。これらの領域は、Kabat CDRと重複する境界を有するChothia CDRと称されることもある。Kabat CDRと重複するCDRを定義する他の境界は、Padlan(FASEB J.9:133-139(1995))およびMacCallum(J Mol Biol 262(5):732-45(1996))によって記載されている。さらに他のCDR境界定義は、上の系の1つに厳重に従わなくてもよいが、それでもなおKabat CDRと重複することがあり、具体的な残基もしくは残基の群またはCDR全体でさえも抗原結合に有意に影響を及ぼすものではないという予測あるいは実験的知見を踏まえ、それらは短縮または伸長されてもよい。本明細書に使用される方法は、これらの系のいずれかに従って定義されるCDRを利用してもよいが、好ましい態様はKabatまたはChothiaに定義されるCDRを使用する。
【0046】
CDR接合(-grafted)抗体:
用語「CDR接合抗体」は、マウス重鎖および軽鎖可変領域を有するがマウスCDRの1以上(例として、CDR3)がヒトCDR配列に置き換えられている抗体などの、ある種からの重鎖および軽鎖可変領域配列を含むが、そのVHおよび/またはVLのCDR領域の1以上の配列が別の種のCDR配列に置き換えられている抗体を指す。
【0047】
キメラ抗体:
用語「キメラ抗体」は、ヒト定常領域へ連結されたマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体などの、ある種からの重鎖および軽鎖可変領域配列と別の種からの定常領域配列を含む抗体を指す。
【0048】
相補的:
本明細書に使用されるとき、用語「相補的」は、2ヌクレオチド間または2組のヌクレオチド間の正確な対形成のための能力(capacity)を指す。とりわけ、相補的は、2ヌクレオチド間または2組のヌクレオチド間に結合をもたらす水素結合対形成の程度を特徴付ける用語である。例えば、ある位置のオリゴヌクレオチドの塩基が、対応する位置の標的核酸(例として、mRNA)の塩基と水素結合することが可能である場合、そのとき塩基は、その位置にて互いに相補的であると見なされる。塩基対合は、標準的なWatson-Crick塩基対合と非Watson-Crick塩基対合(例として、Wobble塩基対合およびHoogsteen塩基対合)との両方を包含してもよい。例えば、いくつかの態様において、相補的な塩基対合として、アデノシン型塩基(A)は、チミジン型塩基(T)またはウラシル型塩基(U)に相補的であり、シトシン型塩基(C)は、グアノシン型塩基(G)に相補的であり、3-ニトロピロールまたは5-ニトロインドールなどのユニバーサル塩基は、いずれのA、C、U、またはTとハイブリダイズし得、これらと相補的であると見なされる。イノシン(I)はまた、当該技術分野においてユニバーサル塩基であるとも見なされており、いずれのA、C、U、またはTに相補的であると見なされる。
【0049】
保存アミノ酸置換:
本明細書に使用されるとき、「保存アミノ酸置換」は、アミノ酸置換がなされたタンパク質の相対的な電荷またはサイズの特徴を変更しないアミノ酸置換を指す。バリアントは、当業者に知られているポリペプチド配列を変更するための方法に従って調製され得、たとえば、かかる方法をまとめた参考文献、例として、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,J.Sambrook,et al.,eds.,Fourth Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,2012、またはCurrent Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel,et al.,eds.,John Wiley & Sons,Inc.,New Yorkから見出される。アミノ酸の保存的置換は、以下の群:(a)M、I、L、V;(b)F、Y、W;(c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N;および(g)E、D内のアミノ酸に対してなされる置換を包含する。
【0050】
共有結合的に連結された(ている):
本明細書に使用されるとき、用語「共有結合的に連結された(ている)」は、少なくとも1個の共有結合を介して一緒に連結されている2個以上の分子の特徴を指す。いくつかの態様において、2個の分子は一緒に、分子間リンカーとして働く単結合(例として、ジスルフィド結合またはジスルフィド架橋)によって共有結合的に連結され得る。しかしながら、いくつかの態様において、複数の共有結合を通して2個以上の分子を一緒に結び合わせるリンカーとして働く分子を介して、2個以上の分子は一緒に、共有結合的に連結され得る。いくつかの態様において、リンカーは、切断可能なリンカーであってもよい。しかしながら、いくつかの態様において、リンカーは、切断不能なリンカーであってもよい。
【0051】
交差反応すること:
本明細書に使用されるとき、および標的化剤(例として、抗体)の文脈において、用語「交差反応すること」は、同様のタイプまたはクラスの1種より多くの抗原(例として、複数のホモログ、パラログ、もしくはオルソログの抗原)へ、同様の親和性または結合活性で特異的に結合することが可能な剤の特性を指す。例えば、いくつかの態様において、同様のタイプまたはクラスのヒトおよび霊長目の非ヒト動物の抗原(例として、ヒトトランスフェリン受容体および霊長目の非ヒト動物のトランスフェリン受容体)に対して交差反応する抗体は、ヒト抗原および霊長目の非ヒト動物の抗原へ、同様の親和性または結合活性で結合することが可能である。いくつかの態様において、抗体は、同様のタイプまたはクラスのヒト抗原および齧歯類動物抗原に対して交差反応する。いくつかの態様において、抗体は、同様のタイプまたはクラスの齧歯類動物の抗原および霊長目の非ヒト動物の抗原に対して交差反応する。いくつかの態様において、抗体は、同様のタイプまたはクラスのヒト抗原、霊長目の非ヒト動物の抗原、および齧歯類動物の抗原に対して交差反応する。
【0052】
フレームワーク:
本明細書に使用されるとき、用語「フレームワーク」または「フレームワーク配列」は、CDRを差し引いた可変領域の残りの配列を指す。CDR配列の厳密な定義が種々の系によって決定され得ることから、フレームワーク配列の意味は、相応に異なる解釈に依存する。6つのCDR(軽鎖のCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3、ならびに重鎖のCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3)もまた、軽鎖および重鎖上のフレームワーク領域を各鎖上の4つの下位領域(FR1、FR2、FR3、およびFR4)に分け、ここでCDR1はFR1とFR2との間に、CDR2はFR2とFR3との間に、CDR3はFR3とFR4との間に位置付けられる。具体的な下位領域をFR1、FR2、FR3、またはFR4と特定しないフレームワーク領域は、他によって言及されるとき、天然に存在する単一の免疫グロブリン鎖の可変領域内の組み合わされたFR(複数)を表す。本明細書に使用されるとき、FRは4つの下位領域のうち1つを表し、FR(複数)はフレームワーク領域を含有する4つの下位領域のうち2つ以上を表す。ヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列は、当該技術分野において知られている。一態様において、当該技術分野において知られているアクセプター配列は、本明細書に開示の抗体に使用されていてもよい。
【0053】
ヒト抗体:
用語「ヒト抗体」は、本明細書に使用されるとき、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を包含することが意図される。本開示のヒト抗体は、例えばCDR、とりわけCDR3において、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例として、in vitroでのランダム変異誘発もしくは部位特異的変異誘発によってか、またはin vivoでの体細胞変異によって導入された突然変異)を包含していてもよい。しかしながら、用語「ヒト抗体」は、本明細書に使用されるとき、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上へ接合された抗体を包含することは意図されない。
【0054】
ヒト化抗体:
用語「ヒト化抗体」は、非ヒト種(例として、マウス)からの重鎖および軽鎖の可変領域配列を含むが、VH配列および/または(例として、および)VL配列の少なくとも一部がより「ヒト様」に、すなわち、ヒト生殖細胞系可変配列とより同様なものに変更された抗体を指す。ヒト化抗体のあるタイプは、ヒトCDR配列が非ヒトVHおよびVL配列上へ導入されて対応する非ヒトCDR配列と置き換えられたCDR接合抗体である。一態様において、ヒト化された抗TfR抗体および抗原結合部分が提供される。かかる抗体は、既存のハイブリドーマ技術、これに続くin vitroの遺伝子工学を使用するヒト化(KasaianらのPCT刊行物第WO 2005/123126 A2号に開示されたものなど)を使用してマウス抗トランスフェリン受容体モノクローナル抗体を得ることによって生成されてもよい。
【0055】
単離された抗体:
「単離された抗体」は、本明細書に使用されるとき、異なる抗原特異性を有する他の抗体が実質的にない抗体を指すことが意図される(例として、トランスフェリン受容体に特異的に結合する単離された抗体は、トランスフェリン受容体以外の抗原に特異的に結合する抗体が実質的にない)。しかしながら、トランスフェリン受容体複合体に特異的に結合する単離された抗体は、他の種からのトランスフェリン受容体分子などの他の抗原への交差反応性を有していてもよい。その上、単離された抗体は、他の細胞の材料および/または(例として、および)化学物質が実質的になくてもよい。
【0056】
分子ペイロード:
本明細書に使用されるとき、用語「分子ペイロード」は、生物学的結果(biological outcome)をモジュレートするよう機能する分子または種を指す。いくつかの態様において、分子ペイロードは、抗TfR抗体へ連結されているか、または抗TfR抗体へ別様に結び付けられている。いくつかの態様において、分子ペイロードは、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、またはオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、分子ペイロードは、DNA配列の転写をモジュレートするよう、タンパク質の発現をモジュレートするよう、またはタンパク質の活性をモジュレートするよう機能する。いくつかの態様において、分子ペイロードは、標的遺伝子と相補性のある領域を有する鎖を含むオリゴヌクレオチドである。
【0057】
オリゴヌクレオチド:
本明細書に使用されるとき、用語「オリゴヌクレオチド」は、長さが最大200ヌクレオチドまでのオリゴマーの核酸化合物を指す。オリゴヌクレオチドの例は、これらに限定されないが、RNAiオリゴヌクレオチド(例として、siRNA、shRNA)、マイクロRNA、gapmer、mixmer、ホスホロジアミダイトモルホリノ、ペプチド核酸、アプタマー、ガイド核酸(例として、Cas9ガイドRNA)等々を包含する。オリゴヌクレオチドは一本鎖または二本鎖であってもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、1個以上の修飾ヌクレオチド(例として、2'-O-メチル糖修飾、プリンまたはピリミジン修飾)を含んでいてもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、1個以上の修飾ヌクレオチド間連結を含んでいてもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、RpまたはSpの立体化学配置にあってもよい1個以上のホスホロチオアート連結を含んでいてもよい。
【0058】
組換え抗体:
用語「組換えヒト抗体」は、本明細書に使用されるとき、組換え手段によって調製、発現、創出、もしくは単離されたすべてのヒト抗体、たとえば、宿主細胞中へトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体(本開示により詳細に記載される)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリから単離された抗体(Hoogenboom H.R.,(1997)TIB Tech.15:62-70;Azzazy H.,and Highsmith W.E.,(2002)Clin.Biochem.35:425-445;Gavilondo J.V.,and Larrick J.W.(2002)BioTechniques 29:128-145;Hoogenboom H.,and Chames P.(2000)Immunology Today 21:371-378)、ヒト免疫グロブリン遺伝子トランスジェニック動物(例として、マウス)から単離された抗体(例として、Taylor,L.D.,et al.(1992)Nucl.Acids Res.20:6287-6295;Kellermann S-A.,and Green L.L.(2002)Current Opinion in Biotechnology 13:593-597;Little M.et al(2000)Immunology Today 21:364-370を見よ)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列とのスプライシングを伴ういずれの他の手段によって調製、発現、創出、もしくは単離された抗体を包含することが意図される。かかる組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。しかしながら、ある態様において、かかる組換えヒト抗体は、in vitroでの変異誘発(または、ヒトIg配列トランスジェニック動物が使用されるとき、in vivoでの体細胞変異誘発)へ供され、よって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系のVH配列およびVL配列に由来しかつこれに関するとはいえ、in vivoでのヒト抗体の生殖細胞系列レパートリー内には天然に存在しないこともある配列である。本開示の一態様は、当該技術分野において周知である技法を使用して、たとえば、これらに限定されないが、ヒトIgファージライブラリ(たとえば、JermutusらのPCT刊行物第WO 2005/007699 A2号に開示されたもの)を使用する技法を使用して生成され得るヒトトランスフェリン受容体に結合することが可能な完全ヒト抗体を提供する。
【0059】
相補性のある領域:
本明細書に使用されるとき、用語「相補性のある領域」は、2つのヌクレオチド配列が生理学的な条件下(例として、細胞中)相互にアニーリングすることが可能であるような、同族の(cognate)ヌクレオチド配列(例として、標的核酸のヌクレオチド配列)に充分に相補的であるヌクレオチド配列(例として、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列)を指す。いくつかの態様において、相補性のある領域は、標的核酸の同族のヌクレオチド配列に完全に相補的である。しかしながら、いくつかの態様において、相補性のある領域は、標的核酸の同族のヌクレオチド配列に部分的に相補的(例として、少なくとも80%、90%、95%、または99%相補性)である。いくつかの態様において、相補性のある領域は、標的核酸の同族のヌクレオチド配列と比較して1個、2個、3個、または4個のミスマッチを含有する。
【0060】
特異的に結合する:
本明細書に使用されるとき、用語「特異的に結合する」は、結合アッセイまたは他の結合に関する文脈(binding context)において、分子が、適切な対照から結合パートナーを区別するために使用され得る親和性または結合活性の程度での、分子の、結合パートナーへの結合能を指す。抗体に関し、用語「特異的に結合する」は、親和性または結合活性の程度で(例として、本明細書に記載のとおり、抗原への結合を通してある細胞(例として、筋細胞)への優先的な標的化を許容する程度で)、適切な参照抗原、または抗体が他の抗原から特定の抗原を区別するために使用され得る抗原と比較して、抗体が特定の抗原へ結合する能力を指す。いくつかの態様において、抗体が標的へ結合する際少なくとも約10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、10-12M、10-13M、またはこれ未満のKDを有する場合、抗体は標的へ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗体が、トランスフェリン受容体へ特異的に結合する。
【0061】
対象:
本明細書に使用されるとき、用語「対象」は、哺乳動物を指す。いくつかの態様において、対象は、霊長目の非ヒト動物または齧歯類動物である。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。いくつかの態様において、対象は、疾患を有するかまたは疾患を有すると疑われる患者/患畜(patient)、例として、ヒト患者である。いくつかの態様において、対象は、疾患関連反復伸長(例として、DMPKアレルにおける)から生じる疾患を有するかまたは疾患を有すると疑われるヒト患者である。
【0062】
トランスフェリン受容体:
本明細書に使用されるとき、用語「トランスフェリン受容体」(またTFRC、CD71、p90、TfR、またはTFR1としても知られている)は、エンドサイトーシスによる鉄取り込みを容易にするためのトランスフェリンへ結合する、内在化する細胞表面受容体を指す。いくつかの態様において、トランスフェリン受容体は、ヒト(NCBI Gene ID 7037)、霊長目の非ヒト動物(例として、NCBI Gene ID 711568もしくはNCBI Gene ID 102136007)、または齧歯類の動物(例として、NCBI Gene ID 22042)を起源としていてもよい。加えて、受容体の種々のアイソフォームをコードした複数のヒト転写産物バリアントが(例として、GenBank RefSeq受託番号:NP_001121620.1、NP_003225.2、NP_001300894.1、およびNP_001300895.1の注釈付きのものであるように)特徴付けられている。
【0063】
NCBI配列NP_003225.2(トランスフェリン受容体タンパク質1アイソフォーム1、homo sapiens)に対応する、ヒトトランスフェリン受容体アミノ酸配列の例は、以下のとおりである:
MMDQARSAFSNLFGGEPLSYTRFSLARQVDGDNSHVEMKLAVDEEENADNNTKANVTKPKRCSGSICYGTIAVIVFFLIGFMIGYLGYCKGVEPKTECERLAGTESPVREEPGEDFPAARRLYWDDLKRKLSEKLDSTDFTGTIKLLNENSYVPREAGSQKDENLALYVENQFREFKLSKVWRDQHFVKIQVKDSAQNSVIIVDKNGRLVYLVENPGGYVAYSKAATVTGKLVHANFGTKKDFEDLYTPVNGSIVIVRAGKITFAEKVANAESLNAIGVLIYMDQTKFPIVNAELSFFGHAHLGTGDPYTPGFPSFNHTQFPPSRSSGLPNIPVQTISRAAAEKLFGNMEGDCPSDWKTDSTCRMVTSESKNVKLTVSNVLKEIKILNIFGVIKGFVEPDHYVVVGAQRDAWGPGAAKSGVGTALLLKLAQMFSDMVLKDGFQPSRSIIFASWSAGDFGSVGATEWLEGYLSSLHLKAFTYINLDKAVLGTSNFKVSASPLLYTLIEKTMQNVKHPVTGQFLYQDSNWASKVEKLTLDNAAFPFLAYSGIPAVSFCFCEDTDYPYLGTTMDTYKELIERIPELNKVARAAAEVAGQFVIKLTHDVELNLDYERYNSQLLSFVRDLNQYRADIKEMGLSLQWLYSARGDFFRATSRLTTDFGNAEKTDRFVMKKLNDRVMRVEYHFLSPYVSPKESPFRHVFWGSGSHTLPALLENLKLRKQNNGAFNETLFRNQLALATWTIQGAANALSGDVWDIDNEF(配列番号228)。
【0064】
NCBI配列NP_001244232.1(トランスフェリン受容体タンパク質1、Macaca mulatta)に対応する、霊長目の非ヒト動物トランスフェリン受容体アミノ酸配列の例は、以下のとおりである:
MMDQARSAFSNLFGGEPLSYTRFSLARQVDGDNSHVEMKLGVDEEENTDNNTKPNGTKPKRCGGNICYGTIAVIIFFLIGFMIGYLGYCKGVEPKTECERLAGTESPAREEPEEDFPAAPRLYWDDLKRKLSEKLDTTDFTSTIKLLNENLYVPREAGSQKDENLALYIENQFREFKLSKVWRDQHFVKIQVKDSAQNSVIIVDKNGGLVYLVENPGGYVAYSKAATVTGKLVHANFGTKKDFEDLDSPVNGSIVIVRAGKITFAEKVANAESLNAIGVLIYMDQTKFPIVKADLSFFGHAHLGTGDPYTPGFPSFNHTQFPPSQSSGLPNIPVQTISRAAAEKLFGNMEGDCPSDWKTDSTCKMVTSENKSVKLTVSNVLKETKILNIFGVIKGFVEPDHYVVVGAQRDAWGPGAAKSSVGTALLLKLAQMFSDMVLKDGFQPSRSIIFASWSAGDFGSVGATEWLEGYLSSLHLKAFTYINLDKAVLGTSNFKVSASPLLYTLIEKTMQDVKHPVTGRSLYQDSNWASKVEKLTLDNAAFPFLAYSGIPAVSFCFCEDTDYPYLGTTMDTYKELVERIPELNKVARAAAEVAGQFVIKLTHDTELNLDYERYNSQLLLFLRDLNQYRADVKEMGLSLQWLYSARGDFFRATSRLTTDFRNAEKRDKFVMKKLNDRVMRVEYYFLSPYVSPKESPFRHVFWGSGSHTLSALLESLKLRRQNNSAFNETLFRNQLALATWTIQGAANALSGDVWDIDNEF(配列番号229)
【0065】
NCBI配列XP_005545315.1(トランスフェリン受容体タンパク質1、Macaca fascicularis)に対応する、霊長目の非ヒト動物トランスフェリン受容体アミノ酸配列の例は、以下のとおりである:
MMDQARSAFSNLFGGEPLSYTRFSLARQVDGDNSHVEMKLGVDEEENTDNNTKANGTKPKRCGGNICYGTIAVIIFFLIGFMIGYLGYCKGVEPKTECERLAGTESPAREEPEEDFPAAPRLYWDDLKRKLSEKLDTTDFTSTIKLLNENLYVPREAGSQKDENLALYIENQFREFKLSKVWRDQHFVKIQVKDSAQNSVIIVDKNGGLVYLVENPGGYVAYSKAATVTGKLVHANFGTKKDFEDLDSPVNGSIVIVRAGKITFAEKVANAESLNAIGVLIYMDQTKFPIVKADLSFFGHAHLGTGDPYTPGFPSFNHTQFPPSQSSGLPNIPVQTISRAAAEKLFGNMEGDCPSDWKTDSTCKMVTSENKSVKLTVSNVLKETKILNIFGVIKGFVEPDHYVVVGAQRDAWGPGAAKSSVGTALLLKLAQMFSDMVLKDGFQPSRSIIFASWSAGDFGSVGATEWLEGYLSSLHLKAFTYINLDKAVLGTSNFKVSASPLLYTLIEKTMQDVKHPVTGRSLYQDSNWASKVEKLTLDNAAFPFLAYSGIPAVSFCFCEDTDYPYLGTTMDTYKELVERIPELNKVARAAAEVAGQFVIKLTHDTELNLDYERYNSQLLLFLRDLNQYRADVKEMGLSLQWLYSARGDFFRATSRLTTDFRNAEKRDKFVMKKLNDRVMRVEYYFLSPYVSPKESPFRHVFWGSGSHTLSALLESLKLRRQNNSAFNETLFRNQLALATWTIQGAANALSGDVWDIDNEF(配列番号230)。
【0066】
NCBI配列NP_001344227.1(トランスフェリン受容体タンパク質1、mus musculus)に対応する、マウストランスフェリン受容体アミノ酸配列の例は、以下のとおりである:
MMDQARSAFSNLFGGEPLSYTRFSLARQVDGDNSHVEMKLAADEEENADNNMKASVRKPKRFNGRLCFAAIALVIFFLIGFMSGYLGYCKRVEQKEECVKLAETEETDKSETMETEDVPTSSRLYWADLKTLLSEKLNSIEFADTIKQLSQNTYTPREAGSQKDESLAYYIENQFHEFKFSKVWRDEHYVKIQVKSSIGQNMVTIVQSNGNLDPVESPEGYVAFSKPTEVSGKLVHANFGTKKDFEELSYSVNGSLVIVRAGEITFAEKVANAQSFNAIGVLIYMDKNKFPVVEADLALFGHAHLGTGDPYTPGFPSFNHTQFPPSQSSGLPNIPVQTISRAAAEKLFGKMEGSCPARWNIDSSCKLELSQNQNVKLIVKNVLKERRILNIFGVIKGYEEPDRYVVVGAQRDALGAGVAAKSSVGTGLLLKLAQVFSDMISKDGFRPSRSIIFASWTAGDFGAVGATEWLEGYLSSLHLKAFTYINLDKVVLGTSNFKVSASPLLYTLMGKIMQDVKHPVDGKSLYRDSNWISKVEKLSFDNAAYPFLAYSGIPAVSFCFCEDADYPYLGTRLDTYEALTQKVPQLNQMVRTAAEVAGQLIIKLTHDVELNLDYEMYNSKLLSFMKDLNQFKTDIRDMGLSLQWLYSARGDYFRATSRLTTDFHNAEKTNRFVMREINDRIMKVEYHFLSPYVSPRESPFRHIFWGSGSHTLSALVENLKLRQKNITAFNETLFRNQLALATWTIQGVANALSGDIWNIDNEF(配列番号231)
【0067】
2'修飾ヌクレオシド:
本明細書に使用されるとき、用語「2'修飾ヌクレオシド」および「2'修飾リボヌクレオシド」は互換的に使用され、2'位にて修飾された糖部分を有するヌクレオシドを指す。いくつかの態様において、2'修飾ヌクレオシドは、2'-4'二環式ヌクレオシドであり、ここで糖の2'および4'位は架橋されている(例として、メチレン、エチレン、または(S)-拘束エチル架橋による)。いくつかの態様において、2'修飾ヌクレオシドは非二環式2'修飾ヌクレオシドであり、例えばここで糖部分の2'位は置換されている。2'修飾ヌクレオシドの非限定例は、以下:2'デオキシ、2'-フルオロ(2'-F)、2'-O-メチル(2'-O-Me)、2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)、2'-O-アミノプロピル(2'-O-AP)、2'-O-ジメチルアミノエチル(2'-O-DMAOE)、2'-O-ジメチルアミノプロピル(2'-O-DMAP)、2'-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2'-O-DMAEOE)、2'-O-N-メチルアセトアミド(2'-O-NMA)、ロックド核酸(LNA、メチレン架橋核酸)、エチレン架橋核酸(ENA)、および(S)-拘束エチル架橋核酸(cEt)を包含する。いくつかの態様において、本明細書に記載の2'修飾ヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオチドであり、2'修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、未修飾のオリゴヌクレオチドと比べて標的配列に対する増大した親和性を有する。2'修飾ヌクレオシドの構造の例は、下に提供される:
【化1】
【0068】
II. 抗TfR抗体
いくつかの態様において、トランスフェリン受容体へ結合する剤、例として、抗TfR抗体は、筋細胞を標的にすることが可能であるか、および/または(例として、および)、剤の輸送を、血液脳関門を越えて媒介する。トランスフェリン受容体は、細胞膜を越えてトランスフェリンを輸送し細胞内鉄レベルの調節およびホメオスタシスに加わる内在化する細胞表面受容体である。本開示のいくつかの側面は、トランスフェリン受容体へ結合することが可能なトランスフェリン受容体結合タンパク質を提供する。トランスフェリン受容体へ結合する抗体、例として、これへ特異的に結合する抗体は、トランスフェリン受容体へ結合した際、例として受容体媒介エンドサイトーシスを通して、細胞内へ内在化されてもよい。
【0069】
本明細書に提供されるのは、いくつかの側面において、高い特異性および親和性でトランスフェリン受容体へ結合する抗体である。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、トランスフェリン受容体のいずれかの細胞外エピトープまたは抗体に対して暴露されるようになるエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本明細書に提供される抗TfR抗体は、ヒト、霊長目の非ヒト動物、マウス、ラット等々からのトランスフェリン受容体へ特異的に結合する。いくつかの態様において、本明細書に提供される抗TfR抗体は、ヒトトランスフェリン受容体へ結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号228~231に提供されるとおりの、ヒトまたは霊長目の非ヒト動物のトランスフェリン受容体のアミノ酸セグメントへ結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号228で表されるとおりのヒトトランスフェリン受容体のアミノ酸90~96に対応するアミノ酸セグメント(これは、トランスフェリン受容体の頂端ドメインにはない)へ結合する。
【0070】
いくつかの態様において、抗TFR抗体は、少なくとも約10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、10-12M、10-13M、またはより小さい結合親和性(例として、Kdによって指し示される)でTfR1(例として、ヒトまたは霊長目の非ヒト動物TfR1)へ特異的に結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、サブナノモル範囲のKDでTfR1へ結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、トランスフェリン受容体1(TfR1)へ選択的に結合するが、トランスフェリン受容体2(TfR2)へは結合しない。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、ヒトTfR1およびカニクイTfR1へ結合するが(例として、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、10-12M、10-13M、またはより小さいKdで)、マウスTfR1へは結合しない。抗TfR抗体の親和性および結合速度論は、バイオセンサ技術(例として、OCTETまたはBIACORE)を包含するがこれらに限定されないいずれか好適な方法を使用して試験され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つの結合は、TfR1へのトランスフェリン結合と競合も阻害もしない。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つの結合は、TfR1に対するHFE-ベータ2-ミクログロブリン結合と競合も阻害もしない。
【0071】
非限定例の抗TfR抗体の重鎖および軽鎖可変ドメインならびにCDR配列が表1に提供される。
表1.抗TfR1抗体の例(CDRはIMGT(登録商標)定義に従う)
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0072】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つからのCDR-H(例として、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3)アミノ酸配列の1つ以上を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される(elected)抗体のいずれか1つについて提供されるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つからのCDR-L(例として、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3)アミノ酸配列の1つ以上を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つについて提供されるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0073】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つに提供されるとおり、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体重鎖および軽鎖CDR3ドメインは、抗体の抗原への結合特異性/親和性において具体的に重要な役割を果たすこともある。結果的に、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つの少なくとも重鎖および/または(例として、および)軽鎖CDR3を包含していてもよい。
【0074】
いくつかの例において、本開示の抗TfR抗体のいずれも、表1から選択される抗TfR抗体のうち1つからのCDR-H1配列、CDR-H2配列、CDR-H3配列、CDR-L1配列、CDR-L2配列、および/または(例として、および)、CDR-L3配列のいずれかと実質的に同様の1以上のCDR(例として、CDR-HまたはCDR-L)配列を有する。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体のVH(例として、CDR-H1、CDR-H2、もしくはCDR-H3)領域、および/またはVL(例として、CDR-L1、CDR-L2、もしくはCDR-L3)領域に沿う1以上のCDRの位置は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸位置によって変動し得る。例えば、いくつかの態様において、本明細書に記載のいずれの抗体のCDRを定義する位置は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、CDRのN末および/または(例として、および)C末の境界をシフトすることによって、本明細書に記載の抗体のいずれか1つのCDR位置と比べ1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸位置によって変動し得る。別の態様において、本明細書に記載の抗体のVH(例として、CDR-H1、CDR-H2、もしくはCDR-H3)領域、および/または(例として、および)、VL(例として、CDR-L1、CDR-L2、もしくはCDR-L3)領域に沿う1以上のCDRの長さは、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、1、2、3、4、5アミノ酸、またはそれより多くのアミノ酸によって変動し(例として、より短くまたはより長くなり)得る。
【0075】
結果的に、いくつかの態様において、本明細書に記載のCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、および/または(例として、および)、CDR-H3は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、本明細書に記載のCDR(例として、表1から選択される抗TfR抗体のいずれかからのCDR)の1以上より、1、2、3、4、5アミノ酸、またはそれより多くのアミノ酸の差で短くてもよい。いくつかの態様において、本明細書に記載のCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、および/または(例として、および)、CDR-H3は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、本明細書に記載のCDR(例として、表1から選択される抗TfR抗体のいずれかからのCDR)の1以上より、1、2、3、4、5アミノ酸、またはそれより多くのアミノ酸の差で短くてもよい。いくつかの態様において、本明細書に記載のCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、および/または(例として、および)、CDR-H3のアミノ部分は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、本明細書に記載のCDR(例として、表1から選択される抗TfR抗体のいずれかからのCDR)の1以上と比較して1、2、3、4、5アミノ酸、またはそれより多くのアミノ酸の差で伸長され得る。CDR-H2および/またはCDR-H3のカルボキシ部分は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、本明細書に記載のCDR(例として、表1から選択される抗TfR抗体のいずれかからのCDR)の1以上と比較して1、2、3、4、5アミノ酸、またはそれより多くのアミノ酸の差で伸長され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載のCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、および/または(例として、および)、CDR-H3のアミノ部分は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、本明細書に記載のCDR(例として、表1から選択される抗TfR抗体のいずれかからのCDR)の1以上と比較して1、2、3、4、5アミノ酸、またはそれより多くのアミノ酸の差で短縮され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載のCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、および/または(例として、および)、CDR-H3のカルボキシ部分は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、本明細書に記載のCDR(例として、表1から選択される抗TfR抗体のいずれかからのCDR)の1以上と比較して1、2、3、4、5アミノ酸、またはそれより多くのアミノ酸の差で短縮され得る。いずれの方法も使用されて、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が、例えば、結合アッセイおよび当該技術分野において記載されている条件を使用して、維持されるかどうかが解明され得る。
【0076】
いくつかの例において、本開示の抗TfR抗体のいずれも、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つと実質的に同様の1以上のCDR(例として、CDR-HまたはCDR-L)配列を有する。例えば、抗体は、トランスフェリン受容体(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への免疫特異的結合が維持される(例として、実質的に維持される、例えば、それが由来する元の抗体の結合に対して少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%維持される)限り、本明細書に提供されるCDR(例として、表1から選択される抗TfR抗体のいずれかからのCDR)のいずれか1つにおいて対応するCDR領域と比較して、最大5、4、3、2、または1アミノ酸残基バリエーションまでを含有する表1から選択される抗TfR抗体のいずれかからの1以上のCDR配列(単数または複数)を包含していてもよい。いくつかの態様において、本明細書に提供されるCDRのいずれかにおけるアミノ酸バリエーションのいずれも、保存的なバリエーションであってもよい。保存的なバリエーションは、その残基が、例えば結晶構造に基づき決定されるとおりの、トランスフェリン受容体タンパク質(例として、ヒトトランスフェリン受容体タンパク質)との相互作用に関与しなさそうな位置にて、CDR中へ導入され得る。本開示のいくつかの側面は、本明細書に提供される重鎖可変(VH)ドメイン、および/または(例として、および)、軽鎖可変(VL)ドメインの1以上を含む抗TfR抗体を提供する。いくつかの態様において、本明細書に提供されるVHドメインのいずれも、本明細書に提供されるCDR-H配列(例として、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3)の(例えば、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つにおいて提供されるCDR-H配列のいずれか)1以上を包含する。いくつかの態様において、本明細書に提供されるVLドメインのいずれも、本明細書に提供されるCDR-L配列(例として、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3)の(例えば、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つにおいて提供されるCDR-L配列のいずれか)1以上を包含する。
【0077】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つの重鎖可変ドメインおよび/または(例として、および)軽鎖可変ドメイン、ならびにそれらのバリアントも包含するいずれの抗体も包含する。いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つの重鎖可変および軽鎖可変の対も包含するいずれの抗体も包含する。
【0078】
本開示の側面は、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれかと相同の重鎖可変(VH)ドメインアミノ酸配列、および/または(例として、および)、軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列を有する抗TfR抗体を提供する。いくつかの態様において、抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つなどのいずれの抗TfR抗体の重鎖可変配列および/または(例として、および)いずれの軽鎖可変配列と少なくとも75%(例として、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一の重鎖可変配列または軽鎖可変配列を含む。いくつかの態様において、相同の重鎖可変および/または軽鎖可変アミノ酸配列は、本明細書に提供されるCDR配列のいずれかの範囲内での変動はない。例えば、いくつかの態様において、配列バリエーションの程度(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)は、本明細書に提供されるCDR配列のいずれも除外する重鎖可変配列および/または(例として、および)軽鎖可変配列の範囲内で生じてもよい。いくつかの態様において、本明細書に提供される抗TfR抗体のいずれも、表1から選択される抗TfR抗体のいずれの抗TfR抗体のフレームワーク配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%同一のフレームワーク配列を含む重鎖可変配列および軽鎖可変配列を含む。
【0079】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、相対的に高い親和性で、例として、10-6M未満、10-7M未満、10-8M未満、10-9M未満、10-10M未満、10-11M未満、またはこれより小さいKDで、標的抗原(例として、トランスフェリン受容体)へ結合し得る。例えば、本開示の抗TfR抗体は、5pMと500nMとの間、例として、50pMと100nMとの間、例として、500pMと50nMとの間の親和性で、トランスフェリン受容体タンパク質(例として、ヒトトランスフェリン受容体)へ結合し得る。本開示はまた、トランスフェリン受容体タンパク質(例として、ヒトトランスフェリン受容体)への結合について本明細書に記載の抗体のいずれかと競合し、かつ50nM以下(例として、20nM以下、10nM以下、500pM以下、50pM以下、または5pM以下)の親和性を有する抗体も包含する。抗TfR抗体の親和性および結合速度論は、これらに限定されないが、バイオセンサ技術(例として、OCTETまたはBIACORE)を包含する、いずれの好適な方法も使用し、試験され得る。
【0080】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1から選択される抗TfR抗体のいずれか1つのVLドメインおよび/または(例として、および)VHドメインを含み、かつIgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子のいずれのクラス(例として、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)、またはいずれのサブクラス(例として、IgG2aおよびIgG2b)の定常領域のアミノ酸配列を含む定常領域を含む。ヒト定常領域の非限定例は当該技術分野において記載されており、例として、Kabat E A et al.,(1991)上記を見よ。
【0081】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0082】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号2のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0083】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR-H1;位置5にてアミノ酸置換をもつ配列番号2のアミノ酸配列を有するCDR-H2(例として、位置5でのアスパラギンが、例として、Arg(R)、Lys(K)、Asp(D)、Glu(E)、Gln(Q)、His(H)、Ser(S)、Thr(T)、Tyr(Y)、Cys(C)、Trp(W)、Met(M)、Ala(A)、Ile(I)、Leu(L)、Phe(F)、Val(V)、Pro(P)、Gly(G)のいずれか1つによって置換されている);および配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR-L1;配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2;および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3を含む。いくつかの態様において、配列番号2で表されるとおりのCDR-H2の位置5でのアミノ酸置換は、N5TまたはN5Sである。
【0084】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR-H1;配列番号233または配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2;および配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR-L1;配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2;および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3を含む。
【0085】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号2、配列番号233、または配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較したとき、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。「合わせて」は、本開示のどこにでも使用されたとき、3つの重鎖CDRすべてにおけるアミノ酸バリエーションの総数が、定義された範囲内にあることを意味する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR受容体抗体は、配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較したとき、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2または1アミノ酸バリエーション)を含有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0086】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号2、配列番号233、または配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0087】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号2、配列番号233、または配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/あるいは(例として、および)配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0088】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0089】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号7で表されるとおりのVHと比較したとき、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号8で表されるとおりのVLと比較したとき、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0090】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号7で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号8で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0091】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号7で表されるとおりのVHを含み、位置55にてアミノ酸置換をもつ(例として、位置55でのアスパラギンが、例として、Arg(R)、Lys(K)、Asp(D)、Glu(E)、Gln(Q)、His(H)、Ser(S)、Thr(T)、Tyr(Y)、Cys(C)、Trp(W)、Met(M)、Ala(A)、Ile(I)、Leu(L)、Phe(F)、Val(V)、Pro(P)、Gly(G)のいずれか1つによって置換される)。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号8で表されるとおりのVLを含む。いくつかの態様において、配列番号7で表されるとおりのVHの位置55でのアミノ酸置換は、N55TまたはN55Sである。配列番号7で表されるとおりのVHがKabat付番系を使用してアノテートされるとき、配列番号7のアミノ酸位置55は、番号54を割り当てられる。N54TまたはN54Sが本明細書に言及されるとき、それはKabat付番系を使用する突然変異を指している。
【0092】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号7と比べて位置64にてアミノ酸置換を含むVHを含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号7の位置64に対応する位置にてMetを含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号8で表されるとおりのVLと少なくとも80%(例として、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0093】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、GYSITSGYX1(配列番号286)(ここでX1は、YまたはGであり得る)として表されるCDR-H1;IX2FDGX3X4(配列番号287)(ここでX2は、TまたはNであり得、X3は、AまたはNであり得、およびX4は、N、T、またはSであり得る)として表されるCDR-H2;ならびにX5RX6X7YDYDX8X9DX10(配列番号288)(ここでX5は、TまたはAであり、X6は、S、F、またはIであり、X7は、S、N、またはYであり、X8は、P、Y、またはVであり、X9は、I、F、またはLであり、およびX10は、YまたはFである)として表されるCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、QDIX11NX12(配列番号289)(ここでX11は、SまたはTであり、およびX12は、F、C、S、またはYである)として表されるCDR-L1;YTS(配列番号13)として表されるCDR-L2、ならびにQQGX13X14X15PX16T(配列番号290)(ここでX13は、HまたはNであり、X14は、TまたはAであり、X15は、LまたはYであり、およびX16は、Y、W、またはFである)として表されるCDR-L3を含む。
【0094】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表11に挙げられたCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のとおり、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、表11に挙げられたCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のとおり、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0095】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号15のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号16のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0096】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号10のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号12のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0097】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号9のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号10のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号12のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0098】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号9のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号10のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号12のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0099】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号9のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号10のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号12のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0100】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号16のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0101】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号15で表されるとおりのVHと比較してわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号16で表されるとおりのVLと比較してわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0102】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号15で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号16で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0103】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号23のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0104】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号18のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号19のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号20のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0105】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:位置8にアミノ酸置換を有する配列番号17のアミノ酸配列を有するCDR-H1(例として、位置8のシステインが例えばArg(R)、Lys(K)、Asp(D)、Glu(E)、Gln(Q)、His(H)、Ser(S)、Thr(T)、Tyr(Y)、Asn(N)、Trp(W)、Met(M)、Ala(A)、Ile(I)、Leu(L)、Phe(F)、Val(V)、Pro(P)、Gly(G)のいずれか1つによって置換される);配列番号18のアミノ酸配列を有するCDR-H2;および配列番号19のアミノ酸配列を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号20のアミノ酸配列を有するCDR-L1;配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2;および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3を含む。いくつかの態様において、配列番号17で表されるとおりのCDR-H1の位置8のアミノ酸置換はC8DまたはC8Yである。
【0106】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号237または配列番号239のアミノ酸配列を有するCDR-H1;配列番号18のアミノ酸配列を有するCDR-H2;および配列番号19のアミノ酸配列を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号20のアミノ酸配列を有するCDR-L1;配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2;および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3を含む。
【0107】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号17、配列番号237、または配列番号239のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号18のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号19のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号20のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0108】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号17、配列番号237、または配列番号239のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号18のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号19のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号20のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0109】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号17、配列番号237、または配列番号239のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号18のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有する;および/あるいは(例として、および)配列番号19のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号20のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0110】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号23のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号24のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0111】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号23で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号24で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0112】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号23で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号24で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0113】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、位置33にアミノ酸置換を有する配列番号23で表されるとおりのVHを含む(例として、位置33のシステインが、例えばArg(R)、Lys(K)、Asp(D)、Glu(E)、Gln(Q)、His(H)、Ser(S)、Thr(T)、Tyr(Y)、Asn(N)、Trp(W)、Met(M)、Ala(A)、Ile(I)、Leu(L)、Phe(F)、Val(V)、Pro(P)、Gly(G)のいずれか1つによって置換される)。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号24で表されるとおりのVLを含む。いくつかの態様において、配列番号23で表されるとおりのVHの位置33のアミノ酸置換は、C33DまたはC33Yである。配列番号23で表されるとおりのVHがKabat付番系によってアノテートされるとき、配列番号23のアミノ酸33は番号33を割り当てられる。
【0114】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号31のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号32のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0115】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号25のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号26のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号27のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号28のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号30のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0116】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号25のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号26のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号27のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号28のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号30のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0117】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号25のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号26のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号27のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号28のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号30のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0118】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号25のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号26のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号27のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号28のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号30のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0119】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号31のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号32のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0120】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号31で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号32で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0121】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号31で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号32で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0122】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号40のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0123】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号33のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号34のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号35のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号36のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号37のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号38のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0124】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号33のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号34のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号35のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号36のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号37のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号38のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0125】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号33のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号34のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号35のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号36のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号37のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号38のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0126】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号33のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号34のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号35のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号36のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号37のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号38のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0127】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号39のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号40のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0128】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号39で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号40で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0129】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号39で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号40で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0130】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0131】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号41のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号42のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号43のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号44のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号46のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0132】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号41のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号42のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号43のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号44のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号46のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0133】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号41のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号42のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号43のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号44のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号46のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0134】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号41のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号42のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号43のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号44のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号46のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0135】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号47のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号48のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0136】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号47で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号48で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0137】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号47で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号48で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0138】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号54のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号55のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0139】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号49のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号50のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号51のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号52のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号53のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0140】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号49のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号50のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号51のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号52のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号53のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0141】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号49のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号50のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号51のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号52のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号53のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0142】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号49のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号50のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号51のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号52のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号53のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0143】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号54のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号55のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0144】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号54で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号55で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0145】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号54で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号55で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0146】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号62のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号63のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0147】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号56のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号57のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号58のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号59のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号60のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号61のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0148】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号56のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号57のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号58のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号59のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号60のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号61のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0149】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号56のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号57のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号58のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号59のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号60のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号61のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0150】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号56のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号57のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号58のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号59のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号60のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号61のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0151】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号62のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号63のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0152】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号62で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号63で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0153】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号62で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号63で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0154】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号70のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号71のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0155】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号64のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号65のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号66のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号67のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号68のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号69のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0156】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号64のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号65のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号66のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号67のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号68のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号69のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0157】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号64のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号65のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号66のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号67のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号68のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号69のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0158】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号64のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号65のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号66のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号67のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号68のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号69のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0159】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号70のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号71のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0160】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号70で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号71で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0161】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号70で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号71で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0162】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号77のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号78のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0163】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号72のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号73のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号74のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号76のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0164】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号72のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号73のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号74のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号76のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0165】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号72のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号73のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号74のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号76のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0166】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号72のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号73のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号74のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号76のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0167】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号77のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号78のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0168】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号77で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号78で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0169】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号77で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号78で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0170】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号85のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号86のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0171】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号81のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号82のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号83のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号84のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0172】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号81のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号82のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号83のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号84のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0173】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号81のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号82のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号83のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号84のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0174】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号81のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号82のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号83のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号84のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0175】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号85のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号86のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0176】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号85で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号86で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0177】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号85で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号86で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0178】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号89のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号90のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0179】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号72のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号87のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号74のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号88のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0180】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号72のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号87のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号74のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号88のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0181】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号72のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号87のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号74のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号88のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0182】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号72のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号87のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号74のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号88のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0183】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号89のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号90のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0184】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号89で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号90で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0185】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号89で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号90で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0186】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号97のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号98のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0187】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号91のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号92のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号93のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号94のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号95のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号96のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0188】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号91のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号92のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号93のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号94のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号95のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号96のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0189】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号91のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号92のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号93のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号94のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号95のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号96のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0190】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号91のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号92のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号93のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号94のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号95のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号96のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0191】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号97のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号98のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0192】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号97で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号98で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0193】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号97で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号98で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0194】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号104のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号105のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0195】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号99のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号100のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号101のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号102のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号60のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号103のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0196】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号99のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号100のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号101のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号102のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号60のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号103のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0197】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号99のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号100のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号101のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号102のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号60のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号103のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0198】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号104のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号105のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0199】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号104で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号105で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0200】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号104で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号105で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0201】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号112のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号113のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0202】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号106のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号107のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号108のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号109のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号110のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号111のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0203】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号106のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号107のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号108のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号109のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号110のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号111のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0204】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号106のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号107のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号108のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号109のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号110のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号111のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0205】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号106のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号107のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号108のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号109のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号110のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号111のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0206】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号112のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号113のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0207】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号112で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号113で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0208】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号112で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号113で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0209】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号117のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号118のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0210】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号114のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号115のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号82のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号83のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号116のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0211】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号114のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号115のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号82のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号83のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号116のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0212】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号114のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号115のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号82のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号83のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号116のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0213】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号114のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号115のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号82のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号83のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号116のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0214】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号117のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号118のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0215】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号117で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号118で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0216】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号117で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号118で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0217】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号124のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号125のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0218】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号119のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号120のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号121のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号122のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号123のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0219】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号119のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号120のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号121のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号122のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号123のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0220】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号119のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号120のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号121のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号122のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号123のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0221】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号119のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号120のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号121のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号122のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号123のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0222】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号124のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号125のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0223】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号124で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号125で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0224】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号124で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号125で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0225】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号132のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号133のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0226】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号126のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号127のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号128のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号129のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号130のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号131のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0227】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号126のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号127のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号128のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号129のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号130のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号131のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0228】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号126のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号127のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号128のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号129のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号130のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号131のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0229】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号126のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号127のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号128のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号129のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号130のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号131のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0230】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号132のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号133のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0231】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号132で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号133で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0232】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号132で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号133で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0233】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号136のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号137のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0234】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号2のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号134のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号135のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0235】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号2のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号134のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号135のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0236】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号2のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号134のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号135のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0237】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号2のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号134のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号75のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号45のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号135のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0238】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号136のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号137のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0239】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号136で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号137で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0240】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号136で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号137で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0241】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号143のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号144のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
【0242】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号138のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号139のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号140のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)、配列番号141のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号142のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含む。
【0243】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号138のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号139のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号140のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号141のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号142のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0244】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号138のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号139のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号140のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号141のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号142のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0245】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号138のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号139のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号140のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号141のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号29のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号142のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0246】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号143のアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号144のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0247】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号143で表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号144で表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0248】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号143で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号144で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0249】
抗体のCDRは、異なる定義系が使用されたとき、異なるアミノ酸配列を有し得る(例として、IMGT定義、Kabat定義、またはChothia定義)。定義系は、所与の抗体配列(例として、VHまたはVL配列)における各アミノ酸を番号でアノテートするものであって、重鎖および軽鎖CDRに対応する番号は表2に提供される。表1に挙げられるCDRは、IMGT定義に従って定義されている。種々の定義系に従う抗TfR抗体例のCDR配列が表4に提供される。当業者は、表2に提供される抗TfR抗体について、種々の付番系を使用してCDR配列を導出することができる。
表2.CDR定義
【表2】
1 IMGT(登録商標), the international ImMunoGeneTics information system(登録商標), imgt.org, Lefranc, M.-P. et al., Nucleic Acids Res., 27:209-212 (1999)
2 Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242
3 Chothia et al., J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))
表3.種々の定義系に従う抗TfR1抗体例のCDR配列
【表3-1】
【表3-2】
【0250】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号145のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号146、配列番号234、または配列番号236のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号147のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)、配列番号148のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号149のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含む。
【0251】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号145のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号146、配列番号234、または配列番号236のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号147のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号148のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号149のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0252】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号145のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号146、配列番号234、または配列番号236のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号147のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号148のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号149のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0253】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号145のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号146、配列番号234、または配列番号236のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号147のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号148のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号149のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0254】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号150のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号151、配列番号277、または配列番号278のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号152のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)、配列番号153のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号154のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含む。
【0255】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号150のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号151、配列番号277、または配列番号278のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号152のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号153のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号154のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0256】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号150のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号151、配列番号277、または配列番号278のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号152のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号153のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号154のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0257】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号150のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号151、配列番号277、または配列番号278のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/あるいは(例として、および)配列番号152のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号153のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号154のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0258】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号155のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号156のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号157のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)、配列番号158のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号159のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含む。
【0259】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号155のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号156のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号157のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号158のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号159のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0260】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号155のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号156のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号157のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号158のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号159のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0261】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号155のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号156のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号157のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号158のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号159のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0262】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号160のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号161のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号162のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)、配列番号163のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号164のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含む。
【0263】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号160のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号161のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号162のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号163のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号164のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0264】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号160のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号161のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号162のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号163のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号164のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0265】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号160のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号161のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号162のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号163のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号164のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0266】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号165、配列番号238、または配列番号240のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号166のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号167のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)、配列番号168のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号169のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含む。
【0267】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号165、配列番号238、または配列番号240のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号166のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号167のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号168のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号169のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0268】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号165、配列番号238、または配列番号240のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号166のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号167のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号168のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号169のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0269】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号165、配列番号238、または配列番号240のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号166のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/あるいは(例として、および)配列番号167のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号168のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号169のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0270】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号170のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号171のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号172のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)、配列番号173のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号174のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含む。
【0271】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これは、配列番号170のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号171のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号172のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これは、配列番号173のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号174のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較して、合わせてわずか5アミノ酸バリエーション(例として、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0272】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、これらは、配列番号170のアミノ酸配列を有するCDR-H1、配列番号171のアミノ酸配列を有するCDR-H2、および配列番号172のアミノ酸配列を有するCDR-H3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、これらは、配列番号173のアミノ酸配列を有するCDR-L1、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2、および配列番号174のアミノ酸配列を有するCDR-L3と、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0273】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号170のアミノ酸配列を有するCDR-H1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H1;配列番号171のアミノ酸配列を有するCDR-H2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H2;および/または(例として、および)配列番号172のアミノ酸配列を有するCDR-H3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-H3を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、以下:配列番号173のアミノ酸配列を有するCDR-L1と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L1;配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L2;および/または(例として、および)配列番号174のアミノ酸配列を有するCDR-L3と比較してわずか3アミノ酸バリエーション(例として、わずか3、2、または1アミノ酸バリエーション)を有するCDR-L3を含む。
【0274】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体である(例として、表1または表3の1以上のCDRを含有するヒト化バリアント)。いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、表1または表3に示されるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と同じCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、ヒト化された重鎖可変領域および/または(例として、および)ヒト化された軽鎖可変領域を含む。
【0275】
ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、および容量を有するマウス、ラット、またはウサギなどの非ヒト生物種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの態様において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(ER)残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらにまた、ヒト化抗体は、レシピエント抗体上にも移入されるCDRまたはフレームワーク配列上にも見出されないが、抗体性能をさらに改良および最適化するために包含される残基を含み得る。一般に、ヒト化抗体は、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含むであろう。最適なことには、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域またはドメインの少なくともある部分(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのものをもまた含むであろう。抗体は、WO99/58572に記載されているとおり改変されたFc領域を有し得る。ヒト化抗体の他の形態は元の抗体に対して変更されている1以上のCDR(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ)を有する。これらは元の抗体からの1以上のCDRに由来する1以上のCDRともまた呼称される。ヒト化抗体には親和性成熟もまた関わり得る。
【0276】
ヒト化抗体およびこれらを作製する方法は知られており、例として、Almagro et al.,Front.Biosci.13:1619-1633(2008);Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);Queen et al.,Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989);米国特許第5,821,337号、第7,527,791号、第6,982,321号、および第7,087,409号;Kashmiri et al.,Methods 36:25-34(2005);Padlan et al.,Mol.Immunol.28:489-498(1991);Dall'Acqua et al.,Methods 36:43-60(2005);Osbourn et al.,Methods 36:61-68(2005);ならびにKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252-260(2000)に記載されるとおりである。これらすべての内容は参照によって本明細書に組み込まれる。ヒト化に使用され得るヒトフレームワーク領域は、例として、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993);Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:4285(1992);Presta et al.J.Immunol.151:2623(1993);Almagro et al.,Front.Biosci.13:1619-1633(2008));Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997);およびRosok et al.,J Biol.Chem.271:22611-22618(1996)に記載されている。これらすべての内容は参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの態様において、ヒト化は、CDR(例として、表1または表3に示されるとおり)をIGKV1-NL1*01およびIGHV1-3*01ヒト可変ドメイン上にグラフトすることによって達成される。
【0277】
いくつかの態様において、ヒト化されたVHフレームワークまたはVLフレームワークは、コンセンサスヒトフレームワークである。いくつかの態様において、コンセンサスヒト化フレームワークは、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択肢において最も一般的に生起するアミノ酸残基を表し得る。
【0278】
いくつかの態様において、本明細書に記載のヒト化抗TfR抗体の重鎖CDRへの使用に好適なコンセンサスヒトVHフレームワーク領域は(サブグループIIIコンセンサス)、以下:
【0279】
a) VH FR1:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS(配列番号241);
【0280】
b) VH FR2:WVRQAPGKGLEWV(配列番号242);
【0281】
c) VH FR3:RFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYC(配列番号243);および
【0282】
d) VH FR4:WGQGTLVTVSS(配列番号244)
を包含する。
【0283】
いくつかの態様において、本明細書に記載のヒト化抗TfR抗体の重鎖CDRへの使用に好適なコンセンサスヒトVHフレームワーク領域は(サブグループIコンセンサス)、以下:
【0284】
a) VH FR1:QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKAS(配列番号245);
【0285】
b) VH FR2:WVRQAPGQGLEWM(配列番号246);
【0286】
c) VH FR3:RVTITADTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYC(配列番号247);および
【0287】
d) VH FR4:WGQGTLVTVSS(配列番号244)
を包含する。
【0288】
いくつかの態様において、本明細書に記載のヒト化抗TfR抗体の重鎖CDRへの使用に好適なコンセンサスヒトVHフレームワーク領域は(サブグループIIコンセンサス)、以下:
【0289】
a) VH FR1:QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVS(配列番号249);
【0290】
b) VH FR2:WIRQPPGKGLEWI(配列番号250);
【0291】
c) VH FR3:RVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYC(配列番号251);および
【0292】
d) VH FR4:WGQGTLVTVSS(配列番号244)
を包含する。
【0293】
いくつかの態様において、本明細書に記載のヒト化抗TfR抗体の軽鎖CDRへの使用に好適なコンセンサスヒトVLフレームワーク領域は(サブグループIコンセンサス)、以下:
【0294】
a) VL FR1:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC(配列番号253);
【0295】
b) VL FR2:WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号254);
【0296】
c) VL FR3:GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC(配列番号256);および
【0297】
d) VL FR4:FGQGTKVEIK(配列番号248)
を包含する。
【0298】
いくつかの態様において、本明細書に記載のヒト化抗TfR抗体の軽鎖CDRへの使用に好適なコンセンサスヒトVLフレームワーク領域は(サブグループIIコンセンサス)、以下:
【0299】
a) VL FR1:DIVMTQSPLSLPVTPGEPASISC(配列番号257);
【0300】
b) VL FR2:WYLQKPGQSPQLLIY(配列番号258);
【0301】
c) VL FR3:GVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYC(配列番号259);および
【0302】
d) VL FR4:FGQGTKVEIK(配列番号248)
を包含する。
【0303】
いくつかの態様において、本明細書に記載のヒト化抗TfR抗体の軽鎖CDRへの使用に好適なコンセンサスヒトVLフレームワーク領域は(サブグループIIIコンセンサス)、以下:
【0304】
a) VL FR1:DIVMTQSPDSLAVSLGERATINC(配列番号252);
【0305】
b) VL FR2:WYQQKPGQPPKLLIY(配列番号255);
【0306】
c) VL FR3:GVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDFAVYYC(配列番号263);および
【0307】
d) VL FR4:FGQGTKVEIK(配列番号248)
を包含する。
【0308】
いくつかの態様において、本明細書に記載のヒト化抗TfR抗体の軽鎖CDRへの使用に好適なコンセンサスヒトVLフレームワーク領域は(サブグループIVコンセンサス)、以下:
【0309】
a) VL FR1:DIVMTQSPDSLAVSLGERATINC(配列番号252);
【0310】
b) VL FR2:WYQQKPGQPPKLLIY(配列番号255);
【0311】
c )VL FR3:GVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDFAVYYC(配列番号260);および
【0312】
d) VL FR4:FGQGTKVEIK(配列番号248)
を包含する。
【0313】
いくつかの態様において、本開示のヒト化抗TfR抗体は、ヒト化VHフレームワーク領域を含み、これらは、本明細書に記載のコンセンサスヒトVHフレームワーク領域サブグループのいずれか1つと比較して、合わせてわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示のヒト化抗TfR抗体は、ヒト化VLフレームワーク領域を含み、これらは、本明細書に記載のコンセンサスヒトVLフレームワーク領域サブグループのいずれか1つと比較して、合わせてわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0314】
いくつかの態様において、本開示のヒト化抗TfR抗体は、ヒト化VHフレームワーク領域を含み、これらは、本明細書に記載のコンセンサスヒトVHフレームワーク領域サブグループのいずれか1つと、合わせて少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示のヒト化抗TfR抗体は、ヒト化VLフレームワーク領域を含み、これらは、本明細書に記載のコンセンサスヒトVLフレームワーク領域サブグループのいずれか1つと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0315】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化バリアントであり、表1もしくは表3に挙げられるVHのいずれか1つと比較して1以上のアミノ酸バリエーション(例として、VHフレームワーク領域の)および/または(例として、および)表1もしくは表3に挙げられるVLのいずれか1つと比較して1以上のアミノ酸バリエーション(例として、VLフレームワーク領域の)を含む。
【0316】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、表2に挙げられる抗TfR抗体のいずれかのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、表1に挙げられる抗TfR抗体のいずれか1つのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0317】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、配列番号7、15、および23のいずれか1つで表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、配列番号8、16、および24のいずれか1つで表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0318】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、配列番号7、15、および23のいずれか1つで表されるとおりのVHと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、配列番号8、16、および24のいずれか1つで表されるとおりのVLと比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有するVLを含む。
【0319】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、配列番号7、15、および23のいずれか1つで表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、配列番号8、16、および24のいずれか1つで表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0320】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、配列番号7、15、および23のいずれか1つで表されるとおりのVHと比べて、位置1、2、5、9、11、12、13、17、20、23、33、38、40、41、42、43、44、45、48、49、55、67、68、70、71、72、76、77、80、81、82、84、87、88、91、95、112、または115に1以上の(例として、10~25)アミノ酸バリエーションを有するVHを含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、配列番号8、16、および24のいずれか1つで表されるとおりのVLと比べて、位置4、7、8、9、11、15、17、18、19、22、39、41、42、43、50、62、64、72、75、77、79、80、81、82、83、85、87、89、100、104、または109に1以上の(例として、10~20)アミノ酸バリエーションを有するVLを含む。
【0321】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号2、配列番号233、または配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)を含み、配列番号7で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含み、配列番号8で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0322】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号2、配列番号233、または配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号3のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号7で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号8で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0323】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号145のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号146、配列番号234、または配列番号236のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号147のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)を含み、配列番号7で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号148のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号149のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含み、配列番号8で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0324】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号145のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号146、配列番号234、または配列番号236のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号147のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号7で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号148のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号149のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号8で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0325】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号150のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号151、配列番号277、または配列番号278のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号152のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)を含み、配列番号7で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号153のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号154のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含み、配列番号8で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0326】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号150のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号151、配列番号277、または配列番号278のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号152のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号7で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号153のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号154のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号8で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0327】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号9のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号10のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)を含み、配列番号15で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号12のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含み、配列番号16で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0328】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号10のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号15で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号12のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号16で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0329】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号155のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号156のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号157のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)を含み、配列番号15で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号158のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号159のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含み、配列番号16で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0330】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号155のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号156のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号157のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号15で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号158のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号159のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号14のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号16で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0331】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号160のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号161のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号162のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)を含み、配列番号15で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号163のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号164のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含み、配列番号16で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0332】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号160のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号161のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号162のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号15で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号163のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号13のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号164のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号16で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0333】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号17、配列番号237、または配列番号239のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号18のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号19のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)を含み、配列番号23で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号20のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含み、配列番号24で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0334】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号17、配列番号237、または配列番号239のアミノ酸配列を有するCDR-H1(IMGT定義系に従う)、配列番号18のアミノ酸配列を有するCDR-H2(IMGT定義系に従う)、配列番号19のアミノ酸配列を有するCDR-H3(IMGT定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号23で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号20のアミノ酸配列を有するCDR-L1(IMGT定義系に従う)、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2(IMGT定義系に従う)、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3(IMGT定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号24で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0335】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号165、配列番号238、または配列番号240のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号166のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号167のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)を含み、配列番号23で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号168のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号169のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含み、配列番号24で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0336】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号165、配列番号238、または配列番号240のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Kabat定義系に従う)、配列番号166のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Kabat定義系に従う)、配列番号167のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Kabat定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号23で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号168のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Kabat定義系に従う)、配列番号169のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Kabat定義系に従う)、および配列番号22のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Kabat定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号24で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0337】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VHを含み、配列番号170のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号171のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号172のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)を含み、配列番号23で表されるとおりのVHと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化VLを含み、配列番号173のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号174のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含み、配列番号24で表されるとおりのVLと比較して、フレームワーク領域にわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する。
【0338】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号170のアミノ酸配列を有するCDR-H1(Chothia定義系に従う)、配列番号171のアミノ酸配列を有するCDR-H2(Chothia定義系に従う)、配列番号172のアミノ酸配列を有するCDR-H3(Chothia定義系に従う)を含むヒト化VHを含み、フレームワーク領域において、配列番号23で表されるとおりのVHと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号173のアミノ酸配列を有するCDR-L1(Chothia定義系に従う)、配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR-L2(Chothia定義系に従う)、および配列番号174のアミノ酸配列を有するCDR-L3(Chothia定義系に従う)を含むヒト化VLを含み、フレームワーク領域において、配列番号24で表されるとおりのVLと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一である。
【0339】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、キメラ抗体であり、これはヒト抗体からの重鎖定常領域および軽鎖定常領域を包含し得る。キメラ抗体は、第1の生物種からの可変領域または可変領域の一部と第2の生物種からの定常領域とを有する抗体を指す。典型的には、これらのキメラ抗体では、軽および重鎖両方の可変領域は哺乳動物の1つの生物種(例として、非ヒト哺乳動物、例えばマウス、ウサギ、およびラット)に由来する抗体の可変領域を模倣し、定常部分は、別の哺乳動物、例えばヒトに由来する抗体の配列に相同である。いくつかの態様においては、アミノ酸改変が可変領域および/または(例として、および)定常領域になされ得る。
【0340】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、キメラ抗体であり、これはヒト抗体からの重鎖定常領域および軽鎖定常領域を包含し得る。キメラ抗体は、第1の生物種からの可変領域または可変領域の一部と第2の生物種からの定常領域とを有する抗体を指す。典型的には、これらのキメラ抗体では、軽および重鎖両方の可変領域は、哺乳動物の1つの生物種(例として、非ヒト哺乳動物、例えばマウス、ウサギ、およびラット)に由来する抗体の可変領域を模倣し、定常部分は、別の哺乳動物、例えばヒトに由来する抗体の配列に相同である。いくつかの態様においては、アミノ酸改変が可変領域および/または(例として、および)定常領域になされ得る。
【0341】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれかの重鎖は、重鎖定常領域(CH)またはそのある部分(例として、CH1、CH2、CH3、またはそれらの組み合わせ)を含み得る。重鎖定常領域は、いずれかの好適な起源、例えばヒト、マウス、ラット、またはウサギであり得る。1つの具体的な例では、重鎖定常領域はヒトIgG(ガンマ重鎖)、例えばIgG1、IgG2、またはIgG4からである。ヒトIgG1定常領域の例は、下に与えられる:
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号175)
【0342】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれかの重鎖は、突然変異体ヒトIgG1定常領域を含む。例えば、ヒトIgG1のCH2ドメイン上のLALA突然変異の導入(ヒンジ下部残基Leu234 Leu235をAla234およびAla235によって置き換えるように突然変異させられたmAb b12に由来する突然変異体)は、Fcg受容体結合を低減することが知られている(Bruhns,P.,et al.(2009)およびXu,D.et al.(2000))。突然変異体ヒトIgG1定常領域は、下に提供される(突然変異は太字かつ下線付き):
【0343】
【0344】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれかの軽鎖はさらに、軽鎖定常領域(CL)を含み得、これは当該技術分野において知られているいずれかのCLであり得る。いくつかの例において、CLはカッパ軽鎖である。他の例では、CLはラムダ軽鎖である。いくつかの態様において、CLはカッパ軽鎖であり、この配列は下に提供される:
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号177)
【0345】
他の抗体の重鎖および軽鎖定常領域は当該技術分野において周知であり、例として、IMGTデータベース(www.imgt.org)において、またはwww.vbase2.org/vbstat.php.にて提供されるものであるが、これらの両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0346】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVHまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号175または配列番号176と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である重鎖定常領域を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVHまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号175または配列番号176と比較してわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖定常領域を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVHまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号175で表されるとおりの重鎖定常領域を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVHまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号176で表されるとおりの重鎖定常領域を含む重鎖を含む。
【0347】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVLまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号177と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である軽鎖定常領域を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVLまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号177と比較してわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖定常領域を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVLまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号177で表されるとおりの軽鎖定常領域を含む軽鎖を含む。
【0348】
記載される抗TfR抗体のIgG重鎖および軽鎖アミノ酸配列の例は、下の表4に提供される。
表4.抗TfR IgGの例の重鎖および軽鎖配列
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
*VH/VL配列に下線を付した
【0349】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号178、180、182、および269~272のいずれか1つで表されるとおりの重鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号179、181、および183のいずれか1つで表されるとおりの軽鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号178、180、182、および269~272のいずれか1つと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号179、181、183のいずれか1つと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号178、180、182、および269~272のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号179、181、および183のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0350】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号178、配列番号269、または配列番号270で表されるとおりの重鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号179で表されるとおりの軽鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、10、11、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号178、配列番号269、または配列番号270と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号179と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号178、配列番号269、または配列番号270のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号179のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0351】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号180で表されるとおりの重鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号181で表されるとおりの軽鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号180と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号181と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号180のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号181のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0352】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号182、配列番号271、または配列番号272で表されるとおりの重鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号183で表されるとおりの軽鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号182、配列番号271、または配列番号272と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号183と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号182、配列番号271、または配列番号272のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号183のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0353】
いくつかの態様において、抗TfR抗体は、無傷の抗体(全長抗体)のFABフラグメント、F(ab')フラグメント、またはF(ab')2フラグメントである。無傷の抗体(全長抗体)の抗原結合フラグメントは、定型的な方法を介して(例として、組み換え的に、または全長IgGの重鎖定常領域をパパインなどの酵素を使用して消化することによって)調製され得る。例えば、F(ab')2フラグメントは、抗体分子のペプシンまたはパパイン消化によって生じ得、Fabフラグメントは、F(ab')2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって産生され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR1抗体のF(ab')フラグメント上の重鎖定常領域は、以下:
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHT(配列番号184)のアミノ酸配列を含む。
【0354】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVHまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号184と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である重鎖定常領域を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVHまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号184と比較してわずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖定常領域を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、表1に挙げられるVHまたはそれらのいずれかのバリアントのいずれか1つ、および配列番号184で表されるとおりの重鎖定常領域を含む重鎖を含む。
【0355】
本明細書に記載の抗TfR抗体のF(ab')アミノ酸配列の例は、表5に提供される。
表5.抗TfR F(ab')の例の重鎖および軽鎖の配列
【表5-1】
【表5-2】
*VH/VL配列に下線を付した
【0356】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号185、186、187、および273~276のいずれか1つで表されるとおりの重鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号179、181、および183のいずれか1つで表されるとおりの軽鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号185、186、187、および273~276のいずれか1つと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号179、181、および183のいずれか1つと少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号185、186、187、および273~276のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号179、181、および183のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0357】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号185、配列番号273、または配列番号274で表されるとおりの重鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号179で表されるとおりの軽鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号185、配列番号273、または配列番号274と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号179と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号185、配列番号273、または配列番号274のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号179のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0358】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号186で表されるとおりの重鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号181で表されるとおりの軽鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、10、11、9、8、7、6、わずか5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号186と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号181と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号186のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号181のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0359】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、配列番号187、配列番号275、または配列番号276で表されるとおりの重鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本開示の抗TfR抗体は、配列番号183で表されるとおりの軽鎖と比較して、わずか25アミノ酸バリエーション(例として、わずか25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸バリエーション)を含有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号187、配列番号275、または配列番号276と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号183と少なくとも75%(例として、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号187、配列番号275、または配列番号276のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。代替的にまたは加えて(例として、加えて)、本明細書に記載の抗TfR抗体は、配列番号183のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0360】
本明細書に記載の抗TfR受容体抗体は、いずれかの抗体形態であり得、無傷の(すなわち全長)抗体、それらの抗原結合フラグメント(例として、Fab、F(ab')、F(ab')2、Fv)、一本鎖抗体、二重特異性抗体、またはナノボディを包含するが、これらに限定されない。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、scFvである。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、scFv-Fabである(例として、定常領域のある部分に融合されたscFv)。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR受容体抗体は、N末端または(of)C末端どちらかにおいて定常領域(例として、配列番号175もしくは配列番号176で表されるとおりのヒトIgG1定常領域、またはその部分、例えばFc部分)に融合されたscFvである。
【0361】
いくつかの態様において、保存的突然変異は、例えば結晶構造に基づき決定されるとき、その残基が標的抗原(例として、トランスフェリン受容体)との相互作用に関与しそうにない位置にて、抗体配列(例として、CDRまたはフレームワーク配列)中へ導入され得る。いくつかの態様において、1、2個以上の突然変異(例として、アミノ酸置換)は、血清半減期、補体結合、Fc受容体結合、および/または(例として、および)細胞への抗原依存的細胞傷害性などの、抗体の1以上の機能特性を変更させるために、本明細書に記載の抗TfR抗体のFc領域中(例として、Kabatナンバリング系(例として、KabatのEUインデックス)に従うナンバリングで、CH2ドメイン(ヒトIgG1の残基231~340)中、および/または(例として、および)CH3ドメイン(ヒトIgG1の残基341~447)中、および/または(例として、および)ヒンジ領域中)へ導入される。
【0362】
いくつかの態様において、1、2個以上の突然変異(例として、アミノ酸置換)は、ヒンジ領域中のシステイン残基の数が、例として米国特許第5,677,425号に記載のとおり変動(例として、増大または減少)され得るように、Fc領域(CH1ドメイン)のヒンジ領域中へ導入される。CH1ドメインのヒンジ領域中のシステイン残基の数は、例として、軽鎖および重鎖の会合(assembly)を容易にさせるため、または抗体の安定性を変更(例として、増大もしくは減少)するため、またはリンカー抱合を容易にさせるため、変更され得る。
【0363】
いくつかの態様において、1、2個以上の突然変異(例として、アミノ酸置換)は、抗体の、エフェクター細胞表面上のFc受容体(例として、活性化されたFc受容体)への親和性を増加または減少させるため、本明細書に記載の筋標的化抗体のFc領域中(例として、Kabatナンバリング系(例として、KabatのEUインデックス)に従うナンバリングで、CH2ドメイン(ヒトIgG1の残基231~340)中、および/または(例として、および)CH3ドメイン(ヒトIgG1の残基341~447)中、および/または(例として、および)ヒンジ領域中)へ導入される。抗体のFc受容体への親和性を増大または減少させる抗体のFc領域中の突然変異、およびかかる突然変異をFc受容体中またはそのフラグメント中へ導入するための技法は、当業者に知られている。抗体のFc受容体への親和性を変更するためになされ得る、抗体のFc受容体中の突然変異の例は、例として、Smith P et al.,(2012)PNAS 109:6181-6186、米国特許第6,737,056号、ならびに国際刊行物第WO 02/060919号;第WO 98/23289号;および第WO 97/34631号(これらは参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0364】
いくつかの態様において、1、2個以上のアミノ酸突然変異(すなわち、置換、挿入、または欠失)は、in vivoでの抗体の半減期を変更(例として、増加または減少)させるため、IgG定常領域またはそのFcRn-結合フラグメント(好ましくは、Fcまたはヒンジ-Fcドメインフラグメント)中へ導入される。例えば、in vivoでの抗体の半減期を変更(例として、増加または減少)させるであろう突然変異について、例として、国際刊行物第WO 02/060919号;第WO 98/23289号;および第WO 97/34631号;ならびに米国特許第5,869,046号、第6,121,022号、第6,277,375号、および第6,165,745号を見よ。
【0365】
いくつかの態様において、1、2個以上のアミノ酸突然変異(すなわち、置換、挿入、または欠失)は、in vivoでの抗TfR抗体の半減期を減少させるため、IgG定常領域またはそのFcRn-結合フラグメント(好ましくは、Fcまたはヒンジ-Fcドメインフラグメント)中へ導入される。いくつかの態様において、1、2個以上のアミノ酸突然変異(すなわち、置換、挿入、または欠失)は、in vivoでの抗体の半減期を増加させるため、IgG定常領域またはそのFcRn-結合フラグメント(好ましくは、Fcまたはヒンジ-Fcドメインフラグメント)中へ導入される。いくつかの態様において、抗体は、KabatのEUインデックス(上記のKabat E Aら(1991))に従うナンバリングで第2定常(CH2)ドメイン(ヒトIgG1の残基231~340)中および/または(例として、および)第3定常(CH3)ドメイン(ヒトIgG1の残基341~447)中に、1個以上のアミノ酸突然変異(例として、置換)を有し得る。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体のIgG1定常領域は、KabatにあるようなEUインデックスに従ってナンバリングされた位置252におけるメチオニン(M)からチロシン(Y)への置換、位置254におけるセリン(S)からトレオニン(T)への置換、および位置256におけるトレオニン(T)からグルタミン酸(E)への置換を含む。米国特許第7,658,921(これは、参照により本明細書に組み込まれる)を見よ。「YTE突然変異体」と称されるこのタイプの突然変異IgGは、同じ抗体の野生型バージョンと比較して4倍増大した半減期を発揮したことが示されている(Dall'Acqua W F et al.,(2006)J Biol Chem 281:23514-24を見よ)。いくつかの態様において、抗体は、KabatにあるようなEUインデックスに従ってナンバリングされた位置251~257、285~290、308~314、385~389、および428~436でのアミノ酸残基の、1、2、3以上のアミノ酸置換を含むIgG定常領域を含む。
【0366】
いくつかの態様において、1、2以上のアミノ酸置換は、抗TfR抗体のエフェクター機能(単数または複数)を変更するため、IgG定常領域Fc領域中へ導入される。自身への親和性が変更されたエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1構成要素であり得る。このアプローチは、米国特許第5,624,821号および第5,648,260号においてさらに詳細に記載される。いくつかの態様において、定常領域ドメインの欠失または不活化(点突然変異または他の手段を通して)は、循環抗体のFc受容体への結合を低減し、それによって腫瘍局在化を増大し得る。定常領域を欠失または不活化し、それによって腫瘍局在化を増大させる突然変異の記載については、例として、米国特許第5,585,097号および第8,591,886号を見よ。いくつかの態様において、1以上のアミノ酸置換は、Fc領域上の潜在的なグリコシル化部位を除去するため(これによってFc受容体への結合が低減されることもある)、本明細書に記載の抗体のFc領域中へ導入されてもよい(例として、Shields R L et al.,(2001)J Biol Chem 276:6591-604を見よ)。
【0367】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体の定常領域中の1以上のアミノ酸残基は、抗体が変更されたClq結合および/または(例として、および)低減もしくは消失された補体依存性細胞傷害性(CDC)を有し得るように、異なるアミノ酸残基に置き換えられ得る。このアプローチは、米国特許第6,194,551号(Idusogieら)においてさらに詳細に記載されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体のCH2ドメインのN末領域中の1以上のアミノ酸残基は変更されて、それによって抗体の補体結合能を変更する。このアプローチは、国際刊行物第WO 94/29351号においてさらに記載されている。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体のFc領域は、抗体の、細胞への抗体依存性細胞傷害性(ADCC)の媒介能を増大させるため、および/または(例として、および)、抗体のFcγ受容体への親和性を増大させるため、修飾されている。このアプローチは、国際刊行物第WO 00/42072号においてさらに記載されている。
【0368】
いくつかの態様において、本明細書に提供される抗体の重鎖および/または(例として、および)軽鎖可変ドメイン(単数または複数)配列(単数または複数)は、本明細書の他の箇所に記載されるとおり、例えば、CDR接合抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、もしくは複合ヒト抗体、または抗原結合性フラグメントを生成するために使用され得る。当業者によって理解されるとおり、本明細書に提供される抗体のいずれかに由来するいずれのバリアント、CDR接合抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、または複合抗体は、本明細書に記載の組成物および方法に有用であってもよく、バリアント、CDR接合抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、または複合抗体が、これが由来する元の抗体と比べて、トランスフェリン受容体への少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%以上の結合を有し得るように、トランスフェリン受容体への特異的結合能を維持するであろう。
【0369】
いくつかの態様において、本明細書に提供される抗体は、所望の特性を抗体へ付与する突然変異を含む。例えば、ネイティブなIgG4 mAbに生じることが知られているFabアーム交換(Fab-arm exchange)に起因する潜在的合併症を回避するため、本明細書に提供される抗体は、安定化「Adair」突然変異を含んでいてもよく(Angal S.,et al.,“A single amino acid substitution abolishes the heterogeneity of chimeric mouse/human (IgG4) antibody”,Mol Immunol 30,105-108;1993)、ここでセリン228(EUナンバリング;残基241 Kabatナンバリング)は、IgG1様ヒンジ配列をもたらすプロリンへ変換されている。結果的に、抗体のいずれも、安定化「Adair」突然変異を包含していてもよい。
【0370】
いくつかの態様において、抗体は修飾されている(例として、グリコシル化、リン酸化、SUMO化、および/または(例として、および)、メチル化を介して修飾されている)。いくつかの態様において、抗体は、1個以上の糖または炭水化物分子へ抱合されたグリコシル化抗体である。いくつかの態様において、1個以上の糖または炭水化物分子は、N-グリコシル化、O-グリコシル化、C-グリコシル化、グリピエーション(GPIアンカー付着)、および/または(例として、および)、ホスホグリコシル化を介して、抗体へ抱合されている。いくつかの態様において、1個以上の糖または炭水化物分子は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、またはグリカンである。いくつかの態様において、1個以上の糖または炭水化物分子は、分枝オリゴ糖類または分枝グリカンである。いくつかの態様において、1個以上の糖または炭水化物分子は、マンノース単位、グルコース単位、N-アセチルグルコサミン単位、N-アセチルガラクトサミン単位、ガラクトース単位、フコース単位、またはホスホ脂質単位を包含する。いくつかの態様において、糖分子は、約1~10個、約1~5個、約5~10個、約1~4個、約1~3個、または約2個存在する。いくつかの態様において、グリコシル化抗体は、全体的にまたは部分的にグリコシル化されている。いくつかの態様において、抗体は、化学反応によって、または酵素的な手段によってグリコシル化されている。いくつかの態様において、抗体は、in vitroでまたは細胞(任意にN-またはO-グリコシル化経路中の酵素(例として、グリコシルトランスフェラーゼ)を欠乏していてもよい)内部でグリコシル化される。いくつかの態様において、抗体は、“Modified antibody, antibody-conjugate and process for the preparation thereof”と題する2014年5月1日に公開された国際特許出願刊行物WO2014065661に記載のとおりの糖または炭水化物分子で官能化されている。
【0371】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR1抗体のいずれか1つは、重鎖および/または(例として、および)軽鎖配列上にシグナルペプチド(例として、N末端シグナルペプチド)を含み得る。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR1抗体は、VHおよびVL配列のいずれか1つ、IgG重鎖および軽鎖配列のいずれか1つ、または本明細書に記載のF(ab')重鎖および軽鎖配列のいずれか1つを含み、さらにシグナルペプチド(例として、N末端シグナルペプチド)を含む。いくつかの態様において、シグナルペプチドはMGWSCIILFLVATATGVHS(配列番号232)のアミノ酸配列を含む。
【0372】
いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、ヒト化抗体であり、表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDRを有するヒトフレームワーク領域を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、IgG1カッパであり、これが、表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDRを有するヒトフレームワーク領域を含む。いくつかの態様において、本開示の抗TfR抗体は、IgG1カッパのFab'フラグメントであり、これが、表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDRを有するヒトフレームワーク領域を含む。
【0373】
いくつかの態様において、本明細書に提供される抗体は、1以上の翻訳後修飾を有し得る。いくつかの態様においては、ピログルタミン酸形成(ピロGlu)ともまた呼ばれるN末端環化が、産生の間にN末端グルタミン酸(Glu)および/またはグルタミン(Gln)残基において抗体に生起し得る。いくつかの態様において、ピログルタミン酸形成は、重鎖配列に生起する。いくつかの態様において、ピログルタミン酸形成は軽鎖配列に生起する。
【0374】
III.抗TfR抗体の調製
本明細書に記載のとおりのTfRに結合することが可能な抗体は、当該技術分野において知られているいずれの方法によっても作製され得る。例えば、Harlow and Lane,(1998)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New Yorkを見よ。
【0375】
いくつかの態様において、標的抗原(例として、TfR)に特異的な抗体は、従来のハイブリドーマ技術によって作製され得る。完全長の標的抗原またはそのフラグメントは、任意にKLHなどの担体タンパク質へカップリングされていてもよいが、その抗原へ結合する抗体を生成するために宿主動物を免疫付与するのに使用され得る。宿主動物の免疫付与のルートおよびスケジュールは一般に、さらに本明細書に記載のとおり、抗体の刺激および産生のための確立された技法および従来の技法を踏まえる。マウス抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体の産生のための生成技法は、当該技術分野において知られており、本明細書に記載されている。ヒトまたはヒトからの抗体産生細胞を包含するいずれの哺乳動物対象も、ヒトハイブリドーマ細胞株を包含する哺乳動物の産生の基盤として働くように操作され得ることが企図される。典型的には、宿主動物は、腹腔内に、筋肉内に、経口的に、皮下に、足底内に(intraplantar)、および/または(例として、および)、皮内に、ある量の免疫原(本明細書に記載のとおりのものを包含する)を接種される。
【0376】
所望の場合、関心のある抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)(例として、ハイブリドーマによって産生されるもの)は、配列決定されてもよく、次いでポリヌクレオチド配列は、発現または増殖のためのベクター中へクローニングされてもよい。関心のある抗体をコードする配列は、宿主細胞中ベクターに維持されていてもよく、次いで宿主細胞は、今後の使用のために増やされて(expanded)凍結され得る。代替手段において、ポリヌクレオチド配列は、抗体を「ヒト化する」かまたは抗体の親和性(親和性成熟)もしくは他の特徴を改善する遺伝子操作のために使用されてもよい。例えば、抗体がヒトの臨床試験および処置に使用された場合に免疫応答を回避するように、定常領域は、ヒト定常領域とより似るよう改変されてもよい。標的抗原へのより大きな親和性およびより大きな効き目を得るために抗体配列を遺伝子学的に操作することが所望されることもある。1以上のポリヌクレオチド変化が抗体へなされ得ること、かつ標的抗原へのその結合特異性を依然として維持し得ることは、当業者には明らかであろう。
【0377】
他の態様において、完全ヒト抗体は、特定のヒト免疫グロブリンタンパク質を発現するよう改変されている市販のマウスを使用することによって入手され得る。より所望される(例として、完全ヒト抗体)かまたはより堅固な免疫応答を生じるよう設計されたトランスジェニック動物もまた、ヒト化抗体またはヒト抗体の生成のために使用されてもよい。かかる技術の例は、Amgen,Inc.(Fremont,CA)からのXenomouseR(商標)、ならびにMedarex,Inc.(Princeton,NJ)からのHuMAb-MouseR(商標)およびTC Mouse(商標)、またはHarbour Antibodies BV(Holland)からのH2L2マウスである。別の代替手段において、抗体は、ファージディスプレーまたは酵母技術によって組換えで作製されてもよい。例えば、米国特許第5,565,332号;第5,580,717号;第5,733,743号;および第6,265,150号;ならびにWinter et al.,(1994)Annu.Rev.Immunol.12:433-455を見よ。代替的に、ファージディスプレー技術(McCafferty et al.,(1990)Nature 348:552-553)が、非免疫付与ドナーからの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーからヒト抗体および抗体フラグメントをin vitroで産生するために使用され得る。
【0378】
無傷の抗体(完全長抗体)の抗原結合性フラグメントが、定型的な方法を介して調製され得る。例えば、F(ab')2フラグメントは、抗体分子のペプシン消化によって産生され得、Fabフラグメントは、F(ab')2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成され得る。ヒト化抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、および二重特異性抗体などの遺伝子学的に改変された抗体は、例として、従来の組換え技術を介して産生され得る。一例において、標的抗原に特異的なモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例として、モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子へ特異的に結合することが可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離されて配列決定され得る。ハイブリドーマ細胞は、かかるDNAの好ましい供給源として働く。単離されたらDNAは1以上の発現ベクター中へ置かれ、次いでこれは、E.coli細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒトHEK293細胞、または骨髄腫細胞などの宿主細胞中へトランスフェクトされ(これらの細胞は、そうされなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しない)、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成が得られる。例として、PCT刊行物第WO 87/04462号を見よ。次いでDNAは、例えば、ヒト重鎖および軽鎖の定常領域をコードする配列を相同のマウス配列の代わりに置換することによって(Morrison et al.,(1984)Proc.Nat.Acad.Sci.81:6851)、または免疫グロブリンをコードする配列へ、非免疫グロブリンポリペプチドをコードする配列のすべてもしくは一部を共有結合的に結び合わせることによって、修飾され得る。そのやり方において、標的抗原の結合特異性を有する「キメラ」抗体または「ハイブリッド」抗体などの遺伝子学的に改変された抗体が調製され得る。
【0379】
単鎖抗体は、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を連結することによる組換え技術を介して調製され得る。好ましくは、フレキシブルな(flexible)リンカーが、2つの可変領域同士間に組み込まれる。
【0380】
代替的に、単鎖抗体の産生について記載された技法(米国特許第4,946,778号および第4,704,692号)が、ファージまたは酵母のscFvライブラリを産生するために採用され得、TfRに特異的なscFvクローンが、定型的な手順を受けてライブラリから同定され得る。陽性クローンは、さらなるスクリーニングへ供されて、高いTfR結合親和性を有するものが同定され得る。
【0381】
当該技術分野において知られている方法および本明細書に記載の方法に従い得られた抗体は、当該技術分野において周知である方法を使用して特徴付けられ得る。例えば、1つの方法は、抗原が結合するエピトープを同定すること、または「エピトープマッピング」である。タンパク質上のエピトープの場所をマッピングして特徴付けるための多くの方法が、当該技術分野において知られており、例えば、Harlow and Lane,Using Antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1999のChapter 11に記載されるとおり、抗体-抗原複合体の結晶構造を解明すること、競合アッセイ、遺伝子フラグメント発現アッセイ、および合成ペプチドをベースとしたアッセイを包含する。一例において、エピトープマッピングは、タンパク質分解および質量分析とカップリングされたH/D-Ex(水素重水素交換)を使用して達成され得る。追加の例において、エピトープマッピングは、抗体が結合する配列を決定するのに使用され得る。エピトープは、線状エピトープ、すなわち、単一の一続きの(stretch)アミノ酸に含有され得るものか、または単一の一続きのもの(1次構造の線状配列)に必ずしも含有されなくてもよいアミノ酸の3次元相互作用によって形成された立体配座(conformational)エピトープであり得る。変動する長さのペプチド(例として、少なくとも4~6アミノ酸長)は、単離され得るかまたは合成され得(例として、組換えで)、抗体との結合アッセイに使用され得る。別の例において、抗体が結合するエピトープは、標的抗原配列に由来する重複ペプチドを使用することおよび抗体による結合を決定することによる系統的なスクリーニングにおいて決定され得る。遺伝子フラグメント発現アッセイに従い、標的抗原をコードするオープンリーディングフレームは、ランダムにかまたは特定の遺伝子の構築によるかのいずれかでフラグメント化され、抗原の発現フラグメントの試験される抗体との反応性が決定される。遺伝子フラグメントは、例えば、PCRによって産生されてもよく、次いで放射性アミノ酸の存在下in vitroで転写されタンパク質に翻訳されてもよい。抗体の放射性標識された抗原フラグメントへの結合は次いで、免疫沈降およびゲル電気泳動によって決定される。あるエピトープはまた、ファージ粒子表面上にディスプレーされたランダムペプチド配列の大きなライブラリ(ファージライブラリ)を使用することによっても同定され得る。代替的に、重複ペプチドフラグメントの確定(defined)ライブラリが、単純な結合アッセイにおける試験抗体への結合について試験され得る。追加の例において、抗原結合ドメインの変異誘発、ドメイン交換(swapping)実験、およびアラニンスキャニング変異誘発も、エピトープ結合に要される、これに充分な、および/または(例として、および)これに必要な残基を同定するために実施され得る。代替的に、競合アッセイが、同じ抗原へ結合することが知られている他の抗体を使用して、抗体が他の抗体と同じエピトープへ結合するかを決定するために実施され得る。競合アッセイは、当業者に周知である。
【0382】
いくつかの例において、抗TfR抗体は、下に例示されるとおりの組換え技術によって調製される。本明細書に記載のとおりの抗TfR抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸は、1つの発現ベクター中へクローニングされ得、各ヌクレオチド配列は好適なプロモーターへ作動可能に(operable)連結されている。一例において、重鎖および軽鎖をコードするヌクレオチド配列の各々は、別個のプロモーターへ作動可能に連結されている。代替的に、重鎖および軽鎖をコードするヌクレオチド配列は、重鎖と軽鎖との両方が同じプロモーターから発現されるように、単一のプロモーターと作動可能に連結され得る。必要とあれば、配列内リボソーム進入部位(IRES)が、重鎖をコードする配列と軽鎖をコードする配列との間に挿入され得る。
【0383】
いくつかの例において、抗体の2本の鎖をコードするヌクレオチド配列は、2つのベクター中へクローニングされ、これが同じ細胞または異なる細胞中へ導入され得る。2つの鎖が、異なる細胞において発現されたとき、これらの各々は、当該鎖を発現する宿主細胞から単離され得、単離された重鎖および軽鎖は、抗体の形成を可能にする好適な条件下で混合されてインキュベートされ得る。
【0384】
一般に、抗体の一方の鎖またはすべての鎖をコードする核酸配列は、当該技術分野において知られている方法を使用し、好適な発現ベクター中へ、好適なプロモーターと作動可能に連結されてクローニングされ得る。例えば、ヌクレオチド配列およびベクターが好適な条件下、制限酵素と接触されることで、各分子上に相補的な末端が創出され、互いに一対になり、リガーゼで一緒に結び合わされ得る。代替的に、合成核酸リンカーは、遺伝子の末端へライゲートされ得る。これらの合成リンカーは、ベクター中の具体的な制限部位に対応する核酸配列を含有する。発現ベクター/プロモーターの選択は、抗体を産生することにおける使用のための宿主細胞のタイプに依存するであろう。
【0385】
種類豊富なプロモーターは、これらに限定されないが、サイトメガロウイルス(CMV)最初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスLTR、HIV-LTR、HTLV-1 LTRなどのウイルスのLTR、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、E.coli lac UVプロモーター、および単純ヘルペスtkウイルスプロモーターを包含するが、本明細書に記載の抗体の発現に使用され得る。
【0386】
調節可能なプロモーターもまた、使用され得る。かかる調節可能なプロモーターは、E.coliからのlacリプレッサーを転写モジュレーターとして使用することでlacオペレータを担持する哺乳動物細胞プロモーターからの転写を調節するもの[Brown,M.et al.,Cell,49:603-612(1987)]、テトラサイクリンリプレッサー(tetR)を使用するもの[Gossen,M.,and Bujard,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547-555115(1992);Yao,F.et al.,Human Gene Therapy,9:1939-1950(1998);Shockelt,P.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92:6522-6526(1995)]を包含する。他の系は、FK506二量体、エストラジオール(astradiol)を使用するVP16もしくはp65、RU486、ジフェノールムリスレロン(diphenol murislerone)、またはラパマイシンを包含する。誘導系は、数ある中でも、Invitrogen、Clontech、およびAriadから入手可能である。
【0387】
リプレッサーをオペロンとともに包含する調節可能なプロモーターが使用され得る。一態様において、E.coliからのlacリプレッサーは、転写モジュレーターとして機能することでlacオペレータ担持哺乳動物細胞プロモーターからの転写を調節し得る[M.Brown et al.,Cell,49:603-612(1987)];Gossen and Bujard(1992);[M.Gossen et al.,Natl.Acad.Sci.USA,89:5547-5551(1992)]テトラサイクリンリプレッサー(tetR)を、転写アクチベーター(VP16)と組み合わせることでtetR-哺乳動物細胞転写アクチベーター融合タンパク質、tTa(tetR-VP16)が創出され、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)プロモーターに由来するtetO担持最小プロモーターと組み合わせることでtetR-tetオペレータ系が創出されて哺乳動物細胞における遺伝子発現を制御する。一態様において、テトラサイクリン誘導性スイッチが使用される。テトラサイクリンオペレータがCMVIEプロモーターのTATA要素の下流に正しく位置付けられたとき、テトラサイクリンリプレッサー(tetR)は単独で、tetR-哺乳動物細胞転写因子融合誘導体よりむしろ、強力なtrans-モジュレーターとして機能することで、哺乳動物細胞における遺伝子発現を調節し得る(Yao et al.,Human Gene Therapy)。このテトラサイクリン誘導性スイッチの1つの具体的な利点は、その調節可能な効果を実現するためにテトラサイクリンリプレッサー-哺乳動物細胞transアクチベーターまたはリプレッサー融合タンパク質(これは、いくつかの場合において、細胞に毒性があり得る)の使用を要しない点である(Gossen et al.,Natl.Acad.Sci.USA,89:5547-5551(1992);Shockett et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92:6522-6526(1995))。
【0388】
加えて、ベクターは、例えば、以下のいくつかまたはすべてを含有し得る:哺乳動物細胞における安定したまたは一過的なトランスフェクタントの選択のためのネオマイシン遺伝子などの、選択可能なマーカー遺伝子;高レベルの転写のためのヒトCMVの最初期遺伝子からのエンハンサー/プロモーター配列;mRNA安定性のためのSV40からの転写終止およびRNAプロセシングシグナル;正しいエピソーム複製のためのSV40ポリオーマ複製起点およびColE1;内部リボソーム結合部位(IRESes)、多用途の複数クローニング部位;ならびにセンスおよびアンチセンスRNAのin vitro転写のためのT7およびSP6 RNAプロモーター。好適なベクターおよび導入遺伝子を含有するベクターを産生するための方法は周知であって、当該技術分野において入手可能である。本明細書に記載の方法を実践するのに有用なポリアデニル化シグナルの例は、これらに限定されないが、ヒトコラーゲンIポリアデニル化シグナル、ヒトコラーゲンIIポリアデニル化シグナル、およびSV40ポリアデニル化シグナルを包含する。
【0389】
抗体のいずれかをコードする核酸を含む1以上のベクター(例として、発現ベクター)は、抗体を産生するのに好適な宿主細胞中へ導入されてもよい。宿主細胞は、抗体またはそのいずれのポリペプチド鎖の発現に好適な条件下で培養され得る。かかる抗体またはそのポリペプチド鎖は、従来の方法(例として、親和性精製)を介して、培養された細胞によって(例として、細胞または培養上清から)回収され得る。必要ならば、抗体のポリペプチド鎖は、抗体の産生を可能にさせるのに好適な期間、好適な条件下で培養され得る。
【0390】
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体を調製するための方法は、また本明細書にも記載されるとおり、抗TfR抗体の重鎖と軽鎖との両方をコードする組換え発現ベクターを伴う。組換え発現ベクターは、従来の方法、例として、リン酸カルシウム媒介トランスフェクションによって、好適な宿主細胞(例として、dhfr- CHO細胞)中へ導入され得る。陽性の形質転換宿主細胞が選択されて、抗体を形成する2つのポリペプチド鎖の発現を可能にするのに好適な条件下で培養され得、これが細胞からまたは培養培地から回収され得る。必要とあれば、宿主細胞から回収された2つの鎖は、抗体の形成を可能にするのに好適な条件下でインキュベートされ得る。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体を発現させるのに使用される宿主細胞は、CHO-S細胞(例として、ThermoFisher Catalog# R80007)である。
【0391】
一例において、2つの組換え発現ベクターが提供され、一方が抗TfR抗体の重鎖をコードし、他方が抗TfR抗体の軽鎖をコードする。2つの組換え発現ベクターの両方とも、従来の方法、例として、リン酸カルシウム媒介トランスフェクションによって、好適な宿主細胞(例として、dhfr- CHO細胞)中へ導入され得る。
【0392】
代替的に、発現ベクターの各々は、好適な宿主細胞中へ導入され得る。陽性の形質転換体が選択されて、抗体のポリペプチド鎖の発現を可能にするのに好適な条件下で培養され得る。2つの発現ベクターが、同じ宿主細胞中へ導入されたとき、これにおいて産生される抗体は、宿主細胞からまたは培養培地から回収され得る。必要ならば、ポリペプチド鎖は、宿主細胞からまたは培養培地から回収され得、次いで抗体の形成を可能にするのに好適な条件下でインキュベートされ得る。2つの発現ベクターが、異なる宿主細胞中へ導入されたとき、これらの各々は、対応する宿主細胞からまたは対応する培養培地から回収され得る。2つのポリペプチド鎖は次いで、抗体の形成に好適な条件下でインキュベートされ得る。
【0393】
標準的な分子生物学の技法が使用されて、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、および培養培地から抗体を回収する。例えば、いくつかの抗体は、プロテインAまたはプロテインGとカップリングされたマトリックスでの親和性クロマトグラフィーによって単離され得る。
【0394】
本明細書に記載のとおりの(例として、表6に提供されるとおりの)抗TfR抗体の重鎖、軽鎖、またはその両方をコードする核酸、これらを含有するベクター(例として、発現ベクター);およびベクターを含む宿主細胞のいずれも、本開示の範囲内にある。
表6.抗TfR表1に挙げられた抗体のVH/VLをコードする核酸配列
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【0395】
いくつかの態様において、抗TfR抗体は、ヒトフレームワーク領域を、表1または表3に挙げられたマウス抗体(例として、3A4、3M12、もしくは5H12)のCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3とともに含有するVHと、ヒトフレームワーク領域を、表1または表3に挙げられたマウス抗体(例として、3A4、3M12、もしくは5H12)のCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3とともに含有するVLとを含むヒト化抗体であり、ここで抗体は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞浮遊培養における、任意にCHO-K1細胞(例として、European Collection of Animal Cell Cultureに由来するCHO-K1細胞Cat.No.85051005)浮遊培養における組換えDNA技術によって産生される。
【0396】
いくつかの態様において、抗TfR抗体は、ヒトフレームワーク領域を、表1または表3に挙げられたマウス抗体(例として、3A4、3M12、もしくは5H12)のCDRとともに含むIgG1カッパであり、ここで抗体は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞浮遊培養における、任意にCHO-K1細胞(例として、European Collection of Animal Cell Cultureに由来するCHO-K1細胞Cat.No.85051005)浮遊培養における組換えDNA技術によって産生される。
【0397】
いくつかの態様において、抗TfR抗体は、ヒトフレームワーク領域を、表1または表3に挙げられたマウス抗体(例として、3A4、3M12、もしくは5H12)のCDRとともに含むIgG1カッパのFab'フラグメントであり、ここで抗体は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞浮遊培養における、任意にCHO-K1細胞(例として、European Collection of Animal Cell Cultureに由来するCHO-K1細胞Cat.No.85051005)浮遊培養における組換えDNA技術によって産生される。
【0398】
IV. 複合体
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、分子ペイロードを標的細胞または標的組織(例として、TfRを発現する細胞または組織)へ送達するのに使用され得る。結果的に、本開示のいくつかの側面は、分子ペイロードに対して、本明細書に記載の抗TfR抗体(例として、表4および表5に提供されるとおりのIgGもしくはFABの形態の3-A4、3-M12、または5-H12、およびそれらのバリアント(例として、ヒト化されたバリアント))のいずれか1つを含む複合体を提供する。本明細書に記載の複合体は、様々な用途、例として、診断または治療への応用において使用されてもよい。
【0399】
いくつかの態様において、複合体は、オリゴヌクレオチド(例として、アンチセンスオリゴヌクレオチド)へ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、少なくとも1つの遺伝子、タンパク質、および/または(例として、および)、核酸の活性あるいは機能をモジュレートするのに使用されてもよい。いくつかの態様において、複合体とともに存在する分子ペイロードは、遺伝子、タンパク質、および/または(例として、および)、核酸のモジュレーションを担う。分子ペイロードは、細胞中の遺伝子、タンパク質、および/または(例として、および)、核酸の活性あるいは機能をモジュレートすることが可能な、小分子、タンパク質、核酸、オリゴヌクレオチド、あるいはいずれの分子実体であってもよい。いくつかの態様において、分子ペイロードは、筋細胞における疾患関連反復を標的にするオリゴヌクレオチドである。
【0400】
A.分子ペイロード
本開示のいくつかの側面は、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つへ連結され得る分子ペイロード、例として、生物学的結果(例として、DNA配列の転写、タンパク質の発現、またはタンパク質の活性)をモジュレートするための前記分子ペイロードを提供する。いくつかの態様において、かかる分子ペイロードは、例として、連結された抗TfR抗体による筋細胞への送達を受けた筋細胞中の核酸またはタンパク質への特異的結合を介して、筋細胞を標的にすることが可能である。様々なタイプの分子ペイロードが本開示に従って使用されてもよいことは解されるはずである。例えば、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチド(例として、アンチセンスオリゴヌクレオチド)、ペプチド(例として、疾患に関連する筋細胞中の核酸もしくはタンパク質に結合するペプチド)、タンパク質(例として、疾患に関連する筋細胞中の核酸もしくはタンパク質に結合するタンパク質)、または小分子(例として、疾患に関連する筋細胞中の核酸もしくはタンパク質の機能をモジュレートする小分子)を含んでいてもよく、またはこれらからなっていてもよい。
【0401】
いくつかの態様において、分子ペイロードは、表7に提供される遺伝子と相補性のある領域を有する鎖を含むオリゴヌクレオチドである。
表7.筋疾患および対応する遺伝子のリスト。
【表7-1】
【表7-2】
*引用文献の内容は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0402】
いくつかの態様において、分子ペイロードは、神経学的障害の処置のための剤である。「神経学的障害」は、本明細書に使用されるとき、CNSに影響を及ぼすかおよび/または(例として、および)CNSの病因を有する疾患あるいは障害を指す。CNSの疾患または障害の例は、これらに限定されないが、神経障害、アミロイドーシス、がん、眼の疾患または障害、ウイルスまたは微生物の感染症、炎症、虚血、神経変性疾患、発作、行動障害、およびリソソーム蓄積症を包含する。本出願の目的において、CNSは目を包含するよう理解されているが、目は通常、血液-網膜障壁によって身体の他の部分から隔離されている。神経学的障害の特定例は、これらに限定されないが、神経変性疾患(これらに限定されないが、レビー小体病、ポリオ後症候群、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病、多系統萎縮症、線条体黒質変性症を包含する)、タウオパチー(これらに限定されないが、アルツハイマー病および核上性麻痺を包含する)、プリオン病(これらに限定されないが、ウシ海綿状脳症、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ症候群、クールー、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、慢性消耗病、および致死性家族性不眠症を包含する)、球麻痺、運動ニューロン疾患、ならびに神経系ヘテロ変性障害(nervous system heterodegenerative disorders)(これらに限定されないが、カナバン病、ハンチントン病、神経セロイドリポフスチン症、アレキサンダー病、トゥレット症候群、メンケス病(Menkes kinky hair syndrome)、コケイン症候群、ハラーホルデン・スパッツ症候群、ラフォラ病、レット症候群、肝レンズ核変性症、レッシュ・ナイハン症候群、およびウンフェルリヒト・ルントボルク症候群を包含する)、認知症(これらに限定されないが、ピック病および脊髄小脳失調症を包含する)、がん(例として、CNSのがん、身体のどこかのがんの結果生じる脳転移を包含する)を包含する。本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つへ抱合されていてもよい神経学的障害の薬物およびこれらが処置してもよい対応する疾病の非限定的な例は、表8に提供される。
表8.神経学的障害の薬物および処置される疾病の例
【表8】
【0403】
いくつかの態様において、少なくとも1(例として、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10)の分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)は、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つへ連結されている。いくつかの態様において、抗TfR抗体へ連結されたすべての分子ペイロードは、同じであり、例として同じ遺伝子を標的にする。いくつかの態様において、抗TfR抗体へ付着されたすべての分子ペイロードは、異なっており、例えば分子ペイロードは、同じ標的遺伝子の異なる部分を標的にしてもよく、または分子ペイロードは、少なくとも2つの異なる標的遺伝子を標的にしてもよい。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、同じであるいくつかの分子ペイロードおよび異なるいくつかの分子ペイロードへ付着されていてもよい。
【0404】
本開示はまた、複合体の少なくとも80%(例として、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)が同数の分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)へ連結された抗TfR抗体を含む、複数の複合体を含む組成物を提供する。
【0405】
例示の分子ペイロードは本明細書にさらに詳細に記載されるが、しかしながら、本明細書に提供される例示の分子ペイロードが限定されることを意図していないことは解されるはずである。
【0406】
i.オリゴヌクレオチド
いずれの好適なオリゴヌクレオチドも、分子ペイロードとして、本明細書に記載のとおり使用されてよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、mRNAの分解を引き起こすよう設計されていてもよい(例として、オリゴヌクレオチドは、分解を引き起こすgapmer、siRNA、リボザイム、またはアプタマーであってもよい)。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、mRNAの翻訳を遮断するよう設計されていてもよい(例として、オリゴヌクレオチドは、翻訳を遮断するmixmer、siRNA、またはアプタマーであってもよい)。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、mRNAの分解を引き起こしてその翻訳を遮断するよう設計されていてもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、酵素(例として、遺伝子編集酵素)の活性に向かわせるためのガイド核酸(例として、ガイドRNA)であってもよい。オリゴヌクレオチドの他の例は本明細書に提供されている。いくつかの態様において、一方のフォーマット(format)からの機能的配列(例として、アンチセンス鎖配列)を他方のフォーマットへ組み込むことによって、あるフォーマットのオリゴヌクレオチド(例として、アンチセンスオリゴヌクレオチド)が、別のフォーマット(例として、siRNAオリゴヌクレオチド)へ好適に適応されてもよいことは解されるはずである。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、表7に提供された標的遺伝子と相補性のある領域を含んでもよい。
【0407】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、lncRNAまたはmRNAを、例として分解のために、標的にしてもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、例として分解のために、ミスマッチ修復経路に関与するタンパク質をコードする核酸、例として、MSH2、MutLアルファ、MutSベータ、MutLアルファを標的にしてもよい。ミスマッチ修復経路に関与するタンパク質(かかるタンパク質をコードするmRNAは、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドによって標的にされてもよい)の非限定例は、Iyer,R.R.et al.,“DNA triplet repeat expansion and mismatch repair”Annu Rev Biochem.2015;84:199-226;およびSchmidt M.H. and Pearson C.E.,“Disease-associated repeat instability and mismatch repair”DNA Repair(Amst).2016 Feb;38:117-26に記載されている。
【0408】
いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドのいずれか1つは、例えばナトリウム塩、カリウム塩、またはマグネシウム塩としての塩形態であり得る。
【0409】
いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドのいずれか1つの5'または3'ヌクレオシド(例として、末端ヌクレオシド)は、任意にスペーサーを介してアミン基へ抱合される。いくつかの態様において、スペーサーは脂肪族部分を含む。いくつかの態様において、スペーサーはポリエチレングリコール部分を含む。いくつかの態様においては、ホスホジエステル連結がスペーサーとオリゴヌクレオチドの5'または3'ヌクレオシドとの間に存在する。いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドのいずれかの5'または3'ヌクレオシド(例として、末端ヌクレオシド)はスペーサーへ抱合され、これが置換もしくは非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族、置換もしくは非置換のカルボシクリレン、置換もしくは非置換のヘテロシクリレン、置換もしくは非置換のアリーレン、置換もしくは非置換のヘテロアリーレン、-O-、-N(RA)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)NRA-、-NRAC(=O)-、-NRAC(=O)RA-、-C(=O)RA-、-NRAC(=O)O-、-NRAC(=O)N(RA)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-OC(=O)N(RA)-、-S(O)2NRA-、-NRAS(O)2-、またはそれらの組み合わせであり;各RAは独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルである。ある種の態様において、スペーサーは置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のヘテロシクリレン、置換もしくは非置換のヘテロアリーレン、-O-、-N(RA)-、または-C(=O)N(RA)2、あるいはそれらの組み合わせである。
【0410】
いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドのいずれか1つの5'または3'ヌクレオシドは、式-NH2-(CH2)n-の化合物へ抱合され、nは1~12の整数である。いくつかの態様において、nは6、7、8、9、10、11、または12である。いくつかの態様においては、ホスホジエステル連結が式NH2-(CH2)n-の化合物とオリゴヌクレオチドの5'または3'ヌクレオシドとの間に存在する。いくつかの態様において、式NH2-(CH2)6-の化合物は6-アミノ-1-ヘキサノール(NH2-(CH2)6-OH)とオリゴヌクレオチドの5'リン酸との間の反応によってオリゴヌクレオチドへ抱合される。
【0411】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、標的化薬剤、例えば抗TfR抗体などの筋標的化剤に例えばアミン基を介して抱合される。
【0412】
a.オリゴヌクレオチドサイズ/配列
オリゴヌクレオチドは、例としてフォーマットに応じて、様々な異なる長さのものであってもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、長さが7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、75ヌクレオチドであるか、またはこれより長い。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、長さが8~50ヌクレオチド、長さが8~40ヌクレオチド、長さが8~30ヌクレオチド、長さが10~15ヌクレオチド、長さが10~20ヌクレオチド、長さが15~25ヌクレオチド、長さが21~23ヌクレオチド等々である。
【0413】
いくつかの態様において、本開示の目的上オリゴヌクレオチドの相補的な核酸配列は、前記配列の標的分子(例として、mRNA)への結合が標的(例として、mRNA)の正常な機能に干渉して活性の喪失(例として、翻訳の阻害)または発現の喪失(例として、標的mRNAの分解)を引き起こしたとき、かつ非特異的結合の回避が所望される条件下、例として、in vivoアッセイまたは治療処置のケースおよびin vitroアッセイのケースにおける生理学的な条件下、アッセイがストリンジェンシー(stringency)の好適な条件下で実施される条件下で、前記配列の非標的配列への非特異的結合を回避するのに充分な程度の相補性があるとき、標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能であるか、または標的核酸に特異的である。よって、いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、標的核酸の連続したヌクレオチドに少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的であってもよい。いくつかの態様において、相補的なヌクレオチド配列は、標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能であるか、または標的核酸に特異的であるその標的の配列に100%相補的である必要はない。
【0414】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、長さが8~15、8~30、8~40、または10~50、または5~50、または5~40ヌクレオチドの範囲にある標的核酸と相補性のある領域を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの、標的核酸と相補性のある領域は、長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50ヌクレオチドである。いくつかの態様において、相補性のある領域は、標的核酸の少なくとも連続した8ヌクレオチドと相補的である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、標的核酸の一部の連続したヌクレオチドと比較して1、2または3塩基ミスマッチを含有していてもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、15塩基にわたり最大3ミスマッチまで、または10塩基にわたり最大2ミスマッチまで有していてもよい。
【0415】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つの標的配列に対して相補的である(例として、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%)。いくつかの態様において、かかる標的配列は本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドに対して100%相補的である。
【0416】
いくつかの態様において、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つの上のチミン塩基(T)のいずれか1つ以上は任意にウラシル塩基(U)であり得、および/またはUのいずれか1つ以上は任意にTであり得る。
【0417】
b.オリゴヌクレオチド修飾:
本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、修飾されていてもよく、例として、修飾された糖部、修飾されたヌクレオシド間連結、修飾ヌクレオチド、および/またはそれらの組み合わせを含む。加えて、いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、以下の特性の1以上を呈してもよい:選択的スプライシングを媒介しない;免疫刺激性ではない;ヌクレアーゼ抵抗性である;非修飾オリゴヌクレオチドと比較して改善された細胞取り込みを有する;細胞または哺乳動物への毒性がない;改善されたエンドソームの内部への出口(exit)を細胞中に有する;TLR刺激を最小限に抑える;または、パターン認識受容体を回避する。本明細書に記載のオリゴヌクレオチドの修飾された化学的性質またはフォーマットのいずれも、互いに組み合わせられ得る。例えば、1、2、3、4、5、またはこれより多くの異なるタイプの修飾が、同じオリゴヌクレオチド内に包含され得る。
【0418】
いくつかの態様において、修飾が組み込まれるオリゴヌクレオチドを、ネイティブなオリゴデオキシヌクレオチド分子またはオリゴリボヌクレオチド分子よりヌクレアーゼ消化に耐性があるようにさせる、特定のヌクレオチド修飾が使用されてもよい;これらの修飾されたオリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチドより長時間無傷で存続する。修飾されたオリゴヌクレオチドの特定例は、修飾された主鎖、例えば、ホスホロチオアート、ホスホトリエステル、メチルホスホナート、短鎖アルキルもしくはシクロアルキル糖間連結、または短鎖ヘテロ原子のもしくは複素環式の糖間連結などの修飾されたヌクレオシド間連結を含むものを包含する。結果的に、本開示のオリゴヌクレオチドは、修飾、例として、ヌクレオチド修飾の組み込みなどによる核酸分解に対して安定化され得る。
【0419】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの2~10、2~15、2~16、2~17、2~18、2~19、2~20、2~25、2~30、2~40、2~45ヌクレオチド、またはこれより多いヌクレオチドが修飾ヌクレオチドである、長さが最大50ヌクレオチドまでまたは最大100ヌクレオチドまでのオリゴヌクレオチドであってもよい。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの2~10、2~15、2~16、2~17、2~18、2~19、2~20、2~25、2~30ヌクレオチドが修飾ヌクレオチドである、長さが8~30ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであってもよい。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~11、2~12、2~13、2~14ヌクレオチドが修飾ヌクレオチドである、長さが8~15ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであってもよい。任意に、オリゴヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチドを除き、どのヌクレオチドも修飾されていてもよい。オリゴヌクレオチド修飾は本明細書にさらに記載されている。
【0420】
c.修飾ヌクレオシド
いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、糖の2'位において修飾された少なくとも1つのヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの2'修飾ヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド上のヌクレオシドのすべては2'修飾ヌクレオシドである。
【0421】
いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、1以上の非二環式2'-修飾ヌクレオチド、例として、2'-デオキシ、2'-フルオロ(2'-F)、2'-O-メチル(2'-O-Me)、2'-O-メトキシエチル(2'-O-MOE)、2'-O-アミノプロピル(2'-O-AP)、2'-O-ジメチルアミノエチル(2'-O-DMAOE)、2'-O-ジメチルアミノプロピル(2'-O-DMAP)、2'-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2'-O-DMAEOE)、または2'-O--N-メチルアセトアミド(2'-O--NMA)の修飾ヌクレオシドを包含する。
【0422】
いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、1以上の2'-4'二環式ヌクレオシドを含むが、前記ヌクレオシド中リボース環は、その環中2個の原子を接続する(例として、メチレン(LNA)架橋、エチレン(ENA)架橋、または(S)-拘束エチル(cEt)架橋を介して、2'-O原子を4'-C原子へ接続する)架橋部分を含む。LNAの例は、2008年4月17日に公開され「RNA Antagonist Compounds For The Modulation Of PCSK9」と題する国際特許出願刊行物WO/2008/043753(この内容は、その全体が参照されることによって本明細書に組み込まれる)に記載されている。本明細書に開示のオリゴヌクレオチドに使用されてもよい他の修飾は、エチレン架橋核酸(ENA)を包含する。ENAは、これらに限定されないが、2'-O,4'-C-エチレン架橋核酸を包含する。ENAの例は、2005年5月12日に公開され「APP/ENA Antisense」と題する国際特許刊行物第WO 2005/042777号;Morita et al.,Nucleic Acid Res.,Suppl 1:241-242,2001;Surono et al.,Hum.Gene Ther.,15:749-757,2004;Koizumi,Curr.Opin.Mol.Ther.,8:144-149,2006;およびHorie et al.,Nucleic Acids Symp.Ser(Oxf),49:171-172,2005に提供されており、これらの開示はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。cEtの例は、米国特許7,101,993;7,399,845および7,569,686に提供されており、これら各々はそれら全体が参照により本明細書に組み込まれる。。
【0423】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、以下の米国特許または特許出願刊行物のうち1つに開示された修飾ヌクレオシドを含む:米国特許7,399,845、2008年7月15日発行、表題「6-Modified Bicyclic Nucleic Acid Analogs」;米国特許7,741,457、2010年6月22日発行、表題「6-Modified Bicyclic Nucleic Acid Analogs」;米国特許8,022,193、2011年9月20日発行、表題「6-Modified Bicyclic Nucleic Acid Analogs」;米国特許7,569,686、2009年8月4日発行、表題「Compounds And Methods For Synthesis Of Bicyclic Nucleic Acid Analogs」;米国特許7,335,765、2008年2月26日発行、表題「Novel Nucleoside And Oligonucleotide Analogues」;米国特許7,314,923、2008年1月1日発行、表題「Novel Nucleoside And Oligonucleotide Analogues」;米国特許7,816,333、2010年10月19日発行、表題「Oligonucleotide Analogues And Methods Utilizing The Same」および米国刊行物第2011/0009471号、現在米国特許8,957,201、2015年2月17日発行、表題「Oligonucleotide Analogues And Methods Utilizing The Same」、すべての用途において(for all purposes)、これら各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0424】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の修飾ヌクレオシドも有さないオリゴヌクレオチドと比較して、1℃、2℃、3℃、4℃、または5℃の範囲にあるオリゴヌクレオチドのTmの増大をもたらす少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む。オリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシドを有さないオリゴヌクレオチドと比較して、合計で2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、またはこれを超える温度の範囲にあるオリゴヌクレオチドのTmの増大をもたらす複数の修飾ヌクレオシドを有していてもよい。
【0425】
オリゴヌクレオチドは、異なる種類のヌクレオシドのミックスを含み得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、2'-デオキシリボヌクレオシドまたはリボヌクレオシドおよび2'-フルオロ修飾ヌクレオシドのミックスを含み得る。オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオシドまたはリボヌクレオシドおよび2'-O-Me修飾ヌクレオシドのミックスを含み得る。オリゴヌクレオチドは、2'-フルオロ修飾ヌクレオシドおよび2'-O-Me修飾ヌクレオシドのミックスを含み得る。オリゴヌクレオチドは、2'-4'二環式ヌクレオシドおよび2'MOE、2'-フルオロ、または2'-O-Me修飾ヌクレオシドのミックスを含み得る。オリゴヌクレオチドは、非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOE、2'-フルオロ、または2'-O-Me)および2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNA、ENA、cEt)のミックスを含み得る。
【0426】
オリゴヌクレオチドは、異なる種類の交互のヌクレオシドを含み得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、交互の2'-デオキシリボヌクレオシドまたはリボヌクレオシドおよび2'-フルオロ修飾ヌクレオシドを含み得る。オリゴヌクレオチドは、交互のデオキシリボヌクレオシドまたはリボヌクレオシドおよび2'-O-Me修飾ヌクレオシドを含み得る。オリゴヌクレオチドは、交互の2'-フルオロ修飾ヌクレオシドおよび2'-O-Me修飾ヌクレオシドを含み得る。オリゴヌクレオチドは、交互の2'-4'二環式ヌクレオシドおよび2'-MOE、2'-フルオロ、または2'-O-Me修飾ヌクレオシドを含み得る。オリゴヌクレオチドは、交互の非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOE、2'-フルオロ、または2'-O-Me)および2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNA、ENA、cEt)を含み得る。
【0427】
いくつかの態様においては、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、5'-ビニルホスホン酸修飾、1以上の無塩基残基、および/または1以上の逆向きの無塩基残基を含む。
【0428】
d.ヌクレオシド間連結/主鎖
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオアートまたは他の修飾ヌクレオシド間連結を含有していてもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間連結を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間連結を、少なくとも2個のヌクレオチド間に含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間連結を、すべてのヌクレオチド間に含む。例えば、いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシド間連結を、ヌクレオチド配列の5'または3'末端の、第1の、第2の、および/または(例として、および)、第3のヌクレオシド間連結にて含む。
【0429】
使用されてもよい、リンを含有する連結は、これらに限定されないが、正常な3'-5'連結、これらの2'-5'連結類似体を有する、ホスホロチオアート、キラルのホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび他のアルキルホスホナート(3'アルキレンホスホナートおよびキラルのホスホナートを含む)、ホスフィナート、ホスホロアミダート(3'-アミノホスホロアミダートおよびアミノアルキルホスホロアミダートを含む)、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびにボラノホスファートと、逆方向の極性を有するこれら(ここでヌクレオシド単位の隣接する対は3'-5'から5'-3'へまたは2'-5'から5'-2'へ連結されている)とを包含する;米国特許第3,687,808号;第4,469,863号;第4,476,301号;第5,023,243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;および第5,625,050号を見よ。
【0430】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、メチレン(メチルイミノ)またはMMI主鎖;アミド主鎖(De Mesmaeker et al.Ace.Chem.Res.1995,28:366-374を見よ);モルホリノ主鎖(SummertonおよびWeller、米国特許第5,034,506号を見よ);またはペプチド核酸(PNA)主鎖(ここでオリゴヌクレオチドのホスホジエステル主鎖がポリアミド主鎖に置き換えられており、ヌクレオチドがポリアミド主鎖のアザ窒素原子へ直接的または間接的に結合されている、Nielsen et al.,Science 1991,254,1497を見よ)などのヘテロ原子主鎖を有していてもよい。
【0431】
e.立体特異的オリゴヌクレオチド
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド間のリン原子はキラルであり、およびオリゴヌクレオチドの特性はキラルのリン原子の立体配置に基づき調整される。いくつかの態様において、適切な方法は、立体制御されたやり方(例として、Oka N, Wada T, Stereocontrolled synthesis of oligonucleotide analogs containing chiral internucleotidic phosphorus atoms.Chem Soc Rev.2011 Dec;40(12):5829-43に記載のとおりの)でP-キラルオリゴヌクレオチド類似体を合成するために使用されてもよい。いくつかの態様において、実質的にすべてのSpホスホロチオアート糖間連結または実質的にすべてのRpホスホロチオアート糖間連結のいずれかによって一緒に結び合わされたヌクレオシド単位を含む、ホスホロチオアート含有オリゴヌクレオチドが、提供される。いくつかの態様において、実質的にキラル純粋な糖間連結を有するかかるホスホロチオアートオリゴヌクレオチドは、例えば、1996年12月12日に発行された米国特許5,587,261(この内容は全体が参照されることによって本明細書に組み込まれる)に記載されるとおり、酵素合成または化学合成によって調製される。いくつかの態様において、キラル制御されたオリゴヌクレオチドは、標的核酸の選択的切断パターンを提供する。例えば、いくつかの態様において、キラル制御されたオリゴヌクレオチドは、例えば、2017年2月2日に公開された表題「CHIRAL DESIGN」の米国特許出願刊行物20170037399 A1(この内容は全体が参照されることによって本明細書に組み込まれる)に記載のとおり、核酸の相補的な配列内に単一の切断部位を提供する。
【0432】
f.モルホリノ
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、モルホリノをベースとした化合物であってもよい。モルホリノをベースとしたオリゴマー化合物は、Dwaine A.Braasch and David R.Corey,Biochemistry,2002,41(14),4503-4510);Genesis,volume 30,issue 3,2001;Heasman,J.,Dev.Biol.,2002,243,209-214;Nasevicius et al.,Nat.Genet.,2000,26,216-220;Lacerra et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,2000,97,9591-9596;および1991年7月23日発行の米国特許第5,034,506号に記載されている。いくつかの態様において、モルホリノをベースとしたオリゴマー化合物は、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)(例として、Iverson,Curr.Opin.Mol.Ther.,3:235-238,2001;およびWang et al.,J.Gene Med.,12:354-364,2010に記載のとおり;これらの開示はこれら全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0433】
g.ペプチド核酸(PNA)
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド単位の糖とヌクレオシド間連結(主鎖)との両方とも、新規な基に置き換えられている。いくつかの態様において、塩基単位は、適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持されている。かかるオリゴマー化合物の1つである、優れたハイブリダイゼーション特性を有することが示されているオリゴヌクレオチド模倣物は、ペプチド核酸(PNA)と称される。PNA化合物中のオリゴヌクレオチドの糖-主鎖は、アミド含有主鎖、例えば、アミノエチルグリシン主鎖に置き換えられている。核酸塩基は保持されており、主鎖のアミド部分のアザ窒素原子へ直接的または間接的に結合されている。PNA化合物の調製を報告する代表的な刊行物は、これらに限定されないが、米国特許第5,539,082号;第5,714,331号;および第5,719,262号(これら各々は参照により本明細書に組み込まれる)を包含する。PNA化合物のさらなる教示は、Nielsen et al.,Science,1991,254,1497-1500から見出され得る。
[0001]
h.Gapmer
いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、gapmerである。gapmerオリゴヌクレオチドは一般に、ギャップ領域Yを囲むフランキング(flanking)領域としてXおよびZをもつ式5'-X-Y-Z-3'を有する。いくつかの態様において、式5'-X-Y-Z-3'のフランキング領域Xは、X領域、フランキング配列X、5'ウイング領域X、または5'ウイングセグメントともまた言われる。いくつかの態様において、式5'-X-Y-Z-3'のフランキング領域ZはZ領域、フランキング配列Z、3'ウイング領域Z、または3'ウイングセグメントともまた言われる。いくつかの態様において、式5'-X-Y-Z-3'のギャップ領域YはY領域、Yセグメント、またはギャップセグメントYともまた言われる。いくつかの態様において、ギャップ領域Yの各ヌクレオシドは2'-デオキシリボヌクレオシドであり、5'ウイング領域Xも3'ウイング領域Zもいずれかの2'-デオキシリボヌクレオシドを含有しない。
[0002]
いくつかの態様において、Y領域は、RNAse HなどのRNAseをリクルートすることができる一続きのヌクレオチド、例えば6つ以上のDNAヌクレオチドの領域である。いくつかの態様において、gapmerは標的核酸に結合し、この点において、RNAseがリクルートされ、それから標的核酸を切断し得る。いくつかの態様において、Y領域は、高親和性修飾ヌクレオシド、例えば1から6つの高親和性修飾ヌクレオシドを含む領域XおよびZによって5'および3'両方をフランキングされる。高親和性修飾ヌクレオシドの例は、2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOE、2'O-Me、2'-F)または2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNA、cEt、ENA)を包含するが、これらに限定されない。いくつかの態様において、フランキング配列XおよびZは長さが1~20ヌクレオチド、1~8ヌクレオチド、または1~5ヌクレオチドであり得る。フランキング配列XおよびZは類似の長さまたは非類似の長さであり得る。いくつかの態様において、ギャップセグメントYは、長さが5~20ヌクレオチド、5~15、12ヌクレオチド、または6~10ヌクレオチドのヌクレオチド配列であり得る。
[0003]
いくつかの態様において、gapmerオリゴヌクレオチドのギャップ領域は、DNAヌクレオチドに加えて、効率的なRNase H作用にとって許容されることが知られている修飾ヌクレオチド、例えばC4'置換ヌクレオチド、非環状ヌクレオチド、およびアラビノ型ヌクレオチドを含有し得る。いくつかの態様において、ギャップ領域は1以上の未修飾のヌクレオシド間を含む。いくつかの態様において、一方または両方のフランキング領域は、各々独立して、1以上のホスホロチオアートヌクレオシド間連結(例として、ホスホロチオアートヌクレオシド間連結または他の連結)を少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、またはより多くのヌクレオチド間に含む。いくつかの態様において、ギャップ領域および2つのフランキング領域は、各々が独立して、修飾されたヌクレオシド間連結(例として、ホスホロチオアートヌクレオシド間連結または他の連結)を少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、またはより多くのヌクレオチド間に含む。
[0004]
gapmerは適切な方法を使用して生じ得る。gapmerの調製を教示する代表的な米国特許、米国特許公開、およびPCT公開は、米国特許第5,013,830号;第5,149,797号;第5,220,007号;第5,256,775号;第5,366.878号;第5,403,711号;第5,491,133号;第5,565,350号;第5,623,065号;第5,652,355号;第5,652,356号;第5,700,922号;第5,898,031号;第7,015,315号;第7,101,993号;第7,399,845号;第7.432,250号;第7,569,686号;第7,683,036号;第7,750,131号;第8,580,756号;第9,045,754号;第9,428.534号;第9,695,418号;第10,017,764号;第10,260,069号;第9.428,534号;第8,580,756号;米国特許公開第US20050074801号、第US20090221685号;第US20090286969号、第US20100197762号、および第US20110112170号;PCT公開第W02004069991号;第W02005023825号;第W02008049085号および第W02009090182号;ならびに欧州特許第EP2,149,605号を包含するが、これらに限定されない。これら各々はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
[0005]
いくつかの態様において、gapmerは長さが10~40ヌクレオシドである。例えば、gapmerは長さが10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、15~40、15~35、15~30、15~25、15~20、20~40、20~35、20~30、20~25、25~40、25~35、25~30、30~40、30~35、または35~40ヌクレオシドであり得る。いくつかの態様において、gapmerは長さが10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40ヌクレオシドである。
[0006]
いくつかの態様において、gapmer上のギャップ領域Yは長さが5~20ヌクレオシドである。例えば、ギャップ領域Yは長さが5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20ヌクレオシドであり得る。いくつかの態様において、ギャップ領域Yは長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオシドである。いくつかの態様において、ギャップ領域Yの各ヌクレオシドは2'-デオキシリボヌクレオシドである。いくつかの態様において、ギャップ領域Yのすべてのヌクレオシドが2'デオキシリボヌクレオシドである。いくつかの態様において、ギャップ領域Yのヌクレオシドの1つ以上は修飾ヌクレオシドである(例として、2'修飾ヌクレオシド、例えば本明細書に記載のもの)。いくつかの態様において、ギャップ領域Yの1以上のシトシンは任意に5-メチルシトシンである。いくつかの態様において、ギャップ領域Yの各シトシンは5-メチルシトシンである。
[0007]
いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は、独立して1~20ヌクレオシドの長さである。例えば、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は、独立して1~20、1~15、1~10、1~7、1~5、1~3、1~2、2~5、2~7、3~5、3~7、5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20ヌクレオシドの長さであり得る。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は、独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオシドの長さである。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は同じ長さである。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は異なる長さである。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)はgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)よりも長い。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)はgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)よりも短い。
[0008]
いくつかの態様において、gapmerは、5-10-5、4-12-4、3-14-3、2-16-2、1-18-1、3-10-3、2-10-2、1-10-1、2-8-2、4-6-4、3-6-3、2-6-2、4-7-4、3-7-3、2-7-2、4-8-4、3-8-3、2-8-2、1-8-1、2-9-2、1-9-1、2-10-2、1-10-1、1-12-1、1-16-1、2-15-1、1-15-2、1-14-3、3-14-1、2-14-2、1-13-4、4-13-1、2-13-3、3-13-2、1-12-5、5-12-1、2-12-4、4-12-2、3-12-3、1-11-6、6-11-1、2-11-5、5-11-2、3-11-4、4-11-3、1-17-1、2-16-1、1-16-2、1-15-3、3-15-1、2-15-2、1-14-4、4-14-1、2-14-3、3-14-2、1-13-5、5-13-1、2-13-4、4-13-2、3-13-3、1-12-6、6-12-1、2-12-5、5-12-2、3-12-4、4-12-3、1-11-7、7-11-1、2-11-6、6-11-2、3-11-5、5-11-3、4-11-4、1-18-1、1-17-2、2-17-1、1-16-3、1-16-3、2-16-2、1-15-4、4-15-1、2-15-3、3-15-2、1-14-5、5-14-1、2-14-4、4-14-2、3-14-3、1-13-6、6-13-1、2-13-5、5-13-2、3-13-4、4-13-3、1-12-7、7-12-1、2-12-6、6-12-2、3-12-5、5-12-3、1-11-8、8-11-1、2-11-7、7-11-2、3-11-6、6-11-3、4-11-5、5-11-4、1-18-1、1-17-2、2-17-1、1-16-3、3-16-1、2-16-2、1-15-4、4-15-1、2-15-3、3-15-2、1-14-5、2-14-4、4-14-2、3-14-3、1-13-6、6-13-1、2-13-5、5-13-2、3-13-4、4-13-3、1-12-7、7-12-1、2-12-6、6-12-2、3-12-5、5-12-3、1-11-8、8-11-1、2-11-7、7-11-2、3-11-6、6-11-3、4-11-5、5-11-4、1-19-1、1-18-2、2-18-1、1-17-3、3-17-1、2-17-2、1-16-4、4-16-1、2-16-3、3-16-2、1-15-5、2-15-4、4-15-2、3-15-3、1-14-6、6-14-1、2-14-5、5-14-2、3-14-4、4-14-3、1-13-7、7-13-1、2-13-6、6-13-2、3-13-5、5-13-3、4-13-4、1-12-8、8-12-1、2-12-7、7-12-2、3-12-6、6-12-3、4-12-5、5-12-4、2-11-8、8-11-2、3-11-7、7-11-3、4-11-6、6-11-4、5-11-5、1-20-1、1-19-2、2-19-1、1-18-3、3-18-1、2-18-2、1-17-4、4-17-1、2-17-3、3-17-2、1-16-5、2-16-4、4-16-2、3-16-3、1-15-6、6-15-1、2-15-5、5-15-2、3-15-4、4-15-3、1-14-7、7-14-1、2-14-6、6-14-2、3-14-5、5-14-3、4-14-4、1-13-8、8-13-1、2-13-7、7-13-2、3-13-6、6-13-3、4-13-5、5-13-4、2-12-8、8-12-2、3-12-7、7-12-3、4-12-6、6-12-4、5-12-5、3-11-8、8-11-3、4-11-7、7-11-4、5-11-6、6-11-5、1-21-1、1-20-2、2-20-1、1-20-3、3-19-1、2-19-2、1-18-4、4-18-1、2-18-3、3-18-2、1-17-5、2-17-4、4-17-2、3-17-3、1-16-6、6-16-1、2-16-5、5-16-2、3-16-4、4-16-3、1-15-7、7-15-1、2-15-6、6-15-2、3-15-5、5-15-3、4-15-4、1-14-8、8-14-1、2-14-7、7-14-2、3-14-6、6-14-3、4-14-5、5-14-4、2-13-8、8-13-2、3-13-7、7-13-3、4-13-6、6-13-4、5-13-5、1-12-10、10-12-1、2-12-9、9-12-2、3-12-8、8-12-3、4-12-7、7-12-4、5-12-6、6-12-5、4-11-8、8-11-4、5-11-7、7-11-5、6-11-6、1-22-1、1-21-2、2-21-1、1-21-3、3-20-1、2-20-2、1-19-4、4-19-1、2-19-3、3-19-2、1-18-5、2-18-4、4-18-2、3-18-3、1-17-6、6-17-1、2-17-5、5-17-2、3-17-4、4-17-3、1-16-7、7-16-1、2-16-6、6-16-2、3-16-5、5-16-3、4-16-4、1-15-8、8-15-1、2-15-7、7-15-2、3-15-6、6-15-3、4-15-5、5-15-4、2-14-8、8-14-2、3-14-7、7-14-3、4-14-6、6-14-4、5-14-5、3-13-8、8-13-3、4-13-7、7-13-4、5-13-6、6-13-5、4-12-8、8-12-4、5-12-7、7-12-5、6-12-6、5-11-8、8-11-5、6-11-7、または7-11-6の5'-X-Y-Z-3'を含む。数は5'-X-Y-Z-3'gapmerのX、Y、およびZ領域のヌクレオシド数を指し示す。
[0009]
いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)またはgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)の1以上のヌクレオシドは、修飾ヌクレオチドである(例として、高親和性修飾ヌクレオシド)。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシド(例として、高親和性修飾ヌクレオシド)は2'修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、2'修飾ヌクレオシドは2'-4'二環式ヌクレオシドまたは非二環式2'修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、高親和性修飾ヌクレオシドは、2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNA、cEt、またはENA)または非二環式2'-修飾ヌクレオシド(例として、2'-フルオロ(2'-F)、2'-O-メチル(2'-O-Me)、2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)、2'-O-アミノプロピル(2'-O-AP)、2'-O-ジメチルアミノエチル(2'-O-DMAOE)、2'-O-ジメチルアミノプロピル(2'-ODMAP)、2'-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2'-O-DMAEOE)、または2'-O-N-メチルアセトアミド(2'-O-NMA))である。
[0010]
いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)の1以上のヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)の各ヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)の1以上のヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)の各ヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)の1以上のヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオシドであり、gapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)の1以上のヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)の各ヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオシドであり、gapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)の各ヌクレオシドは高親和性修飾ヌクレオシドである。
[0011]
いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)は、gapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)と同じ高親和性ヌクレオシドを含む。例えば、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は、1以上の非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)を含み得る。別の例では、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は、1以上の2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)を含み得る。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-XY-Z-3'式のZ)の各ヌクレオシドは、非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)である。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)の各ヌクレオシドは、2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)である。
[0012]
いくつかの態様において、gapmerは5'-X-Y-Z-3'構成を含み、XおよびZは独立して長さが1~7(例として、1、2、3、4、5、6、または7)ヌクレオシドであり、Yは長さが6~10(例として、6、7、8、9、または10)ヌクレオシドであり、XおよびZの各ヌクレオシドは非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)であり、Yの各ヌクレオシドは2'デオキシリボヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerは5'-X-Y-Z-3'構成を含み、XおよびZは独立して長さが1~7(例として、1、2、3、4、5、6、または7)ヌクレオシドであり、Yは長さが6~10(例として、6、7、8、9、または10)ヌクレオシドであり、XおよびZの各ヌクレオシドは2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)であり、Yの各ヌクレオシドは2'デオキシリボヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)はgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)とは(as)異なる高親和性ヌクレオシドを含む。例えば、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)は1以上の非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)を含み得、gapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は1以上の2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)を含み得る。別の例では、gapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は1以上の非二環式2'-修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)を含み得、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)は1以上の2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)を含み得る。
[0013]
いくつかの態様において、gapmerは5'-X-Y-Z-3'構成を含み、XおよびZは独立して長さが1~7(例として、1、2、3、4、5、6、または7)ヌクレオシドであり、Yは長さが6~10(例として、6、7、8、9、または10)ヌクレオシドであり、Xの各ヌクレオシドは非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)であり、Zの各ヌクレオシドは2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)であり、Yの各ヌクレオシドは2'-デオキシリボヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerは5'-X-Y-Z-3'構成を含み、XおよびZは独立して長さが1~7(例として、1、2、3、4、5、6、または7)ヌクレオシドであり、Yは長さが6~10(例として、6、7、8、9、または10)ヌクレオシドであり、Xの各ヌクレオシドは2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)であり、Zの各ヌクレオシドは非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'MOEまたは2'-O-Me)であり、Yの各ヌクレオシドは2'-デオキシリボヌクレオシドである。
[0014]
いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)は1以上の非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-OMe)および1以上の2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)を含む。いくつかの態様において、gapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)は1以上の非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)および1以上の2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)を含む。いくつかの態様において、gapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)およびgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)両方は、1以上の非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-OMe)および1以上の2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)を含む。
[0015]
いくつかの態様において、gapmerは5'-X-Y-Z-3'構成を含み、XおよびZは独立して長さが2~7(例として、2、3、4、5、6、または7)ヌクレオシドであり、Yは長さが6~10(例として、6、7、8、9、または10)ヌクレオシドであり、X(最も5'の位置は位置1である)の位置1、2、3、4、5、6、または7のすべてではないが少なくとも1つ(例として、1、2、3、4、5、または6)は非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)であり、XおよびZ両方のヌクレオシドの残りは2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)であり、Yの各ヌクレオシドは2'デオキシリボヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerは5'-X-Y-Z-3'構成を含み、XおよびZは独立して長さが2~7(例として、2、3、4、5、6、または7)ヌクレオシドであり、Yは長さが6~10(例として、6、7、8、9、または10)ヌクレオシドであり、Z(最も5'の位置は位置1である)の位置1、2、3、4、5、6、または7のすべてではないが少なくとも1つ(例として、1、2、3、4、5、または6)は、非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)であり、XおよびZ両方のヌクレオシドの残りは2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)であり、Yの各ヌクレオシドは2'デオキシリボヌクレオシドである。いくつかの態様において、gapmerは5'-X-Y-Z-3'構成を含み、XおよびZは独立して長さが2~7(例として、2、3、4、5、6、または7)ヌクレオシドであり、Yは長さが6~10(例として、6、7、8、9、または10)ヌクレオシドであり、Xの位置1、2、3、4、5、6、または7のすべてではないが少なくとも1つ(例として、1、2、3、4、5、または6)およびZ(最も5'の位置は位置1である)のすべてではないが位置(例として、1、2、3、4、5、または6)1、2、3、4、5、6、または7の少なくとも1つが、非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)であり、XおよびZ両方のヌクレオシドの残りは2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)であり、Yの各ヌクレオシドは2'デオキシリボヌクレオシドである。
[0016]
非二環式2'修飾ヌクレオシド(例として、2'-MOEまたは2'-O-Me)および2'-4'二環式ヌクレオシド(例として、LNAまたはcEt)のミックスをgapmerの5'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のX)および/またはgapmerの3'ウイング領域(5'-X-Y-Z-3'式のZ)に有するgapmer構成の非限定例は、以下:BBB-(D)n-BBBAA;KKK-(D)n-KKKAA;LLL-(D)n-LLLAA;BBB-(D)n-BBBEE;KKK-(D)n-KKKEE;LLL-(D)n-LLLEE;BBB-(D)n-BBBAA;KKK-(D)n-KKKAA;LLL-(D)n-LLLAA;BBB-(D)n-BBBEE;KKK-(D)n-KKKEE;LLL-(D)n-LLLEE;BBB-(D)n-BBBAAA;KKK-(D)n-KKKAAA;LLL-(D)n-LLLAAA;BBB-(D)n-BBBEEE;KKK-(D)n-KKKEEE;LLL-(D)n-LLLEEE;BBB-(D)n-BBBAAA;KKK-(D)n-KKKAAA;LLL-(D)n-LLLAAA;BBB-(D)n-BBBEEE;KKK-(D)n-KKKEEE;LLL-(D)n-LLLEEE;BABA-(D)n-ABAB;KAKA-(D)n-AKAK;LALA-(D)n-ALAL;BEBE-(D)n-EBEB;KEKE-(D)n-EKEK;LELE-(D)n-ELEL;BABA-(D)n-ABAB;KAKA-(D)n-AKAK;LALA-(D)n-ALAL;BEBE-(D)n-EBEB;KEKE-(D)n-EKEK;LELE-(D)n-ELEL;ABAB-(D)n-ABAB;AKAK-(D)n-AKAK;ALAL-(D)n-ALAL;EBEB-(D)n-EBEB;EKEK-(D)n-EKEK;ELEL-(D)n-ELEL;ABAB-(D)n-ABAB;AKAK-(D)n-AKAK;ALAL-(D)n-ALAL;EBEB-(D)n-EBEB;EKEK-(D)n-EKEK;ELEL-(D)n-ELEL;AABB-(D)n-BBAA;BBAA-(D)n-AABB;AAKK-(D)n-KKAA;AALL-(D)n-LLAA;EEBB-(D)n-BBEE;EEKK-(D)n-KKEE;EELL-(D)n-LLEE;AABB-(D)n-BBAA;AAKK-(D)n-KKAA;AALL-(D)n-LLAA;EEBB-(D)n-BBEE;EEKK-(D)n-KKEE;EELL-(D)n-LLEE;BBB-(D)n-BBA;KKK-(D)n-KKA;LLL-(D)n-LLA;BBB-(D)n-BBE;KKK-(D)n-KKE;LLL-(D)n-LLE;BBB-(D)n-BBA;KKK-(D)n-KKA;LLL-(D)n-LLA;BBB-(D)n-BBE;KKK-(D)n-KKE;LLL-(D)n-LLE;BBB-(D)n-BBA;KKK-(D)n-KKA;LLL-(D)n-LLA;BBB-(D)n-BBE;KKK-(D)n-KKE;LLL-(D)n-LLE;ABBB-(D)n-BBBA;AKKK-(D)n-KKKA;ALLL-(D)n-LLLA;EBBB-(D)n-BBBE;EKKK-(D)n-KKKE;ELLL-(D)n-LLLE;ABBB-(D)n-BBBA;AKKK-(D)n-KKKA;ALLL-(D)n-LLLA;EBBB-(D)n-BBBE;EKKK-(D)n-KKKE;ELLL-(D)n-LLLE;ABBB-(D)n-BBBAA;AKKK-(D)n-KKKAA;ALLL-(D)n-LLLAA;EBBB-(D)n-BBBEE;EKKK-(D)n-KKKEE;ELLL-(D)n-LLLEE;ABBB-(D)n-BBBAA;AKKK-(D)n-KKKAA;ALLL-(D)n-LLLAA;EBBB-(D)n-BBBEE;EKKK-(D)n-KKKEE;ELLL-(D)n-LLLEE;AABBB-(D)n-BBB;AAKKK-(D)n-KKK;AALLL-(D)n-LLL;EEBBB-(D)n-BBB;EEKKK-(D)n-KKK;EELLL-(D)n-LLL;AABBB-(D)n-BBB;AAKKK-(D)n-KKK;AALLL-(D)n-LLL;EEBBB-(D)n-BBB;EEKKK-(D)n-KKK;EELLL-(D)n-LLL;AABBB-(D)n-BBBA;AAKKK-(D)n-KKKA;AALLL-(D)n-LLLA;EEBBB-(D)n-BBBE;EEKKK-(D)n-KKKE;EELLL-(D)n-LLLE;AABBB-(D)n-BBBA;AAKKK-(D)n-KKKA;AALLL-(D)n-LLLA;EEBBB-(D)n-BBBE;EEKKK-(D)n-KKKE;EELLL-(D)n-LLLE;ABBAABB-(D)n-BB;AKKAAKK-(D)n-KK;ALLAALLL-(D)n-LL;EBBEEBB-(D)n-BB;EKKEEKK-(D)n-KK;ELLEELL-(D)n-LL;ABBAABB-(D)n-BB;AKKAAKK-(D)n-KK;ALLAALL-(D)n-LL;EBBEEBB-(D)n-BB;EKKEEKK-(D)n-KK;ELLEELL-(D)n-LL;ABBABB-(D)n-BBB;AKKAKK-(D)n-KKK;ALLALLL-(D)n-LLL;EBBEBB-(D)n-BBB;EKKEKK-(D)n-KKK;ELLELL-(D)n-LLL;ABBABB-(D)n-BBB;AKKAKK-(D)n-KKK;ALLALL-(D)n-LLL;EBBEBB-(D)n-BBB;EKKEKK-(D)n-KKK;ELLELL-(D)n-LLL;EEEK-(D)n-EEEEEEEE;EEK-(D)n-EEEEEEEEE;EK-(D)n-EEEEEEEEEE;EK-(D)n-EEEKK;K-(D)n-EEEKEKE;K-(D)n-EEEKEKEE;K-(D)n-EEKEK;EK-(D)n-EEEEKEKE;EK-(D)n-EEEKEK;EEK-(D)n-KEEKE;EK-(D)n-EEKEK;EK-(D)n-KEEK;EEK-(D)n-EEEKEK;EK-(D)n-KEEEKEE;EK-(D)n-EEKEKE;EK-(D)n-EEEKEKE;およびEK-(D)n-EEEEKEKを包含し;「A」ヌクレオシドは2'修飾ヌクレオシドを含み;「B」は2'-4'二環式ヌクレオシドを表し;「K」は-拘束エチルヌクレオシド(cEt)を表し;「L」はLNAヌクレオシドを表し;「E」は2'-MOE修飾リボヌクレオシドを表し;「D」は2'デオキシリボヌクレオシドを表し;「n」はギャップセグメント(5'-X-Y-Z-3'構成のY)の長さを表し、1~20の間の整数である。
[0017]
いくつかの態様において、本明細書に記載のgapmerのいずれか1つは、1以上の修飾されたヌクレオシド連結(例として、ホスホロチオアート連結)をX、Y、およびZ領域の各々に含む。いくつかの態様において、本明細書に記載のgapmerのいずれか1つにおける各ヌクレオシド間連結はホスホロチオアート連結である。いくつかの態様において、X、Y、およびZ領域の各々は、独立して、ホスホロチオアート連結およびホスホジエステル連結のミックスを含む。いくつかの態様において、ギャップ領域Yの各ヌクレオシド間連結はホスホロチオアート連結であり、5'ウイング領域Xはホスホロチオアート連結およびホスホジエステル連結のミックスを含み、3'ウイング領域Zはホスホロチオアート連結およびホスホジエステル連結のミックスを含む。
【0434】
i.Mixmer
いくつかの態様において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、mixmerであってもよく、またはmixmer配列パターンを含んでいてもよい。一般に、mixmerは、天然に存在するヌクレオシドと天然に存在しないヌクレオシドとの両方を含むオリゴヌクレオチドであるか、または2つの異なるタイプの天然に存在しないヌクレオシドを、典型的には互い違いなパターンで含むオリゴヌクレオチドである。Mixmerは一般に、非修飾オリゴヌクレオチドより高い結合親和性を有し、標的分子に特異的に結合する、例として、標的分子上の結合部位を遮断するために使用されてもよい。一般に、mixmerは、RNaseを標的分子へ動員させず、よって標的分子の切断を促進しない。RNase Hを動員することが可能ではない、かかるオリゴヌクレオチドは記載されており、例えば、WO2007/112754またはWO2007/112753を見よ。
【0435】
いくつかの態様において、mixmerは、ヌクレオシド類似体と天然に存在するヌクレオシドとの反復パターン、もしくは1タイプのヌクレオシド類似体ともう1タイプのヌクレオシド類似体との反復パターンを含むか、またはこれらからなる。しかしながら、mixmerは、反復パターンを含む必要がなく、その代わりに、修飾ヌクレオシドと天然に存在するヌクレオシドとのいずれの配置も、または1タイプの修飾ヌクレオシドともう1タイプの修飾ヌクレオシドとのいずれの配置も含むことができる。反復パターンは、実例として、2ヌクレオシド毎または3ヌクレオシド毎に、LNAなどの修飾ヌクレオシドであってもよく、残りのヌクレオシドは、DNAなどの天然に存在するヌクレオシドであるか、あるいは2'MOEもしくは2'フルオロ類似体などの2'置換ヌクレオシド類似体、または本明細書に記載のいずれの他の修飾ヌクレオシドである。LNA単位などの修飾ヌクレオシドの反復パターンが、固定された位置にて-例として5'末または3'末にて、修飾ヌクレオシドと組み合わされてもよいことは認識されている。
【0436】
いくつかの態様において、mixmerは、5個より多く、4個より多く、3個より多く、または2個より多く連続した、DNAヌクレオシドなどの天然に存在するヌクレオシドの領域を含まない。いくつかの態様において、mixmerは、少なくとも2個連続したLNAなどの、少なくとも2個連続した修飾ヌクレオシドからなる領域を少なくとも含む。いくつかの態様において、mixmerは、少なくとも3個連続したLNAなどの、少なくとも3個連続した修飾ヌクレオシドからなる領域を少なくとも含む。
【0437】
いくつかの態様において、mixmerは、7個より多く、6個より多く、5個より多く、4個より多く、3個より多く、または2個より多く連続した、LNAなどのヌクレオシド類似体の領域を含まない。いくつかの態様において、LNA単位は、本明細書に言及されたヌクレオシド類似体などの他のヌクレオシド類似体に置き換えられていてもよい。
【0438】
Mixmerは、非限定例におけるLNAヌクレオシドおよび2'-O-Me ヌクレオシドなどの親和性増強修飾ヌクレオシドの混合物を含むよう設計されていてもよい。いくつかの態様において、mixmerは、修飾ヌクレオシド間連結(例として、ホスホロチオアートヌクレオシド間連結または他の連結)を、少なくとも2個の、少なくとも3個の、少なくとも4個の、少なくとも5個の、またはこれより多くのヌクレオシド間に含む。
【0439】
mixmerは、いずれの好適な方法を使用しても産生されてよい。mixmerの調製を教示する代表的な米国特許、米国特許刊行物、およびPCT刊行物は、米国特許刊行物第US20060128646号、第US20090209748号、第US20090298916号、第US20110077288号、および第US20120322851号、および米国特許第7687617号を包含する。
【0440】
いくつかの態様において、mixmerは、1以上のモルホリノヌクレオシドを含む。例えば、いくつかの態様において、mixmerは、1以上の他のヌクレオシド(例として、DNA、RNAヌクレオシド)または修飾ヌクレオシド(例として、LNA、2'-O-Me ヌクレオシド)と(例として、互い違いなやり方で)混合されたモルホリノヌクレオシドを含んでいてもよい。
【0441】
いくつかの態様において、mixmerは、例えば、Touznik A.,et al.,LNA/DNA mixmer-based antisense oligonucleotides correct alternative splicing of the SMN2 gene and restore SMN protein expression in type 1 SMA fibroblasts Scientific Reports,volume 7,Article number:3672(2017),Chen S.et al.,Synthesis of a Morpholino Nucleic Acid (MNA)-Uridine Phosphoramidite, and Exon Skipping Using MNA/2'-O-Methyl Mixmer Antisense Oligonucleotide,Molecules 2016,21,1582(これら各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる)に報告されるとおり、スプライス修正(splice correcting)またはエキソンスキッピングに有用である。
【0442】
j.RNA干渉(RNAi)
いくつかの態様において、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドは、低分子干渉RNAまたはサイレンシングRNAとしても知られている、低分子干渉RNA(siRNA)の形態であってもよい。siRNAは、二本鎖RNA分子の類であって、細胞中のRNA干渉(RNAi)経路を介した分解のために核酸(例として、mRNA)を標的にする、典型的には長さが約20~25塩基対である。siRNA分子の特異性は、アンチセンス鎖分子のその標的RNAへの結合によって決定されてもよい。有効なsiRNA分子は一般に、より長いsiRNAもまた有効であり得るが、細胞中の非特異的なRNA干渉経路の引き金を、インターフェロン応答を介して引くことを防止するため、長さが30~35個未満の塩基対である。いくつかの態様において、siRNA分子は長さが7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50塩基対、またはより多くである。いくつかの態様において、siRNA分子は長さが8~30塩基対、長さが10~15塩基対、長さが10~20塩基対、長さが15~25塩基対、長さが19~21塩基対、長さが21~23塩基対である。
【0443】
適切な標的RNA配列の選択を受けて、すべてのまたは一部の標的配列に相補的なヌクレオチド配列、すなわちアンチセンス配列を含むsiRNA分子は、適切な方法(例として、PCT刊行物第WO2004/016735号;および米国特許刊行物第2004/0077574号および第2008/0081791号を見よ)を使用して設計および調製され得る。siRNA分子は、二本鎖(すなわち、アンチセンス鎖と、ハイブリダイズしてdsRNAを形成する相補的センス鎖とを含むdsRNA分子)または一本鎖(すなわち、アンチセンス鎖だけを含むssRNA分子)であり得る。siRNA分子は、自己相補的センスおよびアンチセンス鎖を有する、二重鎖、非対称二重鎖、ヘアピン、または非対称ヘアピン2次構造を含み得る。
【0444】
いくつかの態様において、siRNA分子のアンチセンス鎖は長さが7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50ヌクレオチド、またはより多くである。いくつかの態様において、アンチセンス鎖は長さが8~50ヌクレオチド、長さが8~40ヌクレオチド、長さが8~30ヌクレオチド、長さが10~15ヌクレオチド、長さが10~20ヌクレオチド、長さが15~25ヌクレオチド、長さが19~21ヌクレオチド、長さが21~23ヌクレオチドである。
【0445】
いくつかの態様において、siRNA分子のセンス鎖は長さが7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50ヌクレオチド、またはより多くである。いくつかの態様において、センス鎖は長さが8~50ヌクレオチド、長さが8~40ヌクレオチド、長さが8~30ヌクレオチド、長さが10~15ヌクレオチド、長さが10~20ヌクレオチド、長さが15~25ヌクレオチド、長さが19~21ヌクレオチド、長さが21~23ヌクレオチドである。
【0446】
いくつかの態様において、siRNA分子は、標的mRNA上の標的領域に対する相補性の領域を含むアンチセンス鎖を含む。いくつかの態様において、相補性の領域は、標的mRNA上の標的領域に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である。いくつかの態様において、標的領域は、標的mRNA上の一続きのヌクレオチドの領域である。いくつかの態様において、標的RNA配列について特異的にハイブリダイゼーション可能または特異的であるためには、相補的なヌクレオチド配列は、その標的のものに対して100%相補的である必要はない。
【0447】
いくつかの態様において、siRNA分子は標的RNA配列に対する相補性の領域を含むアンチセンス鎖を含み、相補性の領域は長さが8~15、8~30、8~40、または10~50、または5~50、または5~40ヌクレオチドの範囲である。いくつかの態様において、相補性の領域は長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50ヌクレオチドである。いくつかの態様において、相補性の領域は、標的RNA配列の少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはより多くの一続きのヌクレオチドと相補的である。いくつかの態様において、siRNA分子は、標的RNA配列の一続きのヌクレオチドの部分と比較して1、2、3、4、またはわずか5塩基ミスマッチを含有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、siRNA分子は、15塩基につき最大3つまでのミスマッチ、または10塩基につき最大2つまでのミスマッチを有するヌクレオチド配列を含む。
【0448】
いくつかの態様において、siRNA分子は、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドの標的RNA配列に対して相補的である(例として、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%)ヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖を含む。いくつかの態様において、siRNA分子は、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖を含む。いくつかの態様において、siRNA分子は、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドの少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはより多くの一続きのヌクレオチドを含むアンチセンス鎖を含む。
【0449】
二本鎖siRNAは、同じ長さまたは異なる長さのセンスRNA鎖およびアンチセンスRNA鎖を含んでいてもよい。二本鎖siRNA分子はまた、ステムループ構造の単一オリゴヌクレオチド(ここでsiRNA分子の自己相補的センスおよびアンチセンス領域は、核酸ベースのまたは非核酸ベースのリンカー(単数または複数)を用いて連結されている)、ならびに2以上のループ構造と自己相補的センスおよびアンチセンス鎖を含むステムとを有する環状一本鎖RNA(ここで環状RNAは、in vivoまたはin vitroのいずれかで処理されてRNAiを媒介することが可能な活性siRNA分子を生成し得る)からも会合され得る。よって小さいヘアピンRNA(shRNA)分子もまた、本明細書に企図される。これらの分子は、逆相補的(センス)配列に加えて、特定のアンチセンス配列を含み、典型的にはスペーサーまたはループ配列によって分離されている。スペーサーまたはループの切断は、(任意に、片鎖または両鎖の3'末端および/または(例として、および)5'末端から1、2、3個以上のヌクレオチドの付加または除去をもたらすこともある追加のプロセシングステップにより)一本鎖RNA分子およびその逆相補体を、それらがアニールしてdsRNA分子を形成し得るように提供する。スペーサーは、スペーサーの切断(および任意に、これに続く、片鎖または両鎖の3'末端および/または(例として、および)5'末端から1、2、3、4、もしくはこれより多いヌクレオチドの付加または除去をもたらすこともあるプロセシングステップ)に先立ちアンチセンス配列とセンス配列とをアニールさせて二本鎖構造体(またはステム)を形成させるのに充分な長さであり得る。スペーサー配列は、2つの相補的ヌクレオチド配列領域間に置かれた無関係なヌクレオチド配列であってもよく、前記領域はアニールして二本鎖核酸になったらshRNAを含むことになる。
【0450】
siRNA分子の全体的な長さは、設計されたsiRNA分子のタイプに応じて、約14ヌクレオチドから約100ヌクレオチドまで変動し得る。一般に、これらのヌクレオチドの約14個と約50個との間は、RNA標的配列に相補的である、すなわちsiRNA分子の特定のアンチセンス配列を構成する。例えば、siRNAが二本鎖siRNAまたは一本鎖siRNAであるとき、長さは約14ヌクレオチドから約50ヌクレオチドまで変動し得るが一方、siRNAがshRNAまたは環状分子であるとき、長さは約40ヌクレオチドから約100ヌクレオチドまで変動し得る。
【0451】
siRNA分子は、分子の一方の末端にて3'突出を含んでいてもよく、他方の末端は平滑末端であっても、または突出(5'または3')も有していてよい。siRNA分子が分子の両末端にて突出を含むとき、突出の長さは、同じであっても、または異なっていてもよい。一態様において、本開示のsiRNA分子は、分子の両末端上に約1~約3ヌクレオチドの3'突出を含む。いくつかの態様において、siRNA分子は約1~約3ヌクレオチドの3'突出をセンス鎖に含む。いくつかの態様において、siRNA分子は約1~約3ヌクレオチドの3'突出をアンチセンス鎖に含む。いくつかの態様において、siRNA分子は約1~約3ヌクレオチドの3'突出をセンス鎖およびアンチセンス鎖両方に含む。
【0452】
いくつかの態様において、siRNA分子は1以上の修飾ヌクレオチド(例として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多く)を含む。いくつかの態様において、siRNA分子は1以上の修飾ヌクレオチドおよび/または(例として、および)1以上の修飾されたヌクレオチド間連結を含む。いくつかの態様において、修飾ヌクレオチドは修飾された糖部分(例として、2'修飾ヌクレオチド)である。いくつかの態様において、siRNA分子は、1以上の2'修飾ヌクレオチド、例えば2'-デオキシ、2'-フルオロ(2'-F)、2'-O-メチル(2'-O-Me)、2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)、2'-O-アミノプロピル(2'-O-AP)、2'-O-ジメチルアミノエチル(2'-O-DMAOE)、2'-O-ジメチルアミノプロピル(2'-O-DMAP)、2'-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2'-O-DMAEOE)、または2'-O-N-メチルアセトアミド(2'-O-NMA)を含む。いくつかの態様において、siRNA分子の各ヌクレオチドは修飾ヌクレオチド(例として、2'修飾ヌクレオチド)である。いくつかの態様において、siRNA分子は1以上のホスホロジアミダートモルフォリノを含む。いくつかの態様において、siRNA分子の各ヌクレオチドはホスホロジアミダートモルフォリノである。
【0453】
いくつかの態様において、siRNA分子はホスホロチオアートまたは他の修飾されたヌクレオチド間連結を含有する。いくつかの態様において、siRNA分子はホスホロチオアートヌクレオシド間連結を含む。いくつかの態様において、siRNA分子はホスホロチオアートヌクレオシド間連結を少なくとも2つのヌクレオチド間に含む。いくつかの態様において、siRNA分子はホスホロチオアートヌクレオシド間連結をすべてのヌクレオチド間に含む。例えば、いくつかの態様において、siRNA分子は、修飾されたヌクレオチド間連結をsiRNA分子の5'または3'端の第1の、第2の、および/または(例として、および)第3のヌクレオシド間連結に含む。
【0454】
いくつかの態様において、修飾されたヌクレオチド間連結はリン含有連結である。いくつかの態様において、使用され得るリン含有連結は、正常な3'-5'連結を有するホスホロチオアート、キラルホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3'アルキレンホスホナートおよびキラルホスホナートを含むメチルおよび他のアルキルホスホナート、ホスフィナート、3'-アミノホスホロアミダートおよびアミノアルキルホスホロアミダートを含むホスホロアミダート、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスファート、これらの2'-5'連結アナログ、ならびにヌクレオシド単位の隣接するペアが3'-5'対5'-3'または2'-5'対5'-2'で連結される逆向きの極性を有するものを包含するが、これらに限定されない;米国特許第3,687,808号;第4,469,863号;第4,476,301号;第5,023,243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;および第5,625,050号を見よ。
【0455】
本明細書に記載のsiRNA分子の修飾されたケミストリーまたはフォーマットのいずれかは、互いと組み合わせられ得る。例えば、1、2、3、4、5、またはより多くの異なる型の修飾が同じsiRNA分子上に包含され得る。
【0456】
いくつかの態様において、アンチセンス鎖は1以上の修飾ヌクレオチド(例として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多く)を含む。いくつかの態様において、アンチセンス鎖は1以上の修飾ヌクレオチドおよび/または(例として、および)1以上の修飾されたヌクレオチド間連結を含む。いくつかの態様において、修飾ヌクレオチドは修飾された糖部分(例として、2'修飾ヌクレオチド)を含む。いくつかの態様において、アンチセンス鎖は、1以上の2'修飾ヌクレオチド、例えば2'-デオキシ、2'-フルオロ(2'-F)、2'-O-メチル(2'-O-Me)、2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)、2'-O-アミノプロピル(2'-O-AP)、2'-O-ジメチルアミノエチル(2'-O-DMAOE)、2'-O-ジメチルアミノプロピル(2'-O-DMAP)、2'-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2'-O-DMAE0E)、または2'-O-N-メチルアセトアミド(2'-O-NMA)を含む。いくつかの態様において、アンチセンス鎖の各ヌクレオチドは修飾ヌクレオチド(例として、2'修飾ヌクレオチド)である。いくつかの態様において、アンチセンス鎖は1以上のホスホロジアミダートモルフォリノを含む。いくつかの態様において、アンチセンス鎖はホスホロジアミダートモルフォリノオリゴマー(PMO)である。
【0457】
いくつかの態様において、アンチセンス鎖はホスホロチオアートまたは他の修飾されたヌクレオチド間連結を含有する。いくつかの態様において、アンチセンス鎖はホスホロチオアートヌクレオシド間連結を含む。いくつかの態様において、アンチセンス鎖はホスホロチオアートヌクレオシド間連結を少なくとも2つのヌクレオチド間に含む。いくつかの態様において、アンチセンス鎖はホスホロチオアートヌクレオシド間連結をすべてのヌクレオチド間に含む。例えば、いくつかの態様において、アンチセンス鎖は、修飾されたヌクレオチド間連結をsiRNA分子の5'または3'端の第1の、第2の、および/または(例として、および)第3のヌクレオシド間連結に含む。いくつかの態様において、修飾されたヌクレオチド間連結はリン含有連結である。いくつかの態様において、使用され得るリン含有連結は、正常な3'-5'連結を有するホスホロチオアート、キラルホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3'アルキレンホスホナートおよびキラルホスホナートを含むメチルおよび他のアルキルホスホナート、ホスフィナート、3'-アミノホスホロアミダートおよびアミノアルキルホスホロアミダートを含むホスホロアミダート、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスファート、これらの2'-5'連結アナログ、ならびにヌクレオシド単位の隣接するペアが3'-5'対5'-3'または2'-5'対5'-2'で連結される逆向きの極性を有するものを包含するが、これらに限定されない;米国特許第3,687,808号;第4,469,863号;第4,476,301号;第5,023,243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;および第5,625,050号を見よ。
【0458】
本明細書に記載のアンチセンス鎖の修飾されたケミストリーまたはフォーマットのいずれかは、互いと組み合わせられ得る。例えば、1、2、3、4、5、またはより多くの異なる型の修飾が同じアンチセンス鎖上に包含され得る。
【0459】
いくつかの態様において、センス鎖は1以上の修飾ヌクレオチド(例として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはより多く)を含む。いくつかの態様において、センス鎖は1以上の修飾ヌクレオチドおよび/または(例として、および)1以上の修飾されたヌクレオチド間連結を含む。いくつかの態様において、修飾ヌクレオチドは修飾された糖部分(例として、2'修飾ヌクレオチド)である。いくつかの態様において、センス鎖は、1以上の2'修飾ヌクレオチド、例えば2'-デオキシ、2'-フルオロ(2'-F)、2'-O-メチル(2'-O-Me)、2'O-メトキシエチル(2'-MOE)、2'-O-アミノプロピル(2'-O-AP)、2'-O-ジメチルアミノエチル(2'-O-DMAOE)、2'-O-ジメチルアミノプロピル(2'-O-DMAP)、2'-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2'-O-DMAEOE)、または2'-O-N-メチルアセトアミド(2'-O-NMA)を含む。いくつかの態様において、センス鎖の各ヌクレオチドは修飾ヌクレオチド(例として、2'修飾ヌクレオチド)である。いくつかの態様において、センス鎖は1以上のホスホロジアミダートモルフォリノを含む。いくつかの態様において、アンチセンス鎖はホスホロジアミダートモルフォリノオリゴマー(PMO)である。いくつかの態様において、センス鎖はホスホロチオアートまたは他の修飾されたヌクレオチド間連結を含有する。いくつかの態様において、センス鎖はホスホロチオアートヌクレオシド間連結を含む。いくつかの態様において、センス鎖はホスホロチオアートヌクレオシド間連結を少なくとも2つのヌクレオチド間に含む。いくつかの態様において、センス鎖はホスホロチオアートヌクレオシド間連結をすべてのヌクレオチド間に含む。例えば、いくつかの態様において、センス鎖は、修飾されたヌクレオチド間連結をセンス鎖の5'または3'端の第1の、第2の、および/または(例として、および)第3のヌクレオシド間連結に含む。
【0460】
いくつかの態様において、修飾されたヌクレオチド間連結はリン含有連結である。いくつかの態様において、使用され得るリン含有連結は、正常な3'-5'連結を有するホスホロチオアート、キラルホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3'アルキレンホスホナートおよびキラルホスホナートを含むメチルおよび他のアルキルホスホナート、ホスフィナート、3'-アミノホスホロアミダートおよびアミノアルキルホスホロアミダートを含むホスホロアミダート、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスファート、これらの2'-5'連結アナログ、ならびにヌクレオシド単位の隣接するペアが3'-5'対5'-3'または2'-5'対5'-2'で連結される逆向きの極性を有するものを包含するが、これらに限定されない;米国特許第3.687.808号;第4.469.863号;第4,476,301号;第5,023.243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;および第5,625,050号を見よ。
【0461】
本明細書に記載のセンス鎖の修飾されたケミストリーまたはフォーマットのいずれかは、互いと組み合わせられ得る。例えば、1、2、3、4、5、またはより多くの異なる型の修飾が同じセンス鎖上に包含され得る。
【0462】
いくつかの態様において、siRNA分子のアンチセンスまたはセンス鎖は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)ローディングを増強または低減する修飾を含む。いくつかの態様において、siRNA分子のアンチセンス鎖はRISCローディングを増強する修飾を含む。いくつかの態様において、siRNA分子のセンス鎖は、RISCローディングを低減およびオフターゲット効果を低減する修飾を含む。いくつかの態様において、siRNA分子のアンチセンス鎖は2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)修飾を含む。その全体が参照によって本明細書に組み込まれるSong et al.,(2017)Mol Ther Nucleic Acids 9:242-250に記載されているとおり、切断部位における2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)基の追加は、修飾鎖の指向的なRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)ローディングを容易化することによって、siRNAの特異性およびサイレンシング活性両方を改善する。いくつかの態様において、siRNA分子のアンチセンス鎖は2'-OMe-ホスホロジチオアート修飾を含み、これは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるWu et al.(2014)Nat Commun 5:3459に記載されているとおり、RISCローディングを増大させる。
【0463】
いくつかの態様において、siRNA分子のセンス鎖は5'モルホリノを含み、これは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるKumar et al.,(2019)Chem Commun(Camb)55(35):5139-5142に記載されているとおり、センス鎖のRISCローディングを低減ならびにアンチセンス鎖選択およびRNAi活性を改善する。いくつかの態様において、siRNA分子のセンス鎖は、合成RNA様高親和性ヌクレオチドアナログのロックド核酸(LNA)によって修飾される。これは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるElman et al.,(2005)Nucleic Acids Res.33(1):439-447に記載されているとおり、センス鎖のRISCローディングを低減し、RISCへのアンチセンス鎖組み込みをさらに増強する。いくつかの態様において、siRNA分子のセンス鎖は5'アンロックド核酸(UNA)修飾を含み、これは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるSnead et al.,(2013)Mol Ther Nucleic Acids 2(7):e103に記載されているとおり、センス鎖のRISCローディングを低減し、アンチセンス鎖のサイレンシング力価(potentcy)を改善する。いくつかの態様において、siRNA分子のセンス鎖は5-ニトロインドール修飾を含み、これは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるZhang et al.,(2012)Chembiochem 13(13):1940-1945に記載されているとおり、センス鎖のRNAi力価を減少させ(descresed)、オフターゲット効果を低減する。いくつかの態様において、センス鎖は2'-O'メチル(2'-O-Me)修飾を含み、これは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるZheng et al.,FASEB (2013)27(10):4017-4026に記載されているとおり、センス鎖のRISCローディングおよびオフターゲット効果を低減する。いくつかの態様において、siRNA分子のセンス鎖はモルホリノ、2'-MOE、または2'-O-Me残基によって完全に置換され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるKole et al.,(2012)Nature reviews.Drug Discovery 11(2):125-140に記載されているとおり、RISCによって認識されない。いくつかの態様において、siRNA分子のアンチセンス鎖は2'-MOE修飾を含み、センス鎖は2'-O-Me修飾を含む(例として、Song et al.,(2017)Mol Ther Nucleic Acids 9:242-250を見よ)。いくつかの態様においては、少なくとも1つの(例として、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10)siRNA分子が(例として、共有結合的に)筋標的化剤に連結される。いくつかの態様において、筋標的化剤は、核酸(例として、DNAまたはRNA)、ペプチド(例として、抗体)、脂質(例として、マイクロベシクル)、または糖部分(例として、多糖)を含み得るか、またはそれからなり得る。いくつかの態様において、筋標的化剤は抗体である。いくつかの態様において、筋標的化剤は抗トランスフェリン受容体抗体である(例として、本明細書に提供される抗TfR抗体のいずれか1つ)。いくつかの態様において、筋標的化剤はsiRNA分子のセンス鎖の5'端に連結され得る。いくつかの態様において、筋標的化剤はsiRNA分子のセンス鎖の3'端に連結され得る。いくつかの態様において、筋標的化剤はsiRNA分子のセンス鎖に内部で連結され得る。いくつかの態様において、筋標的化剤はsiRNA分子のアンチセンス鎖の5'端に連結され得る。いくつかの態様において、筋標的化剤はsiRNA分子のアンチセンス鎖の3'端に連結され得る。いくつかの態様において、筋標的化剤はsiRNA分子のアンチセンス鎖に内部で連結され得る。
【0464】
k.マイクロRNA(miRNA)
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、マイクロRNA(miRNA)であってもよい。マイクロRNA(「miRNA」と称される)は、標的RNA転写産物上の相補的な部位へ結合することによって遺伝子発現を制御する調節性分子の類に属する、小さいノンコーディングRNAである。典型的には、miRNAは、巨大なRNA前駆体(pri-miRNAと呼ばれる)から生成されるが、前記前駆体は核中で処理されておよそ70ヌクレオチドpre-miRNAになり、これが折り畳まれて不完全なステムループ構造体になる。これらのpre-miRNAは、典型的には、細胞質内で追加のプロセシングステップを経るが、前記細胞質内の長さが18~25ヌクレオチドの成熟miRNAは、RNase III酵素であるDicerによってpre-miRNAヘアピンの片側から切除される。
【0465】
本明細書に使用されるとき、miRNAは、pri-miRNA、pre-miRNA、成熟miRNA、そのバリアントのフラグメントを包含するmiRNAは、または成熟miRNAの生物活性を保持するそのバリアントのフラグメントを包含する。一態様において、miRNAのサイズ範囲は、21ヌクレオチドから170ヌクレオチドまでであり得る。一態様において、miRNAのサイズ範囲は、長さが70ヌクレオチドから170ヌクレオチドまでである。別の態様において、長さが21ヌクレオチドから25ヌクレオチドまでの成熟miRNAが使用され得る。
【0466】
l.アプタマー
いくつかの態様において、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドは、アプタマーの形態であってもよい。一般に、分子ペイロードの文脈において、アプタマーは、細胞中の小分子、タンパク質、核酸などの標的へ特異的に結合するいずれの核酸でもある。いくつかの態様において、アプタマーは、DNAアプタマーまたはRNAアプタマーである。いくつかの態様において、核酸アプタマーは、一本鎖のDNAまたはRNA(ssDNAまたはssRNA)である。一本鎖核酸アプタマーが、ヘリックスおよび/または(例として、および)ループ構造を形成してもよいことは理解されるべきである。核酸アプタマーを形成する核酸は、天然に存在するヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、炭化水素リンカー(例として、アルキレン)もしくはポリエーテルリンカー(例として、PEGリンカー)が1以上のヌクレオチド間に挿入された天然に存在するヌクレオチド、炭化水素もしくはPEGリンカーが1以上のヌクレオチド間に挿入された修飾ヌクレオチド、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。アプタマーおよびアプタマーを産生する方法を記載する例示の刊行物および特許は、例として、Lorsch and Szostak,1996;Jayasena,1999;米国特許第5,270,163号;第5,567,588号;第5,650,275号;第5,670,637号;第5,683,867号;第5,696,249号;第5,789,157号;第5,843,653号;第5,864,026号;第5,989,823号;第6,569,630号;第8,318,438号およびPCT出願WO 99/31275を包含するが、これら各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0467】
m.リボザイム
いくつかの態様において、本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドは、リボザイムの形態であってもよい。リボザイム(リボ核酸酵素)は、タンパク質酵素の作用と同様の特定の生化学的反応を実施することが可能な分子、典型的にはRNA分子である。リボザイムは、これらがハイブリダイズしているRNA分子(mRNA、RNA含有基質、lncRNA、およびリボザイム自体など)中の特定のホスホジエステル連結での切断能を包含する酵素活性をもつ分子である。
【0468】
リボザイムは、数種の物理的構造の1つを取り得、これらの1つが「ハンマーヘッド」と呼ばれる。ハンマーヘッド型リボザイムは、保存された9塩基を含有する触媒コア、二本鎖ステムおよびループ構造(ステムループII)、ならびに触媒コアを囲む標的RNAフランキング領域に相補的な2つの領域から構成される。フランキング領域によって、リボザイムは、二本鎖ステムIおよびIIIを形成することによって標的RNAへ特異的に結合することができる。切断は、3',5'-リン酸ジエステルから2',3'-環状リン酸ジエステルへのエステル交換反応による特定のリボヌクレオチド三塩基(triplet)の次に、cis(すなわち、ハンマーヘッドモチーフを含有する同じRNA分子の切断)で、またはtrans(リボザイムを含有するもの以外のRNA基質の切断)で生じる。理論によって拘束されることは望まないが、この触媒活性は、リボザイムの触媒領域中に高度に保存された特定の配列が存在することを要すると考えられている。
【0469】
リボザイム構造中の修飾はまた、様々な分子の非コア部分の、非ヌクレオチド分子との置換または置き換えも包含する。例えば、Benselerら(J.Am.Chem.Soc.(1993)115:8483-8484)は、ハンマーヘッド様分子を開示しており、ここでステムIIの2塩基対およびループIIの4ヌクレオチドすべてが、ヘキサエチレングリコール、プロパンジオール、ビス(トリエチレングリコール)ホスファート、トリス(プロパンジオール)ビスホスファート、またはビス(プロパンジオール)ホスファートを基にする非ヌクレオシドリンカーに置き換えられていた。Maら(Biochem.(1993)32:1751-1758;Nucleic Acids Res.(1993)21:2585-2589)は、TARリボザイムヘアピンの6ヌクレオチドループを、エチレングリコールに関する非ヌクレオチドリンカーに置き換えた。Thomsonら(Nucleic Acids Res.(1993)21:5600-5603)は、ループIIを、長さが13、17、および19原子の線状の非ヌクレオチドリンカーに置き換えた。
【0470】
リボザイムオリゴヌクレオチドは、周知の方法(例として、PCT刊行物WO9118624;WO9413688;WO9201806;およびWO92/07065;ならびに米国特許5436143および5650502を見よ)を使用して調製され得るか、または商業的供給源(例として、US Biochemicals)から購入され得、所望の場合、細胞中ヌクレアーゼによる分解に対するオリゴヌクレオチドの耐性を増大させるためにヌクレオチド類似体を組み込み得る。リボザイムは、例として、市販の合成機(例として、Applied Biosystems,Inc.またはMilligenによって製造された)の使用による、いずれの知られているやり方で合成されてもよい。リボザイムはまた、従来の手段によって、組換えベクターにおいても産生されてよい。Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(Current edition)を見よ。リボザイムRNA配列は、例えば、T7またはSP6などのRNAポリメラーゼを使用することによる従来法で、合成されてもよい。
【0471】
n.ガイド核酸
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ガイド核酸、例として、ガイドRNA(gRNA)分子である。一般に、ガイドRNAは、(1)Cas9などの、核酸をプログラムできるDNA結合タンパク質(napDNAbp)へ結合する骨格(scaffold)配列、および(2)gRNAが、核酸をプログラムできるDNA結合タンパク質をDNA標的配列に近づけるために結合するDNA標的配列(例として、ゲノムDNA標的)を定義するヌクレオチドスペーサー部分から構成される低分子合成RNAである。いくつかの態様において、napDNAbpは、核酸をプログラムできるタンパク質に、標的DNA配列(例として、標的ゲノムDNA配列)を標的にさせる1以上のRNA(単数または複数)と(例として、これと結合して、またはこれと結び付いて)複合体を形成する、核酸をプログラムできるタンパク質である。いくつかの態様において、核酸プログラム可能なヌクレアーゼは、RNAとの複合体にあるとき、ヌクレアーゼ:RNA複合体と称されることもある。ガイドRNAは、2以上のRNAの複合体として、または単一のRNA分子として存在し得る。
【0472】
単一のRNA分子として存在するガイドRNA(gRNA)は、単一のガイドRNA(sgRNA)と称されることもあるが、gRNAはまた、単一分子または2以上の分子の複合体のいずれかとして存在するガイドRNAを指すためにも使用される。典型的には、単一のRNA種として存在するgRNAは、2つのドメインを含む:(1)標的核酸(すなわち、Cas9複合体の標的への結合に向かわせる)との相同性を共有するドメイン;および(2)Cas9タンパク質に結合するドメイン。いくつかの態様において、ドメイン(2)は、tracrRNAとして知られている配列に対応し、ステムループ構造を含む。いくつかの態様において、ドメイン(2)は、Jinek et al.,Science 337:816-821(2012)(この内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる)に提供されるとおり、tracrRNAと同一または相同である。
【0473】
いくつかの態様において、gRNAは、ドメイン(1)および(2)の2以上を含み、伸長(extended)gRNAと称されることもある。例えば、伸長gRNAは、本明細書に記載のとおり、2以上のCas9タンパク質に結合し、および2以上の別個の領域での標的核酸に結合するであろう。gRNAは、ヌクレアーゼ/RNA複合体の該標的部位への結合を媒介する標的部位に相補的なヌクレオチド配列を含み、ヌクレアーゼ:RNA複合体の配列特異性を提供する。いくつかの態様において、RNAをプログラムできるヌクレアーゼは、(CRISPR関連系)Cas9エンドヌクレアーゼ、例えば、Streptococcus pyogenesからのCas9(Csn1)である(例として、“Complete genome sequence of an M1 strain of Streptococcus pyogenes.”Ferretti J.J.,McShan W.M.,Ajdic D.J.,Savic D.J.,Savic G.,Lyon K.,Primeaux C.,Sezate S.,Suvorov A.N.,Kenton S.,Lai H.S.,Lin S.P.,Qian Y.,Jia H.G.,Najar F.Z.,Ren Q.,Zhu H.,Song L.,White J.,Yuan X.,Clifton S.W.,Roe B.A.,McLaughlin R.E.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98:4658-4663(2001);“CRISPR RNA maturation by trans-encoded small RNA and host factor RNase III.”Deltcheva E.,Chylinski K.,Sharma C.M.,Gonzales K.,Chao Y.,Pirzada Z.A.,Eckert M.R.,Vogel J.,Charpentier E.,Nature 471:602-607(2011);および“A programmable dual-RNA-guided DNA endonuclease in adaptive bacterial immunity.”Jinek M.,Chylinski K.,Fonfara I.,Hauer M.,Doudna J.A.,Charpentier E.Science 337:816-821(2012)(これら各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)を見よ。
【0474】
o.マルチマー
いくつかの態様において、分子ペイロードは、リンカーによって接続された2以上のオリゴヌクレオチドのマルチマー(例として、コンカテマー)を含んでいてもよい。このように、いくつかの態様において、複合体/抱合体のオリゴヌクレオチドの負荷(loading)は、標的化剤上の利用可能な連結部位(例として、抗体上の利用可能なチオール部位またはアミン部位)を超えて増大され得るか、または具体的なペイロード負荷量に達するよう別様に整え得る。マルチマー中のオリゴヌクレオチドは、同じかまたは異なり得る(例として、異なる遺伝子、もしくは同じ遺伝子上の異なる部位、またはそれらの産物を標的にする)。
【0475】
いくつかの態様において、マルチマーは、切断可能なリンカーによって一緒に連結された2以上のオリゴヌクレオチドを含む。しかしながら、いくつかの態様において、マルチマーは、切断不能なリンカーによって一緒に連結された2以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、マルチマーは、一緒に連結された2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはこれより多くのオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、マルチマーは、一緒に連結された2~5、2~10、または4~20オリゴヌクレオチドを含む。
【0476】
いくつかの態様において、マルチマーは、(線状配置において)末端間(end-to-end)で連結された2以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、マルチマーは、オリゴヌクレオチドベースのリンカー(例として、ポリ-dTリンカー、塩基性リンカー)を介して、末端間で連結された2以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、マルチマーは、あるオリゴヌクレオチドの3'末端へ連結された、別のオリゴヌクレオチドの5'末端を含む。いくつかの態様において、マルチマーは、あるオリゴヌクレオチドの3'末端へ連結された、別のオリゴヌクレオチドの3'末端を含む。いくつかの態様において、マルチマーは、あるオリゴヌクレオチドの5'末端へ連結された、別のオリゴヌクレオチドの5'末端を含む。またさらに、いくつかの態様において、マルチマーは、分枝リンカーによって一緒に連結された複数のオリゴヌクレオチドを含む分枝構造を含み得る。
【0477】
本明細書に提供される複合体に使用されてもよいマルチマーのさらなる例は、例えば、2015年11月5日に公開され、Methods of delivering multiple targeting oligonucleotides to a cell using cleavable linkersと題する米国特許出願第2015/0315588 A1号;2015年9月3日に公開され、Multimeric Oligonucleotide Compoundsと題する米国特許出願第2015/0247141 A1号;2011年6月30日に公開され、Immunostimulatory Oligonucleotide Multimersと題する米国特許出願第US 2011/0158937 A1号;および1997年12月2日に発行され、Triplex-Forming Antisense Oligonucleotides Having Abasic Linkers Targeting Nucleic Acids Comprising Mixed Sequences Of Purines And Pyrimidinesと題する米国特許第5,693,773号に開示されており、これら各々の内容はそれら全体が参照されることにより本明細書に組み込まれる。
【0478】
o.スプライス変更オリゴヌクレオチド
いくつかの態様において、本開示のオリゴヌクレオチド(例として、モルホリノを包含するアンチセンスオリゴヌクレオチド)は、スプライシングを標的にする。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、エキソンスキッピングを誘導することおよび遺伝子内の読み取りフレームを修復することによって、スプライシングを標的にする。非限定例として、オリゴヌクレオチドは、フレームシフト突然変異をコードするエキソンおよび/または(例として、および)未熟終止コドンをコードするエキソンのスキッピングを誘導してもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、スプライス部位のスプライソソーム認識をブロッキングすることにより、エキソンスキッピングを誘導してもよい。いくつかの態様において、エキソンスキッピングは、参照タンパク質と比べて、トランケートされたが機能的なタンパク質(例として、以下に記載された、トランケートされたが機能的なDMDタンパク質)をもたらす。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、具体的なエキソン(例として、下に記載のSMN2遺伝子のエキソン7)の包含を促進する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、スプライス部位阻害配列を標的にすることによって、エキソンの包含を誘導してもよい。RNAスプライシングは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)および脊髄性筋萎縮症(SMA)を包含する筋疾患に関与してきた。
【0479】
ジストロフィン(DMD)をコードする遺伝子における変更(例として、欠失、点突然変異、および複製)は、DMDを引き起こす。これらの変更は、フレームシフト突然変異および/または(例として、および)ナンセンス突然変異へ繋がり得る。いくつかの態様において、本開示のオリゴヌクレオチドは、1以上のDMDエキソン(例として、エキソン8、エキソン43、エキソン44、エキソン45、エキソン50、エキソン51、エキソン52、エキソン53、および/または(例として、および)、エキソン55)のスキッピングを促進し、機能的なトランケートされたタンパク質をもたらす。例として、2013年7月16日に公開された米国特許第8,486,907等および2014年9月18日に公開された米国20140275212を見よ。
【0480】
SMAにおいて、機能的SMN1の喪失がある。SMN2遺伝子はSMN1に対するパラログであるが、SMN2遺伝子の選択的スプライシングは、主としてエキソン7のスキッピング、およびこれに続くSMN1喪失について補償し得ないトランケートされたSMNタンパク質の産生へ繋がる。いくつかの態様において、本開示のオリゴヌクレオチドは、SMN2エキソン7の包含を促進する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、SMN2スプライス部位阻害配列を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチドである(例として、2010年11月23日に公開された米国特許第7,838,657号を見よ)。
【0481】
ii.小分子:
いずれの好適な小分子も、本明細書に記載のとおり、分子ペイロードとして使用されてもよい。
【0482】
iii.ペプチド/タンパク質
いずれの好適なペプチドまたはタンパク質も、本明細書に記載のとおりの分子ペイロードとして使用されてもよい。いくつかの態様において、タンパク質は、酵素である(例として、酸性アルファ-グルコシダーゼ、例として、GAA遺伝子によってコードされるもの)。これらのペプチドまたはタンパク質は、数種の方法論、例として、ファージディスプレードペプチドライブラリ、1ビーズ・1化合物ペプチドライブラリ、または位置走査性合成ペプチドコンビナトリアルライブラリを使用して産生、合成、および/または(例として、および)、誘導体化されてもよい。例示の方法論は、当該技術分野において特徴づけられてきており、参照により組み込まれる(Gray, B.P. and Brown,K.C.“Combinatorial Peptide Libraries:Mining for Cell-Binding Peptides”Chem Rev.2014,114:2,1020-1081.;Samoylova,T.I.and Smith,B.F.“Elucidation of muscle-binding peptides by phage display screening.”Muscle Nerve,1999,22:4.460-6.)。
【0483】
iv.核酸構築物
いずれの好適な遺伝子発現コンストラクトも、本明細書に記載のとおりの分子ペイロードとして使用されてもよい。いくつかの態様において、遺伝子発現コンストラクトは、ベクターまたはcDNAフラグメントであってもよい。いくつかの態様において、遺伝子発現コンストラクトは、メッセンジャーRNA(mRNA)であってもよい。いくつかの態様において、本明細書に使用されるmRNAは、修飾されたmRNA、例として、2014年4月24日に発行の米国特許8,710,200、表題「Engineered nucleic acids encoding a modified erythropoietin and their expression」に記載されるとおりのものであってもよい。いくつかの態様において、mRNAは、5'メチルcapを含んでいてもよい。いくつかの態様において、mRNAは、ポリAテール、任意に長さが最大160ヌクレオチドまでのものを含んでいてもよい。遺伝子発現コンストラクトは、筋疾患において欠乏するタンパク質の配列をコードしていてもよい。いくつかの態様において、遺伝子発現コンストラクトは、筋細胞の核内に発現されていてもよく、例として、過剰発現されていてもよい。いくつかの態様において、遺伝子発現コンストラクトは、筋疾患において欠乏する遺伝子をコードしていてもよい。いくつかの態様において、遺伝子発現コンストラクトは、少なくとも1つのジンクフィンガーを含むタンパク質をコードする。いくつかの態様において、遺伝子発現コンストラクトは、表7の遺伝子に結合するタンパク質をコードする。いくつかの態様において、遺伝子発現コンストラクトは、表7の遺伝子によってコードされるタンパク質(例として、突然変異タンパク質)の発現の低減へ繋がるタンパク質をコードする。いくつかの態様において、遺伝子発現コンストラクトは、遺伝子編集酵素をコードする。分子ペイロードとして使用されてもよい核酸構築物の追加例は、2017年9月19日に公開の国際特許出願刊行物WO2017152149A1、表題「CLOSED-ENDED LINEAR DUPLEX DNA FOR NON-VIRAL GENE TRANSFER」;2014年10月7日に発行の米国特許8,853,377B2、表題「MRNA FOR USE IN TREATMENT OF HUMAN GENETIC DISEASES」;および2014年9月2日に発行の米国特許US8822663B2、「ENGINEERED NUCLEIC ACIDS AND METHODS OF USE THEREOF」に提供されており、これら各々の内容はこれらの全体を参照により本明細書に組み込まれる。
【0484】
v.検出可能な標識/診断用薬
いずれの好適な検出可能な標識または診断用薬も、本開示の分子ペイロードとして使用され得る。「診断用薬」は、診断目的のために、例として、細胞または組織において別の分子を検出することによって使用される剤を指す。いくつかの態様において、診断用薬は、対象において疾患に関連することが知られているバイオマーカー(例として、核酸バイオマーカー、タンパク質バイオマーカー、または代謝体バイオマーカー)を標的にする(例として、結合する)剤であって、バイオマーカーの存在/不在を決定しよって疾患を診断するのに使用され得る検出可能なシグナルを産生する剤である。例えば、診断用薬は、限定せずに、抗体またはアンチセンス核酸であってもよい。
【0485】
いくつかの態様において、診断用薬は、検出可能な標識を含有する。検出可能な標識は、診断用薬が結合する分子(例として、タンパク質もしくはポリペプチド、または他の実体)の検出を可能にする、組み込まれた少なくとも1つの元素、同位体、あるいは構造群または官能基(structural or functional group)を有する部分を指す。いくつかの態様において、検出可能な標識は、5クラスのうちいずれか1つ(または1以上)に分類される:a)これらに限定されないが、2H、3H、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、67Ga、76Br、99mTc(Tc-99m)、111In、123I、125I、131I、153Gd、169Yb、および186Reを包含する、放射性同位体または重同位体であってもよい同位体部分を含有する剤;b)酵素(例として、西洋ワサビペルオキシダーゼなど)へ結合されていてもよい、抗体または抗原であってもよい免疫部分を含有する剤;c)着色した、ルミネセンスの、リン光の、または蛍光の部分を含む剤(例として、蛍光標識フルオレセインイソチオシアナート(FITC)など);d)1以上の光親和性部分を有する剤;ならびにe)知られている1以上の結合パートナーに対してリガンドである剤(例として、ビオチン-ストレプトアビジン、His-NiTNAFK506-FKBP)。いくつかの態様において、検出可能な標識は、放射性同位体を含む。いくつかの態様において、検出可能な標識は、蛍光部分を含む。いくつかの態様において、検出可能な標識は、染料、例として、蛍光染料、例として、フルオレセインイソチオシアナート、テキサス・レッド、ローダミン、Cy3、Cy5、Cy5.5、Alexa 647、および誘導体を含む。いくつかの態様において、検出可能な標識は、ビオチンを含む。いくつかの態様において、検出可能な分子は、蛍光ポリペプチド(例として、増強されたGFP(EGFP)などの、GFPもしくはその誘導体)、またはルシフェラーゼ(例として、ホタルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼ、もしくはガウシアルシフェラーゼ)である。いくつかの態様において、検出可能な標識は、好適な基質(例として、ルシフェリン)と反応することで、検出可能なシグナルを生成してもよい。蛍光タンパク質の非限定例は、GFPおよびその誘導体、種々の色の光を発する発色団を含むタンパク質(赤色、黄色、およびシアン蛍光タンパク質など)等々を包含する。例示の蛍光タンパク質は、例として、Sirius、Azurite、EBFP2、TagBFP、mTurquoise、ECFP、Cerulean、TagCFP、mTFP1、mUkG1、mAG1、AcGFP1、TagGFP2、EGFP、mWasabi、EmGFP、TagYPF、EYFP、Topaz、SYFP2、Venus、Citrine、mKO、mKO2、mOrange、mOrange2、TagRFP、TagRFP-T、mStrawberry、mRuby、mCherry、mRaspberry、mKate2、mPlum、mNeptune、T- Sapphire、mAmetrine、mKeimaを包含する。例として、Chalfie,M. and Kain,SR(eds.)Green fluorescent protein:properties,applications,and protocols(Methods of biochemical analysis,v.47,Wiley-Interscience,and Hoboken,N.J.,2006、および/または(例として、および)、Chudakov,DM,et al.,Physiol Rev.90(3):1103-63,2010を見よ。これらは、GFPおよび無数にある他の蛍光タンパク質またはルミネセンスタンパク質の考察について参照することにより本明細書に組み込まれる。いくつかの態様において、検出可能な標識は、ダーククエンチャ―(dark quencher)、例として、フルオロフォアから励起エネルギーを吸収しエネルギーを熱として放散する物質を含む。
【0486】
複合体および分子ペイロードのさらなる例(例として、筋肉遺伝子を標的にするために有用なオリゴヌクレオチド)は、「MUSCLE TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF FOR TREATING MYOTONIC DYSTROPHY」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028861;「MUSCLE TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF FOR TREATING FACIOSCAPULOHUMERAL MUSCULAR DYSTROPHY」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028864;「MUSCLE TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF FOR TREATING CENTRONUCLEAR MYOPATHY」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028844;「MUSCLE TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF FOR TREATING POMPE DISEASE」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028841;「MUSCLE TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF FOR TREATING FIBRODYSPLASIA OSSIFICANS PROGRESSIVA」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028831;「MUSCLE TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF FOR TREATING FRIEDREICH'S ATAXIA」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028840;「MUSCLE-TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028857;「MUSCLE-TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF IN TREATING MUSCLE ATROPHY」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028836;「MUSCLE TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF FOR TREATING DYSTROPHINOPATHIES」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028832;「MUSCLE TARGETING COMPLEXES AND USES THEREOF FOR TREATING HYPERTROPHIC CARDIOMYOPATHY」と題する2020年2月6日公開の国際特許出願公開W02020/028842で提供される;これら各々の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0487】
B.リンカー
本明細書に記載の複合体は一般に、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つを分子ペイロードへ接続するリンカーを含む。リンカーは、少なくとも1つの共有結合を含む。いくつかの態様において、リンカーは、抗TfR抗体を分子ペイロードへ接続する単結合、例として、ジスルフィド結合またはジスルフィド架橋であってもよい。しかしながら、いくつかの態様において、リンカーは、複数の共有結合を通して、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つを分子へ接続していてもよい。いくつかの態様において、リンカーは、切断可能なリンカーであってもよい。しかしながら、いくつかの態様において、リンカーは、切断不能なリンカーであってもよい。リンカーは一般に、in vitroおよびin vivoで安定しており、ある細胞環境において安定していてもよい。加えて、一般にリンカーは、抗TfR抗体または分子ペイロードのいずれかの機能特性に負の影響を及ぼさない。リンカー合成の例および方法は、当該技術分野において知られている(例として、Kline,T.et al.“Methods to Make Homogenous Antibody Drug Conjugates.”Pharmaceutical Research,2015,32:11,3480-3493.;Jain,N.et al.“Current ADC Linker Chemistry”Pharm Res.2015,32:11,3526-3540.;McCombs,J.R. and Owen,S.C.“Antibody Drug Conjugates:Design and Selection of Linker,Payload and Conjugation Chemistry”AAPS J.2015,17:2,339-351.を見よ)。
【0488】
リンカーの前駆体は、典型的には、抗TfR抗体と分子ペイロードとの両方へ付着できる2つの異なる反応性の高い種を含有しているであろう。いくつかの態様において、2つの異なる反応性の高い種は、求核試薬および/または(例として、および)求電子試薬であってもよい。いくつかの態様において、リンカーは、抗TfR抗体のリシン残基またはシステイン残基への抱合を介して、抗TfR抗体へ接続されている。いくつかの態様において、リンカーは、マレイミド含有リンカーを介して抗TfR抗体のシステイン残基へ接続されており、ここで任意に、マレイミド含有リンカーは、マレイミドカプロイルまたはマレイミドメチルシクロヘキサン-1-カルボキシラート基を含む。いくつかの態様において、リンカーは、3-アリールプロピオニトリル官能基を介して、抗TfR抗体のシステイン残基またはチオール官能化分子ペイロードへ接続されている。いくつかの態様において、リンカーは、抗TfR抗体のリシン残基へ接続されている。いくつかの態様において、リンカーは、アミド結合、カルバマート結合、ヒドラジド、トリアゾール、チオエーテル、またはジスルフィド結合を介して、抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードへ接続されている。
【0489】
i.切断可能なリンカー
切断可能なリンカーは、プロテアーゼ感受性リンカー、pH感受性リンカー、またはグルタチオン感受性リンカーであってもよい。これらのリンカーは一般に、細胞内のみで切断可能であって、好ましくは、細胞外環境において、例として、筋細胞の細胞外において安定している。
【0490】
プロテアーゼ感受性リンカーは、プロテアーゼ酵素活性によって切断可能である。これらのリンカーは、典型的にはペプチド配列を含んでおり、長さが2~10アミノ酸、約2~5アミノ酸、約5~10アミノ酸、約10アミノ酸、約5アミノ酸、約3アミノ酸、または約2アミノ酸であってもよい。いくつかの態様において、ペプチド配列は、天然に存在するアミノ酸、例として、システイン、アラニン、または天然に存在しないかもしくは修飾されたアミノ酸を含んでいてもよい。天然に存在しないアミノ酸は、β-アミノ酸、ホモ-アミノ酸、プロリン誘導体、3-置換アラニン誘導体、線形コアアミノ酸、N-メチルアミノ酸、および当該技術分野において知られているその他のアミノ酸を包含する。いくつかの態様において、プロテアーゼ感受性リンカーは、バリン-シトルリンまたはアラニン-シトルリンのジペプチド配列を含む。いくつかの態様において、プロテアーゼ感受性リンカーは、リソソームのプロテアーゼ、例として、カテプシンB、および/またはエンドソームのプロテアーゼによって切断され得る。
【0491】
pH感受性リンカーは、高または低pH環境において容易に分解される共有結合の連結である。いくつかの態様において、pH感受性リンカーは、4~6の範囲にあるpHにて切断されてもよい。いくつかの態様において、pH感受性リンカーは、ヒドラゾンまたは環状アセタールを含む。いくつかの態様において、pH感受性リンカーは、エンドソームまたはリソソーム内で切断される。
【0492】
いくつかの態様において、グルタチオン感受性リンカーは、ジスルフィド部を含む。いくつかの態様において、グルタチオン感受性リンカーは、細胞内部でのグルタチオン種とのジスルフィド交換反応によって切断される。いくつかの態様において、ジスルフィド部はさらに、少なくとも1アミノ酸、例としてシステイン残基を含む。
【0493】
いくつかの態様において、リンカーは、Val-citリンカー(例として、米国特許6,214,345(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるとおり)である。いくつかの態様において、抱合前のval-citリンカーは、以下の構造:
【化3】
を有する。
【0494】
いくつかの態様において、抱合後のval-citリンカーは、以下の構造:
【0495】
【0496】
いくつかの態様において、Val-citリンカーは、反応性の高い化学的部分(例として、クリックケミストリー抱合のためのSPAAC)へ付着される。いくつかの態様においては、抱合前に、反応性の高い化学的部分(例として、クリックケミストリー抱合のためのSPAAC)へ付着されるval-citリンカーは、以下の構造:
【化5】
を有し、ここでnは0~10のいずれかの数である。いくつかの態様において、nは3である。
【0497】
いくつかの態様において、反応性の高い化学的部分(例として、クリックケミストリー抱合のためのSPAAC)へ付着されるval-citリンカーは、(例として、異なる化学的部分を介して)分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)へ抱合される。いくつかの態様において、反応性の高い化学的部分(例として、クリックケミストリー抱合のためのSPAAC)へ付着され、分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)へ抱合されるval-citリンカーは(クリックケミストリー抱合前に)、以下の構造:
【化6】
を有し、ここでnは0~10のいずれかの数である。いくつかの態様において、nは3である。
【0498】
いくつかの態様においては、分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)への抱合後、val-citリンカーは、以下の構造:
【化7】
を有し、ここでnは0~10のいずれかの数であり、およびここでmは0~10のいずれかの数である。いくつかの態様において、nは3であり、およびmは4である。
【0499】
ii.切断不能リンカー
いくつかの態様において、切断不能なリンカーが使用されてもよい。一般に、切断不能なリンカーは、細胞環境または生理環境において容易に分解され得ない。いくつかの態様において、切断不能なリンカーは、任意に置換されていてもよいアルキル基を含むが、ここで置換は、ハロゲン、ヒドロキシル基、酸素種、および他の一般的な置換を包含していてもよい。いくつかの態様において、リンカーは、任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいアルキレン、任意に置換されていてもよいアリーレン、ヘテロアリーレン、少なくとも1個の非天然アミノ酸を含むペプチド配列、トランケートされたグリカン、酵素的に分解され得ない糖(単数もしくは複数)、アジド、アルキン-アジド、LPXTG配列(配列番号235)を含むペプチド配列、チオエーテル、ビオチン、ビフェニル、反復単位のポリエチレングリコールもしくは等価な化合物、酸エステル、酸アミド、スルファミド、および/または(例として、および)、アルコキシ-アミンリンカーを含んでいてもよい。いくつかの態様において、ソルターゼ媒介ライゲーションは、LPXTG配列(配列番号235)を含む抗TfR抗体を(G)n配列を含む分子ペイロードへ連結するために利用されるであろう(例として、Proft T.Sortase-mediated protein ligation:an emerging biotechnology tool for protein modification and immobilization.Biotechnol Lett.2010,32(1):1-10を見よ)。
【0500】
いくつかの態様において、リンカーは、置換されたアルキレン、任意に置換されていてもよいアルケニレン、任意に置換されていてもよいアルキニレン、任意に置換されていてもよいシクロアルキレン、任意に置換されていてもよいシクロアルケニレン、任意に置換されていてもよいアリーレン、N、O、およびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに含む任意に置換されていてもよいヘテロアリーレン;N、O、およびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子をさらに含む任意に置換されていてもよいヘテロシクリレン;イミノ、任意に置換されていてもよい窒素種、任意に置換されていてもよい酸素種O、任意に置換されていてもよい硫黄種、またはポリ(アルキレンオキシド)、例として、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドを含んでいてもよい。
【0501】
iii.リンカー抱合
いくつかの態様において、リンカーは、ホスファート、チオエーテル、エーテル、カルバマート、炭素-炭素、もしくはアミド結合を介して抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードへ接続されている。いくつかの態様において、リンカーは、リン酸塩またはホスホロチオアート基、例として、オリゴヌクレオチド主鎖の末端のホスファートを通してオリゴヌクレオチドへ接続されている。いくつかの態様において、リンカーは、抗TfR抗体上に存在するリシン残基またはシステイン残基を通して、抗TfR抗体へ接続されている。
【0502】
いくつかの態様において、リンカーは、トリアゾールを形成するアジドとアルキンとの間のシクロ付加反応によって、抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードへ接続されており、ここでアジドおよびアルキンは、抗TfR抗体、分子ペイロード、またはリンカー上に位置付けられていてもよい。いくつかの態様において、アルキンは、環状アルキン、例としてシクロオクチンであってもよい。いくつかの態様において、アルキンは、ビシクロノニン(またビシクロ[6.1.0]ノニンまたはBCNとしても知られている)または置換ビシクロノニンであってもよい。いくつかの態様において、シクロオクタンは、2011年11月3日に公開の国際特許出願刊行物WO2011136645、表題「Fused Cyclooctyne Compounds And Their Use In Metal-free Click Reactions」に記載のとおりである。いくつかの態様において、アジドは、アジドを含む糖または炭水化物分子であってもよい。いくつかの態様において、アジドは、6-アジド-6-デオキシガラクトースまたは6-アジド-N-アセチルガラクトサミンであってもよい。いくつかの態様において、アジドを含む糖または炭水化物分子は、2016年10月27日に公開の国際特許出願刊行物WO2016170186、表題「Process For The Modification Of A Glycoprotein Using A Glycosyltransferase That Is Or Is Derived From A β(1,4)-N-Acetylgalactosaminyltransferase」に記載のとおりである。いくつかの態様において、トリアゾールを形成するアジドとアルキンとの間のシクロ付加反応(ここでアジドおよびアルキンは、抗TfR抗体、分子ペイロード、またはリンカー上に位置付けられていてもよい)は、2014年5月1日に公開の国際特許出願刊行物WO2014065661、表題「Modified antibody, antibody-conjugate and process for the preparation thereof」;または2016年10月27日に公開の国際特許出願刊行物WO2016170186、表題「Process For The Modification Of A Glycoprotein Using A Glycosyltransferase That Is Or Is Derived From A β(1,4)-N-Acetylgalactosaminyltransferase」に記載のとおりである。
【0503】
いくつかの態様において、リンカーはさらに、スペーサー、例として、ポリエチレングリコールスペーサーまたはアシル/カルバモイルスルファミドスペーサー、例として、HydraSpace(商標)スペーサーを含む。いくつかの態様において、スペーサーは、Verkade,J.M.M.et al.,“A Polar Sulfamide Spacer Significantly Enhances the Manufacturability, Stability, and Therapeutic Index of Antibody-Drug Conjugates”,Antibodies,2018,7,12に記載のとおりである。
【0504】
いくつかの態様において、リンカーは、求ジエン体とジエン/ヘテロ-ジエンとの間のディールス・アルダー反応によって、抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードへ接続されるが、ここで求ジエン体およびジエン/ヘテロ-ジエンは、抗TfR抗体、分子ペイロード、またはリンカー上に位置付けられていてもよい。いくつかの態様において、リンカーは、他のペリ環状反応、例として、エン反応によって、抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードへ接続される。いくつかの態様において、リンカーは、アミド、チオアミド、またはスルホンアミド結合反応によって、抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードへ接続される。いくつかの態様において、リンカーは、リンカーと抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードとの間に存在するオキシム基、ヒドラゾン基、またはセミカルバジド基を形成する縮合反応によって、抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードへ接続される。
【0505】
いくつかの態様において、リンカーは、求核試薬(例として、アミン基またはヒドロキシル基)と求電子試薬(例として、カルボン酸、またはアルデヒド)との間の抱合体付加反応によって、抗TfR抗体および/または(例として、および)分子ペイロードへ接続される。いくつかの態様において、リンカーと抗TfR抗体または分子ペイロードとの間の反応に先立ち、求核試薬はリンカー上に存在していてもよく、求電子試薬は抗TfR抗体または分子ペイロード上に存在していてもよい。いくつかの態様において、リンカーと抗TfR抗体または分子ペイロードとの間の反応に先立ち、求電子試薬はリンカー上に存在していてもよく、求核試薬は抗TfR抗体または分子ペイロード上に存在していてもよい。いくつかの態様において、求電子試薬は、アジド、ペンタフルオロフェニル、ケイ素中心、カルボニル、カルボン酸、無水物、イソシアナート、チオイソシアナート、スクシニミジルエステル、スルホスクシニミジルエステル、マレイミド、アルキルハロゲン化物、アルキル擬ハロゲン化物、エポキシド、エピスルフィド、アジリジン、アリール、活性化リン中心、および/または(例として、および)、活性化硫黄中心であってもよい。いくつかの態様において、求核試薬は、任意に置換されていてもよいアルケン、任意に置換されていてもよいアルキン、任意に置換されていてもよいアリール、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリド基、またはチオール基であってもよい。
【0506】
いくつかの態様において、反応性の高い化学的部分(例として、クリックケミストリー抱合のためのSPAAC)へ付着されるval-citリンカーは、以下の構造:
【化8】
によって抗TfR抗体へ抱合されており、ここでmは0~10のいずれかの数である。いくつかの態様において、mは4である。
【0507】
いくつかの態様において、反応性の高い化学的部分(例として、クリックケミストリー抱合のためのSPAAC)へ付着されるval-citリンカーは、以下の構造:
【化9】
を有する抗TfR抗体へ抱合されており、ここでmは0~10のいずれかの数である。いくつかの態様において、mは4である。
【0508】
いくつかの態様において、反応性の高い化学的部分(例として、クリックケミストリー抱合のためのSPAAC)へ付着され、抗TfR抗体へ抱合されるval-citリンカーは、以下の構造:
【化10】
を有し、ここでnは0~10のいずれかの数であり、ここでmは0~10のいずれかの数である。いくつかの態様において、nは3であり、および/または(例として、および)mは4である。
【0509】
いくつかの態様において、抗TfR抗体および分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)は、以下の構造:
【化11】
を介して連結され、ここでnは0~10のいずれかの数であり、ここでmは0~10のいずれかの数である。いくつかの態様において、nは3であり、および/または(例として、および)mは4である。いくつかの態様において、XはNH(例として、リジンのアミン基からのNH)である。いくつかの態様において、XはSであり、抗体は抱合を介して抗体のシステインへ連結される。いくつかの態様において、XはOであり、抗体は抱合を介して抗体のセリン、トレオニン、またはチロシンのヒドロキシル基へ連結される。
【0510】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、以下の構造:
【化12】
を有し、ここでnは0~10のいずれかの数であり、ここでmは0~10のいずれかの数である。いくつかの態様において、nは3であり、および/または(例として、および)mは4である。
【0511】
構造式(A)、(B)、(C)、および(D)中、L1は、いくつかの態様において、置換もしくは非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族、置換もしくは非置換のカルボシクリレン、置換もしくは非置換のヘテロシクリレン、置換もしくは非置換のアリーレン、置換もしくは非置換のヘテロアリーレン、-O-、-N(R
A)-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)NR
A-、-NR
AC(=O)-、-NR
AC(=O)R
A-、-C(=O)R
A-、-NR
AC(=O)O-、-NR
AC(=O)N(R
A)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-OC(=O)N(R
A)-、-S(O)
2NR
A-、-NR
AS(O)
2-、またはそれらの組み合わせであるスペーサーである。いくつかの態様において、L1は、以下:
【化13】
であり、ここでピペラジン部分は、オリゴヌクレオチドへ連結し、ここでL2は、
【化14】
である。
【0512】
いくつかの態様において、L1は、以下:
【化15】
であり、ここでピペラジン部分は、オリゴヌクレオチドへ連結する。
【0513】
いくつかの態様において、L1は、以下:
【化16】
である。
【0514】
いくつかの態様において、L1は、オリゴヌクレオチドの5'ホスファートへ連結される。いくつかの態様において、L1は、オリゴヌクレオチドの5'ホスホロチオアートに連結される。いくつかの態様において、L1は、オリゴヌクレオチドの5'ホスホロアミダートへ連結される。
【0515】
いくつかの態様において、L1は、任意である(例として、存在する必要はない)。
【0516】
C.抗体-分子ペイロード複合体の例
さらに本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)のいずれかへ共有結合的に連結された、本明細書に記載のいずれか1つの抗TfR抗体を含む複合体の非限定例である。いくつかの態様において、抗TfR抗体(例として、表1に提供される抗TfR抗体のいずれか1つ)は、リンカーを介して分子ペイロード(例として、オリゴヌクレオチド)へ共有結合的に連結されている。本明細書に記載のリンカーのいずれも、使用されてもよい。いくつかの態様において、分子ペイロードがオリゴヌクレオチドである場合、リンカーは、オリゴヌクレオチドの5'末端、3'末端、または内部へ連結されている。いくつかの態様において、リンカーは、チオール反応性の連結を介して(例として、抗TfR抗体中のシステインを介して)抗TfR抗体へ連結されている。いくつかの態様において、リンカー(例として、Val-citリンカー)は、抗体(例として、本明細書に記載の抗TfR抗体)へアミン基を介して(例として、抗体中のリシンを介して)連結されている。
【0517】
Val-citリンカーを介して分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体の構造の例は、下に提供される:
【化17】
ここでリンカーは、チオール反応性の高い連結を介して(例として、抗体中のシステインを介して)抗体へ連結されている。
【0518】
Val-citリンカーを介して分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体の構造の別の例は、下に提供される:
【化18】
ここでnは0~10の間の数であり、ここでmは0~10の間の数であり、ここでリンカーはアミン基(例として、リジン残基上の)を介して抗体へ連結され、および/または(例として、および)リンカーはオリゴヌクレオチドへ(例として、5'端、3'端にて、または内部に)連結される。いくつかの態様において、リンカーはリジンを介して抗体へ連結され、リンカーはオリゴヌクレオチドに5'端にて連結され、nは3であり、mは4である。いくつかの態様において、分子ペイロードは、センス鎖およびアンチセンス鎖を含むオリゴヌクレオチドであって、リンカーはセンス鎖またはアンチセンス鎖へ5'端または3'端にて連結される。
【0519】
抗体は、種々の化学量論で分子ペイロードへ連結され得ることが解されるはずであって、前記特性は薬物抗体比(DAR)と称されることもあり、ここで「薬物」は分子ペイロードである。いくつかの態様において、1つの分子ペイロードが抗体へ連結されている(DAR=1)。いくつかの態様において、2つの分子ペイロードが抗体へ連結されている(DAR=2)。いくつかの態様において、3つの分子ペイロードが抗体へ連結されている(DAR=3)。いくつかの態様において、4つの分子ペイロードが抗体へ連結されている(DAR=4)。いくつかの態様において、各々が異なるDARを有する異なる複合体の混合物が提供される。いくつかの態様において、かかる混合物中の複合体の平均DARは、1~3、1~4、1~5以上の範囲にあってもよい。DARは、分子ペイロードを抗体上の種々の部位へ抱合させることによって、および/または(例として、および)、マルチマーを抗体上の1以上の部位へ抱合させることによって、増大されてもよい。例えば、2のDARは、単一分子ペイロードを抗体上の2つの異なる部位へ抱合させることによって、または二量体分子ペイロードを抗体の単一部位へ抱合させることによって、達成されてもよい。
【0520】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された本明細書に記載の抗TfR抗体(例として、IgGまたはFABの形態の、表1に提供された3-A4、3-M12、および5-H12抗体)を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リンカー(例として、Val-citリンカー)を介して分子ペイロードへ共有結合的に連結された本明細書に記載の抗TfR抗体(例として、IgGまたはFABの形態の、表1に提供された3-A4、3-M12、および5-H12抗体)を含む。いくつかの態様において、リンカー(例として、Val-citリンカー)は、チオール反応性の連結を介して(例として、抗体中のシステインを介して)、抗体(例として、本明細書に記載の抗TfR抗体)へ連結されている。いくつかの態様において、リンカー(例として、Val-citリンカー)は、抗体(例として、本明細書に記載の抗TfR抗体)へアミン基を介して(例として、抗体中のリシンを介して)連結されている。
【0521】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、抗TfR抗体は、表3に示されるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と同じであるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と;表3に示されるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3と同じCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3とを含む。
【0522】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を有するVHおよび配列番号8のアミノ酸配列を有するVLを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0523】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、位置55でのNがTまたはSで置換された、配列番号7のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号8のアミノ酸配列を有するVLとを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0524】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、配列番号15のアミノ酸配列を有するVHおよび配列番号16のアミノ酸配列を有するVLを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0525】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、配列番号23のアミノ酸配列を有するVHおよび配列番号24のアミノ酸配列を有するVLを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0526】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、位置33でのCがYまたはDで置換された、配列番号23のアミノ酸配列を有するVHと、配列番号24のアミノ酸配列を有するVLとを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0527】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、配列番号178、配列番号185、配列番号269、配列番号270、配列番号273、または配列番号274のアミノ酸配列を有する重鎖、および配列番号179のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0528】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、配列番号180または配列番号186のアミノ酸配列を有する重鎖、および配列番号181のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0529】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、配列番号182、配列番号187、配列番号271、配列番号272、配列番号275、または配列番号276のアミノ酸配列を有する重鎖、および配列番号183のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0530】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結されたヒト化された本明細書に記載の抗TfR抗体を含み、ここで抗TfR抗体は、表3に示されるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と同じ、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3;ならびに表3に示されるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3と同じ、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、ヒト化されたVHおよびヒト化されたVLを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0531】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗体はヒト化抗体であり、これが、表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を有するヒトフレームワーク領域を含有するVHと、表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を有するヒトフレームワーク領域を含有するVLとを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0532】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗体は、配列番号7で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を有するヒトフレームワーク領域を含有するVHと、配列番号8で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を有するヒトフレームワーク領域を含有するVLとを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0533】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗体は、配列番号15で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を有するヒトフレームワーク領域を含有するVHと、配列番号16で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を有するヒトフレームワーク領域を含有するVLとを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0534】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗体は、配列番号23で表されるとおりのVHのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を有するヒトフレームワーク領域を含有するVHと、配列番号24で表されるとおりのVLのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を有するヒトフレームワーク領域を含有するVLとを含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0535】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗体はIgG1カッパであり、これが、表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDRを有するヒトフレームワーク領域を含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0536】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗体はIgG1カッパのFab'フラグメントであり、これが表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDRを有するヒトフレームワーク領域を含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0537】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、ここで抗体はIgG1カッパのFab'フラグメントであり、これが表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDRを有するヒトフレームワーク領域を含む。いくつかの態様において、分子ペイロードは、オリゴヌクレオチドである。
【0538】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リジンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含み、抗体はIgG1カッパのFab'フラグメントであり、これが、表1または表3に挙げられるマウス抗体(例として、3A4、3M12、または5H12)のCDRを有するヒトフレームワーク領域を含み、ここで複合体は、以下の構造:
【化19】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0539】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号1で表されるとおりのCDR-H1、配列番号2で表されるとおりのCDR-H2、配列番号3で表されるとおりのCDR-H3、配列番号4で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化20】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0540】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号1で表されるとおりのCDR-H1、配列番号233で表されるとおりのCDR-H2、配列番号3で表されるとおりのCDR-H3、配列番号4で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化21】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0541】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号1で表されるとおりのCDR-H1、配列番号80で表されるとおりのCDR-H2、配列番号3で表されるとおりのCDR-H3、配列番号4で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化22】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0542】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号9で表されるとおりのCDR-H1、配列番号10で表されるとおりのCDR-H2、配列番号11で表されるとおりのCDR-H3、配列番号12で表されるとおりのCDR-L1、配列番号13で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号14で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化23】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0543】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号17で表されるとおりのCDR-H1、配列番号18で表されるとおりのCDR-H2、配列番号19で表されるとおりのCDR-H3、配列番号20で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化24】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0544】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号237で表されるとおりのCDR-H1、配列番号18で表されるとおりのCDR-H2、配列番号19で表されるとおりのCDR-H3、配列番号20で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化25】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0545】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号239で表されるとおりのCDR-H1、配列番号18で表されるとおりのCDR-H2、配列番号19で表されるとおりのCDR-H3、配列番号20で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化26】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0546】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号145で表されるとおりのCDR-H1、配列番号146で表されるとおりのCDR-H2、配列番号147で表されるとおりのCDR-H3、配列番号148で表されるとおりのCDR-L1、配列番号149で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化27】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0547】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号145で表されるとおりのCDR-H1、配列番号234で表されるとおりのCDR-H2、配列番号147で表されるとおりのCDR-H3、配列番号148で表されるとおりのCDR-L1、配列番号149で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化28】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0548】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号145で表されるとおりのCDR-H1、配列番号236で表されるとおりのCDR-H2、配列番号147で表されるとおりのCDR-H3、配列番号148で表されるとおりのCDR-L1、配列番号149で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化29】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0549】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号155で表されるとおりのCDR-H1、配列番号156で表されるとおりのCDR-H2、配列番号157で表されるとおりのCDR-H3、配列番号158で表されるとおりのCDR-L1、配列番号159で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号14で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化30】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0550】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号165で表されるとおりのCDR-H1、配列番号166で表されるとおりのCDR-H2、配列番号167で表されるとおりのCDR-H3、配列番号168で表されるとおりのCDR-L1、配列番号169で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化31】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0551】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号238で表されるとおりのCDR-H1、配列番号166で表されるとおりのCDR-H2、配列番号167で表されるとおりのCDR-H3、配列番号168で表されるとおりのCDR-L1、配列番号169で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化32】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0552】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号240で表されるとおりのCDR-H1、配列番号166で表されるとおりのCDR-H2、配列番号167で表されるとおりのCDR-H3、配列番号168で表されるとおりのCDR-L1、配列番号169で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化33】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0553】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号150で表されるとおりのCDR-H1、配列番号151で表されるとおりのCDR-H2、配列番号152で表されるとおりのCDR-H3、配列番号153で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号154で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化34】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0554】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号1で表されるとおりのCDR-H150、配列番号277で表されるとおりのCDR-H2、配列番号152で表されるとおりのCDR-H3、配列番号153で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号154で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化35】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0555】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号150で表されるとおりのCDR-H1、配列番号278で表されるとおりのCDR-H2、配列番号152で表されるとおりのCDR-H3、配列番号153で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号154で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化36】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0556】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号160で表されるとおりのCDR-H1、配列番号161で表されるとおりのCDR-H2、配列番号162で表されるとおりのCDR-H3、配列番号163で表されるとおりのCDR-L1、配列番号13で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号164で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化37】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0557】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体は、リシンを介してオリゴヌクレオチドの5'端へ共有結合的に連結された抗TfR Fabを含み、ここで抗TfR Fabは、配列番号170で表されるとおりのCDR-H1、配列番号171で表されるとおりのCDR-H2、配列番号172で表されるとおりのCDR-H3、配列番号173で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号174で表されるとおりのCDR-L3を含む;ここで複合体は、以下の構造:
【化38】
を有し、ここでnは3であり、mは4である。
【0558】
いくつかの態様において、本明細書に記載の複合体の例のいずれか1つにおいて、L1は、本明細書に記載のスペーサーいずれか1つである。
【0559】
いくつかの態様において、L1は、以下:
【化39】
であり、ここでピペラジン部分は、オリゴヌクレオチドへ連結し、ここでL2は、
【化40】
である。
【0560】
いくつかの態様において、L1は、以下:
【化41】
であり、ここでピペラジン部分は、オリゴヌクレオチドへ連結する。
【0561】
いくつかの態様において、L1は、以下:
【化42】
である。
【0562】
いくつかの態様において、L1は、オリゴヌクレオチドの5'ホスファートへ連結される。いくつかの態様において、L1は、オリゴヌクレオチドの5'ホスホロチオアートへ連結される。いくつかの態様において、L1は、オリゴヌクレオチドの5'ホスホロアミダートへ連結される。
【0563】
いくつかの態様において、L1は、任意である(例として、存在する必要はない)。
【0564】
IV.製剤
本明細書に提供される抗TfR抗体または複合体は、いずれの好適なやり方でも製剤化されていてよい。一般に、本明細書に提供される抗体または複合体は、医薬への使用に好適なやり方で製剤化されている。例えば、複合体は、分解を最小限に抑え、送達および/または(例として、および)取り込みを容易にする製剤を使用して、対象へ送達され得るか、あるいは、製剤中の複合体へ別の有益な特性を提供する。いくつかの態様において、本明細書に提供されるのは、抗体または複合体および薬学的に許容し得る担体を含む組成物である。かかる組成物は、対象の標的細胞周囲の環境中または対象の全身のいずれかへ投与されたとき充分量の複合体が標的筋細胞に侵入できるように、好適に製剤化され得る。いくつかの態様において、抗体または複合体は、リン酸緩衝生理食塩溶液などの緩衝溶液中、リポソーム中、ミセル構造体中、およびカプシド中に製剤化される。
【0565】
いくつかの態様において、組成物が、本明細書に提供される複合体の1以上の構成要素(例として、抗TfR抗体、リンカー、分子ペイロード、またはこれらのいずれか1つの前駆体分子)を個別に包含していてもよいことは解されるはずである。
【0566】
いくつかの態様において、抗体または複合体は、水中または水性溶液(例として、pH調整された水)中に製剤化される。いくつかの態様において、抗体または複合体は、塩基性緩衝水性溶液(例として、PBS)中に製剤化される。いくつかの態様において、本明細書に開示のとおりの製剤は、賦形剤を含む。いくつかの態様において、賦形剤は、組成物へ、改善された安定性、改善された吸収、改善された可溶性、および/または(例として、および)、活性成分の治療増強を付与する。いくつかの態様において、賦形剤は、緩衝剤(例として、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、トリス塩基、もしくは水酸化ナトリウム)、またはビヒクル(例として、緩衝溶液、ワセリン、ジメチルスルホキシド、または鉱油)である。
【0567】
いくつかの態様において、複合体またはその構成要素(例として、オリゴヌクレオチドまたは抗体)は、その貯蔵寿命を延長するため凍結乾燥され、次いで使用(例として、対象への投与)前に溶液にさせられる。結果的に、本明細書に記載の複合体またはその構成要素を含む組成物中の賦形剤は、凍結保護剤(lyoprotectant)(例として、マンニトール、ラクトース、ポリエチレングリコール、もしくはポリビニルピロリドン)、または崩壊温度修飾因子(例として、デキストラン、フィコール、もしくはゼラチン)であってもよい。
【0568】
いくつかの態様において、医薬組成物は、その意図された投与ルートに適合するよう製剤化されている。投与ルートの例は、非経口投与、例として、静脈内投与、皮内投与、皮下投与を包含する。典型的には、投与ルートは、静脈内投与または皮下投与である。
【0569】
注射剤への使用に好適な医薬組成物は、滅菌水性溶液(ここで水に可溶性である)または分散溶液、および滅菌注射剤溶液または分散溶液の即時調製のための滅菌粉末を包含する。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、および好適なそれらの混合物を含有する溶媒または分散媒体であり得る。いくつかの態様において、製剤は、組成物中に等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール、および塩化ナトリウムを包含する。滅菌注射剤溶液は、要求量の複合体を、上に列挙された成分の1つまたはそれらの組み合わせとともに、選択された溶媒に組み込むこと、要求に応じ、これに続き濾過滅菌することによって調製され得る。
【0570】
いくつかの態様において、組成物は、活性成分(単数または複数)のパーセンテージが組成物全体の重量または体積の約1%と約80%以上との間であってもよいが、少なくとも約0.1%の複合体もしくはその構成要素を含有していてもよい。可溶性、バイオアベイラビリティ、生物学的半減期、投与ルート、産物の貯蔵寿命などの因子、ならびに他の薬理学的留意事項は、かかる医薬製剤を調製する当業者によって企図されるであろう。そのため様々な投薬量および処置計画が所望されることもある。
【0571】
V.使用の方法
本開示のいくつかの側面は、抗TfR抗体、抗体フラグメントまたはバリアント、これらをコードする核酸、および本明細書に記載の複合体の、研究、診断方法、検出方法、および治療方法における使用を包含する様々な使用を提供する。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、分子ペイロード(例として、診断用剤もしくは治療剤)を、トランスフェリン受容体を発現する標的細胞または組織へ送達するのに使用される。いくつかの態様において、標的細胞は、筋細胞である。いくつかの態様において、標的組織は、筋肉である。いくつかの態様において、標的組織は、脳である。分子ペイロードを送達するため、抗TfR抗体は、分子ペイロードへ抱合され(例として、共有結合的に抱合され)て複合体を形成していてもよい。
【0572】
a.診断および検出の方法
また本明細書に提供されるのには、上に記載の抗体、抗原結合性フラグメント、ポリヌクレオチド、ベクター、または細胞のいずれか1つの使用、ならびに診断方法および/または(例として、および)検出方法における任意に好適な手段もある。抗体または抗原結合性フラグメントは、例えば、免疫アッセイにおける使用に適しており、前記アッセイにおいてそれらは液相中で利用され得るかまたは固相担体へ結合され得る。抗体または抗原結合性フラグメントを利用し得る免疫アッセイの例は、直接または間接のいずれかのフォーマットの、競合および非競合の免疫アッセイである。かかる免疫アッセイの例は、酵素結合免疫測定法(Enzyme Linked Immunoassay)(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、サンドイッチ(免疫測定法(immunometric assay))、フローサイトメトリー、ウェスタンブロットアッセイ、免疫沈降アッセイ、免疫組織化学、免疫顕微鏡法(immuno-microscopy)、側方流動免疫クロマトグラフアッセイ、およびプロテオミクスアレイである。抗原および抗体または抗原結合性フラグメントは、多くの種々の固体支持体(例として、担体、膜、カラム、プロテオミクスアレイ等々)へ結合され得る。周知の固体支持体材料の例は、ガラス、ポリスチレン、塩化ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然セルロースおよび変性セルロース(ニトロセルロースなど)、ポリアクリルアミド、アガロース、ならびに磁鉄鉱を包含する。この種の支持体は、固定されているか、または溶液中に懸濁されているか(例として、ビーズ)のいずれかであり得る。
【0573】
いくつかの態様において、本明細書に提供される抗TfR抗体のいずれか1つは、生体試料においてランスフェリン受容体の存在を検出するのに有用である。用語「検出すること」は、本明細書に使用されるとき、定量的または定性的な検出を網羅する。ある態様において、生体試料は、血液、CSF、およびBBB含有組織などの、細胞または組織を含む。生体試料は、in vitro(例として、培養された)、またはin vivo(例として、対象中)であり得る。本開示はまた、研究使用における(例として、ウェスタンブロッティング、免疫染色、ELISA、および/または(例として、および)、FACSなどの免疫アッセイのための試薬としての)本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれか1つの使用も企図する。
【0574】
いくつかの態様において、診断または検出の方法における使用のための抗TfR抗体が提供される。いくつかの側面において、生体試料においてトランスフェリン受容体の存在を検出する方法が提供される。ある態様において、方法は、抗TfR抗体のトランスフェリン受容体への結合を許容する条件下で生体試料を本明細書に記載のとおりの抗TfR抗体と接触させること、および複合体が抗TfR抗体とトランスフェリン受容体との間で形成されたかを検出することを含む。かかる方法は、in vitroまたはin vivoでの方法であってもよい。いくつかの態様において、抗TfR抗体は、例として、トランスフェリン受容体が患者の選択のためのバイオマーカーである場合、抗TfR抗体での治療に適格な対象を選択するのに使用される。
【0575】
本明細書に記載の抗TfR抗体を使用して診断されてもよい例示の障害は、トランスフェリン受容体が網状赤血球に発現されており、したがって本発明の抗体のいずれによっても検出可能であるという事実に起因して、未成熟赤血球を伴う障害を包含する。かかる障害は、低減したレベルの網状赤血球から生じる貧血症および他の障害、または先天性赤血球増加症もしくは腫瘍性真性多血症を包含するが、ここで、例として網状赤血球の過剰増殖に起因して上昇した赤血球の総数は、血液の濃厚化および同時に起こる生理学的な症状をもたらす。
【0576】
いくつかの態様において、生体試料においてトランスフェリン受容体の存在/レベルを検出するために、標識された抗TfR抗体が使用される。標識は、これらに限定されないが、直接的に検出される標識または部分(蛍光の、発色団の、高電子密度の、化学ルミネセンスの、および放射性の標識など)、ならびに、例として酵素反応または分子間相互作用を通して、間接的に検出される酵素またはリガンドなどの部分を包含する。例示の標識は、これらに限定されないが、放射性同位体32P、14C、125I、3H、および131、フルオロフォア、たとえば、希土類キレートまたはフルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベロフェロン、ルシフェラーゼ、例として、ホタルルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ(米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタラジンジオン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖類オキシダーゼ(saccharide oxidases)、例として、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、およびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、染料前駆体(HRP、lactoペルオキシダーゼ、またはマイクロペルオキシダーゼなど)を酸化する過酸化水素を用いる酵素とカップリングされた複素環式オキシダーゼ(ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼなど)、ビオチン/アビジン、スピン標識、バクテリオファージ標識、安定した遊離ラジカル等を包含する。いくつかの態様において、検出可能な標識は、vitroで細胞においてトランスフェリン受容体を検出するのに好適な剤であって、これらは、放射性分子、放射性医薬品、または鉄オキシド粒子であり得る。in vivoでの画像化に好適な放射性分子は、これらに限定されないが、122I、123I,124I、125I、131I、18F、75Br、76Br、77Br、211At、225Ac、177Lu、153Sm、186Re、188Re、67Cu、213Bi、212Bi、212Pb、および67Gaを包含する。in vivoでの画像化に好適な例示の放射性医薬品は、111Inオキシキノリン、131Iヨウ化ナトリウム、99mTcメブロフェニン(Mebrofenin)、および99mTc赤血球(Red Blood Cells)、123Iヨウ化ナトリウム、99mTcエキサメタジム、99mTc大凝集アルブミン、99mTcメドロナート(Medronate)、99mTcメルチアジド(Mertiatide)、99mTcオキシドロナート(Oxidronate)、99mTcペンテタート(Pentetate)、99mTcペルテクネタート(Pertechnetate)、99mTcセスタミビ、99mTc硫黄コロイド、99mTcテトロホスミン、タリウム-201、またはキセノン-133を包含する。
【0577】
ある態様において、本明細書に記載の抗TfR抗体は、細胞または組織の(例として、蛍光顕微鏡法によるかまたは磁気共鳴画像法(MRI)による)可視化ため、検出可能な標識を標的細胞または組織へ(例として、筋細胞へ、もしくは血液脳関門を越えて脳へ)送達するのに使用され得る。本明細書に記載の検出可能な標識のいずれも、このために使用され得る。
【0578】
いくつかの態様において、診断または検出の方法に使用される抗TfR抗体は、エフェクター機能を欠くか、または低減されたエフェクター機能を有する。いくつかの態様において、診断/検出方法に使用される抗TfR抗体は、エフェクター機能を有さないかまたは低減されたエフェクター機能を有するよう(例として、Fabを使用すること、Ig主鎖を修飾すること、1以上のFc突然変異を導入してエフェクター機能を低減もしくは排除すること、および/または(例として、および)、抗体のグリコシル化状態を修飾することによって)改変される。
【0579】
トランスフェリン受容体への結合を決定するための様々な技法が利用可能である。1つのかかるアッセイは、ヒトトランスフェリン受容体(および脳抗原)への結合能を確認するための酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である。このアッセイに従い、抗原(例として、組換えトランスフェリン受容体)でコーティングされたプレートは、抗TfR抗体を含む試料とともにインキュベートされ、抗体の関心のある抗原への結合が決定される。
【0580】
診断アッセイをin vivoで実施するために、標識(例として、イメージング剤または造影剤)と抱合された、好適な量の抗TfR抗体が、検査を必要する対象へ投与され得る。標識された抗体の存在は、定型的な方法によって標識から放出されたシグナルに基づき検出され得る。全身的に投与された抗体の取り込みおよび抗体の他の生物活性を評価するためのアッセイは、当業者に知られている。
【0581】
科学研究アッセイを実施するために、抗TfR抗体は、トランスフェリン受容体の生物活性を研究するのに、および/または(例として、および)トランスフェリン受容体の存在を細胞内から検出するのに使用され得る。例えば、好適な量の抗TfR抗体が、トランスフェリン受容体を産生すると疑われる試料(例として、トランスフェリン受容体を産生する細胞としてこれまで同定されていない新しい細胞型)と接触させられ得る。抗体および試料は、抗体のトランスフェリン受容体抗原への結合を可能にするのに好適な条件下好適な期間インキュベートされてもよい。かかる相互作用は次いで、定型的な方法、例として、ELISA、組織学的染色、またはFACSを介して検出され得る。
【0582】
b.処置方法
本明細書に記載の抗TfR抗体は、治療剤(例として、オリゴヌクレオチド、ペプチド/タンパク質、核酸構築物等々)である分子ペイロードを送達するのに使用され得る。いくつかの側面において、本開示はまた、疾患の処置における使用のための分子ペイロードへ共有結合的に抱合された抗TfR抗体を含む複合体も提供する。
【0583】
いくつかの側面において、本明細書に記載のとおりの分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体は、筋疾患(例として、希少な筋疾患または筋萎縮症)を処置するのに有効である。いくつかの態様において、複合体は、表7に提供される希少な筋疾患を処置するのに有効である。いくつかの態様において、筋疾患は、疾患アレルに関連しており、例えば、具体的な筋疾患の疾患アレルは、表7に挙げられた対応する遺伝子において遺伝子変化を含んでいてもよい。
【0584】
いくつかの態様において、複合体は、「筋萎縮症の遺伝子標的」節の下で表7に挙げられた1以上の遺伝子の活性に関連する筋萎縮症を処置するのに有効である。いくつかの態様において、筋萎縮症は、AIDS、うっ血性心不全、がん、慢性閉塞性肺疾患、および腎不全を包含する慢性の病気、または筋廃用(muscle disuse)に起因する。
【0585】
他の側面において、本明細書に記載のとおりの分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体は、神経学的疾患を処置するのに有効である。いくつかの態様において、神経学的疾患は、これらに限定されないが、神経障害、アミロイドーシス、がん、眼の疾患または障害、ウイルスまたは微生物の感染症、炎症、虚血、神経変性疾患、発作、行動障害、およびリソソーム蓄積症を包含する。本出願の目的において、CNSは目を包含するよう理解されているが、目は通常、血液-網膜障壁によって身体の他の部分から隔離されている。神経学的障害の特定例は、これらに限定されないが、神経変性疾患(これらに限定されないが、レビー小体病、ポリオ後症候群、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病、多系統萎縮症、線条体黒質変性症を包含する)、タウオパチー(これらに限定されないが、アルツハイマー病および核上性麻痺を包含する)、プリオン病(これらに限定されないが、ウシ海綿状脳症、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ症候群、クールー、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、慢性消耗病、および致死性家族性不眠症を包含する)、球麻痺、運動ニューロン疾患、ならびに神経系ヘテロ変性障害(これらに限定されないが、カナバン病、ハンチントン病、神経セロイドリポフスチン症、アレキサンダー病、トゥレット症候群、メンケス病、コケイン症候群、ハラーホルデン・スパッツ症候群、ラフォラ病、レット症候群、肝レンズ核変性症、レッシュ・ナイハン症候群、およびウンフェルリヒト・ルントボルク症候群を包含する)、認知症(これらに限定されないが、ピック病および脊髄小脳失調症を包含する)、がん(例として、CNSのがん、身体のどこかのがんの結果生じる脳転移を包含する)を包含する。いくつかの態様において、神経学的疾患を処置するため、複合体は、神経学的疾患を処置するための薬物(例として、表8に挙げられた薬物)へ抱合された本明細書に記載の抗TfR抗体を含む。
【0586】
いくつかの態様において、対象は、ヒト対象、霊長目の非ヒト動物対象、齧歯類動物対象、またはいずれの好適な哺乳類の動物対象であってもよい。いくつかの態様において、対象は、表7に提供された筋疾患を有してもよい。いくつかの態様において、対象は、筋萎縮症を有していてもよく、または筋萎縮症を発症するリスクがあってもよい。
【0587】
本開示の側面は、本明細書に記載のとおりの有効量の複合体を対象へ投与することを伴う方法を包含する。いくつかの態様において、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体を含む有効量の医薬組成物は、処置を必要とする対象へ投与され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載のとおりの複合体を含む医薬組成物は、静脈内投与を包含してもよい好適なルートによって、例として、ボーラスとして、またはある期間にわたる連続注入によって、投与されてもよい。いくつかの態様において、静脈内投与は、筋肉内の、腹腔内の、脳脊髄内の(intracerebrospinal)、皮下の、関節内の、滑液嚢内の、または髄腔内のルートによって実施されてもよい。いくつかの態様において、医薬組成物は、固体形態、水性形態、または液体形態であってもよい。いくつかの態様において、水性または液体形態は、噴霧されてもよく、または凍結乾燥されてもよい。いくつかの態様において、噴霧形態または凍結乾燥形態は、水性または液体溶液で再構成されてもよい。
【0588】
静脈内投与のための組成物は、植物油、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、乳酸エチル、炭酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、およびポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)などの様々な担体を含有していてもよい。静脈内注射のための水可溶性抗体は点滴法によって投与され得、これによって抗体および薬学的に許容し得る賦形剤を含有する医薬製剤が注入される。薬学的に許容し得る賦形剤は、例えば、5%デキストロース、0.9%生理食塩水、リンガー溶液、または他の好適な賦形剤を包含していてもよい。筋肉内用調製物、例として、抗体の好適な可溶性の塩形態の滅菌製剤は、注射用水、0.9%生理食塩水、または5%グルコース溶液などの医薬賦形剤に溶解されて投与され得る。
【0589】
いくつかの態様において、分子ペイロードへ共有結合的に連結されたた抗TfR抗体を含む複合体を含む医薬組成物は、部位特異的または局部的な送達技法を介して投与される。これらの技法の例は、複合体の埋め込み型デポー供給源、局部送達カテーテル、部位特異的担体、直接注射、または直塗り(direct application)を包含する。
【0590】
いくつかの態様において、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体を含む医薬組成物は、治療効果を対象に付与する有効濃度にて投与される。有効量は、当業者によって認識されるとおり、疾患の重症度、処置される対象の特有な特徴、例として、年齢、体調、健康状態、または重量、処置時間、いずれの併用治療の性質、投与ルート、および関連因子に応じて変動する。これらの関連因子は当業者に知られており、わずかな定型的実験法で対処され得る。いくつかの態様において、有効濃度は、患者に安全であるとみなされる最大用量である。いくつかの態様において、有効濃度は、最大限の効き目を提供する、実行可能な最低濃度であろう。
【0591】
経験的考察、例として、対象における複合体の半減期は一般に、処置のために使用される医薬組成物の濃度の決定に寄与するであろう。投与頻度は、処置の効き目を最大化するために経験的に決定かつ調整されてもよい。
【0592】
一般に、本明細書に記載の複合体のいずれかの投与について、当初の候補投薬量は、上に記載の因子、例として、安全性または効き目に応じて、約1~100mg/kgであってもよく、またはこれより多くてもよい。いくつかの態様において、処置は、一度施されるであろう。いくつかの態様において、処置は、毎日、隔週、毎週、隔月、毎月、または対象へ最大の効き目を提供しつつ安全性へのリスクを最小に抑えるいずれの時間間隔にて、施されるであろう。一般に、効き目ならびに処置および安全性へのリスクは、処置過程を通してずっと監視されることもある。
【0593】
処置の効き目は、いずれか好適な方法を使用して査定されてもよい。いくつかの態様において、処置の効き目は、筋疾患および/または(例として、および)筋萎縮症に関連する症状の所見の評価によって査定されてもよい。
【0594】
いくつかの態様において、本明細書に記載の分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体を含む医薬組成物は、対照(例として、処置に先立つ遺伝子発現のベースラインレベル)と比べて、標的遺伝子の活性または発現を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%阻害するのに充分な有効濃度にて、対象へ投与される。
【0595】
いくつかの態様において、本明細書に記載の分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体を含む医薬組成物の対象への単回投薬または投与は、少なくとも1~5日間、1~10日間、5~15日間、10~20日間、15~30日間、20~40日間、25~50日間、またはこれより長い期間、標的遺伝子の活性または発現を阻害するのに充分である。いくつかの態様において、本明細書に記載の分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体を含む医薬組成物の対象への単回投薬または投与は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間、標的遺伝子の活性または発現を阻害するのに充分である。いくつかの態様において、本明細書に記載の分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む複合体を含む医薬組成物の対象への単回投薬または投与は、少なくとも1、2、3、4、5、または6カ月間、標的遺伝子の活性または発現を阻害するのに充分である。
【0596】
いくつかの態様において、医薬組成物は、分子ペイロードへ共有結合的に連結された抗TfR抗体を含む、1種より多くの複合体を含んでいてもよい。いくつかの態様において、医薬組成物は、対象、例として、筋疾患(例として、表7で提供された筋疾患)を有するヒト対象の処置のためのいずれか他の好適な治療剤をさらに含んでいてもよい。いくつかの態様において、他の治療剤は、本明細書に記載の複合体の有効性を増強または補完するものであってもよい。いくつかの態様において、他の治療剤は、本明細書に記載の複合体とは異なる症状または疾患を処置するよう機能してもよい。
【0597】
c.治療用途および診断用途のためのキット
本開示はまた、本明細書に開示のとおりの治療用途および診断用途のためのキットも提供する。かかるキットは、抗TfR抗体(例として、本明細書に記載の抗TfR抗体)を含む1以上の容器を包含し得る。
【0598】
いくつかの態様において、キットは、本明細書に記載の方法のいずれかに従う使用のための指示を含み得る。包含される指示は、本明細書に記載の疾患としての標的疾患を処置するか、その発病を遅延するか、または前記疾患を緩和するための抗TfR抗体の投与の記載を含み得る。キットはさらに、処置に好適な個体を、その個体が標的疾患を有するかを同定することに基づき選択する記載を含んでいてもよい。さらに他の態様において、指示は、標的疾患のリスクがある個体へ抗体を投与する記載を含む。
【0599】
抗TfR抗体の使用に関する指示は一般に、意図した処置のための投薬量、投薬スケジュール、および投与ルートに応じた情報を包含する。容器は、単位用量、大量パッケージ(例として、複数回用量パッケージ)、または単位用量未満の用量(sub-unit doses)であってもよい。本発明のキットにおいて供給される指示は典型的には、ラベル上の書面の指示または添付文書(例として、キット中に包含される紙シート)であるが、機械可読指示(例として、磁気記憶ディスクまたは光学式記憶ディスク上で送られる指示)もまた許容し得る。
【0600】
ラベルまたは添付文書は、組成物が、免疫応答をモジュレートすることによって処置可能な自己免疫疾患などの疾患もしくは障害を処置するのに、その発病を遅延するのに、および/または(例として、および)、前記疾患もしくは障害を緩和するのに使用されることを指し示す。指示は、本明細書に記載の方法のいずれも実践するために提供されてもよい。
【0601】
本発明のキットは、好適にパッケージングされている。好適なパッケージングは、これらに限定されないが、バイアル、瓶、壺、フレキシブルパッケージング(例として、密閉されたMylarまたはプラスチックバッグ)等を包含する。
【0602】
また企図されるのには、吸入器、経鼻投与デバイス(例として、噴霧器)、またはミニポンプなどの注入デバイスなどの特定のデバイスと組み合わせて使用されるためのパッケージもある。キットは、滅菌アクセスポートを有していてもよい(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであってもよい)。容器もまた、滅菌アクセスポートを有していてもよい(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであってもよい)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、本明細書に記載の抗TfR抗体としての抗TfR抗体である。
【0603】
キットは任意に、緩衝剤および説明的(interpretive)情報などの追加の構成要素を提供してもよい。通常、キットは、容器、および容器上のもしくは容器に結び付けられたラベルまたは添付文書(単数もしくは複数)を含む。いくつかの態様において、本発明は、上に記載のキットの内容物を含む製造品を提供する。
【0604】
また本明細書に提供されるのには、試料においてトランスフェリン受容体を検出することにおける使用のためのキットもある。かかるキットは、本明細書に記載の抗TfR抗体のいずれも含んでいてもよい。いくつかの場合において、抗TfR抗体は、本明細書に記載の標識としての検出可能な標識と抱合され得る。本明細書に使用されるとき、「抱合された」または「付着された」は、2つの実体が、好ましくは2つの実体間の結び付きの治療的/診断的な利益が現実化される充分な親和性で、結び付けられていることを意味する。2つの実体間の結び付きは、直接か、またはポリマーリンカーなどのリンカーを介してのいずれかであり得る。抱合されたまたは付着されたは、共有結合または非共有結合、ならびに封入(entrapment)などの他の形態の結び付き(例として、一方の実体が他方の実体上もしくはその内にあるか、または片方もしくは両方の実体がミセルなどの第3の実体上またはその内にある)を包含し得る。
【0605】
代替的にまたは加えて(例として、加えて)、キットは、抗TfR抗体へ結合することが可能な二次抗体を含んでいてもよい。キットはさらに、トランスフェリン受容体を検出するための抗TfR抗体を使用するための指示を含んでいてもよい。
【0606】
例
例1:抗TfR抗体のスクリーニング
ヒトTfR1のECDドメインで免疫付与されたマウスから、合計347の陽性ハイブリドーマクローンを、ヒトTfR1へ結合することができるものとしてELISAによって同定した。次いで347の抗体を、上位候補を選択するため数種のアッセイにおいて試験した(例として、
図1を見よ)。例えば、カニクイTfR1への結合を試験したELISAアッセイにおいて、カニクイTfR1へ結合しない抗体を候補プールから除去した。続いて、知られている抗TfR抗体とビニングした抗体を候補プールから除去した。次に、残存抗体を、ヒトTfR2へのそれらの結合能についてELISAアッセイにおいて試験し、ヒトTfR2の結合剤へ結合する抗体を候補プールから除去した。さらに、HepG2細胞およびCHO細胞への結合を試験したFACSアッセイにおいて、CHO細胞へ非特異的に結合した抗体を候補プールから除去した。最終的に、抗TfR抗体とトランスフェリンとの間の競合を試験した競合ELISAアッセイにおいて、TfRへのトランスフェリン結合と競合しこれを阻害した抗体を候補プールから除去した。
【0607】
例示の選択基準は、以下を包含する:
● ヒトTfR1に対して約60pM~約20nMのKD
● ヒトTfR1およびカニクイTfR1に対して1log以内のKD
● 同様のKD範囲内のKoff率
● 最小限の潜在的な脱アミド化、異性化、または酸化の部位
【0608】
これらのフィルターは、347の陽性ハイブリドーマクローンを約90クローンまで選択的に絞り込んだ。重鎖可変ドメイン(VH)および軽鎖可変ドメイン(VL)の例を配列決定し、配列を表1に提供する。In silico配列分析を実施して、潜在的な修飾部位または受けやすい(liable)残基を同定した。Kd率、Kon率、およびKoff率を決定するCarterra速度論的結合データが得られた。交差ビニングを、選択されたクローンについて互いに対し実施し、それらの相互競合能に基づき抗体群をビン毎に分類した。線状エピトープマッピングを実施して、いずれのコンセンサス結合部位も同定した。
【0609】
このデータすべてを組み合わせて、広範な親和性、多様な配列レパートリーに及ぶ20抗体を選び、所望の抗体特徴を、さらなる試験および分子ペイロードとの抱合のために選択した。
【0610】
3つの選択された抗体(3-A4、3-M12、および5-H12)につきヒトTfR1上の結合エピトープもまたマッピングした。抗体3-A4は、配列番号228で表されるとおりのヒトTfR1のアミノ酸90~96に対応するエピトープKGVEPKTへ結合する。結合エピトープに基づき、3-A4抗体は、TfR1の細胞外ドメインが切断されたときでさえTfR1へ結合することが予期される。抗体3-M12からも5-H12からも線状の結合エピトープが同定さなかったが、このことは結合が立体配座的であり得ることを指し示す。
【0611】
例2:ヒトTfR1に対する抗TfR1抗体の結合親和性
Ka(会合速度定数)、Kd(解離速度定数)、およびKD(親和性)の測定のために、選択された抗TfR1抗体を、ヒトTfR1に対するそれらの結合親和性について試験した。2つの知られている抗TfR1抗体15G11およびOKT9を対照として使用した。結合実験は25℃においてCarterra LSAによって行った。抗マウスIgGおよび抗ヒトIgG抗体の「芝生」をアミンカップリングによってHC30Mチップ上に調製した。59のIgG(58のマウスmAbおよび1つのヒトmAb)はチップ上に捕捉された。hTfR1、cyTfR1、およびhTfR2の希釈系列を結合のためにチップに注入した(1000nMから出発、1:3希釈、8つの濃度)。
【0612】
結合データは、緩衝液分析物注入からの応答を差し引くことと、Ka(会合速度定数)、Kd(解離速度定数)、およびKD(親和性)の概算のための1:1ラングミュア結合モデルに対してグローバルフィッティングすることとによって参照した。Carterra(商標)Kineticsソフトウェアを使用した。5~6つの濃度を曲線フィッティングに使用した。
【0613】
結果は、56のうち54のマウスmAbが13pM~50nMの範囲であるKD値によってhTfR1に対する結合を実証することを示した。マウスmAbの大多数は一桁ナノモル~サブナノモル範囲のKD値を有した。56のうち49のマウスmAbはcyTfR1に対する交差反応性の結合を示し、16pM~22nMの範囲であるKD値を有した。
【0614】
抗TfR1抗体のKa値、Kd値、およびK
D値は、表9に提供される。
表9.抗TfR1抗体のKa値、Kd値、およびK
D値
【表9】
【0615】
例3:オリゴヌクレオチドとの抗TfR1抗体の抱合
DMPKを標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(対照DMPK-ASO)へ共有結合的に抱合された抗TfR1抗体を含有する複合体を生成した。第1に、抗TfR抗体クローン3-A4、3-M12、5-H12、8-K6、9-K23、3-E5、6-D3、4-012、4-C5、10-P5、2-H19、3-F3、8-017、3-M9、10-H2、4-J22、9-D4、8-D15、4-H4、および9-C4のFab'フラグメントを、マウスモノクローナル抗体を酵素によって全長IgGのヒンジ領域においてまたはその下で切ること、次に部分的な還元によって調製した。Fab'は結合力または親和性がmAbと同等であることが確認された。
【0616】
抗TfR mAbをカテプシン切断可能なリンカーを介してDMPKを標的にするASOに共有結合的に連結することによって、筋標的化複合体を生成した。手短には、ビシクロ[6.1.0]ノニン-PEG3-L-バリン-L-シトルリン-ペンタフルオロフェニルエステル(BCN-PEG3-ValCit-PFP)リンカー分子をカルバメート結合によってDMPK標的化ASOにカップリングした。過剰なリンカーおよび有機溶媒をタンジェント流ろ過(TFF)によって除去した。次いで、精製されたVal-Citリンカー-ASOを、リジン上のε-アミンをアジド-PEG4-PFPによって修飾することによって生成されたアジド官能化抗トランスフェリン受容体抗体にカップリングした。陽性対照の筋標的化複合体をもまた15G11を使用して生成した。
【0617】
次いで、抗体カップリング反応の産物を2つの精製方法に付して、遊離の抗体および遊離のペイロードを除去した:1)疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC-HPLC)および2)サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)である。HICカラムは、減少していく塩勾配を利用して、遊離の抗体を抱合体から分離した。SECの間には、A260/A280トレースに基づいて分画を行って、抱合された材料を特異的に収集した。抱合体の濃度をNanodrop A280またはBCAタンパク質アッセイどちらか(抗体)およびQuant-It Ribogreenアッセイ(ペイロード)によって決定した。対応する薬物-抗体比(DAR)を計算した。DARは0.8と2.0との間の範囲にあり、すべての試料が等量のペイロードを受けるようにして標準化された。
【0618】
次いで、精製された複合体を細胞内在化およびDMPKの阻害について試験した。霊長目の非ヒト動物(NHP)またはDM1(DM1患者から提供)細胞を96ウェルプレート上で成長させ、7日にわたって筋管に分化させた。次いで、細胞を漸増していく濃度(0.5nM、5nM、50nM)の各複合体によって72時間にわたって処置した。細胞を収穫し、RNAを単離し、逆転写を行ってcDNAを生成した。qPCRをPpib(対照)およびDMPKに特異的なTaqManキットを使用してQuantStudio 7によって行った。処置されたvs無処置の細胞の残りのDMPK転写産物の相対量を計算し、結果は表10および
図3に示されている。
【0619】
結果は、抗TfR1抗体が筋細胞を標的化し、筋細胞によって分子ペイロード(DMPK ASO)と共に内在化される能力があることと、分子ペイロード(DMPK ASO)は標的遺伝子(DMPK)を標的化およびノックダウンする能力があることとを実証した。
表10.抗TfR1抗体の結合親和性および抱合体の有効性
【表10-1】
【表10-2】
*発現/抱合からの極めて低い収率
【0620】
興味深いことに、DMPKノックダウン結果は、トランスフェリン受容体に対する抗TfRの結合親和性とDMPKノックダウンのために細胞にDMPK ASOを送達することにおける有効性との間の相関の欠如を示した。驚くべきことに、本明細書に提供される抗TfR抗体(例として、少なくとも3-A4、3-M12、5-H12、8-K6、3-E5、10-P5、3-M9、および9-D4)は、これらの抗体および対照抗体15G11の間のヒトまたはカニクイトランスフェリン受容体に対する同等の結合親和性(または、5-H12などのある種の事例では、より低い結合親和性)にもかかわらず、対照抗体15G11と比較して、カニクイ細胞またはヒトDM1患者細胞どちらかにおいて、標的細胞にペイロード(例として、DMPK ASO)を送達することおよび分子ペイロードの生物学的効果(例として、DMPKノックダウン)を達成することにおいて優れた活性を実証した。
【0621】
上位の属性、例えば高いヒトTfR1親和性、NHPおよびDM1患者細胞株におけるDMPKの>50%ノックダウン、3つの固有配列による同定されたエピトープ結合、低い/ない予測されるPTM部位、ならびに良好な発現および抱合効率が、ヒト化のためのクローンの選択について考慮された。
【0622】
例4:抗TfR抗体の構造活性相関(SAR)
構造活性相関(SAR)分析を、CDRおよび/または(例として、および)フレームワークの領域中のコンセンサス配列を決定するために実施した。分析は、3-A4が9-B22と同じ重鎖および軽鎖CDRを有し、かつ重鎖フレームワーク領域中アミノ酸64にて9-B22と1アミノ酸相違することを示す(3-A4中V、および9-B22中M)。
【0623】
抗体3-M12については、同様の重鎖および/または(例として、および)軽鎖のCDR配列を有する抗体を同定し、10C21、10-K10、1-I02、6-B10、および9-I3を包含する。夫々のCDRを下の表11に示す。5-H12は、ユニークな重鎖および軽鎖のCDR配列を有し、同様の配列を共有する他の抗体はこの分析においては同定されなかった。
表11.3-M12のSAR分析
【表11】
【0624】
例3.抗TfR抗体および分子ペイロードを連結するリンカーの血清中安定性
例において抗体に連結されたオリゴヌクレオチドは、式(C)に示される切断可能なリンカーを介して抱合された。リンカーは血清中において安定性を維持し、標的化された筋細胞における十分なペイロード蓄積を利する放出動態を提供することが重要である。この血清中安定性は、静脈内全身投与、血流中における抱合されたオリゴヌクレオチドの安定性、筋組織への送達、および筋細胞における治療薬ペイロードの内在化にとって重要である。リンカーは、Fabへの複数の型のペイロード(ASO、siRNA、およびPMOを包含する)の正確な抱合を容易化することが確認されている。このフレキシビリティは、各筋疾患の遺伝学的な基礎に対処するための適当な型のペイロードの合理的選択を可能化した。加えて、リンカーおよび抱合ケミストリーは、各型のペイロードについて、各Fabに取り付けられるペイロード分子の比の最適化を許し、種々の筋疾患適用への使用を可能化するための分子の迅速な設計、産生、およびスクリーニングを可能化した。
【0625】
図4は、in vivoのリンカーの血清中安定性を示す。これは静脈内投薬後の72時間の過程において複数の生物種間で同等であった。少なくとも75%の安定性が各ケースにおいて投薬後の72時間に測定された。
【0626】
材料および方法
ヒト/カニクイTfR1 ELISAプロトコル
20μgバイアルの組換えヒトTfR1またはカニクイTFR1を10mLのPBS中へ希釈した。高結合の黒色平底96ウェルプレート(Corning# 3925)を、100μL/ウェルの組換えヒトTfR1またはカニクイTfR1でPBS中1μg/mLにてコーティングし、終夜4℃にて放置した。コーティング後、液体をはじき飛ばし、キムワイプで穏やかに叩いて残余液体を除去した。凍結乾燥BSAを10mg/mLにて溶解して1%w/v溶液を作製し、次いで200μLのPBS中1%BSA(w/w)をマルチチャネルで各ウェルへ加えた。ブロッキングをシェーカー300rpm上rtにて2時間進行させた。20x TBST溶液(Thermo #J77500-K2)をヌクレアーゼフリーの水中に希釈した。ブロッキング後、液体をはじき飛ばし、プレートを300μLのTBSTで3x洗浄した。0.5%BSA/TBST中の抗TfR1抗体の段階希釈を、カラムフォーマットの8点の段階希釈でA列へ三通りに加えた。陽性対照およびアイソタイプ対照をプレート上に包含させた。希釈率は5μg/mL~5ng/mLであった。プレートを室温にて60分間、300rpmにてオービタルシェーカー上に置いた。次いで液体をはじき飛ばし、プレートを300μLのTBSTで3x 洗浄した。抗(H+L)IgG-A488(1:500)(Invitrogen #A11013)をTBST中0.5%BSA中に希釈し、100μLをウェル毎に加えた。次いでプレートを室温にて60分間、300rpmにてオービタルシェーカー上でインキュベートした。次いで液体をはじき飛ばし、プレートを300μLのTBSTで4x 洗浄した。プレートをプレートリーダー上、495nm励起、520nm放射(15nmバンド幅)にて読み取った。データをエクセルファイルとして記録し、EC50算出およびlog曲線のためPrismにおいて分析した。
【0627】
TFN競合アッセイ
TfR1へ結合するTfNまたはHFEのAbブロッキングのELISAアッセイを、2つの方法を使用して実施した。両方法に使用される緩衝剤は、1X PBSを含有し0.05%Tween-20で補充された洗浄用緩衝剤、および1X PBSを含有し3%BSAで補充されブロッキング用緩衝剤を包含する。
【0628】
方法1
組換えの精製TfR1-HISタンパク質を1X PBSで1μg/mLまで希釈し、10μLを各ウェル中へ等分した。次いでプレートがTfR1タンパク質でコーティングされるように、プレートを覆い4℃にて終夜(12~20時間)インキュベートした。終夜コーティング後、プレートを洗浄用緩衝剤で2x洗浄した。残存する洗浄用緩衝剤を捨てた。ウェルをブロッキング用緩衝剤(55μL)で室温(RT)にて1時間インキュベートした。ブロッキングの終了時に、ブロッキング用溶液を捨てた。プレートを洗浄用緩衝剤で2x洗浄した。次いで抗体をタンパク質-結合パートナーで予洗浄した。プレミックスA:対照抗体(20μg/mL、2X)を、200nM Tfn(2X)または200nM HFE-HIS(2x)のいずれかと混合した。プレミックスB:飽和上清を、200nM Tfn(2X)または200nM HFE-HIS(2x)のいずれかと混合した。プレミックスAまたはプレミックスB(20μL)をウェルへ加え、次いでこれを室温にて1時間インキュベートした。
【0629】
インキュベーション後、上清を捨て、プレートを洗浄用緩衝剤で4x洗浄した。ウェルを、抗マウスIgG-HRPまたは抗ヒトIgG-HRP(1:7000希釈;20μL/ウェル)のいずれかとともに室温にて45分間インキュベートした。
【0630】
SuperSignal ELISA Pico Chemiluminescence Substrate溶液を、ペルオキシダーゼ溶液をルミノールエンハンサー溶液と予混合することによって1:1溶液として調製した。混合物を1X PBSで50%まで希釈した。
【0631】
45分間のインキュベーション後、各プレートを、1X 洗浄用緩衝剤を使用して4X洗浄した。プレートを180度回転させて、もう4X洗浄した。予混合されたSuperSignal ELISA Pico基質溶液(20μL)を各ウェルへ加えた。プレートを、基質を加えて15分以内にMolecuLar Devices SpectraMax M3ルミノメーターおよびSoftmax Pro Version 6.2上で読み取った。
【0632】
方法2
Tfn貯蔵タンパク質を解凍し、1X PBSで2μg/mLまで希釈した。10μLを各ウェル中へ分配した。各プレートを覆い、4℃にて終夜(12~20時間)インキュベートした。
【0633】
終夜コーティング後、プレートを洗浄用緩衝剤で2x洗浄した。残存する洗浄用緩衝剤を捨てた。ウェルをブロッキング用緩衝剤(55μL)とインキュベートし、室温(RT)にて1時間インキュベートした。ブロッキング終了時に、ブロッキング用溶液を捨てた。プレートを洗浄用緩衝剤で2x洗浄した。抗体をタンパク質-結合パートナーと予混合した。プレミックスC:対照抗体(20μg/mL、2X)を30.8μg/mL TfR1(2X)と混合した。プレミックスD:飽和上清を30.8μg/mL TfR1(2X)と混合した。プレミックスCまたはプレミックスD(20μL)をウェルへ加え、次いでこれを室温にて1時間インキュベートした。
【0634】
上清を捨てた。プレートを洗浄用緩衝剤で4x洗浄した。ウェルを1μg/mLビオチン-MD10(20μl/ウェル)とともに室温にて45分間インキュベートした。プレートを洗浄用緩衝剤で4x洗浄した。ウェルを1μg/mLストレプトアビジン-HRP(20μl/ウェル)とともに室温にて45分間インキュベートした。
【0635】
SuperSignal ELISA Pico Chemiluminescence Substrate溶液を、ペルオキシダーゼ溶液をルミノールエンハンサー溶液と予混合することによって1:1溶液として調製した。混合物を1X PBSで50%まで希釈した。
【0636】
45分間のインキュベーション後、各プレートを、1X 洗浄用緩衝剤を使用して4x洗浄した。プレートを180度回転させて、もう4X洗浄した。予混合されたSuperSignal ELISA Pico基質溶液(20μL)を各ウェルへ加えた。プレートを、基質を加えて15分以内にMolecuLar Devices SpectraMax M3ルミノメーターおよびSoftmax Pro Version 6.2上で読み取った。
【0637】
逆転写およびqPCR
手順(SuperScript IVによる最初の鎖の合成):
1.必要とされるすべてのキット試薬を氷上で解凍する。
注記:必要となるまでSuperScript IV RTを-20から移動させない。
2.Master Mix 1の構成要素をヌクレアーゼフリーの管/ウェル中で合わせる:
【表12】
3.ピペッティングによって手短に混合し、次いで遠心分離してウェルの底にある内容物を収集する。
4.マスターミックス1::RNA溶液を65℃にて5分間加熱し、次いで氷上で少なくとも1.5分間インキュベートする。
5.ボルテックスして、5x SSIV緩衝剤をスピンダウンする。
6.マスターミックス2の構成要素をヌクレアーゼフリーの管/ウェル中へ合わせる:
【表13】
7.ピペッティングによって混合する。
8.7uLのマスターミックス2を、アニーリングされたRNA反応へ加える。
9.サーマルサイクラーを開始させてRTプログラムを実行する:
【表14】
10.qPCRの準備が整うまでcDNAを保管する。
手順(qPCR):
1.各TaqManキットに要される反応数を決定する:
【表15】
2.反応のためのマスターミックスを創出する:
【表16-1】
【表16-2】
3.マスターミックスを、概形がプレートマップによって示されるとおりに96ウェルプレートのウェル中へ等分する。
4.cDNA/H2Oを、概形がプレートマップによって示されるとおりにウェルへ加える。
5.96ウェルプレートを接着性の覆いで密封する。
6.cDNAおよびマスターミックスをボルテックスによって混合する。
7.96ウェルプレートを手短にスピンし、すべての液体が各ウェルの底にあることを確実にする。
8.96ウェルプレートの内容物を、12チャネルマイクロピペットを使用し384ウェルプレート(20uL)へ等分する。
9.qPCR分析を、QuantStudio 7を使用して実行する(要予約)。
追加の態様
1.ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)の、重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、および重鎖相補性決定領域3(CDR-H3);および/または
(ii) 配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)の、軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)。
2.態様1の抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号1で表されるとおりのCDR-H1、配列番号2で表されるとおりのCDR-H2、配列番号3で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号4で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3;
(ii) 配列番号145で表されるとおりのCDR-H1、配列番号146で表されるとおりのCDR-H2、配列番号147で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号148で表されるとおりのCDR-L1、配列番号149で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3;あるいは
(iii) 配列番号150で表されるとおりのCDR-H1、配列番号151で表されるとおりのCDR-H2、配列番号152で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号153で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号154で表されるとおりのCDR-L3。
3.ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号1で表されるとおりのCDR-H1、配列番号233もしくは配列番号80で表されるとおりのCDR-H2、配列番号3で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号4で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3;
(ii) 配列番号145で表されるとおりのCDR-H1、配列番号234もしくは配列番号236で表されるとおりのCDR-H2、配列番号147で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号148で表されるとおりのCDR-L1、配列番号149で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号6で表されるとおりのCDR-L3;あるいは
(iii) 配列番号150で表されるとおりのCDR-H1、配列番号277もしくは配列番号278で表されるとおりのCDR-H2、配列番号152で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号153で表されるとおりのCDR-L1、配列番号5で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号154で表されるとおりのCDR-L3。
4.態様1~3のいずれか1つの抗体であって、抗体は、配列番号7と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号8と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。
5.ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号15のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)の、重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、および重鎖相補性決定領域3(CDR-H3);および/または
(ii) 配列番号16のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)の、軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)。
6.態様5の抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号9で表されるとおりのCDR-H1、配列番号10で表されるとおりのCDR-H2、配列番号11で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号12で表されるとおりのCDR-L1、配列番号13で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号14で表されるとおりのCDR-L3;
(ii) 配列番号155で表されるとおりのCDR-H1、配列番号156で表されるとおりのCDR-H2、配列番号157で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号158で表されるとおりのCDR-L1、配列番号159で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号14で表されるとおりのCDR-L3;あるいは
(iii) 配列番号160で表されるとおりのCDR-H1、配列番号161で表されるとおりのCDR-H2、配列番号162で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号163で表されるとおりのCDR-L1、配列番号13で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号164で表されるとおりのCDR-L3。
7.態様5または態様6の抗体であって、抗体は、配列番号15と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号16と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。
8.ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号23のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)の、重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)、および重鎖相補性決定領域3(CDR-H3);および/または
(ii) 配列番号24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)の、軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、および軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)。
9.態様8の抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号17で表されるとおりのCDR-H1、配列番号18で表されるとおりのCDR-H2、配列番号19で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号20で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3;
(ii) 配列番号165で表されるとおりのCDR-H1、配列番号166で表されるとおりのCDR-H2、配列番号167で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号168で表されるとおりのCDR-L1、配列番号169で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3;あるいは
(iii) 配列番号170で表されるとおりのCDR-H1、配列番号171で表されるとおりのCDR-H2、配列番号172で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号173で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号174で表されるとおりのCDR-L3。
10.ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号237もしくは配列番号239で表されるとおりのCDR-H1、配列番号18で表されるとおりのCDR-H2、配列番号19で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号20で表されるとおりのCDR-L1、配列番号21で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3;または
(ii) 配列番号238もしくは配列番号240で表されるとおりのCDR-H1、配列番号166で表されるとおりのCDR-H2、配列番号167で表されるとおりのCDR-H3;および/または配列番号168で表されるとおりのCDR-L1、配列番号169で表されるとおりのCDR-L2、および配列番号22で表されるとおりのCDR-L3。
11.態様8~10のいずれか1つの抗体であって、抗体は、配列番号23と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVH、および/または配列番号24と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。
12.態様1~11のいずれか1つの抗体であって、抗体は、ヒト化抗体である。
13.態様10の抗体であって、ヒト化抗体は、ヒト化されたVHおよび/またはヒト化されたVLを含む。
14.態様1~13のいずれか1つの抗体であって、抗体は、完全長IgG、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、F(ab')2フラグメント、scFv、およびFvからなる群から選択される。
15.態様14の抗体であって、ここで抗体は、完全長IgGである。
16.態様15の抗体であって、ここで抗体は、アイソタイプIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4の重鎖定常領域を含む。
17.態様16の抗体であって、ここで抗体は、配列番号175または配列番号176で表されるアイソタイプIgG1の重鎖定常領域を含む。
18.態様15~17のいずれか1つの抗体であって、ここで抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号178と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または配列番号179と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖;
(ii) 配列番号180と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または配列番号181と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖;あるいは
(iii) 配列番号182と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または配列番号183と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖。
19.態様14の抗体であって、抗体は、F(ab')フラグメントである。
20.態様19の抗体であって、抗体は、以下を含む:
(i) 配列番号185と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または配列番号179と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖;
(ii) 配列番号186と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または配列番号181と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖;あるいは
(iii) 配列番号187と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む重鎖、および/または配列番号183と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖。
21.ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体は、以下:表1に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と比較したとき、合わせてわずか10アミノ酸バリエーション、好ましくはわずか8アミノ酸バリエーション、より好ましくはわずか5アミノ酸バリエーションを含有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む;および/または、抗体は、表1もしくは表3に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3と比較したとき、合わせてわずか10アミノ酸バリエーション、好ましくはわずか8アミノ酸バリエーションを含有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
22.ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体は、以下:表1に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む;および/または、抗体は、表1もしくは表3に挙げられた抗体のいずれか1つのCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む。
23.ヒトトランスフェリン受容体(TfR)へ結合する抗体であって、抗体は、以下を含む:
GYSITSGYX
1(配列番号286)として表されるCDR-H1、ここでX
1は、YもしくはGであり得る;
IX
2FDGX
3X
4(配列番号287)として表されるCDR-H2、ここでX
2は、TもしくはNであり得、X
3は、AもしくはNであり得、およびX
4は、N、T、もしくはSであり得る;
X
5RX
6X
7YDYDX
8X
9DX
10(配列番号288)として表されるCDR-H3、ここでX
5は、TもしくはAであり、X
6は、S、F、もしくはIであり、X
7は、S、N、もしくはYであり、X
8は、P、Y、もしくはVであり、X
9は、I、F、もしくはLであり、およびX
10は、YもしくはFである;および/または
QDIX
11NX
12(配列番号289)として表されるCDR-L1、ここでX
11は、SもしくはTであり、およびX
12は、F、C、S、もしくはYである;
YTS(配列番号13)として表されるCDR-L2;ならびに
QQGX
13X
14X
15PX
16T(配列番号290)として表されるCDR-L3、ここでX
13は、HもしくはNであり、X
14は、TもしくはAであり、X
15は、LもしくはYであり、およびX
16は、Y、W、もしくはFである。
24.態様1~21のいずれか1つの抗体であって、抗体は、トランスフェリン受容体1(TfR1)に10
-9M未満のK
Dで結合する。
25.態様1~24のいずれか1つにおける抗体をコードする核酸。
26.態様25の核酸を含むベクター。
27.態様26のベクターを含む細胞。
28.態様27の細胞を抗体の発現に好適な条件下で培養することを含む、抗TfR1抗体を産生する方法。
29.分子ペイロードへ共有結合的に連結された態様1~23のいずれか1つの抗体を含む複合体。
30.態様29の複合体であって、ここで分子ペイロードは、診断用薬または治療剤である。
31.態様29の複合体であって、ここで分子ペイロードは、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、または小分子である。
32.態様29~31のいずれか1つの複合体であって、ここで抗体および分子ペイロードは、リンカーを介して連結されている。
33.態様32の複合体であって、ここでリンカーは、可逆的なリンカーである。
34.態様33の複合体であって、ここでリンカーは、val-Citリンカーである。
35.態様1~23のいずれか1つの抗体、態様25の核酸、態様26のベクター、または態様26~31のいずれか1つの複合体を含む組成物。
36.態様32の組成物であって、薬学的に許容し得る担体をさらに含む。
37.生体試料におけるトランスフェリン受容体を検出する方法であって、態様1~23のいずれか1つの抗体を生体試料と接触させること、および抗体の生体試料への結合を測定することを含む。
38.態様37の方法であって、ここで抗体は、診断用薬へ共有結合的に連結されている。
39.態様38の方法であって、ここで生体試料は、トランスフェリン受容体に関連する疾患を有すると疑われるか、または前記疾患のリスクがあるヒト対象から得られる。
40.態様39の方法であって、ここで接触させるステップは、対象へ有効量の抗TfR抗体を投与することによって実施される。
41.分子ペイロードを細胞へ送達する方法であって、態様29~34のいずれか1つの複合体を細胞と接触させることを含む。
42.態様41の方法であって、ここで細胞は、筋細胞である。
43.態様41または態様42の方法であって、ここで細胞は、in vitroにある。
44.態様43の方法であって、ここで細胞は、対象にある。
45.態様44の方法であって、ここで対象は、ヒトである。
46.分子ペイロードを対象の脳または筋肉へ送達する方法であって、有効量の態様29~34のいずれか1つの複合体を対象へ投与することを含む。
47.態様46の方法であって、ここで投与は、静脈内である。
48.疾患を処置する方法であって、有効量の態様29~34のいずれか1つの複合体を対象へ投与することを含み、ここで分子ペイロードは、治療剤である。
49.態様48の方法であって、ここで疾患は、神経学的疾患であり、および分子ペイロードは、神経学的疾患を処置するための薬物である。
50.態様48の方法であって、ここで疾患は、筋疾患であり、および分子ペイロードは、筋疾患を処置するための薬物である。
51.態様50の方法であって、ここで筋疾患は、希少な筋疾患または筋萎縮症である。
【0638】
等価物および専門用語
例証的に本明細書に記載された開示は、好適には、本明細書に具体的には開示されないいずれかの要素(単数または複数)、限定(単数または複数)の非存在下において実施され得る。それゆえに、例えば、本出願の各事例において、用語「含む」、「から本質的になる」、および「からなる」のいずれかは、他の2つの用語のどちらかによって置き換えられ得る。採用された用語および表現は、限定ではなく記載の用語として使用され、かかる用語および表現の使用には、示されるおよび記載される特徴のいずれかの等価物またはそれらの部分を排除する意図はなく、種々の改変が本開示の範囲内で可能であることが認識される。それゆえに、本開示は好ましい態様によって具体的に開示されたが、本明細書に開示される概念の任意の特徴、改変、および変形が当業者によって頼られ得ることと、かかる改変および変形は本開示の範囲内であると考慮されることとは理解されるべきである。
【0639】
加えて、本開示の特徴または側面がマーカッシュ群または代替物の他の群分けとして記載されるところでは、当業者は、本開示がそれによってマーカッシュ群または他の群のいずれかの個々の構成員または構成員のサブグループとしてもまた記載されることを認識するであろう。
【0640】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたは他の核酸の構造を記載する際には、配列表で提示される配列が参照され得ることは了解されるべきである。かかる態様において、実際のオリゴヌクレオチドまたは他の核酸は、指定された配列と本質的に同じかまたは類似の相補的な特性を保持しながら、指定された配列と比較して、1以上の代替的なヌクレオチド(例として、DNAヌクレオチドのRNAカウンターパート、またはRNAヌクレオチドのDNAカウンターパート)および/または(例として、および)1以上の修飾ヌクレオチドおよび/または(例として、および)1以上の修飾されたヌクレオチド間連結および/または(例として、および)1以上の他の改変を有し得る。
【0641】
本発明を記載する文脈における(特に次の請求項の文脈における)用語「a」および「an」および「the」ならびに類似のレファレントの使用は、本明細書に別様に指し示されないかまたは文脈によって明瞭に否定されない限り、単数および複数両方をカバーすると解釈されるべきである。用語「含む」、「有する」、「包含する」、および「含有する」は、別様に指摘されない限り、開放型の用語として解釈されるべきである(すなわち、「包含するが、これらに限定されない」を意味する)。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別様に指し示されない限り、単に、範囲内に収まる各別個の値を個々に参照する簡略な方法として働くことを意図され、各別個の値は、それが本明細書に個々に記載される場合のように本明細書に組み込まれる。本明細書に別様に指し示されないかまたは別様には文脈によって明瞭に否定されない限り、本明細書に記載のすべての方法はいずれかの好適な順序で行われ得る。別様に請求されない限り、本明細書に提供されるいずれかのおよびすべての例または例示的な文言(例として、「などの」)の使用は、単に本発明をより良く解き明かすことを意図され、本発明の範囲に限定を課さない。本明細書のいかなる文言も、いずれかの請求されない要素を本発明の実施にとって必須であると指し示すものと解釈されるべきではない。
【0642】
本発明の態様が本明細書に記載されている。それらの態様の変形は、先述の記載を読むことによって当業者には明らかになり得る。
【0643】
本発明者は当業者がかかる変形を適当に採用することを予期し、本発明者は本発明が本明細書に具体的に記載されるとおりとは別様に実施されることを意図する。したがって、本発明は、然るべき法律によって許可される本明細書に添付される請求項に記載される主題のすべての改変および等価物を包含する。その上、それらのすべての可能な変形における上に記載された要素のいずれかの組み合わせは、本明細書に別様に指し示されないかまたは別様に文脈によって明瞭に否定されない限り、本発明によって包摂される。当業者は、本明細書に記載の本発明の具体的な態様の多くの等価物を認識するか、またはせいぜい定型的な実験作業によって確かめる能力があるであろう。かかる等価物は次の請求項によって包摂されることを意図される。
【配列表】
【国際調査報告】