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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】バルク材料を供給するためのホッパ
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/40 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
B65G65/40 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547283
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2021050337
(87)【国際公開番号】W WO2021156014
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】2001556.6
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522308358
【氏名又は名称】シェンク プロセス ユーロップ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Schenck Process Europe GmbH
【住所又は居所原語表記】Pallaswiesenstrasse 100, 64293 Darmstadt, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミハル フレボヴェツ
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA07
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB01
3F075CA02
3F075CA06
3F075CA09
3F075CC03
3F075CC05
3F075DA09
3F075DA17
(57)【要約】
本明細書には、バルク材料を供給するための装置および方法が記載されている。より詳細には、材料の一定のかつ信頼性の高い供給を提供する、バルク固体などのバルク材料を供給するための装置および方法が記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク材料を供給するためのホッパ(100)であって、前記ホッパ(100)は、
上側部分(A)と下側部分(B)とを有する本体と、
前記本体の前記上側部分(A)の上面に位置し、前記バルク材料を前記ホッパ(100)に入れるための入口(110)と、
前記本体の前記下側部分(B)の下面に位置し、前記バルク材料を前記ホッパ(100)から出すための出口(130)と、
を備え、
前記本体は、前記バルク材料が前記ホッパ(100)の前記入口(110)から下向きに実質的に鉛直に前記出口(130)を通過するための実質的に鉛直な通路(111)を規定しており、
前記本体の前記上側部分(A)は、前記バルク材料の移動方向において、前記入口(110)から前記出口(130)まで前記ホッパ(100)の中心を通過する、中心に位置決めされた実質的に鉛直な軸線「Y」に対して外向きに傾斜している少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面(112,114,120,180,190,192)を有し、
前記本体の前記下側部分(B)は、前記バルク材料の移動方向において、前記入口(110)から前記出口(130)まで前記ホッパ(100)の中心を通過する、前記実質的に鉛直な軸線「Y」に向かって内向きに傾斜している少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面(142,152,172,174)を有し、
前記ホッパ(100)は、前記出口(130)を通して前記バルク材料の実質的に一定の供給を提供することができる、
バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項2】
前記ホッパ(100)の前記本体の前記上側部分(A)に、前記バルク材料が前記入口(110)から前記出口(130)を通って出るときに、前記ホッパ(100)の鉛直な中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びている、少なくとも1つまたは一連の平坦なまたは実質的に平坦なかつ平面のパネル(112,114,120,180,190,192)が存在している、請求項1記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項3】
前記ホッパ(100)の前記上側部分(A)を形成する前記パネル(112,114,120,180,190,192)の大部分は、前記バルク材料が前記入口(110)から前記出口(130)を通って出るときに、前記ホッパ(100)の鉛直な中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びている、請求項1または2記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項4】
前記ホッパ(100)の前記上側部分(A)を形成する前記パネル(112,114,120,180,190,192)は、実質的に平坦な多角形である、請求項1から3までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項5】
前記ホッパ(100)の前記上側部分(A)は、前記バルク材料が前記入口(110)から前記出口(130)を通って出るときに、前記ホッパ(100)の前記中心軸線「Y」に対して外向きに傾斜している、より大きい6つの辺を有する2つの平坦なパネル(112,180)と、より小さい三角形の2つの平坦なパネル(114,120)とを備える、請求項1から4までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項6】
前記ホッパ(100)の前記上側部分(A)を形成し、前記ホッパ(100)の前記中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びている前記パネル(112,114,120,180,190,192)は、約2°~約45°の範囲で外向きに傾斜している、請求項1から5までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項7】
前記下側部分(B)を形成する前記少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面(142,152,172,174)は、前記バルク材料の前記移動方向において、前記中心軸線「Y」に向かって内向きに延びており、それによって、前記バルク材料の移送が補助されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項8】
前記ホッパ(100)の前記上側部分(A)は、前記ホッパ(100)の前記鉛直な中心「Y」軸線に沿って延びる高さに関して、前記ホッパ(100)の前記下側部分(B)よりも長い、請求項1から7までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項9】
前記ホッパの前記上側部分(A)は、前記ホッパ(100)の前記下側部分(B)の高さの約1~5倍または2~5倍である、請求項1から8までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項10】
前記ホッパ(100)の前記下側部分(B)に、前記ホッパ(100)の前記出口(130)への前記材料の流れを促進する、前記ホッパ(100)の前記下側部分(B)に撹拌および/または脈動および/または振動および/または破壊および/または払拭(すなわち、掻取り)を提供することができる少なくとも1つ以上の撹拌機(140,150)が存在している、請求項1から9までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項11】
前記ホッパ(100)の前記下側部分(B)の対向する側面(142,152)に位置する2つ以上の撹拌機(140,150)が存在している、請求項1から10までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項12】
前記ホッパ(100)の前記下側部分(B)を形成する前記パネル(142,152,172,174)の少なくとも1つ、大部分またはすべては、前記ホッパ(100)の前記中心軸線「Y」に向かって内向きに傾斜しており、ひいては、前記バルク材料の移動方向において、前記中心軸線「Y」に向かって内向きに延びている、請求項1から11までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項13】
前記下側部分(B)を形成する前記パネル(142,152,172,174)の傾斜の角度は、約10°~約45°の範囲である、請求項11または12記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項14】
前記ホッパ(100)の前記下側部分(B)に設けられた前記撹拌機(140,150)は、前記ホッパ(100)の前記中心軸線「Y」に向かって内向きに傾斜している前記下側部分(B)を形成する前記パネル(142,152)上に位置しており、ひいては、前記バルク材料の移動方向において、前記中心軸線「Y」に向かって内向きに延びている前記パネル(142,152)上に位置している、請求項1から13までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項15】
前記パネル(142,152)の、鉛直な中心「Y」軸線から内向きに向かう傾斜の角度は、約10°~約45°の範囲である、請求項14記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項16】
前記ホッパ(100)の前記出口(130)は、前記ホッパ(100)の前記上側部分(A)と前記下側部分(B)との間の断面積よりも約30%~80%小さい、請求項1から15までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項17】
前記ホッパ(A)の前記上側部分(A)および前記下側部分(B)は、平坦なまたは実質的に平坦なパネルであって、前記ホッパ(100)を通過する前記通路(111)用の平坦なかつ/または平滑な表面を形成するパネルから作製されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項18】
前記上側部分(A)および/または前記下側部分(B)を形成する前記少なくとも1つ以上の実質的に平坦なパネルは、板金および/または複合材料および/または合金から形成されている、請求項1から17までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項19】
前記上側部分(A)および/または前記下側部分(B)を形成する前記少なくとも1つ以上の実質的に平坦なパネルは、前記材料が最小限の摩擦および/または抵抗で前記入口(110)から前記出口(130)まで前記ホッパ(100)を通過し、それによって、前記バルク材料のあらゆる閉塞を防止するための平滑な内面を形成している、請求項1から18までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項20】
前記下側部分(B)に位置する少なくとも1つ以上の撹拌機(140,150)が存在している、請求項1から19までのいずれか1項記載の、バルク材料を供給するためのホッパ(100)。
【請求項21】
バルク材料の実質的に一定の供給を提供する方法であって、前記方法は、
上側部分(A)と下側部分(B)とを有する本体を提供することと、
前記本体の前記上側部分(A)の上面に位置し、前記バルク材料を前記ホッパ(100)に入れるための入口(110)を提供することと、
前記本体の前記下側部分(B)の下面に位置し、前記バルク材料を前記ホッパ(100)から出すための出口(130)を提供することと、
を含み、
前記本体は、前記バルク材料が前記ホッパ(100)の前記入口(110)から下向きに実質的に鉛直に前記出口(130)を通過するための実質的に鉛直な通路(111)を規定しており、
前記本体の前記上側部分(A)は、前記バルク材料の移動方向において、前記入口(110)から前記出口(130)まで前記ホッパ(100)の中心を通過する、中心に位置決めされた実質的に鉛直な軸線「Y」に対して外向きに傾斜している少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面(112,114,120,180,190,192)を有し、
前記本体の前記下側部分(B)は、前記バルク材料の移動方向において、前記入口(110)から前記出口(130)まで前記ホッパ(100)の中心を通過する、前記実質的に鉛直な軸線「Y」に向かって内向きに傾斜している少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面(142,152,172,174)を有している、
方法。
【請求項22】
請求項1から20までのいずれか1項記載のホッパ(100)を備える搬送システム。
【請求項23】
前記搬送システムは、家庭廃棄物および/または産業廃棄物を焼却するための搬送システムなどの機械的な搬送システムの一部である、請求項22記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルク材料を供給するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、バルク材料の一定のかつ信頼性の高い供給を提供する、バルク固体などのバルク材料および/または粒子状材料を供給するためのホッパの形態の装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バルク材料を供給する技術分野では、材料の一定のかつ信頼性の高い供給を提供し、バルク材料の一貫性のない供給を克服する装置および方法を提供する必要がある。
【0003】
ホッパの形態の先行技術のシステムは、直線状の壁(すなわち、鉛直壁)と円錐状の底部とを備えた装置から構成されてきている。直線状の鉛直壁を備えたホッパは、撹拌機がホッパの内容物を空にするために高トルクを必要とする。そのようなシステムは、一般に「ブリッジング閉塞」として知られている材料の(通常は恒久的な)閉塞を招くことが判っている。これにより、材料の供給に一貫性がなくなるだけでなく、場合によっては、バッチ間で機械的な洗浄が必要になる。そのようなシステムに撹拌機を適用した場合でさえ、撹拌機は材料の閉塞、すなわち、ブリッジング閉塞を取り除くことができない。
【0004】
材料のブリッジングは、バルク固体などのバルク材料を供給するときに多くの重大な問題を引き起こす。材料のブリッジングは、ホッパの出口に材料が存在しない状況を生じさせ、供給/計量トラフの誤った供給につながる。これにより、燃焼プロセスなどの下流の更なるプロセスに供給される材料の量が不正確になり、その後、燃焼プロセス中のCOピークの増加などの更なる必然の問題が発生する。燃焼プロセスは、例えば、家庭廃棄物および/または産業廃棄物などの廃棄物を焼却するために使用することができる。一貫性のない燃焼プロセスのために、他の燃料をプロセスに付加する必要があり、これは、実行中のプロセスをさらに複雑にするだけでなく、プロセスにいくらかの遅延または誤制御を付加する。
【0005】
上に示したように、材料の閉塞によって引き起こされる潜在的なブリッジは、COピークの可能性を高める。形成されたブリッジは、燃焼プロセスを考慮して、撹拌機を使用するか、ホッパにさらに材料を供給するなど、可及的速やかに除去する必要がある。これは、明らかに複雑なプロセスにつながり、燃焼プロセス中に必然的にCOがピークに達し、環境に厳しいだけでなく、極めて非効率的なプロセスにつながる。
【0006】
先行技術のシステムにおける材料の閉塞およびブリッジングによって引き起こされる更なる問題は、閉塞された材料が、ホッパに位置する撹拌機に過度のトルク要求を適用する可能性があり、また、ホッパ内に供給することができる材料の量を低減させることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の少なくとも1つの態様の目的は、前述した問題のうちの少なくとも1つ以上を回避または軽減することである。
【0008】
本発明の少なくとも1つの態様の別の目的は、一貫した信頼性の高い形式でバルク材料を供給するための装置および方法を提供することである。
【0009】
本発明の少なくとも1つの態様のさらに別の目的は、ホッパ内の材料の恒久的な閉塞の可能性を低減する、バルク材料を供給するためのホッパの形態の装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、バルク材料を供給するためのホッパであって、ホッパは、
上側部分と下側部分とを有する本体と、
本体の上側部分の上面に位置し、バルク材料をホッパに入れるための入口と、
本体の下側部分の下面に位置し、バルク材料をホッパから出すための出口と
を備え、
本体は、バルク材料がホッパの入口から下向きに実質的に鉛直に出口を通過するための実質的に鉛直な通路を規定しており、
本体の上側部分は、バルク材料の移動方向において、入口から出口までホッパの中心を通過する、中心に位置決めされた実質的に鉛直な軸線に対して外向きに傾斜している少なくとも1つ以上のパネル表面を有し、
本体の下側部分は、バルク材料の移動方向において、入口から出口までホッパの中心を通過する、実質的な鉛直な軸線に向かって内向きに傾斜している少なくとも1つ以上のパネル表面を有し、
ホッパは、出口を通してバルク材料の実質的に一定の供給を提供することができる、
バルク材料を供給するためのホッパが提供される。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、バルク材料を供給するためのホッパであって、ホッパは、
上側部分と下側部分とを有する本体と、
本体の上側部分の上面に位置し、バルク材料をホッパに入れるための入口と、
本体の下側部分の下面に位置し、バルク材料をホッパから出すための出口と
を備え、
本体は、バルク材料がホッパの入口から下向きに実質的に鉛直に出口を通過するための実質的に鉛直な通路を規定しており、
本体の上側部分は、バルク材料の移動方向において、入口から出口までホッパの中心を通過する、中心に位置決めされた実質的に鉛直な軸線に対して外向きに傾斜している少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面を有し、
本体の下側部分は、バルク材料の移動方向において、入口から出口までホッパの中心を通過する、実質的に鉛直な軸線に向かって内向きに傾斜している少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面を有し、
ホッパは、出口を通してバルク材料の実質的に一定の供給を提供することができる、
バルク材料を供給するためのホッパが提供される。
【0012】
したがって、本発明は、バルク材料の一定のかつ信頼性の高い供給を提供するためのホッパの形態の装置および方法に関する。
【0013】
ホッパによって搬送されるバルク材料は、任意の種類のバルク材料であってよい。特定の実施形態では、搬送される材料は、焼却のために送られる家庭廃棄物および/または産業廃棄物であってよい。代替的に、移送されるバルク材料は、任意の種類の固体燃料(例えば、石炭)、または粉末材料もしくは粉末状材料を含む任意の他の種類の固体粒子状材料であってよい。
【0014】
ホッパは、任意の種類の搬送システムに材料の供給を提供することができる。
【0015】
ホッパは、好ましくは、一定または実質的に一定の信頼性の高い材料の供給を提供し、先行技術のシステムに見られる恒久的な閉塞を克服する。
【0016】
本発明の特定の特徴は、ホッパの上側部分における表面に、いわゆる「負の角度」を使用することである。これにより、材料の流れを促進するために使用される撹拌機のトルク要求が低減され、また、ホッパの使用可能な容量が最大化されることが判った。本発明のホッパの設計に負の角度を使用することにより、ホッパおよび撹拌機の動作におけるトルク要求を最大で約70%低減することができることが判った。
【0017】
典型的には、バルク材料は、入口に供給され、実質的に鉛直な通路を通過し、出口を通って出ることができる。
【0018】
使用中、ホッパは、典型的には鉛直または実質的に鉛直に配向され、ホッパを通るバルク材料の流れを促進することができる。
【0019】
ホッパの入口は、ホッパの出口の上方または実質的に上方に位置していてよい。これにより、ホッパを通る材料の流れが促進される。
【0020】
典型的には、ホッパの上側部分は、バルク材料の移動方向にホッパの鉛直な中心軸線に沿って延びる高さに関して、ホッパの下側部分よりも長くてよい。
【0021】
ホッパの上側部分は、例えば、ホッパの下側部分の高さの約1~5倍または約2~5倍であってよい。典型的には、ホッパの上側部分は、ホッパの下側部分の高さの少なくとも約2倍または少なくとも約3倍であってよい。
【0022】
ホッパの上側部分および/または下側部分は、少なくとも1つ以上の平坦または実質的に平坦なパネルを備えていてよい。上側部分および/または下側部分の少なくとも1つ以上のパネルは、実質的に平坦かつ/または実質的に平面であってよい。
【0023】
パネルは、材料が最小限の摩擦および/または抵抗で入口から出口までホッパを通過し、それによって、材料のあらゆる閉塞を防止するための平滑な内面を提供することを目的としている。
【0024】
好ましくは、ホッパの上側部分と下側部分との両方は、少なくとも1つ以上の平坦なかつ/または実質的に平面のパネルを備えることができる。パネルは、実質的に平坦かつ/または実質的に平面であってよい。
【0025】
好ましい実施形態では、ホッパの上側部分には、少なくとも1つまたは一連の平坦かつ/もしくは実質的に平坦なかつ/または実質的に平面のパネルが存在していてよい。これらのパネルの多くは、当技術分野では「負の角度」として知られるものであることを理解することが重要である。「負の角度」を有するということは、バルク材料が入口から出口を通って出るときに、パネルがホッパの中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びていることを意味する。
【0026】
したがって、パネルは典型的には、外向きに延び、ホッパの出口から離れるように向けられていてよい。
【0027】
好ましくは、ホッパの上側部分を形成するパネルの半分以上または大部分は、バルク材料が入口から出口を通って出るときに、ホッパの中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びている。
【0028】
上側部分を形成する外向きに延びているパネルは、任意の適切なサイズおよび形状であってよい。例えば、3つの辺、4つの辺、5つの辺、または6つの辺を有する形状など、任意の種類の多角形を使用することができる。典型的には、パネルは平坦または実質的に平坦であり、それによって、ホッパを通過する通路の内面に平坦かつ平滑な表面を形成する。
【0029】
したがって、上側部分を形成する少なくとも1つ以上のパネルは、好ましくは、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して外向きに傾斜している。鉛直な軸線「Y」に対する外向きの傾斜の角度は、約2°~約45°の範囲であってよい。好ましい外向きの傾斜の角度は、約5°~約20°であってよい。
【0030】
典型的には、アクセスハッチは、上側部分のパネルに位置し、ホッパの内側へのアクセスを提供することができる。したがって、担当者は定期検査のためにホッパの内部にアクセスすることができる。
【0031】
特定の実施形態では、バルク材料が入口から出口を通って出るときに、ホッパの中心軸線「Y」に対して外向きに傾斜している、より大きな6つの辺を有する2つのパネルと、より小さい三角形の2つのパネルとの組み合わせであってよい。しかしながら、任意の適切な形状および/またはサイズのパネルを使用することができる。
【0032】
三角形のパネルは、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して外向きに約2°~約45°の角度で傾斜してよい。好ましい外向きの傾斜の角度は、約5°~約20°である。
【0033】
好ましくは、ホッパの上側部分では、パネルの大部分が、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びている。上に示したように、これは「負の角度」のパネルを有することとして知られている。
【0034】
ホッパは、形状が極めて対称的であってよい。
【0035】
ホッパの下側部分には、撹拌および/または破壊および/または払拭(すなわち、掻取り)作用の形態を提供し、詰まる可能性ひいては閉塞を形成するリスクのある材料を除去することができる、ホッパの内面に位置する少なくとも1つ以上の撹拌機が存在してよい。代替的に、ホッパの下側部分に振動および/または脈動を提供することができる、ホッパの外面に位置する少なくとも1つ以上の撹拌機が存在してよい。任意の種類の撹拌装置または振動装置を使用することができる。これは、ホッパの出口への材料の流れを促進するのに役立つ。
【0036】
典型的には、ホッパの下側部分の対向する側面に位置する2つ以上の撹拌機が存在してよい。ホッパの内側の材料を除去および/または破壊することができる任意の形態または数の撹拌機を使用することができる。撹拌機は、ホッパの内面または外面に位置してよい。
【0037】
撹拌機は、下側部分の一部を形成する平坦なかつ平面または実質的に平面のパネルに位置してよい。
【0038】
好ましい実施形態では、ホッパの下側部分には、少なくとも1つまたは一連の平坦なかつ/もしくは実質的に平坦なパネルおよび/または実質的に平坦なかつ平面のパネルが存在してよい。
【0039】
ホッパの上側部分にあるパネルの大部分とは対照的に、ホッパの下側部分を形成するパネルの少なくとも1つ、大部分またはすべては、ホッパの中心軸線に向かって内向きに傾斜している。したがって、パネルは、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びることができる。
【0040】
撹拌機は、好ましくは、それらが位置しているパネルの実質的に中心に位置してよい。
【0041】
撹拌機は、ホッパの下側部分の任意の外面の位置または内面の位置に位置することができる。しかしながら、好ましくは、撹拌機は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びているパネルに位置する。
【0042】
したがって、好ましい実施形態では、ホッパの下側部分を形成するパネルの少なくとも1つ、大部分またはすべてが、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びることができる。したがって、パネルは、出口に向かって内向きに傾斜し、バルク材料を出口に向けることができる。したがって、パネルは「正の角度」に配向されていると説明することができる。
【0043】
下側部分を形成するパネルの傾斜の角度は、鉛直な中心「Y」軸線に対して、約10°~約45°の範囲で内向きに傾斜することができる。好ましい内向きの傾斜の角度は、約20°~約40°である。
【0044】
典型的には、それらは、本体の下側部分に位置する少なくとも1つ以上の撹拌機であってよい。
【0045】
好ましい実施形態では、下側部分の撹拌機は、ホッパの中心軸線に向かって内向きに傾斜している、下側部分を形成するパネル上位置する。したがって、撹拌機は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びているパネル上に位置することができる。したがって、これは「正の角度」として説明することができる。鉛直な中心「Y」軸線に対して内向きに向かう傾斜の角度は、約10°~約45°の範囲であってよい。好ましい内向きの傾斜の角度は、約20°~約40°である。
【0046】
撹拌機は、ホッパの内面に位置しており、撹拌および/または破壊および/または払拭(すなわち、掻取り)作用の形態を提供し、詰まる可能性ひいては閉塞を形成するリスクのある材料を除去することができる。代替的に、撹拌機はホッパの外側に位置しており、高周波振動を発生させて、バルク材料の長期的な閉塞を防止し、バルク材料の出口への流れを補助することができる。
【0047】
特定の実施形態では、ホッパの下側部分を形成するすべてのパネルは、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びている。鉛直な中心「Y」軸線に対して内向きに向かう傾斜の角度は、約10°~約45°の範囲であってよい。好ましい内向きの傾斜の角度は、約20°~約40°である。
【0048】
ホッパの更なる好ましい重要な特徴は、ホッパの下側部分の、傾斜して内向きに向けられたパネル表面のために、出口がホッパの上側部分と下側部分との間の断面積よりも小さいことである。
【0049】
典型的には、出口は、ホッパの上側部分と下側部分との間の断面積よりも約30%~80%小さくてよい。典型的には、出口は、ホッパの上側部分と下側部分との間の断面積よりも約50%小さくてもよい。
【0050】
下側部分の内向きに向けられたパネルの目的は、撹拌プロセスを容易にするだけでなく、バルク材料が撹拌機の力に対して垂直ではないことも意味する。これは、撹拌の有効性が増加し、ホッパの恒久的な閉塞を防止するのに著しく効果的であることが判ったことを意味する。
【0051】
ホッパの潜在的な機能は、短期間の貯蔵システムまたはいわゆる緩衝システムとして作用し、供給される材料の量/体積の変動を排除し、任意の適切な種類の供給システムの遅延を回避することである。
【0052】
ホッパの更なる特定の利点は、上側部分の外向きに傾斜しているパネルと下側部分の内向きに傾斜しているパネルとの組み合わせを用いることによって、これが従来の単純な鉛直な側面を備えた先行技術のホッパと比較して、ホッパの容積の容量を最大化するということである。さらに、容積の容量の増加により、搬送ラインの空間をより効率的に使用することができ、製造コストも削減することができる。
【0053】
ホッパの更なる利点は、ホッパの外側本体を形成する実質的にすべてのパネル、または好ましくはすべてのパネルが、すべて平坦または実質的に平坦である場合、それにより製造コストが削減され、製造も容易になることである。
【0054】
平坦な表面はまた、ホッパの中心を通過する通路内のバルク材料の流れの閉塞を防止するのに極めて効果的である。好ましくは、ホッパの中心を通過する通路のすべての表面が平坦または実質的に平坦であり、かつ平滑である。これにより、あらゆる材料が閉塞を形成することを防止する。
【0055】
さらに、下側部分の傾斜した壁を備えた撹拌機にかかる材料の圧力を低減することにより、撹拌機の寿命が向上し、ホッパからバルク材料をより効率的に除去することもできることが判った。
【0056】
ホッパは、様々な供給装置でバルク材料を短期間だけ貯蔵するのに十分な容積を提供するように設計されている。例えば、保持されるバルク材料の量は、約1mから約50mの範囲であってよい。
【0057】
好ましい実施形態では、ホッパの形成に使用されるすべてのパネルは、平坦もしくは実質的に平坦かつ/または実質的に平面であり、ひいては、ホッパの中心を通過する通路のための平坦な表面および/または平滑な表面を形成する。これにより、製造が容易になり、コストが削減される。
【0058】
パネルの構築には任意の適切な材料を使用することができるが、板金および/または複合材料および/または合金が典型的に好ましい選択肢であってよい。パネルは、典型的には、厚さが約1mm~20mmなどの実質的に薄い構造のものであってよい。
【0059】
本発明のホッパはまた、機械的な搬送システムなどの任意の形態の搬送システムに接続することができる。それらが接続することができる搬送システムは、モータまたは任意の他の種類の駆動手段によって駆動することができる搬送スクリュを備えることができる。
【0060】
使用中、バルク材料は最初にホッパの入口に供給されてよい。上に示したように、任意の種類のバルク材料を使用することができる。次に、バルク材料は、ホッパの上側部分に入ることができる。上で説明したように、ホッパの上側部分のパネルの少なくとも1つまたは大部分は、典型的には、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して外向きに傾斜して延びることができる。これは、ホッパ内の潜在的なブリッジおよび閉塞を防止する上で重要な特徴であることが判った。
【0061】
次に、バルク材料はホッパの下側部分を通過し、そこでパネルの少なくとも1つまたは大部分が、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びることができる。撹拌機によって提供される撹拌および/または破壊および/または払拭(すなわち、掻取り)および/または振動の組み合わせにおいて、そのような構成は、閉塞を防止し、それによって、バルク材料の一定のかつ信頼性の高い供給を提供するのに極めて効果的であることが判った。
【0062】
更なる利点は、撹拌機に加えられる負荷およびトルクが、鉛直な直線状の側面を備えたホッパと比較して、最大約70%まで著しく低減できることである。そのようなシステムはまた、ホッパに装入することができる材料の利用可能な体積を最大化することが判った。
【0063】
ホッパ内の任意の形態の閉塞を防止することにより、ホッパ内のバルク材料に費やされる時間を最小限に抑えることができ、それによって、信頼性が向上し、恒久的な閉塞の形態が防止される。そのようなシステムはまた、例えば家庭廃棄物および/または産業廃棄物の焼却プロセスなどの後続の処理システムへの一定のかつ信頼性の高い供給を保証する。
【0064】
本発明の第3の態様によれば、バルク材料の実質的に一定の供給を提供する方法であって、方法は、
上側部分と下側部分とを有する本体を提供することと、
本体の上側部分の上面に位置し、バルク材料をホッパに入れるための入口を提供することと、
本体の下側部分の下面に位置し、バルク材料をホッパから出すための出口を提供することと
を含み、
本体は、バルク材料がホッパの入口から下向きに実質的に鉛直に出口を通過するための実質的に鉛直な通路を規定しており、
本体の上側部分は、バルク材料の移動方向において、入口から出口までホッパの中心を通過する、中心に位置決めされた実質的に鉛直な軸線に対して外向きに傾斜している少なくとも1つ以上のパネル表面を有し、
本体の下側部分は、バルク材料の移動方向において、入口から出口までホッパの中心を通過する、実質的に鉛直な軸線に向かって内向きに傾斜している少なくとも1つ以上のパネル表面を有する、
方法が提供される。
【0065】
本発明の第4の態様によれば、バルク材料の実質的に一定の供給を提供する方法であって、方法は、
上側部分と下側部分とを有する本体を提供することと、
本体の上側部分の上面に位置し、バルク材料をホッパに入れるための入口を提供することと、
本体の下側部分の下面に位置し、バルク材料をホッパから出すための出口を提供することと
を含み、
本体は、バルク材料がホッパの入口から下向きに実質的に鉛直に出口を通過するための実質的に鉛直な通路を規定しており、
本体の上側部分は、バルク材料の移動方向において、入口から出口までホッパの中心を通過する、中心に位置決めされた実質的に鉛直な軸線に対して外向きに傾斜している少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面を有し、
本体の下側部分は、バルク材料の移動方向において、入口から出口までホッパの中心を通過する、実質的に鉛直な軸線に向かって内向きに傾斜している少なくとも1つ以上の実質的に平面のパネル表面を有する、
方法が提供される。
【0066】
本発明の第5の態様によれば、バルク材料の実質的に一定の供給を提供するための、第1の態様および第2の態様で規定されたホッパの使用が提供される。
【0067】
本発明の第6の態様によれば、第1の態様および第2の態様で規定されたホッパを備える搬送システムが提供される。
【0068】
ホッパは、搬送システムへの材料の一定のかつ/または信頼性の高い供給を提供するために使用することができる。
【0069】
搬送システムは、任意の適切な種類の搬送システムであってよい。
【0070】
例えば、搬送システムは、家庭廃棄物および/または産業廃棄物を焼却するためのシステムの一部であってよい。
【0071】
以下、本発明の実施形態について、例示のみを目的として、以下の図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】本発明の実施形態によるホッパの斜視図である。
図2】本発明の実施形態による、鉛直な軸線の周りに180°回転した図1に示すホッパの更なる斜視図である。
図3】本発明の実施形態による、図1および図2に示すホッパの更なる斜視図である。
図4】本発明の実施形態による、鉛直な軸線の周りに180°回転した図3に示すホッパの更なる図である。
図5】本発明の実施形態による、図1図4に示すホッパの正面図である。
図6】本発明の実施形態による、図1図5に示すホッパの図である。
図7】本発明の実施形態による、図1図6に示すホッパの側面図である。
図8】本発明の実施形態による、図7に示すホッパの反対側の側面図である。
図9】本発明の実施形態による、図1図8に示すホッパの底面斜視図である。
図10】本発明の実施形態による、図1図9に示すホッパの断面図である。
図11】本発明の更なる実施形態による、搬送/供給システムの一部に取り付けられた、図1図10に示すホッパの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本発明は、バルク材料の一定のかつ信頼性の高い供給を提供する、バルク材料を供給するための装置および方法に関する。バルク材料は、任意の種類のバルク材料および/または粒子状材料であってよい。特定の実施形態では、搬送される材料は、家庭廃棄物および/または産業廃棄物などの焼却のために送られるプロセスにあってよい。さらに、移送されるバルク材料は、任意の種類の固体燃料(例えば、石炭)、または粉末材料もしくは粉末状材料を含む任意の他の固体材料であってよい。バルク材料はまた、固体形態および/または粉末形態の任意の種類の食品を含んでよい。
【0074】
図1図11は、全体を100で示した一連の本発明によるホッパを示している。ホッパ100は、バルク材料を供給し、システム内の潜在的なブリッジングがバルク材料の移送時に恒久的な閉塞を引き起こすという先行技術のシステムに関連するあらゆる問題を克服することを目的としている。
【0075】
本発明の特定の特徴は、ホッパ100の主面にいわゆる「負の角度」を使用することである。これにより、材料の流れを促進するために使用される撹拌機のトルク要求が低減され、また、ホッパ100の使用可能な容量が最大化されることが判っている。これらは、ホッパの設計に、鉛直な直線状の壁と円錐状の底部とを使用する先行技術の装置に対する特定の技術的利点である。そのような先行技術の設計は、バルク材料の流れの恒久的な閉塞につながり、また、撹拌機への過度のトルク要求につながることが判っている。本発明のホッパの設計に負の角度を使用することにより、ホッパおよび撹拌機の動作時のトルク要求を最大で約70%低減することが判っている。
【0076】
図1図11を参照すると、ホッパ100は、ホッパ100の上面に位置する入口110と、ホッパ100の下面に位置する出口130とを有するように示されている。したがって、バルク材料は、入口110に供給され、中心通路111を下向きに通過して、出口130を通って出る。中心通路111は、図10の断面図に明確に示されている。図5図8および図10は、ホッパ100の中心を通って延びる鉛直な中心軸線「Y」も明確に示している。
【0077】
図5図8および図11に明確に示されているホッパ100は、参照番号「A」によって識別される上側部分と、参照番号「B」によって識別される下側部分とを有している。上側部分「A」は、下側部分「B」よりも、ホッパ100の鉛直な中心「Y」軸線に沿って延びる高さが長い。上側部分「A」は、例えば、下側部分「B」の高さの約1~5倍または約2~5倍であり、典型的には、下側部分「B」の高さの少なくとも約2倍または少なくとも3倍である。
【0078】
ここで、ホッパ100の上側部分「A」を参照する。
【0079】
ホッパ100の上側部分「A」には、一連の平坦なまたは実質的に平坦なパネルが示されている。これらのパネルの多くは、当技術分野で「負の角度」で配向されているものとして公知のものであることを理解することが重要である。「負の角度」を有するということは、バルク材料が入口110から出口130を通って出るときに、移動方向において、パネルが、ホッパ100の中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びていることを意味する。したがって、パネルは、バルク材料の移動方向において外向きに延び、ホッパ100の出口130から離れるように向けられている。
【0080】
図1は、ホッパ100の上側部分「A」には、負に傾斜した平坦なまたは実質的に平坦なパネル112が存在し、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」から外向きに離れるように向けられていることを示している。したがって、パネル112は、バルク材料の移動方向に、出口130から外向きに離れるように向けられている。
【0081】
平坦なパネル112はまた、図5に明確に示されている。
【0082】
平坦なパネル112は、6つの辺112a,112b,112c,112d,112e,112fを有している。図1および図5に示されるように、辺112aはホッパ100の上面に沿って延び、辺112fはホッパ100の上側部分「A」の下側端部に沿って延びている。辺112b,112cは辺112d,112eよりも著しく短い。辺112d,112eを使用して、平坦なパネル112は先細りになり、辺112aのより幅広の長さから辺112fのより短い長さまで減少する。重要なことに、パネル112は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して外向きに傾斜している。鉛直な軸線「Y」に対する外向きの傾斜の角度は、約2°~約45°の範囲であってよい。好ましい外向きの傾斜の角度は、約5°~約20°である。
【0083】
図1および図5はまた、パネル112に位置するアクセスハッチ160が存在していることを明確に示している。アクセスハッチ160は任意選択の機能であり、任意の形態の定期保守のためにホッパ100の内部へのアクセスを可能にする。
【0084】
図1図4および図7は、ホッパ100の側面を示している。ホッパ100の側面は、主に、一連のパネル114,116,118である3つの三角形の領域で構成されている。パネル112と同様のパネル114は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」から外向きに離れるように向けられていることに留意することが重要である。
【0085】
パネル114は、入口110に向かって上向きに位置する辺114aと、上側部分「A」と下側部分「B」との間の交点の点114dまで延び、かつ先細りになる2つの辺114b,114cとを有している。三角形のパネル114の辺114aに沿って延びる平坦なパネル190も側面に示されている。
【0086】
三角形のパネル114は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して外向きに約2°~約45°の角度で傾斜している。好ましい外向きの傾斜の角度は、約5°~約20°である。
【0087】
パネル190はまた、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びている。バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対する外向きの傾斜の角度は、約2°~約45°の範囲である。好ましい外向きの傾斜の角度は、約5°~約20°である。
【0088】
ホッパ100は形状が極めて対称的であり、図2図4および図6は反対側を示している。図2図4および図6は、パネル112と同一の形状およびサイズであるパネル180が存在することを明確に示している。パネル180は、6つの辺180a,180b,180c,180d,180e,180fを有している。辺180aはホッパ100の上面に沿って延び、辺180fはホッパ100の上側部分「A」の下側端部に沿って延びている。辺180b,180cは辺180d,180eよりも著しく短い。辺180d,180eを使用して、平坦なパネル180は先細りになり、辺180aのより幅広の長さから辺180fのより短い長さまで減少する。重要なことに、パネル180は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して外向きに傾斜している。鉛直な軸線「Y」に対する外向きの傾斜の角度は、約2°~約45°の範囲であってよい。好ましい外向きの傾斜の角度は、約5°~約20°である。
【0089】
図2および図4は、パネル180に位置するアクセスハッチ162が存在していることも明確に示している。アクセスハッチ162は任意選択の機能であり、ホッパ100の内部へのアクセスを可能にする。
【0090】
図2および図8は、ホッパ100の更なる側面を明確に示している。ホッパ100のこの側面は、主に、一連のパネル120,122,124である3つの三角形の領域で再び構成されている。パネル112,114,180と同様のパネル120は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」から外向きに離れるように向けられていることに留意することが重要である。バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対する外向きの傾斜の角度は、約2°~約45°の範囲である。好ましい外向きの傾斜の角度は、約5°~約20°である。
【0091】
パネル120は、入口110に向かって上向きに位置する辺120aと、上側部分「A」と下側部分「B」との間の交点の点120dまで延び、かつ先細りになる2つの辺120b,120cとを有している。三角形のパネル114の辺114aに沿って延びる平坦なパネル192も側面に示されている。パネル192はまた、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びている。
【0092】
三角形のパネル120は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して外向きに約2°~約45°の角度で傾斜している。好ましい外向きの傾斜の角度は、約5°~約20°である。
【0093】
上に示したように、ホッパ100の上側部分「A」では、パネルの大部分は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」から外向きに離れるように延びている。上に示したように、これは「負の角度」のパネルを有することとして公知である。
【0094】
ここで、ホッパ100の下側部分「B」を参照する。
【0095】
ホッパ100の下側部分「B」は、すべての図1図11に示されている。ホッパ100の下側部分「B」の対向する側面には、2つの撹拌機140,150が存在している。ホッパ100の内側に撹拌および/または破壊および/または払拭(すなわち、掻取り)および/または振動を提供することができる任意の形態の撹拌機を使用することができる。加えて、2つの撹拌機140,150が示されているが、ホッパ100の下側部分「B」に位置する任意の数または複数の撹拌機を使用することができる。
【0096】
特に、撹拌機140が、平坦なかつ平面のまたは実質的に平面のパネル142に位置することを示す図1図3図4図5図7および図8を参照する。ホッパ100の上側部分「A」のパネルの大部分と比較して、パネル142は、ホッパ100の中心軸線「Y」に向かって傾斜しており、材料を出口130に供給することを目的としている。したがって、パネル142は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びている。
【0097】
撹拌機140は、パネル142に実質的に中心に位置している。しかしながら、本発明の撹拌機は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びる、ホッパ100の下側部分「B」の任意の外面の位置または内面の位置に位置することができる。
【0098】
パネル142は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びている。したがって、パネル142は、出口130に向かって内向きに傾斜し、バルク材料を出口130に向ける。したがって、これは「正の角度」として説明することができる。鉛直な中心「Y」軸線に対して内向きに向かう傾斜の角度は、約10°~約45°の範囲であってよい。好ましい内向きの傾斜の角度は、約20°~約40°である。
【0099】
図2図4図6図7および図8を参照すると、撹拌機140の位置の反対側に存在する撹拌機150が示されている。撹拌機150は、ホッパ100の下側部分「B」に位置している。特に、撹拌機150は、ホッパ100の中心軸線に向かって傾斜し、材料を出口130に供給することを目的としたパネル152に位置している。したがって、パネル152は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びている。したがって、これは「正の角度」として説明することができる。鉛直な中心「Y」軸線に対して内向きに向かう傾斜の角度は、約10°~約45°の範囲であってよい。好ましい内向きの傾斜の角度は、約20°~約40°である。
【0100】
本発明の重要な特徴は、撹拌機140,150がホッパ100の下側部分「B」の内向きに傾斜した表面に位置していることである。撹拌機140,150は、典型的には、外部に位置しており、そうでなければ、それらはバルク材料の内部閉塞につながる。
【0101】
撹拌機140,150は、材料に外乱を生じさせて、バルク材料の長期的な閉塞を防止し、出口130に向かうバルク材料の流れを補助する。撹拌機140,150は、出口130を通して材料の一定のかつ信頼性の高い供給を提供するのに重要である。
【0102】
図5および図6はまた、ホッパ100の下側部分「B」の反対側にも、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びる平坦なパネル172,174が存在していることを示している。鉛直な中心「Y」軸線に対して内向きに向かう傾斜の角度は、約10°~約45°の範囲であってよい。好ましい内向きの傾斜の角度は、約20°~約40°である。
【0103】
ホッパ100の更なる重要な特徴は、ホッパ100の下側部分「B」の、傾斜して内向きに向けられたパネル表面のために、出口130は、ホッパ100の上側部分「A」と下側部分「B」との間の断面積よりも小さい。典型的には、出口130は、ホッパ100の上側部分「A」と下側部分「B」との間の断面積よりも約30%~80%小さい。ホッパ100に示される例は、出口130が、外向きに向けられたパネルの大部分を有する上側部分「A」と、内向きに向けられたパネルを有する下側部分「B」との間の交点よりも約50%小さいことである。
【0104】
下側部分「B」の内向きに向けられたパネルの目的は、撹拌プロセスを容易にするだけでなく、バルク材料が撹拌機140,150の力に対して垂直ではないことも意味する。これは、撹拌の有効性が増加し、ホッパ100の恒久的な閉塞を防止するのに著しく効果的であることが判っていることを意味する。
【0105】
ホッパ100の潜在的な機能は、短期間の貯蔵システムまたはいわゆる緩衝システムとして作用し、供給される材料の量/体積の変動を排除し、任意の適切な種類の供給システムの遅延を回避することである。
【0106】
上述したホッパ100の更なる特定の利点は、上側部分「A」の内向きに傾斜しているパネルおよび主に外向きに向けられたパネルと、下側部分「B」の内向きに向けられたパネルとの組み合わせを用いることによって、これが従来の単純な鉛直な側面を備えたホッパと比較してホッパ100の撹拌要件に関連した容積の容量を最大化するということである。さらに、容積の容量の増加により、搬送ラインの空間をより効率的に使用することができ、製造コストを削減することができる。
【0107】
ホッパ100の更なる利点は、図1図11のすべてに示されるように、すべての側面のパネルがすべて平坦または実質的に平坦であり、それにより、製造コストを削減し、製造も容易にすることである。平坦な表面はまた、通路111を通るバルク材料の流れの閉塞を防止するのに極めて効果的である。
【0108】
さらに、下側部分Bの、傾斜して内向きに向かっているパネル壁を備えた撹拌機140,150にかかる材料の圧力を低減することにより、撹拌機140,150の寿命が向上し、ホッパ100からバルク材料をより効率的に除去できることも判っている。
【0109】
ホッパ100は、様々な供給装置でバルク材料を短期間だけ貯蔵するのに十分な容積を提供するように設計されている。例えば、保持されるバルク材料の量は、約1m~約50mの範囲であってよい。
【0110】
ホッパ100はまた、一定のかつ信頼性の高い供給を提供し、入口110から下向きに出口130に向かって、出口130から出るバルク材料のスループットによる閉塞を防止するのに極めて効果的であることが判っている。
【0111】
図9は、ホッパ100の底部を示す斜視図である。出口130が明確に示されている。上記のように、出口130は、ホッパ100の上側部分「A」と下側部分「B」との間の断面積よりも小さい。
【0112】
図10は、図1図9に示されるホッパの断面図である。図10は、材料が入口110を通って入り、出口130から出るはずであることを明確に示している。図10はまた、入口110から出口130に延びる中心通路111が存在していることを示している。中心通路111の形状は、上側部分「A」と下側部分「B」とにおけるパネルの方向によって規定される。
【0113】
ホッパ100の構築に使用されるすべてのパネルは、平坦または実質的に平坦であることに留意されたい。図10はまた、通路111の内面が平滑であり、それが上側部分「A」と下側部分「B」とにおいて両方に平坦なまたは実質的に平坦なパネル表面を備えていることを明確に示している。好ましくは、上側部分「A」のパネル表面の少なくとも1つ、大部分、またはすべてが、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」から外向きに離れるように向けられている。また、好ましくは、下側部分「B」のパネル表面の少なくとも1つ、大部分、またはすべてが、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して内向きに向けられていることが好ましい。
【0114】
平坦なパネルを使用すると、製造が容易になり、コストが削減される。
【0115】
ホッパ100はまた、極めて対称的であり、これは、ホッパ100を製造するために必要とされる異なる数の異なる構成要素を削減することを意味する。
【0116】
パネルの構築には任意の適切な材料を使用することができるが、板金および/または複合材料が典型的に好ましいオプションである。
【0117】
図11は、制御されて出口130を出るバルク材料を抽出するために使用される装置200が存在しているホッパ100の図である。モータ220によって駆動される一連の移送スクリュ210,212が示されている。しかしながら、本明細書に記載されるホッパ100は、任意の形態の機械的な供給システムを含む様々なシステムに一定のかつ信頼性の高い供給を提供するのに極めて適していることに留意されたい。
【0118】
使用中、バルク材料は最初に入口110に供給される。上に示したように、任意の種類のバルク材料を使用することができる。次に、バルク材料は、ホッパ100の上側部分「A」に入る。上で説明したように、ホッパ100の上側部分「A」のパネルの少なくとも1つまたは大部分は、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に対して外向きに傾斜して延びている。これは、ホッパ100内の潜在的なブリッジおよび閉塞を防止する上で重要な特徴であることが判っている。
【0119】
次に、バルク材料は下側部分「B」を通過し、そこでパネルの少なくとも1つまたは大部分が、バルク材料の移動方向において、中心軸線「Y」に向かって内向きに延びている。撹拌機140,150によって提供される材料の外乱と組み合わせて、そのような構成は、閉塞を防止し、それによってバルク材料の一定のかつ信頼性の高い供給を提供するのに極めて効果的であることが判っている。
【0120】
更なる利点は、撹拌機140,150に加えられる負荷およびトルクが、鉛直な直線状の側面を備えたホッパと比較して著しく減少し、最大約70%減少することである。そのようなシステムはまた、ホッパ100に供給することができる材料の利用可能な体積を最大化することが判っている。ホッパ内の任意の形態の恒久的な閉塞を防止することにより、ホッパ100内のバルク材料に費やされる時間を最小限に抑えることができ、それによって信頼性が向上し、恒久的な閉塞の形態が防止される。そのようなシステムはまた、例えば、後続の任意の形態の機械的な処理システムへの一定のかつ信頼性の高い供給を保証する。
【0121】
本発明の特定の実施形態について上で説明してきたが、依然として、説明された実施形態からの逸脱を本発明の範囲内に含むことができることを理解されたい。例えば、任意の適切な種類の平坦なまたは実質的に平坦なパネルをホッパの構造に使用することができる。さらに、ホッパは、任意の形態の材料を供給するための機械的なシステムなどのより大きなシステムの一部として使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】