(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-22
(54)【発明の名称】ジェムストーン鑑別のための撮像支援走査型分光法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/87 20060101AFI20230314BHJP
G01N 21/65 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
G01N21/87
G01N21/65
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558012
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021022218
(87)【国際公開番号】W WO2021194774
(87)【国際公開日】2021-09-30
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517340921
【氏名又は名称】ジェモロジカル インスティテュート オブ アメリカ インコーポレイテッド(ジーアイエー)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ツン-ハン
(72)【発明者】
【氏名】タカハシ,ヒロシ
【テーマコード(参考)】
2G043
2G051
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043EA01
2G043EA03
2G043EA13
2G043FA06
2G043JA01
2G043NA13
2G051AA81
2G051BA10
2G051BB15
2G051CA04
2G051DA07
2G051EA12
2G051EA14
2G051EA16
2G051EA17
2G051EA23
2G051EB05
(57)【要約】
ステージ上で多数のサンプルジェムストーンの分光計データを自動で取り込み、分析する本明細書でのシステムおよび方法により、サンプルのデジタルカメラ画像データをマッピングし、ステージ上の評価中の第1のサンプルジェムストーンにラマンプローブを当て、プローブからサンプルジェムストーンの分光計データを受信し、第2のサンプルへ自動的に移動させ、画像データを使用して、他のサンプルを分析することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサンプルジェムストーンに関する分光計データを取込み及び分析する方法であって、
デジタルカメラ、ラマンプローブ、及びステージを移動させるように構成された少なくとも1つのステージモータと通信する、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって、
前記デジタルカメラによって撮影された第1のサンプルの取込みデジタル画像を分析することによって、前記ステージ上の前記第1のサンプルジェムストーンに前記デジタルカメラと前記ラマンプローブの焦点が合っているかどうかを判定するステップであって、
前記少なくとも1つのステージモータは、前記ステージをX、Y、Z方向に移動可能であり、かつ前記ステージを回転可能であり、
前記ラマンプローブは、前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられ、
前記第1のサンプルに焦点が合っていない場合、前記コンピュータがZステージを移動させるように前記モータに命令を送ることによって、前記カメラの焦点を前記第1のサンプルに合わせる、ステップと、
前記第1のサンプルに焦点が合っている場合、前記デジタルカメラを使用して第1のサンプルと複数のサンプルを含む前記ステージの画素化画像を取り込むステップと、
前記画素化画像を使用して前記第1のサンプルを含む前記複数のサンプルを前記X、Y平面にマッピングするステップと、
前記画素化画像内の画素と前記ステージ上の前記複数のサンプルの距離との間の関係を前記コンピュータによって決定するステップと、
前記ステージモータによる前記ステージの移動を指示し、前記第1のサンプルを前記ラマンプローブの下に配置するステップと、
前記第1のサンプルに対する前記ラマンプローブの分光計信号を記録するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のサンプルの画素化画像を使用して前記第1のサンプルの色相、明度、及び彩度値を判定するステップと、
前記対応する色相、明度、及び彩度の判定された値に基づいて、前記第1のサンプルのD~Zの色度を判定するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各サンプル内の画素数を距離の較正と比較することによって、前記第1のサンプルの画素化画像を使用して前記第1のサンプルのサイズ値を判定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画素化画像の第1のサンプル内の画素数を距離の較正と比較することによって前記第1のサンプルのサイズを判定するステップと、
前記第1のサンプルのラマンスペクトルに基づいて前記第1のサンプルの鉱物タイプを判定するステップと、
密度と鉱物タイプの表を使用して前記鉱物タイプを使用して前記第1のサンプルの密度を判定するステップと、
前記第1のサンプルの判定されたサイズを使用して前記第1のサンプルの体積を判定するステップと、
前記判定された密度に前記判定された体積を乗算することによって前記第1のサンプルの重量を判定するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のサンプルに対する第2のラマンプローブの第2の信号分析を記録するステップであって、前記第2のラマンプローブが前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられ、前記ラマンプローブ及び前記第2のラマンプローブがそれぞれ異なる波長のレーザで構成される、ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステージの移動を指示して、前記ラマンプローブの下に第2のサンプルを配置するステップと、
前記第2のサンプルに対する第2のラマンプローブの第2の信号分析を記録するステップであって、前記第2のラマンプローブが前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられ、前記ラマンプローブ及び前記第2のラマンプローブがそれぞれ異なる分解能の分光計で構成される、ステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のサンプルが前記ラマンプローブの下に入った後、前記デジタルカメラによって撮影された前記サンプルの取込み画像を分析することによって、前記ステージ上の前記第2のサンプルジェムストーンに前記デジタルカメラ及び前記ラマンプローブの焦点が合っているかどうかを判定するステップと、
前記第2のサンプルに焦点が合っている場合、前記第2のサンプルに対する前記ラマンプローブの信号分析を記録するステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサ及びメモリを有するバックエンドコンピュータによって、前記第1のサンプルジェムストーンの前記ラマンプローブの受信信号分析をジェムストーンの既知のデータと比較するステップと、前記ラマンプローブの受信信号分析と前記ジェムストーンの既知のデータとの一致を判定するステップとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ステージの移動を指示するステップは、ラマンプローブのレーザスポット位置と、前記ステージモータが移動することができる増分との間の関係を前記コンピュータによって判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のサンプルの分光計信号の結果を表示させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のサンプルに対する前記ラマンプローブの信号分析を記録した後、
前記ステージモータによって、前記ラマンプローブ下の前記第1のサンプル上の第2の位置への前記ステージの移動を指示するステップと、
前記第1のサンプルに対する前記ラマンプローブの第2の信号分析を記録するステップと、
前記第1のサンプルの所定の領域にわたって前記第1のサンプルの追加の信号分析を記録するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の領域にわたって前記第1のサンプルについて記録された前記付加信号分析結果を三次元プロットとして表示させるステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数のサンプルジェムストーンに関する分光計データを取り込み及び分析する方法であって、
デジタルカメラ、ラマンプローブ及びステージモータと通信する、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって、前記コンピュータは、前記ステージ上の第1のサンプルに前記デジタルカメラ及びラマンプローブの焦点が合っているかどうかを判定し、そうでない場合、較正するステップであって、
前記較正するステップは、
前記ステージのZ位置を最大信号リターンの代わりとなるリターンを使用して調整することによりZ次元の位置合わせを行うことと、
取込み画像の鮮鋭度を使用して前記デジタルカメラの焦点を平面に合わせることと、
既知の距離ガイドを使用してデジタル画像画素と実際の距離との間の画素-距離変換係数を実行することと、
前記取込み画像を分析してラマンプローブレーザスポットの位置を特定することと、を含む、ステップと、
較正が必要でない場合、又は較正後に、
前記ステージ上の前記第1のサンプルの焦点が合った画素化画像を取り込むステップと、
前記焦点が合った画素化画像を使用してX、Y平面内に追加のサンプルの位置を特定するステップと、
前記画素-距離変換と前記レーザスポットを使用して、前記第1のサンプル及びその対応する位置に前記ラマンプローブレーザスポットを配置するために前記ステージの必要な移動を計算するステップと、
前記第1のサンプルを前記ラマンプローブの下に配置し、前記第1のサンプルを前記ラマンプローブレーザスポットと重ね合わせるために、前記ステージを移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップと、
前記デジタルカメラによって取り込まれた前記第1のサンプルの第2の画素化画像に基づいて、前記プローブによる分析のために前記第1のサンプルにカメラの焦点が合っているかどうかを判定するステップと、
前記第1のサンプルの第2の画素化画像は焦点が合っていないと判定された場合、前記ステージZ位置を移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップと、
前記第1のサンプルの第3の画素化画像は焦点が合っているかどうかを判定し、前記第1のサンプルの分光計によって第1のサンプルラマンプローブ分光計信号を記録するステップと、を含む、方法。
【請求項14】
前記分光計信号が前記第1のサンプルについて記録された後、
前記マッピングされた座標及び画素-距離変換を使用して第2のサンプルを配置するために前記ステージを移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記デジタルカメラによって取り込まれた第4の画素化画像に基づいて、前記第2のサンプルに前記カメラ及びプローブの焦点が合っているかどうかを判定するステップと、
前記第2のサンプルの第4の画素化画像は焦点が合っていないと判定された場合、前記ステージZ位置を移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップと、
前記第2のサンプルに焦点が合っていると判定し、前記第2のサンプルの分光計によって第2のサンプルラマンプローブ分光計信号を記録するステップと、を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のサンプル及び第2のサンプルの分光計信号の結果を表示させるステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のサンプルの第5の画素化画像に焦点が合っているかどうかを判定するステップと、
前記第1のサンプルに対する第2の分光計によって第2のラマンプローブ分光計信号を記録するステップとを更に含み、
前記第2のラマンプローブが前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられ、
前記ラマンプローブ及び前記第2のラマンプローブがそれぞれ異なる分解能の分光計で構成され、
前記ラマンプローブ及び前記第2のラマンプローブがそれぞれ異なる波長のレーザで構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1及び第2の分光計の分光計信号の結果を表示させるステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ラマンプローブは、前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記プローブによる分析のために前記カメラによって前記第1のサンプルに焦点が合っているかどうかを判定する前記ステップは、前記ラマンプローブがZ次元について最大信号リターンを返すまで前記ステージを移動させるように前記ステージモータに命令を送信することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ステージを移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップは、ラマンプローブのレーザスポット位置と、前記ステージモータが移動することができる増分との間の関係を前記コンピュータによって判定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のサンプルのデジタル画像画素を使用して、前記第1のサンプルの色相、明度、及び彩度値を判定するステップと、
前記対応する色相、明度、及び彩度の判定された値に基づいて、前記第1のサンプルのD~Zの色度を判定するステップと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
各サンプル内の画素数を距離の較正と比較することによって、前記第1のサンプルのデジタル画像画素を使用して前記第1のサンプルのサイズ値を判定するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記画素化画像の第1のサンプル内の画素数を距離の較正と比較することによって前記第1のサンプルのサイズを判定するステップと、
前記第1のサンプルのラマンスペクトルに基づいて前記第1のサンプルの鉱物タイプを判定するステップと、
密度及び鉱物タイプの表を使用して前記鉱物タイプを使用して前記第1のサンプルの密度を判定するステップと、
前記第1のサンプルの判定されたサイズを使用して前記第1のサンプルの体積を判定するステップと、
前記判定された密度に前記判定された体積を乗算することによって前記第1のサンプルの重量を判定するステップと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
複数のジェムストーンサンプルの分光計測定値を記録するためのシステムであって、
デジタルカメラ、ステージを移動させるように構成された少なくとも1つのモータ、レーザを有するラマンプローブ、及び分光計と通信するプロセッサ及びメモリを有するコンピュータを備え、
前記ステージは、前記分光計による分析のために複数のジェムストーンを受け取るように構成され、
前記デジタルカメラは、前記複数のジェムストーンを受け取ることができる前記ステージの少なくとも一部をカバーする視野を備え、
前記ラマンプローブは、前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度で取り付けられ、前記ステージの少なくとも一部を対象とする、システム。
【請求項26】
前記ステージモータは、前記デジタルカメラからの画素化されたデジタル画像を分析して前記ステージ上の前記複数のジェムストーンの位置を特定した前記コンピュータからの命令に応答して前記ステージを移動させるように構成され、それにより、前記ラマンプローブからのレーザが前記ステージ上の前記複数のジェムストーンのそれぞれに、順次、分析のために配置される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ステージを取り囲む4つのパネルを更に備え、各パネルは、前記ステージを照明するように配置された発光ダイオード(LED)を含み、前記LEDは白色光を放射するように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記ステージの上方に配置された第1のリフレクタと、前記ステージの下方に配置された第2のリフレクタとを更に備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記LEDの4つのパネルのそれぞれが、ディフューザを含む、請求項27に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年3月27日に出願された米国仮出願第63/001064号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この分野には、ダイヤモンドやその他のジェムストーンの分析、分光法を使用したジェムストーンの分析、及び/又はデジタル画像の分析に使用される機器の自動位置合わせのためのシステム及び方法を含む。
【背景技術】
【0003】
ラマン/フォトルミネッセンス及び吸収分光法は、ジェムストーンの鑑別及び選別に使用されるツールである。例えば、このシステム及び方法は、天然ダイヤモンドから実験室で成長させたダイヤモンド及びダイヤモンドシミュラントを選別し、ジェムストーン中の鉱物の種類を鑑別するために使用することができる。
【0004】
残念ながら、分光測定では、被検査サンプルと光学系の焦点とが重なるようにサンプルを正確に位置合わせする必要がある。位置合わせが正確に行われないと、信号レベルが弱くなったり、又は所与の宝石の隣接するサンプルからの信号まで受信してしまったりする可能性がある。また、強いレーザ出力の使用や研磨されたジェムストーンからのレーザビームの反射により、このような位置合わせが困難な場合がある。更に複雑なことに、ラマン/フォトルミネッセンス信号の生成に十分に強いレーザは、眼の安全に対する暴露限界をはるかに超えているので、人間に対する適切な安全要件を満たすために、測定システム全体とサンプルを密閉する場合がある。従来、このような人間のユーザは、レーザ用安全ゴーグルを使用してサンプルを目視で位置合わせし、受信した信号を基準として使用し、信号が最大になるまでサンプルを往復させて位置合わせをしている。この制限により、位置合わせプロセスが遅くなり、自動選別の効率性が失われる。
【0005】
代替の方法は、分光システムを光学顕微鏡に結合することである。電動ステージを備えた従来の顕微鏡ベースのラマン分光法及び吸収分光法は、完全に密閉された環境内でのサンプルの位置合わせに使用することができるが、光学顕微鏡は視野が比較的小さい。例えば、低倍率4倍の対物レンズの水平視野は2mmしかなく、検査されたサンプルよりも更に小さい可能性がある。複数のサンプルを測定する場合、このような小さな視野は、ユーザの視界を制限する可能性がある。更に、宝石類の鑑別には、顕微鏡が提供する高い空間分解能(<10μm)は必要とされない。各サンプルは、1つ又は少数の十分に位置合わせされた測定で済む場合もある。したがって、顕微鏡を使用してもジェムストーンの選別に有用ではない。このようなシステムでは色も評価されない。
【0006】
正確でありながら、複数の検査シナリオに対して多くの異なった状況で使用することができる効率的な検査を可能にする自動化システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本明細書でのシステム及び方法は、1つ又は複数のジェムストーン用の分析ツールを自動的に位置合わせし、再現性の高い装置でジェムストーンを分析して信頼性の高い結果を得る方法を提供するために使用することができる。
【0008】
複数のサンプルジェムストーンに関する分光計データを取り込み、分析するためのシステム及び方法は、デジタルカメラ、ラマンプローブ、及びステージを移動させるように構成された少なくとも1つのステージモータと通信する、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータを使用することと、デジタルカメラによって撮影された第1のサンプルの取込みデジタル画像を分析することによって、ステージ上の第1のサンプルジェムストーンにデジタルカメラ及びラマンプローブの焦点が合っているかどうかを判定することとを含むことができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのステージモータは、ステージをX、Y及びZの方向に移動させ、ステージを回転させることもできる。いくつかの例では、ラマンプローブは、デジタルカメラの視野から外れるように、カメラの視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられており、コンピュータによってサンプルに焦点が合っていない場合、Zステージを移動させるようにモータに命令を送ることによってカメラの焦点をサンプルに合わせ、サンプルに焦点が合っている場合、デジタルカメラを使用してステージの画素化画像を取り込み、画素情報を使用して第1を含む複数のサンプルをX、Y平面にマッピングし、取込みデジタル画像の画素とステージ上の複数のサンプルの距離との間の関係をコンピュータによって決定し、ステージモータによるステージの移動を指示し、第1のサンプルをラマンプローブの下に配置し、第1のサンプルに対するラマンプローブの分光計信号を記録する。
【0009】
追加的又は代替的に、いくつかの例は、第1のサンプルのデジタル画像画素を使用して第1のサンプルの色相、明度、及び彩度値を判定することと、対応する色相、明度、及び彩度の判定値に基づいて、第1のサンプルのD~Zまでの色度を判定することとを更に含む。追加的又は代替的に、いくつかの例は、各サンプルの画素数を距離の較正と比較することによって、第1のサンプルのデジタル画像画素を使用して第1のサンプルのサイズ値を決定することを更に含む。
【0010】
追加的又は代替的に、いくつかの例は、画素化画像の第1のサンプルの画素数を距離の較正と比較することによって第1のサンプルのサイズを判定することと、第1のサンプルのラマンスペクトルに基づいて第1のサンプルの鉱物タイプを判定することと、密度及び鉱物タイプの表を使用して鉱物タイプから第1のサンプルの密度を判定することと、第1のサンプルの判定したサイズを使用して第1のサンプルの体積を判定することと、判定した密度に判定した体積を乗算することによって第1のサンプルの重量を判定することとを含む。
【0011】
追加的又は代替的に、複数のサンプルジェムストーンに関する分光計データを取り込み、分析するための本明細書でのシステム及び方法は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって、デジタルカメラ、ラマンプローブ、及びステージモータと通信するコンピュータを含み、コンピュータは、ステージ上のサンプルがデジタルカメラ及びラマンプローブに対して焦点が合っているかどうかを判定し、そうでない場合には較正するが、いくつかの例では、較正することは、最大信号リターンの代わりとなるリターンを使用してステージのZ位置を調整することによってZ次元の位置合わせを行い、取込み画像の鮮明度を使用してデジタルカメラの焦点を平面に合わせ、既知の距離ガイドを使用してデジタル画像画素と実距離との間の変換係数を行い、取込み画像を分析してラマンプローブレーザスポットの位置を特定し、較正が必要でない場合、又は較正後に、ステージ上にあるサンプルの焦点が合った画素化画像を取り込み、画素情報を使用してX、Y平面内で個々のサンプルの位置を特定し、画素から距離への変換とレーザスポット情報とを使用して、ラマンプローブレーザスポットを第1の選択されたサンプル位置に配置するために、ステージの必要な移動を計算し、第1の選択されたサンプルをラマンプローブの下に位置決めし、第1の選択されたサンプルをラマンプローブレーザスポットに重ねるために、ステージを移動させるためのコマンドをステージモータに送信し、デジタルカメラによって取り込まれた第1の選択されたサンプルの画素化画像に基づいて、プローブによる分析のために第1の選択されたサンプルにカメラの焦点が合っているかどうかを判定し、第1の選択されたサンプルの画素化画像は焦点が合っていないと判定された場合、ステージのZ位置を移動させるためのコマンドをステージモータに送信し、第1の選択されたサンプルの画素化画像は焦点が合っているかを判定し、第1の選択されたサンプルについて分光計によってラマンプローブ分光計信号を記録する。
【0012】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、分光計信号が第1の選択されたサンプルについて記録された後、マッピングされた座標と画素-距離変換とを使って第2の選択されたサンプルを配置するためにステージを移動させるためのコマンドをステージモータに送信する。いくつかの例は、デジタルカメラによって取り込まれた画素化画像に基づいて、選択された第2のサンプルはカメラ及びプローブの焦点が合っているかどうかを判定することと、第2の選択されたサンプルの画素化画像は焦点が合っていないと判定された場合、ステージのZ位置を移動させるためのコマンドをステージモータに送信することと、第2の選択されたサンプルは焦点が合っていると判定することと、第2の選択されたサンプルの分光計について、分光計によるラマンプローブ分光計信号を記録することとを含む。
【0013】
いくつかの例は、第1及び第2のサンプルの分光計信号の結果を表示させることを含む。そして、いくつかの例は、第1の選択されたサンプルの画素化画像は焦点が合っていることを判定することと、及び第1の選択されたサンプルについて第2の分光計によって第2のラマンプローブ分光計信号を記録することとを含み、いくつかの例では、追加的又は代替的に、第2のラマンプローブは、カメラの視線からステージまで測定した角度を付けた構成で取り付けられ、ラマンプローブ及び第2のラマンプローブはそれぞれ分解能が異なる分光計で構成され、ラマンプローブ及び第2のラマンプローブはそれぞれ波長が異なるレーザで構成される。いくつかの例は、第1及び第2の分光計の分光計信号の結果を表示させることを含む。また、いくつかの例では、追加的又は代替的に、ラマンプローブは、デジタルカメラの視野から外れて、角度を付けた構成で取り付けられる。また、いくつかの例では、追加的又は代替的に、・による分析のために、第1の選択されたサンプルにカメラの焦点が合っているかどうかを判定することは、ラマンプローブがZ次元について最大信号リターンを返すまでステージを移動させるようにステージモータに命令を送信することを含む。いくつかの例では、ラマンプローブは、デジタルカメラの視野から外れて、角度を付けた構成で取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本出願で説明される実施形態のより良い理解のために、図面全体を通して同様の参照番号が対応する部分を指す以下の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照されたい。
【0015】
【
図1】本明細書で説明する特定の態様による例示的な分析システムの図である。
【0016】
【
図2】本明細書で説明する特定の態様による垂直方向の事前位置合わせの例を示す例示的なチャートである。
【0017】
【
図3】本明細書で説明する特定の態様による水平方向の事前位置合わせの例を示す例示的なチャートである。
【0018】
【
図4】本明細書で説明する特定の態様による例示的な波長対計数のチャートを示す。
【0019】
【
図5】
図5A及び
図5Bは、本明細書で説明するシステムを使用して採用することができる方法ステップのサンプルを示す例示的なフローチャートである。
【0020】
【
図6】本明細書で説明する特定の態様による例示的な分析システムの図である。
【0021】
【
図7】本明細書で説明する特定の態様による例示的な三次元チャートへの外挿である。
【0022】
【
図8】本明細書で説明する態様による例示的なネットワークシステムの図である。
【0023】
【
図9】本明細書で説明する特定の態様による例示的なコンピュータシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の詳細な説明では、本明細書に提示された主題を十分に理解するために、多数の具体的な詳細が説明されている。しかし、当業者であれば、これらの具体的な詳細がなくても、主題を実施できることは明らかであろう。更に、本明細書で説明する特定の実施形態は、例として提供されており、特定の実施形態の範囲を限定するために使用されるべきではない。他の例では、本明細書の実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知のデータ構造、タイミングプロトコル、ソフトウェア操作、手順、及び構成要素については詳細に説明されていない。
【0025】
概要
【0026】
本明細書でのシステム及び方法は、自動化されたモータを備えて配置されたステージ上で、1つ又は複数の分光プローブを2倍率の又は多倍率の撮像システムと事前に位置合わせするために使用することができる。このような位置合わせは、画像処理アルゴリズムだけでなく撮像システムにも基づいている場合があるため、システム全体が人間に対するあらゆる種類のレーザ安全要件を満たすように密閉されており、正確かつ迅速な分析のためのサンプルジェムストーンの自動位置合わせのための解決策も提供できる可能性がある。
【0027】
ラマン分光法の使用は、ジェムストーンなどの材料の鑑別に有効な方法である。例えば、1つの用途は、肉眼では判別できないネフライト翡翠とそれほど価値の高くないジェイダイトとを判別することであり得る。このような分析はまた、模倣翡翠(即ち、まったく他の鉱物)と、鉱物を加熱して化学的に変化させ、染色やワックス処理した加工翡翠とを判別するのに役立つ場合がある。まず、ラマンプローブを使用してレーザ信号をストーンに照射し、反射信号を分光計で記録することによりストーンを分析することができる。例えば、分光チャート内のSi-O-Si対称伸縮の特徴は、ネフライトでは675cm-1、ジェイダイトでは695cm-1超と、材料内のわずかに異なる場所に位置することがある。ラマン分光グラフのピーク位置に基づいて、ネフライト特徴は、162*、179、223、368*、394*、415*、675、930、1031、及び1058cm-1(*弱い特徴)を含むことができ、ジェイダイト特徴は、205、377、436、695、993、及び1039cm-1を含むことができる。これらは、レーザ波長として532nmを使用し、スペクトル分解能が0.3nm未満を使用する場合、0.5nmに相当する20cm-1未満の高分解能分光法を使用したラマンプローブ分析とは異なる結果である。これらのピークは、分解するために約0.3nmのスペクトル分解能、即ち、約10cm-1に相当する分解能を必要とする可能性がある。更に、いくつかの例では、ジェイダイトとネフライトの2つの材料が同じジェムストーン内に共存する可能性があるため、ストーンのマップが有用である可能性がある。
【0028】
一般に、これらの記録された結果は、鑑別のための一致を見つけるために、様々なストーン及びストーンのバリエーションに関する既知の分光計の記録と比較される場合がある。翡翠以外の他のジェムストーンもラマン分光法を使用して同様に鑑別することができる。
【0029】
しかし、このようなシステムの適用は、本明細書で説明するシステムと方法までは、ラマンプローブを手動で適用することに限定されていた。本明細書で説明するシステム及び方法は、他の方法では分析が困難な可能性がある宝石類又は他のマウントに取り付けられたものを含めて、多くの多様なサイズ及び形状のジェムストーンを分析するために使用することができる。いくつかの例では、取り付けられた宝石類にはジェムストーンの一部のみが見え、他の部分は見えない。したがって、本システムは、適切に分析するためにジェムストーンをマウントから取り外す必要をなくすことができるという点で汎用性があり得る。これにより、マウントされた状態で、取り外すことなく、通常の状態で多くの多様なジェムストーンを分析する際の時間、費用、潜在的な損傷、及び労力が節約される。更に、プローブの下のステージ上にあるサンプルを自動移動させることで、人間をレーザによる曝露から保護することができる。
【0030】
本明細書で説明するシステム構成は、サンプルを測定するための1つ又は複数の長焦点距離の分光プローブを含んでもよい。分光プローブは、1つ又は複数のラマン及び/又はフォトルミネッセンスプローブ(複数可)であってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、複数のプローブを同時に使用してもよい。2つ以上のプローブを有する例では、それぞれが異なるレーザ波長を含んでもよく、又は吸収分光プローブを利用してもよい。
【0031】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラはサンプルが位置するステージ上を見下ろすように取り付けられてもよい。なぜなら、カメラは、データを収集するステージ及び/又はラマンプローブの配置に使用される画像を取り込むために使用される場合があるからである。カメラはサンプルとステージを見通すことができる状態で配置されるので、どのプローブでもカメラの視線から外れて配置することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、プローブ(複数可)は、カメラの視線に小さな量のみが写るように、又はプローブが全く写らないように傾けてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、プローブの影がカメラの視線内に現れないようにプローブを配置してもよい。これは、ラマンプローブの焦点がカメラの焦点面と重なる場合でも配置することができ、いくつかの例では、
図1及び
図6に示すようにプローブを傾けることによっても可能である。このようにして、カメラの視線からステージを測定した角度でプローブを取り付けてもよく、カメラを取り付けてサンプルステージや分析中のジェムストーンを見ることもできる。プローブが分析を行う間に、カメラ画像を使用して、ステージ上のサンプルの配置を確認したり、サンプルを観察したりすることもできる。
【0032】
追加的又は代替的に、プローブの適切な位置合わせを確保するためのサンプルステージの自動移動は、本明細書で説明するシステム及び方法を使用して構成することができる。
【0033】
位置合わせとマッピングの例
【0034】
本明細書でのシステム及び方法を使用して、ジェムストーンサンプルの位置を特定し、測定のためにサンプルを分光プローブに合わせるために、水平方向と垂直方向に移動させる必要がある距離を計算することができる。撮像システムは、水平面上のサンプル位置を特定し、サンプルの垂直位置が分光プローブの焦点と重なっていることを確認するという2つの主要な機能を果たす1台又は複数のカメラを含む場合がある。
【0035】
第1の機能は、全てのサンプルをカバーするのに十分な視野を有する広角撮像レンズを利用することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、視野を30mm×25mmに設定することができ、これは一般的なステージ上のほとんどのサンプルをカバーするのに十分な広さであり得る。選別/走査用途のための視野の一例は、少なくとも約20mmの視野をカバーすることができ、これは、2/3インチフレームサイズのカメラを使用した場合、0.45倍未満の倍率である。
【0036】
このような例示的な撮像システムは、視野全体にわたって画像の歪みが少ないか、又は全くない可能性がある。撮像システム内の画素サイズと画像平面内の実際の距離との間の変換係数は、ステージマイクロメータを使用して計算することができる。ステージマイクロメータは、定規と同様のマイクロメータパターンを有するガラス片で、撮像システムの較正に使用できる可能性もある。
【0037】
第2の機能は、小さな垂直移動に敏感な焦点深度の短い撮像レンズを利用することができる。このような例では、高倍率+高F値のレンズがこの機能に適している可能性がある。撮像システムは、1台のカメラ又は異なる倍率を有する複数のカメラであってもよい。
【0038】
水平運動は、広視野カメラから収集された画像を使用してコンピュータシステムによって計算され、被検査サンプルと分光プローブとの位置合わせを行うことができる。このような例では、位置合わせのためにサンプルを移動させるための水平移動パラメータを電動並進ステージに送信することができる。最初の水平方向の位置合わせの後、被検査サンプルと分光プローブの焦点面とを重ねるために、焦点深度の短いカメラからの画像を使用して垂直軸の移動をコンピュータシステムによって計算することができる。垂直方向の位置合わせプロセスは、従来の自動焦点機能と同様に、撮像システムが垂直方向に走査して複数の画像を取り込み、焦点が合った垂直位置を計算する。自動焦点アルゴリズムは、ジェムストーンのカットや表面の特徴を使用して、焦点合わせを確認することができる。次いで、並進ステージを移動させ、サンプルを垂直方向の焦点の合った位置に移動させることができる。垂直方向の位置決めの後、別の水平方向の位置合わせや、水平及び垂直方向に前後させての位置合わせを利用することも可能である。いくつかの例では、追加的又は代替的に、2台ではなく1台のカメラを使用してもよい。
【0039】
位置合わせができると、分光プローブは、分光計を使用してラマンスペクトル及び/又はフォトルミネッセンススペクトルを収集することによって、被検査サンプルを測定することができる。位置合わせから測定までのプロセスについては、個々のサンプルごとに繰り返してもよい。分光プローブからの結果に基づいて、ユーザ又はコンピュータアルゴリズムは、スペクトルを分析してジェムストーンの選別及び鑑別を判定する。いくつかの例では、追加的又は代替的に、チャート分析及び他のジェムストーンサンプルの既知のチャートとの照合を含む場合がある。
【0040】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、複数のラマン分光プローブを1つのシステムに組み込んで、異なるレーザ励起波長の下で、及び/又は同じ設定で異なる視野を使用してサンプルを測定することができる。
【0041】
ハードウェア設定例
【0042】
図1は、本明細書で説明する方法を使用するために利用できる機器の例示的なハードウェア設定を示す。
図1に示すように、カメラ115の視野132により、ステージ108内/上に配置されたジェムストーン(複数可)106でのプローブ110の位置合わせが可能になる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラ115はレンズ119を含んでもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、上述したように、カメラ115のレンズ119は、例えば、固定倍率撮像レンズ、マクロレンズ(歪みが少ないため)、テレセントリックレンズ(長作動距離用)、手動又は電動調整可能倍率の撮像レンズ(視野を変更するため)であってもよいが、これらに限定されない。撮像レンズ119はまた、デジタル一眼レフカメラ(DSLR)などの手動又はモータ駆動の焦点合わせを含んでもよいが、これに限定されない。
【0043】
オペレータは、分析のために、ホルダ内に又はホルダなしで、任意の数のサンプルジェムストーン106をステージ108上に置くだけでよく、次いでテーブルステージ108及び/又はプローブ110を移動させて、ステージ108上又は内に配置され得るジェムストーン106を分析することができる。
図1の配置は、多くの多様なサンプルの自動化位置合わせを可能にし、そうでなければ分析用の新しいジェムストーン106を一度に1つロードし、異なるストーンサンプルごとに、プローブ110を手動で位置合わせしなければならなかったオペレータのプロセスを大幅に簡素化することができる。
【0044】
この例では、多くの多様な構成部品が1つの全体ユニットに含まれる場合がある。このユニットは、カメラ装置115と、取り付けられたラマンプローブ110と、オペレータユーザ(図示せず)からのレーザ光を遮蔽するためのカバーと共に付随するモータ150を有するジェムストーンステージ108とを含むことができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、モータ150は、サーボモータ及び/又はステッピングモータ、サーボモータ、ACサーボモータ、AC誘導モータ、ピエゾモータ、音声コイルモータ、及び/又はアクチュエータ又は任意の他の種類の電気モータ、又はステージをX、Y、及び/又はZ次元166で移動できる他のモータ、及び/又は一軸又は複数軸を中心に回転できる他のモータ152であってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、これらの構成部品のそれぞれは、可動及び/又は調整可能な及び/又は電動の取付けブラケット及びジョイントによってシステムフレーム(図示せず)全体に取り付けられてもよい。このようにして、各構成部品(カメラ115、ラマンプローブ110、ステージ108など)のX、Y、及びZ166の位置及び傾斜角は、互いに独立して移動させることができ、かつ/又は必要に応じて回転させて、サンプル106の位置合わせ、焦点合わせ、及び/又はその他の分析が可能である。いくつかの例では、追加的又は代替的に、このようなモータにより、コンピューティングシステムと通信して、カメラの自動焦点、サンプル間の移動、及び画像分析を使用した自動分析のためのフィードバックループが構築される場合がある。
【0045】
このような例では、これらの構成部品(ラマンプローブ110、分光計117、レーザ113、カメラ115、テーブル108、モータ150)のそれぞれは、
図9で説明されているようなコンピュータ又はコンピュータシステム(
図1には示されていない)と通信することができる。このようにして、単一のシステムは、本明細書で説明するジェムストーン106の分析に有用なカメラ、ラマンプローブ(複数可)、及び可動ステージを収容することができる。
【0046】
カメラ115は、本明細書で説明するように、ステージ108上のモータとも通信するコンピューティングデバイスによって処理することができる画像データを取り込み、サンプル(複数可)のX、Y、及び/又はZ位置における位置合わせを調整することができる。本明細書で説明する分析のために、このような画像取込み情報をコンピューティングシステム(図示せず)に送信することができる。更に、このような画像データは、上述のように、モータ150によるテーブル108のZ方向移動を使用して画像の焦点を合わせるために、及びX方向及びY方向に移動してサンプル106とプローブ110との位置合わせを行うために利用することができる。
【0047】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、ステージ108は、プローブ110が固定されるように並進ステッピングモータ及び/又はサーボモータを使用して移動することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラ115は、取り込まれた画像が鮮明であることを保証するために、ステージ108及び/又はサンプル106に焦点を合わせることができる。この配置により、システムを焦点面と事前に位置合わせすることができ、次いで、本明細書で説明するように、プローブ110は、ステージ108上の全てのものが焦点が合うように配置することができる。
【0048】
ジェムストーン106を測定するために使用されるセンサは、ラマンプローブ及び/又はフォトルミネッセンスプローブ110であってもよい。
図1の例では、ラマンプローブ110は、レーザ113と通信する励起レーザ伝送線112と分光計117用収集線116の両方を含むファイバ線を含む。プローブ110は、本明細書で説明するようにジェムストーン106を励起するために使用されるレーザ光線114を放射することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、光源114は、可視、近赤外、又は近紫外範囲にあってもよい。各波長には独自の用途がある。例えば、405nmラマンプローブ/フォトルミネッセンスプローブはダイヤモンド選別に適し得て、532nm又は785 nmラマンプローブは着色ジェムストーンの鑑別に有用であり得る。他の一般的に使用される波長、例えば、445、488、514.5、633、639、660、690、730、808、830、852、975、及び/又は980nmも含まれるか又は利用され得る。複数のラマンプローブを有する例では、それぞれがそれ自体のレーザ及び分光計を利用する。
【0049】
カメラ115の配置上、プローブ110がカメラ115の撮像視線132の邪魔になる可能性がある。いくつかの例では、追加的又は代替的に、プローブ110は、ラマンプローブ110が依然としてサンプル106に影響を与え、それに応答して十分に強い信号を受信するが、カメラ115の邪魔にならない角度140で取り付けることができる111。このような例では、カメラ115のステージ108及びジェムストーンサンプル106への視線132に対するラマンプローブ110の角度140によって、カメラ115によって撮影されたどの画像にもラマンプローブ110が写らないが、依然としてジェムストーン106を分析することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、プローブ110の影領域がこのような方法で減少することができる。更に、このような配置は、真下の角度からの信号レベルをわずかに減少させるだけで、説明したように、分析に十分な強度を有することができる。
【0050】
いくつかの例において、追加的又は代替的に、このようなラマンプローブ110は、角度140を含むこのような位置の配置及び移動を可能にするために、ジンブル、ヒンジ、回転可能な軸、回転サーボモータ及び/又はステッピングモータ、又は他の可動装置111に設定されてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、プローブ110は、人間のオペレータによって標的ジェムストーン106に対して配置/操作されてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、旋回モータが角度140を自動的に、及び/又はコンピュータプログラムの使用に応答して、及び/又は遠隔で、命令を送信する人間のオペレータに応答して、又は自動調整及び/又は手動調整の組合せで調整できるように、コンピューティングシステムと通信するモータを取り付けてもよい111。このような角度は、垂直なZ軸から測定して、15~30度の角度、いくつかの例では、追加的又は代替的に、下方20度でかつサンプル領域に向かって設定される場合がある。ラマンプローブ110の選択された旋回角140は、カメラの視野角、焦点距離及びプローブの寸法に依存し得る。ラマンプローブ110の選択された角度140は、本明細書で説明するように調整され得る。
【0051】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、ステージ108及び/又はサンプル106に対するラマンプローブ110のX、Y及び/又はZ距離を、ステージ108及び/又はプローブ110マウント用のサーボモータ及び/又はステッピングモータによって調整することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、このような調整は、本明細書で説明するモータ150及び/又は111と通信するコンピュータシステムによって行われてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラデータ分析と通信するこのようなモータは、
図2及び
図5でより詳細に説明するように、画像分析及びプローブ110の位置、並びにテーブル108を使用してフィードバックループを提供することができる。
【0052】
次いで、このカメラ115は、本明細書で説明するように、位置合わせのためにジェムストーン(複数可)106の画像をデジタル的に取り込むことができる。このような画像は、本明細書で説明するようにジェムストーン画像を表す画素化データを含んでもよい。カメラ115は、コンピュータ構成要素を含んでもよく、画素化デジタル画像を処理するため、ジェムストーンのテーブル面の画素化デジタル画像を保存、格納、送信、あるいは位置合わせ又は操作するために、本明細書で説明する他のコンピュータ構成要素と通信することもできる。
【0053】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラ装置115は、焦点距離を調整するように調整可能であってもよく、固定されていてもよく、又は取外し可能であってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、発光ダイオード(LED)128が取り付けられたパネル、及び/又はその他の方法で発光ダイオード(LED)128を含むパネルなどの光源は、ジェムストーン106を照らすのを助け、位置合わせのための画像取込みでカメラ115を助けるように、ステージ108を取り囲んでも、部分的に取り囲んでも、近づけても、又は接近してもよい。
【0054】
このような例では、ステージ108上の照明環境は、ジェムストーンサンプル106のあらゆる色差を強調するのに役立つ場合がある。均一で拡散した白色光は、取込み画像内のジェムストーン内部の暗い領域を減らすのに役立つ場合がある。したがって、追加的又は代替的な例には、本明細書で説明するように、LED128と任意選択の上部反射板(複数可)160及び/又は下部反射板(複数可)161を装備及び/又は含むサイドパネルの種々の構成が含まれる。このような反射板は、アルミニウム、鋼、銅、クロム、ニッケルなどの金属、及び/又は任意の他の金属の組合せなどの光反射材料で作られた、及び/又は光反射材料でコーティングされた任意の数のパネルとすることができるが、これらに限定されない。このような例では、ガラスミラーを反射板として使用してもよい。LEDサイドパネル128からの光など光を反射するように構成された反射材料の任意の組合せを使用することもできる。これらの照明装置は、可能な限り正確なサンプル106の色測定を可能にすることができる。
【0055】
いくつかの例では、光を拡散させるために、LEDパネル(複数可)128の前にディフューザを配置する場合がある。いくつかの例では、ステージ108及びサンプル106を照明するために、1つ、2つ、3つ、及び/又は4つのLEDパネル128を使用する場合がある。
図1には示されていないが、いくつかの例では、これらのLEDパネル128は、2つ、3つ、又は4つの側面でステージ108を囲む場合がある。
【0056】
いくつかの例では、LEDパネル(複数可)128は、幅200mmx高さ100mmのサイズであってもよい。いくつかの例では、LEDパネル(複数可)128は、幅150~250mm、高さ50~150mmのサイズであってもよい。任意のサイズのパネルの組合せを使用してもよい。
【0057】
いくつかの例では、反射板160は、ステージ108の上方及び/又は下方161に配置されてもよい。反射板160がステージ108の上方に配置される例では、カメラ115がステージ108とサンプル106を見るために、反射板に穴162、開口、及び/又はアパーチャが作られてもよい。このような例では、反射板(複数可)160、161は、任意の光反射材料で作られてよく、LEDパネル(複数可)128からの光がステージ108とサンプル106に向かって反射されるように配置されてもよい。いくつかの例では、反射板161、160の代わりにLED 128のパネル(複数可)をステージ108とサンプル106の上方及び/又は下方に配置してもよい。LEDパネル及び/又は反射板の任意の組合せを使用して、ステージ108及びサンプル106を照明することができる。このような例では、4つの側面LEDパネルと上部反射板と下部反射板の両方を備えた照明環境は、暗い領域を最小限に抑え、サンプルの色の違いを強調することができる。
【0058】
LED128のパネルがステージ108の四方を囲み、それによって箱を形成している例では、ラマンプローブ110は、サンプル106を分析するためにこのような箱の中に到達するように配置されてもよい。
【0059】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、複数の視野を有する複数のカメラを利用して、ステージ108上のサンプル106をより良好に位置合わせしてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、異なる視野を有する複数のカメラを使用してもよい。例えば、ビームスプリッタを使用して、複数のカメラがステージの単一の視野132を共有できるようにしてもよい。例えば、2台のカメラを使用する場合では、各カメラが同じ領域を見ることができるように、信号を分割するようにビームスプリッタを設計してもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、ビームスプリッタは、用途、並びに信号の輝度と信号波長に応じて50/50又は80/20としてもよい。
【0060】
LEDライトの例は単なる例であり、決して限定することを意図するものではないことに留意されたい。ステージやサンプル上に照明を当てるために、任意の数の光配置を使用することができ、LEDを単なる一例として、単独で、又はハロゲン、蛍光灯、白熱灯、及び/又は任意のその他の種類又はタイプなどを組み合わせて使用することが可能である。
【0061】
(垂直方向事前位置合わせの実施例)
【0062】
水平X、Y方向でのサンプルの位置合わせに利用できるように、サンプルステージが許容できる垂直方向Z次元にある場合、サンプルの適切な位置合わせと分析測定のために、サンプルの許容できる焦点を得るために計算することができる垂直方向事前位置合わせにも利用することができる。サンプルに対して許容できる垂直方向のZ次元を判定するために、観察を行い、次いで、ステージをZ方向に配置するために、例えば、サンプルの分析対象部分とプローブやカメラとの相対距離、即ち、Z方向の距離を利用することができる。
【0063】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、そのステージより上の相対的な高さが異なるステージ上にサンプルを置いてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、複数のサンプルが相対的に同じ高さであってもよい。これにより、これらの異なるサンプルでは、カメラとプローブの焦点距離が異なる場合がある。いくつかの例において、追加的又は代替的に、カメラ及び/又はラマンプローブの最初の較正ベース位置を各サンプルについて求めることができる。このような例では、サンプルの焦点の合った視野と、プローブによる焦点の合った読取りを実現する、ステージのZ位置を見つけることができる。
【0064】
例えば、ステージは新しいサンプルに移動することができ、ステージ上のそのサンプルの相対的な高さに起因して、最後のサンプルからのカメラの距離によって、新しいサンプルの視野が焦点のずれたものになる可能性がある。このような場合、システムは、焦点ずれ画像をトリガとして解釈し、ステージを再配置し、それによってカメラの焦点を合わせ、プローブが適切な測定を行えるようにすることができる。このような動きは、
図2で説明するような信号リターン強度に基づくことができる。本明細書で説明する例では、ステージは通常、位置合わせやサンプル収集のため、カメラ及び/又はプローブの焦点を合わせるために移動される。しかしながら、いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラを移動させ、及び/又はプローブを移動させてシステムの焦点合わせを行ってもよい。サンプルステージの移動を説明する例は、限定することを意図するものではなく、サーボモータ及び/又はステッピングモータを有する他の可動マウントを利用してもよい。
【0065】
図2は、垂直方向のZ位置204に対する垂直方向事前位置合わせ分析チャートによる信号強度202の一例を示す。いくつかの例では、追加的又は代替的に、画像処理は、分析に使用される画像を適切に取り込むために約0.25mmの精度を必要とする場合がある。いくつかの例では、追加的又は代替的に、焦点深度は0.25mm未満であるべきである。また、カメラの撮像には焦点深度±1mmのものもあるため、更に拡大したZ方向の焦点調整を使用する場合もある。
【0066】
図2は、本明細書で説明する特定の態様による、垂直方向の事前位置合わせの例、即ち、プローブと特定のサンプルとの間の垂直距離を示す例示的なチャートである。
図2は、Y軸としてフォトルミネッセンス強度(カウント)202を示し、ここで信号レベルは、信号強度を評価するための基準として使用されている。テーブルに対するプローブのミリメートル単位でのZ位置は、X軸204に示される。このチャートから分かるように、プローブには強い信号強度を生成するZ位置があり、例えば、いわゆるスイートスポット210と呼ばれる位置では、Z距離の範囲で最大の信号強度を示している。同様に、弱い信号220は、他のZ距離で検出される可能性がある。このようなZ距離の範囲にわたる観察により、システムは、分析するために最大の信号強度を生成する、ステージのZ設定を較正することができる場合がある。
【0067】
図2で説明した方法に基づいてZ位置を確定した後、サンプルの画像の焦点が可能な限り鮮明になるように、カメラ位置を調整することができる。コンピュータ画像分析を使用して、画素化画像についてこの判定を行ってもよい。これは、ラマンプローブとカメラの焦点を重ねるためである。このような例においては、カメラ画像の焦点を、ラマンプローブの焦点の質を評価するために使用することができる。
【0068】
例えば、プローブからテーブルまでのZ距離を変更するだけで、ある一連のサンプルに関してこのようなチャートを作成することができる。最大の信号強度210が観察されると、残りのサンプルは、その観察されたZ距離又はその近くで撮影することができる。追加的又は代替的に、いくつかの例では、追加的又は代替的に、Z距離を各サンプルについて独立して順次分析することができる。
【0069】
水平方向事前位置合わせの実施例
【0070】
分光プローブは、サンプル分析時の時間と労力を最小限に抑えるために、撮像システムと事前に位置合わせを行い、分析のためにサンプル間の自動移動を可能にすることができる。
図1などの構成では、プローブ110は静止していてもよいが、ステージ108は、モータ150及び/又は人間のオペレータによって移動可能であってもよい。自動化されたステージ108の移動の例では、ステージ108上の各サンプルは、分析及び信号収集のためにプローブ110の下に一度に配置される必要がある場合がある。このような移動は、サンプルをマッピングするためにカメラ115によって取り込まれた画像データを利用することができる。更に、いくつかの例では、追加的又は代替的に、ビームサイズ及び/又はビーム中心に関する情報は分析に使用され、サーボモータ及び/又はステッピングモータ150のサイズは、サンプル106を通って進みそれぞれを順に分析するようにテーブル108の移動を自動化するために使用される場合がある。
図3は、本明細書で説明する特定の態様によるトップダウン式の水平X、Yの事前位置合わせの例を示す例示的なチャートである。このような配置により、システムは、スペクトルマッピング信号分析のために、一連のサンプルにおいてラマンプローブを位置合わせすることができる。
【0071】
図3には、サンプルのステージの水平X、Y上面
図302が示されている。上述したように、ステージ302上の実際のサンプルとカメラによって撮影された画像304との間の関係を使用して、ステージ302を移動させて、異なるサンプルを分析用プローブ(
図1の110)のビームスポット306の下に配置することができる。このような関係を利用するために、実世界のステージ302と画素化画像データ304との間の距離は、コンピューティングシステムによって換算することができる。画像304は、デジタルであってもよく、ステージ302の実際の距離や座標を求めるために、画素を計数することで使用できるように相関させるべき画素で構成されていてもよい。このような相関は、画像304内の各画素を実世界の距離に変換することを含んでもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、画像内の各画素は9.2μmであってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、各画素は9~10μmの間であってもよい。このようにして、ステージ302と画像304の座標を互いにマッピングすることができる。他の変換係数として、カメラレンズの倍率を挙げることができる。いくつかの例では、上記のように追加的又は代替的に、ステージマイクロメータは、マイクロメータパターンを有するガラス片であってもよく、及び/又は、ステージ上に既知の長さを示す定規を置き、定規のあるステージの画像を撮影し、コンピュータシステムがその画像を分析して、定規の長さを構成する特定の配列の画素数を計数してもよい。例えば、いくつかの例では、追加的又は代替的に、ステージ上の実世界でのX、Yの1 mmの定規は、カメラによって取り込まれた画像上で長さ110画素に変換される場合がある。指定された既知の長さにまたがる画素を計数することで、変換係数を決定し、本明細書で説明されるように使用することができる。
【0072】
画像画素の関係が決定された後、ステージ302上のカメラ視野内のサンプルを、コンピューティングシステムによってマッピングしてもよい。しかし、自動焦点及び/又はサンプル進行を実行するために、システムはまた、サーボモータ及び/又はステッピングモータ(
図1の150)によるステージ302の移動と、分析に使用される
図1のプローブ110によって生成及び使用されるビームスポット306のサイズとの間の関係を利用することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、レーザスポット306を固定し、ステージを移動させて、分析のために様々なサンプルをレーザの下に配置することができる。そして、その変換判定で、ステージが特定の画素数だけ移動するかどうかを知るために使用される場合、これは、ステージ上のある現実の長さに変換される。これは、システムがサンプル間を移動して、各サンプルの分析を自動で行うことを可能とし得る。いくつかの例では、追加的又は代替的に、システムが分析開始前に分析用サンプルの位置を事前に選択するように画像がマッピングされ、次いで、自動プログラムを使用して、画素と決定された変換を使用して、判定通りにステージを移動させてもよい。
【0073】
例示的なレーザビーム306のスポットサイズは、50~100μmの間であってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、スポットサイズは、プローブ(
図1の110)内の光学系の焦点距離と同様に、ファイバ(
図1の112)コアの直径に依存し得る。いくつかの例では、追加的又は代替的に、ビームスポットは直径0.1mm~0.2mmであってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、ビームスポットは直径0.05mm~2.5mmであってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、ステージ302上のサーボモータ及び/又はステッピングモータのステップの分解能は、10μm未満であってもよい。このような例では、1つのビームスポット306のサイズの同じ距離内に多くのモータステップが作られる可能性があるため、スポットサイズが解像度分析を支配する可能性がある。
【0074】
システムは、ステージ304のマッピングされた画素化画像データ、並びに判定されたビームスポット306のサイズ及び/又は中心、並びにサーボモータ及び/又はステッピングモータの増分値ステップサイズを使用して、ステージ302上の各サンプルが順次分析されるように、ステージを移動させることができる。
【0075】
(分析例)
【0076】
サンプルステージ302は、
図4に示すように、ラマンプローブ分析が行われた6つの異なる例をラベル付けしている。1つの例示的な方法は、ダイヤモンドなどの標的ジェムストーンを選別し、合成ダイヤモンドであるかどうかを判定するために、本明細書で説明する手順を使用することができる。このような分析により、天然ダイヤモンドのダイヤモンドオーバーグロースを検出し、合成ダイヤモンドにこのようなオーバーグロースがないことを検出するために使用され得る。このような例ではオーバーグロースを検出するために蛍光スペクトル又は蛍光画像を使用することができる。このような分析はまた、保存された画像と取込み画像との間の比較分析、及び/又は保存されたスペクトルと取り込まれたスペクトルとを比較するための比較分析を含むことができる。
【0077】
360、362、364、366、368、369の6つのサンプルは、画像内の[画素座標] と実際の装置内の(X-Y)ステージにおける位置座標との両方で測定することができる。例えば、以下の通りである。
【0078】
360、a.サンプル画素座標[147、326]X-Y(20.37、6.10)
362、b.サンプル画素座標[170、1566]X-Y(20.16、17.51)
364、c.サンプル画素座標[1083、1242]X-Y(11.76、14.53)
366、d.サンプル画素座標[1219、794]X-Y(10.51、10.41)
368、e.サンプル画素座標[2046、337]X-Y(2.90、6.20)
369、f.サンプル画素座標[2320、1017]X-Y(0.38、12.46)
【0079】
図4は、
図3のサンプルのテーブル面から6つの異なるサンプルについて、ナノメートル(nm)単位の波長吸収に対するフォトルミネッセンス強度(カウント×10
4)をチャート化した分光計グラフを示す。このようにして、様々なサンプルを分析し、システムに保存され得るようにサンプルステージ上でのこれらの位置に関連付け、それぞれの分析結果を保存、送信、保存、比較、マッピング、及び/又は別の方法で(
図8及び/又は
図9のようなコンピュータを使用して)それぞれのサンプルに利用できるように鑑別する(
図4の6つは単に例示であって決して限定的ではなく、多くの例において、それぞれのサンプルが分析される)。この実施例は、400nm~900nmの波長吸収をプロットし、チャートによって約0~5×10
4カウントを計数する。6つの例の分光計の結果は以下の通りである。
【0080】
460a.サンプルは立方晶ジルコニウムである。
462b.サンプルはモアッサナイトである。
464c.サンプルは高圧高温(HPHT)実験室成長ダイヤモンドである。
466d.サンプルは天然ダイヤモンドである。
468e.サンプルは天然ダイヤモンドである。
469f.サンプルは、化学蒸着実験室成長ダイヤモンドである。
【0081】
図から分かるように、チャートは、ナノメートル(nm)単位の波長吸収に対するフォトルミネッセンス強度(カウント×104)の様々なパターンを示しており、未知のストーンや分析中のストーンを鑑別するのに使用できる。既知のチャートを使用して、マッチング比較鑑別用の新しいサンプル分析チャートと比較することができる。
【0082】
色分析例
【0083】
いくつかの例では、色グレード及び/又は判定は、サンプルジェムストーンの取込み画像の分析によって行うことができる。本明細書でのシステムは、サンプルの画素を分析することにより、3つの属性、即ち、明度、彩度、及び色相を含む従来の色空間に限らず、様々な特性の任意の組合せを判定するようにプログラムすることができる。これは、システムが適切に照明されたサンプルを分析し、かつサンプルの取込み画像の赤、緑、及び青の画素割当てを変換することによって実現できる。
【0084】
例えば、
図3を参照すると、3つの異なるサンプル360、366、368がシステムによって分析されると、それぞれについて画像が取り込まれ得る。画像は画素化デジタル画像であるため、画像に取り込まれた赤色、緑色、及び青色を分析し、彩度、明度、及び色相などの属性を判定しても良いが、これらに限定されない。例えば、色相は、色が赤、オレンジ、黄、緑、青、紫、又は近接した環で考えて、これらの隣接するペアの中間であると判断される色知覚の属性と考えられ得る。明度は、色調とも呼ばれ、知覚された色が黒から白までの一連の灰色のうちの1つと同等であると判断される属性であり得る。サチュレーション(saturation)としても知られる彩度は、同じ明度の灰色からの色の逸脱度を示すために使用される色の属性であり得る。
【0085】
D~Zカラーグレーディングスケールを表1に示す。
【表1】
【0086】
彩度、明度、及び色相のこれらの判定された値から、以下の表2の例に示すように、色推定値及び/又はグレードを指定することができる。
【表2】
【0087】
このような例では、画像内の画素は定量分析の対象となり得る。例えば、各画素を分析して、特定のピクセル内の全ての色成分の値を定量化することができる。色成分の数は、カラー画像が最初に取り込まれるときに画素が符号化されるアルゴリズムによって判定されてもよい。いくつかの実施形態では、画像は、その取込みカラーモード(例えば、CMYK)から異なるカラーモード(例えば、RGB)に変換される。各画素の色成分ごとに値を定量化した後、所与の画像の色成分ごとに平均値を計算することができる。この処理を全ての画像について繰り返し、全ての画像における各色成分の平均値を算出することができる。最終的には、全ての画像からの情報に基づいて各色成分の最終平均値を計算することができる。
【0088】
この情報を使用して、1つ又は複数のパラメータの平均値を計算するために、画像内の定義された領域内の全ての画素に対して変換プロセスを実行することができる。このステップは、複数のカラー画像内の全ての画像について繰り返すことができる。最終的に、1つ又は複数のパラメータ(例えば、L*、a*、及びb*)の平均値を、全ての画像からの情報に基づいて各色成分について計算することができる。
【0089】
次に、1つ又は複数のパラメータの値に基づいて第1のスコアを計算することができる。例えば、本明細書では、第1のスコアは、CIE色空間値(例えば、L
*、a
*、及びb
*)に基づいて計算された彩度(C
*)及び色相(h)の値とすることができ、例えば、以下の式(
図10)に基づいて計算することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、カラー画像は、CIEによって公開されている規格(例えば、波長の関数としてのカラーマッチング関数と光源の表)を使用して分析することができる。6500Kの相関色温度D
65を有する標準昼光光源のプロット。この光源は、本明細書では関数H
D65(λ)によって表され得る。カラーマッチング関数の
、
、
は、測色パラメータを計算するために使用される。
【0091】
いくつかの実施形態では、カラーグレードは、サンプルジェムストーンの本体色の色又は色相特性を表す。
【0092】
次に、画像(例えば、対応するアウトラインマスクによって定義される)内のジェムストーンの物理的領域内の各画素の個々の色成分が定量化される。いくつかの実施形態では、各画素は、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の色を表す3つの値に分割される。いくつかの実施形態では、各画素は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の色を表す3つの値に分割される。いくつかの実施形態では、画像は、その取込みカラーモード(例えば、CMYK)から異なるカラーモード(例えば、RGB)に、又はその逆に変換される。次いで、個々の色成分を使用して、1つ又は複数のパラメータ、例えばCIE色空間値(例えば、L*、a*、及びb*)を計算する。
【0093】
次に、1つ又は複数のパラメータ(例えば、L*、a*、及びb*)は、画像取込み構成要素(例えば、カメラ)が同じ設定の下で構成されている間、1つのセッション中に(例えば、同じ照明条件の下で特定のジェムストーンについて収集された全ての画像について計算される。
【0094】
色特性(例えば、L
*、a
*及びb
*)の計算例は以下の通りである。ダイヤモンドは透明な材料であるため、透過スペクトルT(λ)と反射スペクトルR(λ)の和が下記の通り三刺激値X、Y及びZの計算に使用される。
色度座標X及びYは、次のように定義される。
「知覚的に均一な」色空間を達成する試みは、CIELAB色空間としても知られるCIE1976色空間である。そのパラメータは、三刺激値から以下のように計算される。
明度は、
赤-緑パラメータは、
黄-青パラメータは、
、
であり、式中、X
W、Y
W及びZ
Wは、選択された光源、この場合はD65に対応する白色点の三刺激値である。
サチュレーション(saturation)、即ち、彩度は、
と表され、色相角は、h
ab=tan
-1(b
*/a
*)と表される。
【0095】
サイズ/重量分析例
【0096】
いくつかの例では、サイズ及び/又は重量の判定は、サンプルの取込み画像の分析によって行うことができる。取込み画像内のサンプルの画素を分析することによって、本明細書でのシステムは、サンプルジェムストーン(複数可)のサイズやサンプルジェムストーン(複数可)の重量などに限らず、様々な特性の任意の組合せを判定するようにプログラムすることができる。
【0097】
このような例では、デジタルの画素化画像がシステムによって取り込まれると、サイズ及び/又は重量などの特徴を判定するために、画像及び画像内の画素の分析、計数、及び既知の値との比較がなされる場合がある。エッジ検出ソフトウェアを使用することにより、取り込まれた画素化画像を分析して、各サンプルジェムストーンのエッジを見つけることができる。
【0098】
例えば、ある画像では、サンプルジェムストーンのエッジが鑑別されると、システムはジェムストーンのテーブル面の直径にわたって計数することができる。このような画像は、画像が既知のサイズ値と比較され得るように既知の距離に較正され得る。画素数を計数し、既知の較正された数で除算することによって、サイズを判定することができ、例えば、129画素=1mmである。このような較正は、この特定の例に限定されず、カメラ装置及び画像分析に応じて、任意の画素対距離の比率に設定することができる。
【0099】
追加的又は代替的に、本明細書でのシステム及び方法は、サンプルジェムストーンの重量を計算するために使用することができる。このような例では、サイズを判定するために使用される画素の計数に加えて、他のパラメータを使用することができる。例えば、スペクトル分析を使用して、説明したように、ジェムストーン中の鉱物のタイプを判定することができる。指定された鉱物タイプを使用して、システムは、サンプルジェムストーンの密度を判定することができる。このような例では、表を使用して、各鉱物タイプの密度を判定することができる。サンプルジェムストーンのサイズと密度の両方が判定されると、システムは式を使用してサンプルの重量を判定することができる。
【0100】
このような判定は、体積を推定するために測定された直径又は幅及び長さと、以下の式とを使用することによって行うことができる。
【0101】
重量=体積×密度
【0102】
このような例では、例えば、円形の1ct.のダイヤモンドは、直径が約6.5mmであることを参考にすることができる。
【0103】
一例では、直径5 mmのダイヤモンドは、(5/6.5)^3=0.455であるから、約0.46ct.である。
【0104】
例えば、以下の表3は、5つの異なる例のジェムストーンの推定重量の例を示す。
【表3】
【0105】
ステージの例
【0106】
図1に戻ると、いくつかの例では、追加的又は代替的に、サンプルジェムストーンが配置されるテーブル又はステージ108は、本明細書で説明するようにステージ108を移動させることができるモータ150と共に、又はそれと連結して構成されてもよい。このような例では、ステージ108は、X、Y、及びZ166の三方向又は三次元で、及び/又は一軸又は複数軸を中心に回転152して操作することができる。ステージ108をX方向及びY方向に移動させることによって、ユーザ及び/又はコンピュータは、異なるサンプルジェムストーン106を、位置合わせのためにカメラ115の視野内に、及び分析のために角度を付けたプローブ110内に移動させることができる。これにより、サンプルを一度に1つずつ交換するのではなく、ステージ108を移動させるだけで、大きなトレイ、プラットフォーム、サンプルステージ、又は他のジェムストーン保持装置を一度に分析することができる場合がある。このようにして、1セッションで分析することができるサンプルジェムストーン106の数を増やすことができ、新しいサンプルをリロードする時間が短縮され、それによって多くの多様なジェムストーン106を分析するプロセスがより効率的になる。
【0107】
ステージ108をZ方向に移動させることにより、システムは、現在視野内にあるサンプルジェムストーン106にカメラ115の焦点を合わせることができる。このZ方向の焦点は、サンプルジェムストーン106のサイズと形状がそれぞれ異なる場合に有用であり得る。
【0108】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、ステージ106の移動に影響を及ぼすモータ150は、スイッチ及びボタンを使用してユーザによって手動で操作されてもよい。このようにして、ユーザは、サンプル106をステージ108にロードし、テーブルをX方向及びY方向に移動させることによってサンプルの分析を開始することができる。
【0109】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、ステージ108の移動に影響を及ぼすモータは、
図9及び/又は
図8で説明されるようなコンピュータシステム(図示せず)と通信することができる。このような例では、コンピュータは、ステージ108上の様々なサンプルジェムストーン106の座標でプログラムされ、カメラ115及びラマンプローブ110と連携してステージ108を移動させるようにモータを操作することができる。このようにして、ラマンプローブ110とカメラ115が各サンプルジェムストーン106の検査に必要なレーザを出力させた後、テーブル108上の次のサンプルに移動することで、ステージを迅速に移動させることができる。
【0110】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラ設定115は、画素化画像のコンピュータ分析を含むことができ、テーブル108のモータとの通信を含むことができる。このような例では、X、Y、及び/又はZ166方向のテーブル108の移動と、カメラ115によって生成されたデータとの間にフィードバックループを形成することができる。このような例では、テーブル108は、ジェムストーン106の作成された画像の分析と、焦点の合った画像の撮影のためにテーブルをZ方向に移動させて画像の焦点を合わせるためにコンピュータにプログラムされた命令とに基づいて、コンピュータによって操作されてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、人工知能又は機械学習を使用すると、サンプルのZ方向の焦点を合わせるのに役立つ場合がある。このような例では、サンプルに焦点が合っているかどうかを判定するために使用されるアルゴリズムが例から学習し、焦点がより良く合う結果を得るためにZ方向に焦点を合わせるための補正を経時的に行うことができるように、多くの多様な例をシステムに供給し、アルゴリズムを教育することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、人工知能及び/又は機械学習を使用すると、サンプルをXY位置に特定するのに役立つ場合がある。例えば、画素化画像から複数のサンプルのそれぞれの位置を特定し、対応するステージ移動を計算して、分析のためにサンプルをレーザスポットの下に移動させる。画像内のサンプルの位置を特定するためのアルゴリズムにデータを与えて、システムが自動的にそうするように学習させることもできる。
【0111】
ステージ108及びカメラシステム115のこのコンピュータ制御により、効率が改善し、分析がスピードアップし、1セッションで複数のサンプル106を正確に分析することができる。
【0112】
プロセスステップの例
【0113】
図5A及び
図5Bは、本明細書で説明するシステム及び方法を使用した画像支援分析に使用することができる、例示的なステップの例示的なフローチャートを示す。このプロセスでは、最初のステップは、カメラとプローブの焦点がサンプルに合っているかどうかをシステムが判定することであり、合っていない場合、システムを較正する必要がある502。較正が不要な場合、システムは、較正ステップをスキップし、サンプルステップの分析に進むことができる510。
【0114】
しかし、システムが較正を行う場合、システムは、最大信号リターン(
図2参照)の代わりとなるリターンを使用してステージのZ位置を調整し、判定された画像の鮮明度を使用して同一平面に焦点を合わせるようにカメラを調整することによって、Z次元の位置合わせを実行する504。いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラ画像と画像のコンピュータ分析との間の自動焦点フィードバックループを使用して画像の鮮明度を決定し、明確な画像ライン、境界ラインなどを見つけることができる。
【0115】
較正の次に、システムは、画素と実際の距離との変換係数を計算するために、サイズが既知のオブジェクトを使用して、画素と距離との変換を実施することができる506。このような例では、距離が既知の定規やグリッドをステージ上のカメラの前に置き、その結果、カメラは定規やグリッドの画像を撮影し、次いで、システムは、既知の距離の間に入る画素の数を計数することができる。このようにして、システムは、距離当たりの画素数を保持して、ステージモータにサンプルの移動を命令することができる。
【0116】
較正の次に、システムは、カメラ画像を分析してレーザスポットの位置を特定することができる。これは、ラマンプローブレーザをオンにし、カメラ画像を分析して、画素化画像に基づいてレーザスポット位置の中心を特定することによって行うことができる508。いくつかの例では、追加的又は代替的に、これは、明るいレーザスポットの位置を特定し、画素化画像内のそのスポットの中心を判定するための画像分析アルゴリズムを含んでもよい。較正が必要な場合、これらのステップでシステムの較正を終了する。
【0117】
較正が完了したら、又は既に較正されていた場合、サンプルを分析用ステージ上に置くことができる510。次に、システムは、ステージ上のシステム及びカメラによって、サンプルに焦点が合っている画素化画像を取り込むことができる512。次に、コンピューティングシステムは、画素情報を使用してX、Y平面内のサンプルの位置を自動的に特定することができ(
図3参照)、又は、システムが、システムによって分析される必要がある関心のあるサンプルを選択するために人間の使用を可能にし得る手動鑑別によって、サンプルの位置を特定することができる514。手動鑑別の場合、システムにより、人間のユーザが分析したかったサンプル上の位置をディスプレイ上で選択することが可能になる。次に、システムは、画素-距離変換とレーザスポット情報を使用して、レーザスポットを第1の選択されたサンプル位置に置くために必要なステージの移動を計算することができる516。次に、システムは、レーザスポットと重なるように、プローブ下のマッピングされたサンプルの位置にステージを移動させることができる518。説明したように、ステージの移動を命令することは、ステッピングモータ、サーボモータ、ACサーボモータ、AC誘導モータ、ピエゾモータ、ボイスコイルモータ、及び/又はアクチュエータに限らず、電気モータや、ステージを移動させることができる任意の他の種類の電気モータ又は他のモータへのコンピュータ命令を含むことができる。
【0118】
次に、システムは、カメラによって取り込まれた画像に基づいて、選択されたサンプルにカメラとプローブの焦点が合っているかどうかを判定してもよい520。次に、システムによって画像の焦点が合っていないと判定された場合、システムは、ステージの上下、即ち、Z位置を調整してサンプルに焦点を合わせ、レーザスポットが最小となるレーザの焦点にサンプルを重ねることができる522。次に、サンプルに焦点が合っていると判定されると、システムは、サンプルの分光計によるラマンプローブ信号を記録することができる524。サンプルの分光計データが取り込まれた後、システムは、マッピングされた座標と画素-距離変換を使用して、ステージを次のサンプルに移動させることができる526。最後に、所与のタスクの測定値が取り込まれると、システムは、当該サンプル又は全てのサンプルの結果を表示させることができる528(
図4参照)。いくつかの例では、追加的又は代替的に、システムは最初のステップに戻って、次のサンプルがカメラとプローブの焦点に合っているかどうかを判定し、そうでない場合には、較正して502、説明したステップを続行することができる。
【0119】
このように、本システムは、取込み画像データ、コンピュータ分析及び方法ステップを使用して、ステージ上の単一のサンプル及び/又は一連のサンプルのラマン分析を人間の操作や入力を必要とせずに、又は人間の操作や入力をほとんど使用せずに自動的に処理することができる。
【0120】
複数のラマンプローブの例
【0121】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、複数のラマンプローブを
図6に示す設定で使用することができ、2つのラマンプローブはそれぞれ分析のために異なるレーザ波長を利用するが、そうでなければ
図1と同様の設定で利用する。
【0122】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、複数のラマンプローブ及び付随するレーザと分光計は、複数のプローブとの補完的な目的を含む、特定の目的のために調整、構成又はその他の方法で構築される場合がある。発生するレーザの波長やプローブ、及びデータを分析する分光計の分解能は、目的やサンプルが異なれば、使用されるパラメータは異なる場合がある。このようにして、複数のプローブを使用して解像度を低くして視野範囲を広くし、別のプローブを使用して解像度を高くして視野範囲を狭くするなど、目的に応じて、視野範囲と解像度の両方を変更、調整、判定することができる。
【0123】
例えば、第1の設定を使用した複数のラマンプローブを使用したラマン分光法では、405nmレーザ、400~900nmの波長範囲、1.2nmの分解能及び広いスペクトル範囲は、ダイヤモンド選別に有用な場合がある。別の第2の設定は、532nmレーザ、532~670nmの波長範囲、高解像度の0.22nm分解能を利用することができ、ジェムストーンの鑑別に有用な場合がある。
【0124】
ラマン特徴は、200cm-1~1500cm-1の間に現れる場合があり、その範囲は41nmに過ぎないが、高分解能の分光計が必要である。一部の鉱物は、低い分解能と蛍光バックグラウンドのために、広範囲の405nmラマン/PLシステムによって鑑別することができない。
【0125】
分光計依存の分解能2000画素で、ある範囲の領域をカバーすることも可能である。400~900nm=500nmの範囲を使用するダイヤモンド選別の例では、各画素は0.3nmであり、ラマンスペクトルではこれらの0.3nmであり、結果として、70スケールになるが、10又は5の低いスケールは、高い解像度を必要とする、小さい特徴を鑑別するのに有用であり得る。あるいは、いくつかの例では、追加的又は代替的に、サンプルの特定の領域は、スペクトル範囲の広さよりも高い分解能を使用した分析を必要とする場合がある。このような例では、2つのプローブ構成が、低分解能/広範囲及び高分解能/狭範囲で、互いに補完することができる。
【0126】
別の一要因として、プローブ及び/又はレーザの種類によって、利用できる波長が異なることがある。一部の鉱物は、特定の波長の下でより良好に鑑別される場合がある。例えば、サファイアのラマンスペクトルを測定したい場合、蛍光を避けて高分解能を使用するために785nmを使用する方が良い場合がある。別の例は、低分解能ではあるが、波長域がより広いダイヤモンド分析用の405nmであろう。
【0127】
いくつかの例において、追加的又は代替的に、これらの2つのラマンプローブは、サンプル上のわずかに異なる点に焦点を合わせることができ、それにより、それぞれが独自のチャート(
図4参照)を生成することができる。いくつかの例において、追加的又は代替的に、複数のラマンプローブは、干渉を回避するために、それぞれが独自のレーザビームを放出し、異なる時間に分光計データを取り込むことができるように、時間同期化される場合がある。いくつかの例では、追加的又は代替的に、干渉がなく、2つのプローブはそれぞれ、同じサンプルのわずかに異なる部分を同時に分析することができる。
【0128】
図6に、複数のプローブを使用して本明細書で説明する方法を採用するために利用することができる機器の例示的なハードウェア構成を示す。この例では、多くの多様な構成部品が1つの全体ユニットに含まれる場合がある。このユニットは、カメラ装置615、第1のラマンプローブ610、第2のラマンプローブ690を含むことができ、それぞれがカメラ615及び/又はステッピングモータ611、691の視線を避けるために角度を付けた独自の旋回可能なマウント上にあり、それぞれがレーザ613、693に対応するファイバ線612、692を、分光計617、697に対応するファイバ線616、696を有する。オペレータユーザ(図示せず)からレーザ光を遮蔽するためのカバーと共に、ジェムストーンステージ608も示されている。いくつかの例では、追加的又は代替的に、これらの構成部品のそれぞれは、可動及び/又は調整可能な取付けブラケット、ジョイント、及び/又はモータによって、システムフレーム(図示せず)全体に取り付けられてもよい。このようにして、各構成部品(カメラ615、ラマンプローブ610、690、ステージ608など)のX、Y、及びZ666の位置は、サンプル606を位置合わせし、焦点を合わせ、及び/又はそれ以外ではサンプル606を励起し、画像取込みを行うなど必要に応じて、互いに独立して移動及び/又は回転することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、このようなモータはコンピューティングシステムと通信して、カメラの自動焦点用のフィードバックループを作成し、分析のために連続する各サンプルをプローブ下に配置することができる。
【0129】
ジェムストーン606を測定するために使用されるセンサは、それぞれ分光計617、697と通信するラマン/フォトルミネッセンスプローブ610、690であってもよい。カメラ615は、本明細書で説明するように、サンプル(複数可)のX、Y、及び/又はZの位置における位置合わせ、及び/又は1つ又は複数の軸を中心とした回転652を調整するために、ステージ608の中、上、又は周囲のサーボモータ及び/又はステッピングモータ650とも通信するコンピューティングデバイスによって処理される画像データを取り込むことができる。
【0130】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、カメラ615のレンズ619は、例えば、固定倍率撮像レンズ、マクロレンズ(歪みを少なくするため)、テレセントリックレンズ(長い作動距離用)、手動又は電動の調整可能な倍率撮像レンズ(視野を変更するため)であってもよいが、これらに限定されない。撮像レンズ619はまた、デジタル一眼レフカメラ(DSLR)などの手動又は電動の焦点調節を含んでもよいが、これに限定されない。
【0131】
図1の例と全く同じように、カメラ装置615の焦点は、分光ラマンプローブ610、690の作動距離を維持するために、ラマンプローブ610、690と組み合わせて使用されてもよい。しかし、
図6の装置の利点は、複数のラマンプローブ610、690がそれぞれ異なるレーザ及び/又はレーザ発生器613、693及び/又は独自の分光計617、697と通信することができ、その結果、1つの設定装置を使用してサンプル606の異なる分析を行うことができることである。各ラマンプローブ610、690は、カメラ615の邪魔にならないように角度を付けても、独自の分光計617、697は分析のために許容できる信号リターンを依然として受信することができるので、この複数のプローブを備えた装置は、複数の波長を使用してより正確な分析を行い、それによってサンプル606の複数の検査を短時間で連続して行うことができる。更に、各ラマンプローブ610、690は、個々のラマンプローブ610、690がそのレーザ613、693の波長に基づいてサンプル606を最もよく分析できるように、サンプル606及びカメラ視野632に対して独自の角度640、694で設定されてもよい。
【0132】
局所的マッピングの例
【0133】
他の例では、本明細書でのシステム及び方法は、ストーン上で1つのサンプルを採取し、保存、比較、及び他の方法で分析するために使用することができる。しかし、いくつかの例では、本明細書でシステムと方法を利用して、1つのサンプルストーンに関して分光計から多くの多様な測定値を収集し、そのストーンをより詳細に分析することが有用な場合がある。このように、システムは、個々のサンプルストーンの領域を走査して局所的にマッピングし、増分値走査位置データと分光計データを使用して、その所与の領域にわたる結果の三次元グラフを生成することができる。これは、1つのストーンの中に複数の特性を有するサンプル、及び/又はただ1回の読取りよりも精査する価値のある貴重なサンプルにとって有効な場合がある。
【0134】
ストーンの1つの領域から読み取った例では、ストーンの分光分析を使って、
図4に示すようなチャートを作成することができる。しかし、二次元の表面を覆っているような、1つのストーンのX、Y水平方向の複数の点で測定値が採取される例では、本明細書でのシステム及び方法により、三次元チャートを生成することができる。このような三次元チャートは、ジェムストーンのテーブルなどの所与の二次元領域をカバーする分光計データを示すことができる。
【0135】
図7は、まさにこのような例を示しており、サンプルストーン702がそのテーブル710上に所与の領域を有し、システムが表面を走査して結果を得ることができる。例えば、サンプルストーン上の領域は、5mm×5mmの正方形であり、システムは、その領域をパターンで走査するようにプログラムされてもよく、グリッド、行、列、又は他のパターンなどの走査パターンで100μmごとなど、これに限らないが、所定の増分ごとに読取りを行ってもよい。二次元領域を走査することにより、システムは、
図7のストーン702の5mm×5mmの領域など二次元領域720をカバーする三次元チャートを作成することができる。このような例では、1回の分光計測定が、所定のパターン720を横切って100μmごとなどに限らず、所定の距離ごとに行われ、記録される。システムは、各読み取りを行った二次元領域内の位置や読み取り結果を追跡することができ、データを統合して、三次元モデルデータセット又は結果としてのX、Y、及び波長の三次元でチャートを作成することができる730。このようにして、プローブを所定の二次元領域710全体にわたってパターン720で掃引又は走査して、この三次元チャート730を作成することができ、これを分析、比較、及び使用して、ストーン702上のただ1箇所だけをサンプリングするよりも細かいレベルでサンプル702に関する情報を判定することができる。
【0136】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、人工知能又は機械学習を使用して局所的マッピングを支援することができる。このような例では、ステージの増分値移動及び/又は画像の焦点合わせに関する多くの多様な例がシステムに供給され、サンプルに焦点が合っているかどうかを判定するために使用されるアルゴリズムが、例から学び、局所的マッピングのより良好な結果を得るための修正を経時的に行うことができるように、アルゴリズムを教育することができる。
【0137】
ネットワークの例
【0138】
本明細書でのシステム及び方法は、
図8に示すようなネットワークコンピューティング装置を利用することができる。
図8では、コンピュータ802を使用して、分光計(
図1の142)からのデータ、カメラの取込み画像の画素データを処理し、ステージモータと命令を送受信し、又はサンプル位置、ストーンの鑑別情報、日時などの他のデータを送受信することができる。これらのステップに使用されるコンピュータ802は、分光計および/またはカメラ自体に含まれるもの、および/またはラップトップ、デスクトップ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、またはデジタル化データを処理および送信するために使用される任意の他の種類のデバイスに限らず、分光計および/またはカメラのコンピュータ構成要素と通信する別のコンピュータ装置などの任意の数の種類のコンピュータとすることができる。更なる例を
図9で説明する。
【0139】
図8に戻ると、どのコンピュータ802からでも、画素化画像、ストーンサンプル鑑別情報、位置、及び/又は分光計データについて取り込まれたデータは、ローカルコンピュータの代わりに、又はそれに加えて、バックエンドシステム上で分析されてもよい。このような例では、データは、保存、分析、計算、比較、又は他の操作のために、バックエンドコンピュータ830及び関連するデータストレージ832に送信されてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、データの送信は、関連するルータ及びハブを使用したセルラー又はWi-Fi送信による無線810であってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、送信は有線接続812を介してもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、送信は、インターネット820などのネットワークを介してバックエンドサーバコンピュータ830及び関連するデータストレージ832に送信されてもよい。バックエンドサーバコンピュータ830及び関連するデータストレージ832では、画素化画像データ、サンプル鑑別、サンプル位置、時刻、日付、及び/又は分光計データは、保存、分析、照合、鑑別、及び/又は任意の他の種類のデータ分析のために、以前に保存された分光計データと比較することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、データの保存、分析、及び/又は処理は、元の画像の取込み及び/又は分光計の収集に関与するコンピュータ802において達成することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、データの保存、分析、及び/又は処理は、ローカルコンピュータ802とバックエンドコンピューティングシステム830との間で共有されてもよい。このような例では、ネットワーク化されたコンピュータリソース830により、ローカルコンピュータ802で、他に利用できるよりも多くのデータ処理能力を利用することが可能になる。このようにして、データの処理及び/又は保存は、利用可能な計算リソースにオフロードすることができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、ネットワーク化されたコンピュータリソース830は、クラウド又は分散インフラストラクチャ内の仮想マシンであってもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、ネットワーク化されたコンピュータリソース830は、クラウドインフラストラクチャによって多くの多様な物理的又は仮想的なコンピュータリソースにわたって分散されてもよい。単一のコンピュータサーバ830の例は、限定することを意図するものではなく、本明細書で説明するシステム及び方法によって利用され得る計算リソースの一例にすぎない。いくつかの例では、追加的又は代替的に、人工知能及び/又は機械学習が、サンプルからの分光計データの分析、及び/又はステージ移動で使用するための撮像カメラの焦点合わせに使用される場合がある。このようなシステムは、サンプルの分析、焦点が合っているサンプルの鑑別、ステージ移動など、より良好な結果を生み出すのに役立つアルゴリズムを教育するために、データセットを採用することができる。
【0140】
例示的なコンピュータ装置
【0141】
図9は、本明細書で説明するシステム及び方法で使用することができる例示的なコンピューティングデバイス900を示す。例示的なコンピュータ900では、CPU又はプロセッサ910は、バス又は他の通信912によってユーザインタフェース914と通信している。ユーザインタフェースは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、又は他のユーザ入力装置(複数可)などの例示的な入力装置を含む。ユーザインタフェース914はまた、画面などの表示装置918を含む。
図9に示すコンピューティングデバイス900はまた、CPU920及び他の構成要素と通信するネットワークインタフェース920を含む。ネットワークインタフェース920は、コンピューティングデバイス900が他のコンピュータ、データベース、ネットワーク、ユーザデバイス、又は任意の他のコンピューティング可能なデバイスと通信できるようにすることができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、通信の方法は、WIFI、セルラー、Bluetooth Low Energy、有線通信、又は任意の他の種類の通信を介してもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、例示的なコンピューティングデバイス900は、プロセッサ910とも通信する周辺機器924を含む。いくつかの例では、追加的又は代替的に、周辺機器は、サンプル分析のためにステージを移動させるために使用される電気サーボモータ及び/又はステッピングモータなどのステージモータ926を含む。いくつかの例では、周辺機器924は、カメラ機器928、及び/又は分光計929を含むことができる。いくつかの例示的なコンピューティングデバイス900では、メモリ922がプロセッサ910と通信している。いくつかの例では、追加的又は代替的に、このメモリ922は、オペレーティングシステム932、ネットワーク通信モジュール934、他の命令936、アプリケーション938、画像をデジタル化するアプリケーション940、画像画素を処理するアプリケーション942、データストレージ958、データテーブル960などのデータ、トランザクションログ962、サンプルデータ964、サンプル位置データ970、又は任意の他の種類のデータなどのソフトウェアを実行する命令を含むことができる。
【0142】
結論
【0143】
本明細書で開示されるように、本実施形態と一致する特徴は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを介して実装され得る。例えば、本明細書で開示されるシステム及び方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア、コンピュータネットワーク、サーバも含むコンピュータなどのデータプロセッサを含む様々な形態で、又はそれらの組合せで具現化され得る。更に、開示された実装のいくつかは、特定のハードウェア構成要素を説明するものもあるが、本明細書における技術革新と一致するシステム及び方法は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せで実装することができる。更に、本明細書の革新的技術の上記の特徴、並びに他の態様及び原理は、様々な環境で実装され得る。このような環境及び関連アプリケーションは、実施形態による様々なルーチン、プロセス及び/又は動作を実行するために特別に構築されてもよいし、又はそれらは、必要な機能を提供するためにコードによって選択的に起動又は再構成されたコンピュータ又はコンピューティングプラットフォームを含んでもよい。本明細書で開示されるプロセスは、いかなる特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、又は他の装置にも本質的に関連せず、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの適切な組合せによって実装することができる。例えば、様々な機械を、実施形態の教示に従って書かれたプログラムと共に使用することができること、または必要な方法及び技術を実行するための専用の装置又はシステムを構築することがより便利であり得る。
【0144】
ロジックなどの本明細書で説明する方法及びシステムの態様は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などのプログラマブルロジックデバイス(「PLD」)、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)デバイス、電気プログラマブルロジック及びメモリデバイス、並びに標準セルベースのデバイス、並びに特定用途向け集積回路を含めて様々な回路のいずれかにプログラムされた機能として実装されてもよい。態様を実装するためのいくつかの他の可能性としては、メモリデバイス、メモリ付きマイクロコントローラ(EEPROMなど)、組込みマイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどが挙げられる。更に、態様は、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、ディスクリートロジック(シーケンシャル及び組み合わせ)、カスタムデバイス、ファジー(ニューラル)ロジック、量子デバイス、及び上記のデバイスタイプのいずれかのハイブリッドを有するマイクロプロセッサにおいて具現化されてもよい。基礎となるデバイス技術は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術、エミッタ結合論理(「ECL」)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマー及び金属共役ポリマー金属構造)、アナログとデジタルの混合など、様々なコンポーネントタイプで提供され得る。
【0145】
本明細書で開示される様々な論理及び/又は機能は、ハードウェア、ファームウェアの任意の数の組合せを使用して、及び/又は様々な機械可読媒体又はコンピュータ可読媒体で具現化されるデータ及び/又は命令として、動作、レジスタ転送、論理コンポーネント、及び/又は他の特性の点で、有効にできることに留意すべきである。このようなフォーマットされたデータ及び/又は命令が具現化され得るコンピュータ可読媒体には、様々な形態の不揮発性記憶媒体(例えば、光学、磁気又は半導体記憶媒体)、並びに無線、光、又は有線信号媒体又はこれらの任意の組合せを介して、このようなフォーマットされたデータ及び/又は命令を転送するために使用することができる搬送波があるが、これらに限定されない。搬送波によるこのようなフォーマットされたデータ及び/又は命令の転送の例には、1つ又は複数のデータ転送プロトコル(例えば、HTTP、FTP、SMTPなど)を介したインターネット及び/又は他のコンピュータネットワークを介した転送(アップロード、ダウンロード、電子メールなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0146】
文脈がそうでないことを明確に要求しない限り、本説明及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「備える(comprising)」などの言葉は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味、即ち、「含むがこれに限定されない(including、but not limited to)」という意味で解釈されるべきである。単数又は複数を使用する単語はまた、それぞれ複数又は単数を含む。更に、「本明細書に(herein)」、「ここに(hereunder)」、「上記に(above)」、「以下に(below)」という単語、及び類似の意味の単語は、本出願全体を指すものであり、本出願の特定の部分を指すものではない。単語 「又は(or)」が2つ以上の項目のリストに関連して使用される場合、その単語は、リスト内の任意の項目、リスト内の項目の全て、及びリスト内の項目の任意の組合せという、その単語の全ての解釈を網羅する。
【0147】
本説明の特定の現在好ましい実装を本明細書で具体的に説明したが、本明細書に示され説明された様々な実装の変形及び修正は、本実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得ることは、本説明に関係する当業者には明らかであろう。したがって、本実施形態は、適用可能な法の規則によって要求される範囲にのみ限定されることが意図されている。
【0148】
本実施形態は、これらの方法を実施するための方法及び装置の形態で実施することができる。本実施形態はまた、フロッピーディスケット、CD-ROM、ハードドライブ、又は任意の他の機械可読記憶媒体などの有形媒体で具現化されたプログラムコードの形態で具現化することもでき、プログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされて実行されると、機械は本実施形態を実施するための装置となる。本実施形態はまた、例えば、記憶媒体に保存されているか、機械にロードされているか、及び/もしくは機械によって実行されているか、又は電気配線もしくはケーブル配線などを介して、光ファイバを介して、もしくは電磁放射線を介してなど、何らかの伝送媒体を介して伝送されているかどうかにかかわらず、プログラムコードの形態であることもでき、プログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされて実行されると、機械は本実施形態を実施するための装置となる。プロセッサに実装された場合、プログラムコードセグメントはプロセッサと結合して、特定の論理回路に類似して動作する独自のデバイスを提供する。
【0149】
ソフトウェアは、有形の記憶媒体、搬送波媒体、又は物理的伝送媒体を含むが、これらに限定されない、多くの形態をとることができる機械可読媒体に記憶される。不揮発性記憶媒体には、例えば、任意のコンピュータ(複数可)などの記憶装置など、光ディスクや磁気ディスクが挙げられる。揮発性記憶媒体には、このようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリが挙げられる。有形伝送媒体には、同軸ケーブル、銅線、光ファイバなどがあり、コンピュータシステム内のバスを構成する配線も含まれる。搬送波の伝送媒体には、電気信号や電磁信号、又は高周波(RF)や赤外線(IR)のデータ通信中に生成されるような音響波や光波の形態をとることができる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、ディスク(例えば、ハード、フロッピー、フレキシブル)もしくは他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、他の任意の光学媒体、他の任意の物理的記憶媒体、RAM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップ、データもしくは命令を搬送する搬送波、このような搬送波を搬送するケーブルもしくはリンク、又はコンピュータがプログラミングコード及び/もしくはデータを読み取ることができる他の任意の媒体を挙げることができる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与する可能性がある。
【0150】
上記の説明は、説明を進める上で、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること、又は実施形態を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、実施形態の原理及びその実際の用途を最もよく説明し、それによって、他の当業者が、企図される特定の用途に適するように様々な修正を伴う様々な実施形態を最もよく利用できるように、選択及び説明された。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサンプルジェムストーンに関する分光計データを取込み及び分析する方法であって、
デジタルカメラ、ラマンプローブ、及びステージを移動させるように構成された少なくとも1つのステージモータと通信する、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって、
前記デジタルカメラによって撮影された第1のサンプルの取込みデジタル画像を分析することによって、前記ステージ上の前記第1のサンプルジェムストーンに前記デジタルカメラと前記ラマンプローブの焦点が合っているかどうかを判定するステップであって、
前記少なくとも1つのステージモータは、前記ステージをX、Y、Z方向に移動可能であり、かつ前記ステージを回転可能であり、
前記ラマンプローブは、前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられ、
前記第1のサンプルに焦点が合っていない場合、前記コンピュータがZステージを移動させるように前記モータに命令を送ることによって、前記カメラの焦点を前記第1のサンプルに合わせる、ステップと、
前記第1のサンプルに焦点が合っている場合、前記デジタルカメラを使用して第1のサンプルと複数のサンプルを含む前記ステージの画素化画像を取り込むステップと、
前記画素化画像を使用して前記第1のサンプルを含む前記複数のサンプルを前記X、Y平面にマッピングするステップと、
前記画素化画像内の画素と前記ステージ上の前記複数のサンプルの距離との間の関係を前記コンピュータによって決定するステップと、
前記ステージモータによる前記ステージの移動を指示し、前記第1のサンプルを前記ラマンプローブの下に配置するステップと、
前記第1のサンプルに対する前記ラマンプローブの分光計信号を記録するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のサンプルの画素化画像を使用して前記第1のサンプルの色相、明度、及び彩度値を判定するステップと、
前記対応する色相、明度、及び彩度の判定された値に基づいて、前記第1のサンプルのD~Zの色度を判定するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各サンプル内の画素数を距離の較正と比較することによって、前記第1のサンプルの画素化画像を使用して前記第1のサンプルのサイズ値を判定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画素化画像の第1のサンプル内の画素数を距離の較正と比較することによって前記第1のサンプルのサイズを判定するステップと、
前記第1のサンプルのラマンスペクトルに基づいて前記第1のサンプルの鉱物タイプを判定するステップと、
密度と鉱物タイプの表を使用して前記鉱物タイプを使用して前記第1のサンプルの密度を判定するステップと、
前記第1のサンプルの判定されたサイズを使用して前記第1のサンプルの体積を判定するステップと、
前記判定された密度に前記判定された体積を乗算することによって前記第1のサンプルの重量を判定するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のサンプルに対する第2のラマンプローブの第2の信号分析を記録するステップであって、前記第2のラマンプローブが前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられ、前記ラマンプローブ及び前記第2のラマンプローブがそれぞれ異なる波長のレーザで構成される、ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステージの移動を指示して、前記ラマンプローブの下に第2のサンプルを配置するステップと、
前記第2のサンプルに対する第2のラマンプローブの第2の信号分析を記録するステップであって、前記第2のラマンプローブが前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられ、前記ラマンプローブ及び前記第2のラマンプローブがそれぞれ異なる分解能の分光計で構成される、ステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のサンプルが前記ラマンプローブの下に入った後、前記デジタルカメラによって撮影された前記サンプルの取込み画像を分析することによって、前記ステージ上の前記第2のサンプルジェムストーンに前記デジタルカメラ及び前記ラマンプローブの焦点が合っているかどうかを判定するステップと、
前記第2のサンプルに焦点が合っている場合、前記第2のサンプルに対する前記ラマンプローブの信号分析を記録するステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサ及びメモリを有するバックエンドコンピュータによって、前記第1のサンプルジェムストーンの前記ラマンプローブの受信信号分析をジェムストーンの既知のデータと比較するステップと、前記ラマンプローブの受信信号分析と前記ジェムストーンの既知のデータとの一致を判定するステップとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ステージの移動を指示するステップは、ラマンプローブのレーザスポット位置と、前記ステージモータが移動することができる増分との間の関係を前記コンピュータによって判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のサンプルの分光計信号の結果を表示させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のサンプルに対する前記ラマンプローブの信号分析を記録した後、
前記ステージモータによって、前記ラマンプローブ下の前記第1のサンプル上の第2の位置への前記ステージの移動を指示するステップと、
前記第1のサンプルに対する前記ラマンプローブの第2の信号分析を記録するステップと、
前記第1のサンプルの所定の領域にわたって前記第1のサンプルの追加の信号分析を記録するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の領域にわたって前記第1のサンプルについて記録された前記付加信号分析結果を三次元プロットとして表示させるステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数のサンプルジェムストーンに関する分光計データを取り込み及び分析する方法であって、
デジタルカメラ、ラマンプローブ及びステージモータと通信する、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって、前記コンピュータは、前記ステージ上の第1のサンプルに前記デジタルカメラ及びラマンプローブの焦点が合っているかどうかを判定し、そうでない場合、較正するステップであって、
前記較正するステップは、
前記ステージのZ位置を最大信号リターンの代わりとなるリターンを使用して調整することによりZ次元の位置合わせを行うことと、
取込み画像の鮮鋭度を使用して前記デジタルカメラの焦点を平面に合わせることと、
既知の距離ガイドを使用してデジタル画像画素と実際の距離との間の画素-距離変換係数を実行することと、
前記取込み画像を分析してラマンプローブレーザスポットの位置を特定することと、を含む、ステップと、
較正が必要でない場合、又は較正後に、
前記ステージ上の前記第1のサンプルの焦点が合った画素化画像を取り込むステップと、
前記焦点が合った画素化画像を使用してX、Y平面内に追加のサンプルの位置を特定するステップと、
前記画素-距離変換と前記レーザスポットを使用して、前記第1のサンプル及びその対応する位置に前記ラマンプローブレーザスポットを配置するために前記ステージの必要な移動を計算するステップと、
前記第1のサンプルを前記ラマンプローブの下に配置し、前記第1のサンプルを前記ラマンプローブレーザスポットと重ね合わせるために、前記ステージを移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップと、
前記デジタルカメラによって取り込まれた前記第1のサンプルの第2の画素化画像に基づいて、前記プローブによる分析のために前記第1のサンプルにカメラの焦点が合っているかどうかを判定するステップと、
前記第1のサンプルの第2の画素化画像は焦点が合っていないと判定された場合、前記ステージZ位置を移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップと、
前記第1のサンプルの第3の画素化画像は焦点が合っているかどうかを判定し、前記第1のサンプルの分光計によって第1のサンプルラマンプローブ分光計信号を記録するステップと、を含む、方法。
【請求項14】
前記分光計信号が前記第1のサンプルについて記録された後、
前記マッピングされた座標及び画素-距離変換を使用して第2のサンプルを配置するために前記ステージを移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記デジタルカメラによって取り込まれた第4の画素化画像に基づいて、前記第2のサンプルに前記カメラ及びプローブの焦点が合っているかどうかを判定するステップと、
前記第2のサンプルの第4の画素化画像は焦点が合っていないと判定された場合、前記ステージZ位置を移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップと、
前記第2のサンプルに焦点が合っていると判定し、前記第2のサンプルの分光計によって第2のサンプルラマンプローブ分光計信号を記録するステップと、を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のサンプル及び第2のサンプルの分光計信号の結果を表示させるステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のサンプルの第5の画素化画像に焦点が合っているかどうかを判定するステップと、
前記第1のサンプルに対する第2の分光計によって第2のラマンプローブ分光計信号を記録するステップとを更に含み、
前記第2のラマンプローブが前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられ、
前記ラマンプローブ及び前記第2のラマンプローブがそれぞれ異なる分解能の分光計で構成され、
前記ラマンプローブ及び前記第2のラマンプローブがそれぞれ異なる波長のレーザで構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1及び第2の分光計の分光計信号の結果を表示させるステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ラマンプローブは、前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記プローブによる分析のために前記カメラによって前記第1のサンプルに焦点が合っているかどうかを判定する前記ステップは、前記ラマンプローブがZ次元について最大信号リターンを返すまで前記ステージを移動させるように前記ステージモータに命令を送信することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ステージを移動させるためのコマンドを前記ステージモータに送信するステップは、ラマンプローブのレーザスポット位置と、前記ステージモータが移動することができる増分との間の関係を前記コンピュータによって判定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のサンプルのデジタル画像画素を使用して、前記第1のサンプルの色相、明度、及び彩度値を判定するステップと、
前記対応する色相、明度、及び彩度の判定された値に基づいて、前記第1のサンプルのD~Zの色度を判定するステップと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
各サンプル内の画素数を距離の較正と比較することによって、前記第1のサンプルのデジタル画像画素を使用して前記第1のサンプルのサイズ値を判定するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記画素化画像の第1のサンプル内の画素数を距離の較正と比較することによって前記第1のサンプルのサイズを判定するステップと、
前記第1のサンプルのラマンスペクトルに基づいて前記第1のサンプルの鉱物タイプを判定するステップと、
密度及び鉱物タイプの表を使用して前記鉱物タイプを使用して前記第1のサンプルの密度を判定するステップと、
前記第1のサンプルの判定されたサイズを使用して前記第1のサンプルの体積を判定するステップと、
前記判定された密度に前記判定された体積を乗算することによって前記第1のサンプルの重量を判定するステップと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
複数のジェムストーンサンプルの分光計測定値を記録するためのシステムであって、
デジタルカメラ、ステージを移動させるように構成された少なくとも1つのモータ、レーザを有するラマンプローブ、及び分光計と通信するプロセッサ及びメモリを有するコンピュータを備え、
前記ステージは、前記分光計による分析のために複数のジェムストーンを受け取るように構成され、
前記デジタルカメラは、前記複数のジェムストーンを受け取ることができる前記ステージの少なくとも一部をカバーする視野を備え、
前記ラマンプローブは、前記カメラと前記ステージとの間の視線から測定した角度で取り付けられ、前記ステージの少なくとも一部を対象と
し、
前記ステージモータは、前記デジタルカメラからの画素化されたデジタル画像を分析して前記ステージ上の前記複数のジェムストーンの位置を特定した前記コンピュータからの命令に応答して前記ステージを移動させるように構成され、それにより、前記ラマンプローブからのレーザが前記ステージ上の前記複数のジェムストーンのそれぞれに、順次、分析のために配置される、システム。
【請求項26】
前記ステージを取り囲む4つのパネルを更に備え、各パネルは、前記ステージを照明するように配置された発光ダイオード(LED)を含み、前記LEDは白色光を放射するように構成される、請求項
25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ステージの上方に配置された第1のリフレクタと、前記ステージの下方に配置された第2のリフレクタとを更に備える、請求項
26に記載のシステム。
【請求項28】
前記LEDの4つのパネルのそれぞれが、ディフューザを含む、請求項
26に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
複数のサンプルジェムストーンに関する分光計データを取り込み、分析するためのシステム及び方法は、デジタルカメラ、ラマンプローブ、及びステージを移動させるように構成された少なくとも1つのステージモータと通信する、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータを使用することと、デジタルカメラによって撮影された第1のサンプルの取込みデジタル画像を分析することによって、ステージ上の第1のサンプルジェムストーンにデジタルカメラ及びラマンプローブの焦点が合っているかどうかを判定することとを含むことができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのステージモータは、ステージをX、Y及びZの方向に移動させ、ステージを回転させることもできる。いくつかの例では、ラマンプローブは、デジタルカメラの視野から外れるように、カメラの視線から測定した角度を付けた構成で取り付けられており、コンピュータによってサンプルに焦点が合っていない場合、Zステージを移動させるようにモータに命令を送ることによってカメラの焦点をサンプルに合わせ、サンプルに焦点が合っている場合、デジタルカメラを使用してステージの画素化画像を取り込み、画素情報を使用して第1のサンプルを含む複数のサンプルをX、Y平面にマッピングし、取込みデジタル画像の画素とステージ上の複数のサンプルの距離との間の関係をコンピュータによって決定し、ステージモータによるステージの移動を指示し、第1のサンプルをラマンプローブの下に配置し、第1のサンプルに対するラマンプローブの分光計信号を記録する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
追加的又は代替的に、複数のサンプルジェムストーンに関する分光計データを取り込み、分析するための本明細書でのシステム及び方法は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって、デジタルカメラ、ラマンプローブ、及びステージモータと通信するコンピュータを含み、コンピュータは、ステージ上のサンプルがデジタルカメラ及びラマンプローブに対して焦点が合っているかどうかを判定し、そうでない場合には較正するが、いくつかの例では、較正することは、最大信号リターンの代わりとなるリターンを使用してステージのZ位置を調整することによってZ次元の位置合わせを行い、取込み画像の鮮明度を使用してデジタルカメラの焦点を平面に合わせ、既知の距離ガイドを使用してデジタル画像画素と実距離との間の変換を行い、取込み画像を分析してラマンプローブレーザスポットの位置を特定し、較正が必要でない場合、又は較正後に、ステージ上にあるサンプルの焦点が合った画素化画像を取り込み、画素情報を使用してX、Y平面内で個々のサンプルの位置を特定し、画素から距離への変換とレーザスポット情報とを使用して、ラマンプローブレーザスポットを第1の選択されたサンプル位置に配置するために、ステージの必要な移動を計算し、第1の選択されたサンプルをラマンプローブの下に位置決めし、第1の選択されたサンプルをラマンプローブレーザスポットに重ねるために、ステージを移動させるためのコマンドをステージモータに送信し、デジタルカメラによって取り込まれた第1の選択されたサンプルの画素化画像に基づいて、プローブによる分析のために第1の選択されたサンプルにカメラの焦点が合っているかどうかを判定し、第1の選択されたサンプルの画素化画像は焦点が合っていないと判定された場合、ステージのZ位置を移動させるためのコマンドをステージモータに送信し、第1の選択されたサンプルの画素化画像は焦点が合っているかを判定し、第1の選択されたサンプルについて分光計によってラマンプローブ分光計信号を記録する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
いくつかの例は、第1及び第2のサンプルの分光計信号の結果を表示させることを含む。そして、いくつかの例は、第1の選択されたサンプルの画素化画像は焦点が合っていることを判定することと、及び第1の選択されたサンプルについて第2の分光計によって第2のラマンプローブ分光計信号を記録することとを含み、いくつかの例では、追加的又は代替的に、第2のラマンプローブは、カメラの視線からステージまで測定した角度を付けた構成で取り付けられ、ラマンプローブ及び第2のラマンプローブはそれぞれ分解能が異なる分光計で構成され、ラマンプローブ及び第2のラマンプローブはそれぞれ波長が異なるレーザで構成される。いくつかの例は、第1及び第2の分光計の分光計信号の結果を表示させることを含む。また、いくつかの例では、追加的又は代替的に、ラマンプローブは、デジタルカメラの視野から外れて、角度を付けた構成で取り付けられる。また、いくつかの例では、追加的又は代替的に、プローブによる分析のために、第1の選択されたサンプルにカメラの焦点が合っているかどうかを判定することは、ラマンプローブがZ次元について最大信号リターンを返すまでステージを移動させるようにステージモータに命令を送信することを含む。いくつかの例では、ラマンプローブは、デジタルカメラの視野から外れて、角度を付けた構成で取り付けられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
水平運動は、広視野カメラから収集された画像を使用してコンピュータシステムによって計算され、被検査サンプルと分光プローブとの位置合わせを行うことができる。このような例では、位置合わせのためにサンプルを移動させるための水平移動パラメータを電動並進ステージに送信することができる。最初の水平方向の位置合わせの後、被検査サンプルと分光プローブの焦点面とを重ねるために、焦点深度の短いカメラからの画像を使用して垂直軸の移動をコンピュータシステムによって計算することができる。垂直方向の位置合わせプロセスは、従来の自動焦点機能と同様であり、撮像システムが垂直方向に走査して複数の画像を取り込み、焦点が合った垂直位置を計算する。自動焦点アルゴリズムは、ジェムストーンのカットや表面の特徴を使用して、焦点合わせを確認することができる。次いで、並進ステージを移動させ、サンプルを垂直方向の焦点の合った位置に移動させることができる。垂直方向の位置決めの後、別の水平方向の位置合わせや、水平及び垂直方向に前後させての位置合わせを利用することも可能である。いくつかの例では、追加的又は代替的に、2台ではなく1台のカメラを使用してもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
オペレータは、分析のために、ホルダ内に又はホルダなしで、任意の数のサンプルジェムストーン106をステージ108上に置くだけでよく、次いでテーブル
またはステージ108及び/又はプローブ110を移動させて、ステージ108上又は内に配置され得るジェムストーン106を分析することができる。
図1の配置は、多くの多様なサンプルの自動化位置合わせを可能にし、そうでなければ分析用の新しいジェムストーン106を一度に1つロードし、異なるストーンサンプルごとに、プローブ110を手動で位置合わせしなければならなかったオペレータのプロセスを大幅に簡素化することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、ステージ108及び/又はサンプル106に対するラマンプローブ110のX、Y及び/又はZ距離を、ステージ108及び/又はプローブ110マウント用のサーボモータ及び/又はステッピングモータによって調整することができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、このような調整は、本明細書で説明するモータ150
と通信するコンピュータシステムによって行われてもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、
データ分析のためにカメラ
と通信するこのようなモータは、
図2及び
図5でより詳細に説明するように、画像分析及びプローブ110の位置、並びにテーブル108を使用してフィードバックループを提供することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
いくつかの例では、反射板160は、ステージ108の上方及び/又は下方に配置されてもよい。反射板160がステージ108の上方に配置される例では、カメラ115がステージ108とサンプル106を見るために、反射板に穴162、開口、及び/又はアパーチャが作られてもよい。このような例では、反射板(複数可)160、161は、任意の光反射材料で作られてよく、LEDパネル(複数可)128からの光がステージ108とサンプル106に向かって反射されるように配置されてもよい。いくつかの例では、反射板161、160の代わりにLED 128のパネル(複数可)をステージ108とサンプル106の上方及び/又は下方に配置してもよい。LEDパネル及び/又は反射板の任意の組合せを使用して、ステージ108及びサンプル106を照明することができる。このような例では、4つの側面LEDパネルと上部反射板と下部反射板の両方を備えた照明環境は、暗い領域を最小限に抑え、サンプルの色の違いを強調することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
システムは、ステージ302のマッピングされた画素化画像データ、並びに判定されたビームスポット306のサイズ及び/又は中心、並びにサーボモータ及び/又はステッピングモータの増分値ステップサイズを使用して、ステージ302上の各サンプルが順次分析されるように、ステージを移動させることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
次に、1つ又は複数のパラメータ(例えば、L*、a*、及びb*)は、画像取込み構成要素(例えば、カメラ)が同じ設定の下で構成されている間、1つのセッション中に(例えば、同じ照明条件の下で)特定のジェムストーンについて収集された全ての画像について計算される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
いくつかの例では、追加的又は代替的に、ステージ108の移動に影響を及ぼすモータ150は、スイッチ及びボタンを使用してユーザによって手動で操作されてもよい。このようにして、ユーザは、サンプル106をステージ108にロードし、テーブルをX方向及びY方向に移動させることによってサンプルの分析を開始することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0131】
図1の例と全く同じように、カメラ装置615の焦点は、分光ラマンプローブ610、690の作動距離を維持するために、ラマンプローブ610、690と組み合わせて使用されてもよい。しかし、
図6の装置の利点は、
前記複数のラマンプローブ610、690がそれぞれ異なるレーザ及び/又はレーザ発生器613、693及び/又は独自の分光計617、697と通信することができ、その結果、1つの設定装置を使用してサンプル606の異なる分析を行うことができることである。各ラマンプローブ610、690は、カメラ615の邪魔にならないように角度を付けても、独自の分光計617、697は分析のために許容できる信号リターンを依然として受信することができるので、この複数のプローブを備えた装置は、複数の波長を使用してより正確な分析を行い、それによってサンプル606の複数の検査を短時間で連続して行うことができる。更に、各ラマンプローブ610、690は、個々のラマンプローブ610、690がそのレーザ613、693の波長に基づいてサンプル606を最もよく分析できるように、サンプル606及びカメラ視野632に対して独自の角度640、694で設定されてもよい。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】
図9は、本明細書で説明するシステム及び方法で使用することができる例示的なコンピューティングデバイス900を示す。例示的なコンピュータ900では、CPU又はプロセッサ910は、バス又は他の通信912によってユーザインタフェース914と通信している。ユーザインタフェースは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、又は他のユーザ入力装置(複数可)などの例示的な入力装置
916を含む。ユーザインタフェース914はまた、画面などの表示装置918を含む。
図9に示すコンピューティングデバイス900はまた、CPU9
10及び他の構成要素と通信するネットワークインタフェース920を含む。ネットワークインタフェース920は、コンピューティングデバイス900が他のコンピュータ、データベース、ネットワーク、ユーザデバイス、又は任意の他のコンピューティング可能なデバイスと通信できるようにすることができる。いくつかの例では、追加的又は代替的に、通信の方法は、WIFI、セルラー、Bluetooth Low Energy、有線通信、又は任意の他の種類の通信を介してもよい。いくつかの例では、追加的又は代替的に、例示的なコンピューティングデバイス900は、プロセッサ910とも通信する周辺機器924を含む。いくつかの例では、追加的又は代替的に、周辺機器は、サンプル分析のためにステージを移動させるために使用される電気サーボモータ及び/又はステッピングモータなどのステージモータ926を含む。いくつかの例では、周辺機器924は、カメラ機器928、及び/又は分光計929を含むことができる。いくつかの例示的なコンピューティングデバイス900では、メモリ922がプロセッサ910と通信している。いくつかの例では、追加的又は代替的に、このメモリ922は、オペレーティングシステム932、ネットワーク通信モジュール934、他の命令936、アプリケーション938、画像をデジタル化するアプリケーション940、画像画素を処理するアプリケーション942、データストレージ958、データテーブル960などのデータ、トランザクションログ962、サンプルデータ964、サンプル位置データ970、又は任意の他の種類のデータなどのソフトウェアを実行する命令を含むことができる。
【国際調査報告】