IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司の特許一覧 ▶ 合肥京東方光電科技有限公司の特許一覧

特表2023-511797表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体
<>
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図1
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図2
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図3
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図4
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図5
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図6
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図7
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図8
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図9
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図10
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図11
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図12
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図13
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図14
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図15
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図16
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図17
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図18
  • 特表-表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、媒体
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20230315BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230315BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20230315BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 621B
G09G3/20 621A
G09G3/20 612U
G09G3/20 641P
G09G3/20 650M
G09G3/20 623C
G09G3/20 623D
G09G3/20 623X
G09G3/20 623W
G09G3/20 691D
G09G3/20 641C
G09G3/20 611J
G09G3/20 611D
G09G3/20 611C
G09G3/20 611E
G09G3/20 642B
G09G3/20 624C
G06F3/041 512
H04N5/66 102A
H04N5/66 102B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572045
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(85)【翻訳文提出日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 CN2019121938
(87)【国際公開番号】W WO2021102900
(87)【国際公開日】2021-06-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512000341
【氏名又は名称】合肥京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.2177 Tonglingbei Road,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】方 志祥
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 光磊
(72)【発明者】
【氏名】胡 旭旭
【テーマコード(参考)】
5C006
5C058
5C080
【Fターム(参考)】
5C006AA16
5C006AA22
5C006AC21
5C006AC25
5C006AC28
5C006AF43
5C006AF45
5C006AF46
5C006AF51
5C006AF52
5C006AF53
5C006AF83
5C006BB16
5C006BC12
5C006BC23
5C006BF08
5C006BF14
5C006BF16
5C006BF24
5C006BF25
5C006BF26
5C006BF46
5C006EC05
5C006FA22
5C006FA23
5C006FA25
5C006FA32
5C006FA37
5C058AB01
5C058BA01
5C058BA35
5C058BB05
5C058BB09
5C080AA10
5C080BB06
5C080CC03
5C080DD05
5C080DD06
5C080DD10
5C080DD12
5C080EE29
5C080FF11
5C080FF13
5C080GG02
5C080GG12
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ07
(57)【要約】
本開示の表示パネルの駆動方法は、表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するステップであって、前記もとの駆動データは複数のサブ駆動データを含み、前記初期極性方式は、全てのサブ駆動データの極性を二種類に分けることを含み、そのうち、対応するグレースケールが第1の閾値を超えないサブ駆動データを第1のカテゴリーのサブ駆動データといい、対応するグレースケールが第2の閾値以上であるサブ駆動データを第2のカテゴリーのサブ駆動データといい、前記第2の閾値が第1の閾値よりも大きい、表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するステップと、前記もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するステップであって、前記調整条件は、前記もとの駆動データが第1のカテゴリーのサブ駆動データと第2のカテゴリーのサブ駆動データとを含み、かつ、そのうちの前記第2のカテゴリーのサブ駆動データにおける二種類の極性のサブ駆動データの数が異なることを含む、前記もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するステップと、前記もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得し、表示するように表示パネルを前記補正駆動データに基づいて駆動するステップと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するステップであって、前記もとの駆動データは複数のサブ駆動データを含み、前記初期極性方式は、全てのサブ駆動データの極性を二種類に分けることを含み、そのうち、対応するグレースケールが第1の閾値を超えないサブ駆動データを第1のカテゴリーのサブ駆動データといい、対応するグレースケールが第2の閾値以上であるサブ駆動データを第2のカテゴリーのサブ駆動データといい、前記第2の閾値が第1の閾値よりも大きい、表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するステップと、
前記もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するステップであって、前記調整条件は、前記もとの駆動データが第1のカテゴリーのサブ駆動データと第2のカテゴリーのサブ駆動データとを含み、かつ、そのうちの前記第2のカテゴリーのサブ駆動データにおける二種類の極性のサブ駆動データの数が異なることを含む、前記もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するステップと、
前記もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得し、表示するように表示パネルを前記補正駆動データに基づいて駆動するステップと、
を備える表示パネルの駆動方法。
【請求項2】
前記調整条件は、
前記第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データの数の比率が75%以上であることを含む、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項3】
前記調整条件は、
全ての前記第2のカテゴリーのサブ駆動データの極性が同一であることを含む、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項4】
前記もとの駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データの数の比率を第1の割合とし、
前記補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、第1の極性のサブ駆動データの数が第2の極性のサブ駆動データの数以上であり、また、前記第1の極性のサブ駆動データの数の比率を第2の割合とし、
前記第2の割合は第1の割合よりも小さい、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項5】
前記補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、二種類の極性のサブ駆動データの数がほぼ等しい、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項6】
前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得する前記ステップは、
もとの駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データにおいて、一部のサブ駆動データの極性が変更されることを含む、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項7】
前記初期極性方式は、
二種類の極性の前記サブ駆動データの総数がほぼ等しいことを含む、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項8】
前記第1の閾値は0グレースケールである、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項9】
前記第2の閾値と第1の閾値との間には少なくとも48グレースケールの差がある、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項10】
前記初期極性方式は、
いずれか1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が同一であり、いずれか2本の隣り合うデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が異なることを含む、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項11】
前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得する前記ステップは、
対応するサブ画素のグレースケールにて少なくとも一部が第2の閾値以上であるデータ線において、一部のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることを含む、
請求項10に記載の駆動方法。
【請求項12】
前記調整条件は、
いずれか2本の隣り合うデータ線のうち、1本のデータ線に対応するサブ画素のグレースケールが第1の閾値を超えず、もう1本のデータ線に対応するサブ画素のグレースケールが第2の閾値以上であることを含む、
請求項10に記載の駆動方法。
【請求項13】
前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得する前記ステップは、
対応するサブ画素のグレースケールが第2の閾値以上であるデータ線において、1本のデータ線おきに、1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることを含む、
請求項12に記載の駆動方法。
【請求項14】
前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得する前記ステップは、
一部のデータ線を調整群に分け、それぞれの前記調整群には2本の隣り合うデータ線があり、かつ、いずれか2つの隣り合う前記調整群の間には調整群に分けられていない2本のデータ線があることと、
全ての調整群におけるデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることと、を含む、
請求項12に記載の駆動方法。
【請求項15】
前記もとの駆動データが調整条件に適合しないと判定した場合、表示するように表示パネルを前記もとの駆動データに基づいて駆動することをさらに含む、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項16】
前記表示パネルの各行のサブ画素が1本のグリッド線に対応し、
前記表示パネルは、列方向に複数の共通電極ブロックに分かれる共通電極を備える、
請求項1に記載の駆動方法。
【請求項17】
表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するように構成される取得サブ回路であって、前記もとの駆動データは複数のサブ駆動データを含み、前記初期極性方式は、全てのサブ駆動データの極性を二種類に分けることを含み、そのうち、対応するグレースケールが第1の閾値を超えないサブ駆動データを第1のカテゴリーのサブ駆動データといい、対応するグレースケールが第2の閾値以上であるサブ駆動データを第2のカテゴリーのサブ駆動データといい、前記第2の閾値が第1の閾値よりも大きい、取得サブ回路と、
前記もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するように構成される判断サブ回路であって、前記調整条件は、前記もとの駆動データが第1のカテゴリーのサブ駆動データと第2のカテゴリーのサブ駆動データとを含み、かつ、そのうちの前記第2のカテゴリーのサブ駆動データにおける二種類の極性のサブ駆動データの数が異なる、判断サブ回路と、
前記もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得するように構成される、調整サブ回路と、
前記もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、表示するように表示パネルを前記補正駆動データに基づいて駆動するように構成される、表示駆動サブ回路と、を備える、
表示パネルの駆動回路。
【請求項18】
表示パネルと、
請求項17に記載の表示パネルの駆動回路と、を備える、
表示装置。
【請求項19】
前記表示パネルの各行のサブ画素が1本のグリッド線に対応し、
前記表示パネルは、列方向に複数の共通電極ブロックに分かれる共通電極を備え、
前記表示パネルはタッチ表示パネルであり、それぞれの前記共通電極ブロックが1つのタッチ電極として多重化され、
前記表示パネルの各列のサブ画素が1本のデータ線に対応する、
請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
1つ以上のプロセッサーと、
1つ以上のプログラムが記憶され、前記1つ以上のプログラムが前記1つ以上のプロセッサーによって実行される時に、前記1つ以上のプロセッサーに、請求項1~16のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動方法を実現させるメモリと、
前記プロセッサーとメモリとの間に接続され、前記プロセッサーとメモリの情報インタラクションを実現する1つ以上のI/Oインターフェースと、を備える、
電子デバイス。
【請求項21】
コンピュータープログラムが記憶され、前記プログラムがプロセッサーによって実行される時に、請求項1~16のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動方法を実現する、
コンピューター読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は表示技術分野に関し、特に表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、コンピューター読み取り可能な媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチ・アンド・ディスプレイ・ドライバ・インテグレーション(Touch and Display Driver Integration。略称DDI)技術は、タッチチップとディスプレイチップを単一のチップに集積し、これによって、表示装置により薄い外形とより低いコストとを具備させることができる。TDDI液晶表示装置は通常、複数のタッチ電極を有し、これらタッチ電極が共通電極として多重化される(すなわち、表示段階では共通電極で、タッチ段階ではタッチ電極である)。
【0003】
TDDI液晶表示装置は列反転方式、すなわち、いずれか2本の隣り合うデータ線(いずれか2つの隣り合う列のサブ画素)のデータ電圧極性相反を用いることができる。よって、TDDI液晶表示装置は、一部画像を表示する時に、タッチ電極間隔部分において輝線等の不具合を招きやすい。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施例は、表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、コンピューター読み取り可能な媒体を提供する。
【0005】
第1の様態において、本開示の実施例は、表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するステップであって、前記もとの駆動データは複数のサブ駆動データを含み、前記初期極性方式は、全てのサブ駆動データの極性を二種類に分けることを含み、そのうち、対応するグレースケールが第1の閾値を超えないサブ駆動データを第1のカテゴリーのサブ駆動データといい、対応するグレースケールが第2の閾値以上であるサブ駆動データを第2のカテゴリーのサブ駆動データといい、前記第2の閾値が第1の閾値よりも大きい、表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するステップと、
前記もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するステップであって、前記調整条件は、前記もとの駆動データが第1のカテゴリーのサブ駆動データと第2のカテゴリーのサブ駆動データとを含み、かつ、そのうちの前記第2のカテゴリーのサブ駆動データにおける二種類の極性のサブ駆動データの数が異なることを含む、前記もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するステップと、
前記もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得し、表示するように表示パネルを前記補正駆動データに基づいて駆動するステップと、を備える表示パネルの駆動方法を提供する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記調整条件は、
前記第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データの数の比率が75%以上であることを含む。
【0007】
いくつかの実施例において、前記調整条件は、
全ての前記第2のカテゴリーのサブ駆動データの極性が同一であることを含む。
【0008】
いくつかの実施例において、前記もとの駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データの数の比率を第1の割合とし、
前記補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、第1の極性のサブ駆動データの数が第2の極性のサブ駆動データの数以上であり、また、前記第1の極性のサブ駆動データの数の比率を第2の割合とし、
前記第2の割合は第1の割合よりも小さい。
【0009】
いくつかの実施例において、前記補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、二種類の極性のサブ駆動データの数量がほぼ等しい。
【0010】
いくつかの実施例において、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得する前記ステップは、
もとの駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データにおいて、一部のサブ駆動データの極性が変更されることを含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記初期極性方式は、
二種類の極性の前記サブ駆動データの総数がほぼ等しいことを含む。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1の閾値は0グレースケールである。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第2の閾値と第1の閾値との間には少なくとも48グレースケールの差がある。
【0014】
いくつかの実施例において、前記初期極性方式は、
いずれか1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が同一であり、いずれか2本の隣り合うデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が異なることを含む。
【0015】
いくつかの実施例において、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得する前記ステップは、
【0016】
対応するサブ画素のグレースケールにて少なくとも一部が第2の閾値以上であるデータ線において、一部のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることを含む。
【0017】
いくつかの実施例において、前記調整条件は、
いずれか2本の隣り合うデータ線のうち、1本のデータ線に対応するサブ画素のグレースケールが第1の閾値を超えず、もう1本のデータ線に対応するサブ画素のグレースケールが第2の閾値以上であることを含む。
【0018】
いくつかの実施例において、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得する前記ステップは、
対応するサブ画素のグレースケールが第2の閾値以上であるデータ線において、1本のデータ線おきに、1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることを含む。
【0019】
いくつかの実施例において、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得する前記ステップは、
一部のデータ線を調整群に分け、それぞれの前記調整群には2本の隣り合うデータ線があり、かつ、いずれか2つの隣り合う前記調整群の間には調整群に分けられていない2本のデータ線があることと、
全ての調整群におけるデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることと、を含む。
【0020】
いくつかの実施例において、前記駆動方法は、前記もとの駆動データが調整条件に適合しないと判定した場合、表示するように表示パネルを前記生駆動データに基づいて駆動することをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施例において、前記表示パネルの各行のサブ画素が1本のグリッド線に対応し、
【0022】
前記表示パネルは、列方向に複数の共通電極ブロックに分かれる共通電極を備える。
【0023】
第2の様態において、本開示の実施例は、
表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するように構成される取得サブ回路であって、前記もとの駆動データは複数のサブ駆動データを含み、前記初期極性方式は、全てのサブ駆動データの極性を二種類に分けることを含み、そのうち、対応するグレースケールが第1の閾値を超えないサブ駆動データを第1のカテゴリーのサブ駆動データといい、対応するグレースケールが第2の閾値以上であるサブ駆動データを第2のカテゴリーのサブ駆動データといい、前記第2の閾値が第1の閾値よりも大きい、取得サブ回路と、
前記もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するように構成される判断サブ回路であって、前記調整条件は、前記もとの駆動データが第1のカテゴリーのサブ駆動データと第2のカテゴリーのサブ駆動データとを含み、かつ、そのうちの前記第2のカテゴリーのサブ駆動データにおける二種類の極性のサブ駆動データの数が異なる、判断サブ回路と、
前記もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、前記もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得するように構成される、調整サブ回路と、
前記もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、表示するように表示パネルを前記補正駆動データに基づいて駆動するように構成される、表示駆動サブ回路と、を備える、表示パネルの駆動回路を提供する。
【0024】
第3の様態において、本開示の実施例は、
表示パネルと、
上記のいずれかの表示パネルの駆動回路と、を備える表示装置を提供する。
【0025】
いくつかの実施例において、前記表示パネルの各行のサブ画素が1本のグリッド線に対応し、
前記表示パネルは、列方向に複数の共通電極ブロックに分かれる共通電極を備え、
前記表示パネルはタッチ表示パネルであり、それぞれの前記共通電極ブロックが1つのタッチ電極として多重化され、
前記表示パネルの各列のサブ画素が1本のデータ線に対応する。
【0026】
第4の様態において、本開示の実施例は、
1つ以上のプロセッサーと、
1つ以上のプログラムが記憶され、前記1つ以上のプログラムが前記1つ以上のプロセッサーによって実行される時に、前記1つ以上のプロセッサーに、上記いずれかに記載の表示パネルの駆動方法を実現させるメモリと、
前記プロセッサーとメモリとの間に接続され、前記プロセッサーとメモリの情報インタラクションを実現する1つ以上のI/Oインターフェースとを、を備える電子デバイスを提供する。
【0027】
第5の様態において、本開示の実施例は、コンピュータープログラムが記憶され、前記プログラムがプロセッサーによって実行される時に、上記いずれかの表示パネルの駆動方法を実現する、コンピューター読み取り可能な媒体を提供する。
【0028】
図面は、本開示の実施例に対するさらなる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、本開示の実施例と共に本開示を説明するのに使用されるが、本開示を限定するものではない。図面を参照して詳細な例示的な実施例を説明することにより、以上の及び他の特徴、及び利点が当業者にとってより自明になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本開示の実施例による表示パネルの局部構造の模式図である。
図2】本開示の実施例による表示パネルにおいて生じる寄生容量の模式図である。
図3】本開示の実施例による表示パネルにおける一部のグリッド線の駆動タイミング模式図である。
図4】本開示の実施例による表示パネルにおける電圧に対する結合作用の影響の模式図である。
図5】本開示の実施例による表示パネルにより表示されるオーバーロード画像の模式図である。
図6】本開示の実施例による表示パネルにより表示される別のオーバーロード画像の模式図である。
図7】本開示の実施例による表示パネルがオーバーロード画像を表示する際の電圧に対する結合作用の影響の模式図である。
図8】本開示の実施例による表示パネルの駆動方法のフローチャートである。
図9】本開示の実施例による表示パネルにおいて各データ線のデータ電圧を生じる論理プロセス模式図である。
図10】本開示の実施例による表示パネルにおいて極性制御信号を生じる論理プロセス模式図である。
図11図5のオーバーロード画像に対し極性調整を行った後の模式図である。
図12図6のオーバーロード画像に対し極性調整を行った後の模式図である。
図13図5のオーバーロード画像に対し別の極性調整を行った後の模式図である。
図14図6のオーバーロード画像に対し別の極性調整を行った後の模式図である。
図15】本開示の実施例による別の表示パネルの駆動方法のフローチャートである。
図16】本開示の実施例による表示パネルの駆動回路の構成ブロック図である。
図17】本開示の実施例による表示装置の構成ブロック図である。
図18】本開示の実施例による電子デバイスの構成ブロック図である。
図19】本開示の実施例によるコンピューター読み取り可能な媒体の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
当業者に本開示の実施例に係る技術案をより良く理解させるために、以下に、本開示の実施例による表示パネルの駆動方法及び回路、表示装置、電子デバイス、コンピューター読み取り可能な媒体について、図面を組み合わせて詳細に説明する。
【0031】
下文では、本発明実施例について図面を参照してより十分に説明するが、本開示にて記述した実施例に限定されると解釈すべきではなく、異なる様態で体現することができる。むしろ、これら実施例を提供するのは、本開示を徹底して完全なものにするためであって、当業者に本開示の範囲を十分に理解させることを目的とする。
【0032】
本開示の実施例は、本開示の理想的な概略図を介して、平面図及び/又は断面図を参照して説明できる。したがって、例示的な図示は、製造技術及び/又は許容範囲に応じて修正され得る。
【0033】
本開示の各実施例及び実施例における各特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0034】
本開示で使用する用語は、特定の実施例を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図していない。本開示で使用する「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の、関連して列挙された項目の任意の及び全ての組み合わせを含む。本開示で使用する「1つ」と「当該」という単数形態は、文脈上明らかに別途指摘しない限り、複数形態も含む。本開示にて使用する場合、「含む」、「……からなる」という用語は、前記特徴、全体、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は添加を排除しない。
【0035】
別途限定しない限り、本開示で使用する全ての用語(技術及び科学用語を含む)の意味は、当業者が一般的に理解する意味と同一である。例えば、常用の字典で限定されているような用語は、関連技術及び本開示の背景下での意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本開示でそのように明確に限定しない限り、理想的又は過度に形式的な意味を有すると解釈されないとさらに理解されるべきである。
【0036】
本開示の実施例は、図面に示す実施例に限定されるのではなく、製造工程に基づいて形成される配置の修正を含む。したがって、図面にて例示される領域は概略的な属性を有し、図に示される領域の形状は、要素の領域の具体的な形状を示すが、これは限定的なものであることを意図していない。
【0037】
第1の様態において、本開示の実施例は、表示パネルの駆動方法を提供する。
本開示の実施例方法は、表示するように表示パネルを駆動するためのものであり、すなわち、表示する必要のある画像(表示する画像)に応じて表示パネルの各サブ画素に表示を実現するためのデータ電圧を提供して、これにより表示パネルに、当該表示する画像を実際に表示させる。
【0038】
表示パネルは具体的には液晶表示パネルであり、図1を参照すると、当該表示パネル(液晶表示パネル)は、行方向に延びた複数本のグリッド線Gと、列方向に延びた複数本のデータ線Sとを含み、グリッド線G及びデータ線Sとが交差して囲まれた領域でサブ画素(図示せず)が定義され、各サブ画素は独立した画素電極(図示せず)を有し、各画素電極はデータ電圧が個別に印加されて個別に表示する。さらに、液晶表示パネルは、全てのサブ画素が共用する、統一した共通電圧が印加された共通電極CEをさらに備える。各サブ画素において、共通電極CEと相応の画素電極との間の電圧差は、当該サブ画素の「表示電圧」と呼ばれ、表示電圧は相応のサブ画素にある液晶分子偏向を駆動することで、所要の輝度をサブ画素に表示させることができる。
【0039】
各図面において、「行」は表示パネルにおける「横方向」を表し、「列」は表示パネルにおける「縦方向」を表すと理解されるべきである。しかしながら、論理的に「行」及び「列」は互いに交差する2つの方向であれば良く、例えば、「行」及び「列」は互いに垂直であり、表示パネルの置き方などとは必ずしも対応関係がない。
【0040】
以上のサブ画素は複数種類の異なる顔色に分けてカラー表示を表現することができると理解される。例えば、全てのサブ画素は赤色(R)、緑色(G)、青色(B)という3種類の色に分けることができ、かつ同列のサブ画素色は同じで、隣り合う列のサブ画素色は異なってよい(例えば、赤色サブ画素列-緑色サブ画素列-青色サブ画素列という方式で順番に配置する)。
【0041】
表示時に、表示パネルは各フレーム(すなわち、各画像)において各グリッド線をプログレッシブ走査することができ、任意のグリッド線が走査される(オン信号がロードされる)と、各データ線は、当該グリッド線に対応する各サブ画素へ所望のデータ電圧を提供し、各サブ画素は、そのうちのデータ電圧と共通電圧との差(表示電圧)を記憶し、本フレームにおいて表示電圧によってそのうちの液晶偏向を駆動することで、次のフレームまで持続的な表示を実現する。
【0042】
そのうち、サブ画素のグレースケール(輝度)は表示電圧の絶対値によって決まり、つまり、データ電圧によって決まるが(共通電圧が変わらないため)、共通電圧に対するデータ電圧の高さの違いに応じて、各グレースケールに対応するデータ電圧は正極性(すなわち、データ電圧は共通電圧よりも高く、「+」と記される)と負極性(すなわち、データ電圧は共通電圧よりも低く、「-」と記される)という二種類の極性に分けることができる。
【0043】
そのうち、グリッド線、データ線、共通電極(タッチ電極)は通常異なる膜層に位置し、また絶縁層によって互いに分離され、かつ、グリッド線、データ線はそれぞれ共通電極と重複する(すなわち、ぴったりと当てはまる面積がある)。
【0044】
これにより、図2を参照すると、グリッド線Gと共通電極CEとの間、及びデータ線Sと共通電極CEとの間にはそれぞれ寄生容量があり、すなわち、グリッド線G、データ線Sにおける電圧は結合作用によって、共通電極CEにおける共通電圧に影響を与えることができる。
【0045】
いくつかの実施例において、列方向に共通電極が複数の共通電極ブロックに分かれ、表示パネルの各行のサブ画素が1本のグリッド線に対応する。
【0046】
図5図6を参照すると、表示パネルにおける各サブ画素はアレイ状に配置されてよく、簡便という点を考慮すると、各行のサブ画素が1本のグリッド線に対応してよいため、グリッド線は行方向に延びるものである。
【0047】
同時に、論理上共通電極は1つの「大きな塊」であってよい。しかしながら、ある種の必要に応じて、図1を参照すると、共通電極CEは列方向上に複数の相互に絶縁された部分(共通電極ブロック)に分けられてよい。つまり、共通電極CEは複数の行方向に延びた「隙間(間隔)」によって複数の独立部分に分割されているため、当該隙間はグリッド線と平行である。隙間が狭いため、通常隙間にグリッド線が入ることはなく、このため、グリッド線は全て共通電極ブロックとほぼ重なる。
【0048】
もちろん、共通電極CEは行方向に複数の共通電極ブロックに分けられてもよく、すなわち、共通電極CEには、列方向に延伸した隙間があってもよく(当該隙間は通常、データ線に平行である)、これにより、複数の共通電力ブロックはアレイ状に配列される。
【0049】
いくつかの実施例において、図1を参照すると、表示パネルはタッチ表示パネルであり、各共通電極ブロックが1つのタッチ電極TEとして多重化される。
表示パネルが、表示機能及びタッチ機能を同時に有するタッチ表示パネルである場合、以上の共通電極ブロックはタッチ電極TEとして多重化されてよく、すなわち、表示段階において、表示を実現するために、全ての共通電極ブロック(すなわち、共通電極CE)には同一の共通電圧が印加される。タッチ段階において、各共通電極ブロック(すなわち、タッチ電極TE)はそれが所在する領域範囲内のタッチを実現するために、個別のタッチ感知電極として機能する。
【0050】
これにより、当該表示パネルはタッチ・アンド・ディスプレイ・ドライバ・インテグレーション(Touch and Display Driver Integration。略称TDDI)技術を用い、より薄い外形及びより低いコストを具備する。
【0051】
もちろん、共通電極ブロックがタッチ電極として多重化されない場合、ある他の理由により(例えば、給電を均一にするために或いは共通電圧に対しパーティション制御を行うために)ブロック化するだけでも良い。
【0052】
いくつかの実施例において、表示パネルの各列のサブ画素が1本のデータ線に対応する。
【0053】
図5図6を参照すると、表示パネルのサブ画素がアレイ状に配列される場合、簡便という点を考慮し、各列のサブ画素は1本のデータ線に対応してよい。
【0054】
以下に、表示パネルが複数の共通電極ブロック及び複数本のグリッド線を備えることを例として説明する。図1を参照すると、表示パネルが以上の共通電極ブロック(タッチ電極TE)及びグリッド線Gを備える場合、各共通電極ブロックは一部のグリッド線Gとのみ隣り合うため、共通電極ブロックエッジに対応するグリッド線Gの走査時において、共通電極ブロック内における共通電圧の変化状況は共通電極ブロック中部に対応するグリッド線Gの走査時とは異なる。
【0055】
例示的に、図3図4図7を参照してさらに説明する。
【0056】
図3において、Gm(図におけるmは34~41の整数である)の付いた線は第m本のグリッド線Gmにおける共通電圧の経時変化(上向きになるほど電圧が高くなる。以下同じ)を示す。
【0057】
図3において、各グリッド線のハイ、ローレベルは実際にそれぞれ同等であり、図にて上下に描かれているのは区別しやすくするためであると理解されたい。
【0058】
図4右側は共通電極ブロックの共通電圧の経時変化のリアルタイム値であり、そのうち、共通電圧の各突然変異でのGmは、当該突然変異がグリッド線Gmにおけるオン信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジによるものであることを示す。図4左側及び図7は各電圧等価平均値及び、対応して生じる各電圧差を示す。
【0059】
図3を参照すると、各グリッド線のオン信号の立ち上がりエッジ及びその直前の2本目のグリッド線のオン信号の立ち下がりエッジはほぼ同時に到来するので、図4を参照すると、グリッド線走査(オン信号が印加される)時に、オン信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジはそれぞれ結合作用を介して共通電圧を急峻に上昇又は下降させるが、通常はオン信号が共通電圧を実際に変化させる時間は短く、表示にはほぼ影響を与えない。
【0060】
図4を参照すると、ある共通電極ブロックに対応する最後の1本のグリッド線(以下、グリッド線G40を例とする)のオン信号の立ち上がりエッジ及び下から3本目のグリッド線G38のオン信号の立ち下がりエッジが順次到来した後、次のグリッド線G41(図示せず)は次の共通電極ブロックに対応するため本共通電極ブロックに影響を与えない。よって、本共通電極ブロックは後続にて、これに対応する下から2本目のグリッド線G39及び最後のグリッド線G40のオン信号の立ち下がりエッジの影響を連続して受けることになり、これによりその中の共通電圧は継続的に低下する。
【0061】
したがって、図4を参照すると、最後の2本のグリッド線G39、G40に対応する最後の2行のサブ画素(本共通電極ブロックに対応する最後の2行のサブ画素)に記憶された表示電圧においては、共通電圧が低く、このことは次のような影響をもたらす。
【0062】
最後の2行におけるサブ画素は、データ電圧が正極性の時、その表示電圧が他の行のサブ画素(最後の2行のサブ画素以外の、本共通電極ブロックに対応する他のサブ画素)の表示電圧に対して偏差があり、この偏差は大きい。よって、最後の2行におけるサブ画素は、データ電圧が正極性の時に他の行のサブ画素よりも明るくなる。
【0063】
一方、最後の2行におけるサブ画素は、データ電圧が負極性の時、その表示電圧は他の行のサブ画素の表示電圧に対して偏差があり、この偏差は小さい。加えて、以上の大きな、小さな偏差の絶対値は同一である。よって、最後の2行におけるサブ画素は、データ電圧が負極性の時に他の行のサブ画素よりも暗くなり、その暗くなる度合いは、上記明るくなる度合いと同じである。
【0064】
各サブ画素は、隣り合うフレームにおいて対応する極性が異なる(すなわち、極性反転を行う必要がある)ため、最後の2行におけるいずれか1つのサブ画素について言えば、常に「明るい-暗い」を交互に繰り返し、かつ明るい度合いと暗い度合いは同一であるので、全体の輝度は、他の行のサブ画素と依然として同一である。
【0065】
しかしながら、画像において、一部のサブ画素輝度が暗く、一部のサブ画素輝度が明るく、かつ明るいサブ画素のデータ電圧がほぼ同じ極性である場合、以上の状況は変化することになる。
【0066】
そのうち、以上の異なるサブ画素の輝度の差が大きく、かつ明るいサブ画素のデータ電圧がほぼ同じ極性の画像は、オーバーロード画像又はFlicker(点滅)画像と呼ばれる。
【0067】
例示的に、図5図6を参照すると、「列反転」方式を用いると仮定した表示パネルでは、表示する画像において、奇数例サブ画素はいずれも明るく(例えば、いずれも127グレースケールである)、かつ対応する極性が同一であるのに対して、偶数例サブ画素はいずれも暗く(例えば、いずれも0グレースケールである)、かつ対応する極性が同一である(もちろん、奇数例サブ画素に対応する極性とは逆である)。このように、当該画像は実際には「一列おきに点灯する」又は「1つの列が明るく、1つの列が暗くて交互に変化する」という形式である。
【0068】
図5図6において、黒のサブ画素は暗い(例えば、0グレースケールである)サブ画素を示し、白のサブ画素は明るい(例えば、127グレースケールである)サブ画素を示し、サブ画素のデータ電圧が正極性であることを符号「+」で示し、サブ画素のデータ電圧が負極性であることを符号「-」で示し、以下も同様である。
【0069】
以上では、奇数例サブ画素が明るく、偶数例サブ画素が暗いことを例として説明したが、偶数例サブ画素がいずれも明るく、奇数例サブ画素がいずれも暗い場合、状況は全く同一であると理解されるべきであるため、ここでの説明は省略する。
【0070】
或いは、画像における明るいサブ画素及び暗いサブ画素は、明るいサブ画素が主に同様の極性に対応していれば、他の方法で相互に配置されてもよいので、ここでの説明は省略する。
【0071】
このように、暗いサブ画素のデータ電圧は共通電圧に非常に近いか等しいため、共通電圧に対するこれらの結合作用は明らかではないのに対して、明るいサブ画素のデータ電圧と共通電圧の差は大きいため、共通電圧に対するこれらの結合作用は明らかである。
【0072】
これにより、画像が図5図6を参照したオーバーロード画像である場合、各フレームにおける、共通電圧との偏差が大きなデータ電圧(明るいサブ画素のデータ電圧)はほぼ同様の極性(すなわち、全体が共通電圧よりも大きいか、又は全体が共通電圧よりも小さい)である。よって、図7を参照すると、共通電圧との偏差が大きくかつ偏差方向が同じである以上のデータ電圧は、共通電圧が全体的に高くなる(明るいサブ画素が主に正極性に対応する)か、又は全体的に低くなり(明るいサブ画素が主に負極性に対応する)、さらには、全てのサブ画素の輝度がいずれも暗くなる。もちろん、以上の影響は、多くのサブ画素に対して同じであるため、表示にはほとんど影響しない。
【0073】
しかしながら、図7を参照すると、共通電極ブロックに対応する最後の2本のグリッド線が走査されると、共通電圧が全体的に高くなる(明るいサブ画素が主に正極性に対応する)フレームについては、グリッド線のオン信号の、共通電圧に対する引き下げ度が大きくなり(共通電圧が従来よりも高ければより容易に引き下げられる)、すなわち、最後の2行のうち、正極性に対応するサブ画素と他の行のサブ画素の表示電圧の偏差がより大きくなり、すなわち、最後の2行のうち、正極性に対応するサブ画素は「明るく、かつ度合いがより大きい」。
【0074】
一方、共通電圧が全体的に低くなる(明るいサブ画素が主に負極性に対応する)フレームについては、最後の2本のグリッド線のオン信号の、共通電圧に対する引き下げ度が低くなり(共通電圧が本来より低ければより引き下げられにくくなる)、最後の2行のうち、負極性に対応するサブ画素と他の行のサブ画素の表示電圧の偏差がより小さくなり、すなわち、最後の2行のうち、負極性に対応するサブ画素は「暗いが度合いが小さい」。
【0075】
よって、連続表示(複数のフレーム)時に、最後の2行における各サブ画素について言えば、常に「より大きい度合いの明るめ-より小さい度合いの暗め(又は「より明るめ」)」を交互に繰り返すので、その全体の輝度は、他の行のサブ画素に比べて明るく、共通電極ブロックのエッジにおいて、明らかに目に見える「輝線」又は「横縞」が発生し、表示に影響を与える。
【0076】
具体的に、図8を参照すると、本開示の実施例に係る表示パネルの駆動方法は、S101~S104を含む。
【0077】
S101:表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得する。
【0078】
そのうち、もとの駆動データは複数のサブ駆動データを含む。
【0079】
そのうち、初期極性方式は、全てのサブ駆動データの極性を二種類に分けることを含む。
【0080】
そのうち、対応するグレースケールが第1の閾値を超えないサブ駆動データを第1のカテゴリーのサブ駆動データといい、対応するグレースケールが第2の閾値以上であるサブ駆動データを第2のカテゴリーのサブ駆動データといい、第2の閾値が第1の閾値よりも大きい。
【0081】
表示する画像は、表示パネルが表示することを所望する画像であり、複数のサブ画素(画像ドット)と、各サブ画素のグレースケール(輝度)とを含む。一方、駆動データは各サブ画素のサブ駆動データを含み、サブ駆動データは具体的に当該サブ画素のグレースケールに対応するデータ電圧であり、すなわち、サブ画素の画素電極に相応のサブ駆動データのデータ電圧が印加されると、サブ画素に相応のグレースケール(輝度)を表示させることができる。
【0082】
このように、共通電圧に対するデータ電圧の高さに応じて、同じグレースケールに対応するサブ駆動データ(データ電圧)は正極性と負極性という二種類の異なる極性に分けることができ、すなわち、サブ駆動データは極性を有する。
【0083】
同時に、サブ駆動データは、それに対応するグレースケール(すなわち、当該サブ駆動データを有するサブ画素のグレースケール)の違いに応じて、さらに二種類の類型に分けることができる。そのうち、対応するグレースケールの低い(第1の閾値以下)サブ駆動データは第1のカテゴリーのサブ駆動データとして定義され、対応するグレースケールの高い(第2の閾値以上)サブ駆動データは第1のカテゴリーのサブ駆動データとして定義される。
【0084】
本ステップ(S101)では、表示する画像に対応する初期の駆動データ(もとの駆動データ)を取得し、当該もとの駆動データの各サブ駆動データに対応するグレースケールこそが、表示する画像の各サブ画素のグレースケールであり、各サブ駆動データの極性は表示パネルで規定されるデフォルト方式に応じて直接生成され、すなわち、もとの駆動データは初期極性方式に適合する。よって、本開示の実施例に係る方法を行わない場合、表示パネルが「元々」生成した駆動データこそがもとの駆動データであり、表示パネルは直接当該もとの駆動データに基づいて表示することになる。
【0085】
そのうち、初期極性方式は、全てのサブ駆動データの極性が二種類に分けられることを含む。
【0086】
すなわち、表示パネルで規定される初期極性方式に応じて、もとの駆動データの全てのサブ駆動データの極性は全く同一であることはありえず、必ず、一部のサブ駆動データが正極性であり、残りのサブ駆動データが負極性である。
【0087】
いくつかの実施例において、初期極性方式は、二種類の極性のサブ駆動データの総数がほぼ等しいことを含む。
【0088】
すなわち、さらなる初期極性方式に応じて、もとの駆動データにおいて、二種類の極性のサブ駆動データの数はほぼ同一であるべきである。例えば、一種類の極性のサブ駆動データの数を基準とし、もう1つの極性のサブ駆動データの数と当該基準の差は5%未満、或いは3%未満、或いは1%未満であるべきである。
【0089】
もちろん、最適な方式として、もとの駆動データにおける正極性のサブ駆動データの数はちょうど負極性のサブ駆動データの数と等しくてよい。
【0090】
いくつかの実施例において、初期極性方式は、いずれか1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が同一であり、いずれか2本の隣り合うデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が異なる。
【0091】
すなわち、さらなる初期極性方式に応じて、表示パネルの各データ線に対応する複数のサブ画素のサブ駆動データの極性は同一であるが、隣り合うデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性は異なる。例えば、図5図6を参照すると、各列のサブ画素が1本のデータ線に対応する場合、以上の初期極性方式から、各列のサブ画素のサブ駆動データの極性はいずれも同一であるが、隣り合う列のサブ画素のサブ駆動データの極性はいずれも異なるはずであり、すなわち、表示パネルが用いるのは「列反転」という方式である。
【0092】
もちろん、もとの駆動データは1枚の表示する画像(或いは、1フレーム)に対するものであるため、以上の初期極性方式はいずれも「1つの」もとの駆動データが満たす条件であると理解される。一般的に言えば、極性反転を行う必要があるため、いずれかの2つの隣り合うフレームにおいて、各1つのサブ画素のサブ駆動データの極性は逆のものである。
【0093】
S102:もとの駆動データが調整条件に適合するかどうか判定する。
【0094】
もとの駆動データを取得した後に、当該もとの駆動データが1つの予め設定された調整条件に適合するかどうか判定する。当該調整条件に適合する場合、当該もとの駆動データに基づいて直接表示すると不具合を招く恐れがあるということを意味するため、もとの駆動データの極性を調整する必要がある(具体的にはステップS103参照のこと)。
【0095】
そのうち、調整条件は、もとの駆動データが第1のカテゴリーのサブ駆動データと第2のカテゴリーのサブ駆動データとを含み、かつ、そのうちの第2のカテゴリーのサブ駆動データにおける二種類の極性のサブ駆動データの数が異なることを含む。
【0096】
すなわち、以上の調整条件を満たすもとの駆動データは、表示する画像のうち、グレースケールが第1の閾値以下である一部のサブ画素を第1のカテゴリーのサブ画素(暗いサブ画素)とし、そのサブ駆動データを第1のカテゴリーのサブ駆動データとし、表示する画像のうち、グレースケールが第2の閾値以上である(第1のグレースケールよりも大きい)サブ画素がさらに一部あり、これを第2のカテゴリーのサブ画素(明るいサブ画素)とし、そのサブ駆動データを第2のカテゴリーのサブ駆動データとしたものであるべきであり、第2のカテゴリーのサブ駆動データにおいて、二種類の極性のサブ駆動データの数は異なる。
【0097】
或いは、調整条件に適合する、表示する画像は以上のオーバーロード画像又はFlicker(点滅)画像であり、表示する画像において、一部のサブ画素輝度が低く、一部のサブ画素輝度が高く、かつ輝度の高いサブ画素は同じ種類の極性にほぼ対応する。そこで、共通電圧との偏差が大きなデータ電圧(明るいサブ画素のデータ電圧)は同様の極性であり(すなわち、全体的に共通電圧より大きく、又は全体的に共通電極より小さい)、以上の輝線不良が生じやすい。
【0098】
いくつかの実施例において、第1の閾値は0グレースケールである。
【0099】
すなわち、さらなる調整条件から、第1のカテゴリーのサブ画素は輝度がゼロである(或いは、点灯しない)サブ画素であると考えられる。もちろん、これらグレースケールが0である第1のカテゴリーのサブ画素のデータ電圧は必ず共通電圧と等しいが、その第1のカテゴリーのサブ駆動データは論理上依然として二種類の極性に分けられる。
【0100】
これに応じて、この時、第2の閾値は1グレースケールであり、すなわち、輝度がゼロでないサブ画素はいずれも第2のカテゴリーのサブ画素と考えられ、或いは、第2の閾値は1グレースケールよりも大きい特定値であり、すなわち、所定の輝度に達しなければならないサブ画素こそが第2のカテゴリーのサブ画素であるとも考えられる。
【0101】
いくつかの実施例において、第2の閾値と第1の閾値との間には少なくとも48グレースケールの差がある。
【0102】
明らかに、他の要素が同一である場合、明るいサブ画素と暗いサブ画素の輝度との差が大きければ大きいほど、以上の「輝線」はより明らかになる。そのうち、研究により、さらなる調整条件は、第2の閾値が少なくとも第1の閾値よりも48グレースケール大きいと規定でき、すなわち、第2のカテゴリーのサブ画素と第1のカテゴリーのサブ画素との「輝度差」は48グレースケールに対応する値に達しなくてはならず、この場合には、明らかな「輝線」問題が生じやすいということが分かった。
【0103】
もちろん、以上の第2の閾値と第1の閾値の差の最小値は2グレースケール、5グレースケール、10グレースケール、20グレースケール、36グレースケール、60グレースケール、80グレースケール、100グレースケールなど他の値であってもよい。
【0104】
いくつかの実施例において、調整条件は、第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データの数の比率が75%以上であることを含む。
【0105】
第2のカテゴリーのサブ駆動データにおいて、二種類の極性のサブ駆動データの数が異なるため、必ずある極性のサブ駆動データの数がより多く、別の極性のサブ駆動データの数がより少なく、そのうち、数の多い極性のサブ駆動データの数の、全ての第2のカテゴリーのサブ駆動データの数における比率を第1の割合とする。
【0106】
また、他の要因が同じであれば、第1の割合が大きければ大きいほど(すなわち、明るいサブ画素における二種類の極性の数量の差が大きければ大きいほど)、以上の「輝線」は鮮明になる。そのうち、研究により、さらなる調整条件は、以上の第1の割合の最小値が75%であるべきであり、これに対応して、数量の少ない極性のサブ駆動データの数量の比率が25%未満であるべきであると規定でき、この場合には、明らかな「輝線」問題が生じやすいことが分かった。
【0107】
もちろん、以上の第1の割合の最小値は60%、70%、90%、95%、99%など他の値であってよい。
【0108】
いくつかの実施例において、調整条件は、全ての第2のカテゴリーのサブ駆動データの極性が同一であることを含む。
【0109】
すなわち、さらなる調整条件から、全ての第2のカテゴリーのサブ駆動データはいずれも同じ種類の極性であり、すなわち、以上の第1の割合を100%とし、別の極性のサブ駆動データの数量の比率を0%とすると規定できる。
【0110】
いくつかの実施例において、初期極性方式は、いずれか1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が同一であり、いずれか2本の隣り合うデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が異なることを含む場合、調整条件は、いずれか2本の隣り合うデータ線のうちの1本のデータ線に対応するサブ画素のグレースケールが第1の閾値を超えず、もう1本のデータ線に対応するサブ画素のグレースケールが第2の閾値以上であることを含む。
【0111】
以上の初期極性方式から、各データ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が同一である場合、調整条件は各データ線に対応するサブ画素の類型も同一であると規定できる。或いは、この時、調整条件に適合するもとの駆動データにおいて、いずれか2つの隣り合うデータ線における1本のデータ線に対応するものは暗いサブ画素(第1のカテゴリーのサブ画素)でありかつサブ駆動データは全て一種類の極性であるのに対して、もう1本のデータ線に対応するのは全て明るいサブ画素(第2のカテゴリーのサブ画素)でありかつサブ駆動データは全てもう一種類の極性である。
【0112】
表示パネルにおいて、1本のデータ線に対応するサブ画素(例えば1列のサブ画素)は通常、色が同一であるため、以上の状況は幾つかの純粋な画面(例えば緑紫画面)を表示する際によく現れるものである。
【0113】
もちろん、以上の「輝線」は本質的に共通電極ブロックに起因するものであるため、実際には、調整条件が、1本のデータ線に対応しかつ同じ1つの共通電極ブロックに対応する複数のサブ画素のグレースケール(極性)の状況が同一であると規定されてもよいと理解される。
【0114】
より具体的には、各列のサブ画素が1本のデータ線に対応する場合、以上の初期極性方式は「列反転」であるため、表示する画像は、図5図6を参照した「1列おきに点灯する」又は「1つの列が明るく、1つの列が暗く交互に変化する」という形式であってよい。
【0115】
S103:もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得し、補正駆動データに基づいて、表示するように表示パネルを駆動する。
【0116】
もとの駆動データが以上の調整条件に適合すると判定した場合、もとの駆動データに基づいて直接表示すると不具合を招く恐れがあるということを意味するため、補正駆動データを得るためにもとの駆動データに対し極性調整を行い、当該補正駆動データに基づいて、表示するように表示パネルを駆動する必要がある。
【0117】
以上の極性調整では、サブ画素のサブ駆動データの極性のみを変更するが、サブ駆動データに対応するグレースケールは変更しない(すなわち、サブ画素のグレースケールは変更しない)。よって、極性調整によって得た補正駆動データはグレースケール(輝度)から見れば、依然として表示する画像に完全に対応し、すなわち、そのうちの全てのサブ画素(サブ駆動データ)の類型(第1のカテゴリー、第2のカテゴリー)は変更せず、サブ駆動データの一部の極性だけを変更する。
【0118】
いくつかの実施例において、補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、第1の極性のサブ駆動データの数は第2の極性のサブ駆動データの数以上であり、また、第1の極性のサブ駆動データの数の比率を第2の割合とし、第2の割合は以上の第1の割合よりも小さい。
【0119】
もとの駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データの数の比率は以上の第1の割合であり、補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、サブ駆動データが「少数ではない」極性が一種類あれば(これは別の極性のサブ駆動データの数より多くてもよいが、別の極性のサブ駆動データの数に等しくてもよい)、当該極性のサブ駆動データの数の比率は第2の割合である。
【0120】
そのうち、第2の割合は第1の割合よりも小さいものでなくてはならず、すなわち、極性調整を行った後に、第2のカテゴリーのサブ駆動データにおいて、二種類の極性のサブ駆動データの数は、「相対的によりバランスがとれたもの」でなくてはらず、これにより、当該補正駆動データに基づいて駆動する時に、不具合(例えば、輝線不良)を解消したり、不具合の度合いを低減したりすることができる。
【0121】
いくつかの実施例において、補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、二種類の極性のサブ駆動データの数がほぼ等しい。
【0122】
すなわち、補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データにおいて、異なる極性のサブ駆動データの数の差をほぼ解除するために、補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、第2の割合は約50%であってよい(もちろん、50%に等しくてもよい)。
【0123】
以上の極性調整過程は、第2の割合を第1の割合より小さくするだけでよいが、これは、補正駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性が、もとの駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性であるということは意味しておらず、すなわち、もともと数の多かった極性は数の少ない極性に変更できると理解される。
【0124】
いくつかの実施例において、極性調整は、もとの駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、数の多い極性のサブ駆動データにおいて、一部のサブ駆動データの極性が変更されることを含む。
【0125】
第2のカテゴリーのサブ駆動データにおける、二種類の極性のサブ駆動データの数の比率の差を小さくするために、第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、もともと極性の数の多かったサブ駆動データを部分的に別の極性に変更することで、その数の比率を低下させるべきであることは明らかである。
【0126】
もちろん、この時、もとの駆動データの第2のカテゴリーのサブ駆動データのうち、もともと数量の少なかった極性のサブ駆動データの極性が転換してよく、及び/又は、もとの駆動データの第1のカテゴリーのサブ駆動データのうち、一部の極性が転換してもよい。
【0127】
いくつかの実施例において、初期極性方式は、いずれか1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が同一であり、いずれか2本の隣り合うデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が異なることを含む場合、極性調整は、対応するサブ画素のグレースケールにて少なくとも一部が第2の閾値以上であるデータ線において、一部のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることを含む。
【0128】
各データ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が同一である場合、データ線全体に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性を変更して極性調整を実現することができ、このような調整はデータ線を単位として全体的に行われるものであり、比較的実現が容易である。
【0129】
図9を参照すると、データ線にロードされたデータ電圧は以下の方式で取得することができる。すなわち、各サブ画素のグレースケールを示すグレースケールデータがレベル調整(Lever Shifter)を経た後に、それぞれ正極性アナログデジタル変換(P-DAC)又は負極性アナログデジタル変換(N-DAC)を経てから相応の増幅器を通過して正極性のデータ電圧及び負極性のデータ電圧を取得するというものである。以上の2つのデータ電圧は極性制御信号POL00、POL01、POL11、POL10の制御によって、どのデータ線データ線S(4n+1)、S(4n+2)、S(4n+3)、S(4n+4)(nは自然数である)に出力するかを確定し、これによって各データ線が相応の極性のデータ電圧を取得する。
【0130】
具体的には、図9を参照すると、幾つかの関連技術において、各4本の隣り合うデータ線S(4n+1)、S(4n+2)、S(4n+3)、S(4n+4)を1つの群とし、これに対応して4つの極性制御信号POL00、POL01、POL11、POL10を設けることができ、全ての異なる群は当該4つの極性制御信号POL00、POL01、POL11、POL10を用いて同期制御を行うことができる。
【0131】
あるフレームにおいて、極性制御信号POL00及びPOL11をオン信号(1である)とし極性制御信号POL01及びPOL10をオフ信号(0である)とすると、奇数データ線S(4n+1)、S(4n+3)に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が正となり、偶数データ線S(4n+2)、S(4n+4)に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が負となる。次のフレームにおいて、極性制御信号POL00及びPOL11がオフ信号に変更されて極性制御信号POL01及びPOL10がオン信号に変更され、これによって、奇数データ線S(4n+1)、S(4n+3)に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が負に変更され、偶数データ線S(4n+2)、S(4n+4)に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が正に変更され、「列反転」を実現する。
【0132】
図10と下表1を参照すると、以上の極性制御信号POL00、POL01、POL11、POL10はさらに以下の方式で生成することができる。すなわち、もとの制御信号を直接極性制御信号POL00とし、極性制御信号POL00は否定ゲート(インバータ)を通過した後に、極性制御信号POL01となる。同時に、もとの制御信号が以上の調整条件に適合するかどうかの判定結果は一緒に排他的論理和ゲートに出力され、排他的論理和ゲートの出力を極性制御信号POL11とし、極性制御信号POL11は否定ゲート(インバータ)を通過した後に、極性制御信号POL10となるというものである。
【0133】
よって、調整条件に適合しない(すなわち、極性調整を行う必要がない)場合、以上の調整条件に適合するかどうかの判定結果が0であるため、もとの制御信号がそれぞれ1及び0(例えば、隣り合う2つのフレームに対応する)である時、表1に示す、所望の極性制御信号出力及び相応のデータ線に対応するデータ電圧の極性が得られ、すなわち、常規の「列反転」のもとの駆動データが得られる。
【0134】
【表1】
【0135】
いくつかの実施例において、本開示実施例の一態様として、極性調整は、対応するサブ画素のグレースケールが第2の閾値以上であるデータ線において、1本のデータ線おきに、1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることを含む。
前述したように、図5図6を参照すると、各データ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が同一であり、かつ、隣り合うデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が逆である場合、全ての明るいサブ画素(第2のカテゴリーのサブ画素)のサブ駆動データが一種類の極性であるため、明るいサブ画素(第2のカテゴリーのサブ画素)に対応するデータ線に印加されたデータ電圧の極性を半分変更して、調整した後の明るいサブ画素(第2のカテゴリーのサブ画素)のサブ駆動データにおける二種類の極性の比率をほぼ同一にすることができる。
【0136】
具体的に、明るいサブ画素(第2のカテゴリーのサブ画素)に対応するデータ線(例えば、奇数データ線)では1本のデータ線おきに1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性(例えば3本目のデータ線と7本目のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性)を変更し、すなわち、4本のデータ線おきに該1本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性を変更する。
【0137】
そこで、図5のオーバーロード画像を参照すると、初期極性方式の各列のサブ画素に対応する極性は「正負正負正負正負」という形式であることから、調整した後の結果は図11に示すように、各列のサブ画素に対応する極性は「正負負負正負負負正」という形式である。
【0138】
図6のオーバーロード画像を参照すると、初期極性方式の各列のサブ画素に対応する極性は「負正負正負正負正」という形式であることから、調整した後の結果は図12に示すように、各列のサブ画素に対応する極性は「負正正正負正正正」という形式である。
【0139】
いくつかの実施例において、本開示実施例の他の形態として、極性調整は、一部のデータ線を調整群に分け、各調整群は2本の隣り合うデータ線を有し、かついずれか2つの隣り合う調整群間には調整群に分けられていない2本のデータ線があることと、全ての調整群におけるデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性が変更されることとを含んでよい。
【0140】
前述したように、図5図6を参照すると、各データ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が同一であり、かつ隣り合うデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データ極性が逆である場合、全ての明るいサブ画素(第2のカテゴリーのサブ画素)のサブ駆動データは一種類の極性であるため、2本のデータ線おきに、2本のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性を「交換」する(例えば2本目のデータ線と3本目のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性交換及び、6本目のデータ線と7本目のデータ線に対応するサブ画素のサブ駆動データの極性交換)という方式によって極性調整を行うこともできる。
【0141】
そこで、図5のオーバーロード画像を参照すると、調整した後の結果は図13に示すように、各列のサブ画素に対応する極性「正正負負正正負負」という形式である。
【0142】
図6のオーバーロード画像を参照すると、調整した後の結果は図14に示すように、各列のサブ画素に対応する極性は「負負正正負負正正」という形式である。
【0143】
つまり、以上の方式で調整した後の画像は「二列反転」という形式である。
【0144】
このような以上の極性調整方式から、図13図14を参照すると、調整した後の第2のカテゴリーのサブ画素(明るいサブ画素)のサブ駆動データの極性配置はほぼ均一であり、かつ第1のカテゴリーのサブ画素(暗いサブ画素)のサブ駆動データの極性配置もほぼ均一であるため、より良い表示効果を取得できる。
【0145】
前述したように、図9を参照した構造が、データ線の生成する相応のデータ電圧であるということを用いた場合、上記極性制御信号POL00、POL01、POL11、POL10はさらに下記方法で生成することができる。すなわち、図10と表2を参照すると、この時に極性調整を行う必要があるため、もとの駆動データは必然的に調整条件に適合し、このため、以上の調整条件に適合するかどうかの判定結果が1となり、これによってもとの制御信号が同一である場合には、極性制御信号POL00、POL01はそのまま変わらないが、極性制御信号POL11、POL10は、相互否定ゲートの作用により自然に反転することで、2本のデータ線おきに、2本のデータ線に対し「極性交換」を行うという目的を実現するというものである。
【0146】
【表2】
【0147】
このように、以上の「極性交換」はもとの駆動データが条件を調整するかどうかに応じて自然に実現されるため、最も簡便である。
【0148】
いくつかの実施例において、図15を参照すると、本開示の実施例に係る方法は、S104をさらに備える。
【0149】
S104:もとの駆動データが調整条件に適合しないと判定した場合、もとの駆動データに基づいて、表示するように表示パネルを駆動する。
【0150】
もちろん、もとの駆動データが以上の調整条件に適合しないと判定した場合は、もとの駆動データに基づいて直接表示を行っても不具合は起こらないということを意味しているので、初期極性方式を有するもとの駆動データに直接基づいて、表示するように表示パネルを駆動することができる。
【0151】
第2の様態において、図16を参照すると、本開示の実施例は、
表示する画像における、初期極性方式を有するもとの駆動データを取得するように構成される取得サブ回路であって、もとの駆動データは複数のサブ駆動データを含み、初期極性方式は、全てのサブ駆動データの極性を二種類に分けることを含み、そのうち、対応するグレースケールが第1の閾値を超えないサブ駆動データを第1のカテゴリーのサブ駆動データといい、対応するグレースケールが第2の閾値以上であるサブ駆動データを第2のカテゴリーのサブ駆動データといい、第2の閾値が第1の閾値よりも大きい、取得サブ回路と、
もとの駆動データが調整条件に適合するかどうかを判定するように構成される判断サブ回路であって、調整条件は、もとの駆動データが第1のカテゴリーのサブ駆動データと第2のカテゴリーのサブ駆動データとを含み、かつ、そのうちの第2のカテゴリーのサブ駆動データにおける二種類の極性のサブ駆動データの数が異なる、判断サブ回路と、
もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、もとの駆動データに対し極性調整を行って補正駆動データを取得するように構成される、調整サブ回路と、
もとの駆動データが調整条件に適合すると判定した場合、表示するように表示パネルを補正駆動データに基づいて駆動するように構成される、表示駆動サブ回路と、を備える表示パネルの駆動回路を提供する。
【0152】
本開示の実施形態に係る表示パネルの駆動回路は、上記の表示パネルの駆動方法を実現することができる。
【0153】
第3の様態において、図17を参照すると、本開示の実施例は、
表示パネルと、
上記のいずれかの表示パネルの駆動回路と、を備える表示装置を提供する。
【0154】
本開示の実施例に係る表示装置(液晶表示装置)は、上記の表示パネルの駆動方法を実現することができる。
【0155】
いくつかの実施例において、表示パネルの各行のサブ画素が1本のグリッド線に対応し、
表示パネルは、列方向に複数の共通電極ブロックに分かれた共通電極を備え、
表示パネルはタッチ表示パネルであり、それぞれの共通電極ブロックが1つのタッチ電極として多重化され、
表示パネルの各列のサブ画素が1本のデータ線に対応する。
【0156】
第4の様態において、図18を参照すると、本開示の実施例は、
1つ以上のプロセッサーと、
1つ以上のプログラムが記憶され、1つ以上のプログラムが1つ以上のプロセッサーによって実行される時に、1つ以上のプロセッサーに、上記いずれかの表示パネルの駆動方法を実現させるメモリと、
プロセッサーとメモリとの間に接続され、プロセッサーとメモリの情報インタラクションを実現する1つ以上のI/Oインターフェースと、を備える電子デバイスを提供する。
本開示の実施例に係る電子デバイスは、上記の表示パネルの駆動方法を実現することができる。
【0157】
そのうち、プロセッサーはデータ処理能力を有するデバイスであり、中央演算処理装置(CPU)などを含むが、これらに限定されない。メモリは、データ記憶能力を有するデバイスであり、ランダムアクセスメモリ(RAM、より具体的にはSDRAM、DDRなど)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(FLASH)を含むが、これらに限定されない。I/Oインターフェース(読み書きインターフェース)は、プロセッサーとメモリとの間に接続され、メモリとプロセッサーとの情報インタラクションを実現するために使用され、データバス(Bus)などを含むが、これらに限定されない。
【0158】
第5の様態において、図19を参照すると、本開示の実施例は、コンピュータープログラムが記憶され、プログラムがプロセッサーによって実行される時に、上記いずれかの表示パネルの駆動方法を実現する、コンピューター読み取り可能な媒体を提供する。
【0159】
本開示の実施例に係るコンピューター読み取り可能な媒体は、上記表示パネルの駆動方法を実現することができる。
【0160】
当業者は上文で公開されている全て又はあるステップ、システム、装置における機能モジュール/ユニットがソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実施されてよいと理解するであろう。
【0161】
ハードウェア実施形態において、以上の記述にて言及されている機能モジュール/ユニット間の区分は必ずしも物理的構成要素の区分に対応するとは限らない。例えば、1つの物理的構成要素は複数の機能を有することができるか、或いは1つの機能又はステップは、若干の物理的構成要素により連携して実行できる。
【0162】
いくつかの物理的構成要素又は全ての物理的構成要素は、中央演算処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサー、もしくはマイクロプロセッサーなどのプロセッサーによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして実施され、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実行することができる。このようなソフトウェアは、コンピューター記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含む、コンピューター読み取り可能な媒体上に分散することができる。当業者にとって公知であるように、コンピューター記憶媒体という用語は、コンピューター読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピューター記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM、より具体的には、SDRAM、DDRなど)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(FLASH)、又は他のディスクメモリを含むがこれらに限定されず、読み取り専用光ディスク(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、又は他の光ディスクメモリを含むがこれらに限定されず、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、又は他の磁気メモリを含むがこれらに限定されず、所望の情報を記憶し、かつコンピューターによってアクセスできる任意の他の媒体であってよい。このほか、当業者にとって、通信媒体は、一般に、コンピューター読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波もしくは他の搬送メカニズムなどの変調データ信号内の他のデータを含むほか、任意の情報伝達媒体を含んでよいということは公知の事項である。
【0163】
本開示では例示的な実施例がすでに公開されており、具体的な用語が使用されているが、それらは、一般的な例示的な意味にのみ使用され、かつ一般的な例示的な意味として解釈されるべきであり、限定を目的としたものではない。いくつかの例において、別途明確に指摘しない限り、特定の実施例と組み合わせて記述された特徴、特性、及び/又は要素は、単独で使用してもよく、又は他の実施形態と組み合わせて記述された特徴、特性、及び/又は要素と組み合わせて使用してもよいということは、当業者にとって自明のことである。したがって、添付の特許請求の範囲によって示される本開示の範囲から逸脱しない場合、様々な形態及び詳細での変更を行えると当業者は理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】