(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】データストリームの量を調整するための方法、端末、およびMIMOシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20230315BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20230315BHJP
H04W 8/24 20090101ALI20230315BHJP
【FI】
H04W52/02
H04W28/06
H04W8/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537780
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 CN2021099951
(87)【国際公開番号】W WO2021254301
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】202010549263.3
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521190370
【氏名又は名称】オーナー・デヴァイス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲連▼▲義▼
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲カイ▼
(72)【発明者】
【氏名】何 彦召
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲紅▼▲陽▼
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067AA43
5K067BB21
5K067DD43
5K067DD44
5K067DD45
5K067EE02
(57)【要約】
本出願の実施形態は、データストリームの量を調整するための方法、端末、およびMIMOシステムを提供する。本方法では、端末は、ダウンリンクデータ送信プロセスでデータストリームの量を適応的かつ動的に調整するために、端末の動作状態に基づいて、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数をネットワークデバイスと能動的に交渉することができる。これにより、端末のデータ送信速度の要件を満たしながら、ユーザ体験に影響を与えることなく、端末の電力消費を低減し、端末の待機時間を延長することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データストリームの量を調整するための方法であって、MIMOシステムが端末とネットワークデバイスとを含み、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて前記MIMOシステムによって使用されるトランスポート層の数は第1のトランスポート層数であり、前記方法は、
前記端末によって第1のシナリオを認識し、前記ネットワークデバイスに第1のメッセージを送信するステップであって、前記第1のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を減らすように前記ネットワークデバイスに要求するために使用され、前記第1のメッセージが第2のトランスポート層数を搬送し、前記第2のトランスポート層数が前記第1のトランスポート層数より少ない、ステップと、
前記端末によって、前記ネットワークデバイスによって送信された第2のメッセージを受信するステップであって、前記第2のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるトランスポート層の数を構成するために使用され、前記第2のメッセージが第3のトランスポート層数を搬送し、前記第3のトランスポート層数が前記第2のトランスポート層数以下である、ステップと、
前記端末によって、前記第3のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する、前記端末のデータ送信速度が第1の閾値未満である、前記ネットワークデバイスによって送信され、前記端末によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きい、前記端末の画面がオフ、前記端末が「省電力モード」に入る、前記端末が非充電状態にある、または前記端末の温度が第3の閾値より高い、の1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末によって第1のシナリオを認識する前記ステップが、前記端末によって、ホーム画面内の前記第1のアプリケーションのアイコンに作用するユーザ操作を受信するステップ、前記端末によって、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが前記第2の閾値未満であることを検出するステップ、前記端末によって、前記画面がオンであるときに、事前設定された持続時間内にユーザ操作を受信しないステップ、前記端末によって、前記画面がオンであるときに電源キーに作用する押下操作を受信するステップ、または前記端末によって、「省電力モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信するステップ、の1つまたは複数を特に含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、前記端末によって、前記第3のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析する前記ステップの後、前記方法が、
前記端末によって、前記第1のシナリオに対応する第2のシナリオを認識し、前記ネットワークデバイスに第3のメッセージを送信するステップであって、前記第3のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を復元するように前記ネットワークデバイスに要求するために使用される、ステップと、
前記端末によって、前記ネットワークデバイスによって送信された第4のメッセージを受信するステップであって、前記第4のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するために使用され、前記第4のメッセージが、前記第1のトランスポート層の数を搬送する、ステップと、
前記端末によって、前記第1のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析するステップと
をさらに含む、方法。
【請求項5】
前記第2のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが前記第1のアプリケーションではない、前記端末のデータ送信速度が第4の閾値より大きい、前記ネットワークデバイスによって送信され、前記端末によって受信された信号の強度が第5の閾値より小さい、前記端末の画面がオン、前記端末が「性能モード」に入る、前記端末が充電状態にある、または前記端末の温度が第6の閾値より低い、の1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記端末によって、前記第1のシナリオに対応する第2のシナリオを認識する前記ステップが、前記端末によって、前記第1のアプリケーションを実行する前記プロセスで前記第1のアプリケーションを終了するためのユーザ操作を受信するステップ、前記端末によって、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが前記第5の閾値未満であることを検出するステップ、前記端末によって、前記画面がオフであるときに電源キーに作用する押下操作を受信するステップ、または前記端末によって、「性能モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信するステップ、の1つまたは複数を特に含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記端末が前記第2のメッセージを受信する時間と前記端末が前記第2のシナリオを認識する時間との間の持続時間が、前記第1の持続時間以上である、
請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで前記第1のアプリケーションを実行することを含み、前記端末がフォアグラウンドで前記第1のアプリケーションを実行し始める時間と、前記端末が前記第1のシナリオを認識する時間との間の持続時間が、第2の持続時間以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のメッセージが支援メッセージUE assistance information messageであり、前記第2のトランスポート層数が前記支援メッセージのreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドで搬送される、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のメッセージが無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、前記第3のトランスポート層数が、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationの最大トランスポート層数MaxMimoLayerNumフィールドで搬送される、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第3のメッセージが支援メッセージUE assistance information messageであり、前記第3のメッセージがreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドを含まない、
請求項4から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第4のメッセージが無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、前記第4のメッセージで搬送される前記第1のトランスポート層数が、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationの最大トランスポート層数MaxMimoLayerNumフィールドで搬送される、
請求項4から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のトランスポート層数が、前記端末によって送信された能力メッセージUE capability informationに応答して、前記端末のために前記ネットワークデバイスによって構成される、
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記端末によって、前記第3のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析する前記ステップが、
前記端末によって、第3のトランスポート層数のアンテナを使用して、前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し、前記ダウンリンク信号をフィルタリングおよび増幅し、受信無線周波数経路の第3のトランスポート層数を使用して前記ダウンリンク信号をベースバンド信号に変換し、前記第3のトランスポート層数を使用して前記ベースバンド信号に対してレイヤマッピングの逆プロセスを実行するステップ
を特に含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、アップリンクデータ送信プロセスにおいて前記MIMOシステムによって使用されるトランスポート層の数は、第4のトランスポート層数であり、
前記第1のメッセージが第5のトランスポート層数をさらに搬送し、前記第5のトランスポート層数が前記第4のトランスポート層数より少なく、
前記第2のメッセージが、前記アップリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するためにさらに使用され、前記第2のメッセージが第6のトランスポート層数をさらに搬送し、前記第6のトランスポート層数が前記第5のトランスポート層数以下であり、
前記方法が、前記端末によって、前記第6のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスにアップリンク信号を送信するステップをさらに含む、方法。
【請求項16】
メモリと1つまたは複数のプロセッサとを備える端末であって、前記メモリが前記1つまたは複数のプロセッサに結合され、前記メモリがコンピュータプログラムコードを記憶するように構成され、前記コンピュータプログラムコードがコンピュータ命令を含み、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記端末が、
第1のシナリオを認識し、第1のメッセージを前記ネットワークデバイスに送信することであって、前記第1のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を減らすように前記ネットワークデバイスに要求するために使用され、前記第1のメッセージが第2のトランスポート層数を搬送し、前記第2のトランスポート層数が第1のトランスポート層数未満であり;前記第1のトランスポート層数が、前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて前記端末および前記ネットワークデバイスによって使用されるトランスポート層の数である、ことと、
前記ネットワークデバイスによって送信された第2のメッセージを受信することであって、前記第2のメッセージが前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるトランスポート層の数を構成するために使用され、前記第2のメッセージが第3のトランスポート層数を搬送し、前記第3のトランスポート層数が前記第2のトランスポート層数以下である、ことと、
前記第3のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析することと
を実行することを可能にするために前記コンピュータ命令を呼び出す、端末。
【請求項17】
前記第1のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する、前記端末のデータ送信速度が第1の閾値未満である、前記ネットワークデバイスによって送信され、前記端末によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きい、前記端末の画面がオフ、前記端末が「省電力モード」に入る、前記端末が非充電状態にある、または前記端末の温度が第3の閾値より高い、の1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項16に記載の端末。
【請求項18】
前記端末によって第1のシナリオを前記認識することが、前記端末によって、ホーム画面内の前記第1のアプリケーションのアイコンに作用するユーザ操作を受信すること、前記端末によって、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが前記第2の閾値未満であることを検出すること、前記端末によって、前記画面がオンであるときに、事前設定された持続時間内にユーザ操作を受信しないこと、前記端末によって、前記画面がオンであるときに電源キーに作用する押下操作を受信すること、または前記端末によって、「省電力モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信すること、の1つまたは複数を特に含む、
請求項17に記載の端末。
【請求項19】
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記端末が、
前記ネットワークデバイスによって送信された前記ダウンリンク信号が受信され、前記第3のトランスポート層数に基づいて解析された後、前記第1のシナリオに対応する第2のシナリオを認識し、第3のメッセージを前記ネットワークデバイスに送信することであって、前記第3のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を復元するように前記ネットワークデバイスに要求するために使用される、ことと、
前記ネットワークデバイスによって送信された第4のメッセージを受信することであって、前記第4のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するために使用され、前記第4のメッセージが、前記第1のトランスポート層数を搬送する、ことと、
前記第1のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析することと
を実行することを可能にするために前記コンピュータ命令を呼び出すようにさらに構成される、請求項16から18のいずれか一項に記載の端末。
【請求項20】
前記第2のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが前記第1のアプリケーションではない、前記端末のデータ送信速度が第4の閾値より大きい、前記ネットワークデバイスによって送信され、前記端末によって受信された信号の強度が第5の閾値より小さい、前記端末の画面がオン、前記端末が「性能モード」に入る、前記端末が充電状態にある、または前記端末の温度が第6の閾値より低い、の1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項19に記載の端末。
【請求項21】
前記端末によって、前記第1のシナリオに対応する第2のシナリオを前記認識することが、前記端末によって、前記第1のアプリケーションを実行する前記プロセスで前記第1のアプリケーションを終了するためのユーザ操作を受信すること、前記端末によって、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが前記第5の閾値未満であることを検出すること、前記端末によって、前記画面がオフであるときに電源キーに作用する押下操作を受信すること、または前記端末によって、「性能モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信すること、の1つまたは複数を特に含む、
請求項20に記載の端末。
【請求項22】
前記端末が前記第2のメッセージを受信する時間と前記端末が前記第2のシナリオを認識する時間との間の持続時間が、前記第1の持続時間以上である、
請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで前記第1のアプリケーションを実行することを含み、前記端末がフォアグラウンドで前記第1のアプリケーションを実行し始める時間と、前記端末が前記第1のシナリオを認識する時間との間の持続時間が、第2の持続時間以上である、請求項16から22のいずれか一項に記載の端末。
【請求項24】
前記第1のメッセージが支援メッセージUE assistance information messageであり、前記第2のトランスポート層数が前記支援メッセージのreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドで搬送される、
請求項16から23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項25】
前記第2のメッセージが無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、前記第3のトランスポート層数が、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationのMaxMimoLayerNumフィールドで搬送される、
請求項16から23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項26】
前記第3のメッセージが支援メッセージUE assistance information messageであり、前記第3のメッセージがreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドを含まない、
請求項19から23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項27】
前記第4のメッセージが無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、前記第4のメッセージで搬送される前記第1のトランスポート層数が、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationのMaxMimoLayerNumフィールドで搬送される、
請求項19から23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項28】
前記第1のトランスポート層数が、前記端末によって送信された能力メッセージUE capability informationに応答して、前記端末のために前記ネットワークデバイスによって構成される、
請求項16から27のいずれか一項に記載の端末。
【請求項29】
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記端末が、
第3のトランスポート層数のアンテナを使用して、前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し、前記ダウンリンク信号をフィルタリングおよび増幅し、受信無線周波数経路の第3のトランスポート層数を使用して前記ダウンリンク信号をベースバンド信号に変換し、前記第3のトランスポート層数を使用して前記ベースバンド信号に対してレイヤマッピングの逆プロセスを実行すること
を実行することを可能にするために前記コンピュータ命令を呼び出すようにさらに構成される、請求項16から28のいずれか一項に記載の端末。
【請求項30】
アップリンクデータ送信プロセスにおいて前記端末および前記ネットワークデバイスによって使用されるトランスポート層の数が、第4のトランスポート層数であり、
前記第1のメッセージが第5のトランスポート層数をさらに搬送し、前記第5のトランスポート層数が前記第4のトランスポート層数より少なく、
前記第2のメッセージが前記アップリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するためにさらに使用され、前記第2のメッセージが第6のトランスポート層数をさらに搬送し、前記第6のトランスポート層数が前記第5のトランスポート層数以下であり、
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記端末が前記第6のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスにアップリンク信号を送信することを実行することを可能にするために前記コンピュータ命令を呼び出すようにさらに構成される、請求項16から29のいずれか一項に記載の端末。
【請求項31】
命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が電子機器上で動作すると、前記電子機器は請求項1から15のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、コンピュータプログラム製品。
【請求項32】
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が電子機器上で実行されると、前記電子機器が請求項1から15のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本願に組み入れられる、「データストリームの量を調整するための方法、端末、およびMIMOシステム」と題される2020年6月16日付で中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第202010549263.3号の優先権を主張する。
【0002】
本出願の実施形態は、移動通信技術に関し、特に、多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output、MIMO)システム、端末、およびMIMOシステムにおいてデータストリームの量を調整するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
MIMOとは、複数のアンテナを用いて送信端と受信端とでそれぞれ信号を送受信する技術をいう。MIMOは、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システム、第5世代モバイルネットワーク(5th generation mobile network、5 G)システム、およびその後に開発されたモバイルMIMOシステムなどで広く使用されている。
【0004】
モバイルMIMOシステムでは、MIMO技術は、空間リソースを最大限に利用し、チャネル容量および通信品質を改善することができるが、端末の電力消費を増加させる。端末の電力消費は、ユーザ体験に影響を及ぼす重要な要因である。MIMO技術を使用するプロセスにおいて、ユーザ体験を向上させるために、信号送信速度を保証しながら端末の電力消費を最小化する方法は、当業者の研究方向である。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、端末のデータ送信速度の要件を満たしながら、端末の電力消費を低減し、端末の待機時間を延長するために、データストリームの量を調整するための方法、端末、およびMIMOシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、端末側に適用されるデータストリームの量を調整するための方法を提供する。MIMOシステムは、端末およびネットワークデバイスを含み、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてMIMOシステムによって使用されるトランスポート層の数は、第1のトランスポート層数である。本方法は、端末が第1のシナリオを認識し、ネットワークデバイスに第1のメッセージを送信することであって、第1のメッセージが、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を減らすようにネットワークデバイスに要求するために使用され、第1のメッセージが第2のトランスポート層数を搬送し、第2のトランスポート層数が第1のトランスポート層数より少ないことと、端末が、ネットワークデバイスによって送信された第2のメッセージを受信することであって、第2のメッセージが、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるトランスポート層の数を構成するために使用され、第2のメッセージが第3のトランスポート層数を搬送し、第3のトランスポート層数が第2のトランスポート層数以下であることと、端末が、第3のトランスポート層数に基づいてネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析することとを含む。
【0007】
第1の態様を参照すると、1つのトランスポート層は1つのデータストリームに対応し、異なるトランスポート層は異なるデータストリームを区別する。第1の態様による方法を実施することによって、端末は、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を適応的かつ動的に調整するために、端末の動作状態に基づいて、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層(layer)の数をネットワークデバイスと能動的に交渉することができる。データストリームの量を調整するためのこの方法は、端末のデータ送信速度の要件を満たしながら、ユーザ体験に影響を与えることなく、端末の電力消費を低減し、端末の待機時間を延長することができる。
【0008】
第1の態様を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のシナリオは、端末のデータ送信速度の要件を満たすために少量のデータストリームのみが必要とされるシナリオである。第1のシナリオは、以下のうちの1つまたは複数の組み合わせを含むことができる。イベントA:端末がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する;イベントB:端末のデータ送信速度が第1の閾値未満である;イベントC:ネットワークデバイスによって送信され、端末によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きい;イベントD:端末の画面がオフ;イベントE:端末が「省電力モード」に入る;イベントF:端末が非充電状態にある;およびイベントG:端末の温度が第3の閾値より高い。
【0009】
いくつかの実施形態では、端末が第1のシナリオを認識することは、端末が、ホーム画面内の第1のアプリケーションのアイコンに作用するユーザ操作を受信すること、端末が、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが第2の閾値未満であることを検出すること、端末が、画面がオンであるときに、事前設定された持続時間内にユーザ操作を受信しないこと、端末が、画面がオンであるときに電源キーに作用する押下操作を受信すること、または端末が、「省電力モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信すること、の1つまたは複数を特に含む。
【0010】
第1の態様を参照すると、いくつかの実施形態では、端末は、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数をさらに復元することができる。具体的には、ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号が受信され、第3のトランスポート層数に基づいて解析された後、端末は、第1のシナリオに対応する第2のシナリオをさらに認識し、ネットワークデバイスに第3のメッセージを送信することができ、第3のメッセージは、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を復元するようにネットワークデバイスに要求するために使用され、次に、端末は、ネットワークデバイスによって送信された第4のメッセージをさらに受信することができ、第4のメッセージは、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するために使用され、第4のメッセージは、第1のトランスポート層の数を搬送し、次に、端末は、第1のトランスポート層数に基づいてネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析する。このようにして、ダウンリンクデータストリームの量は、第2のシナリオにおける端末のデータ送信速度の要件を満たし、ユーザ体験を改善するように、柔軟に調整することができる。
【0011】
第2の態様を参照すると、いくつかの実施形態では、第2のシナリオは、端末のデータ送信速度の要件を満たすためにより多くのデータストリームが必要とされるシナリオである。第2のシナリオは、端末がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが第1のアプリケーションではない、端末のデータ送信速度が第4の閾値より大きい、ネットワークデバイスによって送信され、端末によって受信された信号の強度が第5の閾値より小さい、端末の画面がオン、端末が「性能モード」に入る、端末が充電状態にある、端末の温度が第6の閾値より低い、の1つまたは複数の組み合わせを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、端末が第1のシナリオに対応する第2のシナリオを認識することは、以下のうちの1つまたは複数を特に含む。イベントa:端末がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが第1のアプリケーションではない;イベントb:端末のデータ送信速度が第4の閾値より大きい;イベントc:ネットワークデバイスによって送信され、端末によって受信された信号の強度が第5の閾値より小さい;イベントd:端末の画面がオン;イベントe:端末が「性能モード」に入る;イベントf:端末が充電状態にある;およびイベントg:端末の温度が第6の閾値より低い。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のシナリオは、デフォルトで端末によって事前設定されてもよく、またはユーザによって独立して設定されてもよい。第1のシナリオが決定された後、第1のシナリオに対応する第2のシナリオもまた決定される。
【0014】
例えば、低速シナリオが端末にイベントAが発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは端末にイベントaが発生するシナリオである。低速シナリオが端末にイベントBが発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは端末にイベントbが発生するシナリオである。
【0015】
低速シナリオが、イベントAおよびイベントBが端末に同時に発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは、イベントaおよびイベントbのいずれか1つまたは複数が端末に発生するシナリオである。低速シナリオがイベントBおよびイベントCが端末に同時に発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは、イベントbおよびイベントcのいずれか1つまたは複数が端末に発生するシナリオを含む。
【0016】
低速シナリオがイベントA、イベントB、イベントC、イベントE、およびイベントFが端末に同時に発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは、イベントa、イベントb、イベントc、イベントe、およびイベントfのうちのいずれか1つまたは複数が端末に発生するシナリオである、などである。
【0017】
いくつかの実施形態では、端末が第2のメッセージを受信する時間と、端末が第2のシナリオを認識する時間との間の持続時間は、第1の持続時間以上である。MIMOシステムによるダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量の2つの連続した調整間の間隔は、第1の持続時間以上である。これにより、端末が低速シナリオと高速シナリオとの間で頻繁に切り替わる状況を防止することができ、その結果、MIMOシステムは、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてデータストリームの量を頻繁に調整しない。
【0018】
いくつかの特定の実施形態では、第2のメッセージを受信すると、端末は、第1の持続時間のタイマ(timer)を開始し、タイマが満了したときに現在のシナリオが第2のシナリオであるかどうかの認識を開始することができる。
【0019】
第1の態様に関連して、いくつかの実施形態では、第1のシナリオが、端末がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行することを含む場合、端末がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行し始める時間と、端末が第1のシナリオを認識する時間との間の持続時間は、第2の持続時間以上である。これにより、端末が第1のアプリケーションをフォアグラウンドで実行し始めるときに第2の持続時間にダウンストリームデータストリームの量が減少しないことを確実にすることができ、端末が第2の持続時間により高いデータ送信速度を有することを確実にすることができ、それによってユーザ体験が改善される。
【0020】
特定の実施形態では、フォアグラウンドで第1のアプリケーション(例えば、ホーム画面内の第1のアプリケーションのアイコンをクリックするためのユーザのタッチ操作を受信すること)の実行を開始するとき、端末は、第2の持続時間のタイマ(timer)を開始し、タイマが満了したときに現在のシナリオが第1のシナリオであるかどうかを認識することができる。
【0021】
第1の態様を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のメッセージは支援メッセージUE assistance information messageであり、第2のトランスポート層数は支援メッセージのreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドで搬送される。
【0022】
第1の態様を参照すると、いくつかの実施形態では、第2のメッセージは無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、第3のトランスポート層数は、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationのMaxMimoLayerNumフィールドで搬送される。
【0023】
いくつかの実施形態では、第3のメッセージは支援メッセージUE assistance information messageであり、第3のメッセージはreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドを含まない。
【0024】
いくつかの実施形態では、第4のメッセージは無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、第1のトランスポート層数は、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationの最大トランスポート層数MaxMimoLayerNumフィールドで搬送される。
【0025】
第1の態様を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のトランスポート層数は、端末によって送信された能力メッセージUE capability informationに応答して、端末のためにネットワークデバイスによって構成される。いくつかの実施形態では、能力メッセージは、端末によってサポートされる最大数のダウンリンクトランスポート層を搬送する。端末によってサポートされるダウンリンクトランスポート層の最大数は、5G帯域をサポートするために端末によって構成されるアンテナの数以下であり、また、端末によって構成される受信無線周波数経路の数以下である。
【0026】
第1の態様に関して、特定の例では、第1のトランスポート層数は4であってもよく、第2のトランスポート層数は2であってもよく、第3のトランスポート層数は2であってもよい。
【0027】
第1の態様を参照すると、いくつかの実施形態では、端末が第3のトランスポート層数に基づいてネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析することは、具体的には、端末が、第3のトランスポート層数のアンテナを使用して、ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し、ダウンリンク信号をフィルタリングおよび増幅し、受信無線周波数経路の第3のトランスポート層数を使用してダウンリンク信号をベースバンド信号に変換し、第3のトランスポート層数を使用してベースバンド信号に対してレイヤマッピングの逆プロセスを実行することを含む。
【0028】
第1の態様を参照すると、いくつかの実施形態では、MIMOシステムは、端末の動作状態に基づいて、アップリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数をさらに削減することができる。
【0029】
具体的には、アップリンクデータ送信プロセスにおいてMIMOシステムによって使用されるトランスポート層の数は、第4のトランスポート層数であり、第1のメッセージは第5のトランスポート層数をさらに搬送し、第5のトランスポート層数は第4のトランスポート層数より少なく;第2のメッセージは、アップリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するためにも使用され、第2のメッセージは第6のトランスポート層数をさらに搬送し、第6のトランスポート層数は第5のトランスポート層数以下である。次に、端末は、第6のトランスポート層数に基づいてネットワークデバイスにアップリンク信号を送信することができる。
【0030】
このようにして、端末は、アップリンクデータ送信プロセスでデータストリームの量を適応的かつ動的に調整するために、端末の動作状態に基づいて、アップリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数をネットワークデバイスと能動的に交渉することができる。データストリームの量を調整するためのこの方法は、端末のデータ送信速度の要件を満たしながら、ユーザ体験に影響を与えることなく、端末の電力消費を低減し、端末の待機時間を延長することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、端末は、アップリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数をさらに復元することができる。具体的には、端末によって送信された第3のメッセージは、アップリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を復元するようにネットワークデバイスに要求するためにさらに使用され;端末によって受信された第4のメッセージは、アップリンクデータ送信プロセスにおけるトランスポート層の数を構成するためにさらに使用され、第4のメッセージは第4のトランスポート層の数を搬送する。次に、端末は、第4のトランスポート層数に基づいてネットワークデバイスにアップリンク信号を送信することができる。このようにして、アップリンクデータストリームの量は、第2のシナリオにおける端末のデータ送信速度の要件を満たし、ユーザ体験を改善するように、柔軟に調整することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のメッセージは支援メッセージUE assistance information messageであり、第5のトランスポート層数は支援メッセージのreducedMIMO-LayerFRI-ULフィールドで搬送される。
【0033】
いくつかの実施形態では、第2のメッセージは無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、第6のトランスポート層数は、物理アップリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPUSCH-serving cell configurationの最大トランスポート層数MaxMimoLayerCntフィールドで搬送される。
【0034】
いくつかの実施形態では、第3のメッセージは支援メッセージUE assistance information messageであり、第3のメッセージはreducedMIMO-LayerFRI-ULフィールドを含まない。
【0035】
いくつかの実施形態では、第4のメッセージは無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、第4のトランスポート層数は、物理アップリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPUSCH-serving cell configurationの最大トランスポート層数MaxMimoLayerNumフィールドで搬送される。
【0036】
いくつかの実施形態では、第4のトランスポート層数は、端末によって送信された能力メッセージUE capability informationに応答して、端末のためにネットワークデバイスによって構成される。いくつかの実施形態では、能力メッセージは、端末によってサポートされる最大数のアップリンクトランスポート層を搬送する。端末によってサポートされるアップリンクトランスポート層の最大数は、5G帯域をサポートするために端末によって構成されるアンテナの数以下であり、また、端末によって構成される受信無線周波数経路の数以下である。
【0037】
特定の例では、第4のトランスポート層数は2であってもよく、第5のトランスポート層数は1であってもよく、第6のトランスポート層数は1であってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、端末が第6のトランスポート層数に基づいてネットワークデバイスにアップリンク信号を送信することは、具体的には、端末が、第6のトランスポート層数を使用してベースバンド信号に対してレイヤマッピングを実行し、ベースバンド信号を無線周波数信号に変換し、アップリンク信号を取得するために、受信無線周波数経路の第3のトランスポート層数を使用して無線周波数信号をフィルタリングおよび増幅し、第3のトランスポート層数のアンテナを使用してアップリンク信号を送信することを含む。
【0039】
第1の態様を参照すると、第1の態様による方法は、SAネットワーキングモードの5Gシステムに適用可能である。すなわち、端末とネットワークデバイスの両方が5G帯域をサポートし、5G帯域で動作し、ネットワークデバイスは5Gコアネットワーク(5G core network、5GC)に接続される。加えて、ネットワークデバイスはgNodeBであり、端末はNRリンクを使用してネットワークデバイスと通信する。
【0040】
第1の態様を参照すると、第1の態様による方法は、LTEシステムに適用可能である。LTEシステムでは、端末とネットワークデバイスの両方が4G帯域をサポートし、4G帯域で動作し、ネットワークデバイスはEPCに接続される。加えて、ネットワークデバイスはeNodeBであり、端末はLTEリンクを使用してネットワークデバイスと通信する。
【0041】
第1の態様を参照すると、第1の態様による方法は、移動通信の将来の開発におけるMIMOシステムにさらに適用可能であり、本出願の実施形態に制限は課されない。
【0042】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、1つまたは複数のプロセッサと1つまたは複数のメモリとを含む端末を提供する。1つまたは複数のメモリは、1つまたは複数のプロセッサに接続される。1つまたは複数のメモリは、コンピュータプログラムコードを記憶するように構成される。コンピュータプログラムコードはコンピュータ命令を含み、1つまたは複数のプロセッサがコンピュータ命令を実行すると、端末は、第1の態様または第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0043】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は、コンピュータ命令を含むコンピュータ記憶媒体を提供し、コンピュータ命令が端末上で実行されると、通信装置は、第1の態様または第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0044】
第4の態様によれば、本出願の実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品が実行されると、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つによる方法を実行することができる。
【0045】
第5の態様によれば、本出願の一実施形態は、端末およびネットワークデバイスを含むMIMOシステムを提供し、端末は、第2の態様による端末であり得る。
【0046】
本出願の実施形態による技術的解決策を実施することにより、端末は、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてデータストリームの量を適応的かつ動的に調整するために、端末の動作状態に基づいて、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数をネットワーク装置と能動的に交渉することができる。データストリームの量を調整するためのこの方法は、端末のデータ送信速度の要件を満たしながら、ユーザ体験に影響を与えることなく、端末の電力消費を低減し、端末の待機時間を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1A】ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるネットワークデバイスによる情報の処理に関与するハードウェアの概略図である。
【
図1B】ダウンリンクデータ送信プロセスにおける端末による情報の処理に関与するハードウェアの概略図である。
【
図2】本出願の一実施形態によるMIMOシステムの構造の概略図である。
【
図3A】本出願の一実施形態による端末のハードウェアアーキテクチャの概略図である。
【
図3B】本出願の一実施形態による端末のソフトウェアアーキテクチャの概略図である。
【
図3C】本出願の実施形態によるネットワークデバイスのハードウェア構成の概略図である。
【
図4A】本出願の一実施形態による端末上に実装されたユーザインターフェースを示す。
【
図4B】本出願の一実施形態による端末上に実装されたユーザインターフェースを示す。
【
図4C(1)】本出願の一実施形態による端末上に実装されたユーザインターフェースを示す。
【
図4C(2)】本出願の一実施形態による端末上に実装されたユーザインターフェースを示す。
【
図5】本出願の一実施形態によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための方法の概略フローチャートである。
【
図6A】実施形態1によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための時間ノードの概略図である。
【
図6B】実施形態1によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための時間ノードの概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための方法の概略フローチャートである。
【
図8A】実施形態2によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための時間ノードの概略図である。
【
図8B】実施形態2によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための時間ノードの概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための方法の概略フローチャートである。
【
図10A】実施形態3によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための時間ノードの概略図である。
【
図10B】実施形態3によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための時間ノードの概略図である。
【
図11】本出願の一実施形態によるMIMOシステムにおいてダウンリンクデータストリームの量を調整するための方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本出願の実施形態の技術的解決策を添付の図面を参照しながら明確に詳述する。本出願の説明においては、特に指示しない限り、「/」は「または」を表し、例えば、A/BはAまたはBを表すことができる。本明細書における「および/または」は、関連付けられる対象を記述する場合の結合関係を記述するにすぎず、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合、の3つ場合を表し得る。加えて、本出願の実施形態の説明において、「複数」は、2つ以上を指す。
【0049】
以下、「第1」および「第2」という用語は、説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を暗示するか、または示された技術的特徴の量を暗示すると解釈することはできない。したがって、「第1」または「第2」で定義された特徴は、明示的または暗黙的に1つまたは複数の特徴を含むことができ、本出願の実施形態の説明では、特に明記しない限り、「複数の」は2つ以上を意味する。
【0050】
MIMO技術は、移動通信の分野におけるアップリンクデータ送信およびダウンリンクデータ送信に適用可能である。ダウンリンクデータ送信量は、通常、アップリンクデータ送信量よりはるかに大きい。本出願の以下の実施形態は、主にダウンリンクデータ送信プロセスにおけるMIMO技術の適用を例にして説明される。以下の実施形態で言及されるダウンリンクデータ送信プロセスはすべて、MIMO技術に基づくダウンリンクデータ送信プロセス、すなわち、MIMOシステムで実行されるダウンリンクデータ送信プロセスである。
【0051】
ダウンリンクデータ送信プロセスは、ネットワークデバイス(例えば、基地局)および端末によって共同で完了される必要がある。ダウンリンクデータ送信プロセスでは、ネットワークデバイスは信号送信端であり、端末は信号受信端である。端末は、ユーザ機器(user equipment、UE)とも呼ばれる場合がある。ネットワークデバイスは、元のデータストリームを、複数の送信アンテナから同時にそれぞれ送信される並列信号のいくつかの経路に変換し、受信端の複数の受信アンテナが信号を受信し、信号を解析して元の信号を復元する。このプロセスでは、複数のデータストリームが無線で並列に送信され得る。
【0052】
ダウンリンクデータ送信プロセスでは、ネットワークデバイスは、元のデータがネットワークデバイスと端末との間の無線空間チャネルで送信され得ることを保証するために、端末に送信される元のデータを処理する必要がある。
図1Aは、元のデータを処理するプロセスにおいてネットワークデバイスによって使用されるデバイスを示す。処理は、主に、ベースバンド処理および無線周波数処理を含む。
【0053】
第1に、ベースバンド処理は、ベースバンド集積回路(ベースバンドプロセッサ)(baseband integrated circuits,BBIC)によって実行される物理層アルゴリズム、上位層プロトコルの処理、マルチモード相互運用性の実現などを主に含む。ベースバンド処理は、以下を含むことができる。
【0054】
1.スクランブル(scrambling)
スクランブリングは、符号語(codeword)およびスクランブリングコードシーケンスに対する計算を指し、データ間の干渉をランダム化するために使用され、干渉に抵抗することができる。符号語は、チャネル符号化およびインタリーブ後に得られるビットストリームである。ビットストリームは、ネットワークデバイスによって元のデータ(例えば、写真、テキスト、ウェブページ、またはビデオ)を処理することによって得られる。
【0055】
2.変調(modulation)
変調は、ビットストリームを複素平面にマッピングするプロセスであり、複素変調とも呼ばれる。
【0056】
3.レイヤマッピング(layer mapping)
レイヤマッピングは、特定の規則に基づいて変調ビットストリームを並べ替え、互いに独立した符号語を空間トランスポート層(layer)にマッピングすることである。符号語の数とlayerの数とは必ずしも同じではないため、レイヤマッピングが必要である。1つのlayerは1つのデータストリームに対応し、異なるlayerは異なるデータストリームを区別する。すなわち、データストリームは、1つのlayerで送信されるデータを指す。layer数は、MIMOチャネル行列のランク(rank)以下である。
【0057】
4.プリコーディング
プリコーディングは、ダイバーシティまたは多重化の目的で、各層によって出力されたデータを異なるアンテナポート(antenna port)にマッピングすることである。
【0058】
5.リソースマッピングおよび直交周波数分割多重化(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)信号の生成
リソースマッピングとは、プリコーディングされたデータを、決定された各アンテナポート上のサブキャリアおよびタイムスロットで構成される2次元物理リソース要素(resource element、RE)にマッピングすることを指す。
【0059】
無線周波数処理は、主に、ベースバンド信号と、無線周波数集積回路(無線周波数プロセッサ)(radio frequency integrated circuits、RFIC)によって実行される無線周波数信号との間の変換を含む。無線周波数プロセッサは、ベースバンドプロセッサによって出力されたベースバンド信号を無線周波数信号に変換することができる。あるいは、無線周波数プロセッサは、変調器および復調器として実装されてもよい。
【0060】
無線周波数処理は、無線周波数フロントエンドモジュール(front end module、FEM)によって実行される信号処理をさらに含む。無線周波数フロントエンドモジュールは、電力増幅器(power amplifier、PA)、フィルタ(filter)、デュプレクサまたはマルチプレクサ(duplexerまたはmultiplexer)、低雑音増幅器(low noise amplifier、LNA)、アンテナスイッチ(switch)またはアンテナ同調モジュール(ASM)などを含み得る。ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、PAは、ベースバンドプロセッサによって出力される信号電力を増幅するように構成され、フィルタは、信号をフィルタリングするように構成される。
【0061】
次に、処理された信号は、物理アンテナおよびデュプレクサを使用して送信される。ネットワークデバイスがアンテナを使用して処理された信号を送信した後、信号は空間チャネルを介して送信され、端末の複数の物理アンテナ(antenna、ANT)によって受信される。ここで、端末によって使用される物理アンテナの数は、MIMOシステムによって交渉されるlayer数に関連する。端末によって使用される物理アンテナの数は、通常、MIMOシステムによって交渉されるlayer数に等しい。信号を受信すると、端末の物理アンテナは、信号に対してネットワークデバイスによる処理の逆のプロセスを実行する。
【0062】
図1Bは、端末が受信信号を処理するシナリオの概略図である。具体的には、端末はまず、受信信号に対して無線周波数処理を実行し、これは主に、信号をフィルタリングし、信号に対してLNAが低雑音増幅処理を実行し、無線周波数プロセッサが、無線周波数フロントエンドモジュールによって出力された無線周波数信号をベースバンド信号に変換することを含む。ここで、信号(すなわち、データストリーム)の1つのチャネルの無線周波数処理に関与するデバイス(RFIC、フィルタ、LNAなどを含む)は、無線周波数経路に結合され得る。最後に、端末は、信号に対してベースバンド逆処理を実行する。端末は、最初にOFDMの時間周波数リソースから対応するデータを読み取り、プリコーディングおよびレイヤマッピングの逆プロセスを実行し、次に復調およびデスクランブルを実行し、最後に元の情報ビットを復元する。次に、MACまたはアプリケーションなどの端末の上位層は、カプセル化方式およびソース符号化方式に基づいて元の情報ビットの意味を読み取り、ネットワークデバイスによって送信された元のデータ(写真、テキスト、ウェブページ、ビデオ、またはオーディオなど)を復元することができる。
【0063】
ダウンリンクデータ転送プロセスでは、layer数が多いほど、端末がネットワークデバイスによって送信された信号を受信するときに使用される物理アンテナの数が多く、信号を処理するために使用される受信無線周波数経路の数が多いことを示すことが理解されよう。受信無線周波数経路は、フィルタ、LNA、無線周波数プロセッサ(RFIC)などを含み得る。
図1Bに示されるように、layer数が4である場合、端末は、異なるデータストリームを受信するために4つのアンテナ(ANT1からANT4)を使用することができる。ANT1によって受信された1つのデータストリームは、Rx_l_Aを含む受信無線周波数経路によって処理され、ANT2によって受信された1つのデータストリームは、Rx_l_Bを含む受信無線周波数経路によって処理され、ANT3によって受信された1つのデータストリームは、Rx_2_Aを含む受信無線周波数経路によって処理され、ANT4によって受信された1つのデータストリームは、Rx_2_Bを含む受信無線周波数経路によって処理される。layer数が2である場合、端末は、4つのアンテナ(ANT1からANT4)を使用してデータストリームを受信することができる。ANT1およびANT2は一方のデータストリームを受信し、ANT3およびANT4は他方のデータストリームを受信する、または、端末は、それぞれ2つのアンテナANT1およびANT2を用いて異なるデータストリームを受信してもよく、各アンテナがデータストリームを受信した後、データストリームは処理のために対応する受信無線周波数経路に送信される。
【0064】
layer数は、主に、端末によって使用される受信アンテナの数、使用される受信無線周波数経路の数、ならびにベースバンド処理におけるレイヤマッピングおよびプリコーディングの逆プロセスを含む、ダウンリンクデータ送信プロセスにおける端末のデータ処理に影響を及ぼし得ることが分かる。
【0065】
明らかに、ダウンリンクデータ送信プロセスでは、データストリームの数が多いほど、layer数が多く、端末によって使用されるアンテナおよび受信無線周波数経路の数が多く、電力消費が多いことを示す。
【0066】
既存の技術では、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの数は、通常、端末のハードウェア能力(例えば、アンテナの数および受信無線周波数経路の数)に基づいて決定される。データストリームを決定するこの方法では、高速データ送信を保証するために、端末のサポート下でダウンリンクデータを送信するためにデータストリームが、可能な限り多くのデータストリームが選択される。この方法はMIMOシステムにおける高速データ送信を満たすことができるが、実際のデータ送信要件および端末の電力消費は考慮されず、これは端末の過剰な電力消費につながり、ユーザ体験に影響を及ぼす。例えば、5GモバイルMIMOシステムでは、ネットワークデバイス(例えば、次世代NodeB(next generation NodeB、gNB))は、通常、ダウンリンクデータを送信するために端末に4つのlayerを割り当て、すなわち、端末とネットワークデバイスとの間でダウンリンクデータを送信するために4つのデータストリームが使用され得る。しかしながら、端末のダウンリンク送信速度の要件が高くないとき、例えば、オンラインテキスト読み取りのいくつかのシナリオでは、2つのデータストリームが使用されるとき、端末の実際のデータ送信の要件を満たすことができ、4つのデータストリームが使用される場合、それは過度に無駄であり、端末の電力消費を増加させる可能性がある。
【0067】
既存の技術の欠点に基づいて、本出願の以下の実施形態は、データストリームの量を調整するための方法、端末、およびMIMOシステムを提供する。
【0068】
本出願の実施形態による方法では、MIMOシステム内の端末は、データ送信速度の要件が高くないいくつかのシナリオでは、ダウンリンクおよび/またはアップリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすようにネットワークデバイスに要求することができる。加えて、データ送信速度の要件がより高いいくつかのシナリオでは、端末は、ダウンリンクおよび/またはアップリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を復元するようにネットワークデバイスにさらに要求することができる。layerの数を調整することは、データストリームの量を調整することと等価である。このようにして、端末は、ダウンリンクおよび/またはアップリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を適応的かつ動的に調整するために、端末の動作状態に基づいて、ダウンリンクおよび/またはアップリンクデータ送信プロセスで使用されるlayerの数をネットワークデバイスと能動的に交渉することができる。データストリームの量を調整するためのこの方法は、端末のデータ送信速度の要件を満たしながら、ユーザ体験に影響を与えることなく、端末の電力消費を低減し、端末の待機時間を延長することができる。
【0069】
説明を簡単にするために、以下の実施形態では、端末のデータ送信速度に対する要件が高くないシナリオを低速シナリオと呼ぶ。低速シナリオは、以下のイベントの1つまたは複数の組み合わせであり得る。イベントA:端末がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する;イベントB:端末のデータ送信速度が第1の閾値未満である;イベントC:ネットワークデバイス200によって送信され、端末によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きい;イベントD:端末の画面がオフ;イベントE:端末が「省電力モード」に入る;イベントF:端末が非充電状態にある;およびイベントG:または端末の温度が第3の閾値より高い。
【0070】
説明を簡単にするために、以下の実施形態では、端末のデータ送信速度に対する要件がより高いシナリオを高速シナリオと呼ぶ。高速シナリオは、低速シナリオに関連する。高速シナリオは、以下のイベントの1つまたは複数の組み合わせであり得る。イベントa:端末がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが第1のアプリケーションではない;イベントb:端末のデータ送信速度が第4の閾値より大きい;イベントc:ネットワークデバイス200によって送信され、端末によって受信された信号の強度が第5の閾値より小さい;イベントd:端末の画面がオン;イベントe:端末が「性能モード」に入る;イベントf:端末が充電状態にある;およびイベントg:端末の温度が第6の閾値より低い。
【0071】
後続の方法の実施形態では、低速シナリオおよび高速シナリオの具体的な意味、ならびに端末による低速シナリオおよび高速シナリオの認識方法が詳細に説明され、ここでは詳細に説明されない。
【0072】
本出願の実施形態による方法は、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システム、第5世代モバイルネットワーク(5th generation mobile network、5 G)システム、および後に開発されるモバイルMIMOシステムなどの、MIMO技術を使用するMIMOシステムに適用可能である。5Gシステムのネットワーキングモードは、スタンドアロン(standalone、SA)ネットワーキングまたは非スタンドアロン(non standalone、NSA)ネットワーキングであってもよい。
【0073】
図2は、本出願の一実施形態によるMIMOシステム10の構造の概略図である。
図2に示されるMIMOシステム10は、高周波数帯域で動作することができ、具体的には、LTEシステム、5Gシステム、新無線(NR)システム、マシンツーマシン(machine to machine、M2M)システム、ワイヤレスフィデリティ(wireless-fidelity、Wi-Fi)システムなどとすることができる。
【0074】
図2に示されるように、MIMOシステム10は、端末100とネットワークデバイス200とを含む。
【0075】
端末100は、スマートフォン(例えば、AndroidシステムまたはiOSシステムで動作する電話)、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パームトップコンピュータ、モバイルインターネットデバイス(MID、mobile Internet device)、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチまたはスマートバンド)、無線ユニット、リモートユニット、端末エージェント、モバイルクライアント、またはインターネットにアクセスすることができる別のデバイスであってもよい。端末100は、固定式または移動式であってもよい。
【0076】
ネットワークデバイス200は、進化型NodeB(evolved NodeB、eNB)、gNB、アクセスポイント(access point、AP)、送信/受信ポイント(transmit/receive point、TRP)、中央ユニット(central unit、CU)、または別のネットワークエンティティであってもよい。ネットワークデバイス200は、固定式または移動式であってもよい。
【0077】
ネットワークデバイス200は、有線または無線通信技術を使用して端末100をコアネットワークに接続する役割を担い、端末100とネットワークとの間の接続を提供する。すなわち、ネットワークデバイス200は、端末100にワイヤレスネットワークアクセスサービスを提供するように構成される。ネットワークデバイス200と端末100との間の通信には、1つまたは複数の無線通信プロトコルが使用されてもよく、通信プロトコルには、NR、LTE、LTEアドバンスト(LTE-advanced、LTE-A)、高速パケットアクセス(high speed packet access、HSPA)、およびWi-Fi 802.11a/b/g/n/acが含まれてもよいが、これらに限定されない。すなわち、ネットワークデバイス200と端末100との間の通信は、LTEリンクを使用して実行されてもよく、NRリンクを使用して実行されてもよく、Wi-Fiリンクを使用して実行されてもよい。
【0078】
無線MIMOシステム10は、MIMOシステムである。ネットワークデバイス200には大規模なアンテナアレイが設けられてもよく、端末100にもアンテナアレイが設けられてもよい。ネットワークデバイス200および端末100の複数のアンテナは、空間多重化、空間ダイバーシティ、空間分割多元接続(SDMA)、またはビームフォーミングなどのマルチアンテナ技術を使用して信号を送信することができる。
【0079】
本出願のこの実施形態では、端末100は、低速シナリオでのダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすようにネットワークデバイス200に要求するために使用され得る。加えて、端末100は、高速シナリオでのダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求するためにさらに使用され得る。ネットワークデバイス200が、端末100の要求に基づいてダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を調整(削減または復元)した後、MIMOシステムで使用されるデータストリームの数も調整される。次に、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、端末100は、ネットワークデバイス200によって送信された元のデータを取得するために、調整された数のlayerを使用して、ネットワークデバイス200から受信した信号を解析する。端末100による信号解析のプロセスについては、
図1Bおよび関連説明を参照されたい。
【0080】
ここで、低速シナリオおよび高速シナリオについては、後続の方法の実施形態の詳細な説明を参照されたい。ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて端末100がネットワークデバイス200にlayerの数を調整するように要求する方法については、後続の方法の実施形態の詳細な説明も参照され得、方法はここでは詳細に説明されない。
【0081】
本出願のこの実施形態では、ネットワークデバイス200は、端末100がダウンリンクデータ送信プロセスでlayerの数の調整を要求するメッセージを受信するように構成されてもよく、メッセージに応答して、端末100およびネットワークデバイス200によってサポートされる周波数帯域、アンテナ構成などを参照して、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるlayerの数を決定し、決定結果を端末100に通知してもよい。次に、ネットワークデバイス200は、決定されたlayerの数に基づいて送信予定の元のデータを処理し、処理された信号を端末100に送信する。ネットワークデバイス200によって元のデータを処理するプロセスについては、
図1Aおよび関連説明を参照されたい。
【0082】
以下では、本出願の実施形態による端末100およびネットワークデバイス200の構造について説明する。
【0083】
【0084】
端末100は、プロセッサ110、外部メモリインターフェース120、内部メモリ121、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)インターフェース130、充電管理モジュール140、電源管理モジュール141、バッテリ142、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオモジュール170、スピーカ170A、受信機170B、マイクロフォン170C、ヘッドセットジャック170D、センサモジュール180、キー190、モータ191、インジケータ192、カメラ193、ディスプレイ194、加入者識別モジュール(subscriber identification module、SIM)カードインターフェース195などを含み得る。センサモジュール180は、圧力センサ180A、ジャイロセンサ180B、気圧センサ180C、磁気センサ180D、加速度センサ180E、距離センサ180F、光学式近接センサ180G、指紋センサ180H、温度センサ180J、タッチセンサ180K、周囲光センサ180L、骨伝導センサ180Mなどを含み得る。
【0085】
本出願の本実施形態で示されている構造は、端末100に対する特定の限定を構成しないことが理解されよう。本出願のいくつかの他の実施形態では、端末100は、図に示されたものより多いまたは少ない構成要素を含むことができ、またはいくつかの構成要素を組み合わせることができ、またはいくつかの構成要素を分割することができ、または異なる構成要素配置を有することができる。図示の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用することによって実装され得る。
【0086】
プロセッサ110は、1つまたは複数の処理ユニットを含むことができ、例えば、プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ(application processor、AP)、モデムプロセッサ(すなわち、前述の実施形態で述べたRFIC)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、画像信号プロセッサ(image signal processor、ISP)、コントローラ、メモリ、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、ベースバンドプロセッサなどを含み得る。様々な処理ユニットは、独立したデバイスであってもよく、または1つまたは複数のプロセッサに統合されてもよい。
【0087】
コントローラは、端末100の中枢部および指令センタであってもよい。コントローラは、命令演算コードおよびタイミング信号に基づいて動作制御信号を生成し、命令を読み取り、命令の実行を制御することができる。
【0088】
命令およびデータを格納するために、プロセッサ110内にメモリがさらに配置され得る。
【0089】
USBインターフェース130は、USB標準仕様に準拠したインターフェースであり、具体的には、Mini USBインターフェース、Micro USBインターフェース、USB Type Cインターフェースなどであり得る。USBインターフェース130は、充電器を接続して端末100を充電するように構成されてもよく、端末100と周辺機器との間でデータを送信するように構成されてもよい。
【0090】
充電管理モジュール140は、充電器から充電入力を受信するように構成される。充電器は、無線充電器であり得るか、または有線充電器であり得る。
【0091】
端末100には、複数のアンテナが設けられている。端末100の無線通信機能は、アンテナ1、アンテナ2などの複数のアンテナ、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、モデムプロセッサおよびベースバンドプロセッサを使用して実装され得る。
【0092】
アンテナは、電磁波信号を送受信するように構成されている。端末100内の各アンテナは、単一または複数の通信周波数帯域をカバーするために使用され得る。例えば、端末100は、11個のアンテナを含むことができ、4個のアンテナは5GNR通信帯域をカバーし、4個のアンテナはLTE通信帯域をカバーし、2個のアンテナはWi-Fi通信帯域をカバーし、1個のアンテナはGPS通信帯域をカバーする。アンテナ利用を向上させるために、異なるアンテナが再使用されてもよい。例えば、アンテナ1は、無線ローカルエリアネットワークのダイバーシティアンテナとして再使用されてもよい。いくつかの他の実施形態において、アンテナは、チューニングスイッチと組み合わせて使用されてもよい。
【0093】
移動通信モジュール150は、端末100に適用される2G/3G/4G/5Gなどの無線通信を含む解決策を提供することができる。移動通信モジュール150は、少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、および低ノイズ増幅器(low noise amplifier、LNA)などを含み得る。移動通信モジュール150は、アンテナ1を使用して電磁波を受信し、受信された電磁波に対してフィルタリング、増幅および他の処理を実行し、復調のためにモデムプロセッサに波を送信し得る。移動通信モジュール150は、モデムプロセッサによって変調された信号をさらに増幅し、その信号を、放射のためにアンテナ1を使用して電磁波に変換し得る。いくつかの実施形態では、移動通信モジュール150の少なくともいくつかの機能モジュールは、プロセッサ110内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、移動通信モジュール150の少なくともいくつかの機能モジュールは、プロセッサ110の少なくともいくつかのモジュールとして同じデバイス内に配置されてもよい。
【0094】
モデムプロセッサは、変調器および復調器を含み得る。変調器は、送信予定の低周波数ベースバンド信号を中-高周波数信号に変調するように構成される。復調器は、受信した電磁波信号を低周波数ベースバンド信号に復調するように構成される。次に、復調器は、復調された低周波ベースバンド信号を処理のためベースバンドプロセッサに送信する。低周波数ベースバンド信号は、ベースバンドプロセッサによって処理された後、アプリケーションプロセッサに送信される。アプリケーションプロセッサは、オーディオデバイス(スピーカ170A、受信機170Bなどに限定されない)を使用して音響信号を出力し、またはディスプレイ194を使用して画像もしくはビデオを表示する。いくつかの実施形態では、モデムプロセッサは、独立したデバイスであってもよい。いくつかの他の実施形態では、モデムプロセッサは、プロセッサ110から独立していてもよく、移動通信モジュール150または別の機能モジュールと同じデバイスに配置される。
【0095】
無線通信モジュール160は、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks、WLAN)(例えば、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity、Wi-Fi)ネットワーク)、ブルートゥース(bluetooth、BT)、グローバルナビゲーションサテライトシステム(global navigation satellite system、GNSS)、周波数変調(frequency modulation、FM)、近距離無線通信(near field communication、NFC)、赤外線(infrared、IR)技術などを含む、端末100に適用される無線通信ソリューションを提供してもよい。無線通信モジュール160は、少なくとも1つの通信処理モジュールを統合した1つまたは複数のデバイスであり得る。無線通信モジュール160は、アンテナ2を使用して電磁波を受信し、電磁波信号に対して周波数変調およびフィルタ処理を行い、処理された信号をプロセッサ110に送る。無線通信モジュール160は、プロセッサ110から送信されるべき信号をさらに受信し、信号に対して周波数変調および増幅を行い、その信号を、放射のためにアンテナ2を使用して電磁波に変換し得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、端末100のアンテナ1は移動通信モジュール150に結合され、アンテナ2は無線通信モジュール160に結合され、これにより端末100は、無線通信技術を使用してネットワークおよび他のデバイス(例えば、ネットワークデバイス200)と通信し得る。無線通信技術は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(global system for mobile communications、GSM)、汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access、WCDMA)、時分割符号分割多元接続(time-division code division multiple access、TD-SCDMA)、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)、NR、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM、および/またはIR技術などを含んでもよい。GNSSは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、全地球航法衛星システム(global navigation satellite system、GLONASS)、北斗航法衛星システム(Beidou navigation satellite system、BDS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system、QZSS)、および/または、静止衛星型補強システム(satellite based augmentation systems、SBAS)を含んでもよい。
【0097】
本出願のこの実施形態では、ダウンリンクデータ送信プロセスは、アンテナおよびモデムなどの他のモジュールと協働する端末100の移動通信モジュール150によって完了されてもよく、または他のモジュールと協働する端末100の無線通信モジュール160によって完了されてもよい。
【0098】
本出願のこの実施形態では、プロセッサ110は、低速シナリオを認識し、低速シナリオでのダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすようにネットワークデバイス200に要求するメッセージを生成するように構成され得る。アンテナは、ネットワークデバイス200に、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすようにネットワークデバイス200に要求するメッセージを送信するように構成され得る。次に、アンテナは、削減後のlayerの数を示す、ネットワークデバイス200によって送信されたメッセージをさらに受信することができる。ここで、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすようにネットワークデバイス200に要求するためにアンテナによって送信されるメッセージ、および削減後のlayerの数を示すためにネットワークデバイス200によって送信されるメッセージの具体的な実装形態については、後続の方法実施形態の関連説明を参照されたい。ここでは詳細は説明されない。
【0099】
本出願のこの実施形態では、プロセッサ110は、高速シナリオを認識し、高速シナリオでのダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求するメッセージを生成するようにさらに構成され得る。アンテナは、ネットワークデバイス200に、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求するメッセージを送信するように構成され得る。次に、アンテナはさらに、復元後のlayerの数を示すメッセージをネットワークデバイス200から受信することができる。ここで、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求するためにアンテナによって送信されるメッセージ、および復元後のlayerの数を示すためにネットワークデバイス200によって送信されるメッセージの具体的な実装形態については、後続の方法実施形態の関連説明を参照されたい。ここでは詳細は説明されない。
【0100】
本出願のこの実施形態では、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、端末100はデータ受信端として使用され、端末100のアンテナは、ネットワークデバイス200によって送信された信号を受信するように構成され得る。端末100のモデムプロセッサ、受信無線周波数経路(RFIC、フィルタ、LNAなどを含む)、およびベースバンドプロセッサは、信号を協働して解析するようにさらに構成される。信号を解析するプロセスについては、
図1Bの前述の関連説明を参照されたい。
【0101】
端末100は、GPU、ディスプレイ194、アプリケーションプロセッサなどを使用することによって表示機能を実現する。GPUは、画像処理のためのマイクロプロセッサであり、ディスプレイ194をアプリケーションプロセッサに接続する。GPUは、グラフィックスのレンダリングのために数学的および幾何学的計算を行うように構成される。プロセッサ110は1つまたは複数のGPUを含んでよく、1つまたは複数のGPUは、プログラム命令を実行して表示情報を生成または変更する。
【0102】
ディスプレイ194は、画像、ビデオなどを表示するように構成される。いくつかの実施形態では、端末100は1つまたはN個のディスプレイ194を含んでよく、Nは1より大きい正の整数である。
【0103】
内部メモリ121は、コンピュータ実行可能プログラムコードを記憶するように構成されてもよく、実行可能プログラムコードは命令を含む。プロセッサ110は、内部メモリ121に記憶された命令を実行することによって、端末100の様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行する。内部メモリ121は、プログラム記憶領域およびデータ記憶領域を含み得る。
【0104】
圧力センサ180Aは、圧力信号を感知するように構成され、圧力信号を電気信号に変換することができる。いくつかの実施形態では、圧力センサ180Aは、ディスプレイ194上に配置されてもよい。抵抗式圧力センサ、誘導式圧力センサ、静電容量式圧力センサなどの、多くのタイプの圧力センサ180Aがある。静電容量式圧力センサは、少なくとも2つの導電性材料を含む、平行なプレートを含むことができる。圧力センサ180Aに力が加えられると、電極間の静電容量が変化する。端末100は、静電容量の変化に基づいて圧力の強度を決定する。ディスプレイ194にタッチ操作が加えられると、端末100は、圧力センサ180Aに基づいてタッチ操作の強度を検出する。端末100はまた、圧力センサ180Aの検出信号に基づいて、タッチの位置を計算することができる。
【0105】
温度センサ180Jは、温度を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、端末100は、温度センサ180Jによって検出された温度を使用して温度処理ポリシーを実行する。例えば、温度センサ180Jによって報告された温度が閾値を超える場合、端末100は、温度センサ180Jの近くのプロセッサの性能を低下させて、電力消費を減らして熱保護を実施する。いくつかの他の実施形態では、温度が別の閾値未満であるとき、端末100は、バッテリ142を暖めて、低温により引き起こされる端末100の異常なシャットダウンを回避する。いくつかの他の実施形態では、温度がさらに別の閾値未満であるとき、端末100は、低温によって引き起こされる異常なシャットダウンを回避するためにバッテリ142の出力電圧を昇圧する。
【0106】
タッチセンサ180Kは、「タッチパネル」とも呼ばれる。タッチセンサ180Kはディスプレイ194に配置されてもよく、タッチセンサ180Kとディスプレイ194は、「タッチ制御画面」とも呼ばれるタッチ画面を構成する。タッチセンサ180Kは、タッチセンサ180K上またはその近くでのタッチ操作を検出するように構成される。タッチセンサは、検出されたタッチ操作を、タッチイベントタイプを決定するためにアプリケーションプロセッサに送信し得る。タッチ操作に関連する視覚出力は、ディスプレイ194を使用して提供され得る。いくつかの他の実施形態では、タッチセンサ180Kは、代替として、端末100の表面上の、ディスプレイ194の位置とは異なる位置に配置されてもよい。
【0107】
端末100のソフトウェアシステムは、階層化アーキテクチャ、イベント駆動型アーキテクチャ、マイクロカーネルアーキテクチャ、マイクロサービスアーキテクチャ、またはクラウドアーキテクチャを有することができる。本出願のこの実施形態では、端末100のソフトウェア構造は、一例として階層化アーキテクチャを伴うAndroidシステムを使用することによって示されている。
【0108】
図3Bは、本出願の一実施形態による端末100のソフトウェアアーキテクチャの概略図である。
【0109】
階層化アーキテクチャでは、ソフトウェアはいくつかの層に分割され、各層は、明確な機能および分業を有する。層は、ソフトウェアインターフェースを介して互いに通信する。一部の実施形態では、Androidシステムは、4つの層、すなわち、上から順にアプリケーション層、アプリケーションフレームワーク層、アンドロイドランタイム(Android runtime)およびシステムライブラリ、ならびにカーネル層に分割される。
【0110】
アプリケーション層は、一連のアプリケーションパッケージを含むことができる。
【0111】
図3Bに示されているように、アプリケーションパッケージは、カメラ、ギャラリー、カレンダー、電話、地図、ナビゲーション、WLAN、ブルートゥース、音楽、ビデオ、およびショートメッセージングサービスなどのアプリケーションを含み得る。
【0112】
アプリケーションフレームワーク層は、アプリケーションプログラミングインターフェース(application programming interface、API)およびアプリケーション層のアプリケーション用のプログラミングフレームワークを提供する。アプリケーションフレームワーク層は、いくつかの所定の機能を含む。
【0113】
図3Bに示されているように、アプリケーションフレームワーク層は、ウィンドウマネージャ、コンテンツプロバイダ、ビューシステム、電話マネージャ、リソースマネージャ、および通知マネージャなどを含み得る。
【0114】
ウィンドウマネージャは、ウィンドウプログラムを管理するように構成される。ウィンドウマネージャは、ディスプレイのサイズを取得し、ステータスバーがあるかどうかを決定し、画面をロックし、スクリーンショットを撮ることなどができる。
【0115】
コンテンツプロバイダは、データを記憶して取得し、アプリケーションがデータにアクセスできるようにするように構成される。データは、ビデオ、画像、オーディオ、発信および受信された通話、閲覧履歴およびブックマーク、ならびにアドレス帳などを含み得る。
【0116】
ビューシステムは、テキストを表示するための制御およびピクチャを表示するための制御などの視覚的制御を含む。ビューシステムは、アプリケーションを構築するように構成されてもよい。ディスプレイインターフェースは、1つまたは複数のビューから構成され得る。例えば、ショートメッセージングサービス通知アイコンを含むディスプレイインターフェースは、テキスト表示用のビューおよび写真表示用のビューを含み得る。
【0117】
電話マネージャは、端末100の通信機能、例えば、通話ステータスの管理(接続、切断などを含む)を提供するように構成される。
【0118】
リソースマネージャは、ローカライズされた文字列、アイコン、写真、レイアウトファイル、およびビデオファイルなど、アプリケーションのための様々なリソースを提供する。
【0119】
通知マネージャは、アプリケーションがステータスバーに通知情報を表示することを可能にし、通知タイプのメッセージを伝達するために使用され得、ユーザとの対話なしに短い一時停止後に自動的に消えることができる。例えば、通知マネージャは、ダウンロードの完了、メッセージアラートなどを通知するために使用される。通知管理はさらに、図表またはスクロールバーテキストの形態でシステムの一番上のステータスバーに現れる通知、例えば、バックグラウンドで実行中のアプリケーションの通知、またはダイアログウィンドウの形態で画面上に現れる通知であってもよい。例えば、プロンプトテキスト情報がステータスバーに提示され、警告トーンが与えられ、端末が振動し、インジケータが点滅する。
【0120】
Android Runtimeは、コアライブラリおよび仮想マシンを含む。Android runtimeは、アンドロイドシステムのスケジューリングおよび管理を担当する。
【0121】
コアライブラリは2つの部分を含み、すなわち、一方の部分はJava言語が呼び出される必要がある機能であり、他方の部分はAndroidのコアライブラリである。
【0122】
アプリケーション層およびアプリケーションフレームワーク層は、仮想マシン上で動作する。仮想マシンは、アプリケーション層およびアプリケーションフレームワーク層でJavaファイルをバイナリファイルとして実行する。仮想マシンは、オブジェクトライフサイクル管理、スタック管理、スレッド管理、セキュリティと例外管理、ガベージコレクションなどの機能を実施するために使用される。
【0123】
システムライブラリは、サーフェスマネージャ(surface manager)、メディアライブラリ(Media Libraries)、3次元グラフィックス処理ライブラリ(例えば、OpenGLES)、および2Dグラフィックスエンジン(例えば、SGL)などの複数の機能モジュールを含み得る。
【0124】
サーフェスマネージャは、表示サブシステムを管理して、複数のアプリケーションのための2D層および3D層の融合をもたらすように構成される。
【0125】
メディアライブラリは、様々な一般的に使用されるフォーマットのオーディオおよびビデオの再生および記録、静止画像ファイルなどをサポートする。メディアライブラリは、MPEG4,H.264,MP3,AAC,AMR,JPG、およびPNGなどの複数のオーディオおよびビデオ符号化フォーマットをサポートし得る。
【0126】
3次元グラフィック処理ライブラリは、3次元グラフィック描画、画像レンダリング、合成、層処理などを実施するために使用される。
【0127】
2Dグラフィックエンジンは、2D描画用の描画エンジンである。
【0128】
カーネル層は、ハードウェアとソフトウェアとの間の層である。カーネル層は、少なくともディスプレイドライバ、カメラドライバ、オーディオドライバ、およびセンサドライバを含む。
【0129】
図3Cは、本出願の一実施形態によるネットワークデバイス200の構造の概略図である。ネットワークデバイス200は、1つまたは複数のプロセッサ201、メモリ202、通信インターフェース203、移動通信モジュール205、およびアンテナ206を含み得る。これらのコンポーネントは、バス204を使用して、または別の方法で接続され得る。
図3Cでは、バスによる接続が例として使用されている。
【0130】
プロセッサ201は1つまたは複数の処理ユニットを含み得、例えば、プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ(application processor、AP)、モデムプロセッサ、コントローラ、メモリ、ベースバンドプロセッサなどを含み得る。様々な処理ユニットは、独立したデバイスであってもよく、または1つまたは複数のプロセッサに統合されてもよい。
【0131】
通信インターフェース203は、ネットワークデバイス200が端末100または他のネットワークデバイスなどの他の通信デバイスと通信することを可能にするように構成され得る。具体的には、通信インターフェース203は、5Gまたは将来の新しい無線通信インターフェースであってもよい。無線通信インターフェースに加えて、ネットワークデバイス200はまた、有線通信をサポートするための有線通信インターフェース203を備えてもよく、例えば、あるネットワークデバイス200と別のネットワークデバイスとの間のバックホールリンクは有線通信接続であってもよい。
【0132】
移動通信モジュール205は、2G/3G/4G/5Gなどの無線通信を含み、かつネットワークデバイスに適用される解決策を提供することができる。移動通信モジュール150は、少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、および低ノイズ増幅器(low noise amplifier、LNA)などを含み得る。移動通信モジュール205は、アンテナ206を使用して電磁波を受信し、受信された電磁波に対してフィルタリング、増幅および他の処理を実行し、復調のためにモデムプロセッサに波を送信し得る。移動通信モジュール205は、モデムプロセッサによって変調された信号をさらに増幅し、その信号を、放射のためにアンテナ206を使用して電磁波に変換し得る。いくつかの実施形態では、移動通信モジュール205の少なくともいくつかの機能モジュールは、プロセッサ201内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、移動通信モジュール205の少なくともいくつかの機能モジュールは、プロセッサ201の少なくともいくつかのモジュールとして同じデバイス内に配置されてもよい。
【0133】
アンテナ206は、送信回線の電磁エネルギーを自由空間の電磁波に変換するように、または自由空間の電磁波を送信回線の電磁エネルギーに変換するように構成され得る。アンテナ206は、単一のまたは複数の通信帯域をカバーするように構成され得る。例えば、アンテナ206は、5GNR通信帯、LTE通信帯、Wi-Fi通信帯、GPS通信帯などをカバーし得る。複数のアンテナ206が設けられてもよい。ネットワークデバイスのアンテナ206は、大規模アンテナアレイとして実装されてもよいことが理解されよう。
【0134】
本出願のこの実施形態では、アンテナ206は、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を調整(削減または復元)するようにネットワークデバイス200に要求するために端末100によって送信されたメッセージを受信するように構成され得る。次に、プロセッサ201は、端末100およびネットワークデバイス200によってサポートされる周波数帯域、アンテナ構成などに基づいて、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるlayerの数を決定し、アンテナ206を使用して、決定されたlayerの数を示すためのメッセージを端末100に送信することができる。
【0135】
本出願のこの実施形態では、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて、ネットワークデバイス200は、データ送信端として機能し、元のデータに対してベースバンド処理および無線周波数処理を実行する。
図1Aおよび関連する説明を参照されたい。
【0136】
メモリ202は、プロセッサ201に結合され、様々なソフトウェアプログラムおよび/または命令の複数のセットを記憶するように構成される。具体的には、メモリ202は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、1つまたは複数のディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、または別の不揮発性ソリッドステートストレージデバイスをさらに含むことができる。
【0137】
メモリ202は、オペレーティングシステム(これ以後、システムと呼ぶ)、例えば、uCOS、VxWorks、またはRTLinuxなどの組込みオペレーティングシステムを格納することができる。メモリ202は、1つまたは複数の追加のデバイス、1つまたは複数の端末デバイス、または1つまたは複数のネットワークデバイスと通信するために使用され得るネットワーク通信プログラムをさらに格納し得る。
【0138】
本出願のこの実施形態では、プロセッサ201は、コンピュータ可読命令を読み出して実行するように構成され得る。具体的には、プロセッサ201は、ネットワークデバイス200側で本出願の1つまたは複数の実施形態による方法の実施プログラムなど、メモリ202に記憶されたプログラムを呼び出し、プログラムに含まれる命令を実行するように構成され得る。
【0139】
図3Cに示されたネットワークデバイス200は、本出願のこの実施形態の一実装形態にすぎず、実際の用途では、ネットワークデバイス200は、より多くのまたはより少ない構成要素をさらに含むことができることに留意されたい。これはここでは限定されない。
【0140】
図2に示されたMIMOシステム10、
図3Aおよび
図3Bに示された端末100、および
図3Cに示されたネットワークデバイス200に基づいて、本出願のこの実施形態によるデータストリームの量を調整するための方法を以下に詳細に説明する。
【0141】
本出願のこの実施形態による方法は、低速シナリオと高速シナリオの2つのシナリオを含む。本出願のこの実施形態による方法を詳細に説明する前に、2つのシナリオを最初に説明する。
【0142】
(I)低速シナリオ
本出願のこの実施形態では、低速シナリオは、以下のイベントのいずれか1つまたは複数の組み合わせであり得る。イベントA:端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する;イベントB:端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満である;イベントC:ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きい;イベントD:端末100の画面がオフ;イベントE:端末100が「省電力モード」に入る;イベントF:端末100が非充電状態にある;およびイベントG:または端末100の温度が第3の閾値より高い。
【0143】
以下、イベントAからイベントGを1つずつ説明する。
【0144】
1.イベントA:端末100は、フォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する。
ディスプレイに表示される端末100のインターフェースを提供するアプリケーションは、フォアグラウンドで動作しているアプリケーションである。すなわち、ユーザがディスプレイ上で現在操作可能なアプリケーションは、フォアグラウンドで動作しているアプリケーションである。
【0145】
1つまたは複数の第1のアプリケーションが提供されてもよい。第1のアプリケーションは、アプリケーションの実行中の端末100の平均データ送信速度が事前設定値未満であるアプリケーションを含み得る。平均データ送信速度は、端末100が第1のアプリケーションを実行するときのダウンリンク平均データ送信速度であり得る。事前設定値は事前設定されてもよく、本出願のこの実施形態では、この事前設定値に制限は課されない。
【0146】
すなわち、第1のアプリケーションは、高いデータ送信速度が必要とされず、第1のアプリケーションのデータ送信要件を満たすために少量のデータストリームのみが必要とされるアプリケーションである。第1のアプリケーションは、端末によって事前設定されてもよく、またはネットワークから取得された情報に基づいて端末によってリアルタイムで更新されてもよい。例えば、第1のアプリケーションは、読み取り型アプリケーション、インスタントメッセージング型アプリケーション、テキスト記録型アプリケーションなどであってもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、ホワイトリストは端末100に格納されてもよく、ホワイトリストは端末100にインストールされたすべての第1のアプリケーションを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ブラックリストは端末100に格納されてもよく、ブラックリストは端末100にインストールされたすべての第1のアプリケーションを含んでもよい。このようにして、端末100は、フォアグラウンドで実行しているアプリケーションがホワイトリストに記載されているかブラックリストに記載されていないと認識した場合に、フォアグラウンドで現在実行しているアプリケーションを第1のアプリケーションと判定し得る。
【0148】
イベントAが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100が、ホーム画面内の第1のアプリケーションのアイコンをクリックするユーザのタッチ操作を受信すると、端末100はフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行し始める、すなわち、端末100にイベントAが発生する。
図4Aは、イベントAが端末100に発生するシナリオを示す。
図4Aに示されるように、端末100は、「メモ」アプリケーションのアイコンをクリックするユーザの操作に応答して、「メモ」アプリケーションをフォアグラウンドで起動および実行することができる。
【0149】
イベントAが端末100に発生したとき、すなわち、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行したとき、データ送信速度の要件は高くなく、端末100のデータ送信の要件を満たすために少量のデータストリームのみが必要とされることが理解されよう。
【0150】
2.イベントB:端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満である。
ここで、端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満であることは、以下のいずれかを指すことができる。単一の時点での端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満である、ある期間での端末100の平均データ送信速度が第1の閾値未満である、ある期間の任意の時点での端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満である、およびk回連続した端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満である。期間およびkは事前設定されてもよく、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されない。
【0151】
いくつかの実施形態では、端末100のデータ送信速度は、端末100のすべてのダウンリンクデータ送信速度など、端末100のすべてのデータ送信速度であってもよい。この場合、第1の閾値は事前設定されてもよく、本出願のこの実施形態では第1の閾値に制限は課されない。例えば、第1の閾値は500万ビット/秒(100万ビット/秒、Mbps)であってもよい。
【0152】
いくつかの他の実施形態では、端末100のデータ送信速度は、フォアグラウンドアプリケーションを実行するプロセスにおける端末100のデータ送信速度、例えば、フォアグラウンドアプリケーションを実行するプロセスにおける端末100のダウンリンクデータ送信速度であってもよい。この場合、異なるフォアグラウンドアプリケーションは、異なる第1の閾値に対応し得る。この場合、各フォアグラウンドアプリケーションに対応する第1の閾値は事前設定されてもよく、本出願のこの実施形態では第1の閾値に制限は課されない。例えば、
【0153】
表1は、いくつかのアプリケーションに対応する第1の閾値の例を示す。
【0154】
【0155】
イベントBが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100がビデオタイプのアプリケーションを実行しているとき、ユーザによって現在視聴されているビデオがバッファリングされた後、すなわち、イベントBが端末100に発生した後、端末100のデータ送信速度は第1の閾値未満であり得る。別の例では、端末100がオーディオタイプのアプリケーションを実行しているとき、ユーザがオーディオの再生を一時停止するように指示した場合、端末100のデータ送信速度は第1の閾値未満であり得る、すなわち、イベントBが端末100に発生する。
【0156】
イベントBが端末100に発生したとき、すなわち、端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満であるとき、それは、現在のシナリオにおけるデータ送信速度の要件が高くなく、端末100のデータ送信の要件を満たすために少量のデータストリームのみが必要とされることを示すことが理解されよう。
【0157】
3.イベントC:ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きい。
端末100によって受信される信号の強度は、基準信号受信電力(reference signal receiving power、RSRP)、基準信号受信品質(reference signal receiving quality、RSRQ)、および受信信号強度表示(received signal strength indication、RSSI)に基づいて測定することができる。第2の閾値は事前設定されてもよく、本出願のこの実施形態では第2の閾値に制限は課されない。
【0158】
イベントCが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100がネットワークデバイス200に近づいているとき、ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信される信号の強度は、第2の閾値より大きくてもよく、すなわち、イベントCが端末100に発生する。
【0159】
イベントCが端末100に発生したとき、すなわち、ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信された信号の強度が比較的高いとき、端末100は、ネットワークデバイスによって送信された信号を効率的に受信することができ、したがって、端末100のデータ送信の要件を満たすために必要なデータストリームは少量のみであることが理解されよう。
【0160】
4.イベントD:端末100の画面がオフである。
画面がオフであることは、端末100のディスプレイの画素の一部または全部がオフであることを意味する。
【0161】
イベントDが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。
図4Bは、端末100の画面がオフであるシナリオを示す。例えば、
図4Bに示されるように、端末100が事前設定された期間(例えば、1分または30秒)内にユーザ操作(ディスプレイに作用するタッチ操作、物理キーに作用する押圧操作、または入力される音声命令を含む)を受信しない場合、端末100は、ディスプレイのいくつかの画素をオフにする、すなわち、これらの画素への電力供給を停止し、ディスプレイ上の小さな領域のみに時間を表示することができる。
【0162】
いくつかの他の実施形態では、端末100は、ユーザ操作(例えば、電源キーの押下操作)を受信したときにディスプレイのすべての画素をさらにオフにする、すなわち、すべての画素への電力供給を停止することができる。
【0163】
明らかに、イベントDが端末100に発生したとき、すなわち、端末100の画面がオフになった後、端末100で実行されているアプリケーションのほとんどは、実行または実行の停止のためにバックグラウンドに転送される。この場合、端末100のデータ送信の要件は高くなく、要件を満たすために少量のデータストリームのみが必要とされる。
【0164】
5.イベントE:端末100が「省電力モード」に入る。
「省電力モード」は、端末の動作モードである。「省電力モード」とは、端末100が、省電力化や待機時間の延長を目的として、一連の省電力手段を実行する形態である。「省電力モード」に入った後、端末は、省電力および待機時間の延長の目的を達成するために、中央処理装置(central processing unit、CPU)の性能を低下させること、処理コアの数を減らすことなどのいくつかの不要な機能をオフにすること、画面の明るさを減らすこと、バックグラウンドで動作している不要なアプリケーション(GPS測位など)をオフにすること、送信された信号の電力を減らすこと、オーディオ再生の音量を減らすこと、Bluetooth機能を無効にすること、およびモバイルデータを無効にすることなどの一連の省電力手段を実行する。
【0165】
異なる製造業者または異なるモデルの端末の「省電力モード」に対応する省電力手段は異なっていてもよく、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されない。また、同じ端末が、異なる強度を有する複数の「省電力モード」に対応してもよく、例えば、「通常省電力モード」と、より省電力の手段を含む「超省電力モード」が含まれてもよい。
【0166】
「省電力モード」は、本実施形態で使用される一単語にすぎず、その意味は本実施形態で説明されており、その名称は本実施形態に対するいかなる制限も構成しないことが理解されよう。加えて、本出願のいくつかの他の実施形態では、「省電力モード」は、「平衡モード」などの他の用語として呼ばれることもある。
【0167】
図4C(1)から
図4C(2)は、端末100が「省電力モード」に入るシナリオを示す。
【0168】
図4cに示されるユーザインターフェースは、端末100にインストールされた「設定」アプリケーションによって提供され得る。図に示されるように、ユーザインターフェースは、2つの省電力モードにおけるスイッチ制御部、すなわち「省電力モード」のためのスイッチ制御部401と、「超省電力モード」のためのスイッチ制御部402を含む。制御装置401または制御装置402は、ユーザ操作を監視することができ、端末100は、ユーザ操作に応答して対応する省電力モードに入ることができる。例えば、
図4C(1)から
図4C(2)に示されるように、ユーザは、「省電力モード」のためのスイッチ制御部401をクリックして、端末100をトリガして「省電力モード」に入ることができる。
【0169】
イベントEが端末100に発生した後、すなわち、端末100が「省電力モード」に入った後、端末100は様々な省電力手段を実行するため、端末100のデータ送信の要件は高くなるべきではなく、要件を満たすためには少量のデータストリームのみが必要であることが理解されよう。加えて、端末100が「省電力モード」に入った後、少量のデータストリームがデータを送信するために使用され、電力消費をさらに節約することができ、これは新しい省電力手段を実行することに相当する。
【0170】
6.イベントF:端末100は非充電状態にある。
具体的には、端末100は、充電ポート(USBインターフェースなど)と周辺機器(充電器など)との間の接続状態に基づいて、端末が現在充電状態にあると判定することができる。端末100が充電状態にあるかどうかは、ユーザによって判定される。
【0171】
イベントFが端末100に発生したとき、すなわち、端末100が非充電状態にあるとき、端末100の電力を時間内に補充することができないことが理解されよう。この場合、端末100のデータ送信の要件を満たすために少量のデータストリームを使用することができ、それによって端末100の電力消費が削減される。
【0172】
7.イベントG:端末100の温度が第3の閾値より高い。
具体的には、端末100の温度は、温度センサによって収集されたデータに基づいて決定され得る。第3の閾値は、事前設定されてもよく、例えば41℃であってもよい。
【0173】
イベントGが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100が長時間にわたって高速で連続して動作している場合、または端末100が高温環境にある場合、端末100の温度が第3の閾値を超える可能性がある、すなわち、イベントGが端末100に発生する可能性がある。
【0174】
イベントGが端末100に発生したとき、すなわち、端末100の温度が第3の閾値より高いとき、温度が上昇するため、端末100はさらにより多くの電力を消費することが理解されよう。この場合、端末100のデータ送信の要件を満たすために少量のデータストリームを使用することができ、それによって端末100の電力消費が削減される。
【0175】
(II)高速シナリオ
本出願のこの実施形態では、高速シナリオは、以下のイベントのいずれか1つまたは複数の組み合わせであり得る。イベントa:端末100がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが第1のアプリケーションではない;イベントb:端末100のデータ送信速度が第4の閾値より大きい;イベントc:ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信された信号の強度が第5の閾値より小さい;イベントd:端末100の画面がオン;イベントe:端末が「性能モード」に入る;イベントf:端末100が充電状態にある;およびイベントg:端末100の温度が第6の閾値より低い。
【0176】
以下、イベントaからイベントgを1つずつ説明する。
【0177】
イベントa:端末100がフォアグラウンドで実行しているアプリケーションが第1のアプリケーションではない。
イベントaおよびイベントAは相互的なイベントであり、ここでは詳細に説明されない。
【0178】
イベントaが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100は、第1のアプリケーションを終了するためのユーザ操作を検出してもよい。
図4Aを参照すると、端末100が「メモ」アプリケーションを実行すると、ディスプレイの下から上にユーザによって入力されたスライド操作が検出され、スライド操作に応答してホーム画面が再表示され、「メモ」アプリケーションがバックグラウンドで実行される。
【0179】
イベントaが端末100に発生したとき、すなわち、端末100がフォアグラウンドで実行しているアプリケーションが第1のアプリケーションではないとき、データ送信速度の要件はより高く、端末100のデータ送信の要件を満たすためにより多くのデータストリームが必要であることが理解されよう。
【0180】
2.イベントb:端末100のデータ送信速度が第4の閾値より大きい。
イベントbはイベントBと同様であり、ここでは詳細に説明されない。ここで、第4の閾値は、イベントBにおいて第1の閾値以上である。第4の閾値は、事前設定されてもよく、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されない。
【0181】
イベントbが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100がビデオタイプのアプリケーションを実行しており、ユーザがビデオリンクを開いてビデオをオンラインで視聴するとき、端末100のデータ送信速度は第4の閾値より大きくてもよく、すなわち、イベントbが端末100に発生する。別の例では、端末100がオーディオタイプのアプリケーションを実行しているとき、ユーザがオーディオをオンラインで再生するように指示した場合、端末100のデータ送信速度は第4の閾値より大きくてもよく、すなわち、イベントbが端末100に発生する。
【0182】
イベントbが端末100に発生したとき、すなわち、端末100のデータ送信速度が第4の閾値より大きいとき、データ送信速度の要件はより高く、端末100のデータ送信の要件を満たすためにより多くのデータストリームが必要とされることが理解されよう。
【0183】
3.イベントc:ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信された信号の強度が第5の閾値未満である。
イベントcはイベントCと同様であり、ここでは詳細に説明されない。ここで、第5の閾値は、イベントCにおいて第2の閾値以下である。第5の閾値は、事前設定されてもよく、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されない。
【0184】
イベントcが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100がネットワークデバイス200から遠くに移動すると、ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信される信号の強度は、第5の閾値未満であり得る、すなわち、イベントcが端末100に発生する。
【0185】
イベントcが端末100に発生したとき、すなわち、ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信された信号の強度が比較的低いとき、端末100は、ネットワークデバイスによって送信された信号を非効率的に受信することしかできず、したがって、端末100のデータ送信の要件を満たすためにより多くのデータストリームが必要とされることが理解されよう。
【0186】
4.イベントd:端末100の画面がオンである。
画面がオンであることは、端末100のディスプレイの一部またはすべての画素が点灯していることを意味する。イベントdおよびイベントDは相互的なイベントであり、ここでは詳細に説明されない。
【0187】
イベントdが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100は、ユーザ操作(例えば、電源キーの押下操作や、端末100を持ち上げる操作など)を受信したとき、すなわち、すべての画素への電力供給を開始したとき、ディスプレイのすべての画素を点灯してもよい。別の例として、端末100は、認証された人間の顔を検出したときに、ディスプレイのすべての画素をさらに点灯してもよい。
【0188】
イベントdが端末100に発生したとき、すなわち、端末100の画面がオンであるとき、端末100の電力が増加し、この場合、端末100のデータ送信の要件も増加し、要件を満たすためにより多くのデータストリームが必要とされることが理解されよう。
【0189】
5.イベントe:端末は「性能モード」に入る。
「性能モード」は、端末の動作モードである。「性能モード」とは、端末100が電力消費を考慮せずに最適なユーザ体験を提供するための一連の手段を実行するモードを指す。「性能モード」に入った後、端末は、CPUの実行を最大化する、処理コアの数を増やす、画面の明るさを上げる、バックグラウンドでアプリケーションを実行する、送信された信号の電力を増やす、再生されるオーディオの音量を上げる、Bluetooth機能を有効化する、モバイルデータを有効化するなどの一連の手段を実行し、それによって最適なユーザ体験を提供する。
【0190】
異なる製造業者または異なるモデルの端末の「性能モード」に対応する手段は異なっていてもよく、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されない。同じ端末が、異なる強度を有する複数の「性能モード」に対応していてもよく、例えば、「通常性能モード」や、より多くの手段を含む「超性能モード」が含まれていてもよい。
【0191】
「性能モード」は、本実施形態で使用される一単語にすぎず、その意味は本実施形態で説明されており、その名称は本実施形態に対するいかなる制限も構成しないことが理解されよう。加えて、本出願のいくつかの他の実施形態では、「性能モード」は、「高速モード」などの他の用語として呼ばれることもある。
【0192】
図4C(1)から
図4C(2)を参照すると、
図4C(1)から
図4C(2)に示されるユーザインターフェースは、「性能モード」スイッチ制御部403をさらに含むことができる。制御部403は、ユーザ操作を監視してもよく、端末100は、ユーザ操作に応答して性能モードに入ってもよい。
【0193】
イベントeが端末100に発生した後、すなわち、端末100が「性能モード」に入った後、端末100は、ユーザ体験を保証するための様々な手段を実行するので、端末100のデータ送信のための要件はより高く、要件を満たすためにより多くのデータストリームが必要であることが理解されよう。加えて、端末が「省電力モード」に入った後、より多くのデータストリームがデータを送信するために使用され、ユーザ体験をさらに保証することができ、これは新しい手段を実行することに相当する。
【0194】
6.イベントf:端末100は充電状態にある。
イベントfおよびイベントFは相互的なイベントであり、ここでは詳細に説明されない。イベントfが端末100に発生したとき、すなわち、端末100が充電状態にあるとき、端末100の電力を時間内に補充することができることが理解されよう。この場合、端末100のデータ送信の要件を満たすためにより多くのデータストリームが使用され得る。
【0195】
7.イベントg:端末100の温度が第6の閾値未満である。
イベントgはイベントGと同様であり、ここでは詳細に説明されない。ここで、第6の閾値は、イベントGにおいて第3の閾値以下である。第6の閾値は、事前設定されてもよく、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されない。
【0196】
イベントgが端末100に発生する可能性のある状況は多くあり、本出願のこの実施形態ではこれに制限は課されないことが理解されよう。例えば、端末100が低速で動作しているとき、または端末100が低温環境にあるとき、端末100の温度は第3の閾値未満であり得る、すなわち、イベントgが端末100に発生し得る。
【0197】
イベントgが端末100に発生したとき、すなわち、端末100の温度が第6の閾値未満であるとき、温度によって追加の電力消費は引き起こされず、端末100のデータ送信のための要件を満たすためにより多くのデータストリームが使用され得ることが理解され得る。
【0198】
本出願の一実施形態によるMIMOシステムにおいてデータストリームの量を調整するための方法が、4つの実施形態を用いて以下に説明される。
【0199】
以下の4つの実施形態は、一例としてSAネットワーキングモードの5Gシステムにおけるダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を調整することを主に使用することによって、本出願の実施形態による技術的解決策を詳細に説明するために使用される。
【0200】
すなわち、以下の4つの実施形態では、端末100およびネットワークデバイス200から構成されるMIMOシステム10は、SAネットワーキングモードの5Gシステムであり、すなわち、端末100とネットワークデバイス200の両方が5G帯域をサポートし、5G帯域で動作し、ネットワークデバイス200は、5Gコアネットワーク(5G core network、5GC)に接続される。加えて、ネットワークデバイス200はgNodeBであり、端末100はNRリンクを使用してネットワークデバイス200と通信する。
【0201】
(I)実施形態1
実施形態1では、MIMOシステムは、端末100が低速シナリオにあるときにダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を減らし、端末100が高速シナリオにあるときにダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を復元し、それによってダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を動的に調整することができる。実施形態1では、端末のデータ送信速度の要件が満たされている間、ユーザ体験に影響を与えることなく、端末の電力消費量を低減することができ、端末の待機時間を延長することができる。
【0202】
図5は、SAネットワーキングモードの5Gシステムで実行される、MIMOシステムにおけるダウンリンクデータストリームの量を調整するための方法の概略フローチャートの一例である。
【0203】
S101:端末100は、能力メッセージ(UE capability information)をネットワークデバイス200に送信し、能力メッセージは、端末100によってサポートされる最大数のダウンリンクlayerを搬送する。
【0204】
端末100は、ネットワークにアタッチ(attach)する過程で能力メッセージを報告してもよいし、ネットワークデバイス200によって送信された能力問い合わせメッセージ(UE capability enquiry)を受信した後に能力メッセージを報告してもよい。
【0205】
端末100によってサポートされるダウンリンクlayerの最大数は、能力メッセージ内の以下の能力情報要素(information element、IE):ダウンリンクMIMO能力(MIMO-CapabilityDL-rlO)で搬送され得る。
【0206】
端末100によってサポートされるダウンリンクlayerの最大数は、端末100の受信能力に基づいて決定される。端末100の能力は、5G帯域をサポートするために端末100によって構成されたアンテナの数、端末100によって構成された受信無線周波数経路の数などを含み得る。端末100によってサポートされるダウンリンクlayerの最大数は、5G帯域をサポートするために端末100によって構成されるアンテナの数以下であり、また、端末100によって構成される受信無線周波数経路の数以下であることが理解されよう。例えば、端末100によってサポートされるダウンリンクlayerの最大数は4であり得る。
【0207】
S102:ネットワークデバイス200は、RRC再構成メッセージ(RRC reconfiguration)を端末100に送信し、RRC再構成メッセージは、第1のlayer数を搬送し、第1のlayer数は、端末100によってサポートされるダウンリンクlayerの最大数以下であり、RRC再構成メッセージは、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を構成するために使用される。
【0208】
次に、ダウンリンクデータ送信プロセスは、第1のlayer数に基づいて端末100とネットワークデバイス200との間で実行されてもよい。例えば、第1のlayer数は4であってもよい。
【0209】
S103:端末100は、低速シナリオを認識する。
【0210】
具体的には、低速シナリオは、イベントAおよびイベントBのうちのより多くの組み合わせのいずれか一方であってもよい。低速シナリオは、端末100によって事前設定されてもよいし(例えば、低速シナリオは、配信時に端末100によって事前設定されてもよい)、ユーザによって独立して設定されてもよい。
【0211】
例えば、低速シナリオは、イベントAが端末100に発生するシナリオ、すなわち、端末がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが第1のアプリケーションであるシナリオであり得る。例えば、端末100が、ホーム画面内の第1のアプリケーションのアイコンをクリックするユーザのタッチ操作を受信すると、端末100は低速シナリオを認識する。
【0212】
別の例では、低速シナリオは、イベントAおよびイベントBが端末100に同時に発生するシナリオ、すなわち、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行し、端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満であるシナリオであり得る。具体的な一例では、端末100が、ホーム画面内の第1のアプリケーションのアイコンをクリックするユーザのタッチ操作を受信し、ユーザがオーディオの再生の一時停止を指示すると、端末100は低速シナリオを認識する。
【0213】
別の例では、低速シナリオは、イベントA、イベントB、イベントC、イベントE、およびイベントFが端末100に同時に発生するシナリオであり得る、すなわち、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行し、端末100が「省電力モード」に入り、ネットワークデバイス200によって送信され、端末100によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きく、端末100が非充電状態にあり、端末100のデータ送信速度が第1の閾値未満である。特定の例では、端末100が、ホーム画面内の第1のアプリケーションのアイコンをクリックするためのユーザのタッチ操作を受信し、ユーザがオーディオの再生を一時停止するように指示し、端末100がネットワークデバイス200に近づいており、ユーザが「省電力モード」のスイッチ制御部401をクリックし、ユーザが充電ポートから充電器を取り外すと、端末100は低速シナリオを認識する。
【0214】
端末100による低速シナリオの認識方法については、(I)の低速シナリオの詳細な説明を参照されたい。本明細書において、詳細は重ねて説明されない。
【0215】
S104からS106:端末100およびネットワークデバイス200は、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を減らすように交渉する。
【0216】
S104:端末100は、第1のメッセージをネットワークデバイス200に送信し、第1のメッセージは、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすようにネットワークデバイス200に要求するために使用され、第1のメッセージは、第2のlayer数を搬送し、第2のlayer数は、端末100がダウンリンクデータ送信プロセスで使用する必要があるlayerの数であり、第2のlayer数は第1のlayer数より少ない。
【0217】
いくつかの実施形態では、第1のメッセージは、支援メッセージ(UE assistance information message)として実施され得る。支援メッセージは、無線リソース制御(radio resource control、RRC)シグナリングを介して端末100によって報告される。支援メッセージは、データ送信に使用されるlayerの数を減らすために使用され得る。プロトコルにおけるUE assistance information messageの説明は以下の通りである。
l.if the UE prefers a configuration primarilyoptimized for power saving:
2>set powerPrefindication to lowPowerConsumption;
2.else
2>start or restart T340 with the timervalUE set to the PowerprefindicationTimer;
2>set PowerprefindicationTimer to normal;
【0218】
The UE shall submit the UE AssistanceInformation message to lower layers for transmission.
【0219】
第2のlayer数は第1のlayer数より少ない。例えば、第2のlayer数は2であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のlayer数は、支援メッセージのreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドで搬送され得る。
【0220】
S105:ネットワークデバイス200は、第1のメッセージを受信し、第2のメッセージを端末100に送信し、第2のメッセージは第3のlayer数を搬送し、第3のlayer数は第2のlayer数以下であり、第2のメッセージはダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を構成するために使用される。
【0221】
すなわち、ネットワークデバイス200は、第1のメッセージに応答して、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるlayerの数を第1のlayer数から第3のlayer数に減らすことができ、それによってダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるデータストリームの量を減らすことができる。
【0222】
いくつかの実施形態では、第2のメッセージは、RRC再構成メッセージ(RRC reconfiguration)として実装され得る。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス200は、物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel、PDSCH)上で送信されたサービングセル構成メッセージ(PDSCH-serving cell configuration)内の最大layerフィールド(MaxMimoLayerNuni)内の第3のlayer数を搬送し得る。
【0223】
S106:第2のメッセージを受信した後、端末100は確認メッセージをネットワークデバイス200にフィードバックする。
【0224】
確認メッセージは、端末100がネットワークデバイス200によって送信された第2のメッセージを受信したことを示すために使用される。確認メッセージは、RRC再構成完了メッセージ(RRC reconfiguration complete)として実装されてもよい。
【0225】
S106が適宜追加可能なステップであると理解してもよい。いくつかの他の実施形態では、MIMOシステムは、S103からS105を実行した後、端末100による確認メッセージのフィードバックなしに、第3のlayer数を直接使用してダウンリンクデータを送信することができる。これにより、シグナリング相互作用を低減し、電力消費をさらに低減することができる。
【0226】
既存の標準プロトコルのシグナリングは、ステップS104からS106で端末100とネットワークデバイス200との間で送信されるメッセージ(支援メッセージ、RRC再構成メッセージ、および確認メッセージなど)に再利用することができ、その結果、既存の通信プロトコルを使用して、端末100とネットワークデバイス200との間で、本出願の実施に関与するメッセージを送信することができ、これは簡単で便利であることが理解されよう。これに限定されないが、いくつかの他の実施形態では、前述のメッセージを送信するために端末100とネットワークデバイス200との間で独自のプロトコルが代替的に使用されてもよく、本明細書では制限は課されない。
【0227】
S107からS109:端末100およびネットワークデバイス200は、削減後の交渉されたlayer数に基づいてダウンリンクデータを送信する。
【0228】
S107:ネットワークデバイス200は、第3のlayer数に基づいて、端末100に送信されるべきデータを処理して、送信予定信号を取得する。
【0229】
具体的には、端末100に送信されるデータは、テキスト、写真、ビデオ、URLなどであってもよい。本出願のこの実施形態では、これに制限は課されない。
【0230】
ネットワークデバイス200による送信予定データの処理については、
図1Aおよび前述の関連説明を参照されたい。処理は、ベースバンド処理、無線周波数処理、アンテナ送信などを含み得る。ベースバンド処理におけるlayerマッピングに含まれるlayerの数は第3のlayer数であり、無線周波数処理においてネットワークデバイス200によって使用される送信無線周波数経路の数も第3のlayer数に等しい。
【0231】
S108:ネットワークデバイス200は、送信予定信号を端末100に送信する。
【0232】
具体的には、ネットワークデバイス200は、複数のアンテナを使用して処理された送信予定信号を送信する。
【0233】
S109:端末100は、ネットワークデバイス200によって送信された信号を受信し、第3のlayer数に基づいて信号を解析する。
【0234】
具体的には、端末100は、複数のアンテナを使用して、ネットワークデバイス200によって送信された信号を受信する。いくつかの実施形態では、信号を受信するときに端末100によって使用されるアンテナの数は、第3のlayer数に等しい。例えば、第3のlayer数が2である場合、端末100は、ネットワークデバイス200によって送信された信号を受信するために2つのアンテナを使用する。
【0235】
ネットワークデバイス200によって送信された信号を受信した後、端末100によって信号を解析するプロセスは、具体的には、無線周波数処理およびベースバンド処理を含み得る。無線周波数処理に含まれる受信無線周波数経路の数は第3のlayer数に等しく、ベースバンド処理におけるlayerマッピングに含まれるlayerの数は第3のlayer数である。端末100による信号を解析する詳細な実装プロセスについては、
図1Bおよび前述の関連説明を参照されたい。
【0236】
ステップS101からS109を実行することにより、低速シナリオにあるとき、端末は、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるlayerの数を減らすようにネットワークデバイス200に要求することができ、それによってデータストリームの量を減らすことができる。これにより、端末のデータ送信速度の要件を満たしながら、ユーザ体験に影響を与えることなく、端末の電力消費を低減し、端末の待機時間を延長することができる。
【0237】
いくつかの実施形態では、MIMOシステムがステップS101からS109を実行することによってデータストリームの量を減らした後、端末100が高速シナリオにあるときに元のデータストリームの量をさらに復元することができる。すなわち、
図5の実施形態による方法は、以下のステップをさらに含むことができる。
【0238】
S110:端末100は、S103の低速シナリオに対応する高速シナリオを認識する。
【0239】
高速シナリオは、端末100によって事前設定されてもよいし(例えば、配信時に端末100によって事前設定されてもよい)、ユーザによって独立して設定されてもよい。S103の低速シナリオは、S110の高速シナリオに相当し、以下では一例として対応を説明する。
【0240】
低速シナリオが端末100にイベントAが発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは端末100にイベントaが発生するシナリオである。具体的な例では、端末100が「メモ」アプリケーションを実行するとき、ディスプレイの下から上にユーザによって入力されたスライド操作が検出された場合、高速シナリオが認識される。低速シナリオが端末100にイベントBが発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは端末100にイベントbが発生するシナリオである。特定の例では、端末100がビデオタイプのアプリケーションを実行すると、ユーザがビデオリンクを開いてビデオをオンラインで視聴する場合、高速シナリオが認識される。低速シナリオが端末100にイベントCが発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは端末100にイベントcが発生するシナリオである、などである。
【0241】
低速シナリオが、イベントAおよびイベントBが端末100に同時に発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは、イベントaおよびイベントbのいずれか1つまたは複数が端末100に発生するシナリオである。低速シナリオがイベントBおよびイベントCが端末100に同時に発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは、イベントbおよびイベントcのいずれか1つまたは複数が端末100に発生するシナリオを含む、などである。
【0242】
低速シナリオがイベントA、イベントB、イベントC、イベントE、およびイベントFが端末100に同時に発生するシナリオである場合、対応する高速シナリオは、イベントa、イベントb、イベントc、イベントe、およびイベントfのうちのいずれか1つまたは複数が端末100に発生するシナリオである、などである。
【0243】
端末100による高速シナリオの認識方法については、(II)の高速シナリオの詳細な説明を参照されたい。本明細書において、詳細は重ねて説明されない。
【0244】
S111からS113:端末100およびネットワークデバイス200は、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を復元するように交渉する。S111からS113は、layerの数を減らすためにS104からS106が使用され、layerの数を復元するためにS111からS113が使用されることを除いて、S104からS106と同様である。
【0245】
S111:端末100は、第3のメッセージをネットワークデバイス200に送信し、第3のメッセージは、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求するために使用される。
【0246】
いくつかの実施形態では、第3のメッセージは、支援メッセージ(UE assistance information message)として実施され得る。具体的には、S111で端末100によって送信された支援メッセージは、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求するために、reducedMIMO-LayerFRLDフィールドを搬送しない場合があり、またはreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドはヌルである。ここで、復元とは、ダウンリンクデータ送信処理におけるlayerの数を、削減後の第3のlayer数から削減前の第1のlayer数に復元することをいう。
【0247】
S112:ネットワークデバイス200は、第3のメッセージを受信し、第4のメッセージを端末100に送信し、第4のメッセージは第1のlayer数を搬送し、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を構成するために使用される。
【0248】
すなわち、ネットワークデバイス200は、第3のメッセージに応答して、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるlayerの数を第3のlayer数から削減前の第1のlayer数に復元することができ、それによってダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるデータストリームの量を増やすことができる。
【0249】
いくつかの実施形態では、第4のメッセージは、RRC再構成メッセージ(RRC reconfiguration)として実装され得る。
【0250】
S113:第4のメッセージを受信した後、端末100は確認メッセージをネットワークデバイス200にフィードバックする。
【0251】
確認メッセージは、端末100がネットワークデバイス200によって送信された第4のメッセージを受信したことを示すために使用される。確認メッセージは、RRC再構成完了メッセージ(RRC reconfiguration complete)として実装されてもよい。
【0252】
S113が適宜追加可能なステップであると理解してもよい。いくつかの他の実施形態では、MIMOシステムは、S113を実行した後、端末100による確認メッセージのフィードバックなしに、第1のlayer数を直接使用してダウンリンクデータを送信することができる。これにより、シグナリング相互作用を低減し、電力消費をさらに低減することができる。
【0253】
既存の標準プロトコルのシグナリングは、ステップS111からS113で端末100とネットワークデバイス200との間で送信されるメッセージ(第1のメッセージ、第2の再構成メッセージ、および確認メッセージなど)に再利用することができ、その結果、既存の通信プロトコルを使用して、端末100とネットワークデバイス200との間で、本出願の実施に関与するメッセージを送信することができ、これは簡単で便利であることが理解されよう。これに限定されないが、いくつかの他の実施形態では、前述のメッセージを送信するために端末100とネットワークデバイス200との間で独自のプロトコルが代替的に使用されてもよく、本明細書では制限は課されない。
【0254】
S114:ネットワークデバイス200は、第1のlayer数に基づいて、端末100に送信されるべきデータを処理して、送信予定信号を取得する。
【0255】
S115:ネットワークデバイス200は、送信予定信号を端末100に送信する。
【0256】
S116:端末100は、ネットワークデバイス200によって送信された信号を受信し、第1のlayer数に基づいて信号を解析する。
【0257】
S114からS116の具体的な実施態様については、S107からS109の関連説明を参照されたい。本明細書において、詳細は重ねて説明されない。
【0258】
図5の実施形態では、ネットワークデバイス200によって端末100に送信される信号は、ダウンリンク信号とも呼ばれ得る。
【0259】
ステップS110からS116を実行することにより、高速シナリオにあるとき、端末は、ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求することができ、それによってデータストリームの量を増やすことができる。このようにして、データストリームの量は、高速シナリオにおける端末のデータ送信速度の要件を満たし、ユーザ体験を改善するように、柔軟に調整することができる。
【0260】
図5に示される方法実施形態は、MIMOシステムによって実行される2つのダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を調整するプロセスを示す。特定の実施態様では、MIMOシステムは、代替として、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量をより多くの回数調整することができる。本出願のこの実施形態では、これに制限は課されない。例えば、S116の後、MIMOシステムは、低速シナリオを再度認識し、2回目のダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を減らすことができ、次に、MIMOシステムは、高速シナリオをさらに認識し、ダウンリンクデータ送信プロセスにおける2回目のデータストリームの量を復元することができる。
【0261】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、
図5に示される実施形態1の解決策をよりよく理解するために、本出願のこの実施形態で2つの例がさらに提供される。
【0262】
図6Aは、低速シナリオが端末100にイベントAが発生するシナリオである場合に、各イベントが端末100に発生する期間または時点、およびMIMOシステムがダウンリンク通信プロセスにおいてlayerの数を切り替える時点の一例を示す。
【0263】
図6Bは、低速シナリオが、イベントA、イベントB、イベントC、イベントE、およびイベントFが端末100に同時に発生するシナリオである場合、各イベントが端末100に発生する期間または時点、およびMIMOシステムがダウンリンク通信プロセスにおいてlayerの数を切り替える時点の例を示す。
【0264】
図6Aおよび
図6Bから、実施形態1におけるMIMOシステムは、端末100が低速シナリオまたは高速シナリオにあるときに、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を直ちに調整することが分かる。
【0265】
(II)実施形態2
実施形態2は、MIMOシステムによるダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量の2つの連続した調整間の間隔が、第1の持続時間以上である点で、実施形態1と異なる。これにより、端末100が低速シナリオと高速シナリオとの間で頻繁に切り替わる状況を防止することができ、その結果、MIMOシステムは、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてデータストリームの量を頻繁に調整しない。加えて、実施形態2では、端末のデータ送信速度の要件が満たされている間、ユーザ体験に影響を与えることなく、端末の電力消費量を低減することができ、端末の待機時間を延長することができる。
【0266】
図7は、本出願の一実施形態による、SAネットワーキングモードの5Gシステムで実行される、データストリームの量を調整するための別の方法の概略フローチャートである。
【0267】
図7は、端末100およびネットワークデバイス200がダウンリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を減らすために交渉した後、第1の持続時間の後にのみ、端末100およびネットワークデバイス200が高速シナリオを認識し始め、高速シナリオが認識された後に動作を実行できるという点で、
図5とは異なる。
【0268】
具体的には、第1の持続時間の開始時刻は、MIMシステムがステップS204、S205、およびS206のいずれか1つを実行した時点であってもよい。いくつかの実施形態では、端末100は、S204(すなわち、支援メッセージを送信する)またはS205(すなわち、RRC再構成メッセージを受信する)またはS206(すなわち、確認メッセージを送信する)でタイマ(timer)を有効にし、タイマが満了したときに現在のシナリオを認識することができる。タイマ(timer)の持続時間は第1の持続時間である。第1の持続時間は事前設定されてもよく、例えば、1分または2分であってもよい。本出願のこの実施形態では、これに制限は課されない。
【0269】
いくつかの他の実施形態では、MIMOシステムは、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量の2つの連続的な調整間の間隔を第1の持続時間以上に制御せず、データストリームの量が減少する各時間とデータストリームの量が復元される次の時間との間の間隔のみを第1の持続時間以上に制御するか、またはデータストリームの量が復元される各時間とデータストリームの量が減少する次の時間との間の間隔のみを第1の持続時間以上に制御し得る。これにより、端末のデータ送信速度の要件を満たしながら、ユーザ体験に影響を与えることなく、タイマの使用を低減し、端末の電力消費を低減し、端末の待機時間を延長することができる。
【0270】
図8Aおよび
図8Bを参照すると、
図7に示される実施形態2の解決策をよりよく理解するために、本出願のこの実施形態で2つの例がさらに提供される。
【0271】
図8Aは、低速シナリオが端末100にイベントAが発生するシナリオである場合に、各イベントが端末100に発生する期間または時点、およびMIMOシステムがダウンリンク通信プロセスにおいてlayerの数を切り替える時点の一例を示す。
図6Aのものと比較すると、各イベントが端末100に発生する時点は同じであるが、
図8Aのlayerの数の2つの連続する切り替え動作の間隔は第1の持続時間以上であり、これは頻繁な切り替えを回避する。
【0272】
図8Bは、低速シナリオが、イベントA、イベントB、イベントC、イベントE、およびイベントFが端末100に同時に発生するシナリオである場合、各イベントが端末100に発生する期間または時点、およびMIMOシステムがダウンリンク通信プロセスにおいてlayerの数を切り替える時点の例を示す。
図6Bのものと比較すると、各イベントが端末100に発生する時点は同じであるが、
図8Bのlayerの数の2つの連続する切り替え動作の間隔は第1の持続時間以上であり、これは頻繁な切り替えを回避する。
【0273】
図8Aおよび
図8Bから、実施形態2におけるMIMOシステムによるダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数の2つの連続した調整間の間隔は、第1の持続時間より大きいことが分かる。
【0274】
(III)実施形態3
より良いユーザ体験を提供するために、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する第2の持続時間において、ユーザ体験を改善するために、端末100が第2の持続時間においてより高いデータ送信速度を有することが通常保証される。これは、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行するときに、MIMOシステムが第2の持続時間でダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を減少させないことを必要とする。実施形態3は、この目的を達成するために提供される。
【0275】
実施形態3では、低速シナリオがイベントAを含む場合、端末100は、イベントAが第2の持続時間続いた後に低速シナリオの認識を開始し、低速シナリオを認識した場合、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすためにネットワークデバイス200と交渉する。実施形態3では、端末100が第2の持続時間により高いデータ送信速度を有することを保証するために、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行するときに、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量が第2の持続時間に減少しないことを保証することができ、それによってユーザ体験が改善される。
【0276】
図9に示されるように、方法は、以下のステップを含むことができる。
【0277】
S301およびS302:S101およびS102が参照され得る。
【0278】
S303:端末100は、フォアグラウンドで第1のアプリケーションの実行を開始する。
【0279】
具体的には、端末100は、ホーム画面内の第1のアプリケーションのアイコンをクリックするユーザのタッチ操作に応じて、フォアグラウンドで第1のアプリケーションの実行を開始してもよい。これに限定されず、端末100は、音声命令、シェイク命令などに応答して、フォアグラウンドで第1のアプリケーションの実行をさらに開始してもよい。本出願のこの実施形態では、これに制限は課されない。
【0280】
S304:第2の持続時間の後、端末100は低速シナリオを認識し、低速シナリオはイベントAを含む。
【0281】
具体的には、第2の持続時間の開始時刻は、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行し始めた時点、すなわちS303の開始時点であってもよい。いくつかの実施形態では、端末100は、フォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行しているときにタイマ(timer)を有効にし、タイマが満了したときに現在のシナリオを認識することができる。タイマ(timer)の持続時間は第2の持続時間である。第2の持続時間は事前設定されてもよく、例えば、30秒または1分であってもよい。本出願のこの実施形態では、これに制限は課されない。
【0282】
S305からS317については、
図5の実施形態のS104からS116を参照されたい。本明細書において、詳細は重ねて説明されない。
【0283】
図9に示される方法実施形態は、MIMOシステムによって実行される2つのダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を調整するプロセスを示す。特定の実施態様では、MIMOシステムは、代替として、ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量をより多くの回数調整することができる。本出願のこの実施形態では、これに制限は課されない。
【0284】
図10Aおよび
図10Bを参照すると、
図9に示される実施形態3の解決策をよりよく理解するために、本出願のこの実施形態で2つの例がさらに提供される。
【0285】
図10Aは、低速シナリオが端末100にイベントAが発生するシナリオである場合に、各イベントが端末100に発生する期間または時点、およびMIMOシステムがダウンリンク通信プロセスにおいてlayerの数を切り替える時点の一例を示す。
図6Aのものと比較すると、端末100に対して各イベントが発生する時点は同じであるが、
図10Aでは、MIMOシステムは、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行するときに、第2の持続時間のダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を削減しない。
【0286】
図10Bは、低速シナリオが、イベントA、イベントB、イベントC、イベントE、およびイベントFが端末100に同時に発生するシナリオである場合、各イベントが端末100に発生する期間または時点、およびMIMOシステムがダウンリンク通信プロセスにおいてlayerの数を切り替える時点の例を示す。
図6Bのものと比較すると、端末100に対して各イベントが発生する時点は同じであるが、
図10Bでは、MIMOシステムは、端末100がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行するときに、第2の持続時間のダウンリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を削減しない。
【0287】
図10Aおよび
図10Bから、実施形態2におけるMIMOシステムによるダウンリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数の2つの連続した調整間の間隔は、第1の持続時間より大きいことが分かる。
【0288】
本出願の実施形態の実施形態2および実施形態3は、組み合わせて実施されてもよいことが理解されよう。
【0289】
(IV)実施形態4
実施形態1から実施形態3は、MIMOシステムがダウンリンクデータ送信プロセスにおいてデータストリームの量を調整する方法を説明しているが、実施形態はこれに限定されない。本出願の実施形態はまた、MIMOシステムがアップリンクデータ送信プロセスにおいてデータストリームの量を調整することにも適用可能である。
【0290】
アップリンクデータ送信プロセスでは、端末とネットワークデバイスの役割は交換可能である。端末は信号送信端であり、ネットワークデバイスは信号受信端である。端末は、入力データストリームを、複数の送信アンテナから同時にそれぞれ送信される並列信号のいくつかの経路に変換し、ネットワークデバイスの複数の受信アンテナが信号を受信し、元の信号を復元する。
【0291】
実施形態4では、MIMOシステムは、端末100が低速シナリオにあるときにアップリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を減らし、端末100が高速シナリオにあるときにアップリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を復元し、それによってアップリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量を動的に調整することができる。ここで、MIMOシステムがアップリンクデータ送信プロセスにおいてデータストリームの量を調整(削減または復元)する方法は、MIMOシステムがダウンリンクデータ送信プロセスにおいてデータストリームの量を調整(削減または復元)する方法と同様である。
【0292】
図11は、SAネットワーキングモードの5Gシステムで実行される、MIMOシステムにおけるアップリンクデータストリームの量を調整するための方法の概略フローチャートの一例である。
【0293】
S401:端末100は、能力メッセージ(UE capability information)をネットワークデバイス200に送信し、能力メッセージは、端末100によってサポートされる最大数のアップリンクlayerを搬送する。
【0294】
能力メッセージについては、実施形態1の関連説明を参照されたい。
【0295】
端末100によってサポートされるアップリンクlayerの最大数は、端末100の送信能力に基づいて決定される。端末100の能力は、5G帯域をサポートするために端末100によって構成されたアンテナの数、端末100によって構成された送信無線周波数経路の数などを含み得る。端末100によってサポートされるアップリンクlayerの最大数は、5G帯域をサポートするために端末100によって構成されるアンテナの数以下であり、また、端末100によって構成される送信無線周波数経路の数以下であることが理解されよう。例えば、端末100によってサポートされるアップリンクlayerの最大数は2であり得る。
【0296】
S402:ネットワークデバイス200は、RRC再構成メッセージ(RRC reconfiguration)を端末100に送信し、RRC再構成メッセージは、第4のlayer数を搬送し、第4のlayer数は、端末100によってサポートされるアップリンクlayerの最大数以下であり、RRC再構成メッセージは、アップリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を構成するために使用される。
【0297】
例えば、第4のlayer数は2であってもよい。
【0298】
S403:端末100は、低速シナリオを認識する。
【0299】
S404からS406:端末100およびネットワークデバイス200は、アップリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を減らすように交渉する。
【0300】
S404:端末100は、第1のメッセージをネットワークデバイス200に送信し、第1のメッセージは、アップリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすようにネットワークデバイス200に要求するために使用され、第1のメッセージは、第5のlayer数を搬送し、第5のlayer数は、端末100がアップリンクデータ送信プロセスで使用する必要があるlayerの数であり、第5のlayer数は第4のlayer数より少ない。
【0301】
いくつかの実施形態では、第1のメッセージは、支援メッセージ(UE assistance information message)として実施され得る。支援メッセージの具体的な実施態様については、S104の関連説明を参照されたい。
【0302】
いくつかの実施形態では、第5のlayer数は、支援メッセージのreducedMIMO-LayerFRI-ULフィールドで搬送され得る。
【0303】
S405:ネットワークデバイス200は、第1のメッセージを受信し、第2のメッセージを端末100に送信し、第2のメッセージは第6のlayer数を搬送し、第6のlayer数は第5のlayer数以下であり、第2のメッセージはアップリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を構成するために使用される。
【0304】
すなわち、ネットワークデバイス200は、第1のメッセージに応答して、アップリンクデータ送信プロセスで使用されるlayerの数を第4のlayer数から第6のlayer数に減らすことができ、それによってアップリンクデータ送信プロセスで使用されるデータストリームの量を減らすことができる。
【0305】
いくつかの実施形態では、第2のメッセージは、RRC再構成メッセージ(RRC reconfiguration)として実装され得る。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス200は、物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel、PUSCH)上で送信されたサービングセル構成メッセージ(PDSCH-serving cell configuration)内の最大layerフィールド(MaxMimoLayerNuni)内の第3のlayer数を搬送し得る。
【0306】
S406:第2のメッセージを受信した後、端末100は確認メッセージをネットワークデバイス200にフィードバックする。
【0307】
S407からS409:端末100およびネットワークデバイス200は、削減後の交渉されたlayer数に基づいてアップリンクデータを送信する。
【0308】
S410:端末100は、S103の低速シナリオに対応する高速シナリオを認識する。
【0309】
S411からS413:端末100およびネットワークデバイス200は、アップリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を復元するように交渉する。
【0310】
S411:端末100は、第3のメッセージをネットワークデバイス200に送信し、第3のメッセージは、アップリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求するために使用される。
【0311】
いくつかの実施形態では、第3のメッセージは、支援メッセージ(UE assistance information message)として実施され得る。具体的には、S411で端末100によって送信された支援メッセージは、アップリンクデータ送信プロセスにおいてlayerの数を復元するようにネットワークデバイス200に要求するために、reducedMIMO-LayerFRI-ULフィールドを搬送しない場合があり、またはreducedMIMO-LayerFRI-ULフィールドはヌルである。ここで、復元とは、アップリンクデータ送信処理におけるlayerの数を、削減後の第6のlayer数から削減前の第4のlayer数に復元することをいう。
【0312】
S412:ネットワークデバイス200は、第3のメッセージを受信し、第4のメッセージを端末100に送信し、第4のメッセージは第4のlayer数を搬送し、アップリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を構成するために使用される。
【0313】
いくつかの実施形態では、第4のメッセージは、RRC再構成メッセージ(RRC reconfiguration)として実装され得る。
【0314】
S413:第4のメッセージを受信した後、端末100は確認メッセージをネットワークデバイス200にフィードバックする。
【0315】
S414:端末100は、第4のlayer数に基づいて、ネットワークデバイス200に送信されるべきデータを処理して、送信予定信号を取得する。
【0316】
S415:端末100は、送信予定信号をネットワークデバイス200に送信する。
【0317】
S416:ネットワークデバイス200は、端末100によって送信された信号を受信し、第4のlayer数に基づいて信号を解析する。
【0318】
図11の実施形態では、端末100によってネットワークデバイス200に送信される信号は、アップリンク信号とも呼ばれ得る。
【0319】
実施形態1および実施形態4は組み合わせて実装されてもよく、同じメッセージが実施形態1および実施形態4の機能を実装してもよいことが理解されよう。端末100によってネットワークデバイス200に送信される能力メッセージは、端末100によってサポートされるダウンリンクlayerの最大数および端末100によってサポートされるアップリンクlayerの最大数を搬送することができ、端末が低速シナリオを認識した後に端末100によってネットワークデバイス200に送信される第1のメッセージは、第2のlayer数および第5のlayer数を搬送することができる。第1のメッセージに応答してネットワークデバイス200によって端末に送信された第2のメッセージは、第3のlayer数および第6のlayer数を搬送してもよく、端末が高速シナリオを認識した後に端末100によってネットワークデバイス200に送信された第3のメッセージは、アップリンクlayer数およびダウンリンクlayer数の復元を要求するために使用されてもよく、第3のメッセージに応答してネットワークデバイス200によって端末に送信された第4のメッセージは、第1のlayer数および第4のlayer数を搬送してもよい。
【0320】
実施形態2および実施形態3の考え方は、実施形態4のアップリンクデータストリームの量を調整するための方法にも適用され得ることが理解されよう。
【0321】
すなわち、いくつかの実施形態では、MIMOシステムによるアップリンクデータ送信プロセスにおけるデータストリームの量の2つの連続した調整間の間隔は、第1の持続時間以上である。これにより、端末100が低速シナリオと高速シナリオとの間で頻繁に切り替わる状況を防止することができ、その結果、MIMOシステムは、アップリンクデータ送信プロセスにおいてデータストリームの量を頻繁に調整しない。詳細については、実施形態2の関連説明を参照されたい。
【0322】
いくつかの実施形態では、低速シナリオがイベントAを含む場合、端末100は、イベントAが第2の持続時間続いた後に低速シナリオの認識を開始し、低速シナリオを認識した場合、アップリンクデータ送信プロセスにおけるlayerの数を減らすためにネットワークデバイス200と交渉する。詳細については、実施形態の関連説明を参照されたい。
【0323】
実施形態1から実施形態4で説明したSAネットワーキングモードの5Gシステムに加えて、本出願の実施形態による技術的解決策は、NSAネットワーキングモードの5Gシステムにも適用可能である。
図2に示されるMIMOシステムがNSAネットワーキングモードの5Gシステムである場合、システムはネットワークデバイス300をさらに含んでもよく、ネットワークデバイス200はeNodeBであってもよく、ネットワークデバイス300はgNodeBであってもよい。端末100は、LTEリンクを使用してネットワークデバイス200と通信し、端末100は、二重接続を実施するためにNRリンクを使用してネットワークデバイス300とさらに通信する。加えて、ネットワークデバイス200はネットワークデバイス300に接続され、ネットワークデバイス200とネットワークデバイス300の両方は4Gコアネットワーク(evolved packet core、EPC)に接続される。
【0324】
NSAネットワーキングモードの5Gシステムは、本出願の実施形態によるデータストリームの量を調整するための方法にも適用可能であり、すなわち、ネットワークデバイス300と端末100との間のデータ送信プロセスで使用されるデータストリームの量も調整することができる。一実装形態では、ネットワークデバイス300と端末100との間のデータストリームの量が調整されるとき、ネットワークデバイス300と端末100との間の対話プロセスについては、実施形態1から実施形態3の関連説明を参照されたい。違いは、ネットワークデバイス300と端末100との間で交換されるメッセージ(第1のメッセージ、第2のメッセージ、第3のメッセージ、および第4のメッセージなど)がすべてネットワークデバイス200を用いて送信されることである。別の実装形態では、ネットワークデバイス300と端末100との間のデータストリームの量が調整されるとき、ネットワークデバイス300と端末100との間の対話プロセスについては、実施形態1から実施形態3の関連説明を参照されたい。ネットワークデバイス300および端末100は、メッセージ(上述の第1のメッセージ、第2のメッセージ、第3のメッセージ、および第4のメッセージなど)を直接交換することができる。
【0325】
上述したSAネットワーキングモードの5Gシステムに加えて、本出願の実施形態による技術的解決策は、LTEシステムにも適用可能である。LTEシステムでは、端末100とネットワークデバイス200の両方が4G帯域をサポートし、4G帯域で動作し、ネットワークデバイス200はEPCに接続される。加えて、ネットワークデバイス200はeNodeBであり、端末100はLTEリンクを使用してネットワークデバイス200と通信する。本出願の実施形態によるデータストリームの量を調整するための方法がLTEシステムに適用される場合、ネットワークデバイス200と端末100との間の対話プロセスについては、実施形態1から実施形態3の関連説明を参照されたい。本明細書において、詳細は重ねて説明されない。
【0326】
本出願の実施形態では、第1のlayer数は第1のトランスポート層数であり、第2のlayer数は第2のトランスポート層数であり、第3のlayer数は第3のトランスポート層数であり、第4のlayer数は第4のトランスポート層数であり、第5のlayer数は第5のトランスポート層数であり、第6のlayer数は第6のトランスポート層数である。
【0327】
本出願の様々な実装形態は、異なる技術的効果を達成するためにランダムに組み合わされ得る。
【0328】
上記の実施形態の全部または一部はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはこれらの任意の組み合わせを用いて実施されてもよい。ソフトウェアを使用して実装される場合、実施形態のすべてまたはいくつかは、コンピュータプログラム製品の形で実装されてもよい。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータ上でロードされて実行されるとき、本出願の実施形態による手順または機能の全部または一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または別のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ指示はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよいし、あるいは、あるコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者回線)または無線(例えば、赤外線、無線、またはマイクロ波)方式で、1つのウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに送信されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の入手可能な媒体であってもよいし、1つのまたは一体化された複数の入手可能な媒体を含むサーバやデータセンタなどのデータストレージデバイスであってもよい。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えばDVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスクSolid State Disk)などであり得る。
【0329】
当業者は、前述の実施形態の方法を実施する際のすべてまたはいくつかのプロセスが、関連するハードウェアに命令するためにコンピュータプログラムを使用することによって完了され得ることを理解することができる。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。プログラムは、実行されると、上述の方法実施形態のプロセスを含むことができる。上記の記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリRAM、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶することのできる様々な媒体を含む。
【0330】
要約すると、上記は本発明の技術的解決策の実施形態にすぎず、本発明の保護範囲を限定することは意図されていない。本発明の開示に基づいてなされるあらゆる改変、等価の置換、改善などは、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0331】
1 アンテナ
2 アンテナ
10 MIMOシステム
100 端末
110 プロセッサ
120 外部メモリインターフェース
121 内部メモリ
130 ユニバーサルシリアルバスインターフェース
140 充電管理モジュール
141 電源管理モジュール
142 バッテリ
150 移動通信モジュール
160 無線通信モジュール
170 オーディオモジュール
170A スピーカ
170B 受信機
170C マイクロフォン
170D ヘッドセットジャック
180 センサモジュール
180A 圧力センサ
180B ジャイロセンサ
180C 気圧センサ
180D 磁気センサ
180E 加速度センサ
180F 距離センサ
180G 光学式近接センサ
180H 指紋センサ
180J 温度センサ
180K タッチセンサ
180L 周囲光センサ
180M 骨伝導センサ
190 キー
191 モータ
192 インジケータ
193 カメラ
194 ディスプレイ
195 加入者識別モジュールカードインターフェース
200 ネットワークデバイス
201 プロセッサ
202 メモリ
203 通信インターフェース
205 移動通信モジュール
206 アンテナ
300 ネットワークデバイス
401 スイッチ制御部
402 スイッチ制御部
403 スイッチ制御部
【手続補正書】
【提出日】2022-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データストリームの量を調整するための方法であって、MIMOシステムが端末とネットワークデバイスとを含み、ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて前記MIMOシステムによって使用されるトランスポート層の数は第1のトランスポート層数であり、前記方法は、
前記端末によって第1のシナリオを認識し、前記ネットワークデバイスに第1のメッセージを送信するステップであって、前記第1のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を減らすように前記ネットワークデバイスに要求するために使用され、前記第1のメッセージが第2のトランスポート層数を搬送し、前記第2のトランスポート層数が前記第1のトランスポート層数より少ない、ステップと、
前記端末によって、前記ネットワークデバイスによって送信された第2のメッセージを受信するステップであって、前記第2のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるトランスポート層の数を構成するために使用され、前記第2のメッセージが第3のトランスポート層数を搬送し、前記第3のトランスポート層数が前記第2のトランスポート層数以下である、ステップと、
前記端末によって、前記第3のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する、前記端末のデータ送信速度が第1の閾値未満である、前記ネットワークデバイスによって送信され、前記端末によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きい、前記端末の画面がオフ、前記端末が「省電力モード」に入る、前記端末が非充電状態にある、または前記端末の温度が第3の閾値より高い、の1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末によって第1のシナリオを認識する前記ステップが、前記端末によって、ホーム画面内の前記第1のアプリケーションのアイコンに作用するユーザ操作を受信するステップ、前記端末によって、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが前記第2の閾値未満であることを検出するステップ、前記端末によって、前記画面がオンであるときに、事前設定された持続時間内にユーザ操作を受信しないステップ、前記端末によって、前記画面がオンであるときに電源キーに作用する押下操作を受信するステップ、または前記端末によって、「省電力モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信するステップ、の1つまたは複数を特に含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、前記端末によって、前記第3のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析する前記ステップの後、前記方法が、
前記端末によって、前記第1のシナリオに対応する第2のシナリオを認識し、前記ネットワークデバイスに第3のメッセージを送信するステップであって、前記第3のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を復元するように前記ネットワークデバイスに要求するために使用される、ステップと、
前記端末によって、前記ネットワークデバイスによって送信された第4のメッセージを受信するステップであって、前記第4のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するために使用され、前記第4のメッセージが、前記第1のトランスポート層の数を搬送する、ステップと、
前記端末によって、前記第1のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析するステップと
をさらに含む、方法。
【請求項5】
前記第2のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが第1のアプリケーションではない、前記端末のデータ送信速度が第4の閾値より大きい、前記ネットワークデバイスによって送信され、前記端末によって受信された信号の強度が第5の閾値より小さい、前記端末の画面がオン、前記端末が「性能モード」に入る、前記端末が充電状態にある、または前記端末の温度が第6の閾値より低い、の1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記端末によって、前記第1のシナリオに対応する第2のシナリオを認識する前記ステップが、前記端末によって、前記第1のアプリケーションを実行する前記プロセスで前記第1のアプリケーションを終了するためのユーザ操作を受信するステップ、前記端末によって、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが前記第5の閾値未満であることを検出するステップ、前記端末によって、前記画面がオフであるときに電源キーに作用する押下操作を受信するステップ、または前記端末によって、「性能モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信するステップ、の1つまたは複数を特に含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記端末が前記第2のメッセージを受信する時間と前記端末が前記第2のシナリオを認識する時間との間の持続時間が、前記第1の持続時間以上である、
請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで前記第1のアプリケーションを実行することを含み、前記端末がフォアグラウンドで前記第1のアプリケーションを実行し始める時間と、前記端末が前記第1のシナリオを認識する時間との間の持続時間が、第2の持続時間以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のメッセージが支援メッセージUE assistance information messageであり、前記第2のトランスポート層数が前記支援メッセージのreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドで搬送される、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のメッセージが無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、前記第3のトランスポート層数が、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationの最大トランスポート層数MaxMimoLayerNumフィールドで搬送される、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第3のメッセージが支援メッセージUE assistance information messageであり、前記第3のメッセージがreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドを含まない、
請求項4から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第4のメッセージが無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、前記第4のメッセージで搬送される前記第1のトランスポート層数が、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationの最大トランスポート層数MaxMimoLayerNumフィールドで搬送される、
請求項4から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のトランスポート層数が、前記端末によって送信された能力メッセージUE capability informationに応答して、前記端末のために前記ネットワークデバイスによって構成される、
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記端末によって、前記第3のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析する前記ステップが、
前記端末によって、第3のトランスポート層数のアンテナを使用して、前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し、前記ダウンリンク信号をフィルタリングおよび増幅し、受信無線周波数経路の第3のトランスポート層数を使用して前記ダウンリンク信号をベースバンド信号に変換し、前記第3のトランスポート層数を使用して前記ベースバンド信号に対してレイヤマッピングの逆プロセスを実行するステップ
を特に含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、アップリンクデータ送信プロセスにおいて前記MIMOシステムによって使用されるトランスポート層の数は、第4のトランスポート層数であり、
前記第1のメッセージが第5のトランスポート層数をさらに搬送し、前記第5のトランスポート層数が前記第4のトランスポート層数より少なく、
前記第2のメッセージが、前記アップリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するためにさらに使用され、前記第2のメッセージが第6のトランスポート層数をさらに搬送し、前記第6のトランスポート層数が前記第5のトランスポート層数以下であり、
前記方法が、前記端末によって、前記第6のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスにアップリンク信号を送信するステップをさらに含む、方法。
【請求項16】
メモリと1つまたは複数のプロセッサとを備える端末であって、前記メモリが前記1つまたは複数のプロセッサに結合され、前記メモリがコンピュータプログラムコードを記憶するように構成され、前記コンピュータプログラムコードがコンピュータ命令を含み、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記端末が、
第1のシナリオを認識し、第1のメッセージをネットワークデバイスに送信することであって、前記第1のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を減らすように前記ネットワークデバイスに要求するために使用され、前記第1のメッセージが第2のトランスポート層数を搬送し、前記第2のトランスポート層数が第1のトランスポート層数未満であり;前記第1のトランスポート層数が、前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおいて前記端末および前記ネットワークデバイスによって使用されるトランスポート層の数である、ことと、
前記ネットワークデバイスによって送信された第2のメッセージを受信することであって、前記第2のメッセージが前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおけるトランスポート層の数を構成するために使用され、前記第2のメッセージが第3のトランスポート層数を搬送し、前記第3のトランスポート層数が前記第2のトランスポート層数以下である、ことと、
前記第3のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析することと
を実行することを可能にするために前記コンピュータ命令を呼び出す、端末。
【請求項17】
前記第1のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで第1のアプリケーションを実行する、前記端末のデータ送信速度が第1の閾値未満である、前記ネットワークデバイスによって送信され、前記端末によって受信された信号の強度が第2の閾値より大きい、前記端末の画面がオフ、前記端末が「省電力モード」に入る、前記端末が非充電状態にある、または前記端末の温度が第3の閾値より高い、の1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項16に記載の端末。
【請求項18】
前記端末によって第1のシナリオを前記認識することが、前記端末によって、ホーム画面内の前記第1のアプリケーションのアイコンに作用するユーザ操作を受信すること、前記端末によって、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが前記第2の閾値未満であることを検出すること、前記端末によって、前記画面がオンであるときに、事前設定された持続時間内にユーザ操作を受信しないこと、前記端末によって、前記画面がオンであるときに電源キーに作用する押下操作を受信すること、または前記端末によって、「省電力モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信すること、の1つまたは複数を特に含む、
請求項17に記載の端末。
【請求項19】
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記端末が、
前記ネットワークデバイスによって送信された前記ダウンリンク信号が受信され、前記第3のトランスポート層数に基づいて解析された後、前記第1のシナリオに対応する第2のシナリオを認識し、第3のメッセージを前記ネットワークデバイスに送信することであって、前記第3のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスで使用されるトランスポート層の数を復元するように前記ネットワークデバイスに要求するために使用される、ことと、
前記ネットワークデバイスによって送信された第4のメッセージを受信することであって、前記第4のメッセージが、前記ダウンリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するために使用され、前記第4のメッセージが、前記第1のトランスポート層数を搬送する、ことと、
前記第1のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し解析することと
を実行することを可能にするために前記コンピュータ命令を呼び出すようにさらに構成される、請求項16から18のいずれか一項に記載の端末。
【請求項20】
前記第2のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで実行するアプリケーションが第1のアプリケーションではない、前記端末のデータ送信速度が第4の閾値より大きい、前記ネットワークデバイスによって送信され、前記端末によって受信された信号の強度が第5の閾値より小さい、前記端末の画面がオン、前記端末が「性能モード」に入る、前記端末が充電状態にある、または前記端末の温度が第6の閾値より低い、の1つまたは複数の組み合わせを含む、
請求項19に記載の端末。
【請求項21】
前記端末によって、前記第1のシナリオに対応する第2のシナリオを前記認識することが、前記端末によって、前記第1のアプリケーションを実行する前記プロセスで前記第1のアプリケーションを終了するためのユーザ操作を受信すること、前記端末によって、参照信号受信電力RSRPまたは参照信号受信品質RSRQが前記第5の閾値未満であることを検出すること、前記端末によって、前記画面がオフであるときに電源キーに作用する押下操作を受信すること、または前記端末によって、「性能モード」のスイッチ制御部に作用するユーザ操作を受信すること、の1つまたは複数を特に含む、
請求項20に記載の端末。
【請求項22】
前記端末が前記第2のメッセージを受信する時間と前記端末が前記第2のシナリオを認識する時間との間の持続時間が、前記第1の持続時間以上である、
請求項19から21のいずれか一項に記載の端末。
【請求項23】
前記第1のシナリオが、前記端末がフォアグラウンドで前記第1のアプリケーションを実行することを含み、前記端末がフォアグラウンドで前記第1のアプリケーションを実行し始める時間と、前記端末が前記第1のシナリオを認識する時間との間の持続時間が、第2の持続時間以上である、請求項16から22のいずれか一項に記載の端末。
【請求項24】
前記第1のメッセージが支援メッセージUE assistance information messageであり、前記第2のトランスポート層数が前記支援メッセージのreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドで搬送される、
請求項16から23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項25】
前記第2のメッセージが無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、前記第3のトランスポート層数が、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationのMaxMimoLayerNumフィールドで搬送される、
請求項16から23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項26】
前記第3のメッセージが支援メッセージUE assistance information messageであり、前記第3のメッセージがreducedMIMO-LayerFRI-DLフィールドを含まない、
請求項19から23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項27】
前記第4のメッセージが無線リソース制御RRC再構成メッセージRRC reconfigurationであり、前記第4のメッセージで搬送される前記第1のトランスポート層数が、物理ダウンリンク共有チャネルのサービングセル構成メッセージPDSCH-serving cell configurationのMaxMimoLayerNumフィールドで搬送される、
請求項19から23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項28】
前記第1のトランスポート層数が、前記端末によって送信された能力メッセージUE capability informationに応答して、前記端末のために前記ネットワークデバイスによって構成される、
請求項16から27のいずれか一項に記載の端末。
【請求項29】
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記端末が、
第3のトランスポート層数のアンテナを使用して、前記ネットワークデバイスによって送信されたダウンリンク信号を受信し、前記ダウンリンク信号をフィルタリングおよび増幅し、受信無線周波数経路の第3のトランスポート層数を使用して前記ダウンリンク信号をベースバンド信号に変換し、前記第3のトランスポート層数を使用して前記ベースバンド信号に対してレイヤマッピングの逆プロセスを実行すること
を実行することを可能にするために前記コンピュータ命令を呼び出すようにさらに構成される、請求項16から28のいずれか一項に記載の端末。
【請求項30】
アップリンクデータ送信プロセスにおいて前記端末および前記ネットワークデバイスによって使用されるトランスポート層の数が、第4のトランスポート層数であり、
前記第1のメッセージが第5のトランスポート層数をさらに搬送し、前記第5のトランスポート層数が前記第4のトランスポート層数より少なく、
前記第2のメッセージが前記アップリンクデータ送信プロセスにおいてトランスポート層の数を構成するためにさらに使用され、前記第2のメッセージが第6のトランスポート層数をさらに搬送し、前記第6のトランスポート層数が前記第5のトランスポート層数以下であり、
前記1つまたは複数のプロセッサが、前記端末が前記第6のトランスポート層数に基づいて前記ネットワークデバイスにアップリンク信号を送信することを実行することを可能にするために前記コンピュータ命令を呼び出すようにさらに構成される、請求項16から29のいずれか一項に記載の端末。
【請求項31】
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が電子機器上で実行されると、前記電子機器が請求項1から15のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項32】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサ上で実行することができるコンピュータプログラムとを備え、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、UEが請求項1から15のいずれか一項に記載の方法を実施することが可能にされる、データストリームの量を調整するための装置。
【国際調査報告】