(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】被服に折り目を付けるのに使用するための樹脂
(51)【国際特許分類】
B05D 1/26 20060101AFI20230315BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20230315BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05D7/00 N
B05D7/00 K
B05D3/00 D
B05D7/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543117
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 GB2021050070
(87)【国際公開番号】W WO2021144565
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511160952
【氏名又は名称】スーパークリース リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Supercrease Limited
【住所又は居所原語表記】The Moorings,Waterside Business Park,Waterside Road,Stourton,Leeds,West Yorkshire,LS10 1DG United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ハウルブルック、ダニエル
【テーマコード(参考)】
4D075
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC09
4D075AC88
4D075AC91
4D075BB16X
4D075BB26Z
4D075BB37Z
4D075BB42Z
4D075BB46Z
4D075BB60Z
4D075CA03
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA31
4D075DB20
4D075DC38
4D075EA05
4D075EA19
4D075EA21
4D075EA25
4D075EB43
4D075EB45
4D075EB51
4D075EC01
4D075EC51
(57)【要約】
本出願が関係する本発明は、被服折り目線に液状で塗布され得、及び適切な環境に暴露されると、その後、折り目線に沿って固まり、かつ付着するように硬化するタイプの樹脂材料の提供に向けたものである。本発明による樹脂は、スズ又はいかなる有機スズ成分も含まない一方、樹脂が硬化し、かつ有効であるための能力を依然として維持する。樹脂は、硬化されると、被服の折り目の形状の持続を補助する。材料は、新たな被服の作製時に塗布され得るか、又は被服が洗われた後に塗布され得る。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被服の折り目線の保持を、延ばされた期間にわたって補助する効果を有するように、前記被服の前記折り目線に塗布するための樹脂であって、前記樹脂が液状であるとき、前記折り目線上への及び前記折り目線に沿った塗布中に第1の形態で使用可能であり、前記折り目線に沿って塗布されると、硬化によって第2の形態に変化し、その結果、前記樹脂が固まり、前記折り目線に沿った所定の位置に付着されるように提供され、前記硬化剤は、スズ及び/又は有機スズを含まない組成物である、樹脂。
【請求項2】
アセテートの形態の硬化剤を含む、請求項1に記載の樹脂。
【請求項3】
前記アセテートは、架橋型アセテートである、請求項2に記載の樹脂。
【請求項4】
ビスマス亜鉛の形態の硬化剤を含む、請求項1に記載の樹脂。
【請求項5】
アモルファスケイ酸水和物、メチルシラントリイル-トリアセタート、ジアセトキシジ-tert-ブトキシシラン、ヘキサン酸、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、酢酸及び/又はオクタメチルシクロテトラシロキサンのいずれか又は任意の組み合わせを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂。
【請求項6】
前記アモルファスケイ酸水和物は、ビスマストリス(2-エチルヘキサン酸)と置換されている、請求項5に記載の樹脂。
【請求項7】
トリアセトキシエチルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、PBT並びに/又はドデカメチルシクロヘキサシロサン及びデカメチルシクロペンタシロキサンを含む物質を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂。
【請求項8】
前記樹脂中の前記硬化剤の硬化効果及び前記樹脂が固まることは、前記樹脂が前記被服に塗布される周囲環境中の水分へのある期間の暴露後に生じる、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂。
【請求項9】
前記硬化は、硬化剤成分の混合及び前記樹脂中の含有によって生じるか又は促進される、請求項1~8のいずれか一項に記載の樹脂。
【請求項10】
前記硬化は、塗布されるときに特定の性質に暴露させること及び/又は前記樹脂に特定の性質を適用することによって生じるか又は促進される、請求項1~9のいずれか一項に記載の樹脂。
【請求項11】
前記特定の性質は、熱及び/又は紫外線のいずれか又は任意の組み合わせである、請求項10に記載の樹脂。
【請求項12】
いかなるスズ誘導体材料も含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の樹脂。
【請求項13】
折り目線の保持を延ばすことを補助するために、被服の前記折り目線に樹脂材料を塗布する方法であって、該方法は、液状樹脂材料の供給を分注手段に提供するステップであって、前記分注手段は、それを通した前記液状樹脂の制御された移動のための出口開口を有し、前記液状樹脂が前記出口開口から前記折り目線に沿って液状樹脂のリボン又は線として塗布されるように、前記出口開口と前記折り目線との相対移動を案内する、ステップと、前記樹脂を固め、前記樹脂を前記折り目線に沿って付着させるために前記樹脂を硬化させるステップとを含み、前記樹脂は、スズ及び/又は有機スズを含まない、方法。
【請求項14】
前記樹脂を硬化させる硬化剤は、架橋型アセテート及び/又はビスマス亜鉛である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の液状形態から第2の実質的に固体の形態に変化する樹脂材料であって、前記変化は、硬化剤の活性化の結果として達成され、前記硬化剤は、架橋型アセテート及び/又はビスマス亜鉛のいずれかである、樹脂材料。
【請求項16】
前記硬化剤の前記活性化は、被服折り目線上に分注された前記硬化剤が含まれる前記樹脂が周囲環境に暴露されると生じる、請求項15に記載の樹脂材料。
【請求項17】
前記活性化は、前記樹脂材料が被服の折り目線に塗布され、前記樹脂が前記被服に少なくとも部分的に吸収され、固まる間及び/又はその後に生じる、請求項15又は16に記載の樹脂。
【請求項18】
請求項1~12又は15~17のいずれか一項に記載の樹脂材料を収容し、前記樹脂材料が液状形態で分注される出口開口を有するカートリッジ。
【請求項19】
少なくとも1つの折り目線を含む被服であって、前記少なくとも1つの折り目線に沿って、請求項1~12又は15~17のいずれか一項に記載の樹脂材料は、塗布され、硬化して固まり、折り目線形状の保持を補助する、被服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願が関係する本発明は、被服において、樹脂が塗布される折り目を付けるために使用されるように提供される樹脂である。折り目は、典型的には、ズボンの脚又はシャツの袖の長さに沿って延びるが、被服の任意の必要な場所に提供され得、及び各被服、例えば1本のズボンにいくつかの折り目線があり、折り目線のそれぞれがそれに沿って樹脂の線を受け入れることが理解されるであろう。
【背景技術】
【0002】
樹脂は、最初に液状で提供され、リザーバ、一例ではカートリッジ内に保持され、樹脂は、カートリッジから出口開口を通して、液状樹脂の線又はリボンとして制御された状態で分注される。
【0003】
カートリッジ又は他の分注手段において、従来の樹脂は、折り目に塗布された樹脂が大気条件への暴露時に硬化して固まり始め、したがって折り目線に沿って比較的硬質で頑丈な樹脂のリボンを形成するように提供され、これは、樹脂が折り目線に塗布されていない場合よりも長期間にわたって被服の折り目線を維持する効果を有する。
【0004】
樹脂が固まると、被服が着用されているときに樹脂が被服の外側から見えないが、被服の折り目線が維持されるように、樹脂は、被服の内面に塗布される。
【0005】
この方法及び前記樹脂を塗布するための装置は、相当の期間にわたって使用されており、世界的に多大な商業的成功を収めている。
【0006】
しかしながら、立法者及び樹脂の商業的使用者の両方から、硬化成分としてスズを含むものの使用に対する抵抗が増していることが分かっている。樹脂中におけるスズ若しくは有機スズ又は他のスズ誘導体の使用及び人が着用する被服における樹脂の使用には、主として樹脂材料を被服に塗布する作業者だけでなく、場合により最終使用者にも健康問題のリスクがあると考えられている。これは、分離された状態及び他の成分と組み合わせて使用されないスズがおそらく発癌性であり得ることを示す研究の結果である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、折り目線に従来の樹脂材料を使用することに特に制限はないが、本出願人は、潜在的課題があることを認識している。したがって、本発明の目的は、樹脂の塗布プロセス中、好ましくは従来の塗布装置を使用して樹脂を塗布することができるように十分に液状である樹脂材料を提供することであり、第2に、塗布されると、被服の折り目を長期間にわたって維持する利点を可能にするような十分な程度及び現在達成されているものと少なくとも同程度又は好ましくは増加した程度まで固まる樹脂が提供される。
【0008】
更なる目的は、塗布された樹脂が事実上不可視であり、被服の見た目に悪影響がなく、更に被服に塗布された樹脂が簡単にずれるか又はひび割れることがないような状態に保持されるようにすることを可能にする形態の樹脂を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様において、被服の折り目線の保持を、延ばされた期間にわたって補助する効果を有するように、前記被服の前記折り目線に塗布するための樹脂であって、前記樹脂が液状であるとき、前記折り目線上への前記及び折り目線に沿った塗布中に第1の形態で使用可能であり、前記折り目線に沿って塗布されると、硬化によって第2の形態に変化し、その結果、前記樹脂が固まり、前記折り目線に沿った所定の位置に付着されるように提供され、硬化剤は、スズ及び/又は有機スズを含まない組成物である、樹脂が提供される。
【0010】
したがって、スズを含まない樹脂の提供により、カートリッジの作製及び充填時の両方、被服折り目線上への樹脂の分注時並びにまた樹脂が塗布された被服の着用中における、スズの存在によるいかなる潜在的な健康リスクも回避される。
【0011】
一実施形態において、樹脂は、アセテート及び一実施形態では架橋型アセテートの形態の硬化剤を含む。
【0012】
別の実施形態において、樹脂は、ビスマス亜鉛の形態の硬化剤を含む。
【0013】
一実施形態において、樹脂は、アモルファスケイ酸水和物、メチルシラントリイル-トリアセタート、ジアセトキシジ-tert-ブトキシシラン、ヘキサン酸、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、酢酸及びオクタメチルシクロテトラシロキサンを含む。
【0014】
一実施形態において、アモルファスケイ酸水和物は、ビスマストリス(2-エチルヘキサン酸)と置換されている。
【0015】
一実施形態において、樹脂は、トリアセトキシエチルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)並びに/又はvRVB物質とも呼ばれることがある、ドデカメチルシクロヘキサシロサン及びデカメチルシクロペンタシロキサンを含む物質を含む。
【0016】
いずれの実施形態でも、硬化剤の硬化効果、したがって樹脂が固まることは、樹脂が被服上に塗布されると生じる。
【0017】
典型的には、硬化は、周りの環境への樹脂の暴露の結果及び典型的には樹脂が塗布される環境中の水分への暴露の結果として生じる。しかしながら、別の実施形態では、硬化は、硬化剤成分の混合及び/又は熱若しくは紫外線などの特定の性質への暴露によって生じ得るか又は促進される。
【0018】
一実施形態において、樹脂は、いかなるスズ、有機スズ化合物及び/又はスズ誘導体も含まない。
【0019】
本発明の更なる態様において、折り目線の保持を延ばすことを補助するために、被服の前記折り目線に樹脂材料を塗布する方法であって、該方法は、液状樹脂材料の供給を分注手段に提供するステップであって、前記分注手段は、それを通した液状樹脂の制御された移動のための出口開口を有し、前記液状樹脂が出口開口から前記折り目線に沿って液状樹脂のリボン又は線として塗布されるように、前記出口開口と前記折り目線との相対移動を案内する、ステップと、樹脂を固め、樹脂を前記折り目線に沿って付着させるために前記樹脂を硬化させるステップとを含み、前記樹脂は、スズ及び/又は有機スズを含まない、方法が提供される。
【0020】
一実施形態において、樹脂を硬化させる硬化剤は、架橋型アセテート及び/又はビスマス亜鉛である。
【0021】
本発明の更なる態様において、第1の液状形態から第2の実質的に固体の形態に変化する樹脂材料であって、前記変化は、硬化剤の活性化の結果として達成され、前記硬化剤は、架橋型アセテート及び/又はビスマス亜鉛のいずれかである、樹脂材料が提供される。
【0022】
典型的には、硬化剤の活性化は、被服折り目線上に分注された硬化剤が含まれる樹脂が周囲環境に暴露されると生じる。
【0023】
一実施形態において、活性化は、樹脂材料が被服の折り目線に塗布され、樹脂が被服に少なくとも部分的に吸収され、固まる間及び/又はその後に生じる。
【0024】
本発明の更なる態様において、本明細書中に記載の樹脂材料を収容し、前記樹脂材料が液状形態で分注される出口開口を有するカートリッジが提供される。
【0025】
典型的には、カートリッジは、ある量の樹脂が配置されるリザーバと、樹脂が出口開口に向かい出口開口を通して移動して分注されるように、空気などの加圧ガスなどの移動力が印加されると、リザーバに沿って出口開口に向かう方向に樹脂を移動させる移動手段とを含む。
【0026】
典型的には、樹脂の量、リザーバのサイズ及び/又はカートリッジのサイズは、特定の使用又は各カートリッジが必要とする使用回数に関して選択される。一実施形態において、前記カートリッジは、再充填可能である。
【0027】
一実施形態において、被服の折り目線に沿って樹脂を塗布するための装置は、樹脂が液状で保持されるリザーバと、樹脂が、液状樹脂が塗布される出口開口を含む塗布手段に移送される供給手段と、折り目線の底に沿って線又はリボンを塗布するように、塗布手段出口開口と折り目線との間の相対移動を案内するためのガイド手段とを含む。
【0028】
一実施形態において、リザーバと、出口開口と、ガイド手段は、所定量の前記樹脂を収容するカートリッジの一体部品として提供され、リザーバ内にあって、空気などの加圧ガスによる圧力下で移動するピストンの形状の供給手段は、リザーバに沿って移動し、出口開口に向かう移動力を樹脂に加える。
【0029】
別の実施形態では、リザーバは、塗布手段とは別個のものであり、塗布手段出口開口に向かって樹脂を圧送するために管又はチューブを介して塗布手段に接続されているドラム又は他の容器である。この実施形態において、塗布手段は、出口開口及びガイド手段があり得る本体部分を含む。
【0030】
一実施形態において、ガイド手段は、1つ以上の溝が形成されたベース又はテーブルを含み、ベース又はテーブルは、ベース又はテーブルに沿って被服の折り目線を受け、被服の折り目線に沿って樹脂が塗布され、それにより、樹脂が被服の折り目線に沿って塗布されて樹脂が硬化し始める際、折り目線を所定の位置に保持する。典型的には、樹脂は、被服の内部表面上の折り目線に塗布される。
【0031】
本発明の更なる態様において、少なくとも1つの折り目線を含む被服であって、少なくとも1つの折り目線に沿って、本明細書中に記載の樹脂材料は、塗布され、硬化して固まり、折り目線形状の保持を補助する、被服が提供される。
【0032】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の特定の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1a】被服の折り目線に樹脂を塗布するために使用される装置の端面図を示す。
【
図1b】被服の折り目線に沿って固まる樹脂材料を塗布するために使用される装置の一実施形態の正面図を示す。
【
図2】本発明による樹脂を塗布するために使用される装置の更なる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1a及び
図1bを参照すると、被服8の折り目6の永続性を高め、それにより被服の見た目をより長期間にわたって維持するために、被服の折り目線6に液状樹脂材料12を塗布するために使用される装置2が示されている。典型的には、樹脂材料12は、被服の製造時及び/又は被服のクリーニング後に付加され、典型的には、樹脂の塗布は、被服を購入した者によって塗布されるのではなく、商業ベースで塗布される。
【0035】
図示される実施形態では、樹脂を塗布するために使用される装置2は、空気などの加圧流体源を含み、空気ポンプ36は、この実施形態に示されるように、取付手段40に位置する手動スイッチとして提供され得る制御手段38に接続されている。空気は、空気チューブ34を通してカートリッジ16の端30に供給され、空気チューブ35を介して空気ポンプ36に接続される。カートリッジのサイズ及び設計は、特定の用途に合うように変更することができる。空気ポンプは、オン及びオフにすることができ、したがって、加圧空気の供給の制御は、チューブ34及びチューブ35に接続されたスイッチ38を介して達成される。加圧され、空気ポンプを出た空気は、カートリッジ16の入口開口30に送られる。カートリッジ16は、本体28を含み、本体28内において、リザーバが画定されており、及びピストン10が提供されており、カートリッジのピストンと出口開口26との間に液状の一定量の樹脂材料12が提供されている。カートリッジ本体取付手段40は、空気ポンプを制御するための及び使用者がカートリッジを移動させるときに把持することができる指スイッチ38を含む。
【0036】
カートリッジは、この例では、図示されるように、カートリッジ本体の長さに沿って間隔を空けて配置されたガイド手段14を含み、これらは、折り目線に沿って位置し、折り目線に接触し、カートリッジの長尺状の出口開口26と同じ軸線に沿って位置する。ガイド手段は、被服8の折り目線の内面に受け入れられ、被服8の折り目線の内面に沿って通過し、それによりカートリッジが折り目線に沿って移動する際にカートリッジを案内するように提供される。折り目線は、更に、支持面又はアーム20上に提供されるV字形又はガルウイング形状の溝4内に位置し、これは、必要とされる直線路に沿って折り目線を維持するように機能し、カートリッジは、被服の内面に沿って矢印18の方向に移動し、被服とカートリッジとの間の相対移動が起こると、空気ポンプ動作の動作によりピストン10がカートリッジリザーバに沿って移動し、樹脂材料12を出口開口26に向かって、出口開口26を通して移動させて、折り目6に沿って樹脂材料の線又はリボンとして分注する。装置の他の形態では、樹脂は、樹脂のリザーバから、樹脂が折り目線に塗布される分注開口26に供給され得、この実施形態ではカートリッジを提供する必要がないことが認識されるべきである。
【0037】
図2には、装置の代替的な実施形態が示されており、参照を容易にするために、
図1a及び
図1bに示される実施形態と同じ特徴に対して同じ参照番号が使用されている。樹脂材料の塗布は、
図1aに示されるものと類似の手法でも適用されるが、この実施形態では、カートリッジが提供されず、代わりに、樹脂材料のリザーバ44を含むドラム又は容器42が提供されている。リザーバは、チューブ48、50を介し、かつポンプ46を介して塗布手段52に接続されている。塗布手段52は、グリップ位置54を含む取付手段と、スキー、そり又は車輪56とを含む。溝及び支持テーブル58又は
図1a及び
図1bの実施形態に示されるものに類似する支持アーム20上にある折り目及び被服に関して前述したように、チューブは、出口開口26に接続されており、出口開口26を通して被服8の折り目6に沿って分注される。
【0038】
いずれの実施形態でも、樹脂が出口開口から分注されるとき、樹脂は、依然として液状であるため、開口26から折り目線上に、かつ折り目線に沿って流出する。
【0039】
樹脂材料が塗布され、典型的には少なくとも部分的に折り目線に入ると、周りの環境への暴露により、被服8の折り目線上にあり、被服8の折り目線に付着した樹脂内の硬化剤が硬化して固まり、折り目6の形状を保持し、それにより樹脂材料が折り目6の底に適切に塗布されている場合、樹脂が塗布されていない場合よりも長期間にわたって樹脂が被服の折り目の形状の維持を補助することを確実にする。
【0040】
本発明によれば、樹脂材料12は、架橋型アセテート又はビスマス亜鉛のいずれかである硬化剤を備え、これらの硬化剤のいずれも、樹脂が被服折り目線に塗布されると、これを硬化させるためのいかなる更なる行為をも必要としない。これは、硬化剤は、周囲環境、特に環境中の水分への暴露に反応して硬化するため、樹脂の硬化を生じさせるために更なる機器又は装置を使用する必要がないからである。しかしながら、比較的迅速な硬化効果を更に促進するために、又は樹脂中の硬化剤が変更される場合、装置は、樹脂が塗布されると、樹脂を硬化させるか又は樹脂の硬化を向上させるために樹脂に例えば熱を提供するか、或いは赤外線若しくは紫外線又は他の硬化効果を生成するための装置を含むことが可能である。これを達成するための装置の一例は、被服8の上方の、樹脂が既に塗布された位置に配置されたユニット60を示す
図2に提供されており、ユニットは、したがって、樹脂線を硬化させるために熱又は適切な光などの硬化手段を樹脂線上に放出することができる。
【0041】
したがって、本発明によれば、使用される硬化剤、したがって樹脂の全体がスズ、有機スズ及びいかなるスズ化合物をも含まないことで健康及び安全に関する懸念が克服及び回避されるため、環境に優しく、潜在的な健康への影響が低下した樹脂材料を使用して、被服の折り目線の長さを延ばす手段が提供される。
【国際調査報告】