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特表2023-511878自動運転車両の通行を判定する方法及び関連機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】自動運転車両の通行を判定する方法及び関連機器
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20230315BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230315BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230315BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20230315BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20230315BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/09 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543782
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2020142232
(87)【国際公開番号】W WO2021190067
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】202010214755.7
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 江 江
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181EE02
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL09
5H181MC27
(57)【要約】
本発明の実施形態は、自動運転車両の通行を判定する方法及び装置、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及び電子機器を提供し、コンピュータ及び通信技術の分野に属する。前記方法は、車線データを含む自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得するステップと、所定の時間内の前記交差点における交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップと、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップと、前記マッチング誤差が最も小さい車線が通行可能な状態であると判定するステップと、を含み、ここで、前記マッチング誤差が最も小さい車線は、前記障害物が位置する車線である。本発明の実施形態に係る技術案は、自動運転車両の通行を判定する方法を提供し、交差点での通行を判定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得するステップと、
所定の時間内の前記交差点における交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップと、
前記障害物の履歴軌跡と車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップと、
前記マッチング誤差が最も小さい車線が通行可能な状態であると判定するステップと、を含み、
前記マッチング誤差が最も小さい車線は、前記障害物が位置する車線であり、
前記交差点情報は、前記車線データを含む
自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項2】
前記交差点情報は、前記車線データに対応する交通信号灯をさらに含み、前記マッチング誤差が最も小さい車線が通行可能な状態であると判定するステップは、
前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯の状態が通行可能な状態であると判定するステップを含む
請求項1に記載の自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項3】
前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態を取得するステップと、
前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯が前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯である場合、前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態が通行可能か否かを検証するステップ、又は
前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯が前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯ではない場合、交差点での交通信号灯間の論理的関係に基づいて前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態が通行可能か否かを検証するステップをさらに含む
請求項2に記載の自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項4】
所定の時間内の前記交差点における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップは、
制御アルゴリズムにより前記障害物の履歴軌跡点を追跡し、得られた追跡軌跡を前記障害物の履歴軌跡とするステップを含み、
各補間点の座標及び向きを含む前記履歴軌跡を補間し、前記補間点の向きは、前記障害物の移動方向である
請求項2に記載の自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項5】
前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップは、
前記障害物の履歴軌跡の形状及び向きと前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線の形状及び延伸方向とをマッチングすることにより、前記マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップを含み、
各補間点の座標及び向きを含む前記車線の中心線を補間する
請求項4に記載の自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項6】
前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップは、
曲線類似度マッチングアルゴリズムにより前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップを含む
請求項2に記載の自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項7】
各補間点の座標及び向きを含む前記履歴軌跡を補間し、前記補間点の向きは、前記障害物の移動方向であり、各補間点の座標及び向きを含む前記車線の中心線を補間し、前記曲線類似度マッチングアルゴリズムにより前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップは、
前記履歴軌跡の各補間点から前記車線のそれぞれの中心線のうちの最も近い補間点までの距離を計算し、前記履歴軌跡の各補間点と前記車線のそれぞれの中心線のうちの最も近い補間点との向きの差を計算するステップと、
前記履歴軌跡と前記車線のそれぞれの中心線との前記距離及び前記向きの差の絶対値の和を計算するステップと、
前記車線における前記絶対値の和が最も小さい車線をマッチング誤差が最も小さい車線とするステップと、を含み、
前記向きの差は、前記履歴軌跡の補間点の向きと前記車線の中心線の補間点の向きとの間の角度である
請求項6に記載の自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項8】
前記交差点情報は、各車線の停止線が順次に接続された多角形をさらに含み、所定の時間内の前記交差点における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップは、
所定の時間内の前記多角形における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップを含む
請求項2に記載の自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項9】
前記障害物が複数である場合、前記交差点での交通信号灯の状態の間に論理的矛盾が存在する場合、より多数の前記障害物に対応する交通信号灯が通行可能な状態であると判定するステップをさらに含む
請求項2に記載の自動運転車両の通行を判定する方法。
【請求項10】
自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得するように構成され、所定の時間内の前記交差点における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するようにさらに構成される取得モジュールと、
前記障害物の履歴軌跡と車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するように構成されるマッチングモジュールと、
前記障害物が位置する車線である、前記マッチング誤差が最も小さい車線の状態が通行可能な状態であると判定するように構成される判定モジュールと、を含み、
前記交差点情報は、前記車線データを含む
自動運転車両の通行を判定する装置。
【請求項11】
1つ又は複数のプロセッサーと、
1つ又は複数のプログラムが記憶され、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサーにより実行される場合、前記1つ又は複数のプロセッサーが請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法を実現するように構成される記憶装置と、を備える
電子機器。
【請求項12】
コンピュータプログラムがプロセッサーによって実行される場合、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年03月24日に出願され、出願番号が202010214755.7であり、発明の名称が「自動運転車両の通行を判定する方法及び関連機器」である中国特許出願を基礎として優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を本願に援用する。
【0002】
技術分野
本発明は、コンピュータ及び通信技術の分野に関し、特に、自動運転車両の通行を判定する方法及び装置、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、自動運転車両が走行方向における交通信号灯の状態を判定する場合、交差点での複数の交通信号灯の状態を収集した後、交通信号灯間の論理的関係及び感知結果に基づいて車両走行方向における交通信号灯の状態を判断する必要がある。
【0004】
なお、上記の背景技術に記載されている内容は、本発明の背景技術に対する理解を深めるためのものに過ぎないため、当業者に知られている従来技術を構成しない内容を含むことができる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例は、自動運転車両の走行経路上の通行状況を判定することができる自動運転車両の通行を判定する方法及び装置、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及び電子機器を提供する。
【0006】
本発明の他の特性及び利点は、以下の詳細な説明によって明らかになり、あるいは、本発明の実施によって部分的に習得する。
【0007】
本発明の一態様によれば、自動運転車両の通行を判定する方法を提供する。前記自動運転車両の通行を判定する方法は、
車線データを含む自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得するステップと、
所定の時間内の前記交差点における交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップと、
前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップと、
前記マッチング誤差が最も小さい車線が通行可能な状態であると判定するステップと、を含み、
ここで、前記マッチング誤差が最も小さい車線は、前記障害物が位置する車線である。
【0008】
一実施例において、前記交差点情報は、前記車線データに対応する交通信号灯をさらに含み、前記マッチング誤差が最も小さい車線が通行可能な状態であると判定するステップは、
前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯の状態が通行可能な状態であると判定するステップを含む。
【0009】
一実施例において、
前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態を取得するステップと、
前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯が前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯である場合、前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態が通行可能か否かを検証するステップ、又は
前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯が前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯ではない場合、交差点での交通信号灯間の論理的関係に基づいて前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態が通行可能か否かを検証するステップをさらに含む。
【0010】
一実施例において、所定の時間内の前記交差点における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップは、
制御アルゴリズムにより前記障害物の履歴軌跡点を追跡し、得られた追跡軌跡を前記障害物の履歴軌跡とするステップを含む。
【0011】
ここで、各補間点の座標及び向きを含む前記履歴軌跡を補間し、前記補間点の向きは、前記障害物の移動方向である。
【0012】
一実施例において、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップは、
前記障害物の履歴軌跡の形状及び向きと前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線の形状及び延伸方向とをマッチングすることにより、前記マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップを含む。
【0013】
ここで、各補間点の座標及び向きを含む前記車線の中心線を補間する。
一実施例において、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップは、
曲線類似度マッチングアルゴリズムにより前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップを含む。
【0014】
一実施例において、各補間点の座標及び向きを含む前記履歴軌跡を補間し、前記補間点の向きは、前記障害物の移動方向である。各補間点の座標及び向きを含む前記車線の中心線を補間し、前記曲線類似度マッチングアルゴリズムにより前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップは、
前記履歴軌跡の各補間点から前記車線のそれぞれの中心線のうちの最も近い補間点までの距離を計算し、前記履歴軌跡の各補間点と前記車線のそれぞれの中心線のうちの最も近い補間点との向きの差を計算するステップと、
前記履歴軌跡と前記車線のそれぞれの中心線との前記距離及び前記向きの差の絶対値の和を計算するステップと、
前記車線における前記絶対値の和が最も小さい車線をマッチング誤差が最も小さい車線とするステップと、を含む。
【0015】
ここで、前記向きの差は、前記履歴軌跡の補間点の向きと前記車線の中心線の補間点の向きとの間の角度である。
【0016】
一実施例において、前記交差点情報は、各車線の停止線が順次に接続された多角形をさらに含み、所定の時間内の前記交差点における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップは、
所定の時間内の前記多角形における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップを含む。
【0017】
一実施例において、
前記障害物が複数である場合、前記交差点での交通信号灯の状態の間に論理的矛盾が存在する場合、より多数の前記障害物に対応する交通信号灯が通行可能な状態であると判定するステップをさらに含む。
【0018】
本発明の一態様によれば、自動運転車両の通行を判定する装置を提供する。前記自動運転車両の通行を判定する装置は、
車線データを含む自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得するように構成され、所定の時間内の前記交差点における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するようにさらに構成される取得モジュールと、
前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するように構成されるマッチングモジュールと、
前記障害物が位置する車線である、前記マッチング誤差が最も小さい車線の状態が通行可能な状態であると判定するように構成される判定モジュールと、を含む。
【0019】
本発明の一態様によれば、電子機器を提供する。前記電子機器は、
1つ又は複数のプロセッサーと、
1つ又は複数のプログラムが記憶され、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサーにより実行される場合、上記の方法のいずれか1項に記載の方法を前記1つ又は複数のプロセッサーに実現させるように構成される記憶装置と、を備える。
【0020】
本発明の一態様によれば、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサーによって実行される場合、上記の方法のいずれか1項に記載の方法を実現する。
【0021】
本願は、交差点での障害物の移動軌跡によりそれが位置する車線を取得することにより、当該車線の通行状態を判定することができる。
【0022】
なお、前記一般的な記載及び後述の詳細な記載は、単なる例示的で解釈的な記載であり、本発明を限定しない。
【0023】
以下の図面は、明細書に組み入れて本明細書の一部分を構成し、本発明に該当する実施例を例示するとともに、明細書とともに本発明の原理を解釈する。なお、以下の記載における図面は、ただ本発明の一部の実施例に過ぎない。当業者は、創造的な労働を付与しない前提で、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する方法又は自動運転車両の通行を判定する装置を適用することができる例示的なシステムアーキテクチャの模式図を示す。
図2】本発明の実施形態に係る電子機器を実現するためのコンピュータシステムの構造を示す模式図を示す。
図3】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する方法を模式的に示すフローチャートである。
図4】本願の一実施例に係る交差点の模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置を模式的に示すブロック図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置を模式的に示すブロック図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、例示的な実施形態をより全面的に説明する。ただし、例示的な実施形態は複数種類の形態で実施することができ、ここに記述する実施例に限定されないことを理解すべきである。逆に、これらの実施形態を提供することで、本発明がさらに全面で完全になるとともに、例示的な実施形態の思想を全面で当業者に伝達する。
【0026】
なお、説明される特徴、構成又は特性は、任意の適切な方式で一つ又は複数の実施形態に組み合わせることができる。以下の説明において、本発明の実施例を充分に理解するために、多くの具体的な細部を提供する。しかしながら、当業者であれば、特定の詳細の1つ又は複数を省略してもよく、又は他の方法、ユニット、装置、ステップなどを本発明の技術案を実施する際に使用してもよいことは理解されるべきである。他の場合において、本発明の各態様を不明瞭にすることを避けるために、公知の方法、装置、実現又は操作を詳しく示し又は説明しない。
【0027】
図面に示されるブロック図は、機能的実体に過ぎず、必ずしも物理的に独立している実体に対応する必要がない。これらの機能的実体は、ソフトウェア形式で実現され、又は、1つ又は複数のハードウェアモジュール或いは集積回路で実現され、又は、異なるネットワーク及び/又はプロセッサー装置及び/又はマイクロコントローラ装置で実現される。
【0028】
図面に示されるフローチャートは、例示的な説明に過ぎず、必ずしもすべての内容及び操作/ステップを含む必要はなく、必ずしも記載された順序で実行される必要もない。例えば、ある操作/ステップは、分解されてもよいが、ある操作/ステップは、合併され又は部分的に合併されてもよいので、実際に実行される順序は、実際の状況に応じて変更される可能性がある。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する方法又は自動運転車両の通行を判定する装置を適用することができる例示的なシステムアーキテクチャ100の模式図を示す。
【0030】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、端末機器101、102、103のうちの1つ又は複数、ネットワーク104及びサーバー105を含むことができる。ネットワーク104は、端末機器101、102、103とサーバー105との間に通信リンクを提供するための媒体である。ネットワーク104は、例えば有線、無線通信リンク又は光ファイバケーブルなどの様々な接続タイプを含むことができる。
【0031】
図1における端末機器、ネットワーク及びサーバーの数は、単に例示的なものであることを理解すべきである。実現の需要に応じて、任意の数の端末機器、ネットワーク及びサーバーを有することができる。例えば、サーバー105は、複数のサーバーからなるサーバー集合体などであってもよい。
【0032】
自動運転車両は、端末機器101、102、103を使用してネットワーク104を介してサーバー105とインタラクションを行うことにより、メッセージなどを受信又は送信することができる。端末機器101、102、103は、表示スクリーンを有する各電子機器であってもよく、スマートフォン、タブレットPC、携帯型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルシネマ映写機などを含むが、これらに限定されない。
【0033】
サーバー105は、各種サービスを提供するものであってもよい。例えば、自動運転車両は、端末機器103(端末機器101又は102であってもよい)によりサーバー105に自動運転車両の通行の判定要求を送信する。或いは、端末機器103は、サーバー105に自動運転車両の通行の判定要求を自動的にリアルタイムで送信する。サーバー105は、自動運転車両の通行の判定要求に基づいて、車線データを含む自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得し、所定の時間内の前記交差点における交差点での障害物の履歴軌跡を取得し、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得し、前記マッチング誤差が最も小さい車線の状態が通行可能な状態であると判定することができる。ここで、前記マッチング誤差が最も小さい車線は、前記障害物が位置する車線である。
【0034】
さらに例えば、端末機器103(端末機器101又は102であってもよい)は、スマートテレビ、VR(Virtual Reality、仮想現実)/AR(Augmented Reality、拡張現実)ヘッドマウントディスプレイ又はナビゲーション、オンラインカーヘイリング(online car-hailing)、インスタントメッセージング、ビデオアプリケーション(application、APP)などがインストールされた移動端末、例えばスマートフォン、タブレットPCなどであってもよく、自動運転車両は、前記スマートテレビ、VR/ARヘッドマウントディスプレイ又は前記ナビゲーション、オンラインカーヘイリング、インスタントメッセージング、ビデオAPPを介してサーバー105に自動運転車両の判定要求を送信することができる。サーバー105は、前記自動運転車両の判定要求に基づいて、自動運転車両の対応する通行の判定結果を取得するとともに、自動運転車両の対応する通行の判定結果を前記スマートテレビ、VR/ARヘッドマウントディスプレイ又は前記ナビゲーション、オンラインカーヘイリング、インスタントメッセージング、ビデオAPPに返信し、さらに前記スマートテレビ、VR/ARヘッドマウントディスプレイ又は前記ナビゲーション、オンラインカーヘイリング、インスタントメッセージング、ビデオAPPを介して返信された自動運転車両の通行の判定結果を表示することができる。
【0035】
図2は、本発明の実施形態に係る電子機器を実現するためのコンピュータシステムの構造を示す模式図を示す。
【0036】
なお、図2に示される電子機器のコンピュータシステム200は、単なる一例であり、本発明の実施形態の機能及び使用範囲に何ら制限を課すものではない。
【0037】
図2に示すように、コンピュータシステム200は、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)202に記憶されているプログラム又は記憶部208からランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)203にロードされたプログラムに基づいて、適切な各種動作及び処理を実行することができる中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)201を含む。RAM203には、システム操作に必要な各種プログラム及びデータがさらに記憶される。CPU201、ROM202及びRAM203は、バス204を介して相互に接続されている。入力/出力(I/O)インタフェース205もバス204に接続される。
【0038】
I/Oインタフェース205には、キーボード、マウスなどを含む入力部206、例えば陰極線管(CRT、Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)など及びスピーカなどを含む出力部207、ハードディスクなどを含む記憶部208及び例えばLAN(Local Area Network、ローカルエリアネットワーク)カード、モデムなどのネットワークインタフェースカードを含む通信部209が接続される。通信部209は、例えばインターネットのようなネットワークを介して通信処理を実行する。ドライバ210も必要に応じてI/Oインタフェース205に接続される。例えば磁気ディスク、光ディスク、磁光ディスク、半導体メモリなどのような取り外し可能な媒体211は、必要に応じてドライバ210にインストールされることにより、それから読み出されたコンピュータプログラムは、必要に応じて記憶部208にインストールされる。
【0039】
本発明の実施形態によれば、以下、フローチャートを参照して説明する過程は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されることができる。例えば、本発明の実施形態は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に担持されるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含み、前記コンピュータプログラムは、フローチャートに示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施形態において、前記コンピュータプログラムは、通信部209を介してネットワークからダウンロード及びインストールされ、及び/又は取り外し可能な媒体211からインストールされることができる。前記コンピュータプログラムが中央処理装置(CPU)201により実行される場合、本願の方法及び/又は装置に限定される各種機能を実行する。
【0040】
なお、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はそれらの任意の組み合せであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば電気、磁気、光、電磁、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又はそれらの任意の組合せであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な記録媒体のより具体的な例として、1つ以上のワイヤを有する電気接続、携帯型コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。本発明において、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらと共に使用され得るプログラムを包含又は記憶する任意の有形媒体であってもよい。本発明において、コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、ベースバンドで、又は搬送波の一部として伝搬されるデータ信号を含むことができ、その中にコンピュータ読み取り可能なプログラムコードが担持される。そのような伝搬されるデータ信号は、電磁信号、光信号、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な形態をとり得る。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、また、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらと関連して使用するためのプログラムを送信、伝播、又は伝送し得る、コンピュータ読み取り可能な記録媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体に含まれるプログラムコードは、無線、有線、光ケーブル、RF(Radio Frequency、無線周波数)等、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体によって伝送されてもよい。
【0041】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態による方法、装置及びコンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点で、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、1つのモジュール、プログラムセグメント又はコードの一部を代表することができ、上記のモジュール、プログラムセグメント又はコードの一部は、所定の論理機能を実現するための1つ又は複数の実行可能な命令を含む。また、いくつかの代替的な実施形態において、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序と異なる順序で実行されてもよいことに留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際に略並列に実行されてもよく、関連する機能によっては逆の順序で実行されることもある。なお、ブロック図又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は操作を実行するための専用のハードウェアベースのシステムで実現され、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現されてもよいことに留意されたい。
【0042】
本発明の実施形態に係るモジュール及び/又はユニット及び/又はサブユニットは、ソフトウェアとして実現されることができ、ハードウェアとして実現されることもでき、記載されるモジュール及び/又はユニット及び/又はサブユニットは、プロセッサーに設けられることもできる。ここで、これらのモジュール及び/又はユニット及び/又はサブユニットの名称は、ある場合には、前記モジュール及び/又はユニット及び/又はサブユニットを限定するものではない。
【0043】
他の態様によれば、本願は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体をさらに提供する。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の実施形態に係る電子機器に含まれるものであってもよく、単独で存在するが前記電子機器に組み込まれていないものであってもよい。上記のコンピュータ読み取り可能な記録媒体には、1つ又は複数のプログラムが担持され、上記の1つ又は複数のプログラムが前記電子機器により実行される場合、前記電子機器は、下記の実施形態で説明されるような方法を実現する。例えば、前記電子機器は、図3に示されるような各ステップを実現することができる。
【0044】
関連技術において、例えば、機械学習方法、深層学習方法などにより自動運転車両の通行を判定することができ、適用範囲が方法によって異なる。
【0045】
一実施例において、本願は、自動運転車両の通行を判定する方法を提供する。前記自動運転車両の通行を判定する方法は、車線データを含む自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得するステップと、所定の時間内の前記交差点における交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップと、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップと、前記マッチング誤差が最も小さい車線が通行可能な状態であると判定するステップと、を含み、ここで、前記マッチング誤差が最も小さい車線は、前記障害物が位置する車線である。
【0046】
一実施例において、前記交差点情報は、前記車線データに対応する交通信号灯をさらに含み、前記マッチング誤差が最も小さい車線が通行可能な状態であると判定するステップは、前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯の状態が通行可能な状態であると判定するステップを含む。
【0047】
図3は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する方法のフローチャートを模式的に示す。本発明の実施形態に係る方法のステップは、端末機器により実行されることができ、サーバーにより実行されることができ、又は、端末機器とサーバーとにより交互に実行されることができ、例えば、上記の図1におけるサーバー105より実行されることができるが、本発明は、これに限定されない。
【0048】
ステップS310において、自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得し、ここで、前記交差点情報は、車線データ及び前記車線データに対応する交通信号灯を含む。
【0049】
このステップにおいて、端末又はサーバーは、自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得し、ここで、前記交差点情報は、車線データ及び前記車線データに対応する交通信号灯を含む。一実施例において、端末又はサーバーは、電子地図又はナビゲーションソフトウェアにより自動運転車両の走行経路上の交差点情報、即ち、自動運転車両の走行経路上の通過すべき交差点の情報を取得することができる。一実施例において、前記交差点情報は、車線データ及び前記車線データに対応する交通信号灯を含み、車線データは、前記交差点での車線の数、分布及び走行方向などであり、前記車線データに対応する交通信号灯は、前記交通信号灯により制御される車線であり、車線により前記車線を制御する交通信号灯を検索して取得することができる。
【0050】
ステップS320において、所定の時間内の前記交差点における交差点での障害物の履歴軌跡を取得する。
【0051】
このステップにおいて、端末又はサーバーは、所定の時間内の前記交差点における交差点での障害物の履歴軌跡を取得する。一実施例において、端末又はサーバーは、衛星測位などのツールにより所定の時間内の前記交差点における交差点での障害物の履歴軌跡を取得することができる。一実施例において、障害物は、車両又は歩行者であってもよい。一実施例において、所定の時間は、3秒であってもよい。一実施例において、3秒間内の前記交差点での障害物の移動軌跡であってもよい。一実施例において、制御アルゴリズムにより前記障害物の履歴軌跡点を追跡し、得られた追跡軌跡を前記障害物の履歴軌跡とする。ここで、各補間点の座標及び向きを含む前記履歴軌跡を補間し、前記補間点の向きは、前記障害物の移動方向である。一実施例において、制御アルゴリズムは、モデル予測制御アルゴリズム(mpc、model predictive control)又は純粋追跡制御アルゴリズム(pp、pure pursuit)であってもよい。一実施例において、障害物の履歴軌跡点は、障害物の幾何中心点であってもよい。一実施例において、前記交差点情報は、各車線の停止線が順次に接続された多角形をさらに含み、所定の時間内の前記交差点における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップは、所定の時間内の前記多角形における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するステップを含む。
【0052】
ステップS330において、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得する。
【0053】
このステップにおいて、端末又はサーバーは、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得する。一実施例において、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップは、前記障害物の履歴軌跡の形状及び向きと前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線の形状及び延伸方向とをマッチングすることにより、前記マッチング誤差が最も小さい車線を取得するステップを含み、ここで、各補間点の座標及び向きを含む前記車線の中心線を補間する。このステップにおいて、障害物の移動軌跡と車線の中心線の軌跡とを比較することにより、障害物がどの車線を走行又は移動するかを判定する。一実施例において、曲線類似度マッチングアルゴリズムにより前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得する。
【0054】
ステップS340において、前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯の状態が通行可能な状態であると判定する。ここで、前記マッチング誤差が最も小さい車線は、前記障害物が位置する車線である。
【0055】
このステップにおいて、端末又はサーバーは、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得した後、前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯の状態が通行可能な状態であると判定する。ここで、前記マッチング誤差が最も小さい車線は、前記障害物が位置する車線である。このステップにおいて、障害物が交差点での車線を移動する場合、前記車線が障害物の移動を許可できることが示され、前記車線を制御する交通信号灯が通行可能な状態であると判定する。
【0056】
一実施例において、図3に示される方法は、前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態を取得するステップと、前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯が前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯である場合、前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態を検証するステップ、又は、前記マッチング誤差が最も小さい車線に対応する交通信号灯が前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯ではない場合、交差点での交通信号灯間の論理的関係に基づいて前記自動運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態を検証するステップをさらに含む。この実施例において、図3で判定した交通信号灯の状態により直接取得した運転車両の走行経路上の交通信号灯の状態を検証する。
【0057】
一実施例において、前記障害物が複数である場合、前記交差点での交通信号灯の状態の間に論理的矛盾が存在すると、より多数の前記障害物に対応する交通信号灯が通行可能な状態であると判定する。この実施例は、主に交差点での車両や歩行者の違反走行や歩行による誤判定を排除するために用いられる。
【0058】
一実施例において、本願は、地図モジュールと、感知モジュールと、ナビゲーションモジュールと、を含む。
【0059】
地図モジュールは、交通信号灯情報、車線情報、交差点情報及び対応する検索インタフェースを提供するが、これらに限定されない。具体的に、交通信号灯データは、識別子、バインディングされた車線対を含むが、これらに限定されない。なお、1つの交通信号灯は、複数の車線対にバインディングされる可能性があり、同時に、地図モジュールは、検索インタフェースを提供し、即ち、現在の交通信号灯に基づいて、前記交通信号灯にバインディングされた車線対を検索して取得することができ、車線対に基づいて交通信号灯を検索することができる。車線情報は、現在の車線の上流側の車線及び下流側の車線を含むが、これらに限定されない。複数の上流や下流側の車線が存在する可能性がある(1対多、1対1)。車線のタイプは、自動車線、非自動車線、横断歩道などを含むが、これらに限定されない。車線情報は、車線の中心線の座標セット(前後順序付き座標点列、順序が前記車線の走行方向を表す)をさらに含み、同時に、検索インタフェースを提供し、即ち、現在の車線に基づいて、前記車線のすべての情報を取得することができる。交差点情報は、交差点の輪郭情報(順序付き座標点列)を含むが、これらに限定されない。本発明において、交差点の輪郭情報が凸多角形(polygon)であることが要求される。
【0060】
感知モジュールは、障害物及び交通信号灯情報を提供する。障害物情報は、障害物の長さ、幅、高さ、速度、向き、中心点の座標、所定の時間の履歴軌跡点(時間の経過に伴って増加した座標点セット)を含むが、これらに限定されない。交通信号灯の状態情報は、現在の交通信号灯の状態(赤、黄、緑、未知)、地理的位置などを含むが、これらに限定されない。
【0061】
ナビゲーションモジュールは、車両が走行する必要がある車線シーケンス(前後順序付き車線セット)を提供する。
【0062】
一実施例において、前記マッチング誤差が最も小さい車線に基づいて判定された交通信号灯の状態のすべてを決定セットDに追加する。
【0063】
一実施例において、交通信号灯に対応する識別コードと感知モジュールが下位層へ送信した交通信号灯の識別コードとが一致するか否かを判定する。一致しない場合、感知モジュールが下位層へ送信したデータに誤りがあり、識別コードの検証に失敗したと考えられ、その状態が検証が通過されないことであるとマークされる。交通信号灯がDに位置するか否かを判定する。位置しない場合、それをDセットに追加し、交通信号灯の状態が一定に維持される。交通信号灯がDセットに位置する場合、感知モジュールが下位層へ送信した状態とDセットにおける交通信号灯の状態とが一致するか否かを判定する。一致する場合、状態の検証が通過されると考えられる。一致しない場合、Dにおける交通信号灯の状態を感知モジュールが下位層へ送信した状態(感知モジュールが下位層へ送信したものを主な根拠とする)に変更し、その状態が検証が通過されないことであるとマークされる。最後に、本発明は、セットDのデータを下位層である他のモジュール(例えば予測、経路、速度計画など)へ送信することができる。
【0064】
一実施例において、前記履歴軌跡の各補間点から前記車線のそれぞれの中心線のうちの最も近い補間点までの距離を計算し、前記履歴軌跡の各補間点と前記車線のそれぞれの中心線のうちの最も近い補間点との向きの差を計算する。前記履歴軌跡と前記車線のそれぞれの中心線との前記距離及び前記向きの差の絶対値の和を計算する。また、前記車線における前記絶対値の和が最も小さい車線をマッチング誤差が最も小さい車線とする。ここで、前記向きの差は、前記履歴軌跡の補間点の向きと前記車線の中心線の補間点の向きとの間の角度である。
【0065】
一実施例において、第1の車線を例とする。
履歴軌跡における軌跡点のそれぞれについて(履歴軌跡の補間点)、第1の車線から前記軌跡点に最も近い点(車線の中心線の補間点)を探索し、角度の差の絶対値が1.57より大きい場合、今回のマッチングに失敗し、類似度が正の無限大である。
【0066】
そうではない場合、2点間の距離D及び向きの差AngleDiff(2点の向きの間の角度を計算し、-3.14~3.14に正規化する)を計算し、距離D及び向きの差AngleDiffの絶対値の和をこの2点の類似度とする。
【0067】
履歴軌跡における軌跡点のそれぞれと第1の車線との類似度の和を履歴軌跡における軌跡点の数で除したものを履歴軌跡と第1の車線との類似度とする。
【0068】
最後に、車線セットから履歴軌跡との類似度が最も小さい車線を前記障害物が位置する車線として選択する。一実施例において、曲線類似度マッチングアルゴリズムの擬似コードは、以下の通りである。
【0069】
1.初期化誤差Errorが0である。
2.曲線1における各点P1については:
a)曲線2における点P1から最も近い点P2を検索し、距離Dを計算する。
【0070】
b)P1和P2の向きの誤差(AngleDiff)を計算し、-180°~180°の範囲に正規化し、ラジアン値に変換する。
【0071】
c)AngleDiffの絶対値が1.57(Π/2)より大きい場合、マッチングに失敗し、終了する。
【0072】
d)Error= Error+D+AngleDiffである。
3.Error/曲線1の点の数を返信する。
【0073】
ここで、曲線1は、障害物の軌跡(補間後、向き付き)であり、曲線2は、車線の中心線の点列である(補間后、向き情報付き)。
【0074】
本願は、交差点での障害物の移動軌跡によりそれが位置する車線を取得することにより、当該車線の通行状態を判定することができる。
【0075】
図4は、本願の一実施例に係る交差点400の模式図である。図4に示すように、交差点400は、車線410、420、430、440、交差点の中心領域450、障害物460及び自動運転車両470を含む。ここで、車線410、420、430、440は、それぞれ中心線411、421、431、441を含む。軌跡線461は、障害物の移動軌跡線である。中心線411、421、431、441の矢印方向は、前記車線が交通ツールの移動を許可する方向である。
【0076】
一実施例において、本願は、以下のステップで実施されることもできる。
ステップ1において、車両の現在の位置(例えば、図4における自動運転車両470の位置)に基づいて、本車両から最も近い前方の交差点(例えば、図4に示される交差点の模式図)、交通信号灯情報を検索し、前記交差点が自動運転車両(例えば、図4における自動運転車両470)のナビゲーション経路上に位置するか否かを判定する。位置しない場合、ステップ5に進む。そうではない場合、ステップ2に進む。
【0077】
ステップ2において、交差点(例えば、交差点400)の位置に基づいて、前記交差点でのすべての車線セットS(例えば、図4における車線410、420、430、440)を取得し、セットSにおける車線のそれぞれの中心線(例えば、図4における車線の中心線411、421、431、441)を線形補間し、各点の向きを計算し、車線セットLPを取得し、車線上の点の情報は、座標及び向きを含む。
【0078】
ステップ3において、感知された各障害物(例えば、図4における障害物460)に対して以下の処理を行う。
【0079】
ステップ3.1において、現在の障害物が交差点に位置するか否かを判定する。位置しない場合、次の障害物を処理し続ける。そうではない場合、ステップ3.2に進む。
【0080】
ステップ3.2において、障害物(例えば、図4における障害物460)の履歴軌跡(例えば、図4における軌跡線470)を取得し、キャプチャ(障害物が交差点に位置するか否かを判定する)を行って、交差点における軌跡点セット(交差点の中心領域450における軌跡線470の部分)のみを切り出す。
【0081】
ステップ3.3において、軌跡点セットを線形補間し、PP又はMPCなどの制御アルゴリズムにより軌跡点セットを追跡し、アルゴリズムにより出力される追跡軌跡を最終的な障害物の走行軌跡とし、軌跡点の情報は、座標及び向きを含む。
【0082】
ステップ3.4において、セットLPにおける各曲線(例えば、図4における車線の中心線411、421、431、441)と障害物の走行軌跡(例えば、図4における軌跡線470)とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線(例えば、図4における車線411)を取得し、具体的なマッチングアルゴリズムは、曲線類似度マッチングアルゴリズムを参照する。障害物の走行軌跡とLPにおけるすべての曲線とのマッチングに失敗した場合、次の障害物を処理し続け、ステップ3.1に進む。そうではない場合、ステップ3.5に進む。
【0083】
ステップ3.5、前記マッチング誤差が最も小さい車線(例えば、図4における車線411)の上流側の車線セットL(例えば、交差点の中心領域450以外の図4における車線410の部分)を検索し、Lにおける各車線乃至現在のマッチング誤差が最も小さい車線に交通信号灯が存在するか否かを検索し、存在する場合、前記交通信号灯の状態が緑であるとマークされ、決定セットDに追加される。次の障害物を処理し続け、ステップ3.1に進む。
【0084】
ステップ4において、ステップ1において取得された交通信号灯のアドレスが感知モジュールが下位層へ送信した交通信号灯のアドレスとが一致するか否かを判定し、一致しない場合、感知モジュールが下位層へ送信したデータに誤りがあり、識別コードの検証に失敗したと考えられ、その状態が検証が通過されないことであるとマークされる。交通信号灯がDに位置するか否かを判定する。位置しない場合、それをDセットに追加し、交通信号灯の状態が一定に維持される。交通信号灯がDセットに位置する場合、感知モジュールが下位層へ送信した状態とDセットにおける交通信号灯の状態とが一致するか否かを判定する。一致する場合、状態の検証が通過されると考えられる。一致しない場合、Dにおける交通信号灯の状態を感知モジュールが下位層へ送信した状態(感知モジュールが下位層へ送信したものを主な根拠とする)に変更し、その状態が検証が通過されないことであるとマークされる。最後に、セットDのデータを下位層である他のモジュール(例えば予測、経路、速度計画など)へ送信し、ステップ5に進む。
【0085】
ステップ5において、今回の決定を終了する。
図5は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置のブロック図を模式的に示す。本発明の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置500は、端末機器に設けられることができ、サーバー側に設けられることができ、又は、一部が端末機器に設けられ、一部がサーバー側に設けられ、例えば、図1におけるサーバー105に設けられることができるが、本発明は、これに限定されない。
【0086】
本発明の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置500は、取得モジュール510と、マッチングモジュール520と、判定モジュール530と、を含むことができる。
【0087】
ここで、取得モジュール510は、車線データを含む自動運転車両の走行経路の交差点情報を取得するように構成され、所定の時間内の前記交差点における前記交差点での障害物の履歴軌跡を取得するようにさらに構成される。マッチングモジュール520は、前記障害物の履歴軌跡と前記車線データにおける車線のそれぞれの中心線とをマッチングすることにより、マッチング誤差が最も小さい車線を取得するように構成される。判定モジュール530は、前記マッチング誤差が最も小さい車線が通行可能な状態であると判定するように構成される。ここで、前記マッチング誤差が最も小さい車線は、前記障害物が位置する車線である。
【0088】
前記自動運転車両の通行を判定する装置500は、交差点での障害物の移動軌跡に基づいてそれが位置する車線を取得することにより、前記車線の通行状態を判定することができる。
【0089】
本発明の実施形態によれば、上記の自動運転車両の通行を判定する装置500は、図3の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する方法を実現するために使用されることができる。
【0090】
図6は、本発明の他の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置600のブロック図を模式的に示す。
【0091】
図6に示すように、前記自動運転車両の通行を判定する装置600は、図5の実施形態に係る取得モジュール510、マッチングモジュール520及び判定モジュール530に加えて、表示モジュール610を含む。
【0092】
具体的に、表示モジュール610は、判定モジュール530がスキャンを完了した後、判定結果を前記端末に表示する。
【0093】
前記自動運転車両の通行を判定する装置600において、表示モジュール610により結果の直感的な表示を完了することができる。
【0094】
図7は、本発明の他の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置700のブロック図を模式的に示す。
【0095】
図7に示すように、自動運転車の通行を判定する装置700は、図5の実施形態に係る取得モジュール510、マッチングモジュール520及び判定モジュール530に加えて、記憶モジュール710を含む。
【0096】
具体的に、記憶モジュール710は、通行の判定結果及び判定過程のデータを記憶することにより、作業者又はサーバーによる呼び出しや参照を容易にする。
【0097】
取得モジュール510、マッチングモジュール520、判定モジュール530、表示モジュール610及び記憶モジュール710は、1つのモジュールに合併されて実現し、又は、そのうちのいずれか1つのモジュールは、複数のモジュールに分割されることができることを理解することができる。又は、これらのモジュールのうちの1つ又は複数のモジュールの少なくとも一部の機能は、他のモジュールの少なくとも一部の機能と組み合わせられて1つのモジュールで実現されることができる。本発明の実施形態によれば、取得モジュール510、マッチングモジュール520、判定モジュール530、表示モジュール610及び記憶モジュール710の少なくとも1つは、少なくとも部分的にハードウェア回路として実現されることができ、例えば、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、システム・オン・チップ、システム・オン・パネル、システム・オン・パッケージ、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路を集積又は封止可能な任意の他の合理的な方法、例えばハードウェア又はファームウェアで実現され、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの3つの実現方式の適切な組み合わせで実現されることができる。又は、取得モジュール510、マッチングモジュール520、判定モジュール530、表示モジュール610及び記憶モジュール710のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されることができ、前記プログラムがコンピュータにより実行される場合、対応するモジュールの機能を実行することができる。
【0098】
本発明の例示的な実施形態の自動運転車両の通行を判定する装置の各モジュールは、上記の図3に記載される自動運転車両の通行を判定する方法の例示的な実施形態のステップを実現するために使用されることができるので、本発明の装置の実施形態において提示されていない詳細は、本発明の上記の自動運転車両の通行を判定する方法の実施形態を参照することができる。
【0099】
本発明の実施形態に係る自動運転車両の通行を判定する装置における各モジュール、ユニット及びサブユニットの具体的な実現は、上記の自動運転車両の通行を判定する方法における内容を参照することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0100】
なお、以上の詳細な説明では、動作を実行するための機器のいくつかのモジュール、ユニット及びサブユニットを説明したが、このような区分は、強制的なものではない。実際には、本発明の実施例によれば、上述した2つ以上のモジュール、ユニット及びサブユニットの特徴及び機能は、1つのモジュール、ユニット及びサブユニットで具体化されてもよい。逆に、上述した1つのモジュール、ユニット及びサブユニットの特徴及び機能は、複数のモジュール、ユニット及びサブユニットによりさらに具体化されてもよい。
【0101】
以上の実施形態の説明によって、当業者は、本明細書に記載される例示的な実施形態がソフトウェアにより実現されてもよいこと、ソフトウェアと必要なハードウェアを結合することにより実現されてもよいことを容易に理解することができる。したがって、本発明の実施形態に係る技術案は、ソフトウェア製品の形態で体現されてもよく、当該ソフトウェア製品は、1つの不揮発性記録媒体(CD-ROM、USBデバイス、モバイルハードディスク等であってもよい)又はネットワークに記憶されてもよく、本発明の実施形態に係る方法を計算機器(パーソナルコンピュータ、サーバー、端末装置又はネットワーク機器等であってもよい)に実行させるいくつかの指令を含む。
【0102】
当業者は、本明細書を考慮し、本明細書に開示された発明を実施した後、本発明の他の実施形態を容易に想到できる。本願は、本発明の任意の変形、用途又は適応性の変更を含み、これらの変形、用途又は適応性の変更は、本発明の一般的な原理に従うと共に、本発明に開示されない当技術分野における公知な常識又は慣用の技術手段を含む。明細書及び実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明の真の範囲及び精神は、特許請求の範囲において指摘されている。
【0103】
本発明は、前記で記述され、図面で図示した特定の構成に限定されず、その範囲を離脱しない状況で、様々な修正や変更を実施してもよい。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】