(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】低仰角で衛星と通信するための走査損失低減アンテナシステム
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/08 20060101AFI20230315BHJP
H01Q 3/34 20060101ALI20230315BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20230315BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20230315BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
H01Q3/08
H01Q3/34
H01Q21/06
H04B7/06 954
H04B7/08 802
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544740
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2021014022
(87)【国際公開番号】W WO2021150527
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522292415
【氏名又は名称】ユーティベイト コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】レダ,アミン
(72)【発明者】
【氏名】エバディ,シマック
(72)【発明者】
【氏名】オソリオ,アンドレス フェリペ
(72)【発明者】
【氏名】ツルコフスキ,ステファン ウィリアム
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA09
5J021AA12
5J021DA07
5J021DB03
5J021GA07
5J021HA07
(57)【要約】
開示される実施形態は、任意の仰角の衛星と通信することに関するものである。一例では、アンテナシステムは、2以上のユーザ端末パネル(UTP)を含む。それぞれのUTPは、複数のユーザ端末モジュール(UTM)を含む。UTPは、固定寸法形状、調整可能寸法形状、又はこれらを組み合わせて配置され得る。UTMは、アンテナ及び能動回路を含む複数のユーザ端末要素(UTE)を有する。アンテナは、衛星から受信した入射電波に応答して到来信号を生成し、さらに/あるいは衛星に向けて送出信号を送信し得る。それぞれの能動回路は、到来信号及び送出信号を処理するように構成され得る。また、アンテナシステムは、能動回路によりなされる信号処理を制御するように構成される制御回路を含み得る。UTPは、単一の衛星に動作可能に接続され得るか、異なるUTPが異なる衛星に動作可能に接続され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連結された2以上のユーザ端末パネル(UTP)を備え、前記UTPは、それぞれ、
1以上のユーザ端末要素(UTE)を含む1以上のユーザ端末モジュール(UTM)を含み、前記UTEは、
第1の衛星から受信される入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、前記衛星に向けて送出信号を送信するようにそれぞれ構成される1以上のアンテナと、前記到来信号及び前記送出信号を処理するようにそれぞれ構成される1以上の能動回路と、
前記1以上の能動回路により行われる信号処理を制御するように構成されるコントローラ回路と
を含み、
前記2以上のUTPは、それぞれ、前記UTEのそれぞれの部分により形成される表面領域を有し、前記UTPのそれぞれの前記表面領域は互いに異なる方向に向いている、
アンテナシステム。
【請求項2】
前記UTPのうち少なくとも1つは移動可能であり、他のUTPの前記表面領域の向きに対して前記移動可能なUTPの前記表面領域の向きを変更するように移動可能である、請求項1のアンテナシステム。
【請求項3】
前記2以上のUTPに連結されるコントローラ回路であって、前記コントローラは、前記UTPのうちの少なくとも1つの前記表面領域の向きを電気機械的に調整するように構成される、コントローラ回路をさらに備える、請求項2のアンテナシステム。
【請求項4】
他のUTPの前記表面領域の向きが他の向きに変更されるときに少なくとも1つのUTPが固定位置に位置し続ける、請求項2のアンテナシステム。
【請求項5】
少なくとも2つのUTPは、前記少なくとも2つのUTPに対する表面領域の共通の向きに移動可能である、請求項2のアンテナシステム。
【請求項6】
前記コントローラ回路は、前記2以上のUTPに連結され、前記コントローラ回路は、前記第1の衛星に向けて生成されたビームを電子的にステアリングするように構成される、請求項1のアンテナシステム。
【請求項7】
前記コントローラ回路は、前記2以上のUTPに連結され、前記コントローラ回路は、前記第1の衛星から受信されたビームを電子的にステアリングするように構成される、請求項1のアンテナシステム。
【請求項8】
前記コントローラ回路は、前記2以上のUTPに連結され、前記コントローラ回路は、
ビーム走査を用いて少なくとも1つのUTPの前記表面領域で受信された電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、
ビーム走査を用いて少なくとも1つのUTPの前記表面領域を用いて前記第1の衛星に向けて送出信号を送信する
ように前記UTPに指示するように構成される、
請求項1のアンテナシステム。
【請求項9】
前記コントローラ回路は、2以上のUTPに連結され、前記コントローラ回路は、同時に、
ビーム走査を用いて少なくとも1つのUTPの前記表面領域で受信された電波に応答して到来信号を生成し、
ビーム走査を用いて少なくとも1つのUTPの前記表面領域を用いて前記第1の衛星に向けて送出信号を送信する
ように前記UTPに指示するように構成される、
請求項1のアンテナシステム。
【請求項10】
前記UTPのうち1つ以上は、固定的な非移動寸法形状で配置される、請求項1のアンテナシステム。
【請求項11】
前記アンテナシステムに連結される1以上のセンサであって、第1の衛星から生成される信号に対する受信信号強度を特定するように構成される1以上のセンサと、
ユーザインタフェイスであって、
前記受信信号強度の表示を提供し、
前記第1の衛星の前記位置表示に対する入力を受信する
ように構成されるユーザインタフェイスと
をさらに備え、
前記受信された入力は、1以上のUTPの前記表面領域の向きを調整するように前記制御回路に指示する、
請求項1のアンテナシステム。
【請求項12】
前記制御回路は、
動作していないUTPを決定し、
前記決定された動作していないUTPを低電力状態に設定する
ようにさらに構成される、請求項1のアンテナシステム。
【請求項13】
前記制御回路は、
前記第1の衛星の信号に関して動作していないUTPを決定し、
前記第1の衛星との接続を維持しつつ、前記決定された動作していないUTPを用いて第2の衛星との接続を確立するように前記動作していないUTPの前記表面領域の向きを調整する
ようにさらに構成される、請求項1のアンテナシステム。
【請求項14】
前記制御回路は、
前記第1の衛星及び第2の衛星と前記アンテナシステムのマルチビーム接続を制御し、
前記UTPのそれぞれを前記第1の衛星に専用のものとするか、あるいは、前記第1の衛星に接続された1以上の他のUTPと組み合わせるか、あるいは、前記第1の衛星と第2の衛星との間で接続を切り替える
ようにさらに構成される、請求項13のアンテナシステム。
【請求項15】
前記UTPのうち前記1つ以上に前記衛星との接続を反射させるようにそれぞれ位置決めされた1以上の反射体をさらに備える、請求項1のアンテナシステム。
【請求項16】
アンテナシステムを衛星に接続する方法であって、
2以上のユーザ端末パネル(UTP)を含むアンテナシステムをある位置に配置し、それぞれのUTPは、
1以上のユーザ端末モジュール(UTM)を含み、前記1以上のUTMは、それぞれ、
1以上のユーザ端末要素(UTE)を含み、前記UTEは、
1以上のアンテナ及び1以上の能動回路を含み、それぞれのアンテナは、第1の衛星から受信される入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、前記第1の衛星に向けて送出信号を送信するように構成され、
それぞれの能動回路は、前記到来信号及び前記送出信号を処理するように構成され、前記アンテナシステムは、前記第1の衛星への前記1以上のUTMの接続信号強度を測定する1以上のセンサをさらに備え、
前記2以上のUTPは、それぞれ、前記UTEのそれぞれの部分により形成される表面領域を有し、前記UTPのそれぞれの前記表面領域は互いに異なる方向に向いており、
制御回路を用いて前記能動回路により行われる信号処理を制御し、
前記1以上のセンサを介して前記第1の衛星に対する接続の前記接続信号強度を決定する、
方法。
【請求項17】
さらに、
前記アンテナシステムの合計接続信号強度に基づいて決定し、
前記合計接続信号強度が衛星接続に対する前記閾値を満たしていない場合には、1以上のUTPを低電力状態に設定する、
請求項16の方法。
【請求項18】
さらに、
前記UTPのうち少なくとも1つを移動して他のUTPの前記表面領域の向きに対して前記移動可能なUTPの前記表面領域の向きを変更する、
請求項16の方法。
【請求項19】
前記アンテナシステムの前記合計信号強度が衛星接続に対する前記閾値を超えるように、前記移動されるUTPの前記表面領域が方向付けられる、請求項18の方法。
【請求項20】
前記第1の衛星のための衛星接続に対する前記閾値を超えるように前記信号強度を維持するように第1のUTPグループの前記表面の向きが方向付けられ、
前記第1の衛星と異なる仰角にある第2の衛星のための衛星接続に対する前記閾値を超えるように第2の信号強度を維持するように第2のUTPグループの前記表面の向きが方向付けられる、
請求項16の方法。
【請求項21】
さらに、
1つの動作モードにおいて、1以上の衛星から1以上の受信信号を前記アンテナシステムにより受信し、
別の動作モードにおいて、1以上の信号を前記アンテナシステムにより1以上の衛星に送信する、
請求項16の方法。
【請求項22】
前記アンテナシステムは、1以上の可動反射体をさらに備え、それぞれの可動反射体は、前記第1の衛星からの到来衛星信号を1以上のUTPにフォーカスし、あるいは、1以上のUTPからの送出伝送信号を前記第1の衛星に向けてフォーカスするように位置決めされる、請求項16の方法。
【請求項23】
前記アンテナシステムはユーザインタフェイスをさらに備え、
さらに、
前記ユーザインタフェイスを介して、前記衛星の方位角と仰角の表示の入力を受信し、
前記受信した表示に基づいて前記UTPのうちの少なくとも1つの前記表面領域の向きを前記制御回路により調整する、
請求項16の方法。
【請求項24】
さらに、
前記UTPのうち少なくとも1つの前記第1の衛星への接続を維持しつつ、前記UTPのうち少なくとも1つの接続を前記第1の衛星から第2の衛星に切り替える、
請求項16の方法。
【請求項25】
さらに、
UTPの第1のグループの前記表面領域の向きを前記第1の衛星に対する前記合計接続信号強度を増加させるように調整し、
UTPの第2のグループの前記表面領域の向きを前記第2の衛星に対する前記合計接続信号強度を増加させるように調整する、
請求項16の方法。
【請求項26】
さらに、
前記第1の衛星への衛星接続に対する前記閾値を超えるように前記合計接続信号強度を維持するようにUTPの第1のグループを動作させ、
前記第2の衛星への衛星接続に対する前記閾値を超えるように前記合計接続信号強度を維持するようにUTPの第2のグループを動作させる、
請求項16の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2020年1月22日に提出された米国仮特許出願第62/964,376号の利益を主張するものであり、当該米国仮特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、本出願は、2020年5月1日に提出された米国仮特許出願第63/019,228号の利益を主張するものであり、当該米国仮特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、本出願は、2020年8月2日に提出された米国仮特許出願第63/060,101号の利益を主張するものであり、当該米国仮特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の態様は、ビーム走査型アンテナシステムの分野、低仰角での低走査損失に関し、特に任意の仰角で衛星と通信するためのフラットパネルアンテナに関するものである。
【背景】
【0003】
世界における宇宙地上ステーション装備の市場は、著しい速さで成長しており、グローブニューズワイヤの「2024年までの世界における宇宙地上ステーション装備の市場:装備、エンドユーザ、アプリケーション、及び衛星通信サービスを中心として」という表題の2020年1月24日の報告によれば、2024年までに1197.8億ドルの市場価値に達すると見込まれている。パラボラ反射アンテナが今日の市場において最も普及している。しかしながら、パラボラ反射アンテナは、製造するコストが高くなり得るパラボラ反射体を含んでおり、これは、必要条件とされる供給システム及び支持構造との関係で嵩張って重いアンテナとなり得る。ある意味では、パラボラ反射アンテナは、次第に非実現的なものとなってきている。例えば、パラボラ反射アンテナの形状及び形態ファクタにより世界の異なる地域に出荷及び輸送するのが高くなる。
【概要】
【0004】
本明細書で述べられる1以上の実施形態は、他の利点がある中でも特に、様々な商用・民生ビーム走査通信用途のために構成可能で、0度から90度の仰角に位置する衛星と通信可能な高性能モジュール式電子走査型アレイアンテナシステムに組み込むことが可能な安価で再利用可能な(又は相互交換可能な)アンテナ要素を提供するためのシステム、装置、及び方法を提供することにより、当該技術における上述の問題又は他の問題のうち1つ以上を解決するものである。
【0005】
一実施形態においては、フラットパネルアレイ(FPA)アンテナは、P個のユーザ端末パネル(UTP)を含んでいる。それぞれのUTPは、N個のユーザ端末モジュール(UTM)を含んでおり、またM個のユーザ端末要素(UTE)を含んでいる。M個のUTEは、M個のアンテナとM個の能動回路とを含んでいる。アンテナは、衛星から受信した入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、衛星に向けて送出信号を送信する。能動回路は、到来信号及び送出信号を処理する。FPAアンテナは、M個の能動回路により行われる信号処理を制御するための制御回路をさらに含んでいる。有利なことに、接続を維持するために衛星から見えるアンテナ実効面積及びこれに対する接続の対応スループットを調整できるようにN及びMを調整することができる。この衛星は、ゼロから90度の間のいずれかの仰角に位置している。
【0006】
他の実施形態においては、衛星アンテナシステムは、それぞれ入射衛星電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、衛星又は地上ユニットのような受信器に向けて送出信号を送信するためのアンテナを含むM個のアプリケーションアグノスティックユーザ端末要素(UTE)を含んでいる。それぞれのUTEは、到来信号及び送出信号を処理するための能動回路をさらに含んでいる。UTE能動回路は、M個の能動回路によりなされる処理を制御する制御回路により制御される。ある実施形態においては、M個のUTEが、M個の能動回路のうちのO個からなるデイジーチェーンをそれぞれ含むN個のユーザ端末モジュール(UTM)の中に分配される。そのようなシステムの例は、
図9に関して示され説明される。
図9は、Mが256に等しくN及びOが16に等しい衛星アンテナシステムを示している。
【0007】
デイジーチェーンのステージに沿って生じ得る潜在的な品質劣化と信号減衰を解決するために、それぞれのUTMは、デイジーチェーン内で生じた振幅劣化を補正するために、P個の能動回路ごとの後に置かれるバッファをさらに含む。換言すれば、信号がデイジーチェーンを横断する際に劣化した信号特性を補正するために、P個の能動回路ごとの後にバッファを配置することができる。そのようなUTMの例は、
図10において示される。
図10は、16個のUTEを有し、16個のUTEごとの間にバッファが配置されているUTMを示している。
【0008】
本明細書に開示されているようなシステムの利点は、そのモジュール型の設計により、ある用途に対して利用可能な全アンテナ面積及び対応する信号スループットを調整するためにMを調整できることにある。例えば、自動車用途において用いられることを意図された衛星アンテナシステムについては、バスや航空機又はクルーズ船のような、より需要のある用途に比べて低い数値にMを設定することができる。UTEが過去に設計されており、それらが再利用されている限りにおいて、そのようなシステムにおいてNREコストは最小となる。
【0009】
本出願の付加的な特徴及び利点は、以下の説明で述べられ、一部は以下の説明から自明なものであるか、あるいはそのような実施形態の例を実施することにより理解し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上述した利点及び特徴と他の利点及び特徴が得られるような方法で述べるために、より具体的な説明が述べられ、添付図面に示されている特定の例を参照することにより説明がなされる。これらの図面が典型的な例だけを示しており、したがって、その範囲を限定するものではないことを理解しつつ、添付図面を用いることによりさらに具体的かつ詳細に実施例が述べられ説明される。
【0011】
【
図1】
図1は、ある実施例による、様々なモジュール型アンテナアレイシステムを含む衛星通信システム例の全般的な概略及び構成を示すブロック図を示している。
【0012】
【
図2A-2B】
図2A及び
図2Bは、ある実施例による、安価なアンテナ(又はユーザ端末)素子を用いて形成される電子走査型アンテナアレイを用いて衛星及び地対地通信リンク(又は接続)を確立するように構成される様々なモジュール型アンテナシステムを含む衛星通信システム例を示すブロック図を示している。
【0013】
【
図3】
図3は、ある実施例による、複数のアンテナ(又はユーザ端末)素子を用いて形成されるアンテナモジュールのモジュール型アーキテクチャ例を示すブロック図を示している。
【0014】
【
図4】
図4は、ある実施例による、複数のアンテナモジュールを用いて形成されるアンテナ(又はユーザ端末)パネルのモジュール型アーキテクチャ例を示すブロック図を示している。
【0015】
【
図5A】
図5Aは、ある実施形態による、様々な異なる仰角の衛星と通信を行う複数のアンテナパネルを有するアンテナシステムを示している。
【0016】
【
図5B】
図5Bは、ある実施形態による、いくつかのアンテナシステムを示している。
【0017】
【
図5C】
図5Cは、メインパネル、サイドパネルによる相対アンテナ利得寄与とともにこれらを組み合わせた合計利得を衛星の仰角の関数として示すグラフである。
【0018】
【
図6】
図6は、衛星により観察されるフラットパネルアレイアンテナのアンテナ実効面積のいくつかの実施形態を示している。
【0019】
【
図7】
図7は、衛星により観察される投影面積を導く方法の例を示している。
【0020】
【
図8A】
図8Aは、ある実施形態による、アンテナシステムアレイを用いて任意の仰角の衛星と通信をする方法を示している。
【0021】
【
図8B】
図8Bは、ある実施形態による、任意の仰角の衛星と接続するためにアンテナシステムアレイにより行われる方法を示している。
【0022】
【
図9】
図9は、ある実施例による、ある用途のための衛星電波信号を送受信するためのシステム(ビーム走査型アンテナ)の例を示すブロック図を示している。
【0023】
【
図10】
図10は、ある実施例による、ユーザ端末モジュール、ユーザ端末制御モジュール、及び振幅調整バッファの例を示すブロック図を示している。
【0024】
【
図11A】
図11Aは、ある実施例による、複数のユーザ端末モジュールとユーザ端末制御モジュールの例を示すブロック図を示している。
【0025】
【
図11B】
図11Bは、ある実施例による、複数のユーザ端末モジュールとユーザ端末制御モジュールの例を示すブロック図を示している。
【0026】
【
図11C】
図11Cは、ある実施例による、複数のユーザ端末モジュールとユーザ端末制御モジュールの例を示すブロック図を示している。
【0027】
【
図12】
図12は、ある実施例による、ビーム走査型アンテナにおいて使用されるコントローラボードに接続されるモジュールボード上に搭載されるアンテナボードの断面図を示している。
【0028】
【
図13】
図13は、ある実施例による、ビーム走査型アンテナにおいて使用されるモジュールボード上に搭載されるアンテナボードの平面及び斜視図を示している。
【0029】
【
図14】
図14は、ある実施形態による、ビーム走査型アレイシステムを組み立てるために使用される標準的な構成要素及びコネクタを示している。
【0030】
【
図15】
図15は、ある実施例による、アンテナ(又はユーザ端末)モジュールを形成するために使用される例示構造を示している。
【0031】
【
図16】
図16は、ある実施例による、アンテナ(又はユーザ端末)モジュールを形成するために使用される例示構造を示している。
【0032】
【
図17】
図17は、ある実施例による、リアルタイム画像撮影用途のための対象範囲及び速度を改善するためのモジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステムから構成される複数の地上ユーザ端末を用いた例を示している。
【0033】
【
図18】
図18は、ある実施例による、複数のモジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステムから構成される合成開口地上ユーザ端末の例を示している。
【0034】
【
図19】
図19は、ある実施例による、ホーンを含む地上ユーザ端末の例を示している。
【0035】
図面は必ずしも縮尺通りに示されているとは限らない。同様に、本技術の実施形態の一部を説明するために、一部の構成要素及び/又は動作は、異なるブロックに分離され得るし、あるいは単一のブロックに統合され得る。また、本技術は、様々な変形及び別の形態に変更することが可能であるが、特定の実施形態が例として図面に示されており、以下で詳細に述べられる。しかしながら、本発明は、述べられている特定の実施形態に限定されるものではない。逆に、本技術は、添付した特許請求の範囲により規定される技術の範囲内に属するすべての変形例、均等物、及び代替物をカバーすることを意図している。
【詳細な説明】
【0036】
以下に例が述べられる。特定の実施例が述べられるが、これは説明のためだけに行われるものであることは理解すべきである。関連技術における当業者であれば、本開示の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成要素及び構成を用いることができることを理解するであろう。実施例は、システム、プロセス、装置、機械により実現される方法、コンピューティングデバイス、又はコンピュータ読取可能な媒体を含み得る。
【0037】
上述したように、パラボナ反射アンテナは、今日の世界における宇宙地上端末装備の市場において最も普及している。しかしながら、パラボナ反射アンテナは、嵩張って重いアンテナとなり得るため、より非実現的なものとなってきている。例えば、パラボナ反射アンテナの形状及び形態ファクタにより世界の異なる地域に出荷及び輸送するのが高くなる。
【0038】
ある実施形態においては、開示されているフラットパネルアレイ(FPA)アンテナは、アンテナシステムとも呼ばれる。FPAアンテナの開示されている実施形態は、平坦面の単一パネルあるいは複数のアンテナパネルにより構成された様々な寸法形状を含んでいる。
【0039】
本明細書で述べられ、図に示される発明は、パラボナ反射アンテナが直面している問題を解決しようとするものである。一実施形態においては、FPAアンテナは、複数のN個のUTMを含んでおり、またM個のUTEを含んでいる。M個のUTEは、M個のアンテナ及びM個の能動回路を含んでいる。それぞれのアンテナは、衛星から受信される入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、衛星に向けて送出信号を送信する。能動回路は、到来信号及び送出信号を処理する。FPAアンテナは、M個の能動回路により行われる信号処理を制御するための制御回路をさらに含んでいる。有利なことに、接続を維持するために衛星から見えるアンテナ実効面積及びこれに対する接続の対応スループットを調整できるようにN及びMを調整することができる。この衛星は、ゼロから90度の間のいずれかの仰角に位置している。
【0040】
図8A及び
図8Bに示される方法に関して以下に述べられるように、開示されているFPAアンテナは、任意の仰角の衛星と接続するために使用され得る。そのような方法のそのような1つの例は、FPAアンテナをある位置に配置することを含む。FPAアンテナは、複数のN個のUTMを含み、N個のUTMはM個のUTE(ユーザ端末要素s)を含む。M個のUTEは、M個のアンテナ及びM個の能動回路を含む。アンテナは、衛星から受信した入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、衛星に向けて送出信号を送信する。能動回路は、到来信号及び送出信号を処理する。この例では、FPAアンテナは、衛星に対する接続信号の強度を測定するための1以上のセンサをさらに含んでいる。この例は、1以上のセンサにより測定される合計接続信号強度が信号強度の要件を満たすか否かを判断し、満たしていない場合には、信号強度がその要件を満たすようになるまでN、M、及び位置のうち1つ以上を調整して衛星から見える実効アンテナ面積を調整する制御回路を含んでいる。この例では、衛星は、ゼロから90度の間のいずれかの仰角に位置し得る。
【0041】
ある実施形態においては、「走査損失」という用語は「利得」という用語の逆を説明するために使用される。さらに、走査損失は、アンテナパネルに対して直角で生じる最大利得に対する任意の仰角でのアンテナの利得の差として定義される。地上に置かれるフラットパネルについては、最大は仰角90度で生じる。
【0042】
パラボナ反射アンテナに対する開示されたFPAアンテナの利点
【0043】
開示されているFPAアンテナは、今日よく使用されているパラボナ反射アンテナに対していくつかの利点を有している。このパラボナ反射アンテナは、典型的には、大きくて重く、高価である。パラボナ反射アンテナは、典型的には、いくつかの構成要素を含んでおり、いくつかだけを挙げると、1)直径数メートルになり得る主パラボラ反射体、2)焦点距離だけ離す必要のある照明ホーン、3)すべての構成要素を支持する機械的システムを含んでいる。これらの構成要素によって、典型的には、重くて嵩張るアンテナとなる。
【0044】
第1の対比点においては、開示されるFPAアンテナは、製造するのにより簡易な構成要素を使用している。大きなパラボラは作製するのがより難しい。開示されるFPAアンテナは、さらに有利なことに、アプリケーションアグノスティックUTEを用いている。このアプリケーションアグノスティックUTEは、大量に生産することができるため、より安価である。アプリケーションアグノスティック構成要素の利点は以下でさらに述べられる。
【0045】
さらに、開示されるFPAアンテナは、電子ステアリングによる利点を有しており、異なる仰角の複数の衛星をより良く扱うことができる。パラボナ反射アンテナは、ミリ秒でビームをステアリングすることのできる開示されるFPAアンテナに比べてビームのステアリングが遅いことが多い。
【0046】
さらに、開示されるFPAアンテナは、電子ステアリングによる利点を有しており、異なる仰角の複数の衛星を同時に扱うことができる。
【0047】
さらに、パラボナ反射アンテナは、高精度機械的ポジショナを含むためにメンテナンスに課題があるが、開示されるFPAアンテナの多くは、機械的ポジショナを有していない。また、FPAアンテナは、平坦であるので、風速に対する課題が著しく少ない。
【0048】
また、パラボナ反射アンテナは、典型的には、経時劣化のような故障や寿命の短縮を引き起こし得る移動部品を含んでいる。開示されるFPAアンテナ、
図5BのFPAアンテナ552、554、556、558、560、及び562のような少なくとも寸法形状が固定されているものは、経時的に故障し得る移動部品を含んでいない。
【0049】
開示されるFPAアンテナの付加的な有利な特徴
【0050】
以下に述べられ、図に示されるように、開示されるFPAアンテナは、特にパラボナ反射アンテナと比べると、いくつかの有利な特徴、能力を有している。例えば、本発明の1つの側面においては、開示されるFPAアンテナは、マルチビーム通信において同時に複数の衛星と接続することができる。この衛星は、0度から90度の任意の仰角に位置している。さらに、開示されるFPAアンテナは、衛星への接続の信号強度を測定し、衛星から見える実効アンテナ面積を変化させるアンテナの寸法形状の変更のような欠陥にいくつかの方法で応答することができる。開示されるFPAアンテナの実施形態は、地上ステーション、地上端末、車や列車のような移動用途、及び
図1、
図2A、及び
図2Bに示される地上無線ステーションのいずれかをはじめとする数え切れない文脈において有利に適用することができる。
【0051】
ある実施形態においては、開示されるFPAアンテナは、制御回路のプログラミングを可能にするユーザインタフェイスを有している。ユーザはユーザインタフェイスを使用して衛星の位置表示を入力することができる。位置表示は、真北の0度から始まり、時計回りに回転して360度に至る方位角を含んでいる。また、ユーザインタフェイスを用いて水平の0度から始まり、空に向かって真っ直ぐ上を指す90度になる仰角を入力することができる。
【0052】
図5A、
図5B、及び
図6は、複数のパネルサイドを有するアンテナシステムの例を示している。本明細書で使用される場合には、
図6に示されるような実効衛星面積は、衛星から見えるパネルサイドのそれぞれの投影表面積の合計からなる。それぞれの投影面積は、衛星に対する視線に垂直な任意平面上へのパネル側面の直線投影である。
【0053】
ある実施形態においては、開示されるアンテナは、例えば、
図5BのFPAアンテナ554、556、558、560、及び562として示されるように、固定的な寸法形状を有している。そのような固定的な寸法形状のアンテナは、仰角0度の衛星と通信可能なアンテナ面を含む。ある実施形態においては、開示されるアンテナは、
図19に示される1つのアンテナ面1902とフレア金属導波路1904を含む供給ホーンとの組み合わせを有している。
【0054】
ある実施形態においては、開示されるFPAアンテナは、FPAアンテナが通信しようとしている衛星の位置に応じて稜高さを設定することができる調整可能テント状構造552を有している。他の実施形態(図示せず)においては、FPAアンテナの実効面積を増加させ、走査損失を低減するために複数のテントが使用される。
【0055】
他の実施形態においては、開示されるFPAアンテナは、例えば、
図5BのFPAアンテナ564、566、568、及び570として示されているように、メインパネルと、複数の可動サイドパネルとを有している。そのような実施形態においては、FPAアンテナは、アクチュエータを用いて1以上のサイドパネルを移動させて衛星から見える実効アンテナ面積を最大化することができる。そのような実施形態においては、個々のサイドパネルを衛星に専用のものとし、他のサイドパネルと組み合わせ、複数の衛星の間で切り替えることができる。
【0056】
また、開示されるFPAアンテナは、複数の衛星へのマルチビーム接続を形成することができる。それぞれの衛星はそれ自身の実効アンテナ面積を有している。
【0057】
本発明の他の利点においては、開示されるFPAアンテナは、0度から90度の任意の仰角に配置された衛星と接続することができる。そうするために、ある実施形態は、アンテナ面を衛星に見せることができるように、複数のFPAを三次元形状に、例えば、
図5Bに示されているいくつかの固定的な構造物の形状で配置する。
図5Bにも示されているような実施形態は、衛星から見える表面積を最大化するためにアクチュエータを用いて調整可能な可動サイドパネルを有している。例えば
図5Bのアンテナ572として示されているように、ある実施形態は、メインパネル上に衛星接続の焦点を合わせる1以上の反射体を含んでいる。一般的に、複数のサイドパネルを有する開示されるFPAアンテナにおいては、電力消費を抑えるために、稼働していないパネルを使用不能にすることができる。
【0058】
アプリケーションアグノスティックUTEのコストにおける利点
【0059】
衛星地上アンテナシステムの入手可能性及び購入可能性が限定されることは、それらが製造される方法によってさらに悪化する。従来のアンテナシステムは、特定の用途に対してカスタマイズされて設計されている。そのようなカスタマイズされて設計されたプロジェクトは、典型的には、高価な一度きりのエンジニアリング労力を必要とし、これらがNREコストとなる。また、そのようなアンテナシステムは、典型的には、比較的少量で生産され、このため単位当たりのコストが高くなる。今日入手可能なそのような衛星インターネットシステムの例は、航空機上で使用される衛星インターネットシステムを提供するイリノイ州シカゴのGogo社により作られている。Gogo社のアンテナシステムは、数十万ドルの費用が必要となり得る。これは、今日のドルの価値においては、一軒の家の値段に匹敵する。
【0060】
これに対して、本明細書で述べられている技術は、モジュール型アンテナシステムのためのアンテナ素子に向けられている。より具体的には、本技術は、モジュール式電子走査型アレイアンテナシステムに組み込むことが可能な、安価で再利用可能で交換可能なアンテナ素子に向けられている。本明細書で述べられるアンテナシステムは、1度だけ設計されるアプリケーションアグノスティックなアンテナ素子から構成され得る。そのようなアプローチにより、NREコストが最小限になり、大量生産が容易になり、単位当たりのコストが著しく下がる。実際、本明細書で述べられるアンテナ素子は、例えば、衛星通信用途、5G携帯電話通信用途、自動車レーダ、及びIoT用途などの様々な高性能商用・民生ビーム走査用途に対する様々なサイズ及び性能に構成することができるモジュール式電子走査型アレイアンテナシステムに組み込むことが可能である。
【0061】
ビーム走査型衛星に関連付けられるNREコストを削減するためにUTEの設計を有利に再利用することの例として、ある実施形態においては、UTEを1度だけ設計することができ、自動車に置かれるUTEの第1の個数、バスに置かれるUTEの第2の個数、航空機に置かれるUTEの第3の個数、及びクルーズ船に置かれるUTEの第4の個数のうち1つを含むアンテナシステムを実現することができる。UTEの第1の個数、第2の個数、第3の個数、及び第4の個数は累進的に増加する。
【0062】
ある実施例においては、本明細書で述べられている技術は、衛星ユーザ端末用の電子走査型アレイアンテナシステムのコストを著しく下げることにより衛星接続の幅広い活用を可能にする。実際、本明細書で述べられている技術はNREコストを下げ、これにより、大量生産と組み合わさり、1Gbpsよりも速い伝送速度を有し得る100ドルを下回る高性能なユーザ端末が実現される。換言すれば、それぞれのアンテナシステムの製造コストが、商業的に利用可能なパーソナルコンピュータのメーカが提示する平均小売価格に相当するように、M個のUTEを大量生産することができる。これは、例えば、上述したように、1軒の家の価格に相当するコストのGogo社の商用無線衛星システムよりも購入可能性が高いものである。したがって、既存の市場に貢献することに加えて、本技術は、現在では高速インターネット接続にアクセスするための費用が十分にないような、新しい、これまでに存在しなかった市場を促進するものでもある。
【0063】
他の利点がある中でも、本明細書で述べられるモジュール型アンテナシステム及び解決法は、安価で再利用可能で交換可能でモジュール型の平坦なビームステアリング可能なアンテナを促進する。上述したように、最終形態のファクタを考慮することなく、開示されているUTEを1度だけ設計することができる。そのようなアプローチにより、UTEに関連付けられるNREコストが低減し、例えば、衛星通信用途、5G携帯電話通信用途、自動車レーダ、及びIoT用途などの高性能商用・民生ビーム走査型用途に好適なアンテナシステムを実現することができる。実際、本明細書で述べられているモジュール型アンテナシステム及び解決法は、衛星ユーザ端末用のフェイズドアレイのコストを著しく下げることにより衛星接続の幅広い活用を可能にする。本明細書で述べられている改良点により、モジュール型アンテナ素子を大量に作製することができるので、ビーム走査型アレイアンテナの全体のコストが劇的に減少する。さらに、アレイ設計によりベースボードの複雑さが減少し、さらにシステムの全体のコストが減少する。結果として、本明細書で述べられているシステム及び解決法は、既存の市場に貢献するだけではなく、現在では高速インターネット接続へのアクセス方法がないような、新しい、これまでに存在しなかった市場を実現するものでもある。
【0064】
さらに、本明細書で述べられる設計のモジュール性と再利用可能性とにより、様々な形態のファクタに対して迅速なスケーラビリティが可能となり、商品化までの時間を改善することができる。実際、本明細書で開示されている構築ブロックを用いて数週間で新しいシステム及び解決法を展開することができる。
【0065】
上述したように、開示されている衛星アンテナシステムは、それぞれアプリケーションアグノスティックであり、入射衛星電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、衛星、地上ユニット、複数の衛星、複数の地上ユニット、及びこれらの任意の組み合わせのような受信器に向かって送出信号を送信するためのアンテナを含むM個のUTEを含んでいる。本明細書で使用される場合には、「アプリケーションアグノスティック」という用語は、任意の用途において、例えば、車、バス、又はクルーズ船において同一のUTEを用いることができることを意味している。
【0066】
本明細書で使用される場合には、「電子走査型アレイ」という用語は、アンテナを移動することなく異なる方向に電子的にステアリングすることができる電波ビームを生成する電子走査型アレイ、すなわちアンテナのコンピュータ制御されたアレイを意味する。アレイは、コンピュータ、マイクロコントローラ、又はオンボードプロセッサのいずれかにより制御され得ることを理解すべきである。
【0067】
本明細書で使用される場合には、「ダイ」という用語は、集積回路の文脈で用いられ、その上に機能回路が作製される半導体材料の小さなブロックを意味する。集積回路は、典型的には、電子グレードシリコンからなる単一のウェハ上又はフォトリソグラフィのようなプロセスを介して他の半導体上に大量に製造される。
【0068】
本明細書で使用される場合には、「集積回路実装」という用語は、半導体素子製造の最終段階を意味し、この段階では、半導体材料のブロックが物理的ダメージ及び腐食を防止する支持ケース内にカプセル化される。「パッケージ」として知られるケースは、素子を回路基板に接続する電気的接点を支持する。本明細書で述べられるように、パッケージ材料は、典型的には、RF周波数において非常に損失が大きく、その結果、(例えば、ダイからパッケージの外部環境に)通過するRF信号を劣化させる。
【0069】
衛星と地対地通信を容易にするための様々なモジュール型アンテナシステムを用いた衛星通信システムの例の概要及びアーキテクチャが
図1に関して説明される。様々な例示的な環境が
図2A及び
図2Bに関して説明される。その後、安価なアンテナ素子を用いて構成されるモジュール及びパネルを含む電子走査型アレイアンテナシステムのモジュールアーキテクチャを示す例がそれぞれ
図3及び
図4に関して説明される。低仰角において低走査損失のフラットパネルアレイアンテナの例は、パラボナ反射アンテナに対していくつかの利点を有しており、これらの例が
図5A~
図8Bに関して説明される。その後、アンテナ素子及び例示的なモジュール式電子走査型アレイアンテナシステムの構成要素、動作及びプロセスのより詳細な説明が
図9~
図18に関して行われる。
【0070】
図1は、ある実施例による、様々な例のモジュール型アンテナアレイシステムを含む衛星通信システム100の全般的な概略及び構成を示すブロック図を示している。より具体的には、衛星通信システム100は、安価なアンテナ(又はユーザ端末)素子を用いて構成される電子走査型アンテナアレイを用いて衛星及び地上対地上の通信リンク(又は接続)を確立するように構成される様々な例のモジュール型アンテナシステムを含んでいる。本明細書で述べられるように、様々な例のモジュール型アンテナアレイシステムは、同一の又は類似した設計を再利用することにより、それぞれの新しい設計に関連するNREコストを削減することができる。また、開示されているアンテナ素子は、製造者が前例のないスケールでシステムの総コストを削減することを可能にする。
【0071】
図1の衛星通信システム100には単一の衛星が示されているが、システムは、任意の数の衛星を含むことができることは理解されよう。さらに、様々な種類のモジュール型アンテナアレイシステムが説明のために示されているが、構成は、モジュール型アンテナアレイシステムの例のうち1つ又はすべてを含んでいてもよいことは理解されよう。
【0072】
図1の例に示されるように、衛星通信システム100は、衛星110と、モジュール型ゲートウェイアンテナシステム115、モジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステム130及び170、及びモジュール型無線アンテナシステム140、150及び160を含む様々なモジュール型アンテナアレイシステムとを含んでいる。様々なモジュール型アンテナアレイシステムのそれぞれは、少なくとも1つの電子走査型アレイアンテナを含んでいる。実際には、電子走査型アレイアンテナは、モジュール型であり、このため、本明細書で述べられる、安価で再利用可能で交換可能なアンテナ素子を用いて様々なサイズと性能で形成することが可能である。実際には、本明細書で述べられる交換可能アンテナ素子は、より大きなアンテナ(又はユーザ端末)モジュールに組み込むことが可能である。これらのアンテナ(又はユーザ端末)モジュールは、それ自体、電子走査型アレイアンテナとして個々に構成可能であるか、あるいは、例えば衛星通信のような、より大きな高性能又は高スループットビーム走査用のより大きなアンテナ(又はユーザ端末)パネルに組み込み可能である。本明細書で述べられるように、これらの電子走査型アレイアンテナは、走査型アレイアンテナを構築する能力を促進する同一又は類似の設計及び製造プロセスを利用し、その結果として、走査型アレイアンテナシステムの総コストを劇減させることができる。
【0073】
ある実施形態においては、衛星110は、静止軌道(GO)、例えば赤道静止軌道(GEO)、又は非静止軌道、例えば、低地球周回軌道(LEO)又は中地球周回軌道(MEO)に乗っている。モジュール型ゲートウェイアンテナシステム115は、衛星通信パネル116を含むモジュール型電子走査型アレイアンテナシステムであり得る。実際には、衛星通信パネル116は、複数のアンテナ(又はユーザ端末)モジュールとともに形成されるアンテナ(又はユーザ端末)パネルである。このアンテナモジュールは、複数のアンテナ(又はユーザ端末)素子とともに形成される。
【0074】
図1の例に示されているように、モジュール型ゲートウェイアンテナシステム115及びモジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステム130及び170は、衛星110と通信を行う。また、モジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステム170は、ユーザ機器175と通信を行う。さらに、モジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステム170は、別個のものとして示されているが、ある実施例においては、ユーザ機器175と統合され、あるいは組み合わされて、例えば、統合型衛星送受信器、例えば、衛星110と直接通信するためのアンテナ(又はユーザ端末)素子を有する携帯デバイスのような別個の又は単一のデバイスとすることができる。
【0075】
同様に、モジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステム130は、モジュール型無線アンテナシステム140、モジュール型無線アンテナシステム150、及びユーザ機器135とも通信を行う。モジュール型無線アンテナシステム140は、ユーザ機器145と通信を行う。続いて、モジュール型無線アンテナシステム150は、ユーザ機器155及びモジュール型無線アンテナシステム160と通信を行う。モジュール型無線アンテナシステム160は、さらにユーザ機器165と通信を行う。
【0076】
ユーザ機器135、145、155、165及び175は、携帯デバイス、電話、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、コンピュータ、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、視聴覚デバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス又はモジュール型アンテナアレイシステムと通信することが可能な任意のデバイスのようなユーザデバイスであり得る。さらに、ユーザ機器135、145、155、165、及び175は、1以上のエンドユーザデバイス(図示せず)と通信するために使用されるデバイス(例えばアクセスポイント、スマートセルなど)であり得る。
【0077】
動作中は、様々な例のモジュール型アンテナアレイシステムが、(フォワードアクセスリンクとリターンアクセスリンクとを有する)双方向アクセスリンクを介してユーザ機器と通信する。同様に、モジュール型無線アンテナシステム150は、(フォワードアクセスリンクとリターンアクセスリンクとを有する)双方向アクセスリンクを介してモジュール型無線アンテナシステム160と通信する。例えば、双方向アクセスリンクは都市間リンクであってもよい。この都市間リンクの例が、
図2Aを参照してより詳細に示され、説明される。
【0078】
モジュール型ゲートウェイアンテナシステム115は、インターネット125又は1以上の他の種類の公共ネットワーク、半私設ネットワーク、又は私設ネットワークに対するアクセスを有し得る。
図1の例に示されているように、モジュール型ゲートウェイアンテナシステム115は、インターネット125又は1以上の他の種類の公共ネットワーク、半私設ネットワーク、又は私設ネットワークにアクセスすることが可能なインフラストラクチャ120と通信する。また、モジュール型ゲートウェイアンテナシステム115は、例えば、光ファイバネットワーク又は公共交換電話ネットワーク(図示せず)のような地上回線ネットワークをはじめとする様々な種類の通信バックホールに連結され得る。
【0079】
ある実施例においては、モジュール型ゲートウェイアンテナシステム115は、インフラストラクチャ120を介して他のゲートウェイと通信し得るか、あるいは、インフラストラクチャ120を使うことなく通信するように構成され得る。インフラストラクチャ120は、ネットワークコントロールセンタ(NCC)、衛星コントロールセンタ(SCC)、有線及び/又は無線コアネットワーク、及び/又は衛星通信システム100の動作及び/又は衛星通信システム100との通信を容易にするために使用される他の構成要素又はシステムの全体又は一部を含み得る。
【0080】
衛星110とモジュール型ゲートウェイアンテナシステム115との間の双方向の通信はフィーダリンクと呼ばれ、衛星110とモジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステム130及び170との間の通信は双方向のサービスリンクと呼ばれる。
【0081】
図2A及び
図2Bは、ある実施例による、安価なアンテナ(又はユーザ端末)素子を用いて形成される電子走査型アンテナアレイを用いて衛星及び地対地通信リンク(又は接続)を確立するように構成される様々なモジュール型アンテナシステムを含む衛星通信システム200a及び200bの例を示すブロック図を示している。
【0082】
まず、
図2Aの例を参照すると、衛星通信システム200aは、安価なアンテナ(又はユーザ端末)素子を用いて形成される電子走査型アンテナアレイを用いて衛星及び地対地通信リンク(又は接続)を確立するように構成される様々なモジュール型アンテナシステムを含んでいる。より具体的には、
図2Aの例は、都市間接続(例えば都市間リンク250)を提供するための本明細書で述べられる様々なモジュール型アンテナシステムの利用を示している。
【0083】
図2Bは、特定の領域又は地域において接続を確立又は向上するために、インフラストラクチャ(例えば街灯柱)260が、本明細書で述べられるモジュール型電子走査型アレイアンテナシステムに適合され得る又は組み込まれ得る例を示している。ある実施例においては、インフラストラクチャ(例えば街灯柱)260は、自立ユニットであり得る。例えば、インフラストラクチャ260は「プラグアンドプレイ」であり得る。これにより、設置後に、固定式無線270システム、例えば、ある町の近隣の家や学校及び範囲内の他の携帯ユーザ機器280に対する接続を提供するためにユニットを直ぐに作動させることができる。
【0084】
図3は、ある実施例による、複数のアンテナ(又はユーザ端末)素子310を用いて形成されるアンテナモジュール300のモジュール型アーキテクチャ例を示すブロック図を示している。より具体的には、
図3の例は、アンテナ(又はユーザ端末)素子310の構成要素例の分解図とともにアンテナモジュール300を示している。アンテナモジュール300は、
図1を参照して示され説明されたアンテナモジュールのいずれかであり得るが、別の構成も考えられる。さらに、アンテナ(又はユーザ端末)素子310及びアンテナ(又はユーザ端末)モジュール300は、本明細書では主に六角形状の要素とともに示されているが、他の形状の要素(例えば、三角形、四角形、円形など)も考えられることは理解できよう。さらなるアンテナ(又はユーザ端末)モジュール構成の例が以下でより詳細に示され説明される。
【0085】
図3の例に示されているように、アンテナ(又はユーザ端末)モジュール300は、構造320上に又は構造320内に配置された複数のアンテナ(又はユーザ端末)素子310を含んでいる。アンテナ(又はユーザ端末)素子310は、アンテナモジュール300を形成するために構造320上に又は構造320内の様々な構成内に配置されていてもよい。さらなる構造の例が以下でより詳細に示され説明される。
【0086】
再び
図3を参照すると、それぞれのアンテナ(又はユーザ端末)素子310は、放射体(又はアンテナ)312及び能動回路314を含んでいる。能動回路314は、ダイ内に具現化され得るもので、例えば、増幅器、RF回路、デジタル-アナログ(D/A)変換器、アナログ-デジタル(A/D)変換器などの様々な構成要素を含み得る。
図3の例には示されていないが、このダイは、従来のアンテナ素子からのダイよりも大きい。実際、ある実施形態においては、ダイは、放射体(又はアンテナ)要素と同一の(又は類似の)占有面積を有している。本明細書で述べられているように、ダイを大きくすることで、従来のアンテナ素子のダイにおいては設計上及び寸法上の制限によりこれまで具現化されてこなかった様々な構成要素(例えば、RF回路、デジタル-アナログ(D/A)変換器、アナログ-デジタル(A/D)変換器など)の統合が容易になる。
【0087】
本明細書で述べられているように、従来から、放射体(又はアンテナ)312と能動回路314を連結するためには、少なくとも2つ、多くの場合、3つ以上の損失の大きい無線周波数(RF)遷移部が必要である。それぞれを上下に重ねた場合、これらの損失の大きいRF遷移部により全信号パワーの半分までの例えば3dBまでの信号劣化を生じる。本明細書で述べられる実施例は、放射体(又はアンテナ)312を能動回路314に埋め込むか、あるいは一体化してこれらの損失の大きいRF遷移部を低減するか、あるいはなくすようにしている。
【0088】
さらに、本明細書で述べられるアンテナ素子は、フェイズドアレイアンテナシステム用の従来のアンテナ素子に比べて、様々な構成要素を能動回路314に一体化している。例えば、本明細書で述べられるアンテナ素子は、RF回路、D/A変換器、及びA/D変換器を能動回路314に一体化している。また、従来のアンテナ素子の様々な構成要素(例えば移相器)はもはや必要なくなる.
【0089】
ある実施例においては、放射体(又はアンテナ)312及び能動回路314は、単一のダイ(例えばシリコンダイ)内に一体化されるか、あるいは埋め込まれ、損失の大きいRF遷移部をなくすために一緒にパッケージされる。本明細書では、単一のダイはアンテナオンチップ(AOC)要素と呼ばれる。AOC要素は、集積回路(IC)として実装され得る特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。AOC要素例の様々な層及び構成要素が、以下でより詳細に示され説明される。
【0090】
ある実施例においては、アンテナ素子の構成要素をテープ・リールを介して取得可能としつつ、損失の大きい複数のRF遷移部を単一の損失の大きいRF遷移部に低減するために、放射体(又はアンテナ)312及び能動回路314は、密接に一体化されるが、単一のダイ(例えばシリコンダイ)上に載っていない。テープ・リールは、一般的に、表面実装素子(SMD)をポケット(又はキャリア)テープのそれぞれのポケットに充填することによりこれらの表面実装素子を実装するプロセスを意味する。例えば、ユニットは、通常、熱又は圧力によりキャリアテープ内でカバーテープによりシールされる。そして、取り扱いと輸送に便利になるようにキャリアテープをリールの周りに巻くことができる。リールは、最終的に顧客に発送される前はリールボックス内に収容されている。本明細書で述べられるように、テープ・リールを介して構成要素を取得できることにより、モジュールビーム走査型アンテナアレイシステム用のスケールでアンテナ素子を作成及び構築することができるようにするために増える構成要素のコストを低減することができる。
【0091】
さらに、放射体(又はアンテナ)312と能動回路314を単一のダイ上ではないが密接に一体化することで、放射体(又はアンテナ)312を印刷するために3次元(3D)印刷技術を用いることが容易になる。この一体化を図示する例が、以下でより詳細に示され説明される。
【0092】
図4は、ある実施例による、複数のアンテナモジュール300を用いて形成されるアンテナ(又はユーザ端末)パネル400のモジュール型アーキテクチャ例を示すブロック図を示している。本明細書で使用される場合には、アンテナパネル400は、時としてUTP(ユーザ端末パネル)と呼ばれる。より具体的には、
図4の例は、
図3の複数のアンテナモジュール300を用いて形成されるアンテナ(又はユーザ端末)パネル400を示している。アンテナ(又はユーザ端末)パネル400は、
図1を参照して示され説明されたアンテナパネル(例えば、衛星通信パネル112、114、116又は132)のいずれかであり得るが、別の構成も考えられる。さらに、アンテナモジュール300は、本明細書では主に六角形状の要素とともに示されているが、他の形状の要素、例えば、三角形、四角形、円形など、これらの組み合わせ又は変形例も含めて考えられることは理解できよう。
【0093】
開示されている実施形態の他の利点は、それぞれのユーザ端末モジュールを配置するために異なるユーザ端末要素を選択できることである。多くのアンテナは共振デバイスであり、この共振デバイスは、比較的狭い周波数帯域で効率的に動作する。アンテナは、接続される無線システムと同一の周波数帯域に同調(整合)させる必要があり、そうでない場合には、受信及び/又は送信が阻害される。開示されている実施形態は、複数のUTEのそれぞれを複数の周波数域のうち1つ以上に同調させることを可能にする。ある実施形態においては、第1のUTM上のUTEにより第1の周波数域で通信される電波信号のスループットを最大化するために、第1のUTM上のUTEのそれぞれが第1の周波数域に同調される。他の実施形態においては、第1のUTM上のUTEにより電波が通信される様々な周波数域を最大化するために、第1のUTM上のUTEのそれぞれは異なる周波数域に同調される。
【0094】
本明細書で述べられるように、アンテナ(ユーザ端末)パネルは、特定の用途に基づいて複数のアンテナモジュールから形成又は構成され得る。例えば、長距離にわたる通信を必要とする高性能商用・民生ビーム走査用途や高いレベルのスループットを必要とする用途では、より大きなパネルが必要となる場合がある。有利なことに、これらのアンテナ(又はユーザ端末)パネルは、相互交換可能な構築ブロック、例えば、アンテナ(ユーザ端末)モジュール及び/又はアンテナ(ユーザ端末)素子を用いてモジュール式で構成することができるので、カスタム設計を必要としない。
【0095】
図5Aは、ある実施形態による、様々な異なる仰角の衛星と通信を行う複数のアンテナパネルを有するアンテナシステムを示している。図示されているように、アンテナ(FPA)システム500は、4つの角のあるサイドパネルによって囲まれるメインパネルを含んでいる。また、90度の仰角に位置する衛星502と、45度の仰角に位置する衛星504と、0度の仰角に位置する衛星506とが示されている。
【0096】
動作中は、アンテナシステム500は、主にメインパネルを用いて90度の仰角に位置する衛星502と通信し、4つのサイドパネルの一部も衛星に見えており、通信に用いられる。FPAアンテナシステム500は、メインパネルの一部とともに2つのサイドパネルBとCの一部も通信のために用いて45度の仰角に位置する衛星504と通信する。FPAアンテナシステム500は、サイドパネルBのみを用いて0度に位置する衛星506と通信する。このサイドパネルBは、衛星506に見えているアンテナシステム500の唯一の面である。有利なことに、このように、衛星500は、0度以上90度以下の任意の仰角の衛星と通信することができる。
【0097】
メインパネルのUTMモジュールと同一のUTMモジュールからサイドパネルA、B、C、及びDを組み立てることができることに留意すべきである。パネルは、例えば丸形と矩形のように異なる用途に最適化できるように異なる寸法形状に作製することができる。サイドパネルの面積を増やすために、高さ及び/又は幅を増やすことができる。
【0098】
図5Bは、ある実施形態による、いくつかのフラットパネルアレイアンテナを示している。いくつかの固定寸法形状のフラットパネルアレイ(FPA)アンテナである、テント552、フラットトップピラミッド554、三角形ピラミッド556、サイドパネル付き三角形ピラミッド558、測地線ドーム560、及び混合スプライン562が図示されている。552は例外であるが、これらの固定寸法形状のFPAアンテナのすべては、任意の方位角及び任意の仰角の衛星と接続を確立することができる。テント552は例外であるが、固定寸法形状のFPAアンテナのいずれも移動部品を有しておらず、これにより故障の可能性を低減することができる。
【0099】
また、機械的な補助のあるFPAアンテナである、傾斜パネル564、可動ウィング付きフラットトップピラミッド566、8つの折り返しウィング付き八角形メインパネル568、及び反射体付きメインパネル570(側面図では572で示される)が図示されている。動作中は、アクチュエータ1及びアクチュエータ2がx軸及びy軸に沿って回動点を中心に傾斜パネル564を回動させて、すべての仰角に対する衛星の方にアンテナシステムを向けることができる。フラットトップピラミッド566は、衛星への視線に対して垂直な任意平面内に位置を取ろうとするように4つのウィング(ウィングA、ウィングB、ウィングC、及びウィングD)のいずれかを移動させる4つのアクチュエータ(図示せず)を含んでいる。また、可動側部付き八角形ピラミッド568は、衛星への視線に対して垂直な任意平面内に位置を取ろうとするように側部を移動させるアクチュエータ(図示せず)を含んでいる。同様に、反射体付きメインパネル570は、衛星への接続をメインパネルに転送するように反射体を移動させる4つのアクチュエータ(図示せず)を含んでいる。有利なことに、4つの機械的な補助のあるFPAアンテナ564、566、568、及び570のすべては、任意の方位角及び任意の仰角の衛星と接続を確立することができる。加えて、566と568には、ウィングをメインパネルのレベルに折り返したときにメインパネル及びウィングから信号を結合する場所で利得を増加させることができる利点がある。
【0100】
図5Cは、メインパネル及びサイドパネルによる相対アンテナ利得寄与を衛星の仰角の関数として示すグラフである。図示されるように、グラフ575は、仰角に対するアンテナ利得を示している。90度の仰角では、アンテナ利得は、メインパネル利得580に全面的に起因しているものと考えられる。0度の仰角では、アンテナ利得は、サイドパネル利得585に全面的に起因しているものと考えられる。他の仰角では、メインパネル利得580とサイドパネル利得585の両方が合計利得590に寄与している。
【0101】
衛星接続に対する閾値595も示されており、これは、
図8Bに示される方法のように、ある実施形態においては、衛星との接続が確立された否かを判断するためにFPAアンテナにより使用される。確立されたと判断された場合には、接続を維持することができる。
【0102】
さらに、ある実施形態における衛星接続に対する閾値595は、衛星と通信するためにUTEを使い続ける価値があるか否かを判断するためにFPAアンテナにより使用される。価値がない場合には、UTEを動作させ続けるのに必要な電力を消費する価値がないことが考えられる。衛星通信の信号強度が衛星接続に対する閾値595よりも低い場合には、UTEの電源を切って電力を節約することができる。アンテナ利得は、衛星に見えている実効アンテナ面積に正比例することを理解すべきである。ある実施形態においては、メインパネルが十分な利得を提供し、メインパネルだけ電源が投入され使用され、1以上のサイドパネルの電源を切ることができる。ある実施形態においては、衛星が低仰角に位置しているときは、1以上のサイドパネルだけを使用し、メインパネルの電源を切って電力を節約することができる。
【0103】
図6は、フラットパネルアレイアンテナの実効アンテナ面積のいくつかの実施形態を示している。実効アンテナ面積604を有する側部付き三角形パネルのフラットパネルアレイアンテナ602が示されており、側部付き六角形パネルのFPAアンテナ606は、六角形の実効アンテナ面積608を有しており、側部付き八角形パネルのFPAアンテナ610は八角形の実効アンテナ面積612を有している。動作中は、それぞれの実効アンテナ面積は、N個のUTMのそれぞれの衛星から見える投影面の合計として計算することができる。それぞれの投影面積は、衛星に対する視線に垂直な任意平面上へのUTM面の直線投影を含んでいる。ここで、簡略化のために、それぞれの衛星は、FPAアンテナの真上である90度の仰角に位置するものとして示されている。したがって、FPAアンテナの側部のいずれの部分も衛星からは見えておらず、実効アンテナ面積は、基本的に、FPAアンテナのメインパネルの表面積にちょうど一致する。
【0104】
図7は、投影面積を取得する方法の例を示している。
図6に示されるシナリオは、衛星がFPAアンテナの真上に位置しているので簡単な計算である。衛星が異なる仰角、例えば45度に位置している場合、あるいは、FPAアンテナ面がある角度に位置している場合には、実効アンテナ面積は、FPAアンテナパネルの合計表面積よりも小さくなる。これに対して、FPAアンテナ704は、上面が角度θで傾斜した傾斜パネルアンテナである。ここで、衛星702は、FPAアンテナ704の真上に位置しているが、衛星702に見えている実効アンテナ面積706は、上面パネルの実際の表面積にcosθを乗算したものである。他方で、衛星703は、0度の仰角、水平に位置している。衛星703に見えている実効アンテナ面積708は、FPAアンテナのメインパネルの合計面積よりも小さく、上面パネルの面積にsinθを乗算したものに等しい。
【0105】
図8Aは、ある実施形態による、任意の仰角の衛星と通信するためにアンテナシステムを用いる方法を示している。図示されるように、プロセス800は802から開始する。動作804では、プロセスは、1以上のパネルを含むアンテナシステムをある位置に配置するように求め、それぞれのパネルは、固定の、あるいは、機械的な補助のある寸法形状のいずれかに配置された複数のN個のUTMを含み、N個のUTMはM個のUTEを含み、M個のUTEはM個のアンテナ及びM個の能動回路を含み、それぞれのアンテナは、衛星から受信された入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、衛星に向けて送出信号を送信し、それぞれの能動回路は到来信号及び送出信号を処理し、アンテナシステムは、N個のUTMの衛星への合計接続信号強度を測定する1以上のセンサをさらに含む。動作806では、プロセスは、制御回路を使用してM個の能動回路により行われる信号処理を制御するように求める。動作808では、プロセスは、合計接続信号強度が衛星接続に対する閾値を満たすか否かを判断し、満たしていない場合には、合計接続信号強度が衛星接続に対する閾値を満たすようになるまで、N、M、及び位置のうち1つ以上を調整して衛星から見える実効アンテナ面積を調整するように求める。この衛星は、0から90度の間のいずれかの仰角に位置している。図示はしていないが、ある実施形態においては、FPAアンテナは、衛星に向けてping信号を送信し、その後、FPAアンテナは、衛星からのping信号に対する応答を受信する。
【0106】
ある実施形態においては、合計接続信号強度が衛星接続に不十分である場合には、この方法は、信号強度が要件を満たすようになるまで、N、M、及び位置のうち1つ以上を調整して衛星から見える実効アンテナ面積を調整するように求める。この衛星は、0から90度の間のいずれかの仰角に位置している。
【0107】
図8Bは、ある実施形態による、任意の仰角の衛星と接続するためにFPAにより行われる方法を示している。図示されているように、フラットパネルアレイ(FPA)アンテナは852から開始する方法850を実施する。動作854においては、FPAアンテナは、N個のUTMの電源を入れる。N個のUTMのうち1つ以上は折り返し可能であり、N個のUTMはM個のUTEを含んでいる。M個のUTEのそれぞれは、衛星からの入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、衛星に送出信号を送信するアンテナと、到来信号及び送出信号を処理する能動回路とを有する。M個のUTEは、衛星への接続の強度を測定する1以上の信号強度センサにさらに連結されている。動作856では、FPAアンテナは、衛星の方位角及び仰角にアクセスする。動作858では、FPAアンテナは、アクチュエータを用いて1以上の折り返し可能UTMを衛星に垂直に折り返す。動作860では、衛星に向けてping信号を送信する。動作862では、FPAアンテナは、衛星からのping信号に対する応答を受信する。動作864では、FPAアンテナは、1以上の信号強度センサを用いてM個のUTEにより衛星から受信された信号の累積強度が接続閾値を満たすことを判断する。動作866では、FPAアンテナは衛星との接続を維持する。
【0108】
図9は、ある実施例による、ある用途のための衛星電波信号を送受信するためのシステム(ビーム走査型アンテナ)の例を示すブロック図を示している。図示されているように、衛星アンテナシステム900は、ユーザ端末(UT)モジュール906A、906Bから906N(Nは16に等しい)までを含む機械的シャーシ904を含んでいる。UTモジュールのそれぞれは、16個のデイジーチェーン接続されたUTEを含んでいる。これらは、UTE310の例であり、それぞれアンテナ312と能動回路314とを含んでいる。他の実施形態においては、例えば
図11B及び
図11Cに示されるように、16個よりも多くのUTEがデイジーチェーン接続される。UTEの能動回路によりなされる処理は、UTコントロール908により制御される。
【0109】
図示されるように、それぞれのコンバイナは4個のUTMから信号を受信するので、16個のUTMは、16個のアナログ信号を第1レベルのRFコンバイナ910A、910Bから910X(Xは4に等しい)に供給する。第2組み合わせレベルのRFコンバイナ912は、第1のレベルからの信号を結合する。他の実施形態においては、より多くのコンバイナ又はより少ないコンバイナが存在することは留意すべきである。また、コンバイナのレベル数は変化し得ることにも留意すべきである。換言すれば、
図9においては2つのレベルのコンバイナが示されているが、他の実施形態においては、より多くのレベル又はより少ないレベルが存在し得る。
【0110】
また、UTアンテナ916A、916Bから916Mまでが示されている。ここで、Mは256に等しく、Nは16に等しく、O及びUTMごとのUTEの数は16に等しい。
【0111】
動作中は、衛星アンテナシステム900は、パーソナルコンピュータ用途のために衛星通信を提供する。その場合には、衛星アンテナシステム900は、衛星通信パネル214を含むものとして示されている衛星210と通信する。
【0112】
ある実施形態においては、M個のUTEのM個のアンテナのそれぞれが、複数の異なる周波数域のうちの1つ以上に同調される。ある実施形態においては、UTモジュールのそれぞれのアンテナのそれぞれは同一である。図示されるように、それぞれのUTEのアンテナから受信された到来信号は、アナログ電圧であり、M個の能動回路のそれぞれは、アナログ電圧を有する出力信号を受信、処理、及び生成し、N個のUTMのそれぞれは、他のUTMからのアナログ信号と結合されるアナログ信号を生成する。受信された電波信号は、RFコンバイナ912からモデム(受信器)914に伝送され、受信器514は、これらの信号をTV又はインターネット受信器のようなデバイス916に供給する。
【0113】
ある実施形態は、制御信号を制御回路から能動回路のそれぞれにルーティングするのではなく、能動回路のデイジーチェーンに沿ってデジタル制御信号を送ることによりルーティングするために必要なコストと面積を削減する。特に、ある実施形態においては、デジタル制御信号、クロック、及び電力は、
図10のバッファ1010及び1012のような入力バッファ及び出力バッファを用いてモジュール間を通過する。そのようなシナリオにおいては、デイジーチェーンの概念を利用してデイジーチェーン内の複数の能動回路を制御するためのコントローラ回路を1つだけ用いることによりシステムコストをさらに削減することができる。
【0114】
そのような一部のシナリオにおいては、デイジーチェーンは、デジタル制御信号、電力、及びクロック信号を通過させる。
図9のコンバイナ910A~N及び912のようなコンバイナによりアナログ処理が行われる。ある実施形態においては、UTMのそれぞれからの信号は、デイジーチェーンを介してコントローラに戻り、コントローラは、システムの健全性を計量するために信号をモニタリングする。
【0115】
図10は、ある実施例による、ユーザ端末モジュール、ユーザ端末制御モジュール、及び振幅調整バッファの例を示すブロック図を示している。図示されているように、システム1000は、UTコントロール908と
図9のUTM906A~906Nのうち1つの例である。ここで、UTM1006は、16個のUTE1002A~1002Pを含んでいる。UTM1006は、バッファ1010から到来信号を受信し、処理される信号をUTEのデイジーチェーンを通して供給し、送出信号をバッファ1012を通して供給するように構成される。バッファ1010及び1012は、コントローラボード1008に接続されており、コントローラボード1008は、パーソナルコンピュータ1014のアプリケーション、モデムボード、ネットワークアダプタなどの他の電子デバイスにサービスを提供する。ある実施形態においては、コントローラボード1008は、バッファ1012から受信された信号の1以上の信号特性をモニタリングすることにより、システムの健全性をモニタリングする。
【0116】
図11A~
図11Cは、ある実施例による、様々な構成において相互接続されるユーザ端末モジュールを示すブロック図を示している。開示されているアンテナシステムにおいて用いられるアンテナを目標周波数域、目標偏波、及び目標ビーム方向をはじめとする様々な基準によって選択できることは留意すべきである。例えば、上述したように、Ku-Ka周波数帯域のような特定の周波数域に同調されたアンテナを選択することができる。さらに、受信信号の偏波(水平偏波、垂直偏波、左円偏波、又は右円偏波)によりアンテナを選択することができる。さらに、同調されたビーム方向に基づいてアンテナを選択することができる。これらの基準によれば、ある実施例は、同一のアンテナを有するモジュールを選択する。他の実施形態は、UTM上のUTEを2以上のグループに分割し、それぞれのグループ内のアンテナは同一の特性を有する。周波数、偏波、及び同調されたビーム方向によりユーザ端末要素(UTE)を選択することができる。
【0117】
図11Aは、ある実施例による、複数のユーザ端末モジュールとユーザ端末制御モジュールの例を示すブロック図を示している。ここで、アンテナシステム1100は、4個のUTM1102、1104、1106、及び1108を含んでおり、これらのUTMのそれぞれは、それぞれのモジュール上の16個のUTEからなるデイジーチェーンを含んでいる。UTM1102は、UTE1112A~1112Pからなるデイジーチェーンを含んでいる。UTM1104は、UTE1114A~1114Pからなるデイジーチェーンを含んでいる。UTM1106は、UTE1116A~1116Pからなるデイジーチェーンを含んでいる。UTM1108は、UTE1118A~1118Pからなるデイジーチェーンを含んでいる。ここで、4個のUTM(1102、1104、1106、及び1108)のそれぞれは、コントローラボード1101-1への別個の接続を有しており、これがパーソナルコンピュータ1101-2のアプリケーションにサービスを提供する。
【0118】
図11Bは、ある実施例による、複数のユーザ端末モジュールとユーザ端末制御モジュールの例を示すブロック図を示している。ここで、アンテナシステム1120は、UTM1122-1~4、1124-1~4、1126-1~4、及び1128-1~4からなる4つのグループに分類された16個のUTMを含んでいる。UTMの4つのグループのそれぞれは、スタックにわたる64個のUTEからなるデイジーチェーンを含んでいる。例えば、第1のグループは、デイジーチェーン接続されたモジュール1122-1、1122-2、1122-3、及び1122-4を含んでいる。UTM1122-1は、16個のUTE1132A~1132Pを含んでいる。また、UTM1122-2、1122-3、及び1122-4は、それぞれ16個のUTE(ここでは図示されていない)を含んでいる。しかしながら、
図11Cは、4個すべてのUTM1122-1、1122-2、1122-3、及び1122-4とともにそれぞれのUTM上に含められる16個のUTEを示している。UTM1122-1の出力がUTM1122-2の入力に接続され、最終的に、UTM1122-4の出力がコントローラボード1121-1に再び接続され、コントローラボード1121-1はコンピュータ1121-2に接続している。同様に、UTM1124-1は、UTE1134A~1134Pを含むものとして示されており、UTM1126-1は、UTE1136A~1136Pを含むものとして示されており、UTM1128-1は、UTE1138A~1138Pを含むものとして示されている。モジュール1122-1~4、1124-1~4、1126-1~4、及び1128-1~4は、重ねされた構成で
図11Bに示されているが、使用の際には、モジュールは、信号を送受信できるようになり得るように、また、他のモジュールによって遮られないように重ならないように配置され得ることは理解すべきである。
【0119】
図11Aのシステムと同様に、UTMスタックは、コントローラボード1121-1に対する4つの接続を有している。
図11Aのシステムとは対照的に、デイジーチェーンは64個のUTEからなる。4つのUTMのスタックをデイジーチェーン接続することにより、4倍の個数のUTEをコントローラボード1121-1により制御することができ、このため、システムの1個のUTE当たりのコストを低減することができる。開示された実施形態によれば、任意の数のUTMが直列にデイジーチェーン接続され得る。付加的なUTMをデイジーチェーンに挿入することによりシステム1120のスケーリングを行うことができる。
【0120】
図11Cは、
図11BのUTM1122-1から1122-4のスタックを示すブロック図である。図示されるように、コントローラボード1141-1は、4個の重ねられたUTMのうち第1のUTM1122-1に入力を供給し、4個の重ねられたUTMのうち第4のUTM1122-4からの出力を受信するように連結される。そのような実施形態においては、64個の能動回路からなるデイジーチェーンが信号処理を行い、そのデイジーチェーンに沿って制御をルーティングすることができる。また、16個のUTEを含み、UTM1122-1の出力を受信することによりデイジーチェーンを継続するUTM1122-2が示されている。また、16個のUTEを含み、UTM1122-2の出力を受信することによりデイジーチェーンを継続するUTM1122-3が示されている。また、16個のUTEを含み、UTM1122-3の出力を受信することによりデイジーチェーンを継続するUTM1122-4が示されている。UTM1122-4は、その出力をコントローラボード1141-1に戻すことにより、64個のUTEからなるデイジーチェーンを完結している。
【0121】
図12は、ある実施例による、ビーム走査型アンテナにおいて使用されるコントローラボードに接続されるモジュールプリント回路基板の上に搭載されるアンテナプリント回路基板の断面図を示している。図示されるように、断面
図1200は、アンテナPCB1202、モジュールPCB1206、及び制御PCB1208を含んでいる。また、アンテナPCB1202上にUTアンテナ素子が置かれている。同様に、制御PCB1208上の制御回路に制御されるように、モジュールPCB1206上に能動回路要素が置かれ、例えば、
図8に関して述べられたように、本明細書で述べられているような動作を行うように構成される。
【0122】
図13は、ある実施例による、ビーム走査型アンテナにおいて使用されるモジュールボード上に搭載されるアンテナボードの平面及び斜視図を示している。アセンブリ1300は、アンテナボード1302が見えている平面図と、アンテナボード1302及びモジュールボード1306の両方が見えている斜視図の両方において示されている。
【0123】
図14は、ある実施形態による、ビーム走査型アレイシステムを組み立てるために使用される標準的な構成要素及びコネクタを示している。示されているように、構成要素1400は、アンテナ素子1405、SMPコネクタ1410、プリント回路基板1415、及びコネクタ1420を含んでいる。なお、実演製品を作るために使用される部品は、最小限の費用で入手できると考えられる。
【0124】
図15は、ある実施例による、アンテナ(又はユーザ端末)モジュールを形成するために使用される例示構造1500を示している。より具体的には、
図15の例は、7個のアンテナ(又はユーザ端末)素子1510が配置された構造を示している。例示構造1500は
図3の構造320であり得るが、別の構成も考えられる。
図15の例には示されていないが、高性能走査型アレイアンテナシステムを構成するために、例示構造のうち1つ以上をベースボードに固定することができる。
【0125】
図16は、ある実施例による、アンテナ(又はユーザ端末)モジュールを形成するために使用される例示構造1600を示している。例示構造1600は、
図15の例示構造1500と似ているが、アンテナ(又はユーザ端末)素子1618を適切な位置によりしっかりと保持するように設計されている。さらに、
図16の例に示されているように、例示構造1600は、アンテナ(又はユーザ端末)素子1610で完全に占められている。
【0126】
図17は、ある実施例による、リアルタイム画像撮影用途のための対象範囲及び速度を改善するためのモジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステムから構成される複数の地上ユーザ端末を用いた例を示している。
【0127】
今日、画像撮影は主に衛星のLEOコンステレーションを通じてなされている。しかしながら、画像撮影の対象範囲は、典型的には、どれだけ多くの衛星が含まれているかに依存しており、衛星は、地球の異なる部分をカバーするのに数分から数時間待つ必要がある。すなわち、衛星1710は、地球上の特定の経路を横断し、取得画像を地球に送り返すことできるようになる前に、地上端末1720(例えば、固定ビーム皿形アンテナソリューション又はゲートウェイ)と通信を確立できるまで待つ必要がある。上述したように、典型的には、特定の経路に沿って1個から5個の地上端末1720が存在し、したがって、画像処理にかなりの待ち時間が生じる。
【0128】
本明細書で述べられているように、多くの低コストビーム形成端末を用いて、リアルタイムの画像取得又はほぼリアルタイムの画像取得を容易にするために数少ない高価な固定ビーム皿形アンテナソリューションを置換することができる。
【0129】
図18は、ある実施例による、複数のモジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステムから構成される合成開口地上ユーザ端末の例を示している。
【0130】
高品質な画像を取得するためには、衛星は、極めて大きなアンテナサイズを有する必要がある。衛星は、典型的には、合成開口レーダ(SAR)を実施することによりこれを達成している。例えば、小さな衛星は、移動しているときに画像を取得し、その後、大きな開口であったかのようにデータを再統合する。そして、衛星は、非常に大きなファイルを持っており、これを地上で早く受信するためには、極めて大きな地上端末(数メートルの大きさ)が必要となる。例えば、数百万ドルの単位で費用がかかる大型皿形アンテナがこの目的のために使用されることが多い。
【0131】
図18の例は、データを集合的に受信して結合して総合的に大きな地上端末を効果的に作る、数メートル又は任意の距離離れた多くのユーザ端末から構成される合成開口地上ユーザ端末を示している。この構成を利用することにより、ギガバイトのデータを数秒で受信することができ、衛星で取得された画像のライブビデオストリームさえ可能である。
【0132】
図19の例は、単一のFPAと比べてカバーされる仰角の範囲を広げるために使用される追加の供給ホーン1904を有するモジュール型衛星ユーザ端末アンテナシステム1902から構成される地上ユーザ端末を示している。供給ホーンは、FPAができない仰角での信号の送受信を可能にする。
【0133】
あるいは、ある実施例においては、(例えば乗物上の)単一の移動端末が動き回って総合的に大きな端末を作ることができる。
【0134】
さらなる実施例
【0135】
以下の実施例は、上述した、開示された発明の構成及び実施形態の様々な例を述べている。
【0136】
実施例1は、固定又は機械的な補助のある寸法形状のいずれかで配置されたN個のUTMを含むP個のUTPを含み、上記N個のUTMはM個のUTEを含み、上記M個のUTEはM個のアンテナ及びM個の能動回路を含み、それぞれのアンテナは、衛星から受信した入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、上記衛星に向けて送出信号を送信し、それぞれの能動回路は、上記到来信号及び送出信号を処理し、上記M個の能動回路により行われる信号処理を制御するための制御回路を含み、上記衛星から見えるアンテナ実効面積及びこれに対する接続の対応スループットを調整できるようにN及びMを調整して上記接続を維持することができ、上記衛星は、ゼロ以上90度以下の間のいずれかの仰角に位置している、例示的アンテナシステムを提供する。
【0137】
実施例2は、実施例1の例示的アンテナシステムの内容を含み、上記実効アンテナ面積は、上記衛星から見えるUTPの投影面の合計を含み、それぞれの投影面積は、上記衛星に対する視線に垂直な任意平面上へのアンテナパネル面の直線投影を含む。
【0138】
実施例3は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、それぞれのUTEアンテナは、さらに、第2の衛星から受信した入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、上記第2の衛星に向けて送出信号を送信し、上記第2の衛星から見える第2の実効アンテナ面積及び上記第2の衛星への第2の接続の対応スループットを調整でき、スケーリングできるようにN及びMを調整して上記第2の接続を維持することができ、上記第2の衛星は、ゼロ以上90度以下の間のいずれかの仰角に位置し、上記アンテナシステムは、上記衛星と上記第2の衛星の両方とマルチビーム接続を維持する。
【0139】
実施例4は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記P個のUTPは固定寸法形状に配置され、上記固定寸法形状は、テント、複数のサイドUTPを有するメインパネル、三角形UTEピラミッド、サイドUTPを有する三角形UTEピラミッド、測地線タイルドーム、及び複数のスプラインを有する構造のうちの1つである。
【0140】
実施例5は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記P個のUTPは、少なくとも1つの折り返し可能サイドUTPを含む複数のサイドUTPに接続されたメインパネルを含み、上記アンテナシステムは、上記少なくとも2つの折り返し可能なサイドUTPに連結された1以上のアクチュエータをさらに含み、上記制御回路は、さらに、上記1以上のアクチュエータに上記少なくとも2つの折り返し可能なサイドUTPの角度を調整させる。
【0141】
実施例6は、実施例5の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、さらに、それぞれのUTEの信号強度を測定するセンサと、上記衛星への接続と、上記UTE接続の強度を反映するフィードバックを供給するユーザインタフェイスとを含み、さらに、上記衛星の仰角の表示を受信するように構成された上記ユーザインタフェイスは、1以上のサイドパネル角度を調整するために上記制御回路により使用される例示的表示の内容を含む。
【0142】
実施例7は、実施例5の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記制御回路は、さらに、1以上の動作していないサイドUTPの電源を切ることにより電力を節約しようとするように構成される。
【0143】
実施例8は、実施例5の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記制御回路は、さらに、移動する衛星から見える上記実効アンテナ面積を最大化するように、1以上のサイドパネル角度を調整するように構成される。
【0144】
実施例9は、実施例5の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、さらに1以上の反射体を備え、それぞれの反射体は、上記衛星との接続を上記UTMのうち1つ以上に反射するように位置決めされる。
【0145】
実施例10は、実施例5の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記制御回路は、さらに、上記サイドUTPのそれぞれを第1の衛星専用とするか、上記第1の衛星に接続される1以上の他のサイドUTPと組み合わせるか、あるいは、上記第1の衛星と第2の衛星との間で接続を切り替えさせるかによって、上記アンテナシステムの複数の衛星とのマルチビーム接続を制御するように構成される。
【0146】
実施例11は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、Pは2に等しく、第1のUTP及び第2のUTPがAフレームテントの形状に配置され、上記Aフレームテントは、調整可能な稜高さを有する。
【0147】
実施例12は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、1つのメインUTPと4つのサイドUTPを有するフラットトップピラミッドとして配置される。
【0148】
実施例13は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、六角形ベースと6つの三角形サイドUTPを有するティピーとして配置される。
【0149】
実施例14は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、6つの上部三角形UTPと6つのサイドUTPを含み、上記6つのサイドUTPは六角形状に配置される。
【0150】
実施例15は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは測地線ドームの形状で配置され、上記アンテナシステムは複数のUTPを含む。
【0151】
実施例16。実施例1の上記アンテナシステムであって、上記アンテナシステムは、同心の八角形スプラインのUTPの複数の層の真上に八角形メインパネルを含み、上記層は徐々に径が増加する。
【0152】
実施例17は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、回動点を中心に傾斜するように構成されたフラットメインパネルを含み、上記アンテナシステムは、さらに、上記メインパネルの第1の側部に連結される第1のアクチュエータと、上記メインパネルの第2の隣接する側部に連結される第2のアクチュエータとを含み、上記第1及び第2のアクチュエータは、上記メインパネルのタイトルを調整するように構成される。
【0153】
実施例18は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、1つのメインUTPと4つの折り返し可能ウィングUTPを有するフラットトップピラミッドとして配置され、上記4つの折り返し可能ウィングUTPのそれぞれは、上記メインUTPに対して上記折り返し可能ウィングUTPの角度を調整するように構成されるアクチュエータに連結される。
【0154】
実施例19は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、8つの折り返し可能なウィングUTPに連結された八角形メインパネルを含み、上記折り返し可能ウィングUTPは、上記ウィングUTPの1以上の角度を調整するように構成されるアクチュエータにそれぞれ連結される。
【0155】
実施例20は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、4つの折り返し可能な反射体に連結された四角形のメインパネルを含み、それぞれの折り返し可能な反射体は、入射衛星信号を上記メインパネルに反射させるように上記反射体の角度を調整するように構成されたアクチュエータに連結される。
【0156】
実施例21は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、ピラミッドとして配置された4つのサイドUTPを含むが、平坦なパネル上面に代えて開放された上面を有する。
【0157】
実施例22は、実施例1の上記例示的アンテナシステムの内容を含み、上記アンテナシステムは、開放された上面を有するティピーとして配置された4つのサイドUTPを含む。
【0158】
実施例23は、アンテナシステムを衛星に接続する例示的な方法であって、上記アンテナシステムをある位置に配置し、上記アンテナシステムは、固定又は機械的な補助のある寸法形状のいずれかで配置されたN個のUTMを含むP個のUTPを含み、上記N個のUTMはM個のUTEを含み、上記M個のUTEはM個のアンテナ及びM個の能動回路を含み、それぞれのアンテナは、衛星から受信した入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、上記衛星に向けて送出信号を送信し、それぞれの能動回路は、上記到来信号及び送出信号を処理し、上記M個の能動回路により行われる信号処理を制御するための制御回路を含み、上記アンテナシステムは、上記M個の能動回路によりなされる信号処理を制御するための制御回路を用いて、上記N個のUTMの上記衛星への合計接続信号強度を測定するための1以上のセンサをさらに含み、上記合計接続信号強度が衛星接続に対する閾値を満足するか否かを判断し、満たしていない場合には、上記合計接続信号強度が衛星接続に対する上記閾値を満たすようになるまでN、M、及び上記位置のうち1つ以上を調整して上記衛星から見える実効アンテナ面積を調整し、上記衛星は、ゼロから90度の間のいずれかの仰角に位置する、方法を提供する。
【0159】
実施例24は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記実効アンテナ面積は、上記衛星から見える上記P個のパネルのそれぞれの投影面の合計を含み、それぞれの投影面積は、上記衛星に対する視線に垂直な任意平面上へのUTP面の直線投影である。
【0160】
実施例25は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、それぞれのパネルは、さらに、第2の衛星から受信した入射電波に応答して到来信号を生成するか、あるいは、上記第2の衛星に向けて送出信号を送信し、上記第2の衛星から見える第2の実効アンテナ面積及び上記第2の衛星への第2の接続の対応スループットのようにN及びMを調整を調整することができ、上記方法は、さらに、上記第2の接続を維持するようにN及びMを調整し、上記第2の衛星は、ゼロ以上90度以下の間のいずれかの仰角に位置し、上記アンテナシステムは、上記衛星と上記第2の衛星の両方とマルチビーム接続を維持する。
【0161】
実施例26は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記P個のUTPは固定寸法形状に配置され、上記固定寸法形状は、テント、複数のサイドUTPを有するメインUTP、三角形UTPピラミッド、サイドUTPを有する三角形UTPピラミッド、測地線タイルドーム、及び複数のスプラインを有する構造のうちの1つである。
【0162】
実施例27.実施例23の上記方法において、上記P個のUTPは、少なくとも2つの折り返し可能サイドUTPを含む複数のサイドUTPに接続されたメインUTPを含み、上記アンテナシステムは、上記少なくとも2つの折り返し可能サイドUTPに連結された1以上のアクチュエータをさらに含み、上記制御回路は、さらに、上記1以上のアクチュエータに上記少なくとも2つの折り返し可能なサイドUTPの角度を調整させる。
【0163】
実施例28は、実施例27の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、ユーザインタフェイスをさらに含み、上記方法は、さらに、上記接続の上記合計信号強度を反映するフィードバックを供給し、上記ユーザインタフェイスを用いて上記衛星の方位角及び仰角の表示を提供し、上記表示を用いて上記制御回路によって1以上のサイドUTPを動作させ、1以上のサイドUTPの角度を調整する。
【0164】
実施例29は、実施例27の上記例示的方法の内容を含み、さらに、1以上の動作していないサイドUTPの電源を切ることにより電力を節約しようとする上記制御回路を含む。
【0165】
実施例30は、実施例27の上記例示的方法の内容を含み、さらに、移動する衛星から見える上記実効アンテナ面積を最大化するように、1以上のサイドパネル角度を調整する上記制御回路を含む。
【0166】
実施例31は、実施例27の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、さらに1以上の反射体を備え、それぞれの反射体は、上記衛星との接続を上記UTMのうち1つ以上に反射するように位置決めされる。
【0167】
実施例32は、実施例27の上記例示的方法の内容を含み、さらに、上記アンテナシステムの複数の衛星とのマルチビーム接続を制御する上記制御回路を用い、上記制御回路は、上記サイドUTPのそれぞれを第1の衛星専用とするか、上記第1の衛星に接続される1以上の他のサイドUTPと組み合わせるか、あるいは、上記第1の衛星と第2の衛星との間で接続を切り替えさせる。
【0168】
実施例33は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、Pは2に等しく、第1のUTP及び第2のUTPがAフレームテントの形状に配置され、上記Aフレームテントは、調整可能な稜高さを有する。
【0169】
実施例34は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、1つのメインUTPと4つのサイドUTPを有するフラットトップピラミッドとして配置される。
【0170】
実施例35は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、6つの三角形サイドUTPを有する六角形ティピーとして配置される。
【0171】
実施例36は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、六角形ベースと6つの三角形サイドUTPを有するティピーとして配置される。
【0172】
実施例37は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、測地線ドームの形状で配置され、上記アンテナシステムは、複数のUTPを含む。
【0173】
実施例38は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、同心の八角形スプラインのUTPの複数の層の真上に八角形メインパネルを含み、上記層は徐々に径が増加する。
【0174】
実施例39は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、回動点を中心に傾斜するように構成されたフラットメインパネルを含み、上記アンテナシステムは、さらに、上記メインパネルの第1の側部に連結される第1のアクチュエータと、上記メインパネルの第2の隣接する側部に連結される第2のアクチュエータとを含み、上記第1及び第2のアクチュエータは、上記メインパネルのタイトルを調整するように構成される。
【0175】
実施例40は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、1つのメインUTPと4つの折り返し可能ウィングUTPを有するフラットトップピラミッドとして配置され、上記4つの折り返し可能ウィングUTPのそれぞれは、上記メインUTPに対して上記折り返し可能ウィングUTPの角度を調整するように構成されるアクチュエータに連結される。
【0176】
実施例41は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、8つの折り返し可能なウィングUTPに連結された八角形メインパネルを含み、上記折り返し可能ウィングUTPは、上記ウィングUTPの1以上の角度を調整するように構成されるアクチュエータにそれぞれ連結される。
【0177】
実施例42は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、4つの折り返し可能な反射体に連結された四角形のメインパネルを含み、それぞれの折り返し可能な反射体は、入射衛星信号を上記メインパネルに反射させるように上記反射体の角度を調整するように構成されたアクチュエータに連結される。
【0178】
実施例43は、実施例23の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、ピラミッドとして配置された4つのサイドUTPを含むが、平坦なパネル上面に代えて開放された上面を有する。
【0179】
実施例44は、アンテナシステムにより行われる例示的な方法であって、
P個のUTP(ユーザ端末パネル)上に配置されたN個のUTM(ユーザ端末モジュール)の電源を入れ、上記N個のUTMのうち1つ以上は折り返し可能であり、N個のUTMはM個のUTE(ユーザ端末要素)を含み、上記M個のUTEのそれぞれは、衛星からの入射電波に応答して到来信号を生成するか、上記衛星に送出信号を送信するアンテナと、到来信号及び送出信号を処理する能動回路とを有し、上記M個のUTEは、さらに、上記衛星への接続の強度を測定する1以上の信号強度センサに連結され、上記衛星の方位角及び仰角にアクセスし、アクチュエータを用いて上記1以上の折り返し可能なUTMを上記衛星に垂直に折り返し、上記衛星に向けてping信号を送信し、上記衛星から上記ping信号に対する応答を受信し、上記1以上の信号強度センサを用いて上記M個のUTEにより上記衛星から受信された上記信号の累積強度が接続閾値を満たすことを判断し、上記衛星との上記接続を維持する、方法を提供する。
【0180】
実施例45は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、さらに、上記衛星から受信した上記信号の上記強度が有用な閾値よりも低いと信号強度センサが判断した1以上のUTEの電源を切る。
【0181】
実施例46は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、さらに、ユーザインタフェイスを用いて上記衛星の上記方位角及び上記仰角を受信し、さらに、上記ユーザインタフェイスを用いて上記衛星から受信した上記信号が上記接続閾値を満たすというフィードバックを提供する。
【0182】
実施例47は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記方位角及び上記仰角は、インターネット衛星一覧、非一過性機械読取可能媒体、及びメモリのうち1つ以上から取得される。
【0183】
実施例48.実施例44の上記方法であって、Pは2に等しく、第1のUTP及び第2のUTPがAフレームテントの形状に配置され、上記Aフレームテントは、調整可能な稜高さを有する。
【0184】
実施例49は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、1つのメインUTPと4つのサイドUTPを有するフラットトップピラミッドとして配置される。
【0185】
実施例50は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、六角形ベースと6つの三角形サイドUTPを有するティピーとして配置される。
【0186】
実施例51は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、六角形ベースと6つの三角形サイドUTPを有するティピーとして配置される。
【0187】
実施例52は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは測地線ドームの形状で配置され、上記アンテナシステムは複数のUTPを含む。
【0188】
実施例53は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、同心の八角形スプラインのUTPの複数の層の真上に八角形メインパネルを含み、上記層は徐々に径が増加する。
【0189】
実施例54は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、回動点を中心に傾斜するように構成されたフラットメインパネルを含み、上記アンテナシステムは、さらに、上記メインパネルの第1の側部に連結される第1のアクチュエータと、上記メインパネルの第2の隣接する側部に連結される第2のアクチュエータとを含み、上記第1及び第2のアクチュエータは、上記メインパネルのタイトルを調整するように構成される。
【0190】
実施例55.実施例44の上記方法であって、上記アンテナシステムは、1つのメインUTPと4つの折り返し可能ウィングUTPを有するフラットトップピラミッドとして配置され、上記4つの折り返し可能ウィングUTPのそれぞれは、上記メインUTPに対して上記折り返し可能ウィングUTPの角度を調整するように構成されるアクチュエータに連結される。
【0191】
実施例56は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、8つの折り返し可能なウィングUTPに連結された八角形メインパネルを含み、上記折り返し可能ウィングUTPは、上記ウィングUTPの1以上の角度を調整するように構成されるアクチュエータにそれぞれ連結される。
【0192】
実施例57は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、4つの折り返し可能な反射体に連結された四角形のメインパネルを含み、それぞれの折り返し可能な反射体は、入射衛星信号を上記メインパネルに反射させるように上記反射体の角度を調整するように構成されたアクチュエータに連結される。
【0193】
実施例58は、実施例44の上記例示的方法の内容を含み、上記アンテナシステムは、ピラミッドとして配置された4つのサイドUTPを含むが、平坦なパネル上面に代えて開放された上面を有する。
【0194】
実施例59は、1つのパネルと1以上のホーンアンテナとを含むアンテナシステムを含む。
【0195】
当業者により理解されるように、本発明の態様は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせた実施形態の形を取り得る。これらすべては、本明細書では、概して、「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ばれることがある。さらに、本発明の態様は、具現化されるコンピュータ読取可能なコードを有する1以上のコンピュータ読取可能媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品の形を取り得る。
【0196】
ここに含まれる説明及び図は、最良の形態を製造及び使用する方法を当業者に教示するために特定の実施形態を示すものである。発明の原理を説明するために、一部の従来の太陽は簡略又は省略されている。当業者であれば、これらの実施形態から本開示の範囲内に属する変形例を考えられるであろう。また、当業者であれば、上述した特徴を様々な方法で組み合わせて複数の実施形態を形成し得ることを理解するであろう。結果として、本発明は、上記で述べられた特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ特定されるものである。
【国際調査報告】