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特表2023-511938衣服のパターンピースの自動裁縫方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】衣服のパターンピースの自動裁縫方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A41H 3/00 20060101AFI20230315BHJP
   G06T 17/20 20060101ALI20230315BHJP
   A41H 43/00 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
A41H3/00 Z
G06T17/20
A41H43/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544767
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 KR2021000901
(87)【国際公開番号】W WO2021150056
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0009358
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122350
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122378
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0178512
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522292585
【氏名又は名称】クロー・バーチャル・ファッション・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】マ、ジェ ファン
【テーマコード(参考)】
5B080
【Fターム(参考)】
5B080AA01
5B080AA13
5B080AA14
5B080BA00
5B080CA00
5B080FA00
5B080GA00
(57)【要約】
一実施形態に係る衣服を形成するために結合された裁縫パターンピースに対する裁縫線を決定する自動裁縫方法は、衣服を構成しているパターンピースの配置情報を取得し、パターンピースの外郭線上に位置するノード及びノードのうち隣接するノード間の方向性を有する連結を示すセグメントを含むグラフを生成し、グラフを用いて、配置情報によって識別されたパターンピースの少なくともサブセットのマッチングエッジをパターンピースの少なくともサブセットのための裁縫線に決定する。ここで、配置情報は、パターンピースの少なくともサブセットと衣服が着装されるアバターの配置地点との間の少なくともマッチング関係を示し、エッジは、パターンピースのうち他の1つのパターンピースと裁縫されるパターンピースのうちの1つの領域を示し、少なくとも1つのセグメントを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服を形成するために結合された裁縫パターンピースに対する裁縫線を決定する自動裁縫方法であって、
前記衣服を構成しているパターンピースの配置情報(前記配置情報は、前記パターンピースの少なくともサブセットと前記衣服が着装されるアバターの配置地点との間の少なくともマッチング関係を示す)を取得するステップと、
前記パターンピースの外郭線上に位置するノード及び前記ノードのうち隣接するノード間の方向性を有する連結を示すセグメントを含むグラフを生成するステップと、
前記グラフを用いて、前記配置情報によって識別されたパターンピースの少なくともサブセットのマッチングエッジ(エッジは、前記パターンピースのうち他の1つのパターンピースと裁縫されるパターンピースのうちの1つの領域を示し、少なくとも1つのセグメントを含む)を前記パターンピースの少なくともサブセットのための裁縫線に決定するステップと、
を含む、自動裁縫方法。
【請求項2】
前記グラフを生成するステップは、
前記パターンピースの少なくともサブセットの外郭線上に位置する点から、間の外郭線の一部が、予め設定された基準角度よりも大きい角度と交差するコーナー点を抽出するステップと、
前記パターンピースの少なくともサブセットの外郭線上に位置する点から、ノッチマークが位置する地点に対応するノッチを抽出するステップと、
前記コーナー点及び前記ノッチを前記ノードに設定するステップと、
隣接する2つのノードを前記セグメントのうち1つと連結する線分を設定するステップと、
前記ノード及び前記セグメントを前記グラフに含むステップと、
を含む、請求項1に記載の自動裁縫方法。
【請求項3】
前記エッジのそれぞれは、i)エッジの1対のセグメントと、ii)前記セグメントの方向を含む、請求項1に記載の自動裁縫方法。
【請求項4】
前記マッチングエッジを決定するステップは、前記配置情報及び前記グラフに基づいて設定されたマッチングの順序に基づいて、裁縫されるパターンピースの少なくともサブセットの領域に対応するエッジを順次にマッチングさせるステップと、
前記マッチングされたエッジを前記パターンピースに対する裁縫線に変換するステップと、
を含む、請求項1に記載の自動裁縫方法。
【請求項5】
前記エッジを順次にマッチングさせるステップは、
前記配置情報に基づいて、前記パターンピースのそれぞれのエッジを抽出して候補エッジ集合を構成するステップと、
前記エッジから互いにマッチングされるエッジ対を含む候補エッジ対の集合を抽出するステップと、
前記候補エッジ対の集合に含まれているエッジ対のマッチングコストに基づいて、前記エッジ対をマッチングさせるステップと、
評価結果を生成するために、前記エッジ対の間のマッチング結果を評価するステップと、
前記評価結果に基づいて、前記マッチングされたエッジ対を除いた残りのエッジに対する期待形状を示すタグをマーキングするステップと、
を含む、請求項4に記載の自動裁縫方法。
【請求項6】
前記マッチングコストは、i)前記エッジ対を構成しているエッジそれぞれに対応するタグ、及びii)前記エッジ対を構成しているエッジそれぞれの特性のうち少なくとも1つに基づいて決定された前記エッジの併合可能性によって予め算出される、請求項5に記載の自動裁縫方法。
【請求項7】
前記マッチングコストは、前記エッジ対を構成しているエッジ間の長さ比率、前記エッジ対を構成しているエッジの長さの和、前記エッジ対を構成しているエッジのノーマルベクトルが向かっている方向、及び前記エッジ対を構成しているエッジ間の距離のうち少なくとも1つに基づいて予め算出される、請求項5に記載の自動裁縫方法。
【請求項8】
前記エッジ対をマッチングさせるステップは、前記候補エッジ集合に含まれているエッジ対のうち、前記マッチングコストが最も低いエッジ対から順次に前記エッジ対をマッチングさせるステップを含む、請求項5に記載の自動裁縫方法。
【請求項9】
前記エッジ対をマッチングさせるステップは、
前記候補エッジ集合に含まれているエッジ対のマッチングコストと予め設定された閾値とを比較するステップと、
前記マッチングコストが前記閾値を超過する場合、前記エッジ対の間のマッチングを終了するステップと、
を含む、請求項8に記載の自動裁縫方法。
【請求項10】
前記マッチング結果を評価するステップは、前記エッジ対の間のマッチング結果に応じて、前記マッチングされたエッジ対が前記衣服の各部位ごとの期待形状を算出するか否かを決定するステップを含む、請求項5に記載の自動裁縫方法。
【請求項11】
前記マッチングされたエッジ対に対応して前記グラフを併合するステップと、
前記併合されたグラフに対応するセグメントを結合することで新しいエッジを生成するステップと、
をさらに含む、請求項5に記載の自動裁縫方法。
【請求項12】
前記マッチングされたエッジを前記パターンピースに対する裁縫線に変換するステップは、
前記マッチングされたエッジそれぞれに対応するノードを検索するステップと、
前記検索されたノードをペアリングすることで、前記パターンピースに対する前記裁縫線を生成するステップと、
を含む、請求項4に記載の自動裁縫方法。
【請求項13】
前記マッチングされたエッジそれぞれに対応するノードは、前記マッチングされたエッジの開始点に該当する開始ノード、前記マッチングされたエッジの終了点に該当する終了ノード、及び前記開始ノードと前記終了ノードとの間に位置する内部ノードを含む、請求項12に記載の自動裁縫方法。
【請求項14】
前記マッチングエッジを決定するステップは、
前記開始点と前記終了点との間にループが存在するか否かを決定するステップと、
前記ループが存在しないという決定に応じて、前記内部ノードを正規化された長さ順に整列するステップと、
前記整列された内部ノードのうち、互いにマッチングされる相手側のエッジの内部ノードと最も隣接する当該エッジの内部ノードを互いにペアリングするステップと、
を含む、請求項13に記載の自動裁縫方法。
【請求項15】
前記マッチングエッジを決定するステップは、
前記開始点と前記終了点との間にループが存在するか否かを決定するステップと、
前記ループが存在するという決定に応じて、前記ノードそれぞれを前記開始ノードに設定して前記ノードをペアリングするステップと、
前記ノード間のペアリングによるペアリングスコアを決定するステップと、
を含む、請求項13に記載の自動裁縫方法。
【請求項16】
前記パターンピースが前記裁縫線に沿って裁縫される衣服のデジタル表現を生成するステップと、
アバターに前記衣服のデジタル表現の着装を表示するステップと、
のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の自動裁縫方法。
【請求項17】
プロセッサにより行われるとき、命令を格納する非一時的なコンピュータで読み出し可能な記録媒体であって、
前記プロセッサは、
パターンピースの少なくともサブセットの配置情報(前記配置情報は、前記パターンピースから形成された衣服が着装されるアバターの配置地点と、前記パターンピースの少なくともサブセットとの間の少なくともマッチング関係を示す)を受信するステップと、
前記パターンピースの外郭線上に位置するノード及び前記ノードのうち隣接するノード間の方向性を有する連結を示すセグメントを含むグラフを生成するステップと、
前記グラフを用いて、前記配置情報によって識別されたパターンピースの少なくともサブセットのマッチングエッジ(エッジは、前記パターンピースのうち他の1つのパターンピースと裁縫されるパターンピースのうちの1つの領域を示し、少なくとも1つのセグメントを含む)を前記パターンピースの少なくともサブセットのための裁縫線に決定するステップと、
を行う記録媒体。
【請求項18】
前記グラフを生成するための命令は、
前記パターンピースの少なくともサブセットの外郭線上に位置する点から、間の外郭線の一部が、予め設定された基準角度よりも大きい角度と交差するコーナー点を抽出するステップと、
前記パターンピースの少なくともサブセットの外郭線上に位置する点から、ノッチマークが位置する地点に対応するノッチを抽出するステップと、
前記コーナー点及び前記ノッチを前記ノードに設定するステップと、
隣接する2つのノードを前記セグメントのうちの1つと連結する線分を設定するステップと、
前記ノード及び前記セグメントを前記グラフに含むステップと、
を含む、請求項17に記載の記録媒体。
【請求項19】
前記エッジのそれぞれは、i)エッジの1対のセグメント、及びii)前記セグメントの方向を含む、請求項17に記載の記録媒体。
【請求項20】
衣服を構成しているパターンピースの少なくともサブセットの配置情報(前記配置情報は、前記パターンピースの少なくともサブセットと前記衣服が着装されるアバターの配置地点との間の少なくともマッチング関係を示す)を受信するユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースに結合し、前記グラフを用いて、前記配置情報によって識別されたパターンピースの少なくともサブセットのマッチングエッジ(エッジは、前記パターンピースのうち他の1つのパターンピースと裁縫されるパターンピースのうちの1つの領域を示し、少なくとも1つのセグメントを含む)を前記パターンピースの少なくともサブセットのための裁縫線に決定するプロセッサと、
を含む、自動裁縫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、衣服のパターンピースの自動裁縫方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
裁縫は、服地などを乾かして針仕事することを意味する。例えば、衣服を構成している2次元パターンピースが多いほど裁縫しなければならない部分が多くなる。仮想衣服は、複数のレイヤー(layer)の2次元パターンピースから構成されることができる。この場合、2次元パターンピースのうち、裁縫のために互いにマッチングされなければならないパターンピースを検索し、マッチングされたパターンピースが正確に裁縫されるようガイドする裁縫線を表示するには多くの時間及び努力が求められる。
【0003】
前述した背景技術は、発明者が本明細書の開示内容を導き出す過程で保持したり習得したものであり、必ず本出願前に一般公衆に公開された公知技術とは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態によれば、パターンピースの外側線上に位置しているノード及び互いに隣接するノードを連結する方向性を有するセグメントを含むグラフを生成し、グラフ併合(graph merge)方式に基づいてエッジをマッチングさせることで、衣服のパターンピースに対する裁縫線を自動に生成することができる。
【0005】
一実施形態によれば、概念上の裁縫単位に該当するエッジ間のマッチングに基づいて実際のパターンピースに対する裁縫線を生成することで、裁縫線を生成するための演算を簡略化することができる。
【0006】
一実施形態によれば、エッジ対(edge pair)を構成しているエッジそれぞれの併合可能性(mergeability)に基づいて算出されたマッチングコストを基盤に候補エッジ集合に含まれているエッジ対をマッチングさせることで、エッジ対のマッチングをより容易に行うことができる。
【0007】
一実施形態によれば、衣服のパターンピースに対する裁縫線を自動に生成し、裁縫線に沿って裁縫されたパターンピースにより構成された衣服をアバターに着装させることで、ユーザが最終的に裁縫される3次元衣服を確認可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、衣服を形成するために結合された裁縫パターンピースに対する裁縫線を決定する自動裁縫方法は、前記衣服を構成しているパターンピースの配置情報(前記配置情報は、前記パターンピースの少なくともサブセットと前記衣服が着装されるアバターの配置地点との間の少なくともマッチング関係を示す)を取得するステップと、前記パターンピースの外郭線上に位置するノード及び前記ノードのうち隣接するノード間の方向性を有する連結を示すセグメントを含むグラフを生成するステップと、前記グラフを用いて、前記配置情報によって識別されたパターンピースの少なくともサブセットのマッチングエッジ(エッジは、前記パターンピースのうち他の1つのパターンピースと裁縫されるパターンピースのうちの1つの領域を示し、少なくとも1つのセグメントを含む)を前記パターンピースの少なくともサブセットのための裁縫線に決定するステップとを含む。
【0009】
前記グラフを生成するステップは、前記パターンピースの少なくともサブセットの外郭線上に位置する点から、間の外郭線の一部が、予め設定された基準角度よりも大きい角度と交差するコーナー点を抽出するステップと、前記パターンピースの少なくともサブセットの外郭線上に位置する点から、ノッチマークが位置する地点に対応するノッチを抽出するステップと、前記コーナー点及び前記ノッチを前記ノードに設定するステップと、隣接する2つのノードを前記セグメントのうち1つと連結する線分を設定するステップと、前記ノード及び前記セグメントを前記グラフに含むステップとを含むことができる。
【0010】
前記エッジのそれぞれは、i)エッジの1対のセグメントと、ii)前記セグメントの方向を含むことができる。
【0011】
前記自動裁縫方法は、前記マッチングエッジを決定するステップは、前記配置情報及び前記グラフに基づいて設定されたマッチングの順序に基づいて、裁縫されるパターンピースの少なくともサブセットの領域に対応するエッジを順次にマッチングさせるステップと、前記マッチングされたエッジを前記パターンピースに対する裁縫線に変換するステップとを含むことができる。
【0012】
前記エッジを順次にマッチングさせるステップは、前記配置情報に基づいて、前記パターンピースのそれぞれのエッジを抽出して候補エッジ集合を構成するステップと、前記エッジから互いにマッチングされるエッジ対を含む候補エッジ対の集合を抽出するステップと、前記候補エッジ対の集合に含まれているエッジ対のマッチングコストに基づいて、前記エッジ対をマッチングさせるステップと、評価結果を生成するために、前記エッジ対の間のマッチング結果を評価するステップと、前記評価結果に基づいて、前記マッチングされたエッジ対を除いた残りのエッジに対する期待形状を示すタグをマーキングするステップとを含むことができる。
【0013】
前記マッチングコストは、i)前記エッジ対を構成しているエッジそれぞれに対応するタグ、及びii)前記エッジ対を構成しているエッジそれぞれの特性のうち少なくとも1つに基づいて決定された前記エッジの併合可能性によって予め算出されることができる。
【0014】
前記マッチングコストは、前記エッジ対を構成しているエッジ間の長さ比率、前記エッジ対を構成しているエッジの長さの和、前記エッジ対を構成しているエッジのノーマルベクトルが向かっている方向、及び前記エッジ対を構成しているエッジ間の距離のうち少なくとも1つに基づいて予め算出されることができる。
【0015】
前記エッジ対をマッチングさせるステップは、前記候補エッジ集合に含まれているエッジ対のうち、前記マッチングコストが最も低いエッジ対から順次に前記エッジ対をマッチングさせるステップを含むことができる。
【0016】
前記エッジ対をマッチングさせるステップは、前記候補エッジ集合に含まれているエッジ対のマッチングコストと予め設定された閾値とを比較するステップと、前記マッチングコストが前記閾値を超過する場合、前記エッジ対の間のマッチングを終了するステップとを含むことができる。
【0017】
前記マッチング結果を評価するステップは、前記エッジ対の間のマッチング結果に応じて、前記マッチングされたエッジ対が前記衣服の各部位ごとの期待形状を算出するか否かを決定するステップを含むことができる。
【0018】
前記自動裁縫方法は、前記マッチングされたエッジ対に対応して前記グラフを併合するステップと、前記併合されたグラフに対応するセグメントを結合することで新しいエッジを生成するステップとをさらに含むことができる。
【0019】
前記マッチングされたエッジを前記パターンピースに対する裁縫線に変換するステップは、前記マッチングされたエッジそれぞれに対応するノードを検索するステップと、前記検索されたノードをペアリングすることで、前記パターンピースに対する前記裁縫線を生成するステップとを含むことができる。
【0020】
前記マッチングされたエッジそれぞれに対応するノードは、前記マッチングされたエッジの開始点に該当する開始ノード、前記マッチングされたエッジの終了点に該当する終了ノード、及び前記開始ノードと前記終了ノードとの間に位置する内部ノードを含むことができる。
【0021】
前記自動裁縫方法は、前記マッチングエッジを決定するステップは、前記開始点と前記終了点との間にループが存在するか否かを決定するステップと、前記ループが存在しないという決定に応じて、前記内部ノードを正規化された長さ順に整列するステップと、前記整列された内部ノードのうち、互いにマッチングされる相手側のエッジの内部ノードと最も隣接する当該エッジの内部ノードを互いにペアリングするステップとを含むことができる。
【0022】
前記自動裁縫方法は、前記マッチングエッジを決定するステップは、前記開始点と前記終了点との間にループが存在するか否かを決定するステップと、前記ループが存在するという決定に応じて、前記ノードそれぞれを前記開始ノードに設定して前記ノードをペアリングするステップと、前記ノード間のペアリングによるペアリングスコアを決定するステップとを含むことができる。
【0023】
前記自動裁縫方法は、前記パターンピースが前記裁縫線に沿って裁縫される衣服のデジタル表現を生成するステップと、アバターに前記衣服のデジタル表現の着装を表示するステップのうち少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0024】
一実施形態に係るプロセッサにより行われるとき、命令を格納する非一時的なコンピュータで読み出し可能な記録媒体において、前記プロセッサは、パターンピースの少なくともサブセットの配置情報(前記配置情報は、前記パターンピースから形成された衣服が着装されるアバターの配置地点と、前記パータンピースの少なくともサブセットとの間の少なくともマッチング関係を示す)を受信するステップと、前記パターンピースの外郭線上に位置するノード及び前記ノードのうち隣接するノード間の方向性を有する連結を示すセグメントを含むグラフを生成するステップと、前記グラフを用いて、前記配置情報によって識別されたパターンピースの少なくともサブセットのマッチングエッジ(エッジは、前記パターンピースのうち他の1つのパターンピースと裁縫されるパターンピースのうちの1つの領域を示し、少なくとも1つのセグメントを含む)を前記パターンピースの少なくともサブセットのための裁縫線に決定するステップとを行う。
【0025】
前記グラフを生成するための命令は、前記パターンピースの少なくともサブセットの外郭線上に位置する点から、間の外郭線の一部が、予め設定された基準角度よりも大きい角度と交差するコーナー点を抽出するステップと、前記パターンピースの少なくともサブセットの外郭線上に位置する点から、ノッチマークが位置する地点に対応するノッチを抽出するステップと、前記コーナー点及び前記ノッチを前記ノードに設定するステップと、隣接する2つのノードを前記セグメントのうちの1つと連結する線分を設定するステップと、前記ノード及び前記セグメントを前記グラフに含むステップとを含むことができる。
【0026】
前記エッジのそれぞれは、i)エッジの1対のセグメント、及びii)前記セグメントの方向を含むことができる。
【0027】
一実施形態に係る自動裁縫装置は、衣服を構成しているパターンピースの少なくともサブセットの配置情報(前記配置情報は、前記パターンピースの少なくともサブセットと前記衣服が着装されるアバターの配置地点との間の少なくともマッチング関係を示す)を受信するユーザインターフェースと、前記ユーザインターフェースに結合し、前記グラフを用いて、前記配置情報によって識別されたパターンピースの少なくともサブセットのマッチングエッジ(エッジは、前記パターンピースのうち他の1つのパターンピースと裁縫されるパターンピースのうちの1つの領域を示し、少なくとも1つのセグメントを含む)を前記パターンピースの少なくともサブセットのための裁縫線に決定するプロセッサとを含む。
【発明の効果】
【0028】
一側面によれば、パターンピースの外郭線上に位置するノード及び互いに隣接するノードを連結する方向性を有するセグメントを含むグラフを生成し、グラフ併合(graph merge)方式に基づいてエッジをマッチングさせることで、衣服のパターンピースに対する裁縫線を自動に生成することができる。
【0029】
一側面によれば、概念上の裁縫単位に該当するエッジ間のマッチングに基づいて実際のパターンピースに対する裁縫線を生成することで、裁縫線を生成するための演算を簡略化することができる。
【0030】
一側面によれば、エッジ対(edge pair)を構成しているエッジそれぞれの併合可能性に基づいて算出されたマッチングコストに基づいて候補エッジ集合に含まれているエッジ対をマッチングさせることで、エッジ対のマッチングをより容易に行うことができる。
【0031】
一側面によれば、衣服のパターンピースに対する裁縫線を自動に生成し、裁縫線に沿って裁縫されたパターンピースから構成された衣服をアバターに着装させることで、ユーザが最終的に裁縫される3次元衣服を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一実施形態に係る自動裁縫方法を示したフローチャートである。
図2】一実施形態に係るパターンピースの配置情報を説明するための図である。
図3】一実施形態に係るグラフのノードとセグメントを説明するための図である。
図4】一実施形態に係るセグメントとエッジを説明するための図である。
図5】一実施形態に係るグラフを生成する方法を概念的に説明するための図である。
図6】一実施形態により生成されたグラフを示す図である。
図7】一実施形態により設定されたマッチングの順序を説明するための図である。
図8】一実施形態により裁縫線を生成する方法を示したフローチャートである。
図9】一実施形態によりエッジを順次にマッチングさせる方法を示したフローチャートである。
図10】一実施形態に係るマッチングの順序を示したプログラムコーディングを示す図である。
図11】一実施形態により新しいエッジが生成される過程を説明するための図である。
図12】一実施形態によりマッチングされたエッジをパターンピースに対する裁縫線に変換する方法を示したフローチャートである。
図13】一実施形態によりノードをペアリングさせる方法を説明するための図である。
図14】一実施形態に係る自動裁縫装置によってパターンピースに対する裁縫線が生成された結果を示す図である。
図15】一実施形態に係る自動裁縫装置によって生成された裁縫線に沿って裁縫されたパターンピースにより構成された衣服をアバターに着装した結果を示す図である。
図16】一実施形態に係る自動裁縫装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照して実施形態を詳細に説明する。しかし、実施形態には多様な変更が加えられることができ、特許出願の権利範囲がこの実施形態により制限されたり限定されることはない。実施形態に対するすべての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれるものとして理解されなければならない。
【0034】
本明細書で用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0035】
異なる定義がされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0036】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0037】
また、実施形態の構成要素の説明において、第1,第2,A,B,(a),(b)などの用語を使用することがある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語によって該当の構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。
【0038】
いずれか一つの実施形態に含まれている構成要素と、共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。反対となる記載がない以上、いずれか一つの実施形態に記載した説明は、他の実施形態にも適用され、重複する範囲において具体的な説明は省略することにする。
【0039】
図1は、一実施形態に係る自動裁縫方法を示したフローチャートである。図1を参照すると、一実施形態に係る自動裁縫装置がステップ110~ステップ130の過程を経て、パターンピースに対する裁縫線を生成する過程を示している。
【0040】
一実施形態において、パターンピースは、3次元の衣服のための2次元のパターンピースに該当する。以下、説明の便宜のために、2次元パターンピースをパターンピースのように簡略化して記載するが、別途の記載がなくても「パターンピース」は、2次元のパターンピースとして理解され得る。
【0041】
本明細書において、「パターンピース」は、例えば、ユーザが3次元アバターに着装させようとする衣服の製造に使用される2次元パターンの一部である。パターンピースは、例えば、袖、胴(前、後)、首のカラー、下衣などのように3次元アバターの各身体部分に対応する。ここで、「衣服」は、例えば、3次元の仮想衣服であり、2次元パターンに対応する衣服である。本明細書において、「2次元パターン」は、コンピュータプログラムによって仮想に製造される2次元平面のパターンである。2次元パターンは、3次元アバターの各身体部分(例えば、手首、胴(前、後)、首、脚など)に該当するパターンピースを含んでもよい。
【0042】
2次元パターンは、3次元の仮想衣服(virtual clothes)のシミュレーションのために、複数の多角形(例えば、三角形)を含むメッシュ(mesh)にモデリングされることができる。多角形(三角形)の三つの頂点は質量を有している点(point mass)であり、多角形の各辺は、その質量を連結する弾性を有するバネのように表現されてもよい。そのため、2次元パターンは、例えば、質量-バネモデル(Mass-Spring Model)によってモデリングされ得る。ここで、バネは、使用される布(fabric)の物性により、例えば、ストレッチ(stretch)、ねじれ(shear)、及び曲げ(bending)に対するそれぞれの抵抗値を有する。各頂点は、重力などのような外部的な力とストレッチ、ねじれ、及び曲げの内部的な力の作用により動く。外部的な力及び内部的な力を算出して各頂点に加えられる力を求めると、各頂点の変位及び動きの速度を取得できる。そして、各時点(time step)の多角形の頂点の動きを介して仮想衣服の動きをシミュレーションすることができる。メッシュからなる2次元の仮想衣服パターンを3次元のアバターに着装(draping)させると、物理法則に基づいたナチュラルな形状の3次元の仮想衣服を実現することができる。
【0043】
ステップ110において、自動裁縫装置は、衣服を構成しているパターンピースの配置情報を取得する。配置情報は衣服のパターンピースとアバターの配置ポイントとの間のマッチング関係を示す。配置ポイントは、特定のパターンピースが最終に着装される衣服の位置の近くに予め配置しやすくするために提供される点の集合である。配置ポイントの一例として、下記の図2に示す配置ポイント215を参照することができる。各配置ポイントには、当該配置ポイントがアバターのいずれかの部位(身体部位)に該当するかに関する情報を含んでもよい。パターンピースの配置情報については、下記の図2を参照してより具体的に説明する。
【0044】
ステップ120において、自動裁縫装置は、パターンピースの外郭線上に位置するノード、及び互いに隣接するノードを連結する方向性を有するセグメントを含むグラフを生成する。ノードは、例えば、パターンピースの外郭線上に位置するコーナー点及びノッチなどを含んでもよい。
【0045】
自動裁縫装置がグラフを生成する方法は、例えば、次の通りである。自動裁縫装置は、パターンピースの外郭線上に位置する点のうち、当該点に対応する角度が予め設定された基準角度よりも大きい値を有するコーナー点(corner point)を抽出することができる。ここで、コーナー点は、「尖った点」又は「頂点」とも呼ばれることができる。例えば、当該地点を基準にするとき、不連続の程度が大きい場合、当該地点がコーナー点として定義される。言い換えれば、当該地点を基準にして両側のエッジの角度が閾値角度よりも大きいか、又は、両側のエッジの方向の差が閾値差よりも大きい場合、自動裁縫装置は、当該地点をコーナー点として定義することができる。また、自動裁縫装置は、パターンピースの外郭線上に位置する点のうち、ノッチマーク(notch mark)が位置している地点に対応するノッチ(notch)を抽出することができる。ノッチは、裁縫のための基準点として、例えば、互いに裁縫される2つのセグメントのそれぞれが互いに対応するノッチを含んでいる場合、2つのセグメントは、該当するノッチに合わせて裁縫することができる。ノッチマークはノッチを表現するマークとして、例えば、V字、U字、丸型、又は垂直線などの多様な形態に表現されてもよい。自動裁縫装置は、コーナー点及びノッチをノードとして設定し、ノードを連結する方向性を有する線分をセグメントとして設定できる。自動裁縫装置は、ノード及びセグメントを含むグラフを生成することができる。一実施形態に係るノード、セグメント、及びグラフについては、下記の図3図5を参照して具体的に説明する。
【0046】
ステップ130において、自動裁縫装置は、配置情報及びグラフに基づいて、パターンピースで互いに裁縫される領域に対応するエッジをマッチングすることで、パターンピースに対する裁縫線を生成する。自動裁縫装置が裁縫線を生成する過程について、下記の図8~9を参照してより具体的に説明する。
【0047】
実施形態により、自動裁縫装置は、ステップ130で生成された裁縫線を含むパターンピースを出力してもよく、又は、裁縫線に沿ってパターンピースを裁縫してもよい。自動裁縫装置は、例えば、ボディ及びスリーブの順にパターンピースを裁縫することができる。また、自動裁縫装置は、例えば、ボディのうち、ボディの前、後、サイド、及び肩の順にボディに属している下位パートを裁縫することができる。
【0048】
例えば、マーキングされたエッジが衣服のカラーに該当する場合、自動裁縫装置は、グラフに基づいてカラーの少なくとも1つの側面に該当するサイドエッジを識別することができる。自動裁縫装置は、ボディに基づいて、サイドエッジを裁縫するか否かを決定した後、識別されたサイドエッジに基づいて、少なくとも1つのカラーの上下エッジを識別することができる。自動裁縫装置は、識別された上下エッジに基づいて、少なくとも1つのカラーを積層し裁縫することで、カラーを生成することができる。
【0049】
自動裁縫装置は、裁縫線に沿って裁縫されたパターンピースにより構成された衣服を例にして、下記の図15に示すように、アバターに着装シミュレーションして提供することができる。
【0050】
自動裁縫装置は、パターンピースを裁縫して構成した仮想衣服及び仮想衣服を着装した3次元アバターのうち、少なくとも1つをシミュレーションすることができる。本明細書において、「着装(draping)」は、コンピュータプログラムによって衣服の2次元パターンピースを結合(又は、裁縫)した3次元衣服を3次元アバターに着させる過程として理解され得る。
【0051】
図2は、一実施形態に係るパターンピースの配置情報を説明するための図である。図2を参照すると、一実施形態に係る衣服が着装されるアバター211の配置ポイント215を示した画面210、パターンピース235を示した画面230、及びユーザによってアバターに隣接して配置されたパターンピース255を示した画面250が示されている。
【0052】
例えば、ユーザが自動裁縫を適用しようとする衣服を選択すれば、画面230のように選択された衣服を構成しているパターンピース235が与えられる。
【0053】
ユーザは、画面230に与えられた複数のパターンピース235を、画面250に表示されたアバターの身体部位又は整列点(arrangement point)にパターンピース255のように概略的に配置することができる。この場合、自動裁縫装置は、画面250において、パターンピース235それぞれが該当する部位とパターンピース235との間の相対的な位置を含む配置情報を取得できる。ここで、パターンピース235それぞれが該当する部位は、例えば、首、手首、腕、ボディなどのようにアバターの身体部位に該当してもよく、又は、例えば、ボディの前方、ボディの後方、左側の袖、右側の袖、及び首カラーなどのようにアバターに着装される衣服の部位に該当してもよい。
【0054】
一実施形態に係る配置情報は、パターンピース235と衣服が着装されるアバター211の配置ポイント215間のマッチング関係を示す情報を含む。配置ポイント215は、特定のパターンを最終着装される位置の近くに、予め乗せやすくするために提供される点の集合である。配置ポイント215それぞれには、当該配置ポイントが身体のどの部位に該当するかに関する情報が含まれてもよい。ここで、マッチング関係を示す情報は、例えば、パターンピース255の形状、パターンピース255の長さ、パターンピース255の配向、パターンピース255の配置位置、パターンピース255の配置位置に対応するアバター211の身体部位、パターンピース255間の相対的な位置関係、及びパターンピース255のタグ(tag)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0055】
ここで、パターンピース255のタグは、例えば、当該パターンピースがアバター211に配置される位置又はパターンピースの形などを介して自動裁縫装置により自動にマーキングされたものであるか、又は、ユーザによってマーキングされたものであってもよい。自動裁縫装置は、例えば、アバターに配置されたパターンの形状から当該パターンピースがアバターのいずれかの部位に該当するパターンピースであるかを推定し、当該パターンピースに対応するタグを自動にマーキングすることができる。又は、自動裁縫装置は、例えば、配置情報に応じて、パターンピースの下位パートの形状及び下位パートの配置位置を把握して下位パートのセグメントに対応する部位ごとのタグをマークしてもよい。
【0056】
例えば、ユーザが衣服のパターンピース235をクリックした後、対応するアバターの配置ポイント215をクリックすれば、パターンピース235は、画面250とように配置ボードでパターンピースに対応する身体部分の定位置に整列することができる。また、ユーザが特定のパターンピース235を特定の配置ポイント215に移してクリックすれば、特定のパターンピースは、特定の配置ポイントの位置に移して位置し、これによって、パターンピースが身体部位ごとに分類される「パターン分類(pattern classification)」が行われることができる。一実施形態では、ユーザに明示的にパターン分類のための追加作業をさせる代わりに、配置ボードの配置ポイントを用いたパターン配置を介して、パターン分類が自動的に実行されるようし、パターン分類を介して各パターンピースの分類結果(例えば、どのようなパターンピースが身体のどの部位に属するか)をユーザに知らせることができる。配置ポイントを通した配置の手続きを行わないパターンピースは、自動裁縫の対象から除外され得る。
【0057】
一実施形態に係る自動裁縫装置は、画面250のように、複数のパターンピース235がアバターの身体部位又は整列点に概略的に配置された状態を入力として受信することができる。
【0058】
図3は、一実施形態に係るグラフのノードとセグメントを説明するための図である。図3を参照すると、一実施形態に係るノード及びセグメントが示されている。
【0059】
ノードは、パターンピースの形態を示す外郭線上の1つの頂点であり、例えば、裁縫線の終点となる可能性が高い点である。ノードのタイプは、例えば、黒い点に表示されている形状点(Shape point)又はノッチ(notch)310、スムーズ(smooth)320、及びコーナー(corner)330などを含んでもよい。
【0060】
スムーズ320は、セグメント及び/又はエッジの外郭線のうち直線上の1つの頂点である。
【0061】
また、コーナー330は、パターンピースの下位パートそれぞれで角と角とが接する頂点である。
【0062】
スムーズ320及びコーナー330は、角の角度に応じて区分される。例えば、角の角度が閾値角度内であれば、スムード320として区分され、角の角度が閾値角度を超過すれば、コーナー330として区分されてもよい。ノッチ310の有無は、スムーズ又はコーダーの有無とは独立的に決定されることができる。言い換えれば、任意のノッチはコーナーであってもよく、コーナーでなくてもよい。
【0063】
セグメント350は、隣接ノードを単純に連結した有向線分である。ここで、有向線分は、開始点と終了点との間の方向性を有する線分として理解される。セグメント350には、生成と同時に予め定義される「方向」が存在し、その値は不変である。例えば、特定セグメントの生成時に該当セグメントに対応して定義された方向は変わらない値に維持される。
【0064】
セグメント350は、下位パートのエッジでノードによって区分されるエッジの一部である。言い換えれば、1つのエッジは、複数のセグメントにより構成することができる。以下の図4を参照してより具体的に説明するが、セグメントによってエッジが構成されることができる。エッジは、パターンピースを連結している外郭線である。エッジは、様々なパターンピース、又は様々なセグメントにわたって存在し得る。
【0065】
自動裁縫装置は、初期エッジの抽出過程において、スムーズ320タイプのノードはスキップし、コーナー330タイプのノードを基準にしてパターンピースを分割することができる。自動裁縫装置は、最初には、ノード及びセグメント(又は、エッジ)がないため、単一のパターンピース内でノードとセグメント(又は、エッジ)が定義され、その後、反復過程で様々なパターンピースに対するノードとセグメント(又は、エッジ)を定義することができる。
【0066】
図4は、一実施形態に係るセグメント及びエッジを説明するための図である。図4を参照すると、一実施形態に係るセグメント410,420、及びエッジ430が示されている。
【0067】
セグメント410,420は、下位パートのエッジでノードにより区分されるエッジの一部及び/又は下位パートの一部の外郭線である。例えば、セグメント410は、ノード0とノード1を連結し、ノード0からノード1に向かっている方向性を有する外郭線に該当する。また、セグメント420は、ノード30とノード31を連結し、ノード30からノード31に向かっている方向性を有する外郭線に該当する。
【0068】
エッジ430は、身体部位ごとに該当するパターンピースの下位パートを連結した外郭線である。言い換えれば、1つのエッジ430は、複数のセグメント410,420により構成されることができる。エッジ430に記載されている「(30、false)」は、30回のセグメントを(本体に定義された方向を基準にして)逆方向に進行することを意味する。また、(0、true)は、0回のセグメントを本来に定義された方向を基準にして定方向に進行することを意味する。まとめると、エッジ430に記載された{(30、false)、(0、true)}は、30回のセグメントを逆行した後、0回のセグメントを巡行するエッジという意味として理解されることができる。
【0069】
このようにエッジ430は、様々な下位パート又は様々なパターンピースにわたって存在し得る。最初のエッジは、下位パート上にのみ存在するが、下位パート及び/又はパターンピースの間に併合(merge)が発生する場合、様々な下位パート又は様々なパターンピースにわたって存在し得る。例えば、エッジが互いに併合される場合、グラフは、併合されたエッジ対に関する情報(例えば、併合されたエッジのインデックス、又は、併合されたエッジのタグ情報など)を含むリストを含んでもよい。
【0070】
エッジのそれぞれは、該当するエッジに含まれているセグメントとセグメントの方向性のペア、言い換えれば、Edge=Ordered list of(segment、direction)pairsを含んでもよい。
【0071】
例えば、袖山とボディのアームホールが裁縫されると仮定する。この場合、概念上の裁縫線は、袖山エッジとアームホールエッジの一対を互いにマッチングすることで裁縫されるが、実際の裁縫線は、袖山とアームホールそれぞれに該当するパターンピース4対を互いにマッチングさせることで裁縫できる。言い換えれば、4つのセグメントを連結した1つの塊りがエッジになり、そのため、セグメントの個数>エッジの個数になる。このように、エッジは、ユーザが考える概念上の裁縫線又は概念上の裁縫単位に該当する。エッジは、概念上の裁縫単位であるため、様々なパターンピースにわたって定義されることができる。
【0072】
一実施形態では、裁縫線の生成問題をこのような概念上の裁縫線に該当するエッジマッチング(edge matching)の問題に置換(reduction)して解決することができる。本明細書において、「マッチング」は、裁縫可能なエッジを互いにペアを組んでエッジ対(edge pair)を生成する過程として理解されることができる。
【0073】
図5は、一実施形態に係るグラフを生成する方法を概念的に説明するための図である。
【0074】
一実施形態に係る自動裁縫装置は、初期のグラフでマッチング可能なエッジ対を探し、併合及び/又は結合しながらグラフを繰り返し(iteratively)更新することができる。自動裁縫装置は、最初から全てのパターンピースを対象にエッジをマッチングすることなく、身体部位ごとの下位パート(sub part)の単位で作業することができる。これは、最初から人が衣服を理解する方式に該当する。人は、例えば、n個のパターンピースを包めて衣服又は身体部位の単位として認識し、パターンピースそれぞれを個別的に理解しないためである。
【0075】
従って、一実施形態に係る自動裁縫装置は、グラフの最下位に該当する各身体部位(又は、衣服部位)ごとにパターンピースの下位パートをマッチングした後、順次にその上位のパターンピース、及び互いに異なる身体部位(又は、衣服部位)に属するパターンピースをマッチングさせるボトムアップ(bottom-up)方式に基づいて、下位パートを含むパターンピースを部位ごとに1つずつマッチングしながら、繰り返しグラフを併合して裁縫線を生成することができる。以下、本明細書において、繰り返しグラフを併合するとき、当該部位ごとに反復する過程を「ラウンド(round)」又は「反復(iteration)」のように表示する。
【0076】
図6は、一実施形態により生成されたグラフを示す図である。図6を参照すると、一実施形態に係る自動裁縫過程の全体を示す1つのグラフ600が示されている。
【0077】
図6に示されたグラフ600は、ノード及びエッジから構成される。ノードに該当する数字は、例えば、17、16、14、13、40、及び44などのように各ノードに該当する地点に表示されている。また、エッジに該当する数字は、例えば、2、4、6、7、8、9、10、11、21、及び23などのように当該エッジのうち地点に表示されている。例えば、図6に示すように、エッジ及びノードが表示された6個のパターンピースが一実施形態に係るグラフ600に示されている。
【0078】
自動裁縫装置は、前処理過程で取得したパターンピースそれぞれの配置情報及びグラフ600に基づいて、下位パートに属するエッジを取り出すことができる。自動裁縫装置は、例えば、現在のラウンド(round)が右側スリーブ(right sleeve)に該当する場合、右側スリーブに該当するパターンピース上に定義されたエッジを全て抽出し。候補エッジ集合を構成することができる。自動裁縫装置は、候補エッジ集合に含まれている全てのエッジのうち互いにマッチングされるエッジ対を含む候補エッジ対の集合(candidate edge pair set)を抽出し、候補エッジ対の集合に含まれているエッジ対のうち、条件が満足されるエッジ対を互いにマッチングすることができる。
【0079】
図7は、一実施形態により設定されたマッチングの順序を説明するための図である。図7を参照すると、一実施形態により一般スリーブ(normal sleeve)と結合されるボディパターンピース710、及びラグランスリーブ(raglan sleeve)と結合されるボディパターンピース730が示されている。
【0080】
一実施形態に係るパターンピースは、各下位パートごとに互いに依存性が存在し、互いに完全な独立的として処理することができない。
【0081】
例えば、図7に示すように、ボディパターンピース710は、肩とアームホールの部分が明確に区分されているため、一般スリーブを有する衣服のボディに該当する。これとは異なり、ボディパターンピース730は、肩とアームホールの部分が明確に区分されないことから、ラグランスリーブを有する衣服のボディに該当する。従って、スリーブが一般スリーブである場合、ボディパターンピース710と結合されなければならず、スリーブがラグランスリーブである場合、ボディパターンピース730と結合されなければならない。
【0082】
「依存性」は、このようにスリーブの形態に応じて各スリーブと裁縫されるボディパターンピースの形態が変わり、パターンピースの形態に応じて当該パターンピースに適するパターンピースが変わり得る意味として理解される。従って、自動裁縫装置は、裁縫に前もってスリーブがラグランスリーブであるか、又は、一般スリーブであるかを先に把握すべきであり、このようなパターンピース間のマッチングの順序は予め決定されてもよい。
【0083】
図8は、一実施形態により裁縫線を生成する方法を示したフローチャートである。図8を参照すると、一実施形態に係る自動裁縫装置がステップ810~ステップ820を介してパターンピースに対する裁縫線を生成する過程が示されている。
【0084】
ステップ810において、自動裁縫装置は、配置情報及びグラフに基づいて設定されたマッチングの順序に基づいて、パターンピースで互いに裁縫される領域に対応するエッジを順次にマッチングさせる。自動裁縫装置がエッジを順次にマッチングさせる過程について、下記の図9図10を参照して具体的に説明する。
【0085】
ステップ820において、自動裁縫装置は、ステップ810によってマッチングされたエッジをパターンピースに対する裁縫線に変換する。自動裁縫装置がマッチングされたエッジをパターンピースに対する裁縫線に変換する過程について、下記の図12を参照して具体的に説明する。
【0086】
図9は、一実施形態によりエッジを順次にマッチングさせる方法を示したフローチャートである。図9を参照すると、一実施形態に係る自動裁縫装置は、ステップ910~ステップ950を介してエッジを順次にマッチングすることができる。
【0087】
ステップ910において、自動裁縫装置は、配置情報に基づいてパターンピースそれぞれに属する全てのエッジを抽出して候補エッジ集合(candidate edge set)(E)を構成する。
【0088】
ステップ920において、自動裁縫装置は、ステップ910で候補エッジ集合(E)に含まれている全てのエッジのうち、互いにマッチングされるエッジ対(例えば、(e1、e2))を含む候補エッジ対の集合(candidate edge pair set)(P)を抽出する。ここで、P={(e1、e2)|e1、e2∈E、e1≠e2}であってもよい。
【0089】
ステップ930において、自動裁縫装置は、候補エッジ対の集合(P)に含まれているエッジ対のマッチングコスト(matching cost)に基づいて、エッジ対をマッチングする。ステップ930で、自動裁縫装置は、候補エッジ対の集合(P)の全ての元素に対してマッチング可能の有無を判別し、そのうちの条件(例えば、マッチングコスト)を満足する一部のエッジ対をマッチングさせる。ここで、マッチングコストは、例えば、エッジ対を構成しているエッジそれぞれに対応するタグ、及びエッジ対を構成しているエッジそれぞれの特性のうち少なくとも1つに基づいて決定された併合可能性(mergeability)により予め算出することができる。
【0090】
ここで、「併合可能性」は、パターンピースごとの特性による併合可能性として、例えば、確実に併合可能(Definitely mergeable)、併合可能(Possibly mergeable)、確実に併合不可能(Definitely not mergeable)に区分することができる。例えば、部分パターンピースにおいてループが生じない場合、併合結果がループを生成するエッジ対の間には併合が不可能であり、当該エッジ対に対する併合可能性は、「確実に併合不可能」として設定される。ここで、「ループ」は、エッチの全てが1つの裁縫線に繋がって連結されていることを示す。
【0091】
マッチングコストは、例えば、エッジ対を構成しているエッジ間の長さ比率(length ratio)、エッジ対を構成しているエッジの長さの和(total length)、エッジ対を構成しているエッジのノーマルベクトル(normal vector)が向かっている方向、及びエッジ対を構成しているエッジ間の距離のうち少なくとも1つに基づいて予め算出されることができる。マッチングコストは、例えば、エッジ間の長さ比率が1に近いほど低く算出される。また、マッチングコストは、エッジの長さ合計が大きいほど低く算出され、エッジのノーマルベクトルが向かっている方向が互いに反対方向を眺めているほど低く算出される。又は、マッチングコストは。エッジ間の距離が近いほど低く算出される。ここで、エッジのノーマルベクトルが向かっている方向は、同じパート内のエッジである場合にのみ考慮される。
【0092】
マッチングコストは、併合可能性が「確実に併合可能」であるエッジ対のマッチングコストが最も低く、その次に、併合可能性が「併合可能」であるエッジ対のマッチングコストが高く、併合可能性が「確実に併合不可能」であるエッジ対のマッチングコストが最も高く算出され得る。実施形態により、自動裁縫装置は、例えば、併合可能性が「確実に併合不可能」に分類されるエッジ対には、反復終了条件に該当する閾値コスト(threshold cost)よりも大きいマッチングコストを課して、当該エッジ対とマッチングを試みる瞬間にマッチング過程の反復が終了するよう設定してもよい。
【0093】
ステップ930において、自動裁縫装置は、候補エッジ対の集合に含まれているエッジ対のうち、マッチングコストが最も低いエッジ対から順次にマッチングさせる。自動裁縫装置は、マッチングコストが最も低いエッジ対からエッジ対をマッチングしながら、これ以上マッチングされるエッジ対がないまでエッジ対の間のマッチングを行う。自動裁縫装置は、候補エッジ対の集合に含まれているエッジ対のマッチングコストと予め設定された閾値(例えば、閾値コスト)とを比較して、マッチングコストが閾値を超過する場合にエッジ対の間のマッチングを終了する。
【0094】
自動裁縫装置がエッジ対をマッチングさせる方法は次の通りである。
【0095】
1.自動裁縫装置は、例えば、マッチングコストをキー(key)値にする最小ヒープ(min heap)に候補エッジ対を登録し、各ステップごとにヒープで最も小さいマッチングコストを有する候補エッジ対(e0、e1)を呼び出す。ここで、候補エッジ対のマッチングコストが一定の限度を越える場合、自動裁縫装置はその動作を終了する。
【0096】
2.自動裁縫装置は、エッジe0又はエッジe1が併合されたセグメント(merged segment)を含んだり、併合不可能である場合、当該エッジ対を捨て、ヒープからその次に小さいマッチングコストを有する新しい候補エッジ対を呼び出す。
【0097】
3.自動裁縫装置は、エッジe0とエッジe1が上記の2.に該当しない場合、候補エッジ対(e0、e1)を併合する。候補エッジ対(e0、e1)が併合されることで自動裁縫装置は、エッジe0とエッジe1が含む全てのセグメントを「併合された(merged)」状態に変える。
【0098】
4.自動裁縫装置は、必要な場合にエッジe0とエッジe1の両端に連結されるエッジを結合する。この場合、自動裁縫装置は、各エッジの両端に連結されるエッジを最大2個まで結合することができる。
【0099】
5.自動裁縫装置は、新しく生じたエッジと既存のエッジとのマッチングコストを算出してヒープに挿入する。
【0100】
ステップ940において、自動裁縫装置は、エッジ対の間のマッチング結果を評価する。自動裁縫装置は、例えば、エッジ対の間のマッチング結果がマッチングされたエッジ対に対応して、期待される衣服の部位ごとの期待形状を有するか否かに基づいて、マッチング結果を評価することができる。
【0101】
各ラウンド(言い換えれば、各身体部位ごとのマッチング時)ごとに反復的なエッジマッチング過程を終了し、衣服の部位ごとに期待される特定の形態又は形状が存在し得る。
【0102】
例えば、衣服の部位がスリーブである場合、最終の形態が垂直シリンダの形態を有しなければならない。即ち、横面を構成しているエッジのうち、一部が併合されて候補エッジ集合から消え、候補エッジ集合で併合されず残ったエッジが2つの分離されたループ(disjoint loop)を形成することができる。ここで、上部ループ(Upper loop)が後でスリーブの袖山になり得る。
【0103】
又は、衣服の部位がボディである場合、アームホールループ(armhole loop)が2つ発生し、首及び腰ループが別途に発生し、又は2つが連結されている長い1つのループが発生する。ここで、首及び腰ループが別途に生じるか、又は長い1つのループが生じるかは、衣服の前面が開かれているか否かに応じて決定され得る。
【0104】
自動裁縫装置は、エッジ対の間のマッチング結果がこのような期待される形態の通りに算出されかを評価することができる。評価の途中にエッジ対の間のマッチング結果が期待とは異なる形状を有する場合、自動裁縫装置は、下位パートの反復マッチング過程を失敗として処理し、動作を終了する。この場合、自動裁縫装置は、現在まで求めたマッチングされたエッジ対によってパターンピースに対する裁縫線に変換することができる。
【0105】
ステップ950において、自動裁縫装置は、評価結果に基づいてマッチングされたエッジ対を除いた残りのエッジに対応するタグ(tag)をマーキングする。自動裁縫装置は、評価結果に基づいて、衣服の部位ごとの期待形状に該当するタグをマッチングされたエッジ対にマーキングすることができる。例えば、「Front shoulder」というタグがついているエッジがある場合、当該エッジは、「Back shoulder」というタグがついているエッジのみと併合し、残りのエッジとは併合不可能である。このようにタグは、当該エッジの併合可能性を定義するために使用され得る。
【0106】
例えば、エッジ対のマッチングによってシリンダが作られた場合、自動裁縫装置は、上側ループ(upper loop)と下側ループ(lower loop)の1に分離されたグループ(disjoint group)に候補エッジ集合を区分することができる。
【0107】
例えば、スリーブ候補エッジ集合がラグラン(Raglan)スリーブである場合、通常のスリーブと肩の裁縫線の位置が変わり得る。言い換えれば、通常のスリーブが腕部位を肩の付近でボディに裁縫するものとは異なって、ラグランスリーブは、腕部位を首カラーの付近に裁縫する。このように、スリーブ候補エッジ集合がラグランスリーブであるか、又は、通常のスリーブであるかのように、スリーブのタイプに応じて裁縫地点が変わり得る。従って、自動裁縫装置は、スリーブ候補エッジ集合に属するエッジを先にマッチングすることで、当該スリーブ候補エッジ集合がラグランスリーブであるか否かを把握することができる。
【0108】
自動裁縫装置がラグランスリーブであるか否かを把握する方法は、次の通りである。自動裁縫装置は、例えば、トップグループ(Top group)として区分されたエッジの終端ノード集合(end node set)のうち、最も高い位置する2つのノードを選択することができる。自動裁縫装置は、選択された2つのノードが互いに分離しており、十分に尖鋭(acute)し、選択された2つのノードの位置が最も隣接しているノード(sidemost node)の位置よりも上側にあれば、当該エッジに対応するスリーブをラグランスリーブとして判別することができる。
【0109】
例えば、スリーブ候補エッジ集合がラグランスリーブとして判別された場合、自動裁縫装置は、最も高く位置する2つのノード間に挟まている凹んだエッジ(concave edge)に「SET_SLEEVETOP_NECK」のタグをマーキングし、トップグループに属するエッジのうち凹んだエッジを除いた残りの上側ループのエッジには、「SET_SLEEVETOP」タグをマーキングする。また、自動裁縫装置は、下側ループのエッジには「SLEEVE_BOTTOM」のタグをマーキングする。
【0110】
自動裁縫装置は、例えば、「SLEEVETOP_NECK」及び「SLEEVETOP」のようにタギングされたエッジが複数のパターンピースである場合、複数のパターンピースを全て連結(concatenate)して1つのパターンピースにすることができる。
【0111】
例えば、スリーブ候補エッジ集合がラグランスリーブでない一般のスリーブとして判別された場合、自動裁縫装置は、トップグループに区分されたエッジの全てに対して「SET_SLEEVETOP」のタグをマーキングすることができる。
【0112】
図10は、一実施形態に係るマッチングの順序を示したプログラムコーディングを示す図である。図10を参照すると、一実施形態に係るマッチングの順序を含む反復ラウンド(Iteration round)が示されている。
【0113】
一実施形態に係る自動裁縫装置は、前述したように、予め設定されたマッチングの順序に応じてパターンピースをマッチングして各ラウンドごとに抽出したエッジのうち、互いにマッチングさせるエッジ対を含む候補エッジ集合を決定することができる。自動裁縫装置は、候補エッジ集合に含まれているエッジ対をマッチングさせた結果が正常に出てかを、エッジ対のマッチングコストに基づいて確認(又は、評価)した後、マッチングされたエッジ対に対応するタグをマーキングすることができる。
【0114】
マッチングの順序は、例えば、スリーブ→ボディ→カラーの順であってもよい。
【0115】
例えば、スリーブの候補エッジ集合がラグランスリーブである場合、通常のスリーブと肩の裁縫線の位置が変わり得る。言い換えれば、通常のスリーブが腕部位が肩の付近でボディに裁縫されなければならないが、ラグランスリーブは、腕部位が首のカラーの付近に裁縫されなければならない。このように、スリーブの候補エッジ集合がラグランスリーブであるか、又は、通常のスリーブ認であるかのようにスリーブのタイプに応じて裁縫地点が変わり得る。従って、自動裁縫装置は、スリーブの候補エッジ集合に属するエッジを先にマッチングすることで、当該スリーブ候補エッジ集合がラグランスリーブであるか否かを把握することができる。
【0116】
その後、自動裁縫装置は、前面及び/又は裏面に該当する左右ボディの候補エッジ集合に含まれているエッジ対をマッチングさせた後、前面ボディの候補エッジ集合と裏面ボディの候補エッジ集合に含まれているエッジ対をマッチングすることができる。もし、ボディの候補エッジ集合に側面の一部を開放したプラケット(placket)がある場合、前後ボディの候補エッジ集合に含まれているエッジ対をマッチングした後、プラケットを反映することができる。
【0117】
自動裁縫装置は、スリーブの候補エッジ集合とボディの候補エッジ集合とを結合した後、結合結果にカラー候補エッジ集合に含まれているエッジ対をマッチングさせることができる。例えば、衣服でネックに対する特徴は、ボディの候補エッジ集合におけるネックの長さ、及びネックの形態などのようにボディの部分が完成されることによって最終的に把握することができる。従って、自動裁縫装置は、スリーブの候補エッジ集合とボディの候補エッジ集合との間の結合後にカラーの候補エッジ集合を最後的にマッチングすることができる。
【0118】
自動裁縫装置は、例えば、下記のように予め決定された裁縫規則を考慮してマッチングする。
【0119】
i)各身体部位に対応するパターンピースごとに裁縫される特定の形態を維持して裁縫しなければならない。例えば、スリーブパターンピースが垂直シリンダ(vertical cylinder)の形態を有する場合、スリーブパターンピースのパターンピースは、トップとボトム(bottom)の2つの分離集合(disjoint set)に分離される。この場合、スリーブの上/下パターンピースそれぞれは、互いに異なる部位のパターンピースと裁縫され得る。スリーブの上側パターンピースは袖山になってボディパターンピースと裁縫される。また、スリーブの下方パターンピースは、手首のバンディングやカフス(cuff)パターンピースと裁縫されることができる。
【0120】
また、ボディパターンピースは、前面の左右及び裏面の3つの分離集合に分類されたり、又は、前面の左右及び裏面の上下の4つの分離集合に分類されてもよい。この場合、3つ又は4つの分離集合も互いに異なる部位のパターンピースと裁縫され得る。
【0121】
ii)互いに異なるパターンピースに属するパターンピース間には、パターンピース間の外郭線に該当する部分以外には絶対に裁縫を実行してはならない。例えば、スリーブパターンピースとボディパターンピースの場合、スリーブトップ(sleeve top)とアームホール(arm hole)の組み合せのみが裁縫され得る。また、前面のボディパターンピースと裏面のボディパターンピースとの間には肩とわきのみが裁縫され、その他の残りの部分は裁縫されない。その他にも、前面の左側ボディパターンピースと前面の右側ボディパターンピースとの間には、中心線(Centerline)についてのみ裁縫が行われ、その残りの部分は裁縫されない。
【0122】
iii)特定のパターンピースの裁縫形態が当該パターンピース自体の情報だけで決定されない場合、当該パターンピースと結合される他のパターンピースに対する処理が先に行われなければならない。例えば、カラーパターンピースの場合、ボディパターンピースでネックの位置が先に把握されることで、カラーパターンピースがボディパターンピースのどの部分と裁縫されるかを決定することができる。
【0123】
図11は、一実施形態により新しいエッジが生成される過程を説明するための図である。
【0124】
自動裁縫装置は、図10を参照して前述した過程を介してマッチングされたエッジ対に対応してグラフを併合することができる。自動裁縫装置は、併合されたグラフに対応するセグメントを結合(concatenate)することで、新しいエッジを生成することができる。
【0125】
自動裁縫装置は、例えば、以前過程で取得したn個の候補エッジ集合に含まれているエッジ対に対して、全ての対のマッチングコストを予め算出することができる。自動裁縫装置は、マッチングコストが最も低いエッジ対から1つずつマッチングさせ、これ以上マッチングさせるエッジ対がないまでマッチングを行う。自動裁縫装置は、マッチングコストが一定の閾値を超えたエッジ対があれば、マッチングを終了する。
【0126】
例えば、図面1110において、エッジ対1115のマッチングコストが最も低い場合、自動裁縫装置は、エッジ対1115をマッチングさせることができる。自動裁縫装置は、マッチングされたエッジ対を図面1120のようにグラフ上で併合することができる。ここで、図面1120の併合を介して、図面1130のように既存に存在しなかった新しいエッジ1133,1135が生成され得る。
【0127】
図12は、一実施形態によりマッチングされたエッジをパターンピースに対する裁縫線に変換する方法を示したフローチャートである。図12を参照すると、一実施形態に係る自動裁縫装置がステップ1210~ステップ1220を介してマッチングされたエッジをパターンピースに対する裁縫線に変換する過程を示している。
【0128】
ステップ1210において、自動裁縫装置は、マッチングされたエッジそれぞれに対応するノードを検索する。自動裁縫装置は、マッチングされたエッジ対を構成しているエッジに対応するノードを検索することができる。ここで、「マッチングされたエッジそれぞれに対応するノード」は、マッチングされたエッジの開始点に該当する開始ノード、マッチングされたエッジの終了点に該当する終了ノード、及び開始ノードと終了ノードとの間に位置する内部ノード(internal nodes)を全て含むものとして理解される。
【0129】
ステップ1220において、自動裁縫装置は、ステップ1210で検索されたノードをペアリング(pairing)することで、パターンピースに対する裁縫線を生成する。ここで、「ペアリング」は、すでに裁縫が決定されたエッジ対の内における内部ノード(internal node)間のマッチングとして理解される。自動裁縫装置は、内部ノードのうち、開始点と終了点との間にループが存在するか否かを決定し、ループが存在するか否かに応じて、互いに異なる方法に基づいてノードをペアリングして裁縫線を生成することができる。自動裁縫装置がノードをペアリングする方法について、下記の図13を参照して具体的に説明する。
【0130】
図13は、一実施形態によりノードをペアリングさせる方法を説明するための図である。図13を参照すると、一実施形態に係る互いにマッチングされるエッジ対が非ループエッジ(non-loop edges)に該当する場合、ノードをペアリングする方法を説明するための図面1310,1330、及びユーザが予め直接作った裁縫線が存在する状態で、自動裁縫を試みた場合にノードをペアリングする方法を説明するための図面1350が示されている。
【0131】
前述したように、マッチングされたエッジ対は、概念上の裁縫線に該当するため、これを実際の裁縫線に変換しなければならない。例えば、自動裁縫装置は、マッチングされたエッジ対(e0、e1)を各エッジを構成している(内部)ノード間のマッチングにより具体化することで、概念上の裁縫線を実際の裁縫線に変換することができる。自動裁縫装置は、エッジの開始点と終了点との間にループが存在するか否かを把握することができる。自動裁縫装置は、前述したノードとエッジとの間のマッチング過程を通した併合結果に応じて、非ループエッジ(non-loop edges)及びループエッジ(loop edge)を把握することができる。
【0132】
例えば、互いにマッチングされるエッジ対が非ループエッジである場合、裁縫の開始点と終了点が明確に固定されることができる。「非ループエッジ」は、エッジが互いに離隔しており、1つのループを形成しないエッジ又はエッジの開始点と終了点が相異なった点に併合されたエッジとして理解される。
【0133】
例えば、図面1310又は図面1330において、互いにマッチングされるエッジ対が非ループエッジである場合、自動裁縫装置は、2つのエッジ(e0、e1)の開始点を0、終了点を1に設定し、残りの内部ノードを正規化された長さ(α)の順に整列することができる。
【0134】
自動裁縫装置は、各内部ノードごとに相手側のエッジの内部ノードのうち、正規化された長さ(α)値が最も類似の内部ノードを探して2つがペアを組むことができる。ここで、ペアリングされた内部ノードの正規化された長さ(α)値の間の差が一定の基準よりも大きいか、いずれか1つの内部ノードがすでに他のノードとペアリングされた場合、自動裁縫装置は当該ノードを捨ててもよい。
【0135】
これとは異なって、互いにマッチングされるエッジ対がループエッジ(loop edges)に該当する場合、裁縫の開始点と終わりが明確でないこともある。「ループエッジ」は、エッジが相互つながって1つのループを形成しているエッジ、又は、エッジの開始点と終了点が同じ点に併合されたエッジとして理解される。
【0136】
例えば、エッジの開始点と終了点との間にループが存在すると決定された場合、自動裁縫装置は、ノードそれぞれを開始ノードに設定してノード間のペアリングを行うことができる。自動裁縫装置は、ノード間のペアリングによるペアリングスコアに基づいて、パターンピースに対する裁縫線を生成することができる。ここで、ペアリングスコアは、マッチングコストと同様の方法により設定され得る。
【0137】
より具体的に、互いにマッチングされるエッジ対がループエッジに該当する場合、ループエッジは開始点が不明である。従って、自動裁縫装置は、全てのノードを一回ずつ開始点にして(内部)ノード間のペアリングを試みることができる。自動裁縫装置は、ペアリングを試みたノードをペアリングスコア(pairing score)を算出し、そのうち、ペアリングスコアが最も高いノードを最終的にペアリングすることができる。ペアリングスコアは、例えば、2つのノード間の正規化された長さ(α)値が近いほど高く算出される。自動裁縫装置は、ノードのタイプごとにペアリングスコアに差等を置くことができる。自動裁縫装置は、例えば、ノッチノード>コーナーノード>非コーナーノードの順にペアリングスコアに差等を置くことができる。
【0138】
自動裁縫装置は、例えば、n個のペアリングスコアのうち、ペアリングスコアが最も高いノードをペアリングすることができる。
【0139】
これとは異なり、自動裁縫装置は、エッジの開始点と終了点との間にループが存在しないと決定された場合、自動裁縫装置は、内部ノードを正規化された長さ(normalized length)(α)の順に整列してもよい。自動裁縫装置は、整列された内部ノードのうち、互いにマッチングされる相手側のエッジの内部ノードと最も隣接する当該エッジの内部ノードを互いにペアリングすることで、パターンピースに対する裁縫線を生成することができる。
【0140】
自動裁縫装置がパターンピースに対する裁縫線を生成した結果は、例えば、下記の図14のように示すことができる。
【0141】
実施形態により、図面1350に2重点線矢印(Double-dashed arrow)に示された既存裁縫線1351,1353のように、ユーザが予め直接作った裁縫線が存在する場合、自動裁縫装置は次のような方法に基づいて自動裁縫を行うことができる。
【0142】
自動裁縫装置は、既存の裁縫線1351,1353が存在するという表示だけしておき、前述したペアリング過程を介してノードをペアリングし、ペアリングされたノードを裁縫線に変換することができる。
【0143】
自動裁縫装置は、例えば、既存裁縫線1351,1353に対して当該の裁縫線対の開始点と終了点をペアを組んだノード対(node pair)を予め格納した後、当該ノードを含むエッジを構成しているセグメントに既存の裁縫線に関連するエッジであることを表示しておく。自動裁縫装置は、ペアリングされたノードを裁縫線に変換する過程において、内部ノードをマッチングするとき、単一点線矢印(single-dashed arrow)に表示された予め格納したノード対を強制的にペアリングすることができる。これを「Hard constraint」と称する。
【0144】
図面1350において、表示された実線矢印は、ノードペアリングを行って取得される最終結果の一部である。
【0145】
自動裁縫装置は、前述した実施形態の他にも、常用衣服で頻繁に接し得る様々な衣服特徴に対する追加処理を行ってもよい。
【0146】
前述した自動裁縫方法として、一回の「併合」状態でマーキングされたセグメント及び「併合」状態にマーキングされたセグメントを含むエッジは、マッチング対象から除外されるため、同じ個所に2回以上の裁縫線が生じない。しかし、実施形態により、例えば、バンディング、ヘンリーネック、プリーツ、又は、2重パターンなどによって1つのセグメントに2つ以上の裁縫線が生成される場合が多い場合が頻繁に発生し得る。従って、自動裁縫装置は、1つのセグメントに2つ以上の裁縫線が生成され得るパターンピースの特性を検出した後、後処理を介して2次的に裁縫線を生成することで1つのセグメントに2つ以上の裁縫線を生成することができる。
【0147】
例えば、パターンピースが横に細長い四角パターンでありながら、中間には水平方向の内部線分を含むバンディングに該当する場合、自動裁縫装置は、水平方向の内部線分を基準にして折り曲げられたパターンであると仮定し、上下を裁縫してもよい。または、パターンピースが、ユーザがタックの折目を設定したプリーツである場合、自動裁縫装置は、しわに折り込まれる部分に対してはダーツと類似に処理し、その上に重なって追加される裁縫線は、最後に後処理として個別的に追加することができる。
【0148】
又は、パターンピースが、例えば、ボディの縦の長さに比べて相対的に短いプラケットの1組に該当する場合、自動裁縫装置は、当該衣服をヘンリーネックシャツと見なしてプラケットを処理するラウンド(=SET_BODICE_PLACKET)の評価過程において、当該プラケットの底部を強制的に2回裁縫することができる。
【0149】
その他にも、パターンピースが裁縫してはならないエッジに該当するベンツ(vent)を含む場合、自動裁縫装置は、グラフ生成過程で当該形態(例えば、ベンツ形態)を検出し、ベンツ形態が検出された場合、当該パターンピースに対するタグをベンツとして表示し、裁縫を行わないようにする。自動裁縫装置は、ベンツとしてタグされたパターンピースの特定のエッジの延長線上に内部線分が存在し、当該内部線分を基準にして逆コ(⊂)の形態の凹凸が存在する場合、逆コ(⊂)部分のエッジをベンツとして処理して裁縫しない。
【0150】
図14は、一実施形態に係る自動裁縫装置によってパターンピースに対する裁縫線が生成された結果を示す図である。図14を参照すると、一実施形態に係る衣服を構成しているパターンピースが示された画面1410、及び画面1410に示されたパターンピースに対応する裁縫線が表示された画面1430を示す。
【0151】
自動裁縫装置は、画面1410に示されたパターンピースの配置情報及びパターンピースに対応するグラフに基づいてエッジをマッチングし、画面1430のように各パターンピースに対応する裁縫線1435を生成することができる。
【0152】
また、自動裁縫装置は、画面1430に示された裁縫線1435に沿ってパターンピースを裁縫し、下記の図15に示すように裁縫されたパターンピースから構成された衣服1530をアバター1510に着装してもよい。
【0153】
一実施形態に係る自動裁縫装置は、衣服の形態的な特性を考慮したボトムアップ構成(bottom-up construction)方式を用いて衣服をサブパート(sub-parts)の集合体として見なすことで、自動裁縫時に考慮する必要のないインターパート(inter-part)の裁縫(例えば、左袖と右袖)を事前にフィルタリングアウト(filtering out)することができる。
【0154】
また、一実施形態例に係る自動裁縫装置は、ラインセグメントマッチング(line segment matching)ではなく、エッジマッチング(edge matching)方式を利用して肩線、袖山、アームホール、ネックラインなど概念的な特徴をエッジに対応させ、これらの間のマッチングを裁縫として定義することができる。また、自動裁縫プロセスの反復的な精製(iterative refinement)を通じて連結されたエッジが新しい入力として与えられるため、一般的に1-パスアルゴリズム(pass algorithm)では処理できない裁縫線まで処理することができる。
【0155】
図15は、一実施形態に係る自動裁縫装置によって生成された裁縫線に沿って裁縫されたパターンピースから構成された衣服をアバターに着装した結果を示す図である。図15を参照すると、一実施形態により図14に示された裁縫線に沿って裁縫されたパターンピースから構成された衣服1530を着装したアバター1510がシミュレートされた画面1500を示す。
【0156】
図16は、一実施形態に係る自動裁縫装置のブロック図である。図16を参照すると、一実施形態に係る自動裁縫装置1600は、ユーザインターフェース1610、及びプロセッサ1630を含む。自動裁縫装置1600は、メモリ1650、及び出力装置1670をさらに含んでもよい。ユーザインターフェース1610、プロセッサ1630、メモリ1650、及び出力装置1670は、通信バス1605を介して通信することができる。
【0157】
ユーザインターフェース1610は、衣服を構成しているパターンピースの配置情報を取得する。
【0158】
プロセッサ1630は、パターンピースの外郭線上に位置するノード及び互いに隣接するノードを連結する方向性を有するセグメントを含むグラフを生成する。プロセッサ1630は、配置情報及びグラフに基づいて、パターンピースで互いに裁縫される領域に対応するエッジをマッチングすることで、パターンピースに対する裁縫線を生成する。
【0159】
メモリ1650は、ユーザインターフェース1610を通じて取得したパターンピースの配置情報を格納する。メモリ1650は。プロセッサ1630が生成したグラフを格納することができる。また、メモリ1650は、プロセッサ1630によってマッチングされたエッジに関する情報及び/又は裁縫線が生成されたパターンピースに関する情報を格納することができる。その他にも、メモリ1650は、裁縫線によって裁縫されたパターンピースから構成された衣服及びその衣服をアバターに着装シミュレーションした結果を格納することができる。
【0160】
出力装置1670は、プロセッサ1630から構成された裁縫線が生成されたパターンピース、裁縫線に沿って裁縫されたパターンピースにより構成された仮想衣服、及び/又は仮想衣服を着装した3次元アバターを表示する。出力装置1670は、裁縫線が生成されたパターンピース、パターンピースが裁縫された仮想衣服及び/又は仮想衣服を着装した3次元アバターを画面上に出力してもよく、又は、紙又は服地などに裁縫線の表示されたパターンピースを出力してもよい。
【0161】
出力装置1670は、例えば、ディスプレイであってもよく、自動裁縫装置1600の外部と通信する通信インターフェースであってもよい。
【0162】
また、プロセッサ1630は、図1図15を参照して前述した少なくとも1つの方法又は少なくとも1つの方法に対応するアルゴリズムを行ってもよい。プロセッサ1630は、目的とする動作(desired operations)を実行させるための物理的な構造を有する回路を有するハードウェアで具現されたデータ処理装置であり得る。例えば、目的とする動作は、プログラムに含まれているコード(code)又は命令(instructions)を含んでもよい。プロセッサ1630は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はNPU(Neural network Processing Unit)で構成することができる。例えば、ハードウェアで具現された自動裁縫装置1600は、マイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit)、プロセッサコア(processor core)、マルチ-コアプロセッサ(multi-core processor)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を含んでもよい。
【0163】
プロセッサ1630は、プログラムを実行し、自動裁縫装置1600を制御することができる。プロセッサ1630によって実行されるプログラムコードは、メモリ1650に格納されることができる。
【0164】
メモリ1650は、上述したプロセッサ1630の処理過程で生成される様々な情報を格納することができる。その他にも、メモリ1650は、各種のデータとプログラムなどを格納することができる。メモリ1650は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリを含んでもよい。メモリ1650は、ハードディスクなどのような大容量の格納媒体を備えて各種のデータを格納することができる。
【0165】
本実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。上記で説明したハードウェア装置は、本発明に示す動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0166】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はそのうちの一つ以上の組合せを含み、希望の通りに動作するよう処理装置を構成したり、独立的又は結合的に処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されたり処理装置に命令又はデータを提供するために、いずれかの類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、又は送信される信号波に永久的又は一時的に具体化することができる。ソフトウェアはネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散した方法で格納されたり実行され得る。ソフトウェア及びデータは一つ以上のコンピュータで読出し可能な記録媒体に格納され得る。
【0167】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順で実行されるし、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられてもよいし、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0168】
したがって、他の具現、他の実施形態および特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求範囲の範囲に属する。
【符号の説明】
【0169】
1600:自動裁縫装置
1605:通信バス
1610:ユーザインターフェース
1630:プロセッサ
1650:メモリ
1670:出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】