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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】固体回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H02H 3/08 20060101AFI20230315BHJP
   H01H 33/59 20060101ALI20230315BHJP
   H03K 17/00 20060101ALI20230315BHJP
   H02H 3/093 20060101ALI20230315BHJP
   H02H 3/00 20060101ALI20230315BHJP
   H02H 3/02 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
H02H3/08 T
H01H33/59 P
H03K17/00 B
H02H3/093 A
H02H3/00 R
H02H3/02 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544768
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(85)【翻訳文提出日】2022-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2021025033
(87)【国際公開番号】W WO2021151624
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】16/775,976
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、シン
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、ブライアン、イー.
(72)【発明者】
【氏名】フォン、イェンチュン
(72)【発明者】
【氏名】リョウ、チエンヤン
(72)【発明者】
【氏名】スレピアン、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ゴットシャルク、アンドリュー、エル.
(72)【発明者】
【氏名】チャマラジャナガル ゴヴィンダ ナヤカ、サントーシュ、クマール
【テーマコード(参考)】
5G004
5G028
5G142
5J055
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004AB02
5G004BA03
5G004BA04
5G004DA05
5G004DC01
5G028AA01
5G028FB02
5G028FD01
5G028FD02
5G142AB05
5G142AC01
5G142BB02
5G142BC01
5G142BD02
5G142CC06
5G142HH04
5J055AX31
5J055AX38
5J055BX16
5J055CX23
5J055GX02
5J055GX03
5J055GX09
(57)【要約】

回路遮断器は、正常センサ出力及び過電流検出出力を有する電流センサと、回路遮断器に電流を流すことができる閉状態及び回路遮断器に流れる電流を遮断する開状態を有するように構成された固体スイッチモジュールと、脱飽和機能出力を含む固体スイッチモジュールを制御するように構成されたゲートドライバであって、DESAT機能出力がオン状態に変化したときに、固体スイッチモジュールに回路遮断器に流れる電流を遮断させるように構成されている、ゲートドライバと、正常センサ出力が第1の閾値レベルに達したとき、又は過電流検出出力がオン状態に変化したときにゲートドライバにトリップ信号を出力するように構成された電子トリップ回路と、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と負荷との間を電気的に接続するように構成された回路遮断器であって、
前記回路遮断器を通って流れる電流を検知するように構成され、前記回路遮断器を通って流れる前記電流に比例する正常センサ出力、及び前記回路遮断器を通って流れる電流が第2の閾値レベルに達するときにオン状態に変化する過電流検出(OCD)出力を有する、電流センサと、
前記回路遮断器を通って電流が流れることができる閉状態、及び前記回路遮断器に流れる電流を遮断する開状態を有するように構成された固体スイッチモジュールと、
前記固体スイッチモジュールを制御して前記回路遮断器を通って流れる電流を遮断するように構成されたゲートドライバであって、前記回路遮断器を通って流れる前記電流が第3の閾値レベルに達するときにオン状態に変化する脱飽和(DESAT)機能出力を含み、前記DESAT機能出力が前記オン状態に変化したときに、前記固体スイッチモジュールに前記回路遮断器を流れる電流を遮断させるように構成されている、ゲートドライバと、
前記正常センサ出力及び前記OCD出力を受信し、前記正常センサ出力が第1の閾値レベルに到達する又は前記OCD出力が前記オン状態に変化したときに、前記ゲートドライバにトリップ信号を出力するように構成されたアナログトリップ回路であって、前記トリップ信号が、前記ゲートドライバに前記固体スイッチモジュールを制御させて前記回路遮断器を通って流れる電流を制御する、アナログトリップ回路と、
を備える、回路遮断器。
【請求項2】
前記アナログトリップ回路が、前記固体スイッチモジュールが第1の所定期間内に前記回路遮断器を流れる電流を遮断するように、前記正常センサに基づいて前記トリップ信号を出力するように構成され、かつ前記固体スイッチモジュールが第2の所定期間内に前記回路遮断器を流れる電流を遮断するように、前記OCD出力に基づいて前記トリップ信号を出力するように構成され、前記ゲートドライバが、前記固体スイッチモジュールに、第3の所定期間内に前記DESAT機能出力に基づいて前記回路遮断器を流れる電流を遮断させるように構成され、前記第3の所定期間が前記第2の所定期間よりも短く、前記第2の所定期間が前記第1の所定期間よりも短い、請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項3】
前記第1の所定期間が約4マイクロ秒であり、前記第2の所定期間が約2.5マイクロ秒であり、前記第3の所定期間が約0.5マイクロ秒である、請求項2に記載の回路遮断器。
【請求項4】
前記アナログトリップ回路が、前記正常センサ出力を受信してから約100ナノ秒以内に前記正常センサ出力に基づいて前記トリップ信号を出力するように構成され、前記電子トリップ回路が、前記OCD出力を受信してから約10ナノ秒以内に前記OCD出力に基づいて前記トリップ信号を出力するように構成されている、請求項2に記載の回路遮断器。
【請求項5】
前記ゲートドライバが、コンデンサを含み、前記第3の所定期間が、前記コンデンサの静電容量に部分的に基づく、請求項2に記載の回路遮断器。
【請求項6】
前記第1の所定閾値が、前記回路遮断器の定格電流の約2倍~前記定格電流の約7.5倍の範囲内であり、前記第2の所定閾値が、前記定格電流の約7.5倍であり、前記第3の所定閾値が、前記定格電流の約22.5倍である、請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項7】
前記DESAT機能出力が、前記固体スイッチモジュールを通って流れる電流のレベルに基づく前記固体スイッチモジュールにおける固体スイッチの電圧降下に基づく、請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項8】
前記電流センサが、ホール効果センサである、請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項9】
前記固体スイッチモジュールが、少なくとも1つの固体スイッチを含む、請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項10】
分離可能接点と、
前記分離可能接点を開放するように構成された操作機構と、
を更に備え、
前記分離可能接点を開放することが、前記電源と前記負荷との間のガルバニック絶縁を提供する、請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項11】
電源と負荷との間を電気的に接続するように構成された回路遮断器であって、
電源と負荷との間にガルバニック絶縁を提供するために開放するように構成された分離可能接点と、
前記分離可能接点を開閉するように構成された操作機構と、
前記分離可能接点の位置を検知するように構成された第1の位置センサと、
前記回路遮断器を通って電流が流れることができる閉状態、及び前記回路遮断器に流れる電流を遮断する開状態を有するように構成された固体スイッチモジュールと、
前記固体スイッチモジュールを制御して前記開状態と前記閉状態との間で変更し、前記操作機構を制御して前記分離可能接点を開放するように構成された電子トリップユニットであって、前記第1の位置センサの出力に基づいて、前記固体スイッチモジュールを制御して、前記分離可能接点が閉位置にあるときに前記固体スイッチモジュールが前記開状態から前記閉状態へ変更するように構成されている、電子トリップユニットと、
を備える、回路遮断器。
【請求項12】
前記電子トリップユニットが、前記分離可能接点を開放するように前記操作機構を制御する前に、前記固体スイッチモジュールを制御して、前記閉状態から前記開状態に変更するように構成されている、請求項11に記載の回路遮断器。
【請求項13】
ユーザによって操作可能な第1のスイッチと、
ユーザによって操作可能な第2のスイッチと、
を更に備え、
前記電子トリップユニットが、前記ユーザが前記第1のスイッチを操作したことに応答して、前記固体スイッチを制御して前記閉状態から前記開状態へ変更させ、次いで、前記操作機構を制御して前記分離可能接点を開放するように構成されており、
前記電子トリップユニットが、前記ユーザが前記第2のスイッチを操作したことに応答して、前記操作機構を制御して前記分離可能接点を閉鎖し、次いで、前記固体スイッチモジュールを制御して前記閉状態に変更するように構成されている、請求項11に記載の回路遮断器。
【請求項14】
前記第1のスイッチの位置を検知するように構成された第2の位置センサと、
前記第2のスイッチの位置を検知するように構成された第3の位置センサと、
を更に備え、
前記電子トリップユニットが、前記第2の位置センサの出力に基づいて前記ユーザが前記第1のスイッチを操作したことに応答して、前記固体スイッチを制御して前記閉状態から前記開状態に変更し、次いで、前記操作機構を制御して前記分離可能接点を開放するように構成されており、
前記電子トリップユニットが、前記第3の位置センサの出力に基づいて前記ユーザが前記第2のスイッチを操作したことに応答して、前記操作機構を制御して前記分離可能接点を閉鎖し、次いで、前記固体スイッチモジュールを制御して前記閉状態に変更するように構成されている、請求項13に記載の回路遮断器。
【請求項15】
前記操作機構が、前記分離可能接点に結合された可動アームを含み、それにより、前記可動アームを移動させることによって前記分離可能接点を開閉させ、前記第1の位置センサが、前記可動アームの移動に基づいて前記分離可能接点の位置を検知するように構成されている、請求項11に記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年1月29日に出願された、同一出願人による同時出願の米国特許出願第16/775,985号「SOLID STATE CIRCUIT INTERRUPTER」(代理人整理番号19-ETU-783-2)に関連する。
【0002】
(発明の分野)
開示された概念は、概して、回路遮断器に関し、特に、固体回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、限定するものではないが、サーキットブレーカーなどの回路遮断器は、典型的には、過負荷状態などの過電流状態、短絡、又はアーク事故若しくは接地事故などの別の障害状態に起因する損傷から電気回路を保護するために使用される。固体回路遮断器は、固体構成要素、例えば半導体デバイスを使用して、電源から負荷に流れる電流をオン及びオフに切り替える。
【0004】
固体回路遮断器は、従来の機械回路遮断器よりも速いトリッピングを提供する。しかしながら、これらの能力は最適に利用されていない。更に、固体回路遮断器は、従来の機械回路遮断器と異なる安全性と健全性の懸念をもたらす。固体回路遮断器の改善の余地がかなりある。
【発明の概要】
【0005】
開示された概念の一態様によれば、電源と負荷との間を電気的に接続するように構成された回路遮断器は、回路遮断器を通って流れる電流を検知するように構成され、回路遮断器を流れる電流に比例する正常センサ出力、及び回路遮断器を通って流れる電流が第2の閾値レベルに達したときにオン状態に変化する過電流検出(OCD)出力を有する、電流センサと、回路遮断器を通って電流が流れることができる閉状態、及び回路遮断器に流れる電流を遮断する開状態を有するように構成された固体スイッチモジュールと、固体スイッチモジュールを制御して回路遮断器を流れる電流を遮断するように構成されたゲートドライバであって、回路遮断器を流れる電流が第3の閾値レベルに達するときにオン状態に変化する脱飽和(DESAT)機能出力を含み、DESAT機能出力がオン状態に変化するときに固体スイッチモジュールに回路遮断器を流れる電流を遮断させるように構成されている、ゲートドライバと、正常センサ出力及びOCD出力を受信し、正常センサ出力が第1の閾値レベルに達する、又はOCD出力がオン状態に変化するときに、トリップ信号をゲートドライバに出力するように構成されたアナログトリップ回路であって、トリップ信号が、ゲートドライバに固体スイッチモジュールを制御させて回路遮断器を流れる電流を遮断する、アナログトリップ回路と、を備える。
【0006】
開示された概念の一態様によれば、電源と負荷との間を電気的に接続するように構成された回路遮断器は、電源と負荷との間にガルバニック絶縁を提供するように開放するように構成された分離可能接点と、分離可能接点を開閉するように構成された操作機構と、分離可能接点の位置を検知するように構成された第1の位置センサと、回路遮断器に電流を流すことができる閉状態、及び回路遮断器に流れる電流を遮断する開状態を有するように構成された固体スイッチモジュールと、固体スイッチモジュールを制御して開状態と閉状態との間で変更し、操作機構を制御して分離可能接点を開放するように構成された電子トリップユニットであって、第1の位置センサの出力に基づいて、固体スイッチモジュールを制御して、分離可能接点が閉位置にあるときに固体スイッチモジュールを開状態から閉状態へ変更するように構成されている、電子トリップユニットと、を備える。
【0007】
開示された概念の一態様によれば、回路遮断器で使用するための固体スイッチアセンブリは、入力端子と、第1の導体と、出力端子と、第2の導体と、第1の導体を用いて入力端子に電気的に接続され、第2の導体を用いて出力端子に電気的に接続され、少なくとも1つの固体スイッチを含む、固体スイッチモジュールと、固体スイッチモジュールに取り付けられたヒートシンクと、固体スイッチモジュールを通って流れる電流を検知するように構成された電流センサと、いくつかの金属酸化物バリスタ(MOV)と、を備える。
【0008】
開示された概念の一態様によれば、回路遮断器は、いくつかの区画を含むフレームと、いくつかの固体スイッチアセンブリと、を含み、各固体スイッチアセンブリが、区画のうちの対応する1つに配設され、入力端子と、第1の導体と、出力端子と、第2の導体と、第1の導体を用いて入力端子に電気的に接続され、第2の導体を用いて出力端子に電気的に接続され、少なくとも1つの固体スイッチを含む、固体スイッチモジュールと、ヒートシンクと、固体を通って流れる電流を検知するように構成された電流センサと、いくつかの金属酸化物バリスタ(MOV)と、を備える。
【0009】
開示された概念の一態様によれば、固体スイッチを含む固体スイッチモジュールを有する回路遮断器を動作させる方法は、固体スイッチの特性を監視することと、固体スイッチの特性が所定閾値を満たす又は所定閾値を超えると判定することと、固体スイッチの特性が所定閾値を満たす又は超えると判定したことに応答して指示を提供することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の概念の完全な理解は、添付図面と併せて読むと、以下の発明を実施するための最良の形態から得ることができる。
図1】本開示の概念の例示的な実施形態による回路遮断器の概略図である。
図2】本開示の概念の例示的な実施形態による電力供給部の回路図である。
図3A】開示された概念の例示的な実施形態によるアナログトリップ回路の回路図である。
図3B】開示された概念の例示的な実施形態によるアナログトリップ回路の回路図である。
図4A】開示された概念の例示的な実施形態によるゲートドライバ回路の回路図である。
図4B】開示された概念の例示的な実施形態によるゲートドライバ回路の回路図である。
図5A】開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器の部分組立図である。
図5B】開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器の部分組立図である。
図6A】開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器の部分組立図である。
図6B】開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器の部分組立図である。
図7】本開示の概念の例示的な実施形態による部分的に分解可能な回路遮断器の図である。
図8】開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器の部分内部側面図である。
図9A】開示された概念の例示的な実施形態による固体スイッチアセンブリの図である。
図9B】開示された概念の例示的な実施形態による固体スイッチアセンブリの図である。
図9C】開示された概念の例示的な実施形態による固体スイッチアセンブリの図である。
図10A】開示された概念の例示的な実施形態によるヒートシンク及び固体スイッチモジュールの図である。
図10B】開示された概念の例示的な実施形態によるヒートシンク及び固体スイッチモジュールの図である。
図10C】開示された概念の例示的な実施形態によるヒートシンク及び固体スイッチモジュールの図である。
図10D】開示された概念の例示的な実施形態によるヒートシンク及び固体スイッチモジュールの図である。
図11A】開示された概念の例示的な実施形態によるフレームハウジング固体スイッチアセンブリの図である。
図11B】開示された概念の例示的な実施形態によるフレームハウジング固体スイッチアセンブリの図である。
図12】本開示の概念の例示的な実施形態による回路遮断器を動作させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書で使用される方向句、例えば、左、右、前部、後部、頂部、底部、及びそれらの変形などは、図面に示される要素の向きに関するものであり、そこに明示的に記載されない限り、特許請求の範囲を限定しない。
【0012】
本明細書で使用するとき、2つ以上の部分が共に「結合されている」という記述は、それらの部分が、共に直接接合されているか、又は1つ以上の中間部分を介して接合されているかのいずれかを意味するものとする。
【0013】
図1は、開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器10(例えば、限定するものではないが、サーキットブレーカー)の概略図である。いくつかの例示的な実施形態による回路遮断器10は、100A(I=100A)定格デバイスである(すなわち、定格電流Iは100Aである)。回路遮断器10は、電源2と負荷4との間に電気的に接続されるように構成されている。回路遮断器10は、例えば、障害状態(例えば、限定するものではないが、過電流状態)の場合に、負荷4に流れる電流を遮断するように開に作動させるか、又は開に切り替えるかして、負荷4、負荷4に関連付けられた回路、及び回路遮断器10内の構成要素を保護する。
【0014】
回路遮断器10は、固体スイッチモジュール202と電流センサ206とを含む固体スイッチアセンブリ200を含む。回路遮断器10はまた、ゲートドライバ回路204と、固体スイッチアセンブリ200に関連付けられたアナログトリップ回路208と、を含む。回路遮断器10は、操作機構300、分離可能接点302、電子トリップユニット304、及び電力供給部100を更に含む。更に、回路遮断器10は、位置センサ500、502、504、並びに閉ボタン506及び開ボタン508を含む。回路遮断器10がこれらの全ての構成要素を含む必要はないことが当業者には理解されよう。例えば、例示的な実施形態では、回路遮断器10は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、これらの構成要素のサブセットのみを含むことができる。
【0015】
回路遮断器10は、固体スイッチアセンブリ200を介して固体回路の遮断を、分離可能接点302を介してガルバニック絶縁を提供するように構成されている。固体スイッチモジュール202は、1つ以上の固体スイッチ(例えば、限定するものではないが、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、又は電源2と負荷4との間に電気的に接続された固体スイッチ)を含む。固体スイッチモジュール202は、電力が電源2と負荷4との間で固体スイッチモジュール202を通って流れることができる閉状態、及び電力が電源2と負荷4との間を流れることが防止される開状態を有する。
【0016】
ゲートドライバ回路204は、固体スイッチモジュール202の状態を制御するように構成されている。ゲートドライバ回路204は、固体スイッチモジュール202を通って流れる電流が所定閾値レベルに達すると、オフ状態からオン状態に変化する脱飽和(DESAT)機能を有する。例示的な一実施形態において、所定閾値レベルは、約2250A(22.5×I)である。DESAT機能は、固体スイッチモジュール202内の固体スイッチの順電圧降下を監視することによって動作する。順電圧降下が閾値レベルに達すると、DESAT機能がオン状態に変化し、ゲートドライバ回路204がそれに応じて、固体スイッチモジュール202が開状態に変化し、回路遮断器10を通って流れる電流を遮断する。例示的な実施形態では、DESAT機能は、9Vの閾値電圧を有する。炭化ケイ素(SiC)MOSFETのオン抵抗に基づいて、電流レベルが約2250Aであるとき、順電圧降下は9Vに達する。したがって、固体スイッチモジュール202を通って流れる電流が約2250Aに達すると、DESAT機能はオン状態に変化する。これらの閾値は単に一例として提供されることが理解されよう。開示された概念の範囲から逸脱することなく、異なる閾値を用いることができる。
【0017】
ゲートドライバ回路204のDESAT機能を使用して、回路遮断器10を通って流れる電流の非常に急速な遮断を可能にするために、固体スイッチモジュール202を開放させる。開示された概念のいくつかの例示的な実施形態では、DESAT機能に基づく遮断は、0.5マイクロ秒以内であり得る。開示された概念のいくつかの例示的な実施形態では、ゲートドライバ回路204は、DESAT機能に基づいて遮断を変化させるように構成されたコンデンサを含む。例えば、DESAT機能に基づく遮断までの時間は、コンデンサの静電容量に基づく。このようにして、DESAT機能に基づく遮断時間は、コンデンサを変更することによって容易に調整することができる。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態では、電流センサ206は、回路遮断器10を通って流れる電流に比例する正常センサ出力と、回路遮断器10を通って流れる電流が閾値レベルに達するときにオン状態に変化する過電流検出(OCD)出力と、を提供するように構成されている。例示的な実施形態では、電流センサ206は、ホール効果センサである。
【0019】
アナログトリップ回路208は、電流センサ206から正常センサ出力及びOCD出力を受信するように構成されている。アナログ回路208は、ゲートドライバ回路204に電気的に接続され、トリップ信号をゲートドライバ回路204に出力するように構成されている。トリップ信号に応答して、ゲートドライバ回路204は、固体スイッチモジュール202を制御して開状態に変化させ、回路遮断器10を通って流れる電流を遮断する。アナログトリップ回路208は、正常センサ出力が閾値レベルに到達するか、又はOCD出力がオン状態に変化することに応答して、トリップ信号を出力するように構成されている。アナログトリップ回路208は、OCD出力が第1の所定期間内にオン状態に変化したことに応答してトリップ信号を出力し、正常センサ出力が第2の所定期間内に閾値レベルに到達したことに応答してトリップ信号を出力するように構成されている。例示的な実施形態では、第1の所定期間は、第2の所定期間未満である。例示的な実施形態では、第1の所定期間は10ナノ秒であり、第2の所定期間は100ナノ秒である。しかしながら、本開示の概念の範囲から逸脱することなく、他の所定期間を採用してもよいことが理解されるであろう。例示的な実施形態では、正常センサ出力が閾値レベルに到達することに基づく、回路遮断器10を通って流れる電流の遮断は、4マイクロ秒以内に発生し、OCD出力に基づく遮断は、2マイクロ秒以内に発生する。しかしながら、これらは例示的な時間であり、本開示の概念の範囲から逸脱することなく、他の時間を採用してもよいことが理解されるであろう。いくつかの例示的な実施形態では、正常電流センサ出力に関連付けられた閾値レベルは、約200(2×I)~750A(7.5×I)の範囲内であり、OCD出力に関連付けられた閾値レベルは、約750A(7.5×I)である。しかしながら、これらは単に例示的な値であり、本開示の概念の範囲から逸脱することなく調整されてもよいことが理解されるであろう。
【0020】
アナログトリップ回路208及びゲートドライバ回路204のDESAT機能を用いて、3レベルの遮断ロジックを回路遮断器10内で使用することができる。DESAT機能は、最も高い電流閾値に基づいて最も速い遮断を提供し、OCD出力は、2番目に高い電流閾値に基づいて2番目に速い遮断を提供し、正常センサ出力は、3番目に高い電流閾値に基づいて3番目に速い遮断を提供する。例示的な実施形態では、最も高い電流閾値は約2250A(22.5×I)であり、最も速い遮断は0.5マイクロ秒以内であり、2番目に高い電流閾値は約750A(7.5×I)であり、2番目に速い遮断は2.5マイクロ秒以内であり、3番目に高い電流閾値は約200(2×I)~750A(7.5×I)の範囲内であり、3番目に速い遮断は4マイクロ秒以内である。アナログトリップ回路208及びゲートドライバ回路204のDESAT機能により、遮断は、電子トリップユニット304によって提供されるようなデジタル回路保護よりも速く発生することができる。
【0021】
開示された概念のいくつかの例示的な実施形態では、電子トリップユニット304はまた、ゲートドライバ回路204にトリップ信号を出力して、ゲートドライバ回路204に固体スイッチモジュール202を制御して開状態に変化させるように構成されている。電子トリップユニット304は、アナログトリップ回路208による正常センサ出力に基づくトリップに関連付けられた3番目に高い電流閾値未満の電流閾値に基づいて、トリップ信号を出力することができる。電子トリップユニット304は、I-tトリップ曲線に基づいてトリップ信号を出力するように構成されてもよく、それにより、電子トリップユニット304が電流センサ206の正常センサ出力に基づいて障害状態を検出するときに、電子トリップユニット304は、I-tトリップ曲線に基づいて電流レベルに関連付けられた時点で、トリップ信号をゲートドライバ回路204に出力する。
【0022】
回路遮断器10はまた、操作機構300及び分離可能接点302を含む。分離可能接点302は、開放されて、電源2と負荷4との間にガルバニック絶縁を提供するように構成されている。操作機構300は、分離可能接点302を開閉する構造である。例えば、操作機構300は、移動するときに、分離可能接点302を開閉させる可動アームを含むことができる。電子トリップユニット304は、操作機構300を制御して分離可能接点302を開放するように構成されている。例えば、電子トリップユニット304は、固体スイッチモジュール202が開状態に変化した後にのみ、操作機構300を制御して分離可能接点302を開放するように構成することができる。例えば、機械回路遮断器では、分離可能接点は、回路遮断器を通って流れる電流を遮断するように設計されており、回路遮断の結果としてのアークを管理するためのアークシュートなどの関連する構成要素を有する。回路遮断器10は、電流が固体スイッチモジュール202によって遮断される固体回路遮断器である。分離可能接点302は、電流を遮断するように設計される必要はなく、固体スイッチモジュール202が電流を遮断した後に開放することのみが意図されるため、関連するアークシュート又は他の構成要素を有する必要はない。したがって、電子トリップユニット304は、固体スイッチモジュール202が開状態に変化した後にのみ、操作機構300を制御して、分離可能接点302を開放するように構成することができる。同様に、電子トリップユニット304は、分離可能接点302が閉鎖された後にのみ、ゲートドライバ回路204に固体スイッチモジュール202を閉状態に変更するように構成することができる。このようにして、分離可能接点302のバウンスによるバウンスアークが防止される。いくつかの例示的な実施形態では、分離可能接点302は、例えば、リセットスイッチを介してユーザによる手動介入で閉鎖される。いくつかの例示的な実施形態では、操作機構300は、電子トリップユニット304からの閉信号に応答して、分離可能接点302を閉鎖するように構成されている。
【0023】
開示された概念のいくつかの例示的な実施形態では、回路遮断器10は、位置センサ500を含む。位置センサ500は、分離可能接点302が開位置にあるか又は閉位置にあるかを検知するように構成されている。位置センサ500の出力は、電子トリップユニット304に提供することができる。位置センサ500の出力に基づいて、電子トリップユニット304は、分離可能接点302の位置を判定することができる。同様に、電子トリップユニット304ユニットは、固体スイッチモジュール202の状態を示すゲートドライバ回路204の出力を受信することができる。これらの出力では、電子トリップユニット304は、固体スイッチモジュール202が開状態に変化した後にのみ分離可能接点302が開放されることと、分離可能接点302が閉鎖された後にのみ、固体スイッチモジュール202が閉状態に変更されることを確実にし得る。
【0024】
いくつかの例示的な実施形態では、回路遮断器10は、閉ボタン506及び開ボタン508を含む。ボタンは一例として使用されることが理解されよう。しかしながら、本開示の概念の範囲から逸脱することなく、他のユーザ作動可能な要素を採用してもよいことが理解されるであろう。例示的な実施形態では、電子トリップユニット304は、操作機構300を制御して分離可能接点302を閉鎖し、ゲートドライバ回路204に閉信号を出力して、閉ボタン506の作動に応答して、ゲートドライバ回路204に固体スイッチモジュール202を閉状態に変更させるように構成されている。例示的な実施形態では、電子トリップユニット304は、トリップ信号をゲートドライバ回路204に出力して、ゲートドライバ回路204に固体スイッチモジュール202を開状態に変更させ、次いで、操作機構300を制御して、開ボタン508の作動に応答して分離可能接点302を開放するように構成されている。いくつかの例示的な実施形態では、位置センサ502を使用して、閉ボタン506の作動を検知し、位置センサ504を使用して、開ボタン508の作動を検知することができる。電子トリップユニット304は、位置センサ502、504の出力を受信し、位置センサ502、504の出力に基づいて、閉ボタン506及び開ボタン508の作動を検知するように構成することができる。
【0025】
位置センサ500、502、504は、構成要素の位置を検知するための任意の好適なタイプのセンサであってもよい。一例として、位置センサ500、502、504は、対応する構成要素の動きによって作動されるマイクロスイッチであってもよい。例えば、位置センサ500は、操作機構300の可動アームによって配設されるマイクロスイッチであってもよく、それにより、分離可能接点302を開閉させる可動アームの動きが位置センサ500を作動させ、位置センサ500の出力に基づいて、電子トリップユニット304は、分離可能接点302の現在位置を検知することができる。同様に、位置センサ502、504は、オンボタン506及びオフボタン508の作動がそれぞれ位置センサ502、504を作動させるように配置されたマイクロスイッチであってもよい。
【0026】
電力供給部100は、電源2から電力を受信し、電源2からの電力を回路遮断器10の構成要素によって使用可能な電力に変換するように構成されている。例えば、電力供給部100は、電源2からの交流電力を、回路遮断器10の構成要素によって使用可能な直流電力に変換することができる。電力供給部100からの電力は、例えば、限定するものではないが、電子トリップユニット304、ゲートドライバ回路204、操作機構300(例えば、操作機構に含まれるソレノイド)、電流センサ206、及びアナログトリップ回路208などの、構成要素を動作させるための電力を提供することができる。電力供給部100は、複数の電圧(例えば、限定するものではないが、24V、15V、5V、及び3.3V)で直流電力を生成することができる。例示的な実施形態では、電力供給部100は省略されてもよく、回路遮断器10の構成要素を動作させるための電力は、外部電力供給部によって提供され得る。いくつかの例示的な実施形態では、電子トリップユニット304は、電力供給部100又は外部電力供給部から電力が利用できない場合に、固体スイッチモジュール202を開状態に変更させ、分離可能接点302を開放させるように構成されている。いくつかの例示的な実施形態では、電力供給部100は、電源2からのライン間電圧を使用して、回路遮断器10の構成要素によって使用される直流電力を生成するように構成されている。例えば、ラインと中性導体との間に接続されるのではなく、電力供給部100は、その代わりに複数のライン導体間に接続される。図1は回路遮断器10の単極を示しているが、回路遮断器10は、電力供給部100が複数の線相に接続されている状態で、複数の線相の電力が回路遮断器10を流れる複数極を有することができると理解されよう。
【0027】
図2は、本開示の概念の例示的な実施形態による電力供給部100の回路図である。この例示的な実施形態では、電力供給部100は、3相線入力110、整流ダイオードブリッジ120、フィルタリング回路130、DC/DCコンバータ140、及び出力150を含む。三相線入力110は、複数の線相から電力を受け取り、整流ダイオードブリッジ120へ線間AC電圧入力を提供する。整流ダイオードブリッジ120は、AC電圧をDC電圧に変換し、DC電圧をフィルタリング回路130に出力する。フィルタリング回路130は、電流入力を制限することによって、電力供給回路100を電流入力の殺到から保護し、電流分割器(C10、C11、C12、C13、R1、R2、R3、及びR4)を介してDC電圧をフィルタリングする。DC/DCコンバータ140は、フィルタリング回路130からフィルタリングされたDC電圧を受け取り、フィルタリングされた高DC電圧を低DC電圧、例えば、24V、15V、5V、又は3.3Vに変換する。次いで、DC/DCコンバータ140は、低DC電圧を出力して、回路遮断器10の構成要素に電力を提供する。線間電圧は、回路遮断器10の電気部品の電圧要件を満たすように、例えば、24、15、5、又は3.3VのDCに降圧される。線間電圧が利用できない場合、外部24V電力供給部を使用することができる。外部電力も線間電圧も存在しない場合、固体スイッチモジュール202は開状態に変更することができる。図2は、電力供給部400内で使用される回路の例を示しているが、図2は単に例示的な実施形態であることが理解されよう。回路構成要素は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、再配列される、追加される、取り外される、又は異なって実装され得る。
【0028】
図3A及び図3Bは、開示された概念の例示的な実施形態によるアナログトリップ回路208の回路図である。アナログトリップ回路208は、正常センサ入力210及びOCD入力212を含む。正常センサ入力210は、回路遮断器10を通って流れる電流に比例する電流センサ206の正常センサ出力を受信するように構成されている。OCD入力212は、電流センサ206のOCD出力を受信するように構成されている。アナログトリップ回路208はまた、ゲートドライバ回路204に電気的に接続されたトリップ信号出力214を含む。正常センサ出力が閾値レベルに到達したこと又はOCD出力がオン状態に変化したことに応答して、アナログトリップ回路208は、出力214においてトリップ信号を出力するように構成されている。アナログトリップ回路208は、正常センサ出力を閾値レベルと比較するように構成されているが、OCD出力は閾値レベルと比較する必要がない。OCD出力でのこのチェックを回避することによって、アナログトリップ回路208は、正常センサ出力に基づくトリップ信号よりも高速で、OCD出力に基づいてトリップ信号を出力することができる。図3A及び図3Bは、アナログトリップ回路208で使用される論理回路の例を示す。しかしながら、図3A及び図3Bに示される例は、単にアナログトリップ回路208の例示的な実装形態であることが理解されよう。回路構成要素は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、再配列される、追加される、取り外される、又は異なって実装され得ることが理解されよう。
【0029】
図4A及び図4Bは、開示された概念の例示的な実施形態によるゲートドライバ回路204の回路図である。ゲートドライバ回路204は、イネーブル入力216及びDESAT入力222を含む。ゲートドライバ回路204はまた、ドライバ出力224及び障害出力218を含む。ゲートドライバ回路204は、ドライバ220及びコンデンサ226を更に含む。イネーブル入力216は、アナログトリップ回路208及び電子トリップユニット304に電気的に接続されている。ドライバ出力224及びDESAT入力222は、固体スイッチモジュール202に電気的に接続されている。障害出力218は、電子トリップユニット218に電気的に接続されている。固体スイッチモジュール202は、ドライバ出力224に基づいて、開状態と閉状態との間で変化するように構成されている。ドライバ220は、イネーブル入力216又はDESAT入力222で受信されたトリップ信号に基づいて、ドライバ出力224の状態を制御するように構成されている。ドライバ220は、入力222のDESATに基づいてDESAT機能を実行するように構成されている。DESAT入力222に基づいてドライバ出力224を変更することに関連付けられたタイミングは、コンデンサ226の静電容量に部分的に基づく。ドライバ220はまた、障害出力218の状態を制御するように構成されており、それにより、ゲートドライバ回路204が開状態又は閉状態に変化するように固体スイッチモジュール202を制御したときに、電子トリップユニット304に通知することができる。図4A及び図4Bに示される例は、ゲートドライバ回路204の例示的な実装形態に過ぎないことが理解されよう。回路構成要素は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、再配列される、追加される、取り外される、又は異なって実装され得ることが理解されよう。
【0030】
図5A及び図5Bは、開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器10の部分組立図である。図5A及び図5Bは、閉ボタン506及び開ボタン508、位置センサ502、504、操作機構300の一部、並びに分離可能接点302の一部の例を示す。図5A及び図5Bに示される実施例では、分離可能接点302を組み合わせて移動させる可動回転アームと共に、3極操作機構300が示されている。位置センサ502、504は、それぞれ、閉ボタン506及び開ボタン508に関連付けられ、その結果、オンボタン506及びオフボタン508の作動は、位置センサ502、504を作動させる。例えば、突出部が、オンボタン506及びオフボタン508に取り付けられ、閉ボタン506及び開ボタン508の作動と併せて移動する。一例として、オンボタン508に関連付けられた突出部は、閉ボタン508が作動されるとき、位置センサ504に対して移動し得る。図5A及び5Bは、分離可能接点302の一部を示す。特に、図5A及び図5Bは、分離可能接点302の可動接点を示す。静止接点が可動接点に関連付けられていることが理解されよう。可動接点を静止接点から離れるように移動させることで、分離可能接点302が開放される。
【0031】
図6A及び図6Bは、開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器10の部分組立図である。図6Aは、閉位置にある操作機構300及び分離可能接点302の一部を示す。図6Bは、開位置にある操作機構及び分離可能接点302の一部を示す。図6A及び図6Bはまた、分離可能接点302が閉位置又は開位置にあるかどうかを感知するように構成された位置センサ500を示す。位置センサ500は操作機構300の可動アームの一部に関連付けることができ、それにより、可動アームは、分離可能接点302が閉位置にあるときに位置センサに当接し、分離可能接点302が開位置にあるときに位置センサ500から離れるように移動する。
【0032】
図7は、本開示の概念の例示的な実施形態による回路遮断器10の部分的に分解可能な正面図である。図7は、開示された概念の例示的な実施形態による、閉ボタン506及び開ボタン508、並びに分離可能接点302の位置を示す状態インジケータ510を示す。
【0033】
図8は、開示された概念の例示的な実施形態による回路遮断器10の部分内部側面図である。回路遮断器を通る電流経路600は、矢印で示されている。図8に示すように、電源2から回路遮断器10を通って流れる電流は、最初に分離可能接点302を通って流れる。次いで、電流は引き続き、固体スイッチアセンブリ200、及び固体スイッチアセンブリ200の出力に近接して配置される電流センサ206を通り、次いで、負荷4に提供される。
【0034】
図9A図9Cは、開示された概念の例示的な実施形態による固体スイッチアセンブリ200の図である。固体スイッチアセンブリ200は、固体スイッチモジュール202及び電流センサ206を含む。固体スイッチアセンブリ200はまた、入力端子250及び入力導体252を含む。入力端子250は、分離可能接点302を介して電源2から電力を受け取り、入力導体252を介して固体スイッチモジュール202に電力を提供するように構成されている。固体スイッチアセンブリ200はまた、出力端子256及び出力導体254を含む。固体スイッチモジュール202が閉状態にあるとき、電力は、固体スイッチモジュール202を通って負荷導体254に、続いて出力端子256に流れる。出力端子256は、負荷4に電気的に接続されるように構成されている。固体スイッチアセンブリ200はまた、モジュールカバー258を含む。
【0035】
図9Cでは、モジュールカバー258は省略されている。固体スイッチアセンブリ200はまた、モジュールカバー258によって覆われた、図9Cに示されるMOV262を含む。
【0036】
固体スイッチアセンブリ200は、ヒートシンク260を更に含む。ヒートシンク260は、固体スイッチモジュール200に取り付けられ、図10A図10Dに関して更に説明される。
【0037】
図10A及び図10Bは、開示された概念の例示的な実施形態によるヒートシンク260の図であり、図10C及び図10Dは、開示された概念の例示的な実施形態による、ヒートシンク260に取り付けられた固体スイッチモジュール202の図である。ヒートシンク260は、第1の平面部材264と、第1の平面部材268の一方の側から延在する第2の平面部材268と、を含む。ヒートシンク260はまた、第1の平面部材264の反対側から延在する複数の突起270を含む。
【0038】
固体スイッチ部材202は、図10C及び図10Dに示されるように、第2の平面部材268に取り付けるように構成されている。例示的な実施形態では、締結具272を使用して、固体スイッチ部材202を第2の平面部材268に取り付けることができる。ヒートシンク260は、金属材料から構成され得、固体スイッチモジュール202によって生成された熱を放散するように動作可能である。
【0039】
図11A及び図11Bは、開示された概念の例示的な実施形態による固体スイッチアセンブリ200を収容するためのフレーム280の図である。フレーム280は区画282を含み、各区画が1つの固体スイッチアセンブリ200を収容する。図11A及び11Bに示される例示的な実施形態では、フレーム280は、3つの区画282を含み、3つの固体スイッチアセンブリ200を収容する。各固体スイッチアセンブリ200は、回路遮断器10の極に対応し得る。したがって、フレーム280は、3極回路遮断器での使用に好適である。しかしながら、フレーム280は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、異なる数の区画282を有するように修正され得ることが理解されよう。
【0040】
固体スイッチアセンブリ200は、モジュール式設計を有する。固体スイッチアセンブリ200の構成要素は、固体スイッチアセンブリ200の用途に応じて、他の同様の成形構成要素に置き換えることができる。例えば、固体スイッチモジュール202は、異なる電圧及び電流要件を有する用途のために、別の固体スイッチモジュール202と置き換えることができる。固体スイッチアセンブリ200の残りの構成要素は、変更されないままでよく、したがって、固体スイッチアセンブリ200全体を再設計する必要なしに、固体スイッチアセンブリ200をより広範囲に適用することを可能にする。同様に、電流センサ206は、異なる電流要件を有する用途において別の電流センサ206と置き換えられてもよい。同様に、固体スイッチアセンブリ200の他の構成要素も置き換えられ得る。
【0041】
図12は、本開示の概念の例示的な実施形態による回路遮断器を動作させる方法のフローチャートである。この方法は、例えば、本明細書に記載される回路遮断器10で実行することができる。回路遮断器10などの固体回路遮断器は、機械回路遮断器と比較して、健全性及び残存寿命に関する新しい懸念をもたらす。例えば、固体スイッチの健全性を監視することは、機械的スイッチの健全性を監視することとは異なる。しかしながら、どちらの場合も、いつスイッチが寿命の終わりに到達し、障害のリスクがあるかを監視することが重要である。
【0042】
図12の方法は、700で、固体スイッチアセンブリ200の特性を監視することから開始される。いくつかの例示的な実施形態では、固体スイッチモジュール202が監視される。いくつかの例示的な実施形態では、MOV262が監視される。両方を監視することができると理解されよう。監視される特性は、固体スイッチの接合温度、順電圧降下(IGBT固体スイッチの場合)、ボディダイオード順電圧降下(MOSFET固体スイッチの場合)、ゲート閾値電圧(MOSFET固体スイッチの場合)、又はゲート漏れ電流(MOSFET固体スイッチの場合)であってもよい。監視される特性はまた、MOV262の両端間の電圧であってもよい。
【0043】
702で、監視された特性が閾値レベルを超えるかどうかが判定される。閾値レベルは、監視された特性及び監視されているデバイスに基づいて選択することができる。MOV262の両端間電圧の場合、閾値は、時間変化範囲であってもよい。例えば、MOV262の両端間の電圧は、固体スイッチが開放された後、一定期間監視することができる。閾値範囲は、期間にわたって変化し、MOV262の両端間電圧が特定の時点で閾値範囲外にあるかどうかを判定する。特性が閾値レベルを超えない場合、方法は700に戻る。しかしながら、特性が閾値レベルを超える場合、本方法は704に進む。
【0044】
704で、指示が提供される。指示は、回路遮断器10上のディスプレイ、又は例えば、LEDインジケータ、有線若しくは無線通信などの任意の他の適切な種類の表示を介して行われてもよい。指示は、ユーザ又は技術者に、構成要素を整備する又は交換する必要があることを通知する。監視された特性が閾値レベルを超えると判定したことに応答して、構成要素を整備若しくは交換する、又は回路遮断器10を制御して開放に切り替える追加の方法工程を採用することができると理解されよう。
【0045】
接合温度は、固体スイッチの健全性の指標である。一例として、いくつかの固体スイッチは、150℃の閾値接合温度未満に保たれるべきである。接合温度がこの閾値に到達すると、固体スイッチは損傷し、故障する可能性がある。したがって、固体スイッチの接合温度は、監視するのに有用な特性である。
【0046】
順電圧降下又はボディダイオード順電圧降下はまた、固体スイッチの健全性の指標である。定格電流で動作するときに順電圧降下又はボディダイオード順電圧降下が閾値に到達すると、固体スイッチは損傷し、故障する可能性がある。順電圧降下又はボディダイオード順電圧降下は、高電流、不良な熱伝導、又は不適切な熱管理などのいくつかの要因によって引き起こされる可能性がある。したがって、順電圧降下及びボディダイオード順電圧降下は、監視するのに有用な特性である。
【0047】
ゲート閾値電圧又はゲート漏れ電流もまた、監視するのに有用な固体スイッチの特性である。閾値レベルを超えるゲート閾値電圧又はゲート漏れ電流は、固体スイッチを損傷する、又は固体スイッチの故障を引き起こす可能性がある。ゲート漏れ電流は、固体スイッチの劣化により敏感であり、固体スイッチが閉鎖されて電流を流している間に監視することが可能であり、これにより、ゲート閾値電圧よりも監視がより実用的である。しかしながら、ゲート閾値電圧及びゲート漏れ電流の両方は、固体スイッチの健全性を決定するために監視するのに有用な特性である。
【0048】
MOV262が劣化し始めると、MOV262の両端間の電圧が増減する。MOV262は、固体スイッチが開放された後の一定期間、電圧をクランプし、したがって、この期間は、MOV262の両端間電圧を監視するのに関連する期間である。例示的な閾値範囲は、MOV262の正常クランプ電圧の±10%であってもよい。例えば、正常クランプ電圧から10%を超えてドリフトするMOV262の両端間電圧は、MOV262が劣化しているという指標であり、整備又は交換されるべきである。したがって、MOV262の両端間電圧は、監視するのに有用なもう1つの特性である。
【0049】
監視する特性のいくつかの実施例を説明してきたが、開示された概念の範囲から逸脱することなく他の特性が監視され得ることが理解されよう。指示を提供することに加えて、又は指示を提供することの代わりに、特性が閾値を超えたことに応答して、追加の行動が実行され得ることも理解されよう。
【0050】
本開示の概念の特定の実施形態について詳細に説明してきたが、当業者であれば、それらの詳細に対する様々な修正及び代替が、本開示の全体的な教示に照らして開発され得ることを理解するであろう。したがって、開示された特定の配置は、単に例示的なものであり、添付の特許請求の範囲の全容及びそれらの任意の及び全ての等価物を与えられる本開示の概念の範囲に関して限定されるものではないことを意味する。

図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
【国際調査報告】