(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含む脱毛防止又は発毛促進用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20230315BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230315BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20230315BHJP
A61K 8/98 20060101ALI20230315BHJP
A61K 36/81 20060101ALI20230315BHJP
A61K 36/42 20060101ALI20230315BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20230315BHJP
A61K 35/618 20150101ALI20230315BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20230315BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20230315BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q5/02
A61Q7/00
A61K8/98
A61K36/81
A61K36/42
A61P17/14
A61K35/618
A23L33/10
A23L33/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544771
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 KR2020008183
(87)【国際公開番号】W WO2021149880
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0008815
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522292677
【氏名又は名称】オガダル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,ハソプ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドンワン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンオク
【テーマコード(参考)】
4B018
4C083
4C087
4C088
【Fターム(参考)】
4B018MD48
4B018MD49
4B018MD50
4B018MD53
4B018MD63
4B018MD69
4B018MD75
4B018ME14
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4C083AA071
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4C087ZC75
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4C088NA05
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4C088ZC75
(57)【要約】
本発明は、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含む脱毛防止又は発毛促進用組成物に関する。本発明に係る組成物は、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含むことによって、新しい毛穴の誘導及び毛髪成長の維持に必須的な役割をするものとして知られている真皮乳頭細胞において肝細胞成長因子であるHGF、角質形成細胞因子であるKGF及びインシュリン様成長因子であるIGF-Iの発現を増加させ、6週齢のC57BL/6マウスの毛を除去した後、毛髪成長効果の確認試験でミノキシジルと同等な毛髪生長効果を示し、人を対象にした臨床試験でも脱毛症の改善効果が確認されたので、脱毛防止又は発毛促進用化粧料組成物及び皮膚外用薬学組成物として有用に利用可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含む脱毛防止又は発毛促進用組成物。
【請求項2】
前記組成物は、側柏葉及び苦参の混合抽出物をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の脱毛防止又は発毛促進用組成物。
【請求項3】
前記組成物は、乾地黄、乾薑、当帰、旱蓮草、白首烏、粟及び玄米から選ばれるいずれか一つ以上の抽出物をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の脱毛防止又は発毛促進用組成物。
【請求項4】
前記組成物は、魚腥草及び甘草から選ばれるいずれか一つ以上の抽出物をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の脱毛防止又は発毛促進用組成物。
【請求項5】
前記組成物は化粧料組成物であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は皮膚外用薬学組成物であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は健康機能食品用組成物であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含む脱毛防止又は発毛促進用組成物、特に、化粧料組成物及び皮膚外用薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は、皮膚付属器官の一つであり、生態学的には上皮に由来し、生後2ヶ月目から形成される。毛髪の種類は、その太さによって分類され、細い毛髪の軟毛(Vellus hair)と、太いかつ硬い硬毛(terminal hair)とに分類される。毛髪の成長は周期的であり、一時的に脱毛されず、各毛嚢(毛包)は、活動と停止の間欠的な段階を経る。成長期(growing phase)、すなわち、生長期(anagen)の間に、母球の細胞は活発に分化し、成長毛髪を形成する。人間の頭髪の85%は成長期(3~6年)の頭髪で、5%は退行期(頭髪の退化が開始する2~3週間)の頭髪で、残りの10%は、休止期(頭髪の成長が停止する3~4ヶ月間)の頭髪であり、1日平均約50本~100本の頭髪が抜ける(非特許文献1)。脱毛の原因としては、遺伝、栄養障害、内分泌障害、組織障害、毛嚢虫、頭部の圧迫、フケ、自己免疫、局所感染などが挙げられる(非特許文献2)。脱毛は、毛髪の形成に密接にかかわる毛嚢でのホルモン、タンパク質などの代謝作用の異常、現代社会における女性達の社会活動の増加によるストレス増加、及び西欧化された食習慣から来る栄養の不均衡などのように、脱毛に直接的・間接的に影響を及ぼし得る多くの社会文化的な要因の変化に起因するものと考えられている(非特許文献3)。
【0003】
一般的に頻繁に見られる脱毛症は、大きく二つの種類に分類され得る。第一の脱毛症は、男性型脱毛症(male pattern baldness)、壮年性脱毛症(alopecia seniles)又は男性ホルモン性脱毛症(androgenic alopecia)と呼ばれるものであり、中年男性で頻繁に見ることができ、前頭部と頭頂部から開始される脱毛症である。第二の脱毛症は、円形脱毛症(alopecia areata)と呼ばれるものであり、主に後頭部から開始され、円形及び楕円形の比較的境界が明確な脱毛を示し、青少年期に発生し得る脱毛症である。脱毛症は、男性のみならず、女性にも発生し得る疾病であり、特に、女性の場合は、頭頂部から開始されることが多く、円形脱毛症も存在するが、男性に比べて発生頻度が低い(非特許文献4)。
【0004】
現在、脱毛の予防及び治療は、医学的アプローチと漢方医学的アプローチに分けることができる。医学的アプローチとしては、薬物療法、手術的方法、栄養療法、食餌療法などがある。現在、毛髪の成長を促進する薬物としては、米国のFDA(Food and Drug Administration)で公認されたミノキシジル(MXD)及びフィナステリド(Finasteride)があるが、治療を中断すると元に戻ってしまい、長い間使用すると、皮膚炎などの副作用が発生すると報告されている(非特許文献5)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】イ・ジンサン(1998).白髪及び脱毛症,東医宝監,健康生活研究会編,図書出版インファ
【非特許文献2】キム・ミンジョン(2005).毛髪及び頭皮,イェリム,110-111
【非特許文献3】J.Kor.Soc.Cosm.Vol.13,No.3(2007)p.1366-1375
【非特許文献4】M.Inaba等,Androgenetic Alopecia,Springer-Berlag,Tokyo,Japan,1996
【非特許文献5】Kaufman K.D.(1996)Elsevier Science,363-365
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、真皮乳頭細胞において肝細胞成長因子であるHGF、角質形成細胞因子であるKGF及びインシュリン様成長因子であるIGF-Iの発現を増加させ、6週齢のC57BL/6マウスの毛を除去した後、毛髪成長効果の確認試験でミノキシジルと同等な毛髪生長効果を示し、人を対象にした臨床試験でも脱毛症の改善効果を示す、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含む脱毛防止又は発毛促進用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含む脱毛防止又は発毛促進用組成物を提供する。
【0008】
前記組成物は、側柏葉及び苦参の混合抽出物をさらに含んでよい。
【0009】
前記組成物は、乾地黄、乾薑、当帰、旱蓮草、白首烏、粟及び玄米から選ばれるいずれか一つ以上の抽出物をさらに含んでよい。
【0010】
前記組成物は、魚腥草及び甘草から選ばれるいずれか一つ以上の抽出物をさらに含むんでよい。
【0011】
前記組成物は化粧料組成物であってよい。
【0012】
前記化粧料組成物は、ヘアトニック、ヘアコンディショナー、ヘアエッセンス、ヘアローション、ヘア栄養ローション、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘア栄養クリーム、ヘアモイスチャークリーム、ヘアマッサージクリーム、ヘアワックス、ヘアエアゾール、ヘアパック、ヘア栄養パック、ヘア石けん、エアクレンジングフォーム、ヘアオイル、毛髪乾燥剤、毛髪保存処理剤、毛髪染色剤、毛髪用ウェーブ剤、毛髪脱色剤、ヘアジェル、ヘアグレーズ、ヘアドレッシング、ヘアラッカー、ヘアモイスチャライザー、ヘアムース及びヘアスプレーから選ばれるいずれか一つの剤形であってよい。
【0013】
前記組成物は皮膚外用薬学組成物であってよい。
【0014】
前記皮膚外用薬学組成物は、クリーム、ジェル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、ペースト剤及びカタプラズマ剤から選ばれるいずれか一つの皮膚外用薬学組成物であってよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のキュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含む脱毛防止用又は発毛促進用組成物は、天然物としてヒト線維芽細胞及び真皮乳頭細胞に細胞毒性を示しておらず、新しい毛穴の誘導及び毛髪成長の維持に必須的な役割をするものとして知られている真皮乳頭細胞において肝細胞成長因子であるHGF、角質形成細胞因子であるKGF及びインシュリン様成長因子であるIGF-Iの発現を増加させ、6週齢のC57BL/6マウスの毛を除去した後、毛髪成長効果の確認試験でミノキシジルと同等な毛髪生長効果を示し、人を対象にした臨床試験でも脱毛症の改善効果が確認された。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実験例4において時間の経過による発毛効果を確認するための試験期間中の各試験群のラット達の背中部分写真である。
【
図2】実験例5において試験評価に参加した参加者の試験評価前後の頭頂部分の毛髪変化を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を有効成分として含む脱毛防止用又は発毛促進用組成物に関し、特に、化粧料組成物、皮膚外用薬学組成物又は健康機能食品組成物に関する。
【0018】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0019】
キュウリは、ウリ科の一年生のつる性植物であり、多くの品種が開発され、全世界的に野菜として栽培されており、インドが原産地である。また、キュウリは、果実を食用とし、95%以上の水分を含有し、各種ビタミン及び無機質を少量含有し、アスコルビナーゼを多量含有している。
【0020】
前記組成物において、キュウリは、その上端及び下端の苦い味がする部分を約1cm~3cm程度除去することが好ましい。また、脱毛防止及び発毛促進活性を増大させるためにキュウリの種子部分を除去することが、さらに好ましい。
【0021】
ナスは、温帯では一年草、熱帯では多年草の植物であり、インドが原産地であり、熱帯から温帯にわたって栽培される。ナスは、果実を蒸して食べたり、焼いて食べたり、煮て食べたりされる。ナスは、韓国では新羅時代から栽培されたことが明らかになり、ヨーロッパには13世紀に伝達されたが、東アジアのように食用として活発に栽培されることはなかった。
【0022】
前記組成物において、ナスは、脱毛防止及び発毛促進活性を増大させるために、ヘタを除去することが、好ましい。
【0023】
カタツムリは、カタツムリ科に属する軟体動物を総称する。韓国には、ヘソマイマイ、ヒダリマキガイ、チョウセンマイマイ、オトメマイマイなどの約35種が知られている。カタツムリは、寒・冷の性を有し、鹹味(塩辛い)の味を有し、少量の毒を有し、脱肛を治し、消渇を止めると東医宝鑑に記載されている。
【0024】
前記組成物において、カタツムリは、内臓部分を除去することが好ましい。このために、水蒸気で5~30分間蒸熟した後で内臓部分を除去することが、脱毛防止及び発毛促進活性を増大させるためにさらに好ましい。
【0025】
前記組成物又は以下の本発明の明細書における混合抽出物は、それぞれの材料を混合した後、抽出溶媒を入れて抽出した抽出物の他、それぞれの材料に対してそれぞれ抽出物を製造した後で混合した抽出物を全て含む。
【0026】
前記組成物は、キュウリ又はキュウリ抽出物の固形分4~16重量部、好ましくは8~16重量部、ナス又はナス抽出物の固形分2~8重量部、好ましくは4~8重量部、及びカタツムリ又はカタツムリ抽出物の固形分1~4重量部の混合抽出物である。前記組成物は、前記材料のうち一つ以上が欠如したり、前記数値範囲を逸脱したりする場合、毛髪と関連したインシュリン様成長因子であるIGF-I(Insulin-like Growth Factor)、肝細胞成長因子であるHGF(Hepatocyte Growth Factor)及び角質形成細胞因子であるKGF(Keratinocyte Growth Factor)の遺伝子発現が少なくとも一つ以上減少し、脱毛防止及び発毛促進活性が減少する。
【0027】
前記組成物又は以下の本発明の明細書における抽出物は、水、有機溶媒又はこれらの組み合わせで抽出され得る。前記有機溶媒としては、C1-C4アルコール、アセトン、クロロホルム、メチレンクロライド、エーテル、エチルアセテート、核酸又はこれらの組み合わせなどが利用可能であるが、これに限定されない。前記C1-C4アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールを例示することができ、エタノールが最も好ましい。抽出溶媒は、原料の2~20倍重量の抽出溶媒、好ましくは4~10倍重量の抽出溶媒を使用して抽出することができる。
【0028】
前記抽出物は、天然物の抽出分野で当業者に公知となった任意の抽出法によって製造され得るが、20~100℃、好ましくは約50~90℃の抽出温度で1~30時間にわたって熱水抽出、冷浸抽出、還流冷却抽出又は超音波抽出などの抽出方法を使用し、好ましくは熱水抽出で1~5回連続的に抽出することによって製造され得る。このようにして得られた溶媒抽出物を減圧・ろ過し、そのろ過抽出物から減圧濃縮機を用いて溶媒を除去した後、凍結乾燥させることによって抽出物を得ることができる。
【0029】
前記組成物は、側柏葉及び苦参の混合抽出物をさらに含むことができる。
【0030】
側柏葉(Thuja orientalis L.)は、ヒノキ科のヒノキの幼い枝と葉である。側柏葉は、血熱を下げ、鼻血、吐血、便血、小便出血、子宮出血のために使用され、咳、喘息、痰、脱毛、脂漏性皮膚炎、外傷性出血などのために使用される。薬理作用として、出血時間の短縮及び鎮咳去痰作用があり、血圧降下、抗菌作用、咳及び喘息に効果を有することが報告された。また、側柏葉は、鱗片状の小葉が重なって連結され、互いに向い合っており、中葉は菱形である。
【0031】
苦参(Sophora flavescens)は、豆科の多年生草本であり、その根を苦参と称する。その成分として、マトリン、オキシマトリン、ソフォラノール、アナギリン、メチルシステイン、バプチフォリンなどのアルカロイド成分、及びキサントフモール、イソキサントフモールなどのフラボノイド成分が知られており、利尿作用、抗不整脈作用、抗菌作用などの効果を有するものとして知られている。
【0032】
前記組成物において、側柏葉又は側柏葉抽出物の固形分2~8重量部、及び苦参又は苦参抽出物の固形分2~8重量部を含むことが、脱毛防止及び発毛促進活性に有利である。
【0033】
前記組成物は、乾地黄、乾薑、当帰、旱蓮草、白首烏、粟及び玄米から選ばれるいずれか一つ以上の抽出物をさらに含むことができる。
【0034】
前記組成物において、乾地黄又は乾地黄抽出物の固形分1~4重量部、乾薑又は乾薑抽出物の固形分1~4重量部、当帰又は当帰抽出物の固形分1~4重量部、旱蓮草又は旱蓮草抽出物1~4重量部、白首烏又は白首烏抽出物1~4重量部、粟又は粟抽出物1~4重量部、又は玄米又は玄米抽出物1~4重量部をさらに含むことが、脱毛防止及び発毛促進活性は維持しながらヒト線維芽細胞及び真皮乳頭細胞に対する細胞毒性を低下させるのに有利である。
【0035】
また、前記組成物は、魚腥草及び甘草から選ばれるいずれか一つ以上の抽出物をさらに含むことができる。
【0036】
前記組成物において、魚腥草又は魚腥草抽出物の固形分1~4重量部、又は甘草又は甘草抽出物の固形分1~4重量部をさらに含むことが、脱毛防止及び発毛促進活性は維持しながら頭皮炎症改善、頭皮のかゆみ改善及びフケ改善に有利である。
【0037】
前記組成物において、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物、又はキュウリ、ナス、カタツムリ、側柏葉及び苦参の混合抽出物、又はこれらに追加天然物の抽出物を含む抽出物は、既に生薬剤として多く使用されている天然物であり、組成物中の含量は特に制限されないが、好ましくは、前記組成物の総重量に対して0.001~90重量%で含有可能であり、さらに好ましくは0.001~10重量%で含有されることが適当である。
【0038】
本発明の組成物は、脱毛防止及び発毛促進効果のための化粧料組成物又は皮膚外用薬学組成物として利用可能である。
【0039】
本発明の組成物が化粧料組成物として用いられる場合は、有効成分としてのキュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物以外に、化粧品組成物に通常用いられる各成分を含む。例えば、本発明の組成物は、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、スフィンゴ脂質及び海草エキスなどを含むことができる。
【0040】
水溶性ビタミンとしては、化粧品に配合可能なものであればいずれも使用できるが、好ましくは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ビタミンB12、パントテン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、葉酸、ビタミンC、ビタミンHなどを挙げることができ、それらの塩(チアミン塩酸塩、アスコルビン酸ナトリウム塩など)や誘導体(アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム塩など)も、本発明で使用できる水溶性ビタミンに含まれる。水溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素法又は化学合成法などの通常の方法によって収得することができる。
【0041】
脂溶性ビタミンとしては、化粧品に配合可能なものであればいずれも使用できるが、好ましくは、ビタミンA、カロチン、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンE(d1-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール)などを挙げることができ、それらの誘導体(パルミチン酸アスコルビン、ステアリン酸アスコルビン、ジパルミチン酸アスコルビン、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロールビタミンE、DL-パントテニルアルコール、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテルなど)なども、本発明で使用される脂溶性ビタミンに含まれる。脂溶性ビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素又は化学合成法などの通常の方法によって取得することができる。
【0042】
高分子ペプチドとしては、化粧品に配合可能なものであればいずれも使用できるが、好ましくは、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、加水分解エラスチン、ケラチンなどを挙げることができる。高分子ペプチドは、微生物の培養液からの精製法、酵素法又は化学合成法などの通常の方法によって精製・取得することができ、通常は、豚や牛などの真皮、蚕の絹繊維などの天然物から精製して使用することができる。
【0043】
高分子多糖としては、化粧品に配合可能なものであればいずれも使用できるが、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸又はその塩(ナトリウム塩など)などを挙げることができる。例えば、コンドロイチン硫酸又はその塩などは、通常、哺乳動物や魚類から精製して使用することができる。
【0044】
スフィンゴ脂質としては、化粧品に配合可能なものであればいずれも使用できるが、好ましくは、セラミド、フィトスフィンゴシン、スフィンゴ糖脂質などを挙げることができる。スフィンゴ脂質は、通常、哺乳類、魚類、貝類、酵母又は植物などから通常の方法によって精製したり、化学合成法によって精製したりすることで取得することができる。
【0045】
海草エキスとしては、化粧品に配合可能なものであればいずれも使用できるが、好ましくは、褐藻エキス、紅藻エキス、緑藻エキスなどを挙げることができ、また、これらの海草エキスから精製されたカラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムなども、本発明で使用される海草エキスに含まれる。海草エキスは、海草から通常の方法によって精製して取得することができる。
【0046】
前記化粧料組成物は、前記成分と共に、必要によって通常的に化粧料に配合される他の成分を配合することができる。
【0047】
その他に添加してもよい配合成分としては、油脂成分、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、有機及び無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などを挙げることができる。
【0048】
油脂成分としては、エステル系油脂、炭化水素系油脂、シリコーン系油脂、フッ素系油脂、動物油脂、植物油脂などを挙げることができる。
【0049】
エステル系油脂としては、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアルキル、トリ(カプリル、カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル、カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアルキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリルなどのエステル系などを挙げることができる。
【0050】
炭化水素系油脂としては、スクアレン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブデン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素系油脂などを挙げることができる。
【0051】
シリコーン系油脂としては、ポリメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコーン油、アミノ変性シリコーン油などを挙げることができる。
【0052】
フッ素系油脂としては、パーフルオロポリエーテルなどを挙げることができる。
【0053】
動物又は植物油脂としては、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ごま油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、杏仁油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ひまわり油、ブドウ種子油、綿実油、ヤシ油、ククイナッツ油、小麦胚芽油、米胚芽油、シアバター、月見草油、マカダミアナッツ油、メドウフォーム油、卵黄油、牛脂、麻油、ミンク油、オレンジラフィー油、ホホバ油、キャンデリラワックス、カルナバワックス、液状ラノリン、硬化ヒマシ油などの動物又は植物油脂を挙げることができる。
【0054】
保湿剤としては、水溶性低分子保湿剤、脂溶性低分子保湿剤、水溶性高分子、脂溶性高分子などを挙げることができる。
【0055】
水溶性低分子保湿剤としては、セリン、グルタミン、ソルビトール、マンニトール、ピロリドン-カルボン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールB(重合度n=2以上)、ポリプロピレングリコール(重合度n=2以上)、ポリグリセリンB(重合度n=2以上)、乳酸、乳酸塩などを挙げることができる。
【0056】
脂溶性低分子保湿剤としては、コレステロール、コレステロールエステルなどを挙げることができる。
【0057】
水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トラガカント、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性キチン、キトサン、デキストリンなどを挙げることができる。
【0058】
脂溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン・エイコセン共重合体、ポリビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体、ニトロセルロース、デキストリン脂肪酸エステル、高分子シリコーンなどを挙げることができる。
【0059】
エモリエント剤としては、長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸、ラノリン脂肪酸コレステリルエステルなどを挙げることができる。
【0060】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陽性界面活性剤などを挙げることができる。
【0061】
非イオン性界面活性剤としては、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POE(ポリオキシエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質などを挙げることができる。
【0062】
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石けん、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどを挙げることができる。
【0063】
陽イオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第4級アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0064】
陽性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型などの陽性界面活性剤などを挙げることができる。
【0065】
有機及び無機顔料としては、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレイ、ベントナイト、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及びこれらの複合体などの無機顔料;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジなどの有機顔料、及びこれらの無機顔料と有機顔料の複合顔料などを挙げることができる。
【0066】
有機粉体としては、ステアリン酸カルシウムなどの金属石けん;セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリルリン酸亜鉛、ラウリルリン酸カルシウムなどのアルキルリン酸金属塩;N-ラウロイル-β-アラニンカルシウム、N-ラウロイル-β-アラニン亜鉛、N-ラウロイルグリシンカルシウムなどのアシルアミノ酸多価金属塩;N-ラウロイル-タウリンカルシウム、N-パルミトイル-タウリンカルシウムなどのアミドスルホン酸多価金属塩;N-ε-ラウロイル-L-リジン、N-エプシロン-パルミトイルリジン、N-α-パリトイルオルニチン、N-α-ラウロイルアルギニン、N-α-硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニンなどのN-アシル塩基性アミノ酸;N-ラウロイルグリシルグリシンなどのN-アシルポリペプチド;α-アミノカプリル酸、α-アミノラウリン酸などのα-アミノ脂肪酸;ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、四フッ化エチレンなどを挙げることができる。
【0067】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸-2-エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサングリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。
【0068】
殺菌剤としては、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、感光素301号、モノニトログアヤコールナトリウム、ウンデシレン酸などを挙げることができる。
【0069】
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エリソルビン酸などを挙げることができる。
【0070】
pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムなどを挙げることができる。
【0071】
アルコールとしては、セチルアルコールなどの高級アルコールを挙げることができる。
【0072】
また、その他に添加してもよい配合成分はこれに限定されない。また、前記いずれの成分も、本発明の目的及び効果を損傷させない範囲内で配合可能であるが、組成物の総重量に対して、好ましくは0.001~50重量%、より好ましくは0.001~3重量%で配合され得る。
【0073】
本発明の化粧料組成物は、溶液、乳化物、粘性型混合物などの態様とすることができる。
【0074】
本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、有効成分として、前記化合物以外に化粧料組成物に通常用いられる各成分を含むことができ、例えば、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料及び香料などの通常の補助剤及び担体を含む。
【0075】
本発明の化粧料組成物は、当業界で通常的に製造されるいずれの剤形にも製造可能であり、例えば、ペースト、クリーム、ゲル、パウダー、スプレー溶液、乳濁液、懸濁液、ローション、石けん、トリートメント、界面活性剤-含有クレンジング、オイル、粉末ファウンデーション、乳濁液ファウンデーション、ワックスファウンデーションなどに剤形化され得るが、これに限定されるのではない。
【0076】
より詳細には、スキンローション、スキンソフナー、スキントナー、アストリンゼント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、ファウンデーション、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石けん、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディーローション又はボディークレンザーの剤形にも製造され得る。
【0077】
本発明の剤形がペースト、クリーム又はゲルである場合は、担体成分として、動物繊維、植物繊維、ワックス、パラフィン、澱粉、トラカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク又は酸化亜鉛などが利用可能である。
【0078】
本発明の剤形がパウダー又はスプレーである場合は、担体成分として、ラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケート又はポリアミドパウダーが利用可能であり、特に、スプレーの場合は、クロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタン又はジメチルエーテルなどの推進剤をさらに含むことができる。
【0079】
本発明の剤形が溶液又は乳濁液である場合は、担体成分として、溶媒、溶媒化剤又は乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール又はソルビタンの脂肪酸エステルがある。
【0080】
本発明の剤形が懸濁液である場合は、担体成分として、水、エタノール又はプロピレングリコールなどの液状希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガー又はトラカントなどが利用可能である。
【0081】
本発明の剤形が界面-活性剤含有クレンジングである場合は、担体成分として、脂肪族アルコールスルフェート、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルスルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、リノリン誘導体又はエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが利用可能である。
【0082】
また、本発明の組成物が皮膚外用薬学組成物に用いられる場合、有効成分としてのキュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物は、組成物の総重量に対して前記化合物を0.1~50重量%で含む。
【0083】
本発明の皮膚外用薬学組成物は、薬学組成物の製造に通常使用する適切な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含むことができる。
【0084】
本発明の薬学組成物は、それぞれ通常の方法によって散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアゾールなどの経口型剤形、外用剤、坐剤及び滅菌注射溶液の形態に剤形化して使用され得る。前記薬学組成物に含まれ得る担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムフォスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート及び鉱物油を挙げることができる。製剤化する場合は、普通使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を使用して調剤される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)又はラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調剤される。また、単純な賦形剤以外に、マグネシウムステアレート、タルクなどの潤滑剤も使用される。経口のための液状製剤としては、懸濁剤、耐溶液剤、乳剤、シロップ剤などがあるが、頻繁に使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤及び懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物性油、エチルオレートなどの注射可能なエステルなどが使用され得る。坐剤の基剤としては、ウイテプゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが使用可能であり、好ましくは、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、ペースト剤又はカタプラズマ剤の皮膚外用剤形態の薬学組成物を提供する。
【0085】
本発明の薬学組成物は、経口又は非経口投与することができ、好ましくは、非経口投与、より好ましくは、塗布による局所投与(topical application)方式で適用される。
【0086】
本発明の薬学組成物の好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物の形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者によって適宜選択され得る。しかし、好ましい効果のために、本発明の薬学組成物は、1日に0.0001~100mg/kg、好ましくは0.001~10mg/kgで投与すると良い。投与は、1日に1回行うこともでき、数回に分けて行うこともできる。前記投与量は、いずれの面でも本発明の範囲を限定するのではない。
【0087】
本発明の薬学組成物は、液状、クリーム状、ペースト状、固体状などの頭皮に適用できる全ての剤形に製造可能であり、通常の添加剤を加えることによって毛髪成長促進のためのシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアローション、液状の養毛剤タイプなどの組成物に製造可能であり、これらの剤形のエアゾールタイプも含む。
【0088】
したがって、本発明の一の態様に係る薬学組成物は、薬剤学的に許容可能な担体又は添加剤を含むことができる。
【0089】
前記薬学組成物は、ラット、マウス、家畜、人間などを含む各種哺乳動物に多様な経路、例えば、経口、直腸又は静脈、筋肉、皮下、子宮内硬膜又は脳血管内(intracerebroventricular)注射によって投与され得る。これによって、前記薬学組成物は、当該技術分野に公知となっている通常の薬剤学的剤形に製剤化され得る。前記薬学組成物は、経口投与製剤、注射剤、坐剤、経皮投与製剤及び経鼻投与製剤を含むが、これに限定されない任意の剤形に製剤化されて投与されてもよく、好ましくは、液剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、乳剤、シロップ剤、エアゾール又はエキス剤などの経口投与用剤形に製剤化され得る。
【0090】
前記それぞれの剤形に製剤化するとき、それぞれの剤形の製造に必要な薬剤学的に許容可能な担体又は添加剤を付加して製造することができる。代表的には、経口投与用剤形に製剤化するとき、前記担体として、希釈剤、滑濁剤、結合剤、崩壊剤、甘味剤、安定剤及び防腐剤のうち1種以上を選択して使用することができ、添加剤としては、香料、ビタミン類及び抗酸化剤のうち1種以上を選択して使用することができる。
【0091】
前記担体及び添加剤としては、薬剤学的に許容可能なものであれば全て使用でき、具体的に、希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、トウモロコシ澱粉、大豆油、微晶質セルロース、ソルビトール、キシリトール、又はマンニトール、滑濁剤としては、ステアリン酸マグネシウム又はタルク、結合剤としては、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。また、崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、又はクロスポビドン、甘味剤としては、白糖、果糖、ソルビトール、又はアスパルテーム、安定剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、β-シクロデキストリン、白鉛、又はキサンタンガム、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、又はソルビン酸カリウムが好ましい。
【0092】
また、前記成分以外にも、公知の添加剤として、味覚をそそるために、梅の香り、レモンの香り、パイナップルの香り、ハーブの香りなどの天然香料、天然果汁、クロロフィリン、フラボノイドなどの天然色素、果糖、蜂蜜、糖アルコール、砂糖などの甘味成分、又はクエン酸、クエン酸ナトリウムなどの酸味剤を混合して使用することもできる。
【0093】
前記製剤のうち非経口投与のための製剤としては、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤などがあげられる。非水性溶剤及び懸濁剤の製造のためには、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物性油、エチルオレートなどの注射可能なエステルなどが使用され得る。坐剤の基剤としては、ウイテプゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン61、カカオ脂、ラウリン脂、又はグリセロゼラチンなどが使用され得る。
【0094】
前記薬学組成物は、脱毛又は前立腺肥大症の予防又は治療効果を得るために、前記組成物の有効成分を、溶媒抽出物の乾燥粉末を基準にして0.01~10g/kg/日、好ましくは、1~5g/kg/日にして1日に少なくとも1回以上に分けて投与することができ、患者の年齢、性別、体重、食餌、排泄率、現在服用中の他の薬物によって適宜増減して投与され得る。よって、本発明に係る薬学組成物は、有効量の範囲を考慮して製造される。このように剤形化された単位投与型製剤は、必要によって薬剤の投与を監視又は観察する専門家の判断及び個人の要求によって専門化された投薬法に基づいて使用され、一定時間の間隔で数回投与されうる。
【0095】
本発明の組成物は、健康機能食品組成物として食品学的に許容可能な担体又は添加剤を含むことができる。
【0096】
本発明で定義される「健康機能食品」は、健康機能食品に関する法律による人体に有用な機能性を有する原料や成分を使用して製造及び加工した食品を意味し、「機能性」とは、人体の構造及び機能に対して栄養素を調節、または、生理学的作用などの保健用途に有用な効果を得る目的で摂取することを意味する。
【0097】
本発明に係る健康機能食品用組成物は、当該技術分野に公知となっている通常の健康機能食品の剤形に製剤化され得る。前記健康機能食品は、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ剤、浸剤、液剤、エキス剤、ガム、お茶、ゼリー、又は飲料などに製造され得る。前記食品学的に許容可能な担体又は添加剤としては、製造しようとする剤形の製造に当該技術分野で使用可能なものとして公知となっている任意の担体又は添加剤が利用可能である。
【0098】
前記健康機能食品用組成物は、本発明に係る組成物を構成する主成分であるキュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物を、全体の食品重量の0.01~20重量%、好ましくは0.2~10重量%で含むことができ、飲料として製造される場合、100mlを基準にして0.1~30g、好ましくは0.2~5gの比率で含有することができる。
【0099】
前記飲料は、前記各抽出物以外に他の成分をさらに含むことができ、一般的に飲料に使用される多様な香味剤又は天然炭水化物などをさらに含有することができる。前記天然炭水化物として、単糖類(例:ブドウ糖、果糖など)、二糖類(例:マルトース、スクロースなど)、多糖類(例:デキストリン、シクロデキストリンなど)などの通常の糖及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールが含有され得る。また、香味剤として、天然香味剤(例:タウマチン、ステビア抽出物など)及び合成香味剤(例:サッカリン、アスパルテームなど)を含有することができる。前記天然炭水化物の比率は、飲料100ml当たり、一般に約1~20g、好ましくは約5~12gであることが好ましい。
【0100】
以下では、好ましい実施例などを挙げて本発明をさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例などは、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれによって制限されないことは当業界で通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【0101】
実施例1-1:キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物の製造。
【0102】
加熱していないキュウリを洗浄し、このキュウリの上端及び下端から2cmずつ切断して除去し、長手方向に半分に切った後、キュウリの種子部分を除去した後、乾燥させたドライキュウリと;ヘタを除去して乾燥させたドライナスと;及び水蒸気で10分間煮熟した後、内臓部分を除去し、乾燥させたドライカタツムリと;を4:2:1の重量比で混合した後、10倍重量の水を入れ、90℃で10時間抽出した後で減圧・ろ過し、減圧濃縮機を用いて余液を濃縮させた後、凍結乾燥させることによってキュウリ、ナス及びカタツムリ抽出物が製造された。
【0103】
実施例1-2:キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物の製造。
【0104】
加熱していないキュウリを洗浄し、このキュウリの上端及び下端から2cmずつ切断して除去し、長手方向に半分に切った後、キュウリの種子部分を除去した後、5倍重量の水を入れ、90℃で10時間抽出した後で減圧・ろ過し、減圧濃縮機を用いて余液を濃縮させた後、凍結乾燥することによってキュウリ抽出物が製造された。
【0105】
ナスは、ヘタを除去して乾燥させたドライナスに5倍重量の水を入れ、90℃で10時間抽出した後で減圧・ろ過し、減圧濃縮機を用いて余液を濃縮した後、凍結乾燥することによってナス抽出物が製造された。
【0106】
カタツムリを水蒸気で10分間煮熟した後、内臓部分を除去し、10倍重量の水を入れ、90℃で10時間抽出した後で減圧・ろ過し、減圧濃縮機を用いて余液を濃縮した後、凍結乾燥することによってカタツムリ抽出物が製造された。
【0107】
前記キュウリ抽出物、ナス抽出物及びカタツムリ抽出物を4:2:1の重量比で混合し、キュウリ、ナス及びカタツムリ混合抽出物が製造された。
【0108】
実施例1-3:キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物の製造。
【0109】
実施例1-2のキュウリ抽出物、ナス抽出物及びカタツムリ抽出物を2:2:1の重量比で混合し、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物が製造された。
【0110】
実施例1-4:キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物の製造。
【0111】
実施例1-2のキュウリ抽出物、ナス抽出物及びカタツムリ抽出物を1:1:1の重量比で混合し、キュウリ、ナス及びカタツムリの混合抽出物が製造された。
【0112】
比較例1-1:キュウリ及びナスの混合抽出物の製造
【0113】
実施例1-2のキュウリ抽出物及びナス抽出物を2:1の重量比で混合し、キュウリ及びナスの混合抽出物が製造された。
【0114】
比較例1-2:キュウリ及びカタツムリの混合抽出物の製造。
【0115】
実施例1-2のキュウリ抽出物及びカタツムリ抽出物を4:1の重量比で混合し、キュウリ及びカタツムリの混合抽出物が製造された。
【0116】
比較例1-3:ナス及びカタツムリの混合抽出物の製造。
【0117】
実施例1-2のナス抽出物及びカタツムリ抽出物を2:1の重量比で混合し、ナス及びカタツムリの混合抽出物が製造された。
【0118】
実施例2-1:キュウリ、ナス、カタツムリ、側柏葉及び苦参の混合抽出物の製造。
【0119】
加熱していないキュウリを洗浄し、このキュウリの上端及び下端から2cmずつ切断して除去し、長手方向に半分に切った後、キュウリの種子部分を除去した後で乾燥させたドライキュウリと;ヘタを除去し、乾燥させたドライナスと;水蒸気で10分間煮熟した後、内臓部分を除去し、乾燥させたドライカタツムリと;乾燥側柏葉と;乾燥苦参と;を4:2:1:1:1の重量比で混合した後、10倍重量の水を入れ、90℃で10時間抽出した後、減圧・ろ過し、減圧濃縮機を用いて余液を濃縮した後、凍結乾燥することによってキュウリ、ナス、カタツムリ、側柏葉及び苦参の混合抽出物が製造された。
【0120】
実施例2-2:キュウリ、ナス、カタツムリ、側柏葉、苦参、乾薑、旱蓮草、白首烏、当帰及び地黄の混合抽出物の製造。
【0121】
加熱していないキュウリを洗浄し、このキュウリの上端及び下端から2cmずつ切断して除去し、長手方向に半分に切った後、キュウリの種子部分を除去した後で乾燥したドライキュウリと;ヘタを除去して乾燥したドライナスと;水蒸気で10分間煮熟した後、内臓部分を除去し、乾燥したドライカタツムリと;乾燥側柏葉と;乾燥苦参と;乾燥乾薑と;乾燥旱蓮草と;乾燥白首烏と;乾燥当帰と;乾燥地黄と;を4:2:1:1:1:0.5:0.5:0.5:0.5:0.5の重量比で混合した後、10倍重量の水を入れ、90℃で10時間抽出した後、減圧・ろ過し、減圧濃縮機を用いて余液を濃縮した後、凍結乾燥することによってキュウリ、ナス、カタツムリ、側柏葉、苦参、乾薑、旱蓮草、白首烏、当帰及び地黄の混合抽出物が製造された。
【0122】
実施例2-3:キュウリ、ナス、カタツムリ、側柏葉、苦参、乾薑、旱蓮草、白首烏、当帰及び魚腥草の混合抽出物の製造。
【0123】
加熱していないキュウリを洗浄し、このキュウリの上端及び下端から2cmずつ切断して除去し、長手方向に半分に切った後、キュウリの種子部分を除去した後で乾燥したドライキュウリと;ヘタを除去して乾かしたドライナスと;水蒸気で10分間煮熟した後、内臓部分を除いて乾燥したドライカタツムリと;乾燥側柏葉と;乾燥苦参と;乾燥乾薑と;乾燥旱蓮草と;乾燥白首烏と;乾燥当帰と;乾燥魚腥草と;を4:2:1:1:1:0.5:0.5:0.5:0.5:0.5の重量比で混合した後、10倍重量の水を入れ、90℃で10時間抽出した後、減圧・ろ過し、減圧濃縮機を用いて余液を濃縮した後、凍結乾燥することによってキュウリ、ナス、カタツムリ、側柏葉、苦参、乾薑、旱蓮草、白首烏、当帰及び魚腥草の混合抽出物が製造された。
【0124】
実験例1:ヒト線維芽細胞での細胞毒性。
【0125】
毛髪の成長は、ケラチノサイト、メラノサイト、線維芽細胞の分化及び増殖によって調節され(Hirobe T. Histol Histopathol 1995;10:223-237)、ミノキシジルは多様な皮膚細胞及び毛嚢細胞(hair follicle cell)の増殖を促進するので(Messenger AG,Rundegren J.Br J Dermatol 2004;150:186-194)、線維芽細胞の増殖は、毛髪の成長に重要な因子と見なされる。
【0126】
ヒト線維芽細胞(ATCC、American Type Culture Collection、Cat.No.CRL-2076)を5×104cells/mlの濃度にして24ウェルプレートに接種した。培地としては、牛血清10%を含有したIMDM(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium;GIBCO,USA)を使用した。接種してから24時間後、牛血清0%を含有したIMDM(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium;GIBCO,USA)を交替し、試験試料(実施例1-1、2-1、2-2及び2-3)をそれぞれ1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml及び250μg/mlの濃度で10μl添加した後、3日間37℃、5%CO2インキュベーターで培養した。培養が終了した後、上澄み液を除去し、再び5%PBS(phosphate buffered saline)を200μlずつ加えて洗浄し、25μg/mlのMTT溶液を1ウェル当たり1.0mlずつ加えた後、4時間後にMTTを除去し、DMSOを1ウェル当たり1.0mlずつ加えた後、570nmでの吸光度を測定した。細胞の生存率は、試料の570nmでの吸光度を陰性対照群の570nmでの吸光度で割った後、100を掛けて計算し、その結果を表1に示した。
【0127】
【0128】
ヒト線維芽細胞を用いた細胞増殖の実験の結果、実施例1-1及び2-1では、10μg/mlまで細胞毒性を示しておらず、250μg/mlまでも85%以上の細胞生存率を示した。特に、実施例2-2では、250μg/mlまで細胞毒性を示しておらず、実施例2-3では、むしろ細胞生存率を250μg/mlで増進させた(**、p<0.01)。
【0129】
実験例2:真皮乳頭細胞での細胞毒性。
【0130】
真皮乳頭細胞は、毛乳頭(hair dermal papilla)の主要成分の一つであり、真皮乳頭細胞によって生成及び分泌された各成長因子(bFGF(basic fibroblast growth factor)、ET-1(endothelin-1)、SCF(stem cell factor)など)は、毛母細胞(hair matrix cell)の成長及び分化を促進し(Paus R,Foitzik K.Differentiation 2004;72:489-511;Fujie T,et al.,J Dermatol Sci 2001;25:206-212;Botchkarev VA,et al.,J Investig Dermatol Symp Proc 2003;8:46-55)、一般に、新しい毛穴の誘導及び毛髪成長の維持において必須的な役割をはたすと考えられている(Jahoda CA,et al.,Nature 1984;311:560-562;Kamp H,et al.,Exp Dermatol 2003;12:662-672;Krugluger W,et al.,Exp Dermatol 2005;14:580-585)。よって、真皮乳頭細胞の活性及び増殖は、新しい毛髪成長促進物質の開発において重要な要因であると言える。
【0131】
真皮乳頭細胞(Dermal papilla cell)を5×104cells/mlの濃度にして24ウェルプレートに接種した。培地としては、牛血清10%を含有したDMEM(Dubelcco’s Modified Eagle Medium,BRL,USA)を使用した。接種してから24時間後、牛血清0%を含有したDMEM(Dubelcco’s Modified Eagle Medium,BRL,USA)を交替し、試験試料(実施例1-1、2-1、2-2及び2-3)をそれぞれ1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml及び250μg/mlの濃度で10μl添加した後、3日間37℃、5%CO2インキュベーターで培養した。培養が終了した後、上澄み液を除去し、再び5%PBS(phosphate buffered saline)を200μlずつ加えて洗浄し、25μg/mlのMTT溶液を1ウェル当たり1.0mlずつ加えた後、4時間後にMTTを除去し、DMSOを1ウェル当たり1.0mlずつ加えた後、570nmでの吸光度を測定した。細胞の生存率は、実験例1と同一に計算し、その結果を表2に示した。
【0132】
【0133】
真皮乳頭細胞を用いた細胞増殖の実験結果、全ての実験群では、10μg/ml以上の濃度で細胞を有意に増殖させた(*、p<0.05;**、p<0.01)。
【0134】
実験例3:毛髪と関連した遺伝子発現増加の確認。
【0135】
毛髪と関連したインシュリン様成長因子であるIGF-I(Insulin-like Growth Factor)、肝細胞成長因子であるHGF(Hepatocyte Growth Factor)及び角質形成細胞因子であるKGF(Keratinocyte Growth Factor)の遺伝子発現効果を確認するために、RT-PCR(Reverse transcription polymerase chain reaction)を実施した。真皮乳頭細胞を100mmの細胞培養皿に80%の密度で接種した後、37℃、5%CO2培養器で24時間培養した。このとき、培地として牛血清10%を含有したDMEM(Dubelcco’s Modified Eagle Medium,BRL,USA)が使用された。試料(実施例1-1、1-2、1-3及び1-4;比較例1-1、1-2及び1-3;実施例2-1、2-2及び2-3)を100μg/mlの濃度にし、陽性対照群としてミノキシジルを1μg/mlで添加して18時間培養し、細胞にトリゾール(Trizol,invitrogen,米国)1mlを添加し、プロメガ株式会社のRNA分離法によって分離した。紫外線検出器を用いて260nmでのRNAを定量した後、RT-PCRを実施した。RT-PCRは、RT-PCRキット(All-in-one RT-PCR Kit,SuperBio,Korea)を使用し、反応条件50℃で30分間逆転写した後、96℃で3分間逆転写酵素を不活性化し、94℃30秒、58℃30秒、72℃1分間40サイクルで重合反応を行い、陰性対照群に対する発現率(%)の結果を表3に示した。
【0136】
【0137】
陽性対照群であるミノキシジルは、陰性対照群に比べてHMF、IGF-1及びKGFの発現量を全て有意に増進させた(**、p<0.01)。
【0138】
実施例1-1のキュウリ、ナス及びカタツムリの混合物の抽出物、実施例1-2のキュウリ抽出物、ナス抽出物及びカタツムリ抽出物の混合物の効果は同等であり、陰性対照群に比べてHMF、IGF-1及びKGFの発現量を全て有意に増進させた(**、p<0.01;***、p<0.005)。実施例1-3及び1-4では、キュウリ抽出物の相対重量比が減少しながら、HMF、IGF-1及びKGFの発現量は減少する傾向を示した。
【0139】
カタツムリ抽出物が欠如した比較例1-1のキュウリ及びナスの混合抽出物、ナス抽出物が欠如した比較例1-2のキュウリ及びカタツムリの混合抽出物、キュウリ抽出物が欠如した比較例1-3のナス及びカタツムリ混合抽出物は、陰性対照群に比べてIGF-1の発現量を著しく減少させ(***、p<0.005)、比較例1-1及び1-3では、KGFの発現量も有意に減少させた(**、p<0.01)。
【0140】
実施例2-1、2-2及び2-3は、HMF、IGF-1及びKGFの発現量を全て有意に増進させた(*、p<0.05;**、p<0.01)。
【0141】
実験例4:毛髪生長促進効果確認の動物実験。
【0142】
C57BL/6マウスを用いて本組成物の毛髪生長促進効果を確認した。C57BL/6Nマウスが二番目の退行期の時期に進入する生後49日~51日目にワックスを用いて背中の毛を完全に除去し、実施例2-1及び2-3を固形分1重量%及び20重量%にし、陽性対照群であるミノキシジルを5重量%の水に希釈し、1日に1回0.2mLずつを16日間塗りながら毛髪生長効果を確認した。陰性対照群としては蒸留水を使用し、結果は、時間の経過による発毛指数を3点評点法で評価して表4に示し、試験期間中のラット達の背中部分の写真を
図1に示した。発毛指数としては、毛が全く育っていない桃色の皮膚は0点、肉眼で確認される毛髪の成長がなく、皮膚が灰色を帯びると0.5点、成長期の毛髪なしで灰色又は黒色を帯びる皮膚は1点、疎らに毛が育って肉眼で確認されると1.5点、短い毛髪が全体的に拡散されると2点、中間程度の長さに育つと2.5点、毛が密集して完全に育つと3点を与えた。
【0143】
【0144】
全ての試験群では、12日目までは肉眼で差を確認しにくかったが、16日目には、実施例2-1の20%投与群と1%投与群の全ての個体で発毛様相が発見されており、4匹のうち2匹の背中の毛は比較的均一に育ち、残りの個体では毛の長短の差が大きかった。実施例2-3の20%投与群と1%投与群では、実施例2-1の各投与群より毛が均一に育ち、毛が長かった。実施例2-3の1%投与群では、4匹のうち1匹の背中に毛が完全に育ち、3匹の背中の毛が濃く育ったが、背中の上側と下側の毛が育つ速度は微々たるものであった。陽性対照群であるミノキシジル5%投与群では、他の群に比べて除毛した背中部位で全体的に毛の成長が観察されたが、毛は相対的に短かった。
【0145】
実験例5:臨床試験効能評価。
【0146】
脱毛症状を有する京畿道驪州地域に常在する55歳~78歳の年齢の被試験者である男性40人及び女性40人を無作為に20人ずつ4個の群に分けた後、表5で製造した3種のシャンプーを3ヶ月間、1日に1回就寝前に使用させた。
【0147】
【0148】
提供したそれぞれのシャンプーを使用してから3ヶ月後、試験に参加した被試験者全人の毛髪及び頭皮状態を観察した。その脱毛症状の緩和程度、毛髪及び頭皮の状態改善程度を5点尺度で評価した。評価尺度は、‘1点:悪くなった。2点;変化がない。3点;少し良くなった。4点:良くなった。5点:非常に良くなった。'であり、表示された数値は、応答者の点数の平均値である。その結果を次の表6に示した。
【0149】
【0150】
実施例2-1及び2-3において、新生毛の発現及び頭皮炎症の緩和又は改善で優れた効果を示し、髪の毛の太さ及び強直度の改善でも優れた効果を示した。したがって、全般的な脱毛症状を改善する効果が確実であり、試験評価に参加したほとんどの患者が満足感を示した。
【0151】
一方、
図2は、試験評価に参加した参加者の試験評価前後の頭頂部分の毛髪変化を撮影した写真で、左側は評価前、右側は3ヶ月間使用した後の写真であり、参加者の頭頂部位全体で新生毛が発現され、髪の毛の密度が増加したことを確認できた(
図2参照)。
【国際調査報告】