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▶ バイエル・オサケユキテュアの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】係止部を有する子宮内システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 6/14 20060101AFI20230315BHJP
   A61F 6/18 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
A61F6/14
A61F6/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544801
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2021051144
(87)【国際公開番号】W WO2021148442
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】20153502.8
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513105797
【氏名又は名称】バイエル・オサケユキテュア
【氏名又は名称原語表記】Bayer Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル・ストルト
(72)【発明者】
【氏名】タイナ・ティアデル
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーネ・ターリング
(72)【発明者】
【氏名】リスト・ハカラ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイッキ・サロ
(72)【発明者】
【氏名】ミラ・カウット
(72)【発明者】
【氏名】マリナ・アーレン
(72)【発明者】
【氏名】ヤリ・リスキ
(72)【発明者】
【氏名】ペトリ・ペレレ
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA05
4C098EE23
4C098EE26
4C098EE29
(57)【要約】
フレーム(102,302,402,502,602)と、除去糸(218,326,436,626)と、少なくとも1つの薬学的活性剤とを含む子宮内システム(100,300,400,500,600)が開示される。フレームは、第1の端部(104,304,404,504,604)と、第2の端部(106,306,406,506,606)と、長さLと、を有する。フレームの第1の端部は、第1の係止部(108,308,408,508,608)を備え、フレームの第2の端部は、第2の係止部(110,310,410,510,610)を備え、第1の係止部および第2の係止部は、ロック(202,312,432)を形成するように配置される。除去糸は、フレームの第1の端部に取り付けられる。除去糸は、第1の係止部を第2の係止部に案内するように構成される。さらに、上述の子宮内システムおよび挿入器具を含むキットが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部(104,304,404,504,604)、第2の端部(106,306,406,506,606)、および前記第1の端部から前記第2の端部までの距離として定義される長さLを有するフレーム(102,302,402,502,602)と、
前記フレームの前記第1の端部に取り付けられた除去糸(218,326,436,626)と、
少なくとも1つの薬学的活性剤と、
を備える子宮内システム(100,300,400,500,600)であって、
前記フレームの前記第1の端部は第1の係止部(108,308,408,508,608)を備え、前記フレームの前記第2の端部は第2の係止部(110,310,410,510,610)を備え、前記第1の係止部および前記第2の係止部はロック(202,312,432)を形成するように配置され、前記除去糸は前記第1の係止部を前記第2の係止部に案内するように構成される、子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの薬学的活性剤が、少なくとも1つのカプセル(330,332,334,336,414,416,418,420,514,516,518,624)内に配置され、前記カプセルは、その長さLの大部分において前記フレーム(102,302,402,502,602)を取り囲むように配置される、請求項1に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項3】
前記フレーム(102,302,402,502,602)が、
前記長さに垂直な寸法として定義される幅Wを有する第1のフレームセグメント(204,314,422,612)、第2のフレームセグメント(206,316,424,614)、および第3のフレームセグメント(208,318,426,616)であって、前記第1および第2のフレームセグメントは第1の屈曲セグメント(210,320,428,520,618)を介して接続され、前記第2および第3のフレームセグメントは第2の屈曲セグメント(212,322,430,522,620)を介して接続されている、第1のフレームセグメント(204,314,422,612)、第2のフレームセグメント(206,316,424,614)、および第3のフレームセグメント(208,318,426,616)、
を備え、
前記第1の屈曲セグメントは第1の幅W1を有し、前記第2の屈曲セグメントは第2の幅W2を有し、
前記第1の幅W1は前記幅Wの5~50%であり、前記第2の幅W2は前記幅Wの5~50%である、請求項1または2に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項4】
前記フレーム(102,302,402,502,602)が、
前記長さに垂直な寸法として定義される幅Wを有する第1のフレームセグメント(204,314,422,612)、第2のフレームセグメント(206,316,424,614)、および第3のフレームセグメント(208,318,426,616)であって、前記第1および第2のフレームセグメントは第1の屈曲セグメント(210,320,428,520,618)を介して接続され、前記第2および第3のフレームセグメントは第2の屈曲セグメント(212,322,430,522,620)を介して接続されている、第1のフレームセグメント(204,314,422,612)、第2のフレームセグメント(206,316,424,614)、および第3のフレームセグメント(208,318,426,616)、
を備え、
前記第1の屈曲セグメントは第1の幅W1を有し、前記第2の屈曲セグメントは第2の幅W2を有し、
前記第1の幅W1は前記幅Wの5~50%であり、前記第2の幅W2は前記幅Wの100~150%である、請求項1または2に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項5】
前記第1の屈曲セグメント(210,320,428,520,618)および前記第2の屈曲セグメント(212,322,430,522,620)における前記フレーム(102,302,402,502,602)の断面が、本質的に凹形状(214)を有し、前記第1の幅W1および前記第2の幅W2は前記断面の最小寸法である、請求項3または4に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項6】
前記第1の係止部(108,308,408,508,608)がピンであり、前記第2の係止部(110,310,410,510,610)がループであり、前記ピンは前記ループに取り外し不能に挿入されるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項7】
前記第1の係止部(108,308,408,508,608)がフックであり、前記第2の係止部(110,310,410,510,610)がループであり、前記フックは前記ループに取り外し不能に挿入されるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項8】
前記薬学的活性剤が、プロゲステロン、エストロゲン、プロゲスチン、レボノルゲストレル、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、メロキシカムおよびケトプロフェンから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項9】
前記フレーム(102,302,402,502,602)が、前記子宮内システムの取り外しを可能にする屈曲点(216,324,434,622)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項10】
少なくとも2つのカプセル(330,332,334,336,414,416,418,420,514,516,518,624)を備える、請求項2から9のいずれか一項に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項11】
前記カプセル(330,332,334,336,414,416,418,420,514,516,518,624)が異なる薬学的活性剤を含む、請求項10に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのカプセル(330,332,334,336,414,416,418,420,514,516,518,624)が、前記第1の係止部(108,308,408,508,608)および前記第2の係止部(110,310,410,510,610)を除いて、その全長に沿って前記フレーム(102,302,402,502,602)を取り囲むように配置される、請求項2から11のいずれか一項に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項13】
前記第1のフレームセグメント(314,422)を取り囲むように配置された第1のカプセル(330,414,514)と、前記第2のフレームセグメント(316,424)を取り囲むように配置された第2のカプセル(334,416,518)と、前記第3のフレームセグメント(426)を取り囲むように配置された第3のカプセル(418)と、を備え、前記第1の係止部(108,308,408,508,608)、前記第1の屈曲セグメント(210,320,428,520,618)、前記第2の屈曲セグメント(212,322,430,522,620)、および前記第2の係止部(110,310,410,510,610)は、カプセル(330,332,334,336,414,416,418,420,514,516,518,624)を含まない、請求項3から12のいずれか一項に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの薬学的活性剤が前記フレーム(102,302,402,502,602)内に配置される、請求項1に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の子宮内システム(100,300,400,500,600)および挿入器具(1100,1300,1400,1500)を含むキットであって、前記挿入器具は、
遠位端(1108,1330,1454,1508)、近位端(1106,1440,1506)、および前記遠位端と前記近位端との間の距離として定義される長さLhを有するハンドル本体(1104,1306,1416,1504)と、
遠位端(1114,1514)および近位端(1112,1512)を有し、その近位端が前記ハンドル本体の前記遠位端に移動可能に取り付けられている測定管(1110,1328,1406,1510)であって、挿入中に子宮頸部チャネルの外側に留まるように配置されている、測定管(1110,1328,1406,1510)と、
遠位端(1134,1360,1534)、近位端(1136,1536)、前記遠位端と前記近位端との間の距離として定義される長さLpを有するプランジャ(1132,1202,1362,1450,1532)であって、前記プランジャは、前記ハンドル本体および前記測定管の内側に移動可能に配置され、前記長さLpは前記長さLhよりも大きい、プランジャ(1132,1202,1362,1450,1532)と、
前記測定管を取り囲むように移動可能に配置されたフランジ(1122,1404,1522)と、
前記ハンドル本体を取り囲むように移動可能に配置された指ホルダ(1124,1314,1446,1524)と、
前記ハンドル本体に配置された前記子宮内システムの除去糸(1128,1358,1414)を可逆的に係止するための手段(1126,1526)と、
を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、長時間作用型可逆的避妊システムに関し、より具体的には、子宮内システムに関する。さらに、本開示は、子宮内システムおよび挿入器具を含むキットに関する。
【背景技術】
【0002】
子宮内システム(IUS)または子宮内装置(IUD)は、通常、望ましくない妊娠を防ぐため、家族計画または医学的状態の治療ために挿入器具を使用して子宮内に位置決めされる。以下では、略語IUSが使用され、IUSおよびIUDの両方を包含する。IUSの適切な機能は、IUSの構成および子宮内でのIUSの正確な配置に依存する。
【0003】
従来のIUSは、挿入中に子宮頸部を通過する挿入管を必要とする。実際、市場で入手可能であり、先行技術に開示されている従来のIUSでは、薬物(ホルモン)含有カプセルは、挿入処置中に挿入管の内側にある。結果として、子宮頸部を通過する必要があるものの断面直径は、カプセルの直径であり、挿入管の壁厚の2倍である。
【0004】
さらに、挿入器具を用いた従来のIUSの挿入中、挿入中の子宮貫通のリスクが存在する。実際、経験の浅い医師が挿入処置を行う場合、または子宮の寸法が消息子診ステップにおいて誤って決定されている場合、挿入器具は子宮壁を貫通するか、または子宮壁を穿孔することさえある。
【0005】
挿入処置に伴う痛みや不快感は、子宮頸部チャネルの伸縮によるものと想定される。したがって、前述の議論に照らして、従来のIUSに関連する前述の欠点を克服する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、子宮内システム(IUS)を提供しようとするものである。本開示はまた、IUSおよび挿入器具を含むキットを提供しようとするものである。本開示は、IUSの留置中に被検体が経験する痛みや不快感の既存の問題に対する解決策を提供しようとするものである。本発明の1つの目的はまた、IUS挿入プロセス中に子宮頸部チャネルを通過しなければならない部分の直径を減少させることである。本発明のさらなる目的は、挿入中の子宮貫通のリスクを低減する新しいIUSおよびその挿入器具を提供することである。
【0007】
本開示の目的は、従来技術で遭遇する問題を少なくとも部分的に克服し、患者の受容性を高めるために非常に柔軟な改善されたIUSを提供し、既存のシステムと比較して、子宮頸管を通るIUSの挿入および子宮内への最終的な配置中に比較的快適な体験を提供する解決策を提供することである。
【0008】
一態様では、本開示の一実施形態は、
第1の端部、第2の端部、および第1の端部から第2の端部までの距離として定義される長さLを有するフレームと、
フレームの第1の端部に取り付けられた除去糸と、
少なくとも1つの薬学的活性剤と、
を備える子宮内システムを提供し、
フレームの第1の端部が第1の係止部を備え、フレームの第2の端部が第2の係止部を備え、第1の係止部および第2の係止部がロックを形成するように配置され、除去糸が第1の係止部を第2の係止部に案内するように構成される。
【0009】
別の態様では、本開示の一実施形態は、子宮内システムおよび挿入器具を含むキットを提供し、挿入器具は、
遠位端、近位端、および遠位端と近位端との間の距離として定義される長さLhを有するハンドル本体と、
遠位端および近位端を有し、その近位端がハンドル本体の遠位端に移動可能に取り付けられている測定管であって、挿入中に子宮頸部チャネルの外側に留まるように配置されている、測定管と、
遠位端、近位端、遠位端と近位端との間の距離として定義される長さLpを有するプランジャであって、プランジャは、ハンドル本体および測定管の内側に移動可能に配置され、長さLpが長さLhよりも大きい、プランジャと、
測定管を取り囲むように移動可能に配置されたフランジと、
ハンドル本体を取り囲むように移動可能に配置された指ホルダと、
ハンドル本体に配置された子宮内システムの除去糸を可逆的に係止するための手段と、
を備える。
【0010】
本開示の実施形態は、先行技術における前述の問題を実質的に排除するか、または少なくとも部分的に対処し、開示されたIUSを効率的かつ便利に子宮腔に挿入することを可能にする。開示されたIUSは、小さな断面積を有し、これにより、子宮頸部を通って挿入する間の不快感や痛みが最小限に抑えられる。開示されたIUSは、単なる避妊手段を超えたその使用のための道を開く様々な薬物負荷および用量に適合可能である。開示されたIUSはまた、カプセルよりも大きい断面直径を有する挿入器具のいかなる部分も子宮頸部を通過する必要なく挿入するのに適しており、したがって実際に子宮頸部を通過するものの直径を減少させる。
【0011】
本発明によるIUSは、薬剤入りカプセルを挿入管に引き込むことなく挿入され得る。したがって、本発明の挿入処置中に子宮頸部チャネルを通過しなければならないオブジェクトの直径は、従来の挿入器具の挿入管の壁厚の2倍だけ減少する。実際、本発明のIUSの挿入のために、挿入器具は、IUSの最大直径よりも大きい断面直径を有する挿入器具の部分が子宮頸管に(そして結果として子宮に)入らないようにすることができる。
【0012】
本発明によるIUSのさらなる利点は、あまりに深く挿入された場合に子宮筋を貫通することができる挿入管がないため、挿入処置中の子宮貫通のリスクが最小限に抑えられることである。また、IUS自体は、子宮頸部チャネルの通過後に最終形状を直ちに形成し始めるため、貫通することができない。
【0013】
本開示のさらなる態様、利点、特徴および目的は、添付の特許請求の範囲と併せて解釈される例示的な実施形態の図面および詳細な説明から明らかになるであろう。
【0014】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせで組み合わせることができることが理解されよう。
【0015】
上記の概要、ならびに例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばよりよく理解される。本開示を例示する目的で、本開示の例示的な構成が図面に示されている。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される特定の方法および手段に限定されない。さらに、当業者は、図面が縮尺通りではないことを理解されよう。可能な限り、同様の要素は同じ符号で示されている。
【0016】
以下の図を参照して、本開示の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の一実施形態による、装填された構成にあるIUSの斜視図である。
図2】本開示の一実施形態による、図1のIUSの概略図である。
図3】本開示の別の実施形態による、IUSの概略図である。
図4A】本開示のさらに別の実施形態による、装填された構成にあるIUSの概略図である。
図4B】本開示の一実施形態による、装填された構成にある図4AのIUSの斜視図である。
図4C】本開示の一実施形態による、展開状態にある図4AのIUSの断面図である。
図4D】本開示の様々な実施形態による、展開状態にある図4AのIUSの斜視図である。
図5】本開示のさらに別の実施形態による、IUSの斜視図である。
図6A】一実施形態によるフレームおよびIUSの概略図である。
図6B】一実施形態によるフレームおよびIUSの別の概略図である。
図6C】一実施形態によるフレームおよびIUSのさらに別の概略図である。
図6D】一実施形態によるフレームおよびIUSのさらに別の概略図である。
図7A】本開示の一実施形態による、組み立てられた状態の挿入器具の斜視図である。
図7B】本開示の一実施形態による、組み立てられていない状態の挿入器具の斜視図である。
図7C】本開示の一実施形態による、IUSの詳細の斜視図である。
図8A】本開示の一実施形態による、挿入器具のピストンおよびプランジャサブアセンブリの斜視図である。
図8B】本開示の一実施形態による、挿入器具のピストンの係合部を有するピストンおよびプランジャサブアセンブリの断面図である。
図9A】本開示の一実施形態による、挿入器具の一セクションの内部構造を示す拡大図を有する挿入器具の概略図である。
図9B】本開示の一実施形態による、挿入器具の別のセクションの内部構造を示す拡大図を有する挿入器具の概略図である。
図9C】本開示の一実施形態による、挿入器具のさらに別のセクションの内部構造を示す拡大図を有する挿入器具の概略図である。
図10A】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするための一動作段階を示す挿入器具の図である。
図10B】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするための別の動作段階を示す挿入器具の図である。
図10C】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするためのさらに別の動作段階を示す挿入器具の図である。
図10D】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするためのさらに別の動作段階を示す挿入器具の図である。
図10E】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするためのさらに別の動作段階を示す挿入器具の図である。
図10F】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするためのさらに別の動作段階を示す挿入器具の図である。
図10G】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするためのさらに別の動作段階を示す挿入器具の図である。
図10H】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするためのさらに別の動作段階を示す挿入器具の図である。
図10I】本開示の様々な実施形態による、IUSを子宮内に位置決めするためのさらに別の動作段階を示す挿入器具の図である。
図11A】本開示の別の実施形態による、組み立てられた状態の挿入器具を示す図である。
図11B】本開示の別の実施形態による、組み立てられていない状態の挿入器具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面において、下線が引かれていない番号は、下線が引かれていない番号をアイテムに連結する線によって識別されるアイテムに関する。番号に下線が引かれておらず、関連する矢印を伴う場合、下線が引かれていない番号は、矢印が指し示している一般的なアイテムを識別するために使用される。
【0019】
以下の詳細な説明は、本開示の実施形態およびそれらを実施することができる方法を示す。本開示を実施するいくつかの態様が開示されているが、当業者であれば、本開示を実施または進行するための他の実施形態も可能であることを認識するであろう。
【0020】
一態様では、本開示の一実施形態は、
第1の端部、第2の端部、および第1の端部から第2の端部までの距離として定義される長さLを有するフレームと、
フレームの第1の端部に取り付けられた除去糸と、
少なくとも1つの薬学的活性剤と、
を備える子宮内システムを提供し、
フレームの第1の端部が第1の係止部を備え、フレームの第2の端部が第2の係止部を備え、第1の係止部および第2の係止部がロックを形成するように配置され、除去糸が第1の係止部を第2の係止部に案内するように構成される。
【0021】
別の態様では、本開示の一実施形態は、子宮内システムおよび挿入器具を含むキットを提供し、挿入器具は、
遠位端、近位端、および遠位端と近位端との間の距離として定義される長さLhを有するハンドル本体と、
遠位端および近位端を有し、その近位端がハンドル本体の遠位端に移動可能に取り付けられている測定管であって、挿入中に子宮頸部チャネルの外側に留まるように配置されている、測定管と、
遠位端、近位端、遠位端と近位端との間の距離として定義される長さLpを有するプランジャであって、プランジャは、ハンドル本体および測定管の内側に移動可能に配置され、長さLpが長さLhよりも大きい、プランジャと、
測定管を取り囲むように移動可能に配置されたフランジと、
ハンドル本体を取り囲むように移動可能に配置された指ホルダと、
ハンドル本体に配置された子宮内システムの除去糸を可逆的に係止するための手段と、
を備える。
【0022】
本開示は、IUSを子宮に効率的かつ便利に挿入することを可能にする、上述のIUSおよび上述のIUSと挿入器具とを含むキットを提供する。IUSは、(製造者によって)挿入器具に装填されると真っ直ぐになり、係止部の助けを借りて、子宮腔に挿入されると(すなわち、展開状態にあるとき)所望の形状に戻る。さらに、開示されたIUSは、展開状態において三角形状、環状、または丸みを帯びた形状などの滑らかな形状を達成する。IUSのこのような滑らかな形状は、子宮内でのIUSの適切な嵌合を確実にするだけでなく、子宮内膜の潜在的な穿孔のリスクを低減する。さらに、IUSのフレームセグメント、屈曲セグメント、および係止部は、IUSがその展開状態において所望の連続的な滑らかな形状を達成することを可能にする。有益なことに、前述のIUSは、医療専門家に直感的な挿入体験を提供する。さらに、上述のキットの挿入器具は、被検体に不快感を与えることなく、または最小限の不快感で、IUSの挿入成功率の全体的な向上を可能にする。さらに、挿入器具が子宮腔に入る挿入管を含まないため、挿入中の子宮貫通のリスクが最小限に抑えられる。
【0023】
IUSはフレームを備える。フレームは、子宮頸部領域ならびに子宮腔の解剖学的構造に適合するように設計された可撓性管状構造を有する。可撓性構造は、フレームが容易に或る形状に曲がり、その形状に関連する歪みおよび応力に耐えることを可能にする。例えば、フレームは、上述の挿入器具(または別の適切な挿入器具)を使用してIUSを挿入する間にほぼ直線(すなわち、真っ直ぐな構成)に引き伸ばされ得、係止部の助けを借りて子宮腔内に配置されたときに所定の形状を達成する。任意選択で、フレームは、展開状態において三角形状、環状、楕円形状、サークル形状、多角形状、またはアーモンド形状を有してもよい。
【0024】
任意選択で、フレームは主に本質的に円形の断面を有し、幅Wはフレームの直径である。フレームは、好ましくは滑らかな断面を有する。さらに任意選択で、フレームは、子宮腔の損傷を防ぐためにオーバルまたは楕円形の断面を有してもよい。フレームの幅Wは、1.5~3.5mmの範囲内であってもよい。幅Wは、典型的には、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1または3.3mmから1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3または3.5mmまでである。有益なことに、滑らかな円形状の断面およびフレームの小さな直径は、子宮頸管および子宮へのIUSの摩擦のないほぼ無痛の挿入および抜去を容易にし、子宮底の穿孔の危険性を最小限に抑える。さらに、フレームの製造材料は、使用中にIUSに必要な弾性を提供する。フレームの弾性は、可撓性フレームが子宮収縮によって引き起こされる応力を相殺するので、子宮腔からのIUSの排出および子宮収縮による子宮腔内の変位を防止する。
【0025】
任意選択で、フレームは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトンおよび熱可塑性ポリウレタンから選択される材料から製造される。典型的には、フレームは、エラストマー組成物の不活性な生体適合性材料で作られる。
【0026】
第1の屈曲セグメントおよび第2の屈曲セグメントなどの屈曲セグメントは、フレームが所望の形状を達成するように適切に曲がることを可能にする。さらに、前述の除去糸は、第1の係止部と第2の係止部とが互いに係止するように案内し、これにより所望の形状が提供される。本明細書では、除去糸とは、複数の糸も意味する。除去糸は、結び目または接着剤などの任意の適切な方法で取り付けられる。
【0027】
任意選択で、フレームは、物理的介入なしにIUSを子宮腔に配置するための少なくとも1つの診断手段を備えてもよい。一例では、少なくとも1つの診断手段は、硫酸バリウムなどのX線不透過剤、例えばフレームのポリマー/エラストマー材料の最大20wt-%(重量パーセント)であってもよい。別の例では、少なくとも1つの診断手段は、強磁性薬剤または展開状態のIUSの超音波もしくは蛍光透視撮像によって検出可能な薬剤であってもよい。任意選択で、少なくとも1つの診断手段は、IUSのフレームの少なくとも一部にコーティングされた不活性金属として提供されるか、または例えばIUSに埋め込まれた銀から作られた部分金属リングとして提供される。
【0028】
フレームは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部から第2の端部までの距離として定義される長さLと、を有する。典型的には、「第1の端部」という用語は、IUSの挿入中に被検体の子宮により近い端部(遠位端とも呼ばれる)を指し、「第2の端部」という用語は、第1の端部の反対側の端部、すなわち挿入器具の使用によるIUSの挿入中に医療専門家などのユーザにより近い端部(近位端とも呼ばれる)を指す。任意選択で、フレームの長さLは、真っ直ぐな構成(すなわち、挿入器具に装填されるとき)では50~110ミリメートル(mm)の範囲である。長さLは、典型的には、50、60、70、80、90または100mmから60、70、80、90、100または110mmであってもよい。一旦子宮腔の所望の位置に展開されたIUSのフレームは、25×23mm~31×28mmの範囲、好ましくは26×25mmの所定の構成(長さ×幅)を達成することができる。展開状態では、長さは通常、25、27または29mmから27、29または31mmまでである。同様に、展開状態では、幅は通常、23、25または27mmから24、26または28mmまでである。一例では、展開状態の三角形状のIUSのフレームの構成は、26.6×24.5mm(長さ×幅)であってもよい。別の例では、展開状態の三角形状のIUSのフレームの構成は、26.2×24.3mm(長さ×幅)であってもよい。
【0029】
さらに、フレームの第1の端部は第1の係止部を備え、フレームの第2の端部は第2の係止部を備え、第1の係止部および第2の係止部はロックを形成するように構成される。第1の係止部および第2の係止部は、それぞれフレームの第1の端部および第2の端部から張り出すように延びている。任意選択で、第1の係止部および第2の係止部は、例えば、フックとループ、ピンとループ(またはスロット)、またはクランプとカラムなどの幾何学的に相補的な構造である。幾何学的に相補的な構造を有する第1の係止部および第2の係止部は、子宮内で展開状態において互いに接触して互いに係合することが理解されよう。第1の係止部は、IUSを子宮内に適切に配置するためにフレームを係止するために第2の係止部と機械的に相互作用する。係止中、第1の係止部は、第2の係止部と変位不能に直接保持され、その結果、フレームを所望の形状に係止する。係止解除されている間、第1の係止部および第2の係止部は、係合解除状態で、例えば、少なくとも部分的に挿入器具の内側に真っ直ぐな構成で、またはIUSが子宮腔にまだ完全に挿入(または解放)されていない構成で存在する。子宮収縮などの外的影響は、第1の係止部が第2の係止部に係止されるときにフレームの係止に影響を及ぼさないことが理解されよう。一実施形態では、第1の係止部および第2の係止部の幅は、フレームの幅Wよりも大きくてもよい。第1の係止部および第2の係止部の幅は、1.5~4mmの範囲内であってもよい。第1の係止部および第2の係止部の各々の幅は、典型的には、1.5、2、2.5、3または3.5mmから2、2.5、3、3.5または4mmまでである。特に、第1の係止部および第2の係止部の製造材料は、第1の係止部、第2の係止部を含むIUSを高度に可鍛性にし、したがって、IUSの有効幅および最大外径は3.7mm未満、好ましくは2.9mmである。
【0030】
任意選択で、第1の係止部はピンであり、第2の係止部はループであり、ピンはループに取り外し不能に挿入されるように構成される。ピンとループとの係合により、ピンのかなりの部分が確実にループに係合される。好ましくは、ピンはノブ状構造を有し、ループはより効率的なピンループ係合のために相補的な凹部または開口状構造を有する。ピンとループの係合は、子宮内の展開状態でフレームに所望の形状を提供する。
【0031】
任意選択で、第1の係止部はフックであり、第2の係止部はループであり、フックはループに取り外し不能に挿入されるように構成される。フックはループと係合して、子宮内のIUSの展開状態でフレームを所望の形状に係止する。任意選択で、第1の係止部および第2の係止部は、フレームを作製するために使用されるのと同じ材料から作製される。任意選択で、第1の係止部はクランプであり、第2の係止部はカラムである。クランプおよびカラムの幾何学的に相補的な構造は、子宮内の展開状態で互いに係止する。
【0032】
一実施形態によれば、第2の係止部は、係止部が一緒に係止されたときに、第1の係止部を完全に収容するように設計される。そのような実施形態は、後述する挿入器具と組み合わせられたとき、第1の係止部が挿入器具のプランジャと接触しないことを確実にする。
【0033】
任意選択で、フレームは、長さに垂直な寸法として定義される幅Wを有する第1、第2および第3のフレームセグメントを備え、第1および第2のフレームセグメントは第1の屈曲セグメントを介して接続され、第2および第3のフレームセグメントは第2の屈曲セグメントを介して接続される。第1、第2、および第3のフレームセグメントの幅Wは、フレームの幅と本質的に同じである。第1、第2、および第3のフレームセグメントの幅Wは、1.5~3.5mmの範囲内であってもよい。幅Wは、典型的には、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1または3.3mmから1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3または3.5mmまでである。第1の屈曲セグメントおよび第2の屈曲セグメントは、フレームが子宮内で展開状態において所望の三角形状を達成することを可能にするために、フレームが所定の距離で曲がることを可能にする。典型的には、屈曲セグメントは、フレームセグメントが挿入中に効率的に曲がることを可能にするために、フレームセグメントよりも少なくとも1つの寸法が薄く、その結果、IUSはその正しい形状を得る。しかしながら、屈曲セグメント(IUS全体として)は、IUSが引き出されるときに力に耐える必要があり、典型的には、この力は12Nとして定義される。したがって、屈曲セグメントがフレームセグメントよりも薄いときの方向に垂直な方向において、屈曲セグメントをフレームセグメントよりも広くすることが有益であり得る。
【0034】
一実施形態によれば、第1のフレームセグメントおよび第3のフレームセグメントは、わずかに湾曲しており、すなわち、完全に真っ直ぐではない。半径は、例えば、IUSが形状に係止されたときのIUSの最大寸法の120~155%とすることができる。したがって、半径は、例えば、約45mmなど、最大寸法の120、125、130、135または140%から130、135、140、145、150または155%までとすることができる。これは、挿入中にIUSが正しく回転するのを助け、したがって、患者および子宮壁の貫通に対する不快感を最小限に抑える。
【0035】
任意選択で、第1の屈曲セグメントは、第1の端部から第1の距離D1に配置され、第2の屈曲セグメントは、第1の端部から第2の距離D2に配置され、第1の距離D1は、長さLの25~40%であり、第2の距離D2は、長さLの55~80%である。第1の距離D1は、典型的には、長さLの25、30または35%から30、35または40%までである。第1の距離D1は、典型的には、12.5から44mm、好ましくは17.5から28mmであってもよい。一例では、第1の距離D1は、フレームの長さLの32~34%、すなわち16~37.4mmである。同様に、第2の距離D2は、典型的には、長さLの55、60、65、70または75%から60、65、70、75または80%までである。一例では、第1の距離D1は、27.5から88mm、好ましくは38.5から56mmであってもよい。一例では、第2の距離D2は、フレームの長さLの65~67%、すなわち32.5~73.7mmである。
【0036】
第1の屈曲セグメントは第1の幅W1を有し、第2の屈曲セグメントは第2の幅W2を有し、第1の幅W1は幅Wの5~50%であってもよく、第2の幅W2は幅Wの5~50%であってもよい。さらに任意選択で、第1の幅W1は幅Wの20~30%であり、第2の幅W2は幅Wの20~30%である。幅W1は、典型的には、幅Wの5、10、15、20、25、30、35、40または45%から10、15、20、25、30、35、40、45または50%までである。一例では、幅W1は、0.1~2mm、好ましくは0.4~1.2mmであってもよい。同様に、幅W2は、典型的には、幅Wの5、10、15、20、25、30、35、40または45%から10、15、20、25、30、35、40、45または50%までである。例えば、幅W2は、0.1~2mm、好ましくは0.4~1.2mmであってもよい。したがって、第1の幅W1および第2の幅W2は、実質的に同一であってもよい。
【0037】
別の実施形態では、第1の屈曲セグメントの第1の幅W1および第2の屈曲セグメントの第2の幅W2は、フレームセグメントの幅Wよりも大きい。例えば、W1はWの100~150%とすることができ、W2は独立してWの100~150%とすることができる。実際、W1およびW2を、Wの100、105、110、115、120、125、130、135または140%から105、110、115、120、125、130、135、140、154または150%までであるように独立して選択することができる。
【0038】
任意選択で、第1の屈曲セグメントおよび第2の屈曲セグメントにおけるフレームの断面は、本質的に凹形状を有し、第1の幅W1および第2の幅W2は断面の最小寸法である。第1の屈曲セグメントおよび第2の屈曲セグメントにおけるフレームの断面の凹形状は、IUSの屈曲を可能にする。一実施形態では、第1の屈曲セグメントおよび第2の屈曲セグメントにおけるフレームの断面は、フレームを所望の形状に曲げることができる限り、異なる形状を有することができる。例えば、フレームを所望の形状に曲げることを可能にするために、第1、第2、または第3の屈曲セグメントおよび第2の屈曲セグメントの各々の少なくとも一方の側にノッチが存在してもよい。
【0039】
任意選択で、フレームは、IUSを取り外すことを可能にする屈曲点を含む。屈曲点は、フレームの他の部分と比較して弱い部分である。一実施形態では、屈曲点は、第2のフレームセグメントの中間セクションなど、その端部に係止部を有さないフレームの中間部分に設けられる。あるいは、屈曲点は、IUSのフレームの屈曲または破断を容易にする限り、フレームの他の部分に設けられてもよい。一実施形態では、IUSからのIUSの除去中に、除去糸が引っ張られると、IUSは屈曲点で曲げられ、したがってフレームのサークル形または三角形の形状が崩れ、それによって子宮頸部チャネルを通して「折り畳まれた」フレームを取り外すことができる。屈曲点は、IUSが挿入中に誤った方向に屈曲しないように設計されるべきである。別の実施形態では、除去糸が引っ張られると、IUSは屈曲点で破断する。
【0040】
IUSは、フレームの第1の端部に取り付けられた除去糸を備える。本明細書で使用される「除去糸」という用語は、一端でIUSに取り付けられ、装着期間(約3~10年、好ましくは5~7年)の終わりにIUSを取り外すために使用される糸(すなわち、ストリング)を指す。除去糸は、装着期間中の最後のほうの時間におけるIUSの除去および/または交換のために使用されるだけでなく、IUSが子宮内に展開された後にIUSが子宮腔内の正しい位置にあるかどうかを(例えば、指示として)検出するためにも使用される。さらに、除去糸は、典型的には、販売パッケージ内にあるときに、挿入器具に対して所定の位置にIUSを保持するために使用される。
【0041】
除去糸は、第1の係止部を第2の係止部に案内するようにさらに構成される。除去糸は、第1の係止部が第2の係止部に接触し、さらに第1の係止部を第2の係止部と係合させて子宮腔の内側のIUSに所望の形状を提供するように案内する。換言すれば、除去糸は、除去糸が引っ張られたときに互いに係合して係止するように第1の係止部を第2の係止部に案内する。除去糸を引っ張っている間の歪みにより、第1の係止部が第2の係止部に不動に挿入され、その結果、フレームを所望の形状に係止する。任意選択で、フレームの第1の端部は、除去糸を結合するための取り付け手段を有する。取り付け手段としては、例えば、開口部、穿孔、凹部、突起、ノッチなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
IUSは、少なくとも1つの薬学的活性剤を含む。一例では、薬学的活性剤は、ホルモン、薬物もしくは薬物類似体、活性医薬成分、または避妊特性もしくは他の治癒特性を有する健康促進物質であってもよい。そのような薬学的活性剤は、子宮頸管粘液を厚くすること、子宮内膜を変化させて卵移植に適さなくすること、排卵を停止させること、またはCOX1/COX2阻害剤として作用することのいずれかによって機能する。一例では、薬学的活性剤は、細菌感染症、真菌感染症、および/または性感染症などの様々な微生物感染症に対する保護を提供および/または強化し得る。IUSはまた、2つ以上の薬学的活性剤を含み得る。
【0043】
任意選択で、薬学的活性剤は、プロゲステロンおよびその誘導体、エストロゲン、プロゲスチン、レボノルゲストレル、酢酸シプロテロン、デソゲストレル、エトノゲストレル、リネストレノール、酢酸メドロキシプロゲステロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン、ゲストデン、19-nor-17-ヒドロキシプロゲステロンエステル、17a-エチニルテストステロンおよびその誘導体、17a-エチニル-19-ノルテストステロンおよびその誘導体、エチノジオールジアセテート、ジドロゲステロン、ノルエチノドレル、アリルストレノール、メドロゲストン、ノルゲストリエノン、エチステロンおよびdl-ノルゲストレル;ならびにアンドロゲン性ステロイド、例えば、ダナゾールおよびゲストリノン;ナプロキセン、イブプロフェン、メフェナム酸、フルルビプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、メロキシカム、ケトプロフェン、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト、プロゲステロン受容体拮抗薬、例えばミフェプリストン(11β-4-ジメチルアミノフェニル-17β-ヒドロキシ-17α-プロピニル-4,9-エストラジエン-3-オン);ウリプリスタルアセテート、(11β,17β)-17-ヒドロキシ-11-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-17-(ペンタフルオロエチル)-エストラ-4,9-ジエン-3-オン、17α-アセトキシ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-21-メトキシ-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン、17α-アセトキシ-11β-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン、11β-(4-アセチルフェニル)-17β-ヒドロキシ-17α-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-4,9-エストラジエン-3-オン、アソプリスニル(ベンザルデハイド-4-[(11β,17β)-17-メトキシ-17-(メトキシメチル)-3-オキソエストラ-4,9-ジエン-11-イル)]-1-オキシム)から選択される。
【0044】
ホルモン剤としては、例えばレボノルゲストレルを用いることができ、COX阻害剤としてはインドメタシンが使用されてもよい。薬学的活性剤は、適切な量で、例えば被検体に適した最大実行可能量で投与されることが理解されよう。さらに、薬学的活性剤の量(すなわち、投与量)は、特定の薬学的活性剤、意図される用途、作用時間、放出速度および治療期間、ならびに被検体の年齢および医学的状態に応じて変化する。さらに、薬学的活性剤は、典型的には、子宮に適したpHレベルを有する。したがって、IUSは、長時間作用型可逆的避妊法として機能するだけでなく、IUSを介して供給される薬学的活性剤に応じて、医学的状態、子宮の腫脹、疼痛の治療などの様々な他の用途に使用されてもよい。
【0045】
任意選択で、少なくとも1つの薬学的活性剤は、フレーム内に配置される。一例では、少なくとも1つの薬学的活性剤は、その製造前にフレームの材料に分散または溶解される。一実施形態では、少なくとも1つの薬学的活性剤は、3つのフレームセグメント、すなわち第1、第2、または第3のフレームセグメントのうちの1つで提供される。別の実施形態では、少なくとも1つの薬学的活性剤は、3つのフレームセグメントのすべてに提供される。
【0046】
任意選択で、少なくとも1つの薬学的活性剤は、少なくとも1つのカプセル内に配置され、カプセルは、その長さLの大部分でフレームを取り囲むように配置される。具体的には、少なくとも1つのカプセルは、薬学的活性剤を含む薬剤容器である。フレームを取り囲むように配置された少なくとも1つのカプセルはまた、フレームの長さのそのような部分でIUSのフレームに必要な剛性を提供することができる。少なくとも1つのカプセルは、第1のフレームセグメント、第2のフレームセグメント、または第3のフレームセグメントのうちの少なくとも1つを取り囲むように配置され、第1の係止部、第1の屈曲セグメント、第2の屈曲セグメント、および第2の係止部は、少なくとも1つのカプセルを含まない。
【0047】
任意選択で、少なくとも1つのカプセルは、第1の係止部および第2の係止部を除いて、その全長に沿ってフレームを取り囲むように配置される。少なくとも1つのカプセルは、第1、第2、および第3のフレームセグメントを取り囲むように配置される。そのような場合、少なくとも1つのカプセルは、屈曲セグメントで曲がるのに十分な可撓性を有する。
【0048】
任意選択で、少なくとも1つのカプセルは、ポリ(ジメチルシリコーン)、シロキサン系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、酢酸エチル、ポリオレフィン系エラストマー、シリコーン含有熱可塑性樹脂、ポリウレタン、ポリ乳酸およびポリカプロラクトンから製造される。さらに任意選択で、少なくとも1つのカプセルは、生体適合性ポリマーマトリックスから製造される。生体適合性ポリマーマトリックスの例には、ジメチルシロキサンとメチルビニルシロキサンとのコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリル酸ポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、ポリ(メタクリレート)、ポリメチルメタクリレート、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-イソブチレン-スチレンコポリマー、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレングリコール、ポリメチルペンテン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオルトエステル、親水性ポリマー(親水性ヒドロゲルなど)、架橋ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ネオプレンゴム、およびブチルゴムが含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
一実施形態では、少なくとも1つのカプセルは、マトリックス系およびコア-膜系から選択される。一例では、マトリックス系は、薬学的活性剤が分散または溶解したシロキサン系エラストマーなどのポリマーマトリックスであってもよい。別の例では、コア-膜系において、少なくとも1つのカプセルは、薬学的活性剤コアと、薬学的活性剤コアを包む膜と、を含み得る。コアは、子宮内で薬学的活性剤を制御された速度で送達するためにフレーム上に組み立てられた(その長さLの大部分でフレームを取り囲む)中空管様構造であってもよい。膜は、薬学的活性剤と子宮内の生体液との間の直接接触を防止する不活性材料で構成された透過層であってもよい。さらに、膜層は、薬学的活性剤コアを取り囲む拡散層として作用することによって、薬学的活性剤の放出速度を調整することができる。一実施形態では、膜は、すべての方向から少なくとも1つのカプセルを取り囲み、閉鎖カプセルをもたらし得る。別の実施形態では、少なくとも1つのカプセルは、膜によって完全に囲まれていない。一実施形態では、膜は、薬学的活性剤コアと比較してより透過性であり、薬学的活性剤が生物学的流体と接触することを可能にする。
【0050】
任意選択で、少なくとも1つのカプセルの断面は、サークル形およびオーバル形から選択される。例えば、カプセルは、その形状が子宮頸管および子宮に挿入されるのに適している限り、円形、サークル形、オーバルまたは楕円形の断面を有することができる。任意選択で、カプセルの外径は、2~3.5mm、好ましくは約2.9mmの範囲内である。カプセルの外径は、典型的には、2、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1または3.3mmから2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3または3.5mmまでである。
【0051】
任意選択で、IUSは少なくとも2つのカプセルを備える。一例では、少なくとも2つのカプセルは、フレーム上で互いに所定の距離に配置される。好ましくは、IUSが子宮腔に挿入されると、少なくとも2つのカプセルは互いに接触しない。任意選択で、カプセルの数は、投与される異なる種類の治療薬に応じて、3つ、4つなどであってもよい。
【0052】
任意選択で、IUSは、第1のフレームセグメントを取り囲むように配置された第1のカプセルと、第2のフレームセグメントを取り囲むように配置された第2のカプセルと、第3のフレームセグメントを取り囲むように配置された第3のカプセルと、を備え、第1の係止部、第1の屈曲セグメント、第2の屈曲セグメントおよび第2の係止部はカプセルを含まない。この実施形態では、第1のカプセル、第2のカプセル、および第3のカプセルは、挿入プロセス中にフレームに十分な剛性を付与し、IUSがその展開状態で所望の連続的な滑らかな形状(すなわち、予め指定された構成)を達成するのをさらに助けることができる。第1の係止部、第1の屈曲セグメント、第2の屈曲セグメント、および第2の係止部には、IUSのフレームの必要な屈曲および/または成形を引き起こすためにカプセルがない。
【0053】
任意選択で、カプセルは異なる薬学的活性剤を含む。任意選択で、第1のカプセル、第2のカプセル、および第3のカプセルは、構造が同一であっても異なっていてもよく、同じまたは異なる薬学的活性剤を含有してもよい。一例では、第1のカプセルは、プロゲスチンなどの第1の薬学的活性剤を含み得、第2のカプセルは、ジクロフェナクなどの第2の薬学的活性剤を含み得、第3のカプセルは、レボノルゲストレルなどの第3の薬学的活性剤を含み得る。さらに、少なくとも2つのカプセルからの薬学的活性剤の放出は、達成される薬学的活性剤の放出速度および子宮内の体液とのそれぞれの相互作用に応じて、同時にまたは次々に行われてもよい。
【0054】
任意選択で、第1の薬学的活性剤はカプセル内に配置され、カプセルはその長さLの大部分でフレームを取り囲むように配置され、第2の薬学的活性剤はフレーム内に配置される。カプセルは、子宮における薬学的活性剤の放出速度に影響を及ぼす。フレームの製造材料に分散または溶解された少なくとも1つの薬学的活性剤は、カプセル内に配置された薬学的活性剤の放出速度とは異なる薬学的活性剤の放出速度を有する。薬学的活性剤の放出速度は、フレームおよび/またはカプセルの製造材料の透過性に依存することが理解されよう。
【0055】
一実施形態によれば、フレームは、射出成形プロセスによって得られる。1つのカプセルは、カプセルフレームアセンブリを形成するフレームの一部を取り囲むように配置される。しかしながら、2つ以上のカプセルが存在する場合、達成されるIUSの所望の形状に応じて、カプセルをフレーム上のどこにでも配置することができ、少なくとも第1の係止部および第2の係止部はカプセルを含まない。
【0056】
別の例示的な態様では、本開示の一実施形態は、
第1の端部、第2の端部、および第1の端部から第2の端部までの距離として定義される長さLを有するフレームと、
フレームの第1の端部に取り付けられた除去糸と、
フレームの少なくとも一部の周りに配置された銅線と、
を備える子宮内システムを提供し、
フレームの第1の端部が第1の係止部を備え、フレームの第2の端部が第2の係止部を備え、第1の係止部および第2の係止部がロックを形成するように配置され、除去糸が第1の係止部を第2の係止部に案内するように構成される。
【0057】
この実施形態によれば、フレームの少なくとも一部の周りに配置された銅線は、精子による卵子の受精を防ぐことによって避妊具として機能する。銅IUS(すなわち、銅を含むIUS)はホルモンフリーであり、したがって、医学的理由により非ホルモン性受胎調節方法を好むかまたは推奨される女性にとって良好な選択肢である。
【0058】
本開示はまた、子宮内システムおよび挿入器具を含むキットを提供する。キットのIUSは上記の通りである。一実施形態によれば、IUSは、無菌販売パッケージ内の挿入器具に予め設置される(または予め装填される)。販売パッケージは、環境的要因および機械的要因からキットの内容物を保護する。IUSについて上述した様々な実施形態および変形例は、必要な変更を加えてキットのIUSに適用される。
【0059】
したがって、本開示は、子宮へのIUS挿入を効率的かつ簡便に行うためのキットを提供する。挿入器具は、子宮内の安定した位置にIUSを挿入することを可能にする。挿入器具は使いやすく、子宮頸管へのIUS配置に関連する痛みを軽減するために、挿入器具の任意の部分を子宮頸管に挿入する代わりに、IUSを子宮頸管に直接挿入することを可能にする。さらに、IUSの断面積が小さいことにより、IUSの子宮への挿入は、ほとんど痛みを伴わないか、または少なくとも従来のIUSおよび挿入器具よりも痛みを伴わない。さらに、挿入器具の様々な部分は、IUS挿入プロセス中の特定の時間に解放され、それにより、IUS挿入プロセスにおいて挿入器具を操作しながら、医療専門家に直感的で向上した経験を提供する。したがって、キットの使用は、被検体に不快感を与えることなく、または最小限の不快感で、IUSの挿入成功率の全体的な増加を可能にし得る。
【0060】
本明細書では、近位端は、IUSの挿入中にユーザ(医師)に最も近い端部であり、遠位端は、ユーザから最も遠い反対側の端部である。
【0061】
挿入器具は、遠位端と、近位端と、遠位端と近位端との間の距離として定義される長さLhと、を有するハンドル本体を備える。ハンドル本体は、好ましくは、片手で挿入器具を容易に取り扱うように設計される。さらに、ハンドル本体は、好ましくは、いかなる利き手の好みもないように設計される。換言すれば、挿入器具は、右手または左手のいずれかでハンドル本体を使用して保持されたときに等しく機能する。
【0062】
一実施形態によれば、ハンドル本体は、ポリマー材料(例えば、医療グレードのプラスチック材料)から製造され、衛生目的のための単回使用に使用可能である。ハンドル本体は、様々な形状およびサイズを有することができる。ハンドル本体は、典型的には、中空の細長い構造、例えば、管状、円筒状、楕円形、オーバル、直方体などである。ハンドル本体は、挿入器具の様々な構成要素のためのハウジングおよび支持構造として機能する。さらに、ハンドル本体は、医療施術者の手のひらに適合するように設計されてもよい。一例では、ハンドル本体は、第1のカバー部分および第2のカバー部分を有する。第1のカバー部分および第2のカバー部分の各々は、挿入器具の組み立てられた状態で互いに取り付けるための幾何学的に相補的な構造を有することができる。一実施形態によれば、長さLhは70~110mmである。任意選択的に、ハンドル本体の長さLhは、約94mmである。長さLhは、典型的には、70、75、80、85、90、95または100mmから80、85、90、95、100、105または110mmまでである。
【0063】
挿入器具は、遠位端および近位端を有する測定管をさらに備える。測定管の近位端は、ハンドル本体の遠位端に移動可能に取り付けられている。測定管は、中空管状の構造体である。任意選択で、測定管は、サークル形またはオーバル形の断面を有する。
【0064】
任意選択で、測定管の近位部分は、例えばその外面に挿入深さインジケータを備える。一例では、挿入深さインジケータは、測定管の近位部分の外面にマークされた対応する数値を有する較正線を指すことができる。そのような挿入深さインジケータは、挿入長さ(すなわち、子宮および子宮頸管の長さ)が測定された後、IUS挿入プロセスの開始時に測定管上の正しい位置に前述のフランジを正しく設定するために使用される。
【0065】
任意選択で、測定管は、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンなどの医療グレードのポリマー材料、または金属から製造される。任意選択で、測定管は、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンエラストマーなどで作製されてもよい。それは、ガラス繊維などの補強材料を含んでもよい。
【0066】
挿入器具は、遠位端と、近位端と、遠位端と近位端との間の距離として定義される長さLpと、を有するプランジャをさらに備える。プランジャは、ハンドル本体および測定管の内部に移動可能に配置される。長さLpは、長さLhよりも大きい。一実施形態によれば、長さLpは50~90mmである。長さLpは、典型的には、50、55、60、65、70、75または80mmから60、65、70、75、80、85または90mmまでである。
【0067】
一実施形態によれば、プランジャは、上述の子宮内システムの除去糸がプランジャを通過することを可能にするように中空である。したがって、プランジャは、除去糸がプランジャを通過することを可能にする細い中空管状構造とすることができる。本明細書で使用される「除去糸」という用語は、一端でIUSに取り付けられ、装着期間(例えば5~7年とすることができる)の終わりにIUSを取り外すために使用される1つ以上の糸(すなわち、ストリング)を指すことが理解されよう。除去糸は、IUSの取り外しのために使用されるだけでなく、IUSが子宮内に展開された後、IUSが子宮腔内の正しい位置にあるかどうかを検出するためにも使用される。一例では、IUSは、販売パッケージ内の挿入器具に予め装填されてもよい。IUSの予め装填された状態では、除去糸の一端はIUSの前述の第1の係止部に結合されたままであり、除去糸の他端はプランジャを通過する。
【0068】
一実施形態によれば、プランジャの遠位端は、第2の係止部と協働するように構成される。任意選択で、遠位端のプランジャの一部は、第2の係止部と幾何学的に相補的な形態を有してもよい。任意選択で、プランジャは、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンなどの医療グレードのポリマー材料、または金属で作られる。
【0069】
一実施形態によれば、プランジャは、ハンドル本体の内側からのプランジャの取り外しを防止するための手段を備える。プランジャは、プランジャの近位端においてハンドル本体の内側からのプランジャの取り外しを防止するためのこれらの手段を備えることができる。一実施形態では、手段は、プランジャの残りの部分の円周よりも大きい円周を有する。任意選択で、手段は、ピストンおよびハンドル本体の内側にプランジャを保持するリングまたは多角形部品の形態である。プランジャは、ピストン内の遠位端に取り付けられている。具体的には、プランジャは、ピストンの係合部間に係止される。一例では、ピストンの係合部は、ピストンの遠位部の内面から幾何学的に反対の方向から内側に延びる小さな突起であってもよい。
【0070】
挿入器具は、測定管の周りに移動可能に配置されたフランジをさらに備える。一実施形態では、測定管上の挿入深さインジケータは、ユーザがフランジの位置を設定することを可能にする。IUS挿入処置の開始時に、フランジは、測定管の近位部分の外面上の挿入深さインジケータの助けを借りて、測定管上の指定された位置に手動で移動される。指定された位置は、子宮腔の長さ+子宮消息子診中に以前に測定された子宮頸管の長さ、を指す。挿入器具の測定管にセットされると、フランジのしっかりとした把持が測定管に対して確立され、それにより、挿入器具がIUS挿入プロセスで使用されるときにフランジがその初期セット位置から望ましくない動きをすることが防止される。
【0071】
任意選択で、フランジは、フランジの外側部分の直径方向に対向する2つの側面に把持面を備える。一例では、把持面は、片手の指をしっかりと把持することを可能にし、フランジを測定管上でスライドさせることによってフランジを正しい位置に調整するためにフランジの外側部分をフランジの内側部分に向かって押すための波状構造を有する。そのような場合、把持の解放によりフランジが定位置に設定され、フランジと測定管との間の摩擦により、フランジが定位置に留まることが可能になる。
【0072】
任意選択で、フランジは長さLrを有する。長さLrは、挿入器具の測定管の長さLの2~10%、好ましくは4~8%である。一例では、Lrは、Lの2、3、4、5、6、7または8から4、5、6、7、8、9または10%までであってもよい。任意選択で、フランジは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトンおよび/またはそれらの組み合わせなどのポリマー材料で作られる。フランジは、様々な形状、例えば、丸みを帯びた長方形、オーバル、楕円形、円形などを有することができる。
【0073】
挿入器具は、先端カバーをさらに備えてもよく、先端カバーは、遠位端および近位端を有し、先端カバーが挿入中に子宮頸部チャネルの外側に留まるように配置されている場合、測定管の遠位端の内側に引き込むように配置される。先端カバーの遠位端は、被検体の子宮頸管への測定管の入り込みを防止するために、丸球状の構造を有する。先端カバーの近位端は、測定管の遠位端の測定管の内面内に移動可能に配置される。IUSの挿入中、挿入器具が被検体に向かって押されると、先端カバーは後方にスライドし(すなわち、ハンドル本体に向かって)、測定管の内面に係止する。任意選択で、先端カバーは、測定管の外面に移動可能に取り付けられ、測定管の上を摺動する。
【0074】
挿入器具は、ハンドル本体を取り囲むように移動可能に配置された指ホルダをさらに備える。指ホルダは、IUS挿入プロセス中にピストンをハンドル本体の遠位端に向かって好都合に押すための指(例えば2本の指)のための支持体として使用され得る。一実施形態によれば、挿入器具の組み立てられた状態では、任意選択の先端カバー、フランジ、および除去糸を可逆的に係止するための手段(例えば、糸ロック)のみが移動可能であり、挿入器具の他の部分が係止される。挿入器具の他の部分は、使用中の特定の時間(すなわち、IUS挿入プロセス中)にのみ解放される。例えば、指ホルダは、挿入器具内で最初に係止される。任意選択で、指ホルダは、挿入器具内の指ホルダの動きを係止する1つ以上のフックを備える。一実施形態では、指ホルダは、ハンドル本体の遠位端に設けられた対応する凹部に係止され得る第1のフックおよび第2のフックなどの2つのフックを備える。IUS挿入プロセス中に、ピストンがハンドル本体に完全に入ると、指ホルダは係止解除され、ハンドル本体の近位端に向かって移動する。また、指ホルダがハンドル本体の近位端まで移動した後、ハンドル本体に対する測定管の移動を保持するロックも解除される。一例では、1つ以上のクランプを使用して、ハンドル本体に対する測定管の動きを係止することができる。測定管の近位部分は、フランジがハンドル本体の遠位端に当接するまでハンドル本体の内部を移動する。したがって、挿入器具の様々な部分は、IUS挿入プロセス中の特定の時間に解放され、それにより、IUS挿入プロセスにおいて、直感的で向上した経験を医療専門家に提供するとともに、快適な経験を被検体に提供する。
【0075】
指ホルダは、ハンドル本体の近位端に配置されてもよい。指ホルダは、少なくとも2本の指に把持を提供するために、1つまたは2つのリング状または半リング状構造を有することができる。換言すれば、指ホルダは、その近位端でハンドル本体の外面の直径方向に対向する側面から外側に延びる円の形態であってもよい。このような実施形態では、指ホルダは、ハンドル本体上に移動可能に配置される。任意選択で、指ホルダは、ハンドル本体に固定して配置される。
【0076】
挿入器具は、ハンドル本体に配置された子宮内システムの除去糸を可逆的に係止するための手段をさらに備える。一実施形態によれば、除去糸を可逆的に係止するための手段は、ハンドルとノブとの間で除去糸を係止するように第1の位置に配置され、除去糸をハンドル本体に対して移動させることを可能にするように第2の位置に配置された回転可能ノブを備える。任意選択で、ノブおよびハンドル本体は、ノブが第1の位置にあるときに除去糸を係止することを可能にする対応する形態を備える。
【0077】
別の実施形態では、除去糸を可逆的に係止するための手段は、除去糸が巻かれるローラ状機構であってもよい。ローラ状機構が一方向(例えば、順方向)に転動すると除去糸が係止されてもよく、ローラ状機構が他方向(例えば、逆方向)に転動すると除去糸が解放されてもよい。一例では、ローラ状機構は、ハンドル本体の開口部に配置され、対応する部分を有するピニオンであってもよい。
【0078】
一実施形態によれば、挿入器具は、プランジャに取り付けられ、プランジャを移動させるように配置されたピストンをさらに備え、ピストンは、ハンドル本体の内側に移動可能に配置される。ピストンは、ハンドル本体の近位端に配置される。さらに、ピストンの近位端は、押圧部材を備える。押圧部材は、例えば、挿入器具のユーザの親指に提供される。ピストンの押圧部材が押されると、ピストンはハンドル本体の内部に入り、ハンドル本体の遠位端に向かってさらに前進する。一例では、押圧部材は、射出成形プロセス中にピストンに一体化されてもよい。また、プランジャは、上述したピストンの係合部間に係止する。IUS挿入プロセスでは、ピストンがハンドル本体の遠位端に向かって前方に押されると、プランジャが子宮頸管に押し込まれ、部分的に子宮腔に押し込まれる。
【0079】
一実施形態によれば、ピストンは、子宮内システムの除去糸がピストンを通過することを可能にするように中空である。ピストンは、除去糸が通過することを可能にする中空管状構造である。一例では、IUSは、販売パッケージ内の挿入器具に予め装填されてもよい。IUSの予め装填された状態では、除去糸の一端はIUSの前述の第1の係止部に結合されたままであるが、除去糸の他端はプランジャおよびピストンを通過し、除去糸を可逆的に係止するための手段の周りでハンドル本体から現れる。
【0080】
一実施形態によれば、ピストンは、ハンドル本体の内側からのプランジャの取り外しを防止するための手段を備える。ピストンは、ピストンの遠位端でハンドル本体の内側からの取り外しを防止するための手段を備えてもよい。一例では、ハンドル本体の内側からのピストンの取り外しを防止するための手段は、ピストンの遠位端でピストンの外面から延びる少なくとも1つの突起であってもよい。少なくとも1つの突起は、ハンドル本体からのピストンの偶発的な取り外しを防止する。別の例では、2つの突起がピストンの外面に取り付けられるか、または配置されてもよい。2つの突起は、ピストンの外面から幾何学的に反対の2つの方向に延在してもよい。任意選択的に、ハンドル本体の内側からのピストンの取り外しを防止するための手段は、ハンドル本体の内径に適合するリングの形態であってもよい。
【0081】
一実施形態によれば、子宮(すなわち、使用される場合の上述の挿入器具の動作段階)へのIUS挿入プロセスは、係止部を有するIUSを例にして説明され、以下の通りである。
【0082】
典型的には、挿入前に、IUSは、少なくとも部分的に挿入器具内にあり(すなわち、挿入器具に予め装填されている)、販売パッケージ内に保管される。除去糸(案内糸でもある)はIUSのフレームの第1の端部(すなわち、最初に子宮に入る端部)に取り付けられ、除去糸の他端はハンドル本体に取り付けられる。一実施形態によれば、IUSは、IUSの小さな部分が挿入器具から突出し、IUSの残りの部分が先端カバーによって囲まれて保護されるように、挿入器具に予め装填される。一例では、フレームの約10mmが、予め装填された状態で挿入器具の外側(すなわち、測定管の先端カバーの外側)に残される。挿入器具は、ユーザ(例えば、医療専門家)によって着用される一対の滅菌手袋と共に無菌状態で使用される。その後、挿入プロセスは、フランジの調整から始まる。
【0083】
A)フランジ調整:フランジは、測定管の外面上の挿入深さインジケータの助けを借りて、測定管上の指定された位置で、手動で移動される。指定された位置は、子宮腔の長さ+子宮消息子診中に以前に測定された子宮頸管の長さ、を指す。一例では、フランジの直径方向に対向する2つの側面に設けられた把持面を使用して、フランジの内側部分に向かって外側部分を押圧することができる。
【0084】
フランジの調整後、ステップは、挿入器具が先端カバーを備えるか否かに応じてわずかに異なる。以下では、両方の変形形態が開示される(先端カバーを有さない装置のステップB、先端カバーを有する装置のステップB’’)。
【0085】
B)第1のIUS挿入段階:測定管が膣を通して子宮頸部に向かって通される。挿入器具は、測定管の遠位端が子宮頸部開口部(すなわち、外部オリフィス)に到達し、IUSの第1の端部(すなわち、先端部)が子宮頸部開口部の内側に位置するように位置決めされる。この段階では、ピストンは伸長状態にあり、ピストンの前述の押圧部材はハンドル本体の近位端から離れている。
【0086】
B’)第1のIUS挿入段階:測定管が膣を通して子宮頸部に向かって通される。挿入器具は、先端カバーが子宮頸部開口部(すなわち、外部オリフィス)に到達し、IUSの第1の端部(すなわち、先端部)が子宮頸部開口部の内側に位置するように位置決めされる。その後、挿入器具全体が被検体に向かって穏やかに押され、これにより、先端カバーが後方に(すなわち、ハンドル本体に向かって)移動し、フレームの一部(例えば、約30mm)が、子宮頸管において挿入器具から解放される。先端カバーが後方に移動すると、先端カバーはそれ自体を測定管の内部に係止する。換言すれば、子宮頸部開口部は、先端カバーが挿入器具と共に前方に移動することを阻止し、代わりに先端カバーを測定管の内部に進入させ、測定管の遠位部分の内面に係止する。挿入器具は、挿入器具からの抵抗、典型的には物理的圧力がユーザによって感じられるまで、被検体に向かって穏やかに押される。測定管自体は、IUS挿入プロセス中のいかなる動作段階でも子宮頸管に通されず、それによってIUS挿入プロセス中の不快感を減少させる。この段階では、ピストンは伸長状態にあり、ピストンの前述の押圧部材はハンドル本体の近位端から離れている。
【0087】
C)第2のIUS挿入段階:子宮頸部への測定管(先端カバーが使用される場合、先端カバーの接点、すなわち挿入器具の先端)のしっかりとした接触を維持しながら、ピストンをその近位端からハンドル本体の遠位端に向かって押圧する。指ホルダは、ピストンをハンドル本体の遠位端に向かって好都合に押すための指(例えば2本の指)のための支持体として使用され得る。IUSは、(ハンドル本体に取り付けられているときに)しっかりと保持された除去糸の影響下で、挿入器具を出てループを形成し始める。ピストンの移動は、ピストンに取り付けられたプランジャを移動させ、これにより、フレームの端部(すなわち、前述の第2の係止部)が押され、したがって、より多くのフレームが挿入器具から子宮腔に解放される。ピストンが完全にハンドル本体の内側に入る前に、ピストンは、指ホルダのロックを開き、したがってその移動を可能にする。指ホルダの移動(ピストンおよびプランジャが移動していない間)により、IUSは最終形態を形成するが、IUSは子宮内でさらに移動しない。指ホルダはまた、プランジャおよびピストンのロックを開き、ユーザが(ハンドル本体の遠位端に向かって押しながら)ピストンを操作した後、IUSを最終形状に係止する。したがって、ユーザは、指ホルダをしっかりと把持しながらピストンを押し、ハンドル内の係止部が上記の移動を確実にする。
【0088】
したがって、指ホルダがハンドル本体の近位端に接触すると(また、ハンドル本体内のピストンの移動が停止すると)、IUSは、IUSロックの挿入器具および係止部(すなわち、第1の係止部および第2の係止部)の外側にある。ピストンは、ユーザが引き戻すことができないように、指ホルダスナップフックによってハンドル本体の内部に係止される。測定管の係止が開かれ、その移動が可能になる。
【0089】
D)第3のIUS挿入段階:フランジがハンドル本体と接触するまで、挿入器具全体を患者に向かって押す。この段階では、測定管の一部がハンドル本体の内部を移動する(すなわち、医療専門家に向けて)。これにより、IUSが子宮内の正しい位置に押し込まれる。言い換えれば、IUSは子宮底位置に移動し、IUS全体が子宮腔内に正確に位置決めされる。
【0090】
E)除去糸の解放および挿入器具の取り外し:除去糸が解放される。除去糸は、除去糸を可逆的に係止するための手段を回転させることによって解放される。一実施形態では、除去糸を可逆的に係止するための手段は、回転可能ノブを備え、回転可能ノブは、除去糸をハンドル本体に対して移動させることを可能にし、さらに除去糸の解放を可能にするために、第1の位置から第2の位置に回転される。任意選択で、除去糸は、ハンドル本体に設けられた糸切りボタンを押すことによって解放される。糸切りボタンが押されると、ハンドル本体の内部のカッター刃が除去糸を切断する。挿入器具は、除去糸が切断されて、約2~3cmが子宮頸部の外側に見えるように位置決めされる(すなわち、外部オリフィスの外側で、膣内に約2~3cm入っており、触れることによって検出可能である)。その後、挿入器具は、挿入器具によるIUS挿入プロセスの完了を示す被検体から引き出される。
【0091】
ピストンの代わりに、プランジャを移動させるための異なる手段が、上述したように、IUS挿入プロセスにおいて使用されてもよいが、ピストンの使用は、挿入器具の動作をはるかに便利にすることを理解されたい。例えば、ハンドル本体に配置されたスライダを用いてプランジャを移動させてもよい。さらに、別の実施形態では、(例えば、上記のような第1のIUS挿入段階において)先端カバーが測定管の内部を移動する代わりに、先端カバーは測定管の遠位端上を摺動し、測定管の外面上にそれ自体を係止する。そのような場合、先端カバーは、1つの部分ではなく2つの部分から作られる必要があり得る(すなわち、先端カバーが測定管の内部に引き込まれる場合、先端カバーは1つの部分に作られる)。さらに、先端カバーの2つの部分を測定管上に組み立てるために、追加の溶接が必要とされる場合がある。本挿入器具はまた、本明細書に記載されているもの以外の他のタイプのIUSにも適している。
【0092】
図面の詳細な説明
図1を参照すると、本開示の一実施形態による、装填された構成にあるIUS100の斜視図が示されている。図示のように、IUS100は、第1の端部104と、第2の端部106と、第1の端部104から第2の端部106までの距離として定義される長さLと、を有するフレーム102を備える。フレーム102は、IUS100を子宮に挿入する前に挿入器具に装填されると真っ直ぐにされて伸ばされる。フレーム102の第1の端部104は第1の係止部108を備え、フレーム102の第2の端部106は第2の係止部110を備える。この実施形態では、第1の係止部108はフックであり、第2の係止部110はループである。さらに、IUS100の外径112(すなわち、最大外径)が示されている。IUS100は、フレーム102内に配置された薬学的活性剤をさらに含む。
【0093】
図2は、本開示の一実施形態による、図1のIUS100の概略図を示している。この実施形態では、IUS100のフレーム102は、三角形状のフレームである。フレーム102の第1の端部104の第1の係止部108およびフレーム102の第2の端部106の第2の係止部110は、子宮内で展開状態のロック202を形成するように配置されている。
【0094】
フレーム102は、第1のフレームセグメント204と、第2のフレームセグメント206と、第3のフレームセグメント208と、をさらに備える。第1のフレームセグメント204および第2のフレームセグメント206は、第1の屈曲セグメント210を介して互いに接続されている。第2のフレームセグメント206および第3のフレームセグメント208は、第2の屈曲セグメント212を介して互いに接続されている。第1のフレームセグメント204、第2のフレームセグメント206および第3のフレームセグメント208の幅Wは、フレーム102の幅と同じである。さらに、第1の幅W1を有する第1の屈曲セグメント210および第2の幅W2を有する第2の屈曲セグメント212が示されている。この実施形態では、第1の屈曲セグメント210および第2の屈曲セグメント212におけるフレーム102の断面は、本質的に凹形状214を有する。第1の幅W1および第2の幅W2は、フレーム102の断面の最小寸法である。この実施形態では、第1の幅W1は第2の幅W2と本質的に同一であり、第1の幅W1および第2の幅W2の各々は幅Wの約25%である。フレーム102の他の部分と比較して、第1の屈曲セグメント210および第2の屈曲セグメント212におけるより小さい断面(すなわち、局所的なシニング)は、フレーム102の三角形状への屈曲を容易にする。フレーム102は、必要に応じてIUS100の取り外しを容易にする屈曲点216をさらに備える。
【0095】
IUS100は、フレーム102の第1の端部104に取り付けられた除去糸218をさらに備える。具体的には、除去糸218は、フレーム102の第1の端部104において第1の係止部108の開口部220に結合されている。除去糸218は、第1の係止部108を第2の係止部110に向けて案内するように構成されている。さらに、子宮内で展開状態にある三角形状のIUS100のフレーム102の長さ222および幅224が示されている。
【0096】
ここで図3を参照すると、本開示の別の実施形態による、IUS300の概略図が示されている。IUS300は、第1の端部304および第2の端部306を有するフレーム302を備える。この実施形態において、フレーム302は、三角形状のフレームである。フレーム302の第1の端部304は第1の係止部308を備え、フレーム302の第2の端部306は第2の係止部310を備える。第1の係止部308および第2の係止部310は、ロック312を形成するように配置されている。第1の係止部308はフックであり、第2の係止部310はループであり、フックはループに取り外し不能に挿入されるように構成されている。
【0097】
フレーム302は、第1のフレームセグメント314と、第2のフレームセグメント316と、第3のフレームセグメント318と、をさらに備える。第1のフレームセグメント314は、第1の屈曲セグメント320を介して第2のフレームセグメント316に接続されている。同様に、第2のフレームセグメント316は、第2の屈曲セグメント322を介して第3のフレームセグメント318に接続されている。この実施形態では、フレーム302は、IUS300を取り外すことを可能にする2つの屈曲点324をさらに備える。2つの屈曲点324の間の領域は、フレーム302の他の部分と比較して、フレーム302の弱い部分である。
【0098】
IUS300は、フレーム302の第1の端部304に取り付けられた除去糸326をさらに備える。除去糸326は、第1の係止部308に設けられた開口部328に受け入れられる。除去糸326は、第1の係止部308を第2の係止部310に向けて案内するように構成されている。IUS300は、第1のカプセル330、第2のカプセル332、第3のカプセル334および第4のカプセル336の4つのカプセルをさらに備える。第1のカプセル330は、他のカプセル332、334、および336に比べて長さが短い。カプセル330、332、334および336は、同じまたは異なる薬学的活性剤を含む。
【0099】
図4Aは、本開示のさらに別の実施形態による、装填された構成にあるIUS400の概略図を示している。図示のように、IUS400は、第1の端部404と、第2の端部406と、第1の端部404から第2の端部406までの距離として定義される長さLと、を有するフレーム402を備える。フレーム402は、IUS400を子宮に挿入する前に、挿入器具に装填されると(すなわち、装填された構成では)真っ直ぐにされて伸ばされる。フレーム402の第1の端部404は第1の係止部408を備え、フレーム402の第2の端部406は第2の係止部410を備える。この実施形態では、第1の係止部408はピンであり、第2の係止部410はループである。第1の係止部408および第2の係止部410は、ピンがループ内に取り外し不能に挿入されることを可能にするために相補的な構造を有する。IUS400の第1の係止部408は、除去糸を受け入れるための開口部412を備える。
【0100】
フレーム402は、第1のカプセル414と、第2のカプセル416と、第3のカプセル418と、第4のカプセル420と、をさらに備える。第1のカプセル414および第2のカプセル416は、それぞれ第1のフレームセグメント422および第2のフレームセグメント424を取り囲むように配置されている。第3のカプセル418および第4のカプセル420は、フレーム402の第3のフレームセグメント426を取り囲むように配置されている。さらに、第1の屈曲セグメント428および第2の屈曲セグメント430が示されている。第1のフレームセグメント422は、第1の屈曲セグメント428を介して第2のフレームセグメント424に接続され、第2のフレームセグメント424は、第2の屈曲セグメント430を介して第3のフレームセグメント426に接続されている。
【0101】
図4Bは、本開示の一実施形態による、図4AのIUS400の斜視図を示している。図示のように、第1の係止部408はピンであり、第2の係止部410はループであり、すなわち、ピンが子宮内のIUS400の展開状態でループに実質的に係合するように、幾何学的に補完する構造を有する。
【0102】
図4Cは、本開示の一実施形態による、展開状態にあるIUS400の概略断面図を示している。展開状態において、IUS400のフレーム402は、第1の係止部408と第2の係止部410とが係合してロック432を形成したときに、三角形状となる。フレーム402は、IUS400を取り外すことを可能にする屈曲点434をさらに備える。この実施形態では、屈曲点434は、第2の屈曲セグメント430の中間セクションに設けられ、フレーム402の他の部分と比較して弱い部分である。さらに、第1のフレームセグメント422を取り囲むように配置された第1のカプセル414、第2のフレームセグメント424を取り囲むように配置された第2のカプセル416、第3のフレームセグメント426の一部を取り囲むように配置された第3のカプセル418、およびフレーム402の第3のフレームセグメント426の別の部分を取り囲むように配置された第4のカプセル420がそれぞれ示されている。第1の係止部408は、除去糸436を受け入れるための開口部412を備える。除去糸436は、第1の係止部408を第2の係止部410に当接させ、さらに第1の係止部408を第2の係止部410に係合させて、展開状態の子宮におけるフレーム402に所望の三角形状を与えるように案内する。
【0103】
図4Dは、本開示の一実施形態による、展開状態にある図4CのIUS400の斜視図を示している。図示のように、第1の係止部408および第2の係止部410は、第1の係止部408が第2の係止部410に実質的に係合し、子宮内で展開状態のロック432を形成するように、幾何学的に補完する構造を有する。
【0104】
図5は、本開示のさらに別の実施形態による、IUS500の概略図を示している。IUS500は、第1の端部504および第2の端部506を有するフレーム502を備える。フレーム502の第1の端部504は第1の係止部508を備え、フレーム502の第2の端部506は第2の係止部510を備える。第1の係止部508および第2の係止部510は、第1の係止部508を第2の係止部510に係止できるように、クランプおよびカラム配置で幾何学的に補完する構造を有する。第1の係止部508は、除去糸を受け入れるための開口部512を備える。フレーム502は、フレーム502の一部を取り囲むように離間して配置された第1のカプセル514、第2のカプセル516、および第3のカプセル518をさらに備える。この実施形態では、フレーム502は、丸みを帯びた矩形の管状断面を有する。子宮内での展開状態では、フレーム502は、カプセル、すなわち第1のカプセル514、第2のカプセル516、および第3のカプセル518がない2つの屈曲セグメント520および522で屈曲する。
【0105】
図6A図6Dは、一実施形態によるIUSのフレームおよびIUSの概略図であり、IUSがどのように形状に係止されるかを示している。実際、図6Aは、IUSのフレーム602を示している。図はまた、フレームの第1の端部604およびフレームの第2の端部606を示している。フレーム602の第1の端部604は第1の係止部608を備え、フレーム602の第2の端部606は第2の係止部610を備える。この実施形態では、第1の係止部608はノブであり、第2の係止部610はループである。
【0106】
フレーム602は、第1のフレームセグメント612と、第2のフレームセグメント614と、第3のフレームセグメント616と、をさらに備える。第1のフレームセグメント612および第2のフレームセグメント614は、第1の屈曲セグメント618を介して互いに接続されている。第2のフレームセグメント614および第3のフレームセグメント616は、第2の屈曲セグメント620を介して互いに接続されている。第1のフレームセグメント612、第2のフレームセグメント614および第3のフレームセグメント616の幅は、係止部608および610の幅よりも小さい。この実施形態では、第1の屈曲セグメント618および第2の屈曲セグメント620におけるフレーム602の断面は、本質的に凹形状を有する。さらに、屈曲セグメントの幅は、フレームセグメントの幅よりも大きい。フレーム602は、必要に応じてIUS600の取り外しを容易にする屈曲点622をさらに備える。
【0107】
図6Bは、販売パッケージ内に保管することができる形態で、すなわち挿入器具の内部に挿入される前の形態で、カプセル624および除去糸626を含むIUSを示している。図6Cおよび図6Dは、IUSが子宮内に解放されると、IUSを閉じてIUSの形状に係止するステップを示している。図6Bは、除去糸626を引っ張ることによってフレーム602がどのように曲げられるかを示している。図6Cでは、フレーム602の第1の端部604はフレームの第2の端部606と接触しており、図6Dでは、第1の端部604は第2の端部606を通って引っ張られており、したがってIUS600を形状に係止している。
【0108】
図7Aを参照すると、本開示の一実施形態による、IUS1102が予め装填された組み立てられた状態の挿入器具1100の斜視図が示されている。挿入器具1100は、近位端1106および遠位端1108を有するハンドル本体1104を備える。挿入器具1100は、近位端1112および遠位端1114を有する測定管1110をさらに備える。測定管1110の近位端1112は、ハンドル本体1104の遠位端1108に移動可能に取り付けられている。挿入器具1100は、遠位端1118および近位端1120を有する先端カバー1116をさらに備える。先端カバー1116は、測定管1110の遠位端1114の内側に引き込むように配置されている。挿入器具1100は、測定管1110の周りに移動可能に配置されたフランジ1122をさらに備える。ハンドル本体1104の周囲には、指ホルダ1124が移動可能に配置されている。挿入器具1100は、IUS1102の除去糸を可逆的に係止するための手段1126をさらに備える。除去糸を可逆的に係止するための手段1126は、ハンドル本体1104上に配置されている。挿入器具1100は、ハンドル本体1104の内側に移動可能に配置されたピストン1130をさらに備える。
【0109】
図7Bを参照すると、本開示の一実施形態による、IUS1102を有する組み立てられていない状態の図7 Aの挿入器具1100の斜視図が示されている。挿入器具1100は、遠位端1134と、近位端1136と、遠位端1134と近位端1136との間の距離として定義される長さLpと、を有するプランジャ1132をさらに備える。挿入器具1100が組み立てられた状態において、プランジャ1132は、ハンドル本体1104および測定管1110の内部に移動可能に配置されている。さらに、ハンドル本体1104の第1のカバー部分1138Aおよび第2のカバー部分1138Bが示されている。ハンドル本体1104は、遠位端1108と近位端1106との間の距離として定義される長さLh を有する。なお、長さLpは、長さLhよりも大きい。さらに、測定管1110の第1の部分1140Aおよび第2の部分1140B、指ホルダ1124の第1の部分1142Aおよび第2の部分1142B、ならびにピストン1130の第1の部分1144Aおよび第2の部分1144Bが示されている。さらに、フランジ先端カバー1116およびIUS1102の除去糸を可逆的に係止するための手段1126が示されている。挿入器具1100の組み立てられた状態において、先端カバー1116は、IUS1102のフレーム1146を真っ直ぐな構成(すなわち、IUS1102を子宮に挿入する前の挿入器具1100内のIUS1102の予め装填された状態)で収容する。さらに、フランジ1122、指ホルダ1124、およびIUS 1102の除去糸を可逆的に係止するための手段1126が示されている。
【0110】
また、図7Cは、IUS1102の拡大図を示している。IUS1102は、第1の端部1148および第2の端部1150を有するフレーム1146を備え、長さLは、第1の端部1148から第2の端部1150までの距離として定義される。フレーム1146は、IUS1102を子宮に挿入する前に、組み立てられた状態で挿入器具1100に装填されると真っ直ぐにされて伸ばされる。フレーム1146の第1の端部1148は第1の係止部1152を備え、フレーム1146の第2の端部1150は第2の係止部1154を備える。この実施形態では、第1の係止部1152はピンであり、第2の係止部1154はループである。第1の係止部1152および第2の係止部1154は、ピンがループ内に取り外し不能に挿入されることを可能にするために相補的な構造を有する。フレーム1146の第1の端部1148の第1の係止部1152は、除去糸1128を受け入れるための開口部1156を備える。
【0111】
図8Aを参照すると、本開示の一実施形態による、挿入器具のピストンおよびプランジャサブアセンブリ1200の斜視図が示されている。ピストンおよびプランジャサブアセンブリ1200には、ピストン1204内のプランジャ1202の配置が示されている。プランジャ1202は、ハンドル本体および挿入器具のピストン1204の内側からのその取り外しを防止するための手段1206を備える。
【0112】
図8Bを参照すると、本開示の一実施形態による、挿入器具のピストンおよびプランジャサブアセンブリ1200の断面図が示されている。ピストンおよびプランジャサブアセンブリ1200において、プランジャ1202はピストン1204に取り付けられている。さらに示されているのは、ピストン1204の係合部1208を示すためのピストンおよびプランジャサブアセンブリ1200の遠位部分の拡大図である。プランジャ1202は、ピストン1204の係合部1208間に係止する。
【0113】
図9Aを参照すると、本開示の一実施形態による、ハンドル本体1306の内側に移動可能に配置されたピストン1304を示すための挿入器具1300の第1のセクション1302の拡大図を有する挿入器具1300の概略図が示されている。ピストン1304は、ハンドル本体1306の内側からのピストン1304の取り外しを防止するための手段1308を備える。さらに、ハンドル本体1306の第1の凹部1316内に係止され、ピストンが移動の第1の部分のためにハンドル本体の遠位端に向かって移動されるときに挿入プロセス中に開放される指ホルダ1314の第1のフック1312を示すために、挿入器具1300の第2のセクション1310の拡大図が示されている。
【0114】
図9Bを参照すると、本開示の一実施形態による、測定管1328を固定するクランプ1326を示すための挿入器具1300の第4のセクション1324の拡大図を有する挿入器具1300の概略図が示されている。クランプ1326は、測定管1328がハンドル本体1306の遠位端1330の内側に移動可能に取り付けられるように、測定管1328を固定する。IUSが子宮内に完全に入り、係止部が互いに係止されると、クランプはピストンによって挿入の端部に向かって開かれる。
【0115】
図9Cを参照すると、測定管1328内の先端カバー1334の配置を示すために、挿入器具1300の第5のセクション1332の拡大図を有する挿入器具1300の概略図が示されている。第5のセクション1332では、IUS1336のフレーム1338の小さな部分が挿入器具1300から突出し、フレーム1338の残りの部分が先端カバー1334によって取り囲まれて保護されるように、挿入器具1300に予め装填されたIUS1336が示されている。さらに、IUS1336の拡大図が示されている。IUS1336のフレーム1338は、第1の端部1340および第2の端部1342を有する。フレーム1338は、IUS1336を子宮に挿入する前に挿入器具1300に装填されると真っ直ぐにされて伸ばされる。フレーム1338の第1の端部1340は第1の係止部1344を備え、フレーム1338の第2の端部1342は第2の係止部1346を備える。この実施形態では、第1の係止部1344はピンであり、第2の係止部1346はループである。IUS1336は、フレーム1338内に配置された薬学的活性剤をさらに含む。フレーム1338は、第1のフレームセグメント1348と、第2のフレームセグメント1350と、第3のフレームセグメント1352と、をさらに備える。第1のフレームセグメント1348および第2のフレームセグメント1350は、第1の屈曲セグメント1354を介して互いに接続されている。第2のフレームセグメント1350および第3のフレームセグメント1352は、第2の屈曲セグメント1356を介して互いに接続されている。第1の係止部1344の開口部には、除去糸1358が取り付けられている。第5のセクション1332には、第2の係止部1346と協働するように構成されたプランジャ1362の遠位端1360がさらに示されている。プランジャ1362は、IUS1336の除去糸1358がプランジャ1362を通過することを可能にするように中空である。
【0116】
図10A図10Hは、本開示の一実施形態による、IUS1402を子宮内に位置決めするための様々な動作段階を示す挿入器具1400の異なる図を示している。図10 Aを参照すると、本開示の一実施形態による、挿入器具1400の測定管1406上のフランジ1404の調整が示されている。フランジ1404は、測定管1406の外面上の挿入深さインジケータ1408の助けを借りて、測定管1406上の指定された位置で、手動で移動される。指定された位置は、子宮腔の長さ+子宮消息子診中に以前に測定された子宮頸管の長さを指す。一旦セットされたフランジ1404は、IUS1402の挿入プロセス中に移動しない。さらに、予め装填された状態で挿入器具1400の外側にあるIUS1402のフレーム1412の一部が示されている。さらに、予め装填された状態では、除去糸1414は、フレーム1412の一端(すなわち、第1の端部)に結合され、挿入器具1400を通過し、除去糸1414の一部が挿入器具1400のハンドル本体1416から現れる。回転可能ノブ1418は、ハンドル本体1416と回転可能ノブ1418との間で除去糸1414を係止するために第1の位置に配置されている。
【0117】
図10Bおよび図10Cは、フランジ1404の一実施形態をより詳細に示している。この実施形態では、フランジ1404は、元々「開」位置にあるスナップロック1410を備え、スナップロック1410は開いた状態にあり、フランジは容易に移動することができる。フランジが(挿入深さインジケータ1408上の)正しい位置になると、スナップロック1410はフランジを押すことによって閉じられ、したがって、スナップロックは「閉」位置になる。
【0118】
図10Dは、本開示の一実施形態による、挿入器具1400を使用するIUS1402の第1の挿入段階を示している。この段階では、挿入器具1400の第1の状態1424(左側)から第2の状態1426(右側)への移行が示されている。第1の状態1424(左側)では、先端カバー1422が伸長位置に示されている。測定管1406が膣1428を通して子宮頸部に向かって通される。挿入器具1400は、先端カバー1422が子宮頸部開口部に到達し、IUS1402の第1の端部(すなわち、先端部)が子宮頸部開口部の内側に位置するように位置決めされる。この段階で、挿入器具1400全体が被検体に向かって穏やかに押され、これにより、先端カバー1422がハンドル本体1416の内部を後方に移動する。
【0119】
第2の状態1426(右側)では、先端カバーがハンドル本体1416の内部に引き込まれ、フレーム1412の一部が挿入器具1400から子宮頸管1430内に、および部分的に子宮腔1432内に解放される。第2の状態1426では、測定管1406が子宮頸管1430に入るのを防止するための丸球状の構造を有する先端カバーの遠位端1434がさらに示されている。この段階では、ピストン1438の押圧部材1436は、ハンドル本体1416の近位端1440から依然として離れている(すなわち、ピストン1438は伸長状態にある)。
【0120】
図10Eを参照すると、本開示の一実施形態による、挿入器具1400を使用するIUS1402の第2の挿入段階が示されている。この段階では、動作1442(左側)において、先端カバー(すなわち、挿入器具1400の先端部)の遠位端1434の子宮頸部へのしっかりとした接触を維持しながら、ピストン1438は、ピストン1438の近位端から押圧部材1436に押圧される。指ホルダ1446は、ピストン1438をハンドル本体1416に向かって都合よく押圧するために指(例えば、この場合は2本の指)のための支持体として使用される。
【0121】
ピストン1438は、ピストン1438がハンドル本体1416の完全に内側になるまで近位端から押圧され、ピストン1438のそれ以上の移動は許容されない(すなわち、ピストン1438の移動が停止する)。IUS1402は、挿入器具1400から出始め、子宮腔1432内にループを形成する。ピストン1438の移動は、ピストン1438に取り付けられたプランジャ1450を移動させ、これがフレームの端部を押し、したがって、より多くのフレームが挿入器具1400から解放されて、子宮腔1432内にループを形成する。
【0122】
動作1448(右側)において、ピストンがハンドル本体1416に完全に進入した後、指ホルダ1446は係止解除され、ハンドル本体1416の近位端に向かって移動する。この段階で、IUS 1402は挿入器具1400の外側にあり、IUS1402は子宮腔1432の入口にある。この段階で、プランジャはまた、挿入器具1400の内部でそれ自体を係止し、ピストンを押すことによってそれ以上移動することができない。
【0123】
図10Fは、IUS1402が子宮腔1432の入口にある間に、IUS1402の係止部が係止するステップを示している。測定管1406は解放され、したがって再び移動することができる。
【0124】
図10Gを参照すると、本開示の一実施形態による、挿入器具1400を使用するIUS1402の第3の挿入段階が示されている。この段階では、挿入器具1400は、フランジ1404がハンドル本体1416と接触する(すなわち、測定管1406の近位端の一部は、ハンドル本体1416の遠位端1454の内側に入る)まで患者に向かって押される。この段階の間、IUS1402は子宮底位置に移動し、IUS1402全体が子宮腔1432内に正確に位置決めされる。
【0125】
図10Hを参照すると、本開示の一実施形態による、IUS1402が子宮腔に展開された後の挿入器具1400を使用した除去糸1414の解放が示されている。この段階で、除去糸1414は、回転可能ノブ1418を使用して解放される。回転可能ノブ1418は、除去糸1414がハンドル本体1416に対して移動され、最終的に解放されることを可能にするために、その初期の第1の位置から第2の位置に移動される。
【0126】
図10Iを参照すると、本開示の一実施形態による、被検体からの挿入器具1400の取り外しが示されている。挿入器具1400は、膣1428から引き出され、挿入器具1400によるIUS1402の挿入プロセスの完了を意味する。
【0127】
図11Aを参照すると、本開示の別の実施形態による、IUS1502が予め装填された組み立てられた状態の挿入器具1500の概略図が示されている。挿入器具1500は、近位端1506および遠位端1508を有するハンドル本体1504を備える。挿入器具1500は、近位端1512および遠位端1514を有する測定管1510をさらに備える。測定管1510の近位端1512は、ハンドル本体1504の遠位端1508に移動可能に取り付けられている。挿入器具1500は、測定管1510の周りに移動可能に配置されたフランジ1522をさらに備える。ハンドル本体1504には、指ホルダ1524が配置されている。この実施形態では、指ホルダ1524は、リング形状、すなわち、その近位端1506でハンドル本体1504の外面の正反対の側面から外側に延びる円の形態である。挿入器具1500は、IUS1502の除去糸を可逆的に係止するための手段1526をさらに備える。除去糸を可逆的に係止するための手段1526は、ハンドル本体1504上に配置されている。挿入器具1500は、ハンドル本体1504の内側に移動可能に配置されたピストン1530をさらに備える。
【0128】
図11Bを参照すると、本開示の一実施形態による、組み立てられていない状態の図11Aの挿入器具1500の斜視図が示されている。挿入器具1500は、遠位端1534および近位端1536を有するプランジャ1532をさらに備える。挿入器具1500が組み立てられた状態において、プランジャ1532は、ハンドル本体1504および測定管1510の内部に移動可能に配置されている。ハンドル本体1504は、第1のカバー部分1538Aおよび第2のカバー部分1538Bを有する。さらに、測定管1510の第1の部分1540Aおよび第2の部分1540B、ならびにピストン1530の第1の部分1542Aおよび第2の部分1542Bが示されている。さらに、IUS1502の除去糸を可逆的に係止するための手段1526、ならびにフランジ1550が示されている。
【0129】
添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、上記で説明された本開示の実施形態に対する修正が可能である。本開示を記載および特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な方法で解釈されることを意図しており、すなわち、明示的に記載されていないアイテム、構成要素または要素も存在することを可能にする。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0130】
100 子宮内システム
102 フレーム
104 第1の端部
106 第2の端部
108 第1の係止部
110 第2の係止部
112 外径
202 ロック
204 第1のフレームセグメント
206 第2のフレームセグメント
208 第3のフレームセグメント
210 第1の屈曲セグメント
212 第2の屈曲セグメント
214 凹形状
216 屈曲点
218 除去糸
220 開口部
222 長さ
224 幅
300 子宮内システム
302 フレーム
304 第1の端部
306 第2の端部
308 第1の係止部
310 第2の係止部
312 ロック
314 第1のフレームセグメント
316 第2のフレームセグメント
318 第3のフレームセグメント
320 第1の屈曲セグメント
322 第2の屈曲セグメント
324 屈曲点
326 除去糸
328 開口部
330 カプセル
332 カプセル
334 カプセル
336 カプセル
400 子宮内システム
402 フレーム
404 第1の端部
406 第2の端部
408 第1の係止部
410 第2の係止部
412 開口部
414 カプセル
416 カプセル
418 カプセル
420 カプセル
422 第1のフレームセグメント
424 第2のフレームセグメント
426 第3のフレームセグメント
428 第1の屈曲セグメント
430 第2の屈曲セグメント
432 ロック
434 屈曲点
436 除去糸
500 子宮内システム
502 フレーム
504 第1の端部
506 第2の端部
508 第1の係止部
510 第2の係止部
512 開口部
514 カプセル
516 カプセル
518 カプセル
520 第1の屈曲セグメント
522 第2の屈曲セグメント
600 子宮内システム
602 フレーム
604 第1の端部
606 第2の端部
608 第1の係止部
610 第2の係止部
612 第1のフレームセグメント
614 第2のフレームセグメント
616 第3のフレームセグメント
618 第1の屈曲セグメント
620 第2の屈曲セグメント
622 屈曲点
624 カプセル
626 除去糸
1100 挿入器具
1102 IUS
1104 ハンドル本体
1106 近位端
1108 遠位端
1110 測定管
1112 近位端
1114 遠位端
1116 先端カバー
1118 遠位端
1120 近位端
1122 フランジ
1124 指ホルダ
1126 手段
1128 除去糸
1130 ピストン
1132 プランジャ
1134 遠位端
1136 近位端
1138A 第1のカバー部分
1138B 第2のカバー部分
1140A 第1の部分
1140B 第2の部分
1142A 第1の部分
1142B 第2の部分
1144A 第1の部分
1144B 第2の部分
1146 フレーム
1148 第1の端部
1150 第2の端部
1152 第1の係止部
1154 第2の係止部
1156 開口部
1200 ピストンおよびプランジャサブアセンブリ
1202 プランジャ
1204 ピストン
1206 手段
1208 係合部
1300 挿入器具
1302 第1のセクション
1304 ピストン
1306 ハンドル本体
1308 手段
1310 第2のセクション
1312 第1のフック
1314 指ホルダ
1316 第1の凹部
1324 第4のセクション
1326 クランプ
1328 測定管
1330 遠位端
1332 第5のセクション
1334 先端カバー
1336 IUS
1338 フレーム
1340 第1の端部
1342 第2の端部
1344 第1の係止部
1346 第2の係止部
1348 第1のフレームセグメント
1350 第2のフレームセグメント
1352 第3のフレームセグメント
1354 第1の屈曲セグメント
1356 第2の屈曲セグメント
1358 除去糸
1360 遠位端
1362 プランジャ
1400 挿入器具
1402 IUS
1404 フランジ
1406 測定管
1408 インジケータ
1410 スナップロック
1412 フレーム
1414 除去糸
1416 ハンドル本体
1418 回転可能ノブ
1422 先端カバー
1424 第1の状態
1426 第2の状態
1428 膣
1430 子宮頸管
1432 子宮腔
1434 遠位端
1436 押圧部材
1438 ピストン
1440 近位端
1442 動作
1446 指ホルダ
1448 動作
1450 プランジャ
1454 遠位端
1500 挿入器具
1502 IUS
1504 ハンドル本体
1506 近位端
1508 遠位端
1510 測定管
1512 近位端
1514 遠位端
1522 フランジ
1524 指ホルダ
1526 手段
1530 ピストン
1532 プランジャ
1534 遠位端
1536 近位端
1538A 第1のカバー部分
1538B 第2のカバー部分
1540A 第1の部分
1540B 第2の部分
1542A 第1の部分
1542B 第2の部分
1550 フランジ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図10I
図11A
図11B
【国際調査報告】