IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベタパック・エセ・ア・ウの特許一覧

特表2023-511968容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置
<>
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図1
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図2
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図3
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図4
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図5
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図6
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図7
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図8
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図9
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図10
  • 特表-容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/34 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
B65D41/34 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545052
(86)(22)【出願日】2021-01-25
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 ES2021070049
(87)【国際公開番号】W WO2021148705
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】P202030054
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520009747
【氏名又は名称】ベタパック・エセ・ア・ウ
【氏名又は名称原語表記】BETAPACK, S.A.U.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベロア ガルシア,フランシスコ,ハビエル
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB03
3E084DB12
3E084FA02
3E084FB01
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB01
3E084GB06
3E084GB08
3E084KA13
3E084KB01
3E084LA18
3E084LB02
3E084LD01
(57)【要約】
本発明は、係合カラー(4)を含む容器のネック(2)上に固定されることが意図されたキャップ装置に関し、当該キャップ装置は、
- キャップ(1)と、
- ネック(2)に軸方向に固定される下側リング(9)と、
- キャップ(1)と下側リング(9)の第2の部分(17)をつなぐヒンジ装置(10)と、
を含み、
- 下側リング(9)は、2つの係合エリア(20,21)内だけに係合要素(18)を有し、手前側から奥側への下側リング(9)の半径方向の移動を許し、下ろされた位置と解放位置の間における第2の部分(17)の移動の間の、係合カラー(5)の各側における第2の部分(17)の一部の通過を容易にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリフィス(3)および係合カラー(4)を含む容器のネック(2)上に固定されることが意図されたキャップ装置であって、
- 上側壁(13)および外周囲スカート(14)を含むキャップ(1)であって、前記外周囲スカート(14)が、前記ネック(2)上に形成された螺旋ねじ山(6)との協働が意図された:
・ 軸X周りに前記キャップ(1)を弛み方向に回して、前記ネック(2)の前記オリフィス(3)を前記上側壁(13)が閉じ、かつ前記ネック(2)を前記外周囲スカート(14)が取り囲む閉位置から、前記キャップ(1)が前記ネック(2)とは係合しなくなる解放位置へ向けて前記キャップ(1)を移動させることと、
・ 前記ネック(2)に前記キャップ(1)を締め込み方向に回して、前記解放位置から前記閉位置へ向けて前記キャップ(1)を移動させることと、
を可能にする螺旋ねじ溝(7)を有するキャップ(1)と、
- 前記ネック(2)上に軸方向に固定され、かつ前記軸X周りに前記ネック(2)上において回転移動が可能な下側リング(9)であって、前記下側リング(9)内に半径方向に突出し、かつ前記下側リング(9)を前記容器の前記ネック(2)上に軸方向に保持するべく前記係合カラー(5)の下に配されることが意図された係合要素(18)を含む第1の部分(16)と第2の部分(17)とを含み、前記下側リング(9)の前記第1の部分(16)と前記第2の部分(17)が、前記第2の部分(17)が前記係合カラー(5)の下に配されることが意図される下ろされた位置と、前記第2の部分(17)が少なくとも部分的に前記係合カラー(5)の上に配されることが意図される持ち上げられた位置との間において、前記第1の部分(16)に関して前記第2の部分(17)が回動するように互いに関節接続される、下側リング(9)と、
- 前記キャップ(1)を前記下側リング(9)の前記第2の部分(17)に取り付ける、前記キャップ(1)の、前記解放位置と、前記キャップ(1)が前記ネック(2)の前記オリフィス(3)から解放される斜めに開いた位置との間における回動を可能にするべく構成されたヒンジ装置(10)と、
を含み、
- 前記下側リング(9)は、前記第1の部分(16)に関して前記第2の部分(17)が、前記閉位置から前記解放位置への前記キャップ(1)の移動の間に前記下ろされた位置から前記持ち上げられた位置へ、また前記解放位置から前記斜めに開いた位置への前記キャップ(1)の移動の間に前記持ち上げられた位置から前記下ろされた位置へ回動するように構成され、
- 前記下側リング(9)の前記第1の部分(16)は、直径方向に前記第2の部分(17)と対向する手前側エリア(19)と、前記第1の部分(16)の前記手前側エリア(19)と前記第2の部分(17)の間にそれぞれ配される2つの係合エリア(20,21)とを含み、前記係合要素(18)は、前記2つの係合エリア(20,21)内だけに配され、前記下ろされた位置と前記解放位置の間における前記第2の部分(17)の移動の間の、前記係合カラー(5)の各側における前記第2の部分(17)の一部の通過を容易にすることが可能な前記下側リング(9)の半径方向の動きを可能にする、
キャップ装置。
【請求項2】
前記係合要素(18)は、半径方向内向きに突出する突出部である、請求項1に記載のキャップ装置。
【請求項3】
前記第2の部分(17)は、90と150°の間の角度範囲にわたって延びる、請求項1または2に記載のキャップ装置。
【請求項4】
前記第1の部分(16)の前記手前側エリア(19)は、90と150°の間に包含される角度範囲にわたって延びる、請求項1から3のいずれかに記載のキャップ装置。
【請求項5】
前記2つの係合エリア(20,21)のうちのそれぞれは、30と90°の間に包含される角度範囲にわたって延びる、請求項1から4のいずれかに記載のキャップ装置。
【請求項6】
前記ヒンジ装置(10)は、垂直二等分平面Pbによって2つの等しい部分に分けられる第1の角度範囲にわたって延び、前記2つの係合エリア(20,21)は、前記垂直二等分平面Pbに対し、互いに関して対称である角度部分にわたって延びる、請求項1から5のいずれかに記載のキャップ装置。
【請求項7】
前記ヒンジ装置(10)は、垂直二等分平面Pbによって2つの等しい部分に分けられる第1の角度範囲にわたって延び、かつ、前記キャップ(1)の前記外周囲スカート(14)に形成された前記螺旋ねじ溝(7)は、前記軸X周りに第1の方向に進み、かつ下側端部と上側端部を有し、前記螺旋ねじ溝(7)の前記下側端部は、前記垂直二等分平面Pbと、前記第1の方向とは反対の第2の方向に従って前記垂直二等分平面Pbから160°に位置決めされる半径方向平面との間に画定される第2の角度範囲で配される、請求項1から6のいずれかに記載のキャップ装置。
【請求項8】
前記螺旋ねじ溝(7)の前記下側端部は、前記第2の回転方向に従って前記垂直二等分平面Pbから、それぞれ90°と160°に位置決めされる2つの半径方向平面の間に画定される角度範囲で配される、請求項7に記載のキャップ装置。
【請求項9】
繰り出しオリフィス(3)と、係合カラー(5)と、螺旋ねじ山(6)とを含むネック(2)を備える容器と、前記下側リング(9)が前記ネック(2)上に軸方向に固定され、かつ前記軸X周りに前記ネック(2)上を回転可能に移動する請求項1から8のいずれかに記載のキャップ装置とを包含するアッセンブリ。
【請求項10】
前記キャップ装置は、さらに、前記斜めに開いた位置において前記キャップ(1)をロックするべく構成されたロック装置を含み、前記ロック装置は、前記キャップ(1)から半径方向外向きに突出し、かつ前記斜めに開いた位置から前記解放位置へ向かう前記キャップ(1)の動きの間に前記ネック(2)の前記係合カラー(5)にもたれ、半径方向外向きに向けられる成分と軸方向上向きに向けられる成分とを有し、前記下ろされた位置と前記持ち上げられた位置の間における前記第2の部分(17)の移動を補助する引張り力を前記第2の部分(17)に作用させるべく構成されたストップ(23)を含む、
請求項9に記載のアッセンブリ。
【請求項11】
前記ストップ(23)は、前記解放位置から前記斜めに開いた位置へ向かう前記キャップ(1)の動きの間に、前記ストップ(23)が前記下側リング(9)の前記第2の部分(17)の上側端部にもたれ、それを前記持ち上げられた位置から前記下ろされた位置へ移動させるように構成される、請求項10に記載のアッセンブリ。
【請求項12】
前記ロック装置は、さらに、前記キャップ(1)の前記外周囲スカート(14)上に形成されて軸方向に延びるヒール(22)を含み、前記ヒール(22)は、前記斜めに開いた位置から前記解放位置へ向かう前記キャップ(1)の動きの間に前記容器の前記ネック(2)上に形成された前記螺旋ねじ山(6)の螺旋リブにもたれ、半径方向外向きに向けられる成分と軸方向上向きに向けられる成分とを有し、前記下ろされた位置から前記持ち上げられた位置への前記第2の部分(17)の移動を補助する引張り力を前記第2の部分(17)に作用させるように構成される、請求項10または11に記載のアッセンブリ。
【請求項13】
前記ヒンジ装置(10)は、2つの薄片(11,12)を含み、それにおいて前記ヒール(22)は、前記2つの薄片(11,12)の間に形成される、請求項12に記載のアッセンブリ。
【請求項14】
前記ストップ(23)は、前記ヒール(22)から半径方向外向きに突出する、請求項12または13に記載のアッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップが備えられ、かつ前記キャップを容器のネックに固定して維持すること、したがって、そのキャップの遺失を完全に回避することを可能にするキャップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、容器のネックに軸方向に固定されるべく設計された下側リングと、容器のネック上に相補的に形成されたねじ山と係合するべく設計されたねじ溝を含むキャップと、キャップと下側リングをつなぐヒンジとを含むキャップ装置を開示している。下側リングは、当該下側リングを容器のネックに保持するべく提供された係合手段を含む。係合手段が備わる下側リングの直径の部分は、当該下側リングの直径の25から75%までの間に延びる。ヒンジ装置によってキャップと接続される下側リングの部分には、前記部分が下ろされた位置と持ち上げられた位置の間において回動すること、特にキャップを弛み方向に回すことを可能にする係合手段がない。その一方では、キャップが、下側リングに形成された相補的なラチェット手段との協働が意図されたラチェット手段を含み、したがってキャップは、斜めに開いた位置に維持されることが可能になる。
【0003】
このキャップ装置は、完全に満足が得られるものであるとは言えない。実際、ヒンジによってキャップに接続される下側リングの部分に係合手段がないにもかかわらず、斜めに開いた位置から閉位置へキャップを移動させる必要があるとき、キャップに接続される下側リングの部分を持ち上げられた位置へ回動することを可能にするキャップの操作が容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】スペイン国実用新案第1232089号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底にある思想は、信頼性があり、作成および使用が容易な、容器のネックに取り付けられたキャップを維持することを可能にするキャップ装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施態様によれば、本発明は、オリフィスおよび係合カラーを含む容器のネックに固定されることが意図されたキャップ装置を提供し、前記キャップ装置は、
- 上側壁および外周囲スカートを含むキャップであって、前記外周囲スカートが、前記ネック上に形成された螺旋ねじ山と協働するべく設計された:
・ 軸X周りに前記キャップを弛み方向に回して、前記ネックの前記オリフィスを前記上側壁が閉じ、かつ前記ネックを前記外周囲スカートが取り囲む閉位置から、前記キャップが前記ネックとは結合しなくなる解放位置へ前記キャップを移動させることと、
・ 前記ネック上において前記キャップを締め込み方向に回して、前記解放位置から前記閉位置へ向けて前記キャップを移動させることと、
を可能にする螺旋ねじ溝を有するキャップと、
- 前記ネック上に軸方向に固定され、かつ前記軸X周りに前記ネック上において回転移動が可能な下側リングであって、前記下側リング内に半径方向に突出し、かつ前記下側リングを前記容器の前記ネック上に軸方向に保持するべく前記係合カラーの下に配されることが意図された係合要素を含む第1の部分と第2の部分とを含み、前記下側リングの前記第1の部分と前記第2の部分が、前記第2の部分が前記係合カラーの下に配されることが意図される下ろされた位置と、前記第2の部分が少なくとも部分的に前記係合カラーの上に配されることが意図される持ち上げられた位置との間において、前記第1の部分に関して前記第2の部分が回動するように互いにヒンジ接続される、下側リングと、
- 前記キャップを前記下側リングの前記第2の部分に取り付ける、前記キャップの、前記解放位置と、前記キャップが前記ネックの前記オリフィスから解放される斜めに開いた位置との間における回動を可能にするべく構成されたヒンジ装置と、
を含み、
- 前記下側リングは、前記第1の部分に関して前記第2の部分が、前記閉位置から前記解放位置へ前記キャップが移動するときには前記下ろされた位置から前記持ち上げられた位置へ、また前記解放位置から前記斜めに開いた位置へ前記キャップが移動するときには前記持ち上げられた位置から前記下ろされた位置へ回動するように構成され、
- 前記下側リングの前記第1の部分は、直径方向に前記第2の部分と対向する手前側エリアと、前記第1の部分の前記手前側エリアと前記第2の部分の間にそれぞれ配される2つの係合エリアとを含み、前記係合要素は、前記2つのエリア内だけに配され、前記下ろされた位置と前記解放位置の間における前記第2の部分の移動の間の、前記係合カラーの各側における前記第2の部分の一部の通過を容易にすることが可能な前記下側リングの半径方向の動きを可能にする。
【0007】
このようにして、前記第2の部分が下ろされた位置と持ち上げられた位置の間におけるそれの移動を可能にするべく下側リングに作用される引張り力がより小さくなり、そのことがキャップ装置の使用を容易にする。
【0008】
ほかの有利な実施態様によれば、このタイプのキャップ装置は、次に示す特徴のうちの1つ以上を有し得る。
【0009】
1つの実施態様によれば、前記第2の部分が係合要素を有していない。
【0010】
1つの実施態様によれば、前記第1の部分の前記手前側エリアに係合要素がない。
【0011】
1つの実施態様によれば、前記係合要素が、半径方向内向きに突出する突出部である。
【0012】
1つの実施態様によれば、前記第2の部分は、90と150°の間に包含される角度範囲にわたって延びる。
【0013】
1つの実施態様によれば、前記第2の部分の前記手前側エリアは、90と150°の間に包含される角度範囲にわたって延びる。
【0014】
1つの実施態様によれば、前記2つの係合エリアのうちのそれぞれは、30と90°の間の角度範囲にわたって延びる。
【0015】
1つの実施態様によれば、前記ヒンジ装置は、垂直二等分平面Pbによって2つの等しい部分に分けられる角度部分にわたって延び、前記2つの係合エリアは、前記垂直二等分平面Pbに対し、互いに関して対称である角度部分にわたって延びる。
【0016】
1つの実施態様によれば、前記ヒンジ装置が、垂直二等分平面Pbによって2つの等しい部分に分けられる角度部分にわたって延び、かつ、前記キャップの前記外周囲スカートに形成された前記螺旋ねじ溝が、前記軸X周りに第1の方向に進み、かつ下側端部と上側端部を有し、前記螺旋ねじ溝の前記下側端部が、前記垂直二等分平面Pbと、前記第1の方向とは反対の第2の方向の前記垂直二等分平面Pbから160°に位置決めされる半径方向平面との間に画定される第2の角度部分で配される。これは、前記キャップが前記斜めに開いた位置から閉位置へ動かすときの前記ネックへの前記キャップの取り付けを容易にする。
【0017】
1つの実施態様によれば、前記螺旋ねじ溝の前記下側端部が、前記第2の回転方向に従って前記垂直二等分平面Pbから、それぞれ90°と160°に位置決めされる2つの半径方向平面の間に画定される角度部分に配される。
【0018】
1つの実施態様によれば、前記ヒンジ装置が2つの薄片を含み、前記キャップ装置が、前記斜めに開いた位置において前記キャップをロックするための装置も含み、前記ロック装置は、前記ヒンジ装置の前記2つ薄片の間において前記外周囲スカートに形成され、かつ前記キャップが前記斜めに開いた位置にあるときに前記容器のネックにもたれるべく構成されたストップを含み、前記ヒールは、前記螺旋ねじ溝の少なくとも1つのリブが形成される内部側を有する。これは、前記キャップ装置の圧力耐性を向上させることを可能にする。
【0019】
実施態様によれば、本発明はまた、オリフィスと、係合カラーと、螺旋ねじ山とを含むネックを備える容器と、前記下側リングが前記ネック上に軸方向に固定され、かつ前記軸X周りに前記ネック上において回転移動が可能な上に述べられているキャップ装置を包含するアッセンブリにも関係する。
【0020】
1つの実施態様によれば、前記キャップ装置が、さらに、前記斜めに開いた位置において前記キャップをロックするべく構成されたロック装置を含み、前記ロック装置は、前記キャップから半径方向外向きに突出し、かつ前記斜めに開いた位置から前記解放位置へ向かう前記キャップの動きの間に前記ネックの前記係合カラーにもたれ、半径方向外向きに向けられる成分と軸方向上向きに向けられる成分とを有し、前記下ろされた位置から前記持ち上げられた位置への前記第2の部分の移動を補助する引張り力を前記第2の部分に作用させるべく構成されたストップを含む。これは、前記キャップ装置の使用を、特に前記キャップを前記斜めに開いた位置から前記閉位置へ移動させる必要があるときにさらに容易にすることを可能にする。
【0021】
1つの実施態様によれば、前記ストップが、前記解放位置から前記斜めに開いた位置への前記キャップの動きの間に、前記ストップが前記下側リングの前記第2の部分の上側端部にもたれ、前記第2の部分を前記持ち上げられた位置から前記下ろされた位置へ移動させるように構成される。これもまた、前記キャップ装置の使用をより容易にする。
【0022】
1つの実施態様によれば、前記ロック装置が、さらに、前記キャップの前記外周囲スカートに形成されて軸方向に延びるヒールを含み、前記ヒールは、前記斜めに開いた位置から前記解放位置への前記キャップの動きの間に前記容器の前記ネック上に形成された前記螺旋ねじ山の螺旋リブにもたれ、半径方向外向きに向けられる成分と軸方向上向きに向けられる成分とを有し、前記下ろされた位置から前記持ち上げられた位置へ向かう前記第2の部分の移動を補助する引張り力を前記第2の部分に作用させるべく構成される。
【0023】
1つの実施態様によれば、前記ヒンジ装置が2つの薄片を含み、それにおいては、前記ヒールが前記2つの薄片の間に形成される。
【0024】
1つの実施態様によれば、前記ストップが、前記ヒールから半径方向外向きに突出する。
【0025】
限定ではなく、単に例証のためだけに提供される、添付図面を参照した以下の本発明のいくつかの特定の実施態様の説明の中で本発明がより良好に理解されることになり、それのそのほかの目的、詳細、特徴、および利点もまた、より明らかなものとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】キャップ装置の4分の3の斜視図である。
図2図1のキャップ装置を受けることが意図された容器のネックの断面図である。
図3】容器のネックと係合しなくなる解放位置にあるキャップ装置のキャップを示した、容器のネックに取り付けられたキャップ装置の側面図である。
図4】ネックのオリフィスからキャップが解放される斜めに開いた位置にあるキャップ装置のキャップを示した、容器のネックに取り付けられたキャップ装置の斜視図である。
図5】キャップ装置の側面斜視図である。
図6】キャップ装置の別の側面斜視図である。
図7】キャップ装置の奥側の斜視図である。
図8】キャップ装置の手前側の斜視図である。
図9】ネックのオリフィスからキャップが解放される斜めに開いた位置にあるキャップ装置のキャップを示した、容器のネックに取り付けられたキャップ装置の断面図である。
図10】解放位置と斜めに開いた位置の間の中間位置にあるキャップ装置のキャップを示した、容器のネックに取り付けられたキャップ装置の断面図である。
図11】斜めに開いた位置にあるキャップ装置のキャップを示した、容器のネックに取り付けられたキャップ装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
説明および図において、容器のネック2上にキャップ装置のキャップ1が締め込まれているとき、軸Xがキャップ1の回転軸に対応する。慣習に従って、『半径方向』の向きは、軸Xと直交する方向に向けられ、軸方向の向きは、軸Xと平行な方向に向けられる。用語『外部』および『内部』は、軸Xに照らして一方の要素の他方の要素に関する相対的な位置の定義に使用され、したがって、軸Xに近い要素は、周囲の半径方向に位置する外部要素に対立するものとして、内部として分類される。
【0028】
用語『上側』および『下側』は、ネック2のオリフィス3が上向きであり、かつキャップ1が容器のネック2上の閉位置にある姿勢に照らして、一方の要素の他方の要素に関する相対的な位置の定義に使用され、下側に配置されることが意図された要素を下側と呼び、より高く配置されることが意図された要素を上側と呼ぶ。用語『手前側』および『奥側』は、軸Xと直角に交わる直径に沿って一方の要素の他方の要素に関する相対的な位置の定義に使用される。
【0029】
以下、図1乃至10を参照し、特に図1に代表されるキャップ装置と、特に図2に代表されるネック2が備えられた容器を包含するアッセンブリについて説明する。
【0030】
図2に示されているとおり、容器のネック2は、容器の内容物を注ぐことを可能にするオリフィス3が形成された上側の端部を有する。容器のネック2は、半径方向外向きに突出している支持カラー4と、これもまた半径方向外向きに突出し、かつ支持カラー4とオリフィス3の間において軸方向に配された係合カラー5とを含む。支持カラー4とオリフィス3の間には、円筒状部分が軸方向に形成されている。その一方では、ネック2が、係合カラー5とオリフィス3の間において軸方向に位置決めされ、ネック2の外部表面から外側へ向かって半径方向に突出する一連の螺旋リブによって形成された螺旋ねじ山6を含む。螺旋ねじ山6は、キャップ装置のキャップ1に形成された一連の螺旋リブによって形成される相補的な螺旋ねじ溝7と協働することが意図されている。
【0031】
1つの実施態様によれば、ネック2に形成された螺旋ねじ山6をはじめ、キャップ1に形成された螺旋ねじ溝7は、断続的である。言い換えると、特に、容器の内側に存在するガスを、キャップ1がまだネック2に取り付けられている間に逃がすことを可能にするベントを形成する空きによって隣接する螺旋リブが隔てられている。
【0032】
キャップ装置は、容器のネック2に保持される下側リング9と、容器をシールするためにそれのオリフィス3をカバーすることが意図されたキャップ1と、キャップ1と下側リング9をつなぐヒンジ装置10と、図4、9、および11に示されているとおり、キャップ1を斜めに開いた位置にロックするべく位置決めされるロック装置とを含む。斜めに開いた位置においては、キャップ1と容器のオリフィス3との係合が解かれ、容器の内容物を注ぐことが妨げられない。
【0033】
図7および8に図解されているとおり、ヒンジ装置10は、垂直二等分平面Pbによって2つ等しい部分に分割される角度範囲S1にわたって延びる。
【0034】
図1に戻るが、キャップ1は、前記キャップ1が閉位置にあるとき、軸Xと直交して実質的に配され、ネック2のオリフィス3と対向することが意図された上側壁13を含む。さらにキャップ1は、キャップ1が閉位置にあるとき、容器のネック2を取り囲むことが意図された外周囲スカート14を含む。外周囲スカート14は、上側壁13に対して垂直に、前記上側壁13の外周囲から下向きに延びる。
【0035】
外周囲スカート14は、その内側の面に、図2および5乃至7に見られる、第1の回転方向で軸X周りに延びる一連の螺旋リブによって形成された螺旋ねじ溝7を有する。螺旋ねじ溝7は、ネック2の外部表面上に形成された螺旋ねじ山6と協働することが意図されている。このようにして、容器を閉じるためにキャップ1を回してネック2に締め込むこと、および容器を開けるために回してネック2から弛めることが可能である。キャップ1は、したがって、図3に示されているとおり、閉位置と解放位置の間において移動することが可能である。前記解放位置においては、それ以降、キャップ1がネック2と係合しなくなる。したがって、図4、9、および11に表されているとおり、容器の内容物を注ぐことを妨げないように、ネック2のオリフィス3からキャップ1が外される斜めに開いた位置へ向けて傾けることが可能である。
【0036】
特に図9に示されているとおり、キャップ1は、内部スカート8も含み、それがキャップ1の上側壁13から垂直下向きに延び、ネック2のオリフィス3内への挿入に必要な寸法に形成されている。またキャップ1は、上側壁13から半径方向に、内側スカート8と外周囲スカート14の間に延びる環状リップ15も含む。内側スカート8および環状リップ15は、キャップ1が閉位置にあるとき、容器のネック2内において、内側スカート8がネック2の内側の面と接触し、その一方で環状リップ15がネック2の外側の面と接触するような寸法に形成される。このようにして、内部スカート8および環状リップ15は、閉じたときのシールを保証することを可能にしている。
【0037】
好都合には、容器を最初に開ける前の下側リング9が、キャップ1を開ける間に壊れることが意図された、図には現れていない何らかの易壊性のブリッジによってキャップ1と接続されている。これらの易壊性のブリッジは、したがって、不正防止シールを構成する。
【0038】
下側リング9は、容器のネック2上に軸方向に保持され、それに関して、軸X周りに回転することが可能である。図3に示されているとおり、下側リング9は、互いに関節接続される2つの部分、すなわち、第1の部分16と第2の部分17を含み、後者を介して下側リング9がヒンジ装置10によってキャップ1と接続される。
【0039】
1つの実施態様によれば、下側リング9が2つの狭められたエリアを含み、言い換えると、前記狭められたエリアの半径方向の厚さが、それの外側の下側リング9の半径方向の厚さより薄い。これら2つの狭められたエリアは、第1の部分16と第2の部分17を区切る。したがって、狭められたエリアは、第2の部分17が第1の部分16に関して関節状に動くことを可能にするピボットを形成する。
【0040】
別の実施態様によれば、下側リング9が、第1の部分16と第2の部分17を区切る狭められたエリアを有していない。
【0041】
第2の部分17は、第2の部分17が係合カラー5の下に配されることが意図される下ろされた位置と、第2の部分17が少なくとも部分的に係合カラー5の上に配される持ち上げられた位置との間において、第1の部分16に関して上向きに回動することが可能である。これは、キャップ1の螺旋ねじ溝7が、容器のネック2上に形成された螺旋ねじ山6から係合を解くまでキャップ1が容器のネック2と相対的に上向きに移動することを可能にする。言い換えると、キャップ1を弛み方向に回すとき、下側リング9が軸X周りに回転駆動され、その間に下側リング9の第2の部分17が、持ち上げられた位置まで第1の部分16に関して回動し、図3に表されているとおり、閉位置から解放位置までキャップ1が軸方向上に移動することが可能になる。キャップ1が、解放位置から斜めに開いた位置まで回動するとき、下側リング9の第2の部分17が、第1の部分16に関して反対の方向に回動し、その後、下ろされた位置へ戻る。その一方では、以下により詳細を述べるとおり、キャップ1が斜めに開いた位置から解放位置まで回動するとき、第2の部分17もまた、第1の部分16に関して下ろされた位置から持ち上げられた位置まで回動する。
【0042】
下側リング9は、特に図5乃至7に見ることができるが、係合カラー5によって容器のネック2上に軸方向に保持される。係合カラー5は、上向きに、すなわち容器のオリフィス3の方向にテーパーが施された円錐台形の外部表面を呈する。係合カラー5は、下向きに、すなわちオリフィス3とは反対の方向に、突出の境界を定める。下側リング9の第1の部分16は、容器のネック2に下側リング9を軸方向に保持するために、容器上に形成された係合カラー5と協働する係合要素18を含む。係合要素18は、特に図5および6に詳細が表されているが、下側リング9の第1の部分16から半径方向内向きに突出している突出部である。保持要素18は、ボトムからトップへ、すなわち、下側リング9の上側エッジの方向に増加する半径方向の寸法を有する。容器のネック2上にキャップ装置を組み付ける間に、係合要素18が、係合カラー5の円錐台形の表面上を滑り、その後、弾性復帰によって係合カラー5の後ろにロックされる。
【0043】
図5および6に示されているとおり、下側リング9の第1の部分16は、下側リング9の第2の部分17と直径方向に反対側となる手前側エリア19と、手前側エリア19の両側に配され、かつそれぞれ、手前側エリア19と下側リング9の第2の部分17の間に配された2つの係合エリア20、21とを含む。係合要素18は、2つの係合エリア20、21内にだけ配されている。したがって、第1の部分16の手前側エリア内に係合要素18が存在しないことから、下側リング9とネック2の間に半径方向の空間が存在し、それが、下側リング9が手前側から奥側へ、およびその逆に移動することを可能にする。下側リング9とネック2の間の、手前側/奥側方向における半径方向のクリアランスは、たとえば0.5から1mmまでの間である。これが、下ろされた位置と持ち上げられた位置の間の第2の部分17の移動の間における第2の部分17の一部の通過を係合カラー5のいずれの側においても容易にする。言い換えると、第2の部分17が係合カラー5の各側を通過することを可能にするべく下側リング9上に作用させる必要のある引張り力が、より小さくなる。
【0044】
好都合には、第2の部分17が90から150°までの間の角度範囲にわたって、たとえば120°台で延び、第2の部分16の手前側エリアが90から150°までの間の角度範囲にわたって、たとえば120°台で延び、一方、2つの係合エリア20、21のそれぞれは、30から90°までの間に包含される角度範囲にわたって、たとえば60°台で延びる。
【0045】
その一方では、垂直二等分平面Pbが、第2の部分17をはじめ、第2の部分17の手前側部分を2つの等しい部分に分ける。2つの係合エリア20、21に対応する角度範囲は、したがって、垂直二等分平面Pbに関して互いに対称である。
【0046】
ヒンジ装置10は、外周囲スカート14がキャップ1の上側壁13から下向きに延びる、図3に示されている解放位置と、外周囲スカート14がキャップ1の上側壁13から上向きに延びる、図4、9、および11に代表される斜めに開いた位置との間におけるキャップ1の回動を可能にするべく構成される。示されている実施態様においては、ヒンジ装置10が、特に図4に見ることができる2つの薄片11、12を含み、それらが、キャップ1、より詳細にはキャップ1の外周囲スカート14と下側リング9、より詳細には下側リング9の第2の部分17とをつないでいる。2つの薄片11、12は、垂直二等分平面Pbに関して対称である。
【0047】
ロック装置は、特に図1に見ることができるが、キャップ1の外周囲スカート14上に形成されたヒール22を含む。ヒール22は、2つの薄片11、12の間に配される。ヒール22の下側の端部は、都合よく、外周囲スカート14の下側の端部と同じ高さに位置する。ヒール22は、軸X周りに円周方向に延び、半径方向外向きにヒール22から突出するストップ23を含む。
【0048】
解放位置から斜めに開いた位置へ向かうキャップ1の動きの間に、ストップ23が下側リング9の第2の部分17の上側端部に当接し、それが前記第2の部分17を下ろされた位置へ向けて戻す傾向を有する。
【0049】
その一方では、斜めに開いた位置から解放位置へ向かうキャップ1の動きの間において、図10に示されているとおり、最初はストップ23が係合カラー5にもたれており、下側リング9の第2の部分17に対して、半径方向外向きに向けられた成分と、軸方向上向きに向けられた成分とを有する引張り力を作用させている。これは、下側リング9が手前側から奥側へ移動して、持ち上げられた位置へ向かう第2の部分17の移動を容易にするために、下側リング9の第1の部分16の手前側エリア19を容器のネック2に対して押圧することを可能にする。またこれは、下ろされた位置と持ち上げられた位置の間における第2の部分17の動きの補助も可能にする。
【0050】
その後、図10に示されているとおり、斜めに開いた位置から解放位置へ向かうキャップ1の動きの間に、ヒール22の外側表面が、容器のネック2に形成された螺旋ねじ山6の螺旋リブの上側表面と第2のモーメントにおいて当接し、それもまた、半径方向外向きに向けられた成分と、持ち上げられた位置へ向けて第2の部分17を動かす上向きに向けられた成分とを有する引張り力を第2の部分17に対して作用させることを可能にする。
【0051】
その一方では、図11に示されているとおり、外周囲スカート14の内側の面に形成された螺旋ねじ溝7の下側の端部24、すなわち螺旋ねじ溝7の始まりの部分が、垂直二等分平面Pbと、第1の回転方向とは反対の第2の方向に従って、すなわち、軸X周りの螺旋ねじ溝7の回転方向に垂直二等分平面Pbから160°の位置に置かれる半径平面Prとの間に画定される角度範囲S2で配される。したがって、外周囲スカート14の下側の手前側部分25は、螺旋ねじ溝7がなく、それによりキャップ1を容器のネック2に嵌めることがより容易になる。このアレンジメントは、キャップ1が容器のネック2と接触するときに、それがわずかに後ろ寄りの位置に現れることが可能である場合に特に有利である。これは、第1の部分16の手前側エリア19に係合要素18がなく、その結果、下側リング9が、容器のネック2に関して手前側から奥側へ半径方向に動くことが可能である場合に特に当て嵌まる。
【0052】
好都合には、螺旋ねじ溝7の下側の端部が、キャップ1の螺旋ねじ溝7の方向とは反対の第2の回転方向に従って、垂直二等分平面Pbから90°と160°でそれぞれ位置決めされる2つの半径方向平面の間に画定される角度範囲に配される。
【0053】
その一方では、図8、9、および10に略図的に表されているとおり、螺旋ねじ溝7の一連のリブのうちの少なくとも1つのリブが、ヒール22の内側の面上に形成される。言い換えると、螺旋ねじ溝7のリブのうちの少なくとも1つが、ヒンジ装置10の2つの薄片11、12の間に形成される。ヒール22上に形成された前記リブの存在は、螺旋ねじ溝7の圧力に対する耐性を増加させることを可能にし、したがって、容器に対する過剰な圧力、特にそれに炭酸飲料が入るときの圧力に起因して意図せずしてキャップ1が開くことを防止する。
【0054】
キャップ1の運動学は以下のとおりである。最初にキャップ1を弛み方向に回す間に、それが閉位置から離れ、図3に図解されている解放位置へ向かって、下側リング9から離れる方向に移動する。この移動の途中で易壊性のブリッジが壊れる。さらにまた、キャップ1を弛み方向に回すこの動きの間に、下側リング9が軸X周りに回転駆動され、キャップ1が係合カラー5から離れる方向に移動するに従って下側リング9の第2の部分17が持ち上げられた位置へ向かって回動する。
【0055】
その後キャップ1は、外周囲スカート14が上側壁13から上向きに延びる斜めに開いた位置の方向に、後ろ向きに回動することが可能になる。キャップ1を、奥側へ、それの斜めに開いた位置の方向に移動させる間に、ストップ23が下側リング9の第2の部分17の上側端部と当接し、その結果、下側リング9の第2の部分17が持ち上げられた位置から下ろされた位置へ回動する。
【0056】
図9に示されているとおり、下側リング9の第2の部分17が下ろされた位置にあり、キャップ1が斜めに開いた位置にあるときには、ストップ23が係合カラー5にもたれて支持される。このようにして、係合カラー5に対するストップ23の当接に起因して、キャップ1が繰り出しオリフィス3に面する解放位置へ向かってキャップ1が回動することが可能でなくなることから、キャップ1が斜めに開いた位置にとどまり、その一方、下側リング9の第2の部分17は、下ろされた位置にとどまる。これは、キャップ1の最小開き角度を増加させることを可能にする。したがって、好都合には、キャップ1が斜めに開いた位置にあり、下側リング9の第2の部分17が下ろされた位置にあるとき、キャップ1の開き角度は120°より大きく、好都合にはそれが、145°以上、たとえば180°台になる。この開き角度は、キャップ1の上側壁13に平行な平面と水平面との間の交差部に形成される突き出た角度部分に対応する。
【0057】
キャップ1を再び閉じるために、ユーザは、キャップ1を前方へ、解放位置まで傾ける。傾けられる間に、ストップ23が、係合カラー5にもたれて下側リング9の第2の部分17に対して、下側リング9を手前側から奥側へ移動させることを可能にする半径方向外向きに向けられた成分と、持ち上げられた位置へ向かう下側リング9の第2の部分17の動きの補助を可能にする軸方向上向きに向けられた成分とを有する引張り力を作用させる。また、ヒール22の外側表面も螺旋ねじ山6の螺旋リブに当接し、それもまた、持ち上げられた位置へ向かう下側リング9の第2の部分17の動きを容易にする。
【0058】
第2の部分17が持ち上げられた位置になると、キャップ1が解放位置になり、その後キャップ1を締め込み方向に回して容器のネック2に戻すことが可能になる。締め込み方向に回す間に、下側リング9が軸X周りに回転駆動され、キャップ1が係合カラー5に近づくに従って、下側リング9の第2の部分17が下ろされた位置へ向かって回動する。
【0059】
好都合には、完全なキャップ装置が、ポリエチレン、好都合には高密度ポリエチレン等の合成材料の単一部品で成形される。好都合には、キャップ装置が、図1の構成で、言い換えると閉じられた形で、すなわち容器のネック2上に直接取り付けることが可能な形で成形される。
【0060】
以上、本発明を多様な特定の実施態様に関して説明してきたが、本発明がいかなる形においてもそれらによって限定されないこと、および請求項によって定義されるとおりの本発明の枠組みに入る限り、説明されている手段のすべての技術的均等をはじめ、それらの組み合わせを包含することは明白である。
【0061】
動詞『・・からなる』、『包含する』、または『含む』およびそれらの活用形の使用は、請求項に設定されている要素または段階以外のほかの要素または段階の存在を排除しない。
【0062】
請求項においては、いかなる括弧内の参照記号も請求項を限定するとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0063】
1 キャップ
2 容器のネック
3 オリフィス
4 支持カラー
5 係合カラー
6 螺旋ねじ山
7 螺旋ねじ溝
8 内部スカート、内側スカート
9 下側リング
10 ヒンジ装置
11、12 薄片
13 上側壁
14 外周囲スカート
15 環状リップ
16 第1の部分
17 第2の部分
18 係合要素
19 手前側エリア
20、21 係合エリア
22 ヒール
23 ストップ
24 下側の端部
25 下側の手前側部分
Pb 垂直二等分平面
Pr 半径平面
X 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】