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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】装着型超音波装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20230315BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20230315BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20230315BHJP
   A61B 5/332 20210101ALI20230315BHJP
   A61B 5/369 20210101ALI20230315BHJP
   A61B 5/389 20210101ALI20230315BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20230315BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B5/1455
A61B5/33 210
A61B5/332
A61B5/369
A61B5/389
A61B5/02 310B
A61B10/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545388
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2021051377
(87)【国際公開番号】W WO2021148557
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】62/965,276
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522296228
【氏名又は名称】ダワコ メドゥテック,エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マシア バーバー,アーガスティン
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア,チョカノ,ヴィクター マニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴドイ,エドゥアルド ジョージ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C127
4C601
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA08
4C017AA09
4C017AA12
4C017AA14
4C017AA16
4C017AA19
4C017AA20
4C017AC15
4C017AC26
4C017BB12
4C017BC11
4C017CC08
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KX01
4C038KY01
4C127AA02
4C127AA03
4C127AA04
4C127BB05
4C127GG05
4C127GG11
4C127KK03
4C127KK05
4C601EE13
4C601FF01
4C601FF08
4C601GA01
4C601GB03
4C601GB06
4C601GB18
4C601GB20
4C601GC03
4C601LL33
(57)【要約】
筋骨格(「MSK」)画像化および分析を含む、様々な生物医学的用途に関連して使用するための装着型超音波装置が開示される。少なくとも1つの実施形態では、該装置は、少なくとも1つの超音波モジュールが位置決めされたユーザの身体の一部(以下、簡略化するために「標的部位」と呼ぶ)の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された超音波モジュール、標的部位の生体電気信号を検出するように構成された電気生理学(「EP」)モジュール、および標的部位の酸素化状態および/または生化学的測定値を監視するように構成された近赤外分光(「NIRS」)モジュールのうちの少なくとも1つを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身体の標的部位に位置決め可能な装着型超音波装置であり、
前記標的部位の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された少なくとも1つの超音波モジュールであって、
少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされた少なくとも1つの超音波トランスデューサであって、少なくとも1つのセンサを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサ、
前記少なくとも1つのセンサと電気通信して位置決めされた少なくとも1つの導電層、および
前記少なくとも1つのセンサと電気通信する少なくとも1つの超音波送受信器
を含む超音波モジュールと、
前記少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、前記標的部位の生体電気信号を検出するように構成された少なくとも1つの電気生理(「EP」)モジュールと、
前記導電層を介して前記超音波モジュールおよび前記EPモジュールの各々と電気通信する少なくとも1つのコントローラであって、前記EPモジュールを介して前記標的部位における生体電気信号を検出すると、前記超音波モジュールに前記標的部位の少なくとも1つの超音波画像を選択的に取得させるように構成された少なくとも1つのコントローラと
を含む装着型超音波装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサは、圧電センサまたは微小電気機械(「MEM」)センサのうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサは、2つ以上の電極間に挟まれた圧電材料を含む圧電センサである、請求項2に記載の装着型超音波装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの超音波モジュールは、前記少なくとも1つのセンサの底面上に位置決めされ、音響インピーダンスを適応させるように構成された少なくとも1つの整合層をさらに含む、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項5】
前記超音波モジュールは、前記標的部位から最も遠い前記少なくとも1つのセンサの上面と接触して位置決めされた少なくとも1つのバッキング層をさらに含み、前記少なくとも1つのバッキング層は、前記標的部位に向けられていない、前記少なくとも1つのセンサによって放射された超音波を吸収するように構成される、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの超音波モジュールは、前記少なくとも1つの導電層を周囲環境から隔離するように位置決めされた少なくとも1つの封止層をさらに含む、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサのうちの最下部の超音波トランスデューサの底面と接触して位置決めされ、前記装置を前記標的部位に選択的に付着させるように構成された結合層をさらに含む、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項8】
前記結合層は、インピーダンス整合を行うために、前記標的部位の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する、請求項7に記載の装着型超音波装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、少なくとも1つのアレイとして構成された複数の隣接配置されたセンサを含む、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、並置して位置決めされた複数のアレイを含む、請求項9に記載の装着型超音波装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記標的部位の直交断面を取得するように配置された複数のアレイを含む、請求項9に記載の装着型超音波装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのアレイは、曲面として構成される、請求項9に記載の装着型超音波装置。
【請求項13】
連続するセンサのサブセットは、要求に応じて同時に起動されるように構成される、請求項9に記載の装着型超音波装置。
【請求項14】
複数のセンサは、少なくとも1つの準二次元アレイを形成するように行列構成で配列された複数の電極間に挟まれる、請求項9に記載の装着型超音波装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの超音波送受信器が複数のセンサと電気通信するように、前記超音波送受信器よりも相対的に多い数量のセンサを含む、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの超音波送受信器および対応する複数のセンサと電気通信する少なくとも1つの双方向マルチプレクサをさらに含む、請求項15に記載の装着型超音波装置。
【請求項17】
前記EPモジュールは、前記少なくとも1つの信号調整回路と電気通信し、前記標的部位の生体電気信号を検出するように構成された少なくとも1つの電極アレイを含む、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、前記少なくとも1つのコントローラと電気通信し、前記標的部位の酸素化状態および/または生化学的測定値を監視するように構成された近赤外分光(「NIRS」)モジュールをさらに含む、請求項1に記載の装着型超音波装置。
【請求項19】
ユーザの身体の標的部位に位置決め可能な装着型超音波装置であり、
前記標的部位の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された少なくとも1つの超音波モジュールであって、
少なくとも1つの弾性基板上に配置された少なくとも1つの超音波トランスデューサであって、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは少なくとも1つの圧電センサを含み、前記少なくとも1つの圧電センサの各々は2つ以上の電極間に挟まれた圧電材料を含む、少なくとも1つの超音波トランスデューサ、
前記少なくとも1つの圧電センサを実質的に挟むように位置決めされた一対の導電層、および
前記少なくとも1つの圧電センサと電気通信する少なくとも1つの超音波送受信
含む超音波モジュールと、
前記少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、前記標的部位の生体電気信号を検出するように構成された少なくとも1つの電気生理(「EP」)モジュールと、
前記導電層を介して前記超音波モジュールおよび前記EPモジュールの各々と電気通信する少なくとも1つのコントローラであって、前記EPモジュールを介して前記標的部位における生体電気信号を検出すると、前記超音波モジュールに前記標的部位の少なくとも1つの超音波画像を選択的に取得させるように構成された少なくとも1つのコントローラと
含む装着型超音波装置。
【請求項20】
ユーザの身体の標的部位に位置決め可能な装着型超音波装置であり、
前記標的部位の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された少なくとも1つの超音波モジュールであって、
少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされた少なくとも1つの超音波トランスデューサであって、少なくとも1つのセンサを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサ、
前記少なくとも1つのセンサと電気通信して位置決めされた少なくとも1つの導電層、および
前記少なくとも1つのセンサと電気通信する少なくとも1つの超音波送受信器
含む超音波モジュールと、
前記少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、前記標的部位の生体電気信号を検出するように構成された電気生理(「EP」)モジュールと、前記少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、前記標的部位の酸素化状態および/または生化学的測定値を監視するように構成された近赤外分光(「NIRS」)モジュールと、
前記導電層を介して前記超音波モジュールと前記EPモジュールおよび前記NIRSモジュールの少なくとも一方との各々と電気通信する少なくとも1つのコントローラであって、前記標的部位における生体電気信号、酸素化状態および/または生化学的測定値のうちの少なくとも1つを検出すると、前記超音波モジュールに前記標的部位の少なくとも1つの超音波画像を選択的に取得させるように構成された少なくとも1つのコントローラと
を含む装着型超音波装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年1月24日に出願された米国仮特許出願第62/965276号の優先権を主張するものであり、出願日の利益を享受する権利を有する。上記出願の内容は、参照により本願明細書に援用される。
【0002】
本件特許出願の主題は、全般的には、超音波装置に関し、より詳細には、様々な生物医学的用途に関連して使用するように構成された装着型超音波装置に関する。
【0003】
本出願人(複数含)は、本明細書において引用または参照される任意のおよび全ての特許および公開特許出願を参照により本明細書内に援用する。
【背景技術】
【0004】
背景として、超音波は多くの異なる分野で利用されており、典型的には媒体に浸透してその反射シグネチャを測定するツールとして利用されている。医学の分野において、超音波画像化装置は、通常、他の用途の中でも特に、患者の体内に位置決めされた内臓、筋肉、腱および他の対象物の医用画像診断に使用される。従来の超音波画像化装置は、精密なライブ画像を生成することができ、高度な信号処理技術を使用して特性的特徴の抽出を可能にする。しかしながら、従来の超音波画像化装置は、一般に大型で、定置型であり、高価である。コンピュータオンホイール(computer-on-wheels)システムのような制限された可動性を有する適度なサイズの画像化装置もまた、より大型のシステムとほぼ同様の性能で利用可能である。そのような装置の装着型バージョンと共に、ハンドヘルドバージョンも近年開発されており、比較的より高い可動性を提供する。しかしながら、本出願人の知る限りでは、これらの既知の装置のいずれも、生物医学的および臨床的用途において、患者の内臓、筋肉、腱および他の軟組織の超音波画像、電気生理学的、血行力学的および代謝の情報を同時に取得することができない。
【0005】
本発明の態様は、これらの必要性を満たし、以下の概要に記載されるようなさらなる関連する利点を提供する。
【0006】
上記の背景技術の記述には、本発明の態様を理解するのに有用であり得る情報が含まれることに留意されたい。背景技術の記述は、本明細書において提供される情報のいずれかが従来技術であるか、もしくは現在請求されている発明に関連する情報であること、または具体的もしくは暗黙的に参照されるいずれかの刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様は、以下に記載される例示的な利点をもたらす構成および使用における特定の利益を教示するものである。
【0008】
本発明は、筋骨格(「MSK」)画像化および分析を含む、様々な生物医学的用途に関連して使用するように構成された、装着型超音波装置を提供することによって、上記で説明した問題を解決する。少なくとも1つの実施形態では、該装置は、少なくとも1つの超音波モジュールが位置決めされたユーザの身体の一部(以下、簡略化するために「標的部位」と呼ぶ)の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された超音波モジュール、標的部位の生体電気信号を検出するように構成された電気生理学(「EP」)モジュール、および標的部位の酸素化状態および/または生化学的測定値を監視するように構成された近赤外分光(「NIRS」)モジュールのうちの少なくとも1つを備える。
【0009】
本発明の態様の他の特徴および利点は、本発明の態様の原理を例として示す添付図面と併せて、以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【0010】
添付図面は、本発明の態様を示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な装着型超音波装置の断面図である。
図2A】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な超音波トランスデューサの例示的な圧電センサおよび電極の図である。
図2B】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な超音波トランスデューサの例示的な圧電センサおよび電極の図である。
図2C】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な超音波トランスデューサの例示的な圧電センサおよび電極の図である。
図3】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な圧電センサの別の図である。
図4】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な圧電センサアレイの別の図である。
図4A図4のライン4Aによって画定された断面の詳細図である。
図5A】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な圧電センサアレイの図である。
図5B】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な圧電センサアレイの図である。
図6】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な装着型超音波装置の概略図である。
図7】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な装着型超音波送受信器の概略図である。
図8】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な電気生理(「EP」)モジュールの概略図である。
図9】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な近赤外分光(「NIRS」)モジュールの概略図である。
図10】少なくとも1つの実施形態に係る、別の例示的な装着型超音波装置の断面図である。
図11】少なくとも1つの実施形態に係る、さらに別の例示的な装着型超音波装置の断面図である。
【0012】
上記の図面は、以下の説明においてさらに詳細に定義されている例示的な実施形態のうちの少なくとも1つにおける本発明の態様を示している。異なる図において同一の数字で示されている本発明の特徴、要素、および態様は、1つまたは複数の実施形態に係る、同一の、等価な、または同様の特徴、要素、または態様を表すものとする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで図1を参照すると、筋骨格(「MSK」)画像化および分析を含む、様々な生物医学的用途に関連して使用するように構成された、装着型超音波装置20の例示的な一実施形態の断面図が示されている。少なくとも1つの実施形態では、装置20は、少なくとも1つの超音波モジュール22が位置決めされたユーザの身体の一部(以下、簡略化するために「標的部位」24と呼ぶ)の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された超音波モジュール22、標的部位24の生体電気信号を検出するように構成された電気生理学(「EP」)モジュール26、および標的部位24の酸素化状態および/または生化学的測定値を監視するように構成された近赤外分光(「NIRS」)モジュール28のうちの少なくとも1つを備える。最初に、図1に示される構成要素の特定の配置は単なる例示であることに留意されたい。したがって、さらなる実施形態では、以下でさらに説明するように、様々な構成要素は、多くの他の配置を取り得る。
【0014】
少なくとも1つの実施形態では、超音波モジュール22は、表面スキャンに対して7~14MHzの範囲で動作し、より深い標的に対して2~6MHzの範囲で動作するように意図された少なくとも1つの超音波トランスデューサ30を備える。しかしながら、さらなる実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行するのを可能にする、既知のまたは今後開発される任意の他の範囲で動作し得る。さらに、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30は、パルスエコー構成で動作するように構成され、すなわち、少なくとも1つの超音波画像を取得するために、超音波パルスを放射し、続いて受信するように構成される。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30は、少なくとも1つの圧電センサ32を含む。少なくとも1つのこのような実施形態では、超音波トランスデューサ30は、少なくとも1つのアレイ34として構成された複数の圧電センサ32を含み、所与のアレイ34内の圧電センサ32の数量は2~256の範囲である。しかしながら、さらなる実施形態では、任意の他の数量の圧電センサ32が利用される場合がある。少なくとも1つの代替実施形態では、図10に示すように、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30は、少なくとも1つの圧電センサ32に加えて、またはその代わりに、例えば、少なくとも1つの容量性マイクロマシン加工超音波トランスデューサ(「CMUT」)または圧電マイクロマシン加工超音波トランスデューサ(「PMUT」)などの少なくとも1つの微小電気機械(「MEM」)センサ102を含む。CMUTおよびPMUTはともに、シリコン基板内に形成されたキャビティ上に懸架された膜の振動に基づくものである。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30は、少なくとも1つの弾性基板38上に位置決めされる。少なくとも1つのこのような実施形態において、弾性基板38は、可撓性および/または伸縮性を有する材料から成る。例えば、少なくとも1つのこのような実施形態では、材料は、シリコン系材料、ゴム、熱可塑性エラストマー、ポリマー材料、箔(エポキシと混合されたものなど)、および様々な布地のうちの少なくとも1つから成る。少なくとも1つのさらなる実施形態では、弾性基板38は、透明であり、可撓性を有し、本質的に適合性を有する材料から成る。さらに、少なくとも1つの実施形態では、材料は、生体適合性を有し、ラテックスを含まず、非毒性であり、かつ非アレルギー性である。さらに別の実施形態では、弾性基板38は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、既知のまたは今後開発される、可撓性および/または剛性・可撓性の特性を有する任意の他の材料(または材料の組み合わせ)を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、弾性基板38は、プリント回路基板(「PCB」)用の堅固な基礎を形成する複合エポキシ材料(「CEM」)、ガラス繊維、または紙ベースクラスの材料から作製される。例えば、少なくとも1つのこのような実施形態では、材料は、エポキシ樹脂(FR4、FR5、FE-3)、PF樹脂(XPC、FR1、FR2)、およびポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つから成る。少なくとも1つの代替形態では、弾性基板38は、超音波モジュール22、EPモジュール26、またはNIRSモジュール28の層のいずれかの機能を果たすように位置決めされ、使用されるが、ただし、機能が発揮される層の位置に弾性基板38が配置され、その材料特性が適切であることを条件とする。少なくとも1つの実施形態では、弾性基板38は約180マイクロメートル以下の厚さを有するので、装置20は約25ミリメートル以下の全厚を有する。しかしながら、さらなる実施形態では、弾性基板38は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、任意の他の厚さを有し得る。少なくとも1つの実施形態では、弾性基板38は、弾性基板38内または弾性基板38の上に埋め込まれた信号トレースを有する可撓性フィルムとして構成され、少なくとも1つの圧電センサ32は、弾性基板38に取り付けられる。少なくとも1つの代替形態では、少なくとも1つの圧電センサ32および信号トレースは、弾性基板38上に同時にスクリーン印刷され、このことは、多くの利点をもたらし得る。例えば、少なくとも1つのこのような実施形態では、弾性基板38上に少なくとも1つの圧電センサ32および信号トレースを同時にスクリーン印刷することにより、製造プロセスに含まれるステップの数を減らすことができる。さらに、(弾性基板38に対する)少なくとも1つの圧電センサ32のサイズ、形状、および配置は、所与の実施形態における装置20の意図される使用に応じて、自由にカスタマイズされ得る。具体的には、少なくとも1つの圧電センサ32の形状は、開口アポダイゼーションを導入し、それによってサイドローブ抑制を改善するように、丸みのある角を有するように修正され得る。さらなる例示的な形状は、リング、六角形、円形、長方形などを含み得る(しかし、決してこれらに限定されない)。さらに、少なくとも1つの圧電センサ32が、2つ以上の電極42間に挟まれた圧電材料40を含む(図2A図2B、および図2Cに示され、以下でさらに説明されるように)少なくとも1つのそのような実施形態では、電極42間の距離(少なくとも部分的には圧電材料40の厚さに基づく)がそれらの間の励起周波数を規定することを考慮すると、複数の電極42は、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30が複数の周波数および改善された帯域幅で動作することを可能にするように、それらの間の距離を変化させて実装され得る。
【0016】
少なくとも1つの実施形態では、アレイ34の2つの隣接する圧電センサ32の中心間の距離は、フェーズドアレイ動作では約0.5λ未満であり、リニアアレイ動作では約0.75λ~3λであり、この場合、λ=c/fであり、λは周波数fおよび縦波音速c≒1500m/sを有する超音波信号の波長である。上述の限界値のいくつかの数値例を以下の表1に示す。
【表1】
【0017】
少なくとも1つの実施形態では、図3に示すように、圧電センサ32の各々の音響素子間を分離するために圧電センサ32間に小さいカーフK(すなわち、分離)が必要であることを考慮すると、圧電センサ32の各々は、ピッチPよりも相対的に小さい幅Wを有する。さらに、少なくとも1つの実施形態では、圧電センサ32の各々は、超音波トランスデューサ30が動作する共振周波数に少なくとも部分的に依存する厚さまたは高さHを有する。異なる材料について、厚さのいくつかの例を以下の表2に示す。さらに、少なくとも1つの実施形態では、圧電センサ32の各々は、他の2つの寸法と比較して設計制約による制限をあまり受けない長さLを有する。
【表2】
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、所与の圧電センサ32の厚さ/高さHは、音波の周波数の関数である。少なくとも1つのこのような実施形態では、圧電センサ32の各々は、約300マイクロメートル以下の高さHを有する。しかしながら、さらなる実施形態では、圧電センサ32の各々は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、任意の他の高さHを有し得る。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの圧電センサ32は、可撓性圧電コーティング(フィルム、ペースト、または塗料)、セラミックトランスデューサ、またはポリマーブロックトランスデューサを含むがこれらに限定されない任意の好適な材料から作製され得る。加えて、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの圧電センサ32は、石英、ポリフッ化ビニリデン、PZTおよびスクリーン印刷セラミックを含むセラミック、磁歪材料、または成形セラミックおよびベンダを含む複合材料から成り得る。例えば、圧電材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびそのコポリマー、チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3、メタニオブ酸鉛Pb(Nb2O6)、変性チタン酸鉛PbTi3、(Pb,Ca)TiO3、(Pb,Sm)TiO3、チタン酸バリウムBaTiO3、PMN-PT(l-x)Pb(Mg1/2,Nb2/3)O3-xPb-TiO3、PZN-PT/BTPb(ZN1/2,Nb2/3)O3-xPbTiO3-BaTiO3、(l-x)Pb(ZN1/2、Nb2/3)O3-x(yPbTiO3-(l-y)PbZrO3)からなる群から選択され得る。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの圧電センサ32は、PVDFまたはそのコポリマーなどの可撓性圧電コーティング(フィルム、ペーストまたは塗料)から成る。可撓性圧電コーティングにおける最近の開発(例えば、米国特許第10079336号)は、種々の基板上に適用され得る圧電材料40を備えることが、当業者には理解されるであろう。当然ながら、本発明の少なくとも1つの実施形態では、他の可撓性圧電コーティングが利用される場合がある。
【0020】
また、図2Aに示すように、少なくとも1つの実施形態では、圧電材料40の複数の層は、それらの間に位置決めされた電極42と共に、互いに積み重ねられ得る。少なくとも1つのさらなる実施形態では、図2Bに示すように、複数の圧電センサ32が並置して位置決めされ得る。少なくとも1つの圧電センサ32および信号トレースを弾性基板38上に同時にスクリーン印刷することによる別の利点は、以下でさらに説明するように、EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28などの追加のリソースを統合することができるということである。したがって、図面に示されるような(および本明細書に記載されるような)少なくとも1つの圧電センサ32および対応する弾性基板38の各々のサイズ、形状、寸法、構成、および数量は、単なる例示に過ぎない。さらなる実施形態では、少なくとも1つの圧電センサ32および対応する弾性基板38の各々は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、既知のまたは今後開発される任意の他のサイズ、形状、寸法、構成および/または数量をとり得る。さらに別の実施形態では、既知のまたは今後開発される、少なくとも1つの圧電センサ32を弾性基板38上に位置決めするための任意の他の技術(または技術の組み合わせ)が代用され得る。
【0021】
少なくとも1つのさらなる実施形態では、圧電材料40は、準二次元アレイを形成するように行列構成で配置された複数の電極42間に挟まれ得る。そのような実施形態の一例が図4および図4Aに示されており、電極42は、3×3マトリクスに配置され、圧電材料40は、(図4Aに示すように)前記電極42が重なり合う領域において電極42間に実質的に位置決めされる。
【0022】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30は、標的部位24のBモードスキャン(または「Bスキャン」)を実行するように構成される。しかしながら、さらなる実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30は、Aモード(または「振幅モード」)、Cモード、Mモード(または「動作モード」)、ドップラモード、パルス反転モード、ハーモニックモードなどを含むがこれらに限定されない、既知のまたは今後開発される他のタイプのスキャンを実行するように構成され得る。少なくとも1つの超音波トランスデューサ30の位置決めは、少なくとも1つの超音波画像を必要とするユーザの身体の部分に依存する。さらに、上述したように、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30は、少なくとも1つのアレイ34として構成された複数の圧電センサ32を含む。少なくとも1つのこのような実施形態では、少なくとも1つのアレイ34は、種々の構成で配置され得る。例えば、図5Aに示すように、標的部位24の直交断面を取得するように2つ以上の線形アレイ34が配置され得る。別の例として、図5Bに示すように、少なくとも1つのアレイ34は、(線形ではなく)曲面として構成され得る。さらに別の例として、少なくとも1つのアレイ34は、凸曲面として構成され得、そのことにより相対的に広い視野を提供する。さらに、少なくとも1つのアレイ34のサイズは、少なくとも部分的に、装置20が使用される特定の状況に依存する。上述したように、所与のアレイ34内の圧電センサ32の数量は、少なくとも1つの実施形態では、2~256の範囲である。しかしながら、さらなる実施形態では、任意の他の数量の圧電センサ32が利用される場合がある。したがって、図面に示すような(および本明細書に記載されるような)少なくとも1つのアレイ34のサイズ、形状、寸法、構成、および数量は、単なる例に過ぎない。さらなる実施形態では、少なくとも1つのアレイ34は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、既知のまたは今後開発される任意の他のサイズ、形状、寸法、構成および/または数量をとり得る。
【0023】
少なくとも1つの超音波トランスデューサ30が標的部位のBモードスキャンを実行するように構成され、少なくとも1つの線形アレイ34として構成された複数の圧電センサ32を含む少なくとも1つの実施形態では、隣接または連続する圧電センサ32のサブセットは、任意の所与の時間に同時に励起/起動されるように構成される。サブセットの各々の圧電センサ32の信号は、同一であり得る、または集束もしくはビームステアリングを行うために特定の時間遅延を示し得るが、サブセットの各々の圧電センサ32上の異なる信号振幅がアポダイゼーションを達成するために適用され得る。結果として得られる少なくとも1つの超音波画像のフレームレートを向上させるために、マルチライン取得技術が使用され得る。さらに別の実施形態では、フレームレートをさらに向上させるために、同一の周波数または異なる周波数のいずれかの複数の超音波ビームの同時励起を含むマルチライン送信が利用され得る。さらに、少なくとも1つの実施形態では、画像解像度を向上させるために高調波画像化が実施される。
【0024】
少なくとも1つの実施形態では、図1に示すように、少なくとも1つの圧電センサ32の底面44は、音響インピーダンスを適応させるように構成された少なくとも1つの整合層46を備える。音響インピーダンスのばらつきが相対的に大きい2つの層間の境界に音波36が当たると、音波36は境界で反射される。したがって、少なくとも1つの実施形態では、複数の整合層46を使用することにより、各々の整合層46の音響インピーダンスを徐々に変化させて反射を最小限に抑えることが可能になる。少なくとも1つのそのような実施形態では、少なくとも1つの整合層46(または少なくとも1つの整合層46のうちの少なくとも最下部の整合層)は、直接的に(すなわち、ユーザの皮膚に付着させる)または間接的に(すなわち、ユーザの皮膚と接触する衣服または他の材料に付着させる)のいずれかで、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30を標的部位24に選択的に付着させるように構成される。少なくとも1つの実施形態では、整合層46の数量は、少なくとも1つの圧電センサ32の特性に(少なくとも部分的に)依存する。一般に、整合層46の数量が多いほど、相対的に良好な適応(すなわち、少なくとも1つの超音波トランスデューサ30に反射されるエネルギーが少ない)および広帯域動作が得られ、このことにより、少なくとも1つの超音波画像の軸方向解像度が向上することが分かっている。少なくとも1つの圧電センサ32が対応する少なくとも1つの弾性基板38上にスクリーン印刷される少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの弾性基板38自体が整合層46として機能するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの弾性基板38と同様に、少なくとも1つの整合層46は、可撓性および/または伸縮性を有する材料から成る。例えば、少なくとも1つの実施形態では、材料は、シリコーン粘着ゲルである。さらなる実施形態では、材料は、ゴム、シリコーン、熱可塑性エラストマー、またはポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリエーテルスルホンなどの他のポリマー材料のうちの少なくとも1つである。さらに、少なくとも1つの整合層46がユーザの皮膚と直接接触するように構成される少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの整合層46は、生体適合性を有し、ラテックスを含まず、非毒性であり、かつ非アレルギー性である。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの整合層46は、少なくとも1つの整合層46が本明細書に記載される機能を実質的に実行するのを可能にする、既知のまたは今後開発される、可撓性および/または伸縮性を有する任意の他の適切な材料(または材料の組み合わせ)を含み得る。
【0025】
少なくとも1つの整合層46がポリマー材料から成る少なくとも1つの実施形態では、ポリマー材料の音響インピーダンスは、1つまたは複数のフィラーを組み込むことによって増大し得る。好適なフィラーとしては、PZT、タングステン、アルミナ、シリカガラス、炭化タングステン、チタン、ガラス粉末などが挙げられるが、これらに限定されず、ガラス粉末が好ましい。少なくとも1つのこのような実施形態では、フィラーのサイズは、約0.1~50ミクロン、好ましくは約0.5~5ミクロンの範囲である。用いられるフィラーの量は、所望の音響インピーダンスを与えるのに必要な量である。通常、約2容量%~約50容量%のフィラー、好ましくは約5容量%~約30容量%のフィラーが用いられる。好ましいポリマー材料は、シリコーンゴムである。
【0026】
少なくとも1つのそのような実施形態では、図1に示すように、超音波モジュール22はさらに、少なくとも1つの整合層46(または少なくとも1つの整合層46のうちの少なくとも最下部の整合層)の底面50と接触して位置決めされ、直接的に(すなわち、ユーザの皮膚に付着させる)または間接的に(すなわち、ユーザの皮膚と接触する衣服または他の材料に付着させる)のいずれかで、超音波モジュール22(ひいては、装置20)を標的部位24に選択的に付着させるように構成された結合層48を備える。少なくとも1つの実施形態では、結合層48は、超音波モジュール22と標的部位24との間で超音波信号を伝達することができるソノルーセントシリコーンゲルまたは他の接着材料を含む。「ソノルーセント」とは、ゲルが有意な干渉または減衰を導入することなく超音波パルスを伝達することができ、その結果、標的部位24から許容可能な音響応答を得ることができることを意味する。したがって、結合層48の材料は、超音波モジュール22と隣接する標的部位24との間に強固で空隙のない接触を生じさせる能力について、選択され得る。結合層48の音響インピーダンスは、インピーダンス整合を行うために、隣接する標的部位24の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスである必要がある。少なくとも1つの実施形態では、結合層48は整合層46の一部であり、そのインピーダンスは、そのような整合層46の設計ガイドラインに従って選択される。少なくとも1つの圧電センサ32が対応する少なくとも1つの弾性基板38上にスクリーン印刷される少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの弾性基板38自体が結合層48として機能するように構成され得る。加えて、少なくとも1つの実施形態では、結合層48は、結合層48が標的部位24に付着する前に剥離されるように構成された仮裏当てを備える。少なくとも1つの実施形態では、結合層48は、約100~500マイクロメートル(例えば、100マイクロメートル、200マイクロメートル、300マイクロメートル、400マイクロメートル、500マイクロメートル、またはこれらの間のある範囲)の厚さを有する。しかしながら、さらなる実施形態では、結合層48は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、任意の他の厚さを有し得る。さらに、少なくとも1つの結合層48がユーザの皮膚と直接接触するように構成される少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの結合層48は、生体適合性を有し、ラテックスを含まず、非毒性であり、かつ非アレルギー性である。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの結合層48は、少なくとも1つの結合層48が本明細書に記載される機能を実質的に実行するのを可能にする、既知のまたは今後開発される、上述の特性を有する任意の他の適切な材料(または材料の組み合わせ)を含み得る。
【0027】
少なくとも1つの実施形態では、図1に示すように、超音波トランスデューサ30は、少なくとも1つのバッキング層52をさらに含み、少なくとも1つのバッキング層52は、少なくとも1つの圧電センサ32が少なくとも1つのバッキング層52と標的部位24との間に実質的に挟まれるように、エネルギーが放射されることが意図される(すなわち、標的部位24が位置する)対応する側とは反対側で少なくとも1つの圧電センサ32と接触して位置決めされる。少なくとも1つのバッキング層52は、標的部位24に向けられていない少なくとも1つの圧電センサ32によって放射された超音波を吸収するように構成され、したがって、そうでなければ少なくとも1つの圧電センサ32からの放射パルスの帯域幅を減少させたであろう反響および/または共鳴を防止する。少なくとも1つの圧電センサ32が対応する少なくとも1つの弾性基板38上にスクリーン印刷される少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの弾性基板38自体がバッキング層52として機能するように構成され得る。したがって、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのバッキング層52は、少なくとも1つの圧電センサ32に近い音響インピーダンスを有し、相対的に高い減衰係数を有する材料から作製される。そのような実施形態では、少なくとも1つのバッキング層52の音響インピーダンスが少なくとも1つの圧電センサ32の音響インピーダンスと同様であるため、および少なくとも1つのバッキング層52の材料の吸収のために、後方に伝送された波の大部分は急速に減衰して熱になり、ごく一部のみが跳ね返り得る。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのバッキング層52は、タングステン添加エポキシ、熱分解材料、黄銅、炭素などのうちの少なくとも1で構成される。さらに別の実施形態では、少なくとも1つのバッキング層52は、少なくとも1つのバッキング層52が本明細書に記載される機能を実質的に実行するのを可能にする、既知のまたは今後開発される任意の他の適切な材料(または材料の組み合わせ)を含み得る。
【0028】
引き続き図1を参照すると、少なくとも1つの実施形態では、超音波モジュール22は、少なくとも1つの圧電センサ32を実質的に挟むように位置決めされた一対の導電層54をさらに含み、その結果、導電層54は、各々の圧電センサ32の電極42、並びにそれらを超音波モジュール22に関連付けられた電子システム(以下でさらに説明するように、「マイクロエレクトロニクスモジュール」56と呼ぶ)に相互接続するトレースを一体化する。少なくとも1つの実施形態では、導電層54はそれぞれ、アルミニウム、銅、金、モリブデン、イリジウム、マグネシウム、銀、フッ化リチウム、およびそれらの合金などの薄い金属膜、または非金属材料を含む。さらに、少なくとも1つの実施形態では、各々の導電層54の厚さは、典型的には、約200μm以下(例えば、約200μm、180μm、160μm、140μm、120μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm以下)である。好ましくは、各々の導電層54の厚さは、10μm未満(例えば、約10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.8μm、0.6μm、0.4μm、0.2μm以下またはこれらの間のある範囲)である。さらに、少なくとも1つの実施形態では、導電層54は可撓性である。少なくとも1つのこのような実施形態では、導電層54は、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、ZnO-Ga2O3、ZnO-Al2O3、SnO2-Sb2O3、およびポリチオフェンなどの透明導電性ポリマー材料で構成される。加えて、導電層54は、透明基板上にめっきされた銀または銅のグリッドもしくはバスバー、またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホナート)(PEDOT:PSS)コーティングを有する基板上に堆積された銀ナノワイヤまたはナノ粒子から成り得る。導電性を向上させるために、追加の導電性ポリマー層が追加される場合がある。少なくとも1つの実施形態では、導電層54は、炭素系、例えば、カーボンナノチューブ(「CNT」)、カーボンナノワイヤ、またはグラフェンなどであり得る。1つの好ましい導電層54(導電性であり、赤外線を透過させる)はグラフェンを含む。1層または2層のグラフェンが好ましいが、導電層54はそれぞれ、約1~20層(例えば、1層、2層、3層、4層、5層、6層、7層、8層、9層、10層、11層、12層、13層、14層、15層、16層、17層、18層、19層、20層またはこれらの間のある範囲)のグラフェンを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、導電層54は、多数のトラックを管理するために絶縁材料によって分離された、いくつかの内部導電層54を含み得る。
【0029】
引き続き図1を参照すると、少なくとも1つの実施形態では、超音波トランスデューサ30は、一対の導電層54(ひいては、少なくとも1つの圧電センサ32)を実質的に挟むように位置決めされた一対の封止層58をさらに含み、その結果、封止層58は、少なくとも1つの圧電センサ32を周囲環境から隔離するように構成される。少なくとも1つの実施形態では、封止層58は、水分および酸素に対して実質的に不透過性である。一般に、装置20の水分および酸素に敏感な構成要素は、ガス透過特性を有する材料によって封入される必要がある。封止層58は、好ましくは、10-4g/ni/日以下、10-5g/m/日以下、さらにより好ましくは約10-6g/ni/日以下の低い水蒸気透過率を達成する。少なくとも1つの実施形態では、封止層58は、例えば、ガラスまたはプラスチックで構成される。少なくとも1つの実施形態において、封止層58は、可撓性および/または伸縮性を有する材料から成る。例えば、少なくとも1つのこのような実施形態では、材料は、シリコン系材料、ゴム、熱可塑性エラストマー、ポリマー材料、箔(エポキシと混合されたものなど)、および様々な布地のうちの少なくとも1つから成る。理想的には、有機層と直接接触している基板は、熱に耐える優れたバリア性を有し、可撓性を示し、持続的な信頼性を有し、大量生産できる。
【0030】
上述したように、少なくとも1つの実施形態では、装置20は、標的部位24の生体電気信号を検出するように構成された電気生理(「EP」)モジュール26をさらに備える。少なくとも1つのこのような実施形態では、少なくとも1つのEPモジュール26は、筋繊維(筋細胞)によって生成された電位を検出するために、表面筋電図(「sEMG」)センサとして構成される。EMG振幅の周波数範囲は20μV~5μVであるが、さらなる実施形態では、他の振幅が代用される場合がある。一定の負荷を維持するために、または負荷の増加を支持するためにより多くの筋繊維が動員されると、sEMG信号の振幅が増加する。少なくとも1つの実施形態では、sEMG信号は、運動ニューロンによって駆動される筋肉活性化を反映し、皮膚表面から非侵襲的に収集され得る。有効なツールとして、sEMGセンサは、神経筋疾患の診断、筋肉疲労の評価、および人工装具操作のためのヒューマンマシンインターフェースにおいて使用され得る。少なくとも1つのそのような実施形態では、sEMGセンサの様々なモダリティを超音波モジュール22の機能と組み合わせると、装置20は、運動ならびに訓練、筋肉、腱ならびに他の軟組織損傷の識別、疲労の筋電性発現の識別、病状におけるEMG信号変形の評価、運動協調ならびに治療有効性の評価、神経疾患の識別、不使用、不動性、ならびに運動不足の識別、および年齢による神経筋変化の測定を含むがこれらに限定されない様々な状況で使用され得る。少なくとも1つの実施形態では、装置20は、実質的に対象の筋肉の上で、(動きアーチファクトまたは装置20の変位を排除するまたは少なくとも最小限に抑えるように)ユーザの皮膚と強固に/密接に係合するように構成される。
【0031】
少なくとも1つの実施形態では、図6に示すように、装置20は、超音波モジュール22の少なくとも1つの圧電センサ32と電気通信する少なくとも1つの超音波送受信器60をさらに備える。少なくとも1つのそのような実施形態では、装置20は、少なくとも1つの超音波送受信器60が複数の圧電センサ32と電気通信するように、超音波送受信器60よりも相対的に多い数量の圧電センサ32を備える。少なくとも1つのこのような実施形態では、装置20は、少なくとも1つの超音波送受信器60および対応する複数の圧電センサ32と電気通信する少なくとも1つのアナログ双方向マルチプレクサ62を備える。マルチプレクサ62の例示的な構成が図6の概略図に示されている。しかしながら、図面に示すような(および本明細書に記載されるような)少なくとも1つのマルチプレクサ62の構成および数量は、単なる例示に過ぎないことに留意されたい。さらなる実施形態では、少なくとも1つのマルチプレクサ62は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、既知のまたは今後開発される任意の他の構成(少なくとも1つの超音波送受信器60および対応する複数の圧電センサ32に対して)および/または数量をとり得る。装置20が複数のマルチプレクサ62を備える少なくとも1つの実施形態では、マルチプレクサ62は多層構成で配置され、各々の層間の信号トレースはマルチプレクサ62および圧電センサ32の数量に応じて変化する。例えば、少なくとも1つのそのような実施形態では、層の数量はマルチプレクサ62の数量に等しいが、少なくとも1つのさらなるそのような実施形態では、層の数量は、圧電センサ32の数量をマルチプレクサ62の数量で割った商に等しい。さらに別の実施形態では、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、任意の他の数量の層、および前記層間の任意の他の配置の信号トレースが代用され得る。
【0032】
少なくとも1つの実施形態では、図7の簡略図に示すように、少なくとも1つの超音波送受信器60はそれ自体、パルサ64、送受信スイッチ(「T/Rスイッチ」)66、低雑音増幅器(「LNA」)68、可変利得増幅器(「VGA」)70、ローパスフィルタ(「LPF」)72、およびアナログデジタル変換器(「ADC」)74から成る。もう少し詳細に言えば、少なくとも1つのそのような実施形態では、少なくとも1つの超音波送受信器60は、振幅アポダイゼーションを行うためにいくつかの離散レベルを有する超音波パルスを放射することができる。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの超音波送受信器60は、任意の波形を有するパルスを放射し、その後、0次ベッセルビームなどの限定された回折ビームの放射をさらに含む正確な振幅アポダイゼーションを実行し得る。
【0033】
再び図6を参照すると、少なくとも1つの実施形態では、装置20は、超音波モジュール22、EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28の各々と電気通信する少なくとも1つのコントローラ78をさらに備える。したがって、そのような実施形態では、コントローラ78は、超音波モジュール22、EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28の各々とインターフェースをとり、それらを管理し、標的部位24の少なくとも1つの超音波画像を処理するように構成される。少なくとも1つのそのような実施形態では、処理は、画像再構成および/またはデータ圧縮を含み得る。少なくとも1つの代替実施形態では、超音波モジュール22、EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28のうちの1つまたは複数は、それら独自の専用の電源80を備える。少なくとも1つの実施形態では、コントローラ78はさらに、装置20と通信するコンピューティングデバイスおよび電気デバイスなどの外部デバイスを選択するために、少なくとも1つの超音波画像およびそれに関連する任意のデータを送信するように構成された少なくとも1つの送受信器82と電気通信する。少なくとも1つのさらなる実施形態では、少なくとも1つの送受信器82はさらに、そのような外部デバイスからも選択情報を受信するように構成される。少なくとも1つの送受信器82は、Wi-FiおよびBluetooth-LEを含むがこれらに限定されない、既知のまたは今後開発される任意の有線もしくは無線ベースの通信プロトコル(またはプロトコルの組み合わせ)を利用し得る。
【0034】
さらに、少なくとも1つの実施形態では、コントローラ78は、少なくとも1つの超音波画像およびそれに関連付けられた任意のデータを記憶するように構成された少なくとも1つのデータ記憶装置84と選択的に通信する(ローカルまたはリモートで)。「データ記憶装置」という用語は、ローカルハードドライブ、RAM、フラッシュメモリ、セキュアデジタル(「SD」)カード、外部記憶装置、ネットワークまたはクラウド記憶装置、集積回路などの既知のまたは今後開発される任意のタイプの電子的記憶媒体(または記憶媒体の組み合わせ)を含むことが意図されていることに留意されたい。
【0035】
装置20がさらなるモジュール(例えば、EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28など)を組み込んだ少なくとも1つのさらなる実施形態では、コントローラ78は、任意のそのようなさらなるモジュールを管理するように構成される。さらに、装置20がEPモジュール26を備える実施形態では、コントローラは、標的部位24における生体電気信号および/または電気生理学的パラメータの特定の値の検出時に超音波画像取得を選択的にトリガすることが可能であり、このことにより、無関係な期間中の測定が防止され、超音波画像化を目的とするエネルギーの使用が最適化される。そのような機能はまた、特定のインスタンスにおける、または特定のイベントが検出されたときの取得を可能にする。少なくとも1つのそのような実施形態では、コントローラ78は、超音波画像捕捉プロセスを周期運動と同期させることができ、超音波画像またはそれらのラインをいくつかの周期に沿って取得することができることを考慮すると、遅い取得速度であっても、非常に速い反復運動中の標的部位24の超音波画像の取得を最適化することができる。さらに別の実施形態では、コントローラ78は、例えば「低電力モード」で様々な構成要素を動作させるなど、装置20の他の態様および/または機能を選択的に制御するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、コントローラ78は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、マイクロコントローラ、およびマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つである。
【0036】
引き続き図6を参照すると、少なくとも1つの実施形態では、装置20は、電源80をさらに備える。電源80は、1つまたは複数のバッテリ(再充電可能またはその他)、ACアダプタ、DCアダプタなどを含むがこれらに限定されない、超音波モジュール22、EPモジュール26、および/またはNIRSモジュール28の各々に必要な電力を供給することができる、既知のまたは今後開発される任意の電源であり得る。少なくとも1つの代替形態では、超音波モジュール22、EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28のうちの1つまたは複数は、それら独自の専用の電源80を備える。
【0037】
少なくとも1つの実施形態では、図8に示すように、EPモジュール26は、少なくとも1つの電極42と、フロントエンド信号調整回路86と、電源80と、コントローラ78と、Bluetooth-LEモジュールなどの無線通信モジュール88とを備える、マルチチャネル小型無線取得システムとして構成される。少なくとも1つの実施形態では、EPモジュール26は、生体電気信号を捕捉するための生体適合性印刷電極アレイを備える。加えて、少なくとも1つの実施形態では、図1に示すように、EPモジュールは、基準電極90と共に、32個以下(例えば、約32個、30個、28個、26個、24個、22個、20個、18個、16個、14個、12個、10個、8個、6個、4個、2個)の電極42を含む少なくとも1つの電極アレイを備える。しかしながら、さらなる実施形態では、任意の他の数量の電極42が利用される場合がある。少なくとも1つの実施形態では、基準電極90は、生体電気信号記録における非対称性を回避するために2つの差動電極42間に位置決めされ、電極間隔は、この電極42の構成により増大する。しかしながら、隣接する活動筋から検出されるクロストーク信号の量を減少させるので、小さい電極間隔が好ましい。したがって、電極間隔は、好ましい妥協案として約32~8ミリメートル(例えば、約32mm、31mm、30mm、29mm、28mm、27mm、26mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mm、16mm、15mm、14mm、13mm、12mm、11mm、10mm、9mm、8mm、またはそれらの間のある範囲)に設定される。しかしながら、さらなる実施形態では、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、任意の他の間隔が利用され得る。さらに、少なくとも1つの実施形態では、電極42は、約100マイクロメートル以下(例えば、約100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、5μm以下)の厚さを有する。しかしながら、さらなる実施形態では、電極42は、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、任意の他の厚さを有し得る。EPモジュール26は、任意選択的に、異なるサイズおよび形状を有する電極42、例えば長方形、円形、楕円形、リングまたはディスク形状の電極を含み得る。非限定的な例では、電極42アレイは、生体電気信号を捕捉するために基板上に配置され、測定される生体電位の捕捉のための要件に従って構成された異なる感度ベースの空間分布に対応する複数の出力を生成する導体の電圧に異なる重みをつけるように構成された、ディスク状導体およびディスク状導体と同心の少なくとも1つのリング導体を特徴とする。少なくとも1つの実施形態では、EPモジュール26は、少なくとも1つの電極42(または少なくとも1つの電極42アレイのうちの最下部の電極)の底面と接触して位置決めされ、直接的に(すなわち、ユーザの皮膚に付着させる)または間接的に(すなわち、ユーザの皮膚と接触する衣服または他の材料に付着させる)のいずれかで、EPモジュール26(ひいては、装置20)を標的部位24に選択的に付着させるように構成された結合層48をさらに備える。少なくとも1つの実施形態では、結合層48はゲル(例えば、接着特性を有するヒドロゲル)を含む。ヒドロゲルは、導電性であり得、標的部位24とEPモジュール26との間で生体電気信号を伝達することが可能であり得る。
【0038】
少なくとも1つの実施形態では、EPモジュール26の電極42および導電性トラックは、前駆物質として金属ナノ粒子、金属有機錯体、または金属塩(大部分は銀ベース)、導電性ポリマーを使用することによって生成された導電性金属インク/ペーストから成り、その理由は、それらの導電性は典型的にはそれらの金属対応物よりも低いが、それらの接着性および機械的安定性はより良好であり、それらは通常、後処理ステップを必要としないからである。代替として、グラフェンまたはCNTの分散液を印刷に使用して、導電性電極42および/またはトラック(導体パターン)を作製することもできる。少なくとも1つのこのような実施形態では、例えば、EPモジュール26の電極42および導電性トラックは、フレキシブル加工および永続的導電性の理由から、銀ポリマーペースト、伸縮性銀導体ペースト、医療用導電性Ag/AgClインク、またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)を含む。
【0039】
上述したように、少なくとも1つの実施形態では、装置20は、標的部位24の酸素化状態および/または生化学的測定値を監視するように構成された近赤外分光(「NIRS」)モジュール28をさらに備える。少なくとも1つのこのような実施形態では、図1および図9に示すように、少なくとも1つのNIRSモジュール28は、基板によって支持された少なくとも1つの光検出器92および筋肉酸素化測定(筋肉オキシメトリ)用の少なくとも1つの近赤外発光ダイオード(「LED」)94を含む。
【0040】
ヒト組織は、650nm~1000nmの近赤外範囲の光を相対的に透過させる。「光学窓」としても知られる近赤外線(「NIR」)窓は、組織への最大浸透深さを有する波長の範囲である。実際に、NIRは水およびヘモグロビンによって最小限に吸収されるので、スペクトル読み取り値は体表面から容易に収集され得、主な吸収体は酸素化ヘモグロビン(HbO2)および脱酸素化ヘモグロビン(HHb)の血液発色団である。LED94によって放出された近赤外光が組織を通過すると、光の一部が反射および吸収され、残りの光が散乱されて、少なくとも1つの光検出器92によって測定され得る。検出されるNIRS信号の深さは、LED94と光検出器92との間の距離によって制御され得る。3cmの光源検出器間距離に対して、皮膚表面下の約1.5cm(光源検出器間距離の半分)がバナナ形状領域を通して検出され得ることが一般に認められている。したがって、異なる筋肉の特定の解剖学的構造を考慮すると、LED検出器間距離は、筋活動検出のために2~7cmの範囲で選択され得る。しかしながら、さらなる実施形態では、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、任意の他の間隔が利用され得る。さらに、HbO2およびHHbは、近赤外光に対して異なる光吸収特性を有し、筋肉を収縮させると、皮膚表面へと散乱して戻る近赤外光の量が変化し、この変化が光検出器92によって検出され得る。修正ランベルト・ベールの法則を使用することによって、HbO2およびHHbの相対濃度変化が計算され、定量化され得る。
【0041】
したがって、EPモジュール26およびNIRSモジュール28の利点を組み合わせることは、少なくとも1つの実施形態において、電気生理学および代謝の観点から筋活動の理解を容易にし、ヒトの健康および生理学的性能のためのより有益な情報を提供する。例えば、sEMGセンサと組み合わせたNIRSは、筋肉疲労または損傷のメカニズムを示唆する、代謝活動および神経筋活動を評価するためのより信頼性の高い情報を取得するために使用されている。しかしながら、個々のsEMGセンサシステムおよびNIRSセンサシステムが採用されたために、サイズが大きくなり、データ同期が面倒になり、信号線が扱いにくくなり、チャネルが制限された。したがって、超音波モジュール22に沿って一体化されたEPモジュール26およびNIRSモジュール28を有する装置20は、少なくとも1つの実施形態では、臨床実践要件を満たすために非常に重要である。
【0042】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの光検出器92のうちの1つまたは複数は、基準信号を供給する役割を果たし得る。例えば、近赤外LED94に最も近い光検出器92は、他の光検出器92によって測定された強度に対する基準強度を提供し得る。このようにして、近赤外LED94によって放出される信号の強度の変動に対する制御および知識が提供され、NIRSモジュール28の設計および動作を単純化することができる。少なくとも1つの実施形態では、光検出器92は、各々の隣接する光検出器92の中心間、および複数のさらなる光検出器92の第1の光検出器92の中心と近赤外LED94との間で10ミリメートル離間され得る。他の構成では、8mmの間隔など、より小さい間隔を使用して、より多数の光検出器92を含むことが可能であり得る。例えば、光検出器92は、近赤外LED94からそれぞれ8mm、16mm、24mm、および32mm離間され得る。いくつかの構成では、隣接する光検出器92間の間隔は、5mm~20mm、5mm未満、1mm未満、またはそのような範囲内の任意の距離もしくは距離範囲であり得る。さらなる実施形態では、装置20が本明細書に記載される機能を実質的に実行することができる限り、任意の他の間隔が利用され得る。少なくとも1つの実施形態では、光検出器92は、近赤外LED94と同期して動作するように電子的に配置および構成される。少なくとも1つのそのような実施形態では、測光フロントエンド100が、光検出器92およびLED94を動作させるために利用される。少なくとも1つの実施形態では、近赤外LED94は、例えば、OLEDまたは印刷可能なLED(有機または無機)から成り得る薄い光源を含み得る。少なくとも1つのこのような実施形態では、光源は、アノードおよびカソードを含む2つの導電層54(すなわち、電極)間に位置する可撓性発光体を含み、可撓性発光体は、アノードおよびカソードに印加された電流に応答して光を放出する。1つの典型的な光源は、透明基板、透明アノード、可撓性発光体、および反射カソードを使用する。可撓性発光体から発生した光は、透明アノードおよび透明基板を通して放出される。これは、一般に底面発光光源と呼ばれる。例として、少なくとも1つのそのような実施形態では、複数の光検出器92は、近赤外LED94からの様々な位置における光信号の測定のために、近赤外LED94の位置から始まる経路上に実質的に直線状に配置される。好ましい構成では、少なくとも2つの光検出器92を使用して、LED94からの少なくとも2つの異なる距離に対する光信号の強度を測定し、測定された強度に基づいて、オキシ(+ミオ)ヘモグロビン、(OHb)、デオキシヘモ(+ミオ)グロビン(HHb)、トータルヘモ(+ミオ)グロビン(tHb)または筋酸素飽和度(SmO)のいずれか1つまたは複数を提供するために使用されるモデルとの距離の関数としての測定信号のフィッティングを改善する。
【0043】
少なくとも1つの実施形態では、導電層54は、同じ導電層54が超音波モジュール22、EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28のための共通カソードまたは共通アノードとしての機能を果たすように、共有電極を含み得る。EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28のアノードは、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)などであるがこれらに限定されない透明導電性酸化物(TCO)を含む。実際には、導電層54は、これらの構成要素をそれらの関連する電子システムに接続するトラックのネットワークを含む。超音波モジュール22、EPモジュール26またはNIRSモジュール28のアノードまたはカソードを含む導電層に加えて、導電層54を含めることで、全てのトラックの適切なルーティングを可能にし得る。さらに、連続的な導電面を有する導電層54は、インピーダンス制御トレース(マイクロストリップまたはストリップラインなど)の実装を可能にし、および/または電磁波を遮蔽すると考えられ得る。導電面またはトレースは、装置20の任意の要素によって生成された熱を収集し、それを少なくとも1つのヒートシンクに伝導し、そこでそのような熱が周囲環境に安全に伝達され得ると考えられ得る。
【0044】
少なくとも1つの実施形態では、電子システム(超音波送受信器60、アナログ双方向マルチプレクサ62、コントローラ78、送受信器82、電源80、フロントエンド信号調整回路86、測光フロントエンド100、無線通信モジュール88、データ記憶装置84などであるがこれらに限定されない)のうちの1つまたは複数は、少なくとも1つのバッキング層52の上面96と接触して位置決めされた少なくとも1つのマイクロエレクトロニクスモジュール56(図1)内に収容され得る。少なくとも1つのさらなる実施形態では、マイクロエレクトロニクスモジュール56は、装置20の様々な構成要素の上部に位置決めされ、それらと電気的に接触するカバー98内に位置決めされる。さらに別の実施形態では、マイクロエレクトロニクスモジュール56は、装置20上の他の場所、または装置20に対する他の場所に位置決めされ得る。例えば、少なくとも1つのそのようなさらなる実施形態では、図11に示すように、マイクロエレクトロニクスモジュール56は、少なくとも1つの超音波モジュール22、EPモジュール26、および/またはNIRSモジュール28の各々がマイクロエレクトロニクスモジュール56と電気通信した状態で、装置20の他の構成要素の外部に、または他の構成要素から分離して位置決めされ得る。そのような実施形態は、従来の相対的に信頼性の高いプロセスを通してマイクロエレクトロニクスモジュール56を製造することを可能にすると共に、装置20のモジュール性を高める。さらに別のそのような実施形態では、少なくとも1つの超音波モジュール22、EPモジュール26、および/またはNIRSモジュール28の各々は、所与の使用事例において必要とされる技術および標的部位24の場所に少なくとも部分的に依存して、(以下でさらに述べるように)単一の可撓性パッチ内に一緒に実装され得る、または別々に実装され得る。
【0045】
少なくとも1つの実施形態では、カバー98は、透明または半透明の材料で構成される。しかしながら、さらなる実施形態では、カバー98は、不透明材料で構成され得る。カバー98は、特にユーザが身体活動している場合、ユーザに快適さをもたらし得る。カバー98は、装置20の様々な構成要素を保護し、構成要素に汚れおよび流体が付着しないようにし、衝撃から装置20を保護するクッションとなり得る。カバー98は、材料の耐熱性がかなり低い場合、装置20の任意の構成要素と周囲環境との間の熱伝達をさらに向上させることができる。
【0046】
図面に示すような装置20の様々な構成要素の構成および配置(超音波モジュール22、EPモジュール26および/またはNIRSモジュール28の各々の構成要素の相対的な位置決めを含む)は、単なる例に過ぎないことに留意されたい。したがって、さらなる実施形態では、様々な構成要素は、装置20が本明細書で説明される機能を実質的に実行することができる限り、既知のまたは今後開発される任意の他の構成および配置をとり得る。
【0047】
また、図1に示すように、少なくとも1つの実施形態では、上述の装置20の様々な構成要素は、自己完結型の装着可能なパッチとして構成され、すなわち、ユーザの皮膚に(またはユーザの皮膚と直接接触する衣服に)接着固定されるか、あるいはユーザの皮膚と直接接触する衣服の布地に固定されるか、または他の方法で組み込まれ得る。このような例の各々において、装置20は、標的部位の遠隔携帯式モニタリングを提供するための装着可能で可撓性のある解決策として構成される。したがって、装置20がMSK超音波(通常、身体全体の筋肉、腱、靭帯、および関節の超音波画像を生成するために使用され、捻挫、筋違い、裂傷、および他の軟組織状態を診断するのに役立つ)との関連で利用される実施形態では、装置20は、スポーツ医学およびリアルタイムヘルスケアモニタリングドメインにおけるリアルタイムデータ収集を可能にすると同時に、いくつか例を挙げると、ヒューマンマシンインターフェース、高度人工装具技術(バイオニクス)、電子皮膚、装着型家電製品、およびソフトロボット工学を含む多くの高度な用途においても有用である。さらに、少なくとも1つの実施形態において超音波モジュール22、EPモジュール26およびNIRSモジュール28の各々を組み込むことによって、装置20は、様々な生物医学および臨床用途において、ソノミオグラフィ(sonomyography:「SMG」)、筋電図記録(「EMG」)、心電図記録(「ECG」)、脳波記録(「EEG」)、電気皮膚反応(「GSR」)、光電式容積脈波記録(「PPG」)、動脈血酸素飽和度(「SpO2」)、オキシ(+ミオ)ヘモグロビン(O2Hb)、デオキシヘモ(+ミオ)グロビン(HHb)、トータルヘモ(+ミオ)グロビン(tHb)筋酸素飽和度(SmO)、筋活動、感情、一酸化炭素の動脈血飽和度(「SpCO」)ならびに血中二酸化炭素(「CO2」)、血圧(「BP」)、呼吸数(「RF」)ならびに/または呼吸量(「RV」)などの呼吸、心拍数(「HR」)ならびに/または心拍変動(「HRV」)、脈拍、生体インピーダンス、および皮膚温度(「ST」)ならびに/または中核体温などの温度を含むがこれらに限定されない、超音波画像、生体電気信号、および酸素化状態ならびに/もしくは生化学的測定値を同時に取得する新規のマルチモーダル「3-in-1」システム(または少なくとも「2-in-1」システム、この場合、EPモジュール26またはNIRSモジュール28の一方のみが超音波モジュール22と一体化される)として機能することができる。
【0048】
本明細書の態様はさらに、以下の実施形態として記載され得る。
【0049】
(1)ユーザの身体の標的部位上に位置決め可能な装着型超音波装置であり、標的部位の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された少なくとも1つの超音波モジュールであって、少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、少なくとも1つのセンサを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサ、少なくとも1つのセンサと電気通信して位置決めされた少なくとも1つの導電層、および少なくとも1つのセンサと電気通信する少なくとも1つの超音波送受信器を含む超音波モジュールと、少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、標的部位の生体電気信号を検出するように構成された少なくとも1つの電気生理(「EP」)モジュールと、導電層を介して超音波モジュールおよびEPモジュールの各々と電気通信する少なくとも1つのコントローラであって、EPモジュールを介して標的部位における生体電気信号を検出すると、超音波モジュールに標的部位の少なくとも1つの超音波画像を選択的に取得させるように構成された少なくとも1つのコントローラとを含む、装着型超音波装置。
【0050】
(2)少なくとも1つのセンサは、圧電センサまたは微小電気機械(「MEM」)センサのうちの少なくとも一方である、実施形態1に記載の装着型超音波装置。
【0051】
(3)少なくとも1つのセンサは、2つ以上の電極間に挟まれた圧電材料を含む圧電センサである、実施形態1~実施形態2に記載の装着型超音波装置。
【0052】
(4)少なくとも1つの超音波モジュールは、少なくとも1つの圧電センサを実質的に挟むように位置決めされた一対の導電層を含む、実施形態1~実施形態3に記載の装着型超音波装置。
【0053】
(5)少なくとも1つの超音波モジュールは、少なくとも1つのセンサの底面上に位置決めされ、音響インピーダンスを適応させるように構成された少なくとも1つの整合層をさらに含む、実施形態1~請求項4に記載の装着型超音波装置。
【0054】
(6)少なくとも1つの超音波モジュールは、少なくとも1つの導電層を周囲環境から隔離するように位置決めされた少なくとも1つの封止層をさらに含む、実施形態1~請求項5に記載の装着型超音波装置。
【0055】
(7)少なくとも1つの超音波モジュールは、少なくとも1つの導電層を実質的に挟むように位置決めされた一対の封止層をさらに含む、実施形態1~請求項6に記載の装着型超音波装置。
【0056】
(8)少なくとも1つの超音波トランスデューサは、表面スキャンに対して7~14MHzの範囲で動作し、より深い標的に対して2~6MHzの範囲で動作するように構成される、実施形態1~実施形態7に記載の装着型超音波装置。
【0057】
(9)少なくとも1つの超音波トランスデューサは、パルスエコー構成で動作するように構成される、実施形態1~実施形態8に記載の装着型超音波装置。
【0058】
(10)少なくとも1つの圧電センサの各々は、ピッチよりも相対的に小さい幅を有する、実施形態1~実施形態9に記載の装着型超音波装置。
【0059】
(11)少なくとも1つの超音波トランスデューサは、少なくとも1つのアレイとして構成された複数の隣接配置されたセンサを含む、実施形態1~実施形態10に記載の装着型超音波装置。
【0060】
(12)アレイの2つの隣接する圧電センサの中心間の距離は、フェーズドアレイ動作では約0.5λ未満であり、リニアアレイ動作では約0.75λ~3λであり、この場合、λ=c/fであり、λは周波数fおよび縦波音速c≒1500m/sを有する超音波信号の波長である、実施形態1~実施形態11に記載の装着型超音波装置。
【0061】
(13)アレイの隣接する圧電センサは、圧電センサの各々の音響素子間を分離するために小さいカーフで分離される、実施形態1~実施形態12に記載の装着型超音波装置。
【0062】
(14)少なくとも1つの超音波トランスデューサは、並置して位置決めされた複数のアレイを含む、実施形態1~実施形態13に記載の装着型超音波装置。
【0063】
(15)少なくとも1つの超音波トランスデューサは、標的部位の直交断面を取得するように配置された複数のアレイを含む、実施形態1~実施形態14に記載の装着型超音波装置。
【0064】
(16)前記少なくとも1つのアレイは、曲面として構成される、実施形態1~実施形態15に記載の装着型超音波装置。
【0065】
(17)連続するセンサのサブセットは、要求に応じて同時に起動されるように構成される、実施形態1~実施形態16に記載の装着型超音波装置。
【0066】
(18)複数のセンサは、少なくとも1つの準二次元アレイを形成するように行列構成で配列された複数の電極間に挟まれる、実施形態1~実施形態17に記載の装着型超音波装置。
【0067】
(19)少なくとも1つの整合層の最下部の整合層は、対応する少なくとも1つの超音波トランスデューサを標的部位に選択的に付着させるように構成される、実施形態1~実施形態18に記載の装着型超音波装置。
【0068】
(20)少なくとも1つの整合層は、シリコーン粘着ゲル、ゴム、シリコーン、熱可塑性エラストマー、およびポリマー材料のうちの少なくとも1つで構成される、実施形態1~実施形態19に記載の装着型超音波装置。
【0069】
(21)少なくとも1つの整合層はさらに、生体適合性を有し、ラテックスを含まず、非毒性であり、かつ非アレルギー性である材料で構成される、実施形態1~実施形態20に記載の装着型超音波装置。
【0070】
(22)少なくとも1つの整合層は、PZT、タングステン、アルミナ、シリカガラス、炭化タングステン、チタン、およびガラス粉末のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのフィラーと共にポリマー材料で構成され、前記少なくとも1つのフィラーは、ポリマー材料の音響インピーダンスを増大させるように構成される、実施形態1~実施形態21に記載の装着型超音波装置。
【0071】
(23)超音波モジュールは、少なくとも1つの超音波トランスデューサのうちの最下部の超音波トランスデューサの底面と接触して位置決めされ、超音波モジュールを標的部位に選択的に付着させるように構成された結合層をさらに含む、実施形態1~実施形態22に記載の装着型超音波装置。
【0072】
(24)結合層は、少なくとも1つの整合層の最下部の整合層の底面と接触して位置決めされる、実施形態1~実施形態23に記載の装着型超音波装置。
【0073】
(25)結合層は、超音波モジュールと標的部位との間で超音波信号を伝達することができるソノルーセントシリコーンゲルまたは他の接着材料を含む、実施形態1~実施形態24に記載の装着型超音波装置。
【0074】
(26)結合層はさらに、生体適合性を有し、ラテックスを含まず、非毒性であり、かつ非アレルギー性である材料で構成される、実施形態1~実施形態25に記載の装着型超音波装置。
【0075】
(27)結合層は、インピーダンス整合を行うために、標的部位の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する、実施形態1~実施形態26に記載の装着型超音波装置。
【0076】
(28)超音波モジュールは、標的部位から最も遠い少なくとも1つのセンサの側面と接触して位置決めされた少なくとも1つのバッキング層をさらに含み、少なくとも1つのバッキング層は、標的部位に向けられていない、少なくとも1つのセンサによって放射された超音波を吸収するように構成される、実施形態1~実施形態27に記載の装着型超音波装置。
【0077】
(29)少なくとも1つのバッキング層は、少なくとも1つのセンサの音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する、実施形態1~実施形態28に記載の装着型超音波装置。
【0078】
(30)少なくとも1つのバッキング層は、タングステン添加エポキシ、熱分解材料、黄銅、および炭素のうちの少なくとも1つで構成される、実施形態1~実施形態29に記載の装着型超音波装置。
【0079】
(31)少なくとも1つの導電層は、導電性ポリマー材料、炭素、グラフェン、アルミニウム、銅、金、モリブデン、イリジウム、マグネシウム、銀、フッ化リチウムおよびそれらの合金のうちの少なくとも1つで構成される、実施形態1~実施形態30に記載の装着型超音波装置。
【0080】
(32)少なくとも1つの封止層は、ガラスおよびプラスチックのうちの少なくとも1つで構成される、実施形態1~実施形態31に記載の装着型超音波装置。
【0081】
(33)少なくとも1つの封止層は、水分および酸素に対して実質的に不透過性である、実施形態1~実施形態32に記載の装着型超音波装置。
【0082】
(34)少なくとも1つの超音波送受信器が複数のセンサと電気通信するように、超音波送受信器よりも相対的に多い数量のセンサを含む、実施形態1~実施形態33に記載の装着型超音波装置。
【0083】
(35)少なくとも1つの超音波送受信器および対応する複数のセンサと電気通信する少なくとも1つの双方向マルチプレクサをさらに含む、実施形態1~実施形態34に記載の装着型超音波装置。
【0084】
(36)EPモジュールは、少なくとも1つの電極アレイおよび少なくとも1つの基準電極を含む、実施形態1~実施形態35に記載の装着型超音波装置。
【0085】
(37)少なくとも1つの超音波送受信器は、パルサ、送受信スイッチ(「T/Rスイッチ」)、低雑音増幅器(「LNA」)、可変利得増幅器(「VGA」)、およびローパスフィルタ(「LPF」)を含む、実施形態1~実施形態36に記載の装着型超音波装置。
【0086】
(38)少なくとも1つのコントローラと電気通信し、選択された外部デバイスと通信するように構成された少なくとも1つの送受信器をさらに含む、実施形態1~実施形態37に記載の装着型超音波装置。
【0087】
(39)EPモジュールは、少なくとも1つの電極と、フロントエンド信号調整回路と、コントローラと、通信モジュールとを含む、実施形態1~実施形態38に記載の装着型超音波装置。
【0088】
(40)少なくとも1つの弾性基板は、シリコン系材料、ゴム、熱可塑性エラストマー、ポリマー材料、箔、および様々な布地のうちの少なくとも1つで構成される、実施形態1~実施形態39に記載の装着型超音波装置。
【0089】
(41)少なくとも1つの弾性基板はさらに、透明であり、可撓性を有し、本質的に適合性を有する材料で構成される、実施形態1~実施形態40に記載の装着型超音波装置。
【0090】
(42)少なくとも1つの弾性基板はさらに、生体適合性を有し、ラテックスを含まず、非毒性であり、かつ非アレルギー性である材料で構成される、実施形態1~実施形態41に記載の装着型超音波装置。
【0091】
(43)少なくとも1つの弾性基板は、装置が約25ミリメートル以下の総厚を有するように、約180マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態1~実施形態42に記載の装着型超音波装置。
【0092】
(44)少なくとも1つの弾性基板は、前記弾性基板内またはその上に埋め込まれた複数の信号トレースを備える、実施形態1~実施形態43に記載の装着型超音波装置。
【0093】
(45)少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、少なくとも1つのコントローラと電気通信し、標的部位の酸素化状態および/または生化学的測定値を監視するように構成された近赤外分光(「NIRS」)モジュールをさらに含む、実施形態1~実施形態44に記載の装着型超音波装置。
【0094】
(46)NIRSモジュールは、少なくとも1つの光検出器および少なくとも1つの近赤外発光ダイオード(「LED」)を含む、実施形態1~実施形態45に記載の装着型超音波装置。
【0095】
(47)少なくとも1つのコントローラおよび超音波送受信器のうちの少なくとも一方は、少なくとも1つのマイクロエレクトロニクスモジュール内に位置決めされる、実施形態1~実施形態46に記載の装着型超音波装置。
【0096】
(48)超音波モジュール、EPモジュール、NIRSモジュール、および少なくとも1つのマイクロエレクトロニクスモジュールの各々を保護するように構成されたカバーをさらに含む、実施形態1~実施形態47に記載の装着型超音波装置。
【0097】
(49)標的部位と直接的または間接的に選択的に係合可能な自己完結型の装着可能なパッチとして構成される、実施形態1~実施形態48に記載の装着型超音波装置。
【0098】
(50)ユーザの身体の標的部位上に位置決め可能な装着型超音波装置であり、標的部位の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された少なくとも1つの超音波モジュールであって、少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、各々が2つ以上の電極間に挟まれた圧電材料を含む少なくとも1つの圧電センサを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサ、少なくとも1つの圧電センサを実質的に挟むように位置決めされた一対の導電層、および少なくとも1つの圧電センサと電気通信する少なくとも1つの超音波送受信器を含む超音波モジュールと、少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、標的部位の生体電気信号を検出するように構成された少なくとも1つの電気生理(「EP」)モジュールと、導電層を介して超音波モジュールおよびEPモジュールの各々と電気通信する少なくとも1つのコントローラであって、EPモジュールを介して標的部位における生体電気信号を検出すると、超音波モジュールに標的部位の少なくとも1つの超音波画像を選択的に取得させるように構成された少なくとも1つのコントローラとを含む、装着型超音波装置。
【0099】
(51)ユーザの身体の標的部位上に位置決め可能な装着型超音波装置であり、標的部位の少なくとも1つの超音波画像を取得するように構成された少なくとも1つの超音波モジュールであって、少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、少なくとも1つのセンサを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサ、少なくとも1つのセンサと電気通信して位置決めされた少なくとも1つの導電層、および少なくとも1つのセンサと電気通信する少なくとも1つの超音波送受信器を含む超音波モジュールと、少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、標的部位の生体電気信号を検出するように構成された少なくとも1つの電気生理(「EP」)モジュールと、少なくとも1つの弾性基板上に位置決めされ、標的部位の酸素化状態および/または生化学的測定値を監視するように構成された近赤外分光(「NIRS」)モジュールと、導電層を介して超音波モジュールとEPモジュールおよびNIRSモジュールのうちの少なくとも一方との各々と電気通信する少なくとも1つのコントローラであって、標的部位の生体電気信号、酸素化状態および/または生化学的測定値のうちの少なくとも1つを検出すると、超音波モジュールに標的部位の少なくとも1つの超音波画像を選択的に取得させるように構成された少なくとも1つのコントローラとを含む、装着型超音波装置。
【0100】
最後に、本明細書に図示され説明される本発明の例示的な実施形態に関して、装着型超音波装置が開示され、筋骨格(「MSK」)画像化および分析を含む様々な生物医学的用途に関連して使用するために構成されることが理解されよう。本発明の原理は、図示され説明されているもの以外の多くの構成で実施され得るので、本発明は、例示的な実施形態に決して限定されるものではなく、一般的に装着型超音波装置を対象とし、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくそれを行うために多くの形態をとることができることを理解されたい。本発明は開示されている構造の特定の形状および材料に限定されないが、その代わりに、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、既知のまたは今後開発される他の機能的に同等の構造または材料を含むことができることが当業者には理解されよう。
【0101】
本発明を実施するために本発明者(複数含)に周知の最良の形態を含む、本発明の特定の実施形態が本明細書に記載されている。当然ながら、これらの記載されている実施形態の変形形態は、上記の説明を読めば当業者に明らかになるであろう。本発明者(複数含)は、当業者がそのような変形形態を必要に応じて採用することを期待しており、本発明者(複数含)は、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の形で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付された請求項に記載されている主題の全ての修正および均等物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形形態における上述の実施形態の任意の組み合わせが本発明に包含される。
【0102】
本発明の代替の実施形態、要素、またはステップのグループ化は、限定的なものとして解釈されるべきではない。各々の群要素は、個々に、または本明細書に開示されている他の群要素との任意の組み合わせで言及され、特許請求され得る。一群の1つまたは複数の要素は、利便性および/または特許性のために、群に含まれるか、または群から削除され得ることが予想される。任意のそのような包含または削除が生じる場合、本明細書は、修正された群を含み、したがって、添付の請求項で使用される全てのマーカッシュ群の明細書記載を果たすと見なされる。
【0103】
別段の指示がない限り、本明細書および請求項で使用される特徴、項目、量、パラメータ、特性、用語などを表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解すべきである。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、そのように限定された特徴、項目、量、パラメータ、特性、または用語が、述べられている特徴、項目、量、パラメータ、特性、または用語の値のプラスマイナス10パーセントの範囲を包含することを意味する。したがって、別段の指示がない限り、本明細書および添付の請求項に記載されている数値パラメータは、変動し得る近似値である。最低限でも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではなく、各々の数値表示は少なくとも、報告有効桁数を考慮して、および通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広い範囲を示す数値範囲および値は近似値ではあるが、特定の実施例に示される数値範囲および値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、任意の数値範囲または値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。本明細書における値の数値範囲の列挙は、単に、その範囲内にある個々の数値を個々に言及する簡単な方法の役割を果たすことを目的としている。本明細書において別段の指示がない限り、数値範囲の個々の値は、本明細書に個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれるものとする。同様に、本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、「実質的に」という用語は、当業者によって理解および解釈され得る範囲を包含する、そのように限定された特徴、項目、量、パラメータ、特性、または用語の近似を示すための程度を示す用語である。
【0104】
一実施形態または一実施形態の態様に関して「may(する場合がある)」または「can(することができる)」という用語の使用は、「may not(しない場合がある)」または「cannot(することができない)」という代替的な意味も伴う。したがって、本明細書が、一実施形態または一実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれる場合がある、または含まれ得ることを開示している場合、否定的限定または排他的条件も明示的に表され、一実施形態または一実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれない場合がある、または含まれ得ないことを意味する。同様に、一実施形態または一実施形態の態様に関して「optionally(任意選択で)」という用語の使用は、そのような実施形態またはそのような実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれる場合があり、または本発明の主題の一部として含まれない場合があることを意味する。そのような否定的限定または排他的条件が適用されるかどうかは、否定的限定または排他的条件が特許請求される主題において列挙されるかどうかに基づく。
【0105】
本発明を説明する文脈において(特に、以下の請求項の文脈において)使用される用語「a」、「an」、「the」および同様の言及は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。さらに、識別された要素の「first(第1の)」、「second(第2の)」、「third(第3の)」などの序数標識は、要素を区別するために使用され、必要な数または限定された数のそのような要素を示すまたは暗示するものではなく、特に明記しない限り、そのような要素の特定の位置または順序を示すものではない。本明細書に記載されている全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書において提供される任意および全ての例、または例示的な言葉(例えば、「~などの」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、それ以外に特許請求される本発明の範囲を制限するものではない。本明細書内のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な任意の特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0106】
請求項において使用される場合、出願されたものであれ、補正ごとに追加されたものであれ、非限定型の(open-ended)移行用語「備える(comprising)」(「含む(including)」、「含有する(containing)」ならびに「有する(having)」などの同等の非限定型の(open-ended)移行句と共に)は、明示的に列挙されている要素、限定、ステップ、および/または特徴の全てを単独で、または列挙されていない主題と組み合わせて包含し、指定されている要素、限定、および/または特徴は必須であるが、他の指定されていない要素、限定、および/または特徴が追加されて、依然として特許請求の範囲内の構成概念を形成してよい。本明細書に開示される特定の実施形態は、「含む(comprising)」の代わりに、または「含む(comprising)」の修正として、「から成る(consisting of)」または「から本質的に成る(consisting essentially of)」の限定型(closed-ended)の移行句を使用して請求項においてさらに限定され得る。請求項において使用される場合、出願されたものであれ、補正ごとに追加されたものであれ、「から成る(consisting of)」という限定型の移行句は、請求項の中で明示的に列挙されていない任意の要素、限定、ステップ、または特徴を除外するものである。「から本質的に成る(consisting essentially of)」という限定型の移行句は、特許請求の範囲を、明示的に列挙されている要素、限定、ステップ、ならびに/もしくは特徴、および特許請求される主題の基本的かつ新規な特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない任意の他の要素、限定、ステップ、ならびに/もしくは特徴に限定するものである。したがって、非限定型の移行句「含む(comprising)」の意味は、具体的に列挙された要素、限定、ステップ、および/または特徴の全て、ならびに任意選択の追加の不特定のものを包含するものとして定義されている。「から成る(consisting of)」という限定型の移行句の意味は、請求項の中で具体的に列挙されているそれらの要素、限定、ステップ、および/または特徴のみを含むものとして定義されているが、「から本質的に成る(consisting essentially of)」という限定型の移行句の意味は、請求項の中で具体的に列挙されているそれら要素、限定、ステップ、ならびに/もしくは特徴、および特許請求される主題の基本的かつ新規な特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさないそれらの要素、限定、ステップ、ならびに/もしくは特徴のみを含むものとして定義されている。したがって、非限定型の移行句「含む(comprising)」(およびその同等の非限定型の移行句)は、極端な場合として、その意味の中に、限定型の移行句「から成る(consisting of)」または「から本質的に成る(consisting essentially of)」によって特定された、特許請求される主題を含む。したがって、「含む(comprising)」という句を用いて本明細書に記載される、またはそのように特許請求される実施形態は、「から本質的に成る(consisting essentially of)」および「から成る(consisting of)」という句に対して、本明細書において明示的または本質的に明確に記載され、使用可能であり、支持される。
【0107】
米国特許法第112条(f)に基づいて取り扱われることが意図された任意の請求項は、「~のための手段」という語で始まるが、任意の他の文脈における「~のための」という用語の使用は、米国特許法第112条(f)に基づく取り扱いを援用することを意図するものではない。したがって、出願人は、本出願または継続出願のいずれかにおいて、本出願を提出した後に追加の特許請求を追求する権利を留保する。
【0108】
論理コード、プログラム、モジュール、プロセス、方法、および各メソッドのそれぞれの要素が実行される順序は、単なる一例に過ぎないことを理解されたい。実装形態に応じて、それらは、本開示において別段の指示がない限り、任意の順序でまたは並行して実行され得る。さらに、論理コードは、任意の特定のプログラミング言語に関連せず、または限定されず、分散環境、非分散環境、または多重処理環境において1つまたは複数のプロセッサ上で実行される1つまたは複数のモジュールを含み得る。さらに、本明細書内で開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、メソッド、およびアルゴリズムプロセスならびにシーケンスは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、およびプロセス動作が、それらの機能に関しておおまかに上記で説明されている。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の用途および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。説明した機能は、特定の用途ごとに様々な方法で実装され得るが、そのような実装の決定は、本文書の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0109】
「非一時的な」という語句は、その通常の意味を有することに加えて、本文書で使用される場合、「永続的または長寿命」を意味する。「非一時的なコンピュータ可読媒体」という語句は、その通常の意味を有することに加えて、一時的な伝搬信号を唯一の例外として、ありとあらゆるコンピュータ可読媒体を含む。これは、限定ではなく例として、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(「RAM」)などの非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。
【0110】
上述の方法は、集積回路チップの製造に使用され得る。結果として得られる集積回路チップは、未加工ウェハの形態で(すなわち、複数のパッケージされていないチップを有する単一のウェハとして)、ベアダイとして、またはパッケージされた形態で、製造業者によって流通させることができる。後者の場合、チップは、単一チップパッケージ(マザーボードまたは他のより高レベルのキャリアに固定されたリードを有するプラスチックキャリアなど)またはマルチチップパッケージ(表面相互接続または埋め込み相互接続のいずれかまたは両方を有するセラミックキャリアなど)に実装される。いずれの場合においても、チップは、その後、(a)マザーボードのような中間製品、または(b)最終製品のいずれかの一部として、他のチップ、個別回路素子、および/または他の信号処理デバイスと一体化される。最終製品は、玩具および他のローエンド用途から、ディスプレイ、キーボードまたは他の入力デバイス、および中央プロセッサを有する高度なコンピュータ製品に及ぶ、集積回路チップを含む任意の製品であり得る。
【0111】
本明細書において参照および特定される全ての特許、特許公報、および他の刊行物は、例えば、本発明に関連して使用され得るそのような刊行物に記載される組成物および方法論を記載および開示するために、その内容全体が参照により個々におよび明示的に本明細書に援用される。これらの刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためにのみ提供される。この点に関して、本発明者らが先行発明のためにまたは任意の他の理由でそのような開示に先行する権利がないことの自認であると解釈されるべきではない。日付に関するすべての記述またはこれらの文書の内容に関する表現は、本出願人が入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確さに関する自認ではない。
【0112】
少なくとも1つの例示的な実施形態を参照しながら本発明の態様を説明してきたが、本発明がそれに限定されないことは当業者によって明確に理解されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、添付の請求項と併せてのみ解釈されるべきであり、特許請求される主題が本発明であると本発明者(複数含)が確信していることがここで明らかにされる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図4A
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】