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特表2023-511995エアロゾル発生装置用の調整可能な保持部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置用の調整可能な保持部材
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20230315BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230315BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545807
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2021052020
(87)【国際公開番号】W WO2021152035
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】20154298.2
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ローブ アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
(57)【要約】
空洞(10)を画定する装置ハウジングと、空洞内または空洞に隣接して位置付けられ、通路(62)を画定する調整可能な保持要素(60)と、受容位置と保持位置との間で調整可能な保持要素を作動させるように構成された作動手段(50)とを含み、通路の断面寸法が、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも、調整可能な保持要素が受容位置にあるときの方が大きい、エアロゾル発生装置(1)。調整可能な保持要素は、通路入口および通路出口を画定し、通路入口と通路出口との間に画定される表面と、調整可能な保持要素が保持位置である時に湾曲した形状を有する表面の縦断面と、凸状曲線の転換点で通路の収縮を画定する凸状曲線を含む湾曲した形状の一部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
空洞を画定する装置ハウジングと、
前記空洞内または前記空洞に隣接して位置付けられ、通路を画定する調整可能な保持要素と、
受容位置と保持位置との間で前記調整可能な保持要素を作動させるように構成された作動手段と、を含み、
前記通路の断面寸法が、前記調整可能な保持要素が前記保持位置にある時よりも、前記調整可能な保持要素が前記受容位置にある時の方が大きく、
前記調整可能な保持要素が、通路入口および通路出口を画定し、前記通路入口と前記通路出口との間に画定される表面と、前記調整可能な保持要素が前記保持位置にある時に湾曲した形状を有する前記表面の縦断面と、凸状曲線の転換点において前記通路の収縮を画定する前記凸状曲線を含む前記湾曲した形状の一部と、を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記調整可能な保持要素が前記受容位置から前記保持位置に起動された時に、前記調整可能な保持要素が変形され、前記変形された調整可能な保持手段が前記通路を収縮する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記通路の前記断面寸法は、前記通路の幅である、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記調整可能な保持要素が前記受容位置にある時の前記通路の幅は、5ミリメートル~13ミリメートルであり、前記調整可能な保持要素が前記保持位置にある時の前記通路の幅は、4ミリメートル~9ミリメートルである、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記通路の前記断面寸法が、前記通路の断面積である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記調整可能な保持要素が前記受容位置にある時の前記通路の断面積が、20平方ミリメートル~130平方ミリメートルであり、前記調整可能な保持要素が前記保持位置にある時の前記通路の断面積が、10平方ミリメートル~60平方ミリメートルである、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記表面が、前記通路の一部分の周りに延在し、トロイドを形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記調整可能な保持要素が前記受容位置から前記保持位置まで作動する時、前記通路入口と前記通路出口との間の距離が2.5ミリメートル~5ミリメートル減少する、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記空洞が、エアロゾル発生物品を受容するための空洞である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記保持位置において、前記エアロゾル発生物品が前記空洞内に受容され、一方で気流が前記エアロゾル発生物品を通ることを可能にする時に、前記調整可能な保持要素が、前記空洞を実質的に気密的に封止するように構成される、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記エアロゾル発生物品の直径が、前記調整可能な保持要素が前記受容位置にある時に、前記通路の幅よりも0.5ミリメートル~3.5ミリメートル小さい、請求項9または10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記調整可能な保持要素が弾性要素である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムであって、
前記エアロゾル発生装置が、
空洞を画定する装置ハウジングと、
前記空洞内または前記空洞に隣接して位置付けられ、通路を画定する調整可能な保持要素と、
受容位置と保持位置との間で前記調整可能な保持要素を作動させるように構成された作動手段と、を含み、
前記通路の断面寸法が、前記調整可能な保持要素が前記保持位置にある時よりも、前記調整可能な保持要素が前記受容位置にある時の方が大きく、
前記調整可能な保持要素が、通路入口および通路出口を画定し、前記通路入口と前記通路出口との間に画定される表面と、前記調整可能な保持要素が前記保持位置である時に湾曲した形状を有する前記表面の縦断面と、凸状曲線の転換点において前記通路の収縮を画定する前記凸状曲線を含む前記湾曲した形状の一部と、を含み、
前記エアロゾル発生物品が前記空洞内に受容される、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
エアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法であって、前記エアロゾル発生装置が、空洞を画定する装置ハウジング、作動手段、および前記空洞内または前記空洞に隣接して位置付けられた調整可能な保持要素を含み、前記調整可能な保持要素が通路を画定し、前記方法が、
前記エアロゾル発生物品を前記空洞内に挿入するステップと、
前記調整可能な保持要素を、受容位置から保持位置に作動させるステップと、を含み、
前記通路の断面寸法が、前記調整可能な保持要素が前記保持位置にある時よりも、前記調整可能な保持要素が前記受容位置にある時の方が大きく、
前記調整可能な保持要素が、通路入口および通路出口を画定し、前記通路入口と前記通路出口との間に画定される表面と、前記調整可能な保持要素が前記保持位置である時に湾曲した形状を有する前記表面の縦断面と、凸状曲線の転換点において前記通路の収縮を画定する前記凸状曲線を含む前記湾曲した形状の一部と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは公知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度へとエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞の中へとエアロゾル発生物品を挿入するためにロッド形状を有してもよい。空洞内に受容されると、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を加熱してもよい。
【0003】
一部の配置では、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の空洞内に位置するブレードの形態の発熱体を含む。発熱体は、空洞内に挿入されたエアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体を貫通してもよい。別の方法として、エアロゾル発生装置の空洞によってエアロゾル発生物品が受容されると、エアロゾル形成基体を加熱するために、空洞の周りに加熱装置が配置されてもよい。
【0004】
いずれの場合も、エアロゾル発生装置が使用中であるときに、エアロゾル発生物品が空洞から落ちるのを防ぎ、エアロゾル発生装置によってエアロゾル形成基体の効率的な加熱を提供するために、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置に保持されることは有利である。加熱ブレードは、エアロゾル発生物品を加熱する前に、空洞内にエアロゾル発生物品を保持してもよい。別の方法として、または追加的に、特に空洞の周りに配置される加熱装置のために、エアロゾル発生物品を加熱する前に、エアロゾル発生物品の直径に対応する空洞の直径の結果として、干渉によって、エアロゾル発生物品を空洞内に保持することができる。
【0005】
しかしながら、動作中、エアロゾル発生物品および空洞の寸法は、エアロゾル発生物品の加熱の結果として変化し得る。例えば、加熱されたエアロゾル発生物品、特にエアロゾル形成基体の直径は収縮しうる。空洞の直径は、エアロゾル発生装置が稼働している時に熱膨張の結果として増大し得る。さらに、エアロゾル発生物品内に含まれるエアロゾル形成基体は、経時的に枯渇し得る。これは、エアロゾル発生物品の形状にさらに影響を与える場合がある。特に、枯渇の進行に伴い、エアロゾル形成基体は収縮し得る。加熱中のエアロゾル発生物品および空洞の寸法の変化は、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の望ましくない緩みをもたらしうる。
【0006】
特定のエアロゾル発生物品に対応する寸法の空洞を有するエアロゾル発生装置はまた、ユーザーがエアロゾル発生物品を空洞に挿入するのが困難な場合があるという欠点を有する。さらに、こうしたエアロゾル発生装置は、特定の直径を有するエアロゾル発生物品とのみ使用できる。
【0007】
エアロゾル発生装置の空洞へのエアロゾル発生物品の挿入が改善され、様々な直径のエアロゾル発生物品が空洞に挿入され得るような、エアロゾル発生装置を提供することが望ましい。空洞内に受容されるエアロゾル発生物品の保持が改善され、様々な直径のエアロゾル発生物品が空洞内に保持され得るように、エアロゾル発生装置を提供することが望ましい。また、特に加熱後に、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品の緩みを防止する、エアロゾル発生装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本開示で、エアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、装置ハウジングを備えてもよい。装置ハウジングは、空洞を画定しうる。エアロゾル発生装置はまた、調整可能な保持要素を含んでもよい。調整可能な保持要素は、空洞内に、または空洞に隣接して位置付けられうる。調整可能な保持要素は、通路を画定しうる。エアロゾル発生装置はまた、作動手段を備えうる。作動手段は、受容位置と保持位置との間の調整可能な保持要素を作動させるように構成されうる。通路の断面寸法は、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも、調整可能な保持要素が受容位置にあるときの方が大きくてもよい。
【0009】
一例では、エアロゾル発生装置が、空洞を画定する装置ハウジングと、空洞内または空洞に隣接して位置付けられ、通路を画定する調整可能な保持要素と、受容位置と保持位置との間で調整可能な保持要素を作動させるように構成された作動手段とを備え、通路の断面寸法が、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも、調整可能な保持要素が受容位置にあるときの方が大きい。
【0010】
空洞内に位置付けられた、または空洞に隣接して位置付けられた、調整可能な保持要素を提供することによって、空洞内に受容された、または空洞から除去された物体は、調整可能な保持要素によって画定される通路を通過しなければならない。空洞内に受容される物体はまた、通路内に受容されてもよい。
【0011】
調整可能な保持要素が受容位置にあるときに、通路の同等の断面寸法よりも小さい断面寸法を有する物体は、有利には、通路を自由に通過することができる。これにより、こうした物体の空洞への挿入または除去が、受容位置にある調整可能な保持要素によって妨げられないことが保証される。調整可能な保持要素が保持位置にある時、こうした物体の同等の断面寸法も通路の断面寸法以上である場合、物体は通路を通過することを防止する。これは、物体の遠位端が空洞内に受容され、物体の残りの部分が通路内に受容される空洞から突出する場合に特に有利である。こうした配置では、調整可能な保持要素は有利に物体に接触し、物体を通路内に保持する。通路の断面寸法が物体の断面寸法よりも小さく、物体が通路内に受容される場合、物体または調整可能な保持要素のいずれかは、調整可能な保持要素が保持位置にある時にわずかに変形され得る。
【0012】
調整可能な保持要素が受容位置と保持位置との間で作動すると変化する断面寸法を有する通路を画定する調整可能な保持要素を提供することによって、物体のサイズの範囲を有利に、調整可能な保持要素によって受容し、保持することができる。
【0013】
本明細書で使用される場合、用語「断面寸法」は、通路の二次元断面の任意の寸法を一般的に指すために使用される。通路の断面は、通路の横断断面であってもよい。本明細書で使用される場合、用語「横断断面」は、断面が通路の長さに対して垂直であるように、通路の幅を通して画定される断面を指す。特に、横断断面は、空洞の中へと通路を通過する物体の挿入方向に垂直であってもよい。断面寸法は、通路の断面の幅または面積を含む。異なる形状の断面は、異なる断面寸法を有してもよい。例えば、通路が円形の断面を有する場合、断面の直径は断面寸法である。
【0014】
調整可能な保持要素は、調整可能な保持要素が受容位置から保持位置に作動する時に変形され得る。変形された調整可能な保持手段は、通路を収縮しうる。断面寸法は、通路内の収縮の断面に関連しうる。
【0015】
通路の断面寸法は、通路の幅であってもよい。通路の幅は、通路の横断断面の幅であってもよい。調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の幅は、5ミリメートル~13ミリメートルとしうる。好ましくは、調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の幅は、6ミリメートル~9ミリメートルであってもよい。調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の幅は、通路内に受容される、または通路を通過する物体の幅よりも大きい場合がある。
【0016】
調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の幅は、3ミリメートル~8ミリメートルとしうる。好ましくは、調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の幅は、2.5ミリメートル~6.5ミリメートルであってもよい。調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の幅は、通路を受容または通過する物体の幅よりも小さくてもよい、または等しくてもよい。
【0017】
調整可能な保持要素は、通路を円周方向に取り囲んでもよい。通路の断面寸法は、通路の断面積であってもよい。通路の断面寸法は、通路の横断断面の断面積であってもよい。調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の断面積は、20平方ミリメートル~130平方ミリメートルであってもよい。例えば、調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の直径が5ミリメートルである場合、通路の断面積は19.6平方ミリメートルである。好ましくは、調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の断面積は、30平方ミリメートル~60平方ミリメートルであってもよい。調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の断面積は、通路内に受容される、または通路を通過する物体の断面積よりも大きい場合がある。
【0018】
調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の断面積は、7平方ミリメートル~50平方ミリメートルである。例えば、調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の直径が3ミリメートルである場合、通路の断面積は7.1平方ミリメートルである。好ましくは、調整可能な保持要素が保持通路内にある時の通路の断面積は、5平方ミリメートル~30平方ミリメートルであってもよい。調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の断面積は、通路内に受容される、または通路を通過する物体の断面積よりも小さくてもよい、または等しくてもよい。
【0019】
調整可能な保持要素は、通路入口および通路出口を画定しうる。通路の断面寸法は、調整可能な保持要素が保持位置にある時、通路入口と通路出口との間で可変であってもよい。通路の断面寸法は、調整可能な保持要素が受容位置にある時、通路入口と通路出口との間で一定であってもよい。別の方法として、通路の断面寸法は、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも少ない程度まで変化しうる。言い換えれば、通路入口と通路出口との間の通路の輪郭は、調整可能な保持要素が保持位置にある時と比較して、調整可能な保持要素が受容位置にある時とは異なる場合がある。これは、調整可能な保持要素が保持位置から受容位置に作動されるときに、調整可能な保持要素が変形された結果でありうる。
【0020】
断面寸法は、通路の最小断面積であってもよい。断面寸法は、調整可能な保持要素が保持位置にある時、通路の最小断面積とすることができる。
【0021】
保持位置では、調整可能な保持要素は、通路入口と通路出口との間に画定される表面、湾曲した形状を有する表面の縦断面を備えてもよい。言い換えれば、保持位置で、通路の横断面寸法は、通路入口と通路出口との間で可変であってもよい。湾曲した形状の一部分は、凸状曲線の転換点における通路の収縮を画定する凸状曲線を含んでもよい。収縮は、調整可能な保持要素と、調整可能な保持要素の通路に受容される物体との間の接点を形成しうる。収縮は、調整可能な保持要素の通路内に物体を保持しうる。断面寸法は、収縮の断面寸法であってもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「縦断面」は、通路の長さに平行な調整可能な保持要素を通して画定される断面を指すために使用される。縦断面は、上述のように、横断断面に垂直な方向に画定されてもよい。このように、縦断面は、空洞の中への通路を通過する物体の挿入方向に平行な方向に画定されてもよい。
【0023】
湾曲した形状は、第二の凸状曲線の転換点における通路における第二の収縮を画定する第二の凸状曲線を含みうる。第二の収縮は、調整可能な保持要素と、調整可能な保持要素の通路に受容される物体との間の第二の接点を形成しうる。第二の収縮の断面寸法は、第一の収縮の断面寸法と同一であってもよい。
【0024】
表面は、通路の一部分の周りに延在して、トロイド、部分トロイド、または切断トロイドを形成してもよい。
【0025】
通路入口と通路出口との間の距離は、調整可能な保持要素が受容位置から保持位置に作動する時に、2.5ミリメートル~5ミリメートル減少し得る。通路入口と通路出口との間の距離を減少させることによって、調整可能な保持要素は変形され得る。変形は、断面寸法を減少させうる。2.5ミリメートル~5ミリメートルの減少は、断面寸法が空洞に挿入される物体の断面寸法以下となるように減少するように、調整可能な保持要素を変形し得る。
【0026】
調整可能な保持要素は環状であってもよい。調整可能な保持要素は、調整可能な保持要素が受容位置から保持位置に作動する時に半径方向に収縮するように構成されうる。調整可能な保持要素は、通路の半径の周りに等しく収縮し得る。
【0027】
空洞は、エアロゾル発生物品を受容するための空洞であり得る。空洞は、エアロゾル発生物品の少なくとも遠位部分を受容するための空洞であり得る。空洞内に受容されるエアロゾル発生物品の一部分は、通路内に配置されてもよい。
【0028】
エアロゾル発生物品は、ロッド形状であり得る。言い換えれば、エアロゾル発生物品は、円形の断面を有してもよい。このような場合、調整可能な保持要素は環状であることが好ましい。保持位置にある調整可能な保持要素は、エアロゾル発生物品の周囲全体の周りの空洞内に受容されるエアロゾル発生物品と接触してもよい。
【0029】
環状の調整可能な保持要素は、半径方向に収縮し得る。環状の調整可能な保持要素は、有利には、通路の半径の周りに等しく収縮し得る。環状の調整可能な保持要素は、環状の調整可能な保持要素が保持位置にある時、有利に、その全周の周りのエアロゾル発生物品に接触するように半径方向に収縮し得る。環状の調整可能な保持要素は、有利に、エアロゾル発生物品の周囲の周りに等しい圧力を印加し得る。
【0030】
エアロゾル発生物品は、3ミリメートル~8ミリメートルの直径を有してもよい。好ましくは、エアロゾル発生物品は、4ミリメートル~7ミリメートルの直径を有してもよい。好ましくは、調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の直径は、エアロゾル発生物品の直径よりも大きい。
【0031】
エアロゾル発生物品の直径は、調整可能な保持要素が受容位置にあるとき、通路の幅よりも0.5ミリメートル~3.5ミリメートル小さい場合がある。これにより、有利には、エアロゾル発生物品が、調整可能な保持要素によって妨げられないことを保証する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品が通路を通して空洞に挿入される、または空洞から除去されるとき、調整可能な保持要素によって妨げられない。
【0032】
調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の直径は、エアロゾル発生物品の直径以下であることが好ましい。これは、例えば、エアロゾル発生物品の加熱中に、直径エアロゾル発生物品の変動にもかかわらず、調整可能な保持要素とエアロゾル発生物品との間の接触を維持することを有利に保証し得る。
【0033】
エアロゾル発生物品は、5平方ミリメートル~50平方ミリメートルの断面積を有してもよい。例えば、エアロゾル発生物品の断面直径が3ミリメートルである場合、エアロゾル発生物品の断面積は7.1平方ミリメートルでありうる。好ましくは、エアロゾル発生物品は、10平方ミリメートル~40平方ミリメートルの断面積を有してもよい。好ましくは、調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の断面積は、エアロゾル発生物品の直径よりも大きい。
【0034】
好ましくは、調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の断面積は、エアロゾル発生物品の直径以下である。エアロゾル発生物品の断面積は、調整可能な保持要素が受容位置にある時、通路の断面積よりも3平方ミリメートル~60平方ミリメートル小さくてもよい。
【0035】
エアロゾル発生物品は、調整可能な保持要素が受容位置にあるとき、空洞から自由に受容可能または取り外し可能であってもよい。そのため、エアロゾル発生物品を空洞から挿入および除去することは有利に単純でありうる。
【0036】
調整可能な保持要素は、調整可能な保持要素が保持位置にある時に、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品に接触するように構成されうる。調整可能な保持要素は、調整可能な保持要素が保持位置にある時に、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品を掴むように構成されうる。エアロゾル発生物品と調整可能な保持要素との間の干渉関係は、有利には、空洞内にエアロゾル発生物品を保持し得る。
【0037】
調整可能な保持要素は、エアロゾル発生物品の二つの別個の部分と接触してもよい。二つの別個の部分は、エアロゾル発生物品の長さに沿って間隔を置いてもよい。エアロゾル発生物品と調整可能な保持要素との間の二つの接触点を提供することによって、増加させる。
【0038】
保持位置において、調整可能な保持要素は、エアロゾル発生物品が空洞内に受容される時に、気流がエアロゾル発生物品を通るのを可能にしながら、例えば空洞を気密的に封止するように構成される。弾性封止要素の外周は、エアロゾル発生装置のハウジングに係合されてもよい。エアロゾル発生装置のハウジングと弾性封止要素との間の取り付けは、気密封止取り付けであってもよい。調整可能な保持要素は、調整可能な保持要素によって画定される通路を通る気流を可能にしうる。しかしながら、エアロゾル発生物品の空洞の中への挿入の後、通路はエアロゾル発生物品によって充填され得、そのため空気はエアロゾル発生物品を通してのみ空洞から出る場合がある。調整可能な保持要素が保持位置にある時に、エアロゾル発生物品の二つの部分に接触するように構成された調整可能な保持要素を提供することは、増加したまたはより安全な封止効果をもたらしうる。
【0039】
エアロゾル発生物品は、長手方向に沿って空洞によって受容されてもよい。調整可能な保持要素は、調整可能な保持要素が受容位置から保持位置に作動する時、長手方向に圧縮されうる。調整可能な保持要素は、調整可能な受容要素が受容位置から保持位置に作動する時、長手方向に垂直な方向に動くように構成された接触部分を備えてもよい。
【0040】
調整可能な保持要素の接触部分は、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品に向かって移動してもよい。
【0041】
調整可能な保持要素の接触部分は、1ミリメートル~4ミリメートルの距離を移動してもよい。調整可能な保持要素の接触部分は、調整可能な保持要素が保持位置にあるとき、通路を収縮しうる。
【0042】
調整可能な保持要素は、弾性要素であってもよい。こうした弾性要素は、複雑な機械的取り付け具を必要とせずに、調整可能な断面寸法を有する受容位置と保持位置との間で作動可能であってもよい。例えば、弾性要素は、受容位置から保持位置に作動すると変形され得る。変形は、関連する断面寸法を変化させうる。弾性要素は長手方向に変形され得、弾性要素によって画定される通路の収縮をもたらすことが好ましい。
【0043】
さらに、弾性要素は、調整可能な弾性要素が保持位置にあるとき、通路内のエアロゾル発生物品に圧力をかけることができる。弾性要素は、通路の断面寸法がエアロゾル発生物品の断面寸法よりも小さい時に、通路のエアロゾル発生物品に圧力をかけることができる。この圧力は、エアロゾル発生物品を通路内に定位置に保持する。圧力は、長手方向に垂直な方向に適用されうる。
【0044】
調整可能な保持要素は、可撓性であってもよい。調整可能な保持要素は、弾性であってもよい。調整可能な保持要素は、通路が画定される中央開口を有してもよい。調整可能な保持要素は、適切な弾性特性を有する材料から作製されてもよく、その結果、調整可能な保持要素は、受容位置と保持位置との間で変形可能である。調整可能な保持要素は、弾力性のある耐熱性ポリマー、またはグラフェン、シリコーン、プラスチック、もしくは他の適切な材料などの化合物材料、またはそれらの化合物で作製されてもよい。例えば、調整可能な保持要素の少なくとも変形可能な部分が、例えばポリイソブチレンなどのブチルゴム、シリコーンなどのポリシロキサン、ポリウレタン、または別のエラストマーなどのエラストマーポリマーから作製されていることが有利であり得る。
【0045】
作動手段は、装置ハウジングに対して移動可能であってもよい。作動手段は、調整可能な保持要素が受容位置にある装置ハウジングに対する第一の位置と、調整可能な保持要素が保持位置にある装置ハウジングに対する第二の位置との間で移動可能であってもよい。
【0046】
調整可能な保持要素の第一の側面は、作動手段に係合されてもよい。調整可能な保持要素の第一の側面は、通路入口を画定しうる。調整可能な保持要素の第二の側面は、装置ハウジングに係合される。調整可能な保持要素の第二の側面は、通路出口を画定しうる。
【0047】
作動手段は、ねじおよびねじ接続によって装置ハウジングに係合されてもよい。作動手段は、ねじおよびねじ接続を介して装置ハウジングに対して移動可能であってもよい。
【0048】
別の方法として、作動手段は、係合部材を介して装置ハウジングに係合されてもよい。係合部材は、作動手段のハウジング内に形成された一つ以上のピンまたはランナーから構成されてもよい。係合部材のピンまたはランナーは、装置ハウジング内に形成されたスロットまたは溝と係合してもよい。作動手段は、装置ハウジングに対して移動可能であり、スロットまたは溝内で動く係合部材のピンまたはランナーによって誘導されてもよい。スロットまたは溝は、作動手段が、調整可能な保持手段が受容位置にある第一の位置から、および調整可能な保持手段が保持位置にある第二の位置から移動可能であるように構成されうる。スロットまたは溝は、ユーザーが作動手段を長手方向に押すと、作動手段を第一の位置から第二の位置に動かすように構成されうる。
【0049】
作動手段は、ばねを備えてもよい。ばねは、装置ハウジングと接触してもよい。作動手段を第一の位置から第二の位置へ移動させることは、ばねを変形させ得る。変形したばねは、作動手段に第一の位置に戻るように促しうる。
【0050】
スロットまたは溝は、係止部分を含み得る。係合部材は、作動手段が第二の位置にある時に、係止部分内に付勢されてもよい。ユーザーが作動手段を長手方向に押すと、係合部材をスロットまたは溝の係止部分から後方に付勢しうる。ユーザーは、作動手段を同じ方向に押し、作動手段を第一の位置から第二の位置へ移動させること、係合部材をスロットまたは溝の係止部分から移動させることの両方を行うことができる。次に、作動部材は、ばねによって第一の位置に付勢され得る。この配置は、有利に、ユーザーが操作するのに単純である。ユーザーは、作動手段を第一の位置から第二の位置へ移動させ、それを第一の位置に戻すためにのみ押す必要がある。
【0051】
作動手段は、第一の位置と第二の位置との間で回転可能であってもよい。第一の位置および第二の位置は、90度~270度で分離されてもよい。例えば、第一の位置および第二の位置は、180度分離されてもよい。
【0052】
作動手段は、ハウジングを含んでもよい。調整可能な保持要素は、作動手段のハウジングに係合されてもよい。空洞の一部分は、作動手段によって画定されてもよい。空洞の一部分は、作動手段のハウジングによって画定されてもよい。
【0053】
本明細書に使用される時、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を記述するために使用される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してユーザーの肺にユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生する装置であることが好ましい。装置はエアロゾル形成基体を加熱するように構成されてもよい。装置は、加熱装置を備えてもよい。加熱装置は、空洞内に配置され、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を貫通するように構成されるヒーターブレードを含み得る。別の方法として、加熱装置は、空洞の周りに配設されてもよい。
【0054】
加熱装置は抵抗加熱装置であってもよい。
【0055】
別の方法として、加熱装置は、誘導加熱装置であってもよい。誘導加熱装置は、誘導によって熱を発生するように構成されてもよい。誘導加熱装置は、誘導コイルおよびサセプタ装置を備えてもよい。単一の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ装置が提供されてもよい。単一の誘導コイルより多くの誘導コイルが提供されることが好ましい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ装置より多くのサセプタ装置が提供されることが好ましい。好ましくは、第一のサセプタ装置および第二のサセプタ装置が提供される。誘導コイルは、サセプタ装置を包囲してもよい。第一の誘導コイルは、第一のサセプタ装置を包囲してもよい。第二の誘導コイルは、第二のサセプタ装置を包囲してもよい。別の方法として、単一のサセプタ装置を包囲する少なくとも二つの誘導コイルが提供されてもよい。二つ以上のサセプタ装置が提供される場合、電気絶縁要素はサセプタ装置の間に提供されることが好ましい。
【0056】
誘導コイルは、コイル区画内に配置され得る。コイル区画は、空洞の下流端において断熱要素によって空洞から気密的に封止されてもよい。コイル区画は、空洞を囲むように配置されてもよい。コイル区画は、空洞を部分的または完全に包囲してもよい。コイル区画は、空洞の全長に沿って延びてもよい。コイル区画は、誘導コイルまたは複数の誘導コイルを収容してもよい。
【0057】
エアロゾル発生装置は、コイル区画に接続された下流空気吸込み口を備えてもよい。別の方法として、エアロゾル発生装置は、空洞の上流端に隣接する空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口は、空洞の基部内の空気開口と流体接続されてもよい。
【0058】
エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。電源は直流(DC)電源であってもよい。電源は、第一の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。一実施形態では、電源は、約2.5ボルト~約4.5ボルトの範囲内のDC供給電圧、および約1アンペア~約10アンペアの範囲内のDC供給電流(約2.5ワット~約45ワットの範囲内のDC電源に対応)を有するDC電源である。エアロゾル発生装置は、有利なことに、DC電源によって供給されるDC電流を交流電流に変換するための直流電流から交流電流への(DC/AC)インバータを備えてもよい。DC/ACコンバータは、クラスDまたはクラスEの電力増幅器を備えてもよい。電源は、交流電流を提供するように構成されてもよい。
【0059】
電源は再充電可能なリチウムイオン電池などの電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、エアロゾル発生装置の一回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間の間エアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0060】
電源は高周波で動作するように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する、振動する電流を意味する。高周波振動電流は、約1メガヘルツ~約30メガヘルツの周波数を有してもよく、約1メガヘルツ~約10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、そして約5メガヘルツ~約8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
【0061】
サセプタ装置は、サセプタを含んでもよい。サセプタ装置は、複数のサセプタを含んでもよい。サセプタ装置は、ブレード形状のサセプタを備えてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞を包囲して配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の内側に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入された時に、エアロゾル発生物品を保持するように配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、ブレード形状のサセプタの中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にするために、裾が広がった下流端を有してもよい。空気は、空洞の基部内の空気開口を通して空洞の中へと流れてもよい。空気は、その後、エアロゾル発生物品の上流端面においてエアロゾル発生物品の中へと入ってもよい。代替的または追加的に、空気は、空洞の側壁とブレード形状のサセプタとの間を流れてもよい。次いで、空気は、ブレード形状のサセプタの間の間隙を通して、エアロゾル発生物品の中へと入ってもよい。空気によるエアロゾル発生物品の均一な貫通は、このようにして達成されてもよく、それによってエアロゾル発生を最適化する。
【0062】
エアロゾル発生装置は磁束集中器を備えてもよい。磁束集中器は、高い透磁率を有する材料から作製されてもよい。磁束集中器は、誘導加熱装置を包囲して配設されてもよい。磁束集中器は、磁力線を磁束集中器の内部に集中させ、それによって誘導コイルによるサセプタ装置の加熱効果を増加させてもよい。
【0063】
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の誘導コイルへ、および第二の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、誘導コイルへと供給される電流、そしてそれ故に誘導コイルによって発生される磁界強度を制御するように構成されてもよい。
【0064】
電源およびコントローラは、誘導コイル、好ましくは第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに接続され、そして誘導コイルの各々に互いに独立して交流電流を提供するように構成されてもよく、これにより使用時に、誘導コイルは各々、交番磁界を発生する。これは、電源およびコントローラが、第一の誘導コイルに単独で、または第二の誘導コイルに単独で、または両方の誘導コイルに同時に交流電流を提供することができてもよいことを意味する。異なる加熱プロファイルは、そのようにして達成されてもよい。加熱プロファイルは、それぞれの誘導コイルの温度を指してもよい。高温に加熱するために、交流電流を両方の誘導コイルに同時に供給してもよい。より低い温度に加熱するため、またはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の一部分のみを加熱するために、交流電流を第一の誘導コイルのみに供給してもよい。その後、交流電流は、第二の誘導コイルのみに供給されてもよい。
【0065】
コントローラは、誘導コイルおよび電源に接続されてもよい。コントローラは、電源から誘導コイルへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。コントローラは、マイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。コントローラは、さらなる電子構成要素を備えてもよい。コントローラは誘導コイルへの電流供給を調節するよう構成されてもよい。電流はエアロゾル発生装置の起動後、誘導コイルのうちの一方または両方に連続的に供給されてもよく、または断続的に(毎回の吸煙ごとなど)供給されてもよい。
【0066】
電源およびコントローラは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの各々に供給される交流電流の振幅を独立して変化させるように構成されてもよい。この構成では、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって発生された磁界の強度は、各コイルに供給される電流の振幅を変化させることによって独立して変化されてもよい。これは、好都合なことに、可変加熱効果が容易にする場合がある。例えば、コイルのうちの一方または両方に提供される電流の振幅は、起動中に増加されて、エアロゾル発生装置の開始時間を減少させてもよい。
【0067】
エアロゾル発生装置の第一の誘導コイルは、第一の回路の一部を形成してもよい。第一の回路は、共鳴回路であってもよい。第一の回路は、第一の共鳴周波数を有してもよい。第一の回路は、第一のコンデンサーを備えてもよい。第二の誘導コイルは、第二の回路の一部を形成してもよい。第二の回路は、共鳴回路であってもよい。第二の回路は、第二の共鳴周波数を有してもよい。第一の共鳴周波数は、第二の共鳴周波数とは異なってもよい。第一の共鳴周波数は、第二の共鳴周波数と同一であってもよい。第二の回路は、第二のコンデンサーを備えてもよい。共鳴回路の共鳴周波数は、それぞれの誘導コイルのインダクタンスおよびそれぞれのコンデンサーの静電容量に依存する。
【0068】
エアロゾル発生装置の空洞は、開放端を有してもよく、エアロゾル発生物品はその中へと挿入される。空洞は、開放端とは反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は、空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口の提供を除いて閉じられていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は、空洞の上流に配設されてもよい。開放端は、空洞の下流に配設されてもよい。
【0069】
空洞は、加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は、円筒形状を有してもよい。空洞は、中空円筒形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は、楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の直径に対応する直径を有してもよい。
【0070】
本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、エアロゾル発生装置のユーザー端、またはエアロゾル発生装置の口側端を指し、また「遠位」という用語は、近位端とは反対側の端を指す。空洞を参照する時、「近位」という用語は、空洞の開放端に最も近い領域を指し、また「遠位」という用語は、閉鎖端に最も近い領域を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、エアロゾル発生装置の、エアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の長軸方向における主要な寸法を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、「幅」という用語は、エアロゾル発生装置の、エアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の、その長さに沿った特定の場所における、横断方向における主要な寸法を指す。「厚さ」という用語は、幅と直角を成す横断方向における寸法を指す。
【0073】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部である。
【0074】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、システムの近位端またはユーザー端でマウスピースを吸うまたは吸煙するユーザーによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含む物品は、たばこスティックと称される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞の中へと挿入可能であってもよい。
【0075】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生させる装置を指す。
【0076】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに説明および図示されるようなエアロゾル発生物品の、本明細書でさらに説明および図示されるようなエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムでは、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置は協働して、呼吸に適したエアロゾルを発生する。本発明はまた、エアロゾル発生システムにも関しうる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「サセプタ装置」は、変化する磁界に供された時に加熱する導電性要素を意味する。これはサセプタ装置内で誘導された渦電流、ヒステリシス損失、または渦電流とヒステリシス損失の両方の結果であってもよい。使用中に、サセプタ装置は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と熱的接触して、または熱的に近接して位置する。このように、エアロゾル形成基体は、サセプタ装置によって加熱され、これによりエアロゾルが形成される。
【0078】
サセプタ装置は、好ましくは個別のブレード形状のサセプタによって構造化された円筒形状を有してもよい。サセプタ装置は、対応する誘導コイルの形状に対応する形状を有してもよい。サセプタ装置は、サセプタ装置を誘導コイルの内側に配設することができるように、対応する誘導コイルの直径より小さい直径を有してもよい。
【0079】
「加熱ゾーン」という用語は、加熱ゾーン内、または加熱ゾーンの周りに定置されたサセプタ装置が誘導コイルによって誘導加熱可能になるように、誘導コイルによって少なくとも部分的に包囲される空洞の長さの一部分を指す。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンを備えてもよい。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンへと分割されてもよい。第一の加熱ゾーンは、第一の誘導コイルによって包囲されてもよい。第二の加熱ゾーンは、第二の誘導コイルによって包囲されてもよい。三つ以上の加熱ゾーンが提供されてもよい。複数の加熱ゾーンが提供されてもよい。誘導コイルは、各加熱ゾーンに対して提供されてもよい。一つ以上の誘導コイルは、加熱ゾーンを包囲するように移動可能に配設されてもよく、また加熱ゾーンのセグメント化された加熱のために構成されてもよい。
【0080】
本明細書で使用される場合、「コイル」という用語は、「誘導コイル(inductive coil)」または「誘導コイル(induction coil)」または「インダクタ」または「インダクタコイル」という用語と全体を通して互換可能である。コイルは、電源に接続された被駆動(一次)コイルであってもよい。
【0081】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。システムは電気的に作動する喫煙システムであってもよい。このシステムは手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生装置は、およそ10ミリメートル~およそ150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置は、およそ5ミリメートル~およそ30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0082】
ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は、軽量、かつ脆くないことが好ましい。
【0083】
ハウジングはマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口と、を備えてもよい。マウスピースは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口のうちの一つ以上は、エアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの温度を低減してもよく、またエアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの濃度を低減してもよい。マウスピースはエアロゾル発生物品の一部として提供され得ることが好ましい。
【0084】
本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、ハウジングの空洞内に受容されたエアロゾル発生物品からエアロゾル発生装置によって発生したエアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中へと入れられるエアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品の一部分を指す。
【0085】
加熱配設の動作は、吸煙検出システムによってトリガされてもよい。代替的に、加熱配設は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間にわたって保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流センサーとして構成されて、気流速度を測定してもよい。気流速度は、ユーザーによってエアロゾル発生装置の気流経路を通して引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動する際に検出されてもよい。
【0086】
センサーはまた、吸煙中にユーザーによって装置の気流経路を通して引き出される、エアロゾル発生装置の内側の空気の圧力を測定するための圧力センサーとして構成されてもよい。センサーは、エアロゾル発生装置の外側の周囲空気の圧力とユーザーによって装置を通して引き出される空気の圧力との間の圧力差または圧力降下を測定するように構成されてもよい。空気の圧力は、空気吸込み口、装置のマウスピース、空洞(加熱チャンバー、または空気が通って流れるエアロゾル発生装置内の任意の他の通路もしくはチャンバーなど)において検出されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、陰圧または真空が装置の内側に作り出され、この陰圧は圧力センサーによって検出されてもよい。
【0087】
「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力よりも相対的に低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き出される空気は、装置の外側の周囲空気の圧力より低い圧力を有する。吸煙の開始は、圧力差が所定の閾値を超える場合、圧力センサーによって検出されてもよい。
【0088】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えばエアロゾル発生装置の加熱を開始するボタン、またはエアロゾル発生装置またはエアロゾル形成基体の状態を表示するディスプレイを含んでもよい。
【0089】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置で使用する一つ以上のエアロゾル発生物品との組み合わせである。しかしながら、エアロゾル発生システムは、例えば、電気的に作動するエアロゾル発生装置または電気式エアロゾル発生装置内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなどの、追加的な構成要素を含んでもよい。
【0090】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。
【0091】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでいてもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の好適な公知の化合物または化合物の混合物である。好適なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体は、グリセリンであることが好ましい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量パーセント以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0092】
上記の実施形態のうちのいずれかでは、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に部分的に受容されるように配設されてもよい。エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に完全に受容されるように配設されてもよい。
【0093】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成セグメントはまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0094】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。一実施形態では、エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有する。
【0095】
エアロゾル形成基体は、約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。一実施形態では、エアロゾル形成セグメントは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成セグメントは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0096】
エアロゾル発生セグメントは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0097】
エアロゾル発生物品は、フィルタープラグを含んでもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルタープラグは、中空セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態では、フィルタープラグはおよそ7ミリメートルの長さであるが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。
【0098】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。
【0099】
エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグとの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18ミリメートルであってもよいが、およそ5ミリメートル~およそ25メートルの範囲内であってもよい。
【0100】
本開示で、エアロゾル発生システムがまた提供される。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、装置ハウジングを備えてもよい。装置ハウジングは、空洞を画定しうる。エアロゾル発生装置はまた、調整可能な保持要素を含んでもよい。調整可能な保持要素は、空洞内に、または空洞に隣接して位置付けられうる。調整可能な保持要素は、通路を画定しうる。エアロゾル発生装置はまた、作動手段を備えうる。作動手段は、受容位置と保持位置との間の調整可能な保持要素を作動させるように構成されうる。通路の断面寸法は、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも、調整可能な保持要素が受容位置にあるときの方が大きくてもよい。エアロゾル発生物品は、空洞内に受容されてもよい。
【0101】
一例では、エアロゾル発生システムが、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を含み、エアロゾル発生装置が、空洞を画定する装置ハウジングと、空洞内または空洞に隣接して位置付けられ、通路を画定する調整可能な保持要素と、受容位置と保持位置との間で調整可能な保持要素を作動させるように構成された作動手段とを含み、通路の断面寸法が、調整可能な保持要素が保持位置にある時よりも、調整可能な保持要素が受容位置にある時の方が大きく、エアロゾル発生物品が、空洞内に受容される。
【0102】
本開示において、エアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法も提供される。エアロゾル発生装置は、空洞を画定する装置ハウジングを備えてもよい。エアロゾル発生装置はまた、作動手段を備えうる。エアロゾル発生装置はまた、調整可能な保持要素を含んでもよい。調整可能な保持要素は、空洞内に、または空洞に隣接して位置付けられうる。調整可能な保持要素は、通路を画定しうる。方法は、エアロゾル発生物品を空洞内に挿入するステップを含んでもよい。方法はまた、調整可能な保持要素を、受容位置から保持位置へと作動させるステップを含んでもよい。通路の断面寸法は、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも、調整可能な保持要素が受容位置にあるときの方が大きくてもよい。
【0103】
エアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法の一例では、エアロゾル発生装置は、空洞を画定する装置ハウジング、作動手段、および空洞内または空洞に隣接して位置する調整可能な保持要素を備え、調整可能な保持要素は通路を画定し、方法は、
エアロゾル発生物品を空洞内に挿入するステップと、
調整可能な保持要素を、受容位置から保持位置に作動させるステップと、を含み、
通路の断面寸法が、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも、調整可能な保持要素が受容位置にあるときの方が大きい。
【0104】
調整可能な保持要素を作動させるステップは、作動手段を装置ハウジングに対して移動することを含みうる。調整可能な保持要素を作動させるステップは、装置ハウジングに対して作動手段を回転させることを含みうる。作動手段は、少なくとも90度回転してもよい。作動手段は、少なくとも180度回転されてもよい。
【0105】
エアロゾル発生物品を空洞に挿入するステップは、調整可能な要素が受容位置にある時に行われてもよい。
【0106】
空洞内に挿入されるエアロゾル発生物品は、調整可能な保持要素が保持位置にある時に、調整可能な保持要素によって接触され得る。
【0107】
エアロゾル発生物品は、調整可能な保持要素が受容位置にあるとき、空洞から自由に受容可能または取り外し可能であってもよい。
【0108】
エアロゾル発生物品は、長手方向に空洞内に挿入されてもよい。調整可能な保持要素を受容位置から保持位置に作動させることにより、調整可能な保持要素の一部分が長手方向に垂直な方向に延在するように付勢され得る。
【0109】
方法は、調整可能な保持要素を保持位置から受容位置に作動させるステップをさらに含みうる。調整可能な保持要素を保持位置から受容位置に作動させるステップは、ユーザーがエアロゾル発生物品を消費した後に行われてもよい。
【0110】
方法は、エアロゾル発生物品を除去するステップをさらに含んでもよい。調整可能な保持要素が受容位置に作動された後、エアロゾル発生物品を除去することにより、有利には、除去された時に、調整可能な保持要素によってエアロゾル発生物品が妨げられないことが可能になる。
【0111】
一実施例または一実施形態に関して説明される特徴はまた、その他の実施例および実施形態にも適用可能であり得る。特に、作動手段および調整可能な保持要素フィルターの特徴、ならびにエアロゾル発生装置に関連して記載されるように、これらの特徴とエアロゾル発生物品との相互作用は、他の実施例および実施形態にも適用されうる。
【0112】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴の任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0113】
実施例1
エアロゾル発生装置であって、
空洞を画定する装置ハウジングと、
空洞内または空洞に隣接して位置付けられ、通路を画定する調整可能な保持要素と、
受容位置と保持位置との間で調整可能な保持要素を作動させるように構成された作動手段と、を含み、
通路の断面寸法が、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも、調整可能な保持要素が受容位置にあるときの方が大きい、エアロゾル発生装置。
【0114】
実施例2
調整可能な保持要素が、調整可能な保持要素が受容位置から受容位置に作動する時に変形される、実施例EX1に記載のエアロゾル発生装置。
【0115】
実施例3
変形された調整可能な保持手段が通路を収縮する、実施例EX2に記載のエアロゾル発生装置。
【0116】
実施例4
通路の断面寸法が通路の幅である、実施例EX1~EX3のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0117】
実施例5
調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の幅が5ミリメートル~13ミリメートルである、実施例EX4に記載のエアロゾル発生装置。
【0118】
実施例6
調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の幅が、3ミリメートル~8ミリメートルである、実施例EX4またはEX5に記載のエアロゾル発生装置。
【0119】
実施例7
調整可能な保持要素が通路を円周方向に取り囲む、実施例1~6のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0120】
実施例8
通路の断面寸法は、通路の断面積である、実施例1~7のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0121】
実施例9
調整可能な保持要素が受容位置にある時の通路の断面積が、20平方ミリメートル~130平方ミリメートルである、実施例8に記載のエアロゾル発生装置。
【0122】
実施例10
調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の断面積が、7平方ミリメートル~60平方ミリメートルである、実施例8または9に記載のエアロゾル発生装置。
【0123】
実施例11
調整可能な保持要素が通路入口および通路出口を画定する、実施例1~10のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0124】
実施例12
調整可能な保持要素が保持位置にある時、通路の断面積が通路入口と通路出口との間で一定である、実施例11に記載のエアロゾル発生装置。
【0125】
実施例13
通路の断面積が、調整可能な保持要素が受容位置にある時、通路入口と通路出口との間で可変である、実施例11または12に記載のエアロゾル発生装置。
【0126】
実施例14
断面寸法は、通路の最小断面積である、実施例13に記載のエアロゾル発生装置。
【0127】
実施例15
保持位置で、調整可能な保持要素は、通路入口と通路出口との間に画定される表面と、湾曲した形状を有する表面の断面とを含む、実施例11~14のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0128】
実施例16
湾曲した形状の一部分が、凸状曲線の転換点における通路の収縮を画定する凸状曲線を含む、実施例15に記載のエアロゾル発生装置。
【0129】
実施例17
湾曲した形状が、第二の凸状曲線の転換点において、通路における第二の収縮を画定する第二の凸状曲線を含む、任意の実施例16に記載のエアロゾル発生装置。
【0130】
実施例18
表面が通路の一部分の周りに延在してトロイドを形成する、実施例15~17のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0131】
実施例19
表面が通路の一部分の周りに延在して部分的なトロイドを形成する、実施例15~18のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0132】
実施例20
表面が通路の一部分の周りに延在して切断トロイドを形成する、実施例15~19のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0133】
実施例21
調整可能な保持要素が受容位置から保持位置に作動する時に、通路入口と通路出口との間の距離が2.5ミリメートル~5ミリメートル減少する、実施例15~20のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0134】
実施例22
調整可能な保持要素が環状である、実施例1~21のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0135】
実施例23
調整可能な保持要素は、調整可能な保持要素が受容位置から保持位置に作動すると半径方向に収縮するように構成される、実施例22に記載のエアロゾル発生装置。
【0136】
実施例24
空洞がエアロゾル発生物品を受容するための空洞である、実施例1~23のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0137】
実施例25
空洞は、エアロゾル発生物品の少なくとも遠位部分を受容するためのものである、実施例24に記載のエアロゾル発生装置。
【0138】
実施例26
空洞内に受容されるエアロゾル発生物品の一部分が通路内に位置する、実施例24または25に記載のエアロゾル発生装置。
【0139】
実施例27
エアロゾル発生物品がロッドの形状である、実施例24~26のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0140】
実施例28
エアロゾル発生物品が3ミリメートル~8ミリメートルの直径を有する、実施例27に記載のエアロゾル発生装置。
【0141】
実施例29
エアロゾル発生物品の直径が、調整可能な保持要素が受容位置にある時に、通路の幅よりも0.5ミリメートル~3.5ミリメートル小さい、実施例27または28に記載のエアロゾル発生装置。
【0142】
実施例30
エアロゾル発生物品が、5平方ミリメートル~50平方ミリメートルの断面積を有する、実施例27~29のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0143】
実施例31
エアロゾル発生物品の断面積が、調整可能な保持要素が受容位置にある時に、通路の断面積よりも3平方ミリメートル~60平方ミリメートル小さい、実施例27~30のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0144】
実施例32
エアロゾル発生物品が、調整可能な保持要素が受容位置にある時に、空洞から自由に受容または取り外し可能である、実施例24~31のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0145】
実施例33
調整可能な保持要素は、調整可能な保持要素が保持位置にある時、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品に接触するように構成される、実施例24~32のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0146】
実施例34
調整可能な保持要素が、エアロゾル発生物品の二つの別個の部分と接触し、部分が、エアロゾル発生物品の長さに沿って間隔を置いている、実施例24~33のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0147】
実施例35
エアロゾル発生物品と調整可能な保持要素との間の干渉関係が、調整可能な保持要素が保持位置にある時に、エアロゾル発生物品を空洞内に保持する、実施例33または34に記載のエアロゾル発生装置。
【0148】
実施例36
保持位置で、エアロゾル発生物品が空洞内に受容され、一方で気流がエアロゾル発生物品を通ることを可能にする時に、調整可能な保持要素が空洞を封止するように構成される、実施例33~35のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0149】
実施例37
保持位置で、エアロゾル発生物品が空洞内に受容され、一方で気流がエアロゾル発生物品を通ることを可能にする時に、調整可能な保持要素が空洞を気密的に封止するように構成される、実施例33~36のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0150】
実施例38
エアロゾル発生物品は、長手方向に沿って空洞によって受容される、実施例24~37のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0151】
実施例39
調整可能な保持要素が、受容位置から保持位置に作動する時に、調整可能な保持要素が長手方向に圧縮される、実施例38に記載のエアロゾル発生装置。
【0152】
実施例40
調整可能な保持要素は、調整可能な受容要素が受容位置から保持位置に作動する時、長手方向に垂直な方向に動くように構成された接触部分を含む、実施例38または39に記載のエアロゾル発生装置。
【0153】
実施例41
調整可能な保持要素の接触部分が、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品に向かって移動する、実施例40に記載のエアロゾル発生装置。
【0154】
実施例42
調整可能な保持要素の接触部分が、1ミリメートル~4ミリメートルの距離を移動する、実施例40または41に記載のエアロゾル発生物品。
【0155】
実施例43
調整可能な保持要素の接触部分が、調整可能な保持要素が保持位置にある時、通路を収縮する、実施例40~42のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0156】
実施例44
調整可能な保持要素は、弾性要素である、実施例1~43のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0157】
実施例45
調整可能な保持要素が、弾力性のある耐熱性ポリマー、またはグラフェン、シリコーン、プラスチック、もしくは他の適切な材料などの化合物材料、またそれらの化合物から作製される、実施例1~44のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0158】
実施例46
作動手段が、装置ハウジングに対して移動可能である、実施例1~45のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0159】
実施例47
作動手段が、調整可能な保持要素が受容位置にある装置ハウジングに対する第一の位置と、調整可能な保持要素が保持位置にある装置ハウジングに対する第二の位置との間で移動可能である、実施例46に記載のエアロゾル発生装置。
【0160】
実施例48
作動手段が、調整可能な保持要素が保持位置にある装置ハウジングに対する第二の位置を有する、実施例46または47に記載のエアロゾル発生装置。
【0161】
実施例49
調整可能な保持要素の第一の側面が作動手段に係合される、実施例46~48のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0162】
実施例50
調整可能な保持要素の第二の側面が装置ハウジングに係合される、実施例49に記載のエアロゾル発生装置。
【0163】
実施例51
作動手段が、第一の位置と第二の位置との間で回転可能である、実施例46~50のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0164】
実施例52
第一の位置および第二の位置は、90度~270度で分離される、実施例51に記載のエアロゾル発生装置。
【0165】
実施例53
作動手段がねじおよびねじ接続によって装置ハウジングに係合される、実施例1~52のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0166】
実施例54
作動手段が、係合部材によって装置ハウジングに係合される、実施例1~53のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0167】
実施例55
係合部材は、作動手段のハウジング内に形成された一つ以上のピンまたはランナーからなる、実施例54に記載のエアロゾル発生装置。
【0168】
実施例56
一つ以上のピンおよびランナーが、装置ハウジング内に形成された一つ以上のスロットまたは溝と係合する、実施例55に記載のエアロゾル発生装置。
【0169】
実施例57
スロットまたは溝が係止部分を含む、実施例56に記載のエアロゾル発生装置。
【0170】
実施例58
作動手段がばねを含む、実施例1~57のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0171】
実施例59
ばねが装置ハウジングと接触する、実施例58に記載のエアロゾル発生装置。
【0172】
実施例60
空洞の一部分が作動手段によって画定される、実施例1~59のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
【0173】
実施例61
エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムであって、
エアロゾル発生装置が、
空洞を画定する装置ハウジングと、
空洞内または空洞に隣接して位置付けられ、通路を画定する調整可能な保持要素と、
受容位置と保持位置との間で調整可能な保持要素を作動させるように構成された作動手段と、を含み、
通路の断面寸法が、調整可能な保持要素が保持位置にある時よりも、調整可能な保持要素が受容位置にある時の方が大きく、
エアロゾル発生物品が空洞内に受容される、エアロゾル発生システム。
【0174】
実施例62
エアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法であって、エアロゾル発生装置が、空洞を画定する装置ハウジング、作動手段、および空洞内または空洞に隣接して位置付けられた調整可能な保持要素を含み、調整可能な保持要素が通路を画定し、方法が、
エアロゾル発生物品を空洞内に挿入するステップと、
調整可能な保持要素を、受容位置から保持位置に作動させるステップと、を含み、
通路の断面寸法が、調整可能な保持要素が保持位置にあるときよりも、調整可能な保持要素が受容位置にあるときの方が大きい、方法。
【0175】
実施例63 調整可能な要素が受容位置にある時に実施されうる、エアロゾル発生物品を空洞に挿入するステップをさらに含む、実施例62に記載のエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法。
【0176】
実施例64
調整可能な保持要素が保持位置にある時に、空洞に挿入されるエアロゾル発生物品が、調整可能な保持要素によって接触される、実施例63に記載のエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法。
【0177】
実施例65
エアロゾル発生物品は、調整可能な保持要素が受容位置にある時に空洞から自由に受容可能または取り外し可能である、実施例63または64に記載のエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法。
【0178】
実施例66
エアロゾル発生物品が、長手方向に空洞に挿入される、実施例63~65のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法。
【0179】
実施例67
調整可能な保持要素を保持位置から受容位置へと作動させるステップをさらに含む、実施例63~66のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法。
【0180】
実施例68
方法が、エアロゾル発生物品を除去するステップをさらに含む、実施例67に記載のエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品を保持する方法。
【0181】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0182】
図1図1は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品を備える本発明によるエアロゾル発生装置の断面図を示す。
図2図2は、図1のエアロゾル発生装置の調整可能な保持要素のより詳細な図を示し、調整可能な保持要素は、受容位置にある。
図3図3は、図1のエアロゾル発生装置の調整可能な保持要素のより詳細な図を示し、調整可能な保持要素は保持位置にある。
図4図4は、図1に示すエアロゾル発生装置の残りの部分とは別個に、調整可能な保持要素の斜視図を示す。
図5図5は、作動手段のない、図1のエアロゾル発生装置の遠位端の斜視図を示す。
図6図6は、エアロゾル発生装置に別個に示される図1の作動手段の底面図を示す。
図7図7は、ばねを含む図1のエアロゾル発生物品の実施形態の遠位端の断面概略図である。
図8図8は、図1のものと異なる調整可能な保持要素を含む、本発明によるエアロゾル発生装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0183】
図1は、エアロゾル発生装置1の近位部分または下流部分を示す。エアロゾル発生装置1は、エアロゾル発生物品の挿入のための空洞10を備える。空洞10は、加熱チャンバーとして構成される。空洞10は円筒形である。
【0184】
空洞10の内側に、サセプタ装置14が配設される。サセプタ装置14は、複数のサセプタブレードを備える。個別のサセプタブレードは、エアロゾル発生物品12の空洞10への挿入を容易にするために、それぞれの下流端42において裾が広がっている。サセプタ装置14の内径は、エアロゾル発生物品12の外径に対応し、またはこれよりわずかに小さくてもよい。
【0185】
サセプタ装置14は、誘導加熱装置の一部である。誘導加熱装置は誘導コイル16を備える。誘導コイル16は、空洞10を少なくとも部分的に包囲して配設される。誘導コイル16は、空洞10の全円周を包囲する。誘導コイル16は、サセプタ装置14を包囲して配設される。誘導コイル16は、エアロゾル発生物品12の基体部分18が受容される空洞10の一部を包囲する。エアロゾル発生物品12のフィルター部分20は、エアロゾル発生物品12の空洞10の中への挿入後、空洞10から突き出る。ユーザーは、フィルター部分20を吸う。
【0186】
サセプタ装置14の個別のサセプタの間に、間隙40が提供される。間隙40は、エアロゾル発生物品12の空洞10の中への挿入後、エアロゾル発生物品12の中への気流を可能にする。間隙40は、断熱要素22とサセプタ装置14との間の空洞10の空間からエアロゾル発生物品12の中への半径方向の気流を可能にすることが好ましい。結果として、間隙40は、内向きの半径方向の気流を可能にする。間隙40は細長い形状を有する。間隙40は、本質的にエアロゾル発生物品12の基体部分18の長さに沿って延びてもよい。
【0187】
エアロゾル発生装置1は、誘導加熱装置を制御するためのコントローラなどの図中には示されていないさらなる要素を備えてもよい。コントローラは、誘導加熱装置が二つ以上の誘導コイル16を備える場合、個別のコイルを別々に制御するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置1は、電池などの電源を備えてもよい。コントローラは、電源から誘導コイル16への、または個別の誘導コイル16への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。
【0188】
サセプタ装置14と誘導コイル16との間に、断熱要素22が配設される。断熱要素22は、空洞10の側壁を形成する。断熱要素22は、細長い延長部を有する。断熱要素22は、中空の円筒形状を有する。断熱要素22は、エアロゾル発生装置1のハウジング24に取り付けられる。断熱要素22は、図1に図示するように、ハウジング24の下流端に取り付けられることが好ましい。加えて、断熱要素22は、空洞10の下流端において空洞10の基部28に取り付けられる。空洞10の基部28では、一つ以上の空気開口30が配設される。
【0189】
空気開口30は、エアロゾル発生装置1の縦軸に平行な細長い延長部を有する。空気開口30は、空洞10の上流端32において空洞10の中へと空気が入ることを可能にする。断熱要素22は、空気25が横方向で空洞10の中へと入るのを防止する。
【0190】
誘導コイル16は、コイル区画34内に配設される。コイル区画34は、断熱要素22を包囲して配設される。層状構造には、中間で、空洞10が中央に提供される。空洞10を包囲して、断熱要素22が提供される。断熱要素22を包囲して、コイル区画34が配設される。コイル区画34を包囲して、エアロゾル発生装置1のハウジング24が提供される。
【0191】
周囲空気がコイル区画34に入ることを可能にするように、空気吸込み口36が提供される。空気吸込み口36は、ハウジング24の下流端に配設される。空気吸込み口36は、コイル区画34に隣接して配設される。空気吸込み口36は、ハウジング24の外周と、断熱要素22に接続されたハウジング24の下流端の一部との間に提供される。別の方法として、図1に示すように、空気吸込み口36は、エアロゾル発生装置1のハウジング24の側壁内に定置される。言い換えれば、空気吸込み口36は、エアロゾル発生装置1のハウジング24の外周に定置される。空気吸込み口36は、空洞10の上流端に隣接して配設される。
【0192】
エアロゾル発生装置1は、サセプタ装置を有する誘導性加熱システムを備えるものとして記載されているが、このサセプタ装置は抵抗加熱システムと置き換えることができる。例えば、抵抗加熱システムは、サセプタブレードの代わりに抵抗ヒーターブレードを含み得る。コントローラは、電源から抵抗ヒーターブレードへの電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。
【0193】
エアロゾル発生装置1は、エアロゾル発生物品を外部加熱するように構成されたサセプタ装置を含むと記載されているが、このサセプタ装置は、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品を貫通する発熱体で置換され得る。発熱体は、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を貫通するように構成され得る。発熱体は、上述のサセプタ装置と同様に動作するサセプタ要素であってもよく、または抵抗加熱された発熱体であってもよい。
【0194】
エアロゾル発生装置1は、サセプタ要素を含むとして記載されているが、代わりに、サセプタ要素は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0195】
エアロゾル発生装置1はまた、作動手段50および調整可能な保持要素60を含む。調整可能な保持要素60は、通路62を画定する。調整可能な保持要素60の第一の側面は、作動手段50に係合され、通路入口64を画定する。調整可能な保持要素の第二の側面は、装置24のハウジングに係合され、通路出口66を画定する。
【0196】
図1は、エアロゾル発生物品の遠位端が空洞内に受容されるように、空洞10に挿入されたエアロゾル発生物品12を示す。この遠位端は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体部分を含む(図では見えない)。エアロゾル発生物品のフィルター部分20は、ユーザーがエアロゾル発生物品12を吸うために空洞から突き出ている。エアロゾル発生物品の突出フィルター部分20は、通路62内に受容される。したがって、空洞が装置ハウジング内に画定される一方で、作動手段50および調整可能な保持要素によって画定される通路は、装置ハウジング24を超えて効果的に空洞を延在する。
【0197】
調整可能な保持要素60は、受容位置と保持位置との間で作動され得る。図1の調整可能な保持要素60は、保持位置で示されている。調整可能な保持要素60の受容位置および保持位置は、図2および3にそれぞれより明確に示されている。
【0198】
図2では、調整可能な保持要素60は、調整可能な保持要素60がエアロゾル発生物品12と接触しないように、受容位置で示されている。受容位置にある調整可能な保持要素60によって画定される通路62の幅は、エアロゾル発生物品12の直径よりも大きい。通路によって画定される通路62の断面積は、エアロゾル発生物品の断面積よりも大きい。この構成は、エアロゾル発生物品12の空洞への容易な挿入を可能にする。
【0199】
図3では、調整可能な保持要素60は、調整可能な保持要素がエアロゾル発生物品12と接触するように、保持位置で示されている。通路62にエアロゾル発生物品12がない場合、保持位置にある調整可能な保持要素60によって画定される通路の幅は、エアロゾル発生物品12の直径よりも小さい。同様に、通路62の断面積は、エアロゾル発生物品12の断面積よりも小さい。これは、調整可能な保持要素60が通路内に受容され、調整可能な保持要素60が保持位置に作動する時、調整可能な保持要素60が、エアロゾル発生物品12の外面と係合し、それによって変形されることを意味する。調整可能な保持要素60は、弾性および弾性材料から作製される。したがって、調整可能な保持要素60の変形は、エアロゾル発生物品12に圧力をかける調整可能な保持要素60をもたらす。この圧力は、通路内、したがって空洞内にエアロゾル発生物品12を保持する。
【0200】
調整可能な保持要素が受容位置にあるときの通路の幅は、9ミリメートルである。調整可能な保持要素が保持位置にある時の通路の幅は、5ミリメートルである。したがって、5ミリメートル~9ミリメートルの直径を有するエアロゾル発生物品12は、調整可能な保持要素60によって受容され、保持され得る。
【0201】
空洞内に受容されるエアロゾル発生物品が加熱されると、エアロゾル発生物品は収縮し得る。これは、エアロゾル発生装置が稼働中に、エアロゾル発生物品を加熱した結果であり、エアロゾル形成基体の枯渇の結果であり得る。この収縮は、エアロゾル発生物品の放射状収縮をもたらしうる。したがって、通路内に受容されるエアロゾル発生物品12は、好ましくは、少なくとも5.5ミリメートルの直径を有する。言い換えれば、エアロゾル発生物品12は、調整可能な保持要素60が保持位置にあるとき、通路62の幅よりもわずかに大きな直径を有することが好ましい。これにより、例えば、エアロゾル発生物品12の加熱の結果として、エアロゾル発生物品12の直径の変動があっても、調整可能な保持要素60とエアロゾル発生物品12との間の接触が維持される。
【0202】
調整可能な保持要素60は、作動手段50によって、受容位置と保持位置との間で作動される。作動手段50は、装置ハウジング24に対して移動可能である。図2および3に示すように、作動手段50は、装置ハウジング24に対して長手方向に沿って上下に移動するように構成される。調整可能な保持要素60は、調整可能な保持要素の第一の側面で作動手段50に係合し、調整可能な保持要素の第二の側面でハウジング24に係合されるため、装置ハウジング24に対して作動手段を移動させることは、調整可能な保持要素60の圧縮および変形をもたらす。特に、図3に示す作動手段50の位置は、図2に示すような作動手段50の位置と比較して、調整可能な保持要素の第一の側面および第二の側面が接近する結果となる。調整可能な保持要素が保持位置にあるとき、第一の側面と第二の側面との間の距離は2.5ミリメートル減少する。これは、調整可能な保持要素を長手方向に変形させる。
【0203】
通路入口62と通路出口64との間に画定される調整可能な保持要素60の表面は、凸状曲線形状を有する。この凸状曲線形状の湾曲は、調整可能な保持要素が保持位置にある時、より大きい。凸状曲線形状の転換点は、通路の収縮を画定する。通路で受容されるエアロゾル発生物品12に接触するのは、調整可能な保持要素60のこの収縮である。
【0204】
保持位置において、調整可能な保持要素60は、エアロゾル発生物品12の外周に直接的に当接するので、空気がエアロゾル発生物品12を通してのみ空洞10を出ることができる。空気は、空気吸込み口36を通してエアロゾル発生装置1の中へと流れる。二つ以上の空気吸込み口36が提供されてもよい。空気はコイル区画34を通って流れる。コイル区画34を出た後、空気は、空洞10の基部28において配設された空気開口30を通して空洞10の中へと流れる。その後、空気は、個別のサセプタブレードの間に提供された間隙を通して、エアロゾル発生物品12の中へと流れる。調整可能な保持要素60は、エアロゾル発生物品12を通して漏れ出る場合を除いて、空気が空洞10から漏れ出ることを防止するために空気を通さない。調整可能な保持要素60は、空洞10の下流端を完全に取り囲む。
【0205】
図4は、エアロゾル発生装置1の残りの部分とは別個に、調整可能な保持要素の斜視図を示す。調整可能な保持要素60は環状であり、トロイダル形状を有する。より具体的には、調整可能な保持要素60は、弾性材料72の環状、内向きに湾曲したシートによって接合された二つの同軸に配置されるリング70、71を備える。同軸に配置されるリング70、71は、弾性材料72のシートと一体的に形成される。同軸に配置されるリング70のうちの一つは、装置ハウジング24と係合するように構成される。同軸に配置されるリング71の他方は、作動手段50と係合するように構成される。二つの同軸に配置されるリング70、71の間の分離は、調整可能な保持要素が保持位置にある時よりも、調整可能な保持要素が受容位置にある時の方が大きい。作動手段50は、同軸に配置されるリングの一つを他の同軸に配置されるリングに近づけることによって、調整可能な保持要素60を作動させる。調整可能な保持要素60によって画定される通路62が収縮されるように、弾性材料72のシートの長手方向および放射状の収縮における調整可能な保持要素の変形。上述の通路の幅および断面積の寸法は、この収縮で測定される。
【0206】
図5~7は、作動手段50がどのように装置ハウジング24に係合されるかを示す。図5は、作動手段50とは別個の、エアロゾル発生装置の遠位端の斜視図を示す。スロット80は、装置ハウジング24内に形成される。このスロット80は、作動手段の係合部材を受けるように構成される。対応するスロットは、装置ハウジング1の裏面上に形成される(図5には示されていない)。スロット80は、第一の端部82および第二の端部84を含む。スロットの第二の端部84では、係止部分86が形成される。スロット80は、第一の端部82が第二の端部86よりもエアロゾル発生装置の遠位端に近いように角度付けられる。
【0207】
図6は、エアロゾル発生装置1とは別個に、作動手段の底面図を示す。特に、図6は、作動手段50のハウジング内に形成されたピン88の形態の二つの係合部材を含む、作動手段50を示す。作動部材がエアロゾル発生装置と適切に組み立てられると、ピン88の各々はスロット80内に受容される。次に、スロット80は、装置ハウジング24に対する作動手段50の動きを誘導する。
【0208】
エアロゾル発生装置のユーザーは、作動手段を第一の位置から第二の位置に回転させてもよい。第一の位置では、ピン88は、スロットの第一の端部82に受容される。第二の位置では、ピン88は、スロット80の第二の端部86に受容される。スロット80が長手方向に角度付けられるにつれて、スロット80のピン88は、作動手段50を長手方向(すなわち、エアロゾル発生装置1の空洞に向かって)に誘導する。作動手段を長手方向に移動させることによって、調整可能な保持要素の二つの同軸に配置されるリングが、より近くに集まる。上述のように、これは調整可能な保持要素60の変形をもたらす。
【0209】
図7は、ばねを含むエアロゾル発生物品1の実施形態の遠位端の断面概略図である。ばね90は、装置ハウジング24と接触する。作動手段を第一の位置から第二の位置に移動すると、ばね90が変形する。変形したばねは、作動手段50に第一の位置に戻るように付勢する。作動手段50が第二の位置にあり、その結果、ピンがスロット80の第二の端部にあるとき、作動手段50を長手方向に付勢するばねは、ピン88をスロットの係止部分に押し込む。次に、作動手段上のばねの作用は、作動手段50が第一の位置に戻るのを防ぐ係止部分86内にピンを保持する。
【0210】
ユーザーが作動手段を長手方向に押すと、ピンが係止部分86から押し出される。次に、作動部材は、ばねの作用によって自動的に第一の位置に戻る。
【0211】
別の方法として、作動手段50は、ねじおよびねじ機構(図には図示せず)によって装置ハウジング24に取り付けられる。この機構は、装置のユーザーによる装置ハウジング24に対する作動手段50の回転が、装置ハウジング24に対して長手方向に動く作動手段50をもたらすように構成されている。ねじおよびねじ機構は、装置ハウジング24に対する作動手段の180度回転が、装置ハウジングに対して長手方向に2.5ミリメートル作動手段を移動させるのに十分であるように構成される。
【0212】
図8は、エアロゾル発生装置800の一実施形態を示す。図1と同様に、エアロゾル発生装置800の遠位部分のみを示す。エアロゾル発生装置800は概略的に示され、図1図2および図3に示すエアロゾル発生1と同じ様式で動作する。エアロゾル発生1とエアロゾル発生800との間の唯一の違いは、調整可能な保持要素である。
【0213】
エアロゾル発生装置800は、調整可能な保持要素100を含む。調整可能な保持要素100は、第一の要素102および第二の要素104を含む。第一の要素102は、調整可能な保持要素100の第一の側面を形成し、作動手段と係合する。第二の要素104は、調整可能な保持要素100の第二の側面を形成し、装置ハウジング24と係合する。第一および第二の要素102、104の両方が、弾性および弾性材料から形成される。第一および第二の要素102、104の両方が環状である。第一の要素102は、接続105で第二の要素104に接続される。
【0214】
調整可能な保持要素100は、装置ハウジング24に対する作動手段50の動きが、調整可能な保持要素100が変形するように、調整可能な保持要素100が受容位置から保持位置に作動するという点で、図1、2および3に示す調整可能な保持要素60と同様に動作する。
【0215】
調整可能な保持要素100が変形されると、第一および第二の要素102、104の各々が半径方向に収縮する。第一および第二の各要素102、104は、凸状曲線形状を画定し、これらの各曲線の湾曲は、調整可能な保持要素100が保持位置にある時、より大きい。曲線の各々の転換点は、調整可能な保持要素100によって画定される通路106の収縮を画定する。したがって、図4の調整可能な保持要素100は、二つの収縮を画定する。これらの収縮はそれぞれ、調整可能な保持要素100が保持位置にある時、通路106で受容されるエアロゾル発生物品12との接点を形成する。したがって、これらの収縮は、エアロゾル発生物品12の二つの別個の部分と接触し、部分は、エアロゾル発生物品12の長さに沿って間隔を置いている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】