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特表2023-512003さく岩機及び圧力エネルギー蓄積方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】さく岩機及び圧力エネルギー蓄積方法
(51)【国際特許分類】
   E21B 1/24 20060101AFI20230315BHJP
   B25D 9/26 20060101ALI20230315BHJP
   F15B 1/02 20060101ALI20230315BHJP
   F15B 1/10 20060101ALI20230315BHJP
   B25D 9/12 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
E21B1/24
B25D9/26
F15B1/02 Z
F15B1/10
B25D9/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545836
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(85)【翻訳文提出日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2021052121
(87)【国際公開番号】W WO2021152098
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】20155036.5
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515277780
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アイラス, エリク
【テーマコード(参考)】
2D058
2D129
3H086
【Fターム(参考)】
2D058AA17
2D058CA03
2D058CB05
2D058CC25
2D129AA04
2D129AB14
2D129BA17
2D129CA04
2D129CA16
2D129CA27
2D129DA01
2D129DA21
2D129DB01
2D129DB05
2D129DB08
2D129DC07
3H086AA22
3H086AA29
3H086AB03
3H086AB04
3H086AD07
3H086AD14
3H086AD33
3H086AD42
(57)【要約】
圧力アキュムレータ、さく岩機、及び圧力エネルギー蓄積方法。アキュムレータ(8)は、ケーシング(10)と、ケーシング内に配置された弾性膜(16)とを備える。膜は、ケーシングの内部空間を2つの別々の圧力空間に分割している。ガス空間(17)には加圧ガスが予め充填される。膜の反対側には、作動液を受け入れるための油圧空間(18)がある。膜は、側壁と、開いた端部(54)にある取付けフランジ(21)と、閉じた上端部(53)とを備えるハット状の要素である。膜の取付けフランジは、ケーシングとフランジ要素(13)との間に取り付けられる。アキュムレータにはスクリーンがない。フランジ要素には、ピストン(9)をシールするためのシール(23)が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧式さく岩機(43)であって、
フレームと、前記フレームの内部に配置され、打撃装置(4)に供給される作動液の圧力によって長手方向の往復運動を行うように構成されたピストン(9)とを備える打撃装置(4)と、
前記打撃装置(4)に接続可能であり、前記打撃装置(4)から衝撃パルスを受け入れるように構成されたツール(6,48)と、
前記打撃装置(4)内に油圧流体を供給するための供給ポートと、前記油圧流体を前記打撃装置(4)から排出するための排出ポートと、前記油圧流体を前記ピストン(9)の動作圧力空間に導き、前記ピストン(9)の動作圧力空間から出すための圧力導管とを備える、打撃装置(4)の油圧系統と、
油圧エネルギーを蓄積し、前記油圧系統に接続された圧力アキュムレータ(8)と
を備え、
前記圧力アキュムレータ(8)が、前記打撃装置(4)の動作中に前記ピストン(9)の上端が前記アキュムレータ(8)の油圧空間(18)内を移動するように、前記ピストン(9)の延長部に配置され、前記アキュムレータ(8)が、
内部空間を画定するケーシング(10)と、
前記内部空間内に配置され、前記内部空間を2つの別々の圧力空間に分割するように構成された弾性膜(16)であって、ガス空間(17)が加圧ガスで予め充填され、前記膜(16)の反対側には作動液を受け入れるための前記油圧空間(18)がある、弾性膜(16)と、
フランジ要素(13)と
を備え、
前記膜(16)が、径方向側壁(40)と、開いた第1の軸方向端部にある縁部(33)と、その反対側の第2の軸方向端部にある閉じた上端部(53)とを有し、
前記膜(16)の前記縁部(33)が、前記ケーシング(10)と前記フランジ要素(13)との間に取り付けられ、
かつ、
前記膜(16)の前記縁部(33)が横方向取付けフランジ(21)を備え、それによって前記膜(16)がハット状の構成を有し、
前記膜(16)の前記取付けフランジ(21)が、前記ケーシング(10)と前記フランジ要素(13)との間で前記アキュムレータ(8)の軸方向に押圧され、
前記フランジ要素(13)が、前記油圧空間(18)に作動液を供給し作動液を排出するための少なくとも1つの圧力チャネル(20)を備え、それによって前記圧力チャネル(20)が、前記さく岩機の動作中に機械の油圧動作系統から前記油圧空間(18)への作動液の流れ、及び前記油圧空間(18)からの作動液の流れを提供でき、
前記フランジ要素(13)が、前記ケーシング(10)内の軸方向に突出する中央スリーブ状支持部(14)を備え、それによって前記支持部(14)の外面が、少なくとも前記油圧式さく岩機(43)が加圧されていないときに前記膜(16)を軸方向に支持するように構成され、
前記フランジ要素(13)の前記支持部(14)の内面に、前記油圧式さく岩機(43)の打撃ピストン(9)の端部をシールするためのシール要素(23)が設けられる
ことを特徴とする、
油圧式さく岩機(43)。
【請求項2】
前記フランジ要素(13)が、前記アキュムレータ(8)の軸方向を横断する環状取付け部(15)を備え、
上述の前記圧力チャネル(20)が前記取付け部(15)に配置される
ことを特徴とする、請求項1に記載のさく岩機。
【請求項3】
前記膜(16)の前記縁部(33)には、前記膜(16)の少なくとも片側に少なくとも1つの突起(34)が設けられ、これがシール要素として機能し、
前記ケーシング(10)と前記フランジ要素(13)との間の軸方向取付け面のうちの少なくとも1つに、前記少なくとも1つの突起(34)を受け入れるための溝(35)が設けられる
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のさく岩機。
【請求項4】
前記フランジ要素(13)の前記スリーブ状支持部(14)の軸方向長さが、前記アキュムレータ(8)の軸方向長さの少なくとも1/4である
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のさく岩機。
【請求項5】
前記フランジ要素(13)の前記スリーブ状支持部(14)の外側面(58)が、前記支持部(14)が遠位端に向かって先細になるように、前記支持部(14)の前記遠位端に向かって傾斜している
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のさく岩機。
【請求項6】
前記膜(16)の閉じた前記端部が、前記ガス空間(17)に面する上面(53)部を含み、前記上面(53)が、環状縁部(56)と、中央部(39)と、それらの間の環状凹部(41)とを含む
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のさく岩機。
【請求項7】
前記膜の前記側壁(40)が、前記アキュムレータ(8)の軸方向中心線に対して角度付けされており、それによって前記側壁(40)が前記膜(16)の開いた前記端部(54)に向かって開いている
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のさく岩機。
【請求項8】
前記アキュムレータ(8)の前記油圧空間(18)が前記打撃装置(4)の油圧系統に接続され、圧力流体が、前記打撃装置の動作中に前記油圧空間(18)に向かって流入しかつ前記油圧空間から流出するように構成される
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のさく岩機。
【請求項9】
前記さく岩機(43)が、前記圧力アキュムレータ(8)に接続された前記油圧系統内に広がる前記作動液の圧力を調整するための少なくとも1つの弁をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のさく岩機。
【請求項10】
前記アキュムレータ(8)の前記油圧空間(18)に面する前記打撃ピストン(9)の上端(22)が丸みを帯びている(51)
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のさく岩機。
【請求項11】
さく岩機(43)の油圧エネルギーを蓄積する方法であって、
膜(16)によって分離されたガス空間(17)と油圧空間(18)とを含む少なくとも1つの圧力アキュムレータ(8)を前記さく岩機(43)に設けることと、
前記ガス空間(17)に加圧ガスを予め充填することと、
前記さく岩機(43)の打撃装置(4)の往復ピストン(9)の上端部を、前記打撃装置の動作中に前記油圧空間内に受け入れ、それによって前記ピストン(9)の突出した前記上端部によって前記油圧空間(18)内の油圧体積が変化することと、
前記膜(16)が前記ガス空間(17)に向かって膨張できるようにすることによって前記油圧空間(18)の体積変化を補償することと、
閉じた上端部と、開いた端部と、前記端部間の側壁とが設けられたカップ状の構成を有する膜(16)を使用することと
を含み、
かつ、
請求項1から10のいずれか一項に記載の油圧式さく岩機(43)の圧力アキュムレータ(8)を使用することと、
ハット状の構成を有する膜(16)を使用することと、
前記膜(16)の開いた端部(54)に配置された取付けフランジ(21)を、2つの軸方向取付け面の間で軸方向に押圧することによって、前記膜(16)を取り付けることと
を特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧力アキュムレータに関する。圧力アキュムレータは、さく岩機の油圧系統に取り付け可能であり、さく岩機の衝撃装置の打撃ピストンが戻り方向に移動するときに圧力エネルギーを蓄積することを目的としている。
【0002】
本発明はさらに、機械の動作中に圧力エネルギーを蓄積するための圧力アキュムレータと往復打撃ピストンとを設けたさく岩機に関する。さらに、本発明は、圧力エネルギーを蓄積する方法に関する。
【0003】
本発明の分野は、独立請求項の前文においてより具体的に定義される。
【背景技術】
【0004】
破砕ハンマーは、巨礫、石及びその他の岩石材料を破砕するために使用されるさく岩機である。破砕ハンマーは、破砕ハンマーに接続可能な破砕ツールに衝撃パルスを発生させるための打撃装置を備える。破砕ハンマーは、通常、掘削機においてバケットの代わりとなる補助機器として取り付けられ、通常、ベース機の油圧によって動作する。油圧式破砕ハンマーならびに衝撃装置を設けた他のさく岩機は、例えばそれらの衝撃装置の動作サイクルから生じる圧力変動を均一にするために、異なる圧力アキュムレータを使用する。圧力アキュムレータは、耐圧膜によって、予め充填されたガスを含むガス空間と、作動液を受け入れることができる油圧空間とに分割された空間を備える。作動液が油圧空間に供給されると、液はガス空間に向かって膜を押し、膜の反対側にある予め充填されたガスを圧縮する。同時に、この構造により、圧力流体を油圧回路に戻すために放出され得るエネルギーが蓄積される。このようにして、一定体積の加圧流体を圧力アキュムレータに一時的に蓄えることができる。しかしながら、既知の解決策は、いくつかの欠点を含むことが示されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、新規かつ改良されたさく岩機を提供することである。さらなる目的は、さく岩機に圧力エネルギーを蓄積する新規かつ改良された方法を提供することである。
【0006】
本発明によるさく岩機は、独立した装置クレームの特徴によって特徴付けられる。
【0007】
本発明による方法は、独立した方法クレームの特徴によって特徴付けられる。
【0008】
開示された解決策の技術的思想は、圧力アキュムレータが、その内部に弾性気密膜が配置された内部空間を画定するケーシングを備えることである。膜は、内部空間を2つの別々の圧力空間に分割している。ガス空間には加圧ガスが予め充填されており、油圧空間は作動液を受け入れることを目的としている。膜は、径方向側壁と、開いた第1の軸方向端部における縁部と、その反対側の第2の軸方向端部における閉じた上端部とを有する。膜の縁部は横方向取付けフランジを含み、それによって膜はハット状の構成を有する。膜の縁部は、ケーシングとの間に取り付けられ、取付けフランジは、フランジ要素によってアキュムレータの軸方向に押圧される。さらに、フランジ要素は、作動液を油圧空間に供給し、作動液を排出するための1つ又は複数の圧力チャネルを備える。圧力チャネルにより、さく岩機の動作中に、機械の油圧作動系統から油圧空間への、及び油圧空間からの作動液の流れを提供することができる。フランジ要素の支持部の内面には、油圧式さく岩機の打撃ピストンの端部をシールするためのシール要素が設けられる。
【0009】
言い換えれば、開示されたアキュムレータには膜を支持するスクリーンがないが、代わりに、膜の最下部のみがフランジ要素の支持部によって支持され、膜の上部には機械的支持がない。
【0010】
さらに、開示されたスクリーンフリー又はスクリーンレス構成では、膜はケーシングとフランジ要素との間に配置され、それによってケーシング、膜、及びフランジ要素が、圧力アキュムレータの軸方向に連続して配置される。
【0011】
開示された解決策の利点は、内部にスクリーンを持たないため、アキュムレータがコンパクトな構成を有し得ることである。開示されたスクリーンフリーのアキュムレータでは、スクリーンの体積をデッドスペースとするのではなく、内部に加圧流体を蓄えるのに利用することができる。さらに、アキュムレータの構造は、スクリーンが省略されると単純、軽量かつ安価となり得る。
【0012】
膜が取付けフランジを有するため、取扱い及び取付けが容易である。さらに、ケーシングとフランジ要素との間の締結は強固で信頼性がある。
【0013】
膜は弾性材料で作られ、ガス空間及び油圧空間内に広がる相対圧力によってケーシングの内面とフランジ要素の外面との間の空間内で径方向及び軸方向に膨張するように構成される。軸方向及び径方向に同時に膨張が存在するため、膜の膨張は比較的小さくてもよく、所望の油圧体積の流れを油圧空間内で受け入れることができる。
【0014】
圧力アキュムレータは、さく岩機の後端部、すなわち、機械のツール側端部に対して反対側の端部に配置されており、アキュムレータは、機械の使用中に外力や汚れによる有害な影響を受け得る前端部から離れて配置される。これは、打撃装置の周囲に保護ケーシングがない場合に特に重要である。さらに、アキュムレータは、機械の延長部に配置されると取付け及び保守が容易となる。アキュムレータが十分に触れやすい位置にあるため、作業現場の状況で保守対策を行うことができる。
【0015】
一実施形態によれば、アキュムレータは、往復打撃ピストンを設けた油圧操作可能な衝撃装置を備える破砕ハンマー及びさく岩ドリル機で使用するのに適している。破砕ハンマー及びさく岩ドリル機は、さく岩用である。言い換えれば、さく岩機という用語は、油圧式破砕ハンマー及び油圧式さく岩ドリル機を含む。
【0016】
一実施形態によれば、フランジ要素は、アキュムレータの軸方向を横断する環状取付け部を備える。作動液を供給及び排出するための上述の圧力チャネルは、この取付け部に配置される。
【0017】
一実施形態によれば、フランジ要素は、ケーシング内で軸方向に突出する中央のスリーブ状支持部を備え、それによって、支持部の外面は、少なくとも油圧式さく岩機が加圧されていないときは、膜を軸方向に支持するように構成される。支持部は、切頭形状を有する。
【0018】
一実施形態によれば、アキュムレータのケーシングには、予め充填されるガスをガス空間に供給するための供給ポートが設けられ、油圧空間は油圧式さく岩機の作動油圧系統に接続可能である。
【0019】
一実施形態によれば、アキュムレータのフランジ要素には、作動液を油圧空間に供給かつ油圧空間から排出するための作動液導管が設けられ、それによって油圧空間内の作動液の圧力がアキュムレータの動作中に調整されるように構成される。
【0020】
一実施形態によれば、膜の縁部は、ケーシングとフランジ要素との間でアキュムレータの軸方向に押圧される。発生する軸方向の力によって、膜の耐圧及び強固な締結が確保される。さらに、ケーシング及び膜は、取付け方向が軸方向であるため、取付け及び取外しが容易である。
【0021】
一実施形態によれば、膜の縁部は横方向取付けフランジを含み、それによって膜はハット状の構成を有する。膜の取付けフランジは、側壁から径方向に離れて延在し、環状形状を有する。言い換えれば、ハット状膜は、カップ状部と、その開いた端部を取り囲むつばとを有する。
【0022】
一実施形態によれば、膜の取付けフランジには、フランジの少なくとも一方の側に少なくとも1つの突起が設けられ、シール要素として機能する。さらに、ケーシングとフランジ要素との間の軸方向取付け面のうちの少なくとも1つには、少なくとも1つの突起を受け入れるための溝が設けられる。対になる突起及び溝を備える一体型シール構成のために、別個のシール要素が不要になるというメリットがある。
【0023】
一実施形態によれば、フランジ要素のスリーブ状支持部の軸方向長さは、アキュムレータの軸方向長さの少なくとも1/4である。支持部は膜を適切に支持する。
【0024】
一実施形態によれば、フランジ要素のスリーブ状支持部の外側面は、支持部が遠位端に向かって先細になるように、支持部の遠位端に向かって傾斜している。言い換えると、支持部の形状は、円錐台の形状に相当してもよい。傾斜した側面は、油圧系統が加圧されていないときに膜を軸方向に支持する。
【0025】
一実施形態によれば、フランジ要素のスリーブ状支持部の外側面は、少なくとも遠位端部において湾曲している。湾曲した表面は膜に優しい。
【0026】
一実施形態によれば、フランジ要素のスリーブ状支持部の遠位端部は、フランジ要素の取付け部に向かって限られた軸方向距離だけ延在する、中央内側へ先細りした部分であり、それによって内面の最外部は、支持部の遠位端に向かって広がる。
【0027】
一実施形態によれば、膜は、油圧空間の排出段階の終わりに上述の圧力チャネルを閉じるように構成され、それによって圧力チャネルに対する逆止弁として機能するように構成される。言い換えると、膜は、油圧空間が加圧されていないときに油圧空間が完全に排出されるのを防止し得る。油圧空間内に残っている作動液は膜を支持し、それによって膜が伸張して摩耗するのを防止し得る。膜に逆止弁機能が設けられていることで、他の弁手段が不要となることもメリットとなる。
【0028】
一実施形態によれば、フランジ要素の圧力チャネルは、フランジ要素の接合部又は根元、すなわちフランジ要素の環状取付け部が支持部に変化する部分に配置される。
【0029】
一実施形態によれば、圧力チャネルは軸方向に向けられている。その場合、チャネルは製造が容易で安価である。
【0030】
一実施形態によれば、圧力チャネルの数は少なくとも12であるが、最大24であってもよい。
【0031】
一実施形態によれば、すべての圧力チャネルは、フランジ要素の取付け部上の同じ仮想外周上に配置される。
【0032】
一実施形態によれば、膜の閉じた端部は、ガス空間に面する上面部を含む。上面は、環状縁部と、中央部と、それらの間の環状凹部とを含む。さらに、一実施形態によれば、上述のすべての部分、すなわち縁部、中央部、及び凹部は、湾曲した断面を有する。
【0033】
一実施形態によれば、膜は、横方向取付けフランジと側面との間に、材料厚さを増加させた湾曲した接続部を設ける。これにより、膜の耐久性を向上させ得る。
【0034】
一実施形態によれば、膜の側壁は、アキュムレータの軸方向中心線に対して角度付けされている。これにより、側壁は膜の開いた端部に向かって開口する。角度付けされた側壁は、制御された膜の膨張運動にプラスの影響を及ぼし得る。それらはまた、膜の耐久性に有利であり得る。
【0035】
一実施形態によれば、膜は弾性ポリウレタン(PU)材料で作られる。ポリウレタンは、優れた機械的特性及び耐久性を有する。また、ポリウレタンは良好な耐疲労性を有し、大きく可逆的な伸張性を示す。
【0036】
一実施形態によれば、膜は、ポリウレタン以外のポリマー又はプラスチック材料で作られる。
【0037】
一実施形態によれば、膜は、ニトリルゴムなどのゴム材料で作られる。ゴムの利点は、比較的柔らかいものであり得るため、良好なシール特性を提供することである。さらに、ニトリルゴムは安価であり、作動液に十分耐え得る。
【0038】
一実施形態によれば、膜の側壁の内面には、フランジ要素の支持部の外面に向かって内側に突出するいくつかのリブが設けられる。リブは、膜の内面をフランジ要素の外面から短い距離だけ離れた位置に保ち、それによって作動液がフランジ要素の支持部と膜との間を流れ得る。リブは、制御された膜の動作を容易にし得る。リブの方向は、実質的にアキュムレータの軸方向であってもよい。
【0039】
一実施形態によれば、解決策は、油圧式破砕ハンマー又はさく岩ドリル機であり得る油圧式さく岩機に関する。機械には、フレームと、フレーム内に配置されたピストンとを備える打撃装置又は衝撃装置が設けられる。ピストンは、打撃装置に供給される作動液の圧力によって長手方向の往復運動を行うように構成される。破砕ツール又は穿孔ツールが打撃装置に接続されてもよく、打撃装置から衝撃パルスを受け入れてもよい。打撃装置は、油圧流体を打撃装置内に供給するための供給ポートと、圧力流体を打撃装置から排出するための排出ポートとを備える油圧系統を有する。ピストンを衝撃方向及び戻り方向に移動できるように、ピストンの作動圧力空間に圧力流体を導き、またそこから圧力流体を出すための必要な圧力導管もある。圧力アキュムレータは、油圧エネルギーを蓄積するために油圧系統に接続されている。圧力アキュムレータはピストンの延長部に配置され、打撃装置の動作中にピストンの上端がアキュムレータの油圧空間内を移動する。圧力アキュムレータは、ケーシングと、膜と、フランジ要素とを備え、これらは打撃装置の軸方向に連続的に配置される。ピストンの上端部は、アキュムレータのフランジ要素にシールされている。したがって、フランジ要素とピストンとの間に動的なシールが存在する。さらに、フランジ要素には、作動液を油圧空間に供給し、作動液を油圧空間から排出するための圧力チャネルが設けられる。したがって、フランジ要素は打撃装置の上端を形成し得る。さらに、圧力アキュムレータにはスクリーンがなく、ピストンと膜との間には、圧力アキュムレータの軸方向において機械的な固定構造はない。したがって、ピストンの上端は膜の内面に直接面している。アキュムレータは、本明細書に開示されたより詳細な特徴をさらに含んでもよい。
【0040】
一実施形態によれば、膜は、打撃装置が加圧されていないときに打撃ピストンの上端に接触してもよい。
【0041】
一実施形態によれば、打撃ピストンの上端は丸みを帯びた縁部を備える。ピストンと膜が互いに接触する場合又は接触するとき、ピストンは膜に対して優しい。
【0042】
一実施形態によれば、油圧式破砕ハンマーなどの油圧式さく岩機は、高圧回路と、低圧回路と、タンク圧力回路とを備える。開示されたアキュムレータは低圧回路に接続されている。低圧回路は、アキュムレータの油圧空間に連続的に接続され、打撃ピストンの上端は、低圧回路の低圧の影響を連続的に受ける。低圧回路の圧力はバルブによって調整され得る。低圧回路は、その圧力が高圧回路とタンク又は排出圧回路との間の圧力であるため、中圧回路としても知られている。低圧回路の平均動作圧力は、例えば40バールであってもよい。
【0043】
一実施形態によれば、ガス空間内に予め充填される圧力は15~20バールである。動作中、膜は予め充填されたガスを圧縮し、ガス空間内の圧力上昇を引き起こす。
【0044】
一実施形態によれば、打撃装置の動作サイクルは、ピストンの周りに配置された圧力制御スリーブ状制御弁によって制御される。制御弁の上部は、アキュムレータのフランジ要素内に延在する。フランジ要素には制御圧力チャネルが設けられてもよい。
【0045】
一実施形態によれば、フランジ要素は、打撃装置の後端から打撃装置の前端に向かって延在するスリーブ状突出部を備えてもよい。スリーブ状突出部と打撃装置の基体とは、重なり合う接続部を有してもよい。突出部は、打撃装置の制御弁の支持面となってもよい。
【0046】
一実施形態によれば、圧力アキュムレータは、打撃ピストンの周囲において、部分的にのみ軸方向長さに沿って配置される。ピストンの上端部は、アキュムレータの油圧空間内を移動してもよいが、スリーブ型アキュムレータのようにアキュムレータを貫通しない。
【0047】
一実施形態によれば、アキュムレータの油圧空間は打撃装置の油圧系統に接続され、圧力流体は、打撃装置の動作中に油圧空間に向かって流入しかつ油圧空間から流出するように構成される。したがって、アキュムレータの油圧空間は打撃装置の作動液の流れを受ける。言い換えれば、油圧空間は、予め充填された量の作動液が設けられた閉じた圧力空間ではなく、その内部を作動液が循環する。
【0048】
一実施形態によれば、さく岩機は、圧力アキュムレータに接続された油圧系統内に広がる作動液の圧力を調整するための少なくとも1つの弁をさらに備える。弁は、アキュムレータの油圧空間の圧力を自動的に調整するように構成されてもよい。弁は、機械の一部であるように一体化されてもよく、あるいは、機械の本体の外側の別個の構成要素であってもよい。
【0049】
一実施形態によれば、アキュムレータの油圧空間内の圧力は30~45バールであり、典型的な平均値は40バールである。したがって、アキュムレータは低圧又は中圧回路に接続されている。
【0050】
一実施形態によれば、アキュムレータの油圧空間に面する打撃ピストンの上端は丸みを帯びている。言い換えれば、ピストンの上部は、膜の内面に面する湾曲面を有するように成形され、それにより、機械が油圧で加圧されていないときにピストンと膜との間の接触が発生した場合でも、ピストンは膜に対して優しく接する。それにより、ピストンはいかなる状況でも膜を損傷し得ない。
【0051】
一実施形態によれば、ピストンには、機械が加圧されず、膜が予め充填されたガスの圧力を受けるときに、引張変形に対して膜を支持するための中央突起が設けられる。上述の突起の上端は、膜を損傷しないように湾曲又は丸みを帯びていてもよい。
【0052】
一実施形態によれば、方法は、膜によって油圧空間からの作動液の流れを制御することを含む。膜は逆止弁として機能し、作動液空間が完全に排出されるのを防止する。この逆止弁の機能により、油圧系統が加圧されていないときに膜の有害な伸張が防止され得る。
【0053】
一実施形態によれば、解決策は、油圧式破砕ハンマー又はさく岩ドリル機内に油圧エネルギーを蓄積する方法に関する。方法は、油圧機械の打撃装置に、膜によって分離されたガス空間と油圧空間とを含む少なくとも1つの圧力アキュムレータを設けることを含む。方法は、ガス空間に加圧ガスを予め充填することと、打撃装置の動作中に、破砕ハンマーの打撃装置の往復ピストンの上端部を油圧空間内に受け入れることとをさらに含む。ピストンの突出した上端部によって油圧空間内の油圧体積が変化する。油圧空間の体積変化は、ガス空間に向かって膜を膨張させることによって、アキュムレータによって補償される。膜は、ハット状の構成を有し、本明細書に開示される詳細な特徴を有してもよい。さらに、膜の開いた端部に配置された取付けフランジを軸方向の2つの取付け面の間で軸方向に押圧することによって、膜が取り付けられる。さらなる技術的思想は、膜をスクリーン要素の支持のないものとすることである。
【0054】
一実施形態によれば、方法は、さく岩機の動作中にさく岩機の油圧回路から油圧空間に作動液を受け入れ、それに応じて油圧空間から油圧回路に作動液を排出することを含む。言い換えれば、作動液は油圧空間内を循環し、それによって油圧空間は閉じた圧力空間とはならない。
【0055】
一実施形態によれば、方法は、さく岩機の打撃装置が不作動であり、油圧空間が加圧されていないときに、予め充填されたガスの圧力の影響下で、ハット状膜の径方向側壁の内面をフランジ要素の支持部の外面に押圧することを含む。膜はまた、同じ理由でピストンの上面に押圧されてもよい。
【0056】
一実施形態によれば、方法は、弁によって油圧空間内に広がる油圧を調整することを含む。弁は、打撃装置の低圧系統内に常に広がる圧力を設定してもよい。
【0057】
一実施形態によれば、方法は、ハット状の構成を有する膜を使用することを含む。膜の取付けは、膜の開いた端部に配置された取付けフランジを軸方向の2つの取付け面の間で軸方向に押圧することを含む。言い換えれば、膜は軸方向取付け機構を有する。上述の取付け面は、フランジ要素及びケーシングに形成される。打撃装置の後端側には自由空間があり、それによって後端側の構成部品の取扱いが容易となる。
【0058】
開示された圧力アキュムレータ及び圧力蓄積原理は、本明細書に開示されたもの以外の他のタイプの打撃装置にも適していることに言及したい。
【0059】
上記で開示された実施形態を組み合わせて、開示された必要な特徴を備えた所望の解決策を形成することができる。
【0060】
いくつかの実施形態は、添付の図面においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】油圧式破砕ハンマーを設けた掘削機の概略的な側面図である。
図2】打撃装置及びそのアキュムレータの概略的な側面断面図である。
図3】打撃装置及びそのアキュムレータの概略的な側面断面図である。
図4】打撃装置及びそのアキュムレータの概略的な側面断面図である。
図5】アキュムレータのハット状膜の概略図である。
図6】アキュムレータのハット状膜の概略図である。
図7】アキュムレータのハット状膜の概略図である。
図8】切頭支持部とスリーブ要素とを設けたフランジ要素の概略図である。
図9】切頭支持部とスリーブ要素とを設けたフランジ要素の概略図である。
図10】油圧式さく岩機に関するいくつかの事項を示す図である。
図11】さく岩ドリルユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
明確化のため、図面は開示された解決策のいくつかの実施形態を簡略化して示す。図面において、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0063】
図1は、掘削機などの作業機械3のブーム2の自由端に配置された破砕ハンマー1を示す。あるいは、ブーム2は、破砕装置の任意の可動台車又は固定プラットフォームに配置されてもよい。破砕ハンマー1は、衝撃パルスを発生させるための打撃装置4を備える。破砕ハンマー1は、ブーム2によって、破砕される材料5に押圧されてもよく、同時に、打撃装置4によって、破砕ハンマー1に接続されたツール6に対して衝撃を発生させてもよい。ツール6は、破砕される材料5に衝撃パルスを伝達する。打撃装置4は、油圧で動作可能であり、作業機械2の油圧系統に接続されてもよい。衝撃パルスは、作動液の影響下で衝撃方向及び戻り方向に前後に移動される打撃ピストンによって、打撃装置4内で生成してもよい。破砕ハンマーの後端7には、図2図4に示す油圧アキュムレータがある。
【0064】
図2は、破砕ハンマー1の後端7又は上端部を開示している。油圧アキュムレータ8は、衝撃方向A及び戻り方向Bに移動可能なピストン9を備える打撃装置4の延長部に配置されている。図2では、ピストン9はその打撃運動を実行したところで、最下位置に位置している。アキュムレータ8は、本体12の軸方向取付け面11に取り付けられたケーシング10を備える。アキュムレータ8は、ケーシング10の締結ねじによって取付け面11に押圧され得るフランジ要素13をさらに備える。アキュムレータ8の内部には弾性膜16があり、その縁部はケーシング10とフランジ要素13との間に取り付けられている。膜16は、ケーシング10の内部空間をガス空間17と油圧空間18とに分割している。油圧空間18は、図4に最もよく示されている。図に見られるように、フランジ要素13は膜16を支持している。ガス空間17の内部は、加圧ガスである。ケーシング10には、予め充填されるガスをガス空間17に供給するための供給ポート19が設けられる。油圧空間18は、圧力チャネル20を介して打撃装置4の作動油圧系統に接続されている。ピストン9の上端22は、フランジ要素13内を移動し、油圧空間18内の作動液の体積変化を引き起こす。ピストン9の上端部は、シール23によってフランジ要素13にシールされる。ピストン9の往復運動は、ピストン9の周囲に配置され、ピストン9の作動圧力面に作用する油圧を制御するための制御面を設けたスリーブ状制御弁24によって制御される。第1の作動圧力面(図示せず)は連続的に加圧され、ピストン9を戻り方向Bに向かって移動させる。第2の作動圧力面及び第3の作動圧力面に作用する油圧は、制御弁24によって制御される。作動圧力面は、高圧回路及びタンク圧力回路の作動液の流れを選択的に受ける。アキュムレータ8が低圧回路に接続されているため、ピストン9の上端22は連続的に低圧にさらされる。制御弁24が作動圧力面を高圧回路に接続すると、作動圧力面の表面積が第1の作動圧力面の表面積と比較して大きくなるため、ピストン9は衝撃方向Aに向かって移動する。また、アキュムレータ8内に広がり、上面22に作用する低圧は、ピストン9を衝撃方向Aに移動させるための力を生成する。
【0065】
図2は、フランジ要素13が、前端に向かって突出し、制御弁24を取り囲むスリーブ状部28を備えてもよいことをさらに開示している。フランジ要素13は制御弁24を支持することができ、さらに圧力チャネルを設けている。フランジ要素13のスリーブ状部28によって、基体12の構造は単純であり得る。サイズの大きい本体12よりも別個の構成要素である13の方が、異なるカラー、継手、及び圧力チャネルを形成しやすい。
【0066】
図2は、ケーシング10の内面及び膜16の両方が、ハットの形状に実質的に対応する形状を有することをさらに開示している。ケーシング10は、アキュムレータ8を囲む保護スリーブ32を備えてもよい。
【0067】
図2では、ガス空間17は加圧ガスで予め充填されており、打撃装置が作動していないため油圧空間18は加圧されていない。したがって、ガス圧は、フランジ要素13の突出支持部14の外面に膜16を押圧する。図から分かるように、膜13の中央部は、ピストン9の上面22と、支持部の上部の凹部53の傾斜面とに接触してもよい。図3では、油圧空間18はまだ加圧されていないが、さく岩機1のツールが破砕される材料に押し付けられているため、ピストン9が戻り方向Bに移動しているところである。
【0068】
図4では、打撃装置4が加圧され、ピストン9が戻り方向Bに移動して最後部に位置している。次いで、作動液がピストン9によって押され、膜16がケーシング10の内面に向かって移動させられる。ガス空間17の容積は減少する。小さな矢印は、ピストン9の戻り運動中に膜16が軸方向及び横方向に膨張することを示している。
【0069】
図2図4は、膜16の縁部33が、フランジ要素13の環状取付け部15の上面に面する突起34を設けた環状取付けフランジ21を含むことをさらに示す。フランジ要素13の取付け部には、突起34を受け入れ得る溝35又は他の形成面が設けられ、それによって突起と溝が共にシール要素を形成してもよい。代替的又は追加的に、突起34は、取付けフランジ21の上側に形成されてもよく、ケーシング10に溝35が設けられてもよい。アキュムレータ8及びそのすべての構成要素は、軸方向に取り付けかつ取り外しされる。ケーシング10は、本体12の後側取付け面11に締結ねじによって締結される。膜16の取付けフランジ21は、ケーシング10の軸方向対向面とフランジ要素13との間で軸力Fによって密接に押圧される。
【0070】
図4は、ピストン9の上端22が丸みを帯びた外縁部50を備えてもよいことをさらに開示している。あるいは、上端全体が湾曲形状51を有してもよい。
【0071】
図2図4はまた、圧力チャネル20がフランジ要素13の根元部に配置され、ガス空間17の予め充填されたガスの圧力が膜16をフランジ要素13に向かって押し、かつ油圧空間18が加圧されていないときに、膜16が圧力チャネルを閉じるように配置されることを開示している。図2及び図3に示すように、膜は圧力チャネル20を閉じている。図4では、膜16はその膨張状態にあり、圧力チャネル20は当然開いている。
【0072】
図5~7は、閉じた端部53と、開いた端部54において環状取付けフランジ21とを有するハット状の形状を有する膜16を開示している。膜16の縁部33には、環状横断部が設けられる。取付けフランジ21は、シール突起であり得る突起34を備えてもよい。膜16の内側には、いくつかのリブ55があってもなくてもよい。膜16の上端53は、湾曲した中央部39を含んでもよい。上面と取付けフランジ21との間には角度付けされた側壁40があり、側壁と上面との間には湾曲した中間部41又は凹部がある。環状縁部56も湾曲していてもよい。さらに、根元部分には、材料厚さを増加させた湾曲部57があってもよい。膜16のこの部分は、本明細書で前に開示されているように、弁部として機能してもよい。膜16の形状は、カウボーイハットに似ていてもよい。
【0073】
図8及び図9は、一体化された支持部14及びスリーブ状部28を設けたフランジ要素13を開示している。開示されたフランジ要素13は、膜の取付け支持体としての軸方向の支持膜として機能し、制御弁及び作動系統に必要な制御圧力チャネルを提供しそれらの支持体にもなる多目的な構成部品である。
【0074】
支持部14の上部は、ピストンが貫通できるように開いている。支持部14の側面58は、支持部が遠位端に向かって先細になるように傾斜している。最外縁部59は丸みを帯びている。他のすべての特徴は、本明細書において既に開示されている。
【0075】
図10は、油圧式さく岩機43が油圧式破砕ハンマー1又はさく岩ドリル機44であり得ることを示す図である。これらの機械の共通の特徴は、少なくとも、それらが両方とも油圧打撃装置4と油圧アキュムレータ8とを含むという点である。さらに、それらは岩石又は岩石材料を破砕するために使用される。打撃装置8の構造及びその詳細な動作原理は、図2図4に開示されているものから逸脱し得る。したがって、開示されたアキュムレータ8は、異なる構造で汎用的に適用され得る。
【0076】
図11は、フィードビーム46上に移動可能に支持されたさく岩ドリル機44を備えるさく岩ドリルユニット45を開示している。さく岩ドリル機44は、シャンク47の衝突面を叩くように配置された往復ピストン9を設けた打撃装置を備える。穿孔ツール48がシャンク47に接続され、シャンク47は回転装置49によって回転してもよい。穿孔ビット60が押され、同時に衝撃パルスが穿孔ツール48に向けられると、穿孔ビットが岩石材料を粉砕し、ドリル孔61が形成される。ピストン9の往復運動によって生じる圧力変動を補償するために、打撃装置4の軸方向延長部に油圧アキュムレータ8がある。アキュムレータ4は、ケーシングと、フランジ要素と、それらの間の弾性膜とを備える。アキュムレータ4の基本的な構造は、本明細書に開示された特徴及び事項に従っている。
【0077】
図面及び関連する説明は、本発明の技術的思想を例示することのみを意図している。その詳細において、本発明は特許請求の範囲内で変化し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】