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特表2023-512012非ヒト生物の寄生虫を防除するための医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】非ヒト生物の寄生虫を防除するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4439 20060101AFI20230315BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20230315BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230315BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20230315BHJP
   A61K 31/42 20060101ALI20230315BHJP
   A61K 31/402 20060101ALI20230315BHJP
   C07D 401/04 20060101ALN20230315BHJP
   C07D 231/12 20060101ALN20230315BHJP
   C07D 261/08 20060101ALN20230315BHJP
   C07D 207/337 20060101ALN20230315BHJP
【FI】
A61K31/4439
A61P33/00 171
A61K9/08
A61K31/415
A61K31/42
A61K31/402
C07D401/04
C07D231/12 D
C07D261/08
C07D207/337
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545854
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2021051891
(87)【国際公開番号】W WO2021151963
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】62/967,281
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508270727
【氏名又は名称】バイエル・アニマル・ヘルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】BAYER ANIMAL HEALTH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】フローリッヒ,アン
(72)【発明者】
【氏名】ツベルグ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】メンシンガー,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】グリジック,ダリス
(72)【発明者】
【氏名】ゴンドル,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バートン,ウィリアム
【テーマコード(参考)】
4C063
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB01
4C063CC22
4C063DD12
4C063EE01
4C076AA11
4C076BB31
4C076CC34
4C076FF11
4C076FF68
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC05
4C086BC36
4C086BC67
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZB37
4C086ZC61
(57)【要約】
本発明は、溶媒相に完全に可溶である少なくとも1つの薬学的に活性な成分を含む医薬組成物であって、前記薬学的に活性な成分が、特にフッ素化ヘテロアリールアミドの群からのものであることを特徴とし、溶媒相が溶媒混合物として構成され、少なくとも1つの第1の溶媒および第1の溶媒とは異なる第2の溶媒を含み、ここで、第1の溶媒がC1~C15-アルコールを含み、そしてここで、第2の溶媒が有機カーボネートを含み、そしてここで、いずれの場合も溶媒相中の溶媒の合計に基づいて、第1の溶媒が50重量%~95重量%の割合で存在し、第2の溶媒が5重量%~50重量%の割合で存在することを特徴とする、医薬組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒相に可溶である少なくとも1つの薬学的に活性な成分を含む医薬組成物であって、ここで、前記薬学的に活性な成分は、フッ素化ヘテロアリールアミドであり、そしてここで、前記溶媒相は、少なくとも第1の溶媒と、前記第1の溶媒とは異なる第2の溶媒とを含む溶媒混合物であり、ここで、前記第1の溶媒は、C1~C15-アルコールを含み、ここで、前記第2の溶媒は、有機カーボネートを含み、ここで、前記溶媒相中の前記溶媒の合計に基づいて、前記第1の溶媒は50重量%~95重量%の割合で存在し、そしてここで、前記第2の溶媒は5重量%~50重量%の割合で存在する、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記第1の溶媒は、少なくとも1つのC1~C4-アルコキシ基またはフェニル基で置換されていてもよいC1~C4-アルカノールから選択され、そしてここで、前記第1の溶媒は、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノールからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記第2の溶媒が、ヒドロキシル基で置換されていてもよい脂肪族C1~C4-カーボネートから選択される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記第1の溶媒がイソプロパノールであり、そして、前記第2の溶媒がプロピレンカーボネートであることを特徴とする、請求項2または3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記溶媒混合物が、第1の溶媒および第2の溶媒からなる、請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記溶媒混合物が、前記第1の溶媒および前記第2の溶媒に加えて、前記第1の溶媒および前記第2の溶媒とは異なる第3の溶媒をさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記第3の溶媒が、水、ブチルヒドロキシトルエン、N-メチルピロリドン、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、リン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、オクチルドデカノール、パラフィン、トリグリセリド、プロピレングリコールオクタノエートデカノエート、グリコールエーテルからなる群から選択される、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記第2の溶媒が、前記溶媒混合物中の溶媒の合計に基づいて、≧20重量%~≦45重量%の含量で、好ましくは≧30重量%~≦40重量%の含量で存在する、請求項1~7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
活性成分が、一般式(I):
【化1】
〔式中、
は、H、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルキルカルボニル、C-C-アルコキシカルボニル、アリール-(C-C)-アルキル、ヘテロアリール-(C-C)-アルキルであるか、または、置換されていてもよいC-C-アルキルであり、好ましくはHまたは好ましくはC-C-アルキル、非常に好ましくはHまたはメチル、特にHであり、
当該部分は以下のとおりであり:
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、そして
は、CR10またはNであり、
~A部分の3つ以下はNであり、そして、B~B部分の3つ以下はNであり;
、R、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ互いに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、N-C-C-アルキルアミノ、N,N-ジ-C-C-アルキルアミノまたはN-C-C-アルコキシ-C-C-アルキルアミノまたは1-ピロリジニルであり;
およびA部分のいずれもがNでない場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、0、1もしくは2個の窒素原子および/または0もしくは1個の酸素原子および/または0もしくは1個の硫黄原子を含む5員環または6員環を形成してもよく;または、
およびA部分のいずれもがNでない場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、0、1もしくは2個の窒素原子を含む6員環を形成してもよく;
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、N-C-C-アルキルアミノまたはN,N-ジ-C-C-アルキルアミノであり;
Wは、OまたはSであり、
Qは、H、ホルミル、ヒドロキシル、アミノであるか、または、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-ヘテロシクロアルキル、C-C-アルコキシ、C-C-アルキル-C-C-シクロアルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、C-、C10-C14-アリール、C-C-ヘテロアリール、C-、C10-、C14-アリール-(C-C)-アルキル、C-C-ヘテロアリール-(C-C)-アルキル、N-C-C-アルキルアミノ、N-C-C-アルキルカルボニルアミノ、またはN,N-ジ-C-C-アルキルアミノであるか;または、
ポリ-V-置換されていてもよい不飽和の6員の炭素環であるか;または
ポリ-V-置換されていてもよい不飽和の4員、5員または6員の複素環式環であり、ここで、
Vは、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、またはN,N-ジ-(C-C-アルキル)アミノであり;
Tは、2個以下のヘテロ原子(1または2個のヘテロ原子)、例えば4個の炭素原子および1個のヘテロ原子、好ましくは1個の窒素、1個の酸素または1個の硫黄原子または3個の炭素原子および2個のヘテロ原子、好ましくは2個の窒素原子、1個の窒素および1個の酸素原子、または1個の窒素および1個の硫黄原子、を含有する置換されていてもよい5員のヘテロ芳香族系である〕
の化合物、ならびに、式(I)の化合物の塩、N-オキシドおよび互変異性型から選択されることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
有効成分が、以下からなる群から選択される、請求項9に記載の医薬組成物;
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)-エチル]フェニル]ピラゾール-4-イル]-N-メチルピリジン-3-カルボキサミド
【化2】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]-3-ピリジンカルボキサミド:
【化3】
2-クロロ-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]-N-シクロプロピル-3-ピリジンカルボキサミド:
【化4】
2-クロロ-5-[1-[2-ブロモ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]-N-シクロプロピルピリジン-3-カルボキサミド
【化5】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-4-イル]ピリジン-3-カルボキサミド
【化6】
2-クロロ-N-シアノシクロプロピル-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ベンズアミド:
【化7】
2-クロロ-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラゾール-4-イル]-N-シクロプロピルベンズアミド
【化8】
5-[1-[2-ブロモ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラゾール-4-イル]-2-クロロ-N-シクロプロピルベンズアミド
【化9】
2-クロロ-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-4-イル]-N-シクロプロピルベンズアミド
【化10】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-4-イル]ベンズアミド
【化11】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-4-イル]-N-メチルベンズアミド
【化12】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ベンズアミド:
【化13】
2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[1-[4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ベンズアミド:
【化14】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[4-[2,6-ジメチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-1-イル]ベンズアミド:
【化15】
2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[4-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-1-イル]ベンズアミド:
【化16】
2-クロロ-5-[3-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]イソオキサゾール-5-イル]-N-シクロプロピルベンズアミド:
【化17】
2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[3-[2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]イソオキサゾール-5-イル]ベンズアミド:
【化18】
2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピロール-3-イル]ベンズアミド:
【化19】
2-クロロ-5-[3-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロール-1-イル]-N-シクロプロピルベンズアミド:
【化20】
【請求項11】
前記薬学的に活性な成分が、0.1重量%以上5重量%以下の量で存在する、請求項1~10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
寄生虫感染症の治療または予防に使用するための、請求項1~11のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
外部寄生虫感染症の治療または予防に使用するための、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
非ヒト生物における寄生虫感染症の治療または予防に使用するための、請求項1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
組成物を非ヒト生物に滴下または注ぐことによる、非ヒト生物における寄生虫感染症の治療または予防に使用するための、請求項14に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非ヒト生物の寄生虫を防除するための医薬組成物に関する。本発明は特に、哺乳動物および家畜の外部寄生虫を防除するための、生物への適用性が改善された、皮膚に適用可能な製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素化抗寄生虫薬とも呼ばれる、現代のフッ素含有抗寄生虫活性化合物、例えば、比較的長い間知られているフルララネル、アフォキソラネル、サロラネル、ロチラネル、フィプロニル、およびWO2015/067646およびWO2015/067647に記載されている活性成分は、良好な殺虫および殺ダニ効果を有する。
【0003】
しかしながら、これらの活性化合物の多くは、動物への局所投与に適した溶媒への溶解度が非常に低い。投与後の外皮(coat)からの製剤の滴下、または動物皮膚への不完全な分布を回避するために、活性化合物は、好ましくは少量の溶媒に溶解されるべきである。さらに、溶媒は毒物学的に安全であり、高い皮膚適合性を有していなければならない。
【0004】
WO96/17520は、寄生性昆虫を防除するために動物に皮膚に適用される、以下の組成を有する製剤を指す:製剤の総重量に基づいて、1~20重量%の濃度の昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト;製剤の総重量に基づいて、少なくとも20重量%の濃度のベンジルアルコール群または場合によりピロリドンの溶媒;場合により、製剤の総重量に基づいて、5.0~80重量%の濃度の環状カーボネートまたはラクトンの群からの他の溶媒;場合により、製剤の総重量に基づいて、0.025~10重量%の濃度の増粘剤、展着剤、染料、酸化防止剤、発泡剤、防腐剤、接着剤、乳化剤の群からの他の補助剤。
【0005】
動物における寄生虫に対する外部から適用可能なポアオン製品(pour-on products)が知られており、その製剤は、溶媒としてイソプロパノールを含む。これらには特に、Baymec(登録商標)Pour-on(Bayer(登録商標))、Ivomec(登録商標)Pour-on(Merial(登録商標))などの有効成分イベルメクチンを含む製品が含まれる。他の有効成分とイソプロパノールを含むポアオン製品の事例は:Sebacil(登録商標)Pour-on(Bayer(登録商標)、有効成分ホキシム)、Dectomax(登録商標)(Elanco、有効成分:ドラメクチン)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2015/067646
【特許文献2】WO2015/067647
【特許文献3】WO96/17520
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、現代の、例えばフッ素化抗寄生虫薬(特にヘテロアリールアミドの群からの)が十分に高い溶解性を有し、同時に動物(特にポアオン製剤として)に良好な適用性を有する溶媒を使用する、非ヒト生物への局所適用のための医薬組成物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
溶媒相に完全に可溶性であり、少なくとも1つの寄生虫駆除性の薬学的に活性な成分を含有し、そして特に動物に適用するのが容易である医薬組成物であって、前記薬学的に活性な成分が、特にフッ素化ヘテロアリールアミド、好ましくはピリジルアミドの群からのものであり、前記溶媒相が溶媒混合物として構成され、第1の溶媒および第1の溶媒とは異なる第2の溶媒を含み、ここで、第1の溶媒がC1~C15-アルコールを含み、ここで、第2の溶媒が有機カーボネートを含み、そしてここで、いずれの場合も溶媒相中の溶媒の合計に基づいて、第1の溶媒が50重量%~95重量%の割合で存在し、そしてここで、第2の溶媒が5重量%~50重量%の割合で存在する、医薬組成物が提供される。
【0009】
例えば、第1の溶媒と第2の溶媒は、溶媒相中の溶媒の合計に基づいて、50重量%:50重量%~95重量%:5重量%の互いに量的な比率であり得る。
【0010】
さらなる実施形態によれば、第1の溶媒は1つの溶媒のみ、または2つ以上、好ましくは2つのC1~C15-アルコールの組み合わせを含んでもよく、ここで、この構成では、C1~C15-アルコールの大部分が上記の量で一緒に存在し、一緒に第1の溶媒と称される。したがって、本発明の文脈において、溶媒は必ずしも1つの物質を意味すると理解されるだけでなく、溶媒は異なる物質の混合物を意味すると理解され得る。しかしながら、第1の溶媒を形成する物質は、全てC1~C15-アルコールであることが意図される。
【0011】
あるいは、またはさらに、第2の溶媒が1つの物質からなるか、または2つ以上、好ましくは2つの物質の組み合わせであってもよく、ここで、第2の溶媒を形成する物質は、全て有機カーボネートであるものが提供されてもよい。この構成において、2以上の有機カーボネートは、上記の量で一緒に存在する。
【0012】
第1の溶媒および第2の溶媒のみからなる溶媒相は、二成分溶媒相とも呼ばれる。
【0013】
本発明による組成物は、特に、ヘテロアリールアミドの群からの特にフッ素化抗寄生虫薬が十分に高い溶解度を有し、同時に、特にポアオン製剤として動物への良好な適用性を有する溶媒を使用して、非ヒト生物への局所適用または皮膚適用のための新規液体薬剤の提供を可能にする。
【0014】
本明細書に記載の医薬組成物はまた、以下で活性成分とも呼ばれる少なくとも1つの薬学的に活性な成分を含み、これはAPI(活性医薬成分(active pharmaceutical ingredient))とも呼ばれ得る。特に、活性成分は組成物中の実際の活性物質であり得、したがって、主にまたは全体的に、以下に詳細に記載される抗寄生虫効果を生じさせる。したがって、活性成分は、特に非ヒト生物において有効であるべきである。
【0015】
原則として、薬学的に活性な成分は限定されない。しかしながら、薬学的に活性な成分は、特にフッ素化ヘテロアリールアミドの群から構成されることが提供され、これらは以下により詳細に記載されている。原則として、ヘテロアリールアミドは、例えば、アリール基を介してアミドに結合したピリジン基であるピリジルアミドであり得る。例えば、ヘテロアリールアミドはフッ素化されていてもよい。
【0016】
薬学的に活性な成分に関して、これが溶媒相に完全に可溶であることがさらに提供される。これは、特に、有利な皮膚適用性を可能にし、特に、ポアオン適用(pour-on application)またはポアオンのための溶液が可能である。
【0017】
ポアオン適用は、スポットオン製剤(spot-on formulation)を実施形態とすることができる場合、具体的には、適用される製剤の量対当該生物の重量に基づいて、比較的少量の製剤が、例えば、100mL/100kgまでの、例えば、おおよそ1mL/100kg~100mL/100kgの範囲で、例えば、1mL/100kg~20mL/100kgの範囲で、おおよそ5mL/100kg~10mL/100kgの範囲で、通常、非ヒト生物の首または背中に限定された皮膚領域に適用されるタイプの適用を意味すると理解される。したがって、ポアオン製剤は、ポアオン適用として適用されることが好適であり、意図される種類の製剤を意味すると理解される。
【0018】
そのような適用、すなわち、いわゆるポアオン溶液において特に重要なのは、溶液中の活性成分の所望の濃度を可能にする活性成分の高いレベルの溶解度が達成されることである。さらに、皮膚上での良好な拡展性が達成されるべきである。拡展性は、特に、皮膚上の製剤の分布を意味すると理解することができる。したがって、拡展性を通して、局所的に閉じ込められた適用が可能であり、適用後の流出によって活性成分が失われないように、溶液として存在する製剤が生物に対して所望の分布を達成するかどうか、特に、適用位置から過度に滴下または流出しないかどうかを決定することができる。
【0019】
前述の有利な特性を可能にするために、特にポアオン製剤については、溶媒相が溶媒混合物として構成され、第1の溶媒とは異なる第1の溶媒と第2の溶媒とを含み、ここで、第1の溶媒がC1~C15-アルコールを含み、ここで、第2の溶媒が有機カーボネートであり、そしてここで、いずれの場合も溶媒相中の溶媒の合計に基づいて、第1の溶媒が50重量%~95重量%の割合で存在し、そしてここで、第2の溶媒が5重量%~50重量%の割合で存在し、二成分溶媒相中では、第1の溶媒と第2の溶媒は、溶媒相における溶媒の合計に基づいて、50重量%:50重量%~95重量%:5重量%の互いに量的な比率で存在することが本明細書に記載される組成物において意図される。しかし、第1および第2の溶媒の割合の合計は、例えば、さらなる溶媒を含む三成分系も考えられ、好ましい場合があるので、必ずしも100重量%まで加算する必要はないことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
一実施形態において、このような構成は、有利には溶媒相中にヘテロアリールアミドの完全に溶解した活性成分の十分な濃度を提供することができ、したがって、製剤において可能であり、ポアオン適用のために有利な拡展性も達成可能である。一実施形態では、活性ヘテロアリールアミドは、(活性ヘテロアリールアミドの)少なくとも95重量%が溶解している。別の実施形態では、活性ヘテロアリールアミドは、(活性ヘテロアリールアミドの)少なくとも97重量%が溶解している。さらなる態様において、活性ヘテロアリールアミドは、(活性ヘテロアリールアミドの)99重量%が溶解している。好ましい態様において、活性ヘテロアリールアミドは、(活性ヘテロアリールアミドの)100重量%が溶解している。
【0021】
したがって、先行技術においてなされた仮定とは対照的に、C1~C15-アルコール、特にC1~C10-アルコール、例えばC1~C7-アルコールおよび有機カーボネートを含む溶媒混合物を用いて、肯定的な特性を得ることができることが示されている。例えば、溶媒混合物は、1以上のC1~C15-アルコールおよび1以上の有機カーボネートからなり得る。これらは、組み合わせて、例えば、特にフッ素化ヘテロアリールアミドの群から形成される、活性成分の良好な溶解性、および良好な拡展性を示す。
【0022】
C1~C15-アルコールは、原則として、1~15個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族アルコールを意味すると理解される。
【0023】
有機カーボネートはまた、低毒性を特徴とする、それ自体低揮発性の極性溶媒である非環式または環式炭酸エステルを意味すると理解される。エステル合成のためのアルコールを巧みに選択することにより、得られるカーボネートの物理的特性を所望の適用分野に調整することができる。
【0024】
したがって、本発明は、拡展性、投与の容易さ、および活性成分濃度、すなわち有効性の両方に関して、ポアオン適用に非常に適した組成物を提供する。
【0025】
本明細書に記載される製剤のさらなる利点は、治療された生物に対する良好な適合性および安全性であり、例えば、食物連鎖に入る動物を含む、動物上の、例えば、皮膚(skin)および/または外皮(coat)上の、例えば動物の体内の刺激または残留物などの有害作用の低減である。製剤および投与の容易さ(粘度および拡展による良好な適用性)は優れた環境持続性を提供し、消費者による高い受容が達成され、有害な副作用が低減される。これは、食品生産における家畜への使用の場合でさえも当てはまる。さらに、製剤は、増加した溶解度によって効果的であるために、存在する活性成分がより短い時間で高効力を提供することを可能にし、したがって、頻繁な適用の必要性を排除する、持続した活性期間を提供する。最終的に、製剤の製造に付随する低コストで、良好な取り扱いおよび使いやすさが達成される。また、良好な生物学的利用能および使用スペクトルも有利である。
【0026】
さらに、本発明の組成物は、例えば、粘度および拡展性に関して、動物に容易に適用可能であり得る。組成物、特に活性成分はまた、例えば雨によって洗い流される傾向が低い。実際、効力は、湿った動物または太陽からの照射の場合でさえも維持することができる。組成物は、一般に、高い安定性を有し、組成物の成分の、低下した分解および、例えば、減少した二次反応を示す。本明細書に記載の組成物によって達成される好ましい安定性は、30℃で少なくとも12ヶ月、好ましくは24ヶ月の貯蔵寿命を含む。適用後、組成物は、特に良好な蒸発溶媒の添加によって、動物の外観を著しく損なうことなく容易に乾燥する。
【0027】
溶媒相または溶媒混合物中に存在する溶媒に関して、以下の溶媒が特に有利である。第1の溶媒は第2の溶媒とは異なる。一実施形態では、第1の溶媒は、第2の溶媒とは異なり、カーボネートではない。
【0028】
一実施形態では、第1の溶媒は、好ましくは少なくとも1つのC1~C4-アルコキシ基またはフェニル基で置換されていてもよいC1~C4-アルカノールを含み、ここで、ヒドロキシル基は、原則として任意の選択可能な位置にあり得る。特定の実施形態では、第1の溶媒は、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、例えばイソブタノールまたはn-ブタノール、特にエタノールおよび/またはイソプロパノールからなる群から選択される。特に記載された有機カーボネートに関連する良好な溶解特性に加えて、このような溶媒は、動物に悪影響を及ぼすことなく適用が可能であるように、非ヒト生物における使用に適した毒性のさらなる利点を提供する。
【0029】
第2の溶媒は、好ましくは、ヒドロキシル基で置換されていてもよい有機脂肪族C1~C4-カーボネートである。特定の実施形態では、第2の溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセロールカーボネートからなる群から選択される。特に記載されたアルコールに関連して、良好な溶解特性に加えて、そのような溶媒は、動物における悪影響なしに適用が可能であるように、非ヒト生物における使用に適した毒性のさらなる利点を提供する。
【0030】
特に好ましい実施形態において、第1の溶媒はイソプロパノールであり、第2の溶媒はプロピレンカーボネートである。溶媒としてイソプロパノールおよびプロピレンカーボネートを含む溶媒相は、例えば、活性成分の良好な溶解性、有利な拡展性に関して前述の利点を提供し、同時に、より低い毒性を有することが見出された。
【0031】
別の実施形態では、溶媒混合物は、第1の溶媒、すなわち上記の1以上の第1の溶媒、および、第2の溶媒、すなわち上記の1以上の第2の溶媒からなる。言い換えれば、前述の第1の溶媒および第2の溶媒はもっぱら溶媒として十分であり得、ここで、理解可能な様式で、記載される第1の溶媒のうちの1つおよび記載される第2の溶媒のうちの1つは溶媒混合物を形成するのに十分であり得る。
【0032】
一実施形態では、第1の溶媒対第2の溶媒の相対比に関して、第2の溶媒、すなわち有機カーボネートは、溶媒混合物中の溶媒の合計に基づいて、≧20重量%~≦45重量%の含量で、好ましくは≧30重量%~≦40重量%の含量で存在することが好ましい。本実施形態において、第1の溶媒は、溶媒混合物中の溶媒の合計に基づいて、≧55重量%~≦80重量%の含有量で、好ましくは≧60重量%~≦70重量%の含有量で存在する。この構成では、有効成分の溶解性に関する上述の利点とそれに付随する良好な拡展性とを、特に効果的に提供することができる。言い換えれば、一貫した結果で、活性成分の例外的な溶解性を促進することができる。したがって、安定した貯蔵特性と共に、有利な適用性が一緒に提供される。活性成分の高い溶解度のために、比較的少量の溶媒混合物が必要とされる。その結果、組成物を保存することができる。
【0033】
さらに、別の実施形態では、溶媒混合物が、第1の溶媒および第2の溶媒に加えて、第1の溶媒および第2の溶媒とは異なる第3の溶媒を含む。したがって、第3の溶媒は、第1の溶媒および第2の溶媒について上述したように設計されていない。
【0034】
さらなる溶媒を使用することによって、溶解性および/または拡展性を潜在的にさらに改善することができ、または少なくとも所望の使用に調整することができる。
【0035】
特定の実施形態では、溶媒相は、少なくとも3つの溶媒の混合物として構成され、ここで、第3の溶媒は、C1~C15-アルコールでも有機カーボネートでもなく、むしろ本明細書とは異なる定義を有する。しかしながら、これは、第1の溶媒および/または第2の溶媒および/または第3の溶媒がそれぞれの場合において、例えば二成分溶媒混合物として存在することを排除しない。
【0036】
原則として、三成分溶媒相を提供することによって、第1の溶媒および第2の溶媒は、上述の範囲で存在することができ、ここで、第1の溶媒および第2の溶媒の割合は、第3の溶媒の割合で構成されてもよい。特に、一実施形態において、第3の溶媒は、第1の溶媒の一部を置き換え、ここで、第1の溶媒は、溶媒相中の溶媒の合計に基づいて50重量%~95重量%の記載された範囲でなお存在し、第2の溶媒も、同様に、溶媒相中の溶媒の合計に基づいて上記の定量範囲、すなわち、5重量%~50重量%の割合で存在する。第3の溶媒、ならびに第1の溶媒および第2の溶媒は、薬学的に適合性であるべきであり、また、活性成分の溶解度に好ましくない影響を与えるべきではない。浸透促進溶媒を使用することが有用であり得る。
【0037】
第1の溶媒および第2の溶媒とは異なる、第3の溶媒の有利な例は、水、ブチルヒドロキシトルエン、N-メチルピロリドン、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、リン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、オクチルドデカノール、パラフィン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドのようなトリグリセリド(例えば、Miglyol 812)、プロピレングリコールオクタノエートデカノエート(例えば、Miglyol 840)、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのグリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される。
【0038】
一実施形態では、溶媒相が三成分系であってよく、したがって、第1の溶媒または第1の溶媒(類)、第2の溶媒または第2の溶媒(類)および第3の溶媒または第3の溶媒(類)からなる。この実施形態では、第1の溶媒(類)、第2の溶媒(類)、および第3の溶媒(類)は、上で定義したように選択可能である。
【0039】
特に、三成分系の実施形態では、1つの非限定的な例が、溶媒相中の溶媒の合計に基づいて、第1および第3の溶媒と第2の溶媒との合計が、50重量%:50重量%~95重量%:5重量%の量的な比率で互いに存在することである。第1の溶媒対第2の溶媒の相対比率に関して、第2の溶媒は、溶媒混合物中の溶媒の合計に基づいて、≧20重量%~≦45重量%の含量で、好ましくは≧30重量%~≦40重量%の含量で存在することが好ましい。したがって、第1の溶媒および任意に第3の溶媒は、溶媒混合物中の溶媒の合計に基づいて、≧55重量%~≦80重量%の含量で、好ましくは≧60重量%~≦70重量%の含量で一緒に存在することができる。
【0040】
溶媒混合物の非限定的な例は、例えば、以下のように構成することができる:イソプロパノール(32.5)、エタノール(32.5)およびプロピレンカーボネート(35)の混合物を使用することができ、ここで、括弧内の数字は、溶媒混合物に基づいて重量%での含有量であることが意図される。さらなる例として、イソプロパノール(32.5)、エタノール(32.5)およびグリセロールカーボネート(35)、イソプロパノール(65)、プロピレンカーボネート(17.5)およびグリセロールカーボネート(17.5)の混合物、またはエタノール(65)、プロピレンカーボネート(17.5)およびグリセロールカーボネート(17.5)の混合物を使用することができ、ここで、括弧内の数字は、溶媒混合物に基づいて重量%での含有量であることが意図される。
【0041】
一実施形態では、例えば、1つの第1の溶媒および、例えば2つの第2の溶媒および任意に1つ以上の第3の溶媒から構成される1つの溶媒混合物が存在する。別の実施形態では、1つの第2の溶媒および、例えば、2つの第1の溶媒および任意に1つ以上の第3の溶媒から構成される溶媒混合物が存在する。
【0042】
さらに、組成物の構成成分は、組成物が、第1の溶媒、第2の溶媒、任意に第3の溶媒および活性成分からなり得るように、溶媒および活性成分に制限され得る。しかしながら、さらなる構成要素は、排除されることを意図せず、他の場所で定義される。
【0043】
好ましくは、フッ素化ヘテロアリールアミドは、WO2015067646A1またはWO2015067647A1に記載されているように設計される。この種の活性成分は、好ましくは以下のように構成され、一般式(I):
【化1】
〔式中、
は、H、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルキルカルボニル、C-C-アルコキシカルボニル、アリール-(C-C)-アルキル、ヘテロアリール-(C-C)-アルキルであるか、または、置換されていてもよいC-C-アルキルであり、好ましくはHまたは好ましくはC-C-アルキル、非常に特に好ましくはHまたはメチル、特にHであり、
当該部分は次のとおりであり:
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、そして
は、CR10またはNであり、
からA部分のうち3つ以下はNであり、そして、BからB部分のうち3つ以下はNであり;
、R、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ互いに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、N-C-C-アルキルアミノ、N,N-ジ-C-C-アルキルアミノまたはN-C-C-アルコキシ-C-C-アルキルアミノもしくは1-ピロリジニルであり;
およびA部分のいずれもがNでない場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、0、1もしくは2個の窒素原子および/または0もしくは1個の酸素原子および/または0もしくは1個の硫黄原子を含む5員環または6員環を形成してもよく;または、
およびA部分のいずれもがNでない場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、0、1もしくは2個の窒素原子を含む6員環を形成してもよく;
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、N-C-C-アルキルアミノまたはN,N-ジ-C-C-アルキルアミノであり;
Wは、OまたはSであり、
Qは、H、ホルミル、ヒドロキシル、アミノであるか、または、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-ヘテロシクロアルキル、C-C-アルコキシ、C-C-アルキル-C-C-シクロアルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、C-、C10-C14-アリール、C-C-ヘテロアリール、C-、C10-、C14-アリール-(C-C)-アルキル、C-C-ヘテロアリール-(C-C)-アルキル、N-C-C-アルキルアミノ、N-C-C-アルキルカルボニルアミノ、またはN,N-ジ-C-C-アルキルアミノであるか;または
ポリ-V-置換されていてもよい不飽和の6員の炭素環であるか;または
ポリ-V-置換されていてもよい不飽和の4員、5員または6員の複素環式環であり、ここで
Vは、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、またはN,N-ジ-(C-C-アルキル)アミノであり;
Tは、2個以下のヘテロ原子(1または2個のヘテロ原子)、例えば4個の炭素原子および1個のヘテロ原子、好ましくは1個の窒素、1個の酸素または1個の硫黄原子または3個の炭素原子および2個のヘテロ原子、好ましくは2個の窒素原子、1個の窒素および1個の酸素原子、または1個の窒素および1個の硫黄原子、を含有する置換されていてもよい5員のヘテロ芳香族系である〕
の化合物、ならびに、式(I)の化合物の塩、N-オキシドおよび互変異性体を含む。
【0044】
記載されるのは、例えば、式(Ia)
【化2】
〔式中、
、D部分は、それぞれ互いに独立して、C-R11であるか、またはNおよびOから選択されるヘテロ原子であり;
およびD部分は、互いに独立して、Cであるか、または、Nから選択されたヘテロ原子を表し(言い換えると、DおよびD部分は、互いに独立してCまたはNを表す);
ここで、D、D、DおよびDから選択された1または2個以下の部分はヘテロ原子であり、ここで、D、D、DおよびDから選択された1または2個の部分は、DおよびDの場合はNまたはOから選択されたヘテロ原子であり、DおよびDの場合はNであり;
【化3】
は、芳香族系であり;そして
、A、A、A、A、B、B、B、B、B、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、W、Q、V、およびTは、それぞれ本明細書に記載するように定義され、ここで、A、A、A、Aから選択される1つ以下の部分はNであり、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであり;または、A、A、A、Aから選択される1つまたは2つの部分はNであってもよく、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであってもよい〕
の化合物、ならびに、式(I)の化合物の塩、N-オキシド、および互変異性体である。
【0045】
本発明の一実施形態は、式(Ia‘):
【化4】
〔式中、
、R11、Q、W、A、A、A、A、B、B、BおよびBは、それぞれ本明細書に記載されるように定義される。ここで、A、A、A、Aから選択される1つ以下の部分はNであり、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであり;またはA、A、A、Aから選択される1つまたは2つの部分はNであってもよく、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであり;
およびDは、互いに独立して、C-R11またはヘテロ原子であり、好ましくは、C-R11、または、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子であり、より好ましくは、C-R11、またはNまたはOから選択されるヘテロ原子であり;
およびD部分は、互いに独立して、C、または、Nから選択されるヘテロ原子であり;
ここで、D、D、DおよびDから選択される1つまたは2つ以下の部分はヘテロ原子であり、ここで、D、D、DおよびDから選択される1つまたは2つの部分は、DおよびDの場合はNまたはOから選択されたヘテロ原子であり、DおよびDの場合はNであり;
【化5】
は、芳香族系であり、そして、
は、本明細書に定義される通りであり、好ましくは、ペルフルオロ化C-C-アルキルである〕
の化合物に関する。
【0046】
本発明のさらなる実施形態は、式(Ia‘‘)
【化6】
【0047】
〔式中、
は、C-R11またはNまたはOから選択されるヘテロ原子であり;
は、C-R11またはNまたはOから選択されたヘテロ原子であり;
は、CまたはNであり;
は、CまたはNであり;
は、C-R11またはNであり;
ここで、D、D、D、DおよびDから選択される1つまたは2つ以下の部分はヘテロ原子であり;
【化7】
は、芳香族系であり;そして
は、H、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルキルカルボニル、C-C-アルコキシカルボニル、アリール-(C-C)-アルキルまたはヘテロアリール-(C-C)-アルキルであるか、または置換されていてもよいC-C-アルキル、特に好ましくはHであり;
当該部分は以下のとおりであり:
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、そして
は、CR10またはNであり、
但し、AからA部分の3つ以下はNであり、同時にBからB部分の3つ以下はNであり;
、R、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ互いに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、N-C-C-アルキルアミノまたはN,N-ジ-C-C-アルキルアミノであり;
およびA部分のいずれもがNでない場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、0、1もしくは2個の窒素原子および/または0もしくは1個の酸素原子および/または0もしくは1個の硫黄原子を含む5員または6員の環を形成してもよく、または
およびA部分のいずれもがNでない場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、0、1、または2個の窒素原子を含む6員の環を形成してもよく;
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、N-C-C-アルキルアミノまたはN,N-ジ-C-C-アルキルアミノであり;
11は、互いに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノまたは置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-アルキルオキシ、C-C-アルキルカルボニル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、好ましくはHであり;
Wは、OまたはSであり、
Qは、H、ホルミル、ヒドロキシル、アミノであるか、または、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-ヘテロシクロアルキル、C-C-アルコキシ、C-C-アルキル-C-C-シクロアルキル、C-C-シクロアルキル-C-C-アルキル、C-、C10-C14-アリール、C-C-ヘテロアリール、C-、C10-、C14-アリール-(C-C)-アルキル、C-C-ヘテロアリール-(C-C)-アルキル、N-C-C-アルキルアミノ、N-C-C-アルキルカルボニルアミノ、またはN,N-ジ-C-C-アルキルアミノであり;または
ポリ-V-置換されていてもよい不飽和の6員の炭素環であり;または
ポリ-V-置換されていてもよい不飽和の4員、5員または6員の複素環式環であり、ここで
Vは、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-アルケニル、C-C-アルキニル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、またはN,N-ジ-(C-C-アルキル)アミノである〕
の化合物、ならびに、式(Ia‘‘)の化合物の塩、N-オキシドおよび互変異性体に関する。
【0048】
式(Ia‘‘)の化合物は、さらに好適であり、ここで、式(Ia‘‘)の化合物は、式(I-T3)
【化8】
〔式中、ここで、R、A、A、A、A、R11、B、B、B、B、R、QおよびWは、それぞれ本明細書に記載されるように定義され、ここで、A、A、A、Aから選択される1つ以下の部分はNであり、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであり;または、A、A、A、Aから選択される1つまたは2つの部分はNであってもよく、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNである〕
の化合物である。
【0049】
本発明のさらなる実施形態は、式(Ia‘‘)の化合物に関し、ここで、式(Ia‘‘)の化合物は、式(I-T2):
【化9】
〔式中、ここで、R、A、A、A、A、R11、B、B、B、B、R、QおよびWは、それぞれ本明細書に記載されるように定義され、ここで、A、A、A、Aから選択される1つ以下の部分はNであり、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであり;または、A、A、A、Aから選択される1つまたは2つの部分はNであってもよく、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNである〕
の化合物である。
【0050】
本発明のさらなる実施形態は、式(Ia‘‘)の化合物に関し、ここで、式(Ia‘‘)の化合物は、式(I-T4):
【化10】
〔式中、ここで、R、A、A、A、A、R11、B、B、B、B、R、QおよびWは、それぞれ本明細書に記載されるように定義され、ここで、A、A、A、Aから選択される1つ以下の部分はNであり、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであり;または、A、A、A、Aから選択される1つまたは2つの部分はNであってもよく、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNである〕
の化合物である。
【0051】
式(Ia‘‘)の化合物は、さらに好適であり、ここで、式(Ia‘‘)の化合物は、式(I-T22)
【化11】
〔式中、ここで、R、A、A、A、A、R11、B、B、B、B、R、QおよびWは、それぞれ本明細書に記載されるように定義され、ここで、A、A、A、Aから選択される1つ以下の部分はNであり、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであり;または、A、A、A、Aから選択される1つまたは2つの部分はNであってもよく、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNである〕
の化合物である。
【0052】
式(Ia‘‘)の化合物は、さらに好適であり、ここで、式(Ia‘‘)の化合物は、式(I-T23)
【化12】
〔式中、ここで、R、A、A、A、A、R11、B、B、B、B、R、QおよびWは、それぞれ本明細書に記載されるように定義され、ここで、A、A、A、Aから選択される1つ以下の部分はNであり、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNであり;または、A、A、A、Aから選択される1つまたは2つの部分はNであってもよく、B、B、B、BおよびBから選択される1つ以下の部分はNである〕
の化合物である。
【0053】
さらに好適なのは、R11がHであり、WがOである、本明細書に記載の式および実施形態による化合物である。
【0054】
さらに好適なのは、R11がHであり、WがOであり、BがC-Rであり、Rが、ハロゲン置換されているC-C-アルキル(好ましくは、ペルハロゲン化C-C-アルキル、より好ましくはペルフルオロ化C-C-アルキル)またはハロゲン置換されているC-C-アルコキシ(好ましくはペルハロゲン化C-C-アルコキシ、より好ましくはペルフルオロ化C-C-アルコキシ)である、本明細書に記載の式および実施形態による化合物である。
【0055】
さらに好適なのは、A~AおよびB~Bの部分は以下のとおりである:
は、C-Hであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRであり、
は、C-Hであり、
は、CRまたはNであり、
は、C-Hであり、
は、CRであり、
は、C-Hであり、そして
は、CR10またはNである、
本明細書に記載の式および実施形態による化合物である。
【0056】
さらに好適なのは、RがHである本明細書に記載の式および実施形態による化合物である。
【0057】
さらに好適なのは、Qが、フッ素置換されているC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、任意にシアノまたはフッ素で置換されていてもよいC-C-シクロアルキル、C-C-ヘテロシクロアルキル、1-オキシドチエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチエタン-3-イル、ベンジル、ピリジン-2-イルメチル、メチルスルホニルまたは2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチルである、本明細書に記載の式および実施形態による化合物である。
【0058】
さらに好適なのは、Rが、ハロゲンまたはハロゲン置換されているC-C-アルキルを表す、本明細書に記載の式および実施形態による化合物である。
【0059】
さらに好適なのは、R11がHである、本明細書に記載の式による化合物である。
【0060】
さらに好適なのは、R、R、RおよびR10が、互いに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-アルコキシイミノアルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、N-C-C-アルキルアミノ、N,N-ジ-C-C-アルキルアミノである、本明細書に記載の式による化合物である。
【0061】
さらに好適なのは、R、R、RおよびRが、互いに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、それぞれの場合に置換されていてもよいC-C-アルキル、C-C-シクロアルキル、C-C-アルコキシ、N-C-C-アルコキシイミノ-C-C-アルキル、C-C-アルキルスルファニル、C-C-アルキルスルフィニル、C-C-アルキルスルホニル、N-C-C-アルキルアミノまたはN,N-ジ-C-C-アルキルアミノである、本明細書に記載の式による化合物である。
【0062】
さらに好適なのは、ここで、A~AおよびB~Bの部分は以下のとおりである:
は、C-Hであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRであり、
は、C-Hであり、
は、CRまたはNであり、
は、C-Hであり、
は、CRであり、
は、C-Hであり、そして
は、CR10またはNである、
本明細書に記載の式による化合物である。
【0063】
さらに好適なのは、RがHである、本明細書に記載の式による化合物である。
【0064】
さらに好適なのは、Rがメチルである、本明細書に記載の式による化合物である。
【0065】
さらに好適なのは、Qが、フッ素置換されているかまたはカルボンアミド(-C(=O)N(R)、ここで、Rは、互いに独立して、H、C-C-アルキルまたはハロゲン置換されているC-C-アルキルである)で置換されているC-C-アルキル、シアノまたはフッ素で置換されているC-C-シクロアルキル、C-C-ヘテロシクロアルキル、1-オキシドチオエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチオエタン-3-イル、ベンジル、ピリジン-2-イルメチル、メチルスルホニルまたは2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチルである、本明細書に記載の式による化合物である。
【0066】
さらに好適なのは、Qが、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、1-シアノシクロプロピル、トランス-2-フルオロシクロプロピル、またはシス-2-フルオロシクロプロピル、オキセタン-3-イル、チエタン-3-イル、1-オキシドチオエタン-3-イル、1,1-ジオキシドチオエタン-3-イル、ベンジル、ピリジン-2-イルメチル、メチルスルホニル、または2-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)エチルである、本明細書に記載の式による化合物である。
【0067】
さらに好適なのは、Rが、ハロゲンまたはハロゲン置換されているC-C-アルキルである、本明細書に記載の式による化合物である。
【0068】
非ヒト生物に寄生虫駆除性効果を有する活性成分として、好ましい以下の実施例を挙げることができる:
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)-エチル]フェニル]ピラゾール-4-イル]-N-メチルピリジン-3-カルボキサミド
【化13】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]-3-ピリジンカルボキサミド:
【化14】
2-クロロ-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]-N-シクロプロピル-3-ピリジンカルボキサミド:
【化15】
2-クロロ-5-[1-[2-ブロモ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]-N-シクロプロピルピリジン-3-カルボキサミド
【化16】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-4-イル]ピリジン-3-カルボキサミド
【化17】
2-クロロ-N-シアノシクロプロピル-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ベンズアミド:
【化18】
2-クロロ-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラゾール-4-イル]-N-シクロプロピルベンズアミド
【化19】
5-[1-[2-ブロモ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピラゾール-4-イル]-2-クロロ-N-シクロプロピルベンズアミド
【化20】
2-クロロ-5-[1-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]ピラゾール-4-イル]-N-シクロプロピルベンズアミド
【化21】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-4-イル]ベンズアミド
【化22】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-4-イル]-N-メチルベンズアミド
【化23】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[1-[4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ベンズアミド:
【化24】
2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[1-[4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)-2-メチル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ベンズアミド:
【化25】
2-クロロ-N-シクロプロピル-5-[4-[2,6-ジメチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-1-イル]ベンズアミド:
【化26】
2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[4-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピラゾール-1-イル]ベンズアミド:
【化27】
2-クロロ-5-[3-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]イソオキサゾール-5-イル]-N-シクロプロピルベンズアミド:
【化28】
2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[3-[2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]イソオキサゾール-5-イル]ベンズアミド:
【化29】
2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[1-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]ピロール-3-イル]ベンズアミド:
【化30】
2-クロロ-5-[3-[2-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロール-1-イル]-N-シクロプロピルベンズアミド:
【化31】
【0069】
上記の活性成分は、この場合、本明細書に記載の製剤の一部であり得、したがって、以下に詳細に記載される寄生虫に対する効力を可能にする。
【0070】
本発明の文脈において、式I-1~I-5の活性成分および上記の式II-1~II-6の活性成分が好ましく、式I-1~I-5の活性成分が特に好ましい。
【0071】
好ましい実施形態によれば、式I-1の化合物は活性成分として存在することができ、ここで、イソプロパノール(32.5)、エタノール(32.5)およびプロピレンカーボネート(35)の混合物を溶媒混合物として使用することができ、または、イソプロパノール(32.5)、エタノール(32.5)およびグリセロールカーボネート(35)の混合物、または、イソプロパノール(65)、プロピレンカーボネート(17.5)およびグリセロールカーボネート(17.5)の混合物、または、エタノール(65)、プロピレンカーボネート(17.5)およびグリセロールカーボネート(17.5)の混合物を使用することができ、ここで、括弧内の数字は、溶媒混合物に基づく重量%による含有量を示すことを目的とする。
【0072】
さらなる実施形態によれば、上記で特定された溶媒混合物は、式I-2、または式I-3、または式I-4、または式I-5による活性成分のために使用することができる。
【0073】
しかしながら、特に、第1および第2の溶媒のみを使用する式I-1、I-2、I-3、I-4およびI-5による活性成分が好ましい。
【0074】
上記に列挙した構成成分に加えて、本発明による組成物はまた、慣用の薬学的に許容される補助剤を含み得る。挙げることができるこれらの例は、拡散剤(spreaders)、抗酸化物質、pH調整剤、結晶化抑制剤、界面活性剤、染料、顔料、浸透促進剤および防腐剤である。
【0075】
拡散剤は、例えば、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ペラルゴン酸ジプロピレングリコール、環状および非環状シリコーン油、例えばジメチコーン、ならびにエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびホルマリンとのそれらのコポリマーおよびターポリマー、脂肪酸エステル、トリグリセリド、脂肪アルコールなどの拡散油である。これらは、≧1~≦40%w/vの割合で追加的に添加することができる。さらなる実施形態によれば、拡散剤は、≧0.01~≦1%w/v、≧0.1~≦10%w/v、≧1~≦20%w/v、≧20~≦50%w/vまたは≧10~≦30%w/vの割合で存在し得る。
【0076】
抗酸化物質は、例えば、アスコルビン酸、ジ-Na-EDTA、BHT、BHA、デルタ-トコフェロール、チオグリセロールである。これらは、≧0.01~≦2%w/vの割合で追加的に添加することができる。さらなる実施形態によれば、抗酸化物質は、≧0.01~≦1%w/v、≧0.05~≦0.5%w/vまたは≧1~≦2%w/vの割合で存在し得る。
【0077】
pH調整剤は、好ましくは有機酸または塩基、例えばクエン酸、トリエタノールアミンである。これらは、≧0.001~≦5%w/vの割合で追加的に添加することができる。さらなる実施形態によれば、pH調整剤は、≧0.01~≦1%w/v、≧0.05~≦0.5%w/vまたは≧0.1~≦3%w/vの割合で存在し得る。
【0078】
結晶化抑制剤は、例えば、セルロースエーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);ポリビニルピロリドン(PVP)である。これらは、≧0.1~≦50%w/vの割合で追加的に添加することができる。さらなる実施形態によれば、結晶化抑制剤は、≧1~≦30%w/v、≧1~≦20%w/v、≧5~≦15%w/v、≧1~≦20%w/vまたは≧0.1~≦10%w/vの割合で存在し得る。
【0079】
挙げることができる界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチル化ヒマシ油、ポリオキシエチル化ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチルステアレート、アルキルフェノールポリグリコールエーテル;両性界面活性剤、例えばジ-Na-N-ラウリルβ-イミノジプロピオネートまたはレシチン;アニオン活性界面活性剤、例えばNa-ラウリルスルフェート、脂肪アルコールエーテルサルフェート、モノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸エステルモノエタノールアミン塩;カチオン活性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。これらは、≧0.1~≦20%w/vの割合で追加的に添加することができる。さらなる実施形態によれば、それらは、≧0.1~≦10%w/v、≧0.1~≦1%w/v、≧1~≦10%w/vまたは≧0.2~≦5%w/vの割合で存在し得る。
【0080】
染料を医薬組成物に添加することもできる。それらは、組成物中に溶解されてもよく、または懸濁されてもよい。挙げることができる例は、Brilliant Blue、D&C Violet No.2、FD&C Yellow、Sunset Yellow FCFまたはクロロフィリンなどの天然食品着色剤である。これらは、≧0.01~≦2%w/vの割合で追加的に添加することができる。さらなる実施形態によれば、それらは、≧0.01~≦1%w/vまたは≧0.1~≦2%w/vの割合で存在し得る。
【0081】
医薬組成物は,メントール、1,8-シネオール、グリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)などの浸透促進剤を含有する可能性がある。それらは、≧2~≦50%w/vの割合で存在し得る。さらなる実施形態によれば、浸透促進剤は、≧1~≦20%w/v、≧0.5~≦20%w/v、≧0.1~≦10%w/v、≧10~≦50%w/vまたは≧10~≦40%w/vの割合で存在し得る。
【0082】
原則として、活性成分の濃度は制限されないが、全ての活性成分が溶液中にあるべきであるという事実も考慮されるべきである。有利なポアオン適用に関して、高い有効性のために、薬学的に活性な成分は、0.1重量%以上8重量%以下、例えば0.1重量%以上5重量%以下の量で存在することも好ましいことがある。これは、例えば、医薬組成物に基づいて、0.2~4g/100ml、例えば1~3g/100mlの割合に対応することができる。このような濃度は,上述の溶媒混合物の構成によって困難なく実現することができ、局所的なポアオン適用のために特に有利である。しかし、原則的に、本発明の範囲を超えることなく、30重量%以下またはそれ以上の活性成分の濃度も可能である。
【0083】
したがって、本発明による製剤は,典型的には液体であり、局所または皮膚適用、特にいわゆるポアオン製剤に適している。
【0084】
特にフッ素化ベンズアミドの前述の群からの活性成分を含む本発明による組成物の外部寄生虫駆除性効果は、特に前述のポアオン適用の場合に非常に効果的に提供される。したがって、この組成物を使用することにより、必要とされる活性成分の量を減少させることができ、長期効果を増加させることができる。したがって、それらの使用は、経済的および生態学的利点を達成する。
【0085】
本発明による組成物は、寄生虫防除または寄生虫予防における使用に際立って適している。したがって、本明細書に記載される医薬組成物は、寄生虫感染症(parasite infestation)の治療または予防、特に外部寄生虫の治療または予防における使用に役立つ。
【0086】
本発明による組成物は、非ヒト生物、特に動物、特に温血動物、好ましくは哺乳動物における外部寄生虫、好ましくはマダニ(ticks)および/またはダニ(mites)、および/またはハエもしくはハエの幼虫、および/またはシラミの防除または予防に特に適している。
【0087】
一実施形態によれば、動物は、家畜、例えば籠の鳥;または哺乳動物、例えばハムスター、モルモット、ラット、マウス、チンチラ、フェレット、または特にイヌ、ネコであり得る。
【0088】
さらなるより好ましい実施形態によれば、動物は例えば、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、および特にニワトリなどの家禽;または好ましくは、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、トナカイ、ダマジカ、および特にウシおよびブタなどの哺乳動物を含む農業用家畜であり得る。
【0089】
特に好ましい実施形態によれば、本組成物は、ウシの外部寄生虫の防除および/または予防に使用される。
【0090】
処理された動物はまた、一般に、例えば、摩耗または破片によって、使用された組成物のある量を環境中に分配するので、本発明による組成物の効果は、動物に直接起こるだけでなく、それらの環境中で対応する程度にも起こる可能性がある。
【0091】
上記のように、本明細書に記載の組成物は、好ましくは組成物を非ヒト生物に滴下または注ぐことによる、非ヒト生物における寄生虫感染症の治療または予防において、したがって、ポアオン適用に適している。
【0092】
本発明の製剤が有効であり得る、言及され得る寄生虫は以下のとおりである:
シラミ目(Anoplura)から、例えば、ヘマトピナス属(Haematopinus spp.)、リノグナタス属(Linognathus spp.)、ソレノポテス属(Solenopotes spp.)、ペジクラス属(Pediculus spp.)、プチラス属(Pthirus spp.);
ハジラミ目(Mallophaga)から、例えば、トリメノポン属(Trimenopon spp.)、メノポン属(Menopon spp.)、エオメナカンタス属(Eomenacanthus spp.)、メナカンタス属(Menacanthus spp.)、トリコデクテス属(Trichodectes spp.)、フェリコラ属(Felicola spp.)、ダマリネア属(Damalinea spp.)、ボビコラ属(Bovicola spp.);
ハエ目(Diptera)から、例えば、アエデス属(Aedes spp.)、アノフェレス属(Anopheles spp.)、クレックス属(Culex spp.)、シムリウム属(Simulium spp.)、フレボトマス属(Phlebotomus spp.)、クリソプス属(Chrysops spp.)、タバナス属(Tabanus spp.)、ムスカ属(Musca spp.)、ヒドロタエア属(hydrotaea spp.)、ムスシナ属(Muscina spp.)、ヘマトボスカ属(Haematobosca spp.)、ヘマトビア属(Haematobia spp.)、ストモキシス属(Stomoxys spp.)、ファンニア属(Fannia spp.)、グロッシナ属(Glossina spp.)、ルシリア属(Lucilia spp.)、カリフォラ属(Calliphora spp.)、アウチメロミア属(Auchmeromyia spp.)、コルジロビア属(Cordylobia spp.)、コチリオミア属(Cochliomyia spp.)、クリソミア属(Chrysomyia spp.)、サルコファーガ属(Sarcophaga spp.)、ウオールファルチア属(Wohlfartia spp.)、ガステロフィラス属(Gasterophilus spp.)、オエステロミア属(Oesteromyia spp.)、オエデマゲナ属(Oedemagena spp.)、ヒポデルマ属(Hypoderma spp.)、オエストラス属(Oestrus spp.)、リノエストラス属(Rhinoestrus spp.)、メロファガス属(Melophagus spp.)、ヒポボスカ属(Hippobosca spp.)、
ノミ目(Siphonaptera)から、例えば、クテノセファリデス属(Ctenocephalides spp.)、エチドノファーガ属(Echidnophaga spp.)、セラトフィラス属(Ceratophyllus spp.)、プレックス属(Pulex spp.)、
マダニ亜目(Metastigmata)から、例えば、ヒアローマ属(Hyalomma spp.)、リピセファラス属(Rhipicephalus spp.)(以前はボーフィラス(Boophilus)と呼ばれていた属を含む)、アンブリオーマ属(Amblyomma spp.)、ヘマフィサリス属(Haemaphysalis spp.)、ダーマセンター属(Dermacentor spp.)、イクソデス属(Ixodes spp.)、アラガス属(Argas spp.)、オルニトドラス属(Ornithodorus spp.)、オトビウス属(Otobius spp.);
トゲダニ亜目(Mesostigmata)から、例えば、ダーマニッサス属(Dermanyssus spp.)、オルニトニッサス属(Ornithonyssus spp.)、ニューモニッサス属(Pneumonyssus spp.)、
ケダニ亜目(Prostigmata)から、例えば、チェイレチエラ属(Cheyletiella spp.)、ソーラルガテス属(Psorergates spp.)、ミオビア属(Myobia spp.)、デモデックス属(Demodex spp.)、ネオトロンビキュラ属(Neotrombi-cula spp.);
コナダニ亜目(Astigmata)、例えば、アカラス属(Acarus spp.)、ミオコプテス属(Myocoptes spp.)、ソーロプテス属(Psoroptes spp.)、コリオプテス属(Chorioptes spp.)、オトデクテス属(Otodectes spp.)、サルコプテス属(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属(Notoedres spp.)、ネミドコプテス属(Knemidocoptes spp.)、ネオネミドコプテス属(Neoknemidocoptes spp.)、シトディテス属(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属(Laminosioptes spp.)。
【0093】
ハエ目(Diptera)から、タバナス属(Tabanus spp.)、ムスカ属(Musca spp.)、ヒドロタエア属(hydrotaea spp.)、ヘマトビア属(Haematobia spp.)、ストモキシス属(Stomoxys spp.)、グロッシナ属(Glossina spp.)、ルシリア属(Lucilia spp.)、カリフォラ属(Calliphora spp.)、アエデス属(Aedes spp.)、アノフェレス属(Anopheles spp.)、クレックス属(Culex spp.)、シムリウム属(Simulium spp.)、フレボトマス属(Phlebotomus spp.)が特に好ましく;マダニ亜目(Metastigmata)から、ヒアローマ属(Hyalomma spp.)、リピセファラス属(Rhipicephalus spp.)(以前はボーフィラス(Boophilus)と呼ばれていた属を含む)、アンブリオーマ属(Amblyomma spp.)、ヘマフィサリス属(Haemaphysalis spp.)、ダーマセンター属(Dermacentor spp.)、イクソデス属(Ixodes spp.)、アラガス属(Argas spp.)、オルニトドラス属(Ornithodorus spp.)、オトビウス属(Otobius spp.)が特に好ましく;
ハジラミ目(Mallophaga)から、ダマリネア属(Damalinea spp.)、ボビコラ属(Bovicola spp.)、トリコデクテス属(Trichodectes spp.)が特に好ましく;トゲダニ亜目(Mesostigmata)から、ダーマニッサス属(Dermanyssus spp.)、オルニトニッサス属(Ornithonyssus spp.)が特に好ましく;コナダニ亜目(Astigmata)から、ソーロプテス属(Psoroptes spp.)、コリオプテス属(Chorioptes spp.)、オトデクテス属(Otodectes spp.)、サルコプテス属(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属(Notoedres spp.)が特に好ましい。
【0094】
特に好ましいものとして言及されるのは、ヘマトビア・イリタンス・イリタンス(Haematobia irritans irritans)、ヘマトビア・イリタンス・エキシグア(Haematobia irritans exigua)、ヒドロテア・イリタンス(Hydrotea irritans)、ムスカ・アウツムナリス(Musca autumnalis)、クリコイデス属(Culicoides spp.)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、ガロッシナ属(Glossina spp.)、アエデス属(Aedes spp.)、アノフェレス属(Anopheles spp.)、クレックス属(Culex spp.)、ダマリニア(ボビコラ)ボビス(Damalinia(Bovicola)bovis)、リノグナタス・ビツリ(Linognathus vituli)、ヘマトピナス・ユーロストムス(Haematopinus eurystemus)、ソレノポテス・カピラツス(Solenopotes capillatus)、ソーロプテス・ボビス(Psoroptes bovis)、リピセファラス(ボオフィリス)ミクロプラス(Rhipicephalus(Boophilus)microplus)、リピセファラス(ボオフィリス)アンヌラタス(Rhipicephalus(Boophilus)annulatus)、リピセファラス(ボオフィリス)ドコロラタス(Rhipicephalus(Boophilus)decoloratus)、イクソデス・リシナス(Ixodes ricinus)、アンブリオーマ・マクラツム(Amblyomma maculatum)、アンブリオーマ・バリエガツム(Amblyomma variegatum)、イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イクソデス・ホロシクルス(Ixodes holocyclus)、ヘマフィサリス・ロンギコルニス(Haemaphysalis longicornis)、オトビウス・ムグニニ(Otobius megnini)の種または属の節足動物である。
【0095】
本発明による組成物は、通常の方法によって、例えば、活性成分をさらなる成分と撹拌しながら混合し、溶液を生成することによって調製することができる。これは、任意に濾過することができる。充填に適しているのは、例えばプラスチックチューブである。
【0096】
本発明による液体製剤は、全ての気候帯において、少なくとも1年、好ましくは少なくとも2年、より好ましくは少なくとも3年の優れた貯蔵安定性を特徴とする。非常に高い効力のために、適用体積は低く保つことができる。好ましい適用体積は、0.01~1ml/kg[治療される動物の体重]、好ましくは0.05~0.1ml/kg[治療される動物の体重]である。
【0097】
本発明による組成物はまた、優れた皮膚適合性を有し、低い毒性を有する。最後に、それらは、それらの生分解性のために環境に優しい。
【実施例
【0098】
溶解性実験
本発明による医薬組成物のための溶媒中の活性成分I-1、I-2、I-3およびI-4の溶解実験を以下に示す。生物学的効果のために、活性成分は製剤中に一定の用量または量で組み込まれるべきであり、理想的な場合には、活性成分が溶媒に溶解されるように、したがって、製剤中の溶液であるべきである。適用体積が制限されるので、溶媒には特定の最小溶解度が必要とされる。
【0099】
表1は、活性成分I-1についての溶解実験の結果を示す。この場合、10gの適切な溶媒または溶媒混合物を最初に投入し、溶液が飽和するまで活性成分を多く添加した。イソプロパノール(IPA)およびプロピレンカーボネート(PPC)を溶媒として使用した。試料を3日間撹拌した。活性成分が完全に溶解した場合、活性成分を再び添加した。続いて、試料を関連する温度でさらに4日間保存し、溶解していない粒子を除去するために遠心分離した。上清を、HPLC-UVにより、それぞれの場合において活性成分含有量について分析した。
【0100】
表1:
【表1】
【0101】
表1から、単数の溶媒では、イソプロパノールおよびプロピレンカーボネートにおいて、特に十分な溶解度に関して所望の基準が満たされていないことが分かる。有利であり、本発明に従う活性成分の特に好ましい所望の溶解度は、少なくとも5%m/Vの範囲であり、飽和溶解度からの十分なギャップが存在すべきである。予想外に、純粋な溶媒と比較してイソプロパノールとプロピレンカーボネートとの混合物における有意な溶解度の増加が示されており、これが表1に詳細に示されている。
【0102】
さらに、異なる溶媒中のフッ素化ヘテロアリールアミドのクラスからの3つのさらなる活性成分を用いた溶解度実験を行った。溶解度実験は、上記の実験と同様に実施したが、室温でのみ実施し、溶媒混合物イソプロパノール/プロピレンカーボネート65:35%[m/m]を選択した。結果を表2に示す。
【0103】
表2:
【表2】
【0104】
活性成分I-2、I-3およびI-4について、ヘテロアリールアミドのファミリーの活性成分、特に定義された構造についての非常に良好な溶解度が本発明による組成物の溶媒相または溶媒混合物によって達成され得ることも見出された。
【0105】
有意な溶解度の増加は、イソプロパノールとプロピレンカーボネートの混合物に限定されないことも示され、第1および第2の溶媒について上で定義された一連のアルコールおよびカーボネートの他の溶媒についても示された。
【0106】
表3:
【表3】
【0107】
表3において、溶解度の増加が他の溶媒を用いて達成され得ることが明らかに分かる。したがって、本発明は、記載された範囲内の他の溶媒に及ぶことができる。ここではエタノールおよびグリセロールカーボネート、これらの混合物およびこれらとすでに示されている溶媒、イソプロパノールおよびプロピレンカーボネートの組み合わせを用いた実験が例として示されている。
【0108】
第1の溶媒が2つのアルコールを含む溶媒系を用いた実験も行った。結果は、表4のとおりであった。
【0109】
表4:
【表4】
【0110】
また、このような二成分系は、式I-1による活性成分の良好な溶解性を可能にすることが示され得る。
【0111】
製剤実施例
以下に、上記で定義した活性成分I-1、I-2、I-3およびI-4を添加剤と共に含む製剤の調製実施例を記載する。実施されたように特定された全ての実施例において、それぞれの活性成分は完全に溶解され、安定性は所望の通りであった。
【0112】
ここで、表5は、溶媒混合物、活性成分および任意のさらなる添加剤のデータを有する適切な製剤例を示す。
【0113】
表5:
【表5】
【0114】
表6は、溶解度実験に従って調製することができる製剤を示す。
【0115】
表6:
【表6】
【0116】
番号1~65の製剤が製造され、良好な溶解性および活性成分の完全な溶解が観察された。
【0117】
番号66~107の実験は、実施された溶解度実験に基づいて調製され、そして選択された溶媒および活性成分の化学構造に基づいて所望の溶解度を予測することができる、さらなる仮想実施例である。
【0118】
インビトロ(in vitro)およびインビボ(in vivo)試験の実施例
本発明による製剤のさらなる特性および有効性を以下に記載する。
【0119】
実施例1
牛皮膚に対する着色プラセボ製剤の拡展性の決定
このインビトロ試験の目的は、着色プラセボ製剤の、すなわち有効成分を含まない、ウシ皮膚への拡展性の決定である。これらの試験で示された結果は、有効成分を含む製剤の拡散効果に適用することができる。試験は、イソプロパノール(IPA)およびプロピレンカーボネート(PPC)からなる二重溶媒相を用いて行った。
【0120】
この目的のために、屠殺後の牛から、可能な限り約10×10cmの最も明るい色の外皮を有する表皮片を得て、アルミニウムで覆われたホットプレート上に置いた。プレートを34℃+/-0.5℃に加熱した。刈られた皮膚および天然の毛の長さを有する皮膚片を調べた。0.025% Brilliant Blue FCFを着色剤として添加した。皮膚表面上の製剤の挙動および広がり面積を、60分間にわたって測定した。広がりは、評価システムによってさらに評価された。この場合、そのような製剤は、観察期間内に皮膚片上で十分な分布を達成した拡展性のため、動物上の後の使用に特に有利であり、好適であった。
【0121】
結果を表7に列挙し、これは皮膚片上の着色プラセボ製剤の拡展性を示す。
【0122】
表7は、適用の直後および1時間後の皮膚試料上で製剤が占める面積を示し、また、適用された製剤の体積、皮膚上の毛の長さ、および皮膚の温度も示す。
【0123】
表7:
【表7】
【0124】
この表から、拡展性が特に有利であることが明らかである。最良の結果は、イソプロパノール(IPA)対プロピレンカーボネート(PPC)の比が65:35で達成された。
【0125】
試験はまた、90:10のイソプロパノール(IPA)対プロピレンカーボネート(PPC)の比で良好な結果を示すが、この溶媒相は、本発明による製剤と比較して不十分な溶解度を有していた。
【0126】
表8:
【表8】
【0127】
実施例2
実施例2では、ウシ皮膚上の着色プラセボ製剤の拡展性および流出特性を決定した。本インビトロ試験の目的は、牛皮膚上の着色プラセボ製剤の拡散特性および流出特性の決定であった。0.025% Brilliant Blue FCFを着色剤として添加した。
【0128】
使用した製剤は、表8のものに対応する。
【0129】
この目的のために、屠殺後の牛から、可能な限り約10×10cmの最も明るい色の外皮を有する皮片を採取し、アルミニウムで覆われたホットプレート上に置いた。プレートを34+/-0.5℃に加熱した。流出試験では、ホットプレートは45°+/-2°の角度に設定した。濾紙片を皮膚片の下に固定した。
【0130】
皮膚面上の製剤の挙動および流出率を1分間にわたり映像に記録し、次いで流出率を直定規の手段によって計算した。広がりは、評価システムによって評価した。
【0131】
この場合、観察期間内の流出特性が濾紙の着色を生じないか、またはわずかにしか生じないため、製剤は、動物上の後の使用に特に適していた。製剤はまた、皮膚片上に十分な分布を達成した。
【0132】
結果を表9に示し、これは、750μlの着色プラセボ製剤の適用後1分間にわたる最長流れ跡(run trace)の流出速度を測定する。
【0133】
表9:
【表9】
【0134】
これらの試験から、イソプロパノール(IPA)およびプロピレンカーボネート(PPC)の特許請求された割合を用いた試験は、観察期間内の流出特性が濾紙の着色をもたらさないか、またはわずかにしかもたらさず、この場合、皮膚片上で十分な分布を達成したため、非常に良好な結果をもたらしたことが明らかである。
【0135】
実施例3
実施例3では、ウシにおけるハエ(Haematobia irritans irritans)に対するポアオン製剤の有効性を決定した。本試験の目的は、実験的に発生させた牛のヘマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)の寄生に対する殺虫製剤の予防効果の決定であった。
【0136】
本試験は、盲検、陰性対照、無作為化並行群間有効性試験として実施した。各群は5頭の動物を含んだ。事前にハエ計数により、治療前の全ての動物を降順に選別し、次いで5頭の動物の4(x)ブロックにグループ分けした。牛を無作為にブロックに割り付け、昇順に並べ替えた。牛は、ガーゼで囲まれた空間に個別に繋がれた状態で設置した。それぞれの動物に-5、1、7、14、21、28日目に約200匹の無給餌のハエを寄生させ、場合によっては35日目と42日目にも寄生させた。牛のハエ数は、1日目寄生後4時間、2日目寄生後24時間、8日目、15日目、22日目、29日目、および必要に応じて36日目、43日目、50日目、57日目に決定した。ハエの寄生に対する有効性は、治療牛のハエ数と未治療牛のハエ数を比較することによって決定される。この場合、対照群と比較して治療群について少なくとも90%の効果が測定された場合、治療は成功したと判断された。
【0137】
結果を表10に示し、これは、ウシ上の小型のノサシバエ(Haematobia irritans irritans)に対する本発明による製剤の効果を示す。
【0138】
表10:
【表10】
【0139】
表10から、実施例5および7は、低用量であっても、長期持続性かつ効果的な作用を有することが明らかである。さらに、実施例8、9、1、3および11も長期的に有効である。
【0140】
実施例4
実施例4では、ウシのダニ(Rhipicephalus(Boophilus)microplus)に対するポアオン製剤の有効性を決定した。
【0141】
本研究の目的は、実験的に発生させた牛のリピセファラス(ボオフィリス)ミクロプラス(Rhipicephalus(Boophilus)microplus)の寄生に対する殺ダニ性製剤の治療効果および予防効果の決定であった。
【0142】
本試験は、並行群間、非盲検、陰性対照、無作為化有効性試験として実施した。各群は5頭の動物を含んだ。治療前(-14~-2日目)に寄生していた寄生虫の性別および個体別のダニ数によって、前もって全頭を降順に振り分けた後、5頭の2(x)ブロック)に群分けした。牛をブロックに無作為に割り付け、昇順にソートした。それぞれの動物に-35、-33、-29、-27、-22、-20、-15、-13、-8、-6、-1、5、7、12、14、19、21、26および28日目に3000匹の幼虫を寄生させた。脱落した充血雌を、-14~-2日目、および、0~56日目に毎日採取した。群分けには-14~-2のダニ、治療効果の決定には1~28日のダニ、予防効果の決定には29日目からダニ落下期終了までのダニを用いた。ダニの生殖能力も決定した。これは、充血した雌ダニの混合サンプルからの産卵および産卵した卵の幼虫の孵化を評価することによって達成された。この場合、>60%の幼虫の孵化は、正常な孵化率を意味する。試験した化合物は、ここで有意な追加の効果を達成しなかった。
【0143】
既存のダニ寄生に対する治療効果については、治療群に対する90%の効果(治療後1~28日目に脱落した充血した雌ダニの数に基づく)を対照群と比較して測定されれば、治療は成功と判定された。したがって、効果が90%未満である場合、有効性は存在しなかった。
【0144】
新たに出現したダニの寄生に対する予防効果については、治療群の90%の効果(治療後29~56日目に脱落した充血した雌ダニの数に基づく)を対照群と比較して測定されれば、治療は成功と判定された。したがって、効果が90%未満である場合、十分な有効性は示されない。
【0145】
結果を表11および12に示す。表11はウシダニ(Rhipicephalus(Boophilus)microplus)の全ての段階におけるウシにおける本発明による製剤の治療効果を示し、表12は、出現したウシダニ(Rhipicephalus(Boophilus)microplus)の寄生に対するウシにおける本発明による製剤の予防効果を示す。
【0146】
表11:
【表11】
【0147】
表12:
【表12】
【0148】
表11および12において、本発明による組成物中の全ての活性成分は、ダニの寄生に対する予防的および治療的有効性の両方について、低用量でさえ高い有効性を有することが分かる。
【0149】
実施例5
実施例5により、ウシのアタマジラミ(Bovicola bovis)に対するポアオン製剤の有効性を決定した。本研究の目的は、自然に存在する牛のボビコラ・ボビス(Bovicola bovis)の寄生に対する殺虫製剤の治療効果および予防効果の判定であった。
【0150】
本試験は、並行群間、非盲検、陰性対照有効性試験として実施した。各群は5頭の動物から構成された。治療前の-2日目、ならびに、2、14、28および42日目に、シラミを計数した。この場合、各動物の毛皮を10回分けてスクリーニングし、若虫および成虫の全ての段階のアタマジラミを計数した。結果を各動物について合計し、1群の動物間で平均し、未処理対照のアタマジラミの数と比較した。既存のアタマジラミの寄生に対する急性効果を2日目に測定した。この場合、対照群と比較して治療群について少なくとも90%の効果が測定されれば、治療は成功したと判断された。14日目、21日目および42日目に、既存のアタマジラミの寄生の持続的有効性を計数した。
【0151】
この場合、対照群と比較して治療群について100%の効果が測定されれば、治療は成功と判定された。したがって、100%未満の効果の場合には、治療は成功しなかったと判断された。
【0152】
表13:
【表13】
【0153】
表13は、ウシのアタマジラミ(Bovicola bovis)に対する本発明の製剤の効果を示す。
【0154】
表13から、実施例2および16は、特に定義された溶媒混合物と共に本発明による組成物中で使用された場合に、比較的迅速な高い効力を有することが明らかである。
【0155】
したがって、上記から、本発明による薬学的に活性な組成物は、ベンズアミドのクラスの活性成分に対して良好な溶解性を示し、これらにより、特に非ヒト生物の場合、特に寄生虫感染症の治療または予防における使用のための有効な活性組成物が可能になることが明らかである。この場合、ポアオン適用としての使用は特に有利である。
【国際調査報告】