IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シェイング、 ゲルトの特許一覧

特表2023-512030ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置、および、このエネルギ回生装置を動作させる方法
<>
  • 特表-ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置、および、このエネルギ回生装置を動作させる方法 図1
  • 特表-ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置、および、このエネルギ回生装置を動作させる方法 図2
  • 特表-ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置、および、このエネルギ回生装置を動作させる方法 図3
  • 特表-ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置、および、このエネルギ回生装置を動作させる方法 図4
  • 特表-ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置、および、このエネルギ回生装置を動作させる方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置、および、このエネルギ回生装置を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/55 20100101AFI20230315BHJP
   B62M 9/16 20060101ALI20230315BHJP
   B62M 9/04 20060101ALI20230315BHJP
   B62J 13/02 20060101ALI20230315BHJP
   B60L 7/14 20060101ALI20230315BHJP
   B60L 50/60 20190101ALN20230315BHJP
   B60L 58/10 20190101ALN20230315BHJP
【FI】
B62M6/55
B62M9/16
B62M9/04
B62J13/02
B60L7/14
B60L50/60
B60L58/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546042
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(85)【翻訳文提出日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 DE2021200008
(87)【国際公開番号】W WO2021151440
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】102020201212.1
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522300396
【氏名又は名称】シェイング、 ゲルト
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェイング、 ゲルト
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AB03
5H125AC12
5H125BA00
5H125CB02
5H125EE41
(57)【要約】
本発明は、ミッドモータ駆動ユニットと後輪とを有する自転車のエネルギ回生装置において、後輪の回転が回転方向に依存せずに第1部材に伝達されるようにリアハブまたは後輪の要素と連結されている、第1部材と、第1部材と協働するエネルギ伝達手段と、このエネルギ伝達手段と協働する回生要素と、後輪の回転運動の回転エネルギを回生するために回生要素と協働するジェネレータと、を備えるエネルギ回生装置。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッドモータ駆動ユニット(3)と後輪(4)とを有する自転車(2)のエネルギ回生装置(1)において、
前記後輪(18)またはリアハブ(4)と連結されて前記後輪(18)の回転が回転方向に依存せずに伝達される第1部材(10)と、
前記第1部材(10)と協働するエネルギ伝達手段(11)と、
前記エネルギ伝達手段(11)と協働する回生要素(12)と、
ジェネレータ(13)であって、前記後輪(18)の回転運動の回転エネルギを回生するために前記回生要素(12)と協働する、ジェネレータ(13)と、を備えていることを特徴とする、エネルギ回生装置。
【請求項2】
前記エネルギ伝達手段(11)が、機械式伝達要素および/または油圧式伝達要素を有していることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギ回生装置。
【請求項3】
前記エネルギ伝達手段(11)が、トラクションドライブ、特に、歯付きベルト、チェーンドライブおよび/またはカルダンシャフトを含むことを特徴とする、請求項2に記載のエネルギ回生装置。
【請求項4】
前記回生要素(12)が、シャフトを含むことを特徴とする、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項5】
前記回生要素(12)が、ボトムブラケット(5)とリアハブ(4)との間の領域または前記ボトムブラケット(5)の垂直方向上方に配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項4の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項6】
前記回生要素(12)が、少なくとも部分的に前記ミッドモータ駆動ユニット(3)のハウジング(7)の外側または全体的に前記ハウジング(7)の内側に配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項5の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項7】
前記エネルギ伝達手段(11)用の調整手段(14)が配置され、
前記調整手段(14)が、前記エネルギ伝達手段(11)によるエネルギ伝達の劣化を少なくとも部分的に補償するように構成されていることを特徴とする、請求項1~請求項6の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項8】
前記回生要素(12)が、前記ジェネレータ(13)の一部として構成され、前記ジェネレータ(13)の周囲を取り囲むステータ用のジェネレータシャフトの形態で構成されていることを特徴とする、請求項1~請求項7の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項9】
前記回生要素(12)が、クラッチを有するトランスミッション駆動シャフトとして構成されていることを特徴とする、請求項1~請求項8の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項10】
前記エネルギ伝達手段(11)が、前記後輪(18)を駆動する前記ミッドモータ駆動ユニット(3)の駆動伝達手段(6)の上方に配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項9の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項11】
前記エネルギ伝達手段(11)が、少なくとも部分的に保護ハウジング(17)内に配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項10の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項12】
前記エネルギ伝達手段(11)および/または前記回生要素(12)および/または前記第1部材(10)が一方側に、前記後輪(18)を駆動する前記ミッドモータ駆動ユニット(3)の伝達手段(9)が他方側に、前記自転車(2)の空間的に互いに分離した領域において、前記自転車(2)の相異なる側に配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項11の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項13】
前記第1部材(10)が、前記リアハブ(4)と固定連結されているかまたは前記リアホイール(18)に対して解除可能であることを特徴とする、請求項1~請求項12の何れか1項に記載のエネルギ回生装置。
【請求項14】
前記第1部材(10)が、回転のために、前記後輪(18)のスポークと係合していることを特徴とする、請求項13に記載のエネルギ回生装置。
【請求項15】
前記第1部材(10)が、前記スポークと係合するための少なくとも1つのピン、特に、複数のピンを有していることを特徴とする、請求項14に記載のエネルギ回生装置。
【請求項16】
請求項1~請求項15の何れか1項に記載のエネルギ回生装置を動作させる方法において、エネルギ回生が、前記エネルギ回生装置を用いて、前記自転車(2)の動作に応じて行われることを特徴とする、方法。
【請求項17】
制御手段(15)を用いて、前記自転車(2)の走行動作を検出するためにセンサデータが評価され、前記検出された走行動作に基づいてエネルギ回生が行われることを特徴とする、請求項16に記載のエネルギ回生装置を動作させる方法。
【請求項18】
前記エネルギ回生が、無段階式および/または段階式に、前記自転車(2)の動作に応じて行われることを特徴とする、請求項16または請求項17に記載のエネルギ回生装置を動作させる方法。
【請求項19】
前記エネルギ回生が、手動でスイッチオン可能であることを特徴とする、請求項16~請求項18の何れか1項に記載のエネルギ回生装置を動作させる方法。
【請求項20】
請求項1~請求項15の何れか1項に記載のエネルギ回生装置を備える自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置に関する。
【0002】
また、本発明は、ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置を動作させる方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、自転車に関する。
【0004】
本発明は、任意の自転車に適用可能ではあるが、二輪自転車の形態において説明される。
【背景技術】
【0005】
自転車は、多くの場合、例えば、上り坂の際に、走行者を支援するための駆動を有している。
この場合、後輪駆動に加えて、直接的にリア駆動軸に、いわゆる、ミッドモータ駆動も設けられ、このミッドモータ駆動においては、ペダルユニットにおける駆動ユニットが、走行者のためにペダルのレベルで前輪と後輪との間に配置されている。
自転車または電動アシスト自転車用の周知のミッドモータ駆動の場合、走行車用のフットペダルは、周知のフリーホイールメカニズムを介して、通常の場合に、ギアとチェーンとからなるチェーンドライブを介してリアハブに連結されている。
ここで、フリーホイールメカニズムは、周知の方法で、ペダルユニットのペダルが惰性動作時において静止することができ、または、ペダルユニットのボトムブラケットにおけるシャフトが自転車の惰性動作時において回転しないように構成されている。
周知の自転車において慣用である、自転車リアハブのフリーホイールメカニズムのおかげで、自転車チェーンは、惰性動作時には動くことがない。
従って、下り坂の際、チェーン、ボトムブラケットシャフトおよびペダルは、静止している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、不利な点は、自転車の惰性動作時において、回転している後輪とボトムブラケットシャフトにおける駆動ユニットとの間でエネルギ伝達が存在しないことである。
よって、例えば、ミッドモータ駆動を有する電動アシスト自転車は、下り坂の際に後輪の回転により生じるエネルギを、エネルギ回生つまり回生のために、ミッドモータ駆動においては使うことができない。
【0007】
従って、本発明の課題は、ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車において回生を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる課題は、低コストかつ簡単に製造可能な、ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、本課題を、ミッドモータ駆動ユニットと後輪とを有する自転車のエネルギ回生装置において、
後輪またはリアハブと連結されて後輪の回転が回転方向に依存せずに第1部材に伝達される第1部材と、
第1部材と協働するエネルギ伝達手段と、
エネルギ伝達手段と協働する回生要素と、
後輪の回転運動の回転エネルギを回生するために回生要素と協働するジェネレータと、を備えるエネルギ回生装置により、解決する。
【0010】
さらに、本発明は、本課題を、請求項1~請求項15の何れか1項に記載のエネルギ回生装置を動作させる方法において、エネルギ回生が、このエネルギ回生装置を用いて、自転車の走行動作に応じて行われる、方法により解決する。
【0011】
さらに、本発明は、本課題を、請求項1~請求項15の何れか1項に記載のエネルギ回生装置を備える自転車により解決する。
【0012】
これにより、ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車、特に、二輪自転車または三輪自転車において、回生を提供可能であることである。
さらに、低コストかつ簡単に製造可能な、ミッドモータ駆動ユニットを有する自転車のエネルギ回生装置および低コストかつ簡単に動作可能な方法が提供される。
さらに、車輪、特に、自転車の後輪とジェネレータを有する駆動ユニットとの間の、動力伝達の意味において機械的に固定された、解除不能な連結の場合、車輪の回転方向および回転速度の継続的で一定した伝達が提供されるため、これを、自転車の非常に厳密な速度算出のために引用することができ、その結果、駆動の意図する使用に対する改竄が不可能になる。
このようにして、ミッドモータ駆動ユニットを有する二輪自転車の必要に応じて行われる型式承認の遵守が可能になり、言い換えれば、速度測定の改竄が困難になる。
【0013】
「リアハブ」の概念は、自転車の車輪においてフォークエンドに固定嵌合している駆動軸の周りに回転する、自転車の後輪におけるハブとして理解されてよい。
本質的な構成要素は、特に、駆動軸、ベアリング、ハブハウジングと、必要に応じて、さらなる要素、例えば、制動手段またはフリーホイールであってよい。
この場合、ハブハウジングに、車輪のスポークがそれぞれ固定される。
【0014】
「自転車」の概念は、最も広い意味において理解されてよく、二輪または三輪の車両を含む。
【0015】
以下、本発明のさらなる実施形態について記載し、この記載によりこれらが明らかとなる。
【0016】
有利な発展形態によると、エネルギ伝達手段が、機械式伝達要素および/または油圧式伝達要素を有している。
機械式伝達要素の有利な点は、簡単な製造性と低い修理必要性である一方、油圧式要素の場合、自転車におけるフレキシブルな配置が可能となる。
【0017】
さらに、エネルギ伝達手段が、トラクションドライブ、特に、歯付きベルト、チェーンドライブおよび/またはカルダンシャフトを含む。
これにより、フレキシブルな方法で、簡単かつ低コストのエネルギ伝達手段またはエネルギ伝達要素が提供される。
このようにして、例えば、歯付きベルトは、搭載が特に簡単であり、低コストで交換可能である一方、例えば、カルダンシャフトは、信頼性高くエネルギ伝達を提供する。
【0018】
さらに、回生要素がシャフトを含む。
これにより、特に簡単な方法で、リアハブの回転運動を再び回転運動へと伝達することができ、その結果、ジェネレータを用いて簡単に回生を行うことが可能になる。
【0019】
さらに、回生要素が、ボトムブラケットとリアハブとの間の領域またはボトムブラケットの垂直方向上方に配置されている。
これにより、回生要素を走行方向に関して走行者のレベルまたはその後方に簡単に配置することが可能になる。
【0020】
さらに、回生要素が、少なくとも部分的にミッドモータ駆動ユニットのハウジングの外側または全体的にハウジングの内側に配置されている。
回生要素が、少なくとも部分的にハウジングの外側に配置されている場合、エネルギ伝達要素と特に簡単に連結することが可能である。
全体的にハウジングの内側に配置されている場合、回生要素は、例えば、水分等、環境の影響に対して保護される。
【0021】
さらに、エネルギ伝達手段に用いる調整手段が配置され、この調整手段が、エネルギ伝達手段によるエネルギ伝達の劣化を少なくとも部分的に補償するように構成されている。
これにより、全体としてエネルギ伝達手段は、特に、劣化した機械的テンションが調整手段により補償される、機械的にフレキシブルな要素により、寿命を延ばすことが可能になる。
これの一例として、歯付きベルトまたはチェーン用のテンショナがある。
【0022】
さらに、回生要素が、ジェネレータの一部として構成され、特に、ジェネレータの周囲を取り囲むステータ用のジェネレータシャフトで構成されている。
これにより、回生要素およびジェネレータについて、設置空間効率が高い配置が可能になる。
【0023】
さらに、回生要素が、クラッチを有するトランスミッション駆動シャフトとして構成されている。
これにより、ミッドモータ駆動ユニットのモータをジェネレータとして用いることができる。
その結果、惰性動作時に、回転エネルギを駆動に、より厳密には、駆動のEマシンにおいて伝達することができ、その結果、モータをジェネレータとして用いることができる。
ここで、伝達は、直接的またはトランスミッションを介して行われてよい。
特に、制御手段または制御デバイスを介して電気的に制御されるクラッチは、モータ、特に、Eマシンとの動力伝達のための連結を行うことができる。
ここで、制御は、回生を伴う惰性動作と駆動との間の迅速な切換が下り坂でも可能になる。
【0024】
さらに、エネルギ伝達手段が、後輪を駆動するミッドモータ駆動ユニットの駆動伝達手段の上方に配置されている。
これにより、保守の際に簡単にアクセス可能であることである。
【0025】
さらに、エネルギ伝達手段が、少なくとも部分的に保護ハウジング内に配置されている。
これにより、エネルギ伝達手段の動作時の信頼性が向上する。
【0026】
本方法のさらなる発展形態によると、制御手段を用いて、走行動作を検出するためにセンサデータが評価され、検出された走行動作に基づいてエネルギ回生が行われる。
これにより、自動的かつ信頼性高く、回生またはエネルギ回生の制御が提供される。
【0027】
さらに、エネルギ回生が、無段階式および/または段階式に、二輪自転車の走行動作に応じて行われる。
これにより、検出された走行状態または走行動作に応じて、配分かつ調整されたエネルギ回生が可能である。
【0028】
さらに、エネルギ回生が、手動でスイッチオン可能である。
これの有利な点は、フレキシビリティが向上することであるが、それは、二輪自転車の走行者自身が、エネルギ回生のスイッチオンを行うべき否か、または、どのようにスイッチオンを行うべきかを決定することができるからである。
このようにして、例えば、制御手段において自動スイッチオンに関して1つまたは複数の手動モードを設けることができる。
【0029】
さらに、エネルギ伝達手段および/または回生要素および/または第1部材が一方側に、後輪を駆動するミッドモータ駆動ユニットの伝達手段が他方側に、自転車の本質的に空間的に互いに分離した領域において、自転車2の相異なる側に配置されている。
これにより達成される有利な点のうちの1つは、簡単な実装である。
【0030】
さらに、第1部材が、リアハブと固定連結されているか、後輪および/またはリアハブに対して解除可能に係合している。
これにより、一方では、後輪の回転の伝達が信頼性高く行われ、他方では、後輪の保守も簡単に可能である。
ここで「係合」の概念は、最も広い意味において理解されてよく、ネジによる連結等にも関する。
【0031】
さらに、第1部材が、回転のために、後輪のスポークと係合している。
これにより、簡単かつ迅速に第1部材を後輪から解除することが確実になる。
【0032】
さらに、第1部材が、スポークと係合するためのピン、特に、複数のピンを有する。
これにより達成される有利な点のうちの1つは、低コストかつ簡単な実装である。
【0033】
本発明のさらなる有利な点は、下位請求項、図面および図面に基づくそれに関連する図の説明から得られる。
【0034】
上記および下記の特徴は、それぞれ記載されている組み合わせだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく他の組み合わせにおいてまたは単独でも適用可能である。
【0035】
本発明の実施形態が、図面に示され、以下、詳細に説明されるが、同一の参照符号は、同一または同様または機能的に同一の部材または要素に関する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を上面視において示す図。
図2】本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を側方視において示す図。
図3】本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を側方視において示す図。
図4】本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を側方視において示す図。
図5】本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を上面視において示す。
【0038】
図1において、二輪自転車に用いるエネルギ回生装置1が示されている。
二輪自転車は、ミッドモータ駆動ユニット3を備え、ミッドモータ駆動ユニット3は、伝達手段であるチェーンリング9を有するボトムブラケットシャフト8を有するボトムブラケット5を備えている。
この伝達手段であるチェーンリング9は、駆動伝達手段であるチェーン6を介してスプロケット16と連結され、スプロケット16は、二輪自転車のリアハブ4と固定連結されている。
チェーンリング9が回転することにより、二輪自転車の後輪を駆動することができる。
【0039】
また、図1においてミッドモータ駆動ユニット3のハウジング7の右上部分に凹部が設けられ、その幅は、チェーン6を介したチェーンリング9とスプロケット16との連結と平行してエネルギ伝達手段である歯付きベルト11を収容可能とするように構成されている。
歯付きベルト11は、一方では、ハウジング7から部分的に突出している回生要素の回生シャフト12を用いてミッドモータ駆動ユニット3と連結され、他方では、同様に、二輪自転車のリアハブ4と固定連結されている第1部材として歯付きディスク10と連結されている。
この場合、回生シャフト12は、ボトムブラケットシャフト8の「後方」(つまり、図1ではボトムブラケットシャフト8の右側)に配置されているが、ボトムブラケットシャフト8と重なって配置されてもよく、ボトムブラケットシャフト8に対して機械的に独立している。
ここで、回生シャフト12は、回生シャフト12が後輪の回転運動に対する回転抵抗を極力提供しないように設けられている。
【0040】
さらに、ミッドモータ駆動ユニット3には、回生に用いるジェネレータ13と歯付きベルト11に用いる調整手段のテンショナ14とが配置されている。
例えば、テンションロールの形態を有するテンショナ14は、歯付きベルト11の寿命を延ばす働きをする。
同様に、ミッドモータ駆動ユニット3には、回生を制御する制御手段15が配置されている。
その一方、この制御手段15は、二輪自転車上または自転車内の他の箇所に配置されてもよい。
【0041】
二輪自転車の部品、特に、第1部材である歯付きディスク10、エネルギ伝達手段である歯付きベルト11および回生要素である回生シャフト12といった部品は、エネルギ消費が可能な限り小さく、全体的な動力損失が可能な限り小さい。
例えば、走行動作において、全体的な駆動動力に関するエネルギ回生装置1の寄与度は、1%未満である。
【0042】
言い換えれば、図1は、機械的にリアハブ4と固定連結され、歯付きディスク10として構成されている小さい車輪であって、特に、歯付きベルト11を用いて、特に、惰性動作時における、後輪の回転運動、つまりフリーホイールを用いない、回転運動と、それと共にこの運動に含まれる後輪のエネルギとをミッドモータ駆動ユニット3の回生シャフト12に伝達する車輪を含み、利用可能な回生用エネルギをジェネレータ13により用いることができる、エネルギ回生装置1を示している。
【0043】
さらなる図示されていない実施形態において、回生のために、永久磁石または電磁石である、周囲を取り囲むステータを有するジェネレータシャフトとして回生シャフト12は、構成されてもよく、または、回生シャフト12は、惰性動作時において回転エネルギをミッドモータ駆動ユニット3またはこの場合には回生用ジェネレータとして設けられているそのモータ/Eマシンに伝達する、クラッチを有するトランスミッション駆動シャフトとして構成されてもよい。
この実施形態においては、別体のジェネレータ13を設けなくてよい。
【0044】
図2は、本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を側方視において示す。
【0045】
図2に、図1のエネルギ回生装置1が示されている。
ここで、回生シャフト12は、図1におけるように、ボトムブラケットシャフト8の後方に、つまり、ボトムブラケットシャフト8とリアハブ4との間に配置されている。
図2に示されているように、ここで歯付きベルト11は、チェーン6と平行に延在しており、図2中、平面に対して垂直な視線方向においてチェーン6の後方に配置されている。
【0046】
図3は、本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を側方視において示す。
【0047】
図3に、図1のエネルギ回生装置1が示されている。
図1のエネルギ回生装置1と異なる点として、図3のエネルギ回生装置1において、回生シャフト12は、ボトムブラケットシャフト8の垂直方向上方に、つまり、ボトムブラケットシャフト8の水平方向「レベル」に配置されている。
図3に示されているように、この場合、歯付きベルト11は、チェーン6に対して角度をなして延在し、図3においてチェーン6の上方に配置されている。
【0048】
図4は、本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を側方視において示す。
【0049】
図4に、図3のエネルギ回生装置1が示されている。
図3のエネルギ回生装置1と異なる点として、図4のエネルギ回生装置1において回生シャフト12および歯付きベルト11は、保護ハウジング17によって少なくとも図4の平面に対して垂直な方向において保護されている。
【0050】
回生シャフト12は、ミッドモータ駆動ユニット3の両側(つまり、平面に対して垂直方向)において外側方向に案内されてよい。
回生シャフト12は、図1に示されているように凹部において、または、図3に示されているようにミッドモータ駆動ユニット3のハウジング7において外側方向に案内されてよく、これにより、ペダルクランクのチェーンリング9との衝突が防止される。
ハウジング7における回生シャフト12の位置に応じて、歯付きベルト11は、フレームのチェーンステイの周囲に延在しているか、チェーンステイを越えて上方に延在している。
歯付きベルト11が図3に示されているようにチェーンステイの上方に延在している場合、歯付きベルト11の周囲にカバーを、例えば、保護プレート17の形態で配置してよく、これにより、汚れから歯付きベルト11を保護するだけでなく、継続的に回転している歯付きベルト11からユーザを保護もする。
【0051】
回生シャフト12において利用可能な回転エネルギを回生に使用可能か否かは、特に、二輪自転車2の走行動作に依存する。
モータの制御装置15は、様々なセンサデータ(ペダルクランクの回転数、傾斜角等)に基づいて好ましい走行動作(例えば、下り坂)が検出される場合、回生を自動的に開始してよい。
さらに、二輪自転車2の制動が行われる場合にも回生が自動的にオンになることが考えられる。
これにより、制動エネルギを回生に用いることができ、制動自体の負荷は減少する。
【0052】
また、必要に応じて設けられる搭載コンピュータを介して、ユーザがエネルギ貯蔵器、例えば、蓄電池を走行中、意図的に充電したい場合、例えば、回生に好ましい走行動作にはまだ値しない可能性がある緩やかな下り坂の場合に、ユーザが回生を手動でスイッチオンすることができるように構成されてよい。
スイッチオンを段階式にすることで、ユーザビリティと機能の利便性を向上することができる。
【0053】
図5は、本発明の実施形態によるエネルギ回生装置を示す。
【0054】
図5において、図3のエネルギ回生装置1が示されている。
図3のエネルギ回生装置1と異なる点として、図5のエネルギ回生装置1において、歯付きディスク10、歯付きベルト11および回生シャフト12は、スプロケット16、チェーン6およびチェーンリング9と対向する、自転車2の後輪18の側に配置されている。
言い換えれば、回生および駆動は、自転車2における空間的に互いに分離した領域において、特に、自転車2の相異なる側において行われる。
ここで、駆動ギアまたは歯付きディスク10は、リアハブ4に設けられ、1つの実施形態において、例えば、1つまたは複数の要素、例えば、ピンを介して、後輪の要素、例えば、スポークと係合し、その結果、歯付きディスク10は、後輪18の回転に応じて一緒に動く。
このようにして、後輪18を取り外す際、歯付きディスク10は、リアハブ4から簡単に取り外し可能である。
その際、リアハブ4を構造的に変化させることは、必要ではない。
同様に、後輪18を取り外す際に、歯付きベルト11の取り外しを省略することができる。
また、これにより、歯付きディスク10と回生シャフト12との間のそれに対応する伝達により、回転数を変化させること、特に、回生シャフトの回転数を上昇させることができ、これにより、ミッドモータ駆動ユニット3のエネルギ回生が改善され、ミッドモータ駆動ユニット3の構成要素によりそのように変化させる必要がなくなる。
【0055】
要約すると、本発明は、以下の点の少なくとも1つを有している。
- 簡単な組立または実装。
- 低コストでの製造および動作。
- ミッドモータ駆動を有する二輪自転車における回生。
- 特に、回生および駆動を相異なる側および/または相異なる領域で行うことによる、簡単な保守。
【0056】
本発明の実施形態例に基づいて説明したが、本発明は、それに限定されることはなく、様々な方法で変形可能である。
【符号の説明】
【0057】
1・・・エネルギ回生装置
2・・・自転車
3・・・ミッドモータ駆動ユニット
4・・・リアハブ
5・・・ボトムブラケット
6・・・チェーン
7・・・ハウジング
8・・・ボトムブラケットシャフト
9・・・チェーンリング
10・・・歯付きディスク
11・・・歯付きベルト
12・・・回生シャフト
13・・・ジェネレータ
14・・・歯付きベルト用テンショナ
15・・・制御装置
16・・・スプロケット
17・・・保護ハウジング
18・・・後輪
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】