(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】非破壊試験デバイスを制御するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 23/24 20060101AFI20230315BHJP
G01N 21/84 20060101ALI20230315BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
G02B23/24 A
G01N21/84 A
B25J9/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546085
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 US2021018991
(87)【国際公開番号】W WO2021173473
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520327227
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ オイルフィールド オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baker Hughes Oilfield Operations, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】タン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】デルモニコ、ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
2G051
2H040
3C707
【Fターム(参考)】
2G051AA82
2G051AA90
2G051AB02
2G051AC15
2H040AA02
2H040AA04
2H040BA23
2H040DA03
2H040DA14
2H040DA15
2H040DA17
2H040DA21
2H040GA02
3C707AS14
3C707BS20
3C707CU07
3C707CY06
3C707HS27
3C707HT04
3C707JS03
3C707JS07
3C707KS01
3C707KT01
3C707KT05
(57)【要約】
非破壊試験デバイスは、近位端及び遠位端を含む管状ハウジングを含む。導管部が、近位端に配置され、屈曲可能な関節運動部が、導管部に固定され、遠位端に配置されている。複数の作動システムは各々、管状ハウジングに沿って延在し、屈曲可能な関節運動部内のそれぞれの周方向位置に配置された制御ケーブルと、管状ハウジングの近位端に配設され、制御ケーブルに固定されたアクチュエータと、を含む。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非破壊試験デバイスあって、
近位端及び遠位端を含む管状ハウジングであって、
前記近位端に配置された導管部、及び
前記導管部に固定され、前記遠位端に配置された屈曲可能な関節運動部、を含む、管状ハウジングと、
複数の作動システムであって、各作動システムが、
前記管状ハウジングに沿って延在し、前記屈曲可能な関節運動部内のそれぞれの周方向位置に配置された制御ケーブル、及び
前記管状ハウジングの前記近位端に配設され、前記制御ケーブルに固定されたアクチュエータ、を含む、複数の作動システムと、を備える、非破壊試験デバイス。
【請求項2】
前記複数の作動システムの各制御ケーブルの各周方向位置が、前記屈曲可能な関節運動部の周りで周方向に実質的に均等に離間している、請求項1に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項3】
前記複数の作動システムの各アクチュエータが、前記アクチュエータに固定された前記制御ケーブルを延出又は後退させるように構成されている、請求項2に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項4】
前記複数の作動システムの各制御ケーブルが、独立して制御されるように構成されている、請求項3に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項5】
前記複数の作動システムが、第1の作動システム、第2の作動システム、及び第3の作動システムを含む、請求項1に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項6】
前記屈曲可能な関節運動部が、前記第1の作動システムのみが作動するときに屈曲するように構成されている、請求項5に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項7】
前記屈曲可能な関節運動部が、前記第2の作動システム及び前記第3の作動システムのみが同じ方向に作動するときに屈曲するように構成されている、請求項5に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項8】
前記複数の作動システムの各制御ケーブルが、前記屈曲可能な関節運動部の外壁と内壁との間に形成されたチャネル内を延在する、請求項1に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項9】
前記複数の作動システムの各制御ケーブルの各周方向位置が、前記屈曲可能な関節運動部の周りで周方向に不均等に離間している、請求項1に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項10】
前記屈曲可能な関節運動部が、前記導管部を中心に実質的に360°の角度で関節運動するように構成されている、請求項9に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項11】
前記管状ハウジングの前記遠位端に結合されたヘッド部と、
前記管状ハウジングの前記近位端に結合された制御ユニットハウジングと、を更に備える、請求項1に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項12】
前記複数の作動システムの各アクチュエータが、前記制御ユニットハウジング内に配置されている、請求項11に記載の非破壊試験デバイス。
【請求項13】
非破壊試験デバイスを関節運動させる方法であって、
複数の作動システムに通信可能に結合された制御ユニットによって、作動コマンドを受信することであって、前記複数の作動システムの各々が、
管状ハウジングに沿って延在し、前記管状ハウジング内のそれぞれの周方向位置に配置された制御ケーブルと、
前記管状ハウジングの近位端に配設され、前記制御ケーブルに固定されたアクチュエータと、を含む、受信することと、
前記管状ハウジングの屈曲可能な関節運動部を屈曲させるために、前記作動コマンドに基づいて前記複数の作動システムを作動させることであって、各作動システムが、独立して動作可能であるように構成されている、作動させることと、を含む、方法。
【請求項14】
前記複数の作動システムの各制御ケーブルの各周方向位置が、前記屈曲可能な関節運動部の周りで周方向に実質的に均等に離間している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の作動システムの各アクチュエータが、前記アクチュエータに固定された前記制御ケーブルを延出又は後退させるように構成されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の作動システムの各アクチュエータが、各制御ケーブルの張力を測定するように構成された力センサを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各制御ケーブルが、前記複数の作動システムの各制御ケーブルの前記張力に基づいて延出又は後退させられる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の作動システム、第2の作動システム、及び第3の作動システムを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
第1の制御ケーブルに張力を印加するために前記第1の作動システムを作動させることが、前記屈曲可能な関節運動部を第1の方向に屈曲させ、
第2の制御ケーブル及び第3の制御ケーブルに張力を印加するために前記第2の作動システム及び前記第3の作動システムを作動させることが、前記屈曲可能な関節運動部を第1の方向とは反対の第2の方向に屈曲させること、を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記屈曲可能な関節運動部が、前記導管部を中心に実質的に360°の角度、関節運動するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発電機器及び施設、石油及びガス機器及び施設、航空機機器及び施設、製造機器及び施設など、特定の機器及び施設には、相互に関連するシステム及びプロセスが含まれる。例えば、発電プラントには、タービンシステムと、タービンシステムを稼働させ、維持するためのプロセスと、が含まれ得る。同じく、石油及びガスの稼働には、パイプラインを介して相互接続された炭素質燃料回収システム及び処理機器が含まれ得る。同様に、航空機システムには、航空機と、耐空性を保守管理、保守管理支援を提供するのに有用な保守管理格納庫と、が含まれ得る。機器の稼働中に、機器は劣化し、腐食、摩耗、断裂などの望ましくない状態が生じ、機器全体の有効性に影響を及ぼす可能性があり得る。例えば、非破壊検査技術又は非破壊試験(non-destructive testing、NDT)技術などの特定の検査技術が、望ましくない機器の状態を検出するために使用され得る。
【発明の概要】
【0002】
特定のNDTデバイスが、タービン並びに油及びガス機器などの複雑な機械の内部機構を観察するために使用され得る。NDTデバイス(すなわち、ボアスコープ、内視鏡など)は、機械全体を分解しつつ保守点検を実行するために、これらの複雑な機械を通して供給され得る。そのようなNDTデバイスは、これらの複雑な機械の小さな開口部を通して操作するために作動する能力を必要とする。したがって、NDTデバイスの操作性及び精度を向上させることが有益である。
【0003】
概して、非破壊試験デバイスを制御するためのシステム及び方法が提供される。
【0004】
一実施形態では、非破壊試験デバイスは、管状ハウジング及び複数の作動システムを含み得る。管状ハウジングは、近位端及び遠位端、近位端に配置された導管部、並びに導管部に固定され、遠位端に配置された屈曲可能な関節運動部を含み得る。複数の作動システムの各作動システムは、管状ハウジングに沿って延在し、屈曲可能な関節運動部内のそれぞれの周方向位置に配置された制御ケーブルと、管状ハウジングの近位端に配設され、制御ケーブルに固定されたアクチュエータと、を含み得る。
【0005】
別の実施形態では、複数の作動システムの各制御ケーブルの各周方向位置は、屈曲可能な関節運動部の周りで周方向に実質的に均等に離間し得る。
【0006】
別の実施形態では、複数の作動システムの各アクチュエータは、アクチュエータに固定された制御ケーブルを延出又は後退させるように構成され得る。
【0007】
別の実施形態では、複数の作動システムの各制御ケーブルは、独立して制御されるように構成され得る。
【0008】
別の実施形態では、複数の作動システムは、第1の作動システム、第2の作動システム、及び第3の作動システムを含み得る。
【0009】
別の実施形態では、屈曲可能な関節運動部は、第1の作動システムのみが作動するときに屈曲するように構成され得る。
【0010】
別の実施形態では、屈曲可能な関節運動部は、第2の作動システム及び第3の作動システムのみが同じ方向に作動するときに屈曲するように構成され得る。
【0011】
別の実施形態では、複数の作動システムの各制御ケーブルは、屈曲可能な関節運動部の外壁と内壁との間に形成されたチャネル内を延在し得る。
【0012】
別の実施形態では、複数の作動システムの各制御ケーブルの各周方向位置は、屈曲可能な関節運動部の周りで周方向に不均等に離間し得る。
【0013】
別の実施形態では、屈曲可能な関節運動部は、導管部を中心に実質的に360°の角度、関節運動するように構成され得る。
【0014】
別の実施形態では、非破壊試験デバイスは、管状ハウジングの遠位端に結合されたヘッド部と、管状ハウジングの近位端に結合された制御ユニットハウジングと、を更に含み得る。
【0015】
別の実施形態では、複数の作動システムの各アクチュエータは、制御ユニットハウジング内に配置され得る。
【0016】
非破壊試験デバイスを関節運動させるための方法も提供される。一実施形態では、方法は、複数の作動システムに通信可能に結合された制御ユニットによって、作動コマンドを受信することを含み得る。複数の作動システムの各々は、管状ハウジングに沿って延在し、管状ハウジング内のそれぞれの周方向位置に配置された制御ケーブルと、管状ハウジングの近位端に配設され、制御ケーブルに固定されたアクチュエータと、を含み得る。複数の作動システムは、管状ハウジングの屈曲可能な関節運動部を屈曲させるために作動コマンドに基づいて作動し得、各作動システムは、独立して動作可能であるように構成されている。
【0017】
別の実施形態では、複数の作動システムの各制御ケーブルの各周方向位置は、屈曲可能な関節運動部の周りで周方向に実質的に均等に離間し得る。
【0018】
別の実施形態では、複数の作動システムの各アクチュエータは、アクチュエータに固定された制御ケーブルを延出又は後退させるように構成され得る。
【0019】
別の実施形態では、複数の作動システムの各アクチュエータは、各制御ケーブルの張力を測定するように構成された力センサを含み得る。
【0020】
別の実施形態では、各制御ケーブルは、複数の作動システムの各制御ケーブルの張力に基づいて延出又は後退し得る。
【0021】
別の実施形態では、複数の作動システムは、第1の作動システム、第2の作動システム、及び第3の作動システムを含み得る。
【0022】
別の実施形態では、非破壊試験デバイスを関節運動させる方法は、第1の制御ケーブルに張力を印加するために第1の作動システムを作動させることが屈曲可能な関節運動部を第1の方向に屈曲させ、第2の制御ケーブル及び第3の制御ケーブルに張力を印加するために第2の作動システム及び第3の作動システムを作動させることが屈曲可能な関節運動部を第1の方向とは反対の第2の方向に屈曲させること、を更に含み得る。
【0023】
別の実施形態では、屈曲可能な関節運動部は、導管部を中心に実質的に360°の角度、関節運動するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の詳細な説明で使用される図面をより十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
【
図1】非破壊試験(NDT)デバイスの1つの例示的な実施形態の概略図である。
【
図2A】
図1のNDTデバイスの概略斜視図である。
【
図2D】NDTデバイスの1つの例示的な実施形態の断面概略図である。
【
図3A】NDTデバイスの1つの例示的な実施形態の概略図である。
【
図4】
図1~
図2CのNDTデバイスを作動させる方法の例示的な実施形態である。
【0025】
上記で参照した図面は必ずしも縮尺通りではなく、本開示の基本原理を例示する様々な特徴のいくらか簡略化された表現を提示することを理解されたい。例えば、特定の寸法、向き、位置、及び形状を含む、本開示の特定の設計特徴は、個々の意図された用途及び使用環境によって部分的に判定されることになる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
非破壊試験システム及びデバイスは、検査されるシステム及び/又はデバイスを破壊することなく、様々な機器及び施設を検査するために使用され得る。例として、NDTシステム及びデバイスは、機器及び施設の画像及びデータ、並びに機器及び施設の内部の画像及びデータを取得するためのカメラ及び他の測定デバイスを含み得る。使用中、機器及び施設内又は周囲の様々な場所に挿入され得る測定デバイス及びカメラ。測定デバイス及びカメラは、オペレータが測定デバイス及びカメラによって収集されたデータを見るため、並びに測定デバイス及びカメラを制御するために使用し得る、他のデバイスに遠隔で結合し得る。実施形態では、NDTシステム又はデバイスに関連付けられたボタン、ジョイスティック、及び/又はタッチスクリーン上での相対的制御ジェスチャが、資産内の撮像デバイスの位置決めを制御するために(例えば、撮像デバイスを第1の位置から第2の位置に移動させるために)使用され得る。
【0027】
NDTシステムを作動させるために、NDTシステムの遠位端を関節運動の様々な程度まで屈曲させ得る様々な位置決めシステムが使用され得る。例えば、複数のケーブルは、NDTシステムの長さに沿って延在し、NDTシステムの近位端に配置された様々なモータによって作動され得る。しかしながら、いくつかのケーブルシステムは、たるみがNDTシステムのケーブルに取り込まれることを可能にするような方式で作動し得るが、NDTシステムの精度及び性能の低下を引き起こす。例えば、機械の検査中、NDT機器の挿入管が大きく波打つことが一般的である。波打つと、摩擦によって器具の端部を関節運動させるためにより大きな力を必要とし、その結果、全ての典型的な4ワイヤステアリング実施形態においてケーブルのたるみが大きくなる。このタイプのたるみは、部分的に弾性ケーブル伸長及び弾性挿入管圧縮からであり、これは、NDTシステムの関節運動の応答性を低下させるが、ケーブルが弛緩するとシステムが跳ね返ることになるために永久的なものではない。加えて、NDTシステムの寿命にわたる通常の摩耗により、他の摩耗効果の中でもとりわけ、ケーブルが非弾性的に伸長し、挿入管が非弾性的に圧縮するために、ケーブルたるみが取り込まれ得る。本主題の実施形態では、各制御ケーブルは、別個に作動され得る別個のアクチュエータに結合される。各制御ケーブルが別個に制御可能であるため、各制御ケーブルは、同時に張力下にあり得、これにより、NDTデバイスのより大きな制御が可能になる。加えて、張力が制御ケーブル上で常に維持されるため、NDTシステムは通常の摩耗を本質的に補償し、システムの耐用年数にわたって一貫した性能を提供し得る。本発明はまた、システムにおける前述の弾性効果を補償するために使用中に大きく波打った挿入管によって引き起こされるケーブルのたるみを本質的に補償し得る。本発明の利点は、システムの挿入管が長いほど増加するが、それは、より長い挿入管が、例えば、より大きな非弾性ケーブル伸長及びより大きな挿入管圧縮を経験し得るためである。
【0028】
ここで
図1を参照すると、NDTデバイス100の概略図が概略的に描写されている。NDTデバイス100は、制御ユニット102、導管部104、屈曲可能な関節運動部106、及びヘッド部108を含む。部104、106、及び108の各々は、互いに一体であり得るか、又は特定の用途に応じて各部から取り外し可能な着脱式であり得る。例えば、より長い導管部104が必要である場合、より短い導管部104が取り外され得、より長い導管部104が制御ユニット102に取り付けられ得る。描写されているように、導管部104は、ターボ機械、機器、パイプ、導管、水中の場所、湾曲部、屈曲部の内部、航空機システムの内部又は外部など、様々な場所に挿入するのに好適である。
【0029】
更に
図1を参照すると、制御ユニット102は、制御ユニットハウジング110、コントローラ112、方向入力114、及びスクリーン116を含む。コントローラ112は、プロセッサ118と、NDTデバイス100を作動させるためにプロセッサ118によって実行され得るコンピュータ可読命令を含有する可読メモリ120とを含み得る。コントローラ112は、信号121を介して制御ユニット102に通信可能に結合されている。実施形態では、コントローラ112は、制御ユニットハウジング110内に配置され得るか、又は制御ユニットハウジング110の外側に配置され得る。方向入力114は、NDTデバイス100を作動させるために、ユーザが方向制御を制御ユニット102に入力するためのものである。スクリーン116は、ヘッド部108に配置された光センサによって受信される視覚情報を表示し得、これにより、ユーザは、方向入力114を使用してNDTデバイス100をより良好に誘導することが可能になる。実施形態では、方向入力114及びスクリーン116は、信号121を介してコントローラ112に通信可能に結合され、これは、有線接続、又はWI-FI(商標)若しくはBluetooth(商標)などの無線信号であり得る。
【0030】
更に
図1を参照すると、導管部104は、近位端124及び遠位端126を含む管状ハウジング122を含む。実施形態では、制御ユニット102は、管状ハウジング122の近位端124に配置され、屈曲可能な関節運動部106は、管状ハウジング122の遠位端に配置されている。管状ハウジング122は、その全長に沿って可撓性部材であり得るか、又は近位端124では剛性であり、導管部104の長さを遠位端126に向かってより進むにつれて可撓性になり得る。加えて、実施形態では、管状ハウジング122は、汚染物質が導管部104を介してNDTデバイス100に入るのを防止するために、非多孔質材料から形成され得る。
【0031】
更に
図1を参照すると、屈曲可能な関節運動部106は、屈曲可能なネック128及びワッシャ130を含む。屈曲可能なネック128は、管状ハウジング122の遠位端126に配置され、Y-Z平面で360°作動することができる。実施形態では、ワッシャ130は、揺動ワッシャであり得、これにより、屈曲可能なネック128が関節運動させられるときに、ワッシャ130は、互いに対して摺動し、屈曲可能な関節運動部106の形状を保つことが可能になる。ワッシャ130は、銅又はいくつかの他の好適な剛性材料とし、屈曲可能なネック128が関節運動することを可能にする角度付き表面を有し得る。屈曲可能なネック128は、汚染物質が屈曲可能な関節運動部106を介してNDTデバイス100に、具体的には屈曲可能なネック128の関節運動中にワッシャ130の間に入ることを防止するために、非多孔質材料で包まれ得る。
【0032】
更に
図1を参照すると、ヘッド部108は、ヘッドアセンブリ132を含む。ヘッドアセンブリ132は、1つ以上のライト134(例えば、LED又は近位端に光を有する光ファイバ束)と、カメラ136と、センサ138のうちの1つ以上とを含む。概して、ヘッド部108は、周囲環境に関するデータを収集する1つ以上のセンサ(例えば、センサ138、カメラ136など)を含む。
【0033】
上述のように、NDTデバイス100のカメラ136は、検査に適した画像及びビデオを制御ユニット102のスクリーン116に提供し得る。ライト134は、ヘッド部108が低光量又は無光量を有する場所に配設されているときに、照明を提供するために使用され得る。センサ138は、温度データ、距離データ、離間距離データ(例えば、回転要素と静止要素との間の距離)、流量データなどを含むデータを記録し得る。特定の実施形態では、NDTデバイス100は、複数の交換用ヘッドアセンブリ132を含む。例えば、ヘッドアセンブリ132は、スネア、磁気先端部、グリッパ先端部などの回収先端部を含み得る。ヘッドアセンブリ132は、ワイヤブラシ、ワイヤカッタなどの洗浄及び障害物除去ツールを追加的に含み得る。ヘッドアセンブリ132は、焦点距離、立体ビュー、三次元(3-dimensional、3D)位相ビュー、シャドウビューなど、異なる光学特性を有する先端を追加的に含み得る。追加的又は代替的に、ヘッド部108は、ヘッド部108の取り外し可能かつ交換可能な部分を含む。そのため、複数のヘッド部108、屈曲可能なネック128、及び導管部104は、約1ミリメートル~10ミリメートル以上の様々な直径で提供され得る。
【0034】
使用中、屈曲可能な関節運動部106は、例えば、方向入力114からの制御入力(例えば、相対的制御ジェスチャ、物理的操作デバイス)によって制御され得る。方向入力は、ジョイスティック、Dパッド、タッチパッド、トラックボール、光学センサ、又はスクリーン116上のタッチスクリーンであり得る。方向入力114はまた、制御ユニットハウジング110の外側に位置し、有線手段又は無線手段によって接続された類似のデバイスであり得る。特に、一組の制御入力は、屈曲可能な関節運動部106を制御するために使用され得る。屈曲可能な関節運動部106は、様々な次元に操縦又は「屈曲」され得、ヘッド部108の向き(例えば、位置決め)を調整するために制御ユニット102内に配置されたアクチュエータ及びワイヤ、又はそれらの組み合わせを使用し得る。アクチュエータは、電気、空気圧、若しくは超音波で動作するモータ若しくはソレノイド、形状合金、電気活性ポリマ、誘電性エラストマ、ポリマ筋肉材料、又は他の材料であり得る。例えば、屈曲可能な関節運動部106は、X-Y平面、X-Z平面、及び/又はY-Z平面におけるヘッド部108の移動を可能にし得る。実際に、方向入力114は、描写されている角度αなどの様々な角度でヘッド部108を配設するのに好適な制御動作を実行するために使用され得る。このようにして、ヘッド部108は、所望の場所を視覚的に検査するために位置決めされ得る。ヘッド部108が所望の位置にあると、カメラ136は、例えば、静止視覚画像又は連続視覚画像を取り込むように動作し得、これを、制御ユニット102のスクリーン116上に表示し得、NDTデバイス100によって記録し得る。実施形態では、スクリーン116は、スタイラス及び/又は1本以上の人間の指のタッチを検出するために、静電容量技術、抵抗技術、赤外線グリッド技術などを使用するマルチタッチタッチスクリーンであり得る。追加的又は代替的に、取り込まれた視覚画像は、後で参照するために別個の記憶デバイスに送信され得る。
【0035】
ここで
図2Aを参照すると、NDTデバイス100の斜視図が、制御ユニットハウジング110なしで描写されている。制御ユニット102は、制御ユニットハウジング110内にともに配置された複数の作動システム140を含む。複数の作動システム140の各作動システムは、管状ハウジング122に沿って延在し、管状ハウジング122内のそれぞれの周方向位置に配置された制御ケーブルと、管状ハウジング122の近位端124に配設され、制御ケーブルに固定されたアクチュエータとを含む。例えば、描写されているように、複数の作動システム140は、アクチュエータ142A、144A、及び146Aを含む。
【0036】
更に
図2Aを参照すると、アクチュエータ142Aは、ロータ142B、力センサ142C、及び制御ケーブル142Dを含む。アクチュエータ142Aが力センサ142Cに取り付けられているため、張力が制御ケーブル142Dに加えられると、制御ケーブル142Dの張力は、力センサ142Cによって測定され得る。ロータ142Bは、アクチュエータ142Aに回転不能に接続されている。アクチュエータ142Aがコントローラ112から制御信号121を受信すると、ロータ142Bは、アクチュエータ142Aによって回転させられる。追加的に、制御ケーブル142Dがロータ142Bに固定されているため、ロータ142Bが回転すると、制御ケーブル142Dは、ロータ142Bに巻き戻されるか又は巻き取られることによって、それぞれ延出又は後退させられる。制御ケーブル142D、144D、及び146Dが屈曲可能な関節運動部106に固定されているため、少なくとも1本の制御ケーブルが延出又は後退させられると、屈曲可能な関節運動部106は、ある程度まで関節運動させられる。
【0037】
更に
図2Aを参照すると、アクチュエータ144Aは、ロータ144B、力センサ144C、及び制御ケーブル144Dを含む。アクチュエータ144Aが力センサ144Cに取り付けられているため、張力が制御ケーブル144Dに加えられると、制御ケーブル144Dの張力は、力センサ144Cによって測定され得る。ロータ144Bがアクチュエータ144Aに回転不能に接続されているため、アクチュエータ144Aがコントローラ112から制御信号121を受信すると、ロータ144Bは、アクチュエータ144Aによって回転させられる。加えて、制御ケーブル144Dがロータ144Bに固定されているため、ロータ144Bが回転すると、制御ケーブル144Dは、ロータ144Bに巻き戻されるか又は巻き取られることによって、それぞれ延出又は後退させられる。
【0038】
更に
図2Aを参照すると、アクチュエータ146Aは、ロータ146B、力センサ146C、及び制御ケーブル146Dを含む。アクチュエータ146Aが力センサ146Cに取り付けられているため、張力が制御ケーブル146Dに加えられると、制御ケーブル146Dの張力は、力センサ142Cによって測定され得る。ロータ146Bがアクチュエータ146Aに回転不能に接続されているため、アクチュエータ146Aがコントローラ112から制御信号121を受信すると、ロータ146Bは、アクチュエータ146Aによって回転させられる。加えて、制御ケーブル146Dがロータ146Bに固定されているため、ロータ146Bが回転すると、制御ケーブル146Dは、ロータ146Bに巻き戻されるか又は巻き取られることによって、それぞれ延出又は後退させられる。
【0039】
更に
図2Aを参照すると、各アクチュエータ142A、144A、及び146Aは、互いに対して独立して制御され得る。これにより、各個々の制御ケーブル142D、144D、及び146Dが、NDTデバイス100の屈曲可能な関節運動部106を作動させるために、独立して制御される(すなわち、延出又は後退させられる)ことが可能になる。各制御ケーブル142D、144D、及び146Dは、近位端124で管状ハウジング122に入り、開口152が中に配置されたガイド150によって支持されている。実施形態では、屈曲可能な関節運動部106は、単一のアクチュエータ142A、144A、及び146Aのみが、対応する制御ケーブル142D、144D、及び146Dを延出又は後退させるように作動するときに線L
1、L
2、及びL
3に沿って屈曲する。加えて、アクチュエータ142A、144A、及び146Aの組み合わせが作動する場合、屈曲可能な関節運動部106は、角度α
1、α
2、及びα
3に沿って屈曲し得る。これにより、屈曲可能な関節運動部が、3つの作動システム140のみで、Y-Z平面において360°関節運動を達成することが可能になる。各作動システム140が単一の制御ケーブルに固定されているため、遅れ又は追加のたるみは、屈曲可能な関節運動部106の関節運動中にシステムに取り込まれない。これにより、関節運動中にたるみを制御ケーブルに取り込むデバイスと比較して、NDTデバイス100のより優れた制御及び精度が可能になる。
【0040】
ここで
図2Bを参照すると、概して
図2Aの線2B-2Bに沿った、NDTデバイス100の(
図1に示されるような)導管部104の断面概略図が描写されている。描写されているように、制御ケーブル142D、144D、及び146Dは、管状ハウジング122内の導管部104の長さに沿ってシース142E、144E、及び146Eを通過する。シース142E、144E、及び146Eは、ガイド150及び屈曲可能なネック128の第1のワッシャ130に固定され得るが、内壁122Bに固定されていない。作業容積153は、管状ハウジング122の内壁122B内に配置されている。管状ハウジング122の外壁122Aは、管状ハウジング122の内部構成要素を保護する。実施形態では、電気ケーブル10又は光ファイバ12などの様々な物体もまた、管状ハウジング122の長さに沿って作業容積153内に配置され得る。シース142E、144E、及び146Eは、制御ケーブル142D、144D、及び146Dが屈曲可能なネック128を屈曲させるように作動するときに、電気ケーブル10又は光ファイバ12に対する摩耗を防止し得る。
【0041】
ここで
図2Cを参照すると、概して
図2Aの線2C-2Cに沿った、NDTデバイス100の(
図1に示されるような)屈曲可能な関節運動部106の断面概略図が示されている。描写されているように、制御ケーブル142D、144D、及び146Dは、それぞれチャネル142F、144F、及び146Fを有し、屈曲可能なネック128の外壁128A内にスタックされたワッシャ130のスタックを通過する。実施形態では、各チャネル142F、144F、及び146F、したがって対応する制御ケーブル142D、144D、及び146Dは、屈曲可能なネック128内の周方向位置に配置されている。制御ケーブル142D、144D、及び146Dの周方向位置は、屈曲可能なネック128の周りで周方向に実質的に均等に離間し得る。作業容積154は、屈曲可能なネック128内に配置され、揺動ワッシャの内壁122Bによって境界付けられている。作業体積は、(
図2Aに示されるように)ツール及びデバイス10、12が、近位端124から遠位端126まで屈虚可能なネック128及び管状ハウジング122を通り、屈曲可能な関節運動部106を通り、ヘッド部108を通ることを可能にするために、(
図1に示されるように)屈曲可能な関節運動部106及び導管部104の全長に延在する。屈曲可能な関節運動部106を作動させるために3つの制御ケーブル142D、144D、及び146Dのみが必要とされる実施形態では、
図3Bに示されるように、4つの制御ケーブルを必要とする実施形態と比較して、より大きな作業容積154が、管状ハウジング122及び屈曲ネック128内に存在する。
【0042】
更に
図2Cを参照すると、制御ケーブル146Dのみがアクチュエータ146Aによって後退させられ、制御ケーブル142D及び144Dが張力をかけられた状態に維持されているとき、屈曲可能な関節運動部106は、線L
1沿って屈曲することになる。制御ケーブル144Dのみがアクチュエータ144Aによって後退させられ、制御ケーブル142D及び146Dが張力をかけられた状態に維持されているとき、屈曲可能な関節運動部106は、線L
3に沿って屈曲することになる。制御ケーブル142Dのみがアクチュエータ142Aによって後退させられ、制御ケーブル144D及び146Dが張力をかけられた状態に維持されているとき、屈曲可能な関節運動部106は、線L
2に沿って屈曲することになる。制御ケーブル142D及び144Dのみがアクチュエータ142A及び144Aによってそれぞれ後退させられ、制御ケーブル146Dが張力をかけられた状態に維持されているとき、屈曲可能な関節運動部106は、線L
1とは反対に180°屈曲することになる。
【0043】
実施形態では、屈曲可能な関節運動部106が関節運動させられるとき、コントローラ112は、各力センサ142C、144C、及び146Cからの力測定値を受信する。制御ケーブル142D、144D、又は146Dが屈曲可能な関節運動部106を屈曲させるために後退させられるため、後退させられていない制御ケーブルは、関節運動を補助するために延出させられ得る。関節運動中、後退させられている制御ケーブルの張力は、10~50lbfの範囲、及び好ましくは20~42lbfの範囲であり得るが、延出させられている制御ケーブルの張力は、0~5lbfの範囲、及び好ましくは0.5~1lbfの範囲であり得る。制御ケーブル142D、144D、及び146Dは、ステンレス鋼、タングステン、又は別の好適な材料から作製され得る。加えて、制御ケーブル142D、144D、及び146Dは、1~100フィートの範囲の長さを有し、0.014インチの直径を有し得る。
【0044】
ここで
図2Dを参照すると、導管部104’の断面概略図が描写されている。導管部104’は、チャネル142F’、144F’、及び146F’の周方向位置を除いて、
図2Cに描写される導管部104と類似であることに留意されたい。屈曲可能な関節運動部106’は、屈曲可能なネック128’の周りで周方向に均等に離間していないチャネル142F’、144F’、及び146F’を含む。チャネル142F’、144F’、及び146F’は、非対称的に離間しており、α
1’はα
2’に等しいが、α
3’はα
1’及びα
2’より大きい。この配置により、異なる形状の作業容積154’が可能になり、α
3’によって境界付けられる作業容積154’は、
図2Bのα
3によって境界付けられる作業容積154’の一部分よりも大きい。これにより、屈曲可能なネック128と比較して、より大きなツール又はデバイスが屈曲可能なネック128’を通して供給されることが可能になる。より大きな作業容積154’はまた、製品の能力及び性能を向上させるために、追加の電気ケーブル10又は光ファイバ12のために使用され得る。
【0045】
ここで
図3Aを参照すると、NDTデバイス200の概略図が描写されている。NDTデバイス200は、複数の作動システム240及び制御ケーブルを除いて、
図1に描写されるNDTデバイス100と類似であることに留意されたい。NDTデバイス200は、導管部204、屈曲可能な関節運動部206、及びヘッド部208を含む。導管部は、近位端224から遠位端226まで延在する管状ハウジング222を含む。屈曲可能な関節運動部206は、屈曲可能なネック228及びワッシャ230を含む。ヘッド部208は、ライト234、カメラ236、及びセンサ238を含むヘッドアセンブリ232を含む。複数の作動システム240は、屈曲可能なネック228を関節運動させるために制御ケーブルを作動させるように配置されている。関節運動アセンブリ242は、アクチュエータ242A、ロータ242B、制御ケーブル242C、及び制御ケーブル242Dを含む。関節運動アセンブリ244は、アクチュエータ244A、ロータ244B、制御ケーブル244C、及び制御ケーブル244Dを含む。単一のロータ242B、244Bを有する配置は、2つの別個の制御ケーブル242C、242D、及び244C、244Dを制御し、同時にたるみをシステムに取り込む。例えば、ロータ242Bが時計回りに回転すると、制御ケーブル242Dは張力をかけられた状態になり、制御ケーブル242Cは張力の損失によってたるむ。これにより、NDTデバイス200の精度及び反応時間が低減され、制御ケーブルのたるみが経時的に発生するにつれて、システムが制御ケーブルの弛みを吸収することができないことに起因して、デバイス寿命の短縮につながり得る。
【0046】
ここで
図3Bを参照すると、
図3Aの線3B-3Bに沿った屈曲可能な関節運動部206の断面概略図が示されている。制御ケーブル242C、242D、244C、及び244Dは、導管部204及び屈曲可能な関節運動部206に沿って管状ハウジング222内に、かつ屈曲可能なネック228の外壁222A内にスタックされたワッシャ230内に形成されたチャネル242E、242F、244E、及び244Fを通って延在している。制御ケーブル242C、242D、244C、及び244Dの直径構成により、屈曲可能な関節運動部206は、単一の制御ケーブルに張力を印加し、張力をかけられた制御ケーブルとは真反対の制御ケーブルをたるませることによって、線L
4、L
5、L
6、又はL
7に沿って単一の方向に関節運動させられる。屈曲可能な関節運動部206を角度β
1、β
2、β
3、又はβ
4に沿って関節運動させるために、少なくとも2つの制御ケーブルが張力をかけられなければならず、残りの2つの制御ケーブルは、追加の張力に対応するようにたるまされている。
【0047】
ここで
図4を参照すると、非破壊試験デバイスを関節運動させる方法300が描写されている。工程302において、複数の作動システムに通信可能に結合された制御ユニットが、作動コマンドを受信する。制御ユニット102の方向入力114が、作動コマンドを生成するために使用され得、作動コマンドは、次いで、複数の作動システム140に変換される。工程304において、屈曲可能な関節運動部を第1の方向に屈曲させるために、第1の作動システムを作動させて、第1の制御ケーブルに張力を印加する。上述のように、制御ケーブル146Dのみがアクチュエータ146Aによって後退させられ、制御ケーブル142D及び144Dがそれぞれアクチュエータ142A及び144Aによって延出させられて張力を開放すると、屈曲可能な関節運動部106は、線L
1に沿って屈曲することになる。実施形態では、制御ケーブル146Dが後退させられる距離は、制御ケーブル142D及び144Dが延出させられる距離と実質的に等しい。工程306において、関節運動部を第1の方向とは反対の第2の方向に屈曲させるために、第2の作動システム及び第3の作動システムを作動させて、第2の制御ケーブル及び第3の制御ケーブルに張力を印加する。上述のように、制御ケーブル142D及び144Dのみがアクチュエータ142A及び144Aによってそれぞれ後退させられ、制御ケーブル146Dがアクチュエータ146Aによって延出させられて張力を開放すると、屈曲可能な関節運動部106は、線L
1とは反対に180°屈曲することになる。複数の作動システム140の各作動システムは、独立して動作可能であるように構成されている。
【0048】
本明細書に掲げられるように、本開示の例示的な実施形態によるNDTデバイスは、近位端及び遠位端を含む管状ハウジングを含む。導管部は、近位端に配置され、屈曲可能な関節運動部は、導管部に固定され、遠位端に配置されている。複数の作動システムの各々、管状ハウジングに沿って延在し、管状ハウジングの屈曲可能なネック内のそれぞれの周方向位置に配置された制御ケーブルと、管状ハウジングの近位端に配設され、制御ケーブルに固定されたアクチュエータとを含む。本開示の用途は、NDT目的のためのボアスコープ、内視鏡などにおける使用を含む。
【0049】
本開示は、本明細書に記載の例示的な実施形態に限定されず、変形形態及び修正形態で具現化され得る。例示的な実施形態は、単に、当業者が本開示の範囲を理解することを可能にするために提供され、本開示の範囲は、特許請求の範囲によって定義されることになる。そのため、いくつかの実施形態では、プロセスの周知の動作、周知の構造、及び周知の技術の動作は、本開示の理解を不明瞭にすることを回避するために、詳細に記載されていない。本明細書全体を通して、同じ参照番号は同じ要素を指す。
【0050】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的としており、本開示を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」という用語は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しないことが更に理解されよう。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のいずれか及び全ての組み合わせを含む。
【0051】
特に明記しない限り、又は文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当該技術分野における通常の許容範囲内、例えば、平均の2標準偏差内であると理解される。「約」は、記述された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%以内として理解され得る。文脈から別途明らかでない限り、本明細書で提供される全ての数値は、「約」という用語によって修飾される。
【0052】
以上、本開示は、具体的な構成要素などの特定の事項、例示的な実施形態、及び図面によって記載されているが、これらは、単に、本開示の全体的な理解を助けるために提供されるものである。したがって、本開示は、例示的な実施形態に限定されない。本開示が属する技術分野の当業者は、この記載から、様々な修正及び変更を行い得る。したがって、本開示の思想は、上記の例示的な実施形態に限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲、並びに特許請求の範囲に等しく又は同等に修正された全ての技術的思想は、本開示の範囲及び思想に含まれると解釈されるべきである。
【国際調査報告】